風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/27(金) 16:48:30 ID:1KitSN560<> .   ___ ___  ___
  (_  _)(___)(___)      / ̄ ̄ヽ
  (_  _)(__  l (__  | ( ̄ ̄ ̄) | lフ ハ  }
     |__)    ノ_,ノ__ ノ_,ノ  ̄ ̄ ̄ ヽ_ノ,⊥∠、_
         l⌒LOO (  ★★) _l⌒L ┌'^┐l ロ | ロ |
   ∧_∧| __)( ̄ ̄ ̄ )(_,   _)フ 「 | ロ | ロ |
  ( ・∀・)、__)  ̄フ 厂  (_,ィ | 
                  ̄       ̄
        ◎ Morara's Movie Shelf. ◎

モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。

   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  |[]_||  |      | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  | ]_||
   |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
   |[][][]._\______   ____________
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  |[]_|| / |/    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.||  |[]_||
    |[][][][][][][]//||  | ̄∧_∧     |[][][][][][][][].||  |  ̄
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  | ( ・∀・ ) _ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.||  |
   |[][][][][][][][]_|| / (    つ|8l|.|[][][][]_[][][]_.|| /
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    | | |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    (__)_)
前スレ
モララーのビデオ棚in801板38
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1211196090/

ローカルルールの説明、およびテンプレは>>2-9のあたり

保管サイト(携帯可/お絵描き掲示板・うpろだ有)
http://morara.kazeki.net/ <>モララーのビデオ棚in801板39 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/27(金) 16:48:41 ID:1KitSN560<> ★モララーのビデオ棚in801板ローカルルール★

ノンジャンルの自作ネタ発表の場です。
書き込むネタはノンジャンル。SS・小ネタ・AAネタ等801ネタであれば何でもあり。

(1)長時間に及ぶスレ占拠防止のためリアルタイムでの書き込みは控え、
   あらかじめメモ帳等に書いた物をコピペで投下してください。
(2)第三者から見ての投下終了判断のため作品の前後に開始AAと終了AA(>>3->>7辺り)を入れて下さい。
(3)作品のナンバリングは「タイトル1/9」〜「タイトル9/9」のように投下数の分数明記を推奨。
   また、複数の書き手による同ジャンルの作品判別のためサブタイトルを付けて頂くと助かります。

※シリーズ物・長編物の規制はありませんが、スレを占拠しないためにも投下ペースや分量を配慮して下さい。
※感想レスに対するレス等の馴れ合いレス応酬はほどほどに。
※「公共の場」である事を念頭にお互い譲り合いの精神を忘れずに。

相談・議論等は避難所の掲示板で
http://s.z-z.jp/?morara
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/27(金) 16:48:51 ID:1KitSN560<> 2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリー物であろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。

  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
  | いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
  \                           | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| . |
                               | | [][] PAUSE       | . |
                ∧_∧         | |                  | . |
          ┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ      | |                  | . |
          | |,,  (    つ◇       | |                  | . |
          | ||―(_ ┐┐―||        |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   |
          | ||   (__)_), ||       |  °°   ∞   ≡ ≡   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/27(金) 16:49:07 ID:1KitSN560<> 3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。

別に義務ではないけどね。

テンプレ1

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  モララーのビデオを見るモナ‥‥。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  きっと楽しんでもらえるよ。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/27(金) 16:49:19 ID:1KitSN560<> テンプレ2
          _________
       |┌───────┐|
       |│l> play.      │|
       |│              |│
       |│              |│
       |│              |│
       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
   ∧∧
   (  ,,゚) ピッ   ∧_∧   ∧_∧
   /  つ◇   ( ・∀・)ミ  (`   )
.  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |            ┌‐^──────────────
  └──────│たまにはみんなと一緒に見るよ
                └───────────────

          _________
       |┌───────┐|
       |│ロ stop.      │|
       |│              |│
       |│              |│
       |│              |│
       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]

                 ピッ ∧_∧
                ◇,,(∀・  ) ヤッパリ ヒトリデコソーリミルヨ
.  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |                                |
  └────────────────┘ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/27(金) 16:49:29 ID:1KitSN560<> テンプレ3
               ,-、
                 //||
            //  .||               ∧∧
.          // 生 ||             ∧(゚Д゚,,) < みんなで
        //_.再   ||__           (´∀`⊂|  < ワイワイ
        i | |/      ||/ |           (⊃ ⊂ |ノ〜
         | |      /  , |           (・∀・; )、 < 見るからな
       .ィ| |    ./]. / |         ◇と   ∪ )!
      //:| |  /彳/   ,!           (  (  _ノ..|
.    / /_,,| |,/]:./   /            し'´し'-'´
  /    ゙  /  /   /                    ||
 | ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./   /                 /,!\
 |         |   /                   `ー-‐'´
 |         | ./
 |_____レ"
               ,-、
                 //||
            //  .||               ∧∧
.          // 止 ||             ∧(゚Д゚,,) < やっぱり
        //, 停   ||__           (´∀`⊂|  < この体勢は
        i | |,!     ||/ |           (⊃ ⊂ |ノ〜
         | |      /  , |           (・∀・; )、 < 無理があるからな
       .ィ| |    ./]. / |         ◇と   ∪ )!
      //:| |  /彳/   ,!           (  (  _ノ..|
.    / /_,,| |,/]:./   /            し'´し'-'´
  /    ゙  /  /   /                    ||
 | ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./   /                 /,!\
 |         |   /                   `ー-‐'´
 |         | ./
 |_____レ" <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/27(金) 16:49:40 ID:1KitSN560<> テンプレ4

携帯用区切りAA

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

中略

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

中略

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/27(金) 16:49:51 ID:1KitSN560<>  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | 僕のコレクションに含まれてるのは、ざっと挙げただけでも
 |
 | ・映画、Vシネマ、OVA、エロビデオとかの一般向けビデオ
 | ・僕が録画した(またはリアルタイムな)TV放送
 | ・裏モノ、盗撮などのおおっぴらに公開できない映像
 | ・個人が撮影した退屈な記録映像、単なるメモ
 | ・紙メディアからスキャニングによって電子化された画像
 | ・煽りや荒らしコピペのサンプル映像
 | ・意味不明、出所不明な映像の切れ端
 \___  _____________________
       |/
     ∧_∧
 _ ( ・∀・ )
 |l8|と     つ◎
  ̄ | | |
    (__)_)
       |\
 / ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | 媒体も
 | 8mmフィルム、VCR、LD、ビデオCD、DVD、‥‥などなど
 | 古今東西のあらゆるメディアを網羅してるよ。
 \_________________________ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/27(金) 16:50:04 ID:1KitSN560<>    |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   じゃ、そろそろ楽しもうか。
   |[][][]__\______  _________
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |       |/
    |[][][][][][][]//|| |  ∧_∧
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ )
   |[][][][][][][][]_||/ (     )
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   | | |
              (__)_)
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/27(金) 17:07:39 ID:uvnusRut0<> おつ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/27(金) 17:14:30 ID:GrmGkvzZ0<> みて、ポッキーだよ!
乙 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/27(金) 17:54:54 ID:t4isrXJF0<> 1乙 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/27(金) 19:24:52 ID:kJKyXze6O<> 乙だよ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/27(金) 20:18:54 ID:CS1KZJUa0<> 1乙! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/28(土) 00:54:27 ID:yKowu7rIO<> >>1
乙です <> 生モノ オガハマ<>sage<>2008/06/28(土) 00:54:28 ID:UeVzJAwy0<> >>1乙です

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     | 生モノ オバドラオガタ→415ハマグチ隊長
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  横浜デートの様子を捏造したらしい
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> オガハマ 1/3<>sage<>2008/06/28(土) 00:56:04 ID:UeVzJAwy0<> 僕は今、最高に幸せだ。
こうして隊長と二人で歩いているのが何よりも幸せだ。

すこし前までは積極的に後輩に交流を求める人ではなかった。
けれどプライベートで色々あってからというもの、やたらと僕たちを遊びに誘う事が多くなった。
(僕なんかよりもっと有名人だから、別れただの何だのと世間に恋愛事情を詮索されてしまって…
「売れる」というのは大変な事だ)
最初のうちは何人かと連れだって行動していたのが、最近では二人で遊ぶ事も多くなってきた。

今は綺麗な夜景を求めるカップルに混じりながら
横浜の夜を二人でプラプラ歩いているのが最高に幸せだ。

隊長の歩みに合わせていると、次第に人影がまばらなゾーンに向かっていった。
「ここ、ええやろ?人少ないし、夜景は綺麗やし。俺が見つけた穴場や。」
自慢気に向けてきた黒い瞳は、光が映りこんでキラキラと輝いていた。
ああ、僕は酔っているんやなあ。さっき中華街で飲んだ酒と、このシチュエーションに。
だって、キラキラした瞳の隊長が堪らなく…………
あかん!少し酔いを醒まさねばと、軽く頭を振ってみる。
その仕草を見て自分の言葉を否定されたと勘違いしたみたいで、隊長の顔から感情がすっと消えた。
「あ、いやいやいや、ちゃうんです!ちょっと僕酔うてるみたいでそれで…
すんません!めっっっちゃエエ場所ですっ!!!」
必死な形相と否定する動作が、必要以上に大げさなのがツボにハマったのだろう。
表情を崩し笑い声をあげた。

隊長のこの笑い声にいつも救われていた。
僕が放った渾身のギャグで周囲の空気が凍りつこうとも、この笑顔があれば何も怖くはなかった。
彼はただ、スベって時が止まっているのを面白がっているだけだと分かっていても。
僕を見て、僕の事で笑ってくれるのが最高に幸せだ。 <> オガハマ 2/3<>sage<>2008/06/28(土) 00:57:32 ID:UeVzJAwy0<> 隊長の言う通り、そこは人影が見えない最高のポイントだった。
いくつかベンチが間隔を空けて並び、更にその間にはご丁寧に植え込みがあって
座れば隣が何をしていても分からない状況だ。

「あー、これはラブラブカップルにはもってこいな場所ですねえ」
「チューするにはバッチリな所やろ?」
「チューするスポットでチュポットってとこですか〜」
恥ずかしい単語連発にも関わらず、隊長の笑いのスイッチが入ってしまった。
…ホントに何を言っても笑ってくれるんやなあ…笑いのハードル低すぎちゃうかと、少し心配になった。

笑いが収まると二人とも自然に黙り込み、しばらく夜景を眺めてぼんやりとしていた。
隊長にバレないように表情を盗み見る。
眼鏡の奥の瞳はとても静かで、でも静かであればあるほど心もとない不安を感じさせる。
多分、パブリックな場所では決して見せない顔。
一般的に知られる彼のキャラクターからは随分とかけ離れている。
あまり知られていない隊長の表情を、こうして独り占めできるのは最高に幸せだ。
……でも。

ねえ隊長。ここにいて欲しいのは本当は僕ではないんですよね。
今みたいに寂しくて寂しくて堪らない時に、本当に傍にいて欲しいのはあの人ですよね?
僕ではない。
頭の片隅では分かってはいたけれど、現実を自覚したら心臓がぐっと締め付けられた。
でも、あの人には愛する家族がいて、昔みたいに隊長だけを見てくれる訳ではないんですよ。
<> オガハマ 3/3<>sage<>2008/06/28(土) 00:58:46 ID:UeVzJAwy0<> さっきまでのふわふわした高揚感が一気に醒め、キラキラと煌めく夜景が遠いものに感じる。
沈み込む先は…何だか海の底みたいだ。
溺れる感覚に捕らわれて、必死に掴んだのは隊長の肩だった。
あまりの力強さにぎょっとした表情になった。でもそんな事に構ってはいられない。
とにかくこの息苦しさから助かりたくて、彼を強く抱きしめた。
「ちょ…オガタ、どうかしたんか?」
いつもと様子が違う僕に驚いたのか、声に動揺が混じっている。
彼の肩に耳を押しつけると、僕を気遣う声が鼓膜に低く響き、触れた所から感じる体温と相まってとても心地良い。
もっと声が聞きたい。ずっと彼を拘束していたい。
「……すんません、なんか僕酔うてフラッフラしてて…しばらくこうしててもエエですか?」
心配しないでくださいよー、吐きそうとかそんなんやないんです、と加えると少し安心したようだった。
「しゃーないな。しばらくそっとしとき」

許可がおりた事だし、とにかく今は何も考えず、思う存分独占しようと更に腕に力を込めた。
僕と彼の隙間を埋めてしまいたいと思うあまり、不自然な程のきつい抱擁だったかもしれない。
腕に込めた力の意味が伝わったのかどうかは分からないけれど、隊長は肩に乗せた僕の頭に頬をそっと寄せてきた。
彼の手が僕の背に回る。

その手が本当は僕じゃない人を求めていたとしても、僕は全然構わないです。
キラキラと輝く夜景の中で、隊長とこうしているだけで、僕はそれだけで、ホンマに、最高に幸せなんです。 <> オガハマ 終わり<>sage<>2008/06/28(土) 00:59:55 ID:UeVzJAwy0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧  オガタの隊長大好きっぷりが伝わってきて
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ;) 思わず捏造してしまいました…
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

<> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/28(土) 01:31:10 ID:nvYTuOvOO<> 週刊飛翔 トリコ
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> トリコマ1/2<>sage<>2008/06/28(土) 01:32:54 ID:nvYTuOvOO<> 「美味い肉で作るハンバーグは格別なんですよ」
話しながら、手は休まず肉を捏ね続ける。
「だろうな。焼いただけでも美味いが一手間かけるとまた違う」
脂肪分が多いから繋ぎは要らない。
調味料だけで丁寧に味を調える。
「生でもいける肉ですからね、このまま味見してみます?」
指ですくって差し出してみた。
「お、いいのか?んじゃ遠慮なく」
口へと運ばれた一塊の肉が咀嚼される様子を、少し緊張して見守る。
「んめー!これでも十分美味ぇじゃねーか、さすがだな!」
手放しの賞賛に照れつつ、空気を抜いてゆく。
形を整え、あとは寝かせるばかり。
「ふぅ」
そこから一歩動いた途端、手首を掴まれた。
見れば、肉の絡んだ掌が今まさに舐められるところだった。
「ぅわ、な、何ですか?!」 <> トリコマ2/2<>sage<>2008/06/28(土) 01:34:18 ID:nvYTuOvOO<> 「お前、手洗う気だろ。流しちまうくれぇなら食ってやるべきじゃねぇか?」
"らしい"言葉だと思った。
けれど。
分厚い舌に弄られているうちに、変な気分になってきた。
「あの、ボク…」
「ん?どうした?」
答えあぐねていると。
不意に鼻をひくつかせて言うには。
「…あぁ、感じちまったのか」
楽しげに笑われた。
「よっしゃ、これから肉寝かすんだろ。こっちの面倒みてやるから来い」
「えぇぇッ?な、何言い出すんですか?!」
「遠慮すんなって」
「いやいいですってば!あッちょっと!」

食事の前に食べられてしまった、そんな気分。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/28(土) 01:35:10 ID:nvYTuOvOO<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/28(土) 23:12:04 ID:Bjvyzerj0<> >>17-19
dです!

いい、いいっすよ!
オガハマに「あの人」がからんでくるだけで
こんなに萌えるとは…。
セツナス…。

今度はぜひ蟻ハマorハマ蟻でお願いします!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/29(日) 00:04:11 ID:9Aw1NTA80<> >>24
新たな世界に目覚めちゃったじゃないか・・・・!GJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/29(日) 00:07:04 ID:3/cQz07OO<> >>22-23
凄く美味しかった!ごちそうさまです。

食欲と性欲は、とても似ていると思います。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/29(日) 03:01:48 ID:DJisUs9EO<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

<> オリジナルAbandoned dog<>sage<>2008/06/29(日) 03:06:38 ID:DJisUs9EO<> 赤い首輪に重い銀色の鎖
その先には愛しい貴方


「いやだ嫌だよ切らないで」
『なにを心配してるの?新しいのに替えるだけだよ
ほら、ところどころに錆が

「違うちがう違う、分からないけど…切ったら駄目なんだ」
僕は不安に駆られて貴方の手を握ったんだ



なのに貴方は、僕が必死になればなるほど…ほころぶように笑って
そして、それはそれは嬉しそうに…嬉しそうに


銀色の糸を金属の鋏で切ったんだ




それから貴方はこの部屋には帰ってこない
新しいのを買いに行くと言って笑顔で出ていったきり首輪だけになった僕
鎖がなくなり身軽になったのに、胸のあたりが鉛のように重いんだ



早くはやく帰ってきて
思った以上に、僕は貴方に囚われていることに気付いたから <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/29(日) 03:08:00 ID:DJisUs9EO<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)イジョウ、ジサクジエンデシタ!


一応モデルはいるけどオリジナルで <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/29(日) 03:15:23 ID:DJisUs9EO<> 変なとこで文章繋がってた…orz
少し訂正


それから貴方はこの部屋には帰ってこない
新しいのを買いに行くと言って、笑顔で出ていったんだ

首輪だけになった僕
鎖がなくなり身軽になったのに、胸のあたりが鉛のように重いんだ

スレ汚し失礼しました <> 落第忍者乱太郎 鉢屋×不破<>sage<>2008/06/29(日) 18:30:52 ID:HfTN+8G30<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     | 落乱 雷蔵→兵助前提で三郎×雷蔵
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  雷蔵がやたら迷ったので長いです
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 前半下品だけどエロはありません
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 落第忍者乱太郎 鉢屋×不破(1/9)<>sage<>2008/06/29(日) 18:32:20 ID:HfTN+8G30<> 月のきれいな、ある晩のこと。
すでに夜も更け、じきに日付が替わろうという時間である。だがここは忍者の学校、
予習復習、自主練をする生徒たちの立てる物音や話し声、虫の声なども相まって、
学園は未だ静けさを知らない。

 そんな晩、不破雷蔵はいつものごとく迷っていた。
 忍たま長屋の自室で、布団の上に胡坐をかいて両手を見つめている。
「うーん、右手と左手どっちにしようかなぁ…。右なら確実に気持ちいいだろうけど、
左手の慣れない感じもまた…」
「そういうことは先に決めとけよ」
隣の布団で雷蔵…に変装した鉢屋三郎が呆れていた。

 雷蔵がどっちの手でマスを掻こうか迷いだすのは、今に始まったことではない。
けれども、その度に三郎は居心地の悪い思いをしなければならないのだった。
「ところで雷蔵、オカズは決めたのか」
まだ迷っている最中の雷蔵に尋ねると、「うん」という返事が返ってきた。
三郎はやれやれ、と安堵のため息をついた。オカズさえ決まっていなかったなら、
きっと一晩中迷っていたことだろう。そんなことも以前あった。
(あんなにうだうだと迷われちゃあ、おちおち寝ていられないよ)
もちろん雷蔵は気遣って静かにしていたけれども、どうにも気になってしまったのだ。
しかもやけに深刻な顔をして迷っていたから尚更だ。
 さすがに一晩中迷っていたのはその時だけだったが、それ以降も深刻な顔で
長時間悩み続ける姿を、三郎は度々見てきたのだった。
<> 落第忍者乱太郎 鉢屋×不破(2/9)<>sage<>2008/06/29(日) 18:34:02 ID:HfTN+8G30<> (ちょっとからかってやろう)
ふと三郎の悪戯心が首をもたげた。
(こっちはずっと気を揉まされているんだから、少しくらい楽しんだって罰は
当たらないだろうさ)

 三郎は布団から出ると、ずいと雷蔵の正面に座った。
「なっ、何?」
雷蔵が慌てて寝間着を掻き合わせ、前を隠す。
何を今更、と三郎はにやりと笑った。
「顔貸してやろうか」
「えっ」
「好きな顔に化けてやるよ。だれをオカズにするんだい?くノ一か、それとも…」

三郎は言いかけて、あれっ、と思った。
 三郎は、雷蔵は顔を真っ赤にして、冗談が過ぎると怒るだろうと予想していた。
(その顔を見て笑ってやる予定だったのに)
ところが、雷蔵の反応は予想と全く違っていた。
 目が泳ぎ、冷や汗をかいて、金魚のように口をぱくぱくさせている。
雷蔵は明らかに動揺していた。

「…雷蔵?」
「あ…あの…えっと」
「どうしたんだよ」
「…なんでも、ないよ」
「なんでもないわけないだろう、いつもなら怒るとこじゃないか」
「……」
雷蔵は黙って俯いてしまった。 <> 落第忍者乱太郎 鉢屋×不破(3/9)<>sage<>2008/06/29(日) 18:35:42 ID:HfTN+8G30<> (おかしい…何を隠してるんだ)
近頃の思いつめた表情が三郎の脳裏を過ぎる。
(知りたいね、その表情の理由を)

「何かまずいことでも?」
「………」
「片思いの相手でもいるんだろ」
「!」
雷蔵の肩が大きく跳ねる。
図星、と三郎は心の中でつぶやいた。

「最近悩んでるみたいだったから、心配だったんだ」
「…うん」
「私でよけりゃ相談に乗るよ」
雷蔵がようやく顔を上げ、三郎と目を合わせた。
だがまた目線がふらふらと彷徨いだす。
三郎は雷蔵の言葉をじっと待った。
<> 落第忍者乱太郎 鉢屋×不破(4/9)<>sage<>2008/06/29(日) 18:37:20 ID:HfTN+8G30<> 長い沈黙の後、雷蔵は覚悟を決めて口を開いた。
「…三郎に話そうかとも思ったんだけど、絶対わかってくれないだろうなと思って」
「なに言ってるんだ、私達長い付き合いじゃないか」
「うん。だけど」
「まだ迷う必要があるのかい?」
「…わかったよ。でも」
「でも?」
「冗談だろとか、気色悪いとか思わないで聞いてくれよ」
「わかってる」
「ほんとうだね」
三郎が頷くと、雷蔵は深く息を吸って、そっと囁いた。

「僕、兵助のことが好きなんだ」

「え」
全く予想外の答えに、三郎の心臓が大きく跳ね、思わず声が出た。 <> 落第忍者乱太郎 鉢屋×不破(5/9)<>sage<>2008/06/29(日) 18:41:11 ID:HfTN+8G30<> (兵助―久々知兵助だって!?)
「まさか僕に男色の趣味があるなんて、とでも思ったかい」
雷蔵が悲しげに笑う。
「…いや、びっくりはしたけど」
平静を装うが、心臓はまだ早鐘を打っている。
腹の底から何かざわざわしたものがこみ上げてくるのを、三郎は感じていた。

「頭では、こんなの普通じゃないし間違ってるって思うんだ
 同性を好きになるなんてね」
でも、と雷蔵は続ける。
「どうしてかな、駄目だ駄目だと思うほど、あいつのことばかり考えちゃうんだよ」

 雷蔵が話すのを、三郎は黙って聞いていた。
 だが彼の心の内は、穏やかとはほど遠かった。
 ざわざわした感覚が胃から喉へこみ上げ、三郎の心臓を締め付ける。
たまらなく不快だった。
(でもどうして不快に感じるんだろう)
それは嫉妬だろう、と三郎の冷静な部分が告げる。
ああそうか、と思うとひどく腹が立ってきた。 <> 落第忍者乱太郎 鉢屋×不破(6/9)<>sage<>2008/06/29(日) 18:42:28 ID:HfTN+8G30<> 「そうか、あいつか」
三郎は馴染みの、睫毛の長い友人の顔を思い浮かべた。
(あいつはどんな顔で笑うんだったか。どんな声で話すんだったかな)
兵助のどこが雷蔵を惹きつけたのか、思い巡らすほどに、三郎はますます腹を立てる。
(相手がくノ一やどこかの町娘だったら、こんなに腹は立たなかっただろうさ。
けどどうして兵助なんだ)
腹が立つのはおまえの独占欲が強いからさ、と頭のどこかで声がする。
(もし、今の告白を兵助本人の前でしたなら、こいつはどんな顔をするんだろう)
やってやろう。三郎は肚を括った。
「…わかった、顔を貸してやる」

「さぶろ…」
何を、と言いかけた雷蔵の言葉は、あ、という小さな叫びになって消えた。
 雷蔵の目の前にあるのは、自分と同じ顔ではなかった。あるのは微笑みを浮かべた、
兵助の顔。
 額に汗が伝うのを、雷蔵は感じた。
<> 落第忍者乱太郎 鉢屋×不破(7/9)<>sage<>2008/06/29(日) 18:43:40 ID:HfTN+8G30<> 「わ、悪ふざけよせよ、三郎」
顔を背けて叫んだ言葉に滲むのは、非難の色ばかりではない。
「やめてくれ、やめてくれったら」
雷蔵は固く目を閉じ、首を振った。顔は泣きそうなほど歪んでいる。
実際彼は泣きそうだった。
(三郎、どうしてこんなひどいことを。人の心を乱して何が楽しいんだ)
 耳を塞ごうとする手を、三郎の手が押しとどめる。
(やっぱりずっと隠しておくべきだった、本当に伝えたい相手に、伝えられない
感情なんて…!)

