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モララーのビデオ棚in801板67

1風と木の名無しさん :2012/02/18(土) 14:50:09.38 ID:w09eWT590
   ___ ___  ___
  (_  _)(___)(___)      / ̄ ̄ヽ
  (_  _)(__  l (__  | ( ̄ ̄ ̄) | lフ ハ  }
     |__)    ノ_,ノ__ ノ_,ノ  ̄ ̄ ̄ ヽ_ノ,⊥∠、_
         l⌒LOO (  ★★) _l⌒L ┌'^┐l ロ | ロ |
   ∧_∧| __)( ̄ ̄ ̄ )(_,   _)フ 「 | ロ | ロ |
  ( ・∀・)、__)  ̄フ 厂  (_,ィ |  </LトJ_几l_几! in 801板
                  ̄       ̄
        ◎ Morara's Movie Shelf. ◎

モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。

   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  |[]_||  |      | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  | ]_||
   |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
   |[][][]._\______   ____________
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  |[]_|| / |/    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.||  |[]_||
    |[][][][][][][]//||  | ̄∧_∧     |[][][][][][][][].||  |  ̄
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  | ( ・∀・ ) _ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.||  |
   |[][][][][][][][]_|| / (    つ|8l|.|[][][][]_[][][]_.|| /
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    | | |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    (__)_)
前スレ
モララーのビデオ棚in801板66
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/801/1316072222/

ローカルルールの説明、およびテンプレは>>2-9のあたり

保管サイト(携帯可/お絵描き掲示板・うpろだ有)
http://morara.kazeki.net/



2風と木の名無しさん :2012/02/18(土) 14:52:53.82 ID:w09eWT590
★モララーのビデオ棚in801板ローカルルール★

1.ノンジャンルの自作ネタ発表の場です。
書き込むネタはノンジャンル。SS・小ネタ・AAネタ等801ネタであれば何でもあり。

(1)長時間(30分以上)に及ぶスレ占拠防止のためリアルタイムでの書き込みは控え、
   あらかじめメモ帳等に書いた物をコピペで投下してください。
(2)第三者から見ての投下終了判断のため作品の前後に開始AAと終了AA(>>4-7辺り)を入れて下さい。
(3)作品のナンバリングは「タイトル1/9」〜「タイトル9/9」のように投下数の分数明記を推奨。
   また、複数の書き手による同ジャンルの作品判別のためサブタイトルを付けて頂くと助かります。
(4)一度にテンプレAA含め10レス以上投下しないで下さい(連投規制に引っかかります)
  長編の場合は10レス未満で一旦区切り、テンプレAAを置いて中断してください。
  再開はある程度時間をおき、他の投稿者の迷惑にならないようにして下さい。
(5)シリーズ物の規制はありませんが、連投規制やスレ容量(500KB)を確認してスレを占拠しないようお願いします。
   また、長期連載される書き手さんはトリップを付ける事を推奨します。
(参照:トリップの付け方→名前欄に「#好きな文字列」をいれる)
(6)感想レスに対するレス等の馴れ合いレス応酬や、書き手個人への賞賛レスはほどほどに。
   作品について語りたいときは保管庫の掲示板か、作品が収録されたページにコメントして下さい。

※シリーズ物の規制はありませんが、連投規制やスレ容量(500KB)を確認してスレを占拠しないようお願いします。
※感想レスに対するレス等の馴れ合いレス応酬はほどほどに。
※「公共の場」である事を念頭にお互い譲り合いの精神を忘れずに。

相談・議論等は避難所の掲示板で
http://bbs.kazeki.net/morara/

■投稿に当たっての注意
1レスあたりの最大行数は32行、タイトルは全角24文字まで、最大byte数は2048byte、
レス投下可能最短間隔は30秒ですが、Samba規定値に引っかからないよう、一分くらいがベターかと。
ご利用はテンプレをよくお読みの上、計画的に。



3風と木の名無しさん :2012/02/18(土) 14:53:30.85 ID:w09eWT590
2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリー物であろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。

  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
  | いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
  \                           | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| . |
                               | | [][] PAUSE       | . |
                ∧_∧         | |                  | . |
          ┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ      | |                  | . |
          | |,,  (    つ◇       | |                  | . |
          | ||―(_ ┐┐―||        |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   |
          | ||   (__)_), ||       |  °°   ∞   ≡ ≡   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



4風と木の名無しさん :2012/02/18(土) 14:54:12.22 ID:w09eWT590
3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。

別に義務ではないけどね。

テンプレ1

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  モララーのビデオを見るモナ‥‥。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  きっと楽しんでもらえるよ。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |




5風と木の名無しさん :2012/02/18(土) 14:54:36.05 ID:w09eWT590
テンプレ2
          _________
       |┌───────┐|
       |│l> play.      │|
       |│              |│
       |│              |│
       |│              |│
       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
   ∧∧
   (  ,,゚) ピッ   ∧_∧   ∧_∧
   /  つ◇   ( ・∀・)ミ  (`   )
.  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |            ┌‐^──────────────
  └──────│たまにはみんなと一緒に見るよ
                └───────────────
          _________
       |┌───────┐|
       |│ロ stop.      │|
       |│              |│
       |│              |│
       |│              |│
       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]

                 ピッ ∧_∧
                ◇,,(∀・  ) ヤッパリ ヒトリデコソーリミルヨ
.  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |                                |
  └────────────────┘






6風と木の名無しさん :2012/02/18(土) 14:55:11.59 ID:w09eWT590
テンプレ3
               ,-、
                 //||
            //  .||               ∧∧
.          // 生 ||             ∧(゚Д゚,,) < みんなで
        //_.再   ||__           (´∀`⊂|  < ワイワイ
        i | |/      ||/ |           (⊃ ⊂ |ノ〜
         | |      /  , |           (・∀・; )、 < 見るからな
       .ィ| |    ./]. / |         ◇と   ∪ )!
      //:| |  /彳/   ,!           (  (  _ノ..|
.    / /_,,| |,/]:./   /            し'´し'-'´
  /    ゙  /  /   /                    ||
 | ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./   /                 /,!\
 |         |   /                   `ー-‐'´
 |         | ./
 |_____レ"
               ,-、
                 //||
            //  .||               ∧∧
.          // 止 ||             ∧(゚Д゚,,) < やっぱり
        //, 停   ||__           (´∀`⊂|  < この体勢は
        i | |,!     ||/ |           (⊃ ⊂ |ノ〜
         | |      /  , |           (・∀・; )、 < 無理があるからな
       .ィ| |    ./]. / |         ◇と   ∪ )!
      //:| |  /彳/   ,!           (  (  _ノ..|
.    / /_,,| |,/]:./   /            し'´し'-'´
  /    ゙  /  /   /                    ||
 | ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./   /                 /,!\
 |         |   /                   `ー-‐'´
 |         | ./
 |_____レ





7風と木の名無しさん :2012/02/18(土) 14:55:41.95 ID:w09eWT590
テンプレ4

携帯用区切りAA

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

中略

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

中略

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!





8風と木の名無しさん :2012/02/18(土) 14:56:14.83 ID:w09eWT590
 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | 僕のコレクションに含まれてるのは、ざっと挙げただけでも
 |
 | ・映画、Vシネマ、OVA、エロビデオとかの一般向けビデオ
 | ・僕が録画した(またはリアルタイムな)TV放送
 | ・裏モノ、盗撮などのおおっぴらに公開できない映像
 | ・個人が撮影した退屈な記録映像、単なるメモ
 | ・紙メディアからスキャニングによって電子化された画像
 | ・煽りや荒らしコピペのサンプル映像
 | ・意味不明、出所不明な映像の切れ端
 \___  _____________________
       |/
     ∧_∧
 _ ( ・∀・ )
 |l8|と     つ◎
  ̄ | | |
    (__)_)
       |\
 / ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | 媒体も
 | 8mmフィルム、VCR、LD、ビデオCD、DVD、‥‥などなど
 | 古今東西のあらゆるメディアを網羅してるよ。





9風と木の名無しさん :2012/02/18(土) 14:57:03.02 ID:w09eWT590
   |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   じゃ、そろそろ楽しもうか。
   |[][][]__\______  _________
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |       |/
    |[][][][][][][]//|| |  ∧_∧
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ )
   |[][][][][][][][]_||/ (     )
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   | | |
              (__)_)





10風と木の名無しさん :2012/02/18(土) 22:25:17.52 ID:ZVE5GIiC0
>>1乙!

11風と木の名無しさん :2012/02/19(日) 11:42:49.73 ID:eYiOAelHO
>>1乙です
即死とか大丈夫かな?

12風と木の名無しさん :2012/02/19(日) 23:12:29.12 ID:gP2/7cBX0
>>1おつです

即死って何レスだっけ?
今平気ならもう平気なのかな
3レスで済みそうなSSを数日考えてたけど何もでてこなかったので
とりあえず保守orz

13風と木の名無しさん :2012/02/20(月) 00:57:26.94 ID:ZlhE3Ybo0
保守

14風と木の名無しさん :2012/02/20(月) 01:32:50.00 ID:tUg2c5Dc0
>>1
一応保守

15風と木の名無しさん :2012/02/20(月) 13:41:48.36 ID:alhO3mv20
>>1
同じく保守 

16風と木の名無しさん :2012/02/20(月) 21:14:39.58 ID:5nVuCsug0
保守

17元分析官の災難 1/5 :2012/02/21(火) 01:17:19.84 ID:PCsO/wGYO
保守がてら投下します。
半生注意。洋画「三ッツョン淫ポッツブル:幽霊プ口卜コル」部ラン卜受け。
海外映画スレ555さんが元ネタです。それ以外にもちょこちょこ書き込みを参考にさせてもらってます。
ちょっと長くなりそうなので分けて投下。今回投下分にはエロありません。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「今度は僕が金持ちの男を誘惑する」――確かに僕はそう言った。それは認める。
だけどそれっていわゆる言葉のアヤってやつで、散々な目に遭ったからつい口から出たっていうか…
とにかく、本当にその気があったわけじゃない。第一そんな状況になることなんてないと思ってたし。
だから今僕が置かれている状況もきっと何かの間違いで、
「さぁ、これから長く楽しい夜を過ごそう……君と私の二人だけで」
目の前にいる大富豪の男に抱き寄せられてベッドに横たえられそうになってるなんてあり得ない。
「う…っは、ぁ……」
変な薬を盛られて抵抗もできないまま身体が蕩けそうになってるなんて、絶対嘘に決まってる!
(誰か助けて…!!)

ことの発端は一時間前に遡る。今回のミッションはIT関連事業で大成功を収めたとある実業家のPCから顧客データを抜き取ること。
彼は裏の世界にもかなり通じていて、取引相手の中には過激な連中を援助している者もいる。
彼らの足取りを掴み身柄を押さえるための重要な任務だ。
今日はその実業家が手に入れた数十億ドルの大豪邸で盛大なパーティーが行われる。
実業家はサイバー関係のスペシャリストで、会社のセキュリティーは万全で隙がない。
ベンヅ一ほどのプロでもそこのサーバーへ侵入するのは難しいそうだ。だが彼は最近購入したこの豪邸に自宅を移したばかりで、
セキュリティーのレベルは決して低くはないがまだまだ隙が多いらしい。そこを狙うという筋書きだ。
各々の担当は、イ一サソ(ジュピター)がサーバールームへの潜入とベンヅ一のサポート、
ベンヅ一(プルート)がサーバーへのハッキングとデータの抜き取り、
ヅェ一ン(ヴィーナス)がターゲットの足止め、そして僕(サターン)は…裏方だ。
会場にいるターゲットやその取引相手達の動向をチェックして報告するとか…まぁそんな役だ。

18元分析官の災難 2/5 :2012/02/21(火) 01:19:16.79 ID:PCsO/wGYO
今回はインドの時みたいにやたらとアクロバティックなことは必要ないらしい。全く残念だ。
「こちらジュピター。準備はいいか」
「プルート了解。いつでもいいぜ」
「ヴィーナス、配置に着いたわ」
「サターン異常なし。感度も良好だ」
「よし。行動開始だ」
そうしてミッションが始まった。直接重要な部分には関わらないとはいえ、僕も気を引き締めて
周囲の様子を警戒しながらゆっくりとパーティー会場の喧騒の中に紛れていく。
しかしまさかまた現場に戻るなんて思ってもみなかった。しかもあのイ一サソ・八ン卜のチームの一員として。
前回の一件で思い知らされたけど、いくらデスクワークに没入しようと
僕の中のエージェントとしての部分が消えることはないみたいだ。
それが良いことなのか悪いことなのかはわからないけど、そのおかげで自分の身は自分で守れるんだからまあ良しとしよう。
エージェント時代に身に付けたノウハウがあれば、大抵のことは切り抜けられるはずだし。
そんなことを考えたりしながら、ミッション開始から十分ほど過ぎた時だ。突然焦ったような声で通信が入ってきた。
「サターン!サターン!今どこだ!?」
「今はバーカウンターの近くだけど…どうした?」
「緊急事態だ。ヴィーナスと交代しろ」
「何かあったのか!?」
もしかして目的に勘付かれて襲われでもしたんだろうか。
思わず身体を緊張させると、当の本人からも通信が入ってきた。
「私じゃダメなの。ターゲットを足止めできない!」
「足止めできないってどういうことだ?怪我でもしたのか!?」
「いいえ、そうじゃないの。私は大丈夫だけど…」
「あー、その…アレだ。ヴィーナスじゃダメなんだ」
僕達の会話にベンヅ一が割り込んでくる。心なしか気まずそうな空気を感じる。どういうことだ?
「『ヴィーナスじゃダメ』?何なんだ、分かるように説明してくれないか?」
「だからそのー…」
「彼はゲイなの!」
口ごもるベンヅ一を押しのけるような、切羽詰ったヅェ一ンの言葉に耳を疑った。彼が……何だって?
「タイミングを計りながら様子を見てたんだけど、彼誘ってくる女性を全部あしらってるの。
私もやってみたけどダメだった。そしたら彼の側近が『残念ながら彼は女性に興味がないんです』って…」

19元分析官の災難 3/5 :2012/02/21(火) 01:20:50.94 ID:PCsO/wGYO
「つまり、”彼女”は大の男好きなんだとさ。参ったなこりゃ」
「え……それ本当か?間違いないのか?」
確認しなくても恐らく事実だろうと薄々は気付いてたけど、だからってそんなの簡単に納得できるわけがない。
そんな僕を急かすようにイ一サソから通信が入る。
「時間がないサターン。君が足止めするんだ」
「ぼっ、僕が!?」
つい大声を出しかけて咳き込んだふりでごまかした。
一瞬集まった視線が外れるのを待って悪足掻きと知りつつも一応他の案を提示してみた。
「いや、っでも男は三人いるし、第一君の方がずっとハンサムじゃないか!
…そうだ、プルートの方が可愛げがあっていいんじゃないかな?」
「そりゃー俺が魅力的なのは知ってるけどさ、俺パソコン係だし」
「僕はサーバールームに潜入しなきゃならない」
「う……」
どこか既視感のあるやりとりにぐうの音も出ない。
あぁ本当はわかってるよ。状況的にも僕がやるしかないことくらいわかってる。わかってるんだけど…!
「……っ!」
「サターン!悩んでる時間はないぞ!」
「ええ、彼会場を出て行こうとしてるみたい」
「おいおいおいマズイって!何とかしろよサターン!」
「―――っ分かった!!分かったよ、行くよ!」
皆の声に急き立てられるように僕は覚悟を決めた。
周囲を見渡し、会場の壁に掛けられた時価数千万ドルの絵画の前にいるターゲットを視認する。
一番近い出入り口に向かうためには人ごみをかき分けて会場を横切っていく必要がある。そこを狙おう。
「あー…ヴィーナス、何かアドバイスとかないか?こういうのには不慣れで…」
「無理に誘惑しようとしなくてもいいわ。何気ない会話から相手の得意分野に持っていって
話を続けさせるだけでもどうにか時間を稼げるんじゃないかしら」
「こっちもできるだけ急いで終わらせるようにするから、何とか引き止めといてくれ」
「わかった。とにかくやってみるよ」
「頼んだぞサターン」
背中を押してくれる皆の声が頼もしいよ…本当に。
僕は動揺を隠すように軽くストレッチして、力んでしまった身体をリラックスさせてみる。
ネクタイの歪みやスーツの乱れを直し、最後に一度大きく深呼吸をして腹を括った。
さぁ、ミッション開始だ。

20風と木の名無しさん :2012/02/21(火) 01:55:52.41 ID:ibho+w4y0
しえん?

21元分析官の災難 4/5 :2012/02/21(火) 01:57:14.76 ID:PCsO/wGYO
何気ない風を装い、通りかかったウェイターからワインを受け取る。
一口含んで気分を落ち着かせながらターゲットが動き出すのを待った。
取引相手と思われる老紳士との会話が終わり、握手をして二人は別れた。
僕は接近しながら彼の姿を観察する。身長は185センチくらい、彫りの深い造りの顔で
やや長めの睫毛に縁取られた深緑の瞳が一際目を引く。
ダークブラウンの髪はきちんと撫で付けられ、整った顔立ちを更に引き立てている。
何ていうか…羨ましくなるくらい格好良い。ベビーフェイスだとからかわれた過去がある僕としては特に。
……そのベビーフェイスをこのミッションに活かせないだろうか。ふと思い付いてはみたものの、
どうやればいいのかさっぱりわからない。考えがまとまらないことに焦って喉が渇く。
手にしていたグラスの中身が無くなったことに僕より早く気付き、行き届いたサービスで
ウェイターから差し出されたワインを貰って振り向いた瞬間、目の前にいた男性とぶつかってしまった。
「ぅわっ!」
ぶつかった拍子に零れたワインが、相手の真っ白なスーツに赤い染みとなって広がっていく。
こんな大事な時に何をやってるんだ僕は…!!
「あぁ!!すみません!ワインが…!!」
すっかり動揺してしまった僕は謝りながら、怒っているだろう相手の顔を見る。
そこに立っていたのは何と今回のターゲットであるあの実業家だった。
彼は穏やかな表情を崩さずにこちらを見ている。これはマズいか…?
――いや、これはチャンスだ。確実に彼を引き止める口実ができたじゃないか!
「本当に申し訳ありません!あの、クリーニング代は弁償しますので…」
なんとか気持ちを落ち着かせながら謝り続け、ハンカチでワインをわざと広げるように拭き取ろうとする。
だがその動きに気付いた彼は僕の手を取って拭うのを止めさせた。
「それでは染みが広がってしまう」
「…っ」
追い払われるかもしれない、と僕は少しだけ身体を硬くする。もしそうなったら全てが水の泡だ。
また僕のせいで任務に失敗してしまったら…
「それに、ワインを浴びてしまったのは私だけではないようだし」
「え?」
そう言われて自分の服を見てみると、確かにスーツの胸の辺りに結構大きな染みができていた。

22元分析官の災難 5/5 :2012/02/21(火) 02:01:29.22 ID:PCsO/wGYO
「本当だ…」
「良ければ代えのスーツを用意するけど、どうかな?」
これは良い流れになってきたぞ。まさか向こうから誘ってくるなんて上手くいき過ぎな気もするけど、これに乗らない手はないよな。
「そんな、こちらが汚してしまったのに」
「構わないよ。スーツを新調する良い口実になる」
「あ…やっぱりクリーニングじゃ済みませんよね……」
本当に弁償しなきゃいけないとなるといくらくらいするんだろうか。
まぁ別にそんなこと考える必要ないし考えてる場合でもないんだけど、やっぱり少し申し訳ない気持ちにはなる。
それが少し表情に出てしまったようで、彼が握ったままだった手を引き寄せて優しく微笑みかけてきた。
「そうだな……やっぱり責任は取ってもらおうかな」
「っ……はい…」
「スーツを弁償してもらう代わりに、一杯付き合ってくれないかい?」
来た…!!
「え…?あの、それでいいんですか?」
僕が肩透かしを食らったような反応を返すと、彼の目がほんの少しだけ細められた。
恐らくこうやって何も知らない相手を罠にかけるような行為に愉悦を覚えるタイプなんだろう。
この誘いに乗ったらどうなるか、全く予想がつかないわけじゃない。
だけど、今は僕の身の安全よりも優先されるべき重要なことがある。僕はイ一サソ・八ン卜のチームの一員なんだ。
彼とベンヅ一が無事ミッションを遂行できるように、僕は僕でできるだけのことをやらなくちゃいけない。
例えどんな目に遭おうとも。
……でもやっぱり、ちょっと怖いなぁ…
「私は酔うとかなり長話をしてしまうようでね。スーツを弁償した方がマシだったと思うかもしれない」
「それは……心してかからないといけませんね」
「ハハハ。まぁとにかく、私の部屋に行こうか。着替えはそこにあるから」
彼は朗らかに笑いながら僕の肩に腕を回す。優しく促しているようで、
有無を言わさぬ力が込められたその手に一抹の不安が過ぎる。
それを振り払うように彼に笑みを返しながら、僕達は人知れずパーティー会場を抜け出した。

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

23風と木の名無しさん :2012/02/21(火) 02:19:20.17 ID:PCsO/wGYO
>>20さんありがとうございます!助かりました。
前スレの時は連投規制に引っ掛からなかったので気を抜いてました。申し訳ないです。
続きは後日ということで。即死回避できれば幸いです。

24風と木の名無しさん :2012/02/21(火) 11:11:48.71 ID:quv4y8UI0
>>22
乙。凄く面白いので続き期待してる!

25風と木の名無しさん :2012/02/22(水) 12:55:12.44 ID:7SMdf2fLO
男性向け男女CP(いわゆる男性向け・女性目線からするとCPものというより女キャラ主体で男キャラは添え物的なジャンル)は、
二人がもとから恋人同士でない限り物語が終了したらもうそれっきりみたいな終わり方をしているのに対し、
女子向け男女CPはレイプシチュや付き合う前シチュでも
『この後二人は恋人同士となりました』みたいな空気を匂わせる終わり方をしている。
例えば同じレイプものでも男性向けは事後放置だが、女性向けは男キャラが『責任とるぜ!前から好きだったんだよこれからは大事にするぜ!』みたいな結末を迎えるみたいな。

26アラウンド70 1/2 :2012/02/22(水) 14:59:00.44 ID:1CCJHdm40
皇帝×公爵 
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 

お愛ぼいなと思うのは、をかしいのかもしれない。けれど銀髪の皇帝は、寝台で杯片手に書を捲る、
おのれより年長の白髪の男が愛らしく思えてならない。腰に羽根の枕を当てがい書を読んでいた公爵は、
っ……! と小さく喘ぎ、読みかけの書を枕元の飾り棚に置くと、おいたをする皇帝の不埒な手を
ぴしゃりと叩いた。老いてなお精悍な銀髪の皇帝は、麗しく老いた公爵の胸の双茱を、夜にだけ匂う珍しい
らんの花の香油をまとった指でツンとつつき、はだけた胸元から覗く公爵の双茱が悪いのだと
にやりと笑い悪さを続けた。公爵は思う。ただ同衾し語らうだけで、なにもない夜も二人ならいつも幸せだ。
できることなら今宵は、まろやかな酒を飲み交わしながら、ゆうるりと書を捲っていたかった。けれども、
ききわけのない皇帝が、杯を傾けながら胸の双茱をつつくため、公爵は書見用の眼鏡を外した。
なにもない夜も楽しめる。そんな歳になったはずだが、なにを求められれば老いた花芯がじわりと濡れて、
いつもこうして流される。数十年間、認めることが出来なかった恋心も、一度認めてしまえば木々の若葉が

27アラウンド70 1/2 :2012/02/22(水) 14:59:35.87 ID:1CCJHdm40
萌えいづる様に伸びやかに、枝を広げて萌えさかる。麗老なる公爵は、陰萎ゆえ指玩に走り、「卿の胸は
えも言われぬな」 と嘯く皇帝の手を優しく払うと、恋い慕う皇帝の下肢に男娼のように傅いた。
をかしいと思う。かつては恥辱の極みだと思っていた。けれど今は皇帝の花芯を口に含める。その昔己を
投獄した男の下肢に傅きながら公爵は微笑み、寄る年波に負け、猛々しさを失って久しい皇帝の
下陰へ恭しく接吻した。挿入もままならない陛下を、この手と口で、勃たせてさしあげたい。老い衰え、
できぬことも増えたが、時の流れを今は寿げる。けれど時折、胸に蘇るあの男の眼差しだけがただ苦い。
きらきらと光る芳香花の精油を用い、皇帝の老いた花芯を優しく慰め、高ぶらせながら公爵は、緋紅色の
るこう草を思わせる鮮紅の目をした皇帝の最愛の友を思い出した。彼を殺めたのは公爵だ。その事実を
棚晒しにしたまま、わけあって皇帝と肌を重ねたのは40年前。今も皇帝の胸には彼が棲んでいる。心が
にわかにかき曇り公爵は自嘲した。皇帝の唯一無二になりたいと欲する、老いて貪欲になった己が憎い。
感傷的な物語の脇役の気分だ。切なげにため息した公爵を皇帝はきつく抱きしめた。皇帝が没したのは、
謝肉祭の三日目だ。皇帝は公爵を想いながらも、迎えに来た緋色の瞳の友の手を取り天上に旅立った。 Fin

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

28風と木の名無しさん :2012/02/22(水) 15:00:25.96 ID:1CCJHdm40
>>27タイトル間違え
アラウンド70 2/2です、すまんです

29風と木の名無しさん :2012/02/22(水) 22:06:08.86 ID:GkpAcS0zi
>>22
テカテカしながら待ってます?

30蛙軍曹 緑と黄 1/6 :2012/02/24(金) 17:50:20.28 ID:4yMeWgFm0
 いつも通りだった筈だ。どこにも間違いなんか無かった。
 朝からの自分の行動を思い返しながら、クルルは困惑していた。
 用事を済ませて、いつもの通りにケロロの部屋でケロロに背を向けて端末を弄っていた。
 だが今、クルルはケロロの膝――というか足――に頭を乗せ横になり、体にはブランケット。
 おまけに眼鏡は奪われ、代わりのようにケロロの手のひらが乗せられていた。
 どうして、こうなった。

 事の発端はこうだ。
 クルルが端末で作業をしている間、ケロロはガンプラを作っていた。それは実に当たり前の光景で、ぶつぶつギャーギャーと騒がしくプラスチックの塊と戯れる姿は特に注意を向けることの無いようなものだった。

31蛙軍曹 緑と黄 1/6 :2012/02/24(金) 17:52:35.49 ID:4yMeWgFm0
>>30はミスにつき、やりなおします

蛙軍曹の緑黄緑です。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

 いつも通りだった筈だ。どこにも間違いなんか無かった。
 朝からの自分の行動を思い返しながら、クルルは困惑していた。
 用事を済ませて、いつもの通りにケロロの部屋でケロロに背を向けて端末を弄っていた。
 だが今、クルルはケロロの膝――というか足――に頭を乗せ横になり、体にはブランケット。
 おまけに眼鏡は奪われ、代わりのようにケロロの手のひらが乗せられていた。
 どうして、こうなった。

 事の発端はこうだ。
 クルルが端末で作業をしている間、ケロロはガンプラを作っていた。それは実に当たり前の光景で、ぶつぶつギャーギャーと騒がしくプラスチックの塊と戯れる姿は特に注意を向けることの無いようなものだった。

32蛙軍曹 緑と黄 2/6 :2012/02/24(金) 17:53:07.91 ID:4yMeWgFm0
 ふと、ケロロの独り言の域を超えたガンプラへの愛が聞こえなくなった。
 僅かに動く気配を感じたクルルが顔を上げ、ケロロの方へと顔を向けると、思いの外ケロロが近くに来ていて、思わずびくりとのけぞったクルルを笑うでもなく、じっとクルルの顔をのぞき込んでいた。

「……なんだよ、隊長」

 含む色の無い、ただ真っ暗で深いだけの瞳に気圧されて、いつもの軽口も出て来なかった。
 蛇に睨まれた蛙ってのはこんな気分か、と些か現実逃避じみた事を考えながら見つめ返す。何となく目をそらしたら負けな気がする。
 無言で動かずにいたケロロの目が、急に不愉快そうに細められた。そうして、じとりとした視線とともに一言。

「……顔色が悪い」

 言うが早いか、バサッという音と共に視界が奪われ、体を半回転させられケロロの足に落とされた。

33風と木の名無しさん :2012/02/24(金) 18:00:05.20 ID:Yv3liLZj0
支援

34蛙軍曹 緑と黄 3/6 :2012/02/24(金) 18:02:40.32 ID:4yMeWgFm0
「っ、なにしやがる!」
「お黙んなさい! 休憩を命じるであります!」

 突然の不可解な仕打ちに、非難の声をあげたクルルを押さえて、ケロロは怒ったように言う。

「ふんとにもー、まぁたろくに寝てもいないんデショ。ダメダメ! しっかり休めやこらー!」

 まくし立てられ気圧されているうちに、眼鏡を奪い去られ、目隠しをするように頭を押さえられて、すっかり逃げられなくなってしまっていた。
 そして、冒頭に戻る。
 自分の顔色が悪いなんて、それこそいつもの事だろう。確かに、ここ数日作っていた物があったため、睡眠時間は少なかったかもしれない。
 それでも、疲労を顔に出すような事はしていない筈だった。
 そもそもクルルは、自分の弱みを見せることなどまずしない。


35蛙軍曹 緑と黄 4/6 :2012/02/24(金) 18:03:18.60 ID:4yMeWgFm0
 ただでさえ生来恨みつらみを買いやすい性質の上、トラブル&アクシデントが信条なのだから、ポーカーフェイスはお手の物である。
 そんなクルルに、顔色が悪いから休め、と言う。居心地の悪い感覚に身じろいでいると、上からクスクスと小さな笑いが聞こえた。

「なんだよ……」
「ふふ、何で解ったんだーって感じだからさ」
「……何で」
「解るよ、クルルの事だもん」

 まあ全部じゃ無いけど、大体何となくね〜。
 気楽に言ってのけるケロロに、クルルは些かぐったりした気分になった。

「理由になってねぇ……」
「えー、そう? てか早く寝なさいよ。あ、子守歌とか歌ってあげよっか」
「イラネ」
「即答かよ! かっわいくねーな!」
「く〜っくっくっく」

36蛙軍曹 緑と黄 5/6 :2012/02/24(金) 18:03:55.18 ID:4yMeWgFm0
 くだらないやり取りをして、なんだかもう起き上がる気力も尽きてきたクルルはため息を一つ吐き、体の力を抜いた。
 一気に押し寄せる倦怠感に、気づかないうちに結構な疲労が溜まっていた事を思い知った。

「……本当に寝ちまうぜぇ」
「どーぞどーぞ、瞼が溶けるほどお休みなさい!」
「普通目玉だろ。く〜っくっく」

 諦めて本格的に寝に入ったクルルの耳に、微かに届いた音。低く掠れて、でも微かに甘いような、小さな歌声。
 古いいつかの歌は、少しだけ引きつるような胸の痛みを残して、クルルを眠りへと連れて行った。

 地響きのような音と、ギリギリという固い物を擦りあわせるような音で目を覚ましたクルルは、何事かと辺りを見回して、ケロロに眼鏡を奪われていた事を思い出す。

37風と木の名無しさん :2012/02/24(金) 18:05:49.40 ID:OCiw6Rb/0
おらっしゃあああああ

38蛙軍曹 緑と黄 6/6 :2012/02/24(金) 18:14:24.68 ID:Ef+6Yw2M0
 這うようにして見つけた眼鏡を装着し、改めて音の正体を探ると、何のことは
無い。大の字になって寝ているケロロだった。
 つまり、地響きのような音はケロロのいびきで、ギリギリという音は歯軋り
だったのである。

「……うぅん……ふぇ、ぶえぇっくしょい!」
「……コイツはどうやったて締まらねえな」

 年上ぶって人の心配をしてみせた結果がこれだ。
 今にもよだれを垂らしそうな寝顔に呆れながら、先ほどまで自分に掛けられて
いたブランケットをケロロに掛けてやる。

――まあ、後で礼くらい言っとくか――

 放置されていた端末を起動し直したクルルは、寝こけている癖に騒がしいケロ
ロの額に口付けを一つ落とした。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

>>33
支援感謝です

39風と木の名無しさん :2012/02/25(土) 01:10:58.93 ID:Qw6NZOoG0
三レスで規制はSSにはきついすねえ

40限りある永遠 1/7 :2012/02/25(土) 11:12:39.32 ID:69LJW+MUO
半ナマ注意。洋画「時間(要英訳)」時間監視局員受け
※エロ・死ネタ・設定捏造注意
※このキャラに関するネタバレがありますので鑑賞予定の方はスルーしてください
連投規制回避のため、どなたかいらしたら支援をお願いします

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

私の『時間』がカウントダウンを始めてからもうすぐ40年が経とうとしている。
25歳の姿のまま、衰えることもなく、老いることもなく。
その頃には既に富裕層とスラム層の居住エリアの区分が完了していたが、
両者が混在するエリアもまだいくつか残っていた。所謂”娼婦街”だ。
豊富な『時間』によりほぼ永遠の命が約束され、道楽の限りを尽くす富裕層の人間を愉しませる為に
スラム層の人間が身体を売り、『時間』を稼ぐ。普通に働いた稼ぎが平均24時間として、
ここでの稼ぎは平均35時間。自らを売り物にしてもその程度しか稼げない。
にも関わらずそこで働く者が減らなかったのは、まだスラム層から抜け出せる可能性が残されていたからだ。
現在では廃止されてしまったが、この頃にはまだ『時間』を貯蓄しておける
個人用のカプセルがあった。スラムの人間が生活していく為には24時間あれば十分だ。
”娼婦街”で働けば生活費の24時間を引いてもまだ10時間近く残る。
そうして生活費を切り詰めて『時間』を貯め、富裕ゾーンで職を手に入れることができれば、
もう『時間切れ』の恐怖に怯えて暮らすことはなくなる――
そういう望みがまだ実現可能な時代だったのだ。
やがて富裕ゾーンにスラム出身の者が増えることを好まない者達
――生まれながらにして富裕層である資産家や名家出身の一族達――が
反対運動を起こし、貯蓄カプセルが廃止されるのと同時にそういった成り上がりが
事実上不可能となってしまった。そうなってしまえば、もはやスラムの人間に希望などない。
自然と働く人間もいなくなり、やがて”娼婦街”は廃れた。そして両者の居住エリアは完全に隔離され、
『タイム・ゾーン』という何重ものゲートが設けられたことによって、
富裕層とスラム層の人間が接触することは禁じられた。もう何十年も前のことだ。

41限りある永遠 2/7 :2012/02/25(土) 11:13:49.81 ID:69LJW+MUO
何故今更こんなことを思い出したのだろう。そうだ、あのスラムゾーンからきた青年のせいだ。
彼はひょんなことから莫大な『時間』を手にし、『タイム・ゾーン』を超えてこちらにやってきた。
有り余る『時間』を持つ富裕層の人間は急ぐということをせず、走りもしない。
だから焦ったり走ったりするあの青年は明らかにここでは浮いているのだ。
そんな彼の姿は、私にある特別な感情を思い出させる。
明日をも知れぬ毎日から逃れたくて、死に物狂いで努力したあの日々を。
スラムゾーンから抜け出す為に、何もかもを犠牲にしてきた昔の自分を。

両親は私が25歳を迎えてまもなく亡くなった。姉がいたが、彼女は30歳を迎えることは出来なかった。
家族を喪い失意の底に落ちた私は共同墓地に彼女を弔い、時間の許す限りそこに立っていた。
残りの『時間』は一時間を切ったが、もう気にならなかった。
どうせ必死になって働いても一日を生きるのがやっとだ。夢を持ったところで実現させるための
『時間』がない。何の為に生きているのだろう。生きることがこんなに苦しいなんて。
姉の為に十分過ぎるほどの涙を流した私の眼からはもう何も出てこなかった。
代わりに空から大粒の雨が私の身体を濡らし、心を冷やしていった。
共同墓地から私の家までは一時間あっても辿り着くことはできない。だが、さほど問題ではない。
また街に死体が一つ増えるだけのこと。私を弔ってくれる者がいないのが少し残念ではあるが、それだけだ。
降り頻る雨の中を亡霊のように歩く私を気に留める者はいなかった。
皆自分が今日を生きるのに精一杯なのだから、恨めしいとは思わない。
だがふと、私の上に降るはずの雨が止んだ。やがてそれは傘を差しかけられたからだと気付いた。
顔を地面から正面に向けると、スラムゾーンには不釣合いな格好をした紳士が立っていた。
不必要にしか見えないくらい過剰に付けられたボタンが、その男性が富裕層であることを物語っている。
富裕層の人間は何事にも『時間』をかける。服を着ることにさえも。
「濡れているな。少し雨宿りしていかないか」
そう声を掛けられて、共同墓地がここの”娼婦街”のすぐ近くにあるということを思い出す。

42限りある永遠 3/7 :2012/02/25(土) 11:15:05.60 ID:69LJW+MUO
それで気付いた。彼は私を買おうとしているのだ。
富裕層の男性の中には当然女性と快楽に耽るものの、やがては飽きて男性に手を出し始める者がいるという噂は聞いていた。
それがまさか自分に降りかかるとは思っても見なかったが、どうせもう30分くらいしか残っていない身だ。
もうすぐ死ぬのだから今更逃げようという気も起きなかった。
「……連れて行ってくれ」
私は差し出された男性の手を取り、”娼婦街”の中で最も高級なホテルへと向かった。

「客を取ったことはあるか」と聞かれ、私は「ない」と答えた。
それならばと彼は何か薬品を取り出して私に飲ませた。
男性同士の行為の際に、受け入れる側の苦痛を軽減させる為の薬なのだと言った。
それが効果を発揮するまでの時間に彼は私にフェラチオをさせた。初めてだったのでやり方はよくわからなかったが、
自分でする時にはどうやっているかを思い出しながら奉仕した。
口の中に収められた彼のペニスは時折脈打ち、次第にトロトロとした粘液が溢れ出てくる。
自分の涎と一緒に何度か飲み込みながら舌を這わせていくと、突然喉の奥で熱が弾けた。
「んっ!?っ、げほっ!ぅ…」
驚いたのと息苦しさに顔を背ける。男性は私の頬に手を添え、満足げに微笑んだ。
「すまない。あまりに上手だったから我慢できなかった」
「…そう、か……」
そんなはずはないと思ったが、それを主張することに意味もないので黙っていた。
少し零れてしまった精液を手の甲で拭っていると、彼が私の手を掴んで『時間』をチャージしてきた。
「……これは…?」
「愉しんでる途中で『時間切れ』になられては困る」
「あぁ…」
彼の言い分に頷いている間にチャージが終わる。追加されたのは二時間。それだけあれば十分だろう。
裸で床に跪いていた私を抱き起こし、ベッドの上に横たえる。
その上から覆い被さるようにして男性が唇を重ねてきた。あくまでも性的欲求を刺激する為だけのキスだ。
しかし経験豊富と思われる彼のキスは私の身体を蕩けさせるには十分すぎるものだった。
「はっ……ん…っふ」
ベッドに縫い付けられたまま息継ぎも忘れてしまいそうなほどに舌を絡められ、頭の奥が痺れるような感覚に陥る。

43風と木の名無しさん :2012/02/25(土) 11:35:46.86 ID:aVdHwbno0
支援?

44限りある永遠 4/7 :2012/02/25(土) 11:40:09.59 ID:69LJW+MUO
その間に彼の掌に身体を弄られ、言いようのない快感に私は身を捩った。
「ぁ、はぁ…っ」
「ようやく身体が温まってきたな…さっきは本当に冷え切っていたから」
彼は獣のように笑ってみせ、私の乳首を口に含んだ。音を立てて吸い付き、
硬くなってくると軽く歯を立てる。じんじんと疼くような痛みと熱に思わず呻き声が漏れた。
私の身体が完全にベッドに沈み込んでいることに気付くと男性は手を背中の方に回してきた。
そのまま下へと滑らせ、いつの間にかひくつき始めていたアヌスに中指を押し込まれる。
「っうぁ!?」
そこは解された覚えもないのに簡単に彼の指を受け入れてしまった。
これが先程飲まされた薬の効果なのだろうと結論付けるのに少し時間がかかった。
「…ん…っ、あ、あぁっ…」
「少し冷たいが我慢しろよ」
「え…?は、あっ!うぅ…っ!!」
何のことか理解する前に指の隙間から何かを中に注入された。
その後に指が三本入ってきたことから考えると潤滑剤だったようだ。
その指は何の障害もなく私の中を奥へと進み、それに伴って聞こえてくる卑猥な音が聴覚をも犯してくる。
「ふぅっ…、んっ!っはぁ、あ…!」
「なかなか感度が良いな…あの薬には催淫成分は入ってないんだが」
感心したような、驚いたような口振りで彼は言う。ではこの狂いそうな程に
私を苛む熱は何なのか。尋ねようにも、私の口からは喘ぎしか出てこない。
だが訊くまでもなく彼が答えを独り言ちた。
「やはりスラムの人間には『時間』がないからか」
『時間』――その言葉が唐突に私の思考の中に突き刺さる。
『時間』を持たないスラムの人間は、食事も睡眠も――セックスですら十分に享受することなどできない。
だから短時間で満足する為に感覚が過敏になっていると、彼は判断したのだろう。事実それは正しい。
この男性は、こんな私を惨めだと思っているだろうか。少なくとも慈しむつもりがないのは判る。
だが、私にも彼を恨んだり憎んだりするような感情は湧いてこなかった。何も浮かばなかった。
富裕層に『時間』がありスラム層に『時間』がないのは、もはや自然の摂理と化した。

45限りある永遠 5/7 :2012/02/25(土) 11:41:09.31 ID:69LJW+MUO
数時間後に彼がホテルを出で行き、『時間切れ』となった私の死体が残されるのは仕方の無いことなのだ。
『時間』は今も昔も何ら変わることなく流れている。
厳然たる正確さで時を刻み、慈悲も容赦もなくリミットを突きつける。
富裕層にいればそのリミットを限りなく先延ばしにすることができ、スラム層にいればそれは常に背後を付きまとう。
そういう社会になってしまったのだから、もうどうしようもない。
「こんな世界はおかしい、不公平だ」と叫んで民衆が革命を起こす時期はとうに過ぎた。
人間が『時間』を通貨として利用出来るようにまで進化したとしても、過ぎた『時間』を巻き戻すことは出来ない。
これから先の未来を向いて生きていくしかないのだ。
「……ぅっ、あぁっ!!」
突然の圧迫感に驚いて悲鳴を上げると、いつの間にかうつ伏せにされていたことに気付く。
一瞬混乱しかけたが続いて与えられた衝撃で挿入されていることを知った。
「ぐっ!!ふ――ぅあ!はっ…!」
「っ…さすがにキツいな……でも痛くはないだろ?」
「あ!う、うっ…っく、はぁっ!」
腰だけを上げた状態の私の脚を開かせ、臀部の肉を割り開くようにして奥深くを抉る。
彼のペニスが内壁を擦る度に電気が走るような強い快感を生じさせる箇所があった。
彼はその存在を経験から知っていたようで、私の反応を見ながらそこを何度も突き上げてきた。
「っひぃ、あぁっ!!あ、や、嫌…っ!!」
「嫌か。止めたい?」
「ちが…!も、出る……イくっ…!!」
私は自分でも驚くような言葉を口にしながらシーツを握り締めて律動を受け止める。
こんな風に快楽を与えられたことはなく、信じられない程の熱を持った身体が自分のものではないような気さえしてきた。
だが死ぬ前に体験するのが苦痛ではないということに少し安堵もしていた。
『時間切れ』になった者は、心臓が破裂でもしたのかと疑う程の衝撃を受けて息絶える。
私も同じように最期を迎えるのだろうが、こうしていれば腕に刻まれたボディ・クロックが
無情にその時を知らせるのを見なくて済む。迫り来る絶望から眼を逸らしていられる。
「はっ、はっ、あ、あっ!ぅあぁっ!!」
「イくのか…?いいぞ、全部出してしまえ…!」

46限りある永遠 6/7 :2012/02/25(土) 11:42:16.84 ID:69LJW+MUO
でももし、何かが間違って私が数時間後無事に目覚めることが出来たなら、私はもう二度とスラムには戻らない。
この”娼婦街”でも、他のどこかでもいい。蔑まれようと唾を吐きかけられようと、傷付けられようとも構わない。
何が何でも働いて『時間』を稼いで、貯めて、『タイム・ゾーン』を超えてやる。
「あっ、イく、イっ……はぁっ!!」
そして『時間』に忠誠を誓おう。『時間』は何をも裏切らない。
『時間』があるべき姿を保っていられるようにこの身の全てを捧げよう。
例えその”あるべき姿”が既に歪んでいたとしても。
「―――――っっ…!!」
激しく腰を打ち付けられ、内側を蹂躙される想像を絶する感覚に息が出来なくなりそうだった。
やがて五官の機能が麻痺したような錯覚に陥り何もかもが真っ白になった瞬間、
頭の奥が焼き切れるような衝撃と共に私は絶頂を迎えた。

そして今、わたしはかの青年の前に銃を掲げて立っている。
富裕層の女性を人質にとって逃亡を続ける彼をようやく追い詰めたのだ。
青年は私の正体を見抜いていた。身体に染み付いた習性のせいで富裕層の人間とは
異なる行動を取る私に、どこか通ずるものを感じ取っていたのだろう。
彼に起きた悲劇や苦悩、そうして持つに至った信念は私にも理解出来る。
私もかつて経験したことだ。だが導き出した答えは違った。
私は全ての間違いを無視することを選び、彼は――彼女と共に――全ての間違いを正すことを選んだ。
彼の強さが私にもあれば何かが変わっていただろうか。
もしかしたらこうして相対するのではなく、共に戦っていたかもしれない。
起きなかったことに思案を巡らせても何の意味もないと解っている。
だが出来ることなら、彼には死んで欲しくないと思っていることもまた事実だった。
「身体が元気でも、心が消耗してしまう」――とある富裕層の人間がこう漏らしたという。
私が『時間』を監視し守ったとしても、それをいつしか望まなくなるようになる者もいるということか。
私の心もその段階に近付きつつあるのかもしれない。

47風と木の名無しさん :2012/02/25(土) 11:45:58.00 ID:QUuQAxak0
支援

48限りある永遠 7/7 :2012/02/25(土) 12:30:56.25 ID:69LJW+MUO
その時私はあることに気が付いた。その『時間』が、私にはもういくらも残されていないことに。
「『時間』……」
既に後悔したり嘆いたりする猶予はなかった。あったとしても、私はどちらも感じなかっただろう。
「がっ…!!」
全身を強打されたような激痛が走り、次いで心臓が止まり、私は背中から地面に倒れた。
左腕に刻まれていたボディ・クロックは緑の光を失い、ただの刺青となってその役目を終えた。
今や亡骸と化した私を見て、青年は何を感じているのだろう。優越感か、憐憫か…それとも虚しさか。
私は無念さも悔しさも感じてはいなかった。達成感も満足感も、何も。
『時間』は何をも裏切らない。厳然たる正確さで時を刻み、慈悲も容赦もなくリミットを突きつける。
その順番が少し遅れて私に回ってきた――それだけのことだ。
私の『時間』はこれで尽きた。後はせめて、あの青年の『時間』が早々に尽きてしまわないことを願おう。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

>>43さん>>47さん支援ありがとうございました
しかし連投規制は支援があっても時間経たないと駄目なんでしょうか?
支援入っても投稿できなかったorz

49風と木の名無しさん :2012/02/25(土) 22:12:54.98 ID:lYX1mVRO0
今、ばいばいさるさんは廃止されてるから、支援はあんまり関係ないかも

timecount=20・timeclose=3だから、801板全体で20レス中3レス同じIPだと書き込めなくなる
投稿間隔じゃなくてレス数なので、801板に人が少ない時はかなり苦しいね

あと、二重投稿規制もあるので、同じ文字数の投稿を連続でしようとすると書き込めなくなる
何かしらのエラーが出たら、改行を変えるとか空白を付けるとかして内容を変えて再投稿しないと規制される
その上忍法帖の規制もあるからね…

50風と木の名無しさん :2012/02/25(土) 22:26:54.89 ID:laEDQAAN0
おお、いい情報ありがとう
今までもそうだけど、深夜投下より今くらいが一番投下しやすいね

51狼の不安を背負う 1/2 :2012/02/26(日) 00:46:18.15 ID:InB2v4v90
ナマ注意です。
元青心・高低、現原人バンド唄×六弦です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


誰もおまえのようには唄えない。
誰もおまえのような言葉を書けない。
誰もおまえの真似なんか出来ないさ。


だから、おまえは誰を気にする必要もないし、
くだらない事で悩まなくて良いんだ。


明るくて、魅力的。ありふれた表現をするなら
おまえはそれそのもの。

おまえの、時折垣間見せる、思い詰めた孤独な
表情は、昔からのものなのだろうか。
これからも、それは消えはしないのだろうか。

でも、おまえはおまえだよ。
おまえが孤独に唇を噛んでいるのを見るのは
胸が締め付けられるけれども、そこから生まれ
るものだってあるだろう。

52狼の不安を背負う 2/2 :2012/02/26(日) 00:47:10.06 ID:InB2v4v90

俺より少し背の高いおまえが、俺の首元に顔を
うずめている。
骨っぽい、長い腕が苦しいほど体に絡みついて、
チッソクしそう。

だきしめてほしい、って言ったのはおまえじゃねえかよ。

そう一分くらい前の事を思い出したけれど、俺
はそのまま、おまえの頭を出来るだけ優しく撫
でてやる。


不安か?
心配か?


何十年か後に、未来のおまえから今のおまえに
問い掛けてみりゃ良い。

今もこれから先も、そんな大したことじゃなか
った、って、おまえが笑って言えるようにして
やるから。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


53LIVE 1/2 :2012/02/26(日) 00:50:57.63 ID:InB2v4v90
ナマ注意です。
元青心・高低、現原人バンド唄×六弦です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


爆音。真っ暗な世界に白光が走る。
ああ!きた!きた!
音と光の台風の中、僕は無茶苦茶に跳ぶ。
これとひとつになってしまうんだ。
もっと、もっと、もっとだ!


――あなたにとってロックとは何ですか?
――考えたこと無いよ、そんなの


彼が、竜巻を起こすくらいに腕を振り回す。
グルグル回して、ギターストローク。
野太い音で世界を叩き起こす。
全力疾走の心臓のようなドラムが、最初から全開で。
地響きのようなベースが、エンジンになる。
そして僕は唄う。精一杯でかい声で。


――どうしてライブでチ○ポを出すんですか?
――んー、それは、しょうがないんだよ


何もいらなくなる。本当に、この瞬間は他に何も。
何があったって、跳ぶには重すぎるんだ。


――何か、皆さんに伝えたいことは?
――いや?それぞれ好きに解釈してくれて構わない



54LIVE 2/2 :2012/02/26(日) 00:52:18.71 ID:InB2v4v90

僕は生きてる。僕はこのために生きてる。
毎回毎回、この瞬間、死んだっていいと思うんだ。

爆音とひとつになる。もっともっと、僕を捕まえてくれ。
熱狂が笑う。バカ笑いだ。もっともっと、僕を動かせ。
隣りで彼が、足を蹴り上げる。普段はとても色の白い、
その頬が、肌蹴た華奢な肩が、上気して色付いている。

一心にギターをかき鳴らす彼が、会場を、メンバーを
見渡して、そして僕を見る。
飛び跳ねる僕とふと目が合う。その瞬間、彼は満面の
笑みを浮かべた。
ああ僕はそれを見て、もっともっと唄う事が好きになる。
もっともっと、心のままに、大きな声で。

爆音と熱狂の中、彼がいつの間にか僕のすぐ隣にいた。
それに気付いた時、ぐっと僕の右肩に彼の腕が回された。
いいぞおまえ、最高だ、そう僕を褒めてくれる彼の声が
腕から伝わってくるような力強い感覚。
僕もそれに応えたくて彼の肩に腕を回そうとしたけれど、
彼はすぐに僕から離れてしまって。

ああ、本当に心が身体になっちゃえばいいのにな。そうしたら
無限に跳んで、無限に唄って、無限に君とくっついていられる
のに。

僕は声を張り上げる。


気持ちいい。気持ちいい。
ドラッグなんかより、セックスなんかより。

いつだって今が一番最高の時だ!


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


55夜明け前1/2 :2012/03/02(金) 02:02:27.73 ID:RRoTMsVm0
ナマ注意です。
GSのヴォーカルとベース。
エチありです。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

グループの解散が決まってから、受理は落ち着かない日々を過ごしていた。
まだまだ熱狂的なファンが全国にいるとはいえ、GSブームがピークを過ぎ、Pが脱退を頑なに希望したとあっては、解散も仕方がないかと受理は思っていた。

それはそうと、解散後の身の振り方が決まっていないのは自分だけだった。
Pは京都に戻って大学に入るというし、沙里も太郎も四郎も自分達でバンドを作ると言っているのに、プロダクションからは、解散後の芸能活動について、何も言ってくる気配はない。
−−俺っていちばん人気あるんやなかったの?
不安になった受理は、意味もなく事務所へ行ってはお茶を淹れてみたりしたが、スタッフはみんな解散へ向けたマスコミ対応やコンサートの準備に忙しく、誰も相手にしてくれない。
解散後の芸能活動への不安もあったが、それよりも、自分がもっとも懐いている沙里と離れることが、一番辛いことのように思われた。

−−解散したら、もう今までみたいに会えんのかな……
自分だけが置いてきぼりになっている寂しさを感じた受理は、TV収録が終わったある日、楽屋で沙里を見上げながら言った。
「今日沙里ん家行ってもええ? こないだ言ってたビートルズの新譜、聴きたい」
「おぉ」
2人でタクシーに乗り、信濃町にあるマンションに着いた。
沙里は着替えもそこそこに、ジャケットからレコードを取り出すと、ターンテーブルに乗せる。
「今度のもええで」
♪The Long And Winding Road……
受理は絨毯の上で体育座りをし、膝にアゴをのせたまま、ぼんやりとヴォーカルに耳を傾けている。
いつもなら耳をそばだてて聴き入るビートルズの曲が、今日はなぜかあまり頭に入ってこない。
「どうしたんや?」
コーヒーを淹れていた沙里は、いつもと違う受理の様子に気づき、顔をのぞき込む。
「あの……」
受理が何か言いかけると、沙里は彼の髪の毛を優しくかきあげ、なめらかな額に唇を押し当てた。
そっと唇をおろしてくると、唇に唇を重ねた。


56夜明け前2/2-1 :2012/03/02(金) 02:04:53.66 ID:RRoTMsVm0
思えば最後に身体を重ねてから3ヶ月経っていた。
受理を絨毯の上に横たえると、沙里はセーターとTシャツを乱暴にまくり上げた。
ほんのりと色づいた右の乳首にキスする。
「あっ…ンッ……」
別人のような甘い悲鳴を上げると、みるみる受理の身体の力が抜けていった。
沙里は唇を左の乳首に移すと、右の乳首を指先で刺激する。
唾液で濡れた敏感な先端が空気にさらされ、ひんやりとした刺激に受理は身をよじる。
慌ただしく受理のジーンズをはぎ、下着を引き下ろすと、窮屈そうだった彼自身が、沙里の指をはじくように元気よく跳ね上がった。
彼のそこは綺麗な肌色をしていて、沙里は思わず見とれてしまう。
沙里も自身を取り出し、身体をぴったりと寄せ合って、互いの昂ぶりを刺激しあうように腰を動かす。


57夜明け前2/2-2 :2012/03/02(金) 02:05:37.77 ID:RRoTMsVm0
「あっ……ふっ……」
受理は息を弾ませながら、気持ちよさそうに沙里のなすがままになっている。
華奢な受理を気遣って、いつもはそのままお互い射精して終わるのだが、その日は違っていた。
受理は切なげに潤んだ目で沙理を見つめながら、恥ずかしそうな声でつぶやいた。
「沙里としたいよ……」
普段は口数が少ない受理らしからぬ言葉に沙里は驚いたが、精一杯自分の気持ちを口にしてくれたのだとわかり嬉しかった。
いとおしげに受理の唇をついばむと、固く締まった蕾にそろそろと指を差し込んだ。
受理の唇からは、痛みなのか快感なのか分からないような声が漏れ出てくる。
何度かそうしてゆっくりと慣らすと、沙里は彼の腰を持ち上げ、自分自身を押し当てた。
「あっ、あっ……」
別人のように甘い悲鳴が受理の唇から漏れ出てくる。
つながったまま、しっとりと潤んだ受理の中を味わうように沙里は身体を動かした。
同時に受理の中心にも指を添えて優しく握り混む。
挿入の苦しさで萎えかけていた彼のそこが、だんだんと固く張り詰め、先端からは透明の液体がしたたり始めた。
受理の反応にあおられ、沙里の動きが速度を増すと、受理が苦しそうに喘ぎながら口を開いた。
「沙里、もう、イってもいい……!?」
「まだアカん」
沙里の制止に従おうと、受理は自分自身をつかんでいた彼の手を取って押し戻し、射精を我慢しようとしたが、それは間に合わなかった。
「あっ……」
受理は何度か身体を震わせると、勢いよく若い牡の性を散らした。
沙里は顎に飛んだ彼の飛沫を手の甲でぬぐうと、何度か身体を往復させ、自分の欲望に片を付けた。

2人は抱き合ったまま、口もきけずに放心状態だった。
沙里におおいかぶされたまま、しばらく後、受理は甘えたような声でつぶやいた。
「沙里……どこへも行っちゃヤだよ……」
「どこも行かんて。解散しても一緒や」
「本当……?」
離ればなれになるかも知れないと不安になっていた受理が可愛くて、沙里は受理の頭をクシャクシャとなでると、そっと口づけた。
P/Y/Gの結成が決まるのはそれから数ヶ月後のことだった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

2/2が長すぎて分割する羽目に・・すまんでした

58ひな祭り狂騒曲1/9 :2012/03/03(土) 22:40:21.34 ID:S9b7e2I80
ギャグ漫画曰和の太子×妹子 時代考証的にメタメタなのは仕様です
スレ18で出た太妹ひな祭り、というワードに滾った結果がこれだよ!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

理不尽な上司の命令には、ずいぶん慣れた。小野妹子はそう思っていた。
すぐ後ろに大きな落とし穴が待ち構えているとも知らずに。

目覚めるなり、妹子は跳ね起きた。日は既に登りはじめている。
――寝すごした!
あわてて支度をし、赤いジャージに着替え、栗色の髪をさっとなでつける。
視界に端に映る、一枚の紙。妹子はテーブル上のそれを忌々しげに一瞥すると、隣のパンを手に取った。
のんびり食べている時間はない。飛び出すように、家をあとにした。
「行ってきまーす!」
パンをかじりながら、道を駆け抜ける。
どうしてこんな目にあうのだろうと、妹子は昨夜を思い返した。

残業づくめの一週間だった。
あげく、アホな上司が横やりを入れてきたり、足を引っ張ったりと、心身ともに妹子は疲弊していた。
明日の休みが、光輝いて見える。洗濯と、掃除と、それから余裕があれば、自炊もしたい。
明日への希望を胸に、自宅へ帰りついた妹子を待っていたものは、一通の手紙だった。
ピンクの封筒にハートのシール。ふざけた封書は、差出人を見るまでもない。
「うわっ……太子からだ」
妹子は顔をしかめた。嫌な予感しかしない。

聖徳太子。
まがりなりにも、皇子。次期天皇に一番近い男。異臭を放つジャージの摂政、飛鳥の変人。妹子の上司だ。
本来、仕事外で関わりあう必要はないのだが、妻も恋人も友人(人間)もいない太子は、友誼を妹子に求めてくる。
今更、妹子はそれを拒みはしない。けれど、限度というものがある。
そうっと、封を開ける。

 『アホの妹子へ
 明朝八時 朝廷前に来ること
 にげたらゆるさんぞ
                       聖徳太子』
  追伸:カニの殻を剥いたあとの手はなんかおいしい

「直接言え! あと汚ねえ!」
妹子はため息をついた。やっぱり呼び出しだった。放っておきたいが、そうすると太子は何をしでかすかわからない。
せめて妹子にできることは、愚痴ることだけだった。
「休日出勤なんて、聞いてないよ!」

59ひな祭り狂騒曲2/9 :2012/03/03(土) 22:41:51.09 ID:S9b7e2I80
なんとか呼び出しにギリギリ間に合った。妹子は軽く息を整え、朝廷の中庭へと向かう。
そこには、巨大な建造物が出現していた。
「なんだこれ……」
幅は四メートルほど、高さ五メートルほどの赤い物体が、広々とした朝廷の中庭にそびえ立っている。
横に回ると、板張りの階段のようなものに、赤い布が被さっているようだ。ただ、この階段はやたらに一段が高い。
妹子の背丈の半分もないが、膝より高い。それが七段、積み重なっている。
昨夜、退出するときにはなかったはずだ。
よくこんなものを、一晩で。感心半分、呆れ半分で妹子はそれを見上げた。
最上段に、人がいる。紫の冠に、青いジャージ。太子だ。

「よく来たな、妹子」
「なんなんですか、これ。リアルスーパーマリオでも作る気ですか?」
太子はそれには答えず、上がってこい、と指で示した。
アスレチックの要領で、妹子は最上段を目指す。
「これ、例の法隆ぢみたいに崩れたりしないでしょうね」
「なめるな、今回はしっかり耐震構造で作らせた」
「やっぱり大工さんが一晩で作ったんですか……」
そのジェバンニぶりに心の中で合掌する。
七段の高さに、妹子はかつて落ちた落とし穴を連想した。ここから落ちたら、ただでは済まないだろう。
見晴らしはいいが、一段の奥行きはさほど余裕があるわけではない。
いささか、落ち着かない気持ちになる。
おはようございます、おはよう、と挨拶をすませ、さっそく本題に入る。
「それで、こんな朝早くになんですか? ろくな用じゃなかったら、僕帰りますんで」
「さっそく帰ろうとするなよ! まあ、そこに座りんしゃい」
促されるまま、妹子はその場に腰を降ろした。

「ちょうどいい時期だからな。ひな祭りパーティを開く!」
「はあ」
いかにもイベントごとの好きそうな太子が考えそうなことだ、と妹子は思った。
節分でひどい目にあったくせに、懲りない男である。
「お酒と、お寿司と、お菓子を振る舞って……あと、余興もある予定なんだけど」
「はあ、いいですね。で、僕に何をさせようと」
「うん、雛人形になってほしい」
「雛人形に……なる?」
どういうことかと、妹子は困惑した。まさか縮めというわけでもあるまい。太子はときどき、言葉足らずだ。

60ひな祭り狂騒曲3/9 :2012/03/03(土) 22:43:59.86 ID:S9b7e2I80
「太子」
覚えのある低い声がすぐ真下から聞こえ、妹子は太子と同時に一段下を振り向いた。振り向いて、ぎょっとした。
「あ、竹中さん」
太子は承知済みとばかりに動じない。
妹子が予想した通り、そこに立っていたのは太子の友人・フィッシュ竹中だが、いつものトレーナー姿とはまるで違う。
朝服を改造したような束帯に太刀を佩き、矢筒を背負う。頭に冠を乗せ、それに耳飾りのようなおいかけを付けている。
武官の装いだ。

面食らった妹子に、竹中はにこりと微笑みかけた。
「やあイナフ、今日は楽しもう」
「ど、どうも。その扮装は……?」
「右大臣だ。いや、左大臣だったか?」
右大臣と左大臣。なるほど、どういうことか妹子にはわかってきた。

竹中は太子に向き直った。
「彼女たちの準備ができたと。上げていいか?」
うん、と太子が頷くと、すぐさま竹中は降りていった。

「雛人形になるって、お雛様の格好をするということですか」
いわゆる「生き雛」か。妹子は得心した。つまりこれは、雛壇だ。
「そうそう、コスプレコスプレ。
ひな祭りといえば、雛人形だろ、でも飛鳥時代に雛人形、ないしなー。室町時代まで下らないと。
だからいっそ、ええーい、なったれ! と」
「……はあ」
その情熱はどこからくるのだろう。無駄に元気なオッサンだ。そのエネルギーを、少しは仕事に向ければいいのに、と妹子は思う。

「それで、僕はなんの役を――」
きゃあ、という歓声があがり、妹子の声はかき消された。
着飾った采女を、竹中が抱え上げて運んでいる。降ろす姿も優雅で姫にかしずく騎士さながら、美男美女で絵になるなと妹子は思った。
太子たちの一段下、二段目に采女が三人、配置される。三人官女だ。
官女たちは顔を見合わせると、太子と妹子を見上げてくすくすと笑った。
「案外、お似合いですこと」
「色合いもちょうど赤と青ですしね」
「よかったですわ、妹子様が引き受けてくださって」
まさか、と妹子の顔から血の気が引いた。
続々と集まってくる人と、調度類。
妹子の隣に燭台が置かれた。ぼんぼりだ。背面には金屏風が立つ。

「太子、あんたまさか僕に、お雛様役をやれ、と……?」
「そうだけど」

61ひな祭り狂騒曲4/9 :2012/03/03(土) 22:48:39.26 ID:S9b7e2I80
太子は悪びれる様子もない。妹子の視界が、ぐらりと揺れた。
「……太子はお内裏様なんですよ、ね?」
「決まってるだろ」
主張するように、太子はえへん、と笏――例のアイスの棒を、掲げた。
「あの、太子……わかってるんですか?」
「なにを?」
くもりのない無垢な瞳に見返され、ぐ、と妹子は言葉に詰まる。

雛人形のシチュエーションは、お内裏様とお雛様の結婚式だ。
太子が新郎で、妹子が新婦。
妹子の脳裡にジャージネクタイで新聞を読む太子と、エプロン姿で目玉焼きをサーブする自分が浮かんだ。
なんだ、今の新婚ビジョン。
カッ、と妹子の頬に赤みが差した。頭を振ってわけのわからない妄想を吹き飛ばす。
役とはいえ、太子と夫婦なんて冗談じゃない!

