モララーのビデオ棚in801板37
- 1 名前:風と木の名無しさん:2008/04/21(月) 01:23:14 ID:eZJzWB5s0
- . ___ ___ ___
(_ _)(___)(___) / ̄ ̄ヽ
(_ _)(__ l (__ | ( ̄ ̄ ̄) | lフ ハ }
|__) ノ_,ノ__ ノ_,ノ  ̄ ̄ ̄ ヽ_ノ,⊥∠、_
l⌒LOO ( ★★) _l⌒L ┌'^┐l ロ | ロ |
∧_∧| __)( ̄ ̄ ̄ )(_, _)フ 「 | ロ | ロ |
( ・∀・)、__)  ̄フ 厂 (_,ィ |
 ̄  ̄
◎ Morara's Movie Shelf. ◎
モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |[]_|| | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ]_||
|__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄ ̄ ̄| すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
|[][][]._\______ ____________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |[]_|| / |/ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.|| |[]_||
|[][][][][][][]//|| | ̄∧_∧ |[][][][][][][][].|| |  ̄
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ ) _ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.|| |
|[][][][][][][][]_|| / ( つ|8l|.|[][][][]_[][][]_.|| /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(__)_)
前スレ
モララーのビデオ棚in801板36
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1205248659/
ローカルルールの説明、およびテンプレは>>2-9のあたり
保管サイト(携帯可/お絵描き掲示板・うpろだ有)
http://morara.kazeki.net/
- 2 名前:風と木の名無しさん:2008/04/21(月) 01:23:35 ID:eZJzWB5s0
- ★モララーのビデオ棚in801板ローカルルール★
ノンジャンルの自作ネタ発表の場です。
書き込むネタはノンジャンル。SS・小ネタ・AAネタ等801ネタであれば何でもあり。
(1)長時間に及ぶスレ占拠防止のためリアルタイムでの書き込みは控え、
あらかじめメモ帳等に書いた物をコピペで投下してください。
(2)第三者から見ての投下終了判断のため作品の前後に開始AAと終了AA(>>3->>7辺り)を入れて下さい。
(3)作品のナンバリングは「タイトル1/9」〜「タイトル9/9」のように投下数の分数明記を推奨。
また、複数の書き手による同ジャンルの作品判別のためサブタイトルを付けて頂くと助かります。
※シリーズ物・長編物の規制はありませんが、スレを占拠しないためにも投下ペースや分量を配慮して下さい。
※感想レスに対するレス等の馴れ合いレス応酬はほどほどに。
※「公共の場」である事を念頭にお互い譲り合いの精神を忘れずに。
相談・議論等は避難所の掲示板で
http://s.z-z.jp/?morara
- 3 名前:風と木の名無しさん:2008/04/21(月) 01:23:54 ID:eZJzWB5s0
- 2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリー物であろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
| いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
\ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| . |
| | [][] PAUSE | . |
∧_∧ | | | . |
┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ | | | . |
| |,, ( つ◇ | | | . |
| ||―(_ ┐┐―|| |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
| || (__)_), || | °° ∞ ≡ ≡ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 4 名前:風と木の名無しさん:2008/04/21(月) 01:24:25 ID:eZJzWB5s0
- 3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。
別に義務ではないけどね。
テンプレ1
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| モララーのビデオを見るモナ‥‥。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| きっと楽しんでもらえるよ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 5 名前:風と木の名無しさん:2008/04/21(月) 01:24:40 ID:eZJzWB5s0
- テンプレ2
_________
|┌───────┐|
|│l> play. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
∧∧
( ,,゚) ピッ ∧_∧ ∧_∧
/ つ◇ ( ・∀・)ミ (` )
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| ┌‐^──────────────
└──────│たまにはみんなと一緒に見るよ
└───────────────
_________
|┌───────┐|
|│ロ stop. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
ピッ ∧_∧
◇,,(∀・ ) ヤッパリ ヒトリデコソーリミルヨ
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| |
└────────────────┘
- 6 名前:風と木の名無しさん:2008/04/21(月) 01:25:04 ID:eZJzWB5s0
- テンプレ3
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < みんなで
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < ワイワイ
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < 見るからな
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < やっぱり
//, 停 ||__ (´∀`⊂| < この体勢は
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < 無理があるからな
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
- 7 名前:風と木の名無しさん:2008/04/21(月) 01:25:16 ID:eZJzWB5s0
- テンプレ4
携帯用区切りAA
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
中略
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
中略
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
- 8 名前:風と木の名無しさん:2008/04/21(月) 01:25:39 ID:eZJzWB5s0
- / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 僕のコレクションに含まれてるのは、ざっと挙げただけでも
|
| ・映画、Vシネマ、OVA、エロビデオとかの一般向けビデオ
| ・僕が録画した(またはリアルタイムな)TV放送
| ・裏モノ、盗撮などのおおっぴらに公開できない映像
| ・個人が撮影した退屈な記録映像、単なるメモ
| ・紙メディアからスキャニングによって電子化された画像
| ・煽りや荒らしコピペのサンプル映像
| ・意味不明、出所不明な映像の切れ端
\___ _____________________
|/
∧_∧
_ ( ・∀・ )
|l8|と つ◎
 ̄ | | |
(__)_)
|\
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 媒体も
| 8mmフィルム、VCR、LD、ビデオCD、DVD、‥‥などなど
| 古今東西のあらゆるメディアを網羅してるよ。
\_________________________
- 9 名前:風と木の名無しさん:2008/04/21(月) 01:25:53 ID:eZJzWB5s0
-
|__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄ ̄ ̄| じゃ、そろそろ楽しもうか。
|[][][]__\______ _________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | |/
|[][][][][][][]//|| | ∧_∧
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ )
|[][][][][][][][]_||/ ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | |
(__)_)
- 10 名前:風と木の名無しさん:2008/04/21(月) 01:28:22 ID:0Drgu6Oy0
- >>1
ありがとうございます!
本当に申し訳ありませんでした…
- 11 名前:風と木の名無しさん:2008/04/21(月) 01:39:47 ID:YDA6rRW40
- >>1乙ですが立てようとしてくれた0Drgu6Oy0も乙です
- 12 名前:「幼獣」先生×博:2008/04/21(月) 02:01:28 ID:0Drgu6Oy0
- 前スレでは容量に注意と自分で言っておきながら
新スレ立てられず申し訳ありませんでした
改めて>>1ありがとうございます
以下前スレからの続きです。引き続きナマモノ注意
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 13 名前:「幼獣」先生×博 8/10:2008/04/21(月) 02:03:10 ID:0Drgu6Oy0
- 酩酊した体に、酒が点した火が廻る。
熱くなった頭に過ぎるのは赤毛か美声か。それとも、崩壊した三角関係に呆然とするお姫様か。
意識が深く沈みそうになる度に、細い指がそっと触れてきた。
「…もっと」
飢えた獣が餌をねだる。
見詰める目は、既に子供ではなかった。
飢えた獣は貪欲だ。
ねだる姿に煽られ、何度も細く長い手脚を組み敷いた。
酷く扱うと白い肌に痣ができる。
薄い腹筋が扇動する度に、腹の中で扱かれる。
細過ぎる腰を捕まえて、逃げるのも休むのも許さなかった。
痩せ過ぎた体を貪って、骨の軋む音を響かせて、悲鳴を上げさせる。
貪っている筈なのに
何度も煽られ穿つ度に、自分が食われているのかと錯覚した。
どんなに貪っても飢え続ける。
獣の飢餓感に煽られ、自分も獣を貪っていた。
飢えていたのは、獣だけではない。
投げ出された獣の足が酒瓶に当たって、音が響いた。
酒瓶しか転がっていない部屋は、酒しか体が受け付けなかった証拠だ。
「…おめぇしか、食っていなかったのか」
散々貪りつくされ、食い散らかされた獣が眠っている。
赤毛の怪獣が拾ってきた獣の子だ。
大好きな兄貴二人を奪われて、無理やり幼年期を終わらせられた子供だった。
死んだように眠る顔は、青褪めるほど美しい。
- 14 名前:「幼獣」先生×博 9/10:2008/04/21(月) 02:05:24 ID:0Drgu6Oy0
- 赤毛の怪獣が拾った獣は、年を取るほどに美しく化けていった。
見慣れた筈の末っ子が、異様な雰囲気を纏っていく。
異様な雰囲気は、末っ子が組んだ相手と似通っていた。
赤毛の怪獣も大将も関わったことのある、麝香の名を潜める山猫だ。
赤毛の怪獣やら、大将やら、フロントマンやら、山猫もだが
何処か壊れかけた人間に、いや既に壊れているのかもしれない人間は化物だろう。
獣は、化物によく懐いた。
美しい獣が化物に尻尾を振っている。
食べちゃいたいくらい大好き
酩酊すると、必ず赤毛が現れる。キレイな声が歌っている。大将も叩いている。
だがこれは現実だ。
虚像をスクリーンに映していても、この場所は紛れも無く現実だった。
酩酊か緊張からか、手が震える。商売道具が物の役に立たない。
気配がした。
爛々と光る目に気付く。
すぐ横で、獣の目が見詰めている。
酔いが醒める程の視線だった。
…おめぇ偉くなったなぁ
赤毛の怪獣が拾ってきた獣の子は、俺を睨み付ける程に成長しやがった。
視線が挑発する。
舐めるなと指を動かすと、締まった四肢を見せびらかすように翻した。
視線の先が変わった。
獣が鎌首をもたげて見詰めるのは、大将だ。
獣は飢えている。
化物に懐き、化物から餌を与えられても、獣の飢えは満たされない。
獣を拾った赤毛の怪獣が、獣の牙が決して届かない場所にいるからだ。
- 15 名前:「幼獣」先生×博 10/10:2008/04/21(月) 02:11:15 ID:0Drgu6Oy0
- それは代償だったのか?
引き換えに、赤毛の怪獣が叶えた望みもある。
大将は、赤毛の音に合わせるのに必死だ。
生身の人間が出す音ではなく、過去の音に合わせるのは馬鹿げていたが、それをやってしまうのが大将だった。
壊れた幼馴染と死んだ親友を連れて世界へ行く。
赤毛の怪獣は、望みを叶えた。
獣が大将を見詰める。
赤毛の怪獣は、拾った獣の子にも傷を残していた。
削げた頬は、赤毛の怪獣が残した爪痕だ。
獣の飢えは満たされない。
寝首を掻くべき相手は、既にこの世にいないのだ。
獣の餌は、懐いていた化物だ。
赤毛の怪獣とは別の化物を見上げている。
極上の獲物がそこにいた。
獣が化物に狙いを定める。
化物を餌にして、獣は更に美しく化けていくだろう。
化物を喰らう獣もまた、化物だ。
獣が喉を鳴らし、嬉しそうに尻尾を振った。
- 16 名前:「幼獣」先生×博:2008/04/21(月) 02:13:47 ID:0Drgu6Oy0
- □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
新スレ移行の際は多くの方の手間を取らせてしまいました
申し訳ありませんでした
- 17 名前:「スイッチ」 06×02:2008/04/21(月) 02:48:38 ID:FVuIURoZ0
- 夜中に新スレ立て乙です!
前スレで感想を下さった方ありがとうございました。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 前回と同様しゃちほこ糾弾の二遊間、06×02
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| ナマモノ注意。しかも汁っぽいエロ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 目立たないように
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 深夜にコソーリ投下!
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 18 名前:「スイッチ」 06×02 1/10:2008/04/21(月) 02:49:39 ID:FVuIURoZ0
- 井場田さんの行動はいつも俺の予想を遥かに超えていく。
いつもいい意味で俺を裏切ってくれる。
俺よりも小さいけれど逞しい背中に、どこまでもついていきたいと思った。
だけど、今の状況だけは俺にはわかりません。
悪い意味の裏切りとはいわないけれど、確実にいい意味ではないことだけはわかるんです。
いいんですか?これっていいんですか?井場田さん。
「ん…っ」
俺のくぐもった声が部屋に響く。
井場田さんはソファに座り、俺は井場田さんの脚の間に座らされていた。
唾液と粘液が混じる音に耳を犯されていると
強制的に自分の今の行為を理解させられ、恥ずかしさで死にそうになる。
最初はちょっとからかってみるだけのつもりだった。
いつも俺が井場田さんに慌てさせられているので、井場田さんの慌てる顔をみたかっただけなのに。
- 19 名前:「スイッチ」 06×02 2/10:2008/04/21(月) 02:50:19 ID:FVuIURoZ0
- 家庭をもつのは幸せな事だと思うし、早めに身を固めた事も後悔していない。
でも井場田さんの独身ならではの身軽さ、思い切りのよさが時々羨ましくなるのも事実。
実際はそんなものは関係なく、単なる性格の問題かも知れないけれど。
俺だって一人の頃はもっと無鉄砲だったと思う。若さだけじゃない何かがあった。
それを今も持っている井場田さんが羨ましくてたまらなかった。
人を羨む事ほど意味のないことなんてないと思っている筈なのに。
なんだか悔しくなって酒の勢いに任せて井場田さんを挑発してみた。
―結婚する前から俺、井場田さんの事特別な意味で好きだったんですよ―
物凄く簡単な言葉で、物凄く馬鹿らしい冗談。
少し驚いた顔をして、すぐに冗談だとわかって俺の頭を叩いてくる
そんな反応を期待していたのに、どうして。
「…っふ ぅ…!」
もうやめて欲しいと訴えるために井場田さんの顔を見た。
見下ろしてくる井場田さんの顔は凄く楽しそうで、俺は本能的に悟る。
頼んだって放してくれない。
- 20 名前:「スイッチ」 06×02 3/10:2008/04/21(月) 02:51:00 ID:FVuIURoZ0
- 「下手糞」
「ぐ…!!」
笑いながら井場田さんが俺の頭を撫で、そのまま押し付けてきた。
口の中に広がるむわっとした臭気。
苦しい。
苦しいです井場田さん。
下手ですよ、したことないんですから。
お願いですからもう放して下さい。
無駄だと解っているのに心の中で訴え続ける。
肩を震わせて喉奥でむせ返る俺の頭を優しく撫でる手。
苦しさからじわりと涙が滲む。
自分でも情けないくらいに鼻息が荒くなる、唾液が流れ落ちる。
きっと酷い顔をしているのだろう。
不意に頭を上に向けられ、俺の口が自由になる。
「がはっ…!!! はァ…はぁ……っ」
引き抜かれた俺の口と、濡れてテラテラと光る井場田さんの亀頭を細い糸が繋ぐ。
情けなくへたり込んだ俺の身体を頭だけ掴む形で浮かせたまま、井場田さんが覗き込んできた。
「俺も昔から好きだったけど、特別に」
「…ぇ…」
「悪い冗談だったな、粗木」
- 21 名前:「スイッチ」 06×02 4/10:2008/04/21(月) 02:52:47 ID:FVuIURoZ0
- 言わなきゃよかったのに。と井場田さんが笑う。
ずくりと身体の奥が疼いた。
「んぷっ…」
「続き」
今度は顔に押し付けられる。
咥えるのではなく舐めろということなのだろう。
涙で濡れた睫毛を伏せ、息を乱しながら舌を絡める。
口がふさがっていない分自分の声がひっきりなしに漏れ、死ぬほど恥ずかしい。
「ぁ は…」
竿を根元からぬるりと舐め上げる。
びくりと跳ねたモノが俺の頬に当たった。
自分の口で井場田さんが感じている。
恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい。
今の自分を客観的に観たらどうだろう?
考えかけてやめた。
「粗木…」
少し掠れた声で井場田さんが囁く。
俺の頭を掴む手に力が篭り、ぐしゃりと髪を混ぜられた。
「は…… んっ…」
塩気の混じる液を何度も飲み下し、飲みきれなかった分が唾液と共に顎を伝う。
井場田さんにこうして支配されている間、身体の熱がどんどん溜まっていくのがわかった。
「…っく…」
頭上で井場田さんの押し殺した声が聞こえた瞬間竿がびくびくと震え
先端から白濁した液体がどろりとあふれ出す。
俺の顔の横で出すものだから、よけ切れなかった俺の顔は井場田さんの出したモノでどろどろになってしまった。
- 22 名前:「スイッチ」 06×02 5/10:2008/04/21(月) 02:55:03 ID:FVuIURoZ0
- 「ぷは…っ…」
白濁を拭おうとしたその手を井場田さんに掴まれる。
そしてそのまま身体を起こされた。
俺の両腕を掴み、井場田さんが俺と視線を合わせる為にカーペットの上に膝を立てる。
でも井場田さんの精液が顔にこびりついている所為で片目を開く事ができず上手くピントが合わない。
そのまま身体を反転させられると毛足の長いカーペットに足をとられ、そのままソファに押し付けられてしまった。
「…い、井場田さん…」
「お前……今どうなってると思う?」
両腕をソファに縫い付けられ、井場田さんが覆いかぶさってくる。
背中が大きく反り返る状態になり、背骨がミシミシと音を立てた。
「ど…う…って何が…ですか…?」
俺がそう尋ねた瞬間左手の拘束が解ける。
自分が今どうなっているのか知りたくて、不自由な視界で井場田さんの動きを追った。
「ひっ…?!」
次の瞬間下半身がぎゅうっと締め付けられる。
「…勃ってんだよ、お前」
井場田さんがいつもの意地の悪い笑みを浮かべ、ゆるく勃ちあがった俺の竿のラインに沿ってついっと指を滑らせる。
自分の顔が一気に熱くなっていくのを感じた。
- 23 名前:「スイッチ」 06×02 6/10:2008/04/21(月) 02:56:09 ID:FVuIURoZ0
- 「う…嘘です… っあ…ぅ!!」
認めたくなくて、泣きそうになりながら俺は横に首を振るが、その度に下半身をキツく握られる。
認めるまで繰り返すぞとでも言うように何度も何度も握られた。
「やっぱりお前って…こういう性質だったんだな」
思った通りだと笑われ、更に顔が熱くなった。自然と唇が震える。
何も言えなくなり、ぐったりとソファに崩れる俺の頭を撫でた井場田さんは
俺のシャツを丸めるように脱がせ、肘の部分から巻き込むようにして固めた。
「…いばたさ…」
簡単な拘束のはずなのにぎちぎちと腕に絡まりびくともしない。
一気に怖くなった俺は目の前の井場田さんを見上げた。
「お前が悪い」
そう言うと井場田さんは俺の胸板に手を置き、するりと撫でた後
俺の乳首を人差し指で押しつぶした。
「…や、やめてください…」
特別感じる訳でもないその部分を井場田さんの指がこねくり回す。
挟んで、抓って、揉みしだく。
「…痛い…です…」
「触り甲斐ねーの」
乳首を引っ張り上げながら笑った井場田さんがぱっと指を離すとじんわりとした痛みを残した。
おまけというように人差し指の爪で引っかくように弾かれ、痛みに思わず腰が浮いてしまう。
- 24 名前:「スイッチ」 06×02 7/10:2008/04/21(月) 02:58:07 ID:FVuIURoZ0
- 「……じゃ、こっちか」
井場田さんは俺の股間に視線を落とすと
俺の肩に手を置きながら立ち上がった。
無理な体勢のおかげで息苦しい。
井場田さんは俺のどろどろの顔から、上下する胸板、力の入らない腰をじっくりと眺めた。
そしてつま先で俺の股間を軽くつつく。
「んっ…!」
「さっきよりは萎んでるな。流石にそこまでマゾじゃなかったか…」
「何を…」
井場田さんは独り言を言うように何度も爪先で俺の竿を弄ぶ。
その微妙な刺激がもどかしくなり、意に反して腰が揺れてしまう。
「……いや…マゾだな」
「あっ…!!」
そんな俺の様子を見た井場田さんが、俺の股間に足をあてて
ゆっくりと圧迫するように体重をかけてきた。
- 25 名前:「スイッチ」 06×02 8/10:2008/04/21(月) 02:58:41 ID:FVuIURoZ0
- 「あっ、あっ… ぁ 、あ…」
ズボンの中で竿がびくりと跳ね、袋がぐにゅうっと変形するのがわかる。
酷い力で押しつぶすことはしないまでも、絶妙な力加減で責め立ててくる。
俺は今までに感じたことのない感覚に、ただひたすら声を上げるだけだった。
「ひぅ…」
怖いです。
酷いです。
井場田さん
井場田さん
井場田さん
言葉にならない。
「んっ… う!!」
泣きたいくらい情けない筈なのに。
男としてこんなに屈辱的な事もない筈なのに。
どうして俺はこんなに声を上げているんだろう。
本気で逃げようと思えば逃げられる。
本気で怒ってもいいことなのに。
どうして俺は抵抗しないんだろう。
- 26 名前:「スイッチ」 06×02 9/10:2008/04/21(月) 02:59:24 ID:FVuIURoZ0
- 「粗木」
不意に声をかけられる。
口を半分ぽかんと開けたまま井場田さんを見上げた。
そしてまた股間を足の裏で圧迫される。
「…は…」
「俺の事、好きか?」
突然の質問に全身が一気に粟立った。
「す………好き……です」
するりと口から言葉が漏れる。
「すきっ、です…井場田さ… あ…!」
その言葉を聴いて井場田さんが満足気に笑った。
同時に下半身を押しつぶされる。
それだけなのに何度も快感の波が俺の身体を襲った。
びくびくと壊れたように身体が跳ねる。
掠れた高い声があがった。
この声は誰の声だ?決して自分ではない。
こんな自分は知らない。
- 27 名前:「スイッチ」 06×02 10/10:2008/04/21(月) 03:02:39 ID:FVuIURoZ0
- 「ビクビクしてんの、服の上からでもよくわかるな」
精液を出し切ってしまった俺の竿を、井場田さんはまだ上から圧迫してくる。
ぐじゅりと中で広がる感触が気持ち悪かった。
いい意味で井場田さんは俺を何度も裏切る。
だけど、この状況だけは俺にはわかりません。
悪い意味の裏切りとはいわないけれど、確実にいい意味ではないことだけはわかるんです。
いいんですか?これっていいんですか?井場田さん。
井場田さんに「いいんだ」と言われたらどうする?
きっと俺は従ってしまうんだろう。
そんな自分が少しだけ怖くなった。
- 28 名前:「スイッチ」 06×02:2008/04/21(月) 03:03:28 ID:FVuIURoZ0
-
____________
| __________ | 受け視点でお送りしました。
| | | | SのスイッチとMのスイッチってどこで何が原因で入るかわからないよねって話。
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ファンに殴られそうだ。
| | | | ピッ (・∀・;) きちんと愛はあるんだよ…
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| | お粗末さまでした。
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 29 名前:風と木の名無しさん:2008/04/21(月) 20:39:41 ID:1lm43GAf0
- >>1 スレ立て乙です!
>>17-28
禿げ萌えますた…GJです!_| ̄|●
ドS伊端に翻弄されてればいいよ新木は…(´Д`*)
- 30 名前:風と木の名無しさん:2008/04/21(月) 20:46:29 ID:ycKS2GQvO
- >>28
つっ…続きは無いんですかぁぁぁぁ!
いばっちドSだよいばっち
- 31 名前:風と木の名無しさん:2008/04/21(月) 21:44:57 ID:9BlX4CYU0
- >>1乙!
_________________
____________ /
| __________ | | AさのさんのThe マソザイで歩秋です
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ 親友以上 恋人未満
| | | | ピッ (・∀・ ) リバ風味
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 32 名前:1/3:2008/04/21(月) 21:45:44 ID:9BlX4CYU0
- 無理やりにお笑いライブに行かされたり、バラエティ番組やお笑いDVDなんかを観せられたりしているうちに
不本意ながらすっかりお笑い好きになってしまってる自分を発見してしまったり、
普段の会話でもここは突っ込まなければなんて義務を感じてしまうことがあったり、
あぁ、完全に毒されてしまっているんだなぁなんて思うわけで。
こいつと毎日顔をあわせることに何の疑問も抱かないで、
むしろ会わない日があるとその日一日が物足りないと感じるようになったのは、いつからだろう。
「なぁなぁ、あゆむ〜。もうちょっとネタ作りに協力してくれたってええやん」
「うるさい。伸ばすな。」
勝手に部屋にあがってこられたり、
実際僕はあまり見たことのないネタ帳を勝手にテーブルに広げられたり。
無神経にそんなことをされるのももう慣れたし、一々構うのも正直面倒臭い。
面倒臭いが、困ったことにこうしてこいつと二人で居るのが好きなんだ。
「そんな雑誌なんか読んでないで、俺に構ってぇ?」
「語尾を上げるなよ、気色悪いな」
「うわ、素で引かれるとか。へこむわ。」
ベッドで寝そべりながらもう何回も読んだ雑誌のページをめくる。
これも秋本に押し付けられたお笑い雑誌だったり。
いや、他に何もないから読んでるだけだけどな。
- 33 名前:2/3:2008/04/21(月) 21:46:32 ID:9BlX4CYU0
- 「歩が友達甲斐のないやつなので、新ネタ作りは中断です」
そう言って秋本がうつ伏せに寝転んだ僕の上に圧し掛かってきて
喉の奥からぐえ、と蛙が車に轢かれた時のような声が出た。
でかい体はもちろん重くて、首だけ後ろを向かせて睨むと何故かそいつは嬉しそうに笑った。
「重い、どけ!」
「知りません。退きません」
秋本はニヤニヤしながら僕の体の下に腕を潜り込ませて、背中に顔を埋めた。
僕はちょっと慌てて、秋本を剥がそうとする。が、もちろん敵うわけがない。
「うざい」
「いややー。退かへんもん。このまま寝てやる」
そんなでかい図体して駄々っ子かよ、と言おうとしたら秋本は僕から顔を逸らして狸寝入りモードに入った。
- 34 名前:3/3:2008/04/21(月) 21:47:20 ID:9BlX4CYU0
- それから、いくら声をかけてみてもノーリアクション。
秋山、とわざと名前を間違えて呼んでもツッコミが返ってこないので、本当に寝たのかもしれない。
途中で諦めて雑誌に目をやる。
いつだろう。こいつが居ないと駄目なんだと気づいた時は。
こいつに対する想いが憧れから恋心に変わってしまった時は。
思い返してみてもわからないので、ただの勘違いかとも思うが、
それだったら、この心臓の説明がつかない。
こんなに密着されて、このうるさい心臓が秋本にバレていない訳がない。
馬鹿みたいな顔をして、意外と鋭い所があるから、気づかれているかもしれない。
でも実際馬鹿だから、気づいていないかもしれない。
(どっちにしても、僕次第。ってことか…)
自分の気持ちの整理はできている。
秋本はきっと何も言わないし、何もしない。今までと同じように、このまま毎日を送るつもりだろう。
じゃあ、僕は?
(惚れたほうが負け、ってこういうことかなぁ)
ひとつ、情けない自分自身とまだ収まりそうにない心臓の高鳴りにため息をついて。
読んでなんかいなかった雑誌をようやく閉じて、このまま寝てしまうことに決めた。
- 35 名前:風と木の名無しさん:2008/04/21(月) 21:48:04 ID:9BlX4CYU0
- ____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ マイナーカプ エセ関西弁
| | | | ピッ (・∀・ ) シツレイシマシタ
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 36 名前:最終幻想4 土×水:2008/04/21(月) 22:17:41 ID:ZVuHjS8XO
- 四天王、カイナッツォ×スカルミリョーネです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 37 名前:最終幻想4 土×水 1/7:2008/04/21(月) 22:19:03 ID:ZVuHjS8XO
-
「どうして簡単に引き受けた?」
問うと、彼はぎろりとこちらを睨み付けてきた。
暗いローブの中で爛々と輝くそれは金色で、綺麗だなあとカイナッツォは思う。
「ゴルベーザ様直々の命令だ。断れるわけがなかろう」
予想通りの返事だった。
「用意は済んだ。私はもう試練の山に行かねばならない。だから…そこをどいてくれないか」
呟くように言いながら、彼は細くて黒い手をぱたぱたと動かす。
茶色いローブが小さくはためいた。
「嫌だ。俺の言うことを聞け」
無理矢理部屋に侵入し、扉の前に立ちはだかる。
暗く、表情の読めない彼の顔が、苛立ちに歪んだ気がした。
「退けと言っているだろう」
声が微かに震えている。
ゆっくりと首を横に振ってから頭に触れると、更にその体が小さく跳ねた。
「怖いならやめておけ。俺が代わりに行ってやる」
「…うるさい。黙れ」
「お前の弱さは俺が一番知っている。四天王最弱のお前が行くより、俺が行く方が早いだろう。
だからお前はここで待ってろ。セシル達を殺してきてやるから」
「誰が四天王最弱だ!勝手に決めつけるんじゃない!」
辺りに閃光が瞬く。
- 38 名前:最終幻想4 土×水 2/7:2008/04/21(月) 22:20:52 ID:ZVuHjS8XO
- スカルミリョーネの叫びと共に、全身に痺れが走った。
(こいつ、俺にサンダーを落としやがった)
僅かに残った電流が、カイナッツォの体の回りでぱちぱちと鳴っている。
「そんな攻撃で俺を退かせられるとでも思ったか?」
笑いながら言うと、スカルミリョーネが後退りし始めた。
追いかけながら爪先をローブに伸ばす。
「来るな!」
悲鳴じみた声でスカルミリョーネが言い、それにそそられて彼の背を壁に押しつけた。
爪がローブを裂き、部屋に湿った土の匂いが充満する。
スカルミリョーネが床に座り込んだ。
「…く、るな」
うわずった、まるで情事の最中を思わせる声。嗜虐の念が頭をもたげた。
「……勃っちまった。責任とってくれ」
のし掛かり、それを擦りつける。
ひゅうひゅうとスカルミリョーネの喉が鳴った。
彼のローブの前を寛げ、骨ばっているんだか何だか分からない、臀部らしき場所を爪先で探る。
あり得ないほど柔らかい肉の感触が、彼はアンデッドなのだということをカイナッツォに思い出させた。
「や、め」
彼の瞳の光が弱くなる。
カイナッツォは彼の耳元で囁く。
- 39 名前:最終幻想4 土×水 3/7:2008/04/21(月) 22:23:47 ID:ZVuHjS8XO
- 「試練の山に行くのをやめるなら、考えてやってもいい」
スカルミリョーネの瞳の金色が点いたり消えたりを繰り返し、やがて決心したらしく、彼は、
「…………挿れてくれ」
と返答した。
限界まで猛った雄の先を柔らかい場所に当てる。
抱き込んで、突き入れた。
体温が低く、柔らかい内壁。何より、甘い喘ぎ声が頭の奥を刺激する。
「ん、あ…ぁ…ぁっ」
慣らさなくとも、アンデッドであるスカルミリョーネの柔らかい肉はカイナッツォを受け入れるし、
水で濡れたカイナッツォの雄は潤滑油無しに滑って、スカルミリョーネの内壁を犯す。
相性最高だなと囁くと、「貴様、殺してやる」と途切れ途切れにスカルミリョーネが戯れ言を呟いた。
無視して抽迭を繰り返す。
「…あ、あ、あぁ…う…」
「気持ちいいのか?」
「気持ち…いいわけ、な、いだろう」
「腰が浮いてるし、それにお前…気付いてないのか?」
理解できない、とスカルミリョーネが首を傾げた。
「俺の背中にお前の骨が食い込んでるんだよ」
スカルミリョーネの体が揺れる。
「気持ちいいんだろ?俺の体を離したくないくらいに」
- 40 名前:最終幻想4 土×水 4/7 :2008/04/21(月) 22:30:16 ID:ZVuHjS8XO
- 彼の背から伸びた太い骨が、カイナッツォの背に突き刺さっていた。
ちらりとスカルミリョーネがそれを見、途端、いつもあまり締め付けてくることのない秘部が、引き絞るように締まった。
「うわ……すげえ」
「んん…ん、ん…っ」
「中に出してやるから……一滴も溢すなよ…っ」
「……っ無理、だ…ぁ、あっ!」
一際大きな悲鳴と共に、スカルミリョーネが黄みがかった液体を吐き出す。
ローブの裾がどろどろのそれで酷く濡れた。
達したばかりで敏感になっているスカルミリョーネの体を、カイナッツォは貫き続ける。
「ふ…ぁ…ぁ、早く、出せ……つら、い」
「嘘吐きめ…辛いんじゃなくて、気持ちいいんだろ?」
- 41 名前:最終幻想4 土×水 5/7 :2008/04/21(月) 22:32:31 ID:ZVuHjS8XO
- 絶え間なく続く濡れた音。それに重なって聞こえてくる喘ぎ声。
もう絶頂が近かった。
スカルミリョーネは意識を保っているのも限界らしく、瞳の金色をちらちらと揺らしている。
「なあ…試練の山へ行くのはやめろ」
言えば、スカルミリョーネが首を横に振る。
「死ぬぞ、お前」
「…かまわな……い…」
嬉しそうな口調で、彼は言う。
「長く生きすぎて、少し、疲れた……」
「お前」
「そろそろ…死というものを体験、してみたいものだ……」
瞬間、カイナッツォは彼の中に精液を放っていた。
- 42 名前:最終幻想4 土×水:2008/04/21(月) 22:36:08 ID:ZVuHjS8XO
- □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
申し訳ありません、ナンバリングを間違えました。全部で5/5です。
本スレの水土萌えに触発されて書きました。
- 43 名前:風と木の名無しさん:2008/04/22(火) 00:02:47 ID:ubwOU9nc0
- >>16 あっちにも書かせて頂きましたが博ヵヮ。゚+.(・∀・)゚+.゚ィィ!!
萌え萌えしすぎて昨日は眠れませんでしたw
アザース!
- 44 名前:風と木の名無しさん:2008/04/22(火) 00:25:27 ID:3cB9B4O80
- >>36
水土が投下されてるときいてとんできました。
土の身体の描写がイメージ通りでハァハァです。
ありがとう姐さん。今夜は安らかに眠れそうだ。
- 45 名前:十/角/館※ネタバレあり:2008/04/22(火) 04:04:34 ID:NZL8H0xe0
-
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 十/角/館/の殺人 ※ネタバレあり
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 最後の被害者×犯人
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
※激しくネタバレありです。真相が全てわかってしまいます。
※検索によるネタバレ回避のため、名前はすべてスラッシュをいれさせてもらいました。
- 46 名前:十/角/館※ネタバレあり1/2:2008/04/22(火) 04:07:00 ID:NZL8H0xe0
- 「ようく考えてみると、ヴァ/ンはおかしいよね」
コーヒーを淹れの背中越しのエラ/リィの言葉に、一瞬硬直する。
「日本で言うなら森の石松の事を『の』と呼ぶようなものだよ。ベートーベンだって、ゴッホだって、そういう風に呼ばれていないじゃないか」
震える手を何とかごまかしながら、睡眠薬を溶かしたカップをエラ/リィの前に置いて、ヴァ/ンは自分の分をゆっくりと飲み干した。
水断ちの影響で、飲み物には慢性的飢えている。もしこの舞台の監督じゃなければこんなに無防備に飲食物を摂取することはなかっただろう。
だけどそうだとしたら水を断つこともない。そんなパラドックスがおかしくて、つい口角を上げると、エラ/リィは満足そうな顔をした。自分の意見に賛同したと思ったのだろう。
「・・・そうだね。だけどヴァ/ン・ダイ/ンをダイ/ンと呼ぶ人もあまり見かけないよ」
その誤解に便乗することにした。
「じゃあ、これから君の事、ダイ/ンと呼ぼうか?」
「これから?」
鸚鵡返しの言葉に、エラ/リィは一瞬ばつの悪そうな顔。
そういう意味で問いただしたわけじゃない。まずい、気を抜きすぎだ。自分は演じなければならない。この惨劇から生き残った2人のうちのひとりだということを。
エラ/リィが最後の一杯に口付けるまで、演じ続けなければならない。
「本土に帰ったら、ヴァ/ンはやめにするよ・・・辛すぎて、松/浦」
エラ/リィは一度コップの取っ手に手を伸ばした。ヴァ/ンは息を呑みながら、しかし平静を装って、それをじっと凝視する。
だけど、その手は、ヴァ/ンの腕に触れた。
「守/須」
「・・・っやめないか、こんな時に」
ヴァ/ンの腕を握るエラ/リィの手が強くなった。ヴァ/ンはそれを振り払おうとした。だけど本当は、振り払う気などなかった。
「守/須、いいだろう?」
耳たぶに吐息が触れる。狡猾にいやらしく首筋を撫でる指に、体は反応した。そっと近づいたのとは裏腹に、エラ/リィの唇は、強くヴァ/ンのそこへ吸い付いた。
「んっ――」
- 47 名前:十/角/館※ネタバレあり2/3:2008/04/22(火) 04:07:55 ID:NZL8H0xe0
- 舌が歯列を乱して、その奥を絡めとる。分泌される唾液を交換し合いながら、冷たい床の上にもつれ込んだ。
押し付けられた腰の中心はすでに勃起しかけ、ヴァ/ンもまた欲情を隠しきれずにいた。それに気を良くしたように、ジーンズを下着ごと下ろされ、先端を爪の先でなぞられる。
館に漂う死の気配が、これから始まる行為の滑稽さを際立たせた。服を捲くり、露出された乳首を弄るエラ/リィの頭を撫でながら、ヴァ/ンは自分の心拍数を意識した。
「守/須、今日はすごく感じてるんだね」
唇に宛がわれた長い指を、音を立ててしゃぶった。頬は高潮してるだろう。知っている。水を断ち熱っぽくなった自分を、エラ/リィが何度犯そうとしていたのか
。体調不良を言い訳にポォの部屋に逃げ込んだけど、本当は体力の消耗でタイムテーブルを狂わせたくなかっただけだ。
こんな嘘に騙される名探偵は、濡れた指でヴァ/ンの後ろを解しながら、前を扱くよう促す。
ヴァ/ンはいわれるがままエラ/リィの性器をズボンの中から取り出し、快感に乱れる振りをしながら、口に含ませてくれるよう懇願した。
「本当に、今日の君はすごいね・・・興奮してる」
「君は・・・松/浦、君は興奮しないの?」
「ああ、するよ」
普段は拒むせいで慣れていない口淫に、軽いえづきを覚えるが、この男はそういう姿にも気をよくするという事を知っている。
このまま顔にかけたいという衝動と、中を突いてヴァ/ンを翻弄したいという願望が、この男の中に渦巻いているのだろう。ヴァ/ンは逆らわず、流されることに決めていた。
最後なのだから好きなようにさせようと。含んだままエラ/リィを見上げ、注意深くその欲を観察する。
- 48 名前:十/角/館※ネタバレあり3/3:2008/04/22(火) 04:08:45 ID:NZL8H0xe0
- 「ふっ・・・、守/須・・・はっ・・・あっ、駄目だよ、そんな顔っ・・・」
眉を歪め、必死に耐えようとするエラ/リィの顔。ヴァ/ンは肉茎から唇を離し、できるだけ切ない声で懇願した。
「お願い、エラ/リィ、挿れてくれ」
エラ/リィは恍惚の表情でヴァ/ンを押し倒し、両足を高く持ち上げ、中心に己を押し付けた。未だ解されきれていなかったそこは、しかしその勢いに負け、奥までの侵入を許した。
「っ、っ、っ・・・あっ、あ、あ、っ・・・」
背中の冷たさを冷静に辿りながら、抽送に身を任せる。会陰に零れる先走りをリアルに感じながら、この館の思い出に背を向けた。
今だけはエラ/リィの傀儡でいようと言い聞かせて。
自分が行う最後の殺人の、被害者のものになろうと。
自分が作ったこの枠組みの、幕を閉じる彼を哀れんで。
ただ、未だ口付けられていないコーヒーが、振動に波紋を作っていた。
- 49 名前:十/角/館※ネタバレあり:2008/04/22(火) 04:10:14 ID:NZL8H0xe0
- ____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧
| | | | ピッ (・∀・ ) >>46 タイトル1/3でしたorz
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
- 50 名前:エ/ア/ギ/ア 炎王×カズ:2008/04/22(火) 04:55:58 ID:KoFAzZ+v0
- エ/ア/ギ/アで炎王×カズです
初めての…編です
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 51 名前:エ/ア/ギ/ア 炎王×カズ 1/10:2008/04/22(火) 04:56:54 ID:KoFAzZ+v0
- 楽しそうに跳ぶ姿━━━━━━━━━━
初めてこの姿を見た時、僕は純粋に綺麗だと思った。周囲の人間は己のプライドを賭けて戦っているのに
この少年達は楽しむ事しか考えていない…そうも思えた
夜空に浮かぶネオンに反射して色素の薄い髪がキラキラと輝いている。そんな純粋で無垢な少年は
僕の隣で大人しく眠っている。起こさないようにそっと抱き抱えベッドへと運んでやると目を覚ましたのか
「ん…俺、寝てた?」
「起こしてしまったね、寝てていいよ」
頭を軽く撫でると僕の胸に顔を擦りつけてまた眠りについた。
彼はいつも僕が撫でてやるとすぐに眠ってしまう。もし、僕がいなくなってしまったら誰が彼を寝かし付けて
やるのかさえと思ったこともあるくらいだ
ゆっくりとベッドに寝かすと掠れる様な声で
「スピット・ファ…イア……」
- 52 名前:エ/ア/ギ/ア 炎王×カズ 2/10:2008/04/22(火) 04:57:38 ID:KoFAzZ+v0
- 僕の名前を呼ぶ。
そのまま抱いてしまえばどれだけ楽かとさえ思った事もあるがまだ彼は学生…
今、僕の欲望だけで抱いてしまえばきっと快楽に溺れてしまう。まだ完成しきっていない彼の身体にも負担をかけて
しまう、だったら僕の欲望なんて理性で抑える事はいくらでも出来る。彼を本当に好いているのならば
「カズ君、おやすみ…」
シーツを掛けてベッドから離れようとした瞬間、僕は理性を失った。
僕の腕を離さないその小さな手が無意識で誘っているように見え、思わず唇を重ねてしまう
「んっ…スピ……」
軽く開いた唇に舌を割り込ませると無音の僕の部屋には水音だけが響いている
それが更に僕の欲望を掻きたてている事に自分自身気付いていなかったがギリギリの所で理性を取り戻すことが出来た
「カズ君…ごめんね」
もう一度、髪を撫でて寝かしつけようとしていると
「…気付けよ、誘ってんの分かってただろ?」
背中を向けて小さく呟いている。わずかに聞こえた声に僕は驚いた
「え?カズ君…君、起きてたの?」
ベッドから跳ね起きると僕の腕を掴んで強く引っ張られ、抵抗する間もなく僕の身体はベッドへと沈んでいく
- 53 名前:エ/ア/ギ/ア 炎王×カズ 3/10:2008/04/22(火) 04:58:17 ID:KoFAzZ+v0
- 「アイオーンから聞いた…俺がガキだから手、出せないって。もう俺はガキじゃないんだ!」
気付くと僕の方が押し倒されている体勢になっていた
彼は不器用な手付きで僕の服を脱がすと恐らく初めてであろう愛撫を始めた。正直、気持ちいいと言うよりも
くすぐったい。だが、嬉しい。こんな事をしてくれるなんて思ってもいなかったし一生懸命になっている姿が何よりも
愛おしいと思えた。しかしこれ以上すると僕も欲望を抑える事が出来ないので
「カズ君、十分だよ。ありがとう」
そう言って静止しようとすると
「俺ってそんなに魅力ない?やっぱりガキは嫌いなんだろ…」
嫌いだなんて…むしろ逆だ。大切だから守りたい、と思っていると言えたらどんなに楽か
「カズ君、君はまだ学生だろう?僕は大人だからね…」
「なんだよそれ、犯罪者にはなりたくないって事かよ!俺がいいって言ってるんだから抱いてくれよ!!」
いつになく強気な態度で僕を煽ってくる。そうじゃないと言っても納得してくれないのは分かっている、ならば…
「じゃあ僕がカズ君を抱けば満足出来る?そうじゃないだろう?君はまだ若い、こういう事はゆっくりでいいんだよ」
突き放すような言葉を浴びせると
「嫌だ!今がいいんだよ…」
除々に小さくなる声、そして震えている肩。
きつく言い過ぎてしまった…後悔さえしてしまうが彼の為を思えばこそなのだが今は安心させてやりたいと思ってしまう
- 54 名前:エ/ア/ギ/ア 炎王×カズ 4/10:2008/04/22(火) 05:18:37 ID:KoFAzZ+v0
-
「不安にさせてたんだね…」
震える肩をそっと抱き込みそのまま押し倒す。顔を背けたまま僕の方を見ようとしないが
「カズ君、こっちを見て…」
そう言うと視線をこちらに向けてくれた。その瞳は潤んでいて罪悪感を覚える
「もう何も考えないで僕だけを感じてね。」
まずは唇。次は首筋、除々に下肢へと進んでいく。彼の唇から溢れ出す嬌声を惜しげもなく曝け出す姿に猛る雄を必死に
抑え込む己が情けなくなってしまう
「カズ君、続けてもいいの?」
本当は止めろと言われてもそのつもりは毛頭無いが
「続けろよ…ここまでしたらもう止まんねえんだろ?」
余裕ぶっている態度に僕の征服欲が沸き立つ。本当は恐いクセに…
自分が今からどうなるかさえ分かっていない、子供というのは残酷でもある
- 55 名前:エ/ア/ギ/ア 炎王×カズ 5/10:2008/04/22(火) 05:21:19 ID:KoFAzZ+v0
- 「じゃあ続けるよ?」
黙って頷く彼にもう一度口付けをし、僕の指を彼の口の中に侵入させた
初めこそ戸惑っていたものの次第に舐め始めた
指をゆっくりと唇から抜くと名残り惜しそうに舌で唇を舐めとっている。その指をそのまま彼の秘部にゆっくりとあてがうと
身体がビクリと跳ね大きな瞳でこちらを見た
「大丈夫、怖くないから…」
彼にとって初めての行為、緊張しているのは僕も同じ事だ。
唇を重ね、舌を侵入させると受け入れるように彼からも舌を差し出してきた。絡め取るように唇を塞ぐと指を一気に侵入させた
重なりあった唇から彼の声が漏れ自然と僕の肩に回された手に力が入る。
「痛いの?」
確認しようとすると首を横に振り必死に快楽の波に飲まれないように僕に口付けを求める
侵入させた指をもう一本増やすと抑えきれなくなった快楽を吐き出すように
「ぁ…も、ムリっ……」
彼の指先の力が除々に増して行く。それを感じ取りながら速度を増してやると一気に果ててしまった
「満足してくれた?」
ゆっくり秘部から指を抜きながら彼の汗ばんだ額を拭ってあげる
「まだ、イってないだろ?…アンタ」
- 56 名前:エ/ア/ギ/ア 炎王×カズ 6/10:2008/04/22(火) 05:22:34 ID:KoFAzZ+v0
- 先程、果てたばかりだと言うのにどこからその元気が出てくるのか、と思ってしまうような力で僕を押し倒すと
納まりの効かない僕の雄を取り出し舌を這わせ始めた。
歯は当たるし上手いとは言えないがその必死になっている姿だけで限界を迎えそうな僕の上に跨り
「こうやってするんだろ?俺が動いてやるよ…」
僕の雄を自分の秘部に押し付け無理矢理挿入させようとするがうまくいかないらしい。そんな一生懸命な彼が可愛らしく
僕に満足感を与えてくれた
「カズ君、こうやってするんだよ」
彼の細い腰を掴みゆっくりと沈ませると多少、キツイものの挿入出来た。
「俺、アンタにも気持ち良くなって欲しいからさ…んっ」
自ら腰をゆっくり動かし僕を快楽へと誘おうとする。しかし彼の方が快楽に溺れるように抑える事さえしない嬌声を
上げ続ける。普段の彼からは想像も出来ないような淫靡な姿に抑えの効かない僕の欲望が暴走を始める
- 57 名前:エ/ア/ギ/ア 炎王×カズ 7/10:2008/04/22(火) 05:23:45 ID:KoFAzZ+v0
- 「こうするともっと気持ち良くなれるよ…」
彼の腰を掴み勢いよくベッドに押し倒し、正常位に体位を変えると腰を強く打ち付けた。
何度も突く度に彼の声も増して行き僕は限界を迎え引き抜くことも出来ないまま彼の中に欲望を吐き出してしまった
「なぁ、なんでこんな気持ちいい事をなんで今までしてくれなかったんだよ」
事後、ベッドの中でウトウトしながら一言吐き出す。矢張り思った通りになってしまった
「それはね、カズ君が気持ちいい事覚えたらA・Tしなくなっちゃうと思ってね」
彼はそれはないとは言ってくれたがもし僕がいなくなっても大丈夫なのだろうかという不安がまた増えてしまった事になる
どうか僕がいなくなっても一人で眠れますようにと願いを込めながら彼の頭をそっと撫でてあげた。
大切な、大切な僕の宝物
- 58 名前:エ/ア/ギ/ア 炎王×カズ :2008/04/22(火) 05:27:07 ID:KoFAzZ+v0
- □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
数を打ち間違えました。全部で7/7でした。次回から気をつけます
貴重なスペースありがとうございました
- 59 名前:風と木の名無しさん:2008/04/22(火) 14:20:28 ID:9I8eRGo80
- >>49
まさか十角館が読めるとは!
萌えに萌えたGJ
- 60 名前:熊・31×有袋類:2008/04/22(火) 20:16:32 ID:ANZ/flSgO
- |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
球/団益子ット 北の熊B/B・竜31×有袋類です。
次の交流を勝手にしゃちほこームにねつ造しております。
ずっと規制で書き込めないため慣れない携帯からチャレンジ。
不手際があったら申し訳ありません。
- 61 名前:熊31×有袋類1/4:2008/04/22(火) 20:25:01 ID:ANZ/flSgO
- 沖縄に居なかった彼が復活したって聞いた。
ド荒君の大好きなあの選手。31番の人。喜んでる顔が目に浮かぶな〜。いつも笑ってるけどね。
今日はド荒君と久しぶりの逢瀬の日だ。
件の彼ももちろん…いるみたいだね。ざ〜んねん。
ま、でもうちのチームは負けませんので。
そして、僕もね!
「やあ、沖縄ぶりだね。」
お、結構いい反応。僕もなかなか気に入ってもらえてるみたい。
でもなんだか動きが古いな〜ナハナハして、足をガクガク揺らしてる。
これでどうしてかわいく見えるんだか不思議だけど、ド荒君はやっぱり今日もかわいい。
世間じゃキモカワイイとか言われてるみたい。ナイス表現だね。彼にぴったりだよ。
本まで出しちゃって。彼が動くと周りの視線が同じく動くんだ。
ずっと見ていたくなる存在なんだよね。
そんなお客様の視線を、僕は僕なりに奪う。「B/Bかっこいい!」なんて言われるとやっぱり嬉しいね。
その後に「それに比べてうちのド荒は…」なんてつぶやきに繋がる所が、彼が愛されてる証拠だ。
益子ットとしても、合格♪
さー、今日も頑張るぞ。
「彼すぐ復帰したみたいで良かったね。」
おおはしゃぎするかと思いきや、意外な反応。
手を組んで、呆れたように肩で息をついた。親指で彼の方を指差し、次に頭に人差し指をあて、駄目駄目と手を振った。
あれ?馬鹿にしてる?何なにいつの間にそんな仲になったの?
確かに前の時も結構慣れ慣れしい感じではあったけど、なんだかレベルアップしてない?
そういえばド荒君の本にも彼のインタビューが何ページも載ってたんだよね。僕はページ上部のさらに半分だったけどね!
現役選手が益子ットの本のインタビューの為に練習時間割いてくれたって事事態ものすごい事だと思ったけど…ええ〜?
インタビュー読んだらさ、ド荒君をけなしながらも、ものすごい優しいんだよね彼。愛情が伝わってくるの。
ド荒君が好きになったのわかると思っちゃったし。これは僕、結構ピンチ?
- 62 名前:熊31×有袋類2/4:2008/04/22(火) 20:28:24 ID:ANZ/flSgO
- 「彼とはどこまでいってるの?」
一瞬止まったド荒君は、意味がわからないと首を傾けさぁ?のポーズをした。
「キスくらいはした?それ以上?」
言い終わるか終らないか、瞬時にド荒君は下を向きぐるっと踵を返してスタスタと僕の傍から足早に去って行った。
直球過ぎた?たまに僕に振りかえり指をさして腕をぶんぶん振って非難している。
逃がすかっ
走って駆け寄ると、ダッシュで逃げだした。だから、ダッシュで追いかけた。
僕が益子ット一足速いの知ってるでしょ。無駄無駄!
すぐに追いつき、腰にタックルしてグラウンドに倒した。そのまま上に覆いかぶさり、尋問を続ける。
「ね、どうなの?メールとかしてるんでしょ?毎晩?」
ド荒君の足がバタバタと暴れる。ついでに手がクロールの形を描く。こんな時でもパフォーマーだねぇ
でもそんな誤魔化し僕には無駄だよ。
「僕、彼にキスしちゃおうかな。」
今までたいした抵抗じゃなかったド荒君が渾身の力で上体を起こしたものだから、バランスが崩れた。
僕も大げさに転がってみせる。
腰に手を当てて人指し指を立てて振る。お母さんが子供に叱るような態度だ。こらっダメでしょ!!みたいな。
「僕ならすぐできるよ。得意なんだ唇奪うの。あはは」
そう言い残し、彼の元へダッシュ。あー楽しい。
大慌てでド荒君がついてくる。ほらもっと早く走らないと僕には追い付かないよ!
益子ットがすごい勢いで二匹近づいてくるもんだから、ベンチに居た彼も何々?と子供のような表情でこちらを見た。
あはは本当だ本に書いてあったけど彼よく見たらド荒君に似てる〜
どうせベンチには入れないから、すんでの所で止まり振り返って手を広げると、計画通り止まれなかったド荒君が僕の胸に飛び込んできた。
すかさずギュッと抱きしめる。見せつけてやれ〜
あまり抵抗しないけどぐるっと後ろを向いて一応手をばたつかせ逃げようとしたので、後ろから胸を揉んでやった。
いつ揉んでもいい鳩胸。このスリムなボディにこの胸筋がまたたまらないんだよねぇ。あどけない顔なのに上から下までエッチな体。
31番の人からは僕の背中と捕まってるド荒君しか見えてない。何してるか、わかってない。
やきもきすればいいじゃない。こういう事できないんでしょ。いいでしょ〜
- 63 名前:熊31×有袋類3/4:2008/04/22(火) 20:29:59 ID:ANZ/flSgO
- ド荒君に手をはがされる。いっつも下ネタ系は抵抗するんだよね。キモカワイイくせに意外と清純派なんだから。
じゃあ、ターゲット変更。
僕はくるっと振り向いてベンチ前の壁に肘をかけ、彼の正面に座った。
「こんにちは。いつもド荒君がお世話になってます。」
もちろん人間には僕の声は聞こえてないから、ジェスチャーで31番の人に話しかける。
この人は他の球/団の益子ットからの問いかけに無視するようなタイプじゃない。
「えーこいつにはいっつも世話かけられてます。」
え?ジェスチャー見ただけでこんなにピッタリな返答できるの?すごいなこの人…
ド荒君を見るとまた31番の人に向かってぎゃーぎゃーとわめいている。きっと、「おれがせわしてやってる」とか、言ってるんだろう。
31番の人、そんなド荒君は無視。
「ド荒君とはメールとかしてるんですか?」
携帯をぽちぽちやるジェスチャーをして問いかける。
「や。こいつのアドレス知らないし。てか携帯持ってんの?益子ットのくせに。」
もちろん同じ益子ットの僕にではなくド荒君に向かっての発言だ。
ド荒君、腕を叩いて得意げ。「おれのうで」って、携帯持ってる事に腕も何も無いでしょうよ。
「こいつ馬鹿でしょ?」
僕も馬鹿にして笑う。いい人だなぁ、こんなに普通に会話できるんだ。
僕はド荒君を指差し、次に31番の人を指差し、手でハートマークを作って、また交互に指差した。
この意味は色々含めたんだけど、さて、通じるかな?
ド荒君は少し横を向いて僕に非難の指差しを弱弱しくした。
まぁもう周知の事実だから今更ね。
さてなんて答えるかな。期待が膨らむ。
- 64 名前:熊31×有袋類4/4:2008/04/22(火) 20:31:35 ID:ANZ/flSgO
- 「ん?うん。馬鹿なんですよこいつは。」
うわぁ…
うわぁ
うわ〜〜〜〜
なんか負けた気がする。やだなぁ。
「バク転も何回も失敗するしね。今年は100%成功とか言ってましたよね。のっけから4回失敗とかあり得ないでしょほんとにね、クビですよクビ。」
あ、よく喋る。
ド荒君が謝る。ベンチの壁に座り込んで、くびにしないでとすがるように。
これがこの二人の関係かぁ
「今日はちゃんと飛べるんですか?」
ド荒君がブンブンと首を縦に振る。
「あっそ、じゃあ失敗するよう祈ってるよ。クビ。」
ド荒君が立ちあがって怒ると、試合開始の音楽が流れた。その横を31番の人がまたいですり抜ける。
この二人、仲が良いのか、悪いのか。
その日、7回裏のバク転でド荒君はひねりを加えて見事に着地した。
だけど31番の人がド荒君の方を見る事は無かった。
だってさ…僕見ちゃった。
31番の人が、オーロラビジョンに映ってるド荒君を見て、成功した途端にとびっきりの笑顔になったのを。
うーん、妬けるねぇ。
かわいい二人に免じて、今日の所はこれで許してあげよう。
次こそ一矢報いたいものだね。
- 65 名前:熊31×有袋類:2008/04/22(火) 20:33:31 ID:ANZ/flSgO
- □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
別スレで亀感想いただけてすごく嬉しかったです。
読んで頂いてありがとうございました。
貼るのに時間がかかりご迷惑をおかけしてすいませんでした。
- 66 名前:風と木の名無しさん:2008/04/22(火) 20:36:41 ID:KvRBkkLQ0
- >>61超乙 続編読めてテラウレシスwww
相変わらずの可愛らしさに(*´Д`)
3人とも可愛いよー
- 67 名前:風と木の名無しさん:2008/04/22(火) 20:55:45 ID:sKXH1GHgO
- >>60
ものっそGJです!
そして31はナチュラルに升コットどもに混じりすぎww
良かったらまた続編読ませてください!
- 68 名前:風と木の名無しさん:2008/04/22(火) 22:46:47 ID:RFrrFf3V0
- ,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < 秀と博と姫の絡みなんだって
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < 美形揃いで目が楽しいよな
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < でも重いよ
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
- 69 名前:秀博姫@ 1/8:2008/04/22(火) 22:49:37 ID:RFrrFf3V0
- 「や、あ、あ…も、無理…」
色っぽい声が上がって、俺に上半身を預けていた姫が激しくかぶりを振る。耳たぶを甘噛みするつもり
が力を入れすぎて、やわらかい皮膚に俺の歯形がぐっきりと残ってる。赤くなったそこから薄い肌が破れ
て血が滲み出てるから、とりあえず血を止めるつもりでねぶってやった。
「あっ、や、あああ!」
あ、いっちゃった。
ものすごい気持ちよさそうな顔して。
耳弱いんだもんな。
こいつがいくときの中の具合は俺が一番よく知ってる。艶かしい痴態もさることながら、中のうねりとしま
りが半端じゃない。こりゃたまらんわと思って姫に覆いかぶさっている末っ子を見たら案の定。
「俺、も…っ」
最後まで言えずに、細くて硬い、彫刻みたいな体に震えが走る。目をぎゅっと瞑って、開いた口からこ
ぼれる喘ぎのエロさに、ぞくっとする。
こいついくときこんな顔するのか。
元が美形なだけに、いくときの顔もすげーいい。うん、そりゃ、俺の大切な姫を抱かせてやってるんだ。不細工なやつは困る。姫はなんつって面食いだし、俺もそうなんだよ。
中に出された衝撃で姫は立て続けにいかされたのか、ひっと息を呑みながら後ろで支えてやってる俺の
手に縋りついてきた。その必死さにちょっとご機嫌になる。
- 70 名前:秀博姫@ 2/8:2008/04/22(火) 22:51:00 ID:RFrrFf3V0
- 体力が足りない末っ子が息切れしながら、それでもぐったりした姫を心配して律儀に聞いてくる。
「ごめん、佳さん。俺、中に出しちゃって…大丈夫すか」
「やっ…言わない、で、あっ、あ」
まだ中に入ってるまま身をかがめて顔を覗いてくるもんだから、ただでさえ敏感で、最中に言葉を交わ
すのも死ぬほど恥ずかしがる姫はもう真っ赤になって逃げようと身を捩ってる。そんなことしたら更に感
じて墓穴掘るだけなのに。
なにげに食えない大物の割に、うちの末っ子は姫に負けずの天然だ。だって悶える姫を抱きしめて、
優しい声で聞くもんだから。
「え…佳さん大丈夫?気持ち悪い?水飲みます?」
だからそいつはそういう気配りをコトの最中にされるのが苦手なんだよ。
恥ずかしがる姫もいい眺めだから、あえて教えないけど。
綺麗なんだよな。こいつら。
男二人で絡んでる光景って、下手すりゃものすごい滑稽てか気持ち悪いだけなのに、なんか美術館
の名画でも見てるみたいだ。
俺は片手にビールを煽りながらぼんやりとそれを眺めた。姫の体を末っ子が抱き寄せたせいで、金色の
綿飴みたいな姫の髪がちょうど俺の中心をくすぐってる。ふわふわの柔らかい髪に揉まれる感触に、もう
今日はやるだけやったと思ってた俺を嘲笑うかのように下腹部を鈍い欲望がつき上がる。末っ子はな
んとか姫をなだめようと一生懸命抱きしめてなんか言ってるんだけど、肝心のモノが中に入ったままって
こと、もしかして忘れてないか?