 微笑みの仮面の下で、三郎は声を出せずにいた。
 声と一緒に、あの不快なものまで口から零れだしそうだったからだ。
(零してしまったら、『久々知兵助』にはなれない)
そうすれば変装は失敗だ。失敗など三郎の矜持が許さない。
(俺は久々知兵助だ。火薬委員で豆腐小僧で、優秀だけど苦労ばかりで、そして…)
三郎はゆっくりと息を吸った。
肺が夜の空気で満たされてゆくにつれ、三郎はいつもの感覚が戻ってくるのを感じた。
心臓の音に先程まで消されていたが、外では相変わらず虫の声が賑やかだ。
(…そして雷蔵に好かれていて、雷蔵を好いている)

不快な感覚は徐々に下って行き、ついに腹の底へ戻って行った。
 けれども不快感は消えない。腹立たしさも残っている。けれども。
(これで十分だ)
そうして三郎は口を開いた。 <> 落第忍者乱太郎 鉢屋×不破(8/9)<>sage<>2008/06/29(日) 18:46:02 ID:HfTN+8G30<> 「俺の」
三郎の唇から出た声は、三郎のものではなかった。
(…兵助の声)
雷蔵はいっそう強く目をつぶった。
「俺の名前を呼んで、雷蔵」
(聞きたくない。見たくない。今ここで顔を上げたら、僕はきっと)
「雷蔵」
「三郎、やめてくれ」
「俺はそんな名前じゃないよ」
「あぁ…!」
(顔を見てしまったら、僕はきっと兵助の名前を呼んでしまうだろう
三郎、今日ばかりは君の、術の巧さを恨むよ)

 夜が更けるにつれ、学園内でも動き回る人の気配はだんだんと少なくなってゆく。
けれども虫の声は勢いを緩める気配がない。
そして、ふたりの心は未だ静けさを知らない。
<> (9/9)<>sage<>2008/06/29(日) 18:46:50 ID:HfTN+8G30<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 以上です。ありがとうございました。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/29(日) 18:47:52 ID:EEpqUrEiO<> 鉢雷ごちでした
ハッチカワイソスで萌えましたよー <> 落乱 けま富0/3<>sage<>2008/06/29(日) 20:11:10 ID:s3+vddD60<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  前スレ551とアニメに萌えてやらかした
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  工口はないのに長いですすいません…
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ >32ジャンルかぶりごめんなさい
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 落乱 けま富1/3<>sage<>2008/06/29(日) 20:11:47 ID:s3+vddD60<>  最近けま先輩は元気がない。


 そう思ったのはつい最近で、先輩がふと笑顔を消すことに気づいたからだ。
一年生に向けて笑う、一年生がむこうを向くと無表情になる。
 それは俺に対してもそうで、なんとなく理由を聞けずにいた。

 少し前、俺は先輩に好きだと言った。もちろん恋愛感情での意味だ。
そしたら先輩は笑って、俺を抱きしめて、俺も好きだと言ってくれた。
 つまり俺は先輩と恋人、になったつもりだったのだ。
だから先輩が元気ない理由も、俺が知らないのはおかしいはずなのに…。


 ある日の委員会の後、けま先輩は屋根の修理を任されていて、俺たちに
「後は俺だけで十分だから帰っていてもいいぞ」
と言うと縄梯子を担いで指定されたところに向かっていった。
 一年生がわっと長屋に戻って行くのを見て、俺はそうする気になれず、
けま先輩が修理しているであろう屋根にこっそり上った。
「…作兵衛?」
 先輩はすぐに散乱した釘を避けて俺の座る場所を作ってくれた。
「作兵衛…どうした?元気ないな」
「…元気がないのは、先輩のほうです」
先輩は手を止めて、俺に向き合って座った。もう日は落ちて、あたりは真っ暗だった。 <> 落乱 けま富2/3<>sage<>2008/06/29(日) 20:12:16 ID:s3+vddD60<>  俺は、先輩に思ったことを全部話した。先輩は何も言わずに聞いてくれていた。

「…だから、先輩は、俺に何も言ってくれないから、」
少し涙が出てきた。俯くと止まらなくなって、膝がびしょびしょになった。
「俺のっ、…俺のこと、頼って、くれな、い、から…」
「作兵衛」
 けま先輩が突然俺の言葉を遮って、俺の顔をぐいと自分のほうに向けた。

「お前のこと、泣かせたりして…俺は本当お前の恋人失格だな」
そう言って先輩は俺の頬を手で擦った。
 自分で話しておきながら「だからもう分かれよう」と言われることが怖くなって、
俺はあわててたくさん謝った。そうすると、涙はもっと止まらなくなった。
先輩はずっと俺の涙を手で受け止めてくれていた。

 「作兵衛は、卒業した後のことを考えたことがあるか」
先輩は落ち着いた俺にそういった。
「そんな…俺、まだ三年生だし…」
先輩はそうだよな、といって笑った。
「俺ももう六年だから、いろいろ考えないといけなくてな」
「卒業した後の事を…?」
「そう、卒業した後のことを。それだけだ」
 先輩は俺の頭を撫でた。こんなことで泣かせてごめんな、と言った。
俺はそれが嬉しくて笑った。 <> 落乱 けま富3/3<>sage<>2008/06/29(日) 20:12:40 ID:s3+vddD60<>  その後すぐに涙がまた出てきたのは、先輩はすぐに卒業してしまうと
いうことを急に実感したからだった。
「作兵衛?どうした?」
先輩があわててまた涙をぬぐってくれる。

「せんぱい、」
卒業しないで。

俺がそう言うと、先輩は目を丸くして、すぐに俺をぎゅっとした。
そうして、ごめんなと言って、まわした腕の力を強くしてくれた。
 先輩は俺の涙をぬぐいながら何度も好きだと言った。
まるで一生分の好きを使い切るみたいに言うから、もったいなくて、
俺は先輩の口を自分の口でふさいだ。

 今ここでたくさん泣いて、その姿が先輩の思い出に残ってしまえばいいと思った。
卒業してどこで何をしても、誰と付き合うことになっても、ひとの涙を見て
俺を思い出せばいいと思った。きっとそうなるだろうとも、思った。
 こんなことを考えている俺を、先輩は嫌いになるだろうか。

「先輩、好きです」
俺も好きだ作兵衛あいしてる、と先輩が言うとまた涙が出てきた。
ああ今、先輩が俺の思い出に残ったのだな、と思ったら少し救われた気がした。 <> 落乱 けま富<>sage<>2008/06/29(日) 20:13:48 ID:s3+vddD60<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 乱文&尻切れスマン…とまつ好きだ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/30(月) 01:37:03 ID:LoUTlOMuO<> >>41
切ない。切なくて震えた。いいなぁ。
すごく萌えました。
これの、続きよみたいです。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/30(月) 02:10:58 ID:OqDuHvMY0<> R/D潜脳/調査室 久島波留 

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

オフタイム 1/7

「先生、そろそろ会議の時間に間に合わなくなります」
「……そんな時間だったか」

最近、久島はよく波留の家を訪れるようになった。特に用事がないときでもやってきては何ということもない会話を波留と楽しんでいる。
波留は何度か心配して仕事は大丈夫なのかというようなことを尋ねたのだが、久島は俺の部下は優秀だからな、
などと言っては漂々としているので、波留も心配するのを諦めた。
その日も午後のお茶の時間の前に電通で、波留の元を訪れる旨が告げられたので、波留は義体用の飲み物も用意して久島の訪れを待った。
このところ、波留の家には義体用の用具や飲食物が増え続けている。全てこの家を訪れるようになった親友の為だが、
それらを購入するたびに、波留は親友が捨ててきたものの大きさを思い知り、それらに自分という存在が見合っていたのかと胸苦しい想いにとらわれる。
久島は何も言わないが、彼の辿って来た五十年を知りたいと思う。いつか、話してくれるのだろうか? <> オフタイム 2/7<>sage<>2008/06/30(月) 02:12:50 ID:OqDuHvMY0<> やって来た久島は最近流行っているという洋菓子屋のロールケーキを持参してきた。
「……君が列に並んで買ったのか?」
「女性スタッフに聞いて頼んだんだ。こんなものを手にしたのは何十年ぶりか自分でも分からんよ。
あのお嬢さんは喜ぶんじゃないかと思ってね。君も嫌いではないだろう?」
 波留が恐る恐る問うと久島は苦笑しながら首をすくめた。
「目が覚めてよかったと思うよ。まさかケーキをぶら下げてやってくる君を見られるとは思いもしなかった。君、甘味は苦手だったのに」
「スタッフに私が尋ねたとき、周囲の物音が止んでね。皆私を幽霊でも見るような目で見てたよ。そんなにおかしなことを私は聞いたのかな」
おかしいどころか、ひと月はこの話題が途切れることはないだろうとお茶を断って傍で仕事を続けていたソウタは思った。
あの後、久島が去った後のスタッフ達のパニックを波留に教えてやりたいと心底思う。波留が目覚めてからこっち、久島は激変した。
見た目には変わらないが久島の一番身近にいる人間たちは入れ代り立ち代り、こっそりソウタに聞いてくるのだ。
最近の部長はどうしたんだ、何があったのかと。 <> オフタイム 3/7<>sage<>2008/06/30(月) 02:16:32 ID:OqDuHvMY0<> 言えない。古い友達にもう夢中なんですなんて言えない。こんなにくだけて笑っている久島のことも言えないし、
冗談を言って笑っている久島のことも言えない。というより、浮かれてないか? 何だあの顔。溶けそうな笑顔。本当に義体か。
あの久島永一朗が。あの人工島の神とも称される男が!
いや、いやいやいや。もしかしたらこれが本来の久島永一朗だったのかも知れない。
だってほら、波留真理はそんな部長を前にしても平然としているではないか。これが部長の地なんじゃないか? 
だったら二人は五十年前、どんな生活を送ってきたのだろう。ああ波留さんに聞いてみたい。怖いけど聞いてみたい!
ソウタが一人で悶々としている間、二人はのんびりお茶を楽しんでいた。
「ああ美味いなこのケーキ。評判なことはあるね」
「そうか、じゃあ今度は別の有名店のものも持ってこよう」
「君は一度凝ると徹底的にやるからなあ。人工島全店制覇とかしないでくれよ?」
「それはいいな。君が各店の点数をつけるといい。何だったら街の広報ページに載せてみるか」
「勘弁してくれ。大体君の名前が出ると全部大事になっていけない」
「好きで顔が広まったわけではないんだがなあ」
人工島の洋菓子屋を訪ね歩いている久島栄一朗。……想像しちゃだめだオレ!! オレのバカ!
ぶんぶんとソウタが首を振っていると、音を最小にした時計のアラームが鳴った。咳払いをしながら背後の二人に控えめに声をかけた。 <> オフタイム 4/7<>sage<>2008/06/30(月) 02:18:23 ID:OqDuHvMY0<> 「先生、そろそろ会議の時間に間に合わなくなります」
「……そんな時間だったか」
意外そうに久島が言うと、波留が首をすくめた。
「行ってこい。仕事は大事だ。まして他の人に迷惑をかけるもんじゃない」
「……今度から少しずつ私がしなくてもいい裁量は他の人間に任せよう。
いつまでも私が全ての権限を握っているのは組織として不健康だと前から思っていたんだ」
嘘だ。今思ったんだとソウタは思ったが、賢明にも口には出さなかった。大体今日のは定例会議だ。
何ヶ月も前から決まっていたのに裁量もへったくれもあるか。
久島がやっと重い腰を上げると、波留が久島の胸元に目を留めた。
「久島」
久島を屈ませるとネクタイに手を伸ばした。
「少し曲がっているよ。君らしくないな」
「……義体にしてからネクタイを結ぶのはすっかり苦手になってね。生身のようには指が動かない。やはり少しもどかしいね」
「私にネクタイの結び方を教えたのは君だったのに、すっかり逆になってしまったな」
「ああ、君は何度教えても結び方を覚えなくて。わざわざ鏡の前に座らせて背後から結んでやっても駄目だったな」
「そうそう、終いにはそういうときは君は黙って私のまで結ぶようになって」
「何度ため息をついたか」
「ふふ、おかげで今は君の身だしなみに目がいくようになった」
「今度からは君に結んでもらおうか」
「会議のたびにここに来るつもりかい?」
<> オフタイム 5/7<>sage<>2008/06/30(月) 02:19:56 ID:OqDuHvMY0<> 「ただいまー! ……ソウタ?」
ホロンと一緒に買い物に出かけていたミナモと、中から飛び出してきたソウタが鉢合わせしたのは玄関だった。
「どうしたの?」
「もう駄目だ。いたたまれない、あの二人いたたまれない!!」
「な、なに?」
「何か出てる。変なものが出てる! オレは駄目だもう駄目だ修行が足りない!!」
ミナモはホロンと二人で、駆けていったソウタをぼうっと見送ってから中に入った。
「波留さんただいま! 頼まれたものホロンさんと買ってきました!」
「おかえりなさい、ミナモさん。久島がロールケーキを買ってきてくれましたよ」
「わーい!! あ、ここのなかなか買えないんですよ! 久島さんありがとうございます!!」
「どういたしまして。じゃあ私は行くよ」
「久島さん行っちゃうんですか? さっき外でソウタと会ったけど、一足先に戻ったのかな」
「そういえばあいつさっきおかしかったな。いきなり赤い顔をして飛び出していった。何があったのか向こうに行ってから聞いてみよう」
歩きかけて、ふと久島は足を止めた。
「そうだ、今夜メタルに潜れよ、波留。……思い出話の続きをしよう。俺も潜る」
「いいのか、私用で使って」
「何、俺が作ったんだ。……多少は自由にさせてもらうさ」
「しょうがない奴だな」
「では、メタルでな」 <> オフタイム 6/7<>sage<>2008/06/30(月) 02:22:14 ID:OqDuHvMY0<> 波留が苦笑すると久島は手をひらひらと振って去って行った。ミナモがふえーと声を出した。
「波留さんと久島さんってほんとに仲がいいんですねえ。久島さんもいつも優しいし、波留さんといるとにこにこしてるもん」
「あれで昔は色々やらかしたんですよ。五十年経って評判が仏様みたいになってるんで一番びっくりしましたね」
「いろいろって?」
「気に入らない顧客が僕たちの仕事場にやって来て仕事の邪魔を散々したんですよ。それでしまいに久島がキレましてね。
後ろから飛び蹴りかまして船から海に蹴り落としたりとか、まあ色々やりました」
「……大丈夫だったんですか、それ」
「蹴り落としたときは皆でムンクの叫びみたいになっていたんですけどね、しょうがないから皆で必死で海の高波のせいにしました。
おかげで環境整備のための予算が少し増えて結果オーライでした」
あっはっはと波留はのんきに笑ったが、ミナモは少し顔を引きつらせた。
波留の思い出話を聞きたいと思っていたソウタが今の話を聞いたら何を思うだろう。
「手、手を洗ってきまーす……」
「ああ、洗っていらっしゃい。このケーキはなかなか美味しいですよ」 <> オフタイム 7/7<>sage<>2008/06/30(月) 02:24:27 ID:OqDuHvMY0<> ミナモが立ち去った後に、波留の表情が少し変わった。どうやら電通が入ったようだった。
「……ネクタイ?」
「ああ、……何考えてるんだお前は!! 昔のそんなことまで思い出さなくていい!!」
「嫌だ、絶対嫌だ。メタルに潜らないからな俺は! 何されるか分からないのに潜るバカがいるか」
「待ってても行かない!」
ミナモが戻ったときには波留の顔は珍しくうっすらと紅潮していた。
「どうかしましたか、波留さん」
「いや、何でもありません」
さっと目をそらした波留にミナモは首を傾げたが、ホロンが持ってきたケーキとお茶に目を輝かせて話はそれきりになった。

ケーキを頬張って幸せそうに笑っている少女と、それを微笑みながら見守っているも若干憂鬱そうな老人。
美しいアンドロイドはお代わりのお茶を淹れ始めた。

いつもの午後は、おおむね平穏に過ぎてゆくのである。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

前スレで書記長が出てくる話を書いた者です。コメントありがとうございました。
まだネタがあるのでぼちぼち投下していきます。いいですよね、シルバーラブ…。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/30(月) 03:21:14 ID:j+yjiHmz0<> >>41
こういうお話大好きです。切な萌えた… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/30(月) 05:11:55 ID:3fRQGEbe0<> >>49
ありがとうございます!萌えました!
本当にありがとうございます!前回も今回も萌えました!
重要な事なので2回言いました!
クシハルにのたうち回るほど禿萌えていたので、ここで読めた事本当に幸せです!
次回作も拝読させて頂けるとの事、本当にお待ちしてますっ!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/30(月) 07:23:48 ID:YEFW6Rmm0<> >>49
むちゃくちゃ面白かった!
じたばたしてるソウタがかわいいなぁ
天然バカッブルぶりがブラボーですw
好きすぎるこのシルバーズ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/30(月) 10:33:55 ID:tRU5ah8Z0<> >49
ぜ、ぜひメタルでのネクタイプレーをお願いします!!
ところで、波留さんの一人称は“僕”じゃないですか? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/30(月) 13:02:24 ID:ZlyNCSt/O<> >>59
若い頃は俺だったから精神状態がネクタイプレイ
を思い出して一瞬で若返ったと見た。

しかしこのシルバーバカップルはけしからん。
ニヤニヤが止まらないじゃないか。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/06/30(月) 22:21:53 ID:Tr1BEA9B0<> >>49
何ともいたたまれないよ!GJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/01(火) 02:19:31 ID:khXSC5lE0<> >>49
本当に読んでるこっちまでいたたまれなくて転がりそうだ!GJ!
4/7の段階で逃げ出したソウタが7/7の会話まで聞いてたら発狂しそうだなあw <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/02(水) 03:42:40 ID:wKh+LiK50<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  夜中に見るとおなかすいちゃう名前モナ
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  虚栄×自爆の似非ショタ
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

無理矢理・失禁・本番ナシです。

<> 1/5<>sage<>2008/07/02(水) 03:43:03 ID:wKh+LiK50<> 5月12日、夜明け前。
「死なないで」
「…ああ」
天津飯は、餃子の前から飛び立った。

未来から来たという異星人の少年は、誰かによく似ていた気がする。とてつもなくショッキングで、ものすごく恐ろしくて、少しだけわくわくしてしまうそのニュースを聞いたのは、今から3年前。
もうすぐ人造人間というファンタジーのような強敵が現れ、自分たちは殺されて、未来は破壊されるらしい。
まるで信じられないこの事実への対策は3つだけ。ひとつは彼らが出来上がる前に創造主を倒すこと。もうひとつは、彼らを迎え撃つこと。そして最後に、ただ祈ること。
仲間たちが選択したのは、一番困難な方法・・・つまり、彼らを迎え撃つことだった。武道家としての本能が、確実な未来を拒んでしまったことに、後悔はない。死ねば、それまでの運命なのだ。
未知の敵を恐れ、自己の安全を優先するなど、天津飯にとって恥ずべきことだ。
しかし。
「餃子、お前は今回は来るな」
長年共に修行してきた餃子を道連れにすることは、どうしても出来なかった。
「天さん!」
無表情な白い顔が、天津飯にしか判別できないくらいに青ざめる。
「どうして?僕だってこの日のために修行したんだ、天さんと一緒に…だから!」
感情を見せない彼が、むきになって天津飯に詰め寄る。宙に浮かんだまま小さな手がシャツの胸倉を握った。
「餃子、万が一のことがあっても、お前はもうドラゴンボールで生き返ることが出来ない」
「そんなの…悟空だってクリリンだって、ピッコロだって…」
その手を振りほどき握り締めたまま、感情を殺し、冷静に。
「お前の力では無理だ」
武道家としての餃子の限界を伝えた。
<> 2/5<>sage<>2008/07/02(水) 03:43:30 ID:wKh+LiK50<>
餃子は既に2度死んだ。
どちらも、天津飯の前で。
1度目は天津飯のせいで。2度目は天津飯のために。
形は違えど、どちらも命を懸けて強敵を倒そうとして死んだのだ。しかし、どちらとも、ただの無駄死にに終わった。敵に一矢も報いることなく、ただ死んでいったのだ。天津飯の目の前で。
「ボクは確かに弱いよ…超能力だってもう効かないかもしれない、どどん波も。だけど、ボクだって何かの役に立つかもしれない。界王様のところで修行して、生き返ってからもずっと天と修行したんだ。グルドにだって勝てたもん」
「だけど、今度の敵は次元が違う…超サイヤ人ですら敵わないんだ」
「でも…だけど、戦ってもいないうちに、決め付けたくないよ!」
堅く握られた天津飯に掴まれたままの拳は、わなわなと震えていた。そこから熱い血潮が伝わる。
「餃子、お前には無理だ」
なんと言葉を尽くしても、重ねても、まるで駄々っ子のように反論してくる。天津飯は3つの目を閉じた。そして白い体を引き寄せ、抱きしめるた。
「分かってくれ、もう、オレはお前を守りきれないんだ」
――とっくに。
<> 3/5<>sage<>2008/07/02(水) 03:43:55 ID:wKh+LiK50<>
小さくか弱い餃子を鶴仙人が弟子にしたのは、超能力が使えたから。
それは地球人相手だったらまだ通用していた。
しかしピッコロ大魔王には披露する間もなく瞬殺され、サイヤ人には効きもしなかった。
「お前はオレの戦いを補助する、オレはお前を守りながら戦う。鶴仙人様にいわれただろう?」
腕の中に餃子の心音が聞こえる。
「だが、もうお前を守るような余裕のある戦いのレベルではない。お前の超能力も効かないならば――」
共になど、戦えるはずもない。
餃子も知っていたはずだ。もしかして天津飯より早く。だからあの時、サイヤ人の背にしがみつき、自爆の道を選んだのだろう。
サイヤ人を倒すために。
「分かってくれ餃子、オレはお前に死んでほしくないんだ」
餃子の顔を見た。大きな瞳には、悔しさと悲しみからか、涙が滲んでいた。その原因を知っている。すべて、自分のせいだ。
餃子が死んだのも、餃子が戦うのも、餃子がなくのも。
「お前の死ぬところなんて、二度と見たくないんだ――ならばいっそ、この手で」
――食い殺してしまったほうがマシだ。

「天・・・さん、なんで」
既にぼろぼろになった修行衣を切り裂き、白い体を地面に叩きつけると、粉塵が舞う。
それはまるで悪夢のようなあの光景を思い出す。
片腕を千切られた自分の名を呼ぶ叫び声。骨の折れる音。爆風。切り裂ける大地。餃子を探すクリリン。
そして次の瞬間、頭に響く声。
――さようなら
己の生を犠牲にする、その直前に。
――天さん…どうか
涙を浮かべながら、ただ相手の生を願うそれは。
――死なないで
愛でなければ、なんなのであろう。
餃子は天津飯を愛しているせいで2度死んだ。
愛する人の言葉を守たせいで。愛する人の生を願ったせいで。
<> 4/5<>sage<>2008/07/02(水) 03:44:21 ID:wKh+LiK50<>
もう少し力をこめれば、卵のように割れてしまうであろう小さな頭を片手押さえつけ、露になった全裸の下半身だけを執拗に嬲る。
性器は見た目の幼さにそぐわず、天津飯の手によって淫らに濡れていた。
「ひっ…っ、痛いよ…やだ…やめてっ」
皮を剥くように擦ってやると、全身を震わせながらもそこは自己主張する。見た目も中身も何も知らない子供のような餃子に、性的な行為を強要することで、倒錯的な興奮を呼び起こしていた。
「超能力で抵抗してるのか?ぜんぜん効かんぞ」
「あああっ――ひいぃ!痛いっ!やだあっ!!」
薄い桃色の乳首を思い切り噛み、唇に当たる柔らかな肌の感触を楽しみながら、音を立てて吸う。手足をばたつかせていたが、ペニスの先に爪を立てると、叫びながら全身を硬直させた。
「超能力も効かない、オレの腕を振り払う力もない――こんなにか弱いお前が戦えるなんて、本当に思っているのか?」
「んーッ、ああっ…ボクだって…」
「それとも嬉しいのか?こんなにここを濡らして。ほら、我慢汁が溢れかえって後ろまでびしょびしょだ」
「ちっ…」
餃子は、誰よりも長い年月を共に過ごした兄弟弟子に、死を選べるくらい愛している人間に、冷酷に体を嬲られ喜ぶような人間ではない。ただ、苦痛に近い快感と、快楽を伴う痛みに、体は勝手に反応している。
「これだけ濡れていれば指くらい入るな」
「え?や…やだっ…ああああぁぁぁ!!」
頭を押さえていた手で右足を持ち上げ、先走りのぬめりを利用し、人差し指を露になった無垢な蕾に押し込んだ。勢いが手伝って、指一本はすんなりと入った。
「やだっ、やめ…ひぃっ!」
更に中指も突き刺すと、さすがにきついのか入り口が避けた。
信じられないような表情で涙を浮かべるその顔。天津飯は頬を舐めると、強引に唇を奪った。
「んーっ、ん」
舌もまた音を立てて蹂躙する。餃子が身を捩ろうとするたび、アナルを指で突き刺し、強引に掻きまわした。
抵抗が少なくなってくると、持ち上げていた足から手を外し、乳首を摘み上げる。
小さな体の何箇所をも同時に責め立てられ、程なく餃子は失禁を伴う射精をした。 <> 5/5<>sage<>2008/07/02(水) 03:47:31 ID:wKh+LiK50<> 「はうっ…うっ…」
「餃子」
痙攣しながら息を整える餃子の体を四つんばいにする。
「まだだ」
「ひ…ああああっ、や…天さん、ゆるして…」
片手を後ろにねじって、指を一本一本舐めながら、尻を撫で回した。達したばかりの体は、それだけの刺激に過剰な反応を示す。
「まだだ、何度でも…気を失ってもお前を嬲り続ける」
耳を舐め、今度は射精しないようにペニスの根元を強く握り、アナルの中に指を挿れ、前立腺だけを執拗に刺激する。
「ああっ…あんっ!あああ!!ひゃあっ」
腰を振りながら甘く鳴く餃子は何度も何度も解放を願うが、天津飯がそれを無視し嬲り続けると、再び失禁した。
地面に出来た水玉りが良く見えるよう、膝の上に抱え、それから射精させる。
天津飯はそれでも餃子への陵辱をやめず、気を失ってもなお責め続けた。


夜明け前。
何時間にも及ぶ執拗な陵辱に餃子が動かなくなると、天津飯は近くの池でその身を清め、自分もまた水を浴びた。
薄闇に光る白い体から水を拭い、着衣を整えると、そっと近くの岩陰に寝かせる。
「餃子…生きていたら、言いたいことがある」
自分もまた、餃子を愛していると。
幼く眠るその顔を眺めていると、唇が小さく開き、小さな呟きを発した。
「死なないで」
「…ああ」
天津飯は、餃子の前から飛び立った。
のちに死を覚悟することを、ふたりはまだ知らない。

<> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/02(水) 03:48:01 ID:wKh+LiK50<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 餃子の頭突きはすごいと思う
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/02(水) 19:43:00 ID:PPiMXT2AO<> >>64-69
GJ!
切ない二人の絆、ハゲ萌えた。
文章も、綺麗で巧みで読みやすかったです。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/02(水) 19:47:48 ID:qOm9+wWO0<> >>69
GJ。禿げたよ…
あの二人は愛し合ってるよな! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/03(木) 00:49:54 ID:MBgp06fF0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  現在T豚Sで再放送してるドラマ「ヤソボコ」捏造モナ
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  トオル→カズト
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
<> 1/6<>sage<>2008/07/03(木) 00:50:20 ID:MBgp06fF0<> かちゃ・・・。
トオルはいつになく慎重に扉を開け、そっと部屋を覗きこんだ。
静まりかえった部屋には、不規則な寝息と苦しそうな喘ぎ声だけが聞こえる。
トオルは静かに溜息をつき、次の瞬間、不機嫌そうに頭をぐしゃぐしゃとかきむしった。
「ったく・・・なんで俺が、あのヤクザに気を使わなくちゃいけねぇんだよ・・・!?」
理由は簡単。カズトが今、高熱を出しているからである。

風呂から上がって部屋に戻る途中、鐘居に呼びとめられ、こう言われたのだ。
『あんたの部屋にいる憶村カズト、いま高熱出してるのよ。
 だから絶対に部屋で騒いだり、うるさい音たてるんじゃないわよ』
もし、うるさくしたら明日の弁当と朝ご飯は抜き。
あまりにも理不尽な要求にギャアギャアと反論したが、
『明日の晩飯も抜きにするわよ?』
この一言で黙り込んでしまった。
この女はやるといったら、やる。
まだ、ここに来て、そんなに日は経ってないが、それだけはもうよく分かっていた。 <> 2/6<>sage<>2008/07/03(木) 00:51:07 ID:MBgp06fF0<> そっと静かに扉を閉め、電気をつける。
パチッ・・。
こんなほんのわずかな音にさえ、思わずビビってしまう。
起きるわけがない・・・それなのに。
「くそっ・・・」
ポケットに手を突っ込み、煙草を探して・・・無いことに気づく。
煙草を吸えば謹慎処分。
校則の一つで、持参していた煙草は吉守に取り上げられていたことを思い出した。
「ちっくしょ、マジでイライラしてきたッ・・・!」
暴れたいのだが暴れられない。それもこれも上で唸っている男のせいだ。
あの無愛想なヤクザ男に(小声でだが)文句を言ってやる。
そう決意し、キッと上を睨みつけハシゴに手をかけた。
(でも苦しそうに唸ってても、こえーんだろーな・・・やっぱ)
おそるおそるハシゴを上り、顔を覗きこんでみれば

「っ・・・!!」

<> 3/6<>sage<>2008/07/03(木) 00:52:36 ID:MBgp06fF0<>
思わず頬が熱くなり、悲鳴があがりそうになった口を慌てて手で押さえつけた。
(ウソ・・・だろっ・・・!?)
心臓がバクバクする。ハシゴから落ちなかっただけ、上等だと言いたい。
何故、ここまで動揺したかといえば。
予想していたのと・・・・・・全く違ったのだ。
予想していたのはオールバックで眉間に皺を寄せて、もっとヤクザという感じの・・・
つまりはヤクザが「あぁ? なに見とんじゃ、ワレェ?」とメンチを切った感じのものを想像していた。

それが、どうだろう。

いつもオールバックの髪は汗のせいか額にぺったりとくっついており、この男の恐ろしい印象を幼くあどけないものに変えている。
朱に染まった頬、流れる珠のような汗、眉間に皺を寄せ、うなされている姿は、
どこか・・・言いにくいが・・・つまりは、色っぽいのだ。
(んでだよ・・・!? なんで!? あんな、普段は恐そうなのに!?)
じっと見ていたらガンを飛ばされる。
以前、風呂場で吉守とドタバタ騒ぎをしていた時に、背中に龍の彫りものが見えた。
年が離れている上、いかにも元ヤクザという雰囲気のせいでクラスや寮の誰とも馴染めていない。
そんな男が、熱にうなされているとはいえ・・・こんな色っぽい姿を見せるなんて。
<> 4/6<>sage<>2008/07/03(木) 00:53:08 ID:MBgp06fF0<>
トオルは再びそっと彼の顔を盗み見て、ふとその髪がくせっ毛なのに気がついた。
(なんか・・・触ったら気持ちよさそうだよな・・・)
ふわふわしてるくせっ毛は、柔らかそうな印象を受ける。
気がつけば、指をカズトの髪に伸ばしていた。
指を髪に絡ませながら、なんとはなしにカズトの顔を見ていると
「・・・っ・・あぁっ・・・・・はぁっ・・・・・・」
「!!!!!!」
口から零れ出た喘ぎ声は今まで以上に色っぽいうえに熱っぽいもので。
そして、それは若い性を刺激するには十分すぎるもので。
勃ちあがったそこを抑えるように前かがみになった瞬間。

ガタタタン!! ダンッ!!