「どうして僕がお雛様なんですか! 普通女性でしょう」
三人官女だって女性がしてるじゃないですか、どうして肝心のお雛様が男なんですか。
そう主張し、一段下を見ると、官女たちは一斉に目をそらした。

「……」
「……」
「……」
「…………」
断ったあと、らしい。
心で妹子は膝をついた。
太子のもてなさを、甘くみていた。

「誰もなり手がいないんだよ〜。高所恐怖症とか、私がイケメンすぎて無理とか。でも、お雛様を欠かすわけにはいかんからな。
頼む妹子! ほれ、これやるから」
太子が差し出したのは、お雛様が手に持つ桧扇だった。
「いらんわこんなもん!」
妹子はそれを太子に投げつけた。太子の額に直撃する。
ていうか、そんな理由を信じるなと妹子は言いたい。
「ひなあられ!」
「もうぅ〜、しょうがないから引き受けますけど、今回だけですよ!」


着々と準備が整い、雛壇に人が集まってくる。
早々にこのイベントを終わらせたい。妹子は回りを見渡した。誰か、この状況をなんとかしてくれる人はいないものか。
トラブルメーカーに、ストップ役足りえる者に。それぞれの背中に向けて、妹子は祈った。一縷の望みをかけて。

62ひな祭り狂騒曲5/9 :2012/03/03(土) 22:51:38.60 ID:S9b7e2I80
  ケース1 : フィッシュ竹中の場合
後頭部に焼けつくような熱い視線を感じ、竹中は笑った。
イナフ、俺は。
仲良くしている人間を見るのが好きなんだよ。
その場を崩す期待を寄せられても、困るな。
竹中は振り返り、妹子を見上げた。親指を立て、ウィンクする。
声に出さず、唇だけを動かした。
「グッドラック、イナフ」


  ケース2 : 馬子帰る
蘇我馬子は、今イベントのスポンサーの一人だ。
資金を出し、警備も私兵から出した。蘇我の姫をお雛様役に、と話が来たついでに、馬子までここに立つ羽目になった。
存外、太子は人を乗せることがうまくなったものだ。
又甥の成長に、馬子は口の端だけで笑った。ただし、乗り続けるつもりは毛頭ない。
「馬子様、ご報告申し上げます」
蘇我の従者が進み出て、段に登り、馬子に耳打ちする。あらかじめ用意しておいた仕込みだ。
馬子はひとつ頷くと、近くを見渡した。岩のような男、ゴーレム吉田がいる。
右大臣が魚人なのだ、左大臣が泥人にすり替わっても問題ないだろう。
「そこの君」
「! 俺か?」
いそいそと、吉田は馬子に駆け寄った。
「急用ができた。私は行かねばならん。代わってもらえるか?」
「任せろ、岩のように硬い俺だから、武人にはちょうどいいんだぜ!」
装備一式を吉田に譲ると、馬子は足早に朝廷の奥へと向かう。その後ろを、従者が付き従った。
「――もう少し、あれを尻に敷くことを覚えてくれると扱いやすくなるのだがな」
「……は? あ、あの」
「一人言だ、気にするな」


  ケース3 : ピューと吹く調子丸
ひときわ高い笛の音が、響き渡った。謡と太鼓が、それに続く。
五人囃子は、全員太子の舎人だ。
その一人、調子丸は妹子の刺すような視線を感じながらも、笛を吹き続けた。
妹子さんスミマセン、そう心の中で謝罪する。
女性が皆嫌がって、お雛様のなり手が誰もいなかったんです。生け贄になってください!
できればそのまま太子のお嫁さんになってください、既にポジション的にはそんな感じですから、問題ありません。俺の負担が減ります。
どうかお幸せに!
気まずさをふき飛ばす勢いで、一心不乱に笛を吹いた。
なんだか今日は、調子がいい。

63ひな祭り狂騒曲6/9 :2012/03/03(土) 22:53:32.47 ID:S9b7e2I80
女帝・推古の名のもとに開かれたひな祭りパーティは、お酒も食事も振る舞われるとあって、盛大に人が集まった。
中庭の奥に位置する雛壇にも、注目が集まる。
華やかで、いい催しだ。さすが女性天皇らしい。そんなささやき声があちらこちらであがる。
お雛様役を振られた妹子は同僚にからかわれるやら、噂されるやらで針のむしろだった。
頼りにできるものは誰もいない。自分でこの状況を終わらせなければ。
妹子は太子に向き直った。

楽しげに太子は人々を見下ろし、酒を飲んでいる。
盃があいた。手持無沙汰な妹子は、三人官女から借りた銚子で酒を注ぐ。
盃に、花びらがふわりと舞い降りた。白酒に、早咲きの桃の花。
「あ……桃花酒、ですね」
「うん。楽しいなあ、妹子」
「そうですか?」
妹子からすれば、ただお酒を飲んでいるだけに見える。
ふわふわと太子は笑った。酒に酔っているわけではないようだが、上機嫌だ。

「お前も飲む? 一献」
「いえ、勤務中ですから」
「休みじゃん」
「休日出勤中です、太子のせいで」
「お堅いねえ、お前は」
「僕は普通です。ほら、おつまみもバランスよく取らないと、悪酔いしますよ」
「せんわ! お前、私の酒豪ぶりをなめとるな……」
「なんか気持ち悪いくらいニヤニヤしてますし、もう酔ったのかと」
「気持ち悪いって言った!? まったく、お前は上司をなんだと……だって、楽しいもん」
「なにが楽しいんですか?」

妹子の問いには答えず、太子はくい、と盃をあけた。
ん、と黙って盃を差し出す。妹子も無言で、酒を注いだ。それをキュッ、と飲みほして、太子は大きく息をついた。
「見てみろ、妹子。人の顔。みんな、楽しそうだろう?」
「ええ、そうですね」
老若男女、普段は朝廷に立ち入ることのない人々も招いての大盤振る舞い。食べて、飲んで、しゃべって。そこには、笑顔がある。
「私のしてることはさあ、すぐに結果が出ないことがほとんどだから」
「ええ」
「だから、憲法を作っても、遣隋使を派遣しても。それで民が喜んでるところなんて見れないからな。
こうやって、民衆の楽しそうな様子を見るってのは……楽しいな!」
太子の心からの笑顔に、妹子はドキッとした。
たしかに、笑顔には人を楽しくさせる力があるのかもしれない。

64ひな祭り狂騒曲7/9 :2012/03/03(土) 22:56:02.42 ID:S9b7e2I80
でも、ドキッ、はない。太子相手に、それはない。妹子の心がざわつく。
この状況のせいか。もう、役を降りてしまいたい。

「ところであのう、太子……ひな祭りって何かわかってますか?」
「わかってるよ、上巳の節句だろう?
種を撒く前の閑農期にお酒やごちそうを神に捧げて、豊穣を願う。で、おさがりを皆にふるまう」
「へえ……そうなんですか」
「もともとはな。それが大陸の五節句と合わさったんだ。農耕民族らしい行事っちゃ行事だろ。妹子、節句ってどう書く?」
「え?こうじゃないんですか?」
節句、と妹子は人差し指で宙に書いた。
「いや、もとはこう書くんだよ」
いいか? と太子は妹子の手首をつかんだ。
「!!」
妹子は激しく動揺した。そんな、手首ごときで、手を握られたわけでもないのに。いくらなんでも意識のしすぎだ。
太子はそんな妹子に気付くことなく、妹子の指で文字を書く。妹子はそれを目で追った。宙に浮かんだ文字は、節供。
「お供えもののこと、そのものだ」
「あ、ああなるほど、節供が転じて、節句……」
「そゆこと」
太子は満足げに頷いた。
その手が離れる。手首がじん、と熱を持ったように妹子は感じた。
どうしてしまったんだろう、自分自身がわからない。まさかと思う。太子相手に。それでも今、胸がドキドキしているのは、まるで――

「ところで妹子、あの箪笥や茶道具はなんのためにあるの?」
「…………」
どうしてそんなに物知りで、雛人形のことを知らないのだろう。まさか、知らないフリをしているなんてことは。
それはない。妹子はそう確信している。太子に演技力は皆無だからだ。
「あれらは……嫁入り道具です」
「へっ? ヨメイリ?」
太子はぽかんと口をあけた。
「あの牛車で運んで、駕籠でお嫁に着たんです。……お雛様が」
「ああ、嫁入り。そういうことか……って、えええっ!」
ポポッ、と太子の頬が赤く染まった。
「し、知ってたよ、そんなん……」
「今知ったでしょう、あきらかに! ていうか、雛人形をなんだと思ってたんですか」
「おもしろ芸人集団だと思ってた……」
「そっちの雛壇!?」

「え、ちょっと待って、ちょっと待って。ということは……」
太子は眉間に指を置き、思考した。

65ひな祭り狂騒曲8/9 :2012/03/03(土) 22:58:36.64 ID:S9b7e2I80
「私が婿で」
自身を指さし、手首を返して妹子を差す。
「……お前が、嫁?」
ごくん、と唾をのみ込んで精一杯の平常心をよそおい、妹子は言った。
「不本意ながら、この雛壇にいる以上、そういうことになりますね」
「妹子が、嫁……」
ぽーっと、みるみる間に太子の顔が赤く染まる。
「やめろ、僕でよこしまな想像するな!」
「え、いや、普通そんなこと言われたら……するだろ」
「…………ッ!!」
さっきの新婚妄想を思い出し、妹子の頭に血が上る。文句を言えた筋合いではない。
お互いに相手の顔が見れなくて、おかしな雰囲気になる。

「…………」
「…………」
雛壇の最上段に、真っ赤な顔をした男が、二人。
じりじりとした空気に、焼かれそうになる。
なんだこの状況。もう無理だ、限界だ。妹子は恥ずかしさに消えてしまいたい。

はっと気がつくと、雛壇は太子と妹子を除いて、無人になっていた。三々五々に散って、あちこちで楽しんでいるらしい。
下から、竹中と調子丸が見守るようにこっちを見ていた。
妹子と目が合うと、二人は顔を見合わせて頷き、くるりと背を向けた。竹中が手を振る。そして二人は、去って行った。
お前らのしわざか。余計な気をまわさんでいい。ていうか、いつの間に仲良くなったの!? わなわなと妹子は震えた。
その震える手を、しっかと握るものがいる。
「た、太子」
「…………」

真っ赤な顔で俯いたまま、口の中でもごもごと太子はなにかつぶやいている。
ああ、聞きたくない、なにも聞きたくない。妹子は耳をふさぎたくなった。イヤーマフを持ってくるべきだった。
「あ、あの、太子、もうみんな下りて行っちゃったんで、僕たちも下りましょう。ね?」
妹子は立ち上がった。しかし押しても引いても、太子は根が生えたように、動かない。

「行くな」
「え……」
「行くな、妹子」
ぎゅう、と力強く手を握り締められ、妹子は息が詰まりそうになる。
「この雛壇の上だけだ、お前と夫婦でいられるの。だから、もう少しだけ……」
太子は身を縮めた。俯いて、背中を丸めて、顔が赤い。眉は情けなく下がって、唇はへの字に引き結ばれて。大きなだだっ子。
そんな顔をさせたいわけじゃない。妹子が見たい、太子の顔は。もっと、明るくて、ほがらかな――

66ひな祭り狂騒曲9/9 :2012/03/03(土) 23:02:16.42 ID:S9b7e2I80
「……別に……」
「え?」
ぼそりとつぶやいた妹子に、太子は顔をあげた。
「別に、ここだけの夫婦じゃなくっても、いいですよって言ったんです!」
妹子の叫びに、思わず太子は立ち上がった。
「い、いいい妹子?」
「はい」
「あ、ああああの、私……あの、その……」
太子は妹子の手を両手でぎゅうと握りしめ、懸命に言葉を探す。探す。探す。
一向に出てくる気配がないので、妹子は焦れた。
「言っておきますけど」
「はい」
しゃきっ、と太子の背筋が伸びた。
「二人きりのとき限定ですから。それ以外のときに嫁扱いしたらぶっ殺すぞ」
「なにこの子夫と認めた人を脅してきたよ!」
「じゃあ、早く下りましょう。お腹がすきました」

言いたいことを言った妹子は、は、と息を吐いた。顔は赤いし、耳まで熱い。
けれど、なんだか胸は、すっきりしている。
「ほら、行きますよ太子」
「ちょ、ちょーっと待って、待って妹子」
太子は妹子を呼び止めた。
「なんですか」
「私と夫婦になるって……」
「はい、そう言いました」
あまり何度も言わないでほしいと思う。いちいち確認されるのは、恥ずかしい。
それともなにか、ここで誓いの言葉でも言えというのか。妹子は太子をじろりとねめつけた。

「それって、えっちも混み?」
「ッ……!!」
顔面が爆発するかと妹子は思った。
ようやく自分の気持ちを理解しただけで、そんな先のことまで考えてない!
「し……」
「し? しり? おケツ?」
「知りません、バカッ!!」
「でべそっ!?」
至近距離からのボディーブローに、太子は悶絶した。
そのまま、飛び降りるようにして妹子は逃げた。これから、自分たちはどうなってしまうのだろうと新たな問題に懊悩しながら。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

67片道切符 1/3 :2012/03/04(日) 00:48:22.47 ID:56KzPO3u0
ナマ注意です。
元青心・高低、現原人バンド唄×六弦です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


最初は、良く見ている大好きなお笑い番組のドッキリみたいなものかと思った
んだ。
おまえ、俺を引っ掛けてるつもりか?なんて。


だってさ、俺、頭悪いからさ、あんな例えしか思い付かなかったんだもん。

――やらしてくんねえか?って言われたら・・・やらしちゃうかもしれない

えっと、それはつまり、“俺はそれだけおまえの唄に、声に、惚れこんでるん
だぜ”、ってのをまあインタビューの場を少し笑わせるつもりでそういう言い
方になっちゃった訳であってさ。


――マー××、あの時言った事、本当?僕がマー××を欲しがったら、本当に
  くれるの?
――ねえ、したいよ。マー××


俺の部屋で、何となく二人でレコードなんかを聴いていた時、あまりにも唐突に
おまえに抱き締められて、耳元でそんな事を言われて。
おまえは相当真剣だったろうに、その時の俺は思わず、隠しカメラはどこだ、と
探してしまった。

「ちょっ、え?ちょっと、待てまてまて」
やばい、このままじゃ押し倒されてしまう。
俺は結構必死で腕を突っ張って、おまえから逃れようと身を捩った。

68片道切符 2/3 :2012/03/04(日) 00:49:17.65 ID:56KzPO3u0
「マー××、しようよ、したいんだ」
「だっ、だから、ちょっと、・・・っ、待てって!」
思わずおまえを突き飛ばす形になってしまって、一瞬、しまった、と思う。
俺は反動で背中を壁にぶつけて、おまえはよろめいて尻餅をついた。
そしてそのまま、怒られた犬みたいな表情で、俺を見つめる。
「だって・・・マー××があんな事言うから、僕はあれからずっと、その事ばっ
かり考えてて・・・」
カメラはどこだ、何処だ?
俺は落ち着きなく、それほど広くも無い部屋の中をうろうろ歩き回る。でも、歩き
回るうちに、ヒ××は俺に内緒でそんな仕掛け人なんかになる訳ないよな、バラエ
ティに承諾する訳ないよな、てかそんなバラエティねえよと少し冷静になってくる。
でも、ってことはさ、おまえ。
「・・・本気で?」
腰が砕けたようにおまえの前に座り込んで、何度もまばたきしながら呟いた。
おまえは、はっと我に返ったようになって、みるみる赤面した。
「ご、ごめんね!」
僕、何を考えてたんだろうね、とおまえは慌てて部屋を飛び出そうとする。
「あ、・・・待て、って!」



おまえを呼び止めた時点で、その後の展開はもう9割方決まってしまったに違い
ない。後の1割は、もうおまえに全部委ねて。
そして俺がおまえに言ったのは、全くもって頭おかしいとしか思えないほどの、
もし他人に聞かれでもしたら、そのまま窓から飛び降りてしまうほど恥ずかしい
台詞。もうこんな青臭い事は二度と言わないだろうと思っていたのに。


69片道切符 3/3 :2012/03/04(日) 00:50:01.54 ID:56KzPO3u0
「ごめん、いきなり過ぎて、ビックリしただけ。・・・多分、ほんとにおまえと
そういう関係になったところで、・・・俺は何も変わらないし、今まで通り、お
まえとやってけると思う。・・・おまえと俺ってさ、もう、これからも、・・・
ずっと一緒にやってくんだしさ・・・。おまえにさ、そんな風に思われてたのは
別に、全然、嫌じゃないし。どっちかってと、・・・まあ、嬉しい、し・・・
で、でもな、心の、準備とか、ある、から、今日いきなり、は、待ってクダサイ」

何とかかんとか、そう言葉を絞り出す。
そうしたら、それをじっと聞いてくれていたおまえはすごくホッとした顔になって、
また物凄く魅力的な笑顔で、俺に頷いた。
ああ、俺は本当にこの笑顔に弱いんだ。
「ごめんねマー××。じゃあ、今度はちゃんと電話して行くから。・・・僕も、
ちゃんとしていくから」
少しはにかんで、立ち上がって、おまえは出て行った。


俺はおまえがドアの向こうに消えるのを見送って、おまえの足音が聞こえなくな
った瞬間、ソファにぶっ倒れた。
おまえに抱き締められた時に伝わった、おまえの激しい心臓の音が、苦しいほど今
俺の胸を打っている。
――ハジめての女の子かよ、俺はイイ年こいて・・・
笑われたい。今、凄く誰かに笑い飛ばしてもらいたい。
俺の言葉にも、全くこれっぽっちも嘘なんて無かった事を。

そうだ、俺はいつだって、おまえになら、何だって―――


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


70月光 1/2 :2012/03/04(日) 02:14:04.27 ID:56KzPO3u0
ナマ注意です。
元青心・高低、現原人バンド唄×六弦です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


おまえのなすがまま―なんて、君はどれだけ僕を信じてくれているの?
こんなにまで僕に何もかもくれても良いなんて、僕はそれほど価値のある
男だっていうのか?

――そうだよ

息をするように、当たり前のように、君は僕を全肯定する。
君だけ。僕をこんな風に見てくれるのは君だけだ。
欠陥だらけの僕なのに、君の僕を見る目は決してブレたりしない。

僕は自己嫌悪しそうなくらいだ。だって、君がそんなだから、僕は
君の気持ちに胡坐をかいて図に乗っているんじゃないだろうか、僕の
君を思う気持ちは、君が僕に抱いてくれるそれと同じだろうか、
そう自分を疑いそうになる。
そして、何だって僕のやりたいようにさせてくれるのに、君をこれ以上
欲しがるなんて僕は――普通じゃないだろう?

――いいんだよ

ちょっとくらい、僕を否定しておくれよ。一杯あるだろう?

――ない。もう、何も、ない




71月光 2/2 :2012/03/04(日) 02:14:51.97 ID:56KzPO3u0


いつも見ている筈の、君は今夜幾分違って映る。
僕の気持ちのせいなのか、君も本当にいつもと違っているからなのか。
ドキドキする。僕は怖気づいている。
向かい合っている君が、こんなにも綺麗で。

――本当に、いいの?ねえ、いいの?

あんまりしつこく聞けば、きっと君はもう怒るだろう。
もう、そんな事言っちゃいけないんだ。
分かっているのに、僕は何度でも出てきそうな声を抑え込む。
分かっている、いつだって、最後に決めるのは僕なんだ。
そして僕はもう来てしまったんだ。
長い沈黙を、君は辛抱強く待っている。
君の綺麗な目はいっそう純粋で、綺麗に澄んだ魂までそこに見えるようだ。

頬に触れる。滑らかな、冷たい頬。
こわれものみたいな君は、僕のなすがまま。
目を伏せた君の顎を、指で軽く上向かせる。
大理石の彫刻のような瞼の窪み、繊細に通った鼻筋、薄い唇。
柔らかくうねる長い髪を撫でると、君はふっと幸せそうに貌を綻ばせた。

僕は最高潮に高鳴る鼓動の中、君と唇を重ねた。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


72陽光 1/3 :2012/03/04(日) 02:18:04.92 ID:56KzPO3u0
ナマ注意です。
元青心・高低、現原人バンド唄×六弦です。

「月光」からの続き。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


僕は浅い眠りから覚めて、ひたすら途方に暮れていた。
何を考えようとしても、どうしようどうしよう、としか頭の中は回らない。
言い訳なんて何も考え付かないよ。
ベッドの中、隣りには、乾いた涙の跡を残してぐったりと意識の無い君。



一晩中、君を解放してあげなかった。
僕は夢中で、どれだけ君を食べ尽くしても飽き足らなくて、ずっとずっと
君と繋がっていたくて。何度も何度も君を抱いた。
しまいに君が泣いて、もう無理、もう許してと懇願しても、全然止められ
なかった。
揺さ振って、何度も奥まで突き上げて、まともに息も出来ない君の唇を更に
貪って。
掠れた声さえ出せなくなっても、ぐちゃぐちゃに溶け合ったまま、掻き乱し
続けた。



73陽光 2/3 :2012/03/04(日) 02:48:50.76 ID:56KzPO3u0

深い呼吸に合わせて上下する、華奢な背中。
触れるとしっとりと汗ばんで熱く、まだ夜の有り様を残しているようだ。
それは、夜の僕のひどい仕打ちを物言わず突き付けているようで、いたた
まれない。
ああ、ごめんね。本当にごめんね。

乱れた長い髪を何度も撫でる。以前よりは幾らか健康的になったけど、決し
て強くない、やっぱり繊弱な君。肩や首筋に張付いていた黒髪が、僕の指の
間を滑ってゆく。
こわれものみたいな君に、あんな無茶をする気なんてなかったんだ、最初は。
君が幸せそうに笑って、唇が重なった時、理性が吹っ飛んだ気がする。
本当に馬鹿だ、僕は。

ふいに君は身じろぎして、その目がうすく開いた。
ぼんやりと、茶色の目が何かを探すように緩慢に動く。そして僕を捉えた。
「あ、あの、あの・・・あの、」
僕は口をぱくぱくさせるしか出来ない。
「・・・・・」
君はしばらく無言の無表情で僕を見つめていたけれど、やがて気だるげに
身体を動かして、ベッドサイドの煙草に手を伸ばす。うつ伏せのまま煙草
に火を付け、深く吸い込んでからゆっくりと煙を吐き出した。
「・・・オハヨ」
「・・・おはよ、う、ゴザイマス」
そしてまた沈黙が流れる。謝らなきゃ、絶対怒ってるよ、幻滅されてるよね、
そう一人でびくびくしている僕より先に、また口を開いたのは君だった。
「・・・ごめんね」

74陽光 3/3 :2012/03/04(日) 02:50:02.14 ID:56KzPO3u0
「へ?」
「それ・・・」
君は恥ずかしそうに目を細めて振り向き、僕の胸を指差す。
初めて気付いた、君の爪の痕。君の痕が幾つも僕の身体に刻まれていた。
「多分、背中にも付けちゃってると、おもう」
いつもと変わらない舌足らずの口調で、訥々と言う君に僕は思わず泣き出し
そうになる。
「そんな事!全然、何でもないやん。僕の方こそ、マー・・・っ」
怒涛のように謝罪の言葉を吐き出そうとした僕の口を、君は遮った。
僕の頭を引っ掴んで、些か乱暴に噛み付くようなキスで。
驚いて固まる僕の唇を、君はぺろりと舐める。
そして僕から手を離すと、煙草を灰皿に押し付け糸が切れたようにベッドに
沈み込んだ。
「いーんだよ」
僕に背中を向けた君の声は怒っているような、笑っているような、照れ隠しの
ような。
「でも、しばらくは、させてやんねーから」
「・・・はい」

しおらしく返事した僕の声に、君の背中から力が抜けるのが分かった。
なんて無防備、なんて穏やか、君、全然怒ってないんだね。僕は本当に、どう
したらいいんだろう、どこまで君に甘えて、どこまで君を想えばいいんだろう?

僕は君を抱き込んで、その背中に沢山の想いを込めてキスを落とした。
君は僕が回した腕に、優しく手を重ねた。
恋人でもなく、家族でもなく、ただ同じものに掴まれ、同じ歩幅でこれからも
歩いてゆく、どうしようもなくいとおしい、僕のいとしい君。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


75風と木の名無しさん :2012/03/04(日) 13:11:53.55 ID:L4jCbcel0
>>66
GJ!楽しくて可愛くて面白かったw

76仰げば尊し1/3 :2012/03/05(月) 01:45:59.52 ID:GEeTMUh80
半生注意でお願いします。
「李総の息/子」先輩ズで、3256。付き合ってない。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「聞いたか謙語」

リングの中へドリンクを投げて寄越して悟朗が楽しそうに尋ねる。
軽く受け取って、口に含みながら視線だけで先を促した。

「面接だ面接。友達面接。あいつら泣いてたぜぇ、不合格食らって須々木と遊べねえんだと」

クククと笑ってリングに背中を預ける悟朗を、少し呆れたように眺めて謙語もロープに凭れる。

「相変わらずぶっ飛んだお袋さんだよなあ」
「それだけ須々木を愛してるんだ。良い母親だろ」
「出たぜ熟女好きがよ」
「だから違うってんだろうが」
「ま、環境は人を変えるっつーのは否定はしないさ」

人気のない部室でふたりの会話だけがぽつぽつと落ちる。
穏やかな時間だった。
窓から差し込む夕陽が眩しい。

「もうすぐ卒業だなあ」
「突然どうした」
「お前の戦う姿を間近で見られるのも、残りわずかってことだ」

もう残っている生徒は少ないのだろう。
部室どころか校庭からも廊下からも、日中の喧騒がない。
放課後の空気だけが校舎を包んで、伸びた日をやけに実感させたのだ。
春が近い。
冬が終わる。

「最近考えるとな。柄でもねえが、ちょっと寂しくなっちまってよ」
「悟朗」

77仰げば尊し2/3 :2012/03/05(月) 01:47:32.77 ID:GEeTMUh80
後ろからぐいと顎を掴まれ、強制的に上向きにされる。
予想よりも至近距離で覗きこまれ、悟朗は僅かに驚いて固まる。
僅かだ。
すぐに笑みを浮かべた。

「情熱的だな謙語」
「茶化すんじゃねえよ悟朗。……お前何が言いたい」

だが悟朗に答える気はない様で、ちゅ、とリップ音をさせてふざけて見せる。
謙語があからさまに眉間にしわを寄せた。
いつもクールぶっている謙語の珍しい反応に、悟朗は顎を固定されたままで気持ち首を傾げた。
勿論固定されているので実際には謙語の右手にその感触が伝わっただけだ。

「謙語ぉ、アゴ外れんだけど」
「入れてやるから安心して外せよ」
「……なんつーか、おっかねえからいいよ」

そろそろ本当に関節が危うい。
ぐぎぐぎと軋むような気がする。
は、と小さくため息をついて、悟朗は少し真面目な眼をして続ける。

「だから、……環境だろ」
「環境だ?」
「不良高校で熱血教師に指導され、母親を探すために五輪を目指す。まあここまでなら美談さ」

相変わらず掴まれたままの顎が草臥れたけれど、話しきるまで放す気はないらしい。

「だが不良仲間といつまでもつるんでいたところで、何も得はないだろう。
 それどころか、あることないこと好き勝手言われて足を引っ張っちまうかもしれねえ」

俺はお前の邪魔になるなんざまっぴらごめんなんだよ。
知らず言い含めるような口調になるが、悟朗自身に自覚はない。

「……つまり?」
「つまり、俺も不合格ってことさ」

話は終わりとばかりに、己の顎を押さえつけている謙語の右手をぽんぽんと叩く。
弛められるはずのそれは、けれどそのまま悟朗の顎を固定する。
いい加減に放せと言いかけたその唇を、声を封じる様に塞がれた。

78仰げば尊し3/3 :2012/03/05(月) 01:51:14.72 ID:GEeTMUh80

左手で。

「……ふぁんのふもりふぁけんふぉ(何のつもりだ謙語)」
「お前、友達不合格って覚悟あんの」
「ふぁ?(あ?)」

怪訝そうに眉を寄せた、悟朗の唇を覆ったままの自身の左手に口づける。
やはり「ちゅ」と音を立てて。

「友達じゃなくなっちまったら、次はこれなしってことだぜ」

まん丸く見開いた目の前で、「これ」とひらひらと左手を振ってやる。
そのまま顎も解放して、固まる悟朗の横をさっさとリングから降りてしまう。
顎を定位置に戻す動きはぎこちなく不自然ではあったが、外れはしなかったらしい。

シャワー室へ消える謙語の背中はあまりにも普段通りだ。
冗談だったのかと悟朗が強張った肩の力をふうと抜いたところで駄目押しの声が飛ぶ。


「卒業式が楽しみだな、悟朗」


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

ノヅマさんの蓮っ葉な口調が難しすぎてちょっとおかしくなってる。
それ以前に着地点を見失っているけれど、もうすぐ最終回の悲しみの勢いで。
先輩ズ可愛いよ先輩ズ!

79風と木の名無しさん :2012/03/06(火) 00:43:06.74 ID:l6HxzlhC0
>>76
久しぶりに見に来たら…GJ!!
3256大好物です

80風と木の名無しさん :2012/03/06(火) 15:22:19.70 ID:Bg08ePBG0
>>76
まさかの392先輩押し展開にときめいた
56かわいいよ56

81風と木の名無しさん :2012/03/06(火) 22:10:11.40 ID:Bg08ePBG0
>>80
自己レス32ネ先輩だった そしてsage忘れごめん
ちょっとサンドバッグになってくる

82風と木の名無しさん :2012/03/07(水) 05:11:01.62 ID:mDHM6k230
>>76
まさか棚で3256見れるなんて思わなかった!
56の顎が無事で何よりw
32561143256!萌えをありがとう!

83風と木の名無しさん :2012/03/08(木) 00:06:00.56 ID:lmgzKspMO
>>26 27
亀だけど縦読み乙
でも正直微妙〜
「お愛ぼい」とか読めないし。造語?意味は?
「るこう草」って何?脳内植物?
おおっぴらに出来ない萌えを投下できる棚に感謝してるなら
口にしない方がいいよ。変な縦読み鼻につく


84風と木の名無しさん :2012/03/08(木) 07:31:29.27 ID:uAtZykuB0
>>83
申し訳ないがあからさまな絶許狙いは

85風と木の名無しさん :2012/03/08(木) 08:07:14.27 ID:bDEFe0v50
>>83
お前さんは何と向かい合ってるんだ?
調べるとかしないの?恥ずかしいよ

86オリジナル 触手×戦士 1/8 :2012/03/10(土) 23:17:44.13 ID:pmTlzYoW0
RPG風異世界ファンタジーです。
とくれば魔王×勇者!と思ったんですがとりあえず触手×戦士になっちゃいました。
かなりニュルニュルしますんで苦手な人はご注意ください。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

戦士は窮地に陥っていた。
魔王討伐のパーティに加わって1年、とうとう魔の城にたどり着き、魔王に相対した瞬間、彼と魔王以外が消え去ったのだ。
突然仲間を失ってうろたえる戦士に、魔王は落ち着きはらって言った。
「ここは時空を超えた場所だ。お前以外の者たちはすぐそこにいるが、時の流れの違う場所にいる」
「……どういうことだ」
「これを見るがいい」
魔王が手をかざすと、暗闇の中に仲間たちの姿がぼうっと浮かび上がった。
確かにすぐそこ――さっきまでと同じ場所に立っているのに、薄暗く、石像のように動かない。
しかも、なぜだか手の届かない、はるか遠い場所にいるかのように感じる。
「私はお前だけを連れてここに来たのだ。ここで何時間、何日、何年経とうが、彼らは動かない。彼らにとっては一瞬の出来事なのだ。この中でどれだけ時が経とうともな」
「何だと……?それじゃ、お前の相手は俺一人でしなきゃならねえってことか」
「私は一対一でゆっくりと話し合う主義でな」
魔王はわずかに唇を丸め、ふっと息を吹きかけた。
戦士の金色の前髪がふわりと揺れた一瞬の後、猛烈な風がその兜を吹き飛ばした。
握り締めていた剣の柄が右手から放れ、大剣が宙に舞う。
「なっ……!」
魔王は美しい唇をつり上げて、優雅に笑った。
「まとめて相手をして、すぐに終わってしまうのもつまらない」
「ふん……勝手なことを。俺は一人だって充分貴様と戦える!」
「剣もなしにか」
「そうだ!」
戦士は素手のまま、すばやくダッシュする。
「ほう……!」
元々の脚力と風の加護を受けた靴の効果で、信じられないスピードで魔王の正面に近づいた。

87オリジナル 触手×戦士 2/8 :2012/03/10(土) 23:22:26.81 ID:pmTlzYoW0
魔王は掌を翻し、防御しようとした。
その瞬間、戦士の姿が消えた。
はるか空中に飛び上がった戦士が、真上から魔王の頭を狙って拳を叩き込む。
「くらえッ!」
だがその拳は、相手をすり抜け、地を砕いた。
魔王は傷一つなく、戦士の背後に立っている。
「くっ……!」
「なかなかのスピードだ。人間とは思えん。……しかし、私が時空を操れる以上、あまり意味がない攻撃だ。お前の時間を止めることができるのだからな」
魔王の指輪が光った。
戦士の体が石のように重くなり、一切動けなくなる。
「お前の意識だけを残し、体の時を止めた。どうだ?これでも戦えるかな」
「…………!」
しゃべろうとしても、体どころか口も動かなかった。
「人間たちは定期的にお前たちのような者をここへよこしてくれるな。だがお前たちのような生命力のある人間は久しぶりだ。生け贄にはちょうどいい」
突然地面がぐにゃりと柔らかくなり、巨大な植物の蔓のようなものが大量に湧き上がった。
抵抗する間もなく、戦士の手や足に蔓が巻きつき、絡みついていく。
「うわっ……!」
魔王が術を解いたらしく、ようやく声を発することができた。
だがなす術もなく戦士は空中で植物に絡め取られ、じたばたともがいた。
蔓だと思ったものは、奇妙な粘りを帯びた触手だった。
這った後にナメクジのように透明な粘液を出し、それに触れた靴や手袋だけでなく、硬い鎧までもが煙を上げて溶け出した。
「心配はない。魔樹の粘液は人体まで溶かしはしない。大事な栄養源を失うわけにはいかないからな」
「栄養源だと!?」
「言っただろう、生け贄になってもらうと。お前たちのような、普通の人間の何万倍ものエネルギーを持った者は貴重なのだ。
たった一人を食うだけで、他の何万人を食う手間が省ける」
「俺を、食うのか……っ」
「ふふ、食うと言ったのは比喩だ。優秀な魔族は人間を殺さず、質の高いエネルギーだけを吸う。我々の生命を維持し、種を存続するためのエネルギーをな。
だがここしばらくはそんな人間も現れず、エネルギーも尽きてきた。差し当たっての急務は、そこにいる絶滅危惧種の魔樹の子孫を増やすこと……
ちょうどお前のような丈夫な苗床を待っていたところだ」

88オリジナル 触手×戦士 3/8 :2012/03/10(土) 23:29:58.84 ID:pmTlzYoW0
シュルシュルと触手が巻きつき、戦士の体を這い回る。
「うあぁっ!?」
「心配するな、殺したりはしない。それどころか、お前ほどの肉体なら永遠に生きることすら可能になるのだ」
「触るなっ、汚らわしい魔物めッ……あっ、あぁっ!」
触手は戦士の下着まで溶かし、戦士の下半身に直に触れてきた。
「な……にを……っ!」
「お前が苗床にふさわしいかどうか調べているのだ。よほど丈夫な人間でなければ、卵を産みつけても孵化する前に死んでしまうからな」
「卵……だと……!?……ぅあッ!」
ビクン、と戦士の体がはねた。
粘液が肌に触れたところがじんじんと疼き、痛みとも痒みともつかない奇妙な感覚を帯びた。
性器に巻きつかれ、ぐねぐねと締めつけられると、戦士は思わず声を上げて身をよじった。
「魔樹は媚薬を使って人間を高ぶらせる。そのほうが同じ量でもエネルギーの質が高まり、供給もスムーズになるからだ。
お前はこれからすばらしい気分を味わい、喜んで魔樹にエネルギーを差し出すことになるぞ」
むき出しになった尻たぶを開き、一本の触手が孔の周りを這い回る。
入り口の周りを丹念になぞって粘液を塗りつけると、先端をするりと潜り込ませた。
「あァっ、入…る、な……っ!」
じわじわと粘液を放出しながら、中を探るように触手がうごめく。
触れられたこともない場所に怪しげな毒を施され、ビクッ、ビクッと戦士の体が引きつった。
ひとしきり調べ終わると触手は一度引き抜かれ、その先から、さらに細い半透明の卵管が現れた。
その中には、表面に細かな触手が生えた、魔樹と同じ緑色の丸い卵が数個、透けて見える。
「気に入ったらしいな。生命エネルギーも充分らしい。……卵を宿すに相応しい肉体だ」
「やっ……、やめろっ……、あぁぁっ、あぁー……!」
卵管から卵がにゅるりと押し出され、戦士の後孔へと飲み込まれていく。
小石ほどの大きさの丸い卵は粘膜で覆われ柔らかな弾力をもち、腸壁をぐにぐにと刺激しながら奥へと潜っていった。
――卵を……、産みつけられた……!
二個、三個と続けて入っていく卵は、それぞれが足のように柔らかく細い触手を何本もうごめかせて、自らの居場所を探すように移動していく。
「や、め……っ、……んっ、んぅぅっ!」

89オリジナル 触手×戦士 4/9 :2012/03/10(土) 23:50:40.44 ID:pmTlzYoW0
下腹部に力を込めて卵を押し出そうとしても、卵はびくともせず、いっそう奥へと入り込んでいく。
――ちくしょう、……魔物の……卵がっ……!
おぞましさに体を震わせながら、戦士は卵を押し出そうと下腹部に力を込め、思い切り手足を振り回した。
しかし暴れれば暴れるほど、魔樹の力も激しさを増す。ぬめった触手が中に入り込み、みっちりと内部を圧迫し、卵をさらに押し込んでいく。
中の卵が押されて擦れ合い、内側の粘膜を押し広げる度に、ぞくっと電流が流れるような刺激に襲われた。
全身に力が入らなくなった隙に、触手がぐっと卵を押し込んでくる。触手はだんだん太さを増して内部の襞を広げながら、入り口ぎりぎりまで引き出されては中へ突き入れられる動きを繰り返した。
「あふっ……!……ぅあッ!」
突かれる度に戦士の体がびくんと震え、抵抗する意思が少しづつ、だが確実に削ぎ取られていく。
魔王はその姿を見て、満足げな笑みを浮かべた。
触手が戦士を愛しむように襞を擦り上げる。
そのスピードは徐々に速まっていき、溜まった粘液がじゅぷじゅぷと淫らな音をたてた。
「あっ……、ぁヒっ……!」
耳を覆いたくなるような情けない声が漏れた。
しかし下腹部から脊髄を貫き脳を侵す快感は、その屈辱さえも麻痺させ、全身を揺さぶった。
もはや声も出なくなり、戦士は背をのけぞらせ全身をガクガクと痙攣させながら、ついに精を放った。
性器に巻きついた魔樹の触手がそれを絡めとり、吸い上げる。
その感触にさえ、びくん、びくんと身体がはねる。
やがて力尽きた戦士の体からぐったりと力が抜けた。
すると魔樹の動きも少し緩やかになったが、まだ動きを止めることはない。
ひくひくと余韻に震える孔に、触手は相変わらずゆったりと抜き差しを続けている。
一度捕らえた獲物を支配下に置くために、入り口の襞に媚薬である粘液を染み込ませ続けているのだ。
戦士は抵抗する術もなく、触手の動きに身を任せるしかなかった。
「どうだ、魔物の卵を孕んだ気分は。卵にとってはお前の快楽こそが糧となる。今はさぞ気持ちがよいだろうな」
「……黙…れ……、こんなもの……!」
魔王の嘲笑に戦意を取り戻し、戦士の目が鋭く光る。
もう一度全身で触手に抗い始めた。

90オリジナル 触手×戦士 5/9 :2012/03/10(土) 23:54:01.01 ID:pmTlzYoW0
だが魔樹はそれに反応するかのように再び戦士の全身を締め上げ、後孔の奥深くまで差し込まれた触手が容赦ない抽挿を始めた。
「ひッ……!やめっ……動く、なっ……あ、あっ、あっ、あっ……!」
触手が奥を突くたびに、戦士の顎がガクガクとのけぞる。
魔の薬に痺れた下半身は全く言うことをきかず、別の生き物のように激しく動き、痙攣した。
全身を硬直させ涙を流しながら、戦士は強すぎる快感に耐えるしかなかった。
「ふふ……。魔樹は支配欲の強い生き物だ。お前が抵抗すればするほど、抑え込む力もまた強くなる。楽になりたければ、服従すればいい。
お前が素直に従えば、魔樹もお前を優しく扱い、最高の快楽を与える。そうすれば、お前を苦しめるものは何も無くなるぞ。
お前は快楽を得ることしか考えられなくなり、すべてを忘れて魔樹の虜になるのだ」
「だ、誰が……服従などッ……!」
戦士はまた全身に力を込める。だが結果は同じだった。
彼が狂ったように手足を振り回しても、魔樹がそれをしのぐ力で押さえつけ、内部を抉りながら粘液を注ぎ込む。
鍛え上げた筋肉も、体の中を責める触手と媚薬には無力だった。
戦士は快楽にうち震え、精を零して力尽きる。
一瞬緩やかになった攻撃の合間に、戦士は息を整え、再び抵抗した。
だがそれもむなしく、戦士は無限に続く快楽の中、意識を手放すまで犯され続けた。
その凌辱は果てしなく繰り返された。

絶望の中、どのぐらいの時間が経ったのか分からない。
戦士の体を覆っていた鎧は魔樹の粘液ですっかり溶け落ち、露出した全身の肌の上を無数の触手が這いずり回っていた。
ぬるぬるした液体に覆われた乳首を触手がしつこく弄ると、戦士は鼻から抜けるような声で喘ぎ、身をよじった。
手足には何重にも触手が絡みつき、全身を拘束しながら舐め回すように這い回っている。
あらわになった秘所には代わる代わる触手が突き刺され、産みつけられた卵に滋養を与えるためなのか、数分おきに生温かい粘液がたっぷりと注入された。
その度に戦士は気が狂いそうな快感に襲われ、性器は本人の意思に関係なく熱を持って、痛いほどに張り詰める。
魔王の支配する時の中で、戦士はもう何日もこうして魔樹にいたぶられ続けているような気がした。

91オリジナル 触手×戦士 6/9 :2012/03/11(日) 00:02:19.82 ID:PUP67LfJ0
それでも、戦士は気力を振りしぼり、涙に潤んだ碧眼を魔王に向けてにらみ続けていた。
「さすがだな。体内に卵を宿したまま、これだけの責めを受けてまだ正気を保っていられるとは……。
並大抵の人間なら、既に力を吸われすぎて廃人になっているか、息絶えているところだ」
「……ふざ…ける……な……」
「それでこそ、選ばれし勇者と共に旅をしてきた戦士だ。お前の体力と精神力には敬意を表そう。だがそろそろ卵も育ってきた頃だ……お前には、果たすべき役割がある」
「……!あ、ぐッ!」」
戦士の顎に魔樹の触手が巻きついた。
無理やり口を開けさせられ、その中に粘液にまみれた太い触手がねじ込まれる。
「んぅぅっ!んぶっ……!」
「お前はその卵を孵化させ、その子らの母となるのだ。魔樹の子を生んだ後も、お前の豊かなエネルギーは魔樹たちのすばらしい糧となろう。
そしてその見返りに、お前はこれ以上ないほどの快楽と永遠の命を得るのだ」
ゴポッ、と音がして、触手から口内へ大量の粘液が注がれた。
「ンンっ……、ン……っ」
吐き出すこともできず流れ込んできた液体は粘度が高く、不快に喉に絡みついたが、味は花の蜜のように甘かった。
ごくりと飲み込んだ途端、上等な酒にでも酔ったかのように目のふちがほのかに温かくなり、視界がピンクのもやに包まれていく。
「……ぁ……」
何とも言いようのないふわふわした感覚が脳を侵し、必死に保っていた強い意思が急速に萎えていく。
粘液に覆われた触手が首元や髪の中、さらには顔全体を包み込むように絡みつき、透明な媚薬を塗りつけながらニュルニュルと動き続けていた。
何本もの触手に口の中まで蹂躙され、戦士の全身から力が抜けていく。
――ダメだ……ここで、屈してしまったら……俺は……!
その時、下腹の辺りがじわり、と温かくなった。
――何だ……、これは……?
卵が割れて、とろりとした粘液が溢れ出すのを感じた。
その瞬間、戦士の下腹部に衝撃にも似たすさまじい熱が走った。
「んんっ……、んぁあぁぁ――っ!」
粘液の中から、熱い溶岩の塊のような何かが動き出した。
魔樹の幼生だった。

92風と木の名無しさん :2012/03/11(日) 00:03:58.79 ID:QJqYyXKS0
規制大丈夫かな?
念のため支援入れときますね

93オリジナル 触手×戦士 7/9 :2012/03/11(日) 00:07:55.02 ID:PUP67LfJ0
腹の中でうごめく魔物の感触に、戦士の意思に関係なく腰がガクンガクンと大きく揺れだした。
「ぉ……ンっ、……んんっ、ンッ、ンッ、ンッ、ンッ」
生まれたばかりの数匹の幼生は重なり合って所狭しとうごめき、奥深くをまさぐり、無数の触手を伸ばして自らがまとう粘液を戦士の体内に塗り広げていく。
その粘液は強烈な媚薬となって、戦士の下腹部を焼いた。
「んぐっン、……んンーっ……!」
戦士の中心が大きく反り返り、大量の精を放つ。
体中に巻きついた魔樹は触手を伸ばしてそれを飲み込み、戦士の口に差し込んだままの触手から同じ量の透明な粘液を吐き出し、喉の奥へと注ぎ込んだ。
「ぉッ……ぐ……っ」
戦士は涙を流し、痙攣しながら、それを飲み込んでいく。
じん、と体中に甘い毒が走る。
限界を超えた快楽に脳が痺れる。
もう、何も分からなくなっていた。
飲み込みきれず口から溢れた液体を魔樹が絡めとり、再び戦士の口元へと運ぶと、彼は無意識に舌を伸ばして透明な媚薬を舐め、啜った。
戦士は歓喜に震えながら、魔樹が与えるすさまじい快楽の渦に取り込まれていた。
その体がビクン、と大きく痙攣した。
――何か……出るっ……!
腰ががくがくと震えた。
「ぅあ……、ぁ……!」
彼が言葉にならない声をあげると、触手が彼の両足を大きく持ち上げ、ゆっくりと左右に広げた。
開かれた秘部は魔王の視線のほうへと向けられる。
――魔王が…見てる…前で、……俺…は……!
じっと注がれる視線に、戦士は不快感よりも不思議な興奮を覚えていた。
乱れる息の中で桃色の舌が震え、透明な涎の糸がひとすじ、顎へと流れ落ちた。
ヒクヒクと震える後孔から粘液が溢れ、ぬめぬめと光りながら、柔らかい魔樹の幼生らしきものが徐々に姿を現す。
――生ま……れ…る……っ!

94オリジナル 触手×戦士 7/9 :2012/03/11(日) 00:15:51.86 ID:PUP67LfJ0
限界まで広げられた孔の縁から、ずるり、と一匹目が這い出した。
見開かれた戦士の両目から涙が溢れ、瞳が上瞼の裏に隠れた。
「あぉ……、ぉ……ッ」
一番太い部分が通り抜ける瞬間、限度を超えた快感に、戦士は白目を剥いたままガクッ、ガクッと全身を震わせた。
後孔から這い出た幼生は戦士の尻に名残惜しそうにまとわりついた後、ゆっくりと触手を伸ばして床へと滴り落ちた。
続けて二匹、三匹と生まれてくる魔樹の幼生を見ながら、魔王は目を細める。
「ほう……。久しぶりだ。こんなに色つやのいい魔樹が生まれるのは」
媚薬を放出しながら這い出てくる幼生が襞を刺激して、戦士は痙攣を繰り返す。
性器からはとろとろと半透明の液体が流れ続けていた。
「なるほど、出産こそが苗床にとって最高の快楽だと聞くが……どうやら真実らしいな」
「……あぁぁ……はぁぁ……ぁぁ……」
魔王が見ている前で、戦士はもはや口を閉じることもできず、涙も涎も垂れ流すままだった。
体内に残った卵の残骸を触手に掻き出されるだけでも、戦士はビクビクと太腿を引きつらせて悦楽に悶えた。
腹の中が空っぽになり、戦士が放心したのもつかの間、生まれたての幼生たちが戦士の腰に巻きついてくる。
「あうっ……」
幼生たちは先を争うように戦士の秘所に足を差し入れ、淫靡な刺激を送り込んできた。
別の触手は性器に巻きつき、拙い動きで精を搾り取ろうと動き始めていた。
「礼を言うぞ、人間の戦士よ。お前はこの魔樹たちの母となった。あとはこの子らがよく育つよう、栄養を与え続けるのだ」
「……えい……よう……」
戦士は蕩けた目で魔王を見上げた。
ぐちゅ、ぐちゅ、と後孔を触手が出入りしている。
快感に揺れる戦士の瞳を見つめながら、魔王は微笑んだ。
「そうだ。お前はただそうして思う存分魔樹に抱かれているがいい。魔にとってはその快楽こそがすばらしい栄養となる。
お前はこの魔樹たちの親だ。親は子に食べ物を与え、育てるものだ。そうだな?」
「…………は……い……」
――そうだ……親は子を育てるもの。
何も不思議には思わなかった。
自分は、この子らの親なのだから。
自分はそのために生まれたのだと、自然に信じることができた。

95オリジナル 触手×戦士 9/9 :2012/03/11(日) 00:19:48.81 ID:PUP67LfJ0
魔王が手の甲を差し出すと、戦士はぼんやりと焦点を失った瞳を向け、そこへ吸い寄せられるように唇を寄せた。
なぜだか分からないが、そうしなければならないような気がしたのだ。
口づけをした瞬間、エメラルド色だった戦士の瞳は、魔王と同じ血のような真紅に変化し始めた。
魔王に忠誠を誓い、その許しを得た者は、永遠の命を持つ魔族に生まれ変わるのだ。
幼い魔樹の触手が、ぐぐっと体内に入り込み、餌をせがむように強く擦りつけてくる。
戦士は喜びの吐息を漏らしながら、腰を揺らめかせた。
「あ……、また、出る……、出…るっ……あ、あッ、あァ……ッ」
ビクン、ビクンと体を震わせ、戦士が放った精を、魔樹が吸い尽くしていく。
その報酬として、魔樹は新たな媚薬を戦士に与えた。
戦士は触手に吸いつき舌を這わせ、溢れる透明な粘液を夢中で飲み下していく。
そして再びその体はますます熱を帯び、快楽の輪は無限に続いていくのだ。
触手の先から卵管が伸び、その中にいくつもの新たな卵が見えた。
戦士は自ら両足を開き、期待に胸を震わせながら、それらが体内に注入される瞬間を待った。
「あぅ……っ、うふぅ……っ」
卵管が奥深くへと入り込み、魔樹の卵を次々と体内に埋め込まれていく感覚に、戦士はたまらない喜びを感じ、泣きながら悶えた。
淫液でできた水溜りにぽとぽと涙が落ち、触手に抱かれ快楽に身をくねらせる戦士の姿が映し出され、揺らめいている。
そのすぐ側には、魔王を斬るはずだった大剣が転がっていた。
刃先は既に魔樹の粘液に侵され、ボロボロに錆びている。
いずれ、剣そのものが跡形もなく溶け去ってしまうだろう。
魔王はそれを一瞥し、笑った。
「そうだ……それでいい。お前はその身も心も、魂までも、我々に捧げ続けるのだ……永遠にな」

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

BLで触手堕ちってあんまり無いから自分で書いてみた。
途中で総数増えました、スイマセン。支援ありがとうございました。
パーティの残りの面々の分もそのうち書く……かも。

96風と木の名無しさん :2012/03/11(日) 07:54:29.71 ID:TVGzbnqa0



…ふう

97風と木の名無しさん :2012/03/11(日) 22:21:45.49 ID:5VrlLWi80
>>86
触手堕ちとか超萌えたー!

98保健体育:性の芽生え :2012/03/12(月) 08:42:30.29 ID:PtxL4xhC0
半生注意です。
ドラマ「李総の息/子」より息子×鰐。フェラーリ、扱き合い?有りです。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


「鰐河ダメだって腕噛んじゃ。…そんなに声聞かれるの恥ずかしい?」

「ぅ…ぁ、んっ、たり前っ…だ…!」

どうしてこんな事になってしまったのか。

――――――――――――――――――――――――――

その日、少し遅刻して学校へ来た鰐河は教室への近道だと体育館方面へ向かって校内を歩いていた。
遅刻した理由は大した事ではなく、ただ何となく朝がダルいとか学校行くのめんどくせぇとか、その程度の事だった。
ヤンキーだらけの学校なので、そういった遅刻理由は珍しくはない。

「わーにっかわ!」

だらだらと一人外の渡り廊下を歩いていると、突然何者かに後ろから抱き着かれた。

「うぉっ!?…なんだ涼木かぁ、お前も遅刻か?」

いきなり抱き着かれた衝撃で若干前のめりになりつつも、自分より相手の方が小柄で軽い事もあって鰐河は転ばずには済んだ。
へへ、と無邪気そうに笑うこの男は、同じクラスの涼木台地だ。


99保健体育:性の芽生え 2/8 :2012/03/12(月) 08:45:07.20 ID:PtxL4xhC0
「近道しようと体育館側周ったら、姿勢の悪〜い背中が見えたからな。」

そういって鰐河の腰に抱き着いた台地は、いたずらな笑みを浮かべる。

「うっせ!お前より背がデケェんだ、姿勢伸ばして過ごしてたら疲れちまうだろ」

よくわからない理論を語りながら、鰐河も台地につられてニヤリと笑う。
なんだよそれ、嫌味か〜?と、お互い憎まれ口を叩き合いながらクスクスと笑い出す。

「ってか、お前いつまで引っ付いてんだ?いい加減離れろよ」

「ん〜?いやぁ、鰐河って普段長ラン着ててよくわかんなかったけど、こうしてみると意外と細いなと思って」

ギュッ、と腰に回した腕に力を込めて台地が言った。

「バーカ、お前には言われたくねっつの。俺なんかよりずーっと細っこいくせしやがって」

確かに台地は鰐河に比べて背も、体型も、顔も全て可愛らしく、まるで女子のようだった。
しかし、前に二人が対決した時に台地は鰐河の前歯を拳で4本折っている。

「全く、そんな細ェ体でなんであんな力強いパンチが打てんだろうなぁ?」

鰐河が不思議そうな顔で台地を見つめる。
すると、今まで無邪気そうな表情を浮かべていた台地の顔が微かに歪んだ。

「…多分、力の入れ方とかじゃない?」

「涼木…?」


100保健体育:性の芽生え 3/8 :2012/03/12(月) 08:46:38.78 ID:PtxL4xhC0
次の瞬間、腰に回されていた手がスルスルと後ろから鰐河のシャツを捲り上げ、そのまま脇腹を一撫でして片手で胸の突起を摘む。
もう片方は、腰に回されたまま。

「すずっ!?おい、何の冗談だ!やめろ!!」

「焦ってる?だよね〜、今まだ朝だし第一ここ外だし。」

そう言いながら、台地の右手は止まることなく鰐河の胸の突起を弄ぶ。

「っ…、涼木!マジでいい加減にしろ!」

台地を振りほどこうと必死にもがくが、腰に回された腕はびくともせず。
そればかりか、緩やかな胸への刺激で鰐河はだんだんと力が入らなくなってきていた。

「鰐河意外と敏感だね?乳首だけで力抜けてきた?」

「なっ!?んなワケ…ぁ、!バカどこ触ってんだ!?」

鰐河の反論を聞き終わらない内に、先程まで胸の突起をこね回していた手は下へ下り、鰐河の下腹部を撫で回していた。
器用に片手でベルトを外し、そのまま下着の中へ滑り込ませる。

「これさ、冗談じゃないんだよね。俺結構マジ」

ふふ、と笑いながら台地は鰐河自身をやんわりと掴む。

「ぁ、…意味が、わかんねぇ…。な、んでっ、こんな…」

「俺さ、なんか最近鰐河見ると、変な気分になるんだよね。母ちゃんでは、こんな気分にならないんだけど」


101PtxL4xhC0 :2012/03/12(月) 09:04:29.19 ID:sEjkDsp2O

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

連投引っ掛かりました…orz

102保健体育:性の芽生え 4/8 :2012/03/12(月) 09:13:28.76 ID:PtxL4xhC0
どうしてかね?と、腕の下から顔を出して小首を傾げながら鰐河の顔を見る。
もちろん、右手で鰐河自身を扱きながら。

「ンな、事…知るか、ぁ…ん!ふ…ぅっ」

ガクガクと鰐河の足が震える。自分の体重をこれ以上支えていられそうになかった。
ぺたん、と鰐河はその場に膝からくず折れる。

「腰砕けちゃった?そのままじゃこの後ツライよね、でもここじゃ流石にまずいし…あ、そうだ」

よいしょ、と台地は鰐河の腕を自分の肩に担ぐと、そのまま立ち上がり近くの体育館まで足元の覚束ない鰐河を半ば引きずりながら連れていく。

「ここならまぁ大丈夫でしょ」

体育倉庫のマットの上に鰐河を降ろすと、鉄製の重い扉をぴたりと閉じる。

「涼木、一体どういうつもりだ…こんなとこ連れ込んで」

目に生理的な涙を浮かべながら、鰐河は台地を睨みつける。

「そんな顔で睨んだっていつもの半分も迫力ないよ。それに、鰐河もそんな状態のままじゃツライでしょ?こうなっちゃったのも俺の責任だし、抜いてやるよ」

「バ、カ…やめろ…」



103保健体育:性の芽生え 5/8 :2012/03/12(月) 09:14:40.74 ID:PtxL4xhC0

鰐河と向かい合う形で座ると、台地は鰐河の制服のズボンに手をかけ下着ごとずり降ろした。
そして先程と同じようにゆっくりと鰐河自身を扱く。
そこは既に立ち上がり、先端からは僅かであるが透明な液体が零れ出していた。

「ふっ、ぅ…ぁ、あ、すず…すずきぃ、っ…」

次第に鰐河の目からは涙が零れ、その眼光はとろりととけてきた。
頬は情欲に濡れて紅潮し、口からは抑え切れない呼気が洩れている。
ゆっくりと台地が肩を押してやると、鰐河はそのまま後ろへ倒れ込んだ。

「んー、いまいち滑りが足りないかな…」

ポツリと呟くと、台地は鰐河自身へと舌を伸ばした。
そして下から上へ、丁寧に舐め上げる。

「ぅあっ!?ぁ、お前何し…んっ、く…ひぁ、ぁ」

必死に声を噛み殺そうと鰐河は歯を食いしばるが、前歯がないせいでそれも上手くいかない。
自らの口から洩れ出る嬌声が、更に自身の興奮を駆り立てる。
と、鰐河はおもむろに自分の腕に噛み付いた。

「あ、鰐河ダメだって腕噛んじゃ。…そんなに声聞かれるの恥ずかしい?」

「ぅ…ぁ、んっ…、たり前っ…だ…!」

鰐河自身を舐めていた台地は、鰐河が自分の腕を噛むのを見て顔を上げた。

「じゃあこうしよう?俺の肩に噛み付いていいから、ね?」

台地は着ていたブレザーを脱ぐと、鰐河を抱き起こして自分の肩口に頭を乗せさせる。


104保健体育:性の芽生え 6/8 :2012/03/12(月) 09:16:25.18 ID:PtxL4xhC0

「遠慮なく噛み付いちゃっていいよ」

鰐河の後頭部を数回撫でて、台地は再び右手を上下に動かす。
鰐河はおずおずとシャツの上から台地の肩に歯を立てた。
しかし、自分の腕のように力いっぱい噛むのは流石に憚られる。

「ん!…っふ、ぅ…んぅ、ぅ…」

甘く噛み付いた台地の肩口で、鰐河がくぐもった声を上げた。
羞恥で耳まで赤くなりながら、それでも台地に顔を見られてるよりかは幾分マシだと抑え切れない声で喘ぐ。
台地のワイシャツの肩に、唾液で出来たのシミが広がる。

「…ごめん鰐河、耳元で喘ぐ声に当てられて俺も限界…。一緒にシていい?」

ゴソゴソとズボンの前を開け、台地は下着の中から台地自身を取り出すと、鰐河のそれに重ねて一緒に扱き出す。
二つの性器が擦れ合ってグチュグチュと卑猥な音を立てながら、二人の鼓膜を支配する。
倉庫内はすっかり雄の匂いに満ちていた。

「ぁ!…ひぁ、ぁん!ふ、ぅ…あっ、ぁ、すず…き、もぅ…出、る…」

「っ、俺もイく、鰐河…っ」

「あ!あっあっ、ああああぁっ!!」




105PtxL4xhC0 :2012/03/12(月) 09:40:08.40 ID:sEjkDsp2O
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

106風と木の名無しさん :2012/03/12(月) 10:17:51.06 ID:2Q+yjmJn0
支援?

107保健体育:性の芽生え 7/8 :2012/03/12(月) 15:07:49.01 ID:PtxL4xhC0

――――――――――――――――――――――――――

「…あーぁ、涼木おまっ、どーすんだよコレ!」

情事が終わり、冷静になった二人がまず青ざめたのはお互いのシャツに飛んだ白濁の跡だった。
誤魔化しが効かないくらいベッタリと付着したそれを見た二人は、ここが学校だということを瞬時に思い出した。

「ねー、ここまで考えてなかったってか何も考えてなか」

台地が言い終わらない内に、その頬に鰐河の拳が飛ぶ。

「バカやろぉお!ホントどーすんだよこっから一歩も出れねぇじゃねーか!」

「だからっていきなり殴ることないだろ!?どうするか、あ!」

台地は何か思い付いたように鞄を漁りはじめる。
中から巾着のような物を取り出すと得意げに鰐河にそれを見せ付ける。



108保健体育:性の芽生え 8/8 :2012/03/12(月) 15:36:02.32 ID:sEjkDsp2O
「今日の3時限目体育の予定だったろ?だから体操着持ってきてたんだった。いやぁ〜マジ助かった!ほら!早く着替えた着替えた!」

お前のお袋さんにバレたら、俺は今度こそ一生お前と遊べなくなっちまう―――――
―――――大丈夫だって、それは俺が無理そうだから

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

109風と木の名無しさん :2012/03/12(月) 15:40:12.93 ID:sEjkDsp2O
忍法帖死んだorz
使いづらいよなんだよこれ…

110しまだ×そうや 1/3 :2012/03/13(火) 12:42:26.29 ID:MUrieV+D0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース
三月獅子  獅子王戦第4局
胃痛八段×名人


――――あぁ、全くなんて世界だ。ここは。この、美しい景色は。

優しく、残酷に、圧倒的な力で押さえ込まれている。
息つく間も、立ち止まる間も、俺には与えられちゃいない。
遥か遠い天空から、静かに淡々と、絶え間なく降り積もる――――その白い手に魅入られ、導かれるようにして。
幾度となく襲う幻惑を振り払い、一歩一歩、血を吐く思いでここまで進んできたはずが。
踏み締めても、踏み締めても、振り返ってみれば、そこに在るのはただ白銀の世界。
俺の足跡なんか、何一つ残っちゃいない。一瞬の内に全てが掻き消されていく。
そして自分自身の存在さえも、真っ白な悪夢にすっぽりと絡め取られる。
厳しく、冷たく、でも自分一人だけじゃ絶対に辿り着けなかったに違いない世界。
目の前の相手がいるからこそ、登って来られた高みの景色。
恐ろしくも素晴らしい、この場所に身体の奥底から震えてる。
既に満身創痍、もう一歩だって身動きが取れない状況だ。
ちょっとでも動けば、鋭い氷の切っ先が俺の横っ腹を貫く。
進んだ先には、もはや破滅しか見出せないってのに。
それでも俺は、まだ登るのか。
一体、何のために?
…駄目だ、余計な事を考えるな。進むんだ。
力尽きて倒れるまで、たとえ地を這ってでも進むしかないんだ、俺は。
…いや、もう、良いじゃないか。ここまでやったんだ。俺は十分に頑張ったよ。
所詮、地を這う亀と天空を舞う鳥の、笑えるほど滑稽な勝負に過ぎないんだから。
これ以上、惨めに醜態を晒し続ける道を選ぶのか?
ホラ、どうせもう、手も足も出ずにただ見上げるしかない。
心まで砕かれる前に、早く、この場所から逃げ出して――――。


111しまだ×そうや 2/3 :2012/03/13(火) 12:43:48.53 ID:MUrieV+D0
「――――参りました…」
力なく駒台に手を置く。
強いて意識を保っていなければ、その指先が震えてくるほど疲弊していた。
俯いた顔を上げるのも難儀する状況で、目尻の端に捕えた取材カメラのフラッシュがチカチカと明滅する。
ズキズキと頭が痛み、耳鳴りまでしてくる中、周囲の慌ただしい足音と人声がぼんやりとくぐもって聞こえてきた。
ただ、盤の周りだけは、まるでそこだけ切り取られた世界のように、未だシンと静まり返ったままだ。
突然、霞む視界の隅で、すうっと白い指先が動いた。盤の向こう側から伸ばしたらしい宗矢の腕が着物の袖から覗き、疲れ切った頭に妙に生々しく映る。
長く細い指先は相変わらず穢れを知らない白い羽のようで、いつ見ても、これは将棋を指すために神様に選ばれた者の証しなんだと思う。
宗矢はそのまま何も言わず、後手の駒台に置かれた角を持ち上げると、舞いにも似た手付きで迷わず7九角と打った。
「――――気付かなかったね…」
独り言の小ささで囁かれた言葉の意味を、一瞬で理解する。
俺は――――俺は、さっきまで一体何を考えてた!?
自分本位に諦めて、勝手に卑屈になって、二人で作り上げてきたはずの、あの美しい景色から一人だけ逃げ出して――――。
「君は、僕を信用し過ぎだ」
盤勝負に負けた棋士が浮かべる表情より、むしろもっと、悲しげな色を湛えた瞳が俺を見据える。
まるで思いがけない裏切りに合ったとでもいうように、ただ、ただ酷く悲しげに。



112しまだ×そうや 3/3 :2012/03/13(火) 12:45:05.23 ID:MUrieV+D0
ふいに、奨励会時代の思い出が蘇る。
<君は、僕を信用し過ぎだ>
投げ付けられた、同じ言葉。
あの時の宗矢がどんな表情を浮かべていたのか、今じゃ全く思い出せない。
ただ、夏の夜、ひんやりとした宗矢の身体の冷たさと儚さを、俺はまだ憶えている。
そう言って、あっという間に目の前を駆け抜けていった神様の子どもの瞳には、やっぱり酷く悲しげな色が湛えられていたことも。


「……美しかったのに…―――」
どこか苦痛に耐えかねた様子で俯いた宗矢の顔が、一瞬、盤の向こうで歪んだ。
能面みたいだと揶揄される整った顔が、その時、僅かに綻びを見せる。
…あぁ、そうか。あんなにも美しく、あんなにも恐ろしい景色の中で、お前はいつも、たった一人で空を飛び続けているのか。
羽を休める木も見当たらない、静かに真っ白な、どこまでも真っ白なあの世界の中で。
飛ぶのを止めればすぐに眩い闇に飲み込まれてしまう、そんな甘美な誘惑に抗いながら――――。
その圧倒的な孤独を前にして、俺は、痛む胃を左手で押し込みながら、また挑むように盤上に右手を伸ばしていた。
上等だ。
俺が、お前をその世界から引き摺り降ろしてやるよ。いつか、必ずきっと。



□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


113玉→ぬべ 1/8 :2012/03/17(土) 11:33:24.49 ID:fUH2qVIv0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「鵺野先生」
校門の前で、呼び止められた。
そう呼ばれることには慣れていた。
それはもちろん、俺が小学校の教師だからだ。
職員室に行けば他の教師から「鵺野先生」と呼ばれるし、
教室に行けば生徒たちから「ぬ〜べ〜」(たまに「鵺野先生」)と呼ばれるし、
廊下を歩いても「鵺野先生」と呼ばれる。
だから、「鵺野先生」と呼ばれても全く違和感はないはずだった。
こいつに出会うまでは。


114玉→ぬべ 1/8 :2012/03/17(土) 11:33:40.10 ID:fUH2qVIv0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「鵺野先生」
校門の前で、呼び止められた。
そう呼ばれることには慣れていた。
それはもちろん、俺が小学校の教師だからだ。
職員室に行けば他の教師から「鵺野先生」と呼ばれるし、
教室に行けば生徒たちから「ぬ〜べ〜」(たまに「鵺野先生」)と呼ばれるし、
廊下を歩いても「鵺野先生」と呼ばれる。
だから、「鵺野先生」と呼ばれても全く違和感はないはずだった。
こいつに出会うまでは。


115玉→ぬべ 2/8 :2012/03/17(土) 11:33:55.80 ID:fUH2qVIv0
「待ってたんですよ、鵺野先生」
「そうなの?たまちゃん何かあった?」
こいつ…玉藻は、病院で何かトラブルがあって悩むと、
必ず童守小学校の校門前に赤のスポーツカーを乗り付けて、俺を待っている。
そして、言うのだ。待ってたんですよ、鵺野先生、と。
人間の愛を知りたいのだと言って、病院で働く変わった狐の妖怪。
愛が何かなんて、こっちが教えてほしい。
スポーツカーに乗り込み、俺は玉藻行きつけの高級レストランへと向かう。
実は先月分の給料を使い切ってしまっていて、
その辺の川原に生えている雑草を取って、おかゆにでもして食べよう、
それが夕食だと考えていたから、高級食材にありつけるのは有難い。


116玉→ぬべ 3/8 :2012/03/17(土) 11:34:10.43 ID:fUH2qVIv0
「鵺野先生、愛って一体何なのでしょう?」
ワインを口に含んでから、飲み干して開口一番、そう聞かれた。
俺はその間に、ワインを飲みきってしまっていて、
「う〜ん。とりあえず玉ちゃんは俺にとって家族愛だよ」
俺のお財布事情を理解してくれて、毎月毎月こんな
レストランに誘ってくれているんだと思っていた。
多分、酔っ払っていてそのせいもあったんだろうが、
そう口走っていた。
食べ物を食べさせてくれる優しい人。
酔っ払ってタガが外れていたのだと思う。
玉藻は俺の言葉を聞いて、
「そうですか」
と一言呟いただけだった。
その後の、料理はスープ、メイン、デザートと続いたが、ずっと俺ばかり話していた。
玉藻はずっと俺の話を聞いているばかり。

117玉→ぬべ 4/8 :2012/03/17(土) 11:34:20.34 ID:fUH2qVIv0
高級レストランを出ると、駐車場に止めたはずの赤のスポーツカーがなかった。
「盗難?」
「いえ、お酒も飲みたかったですし、先に代行運転業者に依頼して
家に帰してあります。タクシーででも帰りますよ。送りますよ、鵺野先生」
そうして俺達はタクシーを捕まえるべく、夜道の中、大通りへと歩き出した。
俺の足取りは若干危ないものだったが、
隣を歩く玉藻の足取りはよどみなく、まっすぐだった。

118玉→ぬべ 5/8 :2012/03/17(土) 11:34:38.74 ID:fUH2qVIv0
「鳴介」
「え?」
いつもは鵺野先生としか呼ばれないから戸惑い、思わず聞き返す。
「鵺野先生の下の名前って、鳴介っていうんですか?」
「そうだけど…もしかして、玉ちゃん知らなかった?俺の本名」
「ええ、知りませんでした。皆さん、鵺野先生と呼んでいるものですから」
「ああ、そうなんだよ、俺、鳴介っていうんだよね」
大通りに行き着いたが、タクシーではない車が行きかうばかり。
こんなときに闇雲に動いてもしょうがないから、同じ場所で
待ってみることにした。
すると、玉藻はいきなり無言で俺の身体を自分に抱きしめて、
俺の頬と唇と、首にくちづけたり、舐め始めた。


119玉→ぬべ 6/8 :2012/03/17(土) 11:34:52.92 ID:fUH2qVIv0
「ちょ、ちょっと待って、たまちゃん」
戸惑って玉藻の身体を引き剥がす。
「…すみません」
「たまちゃん?」
「人間は、こういうふうには家族愛を示さないのですか?」
「いや、そんないきなりは…それに俺たち男同士だし」
そう言ってから、思い出す。
こいつは、狐の妖怪だったことを。
400年以上もの時を生きてきている大妖怪だけれど、
子供のときもあったのだ。
そのときは、動物の狐と同じ姿をしていたのだ。
家族で群れをつくり、父親の狐から、毛づくろいをしてもらって、
なめてもらって、えさをもらって…。
「…父は、こういうふうに私を愛してくれた」
「でも、人間はいきなりこんなふうにはしない。病院でも、気をつけてね」
「わかりました。…あ、タクシー」
うなずいて、玉藻は左手を挙げる。そうして一台のタクシーが止まる。
「鳴介さん、先に乗ってください。私はもう少し歩きます」
「あ、ああ、ありがとう」
タクシーのドアが閉まる間際、アディオス、という小さい声が聞こえた。

120玉→ぬべ 7/8 :2012/03/17(土) 11:35:04.91 ID:fUH2qVIv0
その1ヵ月後、俺の給料が尽きて、夕食は白玉団子だと考えていた日、
また玉藻は校門の前で待っていた。
「待ってたんですよ、鵺野先生」
鵺野先生呼びに戻っていた。
あの夜の、くちづけと鳴介呼びは一体何だったのか?