- 71 名前:秀博姫@ 3/8 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/22(火) 22:52:58 ID:RFrrFf3V0
- 俺たち三人がなんでこんな放蕩の限りを尽くすような事態になったかというと。
初めは至極まともな理由があった。
皆の同意の元に加入したはずなのに、一番大事なリーダーとの距離がなかなか縮まない末っ子。
見た目には我がまま放題で破壊的なことで有名だけど、意外と人見知りが激しいリーダー。
この二人を、とりあえずアルコールの力を借りてでも強引に親しくしちゃえ!という魂胆だったのだ。姫は
遠慮ばっかしてる末っ子に、もしかしたら強引なレコーディングのせいで加入早々嫌われちゃったんじゃ
ないかとびくびくしてるし、末っ子は末っ子で、元々姫の建てたレコード会社所属で、前任ベーシストと
のただならぬ仲をもろわかってるから、でしゃばると姫を傷つけるんじゃないかと思って何かと控えめにし
てるし。これから苦楽を一緒にしていかなきゃならないのに、うちみたいなバンドでメンバー同士が他人
行儀ってのは非常にまずい。ただでさえ、俺と姫がちょっとじゃれただけで「仲違い」だの「破局」だの、
姫がボーカルにちょっとツンツンしただけで「解散」だの「決別」だのと書かれるようなバンドなのだ。
- 72 名前:秀博姫@ 4/8 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/22(火) 22:53:22 ID:RFrrFf3V0
- だから俺はバンドの最年長者で一番のお兄さんらしく、シャイな二人を酒の力を借りてぐっと近づけよう
と考えた。男ってのは、一緒に飲んで馬鹿騒ぎして、そんで酔っ払って雑魚寝なんかして、翌朝一緒
にサウナにでもいってきたらもうそれですっかり親しくなっちゃうものだから。まぁ雑魚寝なんかさせるには、
末っ子も姫も、ちょっと箱入りすぎるけど。
しかし、それを実行するには少し作戦を練る必要があった。
うちの姫は金平糖みたいに甘い顔を裏切って酒がめっぽう強い。それに、酒が入って気持ちよくなると、
なぜか何かを蹴飛ばしたがる。普段は俺もそれに嬉々と付き合って一緒に看板蹴りなんかやっている
わけだが、末っ子との親交を図ろうという大事な席でそういう惨劇はまずい。末っ子もうちに入っただけ
あって酒は並以上に飲むんだけど、姫や俺にはまだ全然及ばないから。
で、どういうことを考えたかというと、まずはお姫様と二人で飲み始めて、様子を見る。姫はとりあえず
一暴れして気が済んだら驚くほど大人しく素直な子になるから、そこで末っ子を呼びつけて酒を飲ませ
れば、ちょうどいい酔い具合に出来上がるんじゃないかと狙ったわけ。
- 73 名前:秀博姫@ 5/8 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/22(火) 22:54:54 ID:RFrrFf3V0
- レコーディングも一際終わって、さて明日はオフ、という日に、姫を誘った。ここのところずっとスタジオに
塞ぎこんでて、仕事以外はろくに顔も見れなかったから、姫も寂しかったんだろう。何の疑いもせずにの
このこと俺についてきた。や、別に下心があったわけじゃないけどさ。そういう無防備なところを見ると、
もう駄目だ、こいつは俺が守ってやらないと、って気持ちになる。俺って世話好き。
末っ子にはとりあえず姫が一暴れして大人しくなる時間を計算して、深夜ぐらいにうちに来いと言って
おいた。でも出来るだけ末っ子と姫が話せる時間を作りたかったし、それにはとにかく姫が早く酔っ払っ
てくれないと困るから、俺は姫にどんどん酒を勧めたわけ。
姫も俺も酒好きだけど、ここんところすっかりスタジオに缶詰で姫はほとんどアルコール絶ち状態だったか
ら酒が進む進む。俺は調子に乗って姫の一気を煽った。
二人で俺んちのリビングに酒と一緒に陣取って飲んで、床に空いたワインのビンがざっと17,8本ぐらい並
んだところで、ちょっと目が据わってきた姫がいきなりぼそっとつぶやいた。
- 74 名前:秀博姫@ 6/8 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/22(火) 22:55:20 ID:RFrrFf3V0
- 「秀ちゃん、今日は変なの」
「ん?」
「だって、普段は俺が一気やると、あまりいい顔しないじゃない」
おかしそうに首をかしげて俺を見つめる純真な眼差しにぎくりとなる。侮りがたし、姫。
「まああんまり我慢ばかりするのも体によくないから。な?今日は飲みたいだけ飲んでいいよ」
変に構えさせたらせっかくお膳たてした苦労が全部パーになっちゃうから、とりあえずもっと飲まそうと思っ
てグラスに新しいワインを注いでやったのに、姫はそれには見向きもせず、なんか妖しい上目遣いで俺
を見上げてきた。
「ほんとうに、がまんしなくていい?」
「あ?」
半分くらい開いた唇から、薄いピンク色の舌が覗く。乾いた唇を潤ませるようにちろっとなめあげる舌の
動きに、俺は自分の愚かさに気づいた。上目遣いの目元が恥ずかしそうに細められたけど、男の下半
身を直撃するその悩ましげな表情は誘ってるようにしか見えない。アルコールのせいでおぼつかない指
がゆっくりとシャツの前をはだけさせて、中の肌をあらわにした。
思わずごくりと固唾を呑む俺の首に白い腕がするりと巻かれて、アルコールに濡れた唇が俺の名前を
囁きながら重なってきて、つまり俺は、企んだつもりで企まれたことを悟ったのだ。
そういえば、ずっとレコーディングで、酒だけじゃなくて姫の体もずいぶんご無沙汰だったっけ。
- 75 名前:秀博姫@ 7/8 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/22(火) 22:56:34 ID:RFrrFf3V0
- 「あ、っ、秀ちゃん、ゃ、あっ」
久々の姫の体はやっぱり気持ちよくて、いつも俺を楽しませてくれる色っぽい声も、いつもならずっとずっ
と我慢して、俺がめちゃくちゃに揺さぶって突き上げて頭の中をぐちゃぐちゃにしてやらないと出さないの
に、なんか遠慮なく出してくれて。その久しぶりの痴態に溺れて。おまけに、姫に酒を飲まそうと思って
一気を煽ったつもりが、よく考えてみれば自分もそれだけ飲んでるってことになる。姫が普段の恥じらい
も忘れて自ら服を脱ぐほど酔ってたんだから、一緒に飲んだ俺も同じぐらい酔ってたわけで。
「…あの…秀さん、俺来ましたけど…。…邪魔やったら帰ります?」
末っ子を呼びつけていたことも、末っ子に「今日だけ特別」と言って、さりげなく入ってくるようにと俺んち
の鍵を渡していたことも、すっかり忘れてたのだ。
だから細長いシルエットの末っ子が、ひょっこりとリビングの入り口に立って困ったように言ってくるまで、夢
中になって姫を貪ってた。
そこから先は、普通は俺と末っ子が気まずい思いをして、場がしらけて終わるはずなんだよな。
ただ問題が何かって、俺たち全員、酔ってたんだよ。俺たち二人じゃなくて、俺たち三人全員が。
姫はレコーディングで四日ぐらい寝てない(あとから知ったけど、俺や利君には内緒でこっそり強行軍を
続けてたらしい。なるほど俺より先に泥酔になるはずだ)上にアルコールと、俺がちょっと理性を飛ばして
たせいでほとんど半分意識朦朧だったんで、最初は第三者が登場したのも気づかなかった。そんで俺
はというと、多分、自分で思ってるよりも更に酔ってたんだと思う。徹夜明けのアルコールってのはほぼ
シャブみたいな効果があるし、その上セックスまでやっちゃってるんだからもう頭ん中めちゃくちゃ。
- 76 名前:秀博姫@ 8/8 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/22(火) 22:57:01 ID:RFrrFf3V0
- で、末っ子なんだけど、こいつももちろん徹夜明けなのは同じ。そこまではいいんだ。
問題は、こいつも酔ってたわけ。
先に帰して、夜中くらいに来ればいいからとりあえず寝とけって確かに言ったはずなのにこいつったら、
俺んちにきたらどうせみんなべろんべろんになってるだろうし、自分だけ素面だと割りに合わないって、
一人で飲んで来やがった。…全く、神経の図太いやつだ。
そういえばこの末っ子、うちのオーディションに来たときも、二日酔いで普段着で来やがったっけ。
変に構えられるのは困るけど、そこまで構えないやつは他になかった。
そりゃそうだもんな。俺たちはもうあのとき伝説になってたわけだからさ。日本人初のドーム3日とかやっ
ちゃって、俺たちのアルバム収入で所属会社は一部上場企業になれちゃったしさ。
だけど一緒にバンドやってこうぜっていう相手に伝説とか言われて拝まれたら困る。部外者には勝手
に拝ませときゃいいしファンが拝んでくれるのはすごく嬉しいんだけど、仲間にそういう態度取られちゃ困
るんだ。だから俺らがこいつを選んだのは、俺らを前に全然構えないその図太さもあったんだよ。
だけど今回はそれがまずかった。
非常にまずかった。
- 77 名前:風と木の名無しさん:2008/04/22(火) 22:59:10 ID:RFrrFf3V0
-
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < いったん中止しよう
//, 停 ||__ (´∀`⊂| < うん、長すぎると迷惑だし
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < てか重いよ
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
- 78 名前:風と木の名無しさん:2008/04/23(水) 00:31:14 ID:4wEEcWiA0
-
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 前スレ542-556で投下したもののエロパートです
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 感想くれた姉さん方のおかげで頑張れました
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ よくよく考えたらこの二人ショタエロジャンネ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 79 名前:すばせか ヨシュネク2 1/14:2008/04/23(水) 00:33:48 ID:4wEEcWiA0
- 「……」
俺をもらいにきた、とこいつが言ったので、やることにした。
なんてなんだかあからさまに上から目線だが、こいつの望むことを俺が望まないはずがないので
一種の照れ隠しと思ってほしい。
転がってシーツの波に置き去りにされた哀れなヘッドフォンをわきに避けると
ヨシュアは俺の服(寝る前だったのでパジャマがわりの上下だが)を肌蹴させて
何をするでもなくまじまじと見つめてきた。
残念ながらこういうことに関する経験はまだなかったので、何をすればいいのか分からない。
こんなとき、どうするべきなんだろう。
多少の知識はあるものの、やっぱりやったことのないものはどうしようもできないし、
こいつの視線がまっすぐ自分を向いていて些細な身じろぎすらするのがなんだか怖い。
なんだよ、俺の胸なんてまったいらだし、そんなに見たって楽しいことないだろ。
見られているこちらとしてはなんだか落ち着かないやら、恥ずかしいやらで
心臓はばくばくと順調に心拍数を上げるばかりだというのに。
「……なあ」
「うん?」
少しうつむき加減だったこいつの目線が、あっさりこちらを向く。
睨まれているわけでもないのに、こいつのスミレ色はいつも俺を射抜くようで
我知らず身構える。
けど、なんとなく今の雰囲気もこいつの瞳の色も普段より優しい気がして、余計に落ち着かない。
わけも分からず顔に熱が集まる。
「お、俺も、なんかしたほうがいいのか?」
「ネク君が?」
意外そうな声音で驚かれる。なんだか心外だ。
俺がなんかしたがっちゃ悪いのか。
「んー、ネク君が何かしてくれるって言うなら歓迎するけど。別に何もしなくても構わないよ。
初めてだろうし」
悲しいことにまったくその通りだ。
- 80 名前:すばせか ヨシュネク2 2/14:2008/04/23(水) 00:35:13 ID:4wEEcWiA0
- 「ネク君はそのままでも、僕の好きにするからいいんじゃない」
なんだか人の不安を煽る言い方をするやつだ。
でもどうしていいか分からないのは確かだったので、身を任せることにする。
俺がこいつにされてやなことなんて、細々とはあっても突き詰めればないと思う。
本当に嫌なのはあの最後のゲームとかぐらいだし。
「そ、か」
「うん、そう」
なんとなく身体の力が抜けると、それが合図のようにちょん、とキスをされた。
さっきされたキスの方がいやらしかったのに、なんだかそれよりよほど恥ずかしい。
わけも分からず流されたんじゃなくてはっきり意識したからか、じわじわと熱が全身に回る。
いまいましいことに、やっぱりこいつの顔はドキドキするくらい綺麗なのだ。
キスをしたくちびるがそのまま頬を滑ってくすぐったい。
こいつの金にも銀にも見える不思議な色合いの髪が俺の顔にかかりそうでかからなくて
柔らかそうだなとか暢気なことを考える
と、唐突にべろり、と耳に濡れた感触。
「ひゃうっ」
あまりに不意打ちで、びくんと身体が跳ねた。
何だ今の声どこから出たんだ。
「ネク君って耳弱そうだよね。いつもヘッドフォンで隠してたし」
「…っんなこと、な…」
なんの根拠もない言いがかりで人の耳を舐めるなっ。
けど、耳元に寄せられたヨシュアのくちびるからもれる吐息を感じる度にぞわぞわと
何かがかけ上がってくる。
「そうかな?」
「ひ、やっ……」
また濡れた感触。思わず首を竦めても、逃がしてくれない。
「あっあ、やめ……やだっ……!」
なんだか舐められたり軽く歯をたてられたりで身構える暇もなかった。
抵抗しようにも、手首はしっかり捕まえられてしまっている。
- 81 名前:すばせか ヨシュネク2 3/14:2008/04/23(水) 00:36:35 ID:4wEEcWiA0
- そんなところくすぐったいだけのはずなのに、こんなのおかしい。
「ほら、やっぱり弱いじゃないか。くすぐったい…?」
わざとらしく低い声で囁かれて、逃げるように首を振った。
「や、め…っも、喋んなっ!」
どうにかしたくて、両手に力を込めるが、外れない。
「ふふ、くすぐったいだけじゃなさそうだね」
こいつの声が鼓膜を震わせる度に、お腹の辺りに熱が集まる気がする。
ほんとはもっと下だけど、認めたくない。
躍起になって暴れようとしたら、右手の拘束が外れた。
とにかくこいつを黙らせたくて、伸ばした手で口を塞ぐ。
「お、まえの声…変だ…!」
ヨシュアの一言一言で、その度に全身が粟立つ。
こんなの変だ。絶対おかしい。
何とかもう片方の手も解放するべくもがいているとまた、べろり、と右手を舐められた。
「ぅ、わ…!」
思わず手を引こうとすればしっかり掴まれてしまって、逆に引き寄せられる。
つ、と手のひらから指先まで舌を這わされて、右腕が痙攣するように震えた。
「は、ぁ…やっ」
「僕の声で感じてたの?ネク君てば物好きだなぁ」
それぞれの指を撫で終わると、今度は指の間を甘噛みされる。
「ん、はぁっ……んく…」
普段はそんなところ触られたって何ともないのに。
俺がおかしいのか、こいつがおかしいのかもう分からない。
とにかく声だけでも抑えたくて、ずり上がってきたシャツの襟を噛んだ。
唾液でべとべとになっても、構ってられない。
「知ってる?ここって性感帯なんだって。
人間って普段何気なく晒してる部分が、案外そうだったりするんだよね」
飄々とそんなことをのたまうこいつの表情を見る勇気がなくて
とにかく目を閉じて堪えるしかなかった。
- 82 名前:すばせか ヨシュネク2 4/14:2008/04/23(水) 00:37:58 ID:4wEEcWiA0
- もうどこもこいつの舌が触れてないところなんてない、というくらいまで手のひらを舐め回されると
ようやく飽きてきたのか、あっさり解放される。
たったそれだけなのに、もう普段の呼吸が思い出せないほど息が乱れているのが悔しかった。
必死に呼吸を整えようとしているのに、こいつはまた違うものにターゲットを定めたらしい。
俺の右手を離して自由になったゆびで、するすると俺の胸元を撫でる。
たまに肋骨をなぞったりへその周りをさまよったりでくすぐったいが、
さきほどまでの追い詰められる感覚ではなくてほっとする。
「ん…く、くすぐったい」
ときおりひくひくと腹筋が痙攣するのが面白いのか、何度も行ったり来たり撫でられて
ほんとうにくすぐったい。
我慢できなくなって身じろごうとすると、今までただ俺の肌の上を撫でていた手が
ウエストのゴムをひっぱってするりと下腹部に触れた。
「っ!」
「あは、もうこんなにしてたんだ。ごめんね」
下着の上から撫でられて、その時点でもう勃起したものやらじんわりと布地の濡れた感触やらは
ばればれにちがいない。
大したことをされたわけでもないのにそんな状態の自分が恥ずかしくて、
拘束されてないほうの腕で目を覆った。
「っ……わ、るかったな……!お子様で……!」
なんだか涙声になってしまって、そんなところまでばればれだ。ちくしょう。
「いいんじゃない?元気な子のほうが好きだよ」
同い年のクセになんだその言い方。
いつも不可解なこいつだけど少し引っかかって、涙目がばれるのを承知で不審げな視線を
やってみたものの案の定スルーされた。
何事もなかったように指の動きを再開されて、問い詰める暇もない。
濡れた布地を擦りつけるように押されて、浮き上がった形を確かめるように撫でられる。
- 83 名前:すばせか ヨシュネク2 5/14:2008/04/23(水) 00:39:02 ID:4wEEcWiA0
- 「ふ、うぅっ……や……あぁっ」
他人のゆびが自分の下肢を撫で回す初めての感覚に、どうしたらいいのか分からなくて
ただびくびくと震えるしかなかった。
けど、次第に服の中での制限された動きと下着の上からのじれったい快感があいまって
無意識に腰が揺れる。
「よ、よしゅあっ」
「なあに」
潤んだ視界に写るこいつの顔は何とも楽しそうで、余裕のひとかけらもない俺とは大違いだ。
悔しくて、じれったくて、こいつの手に押し付けるように腰を浮かせた。
「ん……んぅっ」
こんなことして引かれたりしたらどうしようと思いながら、止めるなんてできなかった。
絶対今日の俺はおかしい。けど、きっとそれは全部こいつのせいだ、と思うことにする。
だからこいつが責任を取るべきなんだ。
「ちゃんと、触ってほしい?」
子供に言って聞かせるような声音で囁かれて、こくこくと頷く。
「は、ぁ……はやく……!」
急かすように服の裾を掴んで引っ張ると、ようやくこいつの手で下着ごと脱がされた。
濡れたものが外気に触れて、心もとない気持ちになる。
けどすぐにヨシュアのゆびが絡んできて、それどころじゃなくなった。
「あっ、あ」
「ほら、ネク君のどくどく言ってる。もう出ちゃいそう?」
ぎゅ、ぎゅと強めに扱かれると、もう何も抵抗できない。
「や、あ、あっ出る……やだ……!」
もう何もわからなくて、ぶるぶると頭を振った。
と、急にこいつの服を掴んでいた手を握られて、震える下肢に導かれる。
「ネク君は普段自分でどんな風に出してるの?こう?」
「ひっ……あ、なに……!」
されるがままに自分のものを握らされて、上からヨシュアの手が添えられる。
- 84 名前:すばせか ヨシュネク2 6/14:2008/04/23(水) 00:40:20 ID:4wEEcWiA0
- 「あっあぁ……!やだっなに……やぁぁっ」
ヨシュアに、俺の手を使って扱かれる。
もちろん普段から自分ですることはあったけれど、自分の手なのに自分の手じゃないみたいで
いつもするのとは比べ物にならないくらいの快感が襲ってくる。
何より擬似的にヨシュアの前で自慰をしているようで、怖くて恥ずかしくて
おかしくなりそうだ。
「んんぅ……っふ、ふぅ……!で、出る、やだ、はなし……」
「それとも、こう?」
「いや、あっ、やぁっ……!」
降ってくるヨシュアの声音はあくまで優しくて、その声にすらびくびくと身体が反応する。
あ、もう、だめだ。
「ひ、ァ、やあぁぁっ」
敏感すぎて自分では触れない先端を容赦なく擦られて、あっけなく達してしまった。
ぱたぱたと白く自分とこいつの手を汚すものを、荒い息の中で呆然と見つめる。
表情一つ変えずに俺のゆびについた白濁を舐めとるこいつを見ていると、
だんだんとんでもないことをさせられたことに気が付いた。
かあっと耳まで熱くなって、穴があったら入りたい気分だ。
「っおま……なんで、あんなっ……つか舐めんなっ」
ずっとベッドに押さえつけられていたほうの手がいつの間にか自由になっていたので、顔を覆う。
「うん、なんか僕がいない時のネク君はどんな風なのかなーって、興味あって」
ああそうかよ、興味本意であんなことさせられるこっちの身になってみろ。
大体、一人のときにあんな風になるか。あんな感覚、全然知らない。
「あんなの、俺じゃない……!」
「うん?」
「あんなの、お、お前のせいだっ…お前が全部悪い!」
睨み付けてやりたかったが、今はとてもこいつの顔なんて見られない。
くすくすと漏れ聞こえる吐息に、笑われているのが悔しい。
「そうだね、そうかもね」
顔も見たくないと思うのに覆っていた俺の手はあっさり剥がされて、スミレ色と目が合う。
- 85 名前:すばせか ヨシュネク2 7/14:2008/04/23(水) 00:41:07 ID:4wEEcWiA0
- いたたまれなくて視線が泳ぐと、子供にするみたいなキスをされた。
全然いやらしさのない行為に逆に戸惑う。
やっぱり振り回されてばかりで悔しかった。
「続けてもいい?」
「い、今更断んな」
「はいはい」
名残惜しそうに前髪に触れるくちびるを感じると、膝の裏を掴まれて脚を持ち上げられた。
よくよく考えると恥ずかしい体勢だなと思ったが、どこを使うかはなんとなく分かるので我慢する。
「暴れないでね、危ないから」
ひやりと、後ろに濡れた指が触れた。
びくりと身体が震えたが、ヨシュアの言葉を遵守しようと堪える。
なんだかぬるぬるしているのはさっき俺が出したものだと思い当たって、
いたたまれなさに一人赤面した。
うろうろと解すように動いていた指が、ぐ、と押し込められる。
思っていたほどの抵抗もなくあっさり入ってしまって、逆に不安になった。
「痛くない?」
「へ、へいき……」
痛くないわけでもないが、それよりも何かが入っている違和感のほうが気になって、落ち着かない。
こいつの指をそんなところに入れさせていることに申し訳ない気すらしてきた。
「お、お前は……俺にこんなことするの、嫌じゃないのか」
今更ながら疑問がわいてきて、率直にきいてみる。
そもそも俺の身体で触って楽しいところなんてあっただろうか。
「今さら何言ってるんだい」
一瞬驚いたあと、呆れたようにため息混じりで言われた。
「ぁ……だ、だってさ……」
そのため息になんだか不安になって言い募ろうとすれば、ごち、と額をぶつけられる。
- 86 名前:すばせか ヨシュネク2 8/14:2008/04/23(水) 00:42:06 ID:4wEEcWiA0
- 「全然、嫌じゃないよ。そもそも仕掛けたのは僕なのに、なんでそうなるのさ」
困ったようなスミレ色に、嬉しいような落ち着かないような気分だ。
「そ、そうか」
「そうだよ」
せめてもう少し綺麗なところで繋がれればいいのに、とぼんやり思っても
生まれ持った身体はこれしかないので仕方ない。
そわそわと落ち着かなくて、そういえばさっきまで拘束されていてできなかったことができると気が付いた。
そろそろと両手を伸ばして、こいつの首に回してみる。
自分からこいつに触れたことはあまりなかったから嫌がられたらどうしようと思ったが、
ちらりと覗いたスミレ色は驚いていたものの嫌そうではなかったのでほっとする。
こうやってしがみついていると体温の近さに、さっきまでもやもやと渦巻いていた不安が
溶けるようで、身体の力が抜けた。
しがみついた折に触れた髪は見た目通りふわふわと柔らかくて、思った通りだなと
なんとなく嬉しかった。
「ん、んっ……」
ぐるぐると動いていた指が二本に増やされて、さきほどよりも圧迫感が強くなる。
慣らすというよりは探るような動きに、落ち着かなくてぎゅっとしがみついた。
「ふ、あっ…ん、んく…」
ぎゅうぎゅうと腕に力をこめると、なだめるように背中を撫でられる。
なんだかさっきから子ども扱いされているような動作が多くて、少し不満だった。
同い年なのに、時折ひどく大人びて見えるこいつはやっぱりずるいと思う。
浅い呼吸を繰り返していると、探るようだったゆびがぐっと深く入り込んできた。
「ん、んんぅ…!」
自分も知らない場所をこいつに暴かれていくようで、何だか怖い。
どうせ晒すなら、やっぱりもっと綺麗な場所にしてくれたらいいのにと思った。
こんなに近い距離だと、漏れる呼吸すらこいつを不快にさせるんじゃないかと心配になる。
と、
「っ、ひぅ…!」
- 87 名前:すばせか ヨシュネク2 9/14:2008/04/23(水) 00:43:12 ID:4wEEcWiA0
- 深い部分を探っていたゆびが一点を掠めた瞬間、全身が跳ねた。
「はぅ、ぁ、あ、なにっ」
まるで見に覚えのない感覚に、何がなんだかわからない。
困惑してこいつの顔を見つめると、不思議そうに首を傾げる。
「ここ?」
「ゃあぁ…!」
先ほどと同じように触れられて腰が跳ねる。
びくびくと身体が引き攣れるようで、そんなところに何のためらいもなく触られるのが怖かった。
が、こちらの反応を確認すると納得したように、中のゆびにぐ、ぐ、と押される。
「やめ、あっあぁ…や、やだ…!やあぁっ」
「本当にちゃんとあるんだね。これ、気持ちいい?」
いつのまにか指が三本に増えていたけど、抵抗する余裕なんてなくてされるがままになる。
俺の知らない反応をする身体が怖くて、早くなんとかして欲しかった。
「よ、よしゅあ……!も……」
「うん」
「も、もういいから……!」
はくはくと呼吸に邪魔されながら、なんとか伝えようとヨシュアの服を引っ張る。
「いいの?」
「ん、うん…うん…!」
こくこく頷くと、ずるりとゆびが抜けていった。
惜しむように締め付けてしまったのは、断じて俺の意思じゃない。
急に圧迫感のなくなった内部をもてあましながら、必死に呼吸を整えた。
かちゃかちゃとベルトを外す音が聞こえて、これからすることを明確に教えられたようで顔が火照る。
こいつが脱いでいるところをまじまじと見るのはなんだか悪いことのような気がして、
顔を逸らしてたまの夜風に揺れるカーテンに視線をやった。
そういえばこの間母さんが変えたときから、俺の部屋はスミレ色のカーテンになったのだった。
こいつの瞳と同じ色だなとぼんやり思う。
「何か興味をそそられるものでもあったのかい?」
- 88 名前:すばせか ヨシュネク2 10/14:2008/04/23(水) 00:44:03 ID:4wEEcWiA0
- 声をかけられるまでぼーっとしていて、最中に余所見なんかするんじゃなかった、と
慌てて視線をヨシュアに向ける。
が、やっぱり見てもいいものなのかどうか困って、若干視線が泳いだ。
ちらりと視界に入るボタンの外れたシャツだけで心臓が全力疾走を始めそうなのに、
とてもじゃないけど直視はできないと思う。
「触ってもらってもいいかな」
言われてはっとなったが、こいつにはまだ何もしていないのだから、
俺だけ着々と準備を整えてしまったことに思い至る。
さっきから俺ばっかりよくなってるじゃないか。バカめバカめ!
「わ、悪い……」
「?何が?」
丸っきりわからないというような顔をされて、余計に罪悪感を感じる。
たしかにこいつは何もしなくていいって言ったけど、言ったけど!
気づかなかった己の愚鈍さに呆れる。
「んと……」
恐る恐る手を伸ばして触れると、完全に勃起はしていないものの
何となく熱を持っているのがわかって、少し嬉しくなった。
とはいえ人にするのなんて初めてで、戸惑う。
「こ、こうか?」
「ネク君の好きにしていいよ」
こんなにぎこちなくて大丈夫だろうかと心配になったが、
さっきのヨシュアのゆびを思い出してまねることにした。
「えと……い、いい……?」
「ふふ。うん」
相変わらず稚拙だったが、徐々に大きさを増すものをゆびに感じてほっとする。
時折漏れ聞こえるこいつの呼吸が乱れたり早くなったりするのを聞いて、
俺も下半身に熱が集まるのが分かる。
人に触りながら自分が気持ちよくなるなんて、なんだか気恥ずかしくて俯いた。
「ん、もういいよ」
「あっ、ああ」
いいと言われて焦って手を離すと、なぜか笑われた。
- 89 名前:すばせか ヨシュネク2 11/14:2008/04/23(水) 00:46:01 ID:4wEEcWiA0
- 「ネク君もいい?」
いちいち確認しなくてもいいのに、律儀に聞いてくるこいつにこくりと頷いてやる。
ドキドキしながら額にキスを受けると、さっきの場所に熱いものが押し当てられるのを感じた。
怖いような不安な気持ちになってまたこいつの首にしがみつくと、俺の背中にもこいつの腕が回される。
ぐぐ、と割り開かれる感触がして、鋭い痛みが走った。どんどん入り込もうとするものに、
とっさに拒絶するように力が入る。
「ひ、う…あっ」
「っ…ネク君、力抜いて」
俺が力を入れたらこいつが痛いんじゃと思い必死に楽にしようとしても、うまくできない。
浅くなる呼吸にどうしていいかわからなくて、震える腕を緩めてどうにかこいつを見上げる。
「よ、……」
名前を呼ぼうとしたけれど、うまく喋れない。
ぱくぱくと水槽の金魚のように口を動かすと、察したようにふんわりと唇を合わせられた。
ついばむように食まれて、呼吸の仕方を教わるようにキスされた。
キスの合間に呼吸を促されて、深く息をすると少し身体が楽になる。
力が抜けると、ヨシュアが深く入ってきた。
「ん、ん……っ」
徐々に内部に入り込むものを感じて、痛みよりすこし嬉しさが勝る。
繰り返しキスをされてようやく全部がおさまると、苦しいのと恥ずかしいのと嬉しいのとが
綯い交ぜになって、なんだか泣きたくなった。
「ん、は…よ、よしゅ」
「うん」
「ヨシュアっ」
「うん」
- 90 名前:すばせか ヨシュネク2 12/14:2008/04/23(水) 00:47:05 ID:4wEEcWiA0
- 子供みたいにぎゅうぎゅうとしがみつく俺に、ヨシュアはいちいち返事をくれる。
そのことにまた泣きそうになって、ほうとため息が出た。
内部が少しずつ違和感になれると、ゆっくりと揺すられる。
「ふ、ぅあ……!ん、ん……」
「痛くない?」
「だ、大丈夫……」
本当は、ヨシュアのゆびに発見された箇所にさっきからこいつのものが当たっていて、
正直痛みどころじゃない。
ヨ シュアが身じろぐたびにびくびくと震える身体をもてあまして、ふるふると頭を振った。
「あ、あぁっ……ぅや…」
気づいているのか気づいていないのか、一端引いたと思えばまた突かれたり、
ゆるゆると揺さぶられたりでもう気が気じゃない。
震える太腿をあやすように撫でられても、逆効果だ。
「やっぱり子供の身体のほうが負担が少なくていいね」
ぼそりと呟かれた言葉に、首を捻る。
「な、ん……?」
「ううん、こっちの話」
そんな風に誤魔化されても、何も言えない。もうまともな思考などとっくに放棄している頭では、
些細な疑問など霧散してしまった。
ヨシュアの腹に擦られて先走りにまみれたものを握られると、強く揺さぶられる。
「あ、あぁぁっ」
そのあとは何度突かれたのかも分からないまま達して、じんわりと腹の中にこいつの熱を感じた。
- 91 名前:すばせか ヨシュネク2 13/14:2008/04/23(水) 00:48:27 ID:4wEEcWiA0
- 「あ、起きた?おはよう」
目が覚めて一番に飛び込んできたのは俺の頭のすぐ横、枕元に腰掛けたこいつが
勝手に人の髪を弄りながら見下ろしている姿だった。
「……まだ何か用があったのか?」
俺の部屋の窓を開けて不法侵入してきたときと同じに、首にはベッドに転がっていたはずの
俺のヘッドフォンがかかっている。
こいつの首元で機械に絡まる、銀とも金ともいえない髪の曲線に少しばかり見とれた。
行為の直後に意識が奥底まで沈み込むのを感じながら、ああ起きたらこいつは絶対いないのに
嫌だなと思った。
思いながら、意識が飛んでいくのは止められなかったのだけれど。
起きたらいなくなっているだろうなと何となく覚悟していたから、目覚めてすぐに飛び込んできた
こいつの姿が本当は嬉しくて堪らなかったのだとか、そんなこと言えるはずもなくて
つっけんどんに誤魔化すしかなかった。
こいつにはそれすらお見通しかもしれないと思っても、素直になんて到底なれない。
ちらりと部屋の時計に目をやると、日付は超えているものの新聞配達もまだの時間だ。
おはようにしたって早すぎるだろ、と頭の中で突っ込みながらヨシュアの顔を見上げる。
「よかったね、今日土曜日で。学校ずる休みしなくて済んだじゃない」
俺の質問からずれてるぞ。
ああ、そう、そうだな。まさか俺も貴重な休日の前の晩に
こんなことになるなんて予想してなかったけどな。
「まあ、そのつもりで昨日来たんだけどね」
だと思ったよ。
何もかもこいつの思惑通りかと、呆れて頭を抱え込みたくなる。
「…で?」
「うん、充電器のことなんだけどね」
用ってそれかよ。
別に行為のあとで甘い言葉を期待していたつもりはさらさらないけれど、
相変わらずな相変わらずっぷりにため息が出そうになる。
- 92 名前:すばせか ヨシュネク2 14/14:2008/04/23(水) 00:50:10 ID:4wEEcWiA0
- 「僕、手がふさがる荷物ってあんまり持ちたくないんだよね。これはあんまり大きくないけど、
わざわざ持って行くのはめんどくさいなって」
そもそもそのヘッドフォンをやるとも、充電器を持って行けとも言っていないのだが、
もうすでにそれについてはこいつの中で過ぎた事柄らしい。やれやれ。
「だからさ、このヘッドフォンの充電が切れたらまた会いに来るよ」
「な……」
「ああ、今日はもう充電させてもらったけど」
なんでいきなりそんなことを言い出したのかわからず、しばらく目の前のうさんくさい笑顔を見つめる。
また、俺に会いに来るつもりってことか?
約束を、俺にくれてやったつもりなのか、いや、こいつの自分への口実だろうか。
こいつの意図が計れなくて戸惑いながら見つめると、やんわりとと前髪を梳かれた。
「ヨ、シュ……」
ア、と言い終わる前に、俺が口を開いたのを合図にこいつは立ち上がって窓枠に向かった。
「じゃあ、またね」
ひらひらと手を振ると、身軽に窓枠を乗り越えていなくなってしまった。
あんまりにもあっさりとした幕切れに、ただ呆然と窓枠を見つめる。
さっきまであいつが出て行ったはずの窓は、既に閉められて遠目に施錠まで確認できた。
手品師かなんかか、あいつは。
よくよく自分の周りを見てみても情事のあとは見当たらないし、
服もきちんと上下身に付けていて、ボタンまで留まっている。
少しは自分がいた形跡くらい残していけばいいのに。
結局充電器も持っていかなかったから、変わったのは多少シーツがシワになっているベッド回りくらいだ。
ぼんやりと、またあいつが会いに来る気になるまで待たされなくてはならないのかとため息をつく。
けど、ヘッドフォンの充電なんてすぐに切れるに違いないから。
あいつがあれでどんな音楽を聴くのかなんて分からないけれど、きっとそうに違いないから。
早く、切れてしまえばいい。
「充電が切れてなくたって会いに来いよ、ばか」
もう少しも風に揺れないスミレ色のカーテンを見ながら、あいつの瞳を思った。
- 93 名前:風と木の名無しさん:2008/04/23(水) 00:53:36 ID:4wEEcWiA0
- ____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | | 外見年齢同い年なのに、実際は大人×子供という事実に
| | | | ∧_∧ ハァハァ(´Д`;) しながら書いた。
| | | | ピッ (・∀・ ) 今も反省している。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
長々お邪魔しました
- 94 名前:風と木の名無しさん:2008/04/23(水) 01:21:28 ID:FJZT7YUlO
- >>60
禿萌えですた!
31の余裕っぷりと有袋類のキモカワイサがたまらんとですよ!ガンガレ熊w
続編期待してまする!
- 95 名前:風と木の名無しさん:2008/04/23(水) 16:48:31 ID:Sj1WV8g60
- >>28 >>60
萌えすぎて死ぬ。
0602も、益子と31の絡みも大好物です!
どっちも続きが読みたいです
- 96 名前:風と木の名無しさん:2008/04/24(木) 00:02:24 ID:bDkoxSGy0
- ,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < 秀と博と姫なんだって
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < 美形揃いで目が楽しいよな
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < でも重いよ
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
- 97 名前:秀博姫A 1/6 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/24(木) 00:05:40 ID:12e4dKSQ0
-
一番悪かったのは俺かもしれない。
突っ立ってる末っ子の目が俺に組み敷かれてる姫の裸身に釘付けになってると気づいて、末っ子を煽っ
たのは他でもない俺だから。
でも、なぜかそのときは、それがいい考えのように思えたんだよ。
酒飲んで馬鹿騒ぎもいいけどさ、どうせ見ちゃったもんは見ちゃったもんだし、口封じついでに混ぜてしま
えばって。利君のMCじゃないけど、裸の触れ合いしちゃえば、それが一番早く馴染むんじゃないかと。…
俺相当酔っ払ってたんだな。
いや、だけど誤解されたら困る。他のやつが相手だったら、俺は絶対そんなこと言わなかったと思うんだ。
たとえば俺の一番の親友の先生でも、姫のこんな顔を見せたり、あまつさえ抱かせてやったりは、しない
と思う。実の弟でも駄目だ。他のやつが姫をそういう目で見たら、俺は絶対キレるもんね。その前に姫が
キレるだろうから俺の出る幕はないかもしれないけど、そいつの足にコンクリートぶら下げて東京湾に沈め
るくらいはしないと気がすまなさそうだ。
- 98 名前:秀博姫A 2/6 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/24(木) 00:06:09 ID:12e4dKSQ0
-
「どうだ、綺麗だろ」
あんまりじろじろと、それも全く邪心のない澄んだ目で見てるもんだから、俺は冷やかし半分に言ってみ
た。そしたら博のやつ。
「うん」
臆面もなく頷きやがった。まるで俺が、花が綺麗だろ、とか、空が綺麗だろ、とでも言ったかのように。
それどころか、お菓子をねだる子供みたいにかわゆい、無垢な口調でこんなこと言いやがった。
「俺、傍で見てていいん?」
だから博も、俺に負けず劣らず酔っていたに違いない。
意識がほとんど飛んでる姫を俺が抱き上げて膝に座らせるのを、末っ子は壊れやすいガラス細工でも触
るようにそっとそっと手伝った。姫の周りの人間、特に男が姫を甘やかすのはよくあることだけど、姫の裸を
前にしてもそういう扱いができるってのは、やっぱりこいつただものじゃないな、と俺は思ったわけ。
それはまあ、博だって男だし、あるいはちょっとくらっとくるものがあったかもしれない。でも、末っ子の姫を見
る目は、確かに純粋な好意だった。あまりに無防備な、遠慮がちにならずにはいられないくらい純粋で
純真な好意。俺が守ってやりたくなってしまうほどの、無防備な、綺麗な瞳だった。
だからこそ俺は、この侮れない末っ子に、俺の大事な姫を触らせる気になったんだと思う。
こんな言い方は変だけど、まるでちっちゃい子供に子猫抱かせてやってるみたいな気分だったんだよ。
- 99 名前:秀博姫A 3/6 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/24(木) 00:06:45 ID:12e4dKSQ0
-
「ほら、触っていいから」
俺の許可を律儀に待ってから、末っ子は恐る恐る姫の体に手を伸ばした。薄く波打ってる胸に手を乗
せてくる。まるで心臓の鼓動を確かめるようだった。だけど、そこからどうすればいいかわからなくて、困った
顔で俺を見上げてくる。
「お前男抱いたことねぇのか」
「うん。だって俺もてるし」
どんな理屈だよ。
俺はちょっと脱力しながら末っ子の手を掴んだ。指のところには俺と同じタコができてるけど、暖かくてちょ
っと硬くて全体的に細長くて、綺麗な手をしてる。顔だけじゃなくてどこもかしこも、全体的に体が綺麗
にできてるんだよな。
姫の胸の突起はもう俺がさっき好き放題したせいで赤く充血してる。元々俺に一から開発されて敏感
なそこは、末っ子の指が擦れるとさらにぷっくらと勃ち上がった。
「…ん…」
意識を飛ばしてる姫の唇から甘いため息が流れる。それに興味が動いた末っ子が今度は舌を出してぺ
ろっとなめあげる。しこった舌触りが気に入ったのか、更にそれを舌の先でつんつんと突っついてみたり、唇
で挟んでみたりしてる。子犬がじゃれてるみたいに無邪気だけど、傍目には結構卑猥だ。
「…ん、や…!なに…!」
やっべ。姫が気がついた。
そりゃ驚くよな。散々やって気飛ばして、変な感じがして起きてみたら目の前にいるのがいきなり末っ子
で、しかもそれが自分の胸に吸い付いてるんだから。魂げて当たり前だよな。
- 100 名前:秀博姫A 4/6 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/24(木) 00:07:14 ID:12e4dKSQ0
-
俺は後ろから姫を抱きしめて慰めにかかった。
「大丈夫だよよっちゃん。俺ここにいるから」
「やだ…!秀ちゃん、なに、や、ぁっ、離して!」
軽くパニックってる姫を慰めようと、背中の弱いところを攻めてやる。肩甲骨あたりをちょっと痛いくらい、だ
けど痕は長く残らないくらいの具合で噛んでやると、姫が鋭く息を呑んだ。その体が早くも再び熱を帯び
る。直接愛でられなくても勝手に快楽を追って硬くなってる姫の中心を手の中に入れて、俺は囁いてや
った。姫の大好きな、耳元で名前を呼ばれるだけで悶えるくらい好きな俺の声で。
「よっちゃんリーダーでしょ?ひーちゃんがね、よっちゃんのキレーな顔がみたいんだって。ひーちゃんレコーデ
ィング頑張ったからさ、ちゃんとご褒美あげようね?」
むちゃくちゃな話だ。素面だったら俺ら三人の誰もその変な理屈に乗らなかったに違いない。だけど、生
憎三人とも連日の睡眠不足プラス過度なアルコール摂取で、ちょっと頭がいっちゃってたもんで、姫は「リ
ーダー」っていう俺の言葉に反応しちゃった。
「…うん」
つまり、嫌がってしゃくりあげながらも、結局俺の言うとおりにするって頷いてしまったのだ。
多分、普段から末っ子となかなか距離が縮まなくて、俺や先生みたいに末っ子と仲良しになれないこと
に、ずっとリーダーとして責任を感じてたんだと思う。末っ子が、前任ベーシストのまるで追い出されるよう
な脱退を気にして姫の視野に入るまいとしてたのと、全く同じだ。俺の保護欲を刺激するのも、そういう
ところだけど。
- 101 名前:秀博姫A 5/6 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/24(木) 00:07:40 ID:12e4dKSQ0
-
俺は後ろから姫を抱いて脚を開かせた。恥ずかしがって前を隠そうとする腕を、気の利く末っ子は俺の
目配せだけでよくも気づいてそっとどかす。しかもそれがすごく丁寧で、力ずくじゃなくてちゃんと「お願い」
するような手つきだったもんだから、俺は不本意にも感心しちまった。
この姫を腕力で押さえつけようとしたら必ず痛い目を見る。本気でキレたら俺でも押さえきれるかどうか
わからない凶暴さを持ってるってことを、甘い笑顔に騙されて忘れたせいで病院に運ばれる羽目になっ
たやつを俺は何人も知ってる。中には姫と結構な付き合いがあったやつもいた。
なのにこの末っ子ときたら、甘やかされてばかりなことに微妙にコンプレックスを持ってる姫を見透かしたよ
うに、「弟」になりやがった。なめられてると思ったらキレちまう危険生物だけど、姫は実は誰かに頼りにさ
れたり何かを頼まれることに、ものすごく弱い。
「佳さんは俺のこと、嫌なん?」
そら見ろ。
寂しそうな表情で末っ子がそう言ってくると、姫は絶対嫌とは言えない。拒まれるのを恐れてるような手
つきで末っ子が前を触ってくると、姫は羞恥に唇をかみ締めて小さく俺の名前を呼んだけど、結局その
手から逃げようとはしなかった。
- 102 名前:秀博姫A 6/6 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/24(木) 00:08:22 ID:12e4dKSQ0
-
「は、あ…あ」
透明な涙を、末っ子は嬉しそうになめる。体を大きく開かれて膝に座らされた姿勢は姫が一番嫌がる
体位で、いつもなら抗う力も残らないほど荒く扱ったあとじゃないとさせてくれないんだけど、今日はなに
せ人手がもう一人分ある。それにこの中で一番無茶をして体力が落ちているんだから、普段の凶暴さも
発揮できない。
開かせた脚を持ち上げてると体重で更に結合が深くなって、姫の口からは甲高い悲鳴がこぼれる。その
悲鳴を、末っ子が涼しげな美貌に似合わないねっとりした接吻で塞いだ。ベースの弦を操る、長くて形
いい指が姫の起立した前をゆるゆると愛撫している。男を抱いたことも、男に抱かれたこともないというか
ら、多分ただの経験不足だろうけど、俺に散々抱かれて敏感になってる今の姫にはそのもどかしい刺激
は返って拷問だろうな。
「佳さん、綺麗や」
口付けを終えた末っ子が唇をなめながらため息混じりにつぶやいた。くさい台詞なのに、あまりに純粋な
賛嘆の音色のせいで真っ当な賞賛に聞こえる。音には人一倍、いや人百倍くらい敏感な姫がその声
に気づかないはずがないと思ったら、果たして姫の首筋がさっと赤く染まって、俺を受け入れている中が
きゅっとしまる。
- 103 名前:秀博姫A 7/6 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/24(木) 00:08:57 ID:12e4dKSQ0
-
「うっ…」
思わず呻くと末っ子が目を輝かせながら俺の顔を覗いてくる。そんなに珍しいか。そりゃ男を抱いたことは
ないって言ってたけど、お前だって女を抱いてこういう快感に飲まされたことぐらいあるだろーが。
仕返しとばかり姫の一番感じるところを擦り上げてやった。
「や、あ、秀、やだ、やっ、いやっ、あ、あ」
嫌がるようにかぶりを振って見せても無駄だよ。お前の中は嘘が吐けないから。ほら、またしまった。すごく
気持ちいいんだろ。
手持ち無沙汰、いや口持ち無沙汰に姫の胸をなめたり、吸ったりと遊んでいる末っ子に次の指令を出
してやる。
「前を扱いてやれ、博。でも俺がいいっていうまでいかせるなよ。握り締めちゃっていいから」
俺には従順な末っ子は、にっこりと綺麗な顔に無邪気な笑みを浮かべてうなずく。姫が青ざめたが、否
を言う前に俺は動きを変えてがんがん奥を突き上げた。耐え切れずにこぼれる嬌声に嗚咽が混じるさま
を、末っ子はわくわくする表情で楽しんでいる。全くたいしたやつだと感心しながら、俺は末っ子のおねだ
りどおり、姫の一番綺麗な顔を見せてやるべく最後のピーチをあげた。
- 104 名前:風と木の名無しさん:2008/04/24(木) 00:10:07 ID:12e4dKSQ0
- ,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < 最後番号間違えてるね
//, 停 ||__ (´∀`⊂| < 投稿するときはちゃんと見なきゃ
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < てか重いよ
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
- 105 名前:風と木の名無しさん:2008/04/24(木) 01:39:19 ID:dQh/WB+V0
- >>96
このジャンルは正直曲しか興味なかったんですが。。。
メガネ買い替えて見直します。
- 106 名前:世界樹金ケミ&青ソド:2008/04/24(木) 01:42:14 ID:fTEWsNW/0
-
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 世界樹の迷宮1の金ケミ&青ソドです
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 三竜戦後です
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 107 名前:世界樹金ケミ&青ソド1/3:2008/04/24(木) 01:43:27 ID:fTEWsNW/0
- 「よし!皆そろったな!?それでは!第一回逆鱗そろったぞ記念大宴会始めるぞ!」
そうギルドマスターが言ったのはもう何時間前だっただろうか。そう思いながらアルケミストは淡々と酒を飲んでいた。
向こうではギルドマスターを中心としたバード集団がにぎやかな音楽を奏でている。
「……大体、第一回って後何回やるつもりだよ」
「まあまあ、散々苦労してやっと三色揃ったんだし、今日ぐらいいいんじゃないか?」
隣に座ったソードマンが苦笑しながらアルケミストの杯に酒を注ぎ足した。
普段は酒が入ると愚痴りだす彼だが、今日ばかりは機嫌よく杯を開けているようだ。
酔ったソードマンの愚痴を聞くのは、いつもアルケミストだ。
どうやら今日は楽しく酒が飲めそうだと思う彼に、陽気な声が話しかけてきた。
「いよーう!!お前らも飲んでるかぁっ!!?」
完全に酔っ払っているレンジャーが、苦笑顔のメディックの腰に絡みつくような姿勢で立っていた。
「……うぜぇ」
「はは、飲んでるよ。しかしお前、いくら恋人だからって公共の場でそれはちょっとやりすぎじゃないか?」
そうからかい混じりにたしなめるソードマンに、むぅ、と顔を膨らませたレンジャーが反撃する。
「えー、いぃじゃんかー、俺たちラブラブなんだし!……まぁ、お前らも早く恋人作ればこの気持ちわかるぜ!」
笑顔全開でそういったレンジャーを、顔を真っ赤にしたメディックが引きずっていった。
それをうんざりとした顔で見送ったアルケミストは、隣から聞こえてきた地を這うような声を聞き、やれやれソードマンスイッチ入っちまったかと振り向いた。
- 108 名前:世界樹金ケミ&青ソド2/3:2008/04/24(木) 01:45:03 ID:fTEWsNW/0
-
「……どうしたよ、ソードマン」
こんなときは、早めに愚痴らせてすっきりさせるのが平和への早道だ、と促す。
「…なんで……」
「あ゛?」
「何で…えぐっ…俺がっ…可哀想な奴みたいになってるんだよっ……!」
「はぁ?」
こいつはなにを言っているんだ?というか今回は絡む上に泣くのかよ……うぜぇ。
そう思ったが、とにかく今はこいつを何とかするのが先だとアルケミストは先を促した。
「だってっ……あいつらホモカップルなのに……えぐっ…て言うかあいつらだけじゃないっ!
うちのギルドの半分以上ホモとかじゃないかっ…メンバーの9割男だしっ……ぐすっ…なのにっ!!
何で俺が恋人居ない寂しい奴みたいにっ……」
そういいながらソードマンはどんどん杯を空けていく。
普段はこんな無茶な飲み方をする彼ではない。が、さっきのレンジャーの一言で、何か精神的にキてしまったようだ。
さらに杯を干しつつ彼は続けた。
「俺……俺っ!もうこんなホモギルドやめて執政院に就職してやる…っ!なんか誘われたしっ!
うぅ…でも…でもやっぱり俺はこのギルドが好きなだよぉぉっ!…うっ…えぐっ…」
……ちょっと待て。今なんていった?執政院に就職?
確かにこいつは剣の腕だけじゃなく頭もいい。
おまけに今やエトリア一のギルドの設立メンバーだ。そんな誘いが来てもおかしくないだろうが……。
「おい、それマジかよ?」
「…そうだよっ!世界樹を踏破したら来ないかってオレルスさんがっ!
…ぐすっ…どうせ……どうせ俺はレンジャーに比べて素早さも攻撃力も中途半端でボス狩りには向かないさっ!
だからもういっそのこと執政院に就職して安定した生活をしてっ……そしたら彼女とかできるかもしれないしっ……!」
- 109 名前:世界樹金ケミ&青ソド3/4:2008/04/24(木) 01:47:02 ID:fTEWsNW/0
-
世界樹踏破。
そうか、最近の逆鱗マラソンですっかり忘れていたが、この迷宮にもいつか終わりが来る。
そしてその終わりはそう遠くない日に訪れるのだろう。
そうすれば、もう新たな場所を探索することもなくなってしまうのか。
もしかしたらこのギルドの何人かは新たな場所に旅立っていくかもしれない。
ソードマンも本当に執政院に入ってしまうのかもしれない。
いくらエトリア一のギルドといっても、所詮は冒険者。明日の命も知れぬ身なのだ。
基本的に真面目で誠実な彼が執政院勤務に魅力を感じるのは当然のことだろう。
だが、彼がギルドを抜ける…?
ギルド設立当初から共に居た彼が、居なくなってしまう…?
…もう以前のように彼と大術式チェイスをすることも無くなってしまうのか……?
「…クソッ」
なぜ自分はこんなにもいらだっているのか。
しかも、その苛立ちの原因は、ギルドが解散するかもしれないことではなく、ただ、ソードマンが居なくなってしまうのかもしれない、ということらしい。
隣でソードマンがまだ何かぶつぶつといっていたが、アルケミストの耳には届いていなかった。
これは恋なのか?それとも相棒が居なくなることがさびしいだけなのか?
唐突に降りてきたこの大問題に対して、だが割とあっけなくその答えは出た。
……俺はソードマンが好きだ。
思えば、無愛想な俺にしつこく話しかけてくるでもなく、腫れ物に触るように接するのでもなく、
ただ自然にそこに居たソードマンの事を、初めから俺は心地よく思っていた。
でなければ、俺が酔っ払いの面倒なんか見るはずがない。
コイツだからこそ、愚痴も聞いたし介抱もしてやったのではないか。
- 110 名前:世界樹金ケミ&青ソド4/4:2008/04/24(木) 01:47:48 ID:fTEWsNW/0
-
今まで自然にやってきた事だが、改めて考えてみると、それは無愛想なアルケミストにとっては大した事だった。
自分の気持ちに気づいた彼だったが、それは新たな問題の始まりだった。
「おい」
「ん……ぁん…だ…よ……?」
「……ちっ」
散々言いたい事をぶちまけてスッキリしたのか、ソードマンは寝る体制に入っていた。
その寝顔を見ながら、アルケミストは思う。
……しかし、なんとまあ望み薄な恋だ。コイツはさっき同性愛を全否定していたではないか。
酔った勢いだとしても、それが彼の本音である以上、想いを口に出せば今までの相棒としての立場が崩れてしまうかもしれない。
それは絶対に避けたい。だが自覚した想いはこれからもっと膨らんでいくだろうと彼には予想が付いた。
このままこの想いを秘めたままコイツを執政院に送り出すか。
それともいっそのこと当たって砕けるか。
「……あぁ、うぜぇ」
取りあえず、今のところはコイツの寝顔を肴に、もう少し飲もう。
どうせ今日は無礼講だ。ヤケ酒を食らって酔いつぶれてしまおうか。
あぁ、酒にまぎれてこの想いが流されてしまえば楽になるのに。
まったく、せっかくの祝いの日だというのに、何でこんな事になっちまったんだ……。
自分の気持ちに気づいたアルケミストと、賑やかなギルドメンバーの思いを乗せて、エトリアの夜は更けていった。
- 111 名前:世界樹金ケミ&青ソド:2008/04/24(木) 01:50:03 ID:fTEWsNW/0
-
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ すいません、増えました。
| | | | ピッ (・∀・ ) なにが言いたいかというと、世界樹キャラ皆萌えすぎて困る。
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
- 112 名前:風と木の名無しさん:2008/04/24(木) 21:46:10 ID:SwxaTB5r0
- >>78
まさか続きが読めるとは…!!
GJ超GJ
萌えすぎて胸が苦しいいい
- 113 名前:共犯兄×主犯弟 1/4:2008/04/24(木) 22:01:18 ID:VQ1fXPuf0
- 昨日放送のドラマQ係より、犯人側の兄弟に萌えたので彼らの話を1つ
あの兄弟は過去に一回くらい一線越えた事があるに違いねぇ
※レギュラーの方々は一切出てきません
※元が刑事物なので死にネタ、殺人ネタあり
以上をふまえた上で、ドゾー
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
***
道中バッグに忍ばせた”それ”の、硬い感触を布地越しに確認しながら、砂利道を歩く。
数歩先を歩く大きな背中は深いグリーンのジャンパーに覆われていて、余計にその圧迫感を増していた。
言葉巧みにここまで誘い出したものの、まだ肌寒い夜風に触れると否応にも頭は冷静さを取り戻していく。
本当にやれるのだろうか?この俺に。
ボクシングジムからここまでの道すがら、何度もこの疑問が浮かんでは消えた。
- 114 名前:共犯兄×主犯弟 2/4:2008/04/24(木) 22:02:40 ID:VQ1fXPuf0
- 思えば兄とは、これまでまともな喧嘩をした事がない。
病弱で施設では苛められる一方だった俺を、兄は守ってくれるばかりで、叱責するような真似は一度としてしなかった。
俺は俺で険悪な空気をいち早く感じ取ってはその場を離れたり、無理やり小難しい話し合いへ持ち込んだり。
子供の頃から頭に血が上りやすい兄だったが、そうなればもはや、そこは俺のフィールドだった。
多少無理のある理屈でも強引に突き通せば兄は納得する。代わりに、少しでも自信のない表情を見せれば読み取られた。
だから俺は今、兄の後ろを数歩下がって歩いている。
「悪かったな」
「……は?」
それまで無言を突き通していた兄の背中が不意に声を上げた。
「お前に言ってんだよ」
ここには俺と兄以外誰もいないのだからそんな事はわかっている。
唐突な謝罪の意図が掴めず戸惑っていると、兄は立ち止まり、砂利を踏み締めながらこちらに向き直った。
「痛かっただろ、ここ。思いっきりやっちまったし」
ほんの暫くの沈黙の後、兄はそう言いながら無骨な指先で俺の片頬に軽く触れた。そのまま円を描くように撫でる。
短く切り揃えられた爪が離れていくのを目で追っていると、兄の言わんとしている事がようやくわかった。
「ああ……いいよ、そんなの」
「オレがこんなバカな方法しか思いつかなかったから……結局お前に、琴音を、あんな」
琴音。もうこの世のどこにもいない女の名前。
彼女を絞め殺した時の感触が、まだこの手にはしっかりと残っている。
琴音との間にできた子供の事で彼女ともめ、後から事情を知った兄が怒りに任せて俺の頬を殴りつけた事を、
彼は今になって後悔しているようだった。
「いいって。今そんな事言ったってしょうがないんだし」
まともな喧嘩はした事がない。
あんな件があった今でもその考えが変わらない理由は、そこへ発展する前に俺が兄を宥めすかした為だ。
暴力的で、単純で、弟思いな兄貴。
足りない頭で話し合いなんてくだらない事を考え付いたばっかりに、このザマだ。
「それに……」
「ん?なんだ?」
兄の短絡的な行動のおかげで、邪魔者二人を一度に始末する機会が与えられたと思えば、頬の痛みなどなんて事はない。
- 115 名前:共犯兄×主犯弟 3/5:2008/04/24(木) 22:04:43 ID:VQ1fXPuf0
- 「兄さんに心配かけた俺が悪かったんだ」
厚いレンズを一枚隔てた目で兄を見据える。
兄が同じように俺を見つめて、やがてほっとしたように破顔したのを確認してから、俺も口元を吊り上げて笑った。
「兄さ、」
『お兄さんと昔は随分仲が宜しかったみたいですねぇ』
その時。
今ここにいるはずのない男の声が、確かに聞こえた気がして、俺の笑顔は凍りついた。
絡み付くような卑しい目つき。酒焼けしきった声。権力に屈しないなどと大きな事を言っておいて、露呈する卑屈な態度。
「……次郎?どうした?」
昔から兄には散々足を引っ張られてきた。
チンピラを殴ってボクサーをクビになった時も、身内にそんな人間がいると知れれば司法試験にだって悪影響が及ぶ。
少しでも心証を良くする為に、何度下げたくもない頭を下げたかわからない。
それだけじゃない。
『敬虔なクリスチャンにも、若気の至りってもんはあるんですね。施設にいらした頃から、そういうご関係で?』
たまたまボクシングジムの関係者と知り合いだったジャーナリスト崩れの男から言われた言葉が、頭の中を掻き乱す。
どこから知られたのか、誰から聞いたのか。結局ソースは分からずじまいだった。
兄弟として、クリスチャンとして。犯してしまった只の一度の過ちを、多額の金と長い時間を引き換えに封印した。
司法修士生という将来を約束された身である俺と、誰からも必要とされない使い捨てのブン屋。
兄を始末した後は、立場というものを見誤ったあの男の番かもしれない。
「おい、次郎」
押し黙ってしまった俺を心配して、兄が大きな体を屈めて覗き込んでくる。その双眸に青ざめた俺の顔が映っていた。
俺が苦悩した当時の事を、この男は何も知らない。言えばあの記者の元へ殴り込みに行く事は明白だった。
「なんでもない。少し、歩き疲れただけだから」
思い出すたび胸を満たす固まりかけた油のような憎悪が、今日は殊更にこびり付いて離れない。
目的の緑地はまだ先だったが、ここで殺して引きずって行ったところで大した違いはないだろう。
大丈夫だ。俺にならできる。
- 116 名前:共犯兄×主犯弟 4/5:2008/04/24(木) 22:05:50 ID:VQ1fXPuf0
- 琴音を殺した俺を兄は微塵も憎んでいないし、この後、二人一緒に警察へ自首しに行くと本気で信じている。
体力面では間違いなく敵わない相手だが、その差を無くする事のできる唯一の方法を俺はしっかりと握っていた。
大丈夫。一緒に暮らしていた女だって殺せたんだ。長く離れていた兄一人、造作もない。大丈夫、大丈夫……
「大丈夫だ」
考えている事が確かな音として耳に入り、思わず口に出してしまっていたのかと慌てて顔を上げる。
しかし、その声は俺の口から発せられた物ではなかった。
「そんな顔すんな次郎。お前にはオレがいるから、何があっても大丈夫だ」
何の根拠もない台詞だ。呆れていると、俺はいつしか引き締まった両腕に強く抱きすくめられていた。
ボクサーを辞めても筋肉がついた兄の腕は太く、少々もがいた程度では離してくれない。
「に、っいさん。苦しいよ」
「あ……わ、悪い。お前が元気ないから、つい、な」
はにかんだように笑う兄に、俺はバッグのファスナーへ伸ばしかけていた手を引き戻す。
やはり油断させてからの奇襲以外に方法はなさそうだ。兄の力強い腕に抱きしめられて、改めてそう確信した。
「……行こう、兄さん。誰かが琴音を見つけたら、逃亡したと思われてますます立場が悪くなる」
「そうか、そうだな。お前の言うとおりだ。やっぱり次郎は頭いいなぁ」
俺と兄は小さく頷き合って、再び歩き始める。水音と虫の鳴く声だけが響き渡る中、俺の迷いは消えていた。
今夜、この道を戻る時、俺は一人だ。
相変わらず上機嫌で前を行く兄は、数十分後には春先の冷たい川の底で、骨になる日を待つ事になる。
- 117 名前:共犯兄×主犯弟 5/5:2008/04/24(木) 22:07:20 ID:VQ1fXPuf0
- 「じろーお」
新品のサバイバルナイフだ。肉を断つ為に作られたのだから、例え服の上からでも致命傷は与えられる。
「なんだい兄さん」
元格闘家とはいえ、刃物を持った相手に突然襲いかかられて、とっさに対応できる奴はそうそういないだろう。
「月がきれいだな」
それにこいつは、たった一人の弟である俺を、人殺しの弟を、心の底から信じ――愛している。
「そうだね」
しつこいくらいだったあの問いかけもいつの間にか途絶えていて、
これで俺が兄を殺せない理由は完全になくなったと言っていい。
「次郎」
「……だから何だよ、さっきから」
それなのに、
「神様はいないかもしれねえけど、兄ちゃんはずっとお前の味方だからな」
それなのに、
俺は未だ兄の隣りを歩けないでいる。
***
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
それでも結局殺る事は殺っちゃって最終的に逆ギレする弟が好き
途中ナンバリング訂正しました、すんません
- 118 名前:風と木の名無しさん:2008/04/24(木) 23:35:52 ID:QOqrjfWmO
- >>117
うお!まさかのQ係がここに!!
ありがとう〜。
もう片方の兄弟も読みたいなあ…とか呟いてみる。
- 119 名前:あくまでも冷静な俺の翌週の木曜日:2008/04/25(金) 00:50:08 ID:nQOmp/KY0
- 続き、ちょっとだけ考えてみた
自分に素クールは書けないって事がよく判った。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 120 名前:あくまでも冷静な俺の翌週の木曜日@:2008/04/25(金) 00:50:45 ID:nQOmp/KY0
- 「なーなー、お前頭キチガったってホント?」
「本当。」
「マジ!」
どうせ俺一人だろうと思っていた補習は、
意外とチラホラと人が居て、しかしそれでもだだっ広い講義室には人影疎ら。
現代風写経以外の何者でもないレポート課題をやる気なくこなす俺の隣に、
薄っすらと色のついた眼鏡をかけた、顔見知り程度の学生が馴れ馴れしく座った。
「すげー、オレ頭オカシイ人って始めてみるぜ!」
「毎朝鏡ぐらい見た方がいいよ」
「え、どっか寝癖ついてる?マジ?」
名前・・・というか、あだ名は知っている。『底辺』だ。
掛け持ちのサークル三つに日雇いのバイト二つを生活基準に、
『単位落としの底辺』の二つ名を貰って喜んでいるような筋金入りのアレな人だ。
1年生を2回やっているらしいので、少なくとも1つは年上と言うことになる。
挨拶代わりのジャブが予想外に強かったもんで俺らしくなく突っかかったが、
皮肉も利かなかった事だし、仮にも年上、次からは敬おうと思う。
「底辺さん、それ結構有名になってるんすか?」
「てーへんじゃねーよ、わたなべだよ渡辺。」
「同じような物じゃないですか」
「一文字もあってねーっつーの!」
「一文字あってますよ」
「は?」
てーへんとわたなべよ?マジ頭ヤバくね?
俺は静かにキレた。
- 121 名前:あくまでも冷静な俺の翌週の木曜日A:2008/04/25(金) 00:51:44 ID:nQOmp/KY0
- 底辺曰く。
やはり『精神病院』という単語の持つ威力は計り知れない物があるらしく、
普段からそつの無い、比較的模範生だった俺が
事務室に「すみません精神病院に行ってました」と届け出た光景を目撃した女学生数名が
光ファイバーも素足で逃げ出す高速通信っぷりで同学年中に広めたらしい。
女子が騒げば、チャラ男の代名詞である底辺の耳にも勿論入る。
・・・サヨナラ、人並みに潤っていた俺のキャンパスライフ。
こんにちは、底辺とキチガイによる奇人変人友の会。
「ただいま、祥太郎さん。」
「にああー!にあー!」
玄関、靴箱の上の正に『猫の額』程のスペースに
器用にもしゃがみ込んだ美男子が、俺の両肩に飛び掛るようにしがみ付き頬をなめる。
「わかったって、ただいまだって。祥太郎さんそこ狭いだろ。」
俺より背の高い成人男性にはあり得ない軽さの『祥太郎さん』を肩の上に担ぎ上げ、
みゃんみゃん煩く鳴いているのを黙らせるのにケツを一発すっぱたく。
「に゛ーい」
「はいうるさーい、声汚い。どーん!」
乱暴に半万年床の上に放り出し、腹の上を脚でぐりぐりして遊んでやった後
先日大急ぎで買ってきたツナ缶を開けてやる。
- 122 名前:あくまでも冷静な俺の翌週の木曜日B:2008/04/25(金) 00:52:28 ID:nQOmp/KY0
- ツナ=鮪。鮪=高級食材。猫も美男子もドンと来い、素晴らしい食品だ。
ソイツを我が家で一番小奇麗な皿に少量盛り、
勿論箸の使えない祥太郎さんのために俺が一摘まみずつ手で食べさせる。
『人間の物に手を出しちゃいけません』と、祥太郎さんの幼き頃から箸の太い方で引っ叩いてきたせいか
祥太郎さんは箸からモノを食べないのだ。
美男子が俺の指をしゃぶる姿もだいぶいかがな物かとは思うが、
地べたに猫皿よりはよっぽどマシだ、と自分を納得させることに成功した。
「美味しかったかー。いっぱい食べろよ、でももう大きくなるなよ。戻れ。」
「にーん」
「オレもツナ食う。マヨネーズ無いの?」
・・・・・・・・・・・・・・。
「帰れ底辺。」
「フゥーッ」
- 123 名前:あくまでも冷静な俺の翌週の木曜日C:2008/04/25(金) 00:53:50 ID:nQOmp/KY0
- 「なーんだただの猫じゃん、つまんねー超つまんねー。キッチーなんか面白いことしてよ」
「面白い夕飯作ったんで食ったら帰れ。」
ナチュラルに人の愛猫の飯をピンハネようとした底辺この野郎、
俺がうっかり話した事の顛末に興味を示して、人の家までついてくるとは。
てっきり帰りが同じ方向なのかと思ったら、だ。バカの考える事は判らない。
「ごめんな祥太郎さん、バカ猫とか言って。二度と同じ扱いはしない。」
「マジで人間に見えんの?キッチーやベーって、マジやべえ!つか飯うめえ!」
「筑前煮気に入ったなら適当に詰めてタッパーごとやるからお帰りはあちらです。」
「バーカ、今行っても終電ねーよオレ乗り継ぎあんもん。泊まるし」
「・・・・ちょ・・・・」
なんという事だ。
この場合、俺最大のショックは自信作の筑前煮の七割を食われたことでも、
奇人変人友の会強化合宿が強制開催されることでも、
ギネス級バカにバカと詰られた事でも、
キッチーとか言う不名誉極まりないあだ名を付けられたことでもない。
さっきまで両目吊り上げてフーフー言ってた祥太郎さんが、
あろう事か底辺の膝の上に侍っているのだ。
目をとろんとさせて。
なんて如何わしい。
祥太郎さんの裏切り者。
なんで、なんでさ。俺より底辺の方がいいって言うのか?!
「はーいニャー子、あーん。」
「やーぅ」
- 124 名前:あくまでも冷静な俺の翌週の木曜日D:2008/04/25(金) 00:54:39 ID:nQOmp/KY0
- 底辺が、一度口に入れた鶏肉を祥太郎さんに食わせていた。
それも若干噛んだっぽい奴。
それを嬉しそうに食べる美男子。
グッバイ、俺の冷静。
「底辺この野郎ォォ―――ッ!!!」
「うぇっ?!」
筑前煮の残り三割は、底辺の顔面にぶちまけられてその人生の幕を閉じた。
意外と堪えることなく風呂を要求してきた底辺に冷水シャワーをぶっ掛け、
俺の何時捨てても構わない選りすぐりの微妙な服を与えた後に
なんだか初恋を汚されたような気持ちで祥太郎さんを抱き寄せる。
「祥太郎さん・・・」
「うにゃあ」
考えてみれば簡単なことで、普段俺に人のご飯を貰わない祥太郎さんが
味のついた筑前煮をくれるような人に会う機会はなかなか無い。
それが底辺だろうがキッチーだろうが、懐くのは当たり前のことなのだ。
一度咀嚼したもんを与えるなんぞ俺の猫飼育ライフにはあり得ないことだが、
底辺の慣れた所作を見るに、そういう事をするご家庭もあるのかもしれない。
祥太郎さんが普通の猫に見えていたなら、俺だって「ちょwwwおまwww」ぐらいの反応で済んだはずだ。
でもなあ、祥太郎さん。鏡を見せてやりたいが、どうせ映るのは猫なんだろうなあ。
「キッチー!風呂どうやって沸かすん?ボタン押すとこないんだけど!」
「ガス栓開けて、ガチガチ言う奴回せ。」
「意味わからん!」
- 125 名前:あくまでも冷静な俺の翌週の木曜日E:2008/04/25(金) 00:56:35 ID:nQOmp/KY0
- 俺は侘しい気持ちで、全裸の底辺の目の前で風呂を点けてやる。
しゃがみ込んだ俺の背中に、気のせいだろうが労う様に祥太郎さんが負ぶさってくる。
「うわっ、ニャー子のエッチ。オレの裸見に来たんだろー。」
バカが何か言ってる。俺はもう疲れた。
「ニャー子じゃねーよ、祥太郎さんだよ」
「ニャー子の方が可愛いじゃん、男みたいな名前より」
「祥太郎さんは雄だよな」
「まーぉ」
「えー!キンタマねーから判らんかった!」
全裸のバカ底辺が俺の背中から祥太郎さんを引っぺがし、
背中をタイルの壁に押し付けると、股間の部分をマジマジと覗く。
「ふーん・・・じゃあニャー子、オカマちゃん?いやん。」
「に゛ゃーあ!ああーう!な゛ー!!」
グッバイ、俺の(以下略)
祥太郎さんが猫だろうが美男子だろうが、俺は愛猫として扱えていると思っていた。
しかし改めて、俺の態度がほんの少し、愛猫に対する物とは違うということに気づかされる。
でも、俺は祥太郎さんに今まで通り接してやりたいんだ!
だって可哀想じゃないか、祥太郎さんにとっては、俺は今まで通りの俺なんだからさ。
良くも悪くも現実を見せてくれた底辺に、授業料を払う気持ちで布団を貸してやり俺は座布団で就寝。
翌日、腹の上に乗る祥太郎さんを吹っ飛ばして跳ね起きる
「誰だテメー!!」という底辺の叫び声で俺は叩き起こされる羽目になった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
お好きなカップリングでお楽めるものならお楽しみください。
- 126 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 01:16:00 ID:339ad3Y60
- >>125
声出してワラタ
続き書いてくれて心の底からありがとう
- 127 名前:芝浜:2008/04/25(金) 01:44:18 ID:wrKjBeYz0
-
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 落語家 二人の稀代の天才
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| ナマモノ。マイナーです
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 128 名前:芝浜1/4:2008/04/25(金) 01:44:49 ID:wrKjBeYz0
- 呼び止めようと張り上げた、自分の声で目が覚めた。
むくりと身体を起こして見回すと、まだ夜も開け切らず、静かに雑然と散らかった部屋があるだけで、
彼はただ苦笑して独りごちた。
「随分と……判断に困る夢だな」
だが悪い夢ではなかった。寝癖で跳ねた髪を何度か引っ張って頭を掻くと、もう一度勢いよく枕に頭を
乗せる。布団があると過信していたので、打った背中が微妙に痛く、舌打ちをひとつする。
見慣れた天井を眺めながら、つい先刻まで見ていた夢を反芻した。
痛みよりも懐古の情が勝つのが悔しい。永の別れからまだ十年にはならないというのに、懐かしさが
心を満たしている。ともすれば弱さを連れて来そうな想いを追い出したくて肺から空気を吐けるだけ
吐いたが、深い湖の底の青に似た郷愁の念に近い感情は、白い布を染め抜いた様に彼心の中から
消える事はなかった。
無駄ですよ、兄さん。先刻まで夢の中にいた後輩ならば、そう笑うだろうか。
あっちで元気みたいだな、屋来町の奴は。
わざと、舌に慣れた、本来ならいずれ大名跡を継ぐ立場であった後輩が育て愛した名跡ではなく、
芸術の域に達した芸を信奉する客者達や楽屋内で同業者が親しんでいた呼び方を舌の上に乗せて、
けれど音にはせずに息を吐いた。誰が聞いている訳でもないけれど。
あの様子だとまだまだ迎えに来る気はないらしい。誰だよ、自分一人で良い時に逝きやがったのは。
そう思う事はあっても、連れて行けとは考えない。選べるのなら死期位自分で選びたい。けれど恐れが
ないかと問われれば、人間死を恐れない者などいないのではないかと思う。
悪い夢じゃなかった。頭の芯までもが穏やかなのがその証拠。
死者は夢の中では喋らないと言うけれど、流石死んでも噺家は噺家なのか、飄々とあの美しい口跡で
語りかけてきた。
兄さん、久し振りだね。と。
後年の病を得た姿ではなく、幾分若い頃の容姿。声。美しいメロディの様な話し方。
真打昇進の順番からおかしくなった、彼に対する呼び方もそうだ。おっとりと細められた柔らかい
目元の奥には、心配そうな色合いが浮かんでいた。
- 129 名前:芝浜2/4:2008/04/25(金) 01:47:20 ID:wrKjBeYz0
- 場所は定かではない。川だか海だか、水があった。賽の河原かも知れないし、何処かの浜辺かも
知れない。今更知りようがない。前者なら後学の為にももっとよく見ておけば良かった。
後者ならひとつ泳いでくれば良かった。そんな風に思う。泳ぐ事を愛している彼は海が好きだから、
やっぱり後者かも知れない。あれならばそれ位気を使ったセッティングをするだろう。
何を話したのか記憶もあやふやだ。けれど確かに言葉を交わした。別れ際、何かを手渡そうと右手に
触れた彼の指先のひんやりとした感触が残っている。すっかり後輩が会いに来たかの様な心持に
なっている自分に苦笑する。あの世があるかも確かめ様がないというのに。
薬がないと眠れない常とは違い、妙に穏やかな気持ちがささくれがちな精神を優しく包む。
湧き上がる不安や孤独を、睡眠薬に頼って無理やり押さえつけている日々を曇天とするのなら、
麗らかな小春日和を思わせる穏やかな安寧の中うとうとと眠りに落ちかけて気になったのは、
今眠ったら続きが見られるのかどうかだ。もう一度会いたい。素直に思う。例えそれが自分の
作り出した夢だったとしても。
いつも見る夢とは明らかに手触りが違ったけれど、それを上手くは説明出来ない。ひどく感覚的な
ものだからだ。
意識が途切れる寸前、もう一度自分を「兄さん」と呼ぶ声を聞いた気がした。
珍しく定刻よりもよっぽど早く楽屋に現れた彼に、弟子達は大慌てだった。
右往左往している姿を見ると、笑ってしまう。苦笑というか失笑というか、そういう種類の笑いが
ほとんどを占めていたけれど。別に用意が出来ていない訳ではなかった。ただ普段は接する機会の
少ない大師匠の登場に緊張が極限を向かえ、おろおろとしている孫弟子達が数名いるだけだ。
立前座の出したお茶を一口啜ると、無造作にその場横になる。
体調は良かった。いつになく。睡眠は大切だ。頭の中はクリアーで、瞼を下ろしていても楽屋で
行なわれている事の一部始終が把握出来た。こんな状態はここ最近だと年に一度あるかないかだ。
不思議な心持で、無意識に握っていた右手を僅かに持ち上げる。力を抜くと、ぱさりと畳の上に
落ちたけれど、手の平の中のものは零れない。
- 130 名前:芝浜3/4:2008/04/25(金) 01:49:28 ID:wrKjBeYz0
- 多分、これを持ったままで今日の高座に上がるのだろう。確信めいた予感があった。
否と言おうにも、返せない。今眠っても彼には会えないという不思議な確信があった。だから仕方が
無い。彼が何を持たせたのを探りたい想いもある。そっちがその気なら乗ってやろうじゃねぇか。
口の中で呟いて、瞼を上げた。
見に来ていた数名の弟子達と楽屋で働いていた前座も入っての打ち上げは、いつにも増して
賑やかだった。
痛飲組もあまり飲めない組も入り混じっての宴会を眺めながら、彼もそれなりに飲んでいた。
高座の後の疲れはあるが、気分が良くてグラスを空けるスピードも速かった。もうしばらく
飲んでいようかと迷ったが、そろそろ腰を上げようと立ち上がる。ジャケットから革の財布を
取り出して、近くにいた弟子に数枚の紙幣を預けた。
「領収書、ちゃんと貰っとけ」
「はい、分かりました」
「釣りは誤魔化すな」
「はいっ」
「飯は残すんじゃねぇぞ」
「勿論です」
重々に言い渡して店の外に出ると、春の宵に相応しい冴えた風が吹き荒れていた。
色つき眼鏡の奥の瞳を細めて、枯れた声を張り上げて店員と何かを話している弟子の一人を呼ぶ。
「おい、俺は歩いて帰るぞっ」
「今タクシーがっ」
「お供します、師匠」
「いい。後は頼んだ」
酔っ払いとも思えないしっかりとした足取りで歩き出す背中を、弟子たちが困惑を抱えて見送る。
一人が慌てて駆け寄ろうとして止められている大きな声が聞こえ来て、柔らかい苦笑いを生んだ。
後ろで騒いでいる連中が、今はもう独り立ちをし、立派な看板になっている年嵩の弟子達の
若い時分の姿とかぶる。亡くした弟子もいた。去っていった弟子も沢山いた。その中で見事に
化けてみせたのは三人の弟子。それぞれの持ち味に特化して、三人寄ればひょっとして彼になれるかも
知れないと冗談めかして言う位だ。華々しい売れ方はしていなくても、己の歩く道をしっかりと
踏みしめている弟子達もいる。
- 131 名前:芝浜4/4:2008/04/25(金) 01:50:01 ID:wrKjBeYz0
- 彼の掲げる昇進の基準の中の歌舞音曲に纏わるものがどうしてもクリア出来ずに気を揉ませていた
弟子も、決して折れずに真打を掴み取った。後の奴らも、もうちょっと何とかなりやがれとは
思うけれど。協会を脱退し、父の様に慕った師と袂を別ったあの頃。
あんなバラバラな連中を育てられたのは、その型に入れなかったからかも知れないと、今は思う。
彼らならば、きっとどんな環境でも育ったに違いないが、現在の形になったのはあの特殊な環境の
お陰だったと言っても間違いではないだろう。彼の信念が間違っていなかった事を証明してくれた、
あの可愛い弟子達は。
妻子と離れ住んでいた自宅。右を見ても左を見ても弟子達がわらわらと掃除や何かをしていた、
あの喧騒に塗れた空間を懐かしい気持ちで思い返す日がくるなんてと、舌打ちをした。手元に
マシンガンがあれば、間違いなく乱射していただろう。しかし今日はきっとそういう日なのだろうと、
すぐに納得をする。もう戻れない場所を眺めて、ただ笑う。今日はそういう日なのだろう。
師匠が弟子にしてやれる事は、褒めてやる事。見守ってやる事だけかも知れない。ならばまだ彼には
するべき事があった。残されていた。自分自身の芸だって、満足がいった例がない。
ふと足を止める。顔を上げて、風の中でにやりと笑った。久し振りに晴れやかな気持ちだった。
それが彼のもたらしたものならと、有り難く受け取っておく。
明日も、放っておいても日が昇る。厭う気持ちはあるけれど、まぁ仕方が無い。
何処にも戻れないのならば、前に進むだけだ。
まあそういう訳で、まだしばらくは、そっちに行けそうもねぇ。俺も存外に業が深いようだ。
俺からは会いには行かない。だから用が出来たらお前から来な。
手の中に何となく残っていたあの夢の手触り。浜辺で拾った財布と同じで、あると思ってはいけない。
ゆるく握っていた指を開いて逃がしてやる。惜しいとは思わなかった。
「夢になってかまわねぇだろ、――――……朝」
小さく小さく呟かれた声は、風に乗って天に届くだろうか。
返らない答えを待つ気はさらさらなく、ポケットに手を突っ込み直すとまた悠然と歩き出した。
世は全て事もなし。
- 132 名前:芝浜:2008/04/25(金) 01:50:44 ID:wrKjBeYz0
- ____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ コソーリすぎてすみません
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 133 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 07:05:39 ID:1pxCp4U6O
- >>125
底辺かわいいよ底辺
続き書いてくれて本当にありがとう!