やかましい音を立ててハシゴから転げ落ち、床に強く身体を打ちつけた。
「いッ・・・ッッてぇぇぇエエーーー!!!」
痛烈な痛みに思わず絶叫してしまい慌てて口を押さえるが、時既に遅し。
「・・・に、してんだ・・・てめェ・・・」
掠れた気だるげな声でカズトが上から睨んでいた。
長い前髪から覗く切れ長の潤んだ瞳が、その掠れた低い声が、
まるでセックスを終えた女のように思えて、また心臓がバクバクしてきた。
<> 5/6<>sage<>2008/07/03(木) 00:54:05 ID:MBgp06fF0<>
だがカズトはそれどころではないらしい。
答えず赤面しているトオルに苛ついているのか、不機嫌そうに睨みつけている。
「おい・・・」
ドスが効いた低い声で我にかえると、トオルはその視線から逃れるように顔を背けポツリと呟いた。
「・・・ちょっと具合悪そうだから見ていただけだ」
「・・・余計な・・・世話・・・だッ・・・!」
小さく舌打ちしたカズトはベッドに横になりかけて、ふと動きを止めた。
そのまま下にいるトオルを見る。
「・・・んだよ?」
「お前・・・俺の髪とか、触った、か?」
ぎくり。
一瞬トオルは動揺したものの、慌てて首を横に振った。
「・・・そうか」
どこか思うところがあったのか、カズトは自分のくせっ毛に指を絡めていたが
やがて布団の中へ潜り込み、再び穏やかな寝息を立て始めた。
<> 6/6<>sage<>2008/07/03(木) 00:54:43 ID:MBgp06fF0<>
残されたトオルはといえば。

「・・・・・・やべぇ、かも・・・」

カズトの気だるげな表情が、潤んだ瞳が、ちらりと覗いた赤い舌が頭から離れない。
あの低く掠れた、どこか切なげな喘ぎ声も耳から離れない。
今日、俺はカズトと一緒の部屋で寝れるだろうか・・・?
というか、何故ここまでカズトのことを意識しているんだろうか。
「・・・とりあえず、トイレだよな・・・」
今日何度目か分からないため息をつくと、トオルは急いでトイレへと向かった。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/03(木) 00:55:40 ID:MBgp06fF0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ スレ汚しすいませんでした。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/03(木) 22:12:03 ID:mG1x3SgLO<> >>79
GJ!最近再放送でハマってるので萌えますた。 <> 風と木の名無しさん<><>2008/07/03(木) 22:39:35 ID:oUP8ZVTv0<> 売日   「コラム書け」               ← 軽い気持ち

捏ねる  「エロ雑誌ほんやくしたお」       ← 軽い気持ち

エロ雑誌 「ちゃんと取材したお」         ← 軽い気持ち

想定読者 「週○実話かわいいよ週○実話」  ← 軽い気持ち

捏ねる   「まあちょっと改造したけどさ」    ← 軽い気持ち

海外読者 「HENTAI!! HENTAI!!」        ← わりとマジ

おまいら  「市ね売日」              ← けっこうマジ

売日    「しようがねえなあ、閉鎖」      ← 軽い気持ち

海外のオタ 「貴重なおソース、閉鎖かよ」     ← 大マジ
                                 ↓
ttp://en.wikipedia.org/wiki/User_talk:Tabercil#Japanese_subjects_and_the_loss_of_a_major_source
英語おソース ↑

日本語解説 ↓
ttp://www8. atwiki.jp/mainichi-matome/pages/129.html
(スペース消してね)
<> マーチ・アンド・カフェー 1/6<>sage<>2008/07/06(日) 23:30:01 ID:VvTA6m7K0<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
文系ギタリスト⇔奇人ボーカリストの一次モノ。


さんざんっぱら散らかった部屋。今はもう無音に近い、そのありようが不自然なほどだ。
それでも確かに、家具には所々に疵や欠損ができ、空気はまだ何となく埃っぽい。
おまけに体のあちこちが鈍く痛む。テーブルを挟んで向かい側の顔にも、痣。
双方、機嫌の悪そうな顔を作る。もう怒ってなんかいない、気まずいだけでしかない顔だ。
開け放った窓から心地良い風が入った。カーテンがひるがえる。
けれどもその風に乗って、僕の手元の紅茶の香りが向こうへ行ったらしい。
臭い、と、彼が言った。わざとらしく顔を背けながら。
とはいえ、こちらにもコーヒーの臭いがプンプン流れてくる。
「そっちこそ。手間かけて淹れたのに、せっかくの香りが台無しだ。」
僕も彼を見ないようにしながら、そう返しておいた。
彼はため息ひとつで相槌に代えた。それきり、また沈黙する。
自分の手元に視線を落とすと、なみなみと揺れる濃いめの紅茶ばかりが、
薄手のカップの白の中で楽しげに見えた。 <> マーチ・アンド・カフェー 2/6<>sage<>2008/07/06(日) 23:30:52 ID:VvTA6m7K0<> ちょっと風が吹くたびに、二人の間で二つの香りがぐるぐるしている。ぐるぐる。奇妙なぐるぐる。
それに相反して、外はこれ以上ないくらいの晴れ。空と雲のコントラストがいかにも初夏らしく美しい。
そもそも僕らときたら、ブリティッシュの彼がコーヒー党で、アメリカンの僕は紅茶党。
僕は理屈屋だし、彼は気分屋だから、二人の観点はいつもズレている。
けれども、どんな喧嘩をしようとも、おまえなんか嫌いだと喚くことはあっても、
僕の頭は、彼と離れるということを選択肢に出さない。不思議と。
彼も、僕にあっち行けよなんて程度のことすら言ったためしがない。不思議だけれども。
きっと、観点、考え方はズレていても、立っている土台、つまり考えの前提条件は一緒なんだろう。 <> マーチ・アンド・カフェー 3/6<>sage<>2008/07/06(日) 23:31:26 ID:VvTA6m7K0<> 天気がいい。こんなに気持ちよく空が高いなら、どんな根暗の目にも爪先なんか映らないだろう。
そんな中で、二人黙って、しかめっ面。それぞれコーヒーと紅茶を啜っている。
けれども、彼は気分屋だ。そして僕は理屈屋だけど、気分屋の彼に付き合っていけるような男だ。
ここから上機嫌になるのに、きっかけなんて、ほんの些細なことでいい。
風が吹く。今日、今まででいちばん強いやつが。白いレースカーテンがゆっくりと大きく膨らむ。
そうして彼と僕の頭の上に、とすん、と乗っかった。幸福の切れッ端、もしくは腐れ縁的な架け橋。
ありがたいものかどうかは別として、それは大いに愉快なものではあると思う。
そして、やっぱり先にリアクションをとったのは彼だった。 <> マーチ・アンド・カフェー 4/6<>sage<>2008/07/06(日) 23:31:53 ID:VvTA6m7K0<> 「なあ、この場合、どっちが花嫁さん?」
何がそんなにおかしかったのか、体を思い切り前傾させ、打撲の痛みと笑いとの葛藤になっている。
彼お気に入りの白いカップの中で、彼と一緒に、もう僅かの褐色の液体が身を捩っている。
あんまり彼が笑うものだから、僕も仕方がない、そのくだらないジョークに付き合ってあげることにした。
「さあ? ルックスで言えば、きみじゃないか?」
 常々よりご自慢の端正なお顔を、人差し指で小突いてやった。途端に、半ば本気のデコピンが返ってくる。
どうも傷に響いたらしい。それでも今や彼の中では、痛みを以ってしても笑いを押さえ込むことは不可能になっている。
「ははっ、このツラでお嫁に行けって? ああ、おまえが責任取るんだから、いいのか。」
「責任ね。取ってもいいけど、それならもうちょっと謙虚になって欲しいよ、きみには。」
そう言った僕も、自分で笑ってしまった。彼はそれ以上だった。 <> マーチ・アンド・カフェー 5/6<>sage<>2008/07/06(日) 23:32:19 ID:VvTA6m7K0<> 「無理だね。」
歌うような話しぶりに乗せて、もうすっかりいつも通り。
そのたっぷりの自信を、世界に宣言するかのような身振りとともに示してみせた。
但しいつもと違って、傷や腫れだらけのボロボロの姿で。
そうしてお馴染みの、才能も容姿もゴッドライクな俺だぜ、バカ言うな、という付け足しも忘れない。
「だろうね。」
期待はしちゃいないよ、これっぽっちも。そう僕は応じる。
笑うと、さっきから頬のあたりが腫れのせいで鈍く突っ張る。それに下唇なんかは思い切り痛む。
鏡を見ていないからわからないけれど、僕もどれだけボコボコになっていることだろう。
全く、彼は何事においても、場合や限度といったものを考慮しない。
僕が言えた義理じゃあないのは分かっているけれど。 <> マーチ・アンド・カフェー 6/6<>sage<>2008/07/06(日) 23:32:52 ID:VvTA6m7K0<> 僕がそんなことを考えている傍で、彼は今や本当に歌いだした。
ブライダル・コーラス、いわゆるウェディング・マーチ、入場でよく使われるほうの。
そういえばあの作曲家の大仰さは、彼に通じるところがあるのかもしれない。
けれどもどうせ、彼と僕となら、どのアレンジになるのかは分かりきっている。
「ローエングリンもいいけどさ、でも俺とおまえなら、アレンジはブライアン・メイに決まったな。」
ほら見ろ。もうひとつきみの考えていることを当ててやろう。
「じゃあ、ケーキはストロベリークリームをサンドしたチョコレートケーキだね。」
言った途端につい想像してしまった。たった今こさえましたというような痣や傷ばかり目立つ野郎二人が、
ひどい見てくれの、白くもなくなりかけた衣装を辛うじて引っ掛けて、デカいケーキを前に並んでいるのを。
参列者のウンザリ顔や呆れ顔までをも想像して、いよいよ笑いが止まらなくなる。顔も腹も痛いっていうのに。
「やっぱり話の分かるやつだよ、おまえは!」
痛みと笑いでテーブルセットから落ちかけながら彼が言う。
それが更に僕を笑わせ、彼より先に僕が椅子から転げ落ちた。
「さっき、分からず屋って言ってなかった?」


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! <> 「日常と化しつつある風景」0/5<>sage<>2008/07/07(月) 00:46:17 ID:28W9a+aLO<> シ朝と虎 雷信×潮
嫌いな方はスルーをお願いします。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> 「日常と化しつつある風景」1/5<>sage<>2008/07/07(月) 00:48:07 ID:28W9a+aLO<> 「…っあ……!」

 夜という名の静寂を切り裂くかのような嬌声と水音、そして吐息が
部屋に満ちる。
 潮の両親は今日は急用で留守だ。
 だからいつものように声を殺す事も必要無い。
「潮殿…っ」
「ら…しん……っあァ……」
 潮の背後から覆い被さるような格好のまま抽迭を繰り返す雷信の
声にまで感じてしまう己の身体が恨めしい。
 次第に激しくなっていく抽迭に応えるように自ら腰を揺らし、
すっかり勃ち上がった幼い雄を無意識にシーツに擦り付けて快楽を貪る。
「っ…ふぁ……んぅ……」
「こんなにシーツをベトベトにして…まるでお漏らししたようですよ……
本当にあなたはいやらしくて可愛いですね、潮殿」
 そんな潮の様子に浅葱色の瞳を細めると、揶揄うように囁く。
「だって……っくう……ッ」
 それまで避けるかのように刺激を受けていなかった奥の微かな膨らみを
擦り上げられ、しなやかな背中を逸した。 <> 「日常と化しつつある風景」2/5<>sage<>2008/07/07(月) 00:49:56 ID:28W9a+aLO<>  初めて雷信の陰茎を受け入れたときに感じた痛みは幾度も経験した
交わりのためか既に無く。
 指や舌、そしてローションで散々解された窄まりに捩込み、
埋込まれた太さに広げられたそこへ深々と突き込みギリギリまで
引き抜いては再び亀頭で粘膜を擦る。
 まるで形や太さ…表明にうっすらと浮き出る血管さえも身体に
刷り込ませるかのような動きはなけなしの理性を削り取っていった。
 抜き差しによって潮の背中へとポタポタと滴る汗さえも悦楽のスパイスとなる。
「っ…ま、えや胸も……触っ……っく!」 無理矢理後ろへと顔を向けて縋るように見つめる潮へ雷信は微笑むと
耳元へ唇を寄せた。
「駄目です…もう後ろだけでイケるでしょう?」
「や…むり…ぃ……イかせ…て……!」
 自らの涙と唾液でグシャグシャになった顔もそのままに哀願するも、
期待していた答えは貰えない。
 それどころか今まで獣のような体勢で貫いていた潮の腰を持ち上げると
自分の腰の上へと座らせる。 <> 「日常と化しつつある風景」3/5<>sage<>2008/07/07(月) 00:51:42 ID:28W9a+aLO<>  それによってより一層陰茎を奥まで迎え入れる羽目になり、身体をのけ反らせだ。 背中を雷信に向けたまま尻房を叩く様に腰を打ち付けられ、
絶頂へと追い上げられる。
 身体の方は既に限界を訴えているが、窄まりは別の生き物のように
もっと、もっととねだるように咥えている陰茎を締め付け、絡み付いていた。
「や…も、おかし、くなる……っ」
「っ…おかしくなれば良い……」
 …荒い吐息混りの声。
「他の誰も知らないあなたを俺だけに見せて……ッ」
 そう言うと同時に潮の首筋へと牙を突き立てた。
「っひ…あ…あああああぁっっッ!!」
 高みへと昇った身体をガクガクと痙攣させながら鈴口から白濁を迸らせる。
「……くッ」
 それより一瞬遅れて吐息と共に窄まりの奥へと熱いモノが注がれた。
 人間の精液より遥かに濃く、高い粘性と量を誇るソレは内部を洗うかの
ように流れ込み、満たし、窄まりの僅かな隙間からトロトロと零れ、
尻房や内腿を白濁色に彩った。 <> 「日常と化しつつある風景」4/5<>sage<>2008/07/07(月) 00:53:14 ID:28W9a+aLO<> 「愛している、潮……」
 雷信がそう呟く声をぼんやりとした頭で聞きながら、深い闇へと
意識は墜ちていった──


「……どうすんだよ、コレ」
 意識を取り戻してからシャワーを浴びてスッキリしたものの。
 洗面台に取り付けてある鏡を見ながら潮は眉を寄せる。
 視線の先……首筋の上にしっかりと刻まれた噛み跡。
 シャツでは完全に隠れる場所では無い上、どう見ても人間に噛まれた
としか思われないだろう。

「……はあ……」
 台所で洗濯しながら朝食を作っている雷信にどう文句と……この跡が
消える前に会いに来いと言ってやろうかと考えながら、潮は今朝
何度目か分からない溜め息をついた。 <> 「日常と化しつつある風景」5/5<>sage<>2008/07/07(月) 00:57:56 ID:28W9a+aLO<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)イジョウ、ジサクジエンデシタ!

雷信兄さんは鎌だけでなく声も立派な武器だと思う <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/07(月) 02:29:31 ID:DFYOKuHeO<> >>93
下半身の鎌ですねわかります <> たなばた<>sage<>2008/07/07(月) 16:55:56 ID:PaKWO7KF0<> 悪魔のよ/う/な/あい/つネタ投下。短くてスマソ。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> たなばた<>sage<>2008/07/07(月) 16:58:13 ID:PaKWO7KF0<> 「良、お前なんて書いたんだ?見せろよ。」
「何にも書いてない。願いなんて書くだけ無駄だし。」
緑色の長細い紙切れを裏表見せるようにひらひらとふった。
紙切れの上には小さな穴があって、紐がくくられている。
「こんなのさ、子供騙しだよ。笹の葉っぱに付けたって何も変わりやしない。」
ダルそうに紙切れを手で弾く。この狭い部屋に一人の少年と一人の青年の姿があった。
二人はそれぞれの薄い布団の上にあぐらをかいている。
「まあ、おまじないみたいなものなんだよ。何か欲しいとか、書けばいいじゃないか。」
「欲しいものなんて無いよ。」
「本当に?」
「本当だよ。・・・・・そういう野々村さんは、なんて書いたの?」
「ん?俺はもうそんな歳じゃない。」
「なんだよ、一人だけ大人ぶっちゃって、ずるいじゃないか!」
そう言ってプイっと顔を背けると、少年は畳の上で背中を丸めた。
子供騙しだなんてませた事を言うのとは裏腹に、ちょっとした事でいじけるその姿はまだ子供。
青年は、あどけない少年の頭を愛おしそうに撫で、布団をそそくさと直しはじめた。
「もう寝るの?」
「ああ、寝るよ、お前は機嫌が悪いとめんどくさいからな。」
「・・・・・・・・・・・・・」
______________数時間後・・・・・・・
「あら、可門君!夜遅くにこんな所で何をやってるの!?」
「あ、あの・・・・・」
少年は先ほどの緑色の紙切れを渡す。
「短冊?今更付けに来たの?明日が七夕なんだから明日でもいいのに。裏に名前が無いし・・・あ、ちょ、ちょっと!」
何を思ったのか、途端に駆け出して闇の中へと消えていった少年に首をかしげながら短冊をくくりつける。
「いつ見ても、不思議な子ね、あの子は・・・。どんな事書いてるんだか。」
裏をひょいとめくって見ると・・・・

「やっぱり、よく解らない子だわ。」 <> たなばた2/2<>sage<>2008/07/07(月) 16:59:28 ID:PaKWO7KF0<> 「ん?どした、トイレか?」
「うん、トイレ行ってた。」
もそもそと少年は青年の布団へもぐりこむ。満足そうに微笑むと、まるで親に甘える子供のように身を寄せた。
「なんだ急に、機嫌直したのか?」
「機嫌悪くないよ、元から。」
「そうか。」
青年は笑うと少年の肩を引き寄せて再び寝息をたてはじめた。
何十もある短冊の中で、少年の短冊は月夜に照らされて一際輝いていた夜の事であった。







「こんな所に・・・なんでこんなものが・・・・」
埃まみれの箱を開けると、錆び付いたブリキで出来たおもちゃや、当時大事にしていたであろうガラクタが詰め込まれ、その中にくしゃくしゃになった緑色の紙切れが入っていた。一文字一文字かくばった汚い字が並んでいる。

”ぼくを大事にしてくれる人が、大学にうかりますように。”

約20年前の自分を嘲笑するように鼻で笑うと、彼は部屋を後にした。
”・・・・・たまには一緒に飲んでやるか。”そんな思いを募らせながら。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/07(月) 17:01:13 ID:PaKWO7KF0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)色々gdgdになってしまってスマンカッタ・・。 <> 風と木の名無しさん<><>2008/07/07(月) 21:04:07 ID:mHZd9VQm0<> >>95
あの悪魔とは思えないかわいらしさだな。
思わずニヤニヤしてしまいました。ありがとう。 <> オリジナル<>sage<>2008/07/08(火) 00:24:57 ID:v818SituO<> 七夕過ぎちゃったけど
先生×生徒

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「織り姫と彦星って、織り姫が嫁いで仕事しなくなったから年に一度しか逢えなくなったんだって」
 薄暗い部屋の中。真新しいシーツをベッドに敷いていると、窓辺で空を眺める全裸の少年が独り言のように言った。
「……俺たちも年に一度しか逢えなくなるかもね」
 羽織っていたワイシャツを少年に投げ渡す。
「何をバカな」
 鼻で笑ってやると、少年には大きいワイシャツのボタンを閉めながら近づいてきた。
「俺が先生に夢中で、勉強出来なくなって、お泊まり禁止になるとか」
 よく見ると、ボタンを掛け違えているので閉め直してやる。
「私が、お前の成績を下げると思っているのか?」
 頬を手の甲で撫でると、少し表情が曇った。拗ねたらしい。
「先生って、危機感無いよね」
 撫でた手の甲に唇が寄せられ、甘えるように頬擦り。耳たぶをくすぐると、首をすくめて手を掴まれた。
「危機感はあるよ。だけどお前を離す気は無いから」
 掴まれた手で少年を体ごと引き寄せる。見つめ合うヒマも無くキスをした。
「ん、ふ……はぁ」
 互いの体に再び熱が宿りそうなので、一度舌を吸っただけで唇を離す。
「……せんせー」
 しかし、物足りないと言わんばかりに誘う視線と吐息。それだけで、抑えようとしていた欲望が膨れ上がってしまい、またシーツを変える羽目になった。
 織り姫と彦星に悪いと思うが、私はこの少年と一日たりとも離れられないのだから仕方ない。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/08(火) 13:14:16 ID:w3s6HOCT0<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

SSっつうか、短編の悪寒。長くなります。
題材は某虫工バンド。 <> 額縁のない水 01/09<>sage<>2008/07/08(火) 13:28:42 ID:w3s6HOCT0<>
「君の心の隙間を埋めるなら、俺は全てを惜しまない」
彼はそう言った。正直嬉しかった。積年の恨みがやっと晴れると確信したから。だけどそれは、絶対言わせてはいけない言葉。
だから、ああ、もう、終わりだ。