まるで狐に化かされたように。
いや、まさに狐に化かされているのだ。

121玉→ぬべ 8/8 :2012/03/17(土) 11:35:17.03 ID:fUH2qVIv0
「鵺野先生」
そう呼ばれることには慣れていた。
それはもちろん、俺が小学校の教師だからだ。
職員室に行けば他の教師から「鵺野先生」と呼ばれるし、
教室に行けば生徒たちから「ぬ〜べ〜」(たまに「鵺野先生」)と呼ばれるし、
廊下を歩いても「鵺野先生」と呼ばれる。
だから、「鵺野先生」と呼ばれても全く違和感はないはずだった。
こいつに出会うまでは。狐に化かされるまでは。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


122風と木の名無しさん :2012/03/17(土) 11:36:02.70 ID:fUH2qVIv0
1/8が重複してしまいました。大変失礼いたしました(代行者より)

123御簾振 屑×牛 「その淑女、ふしだらにつき」1/6 :2012/03/17(土) 11:41:01.26 ID:fUH2qVIv0
文庫本書き下ろしの牛尾女装設定
エロはなし
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


124御簾振 屑×牛 「その淑女、ふしだらにつき」2/6 :2012/03/17(土) 11:41:41.67 ID:fUH2qVIv0
屑桐・牛子ペア
会話・なし。雰囲気・殺伐。屑桐・おされ気味。牛子・暴走気味。
はたして一言目を発したのは。
「たかだか女装子ひとり口説く勇気もなくて?」
牛子その人であった。スカートを翻し口撃は続く。
「あなたいつも王者、王者って言ってるけれど、名門校ってブランドに守られないと
何一つできないのかしら?」
これは痛いところを突いたらしく、ただでさえ強面のかの人の眉間の皺がより深く刻まれる事態を引き起こした。
「…このようなバカげた事に付き合うつもりはない」
地の底から響くように重苦しい声。怒っている、完璧に怒っている。
「あらそう。その『バカげた事』ひとつうまくこなせないようじゃ、華武の天下も貴方の代でおしまいね。お気の毒に」
ぴしり。屑桐のこめかみの血管が浮き出る音。
「…貴様は、あの後輩達に毒されすぎだッ!!」
「楽しくてよ」
一喝もうまく切り返され、キレた屑桐のほうが途方に暮れる事態に突入した。

125御簾振 屑×牛 「その淑女、ふしだらにつき」3/6 :2012/03/17(土) 11:41:56.65 ID:fUH2qVIv0
「…望みはなんだ」
彼はようやく、この悪ふざけの産物であるイベントを乗り切らなければ、今日の安眠が保証されない事を悟ったようである。
「そうねえ…。ねえ、ベンツとロレックスとシャネル買ってぇ」
「……」
「今晩はフランス料理ね。ハワイ旅行も行きたいわぁ」
「………だまれ成金女。貴様の入る墓石を買ってやるわ」
「んもぅ、ケチくさい男はこれだから」
「…」
ピキピキ。屑桐の血管の血流が劇的に速くなる音。
「アタクシお金のない男は興味ナッシングでございますわよ」
空気はもはや険悪である。
「なんてね。そんなちゃちなことはもうすべて経験済み。
牛尾家は旗本…今で言えば華族の血筋でございますの。高祖父は貴族院に勤めておりました。明治に入って財閥の令嬢を娶って、家柄も門地も手に入れましたの。成金とは最も縁がございませんことよ」
そこだけは訂正してくださらない。そう言われて、屑桐は腹を立てつつ素直に謝罪した。
「すまん」
「そう。それから」
彼女(?)の抗弁はどうやら続くらしい。もう勝手にしろと思いつつ、一応は耳を傾ける屑桐。

126御簾振 屑×牛 「その淑女、ふしだらにつき」4/7 :2012/03/17(土) 11:42:20.23 ID:fUH2qVIv0
「男の価値はお金ではございませんことよ。無論、顔や中身なんて綺麗事も言いませんわ。
男は、器。甲斐性がすべて」
言っていることは真っ当なのか、ふざけているのか。金と甲斐性って被ってないかと思いつつ、どういうことかと屑桐は訊く。
「責任を取る能力。ここ一番という時にすべての責任を背負って動き、弱きものを守って行動できるか、否か。そういう面では、貴方は見込みがありそうな気がしましてよ。」
貴方にとっての女の価値も聞いてみたいわと突っ込まれ、ムチャ振りだと思いつつ屑桐は自説を披露する。
「大和撫子だな。趣味が古いと言われても構わん。尽くし体質で、文句を言わずに三歩下がってついてくるような性質が好ましい。良妻賢母になりそうなら、尚良し」
「さだ●さしの世界ですこと」
「お嬢さん育ちは絶対に無理だ。贅沢をさせてやる余裕もなければ、苦労をさせない保証もできん」
どうだ、とばかりに牛子を見る。『貴様は圏外も圏外だ』と宣言したも同然の発言に、さすがの彼女も退くことを屑桐は疑っていない。
「つまりは、」
牛子は余裕の微笑みを崩さずに切り返してくる。
「幸せにできるだけの甲斐性もないと。戦わずして負けを認めるということでよろしくて?」
贅沢ではなく、幸せ。そう言われては、さすがに屑桐も反論せざるをえなかった。
彼は裕福な生活を体験してはこなかったが、体に幸せの記憶は持っている。

127御簾振 屑×牛 「その淑女、ふしだらにつき」5/7 :2012/03/17(土) 11:42:39.15 ID:fUH2qVIv0
「貴様にとって幸せとは、なんだ」
「愛こそすべて」
即答である。
「お金なら、アタクシがなんとでもできますもの」
なんとも太っ腹なセリフである。
「ねえ貴方」
さあ、今こそ最高の殺し文句を。
「アタクシに惚れたら、逆玉に乗れますわよ」
身体ひとつでいらっしゃい。そう締めくくり、自信に満ちた美しい微笑みを牛子は浮かべる。こころなしか、屑桐には彼女の後ろに黄金色の後光が差して見えていた。
「フハハッ!フハハハハハ!!」
気がつけば屑桐は笑い出していた。
「…なにがおかしくて」
「貴様が口説いてどうする」
もっともなツッコミである。エスコート肝試し、奥深し。
「それにな」
赤い瞳に、一瞬にして焔を宿らせて。
「他人に恵んでもらうものなぞ、何一つない。俺の幸せも栄光も、俺がこの手で自ら掴み取ってやるわ。貴様も心しておけ」
「何年先になることやら」
「…出世払いという言葉を知らんのか」
「将来性を買え、ということですわね。先物取引はリスクが大きいというのに」
ため息をついた後、まあいいわと笑顔を上塗りして、牛子は繊細な細工が施された手袋をつけた腕を差しだす。
「さらっていきたまえ」
男言葉に戻ってるぞと屑桐はツッコミをいれようと思ったが、手のかすかな震えを見て、不問に賭してやろうと思い改めた。
「悪いお嬢さんだ」
「ふしだらなのはお嫌い?」
返事の代わりに腕を掴むと、ぐいぐいと引っ張って勝手に旅館の方向へ戻る。


128御簾振 屑×牛 「その淑女、ふしだらにつき」6/7 :2012/03/17(土) 11:42:54.12 ID:fUH2qVIv0
ふたつの、手。
片方は、夢を掴みかけている手。大きく、節くれだった働き者の手。
もう片方は、慈愛の手。自らの犠牲を省みず、未来の大選手を炎から守り抜いた手。
「…貴様はどうして皮膚の移植手術を受けなかった」
「逆に訊くよ。これから顔の火傷痕を治療する気はある?それと同じさ」

同じ傷を異なる場所に引きずったという、事。目に見える繋がり。忌まわしいというには哀しすぎ、懐かしいというには激しすぎ、愛しいというには歪すぎる繋がりであった。
嫌でも、相手を忘れない。
「…随分と遠回りしたな」
「…長かったね。でも、またここに居られる」
いくらか余裕を取り戻した牛尾、もとい牛子は艶然と微笑み言葉を続けた。
「アタクシ、この立ち位置が大変気に入っておりましてよ」
「そうか」
気がつかないふりも、淑女の嗜みのひとつ。
耳まで真っ赤になっている屑桐をうしろから見ながら、牛子は自身の母が語っていた信条を思い出していた。

129御簾振 屑×牛 「その淑女、ふしだらにつき」7/7 :2012/03/17(土) 11:43:17.95 ID:fUH2qVIv0
無断で旅館に戻った両校のキャプテンは、涼しい顔でまったりとくつろいでいた。
「二人してしけこみやがった」とは、この手の機微に敏い口の悪い某後輩の証言である。
お互いに軽口を叩くようになった両人の様子が「まるで熟年夫妻のそれであった」とは、両校の後輩達に共通した感想であったという。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
色々とミスってご迷惑おかけしました。
これ終わったら半年ROMります

130一角獣 太鼓×唄「オヤジの逆襲」 1/8 :2012/03/17(土) 11:54:30.48 ID:fUH2qVIv0
生注意。エロ有り注意。一角獣 太鼓×唄です。


すっと腕を伸ばして、背中を撫でると 唇を尖らせた顔で振り向いてくる。
俺はそれが可笑しくて、何度も何度も繰り返していたら、ついに猫パンチを食らってしまった。
「痛いのー。叩くことなかろぉ」
「あんたがしつこいからじゃろ!」
「だって本ばっか読んで、ちーっともこっち向いてくれんじゃないか」
「向く必要がないわ。暇ならでてけ」
相変わらずつんけんしているが俺はわかってるよ。本当に出て行ったら寂しがるんよ、この猫ちゃんは。


131一角獣 太鼓×唄「オヤジの逆襲」 2/8 :2012/03/17(土) 11:54:44.83 ID:fUH2qVIv0
「じゃあ海老のとこ行こうかの。海老なら構ってくれるからね。夕ミ才と違って優しいし」
「……勝手にすりゃーええやろ」
「(あっ拗ねた。)」
昔から意地っ張りだったけど、なんかさらにひどくなってる気がする。
でも俺はそれがかわいいと思う。素直だともっと嬉しいけど。
「本当にいいの?出て行っちゃうよ」
「……」
「いなくなっていいの?」
「……いなくなる…のは嫌だ」
う〜んやっぱりかわいい。その寂しそうな顔が俺は大好物だ。だから夕ミ才を引き寄せて、顔を覗き込もうとするがそっぽを向かれてしまう。
「じれったいのう」
「うっさい」
「キスくらいさせてよ」
半ば無理矢理、夕ミ才にキスをする。たいてい最初は暴れるんだけど、しばらくすると大人しくなるんだよね。

132一角獣 太鼓×唄「オヤジの逆襲」 3/8 :2012/03/17(土) 11:54:57.63 ID:fUH2qVIv0
「んん…」
夕ミ才の力が少し抜けていくのがわかるとシャツの中に手を入れてみた。
「ちょ、ちょお」
「なに?」
「キスだけじゃないんか!」
「えー?」
キスだけで俺が満足できるかい。ただでさえ構ってくれなくてしかも腹減ってるのに。
というか、なんだかんだいって夕ミ才も抵抗してないし。
「最後までやっちゃっていいでしょ?」
「どーせ最初からその気なんじゃろ」
「わはは、さすが夕ミ才。わかっとるなぁ」
「笑っとる場合か」
とはいえここは控え室だから、誰か来ちゃうんだよね。一応鍵は掛けてあるけど、声が聞こえちゃわないように俺はテレビの音量を上げた。

133一角獣 太鼓×唄「オヤジの逆襲」 4/8 :2012/03/17(土) 11:55:11.24 ID:fUH2qVIv0
行為に浸っている途中、俺の携帯が鳴った。こっそり画面を見ると、アへ¨の名前が。
「あ、はあ、あ…ぅっ」
「…夕ミ才」
「あぁ…っ」
「聞いてる?」
「はっ…、な、なんじゃ」
「アへ¨から電話だ」
「へ…、アへ¨…?」
「何件か着信入っとるから出たほうがええか」
「ま、待…」
俺が電話に出ると、民生は声を出さないよう慌てて口をふさいだ。
だけど俺はちょっといじわるしたくて、腰の動きを再開してみた。
「うわっ!!」
「もしー?あ、ごめんねー。出れなくて」
「か、皮二っさん!」
「え?今ね、夕ミ才といるんよー」
「………っ」
一生懸命声を抑えてる夕ミ才がかわいくて、ますます動きを早める。

134一角獣 太鼓×唄「オヤジの逆襲」 5/8 :2012/03/17(土) 11:55:30.39 ID:fUH2qVIv0
「今何しとるかって?夕ミ才とセックスしとるよ」
「!」
その一言を言った瞬間、夕ミ才の顔がみるみる青ざめてゆくのがわかった。
普段仲がいいアへ¨に、こんなこと報告されたら夕ミ才もたまらないだろうねえ。可哀想に。
と思いながらもかまわず会話を続ける。
「はは、本当だって!今ねぇ、すごいことになっとるよ」
しばらく固まっていた夕ミ才だったが、俺がアへ¨に状況を伝えていると少しずつ表情と声が変わっていった。

135一角獣 太鼓×唄「オヤジの逆襲」 6/8 :2012/03/17(土) 11:55:47.52 ID:fUH2qVIv0
「あぁ。あのねー、すごいよ。出たり入ったりして。こうやって話してるとね締め付けがすごい。」
「…ん!く、うぅ!」
「アへ¨にも見てほしいよ。俺のにぎゅうぎゅう締め付けてきてさ、アソコもドロッドロだし〜」
「は、はぁっ、あぁ!」
「夕ミ才もすごく気持ちいいって。」
「ぁ、あっ、ひっ」
「アへ¨聞こえる?この声」
「や!!いっ…、」
「ほら夕ミ才も見てみい、ここから出入りしとるじゃろ」
「皮、二…っさぁんっ、たの、むからぁ!」
「あとでアへ¨にも写真送っとくからの」
「うあぁっ!だっ、もう!イッ…くっ、うぅあぁ!」
「おわっと!」
夕ミ才が歯を食いしばり、ぎゅっと目を閉じた瞬間、アソコから大量に発射して俺の顔にも少しかかりビクビク脈打ちながら自身の身体にも飛び散っていった。

136一角獣 太鼓×唄「オヤジの逆襲」 7/8 :2012/03/17(土) 11:56:05.60 ID:fUH2qVIv0
「うわあーすごい。夕ミ才大丈夫?」
大きく呼吸を繰り返す夕ミ才の頬を軽く叩くと、涙が出ている事に気づく。
さすがにやりすぎた、とちょっと後悔していると、夕ミ才が俺にゆっくり顔を向けてそのまま携帯を取り上げた。
「………」
「夕ミ才、ごめん。嘘だよ。電話はかかってきてたけど、出てないから」
「…この…クソ、ジジイ」
「ちぃといじめてみたかったんよ、ごめんな」
するとさっきの猫パンチとは遥かに違う重さの連続平手打ちを俺は喰らうことになった。
「あだっ、いたたっ!死ぬ〜!」
「黙っとれジジイ!アへ¨を利用しやがって!!さっさと抜かんかい!!」
「死後硬直しとるから無理じゃー」
「なに意味わからんこと言っとるんじゃ!!」

137一角獣 太鼓×唄「オヤジの逆襲」 8/8 :2012/03/17(土) 11:56:24.87 ID:fUH2qVIv0
それからしばらくして、俺と夕ミ才は電話に出なかった事でアへ¨に怒られてしまった。
「夕ミ才も皮二氏さんもなーにやってたんだよぉ!」
「俺は悪くない!」
「夕ミ才がねぇ、俺のこと構ってくれたんだ。」
「んなことより!俺の電話無視するんなら二人とも当分一緒にいちゃだめだぞ!」
「安心しろ!もう二人きりにはならんから」
その後、夕ミ才は俺を見ては威嚇するようになり、仕方がないので他のメソバーにちょっかいを出すと
それはそれで怒られるようになったのだ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

138風と木の名無しさん :2012/03/17(土) 15:40:33.13 ID:HCRlt5nV0
>>137
一角獣キター!
自由すぎる太鼓にツンツン唄でごちそうさまでした。

139風と木の名無しさん :2012/03/20(火) 17:04:11.57 ID:UUPkKShIO
>>137
萌 え つ き た
まさかエロを見れるとは思わなかったです。ごちになりました

140風と木の名無しさん :2012/03/23(金) 00:33:35.25 ID:o0UEXjiR0
>>137
唄のツンデレ可愛さを堪能しますた。
ゴチですありがとう!

141風と木の名無しさん :2012/03/24(土) 09:09:16.65 ID:MRZK8u6L0
有名なアメジョで|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「あなたはどんな関係になりたいんです?」
質問を質問で返されるのは、人事部で長くキャリアを積んだ私にとって最も嫌いな事だ。
しかし、目の前で不敵な笑みを浮かべている彼と初めて会った時も彼は同じように尋ね返し、 同じように笑った。そして彼の採用を決めたのはこの私だ。
どういう関係?そもそも今の状態がおかしいのだ。私はただの採用係、 彼はヘッドハントされた優秀な会計士。社でも殆ど顔を合わせる機会は無い筈だった。
沢山の顔に彼も埋もれて記憶の海に沈む筈だった。それが縁があるというのかどうなのか、突然の移動で私は彼の上司になり、なぜか二人で静かなバーにいる。誘ったのは彼だ……
私たちはどうなっている?この状況はなんだ?混乱した頭で二人でこうしていると、否が応でもあの面接を思い出さざるを得ない。
彼は少しタイを緩め、一つめのボタンを外し、冷んやりした眼鏡の奥から私を値踏みするようにして囁いた。
「どうして欲しいんです?」
今と同じように。
眩暈がするのに、何故私は彼の喉仏の下の影から目を離せない?

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

142風と木の名無しさん :2012/03/24(土) 12:17:43.74 ID:SvhG7TMR0
>>141
元ネタのjokeを知らないけど
エロい雰囲気が醸し出されててイイ!GJ!

143風と木の名無しさん :2012/03/25(日) 02:08:18.79 ID:1Wp6uFqK0
>>141の元ネタのアメジョを探してるうちに
あるネタでうっかり萌えてしまったので投下
二番煎じスマソ
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

『数学者と統計学者と会計士が同じ会社の面接を受ける話より』

先の二人への質問が済んだ後。
最後に面接官は会計士を呼び入れて、同じ質問をした。
「二たす二は何になりますか?」
会計士は立ち上がると、ドアに鍵をかけ、シェードを下ろし、面接官の隣に座って尋ねた。

「二たす二をいくつにしたいんです?」

面接官は、間近に迫った会計士の目を覗き込みながら言った。
「・・・つまり、君は二たす二を、四つや五つにできると?」

「もちろん。また、二たす二を一つにする事も可能です。」
会計士は口の端を歪めて答えた。「あなたのお望みのとおりに」

面接官は会計士の正面に向き直ると、誘うような笑みを浮かべながら言った。
「では・・・」ごくりとちいさく面接官の喉が鳴った。

「私と君とで一つになることは?」

「もちろん、可能です。」
自信にあふれた言い方でそう即答すると、会計士は面接官に口付けた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

144風と木の名無しさん :2012/03/26(月) 23:15:59.43 ID:doCCCeRT0
>>141>>143
なにこれ萌える


145メリーゴーランド1/5 :2012/03/29(木) 08:25:24.32 ID:UOck3oiD0
a

146メリーゴーランド1/7 :2012/03/29(木) 09:11:55.94 ID:UOck3oiD0
↑申し訳ない。

ナマ注意・エロ有り。若い頃の彼らに滾ってすいません。
元青心・高低、現原人バンド唄×六弦です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!



俺は矛盾の多い野郎だよな。
  ある場面ではこうだと言っていた事も、また違う時には逆に考えていたりする。
  自分の中に違う幾つかの考えがあって、それはどれもが俺である事に変わりなか
  ったりする。
  おまけに口下手で、言葉にするのが苦手なもんだから、自然と「喋んなきゃ良い
  じゃん」、なんて完結させてしまって、余計に周囲に誤解をさせてしまったりし
  て、ああ悪いなあとか思う訳だけどさ、直す気もなくてさ、話す代わりに唄を作
  ったりする事もあるけど、それでも唄にさえ矛盾や誤解は生じる訳で、まあそれ
  は聴き手の好きにしてくれればいいんだけどさ、上手くいかねえなあ。
  おまえみたいに、まっすぐに行ければいいのに。俺も。




147メリーゴーランド2/7 :2012/03/29(木) 09:13:07.46 ID:UOck3oiD0
君はそう言って、ビールを喉に流し込んだ。突き出た喉仏が二、三回上下して、唇が
ちょっと濡れている。
寒い冬の夜、古いストーブの上で熱が揺れている。

僕は、あまりそう言う事を普段言わない君を、珍しく思うと共に堪らなくいとおしく
なって、そのまま抱きしめたい衝動に駆られてしまう。
「君は君じゃけん、僕はそんな君が好きやが」
それに、僕だってまっすぐなんかじゃないって事は、君もわかってるだろ?そう僕が
言うと、君は、ん、と頷いた。
「でも、おまえはまっすぐなんだよぉ。俺にはそう見えるんだ、頭では分かってるつ
もりだけど、おまえはまっすぐじゃないけど、なんかまっすぐで、なんか羨ましいっ
て…」
ちょっと酔いが回って、いつも以上に舌足らずな口調で、君は我儘な子供のよう。
「おまえは、世話の焼けるやつで、ばかで、臭ぇけど、すっげえ賢くて、カッコよく
て、俺は、おまえが全部、いいんだよぉ」


148メリーゴーランド3/7 :2012/03/29(木) 09:28:15.70 ID:UOck3oiD0
床にビールの缶を置いて、君は折った両膝の間に両腕を挟み込んで、猫背をさらに丸
くする。俯いた首元からのぞく肌が赤く染まって、綺麗な鎖骨の影が濃くなって、僕
は酔っ払いの君の告白と、男のくせやけに扇情的な姿に驚いている。
「ばかで臭いってのはちょっとひどくない?」
ドキドキしているのを誤魔化しながら、僕は君の髪を梳いてあげる。
君は顔を上げた。大きな目が、本当に猫みたい。潤んでて、目尻に朱が差して。
こんな顔、他では絶対見せないでよ。誰かに襲われたらどうすんだ。
僕の思いをよそに、君は僕の手に頬を寄せて、目を細めて笑う。
「でも、全部好き。…おまえ金髪も似合うよなぁー」
そう言って口角を上げて、君は両手で僕の頭を撫でる。
ストレートなのは君の方じゃないか。僕よりずっと。
しかも、無意識だから余計にたちが悪いよ。この酔っ払い。可愛いんだよ。
僕は君の両手を捕まえて、そのまま床に押し倒した。
ねえ、びっくりして目を丸くしているけど、君が悪いんだよ?こんなに煽るから。
…僕もちょっと酔ってるのかな。


149風と木の名無しさん :2012/03/29(木) 10:00:37.77 ID:Yh6XDGvu0
支援

150メリーゴーランド4/7 :2012/03/29(木) 10:06:56.92 ID:UOck3oiD0
「んん…っ」
君に覆い被さったまま、その薄い唇に噛み付く。歯列を割って深く舌を差し入れると
驚くほど熱い。逃げる君の舌を捕まえて絡め取り、くちゅくちゅといやらしい音をわ
ざと立てながらキスを続けると、だんだんと君の身体から力が抜けていく。
「っ、はぁ…」
「…ねえ、僕以外の前でそんなやらしい顔しちゃ駄目だからね」
「…してねーよぉ…」
君は口を尖らせて弱弱しく抗議する。潤んだ目はハチミツみたい、甘くてとろけそう。
もう一度唇に軽くキスをして、今度は君の首筋に吸い付く。汗でしっとりした君の匂
いは甘くて、僕の大好きなお菓子よりもお菓子みたい。
「あ…っ、ん、ああぁ」
舌で首筋を弄りながら服の中に手を差し入れて、薄いお腹に指を這わせる。
胸の小さな突起を探り当てると、君は華奢な身体をびくんと震わせて、切ない声を漏
らした。
「ヒ××ぉ」
「んー?敏感やね、マー××」
指で摘んだり軽く引っ掻いたりする度に、掠れ気味の可愛い声を上げてびくびく震え
る君。もう、今すぐ君を目茶苦茶に鳴かせたい。


151メリーゴーランド5/7 :2012/03/29(木) 10:11:56.43 ID:UOck3oiD0

二人の間を遮るものは全部取り払ってしまって、素肌を重ねる。
愛おしくて気持ち良くて、僕が君の身体を強く抱きしめると、君も僕の背中にゆるゆ
ると腕を回してきた。
深いキスを続けながら僕は君を抱き起こして、足の上に跨らせてやる。君はふらふら
覚束ない様子で、僕にしがみ付く。白い肌が赤く染まって、とても熱い。
脚の間を割って、指を挿し入れると、もう充分なくらい蕩けていて。
「ねえ、キスだけでこんななっちゃったん?」
ちょっと激しく指を中で動かすと君は身体をくねらせて鳴いた。
「ふぁ、ぁ、…んな事、ない…んあぁっ」
「嘘、イイんでしょ?」
「や…だっ、」
「だめ」
いやらしい水音を立てて、君の中を責め、細い腰を撫でながら、首にも胸にもキスを
落としていく。君の綺麗な肌に僕の痕が付いていく。誰のものでもない自由な君を、
今は僕が征服しているんだという傲慢な気持ちが、僕の頭を支配する。


152風と木の名無しさん :2012/03/29(木) 10:56:01.50 ID:Yh6XDGvu0
もいっちょ支援
ガンガレw

153メリーゴーランド6/7 :2012/03/29(木) 11:08:57.42 ID:UOck3oiD0
「腰、落として…」
君の腰を掴んで、ゆっくりと僕の方へ。
ぐっ、と最初の衝撃の後、僕は君の奥へ侵入していった。
「ああぁぁ…!」
君は固く目を瞑って、衝撃に耐えている。背筋が大きく震えて、君の爪が僕の肩に食
い込む。僕は君の背中を何度も撫でて、大丈夫だよと安心させるように抱きしめて、
それとは裏腹に容赦無い言葉を掛けた。ああもう限界だ。
「マー××、動くからね」
「あっ!や、んあぁ!」
強く腰を打ち付ける。君の身体が跳ね上がる。
逃げようとする身体を押さえつけ、仰向けに組み敷いて、覆い被さる。
君の脚を大きく開かせて、奥の奥まで侵して、引いては、また一気に打ち付ける。
何度も何度もずぶずぶと君の中を抉って、熱く絡みつく君の中に酔いしれて。
「んぅ、ふっ、うぅ…んっ」
唇を塞いで、舌を絡ませる。君の目も、口も、肌も、ナカも、声さえ、もう全部熱く
とろけていて、いやらしく色付いて、全部が僕を煽る。

154メリーゴーランド 7-a/7 :2012/03/29(木) 11:13:02.30 ID:UOck3oiD0
「あ、あぁ、やぁっ、ヒ××、あぁぁっ!」
激しく突き上げながら、君の前を責め立てると、君は背中を大きくしならせて達した。
「マー××…っ」
僕も君を抱きしめながら、君の奥で果てた。
君の身体は熱くて、熱くて…。



翌日から、僕は久方ぶりのひどい風邪に苦しむ事になるのだけれど、悪寒と頭痛に苛
まれている僕に、君はふらつきながらもポカリを差し出してくれた。
「調子悪りいなと思ってたんだけど、俺風邪ひいてたんだな。たいがいいつも調子悪
りいからさ、酔いも回るし、なんかよく分かんなくなってて」
ごめんね、うつしちゃって。そう言って君は僕の額に置いたタオルを冷たいものに取
り換える。
ストーブの上にはレトルトのお粥が温められていて、僕は子供のように布団に包まっ
たまま、気だるい姿の優しい君を見ていた。
「でも、なんかマー××はちょっと治ったみたいでや、良かった」
えへへぇ、とヘラヘラ笑いながら僕が言うと、君は呆れたように溜息をついて、ベッ
ドの端に腰を下ろす。
「ばか」
言葉とは裏腹に、優しい手が僕の頭を撫でる。



155メリーゴーランド 7-b/7 :2012/03/29(木) 11:37:44.32 ID:UOck3oiD0

  君は君なんだ。らしいとからしくないとか、矛盾なんて、大した問題じゃないん
  だ。だって、それ以上に君は素敵なんだし。
  それに、出来れば、君の事は僕だけが知ってればいいんだ。他の人に見せるのは
  もったいない位、君を独占したい。君の目が僕をずっと見てくれているように、
  僕だって――


「好き、だよ」
僕は君の手を捕まえて、キスをねだった。
君は恥ずかしそうに鼻の頭を掻いて、僕の唇にキスを落とした。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

>>149 >>152 支援ありがとう!助かりました<(_ _)>


156宇宙の片隅に、二人 1/6 :2012/03/30(金) 00:04:24.55 ID:qbXaJIy40
ガソタ゛ムあげ ゼハート×アセム
※24話の妄想IF話(アセムがゼハートの銃を奪ってゼハートに銃口を向けた所からスタート)
※ヤンデレ注意 ※エロあり(無理矢理)
※あらかじめ湖の中にMS隠しておいたくらいだもの用意周到なのは当たり前ってことで
カッとしてやった反省はしていないが後悔はしている。


|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

向けられた銃口は小刻みに震え、曇りのなかった瞳は傷つき澱んでいた。
激昂した言葉や態度に、酷く追い詰められていると分かって息が苦しくなった。

やっぱりお前には戦うことなんて無理なんだ。

優しいお前が傷つくことは分かっていた。
何よりお前とは戦いたくないし、傷つけたくない。
綺麗な世界で、お前には笑っていて欲しい。
そう、イゼルカント様が示されたあの美しい世界。
あの世界で、お前は笑っているべきだ。

そうだ、アセム、お前は笑っているべきなんだ。
私の隣で――



目の前の女をアセムに突き飛ばすと、アセムは銃口を降ろし女を庇おうとする。
――だから、お前は優しいというんだ。
ふらついた女を抱き留めようとするアセムより早く女の肩を掴むと、思い切り横になぎ払った。そのまま一息にアセムに詰め寄ると鳩尾に拳を放つ。そして驚いた表情のまま気を失ったアセムの体を柔らかく抱きかかえた。
――手に入れた。

********

157宇宙の片隅に、二人 2/6 :2012/03/30(金) 00:06:57.41 ID:/jOh6Gp00

「……うっ……」
「目が覚めたか?」
小さく呻いたアセムの目蓋がゆっくりと開き、どこかぼんやりとした眼差しでこちらを見つめる。
痣ができてしまった鳩尾が痛々しい。失敗だ。白くて滑らかなアセムの肌に痣などつけてしまった。
「痛むか? すまない、もう少し考えて行動するべきだったな」
ぱちぱちと瞬きをしたアセムの目が驚きで見開いた。
「なっ!? ゼハート!? なんで……っ!?」
「アセム、愛してる」
「はぁっ!? 何言って……」
少し荒れたアセムの頬を両手で挟んで口付けた。
言葉の途中だった薄く開いた唇に舌を差し入れると、アセムの体は驚くほど跳ねる。思った通りなウブな反応に知らず笑みが零れた。
両腕は手首で纏め上げてベッドに拘束してある。だからか必死で顔を背けようと、わずかな抵抗を見せた。
「んー! んーっ!……ぅん!」
抵抗を見せるアセムだったが、こちらの舌を噛んだりしないあたり、やはり優しいと言わざるを得ない。
思う存分アセムの舌や口内を堪能した後、それでも名残惜しく唇を離した。
「……な、んで?」
頬は薄っすらと上気し、こちらを見上げる瞳は潤んで美しい宝石のようだ。赤く色づいた唇に誘われるように、もう一度唇を寄せようとした。
「ゼハートッ!」
自分の名がアセムに呼ばれる度、えも言われぬ愉悦が湧き上がる。また唇を塞いではその声が聞けなくなると思い直すと、唇を首筋に当てた。
「わっ! え? なんで……服!?」
アセムは頭を少し持ち上げ視線を下げると、ここで漸く自分が何も纏っていないと気付いたようだった。
「なっ何だよ、これっ!?」
羞恥のためか白い肌が首の辺りまでふわっと淡く染まる。
「綺麗だ、アセム」
そのまま首筋から鎖骨を時折舌で味わいつつ唇でなぞりながら、右手に出したジェルを素早くアセムの股の間に滑り込ませる。と、擦り付けるようにアナルの周りに塗りたくり、入り口から少し中までしっかりとジェルを入れ込んだ。
「ひぁっ! な、何!? や、やだ! やめろっ!!」
アセムの言葉に従った訳ではないが、今はそれ以上する気はないので手を引きシーツで拭う。
その代わりアセムのまだ立ち上がっていないペニスを緩く掴むと、撫でたり揉んだりと刺激をおくった。

158宇宙の片隅に、二人 3/6 :2012/03/30(金) 00:08:51.56 ID:/jOh6Gp00
「ゼハート! 何してるんだよ!? やめろ、って!!」
ペニスを触る合間に萎縮している睾丸や淡い金色のアンダーヘアーも擽ってやると、びくびくと体を跳ねさせる。

「気持ちいいだろう、アセム」
耳朶を舐めたり甘噛みし舌を耳穴に差し込み、そう耳元で囁く。
「……んぅ!」
途端、鼻にかかった小さな声が漏れ、アセムのペニスが硬度を増しゆっくりと頭をもたげた。
「勃ってきた」
「やめっ……! 」
反応をするということはアセムも本気で嫌がっている訳ではない。もっと気持ちよくさせるため、しっかりとペニスを握り込むと上下に擦った。
「や、だっ!……やめ、ろ!」
固く目を瞑り首を左右に振りながらアセムは制止の声を上げるが上がる息は隠せていないし、何より硬く反り返ったペニスの先端からは雫が零れはじめてきた。それをペニス全体に塗りたくると扱くのをやめて、態と達しないような触り方に替える。
「ゼハー、ト! やめっ! やだ!」
しばらく感じているのを我慢するアセムの顔を堪能していたが、無意識だろう更なる刺激を求めて時折腰が揺れはじめた。
時間的にも丁度いい。ベッドの下から坐剤を取り出しアナルヘ深く押し込むと、一緒に入れた指で出てこないよう押さえる。
「ひぅ!……やっ、なに?」
「麻酔が効いているから痛くないだろう? ああ、感覚がないのは入り口の辺りだけな筈だ」
見開いた瞳がようやくこちらを向いた。
「ま、麻酔?」
「さっき塗ったジェルだ。今入れたのは、潤滑用のジェルに催淫剤が入った坐剤だ。……溶けてきた」
根元まで入った指を入り口の辺りだけぐるりと回すが、アセムは喋る余裕もあるし指を抵抗するような締め付けもない。麻酔が効いているのは間違いない。
「ひあっ!」
指をもう一本増やすと、傷つけないようゆっくりとジェルで滑った直腸内で動かす。
「やだぁっ! やめろ! やめろよ! ゼハート!」
このまま羞恥に染まった愛らしい顔を見続けていたいが、快楽に染まった顔も見たい。
萎えて少し小さくなったアセムのペニスを舐め上げた。
「あぁっ!……やっ、やめ!……ふっ! んぅ!」
数回舐めただけで勢いを取り戻したペニスは咥えて吸えばすぐに達してしまいそうだった。だが、まだイかせてやる訳にはいかない。

159宇宙の片隅に、二人 4/6 :2012/03/30(金) 00:11:05.95 ID:/jOh6Gp00
抜き差しをしながら指を曲げ内壁を探っていると、ある硬い部分を押した。
「……あぁんっ!! え? あ、あ、あ、あぁ!!」
途端アセムは高い声を上げ、触っていないペニスからは僅かだが精液が零れる。何が起こったのか分からないという顔のアセムだったが、同じ場所を指で何度も押すとその度に体が跳ね少量の精液が滴り、引っ切り無しに声が上がる。
「あ、あ!……あ、あっ、あっ、あっ!」
探り当てた前立腺を刺激しながら直腸内を掻き混ぜると、はっきりと腰を揺らして快楽を追い始めた。

そろそろ頃合いか。
「あぁっ……んっ」
十分に解れたアナルから指を全て引き抜くと、名残惜しげな声を漏らしたアセムが潤んで熱を帯びた眼差しで見上げてくる。何ともいえないそそる表情だ。
「……アセム愛してる」
荒い息を吐く唇を塞ぐと舌を絡める。抵抗もせず、そればかりか稚拙だが舌を絡めてくるアセムが堪らなく愛おしい。
我慢ができなくなったんだろう、密接したこちらの腹部にペニスを擦り付けてくる。そんな淫らなアセムの痴態に情欲が掻き立てられて仕方がない。
ジェルが零れるアナルにペニスを突き立てると、ゆっくりと慎重に挿入しはじめた。
「んーっ! んんっ! んん! んー!」
逃げようとするアセムを全身でその場に縫い留め、歯を食いしばらせないよう舌で口内を蹂躙する。
一気に挿れるのではなく緩く抜き差しをしながら、少しずつ少しずつペニスを奥へと進めた。

「んぅっ! ん、んっ!! んんぅ!」
「……ふっ」
時間をかけ根元まで全てアセムの中に収めた時には、安堵と気持ちの良さから思わず息が漏れてしまった。
名残惜しく最後に舌を強く吸い唇を離すと、忙しなく息をするアセムの汗で張り付いた前髪を梳いてやり、そのまま動かさず顔中に口付けを落とす。
「ゼ、ハ……ト……」
「アセム、どうして欲しい?」
「……え? あっ! ああっ!」
密着した体の間に手を滑らし半勃ちのペニスを擦ってやると直ぐに張り詰め、また精液を零した。
「あっ! ゼハっ……!……あ、んぅ!」
精液で滑るペニスの表面をあくまで撫でるだけに留め、アセムの中を緩慢な動きで掻き混ぜ擦り上げた。

160宇宙の片隅に、二人 5/6 :2012/03/30(金) 00:15:33.71 ID:/jOh6Gp00
「やぁっ!……あ、あっ……あぁ……っ!……やっ!」
「アセム? どうして、欲しいんだ?」
アセムのペニスに触れるのを徐々に少なくし、その代わり挿れたペニスの動きを大胆にしていく。
「や、あっ! あっ! あぁっ! あぁん!」
暫くするとアナルも感じるようになったのか、アセムは自ら腰を振り嬌声を上げはじめた。

「そんなにいいのかアセム。腰が動いてるぞ?」
「や、だ……ゼハ……トぉ……もぉ……やぁっ……」
動きを止めアセムを見下ろすと、腰をくねらせながらもどかし気に見つめてくる。その瞳を見ればアセムが訴えているのが分かるが、きちんと言葉で聴きたい。
「アセム、言わなきゃ分からない」
「……ゼハー、トぉ」
潤んだ瞳から耐え切れず涙が零れた。舌で舐め取るとそれだけで感じたのか、アセムの体が震える。
「強請れ、アセム。私に、どうして、欲しい?」
ごくり、とアセムの咽喉が鳴る。
「アセム。どう、されたい?」
「……もっと」
「もっと? もっと、何だ?」
「もっと……気持ちよく……して」
まだ素直になれないアセムは言葉を濁す。意地を張るアセムも可愛らしいが、ちゃんとした言葉が欲しい。
「こうか?」
指で擽るようにペニスを撫でる。刺激を与えられないよりも、却って辛い筈だ。
「ぅん! ちがっ……や、違う……ゼハートっ!」
「気持ちいいだろう?」
「やだぁ……も、やぁ……」
「アセム」
促すように名を呼べば、アセムの瞳の色が一段と濃くなった。
「ゼハートぉ……もうイきたい! イカせてくれよっ!」
可愛らしい懇願だ。その口から聴きたかった。
「お前が望むままに、イカせてやる」
一緒にイこう、アセム。

161風と木の名無しさん :2012/03/30(金) 00:42:13.39 ID:uaHHVbY30
しえん?

162宇宙の片隅に、二人 6/6 :2012/03/30(金) 01:00:12.38 ID:/jOh6Gp00

「あっ! あっ! あぁん! あっ!」
望み通り抽挿を激しくすると、アセムは嬌声を上げ快楽を貪っている。その姿はとても淫らで美しい。
このままずっとこうしていたかったが、こちらも限界が近い。
アセムのペニスを握って上下に擦ってやる。
「ふあっ! あ、あ、あ、だ、めっ! イ、ちゃ、う……!」
「イけよ、アセムっ」
一際激しく腰を突き上げると、アセムの背が弓なりになる。
「ひ、あぁぁぁぁぁぁーっ!」
何度も突き上げアセムのペニスを激しく扱くと勢いよく精液が迸り、甲高い声を上げた。
「ふあぁぁ……あぁん……」
達したせいか、腸内が痙攣するようにペニスを締め付けてくる。
「くっ……」
堪らず腰を打ち付けると、欲望のままアセムの中に全てを放った。


気を失うように眠ってしまったアセムの腕の戒めを解く。緩衝材のおかげで痕は付いていない。
お互い汗や精液でドロドロだ。一緒にシャワーを浴びたほうが早い。
シャワールームに行く前に、アセムの両足にもう一本づつ弛緩剤を打つ。これでいい。
柔らかい頬に口付けると弛緩した体を抱き上げ、シャワールームに向かった。
そうだ、この部屋のセキュリティも上げておかないと。

誰にも、奪わせない。

誰にも――


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

もうアセムが可哀想すぎてどうにかしたいと思ったのに……このザマだよ!orz

>>161さん支援ありがとうございましたm(_ _)m しかし、バイさるでしたorz
最後の最後でバイさるされた!なんでだー!?ヽ(`Д´)ノウワァァァン!!

163音のなる方へ 1/3 :2012/03/30(金) 05:55:06.91 ID:UxAPH1Kk0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

北の事務所の手稲旭川


好きで好きで好きで、堪らなかった。
どうしようもなくて、どうにもならなくて
でも遅いって事だけは分かってて、なのに
理解出来てないんだから本当は分かってなくて
けど仕方ないって思ってる。だって、仕方ない。

「怒らないの?」
「…びっくりはした」

掴んだ肩は同じ男なんだからガッシリしてるし
やっぱり柔らかくなんかない。気持ちよくない。
唇なんか乾燥して皮剥けてるしちょっと血も滲んでる。
なんで旭川じゃないといけないの、って何回も思った。
思って考えて、旭川じゃないといけないって、思った。
なんでとか、どこがとか、そういうのはどっか飛んで
ダメだろうっていう良心はいつの間にか投げてた。
そういうの全部と引き替えても、全部欲しかった。

キスをして、血の滲んだところを舌で舐めたら
一瞬肩を震えさせて少しだけ痛そうな顔をした。
それを見てもう後戻りは出来ないんだと感じた。

164音のなる方へ 2/3 :2012/03/30(金) 05:56:08.30 ID:UxAPH1Kk0
「びっくりして、しただけ?なんで怒らないの?」
「怒ってほしいの?」
「そうじゃないけど」
「俺はびっくりしただけだけど重泣きそうじゃん」
「俺、泣きそう?」

困ったような顔して頷いて、俺の
旭川を見る目の半分がぼやけてて
目を閉じたら零れそうになってた。
拭くのも格好悪いし、かっといって泣くのも、なんて
考えてたら結局零れてどうしようもなくて指で拭いた。
何してんだよって感じだ。何がしたいんだよとも思う。

喋らずただ泣いてるだけの俺に旭川も黙ったままで
なんて声を掛ければいいのか迷ってたら
そのまま腕を引っ張られ抱き寄せられて
頭を撫でられながら背中をやわく、ぽんぽんされた。

165風と木の名無しさん :2012/03/30(金) 07:19:33.66 ID:d8lN9NCO0
しえん?

166音のなる方へ 3/3 :2012/03/30(金) 17:34:16.87 ID:wh4HGrei0
「…なに?」
「泣いてたから」
「…ごめん」

なんでだよ、って言おうとして
ごめんって言葉が先に出てきた。
絶対に、想いの通じない好きな人の胸に抱かれて
慰められながら気にしてないからなんて言われて。
知ってたけど、残念過ぎるだろ。

背中に手を回して肩に顔を埋めれば
髪に顔を寄せられて、優しく優しく
抱きしめ返された。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・`)イジョウ、ジサクジエンデシタ

手稲の報われない愛と、よく分かってないけど
手稲が可愛いとか思っちゃう末っ子旭川もえwww

167風と木の名無しさん :2012/03/30(金) 22:03:41.07 ID:ImBVhfMC0
>>146

毎回ありがとう!
タイトルとかところどころニヤリとする仕掛け満載で、
いつも楽しませてもらってる!
2人のセリフとか文体もらしくて素敵です。

ツアー中で今もラブラブなんだろうなぁ…

168甘噛み 1/3 :2012/03/31(土) 01:21:09.16 ID:A+PJQc8m0
オリジナル。兄弟モノなので、お嫌いな方はご注意を。


|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


目の前で自分でシャツから首を抜く、色気もムードもあったもんじゃない。
ためらうとか恥じらうとか、そういうのはホントに少しも無い。そういうところが、
何かスポーツの前の気分のようなアレで、俺としてもそういうのを眺めながら
少し混乱するような、しないような。
悠平はよっと、と掛け声まで上げてベルトを抜いていた。背中の筋肉の動きを俺は、
とりあえず目で追っている。
電気も消さないから、良く見える。あー、もしかしたら少し痩せたかなこいつ、とか
そんな風にも思う。
蛍光灯の下で見るその背中は、色が白い方に入るだろう。そしてその肩に、赤い跡の
色々が、だからまたよく見える。

「…それ、カノジョにやられたんか?」
「ん?」

俺の声に悠平は変な顔をしながら振り向いて、そして指差されたその部分に気付い
たようで、一瞬の後苦笑いをする。
にかっと。困り笑い。

「そうそう。ミユよこれ、あいつ噛み癖あんのよ」
「痛かったか?」
「痛い痛い!爪たてられんのも萎えるけどさー、ほらネイルのあれとか…」
「あー、わかる」
「けど噛まれたら、ちょっとイクの止まってまうわ!そう思わん、兄ちゃん」
「…いや、それは経験ないから」

あーそーかい、とか悠平はひょこっと肩をすくめた。
そしてそのまま、俺の隣にダイブしてくる。

169甘噛み 2/3 :2012/03/31(土) 01:22:08.20 ID:A+PJQc8m0
「いでっ……悠コラ、お前なあ!」

悠平はげらげら笑っている。何かが壺にはまったらしい。
昔からこういうところがある、うちの弟には。俺の受け答えとか、親父の呟き、母親の愚痴でも
何でもかんでも、何かにスイッチを押されると止まらない。ひとしきり笑い続ける。
俺はだから、しばらく黙ってその茶色の癖髪を撫でながら、目の前で揺れ続ける首すじのあたりを
また眺めていた。
そこにもうっすら、別の跡がある。肩の傷(もう、そのレベル)はよく見ればしっかりと、
点々と規則正しく並んで、カーブになっている。
何人目のカノジョになるんだっけな、あのこは。
今になってみれば、中学の時に初めて付き合った子、あの子が一番長く続いてたか。

「兄ぃ、兄ちゃん、て」

あー、考えたら俺より多いか?
まあ仕方ない。うちの弟はそりゃモテる。モテるよなあ、そりゃ。

「何」
「んじゃ、俺が噛んだろ、っか?って!!あはははは」

半分脱げかかったジーンズの脚が、寝っ転がった俺の腹をばたばた蹴ってくる。
マジで、何がそんなに面白いんだお前。

「イヤ」
「つれない!アニキ!!」
「嫌だっつの。痛いのなんか楽しくなーい。そんなんなら、もうヤメル」
「えー!?ナニよ、おいおいっ」

いやだって、最近やってなかったんだし。俺としては、気持ちよくなりたいわけで。
悠平はぐりぐりと、今度は頭突きからドリル攻撃だ。
ごろんと背中を見せたら、痛い。ったく、何してくれてんだ。
ガキだなー、まだまだ。やっぱり。いや待てよ。
俺の前だから、まだまだガキなんだろーな、こいつは。

「……。」

170甘噛み 3/3 :2012/03/31(土) 01:22:35.34 ID:A+PJQc8m0
とか何とか言ったら、きっと機嫌を損ねるだろうけど。年だって三つしか違わないだろとか、
俺だって社会人になってるんだとか、わめくんだろうなと思う。
まあそんなら出てけ、って何回言っても聞きゃしないのは矛盾してる。もう学生じゃないから
家賃は折半、まではよかったんだけど、けど結局この二人暮らし、もう何年目になる?

「……兄ちゃん」

いつの間にか、そんなことを思っていたらいつの間にか。
笑うのを止めて、悠平が俺の肩口にしがみついてきている。
両の腕が、俺の体を掴んでいる。
そして、溜め息みたいに呼ぶ。

「何、だよ」

俺も言う。
どこからこんな風な甘みで俺を呼ぶようになったのか、いつからだったか。
それは、いつからだったっけ。
別に、弟でいい。俺はそう思ってる。
で、それはこいつも同じはず。
そのはず、なんだけど。
それ以上でも、全然構わないのは、何でだろう。
別にそうでなくても唯一無二。

「……噛んでよ」

そんなことがなくても俺は、お前は。
俺は思いながらぐるっと体を回転させた。目の前のあの肩に、ますます強く腕を絡めてくる
その肩に、確かめるように唇と、舌で触れる。
甘えてるんだ、多分。
お前は俺に。
俺も、お前に。
そして、軽く噛んだ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

171風と木の名無しさん :2012/03/31(土) 01:27:44.64 ID:cybKyJjt0
>>167

いつも読んでくれてるんですか!お恥ずかしいけどとても嬉しいです<(_ _)>
同志がいてくれて良かった〜!これからもコソコソ投下していくかもなので、
良かったら読んでやってください。
彼らのラブラブっぷりは誰にも止められません。リアルが既に同人の妄想を
超えてます(笑)

172風と木の名無しさん :2012/03/31(土) 02:04:43.67 ID:bLMrkw7t0
>>171
>>2の(6)を読んで自重して下さい

173風と木の名無しさん :2012/03/31(土) 03:16:35.02 ID:cybKyJjt0
>>172
大変失礼しました。

174本当の声を 1/4 :2012/04/02(月) 02:22:18.82 ID:RjLCrcbb0
ナマ注意です。
元青心・高低、現原人バンド唄×六弦です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!



普通の暮らし、普通の喜び、普通の悲しみ、大して身に迫る危機も無く、
戦争も知らないし、社会に大それた闘いを挑む事もない。普通にしてれば
飢える事もそうは無い、この国に生まれて普通に育った。
当たり前のものを享受して、当たり前に笑い、当たり前に泣く。
当たり前に普通にやっていく理由は、ただ長生きをしたいが為なのか?
何かひとつ崩れれば、あっという間に変わってしまうかもしれない世界の
上で。

世界中で俺達何十億ものカタマリが、何十億もの脳ミソを持って動いてる。
今この瞬間、何が起こってもおかしくないし、今踏みしめているこの足元
の土だって、永遠にここにある保証なんて何もない。
ちっぽけな俺達が生きる為に求める意味なんて、どこにもないのかもしれ
ない。ただ偶然に生えた、草と変わらない命で、枯れてはまた生えて、い
つか終わりが来るまで繰り返す、それだけなら。



175本当の声を 2/4 :2012/04/02(月) 02:23:38.52 ID:RjLCrcbb0
生まれたからには生きてやる。それだけで良いじゃないか。
生きてるうちに、出来る事は何でもやってしまうんだ。

――なあ、俺は走るぜ、ヒ××

目の前の当たり前で普通とかいう物事をそのまんま受け入れていれば良い
のは、眠ってる子供の時だけだ。
成長して、目が覚めて、歩きだしたらそんなの関係ねえんだ。
無理して長生きなんかしなくて良いんだ。
刹那的に生きたいとか、そんな格好つけたい訳じゃない。人を傷つけてま
で我を通し、やりたい放題するのとも違う。
全部自分でまいた種を、自分で落とし前つけるだけさ。
誰かの為、何かの為、誰それのせい、そんな押しつけがましい事なんか言
ってたまるか。そんな暇はねえんだよ。

生きてるうちに、好きな事は好きって言うんだ。
したいことはするんだ。その為に必要な事なら何だってやるんだ。



176本当の声を 3/4 :2012/04/02(月) 02:25:50.08 ID:RjLCrcbb0
ヒ××、おまえが好きなんだ、おまえが必要なんだ。
おまえが嫌なら無理強いはしないよ。

――でも、いいんなら俺と一緒に走ろう


世界中に素晴らしく特別な物事は沢山あるけれども、俺にとって、おまえ
が今日生きているってのは、何よりも大切なんだ。
おまえとなら、突き刺さるような土砂降りの雨の中でも、肌を晒したまま
走っていける。
おまえは大丈夫、だから、俺の隣で笑っててくれよ。  ―――――――





――さあ、手に!ほら、手を――

ああ、今まで俺があれこれと沢山考えて並べ立てていた思いを、おまえは
たったその一言で全部言い表してしまった。
むき出しの野性も、潜むゆかしさも、美しさも汚らしさも、全部分かって
いる無垢な素顔で。


177本当の声を 4/4 :2012/04/02(月) 03:08:43.92 ID:RjLCrcbb0

どうしておまえはそんな顔が出来るんだろう。
どうしておまえはそんなに美しいんだろう。
どうしておまえは…。
俺は胸の内に湧き上がる感動を覚えながら、おまえの差し出した手に、自
分の手を重ねた。

乾いた地面を、砂塵を舞い上げながらどこまでも走ってゆく列車が脳裏に
浮かんだ。
レールの無い自由な列車だ。砂の上どころか溶岩の上も氷の上も、夜空に
だって走っていくだろう。


本当なんだ。
おまえと一緒に見る世界なら、喜びも和らぎも、不安も痛みも、張り裂け
そうな声も、
全部、本当なんだ。



□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


178風と木の名無しさん :2012/04/02(月) 03:48:04.52 ID:mhk1JoEp0
>>174乙です。
唄にゾッコンな六弦萌えた…ありがとう。


179風と木の名無しさん :2012/04/04(水) 21:54:03.78 ID:TbxNARCG0
>>174
そろそろ自分のサイトを作ってみてはどうだろうか

180風と木の名無しさん :2012/04/04(水) 22:33:48.01 ID:yECQ3lgW0
【なり】キ チ ガ イ 2F堂【茶】

http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1325141740/l50


181ゲーム:リアル/アンリアル 前編(1/5) :2012/04/08(日) 12:57:29.81 ID:Q1igrHpn0
オリジナル総受けエロエロ、触手注意。解釈により微スカ注意もプラスです
10分割超につき前後編。ばいさる避けに時間がかかるかもしれませんがご容赦を

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

まあ、いわゆる疑似体験ゲームなんだけど――と友人はいつもの怜悧な顔に
うっすら微笑を浮かべつつ、そのマシンへと私を招きよせた。
「まだテスト段階だから……まあ、あまり期待しないでくれ」
言葉とは裏腹にてきぱきと、座席についた私に必要な付属装置を取り付けていく。
研究者然とした風貌に糊のきいた白衣がよく似合うのはいつものことだ。

プレイするだけでなく最中の客観データも採りたいからと、
電極装置のようなコードもいくつか身体に装着された。
服は、これも彼の用意した医療用寝巻き一枚に着替えていたので、
私は彼の指示に従い時々腕を上げたり顔を左右に向けたりするだけでよかった。
体感効果のあるというシートから転落したりしないよう、
肩や腰、両の手首・足首はパッド付きの器具で固定された。
コード類を不用意に外されないように、という意図もあるのかもしれない。

準備の最後はゴーグル式の映像モニターだった。
まだ何も映っていないので、目隠しも同じな状態だ。
「苦しいところは無い? 大丈夫かな」
と何度か友人は確認し
「もし途中でゲームを止めたくなったら……」
と彼は私の右手指を装置のある箇所に触れさせた。
「そのボタンを5秒間押し続ければ停止する。
あるいは単に叫んでくれてもいい。きみの様子は逐一モニターしているから」
判った、と私は頷きながらこたえた。

「……では始めるよ。きみが愉しんでくれるよう祈ってる」
そう言って私の手の甲を軽く握った。
私の答えを待たずその手は離された。
遠ざかる足音、ドアの開閉――。
静まりかえった闇のなか小さく吐息したところで、
遠くで風の鳴るような微かな響きに、それが始まったのを私は知った。

182ゲーム:リアル/アンリアル 前編(2/5) :2012/04/08(日) 12:59:57.80 ID:Q1igrHpn0
野外、裸足。月も星も見えない闇の中――。
両手を前後左右に泳がせながら用心深く私は進んでいった。
身に着けているのはリアルと同じ、背中で簡単に合わせるだけの医療用寝巻きだけのようだ。
どこか施設からの脱走者という設定なのだろうか、と私は思った。

進むほどに、すこしずつ空気が重たげになっていくのを感じる。
湿気と匂い――土と植物の何層もの重なるような匂いだ。
窒息感は無いものの、視界はあいかわらず塗りつぶされたような闇ばかり。
これじゃモニターなんて、あっても無駄ではないか。
友人にあとで文句を言ってやらなくては――そんなことを考えていたとき、
私は突然足元を失った。
つまり――落下だ。
一瞬ふわりと身体が浮いたかと思うと、あとはひたすらに落ちていく感覚――。
そのどうしようもない恐怖に、実際私は悲鳴をあげていたと思う。
(でもこれはゲームだから。……ただのゲームだから大丈夫)
そう呪文のように考えたとき、なぜか友人の顔が思い浮かんだ。
ほっとしたのか身体からちょっと力が抜けて
新しい息を吸い込んだタイミングで、あっけなく私は着地した。

いや――正しくは落下が止まっただけで着地ではなかった。
頭を真下にして脚と胴を何かに絡みとられているようだ。
視界はあいかわらず闇ばかり――。
ピンと張った綱がたてるような軋みが上方から響く。
これは、罠か何かに掛かってしまったということなのか。
「体感ゲーム」としか友人から説明されていなかったのだが。
とりあえず――逆さ吊りでも苦痛の体感が無いのは安心だった。
それでも、下から吹き上げてくるような風を感じるのがちょっとリアルだ。

私は自由な両腕を広げ、何とか周囲の様子を探ろうとした。
何か掴まるものはないか――と宙へ腕を伸ばしたとき、鞭か何かが空気を切り裂くような響きがして
次の瞬間、私は手首や二の腕が拘束されるのを感じた。

183ゲーム:リアル/アンリアル 前編(3/5) :2012/04/08(日) 13:02:07.55 ID:Q1igrHpn0
身体のあちこちが何かに巻きつかれているかんじ。
縄に似ているが――縄ならこんな自在に拘束できるはずがない。
そう……いくらゲームとはいえ。
そんなことを考えているうちにもゲームは進行していて、
脚が左右に開かれていくのと同時に、腰が徐々に引き上げられていくのを私は知った。
そのまま身体を折り曲げるように吊られていく。
尻を真上に、脚を左右に分けたままで、だ。
寝巻きの他は何も身に着けていない――つまり下着も。

そのさまを想像するに、私はクラクラするような恥辱を味わった。
そして急に吹き上げてくる友人への怒りと不信感。
確かに――私は同性愛者だ。
別に隠しているわけではない。近しい身内や友人には周知のことだ。
だがそれ以外の知り合いに吹聴することでもない。
私はそれほどオープンな人間じゃない。
同じ同性愛者同士の付き合いでも、
セックスをスポーツのように自由に楽しめるタイプではなかった。
どんな具合に彼が知ったのか判らないが――こんな仕打ちは酷いのではないか。

私は事前に教えられた例の停止ボタンへと指を伸ばし、迷いなく押した。
(1、2、3、4、5……)
頭のなかでカウントし5秒を数え終えようとした瞬間、
指先の鋭い痛みに私は呻いた。
いや、痛みを感じたのはゲーム内の私――
リアルの私は、今……今どこにいる?
手を添えていたはずのボタンや全身を預けている装置への触感を、
突然私は失っていた。
それはまるでゲームという檻のなかに閉じ込められてしまったような……。
「…あ……」
言葉を絞り出そうにも声も出ない。
リアルの私もそうなのだろうか。
私の異変を友人は気づいてくれるだろうか?

184ゲーム:リアル/アンリアル 前編(4/5) :2012/04/08(日) 13:12:25.68 ID:Q1igrHpn0
そんな恐慌に駆られるままに、私は闇雲に身体を動かそうとした。
しかし拘束が緩められるどころか、逆に――さらに脚を広げられ、
惨め極まりない格好にされていくのを知った。
そして、実際に眼前に突きつけられる画像――。
これは誰の視座なのだろう。
白い尻が闇に浮かび、その中心へ焦点が合わされたまま
クローズアップされていく。
(嫌だ……!)
私はそう叫び目を閉じたはずだった――しかし、画像が消えることはなかった。

そうするうちに、何か奇妙なものが画面に現れた。
細くしなやかな――若い蔦のようなものだろうか。
植物の成長記録を早回しで見る映像に似ている。
違うのはまるで何かの意のままに操られているような動きをするところだろう。
それは――尻たぶをくねるように這ったと思うと中心の谷間へと進んだ。
(あ…ああ……、そ…そんな――)
あっけないほどたやすく、それは侵入してきた。
悪寒のような震えが身体の内部と同時に背筋を這い上がる。
さらに同じようなものが次々と現れて――それぞれが蠢きながら入り込んでいく。
そして中で捩れたり解けたりを繰り返すようだ。

多分全部をより合わせても小指ほどの太さにも満たないだろうに、
その刺激は強烈で私は無意識に呻き声をあげていた。
苦痛ではない。むしろ快感だった――最悪なことに。
画面はずっと尻の中心とそこに入り込んだ蔦数本を映すばかりだったが――
私は自分が勃起しているのを感じていた。
ばかりか、すでに透明な先走り液を鈴口に浮かべているだろうことも――。
医療用寝巻きの裾は、多分胸の辺りまで捲くれあがっていた。
勃ち上がった乳首が布に擦れ、もどかしい快感ばかりつのっていく。

絶え間なく蠢いていた蔦が静まる感覚に、私は例の画像へと目を凝らした。
充分奥へ入り込んだそれが等間隔にばらけた……と思うと、
まるで口をこじ開けようとするみたいに八方へ広がっていく。
抵抗しようにも抵抗できない――
惨めにも、徐々に私の中心は広げられていき、従順にぽっかりと暗い空洞を晒した。

そのさまを私に焼き付けさせようとするように数秒……それとも数分間
画像が静止したかと思うと、
徐々に視点が下げられていき、舐めるように私の全身を映していった。

185ゲーム:リアル/アンリアル 前編(5/5) :2012/04/08(日) 13:15:51.92 ID:Q1igrHpn0
みっしりとした重量感で怒張し切ったペニス――
それは紛れもなく私自身のものに違いなかった。
その先端から糸のように垂れ下がった粘液は、やがて途切れるように落ちて私の頬を汚した。
人形のように左右に割られた両脚には比較的太い蔦がしっかりと巻きついている。
腕や腰、胸、肩にも同じような蔦が絡みつき、私を逆さに吊っているのが見てとれた。

そして私の――顔。
(嘘だ……)
愕然と私は目を見開いた。
画像の中の私は、グロテスクな巨根のようなものに口を犯されていた。
ばかりか恍惚と奉仕さえしているかのようだった。
(――こんなの……違う、間違ってる!)
しかし私の意志を嘲笑うように、私の感覚は画面上のそれとシンクロしていった。
滑らかな亀頭と肉茎、一つ目のような穴――
それは人間のペニスに酷似していた。
その分ひどく動物的で、尻穴を犯している蔦状のそれとかなり異なるようだった。
従順に熱心に奉仕する私の口から喉を、それは容赦なく出入りし犯した。
粘性の薄い唾液が絶え間なく私の口から溢れ出し、肉茎と私の顔、
そして髪をもぐしょ濡れにする。
それでも私はその行為に悦びを感じているらしかった。
口から引き抜かれ、ぬらぬらと照り光る先端へと、
精一杯舌を伸ばそうとさえする――。
その間にも、唇から唾液が零れ落ちていた。
(……浅ましい)
そう思う一方で、私の器官もズキズキとさらに昂ぶっているのが判る。

唇すれすれに近づけられたそれを、私は迷うことなく咥え吸った。
ドロっと先端から滲み出るらしい液は
濃厚な甘みに苦さが入り混じった味がした。
(…ん………ふうっ…)
また容赦ないスピードで口腔を犯される。
と同時に、私はこれと同じ肉茎が尻を犯してくれればいいのにと思っていた――。

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
後編はまたのちほど投下します

186ゲーム:リアル/アンリアル 後編(1/5) :2012/04/08(日) 14:46:16.31 ID:Q1igrHpn0
占有30分程度で行けそうなので残り投下します
オリジナル総受けエロエロ、触手注意。解釈により微スカ注意もプラスです
ばいさる避けに間隔が開きそうですがご容赦を

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

願望そのままに、高く頭をもたげたそれが私の尻を見下ろす。
中心の穴は、いまだ数本の蔦に広げられたまま飢えたように口を開けていた。
鈴口が禍々しく開いていき、粘液を叩きつけるように吐き出すと、
それは穴内部へとゆっくり呑み込まれていった。
何度かそれが繰り返され、私の空洞は白いもので満たし尽くされる。
それに満足したかのように、私の穴の周囲を滑らかな亀頭がヌラヌラと蠢き、
自らを白濁まみれにした。
そして威嚇するようにいったん鎌首を上げたかと思うと、躍り込む勢いで侵入した。

その圧倒的先端でさらに奥へと押し込まれる粘液、
縦横に押し広げながら口腔同様斟酌なしに蠢く肉茎――。
(……あ…あ――?)

画像は確かに私の穴が犯される様子を映していた。
しかし、私自身にその感覚はなかった。
逆に穴を固定していた蔦がすべて抜かれていくのを感じた。
だが穴は自力で閉じる力を失ったようにまだ開かれているのが判る。

画面では、肉茎の勢いに泡だった白濁が飛び散り、尻を汚していた。
時折先端まで引き抜かれると、
穴が肉茎の太さのまま淫らに開ききった姿を晒す。
そしてまた侵入した亀頭は、今度は奥に深く潜ったまま液を吐き出した。
ガクガクと喉をのけぞらせ、私もまた射精していた。
しかし簡単には行ききれない、長くもどかしい絶頂――。

私の悲鳴だけが、画像と重なっていた。
いつのまにか私は肉の愉悦の前に完全に屈服していた。
イメージそのままの快楽を味わい尽くしたい欲求に駆り立てられ、
画像のそれと同じ感覚が与えられないことが酷く耐えがたかった。
もしもせめて腕が自由だったなら、
私は躊躇うことなく自らのペニスと穴の両方ともを慰めていたことだろう。

187ゲーム:リアル/アンリアル 後編(2/5) :2012/04/08(日) 14:50:47.77 ID:Q1igrHpn0
(どうか……)
それが声になっていたか、私には判らない。
(……どうか、お願いだから…)
スコールのような驟雨が突然降り出した。

いや――それは雨ではなく、例の粘液だった。
いったいいくつものそれが放出しているのか私に知るすべはなく、
ただ全身をその液に覆い尽くされるばかりだ。
もちろん――液は私の内部にも流れ込んだ。
画像で見せられたのとそっくりに……いや、もっと強烈に。
まるで自分の心臓がせりあがり、
耳元で鼓動をじかに感じるような感覚がしたと思うと、
身体の奥から性質の悪い熱が広がっていく。
それと同時に周囲がむせかえるほどの重ったるい湿気と
あの粘液の味にも似た甘苦い空気に満たされていくようだった。

突然周囲の闇が膨張したかのような気配がし、
次の瞬間、それは私をめがけ殺到した。
細くしなやかな蔦の群れが、あるものは私の穴を犯し、
あるものは私の肌へ吸着するのだった。
それがただ貪欲に粘液を求めての動きなのを、うっすらと私は理解した。
多分、蜜を漁る昆虫のようなものだ。
私にとってはしかし、それらの動きは
繊細かつ荒々しい圧倒的快楽でしかなかった。

穴への動きも最初の侵入とほとんど変わらないはずなのに、
本数と動きの貪欲さ、内部での吸着感がまったく違う。
捩れ絡まり合って一体になったそれの太さは、例の肉茎を凌いでいた。
それが複雑に蠢きつつ、私の穴を犯し続ける。
肌を覆った粘液を味わい尽くした蔦は徐々に私から離れ、
穴を出入りする一群も徐々に数を減らしていった。
気がつくとたった一枚きりだった衣服が消え失せているらしく、
徒に感度の上げられた乳首を挟みこむように蔦に戒められていた。
射精目前の状態で根元を戒められた怒張も、
裏筋をくっきりと晒したままヒクついている。
そしてまたすっかり蔦も粘液も失った尻穴が虚しく口を開けていた。

飢えは驟雨以前よりもさらにいや増し、
その絶望感に私は自分が狂ってしまえばいいとさえ思った。

188ゲーム:リアル/アンリアル 後編(3/5) :2012/04/08(日) 14:53:30.33 ID:Q1igrHpn0
霞みがかったようにぼんやりとした頭に、日常音が徐々に流れこんできた。
ドアが開き、足音がこちらへと近づいて来る。
カチャカチャと器具類が解除される音――。
肌から電極パッドが剥がされるときは思わず声が漏れそうだった。
モニター用ゴーグルを外されても目を開ける気になれない。
胴と脚が自由になると、私はすぐさま身体を横向きにした。
そうすれば医療用寝巻きのルーズすぎる合わせ目から
背中や尻があらわになるのに、すっかり頭から抜け落ちていた。
ただただエレクトしたままのペニスを隠したい一心だった。

「――疲れているだろうが、ちょっと感想を聞かせてくれないか」
と友人は言った。
身体を横たえたまま、私は頷いた。
ゲーム開始前と変わらない、どちらかというと事務的な口調にむしろほっとする。
「ゲームのラストだが、あれはバッド・エンドだと思うかい?」
私はちょっとため息をつき、口を開いた。
「…通常より遥かに強烈な性感を得られる気がする――
という点では逆だと思う……」
「しかし?」
次の言葉を察したように、友人が促す。
「……しかしそれが高まれば高まるほど求められるものも増すわけで、
結局際限が無い」
「確かにね」と彼は認めた。
「だがそういう意味では、このタイプのゲームに
誰もが満足できるエンドなんて有り得ないんだ、最初から」
その口調には、どこか飽き飽きしたような響きがあり――
私は寝返りを打ち、友人の顔を見上げた。
彼はいつもの内面の読みにくい表情のまま私の視線にしばらく応え、やがて
「来て。見せたいものがある」
と手を差し出した。

ゲーム装置のある研究室を出ると、
無人病棟めいた構内の奥へと友人は進んでいった。
白衣姿の彼と、患者風で裸足のままの私。
ひんやりと冷たすぎる床の感触に何度か私は悲鳴をあげたかったが――
そのせいだろうか、股間のそれが落ち着きつつあるのに気づき、黙った。
長い廊下の行き止まりは、扉だった。非常階段の標識はない。
ここだ、とでも言うように友人はちょっと私に振り返ってからドアを開けた。

189ゲーム:リアル/アンリアル 後編(4/5) :2012/04/08(日) 15:02:55.68 ID:Q1igrHpn0
圧倒的な臭気、轟音、呻き声――
一瞬にして別の世界へと取り込まれるような驚愕に私は怯んだ。

暗く広い空間のあちこちにモニターが置かれ、そのいくつかには
例の――ゲームの最中に私が目にしたのとそっくりな場面をが映し出されている。
その側で、ある者は蕩けるような表情のまま画面を見つめたまま
四つん這いの格好で別の男に尻を犯されていた。
またある者は画面の私のように尻を頭上に晒し、
乞うように中心部をひくつかせていた。
――よく見ると、その都度少しずつ内部から漏れてくるらしい液で淫らに濡れ光っている。
あるいはハンモック状の小さな簡易ベッドに仰向けになり、
脚を高く掲げている者――彼は別の男にハンモックごと揺られながら
突き刺しと引き抜きとを繰り返し味わっていた。
他にも数人の男たちの足元に跪き、両手と口で奉仕する者、
騎乗位の状態で、さらに背後から別のペニスを押し込まれる者――。

尻穴を否応無く奥まで開かれていく強烈な圧迫感、
斟酌なしに与えられる刺激と快楽――彼らの味わっているだろうそれらを
私はたやすく体感することができた。
まるで、あのゲームそっくりに。
友人が背中の合わせを外したものか、医療用寝巻きが私の足元に落ちる――
と同時に、腰が抜けたみたいに、私はその場にへたりこんだ。

それ自体が意思を持つ別の生き物のように、私のそれは力強く息を吹き返し、隆々と頭をもたげていた。
そんな私を、例の研究者然とした顔つきで友人は眺めていた。
「うん。素晴らしい」
そう言いながら、万年筆で私の陰茎に触れる。
「他の被験者は少なくともドラッグを必要としたけどね。
といってもプラシーボ……まったく害のない子供だましだが」
彼は私を傷つけたがっているのだろうか……?
思わず私は彼の足元ににじり寄り、懇願するように頭を擦り付けた。
従順な犬のように私は彼の様子を伺いつつ、鼻先をその股間にうずめた。
そして頬や唇でそれをなぞり、愛撫する。
布ごしにも、その形、長さ、太さは判り――少しずつ大きくなっていく気配に
私は歓びを覚えていた。

190ゲーム:リアル/アンリアル 後編(5/6) :2012/04/08(日) 15:15:16.27 ID:Q1igrHpn0
だが友人は宥めるように私の頭へそっと手を添えると、一歩あとずさった。
「私にもきみに、多少の快楽は与えられるかもしれない。
だが、それでは全然足りない。
残念だが……判るだろう?」
そう言いながら、私の頬をやさしく撫でた。

「――今はここでしばらく遊んでおいで。
きみのために新しいゲームを作ってあげよう。
さっきのよりもっと長く繰り返し愉しめるのをもう考えてあるんだ。
金は途方もなくかかるが……
ここや別の場所で愉しんでる奴らが喜んで出してくれるだろう。
それまで待っておいで。
絶対にきみをがっかりさせたりしない。約束する」
そう言って友人は私の額にキスをした。

191ゲーム:リアル/アンリアル 後編(6/6) :2012/04/08(日) 15:20:22.39 ID:Q1igrHpn0
それからずっと――私は肉の檻の中にいる。
ボトムは年齢・体型・肌の色もさまざまだが、皆例のゲームの元被験者だった。
彼らと言葉を交わしたわけではないが……自分と同類なのだと何となく判る。
そして私たちを意のままに使い、愉しんでいるのは
友人のクライアント、それともスポンサー。

大抵の男たちは私をゲームそっくりの体位で犯すのを好んだ。
尻穴を天井へ晒し、昂ぶり続ける陰茎も、欲望まみれな顔も顕な、
もっとも淫らな格好には違いない。
時に電動の真っ黒なディルド、あるいは別の被験者に穿たせながら
さらにその尻を突きまくったり――。
次々に中出しされ、もう飲み込む余地のない内部を、
グロテスクだが生身には違いない巨根が突き刺し、
酷く淫らな音と粘つく泡とを撒き散らしながらピストンする。
やっと引き抜かれ開放された穴は、
元のように閉じる力をすぐには回復できないまま暗い内部を晒し、
また別の劣情を誘い咥え込む。

時々気まぐれな誰かが私自身の怒張を慰めようとするが――
私はむしろ放っておかれるのを好んだ。
ひんやりと無機質な棒が私のそれに触れる。
そう……彼の万年筆だ。その長い手指、清潔なカフス。
微かに衣擦れの音をたてる白衣はうっすらと糊と石鹸の匂いが残り、
それらに包みこむように私の頭をそっと抱き寄せる。
「……約束する」
そして額への清いキス。
どんなに淫ら極まりない絶頂のさなかにも、そのイメージは繰り返し現れ、
私をうっとりと幸せな気分にさせた。
また別の肉にもみくちゃにされながら、
私は友人だけに仕える自分を夢想し……。
そしてすべては闇に沈んだ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
分割数の途中修正失礼しました

192風と木の名無しさん :2012/04/15(日) 23:43:12.35 ID:74aZbx9DO
GJ!