ナチュラルに続きが気になってしまう…
気が向かれたら、ぜひまたお願いしたいです
- 134 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 22:01:19 ID:WH3xHTPwO
-
こーらおいしいです でお馴染みのAA
奥×手前です。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 135 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 22:02:19 ID:WH3xHTPwO
-
「くるまにあたって、おかねをもらうしごとがあるみたいですね」
そうですか、とだけ返しておいた。
台所からビチャビチャと得体の知れない音がする。
カレーでも作っているのかもしれないが、食べられるものでないのは容易に想像がついた。
「これでわたしもにーとじゃなくなります」
そう言って振り向いた顔はやたらいい笑顔だった。
きもちわるいと呟きながら、自分も台所に行き食器を出した。
一人分だけ、もちろん自分のものではない。
いいかげん自分の責任は自分で取るものだということを覚えてほしい。
ちらりと見た鍋の中から、奇妙な色のどろりとしたものが溢れていた。
「わたしはね、」
カタンと一人分の料理がテーブルの上に置かれる。想像していたより臭いはキツくなかった。
何もないリビングで、テーブルをはさんで向かい合って座る。
「おもうのです」
『なにを?』と聞く前に、彼は料理を一口食べた。
そしてすぐに口の端からだらりと垂らしてしまった。
「いとこのゆうたろう、あなたはわたしのいとこです」
彼の顎を伝ったそれが、ぽたりとテーブルに一滴落ちる。なんとなくそれを見つめていた。
そしてまた、なんとなく相槌は打たないでいた。顔さえ見ないでいた。
ぐるぐると食器の中のものをかきまぜるスプーンと、それを持つ彼の手だけが視界の中で動いていた。
- 136 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 22:07:05 ID:WH3xHTPwO
-
「いとこなどでなければ、にーとのわたしがわざわざあなたをやしなおうなどとはおもいません」
ぽた、とまた一滴。
「でもゆうたろう、あなたでなければ、わたしはあたりやさんなんてしませんよ」
カチャン、とスプーンがテーブルに置かれる。
「そうですか」
それだけしか言えなかった。
責任を取る、ということは覚えてほしかった。しかしここまで望んだ覚えはない。
まるでけっこんしているみたいだと、頭にぼんやり浮かんだことは口に出さなかった。言えば付け上がるのが見えている。
「ゆうたろうは、わたしがかえったときにどあをあけてくださいね」
からだがちぎれていたらどあはあけられませんしね、と彼はその手をゆっくりこちらに伸ばしてきた。
机の上においていた自分の手に、彼のその指先が触れる。
- 137 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 22:07:53 ID:WH3xHTPwO
-
「ゆうたろう、あなたとわたしはいとこです」
触れたところから、じわりと融け合う。しまった、と思う頃には、彼の顔が目の前にあった。
「いとこはけっこんできるんです」
奇妙な色の料理を傍らに、指先からどんどん融合してゆく。
置き去りのスプーンが、自分達の姿を小さく反射していた。
「そうですか」
融けかけの喉から、精一杯の言葉を吐いた。
その言葉をどうとったのか分からないが、満足したような『ゆうごう たのしいです』という声が、ぼやけていく意識の中で小さく聞こえた。
いとこはけっこんできるんです、いとこはけっこんできるんです。
交ざりあう爪先を見つめて、さっきの彼の言葉を反芻する。
(こんなに融け合うなんて)
あなたいがいに、だれがいる。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
- 138 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 22:32:07 ID:6cREAuP60
- >>125
大好きだ禿げた
ケコーンする代わりに続きを頼む
いやもう今のままでも十分ですゴチ!
- 139 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 22:56:36 ID:i9seu0P8O
- |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
棒歌ロイド
カイレンアイスプレイ
エロ
- 140 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 22:57:03 ID:i9seu0P8O
- 僕は、ただ昼寝をしていただけなんだ。春の日差しは柔らかくて、でも室内だとちょっと暑くて、掛けてあったブランケットを蹴飛ばした事は覚えてる。
でもだからって……この仕打ちは酷いと思う。
「んっ、や、カイにぃ」
冷たい物が胸に押し当てられる感覚で目を覚ますと、カイ兄が馬乗りになって僕の乳首に棒アイスを押し当てていた。
僕の体温で溶けたそれを、カイ兄が綺麗に舐め取る、そしてまたアイスを押し付ける、その繰り返しで僕の体はおかしくなってきた。
抵抗したいけど、僕の両手首は上手く頭上で固められてる。こんな時、体格差が悔しい。
「おはよう、レン」
どうしてこんな事をしているのか、抵抗して殴ってやりたいけど、両手を塞がれているこの状況じゃ無理で、僕が目を覚ました事に気付いたこのバカはヘラヘラ笑ってアイスを舐めた。そしてその舐めたアイスで乳首の周りを撫でる。
「んぁ! カイ兄……ヤダ」
僕が首を横に振って嫌がっても、カイ兄が僕を自由にする事は無く、カイ兄に乗られている足を無理矢理動かそうとしたら、カイ兄の股間で膨張しているモノに当たってしまった。
「っ、ん」
- 141 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 22:57:41 ID:i9seu0P8O
- 一瞬笑顔が消え、眉を寄せるその顔に胸が高鳴る。格好いいなんて絶対に言ってやらないけど、その顔で僕の下半身が反応してしまったから困る。
アイスが胸からお腹、ヘソを一周して僕の体を辿る。
「……下も触っていい?」
嫌だと言ってもするんだろう、僕は下唇を噛んでカイ兄を睨む。それなのに、カイ兄は嬉しそうにアイスを銜え、片手で器用にベルトを外した。
溶けたアイスが僕のお腹に垂れる。なんだかコトを致した跡に見えて恥ずかしい。
ズボンと下着を一気に脱がされ、下半身が晒された。
バカの鼻の下が伸びてる。ムカつくから、膝でカイ兄の股間を撫でてやると小さく呻いてアイスを落とし、手首の拘束も外れた。
「つめてっ! バカ、ベタベタして気持ち悪いんだよ!」
「だってレンがやぁらしい事するんだもん」
僕のお腹に落ちたアイスを拾ったカイ兄は、なぜかそれを僕の口元に持ってきた。
「はい、あーん」
渋々口を開けると、小さくなったアイス舌の上に乗せられる。
食えばいいのかと、アイスを銜えればスルリとアイスが抜けていった。
「んっ、ちょっと何?」
「歯、使っちゃダメね」
このバカはアイスを舐めろと言っているようだ。
- 142 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 22:58:27 ID:i9seu0P8O
- 再び口の中に入ったアイスを、僕はとにかく舐めた。銜えて舐めれば早いのだが、カイ兄が棒を動かして舐めづらくしてしまう。
「動かすなよ!」
「えー? フェラっぽくていい眺めなんだけどな」
カイ兄はアイスの何かを確認すると、僕の足の間に移動して片足を肩に担いだ。
「もう……アイスやめようよ」
僕の呟きがカイ兄に届いている様子は無い。
「入るかな」
何が、どこに、なんて聞かなくてもわかる。僕が腰を引こうと上半身を起こすより早く、それは侵入してきた。
「んんっ! バカぁ、抜け、よ」
アイスが秘所に入り込んでる。冷たさが気持ち悪い。
全部中に入ると、今度はゆっくり引かれ、抜ける手前で入ってくる。
「すごいすごい、どんどん溶けてる」
動きは次第に速くなり、カイ兄の舌が秘所の周りで溶けたアイスを舐める。
「あっ、ちょっ……もうヤダ」
小さくなるアイスでは物足りなくなる。すっかり溶けて棒だけになると、ようやくアイスプレイから解放された。
「レン、大好きだよ」
カイ兄が優しく微笑んで勃ち上がった僕のモノを扱く。
「はぁ、ふ、んぁっ、あ、あ……カイにぃ」
僕の弱い場所を強めに擦り、面白そうにソコを眺めてる。
- 143 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 22:59:05 ID:i9seu0P8O
- 焦らされてようやく与えられた刺激に、いつもより早く限界が訪れて体が震える。
「あっ、あ……も、出ちゃ、う……っあぁぁ!」
背中を反らせ精を吐き出せば、お腹に飛び散るソレとアイスの跡。
生理的な涙でぼやける視界には、自分のズボンから自身を取り出すカイ兄の姿が見える。
「今日は、我慢出来ないかも」
いつもなら指で秘所を散々掻き回してから入れるくせに、今日はよほどアイスプレイが効いたらしくカイ兄の顔から余裕が無くなってきた。
でもそれは僕も一緒らしく、アイスなんかで弄くられた秘所が求めるのはカイ兄の指ではなさそう。
「ん、カイ兄……」
腰を浮かされ、秘所にカイ兄のモノがあてがわれる。ゆっくり侵入するそれはいまだ僕の中に全部入った事は無いけれど、回数をこなすたびに深くなっていくのがわかる。
「レン、レン……」
抱きしめられ、更に深く繋がる。カイ兄の荒い息遣いが耳元で聞こえ、僕のモノも再び勃っていた。
カイ兄が腰を揺らす。それが段々ピストン運動に変わり、奥を突く。
「あぁっ、は、ぁんっ! カ、カイに、いっ、あっ!」
「はぁっ、レン……愛してる」
- 144 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 22:59:54 ID:i9seu0P8O
- 囁きに応える言葉は例え理性を無くすような性行為中でも言えなくて、僕は代わりにカイ兄の頬に手を添えてキスをする。
「んんっ、ふ、はぁ」
すぐに舌が唇を舐めて口内を弄る。舌を吸われ、歯列をなぞられ、溢れた唾液が口端から零れる。
「んぁ、うそっ……すご、ぃ、おく」
突かれるたびどんどん奥へ進むカイ兄のモノが、全部入った。肌と肌がぶつかる音がして、信じられないくらい気持ちいい。
「はぅっ、うっ、ん、あ、あっ……カイに、カイ、にぃっ……あぁっ!」
カイ兄の表現も限界みたいで、腰の動きも激しさを増す。必死にしがみついて喘ぎ泣くしか出来ない僕は、我慢出来ずに達してしまった。
「っう……」
少し遅れてカイ兄が僕の中に精を放つ。僕はそれを感じると、意識を手放した。
気付くと、僕は体も服も綺麗にされ、カイ兄とベッドの中にいた。
腰も喉も痛い。原因であるカイ兄は僕を抱きしめたまま眠っている。
「……好き、だよ」
寝顔にキスをして、僕はまた眠りに就いた。カイ兄が狸寝入りだとは知らずに……
- 145 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 23:00:25 ID:i9seu0P8O
- □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
難産……
- 146 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 23:14:41 ID:6cREAuP60
- >>145
通し番号忘れてるお!
だが禿げたwww
- 147 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 23:27:17 ID:i9seu0P8O
- そうだ、バカだ私orz
ごめんなさい、以後気を付けます。
- 148 名前:風と木の名無しさん:2008/04/25(金) 23:40:12 ID:HCOioOXK0
- >>137
テラモエステラモエス
前作も今作も大好きだ!思わず3回読み返した
ラブとシュールと狂気?が混ざって萌えでした
- 149 名前:風と木の名無しさん:2008/04/26(土) 00:17:13 ID:eFBgiFV9O
- >>125
俺を巡る底辺と祥太郎にしか見えないのを許してくれ
禿げる
- 150 名前:風と木の名無しさん:2008/04/26(土) 02:09:17 ID:k6Z/IUj90
- ,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < 秀と博と姫、一応完成です
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < 出てる人みんな美形だよね
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < でも重いよ
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
- 151 名前:秀博姫B 1/7 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/26(土) 02:09:49 ID:k6Z/IUj90
-
白状すると、最初は末っ子に姫を抱かせてやるつもりじゃなかった。ちょっと触らしてやろうかなーくらいに
しか、思ってなかったよ。
みんな俺のことを世話好きって言うし、俺もそのとおりだと思ってる。けど、俺の世話好きは、多分、みん
なが思ってるそれとはちょっと違うんだ。
うちの姫は、内側に入ったらすぐわかる筋金入りの人見知りだし、末っ子だって、大胆に見えてシャイだ
ったりする。本当はうちのメンバー全員がそうなんだから、俺だけがそこから例外ってわけないだろ。
だから俺の世話好きは、ある意味方便みたいなもんなんだ。
自分が世話を焼いた相手なら、構えしなくてすむもんな。誰だって、自分の世話役には弱点なり短所
なり見せてるわけじゃん?だから、ちょっと嫌な言い方だけど、相手の弱点を握ってしまえば、もう変に構
えたり警戒したり殴ったりしないですむから、俺はみんなの世話役に回ったわけ。
でも俺だって鬼畜生じゃないんだから、そうしているうちに本気で面倒を見たくなるやつが出来たりする。
あやっべえ、俺こいつらのこと好きかも、と思える相手が出来たりもする。で、今までないくらいに本気でそ
ういうことを思った相手が、姫だったわけ。だから、最初は本当に姫の世話を俺の手で焼きたくて加入し
たようなもんだったよ。今はもちろん仲間みんな、大事にしてるけど、それも最初は姫とのつながりから始
まったんだ。だから俺の運命共同体の原点は、あくまで姫。
その姫を、出来ることなら独占したいって思ったことも多々ある俺の宝を抱かせてやる気になった―という
かならざるをえなくさせたんだから、博のやつはやっぱり相当の大物なんだよな。
- 152 名前:秀博姫B 2/7 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/26(土) 02:10:19 ID:k6Z/IUj90
-
最後に俺がいいって言うまでいかせてもらえなくて、ただでさえ長い間溜まってた上に散々快感に追い
詰められてぐったりした姫を俺の膝から受け止めながら、末っ子は全く邪心のない声でぽつりと呟いた。
「佳さん、秀さんにはそんな顔するんや…俺、羨ましいなー」
末っ子に他意はなかったんだと思う。姫との距離が縮まないことを純粋に悩んでいた末っ子の、普段は
隠してた本音がぼそっとこぼれただけ。だから普通ならそこで、違うよ、こんな光景を見せるくらいだから、
博も全然部外者じゃないんだよ?と慰めて、二人はこうして仲良しになりましためでたしめでたし、
で終わるはずだったんだよ。ちょっと世間様の良識からはずれてるかもしれないけどな。一応それで俺の
仕込んだシナリオは完成するはずだったんだ。
ただ問題は、それを聞いてる相手が、末っ子の上を行く天然の、姫だったってことかな。
姫はびっくりしたように末っ子の顔を見上げて、それから疲れきった腕をひどく緩慢な動作で持ち上げて末っ子の頬っぺたを包みながら、不思議そうに聞いた。
「どうして…?ひーちゃん俺のこと嫌いじゃないの…?」
- 153 名前:秀博姫B 3/7 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/26(土) 02:10:56 ID:k6Z/IUj90
-
普段からなかなか近づこうとしない末っ子に、自分が嫌われても仕方ないことばかりする存在だと思い
込んでる姫は、すっかり嫌われちゃったかも、とあきらめかけていた。だから不思議に思ったんだろ。
姫にそう聞かれて、今度は末っ子がびっくりした顔になる。切れ長の釣り目がまん丸にみはられる。黙っ
て立っていればクール・ガイに見える綺麗な顔が、あどけない子供みたいな感じになる。
「なんで俺が…俺佳さんのことむっちゃ好きやねん」
「うっそぉー!ほんとう?」
「ほんまやねん。だって俺、男にもててそういうん嫌やのに、佳さんは綺麗で触りとう思いましたもん」
「そうなんだぁ」
「そうやでぇ」
「…」
「…」
「じゃ、じゃ、ひーちゃん、ほんとうに触りたいんなら、いいよ?」
「え…!…いいん?」
「だってだって、ひーちゃんレコーディングがんばったからご褒美あげよーって、秀ちゃんが言ったもん」
おいこらちょっと待て、と普段ならそこでブレーキをかけるはずの俺は、生憎久々の心地よい疲労にちょっ
とボケっとしてた。言っただろ、姫もぐだぐだになってたけど、俺だってかなりぐだぐだだったんだよ。しかもこ
いつら二人が絡んでる光景って、結構目の保養てか中毒性あるんだよな。末っ子は涼しげでスラリと伸
びた手足がカモシカみたく綺麗で、姫は隙だらけの危うい不均衡が返ってぞっとするほど色っぽい。最初
に断ったとおり俺は面食いだし、綺麗な体見るのもすげー好きだし、おまけに普段はこの二人の絡みな
んてそうそう見れるものじゃないし。
うん、ま、二人の、綺麗な顔に似合わないあほらしい会話を面白がってたのは認める。
- 154 名前:秀博姫B 4/7 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/26(土) 02:11:20 ID:k6Z/IUj90
- そんなわけで、俺を置き去りに、天然二人はどんどんエスカレート…していくかのように見えたけど、すぐ
に壁にぶち当たった。
「でも俺、男の経験ないし…どこ触ればいいん?」
「あ」
自分の口で「イイところ」を説明する羽目になろうとはまさか思ってなかっただろ、姫はそこでものすごい困
った顔をした。
真面目に聞く末っ子も末っ子なら、真剣になんとか答えようと悩む姫も姫だ。全く、これだからこいつらを
見てると、もうだめだ、俺がなんとかしてやらないと、って気持ちにされるんだよなー。
「…ねえ、秀ちゃん…」
「あのぉ、秀さん…」
そんでもって、全く図ったようなタイミングで困りきった顔をして、まるで子犬か子猫か、とにかくそこら辺の
ちっちゃい生き物みたいな目をしやがって俺に助けを求めてくるんだから始末に悪い。
そういう目で見られると結局なんとかしてやる俺も、相当スキモノだなとは思うけど。
- 155 名前:秀博姫B 5/7 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/26(土) 02:14:05 ID:k6Z/IUj90
- さっきまで散々やってたんだから、入り口を慣らす必要は特になかったけど、俺は末っ子にまず指でほぐ
すことから教えた。なぜだろう。今日以降、俺の目に付かないところで末っ子が俺の了見も得ずに姫に
手を出すはずはないのに。男にもてすぎて(もてるってそういう意味だったかと俺は呆れた)そういうのが嫌
いになったという末っ子が、よそで野郎を抱きたがるとも思えないし。
恐る恐る姫の脚の間、奥のほうに指を寄せる末っ子の表情はまるで憧れの楽器に初めて触る少年だっ
た。俺がおばあちゃんの買ってくれたギブソンに初めて触ったときも、きっとそういう顔をしてただろう。
万が一にでも傷つけないようにと、慎重に中へと指を進めていく末っ子の顔があんまり真剣なもんで、一
瞬もしかしてこいつ女も抱いたことないのかとまで思ったくらいだった。もちろんそんなはずはないんだけど(
童貞のロッカーってのは、潜水する鶏くらいありえないもんだから)。
周りの繊細な襞をぞろりと撫でてから、中に指を入れる。姫がぎゅっと俺の手を握ってきて、その瞬間が
わかった。中を緩やかにかき回してから、もう一本。末っ子が驚いたような、気持ちよさそうな顔をする。
「暖かくて気持ちいいだろ」
「…うん…なんか、ここもちゃんと生きてんやなーって感じ」
感激とまでとれる声でそういうことを言ってやがるから、姫はもう真っ赤。自分で「触っていい」と言ってしま
った手前、引っ込みもできない。そもそも引っ込もうとしたって、中に指が二本も入ってる状態じゃどうし
ようもない。
- 156 名前:秀博姫B 6/7 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/26(土) 02:14:32 ID:k6Z/IUj90
-
「もうちょっと進めてみろ」
「…え…いいん?佳さん辛そうやけど…だって、俺、指長いし」
姫の表情を全く別の方向へ誤解した末っ子は心配そうに目を上げて俺を見つめてきた。姫が辛そうに
してるのは、お前がさっさと「イイところ」を擦ってあげないでずっともどかしいとこばっか触ってるからだぞ。だ
けど言ってやらなかった。末っ子には、姫に意地悪を働く気は全くない。ただ姫を傷つけないために一生
懸命頑張ってるだけ。そういえばこいつ、大胆なところはあっても根っこは真面目だもんな。
姫はもう恥ずかしすぎて泣き出しそうになってた。俺は笑いをこらえながら次のレクチャーをしてやった。
「いいから。手前のほうにちょっとだけしこったとこあるだろ?そこなんだよ。ちゃんと覚えとけよ、位置」
「…や…!」
俺の赤裸々な支持と、指示に従ってそこを擦った末っ子の指と、どっちに感じたのかはわからないけど
(多分両方だ)、姫が身を捩って悶える。鋭いけど甘さを含んだその声に、末っ子の顔色が変わった。
「くらっときた?」
「…うん」
素直にうなずく。かわゆいやつ。
- 157 名前:秀博姫B 7/7 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/26(土) 02:15:27 ID:k6Z/IUj90
-
「っ、秀さん…俺、も、無理」
末っ子の声が快感に打ち震えてる。その雄を体の中に受け入れている姫が、かすかな喘ぎをかみ殺し
ながら俺のにすがり付いてきた。男を抱くのは初めてだという末っ子はゆっくりゆっくりと心がけていたけど、
入り口からちょっと入ったところで早くも限界になっちゃったらしい。うん、そりゃあね、姫の体はマジでやば
いもんな。無駄のない綺麗な筋肉に薄く覆われた体は、水揚げした魚みたいに弾力があって、肌もす
ごく綺麗だし、中は暖かく湿っていてどこかほっとするし、嗅げばいつもほんのり甘いいい香りがする。水
好きで風呂好きで紫外線嫌いだから肌が綺麗なのは納得だけど、いつもいい匂いがするのは本当不
思議だ。
「もっと思いっきり進んじゃって」
「そんなん、駄目や…」
かぶりを振る末っ子の、苦しげにひそめられた眉間も、ぎゅっとつむった目も、作り物みたいに綺麗だ。汗
だくになってるその額を姫の繊細な指がそっと拭く姿はまるで別次元だ。少し舌足らずの甘い声が、少
年を惑わせる魔物のように囁く。本人にはそういうつもりはないかもしれないけど、その誘惑に飲まされない男を俺はみたことがない。
「…いいよひーちゃん、俺だいじょうぶだから…」
姫が白い腕を伸ばして末っ子の腰をかき抱いた。その瞬間、俺は確かに、末っ子の理性が切れてどっか
にぶっ飛んでいく音を聞いたと思う。ぷっつん、と。
「…ごめん、佳さん、俺もう…!」
あとはもう、男なら誰でも持ってる本能どおり、ひたすら悦楽に落ちていくだけだった。
そうやって話は最初につながるわけ。
- 158 名前:秀博姫C 1/3 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/26(土) 02:15:56 ID:k6Z/IUj90
-
結論から言うと、俺のもくろみは、若干ピントがずれた形で成功してしまった。
犯りすぎて、てか犯られすぎて半分昏睡状態みたいになっちゃった姫の体を清めて、ベッドに寝かせるま
ではなんとかできたけど、俺もかなりへとへとになっていた。
リビングに戻ると、律儀で綺麗好きな末っ子は早くも狂宴の跡を片付けている。惚れ惚れしい手際だ。
空き瓶をでかい袋に入れて玄関のところに集めて、つまみの食器は着々と流し台に積み上げて、脱ぎ
散らかした服は洗濯機に入れるのとクリーニングに出すのを分けて…と忙しい。健気だなとしみじみ思っ
てから、そういえば姫も結構な綺麗好きで、台所には入ることすら拒否するのに掃除と整理整頓だけは
きちんとやっていたのを思い出す。
「そんじゃ俺帰りますわ」
「ちょっと待てお前」
今度こそ、俺はちゃんとブレーキかけに成功した。
全く、なんてやつだ。
末っ子はさっきまで俺と姫と絡んでリビングに転がってたわけだから、当然体はべとべとで、着てきた服の
状態もあまり好ましくない状態になっている。なのにこいつときたら、俺と姫に遠慮して、シャワーも浴び
ずにそのまま自分のフラットに帰るなんて言ってやがる。なんのために俺の大事な姫に触らせたと思ってる
んだ。
「お前ちょっと来い」
「え?あ?秀さん?」
俺は末っ子の腕を捕まえて浴室に向かった。うちの弦楽器隊三人組は同じフラットだから構造は末っ子
の家も俺んちも基本的には同じだ。浴室に押し入れてから、わけがわからずきょとんとしてる末っ子の服
を有無を言わさず剥ぎ取った。
- 159 名前:秀博姫C 2/3 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/26(土) 02:16:29 ID:k6Z/IUj90
-
「ちょっ…!なにしはるんですか!」
「うるっせぇ。ごたごた言ってると犯すぞ」
これははったりだったけど。体力どん底の上に犯りすぎて、ぶっちゃけもう今日は勃たない。てか、勃てな
い。もう、俺のベッドで気絶したように眠ってる姫の隣に潜り込んで寝たい、それしかほとんど頭の中に残
ってなかった。
布切れひとつ残さず全部剥ぎ取ってから、末っ子の細長い体をシャワーブースの中に追い込んだ。まだ
わけがわからなくてきょとんとしてる末っ子に、意気揚々に宣言してやる。
「シャワー浴びたら部屋に来い。これ以上変な遠慮なんかしやがったら本当に犯すからな!」
男にもてすぎてそういうのが嫌いになったくらいだから、これは相当怖い脅しになっただろう。そう思って、
俺はダブルベッドで男三人が川の字で寝るという薄気味悪い景色をどうしようかと迷いながら、部屋に
戻ろうとした。
後ろで、末っ子がぼそっと独り言みたいに告げる言葉も、だから最初はピンと来なかった。
「え…秀さんなら、別に…ええし…」
ちょっと待てお前。
男嫌いじゃなかったのかよ。
俺は多分、ものすごく間抜けな顔をしていたと思う。そりゃそうだ。紆余曲折あって姫とはそういう仲にな
ってるんだけど、俺は別に男専門じゃないし、姫も、えーと、多分、あるいは…ま、それはさておいて、目
の前の末っ子が男嗜好を持ってないのだけは確かだ。自分でも言ってるし。おまけに何回もしつこくて悪
いけど、徹夜とアルコールに過度なセックスまで乗せられて頭ん中めちゃくちゃだったから、とりあえずは俺
の耳を疑ってみることにした。
- 160 名前:秀博姫C 3/3 ◆YKTLtFXqwo :2008/04/26(土) 02:18:02 ID:k6Z/IUj90
-
だけど、俺があんまり間抜けな面をしてたのか、末っ子は律儀に、今度は絶対間違えられるはずのない
確実な意思表示をしてくれた。つまり、顔をがっと赤く染めて、逃げるようにシャワーブースを閉めちゃった
わけ。
ちょっと待て。
お前、そういうキャラだったのか。
てか、俺ならいいって、なんだ???
ぐるぐる回るクェスチョン・マークに振り回されてる俺を配慮してか、末っ子はシャワーブースの中から、拗
ねたような声で告げてきた。
「だって、佳さんも綺麗やけど、佳さんに触ってるときの秀さん、なんかむっちゃ安らいだ顔するねん。俺、
なんか羨ましい」
その台詞はさっき姫に一回使っただろお前。あのど天然ならともかく、俺には通じねーぞ。
しかしそう思いながらも、俺は結局、その瞬間末っ子がもっとも聞きたかっただろう言葉を、口にせざるを
えなかった。姫と全く同じ答えですみませんね、独創性発揮できなくて、と内心つぶやきながら。
「…お前がそれで後悔しないんなら、いいよ」
ため息が出る。全く持って、後生恐るべし、だ。
…姫にもういっぺん、酒飲まさないとな。俺は姫の目を盗んで浮気をする気なんて毛頭ないし、だからっ
てこの、全く持って侮れない末っ子をほったらかすこともできないんだから。
- 161 名前:風と木の名無しさん:2008/04/26(土) 02:20:01 ID:k6Z/IUj90
-
,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < 終わりです。ありがとうございます
//, 停 ||__ (´∀`⊂| < 完成できてよかった
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < てか重かったよ
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
- 162 名前:風と木の名無しさん:2008/04/26(土) 02:27:57 ID:uMQfcFGB0
- 乙です。素晴らしいっす。
秀博も気になる...
- 163 名前:風と木の名無しさん:2008/04/26(土) 13:46:09 ID:dQO2M8pl0
- >>161
すごい萌えたんだけど元ネタが分からない
ヒント欲しいです
- 164 名前:風と木の名無しさん:2008/04/26(土) 15:18:58 ID:H2zmKlmx0
- オツカレデス ハァハァ(_´Д`)ノ~~
受け子二人もむっちゃカワイかったのだけど
秀ちゃんの解説や兄貴っぷりにも凄い萌えでした'`ァ,、ァ(*´Д`*)'`ァ,、ァ
博好きなので是非秀博をモーレツに正座してお待ちしておりまする!
- 165 名前:風と木の名無しさん:2008/04/26(土) 20:06:09 ID:ZnkNm4K4O
- >>163
最近復活したばんどですよ
- 166 名前:糸色望 作者×中の人:2008/04/27(日) 01:17:32 ID:p1MFwr6MO
- ナマモノで、糸色望する先生漫画の作者×中の人です。
中の人が乙女入ってるかもなんで、苦手な方はスルーして下さい。
携帯からなんで見づらかったらすみません
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
メール着信。件名無し。
簡潔に『何してますか。』とだけ表示されたディスプレイを見て、年甲斐もなくはしゃいでいる自分がいた。
早速返信画面を開き、せわしなく指を動かす。
『ご飯食べ終わったんでゴロゴロしてました。イエー。』
送信。
少し愛想がないだろうかと心配になったが、男が男相手に媚びたメールを打つのも不自然だろう。
いつまでもディスプレイを眺めていても返信が来るわけでもないし、風呂に入ろうと携帯を閉じたら、タイミング良くメール着信を知らせる音楽が鳴った。
まさか。
パッと携帯を開くと、そのまさかだった。
件名は、先程と変わりRe:が二つ。
相変わらず愛想の無い文で、『俺も早くご飯食べたいです』
壁に掛けてあるカレンダーに目をやると、〆切の日が近づいていた。
間江駄君にキレながら、原稿にでも追われているのだろうか。
自分が少しでも器用なら手伝えたのに。
- 167 名前:糸色望 作者×中の人2:2008/04/27(日) 01:18:59 ID:p1MFwr6MO
- 彼の力になれない自分を少し情けなく感じた。
仕事に追われているのなら、自分なんかとメールしていていいのだろうか。
しかし、メールを送ってきたのは彼の方だ。
少し迷ったけれど、ここで途切れさせてしまうのも悪いので返信。
『仕事中なんですか?メール大丈夫ですか?』
送信。
受信。
『大丈夫です。間江駄に押し付けたんで』
『可哀想(笑)』
『いいんです。調子に乗ってるから』
『それは確かに』
『あいつ、三期も狙ってるんですよ』
他愛ないメールが続く。
本当にくだらないなんでもないメールでの会話。
それがどうしようもなく嬉しい。
どんどんと増えていくRe:。
それと同じに、会いたい気持ちも大きくなっていく。
アニメのアフレコがあったときは、彼がスタジオに顔を出してくれていたので割と会えていたのに、アニメが終わってしまうと同時にあまり会える時間も取れなくなっていた。
一時は「このまま関係も自然消滅するのでは」と心配になったが、こうやってメールしたりたまに会ったりしているので取り越し苦労で終わったようだ。
だけど、メールじゃ足りない。
たまに会えるって言ったって次はいつ?
お互いいい年でベタベタした関係ではないけれど、たまには羽目を外してみたい。
- 168 名前:糸色望 作者×中の人3:2008/04/27(日) 01:20:54 ID:p1MFwr6MO
- 『会いたい』とだけ打った。
後は送信ボタンを押すだけなのに、親指に力が入らない。
散々迷った挙げ句、結局先程の話題の返事に打ち直した。
彼は今忙しいのだ。
そんな彼に我が儘を言って迷惑をかけるわけにはいかない。
それに、実を言うと少し怖かった。
もし断られたら、鬱陶しがられたら。
きっと僕はあまりのショックに立ち直ることができないだろう。
自分はこんなに恋愛に臆病だっただろうか。
……彼だからこんなに臆病になってしまうのかもしれない。
彼には嫌われたくない。
ずっと僕を好きでいてほしい。
短い間に何度も聴いた音楽がまた流れた。
携帯を取り、開いたメールを見ていても立ってもいられなくなる。
携帯と財布を掴んで、急いで靴に履き替えた。
いきおい良くドアを開いたら、ちょうど僕の家の呼び鈴に指を添えている彼がいた。
「えっ……」
驚いて無意識に出た声は続かなかった。
ぎゅっと抱き締められたので、同じ力で抱き締め返す。
久しぶりの感触が、愛しい。
「貴方も、俺に会いに行こうとしてくれたんですか?」
降ってきた声に頷いて答えた。
「仕事は?〆切近いんじゃ……」
「後は簡単な仕上げだけなんで、間絵駄君に任せました」
「あっ……」
先生とメールしていたのは30分位前。
- 169 名前:糸色望 作者×中の人4:2008/04/27(日) 01:22:17 ID:p1MFwr6MO
- 彼と僕の家は離れていて、それなりに時間がかかる。
ということは、最初から彼は僕と会うつもりでメールしてきたのか。
今から会いに行く、とは言わないところが彼らしい。
「家、入りましょうか」
「そうですね」
深夜とは言え、成人男性二人が抱き合っていたら、さすがにマズいだろう。
少し体をズラし、隙間を作って入るよう促すと「お邪魔します」と呟き、扉を閉めた。
「あの、んっ……」
キスしていいか訊こうとする前に彼の唇が触れた。
握ったままの携帯には、最後にきた彼からのメールが開きっぱなしで、ちらっと見た本文を最後に瞳を閉じた。
『会いたい』
僕たちはやっぱり似たもの同士だ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
細かくなってしまいすみません。
あと、1に番号ふるの忘れてしまいすみませんでした。
- 170 名前:風と木の名無しさん:2008/04/27(日) 02:25:27 ID:cBkXzf89O
-
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 171 名前:(1/8)倒錯の夜@:2008/04/27(日) 02:26:51 ID:cBkXzf89O
- 「博…どう?どんな気分?」
秀は冷たく問う。コツ、コツ、と硬質なブーツの音が響いた。
「望み通り…でしょ?」
秀はほくそ笑んだが、博にはそれを見る事が出来ない。
「秀さん…」
呟く博の目には包帯。眼帯代わりに彼の視界を封じる。
「秀さん…俺、秀さんの事、ちゃんと見た」
その刹那、ひゅっ、と秀の鞭が鳴った。博の胸に赤い跡。
「いっ…たぁ…!!」
「煩いんだよ」
秀は鞭を両手でぴしり、と鳴らすと、鞭を博の顔に押しつけた。
「折角の俺の姿が見れなくて残念だったね。目隠しを取りたい…?」
そうしたくても出来ないことを承知で、秀は問う。
博の望み通りの、ナチスの軍服。赤い髪がよく映える。しかし、
ここに連れてこられる迄も目隠しされていたので、博は見ていない。
冷たい床の上に転がされ、後ろ手に縛られて身動き取れない博は、
押しつけられた鞭を堪らず舐めた。
「…コレが欲しい…?」
「はい…」
力なく博が答える。絶望している訳でなく、ただ従順な。
「いい、お返事」
秀は満足すると、鞭を博の白い肌に振り下ろした。
ピシリ、パシッ、バシッ―――。
鞭打たれるたびに、博は短い悲鳴を上げる。
それは、どこか悦びを含んだ声。彼は望み、待ち続けたものを得て。
「いっ……!たぁっ…!秀さ…」
「嬉しそうだねぇ、博。俺も嬉しいよ…」
微笑みながら、鞭を振るう。そのサディスティックな美しさ。
それを想像して、痛みと共に博を興奮させる。
- 172 名前:(2/8)倒錯の夜@:2008/04/27(日) 02:27:58 ID:cBkXzf89O
- 「もう興奮してるの…?」
秀は、博の膨らんだ股間を、踵で軽く躙った。
ぐりぐり、と躙られる度に博は悲鳴を上げる。反らされた白い首が眩しい。
「…こんなんでも気持ちイイの…?」
「あぁ…っ!うぁ…っあ…」
「仕方の無い子だね…」
秀はわざとらしく溜息を吐いて、博の雄をつつぅ、と鞭でなぞった。
そこは大きく膨らみ、早く表に出たい、欲望を吐き出したい、
と叫んでいるようにすら見えた。
「こんな厭らしい奴に育てた覚えはないよ?博。もうこんなに大きくして。
…まぁだ、指一本も触れてないのになぁ…」
秀が饒舌な時は、彼が上機嫌な証拠。自分の可愛い奴隷は、今日も従順だ。
「ご褒美が欲しかったら…どうするか、わかるね?」
秀は博の髪を掴むと、乱暴に彼の上体を起こして、自分の股間を押しつけた。
「秀さん…早く…俺、いい子にしてるから…」
立て膝を付き、まるで餌を待つペットの様な愛らしさで哀願する。
秀の、ジッパーを下ろす音にさえ反応して。
「…本当に厭らしい奴だな。さぁ、コレをしゃぶりな」
欲しかったんだろう?と秀が言うが早いか、すぐに博は、
口に押しつけられた秀の雄に貪りついた。目を閉じて一心に、秀の雄を
しゃぶる姿はまるで、何日も食事を摂っていない子供が、久しぶりのご馳走に食らい付く
様で。秀は満足そうに博を見下ろした。
「んっ…ふ…ふぅ…ん」
「…美味しい?博」
「んっ!んぅ!」
返事の代わりに短く声を上げ、軽く頷く。自分を見つめる表情が可愛かったので、
気を良くして髪を乱暴に掴んで博の顔を動かす。
「んぐっ…!ぐ…ぅ…!」
「舌と唇は、そのまま動かしてなさいね」
秀の冷たい言葉にも、博は決して逆らわず、従順に従う。
- 173 名前:(3/8)倒錯の夜@:2008/04/27(日) 02:29:17 ID:cBkXzf89O
- 苦しくなり涙を浮かべても、秀の望む通りに、彼に奉仕し続ける。
彼に教え込まれた、彼好みの愛撫で。
「…いい子だね…あぁ、出したくなってきた」
秀がうっとりしながら声を漏らすと、博は嬉しそうに小さく鳴いた。
悦びの表情を浮かべて、一心に自分にしゃぶりつく博を見て、
秀は心から満足した。研ぎ澄まされた美しさを持つ、この自分の奴隷が、
自分だけの物であるという征服感と、ここまで自分好みに育ってくれた、
という親心の様な達成感。。それらを感じて打ち震えた。
「…出るぞ…っ」
秀は博の頭を両手でがっちりと掴み、口内に射精した。
「!!…んぐっ…ぐ…んっ」
思わず博は眉間に深い皺を寄せたが、決して嫌がらずに、
出してくれた精液を飲み込もうとする。
秀は大体出した後、雄を引き摺りだして、残りを博の顔にかけてあげた。
黒い髪と白い眼帯にドロリとした液体が付着する。博は、嚥下し終わると、
気持ち良さそうに、はぁっ、と息を漏らした。
「美味しかった?」
「んっ……はい、とっても…」
そう笑顔で答える博を見て、秀は楽しそうに、くっくっ、と声を漏らした。
実に素晴らしい奴隷だ、と。秀は股間をしまうと、博の頭を撫でた。
「…いい子だったね。優秀な奴隷にはご褒美をあげようね…」
秀は、もったいつける様にゆっくりと博の眼帯に指をかけ、一気に剥ぎ取った。
博が見たものは、自分がいつか望んだ通りの姿の秀。黒革手袋をはめ直し、
艶然と微笑む秀。博は思わず溜め息を吐いた。
「…素敵や…」
「当然だろ?」
秀は軽く博の頬を叩くと、手の縄も解いてやった。
「さぁ…お楽しみの時間だよ…」
- 174 名前:(4/8)倒錯の夜@:2008/04/27(日) 02:30:24 ID:cBkXzf89O
- 秀は床に置いてあった赤い蝋燭とライターを手に取ると、秀は博を蹴倒した。
「…楽しみでゾクゾクするだろ?」
「あぁ…それ、好き…っ」
博はこれから与えられるものを想像して打ち震えた。
蝋燭に火が灯るのを見ているだけで、身体が火照り始める。
「…脚をもっと広げな」
秀は、ブーツで博の華奢で真っ白な太股を軽く蹴り、前触れなく、
中心部分にポタポタと蝋を垂らした。
「あっ…!!くうっ…!」
余りの熱さに、博は思わず身体を捩る。一番熱に弱いそこは、
感じる痛みとは裏腹にドクリと脈打った。白い太股に次々と蝋を垂らされ、
博は熱に浮かされた様に喘ぐ。手足をばたつかせると、秀に踏み付けられた。
「そんなに気持ちイイ…?博」
「あっ…はぁ…」
「好きだよね、お前…」
少し呆れた様に、博の乱れた姿にうっとりした様に、秀は呟いた。
「そんなに好きなら、弱い部分に、たぁっぷり垂らしてやるよ…」
そう言ってほくそ笑む秀の姿が余りに残酷で美しかったから、
博は、この男になら、どんな目に遭わされてもいい、という気分になる。
そして、自分の快感のツボを的確についた責め苦を、博は心から味わった。
- 175 名前:(5/8)倒錯の夜@:2008/04/27(日) 02:31:45 ID:cBkXzf89O
- ―――秀と博より少し離れた空間。彼らがよく見える場所。
そこに二人は居た。彼らをじっと見つめて。体を重ね合って。
「何か楽しそうだね、二人とも…」
佳は、少し羨望を含めて呟いた。
「そうだなぁ。すっかり盛り上がってるみたいですな。…あ〜ぁ、秀の奴、
あんなに手荒く…」
「え〜…いいじゃない。あぁいうのも…。ちょっと羨ましいな、俺は」
佳は髪をいじりながら言う。いつもの癖だ。物欲しい時にしてしまう癖。
「…俺に、あんな格好しろって言うんかい?」
素っ頓狂に、佳の髪を掻き上げながら問うてみる。答えはわかっているのに。
「違うよ!そうじゃなくてさ…あぁいう…その…」
「何ですか?」
「…意地悪!わかってる癖に…!」
佳はきっ、と先生を見つめた。身体の芯が熱くなっていくのがわかる。
早く、あぁして欲しいのに、と。
「わかりませんねぇ…。何の事だかさっぱり」
佳の反応を楽しんだ先生は、彼の望みとは逆に、出来る限り優しく、
彼を抱き寄せて、深く口付けた。優しく、甘く、蕩ける様に。
「んん…っ!!ん〜ん…ぅ!」
こんなものを望んでいるのではない、もっと乱暴に扱ってほしいのに!と、
初めは藻掻いていた佳も、先生のその手管に次第に参ってくる。
愛欲の波に襲われ、自分の願望もろとも先生の口技に飲み込まれてしまう。
「ん………っ。んぅ…んっ」
縋り付き、先生と身体を離すまいと足掻く。
佳の変化に気付いて、先生は唇を離した。唾液が糸の様に互いの口を伝う。
「…で?どうしてほしいって?」
- 176 名前:(6/8)倒錯の夜@:2008/04/27(日) 02:32:51 ID:cBkXzf89O
- 「はぁ…っ…あ…先生の、好きにして、くれて…いいです…」
佳の欲情した目と、素直な答えを確認すると、先生は佳の身体を撫でた。
「…いい、お答え」
先生はほくそ笑むと、佳の身体に唇を這わせた。熟知した、彼の弱い部分
ばかりを、そっとなぞる様に。もどかしくて、思わず先生の頭を
自分の身体に押しつけてしまうと、手を退かされ、優しく諫められる。
「…いい子にしてられないんかい?」
「ん…ごめ…っ」
悶える佳に、わざとらしく呆れた顔を見せる。だが佳は、半ば本気だと
不安に思ったようだ。不安げな佳を見て、予想どおりだと内心思った。
「我慢出来ないんなら、吐き出させてあげますよ…」
先生は佳の太股を広げさせて、彼の雄を口に当てながら忠告した。
「その代わり、口の中に出すんじゃねえぞ…。お前の濃いんだから」
「わ、わかった…だから早く…」
佳はもどかしそうに訴えかけると同時に、先生の台詞を心に刻んだ。
逆らったらどうなるか。普段優しいこの男がどう豹変するか、
佳が一番、身に染みている。先生が自分の雄を頬張り、丹念に巧みな愛撫を
繰り返すのを、佳は身悶えながら、すぐ果てぬ様にと耐えていた。
「あっ…やだぁ!良すぎ…っ!」
「イッちゃう!口の中でイッちゃう…!!いやぁ…っまだ…ぁ!」
―――そんな佳の甘い叫び声が、二人の元まで届いていた。
「……佳君、楽しそうだねぇ。あんなに甘い責め苦を受けて」
秀はせせら笑う様に言った。博と共に、一旦手を止めて二人を見遣る。
「佳さん…」
「苦しいと思うよ?先生のフェラは滅茶苦茶巧いから。あいつの事だから、
すぐイクなとでも言ったんじゃないの?」
秀は解説してやったが、博の耳には余り届いてはいなかった。
- 177 名前:(7/8)倒錯の夜@:2008/04/27(日) 02:34:24 ID:cBkXzf89O
- 博の目線の先には佳の姿。涙を流しながら、大きすぎる快感に身悶える佳。
股間に居座る先生の頭を必死に掴んで、身体をしならせて鳴いている。
…露になった真白い喉元。今まで見た事の無い、彼の痴態。
博の目を釘づけにするには充分だった。
『ごくり』
博は思わず喉を鳴らした。と同時に、胸元に燃えるように熱い蝋が垂らされた。
「あっ…つぅ!!!」
余りの痛みに思わず博が叫ぶ。それを見る秀の声には怒りが込められていた。
「見とれてるんじゃねぇよ」
秀は大層機嫌悪そうに、博の胸を踏み付け、首の辺りに蝋を垂らす。
「あっ…ごめんな、さ、い…っ!」
「プレイの最中に他人に見惚れるなんて、お前も随分、余裕が出てきたねぇ」
「違っ…!そんな、つも、りじゃ…!」
「お仕置きが必要かな…?」
秀は、より近い位置から、博の雄に蝋を垂らし始めた。
「あぁっ…!!熱い…っ!いやぁぁ…っ!秀さ、止め…!」
「…嫌?止めて?…こんな熱い蝋、垂らされながら先走りを滴らせてる奴が
言っても、何の説得力も無ぇよ」
秀はあくまでも残忍に、且つ楽しそうに言い放ち、蝋を博の身体から離した。
「そう簡単にはイカせてやらないよ…?」
「げぇ…ほっ!ごほっ…」
先生は、苦しそうにむせていた。とうとう耐えきれなくなった佳が、
まるで洩らす様に、先生の口内に射精してしまったのだ。
「ごめん、な、さい…先生、だいじょぶ…?」
息を切らしながら、佳が先生の背中を撫でた。
「大丈夫、じゃねぇよ…っ。てめぇ…よりによって、喉の、奥にっ…!」
- 178 名前:(8/8)倒錯の夜@:2008/04/27(日) 02:35:25 ID:cBkXzf89O
- 「ごめんなさ…」
佳は怯えた様に謝る。苦しそうな先生に、申し訳ないと思うと同時に
言い付けに逆らったことが怖かった。先生の脅しがよく効いている証拠だ。
「…お仕置きだな…」
先生は、酒で佳の精液を飲み下して、目を光らせた。それは、先程までの
飄々とした男のそれではなかった。もう、ここにいるのはサディストな男。
佳ににじり寄り、無理矢理脚を開かせて、身体の下に組み敷く。
「え…何…?」
「何?じゃねぇよ。きちんと言い付けを守れるようにするには躾が必要だろ?」
そう言うと先生は、自分の雄を、全くほぐしていない、佳の秘部にあてがった。
「や、やだよ…っ!濡らしても無いじゃんか…!裂けちゃう!絶対にダメっ…!」
佳は身を起こして逃げようとしたが、先生はそれを許さず、
佳の顎を掴んで床に押しつけた。彼を見下す視線は、余りに怜悧だ。
「…俺に逆らうの?逆らって逃げるのかい?」
――力だけなら佳の方がずっと上だ。先生を振り払って逃げることも、
充分に可能だ。しかし、その行動は何を意味するのか。彼に逆らって逃げて、
自分は何を失うのか。佳はよく知っていた。
「…………どうしてっ…こんなひどい事っ、するんなら最初っから…」
そう言って佳は、はっと気が付いた。秀が博にした様に、手ひどく扱って
欲しいとねだった後、優しく扱ってその気にさせた事。甘い責め苦を
たっぷり味あわせて、すっかり腰砕けにさせた事。全ては、
一気に奈落に突き落とされる、絶望した佳の表情を見る為だった事に。
先生は、全てを察した佳に気が付いて、楽しそうに嘲笑った。
「い〜い顔するねぇ、佳君。実にイイね」
先生は改めて、佳の秘部に雄を押し当てた。
「で…?逃げんの?俺から…」
答えは聞かずともわかっている。
佳は身体から力を抜き、無言で脚を広げた。
「…そう、それでいいんですよ…」
先生は満足そうに呟くと、一気に佳の身体を貫いた。
- 179 名前:風と木の名無しさん:2008/04/27(日) 02:36:31 ID:cBkXzf89O
-
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
『倒錯の夜』の続きはまた後日…。
- 180 名前:風と木の名無しさん:2008/04/27(日) 02:58:47 ID:DAJoB0xv0
- >>169
ありがdです!
自分もラジヲの発言なんかから妄想してはいたんだけど
(しかも中のヒト×作者だったんだけど)
これくらいほのぼのしいのがちょうどイイ!
- 181 名前:風と木の名無しさん:2008/04/27(日) 09:39:36 ID:2EDg/KnT0
- >>165
163です。ヒントどうもありがとうございました!
- 182 名前:風と木の名無しさん:2008/04/27(日) 20:21:56 ID:JsqxESQ10
- >>78
微亀だけど禿げたGJ
原作壊さない口調と雰囲気がいいね
- 183 名前:風と木の名無しさん:2008/04/28(月) 00:24:26 ID:RYnNb3tn0
- ■■■■■■■新板設置要望話し合い中■■■■■■■
運営が新板設置に乗り気になってくれているようなので
801系の新板設置について話し合っています。
801系新板設置要望スレ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1208401555/
・いくつか重要な提案、問題提起が上がっています。
議論のループが起きやすくなっているので、話し合いに参加される方は
最低限下記のまとめレスで流れを把握した上で、できれば過去ログに
一通り目を通してからご参加ください。
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1208401555/636-639
↑スレのこれまでのまとめピックアップ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
- 184 名前:風と木の名無しさん:2008/04/28(月) 02:05:19 ID:l/m3TX7NO
- 伊賀/ずきんから、風/魔小/太郎×服/部零/蔵
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 185 名前:風と木の名無しさん:2008/04/28(月) 02:08:37 ID:l/m3TX7NO
- ――今は昔の世は戦国
帳の下りた闇の中、光るは星と目と刃と狙う敵の白い首
ならば黒きは闇と影と足元と、残るは果たして――
「温い。――忍として、全くもってなっとらん」
夜そのもので染め上げられたのに等しい黒の衣に身を包み、欠ける事無き月の下に
てその躯を暗闇に吸い込ませた伊賀の忍が独り、獣じみた人影を足元より延ばした侵入者を見下ろしていた。
「…こんなにも明るい満月の晩に訪れたのは、自らその姿を晒す為か、風.魔小.太郎」
伊賀の男はその物腰から想像されるものより遥かに若く儚い歳重(としかさ)の痩躯を漆黒の内へと包み隠し、
てらてらとした円状の灯りを背に負いながらも屋根の上に悠々と立つ侵入者を見詰め、嘲りも憐憫も含まれぬ、
唯々ひたすらに心無い言葉を口にしながら、無言を保つ相手の前で腕を組んだ。
「仮にそのつもりが欠片も無く、唯単に己の中の不断な弱さに負けて日を待ち続けた揚句に今宵を選んで白路を
歩みこの地へ脚を向けたと言うならば――忍の敵足る『欲』に背き、吾(あ)が道を盗みに転じた忍者崩れのお前に相応しい道筋だったのだろうな」
- 186 名前:風と木の名無しさん:2008/04/28(月) 02:10:33 ID:l/m3TX7NO
- 彼の者の血筋に似つかわしい、少しばかりも色の無い声は、心に刃を当てがい心を殺す『忍』そのものである
と言わんばかりに自我の欠落したものではあるけれど――しかし、伊賀の男と対峙している者が浮かべていたのは、
彼の忍のそれとは掛け離れた色濃い能面だ。
「単に俺は友達に会いに来ただけなんだが――なのにどうして、あんたは刃を向けて来る?」
「お前の目当ては伊賀ずきんか?――ならば、いつぞやの時と同じく、正々堂々と正面から伊賀に依頼したら良いだろうに」
「こんな時間に女友達んとこに行くとしたら、――まあ、他の男を通してなんて野暮だろ?」
にやりと、獣の様な笑みでその口元を整えて、侵入者は片手を上げた。
空を切り宙を舞う蝶の如く掲げられただけの手には目的など無かったのか、やがて、重力に従いながらぱたりと落ちた。
そして、野生の狼じみた侵入者の男は、伊賀の忍の返事を待つそぶりを見せながら、緩やかに目を細めた。
- 187 名前:風と木の名無しさん:2008/04/28(月) 02:12:57 ID:l/m3TX7NO
- 「伊賀ずきんの元へ行くには、今此処で私を倒すか屠るかしざるを得ないだろうが、――けれども、そんな事は無理無体無謀無意味」「それは俺も知ってるさ、…その高慢さと同じ位には強いんだろう?」
「ああ、何せ『私は強い』からな。――そして、それを知っているならば、早く尾を巻いて帰るが良いだろう」
周囲の黒を吸い込みながら夜の中に立つ男の肌は白く、月明かりにほんの少しだけ照らされて、僅かに青み掛かっている。
彼自身の影との境目さえも曖昧な痩躯は、薄い呼吸音と同じ位にうっすらと、夜の闇に溶け込んで、不躾な侵入者の懐目掛けて駆け出し――
「――……チィ…ッ!」
呻き声に似た忍の声は、かさついた紙と同じく乾いていて、だけど、何処か人間らしい。
「案外あんたも温いよなぁ?――忍は何時いかなる時も油断せず敵と対峙すべき、だろ?…特に、敵の風下に位置した時なんかは――…油断大敵」
咳込む様な音が幾度か響き、布が擦れる音がした。既に、月の光に曝される場所に、狼を真似た影は無く――、
「……お前、は…、……狼…と言う、…よりは…、…狐……、だな…」
――唯、闇の中に、人間の気配が、二つある。
- 188 名前:風と木の名無しさん:2008/04/28(月) 02:14:31 ID:l/m3TX7NO
- 「そうか?――なら、狐は狐らしく、獲物の肉でも喰えば良いのか?」
「…狼も…狐も、…大して変わりや…しない、だろう……、…肉食、という、一点に…おいては、…な」
痺れる様な鈍い感覚を、四肢の端々から感じているだろう伊賀の男は――動揺する事も無いまま両目を細め、己の身体に馬乗りになっている狼男の影を見上げた。
「だったら、俺はやっぱり狼だな。――夜歩きする伊賀ずきんを狙う役目は、狼のものと相場は決まってる」
にんまりと、狼男は唯嬉しそうに微笑んで、組み伏せた忍の顔を覗き込んだ。
けれど、重力に従い落ちた侵入者の髪の先が顔先に触れたところで、黒い男が何らかの反応をする筈も無く、(だから)互いに暫く無言のまま。
「――……お前は、…『伊賀ずきん(彼女)』に、会いに来たのか…?」
伊賀の男の掠れた声は、彼自身の痺れた舌先になぞられ音へと形を変えた結果であり、尚も消えぬ高慢さを滲ませたものであり、
(『吾(あ)が月は幾せとつ籠り宵闇の裾上げまいて白路(しらみち)照らせよ』)
(――かつて、その様な歌を詠んだ女が居た。)
(女は、恋しい男が女の屋敷を訪れる事が久しくなくなって、それでも募り続ける想いのままに、男が返歌と共に通い路を歩み女の元に再び通う事を願いながらその歌をしたためたが――けれども、)
「――…あんただって、黒い頭巾を被った伊賀ものだろ?…だったら、『その通り』って事になんだろうな、服.部零.蔵」
(――ならば、白き路を行くのは、必ずしも女の為と言えるのか?)
- 189 名前:風と木の名無しさん:2008/04/28(月) 02:15:44 ID:l/m3TX7NO
- □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
- 190 名前:00捏造 飼い主×つぶれハム:2008/04/28(月) 10:15:23 ID:qKTHG72r0
- / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 00捏造 飼い主×つぶれハムだよね!
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 伏せてないからって、同じエロ板だからってあっちに話題持ち出し禁止だよね!
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ すいませんエロには至りません
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 191 名前:00捏造 飼い主×つぶれハム 1/8:2008/04/28(月) 10:16:21 ID:qKTHG72r0
- 俺がつぶれ肉まんグラハムとその専用フラッグを飼い始めてから既に三ヶ月が経った。
つぶれグラハムは予想通りの口の悪さと、その口の悪さに反比例する愛らしさで俺を魅了している。
最近はつぶれ人気で、ユニオン製以外のつぶれハムも出回っているようだ。
多少の割高感はあったが、正規店で定価で購入したつぶれは、 足癖は悪いものの、悪くなければ
グラハムではないし、何より、つぶれが理不尽を感じない限りはちゃんと命令に従う素直な子だ。
少し離れた場所に住む大叔母が訪ねて来たときは、
「こんな愛玩ロボではなくて、もっと実用的な家政婦ロボにでもすればいいものを、
そうすれば私も借りにこられるし、ああ、でもそれだと婚期が益々遠のくかしらね」
と好き勝手な事をいってくれたが。
つぶれはといえば
「それは大きなお世話だよね!」
と俺の心を代弁してくれた。
つぶれの態度の悪さに辟易して大叔母も早急に退散してくれたが、次に来た時に、
いきなりグラ☆スペをかまさないように、つぶれにいいきかせなければいけない。
「あいつムカつくよね!
なんで何だよね!」
にこにこ笑いながらつぶれは訊いてくる。
「いきなり敵でも無い相手に攻撃してはいけない。
それにあの人は同盟相手だよ」
「わかったよね!
次にマッシュポテトを持って来たら許してやるよね!」
どうやらつぶれはあの人だけではなく、大叔母が持って来たういろうもお気に召さなかったらしい。
そういえば、一口食べてしばらくもぐもぐしていた後は、粘土のごとく遊び始めて、俺は
「お行儀が悪いよグラハム」と注意をしたのだ。
それからすぐに話がつまらなくなったようで、フラッグで遊び始めてしまった。
更にいきなりのグラ☆スペだ…。威嚇だったのだろう、攻撃は当たらなかったものの、肝が冷えた。
- 192 名前:00捏造 飼い主×つぶれハム 2/8:2008/04/28(月) 10:17:24 ID:qKTHG72r0
- 平日の日中はつぶれは家に一人で居る事が多かった。
しかし親から受け継いだ田舎の家は、ただっ広い上に、なんだかわからない物であふれていたから、
つぶれは、家中をごろごろと転がり、押し入れや納戸をひっくり返しては、おもしろそうな物を見つけて、
遊んでいるようだった。
別に家の中だけで飼っているわけでもなく、フラッグで好きに外へ遊びに出る事もあれば、
お腹が空いたら冷蔵庫のマッシュポテトを食べ、眠くなればフラッグとお昼寝、といった具合なようだ。
俺も、家の近くを流れる大きな川を渡った向こう側すぐ近くに代々受け継いだ会社があり、
昼には一度家に帰って、つぶれとランチの時間を過ごす事が出来た。
俺の会社は古くから危険物を取り扱う免許があり、水素燃料が一般かする前から、水素充填箇所の、
認定を受けていたらしく、今では、川向こうのすぐ近くのバイパスに水素スタンドも経営している。
つぶれの乗るフラッグの燃料費も殆ど掛からないのが、俺がつぶれを飼う事にした要因のひとつでもあった。
その日俺は、ランチに帰れない用事があり、つぶれの昼食を作り置きしてから出勤した。
せめて日が暮れる前には帰りたかったが、仕事は予定通りには進まず、結局帰宅出来たのは、
日も完全にくれてしまってからだった。
いつもは点いているはずの玄関の明かりは消えていた。
つぶれは待ち疲れて遅い昼寝から目覚めていないのか、それとも奥の納戸でオールドガンプラでも見つけて
遊びに耽っているのか。
「グラハムー、マスターが帰ったよー」
声を掛けながら玄関ホールを抜けて、居間を通り、キッチンまで来ても明かりもなく、何よりも不思議な事に、
ランチの残骸がない。冷蔵庫を開けると、つぶれに作って行った昼食は手つかづのままだ。
何かおかしい。
取りあえず、二階の寝室と押し入れを探すが見当たらない。たまに昼寝している座敷にもいない。
俺は不安を感じつつ、渡り廊下を離れへ向かう。
つぶれがいそうな古いものが詰まった納戸を見るが、遊んだ形跡もない。
書庫、衣類庫、食料庫、といそうな場所を一通りさがす。離れには居ないようだ。
しかし母屋にもあかりはない。
俺は冷静に、と自分に言い聞かせ、もう一度、普段使わない客用トイレや、押し入れの天袋までを見てまわる。
- 193 名前:00捏造 飼い主×つぶれハム 3/8:2008/04/28(月) 10:18:21 ID:qKTHG72r0
- そういえばフラッグは?遊びに出掛けて行ったままなのかも知れない。
最初に確かめれば良かったのだ、案の定つぶれ専用カスタムフラッグは何時もの勝手口には無かった。
まあ、家の中でもフラッグを乗り回すからつぶれが家に居れば必ずそこにあるとも限らないのだが。
しかし以前つぶれジョシュアとどこか外で喧嘩か絡まれでもしたらしく、
「ジョシュアにまともなのはいないよね!」
とか言っていた事があった。
外で何かあって帰れないのだろうか?
専用フラッグの通信機へ連絡を入れてみる。
しかし何度コールをしても応答はなかった。
フラッグに付けたGPSの事を思い出し、検索をかけると、自宅にあると表示される。
どういう事だ?フラッグは駐機されていないのに。
俺は懐中電灯を手に勝手口から庭に廻り、つぶれとフラッグの姿を探す。
ほとんど手入れしないのに勝手に毎年花を咲かせる水仙とチューリップが満開だ。
花壇を過ぎて家の横を玄関へ抜ける芝生の小路に何かを引きずった跡が続くと、
その先に飛行形態のフラッグが置いてあった。
つぶれがフラッグを置いて何処かへ行くなんて…。
一気に胸に不安が迫る。何かあったのだ。
少し引きずったくらいでは傷一つつかないビームコーティングを施された黒い機体。
見た目に反して機体はそれほど重くはない。俺には両手で十分抱え挙げられる軽さだ。
元々軽いタイプのMSなフラッグの中でも、グラハム用はより機動性を上げる為に、更に軽い。
しかしつぶれに持ち上げられる重さではない。
遊びに夢中で燃料切れに気がつかなかったのか、それともセンサーかタンクの故障か。
専門知識に乏しい俺には判断がつかなかった。
スターターの掃除位はいつもつぶれが自分でしているようだし、調子が悪ければ気が付いて言うだろうと甘く見ていた。
うちのスタンドが一番近いSSだろう。そこにつぶれが向かった可能性が高い。
俺はすぐにスタンドに連絡を入れる。
「俺だ、うちのつぶれグラハムがそっちに来てないか?」
しかし答えはNOだった。つぶれからの連絡も無かったという事だった。
歩けない距離ではないし、他に何処に向かうかあても知らない。
俺は自分の車にフラッグを載せるとスタンドへと車を走らせた。
- 194 名前:00捏造 飼い主×つぶれハム 4/8:2008/04/28(月) 10:19:31 ID:qKTHG72r0
- ハザードランプを点灯させたまま俺はゆっくりと、最短距離と思われる道をスタンドへ向かった。
暗い道の左右を確認しながら徐行していったが、しかしスタンドまでつぶれを見つける事は出来なかった。
スタンドに着き、つぶれが来ていないのをもう一度確認する。
整備士にフラッグを見てくれるように頼むと今度は徒歩でつぶれ探しに行こうと決めた。
「社長のグラハムどうかされたんですか?」
店長が心配そうに訊いてくる。
「帰ったら見当たらないんだ。フラッグも庭に置いたままだったし、
そんなに遠くには行ってないと思うんだが」
不安を隠せないまま俺は答えたようだ。
「何人かで一緒に探しましょうか?」
「いや、いい、店もあるだろ、何かあったら連絡を入れるよ、その辺りにいるだろう」
元々一人暮らしにつぶれを飼うなんてという話もあるくらいだ、従業員を巻き込みたくはない。
俺は徒歩で、来た道の別のルートを捜す事にする。
川沿いは車で入れない道があるし、実際河原沿いが最短ルートだろう。
懐中電灯を手に、俺は歩きだす。
バイパス沿いは明るいが、橋を降りれば闇の中だった。
暗い川沿いの土手を歩く。
この近所には猫が多い、しかも狂暴な奴が…、隣の飼い猫は出掛ける度に襲われて、
耳も尻尾もかけ、深手を負っては静養しているのだ。
あの傷を思い出してぞっとした。
この辺りのボス猫はつぶれよりもでかいし、身のこなしもずっと速いだろう。
俺の不安はどんどん膨らんだ。
川沿いには蛇も多いし、夜は青大将も良く出るのだ、実際家のポストに蛇が寝ていた事もある。
本当に田舎だ。
時折タヌキも目撃される、何より恐ろしいのは冬眠明けの熊だが、
あれの足跡が河原で発見されて、町内の回覧版が回ってきたのは一昨年だったか。
熊って夜行性だっけ?違ったっけ?
フラッグに載ったつぶれは熊が相手だろうが無敵なので大して気にもしなかった。
実際危ないのはガンダムの出没情報くらいで、それもつぶれが勇んで追いかけて出て行かないように注意しろといった内容だ。
流石に相手がガンダムだと無事に帰って来られない可能性が高いからだ。
- 195 名前:00捏造 飼い主×つぶれハム 5/8:2008/04/28(月) 10:20:53 ID:qKTHG72r0
- 河原沿いの道や土手の上でもつぶれは見つからなかった。
時間は過ぎてゆく。考えれば考える程、最悪な事態に頭が向かう。
何で何も連絡がないのかと思い直せば、つぶれにはフラッグが無ければ家の壁の受話器にも手が届かないのだ。
携帯電話くらい持たせれば良かった。何処でもフラッグと出掛けるから必要ないと考えていたのだ。
せめて電話は床かつぶれの手に届く所へ移動しよう、帰ったらすぐに!