額縁のない水 【Wiil you exchange all of us?】


 灰は、建を抱きしめる。優しくもなく、力強くもなく、ほどよい力加減で。灰は小柄なので、彼の顔が建の胸に埋もれる。
建には、今、灰がどんな表情をしているのか見えなかったが、建は、さぞかしは灰は切ない顔をしているだろうと思っていた。
だから、抱きしめ返さない。
 建が一向に何もする気配がないのを知り、灰は顔を上げる。その顔は、建が、このときに想像していた表情と全く同じだった。
 ……ほら、やっぱり。
だが建は、何も言わず、灰の顔を見た。
 灰は、眉間にしわを寄せ、俯く。しかしすぐさま、顔を上げ、穏やかに笑って、こう言った。
「建ちゃん。俺、建ちゃんのことが、好きだよ」
「……」
「だからね、建ちゃん、俺の全てを、建ちゃんに」
「そんなこと言いなや」
 それは見事なシャットアウトだった。別に、冷たい声でもなかったし、乱暴な口調だったわけでもない。
しかし、灰は止まった。なぜなら、極めて「無表情だったから」。表情も、言葉も。そして、建自身も、今の自分の言葉に目を酷く眩ませていた。
「……建ちゃん」
再び、灰が苦しそうな表情を浮かべる。いや、さっきよりも、悲壮が漂う。灰は、自分が思っていたより、
状況が悪いことを認めざるを得なかった。
 建は、勤めて抑え気味に言う。
「無理やろ。だって≪灰堵≫は特別やから。灰だけの意思ではどうにもならんから」
「そんなことないよ。ホントに、建ちゃんの為なら」
 灰は無理やり、その言葉に前向きさをこめる。
<> 額縁のない水 02/09<>sage<>2008/07/08(火) 13:30:51 ID:w3s6HOCT0<> 「建ちゃん、俺には、このままじゃ、建ちゃんがダメになってしまうのが判るんよ。
そしたらみんな、鉄ちゃんだって雪だって、悲しむ」
「灰が、≪灰堵≫がダメになったほうが、悲しむ人も、傷も、多い」
「だけど俺は死ぬわけじゃない!」
 普通なら、誰もが驚く灰の怒声。しかし建はひるまず、
「死ぬね」
そう、断言した。あまりにもきっぱりと、もう結果が出ていると、灰にそう伝えるように。
 灰は目に見えて動揺していた。
「……、死なない」
「死ぬ。確実に、俺が死なすんだ。そして、俺も死んで、鉄と雪の悲しみも倍増するよ」
「そんなこと、俺が絶対にさせない……!」
「……無理」
 一向に変わらない建。だから灰は、必死に伝えようとする。
「建ちゃんが俺を他の誰かに晒したくないなら、監禁してみるとか」
「灰、分からんの? 例えずっと二人で部屋にこもって、俺の欲望の限り、灰をぐちゃぐちゃにして、
灰が俺以外の全てを忘れて、俺だけを見て俺だけを呼んで、触れるものは俺だけになるんだよ?
それは人生を捨てることだし人間をやめることだよね? それって死ぬってことだよね?」
「それで建ちゃんが幸せになれるなら構わない」
「……」
 それはあまりにも、灰らしくない、灰の愚直な決意だった。建は知っている。灰は本来、そんなことを絶対に言わない。
いつもは、みんなが納得できる方法を、みんなで探していくことを選ぶからだ。それは鉄の影響だろう。
 一方、灰は、鉄や雪、そして建の存在によって、自分自身の大切さを思い知っていた。それは、建が願ったことでもあったから。
だから、その一言は、建に深く突き刺さった。
 苦しいけど心地いい、そんな痛み。これから先、どんなに気持ちいいことをしても忘れられない、痛み。
 灰は、それだけ力強い。繊細な感性と、水面のような穏やかさを持ち合わせていながら、
ここぞというときに、自分自身をを出し惜しみしたりしない。 <> 額縁のない水 03/09<>sage<>2008/07/08(火) 13:33:19 ID:w3s6HOCT0<>  建は、そんな灰を、ずっと見てきた。もちろん、憧れて、好きになって、だから触れたかった。
もっと灰を知って、感じたかった。共有したかった。だけど、独占したかった。それは無理だと洟から承知だったから、
壊れてしまえばいいのにと、常々思っていた。同時に、その矛盾をとても忌々しく思い、身勝手なことだからと赦せずにいる。
 言えばいいのに。言えば楽になれるのに。今この瞬間、そう言えばいいのに。
 建は、駆け巡る思考を無理やり押さえつけ、灰に反論する。
「そんなの俺が望んだもんじゃないよ。そんな空っぽの人形要るか。そんなのホントの灰じゃないやろ。
そんな風に、あの灰を、みんなから好かれていた灰を、そんなふうにするのは誰だ。俺やろ。
間違いなく俺やろ。俺が壊すんだ、確実に壊すんだ。そして死なすんだ。」
 そうなればいいのにな、と思っているのに。
「建ちゃんっ」
「だから、できもしないこと言いなや」
「……」
 正論を無情に責めたてる建に、灰は何も言えない。
「灰、冷静になってよく考えてみいや? ≪灰堵≫は特別。灰だけの意思ではどうにもならへん」
「そんなことない。ホントに、建ちゃんの為なら、鉄や雪を、……悲しませたとしても、
建ちゃんを失うぐらいなら……。ちゃんと、考えたんだ。どうしたら、いいのか……。これは本心だ。嘘じゃない……」
 灰は、建から逃げずにいても、今にも、倒れてしまいそうだった。建は思う、
ああ、やっぱり俺は、灰にこんな想いさせて、追い詰めることしか出来ないのか、と。
「灰の言うのがウソじゃないのも、思いつきでもないのも解る。本当に、
悩んで、苦しんで、出したひとつの結論だと、本心だって、判る。だからこそ」
「建ちゃん、俺には、このままじゃ、建ちゃんがダメになってしまうのが判るんよ。
そしたらみんな、鉄ちゃんだって雪だって、悲しむ」
 一瞬、建はたじろいだ。だけどそれはほんの一瞬。灰には悟られずに済んだ。
「灰が、≪灰堵≫がダメになったほうが、悲しむ人も、傷も、多い」
「だけど俺は死ぬわけじゃない!」
「死ぬね」 <> 額縁のない水 04/09<>sage<>2008/07/08(火) 13:34:50 ID:w3s6HOCT0<>  繰り返し、建は断言する。
「死なない!」
「死ぬ。もう決まってる」
「だから俺が絶対にさせないって言うとるやろ!」
 根拠も確証もないのに、それでも灰はそう言うんだなと、建は思った。
「……だからダメだっていってんじゃん」
「俺が、建ちゃんのものにならないというのなら、それが、嫌で嫌で仕方がないのなら、そのせいで、生きるのが嫌になってるなら」
 無理に閉じていた。見られないように。なのに灰は、開けようとする。
「俺は死ぬことだって出来る」
 そう、今にも倒れそうなのは、建のほうだ。
「だからさ、なんでそういうこというの? 出来もしないくせに。いや、出来るからって、それは、そんな、俺が、望んだ?
……そうなのか?」
 それは、少しずつ、少しずつ、君を
「俺のものにならないから、灰が死んでしまえばいいって、俺が望んだ。……そうか。
ふ、ふふ、ううっ、がっ、くくくくくくくくくく。あははははははは……。」
「建ちゃんっ」
「そうだ、殺そう。ここで殺そう。いいや、うん、灰の言うとおりにすればいい。でもせっかく手に入ったんだから、そうだ、拷問かなんか。
ぜーんぶ見んねん。でもダメだなー意外と灰は壊れまいとしぶとい。だけど、それを崩していくんだ痛みとともに。あぁ、快感だ。何度想像しただろーね?
あれ? いつもならすぐ勃つのに勃たないや。なんで? でもいいや、それでもいいや。おれのもになるんだから。
オレノモノニナルンダカラ? 俺の、物に……? 馬鹿だな、さっきそんなわけないって、自分で言ったのに。おっかしいね。
あはははははははははははははははははハハハハハハハハハハハ」
 建の笑い声が、声になっていない。
「…………はーいちゃん? なんで一緒に笑わへんの?」
「笑ったりしない。なにをしても、なにをされても、建ちゃんが好きだから」
 ただただ、真摯な灰の眼差し。同情の余地はない。だけど、建は首をかしげる。
「でもね、俺知ってるよ。灰が死んだら、結局、結局、俺は、また一人になる。ひとりになって、また、誰かを。
今度は誰? 鉄? 雪? また、壊す壊して壊して壊す。 あーあ、あはは。あははは。
また誰かを、次の誰かを。だって、ねえ? 意味ないでしょ」
 そうなればいいのにと、思っているのに? <> 額縁のない水 05/09<>sage<>2008/07/08(火) 13:37:28 ID:w3s6HOCT0<>  繰り返し、建は断言する。
「死なない!」
「死ぬ。もう決まってる」
「だから俺が絶対にさせないって言うとるやろ!」
 根拠も確証もないのに、それでも灰はそう言うんだなと、建は思った。
「……だからダメだっていってんじゃん」
「俺が、建ちゃんのものにならないというのなら、それが、嫌で嫌で仕方がないのなら、そのせいで、生きるのが嫌になってるなら」
 無理に閉じていた。見られないように。なのに灰は、開けようとする。
「俺は死ぬことだって出来る」
 そう、今にも倒れそうなのは、建のほうだ。
「だからさ、なんでそういうこというの? 出来もしないくせに。いや、出来るからって、それは、そんな、俺が、望んだ?
……そうなのか?」
 それは、少しずつ、少しずつ、君を
「俺のものにならないから、灰が死んでしまえばいいって、俺が望んだ。……そうか。
ふ、ふふ、ううっ、がっ、くくくくくくくくくく。あははははははは……。」
「建ちゃんっ」
「そうだ、殺そう。ここで殺そう。いいや、うん、灰の言うとおりにすればいい。でもせっかく手に入ったんだから、そうだ、拷問かなんか。
ぜーんぶ見んねん。でもダメだなー意外と灰は壊れまいとしぶとい。だけど、それを崩していくんだ痛みとともに。あぁ、快感だ。何度想像しただろーね?
あれ? いつもならすぐ勃つのに勃たないや。なんで? でもいいや、それでもいいや。おれのもになるんだから。
オレノモノニナルンダカラ? 俺の、物に……? 馬鹿だな、さっきそんなわけないって、自分で言ったのに。おっかしいね。
あはははははははははははははははははハハハハハハハハハハハ」
 建の笑い声が、声になっていない。
「…………はーいちゃん? なんで一緒に笑わへんの?」
「笑ったりしない。なにをしても、なにをされても、建ちゃんが好きだから」
 ただただ、真摯な灰の眼差し。同情の余地はない。だけど、建は首をかしげる。
「でもね、俺知ってるよ。灰が死んだら、結局、結局、俺は、また一人になる。ひとりになって、また、誰かを。
今度は誰? 鉄? 雪? また、壊す壊して壊して壊す。 あーあ、あはは。あははは。
また誰かを、次の誰かを。だって、ねえ? 意味ないでしょ」
 そうなればいいのにと、分かりきっているのに? <> 額縁のない水 06/09<>sage<>2008/07/08(火) 13:42:08 ID:w3s6HOCT0<> 「建ちゃんはそんなやつじゃない」
「ホントかな? 人に、沢山必要としてもらえるようになって、俺の存在が、喜ばれるようになって、本当に嬉しかったよ。
でも、俺は応えてる? それ相応のことをしている? 期待されないと腐るけど、されるのもつらいね。応えて結果出さなきゃ。
だから、こういうことを思う俺自体がイヤ。灰が、俺に「俺の全てを建ちゃんに」なんて
いわなきゃいけないくらい、俺は落ちてる。そうでしょ?」
 灰は、再び建を抱きしめた。守りたいという気持ちを表す一方で、灰も、何かを見られたくないように。
だか建は、それに構わなかった。……いや、気がつかなかったのかもしれない。
「ワガママだよね。最悪や。ふふふ。……一人がいい。一人がいいんだ。
だったら誰も傷つかない。俺も傷つかない。怖いこともない。恐れることもない。何も何も。何もね。
まるで、例えばダムの水の中で、なにも知らず、なにも感じず、自分を忘れて、腐って消えて、それがよかった」
「だからそれはあかんって!」
「そこなんだ。そこなんだよね。俺は、至極一人でいたい。それだけ。
でも許さない。許さないんだよ、みんなが。みんなが忘れてくれれば、いいのに。
みんなが、俺なんかに期待し、必要とする。こんな、俺を。イヤなのに。
みんなが必要とする。俺は本当は無能なのに。ただ好きでやってて、いつやめるか判らないのに。
だから、怖いんよ。
みんなが、≪あぁ、建はこんな人間なんだ、じゃあダメだね≫って、絶望したら、怖い。
なんでなん? 俺は一人を望むのに。それでいいはずなのに。涙が出てくるんよ。
でも、そう、いまこの頬を流れる涙も」
 建の両目から、次々と涙が流れ落ちる。悲しくも憎くもないのに、ただ、自分の願いを言っただけで、涙が流れる。泣いてしまう。
「……何やねんこのひとりよがりの薄汚い忌々しい涙。
なんで、願えば願うほど、叶えば嬉しいはずの願いを、想えば想うほど、傲慢な苦しみがあふれるの?」
 泣いただけで、苦しかった。本当は平気なはずなのに。そうなればいいなと、ずっとずっと思っていて。
それが叶えば、これ以上の幸せはない。楽になれる。なのに、苦しい。ギリギリと胸が痛み、喉が締め付けられ、
それこそ、建にとっては死ぬ想い。
<> 額縁のない水 07/09<>sage<>2008/07/08(火) 13:44:10 ID:w3s6HOCT0<>  もういい、どうにでもなれ。放っておいても、あがいても苦しいだけなら、壊してしまおう。
 建は灰の両肩に手を置き、灰を自分から離す。
「建ちゃん?」
「灰が、ずっと欲しかった。灰が俺にとって特別だから、何もかも欲しかった。だけど無理だった。
性別だの世間体だの、俺がどう思われるとか、そういう理由じゃなくて、灰は決して俺のものにはならない」
 建は、右手で灰の頬に触れる。あたたかい。灰は身じろぎせず、建と向き合っていた。
「灰を想って愛しているのは、俺だけじゃない。鉄も、雪もそう。灰を特別に想って愛しているのは、俺と鉄と雪だけじゃない。
たくさんいる。両手では間に合わないぐらい。俺の知らない人だって、灰の知らない人だって、灰を愛している」
 いつもの灰なら、「なに言うの」とあしらうが、灰は黙って聞いていた。
「なのに、灰は俺の身勝手な理由で、全てを捨てようとする。許せないけど、嬉しかった。
ああ、俺は、灰にとっても特別なんだって。でも、ダメなんだ」
 建の左手が、灰の首を包む。
「建ちゃんは、そんなこと気にしなくていい。それに、建ちゃんを愛する人だって、俺の両手じゃ足りない。
建ちゃんの両手を足しても足りない。建ちゃんが壊れて消えてしまっていいはずがない。だから」
 建の右手が、灰の頬から、顎へ、そして、喉へ。でも灰は、逃げない。そして、灰は建に誓う。
「俺の、この生命と人生で、建ちゃんが壊れずに、また、前みたいに笑って生きてくれるのなら、
俺は、全てを惜しまない」
 なぜか、私には灰のその言葉が××に聞こえた。
「君の心の隙間を埋めるなら、俺は全てを惜しまない」
 灰はそういって笑った。建の両手が、しっかりと灰の首を捉えているのに。それでも、灰は……。
「建ちゃん、その苦しみは傲慢なんかじゃない。俺だって、鉄だって、雪だって、同じことを思えば悲しくなるよ。
そんな建ちゃんの願い、叶っても嬉しくない」
 灰は建をしっかりと見据えた。建は、今もちゃんと、泣いている。そして、表情も、声も、崩れていく。
「灰、俺、苦しいから、忘れたい。逃れたい。開放して。灰がいった方法じゃあかんわ。
灰が俺を大切に想うなら、そして、鉄が、雪が、俺を想ってくれるなら、


<> 額縁のない水 08/09<>sage<>2008/07/08(火) 13:47:15 ID:w3s6HOCT0<>

みんなで俺のこと忘れてくれないかな。そしたら俺、心置きなく死ねるから」

「ダメ」
 灰は即座に否定する。
「なんで……? なんでなん? じゃあ、俺を殺して?」
「それもダメ!」
「俺の今の話聞いたやろ? 苦しいから、辛いから、お願い。嫌、嫌だ。お願いだから」
少し、建の手に力が加わる。それでも灰は動じない。
「だからだよ。建ちゃんは壊れてなんかない。苦しいことを、ちゃんと感じて、辛いって判ってて、こうして、泣いてる」
 灰は、自らの指で、建の涙をぬぐう。建は、最早、自分の心を吐露するのを嫌がらなかった。建の心はまるで、
入れ物を失った水のように、額を失ってもただただ溢れ出す。
「キレイゴト言うな。お前なんか死ね。鉄も雪も死ね。俺を一人にするお前らなんて死ねばいい。俺を幸せにすることが出来ないお前らなんて死ね。
だから、……お前らを死なそうとする俺も死ねばいい。いつも……、そう願ってた……。
でも、怖いんだ。一人になるのも、死んでしまって、もう、二度と灰や、みんなに会えないことを思うと、
いろいろしゃべったり、仕事したり、音楽を作ったり、抱きしめたりするのを、っできなくなるの、嫌だ。嫌だよ」
「うん、うん……」
「でも、俺だけじゃない。みんなだって辛いのに。俺がこんな姿になって、辛いって、わかってるのにっ……!
こんな、……自分のためにしか泣けないやつなんて、忌々しい。死んでしまえ……」
 建はうつむき、むせび泣く。呼吸も乱れ、嗚咽が止まらない。灰は、建の頭を優しくなでる。
「建ちゃん……いままで、よく一人で耐えてきたね。なのに俺、今の今まで、建ちゃんが望んだこと何も出来なくて、ごめんな」
そして、建の涙で濡れた手を、建の大きな両手に重ねた。建は、顔を上げる。酷い顔だなと、灰は微笑んだ。
<> 額縁のない水 09/09<>sage<>2008/07/08(火) 13:48:09 ID:w3s6HOCT0<> 「建ちゃん、……俺は涙は誰かのために流す物じゃないと思うんだ。俺は、自分の心を、伝えるためにあるものだと思う。
自分がどれほど想っているかを。それだけのものでしかない。だけど、とても大事なものなんだ」
「でも、……でも」
「俺も悪かった。自分を蔑ろにして苦しんでる建ちゃんに、俺が自分自身を蔑ろにすることを望んだのは、
建ちゃんを傷つけることでしかなかったから。本当に、ごめんな」
 そして、重なる二人の手に、建のものではない涙が落ちた。
「……泣いてる」
「うん。ほら、……伝わるやろ?」
 泣いているのに、灰は、笑顔だった。
 あんなに、ぐちゃぐちゃになって水のように溢れていた建の心が、一瞬、空になる。いや、荒れていた水面が、鏡のように変わったのだ。
 そして建は、やっと、気がついた。
「ああ、……ごめん。ごめんね灰、ごめんっ……! ああ、っうっ……ごめん、ごめんなさい……、ごめんなさい……!」
「そんなに謝らんでええよ。ごめんは、俺のほう」
 そして再び、建の心があふれ出す。
「……今日、建ちゃんに会いにきてよかった。話せてよかった。
建ちゃんの計り知れない深い想いを、少し判ることができた。ありがとうね、建ちゃん。
建ちゃんが話したくなったら、もっともっと、聞かせてね。俺も、話したいことがたくさんあるから」

灰は、人目もはばからず泣き続ける建を、しっかりと抱きしめた。


【Certainly.The rest and change is 0.】
<> 額縁のない水 了<>sage<>2008/07/08(火) 13:55:19 ID:BfKmZif6O<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

万全を尽くしましたが、何か不手際があった場合はご了承下さい。
読んでくれてありがとうorz <> 額縁のない水  緊急報告<>sage<>2008/07/08(火) 14:05:38 ID:w3s6HOCT0<> ごめん! 5と6がかぶってた!!
お願いですお姉さま私のケツにバナナをry ・・・(;´Д`)ウウッ…
ごめんなさい。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/08(火) 17:49:35 ID:mcF20Q6+0<> チョ、チョコバナ……ゴメソ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/08(火) 19:01:11 ID:DbXiwpNu0<> すばせか、プロデューサーと指揮者。
本編ED、シークレットレポート他のネタバレ込みなので
プレイ予定や途中の方は閲覧注意。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> すばせか ハネメグ 1/9<>sage<>2008/07/08(火) 19:01:48 ID:DbXiwpNu0<> 北虹寵がカフェの扉をくぐると、勢いの良い水の音が聞こえた。
「よう、来たか」
店主・羽狛早苗の声と共に、水の音が止まる。
しばらくして、タオルで両手を拭きながら現れる羽狛。
店じまいに備え、調理用具を洗っていたところだった。

北虹は大抵の場合、閉店の間際にこのカフェを訪れる。
収入源というより、趣味でやっているような店だから構わない。
羽狛は常々そう言っているし、事実その通りなのだが
営業に差し支えるべきではないと、彼はそれを固辞していた。
単に、コーヒーを飲みに来ているわけではない。
羽狛が持つ、もうひとつの仕事。
それに関わっているという自負と気遣いが、
営業時間のただ中に訪問することを躊躇わせていた。

誰もいないのを確かめ、北虹はカウンター席に腰を掛ける。
その前に、両手で持てる大きさの箱が置かれた。
封を切ると、中にはいくつかの紙箱が詰められている。
そのうちの一つをさらに開け、内容を確かめる。
「発注通りだ。確かに、受け取った」
北虹は一つ頷くと、納品書に署名をして差し出した。
「ああ、ご苦労さん」
片手を挙げて応じる羽狛の方も、慣れたものだ。
差し出された書面と引き換えに、手際よく領収証を渡す。
既に、幾度となく交わされたやり取りだ。 <> すばせか ハネメグ 2/9<>sage<>2008/07/08(火) 19:02:29 ID:DbXiwpNu0<> この街を舞台に繰り返される、『死神のゲーム』。
彼らの取引は、その円滑な進行に不可欠なものだ。
北虹は『指揮者』として、必要な物品をその都度発注する。
羽狛は『プロデューサー』として、その品を作成し納品する。
もっとも羽狛の方は、自らの立場を完全には明かしていない。
それを許されるのは、さらに上の存在に対してだけなのだ。
だが、彼が『ゲーム』に不可欠な存在であることは
何度も発注を繰り返すうち、北虹も理解していた。

機密の防衛も兼ね、取引はいつもこの場所で行われていた。
発注を受けた品の完成に伴い、羽狛の側から連絡を取る。
北虹はそれに応じてこの店を訪ね、物品を受け取って帰る。

しかし今、北虹は席を立とうとしなかった。
広い掌は、箱を閉じる動作の途中で止まっている。
だがそれも、羽狛にしてみれば既に慣れたものだ。
店じまいの中、唯一片付けずに残しておいたポットから
熱いコーヒーを、店内に備えられた紙製のカップに注ぐ。
「どうだ一杯。……有料だが」
カウンター越しにカップを差し出し、目の前に置く。。
それでようやく、北虹の口元にわずかな笑みが浮かんだ。
「ああ、頼む」
差し出される金額はいつも、メニューが示すそれより多い。
だから羽狛はいつも、取って置きの豆を使ったコーヒーを
淹れたてのタイミングで差し出し、帳尻を合わせている。 <> すばせか ハネメグ 3/9<>sage<>2008/07/08(火) 19:02:57 ID:DbXiwpNu0<> 北虹が、手にしたカップに少しだけ口をつけた。
喉の動く音が微かにして、それきり辺りは静まり返る。
喫茶店とはおよそ思えないような無音の空間に、
ただコーヒーの香りだけが染み渡ってゆく。

羽狛は、何も言わない。
強い自負を持つこの客は、露骨な気遣いを好まない。
だからこそ、自ら口を開くのを、じっと待っている。
北虹も、何も言わない。
話したいことはあるが、どう話していいのかがわからない。
口を開きかけては止め、繕うようにコーヒーを口にする。

そうして、カップの中身が底をつく頃。
二杯目を注ぐため、羽狛がコーヒーポットを差し出す。
その姿を認めると、北虹は押し殺した声で呟いた。
「……早苗」
羽狛は返事をしなかった。
代わりにカウンターから出て、北虹の隣の席に座る。

いつの頃からか、北虹は羽狛のことを名で呼んでいた。
特に、親しい間柄というわけではない。
それどころか、彼の素性すらほとんど知らない。
だが彼は、『ゲーム』において重要な役割を果たしている。
北虹と、その上の存在しか知りえないことも、知っている。
その共通項と、ある種の秘密を共有している感覚が、
わずかながらも、他の者とは違う近しさを感じさせていた。 <> すばせか ハネメグ 4/9<>sage<>2008/07/08(火) 19:03:23 ID:DbXiwpNu0<> そして、羽狛もまた、それを許している。
もとより彼は、いくつもの多次元と並行世界を行き交う立場だ。
人間であれ死神であれ、この街に存在する者に関しては
しばしば、この世界にいる本人よりも多くを知っている。
無論、北虹寵という男に対しても、そうだ。
『指揮者』でない彼も、死神でない彼も、羽狛は知っている。
だが、いかなる立場にあろうと、彼の本質は変わらない。
彼はこの街を愛し、この街のために生き、そして消滅する。
無数に存在する世界、その全てで。
何度も、何度も、繰り返し。
それは必然だ。
彼の存在と消滅なくして、この街は存続し得ない。
まして、この世界の彼は『ゲーム』において重要な存在だ。
故に、必要以上の介入は羽狛にも許されていない。
ただ『プロデューサー』として彼の求める物品を納品し、
コーヒーを淹れ、こうして隣にいて、彼の言葉を聞く。
それが、羽狛が彼にしてやれることの全てだった。

北虹は、絞り出すような声で語り始めた。
『コンポーザー』――この街の管理者、彼ら二人の主。
この街にある全ての存在を、幸福へと導くはずの存在。
だが、彼と日常的に接触する北虹は、ある時気づいてしまった。
彼が職務にあたる時、表情に宿る深い憂いの影に。
街を見つめ、未来を透視する瞳が映す失望。倦怠。諦念。
それがどれほど深刻なことかもまた、北虹は理解している。
存在の可否を決める『コンポーザー』の力は、街の全てに及ぶ。
不要と思えば彼は、この街そのものも消滅させてしまえるのだ。
まるで、自ら築いてきた砂山を無為に壊す幼子のように。 <> すばせか ハネメグ 5/9<>sage<>2008/07/08(火) 19:04:36 ID:DbXiwpNu0<> 「近いうちに、裁定が下るかもしれない」
存在価値のないこの街を、終わらせると。
呟きながら、北虹は広い掌を強く握り締めていた。
自らが消滅することの、恐ろしさからではない。
自らが愛する街が消滅することの、痛みからだ。
だが、北虹は『指揮者』だ。
自他共に認める、『コンポーザー』の忠実なる僕。
彼に逆らうことは許されないし、その力もない。
「……私は」
どうすればいい。
箱の上で握り締められた、北虹の拳が軋む。
深い苦悩に、だが羽狛は答える術を持たない。

北虹は、この街を心から愛している。
それは、当事者として関わり続けるがゆえの愛情。
羽狛は、この街に強く注目している。
それは、より高い次元から見下ろすがゆえの興味。

北虹の置かれた立場も、抱く想いも、羽狛は理解している。
彼が自らの想いを実現するために、どんな行動をすべきか、
効率的に目的へと至れる、いわば最適の解も知っている。
だが、それを直接口に出して教えることができない。
この街をあるべき形で維持するため、最も大切なもの。
それはこの街にある者の、自由意志そのものなのだ。
たとえ合理的な行動であろうと、他者からの指示、
それも高次元からの介入から導かれた行動では
この街を守るという、本当の目的には至れない。

それを理解しているからこそ、羽狛の言葉は少ない。
あらゆる世界に存在する、全ての世界の観察者。
全能に見える身でも、行えることは多くないのだ。
唯一、確実にできるのは――見守り、導くことだけ。 <> すばせか ハネメグ 6/9<>sage<>2008/07/08(火) 19:05:10 ID:DbXiwpNu0<> 「メグミ」
名を呼ばれ、驚いたように北虹が顔を上げた。
サングラス越しにその瞳を見つめ、羽狛は語りかける。

「確かに、あのお方は大したもんだ」
未来を見通し、物理法則すらたやすく歪める力。
この街を、よりよい方向に導くための力。
全知全能と呼ぶにふさわしいそれを、一手に担う者。
「だがな。『コンポーザー』ってのは、それだけのもんだ。
 この街の中じゃ、確かに特別な力を使うことができる。
 だが、あとは俺やお前と同じだ。万能でも、完全でもない」
「どういう、ことだ……?」
その言葉の真意を測りかね、北虹は問い返す。
当たり前のように、羽狛は答えた。
「あのお方にも、判断を誤ることはあるってことだ」
北虹は絶句した。
この男は、何を言っているのか。
街の全てを、未来さえ見通せる存在に対して。

だが、羽狛は動じない。
「言っただろ?力以外は、俺やお前と同じだって」
何故なら、彼が伝えているのは事実だから。
「あのお方にも、心がある。思うことがある。
 だから、感情に流されれば、間違うこともある」
北虹は、未だ二の句を継げずにいる。
確かに、力を持つ存在にも感情はあるのだろう。
この目で見た憂いの表情こそが、何よりの証だ。
しかし、絶対の存在に誤りなどあり得るのか。
そもそも、そんな疑いを持つこと自体が許されるのか。 <> すばせか ハネメグ 7/9<>sage<>2008/07/08(火) 19:06:29 ID:DbXiwpNu0<> 「信じる信じないは、お前の自由だ。
 だが、あのお方が間違った時は、止めてやらなきゃならん」
俺や、お前が。
言いながら、羽狛は自身と北虹を交互に指差す。
「たとえ、ぶつかり合ってでも……な」
「……馬鹿な」
思いもよらぬ言葉に、北虹は息をつく。
もとより、彼は他者との衝突を好まない。
まして、自らの上に立つ存在と対峙するなど。
だが、眼前に座る男の言葉には重みがあった。
少なくとも、安易な慰めではないことは感じ取れる。

あるいは、視線が合っているからかもしれない。
北虹はふと、何とはなしにそんなことを思った。
外界の光を遮る、色の濃いサングラス。
着けていると、他人と視線が合うことは稀になる。
最初から、目を合わせることを諦める者も少なくない。
だが、羽狛と話す時は、不思議と視線が合う。
こちらが彼を見ているのはもちろんのことだが、
彼もまた、どうやらこちらの瞳を見ているようなのだ。
彼のサングラスと、自分のサングラスと。
二重のレンズを通しても、その視線にずれはない。
それが、羽狛の真摯さを物語っているように思われた。 <> すばせか ハネメグ 8/9<>sage<>2008/07/08(火) 19:07:41 ID:DbXiwpNu0<> いかに名高い作者の、優れた楽曲であっても、
楽譜のままで世に出ることはありえない。
楽曲は『指揮者』の采配によって奏者を選び出され、
彼らの力で演奏されて、初めて旋律の形を成す。
そして、それを世に送り出すのは『プロデューサー』の力。
確かに『コンポーザー』なくして、この街は立ち行かない。
それは、厳然たる事実だ。
だが、彼の存在だけでもまた、立ち行かない。
不協和音を、誤ったリズムを、誰かが正すべきなのだと。
そう、羽狛は伝えようとしているのだ。

「……お互い、損な役回りだな」
席を立ちながら、羽狛は苦く笑った。
安っぽい同情とも、愚痴とも取れる言葉。
だがそこには、この街を見守る者としての想いがあった。
幾多の並行世界に存在する彼がそうであるように、
ここにいる北虹もまた、この街のために命を捧げるのだろう。
この街を愛し、この街のために生き、そして消滅する者へ。
祈るような感謝と親愛を、羽狛は捧げていた。