193風と木の名無しさん :2012/04/18(水) 21:05:43.60 ID:Zjh+WmQ70
半ナマ注意
劇場版DCD 大首領×犬崎
※エロのみ
※闇堕ちキャラ崩壊注意

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

貫かれた箇所が熱い。
まるで粘膜が溶け合っているようだ。
熟れた肉は怒張した猛りを受け入れ、締め上げながら互いを絶頂に導こうとする。
心より先に馴染んだ体が貪欲に刺激を求める。
生殖のためではない快感を貪るだけの、向かい合った膝の上で踊る浅ましい行為。
これが何度目かも思い出すことが出来ず、体内を抉じ開けられる痛みすら既に悦びでしかない。
「何を考えている?俺を殺す算段か?」
目の前の男が唇を歪めて笑っている。
薄暗く鋭い瞳に射抜かれて目が離せない。
世界の破壊を止めるためこの男に刃を向けたことがあった。
その場では決着が付かず次に訪れた世界で男が悪の組織の大首領だったと知ったのは、
捕らえられた後のことだ。
「殺してもいいんだぞ」
手を男の首にあてがわれた。
急所が手中にある。
それは世界を救うだけでなく、この男から開放されることも意味している。
捕らわれの身になった日から今までどれだけ屈辱的な行為を強いられてきたかを思えば、
この機会を逃すわけにはいかない。
緊張に強張る体を励まし指に力を入れる。
親指で喉仏を押し込む。
「出来るならな」
突然激しく突き上げられ体が大きく跳ねた。
慣れ切った淫奔な体は少しの刺激に歓喜する。
首の手を背中にまわし、しがみ付いて衝撃に耐える。
波紋のように広がった快感が喉から漏れた。
「あッ!…あ、はぁ…」
響く声は他人のもののようだ。
腰を掴んで引き寄せられ熱がより深く入り込む。
小刻みに最奥を抉られると限界を超えて侵入してくる恐怖と、
もっと強い刺激を求めるもどかしさで気が狂いそうになる。
動きに合わせ押し付けるように腰を揺らす。

194風と木の名無しさん :2012/04/18(水) 21:08:19.34 ID:Zjh+WmQ70
男の手が後頭部に添えられ唇を重ねられた。
少し厚みのある柔らかな感触が気持ち良い。
性急に舌を絡め唾液と粘膜を味わう。
角度を変えてより深く貪る動きは肉食獣の捕食に似ていた。
唇を窄めて舌を吸い上げながら腰と共に頭を前後させると下腹部から急速に快感が駆け上る。
「…んっ…んん…ッ!」
互いの腹の間で擦られたそこは触れられてもいないのにとろりと白濁の液体を溢れさせた。
予想外の出来事に男の首筋に顔を埋めて硬直した。
驚きに指先が震えている。
動揺を察したように大きな掌で頭を撫でられた。
どんな顔をすればいいか分からず俯いた耳に唇が寄せられる。
「諦めて慣れてしまえばいい」
その誘いは、甘く優しい。
恐る恐る顔を上げると男は目を細めて微笑んでいた。
悪魔はとても美しい姿で人々を魅了すると聞く。
ならばこの男は確実に悪魔だ。
「お前に俺を殺せはしない」
その言葉に心臓が跳ね上がる。
この男を殺すか、この男が死ぬを待つか。
それとも言われた通り捕らわれることに慣れてしまえばいいのか。
濁った頭には何が希望で何が絶望なのかも分からなくなり始めていた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

色々すいませんでした!

195風と木の名無しさん :2012/04/19(木) 01:07:19.40 ID:IxPFpFen0
>>193
GJ!GJ!GJ!

196ドーナツは今日も凍る 1/5  ◆BUsl4O8zWY :2012/04/19(木) 23:03:52.03 ID:RTb7mGgk0
難局シェフ。半生注意です。
新設定のモトさん×仁志村で仁志村からの矢印強め。
イチャイチャしてますが本番はなし。

>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

マイナス50度を下回る凍てついた空気が振動している。
分厚い氷床を掘り進むドリルの唸りが狭い掘削場にこだまして、二人が立てる濡れた音は都合よくかき消されている。

学者然とした風貌からは想像できない情熱的なキスに仁志村は夢中になっていた。
外気が寒すぎるせいか、絡み合う舌も交わされる息も熱い。
顔の角度が変わるたび、モトさんのセイウチのような髭が口の周りにちくちくと当たる。
そういえば、水族館で見た牙のないセイウチと目を剥いたモトさんの表情はどことなく似ている気がする。
「ん、」
厚いグローブを付けたモトさんの手が、羽毛で膨れた防寒ズボンの上から仁志村を押す。
身じろぐ仁志村に構うことなく、強弱をつけいたずらに押し続ける。
下腹部へ与えられる鈍い快感に意識が霞みかけたところで突然解放された。
甲高いブザーが室内にこだましている。
「仁志村君」
いつの間に移動したのか、機械の反対側から神経質そうに眉を寄せこちらを睨んでいるモトさんに仁志村は我に返った。
「何ぼーっとしてんだよ、手伝いに来てるんだろ?早く来いよ」
「…はい」
何事もなかったかのようなそっけない態度に少し傷つく。
ふらつきながら椅子から立ち上がり、数千メートルの地中から引き上げられる掘削機に集中しようとしてみたが上手くいく筈もなかった。
今まで刺激を受けていたところに血液が集まって重く痺れる感覚を逃そうとため息を付く。
「上がるぞ」
真剣にウインチを操作するモトさんを見ているうちに、なぜこんなことになっているのかを考えるべきなのでは、とようやく仁志村は思い至った。

197ドーナツは今日も凍る 2/5  ◆BUsl4O8zWY :2012/04/19(木) 23:05:09.74 ID:RTb7mGgk0
***

数時間前の早朝、仁志村はトイレか自己処理かで悩んでいた。
下腹部の自己主張をこのまま放置するという選択肢は、朝食が遅れる恐れから却下せざるを得ない。
まだ誰も起きてこないだろうからとりあえず用を足してみよう、と部屋を出たところでモトさんと遭遇した。
「わっ」
「おっ」
モトさんの目が仁志村の股間に吸い寄せられて、すぐに逸れた。
見られた。ああいい年をしてなんてことだ。
慌てて部屋に引き返す仁志村をモトさんが呼び止めた。
「仁志村君、どうするの」
ソレ、と顎で指し示す。
「どうするのって…なんとかします」
「それさ、俺がしてあげてもいいよ」
「は?」
起き抜けの浮腫んだ顔で寝癖だらけの頭を掻いている迫力満点のモトさんを唖然として見つめた。
「は、じゃなくてさ、聞いてなかったの」
ぎゅっとモトさんの目が険しくなる。目に見えて機嫌の悪くなる様子に仁志村は焦った。
「いや、あの、聞いてましたけど」
「で?」
「や、いいですいいです自分でやります」
「仁志村君、最適化ってなんだ?」
「え?」
「たとえば作業効率について考えたときにね、時間だけに重きを置くのか、質も求めるのかと問われればこれはもう自明の理だよね。
同一の作業をしている者が複数いたとするよね。相互協力することによって何が得られると思う?無論、他者との摩擦から生じるエラー、
つまり無駄もたくさんあるかもしれない。けれどその無駄から生まれるアイデアって言うのは結構馬鹿に出来ないんだよ。
そこから改善を試みる事によって質そのものの向上が見込まれるんだ。こういったことは最適化すればいいというものじゃない。
いや、最適化の概念そのものを考え直す必要があるかもしれないね。ここで言う最適化って言うのは、」

198ドーナツは今日も凍る 3/5  ◆BUsl4O8zWY :2012/04/19(木) 23:07:13.91 ID:RTb7mGgk0
「えーとすいませんモトさん、それはどう言う…」
困惑する仁志村の肩をモトさんがぽんと叩いた。
「簡単に言えば一人より二人ってことだよ」

絶対無理と思っていたのに、モトさんの手は意外にふっくらと柔らかくてあっけなく達してしまった。
仁志村の精液を受けた手を広げてじっくりと観察し、
「たくさん出たね」
エビフライだからね、と全く同様の単調な口調だった。
久しぶりの快感と罪悪感と羞恥に大混乱した仁志村は、淡々とスウェットを脱ぐモトさんを呆然と見ていることしかできなかった。

そんなわけで、今日の朝食は結局時間通りに出せなくなった。

「仁志村さーん、お腹空いて死んじゃうよー」
「死んじゃう死んじゃうー」
食堂から新やんと凡の情けない声が聞こえてくる。
「仁志村さん珍しいね、寝坊?」
仁志村から人数分の茶碗を受け取った比良さんが、入れ違うドクタ.ーの横をすり抜けて厨房を出ていく。
「ほんと珍しいよね、仁志村君が寝坊って」
「なんか、昨日眠れなくて」
「へえ、仁志村君は結構図太そうだと思ってたんだけどなあ」
ドクタ.ーの興味深げな視線に仁志村はたじろいだ。
「昨日ドクタ.ーのとこで将棋したじゃない、あれで目が冴えちゃったのかも」
「ふうん、そっか」
ドクタ.ーが冷蔵庫からお茶の容器を取り出す。
「仁志村君さ、今日モトさんのこと見すぎだよね」
「えっ」
「さっき食堂ですごい見てたじゃない」
「そ、そう?」
ドクタ.ーの部屋は仁志村の向かいにある。まさか気付かれたのだろうか。
「またなんか言われたならあの人、口は悪いけど悪気はないからね。知ってると思うけど」
「…」
真意の読めないドクタ.ーの笑顔に、仁志村はまばたきすることしかできなかった。

199風と木の名無しさん :2012/04/19(木) 23:19:50.15 ID:WzrGa2Dr0
支援

200ドーナツは今日も凍る 4/5  ◆BUsl4O8zWY :2012/04/19(木) 23:21:56.84 ID:RTb7mGgk0
***

削りだした氷を運び終えると仁志村にできる事は何もなくなった。
モトさんが丁寧に氷を扱う様子に、待機スペースから暫く見蕩れる。

難局の沿岸部にある庄和基地から1,000キロも離れたこの僻地に長く滞在するのはこの為だと言っても過言ではない。
大陸の上に降り積もった雪が何十万年もの間に押し固められてできた氷には、地球の過去も未来でさえも内包されていると聞いた。
氷のタイムカプセル。詳しい事はわからないけれど、その呼称に仁志村の気持ちも少なからず浮き立つ。

仁志村はなんとなく近寄りがたい雪氷学者のモトさんとの距離が、彼の誕生日を境に近くなったことを密かに喜んでいた。
思い切って肉を火達磨にしたローストビーフは最高の出来だったし、酔いの回ったモトさんからは切ないプライベートを聞くことも出来た。
あの日からまだ数日しかたっていないなんて信じられない。今朝のことも、さっきのキスも夢だったのではないかと思う。
「よし、と」
注意深く切断した氷の柱を注意深く定位置に収め、全ての作業を終えたモトさんが再び仁志村の横に戻ってきた。
「モトさん」
「ん?」
「モトさんてセイウチに似てますよね」
「は?似てねえよ」
目を剥いて小さく舌打ちすると、計器の電源を順番に切り替えていく。稼動音が静かになって鼓膜の震えが幾分和らいだ。
仁志村に向き直ったモトさんが短くため息を付いて眼鏡を外した。
「あのさ仁志村君、そんな見つめられてもさ」
「え」
近づくモトさんの顔にどきりとする。
「俺は難局にキスするためにきてるわけじゃないからね」
「はい」
ああ夢じゃないのか。
慌てて目を伏せると同時に硬い髭と、厚く柔らかな唇が冷え切った顔に触れた。
モトさんにとってこれも最適化の一環なのだろうかと、歯列を割って入り込んでくる舌を受け入れながらぼんやりと考える。

201ドーナツは今日も凍る 5/5  ◆BUsl4O8zWY :2012/04/19(木) 23:24:21.04 ID:RTb7mGgk0
数ヶ月振りに触れる他人の粘膜が気持ちよくてどうでもよくなった。
ふいにモトさんの唇が遠ざかり、重たくなった目蓋を開ける。
「もう一度言っとくけどさ、」
「わかってます」
最適化でも何でもいい。だから続きを。
間近にあるモトさんの大きな目を、その強すぎる眼力に負けないよう必死に見返した。
どんなにじたばたしてもここは地球の果て、ならばなるようになれ。
仁志村はそんな風に思う自分が可笑しくなった。
「…ならいいんだけどさ」
一瞬ぽかんとした表情を浮かべたモトさんが仁志村につられるように笑う。
モトさんの目尻の皺が優しすぎて、仁志村はなぜか泣きそうになった。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

規制されてしまいました。中断すみませんでした。
支援ありがとうございました!

202灯台守の話 1/9 :2012/04/20(金) 21:35:09.76 ID:ZscSi6/c0
九曲鳥人Rより戸坂×R。最終話後の捏造話です。
エロ有りで割とイチャイチャするだけ。ハマって日が浅いので間違いなどあったらすみません
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

夜の港は恐ろしい。波の音がどこから聞こえてくるのかわからなくて、一歩先は空中ではないかと怯えてしまう。
真っ暗闇では足元が見えず、やたらに何かを踏みつけるがそれが何かはわからない。明かりといえば先に見える灯台だけだ。
灯台はぴかり・ぴかりと明滅を繰り返している。夜の散歩には心細い光だったが、それでも戸坂が迷うことはなかった。
向かっている先がその心細い光そのものだったからだ。
灯台のふもとに着くと、暗闇の中に立っている轟.天.号の姿が浮かんだ。普段は関係者以外立入禁止のこの場所も、
今日だけは「関係者」の手によって開けられている手はずだった。戸坂は急な階段を見てため息をつく。

あの騒動のあと、Rは皆より遅れてなんとか春.高を卒業した。そして今は憧れの灯台で寝起きをしているらしい。
どんな手を使ったのか、人として雇われているのか備品としてもぐりこんでいるのか、それはR以外誰も知らなかった。
とはいえ、最低限の環境と米と炊飯器さえあれば満足できるRにはうってつけの仕事だろう。
撮影会で嬉しそうに報告をしたRに、戸坂はいつもの調子で灯台から夜明けを撮りたいから入れろ入れろと
無理矢理約束を取り付けたのだった。

「やあ。戸坂さんは風邪ですか」
「階段がきついんだよ。ロボットと一緒にするな、ばか者」
「ぼくはアンドロイドですよ」
曲げたピースサインを突き出したRは、いつもと変わらず詰襟に下駄履きという格好で炊飯器のそばに座っていた。
戸坂は上がった息を整えながら部屋を見渡す。
「えらく殺風景だな」
炊飯器のほかには寝袋が転がっているばかりだ。元々泊まりこむための部屋ではないということだろう。
戸坂は大荷物でやってきてよかった、と安堵した。

203灯台守の話 2/9 :2012/04/20(金) 21:35:43.31 ID:ZscSi6/c0
コンロでレトルトカレーを温めている戸坂をRはぼうっと見つめていたが、戸坂が炊飯器を指さすと炊飯器をさっと抱いた。
「さからうのか。わたしは元部長だぞ」
「ぼくは前部長です。元部長の方がえらい」
「とーうぜん!わかっているなら炊飯器を渡したまえ」
そう言うとRはあっさり炊飯器をよこしてきた。世代の交代でもはやRは前部長ではなく、戸坂と同じ元部長になっていたが
お約束の会話の楽しさに戸坂はそれをRに教えていなかった。
このアンドロイドときたら、教えられたことはみんな真に受けて、理不尽なことも困り顔ひとつで済ませてしまうのだ。
戸坂は、甲画部は、そんなRを好きなのだった。

皿に盛ったご飯にとろりとおかゆをかけたRは、気の抜けたような表情でスプーンを動かしていたが、やがて「ああ」と呟いた。
「どうした」
「なんですか」
「今、ため息をついただろう」
「食欲がないんです。ご飯も一升食べられるかどうか」
「じゅうぶんだと思うがな」
「ぼくは、とうだいに入れてご飯も食べられて幸せです。とうだいに入ったのはお父さんが『とうだいに入り頂点へかけのぼれ』と
言ったからです。ぼくはお父さんに歯向かって今もここにいるのをないしょにしている。これでいいのだらうか」
戸坂は水筒のコップをいじりながら応える。
「まだそんなことで悩んでるのか。お化け屋敷に売っぱらったり世界征服させようって親父に」
「ここにいていいのかわからないんです」
「うりゃ!」

204灯台守の話 3/9 :2012/04/20(金) 21:36:21.91 ID:ZscSi6/c0
煮え切らないRにコブラツイストをかけてしまうと、Rは「あう」とうめいた。
「だーいじょうぶ!と言ってるだろうが!博士がまた何か企んだらわたしが叩きつぶす。もちろん甲画部も全力をあげるのだ。
おまえはひとまずここでほとぼりが冷めるのを待てばよかろう!」
「わかりましたから、放してくださいよ」
「聞くのもばからしいがおまえはどうしたいんだ」
戸坂は向き直ってRの肩をぎゅっと掴んだ。
「わたしはOBの人になって、甲画部に行って…」
「それはもうやってるだろう。つまりだな人間なら仕事をし恋人を作り結婚…は戸籍がいるからおまえには関係ないが、
ともかく好きなことをして好きな人と一緒にいるわけだ。この先ずっとの話だ。おまえは何が好きなんだ」
Rはそう聞かれて遠くを見るような目つきになったが、ぺたりと床に座り込むと壁にもたれて考え込み始めた。
「おい?」戸坂が電源でも切れたかと顔をのぞきこむと、不思議に静かな顔をしたRの目があった。
「ぼくは戸坂さんが好きですよ」
面食らった戸坂はずり下がってきた眼鏡を押し上げる。
「そ そうか…うむ、まあわたしも好きだが、いや、そういうことではない!」
「なんでしょう」
「わからなくても無理はないが好きにも色々ある。愛は特別な感情であって、互いを根源から欲するようなだな…」
「すごく好きなのが愛ならぼくは戸坂さんがすごく好きです」
「いや…」

こうも気の抜けた声で愛を語られてはさすがの戸坂も頭を抱えてしまった。そして自分の中に混乱とないまぜになったものが沸き上がって
くるのに気がついて余計に言葉が出てこなくなった。戸坂は嬉しかったのだ。暗い海原で、心細い光を吐くこの部屋で、
光線を発する頂のすぐ下で、この間の抜けたアンドロイドが好きという言葉を自分に向けているのが。

205灯台守の話 4/9 :2012/04/20(金) 21:43:38.30 ID:7G8nqvnF0
それでも戸坂はじっと自分を抑え、Rの前にしゃがみこむとその唇にゆっくり小さなキスをひとつ落とした。
口をつけている間、Rは目をつぶりもせず、両手の指をだらんと床に投げ出していて、それを見た戸坂は理性が切れるのを
また抑えこまなければならなかった。
「何をするんですか」
「わたしが言っている好きというのは、こういう行為を伴うものだ。おまえはこんなことがわたしとしたいのか。
おまえ、そもそも感情が起こっているって実感はあるのか。わたしに起きているような気持ちがあるのか」
質問にRは首をかしげ、再び動かなくなった。震えがきそうな気持ちで戸坂が見つめていると、Rはやがて身を乗り出し、
口づけを戸坂の頬に返した。
「あっつっ!」
頬の刺されたような痛みで戸坂が思わず尻もちをついたのを見て、頬を赤くしたRは困ったように笑う。
「ばか者!」
「戸坂さんが難しいことを聞くからじゃないですか。難しいことを考えると熱が出る。ぼくはお湯がわかせます」
「いいから早く温度を下げろ」
ひりひりする皮膚の痛みを指でなでながら、戸坂も少し笑った。

「…下がったか?」
「下がってきましたけど、何するんですか」
「何ってなあ…」
何をするんだろうか、こいつと。苦笑交じりにRの手を掴み方向を示すと、Rは素直に寝袋の上へ寝転がった。下駄を脱ぐ乾いた音がする。
掴んだ右手はまだほんのりと熱い。戸坂が眼鏡を外して傍らに置くとRの姿はぼんやり霞んだ。
「なにか、二重三重に問題がある気がするが」
「やめますか」
「大丈夫、まかせて…と言いたいもんだな」

206灯台守の話 5/9 :2012/04/20(金) 21:44:07.29 ID:7G8nqvnF0
戸坂はRに覆いかぶさるとまたキスをしたが頭の中ではどうしたものかと途方に暮れていた。服を引っぺがそうにもRは玉ねぎのごとく
学生服を着込んでいるし、脱がせたところで体がきちんとできているのか知らなかった。何より自分だけが気持ちよくて
Rは何も感じていないかもしれないのが嫌だった。ひどい言い方をすれば、よくできたダッチワイフを戸坂は抱いているのかもしれなかった。
Rの口腔に舌を差し入れてみれば自分と同じように歯も舌もあって、唾液のようなものさえそこにはあって、アンドロイドだとは
とても信じられなかった。
「う…ふ、…」
小さな吐息に、戸坂がRの顔へ目を凝らしてみれば、その目はいつもよりいっそうぼんやりとしている。なんとなく添えていただけの
指を耳朶にすべらせると、Rはびくりと首を曲げて逃げた。
「あ、う、…」
それを追いかけるとまた小さく、しかしはっきりと甘い声をあげる。大きな目が潤み始めているのが戸坂の影の中でも確かに見えた。
「おまえ、気持ちいいのか?ちゃんと」
「み、…耳を触られたら気持ちいいに決まってるじゃないですか」
答えた声は打って変わって色気のない、いつもの緊張感をそぐあの声だ。
(こいつ、知識でしってるから反応してるだけなんじゃないか)
戸坂は肩透かしを食らったような気分で不思議そうに自分を見つめる男を見下ろした。
「どこでそんなこと覚えたんだ、偏っとるぞ、R」そういいながら耳の付け根に舌を這わせると、やはりRはぞくぞくとした感覚に
身をすくめているらしい。脱がせないのなら、できる限りの偏った「知識」を教えこんでやりたくなる。
だがそれは次に備えて、とここまで考えて、戸坂はこの次この先を考えている自分に呆然とした。
「どうしたんですかぁ…っふ、ぅ」
再び覆いかぶさり体を探る。人間の平熱ではありえない熱さをアンドロイドの体は放っていて、電気毛布を抱きしめている
ような気分になった。首を、あごを、額を、戸坂はまさぐって、耳にかわる性感帯を探した。
手首に口づけて腕が強張ればそこを責め、足の裏をなでて脚が跳ねればそこを責めた。

207灯台守の話 6/9 :2012/04/20(金) 21:44:31.11 ID:7G8nqvnF0
「先ぱ…、戸坂さ…っ」
「うん?」
「…は、なにか変な…、が、きます…ど、すればっ…?」
「そのままでいい」
「うぁっ…いや…だ、」
耳元で低く「だいじょうぶ」とささやいてやると、細い体をぎゅうと戸坂に押し付けてRは震えた。
しばしの間があって、抱きつく力がゆるんだかと思うとRはあうあう、とうめきながらどさりと寝袋に四肢を投げ出した。
涙のたまった目、上気した頬からはうっすらと湯気が立っている。はあはあと息を荒げているのを戸坂は興味深く見つめた。
「…不可思議な気分です」やがてむくりと起き上がったRはまだ余韻の残る表情で言った。
「わたしだって不可思議だよ。おまえよりずっとな」
「いやあ、不思議だった。それではまた明日、おやすみなさい」
「おい待て」
寝袋に潜り込んでいこうとするRを引き止めると、Rはきょとんとした顔で戸坂を振り返る。
「なんですか」
「男同士だからはっきり言うが、イッたのはおまえだけだぞ」
戸坂は最中に苦しくて前だけをくつろげていたそこに手をやってきまり悪そうにそう言った。Rはふ、と微笑むと戸坂の
顔を両手で包み込む。
「ぼくはどこへも行きませんよ」
「違う違う!」
「おやすみなさい」
「人の話を聞かんか!」
Rは気持ちがよかったかもしれないが戸坂はまだそうではない、ということを説明してやると、Rは「なるほど」と呟いて
戸坂の股に目をやった。
「R、おまえその服を脱げるか」
「いやです!」
断固とした口調に、戸坂はやっぱり、と胸中で嘆息した。

208灯台守の話 7/9 :2012/04/20(金) 21:50:13.57 ID:ZscSi6/c0
「じゃあ…フェラチオ、はわかるか?」
「怪獣ですか?」
聞いているものとてない小さな部屋だったが、戸坂はRの耳に手を当ててぼそぼそとささやく。
「えー。それ、するんですかあ」
「こればっかりは無理にとは言わんが…」
「いいですけど…」

あっさりと承諾したRは戸坂の下着に手を伸ばすと、不器用に中の昂ぶりを取り出した。
Rが少し驚いたような顔になったのを見て、戸坂はやはりRの体は完全ではないか、一度も詰襟を脱いだことが
ないのではないかと思った。意外にも抵抗がなかったのは、それがどんな部位かわかっていないのかもしれない。
Rがゆっくりとそれを口の中に飲み込むと、戸坂は風呂のような熱さに思わず声を漏らした。
「おうふえあいいえうあ」
「はなっ…さなくていい…」
途切れ途切れに説明すると、Rはその通りに頭を動かし始めた。しばらく試行錯誤するうちに、なんとなくそれらしい
動きを覚えたらしい。
「あ、R、…っ、く、ぁ」
「う、ぐ…っふ」
初めてのRに悪いと思いながら、どうしても腰が動きそうになる。気を紛らわせるためにRの頬をなでると、Rはちらりと
戸坂を見返した。Rの髪の毛はさらさらしていて気持ちがいい。人間と同じ、いやひょっとすれば戸坂よりも細くて
柔らかいかもしれなかった。何の気なしに左目の前にかかっている前髪をかき上げてやろうとすると、思わぬ力強さで腕を掴まれた。
口に戸坂のものを咥え込んだRが困り顔で見上げている。その顔を見た途端、下半身から駆け上がってくるものを
感じて、あっと思わないうちに戸坂は達した。
突然の感触に狼狽したらしいRの口からあわてて引き抜くと、白濁がぱたぱたと寝袋に落ちた。
「すまん、R…」
「うげえええ」
「ばか、なんで飲むんだ」
「重湯だと思ったじゃないですか」
苦しそうにげほげほと咳き込んだRは、そばの炊飯器から飯の塊をつまみ出すと口へ押し込んだ。

209灯台守の話 8/9 :2012/04/20(金) 21:50:42.93 ID:ZscSi6/c0
寝袋を並べて寝ていると、Rがこちらを向く気配がした。
「戸坂さん、戸坂さん」
「なんだ」
「ぼくは戸坂さんの恋人の人ということでせうか」
「…そうでせうね」
「戸坂さんもぼくの恋人の人になるといい」
「そりゃ、そうなるに決まっとろう」
「ありがたや、ありがたや」
拝んでいるRに手を伸ばすと、熱の冷めた肌が手に触れた。
「戸坂さん、恋人の人は何をするんですか。フェラチオ以外に」
「おまえ、その単語を人前で口にするなよ。うむ、そうだな。
たとえばお手々をつないで…いや…ともかく、ずっと一緒にいるんだ」
「あい」
光のくるくる差し込む部屋で、Rは戸坂の手を握りながら眠った。

ひどく懐かしい匂いで戸坂は目を覚ました。当初の目的を思い出して跳ね起きたが、幸いまだ夜は明けていない。
ふと横を見るとあの馴染みの炊飯器がうっすらと外の光を受けてくつくつと歌っていた。Rが炊いているのだろう。
そのRはといえば、自分の寝袋から出て、なぜか戸坂の寝袋にしがみついたまま眠っていた。
腹から炊飯器のコードが伸びているのが見える。床で寝て体が痛くないのか、と思ったが、アンドロイドには
なんでもないことなのだろう。
戸坂はそっと起き上がると、靴を履いてカメラを取った。朝日が差さないうちに灯台の周囲の景色を確認しておきたかった。
少し迷って、寝ているRにジャンパーをかけた。
階段を降り、東に伸びている道を進む。昨日灯台まで来た時の道だった。
外は肌寒くて、アンドロイドに格好をつけた自分を戸坂はほんの少し恨めしく思った。

210灯台守の話 9/9 :2012/04/20(金) 21:51:09.14 ID:ZscSi6/c0
辺りの道はまだ薄暗い。コンクリートと海と草木が見えるばかりでなんということもない風景だったが、逆に言えば
邪魔になるものがなくて撮りやすいのかもしれない。それよりも戸坂は寂寥感に打たれて足が止まってしまった。
どこに行っても変わらないようで、どこに進んでも戻れないような、なんともいえない道なのだ。
昨日は真っ暗闇で恐ろしかったが、先に灯台の光が見えていた。だが今は漠然と続く風景の方が寂しく、恐ろしい。

「いい風景ですねえ」
「うわっ」
気の抜けたような声に驚いて振り返ると、ジャンパーを肩に引っ掛けたRが炊飯器を抱えてすぐ後ろに立っていた。
「Rか。カメラも持ってないだろうにどうしたんだ。炊飯器じゃ写真は撮れんぞ」
「ずっと一緒と言ったじゃないですか。だからこれ、このとおり」

飄々と言ってのけるRを前にすると昨日のことが夢のようで、戸坂は額をRの額に押し付けてみた。
小脇に抱えられた炊飯器は柔らかな匂いを振りまいて、そうしているうちに電子音がピーッと鳴って炊き上がりを告げた。

Rの目はわずかな朝の光を受けて眇められ、まばたきをすると白目がぴかりぴかりと光るようだった。
「眩しいなあ。ご飯が炊けましたよ」
そういってRは戸坂に向かって柔らかく微笑んだ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
アンドロイドかわいいよアンドロイド

211風と木の名無しさん :2012/04/20(金) 21:55:57.20 ID:jCIKZqUL0
ああ懐かしいそして非常に萌えた
e君かわいいよ鶏冠さんカッコいいよ

212風と木の名無しさん :2012/04/20(金) 21:57:35.17 ID:5K7/n2m80
ヒイイ萌えたGJ!

213風と木の名無しさん :2012/04/20(金) 22:33:28.31 ID:vuSnAe7y0
>>210
すばらしい……すばらしい!!
まさかあの鉄壁の学生服をそんな方法で攻略するなんて

214風と木の名無しさん :2012/04/20(金) 22:42:10.64 ID:xoVNS7/P0
色んな記憶が蘇ったよ…ああいいもの読んだ>>210GJ!!!!

215風と木の名無しさん :2012/04/21(土) 00:18:31.09 ID:4Iiw/uUK0
カルメン故郷に帰る!
おかゆライス!
ネガポジリングエクセレントチェンジ!!!

216欲張りなきこり 2/1 :2012/04/21(土) 21:11:26.16 ID:4KE8Cz9J0
生物注意。一角獣 太鼓×唄。
エロなし、おっさんらがいちゃつくだけの小話です。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

そう妖精が尋ねると、きこりは川に落としたのは鉄の斧だと正直に話し、めでたく金と銀の斧を手に入れたという有名なイソップ寓話。ある日、そんな夢を見た。

『あなたの落としたのはどちらのタ三オですか?』

「はあー?何言うとるん、おっさん」
「え?どちらって事は二人いたの?」
「そうそう、こう二人を差し出されてね。それが茶髪つんつん頭の夕ミ才と黒い長髪の夕ミ才だった」
「髪型で選ぶんかい」
「ああー懐かしいねえ、皆ダイエースプレー使ってつんつんさせたよねえ」
「買いに行った八ラダさんが店員に"お前必要なのかよ"って冷たい目をされたりねえ」
「それで川二シさんはどうしたの?」
「ちょっと困ってたら茶髪の夕ミ才が二シ川くーん!って目をくりくりさせながら抱き着いてきて、あれは可愛かったなあ」
「うっさい!ただでさえ細い目をこれ以上細めんな!!」
「夕ミ才が無邪気なデレだった時代だねえ」
「そいで長髪の方は?」
「そっちはね、捨てられた子犬みたいな目で"僕を捨てるのー"って歌ってた」
「尼い乳房か」
「ヤ〆マン愚痴三部作の頃だなあ」
「うわーヤンデレー」
「えー阿へ¨も人のこと言えないじゃん!」
「笑顔でさらっと言うね…海老くんね…」
「ニャハハハハハハハハハハハ」
「ちょっと!川二シくんが元凶だよ!?」
「無邪気デレを選ぶかヤンデレを選ぶかの二択か」
「でもさー川二シさんはほんと"ヤングな人が好き"だよねー」


217欲張りなきこり 2/2 :2012/04/21(土) 21:17:35.89 ID:4KE8Cz9J0
「さっきの、かわ二っさんの夢の話」
あーあれか。控室でこの間見た夢の話をしていたのを思い出した。
途中から照れたのか怒ったのか話の輪から外れ黙々とギターをいじっていた夕ミ才だったが、どうもずっと聞き耳を立てていたらしい。
今もへの字口で大して気のない素振りを装っているが、サングラスの奥でこちらをちらちらと伺う視線に思わず口許が緩む。

「んーとね、ぜんぶ」
「はあ?」
「全部、夕ミ才だから。全部くださいって言った」
「欲張り過ぎじゃろ…」
「俺が欲張りだって知ってるでしょ?」
「…ダメだって、選べって言われたらどうするん」
「どうしてもダメなら、今の夕ミ才をくださいって言う」
「…おだててもなんも出んぞ」
「俺が夕ミ才にあげるからいいの」
「今まで何も貰ったことないっつーの、嘘つきおやじ。大体なあ」
何かまたいろいろ小言言ってるな、と川二シは思いつつ夕ミ才のサングラスを外すと目許に小さくキスをした。
突然のことに見開かれた目が事態を理解してぱっと赤く染まる様に満足する。
無邪気さ陰鬱さもすべて飲み込んだこの目は自分のものだ。
「ほら、夕ミ才には俺の全部あげてるでしょ」
「…そりゃ、こっちの話じゃ」
「えー?なに?」
「うっさい、ジジイ」
「ジジイ同士じゃん」
「聞こえとるやないか!!」

『わたしの落としたのはツンデレの夕ミ才です』

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
2/1→1/2でした。すみません。

218(訂)欲張りなきこり 2/2 :2012/04/21(土) 21:21:09.88 ID:4KE8Cz9J0
「で、どっちを選んだんよ」
「へ?」
「さっきの、かわ二っさんの夢の話」
あーあれか。控室でこの間見た夢の話をしていたのを思い出した。
途中から照れたのか怒ったのか話の輪から外れ黙々とギターをいじっていた夕ミ才だったが、どうもずっと聞き耳を立てていたらしい。
今もへの字口で大して気のない素振りを装っているが、サングラスの奥でこちらをちらちらと伺う視線に思わず口許が緩む。

「んーとね、ぜんぶ」
「はあ?」
「全部、夕ミ才だから。全部くださいって言った」
「欲張り過ぎじゃろ…」
「俺が欲張りだって知ってるでしょ?」
「…ダメだって、選べって言われたらどうするん」
「どうしてもダメなら、今の夕ミ才をくださいって言う」
「…おだててもなんも出んぞ」
「俺が夕ミ才にあげるからいいの」
「今まで何も貰ったことないっつーの、嘘つきおやじ。大体なあ」
何かまたいろいろ小言言ってるな、と川二シは思いつつ夕ミ才のサングラスを外すと目許に小さくキスをした。
突然のことに見開かれた目が事態を理解してぱっと赤く染まる様に満足する。
無邪気さ陰鬱さもすべて飲み込んだこの目は自分のものだ。
「ほら、夕ミ才には俺の全部あげてるでしょ」
「…そりゃ、こっちの話じゃ」
「えー?なに?」
「うっさい、ジジイ」
「ジジイ同士じゃん」
「聞こえとるやないか!!」

『わたしの落としたのはツンデレの夕ミ才です』

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;;)
頭抜けてたので訂正です。スレ汚し申し訳ない。

219イ寺せんたい 十→殿←金「夕陽とイクラとガーネット」 1/9 :2012/04/22(日) 02:30:12.22 ID:f07h8aa80
イ寺sentai 十→殿←金 1/9〜9/9
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

あるすっきりと晴れた日の午後。
川沿いにある遊歩道で、源太はいつものように屋台を開いていた。
昨日、一昨日はどんよりとした曇り空が続いており、空模様を気にしながらの商売だったが
今日の頭上は青くぴかぴかと光るようでその心配はなさそうだった。
遊歩道にも気持ちよさそうに散歩やジョギングをしている人たちの姿がちらほらしている。
しかし、時間は昼もだいぶ下がったところであり
彼らが客としてやってきてくれるのは望めそうもなかった。
一旦昼時を過ぎてしまえば、次に客が来るのはおおむね夕方を過ぎてからだ。
源太は、のんびりと鼻歌を歌いながら調理器具の手入れを始めた。

『おっと、親分。誰かこっちに来やすぜ。お客さんじゃねえでやすかい』
「お?そうか、珍しいな〜こんな時間に」

手元に視線を落としていた源太に、軒先にぶら下がっていた大御用が声をかけた。
彼にはこちらに向かってくるという人物が見えているようだったが、
源太の立っている位置からは暖簾が邪魔をしてその人を認めることができない。
しかしほどなく、その人物は無造作に屋台の暖簾をくぐった。

「おい。何か握ってくれ」
「へい、らっしゃ………っってえ、えええ!!?」

その男を見て、源太は素っ頓狂な声をあげて手に持っていた下ろし金を取り落した。
目の前にいるのは、乱れたざんばら髪に無精髭、あちこちのほつれた生成りの上掛け、
骨と髑髏をつなぎ合わせた首飾り……あのはぐれ外道だった。

220イ寺せんたい 十→殿←金「夕陽とイクラとガーネット」 2/9 :2012/04/22(日) 02:32:18.28 ID:f07h8aa80
「おっお前、ミシュラン!!じゃねえ、十臓!?何しに来やがった!!」
「寿司を食いに来た」
「はぁア!?」
『親分親分、一体どうしたんでい。こちらのニイさんが何か?』
「おまっ……あっそうか、直接見たことはねえんだったか」

事態を呑み込めていない様子の大御用に、
源太はかくかくしかじかと目の前の男について早口に説明した。
この男に助けられたことも確かにあるが、基本的には辛酸を舐めさせられたことの方が多い。
タケルなどは幾度も大怪我を負わされているのだ。

『ええっ!?こいつがあのはぐれ外道ですかい!?』
「そ〜〜なんだよ、前なんか毒飲まされて動けないタケちゃんをさらってだな、あんなことやこんなことを…」
「おい」

そのまま話し込みそうになった二人に、十蔵は割って入った。

「寿司を食わせるのか、食わせないのか、どっちだ」
「そ、そんなこと言ってもだなあ。お前は敵だろ?」
「今は寿司を食いに来ただけだ。あれじゃ足らん」

十蔵が言ったのは、以前寺の近くの山道で邂逅した時の話だった。
鋭い眼光と物々しい立ち居振る舞いをした人間姿の十蔵を、
源太は間抜けにもミシュランの審査員と勘違いし寿司を振る舞ったのだ。
しかしその途中で寺が外道に襲われたため、結局十蔵が口に入れることができたのは二貫のみとなった。

「お前の寿司は気に入った。お前も、食わせると言ったろう」
「うぅ、そりゃ言ったけどさぁ……って…今なんつった??」
『お、親分の寿司を気に入ったって!?あのふっつーの寿司を!』
「普通は余計だ!!」

221イ寺せんたい 十→殿←金「夕陽とイクラとガーネット」 3/9 :2012/04/22(日) 02:34:55.92 ID:f07h8aa80
驚いて声をあげた大御用の頭をパカンとはたいて、源太は思い切り十蔵に振り向いた。
なんとか敵に対しての厳しい表情を保とうとしているが、キラキラと輝く目は隠せていない。

「し、仕方ねえな!侍に二言はねえ、握ってやるから好きなだけ食ってけ!
 そんかわり変なマネしたらただじゃおかねえからな!」
「心配するな。俺が望むのは奴だけだ……」

十蔵は、目の前にいる源太にも聞こえないほどの小さな小さな声で、
今や彼の唯一となった若い侍の名を口にした。
これまで何度か交えた剣の中で、源太も、彼がだまし討ちのような卑怯な真似を好まないことは知っている。
承諾を口にしてから、肩の力を抜いた。
大御用はハラハラしながら彼らのやりとりを見ていたが、
口を挟むべきでないと思ったのかいつになく大人しくしている。

「んじゃ、何にする?」

持ち前の人懐こさで、にかっ、と笑ってネタを並べたガラスケースの中を示す。
スツールに腰かけた十蔵はその中を食い入るように見つめた。

「………これはなんだ?」

視線はそのうちのひとつで止まった。
もの珍しそうに覗き込んでいるのは、きらきらと光を反射する大粒のイクラだ。
今朝河岸から仕入れた筋子を自家製の出汁醤油に付け込んでおいたもので、
寿司はもちろん丼ものにしても美味しいだろう。

「なにって、イクラだけど。これにすっか?」

言うが早いか、源太は返事も聞かずにイクラの容器をケースから取り出した。
軽く握った酢飯の周りに海苔を巻き付け、その上にたっぷりと赤いイクラを盛る。

222イ寺せんたい 十→殿←金「夕陽とイクラとガーネット」 4/9 :2012/04/22(日) 02:35:48.45 ID:MS+ZywZA0
「へいお待ち!」

あっという間もなく、たん、と目の前に出されたイクラの軍艦巻きに、十蔵は目を丸くした。
しかし、十蔵が驚くのも無理はない。
彼が人間として生きていた江戸の時代には、
軍艦巻きもなければイクラを食べる習慣もなかった。
もっと言うならば、当時の寿司は現代のものよりもかなり大ぶりであり、
今のように一口で食べることはとても出来ないサイズだった。
それが現在のようなネタと酢飯のバランスが取れた形状になり、
また電気の普及によって、煮たり漬けたり酢をきつくしたり…といった防腐のための処理をすることなく
いつでも新鮮な生の魚介をネタとして扱うことができるようになった。

外道に落ちてより二百年、人間の食べ物をほとんど口にすることがなかった十蔵が
源太の寿司を気に入ってしまったのはこういった事情が多分に物を言っていた。
当然源太はそんなことには気が付いていない。
人間には知らない方が幸せなこともあるという良い例である。

「お前、イクラ見たことねーの?まぁいいからパクっといってみなって!うめぇから!」

単に昔の人間だからイクラを知らないのだろうと思っている源太にグイグイと促されて、
十蔵は戸惑いながらも手づかみで軍艦巻きを口に入れた。
厚みのある唇にひとつ米粒をつけて、モグモグと黙って咀嚼する。

「……うまいな」
「だあぁろぉ!?やっぱお前分かる奴だねー!!」

最初の警戒はどこへやら、すっかり気をよくした源太は
破願してカウンター越しにばしばしとはぐれ外道の肩を叩いた。

「さっ、次は何握ろうか?今日のオススメはなー……」

223イ寺せんたい 十→殿←金「夕陽とイクラとガーネット」 5/9 :2012/04/22(日) 02:39:35.74 ID:MS+ZywZA0
〜〜〜

しばらくの後。
太陽は西に傾き、いつの間にか茜色が辺りを染めていた。

「ふう」

熱い茶をすすり、ひとつ息をついた十蔵はいかにも満足げな様子で
夕陽の映る川面を眺めた。

「すっかり馳走になったな」
「お、おう……。…つーかさ、外道って胃袋まで外道なんだな……」
『おやぶ〜ん……』

茶を飲む十蔵と肩を落とした源太の間にあるケースは
あろうことか、ほとんど空になってしまっていた。
その上では大御用が所在無げにぷらぷらと揺れている。

「悪いな、寿司屋。金はないが……」

言いながら、十蔵は自分の懐から何かを取り出す。
そしてうなだれている源太の前へ無造作に転がしてみせた。

「へ?なんだこれ」

目の前に転がってきたそれを、源太は一瞬大きな飴玉か何かかと思った。
しかしそれにしては表面がごつごつしており妙に質感が重い。
拾い上げてみると、それは石だった。
500円玉をふた周りも上回るような大きさの暗い赤色の石が、源太の手のひらにあった。

「昔、山で拾ったものだ。何かの足しにはなるだろう」
「足しって…これ……」

224風と木の名無しさん :2012/04/22(日) 02:41:09.59 ID:5qZ5cwRDP
しえん?

225イ寺せんたい 十→殿←金「夕陽とイクラとガーネット」 6/9 :2012/04/22(日) 02:41:19.28 ID:MS+ZywZA0
源太は石のことなど全く詳しくないが、今手のひらにあるものは
単に石と呼ぶのもはばかられるような深く美しい色をしている。
全体的にはほとんど黒に近いような暗さだが、
屋台に差し込んでくる夕陽を、ある面では吸い込み、ある面では反射して赤く輝いている。
まるで石の中から何かが立ち上ってくるような色だ。
それに加えてこの大きさである。
宝飾店に並べられているもののように研磨されて透き通っているわけではないが
それと同等なほど、あるいはそれ以上に高価なものではないのかと源太は首を振った。

「おい、これって宝石じゃねえのか?こんな高そーなもの受け取れねぇって!」
「俺が持っていても役に立たないものだ」
「んな事言ったってよぉ」
「……お前がいらんのなら、奴に…シバ、タケルに渡せ」
「はぁあ!?」

今度こそ訳が分からなくなって、源太は十蔵を問い詰めようとした。
しかしそれを遮るようにして半人半妖の男は口を開く。

「いずれウラマサが直れば、俺はまた奴に相まみえる。その証だ。それまで腕を磨いていろ」
「おいっ、ちょ、待てって!!」

慌てて呼び止める源太に構わず、十蔵は立ち上がると暖簾をくぐる。
そして、くぐった後にはもうその姿はどこにもなかった。
どこかの隙間から三途の川に帰ったのだろう。

「なんなんだよ、あいつ……」

冷たさを増してきた夕暮れの風に吹かれて、源太は石を手にしたまま途方に暮れるしかなかった。

226イ寺せんたい 十→殿←金「夕陽とイクラとガーネット」 7/9 :2012/04/22(日) 02:46:01.78 ID:vlN1d45i0
〜〜〜

「………っていうわけでさ。さんざっぱら食ったあげくコレ置いて消えちまった。
 そんで、いらねーならタケちゃんに渡せって」

いつもの座敷には、いつものように六人と彦馬が座っている。
源太は事の次第を説明すると、タケルの前にコトリとその石を置いて見せた。

「わあ、これキレイやなぁ〜」
「ほんと。柘榴石っていうのかしら?」

先に反応したのは女の子二人で、無邪気に石の美しさを褒めている。
しかしその後から水の侍は苦々しく源太を睨みつけた。

「本当にどうしようもないなお前は!外道にホイホイ寿司など振る舞うんじゃない!
 ましてやこんなものを持ち帰って……呪でもかけられていたらどうするつもりだ。
 殿に何かあってからは遅いのだぞ!」
「いや、俺もそれは考えたって!だから文字力使って色々調べてみたけどさ、何もなさそうだったから」
「ふむ…。確かに、外道の力がこもっていればそもそもこの結界の中に持ち込むことは出来ん」

慌てて弁解する源太の前で、彦馬も不本意そうではあるがしぶしぶと頷く。
その横ではタケルがもの珍しそうに石を拾い上げたところだった。

「へえ……物知りだな、マコ。そんな石があるのか」

黒く闇を抱いたような石をタケルは天井の照明に透かしてみた。
すると石は光を通し、本来持つ真紅の色で一層鮮やかに輝いて見える。
角度によって微妙に光加減が変わり、
天然石ならではの様々な表情を見せるその石にマコとコトハもまた歓声を上げた。

227イ寺せんたい 十→殿←金「夕陽とイクラとガーネット」 8/9 :2012/04/22(日) 02:46:40.10 ID:vlN1d45i0
「すっげえなこれ。カットしたらどのくらいになるんだ?」
「何だか、タケルが持ってると様になるわねー。ただの宝石じゃ釣り合わないだろうけど……」
「ほんまやわ。殿様、よう似合うてはりますよ」

はしゃいでいる二人とチアキの言葉にタケルは石を下して苦笑する。
確かにこの石は美しいが、成人男性を捕まえて似合うも似合わないもないだろう。
そんな風に考える彼にはマコが言った「釣り合わない」という言葉の意味も分からないのに違いなかった。
芥子粒ほどに小さくなるまで研磨されカットされたそんじょそこらの宝石では、
タケルの持つ輝きには釣り合わない。
この石ほどの存在感があって初めて、彼の手の中に存在する資格がある。

「源太。これはお前が寿司の代金にもらったんだろう。
 ならお前の好きなようにしたらいい」
「お、おう……」

タケルが差し出したその石を、源太はいやに歯切れ悪く受け取った。

本当は、さっきまでこれはタケルにあげるつもりでいたのだ。
あのはぐれ外道の言うとおりにするのは何となく癪だったが、
それが一番いいように思えたからだ。
しかし、さっき石を光に透かしていたタケルを見て気が変わった。
マコの言うように……あまりにもそれが、似合いすぎていた。
おそらく、気の遠くなるほど長い年月を風雨に磨かれて過ごし、ある日十蔵の手の中に入ったこの石。
一見しただけでは黒く冷たい印象だが、先程のように光を当てると驚くほど様々な表情を見せる。
それでいて中心の部分は静かに沈黙を守ったままで
まるで大切な何かをじっと抱き込んでいるようにも見える……
その石が、まるでタケルそのものと言っても構わないほど彼と似通っていることに気付いてしまったのだ。
これをタケルに渡せと言った十蔵の意図を、遅まきながら源太は実感していた。
気付いてしまった以上、これをタケルの手元に置いておくのは何とも腹立たしい。

228イ寺せんたい 十→殿←金「夕陽とイクラとガーネット」 9/9 :2012/04/22(日) 02:48:10.60 ID:vlN1d45i0
「た、タケちゃんがいらねーんなら俺がもらっとくよ。うん」
「そうだ、それがいい。そんな得体の知れぬものを殿のお傍に置けるか!
 お前ならば何があろうと構わないしな」
「んだとぉ!?」
「り、流さん源さん、ケンカしたらあかんで?」
「なーなー、じゃあどうすんだそれ。
 どっかアクセ系のショップとかに持ち込んだら何か作ってくれるかもよ」
「でも、このままでも充分きれいじゃない?加工しちゃうと逆に勿体ないわよ」

そのままいつものようにふざけ合いながら、
源太は心中でぎゅっと拳を握るような思いだった。

(ちくしょう、あの外道……俺のタケちゃんに秋波送るような真似しやがって!)

しかも自分はまんまとそのダシにされたのだ。
寿司をうまいと言ってあれだけ食べてくれたのはうれしかったが、やはりそれとこれとは話が別だ。
腹の奥からふつふつと、怒りと、それに似た悔しさが湧き上がってくる。

(見てろ……次は俺が、タケちゃんにあっと言わせるようなすげえプレゼントしてやるっ!!)

その決意が、明らかにズレていることを指摘してくれる人間は誰もいなかった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
十蔵にケーキとかカツ丼とか色々食わせてみたい。

========
>>224
助かりました(代行者より)

229風と木の名無しさん :2012/04/22(日) 20:15:53.39 ID:FtZxfDQK0
>>218
GJ
太鼓唄のかわいいお話、ごちそうさまです♪

230バニーちゃんをつかまえて☆ 1/4 :2012/04/23(月) 21:50:21.60 ID:1EcrmDQs0
ナマ注意です。
音速の騎士、赤牛1×蓮9です。いちゃいちゃだけでオチないです

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

ハーフパンツだけ履いて出てきた黄身の髪の毛は濡れていて、
おれはいつも通り長いブロンドに頬擦りしながら、彼を腕の中に閉じ込めた。
この後することはもう決まってるから、黄身も大人しく収まる。
する前に髪の毛洗っちゃうの珍しいなと思ったら、
さっきおれが頭からジュースぶっかけたんだった。

「おまえ、マジで、表彰台でやってたの、絶対許さねー」
「じゃーコレは許してくれる?」
長めのタオルをくるっと一巻き。女のコがやってるヘアターバンみたいにくるっと回して、頭の上で端を結んだ。
「ウサちゃん」
「もっとひどいだろ!」

231身辺整理 1/2 :2012/04/23(月) 22:04:37.18 ID:LZh6j30T0
半生、鋳掛屋、仕立屋、兵隊、間者
ピー夕ー×譲治  映画設定に準拠です

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


「整理すべきものはした方がいい」
その言葉を聞いて、義ラムは自分に関わる物事や情報網、
そして自宅で帰りを待っているであろう恋人の顔を思い浮かべた。
だが、視線を上げて須磨イリーの顔が目に入った途端、
全てはゴミ箱に捨てるまでもなく消し炭となった。
整理すべき感情。最優先すべきものが目の前にあるじゃないか。

次の行動は頭よりも肉体のほうが先んじた。
お互いスコッチで色々と動きは緩慢になっているが、元6階と現2階では体力差がありすぎた。
タンブラーが割れずに床に着地する鈍い音と中身の溢れる微かな音がする頃には、
須磨イリーの体はベッドに落ち、視界は天井ではなく金髪と緑の瞳に支配された。
義ラムは動かず、ただ須磨イリーの身動きだけは取らせずに見つめ続けた。

須磨イリーの瞳は常にどこか別の場所に焦点を置いていた。
共に仕事をしていた頃から、その青い瞳はどこか遠くを、
そうきっと東の国にいるであろうあの男を。

その眼は今、義ラムだけを見ていた。
ずっと分かっていた。だがここまでする必要は?
青い瞳は語る。白髪と皺と腹回りが増えても、
頭脳の明晰さと必要と有らば全身から放たれる空気に圧倒される。息を呑むにも苦労する。
あなたは整理をしろと言った。俺は他の男達を整理する。
緑の瞳は答える。青い瞳は答えない。
吐く息が混ざる。視線が混ざる。体温が混ざる。
しかしどちらの瞳も話はしない。
あと数分経っても動きが無ければ何事もなかったように帰ろう。
心の中で彼への申し訳なさと羞恥心やら様々なものと戦い始めた義ラムに対し、
一瞬足りとも隙を見せなかった須磨イリーが、ふと微笑んだ。
ああ、実は私も整理しようと思っていたんだ。
老眼鏡の歪んだ膜から抜けだした青い瞳はそう答えた。

232身辺整理 2/2 :2012/04/23(月) 22:05:51.70 ID:LZh6j30T0
全てをゆっくりと進めた。
口付けを落とすのも、衣服を緩めるのも、素肌に触れるのも。
痕を残さないように。音を立てないように。声を上げさせないように。
明日の朝あの女主人に知られるのも面倒だった。元刑事でも困る。
これはただの身辺整理なのだから。
お互い言葉を交わさず、ただ瞳だけを交わした。
長すぎる前戯を乗り越え、これまたゆっくりと挿入した時だけ須磨イリーは小さく喘いだ。
ああ、やっと。やっとあなたと。
静かに、だが確実に興奮を抑えられない義ラムは笑みを浮かべる。
僅かに顔を歪めて先に達した須磨イリーの顔を見届けてから、快感で朦朧とする中
なるべく白濁がシーツに溢れないよう注意を払いつつ義ラムも達した。


夜更け前に自宅に戻った。
彼は生徒たちのテストの採点に夢中だった。
どこにでもいる普通の男。だから愛し、一緒に住んだ。
だからこそ危険からは遠ざけてやりたい。

「好きな人がいるなら言ってくれ」
寂しそうに彼は鍵を返していった。
違う。違うんだ。
確かに好きな人はいた。長い間片想いの人だ。
だが俺はそれに囚われ続けていた。
だからさっき整理してきたんだ。彼だけを愛そうと。もう彼だけでいいんだと。
そして、彼と同じ名前であったから君に執着した俺も整理してきたんだ。

口には出せない多すぎる想いを、義ラムは涙にして拭うことに決めた。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

事務があの小学生を可愛がるように、義ラムも同じだったんじゃないか、と
あのシーンが好きな方には変な設定にして申し訳ない

そして投稿被って本当すいませんorz

233バニーちゃんをつかまえて☆ 2/4 :2012/04/23(月) 22:41:33.46 ID:jl2cFm4E0
体を引きながらキスをする。
こんな風に二人でゆっくりベッドへ溶けてく時、
氷が収まっているような瞳も溶けていくのを見るのがおれは大好きだ。
下唇を柔らかく噛んで舐める。
少し差し出された舌を吸っておでこを合わせると、まつげが震えてる。

234230=233(代行) :2012/04/24(火) 00:18:30.23 ID:MiLx/E0Y0
すみません、txtを貼り付けていたのですが
低Lvと規制で書き込めなくなってしまいました
>>231-232さん、皆さん長居してすみませんでした

235風と木の名無しさん :2012/04/24(火) 01:19:15.54 ID:ZnjmdGvKO
しえん

236風と木の名無しさん :2012/04/24(火) 05:05:07.14 ID:GsHj92v40
>>234
避難所の代行スレ使うよろし

237風と木の名無しさん :2012/04/24(火) 09:51:38.50 ID:al5yRdh30
半生注意。
「場可レ亜学園」 場可陀頭×2年ダブり茶髪 馴れ初め 
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!



達矢はいつも一緒につるんでいる鉄也と帰る途中、自販機でジュースを買おうとした。

「あれ?・・・ない!!財布がない!?」
「達矢、机中にいれてなかった?」
「!! そうだ、やっべぇ・・わりぃ先帰ってて、じゃあな」

達矢は財布を取りに教室に戻ったが、誰もいないはずの教室にはまだ誰か残っていた。
その人影は夕日で見にくかったが、明るい髪と腰に巻いたシャツで誰だかわかる。

「あれ? 翔兵さん・・・まだ残ってどうしたんすか? そこ俺の席っすけど・・」

と声を掛けつつ翔兵に近づく。

「っ!!!」
「!?・・・(泣いてる!)・・・えっと、あの、俺見てないっすから、じゃぁ!」

翔兵の泣き顔に達矢は財布の事はぶっ飛び、達矢はその場を立ち去ろうとする。

「ま、待って・・・」

翔兵が達矢の制服の裾を掴み引き留めた。
(どうしよう〜こんなん俺わかんねぇよぉ〜)
「ごめんっ・・・少し、このままで・・・頼む」

238風と木の名無しさん :2012/04/24(火) 09:55:30.55 ID:al5yRdh30
ギュっ
振り向くことも立ち去ることも出来ず、立ちすくむ達矢に翔兵が後ろから抱きつきいた。
翔兵のいつもと違う雰囲気に驚くのと、色気に達矢の動悸が激しくなる。
(あ…翔兵さんのいつもつけている香水のにおい…これ好きなんだよな…
……あれ……なんかやべぇ…俺勃起してねぇ!?)
少し経つ頃には翔兵が達矢の背中で泣いているにも関わらず、達矢のチンコは臨戦態勢バッチリになっていた。

「……ずっ…もう、だいじょうぶ…わるかったな」
「い、いえ……全然平気っす…」

翔兵が少し達矢から離れ、涙を拭っている。
少し名残惜しい気もするが、ずっとくっついている訳にもいかないと達矢は自分に言い聞かせ、
そして振り向こうとしたが自分の下半身の状態を思い出し焦る。

「あっあの…じゃぁ…!」

とさっさとあいさつをして帰ろうと意を決して振り返る。するとまだ涙が残る顔で目の周りが赤くなっている翔兵。
目が眩むような色気と普通男に使う言葉ではないが可愛いさに思わず翔兵を引き寄せていた。

「うわっ!!」
「すんません…っ!」

そして翔兵の腰をきつく抱き、キスする。

「んんっ?!」

翔兵の抵抗はあるが、気にしないまま角度を変え深いキスをする。
初めてのキスは想像より唇は柔らかくて甘い。達矢はもっと翔兵の唇を味わいたくて貪るようにキスを続ける。

「ん、んんっ、あふっ……ん、まっ…て……んっ!」


239風と木の名無しさん :2012/04/24(火) 10:00:27.31 ID:al5yRdh30
翔兵の手が達矢を引き離そうとするが出来ず、少しすると諦めて達矢の肩に掴まる。
達矢は腰に回していた手に更に力をこめ、翔兵に腰をなすりつける。

「んっ!!」

俺の股間に気付いたのか、また翔兵の抵抗が強くなるが、
それに構わず、教壇まで翔兵をキスしたまま追い込み、教壇の上に押し倒す。

「んん……ちゅ……はあっ…はあっ……たっ、つや? …どうした? …はぁ、はぁ」
「翔兵さん・・・ごめん、おれ・・我慢できない・・」

そういうと達矢は翔兵のシャツを捲りあげ、胸の突起に顏を近づけ舐め上げる。

「!?……んあっ……ちょっと、まてっ、……っぁ!!」

胸の突起に少し歯があたると翔兵の声が高く艶のあるものに変わった。

「翔兵さん……やべぇかわいい」
「何言ってっ……んんっ、やめろ、って…っ!」

最初、胸の突起は小さかったが、だんだんぷっくりとしてきていて、
それを舐めたり、軽くかんだり、舌で押しつぶししてやる。

「んんっ……もぅ、やめろっ……はぁっ」

右手で翔兵さんの両手を押さつけ、左手で反対の乳首も刺激する。
翔兵の下半身が達矢の腹にあたり、反応していることが達矢にもわかる。

「フフッ…翔兵さんって乳首弱いんすね……こっち反応してますよ」

というと左手でズボン越しに触り、形を確かめるようにやんわりと揉みこむ。

240風と木の名無しさん :2012/04/24(火) 10:48:20.46 ID:SlbLLgQV0
「っっ!!…ぃやだっ、さわんなっ……」

乳首をまた甘噛みし、翔兵の中心をを軽く上下に扱く。すると翔兵のからだがビクンと跳ねる。
次は乳首を吸いながら、中心をを指で弾いてみる。またも翔兵のからだは跳ねた。

「翔兵さんって、すげぇエッチな体なんですね……ど素人な俺でも感じてくれるなんて…」
「う、うるせぇ! ……はぁはぁ……今やめたら、忘れるから除けっ」
「いやっす……俺のをこんなんにしたの翔兵さんなんすから責任とってください」

そういうと、達矢は翔兵のズボンに手を掛け脱がす。
翔兵のパンツはボクサー型で少し立ち上がっているチンコが形がよくわかる。

「フフッ…やっぱ翔兵さんも立ってるじゃないっすか……エッチでかわいい」
「ふ、ふざけんなって……これ以上は冗談じゃ…」
「冗談じゃないっす、本気なんで」
「っ!!」

達矢の睨みに翔兵は顔をそむけ、目を閉じ大きく息を吐いた後続けた。

「……俺を好きなのか?それともやりたいだけ?どっちだよ」
「…そ、そりゃあ、好き・・のほうっすよ!」
「……俺には好きな奴がいる。だからやりたくない。それでも押しきってやんの?」
「…………やる! やって俺のこと好きなってもらう」
「ならないっ!そんなんじゃ、ぜってぃ無理。……だからこれはただのレイプ!わかる?」
「ちがうっ!レイプなんて俺…」
「わかったら、どけって」
「……………」

達矢は押さえ込んでいた翔兵の手を開放し、翔兵は体を起こし立ち上がった。

「…はぁ…まぁ俺が煽っちゃたんなら。しょうがいないか……舐めてやっからそこ座れ」
「へ?……あの、はい」

241風と木の名無しさん :2012/04/24(火) 10:49:56.46 ID:SlbLLgQV0

『レイプ』なんて聞いて自分のやろうとしていた事に達矢は驚き呆然としている。
そんな無意識に机に座った達矢のズボンを前を開け、翔兵が達矢のチンコを持ち上げ咥える。

「うわぁ!!」

初めて人に咥えられる気持ち良さに、もう準備万端だった達矢のチンコは一瞬イキそうになる。
なんとか手前で堪えられたが、翔兵の舌と唇を達矢を追い込む。

「っ、ん・・・・、ふぁ・・・んん、ちゅっ・・・んぅっ」

達矢は何度も襲ってくる射精感を堪えつつ、咥える翔兵を見る。
両膝をつき、俺の股に顔を埋め、一生懸命舐めている翔兵が愛おしく、さっき自分のやろうとしていた事を後悔する。

「あふっ・・・んん、んっ・・・んん、・・じゅっ・・っ、んんんっ」
「やばぃ・・・もう翔兵さん・・・離してっ・・ください」
「・・・ぷはっ、だーめ、最後までやるって・・・ぱくっ、・・じゅっ、、んんっ・・あふっ」
「い、イキ・・そうっす」

そういうと同時に翔兵は達矢のちんこを激しく吸い、その刺激で俺は翔兵の口の中へ射精してしまった。

「んんっ・・・うんん、・・・・・・・・・・ごくっ」
「え?・・・・あの・・もしかして飲みっ」
「ぷはっ、飲んだよ。変?」
「いやっ、普通はやなもんじゃないんすか?あっ口汚れて」

ととっさに達矢は制服の袖で翔兵さんの口を拭う。

「フッ・・すこしは気持ち落ち着いた?・・・ごめんな・・・俺が変なとこ俺が見せたから動顛したんだよな」
「それもあるっすけど・・・今は本気で翔兵さんが好きっす・・・やっぱ俺じゃダメっすか?」
「・・・・・・いいよ。ってか元々好きなのお前だし」
「へ?? でもさっき好きな人いるって・・」
「そっ、だからお前の事。男同士なんて男子校じゃご法度だろ?だから諦めようって今日ここで泣いてたの」
「・・なんだぁ、そうだったんすね」

安堵する達矢に翔兵は近づき、軽いキスをする。
「じゃあ・・両想いって事で続きやる?」
「お、お願いしますっ」

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

242風と木の名無しさん :2012/04/24(火) 17:55:05.71 ID:R5Beuut00
タイトルとナンバリングくらいちゃんとしてくれ

243風と木の名無しさん :2012/04/24(火) 22:00:55.08 ID:Vwds/pI80
>>242
すみません
気を付けます

244バニーちゃんをつかまえて☆ 3/4 :2012/04/24(火) 22:16:07.08 ID:kOxuUoi+0
>>230 >>233 の続きです |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「可愛い、黄身。まじで。おれの事必死で追っかけてきてくれるとこも超可愛かった。想像したら一瞬イキそうになった」
「変態」
「でもおれがウサちゃん追っかけて、最終ラップで捕まえちゃってぺろりって方が燃えるから次はそうしよ?」
「しね」
「やーだ」

耳がウサギちゃんの弱点っていうのは相場が決まっている。
黒ずくめの格好しちゃってるけど、ひん剥いちゃえばどこもかしこも真っ白なのを知ってるのはおれだけ。
しかも今はシャワーで上気したピンクの上半身が丸出し、食べやすいようになってるときてる。
体の色んなところをかぷかぷ甘噛みしながらセックスに流れるのは、おれ達のお決まりコースのひとつだ。
部屋に入るなりキスしながら壁に押し付けて…っていうのも時々は刺激的だけどね。

245バニーちゃんをつかまえて☆ 4/4 :2012/04/24(火) 22:19:19.39 ID:kOxuUoi+0
耳たぶから首筋を辿って鎖骨、肩、二の腕の内側、おれがちゅって音を立てる度にうっすら痕が散って、
息の混じった声がちょっとずつ上がり始める。

「今日、楽しかったね」
「俺が勝てればもっと楽しかったんだけどな」
「それは譲れないなー」
「...生意気な奴だ、覚悟しろよ」

くるっと視界が反転したかと思うと、黄身がおれを見下ろしていた。
白いタオルの耳を垂らしたままなのを忘れてる彼は、おれに捕まったウサちゃんのくせに、ニヤニヤしていた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
1×9大好き、おめでとう!昨日お邪魔してしまってすみませんでした。

246風と木の名無しさん :2012/04/24(火) 22:24:58.79 ID:ZnjmdGvKO
昨夜の続きがきてたー!!
棚投下ほんとにありがとう!!

247風と木の名無しさん :2012/04/25(水) 16:15:53.80 ID:xq53J0q+0
嬉しい季節がやってキターーーー(゚∀゚)ーーーーー!!
むちゃ可愛い別黄身ありがとう!
マジで表彰台うさぎすごかったなアレww

248風と木の名無しさん :2012/04/26(木) 05:19:00.02 ID:HJaZ0WGr0
>>230
> 「でもおれがウサちゃん追っかけて、最終ラップで捕まえちゃって ぺろりって方が燃えるから次はそうしよ?」
禿萌えた…別輝、マジ恐ろしい子!