一度家まで戻りつぶれが帰ってないか探すがやはりいない。
壁の電話機を力づくでひっぺがし、壁からコードを引きずり出してだらりと垂らす。
ギリギリ床に届かなかったが、つぶれの手は届く筈だ。
勝手口に帰ったら電話するようにとメモを残してもう一度外へ出る。
右側のかけた半月が南の空に昇ってきて、夜が随分更けた事を知らせる。
いつもならつぶれはそろそろ眠りにつく時間だ。
どこで迷子に?いや迷子ならいい、怪我して動けないか、もしかしたらもっと悪い事態に…。
もう一度スタンドに連絡を入れる。
「つぶれグラハムは来てませんよ。フラッグは、燃料タンクは空の状態で、エンジン手前で水素漏れが起きてました。
水素漏れ探知すると絶対にスターターもエンジンも動きませんし、でも単純な故障でしたから、
多分無理な機動を繰り返し過ぎて、緩んだみたいですね。
すぐに直りましたよ。この機体は、元々グラハム・マニューバを想定して各駆動系も強化してありますし…」
まだまだ続きそうな整備士の説明に。
「うん、ありがとう、重大な故障でなくて良かったよ。フラッグは後でとりに行くから俺の車に積んで置いてくれ」
とだけ言うと無理矢理携帯を切る。
この時間になっても家にもスタンドにも現れない。何かあったのだ。
探していないルートはないか?つぶれが迷うような場所は?
必死で考えるが、グラハムが月も星さえ見える状況で迷うとは考えずらい。
何かに出くわし、他人の目にも触れないのはやはり河原だ。
もう一度土手に上がりつぶれの名前を呼ぶ。
と町内の2班の庵阿さんが犬の散歩に通り掛った。
「どうしました?」と声をかけられる。
俺は既に焦りを隠せず、うちのつぶれハムがフラッグを残して見当たらないのだと話した。
- 196 名前:00捏造 飼い主×つぶれハム 6/8:2008/04/28(月) 10:22:09 ID:qKTHG72r0
- 「それは心配だ私も散歩ついでだ、探しますよ。今のところうちの馬鹿犬も何も様子は変わらなかったですけど、
何かいれば必ず毎回アホみたいに吠えるしわかるでしょう」
俺は頭を下げて壮年の先輩に礼を言った。町内会長の家にも訊きましたか?と確認される。
「いいえ、まだ何も。まさかこんな時間まで見つからないとは思わなくて」
「なら一応、連絡をいれて置いたらいいでしょう。あなたの家のグラハムなら近くにいれば皆すぐにわかりますよ」
近所にはうちにしかつぶれは飼っていないし、町内には飼ってる事は周知だ。
何かあったなら町内の誰かが知らせてくれるだろう、そういう土地柄だ。
俺はもう一度、庵阿さんに礼を言いつつ、町内会長の家に電話をかける。
こうなったら、川向こうの方が何かあったら分かりずらい。
俺はもう一度、長い橋を渡り、今度はバイパスとその回りの一段低い田畑の暗闇を捜す事にした。
バイパスの南側が家の方、北側がスタンド側だ。どちらも可能性はある。
より暗い北側から捜そう。
金色のくりくり頭とユニオンブルーの服。
どこだ?どこにいるんだ?
用水に填ってやしないか?
スタンドへ向けて、舗装された歩道から畑を覗き込みながら歩く。
ここで居なければもうどうすればいいのか、自分の体力の消耗を感じながらも、
しかし探索を中断する気にはなれなかった。
舗装された農道に降りて更に用水の横の暗闇を歩いた。
農家の墓が幾つか並ぶ場所に差しかかったときだ。
小さな物音とも声ともつかない音がした。
びくりと体が反射的に動いた。
「グラハム?」
音の方に声をかける。
またがさりと音がする。
何だ?
墓の横へ回ると奥の墓の近くに白くて丸い物がある。暗くてよくわからない。
近付くと動いた。
「グラハム?」
もう一度声をかけるとビクンっと物体が動き、白い物体の向こう側から黄色い毛玉があがってきた。
- 197 名前:00捏造 飼い主×つぶれハム 7/8:2008/04/28(月) 10:23:20 ID:qKTHG72r0
- 「グラハム!」
間違いないつぶれだ。こんな墓で一体何故?
疑問はあったがとにかく見つけた!
すぐに駆け寄ると、よいしょとグラハムがこちらを向いた。
白く見えたのはスラックスだった、そして何故か上着は着ていない。
「グラハム!」
俺は叫んで石畳進む。
「あっ!ますたぁだよね!」
こちらを向いたつぶれが走り寄る。そして墓石を足掛かりに、俺にめがけて跳んだ。
俺はそれを抱きとめようとした。
次の瞬間に、つぶれのグラ☆スペが私の顎に決まった。
生身のつぶれとはいえ流石グラハムだ。強烈な衝撃と熱みたいな何かがガーンときた。
「ぐぁっ…!!!!」
俺は声にならない叫びを上げて後ろにぶったおれた。
尻をしこまた打った、肘と手のひらも打ったか石畳に擦ったようだ。
意識こそ失わなかったが、強烈な痛みとも熱ともつかない感覚が何ヶ所も同時に襲う。
「!!!がっ!!つっー…!!!ぅあっ!!アッー!!」
痛みに悶える間もなく、俺の胸の上でつぶれが跳び跳ねる。
「ちょ…グ、やめっ!!…グラハムっ!うわっ!!痛っ」
うめきながらも俺はつぶれを払いのけられなかった。
しかし痛い!痛い痛い痛い!!!
「痛い!痛いよグラハム!!」
「もっぺんするよね!
グラハム☆スペシャルだよね!」
「がっー!やめっ!グラハムやめっ!!!」
俺は必死に痛みを堪えて今まさに跳びかからんとするつぶれの体をがっしと掴んだ。
「ますたぁが悪いよね!
私は我慢弱いよね!」
手の平が熱い、打ったし怪我もしているんだろう。
しかしこれ以上ダメージを負うわけにはいかない。
- 198 名前:00捏造 飼い主×つぶれハム 8/8:2008/04/28(月) 10:24:22 ID:qKTHG72r0
- そのまま暴れるつぶれを渾身の力を込めて胸に抱きしめる。
つぶれは短い手足をじたばたとさせて、なおも攻撃しようともがいた、満足に動けないととっさに判断してか、
ぐっと身を反らすと、先程見事なグラハムスペシャルを決めた顎に頭突きをかましてくる。
余りにも的確な攻撃だ、グラハムなのだから当たり前なのだろうが。
「ぐぁっあー!!グラハム!ゴメン!ゴメン、俺が悪い!!」
俺は必死に謝りながらつぶれグラハムの頭と体を押さえつける。
ぐぅーうーとうめきをあげながらつぶれは暫くもがいていた。
うっーうっーと言ううめき声はいつか静かにおえつに変わっていた。
体中が痛くて熱くて堪らなかった。
顎と尻腰は特にジンジンして、骨が折れたかヒビが入ったかしている気がする。
頭も少し打ったのかも知れない、ガンガン痛み出してきた。グラスペも効いている。
ぐっすっひっく、と普段は泣いた事などないつぶれの泣く声が遠くに聞こえる。
「ますたぁが、悪いん、だ、よね」
「あぁ、俺が悪かった」
「うん、悪いよね」
「ゴメンよグラハム」
「ひどいよね」
「ゴメンね」
「…」
「…グラハム…救急車…呼んで…」
多分それがその日の俺の最後の言葉だ。
薄れる意識の中、遠のく意識と共に、つぶれにご飯食べさせなきゃと思った事だけは覚えている。
次に目覚めた時に、最初に目にしたのは俺の最愛のグラハムではなく、
金髪をおかっぱにしてグラサンをかけた物凄く胡散臭い白衣の人物だった。
色々心配事はあったが、余りにも脱力したからか、それとも何か薬が効いているのか、俺はもう一度静かに目を閉じた。
次に目を覚ました時はつぶれの顔を見られる事を願って。
「阿修羅を凌駕しなかっただけましだよね!」AA略
久しぶりに同じベッドに眠りながら、つぶれの大冒険を俺が聞くのはまた別のお話。
- 199 名前:00捏造 飼い主×つぶれハム:2008/04/28(月) 10:24:54 ID:qKTHG72r0
- ____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ オツキアイアリガトウダヨネ!
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 200 名前:風と木の名無しさん:2008/04/29(火) 02:03:04 ID:uioZ4pDl0
- >>190
まさかここでつぶれハムに出会えようとは!
GJ!すごく良かった
- 201 名前:乙男 花×眼鏡:2008/04/29(火) 22:08:53 ID:+3DFYrQEO
- 乙男の花×眼鏡です
携帯から&勢いで書いたんで見づらかったらすみません
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
髪に花を飾った、形のいい神経質そうな眉をひそめた男が自分より背のある、前髪でその瞳を隠した男を睨んだ。
「貴様は何なんだ?」
「僕は、綺麗なものを綺麗な花でより美しくしたいだけです」
「俺はものじゃない!」
そう叫んだ男、多武峰は頭の花を掴み、地面に投げつけようとしたが、花に罪は無いと思い直し目の前にいる背の高い男、黒川の手に無理矢理持たせた。
「貴様に用は無いんだ。正宗は何処……だから花を飾るな!!」
懲りずにまた多武峰の頭に花を飾る黒川に、竹刀を振り回すが受け止められてしまった。
「好い加減にしろ!貴様に用は無いと言ってるだろう」
打倒正宗を目標に、今日も正宗に勝負を挑みに来たのに、校門で黒川に捕まってしまい、足止めを食らっていた。
早く撒きたいのに、なかなかしつこく絡んでくる男に多武峰は竹刀に込める力を強めた。
「僕は用があります」
「貴様の用など知るか!」
いつまでも進まないので竹刀を下ろし、無理に黒川の脇を抜けようとしたら手首を思い切り掴まれた。
予想外の力強さに、多武峰は一瞬まごつく。
「は、なせ!」
「嫌です」
「何故だ」
キッと見上げると、さらりと揺れた前髪の隙間から黒川の真剣な眼差しが見えた。
ドキッと鳴った胸に戸惑う。
「愛しい花で、愛しい人を飾りたい。それが究極の美であり最大の求愛なのです」
「貴様っ……」
掴まれた手を振りほどき、頭に花がついていることも忘れ校門を飛び出した。
背中を見せるのは不本意だったが、真顔で歯の浮くような台詞を吐く男相手に、赤らめてしまった顔を見られるよりマシだ。
「くそっ」
うるさい心臓を抑えるため、先程から頭にチラつく黒川の顔を振り切るように多武峰は走り続けた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
- 202 名前:特攻野郎:顔/猿 1/6:2008/04/29(火) 22:36:19 ID:4GHWaQWP0
- ,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 生 || ∧(゚Д゚,,) < 80年代アメリカドラマの特攻野郎ダゾ
//_.再 ||__ (´∀`⊂| < 飛行機だけはカンベンなってやつ
i | |/ ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < 顔中尉/猿大尉ダッテヨ
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )! カナリミダレテルラシイヨ
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
- 203 名前:特攻野郎:顔/猿 2/6:2008/04/29(火) 22:36:46 ID:4GHWaQWP0
- 「ねぇ、フェイス」
「なんだい?ハニー」
裸のままベッドの上に寝そべり両手を広げて恋人を向かい入れながら
詐欺師は魅惑的な笑みを浮かべて首を傾げる。
「今日はさ、俺が上でもいい?」
猿も何も着ていない状態でベッドに這い上がりフェイスの足の間に身体を割り込ませ、
素肌と素肌の触れ合う感触を味わうようにそっと手を滑らせる。
「別にいいけど…どうしたの?めずらしいじゃない」
「だって俺だって男だモン」
拗ねたように口を尖らせながら猿は際どい位置にちょこんと座り込む。
言葉とは裏腹に子供のような言動を見せる男にフェイスはくすりと笑う。
「それにさぁ…コングとのときも、大佐とするときも、俺は下ばっかしだから」
「はいはい。俺はどっちでもいいですよ。……1R目はね」
腕を伸ばして相手を抱き寄せながらフェイスは大人しく頷いたものの、
最後にはニヤリと口元を歪める。
その表情を目にして猿は慌てて身体を起こそうと腕を突っ張った。
「なんだよそれー!イヤだよ俺、2Rも3Rも無理だからっ」
「大丈夫だろ?いつもそれくらい平気じゃないか」
「無理だってばムリムリムリ!昨夜だって朝まで離してもらえなかったってのに…!」
ベッドの上では巧みな男に抱き寄せられながら、猿は必死で逃げようとする。
「……昨夜?」
密集した胸毛をいじる手をピタリと止めてフェイスは冷ややかな笑顔を見せた。
「昨夜って、誰といたの?」
綺麗だがどこか凄みを帯びた笑みを目にして猿は顔を引き攣らせる。
まるで浮気を見つけた妻のようだと、浮気のバレそうな夫のような心境で
猿はせめて可愛らしく見えるようにと小首を傾げて見せた。
- 204 名前:特攻野郎:顔/猿 3/6:2008/04/29(火) 22:37:14 ID:4GHWaQWP0
- 「昨夜は、ね……あのね、その……と、ね」
「聞こえないよ?ハニー?」
ごにょごにょと小声で誤魔化しても通用するわけもない。
優雅だが冷ややかな中尉の声に猿は泣きそうな表情を浮かべて視線を逸らす。
「俺の記憶が確かなら、昨夜は誰ともローテーションは入ってないと思うんだけど…
どういうことかな?ダーリン?」
裏切り者が判明したら即座に刺しに行きそうな冷ややかなオーラを纏わせる男に、
少し青ざめながら猿はもじもじと手を組み合わせて覚悟を決めた。
「あのネ…別に、チームの誰とかじゃ、ないんだ。その、知らない人でもないんだけど…」
「なんだって?」
大尉の口から出た予想外の言葉に中尉は疑わしげに目を細める。
「ちょっと待て、お前、一体誰と…?」
「デッカー」
えへ、と猿は首を傾げながらついに白状した。
その内容の意味がわからず、フェイスはぽかんと口を開く。
「………は?」
「だから、デッカー大佐」
何故か頬を染めて乙女のように恥じらいながら猿はもじもじとシーツを指でなぞっている。
「な、ななななな…なんでっ、なんでデッカーと?!」
フェイスは顔色をあわただしく変化させ、目の前の男の腕を捕まえる。
「ちょっと待て!どうしてそういうことになった?!」
警戒するべき情報に顔を青くしたり、嫉妬や怒りに赤くなったりと、混乱を明らかにしている男を目の前に
器用なことをするなぁと的外れにのんきなことを考えながら猿は口を開く。
- 205 名前:特攻野郎:顔/猿 4/6:2008/04/29(火) 22:37:47 ID:4GHWaQWP0
- 「俺が撃たれたことあったじゃん?あれ以来、ちょこちょこ病院に来てくれるようになってさぁ…
話とかしているうちになんでか、そういうことに…なっちゃった?」
「なっちゃった?じゃねーよ!どうしてお前はそう節操がないんだ!
お前の貞操観念はどうなっているんだ?!」
「節操とか貞操観念とかフェイスにだけは言われたくないよっ!」
「だってお前、普通そういう仲にはならんだろ!相手はあのデッカーだぞ?!」
「そんなことないモン!あの大佐も付き合ってみたら意外と優しかったりするし、
ドーナツ買ってくれたりピザ買ってくれたりお土産持ってきてくれたりするし目が青くて綺麗だしっ」
「どーしてそんな安いもので餌付けされちゃうんだお前は!目が青くて綺麗だったら誰でもいいのか?!」
怒鳴った後でフェイスはぴたりと動きを止めた。
思い当たった恐ろしい予想に、おそるおそる相手を覗き込む。
「ひょっとしてお前…その、あまり聞きたくないんだが」
「フェイスもハンニバルも綺麗な青い目だよね」
にっこりと無邪気に猿が微笑む。
「フェイスは金髪も良く似合っていると思うよ」
「……ルックスか?ルックスで選んでいるのか?」
自他共に認める色男はがっくりとベッドの上に項垂れた。
文字通りに_| ̄|○ となっているフェイスに向かって猿はとんでもないと拳を振るって力説する。
- 206 名前:特攻野郎:顔/猿 5/6:2008/04/29(火) 22:38:14 ID:4GHWaQWP0
- 「ルックスだけじゃないよ!俺のこと好きでいてくれる人とじゃなきゃヤダもん」
「…その結果がこれか」
昔から色んな意味で褒められたものではない部隊だったが、風紀面において堕落しきったのは
ここ最近の話である。それもこれもこの愛しくも憎らしい男のせいだと、
無邪気な表情を晒している大尉をじろりと睨みながら詐欺師は溜息を吐く。
「まぁいいや…その件については、後日大佐を交えて話し合おう」
「大佐って、どっちの大佐?」
分かっていながらそんなことを言う男の頭をフェイスは乱暴に叩く。
痛い!と悲鳴をあげる猿を捕まえると容赦なくベッドの上にひっくり返した。
「フェ、フェイスぅ?」
素っ頓狂な声と共に目を丸くする男を上から押さえつけ、中尉はにっこりと微笑を浮かべる。
「気が変わった。今夜はやっぱり、俺が上」
「いーやーだー!ずるいずるいフェイスずるいっ!さっきは俺が上でいいって言った言っ…んー!」
じたばたと暴れはじめる駄々っ子を押さえつけ、文句をまくしたてるやかましい口を自分の唇で塞ぐ。
「馬鹿だね、お前…ベッドの上で俺に勝てるわけないでしょ?」
丁寧にじっくりと責めて抵抗を削ぎ落とし、拘束を解く頃には獲物はすっかり大人しくなってしまっている。
呼吸を甘く乱し、肌を上気させ、潤んだ瞳で見上げてくる可愛いペットを前にフェイスは魅惑的に微笑んだ。
「昨夜のコトも…報告する前にきっちり聞かせてもらおうかな。その、カラダに」
甘いが冷ややかな囁きを耳にしてひくりと猿の頬が引き攣る。
彼はどうやら今夜も朝まで寝かせてもらえないらしいようだった。
- 207 名前:特攻野郎:顔/猿 6/6:2008/04/29(火) 22:38:46 ID:4GHWaQWP0
- ,-、
//||
// .|| ∧∧
. // 止 || ∧(゚Д゚,,) < 専スレからきますた
//, 停 ||__ (´∀`⊂| < お邪魔しますた
i | |,! ||/ | (⊃ ⊂ |ノ〜
| | / , | (・∀・; )、 < 「×」じゃなくて「/」表記でスイマセン
.ィ| | ./]. / | ◇と ∪ )!
//:| | /彳/ ,! ( ( _ノ..|
. / /_,,| |,/]:./ / し'´し'-'´
/ ゙ / / / ||
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / /,!\
| | / `ー-‐'´
| | ./
|_____レ"
- 208 名前:エ/フ/ワ/ソ 眉黄身:2008/04/30(水) 04:13:47 ID:iVvB+Jbh0
- エ/フ/ワ/ソ 眉黄身 ※ナマモノ注意!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 209 名前:実力行使 1/6:2008/04/30(水) 04:14:36 ID:iVvB+Jbh0
- 「タイトノレを取って何か変わりましたか?」
初めて王者になると必ずこう訊かれる。それも繰り返し、何百回もだ。
たいていは「何も変わらない」と答える。
だが今俺は、タイトルを取ってから変わったことを一つ見つけた。
自分のことじゃない。彼のことだ。
去年までは40回誘って1回会ってくれれば良い方だった。
でも今年からは、4回誘えば3回は会える。
俺は今日も彼を誘った。3回のうちの1回になるだろうか?
「早めにスペイソに来てよ。着いたら連絡して。美味い店を知ってるから一緒に行こう。」
2時間くらい経った頃「着いた」と連絡が入った。彼にしては早い。
4回のうち3回ある幸運。それに加えて、早めの待ち合わせ。今日は幸先が良い。
俺は浮き足立ちながら、彼の元へと向かった。
- 210 名前:実力行使 2/6:2008/04/30(水) 04:15:19 ID:iVvB+Jbh0
- ホテルの1階にあるレストランで舌鼓を打った後、
「嬉しそうだね。何か良いことでもあった?」
と、彼に突然訊かれた。彼に質問されたことに内心驚いた。
けれども、顔には得意気な笑みを浮かべることにした。
「そりゃ、まあね。」俺が意味深な言い方をするので、彼は首を傾げた。
「最近たくさん会えるから、嬉しくて。」
正直にそう答えた途端、彼の耳は目に見えて真っ赤になった。色白だとわかりやすい。
今すぐこの場でその耳にキスしたい。でも理性で衝動をねじ伏せた。
そして俺は、一番訊きたかったことを口にした。
「たくさん会えるようになったのはなんで?」
彼は不機嫌な顔をして口を閉ざした。一度ウォッカを口に運び、唇を湿らせる。
するとウォッカが口を滑らかにしてくれたらしい。彼がぼそぼそと何か口走った。
「え、ごめんもう一回。」
俺が促すと、悪戯が見付かった子どものような顔をして彼は口を開いた。
「悔しさで頭がいっぱいの時には、会えないよ。」
俺は不意打ちを喰らった気がした。
- 211 名前:実力行使 3/6:2008/04/30(水) 04:15:56 ID:iVvB+Jbh0
- 「悔しがってた?俺相手に?」
彼は憮然とした。
「当たり前だろ。そっちが2回優勝した間に、こっちは『いつ優勝するんですか?』
って200回は訊かれてた。悔しがらない人間が居たらそいつは感情が殆ど無いよ。」
「(そう思われてたからアイスマソって呼ばれるようになったんじゃないか…)
いつも、俺相手に悔しいなんて答えてなかったじゃないか。」
「今答えてるじゃないか。」
「だったら俺の前以外でも言って欲しい。」
「いやだ。」
「どうして。」
「俺が誰の前で何を言うかは、俺が決めて良い筈だから。」
彼の言葉で言葉の応酬は途切れた。彼のこういう所が好きだ。好きだから取り付く島が無い。
俺はポケットにカードキーが入っているのを後ろ手で確認しながら席を立つと、
彼の腕を引いてすぐに部屋へと向かった。
エレベーターで昇って、駆け足で出て、ルームキーを開けると飛び込むみたいに中に入って、彼に口付けた。
壁と俺に挟まれて、彼はキスの合間に苦し気な吐息を漏らした。
赤い耳にも口付けた。仰け反った首筋にも。
- 212 名前:実力行使 4/6:2008/04/30(水) 04:16:30 ID:iVvB+Jbh0
- 二人でベッドに倒れ込んで、シャツをたくし上げた。
たくし上げた隙間から手を滑り込ませて、彼の肌に触れながら服を剥ぎ取る。
太ももの間に顔を埋めると彼は堪えきれなくなって、鼻に掛かった小さな声をあげた。
彼の体を慣らして俺自身が入り込む。何度も奥まで入ると、彼の足が絡みついて来た。
律動の波に飲まれてそのうち俺たちは達した。
荒い呼吸を繰り返しながら、上気して頬が赤くなっている彼の顔を覗き込む。
「悔しいってもっと言われたい。」
彼は何も言わずに俺の目を見ている。
「あと、あれ。『俺には関係ない』も、俺の関わる話題ではもう無しにしてよ。」
彼はまだ黙っている。俺は悪戯心を起こして、ちょっとだけ、彼の腕をつねった。
- 213 名前:実力行使 5/6:2008/04/30(水) 04:23:28 ID:BYbNJKomO
- 「いっ…て、何する…!」
「実力行使。」俺はニヤッと笑った。
彼の口が半開きに開いたので、不満を漏らす前に唇で塞いでしまった。
唇の次は、つねった腕に口付けを落とした。
俺は顔を上げて彼の目を覗き込み「こっちも実力行使」と言って笑って、続けた。
「あとさ、4回誘ったら4回会って。」
「いっぺんに色んなことを言うね。」
彼は、欲張りなんだな、と言ってあの青い目で俺を軽く睨む。
でもすぐにニヤッと笑って付け足した。
「だけど欲張りも悪くない。」
舌先をちょっと舐めるような笑顔に我慢できなくなって、俺はまた彼に口付けた。
見覚えのある笑顔だと思ったら、それは彼が去年優勝した時にチ−ムクル−の前で見せていた笑顔だった。
彼の上機嫌の笑顔なのだった。
- 214 名前:実力行使 6/6:2008/04/30(水) 04:25:21 ID:BYbNJKomO
- 木曜のプレ力ンでは彼と隣り合わせになった。
飛び出した質問はやはり、必ず訊かれるだろうと思っていた、会長の発言に対するコメントだ。
質問の矛先は彼へと向かった。
「会長の発言には賛成ですか?」
俺は横から彼の表情を伺っていた。
訊かれた彼はいつも通りの表情。今にもあの一言が出そうだ。
―俺には関係な…
俺は隣から手を伸ばして、彼の腕をつねるフリをした。
彼は一瞬驚いた。すぐに意味深な眼差しを浮かべると、
「この質問には答えないほうが良さそうだね」と言ってあの笑顔を浮かべた。そして爆笑した。
俺も堪らなくなって大笑いした。
実力行使はアメと鞭。
そう、俺は欲張りなんだ。
つねるフリをしたから、あとでちゃんとキスもしないとな。
- 215 名前:エ/フ/ワ/ソ 眉黄身:2008/04/30(水) 04:27:42 ID:BYbNJKomO
- □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
本ヌレ269姐さん萌え狂うネタ投下ありがd!!
- 216 名前:風と木の名無しさん:2008/04/30(水) 12:27:02 ID:5dyRixzhO
- >>201
禿げた……行方が気になります。
- 217 名前:1/2:2008/04/30(水) 14:29:39 ID:yPaJVMXT0
- |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
とあるスポーツの世界に身をおく人たちの話。
元ネタはあるけど、ここでは敢えてぼかしておきます。
遠くに競技場が見下ろせるホテルの部屋が、彼の居場所だった。
夜が更けても未だ撤収作業の続くその会場の照明をじっと見入る彼の後姿。
もう休んだら、と声をかけたが、
うん…と生返事をするだけで、彼はそこから動こうとはしなかった。
次の日も、彼は同じ場所に立って、同じ場所を眺めていた。
もうそこはもぬけの殻で、昨日のあの興奮はどこへやら、といった感じだったが
それでも彼はあの景色を目に焼き付けようとするように、
漆黒の瞳を大きく開いて、じっとそこを見ていた。
まさか、昨夜からずっとそうしていたのだろうか?
昨夜この部屋を出る時、悪戯心で部屋のカードキーを拝借して行ったのだが
それすら気付かない程に彼は酷く物思いにふけっていたらしい。
「朝ご飯食べないの?」
1ミリの乱れも無い彼のベッドのシーツに目を遣りながら声をかける。
だが彼は突然の不法侵入者を気に留めるでもなく
「お腹すいてないから…」
と掠れたような声で返事をした。
これはそうとうキてるらしい。
普段の明るくて朗らかな美しい声を知っているだけに、
さすがの僕も彼の事が心配になった。
- 218 名前:1.5/2:2008/04/30(水) 14:31:18 ID:yPaJVMXT0
- 彼の心の内は手に取るように解る。
だが彼には、勿論僕にだってどうしようもない問題なのだ。
彼等は最善を尽くしてきた。
逆境の渕に追いやられても尚、歯を食いしばって耐えてきた。
昨日の彼の活躍がいい例ではないか。
「お腹が空いてなくても何か食べた方がいい。ルームサービスを取ろうか?」
「いいから少しほっといてくれないか?」
苛立たしげに振り返った彼の顔は憔悴しきっていて、今にも泣き出しそうな
そんな酷い顔をしていた。
「君にどうこう言われたくないよ。僕は……っ…」
彼が言い終えるより早く、僕はベッドを飛び越えて彼の身体を抱きしめた。
驚いて目を丸くしている彼の顎を取り、その唇を荒々しく塞ぐ。
腕の中で暴れる彼を窓に押し付け、その呼吸を奪うように執拗に口腔を弄る。
口端から掬いきれなかった唾液が溢れ、彼の白いシャツを浸食した。
「…僕にだって言わせてくれないか?」
荒い呼吸で睨みつけて来る彼の顔を覗き込みながら、僕は言った。
「僕だって終わらせたくない。この次も…何度だって、君と同じフィールドに立ちたいと思ってる」
「……うそだ…」
弱々しく頭を振って俯く彼を再度胸に抱いて、僕は遠くに見えるあの場所をじっと睨みつけた。
「嘘でこんな事しない…僕は、まだ、君を愛している。君の側にいたい思ってる」
赤く染まった彼の耳朶に小さくキスすると、緊張で固まっていた彼の身体が弛緩するのがわかる。
縋るように僕のシャツに縋り付いて来る彼。
「僕だって……好きだよ…」
彼の小さな呟き声。今の僕にはそれで充分だった。
- 219 名前:2/2:2008/04/30(水) 14:32:21 ID:yPaJVMXT0
- 「落ち込むのはまだ早いよ。答えが出たわけじゃない。まだ、僕らはここにいるんだから」
そう言うと彼は小さく頷き、僕の背中に腕を回してきた。
「まだ終わりじゃない」
反射する太陽の光の中で僕らは、もう一度唇を重ね合わせた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
改行多杉と言われたので1レス分伸びてしまいました。
お目汚しスマソ。
- 220 名前:絶望 命×景:2008/04/30(水) 19:54:31 ID:HWedoiRA0
- さよなら絶望先生より、命景命←命の医局時代の先輩(誰だそれ)という三つ巴
命は受けだと信じて疑わないッ
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 221 名前:絶望 命×景 1/6:2008/04/30(水) 19:55:34 ID:HWedoiRA0
- ―――………体が熱い……それに………喉が渇いた…………。
その二つの強烈な感覚が、命を、沈んでいた意識の底から呼び戻した。
―――なんだか……頭が重い……。
闇の中を漂いながら、命は朦朧とした頭で、自分に何が起きたのか記憶を辿っていた。
―――確か………医局の先輩が医院を訪ねてきて……一緒にお茶を飲んでいた、はず……?
ようやく、意識がはっきりしてきた。どうやら自分は床に横たわっているらしい。命は目を開けた。
目に入ったのは見慣れた自分の医院の天井。そして、自分を覗き込んでいる件の先輩医師の顔だった。
「…せん、ぱい…?」
舌がもつれてうまく回らない。そんな命を見て、先輩医師は嬉しそうに笑った。
「やあ、お目覚めかい、眠れる森の美女君…いや、この場合は美男子君というべきかな。」
何を馬鹿な冗談を…と体を動かそうとして、命は、自分の両腕が後手に拘束されていることに気づき、愕然とした。
「せんぱい、これ、は…?」
いまだろれつは上手く回らない。先輩医師は極上の笑みを浮かべて命を見下ろすと、手を伸ばして命の頬をなでた。
「余り無理をしてしゃべらない方がいい…まだ薬が効いてるからね…。」
―――……薬……?
この状況と先輩医師の表情、そして「薬」という言葉に、命の中で警戒信号が点滅し始めた。
「ふふふ…君は相変わらず無防備だね…僕がさっきの紅茶にしびれ薬を入れたのにも全く気づかないなんてね?」
「…な……!」
「おっと、無理だよ、命君。君の体にはまだ薬の影響が残っている。まあ、怖いから薄めにしたけどね。
ただでさえ体力的に僕に劣る君が、しかもこんな状態で僕に勝てると思うのかい?」
- 222 名前:絶望 命×景 2/6:2008/04/30(水) 19:56:09 ID:HWedoiRA0
- 先輩医師は興奮したように目をぎらつかせて、命の上にかがみこんだ。
「それにね…そろそろ、もう1つの薬の方も、効いてきているはずなんだけどね…?」
「…?」
その言葉に、命は先ほどから体に感じている違和感に気が付いた。
何となく体がほてり、喉が渇く…それに加えて体の内から生まれてくる、痺れるようなこの熱い感覚は…。
「…分かったかい?僕の手による特別製の媚薬を、先ほど静脈注射させてもらった。」
先輩医師が振ってみせた小さな注射器に、命の背中が粟立った。訳の分からない薬を注射されたことへの恐怖が命を包む。
「な、なん、で…こんな、こと、を……?」
命は、信じられない思いで先輩医師を見上げた。いつも明るく親切で、心から信頼していた先輩だったのに…。
命の言葉に、先輩医師の目が細く光った。
「…それだよ。君は鈍感すぎる。他人が自分のことをどう想っているかなんて、君には興味ないんだろう。
……過度の鈍感さは、時として傲慢になる。僕の我慢も、もう限界なんだよ。」
命はパニックになりかけていた。先輩医師が何を言っているのか、良く分からない。
しかし、先輩医師もそれ以上説明する気はないようだった。にやりと笑って命のネクタイに手をかけた。
「……ゾクゾクするなぁ……難攻不落の糸色命を、こうやって好きにできるなんて…。」
先輩医師は器用な手つきでネクタイをほどくと、シャツのボタンを外しにかかる。
命は抵抗しようと体をよじったが、体の上にまたがられ、難なく押さえつけられてしまった。
シャツの隙間から先輩医師の手が滑り込んできて、それが肌を掠る感触に、命は思わずのけぞった。
「……っ!」
「薬のせいで肌が敏感になってるのさ……気持ちいいだろう…?こんなのはどうだ?」
- 223 名前:絶望 命×景 3/6:2008/04/30(水) 19:57:11 ID:HWedoiRA0
- 先輩医師が爪の先で、胸の突起をカリ、とこすった。痺れるような刺激が命の脳髄を直撃する。
「やぁ…っ、や、やめ…っ!」
息が荒くなり、目尻に涙が滲んでくるのが分かった。先輩医師は、命の表情を見て唾を飲み込んだ。
「……いい顔だ…そんな顔もできるんじゃないか、『氷の微笑』君。
医局では、誰が言い寄ろうと、他人様には興味なしとばかりに切り捨ててきたくせにな…!」
「ちが…っ。」
先輩医師の言葉に、命は思わず抗議しかけたが、抗議の言葉は喉元でひっかかった。
自分が他人からの好意を受け取れない理由。それは、決して他人に興味がないからではない。
自分の中は他人が入り込む隙間のないほどに、ある人への想いで一杯だったから…それだけだ。
しかし、それは、決して報われることのない、口に出すことのできない想いでもあった。
先輩医師は、命の微妙な表情の変化を読み取ったらしい。命の顔を両手で挟み込んで睨みつけた。
「ほら、一番僕を苛立たせるのはその表情だ……君は、昔から、いつも誰か他の人のことを考えていた。
………いったい、そいつは誰なんだ!?」
「……!」
無言で顔を背けた命に、先輩医師は小さく舌打ちをすると、いきなり命の首筋に歯を立てた。
「……あ、ふ……っ!」
本来であれば痛みを感じるはずであるその行為は、薬に犯された命の体には激しい快感となって伝わった。
「やめ、ろ……っ、触るな…!」
必死に身をよじるが、上にまたがられていてはどうしようもない。その間に先輩医師の唇はゆっくりと胸板を下り、
赤く色づいている突起に辿り付いた。先輩医師は、これ見よがしに舌を突き出し、そこを丹念に愛撫し始めた。
- 224 名前:絶望 命×景 4/6:2008/04/30(水) 19:58:11 ID:HWedoiRA0
- 「…く……っ、ぁあ………!」
声を上げるまいと思っても、食いしばった歯の間から抑えきれずに嬌声が漏れてしまう。先輩医師は
その声を楽しむように、さんざん命の胸の先を嬲った後、口元を手で拭いながら顔をあげた。
「そんな蕩けそうな顔をしていながら、まだ強情を張るのか、君は……。ほら、ここだってこんなになって…。」
先輩医師が命の下半身に手を伸ばす。その手の感触に、今まで以上に激しい快感が命の背筋を走りぬけた。
「………ぁっ、くぅ……っ!」
先輩医師の手元からカチャリ、という音が聞こえた。ベルトを外されていると分かり、命は総毛立った。
「や、やめ、てください……せんぱい……それ、だけはっ!!」
男女ともに、言い寄られたことは数知れないが、実は命は今まで誰とも体を交えたことはなかった。
自分が身を捧げたいと思っているのはただ1人、そしてそれが無理な願いであれば………なのに、今、どうして
こんな状態で無理矢理体を開かれようとしているのか。命の胸の中を真っ黒な絶望感が覆い尽くしていく。
命は、思わずその人の名を小さく叫んだ。
「………景兄さん…っ。」
その声は、ちょうど響いたチャイムの音にかき消され、先輩医師には聞こえなかったようだった。
続いて、玄関先ではガチャガチャと医院の扉を揺する音が響いた。
「…無駄だよ。玄関には鍵をかけておいた。皆、臨時休診だとでも思うさ。……君を助けに来る奴は、いない…。」
そういいながら、先輩医師は命のスラックスを剥ぎ取った。―――そのとき。
診療室の窓が外から開き、引かれていたカーテンの陰から、怪訝な顔をした景が顔を覗かせた。
- 225 名前:風と木の名無しさん:2008/04/30(水) 19:58:48 ID:fPFQFG+MO
- >>208
元の萌えネタとコンボで萌えました(*´Д`)
取り付く島無しのアイスマソ黄身がたまらんです
>>217
元ネタは違うかも知れませんが
勝手に推測して、なんかもう萌えるやら切ないやら…
大丈夫だよね、まだ終わりじゃないよね(つД`)
って推測と全然違ってたら恥ですな…
- 226 名前:絶望 命×景 5/6:2008/04/30(水) 19:59:02 ID:HWedoiRA0
- 「おい命、玄関に鍵がかかって…。」
景の言葉は途中で途切れた。唖然とした顔で目の前の光景を見つめる。先輩医師も命のスラックスを片手に持ったまま
固まっていた。まさか、窓から診療室を覗きこむ人間がいるとは思っていなかったのだろう。
命も、信じられない思いで、景の顔を見上げていた。今まさに心に思い描いていたその人が、現れるとは………。
景は、後手に縛られ、スラックスを脱がされて床に転がっている命、その上にまたがっている先輩医師を交互に見て
いたが、徐々にその表情は険しく変化していった。
景は上背もあり、毎朝棒を振って体を鍛えているだけあって、弟達と違いしっかりした体つきをしている。
その景が、ゆっくりと窓を乗り越えて入って来るのを見て、先輩医師はうろたえたように命の体から起き上がった。
「……お前……命が惜しかったら、今すぐこの部屋から出て行け………!」
景の押し殺したような声に、先輩医師は「ひっ!」と情けない声を上げると、辺りのものを薙ぎ倒しながら
大慌てで部屋から出て行った。すぐに玄関先で、ガチャンバタン、という音がすると、やがて静かになった。
「命……大丈夫か!?」
景は、玄関先を気にする様子もなく命の隣にかがみ込むと、急いでその手を縛っている紐を解いた。
命はまだ信じられないような思いで景を見ていた。
「……景、兄さん……どうし、て、ここ、に…?」
「いや、私はちょっと近くまで来たから顔を出しただけなんだが…お前、何か薬を盛られたのか…?」
景は、ろれつの回っていない命を心配そうな顔で見ると、抱き起こすようにその肩に手をかけた。
「…ぁっ!」
とたんに、命は、身の内を走った刺激に身をすくませた。
怪しげな薬を打たれ、しかも散々いたぶられた後で、命の体は今まで以上に過敏になっていた。
- 227 名前:絶望 命×景 6/6:2008/04/30(水) 19:59:59 ID:HWedoiRA0
- 「……………命…?」
急に半身を起こしたせいか、頭がくらくらする。訝しげな景の声が遠くに聞こえた。
―――溺れる……溺れてしまう………助けて、兄さん……!!
命は、何かに飲み込まれそうになる感覚に、必死の思いで景の腕にしがみついた。
景は途方にくれたように命を見下ろしたが、そのとき床に転がる注射器に気がついたようだった。
「命、お前………何を打たれた……?」
景の声が真剣味を帯びる。景の大きな手が命の両肩をつかんだ。
「…おい……大丈夫か、命!?」
命は、景の両手から与えられる刺激に体を震わせながら、目を閉じたまま言葉もなく、
ただ首を左右に振るだけだった。
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
長くなるので、キリのいいところで停止します。
一度に投下するレス数の適量ってどのくらいなんでしょうか……。
- 228 名前:風と木の名無しさん:2008/04/30(水) 20:01:55 ID:fPFQFG+MO
- >>227
リロードせずに書き込んでしまい
作品に割り込んでしまいました
本当に本当にすみません!!
- 229 名前:227:2008/04/30(水) 20:05:35 ID:HWedoiRA0
- >>228
ぜんぜん大丈夫です。
こちらこそ前に投下されたSSから間を空かずに投下してしまったようで
かえってすいませんでした………!
- 230 名前:海外俳優 手×芸:2008/04/30(水) 20:51:02 ID:Ah05ZYuM0
-
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 眼鏡の魔法少年映画・3作目の頃
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| ナマモノ注意 人狼教師と囚人の中の人
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ネタ古!
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 231 名前:手×芸 1/4:2008/04/30(水) 20:52:12 ID:Ah05ZYuM0
- 薄暗いスタジオをスタッフ達が慌ただしく走り回る中、耳に入ってきた微かな音に違和感を感じた。
「ピアノを弾く場面なんてあったかな…」
ぐるりと見回し、音が発せられたであろう場所を探る。
舞台監督がセットを念入りに確認する脇を通り抜け、スタジオの片隅に向かってゆくと
そこにはコンパクトなグランドピアノと、細長い指で鍵盤をたどだとしく叩く教師の姿が見えた。
「何でこんな所にピアノが?」
鍵盤に向かう必死な背中に声を掛ける。彼は崩れそうになるリズムを保つことに必死なようで
手元を見つめたまま返事をした。
「ああ、これは『叫びの館』に置くつもりだったんだが、監督のお気に召さなかったらしい」
すらりと細長い指先が、少々おぼつかない動きで鍵盤を叩く様を見て思わずニヤついてしまう。
「危なっかしい手つきだな!」
「昔ピアニスト役の為に猛練習したのに…」
やっぱり俺はギター向きだ!と悔しそうに呟いた後、突然何かを思いだしたように振り返った。
「ここにベートーベンがいたじゃないか」
過去に楽聖を演じたのを覚えていてくれたのか…驚く自分に、彼は丁寧な仕草で椅子を譲る。
少し躊躇いながら腰掛け、指が覚えているだろうかと鍵盤を軽く叩いてみる。
しばらくすると滑らかに旋律が流れはじめ、忘れず身体に染みついていた感覚に少しほっとした。
- 232 名前:手芸 2/4:2008/04/30(水) 20:53:26 ID:Ah05ZYuM0
- 「これは…君がピアノに耳を当てて弾いていた曲?」
「その通り。『月光』だ」
「囚人服着たベートーベンなんてなかなか見られるものじゃないね」
「珍しいだろう?」
手を止めずに教師を見上げた。ボロボロの囚人服をまとった男がピアノを奏でるという
アンバランスさを面白がっているようで、つられて自分も声を上げて笑う。
切ない曲調の『月光』が次第に浮かれたテンポに変わり、さらに加速した。
「こんな弾き方をしたらベートーベンファンに叱られてしまうな。
これはここだけの、君だけに贈る秘密の演奏だ」
唐突な贈り物にぽかんとした教師の表情が、次第に嬉しさをにじませたものになった。
我にかえり、何を言っているのかと少し照れくさくなり鍵盤に向き直ると、
背後で静かに気配が動くのを感じた。
笑い声まじりの「ありがとう」の言葉と、あたたかな吐息が耳をかすめる。
いや、吐息だけではない。彼の唇の柔らかさを感じ、じわりと体温が上がる。
こうした意味深な接触が自分の思い過ごしではない…そう確信を持ったのは最近の事だ。
- 233 名前:手芸 3/4:2008/04/30(水) 20:54:40 ID:Ah05ZYuM0
- 少し前まで同じ英国俳優の知り合い程度だったのに、撮影で学生時代からの友人を演じるうち
彼とは長い時を共に過ごしてきたような錯覚に捕らわれた。
職業柄よくある事だったが、何となくこの不思議な感覚について、撮影の合間の話のネタにしてみた。
「俳優業を長年続けていても、未だに現実とフィクションを区別しきれないんだ」
役に没頭しすぎた為に現実の世界で何度失敗したか。
その時を思い出すと、君に感じる友情は「役柄」の上での事だと理性はブレーキをかけてくる。
けれどその理性に猛烈に反抗する自分がいるんだ、と。
すると彼ははあっさりと答えた。
「友情はささいなきっかけから始まるものだ。俺達の場合はちょっと特殊なケースなだけさ。
しかも何年も積み重ねて得られる信頼や思いやりを、短いけれど濃縮された時間で得られるんだ。
普通じゃなかなか体験できないと思わないか?」
何をそんなに悩むんだ、君らしくない!と笑い、ぎゅうっと抱きしめられた。
あまりに強い力で息苦しくなる。必死にもがいた事で少し腕が緩められ
無茶苦茶するなと叱るつもりで見上げると、彼の大きな鼻と優しく細められた瞳が間近に迫っていた。
「すまなかった。加減が分からずに力を入れてしまって…大丈夫かい?」
悪戯っぽく笑う彼の青い瞳が、一瞬いつもと違う強い揺らめきを見せる。
その光に絡め取られて、拘束は解かれたはずなのに動けなくなってしまった。
…何故これほどまで強烈な引力を感じてしまうのだろう。
- 234 名前:手芸 4/4:2008/04/30(水) 20:55:50 ID:Ah05ZYuM0
- 「Gaz、どうかした?」
ピアノを奏でる手をすっかり止め、物思いに耽っていたようだ。教師の独特な声で現実に連れ戻された。
「ああ…すまない…少し考えごとを…」
本人を目の前にして、さすがに「君の事を考えていたよ」等と恥ずかしいセリフを吐けず口ごもる。
「ところで」
しどもどと訳の分からない言い訳をスッパリ遮った彼は、いつか見た悪戯っぽい笑みを浮かべていた。
「特別演奏はとても嬉しかったけれど…『月光』を人狼の俺に捧げて大丈夫かい?」
問いかけの内容をすぐには理解できず、思わず首を傾げる。そんな自分の反応を見た教師は更に笑みを深くし、
そっと耳元に口を寄せて囁いた。
「月の光で変身した狼に、喰われても構わないと考えていいのかな」
優しく耳朶を囓られた。
さっき年若い主役陣に「共演者はやめとけよ」と冗談まじりでアドバイスしたばかりだった。
特に、自分を尊敬している役者だと嬉しい事を言ってくれた眼鏡の少年の手前、
この展開は非常によろしくない………さて、困ったものだ…
純真な彼らの瞳を思い浮かべ、心の中で苦笑した。
- 235 名前:手芸 終:2008/04/30(水) 20:57:12 ID:Ah05ZYuM0
- ____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 囚人が日本に来るかも!と
| | | | ピッ (´∀` ) 興奮したら抑えきれなくてつい…
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 236 名前:風と木の名無しさん:2008/04/30(水) 21:35:05 ID:cQyw6cTi0
- >>208
遅ればせながら禿上がりますた・・・・////
- 237 名前:風と木の名無しさん:2008/04/30(水) 21:36:52 ID:5sgWG0sOO
- >>208-215
GJ!!!!!!!!!!
眉かわいいよ眉
あれは全世界に向けてのアピールだったんですね
- 238 名前:風と木の名無しさん:2008/04/30(水) 22:15:06 ID:QAMIuY9v0
- >>230
そりゃまあ手さんは時々ガチホモ詩人だったり、
男×2、女×1の三角関係でのこの人のポジション、そっちかよ!!
っていう美しい美しいやくざの親分だったりするくらいですから、
芸さんなんか月がなくても食べちゃいます。
ナニまで、じゃない、骨までしゃぶっちゃう。
世界一のセクスィ〜指も健在のようで。
もうお約束のネタですな。>指と声
この作品を読んで、
つくづく、役者っていいなあ、と思う理由がまた一つ増えた。
- 239 名前:風と木の名無しさん:2008/04/30(水) 23:04:17 ID:ZAEMFprAO
- >>230
芸さんの月光(*´Д`)ハァハァ
食べちゃいたいよもうホント美味しく頂きますたアンガト
- 240 名前:風と木の名無しさん:2008/05/01(木) 02:01:43 ID:39HDfIvf0
- >>230
GJ!
芸→ベートーベン→「月光」→人狼→手
の繋がりが心憎い。
- 241 名前:風と木の名無しさん:2008/05/01(木) 02:34:05 ID:fyxUYUyM0
- >>221
薬盛られた氷の微笑命エロス・・・
続きがあったら是非読みたいです
- 242 名前:絶望 命×景:2008/05/01(木) 08:51:10 ID:zrjvqEvh0
- >>221−227の続きで絶望先生の命景命です。
前回は命視点でしたが今回は景視点でお送りさせていただきます。
それでは、7レスほどお目汚し失礼します。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 243 名前:絶望 命×景 1/7:2008/05/01(木) 08:52:13 ID:zrjvqEvh0
- 景は、目を閉じて震えている弟を両手で支えながら、ギリ、と歯噛みをした。
縛られて赤く擦りむけた両手首、肌蹴たシャツ、脱がされたスラックス……この命の姿を見れば、
先ほど逃げ出した下衆野郎が命に何を仕掛けようとしていたかは一目瞭然だ。
だとすれば、床に転がる注射器に入っていた薬の内容も凡そ察しがつこうと言うもの。
苦しそうに熱い息を吐く弟の下半身に目をやって、景は困ったように目をそらせた。
景の動揺に気づいたように、命がうっすらと目を開けた。その表情に景は思わず息を飲む。
「景、にい、さん………。」
普段は蒼白いほどの命の頬はピンク色に染まり、瞳は妖しく潤んでいた。唇は血が滲んでいるかのように紅い。
景は、知らず知らずのうちに、自分の呼吸が早くなっているのを感じていた。
―――同性の、しかも血を分けた弟相手に何を動揺している………。
自分に言い聞かせながら命から手を離そうとしたそのとき、命が小さく叫んで体を二つに折った。
「どうした!?…命………みこと!!」
「くる、し……息、が、でき、な………!」
命はゼイゼイと喘ぎながら両腕でわが身を抱きすくめると、すがるような目で景を見た。
「か……から、だ、が………爆発、しそ…だ………っ!!」
景は瞬時に理解した。命に投与された薬はかなり性質の悪い媚薬だったようだ。
―――あの野郎………2、3発殴っておくべきだったか……。
景は思ったが、今はそれどころではない。命は今、自分で持て余す程の衝動に突き上げられて、
いても立ってもいられない状態なのだろう。命の背中に手を置くと、その熱が直に伝わってきた。
このままでは命はおかしくなってしまう――――景は、心を決めた。
- 244 名前:絶望 命×景 2/7:2008/05/01(木) 08:52:51 ID:zrjvqEvh0
- 景は、震えている命を抱え上げると、診察室のベッドにそっと横たえた。
「………に……さん……?」
命は、熱で潤んだような目で、不思議そうに景を見上げてくる。
景はベッドに上がり、命の両脇に手をつくと、真上から命を見下ろした。
「………命……今から行なうことは、治療だ………。お前の体には今、毒が回っている。
今から、私がその毒を、お前の体から追い出してやる……………分かるか?」
命は、景の言葉に、分かったような分からないような曖昧な表情で頷いた。景はそれを見て
意を決したように太い息を吐くと、存在を主張している命のモノに、下着の上から指を這わせた。
「………ぅ……ぁ!?」
命が体をビクリと震わせ、驚いたように景を見ると、そのまま強張ったように固まった。
景は安心させるように命の髪をなでると、その目を覗き込んだ。
「命………大丈夫だ……これは治療だ……さっきも言っただろう?」
「……っ!」
命の体から力が抜けていくのが分かった。同時に、その顔がくしゃりと歪む。
「す…ませ…ん、にいさ……、ごめ……なさ………!」
「どうした?……泣くな、命……お前が謝ることはないんだぞ………お前は何も悪くない。」
ぽろぽろと泣きだした命に、景は優しく声をかけたが、命はかぶりを振った。
「ちが………、違うん、です…………こん、な……。」
そのまま、震える両手で顔を覆ってしまう。景は途方に暮れた。命の涙の理由が分からない。
しばし悩んだ末、景は命の両手をつかんで顔から引き剥がした。
- 245 名前:絶望 命×景 3/7:2008/05/01(木) 08:53:28 ID:zrjvqEvh0
- 「……ぁ。」
目に涙をため、頬には涙の跡を残した子供のような顔で、命は景を見上げた。
景は、その命の顔を見た瞬間、胸の中に何とも言い難い感情が溢れ出してくるのを感じ、
気がつくと、命を思い切り抱きしめていた。
「景…にい、さん……?」
命が戸惑ったような声で、景の名を呼ぶ。景自身も、自分の行動に戸惑っていた。
しかし、耳元で聞こえる命の呼吸は今だ苦しげで、景に、自分のなすべきことを思い出させた。
「お前が何を気に病んでいるのか知らんが………ここから先は、私個人の判断だ。」
そう言うや、景は命の目尻に残る涙を舌で舐め取った。命の口から、ひゅ、と息がもれる。
その頬に残る涙も全て丹念に舐め取ると、景はニヤリと笑いながら命を見た。
「よし………これで泣き虫の跡は消えたかな。」
「な……。」
既にピンク色に染まっていた命の頬が赤くなる。
「そうそう………そういう顔の命の方が、私は好きだな……。」
耳元で囁くと、景は命の首筋に顔を埋めていった。
「……は……ぁっ、………ふぁ……んっ………!!」
薬のせいで敏感になっている命は、軽い刺激でも激しく感じるらしい。
その肌に軽く唇を触れるだけで、白い頤を見せてのけぞった。
景は、命の余りの反応の良さに、当初の目的を見失いそうになり、慌てて自らを戒めた。
- 246 名前:絶望 命×景 4/7:2008/05/01(木) 08:54:25 ID:zrjvqEvh0
- 命の反応を見ながら、先ほどのように、下着の上から命のモノをゆっくりとなぞる。
「やぁ……っ、……ぁあ、あっ……!」
今まで以上に命の体が反る。景は空いているもう片方の手で、命の手を強く握った。
そうしておいて、命の下着の下に指をするりと滑り込ませた。
「ひぁ………や…やめ……っ……!」
命の声が裏返る。つないだ手が、景を押し返そうとするように弱々しく動いた。
「だめだ………大人しくしてろ……。」
景は、命の手を握る手に力を込めると、それをシーツに押し付けた。反対側の手は
忙しく命のモノの上を行き来する。景の指が、にじみ出てきた液体で濡れていく。
景は、それを命のモノに擦り付けるようにして、ゆっくり何度か手を上下させた。
「〜〜〜〜〜っ……!!」
既に限界近かったのだろう、それだけで命は決壊した。下着にじわりと染みが広がった。
「どうだ……楽に、なったか………?」
まだ指は命のモノに添えたまま、景は尋ねた。別に激しい運動をしたわけでもないのに、
自分の息が弾んでいるのを感じていた。他方、命はと言うと、ぐったりと目を閉じて
荒い息をついていて、どうやら答えられる状態ではなさそうだった。
しばらくして、ようやく命は目を開けた。小さく口を動かす命に、景は顔を寄せた。
「……ん…?何だ………?」
「……兄さんが………まだ……。」
命の囁きに、景は体を固くした。―――確かに、今の行為で、景自身も反応していた。
しかし………。
- 247 名前:絶望 命×景 5/8:2008/05/01(木) 09:17:00 ID:zrjvqEvh0
- 「……いいんだ、私のことは気にするな。」
命の髪をかき混ぜようとして伸ばした手を、命が捉えた。そして懇願するように景を見上げる。
「景、兄さん………私を………私、と………。」
語尾が消えていく……と同時に、命は、景にしがみついた。そして、景の耳に囁きかける。
「に、い、さん………お願い……です!」
その声に込められた熱に、景の奥で何かがドクンと脈打った。知らず、呼吸が早まる。
「まだ……楽にならない、か………?………命………お前、いいのか……?」
問う声は、自分でもおかしくなるくらいに掠れていた。命は、景を熱い目で見上げると頷いた。
その瞳に込められた熱に、景の中の何かが切れた。
景は、先ほどと打って変わった荒々しさで、用をなさなくなった下着を命から取り去った。
そして、再び存在を主張し始めている命のモノから、先ほどの放出の名残を掬い取ると
命の菊門に塗りこめた。命が小さく声を上げて、反応する。
景は、ゆっくりと命の中に指を進めた。初めてなのだろう、その中はひどく狭かった。
「……ぅ……く………っ!?」
命が痛みに顔を引きつらせた。景は思わず手を止めて命を覗き込む。
「…大丈夫か………止めるか……?」
尋ねながら、景は心の中で自分を嗤った。ここで、命が止めたいと言っても、今さら、
止めることなどできないとは分かっているのに、何故こんなことを聞くのだろう。
案の定、命は景の問いに対して首を振った。
景は、自分に対する腹立ちを八つ当たりするように、命を乱暴にひっくり返した。
「!?」
「………後悔するなよ………!」
- 248 名前:絶望 命×景 6/8:2008/05/01(木) 09:18:22 ID:zrjvqEvh0
- 「ぁぁぁぁぁあああ!!」
命の悲鳴が診察室に響き渡る。景は、必死にシーツをつかんでいる命の両手を、後ろから
包み込むように握り締めた。命の手は震えていて、命が受けている衝撃を伝えていた。
「だい、じょう、ぶだ……少し、だけ、我慢、しろ………!」
景は、自分を締め付けてくる命の感触に、快感に目がくらみそうになりながら言葉を継いだ。
景は、必死に歯を食いしばっている命を見ながら、自分は何て酷い兄だろうと思った。
弟の窮状に付け込んで、こうやって、快感をむさぼって………結局、さっきの男と自分は
どこが違うのだろう。しかし、そう思いながらも、景は自分を止めることができなかった。
命が堪え切れないように、声を上げた。
「や……ぁあっ……、あ、あ……にいさ……景、にいさん………っ!」
「………っ!」
切なげに自分の名を呼ぶその声に、景は一瞬動きを止めた。命が、息を切らしながら、
怪訝そうに景を振り返る。景は、しばらく固まっていたが、体を倒すと、命の耳に囁いた。
「………もう一度……私の名前を呼べ……。」
「………!?」
「……呼んでくれ…!」
そう言うと、景は命の返事を待たずに、狂ったように命に体をぶつけ始めた。
「やぁ………っ!?…あっ…ぁあっ……け、けい、兄さん………景兄さんっ!!」
突然の景の態度に混乱しながらも、必死に自分の名を呼ぶ命を見て、景は自分の中が
激しい歓喜で満たされていくのを感じていた。
- 249 名前:絶望 命×景 7/8:2008/05/01(木) 09:19:43 ID:zrjvqEvh0
- ………そうだ…私はずっと昔から、こうやって命に名前を呼ばれたかった……。
私は、こいつが欲しかったんだ……それこそ、狂おしいほどに……!
だから、先ほど命にまたがったあの男を見たときに、頭の毛が逆立つ程の怒りを感じた。
薬の効果を中和するためだと自分に言い聞かせて、弱っている命を組み敷いた。
すべては、この恐ろしいほどの命に対する独占欲の裏返し。
そうだ……誰が何と言おうと、こいつは私のものだ………俺だけのものだ………!
「く…ぁ……っ、に、にい、さん……景兄さん……!そん、な……こ、こわれ……!!」
激しさを増した景に、命が悲鳴のような声を上げる。景は、命のモノに手を伸ばした。
「…私の名前を呼べ………!……命!!」
「………っ!!……景、にい、さん………っ!」
自分の名を叫ぶ命の声を聞きながら、景は、命が果てるのと同時に、全てを命の中に解放した。
「ふぅ……。」
充足感に溢れ、息をついて天井を見上げている景の耳に、命の震える吐息が聞こえた。
景は、横を向くと命を見た。命は、上を向いたまま両手を目に押し当てていた。
「何だ……命、また泣くのか?」
「私は、汚らしい人間です………自分の不注意で起きたことなのに……それを…利用して……。」
「………。」
「私は……、……あなたを利用した…!」
- 250 名前:絶望 命×景 8/8:2008/05/01(木) 09:24:08 ID:zrjvqEvh0
- 景は、まじまじと命を見つめると、今の命の言葉を反芻した。
―――利用した、と言うことは……、………つまり……。
ふいにおかしさがこみ上げてきて、景はくすくすと笑い出した。―――どうやら自分達は、
お互いにとんだ回り道をしていたらしい。景の笑い声に、命が顔から手をどけてこちらを向いた。
「……兄さん……?」
景は笑いながら、命を抱きしめた。
「名前を呼んでくれ、命………利用したのはお互い様だったみたいだな……。」
抱きしめられながら、命は怪訝そうに景を見上げた。
「……?兄さん、それはどう」「……名前を呼んでくれ……、命。」
景は、命の言葉を遮って、額を付き合わせるとその目を覗き込んだ。
「…………!?」
命は、しばらく呆然と景の目を見ていたが、やがて何かを悟ったように、顔を真っ赤にした。
「さぁ、命……頼む。」
命は、赤い顔でしばらく口をパクパクさせていたが、息を吸い込むと、景の耳元に口を寄せた。
「……景、兄さん………。」
そして、小さい声で付け足した。
「……景……あ……愛して、ます…………。」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ぎゃお、レス数間違えた……7レスじゃなくて8レスでした……!
……それでは、朝っぱらから失礼しましたー!!
- 251 名前:風と木の名無しさん:2008/05/01(木) 10:22:04 ID:uwCmTijtO
- >>190のSSに心奪われた!!GJと言わせてもらおう!!
まさかのつぶれktkrww同じスレ住民とみたw
- 252 名前:風と木の名無しさん:2008/05/01(木) 14:32:51 ID:2082Mfz+O
- >>190
何というかわいさ
萌えたwww
- 253 名前:ぬら孫 夜陸×鴆:2008/05/01(木) 16:46:34 ID:WAzokbxvO
- 前スレ173様の逆な我流設定で
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 254 名前:ぬら孫 夜陸×鴆 1/3:2008/05/01(木) 16:47:48 ID:WAzokbxvO
- いくら血を吐いても何も感じないのは、自分の血にはもう毒を制す力がほとんど無いからだ。
一族の持つ毒は歳を重ねるほどその威力を増し、ついには血の解毒作用を上回りその身を蝕み始める。
自分は末期だ、自覚していた。
口元を濡らす血を、手の甲でぞんざいに拭う。
湿った寝床に居続けたくなくて、ふらつきながらも立ち上がる。
縁側に踏み出した途端目眩を感じ、柱に縋って座り込んだ。
また二三度、咳き込む。
喀血だか吐血だか判らない血が掌から溢れ、滴り落ちた。
もう拭うのも億劫になって、血はそのままに仰のく。
息を整える為の呼吸に自嘲の笑いが交じった。
- 255 名前:ぬら孫 夜陸×鴆 2/3:2008/05/01(木) 16:48:46 ID:WAzokbxvO
- ふと空気が揺らぐ。
庭へと視線を遣れば、闇から浮かび上がってくる人影があった。
「若…」
微笑を湛え、一歩、また一歩、近づいてくる。
伸べられた手が顎を支えた。
「随分吐いたなァ」
語意に反して深刻さは感じられない口調だった。
それが却って気を楽にする。
「…今日はどういった御用向きで?」
顔は触れられるに任せ、言葉と表情で尋ねる。
「用が無けりゃ来ちゃいけねぇってのかい?」
「用も無ぇのに来られるほどあんたに"時間"は無ぇはずだろう?」
その返事を彼は気に入ったらしい、笑みを深くした。
- 256 名前:ぬら孫 夜陸×鴆 3/3:2008/05/01(木) 16:49:24 ID:WAzokbxvO
- 「顔色も酷ぇな、房中術でも試してみるか?」
あまりに唐突なその言葉に、思わず笑みが漏れる。
「ありゃ男女でするもんだろうが」
「やってみなけりゃ分からんぜ?」
彼の指が下唇を撫でた。
未だ乾かぬ血が、その指をぬるりと滑らせる。
顎に添えられていた手が頬を包み、首へと降りてうなじを覆った。
「…あぁ確かに、あんたの精なら長らえられそうだ」
目を閉じ、うなじから広がる体温を味わう。
濡れたままの寝床が冷たいと思った。
やがてそれも気にならなくなった。
- 257 名前:ぬら孫 夜陸×鴆:2008/05/01(木) 16:50:47 ID:WAzokbxvO
- □ STOP ピッ ◇⊂(´Д`;)エロイノガスキデスイマセンスイマセン
- 258 名前:愛棒 板ウキョ 1/4:2008/05/01(木) 18:25:45 ID:Y1V5WJwu0
- 板ウキョフィーバーがきたので初心者ながら書いてしまいました。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
東京某所−
「腹部に数ヶ所の刺し傷ねぇ・・・」
板見は六畳一間の狭い空間で捜査資料を見ながら死んだ男を見下ろしていた。
「深夜に不審な物音を聞き隣の住人が通報、アパートの管理人が合い鍵で入って発見ねぇ」
「完全な密室ですねぇ」
「あぁそうだな・・・ってうわぁぁぁ!!」
「鍵も室内にありますしねぇ〜」
「すっ椙舌警部!」
「こんにちは、今日はトリオではなくお一人なんですねぇ」
いつの間にか隣にいたのは特命係・椙舌卯京。板見は大袈裟にのけぞった。
「・・・今日はもう一件殺しがあって、二人はそっちいってんですよっ」
「そうなんですか」
気まずそうに顔をしかめる板見を横目で見つつ椙舌はいつもの調子だ。
「いつも引っ付いているバ亀はどうしたんですか」
「瓶山君もそちらに向かっています」
「ちっいつも情報が早いんですねぇ」
「ふふ、そんな事より板見刑事。死亡推定時刻は?」
- 259 名前:愛棒 板ウキョ 2/4:2008/05/01(木) 18:26:37 ID:Y1V5WJwu0
- 「俺が教えると思いますか?」
「察するに通報があったのが深夜1時、管理人さんが11時頃に酔っ払った被害者を目撃し注意したと聞いていますからその間かと」
「・・・知ってるなら聞かないでくださいよ」
「さらに言うなら物音を聞いたのが12時半過ぎですからこの頃・・・違いますか?」
「へいへい、ご察しの通り12時から半の間ですよ!」
「なるほど」椙舌は話を聞きながらキョロキョロと狭い殺害現場を注意深く見回していた。
「現場動かさないでくださいよっ!」
「おや?」
椙舌は畳に四つん這いになりつつにへばり付いていた。
「って何やってんですか・・・というかもう帰ってくれませんかねぇ!」
椙舌は板見を無視をしつつ畳の上にあるタンスを一生懸命動かそうとしていた。
「ちょっとあんた!」
「んーなかなか動きませんねぇっ」
「・・・動かせばいいんですか」
「はいぃ?」
「動かせばなんかわかるんですか!?」
「・・・わかるかもしれません」
板見はなんで俺がこんな事を・・・とブツブツ言いながらタンスを横にずらした。
「はいっ!ずらしましたよ!警部殿!」
「・・・案外優しいんですねぇ板見刑事」
「バッ、バカ言わないでくださいよっ!あんたが!そんなちっせぇ体で、こんなタンスを動かそうとしてっから!」
「ふふ、ありがとうございます」
「〜ッ!なっなんかわかるんすか!」
「そうですねぇ」
椙舌は柔らかく笑っていた顔を真剣な顔に戻してタンスのあった場所を見る。
- 260 名前:愛棒 板ウキョ 3/4:2008/05/01(木) 18:27:25 ID:Y1V5WJwu0
- 「板見刑事」
「はいはい、何でしょうか警部殿」
「見てください、血痕です」
「何ぃ!?」
「おかしいと思ったんですよねぇ。タンスを置いてある場所が。横に以前タンスがあったのでしょう日焼けしていない場所があります。
そこはまだキレイで最近動かしたものとわかります。では何故動かしたのか、何故動かす必要があったのか」
「拭こうとした形跡があるな」
「きっと犯人は被害者と揉み合って自分自身も怪我をしたのでしょう。しかし血痕に気づくのが遅くて血が畳に染み付いてしまった。
ここは壁が薄いですから揉み合った音に隣の住人が不審がって来る可能性があるゆっくり染みとりする時間などないのでタンスで隠したのでしょう。
随分短絡的思考の持ち主ですねぇ」
「バ瓶並だな。」
「この血痕を調べると被害者以外の血液反応がでると思いますよ?」
「・・・相変わらず目のつけどころがちげぇなぁ、変人警部殿」
「・・・そういう細かい所が気になるのが僕の悪いくせですから」
「まぁ誉めてんだけどな!」
「はいぃ?」
「さぁどいたどいた!あとは捜査一課に任して特命は帰った帰った!」
「あっあの」
椙舌を玄関まで押しやって板見はドアを乱暴に閉めた。
- 261 名前:愛棒 板ウキョ 4/4:2008/05/01(木) 18:27:56 ID:Y1V5WJwu0
- 「なんなんでしょうか」
椙舌は訳がわからないといったように小首を傾げる。
しかしその表情が少し嬉しげなのはさっき言われた言葉の意味を理解したからだろうか。
「あー何言ってんだ俺は・・・」
ドアを閉めたあとうなだれるようにドアに額を寄せる板見の耳は真っ赤になっていた。
その様子に鑑識をしていたヨネ山は
「あのー板見刑事、邪魔なんですがー」
「ううううっうるせぇな!ヨネ山!どきゃーいいんだろっどきゃー!!」
「そんな怒鳴らないでくださいよ」
きゃんきゃん喚く板見を宥めつつ瓶山さんに報告したらどんな反応をするかなぁとヨネ山はひそかに楽しみにしていた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
事件は特に意味がないのでおかしい所はスルーしてください><稚拙ですいません
- 262 名前:風と木の名無しさん:2008/05/01(木) 19:13:59 ID:SyeMyjKN0
- >>261
可愛い可愛い!!
先日の同じタンス移動シーンの瓶のワンコっぷりと
相対的でおもしろいよ!ワザとじゃないんだ?w
- 263 名前:風と木の名無しさん:2008/05/01(木) 20:16:46 ID:792GBFmf0
- >>242
キマシタワー
景命に目覚めそうです
エロ兄弟はやっぱいい
- 264 名前:風と木の名無しさん:2008/05/01(木) 23:15:19 ID:X2etwtia0
- >>258
ニヤニヤしながら読んだよ!
あわてふためく居民イイ!滾ったわーありがとう!