北虹は、それに気づかない。
ただ、一段と近しく感じられるようになった男に対し、
感謝の意を込めて、口元だけで微笑を返す。
正確には、笑みを作ってみせたのではない。
気づけば、表情が自然と緩んでいた。 <> すばせか ハネメグ 9/9<>sage<>2008/07/08(火) 19:08:11 ID:DbXiwpNu0<> 『指揮者』とは、苦労の多い役回りだと。
その言葉に対して、肯定の意を明言することは、
己の立場への否定であり、『コンポーザー』への否定となる。
だが、羽狛の真意については、心から信頼に足ると思えた。
たとえ『コンポーザー』が、この街を見限ろうとも。
自分がこの街を愛するなら、それを伝えればいい。
その結果、いかなる試練が与えられたとしても構わない。
この街を守れるのなら、必ず、乗り越えてみせる。
覚悟を決めると、苦悩は強い意志に変わる。
握り締めていた手の緊張が、ようやく解けた。

新しいカップを二つトレイに載せ、羽狛が戻ってきた。
カップの一つが、北虹の前に差し出される。
もう一つは、再び隣に座った羽狛自身の片手に。

差し出されたカップを手に、北虹は椅子を回した。
隣の羽狛と向き合う形をとると、再び視線が合う。
気づけば、互いの空いた片手が触れ合っていた。
水仕事で傷むのだろうか、ざらついた指先の感触。
不思議と、嫌な感じはしなかった。
もう少し手を近づけると、互いの指が交差して重なる。

視線を合わせ、片手を重ねたまま、
彼らはどちらからともなくカップを掲げた。
生きる世界も、見ているものも違う二人。
だが、想いは一つ。
「あのお方に」
「あのお方が治める、この街に」
「……この街を守る、お前に」
『乾杯』

安っぽい紙の縁が、音もなく触れ合った。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/08(火) 20:01:55 ID:DbXiwpNu0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

連投規制ひっかかったorz
待ってくれた某スレの姐さんと、読んでくれた皆に感謝を。 <> 阿吽の呼吸? 医者孤島診療所 ワダ×コト <>sage<>2008/07/09(水) 00:20:08 ID:9KX6LE7JO<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )再放送デ リバース ナ 萌エヲ チョットダケ吐カセテクダサイ

<5年前>
『……ワダさん』
「え?」
『("船の鍵を!")』
「えぇ!?」

<最近>
『あ、ワダさーん!』
「何が壊れたんですか?」
『また洗濯機。後で見ておいてもらえます?』
「はいはい」

『ワダさん』
「血圧97の60、脈拍数126です」
『……オペ続行します』

『あ、ワダさん!』
「塩ラベル食べたのはワシじゃないぞ?ミナちゃんじゃ」

『――ッ…ワダさん…ワダさん!ぁあッ!!』
「くッ…先生、ワシも…ッ!」

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )スマソ、スッキリシタ
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/09(水) 00:48:02 ID:eGJ5JKvZ0<> >>125
ワシもスッキリしたw
また見たくなったよバカヤロー
GJGJ!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/09(水) 01:15:09 ID:YD+1yu9w0<> >>124
待ってました。予想以上の萌えに心の底からGJ!GJ!
自分の中でふわふわ浮いてたメグミちゃんがストンと落ち着いたよ…泣いた
噛ませ犬じゃないメグミちゃんいいな。むしろ誇り高き噛ませ犬というか
姐さん、ほんとにサイト作っちゃったらいい <> メ/ル/ト 1/3<>sage<>2008/07/09(水) 11:53:19 ID:1u+Us9N8O<> 某動画サイトで有名な曲を聞いてて突発的に作りました
一応オリジナル(?)です
お粗末ですみません


|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

――――――雨だ。
ふと見上げた空から落ちてくる雨粒が自分の頬で弾けるのを指先で軽く拭って僕は足早にコンビニの軒下へ逃げた。
今日は雨が降るなんて天気予報は言っていなかったのに。
せめて学校を出る前に降ってくれれば置き傘を持って来れたのに。
愚痴をわざわざ口に出したりはしないけれど、やっぱり気分のいいものじゃない。
「ハル!」
憮然と空を見上げる僕の耳に僕の名を呼ぶ声がした。
徐々に雨足を強まる中、僕を呼んだそいつは僕のいるコンビニの軒下へと駆け込んできた。
僕よりも遥かに背の高いそいつは肩で息をしながら、いつもみたいに眉の下がった少し困ったような笑顔で僕を見る。
「勝手に先に行くなよ、捜しちゃっただろ」
咎めるような口ぶりとは裏腹にそいつ、ダイスケは笑ったままでやけに嬉しそうに僕の頭をクシャッと撫でた。
「やめろよ、僕は犬じゃない」
嘘だ。本当はダイスケがこうして僕を気にしてくれて、僕のフニャフニャのだらし無い髪を優しく撫でてくれるのはすごく嬉しい。
なのに素直じゃない僕は乱暴にダイスケの手を振り払ってしまう。
構うな、なんて言いながら、ダイスケに気にして欲しくて髪型を変えたり、似合いもしないオシャレをしてみたり。
いつもいつもダイスケが気付いてくれるのを待ってる僕は変なのかもしれない。 <> メ/ル/ト 2/3<>sage<>2008/07/09(水) 11:54:58 ID:1u+Us9N8O<> 「そんな怒るなよ、折角の可愛い顔が台なし」
「――――…可愛いとか言うなバカ」
今だって、ダイスケが笑って拗ねた僕の機嫌をとってくれるのをどこかで期待してた
そんな僕が僕はあまり好きではない。
どんな顔していいのかわからなくて顔を背けたままの僕を気にするでもなくダイスケはシャワーみたいな雨をぼんやりと眺めていた。
横目で伺ってみたダイスケは男の僕から見てもすごくイケメンだ。
イケメンなのに面白くて明るくて、女子にも男子にも人気があって、友達もすごく多い。
何の接点もなかった僕に、たまたまクラスが同じになったというだけで話し掛けてくれた時は、びっくりしたけど嬉しかった。
―――――でも、
どうして僕と一緒にいてくれるんだろう?
どうして僕に優しくしてくれるんだろう?
聞いてみたいけれど、僕には聞く勇気がない。
聞いてしまう事でダイスケが僕から離れてしまうような気がして。
いや、違う。僕が期待しているような答えが返ってこない事が僕は怖いんだ。
「ん?なに?そんなチワワみたいなキラキラした目で見るなよ」
「――――べ、別に何でもない」
変な事を考えていたせいか無意識に僕はダイスケを見つめていたみたいだ。
それにしてもキラキラって何だよ。僕はそんな特殊能力は持ってないぞ。
チワワはたまに言われるけどさ。 <> メ/ル/ト 3/3<>sage<>2008/07/09(水) 11:55:31 ID:1u+Us9N8O<> 「あー、こりゃすぐには止まねぇなぁ。
ハル、傘ないんだろ?どうするよ」
ザァザァと音を立てて降り注ぐ雨を見ている僕の顔を覗き込んでダイスケが聞いてきた。
確かにここでボーッしててもしょうがない。
奇しくも僕らが雨宿りしてるのはコンビニの軒下、振り返ってコンビニの中の様子を見てビニール傘があるかどうかを確認してみた。
傘なんて買えば済む事だ。
そう思って口を開きかけた僕は、ガラスに反射したダイスケの顔を見て何も言えなくなってしまった。
僕が見てるとは気付いていない彼の、何か言いたそうな、祈るみたいな、僕を見つめる真剣な顔。
射抜かれたみたいに動けなくなった僕は、ダイスケの溜息に気付いた。
―――――もしかして…?
意識した途端、体中が心臓になった。
違うかもしれない。でも…。
「ダイスケは、傘……」
「ん?まぁ、あるっちゃある、かな」
ダイスケの方は見ないまま尋ねた僕に、珍しく歯切れの悪いダイスケの答えが返ってくる。
ガラスに反射したダイスケの顔はさっきと同じ、何か言いたそうな残念そうな顔のままだ。
僕は一世一代の賭けに出てみる事にした。
「し、しょうがないから入ってやる」
「え?」
振り向き様、勢いに任せて勇気を振り絞った言葉は、声が裏返ってしまった。
何を言われたのかわからない、そんな感じの「え?」に僕は耳まで赤くなるのを感じた。
どうしよう、顔が熱い。
それ以上は何も言えなくて、雨雲を睨む僕の視界一杯にいきなり青空みたいな色が広がった。
びっくりして空色の傘を広げたダイスケを見る。
そんな僕を見つめている、照れたようにはにかむダイスケ。
僕はその瞬間、恋に落ちる音を聞いた気がした。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

携帯からなので改行その他見づらくてすみませんでした <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/09(水) 12:04:26 ID:XZQ7O9Hp0<> >>128
M・Eの「雨」?違うか 最近ちょっとこの人がマイブーム
ていうか昔の演歌って「こんな女イネーヨpgr」とか思ってたけど、ホモの女役に変換して
聞くとしっくりくるんだよな… 全てホモ歌だったのかもしれん <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/09(水) 16:28:28 ID:MZZs+rwOO<> >>128
b⊃だな、ニヤニヤした。GJ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/10(木) 15:10:36 ID:FG+mg9ze0<> プ口レヌ ででて 哲学者とワンショルダー。
ワンショルダーの風呂具の雰囲気に脱毛したので妄想。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> サッカー 1/2<>sage<>2008/07/10(木) 15:12:02 ID:FG+mg9ze0<> 深夜にも関わらず、彼は僕を快く部屋へと招き入れてくれた。
点けっぱなしのテレビからは、海外のサッカーがだだ流されている。
「サッカー好きなんですか」
「全然」
彼は笑った。手土産のジュースを渡すと、その笑顔のままでありがとうと僕に告げる。
「僕もです。サッカー、僕もよく知りません」
「そっか」
彼はベッドに腰掛け、僕は促されるまま一人掛けのソファに座る。
そして二人でただ延々と解らないサッカーを見続けた。
そっと柿ピーを差し出された。どうも、と受け取って、二人で貪りだす。
「僕どうしても柿ピーのピーだけ余るんですよねえ」
「おかきと一緒に食べればいいんじゃないの?」
「そうなんですけど、口の中で咀嚼した時の味のバランスを考えていると、どうしてもピーが余剰なんです」
「誉田君、そういうところ細かいよねー」
彼はジュースを飲んでから、そういってニヤ、と笑みを浮かべた。

テレビには相変わらず、緑の芝生。
ただ「チャンネル変えませんか」と言い出すきっかけもなく、口実に上げられるような他の番組が頭の中にあるわけでもなく。
それは急に部屋を訪ねられた彼も一緒なのだと思う。
黙って僕らはサッカーを見るしかできなかった。その歓声や歌声や実況をBGMにし、僕らは他愛もない話題で時間を埋めていく。

彼の横顔、もっと言えば眼鏡のレンズに映りこむサッカーを横目で見ながら、考える。
彼がここにやってきてからもうすぐ一年が経つ。
初めて肌を合わせた時は、そういえば敵同士だったな。
それからあれよあれよと時間は過ぎて、気がつけば彼は元からここに居たかのように自然に振舞い、また周りも彼を昔からの仲間のように扱っている。
実質彼の昔馴染みはここには多いのだけれども、それ以外の人間ですら彼は簡単に手懐けてみせた。その一人が僕だ。
最早彼は、僕が恒常的に見ている風景に欠かせない人物となっていた。 <> サッカー 2/2<>sage<>2008/07/10(木) 15:12:51 ID:FG+mg9ze0<> 「誉田君」
突然名前を呼ばれた僕は、柿ピーのピーだけになった袋をぎゅむと握り締めた。
「俺ね、誉田君のこと、好きだよ」
僕が返事をする前に、彼は言葉の続きを口にしていた。そしてその言葉に僕の返事は何処かへと飛散する。
何も言えずにただ観客のアンセムを聞くしかできない。彼は、大きな伸びをしてからベッドに倒れ込んでから、僕の方に視線を向けた。
「あと駆動や腹縞君や、酒位君も」
満足気に笑って、彼は今度は大きな欠伸をする。
僕の驚きと焦燥は、いつの間にか愛しさに変わっていた。
「…みんなもそうですよ」
「えぇ?」
「みんなも、裏乃さんのことが大好きです。勿論僕もです」
言ってしまってから恥ずかしくなり、照れ隠しにサムズアップをする。
彼はあはは、とはにかみながら笑ってみせ、それからジュースを飲み切ると、空の容器を僕に差し出した。
「ありがとう」

僕は自分の部屋に戻って、テレビを点ける。
そこに映ったのはサッカーではなかった。
けれども僕の心は確かな充足を得ていたのだった。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/10(木) 15:16:58 ID:FG+mg9ze0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

普通にバックステージで大好きとか言えちゃう哲学者は罪作りだなー。 <> オリジナル 高校生四人組 1/3<>sage<>2008/07/10(木) 19:25:45 ID:Z+YGMqsP0<> オリジナル高校生で青春っぽいもの 801?

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


先程からPCの画面を見つめ、ドンちゃんはうんうんと悩んでいた。
その後ろからひょいっとリンさんが画面を覗き込んで、にやにやと笑う。
「ドン、お前コレ、買うの?」
「ん、ちょっと欲しい」
気になって俺も画面を覗くと、そこには普段リンさんが着ているような
黒地に赤いペイントが血飛沫のように塗りたくられた、派手な服が表示されていた。
ここの所、ドンちゃんはリンさんに影響されてか、この手の服をよく検索するようになった。
俺もまあ似たような服を着ているから何とも言えないのだけれど
(リンさん曰く、俺の服はぷちゴシックで、リンさんの服はパンクという違いがあるようだが)
ドンちゃんにはこの系統は似合わないんじゃないかと、思わなくもない。
だが、普段自分から服を買ったりしないと豪語していた彼が、積極的に動こうとしているのだから
何も言うまいと心に決め、俺はコウの方を振り返った。
自分のPCを勝手に使われているというのに、この後輩は全く気にしていないのか、
にこやかにテーブルを拭いていた手を止め、茶を勧めてきた。
「ミスナ先輩、紅茶と緑茶、どっちが良いですか?」
「紅茶、ミルクとか砂糖とかはいらない……つか、手伝おうか?」
俺の申し出を、大丈夫ですよティーパックですし、とさらっと流して、コウは立ち上がる。
何もかも後輩に任せることに罪悪感はあったが、コウは逆にそういう気遣いを嫌がるタイプだ。
誰かのために何かをすることに喜びを見出し、受けた恩は三倍返し。
イイヒト過ぎて俺たちアホ三人組には勿体ない位だ。 <> オリジナル 高校生四人組 2/3<>sage<>2008/07/10(木) 19:26:27 ID:Z+YGMqsP0<> 「結局、買うみたいですね」
その言葉にPCの方を向くと、リンさんがドンちゃんの3サイズを定規で無理矢理測ろうとしていた。
なんで3サイズなんだと画面を良く見ると、そこには先程のパンク服ではなく、
シンプルだが明らかに女性が着るサイズではない、男物のメイド服が表示されている。
「買うつもりなのか、メイド服」
「みたいですね」
俺たちの会話が聞こえたのか、リンさんが振り返り、PCを指先でつついてにいいっと口の端を上げる。
「ど? お前らもガクサイ用に一枚。ドンはこの茶色のロングにするんだって」
最近は男性サイズのコスプレ服も増えてるんだよ、と彼は携帯を弄り始めた。
やがて、お目当ての画像を見付けたのか、ぐいっと俺の目の前に突き出してくる。
小さな携帯の画面には、バニーガールの格好をしたリンさんが写っていた。
「げ、いつ買ったんだ。と言うか何で着てるんだ」
「去年のガクサイで、買って着たの。そういやお前、去年は盲腸の手術で参加してなかったんだっけ」
リンさんはくるくると人差し指を回して、俺とコウを交互に眺める。
「コウ君にはきっと体操服とか似合うよな〜、ネコミミ着けてさあ。どう思う変態?」
「バッカ、俺にニーハイとブルマ語らせたら三日間は口止まらねえよ、つうかコウ巻き込むな」
変態と言われたことは棚の上に置いて、俺はコウを窺う。
いやーとか、そんな似合わないですよ、と言いながら、コウは若干引いていた。
駄目だ、リンさん早く何とかしないと。
ミスナは巫女服だよなあと、脳にウジが湧いたように語り続けるリンさんを無視して、
俺は先程から一言も発さずPCに向き合っているドンちゃんに声を掛けた。
「ドンちゃん、リンさんの言うこと無理して聞かなくても良いよ、どうすんの」
俺の言葉に、ゆるゆるとドンさんは首だけ動かして、ちょっと困った表情になった。
「むう、悩んでる。こういうネタっぽいの、一枚ぐらい欲しいような気もするし」 <> オリジナル 高校生四人組 3/3<>sage<>2008/07/10(木) 19:28:02 ID:Z+YGMqsP0<> 気のある言葉に調子を良くしたのか、リンさんはターゲットをドンさんに絞ったらしく
べらべらと普段の三倍くらいの速さで捲し立てる。
「買うべきだって! ドンもちょっと遊ぶべきだぞ、はっちゃけられるのは高校生のうちだけだ。
 俺ら来年は受験じゃん? そうしたら、もうこんな服買って着られる機会なんて無いって」
悔しいが微妙に正論なリンさんの言葉に、生真面目なドンちゃんは再び画面に向かって悩み始めた。
この様子だと、あとたっぷり一時間はPCから離れないだろう。
やれやれと溜息を吐いた俺に、コウが湯気の立つティーカップを差し出してくる。
受け取ると、ふわりと紅茶の良い匂いが漂った。
「なあ、コウ」
「何ですか?」
にこにこと微笑むコウの方を見ずに、俺は呟く。
「俺らさあ、結構モテる方のはずなのに、全く彼女が出来ねえのって、
 こういうところに理由があると思わね?」
同意を求める言葉に、コウはほんわかとした笑みのまま、小首を傾げた。
「おれは、先輩に巫女服は似合うんじゃないかなと思いますけど」
どこまでも優しさの方向性を間違えている後輩の行く末に心を痛めながら、
俺は抱えていた膝の間に顔を埋め、精一杯の低音で唸り声を上げた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
俺・リンさん・ドンちゃんは高校二年生、コウは一年生 ヤマもオチも意味もない <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/11(金) 17:10:50 ID:eE0VsshGO<> そうだね…悪いけど。
萌えもn <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/12(土) 08:00:00 ID:IOL1khgOO<> >>133
まさかここでこんなSSが拝めるとは・・・
姐さんGJです!
本スレが過疎って久しいから潤ったよ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/12(土) 15:10:58 ID:gYqXBKK60<> >>124に萌えすぎて書いてしまった。すばせかハネ→メグ・ヨシュ→メグ。
同じく本編ED、シークレットレポート他のネタバレ込みなので
プレイ予定・プレイ途中の方は閲覧注意。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> すばせか ハネ→メグ・ヨシュ→メグ 1/3<>sage<>2008/07/12(土) 15:12:41 ID:gYqXBKK60<> 「あのゲームは、渋谷を崩壊させたい僕と、それを阻止したいメグミ君のゲームだった」

 カウンターごしに、この店の店主である――シンクの前に立つ羽狛さんに話しかける。
 羽狛さんから受け取った(勝手に持っていけと言わんばかりに既にカウンターの上に置かれていた)
小さな依頼品は、胸ポケットに突っ込んだ。
 今はお使いに出せるような部下も不足していて、わざわざこの足で直接出向いたのだ。
 一度かのゲームマスターによって情け容赦なく破壊しつくされた店内は修理され、
今では何事もなかったかのように綺麗になっていた。
 日はすでに傾きかけていて、もうしばらくすれば大きく開けた窓から差し込む光が、店内を黄昏に染めるだろう。
「ええ」
 突然の来訪であったにも関わらず、リアクションゼロな辺り可愛いげがない。
 夕方の中途半端な時間に、相変わらずお客もゼロ。
 けど羽狛さんはこちらに背を向けて、使う機会があったのかも疑わしい食器洗いにいそしんでいる。
「僕が勝てば渋谷は崩壊、メグミ君が勝てば渋谷は存続。そういうルールだった」
 気にせず僕は言葉を続けた。
「その通りです」
 羽狛さんもどうでも良さそうに返事をする。
「ところで僕はネク君と出会って、渋谷の崩壊を取り止めた」
「…はあ」
「ネク君が変わるのを見ていたら、この渋谷も変われるんじゃないかって思ったから」
 突然出てきた代理人の名前に、少しばかり彼の声が泳ぐ。
 ちょっと会話の流れを失敗したかな。
 まあいいや。
「それで?」
「話を戻すと、メグミ君とゲームをしなかったら僕はネク君と出会うこともなかっただろうね」
「そうかもしれません」
「その上で、今ここに、渋谷は存続している」
 一瞬、羽狛さんは返事のまえに息を飲んだ。 <> すばせか ハネ→メグ・ヨシュ→メグ 2/3<>sage<>2008/07/12(土) 15:13:49 ID:gYqXBKK60<> 「はい」
「なら、あのゲームは、メグミ君の勝ちだったのかな」
「……」
 今まで機械的に相槌を打っていた羽狛さんの声が途切れた。
 代わりに、かちゃかちゃと食器のぶつかる音がやけに響いて聞こえる。
「今ごろ気付いたんですか?」
 やっと吐き出された言葉は、溜め息を吐かれなかったのが不思議なほどの声音だった。
「僕はわりと自分のことを買い被っていたんだけどね。どうやらコンポーザーにあるまじき、失態だよ」
 羽狛さんがこちらを見ていないのを承知で、おどけるように肩を竦めてみる。けど。
「無様ですね」
 いつもの冗談混じりの口調でありながら、その言葉はまっすぐ突き刺さるような切れ味で飛んできた。
 ポーカーフェイスを装ったままではあるが、紛れもなく彼の本音なのだろうことは容易に知れた。
「全く、返す言葉もないよ」
「それで?」
 食器の立てる音が止み、きゅ、と蛇口を閉める音と共に羽狛さんが振り向く。
 サングラス越しの視線は、一枚の遮蔽物などものともしないほどに淀みがない。
「愚かしくも、今ごろそれに気付いたからと言って、どうなさるんですか」
 彼にしては珍しく、負の感情を声音に乗せて露にしている。
「どうもしないよ」
「今更あなたが、勝者の彼に何か差し上げられるとでも?」
「メグミ君はもういないんだよ」
 タイムリミットだったからね。
 ポーカーフェイスが売りの彼の顔が、それと分かるくらいに歪んだ。
 きっと、自分の顔も同じくらいに歪んでいるのだろう。
「僕らのゲームの都合に巻き込んだ参加者たちは、出来うる限り《生き返らせた》けど。
 いないものには、何も与えることができない」
「……ええ」
「だから、僕はどうもしない。ただ、彼が命がけで守ったこの渋谷を」
 気づけば完全に傾き色付いた西日が店内に入り込み、羽狛さんとその回りも赤く染めている。
 ああ、薄汚れたこの街でも、日差しは綺麗だ。
「僕は変わらず、導き続けていくだけだ」
 それが唯一、彼への餞になると思うから。 <> すばせか ハネ→メグ・ヨシュ→メグ 3/3<>sage<>2008/07/12(土) 15:17:38 ID:gYqXBKK60<>  誰かさんは傲慢だと笑うかもしれないね。怒るかもしれないし、呆れるかもしれない。
 羽狛さんはその言葉のあとしばらく歪んだ表情の口許をさらに歪めて僕と視線を交わしていたが、
 何事もなかったかのようにシンクに向き直り、食器洗いを再開した。
 そして用事の済んだ僕も同じように、くるりと踵を返して扉に向かう。
 ドアノブに手をかけたところで、水音に紛れてぼそりと羽狛さんが呟いた。
「メグミは、渋谷を愛してましたよ。俺だって、今も愛してます」
 その言葉は僕の頭に染み込むまでにやけに時間がかかって、その分じわり、と着実に全身に広がっていった。
 知っているよ。
 羽狛さんが《渋谷のために》したことも。
 じわりと広がる感覚は、胸を締め付けるようで、体に熱を持たせるようで、悪くない感じだった。
 だから、余計なことまで言う気になったのかもしれない。
「ゲームが終わってから、渋谷の未来を見たんだ」
 ゲーム中は能力を制限していたため、未来透視の精度は格段に落ちていたから。
 それならいっそ、と使うことはなかった。
「ちゃんと見えたよ。変わっていく渋谷の未来がね」
 水音は途切れることなく響いている。
「メグミ君には、感謝してる」
 そのまま返事を待つことなく、返事があるとも思わなかったので。
 思い切りドアを押して、渋谷の雑踏へと足を踏み出した。
 カランカラン、と小気味良いベルの音が鳴り響く。
 外に出れば店内に差し込んでいた光と同じ赤が、比べ物にならない光量で渋谷の街を染めている。
「ああ、やっぱり」
 戻ったらまず、胸ポケットに収まっている羽狛さんの仕事ぶりを確認して。
 また書類に目を通すところからかなと溜め息をつく。
 メグミ君、君がいないとお使いにも自分で行かなくちゃいけないし、少しばかり、書類の整理が面倒だよ。

「僕たちの街は、愛おしいね」 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/12(土) 15:18:17 ID:gYqXBKK60<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
メグミ呼び、萌えたよ… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/12(土) 17:30:08 ID:naj7KMjwO<> 週刊飛翔 輪ンピィス
※コミック未登場キャラ故コミック派の人は要注意

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
<> キドロ→その1<>sage<>2008/07/12(土) 17:37:53 ID:naj7KMjwO<> 『白くまベポ奮闘記』

こんばんは。俺ベポ!
隣には大好きなキャプテン。今ちょっとご機嫌斜め。
他のクルー達は気付いてないけど。
俺ちゃんと分かってるよ。

今日の昼頃、クルー達の養生とバカンスを兼ねてこの八百一島に来てから、キャプテンの機嫌は時間を追う事に悪くなってる。
俺達の船が入港したのと同じ頃、一隻の海賊船がこの島にやって来た。
俺達にも馴染みが深い“キッ怒海賊団”だ。
キャプテンは、この海賊団の船長の顔を見るなり悪態を突いてたけど、なんだか内心嬉しそうだった。
「チッ。またお前らと一緒かよ。今回は争うつもりはないから近付くんじゃねーぞ!虎ファルガー」
「俺に命令するなと言った筈だ、勇スタス屋。お前らこそ俺達に干渉するな」
その後キッ怒海賊団とは別れてこの島を満喫してたんだけど、キャプテンあんまり楽しそうじゃなかったなぁ。

夜の帳が降りて煌めく星々が夜空を飾る頃、キャプテンは窓枠にもたれてため息混じりに船外を見ていた。
視線の先は…?
キャプテン少し悲しそう…。
そんな悲しそうなキャプテンを見てるのは辛い。
いつだってキャプテンは優しくて、俺が落ち込んだ時には抱き締めて慰めてくれる。
キャプテンが大好きなんだ。
だから俺決めたよ!キャプテンの悲しみ取り除こうって!!
俺はキャプテンを肩に担ぐと駆けだした。
向かうはキャプテンの視線の先。
俺にはとっても優しいキャプテンは、
「降ろせ!ベポ!!」
って形ばかりの抵抗。
だけど、見覚えのある船体、見覚えのあるジョリー・ロジャーを目にしたら息を飲んで固まってしまった。
俺がこれからする事、勘付いたみたい。
それでもキャプテンは抵抗せずに、なすがままに担がれてた。
<> キドロ→その2<>sage<>2008/07/12(土) 17:45:42 ID:naj7KMjwO<> 目的地の海賊船に侵入する。
見張り台から俺達の姿は見えていた筈だけれど、甲板の上は静かなものだった。
月明かりの下、覚悟を決めた俺を迎えていたのは二人分の影。
この海賊団の船長とその相棒だった。
「近付くなって言っただろ!虎ファルガー!」
「……」
「クルーに担がれてまで、ここに何しに来た?」
俺はキャプテンを抱え直すと目の前の男、勇スタス・‘キャプテン‘・キッ怒に近付く。
そして一礼。