249彼方まで 1/6 :2012/04/29(日) 01:31:06.45 ID:jLMJL9Fe0
ナマ注意、微エロ有り。
元青心・高低、現原人バンド唄×六弦です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


彼が大好きな季節は、彼や僕が生まれた季節とは正反対だ。強い日差しが降り注ぎ、
身を竦める事も全くない、あっけらかんと開放的で、生き物達もいちばん活動的に
なる、そんな夏。
寒い時期はよく風邪を拗らせてへろへろな彼が、子供みたいに活き活きしている、
素敵な暑い季節。
入道雲、熱で揺らめく空気、突然の夕立、熱帯夜に花火。
アイスキャンディ。

――海を見に行こうぜ

オフで特にやる事もなかったある日、思い付きのような彼の一言で、僕と彼は大した
荷物も持たずにオートバイ一台で海にやって来た。
彼が運転して、僕はその後ろに乗って。幾らかは安全運転してくれたんだろうけど、
羊の皮を被った狼とかつて言われたらしい彼のスピードはまるで風と競争している
ような軽快さで、街中も山道もビュンビュンと駆け抜けていった。


250彼方まで 2/6 :2012/04/29(日) 01:32:15.56 ID:jLMJL9Fe0

視界が開けて、真っ青な海と空が現れた。海水浴客が思い思いに楽しんでいる。
子供達が水飛沫をあげている。
僕らは海岸線をぶっ飛ばして、どこまでも青い景色を追走して、時々馬鹿みたいに
歓声を風に投げた。

砂浜に降りて、裸足の裏に感じる砂の熱さが心地良かった。
僕が砂浜に座り込んでも彼はまだまだ元気で、波打ち際に立ちながら大きく伸びを
している。
「海は良いなあー」
なんて、今更ご機嫌な事を言いながら。
僕は水着姿の可愛い女の子達をチラチラ見ながらも、そんな彼から目が離せない。
ジーンズを捲り上げたむき出しの脚はやたら白くて、このまま日焼けしたら後で
痛くなっちゃうだろうなあ。サングラスなんかしてスカしてるけど、絶対頬っぺた
だけ赤くなって、後で面白い顔になるんだろうなあ。

結局、僕らは海辺でひとしきり楽しみ、冷たい蕎麦を食べた後近くの安宿に素泊まり
することにした。



251彼方まで 3/6 :2012/04/29(日) 01:33:48.38 ID:jLMJL9Fe0

早い時間に風呂を済ませて浴衣を羽織り、一階にある売店で愛想の悪いオバさんから
ビールとつまみを買った。
部屋のテレビは、百円入れないと点かないやつだった。
窓から見える景色は特に良くもなかったけど、西陽が反射して煙ったように淡く広が
って入ってくる光は、ああ夏の夕方なんだなあと思わせてくれた。
僕らはテレビの音を流しっ放しにしながら、色んな話をした。
殆どはビー×ルズ、ス×ーンズ、ピス×ルズ…好きな音楽の事。これまで何度だって
話した事だけど、何度でも良いんだ。だって、今話している楽しさは、今しかないん
だもの。

ふと彼は部屋から出ていった。トイレかなあと思いながら、僕は畳に寝転がって、
テレビに目をやる。CMで、誰かがカバーして唄うビー×ルズの曲が流れてきた。
彼らが唄うのが最高なのに…僕はオリジナルを頭の中で浮かべて、チャンネルを
変えた。

暫くして帰って来た彼は、口に何かを咥えていた。
「あ、マー××、いいなあ」
ミルク色の、アイスキャンディ。
「ねえ、僕の分は?」
「ん?ない。だって、俺あんま金持ってねーもん」
「ずるいよ!僕が何か買う時はいつもマー××の分も買ってんのに」
「おまえはおまえ。俺は俺」
なんて大人げないんだ。彼は僕に見向きもせず、窓に向かって足を畳に投げ出した。
僕は、美味しそうにアイスキャンディを咥える彼の横に転がって覗き込んでやる。
一口くらい、くれるでしょ?そう嫌がらせのように見つめてみても、彼はそ知らぬ顔だ。


252彼方まで 4/6 :2012/04/29(日) 02:06:46.54 ID:jLMJL9Fe0

今日最後の光が、彼を照らしている。髪や頬の産毛が光に透けて、キラキラしている。
透き通った茶色の目が眩しそうに細められて、冷たいアイスキャンディが、触れた唇
から融けだしている。
微妙に着崩れた浴衣の首筋には汗が浮いていて、窓から吹いてくる生温い風はそれを
冷やしているのか、逆に煽っているのか。
ただ、間違いなく言えるのは、彼と夏の夕暮れのこの瞬間があまりにも似合っている
という事だけだ。
彼はじっと何を考えているのだろう、その眼差しは淡い光の先、まっすぐ遠くを見つめ
ていた。

最後の光が窓から去って、そろそろ灯りを点けないとすぐに夜が来てしまう。
僕はいつの間にかアイスキャンディより彼に見惚れていた事に気付いて、何だか名残惜
しい気持ちで身体を起こした。
「ヒ××ー」
そんな時だ、やっと彼が僕に目を向けてくれた。
まだ半分近く残っているアイスキャンディを、唇に触れさせたまま。
薄暗がりの中、殆ど雑音になってしまっていたテレビを無造作に消して。
訝しんでいるような口調で、挑発めいた瞳で、それでいて優しい唇で。
「食べたけりゃさ、食べれば良いじゃん…」
「‥‥‥」

253彼方まで 5/6 :2012/04/29(日) 02:09:01.72 ID:jLMJL9Fe0
何なんだろうか、この人は。
ちょっと、自由過ぎやしないか。僕はきっと彼の事をまだまだ知らなさ過ぎる。
彼は、そんな僕に時々答えだけを放っていくんだ。理由付けなどせずに。
「いいの?食べても」
僕が顔を近付けて聞くと、彼はうん、と素直に頷いた。
僕は、アイスキャンディの棒を持つ彼の手に自分の手を重ねて、冷たく甘い感触を求めて
歯を立てた。

僕と彼の間でアイスキャンディが融けていく。冷たくて、濃い甘みが舌に纏わり付く。
欲しい、もっと。
あっという間に形を失くしてしまったアイスキャンディ。最後の一口を齧った彼の唇から、
融けたミルクが伝い落ちる。
僕はそれを舐め取って、そのまま彼の唇を割って舌を差し入れる。
「は…ァ、ん、…っ」
甘い、甘いキスを続ける。彼の頬がとても熱いのは、日に焼けたせいか、今のせいか。
アイスキャンディの棒切れが、彼の手から零れて畳に転がった。
せっかくひんやりしていた唇は、嘘のようにもう火照って。
肌蹴させた身体を掻き抱く。
夏の風は身体に温く絡み付き、汗と混じり合う。
まだ、宵の口に踏み込んだばかりなのに。窓の外ではまだまだ人々の賑やかな話し声が
聞こえているのに。



254彼方まで 6/6 :2012/04/29(日) 02:10:51.25 ID:jLMJL9Fe0

遠くから波の音がしている。
ねえ、君。ねえ、マー××。
昼間の子供のように無邪気な君が脳裏に浮かぶ。明るい日差しの中で笑っていた君は、
物思いに耽る夕暮れを越えて、今暗がりの中、僕の身体の下で僕の動くまま、妖艶に
鳴く。
全部が現実なのに、全部が別物のよう。沢山のものを見た筈なのに、夢の中の出来事
みたいに儚く過ぎていく、感覚。
君の好きな夏と、君が重なる。
消えないで。もっと、ずっと僕と繋がっていて。
明日、また陽が昇ったらオートバイに乗って笑って行こうよ。

深く、君を穿つ。僕は不安そうな顔をしていたのだろうか、君は途切れ途切れの息遣い
で、僕の名前を何度も呼んだ。僕の背中に腕を絡めて、全部受け入れてくれる優しい
目をしたまま。
僕は吸い寄せられるように君に口付けた。
今だけは、どうしようもなく一つに融け合ってしまいたい、その感覚を忘れたくない、
色んなものが過ぎ去っても、君とだけは。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!



255風と木の名無しさん :2012/05/02(水) 20:07:54.88 ID:amJOYd5X0
>>254
いつもありがとう…!二人は永遠ですね。

256風と木の名無しさん :2012/05/04(金) 01:06:24.80 ID:kNKvQBz30
>>254
GJ! いつも楽しみにしています
冒頭、my萌えソング「OUTどあ派」を思い出した

257レーザービーム1/5 :2012/05/05(土) 23:50:16.55 ID:cdyevy/c0
超次元野球。丑→葛な話。卒業後。一人語り。
・実在の歌がモデルになってる
・時系列は捏造
苦手だと思われた方は申し訳ないですがスルーお願いいたします
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

耳に覚えのあるヒットソングが管楽器の音で流れてくる。吹奏楽部の練習なのだろう。
十二支高校野球部は、昨年の夏・今年の春の快進撃により、県内をはじめ校内からの扱いも一変した。
潤沢な部費が支給され、朝礼で表彰され、
校内で応援団が組織されブラスバンドも漏れなくついてくるようになったらしい。
「うらやましいな」
昨年この高校を卒業し、自分の道を歩み始めたかつての主将はつぶやいた。
全面的に背中を押されて、期待を背負って戦いに赴く後輩達。
自分が不遇であったなどとは思わないが、この独特の熱気に包まれての
試合を体験してみたかった、というのは紛れもない真実である。
高校生活。
このきらきらとした時間と無縁になってしばらく経った。
出会いと別れは表裏一体というとおり、
経済・語学・政治とこれからの自分の役割のために学んでいくことは山ほど控えていた。
立ち止まる暇などなかったのは、踏ん切りをつけるという意味では幸運だったのかもしれない。

258レーザービーム2/5 :2012/05/05(土) 23:50:32.78 ID:cdyevy/c0
「あれー、キャプテン?」
聞き覚えのある声。ひょこりと顔を出した彼は、
心なしか去年よりも顔つきが少し大人びてきたように思う。
「兎丸くん、しばらく。背が伸びたね」
「えへへ、そうかな。キャプテン今日は大学なかったの?」
「授業が休講になってね。久しぶりにここを訪ねてみたんだ」
さっきグラウンドを見てみたよと言うと、彼は嬉しそうに
近況報告をしてくれた。
「今年もねー、新入部員がいっぱい入ってきたんだよ。
ぼくに憧れて入ってきたって言ってくれた子もいてさ、
先輩になったんだしキッチリしなきゃなーって思うこともあるんだよね。」
皆、確実に進歩している。技術だけではない、精神面の成長が著しい。
かつての後輩が伸びていく姿を見るのは嬉しくもあり、寂しくもあった。
また、ブラスバンドが聞こえてくる。
「バックが豪華だと勢いがついていいね」
「今年は応援団も増えたんだよ。やっぱ去年の活躍が効いたんだね」
彼は頭のいい子だ、と思った。
「先輩」の不興を買わないよう、こちらを持ち上げて気まずい会話を回避した。
しかも鼻につくことなく、さりげなく。
流れてくるメロディーにあわせて、彼は軽く歌詞を口ずさむ。
『 グラウンドに立つ キミの姿が まぶしくて 少し照れちゃうけど 』
「あれ?『マウンドに立つ』って2番の歌詞だったのかな」
「違ったような…あ、もしかしてそれ歌ってたの、犬飼君の親衛隊?」
先ほど耳にして憶えていたのだ。
てっきり投手の詩なのだと思い込んでいた。
「僕もけっこうそそっかしいからなあ」
軽い笑い話をしていると、おそらく新入生なのだろう。
まだ高い声が彼を呼ぶのが聞こえた。
「あ、キャプテンごめんね。もう行かなくちゃ」
「こちらこそ、引きとめてしまってすまなかったね」
いつも通りに笑えているだろうか。
「みんなに会ってく?」
「…また、顔を出すよ」
今会ったら、ひたすらに高みを目指す彼らの邪魔になってしまう。
過去をわざわざ振り返らせる必要など、ない。


259レーザービーム3/5 :2012/05/05(土) 23:50:48.32 ID:cdyevy/c0
帰宅し、用があるまで放っておいてくれと言い残し部屋へ篭もることにした。
何故だか泣きたくて仕方がなかった。なぜ。
普段は滅多につけないTVの電源をつける気になったのも、
そんな気分を紛らわすためだったに違いない。
適当にチャンネルをまわす。別に見たいものなどない。
ただ、静寂の中にいることだけは耐えがたかった。人工的な喧騒に包まれていたい。
リモコンを持つ手がとまる。興奮と緊張を、画面越しに受け取った。
『…さあ、白熱してまいりました。入れば虚仁の逆転、押さえれば比呂縞の勝ち越し。ツーアウト一塁、まだ勝負の行方はわかりません…』
思わず、息を飲む。煌々と照らされるマウンドには、
よく見知った人物が神経の糸を極限まで張り詰めて勝負のころあいを見計らっていた。
瞬間を、支配した者が勝つ。
対峙したことがあるから、あの戦場に立ったことがあるから、
痛いほどにその空気がわかる。


260レーザービーム4/5 :2012/05/05(土) 23:51:04.05 ID:cdyevy/c0
ゆったりと体を捻る。ぜんまいを巻くように、限界まで。
肉眼では白い光線のように見えた。画面のS字の横、赤いランプがふたつ灯った。
「今のは生で見たかったな」
いつの間にか、食い入るように画面を見ていた。
まだ最大の山場は、残っている。
声援を耳が拾う。あと一球、あと一球。
深呼吸をして、心身を整えて。静かに投球体勢に入り、相手の間を読む。
永遠にも感じられるギリギリの均衡。
鋭い視線は相手の闘志も隙も、確実に打ち抜く。

一瞬。バッターが怯むのがわかった。
今だ!
球圧から生まれた風が、こちらにまで伝わるようだった。球を目で追うことができたのは、ミットに収まる直前だ。
ストレート。
「すごい」
声が震えているのは、感傷的な気分になっているからに違いない。
高校時代何十年にひとりの天才と謳われていても、才能が集う世界で活躍できるのは一握りである。壁にぶつかり、苦しみ続ける時期も確実に訪れる。
それでも。
真っ向勝負を挑み、自分の流儀を通して存在感を示し続ける。
その姿勢は、とても傲慢で尊い。
幾人もの夢も期待も背負い、無言でマウンドに立つ。
嫉妬では、ない。戸惑いでも、ない。ただただ圧倒されたのだ。


261レーザービーム5/5 :2012/05/05(土) 23:51:16.29 ID:cdyevy/c0
勝負が決まり、体を支配していた力が抜けてしまった。
重力にまかせるまま、ソファに仰向けになる。
「…マウンド に、立つ キミの すがた が…」
まぶしいどころの話ではない、ドキドキするどころの話でもない。
置いていかれてなるものか。また会う時は、同じ目線で。
それが、画面の中の人物がかつて絶縁してまでも死守し、
今は自分が痛切にのぞむ立ち位置である。
戦う場所はもう違うけれど、せめて志は共有したいと思う。

『ありがとう』
画面に向かって心のうちで礼を言う。
迷いも、曇りも。一瞬にして吹き飛ばされた。あの美しいストレート。
僕は僕の道を歩いていける、キミに恥じない場所に居続けるために。
じっとしてはいられない。
そう思うと、自室の厳重な扉を勢いよく開いた―。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


262酒は飲んでも… 1/10 :2012/05/08(火) 11:09:26.63 ID:QD6F24+7O
オリジナル。体育教師×英語教師。エロあり。
改行の関係でかなりぎゅうぎゅうになったので読みにくいかもしれません。申し訳ない。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

きすを、している。
ぼくは今、男性とキスをしています。

「………!!?」

ちょっと意味わかんないんですけど。いや意味はわかるけど…え?
何でオレこの人とキスしてんの?
学校の中でも一二を争うイケメン英語教師の土屋先生と、今年教師一年目の新米体育教師こと
オレ小林が、何故に唇を重ね合わせているのでしょうか。

「んー…」

そして何故にオレはそれが嫌じゃないんでしょうか。

「―――っ…」

何ならもうちょっと踏み込んでみたいななんて思っているのは何故なんでしょうか。
それは。

「…………全然柔らかくねーじゃん」
「あー、オレ唇薄いってよく言われるんすよ。ハハッ」

二人ともすっかり酔っ払っているからです。

◇◇◇◇◇

263酒は飲んでも… 2/10 :2012/05/08(火) 11:12:04.39 ID:QD6F24+7O
「ばやしー!飲んでる?」
「頂いてますよー土屋先生!」
「こら。つっちーでいいって言ったでしょー?」
「あ、ハイ。スミマセン」
「言っとくけどね、俺別に怒ってんじゃないからね?そこはわかってよ?」
「大丈夫ですよ土……つっちー先生」
「おー!それで良いんだよばやしー!」
上機嫌でオレの背中をバシバシと叩くこの人は既に出来上がっています。
普段はもう少し大人しいというか、本当にイケメンなんですよ。
今日はオレの教師人生初となる高校の歓迎会。新しく赴任してきた教師達との親睦をより深めるために、
新年度の行事とかが一段落した頃に毎年教師皆で飲みに行くという恒例行事なんだそうだ。
そんな場で新米のオレと一番親睦を深めているのがこの英語担当の土屋先生。
何と生まれはアメリカという帰国子女なんだとか。そりゃ英語ペラッペラですよねー。
で、オレは身体を動かすのが好きだからという理由で体育教師になって、
自慢じゃないけど(本当は自慢だけど)腹筋は6つに割れています。
たまたま隣の席に座ってみたら、どうやらつっちー先生は酔いが回るのが早いみたいで
ビール2、3杯飲んだ辺りから陽気なテンションになってしまった。
しかも絡むタイプらしく、めでたくオレがターゲットにされてしまたというわけです。
見た目は凄くカッコよくて身なりもスマートで、しかも帰国子女だから
正直初めて見た時は近寄りがたいとこがあったんだけど(半分はフツメンなオレの僻みですハイ)
話してみたらとてもフランクで人懐っこくて、そしてこの絡みっぷりだ。
第一印象とのギャップにすっかり親近感が湧いてきて、何だかこの人を好きになりつつある。
「ねーねー、小林ってホントイイ身体してんね。胸とかスゲーじゃん」
「ちょっ……何で急に胸揉むんですか」
「いーじゃん減るもんじゃなし」
「減りませんけど!ビックリするでしょ」
「俺さー身体鍛えてる人好きなんだよねー。俺あんま筋肉付かないから羨ましくて。ちょっと見して」
「え、ここでっすか?」
「あー!私も見たーい!」
「僕もちょっと見たいです」

264酒は飲んでも… 3/10 :2012/05/08(火) 11:14:38.60 ID:QD6F24+7O
「小林先生、見せるなら今だよ?こういうことは最初にやっとかないとタイミング無くすからね」
「教頭先生まで…」
「ほら!皆見たいって言ってんだから見せなさいよ」
やっぱこういう流れになるよね……まぁ見せるの嫌じゃないから(むしろ好きだから)見せますけど。
しょうがないなーというふりをしながらベルトを外してもそもそとシャツを捲ると、ちょっとした歓声が湧いた。
そしてすかさず伸びてくるつっちー先生の手。
「わースゲェ!!めっちゃ割れてんじゃんお前!」
「ホントだ凄ーい!私も触ってイイですか?」
「アタシも〜!アタシマッチョな人好きなんだ〜」
「うーわ!めっちゃ硬いっすね!」
飲み会で何故か皆に腹を撫でられているオレ。何だこれ。
でもお陰でちょっと女性陣に好感持たれた気がするし、ある種の
「持ちネタ」が出来て中々の好スタートを切れた感じがする。
イジッて頂いてありがとうございますつっちー先生…!
そんなこんなであっという間に時間は過ぎ、飲み会もお開きになった。
明日は休みだけど、部活とかの関係で出勤する先生も多いということでそこで解散になった。
オレとつっちー先生はお互いに予定がなかったので、絡まれついでに先生の家でもう少し飲むことにした。
◇◇◇◇◇
「先生…その辺にしとかないと明日辛いんじゃないですか?もう結構飲んでますよね」
「そーかな……じゃあこれ最後にするわ」
「お、何か聞き分けが良いですね」
「へへへ…」
へらっと笑った先生が何だか凄くかわいく見えて一瞬ドキッとする。
オレも結構酔っ払ってるな…いくら見た目が良いって言ったって、この人もオレも男ですよ?
あーでもホントつっちー先生ってイケメンだよなー…学校中の女子から大人気なのも頷ける。
去年のバレンタインとか凄かったらしいし、告白してくる生徒も多かったとか。
正直羨ましいわー。オレの人生にそんな瞬間1ミリも無かったもん。
その凄まじいほどのモテオーラをオレにも分けてくださいよつっちー先生…
「ねーねーばやしー」
「何ですか?」
「もっかい腹筋見してーっつか触らしてー」
「あぁ、どーぞどーぞ」

265風と木の名無しさん :2012/05/08(火) 11:17:00.67 ID:L5ZpbbyL0
支援

266酒は飲んでも… 4/10 :2012/05/08(火) 11:28:39.67 ID:QD6F24+7O
すっかり子供みたいになってしまったつっちー先生にねだられ、オレは上機嫌で上着をめくった。
オレの腹筋がやたらお気に召したのか、物凄くキラキラした笑顔で腹筋を擦ってくる。
あー…何かすっげー気分良いなぁ…
「…ん?」
あれ、何か……腹筋を撫でてた手つきがちょっと変わってきたぞ?
掌でなでなでしてたのが指先を這わせる感じになって、それがだんだん上ってきて今鳩尾の辺りをするすると撫でられている。
何ていうか、こう…ムラムラしてきちゃう感じのエロい動きになってきてませんか…?
「あの……つっちー先せ」
「ちゅーしていい?」
「っ、はい?」
「何かこーふんしてきた。していい?」
そう言ってきた先生の目は少しだけ潤んでいて、何か背筋にゾクッと走るものを感じた。
「っ…『ちゅー』って!普通キスって言いません?もー飲みすぎっすよつっちー先――」
冗談みたいにしてはぐらかそうとしたオレの口を塞ぐようにしてつっちー先生が唇を重ねる。
そうしてキスをしてしまったオレ達。そりゃもうビックリですよ。
ビックリしすぎて、つっちー先生睫毛長っ!とかこのイイ匂いはシャンプーかな?
香水かな?とか、色んなことがいっぺんに頭に浮かんでくる。
そういえばオレ服の中に手突っ込まれたままだし、これ何かオレ襲われてるっぽくない?

あー……でも、何でだろ。先生にこうやって迫られんの嫌じゃないかもしんない。
だってこんなにイケメンなんだもん。女の子にモッテモテでカッコよくて頭も良くて優しくて、
そんな人がこんなオレに夢中になってくれるなんて夢みたいなことあるわけないし。
っていうかそんなモテ男ナンバーワンなつっちー先生をオレが独り占めできるとか最高じゃない?優越感半端ないよね!
……ひょっとしてオレ結構自分見失ってる感じ?想像以上に酔っ払ってんなコレ。
そうしてる内にゆっくりと唇が離れていって、見えてきたつっちー先生は何故かちょっと不満そうな顔をしていた。
「…………全然柔らかくねーじゃん」
「あー、オレ唇薄いってよく言われるんすよ。ハハッ」
照れ隠しも込めてオレは何でもないようなふりで笑ってみせる。

267酒は飲んでも… 5/10 :2012/05/08(火) 11:35:05.94 ID:QD6F24+7O
只今酔っ払ってますので正常な思考が出来てませんよ的なアピールとして。
そんなオレの態度が気に入らなかったのか、先生はムッとしてオレの顔を両手でがっちりとホールドしてきた。
「あ……え?」
「何だよお前ばやしのくせに……こうしてやる!」
「っ―――!!?」
ってな訳でオレとつっちー先生はまたキスをする。しかも今度はちょっと本気っぽい。
先生は少し頭を傾けて角度を作り、噛むようにしてオレの唇を奪う。
「……っは…」
「ん…む…」
たまに漏れる吐息と聞こえてくる音がやたらエロい。酔ってるせいで少しピンクに
染まってる肌の色がまたセクシーな雰囲気を醸し出してて、正直ヤバい。
こんな風に食い付いてこられたらそりゃあこっちだって感化されちゃいますって。
いつの間にかつっちー先生は足を跨いで正面からオレにのしかかっていて、
オレも知らない内に先生の腰に腕を回して抱き寄せようとしていた。
やがてキスはエスカレートして、とうとう舌が入り込んでくる。それに応じて舌を絡ませると、
つっちー先生がオレの頭を抱えるようにして重なりを深めてくるから、
オレももっと近付きたくて背中から肩に手を伸ばしてぐっと身体を引き寄せた。
「んふっ…」
それに驚いたのかつっちー先生が少し声を漏らした。
その吐息混じりの熱っぽい声にオレの理性はガツンと揺さぶられる。
今さらながらこれ以上は危ないと思って、咄嗟に先生を力ずくで引き剥がした。
途中で止めさせられた先生は、見たこともないような切なげな表情でオレを見る。
「…なんでぇ……っ」
唇を濡らして、頬を染めて、今にも泣き出しそうな顔でオレを非難した。
そんな顔をされて、すっかり高ぶったまだまだ未熟なオレの欲望が黙っていられるはずもなく。
「――先生っ!!」
「わっ!」
オレは勢いに任せてつっちー先生を押し倒した。完全に歯止め利かなくなってる。
あー何やってんだろオレ。こんなことしたらさすがの先生も黙ってないぞ?
「………小林…」
だけど先生はただ一言。
「…床痛いから、ベッド行こうぜ」
そう言ってオレの首に手を伸ばして抱き付いてきた。もうオレの理性は木っ端微塵。

268風と木の名無しさん :2012/05/08(火) 11:42:06.95 ID:QD6F24+7O
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

すみません。
やっぱ時間帯的に厳しいのか連投規制に引っ掛かりまくるので、23時頃に出直します。
他の方いらしたらどうぞ投下されてください。

269風と木の名無しさん :2012/05/08(火) 12:34:40.79 ID:HbpVcNNn0
これはひどい寸止めw

23時まで正座して待ってるよ!

270風と木の名無しさん :2012/05/08(火) 20:14:03.84 ID:L9qRgdYk0
今支援しても意味ないかもだけど一応

271風と木の名無しさん :2012/05/08(火) 20:47:41.49 ID:+F8Y8oEA0
バイさる復活中
http://info.2ch.net/wiki/index.php?Good-By_Monkey

> 一つのスレに
> ある時間(H)内に
> 最近の投稿(N)のうち沢山投稿(M回)したら
> 「バイバイさるさん」になる

たぶんM=3

272酒は飲んでも… 6/10 :2012/05/08(火) 23:40:14.59 ID:QD6F24+7O
>>268です。続き投下します。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

そのままつっちー先生を抱き上げて、近くにあったベッドに飛び込んだ。
服も脱ぎきらないまま何度もキスをして、身体に触って、抱き締めた。
先生の胸の辺りに手を置くと凄くドキドキしてるのが伝わってきて、訳がわかんなくなるくらい興奮する。
恐る恐る先生の下半身に手を伸ばしてみると、そこはもうすっかり元気になっていた。
「ね……触って…?」
つっちー先生がオレの耳元でねだりながら、片手でベルトを外し始める。
その後をオレが引き継いで前を寛げると、明らかに形が変わっているソコが目に入って思わず生唾を飲んだ。
オレが触ることに興奮してくれてるのかな……そう思ったらもっと気持ち良くして
あげたくなって、下着の上からソコを優しく撫でてみる。
「っあ……」
つっちー先生は身体をビクンと揺らして、うっとりしたような顔でオレを見つめる。
嫌がってないってことだと判断して、オレはどんどんその先へと進めていった。
オレの手つきが容赦なくなっていくのにつれて先生が漏らす声も大きく甘くなっていく。
直接先生のモノに触れると先走りでもうヌルヌルになってて、
初めて触る他人のモノに嫌悪感どころか妙な興奮を覚えていた。
「っ、あの……気持ちイイですか…?」
一応聞いてみる。
「嫌だったら、止めますから…」
ホントはもう止めろって言われても無理だけど。
多分止めろなんて言われない気はしてたけど(だって誘ってきたのは
つっちー先生だし)、聞かずにはいられないオレはヘタレです。
「やだ、止めんな…っ!」
「…先生…」
「イれていいからっ…」
………へ?
「……中、ぐちゃぐちゃにして…!」
「な……ぁ、え?」
エライことを聞かされて急にテンパりだすオレ。そうですよね、この流れだと最後はそうなりますよね…!

273酒は飲んでも… 7/10 :2012/05/08(火) 23:43:56.27 ID:QD6F24+7O
勢いで始めちゃったから完全に忘れてたけど、どっちも男だから片方が受け身にならないといけないんだよな…
あわあわと戸惑っているオレを他所に、すっかりスイッチが入っちゃったつっちー先生は自分の指をしゃぶりだした。
そして唾液でベタベタになったその指を、あの場所に運んで…
「っ…ん……ぅっ…!」
「うわ……」
少し顔を歪めながら先生が指を自分の中に押し込んでいく。
凄い…ホントに入ってる。こんな狭そうなとこにオレのが入んの…?
指を動かす度につっちー先生は切ない声を漏らす。痛くはなさそうだけど、ひょっとして前にもやったことあるんだろうか…
「あ…っん、んっ」
ゆっくりと出し入れされる様子に釘付けになっていると、先生がオレの手を取って口元に運ぶ。
そのまま今度はオレの指を舐め始めた。先生の口の中は凄く熱くなっていて、
絡み付いてくるヌルついた舌が丁寧に指を濡らしていった。
音を立ててしゃぶりつかれると、まるで口でご奉仕されてるみたいで凄くゾクゾクする。
「は……つっちーせんせ、めっちゃエロい…」
「…んは、ぁ………ねぇ…ばやし…?」
「っ…何ですか?」
「コレ、イれて……俺ん中に…」
「――い、良いんですか?」
「ん…お前の、欲しいから……ちゃんと…ナカ拡げて…」
潤んだ瞳で舌を付き出してオレの指先をチロチロと舐める先生。ちょっと…こんなん反則でしょ。
オレは頷いて、濡れた指を既に入っているつっちー先生の手に重ねるようにして少しずつ潜り込ませていった。
「うあ、ぁ…はぁっ」
「痛い…?」
「っだいじょぶ、もっと…奥までいいよ」
あーもう…この人オレの理性根こそぎかっぱらっていく気だな!?
っていうか多分つっちー先生も大分タガ外れちゃってんだよな。でなきゃこんな…
「はぁっ、っあ、んー…っ」
こんな信じられないレベルのエロい姿をオレの前に晒してくれるはずがないですよね!
ちょっともうマジでそろそろ限界だよ……オレの息子もさっきから物凄い主張してきてる。
焦って少し強引にもう一本指を入れると、一瞬先生が眉をひそめた。
先生のと合わせてもう4本も指が入ってる…そりゃキツいよな。

274風と木の名無しさん :2012/05/08(火) 23:45:43.79 ID:L5ZpbbyL0
待ってました!支援

275酒は飲んでも… 8/10 :2012/05/08(火) 23:46:13.42 ID:QD6F24+7O
「う、ぁっ……はぅ、っく」
「も…いいですか?オレ、そろそろ…っ!」
ボトムの前を広げながらオレはつっちー先生にお伺いを立てる。
先生も目に涙をいっぱい溜めて何度も頷いてくれた。
「んっ、いぃ……よ…っ」
「…じゃ、いきますよ…」
抜いた指の代わりにすっかり大きくなったオレのモノを宛がうと、つっちー先生が生唾を飲むのがわかった。
どうか幻滅されませんように…!と祈りながら、ゆっくりと腰を埋めていく。
「――っぁあぁっ…!!」
少し苦しそうな声に驚いて、半分まで進めた所で一旦動くのを止めた。
先生の中はギュウギュウと締まるように動いていて危うく発射してしまいそうになる。
「っ先生?だ、大丈夫ですか?」
「ぁっ!は、あ、あっ…」
「いい痛かった!?あぁどうしよ、あの……ごめんなさい!」
シーツを握り締めてビクビクと震えるつっちー先生の様子が心配になって、覆い被さるようにして顔を覗いてみる。
宙を泳いでいたその目がオレを捉えた途端、満足そうに口元が綻んだ。
「は…ははっ、あー…ちょっと、イッちゃった…」
「え?あ、それは良かった…」
「ん……っねぇ、ばやし」
つっちー先生はシーツを掴んでいた手をするりとオレの肩に回して軽くキスをする。
「俺ちょっと痛いくらいが好きだからさ……」
頬と頬をくっつけるようにして耳元に囁かれる。
「…ガンガン腰振ってめちゃくちゃにしていいよ」
その言葉でオレの中の緊張の糸みたいなのがプツッと切れちゃって、そこから先の記憶がちょっとはっきりしない。
確か先生の肩を押さえ付けて身動き取れないようにして、オレのモノを根元まで押し込んだ。
そこから言われた通り無茶苦茶に腰を動かして、つっちー先生は悲鳴みたいな声をあげてた…と思う。
「うっあ゙っ!!っはっ!っ…あぁっ!」
「ごめ…せんせ、ごめんっ…!!」
自分でもよくわからないままオレはひたすら謝ってて、先生は涙ボロボロでずっと気持ちイイって言ってくれてた。
最後はキスをしながらオレが先に中で出しちゃって、つっちー先生も続くように身体を震わせて精液を吐き出した。
◇◇◇◇◇

276酒は飲んでも… 9/10 :2012/05/08(火) 23:49:20.20 ID:QD6F24+7O
「……まぁ、もう薄々気付いてるとは思うけどさ」
「………はい」
結局そのまま二人とも眠っちゃったみたいで、次の日目が覚めてからとりあえず状況を整理した。
「俺………男もイケるクチなんだ…」
「…そうみたい、ですね…」
身をもって体験した後だけど、改めて言われるとやっぱ気まずい。
酔った勢いでエッチした時点でもうアレだけど、相手は同じ職場の先輩でしかも男とか…
なんだかんだでしっかり気持ちイイ思いしちゃったもんだから、何ならちょっとした罪悪感まで感じてるよ…
「この際だから言っていい?」
「はい、何ですか?」
「俺さ、お前のこと好きみたい」
「そりゃあオレだって先生のこと好きですよ」
「違う違う。『気に入ってる』じゃなくて『恋してる』の方」
「……え?」
つっちー先生がオレに惚れてんの?このオレに?
「…………マジで?」
「んー…多分。俺大体好きになられる方だったから、自分から好きになるの初めてでさ。
『恋してる』でいいのかいまいち確信は持ててないんだけどね」
「へー…」
さらっと凄いことカミングアウトしてきますね…ってことはつっちー先生って本当にモテモテだったんだなぁ…
男からも女からもなんて、きっとオレなんかには想像できないような色んなこと経験してきてるんだろうな。
「お前のことは結構本気で好きみたい。でも…お前は嫌だよな」
だんだんつっちー先生の声が沈んでいく。まぁそりゃ普通こういうのって叶わぬ恋ですもんね。
でもオレはここまで来て先生を拒む気にはなれなかった。
「ごめんな、変なことさせちゃって。もうお前には近付かないようにするから、昨日のことは忘れて――」
「や、オレは全然OKですよ」
「…は?」
「付き合いましょうよ」
オレの台詞につっちー先生が目を丸くして固まった。

277風と木の名無しさん :2012/05/08(火) 23:53:17.93 ID:L9qRgdYk0
しえんぬ

278酒は飲んでも… 10/10 :2012/05/08(火) 23:56:47.98 ID:QD6F24+7O
「何で?」
「え?何でって、嫌がる理由がないですし」
「は!?だって男同士じゃん」
「ガッツリエッチまでやっちゃった後にそれ言います?それにオレも先生のこと好きだし」
「それは『気に入ってる』の好きだろ?」
「でも『好き』なのは一緒でしょ?」
オレが聞き返すと、つっちー先生はちょっと頷いてくれた。
「…まぁ」
「今までだってつっちー先生も男から好きになられてOKしてきたんすよね?それと同じですよ」
「そう…かな、でもお前本当に良いの?」
「はい。先生は嫌なんですか?」
「嫌じゃないよ!そもそも俺が先に好きだって言ったんだし」
「じゃあ何にも問題ないっすね!はい決まり!」
満面の笑みでつっちー先生の手を取る。オレはそれを握手の形に握り直して、ちょっと大げさにぶんぶんと揺らした。
「えー…何それ。そんなんでいいの?俺毎回すっげー悩むのに」
「オレあんま悩まないタイプなんで。へへっ」
「でしょーねー…こんなにアッサリOKしちゃうんだもん」
「あ!言っときますけど、別にこれ一時の気の迷いとかじゃないっすからね?そこわかってくださいよ?」
「……何かその言い方どっかで聞いたな…」
「気付きました?昨日絡まれてた時につっちー先生が言ったんですよ」
「俺そんなウザイこと言ってたの!?うわー俺めんどくせー!」
「あー確かに。でもそこがちょっとカワイイかなーなんて」
「うるさいよ!ばやしのくせに!」
「その『ばやしのくせに』って何なんすか?昨日も言ってましたよね」
悪態を吐きつつ照れくさそうに笑っているつっちー先生は凄く可愛かった。
それだけでも先生を受け入れた価値はあったかなーなんて思ってみたり。
まさかこんなことになるとは思わなかったけど、歓迎会のお陰だな。
『酒は飲んでも飲まれるな』とはよく言いますが、たまには飲まれてみるのもアリかもね。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

支援してくれた方々ありがとうございました!時間かかっちゃってすみません。

279風と木の名無しさん :2012/05/09(水) 00:05:11.43 ID:HbpVcNNn0
正座して待ってた甲斐がありました。

280風と木の名無しさん :2012/05/09(水) 00:11:33.17 ID:bZGeWSvq0
>>278
GJ!GJ!GJ!!!!
連投規制で投下しにくいのに力作ありがとう!
台詞回しがお上手ですね、面白かったー!

281風と木の名無しさん :2012/05/09(水) 01:00:35.17 ID:e+anQuB00
面白かった!ご馳走様でした!

282風と木の名無しさん :2012/05/09(水) 17:56:37.74 ID:Yvm43QujO
ありがとうございました(-人-)

283舐めてぇんだ 1/2 :2012/05/14(月) 20:58:06.94 ID:6B9FwJkuO
生モノ注意。
忘れ欄姐よ、四弦×六弦&唄。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


わざと下ネタを言ってモテないぶりを発揮し童貞さを拭えない男が
いつも力の全てを出し切るかのように演奏する度、それがそうとも
思えないくらいに人が変わってしまう。

その後ふらふらになってステージ終わりの脱力感でふにゃふにゃした
彼を見ていれば愛しさという感情がいつの間にか俺の心の中で沸き上がっていた。

初めて出会った時には彼が憧れてるベxジーのコピーようなロックスター
丸出しで気取った奴だったのに今じゃへたれっぷり丸出しな奴。

そんなしばちゃんがすきだったと気づいたのはもう何日前のことだったか。

284風と木の名無しさん :2012/05/14(月) 22:24:57.00 ID:uJlVEWMb0
しえん?

285舐めてぇんだ 2/2 :2012/05/15(火) 01:02:25.28 ID:a6kU6+98O
二人で緑ラベルを飲み大抵下らない話になって段々縺れていく。

酔って笑う彼を半分出来心で手握れば自分の手を
退けないのを良いことにそのまま抱きつきながら
白い首元に噛みつく。
不器用ながら優しくしたい気持ちが込み上げてくる。

首に痕を落し動揺で手に持った缶を軽く握り潰した唇を舐めて塞いだ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

286Hold Onto 1/14 :2012/05/15(火) 22:00:25.32 ID:q4PUmE090
ナマ注意。エロあり。チーム代表/ドライバー

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

doorbellを鳴らし、その扉が開くのをじっと待っていると、誰かが後ろを通る。
もしその相手が、自分がここを訪れる理由を知っていれば、酷く険しい顔をするだろう。
だが、誰一人として、それの理由を知る人物がいる筈もなく。

にっこりと笑みを見せれば、向こうも決まって笑みを見せる。
この後に、この部屋で酷く不埒な事が起こるにも関わらず、誰一人そんな事が起こるなど気付きもしない。
想像すらしない。

「・・・ええ、解かっています。・・・・はい、そのつもりです」

叩いた扉は、少しして開いた。
部屋の主は携帯で話しながら扉を開け、手招きしてくれた。
小さく笑みを浮かべるその相手に促され、sofaに腰を掛けて、備え付けのmineral waterを手に取る。
目の前に座っている相手は、PCを弄りながら、仕事の報告をしているようだった。
電話口の相手が誰なのか、会話の内容から直ぐに察しがつき、胸の奥が疼いたが、それを無視するように、持っていた水の蓋を勢いよく回し、中の物を嚥下する。

287Hold Onto 2/14 :2012/05/15(火) 22:13:59.37 ID:q4PUmE090
本当は自分が一番聞きたい声の相手と、目の前の相手が話している。
混乱しないわけがなかった。
そして、自分が目の前の相手とこれまでしてきた事が、酷く醜く思えてしょうがない。

「はい、*彼*にも伝えておきます」

ああ、今、自分の話をしているんだろうな。
そんな考えが頭を過ぎる。
今週のraceは終わったが、明日からは次のraceに向けての調整が待っている。
世界中を飛び回る不規則な生活をしていると、電話口の相手に会える機会はほぼないので、その相手の言葉は人づてに聞く事も多く、それは、主に目の前にいる相手からだった。
それを嫌だと思ったことはないが、目の前で自分の話をしてくれているのなら、直接話しをさせて欲しかった。
だが、そんな事をいえる筈もなく。

なぜなら、*ここ*にいるのだから。

「お待たせ、Fern@ndo」

288Hold Onto 3/14 :2012/05/15(火) 22:20:48.28 ID:q4PUmE090
視線を外にやっていると、目の前の相手が携帯を机に投げやり、隣に座ってくる。
暗くはないが、日の傾きだした空は紅く染まり、目の前の相手も自分も同じ色に染まっていく。
何故自分が*ここ*にいるのか解かっている筈なのに、どこかでこんな関係を拒もうとしていて、持っていたmineral waterを強く握った。

「*彼*が何て言っていたのか気になる?」

そして、自分のそんな澱んだ感情を読み取った目の前の人物は、わざとらしくそんな事を聞いてくる。
mineral waterを持っていた手の指の間を撫で上げられ、思わず顔を背けた。
その反応が面白いのか、相手は小さく声を上げて笑う。

「正直な子は好きだよ」

にっこりと笑ってkissをしてくる。
背けた頬に触れるだけのkissをした後、両手でやんわりと頬を救い上げられ、今度は唇を奪われた。
無意識に唇を閉じ、顔を顰めていると、相手は肩をすくめて苦笑いを浮かべる。

「"良い子だ、良くやった。次も期待してる"、だそうだよ」

289Hold Onto 4/14 :2012/05/15(火) 22:23:06.95 ID:q4PUmE090
満足したかい?
頬を撫でながらこちらの顔を覗き込む相手の行動は、まるで女の機嫌でも取っているかのように感じたが、そうさせているのは自分のこの不貞腐れた態度の所為だと解かっていた。
だから、少しでもいつも通りにしたかったが、何故か出来なかった。

ついさっきまで、酷く胸が高鳴っていたのに。
どういう意味でここに来たのかも理解していたし、それは自分の意思でもあったのに。
それなのに、目の前の相手と*彼*が話しをしているのを隣で見ていて、この関係を*彼*に必死に隠したいと思っている自分がいる事に気付いたからだ。

まるで、自分が貞操を破っているような感覚。

*彼*と自分とは、そういう関係ではないのに。
どんなに望んだとしても、この先もずっと。

「よくやった、良い子だね」

またそんな事を言ってくる相手に、顔を背ける。
自分が*彼*に特別な想いを抱いている事は、目の前の相手もかなり前からなんとく察しているようだった。
だから、機嫌を取るように、*彼*の言葉を繰り返したのだと思った。

290風と木の名無しさん :2012/05/15(火) 22:24:36.51 ID:Fd7aojs50
支援

291Hold Onto 5/14 :2012/05/15(火) 22:25:49.97 ID:q4PUmE090
「私の可愛い子は、*私が*そう言っても喜んでくれないのかな?」

その言葉に、心臓が大きく脈打った。
だが、眉を顰めて小さく笑う相手に、顔が上げられない。
本当は嬉しくて嬉しくてしょうがないのに、その言葉に素直に反応出来なかった。

先程まで、自分は目の前にいない*彼*の事ばかり考えていたのだから。

だから、目の前の相手の顔を真っ直ぐに見れなかった。
どんなにそれを望まれていると解かっていても、素直に従う事が出来ない。

「そんな顔をしないでくれ。まるで私が虐めているみたいじゃないか」

どうして、どうしてそんなに嬉しい事ばかり言ってくれるのか。
目の前にいる恋人を無視して、恋人でもない相手の声が聴きたいと思ってた自分を、そんな簡単に許さないでくれ。
醜い自分が、これまで以上に醜く感じてしまう。

「私が嫌いになった?」

292Hold Onto 6/14 :2012/05/15(火) 22:32:07.15 ID:q4PUmE090
そんな訳ない。
こんなにも愛してくれる相手を、嫌いになる訳がない。

何度も何度も触れる相手の唇の熱を感じながらも、それにどうしても応えられない。
夕日がこんなにも暖かな色で自分達を包んでくれているのに、自分の心の中は真っ暗で、どんな救いの手を差し伸べられても、指先まで真っ黒な自分がその手を取ったら、相手までもこの汚れた色にしてしまう気がした。

「・・・・、嫌いになった・・・・・・・・・」

嫌いになれたら良いのに。
誰にも言えないこんな関係でも良いだなんて思えないくらい、嫌いになれたら良いのに。

「嘘つき」

悲しそうに笑う相手が、もう一度kissをしてくる。

持っていたmineral waterはいつの間にか手から滑り落ちて、震える指が相手の衣服を掴む。
頑なに開く事を拒む唇を、無理強いする事なく啄ばままれ、思わず顔を背けて相手の肩へ顔を埋めた。

293Hold Onto 7/14 :2012/05/15(火) 22:34:38.82 ID:q4PUmE090
「Fern@ndo、愛しているよ」

首の後ろを撫でる掌がくすぐったくて、首を小さく振ると、その代わりに男の唇が首筋や耳の後ろに落ちてくる。
抱きすくめられ、癖のある髪を撫で回されながら、彼の吐息と唇を、甘い言葉と一緒に感じた。

「・・・・・、っ・・・」

首の周りを甘噛されながら、彼の手が衣服の下に侵入してくるのを感じ、男の衣服を掴んでいた手を力いっぱい握り込む。
これ以上はしたくないという意思表示だったが、それ以上の事は出来なかった。

本当はそうしたく溜まらないのだから。
愛していると言って、素直になりたくて溜まらないのだから。

だが、そう出来ない自分がいる。
一瞬でも目の前の相手を裏切った自分が許せない。

「・・・・・ぃ、・・・・・!」

294風と木の名無しさん :2012/05/16(水) 00:10:04.32 ID:Isw6RiOiP
支援

295Hold Onto 8/14 :2012/05/16(水) 01:13:18.14 ID:W0EnwjGV0
sofaに背を預けて、捲れ上がった衣服が首元までたくし上げられた。
晒された腹部を指で円を描く様に撫でられた後に、両手で脇腹を持たれ、顔を埋められる。
男の唇が肌に押し当てられる感触に、腹の筋肉が激しく萎縮を繰り返し、それまで男の肩の辺りを握っていた手が、男の衣服を引き千切らんばかりに更に強く握り込んだ。

奥歯を強く噛み、息が歯の間から漏れる。
胸の突起に舌が触れるのを感じ、思わず手を振り上げそうになった。
宙で震える手をどうにかしようとしていると、こちらの混乱した感情を弄ぶように、男の舌が乳首を舐めあげ、弾力のあるそこを弄ぶ。

肉が潰される感触と滑った舌触りに、腰が浮き上がる。
色の違うそこを執拗に吸われ、歯を立てられ、爪を立てたsofaが悲痛な叫びを上げた。
まるで、必死に押し殺していた自分の代わりに鳴いているように。

「・・・・っ、・・・・・ぁあ・・・!」

そこを弄られ感じない女もいれば、酷く感じる男だっている。
これだけは性別なんて関係ない。


296Hold Onto 9/14 :2012/05/16(水) 01:20:25.44 ID:W0EnwjGV0
漏れる声を抑えようと両手で口を覆い、身体をくの字に曲げた。
真っ赤になった顔を小さく振って、快感に身じろぐ身体をどうにかしようとしたが、どうにかできる訳もなく、息を荒げながら、ただ翻弄されるしかない。
その反応に男は顔を上げて、こちらの様子を少し伺うと、髪の毛をすきながら首を撫でてくる。
それが酷く気持ち良くて、思わず目を瞑ると、彼が嬉しそうに笑う声が聴こえた。

「おいで、Fern@ndo」

言われるがままに従っている自分がいる事に気付いたのは、bedに腰を降ろした時だった。
軟らかいbedの感触を感じながら、shirtのbuttonを外す彼の手を視線で追い、子供のように上着を脱がされ、ただそこに座っている自分。

この隙に逃げ出す事だって出来た。

だが、そうせずに、ただ座っていた。
拒絶しながらも、それを望んでいたから。

「そんなにじっと見ないでくれ。恥ずかしいじゃないか」

297風と木の名無しさん :2012/05/16(水) 01:32:56.98 ID:LZoJtoPd0
支援

298Hold Onto 10/14 :2012/05/16(水) 01:42:16.46 ID:W0EnwjGV0
苦笑いを浮かべる彼の言葉に、反射的に視線を逸らす。
今度は己のbuttonに手をかけながら眼鏡を外し、ゆっくりとこちらに近づいてくる男に、喉が鳴った。
だが、必死にそれを悟られまいと顔を背けて視線を伏せるが、男の手がこちらの顎に触れ、その顔を掬う。

「・・・・・Stef@、・・・・・・・・」

軽く肩を押され、そのまま押し倒される。
優雅に衣服を脱ぎながら、余裕の笑みを浮かべてこちらを見下ろす男の下で、身体を捻って背を向けると、露になった背中に唇が落ちてきた。
重なる肌の感触とぬくもりに小さく身動ぎしたが、それ以上の事はしなかった。

いや、出来なかった。
なぜなら、彼の手が下腹部に伸ばされ、下着の中に潜り込んできたのだから。

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

299風と木の名無しさん :2012/05/16(水) 02:00:25.20 ID:9XcuO3Lf0
>>286
いくら過疎気味だっていっても投下するならテンプレ読もうよ
>>2の(4)とかさ。

300風と木の名無しさん :2012/05/16(水) 02:44:28.14 ID:SbF7J/PB0
>>298の投稿とは別に、>>2の(4)は、
>一度にテンプレAA含め3レス以上投下しないで下さい(連投規制に引っかかる事があります)
に変えた方がいいと思う
3が厳しいなら6くらいまで、とか

バイさる復活して以降、人が多い時間帯でもないと、
忍者レベル40でも3連投しかできない
支援してもらっても苦しい時がある
長編投下する人には辛いけど、短く書くことにした方がいい…というか、
今の仕様では、分割しないと実質長編の一度に投下はできないよね

301風と木の名無しさん :2012/05/16(水) 22:15:21.31 ID:ILBkA/9o0
>>300
テンプレ改定に賛成
でも文言は「3レス以内にして下さい」の方がわかり易くていいかも


302風と木の名無しさん :2012/05/17(木) 00:06:39.10 ID:W0EnwjGV0
>>286です
勉強不足で申し訳ないです。
助言有難う御座います。
次回投下時は、注意します。

支援して下さった方も有難う御座います。

303錆びないナイフ 1/4 :2012/05/17(木) 11:53:52.31 ID:dGrkZw2s0
ナマ注意&甚だしい捏造注意。コレニカギッタコトジャナイケドスミマセン・・・
元青心・高低、現原人バンド唄×六弦ですが、
語りは配線用遮断機時代の四弦唄さんです。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


1月25日。俺達は、終止符を打った。

最高にイカしていたバンド、楽曲、無敵だった俺達。
一度は足を掛けたメジャーへの階段。駆け上がるはずだったその舞台が、何か
雲行きがあやしい、何かが違う、そう自覚し始めた頃からとうとう八方塞がり
になってしまうまで、思い返してみればあっという間だった気がする。


なあ、真×。
オマエは、どんな気持ちでその状況の中にいた?
オマエは、この日を迎えるまでの間に、何を見て、何を考えていた?

真×、俺はオマエと同じ気持ちで在りたいと思っていた。あれこれ手を尽くし
ても俺達の力だけじゃどうしようもなくなっていた状況の中、出した苦渋の
決断。それでもまた真っ白な所からそれぞれ新しく進んでいこうと。この日は
俺達の最後の日であり新しい始まりの日でもあるんだ、だから、今までの中で
も最高のパフォーマンスをしよう、そうだよな? そう臨んだんだ、真×。

そうして、俺達はやり切った。途中で泣いてしまったけど、最高のものにした。
でも―、オマエが、“アイツ”を俺達だけのはずの舞台に上げるなんて。


304錆びないナイフ 2/4 :2012/05/17(木) 11:55:09.10 ID:dGrkZw2s0

「相談しなかったのは悪かったよ。タ××が怒るのは当たり前だ、ごめん」
オマエは、落とされた照明の中で言葉少なに言った。
客が掃け、熱狂が過ぎ去ったライブハウスの片隅で、オマエの目も、俺の目も、
まだ赤く腫れていた。
「それだけじゃねえよ。アイツは、歌詞だって間違えたんだ、俺達の唄を!」
昂った感情のまま、思わず声が荒くなってしまう。
「タ××、もう終わったことなんだよ」
大×が、俺と真×の間に割って入ってきたが、俺は彼の手を払いのけた。
「なあ真×、なんでアイツを呼んだ、俺達だけの最後の舞台じゃなかったのかよ。
オマエとアイツがこれから一緒にやるって事は知ってるし、別にそれは何とも
思わねえよ、でも、今日はアイツは関係ねえだろうがよ」
「……」
「何とか言えよ、最後の日だってオマエはもう俺達なんかより、アイツが大事
だったのか、そうなのか?」
「…別に、何も言う事はないぜ」
そう呟いてオマエは目を逸らし、壁に立て掛けたギターケースを手に取ろうと
腕を伸ばした。
俺は一気に頭に血が上って、オマエのその腕を引き掴み、壁に強く押さえつけた。
「タ××!」
大×の制止の声は、遠くにしか俺には聞こえない。
真×は、俺と壁の間に押し付けられたまま、抵抗もせずに俺を見つめているが、
その目からは何の感情も読み取る事が出来なかった。
しばらく会わなかった間にずいぶんと痩せてしまった。オマエのその間の苦悩が
痛いほど分かる。俺だって同じだ。
か細い腕を握り締める。やつれても綺麗なオマエの顔が、少し苦痛に歪む。


305錆びないナイフ 3/4 :2012/05/17(木) 11:56:23.99 ID:dGrkZw2s0

 違うんだ、こんな事したいんじゃない。
 分かってる、只の嫉妬だって事は。
 でも、オマエは俺を、俺達を、大好きだったじゃないか。
 なのにオマエの心を一気に奪っていったような、俺と同い年のアイツ。俺とは
 何が違うんだ、畜生。

「…ハハハ…っ」
俺は、泣きながら笑った。
だって、オマエの目からも、涙が溢れだして、止まらなくなっていたから。
肩を落とした俺の頭を、大×がくしゃっと撫でた。
オマエは涙に濡れた目で、俺と大×を真っ直ぐ見つめた。
「俺は、お前らが好きだ、これからも、ずっと。でも、もう、行かなきゃなんねえ
んだ。俺自身の為に」
ああ、オマエの掠れた声は、もう俺の知っている声じゃなかった。
きっと、アイツの傍にいる為の声だった。
「オマエは、本当に、勝手だよなあ」
もう一度、オマエの腕を強く握り締めて、俺はオマエのすぐ横の壁に頭をぶつけた。
コンクリートの冷たさと、痛みと、頬をかすめるオマエの髪。
「…いままで、ありがと」
「おう」

オマエが消え入りそうな声で言った、感謝と決別の言葉を俺が受け入れたのは、別に
俺がアイツに負けたと認めたからじゃない。
変わっていく速度が違っても、前に進むしか道がないのは俺達もオマエもアイツも
同じで、皆、同じ扉を開けたばっかりだという事に何となく気付いたからだ。


306風と木の名無しさん :2012/05/17(木) 12:07:02.22 ID:Av/nAYbD0
支援

307風と木の名無しさん :2012/05/17(木) 12:08:19.94 ID:dkEi4dX80
すぐ上に3レス以上は引っかかるって書いてるのに…

308錆びないナイフ 4/4 :2012/05/17(木) 12:15:06.90 ID:dGrkZw2s0


アイツは、ライブハウスの外の階段にひょろ長い身体を屈めて寒そうに座っていた。
ギターを背負った真×の姿に気付くと、アイツは暗闇の中でもはっきりと分かるよう
な、そんな笑顔で、真×を迎えて二人一緒に歩き出した。
俺は二人の後ろ姿を見送りながら、煙草に火を付ける。
都会の夜空じゃ星は見えない。明日は晴れるだろうか。
“マー××”、“ヒ××”、聞き慣れない呼び名が冬の風に流されて俺の耳を吹き
抜けていった。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


309風と木の名無しさん :2012/05/17(木) 12:24:06.70 ID:fxEtXrnaO
>>307

別に303に突っかかる事じゃなくない?
決まったルールじゃないし、4レスで終わってるし。

310風と木の名無しさん :2012/05/17(木) 13:05:20.73 ID:xCAdP1gN0
ルール守れよ、ということではなくて、
3レス以上は規制に引っかかりますよ、って話をしてる直後に4レス投下して、
案の定引っかかってるってどうなのよ?っていうツッコミなんじゃないかと
引っかかっても投下したい、という人に非はないが

>>300-301
スレ上のローカルルールのレベルの問題じゃないよね
BBSPINKの板設定の影響なんだから
さるさんって住民の要望で変わるもんじゃないし、
投下前に書き手個々が気をつけるしかない

311風と木の名無しさん :2012/05/17(木) 13:50:28.42 ID:B7H+YWia0
注意喚起の意味だけでも
テンプレに明記しておくべきでは?
投下しようとして初めて規制に気づく人もいるかもしれんし

312風と木の名無しさん :2012/05/17(木) 15:30:17.19 ID:u3O2V4pH0
賛成だけど、ルールだ!ルールじゃない!で揉めるの目に見えてるから
注意喚起なら4レス以上も許容することは明確に書いといた方がいいと思う

313風と木の名無しさん :2012/05/17(木) 16:52:31.17 ID:0ZJsBBtj0
いっそ>>1に追加すればどうかな

>ローカルルールの説明、およびテンプレは>>2-9のあたり
>
>保管サイト(携帯可/お絵描き掲示板・うpろだ有)
↑の空行のところに一言入れるのはどう?

例えば
※現在、連続投稿3回目以降で規制がかかります!長編投下の際はご注意ください※
みたいに、あくまで強制でなく、注意って感じで

314風と木の名無しさん :2012/05/17(木) 20:27:05.36 ID:aD6cs5/EO
>>313
賛成

315Hold Onto 11/14 :2012/05/18(金) 14:33:24.39 ID:/nUABFp50
>>298の続き。|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「はっ、・・・ぁ、・・・あ・・・・っ!」

あんなに拒んだくせに、握り込まれたそこは熱を持ち、こうした行為を待ち望んでいたと自ら言っているようなものだった。
ゆるゆると撫でられて、腰が反射的に動きそうになったが、自分の感情にも身体の反応にも素直になれなく、身体を強張らせながら、性器を弄ぶ男の手首を強く握る。
だが、どれくらいか身体を撫で回されるうちに、脳が麻痺して、自分が本当はどうしたいのかも解からなくなった。

いつしか男の手首を握っていた手の力は抜け、その愛撫に身を任せていた。
潤滑油で濡れた男の指先が性器の先端を撫でると、溢れ出す体液と混ざり音を立てる。

「ぁ、・・・・・ヒっ、・・・・ぁ・・・ああ、・・・!」

息が辛くて、胸が激しく上下する。
潤滑油と精液で滑る下半身が、どうにかしてくれと叫んでいるのが解かる。
腹の中の疼きを一度吐き出しても、止む事のない男の愛撫に、涙が頬を伝う。

316Hold Onto 12/14 :2012/05/18(金) 14:37:50.55 ID:/nUABFp50
pillowを抱き締めながら肩を震わせ、彼の指の感触に必死に耐える。
本当は声を上げて、助けを求めたい衝動に駆られたが、こんなにも快感に喘いでいる自分を知られたくなく、声を上げないようにした。
だが、全てを押さえ込む事は不可能で、彼の指が熱を溜めた腹の奥で蠢く度に、嬌声が漏れてしまう。
やんわりと、だか、的確に前立腺を押され、激しい疼きが下腹部を襲い、びくりと身体が戦慄く。
痺れるような快感は、刺激される度に身体中を駆け回り、押さえ切れない悲鳴にも似た声が喉を突いた。

知り尽くされた身体は、自分の意思ではどうにも出来ない。
声を上げずにはいられない。
おまけに、潤滑油と愛撫によってゆるくなった穴は、すんなりと男の指を何本も咥え込んでいた。

「・・・・ぅああ、・・・あ・・・・、そこ、・・・ぃ・・・・嫌だ・・・ぁあ・・・・っ」

狂ってしまう。
これ以上されたら、心が狂ってしまう。
こんなにも優しく愛撫されたら、罪悪感も感じなくなってしまう。
彼の感情を裏切った愚かな自分が許せないのに。

317風と木の名無しさん :2012/05/18(金) 14:41:44.36 ID:PJbCSjfT0
お帰り!支援

318Hold Onto 13/14 :2012/05/18(金) 14:43:11.91 ID:/nUABFp50
なのに、身体は反応してしまう。
このままでは罪悪感も感じない最低な自分になってしまう。

そんなのは嫌なのに。

「Fern@ndo・・・・・、そんなに強く握ったら、私の腕が折れてしまうよ・・・・」

腰を持っていた彼の腕にしがみ付いていた。
それまで抱きかかえていたpillowから手を離し、縋るようにその腕に手を伸ばしていた。

飲み込みきれない唾液の溢れた半開きの口は荒い息を吐き出し、まどろんだ目から涙が溢れる。
身体中が熱くて、肌が真っ赤になっていた。
勃起した性器は、今にもはち切れそうなほど怒張し、もう罪悪感など感じる余裕はなかった。

浅はかな自分は、この男の事以外、もう感じる事が出来なかった。

「S-Stef@no・・・・・」

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

319風と木の名無しさん :2012/05/18(金) 15:24:34.96 ID:M2atJgX8O
支援

320風と木の名無しさん :2012/05/18(金) 17:01:52.55 ID:xn+Y4qd4O
たまらん!四円

321風と木の名無しさん :2012/05/19(土) 22:47:37.39 ID:REM094vZ0
しえんぬ

322風と木の名無しさん :2012/05/19(土) 23:10:37.76 ID:Xp1MWffw0
この前もだけど中断が絶妙な寸止めだ

323Hold Onto 14/14 :2012/05/21(月) 00:33:03.37 ID:E8Faf8/E0
>>318の続き。|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

男の首へ腕を回して、しがみ付く。
いや、掬い上げられるように腕を持上げら、腕を回すように促された。
触れた男の肌も燃えるように熱く、身体中が興奮しているのは自分だけでない事を悟る。

男の首元に顔を埋めて、鼻先をすり寄せた。
香水の混ざった体臭が鼻腔を擽り、盛りのついた動物ように息を荒げる。
体温によって増したその匂いが、既に興奮しきった身体を更に興奮させた。

「・・・はっ、・・・・・・あぁあ、・・・ぁ・・・・ぅあっ、・・・・っ!」

腰を打ち付けられ、身体が激しく揺れる。
狂ってしまいそうな快感に、奥歯を砕けそうになるほど強く噛んだ。
嬌声と一緒に女々しい感情を口から出ないよう、最後の理性がぎりぎりのところで押さえ込んだ。

本当は叫んでしまいたかった。
誰かに言える関係でなくとも、こうして愛されている事がどれほど幸せかを。
その相手が彼であった事の喜びを。

324Hold Onto 14.5/14 :2012/05/21(月) 00:39:51.82 ID:E8Faf8/E0
それなのに、こんなにも愛していくれる彼をほんの一瞬でも裏切ってしまった自分。
そんな愚かな自分も含めて愛してくれる男に、愛してるなどと簡単に言える訳がない。
言う資格もないのに、それでも、願ってしまう。

「・・・・Stef@no、・・・・・・」

離さないで。
どうかこんな愚かな自分を捨てないで。
腹の奥を抉られる快感にうなされた脳が感情を麻痺させ、醜くて愚かな自分を蔑む事が、もう出来なかった。

だらしなく開く唇を押し付ける。
受け入れようともしなかった彼の唇に。




絡まる舌が熱かった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

ナンバリングが上手くいかず、14.5になってしまいました。すみません・・・・

325風と木の名無しさん :2012/05/21(月) 05:59:06.10 ID:2m3CIq+mO
ド〆眉に見事ハマった。
こんなにも良かったのか!!
会長に淡い片想いしてるのもポイントですね!!

326風と木の名無しさん :2012/05/25(金) 22:56:51.98 ID:Nm5ffEOK0
>>303
いつもありがとう!
2人は青心結成時のことを「同時期にそれぞれのバンドがなくなって…」
なんていかにも嘘くさい話(笑)にしてるけど、
やっぱり略奪婚≠ンたいなもんだからだよね。
まぁ、それからずっとラブラブなんだからほんとに良かった良かった。

327Mon Dieu! 1/2 :2012/05/30(水) 23:58:14.57 ID:KYsdzys60
語学教授×某出版社編集者。エロはありません。
元ネタは某社の某粒焼き。元同じ学部にいた、という設定にたまらなくなりました。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

パソコンのエンターキーを押したあとに、保存をかけた。マッキントッシュのディスプレイでくるくる回り続けるの虹色の丸を眺める。
向かいの机からはキーボードを強く打つ音が、隣からは印刷所とのやりとりだろう電話の話し声が聞こえてくる。
会話の中味は、それとはわからないように体裁を整えられた懇願と怒号だ。
定時を過ぎたというのに、帰ろうとする者はいない。当然だ。校了までの残り時間は少ししかないのだから。
男はしばらく悩んだあとに、片手に煙草の箱とライターをつかんで立ち上がった。
どうせまだかかるのだから、この待ち時間を無駄にせず、一息つくぐらいの余裕が心に必要だ。そう自分に言い訳して外へ出る。

家が近いということが会社に知られているため、時間を問わず便利要員としてつかわれることが多い。
別段、家が近いからといっていつもそこにいるわけでもないのに、連絡がかかってくるのはたまらなかった。無論、職業柄しかたがないことだろうが。
今日は終電か、それとも徹夜してオフィスで仮眠をとったあと一度家に帰るか。
ポケットから携帯を取り出し、時間を確認する。24時を過ぎたばかりだった。すぐに会社に戻って帰り支度をすれば間に合うが――終電はやめだ。今日は泊まり込んでやる。
そうと決めれば気持ちが落ち着いた。一服のついでに、腹ごしらえをしてしまおう。そう考えて夜の街を見渡す。
この時間にもなると、空いているのはコンビニかラーメン屋ぐらいだ。
そばが食べたいような気がしたが、どうしてか蕎麦屋は店じまいが早い。昼によく行く店の暖簾はとうに仕舞われていて、冷え冷えとした暗闇をこちらに向けていた。

月は雲に隠れて見えない。どういう光の加減か、空に浮かぶ雲は悩ましげな濃い紫色に照らされていた。
舌がもう蕎麦の味で待機してるんだよなあ、と。空を見ながら考えて、これではあまりにひねりがない表現だと男は感じる。
たとえば先生方なら、男は想像する。
自分が勤める出版会社、エロティックな場面が頻繁に描かれるいわゆる成人向けの小説を専門としている先生方なら、どのように表現するのだろうか。


328風と木の名無しさん :2012/05/31(木) 02:14:40.74 ID:kFSzmCix0
?規制入った?

329風と木の名無しさん :2012/05/31(木) 23:04:50.70 ID:hfehbLyR0
たった三レスとかで規制されるとSSスレには辛いよねw
自分も書きたい話有るんだけど三レスじゃ絶対無理

もうちょっとどうにかならんか……

330風と木の名無しさん :2012/06/01(金) 02:21:53.00 ID:CffP7yDNO
予告投下って無し?
「何日の何時頃に何レスくらい投下しにきます」みたいな
こないだオリジナルを投下させてもらった者だけど
後半部分はそうやって投下したからか割とすんなりいけたように思う
といっても5レス程度だったからそれ以上の投下だと上手くいかないかもしれないけど

でも人がいるかどうかじゃなくて書き込み数の問題ならあんま意味ないかな

331風と木の名無しさん :2012/06/01(金) 18:17:07.31 ID:UsIBi9Es0
>>330
自分は予告してくれると嬉しいよ
リアルタイムで読めるし、支援もできるしね

ただ、あんまり続くとまた「ウザイ」とか言う人が出てくると思うけど

332風と木の名無しさん :2012/06/06(水) 15:09:30.97 ID:uNHDqBeRO
スミマセン。>>17です
相変わらず規制が大変っぽいですね…
6レス分を0時前後くらいに投下しようと思ってるんですが大丈夫でしょうか?