- 265 名前:恐怖神話 アザ←ニャル:2008/05/02(金) 01:28:53 ID:UdTvjmSxO
- くとぅるー神話の盲目にして白痴のもの×這い寄る混沌で擬人化です
寧ろニャル様の片思いぽえむ…
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 266 名前:恐怖神話 アザ←ニャル 1/4:2008/05/02(金) 01:31:33 ID:UdTvjmSxO
- (音を伝えるのは振動だ。)震えながら首を延ばし脚を縮め目を吐き出す、そういった行為の結果として
結び付く結論を私に解る様に私の中で練り上げたのは私の身体である様だったが、ならば私が考える
(と言う概念を私や私以外が有しているから私はこうして思考している、つもりになっている)内容は必ずしも
私が私の為に行うものに関わる訳では無いのだろう。
「―――… 」
ゆるりと、私の嘴が開閉した。(或いは其れは口だった。)(或いは其れは眼窩だった。)(或いは其れは唇だった。)
私の顔(今の私には其れがある、ならば、だから私には顔がある)の中身が紡いだ振動は、玉座についた白い痴愚を評する為の客観的な音で造られた名だった。
- 267 名前:恐怖神話 アザ←ニャル 2/4:2008/05/02(金) 01:33:54 ID:UdTvjmSxO
- 「私は分からなくなる。時折、何時も、時々。若しくは今と言う点に居る際に」
黒い玉座は確かに黒く底無しの深淵を喚起させるのに、それに腰掛けている筈の、
白い存在との境目が見当たらない。見付けられない。(あれと玉座、そこに違いとでも言うべき存在の線引きは発生すらしていない。
あれはあれであると同じく玉座でもあるが為のあれだ。玉座は常に盲目だ。白さと黒さの間に、どうして差異が際立ち起こる?
――有り得ない非現実だ、それは。)
「――私やお前やお前達の、違いが。ふと、分からなくなる、時がある」
私に脚が在るからこそ可能である行動によって私は玉座に棲む白いものの元へと脚を進めた。
踏み出した足の裏が落下する度に私は首の裏を擽られる感覚を得て、そして白と遠ざかり、停滞した時間の外側で白い男と対面した。
「雑ざり契れてしまったせいで、私は、分からなくなる。――私の意思は私のものであると同じ位に、お前達のものであるのだから」
- 268 名前:恐怖神話 アザ←ニャル 3/4:2008/05/02(金) 01:36:47 ID:UdTvjmSxO
- 白いものは、今の私が保っているものと似た要素を有した姿を形成したまま、私を見下げていた。(実際にはそうであるかどうかも分からない。
私が捏ね上げた私の身体は、球体と円柱と、先端の裂かれた棒を無理矢理に接着させた形をしていて、私が保つ身体を、
私から見た白は、真似ていた。)(或いは、私がこの様な形をしているから、この今の私には、私に似た白が見えるのだろう。
白の形の理由はそうなのだろう。)見上げて来る視線すら白い白は、けれども私を見ていない。(これに感覚など無いのだろう。
だから、私も其れによってこれを捉える事が、出来ない。)
「私の意思はお前の意思で、お前の意思は私の意思だ。…しかし、だから、分からない。私は私を知り得ていないから、お前を理解出来ない」
白い体面の輪郭を撫でたところで何の結果も私の元へと訪れやしない、らしい。(だから私はこの白い人塊(ひとかた)の周囲から漏れ流れ出して私の表層をも
震えさせているだろう笛と太鼓の振動を、無視した。)(白く惷きながら震え上がり続け、そして延び縮みつつもちぎれちぎれになっていく白い影達は、
黒い玉座を囲んでいたが、それらと玉座との差異は確かに在るのに、白い男との境目がぼんやりと歪んではっきりしないと言う事実の前の感覚が、
奇妙に捻れている。気が、する。)
「――…私は、……私の行為そのものがお前の意思だと言うのなら、…私は…、」
- 269 名前:恐怖神話 アザ←ニャル 4/4:2008/05/02(金) 01:38:53 ID:UdTvjmSxO
- 私はその白いものを前にして、妙な気分になっていた。しかし、そうなる事自体が私の私足る理由から来ると言うならば、
つまり、これはこの白い男の意思だ。白い男が高ぶりを感じる未来(りゆう)が目の前にあるならば、白い男の其れは私の身体を通じて表明し、
結果として白い男の高ぶりは私のそれへと昇華して、そして、私のものと成る。
「私は、私自身をどうとも感じていない。だから。お前の事も、どうでもいい。――分かるか?」
(ならば、私が感じる全ては、お前のものなのか、 。)音に為らない呟き方で白いものの名を発し、
私は私によって形成された私自身の肉で出来た球体の表面を動かして、――何一つとして刺激(感覚)を得られぬ白い神を、嗤ってやった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
- 270 名前:風と木の名無しさん:2008/05/02(金) 01:42:01 ID:+egfPHm30
- まさかのくつるーリアタイ
混沌っぷりがいかにもくつるーで(・∀・)イイ!
- 271 名前:風と木の名無しさん:2008/05/02(金) 02:00:41 ID:rguh5bzv0
- >>253
リクゼン萌えー!
GJ、ゴチでしたv
沢山精をつけて思いっ切り永らえるとイイヨ。
- 272 名前:風と木の名無しさん:2008/05/02(金) 02:35:55 ID:wcAY0+P80
- >>273
GJ!GJ!!GJ!!!
混沌さまの片思いっぷりに、心の萌えSAN値が上がってきたよ!!
- 273 名前:風と木の名無しさん:2008/05/02(金) 13:27:20 ID:GYj+e/v70
- >>202
猿!猿!かわいい喃!
しかし乱れすぎだ!
- 274 名前:風と木の名無しさん:2008/05/02(金) 18:16:01 ID:Ea8qIRA10
- >>265
なんかシュール
そしてなんかエロい
- 275 名前:怪/異いか/さま博/覧/亭 1/2:2008/05/02(金) 21:13:45 ID:qO2e0dIH0
- コミック買って萌えた勢いで書いてみた。スギタダ×サカキです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
何度見てもサカキは男で、脱がせたからといって女性の胸が出てくるわけじゃない。
それでも、俺が脱がすのはこいつで。
「スギタダ、やだって言っているだろ」
「嫌よ嫌よも好きのうち〜♪」
「歌うなっ! コソデの手がないからって調子に乗るな!!」
サカキがいつも着ている羽織、コソデの手は伸びる手を複数出すことができる妖怪だ。
いつも着ているのだからこういう時に邪魔になることを考えて、俺はちゃんと奴と友好関係を築いてきた。
なので、今では頼めば快くこの場を離れてくれる&最中に人が近寄ると教えてくれるという、外でやる時には欠かせない相棒だ。一応、俺直属の隠密部隊はいるが、さすがにそんなことは頼めないしな。
コソデの手にはその能力を生かして、いつかサカキを触手責めしてくれないものかと密かに思っていたりもする。
「何か、変なこと考えてるだろ・・・」
「んん? 別に〜。お前のことしか考えてないって」
相変わらず勘が鋭い。睨みを無視して軽く唇を重ねると、サカキの頬にさっと赤みが差した。
赤く染まった頬に白い髪がかかる。それだけなのに妙に興奮する。
「っ! 恥ずかしいことを言うな!」
「言葉より、やってることの方が恥ずかしいと思うんだがなぁ」
「それでもっ、ん・・・あぁっ!」
俺より年下のくせに、こいつの髪は白くなってしまっている。
それは知り合った頃からそうで、こいつが人間なのは知っているけれど、時々不安になる。
- 276 名前:怪/異いか/さま博/覧/亭 2/2:2008/05/02(金) 21:14:46 ID:qO2e0dIH0
-
『芸を披露して見せる見世物と、奇妙な姿を晒す晒し物とは意味が違う』
お前は、晒し物だと思っていたんだよな。
白髪の少年軽業師。
あの頃は大勢の客が訪れていた。でも、それは肝心の軽業を見に来ていたんじゃない。
そこにいる奇異なものを見るために、あの客たちは来ていた。
だから、お前は妖怪が好きなんだよな。自分と同じ、奇異なものたちが。
そんなお前の気持ちを理解してか、妖怪たちもお前を慕う。先日も烏の娘に好かれたりして・・・。
だから、不安になる。
あの頃は人間だったけれど、今は違うのかもしれないと。
そんな疑いがあるから、こうして体を繋いで確かめてしまうのかもしれない。
「あ、泣くなよー。そんな、痛いか?」
「いた、に・・・決まって、だろっ!」
サカキの涙には、いつだって俺は弱い。
「優しくするから、な?」
「う〜・・・」
残念ではあるが、今日もまた、酷くできそうにない。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
1巻の時にはCP萌えするとは思ってなかった。
- 277 名前:風と木の名無しさん:2008/05/03(土) 03:50:12 ID:PS7S8f1S0
- >>78-93で投下したものから何となく続いてます。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 278 名前:すばせか ヨシュネク3 1/11:2008/05/03(土) 03:52:56 ID:PS7S8f1S0
- こんこん。
起きていればぎりぎり聞こえて、寝ていたらたぶん気づかないだろう絶妙な加減のノック。
ふと、ひやり、と夜風が入り込んでくる。
寝る前のこの時間はいつも戸締りをしているが、今日は不法侵入者が来たらしい。
いつもながら手品のように、音も立てずに開錠された窓が開いて、あいつが顔を見せる。
夜風に無防備なカーテンの淡い黄緑がはたはたと揺れた。
あの日以来こいつは週一程度、日付の変わる少し前に俺の部屋に来るようになった。
こいつのことだからまた半年くらい会わないつもりなんじゃないかとあの時は思ったが、
律儀に充電の切れたヘッドフォンを持ってはさほど日を空けずにここに来る。
まあヘッドフォンの充電など2・3日フルで使えばすぐ切れるものだが、
こいつがこんなにこまめに約束を守るとは思わなかった。
充電なんて口実で、お互いに会うための約束だってことは思っていても
俺からはとてもそんなこと明言できないし、本当はこいつがどういうつもりなのか分からない。
俺には定期的に会える約束ができてうれしいと思うけど、こいつはどうなんだろう。
何かと面倒くさい立場のこいつがくだらない理由をつけてまで俺に会いたいと思っているのか、
それともただの気まぐれなんだろうか。
分からないまま、それでも俺は結局いつもベッドの上で膝を抱えてそわそわと待ってしまう。
まだ寒いので掛け布団を抱え込んで万全の態勢だ。
何度かヨシュアの来る日を迎えて、どうやら休みの前日あたりを狙ってくるらしいことがわかってから、
週末近くになると日付が変わるまで窓が開くのを待つクセがついてしまった。
時折、こいつは向こうでの用事が忙しいのか来ない週がある。
そのときは自分でも驚くくらい落胆して、こんなに相手をひたすら待つなんて忠犬ハチ公も顔負けだと思う。
まあRGとUGという境界にさえぎられて、俺からは会うことができないから仕方ないのだけれど。
そういえばハチ公の話をこいつにされたことがあったな。
- 279 名前:すばせか ヨシュネク3 2/11:2008/05/03(土) 03:53:55 ID:PS7S8f1S0
- ハチ公は主人を待っていたのか、ただエサの焼き鳥が目当てだったのか。
俺にとってはあいつ自身がエサみたいなものだから、どっちでもいいと思った。
どちらにしろあいつにつられて、すっかり振り回されているのだ。
もっと厄介なのは、この状況をそこまで嫌だと思っていない俺自身だ。重症だ、絶対。
ちょうど先週はこいつが訪れることなく、待ちぼうけをくらったところだった。
今週も現れないんじゃないかと思っていたから、心の中でものすごく安心してしまった自分が悔しい。
今日は少し冷えるせいか、揺れるカーテンを押さえながらぴしゃりと窓が閉められる。
律儀に靴を脱いで室内に入り込むと、いつもなら無駄口交じりの挨拶くらいはよこすくせに
今日はだいぶ様子が違った。
すたすたとベッドに座り込んでいる俺の傍らまでくると、そのまま抱き締められた。
抱き締められた、というより倒れ込まれてそのまま勢いでしがみつかれた、とでも言うべきだろうか。
突然のことに驚いて対処しきれず、支えきれなかった重さのまま背中から枕に沈み込む。
「お、おいっ」
ベッドの上で押し倒されたような格好になって、あまつさえぎゅうぎゅうとしがみついてくる手は
離す気など毛頭ないといわんばかりで、焦った。
「ヨシュアっ」
「……」
「っ、おい」
「……ご、めん……ネク君」
俺の腹の少し上くらいに顔をうずめたこいつの、くぐもった声がようやく届く。
それにしても、全然こいつらしくない声音で、弱々しい。
「な、んだよ……具合悪いのか?」
「ん……ちがくて……」
「ちがくないだろ、具合悪いならこんなとこまで来てないで大人しくしてろよっ」
こいつの弱ってるような姿なんて全然見慣れてなくて、
どうしていいのか分からず乱暴な言い方になってしまった。
フォローしようにも言葉が見つからず、おろおろするしかできない自分が情けない。
「じゃなくて……ひさしぶりに、こっちに同調したら……眠くて……」
眠い?
そういえばいつも体温の低いこいつの身体が、普段より温かい。
- 280 名前:すばせか ヨシュネク3 3/11:2008/05/03(土) 03:55:04 ID:PS7S8f1S0
- 「あっちだと……あんまり睡眠の概念がない、から……」
いつもすらすらとつむがれるこいつの言葉が、なんだか頼りない。
まだ続けて何かしら説明を試みていたようだが、聞き取れないほどに弱弱しい。
「ごめん……」
結局諦めたのか、そう一言残すとすぐに静かになってしまった。
ふっと力の抜けた両腕と一定間隔の呼吸音に、本当に眠りについてしまったらしいことを確認する。
「……ん、だよ」
本当にただ眠かっただけらしい。慌てて心配してバカみたいだ。
なんとなく悔しかったので、く、と目の前にある色素の薄いやわらかな髪を引っ張ってみる。
ゆるい曲線を描く髪は見た目どおりゆび通りが良くて、たまにさりげなく触っては
堪能するのがひそかな楽しみなのだ。
金のような銀のような不思議なその色合いはなんと言う名前なのか、今度調べてみようと思う。
俺の部屋のカーテンはこの間また変わって、こいつの瞳を連想させるスミレ色ではなくなってしまったのだけれど
なんとなくこいつの髪は光の加減でうっすら黄緑混じりにも見える。
ああ、なんだ、今度はこいつの髪の色だったんだな、とか思ってしまって、もはや重症だ。相当重症だ。
医者もお手上げだろうと思うのは、これであのカーテンを見るたびにこいつのことを思い出すだろうことが
簡単に想像できるからだ。
とりあえずこいつをこのまま腹の上に乗せていると身体が痛くなりそうだったので、
ずるずるとベッドの上で寝やすい体勢を探す。
ついでに腹にくっついたままのヨシュアも引っ張り込んで、掛け布団も被った。
おっと、こいつが付けたままのヘッドフォンも邪魔だから取っておいてやろう。
充電器は枕元に置いているので、めいっぱい腕を伸ばせば届いた。
充電器にヘッドフォンを差し込んで、ほっと一息つく。
動いている間に起きるかと思ったが、そんなそぶりは欠片も見せずに絶賛睡眠中のヨシュアの顔を眺めた。
こいつの顔が恐ろしく整っていることなんて、とっくに分かりきっているのだから今更だが、
やっぱり改めて近くで見ると未だにドキドキしてしまう。
ふと睫毛の長さが確認できるほど近い今の距離に気づいてしまって、余計に心臓の音が早くなった。
- 281 名前:すばせか ヨシュネク3 4/11:2008/05/03(土) 03:55:50 ID:PS7S8f1S0
- こっちに同調して、眠いとか言ってただろうか。
どうやらRGにいる俺がUGに存在するこいつを視認・接触するためには
低位同調とやらが必要らしいのだが、難しいことはよくわからない。
でも今までこちらに来ていたこいつは普段どおりでしかなくて、こんなことは初めてだ。
あっちには睡眠の概念がないってことは、こいつはいつも寝てないんだろうか。
そういえば俺がゲームに参加してたときも、寝ている感覚はなくて気がついたら日付が変わったりしていた。
まあ参加者の俺とUGが本籍みたいなコンポーザーのこいつじゃ、色々違うのかもしれないけど。
どちらにしたって、相当疲れがたまりでもしないかぎり、人の部屋に上がりこんでろくな挨拶もしないうちに
眠り込むなんてありえないじゃないか。
先週は俺の部屋に現れなかったくらいだから、相当忙しかったのかもしれない。
「色々大変なんだな、えらいやつって」
よくよく考えたらこいつの寝ているところなんて初めて見る気がする。
物珍しさにしばらくまじまじと眺めた。
こいつは俺に寝首をかかれるとか考えないんだろうか。
俺、一応恨んでも仕方ないくらいのことこいつにされたんだけど。
考えないだろうな、うん。
最後のゲームでわかった通り俺にはとてもそんなことできないし、俺の考えることなんて
こいつにはきっとお見通しなのだ。
なんとなく悔しいような、何となく信頼されているようで嬉しいような。いや、やっぱり悔しいな。
手持ち無沙汰に、ふわふわの髪を弄ったり白い頬をつついてみる。
とはいえそれ以外とくにすることもなかったので、時間も時間だし俺も眠ってしまうことにする。
なんとなく高めのこいつの体温にも安心して、目を閉じた。
- 282 名前:すばせか ヨシュネク3 5/11:2008/05/03(土) 03:56:36 ID:PS7S8f1S0
- 「……何してるんだ」
「あれ、おはよう。随分早起きだね」
髪を弄られるくすぐったい感触に、名残惜しく睡魔に別れを告げて目を開けると
案の定にやにやと笑いを浮かべたヨシュアの顔があった。
早起きも何も、こんな風にべたべたと頭を触られていれば誰だって起きるだろう。
とは思いつつ部屋のデジタル時計に目を向けると、3:00という数字が発光している。
15:00じゃないってことは、朝の3時だ。本当に早起きだなおい。
「……お前、ちゃんと寝たのか?」
こいつが来るのがいつも日付が変わる少し前だから、眠りについてから3時間しか経っていない。
ろくに言葉も交わさないまま、それこそ泥のように眠ってしまったくせに十分な睡眠時間ではないことは確かだ。
しかもこいつのほうが先に起きて人の頭で遊んでいたのだから、絶対3時間も寝てない。
「うん、おかげさまで。寝床と湯たんぽの提供ありがとう」
湯たんぽって俺のことか。
起きた途端いつもの飄々とした様子に、寝る前のぐったりした姿が嘘のようだ。
本当にこいつの疲れがきっちり取れたのかどうか怪しいところだが、本人が言うのだから
渋々にも、そうか、と納得してやるしかなかった。
「いきなり悪かったね。ちょっとここのところ色々と立て込んでてさ」
何がどう忙しいのか具体的に知りたくもあったが、俺が聞いても分からない気がしたので問い詰めるのはやめた。
「いつもなら向こうでちゃんと休んでから来るんだけど、今回はちょっと余裕なくてね」
休む余裕もないのに、わざわざ俺に会いに来たんだろうか。
俺のことなんて一ヶ月やそこら平気で忘れてほっぽり出しそうなのに、そういえば約束してから
そんなにこいつが間を空けたことなんてなかった。
なんか、全然、こいつらしくない。
なのに顔が火照る気がするのはなんでだろう。
- 283 名前:すばせか ヨシュネク3 6/11:2008/05/03(土) 04:01:03 ID:PS7S8f1S0
- 「まあ何とかなるかなーと思ったんだけど、低位同調するとやっぱりこっちの波長に影響されるから。
同調した途端、眠気がわーっと」
わー、と言うところで俺の髪が引っ張られる。ええい、俺の髪までわーっとしなくていい。
「向こうは睡眠の概念がないとか言ってたな。いつも寝てないのか?」
寝る前のあの布団にくるまる暖かい感じとか、幸福感とか、損してないだろうか。
「うん、もちろん休息はとるけどね。こっちの人たちみたいに長時間取らなくていいし、
眠る、っていうより自分で電源を落とす感じかな」
ゲームで体験したような、気が付いたら日付が変わっていたあの感じだろうか。
そう問えば、大体そんな感じ、と頷かれた。
ということは、やっぱりそんなに気持ちよくはなさそうだ。
「ネク君たちの場合、あのときはまだRGの波長から抜けきれてなかったから大分長時間だったけどね」
「ふーん……」
聞きながらなんとなく寒くて、無意識にこいつの体温に身を寄せる。
嫌がられるかと思ったがそんなこともなく、伸びた腕に抱き寄せられた。
この暖かさとか、眠いときのふわふわした感じとか、こいつはやっぱり損してるなーとおもう。
「ネク君、眠い?」
「んー」
「いいよ、寝ちゃって。まだこんな時間だし。邪魔なら僕はお暇させてもらうけど」
言うが早いか、さっさと離れようとする腕を慌てて引き留める。
受け入れたと思えば突き放して、なんて気まぐれなやつなんだ。
「待、てよっ。寝るだけ寝といて帰る気か?」
「んー、それは本当に悪かったと思うけど…だって、ネク君が眠いなら僕邪魔でしょ?」
呆れたやつだ。こっちは二週間待ちぼうけを食らったと言うのに。
「お前がいるのに寝たりしないし、邪魔だなんて誰も言ってないっ」
誰が逃がすかと、ヨシュアの服を掴んで握り締める。
驚いた表情を見せたと思えば、すぐにくすくすと笑われた。
「なんか、見かけによらず結構大胆だよねネク君て」
「何が」
「真夜中にベッドの中で二人きりなんて、おあつらえ向きだと思わないかい?」
- 284 名前:すばせか ヨシュネク3 7/11:2008/05/03(土) 04:12:27 ID:PS7S8f1S0
- 意味ありげな視線と、言葉の意図にはたと気付いて、かーっと首から上が熱くなる。
「べ、つにそういう意味じゃ…っ」
自分でも分かるくらい狼狽えた声が出てしまって、ものすごく恥ずかしい。
そういう意味じゃなかったけど、別にそういう意味でもいいんだけどっ。
じゃなくて!
わたわたと慌てる俺を見つめる視線は明らかに面白がっている。
くそ、完全にからかわれてる。
「冗談だよ。ふふ、ネク君変な顔」
こいつが俺にこう言うときは、絶対にろくな顔をしていない。
こいつの視線にさらされていることに耐えられなくて、うつむいた。
火照った顔が冷めるのを待つ。
と、また起き抜けと同じように髪を撫でられた。
「む……」
うつむいたせいでつむじが見えているのかもしれない。
それにしてもこいつも何かと俺の頭をいじるのが好きだな。まあ、俺も人のことは言えないんだけど。
そりゃこいつの髪なら不思議な色合いもふわふわで柔らかそうなのも見てるだけで触りたくなるけれども、
俺のは触ったって楽しいことなんてないだろうに。
なんの変哲もないと思う、のだけれど。
「ネク君のこの色って地毛?」
「そう、だけど」
特に深く考えずに答えると、予想外に驚かれた。
「へー、そうなんだ。美咲君みたいに染めてるのかと思った」
「まあ、あいつが地毛だったらそっちの方がびっくりだな……」
物珍しげにくるくると毛先を弄られる。
今のご時勢茶髪なんて珍しくも何ともないと思うが、確かに地毛となるとこの明るさは珍しいのかもしれない。
俺も大抵は染めてると思われるし。
- 285 名前:すばせか ヨシュネク3 8/11:2008/05/03(土) 04:13:15 ID:PS7S8f1S0
- 「お前のも……地毛?」
自分ばかり弄られているのも落ち着かないので、ヨシュアの髪に手を伸ばす。
相変わらず不思議な色合いだ。
明かりのない暗い部屋の中で、今は白く光って少し浮き上がって見える。
「よくわかったね。ほとんどの人が染めてるのかって聞いてくるんだけど」
あ、また驚いてる。なんだ、今日はびっくり顔の大セールか?
「別に…なんとなく、染めてたらこんな綺麗な色にならないだろうと思って」
そもそもこいつは日本人じゃなさそうだし、そう言われたほうが驚く。義弥って名前も偽名なんだっけ。
指どおりのいい柔らかな髪をいじくっていると、なんだか今度は黙り込まれてしまった。
俺、なんか変なこと言ったか?
「ヨシュア?」
「……ネク君って、たまーにものすごく天然に口説き文句寄越すから、こっちが困るよ」
なんだそれ。
そんな風に言われても、それこそこっちが困るのだが。
その台詞そのままそっくり返してやりたいところだ。口説き文句なんて、こいつの得意分野に見えるけど。
「まあ自覚ないのがいいところ……なのかな」
何をぶつぶつ言ってるんだ。
どう返したらいいのかもわからなくて、居心地が悪い。
まあいいけど、と溜息が聞こえた。
「こんな色でも別に驚かれないところが、渋谷らしいけどね」
話の矛先が俺から逸れてほっとする。
まあ、この街じゃそうだろうな。染めてればもっと突拍子もない色のやつもいるし。
ふと、こいつ自身は自分の髪の色を何と呼ぶのか、知っているだろうかと疑問が頭をもたげる。
わざわざ調べなくても、こいつに聞いたらいいじゃないか。
「お前は、自分の髪の毛何色だと思う?」
「これ?んー、普通に銀髪とかじゃないのかな。白髪じゃないとは言い張っておきたいけど」
自分の頭のことわざわざ考えたことないから分からないや、となんとも適当な返事だ。
そんな単純な色ではないのだけれど、本人だと逆に分からないものなのだろうか。
- 286 名前:すばせか ヨシュネク3 9/11:2008/05/03(土) 04:14:09 ID:PS7S8f1S0
- 「お前の髪、光の加減で色んな色に見える」
「へぇ、そうなの?」
「ああ、金とか銀とか。時々黄緑っぽい気もするな」
それじゃ何色か分からないね、と笑われた。しょうがないだろ、本当にそうなんだから。
でも俺の言葉で興味を持ったのか、へーとかふーんとか言いながら自分の髪を引っ張っている。
なんだかその姿が妙に子供っぽく見えて、同い年なのに時折ひどく大人びて見えるこいつの
そんな一面が妙に嬉しい。
考えれば考えるほど俺はこいつのことをほとんど知らなくて、こいつの髪の色に付けられた名前すら分からない。
こんな風に他愛ない話をするようになったのだって、こいつが部屋に訪れるようになってからだ。
だからこの近い距離が嬉しくて、欲張るならばまだもう少し近づければいいとおもう。
なんとも言葉に出来ない感情に胸が覆われて、衝動に任せてこいつの胸に額を摺り寄せた。
「どうしたの?」
柔らかい声が落ちてくる。
とても満たされたような苦しいようなきもちに、息がつまった。
ふと、今日は何もしないのかと思う。
いつも何となく流れでそんな雰囲気になって、行為に到ったりはするのだが。
会える回数も時間も限られているのだから、そうなるのも当然といえば当然だ。
けど、今日はそんなそぶりは全然見えない。
さっきそれとなくそんな言葉は出てきたけど、冗談で流されてしまった。
こいつは、こんな風にベッドの中で一緒にいて、くっついて、俺に何かしたいとか思わないんだろうか。
悲しいことに柔らかくもなんともないこんな身体では、思わないと言われればそれまでだが。
正直な話、俺は今すごくしたいのだけれど。
- 287 名前:すばせか ヨシュネク3 10/11:2008/05/03(土) 04:14:49 ID:PS7S8f1S0
- 伺うようにスミレ色の瞳を覗いてみても、こいつの感情は読めない。
「ヨシュア」
「なあに」
近い距離に、直接響くように声が聞こえてぎゅ、と目を瞑る。
「今日は、その」
「うん」
「し、しないのか」
ふ、と漏れる吐息を感じた。笑われたのだろうか。
「ネク君はしたいの?」
「そ、れは……」
そうストレートに聞かれると、真正面には答えづらい。
「したいならしたいって、ちゃんと言わないと伝わらないよ」
子供に言い聞かせるような口調に、なんだかもやもやとしたきもちになる。
まあ、それもそうだけど。何も言わないままで相手が分かってくれないといじけるのは俺の悪いクセだ。
「し、したい」
「そう」
「……」
「ふふ」
「なんだよ」
こっちはちゃんと言ったのに、なんだかはぐらかされている気がする。
ずるいだろ、こんなの。
「ううん、ただ、案外ストレートだなと思って」
なかなか返らない答えに、居心地の悪さに顔をうつむける。耳が熱い。
こいつが言ってくれないと、俺の気持ちは宙に浮いたままでどうしていいかわからない。
- 288 名前:すばせか ヨシュネク3 11/11:2008/05/03(土) 04:15:35 ID:PS7S8f1S0
- 「よ、ヨシュア……」
すがるようにぎゅ、と服の裾を掴む。
「お、お前は」
「うん」
「お前はどうなんだよ」
「うん」
ふふ、と空気を揺らす笑いが俺の気持ちも揺さぶる。
もう、勘弁してくれ。
「いいよ、しよっか」
言葉のあとに額に触れるくちびるを感じて、許しを与えられたようでほっと握り締めた手の力が抜ける。
安堵に溜息が口をついた。
頬にかかる髪を掻き上げるゆびの優しさに、泣きそうになる。
「んな、変な気の持たせ方すんな」
「心配した?」
「うるさい」
くすくすと穏やかな笑いが鼓膜を揺らす。
それだけで身体が震えそうになって、またぎゅっと手に力を入れた。
宥めるようにぽんぽん、と背中を叩かれる。
「本当はネク君の寝顔が可愛くて、悪戯したくてうずうずしてたんだよ」
嘘吐き、と思いながら、本当にそうならいいのにとぼんやり考えた。
- 289 名前:風と木の名無しさん:2008/05/03(土) 04:24:59 ID:PS7S8f1S0
- □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
エロパートができたらまたお邪魔します
- 290 名前:風と木の名無しさん:2008/05/03(土) 15:19:43 ID:sXmJQDjMO
- >>289
待ってます待ってます、今回も萌えまくりですありがとう…!
- 291 名前:風と木の名無しさん:2008/05/03(土) 21:15:24 ID:jxdHBhJb0
- >>242
やっと規制解除
禿萌えたGJ!
命かわいいよ命
- 292 名前:風と木の名無しさん:2008/05/03(土) 21:30:02 ID:u+5dtM9t0
- >>265-269
まさか恐怖神話の801が見れるとは思わんかった。GJ!
- 293 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 1/7:2008/05/04(日) 07:17:01 ID:cL/+hkCJ0
- |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
※ナマ注意!
ヱフ/ワソ 眉黄身前提の黄身・公・眉・平気。
西班牙G/Pの翌日を勝手に捏造しました。
元同僚のスぺイソ人から連絡があった時、黄身はホテルで荷物をまとめている最中だった。
手が離せない時にかかってくる電話は大概無視する黄身だったが、
携帯のディスプレイに表示された彼の名前を確認すると
手に持っていた着替えのシャツを何の躊躇いも無く放り出して電話に飛びついた。
「もしもし!?」
咬みつく様な勢いが電話の向こうにも伝わったらしく、彼が笑いながら
『珍しく早く出たな』
と陽気な声を上げた。
「で、どうなの?」
そんな彼をお構いなしに、早々に結論を要求する黄身。
『今日の夜には退院だとさ。あいつ、あれだけ派手にやっておきながらピンピンしてたぜ。
チームに頼んで、オレが迎えに行く事にしてもらったんだけど、…夜までこっちにいられるか?』
- 294 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 2/7:2008/05/04(日) 07:18:05 ID:cL/+hkCJ0
- 無理を言って聞き出した病院名と部屋番号が書かれたメモを手に、病院の廊下を足早に歩いた。
退院は夜だといっていたから、まだ病室にいる筈だ。
本来ならその時間まで待って彼と一緒に来るべきだったが、それを待っていられなかった。
自分の目で確かめたい。あいつの無事を。
へイキの部屋は病院の最上階の、更に一番奥まった場所にあった。
有名人でもあるへイキが外野に気を取られず、充分に休息できるよう病院側の配慮だった。
彼の部屋へと続く廊下の角を曲がった時、誰かと肩がぶつかるのを感じ、黄身は慌てて身体を引いた。
帽子を目深に被っていたせいでよく前を確認していなかった。
「失礼!」
「こちらこそ」
返ってきた声には聞き覚えがあった。
向こうもそうだったらしく、同じように足を止めて振り返る。
お互いに考える事は同じだったのだろう。
その男は目を丸くして、驚いたような表情でこちらを見ていた。
「黄身!?」
驚きの表情がじわじわと笑顔になっていく。
「こんな所で会えるなんてラッキーだよ」
黄身はそんな取ってつけたような態度にうんざりと苦笑を浮かべ、
近づいてくる男──ノレイスに求められるままに握手を交わした。
- 295 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 3/7:2008/05/04(日) 07:19:12 ID:cL/+hkCJ0
- 「どうしてここが判ったの?」
ぶんぶんと握った手を上下させるノレイス。
「ああ…ぺド口に訊いたから…」
「そう。へイキならさっき、メディカルチェックを受けに行ったよ。部屋にはいない」
ノレイスの言葉を聞いた黄身は途端に不機嫌そうな顔になり、
握られた手を振り解くとパッと踵を返してさっさと来た廊下を戻り始めた。
「もう戻るの?」
背後からノレイスが声を掛ける。
肩越しに振り返りながら黄身は小さく肩を竦めて見せた。
「ああ。へイキに会いに来ただけだから。あいつがいないんじゃ意味ないし」
「僕がここにいるのに?」
意味深なノレイスの言葉に、黄身は足を止めた。
「…お前がいるから何だって?」
フンと鼻で笑って黄身は一瞬だけ目を細める。
「お前に構ってる暇は無いよ」
「…フェノレナンドと待ち合わせでもしてるの?」
今度こそ、黄身は振り返らざるを得なかった。
苛立ちを隠せない黄身の目に、完璧に作り上げられた笑顔を浮かべるノレイスが映る。
「図星?」
「……何言ってんの、お前」
「あんたの背中に、フェノレナンドが指で文字を書いてるの見たんだ。『会いたい』ってさ」
瞬間、うろたえた様に黄身が視線を泳がすのをノレイスは見逃さなかった。
- 296 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 4/7:2008/05/04(日) 07:20:25 ID:cL/+hkCJ0
- 「昨日はへイキの事故の影響で、ドライバ─が外出するのは自粛するように言われてた筈だから、
会うなら今日でしょ?彼は"待て"が出来ない犬みたいな人間だからね」
フェノレナンドを嘲笑うかのようなノレイスの言葉に、ふつふつと怒りがこみ上げて来る。
ここで彼の挑発に乗るわけにはいかない。
黄身は奥歯を噛み締めながら鋭くそのイギりス人を睨んだ。
「気付かれて無いとでも思ってた?あんた達、いっつもお互いを見てるよね。
特にフェノレナンドなんか、ヌードでも見るみたいにいやらしい目であんたを見てる。
同じ男相手にあんな色目なんか使って、気持ち悪すぎるよ」
「黙れ!」
元々気の長い方ではなかった。
殴りかかって行きたい衝動を必死に堪え、黄身は搾り出すように叫んだ。
「あいつを侮辱するな。お前にどうこう言われる筋合いは無い。最低だ!」
静まり返った病院の廊下で上げられた大声に、何事かという視線が集まってくる。
気まずそうに顔を俯かせる黄身。
ノレイスはクスクスと笑いながら黄身に歩み寄ると、その肩にポンと手を乗せた。
「待ち合わせが無いなら、ちょっと付き合ってよ。少し落ち着いて話さない?」
チラリと目線だけ送ってくる黄身の耳元に顔を寄せて囁くノレイス。
「あんたにとってフェノレナンドが特別じゃないって言うなら、
僕にもあんたとの時間を楽しむ権利はあるんだよね?」
白い歯を覗かせてノレイスがニヤリと笑う。
黄身が何も言って来ない事を了承と受け取り、ノレイスは歩き始めた。
「ついて来て。街中に出たら、僕らは少し目立ちすぎる。屋上に抜けられる階段を知ってるんだ」
鼻歌交じりに先を行くノレイスの背中に刺すような鋭い視線を送りながら、黄身は黙ってその後に続いた。
- 297 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 5/7:2008/05/04(日) 07:21:29 ID:cL/+hkCJ0
-
〜〜〜〜〜
チャリチャリと車の鍵を指で弄びながら病室の入り口をくぐるフェノレナンド。
「よ、気分はどうだ?」
声を掛けると退屈そうに窓の外を見ていたへイキがこちらに振り返ってパッと笑顔を浮かべた。
「フェノレナンド!来てくれたの!?」
わあわあと歓声を上げながらへイキがフェノレナンドに飛びついてくる。
「バカ、お前寝てなくていいのかよ」
「だってこんなに元気なんだ。じっとしてたら余計に身体がおかしくなっちゃうよ」
ぷうっと頬を膨らませて腰に手を当て、首を傾げてみせるへイキ。
だがすぐに
「痛って……」
と傾げた首を押さえて、結局はフェノレナンドの手で再度ベッドに送還される羽目になった。
「そういえば、黄身と会わなかった?」
ふいにその名前を持ち出されて、フェノレナンドは一瞬息が止まる思いがした。
「キ、黄身?…さあ、今日は見てないなぁ…」
動揺を悟られないように明後日のほうに視線を送り、上の空を装ってみるフェノレナンド。
そんな必死の演技をするフェノレナンドに全く気付かず、へイキはベッドの上で
心底残念そうな表情で膝を抱えた。
「ぺド口から連絡があってさ、黄身、こっちに来るかもしれないって言ってたから
ずっと待ってるのに…」
- 298 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 6/7:2008/05/04(日) 07:26:56 ID:cL/+hkCJ0
- 拗ねた子供のようにぶつぶつと愚痴っているへイキを見ながら、フェノレナンドは無意識のうちに
「黄身も来るのか…」
と呟いていた。
耳聡く聞きつけたへイキはきょとんとした顔でフェノレナンドの顔を見て、そしてすぐに
悪戯っぽく笑いながらベッドの縁に座るフェノレナンドの膝を指先でちょんちょん、と突付いた。
「…黄身に会いたい?」
「えっ!?」
慌てるフェノレナンドの様子にクスクスと笑い声を漏らすへイキ。
「相変わらずフェノレナンドって正直!そんなに黄身に会いたいんだぁ」
へぇ、なるほどねぇ、などと独りで相槌を打ちながらヘイキはフェノレナンドの表情を窺って
ニヤニヤしている。
フェノレナンドが拳を振り上げてへイキを殴るジェスチャーをするとへイキはキャアと悲鳴を上げて
暴力反対!と布団の中に潜り込んだ。
「うるさいっバカっ!」
「会いたいよっ!悪いか!!」
恥ずかしい気持ちを紛らわせるように、布団の上からバシバシとへイキを叩くフェノレナンド。
すると、楽しそうに嬌声を上げていたへイキがふいに動かなくなってしまった。
ハッとして身を引くフェノレナンド。
興奮しすぎたせいで、昨日彼に起こった出来事をすっかり失念していた。
「わ、悪いへイキ!大丈夫か?」
被された布団を捲ると、へイキは酷くシリアスな顔でフェノレナンドを見上げてきた。
「…へイキ?」
どこか痛み出したのだろうか。
フェノレナンドの背筋に冷たいものが流れる。
- 299 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 7/7:2008/05/04(日) 07:27:56 ID:cL/+hkCJ0
- 「………」
小さく呟くへイキ。
「え、何?」
うまく聞き取れず、フェノレナンドが顔を近づけると、へイキはその首に両腕を回して強く引き寄せた。
バランスを崩して、へイキの顔の両脇に肘を付くフェノレナンド。
「へイキ…?」
顔が近すぎて何となく居心地が悪い。
大きなブルーグレーの瞳が真っ直ぐにフェノレナンドを見上げてくる。
フェノレナンドはその視線から逃れる術を知らない。
「ど…した、へイキ…?」
「僕にも何だか判らないんだ…」
「…え…?」
へイキの眼は、冗談を言っているような悪戯っぽいものではない。
フェノレナンドは異常な喉の渇きを感じて唾を飲み込んだ。
「フェノレナンド……キス、して…?」
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
もう少し続く予定です。
進展しないままにスレ占拠&お眼汚し失礼しました。
- 300 名前:風と木の名無しさん:2008/05/04(日) 09:23:52 ID:Fco8tPYsO
- >>293
おぉ姐さんGJ!
甘える平気と絡む公が可愛いよ(*´Д`)
続き楽しみにしとります
- 301 名前:風と木の名無しさん:2008/05/04(日) 10:19:01 ID:aOeQpgim0
- 今更だが言わせてくれ
>>202禿萌えた。猿が可愛い小悪魔ちゃんすぎてもう最高www
超翻訳ばっかりだったから日本語で見れてヌゲー嬉しかったよ。
- 302 名前:風と木の名無しさん:2008/05/04(日) 11:27:37 ID:PE1wX9eE0
- >>293
おぉ、三角関係かぁ?(・∀・)ニヤニヤ
とか思ってたら四角関係ktkr
続き待ってます、姐さん!
- 303 名前:1/4:2008/05/04(日) 18:00:37 ID:lqZBQgZQ0
- ハードSFラノベ、妖精遊び冬真と水無月。
この文体難しすぎますプロージット( ゚Д、゚ )
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ノックの音。
冬真――教会の自室にて読書中。ページに散らばるドイツ語/英語/数式/フローチャート――いったん目を離して
栞を挟み、扉を開ける――意外な人物。
「やあ冬真」
「ミ……水無月? どうしたの?」
私服/カットソー/シャツ/ジャケット/ごく標準的なティーンエイジャーの趣――カットソーがえらくロックな
柄をしているのは標準的というべきか言わざるべきか。前に見たときはもっとごちゃごちゃしていたような――
冬真=ファッションの分類には疎い。
「なに、今日は僕は非番なんでね。親友の所に貸しを取り立てに行こうと思ったのさ」
水無月――招き入れる前にずんずん自室に侵入/とりあえず戸を閉めて会話の体勢。
「貸し――?」
「僕はあの子を補助するために脳から血を流して通信を確保したんだ。君に労ってもらう価値があるんじゃないか?」
「ああ……」
『証人』事件のことだ。鳳を助けたかったのはどちらも同じ/わざわざ持ち出すのは、彼女にかこつけて
冬真に恩を売ろうというのだろう。なんとなく付き合い方が分かってきたな――冬真の述懐。
- 304 名前:2/4:2008/05/04(日) 18:01:12 ID:lqZBQgZQ0
-
「……何をすればいい?」
「たいしたことじゃない。ちょっとしたストレス除去に付き合ってもらうだけだ」
「へえ?」
常日頃脳への負担を要求される接続官のストレス除去――何だろう? ゲームセンター/音楽鑑賞/それとも
室内スポーツか何か――思いを巡らす冬真に水無月は告げる。
「どうも僕は君が嫌いじゃないらしい。ということで、僕に触れることを許可しようと思う」
「……どういう意味?」
あからさまな疑問――水無月は遅まきながら自分の提案の唐突さに気付く。
「気色悪い想像をするなよ、冬真。いくら僕がパンクな親に育てられたからって、
教会に寝起きしてる少年に男色ネタのジョークを言う趣味があるとは思ってほしくないね」
「……つまり?」
鼻を鳴らす水無月――察しの悪い教え子を見やる講師の風情。
「身体的なスキンシップはストレスを軽減するんだ。知らないのか? もっと君のことを実感してやってもいいって
言ってるのさ。僕の左脇腹のここ、肋骨との境目は火傷が軽かったらしくてね、医療課の連中を信じるなら
生身のはずだ。僕は君と違って直接君を感じられる部分が少ないんだ、特別に触ることを許可するよ。分かったらさっさと
労うといい」
- 305 名前:3/4:2008/05/04(日) 18:01:53 ID:lqZBQgZQ0
-
冬真は困惑――ためらいながら伸ばされた手が相手に/きわめて少ない生身に/本物の神経に繋がった=
他のどこよりも実感に富んだ=相手にとって他のどこよりもリアルなはずの皮膚に触れる。気がつけば抱きしめる姿勢、
触れたはいいもののそこからどうすべきかしばらく逡巡――まさしく貴重品を扱うような手つきでそっと――
できるかぎりそっと撫ぜた。
水無月が顎を引く/かすかな呻き声/耳の縁が震えるのを認めて得体の知れない動揺=反射的に目をそらした
自分に疑問――なぜかとてつもなくいけないことをしている気がする――いったいなぜ? 冬真には今撫ぜた部分の
どこからが人工皮膚でどこまでが生身の皮膚なのかわかりはしない――指先に触れた部分はどこも温かく/
やわらかく/命の感触が=呼吸と脈拍が息づいている。
(人工の呼吸と人工の脈拍が)
頭をよぎる言葉=自分の思考=自分の中に確実に存在する怯えにぞっとする/『君を感じられる部分が少ない』・
『君のことを実感してやっても』・もしかして最上級の信頼? いま僕は水無月の心に直接触れているのかも――
考えれば考えるほど動揺が激しくなる。腕の中の温かな/やわらかなもの=いつも皮肉と奇矯な行動を撒き散らす
ひねくれた少年は冬真に身を預けてゆっくりとした=おだやかな呼吸をしている。
どうしよう、なんだこれ?
さらに加速する動悸――『僕は君が嫌いじゃない』/『気色悪い想像をするなよ』/落ち着こうと思うと逆に
意識してしまう――なぜかじっとしていられない気がして膝が動く。沈黙に耐え切れなくなって口を開こうと――
「冬真」
「あ……な、なんだい?」
若干裏返りかけた声を水無月は人造の体に触れた戸惑いと判断=冬真のほうを見ないまま発言。
「ありがとう」
心臓が跳ねた。
- 306 名前:4/4:2008/05/04(日) 18:02:57 ID:lqZBQgZQ0
-
「ずいぶん気持ちが落ち着いた気がする。無理を言って悪かった、これからも僕にぞんぶんに利用されるといい。
それでこそ僕の親友だ!」
一気に脱力=安堵=笑みが零れる――水無月の背を軽く叩いて体を離す。
「この程度ならいつでも使ってくれていいよ、君の羽からマスターサーバーに侵入するよりはきっと楽だ」
「……いや、さすがにそこまでは要求してない……まあいい、あんまりこのことを言いふらすんじゃないぞ。
君に弱みを見せたなんて言ったら、あの熱血、僕をベアハグで子供工場に送り返しかねない」
なにげなく放たれる特甲ネタのジョーク――意識する前に筋骨隆々の保安部長によるベアハグを想像して
冬真は吹き出す。妙なツボに入って笑いつづける冬真――見守る/立ち上がる水無月=どこか満足げに。
「じゃあ、僕はこれから非番の日を有意義にするべく遊んでくるよ。君、出勤のときにあいつの顔を見て
吹き出さないように気をつけるんだね」
「や、やめてよ、思い出させないで……!」
ひいひいと床を転がる冬真を見下ろして、戸口に立った水無月は笑う/じゃあなと手を振る――扉を閉めた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
- 307 名前:5/4:2008/05/04(日) 18:11:48 ID:lqZBQgZQ0
- すまん、ミス発見。
4/4の「立ち上がる」はなかったことにしてくれ。
- 308 名前:夏の話 1:2008/05/04(日) 21:19:33 ID:EZajvtaa0
- ちょっとした小話。しんみり系?オリジナルです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
夏休みを田舎の祖母の家で過ごしている少年タカシは、自分を魔法使いの孫だと思っていた。
彼はその頃、魔法使いだと彼が思う祖母から、自分だけの秘密基地を与えられた。
そこは祖母の家の裏山から暫く歩いた先にある中に何も無い小さな小屋で、
危なくないよう整備はされているが外観はボロボロでお世辞にも立派とはいえない。
しかも晴れようが雨が降ろうが常に薄暗く、湿った室内は行くたびに黴の匂いが鼻をつく。
だがタカシは、その狭くて薄暗くて黴臭い秘密基地を、なによりも気に入っていた。
誰にも邪魔されない自分だけの城だから、そしてもうひとつ、そこでは不思議な”友人”と会えるからだ。
秘密基地である小屋にいつもタカシより先にいて、いつも笑顔でタカシを迎えてくれるその友人は、
タカシと同じ年、同じ背丈、同じ声、なにより全く同じ顔を持つ相手だった。
タカシが自分と同じ顔の彼と初めて会ったのは、秘密基地を手に入れた翌日の昼。
自分だけしかいないはずの小屋に先客がいて、しかも自分と同じ顔であったことから、
タカシはそれをオバケや幽霊の類だと思い恐怖に顔を歪ませながら一目散に祖母の家へと戻った。
そしてそのことを祖母に話すと、祖母は驚いた顔をしながらも優しく笑って、タカシの頭をそっと撫でた。
「タカシが嫌じゃなければ、その子と友達になってやるといい」と、どこか寂しげな口調で言いながら。
その場ではどうしても気味が悪くて、タカシは祖母の言うことを拒んだ。
しかし翌日になると今度はむくむくと湧きあがった好奇心が彼を小屋へと向かわせ、
結果、またしても自分と同じ顔の少年と鉢合わせすることとなる。だが今回は、逃げなかった。
わけのわからない恐怖は健在で足も震えるし、心臓は壊れたように激しく脈打つのに、
彼はありったけの勇気を振り絞って、逃げ出すことをやめたのだ。
- 309 名前:夏の話 2:2008/05/04(日) 21:20:20 ID:EZajvtaa0
- タカシが逃げないことを悟ると、タカシの顔をした少年は嬉しそうに笑い、
ゆっくりとした歩調で距離を詰めた。少し歩くだけでも軋む小屋の床がギイギイと音を立てる。
やがて二人はすぐ近くで向かい合い、同じ顔を互いに見つめた。
びっくりさせてごめん、でももし嫌じゃなかったら、ここで僕と遊んでくれる?
タカシの顔をした少年はタカシにそう尋ねる。恐る恐る、不安そうに。
なぜだかその声に不思議と心が落ち着かされて、
タカシはまだ少し顔を引き攣らせながらもこくりと頷いた。
じゃあ僕のことはリュウジって呼んで、と、タカシの顔をした少年は言った。
先ほどとは一転した、とても明るく嬉しそうに笑いながら。
タカシとリュウジはそれから毎日のように小屋で会い、
取り留めなく話をしたり、小屋の周辺で虫を捕ったり、木に登ったりして遊んだ。
自分よりも博識で、虫の捕り方も木登りも格段に上手いリュウジにタカシはいつしか夢中になり、
単純な子供は最初の恐怖もきれいに忘れ去った。
日が暮れると、二人は小屋の前で手を振ってそれぞれの家へと帰る。
帰る方向は逆で、タカシはいつもこっそり振り返り、リュウジの背中を見送った。
彼らが会うのはいつも、この小屋と小屋の周辺だけ。
うちに泊まりにおいでよとタカシが誘うと、リュウジは嬉しそうながらも困ったように口を噤んで左右に首を振り、
じゃあ僕がリュウジの家に行っちゃだめ? と言えば、今度は泣きそうな顔をして更に激しく首を振る。
だからタカシはリュウジと小屋でしか遊べない。だが小屋に行けば必ず、リュウジはタカシを嬉しそうに迎えた。
茜色に染まる空の下を遊び疲れ空腹のタカシが駈けるようにして家に戻ると、今度は祖母が彼を迎える。
祖母はいつも、タカシが話すより先に、今日はどんな遊びをしたか、何をしてどんなことがあったかを知っていた。
タカシはそのたび、祖母はやはり魔法使いだと思った。不思議な友達ができたのも、きっと祖母の魔法に違いないとも考えた。
- 310 名前:夏の話 3:2008/05/04(日) 21:20:54 ID:EZajvtaa0
- タカシとリュウジの日々はそれからも続いた。
小屋で会い、日が暮れてくたくたになるまで一緒に遊ぶ毎日。
炎天下の中で汗まみれになり、泥だらけになって、時に小さな怪我をすることもあったが、
心の底から楽しくてたまらない笑顔を二人が絶やすことは一度も無かった。
だがその始まりが突然だったように、終わりもまた突然にやってくる。
家に戻ると、タカシは祖母から明日の朝に母が迎えにくることを告げられた。
それから祖母は寂しげに笑って、またタカシの頭を撫で、夕飯にしようと手を引いて家に入る。
食卓に並ぶのは今までで一番品数が多くて豪華な夕飯。タカシは無邪気に喜んでそれを食べた。
その晩、タカシは初めて小屋以外でリュウジと会った。
夜中ふと目を覚ますと、タカシが眠る布団の傍に、リュウジが膝を抱えて座っていたのだ。
一瞬で眠気の吹っ飛んだタカシは慌てて体を起こし、泊まりにきてくれたのかと嬉しそうにリュウジに尋ねた。
リュウジは少し困った様子で眉を寄せたが、すぐに笑って、こくりと頷く。タカシも笑った。
そして彼は、リュウジに伝える。自分は明日、母と一緒にここを離れて都会に戻るのだということを。
リュウジは今にも泣きそうに顔を歪めるが、それを堪えた不器用な笑顔で、またここに来るかと尋ねた。
タカシは即座に頷き、来年もその次も絶対にまたくると明るくこたえる。
だからまた一緒に遊ぼう、それまでリュウジも元気でと続けて。
その言葉に、リュウジは今度は安心したように笑うと、
約束だよといって、タカシの唇に一瞬触れるだけの口付けをした。
タカシは驚いて目を丸くしたが、リュウジがあまりにも嬉しそうに笑っているので、
なんだか何も言えなくなって自分もまた照れたように笑うだけだった。
だが次の夏ももそのまた次の夏も、タカシとリュウジが会うことは無かった。
- 311 名前:夏の話 4:2008/05/04(日) 21:21:38 ID:EZajvtaa0
- 都会での生活に再び戻ったタカシの中からは、
祖母の家で過ごした日々や祖母やリュウジとの記憶は次第に薄れ、
新たな夏が巡ってきても祖母の家を訪ねることは無かった。
タカシが祖母の家に再びやってきたのはあの夏から12年後、祖母の葬儀でのこと。
その頃にはもう幼い頃の記憶はほとんどが底に埋もれてしまって、
ろくに思い出すこともできなくなっていたが、優しかった面影だけは漠然と胸に残っていたので、
タカシは今までここに来なかったことに少しだけ胸を痛ませた。
それから彼は、親戚らが集まり息苦しい会話が続く中からこっそりと抜け出し、
家の周囲や裏の道を気まぐれに進んだ。幼い頃の思い出をひとつひとつ拾い集めるように、
そして、忘れている何かに引き寄せられるように。
土や草のにおいが強くなり、蝉の鳴き声がまるで雨のように頭上から降り注ぐ。
タカシの足はいつしか、秘密基地へと向かっていた。
ボロボロの小屋が視界に映り込む。<BR>
──タカシ。
不意に、蝉の鳴き声に紛れるようにして誰かが彼の名を呼んだ。
タカシは最初、空耳だと思ったが、続けてもう一度呼ばれたことで、実際に誰かに呼ばれたのだと理解する。
声の主はすぐに彼の前に現れた。タカシ。もう一度、名を呼ぶ声。それは幼い子供のもの。
タカシの目の前には、幼いころの自分と瓜二つな少年が立っていた。
その瞬間、彼の中に記憶が蘇る。沈みこんでいた深い底から一気に溢れだすように、
かつて幼い日々をここで過ごし、出会った相手を鮮明に思い出す。
「リュウ、ジ……」
- 312 名前:夏の話 5:2008/05/04(日) 21:22:08 ID:EZajvtaa0
- タカシは震える声で、思い出した名前を呼んだ。
呼ぶというより、信じられずに確かめるような口調で。
だが少年はタカシが口にした名を聞くと嬉しそうに笑い、こくりと頷いた。
からかわれているのだろうかと、タカシは思った。こんなことは現実にありえない。
幼い頃に出会い、共に過ごしたあの夏だけの友人が、あの頃と全く変わらぬ姿で目の前にいるなど。
夢を見ているのだろうかと、そんな気さえした。知らず知らずうたた寝でもしていて、
だから今再び目を開ければ、自分は祖母の家の居間あたりで目を覚ますのではないかと。
だが試しに目を閉じて開いてみても、状況は変わらなかった。
あの秘密基地の前で、幼いリュウジと対峙している状況のまま。
本当にリュウジなのか。タカシが問うと、リュウジは頷いた。
それならなぜ子供のままなのかと訊かれると、困った顔をする。
その困った顔を泣き出しそうに歪めて、ごめんと謝る。謝罪の意味が、タカシにはわからなかった。
なぜ謝るのかと少し声を優しくして訊けば、リュウジはただ何度も、ごめんと謝る。
タカシはなんだか胸が痛くなり、謝らないでくれと頼んだ。そして、思い出す。
祖母の家での最後の夜に交わした約束を。謝らなければいけないのは自分の方なのだということを。
タカシはリュウジに、約束を破って今までここにこなかったことを詫びた。リュウジは目を丸くしてタカシを見る。
幼い彼は年相応の仕草で首を横に振り、それでも今こうして会いに来てくれたからと言って笑った。
タカシは泣きそうになり、唇をきつく噛んだ。
- 313 名前:夏の話 6:2008/05/04(日) 21:23:02 ID:EZajvtaa0
- 「リュウジ」
タカシがもう一度、今度は間違い無く相手を認識した声で、名前を呼ぶ。
リュウジはタカシの傍に近付き、自分より大きくなった手をそっと握った。
タカシは誘われるように小さく膝を屈め、目線をリュウジに合わせる。直後に何がくるか、予感はしていた。
さっき約束を思い出したのと同時に、リュウジが自分に口付けたことも一緒に思い出していたから。
意味なんて問うつもりはない。ただそのことを思い出し、
そして今また、リュウジがそうするであろう気がして彼はそれを受け入れた。
案の定、リュウジの唇がタカシの唇にあの夜と同じように、一瞬だけ触れて離れる。
他の誰と交わしたキスより甘い痺れが、唇に残った。
最後に会えてよかったとリュウジが言った。最後ってどういうことだ、とタカシが問う。
「ばあちゃんがいなくなったから」リュウジはそう言った。
ばあちゃんが、僕をかわいそうだからって言って、自分がいる間だけここにいなって言ったんだ──
そう続いた言葉の意味をタカシは今また理解できない、
”ばあちゃん”というのは自分の祖母のことかとひとまず尋ねると、リュウジは頷き、答える。
「タカシと、僕のばあちゃんだよ」
直後、強い風が吹き、舞い上げられた土埃が目に入ったタカシは咄嗟に目を瞑る。
痛みの残る目を再び開けた時、リュウジは忽然と姿を消していた。
________________
自分に双子の兄がいたことをタカシが知ったのは、祖母の葬儀から5年後のこと。
既に成人した彼と酒を飲んでいた父が、もう伝えていも良い年だろうからと話し始めたのだ。
共に生まれて、けれど共に過ごすことも育つこともできなかった兄の話を、タカシは黙って聞いていく。
兄の名はリュウジだと、父は目許を手で覆い震える声で呟いた。
タカシの目から、堪えきれずに涙が零れた。
________________
- 314 名前:夏の話 7(ラスト):2008/05/04(日) 21:23:40 ID:EZajvtaa0
- 翌年の夏。タカシは一人、祖母の家を訪ねた。
住む者を失いひっそりと静まり返るその場所には、
しかし夢のような現実の思い出が其処彼処に溢れている。
全てが優しく自分を包み込んでくれるようだった。
近くにある墓に花を供え、これからはまた毎年会いに来るからと、
手を合わせながら心の中で祖母に話し掛ける。
炎天下の中で心地良い涼しい風が、まるで祖母からの返事のように頬を優しく撫でた。
続いて彼は、以前より荒れた山道を息を切らしながら進み、秘密基地へと向かう。
祖母の家以上にボロボロになった小屋はそれでも、
タカシの訪問を歓迎するかのように安らいだ雰囲気で満ちていた。
「弟にキスしてどうすんだよ」
可笑しそうに笑いながらも、おだやかな声でタカシはそうぽつりと呟いた。
幼かった夏の日の夜と、祖母の葬儀があった夏の日の昼間。
二度あった口付けはどちらも本当に一瞬だけのものだが、今でも感触は消えずに残っている。
幼い兄の、目いっぱいの親愛の表現がくすぐったくて、なにより愛しく思えてならない。
そのことも、一緒に遊んだことも、これからはもう全部忘れないからと、タカシは空を仰いだ。
──ばあちゃんが、僕をかわいそうだからって言って、自分がいる間だけここにいなって言ったんだ──
同時にリュウジの言葉がふと耳の奥に蘇る。
彼はぼんやりと、ばあちゃんは本当に魔法使いだったのかもなと思った。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
- 315 名前:風と木の名無しさん:2008/05/04(日) 21:36:09 ID:NZoXOWpVO
- >>314
GJ、切ない。
- 316 名前:風と木の名無しさん:2008/05/04(日) 21:41:10 ID:wuEdaKBGO
- 314
良いもの読ませて貰った。
ありがとう。
- 317 名前:風と木の名無しさん:2008/05/04(日) 21:46:06 ID:tabpXvya0
- >>314
イイ!
GJ!
- 318 名前:やきもち 1/4:2008/05/04(日) 22:41:41 ID:JN4CmUXHO
- |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマ-ス!
※ナマモノ注意!
極寒の王求団の壱八と伍参です。カップリングじゃないです。参壱×伍参前提です。
今日の晩御飯はどうしようかな〜
いつもなら投手仲間の誰かを誘うところだけど、なんとなくロッカールームで隣の駆動
が目に入った。たまには駆動と栄ちゃんの話でもしよっかな(^^)v
誘ってみると、すぐにOK!他の人も誘ってみたけど、なぜかみんな都合がつかずに駆動
と二人きり。ちょっと珍しいツーショットかも。
それにしても、駆動としゃべっていると彼の天然具合が良く分かる。栄ちゃんが言うと
おりだぁ〜〜♪でもそこに突っ込むとちょっとすねる。
小さくて、気の強いところはなんかヨークシャーテリアみたい。
本人に言ったらそれこそキャンキャン!と吠えられそうだけど…(^^;
- 319 名前:やきもち 2/4:2008/05/04(日) 22:44:42 ID:JN4CmUXHO
- しかし、小さい体でよく飲むなぁ。俺はお酒はあまり飲めないからジュースでご相伴。
栄ちゃんも飲めるから、この2人と一緒に飲みに行ったら豪快かも。
でも、さすがにそろそろ目が据わってきたかな?…と言うより、俺の事にらんでる?な
んで??(@_@;)
「Fジイさん、ずるい」
えっ?(@_@;)なにが?
「だって、いつもえーちゃのこと独り占めして」
えーー?独り占めになんてしてないよっ?それより、なんでそんな話しに?と、パニッ
クになってたら、駆動は俺の座ってるソファへ移動してきて、その上に正座をしてじっと
見ている。あ、なんか本当に犬みたい。
「だって、だって、えーちゃ、2人で居てもFジイさんの話ばかりするし、キスもしてく
れないし。」
- 320 名前:やきもち 3/4:2008/05/04(日) 22:50:41 ID:JN4CmUXHO
- ん?俺と一緒のときは駆動の話しをよくしてるよ?
と、一瞬聞き流しそうになって。
ええええええええっ?\(@□@)/!
なんかすごい事言わなかった?今っ!?
「2人きりにもなれないし……Fジイさんはえーちゃと一緒に居ること多いのに。」
ああ、見るからにしょんぼりしている。
ちょっと待ってよ。そんなにしょんぼりしないでよ。可愛そうになってきちゃうじゃな
い。
あ、これって、もしかしてやきもち焼かれてるのかな???
でも、そんな話しを俺にしちゃっていいのかな(^^; いや、誰にも言わないけどね?こ
りゃ、栄ちゃんが心配するはずだよ〜
とりあえずは、駆動を落ち着かせてあげなくちゃ。栄ちゃんは駆動のことばっかり言っ
てるんだから。第一、栄ちゃんは弟みたいなモノだからそういう雰囲気にはならないよ
(^^;
そんなことを必死に駆動に話していたら納得してくれたみたい。うん、って大きくうな
づいたと思ったら、スイッチが切れたみたいにコロンと転がって……
俺のひざの上で寝ちゃったよ(--;)
どうしようこれ。
うーん、寝顔はより一層わんこっぽい♪
折角だから栄ちゃんに写メってあげよう♪ついでに、栄ちゃんにもやきもち焼かせてあ
げようかな。
- 321 名前:やきもち 4/4:2008/05/04(日) 22:54:27 ID:JN4CmUXHO
- [件名:かわいい子犬だよ〜〜]
[本文:俺のひざの上で寝ちゃった♪かわいいね〜〜(^^)v]
そして、駆動の写真をくっつけて送信!携帯の電源はOFF!
どんな反応が返ってくるかな?さぁ、これが洒落で済むように、寮まで駆動を送って行
かなくちゃ。
無事駆動を寮まで送って自分も帰宅。そのままゲームをしたりDVDを観たりしてたので、
携帯のことは夜中の4時くらいまですっかり忘れてた。
ブログ更新しよう〜と携帯の電源を付けたら……なんだろう、この着信とメールの山は。
全部栄ちゃんからだ。ちょっと、効きすぎたかな(^^ゞ
明日、この携帯を駆動に見せてあげよう。愛されてるねって♪
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
お粗末さまでした。
- 322 名前:風と木の名無しさん:2008/05/04(日) 23:00:22 ID:pO18zGMv0
- 文中顔文字やめれ
- 323 名前:風と木の名無しさん:2008/05/04(日) 23:01:38 ID:Y6aQLuSZ0
- ブログ風ってこと?
- 324 名前:風と木の名無しさん:2008/05/04(日) 23:18:55 ID:JN4CmUXHO
- >>322
すみません、一人称の人のブログ風にしたくて、
顔文字使ってしまいました。
以後注意します…
- 325 名前:風と木の名無しさん:2008/05/04(日) 23:24:51 ID:cuPyO7sIO
- >>314
gj!gj!
切ないんだけど優しい読後感だ…
ちょっとウルッときた
- 326 名前:風と木の名無しさん:2008/05/05(月) 00:45:43 ID:rV/XqK31O
- >>324
GJ!!いいねいいね気に入ったよ
顔文字も表現のうち!
いちゃもんなんぞに耳を貸すこたないぞ
- 327 名前:風と木の名無しさん:2008/05/05(月) 03:31:03 ID:97I/ff6g0
- >>293-299
甘えんぼな平気可愛いよ平気、公腹黒いな公w
続きを楽しみに待っております(0゚・∀・)テッカテカ!!
- 328 名前:風と木の名無しさん:2008/05/05(月) 07:18:14 ID:/xfIOGjO0
- 838 名前:風と木の名無しさん[sage] 投稿日:2008/05/05(月) 03:41:21 ID:wi5TAHbM0
棚326
いちゃもんって…
あの文章で注意書きナシじゃそら突っ込まれるわ
- 329 名前:風と木の名無しさん:2008/05/05(月) 09:54:27 ID:/xfIOGjO0
- 845 名前:風と木の名無しさん[sage] 投稿日:2008/05/05(月) 09:19:47 ID:Jw7zB5CsO
>>842
小説の顔文字は嫌う人が多いからね
作中でブログだと示せなかった・示しても分かりにくかったならば仕方ない
ネタ解説になろうとも「ブログ風にお送りしました」の一言を入れておけば
不必要な誤解は招かなかっただろうね
846 名前:風と木の名無しさん[sage] 投稿日:2008/05/05(月) 09:51:02 ID:TOGkzihqO
なんにせよ棚326は気持ち悪いし痛いな
喧嘩を売ってるようにしか見えない
- 330 名前:風と木の名無しさん:2008/05/05(月) 13:31:22 ID:TFKy+FSU0
- >>314
GJ!!