「キャプテンを一晩よろしくお願いします!」

相手を見据えたまま、キャプテンを差し出した。
キッ怒は少し驚いた表情を見せたが、直ぐに自分の置かれた立場を把握してキャプテンを受け取る。
「わざわざ俺に逢いに来たんだから、追い返すのも悪いよなぁ、鬼ラー」
「お好きなように」
「お前の可愛い部下も頭下げてる訳だし相手してやるよ、虎ファルガー」
「……煩い。降ろせ……」
「俺の部屋へ行った後になっ!」
帽子に隠された為すべての表情は読み取れなかったけれど、少し覗いたキャプテンの口許には笑みが溢れているように見えた。
やっぱりキャプテンは笑顔が一番良い!
キャプテンはそのままキッ怒に抱えられてドアの向こうに消えていく。
残された俺と鬼ラー。
「せっかくだからお茶でもどうだ?何飲みたい?」
「ホットココア!」
成し遂げた達成感に胸躍らせながら鬼ラーの後を付いて行く。
俺もしばらくお邪魔させてもらおう。
<> キドロ→その3<>sage<>2008/07/12(土) 17:48:39 ID:naj7KMjwO<> 泡島のオークションハウスでキッ怒を挑発したキャプテンは、その後ふたりで何処かへ消えた。
戻ってきた時、キャプテンの躰からはキャプテンの匂いとは別にあの男の匂いがしていた。
その時からキャプテンは少しだけ変わった。
微かな心の変化。
俺ちゃんと分かってるよ。


誰も居なくなった甲板。
見張り台の上では、見張り当番の船員が目撃した現状に付いて行けずに、軽いパニックを起こして頭を抱えていた…。
〈おわり〉 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/12(土) 17:50:38 ID:naj7KMjwO<>
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

拙い話、読んでくれてありがとうございましたm(__)m
この後キャプテンは美味しくいただかれ、ベポはキッ怒海賊団のクルー達に(*´ー`*)←こーんな顔をさせて和ませていたら良い…

<> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/12(土) 23:13:12 ID:79jZTPIJ0<> >>142-146

萌えた。即保存した。
先日のハネメグに感想レスしてた姐さんなのか、
それとも別の姐さんなのか、とにかくGJ。
たとえいなくなった後でもちゃんと顧みられてて、
愛されてるメグミちゃんとかもう涙出る。
ありがとう。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/13(日) 18:29:05 ID:XgS9PAwx0<> >>147-151
GJです姉さん!美味しく頂きました。
ベポかわいいよベポ(*´ー`*)
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/14(月) 00:52:00 ID:Y5r/JutP0<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  金曜夜のドラマから
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  刑事1人語り
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/14(月) 00:52:26 ID:Y5r/JutP0<> はじめて会ったときから気にさわる奴だった。
天使と呼ばれる弁護士。
経歴を見れば確かにそう呼ばれているのもわかる。
なのに何故こんなふうに心がざわつくのか。
わかってる。あの強い眼差しに忘れたくても忘れられない
自分の罪を暴かれるような気がするからだ。
あれは慈しむ天使じゃない。断罪する天使の目。
あの真っ直ぐな強い視線、そんなはずはないのに、
どこかで感じたことがあるような気がする。
どうしてこんなに気になるのか。

「真実はねじまげられないということです。」

耳元で囁かれたあの声が鮮やかに蘇る。
わかってるがわかりたくない、自分の気持ちの真実。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/14(月) 00:52:43 ID:Y5r/JutP0<>
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ネタ未満で失礼しました。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )   萌えはきだしてちょっとスッキリ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/15(火) 07:20:49 ID:0ORc2Bgo0<> >>154-156
GJ姐さん。
予告編めいた、シリアスな雰囲気がうまい。

あと放映中断中なのをいいことに質問、
ここに投下したSSを自サイトに載せる場合って
何か規約とか制限とかあるんだっけ?
テンプレには載ってなかったようだが。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/15(火) 08:59:59 ID:P8iqdhaR0<> >>157 自分の作品を自分がどうしようと全く問題ない <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/15(火) 18:50:24 ID:zp+s4/Rc0<> >>154-156
今にも主題歌が聞こえてきそうなナイスSSゴチでした。
刑事認めちまえよ刑事(・∀・) <> クリハリ1<>sage<>2008/07/15(火) 21:44:17 ID:6SSHaaS+0<> 長文ですがお目汚し承知で投下します

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ときメモGS2クリス×ハリー


梅雨も明けて、明るい光が窓から入ってくるようになった。
「良い天気やな〜」
クリスは眩しさに目を細めながら、美術室の窓を開け放った。
篭った空気と絵の具の匂いが、熱気を帯びた風と蝉の声に入れ替わる。
クーラーの冷気が逃げて一気に蒸し暑くなるが、今日はまだ風があって過ごしやすい方だ。
赤いネクタイを解いて、シャツを脱ぐ。
絵を描くときはいつも汚れてもいいTシャツとジャージに着替えることにしていた。
夏休みの部活動。三年生になって、皆は受験勉強に忙しい。でもクリスは最後の夏にどうしても大作を一つ描きたくて、活動日でもないのに先生に言って美術室の鍵を預かっていた。
薄い無地のTシャツを着ると、軽く机を寄せてスペースを空け、イーゼルとキャンバス、絵の具を広げて準備を始める。
もう少し待てば、モデルがやってくるだろう。さっき校庭を、赤みを帯びた髪が横切るのが見えたから。

夏休みに入る少し前、ハリーに彼の歌をイメージして絵を描きたいとお願いした。そのときの事を思い出すと顔が綻ぶ。
彼は大勢の前では緊張してうまく歌えない。だから夏休みの美術室で二人っきりの時ならどうかと話を持ちかけて、了承を貰った。
嬉しげに目を子犬の様に輝かせて、
「やっぱり、芸術を愛する奴には俺の良さがわかるんだよな」
と笑う彼が可愛くて、大げさにお礼を言う振りをして思いっきり抱きしめてしまった。

廊下から足音と一緒に機嫌の良い鼻歌が聞こえてくる。
直ぐに近づいてきたそれは、ドアの前で止まると嬉しそうな笑顔と一緒に美術室に入ってきた。
よう、と右手を上げて笑うハリーに、クリスも嬉しさで笑顔がこぼれる。
「しっかし、あっちーな〜。何で窓全開なんだよ」
ハリーは手の甲で顎を拭いながら、寄せた机の上にギターケースを置いて自分もその横に座った。
「ん〜、空気の入れ替えしとってん。今閉めるわ〜」
立ち上がって端から窓を閉めていく。
正直、汗に濡れて前髪が額に張り付いてるのは可愛らしくて、それを見ていられなくなるのは惜しいけれど、仕方ない。何よりクリス自身、暑いのはあまり得意じゃない。 <> クリハリ2<>sage<>2008/07/15(火) 21:45:59 ID:6SSHaaS+0<> 窓を全部閉めてイーゼルの前に戻る。
蝉の声が一気に遠くなって、時間の流れが少し緩やかになった気がした。
ハリーはまた鼻歌を歌いながら、ギターのチューニングを始めている。いつの間にか制服のシャツは脱いでいて、下に着ていた赤いTシャツ姿になっていた。
彼は本当に赤が良く似合う。
「んじゃ、一曲目、どんな曲がいい?リクエストあったら言ってくれ」
本当に楽しそうにギターを爪弾きながら笑う。
クリスもパレットと絵筆を持って椅子に座ると、少し考えて答えた。
「それじゃあ〜、優しい感じの曲がええな。ゆったりした感じの」
「オッケー、んじゃ、俺の取って置きのバラードを聞かせてやる」
得意げな声の後、アコースティックギターの優しい音で前奏が始まる。
この曲は、ハリーのオリジナルの中で自分が一番好きな曲だ。
さっきまでの元気な声とは打って変わって、本当に優しい声で歌う。
クリスはメロディーに乗せるように絵筆を動かし始めた。

二曲目、三曲目は少し明るい曲をリクエストして、以降はハリーの好きな曲を順番に歌ってもらった。
そのまま10曲近く続けて歌ってもらっただろうか。絵の方向性も定まって、クリスがそろそろ休憩しようかと思った頃、
「どうよ。良い感じにかけてる?」
とハリーが立ち上がって横からキャンパスを覗き込んだ。
「ん〜、もちろん。ええ感じやで〜。ハリーの歌がええ感じやもん」
そう言ってハリーの方を振り返る。
目が合った瞬間、ハリーの笑顔が少し固まった。
そ、そうか、と慌てた様子で机に戻って座りなおすと、そのまま手元のギターを見ながら弦を弄る。
少し驚いたクリスがふざけた調子で話しかけた。
「なんや〜、そんなに慌てて離れんでもいいやんか〜。別に何もせえへんよ」
「な、何もしないとか、当たり前だろ。思ったより顔が近かったから、その、ちょっとびっくりしただけだ」
一旦顔を上げてこっちを見たものの、最後のほうは下を向いていて蚊の鳴くような声だった。
クリスは出来るだけいつも通りに見えるよう振る舞いながらも、ハリーの様子に戸惑っていた。
そんな反応をされたら、どうしていいのか分からなくなる。
ハリーの歌を初めて聞いたときからずっと隠してきた自分の感情で、胸が痛くなった。 <> クリハリ3<>sage<>2008/07/15(火) 21:47:53 ID:6SSHaaS+0<> 「ちょっと、休憩しよか」
吹っ切るように立ち上がって背伸びをする。ハリーもギターを脇に置いて顔を上げた。
「おう、おれ、お菓子持ってきたんだ。食おうぜ」
ハリーが笑顔で袋菓子やペットボトルを出すのを見ながら、最後の夏休みにこうやって二人で思い出を作れたら、このまま卒業まで仲良しのままいられたら、それだけでいい。そう自分に言い聞かせた。
いつも通りの笑顔を作って「えらいいっぱい買ってきてんなー」と言いながら、ハリーが差し出すコーラを受け取った。

「絵が完成するまで何回でも付き合ってやる」
帰り際にハリーがそう言ってくれたので、その言葉に甘えて、夏休み中の二人のスケジュールを照らし合わせて帰宅した。
バイトの前にちょっと顔を出してくれるだけの日もあるけれど、全体で平均して週に2回以上。まさかこんなに一緒に過ごせるなんて思わなかった。クリスは手帳につけたいくつもの印をソファに座って眺めながら、こんな日は何度有っても飽きることなく幸せだと微笑んだ。

次に会った時も、その次に会った時も、クリスは二人で過ごす思い出が増えていくことが、本当に幸せだった。
それなのに、徐々にハリーの方は様子がおかしくなった。合う回数に比例するようにその様子は顕著になっていく。
目を合わせて話すことが減り、八月の二週目に入る頃には、ギターを抱えたままぼんやり考え事をしていることが多くなった。
重たい空気にならないよう軽い調子で、何かあったのかと聞いてみても、何も無いとしか返ってこない。
これは、きっと薄々感づかれているんだろう。
そう思って、クリスは今まで以上に只の友達として振舞うよう心がけた。
クリスには自分の気持ちがばれるような言動に心あたりは無かったけれど、二人きりで会う約束が嬉しすぎて、接し方に綻びが出たのかも知れない。
けれど、今更気を使ったところで、いつかハリーは理由をつけて会う約束を断ってくるだろう。
そう思ったら、あんなに幸せだった毎日が、一気に悲しみを伴ったものに変わっていった。
それでも、この時間を自ら手放すことは出来なくて、ハリーから拒絶されるまで、クリスはこのまま黙って残りの夏を過ごそうと決めた。 <> クリハリ4<>sage<>2008/07/15(火) 21:49:14 ID:6SSHaaS+0<> 八月も終わりに差し掛かり、絵がもう直ぐ完成しそうだとクリスが判断した頃、いつもの様に教室にやってきたハリーが、すまなさそうに口を開いた。
「ごめん、今日は一日付き合える筈だったんだけどさ、急に今度のライブの日程が変更になっちまって、今日このあとリハーサルに行かなきゃいけなくなった。ほんとにごめん。でも1時間位なら時間有るからさ・・・」
相変わらずあまり目を合わせずに話すけれど、ハリーの顔は嘘を言っているようには見えなかった。本当に申し訳ないという顔で話すハリーを見て、クリスは今までの自分の甘えを後悔した。ハリーは一度した約束を嘘をついて反故にしたりしない。
最初に約束してしまったから、最後まで自分に付き合ってくれるつもりなんだろう。
そう思ったら申し訳なくて、同時に悲しくて泣きそうになった。
「かめへんよ。忙しいのに来てくれてありがとうな」
クリスは笑顔で答えながら、今日家に帰ったらハリーに電話をかけようと心に決めた。
今伝えたら、きっといつもの笑顔が崩れてしまう。

クリスは一人で帰宅して直ぐ、携帯電話のアドレスからハリーを探して通話ボタンを押した。
頭のどこかであと一回だけなら甘えても良いんじゃないかと思う自分がいる。
はい、とハリーの声が聞こえて、必死で思考を抑えつけて口を開いた。
「もしもし、ぼくやけど・・・。あのな、三日後にまた絵描くの付き合ってくれるって約束してたけど、もうあと仕上げだけやし、ぼく一人でも大丈夫やから。ハリーはバンド活動とかで忙しいやろうし、こっから先はもう来てもらわんでもええよ。大丈夫」
言いたい事を伝えると、相手が何も言わないのを良いことに
「夏休みやのに、今までほんまにありがとう。ほんなら、また新学期に学校でな」
と、切ってしまった。
自分でも卑怯だと思った。
わかった、もう行かない、と相手の口から聞くのが怖かったのだ。
最初に帰宅した日と同じようにソファで手帳を眺める。三日後の印を見ても、もうあの時みたいな気持ちにはなれない。 <> クリハリ5<>sage<>2008/07/15(火) 21:51:18 ID:6SSHaaS+0<> それからあまり眠れない夜が二回過ぎて、一人で絵を仕上げるために重い足取りで美術室へ入った。
真っ青な空の向こうに、入道雲が眩しい。窓を全て開け放っていつもの様に空気を入れ替えると、ツクツクボウシの声が入ってきた。
ネクタイを解いて服を着替える。
一人きりの空間を閉じてしまうのが怖くて、窓は全て開けたままにした。
キャンバスの前に腰を下ろして、描きかけの絵を眺める。
パレットと筆を持っては見たものの、明確だったはずの完成図が上手く思い出せないまま、椅子の背に寄りかかった。
ちゃんと完成させないと、新学期が始まった時にいつもの調子でハリーが怒るだろうか。
「なんだよー、このオレが協力してやったのに、まーだ完成してないのかよ」
想像したらちょっと可笑しくなった。頭の中で声から表情まで忠実に想像できる。それくらい、彼の事をずっと見てきたのだ。
残りの時間は半年ちょっと。夏休みが終わったら、何事も無かったみたいに今まで通り楽しく過ごせたら良いのに。
お気に入りの歌を口ずさんで、筆に絵の具を取った。
少しずつ、少しずつ、彼の声と顔を思い浮かべながら筆を動かす。
自分が過ごしたこれまでで一番幸せだった夏の日を反芻して、その全てを絵に込めていった。
2時間ぐらい夢中で描いていただろうか。もうこれで完成かな、と筆を置いて、初めて窓の外から聞こえる音に気が付いた。キャンバスから目を上げると、激しい雨が開けっ放しの窓から吹き込んでいる。
「スコールや・・・。」
呟いて立ち上がると、端から窓を閉めていく。
校庭の隅にあるクラブハウスの前に、サッカー部が雨宿りしているのが見える。
取り残されたサッカーボールが一つ、ゴール前に転がっていた。
最後の窓に手を掛けたとき、見慣れた赤茶色の髪の毛が、校庭を走り抜けて校舎に飛び込むのが見えた。 <> クリハリ6<>sage<>2008/07/15(火) 21:52:26 ID:6SSHaaS+0<> 「そんな・・・」
見えなくなった姿を追いかけるように身を乗り出した後、思わずドアを振り返った。
きっと見間違えたんだと思いながら、ドアから目が離せずに立ち尽くしていると、最初は微かに聞こえた足音が、少しずつ近づいて大きくなる。
足音の主がドアの磨りガラス越しに見えた瞬間、無意識のままドアまで駆け寄ると、勢い良くガラリと開いた。
目の前にはずぶ濡れのハリーが驚いた顔で立っていた。
制服は全部色が変わって、綺麗にセットされた髪もぐっしょり濡れて顔にかかっている。
クリスは驚いて声も出ない。
「家・・・出た途端振りだしてさ、そのまま、走って来た」
彼は目にかかる前髪を指で軽く避けながら、力なくへへ、と笑った。
ドアに手を掛けたまま固まっていたクリスは、ハリーの足元に出来ていく水溜りを見て、我に返った。
「取り敢えず、中入り。ぼくの制服貸すから」
彼の腕を掴んで中へ促すと、ハリーは動かずに首を横に振った。毛先から雫が飛んでクリスの手首に落ちる。搾り出すかの様にハリーが声を発した。
「お前さ、いっつも夕方まで頑張ってるからさ、いつもみたいに俺がお菓子持ってかないと腹減らすかな、と思ってさ、差し入れ、持って来ただけ、だから」
そう言うと、右手に握ったビニール袋をクリスに差し出した。
反射的にクリスは左手を出してそれを受け取ろうとした。
ビニール袋の感触と同時に、濡れた冷たい指が当たる。
一気に衝動が抑えきれなくなって、そのまま手首を掴んで思い切り引き寄せていた。
雨の匂いがする。ビニール袋がばさっと音を立てて床に落ちた。ペットボトルのコーラが転がっていく。肩から胸に掛けて、Tシャツが水を吸い込むのが分かる。クリスはハリーの髪に顔を埋めて呟いた。
「なんで来たんや・・・。このまま、押し隠して卒業するつもりやったのに。もう、我慢がきけへんようになってしもた・・・」
腕の中でハリーの肩が震えるのが分かった。 <> クリハリ7<>sage<>2008/07/15(火) 21:55:06 ID:6SSHaaS+0<> 「俺、気持ち悪かっただろ?男なのに意識しちゃってさ、何か、お前の顔近くで見たら突然ドキドキしてさ、普通に、上手く接しられなくなってさ、今だって、有り得ない位心拍数上がっちゃっててさ。俺、男なのに気持ち悪いよな。ごめん。もう近づかないからさ」
そう言うと、クリスの胸を両手で押して離れようとした。でも、クリスの腕はしっかりハリーを捕らえて離さない。ハリーの言葉の意味はクリスが抱えていた不安そのままだ。驚きすぎて思考が混乱する。
でも、今この腕を離したら、自分が招いたこの誤解を解くチャンスは一生来ない。
そんな気がして、ずっと言いたかった言葉だけを口にした。
「ぼくはハリーのことがずーっと前から好きや。せやから、この気持ちにハリーが気付いてしもて、ぼくから離れていくのが何よりも怖かってん」
言いながらもう一度腕に力を込めると、ハリーが軽く身じろぎをして顔を上げた。クリスの目の前に間抜けなぐらい驚いて放心したハリーの顔があった。
「おま、俺男だぞ?本気で言ってんの?」
瞬きも忘れて尋ねるハリーに、クリスは可笑しくて仕方が無いという顔で答えた。
「うん。ハリーもぼくが好きなんやろ?ぼくも男の子やで?」
途端にハリーの顔が赤く染まって、そうか、と俯いてしまった。
そんなハリーをクリスはもう一度強く抱きしめて、ゆっくり体を離すと、優しく顔を覗き込んだ。
「取り敢えず、大好きなハリーに風邪ひかしたらえらいことやから、タオルで拭いて、服着替えよか」
そう言って手を取ると、改めて教室の中に招き入れた。
いつも腰掛けている机にハリーを座らせると、クリスは自分が汗を拭くために用意していたタオルを手渡す。
動揺が少し落ち着いた様子のハリーが髪を拭いている間に、クリスはビニール袋とこぼれた中身を拾いに戻り、ドアの横にあるクーラーのスイッチを触って温度を上げた。
振り返ると、上履きと靴下を脱いだハリーが机の上に胡坐をかいて制服のボタンを外している。
「これ着たらええわ。ぼくこのカッコのまま帰るし」
畳んで置いてあった自分の制服を、ハリーの横に置いた。
「悪い」
とハリーは笑って、下に着ていた赤いTシャツの裾に手を掛けた。
突然、クリスは何だか直視してはいけない気持ちになって、
「かめへんよ」と笑って目を逸らした。 <> クリハリ8<>sage<>2008/07/15(火) 21:55:56 ID:6SSHaaS+0<> さっきまで座っていた椅子に腰掛けて、キャンバスを眺める。
もう完成だと思っていた絵は、ハリーがいる空間で改めて見るとまだ足りていない。
やっぱり記憶だけでは補えないんだなと、もう一度筆を手に取った。
無意識に一番好きな歌を口ずさむ。
クリスの制服に着替えたハリーが、立ち上がってこちらに歩み寄ってきた。
裾も、袖も、10センチ程余っているのが可愛らしくて、頬が弛む。
ハリーはクリスの横まで来ると、床に腰を下ろした。
こちらを軽く見上げてへたくそ、と呟くと、ゆっくり息を吸い込んで目を閉じ、同じ曲を歌い始める。
少し静かになった雨音を伴奏にして、教室にハリーの優しい声が響く。
クリスはこれ以上ない幸福感に促されるように筆を滑らせた。
ハリーは、その曲を歌い終わると、何も言わずに、二曲目、三曲目と続けて歌った。
クリスが初日にリクエストしたのと同じ順番で。
三曲目が終わる頃、クリスが呟いた。
「これで完成や」
絵の右下に自分のサインを入れた。
目を開いてキャンバスを見たハリーの顔が明るく輝く。
「良いじゃん。流石、俺の歌は絵にしても素晴らしいな」
そう言って笑うハリーに、当然やん、と返して自分も笑顔を向けた。
視線が重なった瞬間、クリスの右手がゆっくり伸びてハリー耳元の髪をかき上げる。
それは何だかあまりにも自然で、近づいてくるクリスの顔を見ながら、ハリーも上体を少し伸ばして目を閉じた。
唇が優しく触れ合ってゆっくりと離れる。
外はもう雨が上がって明るい日差しが戻っていた。残りの夏を惜しむように遠くで蝉が鳴き始める。
ハリーの髪の毛に残ったスコールの残り香が、暖かく鼻をくすぐった。 <> クリハリ9<>sage<>2008/07/15(火) 22:00:15 ID:6SSHaaS+0<> 奇跡のような夏休みが終わりを告げて、嘘のように元の学校生活が始まった。
二人も休み前と変わることなく、仲のいいクラスメートで有り続けた。
少なくとも表面上は。
ハリーは暇さえあればクリスの家へ遊びに行っているし、学校で二人きりになるとやっぱり時々挙動がおかしくなる。
でも、それを知っているのはクリスだけ。
クリスは、今までは三月で止めてしまうつもりだった幸せな時間を、無期限に伸ばすことに決めた。
どんなに遠く離れても必ず会いに戻って来るつもりだ。
クリスがあの日仕上げた絵は、休み明けの美術部の展示会で評判を呼んだ。
美術教師が絶賛してコンクールに応募すると言い出したけれど、応募したら何ヶ月も手元に戻らないと聞いたクリスは、あっさりとそれを辞退した。
躍動する色が調和して優しさを醸し出すその絵は、当初付ける予定だった『思い出』というタイトルをある歌と同じタイトルに変更されて、クリスの部屋に大事に飾られている。

自分たちの時間を無期限に延ばしてくれた、奇跡の証として。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )以上、失礼しました。
一行が長すぎて読みにくいですね。
スレ汚しすみませんでした。読んでいただいた方ありがとうございました。

<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/15(火) 23:04:37 ID:xxLiAUf2O<> >PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

ドラマ化された某イケメン学園の寮長×寮生。

<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/15(火) 23:06:27 ID:xxLiAUf2O<>
「南波先輩、ボタン取れかけてますよ」


中尾に指摘され胸元を見てみれば、そこには頼りなく、ほつれた糸で必死にぶらさがる乳白色のボタンがあった。
こんなところ普通男は見てないだろ、って事を中尾はよく気づく。


「あぁ、ほんとだな」
ボタンは軽く力を入れれば簡単に引きちぎれそうだった。面倒くせえ。
そんな気持ちが顔に出たのだろうか、中尾はクスクスと笑った。
俺も、そんな中尾を見て笑ってしまう。


「ねぇ、南波先輩、良かったら僕がつけてあげましょうか?」
「あーまじ?お前がつけてくれんの?」
「はい、僕中学のとき家庭科得意だったんですよ!………それにボタンつけたりするのって奥さんみたいで良いじゃないですかっ」


最後はほとんど早口で、ほんのり頬を赤くした中尾に、俺はふーんっと相槌を返す。
恥ずかしそうに下を向いた中尾は、本当に二人の関係に慣れないというか、付き合ってみても純粋な少年のままだ。
他の、しっかりと生地に張り付いているボタンを外しながら、そんな事を思う。

<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/15(火) 23:08:15 ID:xxLiAUf2O<>
「そういうもんかぁ」

「…そういうもんです」

「じゃ、頼むわ。奥さん」

「は、はいっ!」




小さな鳥が、驚いて飛び立つように中尾は俺からカッターシャツを受け取ると部屋から飛び出していく。

俺はと言うと、奥さんという響きが気に入ってしまった。
わざとなのに、からかわれて遊ばれてるのに気づかないのが、中尾の可愛い所だ。


丁寧に俺のシャツへボタンを縫い付ける中尾をベッドに横たわりながら思い浮かべる。
少し幸せな気分になって俺は笑った。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
初めてなんで不手際あったらすみません。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 01:17:40 ID:/BDl2Xpl0<> R/D潜脳調/査室 久島波留
メタル設定は捏造であります。