333風と木の名無しさん :2012/06/06(水) 15:31:12.25 ID:uNHDqBeRO
思ったんですが、日付跨いでIDが変わる前に3レス
変わってから3レス投下すれば規制回避できるでしょうか?
それが行けるならそうしようと思います。


334風と木の名無しさん :2012/06/06(水) 18:00:19.67 ID:MvpGI6Ti0
>>332
自分はやった事ないから規制回避が可能かはわからないけど
午前0時に全力待機してますので是非投下してください


335風と木の名無しさん :2012/06/06(水) 18:08:18.19 ID:ek9k8PPw0
ばいサルそんなに神経質になることかな?
規制に引っかかるともちろん時間がかかるけど
解除まで40〜1時間も止められるわけじゃない

ちゃんと配慮して人の少なそうな時間帯にやれば
この状況で占有だなんて文句言う住人いないと思う

336元分析官の災難・中編 1/6 :2012/06/06(水) 23:51:11.00 ID:uNHDqBeRO
>>17です。投下いきます。
半生注意。洋画「三ッツョン淫ポッツブル:幽霊プ口卜コル」部ラン卜受け。
前回を前編とすると今回は中編にあたります。
ぬるいエロ描写ありますが本番はありません。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「わぁ……これは、凄いな」
『豪華絢爛』を実現したらこうなる、と言わんばかりの内装や装飾品の数々に驚嘆の声が漏れた。
自室というには随分と広すぎる空間に、実用的とは言い難いデザインの家具や
著名な芸術家の作品やそのレプリカ、備え付けのバーカウンターまである。まさに大富豪の自室って感じだな。
そして気にしまいとしてもつい目が行ってしまうのが、立派な天蓋のついた
キングサイズよりも大きいんじゃないかというほどの大きさのベッドだった。
真っ白なシルクのシーツが皺もなくきちんと整えられている。
もしかしたらあのベッドで……いや、何もそこまでする必要はないさ。僕の任務は彼を足止めすることであって
誘惑することじゃない。イーサン達から連絡がくれば、適当な理由をつけて逃げ出せばいいんだ。
「気に入ってくれたかな?」
背後から声を掛けられて我に返る。僕は素直な感想を打ち明けた。
「あぁ…何ていうか、僕だったらここじゃ落ち着いて眠れないなって」
「実を言うと私もここは普段あまり使っていなくてね…広すぎて。
今じゃすっかり客人をもてなすために精一杯見栄を張っただけの部屋になってしまったよ」
それはもしかして一晩だけの相手と楽しむための部屋ってことだろうか。
確かにこんなところに連れて来られたら完全に雰囲気に流されるよな。
周囲を見渡していると、彼が汚れた上着を脱いで寄越すように言ってきた。
見られては困るようなもの――小型マイクや発信機といったいわゆるスパイ道具――を
気付かれないように別の場所に隠してから手渡すと、彼も自分の上着を脱いで
近くにあった大きなソファーの上に一まとめにして放りやった。
その隙に、チームと連絡を取り合うための小型イヤホンも外しておいた。
顔がかなり近付くから、怪しまれそうなものは外しておくに越した事はない。
これで完全に孤立してしまうけど……まぁ何とかなる。いや、何とかするんだ。

337元分析官の災難・中編 2/6 :2012/06/06(水) 23:53:29.04 ID:uNHDqBeRO
「さあ、こっちでゆっくり私の”拷問”にかけられてもらおうかな」
彼はとてもチャーミングな笑みを浮かべて僕をカウンター席へと誘う。
こんなに整った顔立ちを自分に向けて綻ばせられたら、やっぱり嬉しいというか悪い気はしない。
それは偽りなく表情に出しながら、それでも肝心なところでは流されないように気を付けておこうと思った。
席に座るとグラスにブランデーを注がれる。軽くグラスを交わし、
そのとても上品な香りを楽しみながら彼の自慢話に耳を傾けた。
人生のターニングポイントがいつで、誰と出会ったのがきっかけで、何を目指して今の職業についたのか。
どれだけ努力をして、どんな辛酸を舐めたか。どうやって頭角を現し、何を成し遂げたのか。
確かに長い話ではあったけどなかなかに聞き応えのあるもので、もう少し聞いていたいとさえ思えた。
かなり話術に長けているようで、注意していないと知らないうちに
主導権を握られていた……なんてことになりかねない。
さすがに表でも裏でも手腕を振るっているだけのことはある。いくら好印象な人物に見えても、
目の前にいるこの男はやはり僕達の国の安全を脅かす危険な存在なんだ。それを忘れちゃいけない。
それにしても、イーサン達は無事にサーバーまで辿り着けたかな。何か問題にぶつかってたりしないだろうか。
少し気になって時間を確認しようと腕時計に目を遣る。
「………?」
長針と短針が歪んでいる。規則正しく動いてはいるみたいだけど、針がぐにゃりと歪んでいた。
……いや、針が歪んでるんじゃない。僕の目がおかしくなってるんだ。
瞬きをしたり目を擦ってみたりしても、一向に視界がクリアにならない。
考えてみればさっきワインを一杯飲んだし今もブランデーを飲んでいたけど、
こんなに早く酔いが回ってきたことはない。何かがおかしい。
咄嗟に彼の方に目をやると、顔から物腰の柔らかそうな笑みが消えていた。
「どうしたんだい?そんなに私の話はつまらなかったかな」
「っ……な、にを…?」
何をした、と言いたげな僕の表情を読み取り、彼は突然捕食者のような一面を顕にした。
罠にかかった獲物を前にして、どう料理してやろうか――そんな目で
僕を舐めるように見つめている。

338元分析官の災難・中編 3/6 :2012/06/06(水) 23:56:08.20 ID:uNHDqBeRO
「あぁ、心配しなくていい。毒を盛ったわけじゃない。私は肉体派じゃないんでね。
抵抗されないように……というより、抵抗なんて考えなくていいようにしてあげたんだ」
「抵抗…?」
言葉の意味がよく分からない。どうやら何かのドラッグを飲まされてしまったらしい。
更に良くないことに、さっきから身体を思うように動かせない気がする。
「…まさか…酒……?」
「そうだよ。アルコールに混ぜると効き目が早いし効果も抜群でね。
もうそろそろ身体が疼いてくる頃じゃないかな?」
そう言って彼が立ち上がり、脱力してカウンターに突っ伏してしまった僕の背後に回った。
覆い被さるようにして僕を抱き締めると、耳元に唇を寄せて囁いてくる。
「君はとても魅力的だね……青い瞳が特に綺麗だ」
「ぅっ……!」
吐息混じりに吹き込まれる声につい身体が跳ねそうになる。変に鼓動が早くなってるし、
何だかじれったいような痺れというかくすぐったさを全身に感じた。
これはもしかして、俗に言う『媚薬』を盛られてしまったんじゃ…!?
(マズい……これは本当にマズいぞ…!)
「くっ…!」
僕は歯を食いしばり、何とかこの状況から逃れようと試みる。何でもいいから何かを掴もうと
伸ばした手は空しく宙を彷徨うばかりだ。そんな僕の腕の上を這うようにして彼の手が重ねられる。
手首を掴まれるとそのまま指先、関節、付け根、掌、手首までを丁寧に揉み解され、
いよいよ本格的に変な気分になっていく。ただ手を握られてるだけなのに…何なんだこれ!
「何か探し物でも?」
「ぅあっ!」
彼がそう言って掴んでいた右手を僕の背中に回して固めてくる。いよいよ本当に
身体の自由が奪われるという恐怖と危機感に、僕の頭はしきりにサイレンを鳴らして身体に動けと命令を送る。
でもその命令は末端に行くにつれ散ばってしまい、まるで芋虫みたいにもぞもぞと
身じろぎをするのがやっとだった。そんな情けない抵抗を続けていけばいくほど、
何故か徐々に頭の中がぼんやりとして身体の熱が上がっていくことに気付く。
「……は…っ、…ぁ……」
それが、身体を動かす度に着ているシャツが擦れ合って肌に刺激を与えているせいだと
だんだんわかってはきたものの、もうそれを止めることすらできなくなってきてる。

339元分析官の災難・中編 4/6 :2012/06/07(木) 00:09:43.57 ID:a2G1lBqTO
こんなことしてる場合じゃない。こうしてる間にもイーサン達は危険な状況にいて、
任務を果たそうとしてるっていうのに……なんてザマなんだ僕は…!
「んっ…ぐ、ぅ……っ!」
不甲斐無い自分を責めるように僕は自分の唇を噛み締める。強く噛みすぎたのか血が滲んできた
みたいだけど、その痛みのお陰で流されそうになっていた意識を少しだけ引き戻すことができた。
よし、良いぞ!このままこうしてれば何とか乗り切れるかも――…
「あぁ、何をしてるんだ。血が出てるじゃないか」
「…え…、っっ――っ!?」
突然彼が僕の身体を引き起こしたかと思うと、何と噛み締めていた唇に自分のそれを重ねてきた。
(ちょっ……嘘っ…!?)
驚きすぎて完全に思考が真っ白になってしまう。そのせいで僕の身体から
力が抜けたことに気付いた彼は、傷口を舐めるように舌を這わせてくる。
「ううっ…!」
ねっとりと熱を帯びた舌に触れられると背筋にゾクゾクと電流のようなものが走る。
思わず声を漏らしてしまいそうに開いた唇の隙間にすかさず彼は舌を潜り込ませ、
そのまま僕の口の中を蹂躙する。そうでなくてもギリギリのところで踏ん張ってるのに、
こんなことされたらいよいよ本格的にヤバい。もう彼に身体を支えられていなかったら
とっくに椅子から崩れ落ちてる。
「…っはぁ…っ、はー…」
「……こんなに蕩けてしまって…可愛いね」
愉しそうに笑う彼の言葉を聞きたくなくて頭を横に振る。彼の低く甘い声が
身体の内側に響いて、それにすら感じてしまいそうだったからだ。
彼にはそんな僕の状態がわかるようで、わざと耳元に唇を触れさせるようにして話しかける。
「ねぇ……もっと強い刺激、欲しくない?」
「うぁ……!!」
「身体が熱くて…触って欲しくて堪らないだろう?」
そう言いながら彼は僕の胸の辺りをゆっくりと撫でていく。
シャツの上からなのに、直接触られてるみたいに熱かった。
「っは、あ…っ、ぁ」
もう声を抑えることもできなくなって、彼の手の動きにつられて身体をビクつかせる。
でもその手が遂にベルトにまで伸ばされたのがわかるとさすがに黙ってはいられなかった。

340元分析官の災難・中編 5/6 :2012/06/07(木) 00:12:01.12 ID:a2G1lBqTO
「あ…!そこ、は……っ!」
「何?……あぁ、ここじゃ嫌なんだね。気が付かなくてすまない」
「…ちが…っ、いや、だっ…!」
「わかったわかった。それじゃあベッドに行こう。連れて行ってあげるよ」
「――――っ!!」
(絶対聞こえてるくせに!!あぁもう、ホントにヤバいって…!!)
彼は力の入らない僕を難なくひょいと抱えてバーカウンターから例の大きなベッドへと歩き出した。
こうして冒頭の状況に至るわけなんだけど……長官、大ピンチです。
僕はかつて現場のエージェントとして様々な経験を積み、幾多の困難を
乗り越えてきたつもりでいましたが、こんな状況に陥ったことはありません。
今にも僕に(そういう意味で)襲い掛かろうとしているターゲットと、
そんな彼を前にして全く身動きを取れない僕。
一体どうやってこの危機を切り抜ければ良いのでしょうか。
もう今の僕の状態では正常な判断を下せそうにありません…!!
「さぁ、これから長く楽しい夜を過ごそう……君と私の二人だけで」
僕をベッドに横たえた彼はまたキスをする。それと同時にワイシャツを脱がされ
胸元をすっかり曝け出されると、室内の空気が火照った肌に心地良い冷たさを与えてくれた。
でもそれはほんの一瞬で、彼の掌が僕の身体のあちこちを撫で回し始めれば
またあっという間に体温が上がっていく。
「う――あ、っは、あ…っ」
どうやら彼も本腰を入れてきたみたいで、さっきより手つきが容赦ない。
少し気を抜けばあっさりと限界に達してしまいそうだ。彼がキスをやめて
首筋や肩に口付けをし始めた隙にまた唇をきつく噛み締めて、どうにか正気を保とうと試みる。
糸よりも細そうな、今にも切れてしまいそうななけなしの理性だけど。
「そろそろここも構ってあげないと可哀想だ」
「えっ、あ、そこは…っ!」
完全に不意を突かれ、僕が反応するより早く彼の手が下着の内側に入り込む。
いきなり直に触られるなんて思ってもみなかった僕はつい大きな声を上げてしまう。

341元分析官の災難・中編 6/6 :2012/06/07(木) 00:15:03.97 ID:a2G1lBqTO
「あっ、嫌だっ!!止めっ…!!」
「凄く熱くなってるね……このままじゃ辛いだろう?イかせてあげようか」
「うぅうっ!」
こんなところでこんな奴にイかされるなんて冗談じゃない!
今まで以上に激しく首を振って拒絶を示すけど、当然聞き入れられるはずもなく。
彼の長い指が既にいっぱいいっぱいな僕のモノにするっと絡められ、解放させるように
動きだすともう僕は情けなくも懇願するしかなかった。
「あ、ぁ、や…だっ!やめ、もぅやめ……て、っ…!!」
「ふふふ…そんなことを言われたら余計止めてあげられないよ」
「ぃ…あぁっ!うぁ、そんな、やっ…ぁ……もう…っ!!」
もう駄目だ…おしまいだ。最悪だ…!
目の前が真っ暗になる感覚に襲われて、僕は泣きそうになった。

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

思ったより長くなりそうなので続きはまた後日投下しにきます。
日付跨ぎ作戦上手くいったみたいで何より。

342風と木の名無しさん :2012/06/07(木) 00:56:15.95 ID:tz6+tNQa0
>>341
たいへん禿げました
ありがとうございます
続きお待ちしてます

343視線の先、嫉妬 1/5 :2012/06/07(木) 05:53:09.51 ID:XtXfqYhJO

手間取ってしまった前回に引き続きネタを投下
前の投稿に支援して頂いた方有り難う御座いました

生モノ注意、忘れ欄姐よ 四弦×六弦&唄 ※微えろ風味

盤ド同名曲のM.Vを観ての勝手な創作捏造ネタ
あれを見たら妄想が膨らみつつ30代の学ラン姿が可愛くてもだもだします


|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


日射しが強く何もかもやる気を失せてしまう蒸し暑い夏の放課後、
今日も彼は男子トイレの窓から覗いてあの娘をじっと見ている。
毎日そんな行動を続けては他は特に何もせず俺はよくやれるなと思っていた。
芝ちゃんが何時も見つめてる先は何処でも視線の先が一緒で例え嫌でも気づくらいで。

その彼女は彼氏持ちで無理だってわかってる筈なのにそれでも彼は姿勢を崩さない。
あの娘と彼氏二人はしゃいでる姿を真顔で見つめてる

344視線の先、嫉妬 2/5 :2012/06/07(木) 05:54:54.99 ID:XtXfqYhJO
芝ちゃんの顔が俺はどんな気持ちで汲み取る事も出来ない。

何故だかそんな芝ちゃんに胸が痛むのがここ一番の悩みで
うっすらとは気づいていたものの何故かわからない振りをして
この先もきっと芝ちゃんには言う予定はないつもりだった、のだけど。

部活であの娘を見てたら不良二人組に絡まれて殴られて倒れた芝ちゃんを
フェンス越しに見つけてその場に一緒に居た坂多くんと保健室に運んだ。

ベッドに寝かせた芝ちゃんを見てる隣で坂ちゃんがわけのわからない儀式を始める前に先に帰らせて
殴られた衝撃で記憶が飛んだ彼を意識が戻るまで側につく。
鼻血を出してティッシュを鼻に詰めた芝ちゃんのことが少し情けなくも俺は好きだった。

「さっき好きな子と彼氏がキスとかすんの、見ちゃってさ…ショックだった」

坂ちゃんが居ない事は気にしないようにぽつりと呟く、
起きて口先から出た芝ちゃんの言葉が悲しくもまた哀愁が漂う。

345視線の先、嫉妬 3/5 :2012/06/07(木) 05:56:21.55 ID:XtXfqYhJO
俺も芝ちゃんが見てたあの娘がいいムードで彼氏と唇を重ねた後
照れ笑いしていたのを遠くからでも見えていたから同情すると共に
想いが崩れそうな彼に掛ける言葉も見つからない。

そして次第に芝ちゃんの好きなあの娘に腹が立っては彼の中からあの娘を
吹き飛ばすように気づけば目を閉じて芝ちゃんを相手に同じことをしていた。

突然の行動に吃驚した芝ちゃんの学ランに手を伸ばし中のYシャツごと捲って胸元を撫でながら片手を下の方に移動する。
ズボンの中へまさぐって弄ると芝ちゃんのは抵抗する言葉と裏腹に徐々に
膨みつつ息が荒くなるにつれて俺を見る芝ちゃんに流石にこれはもう我慢は出来なくて。

「楳柘くん何っ…ふざけんなよやめろよ」
「芝ちゃんはただあの娘のこと思っていればいいから、」
「ッ―?!」

俺は頭が悪いからこんなことしか出来なくて芝ちゃんの中からあの娘を完全に忘れさすことなんて出来ないけど。

346風と木の名無しさん :2012/06/07(木) 06:10:58.72 ID:POPXKE5z0
支援

347視線の先、嫉妬 4/5 :2012/06/07(木) 07:42:29.05 ID:XtXfqYhJO
反応して悶える芝ちゃんが想う彼女に嫉妬して
しまいそうだ、テンパって俺に身を預けて
徐々に余裕がなさそうになった所を見計らって頬っぺた
にキスして舌も使いながら愛撫し勢いをつけていく。

擦り上げていくともう駄目だと震える声で芝ちゃんが言うから、
イって出してもいいよと言わずにただ手を激しく上下に扱くと耳元で
聞こえるぐらい喘ぐとそのまま俺の掌に吐き出した。

「っ、楳柘く…ん……」

俺の名前を呼ぶ前にぱくぱくと別の名前を呼んだ気がしたが純粋に聴こえない。
芝ちゃんの液体は綺麗で果てた後息をゆっくり吐く細い体を抱き締めれば
芝ちゃんが余韻に浸る間もなく我に返った途端突き放す顔は意外にも恥じらう乙女のようだった。

「…芝ちゃん気持ちよかった?」
「何で…楳柘くん……」

348視線の先、嫉妬 5/5 :2012/06/07(木) 07:47:15.57 ID:XtXfqYhJO
「ほんと、何でだろ。芝ちゃんが好きだからかも」
「好きだからかもってこんなこと普通しねえよ…」
「キスとかエッチとかそういう好きだってこと?俺は別に芝ちゃんとなら出来るよ」
「ばっ、楳柘く…なに言ってんの!?」

だったら試してみようか、そう言って笑った俺に尚更赤面する芝ちゃんは
今時こんな純情でやはりあの娘には勿体無いなあなんて思う。
そしてこれから俺の気持ちを少しずつでも芝ちゃんに伝えようと、も。

その後はあの娘に見事に自然消滅した失恋から自棄を起こして叫びながら
ライン引きを持って走る芝ちゃんの後をスーパーカブで笑顔で追っ掛けて
学校のグラウンドをぐるぐる廻ると芝ちゃんが白線文字で「スキ」と書いた。

芝ちゃんの告白はあの娘はきっと知らないまま彼氏と宜しくしていくのだろう。
芝ちゃんの気が済むまで付き合ってそれからちゃんと改めてまた告白し直そうと決めた。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

349風と木の名無しさん :2012/06/07(木) 13:39:14.04 ID:+Xa5WlZS0
>>343
日本語でおk

350風と木の名無しさん :2012/06/07(木) 18:18:05.23 ID:0f+v4zWP0
  / _,   ,_ ヽ  / ヽ ○    \ l
 /   C    C  ヽ /   'l   ̄ ̄ _/
 |      | ̄|    |
 'l     /  'l   /
  \    ̄ ̄ ̄  ノ
     ( ̄ ̄ ̄ 彡 _/ヽ_ ヽヽ    / ヽ
      '――― 彡 \   / | |  | ̄|    |
              //\|  ノノ /  'l   ./
                      ̄ ̄ ̄  ノ

351終わらない唄 :2012/06/10(日) 23:58:33.13 ID:jVEkeAzz0
ナマ注意、エロ注意。
元青心・高低、現原人バンド唄×六弦です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


カラダの芯が、奥が、甘い疼きに震わされる。脳が蕩けそうだ。
意図せず漏れた吐息は、自分自身のものとは思えないくらい甘ったるく
て少し恥ずかしい。
だから、片隅に残った理性で、こんな声を出すまいと口を噤んで我慢し
ようとしたけれど、それを許してくれないおまえの指が背後から歯列を
割って俺の口に入り込む。細長い指は舌の上をゆっくりとなぞり、それ
から口内をくまなく侵してゆく。

背中で感じるおまえの肌の温かさ。カラダの中に与えられる熱さ。絡み
つく長い腕に捕まえられて、もう片方で口の中まで侵されて、自分では
どこにも行き場がない。視界も濡れて霞んでいる。
今は、おまえが俺の全部。
「ねぇ、声、もっときかせて…」
背後からおまえは俺の身体に肌を重ねたまま、耳元に顔をうずめて囁く。
子供がものをねだる様な甘えた声で、俺の口に入れた指を掻き回す。

カラダの奥深くまでおまえの存在を感じさせられる。
強く抱きしめられて、重なった肌が一つになる。
全部、おまえのものにされる。
耐えきれずに押し出された声は、もう止める術もなく、きっとおまえの
欲しいままにおまえの好きなだけ鳴かされるんだろう。

欲張りな奴だ。
我儘な奴だ。
ああ、可愛い奴だな。

蕩けた頭で、ぼんやりと思うのはそういう幸福感。おまえの事だけで身
体も心も一杯にされるのは、どういう訳かたまらなく気持ち良いんだ。
多分俺はおまえになら、今の感覚なら、殺されたって嬉しいんじゃない
だろうか。なら、殺され続けているのかもしれない。
おまえの熱がいっそう高まって、いっそう激しく揺さ振られて、掻き消
えそうな意識の中で、おまえに捕まえられている感覚だけを望んでいた。


352終わらない唄2/3 :2012/06/11(月) 00:01:18.76 ID:bxX6KHVv0
すみません、↑の書き込みは「終わらない唄1/3」です。

「…ばーか」
死んだ後みたいな凪いだ時間がやってきて、おまえは満足そうな顔で、
ベッドに身体を横たえている。
気だるさと冷静と余韻の中、俺は自分自身とおまえに呟いた。
どうして、なんだって、俺とおまえはこんななんだろうか。
上体を半分起こして、肘を付く。
俺の腰に腕を巻いて、うとうとしているおまえが、よく見える。
「ヒ××、」
おまえの名を呼んだけれど、おまえは聞こえていないみたいだ。
「――!」
急に、たまらなく、胸が熱くなった。
「ヒ××、ヒ××…」
おまえの頬を覆うように手の平を当て、親指でゆっくりと撫でてやる。
おまえは、夢うつつで鼻を鳴らして、目を閉じたまま笑った。

俺は、おまえがいとしい。おまえが、いとおしい。
確かに俺はおまえが好きだ。けど、“好き”ってこういうものだったのか
な。今までの、俺が知ってるどんな“好き”とも違う感じなんだ。
この感情を表す言葉が、見つからないんだ。
どうすればいい、もし、これを唄にするとしたら?
どういう唄が出来るだろうな?
いつだって、どんな時だって、俺とおまえは出会ってからずっと一緒だっ
た。なのに俺は未だ、全く色褪せる事のないひどく鮮やかな想いをおまえ
に抱いている、こんなにも。

ハ××ン・ウルフやキ×ス・リチ××ズになら抱かれても良い、なんて全
く考えた事もないけれど、どうしてだろうなあ、おまえには。同じ時代で、
同じ場所で、共に生きてきたから?否、そんな単純な理由じゃない。
やっぱり、おまえは特別なんだよ。俺はどうしようもなくおまえに惚れて
いるんだ。
…なんだ、結局ものすごく単純じゃないか。

アナタとひとつになる事が悦びです、なんて宗教じみた考えはゴメンだ。
でも、おまえと融け合うと、たまらなく満たされる。理屈はそこには何も
ない。
そうか、そうだ。


353終わらない唄3/3 :2012/06/11(月) 00:02:08.73 ID:bxX6KHVv0

「マー××…?」
どうしたの、と目を覚ましたおまえが、俺を抱き寄せる。
額に、瞼に、頬に、首元に、くすぐったい位のキスが降ってくる。
それから、ちょっとおまえは考えて、こんなこと言うの恥ずかしいんだけ
どね、と前置きして言った。
「マー××は、僕のどこが好きなん?」
俺は、おまえがまどろんでいた間に思っていた色々な事を、ストンと心に
収めて、言った。
「全部」

…自分から聞いたくせに。おかしいおかしいと慌てるおまえの身体を俺は
軽く押して、仰向けに転がした。
そしてその上に跨って、おまえの胸に両手を付いて見下ろしてやる。
「…?」
俺は自分じゃとても良い笑顔をしたつもりだけれど、どうやら悪いニヤケ
顔だったみたいだ。おまえは一瞬きょとんとして、俺の意図を理解すると、
若干怖じ気づいた様子でごくんと喉を鳴らした。
それを見て、俺は口の端を吊り上げる。
何だかとても良い気分だ。
「な、もう一回やろうぜ?」
だから、今夜はおまえの方が動けなくなっちゃうまで。
精一杯、尽くし込んでやるよ。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

前スレ終盤から時々投下させて頂いていましたが、多分ここに投下するのは
これで最後です。読んで下さった方、どうもありがとうございました!!
もしどこかで見かけましたら、また宜しくお願いします<(_ _)>


354風と木の名無しさん :2012/06/11(月) 10:25:55.27 ID:bRTG48JuO
いい加減サイト作れば?

355風と木の名無しさん :2012/06/11(月) 15:25:03.15 ID:x6E1raaLO
サイトを作る作らないは自由。作らないとは一言も言っていない。お節介ありがとう。
ここに投下するのが最後というだけです。


356風と木の名無しさん :2012/06/11(月) 20:17:53.01 ID:1gfMv8y80
よかった!大嫌いでした!

357風と木の名無しさん :2012/06/11(月) 23:02:59.96 ID:bXFSehaRO
確かにかなりウザかったけどw
まぁ良いじゃん、もう投下しないって書いてるんだし

358風と木の名無しさん :2012/06/11(月) 23:49:47.53 ID:bxX6KHVv0
なんていうか、興味無ければスルーでいいんじゃん
この話もこれの前の話にも投下者に対して失礼なコメが続いてるけど、恥ずかしい読み手がいるなあこの過疎スレ

359風と木の名無しさん :2012/06/11(月) 23:56:44.95 ID:0AzJvJF10
興味ないもの次から次へと叩くのはこのスレの存在
そのものを潰したいんだとしか思えん
どんだけ過疎らせたら気が済むんだお前ら

360風と木の名無しさん :2012/06/11(月) 23:59:25.05 ID:bxX6KHVv0
ウザくてすいませんw
楽しんで書かせてもらっていたので。ありがとうでした。

361風と木の名無しさん :2012/06/12(火) 00:31:05.87 ID:efdWGW140
すごく萌えたありがとう!
の気持ちも、>>360みたいな煽りレスされると一気に萎えるわ
失礼な荒らしレスをスルーできない奴も荒らしなんですよ

362風と木の名無しさん :2012/06/12(火) 00:57:16.71 ID:5TqYZn4mO
>>336
ちょw久々に来たら投下されてた!
前回の感想を遅れまくりで恥ずかしいので絡みスレに書いた者です
萌えました!!
ドジっこ分析官可愛いよ可愛いよ
続き楽しみにしてます!!!

363風と木の名無しさん :2012/06/12(火) 01:16:47.88 ID:arPXu8Ku0
>>360
ヽ||||//ノノ 毎回楽しみに読んでいた人もいるのを忘れないで欲しいお。
|___| 所々盛り込まれるファンにしかわからないネタにはいつもにやにやしてたお。
川´_ゝ`) 本当に楽しませて頂いたお。お疲れ様だお。
       今までありがとうございました。 

364風と木の名無しさん :2012/06/12(火) 01:53:27.95 ID:7b7UnWFf0
うわあああ
ずっと楽しみに読んでたのに最後に砂掛けられちゃった気分
一気に萎えた。もう読み返さない

本当に>>355>>358は作者本人?嘘だと言って…

365風と木の名無しさん :2012/06/12(火) 08:17:17.30 ID:EHhDYa8u0
砂かけはどうかと思うが、文句つける人いい加減にどうにかできないかね
テンプレに『見たくなければ自分がスルー』ってもっとはっきりした文言入れて、>>1で済むようにするとか

長編を投下する人が、毎度毎度くだらない言いがかりされるの見るのもう沢山だわ
ってか、文句付けてんの同一人物じゃないのかと疑いたくなる

366風と木の名無しさん :2012/06/12(火) 18:37:48.80 ID:xjpcpxNUO
>>365
思ってたこと先に言われたw

>>360
作者、楽しんでる気がするのは気のせい?作品の雰囲気と全然違って驚いたけどネガティブな
レスつける読み手に対して書き手のネガティブな気持ちの代弁かと
じゃなきゃID変わって本人か分からなくなる前に書き込むかな?
ここのご本尊も昔はよく突き放した言動してたしwまあこのスレで煽るのは萎える人もいるしどうかと思うけど…
でも本当に萌え満載でいつも楽しませてもらってた、どうもありがとう

367風と木の名無しさん :2012/06/12(火) 18:46:19.68 ID:sOiU+AaF0
知らないジャンルなら大人しくスルーすればいいのに本当言いがかりつける人増えたな
さるさんもあいまって投下ルールはガッチガチ、文句は言われ放題じゃ投下する方が気の毒だ

368風と木の名無しさん :2012/06/13(水) 02:58:01.76 ID:cuEnO0sxO
>>360
自分も楽しませてもらってた。
あなたの書く二人好きだからもっと読みたかったです。
残念だけど、今までありがとうございました。

369風と木の名無しさん :2012/06/13(水) 14:47:29.12 ID:Ub7EcAJ60
普段読み専ですがたまに投下する側なので、共感出来ます。元青心カプの人も、最後にストレートな言葉を書き手サイド
として言ってくれたと思いました。原因を作ったのは一部の心無い読み手の方なのに、書き手がちょっと言い返しただけで
「萎える」「もう読まない」と言われるのも悲しいです。
そんな

370風と木の名無しさん :2012/06/13(水) 14:51:02.14 ID:Ub7EcAJ60
(すみません、途中で送信してしまいました)

そんな気はないでしょうが、凄く上から目線で言われているようで、書き手って何なのかな・・・と。
楽しんでる他の読み手さんと、萌えを形にしてくれる書き手さんあってこそなので、本当に一部の嫌なレスする人は
自重して下さい。テンプレに「嫌ならスルー」強調する事に賛成です。

371風と木の名無しさん :2012/06/13(水) 15:12:44.49 ID:+II8xycf0
>>369
>荒らし・煽りは完全放置。レスするあなたも荒らしです。
っていう大原則があってな
「書き手ならちょっと煽るくらいしてもいいじゃん」
っていう>>369の言い分も上から目線だってことに気づいてほしいわ
失礼なレスする人も、それをスルーできない人も、いい大人なんだから自重してね

372風と木の名無しさん :2012/06/13(水) 15:38:15.38 ID:7HKZWEeh0
> 「書き手ならちょっと煽るくらいしてもいいじゃん」

どう見てもそんなことは言っていないと思うが…
あまりにも曲解に過ぎないか

まあ、ただここでこれ以上話し合っても無駄というのは同意なので
意見がある人は保管庫の掲示板に移動してはどうだろう

373風と木の名無しさん :2012/06/13(水) 18:13:14.82 ID:aZAdKXqO0
あっちに移動しようとしたら
500Internal Server Errorで書き込めないんだけど、私だけ?

374風と木の名無しさん :2012/06/13(水) 18:33:10.56 ID:DBVEfL5UO
>>373
ノシ
自分だけじゃなかったのか
となると、ここでやるしかないのかな

375風と木の名無しさん :2012/06/13(水) 20:29:36.83 ID:CiswhJK7O
るなどんの人より数倍ましだと思ってたよ
サイト持ってるくせに目立ちたいからここに宣伝投下して
ここのまとめサイトを自サイトの別館のようにアナウンス
本人と名乗ってるときは行儀いいことばかり言って
名無しのときに酷い煽り愚痴貶しやってた卑怯者書き手だったから
今回の人のが数倍まし。まあ名無しでまだスレいるかもしれないけど

376風と木の名無しさん :2012/06/13(水) 21:06:42.80 ID:aZAdKXqO0
>>374
やっぱり鯖落ちか…管理人さんも不在っぽいし、仕方ないね

んじゃ向こうに書こうとした事↓ 書き手としての一意見ですが

自分も書き手だけど、本スレの>>371にマルッと同意
スレのテンプレ以前に板トップに書いてあるじゃん
「荒らし・煽りは完全放置。レスするあなたも荒らしです。」 って。

そもそも2ちゃん(厳密には違うけど)に書き込む以上
批判も煽りもドンと来い!ぐらいの心持でいないとねー

とりあえず今回は、煽った方も痛いけど
それに負けず劣らず、投下者も痛かったってことで
双方痛みわけで終了でいいんじゃないの?

377風と木の名無しさん :2012/06/13(水) 21:48:04.57 ID:p6zvWO240
うん、もう終了でいい
書き手は賞賛も批判も承知で投下、読み手は好きCPにヒャッホーして嫌いCPはスルーする
2ちゃんだもの

378風と木の名無しさん :2012/06/13(水) 22:05:01.33 ID:JYHWZez80
だね。書き手は公共の場である以上節度を持って投下、読み手はスルー徹底
それでいいじゃん

379風と木の名無しさん :2012/06/13(水) 22:11:00.33 ID:nrzDSCfE0
自分もここには投下したことないけど、サイトしてた時には批判もあったから、
嫌ならスルーしてよ…の気持ちはわかるんだけど、やっぱり言い返したら負けだと思う。
自分のサイトなら自分の問題で済むけどここは私物じゃないから余計に。
あー煽りに乗っちゃう人なんだー、ってがっかりする気持ちは出ると思う。
(それを言うのもどうかと思うけど、今は意見ということで容赦してください)
>>376も言ってるけど万人に見えるところにあげる以上多少の覚悟はいると思うし、
煽りと同じ場所に落ちて欲しくないなと思う。

380379 :2012/06/13(水) 22:11:43.45 ID:nrzDSCfE0
むしかえした!ごめんなさい!

381風と木の名無しさん :2012/06/13(水) 22:35:13.64 ID:7HKZWEeh0
避難所書けなかった。確認せず誘導してすまん


「お客様は神様だ」と客が言ってはいけないように
「読み手の煽り位スルーしろ」と読み手が言ってはいけないのでは

作品に対する感想が批判的なのはもちろんありだと思うけど
ルールを守って投下している人に「うざい」「サイト作れ」という煽り・言いがかりを一緒にしたくはない
gdgd絡めとは言わないが、ルールとして禁止できたほうがいいのでは?

というわけで、>>2
※ルールを守っている書き込みが気に入らない場合は各自スルー
を入れることを提案
ごく当然のことだが、ごく当然のことが出来てない人がいたときに、>>2で済むようにしたい

382風と木の名無しさん :2012/06/13(水) 22:37:37.57 ID:7HKZWEeh0
ちなみに>>381での「読み手」というのは
「言いがかりをつけられた当該の作品」の読み手な

ここに作品を書いたことがあるかないか、の話をしているわけではないので補足しておく

383風と木の名無しさん :2012/06/13(水) 23:27:36.96 ID:NVV3TkU20
>>381
たとえになってない
「お客様は神様だ」=個人の主張
「煽り位スルーしろ」=板のルール
ずれた擁護はいらない、どっちも痛いで終了

384風と木の名無しさん :2012/06/13(水) 23:43:14.65 ID:aZAdKXqO0
いやまぁ>>381の言い分もわかるよ

でも今までだって色々テンプレ変えたりしてきたけど
結局、絡む人は絡むんだよ
テンプレでいくら禁止したって、書き込み自体を止める事はできないからね

>書き込みが気に入らない場合は各自スルー
ってのはもうテンプレとかルールとかいう以前の
2を使う上での暗黙の了解みたいなもんだしね

385風と木の名無しさん :2012/06/14(木) 03:14:34.02 ID:m7uzRolr0
イベントでA×B王道ジャンルでのC×Aサークルなどだと
スペース前で「えー何このカプ信じらんなくなーい」「最悪ー」とわざと本を指差して嘲りながら通りすがる馬鹿もいるんだからさ
こんな掲示板ごときのクズ人間の発言で心痛めてたら、同人はやってけないよw


386風と木の名無しさん :2012/06/14(木) 03:16:04.74 ID:ojpk/Gk10
ずれていないと思う
ルールは>>2に書いてあるもんで、
そのルールを超えたところで主張される「うざい」「サイト作れ」はまさしく「個人の主張」じゃないの?

「気に入らないものをスルー」は2chを使う上での常識だけど、
それを「うざい」「サイト作れ」って言っている人は守れていなくて、
そういう人が以前から多発するのがそもそも問題の根本でしょう

今回反応してしまった書き手の人を擁護する気はないが、どっちが痛いとかは正直どうでもいい
「2chの常識」を破った人がわらわら沸いてきたのは今回だけじゃない。
問題の長期化を防ぐために、手短に注意しやすくしたほうがいいのではないかと自分は思う

387風と木の名無しさん :2012/06/14(木) 07:32:42.39 ID:B6+w4qJv0
>>384
だよな
スルーは2ちゃん第一のお約束なのにそんなんテンプレに書いても意味ないって
書いてあろうとなかろうとやる人はお構いなしなんだから

そんなことより連投が厳しい現状のが深刻だわ
投下が減ったのもスレのストレスを高めてる気がする
好きなジャンルめがけて行くサイトや渋と違って
思いもよらぬ色んなジャンル・新たな萌えに出会えるここには続いてほしい

388風と木の名無しさん :2012/06/14(木) 09:27:04.06 ID:nk0Qy3EL0
つーか2chじゃないけどね

389風と木の名無しさん :2012/06/14(木) 09:58:36.98 ID:VyP0HMqR0
>>388
それはダストシューターを「ゴミ箱じゃないけどね」と言ってるようなもんだ

自分もたまに投下してたけど忍法帖になってからご無沙汰だなあ
投下代行してくれる人はありがたいけど何度も何度もは気が引けるんだよね
なんとかならんものか

390風と木の名無しさん :2012/06/14(木) 11:01:24.31 ID:1Yw0nItM0
もうひとつのSS投下スレは気に食わなきゃ完全無視らしいじゃん
あれでいーんじゃね
24時間は別の人は投下禁止とカサ

391風と木の名無しさん :2012/06/14(木) 15:48:27.33 ID:lls0X7r10
>>390
気に食わなきゃ完全無視って、そんな当たり前のこと今さら解決策のように言われてもw
しかももうひとつのSS投下スレって一体なんのことだ
801板以外の話か?

392風と木の名無しさん :2012/06/14(木) 16:34:07.10 ID:rfVLudvo0
ふたなりスレかなと思ったけど、今はSS投下禁止なんだね
数字ではここ以外に無いと思うけどな…

それと
>24時間は別の人は投下禁止
↑がわけわからん「同じ人は」の書き間違い?

393風と木の名無しさん :2012/06/14(木) 20:31:35.55 ID:9JV0c0QN0
長くシリーズ化してても全然叩かれない作品もたくさんある。
違いって言ったら投下頻度とか、作者さんが多くを語らないとか、それくらいなんだよね。
それくらいなんだけど、大事な事なんだなーと思う。
棚でしか読めない作品は本当に宝です。

394風と木の名無しさん :2012/06/14(木) 22:07:51.41 ID:xGkrlB5Z0
空気読まずに一言だけ。

>>351
大好きな2人だったのでずっと楽しませてもらってました。
またいつかどこかで読めたら嬉しいです。
ほんとにどうもありがとうございました!




395風と木の名無しさん :2012/06/14(木) 23:46:04.54 ID:Qtq+VGqR0
>>3
> 2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
> つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
> ストーリー物であろうが一発ネタであろうが
> 一見退屈な感想レスに見えようが
> コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
> それらは全てネタ。

396風と木の名無しさん :2012/06/14(木) 23:57:27.26 ID:rnEODRig0
改めて見るとこの>>3微妙だな
変えた方がいいかも
「変なレス・失礼なレスはネタと思ってスルーしよう」
って意味なんだろうけど、
「ネタなんだから作者中傷も煽りもOK、注意する方がおかしい」
って変換して捉えるバカがいそう

397風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 00:05:48.17 ID:brRTec5S0
>>3にそんな意図はないだろうけど、結果的に書き手のみに負担を強いてるよね

無差別爆撃や通りすがり的な荒らしが多い昔のAA板に適した注意書きであって
概ねはマナーを守るが、一人の書き手に粘着するタイプの人がたまに出るという
801板の現状には合わない

398風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 00:20:11.80 ID:vzur2PuI0
え・・・そうかな?ちょっと穿ちすぎじゃない?
書き手のみに負担って、全然そんなことないし
書き手・読み手双方への警句として秀逸だと思うけど


399風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 00:33:23.80 ID:GrslOn8/0
自分も>>3は上手いなあと思ってた

>>397
どの辺が書き手に負担なの?

400風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 00:36:08.96 ID:brRTec5S0
「書き手・読み手双方への警句」だけど、
書き手は半分コテハン状態、読み手はその場限りの名無しだよね
読み手はルール違反承知でいちゃもんでも煽りでも言えてしまう
しかも、粘着する人が出たりして、たびたび似たような問題で場外乱闘にまで発展しているよね

棚のテンプレはAA板のものを流用・改変してるわけだけど
あそこは、上の方にあるスレに無差別爆撃とかが頻繁な場所だった
(現状は知らない。棚のルールが作られた頃ね)
そういった荒らしには「ネタだからスルー」が有効だけど、
こっちの棚の現状は、そういう一回やり過ごせば済む荒らしが問題なのでなく
普段は普通にしている住人による、ルール違反承知の言いがかりが問題ではないかと思う

板状況が違うんだからテンプレを分かりやすくしようというのが、そこまで穿っているだろうか?

401風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 00:51:16.35 ID:brRTec5S0
追記。そもそも、801板のネタ系スレは、どこも
「他人の萌えにケチをつけない」旨のルールが明文化されてるところがほとんどだと思う
そういったレスをした人間は、簡潔に注意されるようになってるところが多い

棚は他のネタ系と違って、作品の出来不出来に関する内容まで締め出すのは問題があるとは思うけど
それ以外の言いがかりについては、明文化による禁止があっていいと思う
そりゃ禁止したってする人間はするけど、
「ローカルルールによって禁止されている行為」という重石があるかないかでは
その後の展開が違うし、だからこそ多くのスレで取り入れられているのでは?

何より、この手のことでもめるのは今回が初めてじゃない
何かしら出来る対策をとるべきではないだろうか

402風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 01:06:38.70 ID:2Pf0rRaG0
誰かの萌は誰かの萎え

403風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 01:07:50.12 ID:vzur2PuI0
うん。>>400が棚をすごく大切に思ってるのが良く分かったよ
でもちょっと落ち着け

他のネタ系スレっていっても、棚みたいになんでもありじゃないでしょ?
ある程度嗜好の似通った人たちが集まってるんだから、そりゃ荒れにくいし
いったん荒れても収まるのも早いわな
そことココは同じように語れないと思う

そもそも今回の騒動は、作者が煽りに反応しなければココまで大騒ぎにならなかったでしょ?
煽られるのが嫌ならそれこそ自サイトつくるなり、支部に行くなりすればいいだけでは?

404風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 01:16:03.95 ID:brRTec5S0
聞かれたことに答えて「落ち着け」といわれる不思議
なんか文意の通らないところとかあった?

煽られるのに反応したほうが悪い、という>>403の発言が、自分の言う「結果的な書き手の負担」だよ
反応するのは確かに悪いが、さきに煽るほうだってそれ以上に悪いに決まってると思うんだが…

で、さっきも言ったように、無差別に荒らしていくような嵐と、一人に粘着するような人で
同じ対応で、現状捌ききれていないから何度も似たような騒ぎになると思うんだけど

405風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 01:23:42.33 ID:oSMCFVK20
話を切って申し訳ないんだけど、
>>1とか>>3を引き合いに出す前に

>>2
>相談・議論等は避難所の掲示板で
>http://bbs.kazeki.net/morara/

ってあるんでそっちで議論しないか?

406風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 01:25:16.16 ID:UP9GPl0+0
ネタ系スレって、シチュ総合とかこれだけスレとかでしょ


407風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 01:27:10.77 ID:UP9GPl0+0
>>405
エラー復旧したの?

408風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 01:28:10.85 ID:hxie7/4n0
煽る方がそもそも悪いんだけど、
ルール作っても煽る奴が書き込むことを物理的に止められないから、
じゃあどうすれば煽りレスが書き込まれなくなるの?って思考をしはじめて、
結果、書き手が煽られるような投稿しなけりゃ煽りも消えるんじゃね?と思いつき、
それを書き手に訴えるから、それがまた次の煽りになる

鶏が先か卵が先かみたいな負のスパイラル

409風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 01:34:11.61 ID:GrslOn8/0
どうルール付けしてもアオラーはなくならないから
そこを排除するルール付けは結局意味がない
レスアン付け間違えたアフォの呟きだ思って堪える
たとえ>>3嫁とかしてもアオラーはお返事もろた( ´艸`)としか思わない
いちいち相手をしない以外に解決策はないと思う
良識ある読み手ならそれをちゃんと理解するよ

書き手に厳しいって言われると思うけど
煽りに乗った時点で後先関係なく結局は荒らしだという自覚持って欲しい

それがどうしても負担なら棚投下諦めてくれていい
ていうかそこまで棚にこだわる理由が解からない

410風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 01:35:47.72 ID:oSMCFVK20
>>407
使えないのか
知ったかしてすいませんでした

411409 :2012/06/15(金) 01:36:21.24 ID:GrslOn8/0
>良識ある読み手ならそれをちゃんと理解するよ

は書き手の大人な対応をという意味です

412風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 01:38:42.31 ID:IeWlWCnp0
そうはいっても、このスレ、やっぱ書き手さんがいないとはじまらないから…
某エロパロ版だと、

・苦手だなと思った作品はあえて読まない、批評しない!苦手な作者さんへのレスも同様に!
・感想、アドバイスには作者さんへの配慮を忘れずに

とか

・作者側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、 読み手側には読む自由・読まない自由があります。
 読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
・作者が望んだ場合を除き、感想の範疇を越えた批評・批判は御遠慮ください。
・感想、アドバイスには作者さんへの配慮をお願いします。

という感じで、で付記してあるスレが多いように思うので、
そんな感じでローカルルールに付記してみたらどうだろう?

413風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 01:39:35.77 ID:8CoZsRls0
おまえら深夜まで長文乙

書き手賛江…嫌なら書くな
読み手賛江…嫌なら読むな
これでおk

414風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 01:52:19.23 ID:UP9GPl0+0
煽るやつが悪いとハッキリ書かれてれば
少なくとも>>408のスパイラルは断ち切れるんじゃね
一人二人がぶーぶー言うのは大したことないし防ぎようもないが
そいつらに便乗したり、書き手が悪いみたいに同調しちゃう奴が癌

415風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 01:57:32.10 ID:GrslOn8/0
>>414
煽るやつが一番悪いのはみんな解かってるよ
それの相手をした時点で(同調も否定も)煽りと同等ってこと
書き手であろうが同等に悪い
>>413でいいよ、簡潔で間違いない

416風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 02:06:24.80 ID:brRTec5S0
書き手が反応するのもよくないのはとくに異論ない
>>413がテンプレにわかりやすく追加されればいいと思う

417風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 02:13:03.75 ID:IeWlWCnp0
自分も賛成!簡潔で良いと思うけど

書き手賛江…嫌なら書くな
読み手賛江…嫌なら読むな

書き手も読み手も嫌なら煽りレスに反応しない!
煽りに反応する奴も荒らしです

という感じで、できればあと少し追記してほしい
あたりまえの事なんだけど、守れてない人も多いと思うからさ…

418風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 07:14:49.66 ID:/sVy6eBQ0
テンプレにするには抽象的すぎてないか?
何に対して「嫌なら読むな(書くな)」と明記していないのは
拡大解釈を招いて、逆に荒れる元だと思うんだけど

最後の二行だけでいいと思う

419風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 08:29:40.79 ID:2ZiKWb5g0
愚痴を絡みに書くからやっかいなことになるんじゃないのか
苦情は避難所の掲示板か、そこが使えない場合はちらしへ
とルール化するのはどうだろう

420風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 08:38:02.69 ID:FXdKslAM0
>>419
チラシへの反論が絡みスレに書かれる→以下、絡みで延々…となるので
あまり意味はないと思う

421風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 08:52:36.75 ID:2ZiKWb5g0
>>419
住人にはチラシ反論禁止も同時にあげておけばいい
住人以外の絡みはスルー徹底でいいと思う

昔の棚は〜の思い出がたりと
住人じゃないふりをした嵐は来るとは思うけど
現在の住人じゃなきゃ冷やかし扱いでよかろう

422風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 09:22:34.60 ID:32DuBhcgO
いや、チラシや絡みでどういう感想吐き出すかは自由だと思う(それに反論するかも自由だけど)
本スレに愚痴批判は書かない、よそに書かれた感情を持ち込まない、が徹底できればいいと思う
よそでどれだけうざい、へたくそと言われてようが本スレには関係ありませんよ、って体で

423風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 15:05:00.81 ID:bOqY2PJY0
>>422に同意
というかなんでチラシと絡みの話になってるの?
それはチラシと絡みスレの住人が話し合って決めることなんじゃないの?
このスレのテンプレをわかりやすく変えることには賛成

424風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 19:15:18.42 ID:1CEdfvlV0
煽りもネタ
荒らしもネタ
煽り・荒らしに構うやつも荒らしなのでネタ

読み手は名無しの一発屋だから好きに批判や煽りができると言う人がいたけど
そもそも書き手も名無しの一発屋
同じジャンルだから同じ人とは限らない

>>413
> 書き手賛江…嫌なら書くな
> 読み手賛江…嫌なら読むな
然り
これをオブラートに包んだのが>>3だね

425風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 20:31:27.92 ID:32DuBhcgO
よく>>3のこのスレは全てはネタって部分が取り上げられるけど
そのあとのネタ提供者にはできるだけ感謝をって部分はむしろ忘れ去られてるよな
この場合の提供者って書き手読み手双方を指すんだろうけど

426風と木の名無しさん :2012/06/15(金) 23:53:29.74 ID:vzur2PuI0
自分は>>3は変えなくても良いと思うけどなぁ
言わずもがなの事をあからさまに言うのはカコワルイ

いっそ、期限を区切って多数決でもするかい?>テンプレ改正

427風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 00:07:36.03 ID:PdjYDChb0
自分は変えたほうがいいと思うな
当たり前のことが出来る人ばかりだったらはじめから荒れないよ
「カッコワルイ」というんだったら、何度も同じようなことで荒れてるほうがよほどかっこ悪い

チラシや絡みのことまで言うのは言いすぎだけど

428風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 00:17:09.94 ID:o8ZCc5ij0
当たり前のことをあからさまに記載しても荒れるときは荒れるだろうから
それが一番カコワルイ
記載推進の人は本気で記載したら荒れないと思ってるの?

429風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 00:23:25.09 ID:PdjYDChb0
「それが一番カコワルイ」っていったい何を恐れているのだ…?
書いたほうがいいと思う根拠なんて、ここまで色んな人が色んな角度から書いてるじゃないか
そもそも何度も同じような原因で荒れたから、何か改善できることはないかって話し合ってるんじゃん

逆になんでそんなに現状に固執するかの方が分からない
「カコワルイ」から?

430風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 00:26:20.75 ID:xkx3/DxY0
ルールに則ってネタを投下する書き手は何も悪くない
だから何を言われても堂々としてればいい

要は、こういうことなんじゃないの?
ルールにない曖昧な基準で「空気読め」と言われても
投下する方はどうして良いかわからずに萎縮するばっかりだ
その結果、相当慎重で気を使いまくっている人か
空気を読めない無茶投下する人しか残らなくなる

431風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 00:27:32.37 ID:o8ZCc5ij0
>>429
>>3
>一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。

と、例えば
>>417
書き手も読み手も嫌なら煽りレスに反応しない!
煽りに反応する奴も荒らしです

ってどこが違うの?

432風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 00:32:07.94 ID:PdjYDChb0
>>430 >>431
何を言われても堂々としていろ、という書き手への要求ばかりが先行して
そもそも理不尽なことは言うな、というそれ以外の人への注意が行き届いていない
後者のニュアンスがはっきり伝わる一文があったほうがいいのでは?
ってのが今の議論だと思うんだけど

愉快犯的に言う人は抑えられなくとも、
便乗して言いたいこと言うような住人には一定の抑止力になると思うな

433風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 00:35:08.39 ID:5i/Q52IA0
自分は>>3変えてもいいんじゃないかと思う
注意書きはかっこいいか悪いかでどうこう言うものじゃなくて、
誰が見ても簡潔にわかりやすく書いてあるかどうかが重要だと思うから
普通に

・ルールを守っている書き手やその作品に対して誹謗中傷・煽り・否定意見の書き込みは禁止
・誹謗中傷・煽り・否定意見に対しての反論は書き手、読み手共に禁止
 レスするあなたも荒らしです
 注意する時は完結に「>>2を守ってください」で済ませましょう

とかじゃだめかい?

434風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 00:41:22.77 ID:HQKQQ4rN0
>>432
ルールを守ってる人は悪くない
それは当然のことなんだけど、色々理不尽なことを言われると徐々に不安になってくる
テンプレで「悪くない」と明記されていれば、だいぶ違う気もするよ

435風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 00:42:45.75 ID:o8ZCc5ij0
そもそも、このスレにおいては投稿もネタ、煽りもネタ
読みたくない投稿を読むことも、読みたくない感想を読むことも同じ
いらない長文をスルーしてる読み手も、書いた長文を叩かれる書き手も理不尽に絶えてる
それが嫌なら>>413
煽りはよくないけど煽られる覚悟もないなら自サイト作って馴れ合えばいい

436風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 00:45:23.31 ID:wh24jQJv0
ここでよく言われる「サイト作れば?」も煽りになるのかな
ルールでは、長期連載はダメだとは書かれていないし

437風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 00:50:58.76 ID:3wr277ke0
>>433は分かりやすくていいなあ。自分も賛成
今のテンプレが完璧で十分とは限らないし、変えてみて様子見てもいいんじゃない?

ただ「否定意見禁止」は、見る人によっては作品自体へのネガティブな評価も含まれる、と解釈されそうかも
あまり今まで見たことないけど、ルール的に禁止となるとどうだろう?

>>436
「棚から出ていけ」の婉曲表現だから、自分は煽りだと思ってる
別の作品も是非見たいからサイト教えてください
っていうなら煽りではないだろうけど、それはそれで馴れ合いっぽいし

438風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 00:55:18.37 ID:3wr277ke0
>>435
いらない長文のスルーが理不尽…??
棚なんていろんな人が投下するんだし、全員ルール守ってても当然起きることじゃない?

「ルール違反者に好き勝手言われる」と並べて語ることとは思えない

439風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 01:28:16.57 ID:PdjYDChb0
>>434
自分へのレスでいいのかな? 同意する
はっきり書かれていれば、言われる側の気持ちも多少は違うよね

440風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 01:36:11.68 ID:o8ZCc5ij0
>>438
現状「ルール違反者に好き勝手言うの禁止」ってルールないから違反じゃないけどね
現状の良識に則った約束事では理解できないゆとりばかりなのはわかったから
好きに作って変えたらいいと思うよルール

>>436-437
追い出す意図はなかったよ
メンタル弱い人はこういうとこ向いてないと思ったから言ったまででどっちかというと親切心

441風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 01:59:26.58 ID:ItVCEte70
読み手が興味ない投稿をスルーするのは理不尽
ルール違反じゃないから好き勝手言ってもいい
書き手に「サイト作れば?」は親切心
「良識に則ったルール」じゃ立ちゆかない原因ってこの人なのでは

442風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 05:51:55.50 ID:75OyZbds0
>いらない長文をスルーしてる読み手も、書いた長文を叩かれる書き手も理不尽に絶えてる
まずスルーしてる読み手の話は誰もしてないし、スルーできない奴がいるから
書き手が理不尽に耐えなくちゃいけなくなってるね、って前提すら理解してない様子

つか>>438は「ルール違反者に好き勝手言われる」=書き手がアホな読み手に叩かれる ことを言ってるのに
>>440で「『ルール違反者に好き勝手言うの禁止』ってルールないから違反じゃない」
=読み手に叩かれた書き手が言い返すのは違反じゃない って何の話してるんだ一体
人をゆとり呼ばわりして堂々と連投してるわりに言ってることが全部おかしい

443風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 09:50:40.44 ID:VisvL0/MO
いつまでこの話続けんの?

もううざい作者も面倒なクレーマーも
いないみたいだしお開きにしようや

444風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 11:46:32.54 ID:fPIlOvQ7O
>>443
どうせまたすぐ次が出てくる
もうループは勘弁

445風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 11:53:32.74 ID:IxN+wG5q0
・粛々とssが投下されるスレ(ss投下以外はNG)と
・それに対する感想を語るスレ

に分けちゃったら良い

446風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 12:03:34.86 ID:WSHUaF510
>>445
ソレイイ?
感想は絡みに書くとかw

447風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 12:15:01.88 ID:XSiaBn810
>>445-446
いいね。一番実効性ありそう

今までの荒れる→テンプレ論議繰り返しは
ぶっちゃけガス抜きと気休めにしか見えない

448風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 12:28:26.81 ID:IxN+wG5q0
ビデオ棚にSSを投下した後、感想スレにタイトル(ジャンル名・カプ名)報告して貰う様にしといたら

【投下する人】
・メリット
  自分の前の投下終了からしばらく待つ、とかの配慮が必要なくなる
  荒れてる場所に投下する現状よりは投下への心理的ハードルが下がる
  投下したいだけで感想聞きたくないひとは感想スレ見ないという選択肢が生まれる
・デメリット
  感想知るために別スレ開くのめんどくさい

【読む人】
・メリット
  自分の目当てのジャンルの投下報告があったときだけ見に行けて便利
  新着レス有り=新作か!と思ったら興味ない長編や読者同士の揉めてるだけか……ということも少なくなる
  ビデオ棚開いて真っ先に目に入った最新レスが苦手カプのエロシーンってことはなくなる
・デメリット
  読んだ後感想付ける為に別スレ開くのめんどくさい

まあ他にもメリット&デメリットあるだろうけど

449風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 12:36:04.83 ID:NV5ts8UV0
書き手のメンタルが弱い事を追い出しと取られかねない「サイト作れ」の理由にするのなら
常連の反応が怖くて自サイトにあげられないものを
ここのスレにこっそり投下してる人はどうなるんだっていう

450風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 12:45:39.59 ID:XSiaBn810
専用の感想スレは数字板には要らないな
余裕ないから逆にひとつにまとめろって言われそうw(で振り出しへ戻る

関連のジャンルスレに書けるならそっちでもいいし
絡みでも全然おkと思う

451風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 12:50:16.94 ID:un8xW5Z10
>>445
良い案だと思うけど、現状の過疎っぷりからして
早晩、両方ともDAT落ちしそうだ…

452風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 13:04:35.56 ID:3wr277ke0
感想絡みはどうだろ…
迷惑じゃないかな

スレ分け案は、過疎る可能性高いし、ちょっと過激な気がする
まずはテンプレ変えてみて、それでも解決しないときに改めて考えてもいいと思うなあ


453風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 13:34:57.39 ID:0EDJs9D0O
感想用に別スレ立てなくても避難所でいいんじゃないの?
今は書き込めないみたいだけど感想スレもあるし
収録されればその話の下に直接感想書けるようになってるからそれでどうにかならんかな

454風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 14:00:21.59 ID:WSHUaF510
スレ分けならスッキリ解決だと思うなあ
感想は避難所かジャンルスレで賛成
絡みだと迷惑だし、別スレだと落ちるし
SSしか書かれなくなったら、ここは案外賑わうと思うw

455風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 14:08:14.61 ID:3wr277ke0
ジャンルスレも、棚絡みの書き込み嫌がられるところあるよ
事情はさまざまだし、他スレ巻き込む形は避けた方がいいんじゃないかなあ

避難所がすぐ復活するとも限らないし、自分はその結論はまだ早い気がする

456風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 14:12:37.67 ID:bcpUtTjs0
>>454
支援なしでは投下が非常に困難な状態なわけだが
これだけ過疎ってたのにいきなり賑わうわけないだろう
話がずれてきている

457風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 14:53:51.68 ID:XSiaBn810
「SSオンリー」は原則。支援ぐらい例外でおkでしょ
支援なくても時間かければ困難というほどでもない
過疎なんだからw占有にもならないと思う

過疎ってるといっても投下の波はいつものことだし
ずっと見てるけどここ最近急に、って印象は無いなぁ
2chというかpink慣れしてない書き手も
うっかりな振る舞いしちゃう危険減って定着?できる気がする

458風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 17:10:21.42 ID:PdjYDChb0
うーん…感想分けるのは賛成できないな
棚の運営で絡みや各ジャンルスレが影響受けるのはどうかと思うし、下手したらジャンルスレが荒れる
(少なくとも自分が常駐してるスレは、棚にSS来てたよーとかでも宣伝扱いされることがある)

かといって、避難所はいつ直るのか分からない
仮に直っても、個人が善意で管理してくれてるんだから、いつかなくならないとは限らないものだよ
最低限の機能はスレだけで賄えたほうがいいと思う

チラシスレの「絡み厳禁、どうしても絡みたければ絡みスレへ」みたいに、
「感想厳禁、どうしても書きたければ避難所へ」みたいなルールなら
「棚は最低限SSの投下だけが出来ればいい」「感想は言える場所があれば言う」だから筋は通ると思うけど、
そんなところに書きたい書き手が、ほんとうにいるのだろうかと考えると疑問

問題の焦点は>>432だと自分は思うので、テンプレの変更が無力かどうかは試してみてからでも遅くないと思ってる
今までのテンプレ変更は、基本書き手の行動を制限するものがメインだったけど
今回は読み手への注意喚起の側面が強いから、効果があるかないかはまだ分からないのでは

459風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 17:14:16.71 ID:7moyUckh0
正直、>>3より>>1に注意書きを入れて欲しい

460風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 18:15:31.69 ID:5i/Q52IA0
自分は>>433

・ルールを守っている書き手やその作品に対して誹謗中傷・煽り・否定意見の書き込みは禁止
・誹謗中傷・煽り・否定意見に対しての反論は書き手、読み手共に禁止
 レスするあなたも荒らしです
 注意する時は簡潔に「>>2を守ってください」で済ませましょう

これを>>1に追加するか>>3と置き換えるかのどっちかでいいと思う
「ネガティブな評価をルールで禁止するのはどうかと思う」って人もいたけど、
ネガティブな評価ってなんでしたいと思うの?編集者きどり?書き手をへこませたい?
そういうのはチラシか絡みか脳内でやってくれよ

461風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 18:24:43.88 ID:XSiaBn810
てゆーかそこまで書き手が保護されたいなら
それこそ管理されたSNSやサイトのほうが向いてるんじゃないか

荒らしタイプがテンプレ読めば上等だが
従わないから荒らしなんじゃん

462風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 18:37:22.98 ID:ItVCEte70
その理屈でいったら、感想スレ分けも無駄ってことになって矛盾してね?
自分は>>460に賛成だ

463風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 18:38:27.89 ID:WSHUaF510
結局、書く人がこないと成り立たないスレなんだしさ
読み手と書き手は同等であるべきなんだろうけど、まずは書きやすい(=書き手に優しい)スレにしないとなんも読めないと思う

464風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 19:48:25.98 ID:un8xW5Z10
テンプレ変えても無意味だと思ってたけど
やってみなけりゃわからないって事もあるかー

とりあえず、自分も>>460(=>>433)の案に賛成しとく
ただ>>1に追加するにはスペースが無いので
>>3に追加or置き換えでいいと思う

465風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 20:16:54.57 ID:JZebr6kI0
自分も>>460に賛成
>>2>>3に追記でいいと思うな

466風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 20:55:19.81 ID:2wcvwUNf0
>>432
> 何を言われても堂々としていろ、という書き手への要求ばかりが先行して

何を投下されても文句は言うな、という読み手への要求も含まれています

467風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 21:07:37.73 ID:fPIlOvQ7O
>>466
何投下されても、っつーか本来なんでもありのスレなんだけどな

468風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 21:51:24.49 ID:PdjYDChb0
>>466
含まれてるのに、無視する読み手がいるから問題だって話では

469風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 22:37:02.60 ID:WSHUaF510
>>460に賛成
ここまで分かりやすいテンプレになっても荒れるようなら、感想スレ分け(新規かジャンルスレか絡みか避難所)を改めて検討したらいいと思う

470風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 22:52:45.64 ID:2wcvwUNf0
>>468

>>432
> 何を言われても堂々としていろ、という書き手への要求ばかりが先行して
> そもそも理不尽なことは言うな、というそれ以外の人への注意が行き届いていない

2行目のことを言っているなら
>>3嫁と返せばいいだけでは?