すごく切なくて涙腺緩んだ。
登場人物みんないいね。
- 331 名前:専脳 九嶋×破瑠 1/9:2008/05/05(月) 13:43:17 ID:VdzaTLy60
- |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
R/D/潜/脳/調/査/室 九嶋×破瑠 と言うより変態九嶋→破瑠。
まだ世界設定がなかなかわからん状況なのでかなり想像+捏造。
私はこのメ夕リアル・ネットワークのそもそもの開発者であり、現在でもその責任者を務めている。だからその中枢は私の一存で様々な管理がなされている。
単にメ夕ルに接続するだけならば、ダイブする必要はない。使い易い自分を模した(別に自分の姿そのままでなくとも構わないが)アバターで、まるでリアルワールドのように自らの足で歩き回る事が出来る。
私は普段の自分の姿のまま、白衣のままでこのメ夕ル内の書庫を散策している。
ここはオペレーター達には公開されている区画であり、付近にも見慣れたアバター達が書籍状のデータファイルを目視検索したり閲覧したりしていた。私はそんな彼らの中、目的の書架に辿り着き、手を伸ばして1冊の青表紙のファイルを取り出した。
それを持ったまま、書庫の奥に進んでいく。変哲もない、書架が並ぶ光景。その一角の、一見普通の書架に、まるでファイルを返却するように手にしたファイルを差し込んだ。
一瞬、空間が歪む。私はそこに体を滑り込ませた。
膨大なファイルの中に偽装して紛れ込ませたパス、それと私自身の脳波パターン。それを厳密に決められたアドレスに送り込む事でしかマスキングが解除されない。そう言う場所を私は作り上げていた。
中枢である以上元々のセキュリティは最高レベルであるし、パスやアドレスも定期的に変更している。別個に新規で隠し場所を作るよりも公開スペース内で偽装する方が安全だと私は認識していた。
- 332 名前:専脳 九嶋×破瑠 2/9:2008/05/05(月) 13:44:04 ID:VdzaTLy60
- 泡の壁を突き抜けたようなイメージの向こうには、無骨に鉄板を打ち付けた殺風景な壁を四方に持つ空間がある。その中央にはそれなりの大きさの培養層めいた水槽が設置されていた。これもまた見慣れたいつもの光景だ。但し、私しか見慣れていないはずの隠された光景。
私はその水槽に向かって足を進め、併設されている階段を昇る。階段はその水面を眺める事が出来る位置まで続いており、私はそこまで昇りつめた。手を伸ばし、私の手が水槽の天井に触れると、光を発し幾何学模様を残しつつ徐々に透明な天井が消失していった。
まるで水のような透明な液体には、ダイバ−スーツに包まれた男が仰向けに浮かんでいる。私は中空に手をかざすと、掌の上に光球が現れる。その手を下に向け、光球を放った。
ぼんやりと輝く光球はゆっくりと下に落ちて行き、水面に浮かぶダイバ−に当たる。するとダイバ−は淡く輝き、そしてその光も消えた。
私は屈み込む。腕を伸ばし、ダイバ−の肩を掴んだ。自分の方に彼の体を引き寄せる。頭部を覆うヘルメットに手を当てると、それも淡い光に包まれて消失していった。
包み込んでいた物体が消滅した事で、中身が露になる。おもむろにふわりと、黒髪が水面に広がった。後ろで纏められているが男にしては長い髪を、私は一房摘み上げる。水に濡れたそれを私は指に絡めた。
- 333 名前:専脳 九嶋×破瑠 3/9:2008/05/05(月) 13:45:08 ID:VdzaTLy60
- 人体として持ち合わせている浮力に頼ったまま仰向けに浮かび、顔で言うと耳の辺りまで水に浸かっている男は一向に自らの意思で動く様子を見せない。当たり前だ。私がそう言う設定にしている――擬似意思のプログラムまでは組み込んでいないのだから。
リアルの彼がダイブしたデータを確認して以来、私はそのデータを元にしてこのアバターを製作している。今回の事件で彼の秘書を務めるホ口ンが提出した報告書データを解析し、今この時点で、更にこのアバターに上書きした訳だ。
外部の端末からソースコード形式でプログラムするのではなくメ夕ル内で直に作業するのは、これもまた隠匿のためである。
実在する人物のアバターを当人の許可なく作り上げるのは、あまり趣味が宜しくない行為だからだ。もっとも、そう言う趣味が良くない人間がたくさん居るのがこの世の中だが。
だから今ここに浮かんでいる彼は、抜け殻に過ぎない。意識を失っているような状態で瞼を伏せ無表情で、水面を漂っている。まるで50年前を思い起こさせる光景だ。
私は絡めた髪を指から解く。両腕を水面に浮かぶ彼に伸ばした。水の中に手を差し入れ、彼の首の後ろを支えて抱き上げる。体に含んでいた水が一緒に引き上げられ、落ち、ざばんと音を立てて水面で弾ける。力なく両腕が垂れ下がり、水中に浸かったままの指が揺らめいた。
私は濡れるのも気にせず、彼を水槽から引き摺り揚げようとした。
ここはメ夕ルであり、ここに存在する彼も私もリアルの人間ではなくアバターなので、その重量や筋力は自在に操作出来る。そのため、リアルではあまり力があるとは言えない私でも、どうにか出来る程度に設定していた。
それでもあまりにもリアルと違えては現実的質感に欠けてしまうから、その辺りの設定は微妙なものがある。
- 334 名前:専脳 九嶋×破瑠 4/9:2008/05/05(月) 13:45:40 ID:VdzaTLy60
- ともかくこの私でも、一苦労する程度で彼の全身を引き揚げる事が出来た。水を滴らせている彼の体を段上に横たえる。そして私は片膝を立て、彼の後頭部を支え上げ、膝の上に乗せた。上手い具合に安定させる。
私は彼の首筋に触れた。人間の体温を保つようには設定しているので、今まで水に冷やされていたものの体には若干の温かみは感じられる。しかし脈拍までは感じられない。そこまでは設定していないからだ。
ソースコードに存在しないものは、事象として起こり得ない。それがこの、私が作り上げたメ夕ルの絶対原則だ。
彼の顔を覗き込む。血色は良くはないが死人のような状態ではない。今まで頭を動かされてきた事で口元は半開きになっているが、そこから息が漏れてくるかと言うと、そう言う事はない。前髪から滴った水が彼の頬や唇を濡らし、肌を伝う。
弾かれたように、私は動いた。勢い良く彼の上体に覆い被さる。片膝で彼の頭を支えた体勢のまま、私は片手で彼の顔を掴んだ。そのまま支え、私は自らの顔を近づけ、そして彼の唇を自分のそれで奪った。
唇が冷たい。舌先で彼の歯列は容易く押し割る事が出来、そのまま私は侵入する。動かない彼の舌を絡め取り、甘く噛む。それを押しやり口腔内を舐め上げる。
互いの顔の角度を変えて何度でも味わう。湿った音が私の聴力を支配する。口を吸い上げても彼は反応を返す事もない。それでも私は彼の唇を執拗に貪った。
彼の頭を支える手に力が入り、そのままに彼の髪を梳り掻き回す。もう片方の手を彷徨わせ、彼の片手に行き着いた。私はその手を取り、指と指を絡ませて組み合わせて重ね合わせる。
一旦、息をついた。舌を引き抜き、唇を剥がす。微かに唾液が糸を引き、そして途切れた。半開きのままの彼の口元は濡れて光を反射している。ちらちらと覗く舌が怪しく紅く感じられた。
- 335 名前:専脳 九嶋×破瑠 5/9:2008/05/05(月) 13:46:09 ID:VdzaTLy60
- ぐったりと私に支えられるままで反り上がった喉元のラインが美しい。私はその首筋に、今度は唇を落とした。軽く噛み付き、吸い付く。そして舌先で舐め上げる。そんな事をしても彼は何の反応を返さないと判ってはいる。
それが厭ならば、そう言うプログラムを作り上げて上乗せすればいい。完全な人格プログラムや一個人の人格のコピーは難しいが、こんな行為に対するだけの反応ならば色々なもので流用出来る――それこそ、違法合法を問わず一般庶民の間で流行っているようなもので。
しかし、それは「彼」ではない。私にはそれも判っていた。
只でさえ、今でさえ、現実に生きる彼にとっての冒涜を行っているのだ。これ以上、「彼」でない「彼」を作り上げて自分の欲望の捌け口にするなど、侮辱も良い所だ。
では今のこの状態は侮辱ではないのかと問われれば、充分に侮辱だろう。私は勝手にラインを引いて、そのぎりぎりの所で踏み止まっているつもりに過ぎない。
50年だ。50年、ずっと恋焦がれて来たのだ。
私のせいで彼は事故に遭い、目覚める事はなかった。最初の1年2年はまだいい。それから先は永遠とも等しい時間だった。眠り続ける彼を私は訪問し続けたが、このまま眠ったまま老いて死んでいくのかと覚悟した。
脳核自体にダメージがあると推測された以上、全身義体化に踏み切っても意味はない。電脳経由で働きかけを行っても目覚める事はなかった。それが50年積み重なって、今がある。
彼が目覚め、色々あった末にメ夕ルにダイブしてくれた時、どんなに嬉しかったか。それと共に、何を感じたか。義体化してあの頃の容貌を保ったままの私に対し、メ夕ルの彼もまたあの頃の容貌に戻っていた。丁度、ここにあるアバターのように。
- 336 名前:専脳 九嶋×破瑠 6/9:2008/05/05(月) 13:48:57 ID:VdzaTLy60
- それは、50年前を思い起こさせた。あの時失った彼と私の時間を。50年間思い焦がれた私の感情は、そこで爆発した。ああ、私は彼をそう言う意味で愛しているのだと。
これは独りよがりの感情だと私は理解していたし、互いの実年齢を考えるとリアルでそれを吐露する気にはなれなかった。
しかし、これ以上思い焦がれるのは厭だった。だから、あの時から報告書データを流用して彼のアバターを内密に開発し、このような不適切な行為に至っている。
メ夕ル内で様々なセックスに勤しむ一般庶民に較べたらまだマシか――いや、実在する一個人の幻覚を勝手に犯している時点で逆なのだろうか。
どちらにせよ、これが私のぎりぎりのラインだ。単なる肉体的な幻のみであり、そこに擬似人格を上乗せしないのは。受動的な人形でしかないのは。
私は彼を段上に寝かせ、その上に被さっていた。私が彼に手を触れプログラムに干渉すれば、淡い光と共にその箇所を覆っているダイバ−スーツが消失する。
そうやって私は彼の肌を一部を露にさせていく。そうやって現れた首筋や鎖骨に吸い付き紅い痕を残してやる。
仮に人格があれば、実在の彼ならば、こうしてやったらどんな表情をするのだろう、どんな声で鳴くのだろうと思う。思うが、妄想に留めておく。そうしないと今の我々では駄目なのだ。
――ならば50年前なら許されたのだろうか。互いが男である以上、これもまた、勝手なラインではないだろうか。しかしもう昔には戻れない以上、どうしようもない事だ。
- 337 名前:専脳 九嶋×破瑠 7/9:2008/05/05(月) 13:49:37 ID:VdzaTLy60
- 実年齢は年老いても肉体の年齢から解放されていれば、脳から性欲が失せる事はない。全身義体となれば生殖機能は失われるが、換装した義体の性能によっては快楽目的としてのセックスは可能である。
リアルでもそうなのだから、ましてやメ夕ル内ではその可能性は何処までも広がる。
張り詰めた筋肉を均等に纏った体を露にさせ、そのあちこちに痕を残していた。そして私は今、彼の腰を抱き足を抱え上げ、圧し掛かっている。
自らの腰を動かす事によって突き入れたものを抽送する。そこから伝わる感覚すらリアルだ。セクサロイドとしてのプログラムも導入していないのに、目も眩むような快楽が私を襲い続ける。
体を私に揺すられるままの彼の顔に手を伸ばし、頬に口付けた。そしてそのまま唇を奪う。丹念に吸い上げ、舌を絡める。口元が唾液で濡れ、漏れて零れてくる。
その瞬間が来る。私はそれを悟り、体を引き剥がした。ずるりと引き抜かれる感覚すら快楽へと変換される。握り締めた先端から勢い良く白濁がぶちまけられ、彼の顔に飛び散った。
- 338 名前:専脳 九嶋×破瑠 8/9:2008/05/05(月) 13:50:10 ID:VdzaTLy60
- ここでの全てはデータに過ぎない。
行為が終わり、私は生身の脳から快感が過ぎ去っていくのを感じていた。どうしようもない寂寥感がその後にやってくる事も事前に判っていたが、だからと言って抑え切れないのが性欲と言うものである。
溜息ともつかない息を整えつつ、アバターとは言え、私は自らの乱れた衣服を整えた。
そして私は視線を落とした。自らの欲望の残骸を見やる。白い液体を顔に纏わりつかせたままの彼は、無表情に瞼を伏せていた。後れ毛をうなじに張り付かせ、そこには紅い痕も残されている。陵辱にも程があると思わないでもない。
私は屈み込み、両腕を彼の肩に置いた。ゆっくりと力を入れ、押し出す。水槽から引き揚げるよりも数倍楽な労力で、彼を水槽の中に落とし込んだ。
ざぶりと音を立て、水飛沫が若干上がる。白い泡を巻き立てながら、彼の体が水槽の半ばまで沈み込み、そしてまた浮力によって上がってくる。水の動きに揺らめく纏められた長髪がなまめかしく思えるのは、まさかまだ発散しきれていないと言うことなのだろうか?
ともかく私は再び浮かんできた彼の顔を見やり、手をかざした。光球状のデータを送信し、彼の全身を再びダイバ−スーツで覆う。全ては分厚いスーツに覆われた。行為によるデータの変動はいずれ再生する。次に私がここに接続するまでには。
- 339 名前:専脳 九嶋×破瑠 9/9:2008/05/05(月) 13:50:54 ID:VdzaTLy60
- 水槽の透明な天井も再び構築する。仮に発見されても、現実に存在する人間のアバターを秘密裏に作成していた、それだけだ――と言い逃れ出来る状況にしておく。
ここに辿り着ける人間は居ないはずだった。
研究所自体のセキュリティを突破し、その上で私が構築しているセキュリティも突破する――そんなメ夕ルダイバ−がそう何人も居てもらっては、メ夕ルの治安としても困る。
しかし、これを発見すると一番まずい人間こそが、その可能性を大きく秘めている事に私は気付いている。
委託ダイバ−だから研究所内のメ夕ルにもある程度の深度まで侵入出来る許可を出しているし、彼の実力自体もメ夕ルが海を模したものである以上、素晴らしいものであるはずだった。
露見してしまえば、私も覚悟を決め、全て、黒い欲望を彼にぶちまける事が出来るのだろうか?しかしそれはおそらくまだ先の話であり、不可避の話と決まった訳でもない。
メ夕ル内の秘め事をリアルに持ち込まないようにするのが、メ夕ル利用の鉄則だ。私は落ち着くように溜息をつき髪を掻き上げ、そのままログアウトした。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
九嶋がかなり変態で破瑠本人は全く出せなかったが、後悔はしていない。
- 340 名前:風と木の名無しさん:2008/05/05(月) 14:40:16 ID:JpeGWbF10
- >>331
R/Dのク/シ/マとハ/ルに萌えてはいたが
こうして作品として読めるとは思ってなかった!
50年の秘めた恋に萌えた(*゚∀゚)=3
- 341 名前:風と木の名無しさん:2008/05/05(月) 14:56:00 ID:JfO2Sy2s0
- >>331
ハルにバレてしまうとこを妄想して禿げそうになった、GJ!
- 342 名前:オリジ 元掃除屋×現役掃除屋 1/3:2008/05/06(火) 00:46:46 ID:b/iu4JjF0
- |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
オリジナルです。
受の部下の女性視点。
立てつけの悪いドアを音もなく開けて、入ってきたのは上司だった。
「おはようございます」
そう言ったのは半ば厭味だった。それを敏感に感じ取ったらしく、上司は顔をしかめた。
「これでも走ってきたんだ、電車が遅れて」
そんなことは見ればわかる。彼は汗で濡れたシャツを豪快に脱ぎ捨てるところだった。
「普通、女の前でそんなことはしませんよ」
これで見苦しい体なら問答無用で汗臭いシャツをもう一度その頭に被せてしまうところだが、
残念ながら上司は筋肉質で均整のとれた体をしている。縦横無尽に走った傷跡でさえその体を引き立てるにすぎない。
「お前が普通の女なら俺だってしやしねえよ」
「あら、心外ですね。私だって普段は普通の女ですよ。」
「今は普段じゃねえだろう」
「ごもっともで」
目の前にコーヒーを置いてやるとダンケと言った。露わな背中をふと見る。
「休み明けのクセにえらく疲れていらっしゃると思ったら。今日は寝坊されたようですね」
昨日は随分とお楽しみのようで、と言えば何故と言いたげにする。気付いていないのか。
- 343 名前:オリジ 元掃除屋×現役掃除屋 2/3:2008/05/06(火) 00:49:05 ID:b/iu4JjF0
- 「死人と再会でもしましたか。」
「馬鹿言え、郭の女が離してくれなかったんだ」
は、と笑ってみせると上司は眉間の皺を深くした。
「それは随分と執着のきつい遊女もいたもので。
いったいどんなプレイをすれば背中がそんなことになるのか教えていただけますか。」
後学のために。と言えば彼は思い当ったようで、目をその大きな手で覆った。
「くそ、次会ったらぶっ殺してやる」
「次会う約束までされたんですか」
「するか、奴は表向きは死人だぞ。昨日だって酒場で偶然会ったんだ」
「彼は死んだとボスに報告なさったのは貴方でしょうに。
もっとも、彼が生きていると思っていたのは貴方だけでしたが」
さあこれをと新しいシャツを差し出せば渋い顔をした。
「新入りの坊やに見咎められて耳元でギャンギャン鳴かれたいのならそのままで結構ですが」
「アイツは俺に幻想を抱きすぎだと思うんだが。俺だってセックスくらいする」
言いつつ素直にシャツを着るあたり、どのようになるのかはわかっているのだろう。
だいだいキスマークだらけの屈強な背中というのは見ていて気持ちのいいものではない。
「幻想というよりは妄想でしょう」
「アン?」
怪訝そうに片眉を上げたこの男はひどく鈍い。
坊やが自分を犯したがっているなんて思いもよらないのだろう。実際男に跨られるという経験を昨日にもしているにも関わらず。
- 344 名前:オリジ 元掃除屋×現役掃除屋 3/3:2008/05/06(火) 00:52:25 ID:b/iu4JjF0
- 「しかし、彼は本当に生きていたんですね」
「死人と再会って言ったじゃねえか。生きてるって思ってたんじゃねえのか」
「生憎、貴方に突っ込むことが出来て、尚且つ背中をそんなにするまで執着している男というのを私は彼以外に知りません。
彼以外にもいるのなら申し訳のないことですが」
「いや、いねえ。いねえからそんな虫けらを見るような眼で見るんじゃねえ。下品な女だな」
「失礼しました。初出勤で緊張しているいたいけな部下への第一声が『処女か?』という上司に使われていますので」
「そんなこともあったっけねぇ!まったく可愛げのなくなったこと!」
ぬるくなったコーヒーを飲み干して、上司は山と積まれた書類を見た。灰色がかった水色の眼が鋭くなる。
「やれやれ、殺されなきゃなんねぇ人間の多いことだな。老いぼれ共ももっと節操を知ればいいのによ」
「そんなことを言って、老いぼれ上司の耳に入っても知りませんよ」
ハンと笑って、ぱらぱらと書類をめくり始めた上司を確かめてから自分の仕事に戻った。
「そういえばどうして彼が生きていると思ったのですか。あの状況では死んだと考えるのが普通でしょうに。あれはトラウマものでした」
「おいおい、俺が何回アイツを本気で殺しにかかったと思ってる?殺したって死ぬタマじゃねぇよ」
ニヤリと口を歪めた彼は死人の言うところの『セクシー』で、
恐らくは死人と同じ思考回路であろう坊やが職業に似合わぬ騒々しさでこちらへ近付いてくるのを知って溜息をついた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
お目汚し失礼しました。やほい要素が少なくて申し訳ない。
- 345 名前:風と木の名無しさん:2008/05/06(火) 02:46:29 ID:OwFjZtQx0
- >>342-344
'`ァ(*゚∀゚)'`ァハァハァ/lァ/lァハァハァ/ヽァ/ヽァ八ァ八ァノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア!!!
超GJ!!板違いですが部下の女性含めて萌えました。気が向いたらまた続きを!是非とも!!
- 346 名前:風と木の名無しさん:2008/05/06(火) 17:15:49 ID:WUte0XH30
- >>318
超人気ブログの雰囲気が出ていて萌えました。
壱八&参壱双子好きなので。ごちそうさまでした。
- 347 名前:愛の死 1:2008/05/06(火) 17:29:44 ID:8+bjxnqK0
- オリジナル、エロなしです。よかったらどうぞ。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「難しいな」
梁瀬は呟いて、視線を落として口を噤んだ。
土曜日の夕暮れ、室内はすでに薄暗くなりかけて、うつむく彼の顔に影を落としている。
その背後に置かれた重厚なウッドスピーカーから流れているのは、楽劇「トリスタンとイゾルデ」
「愛の死」。クラシックなぞ聴きつけないおれの第一印象は、果てしなくとりとめのない旋律が無限に
うねっている感じ――だったけど、何度か聴くうちに耳が心地よいメロディーを拾い上げるように
なっていた。
誤って媚薬を飲み干し、禁断の愛に身を焦がし、ついには死に至る騎士トリスタンと王妃イゾルデ。
後期半ばのドイツ語のクラスで、「趣味はオペラ」の担当講師が選んだテキストは、ワーグナーのこの長大な
作品で、その中のクライマックス、「愛の死」がおれたちに与えられた課題だった。
八木、梁瀬の名簿順で自動的にペアになるまで、目の前のこいつとはほとんど接点などなかった。
物静かで目立たない彼が、いつもipodで聴いているのがクラシックだと知ったのも、今回の課題が
きっかけだ。主におれの都合で、提出日までぎりぎりになってしまった金曜日、おれと梁瀬は学内の図書館
の閲覧室で向かい合っていた。
「オペラの台本なんだろ、これ」
ドイツ語びっしりのプリントアウトにうんざりしているおれを見て、梁瀬はくすりと笑った。
「正確には、楽劇」
「楽劇?」
眉を上げたおれに頷いて見せた彼は、小声で手短にオペラと楽劇の違いについて説明してくれた。
「つまり、楽劇ってのはワーグナーが創設したスタイルで、これが楽劇としての最初の作品てことか」
「うん」
「梁瀬んちに、これのCDある?」
「あるよ、対訳付きの」
おれの意図を読み取ったらしく、梁瀬は笑いながらおれに訊いた。
「よかったら、聴いてみる?」
- 348 名前:愛の死 2:2008/05/06(火) 17:31:00 ID:8+bjxnqK0
- 見るからに堅牢な外見のワンルームマンションの室内で、一番の存在感を誇っているのは、素人
のおれでさえ、性能と価格がとてつもなく高いだろうと想像がつくステレオセットだった。
「すげえな」
「貰い物と中古品のつぎはぎだよ。でも、音は悪くない」
次いで、目は壁に沿って置かれたキャビネット内にずらりと並んだCDにひきつけられる。
「これ、全部クラシック?」
「うん。ほとんど母親の持ち物だったんだ。じゃ、まずこれを」
荷物を置いてキャビネットから分厚いCDケースを取り出すと、やはり分厚い対訳と解説をおれに手渡し、
中のCDを一枚トレーに載せる。おれは思わず姿勢を正した。見るからに重そうなスピーカーから流れて
きたのは、これまで聴いたこともないような種類の音楽だった。
その臨場感に、圧倒されそうになる。
「コーヒーでいい?」
「あ、悪い。ブラックでよろしく」
「了解」
やつは笑ってキチネットに立った。
「つまり、イゾルデにとってトリスタンは」
あらすじを読んで、おれは少々混乱していた。
「恋人の仇だったけど命を救って看病してやってるうちに、いつのまにか好きになっちゃった男ってことか」
実にややこしい。
「で、その男がある日突然、自分の主人と結婚してくれって迎えに来た。イゾルデ、逆ギレ」
おれの好き勝手な解釈を聞いて、可笑しそうに笑っていた梁瀬がぽつりと言った。
「その気持ち、わかるな」
えっ、とおれは思わず梁瀬を見る。
「梁瀬も、キレたりするの?」
「うん」
温和な表情で、やつは頷いた。
- 349 名前:愛の死 3:2008/05/06(火) 17:31:35 ID:8+bjxnqK0
- 「腹の立つことがあればね」
「へえ」
想像できない。
「変かな?」
「いや、新鮮」
「なんだよ、それ」
噴出した梁瀬につられ、おれも思わず笑い出す。
ほんとはこう言いたかったんだ。「意外」
おれたちの年齢で、誰ともつるまずひとりで行動するということは、大抵の場合、多少の背伸びと虚勢を
伴う。しかし、彼にはそれがない。教室でも学食でも、ひとりでいるのがとても自然に見えるのだ。その
理由を深く考えたことはなかったが、こうして話してみると分かる気がする。たぶん、こいつはおれたちに
較べて精神年齢が高いのだ。
「八木だって、理不尽なことがあったらキレるだろう?」
そりゃもう、おれにとっては日常茶飯事だ。
「キレますよー、しょっちゅうキレてる」
梁瀬は、きれいな歯並みを見せて再び笑った。
「でも、逆ギレはしないよね。正当な理由があって、怒ってる。あの時だって――」
それは、おれが前のバイト先をクビになった一件だった。
ファミレスの深夜シフト、飲み会の流れで入ってきたらしいリーマンのグループが、常連客に対し
聞くに堪えない暴言を吐いたのだ。それはどう見ても鬱憤晴らしの嫌がらせで、完全にブチ切れた
おれは、思わずやつらを怒鳴りつけていたのだった。
「ああ、あれ……てか、お前、見てたの?つか、いたのか、あの場に?!」
「うん。僕もバイトの帰りだった」
まじかよ、やめて〜と恥かしさに悶えるおれを見て、梁瀬はふっと真面目な表情になった。
「凄いと思った。カッコよかったよ」
「えっ」
- 350 名前:愛の死 4:2008/05/06(火) 17:32:09 ID:8+bjxnqK0
- 切れ長の涼しげな目が、一瞬おれをじっと見てすぐにもとの笑顔に戻った。
「これ、対訳だけやっちゃわないと。八木、バイトあるんだろ?」
おっと、そうでした。おれは壁に掛かったカレンダーを睨んだ。今日は金曜日。
「提出、来週の月曜か。対訳やって、あと解釈か……ちょっとタイトだな。土日、時間ある?」
「……うん」
ノートパソコンから目を上げて、梁瀬が頷いた。
「八木がよければ、また、ここでやる?」
「えっ、いいの?」
おれはよほど嬉しそうな顔をしたらしい。梁瀬は可笑しそうに、かまわないよ、と言うと
「ただし、BGMの持込みはご遠慮願います」
と笑った。
- 351 名前:愛の死 5:2008/05/06(火) 17:32:48 ID:8+bjxnqK0
- 言われるままに赤外線でアドレスを交換したちょうど六時間後、バイトの休憩時間中に、僕の携帯は
彼からのメールを受信した。
『明日午後三時でOK?なんか買って行くので、リクエスト、プリーズ 八木』
簡潔で気持ちのいい気遣いに満ちた文章に、思わず顔がほころぶ。知るほどに、これほど印象の変わる
人物は初めてだ。
八木に対する第一印象といえば、常に人の輪の中心にいる、彼がいるだけでまわりに自然と人が集まって
くる、そんなタイプ。今風のルックスで頭の回転と運動神経が良い、僕としては敬して遠ざけたい種類の
人間だった。今から三ヶ月ほど前、深夜のファミレスで思いがけない場面を目撃するまでは。
その日、バイト先で休憩を取り損ねていた僕は、軽い食事を摂りたくて近くのファミレスに入った。
ベーグルサンドとコーヒーを頼んで一息ついたところで、喫煙席の方から罵声と嘲笑が聞こえてきたのだった。
「ここはいつから二丁目になったんだー?!」
僕は思わず、パーテーション越しに背後を返り見た。大人しそうな中年男性ふたりを囲んでいるのは傍目
にも酔っているのがはっきりと分かる、三十代くらいのサラリーマン四人だった。彼らの口から次々に
発せられる言葉から、蒼白な顔で屈辱に耐えているふたりがカップルなのだと知れた。
――理不尽だ。
嗜好がマイナーだというだけで、こんなふうに公の場で貶められる理由などないはずだ。僕が思わず拳を
握り締めたとき、長身のウエイターが大股で登場し、ふたりを庇うように両者の間に入った。
――あれ、あいつ……
僕の脳内メモリーが突如現れた制服姿のウエイターの顔と名前を一致させるのとほぼ同時に、大声が店内に響き渡った。
「てめえら、いい加減にしろ!」
長身の彼に一喝されて四人は少々怯んだが、人数と客の立場をかさに来て、八木に喰ってかかり始めた。
「お前、従業員の分際で、お客様に向かっててめえとはなんだ!」
「お客さんに因縁つけるようなやつらは客じゃねえ、ただのクズだ」
「なんだと!この場でクビにしてやる!店長呼べ!」
「上等だ!やってみろ!」
- 352 名前:愛の死 6:2008/05/06(火) 17:33:30 ID:8+bjxnqK0
- 絵にかいたような売り言葉に買い言葉で、その後の展開はセオリー通り。慌てて飛び出してきた店長が
なんとか四人を宥めすかしてお帰りを願った直後、八木は耳を引っ張られてバックオフィスに退場していった。
――どう考えてもクビだよな。
僕はといえば、半ば呆れ、半ば感嘆しつつ、奇妙な爽快感を噛み締めていた。正直、あんなやつだとは
思ってもみなかったのだ。もっと賢く、要領よく立ち回る、そんなやつだと思っていた。だから、それから
二ヵ月後にドイツ語の課題で彼と共同作業をすると決まった時は、直接話せる機会ができたことを楽しみに
思う気持ちの方が強かった。そして、その直後、私用で時間が取れないため一週間待ってくれと言われた時は、
与えられた課題に熱心に取り組むタイプではないのだと判断した。
しかし、一週間たってみると今度は僕の都合で作業は延期になり、結局初めての打合せは提出期限の三日前
つまり今日になってしまったのだが、彼が僕の部屋に来たのは、対訳よりも実際の作品を聴いてみたいと
いう好奇心ゆえだったと知り、またもや八木に対する認識を改めさせられたのだ。
「梁瀬くん」
店長に声をかけられ、僕は振り返った。
「はい?」
「今日はもう上がっていいよ。これ、よかったら持って帰りなさい」
店長が掲げて見せたのは、濃い緑色のワインボトルだった。抜栓済みで、中身が半分残っている。
「いいんですか?!」
僕のリアクションに、店長は笑って頷く。
「もちろん。いつも、BGMのセレクトと音源提供ありがとう。評判いいよ」
「ほんとうですか?」
ワインも嬉しいけど、その言葉はもっと嬉しい。僕は改めて店長の方を向き、お辞儀をした。
「ありがとうございます、ご馳走様です。じゃ、お先に失礼します」
「はい、お疲れさん」
頷いた後、店長は僕を見て感心したように言った。
「きみは本当にきちんとしてるね。お母さんの躾が良かったんだろうなあ」
僕は曖昧に笑いながら、ボトルを受け取った。
- 353 名前:愛の死 7:2008/05/06(火) 17:34:01 ID:8+bjxnqK0
- 「やっぱり、従来の解釈は『死による愛の完結』だね」
解説書やコピーをめくりつつ、物語の内容と主人公たちの心情を説明してくれた後、梁瀬は締め括った。
背後ではかけっぱなしにしているCDが低く流れていて、透き通るようなソプラノが長調とも短調ともつかない旋律を謳い上げている。
「この世で一緒になれないなら、あの世で、か」
「納得いかない?」
おれが眉を寄せているのを見て、彼は尋ねた。
「う〜ん……」
この部屋を再訪して数時間、「作業」は全く進んでいない。正直、「解釈」にこれほどてこずるとは思ってもみなかった。
『誰かの意見ではなく、自分たちが納得したことを言葉にしてきて下さい』
講師の指示は簡単だったが、それが一番難しい。なぜなら、彼らの行動はおれたちの理解の範囲をはるかに超えているからだ。
「お前は納得できる?」
質問を、そっくりそのままふってみる。意見のすりあわせをする時には有効な手段だ。
「納得はできないけど、説得力はあると思う。不倫関係だし、トリスタンはイゾルデの恋人を殺してしまった負い目がある。イゾルデにとっても、彼は本来復讐すべき相手だよね。お互い、心情的にまさしく八方ふさがりの状態だ。」
「死ぬしかない?」
「そう思っても不思議じゃない、と思う」
「そっか……」
「八木はどう思う?」
尋ねられて、おれはずっとひっかかっていたことを言葉にした。
「なんかさ、このふたり、始めからすべてのベクトルが死に向かってるんだよな」
「……うん」
おれの意見に梁瀬はちょっと目を瞠ったが、いつもの温和な表情に戻った。
「たしかに。トリスタンは何度も死のうとしているし、イゾルデはトリスタンに飲ませた毒を半分奪い取って自分でも飲んでる。まあ、毒じゃなかったわけだけど」
- 354 名前:愛の死 8:2008/05/06(火) 17:34:48 ID:8+bjxnqK0
- 「イゾルデの侍女のブランゲーネ?がすりかえた媚薬だよな。でも、それって――」
「それって?」
「ずっと好きだった相手と差し向かいで惚れ薬を飲んだりしたら、どうなると思う?」
「相手のことしか目に入らなくなるだろうね」
「だよな?何もかもどうでもよくなるだろうけど、いきなり一緒に死のう、とはならないんじゃないか?薬の作用で何かの箍が外れたんだとしたら、それはきっと――」
梁瀬は、そうか、と言うと身を乗り出すようにおれの後を引き取った。
「このふたりは、この世で結ばれることを信じてなかったんだ」
「そうだよ、こいつら、十六歳か十七歳か、そのくらいだったんだろ?」
「そう、とても若かった。だからこそ、理想であるところの愛はこの世に存在しないと思い込んでた」
「そこでお互い出逢ってしまった。しかも障碍だらけの恋だ。理想を実現するには死ぬしかない、
つまり――」
「死ぬことは始めから決まってた」
ハモったあと、おれたちふたりはローテーブルをはさんでハイタッチしていた。
「やった!完璧!」
「新解釈かも」
梁瀬は頬を上気させてにこにこしている――嬉しそうに、終わってしまったCDを取り出し、別のディスクをトレーにセットしている。こいつ、ほんとうに音楽が好きなんだ。
「僕がまとめておくよ」
「だって、対訳もお前がやってくれたじゃん。おれがやるよ」
「いいよ」
スタートボタンを押すと、おれを見て破顔する。
「僕がやった方がはやいだろ?」
そりゃそうだ。おれは即座に納得する。
「お前さ、なんで経済学部?」
「なんでだろうね」
可笑しそうに笑う様子に、おれもなんだかハイになる。さっきまでは音量を絞って流れていた「愛の死」が、立体的に再生され始めた。
- 355 名前:愛の死 9:2008/05/06(火) 17:35:22 ID:8+bjxnqK0
- 「祝杯あげたい気分だな」
「じゃ、飲もうか。ワインがあるんだ」
「えっ」
驚いて顔を上げると、すでにローテーブルの上には、ワインボトルと素焼きのグラスが二脚ならんでいる。
「おれ、ワインは――」
「ああ、嫌い?じゃ、発泡酒にする?」
「いや、わかんないからさ、もったいないよ」
「わかるもわからないもないよ。旨いか不味いか、それだけだ」
音楽と一緒、と付け加え、やつはきれいな色の酒をグラスに注ぐ。そのしぐさはとても優雅で手馴れていて、おれは思わず見とれてしまう。
防音完備のマンション、大量のクラシックのCD、当たり前のように出てくるワインとグラス。
お前、一体何者なんだ――?
「じゃあ、乾杯」
「ああ――乾杯」
おそるおそる口に含んだワインは、ひどく複雑な味だった。
「どう?飲めそう?」
目元を優しく笑わせて、やつがおれを見た。
「うん、一杯だけなら」
「よかった」
「なんかさ、ごめん」
「なにが?」
やつが、眉を上げておれを見る。おれは思わず目を伏せた。アルコールのせいか、胸が少し苦しかった。
「ぎりぎりまでとりかかれないわ、ほとんどやってもらうわ、部屋に上がりこんで酒まで飲ませてもらうわ―
―サイテーだな、おれ」
「そんなことないよ。八木と組めて、楽しかったよ。いろいろ話せたし」
寛いだ様子で言いながら、やつは二杯目の酒をグラスに注いだ。その表情からも口調からも、全く酔いは感じられない。おれは、グラスに残っていたワインを一気に呷った。
「いろいろついでに、訊いていい?」
- 356 名前:愛の死 ラスト:2008/05/06(火) 17:37:16 ID:8+bjxnqK0
-
「うん、なに?」
やつは、再びディスクを替えた。ほどなくして、流れ始めたのは「前奏曲」だった。
おれの求めに応じ、やつが詳しく解説してくれた曲だ。
どこか不安を感じさせる「トリスタン動機」、やがて弦楽で奏される「愛のまなざしの動機」「愛の魔酒の動機」。
柔らかいその音色が、おれの体温を上げる。
おれは、こちらを見て質問を待つ切れ長の目を真っ直ぐ見た。
「お互いの性別って、恋愛の障碍になると思う?」
その時おれの脳裏に浮かんでいたのは、いつかおれが庇った、男同士の恋人たちの姿だった。
「えっ」
梁瀬は絶句しておれを見た。なにを言い出すのか、という表情だ。言ってしまった後で、おれも我ながら驚い
ていた。でも、どうしても訊いてみたかった。
「難しいな」
やつは呟いて、視線を落として口を噤んだ。スピーカーからは様々な「動機」が現れては複雑に絡み合い、
上昇を続けている。切なくなるような旋律が室内を満たしてゆく。
長い沈黙――実際には数十秒に過ぎなかったのだろうが――のあと、やつはようやく顔を上げた。
「一般的に考えて、それはきっと障碍以前の問題だろうけど、個人的には――」
真っ直ぐな視線が、正面からおれを捕らえた。
「どうでもよくなると思う」
きっぱりと言い切ったあと、その目が優しく笑った。
「八木は?」
「おれもたぶん――相手のことしか見えなくなるだろうな。媚薬なんかなくても」
おれたちは、声を合わせて笑った。曲が終わり、おれは彼に言った。
「お前が一番好きな曲、リクエストしていい?」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
長くてすみません。失礼しました。
- 357 名前:恐怖神話で学園パラレル小ネタ:2008/05/06(火) 21:12:18 ID:5Pa05TDbO
- くとぅるー神話の邪神様達+αが擬人化してて学校通ってたらどうなるか、なネタです。這い寄る混沌が先生役です。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 358 名前:恐怖神話で学園パラレル小ネタ1/3:2008/05/06(火) 21:16:48 ID:5Pa05TDbO
- 3年びー組這い寄る先生ー!〜未知なる801をホームルームに求めて編〜
ガラガラ…
ショゴス「キリーツ!キヲツケー!レー!チャクセーキ!」
ニャル「挨拶は面倒だから抜きで良い。どうせ私達に時間帯など関係無いしな。」
ニャル「では、今から出席を取る。呼ばれた奴はきちんと返事をしろ」
ニャル「クトゥルー」
クトー「…………zz」
ニャル「寝るな。…いや、やっぱり寝ていろ、…お前が起きたら地震が起きるからな…」
クトー「……………zzz」
ニャル「次だ。…チャウグナル・ファウグン。…ああ、今は昼間だからあいつは来れないんだったな………奴はまた欠席、と…(カキカキ)」
ニャル「…次。ティンダロスの猟犬は、……今日もストーキングで欠席、と(かきかき)」
ニャル「次、ヨグ・ソトホート」
???「……はい(ベールをした人間ぽいのが手を上げている)」
ニャル「いや、お前はウムルだろうが。…ヨグの奴はどうした?」
ウムル「…化身の僕では…駄目ですか…?」
ニャル「………(かきかき)」
ウムル「………(ぴらり?)」
ニャル「…仕方ない、……構わん。構わんからベールを剥ぐそぶりをするな!」
ニャル「次はハスターだな」
???「ああ、我ならば居るぞ(黄色い衣を着た人間ぽいのが、クトゥルーにシャー芯を投げ付けながら空いた方の手を振っている)」
ニャル「とりあえずお前は後で掃除だな…(かきかき)」
- 359 名前:恐怖神話で学園パラレル小ネタ2/3:2008/05/06(火) 21:18:35 ID:5Pa05TDbO
- ニャル「ツァトゥグアは――まだ引きこもり(?)中だったな…そのうち家庭訪問に行ってみるか…」
ニャル「アトラク・ナクア」
アトラ「……」
ニャル「アトラク・ナクア」
アトラ「…………」
ニャル「…アトラク・ナクア」
アトラ「…………」
ニャル「………編み物に熱中してる暇があれば返事をしろ!(チョーク投げ)」
ぬこ1「にゃーにゃー」
ぬこ2「にゃー、にゃーにゃー」
ニャル「そこ、もう少し静かにしろ。…次、土星からの猫」
ぬこ3「にゃー」
ぬこ2「にゃー!」
ぬこ1「にゃにゃ?」
ぬこ3「…にゃー!!」
ニャル「お前達は土星出身では無いだろうが…騒ぐな、分かりにくい」
ぬこ1「にゃー、にゃー」
ぬこ2「にゃぅー…」
ぬこ3「きしゃー!」
ニャル「次はドリームランドの……おい、地球のと土星のは喧嘩するな!お前らが飛び回ると教室中に被害が広がるだろうが!」
- 360 名前:恐怖神話で学園パラレル小ネタ3/3:2008/05/06(火) 21:19:38 ID:5Pa05TDbO
- ニャル「次、アザトホース」
アザ様「…………(無反応)」
ニャル「……様、は居るな…」
アザ様「………………(無反応)」
ニャル「――よし、これで来れる奴は全員だな。では、一時限目を」
クトゥ「はいはいはいー」
ニャル「無駄に三回繰り返す位ならいっそ一生言い続けていろ。………ああ、そういえばお前も居たんだったな、クトゥグァ。すっかり忘れていた」
クトゥ「うわ、…酷いなぁ、先生ってば………住所調べて放火しに……ボソボソ…」
ニャル「ともかく、一時限目の数学を始める。今日は先日やったルーシュチャ方程式についての復習から――」
ショゴス「(´・ω・)……アレ?」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
gdgdな上に気付いたら全然801ぽくない…orz
- 361 名前:風と木の名無しさん:2008/05/06(火) 21:31:11 ID:NW1/ZU630
- >>357-360
だが先生に萌えたwありがd!
- 362 名前:風と木の名無しさん:2008/05/06(火) 21:40:59 ID:TiAeaxiE0
- >>347-356
GJ!!!
梁瀬と八木のキャラクターと、二人の会話の流れがとても好きです。
雰囲気に萌えた…(*´Д`)
「いろいろついで」に相手の生活内容を訊くのかと思ったら、
違う質問だったので、一気にどきりとしました。
良いものを読ませてもらってありがd!!
- 363 名前:風と木の名無しさん:2008/05/06(火) 21:42:05 ID:b/iu4JjF0
- >>347-356
萌えた!GJ、ありがとう!
作中に出てくる音楽を聴きたくなりました
- 364 名前:風と木の名無しさん:2008/05/06(火) 22:57:48 ID:6rmxr2+FO
- >>344
少々亀だが、萌えた!
続きというか、背景が気になる。
男らしい受は大好物です!
- 365 名前:風と木の名無しさん:2008/05/06(火) 23:32:03 ID:F43gH3af0
- >>357
プシュッ!(ファンタを開ける音)
「宇宙一キュートな先生、ニャル先生に乾杯」
スイカ天プラ味新発売!
カオスな味だよ!
- 366 名前:風と木の名無しさん:2008/05/07(水) 00:14:49 ID:I9kGPIfN0
- >>331
萌えたー
SF描写も楽しめました
- 367 名前:風と木の名無しさん:2008/05/07(水) 01:00:53 ID:2yDMlp8j0
- >>357
GJ!GJ!!
801要素がなくとも萌えたよ!!
そうか…ぬこがいたのか……なるほどw
- 368 名前:風と木の名無しさん:2008/05/07(水) 21:19:35 ID:Zb14DRfx0
- >>357
編み物に熱中する後楽に悶えた! GJ!
クトゥルーで801なんて考えたことも無かったけど目覚めたよ。
関係ないけどニャル先生って響きが可愛くて好きだ
- 369 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 1/10:2008/05/08(木) 05:51:08 ID:Sn4m9GzZ0
- |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
※ナマ注意!
ヱフ/ワソ 眉黄身前提の黄身・公・眉・平気。
>>293-299の続きです。レス下さった姐さん達ありがd!
「フェノレナンド……キス、して…?」
ふざけてそんな事を言っているような表情ではなかった。
今までに見たことの無い、シリアスでやや緊張感が漂っているへイキの眼差し。
フェノレナンドは酷く動揺していた。
「何言い出すんだよ…」
搾り出した声が驚くほど掠れていて、自分の不甲斐なさに心の中で舌打ちをする。
どうすべきか結論が見出せず、フェノレナンドが硬直したままでいると、
黙ってみていたへイキが腕に力を入れて強引にフェノレナンドを引き寄せ
自分のそれをフェノレナンドの唇に押し当ててきた。
「……っ…」
へイキの閉じられた瞼の先で、睫毛が小さく震えている。
脳裏でフラッシュバックする映像。
腹の奥底で欲情の塊が大きく脈打つ。
- 370 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 2/10:2008/05/08(木) 05:52:19 ID:Sn4m9GzZ0
- 殻を破ろうとするそれを封じ込めるように一度固く眼を閉じるとフェノレナンドは
肘をベッドにつけたまま手首を捻らせ、拳でコツンと小さくへイキの頭を打った。
「何寂しがってんだよ。そんなに黄身が待ちきれないのか?」
「フェノレナンド・・・」
戸惑うへイキの髪をぐしゃぐしゃと掻き混ぜ、微笑むフェノレナンド。
「ごめんなへイキ。…やっぱりオレ、キス出来ない」
「オレがキスしたいって思うのは、世界で独りだけだから」
へイキはそう宣言して笑うフェノレナンドの顔をじっと見つめていた。
無垢な彼の笑顔に何故か涙がこみ上げて来る。
「ずるいよ、黄身ばっかり」
溢れそうな涙を隠そうと、へイキは寝返りを打って顔を伏せた。
「僕だってフェノレナンドが好きなのにさっ!」
拗ねた口調でごねるへイキの耳が赤くなっているのに気付いて、
フェノレナンドは眉尻を下げて満面の笑みを浮かべた。
- 371 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 3/10:2008/05/08(木) 05:53:33 ID:Sn4m9GzZ0
- 「ありがとう、へイキ。オレもお前が好きだよ」
へイキの肩に手を掛けてこちらを向かせるとフェノレナンドは
零れ落ちた涙を掬うように、彼の頬を優しく掌で包んだ。
「但し、黄身の次にな」
「…ぼ、僕だってフェノレナンドなんか黄身の次だ!」
声を立てて笑ってから、二人はお互いをぎゅっと抱きしめあった。
〜〜〜〜〜
傾き始めた太陽の光が溢れる屋上。その眩しさに黄身は鬱陶しげに眼を細めた。
疎らではあるものの、いくつかの人影がそこにはある。
素直に後をついてくる黄身の気配にほくそ笑みながら、ノレイスは
空調設備が立ち並ぶ場所へと足を進めた。
「こうやって2人きりで会うのは初めてだよね」
振り返ってニッコリと笑いかけると、黄身はフンと鼻を鳴らしてそっぽを向いた。
大げさに肩を竦めて見せて、金網のフェンスに背を預けるノレイス。
「あ〜あ、微笑んでもくれないの?フェノレナンドと一緒の時はあんなに楽しそうなのに」
「話があるならさっさとしろ。さっきからそればっかりで飽き飽きだ!」
黄身の拳が金網を叩く。
ガシャン、という耳障りな音がして、その揺れがノレイスの元まで届いた。
- 372 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 4/10:2008/05/08(木) 05:54:45 ID:Sn4m9GzZ0
- 黄身の苛立ちはとうに許容範囲を超えていた。
あらん限りの怒りを込めてノレイスを睨みつける黄身。
その態度がただノレイスを楽しませているという事にまだ黄身は気付かない。
「ねえ、どうやってフェノレナンドと仲良くなったの?知ってのとおり、僕と彼は
酷く険悪で、未だに目も合わせて貰えないんだ。仲直りのコツを教えて欲しいな」
「オレには関係ない」
「そう言わずに教えてよ。どんな風にすればフェノレナンドは喜んでくれるの?」
隙の無い微笑を浮かべて黄身に歩み寄るノレイス。
「ああ、フェノレナンドがあんたを悦ばせてるのか」
「な……っ!?」
早急な動きで黄身の肩を掴み、ノレイスは力任せにその身体をフェンスに突き飛ばした。
不意打ちを喰らってよろける黄身の両脚の間に腿を割り込ませ、身動きを封じる。
振り下ろされる黄身の拳を難なくかわし、その手首を取って捻り上げると
「興味があるな」
晒された白い首筋にノレイスは舌を這わせた。
- 373 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 5/10:2008/05/08(木) 05:56:14 ID:Sn4m9GzZ0
- 途端に黄身の身体が大きく揺れて、抵抗が僅かに緩む。
「フェノレナンドとはどんなコトしてるの?」
「……っ…」
「もう何度かは寝たんでしょ。男同士でヤるのってどんな気分?」
脱出しようともがく黄身のシャツに手を滑り込ませるノレイス。
脇腹を撫ぜると、黄身の白い頬が見る間に赤く染まった。
「…凄いね、感じるんだ?」
「触るな、……クソったれ!!」
体躯を弄る手が上昇を始め、胸の突起に触れる。
瞳を見開く黄身の表情を観察しながら、ルイスは躊躇い無くそれを爪の先で引っ掻いた。
「っ・・・、・・・!」
ヒク、と黄身の喉が鳴った。
乱暴にノレイスのシャツを握り締めた拳が、ノレイスの指の動きに反応して何度も戦慄く。
黄身の身体が跳ねる度、フェンスがガシャガシャと不規則な音を立てる。
「こういうの、慣れてるんだね…」
黄身の首筋に顔を埋めながらノレイスが囁いた。
「……くたばれ、クソ野郎ッ…!!」
- 374 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 6/10:2008/05/08(木) 06:17:52 ID:Sn4m9GzZ0
- ノレイスの指が黄身のズボンのベルトにかかった時、
トン、と肩を叩かれてノレイスは反射的に後方に振り返った。
瞬間、頬に強烈な衝撃を喰らってノレイスの身体は横なぐりに吹っ飛んだ。
突然の出来事に、ノレイスも、そして黄身も驚きを隠せないでいる。
固く拳を握り締めてそこに立つ、フェノレナンドの姿。
「フェノレ…ナンド……?」
一瞬だけ投げかけられたフェノレナンドの視線は凍りつくほどに冷たく鋭い。
黄身は身体を強張らせて息を呑んだ。
尻餅をついたまま見上げるノレイスの元に、ゆっくりと近づいていくフェノレナンド。
口端に滲んだ血液を舌先で舐め取り、ノレイスはニヤリと笑いながら立ち上がった。
「王子様の登場?台本どうりで笑っちゃうね」
「………」
無言のまま、フェノレナンドが拳を振りかぶる。
その打撃をノレイスは甘んじて受けた。
「フェノレナンド!」
黄身の叫ぶ声が空調のファンの音にかき消される。
- 375 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 7/10:2008/05/08(木) 06:20:26 ID:Sn4m9GzZ0
- 倒れたノレイスの上に馬乗りになって胸倉を掴むフェノレナンド。
きつく締め上げられ、ノレイスは苦しげに顔をしかめながら
それでも頬を引きつらせて歪んだ笑みを漏らした。
「あんたが黄身に惚れてるのは知ってたけどさ……」
「……」
「…良かったね、黄身も…あんたにベタ惚れみたいだよ」
ピクリとフェノレナンドが反応を示す。
僅かに拘束が弱まった隙を突いて、ノレイスはフェノレナンドの脇腹めがけて
力の限りに拳を叩き込んだ。
「…っ…!」
強襲された脇腹を抱えて蹲るフェノレナンド。
「これでおあいこだよね。…僕の方が一発足りないけど…」
ノレイスは立ち竦む黄身をにチラリと視線を送り
「まあ、前借り分と相殺って事で」
フェノレナンドの背中をポンポンと叩いて立ち上がった。
差し出されたノレイスの手を払いのけ、フェノレナンドもフラフラと立ち上がる。
「…今日の事は忘れてやる。ここから失せろ」
「それってあんたじゃなくて黄身のセリフだと思うけど?」
- 376 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 8/10:2008/05/08(木) 06:21:40 ID:Sn4m9GzZ0
- 黄身は2人の視線を避けるように深く俯いている。
乱れた黄身の着衣に眉を顰め、フェノレナンドは再びノレイスを真正面から睨みつけた。
「今すぐ失せろ!!」
大仰にため息をつき、降参のポーズをとるノレイス。
「オーケー、分かったよ。ボヤボヤしてたら殺されそうだ」
ゆっくりと黄身に振り返ってノレイスは、いつもどおりの笑顔を浮かべて見せた。
「ねえ、あんた、フェノレナンドに愛してるって言った事無いの?」
「な…っ」
そこで顔を赤らめたのは黄身ではなく、フェノレナンドの方だった。
「たまには素直になってみたら?僕の前ではあんなに素直だったんだから」
残された黄身とフェノレナンドは、互いに掛ける言葉を見つけられずに
しばらくの間立ち尽くしていた。
吹き抜ける風がフェノレナンドの髪を掻き乱す。
フェノレナンドは密かに思案にくれていた。
ノレイスが残していった最後の言葉が、頭から離れなかった。
──あいつと、何の話をしたんだ?
──何故、あいつと2人でいたんだ?
- 377 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 9/10:2008/05/08(木) 06:23:43 ID:Sn4m9GzZ0
- だが、どれ一つとして、今の黄身に聞けるような話じゃなかった。
嫉妬妄想に取り付かれた哀れな女のような事をするのは好きではなかった。
第一、こんな事でぐずぐずと頭を悩ませるのは自分の性分ではない。
フェノレナンドはガシガシと頭を掻き毟った。
「黄身!」
弾かれたように黄身が顔を上げてフェノレナンドを見た。
「…今から、時間空いてるか?」
「………」
フェノレナンドの真意が掴めず、黄身が小さく首を捻る。
「『会いたい』って言ったの…覚えてる?」
「……ああ」
昨日のレ―スの後、ポディウムから降りて来た黄身にフェノレナンドは
祝福の言葉を述べる振りをして背中に手を遣り───『会いたい』と、指で書いた。
まさかそれをあのイギりス人が見ていたなど、当のフェノレナンドは露程も気付いていなかったのだが。
あの時、フェノレナンドの目には黄身が小さく頷いてくれたように見えたのだが
結局約束を交わす事無く別れてしまったので、今こうして2人が同じ場所にいる事は
奇跡としか言いようがなかった。
- 378 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 10/10:2008/05/08(木) 06:24:49 ID:Sn4m9GzZ0
- 「どこか、落ち着いて話せる場所でもあればな……」
顎に手を当てて考え込むフェノレナンドをじっと見ていた黄身が
「…オレの部屋に来たら?」
躊躇いがちに口を開いた。
「黄身の…部屋?」
こくりと頷く黄身。
「週末から泊まってるホテル。まだチェックアウトしてないから。夜にはまたここに来なくちゃ
いけないからそれまでだけど…」
それでも構わないなら、と付け足して黄身はフェノレナンドの回答を仰いだ。
勿論フェノレナンドには何の異論もなく、ホテルの部屋というならいろんな意味で大歓迎だ。
「良いよ。じゃ、行こうか」
ポケットに突っ込んであった車の鍵を黄身に見せながら、フェノレナンドはニコリと笑った。
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
申し訳ありません、うまく納まりませんでした。
次回投下分で完了すると思いますので…
アグリ…・゚・(ノД`)・゚・
- 379 名前:風と木の名無しさん:2008/05/08(木) 17:33:15 ID:bCX1TPmQO
- >>369姐さん待ってたーーーー!!(・∀・)
いやもうGJですGJ!
やばい眉と平気が可愛くて禿げたよ。
黄身と公のやり取りもハラハラしつつ公腹黒萌えw
続き待ってます!
アグリ…・゚・(ノД`)人(´Д`)・゚・
- 380 名前:風と木の名無しさん:2008/05/08(木) 21:10:16 ID:NNL64l2oO
- >>369
姐さん待ってました!
眉が男前で萌えです
゛'.`(´;ω;`)',"、アグリ-
- 381 名前:風と木の名無しさん:2008/05/09(金) 00:57:54 ID:9YKmB3kJO
- >>50>>100>>150>>200>>250>>300>>350>>400
すみませんありがとう
- 382 名前:風と木の名無しさん:2008/05/09(金) 17:58:03 ID:n0eIOIzM0
- >303
ありがとういいもの見せてもらいました
ちゃんとクランチしてるよー
- 383 名前:わたきも:2008/05/10(土) 01:26:56 ID:s//r8EMl0
- 某えぬえいちけいの子ども向け道徳番組「わ/た/し/の/き/も/ち」
より、ミニコントをするウエダくんとシタダくんです。シタ×ウエ。
今期になってコーナーがなくなってしまったので、かなりマイナーだと思いますが…
どうしても萌えが止まらなくなりました…
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 384 名前:わたきも 1/5:2008/05/10(土) 01:27:53 ID:s//r8EMl0
- ぷらぷらと広場を歩く。天気は晴れ。澄み渡った空の抜けるような青が眩しい。
雲ひとつない、どこまでも遠い空を見上げていると、鳥が一羽、視界を横切って消えていった。
いつもいつも僕は何があってもこの広場へ向かう。だってここには大事な大事なともだちが居るから。
誰よりも会いたい、大好きなともだちが居るから。広場に近づくにつれ、足が速くなるのを止められなくて、
最後には走り出していた。
広い広場に、見慣れた背中。ああ、今日は砂場で遊んでるんだね。
「ウエダくーん!」
少し茶色がかった頭に向けて、思いっきり声を張り上げた。
さあ僕の大事なともだち。
今日は何して遊ぼうか。
「ウエダくん!なーにしてるの?」
砂場の端に腰掛けて、俯いているウエダくんの前に回りこんで、僕はその顔を覗き込んだ。
ウエダくんの大きな目が少し驚いたように見開かれる。
「ああ…なんだ。シタダくんか…」
いつもなら、僕がこうして顔を見せると、にっこり笑ってくれるウエダくんが、
なぜだか今日は違っている。ちらりと僕の顔を見ただけで、また俯いてしまった。
なんだ?なんかおかしい。
- 385 名前:わたきも 2/5:2008/05/10(土) 01:28:21 ID:s//r8EMl0
- 「…?ウエダくん?どうかしたの?遊ぼうよ!」
しょんぼりと下を向いたままのウエダくんのつむじを見ながら聞く。
せっかく僕が来たのに、一緒に遊ばないなんてつなんない。
「シタダくん…僕、今日はとっても落ち込んでいるんだ」
「ウエダくん。どうしたんだよ?あっそぼうよー!」
ウエダくんの前でいつものポーズをする。僕達二人だけの決まったポーズ。仲良しのしるし。
しかしながら、ウエダくんはそんな僕をぜんぜん見ようとしなかった。
一人でやるポーズはなんだか間抜けだ。
「シタダくん…あのね。僕、大事にしてたクレヨン、折っちゃったの」
「大事にしてたクレヨン?」
「そう。あの、24色のやつ。今日のきれいな空の色を描きたくて、一生懸命塗ってたら、
青いクレヨン、折れちゃった…」
- 386 名前:わたきも 3/5:2008/05/10(土) 01:28:55 ID:s//r8EMl0
- 訳を話すウエダくんの声は、だんだん小さくなっていって、最後はほとんど聞こえなかった。
「あっはははは!ウエダくん、間抜けー!クレヨン折っちゃうって!あーあ!」
そう言って、僕は俯いたままのウエダくんの頭をぽんぽんと叩いてやった。
だって、ウエダくん、もう折れちゃったクレヨンを、いつまでもいつまでも気にしててもしょうがないじゃない。
だから、僕は思いっきり笑った。ウエダくんも、もう諦めて、僕と一緒に元気になるようにって。
しかしながら、僕がそう言ったとたん、ウエダくんはすくっと立ち上がって、僕を睨み付けると、
そのまますたすた歩き出してしまった。そしてあっという間にその背中は小さくなる。
「あれ?ウエダくーん」
名前を呼んでももう手遅れ。ウエダくんの姿はどこにもなくなってしまった。
「あれ?あれ?」
おかしいなあ。僕、なんか悪いこと言ったかなあ。僕は首を傾げてしまった。
- 387 名前:わたきも 4/5:2008/05/10(土) 01:29:23 ID:s//r8EMl0
- 変だと思ったら、ウエダくんの気持ちになって考えてみる。
これが今までウエダくんと付き合ってきたなかで学んだことだ。
ウエダくんと一緒にいるために。ウエダくんの気持ちを大事にして、そして僕のことをわかってもらって。
そうしていると、いつまでもいつまでもウエダくんと一緒にいられる。
しばらく考えて、やっとわかった。
ウエダくんの大事なクレヨン。僕にとっての大事なもの。それはウエダくん。
もし、ウエダくんが折れちゃったら。それで僕の前から居なくなっちゃったら。
それは大変だ。そんなショックなことはない。そんなとき、笑われたら。
ああ、僕はなんてことをしてしまったんだ。
「ウエダくーん!」
「呼んだ?」
慌ててウエダくんが去っていった方向に向けて名前を呼ぶと、真後ろから声がした。
「あ、ここに居た」
後ろの物陰から出てきたウエダくんはさっきよりもずっとしょんぼりした顔をしていた。これはいけない。
「ウエダくん。さっきはごめんね。あのね…クレヨン、大変だったね。すっごくすっごくショックだったよね」
ウエダくんに寄り添って、一生懸命話すと、ウエダくんはぱっと顔を上げた。
「シタダくん!わかってくれた?」
「うんうん。すっごいわかるよ。だって、ウエダくん、そのクレヨンすっごく大事だったんだよね?
ショックだよね。クレヨン折れちゃって…僕に何か出来ることはあるかなあ」
ウエダくんの目を見ながらそう語ると、ウエダくんの表情はみるみる明るくなった。
- 388 名前:わたきも 5/5:2008/05/10(土) 01:29:58 ID:s//r8EMl0
- 「…ううん。シタダくん。ありがとう。わかってくれて。もういいよ。
僕はシタダくんにわかってもらえれば、それでいいんだよ」
嬉しそうに大きな目を細めながら、ウエダくんは頷く。
そうだ。僕はこんなウエダくんの顔を見たかったんだ。
ウエダくんが笑ってくれると僕は本当に嬉しいんだ。
やっと笑顔を見せてくれたウエダくんの肩を抱くと、僕はそのままウエダくんの唇にキスをした。
唇を離すと、ウエダくんのびっくりした目が思った以上に近くにあった。
髪と一緒で少し茶色い目を覗き込む。
自分がして欲しいことを相手にしてあげること。
それがともだちとずっと仲良く居られる、大事な方法だもの。
びっくりしたままのウエダくんを僕はぎゅっと抱き締めた。
ウエダくん。これからもずっとずっとともだちでいようね。
- 389 名前:わたきも:2008/05/10(土) 01:30:27 ID:s//r8EMl0
- □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
もう一回復活してくれないかな、と期待を込めて。
しかし、道徳もなにもあったもんじゃない…
- 390 名前:忍たま 文×伊←食:2008/05/10(土) 06:46:44 ID:b/eg0PO00
- |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
忍たま、文×伊←食
最低男文次郎、だけどそんな奴がほっとけない伊作、そんな伊作がほっとけない食満
次のレスから始まります
- 391 名前:忍たま 文×伊←食 1/4:2008/05/10(土) 06:48:08 ID:b/eg0PO00
-
「っ、あ、あっ…」
とある部屋から漏れ聞こえる声。それに加えて聞こえてくるのは肌と肌がぶつかりあう生々しい音。
月の明るい晩だった。
栗色の髪が振り乱される。肩が上下する。腕だけではもう自重を支えられなくなった伊作はくずおれて床に顎をぶつけた。
それでもなお、行為は終わらない。
「…ぁあ…―っ!」
「くっ…」
遠慮なんて欠片も見当たらない。中にぶちまけられた白濁は引き抜いた文次郎のそれを伝い、伊作の脚を滑り落ちる。
その脚を伝うのは白濁ばかりではなかった。鮮血も一緒に、である。
「そんな目に遭いたくなかったら、今度からいつでもできるように慣らしておくんだな」
「…うん…わかったよ」
文次郎は己の支度だけを整えると、後は何も言わずさっさと自室に引き上げていった。
伊作はのろのろと起き上がると、脱ぎ散らかされた制服を集めて、元通りに着ようとした。だが事後の倦怠感からか、身体が思うように動かない。
あと、風呂はもう利用できないだろうから、せめて井戸の水で身体を清めてから就寝したかったけれど、それもかなわないのだろうか。
伊作は小さく自嘲気味に笑った。
ちょうどその時、部屋の戸に人影が映った。見慣れた影だ。
戸が開いて、それがやはり見慣れた同級生だとわかった。
- 392 名前:忍たま 文×伊←食 2/4:2008/05/10(土) 06:49:27 ID:b/eg0PO00
- 「伊作」
「留三郎…」
同じクラスの食満留三郎であった。二人が行った後、いつも伊作のもとに現れる。
それは勿論、伊作の身を案じて。いつも救急箱と水を用意してやってくる。伊作の治療と身体を清めるのは彼の役目。
しかし、こんなことをしているのがもし文次郎に見つかれば、伊作がどうなるかわからない。今より酷いことをされるかもしれない。
けれど留三郎には、伊作を放っておくことなどできないのだ。
今の伊作は文次郎のいうことを何でも聞く。もし留三郎が放っておいたなら、伊作は通常通り授業に出てくることが難しくなるような状態にされているかもしれない。今日はまだ軽い方で、一番ひどい時には腕に3日消えない縄の跡をつけられていたりしたのだ。
留三郎は伊作の制服を丁寧に折りたたみ、救急箱を開けた。脱脂綿に用意した水を含ませて、伊作の内股を丁寧に拭う。綿は赤く染まり、そして白いものが同時についた。
「いつも…ごめん」
「気にするな」
申し訳なさそうに伊作が言うと、留三郎はその口唇に縦に指を当てる。「何も言うな」という合図だ。
丁寧に内股を拭ってから、とりあえず上着だけを着せ、さっきまで文次郎が入っていたと思われる伊作のそこに留三郎は指を入れる。
「駄目だ…これは僕のことなんだから、留三郎にさせるわけにはいかないっていつも言っているのに…」
「かまうな…嫌なら、見なければいい」
「でも…」
- 393 名前:忍たま 文×伊←食 3/4:2008/05/10(土) 06:50:09 ID:b/eg0PO00
-
目を伏せる伊作に、留三郎は、ごく事務的に中のものを掻き出す。いつからこの問答をして、こうするようになったのか。それは留三郎にもわからない。
後処理は普通、他人がするものではないだろうに。けれど、あの文次郎がそんなことをするとは思えない。しかし、行為を済ませた後の体力のない伊作が満足に後処理をできるとは言い難い。故に留三郎が行っていた。
「あいつ…めちゃくちゃやったな」
「…うん…」
「伊作、何でなんだ」
「え…」
留三郎は、一度は聞いてみたかったことを、今この場で問いかけた。
どうして、そこまでされて何も言わないのか。なぜ、拒否をしないのか。
やめてしまえばいいものを。留三郎は何度そう思っただろうか。思ったからと言って、それを本人に言うことはなかったが。
「…なんで、拒否しないのか、だろう」
「……あぁ…」
留三郎は、伊作のそこから出されたものを掻き出して、もう一度水を含ませた別の布で丁寧に清める。
「…駄目なんだよ」
「何が」
「…僕…と 文次郎が」
「……」
「文次郎には…僕がいないと駄目なんだよ。たとえこういう形でも…、自分を彼が必要としてくれているのなら、僕はこの身を捧げる」
「伊作!」
留三郎は、咄嗟に伊作を押し倒していた。
勿論、そんなつもりは毛頭なかった。不可抗力である。
- 394 名前:忍たま 文×伊←食 4/4:2008/05/10(土) 06:55:13 ID:b/eg0PO00
- 「留…」
「お前、俺がどんな気持ちでいつも事後にくるかわかっているのか」
「…留三郎…」
「伊作…俺は、お前が大切なんだ。それだけは、わかってくれ」
留三郎は、伊作の上から退くと同時に、彼を引き起こして立ち上がった。
「立てるか?」
手を差しのべると、伊作はその手を取り、ゆっくりと立ち上がった。
上着の前を合わせて、紐で軽くとめてやる。
倒れそうな伊作の腕を己の肩にまわし、腰を支えて部屋の戸へ手をかけた。
「…ありがとう」
伊作は俯いたまま小さな声で言った。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
続きそうで続いていない終わり方。
文次郎が酷いやつとわかっていて、すべて許容している伊作と、その許容が見ていられないしょくまん。
本スレのレスに触発されて書いてしまいました。
- 395 名前:風と木の名無しさん:2008/05/10(土) 12:58:00 ID:ybLexQlk0
- >>390
乙です!
伊/作に萌えた。
- 396 名前:風と木の名無しさん:2008/05/10(土) 14:31:25 ID:haK+bFbP0
- >>390
乙です!
伊/作に萌えた。
- 397 名前:日和 コック×コロ:2008/05/10(土) 22:55:39 ID:WxPvLI3HO
- |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 398 名前:風と木の名無しさん:2008/05/10(土) 22:59:40 ID:R4NldWqqO
- >>383
GJ
まさかこの2人が読めるとはw
上も下も可愛すぎる
そうか…コーナー終わっちゃったのか…
可愛かったのになぁ
- 399 名前:日和 コック×コロ:2008/05/10(土) 23:00:16 ID:WxPvLI3HO
- |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「あっ あっ やだぁ・・・!」
「人参もちゃんと飲み込んでください・・・
好き嫌いする人にはハンバーグ作りませんよ」
「んっ んああぁ・・・」
しばらく人参を抜き差しさせた後、音を立てて引き抜いた。
「今度はこれ、食べさせてみましょうか」
「ん・・・?なにそれ」
皮を剥いた山芋だった。
それをコロンブスの下の口に押し当てる。
「ひっ!」
ヌルヌルした山芋は下の口に易々と入っていく。
すると、コロンブスの様子が変わった。
「な、なんか・・・あっ 奥がかゆい 変だよ、どうしよ・・・っん」
「嫌ですか?」
「ん、も 抜いて、かゆいよ・・・!」
「他に食べたいものは」
「君の」
「俺のが・・・?」
「・・・君のが欲しい」
下半身がうずいた。もう痛いくらいに張りつめている。
- 400 名前:日和 コック×コロ 2:2008/05/10(土) 23:02:52 ID:WxPvLI3HO
- コックは、急くのを抑えて自身をゆっくりコロンブスに埋めていった。
「は ああぁ・・・!」
「きつ、動きますよ・・・」
コックが気遣いながらゆるゆると腰を動かすと、コロンブスは堪らず声を洩らす。
「んっ、は かゆ・・・もっと奥 もっと擦ってよ・・・!」
「・・・くいしんぼうめ」
堰を切ったように動きを早めた。コロンブスはコックにより強くしがみつく。
「っあァ!あっ、ん んっ はぁっ・・・!」
「コロちゃん・・・提督・・・っ」
「ふぁ あ、ダメっ・・・も 出ちゃ・・・んあ、ぁあ!!」
*
「ごちそうさまぁ、ハンバーグ美味しかったよ 明日はオムライスがいい!」
「いいですよ、オムライスにしましょう そのかわり
野菜は残さず食べてくださいよ」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
- 401 名前:ロツア 熊×プ:2008/05/10(土) 23:51:12 ID:rDKTZz+F0
- 先日就任式を終えた北の大国新大統領×前大統領で
絡みというほどもない萌え吐出しです。
ナマモノ注意
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 402 名前:ロツア 熊×プ 1/4:2008/05/10(土) 23:51:45 ID:rDKTZz+F0
-
「ああ君か」
ノックとともに開いたドアから覗いたのはよく、そう、とてもよく見知った顔で
革張りのソファーに深く身を預けた男は、ちらりとそちらを見やって、音声と映像を吐き出し続ける画面に視線を戻した
「失礼します、閣下」
声をかけられた男は、後ろ手で音もなく扉を閉めると、小さく一礼する
「閣下、はもう私ではなく君、だろう?ロシア連邦第三代大統領殿」
にやり、と口の端を歪めて答えるが、その瞳は未だに画面を注視したままだ
「いいえ、ロシア連邦内閣議長殿」
そう言い返して彼が腰掛けるソファーの側へと足を進め
「裏ジーミル・裏ジーミロヴィチ」
まるでそうするのが当然、と言わんばかりに彼の横に膝をついて、その手を取ってキスをした。
「ジーマ」
ふいに、アイスグレーの瞳がこちらを見据える。
無言の要求が、彼の場合特に何よりも力を持つことを彼は知っているから、それ以上口を開こうとはしない。
男は小さく、困ったように笑って彼の要求に答えた。
「ワロージャ」
- 403 名前:ロツア 熊×プ 2/4:2008/05/10(土) 23:52:19 ID:rDKTZz+F0
-
「それでいい」
そう満足そうに言って、彼は膝をつく男の額にキスを落とす。
「それで」
何の用件かな、そう言って、彼はまた画面に視線を戻した。
このところの式典続きで疲れているのだが、と
「なんとなく、などといった理由ならば承知しないぞ」
「その通りです、閣下」
また横目で睨みつけられて、慌ててワロージャ、と言いなおす。
それを認めた彼は小さく溜息をついて言った。
「ジーマ、私も君も、これからやらねばいけないことが山積みになっているのだし、
くだらないことに、時間と体力を浪費する趣味はないのだがな」
頭を振って、隣に膝をつく男を睨みつけた。
「だからですよ」
氷のように冷たい響きもものともせず、手にしたままの右手にキスの雨を降らす。
冷え切った指の輪郭を唇でなぞりながら、彼の目を見つめて言った。
「これから貴方も私も忙しくなって、こんなことに時間と体力を浪費するわけにはいかなくなりますから」
- 404 名前:ロツア 熊×プ 3/4:2008/05/10(土) 23:52:55 ID:rDKTZz+F0
-
ふん、と小さく鼻を鳴らして、彼はまた画面に視線を戻す。
彼の横顔を見つめたまま、綺麗に整えられた爪に歯を立てると、
「こんなこと、か」
「はっ?」
行き成りの問いかけに疑問の声を漏らすと、自嘲的ともとれるような笑みを浮かべた唇が動いた。
「つまり君にとって、これら一貫の行為は、こんなことだ、と、そういうことでいいんだな」
その言葉にばっ、と顔を上げ、男は狼狽したように言う
「ちっ・・!いえ、そういう意味ではなくてですね!!」
「止めるな」
絶対零度の瞳でそう命じられては、男には従うほかに選択権はない。
くだらないこと、と最初に言ったのは彼自身なのだが
冷や汗が首筋に噴出すのを感じつつ、目線だけは彼から離さぬように、また唇を手の甲に寄せる
「ふむ」
彼は椅子に腰掛けて、膝まづく男を横目で眺めていたが、ふいに流れ続けていたテレビを消して右手をひいた。
行為の対象を奪われ、困惑する男に笑顔を見せて、自分のすぐ前を指し示す
「ジーマ、こっちに来てくれないかな」
- 405 名前:ロツア 熊×プ 4/4:2008/05/10(土) 23:53:26 ID:rDKTZz+F0
-
形式だけは依頼の形をとっているとはいえ、その声は有無を言わさぬ響きをもつもので
無言のまま彼の指し示した位置に立つ
深く腰掛けたその体制のまま、じろりと上目遣いで目の前の男を見遣って、彼は口を開いた。
「寝ドヴェージェフ君」
「はっ」
ふいに改まった呼び方をされて、思わず姿勢を正す
哀しいかな、長い縦社会で染み付いた習慣は、中々抜け出るものではない
「まあ、さっきの発言は言葉のあやだとしよう。私もそんなに気の短い人間ではないのでね。」
顎に手をやりながらそう言う彼に、男の顔が安堵に弛む
「ただし、だ。それを無条件で許せるほど、私は心の広い人間ではないのだよ」
そう言いつつ彼が浮かべた笑みは何故かどこまでも蠱惑的で、男は自分が思わず生唾を飲んだのを感じた。
「10分、だ」
内ポケットからモバイルを取り出し、何か弄ってから床に放り投げ、立ち上がるとそう言い放つ
急に目線が近づいて、男の顔が映し出されたその澄んだ瞳には、確かに感情の揺らぎが生まれていて
嗚呼、このどこまでも冷徹で、帝王然とした彼が時折見せるこの情熱
これがあるからこそ、自分は彼から離れられないのだ、と
「モバイルのアラームが鳴るまで、耐えられたら許してやろう」
耐えられなければ、2ヶ月くらい禁欲するんだな、と
そう笑って頬に触れた彼の指は、驚くほど熱かった。
- 406 名前:ロツア 熊×プ:2008/05/10(土) 23:53:47 ID:rDKTZz+F0
-
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
お目汚し本当に失礼しました。
続きはエロになってしまうので自重し・・・あれ、こんな時間に宅配便かな
- 407 名前:風と木の名無しさん:2008/05/11(日) 00:28:34 ID:DPhwJqN/0
- >>406
406姐さんが消される前にGJ!