>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

SECRETDATE

ミナモが、学校で流行っているという、メタルアバターの着せ替えデータを持って波留の家にやって来たのは、
そろそろ日が沈もうかという夕刻だった。友達の使用しているアバターの着せ替えをして遊んでいたら
遅くなったと言って慌てて飛び込んできたのである。学生なら、遊びや勉強で忙しいのは当たり前だ。
波留はむしろこんなに頻繁に事務所に通う必要はないのだとやんわり言ったが、ミナモは首を縦に振らなかった。
ここで波留相手に一日の出来事を話すのがストレス解消になるらしい。そういうものかと波留は思ったが、
何分、自分本来の年齢の半分にしかならない少女の機微などに聡いわけはなかったので曖昧に頷くにとどめた。
「波留さんも仕事のときはしょうがないけど、普段も自分の楽しみで接続してるんでしょ? 
いつも同じ格好じゃなくてたまには気分転換しようよ!」
「あれはダイブスーツで実用的な意味が…」
と言っているうちに無理やりデータをダウンロードさせられた。しょうがないので中身を少し見てみると
丈の短いスカートや凝った裁断のジャケット(としか波留には分からない)など、
無論、女の子向けの――服がぞろぞろと陳列され、波留は遠い目になる。
……これを俺に着ろと? <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 01:18:56 ID:/BDl2Xpl0<> SECRETDATE 2/17
一瞬、素の自分に戻りかけたが、あ、間違えた! こっちこっち! とミナモに再ダウンロードさせられ、
そちらのデータには成人男性が着ても差し支えない服が取り揃えてあったので、内心胸を撫で下ろした。
「みんなね、メタルの服には凝るんだよ。中には皆に真似されるくらいかわいい服着こなす人もいるんだって」
五十年前にも似たようなものがあった。もっともあれはただの画像データだったが。
時代は変わったものだ。波留は素直に感心した。
「波留さん、普段遊びでメタルに潜るときアバターは何着てるの?」
「え? ええ、そうですねえ……。普通にシャツにジーンズ、でしょうか」
「ダメだよおそんなの!! 一番モテない典型だよ!」
「モテないって……」
モテてどうする。そういう話で盛り上がってリアルで会いましょう食事でもという話になって、
鼻息荒い車椅子の年寄りが出てきたらどうするんだ。普通に逃げないか。俺だったら逃げる。
またしても素に戻りかけたが、その間もミナモの力説は続いていた。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 01:21:01 ID:/BDl2Xpl0<> SECRETDATE 3/17
「だからね、顔は自由に変えられるんだから、そういうセンスでチェックされちゃうんだよ。
波留さんもメタルの流行りを取り入れたらモテモテになっちゃうよ!!」
「そうですか……」
これにも曖昧に頷いておいた。ミナモの好意は時々空回りするが、それらを含めて愛くるしい少女ではある。
「あ、これも入れといてあげるね。人工島の完全制服データマニュアルだって」
「……マニアックですね」
「あとね、バブルの外観のカスタマイズソフトももらったの。これもこれも!」
「外観カスタマイズ?」
「んーと、例えば、仮想市庁舎とかあるでしょ? デフォルトはリアルの市庁舎そのままのデザインなんだけど、
これで自分がアクセスするときに自分好みのデザインに出来るの。んー、月面基地とかパルテノン神殿とか。
で、他にも自分の作ったデザインのバブルに友達を呼ぶことも出来るし、自分で好きなように一から作れたりもするよ」
「はあ……」
しかし。
「ミナモさんはまだ電脳化してなかったですよね。こういうものをもらっても使えないでしょう?」
「そうだけど、友達の見せてもらうだけで結構楽しいよ。それに見せてもらったときから、
絶対波留さん知らないだろうから教えてあげようと思ってたんだ」
「なるほど……」
そのほかにも今日一日の出来事、友達の噂話、学校の宿題のヒントを聞いたりと、ミナモは元気にしゃべり倒し、
最後に今度来たときはデザインした波留さんのアバター見せてね、と言い残し、足取り軽く少女は帰っていった。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 01:22:04 ID:/BDl2Xpl0<> SECRETDATE 4/17
さて、その夜である。
「あるんだな……」
「どうかされましたか?」
波留の思わずといった呟きにホロンが反応した。居間の窓は波留の希望で開け放たれ、初夏の海風が心地よく入ってくるが、
ホロンは波留の身体が冷えるのを案じていたのですぐに反応したのである。
「いや、先ほどミナモさんにいただいたデータなんですが、人工島の職種別制服のデータの中に電理研のものもありましてね」
「人工島の人口を考慮しても、電理研関係者の割合は決して小さくはございません。
この島の主要な職種の中に含まれていても不思議ではないと存じます」
「そう言われればそうですね。でも驚いた。白衣は僕が着ていたのとデザインは基本的に変わってないんだなあ」
「材質はともかく五十年前からデザインの大きな変更はないようですね」
「懐かしいですねえ。……変わってないものを見つけるとそれだけで嬉しくなります」
波留は気まぐれに自分のアバターに白衣を着せてみた。思わず顔がほころぶ。
「はははっ、まるで五十年前の僕だ!」
シャツにジーンズ、その上に無造作に羽織った白衣。後ろに結ばれた髪は確かに当時の波留真理そのものであった。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 01:24:29 ID:/BDl2Xpl0<> SECRETDATE 5/17
「せめて上司の前に出るときはネクタイをしろと久島が喧しくてね。あんまりうるさいから
別に海に潜れれば辞めても構わないんだとうっかり口を滑らせたら、それから口を利いてくれなくなった。
お前を心配して言っていたのにと同僚たちに説教されて部屋まで謝りに行って。
そう、それから休みの前の夜は久島と飲むようになったんです、確か」
ホロンは笑みを絶やさず聞いている。
「後は急に親しくなっていった。懐かしいですね……」
波留は穏やかに微笑んでいた。
「今日も図書館にアクセスされますか?」
無論、実際の図書館ではなく、メタル内に構築された公共ライブラリの総称である。
波留は最近時間の許す限りを『図書館』で過ごしている。過去五十年の人工島を取り巻く歴史を追っていたのだ。
そういうものに興味がわいてきたのも最近のことである。
「そうですね……。就寝時間までまだあるし、そうしましょうか」
波留はミナモにもらったデータを消そうとして、ふとその動きを止めた。なにやら考え込んでいる。
不意にその目がいたずらっぽく輝いた。
「どうせなら、昔を懐かしんでメタルに入りましょうか」
窓を閉めていたホロンはその言葉を聴いて振り返り、わずかに首をかしげた。
波留はそんなホロンにウインクをひとつすると楽しそうに笑い出したのである。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 01:25:36 ID:/BDl2Xpl0<> SECRETDATE 6/17
「こりゃすごい、予想以上だ……」
波留が呆然と立ち尽くしているのは『図書館』である。本来は果ての見えない青空の広がった空間に、
上下左右に書架が立ち並んでいる空間だが、波留がいる場所は普段とは似ても似つかない。
外観カスタマイズを施したその場所は古く薄汚れた部屋だった。天井には心許ない蛍光灯がともされている。
金属のラックを組み合わせた安っぽい書棚は黄色っぽく変色した書類やファイル、報告書など
雑多な紙資料で埋め尽くされていた。部屋の隅においてあるスチールデスクも相当の年季が入っている。
まさに、五十年前の初期の電理研事務所の資料室であった。作り上げた当人の波留が驚くほどの再現性である。
結局、カスタマイズに熱が入り、メタルに入ったのは翌日の昼になってしまったのだが、その甲斐はあった。
試しに人工島の発達経緯を記した資料を請求してみると手近のファイルに淡い光がともった。
引き抜いて中身をぱらぱらと覘いてみる。確かに、求めていた資料であった。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 01:26:35 ID:/BDl2Xpl0<> SECRETDATE 7/17
大きく息を吸って、波留は黒いシャツとジーンズ――当時着ていたものに出来るだけ似たものを探して身につけた。
電理研の白衣をその上からまとい、髪ゴムが見つからなかったので、抵抗はあったが、女子高生用のデータから
出来るだけシンプルなゴムを選び出し、それを慣れた動作で髪をくくり、縛った。窓ガラスに映された姿は、
間違いなく当時の姿そのままである。波留は思わず窓ガラスに近寄って自分の姿を凝視した。
その場に座り込みたい安堵が身を包む。
そこまでして、ようやく自分が今までかなり気を張っていたのだという事実に気がついた。
目覚めてからずっと夢を見ているような気持ち、しかしどうしようもない現実に、
変わらざるを得なかった公の自分と内部の自分の剥離。
ここでなら一息つけるかもしれない。ここで一休みしてまた現実に帰っていこう。
きっと、それくらいなら許される。許してほしい。
波留は資料や書籍を必要な分持ち出すと、あの古ぼけた机に移動した。
椅子もいい加減ガタがきていて後方に重心を傾けると耳障りな音を立てた。
座り込むとそれも再現されていて波留は苦笑いする。机の上のライトを点けた。
北向きのこの部屋は薄暗くていつもどことなくかび臭かった。今はそれがたまらなく愛しい。

波留は静かに資料を読み始めた。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 01:27:44 ID:/BDl2Xpl0<> SECRETDATE 8/17
しばらく資料に目を通していると、ガタンと何かのぶつかる音がした。その音に波留は顔を上げ、音のしたほうへ目をやった。
「……は、久島?!」
久島が部屋のドアにもたれかかり、驚愕した顔でこちらを見つめている。
「何してるんだ、お前」
「それは、こっちの……。お前が、メタルに接続したきりリアルに戻ってこないと連絡があったから来てみたら、これは一体……」
その言葉で波留は、ホロンからのコールが複数回されていたことにやっと気付いた。
資料を夢中で読んでいたので無意識に受け流していたのだろう。しかし、なぜ久島はこんなに驚いているのだろう。
波留はそこまで考え、はっとカスタマイズの設定を確認した。全て『公開』になっている。
つまり久島にも『資料室』が見えているのだ。おまけに今の自分のアバターは……。
「あ、……いや、その」
気まずい。顔に赤みが差すのが自分でも分かった。
「バブルのカスタマイズが出来るというソフトをもらって、その、懐かしかったから、つい」
しどろもどろと答える波留にも無言で、久島は呆然と波留を見詰めている。
「……。悪かった。ログアウトするから」
「!! ま、待て! 待ってくれ!」 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 01:28:55 ID:/BDl2Xpl0<> SECRETDATE 9/17
接続を切ろうとした瞬間、強く手首を挟まれた。
間近に思いつめた久島の顔がある。怯んでいるうちにもう片方の手首も挟まれた。
「もう少し、このままで、元に戻ったようで……、その」
口ごもるように言葉を濁らせた友人を、波留はまじまじと見た。常に明朗な言葉を発するこの男にはありえないことだった。
何か言葉を発しようとしたが、その代わりに波留は大きく息を吐き、苦笑した。
「お前も、色々苦労してるな」
「お前には言われたくない」
波留の言葉に誘われたように久島も苦く笑う。
壁に緩く身体を押し付けられ、肩に頭を乗せられた。頬に久島の髪の感触があたる。両の手首を握られたまま、波留は目を閉じた。
「これが仮想現実なんてとても思えない。お前はすごいものを作り上げたな」
「俺はベースを作っただけだ。ただ新しいものには人が集まる。人が集まるところには技術も集積されていくからな」
「ご謙遜。お前、神様とか言われてるじゃないか。目が覚めて一番びっくりしたのがそれだぞ」
思い出したようにくつくつと笑い出した波留に抗議するかのように、久島は目の前の首筋を甘噛みする。
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 01:30:38 ID:/BDl2Xpl0<> SECRETDATE 10/17
なおも笑いが止まらないその喉元に舌を這わせた。
詰まったように短く息を吐いた波留をよそに片方の手首を解いて、シャツをたくし上げ中に手を潜り込ませる。
「ちょ、待て、待てって」
「カスタマイズの設定を非公開にしろ。それからアバターは不可視で」
「懐かしいって言ってたそばからこれか、馬鹿久島!!」
「設定を変えなくても俺は構わんが? ……むしろ」『燃えるな』
「お前本当に馬鹿だろ!! 五十年経っても馬鹿だろ!!」
最後の言葉だけ電通で囁かれ、羞恥で頭に血が上る。からかわれていると分かっていても我慢できずに喚くと、
耳元でこらえきれないように笑い声が響いた。先ほどとは逆の状況になり、今度は久島の笑いが止まらなくなった。
笑いを滲ませたまま柔らかく波留に囁く。
「服のデータ、俺にも貸してくれ」
「何?」
「あるんだろ?」
手のひらをとられ、指と指を組んでさらに強く握られた。促されるように波留はミナモからもらったデータを久島に流す。
すると間もなく淡い光が久島の身体を包み、消えた。
二の腕まで捲り上げたワイシャツにきっちり締めたネクタイが既視感を呼び起こす。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 01:43:48 ID:JhL7Q9H40<> wktk
連投規制でしょうか?支援 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 02:31:16 ID:/BDl2Xpl0<> SECRETDATE 11/17
「あ、その格好……」
「まあ、こんなものか」
波留から身体を離し、胸元に手を添える。ネクタイを緩めながら久島は微笑んだ。
「あえて難を言えば、柄が俺の好みではないが」
「お前までそんなことをしなくても」
「したくなったんだ」
やはり久島は笑っている。波留は首を振ってため息をついた。
「その白衣は今の電理研か? 今度俺が作ってやろう。ちゃんと昔の、お前と俺がよれよれになるまで着込んでいた白衣のデータをな」
「お前が作るとしわや汚れの度合いまで拘りそうで何だかな」
 うんざりと波留が呟いても、久島は気にせずに辺りを見渡した。
「それにしてもよく出来てる。お前の記憶はたいしたものだ」
「あちこちのデータを継ぎはぎしてそれっぽく見せただけだ。一から作るテクニックもないし」
肩をすくめて言うが反応はなく、代わりにそっと抱き寄せられた。
波留は自分を腕の中に閉じ込めた男の気配をうかがったが、久島はしばらく動かない。が、やがてぽつりと呟いた。
「……椅子に腰掛けて、そこの机に頬杖をついているお前を見たときは、胸が詰まったよ。心臓が止まるかと思った」
その言葉に、波留の表情が一瞬歪んだ。痛みをこらえるように久島の胸に顔をうずめる。
しかし顔を上げたときは笑みを浮かべていた。
「止まるも何も、お前義体だろう」
軽口に久島もうっすらと笑う。
「そうだったな、忘れてた」
二人で笑いあった。お互いに何かを了承した笑顔。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 02:32:00 ID:/BDl2Xpl0<> SECRETDATE 12/17
「で? 設定の変更は終わったか?」
腰に手を回されたまま耳元で囁かれ、波留は笑い出した。
「お前そういうとこ変わらないよな」
「実を言うと、切羽詰ってる」
「五十年前の職場で何のプレイだよ」
「プレイも何も、よくここで悪い遊びに興じただろうに」
「よく言う。何がなんだか分からんうちに連れ込まれてた苦い思い出しかないんだけど?」
「俺が大の男を無理やりどうこうできるほど、体術の心得があったとでも? ソウタではあるまいし、相手の協力あったればこそだ」
「あるわけないだろ」
「もしくは、消極的な同意」
二人でくすくすと笑いあう。
今度こそシャツの内側でいたずらを始めた指に波留が深く息を吐いた。白衣の襟は肩まで脱げかかっている。
「今だから言うんだが」
「……え?」
火が付き始めた快楽にぼんやりしていた波留は、潤んだ瞳を久島に向けた。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 02:32:41 ID:/BDl2Xpl0<> SECRETDATE 13/17
堪えていないとその場でずるずる座り込んでしまいそうだった。
『調査が終わって、船にあがって、いつもお前はダイバースーツのジッパーをへそまで下ろしていただろう。
あれは本当に俺には拷問だった』
「そんな秘密は墓穴まで持っていけ!」
喚いているといつの間にか自分が横たえられ、ソファのようなものに身を預けていることに気が付いた。
上から久島が身を重ねている。馴染んだ体の重さに首を振った。
「……資料室にこんなもんなかった」
「メタルは便利だろ?」
「最低だ、クソ」
視界に映る染み付いた天井と眩しい蛍光灯は、両脇の書棚と共に五十年前の記憶をフラッシュバックさせる。
荒い息とぬるついた汗。後ろめたさと共に増す快楽と嬌声――。
「……俺も今だから言うんだけど」
「ん?」
わき腹を撫でさすられて息が詰まる。声は途切れ途切れだった。
「お前さ、これからって時に、必ずネクタイ緩めるんだよな。片手の指差しこんでさ。
……あれ、やたら男臭くて、本当はいつも、興奮してた」 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 02:33:25 ID:/BDl2Xpl0<> SECRETDATE 14/17
ソファに顔を押し付けながら喋って目を閉じる。しばらくして久島の動きが止まっていることに気付き、うっすらと目を開けた。
「……何で真っ赤になってんだよ」
「うるさい」
久島は髪をかきむしると波留の後頭部に手を差し入れた。
「そういうことは五十年前に言っておけよ」
「言うか、こんな恥ずかしいこと」
「今だからか?」
「今だから、だよ」
頭を持ち上げられて首が仰のいた。
「そりゃ長生きしてよかった」
「お互いにな」
二人で笑いあう。波留が足をわずかに開いた。すかさず久島が割りいれてくる。
頭の脇に投げ出された手に手が絡み合う。
落ちてきた口付けは甘かった。

まるでリアルのように。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 02:34:07 ID:/BDl2Xpl0<> SECRETDATE 15/17
目が覚めると視界に心配そうなホロンの顔。ああ、そうかと首を振り、時間を確認すると夜半過ぎである。
「すみません、メタルに長居しすぎでしたね」
「久島様から連絡はいただいたのですが、やはり長時間の接続は脳に負担がかかります」
「これからは自重します」
まだどこかぼうっとしている。メタルの感覚が現実に干渉するはずはないので、ただの錯覚なのは分かっているのだが。
「僕が接続している間、何か不都合なことはありましたか」
「いえ、ただミナモ様はご退屈なようでした。先ほど帰られましたが」
「ああ、そうですか、それは悪いことをしました。明日謝っておきましょう」
波留が話していてもどこか上の空であることにホロンは気付いていたが黙っていた。
アンドロイドは己の分を守ることに忠実である。
「マスターの顔を覗き込んで目が覚めるのを待っておいででした」
「それは申し訳なかっ……え? 覗き込んでいた?」
「? はい、宿題などをしながらそのように」
「……僕の顔をずっと見ていたんですか」
「……何か問題でも」
メタルにいた間の顔を覗き込んで観察していたと。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 02:34:52 ID:/BDl2Xpl0<> SECRETDATE 16/17
「マスター、心拍の増加と血流の増加が認められます。ご気分が悪いのですか?!」
「いえ、違います」
「久島様に連絡しますか」
「それだけは止めてください」
目覚めた直後は絶望で死にたいと思ったが、今は羞恥で死にそうな気分であった。
「ミナモさんは何か言っていましたか」
「マスターが時々微笑んでおられたので、きっと幸せな気分なのだろうと言っておられました」
……まあそれくらいならいいか。
「明日はメタルはお控えになってください」
「頼まれてもしません」
今度潜ったら何されるか分からない。
「しばらくメタルは控えます」
「……そうですか」
波留の強い口調にホロンは首を傾げたが、やはり何も言わなかった。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 02:46:27 ID:/BDl2Xpl0<> SECRETDATE 17/17
「マスター、ミナモ様が帰り際に、マスターの顔が赤いので風邪かもしれないと言っておられました。
先ほどのこともございますしメディカルチェックを明日お受けになってください」
託体ベッドで頭を抱えて動かなくなった波留を心配してホロンが身を乗り出す。
「……それ、場所は電理研ですか。普通の病院ではだめですか」
「長時間のメタル接続もしておられます。脳のチェックも一緒にお願いいたします」
「僕は元気ですから、そんなことしなくても」
「息も少し荒かったと言っておられましたので、……マスター?」
「……小出しでダメージ食らわせるのは止めてほしいんですが」
「は?」
力なく首を振る波留にホロンは首をかしげる。
「やはりお加減が」
「違います」
「わたくしで駄目ならやはり久島様に」
「わざとやってますかあなた」
「それからミナモ様からご伝言で明日マスターの作ったアバターを見せてほしいと」
「だからわざとやってるでしょうあなた」

自立成長型のAIが更なる成長を遂げるのは、もう少し時間がかかりそうである。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


前回いたたまれない話を(ry コメントありがとうございます。モニタの前で頭を下げました。
本当に嬉しかったです。リクいただいたのでネクタイネタとプラス白衣もつけてみました。
一人称は>60さんのつもりで書いてます。連投規制で間が開いてすみませんでした。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 04:00:50 ID:ZA3ae5oN0<> >>172-189
続きキターーー!!!
禿げ上がったGJすぐる
メタルでもリアルでも2度美味しいよ
乙!
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 04:20:17 ID:lB0V3XfC0<> >>172 GJ!萌えた
長いから、途中中断入れて他の人も投稿出来るように
した方が良かったかもね。いいものをありがとう。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 19:48:12 ID:JhL7Q9H40<> >172-189
続きキテター!!!!
なんという禿萌え燃料投下!
次回は14と15の間ももそっとkwskお願いしますw <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 21:00:12 ID:nqtUBiUD0<> 自分は以下の通り
・SF
・難民×2
・お笑い芸人×2
・ここ
・ぴんく難民
・同サロ
あとは必要に応じてダウソ板やら数字板やら <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 21:00:29 ID:nqtUBiUD0<> >>193
すみません、誤爆です <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/16(水) 21:08:08 ID:Aqd8xVZeO<> >>172
いくらなんでも長すぎ <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/17(木) 00:07:27 ID:NoNpGpvj0<> 二次元で干物。リバーシブル設定。
罰当たり注意。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> 世の終わりまで 1/5<>sage<>2008/07/17(木) 00:08:36 ID:WMnc8b2j0<>  その指が指し示した水瓶の中の水は、瞬時にして、芳醇な葡萄酒に変じたという。
 それと同じ奇跡の指が、今、正に俺を高みに上りつめさせようとしている。
 昂る。昂る。下腹からぐぐぅぅっと歓喜がせり上がって来る。もう少し、主の指に絡み
つかれる感覚を楽しんでいたかったが、辛抱しきれず、深い息をついて精を放った。神の
力で癒しを為し、悪霊を祓う、その気高い掌に。
 普段はガリラヤ湖のように清らかで涼しげな主の瞳が、今は信じられないほど淫らな情
欲の火に燃えている。主はその目で俺の恍惚とした顔を見つめながら、生ミルクに塗れた
指を旨そうに舐めた。屁理屈捏ね回すファリサイ派の爺い連中をやりこめ、より高邁な真
理について雄弁に語る、その類稀な舌で。
 「おまえのきれいな顔をもっとよく見せてくれ」
 ありとあらゆる者を納得させてしまう深い響きを持つ声で、主が囁く。俺の顔にかかっ
た前髪を、大きな手がそっと払いのける。少しだけ恥ずかしそうな素振りはしてみせるも
のの、俺には一片の畏れもない。ただ、澄んだ目で主を見返すだけだ。
 骨太ではあるが骨張ったお体に両腕を回し、その胸に頭を凭せかけた。心臓の鼓動に耳
を澄ます。
 この人こそ神の子であり、救い主であることを疑ったことはない。だが、神の子といえ
ど、やはり物質世界に生を受けた生身の人間であることに間違いはない。この若々しい肢
体には赤い血が巡っている。囚われ、痛めつけられ、大量の血が失われれば、死ぬだろう。
 折しも政情不安定な時世だ。主のように強烈な個性と大きな人望を持つ人物は、幾ら用
心してもしすぎるということはない。本当はあまり派手な活動はなさらない方がいいと思
うのだが(神殿で暴れるとか)、そのようなことを大人しく聞き入れる方ではあるまい。
何があろうと、誰が何と言おうと、この苦しみに満ちた大地を歩き続け、孤独な人々を救
い続けるだろう。
 我らの主はそういうお方なのだ。
 そんな俺の思いを知ってか知らずか。主はよく整えられた長い指で、安心させるかのよ
うに俺の髪を梳いて下さる。俺の髪は主のお気に入りなのだ。夕暮れの空にただ一時棚引
く薄雲の色だ、と愛でて下さる。 <> 世の終わりまで 2/5<>sage<>2008/07/17(木) 00:09:47 ID:NoNpGpvj0<>  「・・・・先生」
 呟くように呼んだ。「うん?」主は無邪気ささえ感じさせる仕草で小首を傾げ、やさし
く俺を見下ろす。
 姿勢を変え、主の逞しい胸の上で両腕を組み、これに顎を載せた。お顔を覗きこむ。
 「俺があなたを神にしてあげます。千年経ち、二千年経っても、何十億という人間があ
なたの名によって生き、あなたの名によって死ぬでしょう」
 不意の情熱に衝き動かされ、さほど考えもせず、口をついて出た言葉だった。今まで数
えきれないほど交わしてきた、他愛ない睦言の一つに過ぎない。
 主は黙っておられた。ただじっと、何やらひどく切なげな眼差しで俺を見つめておられ
た。
 その時俺は、生まれて初めての、そして短い生涯で最後の予言をしたのかも知れない。

 その日の昼間も、いつもの青空説法に耳を傾けていた。またぞろ暇な祭司や律法学者ど
もが妨害をしに来るのではないかと、それとなく見張りながらではあったが。
 集まった群衆に向かって、主は神の御心と魂の自由について、わかりやすく噛み砕いた
表現で説き明かしておられた。俺はいつものように群集の後ろで、腕を組んで木の幹に凭
れ、主の言葉を自分なりに解釈しようと努力していた。そうしながら、ついついその前の
晩のことを思い出し、あろうことか、下腹部の疼きを覚えていた。
 今彼らにありがたい福音を語っているその唇が、どんな卑猥で冒涜的な言葉を言うよう、
命じたことか。どんなきわどい、恥ずかしい姿態を取るよう、強いたことか。
 今彼らの前に超然と佇んでおられる、慈愛と誠実に満ちた方が、どんな風に俺を四つん
這いにさせ、背後から貫き、涙を流して許しを乞うまで責め立てたことか。
 夜だった。いつも夜だった。他の弟子を寄せつけぬ夜の底、火影の揺らめく闇の中で、
主は俺を抱き、また、俺に抱かれる。
 絡まりあった二匹の蛇のように、いつ果てるともなく愛しあい、頭の先から爪先までお
互いの体液に塗れ、それでも尚飽き足らず、明け方近くまでひたすら求めあった。いつ、
どうやって眠りに落ちたかも定かではない。 <> 世の終わりまで 3/5<>sage<>2008/07/17(木) 00:11:01 ID:NoNpGpvj0<>  俺のこの全身を覆い隠す衣の下には、主の唇がつけた愛のみ印が無数に残っている。居
並ぶ男女の内誰一人として、それを知る者はない。最も古く、最も主に近い高弟たちでさ
えもだ。
 あの獣のような主を知っているのは、俺だけだ。主の閨に呼ばれ、主の褥に招かれる光
栄に与かれるのは、俺一人だ。そう思うと、密かな優越感に、知らず頬が緩みそうになる。
 背の高い主の姿はここからでもよく見える。それにしても、あの方は元気だ。溌剌とし
ておられる。俺はさっきから欠伸を噛み殺してばかりいるのに。さすがは神の子か。
 乙女より生まれたあの聖なる方を、最初に誘惑したのは俺だった。星と天使によって誕
生を告げられたあの選ばれし方を、俺が狂わせてしまったのだ。
 だが、俺は、あの方を穢してしまったなどとは一度も思ったことがない。
 きれいも汚いも、いいも悪いも、男も女もない。俺はあの方を愛し、あの方も俺を愛し
た。
 ただそれだけのことだ。