471風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 22:58:55.70 ID:JZebr6kI0
>>470
>>3をもう少しわかりやすく表記しよう!という試みだと思うよ

さっきもレスしたけど、自分は、>>460の案に賛成だ

472風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 23:30:18.57 ID:2wcvwUNf0
子供じゃないんだからその程度の読解力ぐらいあるだろ……
子供だらけの2chで生まれたテンプレなんだし

473風と木の名無しさん :2012/06/16(土) 23:54:35.05 ID:KScpi1CBO
自分も460の案に賛成だ
テンプレがもう少しわかりやすい方が良いと思う

474風と木の名無しさん :2012/06/17(日) 04:27:09.49 ID:7Ayr2mfw0
被害者ぶった読み手の意見とやらを言い続けるレスが非常に気になる。
気に入らない作品が投下されて我慢するのが、理不尽とか、なんだそりゃ。

棚は書き手ありきのスレだと思うしスレの雰囲気や方向性など、書き手ありきのテンプレでいいと思うわ。
あと感想わけるとかありえない。避難所に感想はまだわかるが。
あとサイト作って欲しいってレスは馴れ合い臭いしなんかな…と思うけど、
サイト作れば?はやっぱ出てけって受け取るな。読み手だけど感じ悪い印象うける。


475風と木の名無しさん :2012/06/17(日) 04:59:10.85 ID:zJpDOTcZ0
>>460に賛成
反対してる人もいないみたいだし、もうテンプレ追加決定で終わりでよくないか
被害者とか理不尽とか、読み手vs書き手の争いそろそろしつこい

476風と木の名無しさん :2012/06/17(日) 08:47:44.52 ID:Ma4xEvo60

SS投下したいけど遠慮している人いたら
どうぞ投下して〜

477風と木の名無しさん :2012/06/17(日) 17:18:06.61 ID:vXGgzvDzi
前回SS投下から120スレ…
必要なんだろうけどこれこそ議論スレ作ればいいのにと思う冗長さ
住人増えるとこうなるって証だね
やっぱり世の中発言力強い人が居ないとまとまらない

478風と木の名無しさん :2012/06/17(日) 17:31:16.31 ID:tmOJasL90
こんな過疎スレで世の中の仕組みを啓蒙されてもなあ

479風と木の名無しさん :2012/06/17(日) 17:34:42.27 ID:uA86yNtf0
いやいや、本来なら避難所でやってたからね
今、あっちがエラーで使えないからこっちで議論してただけで。

つか住人が増えるって良い事でしょ?
自分は今回のことで、こんなに人がいるんだーって嬉しくなったけど

480風と木の名無しさん :2012/06/17(日) 17:35:33.78 ID:uA86yNtf0
あ。ごめん
>>479は、>>477宛ね

481風と木の名無しさん :2012/06/17(日) 17:38:15.19 ID:aoJz8vEH0
「ルール守ってる人にいちゃもんつけるな」と明文化されると困る人がいたんでしょう

482風と木の名無しさん :2012/06/17(日) 17:44:44.21 ID:Li4Kr+/80
ルールっていちゃもんつけないのが前提かと思ってたけど
最近はそれもルールにしないといけなくなったんだね

>>479
明文化されて書き手さんが増えてから喜ぼう

483ゲリラさんと一緒 1/7 :2012/06/17(日) 23:50:11.38 ID:sou7uZO20
投下させて頂きます。
日本一有名なロボアニメ・OVA・八番隊
ゲリラ複数×甘ちゃん小隊長


|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「お前ら…ゲリラか?キキの父親の仲間じゃ…」
「我々も一枚岩じゃないのさ。少尉さん」
リーダー格の長身の男がドスの利いた声で応える。
シローは薄暗い部屋の中央に置いた椅子に座らせられていた。手首は後ろ手に縛られて背もたれに繋がれ、足首もそれぞれ椅子の脚に縛り付けられている。
男が持っていたライフルにマガジンを装填する。冷たい金属質の音が響き、シローはぐっと身構えた。
「…ああ、殺すつもりはねえから安心しろ。お前さんの仲間に報復を受けたかねえからな…
ただここにいるのはお前らを殺したいほど憎んでる奴らだ、それなりに酷い目にはあってもらうぞ?」
背後に立っていた坊主頭の男が進み出て、目の前に赤黒く怒張したモノが突き出される。シローはぎょっとした。
「な、何だァ?」
「ホラ、怪我したくなきゃしゃぶれ。歯なんて立てんなよ」
拳銃の銃口で頭を小突かれる。殴られるのだとばかり思っていたシローは拍子抜けした。確かに“暴行“を受けるのには変わりがないが、これならば派手に怪我をして任務に支障を出すこともない。
「いや…君達の気が済むならそのくらいするさ。」
ほら、とシローが口を開ける。
「…妙な士官だな。まあいい、お言葉に甘えさせてもらえよ」
坊主の男は乱暴に髪を掴み口内に押し入る。シローは生臭いものが熱を持って侵入してくる感覚にぞっとする。この程度で確執が消えるなら安いものだとは思うが、やはり決して気分のいいものではない。
「ん、ぐ…」
シローが噛みつこうとしないのを確かめて、坊主頭は髪を掴んだまま腰を動かし始める。水音を立ててグロテスクなものが自分の口を出入りする。シローは目を伏せておぞましい光景を見ないように努めた。
ぬめりを持った先端が柔らかい舌を圧し、頬の内側や上顎を擦る。舌の上に嫌な塩味が満ちて吐き気がせり上がってくる。つるつるした奥歯に先端が当たって刺激になっているらしく、坊主頭が体を小さく震わせると、さらに質量は増して口の中をみっちりと埋めた。
シローは眉を寄せて目を閉じ、顎の痛みに耐えてされるがままにしている。


484ゲリラさんと一緒 2/7 :2012/06/17(日) 23:50:57.31 ID:sou7uZO20
「おい、隊長さんが退屈してんだろ?」
遠巻きに見ていた長身の男が下品な笑い声をあげると、坊主頭は追従笑いをして自分の右膝をシローの足の間に割り入れた。
「むっ!ぐ!?」
目を見開き、思わず逃れようとするシローの頭を坊主頭が強い力で引き戻す。シローは相手の太腿に胸を乗せて体を折り畳むような体勢になる。
口内は一層深く喉奥まで犯され、押し込まれた膝は嫌らしくシローの股間をまさぐった。窒息しそうな苦しさに、視界がちかちかと瞬き腰が電気を流したように痺れた。
「ふっ…ん、ふぅ…」
抗議の代わりに鼻から抜けるような声が漏れる。舌の上のものがびくびくと痙攣したかと思うと、ぐいと喉の最奥まで沈められ、次の瞬間そのまま熱い液体を迸らせた。
「うぐ…!ゲホッ!げっ、うぇっ…」
頭が解放されるとシローは激しく咳き込み、えづいた。白濁の混じった唾液がぼたぼたと床に落ちる。
「汚してんじゃねえ…よっ!」
長身がライフルの銃床で力任せに横殴りにする。シローは椅子ごと派手な音を立てて床に倒れ、右肩を強かに打って低く呻いた。
仲間を指で呼び寄せながら長身がシローの側にしゃがみこむ。
「押さえとけ…」
椅子に繋がれていた部分の縄が解かれ、シローは椅子から解放される。複数の男によって床に仰向けに押し倒され、体を起こそうとすると頭を掴んで床に叩きつけられる。足首はまとめて拘束し直された。
「余裕がなくなってきたか?隊長さん」
頭を押さえつける指の間からシローが睨む。平生の涼しげで人の良さそうな目元は鳴りを潜めている。長身はサディスティックな笑みを浮かべてそれを見下ろした。シローが口を開く。
「…気が済んだらもうこんなことはやめろ。仲間には手を出すな。連邦軍に怒りをぶつけてどうなるものでもないだろう!」
「はは…正論だな。じゃああんたが俺たちにわざわざ付き合ってくれてるのは同情かい?お優しいんだな」
腰のベルトが抜き取られ、下着ごとズボンが膝まで下げられる。下半身を露出した情けない格好になる。シローは目をきつく閉じて唇を噛みしめ恥辱に耐えた。

485ゲリラさんと一緒 3/7 :2012/06/17(日) 23:52:12.40 ID:sou7uZO20
「こいつ半分勃ってるぞ」
「無理矢理組み敷かれて興奮してんのか?少尉」
「とんだマゾ野郎だな」
汚い野次を飛ばしながら男たちが次々にシローの中心に手を伸ばし、好き勝手に弄び始める。無骨な指に握りこまれて思わず顔がひきつった。あるものは竿を強く扱き上げて煽り、あるものは先端の割れ目にそって指先をぐりぐりと滑らせる。
「っう…」
直接的な刺激にその気がなくとも反応してしまう。さらに玉を揉みほぐされ、会陰をやわやわと圧され、下腹部に熱が集まる。シローはすぐに追い詰められてあまりの刺激に身体をのけ反らせた。噛み締めた歯の間からヒッ、と小さな悲鳴が漏れる。
「うあ、あああっ」
シローは耐えきれずに声をあげて精を放った。白いシャツの腹に丸い染みがいくつも落ちる。根元から裏筋を押し上げられ、最後の一滴まで絞り上げられてびくびくと震える。
「〜ッ!」
「早えな、隊長さん」
「そんなに良かったかよ?」
射精のあとの脱力感で嘲罵も耳に入らない。男の一人が肩で息をしているシローの頭を足蹴にしたが、ぐったりと蹴られるままにして、反抗する気力がない様子だ。すると体格のいい大男が進み出て、放心しているシローの脚を担ぎ上げた。
「…休んでるんじゃねえぞ」
そのまま達したばかりの場所に手をかけ、ごく速いテンポで無造作に扱きあげる。
「うわっ!? 待てっ!やめてくれ!ひっ」
快感よりも苦痛に近い強烈な痺れが襲って、シローは思わず背中を反り返らせる。無駄だと分かって腰を引くが、大男の掌が追いかける。
どうにか逃れようと全身でもがき、がむしゃらに動かした足が大男の頭を蹴った。長身が舌打ちをして肩を踏みつけ、固い革のブーツで上体を床に縫い止める。衝撃で息が詰まる。
その間にも大男はシローの足を担ぎ直し、淡々と手を動かし続けている。容赦ない刺激にシローは身体をよじってほとんど嗚咽のような声を漏らした。男たちはにやにやとそんなシローを見下ろしている。

486ゲリラさんと一緒 4/7 :2012/06/17(日) 23:59:04.40 ID:sou7uZO20
突然大男の手が止まった。
解放された安堵で息をつくと、大男はシローの足を一層高く抱え上げ、手を腰の下に回す。
尻の割れ目を指で押し広げながらなぞりあげて、やがて窄まりを探り当てた。無骨で皮膚の固い指先がぴたりと押し当てられる。
「…は?な、何やってんだ?」
訳が分からないというような曖昧な笑いで大男を伺う。大男は無言でシローを一瞥した。大男が指先に力をこめると、シローの困惑の表情はすぐさま苦痛に歪む。
「いぎっ!?」
後孔に太い指先が侵入し始めた。解そうという気すらない力押しの侵略に激痛が走る。
「痛っ…ぁあ゛っ!」
歯を食いしばって堪えようとするも、経験したことのない痛みで目尻に涙が滲む。排泄物が逆流してくるような不快感で体全体が怖気立つ。
抵抗しようにも体重をかけて押さえ込まれているために微動だにできず、シローは唯一自由に動く首で目一杯顔をそらした。勢いをつけて侵攻してくる指に、腰が跳ねる。
「い゛っ!…づっ!」
第二間接まで突き刺さった指は、体の中で生き物のように滅茶苦茶に蠢いた。
シローが悲鳴をあげて懇願する。大男はそれに構う様子もなく、無情に二本目、三本目の指がねじ込まれる。
「あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!」
三本の指にばらばらに中を掻き回されてシローが絶叫する。あまりの痛みに失神しかけた時、突然ずるりと指が抜かれた。
助かったと思ったのも束の間で、入り口に固いものが押し当てられる。
「は…はは…冗談だろ?」
大男の目は無感動に見下ろしている。大きな手が腰を掴んだと思うと、次の瞬間指よりずっと凶暴な質量と熱を持ったものがシローを貫く。暗い部屋に長い叫び声が響いた。
ショックで声も出ないシローの体を軽々と引き寄せて、大男が動きはじめる。
「…う、あ、あ、あっ」
体を揺さぶられる衝撃と痛みで、突き上げられる度に勝手に声が出る。
口は酸素を求めるように大きく開かれ、シローは力なく首を垂れてがくがくと揺らされるままにしている。
やがて動きがにわかに激しくなり、大男の息遣いが荒くなったと思うと、熱い液体が腹内に放たれた。シローはついに気を失い、闇の中に落ちていった。

487ゲリラさんと一緒 5/7 :2012/06/18(月) 00:00:30.48 ID:sou7uZO20
目の前に強い光を感じてシローは目を覚ます。目眩を感じながら体を起こすと、男たちの下品な笑いが迎えて、意識を否応無しに現実に引き戻した。
下着とともに足首の縄が外されれているのに気付いたが、腰が重くて逃げ出す気にもならない。体の下敷きになっていた手首は縄が食い込んで殆ど感覚がない。
「ヨすぎて気絶したか?」
「…まさか」
眩しさに目を細めて見上げると、男の一人が照明でシローの顔を照らしていた。
「…だろうな。痛くて死にそうな顔を見るのはいい気分だが、あんまり続けると反応が無くなってつまらん。今度は良がってひんひん泣く少尉を見てやろうと思ってなあ?」
「悪趣味なことだ…」
長身の男がシローの側にしゃがみこむ。足首を掴まれて一瞬シローは身を固くするが、振り払う気力もなくそのまま引き倒される。
長身は膝立ちになると、シローの片足を自分の肩に掛けるようにして、横向きのシローと腰を密着させた。お互いに下半身に何も着けていないため、長身の立ち上がりきったものが尻にぶつかって生々しい感触をもたらす。シローは嫌悪感で目元をひきつらせた。
大男に無理矢理押し広げられた後孔は少し力を入れるだけで長身の指をゆっくりと呑み込んでしまう。異物感は先程よりましだが、大男に乱暴に擦られた内壁はひりひりと痛んだ。
指がくちゅん、と水音をたてて根元まで埋まる。軽くかき回すと今度は時間をかけてゆるゆると引き抜き始める。シローは排泄感に睫を震わせた。指を抜ききると長身はにやついた目で自分の指を眺め、シローを見やった。
懐から小さな瓶を取り出すと、栓を開けて粘度のある液体を手に取る。これを自身に塗りつけて、後孔にあてがう。シローはびくりと身を堅くした。
「さっきよりは痛くねえから安心しろ。あんだけヤったらほぐれてんだろ」
力をこめると先端が入り込んでぬぶっ、と音をたてる。大男の時よりもずっと容易く、シローの体は異物を受け入れていった。長身は興奮を露わにしてシローの膝をひと舐めした。
「ほれ、大サービスだ…」
長身は瓶を傾けて中の液体をシローの腰から胸の上まで垂らしていく。中身が空になると瓶を捨て、掌で塗り広げる。
腹筋の流れをなぞったり臍に指を入れたりする手のねちっこい動きは、海洋生物のぬるぬるした触手が身体を這い回るようで全身に鳥肌が立った。

488ゲリラさんと一緒 6/7 :2012/06/18(月) 00:04:21.75 ID:9dYRfgA40
手はあちこちを弄りながらゆっくり上がっていき、胸筋の位置で止まる。長身は好色な色を瞳に浮かべながら、ねっとりと糸をひく指でシローの胸をおし揉んで、この上なく嬉しそうに笑った。
相手が柔らかくも大きくもない自分の胸に欲情しているのをはっきりと感じたシローは、理解できない気味の悪さに怯える。
指は愛おしむように胸筋全体を揉みしだき、乳輪を撫で回し、乳首を弱くこね上げる。長身は執拗にシローの胸を弄び続けた。
するとただ気持ちの悪いだけだった蠕動が次第に熱を与え始め、しつこく甘ったるい愛撫を受け続けたシローは、男のものが入ったままの下腹部にぞくぞくした疼きを感じ始めた。
「…っ…お、男の胸なんて触って楽しいか?」
確実に芽生えつつある性感を振り払うようにシローが笑う。長身は一瞥するとこれには応えずに、きゅうと乳首を摘む。
「くあっ!」
頭に電気が流れて、痛みからくる悲鳴とは明らかに違う甘い声が出た。長身は身をかがめて口をシローの耳に寄せると、髪を掴んで息を吹き込むように喋る。
「あんたこそ男に胸を触られて、随分楽しそうだな?」
「う…!」
「これじゃあ変態だぜ…アマダ少尉」
長身が言葉を発する度に熱い息が耳を擽る。加えて長身が体を動かすと、腹内のものが微妙に位置を変え内壁をこすって、もどかしい感覚を与える。シローの中はひくひくと痙攣した。
シローの呼吸は浅く、目元はふちが紅く染まってわずかに涙が浮かんでいる。長身はその様子を満足そうに見つめると、体を起こしてシローの腰に手を添えた。
「こっちにもキてるだろ?」
長身は腰を引いて、自身をごく浅い位置で小刻みに抽挿し始める。入り口付近が粘液ごしに擦られて、泣きたくなるような切なさが上がってくる。あっ、とひどく甘い声が漏れてシローは慌てて唇を噛んだ。
「…っ!畜生…なんだ…これ…っ」
わけの分からないぼんやりした快感が下腹部から広がって、シローは身を震わせる。頭の芯が溶けそうになりながら必死で声を押し殺す。
しかし長身が腰を回してある一点を突いた時、今までよりもずっと強い痺れが腰に走り、たまらずシローは高く叫んだ。
「ひゃあッ!?」


489風と木の名無しさん :2012/06/18(月) 00:06:51.96 ID:BK2mWzKb0
しえん?

490ゲリラさんと一緒 7/7 :2012/06/18(月) 00:09:37.74 ID:WBEDGMMD0
「…お?当てたか」
長身がめざとく反応してその位置を狙う。二三回角度を変えて突いてシローの前立腺を捉えると、的確に先端で押しつぶしだす。
「うっ!?…や、よせっ、嫌だ、あっ」
シローがその度に痙攣して、涙を流しながら嬌声を上げる。長身に小突かれるごとに電流が脊髄から脳へ駆け上がる。
シローは目を見開いて眉をハの字に下げた、余裕のない表情で長身に懇願した。
「や…ひっ!嫌だっ、やめ、やめてくれっ」
「嫌じゃねえだろ?気持ち良くてたまんねえって顔してるぜ」
長身が体重をかけて一気に奥まで押し入る。
「っぎ…」
腹の奥を抉られてシローの顔が苦痛に歪むが、しつこく前立腺をこすり上げられるとすぐに恍惚に塗り替えられていく。
「あうっ…あっ、あ、あああっ」
溢れた唾液が口の端から伝う。シローは髪を振り乱して頭を床に擦り付け、内腿をすりあわせて悶える。長身が根元まで腰を押し込むと、シローはぴんと脚を伸ばし爪先を丸めて絶頂を迎えた。
「…っ!ぅう…」
腰からじわりと幸福感が広がる。首の後ろがざわざわとする。長身はその様を冷ややかに見下ろしていた。
「一人でイってんじゃねぇ…まだ付き合って貰うぞ」
長身は容赦なく腰を振り続ける。達しながら続けられる蹂躙に声も出ない。身体のどこを触られても脳が痺れて、どうしようもなく感じる。
「あー…あーっ、っあ…!」
程なく二度目の絶頂を迎えて、シローはがくりと首を落とした。人形のように、無抵抗で体を揺すられるのに任せている。
「ん…アイ…ナ…」
「あ?」
「アイ…ナぁ…」
シローは虚ろに目を虚空に泳がせ、自分が誰の名前を呼んだのかも認識できていない様子だった。囲んでいた男たちがげらげら哄笑する。
「なんだこいつ?こんな時に女の名前呼んでやがる!」
「助けて〜ってか!情けねえ!」
「おらっ!中にぶち撒けてやるよ!お望み通り彼女と同じ突っ込まれて良がる雌豚にしてやる!」
腹内に熱いものが迸り、視界がスパークする。瞼の裏に恋しい緑色の髪のひとを見ながらシローは意識を手放した。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


491オナ兄奮闘記 1/8 :2012/06/18(月) 00:19:46.30 ID:TsAqetm+0
オリジナルでブラコン変態兄×弟
エロはないですが下ネタあります

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「えっ……」
部屋オナっていると、突然ドアが開いて、パジャマ姿の弟、冬希の驚愕した顔と対面してしまった。
俺は俺で、真夜中の2時過ぎに反抗期真っ最中の弟がなぜ兄の部屋をたずねてくるのかと驚愕する。
昔は兄ちゃん兄ちゃんとくっついてきたのに、いつの間にか俺の問いかけにも「あー」とか
「うるせー」としか返さなくなっていた俺の弟になにが!
一人ハッスルを見られてしまったのはこの際どうでもいい。
重要なのは、なぜ冬希が俺の部屋のドアを開けたのか、だ。
「……どうしたんだ冬希、もしかして眠れないのか?添い寝?兄ちゃんに添い寝してほしいって?」
「……」
「恥ずかしがることないぞ、添い寝くらいどんとこーい!いつだって一緒に寝てやるぞ」
「……キモい。死ね」
バタン。
凍りつきそうな視線とともに一言残して、冬希は去って行った。
せっかく冬希の方から歩み寄ってくれたというのに、オナニーで驚かせてしまったらしい。
ええい、自分の息子ながら憎らしい!とぺシッと勃ったままの息子を軽く叩いてみた。
ちょっと気持ちよかった。

492オナ兄奮闘記 2/8 :2012/06/18(月) 00:21:28.54 ID:TsAqetm+0
翌朝、いつも通り冬希はろくに口をきいてくれなかった。寂しい。
寂しかったので今日は俺から冬希の部屋を真夜中にたずねてやることにした。
深夜0時を回った頃に冬希の部屋をノックする。ワクワクして返事を待つ。
返ってこない。無視された。
ドアを開けると、暑いのかトランクスを一枚だけ身に付けた冬希がベッドに寝転んで携帯をいじっていた


「冬希!なぁ今日こそ添い寝してやろうか?」
「勝手に入ってくんじゃねぇクソ。出てけ」
「兄ちゃん、冬希になに言われても怒らないぞ。だって兄ちゃんは、冬気が本当は
泣き虫で甘えん坊ですごく優しい子だって知ってるんだからな」
「キモいんだよ!!」
枕を投げつけられて追い出された。
年頃なので素直に兄に甘えるのが恥ずかしいのだろう。
仕方ないので俺は部屋に戻ってオナニーした。
冬希の剥き出しの乳首とか、腹とか、腰とか、足とか、つい先ほど見たものを想像してイッた。
「これじゃまた冬希にキモいって言われちゃうなぁ、あははは。うへ」
ひとり言を言ったら、ドン、と壁を蹴られた。

493オナ兄奮闘記 3/8 :2012/06/18(月) 00:23:33.80 ID:TsAqetm+0
今日こそ冬希とコミュニケーションをとろう。
ということで、朝起きぬけに冬希の部屋に乱入し、「抱っこさせてくれ」と頼んでみた。
まだ寝ていた冬希は「うるせぇんだよぉ…もっとねる、まだおきない」とむにゃむにゃ言った。
「うおぉぉぉおおおお!!!」
あまりの可愛さに、つい俺は冬希にがばりと覆いかぶさってしまった。
俺の弟は世界一かわいい!
「っだー!!んだてめ、おい、ふざけんな!!」
すぐに覚醒した冬希が暴れ出すが、俺は鼻息荒くその体を押さえつけ、
つるつるのほっぺに何度もキスをする。
「かわいいなぁ、かわいいかわいい」
「やだって、おい、あっ、おま、ちんこ!ちんこあたってんだよ!」
「えっ、あ、ごめんごめん」
「つーかなんで全裸なんだよ!キモいにもほどがあんだろ!!死ね!!」
「照れんなって。かっわいいなぁ、顔真っ赤だぞぅ」
「ひっ!やだ!どこ触ってんだ!はなれろよっ…やだって、くっそマジ死ね!!!」
「う゛……ッッッ!!!!」
股間を思いきり蹴られた。
その瞬間、小さかった頃ふざけて冬希に電気あんまをしかけ、よく泣かせていたことを思い出した。
ごめん冬希、兄ちゃんもっとおまえの股間を大切にするべきだったよ、反省したよ、
だから、俺の股間も大切に扱ってくれ。

494風と木の名無しさん :2012/06/18(月) 00:24:02.40 ID:MQ3UCbRg0
支援

495風と木の名無しさん :2012/06/18(月) 00:45:52.46 ID:nRdNbiFr0
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュ ウダーン!

すいません>>491です
なかなか書き込めない&代行スレも使えないので一旦ストップします
居座ってしまって申し訳ありませんでした

496風と木の名無しさん :2012/06/18(月) 00:50:07.57 ID:5ddDvX9i0
sien

497オナ兄奮闘記 4/8 :2012/06/18(月) 01:13:54.68 ID:TsAqetm+0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )サイカイ シマース!

その日散歩をしていると、路地裏の片隅で見るからに悪そうな高校生4人が、
中学生らしき子供3人とケンカをしていた。
青春だ。がんばれ青少年どもよ!と微笑ましく思って無視しようとしたが、
なんと中学生のうちの一人が冬希だった。
冬希とその味方1と味方2の攻撃はなかなかだったが、体格差と人数差のせいでどうしても分が悪い。
いやそんなことはどうでもいい。俺のかわいい弟を傷つけんとしている時点で、
相手が女だろうが幼児だろうが動物だろうが虫だろうがその罪万死に値する!
「おいてめぇら…。誰の弟に手ぇ出してんだ」
声をかけると、冬希がぎょっとして俺を見た。味方1と味方2も怪訝そうな視線をこちらによこす。
高校生4人は突然現れた俺を見てニヤニヤ笑った。
「はぁ?なに?だれおにいさん。いや、おっさん?」
「なにこいつ、正義の味方?うぜー」
冬希の味方1と味方2がチンピラ顔負けの発言をする。おまえらがそれ言うのか。
「おい!なにしてんだよ!うせろよ!」
冬希がぷりぷり怒りながら俺をどついた。そんな姿もすごくかわいい。
「まぁまぁ、そうカッカしないで。カッカカッカしないでしないで」
「ふざけてんじゃねぇ!さっさと失せろって言って…」
「まぁまぁ、お兄ちゃんがなんとかして―――おっと!」
高校生が背後から鉄パイプのようなものを冬希の背中に振り下ろそうとしたので、
俺は冬希をなだめながらそいつを思いきり蹴り飛ばしてやった。

498風と木の名無しさん :2012/06/18(月) 01:27:59.81 ID:gSJn/K6H0
しえん

499オナ兄奮闘5/8 :2012/06/18(月) 01:35:47.34 ID:Zm+xTzCo0
勝負はあっという間についた。
俺は高校生4人をちゃっちゃと叩きのめし、ポカ ンとする味方1と味方2を置いて、
騒ぐ冬希を引っ張って家に帰った。
「なんなんだよてめぇ!あんなザコどもなぁ、 俺らだけでじゅうぶん…!」
「冬希」
「なんだよ!」
「おまえ、もうあの味方1と味方2とはつきあう な。またケンカに巻き込まれるぞ」
「うるせぇ!!てめーに指図される覚えは ねぇ!!つーかなんだその味方1とか2って」
「冬希!!俺はおまえのことが心配だから言っ てるんだ!もしおまえが怪我したらと思うと、
俺は心配のあまり心臓が止まっちゃうんだ ぞ!!おまえは俺の大事な弟なんだから!!」
つい声を荒げてしまうと、ビクッと冬希が肩を 揺らした。
「……ああごめん冬希、怒鳴って悪かった」
「………」
「冬希、わかってくれるか?」
「………うるせぇ!俺はケンカ王だった時のあ んたに憧れてたんだ!それなのに、 やっぱりなんかアホだし、うぜぇ し、バカだし、オカズ変だし…!!」
「えっ、オカズ!?」
しまった、やはり見られていたか。
実は、冬希にオナニーを目撃された時、冬希が 昔描いてくれた俺の似顔絵をオカズにしていた のだ。
クレヨンで一生懸命俺を描いていた時の冬希を 思い出しながら。

500オナ兄奮闘6/8 :2012/06/18(月) 01:42:17.19 ID:rIF+dYTq0
「オ、オカズのことは置いといてさ、冬希、ケ ンカ王に憧れてるのか?」
またキモいと言われたらショックなので、適当 にごまかすと、冬希はぐっと詰まってうつむい た。
よし、なんとか話題そらし成功!
「………」
「じゃあ兄ちゃんとケンカの練習しようか!俺 が実践を教えてやろう!」
「……え」
ふと顔を上げた冬希の瞳が妙にキラキラしてい たので、危うくかわいさのあまり眼球をベロンと
舐めるところだった。
危ない危ない。なんとか我慢した。俺偉い。
「どうだ、強くなりたいんだろう、おまえ」
「………る、せぇ」
冬希は明らかに揺らいでいる。あと一歩だ。
もちろん俺は実際に冬希にケンカさせるつもり はない。
俺のコネを利用してヤンキーをかき集め、わざ と冬希に絡んでわざと負けてもらおう。
それを繰り返せば冬希も自信がつくはずだ。
変な輩に目をつけられないように、俺もちゃん と気を配っていなければ。
「なっ、冬希!じゃあ明日、明日から練習しよ う。今日は疲れたろ?風呂入って寝ろ。
明日冬希が学校から帰ったら庭で練習しよう。兄ちゃん待ってるからな!」
冬希は迷うような顔で数回まばたきをして、かすかにうなずいて部屋に戻って行った。

501オナ兄奮闘7/8 :2012/06/18(月) 01:48:10.16 ID:C2TRJKUI0
「……兄ちゃん、今日はサン、キュ…」
真夜中の2時過ぎ、俺は今夜も元気にオナっていた。
明日の冬希とのケンカの練習のため、いつもより気合いを入れてオナっていたので、
また突然ドアが開けられてもすぐに対処できなかった。
ドアを開けた冬希はピシリと固まって、じっと 俺のオカズを凝視した。
本日のオカズは冬希がものすごく大好きだった パンパンマンのぬいぐるみだ。
それをじっと見つめながら、一人パンパンマン ごっこに夢中になる冬希を思い出してオナって いたのだ。
が、そんなことはどうでもいい。
重要なことは、冬希がこんな真夜中まで迷いに 迷った結果、一大決心をして、
俺にお礼を言いに来てくれたことだ。しかも兄 ちゃん呼びのオプションつき。
あまりの喜びに俺はイッてしまった。
冬希の目が、一瞬のうちにブリザード状態に なった。
「……なにしてんの」
「…オ、オナニーであります」
「………キモい。死ね。マジ死ね」
冬希は言い放ち去って行った。
ああ、俺の息子のばかやろう。
しかしあれだ、冬希のブリザード視線は、あれ はあれでけっこう癖になりそうだ。

502オナ兄奮闘8/8 :2012/06/18(月) 01:55:31.87 ID:NsmTMHCt0
俺の兄は頭がおかしい。変態だ。と思っていた のだが、今日ケンカしている姿を生で初めて見て、
ケンカ王だった頃のかっこいい兄を思い出した。
ケンカ王だった頃も今と似たようなものだった が、たまに兄を慕って訪れるヤンキーたちに
心底尊敬されている姿を見て、俺は密かになんてかっこいい兄貴なんだと思っていた。
普段アホっぽいから忘れがちだが、本当は兄はすごい人なのだ。
俺も憧れて何度かケンカをしたが、そう上手くはいかなかった。
今日なんかあのまま兄が現れなかったら本当にやばかった。
アホに礼を言うのは癪だが、ケンカ王になら言ってもいい。
そう思って兄の部屋を開けると、兄はなぜかパ ンパンマンのぬいぐるみをオカズにしてオナっていた。
前にトイレに行って部屋に戻ろうとして間違えて兄の部屋を開けた時は、
ガキが描いたようななんだか妙な絵でオナっていた。

……ないな、やっぱりない。ケンカ王だろうが なんだろうが、こいつは変態のアホだ。
かっこいいとか憧れとか、ねぇな。うん、俺の勘違いだった。勘違い。
やっぱり変態は変態だ!

□STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジ エンデシタ!
長時間占領してしまい申し訳ありませんでした
以後気をつけます

503風と木の名無しさん :2012/06/18(月) 08:48:04.73 ID:0eAb4Gw40
>>491
GJッス
面白かった
てかオナ兄ww
憂鬱な月曜朝に楽しくしてくれてありがとうございます

504風と木の名無しさん :2012/06/18(月) 09:18:51.29 ID:zLywDLSd0
>>483
すごい良かった!
ジャンルは知らないんだけど、上手過ぎて興奮しました。
ノンケ隊長が堕ちていく過程が素晴らしいです。
ゲリラの長身さんの言葉責めが的確過ぎてゾクゾクしました。
個人的には
・冒頭で状況を軽く考えてる隊長
・胸責めで強がる→喘がされて言葉責め
・感じちゃって戸惑う隊長
・堕ちた後のゲリラさんたちの嘲る台詞
この辺がツボでした!何回も読み直させてもらいます。ありがとう!

505困惑、深夜対/局/前 1/6 +おまけ2レス :2012/06/21(木) 18:03:01.86 ID:ETQaE4db0
投下させて頂きます。
ナマモノ注意。将/棋 仲邑対置→フリアナ王子
忍法帖lvが足りないので細かく区切っています。申し訳ありません。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

4月6日深夜、タクシーの後部座席で仲邑対置は困惑していた。
自分の横ですやすやと眠る同世代の先輩棋/士に、困惑していた。

(どうしてこんなことになってしまったんだろう?)

頬杖をつき、ぼんやりと外を見つめながら、酒のせいでよく回らない頭でそんな事を考える。
本日、仲邑はきせーせん決勝トーナメント準決勝を尋世七段はおーざせん挑戦者決定トーナメント1回戦を東/京/将/棋/会/館で行った。
仲邑も尋世も対/局に勝利し、その後観/戦/記/者や同日対局だった棋/士とともに飲みに出かける展開となった。
充実した楽しい時間はあっという間に過ぎ、何名かはべろべろに酔いつぶれてしまったので分担して家まで送り届ける事になったのだが、困った事に尋世の自宅を誰一人として知らなかった。
結局尋世は、門下は違うが同じ大学の先輩後輩の間柄である仲邑に託された。

506困惑、深夜対/局/前 2/6 +おまけ2レス分 :2012/06/21(木) 18:06:53.01 ID:ETQaE4db0

「いや、上手く言いくるめられた、かな?」
(なんとなく強引だったもの、僕が一人暮らしとか尋世さんと先輩後輩とか期待の若手とか色々言われて)

気心の知れた間柄である観/戦/記/者や棋/士仲間の顔を次々に思い浮かべながらひとりごち、ふるふると頭を振る。
そんな訳はない。長い付き合いだ、悪意や他意なんてあるはずもない。
友人を仲間を悪く言った事に自己嫌悪を感じ、細い溜息を漏らしながらちらりと尋世の方を見る。

(尋世さん……)
(同じ大学の先輩で)
(ちょうど1年先にプロになって)
(しんじんおー戦決勝で戦って)
(一足先にタイトルを挑戦だけでなく獲得して)
(若手期待の星で)
(飄々としていて、だけど親しみやすくて)

「眩しすぎます」

(あなたと対/局以外で二人きりだと緊張してしまいます)

仲邑対置は困惑していた。
ぼそりと呟いた自分の本音に困惑していた。
そして困惑の原因が少し手を伸ばせば触れる程近い場所にいる事に、困惑していた。

(どうしよう)
(分からない)
(何がしたいんだ、僕は)

507困惑、深夜対/局/前 3/6 +おまけ2レス分 :2012/06/21(木) 18:09:19.41 ID:ETQaE4db0

困惑しながらも仲邑は尋世から目が離せなくなっていた。
面長の顔にやや茶色がかった短い髪、細い眉、厚い下唇、大きくてすべすべした綺麗な手、細長い指、形の良い爪――
目を離せないでいると、突然尋世が仰向けから横向きに寝返りを打ち、寝返りの勢いで先ほどまで見蕩れていた綺麗な手が仲邑の太腿の上に落ちる。
自分の心臓の音が、聞こえた気がした。

「んっう……?」

心臓の音が、もう一度。
尋世は二度三度目をしばたたかせると、ゆっくりと眼を開きながら緩慢な動きで起き上がろうとしていた。太腿にじんわりと尋世の重みを感じる。
のろのろと視界の端を尋世の手が通りすぎていったかと思うと、肩にも重みを感じた。
腰の位置をずらしたのか大きな衣擦れの音がして、気がつくとすぐ傍に尋世がいた。仲邑を支えにして完全に上半身を起き上がらせている。
顔が近い。目を合わせられない。喉が渇く。息が出来ない。心臓の鼓動が早くて堪らない、鼓動が尋世に聞こえてしまいそうだ。
相手は酔っているのだから突き放そうと思えば突き放せるはずなのに、出来なかった。金縛りにあったように身じろぎひとつ出来ない。

508風と木の名無しさん :2012/06/21(木) 18:21:51.12 ID:ETQaE4db0
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュ ウダーン!

申し訳ありません。
忍法帖に気を取られすぎて、連投規制の事をすっかり忘れてました。
残りは日付跨ぎ作戦で投稿したいと思います。

509風と木の名無しさん :2012/06/21(木) 18:32:46.35 ID:DjqTYlcp0
リアルで遭遇なんという奇遇!
(准尉船夕食休憩ですねわかります)
そのふたり大好物ですお待ちしております

510風と木の名無しさん :2012/06/21(木) 18:43:18.25 ID:6ASwUxSq0
しえんしえん

511困惑、深夜対/局/前 4/6 +おまけ2レス分 :2012/06/21(木) 23:55:34.14 ID:ETQaE4db0
支援ありがとうございます。再開します。
設定ですからどうしようもないですが、この連投規制は辛いですね。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )サイカイ シマース!

尋世の眼の焦点が合っていない事だけが唯一の救いだった。

「おうじー」

あだ名を呼ばれて体がびくりと震える。
目を合わせられなくて下を向いていた仲邑の視界に尋世が入りこんできていた。眼鏡の隙間から上目使いの尋世と目が合う。

「つぎぃ、鱶裏せんせーかごーだせんせーに勝てばHubせんせーときせー戦でたいきょくらからー……が、がんばれぇ」
「はい、頑張ります」

緊張が一気に解けて

「おまえは本物なんらからぁ」
「はい」

嬉しさが体を包み込んで

「タイトル取れるららー」
「ありがとうございます」

涙が、一筋零れ落ちていた。
尋世は顔に疑問符を浮かべながら据えた眼でその涙を見ていたかと思うと自らの手でそれを拭い、ぺろりと舐めた。
瞬間、仲邑の頬が紅潮する。

512困惑、深夜対/局/前 5/6 +おまけ2レス分 :2012/06/21(木) 23:57:22.76 ID:ETQaE4db0

「えっ…あっ…れ、えっ!???」
「王子は泣いてても様になるなぁ、はははははははっ」

酒臭い息を吹きかけられながらガシガシと頭を撫でられる。それが嫌ではない自分が不思議だった。
たかが酔っ払いの戯言、けれどきっと尋世秋仁の本音。タイトル経験者の本音。眩しい先輩の本音。
嬉しかった。ただただ嬉しかった。また涙が一筋零れ落ちそうだ。
尋世は屈託なく笑い続けている。
その笑顔が素敵だと思って、気がつけば仲邑の手が尋世の腰にそろそろと近づいていっていた。

(!!!!!)

ばっと手を元の位置、座席の上に戻す。
おかしくなりそうだ。いや、おかしくなっているのか?
冷静に、冷静にならなくては……

513困惑、深夜対/局/前 6/6 +おまけ2レス分 :2012/06/21(木) 23:59:21.62 ID:ETQaE4db0

「……尋世さん、酔っ払ってますよね?大人しくして下さい。」
「私はぁ酔っ払ってないれすよぉ」
「寝てください、尋世さん」

ぐいっと身体を押し、横にしようとする。その瞬間尋世のバランスが崩れ、糸が切れたように仲邑に覆いかぶさる。
仲邑の肩に尋世の頭が引っかかっている。
息が止まる。
酒の匂いとシャンプーの匂い。ほのかな汗の匂い。尋世の匂い。
心臓が早鐘を打つ。動けない。動いたら、壊れてしまいそうだ。壊してしまいそうだ。
そのまま尋世はずりずりと座席の下まで落ちていき、仲邑の膝に尋世の頭が落ち着いた。規則正しい寝息を立てている。
まるで永遠とも思える時間が終わり、ふぅ……と仲邑は安堵の溜息を吐く。

(僕は、何をしようとしたんだ……)

仲邑対置は困惑していた。
自分の膝を枕にしてすやすやと眠る憧れの先輩棋/士に、困惑していた。

自宅まではまだ遠い。

514風と木の名無しさん :2012/06/22(金) 00:06:45.13 ID:rsNSSJAn0
支援!

515おまけ 『翌朝、初手▲7六歩』 1/2 :2012/06/22(金) 00:09:32.52 ID:DHsLBJjL0
眼が醒めると、見覚えのない天井だった。
眼鏡をかけたまま寝てしまったらしい、視界がはっきりしている。
昨夜飲み過ぎたせいが頭の奥がガンガンする。

「今日は稽古なのになぁ……」

独り言を言いながら、気合を入れてなんとか起き上がる。そこはどう見ても自分の家ではなかった。
焦りながら周囲を見渡すと、ベッドの下で同じ大学の後輩棋/士が丸まっていた。チェックのパジャマが似合っている。
それ以外の人間はこの場にいないようだ。ここは彼の家なのか?
起こして聞こうかとも思ったが、余りにも気持ちよさそうに眠っているので諦めた。眠っていても棋/界の貴公子なのだからふざけるなと言いたくもなる。リア充爆発しろ。
起こさないようにそろりそろりとベッドから降りるとカサリと紙が落ちる音がしたので拾い上げる。
そこには
『尋世さんへ
 自分は今日特に予定がないので起こさないでください。冷蔵庫の中の物は食べても構いません。
 あと、住所を教えて下さい
  仲邑対置』
と彼らしい几帳面な字で記されていた。

516おまけ 『翌朝、初手▲7六歩』 2/2 :2012/06/22(金) 00:10:41.65 ID:DHsLBJjL0
くすくすと笑いながら、きちんと駒が並べられた将/棋/盤の横にあったボールペンを手に取り、住所をさらさらと書いた。
水を一杯貰い、ハンガーラックにかかっていた自分のスーツに袖を通す。おそらく仲邑がそうしておいてくれたのだろう。
まだ頭は痛いが大分すっきりした。

「ありがとう、王子」

笑いながら呟くと片膝をついて屈みこみ、すやすやと眠る彼の手の甲にキスをして初手▲7六歩と指した。

□STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジ エンデシタ!
度々の支援ありがとうございます。長時間占領した形になってしまい申し訳ありません。以後気をつけます。

感想戦
総括:きせーせん第一局の25生を見て滾ったので思わずやってしまいました。棋/理を追求してから出直します。
本編:対置の憧れは誰がどう見てもHubさんですが、言葉のあやって奴です。
付録:初手▲7六歩が使いたかっただけです本当にアリガトウゴザイマシタ。きっと2手目は△3四歩。

517風と木の名無しさん :2012/06/22(金) 00:19:04.37 ID:CcLFN1GR0
>>516
萌えたっ…!萌えたよ、ありがとう!!
正直、将/棋は、全くわからないのだけど
ネタを理解するために勉強しようと思いましたw

518戯れ 1/2 :2012/06/22(金) 02:18:47.41 ID:Gn5ETGNG0
大柄な中年受けにおちんちん欲しいと言わせたい!欲が高じました。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

セックスは苦手だ。
他人の肌の温もりは愛されていると勘違いするから。
セックスは好きだ。
他人の肌の温もりは愛されていると錯覚させてくれるから。
セックスは苦手だ。
好きと欲望の境目が判らなくなるから。
セックスは好きだ。
好きも欲望も同時に満たしてくれるから。

そんなことを、四半世紀と呼ばれる年月の間繰り返してきて、未だに答えが見つからない。
彼もオレも、お互いを欲する以上にオンナを食ってきて、
あまつさえ結婚したり子を授かったりもして、それでも離れられないでいる。
今付き合っているオンナのことも、妻子のことも、肌を重ねている間はお互いに忘れる。
忘れるというか、なかったことになる。
いやむしろ、現実こそが非日常で、この異常な空間がお互いの真実だと思い込む。
だってオレたちは男だから。
抱くならオンナのほうが明らかに気持ちいいし、オンナ相手のアナルセックスだって楽しんできた。
それでも敢えてオレは彼が欲しいし彼もオレが欲しいと言うのは、これはもう愛と呼ぶしかないんじゃないのか?


519戯れ 2/2 :2012/06/22(金) 02:23:40.77 ID:Gn5ETGNG0
オレより少し年嵩だけど少し小柄な彼がオレを組み敷いた時に浮かべる小悪魔みたいな笑顔が好きだ。
オレの弱いところを熟知している彼が、笑いながら時にはしつこく、時には避けるように愛撫を重ねてくれるところが好きだ。
そして、
その笑顔のまま「オマエの指はキレイだね」ってオレの指を一本ずつ吸い、上目遣いに舐め上げる様が好きだ。

そして…
「ねえ」
「後は、どうすればいいか、判ってるよね?」

悔しいけど、恥ずかしいけど、心の中に天使と女神と悪魔を飼うこの男が、心底欲しいから。
唾液に濡らされた指先を自らに突き立て、懇願する。
「ここに、ちょうだい」
「あんたの、おちんちん、欲しい」

「良く出来ました」

何よりも欲しかった言葉と笑顔とそれ以上に欲しかったものを与えられた歓喜と、
オレの泣き顔がこの世で最も好きだと豪語する彼の眦にもまた雫が浮かんでいるのが見えた悦びに、
オレはもう他の一切のことがどうでもよくなった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
お目汚し、失礼申し上げました。


520風と木の名無しさん :2012/06/22(金) 02:29:12.81 ID:gmyhdro60
>>516
おつです。リア充爆発ワロタw
手足長いふたりの雑魚寝はたいへん美味しいです
ごちそうさまでした

521風と木の名無しさん :2012/06/22(金) 09:24:32.49 ID:rsNSSJAn0
>>518
最初の4行+4行でぐっと引き込まれた
すごいなあ

522風と木の名無しさん :2012/06/22(金) 09:46:12.15 ID:W9H69lf50
>>518
おっさんカプ大好きだ!
こういうの書いてくれてすごく嬉しい
互いの人生にいろいろあっても変わらず相手を求める関係性とか、おっさんなのに「ちょうだい」とか言わされちゃうところとか萌えました
ごちそうさまです

523風と木の名無しさん :2012/06/24(日) 18:55:09.89 ID:r4HAa3km0
>>86
亀レスだけど
禿げ萌えた
自分のシュミ ストライクだ

524風と木の名無しさん :2012/06/29(金) 03:55:49.43 ID:M0fPAVEI0
>>491
めちゃくちゃ面白可愛かった
幼い頃から重ねた愛ゆえに実現したおかずの品々が兄弟ならではで激しく萌えた
良いものをありがとう

525はやりがみ かざこぐ :2012/06/30(土) 05:05:41.81 ID:fzgGnDVB0
ゲーム、は、や、り、が、みより。
主人公(風海)×ヒロイン(小暮巡査部長)
風海が大変な変態ですすいません
あとガチムチ受です

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

何故あの時、僕は勇気を振り絞らなかったのだろう。生産性のない問いかけをしている場合ではないというのに悔いは怒涛に押し寄せて、嫌な汗がシャツの襟を湿らせる。

「せ、先輩。自分は大丈夫でありますから、はやく、だ、脱出を」

「そんなこと出来るわけないじゃないですかっ」

ベタな答えにも焦りが滲む。
絶体絶命の相棒刑事に僕は形だけの余裕すら見せてあげることが出来ない。

ああ、許してください小暮さん。
一向に進まない捜査にイライラと長髪を掻く賀茂泉女史―言わずと知れた科学捜査研究所エースだ―を前に、「ひょっとしたら例の廃ビルの幽霊が関係してるかも」なんてとても、言い出せなかったんです。
結局、編纂室入室以来、僕を忠実勝手にサポートしてくれる彼―小暮さんのみを連れ立って廃ビルを訪れたのだがこれがとんだ間違いだった。
例の、噂の、最上階の開かずの間。入って一歩目。きもちわるい。
空気が濁っているなどというレベルではない。毒霧でも混じってるのかというどす黒さ。霊的なものに特に敏感というわけではない僕でも思わず口元を押さえるくらいだから、某所で「こぐレーダー」などと揶揄されるほどにオカルト過敏症&恐怖症な小暮さんが無事なわけがない。
慌てて振り向けば、そこには目を凍りついたように見開き、直後ずるずると壁にもたれ落ちていく巨漢の刑事の姿があった。

「小暮さん、しっかり、どうか」

高傾斜の坂道を転げ落ちるが如く、状況は猛スピードで悪化していく。
どんどん青ざめていく顔色を目前にあたふたする僕は、同時に、薄気味悪い存在を背後に如実に感じていた。

「わ た し が こ わ い の ?」



526はやりがみ かざこぐ :2012/06/30(土) 05:07:07.23 ID:fzgGnDVB0
そして、ハッキリと聞こえた。その含み笑いまで。
すぐ側の大きな肩がガクガクと震え心底苦しげな息を吐く。
きっと小暮さんにはそのおぞましい気体の触感までがありありと体内に伝わっているのではなかろうか。
刑事になってこれまで、(なぜか)数多のオカルト現象を体験してきたが、自分はともかく仲間に危険が及ぶことはないだろうと根拠もなく考えていた。まったく僕の頭は平和ボケしてしまっていたのだ。
くそ、こんなことになると分かっていれば例えヒールで踏まれようとも賀茂泉警部補に助力を求めたのに、絶対零度の視線で見下されながら罵られてハイヒールで背中をぐりぐりされたって、あれ、これじゃあまるでご褒美じゃ

「ぐっ、ゲホッ、っは、…せんぱ、い?」

「あっ、すいません小暮さんっ。とにかくあなたを置いては僕は行けません。何とかします。何とか…」

入る前から巨体を縮めて、本能で足を踏み入れることを躊躇っていた彼を強引に説得したのは僕だ。
見捨てて一人で逃げるなんて出来ようはずもない。
焦りゆえか危うい方向に脱線しかけた脳内を僕は急いで整えた。だてに場数を踏んできたわけではない。
しっかりするのだ風海純也。
状況と情報を整理し、正しい活路を導き出す。どんな時だろうとそうやって事件を解決してきたじゃないか。
今回だって。そう決意すれば、無意識に指が顎に触れていた。
手持ちのカードを並べるように、僕は頭脳回路に選択肢を並べた。

[この状況を脱するにはどうしたら良いか?]

・除霊する
うーん、犬童警部やもしかしたら兄さんでも「破ァっ!」って感じで出来んことはないかもしれない。
しかし、二人を呼ぼうにも毎月きっちり利用料金を払っている携帯は肝心な時にノイズしか伝えてこない。無理である【結論】

・小暮さんを担いで逃げる
僕の170センチのやせ身を見栄を張ってやや筋肉質と言い張ったとしよう。
しかしそれでも身長190センチ柔道三段剣道三段空手二段体育会系のお手本のような小暮巡査部長を担ぐことは不可能である【結論】

・お帰り下さるよう霊に頼んでみる
これしかない【消去法】


527はやりがみ かざこぐ :2012/06/30(土) 05:09:36.84 ID:fzgGnDVB0
僕は意を決して振り向いた。
幸いにもそこに居たのはうっすらぼやけた割とキレイめのオーソドックスな女幽霊でそれほど心臓に負担はかからなかった。良かった、貞子みたいなのだったらどうしようかと。

「お願いです、こう見えて小暮刑事は怖いの苦手血も苦手、好物は苺でハンカチはピンクというとってもかわいらしい人物で、君らに害を加えるなんてことは」

「…あなた、ずいぶんのんきなのね」

あれ、幽霊に失笑されたぞ今。

「だめよ、あんなに震えてくれるヒトそうはいないもの。じっくり、じっくり、とりころしてあげるわ」

酷い嗚咽が聞こえた。小暮さんだ。
デカおじさんなどと言われることもあるいかめしい顔が、力なくむせび泣いているさまは異様だった。

「先輩、自分はもう駄目なのであります。さ、さいごに、あやに、妹に、自分の口座にいくらかばかりの蓄えがあるから、それを暮らしの足しにしろと、」

「小暮さん!滅相なことを言わないで!綾さんのためにも絶対に小暮さんを死なせたりしませんっ」

しゃくり上げ、時折過呼吸気味に息を吸い込みながら自分に似ない妹への言づてを小暮さんは頼み出した。
普段の頑健な浅黒さは今の顔から見る影もなく、ついに子犬のように瞳を濡らしはじめ、それでも己より残された者のことを気にかける、優しく責任感に溢れた相棒刑事を見ていよいよ僕は覚悟を決めた。

[どうしたら小暮さんを助けられるか]

・人を呼ぶ【不可能】
・小暮さんを連れて逃げる【不可能】
・幽霊に帰ってくれと頼む【失敗】
・僕一人で幽霊を撃退する【結論】

こ れ し か な い。
僕はシナプスをひっくり返す勢いで幽霊、こと除霊に関する記憶をあさった。
そこで引っかかった。数日前に情報収集と暇つぶしを兼ねて見た掲示板のスレッド。
オカルトにありがちなおどろおどろしい雰囲気はなく気軽に笑いを交えて各々の霊体験を語っていたそこには、冗談とも思えるような除霊方法も散見された。
ファブリーズを撒いてみるとか、アニメソングを熱唱してみるだとか。
一見ふざけた方法だ。しかし、見方を変えればそれは僕のような霊能力皆無の人間にも可能な方法である。
そして僕はあるひとつのカキコミを思い出した。





528はやりがみ かざこぐ :2012/06/30(土) 05:13:19.38 ID:fzgGnDVB0
“俺んとこに来たのは若い女の幽霊だったけど目の前で抜いたら泣いて消えてったわw楽勝ww”

稲妻が走った。これだ……!!!
この身ひとつで可能な除霊方法。
それにさっきこの幽霊はさも愉快げに言っていたではないか、
『あんなに震えてくれるヒトそうはいない』と。
つまり幽霊は、少なくともこの女幽霊はヒトの恐怖心が糧なのだ。
だから大のオカルト恐怖症である小暮さんは格好の餌食になってしまうのだ。
だがもしここで僕が、幽霊?そんなことよりオ○○ーだ!と開き直ったとしたらどうだろうか。
僕の気概に押されて退散してくれたりしないだろうか。

「な、なに…じろじろ見て」

直立不動の僕に、幽霊が微かにたじろぐ。その姿が僕の推理ロジックの正しさを証明しているような気がした。いや迷っている暇はないのだ。
実証あるのみ。
僕はベルトに手をかけ、―おかずがないことに気づいて後ろを向いた。
そして考える。
一人よりも二人でやった方が良いかも知れない。
小暮さんの恐怖心を他の要素で薄めることが出来れば撃退がより容易になることであるし。








529はやりがみ かざこぐ :2012/06/30(土) 05:14:45.05 ID:fzgGnDVB0
「ち、ちょっと」

背後の薄い女性を無視し、僕は小暮さんの前に屈んで膝をついた。
壁にもたれかかる小暮さんは額に脂汗をたらしまだ息も苦しげだが、それより僕の意図がつかめぬゆえの怪訝さの方が強いようだった。
先輩?と、体育会系特有の律儀な呼び方で僕を呼ぶ。
その古めかしい呼び方は最初は気恥ずかしくもあったが、今ではすっかり耳に馴染んでしまった。
年下のくせにキャリアが上というだけで先輩面するのもちょっと気が引けるが、緊急事態である。
今だけちょっと先輩風をふかせてみても許してもらえるだろう。

「小暮さん」

そっと耳元に囁く。耳たぶをなでる吐息がくすぐったかったのか、大きな肩が小さく跳ねた。
僕は手をちょっと上の、丸いいがぐり頭に持って行った。
くしゃりと柔らかく撫でるように五指を動かして怯え固まった巨躯をリラックスさせる。
更に肩からはじまり、スーツ越しでも分かるかたく太い腕もなぞる。
強張りはしぶとく残っているが、恐怖は微妙に薄らいできたようだ。
代わりにピンク色した緊張感がうっすらと、僕と小暮さんの間に浮かび上がる。

「小暮さん。ひとつ策が浮かんだんです。名案とは言えないかもしれませんが、今はこれしか思い浮かばなくて。協力してくれますか」

唇を動かす度に、汗の浮いたほっぺに掠りそうになる。それくらい近い距離だった。
ごくりと喉のなる音がよく聞こえた。まだぬるい水の残る瞳は幽霊ではなく僕を見ている。僕しか見えていない。

「…先輩の推察眼にはいつも感服させられているであります。その先輩が考えた案なら、間違いは」

「正しいかは分からない。でも、やってみるしかないと思うんです」

「自分は、自分は…先輩にどこまでも着いていくであります…押忍」


530はやりがみ かざこぐ :2012/06/30(土) 05:16:03.30 ID:fzgGnDVB0
やった。言ってみるものだ。
念を押した効果もあり、小暮さんも覚悟を決めてくれたようである。
思えば、いかに無茶に思える僕の推理にも毎度毎回、小暮さんは付き合ってくれるのだ。
なんだか信頼という概念が形となって目に見えた気がして、ありがとうございます。と嬉しい気持ちをいっぱいにして言うと、さっと浅黒い顔に朱がさしたような気がした。
そんな初な反応に調子に乗ってそのまま彼のベルトに手をかける。浅黒い顔が今度はしっかりと赤面した。
は、と焦ったような熱息が僕の髪を撫でたが、やせ身の(言い訳するなら小暮さんがでか過ぎるのである)僕に遠慮してか、逞しい腕を恥ずかしさのままに振り回すような真似はしなかった。
ついでに背後の非現実的存在も僕と小暮さんの唐突な行動変化に明らかに狼狽しているようだった。
え、とかまじ?とか、若い女性らしい驚嘆句が途切れ途切れ耳に入ってくる。
しかしまだダメージを与え足りないのか、退散する気配はない。
いいだろう。計画続行だ。
XLサイズのズボンとボクサーパンツをずりずりと刷り下げる。
小刻みに恐怖とは異なる震えを見せ始めた小暮さんにまた囁く。

「小暮さん、落ち着いて。目をとじて…なんなら、この手を川原ミユキちゃんのと思って」

「みっ…!?そんなっ、確かにミユキちゃんは天使でありますが、先輩とミユキちゃんには違った、その、魅力、が、だから、先輩は、先輩で、大丈夫で、ありますです」

いきなり憧れのアイドルの名を出されて動転したのか、割と甘酸っぱくも嬉しいことを口走ってくれる小暮さん。
僕の中枢で、なにかしら熱いものがうねった。
奇妙なパルスの導くまま僕は節くれだったごつい手を取り、自分の下腹部に擦りつける。



531はやりがみ かざこぐ :2012/06/30(土) 05:17:40.12 ID:fzgGnDVB0

「ほんと?嬉しいです。じゃあ、僕のもお願いしちゃっていいですか」

もう小暮さんは耳まで真っ赤だった。なんとも美味しそうに見えて耳たぶをはくりとすると、低いがいやにかわいい声がした。

「っ…………お、押忍」

すっかり口癖となった感のある武道派式了解。やや間があって、僕のそれを大きな手が包んだ。
ゆるゆると、自身の腕力を思ってか必要以上に気を浸かっているのが分かる指遣い。ちょっとたどたどしいのはチャームポイントだ。
というか、慣れてたらいやだ。

「せんぱい、どうでありますか」

上の立場にはとことん従順、という堅物公僕の理想的性質はこの不埒な場においても如何なく発揮されていた。
擦り付けるように性器を動かせば節くれだった指の一本一本が優しくそれを包み込もうと動く。
微妙に凹凸のある固い皮膚で先端の張り出しを擦られると快感の火花が神経を炙る。優しいざらつきに海綿体を擦られる度にとろりとした粘液が相棒刑事の指を汚した。
小暮刑事はそれに嫌悪のかけらも見せず、指や手のひら、あげくは甲までをカウパー液で汚しながら懸命に僕のものを愛撫する。

「んっ、ふ、いい、小暮さん、気持ちいいです」

「よ、良かったであります、先輩が気持ち良いなら、何よりです」

また健気なことを言ってくれる。
ハートと下半身とが一緒にきゅんと絞られた。
元より奉仕だけさせるつもりなんてないので、迷いなく既に硬さを持った彼のものに僕は手を伸ばす。
あわあわ慌てる声を頭上で黙殺し、肉体に見合ったキングサイズのそれを両の指で扱いた。

「ぁヒっ…!ぅあ、せん、ぱ、あっ、ぁあ」

野太い声が驚きから感嘆に変わるのは早かった。
緊張のせいか体質なのか、小暮さんはたいそう感じやすくなっていた。
巨根の幹をぐにぐに押してやればあっという間に小暮さんのものは限界まで張り詰めた。
ひくんひくん。今にも白く濁った液を吐き出しそうな亀頭管を指の腹でグニグニと弄ると大量の先走りが滴り落ちて幹を濡らしていく。

「ぉおっ、ぅア、せんぱ、せんぱいっ、ハッ、あっ、あぁっ、先輩の指が、自分のを…か、感激であります…っ」

「ふ、っあ、小暮さん、小暮さんの手も、すっごく、っきもち、い、あっ、ぁ、はぁっ、んあ」



532はやりがみ かざこぐ :2012/06/30(土) 05:19:37.82 ID:fzgGnDVB0
しゅ、しゅと濡れたそれを上下に扱くととろけた声が快楽を伝えてくる。と、同時に、無意識に小暮さんも僕と同じように手を動かしていた。
やや力のこもった指先が根本から先端までを余さず愛撫する。
骨盤がじぃんと痺れ、鼻先から甘ったるい吐息が抑えようもなく漏れてしまう。
カウパーも指の隙間でぬちぬちとやらしい音を立てて、ふしだらな声と音とが背徳感を煽り立てた。
人前(この場合霊前と言うのか)で恥知らずな悦びに浸っている、羞恥にちりりと胸が焦げたが、目前の堅物巡査部長も同じ悦びに浸っているのだと思うともう恥すらスパイスになる。
まるですがるように、たくましい首筋にかじりついて僕は喘いだ。
二人の吐く息が濃密さを増して重なり、窒息しそうなくらいに揃って官能に耽溺する。
最初こそ引け腰だった小暮さんも今は快楽に正直に、ひくつく亀頭を僕の指に擦り付けておねだりしている。
僕だってもっと小暮さんのくれる熱が欲しくて、たまらずカウパーでどろどろの先端を小暮さんのそれにキスさせた。
ぷちゅり、と湿った接吻の音がして、太い性器の生々しい熱さが過敏化した海綿体組織に伝わった。
まぶたの裏で火花が散る。
排尿感など比べものにならない、強烈な射精欲求が肉幹の中をせり上がった。
どうやらそれで枷が一気に吹き飛んだらしい。あとは白く染まる脳内に任せるまま、僕は当初の目的すら忘れてひたすら法悦を貪った。

「ば く は つ し ろ っ」

忌々しそうな呟きと舌打ちだけをなんとか覚えている。


533はやりがみ かざこぐ :2012/06/30(土) 05:21:53.27 ID:fzgGnDVB0
「やや、起きられましたか」

僕は小暮さんの肉厚胸板を枕にしていたらしい。既に意識の覚醒したにも関わらず健気に寝具に徹していてくれた小暮さんに深く頭を下げる。
ついでに彼のズボンを男の欲望でどろどろに汚しまくったことに対しても頭を下げようとしたが、

「それは…その…お互いさま、でありますから…」

と気まずげに言われてしまった。
なるほど、確かにそのようである。
衣服をなんとか整えた後小暮さんがピンクのハンカチを差し出すのをあわてて止めて(あの可憐なピンクを白く濁らせてしまうなんて、なんだかとてつもない罪のような気がした)僕は再び顎に手をやって考えた。
これからどうすべきか、僕らは報告書というおぞましい敵ともいずれは戦わねばならないのである。

「幸い、表に出ればすぐにビジネスホテルがあるから…」

そうしてセルフクエスチョンという名の独り言をつぶやいていると、
ぎゅ。
不意に抱きしめられた。
この丸太のような腕は考えなくても小暮さんである。しかし普段、僕に対して敬意という名の線を引き大胆な行動に出ることはない彼が?

まさか、憑依――と心臓を凍らせて後ろを見れば

「助けて頂いて、本当に、感謝であります。でも、実は、自分は、最後、幽霊のことなど忘れて、その」

およぐ視線、かあっと火照った表情。肺の底から安堵の息が出た。
小暮さんが僕に何を懺悔したいかはだいたい察しがついた。
類い希な義務感と素直さを所持する彼は例えばそれが秘したい恥部であろうと、僕には正直に打ち明けねば―そして詫びねばならぬ、そう思っているのだろう。
これで僕が黙ったままというのはさすがに後ろめたいものだ。
使いどころを見失った勇気を、今こそ、使う時なのだろう。
報告書はとりあえず後回しだ。
ちょっと窮屈な腕の中で、僕は背伸びして小暮さんに耳打ちした。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

534風と木の名無しさん :2012/06/30(土) 06:46:07.25 ID:oupLofcu0
>>533
幽霊災難wwガチムチ受かわいい
あまりに好みのCPで元ネタに興味わきました。GJです!

535風と木の名無しさん :2012/06/30(土) 11:00:13.68 ID:iojM1nRc0
面白いけど、ナンバリングはつけてほしい(1/10みたいなやつ)

536風と木の名無しさん :2012/06/30(土) 13:41:15.89 ID:EoVd8Jju0
>>525
ナンバリングぐらいつけろカス
とても面白かったです

537風と木の名無しさん :2012/06/30(土) 15:26:07.49 ID:Rs6FkEwn0
>>525
とても良い
本当にとても良い

538その男に騙されるな 1/5 :2012/07/04(水) 11:59:01.84 ID:+3ETTc2W0
半生注意。公開中の映画のネタバレ少し有。
外事けいさつ 韓国エージェント×主人公です。初投下なので、不手際がありましたらごめんなさい。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「…今度は外すなよ?」
その言葉ごと唇を塞がれて、住本はベッドへ押し倒された。

ソウル市街で起きた旧日本軍の不発弾暴発事件。
「表向き」はそうなっている事件から数ヶ月が過ぎた。うんざりするような諸々の後始末を終えた住本が、帰国を控えた最後の夜。
ホテルのドアがノックされ、ドアスコープを覗いた住本の動きが止まる。いつか再会するだろうと思っていた男だった。
柳大河。元NISエージェント。

あの時外した止めを刺す代わりに、貪るように舌を絡め捕られた。シャツのボタンは手際良く外されていく。住本は無駄な抵抗を止めた。どうせ体術で敵う相手ではない。それに、この男にはツケがある。

539その男に騙されるな 2/5 :2012/07/04(水) 12:43:00.71 ID:+3ETTc2W0
NISの裏工作について、住本が柳に発言させた録音テープ。あれが日韓の交渉テーブルに乗ったおかげで、日本は有利に事態を収拾する事ができた。
NIS内部の処分は住本の知る由もないが、柳が責任を取らされた事は想像に難くない。彼がNISを辞した以降の足取りは不明だった。今夜再会するまでは。
シャツを脱がせて、柳は自分が付けた傷跡にそっと舌を這わせる。住本は僅かに身体を強ばらせた。
「…信じ合う事でしか世界は救われない、と言ってたな」
恨み言というには淡々とした調子で、柳は呟いた。
「何故そんな奇麗事が吐ける?お前も、俺も。世界は糞まみれなのに」
柳はひどく疲れているように見えた。裏稼業を辞めた所で、日なたに帰る場所はない。裏を追われた人間は、更なる裏へ廻るだけだ。
「すまなかった」
あっさりした謝罪の言葉に、柳は一瞬呆気に取られた。住本は柳を見据えて、なんでもない口調で続ける。
「殺せよ。それでお前が救われるなら」
柳の目に凶暴な殺意がよぎる。住本は目を逸らさなかった。短い沈黙の後、やがて柳は頭を振って小さく笑った。
「…これだからイルボンは信用できない」
止めを刺すつもりはなかった。少なくとも、今は。それもまた思惑通りなのだろうが。

540その男に騙されるな 3/5 :2012/07/04(水) 12:53:16.44 ID:+3ETTc2W0
住本が身体の関係を取り引きに使った事は殆どない。実際の所、女にはカネの方が効く。ハニートラップに引っかかるのは馬鹿な男だけだ。
自分が女なら便利なのに、と住本はたまに思う。
尤も、例外もあった。
---嫌いなんだよ、その顔。
ネクタイを緩めながら、憎々しげに吐き捨てた男の顔が頭に浮かんだ。
諸々の後始末の腹いせに、日本に帰ったらまた呼び付けられるのだろう。まあ、それで済むなら安いものだが。
「なにを考えてる?」
下半身の異物感で、住本は現実に引き戻された。腹内で指が蠢いて、言い難い感覚に思わず顔をしかめる。からかいを含んだ甘いマスクが、鼻先まで近付いた。
諜報員には向いてない顔だな、と住本は思う。

541風と木の名無しさん :2012/07/04(水) 12:53:25.16 ID:BqrmYKnG0
sien

542その男に騙されるな 4/5 :2012/07/04(水) 12:58:30.81 ID:+3ETTc2W0
キリスト教徒が多い韓国では、日本以上に同性愛への禁忌が強い。彼が長年抑圧していた性癖と、殺した金正秀への罪悪感。住本が自覚させて、パンドラの箱を無理やり開けさせた。一つの任務が片付いても、その陰に狂わされた人生がある。
「考えられなくしてやるよ」
恋人同士の交わりのように、柳の愛撫は執拗だった。指で後孔を慣れさせながら、全身のあらゆる箇所から反応を引き出していく。既知の痛みだけに構えていた身体は、予期しない快感に無防備だった。
「…っ…あ」
堪えきれず、声が漏れる。住本の痴態に煽られて、柳は屹立した自身のものを取り出した。
ゆっくりと侵入してくる他者に、思考までじわじわと圧迫される。僅かな痛みは、意識の拠り処になってくれない。腰の動きに合わせて、柳の呼吸が速くなる。
受け入れた部分から訳の分からなくなるような熱がせり上がってきて、住本は声を上げた。自分を放棄するのは心地良かった。たとえひとときの気休めだと分かっていても。

543その男に騙されるな 5/5 :2012/07/04(水) 13:17:17.83 ID:+3ETTc2W0
生理的な涙が頬を伝い、柔らかな唇にそれを拭われた時、住本は柳の背に強く縋った。
自分のものとは思えない声を遠くに聞きながら、住本の視界は白くぼやけた。

目覚めた時、部屋には住本一人だった。身体に残る痕跡以外、昨夜の名残は何もない。
住本は時計を確認した。フライトまであまり時間がない。手早く身支度を整えながら、頭の中で帰国後の仕事を段取りしていた。
いつか再会するかも知れないし、もう二度と会う事はないのかも知れない。
脇腹に触れて、住本は微かに、嗤った。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

「長すぎる行」を勘違いしていたので、レスを分け過ぎてごめんなさい。

544風と木の名無しさん :2012/07/05(木) 23:07:45.48 ID:Se8cUCtY0
>>538
すみもと……!
ありがとうありがとうありがとうございます!
まさか読めるとは!
映画たぎったから嬉しかった!

545風と木の名無しさん :2012/07/06(金) 21:46:55.66 ID:RfubKEJPO
>>525
あの二人じゃ百合っぽくね?と思っていたら、あら不思議。
変態属性追加だけで、こんなに美味しくなるとはおみそれしやした。
ゲームに忠実なのに面白かったです。

546風と木の名無しさん :2012/07/08(日) 16:16:30.74 ID:SxzuxNDH0
>>538
こーあん、大変だな!いろんな意味で
そしてくらたったらそんな役得してんのか
あの暗〜い部屋、最適だもんねw

547架空のスタッフ・某ローディー×某師/匠 1/4 ◆zT1lbr0CW2 :2012/07/09(月) 00:59:42.85 ID:DW75QOqB0
架空のスタッフ・某ローディー×某師/匠
名前を出さないように師/匠、キミ、ローディー等になっています。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
__________________________________
ローディーはその昂りを師/匠の細い腰に擦りつけた。
「もう我慢できないんです…師/匠…」
「やめなさい…っ」
抵抗する身体を押さえつけ、一気に飛ぶよn|
__________________________________
「お前またそんなもん書いてんのかよ」
「うわっ!!!」
落書きしてたらまた突然背後から当事者に話しかけられた。
集中しすぎたか。…なんだその呆れた顔は。
そういえば前もこいつ×師/匠小説打ってる時に見られたな。
あれは師/匠にも見られて駄目出しくらって消去されたけど…
「よう、師/匠のお気に入り君?」
「…」
「見たぞ師/匠のツイッター」
「俺は見てない」
「嘘つけぇっ『様』だぞ『様』!ほらっ」

『本日は/午後に/ローディー/様が/お越しくださるので、/叱られない/ようにしたい/と思う/します。』

呟き画面を見せると、ローディーの耳がほんのり赤くなった。
…あれ?
数日前から呟かれやがって。過去何回も呟かれやがって。
ていうかtwitterやる前から何度も師匠の書く文に登場しやがってお前ってやつは!
「これを5万7千人超えの人が読んでるんだから、お前もステ/ルスロ/ーディーだな。」
「ごまんななせん…」

548架空のスタッフ・某ローディー×某師/匠 2/4 ◆zT1lbr0CW2 :2012/07/09(月) 01:01:22.23 ID:DW75QOqB0
ステ/ルスロ/ーディーの肩をガシッと抱き逃げ場を無くす。
俺は今お前が羨ましすぎて意地悪な気分なのだ。
「おいローディー様、このあと大好きな師/匠ん家に行くんだろ。今日は何する気だ?いい加減話しなさい、あのあと何があったのか」
今までお前の帰りをあんなに楽しみに待っていた事は無いぞ。
なのに嬉々として問いただした俺に、結局何も教えてくれなかった。
でもな、お前がはぐらかすって事はなんかあったんだろ?
何も無かったら変な想像してんじゃねぇよって一蹴するだろうが。
それになんだ今のその反応は。今までとちょっと違うじゃないかよ。
結局嘘つけない素直な奴なんだよなぁこいつは。
「なぁなぁなぁなぁどうだった?どうだったの??」
鬱陶しそうな顔すんな!抜けがけしたくせによー
「かわいかったんだろ?」
あー楽しい。絶対聞きだしてやるぞ。
なんてガツガツ頭を叩いてたら、ローディーの電話が鳴った。
ディスプレイを確認して、俺に向かって口の前に人差し指を立ててシーとか言ってくる。
…師/匠からかよ!
「お疲れ様です。……はい。…はい。大丈夫です」
師/匠から電話まで来るとかさー、前からだけどさー、なんだかまじめに仕事の話をしているのを聞くとイライラするぞおい。
俺に変われとジェスチャーしても全部スルーされる。くそが。
「…え?!…い、居ますけど…はぁ」
突然心底嫌そうな顔になったかと思うと、これまた嫌そうーに電話を渡してきた。
「何?何?!いいの?」
「師/匠が、ちょっとお前に変わってって…」
まじか!!!
「はい!!もしもし!俺も行っていいんですか?!」
『そうじゃなくて、今回もよろしくっていう挨拶のみです。じゃ、ごきげんよう』
「こちらこそよろしくお願いします!…ところで師/匠、あのあとどうなったんで…いてっ!!」
ローディーにおもいっきり頭を叩かれた。
赤いんだか青いんだかわかんないような顔で腕を交差して×マークを見せてくる。知るか。

549架空のスタッフ・某ローディー×某師/匠 3/4 ◆zT1lbr0CW2 :2012/07/09(月) 01:02:32.28 ID:DW75QOqB0
「こいつ、絶対言わないんですよ。言わないって事は何かあったんでしょう?」
「おい!電話返せ」
『………ふーん…別に…言ってもいいけど。』
「えっまじっすか!おい!師匠が言ってもいいってよ!」
「嘘つくな」
「うそじゃねーよ。」
証拠に、と電話を変わろうとしたけど避けられた。気の弱い奴だ。
手を無い無い、みたいな感じで振っている。
ていうかお前どんだけ嘘つけないの。完全にやっただろ。
じゃあここは誘導尋問だな。
「…入れた?」
全力で首を横に振ってきた。入れてないだと?お前何もったいない事してんだよ。
ていうかもしかしてあんまりしてない?もともとそういう事しそうにないもんな。
「キスくらいはしたよな?」
数秒固まったあと、ゆるーく首を横に振った。したんだな。
「乳首は触ったよな?」
カッと目が開いて、バンッと俺の肩に手を置く。そのままガクッと下を向いて盛大な溜息を吐いた。触ったなこんにゃろう。
「下半身はどうした、下半身」
「いや、ちょっともう」
「馬鹿お前どこまでしたんだよ!え?イカせた?」
口を押さえられた。こーいーつー!
「モゴ…ひひょー!ローヒーがくひを割ひまへんー!」
『…馬鹿。』
怖い師/匠怖い。でも聞きたい興味ある!
口を押さえてくる手を引き剥がしつつ尋問を続ける。
「手で?口で?あっ!!」
隙をつかれて電話を奪われた。

550架空のスタッフ・某ローディー×某師/匠 4/4 ◆zT1lbr0CW2 :2012/07/09(月) 01:02:51.39 ID:m2Vtu6Xh0
「あ、師/匠僕です。…すみません…」
『……馬鹿ですねー』
「すみません本当………あの、あとで行きますんで…」
『…はい、お待ちしております。』
「はい。失礼します」
あ、切りやがった!!
ていうか「あとで行きますんで」とか…なんかちょっとドキッとしたぞ。
なのに当の本人は膝に手をついてがっくりとうなだれている。
「お前、本当やめてよー……あとでどんな顔して師/匠に逢えばいいのよ…」
なんでカマ口調なんだよ。さらに気に入られようって魂胆か?
まぁ、火に油を注いだ気がしないでもないな。
このあとかぁ……いいなぁおい…
帰ってきたらまた根掘り葉堀り聞いてやるからな、覚えてろよ!