というか、ドア開けちゃ・・・もう遅い?
- 408 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 1/9:2008/05/11(日) 05:12:24 ID:UZpPPsu20
- |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
※ナマ注意!
ヱフ/ワソ 眉黄身前提の黄身・公・眉・平気。
>>293-299、>>369-378の続きです。完結。
移動中の車の中でも、部屋へと向かうエレベーターの中でも2人は終始無言だった。
わざわざ言葉を交わしてまでお互いの意思確認をする必要がなかったからだ。
珍しく黄身が落ち着かない表情で視線を彷徨わせている。
フェノレナンドはすでに心を決めていた。
部屋についてドアを閉めた途端、2人は半ば駆け出すようにしてベッドにダイブした。
黄身の四肢をベッドに縫い付けて、フェノレナンドは狂ったようにその唇を貪った。
呼吸すら奪う程に深く、執拗に、何度も。
淫猥な舌の動きに翻弄されて黄身の腰が揺らめく。
シャツを剥ぎ取って胸元に口をつけると黄身の身体が大きく跳ね上がった。
「黄身……いい?」
「…っ……」
すっかり顔を紅潮させた黄身がフェノレナンドの髪に縋りつく。
フェノレナンドは小さく笑いを漏らして、舌先でそのピンクに染まった粒を弄んだ。
- 409 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 2/9:2008/05/11(日) 05:13:19 ID:UZpPPsu20
- 黄身の口から欲に塗れた吐息が漏れる。
美しく均整の取れた黄身の身体を愛撫しながらフェノレナンドは
その甘美なノイズを欲して思うがままに黄身を攻め立てた。
密着する二人の身体。
その先の行為をねだる様に黄身が腰をフェノレナンドの身体に擦り付けて来る。
「…早く………」
フェノレナンドの耳元で黄身が小さく囁く。
それに応えるように、フェノレナンドは紅潮した黄身の頬に口付けた。
黄身のズボンのベルトを解き、下着ごとそれを引き抜く。
乱雑に自分の衣服を脱ぎ捨てて、肌と肌が触れ合う心地よさを味わうフェノレナンド。
膝を割って黄身の懐に深く潜り込む。
濡れた唇に紅い舌を這わせて、黄身がフェノレナンドを待ちわびている。
蕩けそうな黄身の表情をもう少し鑑賞していたかったが、
最早フェノレナンド自身にもそんな余裕は残っていなかった。
慎重に、ゆっくりと腰を押し進める。
途端に黄身の背中がアーチを造り、その口端から歓喜の悲鳴が漏れた。
最奥まで進んできつく結合を確かめる。黄身の中の熱に眩暈を覚える。
- 410 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 3/9:2008/05/11(日) 05:16:25 ID:UZpPPsu20
- 快楽を貪るように、フェノレナンドは本能のままに黄身を揺さぶった。
汗の浮いたフェノレナンドの肩に額を押し付けて、彼の背中に爪をたてる黄身。
加速度的に襲い来る欲情の波に飲み込まれて喘ぐ声が止め処なく零れ落ちる。
濡れぼそった黄身のソレに手を添えて愛撫すると、一際声が色めきだった。
黄身の身体がガクガクと痙攣して、フェノレナンドの手の中で果てる。
きつく収縮する黄身の中で、フェノレナンドも己の欲を放った。
ぐったりとベッドに沈む黄身の上から身を起こし、フェノレナンドはふう、と一つ深呼吸をした。
目尻に浮かぶ──それが汗なのか、涙なのかは解らなかったが──水滴にキスを落とす。
閉じられていた瞼がゆっくりと開いて、未だ熱に浮かされた瞳がフェノレナンドの顔を捕らえた。
「大丈夫?」
「………ん…」
黄身の隣に寝そべって、フェノレナンドは小さく微笑む。
「初めてじゃない?…黄身の方から欲しがってくれたの」
からかうつもりはなかったが、フェノレナンドがそう言うと黄身は不機嫌そうに唇を尖らせて、
フェノレナンドの胸を拳で打った。
- 411 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 4/9:2008/05/11(日) 05:17:53 ID:UZpPPsu20
- 「痛っ!」
「………」
ぷいっとそっぽを向いて、しばらくぼんやりと宙を眺めていた黄身だったが、
やおら振り返ってフェノレナンドの腕に頭を乗せると、躊躇いがちに言葉をつむぎ始めた。
「…あんたとは、こんな事してるけど……」
「…ん…?」
「なんていうか……『恋人』とは、違うと思うんだ」
「うん」
「デートを楽しむとか、セックスするとか、そういう為じゃなくて…」
「うん」
「………」
「………」
結局うまい言い回しが見つからなかったらしい黄身は、困り果てた顔で静かに頷いているフェノレナンドに視線を投げた。
「…これは、オプションに過ぎないと思うんだ」
投げ出されていた黄身の手を取り、フェノレナンドはそこにちゅ、と音を立ててキスをした。
「セックスするのも、キスするのも、勿論好きだけどね」
悪戯っぽく笑うフェノレナンド。
黄身はフェノレナンドの顔を見つめてじっと黙っている。
- 412 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 5/9:2008/05/11(日) 05:19:26 ID:UZpPPsu20
- 「ベッドでこうしているのも悪くはないけど、もっと気持ちいい場所オレ達は知ってる」
「……ポディウム…」
黄身がポツリと呟いた。
「うん。あそこの上に立って抱き合う方がずっと興奮するし、最高の快感を味わえる…
オレ達の本当の居場所は、やっぱりサ―キットなんだ」
「だからさ、黄身」
「黄身に『愛してる』とか言って欲しいとは思わない。オレも黄身に言うつもりはない。
…最高の競争相手を恋人と見間違う程に盲目じゃない。」
「オレはいつか、絶対にあそこの上に戻ってみせる。黄身が立っている場所まで辿り着いて見せるから」
「……って事でいいかな?」
何だか自分らしくない熱弁を振るってしまった気がして、フェノレナンドは照れたように笑って黄身の頬に触れた。
黄身がゆっくりと瞬きをする。
フェノレナンドに手の上に自分のを重ねて、黄身ははにかんで笑顔を浮かべた。
「早くあんたと一緒に最高にうまいシャンパンが飲みたいもんだね」
- 413 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 6/9:2008/05/11(日) 05:26:37 ID:UZpPPsu20
- 今シーズンのあまりにも微妙なリザノレトを思い出すと、どう楽観視しても達成するのは
至難の技という気がするのだが、それでも黄身のその言葉はフェノレナンドのモチベーションを
上げるには充分だった。
「黄身が酔っ払って寝ちまう前にさっさと追いつかないとな」
「オレは壇上で寝た事はない」
「……面白いね、それ」
クスクスと笑って、フェノレナンドはもう一度黄身に口付けた。
何故フェノレナンドが笑っているか今一つ理解できていないらしい黄身は不思議そうに見ていたが、
途中で興味を失ったらしくムクリと起き上がると、無造作に投げ捨ててあったタオルを掴んで
さっさとシャワールームへと歩いていってしまった。
素っ裸のまま、何を気にするでもなく我が道を行く黄身の自由さ加減にフェノレナンドは舌を巻く。
追いかけていって一緒にシャワーを浴びようかとも考えたが、フェノレナンドはすぐに諦めて
大人しくベッドに身体を横たえた。
何を考えているか分からない、ミステリアスな黄身の瞳。
クールなあの仏頂面からは想像できない、シャイな笑顔、色っぽい眼差し。
どれをとっても全て魅力的で、それを知っている自分はなんて幸せなんだろうとフェノレナンドは思う。
好きではないと言ったら、それは嘘になる。
同じレ―サ―としてではなく、一人の人間としての彼を愛しく思うこの感情は紛れもない事実だ。
だからこそ、彼にはありのままでいて欲しい。
彼の心を惑わせる存在にはなりたくない。
「…まあ、そんな所だよね」
誰に言うでもなく呟くと、フェノレナンドは自嘲気味に笑いを漏らして大きなため息をついた。
- 414 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 7/9:2008/05/11(日) 05:28:09 ID:UZpPPsu20
-
〜〜〜〜〜
夜になって2人が再び病院に戻ると、入り口でぺド口が待っていた。
「ナノも一緒だったのか?」
黄身の横に立つフェノレナンドの顔を見てぺド口が驚いたような表情をする。
「まあ、偶然。たまたまね」
「おいおい、お前ら2人が一緒にいたら目立っちまうだろうよ。しょうがねぇなあ」
そう言いつつも何故か楽しそうなぺド口の語り口に、実は歓迎されている事を知り
フェノレナンドは同郷の彼に改めて親しみを覚えた。
「へイキは?」
冷静沈着な黄身。
ああ、そうだった、と言いながらぺド口は2人を先導するように入り口のドアをくぐる。
先を歩きながら肩越しに振り返って黄身を見るぺド口。
「お前、あの電話の後ここに来たんじゃなかったのか?さっきチラッとあの坊主に会って来たけど、
待ってたのに黄身が来ない、嘘つき!って怒られちまったよ」
「あー……」
思わず顔を見合わせる黄身とフェノレナンド。
口ごもる黄身に何となく事情を察したらしいぺド口はハハハ、と笑って
「ま、いいんだけどな」
ひらひらと手を振って見せた。
病室に入ると、既に私服に着替えたへイキがベッドに腰掛けて足をブラブラさせながら待っていた。
「黄身だ―――ッ!!」
黄身の姿を見た途端、へイキが飛び降りて駆け寄って来る。
ジャンプして跳びついて、まるで久しぶりの再開を果たした恋人のように黄身に抱きつくへイキ。
- 415 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 8/9:2008/05/11(日) 05:42:37 ID:Y3vbi8fs0
- 「…身体大丈夫なのか?」
「大丈夫だよーっもう、今まで何してたのさ、ずっと待ってたのに!」
「ああ、寝てた」
ブッ
フェノレナンドとぺド口が同時に噴き出す。
「黄身らしいよ、ホント」
腹を抱えて笑うぺド口を横目に、フェノレナンドは内心ヒヤヒヤしていた。
寝てた、とは随分ストレートな回答だ。まあ、間違いではないんだけど。
誰も其処まで深読みしていないとは思いつつも、黄身の言動は相変わらず直球過ぎて聞いてるこっちが焦ってしまう。
フェノレナンドはぺド口にあわせて乾いた笑いを漏らした。
数日はバノレセロナに滞在するというへイキを伴って、みんなで食事でもしようかという話になったが
フェノレナンドは敢えてその誘いを辞退した。
「ええ〜、フェノレナンドは来ないの?どうして?」
黄身とぺド口の腕を両脇に抱えて嬉しそうにしていたへイキが不満げに唇を尖らす。
末っ子が兄弟に甘えているような、そんなへイキが可愛らしくてフェノレナンドは破顔せずにはいられなくなる。
「団体行動は目立ちすぎるだろ。これから少し用事があるんだ」
また今度な、と言って頭を撫でてやるとへイキは渋々ながらも承知したようだった。
- 416 名前:ヱフ/ワソ眉黄身+枕 9/9:2008/05/11(日) 05:47:09 ID:Y3vbi8fs0
- 駐車場でぺド口がステアを握る車に黄身とへイキが乗り込むのをフェノレナンドは黙ってみていた。
「じゃ、またトノレコでな」
「ああ、気をつけて」
ぺド口が手を振る。フェノレナンドも片手を上げてそれに応えた。
後部座席に座った黄身とへイキはお喋りに夢中になっているようだ。
黄身とフェノレナンドの視線が一度も交錯しないまま、3人を乗せた車がゆっくりと動き出す。
テールライトがカーブを曲がって見えなくなり、辺りが再び静寂を取り戻すと
フェノレナンドもようやく自分の車の元へと歩き出した。
シートに座ってキーを捻ったところでェノレナンドは、
ダッシュボードの上に小さな紙切れがあるのを見つけた。
拾い上げてそれに目を通して――――それから瞳を閉じて、天を仰いだ。
───この次も、最高のレースを。 最愛のライバルへ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
長々と失礼しました。感想レス下さった姐さん方ありがとうございました。
お陰様で最後まで書ききれました。いい勉強になりました。
- 417 名前:風と木の名無しさん:2008/05/11(日) 09:16:35 ID:d/f6FBy80
- >>406姐さんG
- 418 名前:風と木の名無しさん:2008/05/11(日) 12:13:09 ID:mcqDfy+M0
- >>408-416
⊂⌒~⊃,,Д,,)⊃ モエシンダ シアワセスギルー♥
- 419 名前:風と木の名無しさん:2008/05/11(日) 12:34:22 ID:qK4EmhkK0
- LOVELESSを読んで、十年以上ぶりに何か書いてみたくなりました。
ローカルルール読んでみたけど、個人名はそのまま表記しても大丈夫なのかしら?
元が漫画ならオk?
よくわからなかったので、そのまま投下します。
えろくもないし・・・
無駄にスレ消費しただけだったらごめんなさい。スルーしてください。
- 420 名前:風と木の名無しさん:2008/05/11(日) 12:35:08 ID:qK4EmhkK0
-
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 人称がややブレ気味だお。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| えっちはないよ。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ふと。
専用の鍋で溶かした膠の粗熱が取れたところで、広口のビンに移しながら、草灯はかすかな耳鳴りのような違和感を覚えた。
「・・・」
そばで何をするでもなく好き勝手なことをしゃべっていたキオが、突然手を止めた草灯をいぶかしげに見た。
「どしたの、草ちゃん?熱かった?」
「・・・いや」
立夏、だ。
「用があるから帰る」
鍋を置いて立ち上がった草灯を、キオが瞬間、ぼんやりと見つめた。
「え?」
キオがその言葉の意味を理解する前に、草灯はまるで煙草を吸いに出るような気軽さで部屋を出ようとしている。
「ちょ、草ちゃん。膠は?ほっといたら腐るよ!」
「キオにやるよ。使って」
右手をノブにかけ、ちょっと斜めに振り向いた横顔が、かすかに笑みをふくんでキオを見やる。
「使ってって・・・おい!」
キオの声を軽く聞き流して、草灯の長身がドアの向こうへするりと消えた。
- 421 名前:風と木の名無しさん:2008/05/11(日) 12:36:14 ID:qK4EmhkK0
- 「あのガキだな」
鍋のふちから落ちそうな膠のしずくを人差し指でぬぐいながら、キオはひとりごちる。
「ったく・・・」
丁寧にとかされた膠はきれいに透き通って、掬い上げたキオの指先からさえも滴り落ちようとしている。
やっと清明とか言う奴がいなくなって、草灯は自由になれたのに、今度はその弟が現れた。
実際のところ清明と草灯の関係がどういったものだったのか、その弟の立夏と草灯との関係がどういうものなのか、その違いがどうなのか、よくはわからないけれど・・・
「まだあのガキのほうがましかもなぁ」
指先から膠のしずくが落ちるのを、目を細めて眺めながら思う。
立ち去り際、振り向いた草灯の表情を思い返す。
清明の元へ行くときの草灯はああではなかった。
振り返りもせず、張り詰めた表情で、無言のまま部屋を後にしたはずだ。
そう、相手が清明ならば。
- 422 名前:風と木の名無しさん:2008/05/11(日) 12:37:35 ID:qK4EmhkK0
- まだ夕暮れは薄ら寒いというのに、立夏の部屋の窓は開け放たれていた。
待っていた、とでもいうように。
「立夏・・・・?」
ベッドの上、シーツに包まってにうずくまる小さな塊に声をかける。
「そうび・・・?」
しわくちゃのシーツの隙間から、怯えたような瞳がのぞく。
「どうしたの?」
立ったまま、問いかける草灯に立夏は目を伏せて
「どうもしないよ、勝手に入ってくんなっていつも言ってるだろ?」
ふてくされたように言うと、ベッドの上にひざを抱えるように座る。
ベッドについたままの右手のそばには開かれたままの携帯電話。
跪いて、頭からシーツをはがすと、草灯は立夏の小さな顔を覗き込んだ。
まだ草灯の目線のほうが高い。見上げようとしてためらい、右に視線をそらす立夏の仕草があどけないくせに、なまめかしく見えるのは、たぶん・・・
そっと、柔らかな髪を右手でかき上げて確かめる。
左頬の端、耳のそばに、赤から紫に変わりかけている、痣、のせいだろう。
草灯の視線に気づいて、立夏は乱暴に左手で草灯の手を振り払った。
「なんだよ、触るな」
甲にも無数の小さな傷のある、白いその手をつかんで、くちづけて。
「やめろよ」
「うそつきだね、立夏」
草灯は小さく笑う。
「立夏、俺を、呼んだでしょう・・・?」
「ばっ、何言ってんだよ、呼んでなんか・・・」
「だめですよ、立夏。偽りのスペルにはどんな力も宿らない。そんな風に空っぽの言葉を使うと、感性が磨り減りますよ。立夏は俺を呼んでいたでしょう? 今、傍にいてほしいっておもってたでしょう?」
ぐっと詰まる。
「・・・なら、草灯はいつも本当のことを言ってるっていうのかよ」
ぴんとミミを立てて、見上げる挑むような視線。
「もちろん」
「俺のことを好きだって言うのも、本当だって言えるのか?」
「もちろんですよ、立夏。愛しています。電話など必要ないくらいに。立夏が、俺に会いたいと、そう思うだけで、こんな風に傍へ飛んでくるくらいに、俺は立夏に縛られている、繋がれている」
- 423 名前:風と木の名無しさん:2008/05/11(日) 12:40:01 ID:qK4EmhkK0
- 平然と言う草灯のまなざしから、真っ赤になった頬を、俯いて隠す仕草で、
「清明に言われたからだろうっ」
「そうです」
「!」
艶やかな黒髪の陰で、紅潮していた頬がさっと青ざめる。
わかりやすい、かわいい立夏。
ほら、そんな風に簡単に傷つくから、だから切なくなる。
その弱さが、俺を追い詰める。
「清明に、俺の戦闘機になれって、そう命令されたから、だから俺のそばにいるんだ」
「そうです」
「俺の戦闘機になるのと、俺を好きになるのは同じことなのか?」
- 424 名前:風と木の名無しさん:2008/05/11(日) 12:41:08 ID:qK4EmhkK0
- 答えを聞けばわざと傷つくような問いを無心にぶつけてくる立夏の、力なく垂れたミミをいとおしむように、そっと撫でる。
薄暗がりに沈んだ部屋の中、微かに残った光の中で艶を増したように見える、極上の手触りのミミ。
「大好き、立夏。俺のすべてが立夏のものだ、いつもそう言っているのに」
試すのは、弱いから。尋ねるのも、弱いから。
清明は違った。当然のように草灯を支配し、屈服させ、その領域すべてを侵しつくした。
草灯の献身など、蛇口をひねれば出る水のように平然と消費して、そのまなざしひとつで、草灯のなにもかもを余さず意のままにした。
完全な支配。
それがどれほど甘美なものか、俺は知っている。
確かにそれを知っている。
「信じて、立夏」
抱きしめる、熱い体。子供は体温が高い。頼りなく、小さく震えている。
「信じて」
おずおずと抱きしめ返す力が少しずつ強くなって行くのを感じながら、草灯は目を閉じる。
この力がもっと強くなって、このまま自分を絞め殺すほどになればいい。
飢餓感にも似た、欲望。
首に巻いた包帯が、ぎりぎりと締め上げられるような錯覚。
その先を、握っているのは・・・
草灯は目を開いて、幻想を振り払う。
立夏。
立夏。
早く大きくなって。
大きく、強くなって。
俺を足下に踏まえて平然と見下ろすほどに。
そのとき立夏はどれほど美しいだろうか。
息もできないくらいに、俺を縛り付ける立夏を、見たい。
BELOVEDを切り刻んで、その上からLOVELESSを刻み付けるほど、俺を、求めて。
求めるその力が、返す刃となって血を流させるほどに、俺を求めて。
- 425 名前:風と木の名無しさん:2008/05/11(日) 12:43:03 ID:qK4EmhkK0
- 「俺に、命じて、立夏。自分のものになれって。そう言って・・・?」
ねだるささやき声は、罠と見わけ難い甘さで。
「そんなのいやだ! 命令して好かれるなんて、そんなのは違う」
どう違うというのだろう? される側がこれほどに望んでいるというのに。
「だって信じないでしょう? 立夏は。俺がどんなに立夏を愛しているといっても、信じられないんだから」
細い指先が、草灯のシャツを握り締めたまま震えている。
「信じられるわけないだろう! 清明の命令なんだから!」
「清明の命令を信じなくて、何を信じるというの?」
この肌にはまだ、BELOVEDの刻印が消えずにある。
名に背くたび、血を流すほど、まだ清明に縛り付けられている草灯を放置しているのは立夏だ。
草灯の目にかすかに漂う冷ややかさを、立夏が感じていることを草灯は知っていてどうしてやることもできない。
胸にすがりついたまま、草灯を見上げる立夏の瞳が揺らぐ。
信じさせて、信じさせて、信じさせて。
清明が自分を守ってくれたみたいに、草灯が守ってくれるって。
清明みたいに俺をわかって、草灯が本当は立夏じゃないかもしれない俺を許して、愛してくれるって。
信じさせて。
立夏の瞳が必死でそう訴えかけているのがわかる
けれど、それは立夏が自分の力で手に入れなければならないものだ。
立夏が俺を自分で「自分のもの」にしてくれなければ、完全ではない。
俺が立夏に差し出せるものは、もう差し出している。
あとは自分の意思で、俺を支配して、立夏。
- 426 名前:風と木の名無しさん:2008/05/11(日) 12:44:21 ID:qK4EmhkK0
- 「立夏、俺はLOVELESSの戦闘機だ」
LOVELESS
愛なき者。
立夏は気づかない。
まだ、気づいていない。
俺たちが、ここにはいない一人の男を抱きしめるようにして、お互いに抱き合っていることに。
立夏がそれに気づいたとき、初めて俺たちはひとつのLOVELESSになれるのかもしれない。
BELOVED
愛されし者。
その不在。
立夏。
早く気づいて。
俺たちをここから連れ出してくれ。
やわらかな立夏の唇にそっとくちづけながら、草灯は自分が今抱いているのが、絶望なのか希望なのか見極めようとして目を見開いていた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ お目汚し失礼しました。
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 427 名前:風と木の名無しさん:2008/05/11(日) 17:44:10 ID:uku+Oeg70
- >>408-416姐さん
さ、最後の1行に最強に萌えた。GJGJGJ!!!
もうヤメテ!私の毛根はゼロよ!
- 428 名前:風と木の名無しさん:2008/05/11(日) 18:41:38 ID:p3HelySl0
- >>408-416姐さん、超GJ!
平気の無邪気っぷりかわゆすぐる!
早く眉黄身が一緒にポテ゛ィウムに乗れますように(-人-)
御馳走様でした!
- 429 名前:風と木の名無しさん:2008/05/11(日) 21:22:07 ID:tBcr/2fu0
- 篠田って初登板じゃないよな?
二試合目…
さっきからずっとアナウンサーが初登板って言ってないか?
- 430 名前:風と木の名無しさん:2008/05/12(月) 09:06:18 ID:nwTCMfkm0
- >>417
消されたか…。
- 431 名前:ヱフ/ワソ 平気&別輝×黄身:2008/05/12(月) 17:27:50 ID:58Et3T4+0
- |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマス
※※ナマ注意※※ヱフ/ワソ 平気&別輝×黄身。
ここは平気の泊まっているホテルである。
戸留子GPの結果に少々落ち込んでいた平気は、打ち上げの打ち上げ、と称して同郷のドライバー黄身に声をかけてみた。
携帯から響く黄身の声はどうみても泥酔状態で、誘ったのは失敗だったらろうか? と少し不安にもなったが、
部屋に訪れた黄身を見て、その不安は現実となった。
どうみてもまともに話せる状態ではありません。本当にありがとうござ(略
しかも、黄身の後ろから予想もしない客がピョコンと顔を出すではないか。
「なに、なんで別輝?」
さすがの平気も少し苛尽いている。
「いやあ、赤馬の人たちと一緒に打ち上げさせてもらってぇ、こっちも一緒に。えへへへ」
2人のやり取りにはお構いなしに、黄身はさっさとソファに座ると添えつけのクッションを自分の顔に押し当てた。
「・・・眠い・・・」
「・・・来たばかりで、そのセリフですか・・・」
「あはは、黄身すごく飲んでたからー」
能天気な別輝の物の言いは、こういう時にはまたカチンくるもので。
キッ、と別輝を睨みつけると、その行為自体の馬鹿らしさにため息をついた。
「寝ていいですよ、僕はこのドイツ人と時間つぶしますから」
「ドイツ人って俺のこと? って俺しかいないって、あははー」
別輝も酔ってはいるのだろうが、こいつは普段からこんな感じなのでイマイチ境目がわからない。
とりあえずミネラルウォーターでも出そうかと冷蔵庫を開けたその隙間から、別輝がひょいとビール瓶を取り出した。
「・・・まだ飲む気?」
「せっかく来たんだから、平気とも乾杯しないと」
無邪気にニカッと歯を見せて笑われると、苛尽いている自分が馬鹿らしくなってくるもので。
「・・・うん、せっかくだしね、乾杯しようか」
カチン、とビール瓶同士音をたててぶつけると、2人はコップにも移さずそのままゴクゴクと一気に飲み干した。
- 432 名前:ヱフ/ワソ 平気&別輝×黄身:2008/05/12(月) 17:28:23 ID:58Et3T4+0
- 「ふう、結構呑めるほう?」
「ドイツ人にとってビールは水みたいなものだし」
「ああ、フィンランド人もそんな感じだよ」
お互い顔をあわせてニンマリ笑うと、冷蔵庫にあるありったけのアルコールをテーブルの上に並べてみた。
「まあ、打ち上げだから」
「正確には打ち上げの打ち上げだけどね、あはは」
黄身は、いつの間にかソファに沈み込むようにして眠ってしまっている。
スースーと小さく響く寝息が耳に心地よい。
次々に瓶の蓋を開けていくうちに、次第に2人は妙なテンションになってきていた。
「黄身、かわいい」
平気はあきらかに酔っ払っていた。
その白い肌は赤く染まり、目まで真っ赤に充血しているのがそのアルコール摂取量を物語っている。
クッションを抱き枕にしながら寝ている黄身の指を、チョン、と触ると、急に照れてもじもじし始めた。
それを横目で見ながら、別輝はもう何本目かわからないビール瓶の蓋を開ける。
黄身の半開きの口から、時折白い歯がチラリと見える。
口を結んでみたり、ふっ、と突き出してみたりするその仕草はなんともかわいらしく、平気は顔を突きつけるようにその寝顔を眺めていた。
「・・・今なら黄身にチューしても、バレないかな・・・」
誰にバレないのかよくわからないが、確かに黄身自身には気づかれなさそうな爆睡状態ではある。
別輝はビールを一気飲みすると、ズズズーと座ったまま平気の隣に膝を滑らせてきた。
「平気、チューしちゃおうぜ」
「え、ちょ、何いって」
ぐいっ、と平気を押しのけると、別輝は黄身の顔にギリギリまで顔を近づけて唇をタコのように伸ばす。
伸ばすが、あとちょっとのところで何故か止めたまま。
「・・・っ、あああああ、なんかもったいなさすぎてできねぇ〜!!」
そのまま後ろにひっくりかえると、手足をジタバタさせた。
「そのもったいないって気持ち、すごいわかる!」
平気はなぜかガッツポーズをしながら何度も頷いている。
- 433 名前:ヱフ/ワソ 平気&別輝×黄身:2008/05/12(月) 17:28:55 ID:58Et3T4+0
- 「あああ、触りたいのに触れない、でも触りたい触りたい触りたい・・・」
鼻息が荒くなってきた2人は、とりあえず触れそうな場所からと、お互いに黄身の指先や額に触れると、そっと唇をつけてみた。
暖かい肌の感触と、伝わってくる緩やかな鼓動の気配に、平気は感動のあまり涙ぐんだ。
「やっぱりチューしたい・・・」
「・・・俺、それ以上のことがしたくてしょうがない・・・」
2人、顔をあわせてゴクリとツバを飲み込む。
「・・・でも、男相手にしたことある?」
「へへ、俺、実はインータネットで結構勉強していたりして」
別輝の目は本気だ。
平気も、頭がクラクラするくらい何度も頷いてみせた。
やるなら今しかない。
寝ている黄身を起こさないように、そっと上着のボタンをひとつひとつ外していく。
胸元が開くと、アルコールで薄く朱色に染まった肌と、桃色の突起に2人の目は釘付けになった。
「・・・な、舐めるって、男でもありなの?」
「あ、ありだって、男でも感じるって書いてあったし」
急に口の中が乾いた気がして、平気は慌ててビールを飲んだ。
「あああああああ、さ、先に別輝が見本を見せてよ、勉強したんでしょ?」
「ええええ、いや知識だけで実践ははじめてだし」
別輝が大声を上げたせいか、黄身が「んんっ」と眉をひそめるとクルリと後ろ向きに寝返りを打ってしまった。
これで胸元はおろか寝顔さえ見えなくなってしまった。
「・・・ドイツ人がうるさいから・・・」
「・・・フィンランド人が根性なしだから・・・」
お互いに小さく罵倒しあうが、なんとも消化不良が気持ち悪い。
- 434 名前:ヱフ/ワソ 平気&別輝×黄身:2008/05/12(月) 17:29:22 ID:58Et3T4+0
- 「あっ!」
別輝が、いいことを思いついたとばかりに平気の肩をガクガクとゆすぶった。
「平気、練習しよう、あんた黄身と同じく肌真っ白だし、ちょっと舐めさせてよ」
「ええー!嫌だよ」
別輝の手を振り払うが、練習、っていうのは悪くない案だと思い直す。
いや正常な判断なら、どうみても馬鹿げた発想なのだが、まあそこは酔っ払いなのでしかたがない。
「ああ、それなら別輝ので練習させてよ」
「ええー!だって俺の毛が生えてるよ?」
「・・・毛・・・、それはちょっと上級者向きだね・・・」
毛が頭から離れなくなった平気をよそに、別輝は「ほら」っと前を肌けてみせた。
子供の顔に立派な胸毛。これは間違いなく上級者むきです。
「さすがに毛はないけど・・・」平気も前を肌けて見せる。
どちらかといえば病的なほどの白い肌は、確かに黄身を彷彿させる。
「ああ、これが黄身だったらなぁ・・・」
別輝は平気の身体に手を伸ばすと、軽くその突起をつまんでみた。
- 435 名前:ヱフ/ワソ 平気&別輝×黄身:2008/05/12(月) 17:30:03 ID:58Et3T4+0
- 「いてっ」
「え、ごめ、軽くしたつもりだったんだけど」
「あ、いてっ」
今度は平気が別輝の突起をつまみあげた。
「ほら、痛いでしょ? こういうのはやさしくしなきゃ」
お互いにつまみあっている姿は、なんとも奇妙なものだが2人はそんなことお構いなしに実験にいそしんでいた。
「ああ、確かに少し気持ちいいかも・・・」
「男の乳首も立つんだー」
別輝は関心したように平気の突起をやさしく擦っている。
勉強熱心はいいことだ。
しかし2人は少し夢中になりすぎていたようだ。
ソファの上で、この世のものとも思えない顔で2人を眺めている黄身の姿に気がつくのは・・・、後ほんの少し先のことである。
なむなむ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンガオオクリシマシタ
はじめてのヱフ/ワソ
エロスがなぜかお笑いに・・・。
大変失礼しました。
- 436 名前:風と木の名無しさん:2008/05/12(月) 23:59:40 ID:MAf0fWYZ0
- >>277-289で投下したものの続きです。
感想くれた姐さんありがとう!おかげさまでお疲れコンポーザーエロパートがんばれました。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 437 名前:すばせか ヨシュネク4 1/9:2008/05/13(火) 00:05:06 ID:U6xQp3Vs0
- 何とも言えない緩慢な動作で、のそのそと身を起こしたヨシュアが上になる。
こいつほんとはやる気ないんじゃないか?
と疑ってはみたものの、降ってくるくちびるは単純に嬉しかったので甘んじて受けておく。
「ん、っん」
こいつから俺にするキスはいつも触れたり舐めたりの簡素なものが多くて、
思えば深く口付けられたのなんてこいつが初めて俺の部屋に訪れたあのときくらいだ。
まあ、キスなんてあのときが初めてだったのだから、下手くそなのは自分でも分かっているのだけれど。
そもそもこういう行為に至るのも、俺がそれとなく促すことが多い。
そんなに俺の腹具合はよろしくないんだろうか。
元々受け入れるようにできた身体ではないのだけれど、抱き心地悪いのかなと思うと少しへこんだ。
「ふ、ゃ」
離れたくちびるが首筋を撫でる。
耳の後ろの敏感な場所に息がかかって、背筋が震えた。
くちびるの通る場所を開けるように、シャツのボタンが外される。
自分の身体にそんなことをされているのが直視できなくて、うろうろと視線が泳いだ。
「ん、んぅっ」
胸元を猫のように舐められて、身じろぐ。
そんなところ触ってどうするんだと思ったが、こいつにされるとむずむずと変な感じだ。
「そ、れ……やだっ……」
身体が逃げようとすると、ヨシュアの手に阻まれる。
「ふ、ゅ……」
硬くなる突起を舌で押し潰されて、勝手に息が漏れる。
反対側もこいつの白い指で摘ままれて、どうしていいか分からずに身体が震えた。
「や、ぅっ」
なんだか女の子みたいに扱われているようでいたたまれない。
ますますこいつが俺とするメリットについて考えてしまって、途方に暮れた。
「お、お前はさ」
「うん?」
不思議そうに首をかしげられてこちらを向く瞳に、このスミレ色に拒まれたら
俺は耐えきれないだろうなと思う。
- 438 名前:すばせか ヨシュネク4 2/9:2008/05/13(火) 00:08:55 ID:U6xQp3Vs0
- 「ホントは、俺とこういうことするの、め、面倒なだけじゃないか?」
うんとか頷かれたらどうしよう。きっと何も言えない。
当のヨシュアはしばらく考えるように黙りこむと、ごち、と額をぶつけてきた。
「てっ」
「ネク君さあ」
「な、なんだよ」
なんだか呆れられてる気がする。ものすごくため息吐きたいって顔だ。
「どうしてそう思うのかなあ。また一人でぐるぐる考えてたんでしょ」
まったくその通りなのだが。
「だ、だって、いつもキスは簡単に済ませるし、こういうこと言い出すのは大抵俺じゃないか」
おろおろと反論すると、案の定ため息を吐かれた。不安になりながら、スミレ色を見つめるしかない。
「なんか、僕って大事にしようと思うと裏目に出るんだね」
「だ、……?」
独り言のような言葉の意味を把握しきれなくて、今度は俺が首をかしげる。
「僕が面倒だと思うこと、わざわざすると思う?」
まあそりゃあ、こいつはしたくないと思ったことは天地がひっくり返ったって
指先一本動かさないだろうとは思うけど。
僕だってちゃんとしたいよ、と言われて徐々に顔が熱くなってきた。
俺、もしかして大事にされてたのか?
じわじわと言葉が染みてきて、思わず手を伸ばす。こいつの首に腕を回して、ぎゅっとしがみついた。
「すきだ」
「う、ん?」
「なんか今、お前のこと、すごい好きだな、って……思って」
「……」
再びの沈黙が降りて、また変なことを言ってしまったんだろうかと心配になる。
けど本当のことを言ったまでだから、しがみついた腕はそのままにした。
「ひゃっ……」
と、急にひっぺがすように下着ごと服を剥ぎ取られると、当たり前のように下肢を掴まれた。
「あ……な、にっ……やあぁ……!」
突然すぎて、身構える暇もなかった。
既に熱を持ち始めていた無防備なそこを握られると、何も抵抗できない。
追い立てるように攻められて、勝手に身体が跳ねた。
- 439 名前:すばせか ヨシュネク4 3/9:2008/05/13(火) 00:11:08 ID:U6xQp3Vs0
- 「は、ひゃう……!っふ、あ……やだ、あぁっ」
握られて、先端を擦られて、どうしたらいいのか分からない。
次第にぬめる指に、自分の状態を知らされていたたまれなかった。
理不尽なことをされてると思うのに、身体の正直さに呆れる。
快感ばかりが先回りして、気持ちがついていけない。
「ふ、ぅ……や、だっ…やぁぁっ」
ヨシュアの意図が分からないのが怖くて、子供のようにぶるぶると首を振った。
いつもはいちいち触るのだって断りを入れてくるくらいなのに、どうしてだろう。
「僕のこと、嫌い?」
ゆっくりと降りてきた言葉に顔を上げる。
「ん、く……ぁっ、なに……」
「嫌いでしょ?」
「な、に言って……ぁ、あぁっ」
何を言われてるのか分からなくて問い返そうとすると、絡まる指に邪魔された。
「あは、もういっちゃいそうだね。優しくされるより、こういうのが好みなのかな」
「は、ぅや…ち、ちが…!」
否定したいのに、びくびくと跳ねる腰に全然説得力がない。
「僕のこと、嫌いでしょ?」
こいつの表情が知りたいのに、青白く光る前髪に邪魔されてよく見えない。
容赦のない指に、もう出る、とくちびるを噛み締めた。
が、とたんに指を離されて、タイミングを逃す。
「嫌いって言ってよ」
「ぁっ……や……だ、なんでっ」
「言わないと出せないよ?」
「ひっ」
さっきまでの追い込むような動きではなく、ぎゅう、と柔らかく握り込まれてびくびくと身体が痙攣する。
「は、ふぁっ…ひゅっ」
震える身体に息がうまくできなくて、喉がひくついた。
「や、だ……っすき……」
「違うでしょ」
「ひあぁっ」
握られたまま先端を擽られて、がくがくと腰が揺れる。
- 440 名前:すばせか ヨシュネク4 4/9:2008/05/13(火) 00:13:30 ID:U6xQp3Vs0
- もうどうしていいのか分からなくて、ヨシュアの言葉に従いそうになる。
でも今、この場で自分の気持ちに反することを言うのは嫌だった。
「き……」
「き?」
「きらい……じゃ、なっ」
必死に首を振ると、溜息が聞こえる。しょうがないなあ、とでも言いたげだった。
「あ、あっ……あぁぁ…!」
と、すぐに握った手で強く扱かれて、あっけなく達してしまった。
出口を阻まれた苦しい快感が嘘のような解放に、頭が真っ白になる。
「は、ふ…あ、ぁ」
まともに呼吸ができなくて、喉がひゅうひゅうと鳴る。
思うとおりにならない自分の身体が不安になってヨシュアを見上げると、ふわりとくちびるが落とされた。
「ん、んん…」
相変わらずついばむような子供にするキスだったけど、呼吸がゆっくりになって安心する。
「ふ……あ、なんで、あんな……」
やっと呼吸が落ち着いて問い詰めようとしたら、泣きそうな声になってしまってびっくりした。
おろおろと狼狽えると、またやわらかくキスされる。
「だってネク君があんまり僕のこと疑うからさ。同じきもちになってもらおうと思って」
「む……」
まあ、たしかに、信用できてなかった。
こいつは全然悪くなくて、俺が勝手に卑屈になってたんだ。
「自分のきもち疑われるの、やだったでしょ」
向けられるスミレ色の視線をまっすぐ受け止められなくて、少しうつむく。
自分のことを嫌いかと問うてくるこいつに、俺のほうが嫌われてるんじゃないかと思った。
申し訳なさに、しがみついた腕にぎゅっと力を込める。
「ご、ごめ……」
「ふふ、少し苛めすぎたね」
額に、頬に落とされるくちびるに泣きそうになる。
されるがままな自分が情けなくて、何かしたくて手を伸ばした。
- 441 名前:すばせか ヨシュネク4 5/9:2008/05/13(火) 00:18:14 ID:U6xQp3Vs0
- 「あ、の…お前も」
ドキドキしながら下肢に触れると、じんわりと熱がゆびに伝わって来た。
「うん」
くすくすと楽しそうにベルトを外すこいつに、心臓の音が早くなる。
まだ全然慣れなくて痛くさせたらどうしようと考えると、どうしても恐る恐るになってしまうけど、そっとゆびを絡めた。
人のを触るなんて考えたこともなかったのに、こいつのは全然嫌だと感じないのが不思議だなと思う。
「壊れ物じゃないんだから、そんなにびくびくしなくても大丈夫だよ」
「あっ、ああ」
くすくすと笑うこいつが余裕なのが悔しくて、言われたとおりに思い切って触ってみた。
少し強く握って扱くと、ゆびから伝わる熱にさっきから心臓の音がうるさい。
かすかに漏れ聞こえるヨシュアの吐息に、俺の手で感じてるのかとドキドキしながら嬉しいきもちになった。
「脚、広げて」
触りながら、太腿を撫でる感触と一緒に落とされた言葉に、余計に動悸が激しくなる。
まあ、こいつだけじゃなくて俺も準備しないとなんだけど、だけど!
おずおずと広げてみるものの、やっぱり恥ずかしかった。
「ネク君も、いい?」
するりと後ろに触れたゆびに一瞬腰が跳ねたが、なんとか宥めすかしてして頷いた。
さっき俺が出したものでぬるつく指が後孔を撫でる。
何度やっても慣れない感触に身体が強張りそうで、ゆっくり息を吐いた。
ぐぬ、とゆびが入りこんできたのがわかって目を瞑る。
「ふ、っぅ……」
最初のころのような痛みは薄れてきたものの、久しぶりなせいもあってどうしても違和感に戸惑う。
それでも徐々に入り込むゆびは優しくて、額に落とされるくちびるが嬉しくて顔を上げた。
気遣うような視線と目が合って、どうしていいか分からないくらい胸がいっぱいになる。
とりあえずこのままでいると内部を探られる感触に気を取られて加減が出来なくなりそうだったので、
こいつの下肢に絡めていたゆびを離した。
行き場のなくなった手をしばらくうろうろさせていると、こいつ自身の手で背中に回させられたので遠慮なく抱きついた。
「ん、んっ」
中のゆびが動くたびに何だか不安になってヨシュアの胸元に額を押し付けると、柔らかな感触の布地からいい匂いがする。
ヨシュアの匂いだ、と思うとやけにドキドキした。
- 442 名前:すばせか ヨシュネク4 6/9:2008/05/13(火) 00:21:28 ID:U6xQp3Vs0
- どこもかしこも感覚がヨシュアに埋められていくようで、それが全然嫌だと思わない自分がとても不思議だ。
こんなに深く他人と関わりたいと思うなんて、あの頃には考えられなかった。
「痛くない?」
「あ……大丈、夫っ」
「怖くない?」
「う、うん……うんっ」
一生懸命力を抜きながら頷くと、ゆびが二本に増やされる。
圧迫感に息が詰まりそうで、でも受け入れたゆびは乱暴にならないようにゆるゆると優しく動くから我慢できた。
「あ、ふ……ぁっ……」
何度か重ねた行為を身体が思い出したのか中をぐるりと動く指に、すとんと圧迫感が軽くなる。
むしろ探る指先は優しくて、物足りなく感じる自分に気がついてものすごく恥ずかしかった。
「ん、んく……っ」
身体は正直なもので、そうなると勝手に腰が揺れてしまうのも止められない。徐々に奥へと入り込むゆびに、身体が震えた。
「は……ぁ、よ、よしゅあっ」
「うん」
「ふ、んぅ……っあ、あぁっ……!」
首を振って腰が揺れる羞恥に堪えていると、ヨシュアの指が触れた箇所にびくりと身体が跳ねる。
何度されても慣れなくて、未だに少し怖い場所だ。
「よしゅ、それ、あっ……こ、こわ……ゃっ」
「でも気持ちいいでしょ?」
「あ、やっ、やあぁ」
ぐりぐりと容赦なく押されて、とにかくしがみついた腕にぎゅっと力を込めた。
ガクガク震える腰に、どうしていいのか分からない。不安になって顔を上げると、珍しく困ったようなスミレ色と目が合う。
「もう、入ってもいいかな?」
「へ…?ぇ、あっ」
あまりにも耳慣れない言葉に、意味のある音で返せなかった。
「だめ?」
今度の言葉でようやく意図を理解できて、慌てて言葉を返す。
「だ、めじゃないっ」
「ほんとに?」
「いい、から…!」
- 443 名前:すばせか ヨシュネク4 7/9:2008/05/13(火) 00:23:25 ID:U6xQp3Vs0
- 何せこいつからこんなことを言い出したのなんて初めてで、動揺してしまった。
いつもなら俺がしびれを切らせて促すまで動かないくせに、今日は待てないってことだろうか。
なんだろう、なんだろうこれ。
うれしい。
「ふ……」
ずるりと抜けていく指に、惜しむようにひくつく内壁がものすごく恥ずかしい。
物足りなさに腰が動く。
「ネク君」
「ん、うん……っ」
押し当てられる熱い感触に、意図せず呼吸が荒くなった。
なんだか無性にこいつの顔が見たくなって、閉じたがるまぶたを持ち上げる。
「ヨシュ、ア」
「うん」
「好き、だ」
「そう」
「すきっ」
「うん」
返事の代わりに頬にキスされて、そのまま押し込まれた。
「あ、あぁっあ」
反射的に逃げようとする腰を押さえられて、割り広げられる感覚に勝手に声が出る。
いつも初めは痛いだけなのに、今日はそれだけじゃない気がする。
「は、ぅ……んく……っ」
どうやら全部おさまったようで、止まった動きに息をつく。
毎度ながら、もともとそのための器官でもないのにこいつを全部受け入れられる俺の身体は、なかなか大したものだなと感心する。
これでちゃんと気持ちよくできてたなら、尚更いいのだが。
「ん、んん」
なかなか動き出そうとしないこいつに、腰が勝手に揺れそうになる。
さっきの言葉も、腹の中で脈打つこいつも、いつもに比べて余裕がなさそうに感じるのに
どうしてこういうときに限って自分勝手に動かないんだ。
いつもみたいに俺を振り回せばいいのに。
こういうところが俺を不安にさせてるんだって、こいつは分かってないんだろうか。
- 444 名前:すばせか ヨシュネク4 8/9:2008/05/13(火) 00:26:34 ID:U6xQp3Vs0
- 「ぁ、も……っヨシュア……!」
ぐ、と押し付けるように腰を動かすと、吐息で笑われたのが分かる。
不満に思って顔を上げると、困ったような表情と視線がぶつかってこちらが困惑した。
知らないうちに生理的な涙が浮いていたまぶたにキスされて、ゆっくり動かれる。
「は、ふゃっ……ぁ、あっ」
引いてはまた突き入れられて、すがりつくように抱きついた腕に力を込めた。
揺らがない確かな感触に、泣きたくなるくらい安心する。
「僕も我慢してるのにさ」
ぼそりと聞こえた独り言のような呟きに、首を傾げる。
「あ……な、にっ」
「ネク君がそんなだと、大人げないことしちゃいそうだよ」
「……?っひゃ、ぁ……!」
問い返そうと思う前に強く揺さぶられて、思考も何も熱と快感に巻き込まれてしまった。
あとは何度突かれたのか、白く焼ける意識と吐き出される熱い感触に身体を震わせて、ぼうっとヨシュアの顔を見上げる。
乱れた前髪がやけに色っぽくて、ドキドキした。
「……れば、いいのに」
なんとなく最中のこいつの言葉が頭に残っていて、ぼんやり呟いた。
「何か言った?」
額に張り付く髪を払うゆびはやっぱり優しい。それがなんとも悔しくて、はっきり言ってやった。
「大人げないこと、すればいいのに」
驚きに見開かれたスミレ色が、すぐに楽しそうな色をたたえて細められる。くすくすと漏れる笑いにむっとしつつ、まぶたが重くなってきた。
「それは、また今度ね」
今度ってことは、これもまた約束なんだろうか。ちゃんと守る気あるんだろうな。
返事がしたいのに、こいつの体温も落ちてくる声も心地よくて、どんどん意識が沈んでいく。
「おやすみ」
柔らかく髪を梳くゆびに誘われて、そのまま目を閉じた。
- 445 名前:すばせか ヨシュネク4 9/9:2008/05/13(火) 00:29:52 ID:U6xQp3Vs0
-
ふだんよりも長居していったせいか、起きるとあいつの姿は既になかった。
枕元の充電器もからっぽだ。
上体を起こして、朝の(もしかするともう昼かもしれないが)光が漏れる黄緑色のカーテンをぼんやり見つめる。
相変わらずあいつは自分の痕跡を残すということをしなくて、部屋は何もなかったかのように綺麗なままだ。
「……」
ひとつだけ、じんわりと残る身体の痛みを噛み締める。
髪を梳かれる感触も、抱きすくめられた温もりもちゃんと覚えている。
でもこんなのは、気を抜けばすぐにでも失くしてしまうものばかりで、
忘れないうちに早く会いにこい、と心のなかで呟いた。
あいつの髪を思い出させてくれる色のカーテンだって、きっとまたすぐに変わってしまうのだから。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
- 446 名前:風と木の名無しさん:2008/05/13(火) 01:17:15 ID:OtAe+6YvO
- >>436
萌え死んだ。
2/9ですきだって言うところとか萌えすぎて苦しい。
超 G J !!
- 447 名前:風と木の名無しさん:2008/05/13(火) 09:54:01 ID:gxfEup1F0
- 平気&別輝×黄身テラモエス
こういうの大好きだーアフォモ!
- 448 名前:風と木の名無しさん:2008/05/13(火) 12:14:39 ID:kvTV6uQT0
- >>431-435
GJです姐さん!
わんこみたいな2人がかわいくてテラモエス!
オチにお茶吹きました…この世のものとも思えない顔www
- 449 名前:風と木の名無しさん:2008/05/13(火) 23:28:20 ID:p4ihlivc0
- >>436
1から全部読んでます超GJ
あああ音繰かわいいよネク
- 450 名前:風と木の名無しさん:2008/05/14(水) 21:17:57 ID:71RzH906O
- 亀ですが>>408-416姐さん
超超GJ!!あまりに素晴らしすぎて理性が追い付かなくなりました・・・!
黄身ナイスな事しちゃうなぁww
自分も眉黄身がポデウムへ一緒に登れることを祈ります(´∀`)
- 451 名前:風と木の名無しさん:2008/05/15(木) 00:08:14 ID:FvyJMcFtO
- >>406
亀ですがGJGJ!
絶対零度のアイスグレーアイズにゾクゾクきました。
あれ?震えが止まらない・・・そういえばさっき飲んだお茶変な味だったなあ
ゲフッ
- 452 名前:ポ/ケ/ス/ペ 「逃避行(サカレ)」:2008/05/15(木) 07:50:12 ID:13FpUtti0
- ポ/ケ/ッ/ト/モ/ン/ス/タ/ー/ス/ペ/シ/ャ/ル
サカキ×レッド
シリアス ちょい甘
シチュ的には多分サカキの部屋 何で2人がそんな所にいるのかは……、妄想で補って下さいすいませんorz
めちゃ短文
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 453 名前:ポ/ケ/ス/ペ 「逃避行(サカレ)」 1/4:2008/05/15(木) 07:53:09 ID:13FpUtti0
- 永遠に逃げれやしないと分かっていても、そこに留まってはいたくなかった。
まだ考えが幼くて、自分に素直になれなかったあの日。
黒で統一された広い一室。窓はカーテンで仕切られ、薄明かりが灯されただけの暗い部屋。
広いはずなのに狭いような、そんな妙な空間にポツポツとある家具の中の一つ、黒いソファーの上にサカキとレッドは座っていた。
正しく言えば、サカキの膝の上にレッドが抱き込まれるようにして座っていたのだが。
「レッド」
サカキが名を呼べば、その腕の中に丁度良く収まったレッドが幽かに反応した。「何だよ」と小さな声で返事が返ってくる。
「離して欲しいか?」
ニヤリ、という言葉が似合うだろうか。そう笑ってサカキが唐突に問えば、レッドがフと驚いたような顔をして、徐徐にその顔を苦笑に変えていった。
「当たり前だろ」
「そうだろうな」
「そう思うなら、離せよ」
レッドが少し力を込めて言う。視線は合わせていない、というよりもサカキはレッドを見ているが、レッドが意図的にサカキから目を背けている状態だった。
「離すと思うか?」
「思わないよ」
その言葉の端に、自嘲気味に笑ったレッドの声が在るのをサカキは見逃さなかった。少し間を置いて、ポツリと呟く。
「よく分かってるな」
「誰にだってわかるだろ」
「そうか、……そうだな。レッド」
「何」
「愛してる」
不意に呟かれた言葉に、ビクリとレッドが息を詰めるのがわかった。その顔に浮かぶのは間違いようのない「恐怖」で。
その表情を見ながらサカキは、無くは無い話だと思った。
レッドは優しい。
その優しさ故この鎖を壊せないのだ。
安心させようとするかの様に、サカキはレッドの黒髪に軽く口付けた。両腕にしっかりとレッドを抱いて。
「サカ、キ」
レッドがサカキに視線を合わせる。サカキは口付けを唇に移動させ、軽く触れるだけのキスをしてからレッドの視線に自分の視線を重ねた。
「どうした」
「……卑怯だ」
- 454 名前:ポ/ケ/ス/ペ 「逃避行(サカレ)」 2/3:2008/05/15(木) 07:54:38 ID:13FpUtti0
- レッドはそう一言呟いて、再びサカキから視線を背けた。
「何故だ?」
「分かってるくせに。あんたはいつもそうだ」
ムキになったような声。サカキの視点からはレッドの表情は見えない位置にあったが、その表情は安易に予想出来た。
「そうかもしれないな。だが、俺はお前を愛している」
サカキは純粋にレッドを求めた末、この言葉を選んだ。どれよりも、彼に対する感情に一番合うものが、この言葉だった。
そして、この言葉がそうだった。この言葉が、レッドを縛る鎖になった。
『もう、逃げられない』
この言葉を呟かれた時、レッドは心の奥底ではっきりとそう思った。
レッドはいっそ突き放してしまえばいい、という極論まで行き着かない自身の心が酷く疎ましかった。そこに行き着く前に、なにかが必ず邪魔をする。
『俺自身の優しさだと思っていた』
でも違ったのだ。本当の答えは、レッド自身が一番認めたくない感情。そして、今までずっとレッドが逃げてきた感情。
「サカキ」
レッドは視線を合わせないままサカキの名を呼んだ。
「何だ」
「俺は、あんたを愛してないかもよ?」
「……」
サカキが考えるようにして黙ったのが雰囲気でレッドに伝わった。レッドはそれに構わず言葉を続ける。
「あんたはそれでもいいのか?」
「何故」
「別に。ただ言いたかっただけ」
「そうか」
一瞬言葉を詰めて、サカキが何か言いたそうにする。レッドはそれを黙って待ち、しばらくしてサカキは独り言のように言葉を零した。
「それでもいいさ。今は、それでいい」
「そっか」
「レッド、愛してる」
「……知ってるよ」
- 455 名前:ポ/ケ/ス/ペ 「逃避行(サカレ)」 3/3:2008/05/15(木) 07:57:21 ID:13FpUtti0
- ――逃げれるものならまだ逃げていたかった。捕まったら終りのはずだった。
いっそ認めてしまおう? 今まで逃げてきたものを受け止めてしまえばいいのだから、簡単じゃないか。
「知ってる」
だけど、まだ。
レッドは自分を囲うように包む腕の中で、自分を縛る鎖の解き方を知りながらもそれを解こうとしない自分を嘲笑いながら、静かに目を閉じた。
少し大人になって、自分のことがまたちょっと分かった気がした。
永遠に逃げれやしないんだから今はまだ逃げて、そしてもう少し大人になった時、自分に素直になってやろうと思ったあの日。
---
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ほのぼのが書きたかった…親子サカレが見たい
- 456 名前:453:2008/05/15(木) 07:58:24 ID:13FpUtti0
- >>453
1/4じゃなく1/3でした! すいませんorz
- 457 名前:風と木の名無しさん:2008/05/15(木) 10:33:19 ID:Y3F1Tb8l0
- >>453
ちょ、本命カプ(゚∀゚)キタコレ!!
いいよいいよムキになったレッドかわいいよ
この二人どっちもえらいかわいい
実に萌えた!機会があったらまた書いてくれー!
- 458 名前:風と木の名無しさん:2008/05/15(木) 20:31:05 ID:NwMvJDLS0
- 半ナマ注意
某TVドラマ・ルキズの兄×巫女
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
***
いいよ、と断るのも、うん、と付いていくのもおかしな感じがした。
だから訊いてみた。何で?と。
すると相手は不機嫌そうに目を眇めた。
怒らせたのか、と内心焦った。こんなことで暴力を振るうような奴ではないが
機嫌を損ねられると厄介だ。何が厄介って―――
こんなことで嫌われたくない。とシンプルに巫女芝は思った。
行くよ、と声を発そうとすると、相手が先に口を開いた。
「嫌なら別にいい。無理じゃねえよ」
「………」
普段「無理矢理」とか「強引」なことしかしていないような奴が。
余程聞いて欲しい話でもあるのだろうか。
ポーカーフェイスで、いつも何を考えているのかわからないような男が、逆に何に
そんなに悩んでいるのかと、巫女芝は興味をそそられた。
「いや、別に。ただちょっと驚いてさ。行くよ、お前ん家」
「………」
対する兄屋は、先程と同じように目を眇める。
(また怒った?えええ?)
巫女芝の動揺をよそに、兄屋は肩に担ぐように持った鞄を持ち直すと「…ああ」と
どうでも良いように歩を進めた。巫女芝は慌ててその後を追う。
- 459 名前:風と木の名無しさん:2008/05/15(木) 20:32:32 ID:NwMvJDLS0
- ***
どういうわけか、帰り道に兄屋と一緒になった。
二人で帰る習慣はこれまでにない。たいていは誰か野球部のメンバーが周りに居て…
「お前、今日まっすぐ帰んの」
兄屋はゲーセンかどこか寄るんだろうか―――と考えつつ、巫女芝は「ああ」と返事を
返した。
「俺ん家、来ねえか」
聞き間違えたのかと思った。「え」と思わず歩を止めると、兄屋も止まって自分をじっと
見ていた。少し離れて隣を歩いていると思ったのに、意外にその距離が近くて、巫女芝は
なんとなく一歩後ろに下がった。
いいよ、と断るのも、うん、と付いていくのもおかしな感じがした。
だから訊いてみた。何で?と。
***
なんとなく、部室のままのイメージで相当乱雑な部屋を想像していたが、予想に反して
兄屋の部屋はすっきりと片付いていた。
「…キレイだね」
思わずそのままの感想を口にすると小突かれる。
「オメーが来るから片付けたんだよ」
「はぁ?マジで?」
また小突かれる。
「ウソに決まってんだろ、バーカ」
- 460 名前:風と木の名無しさん:2008/05/15(木) 20:33:44 ID:NwMvJDLS0
- 思いのほか兄屋と過ごす時間は楽しくて、好きな音楽や最近見た映画、野球のことなど取りとめもなく話しているうちにあっという間に時間が過ぎてしまった。
「そういえば、なんか話があったんじゃないの」
何気なく巫女芝が尋ねると、さっきまで饒舌だった兄屋がまた黙り込んだ。
「……話……。話な……」
「………」
陰鬱になってしまった空気を後悔し、帰ろうと巫女芝は立ち上がりかけた。
その腕を兄屋が掴む。
「………兄屋?」
「……皮等と……いっつも何喋ってんだ?」
「………へ?」
兄屋は相変わらずポーカーフェイスだった。
だがその視線の強さは巫女芝の「考える」という意思を奪った。
「……先生、と……」
考えがまったくまとまらない。
その間は数秒だったのか、数十分にも及んだのか―――
「悪ぃ…………」
兄屋が手を離した。掴まれていたところが、痛いわけでもないのにじんじんと疼いた。
「帰るか………?」
「…え……?ああ、うん、ごめん、長居しちゃって…」
「いや………」
- 461 名前:風と木の名無しさん:2008/05/15(木) 20:36:20 ID:NwMvJDLS0
- 変な時間だと思った。逃げ出したいような、まだここに居たいような気分だった。
「靴、わかるか」
玄関は真っ暗で、巫女芝は爪先でなんとなく自分の靴を探った。
「大丈夫」
笑ってみせたが、兄屋がどういう表情をしているのかはわからなかった。
きっといつものポーカーフェイスなのだろう。
「じゃ、また明日」
「……巫女芝」
―――瞬間。
味わったことのない感覚が体を突き抜けた。
兄屋にキスされたのだと知って仰天する。
だが動揺して後ずさる巫女芝の肩を引き寄せ、兄屋はさらに巫女芝の咥内を深く侵した。
それは性的なことに奥手な巫女芝には強すぎる快感だった。
「………ん………んっ……」
勝手に喉の奥から声が漏れ、全身の血が一点に集まるのを感じる。
マズい、と思いながらも振り払うことができない。
「巫女芝……声、エロい……」
「……はッ……」
鞄の中で賑やかな携帯の音がして、ようやく巫女芝は我に返った。
「電話……」
兄屋もそれ以上止めようとはしなかった。
「ごめ……明日」
震える足を叱咤して巫女芝は外に飛び出した。
ドアが閉まる瞬間、兄屋が笑ったような気がした。
- 462 名前:風と木の名無しさん:2008/05/15(木) 20:36:55 ID:NwMvJDLS0
-
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
すいません、あせってたんでナンバリング忘れました…
- 463 名前:風と木の名無しさん:2008/05/15(木) 20:51:38 ID:S3ybhqrM0
- >>458
眉毛まで禿げたよGJ!
土曜日の放送までの一週間が長いなと悶えてたが明日も乗り切れそうだ
ご馳走様っした!
- 464 名前:風と木の名無しさん:2008/05/15(木) 21:11:17 ID:XX1mimYd0
- >>458-462
姐さんマジGJ
ドラマのお二人で想像して禿げたわ
その後が気になる〜
- 465 名前:風と木の名無しさん:2008/05/15(木) 22:21:02 ID:O9SrIjkUO
- >>458
禿あがりますた!!
姐さん乙!
- 466 名前:風と木の名無しさん:2008/05/15(木) 23:32:02 ID:3wZ9zZJA0
- >>458-462
GJGJGJGJ!!!!
禿げ上がりました!
次の日とかどうなるんですかね〜www
- 467 名前:風と木の名無しさん:2008/05/15(木) 23:40:05 ID:dwJgSbjKO
- も、萌えすぎなんですけどー°・(ノД`)・°・
- 468 名前:風と木の名無しさん:2008/05/16(金) 00:33:53 ID:Fp7NzMWXO
- 萌え転がった…
続編期待します!!!
- 469 名前:0/5:2008/05/16(金) 17:22:01 ID:+3830Q3nO
- オリジナルでただやってるだけ。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 470 名前:1/5:2008/05/16(金) 17:22:30 ID:+3830Q3nO
- 俺はずるい。弱っているお前につけ込んで、今、こんな事をしているのだから。
パジャマ姿の恋人は病人で、俺は見舞いに来ただけなのに、抑えられない欲望で唇を奪えば抵抗なんて無くて、調子に乗ってパジャマのボタンを外した。
震える体に気付かないふり。顔中にキスをしながら胸を撫でる。
「はっ、ん、触っちゃ……だめ」
胸の突起を親指で撫でれば、すぐに堅くなる。
「なんで?」
首筋を舐めて突起を摘む。短い悲鳴と荒くなる呼吸に興奮する。
「おかしく、なっちゃうっ」
鎖骨にキスをして、まだ触れていない方の突起を口に含んだ。
「あっ、あ……だめ、つぶしちゃ……ん、んっ、う」
一方を弾き、一方は押し潰す。歯で軽く噛んで舌で擦られるのが一番感じるらしい。
「だめ、だっ、て……いっ、て……ひっ……ああぁっ!」
髪の毛を引っ張られたので唇を離した。
主張している俺の股間と、こいつのそこを摺り合わせてみる。
「っ……な、なに、してんの」
真っ赤になってるのは、自分が興奮してるのを自覚するから? 俺のが早く欲しいから? それとも両方?
「気持ちいいかなぁって」
大人しくされるがままの恋人が視線を逸らす。
- 471 名前:2/5:2008/05/16(金) 17:23:00 ID:+3830Q3nO
- しばらくそのまま摺り合わせていたら、チラチラと俺を見るから聞いてみた。
「気持ちいい?」
滅茶苦茶にしたい。俺を求めて、卑猥な言葉を口にしてほしい。
「ん、気持ちいい……」
小さく喘ぐ唇が艶やかで、俺はまたキスをする。
舌を絡ませ吸い上げ、上顎を舐めて下唇を甘噛み。角度を変えては唾液がこぼれるまで続けた。
「は、はぁ、もぉ、触って……」
焦点が合っていないような瞳が揺れて俺を見る。
「どこを?」
意地悪を言うと眉を寄せて嫌そうな顔をするが、すぐに唇が開いた。
「ち、ちん……こ」
こうなったら俺の勝ちだ。パジャマの上から望みのものを撫でてやると腰を揺らして押しつけてくる。
「あっ、あ、もっと、ちゃんと触って……」
上半身を起こした恋人に唇を舐められた。
下着と一緒にパジャマを脱がせると、そこはすでに先走りで濡れていて、触れると小さく跳ねる。
「擦って、さきっぽ」
脚を開いて俺を誘う様はいつもと別人のようだけど、俺はこっちが本性なのだと思う。
言われるままに先端を撫でる。
「あ、あ、あぅっ、扱いて、舐めてっ」
裏筋を親指で擦るように扱き、くびれを舐めて、舌で割れ目をなぞる。
- 472 名前:3/5:2008/05/16(金) 17:23:27 ID:+3830Q3nO
- 「ふ、ぅあっ、は、ぁんっ……イク、出る!」
体を強ばらせた瞬間、口と手を離す。あと少し、本当にあと少しの所で止め、濡れた指先で秘部に触れた。
「ココで、俺も気持ち良くしてくれんだろ?」
指先を当ててるだけなのに、秘部はそれを誘うように軽く痙攣している。
「うん……いっぱい、して」
当てがっていた指先を二本、ゆっくり挿入する。秘部を広げるように円を書きながら、指先をちょっと曲げて、ある場所を探した。
「ぁん!」
前立腺。ここを擦ると女みたいに喘ぐ。自分で自分の指を舐めながら善がる姿は、そこいらのエロビなんかより卑猥。
「はっ、あー、いぃっ、気持ちいい! あっ、あっ、あっ」
俺も限界が近くなって指を引き抜く。
切なそうに見つめられながら服を脱ぐと、恋人の目の前に勃起した自身を突き付けた。
「わかるよな?」
何も言わず口に含み、根元から先端に舌を這わせ、音をたてて唇が離れる。
「ん……入れて」
自ら腰を浮かせて誘う姿は俺しか知らない。こんな姿、他の野郎にみられてたまるかよ。
秘部に濡れた自身を当てがい、ゆっくりと埋めていく。
最初は苦しそうだが、それも半分を過ぎれば次第に快楽に変わってゆく。
- 473 名前:4/5:2008/05/16(金) 17:23:55 ID:+3830Q3nO
- 「んっ、あ、あぁ、あ、んー」
根元まで埋めたら、次は腰を引いて、抜けるギリギリでまた埋める。
「も、もっと、激しい、の……がいい」
物足りないと言う恋人だが、以前、最初っから激しくし過ぎて傷つけてしまった事があるので、焦らす意味でもしばらくはこの動きを続ける。
「はっ、あ……おっきい……」
耳たぶにキスをすると、首に腕が絡まって吐息がすぐそばで聞こえた。
「やらしいな」
「だって、本当……なんだもん」
一気に奥を突いてやる。
「ああぁん! あ、ちょっ……いき、なりっ……あっ、あ、あ!」
突き上げ、擦り上げ、打ち付ける。肌がぶつかる音と、卑猥な水音が喘ぎ声と混ざって部屋に響く。
「いっ、いやぁ、おっきいよっ、おち、んち、おっきいっ……気持ちいいっ!」
お互いが動きに合わせて腰を打ち付け、中が俺を締め付ける。
「ね、イってい? イって、イって……中、ちょう、だい」
きつく抱きしめ、締め付けに耐えきれず奥に精を吐き出す。
「ひゃ、あああぁ!」
恋人はさらに絞り取るように俺を締め付け、自分と俺との間で吐精した。
「やーらしー」
中から引き抜く時に何度か引き止めるように緩く締められてニヤついてしまう。
- 474 名前:5/5:2008/05/16(金) 17:24:32 ID:+3830Q3nO
- 恋人は顔を真っ赤にしてしかめっ面になるけれど、反論はこなかったのでそのまま頬にキスをした。
「……すけべ」
まだ顔の赤いまま言う恋人が愛しくて、もう一度、と言ったらさらに顔を赤くして小さく頷いた。
お前の可愛さもずるいから。そう思って自分のずるさを無かった事にする。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
- 475 名前:次の日1:2008/05/16(金) 20:09:16 ID:k1N5GjB00
- 半ナマ注意
某TVドラマ・ルキズの兄×巫女 >>458-462の続き
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
兄屋のきまぐれで、からかわれたのだ。
そう結論付けるのに一晩かかってしまった。
「なぜ」よりも「どうする」を先に考えるべきだったと気づいたのは翌朝で、
本当に、いまさら後悔した。
どうする。
どうする。
学校への道のりの間逡巡し―――逡巡というほど大した考えが浮かんだわけでもない
――――教室に着く50歩ほど手前の土壇場で「いつも通りに」と自分でも頭を抱えたく
なるような、無難すぎる選択が採られた。
そうだ、と巫女芝は思った、いつも兄屋にはろくにおはようなんて云ってないじゃ
ないか。俺は云うけど、兄屋はいつもこっちなんか見ちゃいない。
――――今日に限って「おっす巫女芝ぁ〜」なんてニヤニヤして云われたら?