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
57,000は呟いた当時の数字です
読んで頂いてありがとうございました

551風と木の名無しさん :2012/07/09(月) 20:47:21.61 ID:efL+A6S1i
>>547
ひー。師/匠もロー/ディくんも架空のスタッフくんもみんなかわいい。
うわーたのしい。ありがとうありがとう

552I beg you. 1/13 :2012/07/10(火) 14:37:23.80 ID:rwEQ6cvDO
半生注意。洋画「ペノレツャの王子様」主人公受け
※オリキャラ・触手・寄生系・ちょっとだけヘビ・後味悪いEND注意
以上が苦手な方はスルーお願いします
まずは前半部分いきます

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

王都を囲む広大な砂漠地帯には、そこに住まう民にすらまだよく知られていない危険な場所がいくつもある。
目印になるものが何もなく迷いやすい砂ばかりの地域、突然現れる切り立った崖や岩場、毒性生物が群生するオアシスなど様々だ。
王国を統治するツャラマソ王の第三王子夕゙ス夕ンは、その持ち前の好奇心と探索能力を活かして
月に数度、そうした危険区域を自ら調査に向かっていた。
他国から攻め入られた場合の迎撃地点や王都へ戻る最短で安全なルートなどの下調べといった戦略的行動も兼ねているのだ。
今回の遠征もその一環で、数人の部下を連れて王国の東の外れにある荒地に向かっていたのだが、
途中で凄まじい砂嵐に見舞われた。視界を奪われる中、避難できる場所を探しているうちに部下達とはぐれてしまい、
どうにか見つけた洞窟のような場所でしばらく様子を見ることにした。
「ふぅ……まいったな…」
ごうごうと唸りを上げて渦巻く砂嵐は、見たところかなり長引きそうだ。それに、確かもうすぐ日没だったはず。
そうなれば砂嵐が治まったとしても、土地勘のない夜の砂漠を出歩くのは危険すぎる。
やむを得ずここで一夜を過ごす覚悟を決め、一緒に来た愛馬を入り口付近で休ませて洞窟の中を探索し始めた。
ここはどこか別の場所に続いているのか、それともただの洞穴か。
今後王国の為に有効活用できるものはないかと辺りを見回していた時、奥の方で何かが動く気配がした。
「誰だ?」
人間ならば、と声を掛けてみるが返事はない。しかし走り去ろうとする足音を聞きつけ、夕゙ス夕ンはそれを追いかけた。
「っおい!待ってくれ!」
「駄目だ!こっちに来るな!!」
「別に危害を加えるつもりはない!砂嵐から逃げてきただけで…」
「いいから、それ以上近付かないでくれ!!」
「どうしてだ!おい待てって!」
しばらく走り続け、やがて声が遠ざからなくなったことに気付いた夕゙ス夕ンは足を止めた。
どうやらそこが洞窟の最深部らしい。とにかく相手と話をしようと、ゆっくりと近付いていく。

553I beg you. 2/13 :2012/07/10(火) 14:39:39.98 ID:rwEQ6cvDO
「……なぁ、ここで何してるんだ?ひょっとしてここで暮らしてるのか?」
目を凝らすと、行き止まりの岩壁の前に誰かが立っている。服は汚れていて所々破れているものの、
割とがっちりとした体躯の精悍な顔つきをした若い男性がそこにいた。
男は怯えて縮こまっていたが、話し掛けてくる相手の顔を識別すると目を丸くした。
「――貴方は、夕゙ス夕ン王子…?」
「オレを知ってるのか!王国の者か?」
夕゙ス夕ンは男の反応を見て敵ではなさそうだと判断し、警戒を緩めた。
もし何かここから動けない理由があるのなら手を貸してやらなければ。
「一体何があったんだ?」
「っ…私に近付いてはいけません!」
「別に何もしない!ただ話を聞きたいだけ――」
肩を掴んで引き寄せようとした瞬間、男は血走った眼差しを夕゙ス夕ンに向ける。
その異様な雰囲気に反射的に身構え、腰に差していた短剣を掴んだ時だった。
「っ!!?」
「……だから近付かないでと言ったのに…」
突然何か鋭いものが夕゙ス夕ンの左肩に突き刺さる。人間とは思えないほどの力で
そのまま後方の岩に全身を叩き付けられ、衝撃で一瞬意識が飛んだ。
「ぐあっ…!!」
肩を貫いたそれは岩壁に深く食い込んで彼を磔にした。不自然に上がった状態で固定された左腕を
自由にしようと刺さった何かを掴んだが、それはぬめぬめとした液体を纏っていてしかも柔らかかった。
想像と違う感触に戸惑っていると、それが全身に纏わりついていることに気付いて心臓が止まりそうになった。
「…な……んだ、コレっ…!?」
大蛇ほどの太さの触手が夕゙ス夕ンの腕や足に絡みつき、ゆるゆると締め上げる。
それが這い回った跡には薄く赤みがかった粘液が付着し、彼の白い上着を汚していく。
更に驚いたことに、その触手はあの男の身体から生えているように見えた。
よく見ると男の腹部には血が出ていない大きな裂傷があり、その中から何か別の生物が手を伸ばしている。
「どうなってる…?それにその傷…何ともないのか!?」
「ええ……『これ』のお陰で平気です…そんなことより、ご自分の心配をなされた方が良いのではありませんか…?」
「え……うわっ!」
傷の中からまた別の触手が伸び、夕゙ス夕ンの大きく胸元が開いた服の内側にするりと入り込む。

554I beg you. 3/13 :2012/07/10(火) 14:41:20.45 ID:rwEQ6cvDO
鍛え上げられた肉体をじっくりと堪能するように、粘液に塗れた触手が肌を滑る。
「うぅ…っ!」
生理的な不快感に顔を背ける。こんな得体の知れないものに身体を弄られる屈辱に耐えられず、
何もかも切り払ってやろうと再び短剣に手を伸ばした。
「…くっ、このっ…!!」
「あぁ、いけません!傷付けないで…!!」
それを見た男が乞うように手を出すと、それに応じて飛び出した細い触手が夕゙ス夕ンの右手を絡め取った。
握りかけた武器は地面に落ち、腕は空中で固定されてしまう。悔しさに歯を食いしばり、彼は目の前の男を睨みつける。
だが伸ばされた男の腕の上を静かに這って近付いてくる真っ白い蛇の存在に気付いて息を飲んだ。
「――…っ」
直感でマズいと思った。見たことのない種類の蛇で、どんな攻撃をしてくるのか予想がつかない。
もしこれが毒を持っていたら――
「ご安心ください王子…これに毒はありません。ただ……」
「…ただ…?」
「……毒を入れられるよりも苦しいかもしれません」
暗い興奮を覗かせる男の目にぞっとした。夕゙ス夕ンはでき得る限りの力で逃れようとするが、
それは触手に阻まれた。白い蛇は男の腕から触手を伝い、遂に彼の胸元に辿り着く。
真っ赤な舌をチロチロとちらつかせながら首に巻きつくと、嬲るようにゆっくりと締め付けてくる。
そのひやりとした鱗の冷たさに夕゙ス夕ンは身を強張らせる。
このまま絞め殺されるのか、それとも食い破られるのか。迫り来る恐怖に死のイメージが脳裏を過ぎる。
心臓を握り締められたように息ができなくなった瞬間、白い蛇がその鋭い牙を鎖骨の近くにブツリと付き立てた。
「っあ゙っ…!!!」
夕゙ス夕ンは激痛に思わず声を上げて仰け反った。切り裂かれたような激しい痛みと共に、
噛まれた部分から何か焼けるように熱い液体が流れ込んでくる。
それがどろりと自分の身体を溶かして体内に侵入した白い蛇だということは彼には見えなかった。
「うぐ……ぅっ!っはぁ…っ」
燃えるような苦痛に顔を顰め呻き声を漏らしていた夕゙ス夕ンだったが、入り込んだ何かが全身をぐるぐると巡っていく内に
妙な疼きを覚える。まるで酒を飲んだ時のような、じわりと身体の熱が上がっていく感覚。
緊張が解れて、頭がぼうっとして、何だか気持ちが良い――…

555風と木の名無しさん :2012/07/10(火) 14:42:50.40 ID:O8rRJsjm0
支援

556I beg you. 4/13 :2012/07/10(火) 15:14:38.19 ID:rwEQ6cvDO
「…う……っぁ…?」
かろうじて地面に付いていた足から力が抜け、立っていられなくなってくる。
膝ががくがくと震え出すとすかさず触手がそれを支えるように巻きつきを強め、彼の身体を宙に持ち上げた。
「んっ………は、なせ…っ」
まだ幾分か残されていた理性をかき集め、夕゙ス夕ンは説得を試みた。
「はぁ…お前は、っ…コイツに、取り憑つかれているのか…?」
「……はい……」
「だったら、オレが助けてやる……だから…っコイツを…」
「私も、貴方に助けていただきたいと思っております…」
「っ、それなら早く――」
「ですから……こうして助けていただいているのですよ、王子」
「なっ……ぅう!?」
開いていた口の中にどこからか伸びてきた細い触手が潜り込み、舌に巻きついてそれ以上言葉を発することができなくなる。
その触手から甘ったるい液体が滲み出て、ダスタンはそれを否応なく飲み込まされていく。
「…っぐ……んぅ゙…っ!」
喉を鳴らして必死に嚥下していくほど、甘い疼きがじわじわと思考を蝕んでいく。
身体の奥から生じる熱は肌を過敏にさせ、服が触れることにすら大げさに反応してしまう。
「っはあっ、ぁ…っう」
そんな火照った肌の上を這いずり回る触手の動きは徐々に大胆になっていき、
飲み込まされたのと同じ性質の粘液を全身に塗りたくるように絡みつく。
やがて飲み込みきれなくなった液体が溢れ、口元から首筋、胸元へと伝っていく感覚にすら感じるようになっていた。
そんな彼の硬くなり始めていた乳首を擦るようにして太い触手が巻きついてくると、夕゙ス夕ンはビクビクと身体を揺らして嬌声を上げた。
「あっ!やっ、ぁっは…」
舌を締め上げる触手の動きに頭が痺れる。もはや身体の自由など利かず、ぞくぞくと走る快感に翻弄されるしかない。
(くそっ!!こんな訳のわからないものに良いようにされてるなんて…!!)
きつく閉じた目尻に滲んだ涙は悔しさか、快楽のせいか。それすらも認めたくない夕゙ス夕ンがこの状況から
目を背けようとしていると、足に絡まっていた触手が中心に向かってよじ登ってきているのがわかった。
粘液で衣服を濡らしながら赤い腰布の内側に先端を滑り込ませ、器用に動いてそれを取り払う。
(嘘だろ…そこに入るつもりなのか!?)

557I beg you. 5/13 :2012/07/10(火) 15:17:19.38 ID:rwEQ6cvDO
「ゔーっ!!うあっ、あっ…!!」
最後の力を振り絞って足をばたつかせたが、触手にいなされ何の効果もなかった。
気付けば何本もの触手が彼の下半身に集まっていて、結局そこを露わにされてしまう。
与えられた快感によってすっかり形を変えていた自分の性器が目に入り、羞恥のあまり泣き出しそうになった。
「ぅゔ……っっ」
「大丈夫です王子…何も恥じることはありません。誰だってそうなります」
「っ…!」
「それに…『これ』に身を任せていれば、じきにこの世のものとは思えないほどの悦楽を与えてくれますよ…」
男はギラついた眼差しで語りかける。おそらくこの男も『これ』に襲われたことがあるのだろう。
だがそんなことは今の夕゙ス夕ンにはどうでもいいことだった。
こんな不気味な生物に身体を弄り回されるなんて想像もしたくない。ましてやそれに悦ぶ自分なんて。
第一、まだ誰ともこんな行為をしたことすらないのに――…
「ひぎっ!!?」
突然の痛みに悲鳴を上げる。驚いて目を向けると、立ち上がった屹立の先端に
今までで一番細い触手が頭を潜り込ませようとしていた。
「っ、え゙…?…は…っ!?」
(何で、そんなとこっ…!?)
信じられない光景に理解が追い付かず、半ばパニックに陥り呼吸が乱れる。
だが触手は容赦なく侵入し、一気に尿道の中を押し進んでいった。
「い゙っ、ああ゙ぁあぁ゙あ!!」
経験したこともない痛みと強烈な快感に襲われ、夕゙ス夕ンは叫んだ。
その声に驚いたのか、舌に巻きついていた触手が逃げるように引っ込んでいく。
「あ゙っ…は、っ!!やめ、痛、っっん゙んっ!!」
身体を丸めて悶える彼の中に入った触手はどんどん奥へと進み、屹立の根元付近にまで達しようとしていた。
自分の許容を超えた責めにどうすることもできず、彼はがたがたと身体を震わせて泣き喚く。
「い…やっだぁ…っ、こん、なっ……も、抜いてっ…!!」
触手の先が尿道の内側を撫でる感覚に声を詰まらせながら、夕゙ス夕ンは目の前にいる男に懇願する。
男は恐らく誰も見たことがないであろうあの勇猛な第三王子の淫らな泣き顔を恍惚の表情で見つめていた。


558I beg you. 6/13 :2012/07/10(火) 15:19:31.55 ID:rwEQ6cvDO
「何故です?気持ち良いでしょう?その触手はやがて奥の奥にまで入り込み、中の精液を直接吸い上げるんです…
…その刺激と言ったら、それはもう気が狂ってしまいそうなほどですよ…?」
どこか虚ろな目でそう呟く男の様子に背筋が凍る。
この男はこんな惨い責め苦を悦びだと感じるようになるまでこの化け物に陵辱されたのだろうか。
それが今や自分の身に降り掛かろうとしているというのか。
「ひ……っ、止めろ…放せ!放してくれ…っ!!」
「残念ですが…もう『これ』は私の意思ではどうにもなりません」
「やっ、んぅ゙うゔぁっっ!!」
触手が急に引き抜かれ、また勢いよく突き刺さる。狭い管の中を強引にかき回される度に
ぷちゅぷちゅと粘液が飛び散り、内壁を摩擦されると脳を焼き切られるような快感が夕゙ス夕ンを襲う。
執拗に続くピストン運動はやがて緩慢になったものの、普段なら起こり得ない刺激を与えられた
そこが腫れ上がったように高熱を発して夕゙ス夕ンを苛む。もはやただの苦痛でしかない侵食に、彼はとうとう音を上げた。
「っは、ぁ…っ…もぅ、許し……っん゙、っふ、止…めて……ぇっ」
顔をぐしゃぐしゃにして弱々しく訴えかける夕゙ス夕ンの言葉をようやく聞き入れたのか、不意に触手がピタリと動きを止めた。
『これ』がそんな風に反応するのを見たことがなかった男は首を傾げる。一体どうしたことなのだろうか。
しかしそんな異変など知る由もない夕゙ス夕ンは、拷問のような快楽から一瞬でも解き放たれたことに心の底から安堵した。
そうして気が緩んだ結果、先程までとは違う性質の涙がぼろぼろと零れ落ちた。
「ぅっ…く、っう……うぁあ…っ…!」
異形の怪物に屈服させられ、ここまで辱められたことが情けなく、悔しくて堪らなかった。そして怖かった。
こんな風に未知の快楽に溺れ、暴かれていく自分の本性を見せ付けられるのが何よりも耐え難い。
嫌だと思っても悦びに震える身体を制御できない事実をとても受け入れることができなかった。
触手から分泌された粘液や自分の体液でめちゃくちゃに汚されて涙を流す夕゙ス夕ンを
眺めながら、男はまるで縋りつくような希望をその瞳に滲ませていた。
その時ふと『これ』の真意を理解した。いよいよ待ち望んだ時が来るのだと、男はいびつに口角を上げる。

559風と木の名無しさん :2012/07/10(火) 15:22:29.47 ID:nYlhCIWy0
支援ヌ

560風と木の名無しさん :2012/07/10(火) 15:23:00.58 ID:wNhP8X6D0
支援

561風と木の名無しさん :2012/07/10(火) 15:38:00.97 ID:O8rRJsjm0
支援するけどさー
>まずは前半
って、もしかして13分割全部前半?
今までの流れからして無茶だと気付かないの?
そんでもって>>2も読めないの?馬鹿なの?

562I beg you. 7/13 :2012/07/10(火) 15:50:31.14 ID:rwEQ6cvDO
「―――ふっぅ、ん゙っ!?」
項垂れていた夕゙ス夕ンがビクンと反応する。再び動き始めた触手が無理やり
彼の両足を開かせ、他のとは少し形が違う二本のそれが後孔に滑り込んできたからだ。
「…あ……う、そっ……!?」
容易に侵入を許してしまったことも、そこにあの触手が入っていることも信じられなかった。
ショックで涙すら止まってしまう。だが入り口がギチギチに広がっている感覚や中にいる触手の
脈動がじわじわと伝わってくると、この後の展開を想像して身体が竦んだ。
「……まさか…」
「その通りですよ夕゙ス夕ン王子…これから『これ』が貴方の中を犯します。貴方にも気持ち良くなっていただかなければ…」
「い…嫌だ、もう嫌だ!あんなの……あんなのはオレじゃない…!!」
今までの痴態を思い出したくないと言いたげに夕゙ス夕ンは頭を振って拒絶を示す。
「気に病むことはありませんよ……どうせもう何もわからなくなります」
歩み寄ってきた男の異常なほど興奮している表情がはっきりと見えた瞬間、ずくんと触手が奥を突き上げた。
「ん゙っあ゙!!」
大きな声を上げた夕゙ス夕ンを可愛がるように、よりねっとりと触手達が纏わりつく。
這い回るヌルついた感触が生み出す快感は、中を抉る触手の動きを何倍にも増幅させた。
「あ゙っ!やぁ、だっ…!!」
二本のそれは時に絡み合い、時に広がって内壁を押し開くように蠢く。
滲み出る粘液を擦り込まれて滑りが良くなると、やや乱暴に奥を穿ちながら進んでいった。
「うあ゙ぁ!!…もぅや……動く、なぁっ!!」
「でも慣らさないと…これで終わりじゃないんですから」
「っな…!?」
夕゙ス夕ンは男の言葉に愕然とした。


[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

続きは0時前後に投下しにきます
次の方いらしたらどうぞ投下なさってください

563風と木の名無しさん :2012/07/10(火) 19:26:21.73 ID:CZfmCw7Z0
今更なんだけど>>196
難曲のそのカプ読みたかったんだ
読ませてくれてありがとう

564風と木の名無しさん :2012/07/10(火) 20:15:08.90 ID:nYlhCIWy0
>>562
これはよい触手 続きも楽しみです

565風と木の名無しさん :2012/07/10(火) 20:21:30.13 ID:ua0zytFL0
>>562
まさかここで王子受けが読めるとは!
続き待ってます!

566風と木の名無しさん :2012/07/10(火) 23:04:22.01 ID:4qTbRhjS0
>>562
触手たん…0時が待ち遠しい

567I beg you. 8/13 :2012/07/10(火) 23:52:57.57 ID:rwEQ6cvDO
>>562です。続きいきます
人によってはグロと感じかねない表現あります。ご注意ください


|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

終わりじゃないだって?この男はどこまで自分を貶めれば気が済むのか。
湧き上がる怒りや憎しみも、触手に中を責められればたちまち霧散してしまう。
「あ゙、っひ、ぁ…!来る……何か来るっ…!!」
せり上がる快感に拳を握り締め、ぶるぶると身体を震わせる。彼の言葉に応じるように触手は音を立てて何度も奥を突いた。
「だめ!あ゙っ、あ、ぅぁあ゙あぁあっ!!!」
腰がガクンと大きく揺れ、夕゙ス夕ンは後孔の刺激だけで達してしまう。
するとすかさず尿道に入っていた触手が吐き出されるはずの精液を全て吸い上げてしまった。
「ひぐぅ……!!」
吸い上げられた時の細かい振動が身体の内側に響き、意識が飛びそうになるほどの快感を覚えた。
その隙に、二本の触手から大量の粘液が体内に注ぎ込まれる。
「ん゙ん…っ」
腹の中がいっぱいになる感覚に眉を顰める。粘液を吐き出した分萎んだ触手が
秘部から抜け出てきたが、入り口や内部は不自然にぽっかりと開いたままだった。
どうやら粘液に麻酔作用があり、筋肉を弛緩させ多少感覚も麻痺させているようだ。
ひくひくと痙攣する身体を落ち着かせることすらできない夕゙ス夕ンを見て危険はないと判断した男は、
肩を貫いていた触手を引き抜き、もう片方の腕も解放してやった。
ぐにゃりと崩れ落ちそうになった身体を支えた触手が、彼を捧げるようにして男の前に差し出す。
「……夕゙ス夕ン王子…」
「…ぅ……」
放心状態の彼を見た男は強烈な後悔に襲われる。こんな風に痛めつけてしまったことを心から懺悔したかった。
だが同時にこれで自分は助かる、この生き地獄から解放されるのだと思うと、彼をここへ
遣わしてくれた神に感謝したい気分でもあった。本来はとても善良な人間であるのだろう。
他人を犠牲にしなければ自分が助かる道はないという現実に心を引き裂かれ、男は止め処なく涙を溢れさせた。
「お許しください……どうかお許しください…っ」
「………なん、で…泣いてる……?」
自身も頬を濡らしたまま夕゙ス夕ンが声を絞り出して尋ねる。


568I beg you. 9/13 :2012/07/10(火) 23:55:05.65 ID:rwEQ6cvDO
男の様子を見るに、もしかしたらこれは彼の本心によって行われているものではないのではという疑念が浮かんできたのだ。
男は夕゙ス夕ンの呼び掛けにびくりと肩を揺らし、怯えた瞳から一層の涙を流して彼に縋りついた。
「貴方に恨みがあるわけではないのです…それだけはわかってください…!」
「どうしたんだ…?」
泣きじゃくる男の頭を撫でて宥めてやりたかったが叶わず、せめて好きなだけ泣かせてやろうと思った。
この男の身に一体何が起きたのだろうか。まだ上手く回らない頭で考えようとしていると、
男の手が腰の辺りを愛おしそうに撫でていることに気付いて少し不安になる。
「……『これ』が、貴方を気に入ったようなのです…」
「…何…だって?」
「ある時私は『これ』に捕まり…今の貴方のような責め苦を受けました。
夜になると私から生命力を吸い取り、それが足りないと他の人間を同じように襲って……」
男は夕゙ス夕ンの胸の中で自分の罪を告白する。
「目の前で『これ』の毒牙にかかる人々を見るのは何よりも辛かった…
しかし逃れようにも逃れられず、私は人目を避けて暮らしてきました」
「何の、話だ…?」
戸惑う夕゙ス夕ンの肌を男の掌が慈しむ。まだ絶頂の余韻が抜けきらない身体をそうやって触れられるのは苦しかった。
「っふ……っ」
「ですが今日、こうして貴方の味を知り…『これ』が貴方を次の宿主に決めたようなのです。
その証拠に、貴方の身体に入り込んだ本体が戻ってこない……あの白い蛇です」
「は…!?オレの中に……アレがいるのか…!?」
一気に全身の血の気が引いた。あの得体の知れないモノが既に入り込んでいるというのか?
そんな実感も違和感もないことが更に恐怖を掻き立てる。
「安心してください…アレは身体を食い破ったりはしません。ただ夜毎貴方の生命力を求め、貴方に快楽を与えてくれるだけです」
男は身体に付いた粘液を舐め取るように肌に舌を這わせる。触手は男がやり易いように夕゙ス夕ンの位置を調整した。
汗ばんだ首筋をなぞりながら耳元へと近付き、その耳に優しく息を吹き掛ける。
「どうかお願いです……私から『これ』を取り去ってください」
「んっ…!」
「…仰いましたよね…?『助けてやる』と…」
男の声は震えていた。自分がしようとしていることの残酷さを理解しているのだ。

569I beg you. 10/13 :2012/07/10(火) 23:57:59.89 ID:rwEQ6cvDO
さすがにそんな願いを聞き入れてやるわけにはいかない。だが今の彼には苦しげに首を横に振ることしかできなかった。
「……止めて、くれ……頼む…」
「私はもう……これ以上耐えられません…!」
苦悩に顔を歪ませ、男は強引に夕゙ス夕ンの唇を塞いだ。引き結ばれたそこをすり抜けて入り込んだ男の舌は
唾液とは異なる液体を滲ませていて、甘い香りがするその蜜を飲み込むと途端に頭の奥が蕩けていく。
「っはぁ……ん」
まるで愛し合っているように、彼はうっとりとした表情で深く口付けを交わす。
身体はすぐに熱を取り戻し、じわじわと広がる疼きが全身を支配した。
離れようとする男の唇を舌で追いかける。何故こんなにも彼を求めているのかもわからない。
ふと、口を開けたままいやらしくヒクついていた後孔に何かが宛がわれる。
男が取り出したそれは明らかに常軌を逸した形状をしていた。
ドス黒く鬱血したような人間の腕ほどの太さの肉棒に、不自然な突起がいくつも生えている。
時折ぼこぼこと蠢くその屹立は滴り落ちるほどの粘液を纏っていた。
「はー…っ、あぁ……っ」
それを見た夕゙ス夕ンは言いようのない興奮に息を弾ませる。嫌悪感や恐怖よりも
それを受け入れた先にある想像もできない快楽に魅せられていた。
既に身体の中にいるというアレの本体がそうさせているのか、それとも心の奥底にあった自分自身の欲求なのかなどと
考える余裕もない。無意識の内に彼は自ら両足を広げ、我慢できずに涙を溢れさせながら男に強請っていた。
「…は、やく……っ入れて……」
「っ、王子……良いのですね…?」
恐る恐る最後の確認をする男に夕゙ス夕ンは何度も頷いた。男は一瞬躊躇ったものの、意を決してその異様なモノをゆっくりと押し込んだ。
「ゔぁ、あ゙ぁあ゙―――…っ!!」
緩みきったそこは難なく異物を飲み込んでいく。粘液の助けも借りて根元まで
収めきってしまうと、夕゙ス夕ンは身体を震わせて再び絶頂を迎えた。
「っっあ゙っは、っあっ……ん゙っ」
差し込まれたままの細い触手によって解放されない射精感は毒のように全身を巡り、一層の快感を彼に突きつける。
「…良いですか?いきますよ…」
「んぎっ!ぃっ、あ゙、はあっ!!」

570風と木の名無しさん :2012/07/11(水) 00:07:41.97 ID:0TCfIYgS0
支援

571風と木の名無しさん :2012/07/11(水) 00:09:52.01 ID:oSzQtXCm0
しえん

572I beg you. 11/13 :2012/07/11(水) 00:10:19.53 ID:DWnZRly7O
男はしっかりと腰を掴み、屹立を激しく抜き差しし始める。夕゙ス夕ンは目を剥いてその衝撃を受け止めた。
「っあ゙ぁ…っ、すご、い……っ広がって…るぅ…っ」
考えられない大きさの肉棒がどこまでも内壁を押し広げ、歪な凹凸が快感を生み出すポイントを全て刺激する。
その度に起こる強烈な痺れは彼の思考を何もかも焼き切っていく。揺さ振られるままに声を上げ
歓喜の涙を流す彼の姿に、男は必死に自分を慰めた。
――私が無理強いしたのではない。この方もこうして悦んでおられるではないか。
  全てはこの怪物のせいだ。私は悪くない…悪くない……!
そうやって自己を正当化しようとする愚かさに男は慄いた。彼がこれからどんな目に遭うか知っているくせに。
なんとおぞましい……だが、自分だって助かりたい。ここから逃げ出したい。
「…あぁ……どうかお許しください…!」
もう何度呟いたか知れない言葉を繰り返し、男は律動を速める。彼が自身の快楽を追いかけているのだと気付き、
夕゙ス夕ンは逸る期待に笑みすら浮かべていた。
「ん゙あっ!はぁっ、来て……もっとしてっ…!!」
「くっ…!こうしなければ…私は解放されないのです…!どうか…どうか……っ!」
「っひぃ!!っあ……中、で…動い、てる…っ、あぁぅ゙っ!」
男が突き上げる度に内部に溜まっていた粘液が掻き出され、ぐちゅぐちゅと音を立てる。
彼を貫いているモノは膨張の域を超え、まるで触手達が何本も犇めき合っているような圧倒的な質量で体内を蹂躙した。
触手の蠕動、粘液が放つ麻薬のような香り、内側から焼かれるような熱。
止まらない自分の悲鳴や男の泣き顔までもが夕゙ス夕ンの全てを犯していく。
もう何も考えられない。考えたくない。こんなに気持ち良いんだ、他のことなんてどうでもいい――…
誰も見たことがない異形な生物に取り憑かれ果てしない快楽に溺れるその姿に、
あの”ペノレツャの獅子”と呼ばれた勇敢な戦士の面影はなかった。
「夕゙ス夕ン王子…」
「…ん゙…っ?」
「……貴方の中にっ……アレの、残りを入れますよ…?」
優しく頬を撫でながら言い聞かせると、夕゙ス夕ンはその手に顔を擦り付けて聞き返す。
「………それ…きもち、いい…?」
とろんとした目で、親に甘える子供のように男を見つめる。

573I beg you. 12/13 :2012/07/11(水) 00:12:17.47 ID:DWnZRly7O
「っ……えぇ、とても」
男はぎこちなくも精一杯の笑顔を返し、安心させるようにもう一度彼にキスをする。
再び舌を絡ませ合い、吐息を漏らした瞬間に勢い良く腰を打ちつけ、夕゙ス夕ンの身体を思い切り揺さ振った。
「ひゃっぁ、あ゙あ!!やぁもっ、だめぇ!!」
「んっ、ん…っ!!」
「また来るっ、またイっ……く、あぁ゙っ!」
「王子っ…あぁ、もう…出しますよっ…!?」
「ぅん゙っ!出してっ、全部、オレにっ入れ、てぇ…っ!!」
夕゙ス夕ンが泣きながらせがんだのと男が身体を震わせたのはほぼ同時だった。
男の屹立から凍るように冷たい何かが迸る。普通の射精ではおよそ考えられない量のそれは
生きているようにずるずると動き出し、下腹部から心臓に向かって這い上がってきた。
「――――っっあ゙、ぅあっ…は…!!?」
身体の構造を無視した侵食に脳が悲鳴を上げる。自分の中身を全て溶かされていくような感覚に全身が揺れた。
酷い痙攣に呼吸すらままならなくなっていると、尿道を塞いでいた触手が勢い良く引き抜かれる。
「い゙あっっ!!!」
鋭い痛みにも似た衝撃に身体を強張らせ、ようやく夕゙ス夕ンは白濁をぶち撒けた。
屹立をビクつかせながらだらだらと吐き出された精液は徐々に姿を変え、やがて一匹の蛇の形を成す。
それは彼の体内で自身の身体を構築し直したあの生き物が、完全に宿主と同化した瞬間だった。
「…は………ぁ…」
とうとう限界を超えた夕゙ス夕ンの目は虚空を彷徨い、ゆっくりとその瞼が閉じられる。
彼が意識を失うと、身体を拘束していた触手達が全てどろどろに溶けて消えていった。
後には四肢をだらりと垂らした夕゙ス夕ンと、彼を抱き留める男だけが残される。
男はそっと夕゙ス夕ンを地面に横たえ、埋めていた自身のモノを引き抜く。
それは通常の人間の性器と変わらない状態になっており、この男があの化け物の呪縛から解き放たれたことを意味していた。
「は……ははは…っ、自由だ……終わったんだ…!!」
膝から崩れ落ちた男は両手で顔を覆い、声を上げて泣いた。遂に解放された喜びと一人の人間を人の道から
外れさせてしまったことへの罪悪感が胸に渦巻き、堪えきれない感情に涙が止まらなかった。

574I beg you. 13/13 :2012/07/11(水) 00:14:05.66 ID:DWnZRly7O
男の慟哭を他所に、生まれ変わった白い蛇は夕゙ス夕ンの身体を隅々まで這いずり回る。
その小さな深紅の瞳に新たな宿主の顔を刻みつけ、満足気に舌をちらつかせて左肩の傷口に潜り込んだ。
するとその傷口が見る見るうちに修復され、代わりに真っ黒い痣が浮かび上がる。
その様子を最後まで見届けた男は、せめてもの償いにと汚れた彼の身体を丁寧に清めてやった。
ここからそう遠くない場所に砂漠の貿易商が利用するオアシスがある。
そこに彼を送り届ければ、後はどうにかなるだろう。
「……っ…」
これから彼は悪夢を見る。あの化け物に何もかも奪われ、何度犯されても終わらない悪夢を。
それをもたらしたのは自分なのだ。
「………許してください……」
男はもうそれ以外の言葉を掛けられなかった。卑怯な自分を呪いたかった。
長い砂嵐は治まり、やがて日が昇る。
悪魔に取り憑かれた王子が目を覚ますのを待つことなく、男は姿を消した。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

王子をぐちゃぐちゃにしたかった。反省はしていない

昼間は手間取ってしまってすみませんでした
楽しんでいただければ幸いです

575風と木の名無しさん :2012/07/11(水) 01:20:04.76 ID:jR3l+9ES0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
現行単車乗り 射手座×乙女座 昔日の甘々妄想


「では蒲生様、私は…」
「二人きりの時はそう畏まらなくていい、ヴァノレゴ」
「…しかし、この姿の時は…」
「ならば解除したまえ」
「いえ、もう私は向こうへ戻りますから…」
「つれないね…、少しくらい時間はあるだろう?」
「…っ」
「解除したまえ」
「…」
「どうかしたか?」
「…その、」
「だったら、別に私は君がそのままの姿でも構わないよ、ヴァノレゴ?」
「お戯れを…」
「……」
「っ、おやめください…!」
「…ヴァノレゴ…!」
「なら…!……ちゃんと、名前を呼んで、ください…」
「!…ああ、ああそうだね、姿に囚われていたのは私の方だったか、すまない」

「シエ本…」




□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
乙女萌すぎて色々ツライ…

576風と木の名無しさん :2012/07/11(水) 01:23:29.82 ID:0TCfIYgS0
>>575
ありがとう!ありがとう!
本当に乙女はいいものだ

577風と木の名無しさん :2012/07/11(水) 06:32:56.01 ID:u1TfUy1D0
>>574
良かったよー!
触手はやっぱり人外の面白さがあって好きだわ
ありがとう!

578風と木の名無しさん :2012/07/12(木) 15:05:56.17 ID:VST0vxDE0
>>575
読めて凄く嬉しい、ありがとう!
乙女座幸せになってほしかった
もう見られないんだなあ

579風と木の名無しさん :2012/07/12(木) 23:13:15.52 ID:bvSDoLOF0
>574
よかったけど、テンプレの「一度に投下は10レス未満」に引っかかってないだろうか?

580転職活動 1/3 :2012/07/12(木) 23:52:54.96 ID:6BzYQVRv0
半生注意。
外事けいさつ 元上司×主人公。映画の後の設定です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

大臣との非公式な折衝、と言えば聞こえはいいが、要は言い訳と根回しだ。
高級クラブからようやく辞去した倉田は、禁煙して久しい煙草を無性に吸いたくなった。大臣が下戸だったので、不味い酒を飲まずに済んだのがせめてもの幸いか。
ソウルでの一件にあの男が絡んだお陰で、尻拭いが結局倉田の元に回ってきた。嫌味の一つでも言ってやりたいが、当の本人が今どこで何をしているのかも分からなかった。
送迎を断って駐車場へ続く路地を歩いていると、店の裏口から罵声混じりで追い出された男とぶつかりそうになった。その顔を見て、倉田が固まる。
---嫌いだな、その顔。かつて倉田自身がそう評した本人だ。
男はそのまま壁にもたれてズルズルと倒れ込んだ。靴先で小突いてみたが、目覚める気配は全くない。
「…何なんだ一体」
苛々しながら携帯に手を伸ばすが、状況を考えると所轄なり部下なりを呼んでいいものか判断しかねた。人を呼んで余計な詮索を受ける可能性は?このまま放置して問題が起きる可能性は?
この男がどんな背景を抱えてここにいるのか見当がつかない。目の前の男はそういう男だった。
元警視庁外事四課〈公安の魔物〉住本健司。

住本を後部座席に乱暴に押し込んで、倉田は車を発進させた。首都高を走りながら、痛むこめかみを軽く押さえる。
どうしてこんな状況になったのか。

581転職活動 2/3 :2012/07/12(木) 23:55:36.03 ID:6BzYQVRv0
ルームミラーに写る住本は、完全に泥酔して動く気配もない。深く考え過ぎて保護してしまったが、こいつは単にプライベートで飲み過ぎただけじゃないのか。倉田は段々腹が立ってきた。
あれこれ逡巡している内に、車は首都高を降りて自宅前に着いてしまった。
「…いやいや、あり得ない」
妻子とは別居中で家には誰も居ないが、あり得ない。いまさら道端に放置するのも躊躇われた。とりあえず車内に放置しようとすると、住本が呻き声をあげて口を手で押さえた。
「…うっ…」
「待て待て待て!」
慌てて玄関の鍵を開け、トイレに押し込む。
悪い夢を見ているような気分だった。

普段全く使っていない客間に、布団を敷いて住本を転がした。水でもかけてやりたかったが、後片付けが面倒になるので止めた。
住本は吐くだけ吐いたらすっきりしたようで、胎児のように丸くなってまた寝てしまった。部下だった頃の住本しか知らないが、度を越して深酒するような自己管理の甘さが想像出来なかった。
そもそも、こんなに間近で住本を見たのは初めてかも知れない。
執務室で相対していた時は意識しなかったが、身長の割には肩幅が狭く、長い手足も身体も棒のように細い。ファイルで見た12歳の少年の面影が重なった。父親を亡くした直後だろうか、写真の少年は痛々しいほど暗い眼をしていた。
住本の過去に、倉田が同情を感じなかったと言えば嘘になる。父親は職務に殉じながら組織の捨て駒にされ、母親は息子を置いて自死した。ただ一人残された住本は、何を思って父親と同じ職を奉じたのか。
住本は法も仲間も信用していない。有能であればあるほど、存在自体が組織にとっては危険因子になり得る。だが倉田が住本に感じている苛立ちは、それだけが原因ではなかった。
自傷行為と揶揄するのは言い過ぎか。住本のやり方は、明らかに公私の境を逸脱していた。〈魔物〉になることで、住本が蔑ろにしているのは住本自身の人間性だった。まるで自分に普通の幸せを赦さないように。
もう少しラクに生きればいいのに。
倉田は溜め息をついて、傍らのタオルケットを投げるように掛けた。
立ち上がって別室に移ろうとした時、急に腕を掴まれて倉田はバランスを崩した。そのまま住本の上に倒れ込む。
思わず悪態をつこうとして、倉田は固まった。

582風と木の名無しさん :2012/07/13(金) 00:11:02.56 ID:vXvYIVSV0
支援

583転職活動 3/3 :2012/07/13(金) 00:15:58.48 ID:rFwbOc2E0
住本が泣いていた。
何かが壊れたような無表情のまま、閉じた瞼から零れた涙が頬を伝っていた。
子供が抱っこをねだるように、住本の腕が倉田の首に回わされた。倉田は微動だに出来ない。状況が把握出来ない。
「…父さん」
聞かなかった事にしよう、倉田は思った。
そのまま安堵したように、住本は倉田の胸に頭を預けた。
どれぐらい時間が過ぎただろうか。
静かな寝息を聞きながら、いつの間にか倉田の手は住本の肩をそっと抱いていた。
混乱と当惑と苛立ちと。それらの感情より、ある願いが胸を占めていた。
穏やかに眠れればいい。
せめて今だけでも。

朝になると、住本の姿はなかった。テーブルの上の走り書きがなければ、昨夜の出来事は夢だと思う所だった。
ありがとうございました。
几帳面な文字で、一言だけ書かれていた。

584転職活動 3/3+1 :2012/07/13(金) 00:17:11.49 ID:rFwbOc2E0
「住本が今何に関わってるか調べてくれ」
陽菜が執務室に入ると、倉田長官が書類に目を落としたままそう言った。
「もう日本にいるんですか?」
「昨日見掛けた。…有賀さんは人遣いが荒いからな」
「ご心配ですか?住本の事が」
鼻白んだ倉田長官と目が合って、陽菜は笑いをかみ殺した。
「…申し訳ありません」
「心配などしていない。犬にはちゃんとした首輪を付けるべきだ。内調で好きにやらせていたら、あいつはそのうち野垂れ死ぬ」
それってつまり心配してますよね、と思ったが言わなかった。
「まだあちらに正式に復帰した訳ではないようです。呼び戻しますか?公安に」
「当面の使い道は?」
「そうですね、ロシアで動きがあるようです…」
淀みなく答えながら、陽菜は住本に提供したデータの事を考えていた。
倉田長官の今週の行動予定。
何に使うのかと問うた陽菜に、住本は肩をすくめた。
「転職活動」
何の冗談かと思っていたが、どうやら住本は内閣調査室の仕事に飽きたらしい。
有賀室長がすんなりお気に入りを手放すとは思えないが、倉田長官があの様子なら復帰は近いだろう。
---戻ってきたら、ランチ一週間分は奢ってもらおう。
執務室を後にした陽菜の表情は、少し楽しげだった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

最後だけ本文長すぎに引っかかってしまい、ナンバリングがずれてごめんなさい。

前回レスくれた方ありがとうございました。
主人公に落とされる元上司が書きたかったのですが、エロまで持ち込めずに残念です。

585風と木の名無しさん :2012/07/13(金) 00:17:56.15 ID:g5MU8nwXO
支援がてら

>>579
だから7レスと6レスに分けて投下したんだけど、それもアウトでした?
そもそも10レス以上のものは投下禁止っていうことならそれは申し訳なかった
もし次があれば気をつけます

586579 :2012/07/13(金) 00:21:45.52 ID:+2SMQ1aV0
>>585
どうなんだろう?別に特に文句を言う人が居なければそれでいいと思うけど。

587風と木の名無しさん :2012/07/13(金) 00:25:04.78 ID:GxpJ2DH80
470KB

588風と木の名無しさん :2012/07/13(金) 17:48:02.90 ID:R/pdyLtM0
次スレは480KB超えたら立てるでいいよね?

589風と木の名無しさん :2012/07/14(土) 07:12:53.16 ID:ydifgXVB0
保守

590風と木の名無しさん :2012/07/14(土) 23:56:18.92 ID:0BBXwsCi0
で銭・ぴ草の「車達」から稲妻×医者でエロ(車)

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「遅かったな、坊や」
ガレージのオレンジ色のラランプを、磨きあげられた51年型ハドソン・ホーネットのネイビーの車体が反射する。
「どうしたの?やけにおしゃれじゃない?新しくポリマーコーティングなんかしちゃって」
「お前はいままでなにをしていたんだ?」
ハドソンは目を細めて、滑るようにガレージに入ってきたマックイーンを見た。
ダートの土埃をまとったまま、マックイーンは後輪でガレージの量扉を閉め、走り抜けた直後の興奮も冷めやらぬ瞳をハドソンに投げ掛ける。
「一刻も早く二人きりになりたくて、身支度してる余裕なくて」
自主練を欠かさないレースへの姿勢は素直に評価に値する。
見つめあったまま、二台は自然に目を閉じ、お互いのフロントバンパーを重ねた。
穏やかに食むような口づけを繰り返す。

「ん…」
軽く触れるだけのキスをしてハドソンはバックし、二台の間のつながりはきれた。
マックイーンはそのまま追いかけ、ハドソンのバンパーを舌先でつついた。
ハドソンはまゆをあげて驚いたそぶりをみせたが、もう一度目を閉じてマックイーンを受け入れた。
マックイーンは彼の歯列を割って奥に入りこみ、車体を傾けてさらに深く舌を絡ませる。

数分後、すっかりエンジンが熱くなった二台は口づけを離して荒い息をついた。
「キスだけでもうこんなに熱くなっちゃうんだね、おじいちゃん」
「年上をからかうな」
頬が赤くなっているのは、ルームライトが暖色系の光だからではない。
ハドソンはバツがわるそうに目をそらす。
お世辞にも車二台には十分なスペースがあるとはいえないガレージは、彼らの熱がこもってサウナのように暑くなっていた。
「換気する?」
「いい。それより…したいことがあるんだろう?」
さっきからハドソンのリアフレームのほうからぽたぽたと滴が垂れて、埃っぽいガレージの床にシミをつくっていた。
「おいで、ライトニング」

591風と木の名無しさん :2012/07/15(日) 00:00:31.02 ID:0BBXwsCi0
マックイーンはハドソンの後ろから覆い被さるように、彼の滑らかな流線型のボディに乗りあげた。
ホイールがむき出しのレース用のタイヤのまま、若いレーサーは彼のクルーチーフをガレージの床にくみしいた。
2トンの重さに、51年製ハドソン・ホーネットのフレームが小さく悲鳴をあげる。
「ドック…本当にいいの? 」
「……いいっていったろ。二度も言わせるな」
ハドソンのエンジンは本当に熱くなっていて、ボンネットからの熱が上に乗っているマックイーンにもわかるほどだった。
「それじゃあ…いくよ」
マックイーンは絶えず滴を垂らしているハドソンの排気筒に自らのものを突き立てた。
「はあっ」
「ハドソン…」
オイルで滑りやすくなっているとはいえ、本来異物を挿れる機関ではないそこに他の車のそれを受け入れるのは、大抵の覚悟だけではできないはずだった。
ハドソンは眉をよせ、言葉にできない異物感に適応しようと努力した。
「熱い…熱いな、坊や」
「ハドソン…大丈夫?」
「どうってことは、…ない。それにしても…ふっ…お前、人のこといえんぞ」
ボディを支配するエンジンの熱にフレームが溶けてしまいそうなのは、ハドソンだけではなかった。
「入ってくる風が…、とても熱い。エンジンがオーバーヒートしそうなのは…俺か、お前か…」
「そんなにおしゃべりする余裕があるなら、心配いらないかな…でも」
マックイーンが車体をひねると、また結合部が擦れて音をだした。
ハドソンは苦痛とも、快感ともとれるうめき声をあげた。
「ドックにはいつまでもボクの側を走っていてほしいんだ。無理は…させないからね」
「はっ…殊勝なことだな。なら…早くこの熱を奪ってくれ」
マックイーンはその言葉を合図に、ゆっくりと動きをはじめた。
「あ、ああっ」
「ハドソン」
前輪でハドソンのサイドウィンドウを強くグリップして上半身を密着させる。
抜き差しの度に結合部から水滴が飛び散り、ハドソンのリアタイヤ内側を濡らした。
「ねえ…っハドソン」

592風と木の名無しさん :2012/07/15(日) 00:02:22.32 ID:0BBXwsCi0
「くっ…坊や、はぁ…っ、なん…」
マックイーンはスピードを緩めることなくピストン運動を繰り返しながら、車体を傾けた。
「ボクはアンタを愛してるんだ…」
低い声で囁かれて、ハドソンはクラッチが擦りきれそうな錯覚を感じた。
「だから」
返す言葉も、若いレーサーの勢いに飲まれて、喉元に留まったままでからまっている。
「いまこうして確かに繋がっていられることが」
リアバンパー同士がガツガツとぶつかって火花を散らす。
ハドソンの脳裏で光が弾ける。
「信じられないくらい嬉しい」
ライトニング。
その瞬間、結合部からハドソンの全身に電流が走った。
やってきた絶頂感の波にハドソンは一気に押し流され、自らのボディにのし掛かっている赤いレーシングカーの重み、彼のエンジンの振動だけが世界を支配し

た。

「あっ」
「?」
行為のあと、横に並んで停まった二台は、ホイールとホイールとが触れあうくらい密着した時間をすごしていた。
マックイーンはハドソンのサイドミラーに映った彼のネイビーブルーを見て、小さく声をあげた。
「ごめんね、せっかくの新しい塗装をはがしちゃった」
ああ、というようにハドソンは眉をあげた。なるほど、マックイーンのシャーシが擦れた部分が、何本もの平行な白い線になっている。
若いレーシングカーはしょげかえって、丸みを帯びた車体を縮こまらせている。
「本当にごめん。修理代は出させてくれるよね?」
その落ちた視線を拾いあげて、ハドソンは微笑んだ。
「いや。そのままにしておこう」
「なんで?!」
マックイーンは驚いて顔をあげた。
ハドソンは目を細めて、そのグリルには穏やかな笑みが広がっている。
「この傷も思い出だ。そうだろう」
そのセリフに、マックイーンは親友の言葉を思い出した。
新しいへこみができても、マックイーンとの大切な思い出だからと、頑なに修理しようとしない錆びたレッカー車。

593風と木の名無しさん :2012/07/15(日) 00:12:58.11 ID:jgiANZ150
「まったく、おじいちゃんの頑固さにはかなわないよ」
「お前には負けるさ」
「どうだか」
マックイーンはハドソンのフェンダーに優しくキスを落とした。
「おやすみ、ハドソン。愛してるよ」
ハドソンもマックイーンの頬にキスを返す。
「愛してるよ、ライトニング」
そして二台はボディを傾けて鼻先をすりあわせた。
やがて二台のレースカーに、静かな夜がゆっくりと、穏やかに降りてきた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

医者かわいすぎてどうしても車でエロが書きたくて勢いで打ちました。
車達は車状態がいちばんかわいすぎます。
素晴らしい先人様に感謝!!ありがとうございました!!

594風と木の名無しさん :2012/07/15(日) 03:07:59.41 ID:Y16ho4vr0
ナンバリングくらいちゃんとしろ

595風と木の名無しさん :2012/07/15(日) 05:24:24.66 ID:Db+KdFHi0
>>580
キタ━(゚∀゚)━! くらたん、その男にだまされちゃったw
「靴先で小突いて」みたり日本国のために?いろんな可能性を考えるのが
くらたんらしい
といいつつ騙されたのは同じ…同情を返せえ…萌えは返さんがな!

596風と木の名無しさん :2012/07/15(日) 08:28:47.75 ID:pjiCvx9X0
>>590 乙
医者えろいよ医者

597遠い時間の果て(鬼喰→鬼切) 1/4 :2012/07/22(日) 23:54:51.21 ID:QaOV4e3nO
「鬼切丸」最終回後で、鬼喰→鬼切。


|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

 後藤が「力になれることがあったら連絡して」と電話番号・メールアドレスと共に教えていた住所に、結婚報告の葉書が来た。
 純白のウエディングドレスの美人、その傍らには征夷大将軍、ではなく、人の善さそうな優男。あるいは、彼の人は武勇伝に似つかわしくない、このような面差しをしていたのだろうか。
「先越されちまったなぁ」
 ニヤリと笑い、左の指先に挟んで差し出す。
 受けとった後藤は、取材から帰ったばかり。スタイリッシュなパンツスーツ姿は、年齢を重ねてなお華のある容姿を引き立てている。
 写真越しに祝福するように顔を綻ばせ、ダイニングテーブルへ葉書を滑らせた。
「いいのよ、でっかいコブ付きでもいいって男なんかそうそういやしないんだから」
「でっかい……おいおい、俺のことかよ」
 こちらのぼやきに背を向け、リビングのソファに腰を下ろした。スプリングの軋む音に、仕事の疲れが表れる。
「頼もしいボディガードをヒドい言い種じゃねえの」
 鬼に引き寄せられているのか、鬼を引き寄せているのか。鋭い爪は届かずとも、危なっかしいことこの上ない女。
「私の命懸けの取材のお陰でメシ喰ってんでしょー、扶養家族じゃない」
 扶養されているつもりはないが、この女をアテにしている部分も無きにしも非ず。仕方がないので、二人分コーヒーを淹れてささやかなご機嫌取り。
 こんなやり取り、何度繰り返してきたか。


598遠い時間の果て(鬼喰→鬼切) 2/4 :2012/07/22(日) 23:57:04.99 ID:QaOV4e3nO
 後藤の前に彼がまた現れるのではないかという期待が、無かったと言えば嘘になる。
 彼に引き寄せられているのか、彼を引き寄せているのか。「切り札」と言わしめた人間。その繋がりは強い。
 後藤は後藤で、俺の鬼気を感じ取る能力をアテにすることもある。
 彼の存在を信じている、信じたい。
 その思いが、今一度人間の伴侶を得た鬼姫も含め、この奇妙な縁を結び付けていた。
 駆けずり回り草の根分けて探すような存在ではなく、また探したところでそうそう見つかるまい。できることは、こうして鬼縁を絶やさずいることくらい。彼が現れるとすれば、それは鬼あるところだから。


 時が流れ、人間は変わり、死に、生まれ、世界が変わっていく。
 鬼もまた絶えず生まれる。
 鬼と引き合う後藤がおらずとも、幸い――人間世界としては不幸――なことに、飢えに苦しまない程度には獲物にありつくことができていた。
 人ゴミは守るべき存在であり、撒き餌であり、種を蒔かれた畑。その中で感覚を澄ませれば、何かしら引っ掛かってくる。
 今日は当たり。鬼気の芽吹きとでも言おうか、まだ微かなそれ。
 在り処を探る。それは少女だった。小さな唇を噛み締め、落とした視線は夢うつつ。今も昔も、思春期の女という奴は手に負えない。
 芽吹いたそれが育ち血の花を咲かせれば狩るだけのこと、自分の飢えは満たされる。しかし一方で、育つ前に枯れてしまえばいいとも思う。
 彼や後藤ならば、鬼になるなと首を突っ込み、救おうとするだろうか。
 鬼と人間の狭間に揺らぐ存在は、こうして彼を思い出させる。


 数日を経て、再び目にした少女の、噛み締めていた唇からは凶悪な牙がはみ出し、その牙は鮮血に濡れていた。
 なんと哀しい、醜い姿。


599遠い時間の果て(鬼喰→鬼切) 3/4 :2012/07/22(日) 23:59:16.25 ID:QaOV4e3nO
「人間の味を覚えちまえばよ、戻ることはできねえのさ。
 情け深いヤツの角を以てしても、な」
 彼は鬼でありながら、人間に深く深く情を抱いていた。人間の味を知る前に彼と出会っていれば、末路は違ったろう。
 泣き声のような咆哮をあげながら、少女は鬼へと姿を変える。
「だからな、せめて俺が浄めてやるよ」
 不動明王の御力を以て、勾玉へと封じ、この体内で浄化してやろう。
 制服を破り膨れ上がる体、そして鬼気。
 拳を振り上げたことも無かったのではないか、そんな華奢な腕はもはや無く、禍々しい爪が振り下ろされる。
 飛びすさる。一瞬前に立っていたコンクリートがえぐれた。
 この血肉が猛毒だとも知らず、ただ鬼の本能のままに人間の鮮血を求めている。
 片手では装填が難しい分、予め全弾込めておいた拳銃を抜く。変化の鬼一匹など、一発二発で事は済む。
 充分だ、そう思った矢先、近付くもう一つの鬼気。
 一瞬覚えた焦りは、すぐに霧散する。
 それは、忘れてしまいかねないほど遠い記憶の中の、忘れえぬ愛しい強大な鬼気だった。
 鬼気の強大さのわりに小さな後ろ姿が、鬼との間に降り立つ。
 遠い過去、呼ぶことのできる名を持たない彼に、何と声をかけていただろう。数瞬迷ううちに、彼がこちらに半身を向ける。
 詰襟の学生服。かつての鈍い金の釦を並べた漆黒ではなく、濃紺。
 揃った長い前髪と、その下の陰気だが清廉な眼は、変わらない。手にした刀も。


600遠い時間の果て(鬼喰→鬼切) 4/4 :2012/07/23(月) 00:02:08.40 ID:QaOV4e3nO
「転校したのかよ、この鬼め」
 やっと、逢えた。
 鋭い爪がその頭を潰そうとするように迫る。
 つれなくも素早く視線を外し、振り向きざまに振るった刀が、自らの胴ほども太い腕を切り落とす。
 鬼はやはり、絶えず生まれる。それでも彼は、夢物語を捨てるわけにはいかないだろう。
 はるか昔、鬼の屍より少年の姿をした鬼が生まれた――そんな一節から始まる物語。
「とどめは俺に寄越せよな」
 口元がだらしなく緩みそうになるのは、獲物を目の前にしているからだけではない。
 応じたか確かめぬまま、照準を合わせる。邪魔をするなら、お前がこの弾を喰らうだけだ。
 そういえば、こうして一匹の鬼を相手取ったとき、しばしばとどめは俺だった。遠い記憶がいくつも連鎖して蘇る。お前は甘かった。人間から逸した、こんな化け物にまで。
 「鬼と鬼喰いが組めるわけがない」とは、いつか昔の彼の言葉。
 仲良しこよしと組まずとも、こうして繰り返していけばいい。永遠とも知れぬ二人の命の、いずれかが尽きるまで。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


制服は私の趣味です。
準レギュラー三人は、少年に惹かれている同志だと思ってます。
懐漫のスレで書かれてた、「日本刀持ったスペースレンジャー」になっても、こんなこと続けてたらいいよ。


601風と木の名無しさん :2012/07/29(日) 22:29:06.88 ID:zOO36hLf0
>>597
幻雄さんまさかの居候(ヒモ)から養子にステップアップ
いつの間にかあの三人の中で一番見た目年齢近い方になるのか

602オリジナル801軍隊 部下×上司 1/3 :2012/08/02(木) 00:24:31.61 ID:JM/IYGSI0
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )祝801の日!と思って書き始めたけど間に合わなかったー

 シーザー、俺はお前を気に入っているけれど、お前に報いることはできない。
 お前は実に誠実な男だ。
 俺の言ったことを忠実に守るが、反面、自分の主義に反することは絶対しない。
 よく躾けられた犬達の中で、お前だけが狼の目をしている。
 群れの中でも自己を見失わず、いざとなったら自力で生き抜こうとする。
 組織からは疎まれるかもしれねぇが、俺はお前みたいな奴こそ信頼できると思っている。
 だからお前を隣りに置いたし、目をかけた。
 立場上お前を殴らなければならない時も、心の中では賛辞を送っていた。
――ブラヴォー、シーザー。上官の拳になんか屈するな!

 お前はそんなにでかい体をしながら、時に兎のように臆病でもあった。
 一緒に飲んだ夜、肩に触れただけで俯いたし、シャワー室でかち合った時は
何かと理由をつけて先に出て行く。
 馬鹿だな。俺は男で、柔らかい体や甘ったるい声なんて持っていないんだから、
肩を抱いたって裸を見たって構わねえんだよ。

603オリジナル801軍隊 部下×上司 2/3 :2012/08/02(木) 00:25:42.37 ID:JM/IYGSI0
 どうして俺に惚れちまったんだ?
 いや、責めてるわけじゃない。
 お前だって元々はグラマーな女が好きだろ。
 はっ、部下の部屋にどんなピンナップが貼ってあるかぐらい知ってるよ。
 俺が金髪で、ちょっと整った顔してるからか?
 まだ下っ端だった頃、イカれた奴にそんなことを言われたことがある。
 後ろから首筋にキスされて、思わず殴っちまった。
 鼻血だらだら流しながら、「君はきれいだ」だとよ。
 笑っていいのか怒っていいのかわかなかった。
 男しかいない場所にいると頭がおかしくなるんだろうな。
 確かに俺の母親は美人だったが、残念ながら俺は娘ではなく、息子として生まれた。
 女の代わりをするのは勘弁だ。

 シーザー、難しいことは考えるな。
 お前はまだ上に行けるし、俺はその鍵を握っている。
 俺達がハニー、ダーリンなんて呼び合う日は永遠に来ない。
 今より偉くなって、お前を引っ張りあげてやるのが、俺に出来る唯一のことだ。
 そのためには決して周りに弱みを見せてはならない。
 糞ホモ野郎なんて噂されるのは論外だ。
 わかるだろ? 俺達は常にタフでクールであるべきだ。
 任務を遂行することが第一だし、私情はあってないようなもんだと思え。

604オリジナル801軍隊 部下×上司 3/3 :2012/08/02(木) 00:26:44.02 ID:JM/IYGSI0
 お前が誰に欲情しようが勝手だが、青臭い期待は捨てろ。
 軍で出会った以上、俺が上官でお前が部下、これは決して変わらねえんだ。
 もしも俺が女だったら、お前に何か返せたかもしれないが、それはどんだけ
 言っても意味がないことだ。
 だから俺に尽くせ。
 俺はこれからもお前も殴るし、お前は犬の振りをし続けるだろう。
 いつかお前に何か言ってやれる日が来るとしたら、それは俺かお前か、どちらかが死ぬ時だ。
 待ち遠しいか? ま、そんな簡単にはくたばらねえがな。
 いいかシーザー、今は忘れろ。今後一切、表に出すな。
 地獄に落ちる前に、必ず報いるから。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ ) 部下→←上司の表記の方がよかったかも…

605風と木の名無しさん :2012/08/02(木) 21:43:38.97 ID:gxyMAGwo0
>>602-604
なんかワロタw本当にホモホモしくて良いなv

606風と木の名無しさん :2012/08/02(木) 21:49:58.80 ID:gxyMAGwo0
連投失礼
そろそろ次スレを立てなきゃならんかな?
って自分は規制で立てたれないんだが…だれか立てられる人がいたら、ぜひお願いします!

あと、お手数をかけて恐縮ですが、>>2の下段部分の途中の表記を以下のに差し替えていただきたい
申し訳ないのですが、どなたかよろしくお願します


※シリーズ物の規制はありませんが、連投規制やスレ容量(500KB)を確認してスレを占拠しないようお願いします。
※感想レスに対するレス等の馴れ合いレス応酬はほどほどに。
※「公共の場」である事を念頭にお互い譲り合いの精神を忘れずに。
※ルールを守っている書き手やその作品に対して誹謗中傷・煽り・否定意見の書き込みは禁止
※誹謗中傷・煽り・否定意見に対しての反論は書き手、読み手共に禁止
 レスするあなたも荒らしです。注意する時は簡潔に「>>2を守ってください」で済ませましょう。

607 忍法帖【Lv=17,xxxPT】 :2012/08/02(木) 21:55:38.73 ID:2iGxP1PM0
レベルが足りてたらスレ立て試してみます

608風と木の名無しさん :2012/08/02(木) 22:12:35.41 ID:2iGxP1PM0
一応立てたんですが、テンプレの>>3->>9が連続投稿に引っかかって貼れません。
時間を開けてリトライしてみますが、どなたか先に貼れるようでしたらお願いします。

609風と木の名無しさん :2012/08/02(木) 22:18:16.69 ID:gxyMAGwo0
>>608乙です!ありがとう!了解!貼れるところまで貼ってみるよ

ちなみに次すれURL

モララーのビデオ棚in801板68
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/801/1343912199/

610風と木の名無しさん :2012/08/02(木) 22:32:42.09 ID:2iGxP1PM0
>>609
ありがとうございます!
アナウンス不足で>>3をダブらせてしまってごめんなさい。見守りますので後よろしくお願いします。

611風と木の名無しさん :2012/08/02(木) 22:54:35.58 ID:gxyMAGwo0
>>610
レスありがとう!とりあえず貼り終えた!
こちらこそ、>>2の表記差替のアナウンス不足&リロード不足申し訳ない
おまけに自分のレス、誤脱字多かったしな…orz
ご協力ありがとう!そして乙でした!

612風と木の名無しさん :2012/08/05(日) 04:20:36.05 ID:cRk2aycC0
残り11kb
容量超えそうな作品はここ→新スレで跨ぐの?
それとも新スレに書くの?

613風と木の名無しさん :2012/08/05(日) 04:45:04.94 ID:z/+Fp7tK0
新スレに投下したほうがいいんじゃない?
保守が続いてるだけの状態だし

614風と木の名無しさん :2012/08/05(日) 12:45:30.77 ID:merMrYAE0
11kbてレスの分量にしたらどの程度なんだっけ

615風と木の名無しさん :2012/08/05(日) 13:16:47.43 ID:+sUgIAja0
1レスの限界が2048byte=2KBだから
5〜6レス分のSSくらいかね

ちなみにこのレスで大体150byte強くらいだから
雑談で埋めるなら60〜70レス分くらい

616僕と彼の関係 1/3 :2012/08/08(水) 23:42:25.23 ID:EYihUnylO
オリジナル。頭脳系×肉体系。やってるだけの話。
特殊部隊とか何かそういうのをイメージしていただければ。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

僕と彼は一般的に言うところのライバル関係にある。正確には、周りからそう思われている。
僕はいわゆる頭脳タイプで、彼は肉体派に分類される。
だが二人の能力にそう違いはなく、この分類もあくまでどっち寄りかという程度の意味合いでしかない。
彼は人望に篤く部下からとても慕われている。人懐っこい笑顔もそうさせている要素の一つだ。
対して僕はというと、部下に厳しく当たったりなんてしなくても『サイボーグ』と揶揄されるほど
変化の少ない顔のお陰で血の通わない冷酷な人物であると思われているそうだ。
そんな僕達は、任務中ほとんど接触することがない。任務外でも会話どころか目を合わせることすらないため、
周囲からは「真逆だからソリが合わない」「お互いを敵視している」
「鉢合わせすれば殺し合いが始まる」などと様々な噂を立てられている。
そんな噂が独り歩きしてしまっているせいで、部下達も上司との会話に相手の名前を出さないよう細心の注意を払っているほどだ。
だがまぁ実のところその気遣いはありがたいことなのかもしれない。
事実、僕と彼がただならぬ関係であるということに間違いはないのだから。

深夜1時過ぎ。その日の仕事を終えた僕は仮眠室がある階に足を運んだ。集団用の部屋の先に、
少し階級が高い人間が使える個室があり、その中の一部屋の扉を開ける。
使用中であることを示す赤い札が掛かっているのを無視して入ったその部屋は、
ベッドと簡素なクローゼットのみという正に睡眠を取るためだけの作りになっている。
その硬いベッドの上に、見事に鍛えられた上半身を露にして眠っている人物がいた。そう、彼だ。
僕が何の遠慮もなくベッドに腰を下ろし、その肩をするりと撫でるとすぐに目を覚ましてこちらを見る。
「やあ」
彼にしか見せない柔らかな笑顔を浮かべると、僅かに彼が息を飲んだのがわかる。
だが恐怖や緊張といったもののせいではない。
「明日は何時から?」
「…7時には現場に戻る」
「そっか。じゃあ時間かけない方がいいね」
そう笑い掛けて、僕は返事を聞かないまま彼の唇を塞いだ。

617僕と彼の関係 2/3 :2012/08/08(水) 23:45:16.64 ID:EYihUnylO
制服のボトムを下ろし、ほとんど裸の状態にした彼の下腹部に顔を埋める。
疲れているからかすぐに硬くなった彼のモノを音を立ててしゃぶっていると、彼が僕の頭を押さえ付けた。
促されるまま喉の奥にまでソレを咥え込み、搾るようにして強めに吸い上げる。
「っぅあ…!!」
僕の茶色い髪を握り締め、仰け反りながら彼が達した。まだ尿道に残っていた分も全て吸い出してから頭を上げると、彼は呆けた顔で息を弾ませていた。
「ん」
「…ぁ…」
僕が促すと彼がゆっくりと口を開ける。少し高い位置から彼が出した精液を口移しで飲ませてやると、それが彼の中のスイッチを切り換える。
敵を圧倒的な力で捩じ伏せ制圧する全身が武器のような男が、僕に組伏せられ蹂躙されるまま嬌声を上げるだけの存在になるのだ。
こんなこと、愉しくない訳がない。僕は思わず笑みを漏らしながら彼の唇を貪る。彼も僕の身体を引き寄せて舌を絡ませた。
お互いの身体を触りながら体温を同じにする。始めのうちは僕の制服を脱がせたり首筋にキスをしていた彼も、
僕が受け入れてもらうための場所を解し始める頃にはもうされるがままだ。
壁に手をついてベッドの上に膝立ちになった彼の秘部に、ローションを纏わせた指を押し込んでいく。
中を探るように指を動かすと彼が小さく声を漏らして身体を震わせた。
「はぁ…っ」
「ん、ちゃんと指2本入るね。じゃあもういいかな」
「ぇ……ぅぐっ!!?」
彼が向き直ろうとした瞬間に僕は自分のモノを強引に捩じ込んだ。
驚いた彼が身体を強張らせ、弾みで壁に頭をぶつけてしまう。だが僕は構わず腰を掴んで律動を開始した。
「ゔっ!んっ、あ゙…っ!!」
「ほら。あんまり声出すと聞かれるよ」
「――――っ!!」
僕の言葉に慌てて両手で口を塞ぐ。そんな彼の反応が可愛らしくて、より強く腰を突き上げてしまう。
「っっ!!………っ、ん゙む…!!」
「うわ、凄い締まってる……気持ちいいの?」
「ん゙っ…、ん、っ!」
彼は声を出す代わりに何度も頷いてみせる。その度に壁にゴンゴンと頭を打ち付けていたので、僕は耳元に顔を寄せて忠告した。
「言い忘れてたけど、そっちの部屋には中佐がいるからね」
「っ…!?」
「声だけじゃなくて音にも気をつけないと」

618僕と彼の関係 3/3 :2012/08/08(水) 23:48:16.04 ID:EYihUnylO
そう言いながら僕は彼の胸に手を伸ばし、硬くなっていた乳首を軽くつねった。
ビクンと身体を揺らした隙に素早く彼の手を掴んで背中に回す。もう片方は壁に縫い止め、手で口を押さえられないようにしてやった。
「あ…」
「それじゃいくよ」
耳たぶを甘噛みして笑い声を吹き込むと、彼は重ねられた僕の手に額を押し付けて身構える。
僕は彼の項にキスを落とし、出来得る限りの強さで深く内部を抉った。
「ん゙ぅっ…!!」
彼は一度だけ声を漏らし、その後は一言も発することなく僕に揺さぶられ続けた。
硬く寝心地の悪いベッドは軋むこともなく、衣擦れと熱が籠もった吐息の音だけが狭い部屋を満たす。
彼は声を出さないためか時折息を止めていたが、僕がその度に彼の弱い部分を攻めて邪魔をした。
堪えきれず押し出されるように息を吐いてしまうと、またすぐにぎゅっと唇を噛み締める。
やがて彼は耳まで真っ赤に染めながらボロボロと大粒の涙を溢す。そんな彼の姿が愛おしくて堪らなかった。
誤解のないように言っておくが、これは決して強姦だとかそういうものではない。
僕だって本当なら目一杯愛撫をしてあの甘い声で耳を擽って欲しい。だが彼がこうやって乱暴に扱われる方が好きだと言うから。
任務では敵を完膚なきまでに叩きのめしておきながら、その実こうして虐げられたいという願望を抱えている。
それはそれで愉しいのだが、ゆっくり時間をかけて快楽に堕としてやった時の蕩けきった彼の方が僕は好きだ。次はそうしよう。
僕は背後で固めた方の手を放し、顔をこちらに向けさせる。涙に濡れたグリーンの瞳は僕だけを見つめていた。
この瞳がどうしようもなく僕を狂わせる。『サイボーグ』を人間にしてしまえるのは彼だけだ。
笑顔を浮かべながらまたキスをすると、合間に彼が僕の名を囁く。それを飲み込むように重なりを深め、彼を絶頂へと追いやった。

翌朝6時。目を覚ましてシャワーを浴びた彼は清々しい顔をして現場へと戻っていく。
夕方まで休みをもらっていた僕は、そのままその個室で仮眠を取った。
このように『殺し合いをしかねない最悪のライバル』などではないが、僕と彼はただならぬ関係にある。結構楽しいものだ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
埋めがてら投下してみました。

619風と木の名無しさん :2012/08/09(木) 00:27:40.99 ID:PCylVfDU0
>>616
ヒイッ萌えた…!
これが埋め材料だなんてもったいない

620風と木の名無しさん :2012/08/09(木) 01:47:39.98 ID:yBQUk7PV0
>>616
肉体派受好きなので最高に萌えました!
しかもドM!
ありがとう!ゴチです!

621風と木の名無しさん :2012/08/09(木) 21:56:57.91 ID:62UjpC2X0
>>616
イイね!
嬲られ願望のある肉体派(彼)かわいいし
彼の前でだけ人間味を見せる僕もかわいい

622風と木の名無しさん :2012/08/10(金) 01:17:16.89 ID:sGG9w7UP0
>>616
最高にドツボのカプ!
ありがとうありがとう!
ゆっくり時間をかけて快楽に堕としてやる僕の勇姿も是非拝見したいであります!


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