「……………」
――――そしたら、「おはよう」と返すまでだ。
そう決めたときは既に教室の中に1歩踏み出していた。
「おはよ―――」
「………っす」
さりげなく、彼の席を見遣る。
兄屋は………寝ていた。自分の席に突っ伏して。
- 476 名前:次の日2:2008/05/16(金) 20:10:23 ID:k1N5GjB00
- ***
「巫女芝………ハハハッ」
「……………」
昼休み。授業中こそ噛み殺していた欠伸を、大きく伸びをしながら思う存分吐き出して
いたところを思いっきり皮等に見られて笑われた。
「眠そうだな。きょうは朝から眠そうだ」
「………別に」
「いいんだぞ?今は昼休みだからな。寝る子は育つって―――ホラ」
「……にしてんだよ、十分伸びたよ」
子供をあやすように、巫女芝の手を掴んで伸びの続きをさせようとする皮等をいなし、
巫女芝は机に置かれたプリントに目を遣った。
「これ………」
「おう、練習メニューを考えてみた。あとでダメ出ししてくれ」
- 477 名前:次の日3:2008/05/16(金) 20:12:24 ID:k1N5GjB00
- ガタン!
背後で大きな音がして、巫女芝は誰か追いかけごっこでもしてて机にぶつかったのかなと
ぼんやり思った。自分は昼休みにちょっと寝ようと思っていたので勘弁して欲しい…
ダン!
「っ」
突然机を叩かれ、思わず声をあげそうになる。その手から、叩いた奴の顔を見上げた
ところで巫女芝の眠気が一気に吹き飛んだ。
兄屋だった。
「……付き合えよ、巫女芝……」
「……………」
同じ目だ、と巫女芝は思った。
きのうの夜、自分の腕を掴んだときの兄屋と、同じ……。
「兄屋?」
兄屋の目的を解しかねて、皮等が声をかける。
「エースと……キャプテンの相談があんだよ。なぁ?」
プリントを手にし、のろのろと巫女芝は立ち上がった。
兄屋のきまぐれで、からかわれたのだ。
そう結論付けたはずだが、間違っていたのだろうか。
(………いや、)
いや、純粋に、この皮等の練習メニューとやらを吟味したいのだろうと
巫女芝は思い直した。
こだわっているのは、自分だけだ。
- 478 名前:次の日4:2008/05/16(金) 20:13:37 ID:k1N5GjB00
- ***
「貸せ」
屋上に着くなり、兄屋はプリントを見せるように云った。
だが―――渡した瞬間、なんと兄屋は空にそれを放り投げたのだ。
「はっ!?」
巫女芝は慌てて金網に掴まると、プリントの行方を追った。
だがもう遅いようだ。
巫女芝は唖然として兄屋を見遣った。
本当に何を考えているのかわからない奴だ。
「……なにしてんの、お前………」
「“あとでダメ出し”って、皮等とどっかで会うのか?」
「は………?」
混乱しながらも、巫女芝は一応考えた。
「さあ……部活?」
「…………ッ」
舌打ちして、ポケットに手を伸ばした兄屋は顔を顰めた。
それを見て巫女芝の表情が険しくなる。
「お前、まだタバコ吸ってんの」
「……止めたのを忘れたんだよ。単なるクセだ」
「兄屋、頼むよ。いまそんなこと………」
「吸ってねえっていってんだろッ!!!」
口を噤んだ巫女芝を苦々しく見つめ、兄屋は息を吐いた。
「スタミナ落ちるし、吸ってていいことなんかひとつもねえ。そんくらい俺だって
考えてる。ただ……吸ったことのねえ奴にはわかんねえだろうけど、いきなり止めると
辛いんだよ。ニコチンはともかく、口寂しいっていうか…」
「禁煙ガムでも噛んだら」
「あれだってニコチン入ってるっつーの」
- 479 名前:次の日5:2008/05/16(金) 20:16:16 ID:k1N5GjB00
-
「なら―――」
兄屋の頭に腕を回し――――巫女芝は強引に自分の唇を兄屋のそれに押し付けた。
「……………」
「これでも吸っとけ」
驚いている兄屋に笑い返す余裕なんてなかった。
ざまーみろ。
心の中でそう悪態を吐くのが精一杯だった。
予鈴のチャイムが鳴る。
巫女芝が去ったあとも、兄屋はしばらくその場に立ち尽くしていた。
「………ヘタクソ……」
呟いて、金網に寄りかかる。
「キッチリ、教えてやんねーと………」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
「先生ぇー……プリント、どっか行っちゃった……」
「なにぃ!?」
- 480 名前:風と木の名無しさん:2008/05/16(金) 20:59:50 ID:Fp7NzMWXO
- お待ちしてました!!
兄可愛いよ、巫女可愛いよ!!!!
- 481 名前:風と木の名無しさん:2008/05/16(金) 21:04:18 ID:707L8V6SO
- >>475-479
ジャンル者じゃないのに、電車の中でニヤニヤしてしまったじゃないか!
gj!
- 482 名前:風と木の名無しさん:2008/05/16(金) 21:40:10 ID:W7aYKTvx0
- 強気巫女と嫉妬兄可愛い!GJ!!
- 483 名前:81台場マムシ×ヒダカ(0/11):2008/05/16(金) 21:42:05 ID:gONT9CGSO
- 半なま注意
81台場マムシ×ヒダカ 第一部全11回
※二人は決して仲良しではありません
※ドSマムシとドMヒダカ、始めチョロチョロ中パッパなドエロ展開をお楽しみください
欲望に忠実でごめん
でも、反省はしない
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 484 名前:81台場マムシ×ヒダカ(1/11):2008/05/16(金) 21:43:12 ID:gONT9CGSO
- 飛高の携帯が鳴った。
駒を将棋板に転がし、角多から携帯を受け取った飛高は、着信画面を見ると眉を歪めた。
少しの間、画面に浮かぶ名前を見つめると小さく息を付き、諦めたように電話に出た。
「…はい、あぁ、先日はどうも」
普段とは違う、やや遜った対応を見せる飛高。
その様子を、ある嫌な予感を持って角多が見つめている。
電話の相手は、飛高の気重な声には関せず、話しを続けている。
「…はっ?これから?…あ、いえ別に…わかりました、では、これから伺います」
そう言って電話を切ると飛高は、諦めたようにため息を付いた。
「兄貴、どうかしましたか」
不安げに角多が声をかけた。
飛高はそれを敢えて聞き流し、煙草を食わえた。すかさず角多がその煙草に火を付ける。
暫く物憂げに煙草を喫んでいた飛高は徐に立ち上がり、角多に声をかけた。
「少し出掛けてくる」
角多は反射的に吊してあった飛高のジャケットを手に取り、後ろに回った。
広げられたジャケットに腕を通す飛高に、意を決して角多が問うた。
「まさか、マムシのところでは…」
飛高は薄く笑うと、頭を横に振った。
- 485 名前:81台場マムシ×ヒダカ(2/11):2008/05/16(金) 21:44:25 ID:gONT9CGSO
- 「兄貴、着きました」
そう声をかけられ、後部座席の飛高はサングラスの奥の目を開け、重たく窓の外に目をやる。
「角多、お前はもういい帰れ、あと…迎えもいらない」
「でも、兄貴」
「何度も同じ事を言わせるな」
追いすがる角多を一喝し、飛高は車から降りた。サングラスを取ると、春の日差しが目を覆う。
そのまま振り返る事なく歩き始めた飛高をバックミラー越しに目で追い、諦めたように舌打ちすると角多は車を出した。
チラリと後ろを振り向き、角多の車が見えなくなったのを確認すると、飛高は道路を横断しタクシーを止めた。
送りはいらないと言う言葉を頑として聞き入れない角多を欺く為、飛高は全く違う場所まで送らせ、角多を巻いた。
タクシーは滑らかに本来の目的地へと向かっている。
古びたビルの古びたエレベーターは、何度乗っても不安になる。
ましてや、その行き先にあるものは、いつでも飛高を脅かすものだ。
エレベーターは屋上へと飛高を運ぶ。
コンクリート剥き出しの屋上の隅に、如何にも怪しげな管理小屋が見える。
飛高は重い足を引きずるように、その小屋の前まで行くと、鉄の重い扉を開けた。
「…飛高です、遅くなりました」
- 486 名前:81台場マムシ×ヒダカ(3/11):2008/05/16(金) 21:45:20 ID:gONT9CGSO
- 小屋の中央には、備え付けられたリングのような三畳のスペースがあり、蛇の名を持つ男は猫背気味に将棋板の前に片膝を立てて座っていた。
曇りガラスの窓から差し込む春の日差しに埃がチラチラ舞っている。
光が差し込むほどに、小屋の中の薄汚れた世界が暗く滲んでいるような気がした。
「待ってたよ、飛高さん」
その男、マムシは、慇懃な態度で飛高を迎えた。
青白さを通り越し灰色の肌をした痩せた男は、ギョロ目を回し飛高を見据えている。
薄い唇と、その奥から覗く舌が、くすんだ肌色から浮かび上がり、生々しく飛高の目に焼き付く。
「先日は、どうも」
飛高は靴を脱ぎ畳に上がり込み正座すると、将棋板を挟んでマムシと対峙した。
「あれは久しぶりに参ったよ」
ニタニタと薄気味悪い笑顔で飛高を見据えたままマムシが答える。
「たれ込んだのは誰かね?もしかして飛高さん?」
「まさか」
飛高は不自然なほどマムシの顔を見ないようにしながら、将棋板に駒を並べる。
「じゃあ、アキバのか?」
「さあ?自分はわかりませんよ」
それ以上、会話は続かなかった。
暫し、飛高が並べる駒の乾いた音だけが二人の間を行き来していた。
- 487 名前:81台場マムシ×ヒダカ(4/11):2008/05/16(金) 21:46:40 ID:gONT9CGSO
- 「…それでは始めましょうか」
駒を並べ終えた飛高は、そこでやっとマムシの顔を正面から見据えた。
浮き出た目の周りのクマが更に不気味さを増している。
降り注ぐ春の日差しがあまりにも似合わない。
「じゃ、いつも通り20分切り負けで」
「はい」
「掛け金も、いつも通りで」
「…わかってますよ」
マムシと飛高の視線が絡み合う。
負ける訳にはいかない…自然と飛高の目に力が籠もる。
その気迫の表情を、マムシは嬉しそうに見つめた。赤い舌がゆっくりと薄い唇を這う。獲物を狙う蛇のように。
「先手は、飛高さんどうぞ」
軽く見下された屈辱に飛高は拳を握るが、今は勝つ事が先決だ。
負ける訳にはいかない…これで10年、飯を食ってきた。81の小僧にも負け、今日またここで負ける事はできない。
ましてや、負けた後の事を思えば尚更だ…
「では、先手で」
そう言ってタイマーを押そうとした飛高の手をマムシが掴んだ。
「前金は?」
「払いませんよ!」
飛高はマムシの手を振り解くと、荒々しくタイマーのスイッチを叩いた。
- 488 名前:81台場マムシ×ヒダカ(5/11):2008/05/16(金) 21:47:59 ID:gONT9CGSO
- 鬼気迫る駒の応酬が続く。
15分を過ぎた辺りで飛高の手が止まった。
将棋板の上では、既に飛高の負けが滲んでいる。
唇を噛み締め板上を睨み付けるも、次の手が浮かばない。時間だけが無慈悲に過ぎて行く。あと1分…
マムシは、先ほどまでの饒舌な煽りを止め、煙草に火を付けると、焦る飛高の姿を薄笑いしながら見下ろしている。
「はい、時間切れ」
煙草の煙を吐きながら、マムシは軽く言い放ち、薄笑いを浮かべたまま飛高に煙草を差し出した。
飛高は、マムシの顔を見る事もできず、差し出された煙草を1本抜いた。
煙草を食わえ、胸ポケットからライターを取り出そうとする飛高を、マムシが止める。
飛高が顔を上げると、マムシは自分が食わえている火の付いた煙草を指差した。
仕方なさそうに、正座を崩す事なく体を前に反らせ、飛高は食わえた煙草をマムシの顔に近づけた。
その飛高の顔を両手で挟み込み、マムシは火の付いた煙草を飛高の煙草に触れさせる。
煙に目を細め、飛高は自分の煙草に火を移す為、軽く煙草を吸った。
火は、マムシの煙草から飛高の煙草へと静かに流れてゆく。
ニコチンが喉に流れ込み、火が付いた事を確認した飛高は、煙草に指で挟んだ。
それを合図に、マムシは両手を飛高の顔から離すと、飛高はきつめに喫んだ煙を深くゆっくりと吐き出した。
暫し、煙草を喫みながら睨み合う二人。
そしてマムシは、煙を飛高に吐きかけると、唇の方端を釣り上げ嬉しそうに言った。
- 489 名前:81台場マムシ×ヒダカ(6/11):2008/05/16(金) 21:50:06 ID:gONT9CGSO
- 「脱ぎなよ」
飛高は拳を握り唇を噛み締める。
これから始まる屈辱の宴を思うと叫び出しそうになる。
やがて諦めたように煙草を灰皿でもみ消すと、ジャケットを脱いだ。
マムシは将棋板を脇に押しのけると、飛高ににじり寄った。
ネクタイを緩めようとした飛高の手を掴み、もう片方の手を頭に回し、そのまま唇を奪う。
「っ!…んっ、うん…」
突然の出来事に飛高は為す術なく、ただその嵐のような口づけを受け止めるしかなかった。
唇と唇が深く重なり合い、マムシの舌は激しくうねり、飛高の舌を絡めとる。
飛高も我知らず、その荒々しい口づけに順応してゆく…寧ろ、己から攻め立てるように。
飛高は無意識に正座した膝を開き、マムシを受け入れると、掴まれた手を振り解き、その背中に両腕を回した。
マムシはその間に器用にも飛高のネクタイを外し首元を解放する。
舌をちらつかせながら、ゆっくりと飛高の唇から離れ、その唇を舐めまわし、マムシは飛高を見据える。
そしてそのままネクタイを放り投げた手で、飛高の股間に手を伸ばした。
「あっ、…は、あぁ」
「もうこんなにして…キスしただけで?」
熱く膨らんだ股間を指の腹で軽くなぞりながら、マムシは意地悪く続ける。
「…それとも、指す前から?」
「違っ、…そんな事は!」
飛高は強く頭を振る。まだ否定しようとする唇をマムシは再度強く吸った。
- 490 名前:81台場マムシ×ヒダカ(7/11):2008/05/16(金) 21:51:27 ID:gONT9CGSO
- 股間から手を離し、マムシは飛高の唇を甘噛みしながら、ワイシャツのボタンを外し始めた。
徐々に露わになる飛高の胸元は薄桃色に染まっている。
「飛高さんは肌が白いから…いいね」
意味深に呟きながら、マムシの唇は飛高の口元から、首筋、胸元へと吸い付き、噛み付き、跡を残し滑ってゆく。
「あ、あぁ…あっ、んっ」
跡が付く度に抑えきれず小さく声を漏らす飛高は、自分の脆さに恥じていた。
「おまけに感度までいい」
そう言うと、はだけたシャツに右手を差し込み、飛高の乳首を抓り上げた。
「いっ!あっ、ああっ!」
鋭い痛みと、痺れるような快感が飛高の中を駆け抜け、マムシの肩を強く掴んだ。
マムシは構う事なく、飛高の乳首を摘み強弱を付け弄ぶ。
「痛っ…あ、んぅっ、んっ」
いつの間にか、飛高はマムシの頭に顔を埋めるように屈み込み、マムシの髪の毛を唇で噛んでいる。
「ねえ…いっつもこうして弄ってるのに、桜色なんだもんなあ」
マムシは弄るのを止め、今度は優しく乳首を舐めまわし、甘噛みし始めた。
堪えきれず、飛鷹はほとばしるように喘ぎ出した。
快感が飛高を襲う。狂おしいほどの疼きは、やがて下半身へと集まってゆく。
突然、マムシは乳首から唇を外すと、飛高の顎を掴み、顔を覗き込んだ。
不意の出来事に飛高は驚きつつも、まだ押し寄せた快感の波から戻れず、溶けるような目は虚空をさ迷う。
そんな飛高を目を細めて見つめ、頭を撫でながら、マムシは冷たく呟いた。
- 491 名前:81台場マムシ×ヒダカ(8/11):2008/05/16(金) 21:53:22 ID:gONT9CGSO
- 「全部脱いで、ケツをこっちに向けて四つん這いになりな」
そう言うと、マムシは飛高を軽く押しのけ引き離した。
マムシの肩から外れた手は行き場をなくし、畳に付いた。
面食らった飛高は我に返ると、さっきまでの己の痴態に青ざめた。
茫然自失まま、畳の目に視線を落としている飛高の髪をマムシが掴んで引き上げる。
「聞こえなかった?もう一度言われなきゃわかんない?」
飛高は今、自分が置かれている状況を思い出した。
勝負に負けた自分は今、この男の言うなりになるしかないという事を…
重たい手つきでボタンの外れたシャツを脱ぎ始めると、マムシは髪を掴んだ手を離した。
飛高はゆっくりと立ち上がるとベルトを外し、ズボンのファスナーを下ろすと、そのまま一気に全て脱ぎ捨てた。
気持ちとは裏腹に、飛高の竿は猛り天を仰いだままだ。
四つん這いになる為に屈んだ飛高の髪をマムシは再び掴んで、顔を自分の方へと向かせた。
「四つん這いになる前に、ちょっとしゃぶってよ」
そう言うとマムシはファスナーを下ろし、自分の一物を飛高の顔の前に突き出した。
目の前に突き出されたモノを暫し見つめると、飛高は確認するかのようにマムシの顔を見上げた。
「いきなり入れたら痛いしね、俺、優しいねえ」
そう言いながら、マムシは飛高の髪を掴み撫で回した。
飛高は視線を再びマムシの一物に戻すと、小さく口を開け舌を覗かせた。
そこに、マムシは飛高の頭を引き寄せると竿の先を滑り込ませる。
反動で思わず飛高はマムシの腰に手を付き、そのまま腕を回わすと、尻を掴んだ。
- 492 名前:81台場マムシ×ヒダカ(9/11):2008/05/16(金) 21:57:58 ID:gONT9CGSO
- 飛高はそのまま顔を下ろし、喉元までマムシの一物を迎え入れた。
丹念に口の中で愛撫しながら、頭を上下に動かす。
先走りの汁を吸うようにして、一度口を離し唾液を飲み込んだ。
少し息を吐いた後、今度はマムシの玉を口に含み転がし、裏筋を舐め上げる。
軽く息継ぎをして、鈴口を一舐めすると、飛高は再度マムシを見上げた。
「いいよ、じゃあ四つん這いになんな」
飛高の頭を撫でると、そう促した。
言われるがまま、飛高はマムシに尻を向ける形で四つん這いになった。
飛高は自分の屈辱的な姿に改めて悔しさと恥ずかしさが募り、キツく目を瞑る。
しかし、マムシは更なる辱めを飛高に強いた。
「もっと腰を上げて、足を開きな」
そう言いながら、マムシは飛高の頭を押し込んだ。
腕を組み敷き平伏するような形に飛高を追い込み、腰を高く上げさせ、足の先で飛高の膝を小突いた。
「足、もっと開いて」
これ以上ないほどの恥ずかしいポーズを取らされ、顔を腕に埋め、飛高の体は真っ赤に染まり屈辱に震えた。
しかしそんな飛高の気持ちを裏切るように、飛高自身は熱く膨張し、腹に付きかねんばかりに起立している。
その姿を満足そうに見つめ、マムシは飛高の尻に触れた。
飛高は体を強ばらせる。
マムシの手は焦らすように飛高の尻を撫で回し、徐々に右手が中心へと向かう。
声を漏らさぬよう、飛高は唇を噛んだ。
- 493 名前:81台場マムシ×ヒダカ(10/11):2008/05/16(金) 22:00:15 ID:gONT9CGSO
- 声を噛み殺し堪える飛高を楽しそうに見ながら、マムシは掬うように蟻の戸渡りからゆっくりと尻の穴まで指を這わせた。
飛高の大きな体が弾けたように揺れる。
更にマムシは右の中指を舐めると、その濡れた指を穴に押し当て、ほんの少し、指の先だけ差し入れて、抜いてみた。
「んんっ!あっ、あ、くぅ…」
歓喜とも苦痛ともつかない飛高の漏らした声に、マムシは嬉しそうに頷いた。
もう一度中指を穴に押し当て、今度は奥まで入れてみると、飛高の体がまた揺れる。
そのまま出し入れを繰り返し、丹念に解してゆく。
飛高は声を押し殺す事に精一杯で、マムシの指の動きに合わせて腰が動いている事に気が付かない。
マムシは指を抜くと飛高の腰を掴み、尻の割れ目に自分の一物を当てた。
飛高は伏せた顔を少し上げると、マムシの方を見返した。
目は潤み、噛み締めた唇から息が漏れる。懇願する視線に、満足そうにマムシは押し当てた一物を割れ目に擦り付けた。
「…もう、あ、あっ、はぁ…許し、て、くれ」
擦り付けられる動きに、合わせるように腰を振り、飛高は許しを乞う。
マムシは薄笑いを浮かべ二三度と頷くと一度腰を引き、一物を穴にあてがうと、そのまま一気に押し入れた。
「あっ!あぁぁっ、はっ、あぁ…」
貫かれた快感と僅かな痛みに、飛高は思わず声を上げた。
深々と差し込み、ゆっくりと引き抜き、また深く差し込むのを繰り返し、マムシは飛高を堪能し始める。
動かされる度に、飛高の唇から漏れる声は少しずつ大きくなってゆく。
マムシは飛高の反応を楽しみながら、腰を回し、じっくりと飛高を追い詰める。
「全く…スケベな体してるよ飛高さん、誰のせいかな?…俺?…それとも…?」
- 494 名前:81台場マムシ×ヒダカ(11/11):2008/05/16(金) 22:02:17 ID:gONT9CGSO
- 飛高は体を硬直させた。
今、一番思い出したくない奴の事を、マムシは敢えて触れている。
「…いつも一緒にいる、ねえ、名前はなんだっけ?飛高さんの子分のさあ」
そう話しながら、マムシは出し入れを繰り返す。
「あいつが、飛高さんをこんな…」
「っ、やめてくれ!…頼む、今は…」
飛高は顔を伏せ、拳を握りしめた。
脳裏に浮かぶ顔を必死で打ち消すように、頭を振った。
「…じゃあ、自分でケツを振りな」
そう言うとマムシは飛高に覆い被さり、脇に腕を差し入れ、飛高の体を引き起こした。
マムシは飛高の肩に顎を乗せ、顔を寄せると頬を舐める。
羽交い締めにされた飛高はマムシの腕を掴み、顔を少し後ろに向けた。
「ほら、飛高の兄貴、ケツ振りなよ…そういうの、大好きでしょ」
腰を動かしながら、マムシは飛高の頬に鼻を擦り付け、じっと見据えた。
「あっ、は、あぁぁ…」
思わず声を漏らし開いた唇を、マムシは舌で誘い出し、飛高の舌が迎えにゆく。
触れ合う互いの舌を絡めるように、二人の顔は更に近づき、唇を吸い出す。
やがて飛高はマムシの呼吸に合わせて、腰を動かし始めた。
- 495 名前:81台場マムシ×ヒダカ(0/11):2008/05/16(金) 22:04:08 ID:gONT9CGSO
-
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
まだまだ続くよ!ドエロな展開!
後日、第二部を卸します
反省はしません
- 496 名前:風と木の名無しさん:2008/05/16(金) 22:09:25 ID:zjxPo9ZY0
- 萌えた〜
次回作お待ちしてます
- 497 名前:風と木の名無しさん:2008/05/16(金) 22:31:57 ID:9Qiw2cyy0
- >>469-474
萌えたよ!GJ
- 498 名前:風と木の名無しさん:2008/05/16(金) 22:48:50 ID:zobgp0LT0
- >>495
萌えました!
色気垂れ流しの兄貴'`ァ,、ァ(*´Д`*)
第二部期待してます
- 499 名前:風と木の名無しさん:2008/05/16(金) 23:01:57 ID:3iX63xsvO
- うっまいな〜惚れ惚れ
次回作待ってますノシ
- 500 名前:風と木の名無しさん:2008/05/16(金) 23:11:08 ID:iSxMyEYr0
- 次回作待ってます!
- 501 名前:恐怖神話 クトニャル:2008/05/17(土) 01:25:08 ID:JDozVJ2aO
- くとるー神話の炎の邪神×這い寄る混沌で擬人化です
混沌神の家放火事件の後にこの二人(二柱?)が会話の様なものをしていたらどうなるんだろう、と言うよく分からない妄想です
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 502 名前:恐怖神話 クトニャル:2008/05/17(土) 01:26:27 ID:JDozVJ2aO
- 「――君、まだ此処に居たの?」
低くも高くも大きくも小さくも無い音が其れの周りの空気を鳴らし、
物が焼ける臭いばかりで満たされたその場所に唯一存在している生き
(ているが如く動く)物へと届いた。(届いたのだろう、恐らく。そ
の生き物には聴覚と言う概念を有するが為に性能として耳と評するの
が似つかわしいだろう何らかの器官がある、と言う前提を信じるなら
ば。)
「ああ、此処に居る」
「まぁ、君が此処に居ようが居まいが、どうでもいいんだけどね。
…例えば、白い影に縛られた玉座の足元だろうと、焼け踏む為にある
樹木の集合体の跡地だろうと、腐臭のする緑蝕の都市の底だろうと。
君が何処に居ようが居まいが、その事実が僕に何かを与える訳でも無
い。――まあ、どうやら、今は此処に居るみたいだけども」
「その様だ、…ならば、お前は?」
「へぇ?…僕が此処に居ては不味いのかな、君は?」
- 503 名前:風と木の名無しさん:2008/05/17(土) 01:28:04 ID:JDozVJ2aO
- 人間らしき姿をした男は、仮に君と僕とが二足歩行を行う哺乳類の一
種であったならば、僕は今君を臆病な生き物だと感じたのだろうね、
と、如何にも人間らしい言葉を破棄出して、必要も無い動作をしなが
ら口を閉じた。(僅かに相手を馬鹿にしているかの様な口調も、わざ
とらしく引き攣らせた唇の皮膚の緩みも、全ては男を見詰めている生
き物の為だけに捻り出された無意味な表現だった。無意味な表現の表
層化だった。)(そして、黒い生き物もまた、喉の奥を灼く熱を孕ん
だ空気の中に在りながら、嘲笑を表す造りの顔を頭部の表面に貼り付
けて、人間の様な男に対して其れを晒し、嗤っている。)
- 504 名前:風と木の名無しさん:2008/05/17(土) 01:29:14 ID:JDozVJ2aO
- 「お前が居て、私が居る。若しくは居ない。――ならば、焼けた住み
処に意味は在るか?」
「きっとその答えは君や僕が居る意味の有無と一緒だよ、…君が此処
に決めた意味も何も無いとするなら、ね。」
肩を竦める、首を傾げる、目を細める。全ての動作に何故を問うのが
焼けた肌色の塊にしか出来ぬと言うならば、その理由は確かに何処か
に在るのだろう。(何せ、黒い生き物は、知る事が可能であった。そ
して、黒い生き物には其れが可能だと言う事実こそが、其れが男には
出来ないと言う嘘の証明に成り得るのだろう。)
「お前に意味を問う事こそ意味が無かったか、――私が行う事を、お
前達は見詰める事しか考えない。若しくは、私を介して解せぬ代わり
に、私が解する事を考える。」
「そうだよ。そうだよ、何せ――何せ、僕や僕や僕達は、君と違って
個を有さないし持っていないし保てもしない。だから、個である君が
必要になるけど、君こそが僕と僕と僕と僕の――」
地は緩やかに燃えていた。踏みにじられた場所に生え揃うのは、植え
られたばかりの赤々とした炎色で、焼かれていたのは黒々とした人影
だった。(燃えていた。燃えている。目を眩ませ四肢を焦がし、肉塊
を嬲ってばかりの赤に包まれ、黒い神は燃えている。)
「――きっと、僕は器用では無いのだろうね。僕がヒトを知っていた
ならば、僕は僕を不器用な性質の何かであると判断するだろう。…ま
あ、君を器用な何かでは無いと考える事もするだろうから、構わない
けどね。」
「――…どの道、お前は私を焼くだろう、…どうせ。其れならば、お
前は、気味が悪いだけの何かであると判断するだろう、…私がお前の
表する意味の内側にあるヒトと言うものを知っていたならば。」
嘲笑(わら)いの表現を男の形に投げ付けたまま、焼かれて行くばか
りの誰かは、自らの顔の輪郭をなぞりながら焼き切って行く男の掌の
温度に、灼かれていた。
- 505 名前:風と木の名無しさん:2008/05/17(土) 01:30:09 ID:JDozVJ2aO
- □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
- 506 名前:風と木の名無しさん:2008/05/17(土) 02:18:14 ID:78oVERIr0
- >>475-479
萌えたgjです
巫女可愛いよ巫女
- 507 名前:風と木の名無しさん:2008/05/17(土) 11:31:47 ID:m8Myile00
- >>501
GJ!
そうか出席取る時わざと忘れられたことを恨んで・・・・(違う)。
同じ人かな?だったら結構両極端書くなあ。
>>504の後半がエロい。
そもそも「這い寄る混沌」てお名前が何だか卑猥だと思う。
形而上801、なんて名づけたくなりますな。
- 508 名前:風と木の名無しさん:2008/05/17(土) 13:39:36 ID:b/dMkGrjO
- >>495
素敵!
ぜひぜひ
飛 「ちょっと何言ってるか、分からないな」
角 「何で何言ってるかわかんねーんだよ!」
とかの痴話喧嘩シーンも希望。
「これで10年やってる」に禿萌。
- 509 名前:風と木の名無しさん:2008/05/17(土) 18:02:20 ID:GNMO3p+n0
- >>495
そのドラマ時間帯の問題でチェックしてなかったけど、次から見る事に決めました。
- 510 名前:風と木の名無しさん:2008/05/17(土) 18:57:04 ID:WLczQBQWO
- 愛の劇場〜高校時代〜
福田「…益子、俺と一緒に漫才やっとごれ!」
益子「いいよ。福田となら。」
〜〜〜〜〜〜〜
ガラッ
福田「!…卓郎、おめぇいきなり部室開けんなや。…着替えてんのによぉ。」
益子「え?何言ってんだい?俺ら男同士だべ?しかも何、胸隠しちゃってんだい?」
福田「恥ずかしいべ!」
益子「はぁ?何でれすけ気なこと言ってんだい?」
福田「…親しき仲にも礼儀ありだんべな!…別にいいけどよ…///。」
益子「…薫…いや、何でもねぇ。」
福田「ところで、卓郎、明日休みだんべ。…俺んち親が出掛けてて兄貴もいないんだわ。…俺の家に泊まってけや。ネタも作っぺ!」
益子「…あぁ、構わねーよ。変なことすんなよ。ヘヘッ!」
福田「はぁ?ば、バカ!しねーよ。」
- 511 名前:風と木の名無しさん:2008/05/17(土) 19:28:30 ID:WLczQBQWO
- 福田「さぁて、卓郎、飯何食べる?」
益子「何でもいいよ。」
福田「じゃあ、カレーでいいべ。昨日俺作ったんだわ。」
益子「なにこの。二日目のカレーはうんまいなや〜。」
福田「…照れるじゃねえか…。食ったら風呂入んべ。」
益子「なにこの!一緒に?!」
福田「!ば、バカ!チゲーよ!…そんな///。」
益子「…俺は構わねーけどよ。」
福田「卓郎…。」
- 512 名前:風と木の名無しさん:2008/05/17(土) 19:40:00 ID:WLczQBQWO
- 益子「ふぁ〜あっと〜!気持いいなや〜。」
福田「卓郎、湯かげんどうだ?」
益子「あぁ、丁度いいよ。薫も入ったらいかんべ。…なーんてっておわっ!」
ガラッ
福田「卓郎、お言葉に甘えて。…ふぁ〜あっと〜!気持いいなや〜。」
益子「おめぇ用意いいなや!…俺らホモじゃねえよな?」
福田「違う違う。仲良しさんだ。」
益子「そうだよな、仲良しさんだよな。うん、仲良しさんだ。」
温かい風呂にも関わらずガクブルする二人
- 513 名前:風と木の名無しさん:2008/05/17(土) 20:00:00 ID:WLczQBQWO
- 福田「さて、出るか。卓郎、替えの下着置いてあるから。」
益子「あぁ、…ねぇ、なにこのビキニは。すげえ細い…。」
福田「え?普通じゃん。卓郎の下着洗っちゃったし。」
益子「え?!薫、行動早えなや。…ねぇ、おかしくねーか。かなりのローライズビキニ…。」
福田「しゃーなかんべ、気にすんなや。」
〜〜〜〜〜〜〜〜
福田「…卓郎、じゃあ、寝るか。」
益子「…あぁ、じゃあ、おやすみ。」
福田「グーグーグー。」
益子「って早えだろ!…しかし、薫の寝顔可愛いな。…チュッ。薫、ごめんな。ファーストキス奪っちって。」
福田「…むにゃむにゃ…。」
〜不定期に続く〜
- 514 名前:風と木の名無しさん:2008/05/17(土) 20:44:07 ID:lbQNSxRz0
- >>436-445
ちょっと亀だけどGJ!!
ネクもヨシュアも可愛すぎるw
大人気ないことするヨシュアもされてびっくりなネクも見たかったな〜
- 515 名前:風と木の名無しさん:2008/05/17(土) 21:24:44 ID:eoeldgWr0
- >>510-513
通し番号どころかスタートストップすら書かずにしかも続く宣言て何
- 516 名前:風と木の名無しさん:2008/05/17(土) 22:22:01 ID:WLczQBQWO
- お笑い芸人の○字○事の八百伊萌えです。
再生スタート
愛の劇場〜高校時代〜
ピンポーン
福田「何だんべ、飯どきに誰だ?」
ガチャッ
益子「いよぉ!薫、今日はカレーを作りに来たよ〜。」
福田「何?どうしたんだい?」
益子「じゃがいも、人参、玉葱、みんな自家製無農薬だよ〜。」
福田「お、おお。…卓郎、じゃがいもデカ過ぎじゃねえか?…人参皮剥かないの?…玉葱、いや、何でもない。」
益子「なにこの!ごめんねごめんね〜!ほら出来たよ!食っとごれ!」
福田「…あぁ、モグモグ。」
益子「薫、おかわりどうだ?」
福田「…いや、いいや。」
益子「なにこの!」
福田「…だってしゃばしゃばのカレー…いや、美味いよ!美味かったよ。」
益子「…そうか、いがったな。」
福田「卓郎、ありがとうね。俺、嬉しいよ。」
益子「…誕生日おめでとう。薫。」
福田「卓郎!ありがとう!(ギュッと抱き締める)」
益子「薫…。(抱き締めかえす)」
〜不定期に続く〜
- 517 名前:風と木の名無しさん:2008/05/17(土) 22:31:36 ID:7hSqVYbX0
- >WLczQBQWO
つ チラ裏
- 518 名前:流傷ドレニャー1/2:2008/05/18(日) 00:00:17 ID:FtO/1OBUO
- 流傷のリバっぽいドレニャーです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「可愛くないって言われたにゃー」
隣で由布菜がブーたれている。いや、にゃーたれてるのか?まあとにかく
「うるせーなーっ」
こっちに寄り掛かってくる肩を押し返す。とたんに眉を下げた情けない顔に可愛いという言葉が出そうになるが我慢する。
「冷たいにゃー和仮名も陸田も」
と言ってまた寄り掛かってくるのを今度は押し返さずにいると機嫌が戻ったのか笑顔で覗き込んできた。
「近えーよ離れろ。」
悪態をつくが由布菜は笑顔のまま離れない。
- 519 名前:流傷ドレニャー2/2:2008/05/18(日) 00:04:00 ID:FtO/1OBUO
- 「顔がにやけてる。」
「にやける訳ねえだろバーカ」
焦って顔を背けるがもう遅い、顔に熱が集まってくるのが分かる。
「陸田ってば可愛いにゃー」
もうヤケクソだ言ってしまえ
「可愛いのはお前だっ」
勢いよく振り向くとポカンとした由布菜のあほ面。
ヤバイどうすりゃいいんだ。
目の前にある真っ赤になっていく顔を見ながら途方に暮れた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
勢いだけで書いてしまいました。駄文スマソ
- 520 名前:シンプソンズ・セシル→ボブ→バート:2008/05/18(日) 15:57:08 ID:30iQGM020
- _________
|┌───────┐|
|│l> play. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
∧∧
( ,,゚) ピッ ∧_∧ ∧_∧
/ つ◇ ( ・∀・)ミ (` )
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| ┌‐^──────────────
└──────│舞台は監獄で、バートはボブの妄想の中にしか出てきません。
冒頭微グロ注意だけど、妄想なのでご容赦を。
生まれて初めて書いたSSなので自信なし。突っ込み所多いかも。
└───────────────
- 521 名前:シンプソンズ・セシル→ボブ→バート:2008/05/18(日) 15:58:10 ID:30iQGM020
- サイドショーボブの望みは、要するにこうだ。
…バートを苦しめ、殺す。
その想像だけで舌なめずりをしてしまう。
あの小さな男の子を捕まえて、いたぶって、生きたまま食べてしまいたい。
猫が鼠を貪るように。
バートのことを思うと、ボブはだんだん自分が獣になっていくのを感じる。
憎悪の感情と加害の欲求は、今は彼の中では完全に分離して、関連性のないものになってしまっていた。
憎しみ以上に、ただ苦しめたい。ただ殺したい。ただ、バートの泣いた顔を見たいのだ。
苦痛に歪み、絶望する顔を。
それを夢想するたび、心は幸福に満ちあふれる。
裸になって、解体したバートの生温かい血液を全身に浴び、切断した首を抱き、唇に熱烈なキスをする…
「まてよ。なぜキスせねばならんのだ?」
ロバート"サイドショーボブ"ターウィリガーは、自分の妄想に初めて疑問を持って我に返った。
「どうしたの兄さん?」
「ああいや、何でもないんだセシル。気にするな」
現在時刻は午前0:20。二段ベッドの下で寝ている弟のセシルが、兄の独り言で目を覚ました。
「またバートのことを考えていたの?…もう寝なよ。明日も海岸で医療ゴミ拾いだよ?」
「ああ…」
ボブは目を瞑り、再びバートのことを思い浮かべた。
バートの部屋に忍び込み、怯えるバートをジリジリと追い詰め、捕まえて、縛り上げ、この手で首を締め上げる。
(あいつはきっと泣くだろう。私の顔をじっと見つめて、必死で息をしようとしながら泣き悶えるだろう。そうしたら私は…)
バートの頬に舌を押しつけ、その舌で涙をすくい上げ、眼球を舐める…
「何を考えているんだ私は!?」
妄想を打ち切り、思わず叫んでしまった。
「うるさいよ兄さん!」
「あ…すまない、つい…」
- 522 名前:シンプソンズ・セシル→ボブ→バート2/4:2008/05/18(日) 16:00:26 ID:30iQGM020
- 「目が覚めちゃったよもう…なんだってんだよ?」
ボブは少し考えて、黙っていることにした。こんな事を弟に話すのは、兄としてためらわれた。
「ああ、本当に何でもないんだよ。お前には関係ないことだ。起こしてしまって悪かったな、もう本当に寝るよ」
だが、寝ようにも頭が冴えきってしまっていた。自分の妄想に無意識のメッセージの反映を見てしまった。その1、バートを苦しめたい。その2、バートを殺したい。その3、バートを…いや、それは、まさか、そんな。
「私にそんな欲望があるのか…」
布団を頭から被った中で、ほとんど呼吸と同じくらい小さな声での呟きだったが、セシルが応えた。
「どんな欲望だって?」
「耳がいいなセシル」
ムッとして振り向くと、セシルの目がベッドの欄干越しにこちらを覗き見ていた。
「もしかしてアレしてたのかい?その…ゴホン、…オナニー」
「違うわ。だがそう思うなら兄のプライバシーを覗こうとするんじゃない」
「つれないね兄さん、僕は弟じゃないか。恥ずかしがるなよ」
「気持ち悪いことを言うな」
「ああはいはい、わかったよ。兄さんが十歳のガキに発情してるところを邪魔して悪かったねえ」
「なんだと!?」
弟が皮肉めいた調子で"発情"と口にした事に、ボブは驚いた。
「バート・シンプソンのこと。とぼけるなよ」
セシルの目つきは、心なしかいつもより鋭く見えた。
ボブは混乱した。自分がつい先ほど気づいたばかりの欲望を、なぜセシルが見抜いているのか。
「いつもあいつのこと考えてオナニーしてるんだろう…」
「下世話な話はするな」
「否定しないの?」
「・・・・・・・・・・・」
ボブはセシルから目をそらした。
実際、マスターベーションの時に思い浮かべるのはいつもバートの顔だった。
なぜかそれを当たり前のように感じていて、まったくおかしな事だと思わなかった。
あらためて考えれば、こんなおかしな事はないのに。
- 523 名前:シンプソンズ・セシル→ボブ→バート3/4:2008/05/18(日) 16:02:07 ID:30iQGM020
- 切実に、セシルに問いたかった。なぜそれがわかる?
セシルは答えた。
「悪いけどね、上のベッドで兄さんがナニすると、下にいる僕には丸わかりなんだよね。なるべく音を抑えようとしてるみたいだけど。終わった後の独り言も結構よく聞こえるよ。『ああバート』ってね。そういうこと」
これにはボブは本当にあっけにとられた。思っても見ないことだった。
「いつ私がそんなことを!?」
「ほとんど毎晩だよ!もしかして自分でも気づいてないの?」
「…いや…確かに呟いてるかも…でもあれは…」
「人間の心理って複雑だよね兄さん」
セシルの口調になんだかトゲがあるような気がしたが、ボブはそれよりも自分とバートのことで頭がいっぱいだった。
「私には分からない。自分のことなのに。なぜだろうか」
自分に言い聞かせるように呟いたが、セシルは応えた。ボブにはそれもなんだか独り言のように聞こえた。
「愛はけして思いどおりにならないんだってさ」
「誰が言った?」
「トム・ジョーンズ」
「・・・・・・・」
ボブは一つ溜息をついた。もう言い逃れできない。
- 524 名前:シンプソンズ・セシル→ボブ→バート4/4:2008/05/18(日) 16:03:50 ID:30iQGM020
- 自分の感情を自覚してしまうと、彼は落ち着きを取り戻し、ある決断をした。
「ここを出たらトム・ジョーンズの曲も聴いてみるとしよう」
「なんだって兄さん!?」
今度はセシルが驚いたようだった。
「脱獄する気なの?」
ボブは平然として言った。
「大げさに言うなよセシル。スプリングフィールド刑務所から逃げ出すなんて簡単なことさ。実際に私が何度脱獄したか、お前も知っているだろう?しばらく待てばチャンスは巡ってくる。それをちゃんと見極めればいいんだ」
「凄いなあ…」
「おや、やっと兄を尊敬する気になったようだな。…今夜はもう寝ようセシル。なんにせよ、明日は医療ゴミ拾いだ。珍しい薬でも拾ったら、誰かに売りつけよう」
「うん…」
セシルは自分の寝床に入っていった。
ボブは仰向けになり、すっきりとした安らかな気持ちで目を閉じた。もう考えるのはよそう。
「兄さん」
「なんだ」
「脱獄するときは、僕も連れて行ってよね」
「ああいいだろう」
「ありがとう兄さん、お休みなさい」
「ああ、おやすみセシル」
二人は、それから一言も喋らず、朝までの深い眠りに落ちていった。
終わり
- 525 名前:シンプソンズ・セシル→ボブ→バート終了:2008/05/18(日) 16:06:03 ID:30iQGM020
-
_________
|┌───────┐|
|│ロ stop. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
ピッ ∧_∧ 以上。
◇,,(∀・ ) 時系列は想像でおざなってオクレ
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| |
└────────────────┘
- 526 名前:風と木の名無しさん:2008/05/18(日) 19:32:00 ID:tINcweyv0
- おざなる???
- 527 名前:風と木の名無しさん:2008/05/18(日) 21:24:49 ID:NCwKe0yYO
- >>520-525
初めて書いたってmjd!?
憎悪と愛情が入り混じる感情は個人的に大好物です!gj!
できれば脱獄後も読んでみたいです
- 528 名前:風と木の名無しさん:2008/05/18(日) 21:55:17 ID:samJoWvz0
- >>520
元ネタしらんが文章に萌えた。
- 529 名前:風と木の名無しさん:2008/05/18(日) 23:40:49 ID:ZWrOVzTb0
- 08年日曜単車乗りから じろう(がるる)×わたる で半ナマです
先週から今週の展開に頭がパーンした結果の産物なので
今後の事だとかそんな複雑なものは何も考えてません。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 530 名前:1/3:2008/05/18(日) 23:41:44 ID:ZWrOVzTb0
- 「グル…」
獣じみた低い唸り声が耳に響き、わたるは少し怖くなって身じろぎする。
紅いバラの花が散る真っ白なシーツの中を泳ぐような、その緩慢でささやかな抵抗に唸り声は更に低く木霊した。
「ああ…逃げないよ…逃げないから…」
唸り声に応えるように呟くと、わたるは観念したように力を抜く。
彼の体に乗り上げている人の形をした獣は、その言葉を聞くと満足気にひとつ、ガル、と喉を鳴らした。
(…まるで飢えた獣そのものだ)
こちらの様子をじっと伺うような獣の頬を撫で、わたるは瞼を閉じる。
熱を纏った裸の肌にシーツは冷たい。
降り積もるバラの花の匂いも、目を閉じた瞬間咽かえるほど濃いものに思えた。
この獣はこのシーツの冷たさも、花の香りも気にならないのかしら。
組み敷かれているにも関わらず、わたるは考えを巡らせる。
- 531 名前:2/3:2008/05/18(日) 23:42:33 ID:ZWrOVzTb0
- 人の形の時でも鼻は利くのかとか、犬のようにぼくの匂いも判るのかとか。
もしここから獣が出れるのなら、マフラー一つ置いていけば探し当ててくれるのか。
一枚のマフラーを頼りに、獣がこの広い世界から自分ひとりを必死に探す姿を想像して
わたるは、似合わない、と笑った。
閨でわたるがやわらかく笑うのを見、何を思ったのか獣はその大きな手で
自身の頬を撫でた本人の手を取ると、そのまま手のひらに口付けた。
若いゆえに柔いそれにちゅう、と吸い付き甘噛みし、べろりと舐める。
わたるがビクリと震えるのをよそに、獣は指の間を舐めたりその先なんかをかじったり弄ったりする。
「あ…や、やめて…がる…」
神経の集まる敏感な指を弄られて、わたるは慌てて手を引こうとするが
人の形した人外の獣の力は強く、びくともしなかった。
まして獣は、引こうとした手を更に引き寄せ、手首に二の腕に唇を這わせていく。
- 532 名前:3/3:2008/05/18(日) 23:43:19 ID:ZWrOVzTb0
- そうしてじわりじわりと噛んだり舐めたりしながら、獣の唇が肩を、首筋を通り過ぎ、
わたるのまるい顎へたどり着くと、ようやくそこで顔を上げた。
おそるおそる薄目を開け胸を上下させるわたるを、獣は捕食者の顔で見下ろす。
「ぐるる…」
(まただ…)
わたるは捕食者然とした獣を見て、酷く切ない気持ちになる。
人の形をして、人の言葉も持っているのに、獣は決してわたるの名を呼ばない。
目を開けたままわたるを睨むように口付けてきた獣の髪に指を挿し込み
そっと引き寄せると、わたるは自ら舌を差し出した。
(がるる…)
わたるの誘うような行動に、獣が本来の食事をするような乱暴な口付けに変える。
(…名前を)
呼んでほしい、と。この唇で、この舌に名前をのせて、呼んでほしい。
そう願いをこめて、わたるは獣の舌を優しく噛んだ。
- 533 名前:風と木の名無しさん:2008/05/18(日) 23:46:11 ID:ZWrOVzTb0
-
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
この先はもう自分でもどうしていいか判らなくなったので、ぶつ切りで失礼します
じろわた良いよじろわた
わたるをお姫様抱っこしてどこかに連れ込んでください
- 534 名前:オリジ 後輩×病み系先輩:2008/05/19(月) 01:07:03 ID:/FGiWgAE0
- |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
攻が後半まで出てきません。
- 535 名前:オリジ 後輩×病み系先輩 1/6:2008/05/19(月) 01:11:39 ID:/FGiWgAE0
- もともと面倒事は大嫌いだけど、時々息をするのすら面倒くさい時がある。息を止めるのも面倒くさいから生きているだけの怠惰な生き物になり果てる時が。
ここ数日も俺はそんな感じで、ベッドの上で寝転んで過ごしていた。水すら飲むのが面倒くさいのに食べるなんてもってのほかで、空腹を過ぎて何も感じなくなった。
狭くてボロいアパートの一室はただでさえ小さな窓の横に新しくマンションが建って、昼でも薄暗い。
今なら、殺人犯がきても猛獣がきても、すんなり殺されてやれそうな気がする。
「カモン殺人鬼!」
言ってはみたものの、空しく一人きりの部屋に溶けただけで、代わりに無機質な音楽が鳴った。
腕の重さにうんざりしながら音源である携帯を取ると、のディスプレイには『グラサン』と表示されていた。親友からの電話とあれば無視するわけにもいかない。俺は通話ボタンを押した。
「ハロー?ユキタカちゃんでっす!」
「ハローじゃねえよ頭湧いてんのかテメェ。何してやがる」
ドスのきいた声に混じった少しの心配を感じて、殊勝にも罪悪感を感じた。
「イヤン、怖ーい。おうちにいるよー。」
「またアレか。サプリぐらい飲んでんだろうな?」
以前同じような状態に陥ったとき、食わないというよりは食えないのだと知ったグラサンは俺に大量のサプリを押しつけた。
その次にこの状態になったとき、俺はその存在をすっかり忘れていて、こっぴどく叱られて次は絶対にサプリは飲むと誓わされた。
「飲んでるよー」
今回も俺はすっかり忘れていたけど、怒ったグラサンの怖さをよく知っていたのでそう言った。目は散らかった室内を彷徨って、サプリを仕舞い込んだ箱を探した。
「……本当だろうな?」
「イエース。それよりなぁに、用事じゃないのー?」
疑うような声色に、さりげなく話題を逸らすとそうだった、とグラサンは言った。
その間に俺はベッドから降りてサプリの箱を、脱いでそのまま床に放ってあったシャツの下から救出した。
「丹波がぼやいてたぞ。明日ガッコに来なかったらお前んチ行くってよ」
「ええー!ナオちゃんが?やだなぁ、面倒くさいなぁ、ソレ」
CaだとかFeだとか書かれたボトルから適当に取り出して、冷蔵庫にあったポカリで流し込んだ。
- 536 名前:オリジ 後輩×病み系先輩 2/6:2008/05/19(月) 01:12:39 ID:/FGiWgAE0
- 「だったらガッコ来いよ。出席日数足りなくなんぞ。」
「ううー、面倒くさい……」
「でも丹波が来んのはもっと面倒くさいだろ?」
たぶんグラサンは携帯の向こうでにやけた顔をしている。なんだかムカついて、電源ボタンを押してやった。
だるい体で学校への道を歩く途中、鞄を忘れたことに気付いた。今更戻るのも面倒くさくて、そのまま手ぶらで教室へ入るとグラサンに呆れた顔をされた。
「お前、何しにガッコ来てんだ」
「んー?グラサンに会いに?」
「いい加減グラサンってのに飽きろ」
グラサンは何もグラサンをしてるって訳じゃない。タモツという名前だからか、たもっさんだとかたもさんだとか呼ばれていたのを聞いて、某有名芸能人を連想して俺がつけたあだ名だ。
他の奴が呼べばその普段でも十分恐ろしい顔を更に恐ろしくさせて睨むものだから、呼ぶのは俺だけだけど。
「ったく。ほらよ、食っとけ」
差し出されたのはチュッパ。
「ヤッター!何味?むいてー」
溜息をつきながら口に入れられた飴はプリン味。つくづくグラサンは俺に甘いと思う。ヤクザのような顔をして、実は優しいだなんてマンガの中のヒトみたいだ。
「ナオちゃんにアイサツしてくるー」
「真田も心配してたぞ。篠原先輩、大丈夫ですかねーって」
「じゃあトモくんにも顔見せとく。俺ってば愛されてるーゥ」
「まったくだ。忘れんなよ。あと、顔見せたら余計心配されるかもだぞ、すげー顔。」
あらー、と笑って教室を出た。チュッパを舐めながら廊下を行くと、熊とあだ名される我らが担任がいた。
- 537 名前:オリジ 後輩×病み系先輩 3/6:2008/05/19(月) 01:13:33 ID:/FGiWgAE0
- 「ナオちゃーん、おっはよー」
ひらひらと手を振ってみせると、ナオちゃんは物凄く凶悪な顔をした。
「丹波先生と呼べっつってんだろが、せめて尚也先生だ」
「イヤン、俺とナオちゃんの仲じゃない」
「俺はお前と生徒と教師以外の関係になった覚えはねえ。無断欠席続けた後にそんな顔で登校しやがって、学校嘗めてんのか」
俺の長い前髪を毛むくじゃらの手で上にあげて、ナオちゃんはますます顔を凶悪にした。
「グラサンにも言われた。俺、そんなひどいカオしてるー?」
ちゃんと顔は洗ってきたのにな。
「グラサン?黒宮のことか。ひどいっつか、今にも死にそうだぞ。クマとか顔色とか」
眠れないんだから仕方ない。睡眠薬の予備はきれてたし、買いに行くのも面倒くさかった。
「とりあえず、もうすぐ授業だから戻れ……って篠原!」
途端走り出した俺の後ろをナオちゃんの声が追ってきた。走るのは面倒くさいけど、授業も十分面倒くさい。
「ナオちゃんゴメンねぇー、俺鞄忘れてきちった!」
「てめぇやっと登校したと思ったらソレか!待ちやがれ!」
きゃー、襲われるー、とか言いながら追いかけられていたら前方にタクシーを発見した。
見知った広い背中に飛びつくと、ぅお、という声と共に背中はよろけて、それでもすぐに持ち直した。
「トモくん、走れー!」
「え、篠原先輩?って、ギャー!熊先!」
「誰が熊だ真田コラ!篠原渡せ!」
ナオちゃんの形相に怯えたのか何なのか、トモくんは走り出してくれた。チャイムが鳴る。
俺をおぶったトモくんが手近の空き教室に入るとナオちゃんは俺達を見失ったようだった。
- 538 名前:オリジ 後輩×病み系先輩 4/6:2008/05/19(月) 01:14:23 ID:/FGiWgAE0
-
まったく、という風にトモくんが息を吐いたから、俺を腹に抱えたトモくんを見上げた。恐らくは準備室の部類だろう部屋は窓がなく埃っぽくて、少し俺のアパートに似ていた。
「サキちゃんがびっくりして見てたよ」
「そうですか」
「あれ?そっけないね」
「……別れましたよォ」
情けない声にケタケタと笑うと、抗議するみたいに髪を引っ張られた。ふとトモくんが真剣な目をした。
「先輩、軽すぎですよ」
「そう?」
おぶさっている間手に持っていたチュッパを口に入れながらもごもごと言うと、トモくんは一層深く息をついた。
「身長はあんま変わんないじゃない。あ、でもまたちょっと伸びた?180いった?」
「先輩は肉がなさすぎます。また痩せたでしょう。何してたんですか、ここ数日」
「んー、寝てたよ」
「それにしては随分なクマですね」
キレイな顔を歪めて俺を見るもんだから、俺は自分がすごく醜いものに思えてしまう。実際、それは真実なんだけど。
「あんま自分いじめないで下さい。食べないうえに寝ないなんて消極的な自殺みたい」
「グラサンが言ったの?」
「見ればわかります」
ふうん、と顔を逸らしてチュッパを噛んだ。腹にあるトモくんの手は熱くて、制服越しにも熱を伝えた。
「ごめんね」
しばらくの沈黙のあと言うと、尋ねるように手に力が入った。
「さぼらせちゃった」
「そんなこと」
また沈黙。でも全然不快じゃなかった。
「あ、寝れそう」
呟くと、どうぞ、と声が降ってきた。この後輩も俺に甘い。
- 539 名前:オリジ 後輩×病み系先輩 5/6:2008/05/19(月) 01:16:29 ID:/FGiWgAE0
- 「あのねぇ、トモくん」
「はい」
「俺は自殺なんてしないけどさぁ、」
面倒くさいもの、そう言うとトモくんは静かに笑った。とろとろとした空気は俺には少しむず痒い。
「たぶん今殺されかけても抵抗しない」
なぜそんなことを言ったのかわからない。理由なんかなかったと思う。それは、少なくとも俺にとっては、自然な会話の流れだった。
だからトモくんが俺の体をひっくり返して床に背中を押しつけたとき、数日ぶりの眠気が一瞬にして吹っ飛ぶくらいに驚いた。
驚いたのはその行為よりもトモくんの表情で、可愛い後輩は怒ってるのか悲しんでるのかわからない、でも確実に好意的ではない表情をしていた。
「なに、それ」
低く絞り出された声は俺の知らない声色で、背筋が少し寒くなった。手にあったはずのチュッパの棒は奪われて、床に放り投げられた。
「なに、って?」
「ふざけるのも大概にしてください。俺がいったいどんだけ、」
ああもう、いいや、とトモくんは言って、俺の首筋に噛みついた。まるで俺がチュッパに噛みついたみたいに。
俺は驚きから解放されて、やっと自分の状況を把握した。トモくんは俺のシャツのボタンをはずして、浮いた肋骨をなぞっている。
何が楽しくてこんな骨と皮しかないような体を撫でるんだろうと思った。
「抵抗してください」
一向に力の入らない、自分の抑えた俺の腕に苛立ったのかトモくんは言った。手は解放されたけど俺は動かなかった。
「また面倒くさいとか、言うんですか。それで誰か辛くなるとか考えないんですか。どうしてそんなに消極的なんです」
トモくんは俺の好きなキレイな顔を泣きそうに歪めて、俺はやっぱり自分の醜さを確認する。思わず笑ってしまった。だって馬鹿げてる。
俺は極度の面倒くさがりで、こんな面倒くさい状況に抵抗なんて面倒くさいことをすると思ってるんだろうか。そうだ、俺はまた、面倒くさいと言うよ。
「だって面倒くさいもの」
鈍い音がして、遅れて口の中に鉄の味がひろがった。殴られたとわかったけど、だからといってどうしようという気も起らなかった。
「トモくんこそ、なんでそんなに必死そうなの」
笑ってみせるとトモくんは絶望したような表情で、いよいよ俺は醜かった。
- 540 名前:オリジ 後輩×病み系先輩 6/6:2008/05/19(月) 01:19:18 ID:/FGiWgAE0
-
ナオちゃんに家を訪ねられる方が面倒くさいことがわかったから、俺は学校に来た。今、抵抗しないほうが面倒くさくなるとわかっていた。
それでも俺は抵抗しようという気にならなかった。この意味を、知ってる?
食らいつくようなキスの先で、このまま骨の欠片ひとつ、髪の毛の一筋すら残さずに食べられてしまえればいいのにと思いながらトモくんの背中に手をまわした。
ここで、俺ってば愛されてるーゥ、なんて言えばまた殴られるんだろうなと、内心で溜息をつきながら。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
薄暗くってごめんなさい。
あと、自分掃除屋の話書いた奴ですが、前にレスくれたひとありがとう。
掃除屋の続きじゃなくてごめんなさい。
お目汚し失礼しました!
- 541 名前:風と木の名無しさん:2008/05/19(月) 01:31:12 ID:i9iNKpy80
- 義明日7話が兄兄四四的に余りに萌えすぎたので投下します。
カレンに平手うちされた後のスーパー兄弟タイム補完。
ル/ルロ/ロかロ/ロル/ルかまだ決めかねてるので、エロは未遂です。
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
- 542 名前:義明日兄兄四四1/3:2008/05/19(月) 01:33:55 ID:i9iNKpy80
- 『わたくしは、ナナリー・ヴィ・ブリタニアです』
あの事件以降行方知れずになっていた誰よりも大切な妹、ナナリーは俺の目の前に戻ってきた。
モニター越しに映るのは一年前より少し成長した姿。
ずっとずっと一緒にいたはずの妹は、たった一年の間に驚くほど遠くにいってしまったのだ。
講堂に響き渡るナナリーの声に耐えられず、俺は逃げ出すようにゲットーを歩き回った。
己の意思で総督となり、ユフィの意志を継ごうとするナナリーは、俺の半身であった小さくてか弱い少女ではなくなっていた。
ナナリーを守れる力を得るために、ナナリーを幸せに出来ると信じて、俺はゼロの仮面を被り希望を抱いた。
だけど、他ならぬナナリー本人がそんなものは間違っていると否定した。
もう、俺が縋れるものは何もなくなってしまった。
まさに、「ゼロ」だ。
今の空っぽの俺こそその名に相応しい。
そうだ、いっそ「ルルーシュ」がめちゃくちゃに壊れて空っぽになってしまえばいい。
そう思って、この租界で手に入れたリフレインを再び腕に押し当てる。
何度この行為を繰り返したろう……薬物の特性で幸せな過去に戻りたいと願う気持ちはある。
だが、偽りの幸せには何の意味もないと俺は知っている。
だから、どうしてもリフレインを使うことはできなくて、そのまま夜を明かしてしまった。
全く眠気すら起きずぼんやりとしている中、カレンと出会ったのは幸運だったのか不運だったのか。
挑発するように彼女に迫った俺に、彼女は望みどおりの拒絶を与えてくれた。
そして言った……「ゼロになれ」と。
でも、誰の為にゼロになればいい? ナナリーの為の「ゼロ」はもう壊れてしまったんだぞ。
ああ、でもカレンは言っていたじゃないか。
彼女には黒の騎士団には「ゼロ」が必要なのだと。「ゼロとして自分達を騙しとおせ」……と。
- 543 名前:義明日兄兄四四2/3:2008/05/19(月) 01:35:38 ID:i9iNKpy80
- でも、それなら「ルルーシュ」はどうすればいい?
どんな状況になっても俺を、「ルルーシュ」を必要としてくれていたナナリーはもういない。
「ルルーシュ」は誰にももういらないんだ……。
あの男があっさりと俺を捨てたように、皆が「ルルーシュ」を捨ててしまう。
でもそれでいいのか……だって、それが俺が望んだことじゃないか。
「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア」なんて誰にも必要なかったんだから。
その事実は、俺を酷く打ちのめして……去っていくカレンを追う気力すら湧いてはこなかった。
だから、カレンが走り去った直後にロロが現れた時、こいつもまた俺の監視をブリタニアから言い渡されていたと思い出して、軽い苛立ちを覚えた。
ロロもまた「ゼロ」としての俺を監視する為に派遣されてきたんだけなんだ。
けれど、あいつは驚くほど真っ直ぐに俺を、見つめて言った。
「ゼロにならなくてもいい」と、俺がゼロでなくても良いと言いきった。
そして、心の中にあって、でも言葉にすることが出来なかった事実をも口にした。
ゼロがいなくなればナナリーの為になるという、その事実すら迷うことなく。
ナナリーの為にゼロを生み、ナナリーの為にゼロを捨てる……。
この17年間をナナリーの為に生きてきた俺にとって、その事実は余りに辛くて、でももう目を逸らすことは出来ないことだった。
それが本当にナナリーの為になるならば、捨ててしまいたい。
けれど、捨てて空っぽになった俺はどうしたらいい?
その気持ちがなくなったら、また学園で籠の鳥になるだけだ。
俺はまた一人になって、お前が言うような幸せになんかなれないんだよ……。
- 544 名前:義明日兄兄四四3/3:2008/05/19(月) 01:37:41 ID:i9iNKpy80
- 「大丈夫、僕だけはどこにもいかない。ずっと兄さんと一緒だから」
まるで俺の気持ちを読んだかのように、ロロは真剣な顔でそう言った。
迷いのない言葉とその瞳から目が離せない。どうして、そんな目で俺を見ることができるんだ、お前は。
「一緒に……いてくれるのか?」
その目に促されるように、縋るような言葉が口からこぼれ出てしまった。
そんな俺の言葉にロロは柔らかく表情を崩して、口を開いた。
「当たり前だよ。だって……僕の居場所はもう、兄さんの傍にしかないから」
柔らかいけれど切なげな声に、俺はハッとして改めてロロの顔を見つめる。
ギアスしか能のない、暗殺しか知らない少年。こいつの居場所はブリタニアにしかなかった。
けれど、俺がその居場所を捨てさせたんじゃないか。
スザクを騙し、ヴィレッタに銃を向けたのは……「お前の居場所は俺が作ってやる」と言う俺の言葉を信じたから。
「ロロには、俺が……ルルーシュが必要か?」
その問いかけに、血のつながりなんてないけれど、俺とよく似た紫の瞳がゆらゆらと揺れた。
「うん。僕にはルルーシュが必要だよ。だから、ルルーシュの為に何でもする」
こくりと頷いて、ロロは俺の胸に飛び込んできた。そして、小さく願うように呟く。
「ルルーシュと一緒にいたい。一緒にいさせて……兄さん」
ロロを利用する為だけに呼ぶことを許したはずの「兄」という呼び名が酷く心地がいい。
俺を求める小さなぬくもりの存在が、空っぽの心に染み渡っていくようだった。
何もなかったロロ、空っぽのロロ。お前は今の俺ととてもよく似ているのかもしれないな。
「ならば、俺の傍にいろ……」
だから、俺はその言葉に縋るようにロロの小さな身体をきつく抱きしめ、そのまま華奢な身体を鉄骨の上に押し倒した。
単なる逃避なのかもしれない。
だけど、人のぬくもりが恋しくて……優しくされたかった。
そんな俺の行為に一瞬だけその大きな瞳を見開いたけれど、ロロは拒まなかった。
- 545 名前:風と木の名無しさん:2008/05/19(月) 01:40:47 ID:i9iNKpy80
- □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
兄攻めか弟攻めかは想像にお任せします。
というか、自分自身決めかねているのでw
ロ/ロのおかげで義明日が楽しくてたまりません。
- 546 名前:風と木の名無しさん:2008/05/19(月) 02:08:43 ID:77madRlP0
- >>545
最高すぎる
兄攻め萌えの私は四四で楽しませて貰いました
兄素敵だよ兄、せくしーだよ兄
- 547 名前:風と木の名無しさん:2008/05/19(月) 02:15:46 ID:M7C0WIL90
- >>545
萌えた
偽兄弟の関係がこれからどうなっていくのか気になる
- 548 名前:風と木の名無しさん:2008/05/19(月) 07:00:25 ID:JHRlE5VW0
- >>545
GJGJGJ!
今回微妙に凹んだから嬉しかったよー浮上した!
やっぱり兄弟いいな
兄も弟も可愛いすぐる
- 549 名前:風と木の名無しさん:2008/05/19(月) 07:35:25 ID:QwWdCtNw0
- >>545
GGGJJJ!!
そうだよねそんなやりとりあったよね
理想を見ましたありがとう!
- 550 名前:風と木の名無しさん:2008/05/19(月) 15:03:46 ID:h1m3KmrIO
- >>535
いいなぁ、明るい病みって新鮮で面白かったwGJ
- 551 名前:風と木の名無しさん:2008/05/19(月) 15:06:03 ID:Bie1ok+s0
- >>545
ありがdd!
萌えたよー
この2人は受け攻めが回毎に変わるよね
これからがホント楽しみ!
- 552 名前:いぬわし21×12 1/6:2008/05/19(月) 18:55:45 ID:jwYcTmUz0
- ※ナマモノ注意!杜の都の牛タン球団
ガラスのエース(21)×ちっこいおっさん(12)
初投稿なので、読みづらい点あるかと思いますが
よろしくおねがいしまーす
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
★ ★ ★
昨日は真夏のような暑さで、今日は真冬のような寒さだった。
一体今は何月で、そして日本の季節でいえば今は何なんだろうかって、
疑問に思う。
まして、ここは遠く離れた場所。
我が球団の本拠地からも、そしてあの人がいるであろう場所からも、
もっと遠く、遠くの。
『おう、元気か?そっちはどうだ?』
すっかり夜も更けて、部屋の外から聞こえていた喧騒が寝静まったころ。
電話をかけるには、相手を気遣わなければならない時間であったにもかかわらず
それを忘れさせてしまうような元気な声が、耳に響いてきた。
相変わらず、こっちの都合なんか考えちゃいない。
でもそれが何とも、この人らしくて
俺は思わず声を挙げて笑ってしまった。
全部
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