 主の瞳に俺の顔が映る。こうして肌を重ねる時にはいつも、主は俺のことを美しいと褒
めちぎって下さる。女たちからもたまにそう言われるが、主は俺などよりも遥かに美しい。
 肩までまっすぐ伸びた、艶やかな茶色の髪に指を絡ませた。
 「先生、俺はあなたを愛しています」
 主は視線を逸らさず、お答えになる。
 「知っている。私もおまえを愛している」
 意地悪く尋ね返した。
 「ペトロよりも?ヨハネよりも?マグダラのマリアよりも?」
 「誰よりも愛している」
 ――あなたの父である、神よりも?
 素早く俺の心を読んだのか。その言葉を封じるかのように、主は俺の髪を掴んで引き寄
せ、唇を吸った。問いを諦め、代わりに舌を差し入れて、主の口腔を柔らかく舐め回す。 <> 世の終わりまで 4/5<>sage<>2008/07/17(木) 00:12:18 ID:NoNpGpvj0<>  ――俺があなたを神にしてあげます。
 主の指が首筋から鎖骨、そして乳首に触れる。甘い声を上げて身を捩り、主の尖った乳
首を両手で摘まんだ。指先で擦り、そのまま、舌先で代わる代わるちろちろといたぶる。
主は俺のこの行為によく反応される。
 ――千年経ち、二千年経っても、何十億という人間があなたの名によって生き、あなた
の名によって死ぬでしょう。
 主の猛り立った部分を掌に包みこみ、やさしく揉み、撫でさする。先端から滴る透明な
雫が、俺の指を温かく濡らす。亀頭を軽く咥えながら、俺自身の先走り液と混ぜ合わせ、
後ろの秘めやかな部分に丹念に塗りこんだ。
 ――それを実現させる為なら、たとえこの身が、一点の救いの光もない絶望の内に破滅
を迎えても構わない。
 主の足を開かせ、一息に押し入った。主の体が跳ね、あの方の洩らすわずかな苦痛の声
が、俺の快楽の呻きに掻き消される。
 ――構わない。地獄の最も奥深くにある氷の沼で、永遠に悪魔に貪り喰われても。
 充分に満足するまで埋没させ、主の熱く狭い肉壁に包まれている感触を心ゆくまで味わ
う。
 ――この世の終わりまで、全ての人間に忌み嫌われ、蔑まれても。
 主の腰を掴む。ありとあらゆる角度から、引き寄せ、突き上げ、叩きつける。頭の奥で
金の火花が散る。
 ――たとえこの名が、不吉で不名誉な裏切り者を象徴するものとなったとしても! <> 世の終わりまで 5/5<>sage<>2008/07/17(木) 00:13:25 ID:NoNpGpvj0<>  「ああ、ユダ・・・・ユダ・・・・!!」
 主の両手が俺の背中を掻き毟り、爪を喰いこませる。もう何も考えられない。火明かり
に照らされた主の肌と、乱れに乱れた敷布しか見えない。泣き喚き俺の名を叫び続ける主
の声と、壊れそうに軋る寝台の音しか聞こえない。
 主と繋がっている体の芯が沸騰し、白く融け出し、いつしか身も心も、主と一つになっ
ている。

 あどけない子供のような寝顔を見せて、先に微睡み始めたのは主の方だった。
 大切な大切なその方の、哀しいほど色白の頬に、そっと口づけを落とす。
 やがてあの最後の夜、永訣の時、ゲッセマネの園でそうするように。

 夜だった。

Fin. <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/17(木) 00:14:24 ID:NoNpGpvj0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

みんなの聖書 マンガシリーズ@
「新約聖書T 救世主(メシア)〜人類を救いし者〜」
赤髪ピアスのユダ×男前イエス様 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/17(木) 00:29:01 ID:rydDd9VB0<> す・・・すげえ!!罰当たりだけどすげえ!
まさに神!
ずっと前テレビでやってたユダの福音書の特集思い出した。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/17(木) 01:27:17 ID:Fk2Gfci00<> 駆け込み訴えを思い出した。
GJ! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/17(木) 04:20:03 ID:q5cJpnOUO<> その発想はあったようでなかったわ。
GJ!色々な意味ですげええええ <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/17(木) 18:13:17 ID:x/3Klr7b0<> すげええええ
とにかくGJ! ユダ×イエスは前々から萌えだったけど、より萌えたぜ
ていうか表現が凄い。エロというよりは官能的な魅力を感じる <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/17(木) 19:15:30 ID:cgIOEHrx0<> おおおおGJ……
切ない。そして文章上手い <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/17(木) 21:12:45 ID:hLDS35o30<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     | 振り キャポミハキャポ。ミハ目線で友情以上恋愛未満みたいな。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 振りの前スレの「ミハツの角材キッス」に今更萌え。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> なつのはじまり1/8<>sage<>2008/07/17(木) 21:13:32 ID:hLDS35o30<>
「ミハシ、何やってんの。」
 午後の練習開始前の空き時間、グラウンドの片隅でミハシが1人角材を運んでいる所に、
ハナイがやってきた。
「ハ、ハナイ君!あの、えと、これ!」
 急に声をかけられて慌てたミハシは、説明する前に角材を地面に放り投げてその上に乗った。
「れ、れ、練習!ワインドアップ!…わ、わ、」
 左足を上げてみせる、が、急な動きに足元がふらつく。とっさにハナイが腕を掴んで支えた。
「おいおい、あっぶねーな。」
「う、あ、ありが、とう。」
 気ぃつけろよー、と笑うハナイの言葉にどもった返事を返す。
――ハナイ君、いい人!
 そこでふと考える。
――ハ、ハナイ君も、ピッチャーやるんだよ、ね。
 自分と同い年で主将のハナイは、先日モモエに別メニューを告げられた所だった。
 ちく、と胸が痛むのはもう仕方が無い。マウンドを離したくない自分の性格は、自分でよく知っている。
フルフルと下を向いた頭を振って、勢いよく顔を振り上げる。

<> なつのはじまり2/8<>sage<>2008/07/17(木) 21:14:15 ID:hLDS35o30<> 「ハ、ハナイ、くん!」
「お!?何!?」
 唐突な行動に驚きつつ、ハナイは角材に乗ったままのミハシを支えながら答える。
「ハナイ君も、やる!?」
 ミハシは足の下の角材を指差しながら、半ば叫ぶようにハナイを見た。
 マウンドで投げるのは楽しいけど、チームで勝つのが一番楽しい事を、自分はもう知っている。
それなら、同じピッチャー同士、何かできる事は無いか、そう考えての事だ。
 しかし、この申し出が断られたら、自分がどんな気持ちになるのか分からなくて、不安になった。
「そーだなぁ、いっぺんやらして。」
 ミハシの心を察したのかどうか、ハナイが笑って応じたので、ミハシの緊張が解けた。
「う、うん、じゃあ…ハイッ。」
 嬉しくなって、ひょい、と後ろに下がって地面に下りる。
――あ、あれ?
 降り立った瞬間、わずかな違和感を感じた。
「おお、けっこーグラグラすんのな。」
「え、あ、うんっ。」
 ハナイの声に我に返って少し慌てる。
――あ……
 そうしてハナイのワインドアップを見て、口を引き結んだ。
――俺より、ちゃんと足が上がってる……
 自分よりも体幹がいい。その事に、落ち込んでしまう。
 ハナイは外野手で、マウンドよりもっと遠い所にいる。そこからバックホームできるほどの球を
投げる事が出来るのだ。そういう肩を、恵まれた体を持っている。
 モモエに「全力投球していない」と言われた自分とは、違うのだ。
 胸がざわついた。

<> なつのはじまり3/8<>sage<>2008/07/17(木) 21:14:46 ID:hLDS35o30<>
「……。」
「ミハシ?」
 黙って下を向いてしまったミハシに、ハナイは角材を下りて心配そうな顔を向ける。
「ミハシ、どうした?」
 それでもミハシは顔を上げず、ハナイは眉尻を下げた。俺何かしたっけ?そういう顔だ。
 ミハシは下を向いたまま、ごく小さな声で呟く。
「……ハ、ハナイ君は、ピッチャー、やるんだよ、ね。」
「え?ああ、お前が投げらんない時はな。」
――俺が投げらんない時……
 怪我、不調、球数制限、相手を抑えられない時――
「俺より、バッター抑えられそうな時は……」
 お願いします。
 とは、言えなかった。あの場所にいたいという思いが邪魔をした。
「………。」
 つまらない嫉妬で、言葉が出てこない。

<> なつのはじまり4/8<>sage<>2008/07/17(木) 21:15:27 ID:hLDS35o30<>
「ミハシ、」
 ハナイがため息をついて静かに名前を呼んだ。怒っているわけではないようだったが、
真剣な声に、ミハシはさらに身を固くした。
「ミハシ、お前が1番背負ってんだぞ。みんなお前の事認めてんだから、下向くな。」
「……で、でも、ずっと1番でいられるかどうか、わ、分かんないよっ。」
「それでもお前、マウンド欲しいんだろ?放したくないんだろ?だったら、その思い抱えてりゃ
大丈夫だって!」
「え、な…?」
「お前がマウンド好きで、こーやって努力してんの、みんな知ってるよ。だから、まだまだお前伸びんだから、安心しろ!」

「俺も上手くなっけど、俺が上達してる間に、お前も先に進めんだぞ!」

 自分達はおんなじ時間が与えられてるんだ。
 だったら、一緒に強くなれる。

<> なつのはじまり5/8<>sage<>2008/07/17(木) 21:17:02 ID:hLDS35o30<>
「……ハ、ナイくん、は、強い、なぁ。」
 ため息をつくように言葉が出た。
 自分もそう考えられたら、彼をこんな風に困らせたりする事はないだろうに。
 しかし、ハナイは慌てたように弁解した。
「べっ、別に強くねーよ!ほんとに強かったら大事な場面で空振ったりしねーし、もっとしっかり
キャプテン面してるし、……もっとちゃんと、お前の事励ませてやれてるし。」
「へ?」
「だーからお前はしっかり前向いてりゃいんだよ!ほら!」
 そう言って、ミハシの手を掴んで角材の上に引っ張り上げる。
「おお!?」
 わたわた手を振ってバランスを取る。地面に下りればいいのに、必死に落ちるまいとする。
 その様子を見て、ハナイはフッと笑った。
「お前強くなるから。絶対。」
 笑顔が目の前にあった。
――あ、
 目線が同じだ。
「わわわ」
「うお!?」
 バランスを崩してハナイを巻き込み盛大に倒れこむ。油断した。

<> なつのはじまり6/8<>sage<>2008/07/17(木) 21:17:47 ID:hLDS35o30<>
「……うう、」
「いて……」
 ミハシは痛む口を押さえて起き上がる。ハナイに大丈夫かと尋ねようとして声を失った。
「…………!?」
――オ、オレの口がぶつかったのって、ハナ、ハナイ君の、く、く、く、
 ハナイが手で押さえているのは、ミハシと同じ箇所だった。ハナイはまだ気付いていない。
――ど、どう、どう、どうしよ…
「いって……ミハシだいじょうぶか?」
「!!」
 とっさにバッと口から手を離す。
「あーいってぇ、げ、唇切れた。……ミハシ?」
「なん!でも!ないよ!」
「……なんで万歳してんの。」
「い、い、い、痛くないよ!どこも!」
 どれだけ弁解しても、嘘臭いのはぬぐえない。ハナイも胡散臭そうに見ている。
「……まーいーや。ほんとにどこも怪我してねんだな?」
「う、うん!」

<> なつのはじまり7/8<>sage<>2008/07/17(木) 21:18:18 ID:hLDS35o30<>
 不信そうな目をしつつも、ハナイは追求するのをやめにしたようだった。
 ホッとした拍子にまた口に手をやろうとして、ハッと気付いて手を後ろに隠す。
 それに気付いたハナイの顔が青ざめる。
「まさか、ぶつかったの手か!?」
「ち、がうよ!手、怪我してない!え、えと、頭!オレ、頭突きした!ゴメン!」
 とっさに大嘘をついた。言ったはいいが盛大に目が泳ぐ。それでも本当の事を言うよりは
いくらかマシだ。
「そうか、良かった……。」
「ご、ごめん、ね!」
「いや、俺も悪かった。」
 バレてはいない。ホッとしたけれど、どこか残念なような気持ちもあったのが、ミハシは
不思議だった。
「じゃあそろそろ時間だから集合するぞ。」
「うん!」
 グラウンドの端から集合場所まで走りながら、鼓動が耳に響くのを感じた。のろのろ走る位で、
こんなに心臓は高鳴ったりしない。顔が熱かった。

<> なつのはじまり8/8<>sage<>2008/07/17(木) 21:18:54 ID:hLDS35o30<>
 一歩前をハナイが走る。自分よりも高い位置にある肩が揺れている。
 ふと、さっきの事を思い出した。
 ハナイに角材を貸す為に降りた時の違和感の正体。そして、ぶつかる前の、視線が合った瞬間。
――目の高さ、同じ、だった。
 背の高いハナイと視線が同じだった。
 心臓の音が、響く。
――角材、乗らないと届かないのか…。
 違う。
――乗ったら、届くんだ。
 あの視線にも、唇にも。
 それは、とても素敵で、少し寂しい事だった。
 乗れば届く。でも乗らなければ届かない。今はまだ。
 もっと背が伸びたら、ピッチングに力が付いたら、あの真四角の木に乗らなくても届くだろうか。
「ハナイ君!」
「何だ?ミハシ。」
「な、何でもない。」
 へにゃりと笑って謝ると、変な奴だな、と笑われた。
――ちゃんと届いてる。
 背も力も届かなくても、声は届く。
 今は、1つでも届く物がある事で良しとしようか。

<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/17(木) 21:19:25 ID:hLDS35o30<>
 ____________
 | __________  |     ノンストップ・ヘタレ続行中の
 | |                | |     キャポのカコイイ所が書きたかったんだけど、
 | | □ STOP.       | |     やっと読んだ10巻でミハが男前すぎて投下ためらったw
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |


 発散させてもらいました!ありがとう!

<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/17(木) 21:50:58 ID:Q2uAvUXa0<> ■■■■■■■■■新板スレでの棚増設案の議論について■■■■■■■■■
801系新板設置要望スレにて新板賛成派と反対派の折衷案として
現在の801板に「モララーのビデオ棚」系のスレを増やすという案が出ています。

・創作板が欲しいという理由として
 現在の棚には長編や特殊な嗜好のネタを投下しづらいなどの不満がある、というものがあがり
 それに対して創作板を作ることに反対の立場から
 棚を増やしてカテゴリ別専用の棚などを作ったらどうかという提案がでた。

・創作板賛成派の中にも、
 創作板の需要が多いか少ないか分からない現状、板を作る前に
 棚を増やして様子を見てみようという人が出て来た。

その他、棚とは別の形で新しく創作系スレを作ろうという案も出ています。

801系新板設置要望スレ 4
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1216236381/l50
過去ログまとめ
http://milky.geocities.jp/alal801/newboard/

ぜひ上記スレにて議論にご参加ください。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/19(土) 03:26:41 ID:A/t4FPWc0<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ナマ。 某番組あーでーの3代目×4代目 あの生放送の日捏造
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  3代目変態につき注意、そしてエロ
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ あんまり名前出してないから誰だかわからなくなってる。
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
方言とか分からないから標準語喋ってます、それでもよろしければどうぞ。 <> 生放送の話 1/7<>sage<>2008/07/19(土) 03:27:45 ID:A/t4FPWc0<> 「…終わりましたねえー。」
「ああ。」

事務所の看板番組初の生放送が終わった。
内容は途中はダメかもしれないと思ったが結果は大成功だったように思う。
終わりよければ全てよしというわけだ。
終わったあとは正に宴会状態であった。
酒を飲み鍋を作り、ここがテレビ局であることなんて忘れてしまうくらい。
それほどに大騒ぎをして大いに皆楽しんだ。
そしてすべてが終わった部屋の中は今、凄まじい光景になっていた。

雑魚寝状態、床にスタッフがまるでゲームに登場する屍のように寝転がっている。
しかも番組のメインMCもその中に混じっているのだから信じられない光景である。
今起きているのは少し酔った自分と隣に居てすっかり酔っ払ってる後輩の二人きりだ。

「…どうしたもんかな。」
「もー僕らも寝ちゃえば良いんじゃないですか?」
と言って自分の目の前に立つ後輩。
そういえばこいつ、昔はもっと小心者で、自分を含めて皆を心配させたりしてたくせに
番組を卒業して会わなくなっていたら、いつの間にか変わって、ハキハキ喋るようになって。
昔は自分のことで精一杯といった様子だったのに、今じゃ気遣いとかそういうことが出来るようになっていって
なんだかどんどん自分から離れていく気がして、寂しくなった。

留めておきたいと思った。
人間変わっていくのが当たり前だけど、あのまま。
変わっていくこいつが、受け入れられなかった。
何故だか自分でもわからない、でも後輩の知らない部分が増えていくことが許せなかった。
誰も知らない自分だけが知ってる後輩、それを見つけられたらどんなにいいだろうか。 <> 生放送の話 2/7<>sage<>2008/07/19(土) 03:28:38 ID:A/t4FPWc0<> この感情を抱き始めたのはいつからだろうか。
担当が別々になった頃かもしれない。
いつも失敗すると自分のことを呼んで、困った顔をして、見上げてくる後輩。
その面影は今となってはもうない。
今の後輩は自信に満ち溢れている。
それが自分にとっては面白くなかった。

その満ち溢れた自信をへし折ってやりたい。
修復不可能なくらいバキバキに。
酒のせいなのか自分の押さえつけていたはずのドス黒い欲望が顔を出した。

局で見かけるたび押さえつけてきたこの感情
自信に満ち溢れた顔を見るたびにこの感情は強くなっていった。

全部全部壊してやりたい。
そしてあの顔をまた見せて、自分のものになればいい。
自分はきっと壊れている、最初はきっと純粋な好意だったはずなのに
いつの間にか歪んで歪んでこんな衝動を抱くようになってしまった。

「…隣の部屋のほうがいいんじゃないか、ここは人が多すぎるから。」
もっともらしい理由を付けて後輩を隣の誰もいない部屋に誘導する。
「そーですねー、わかりましたー。」
酒のせいなのか若干呂律が回っていない後輩は、自分のドス黒い欲に気づきもせずとなりの部屋へ行った。
自分も隣の部屋に入り、扉を閉め、鍵も閉めた。
部屋の中は窓はあるが完全な個室だ。
二人寝るには広すぎるくらいの。
<> 生放送の話 3/7<>sage<>2008/07/19(土) 03:29:51 ID:A/t4FPWc0<> 「どの辺で寝ます?」
自分がどんなことを考えてるか気づきもせずに後輩は首をかしげながら聞いてくる。
それが憎らしくて、いとおしくて、俺は後輩を床に押し倒した。
その拍子に後輩の被っていた帽子が宙に舞って床に落ちた。

「い…ッ!なに…ッ!?」
突然のことに後輩は細い目を見開いている。
驚く後輩のことは気にもせず俺は後輩の唇に噛みつくようなキスをした。

「…ん!!んぁ…あ…。」
唇をこじ開けて舌を入れる、部屋の中には水音と後輩の喘ぎだけが響き渡る。
「ん…ふぁ…!や、やめっ…!!」
暫く動きがなかったのだが我に返ったのだろうか、後輩は俺を突き飛ばそうとする。
しかし体格では俺のほうが圧倒的に有利だ。
それを押し返してさらに口付けを深くする。

ようやく唇を開放した頃、後輩の顔は今まで見たことない顔になっていた。
誰も知らない後輩、自分しか知らない後輩。
それが俺の黒い欲を高ぶらせた。

「もっと見せろ…。」
もっと知らない後輩が見たい。
もっと知らない、もっと乱れた後輩が見たい。
<> 生放送の話 4/7<>sage<>2008/07/19(土) 03:31:17 ID:A/t4FPWc0<> 「何言って…んっ…!!」
後輩の着ているTシャツをたくし上げて胸の突起を刺激する。
「んはっ…や…隣に、みんなが…あっ…やめないと、呼びますよっ…!」
後輩は最後の抵抗なのか俺を脅そうとする。
「俺は別に見られてもいいけど、お前はそんな姿見られていいのか?」
男に押し倒されて、胸の飾りをあられもなく出しているその姿を。
そう言ってやると後輩は怯えた表情で俺のことを見上げてくる。
その表情に酷く気分が高揚する。

「その顔、もっと…」
そういいつつ後輩の胸の突起を弄った。
「いっ…あ…ふ…あっ…や、め…」
後輩の声が最初は悲鳴に等しかったのだが段々と喘ぎに変わってくる。
俺は後輩のジーパンのベルトを外し、下着の中に手をいれ、勃ち上がりかけてる後輩自身を握った。

「…あ、そんなっ…ところ…ひあっ!」
先端を軽く爪で押してやると悲鳴に似た声を出す。
違う、悲鳴が聞きたいのではない、もっと乱れた声が欲しい。
ジーパンと下着を取り去り後輩自身を上下に擦る
「ん…はっ…やめて…くださ…っん、あ…はあっ…」
その言葉を無視して後輩自身を擦るのをより激しくする。
「っ!あ、いや、だ…はなし…ッ!あ、や…あああっ!」
限界だったのか後輩は精液を俺の手の平に放った。
荒く呼吸する後輩に、もう抵抗するう気力はないらしい。 <> 生放送の話 5/7<>sage<>2008/07/19(土) 03:32:00 ID:A/t4FPWc0<> 俺は後輩の後ろの窪みに、精液を塗りつけた。
慣らすようになぞると一本指を入れていく。
「…いた!…そんな、と、こ、…!!」
やはり痛いのか後輩が悲鳴を上げる。
「すぐ慣れるから声我慢しろ、それとも、気づかれたいのか?」
このままあんな声を上げられたのでは隣で寝ているであろうスタッフ達が起きてしまう。
俺としてはもっとその悲鳴が嬌声に変わる過程を楽しみたいのだが、気づかれては元も子もないため
我慢するように促した。

一本指が入り、慣らすように抜き差ししていく。
確か男には前立腺とか言う気持ちの良くなる部分があると聞いたがそこがどこなのかいまいちわからない
「ん…、くっ…あ…ひっ!?い、あ…そ、こ…!!」
適当に指を入れて奥でぐいっと指を曲げた瞬間とある一点をかすめ、声を我慢していた後輩が今までとは違う嬌声を上げた。
「ここ…ね、我慢しろよ。」
指をもう一本増やしてそこを更に刺激する。
「ん、ぐっ…あ、は、いやだ…こんなっ…!!」
こんなことをされて身体を震えさせながら快楽を得ている自分を認められないのか後輩は首を振る。
俺はそれを認めさせるためにより指の動きを早めた。
「あ、ぐ…んっ…ん…くっ!」
後輩は必死に声を抑えようと空いている手で口を押さえている。
その必死に抑える姿がもっと見たくて、指を増やした。
「ひ!…ぐ…あ、ッ!ん…、ふあっ…。」
十分に秘所を弄んだ後、指を抜き去る。 <> 生放送の話 6/7<>sage<>2008/07/19(土) 03:32:31 ID:A/t4FPWc0<> 「おねが…も、やめてくださいっ…お、れ…こんな、こんなのっ…。」
口を押さえていた手を外し、喘ぎながらも懇願してくる後輩。
その表情は今にも泣き出しそうだった。
それを無視して俺は自身を取り出し、秘所に宛がう
「…なにか、したなら、謝りますから…。うら…か、さんに…俺、は…」
「別にお前は何もしてない。」
後輩の言葉を遮って冷たくそう言い放つ。
変わっていく後輩が許せなくて、いとおしくて。
俺の知らない後輩を他人が知ってるのが嫌で
その溜まりに溜まった自己中心的な狂った愛情をぶつけているだけだ。
とても愚かしい事をしているのはわかっている。
だが一度すべて吐き出すまで止めることなんて出来なかった。


俺は後輩の秘所に自身を一気に埋め込んだ。
「あ、ああああああっ!!」
後輩は悲鳴を発する。
無理もないだろう、十分に慣らしたとはいえ秘所に男を受け入れたことなど一度もないはずだから。
「いた…い…ん、ぐっ…」
慣らすように腰を動かし、前の後輩自身も擦ってやる。
後輩から漏れる悲鳴が、次第に変わっていく。
「あ、い…っ…!はっ…あ、はあっ…!」
腰を揺さぶるうちに嬌声をあげて泣きながら俺に縋り付いてくる。
「はあっ…ん、んっ!ふ、ああっ…。」
あの自信に満ちていた表情なんてもう見る影もない。
それを満足気に俺は見ると、より深く、激しく腰を揺さぶった。 <> 生放送の話 7/7<>sage<>2008/07/19(土) 03:33:17 ID:A/t4FPWc0<> 「んあっ!あ、あ、や、ぅ…らか…さ…俺ッ!!」
「っ…のうえ…!」
互いに名を呼びながらより深く中を抉り、激しく前を擦った。
「あ、あっ!い、あああっ…!!」
「―ッ!!」
後輩は俺の手の中に、俺はそれに少し遅れて後輩の中から自身を抜き去り、白い下腹部に欲望を吐き出した。

後始末を終え窓を開く。
冷たい風が室内に入り込んできた。
後輩はあの後気を失いそのまま眠りに入ったため近くのソファに寝かせた。毛布は十分にかけておいたので起きはしないだろう。
窓際で煙草をふかす。日が昇りかけていて辺りは少し明るくなってきているがまだ皆が起きる気配はない。

後輩の目が覚めたとき、きっと自分は拒絶の言葉を投げかけられるだろう。
あんなことをしたくせに、俺はそれが怖かった。
煙草を灰皿に押し付けて火を消す。窓を閉めて後輩の寝顔を覗き見る。
「…ごめん。」
この言葉は、後輩に届くことはきっとないだろうけど。

「  。」

その言葉を最後に俺は部屋を出た。
最後の言葉を寝ているはずの後輩が聞いていたことを、俺はまだ知らない。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/19(土) 03:35:31 ID:A/t4FPWc0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ いやもう本当に土下座します、ごめんなさい。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
二人が好き過ぎて書いた、ありがちな終わり方でスマソ。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/19(土) 04:24:48 ID:x86RHhnC0<> >>219-227
もしかしてその2人って失敗した時に漏れる声がエロい後輩と
メインの人をサポートする時の名台詞を生み出したできすぎる先輩ですか?
萌えました!GJです(*´∀`) <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/19(土) 12:24:01 ID:OjBYpo2Y0<> おもいきり捏造です、なまダメな方はスルーしてください。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> 追いつめられた夏 1/3<>sage<>2008/07/19(土) 12:25:50 ID:OjBYpo2Y0<> 三時間待ったが、食堂に彼は来なかった。
あまり良く食べるほうではないけれど、
さすがに丸々食事を抜くということは考えられない。
平静ではないことは容易に想像ができた。
いつもなら彼の車の助手席に同乗している後輩も今日はいなかった。
自分の中で思いつめてしまう彼のことだから、ここに戻ってくるまでに、
気持ちを切り替えることができずにいたのではないか。
仲間だとか同士だとか、名前の付く関係になってから一年と半年、
互いの存在を認識していたのはもうすこし前。
それなりに彼のことを理解してきた、という自負はある。
ここにいるだれよりも、自分が。

自分の部屋に向かう、その通路の途中に彼の部屋があって、
そのことを思い出してしまうともう知らないふりはできなかった。
放っておいてほしいと、そう言われるだろうことも読めた。
ただ、その言葉を額面通りに受け取って行動する必要もない。
やらなかったことを後悔しても、次につながることはない。

選択を誤って、あのひとには何度も何度も怒られている。
裏なのか表なのか、どちらを選ぶべきかは正直まだよくわからない。
期待をしてくれているのは本当にありがたいし、痛いほど感じているのに、
今の自分では、あのひとの求める最低ラインにも届いていない。
ただ、大事なのは根拠だ、自分がなぜそうするのかという過程を説明できさえすれば。 <> 追いつめられた夏 2/3<>sage<>2008/07/19(土) 12:26:30 ID:OjBYpo2Y0<> 部屋の前で名前を呼び、ノックをしても返事はない。
普段ならその時点で引き下がる。今日、そうしなかったのはなぜだろう。
その理由を探しながら、何気なくノブを回すとドアが開いた。
ベッドの上に転がる、たいせつな、

「なに、おまえさあ、勝手に」
「鍵、閉めててよ。むしろいるなら返事して」

ふいと逸らされた顔がすべてを物語る。
女の子が騒ぐきれいな顔をしているのに、
負けん気が強くだれよりも男らしい性格をしている彼のことだから、
人前で泣くことなどその自尊心が許さないに違いない。
それが誇らしくて、居たたまれなくて、助けてやれなくてごめん。
言うと、彼がうっすらと笑う。

「お前のせいじゃないよ、わかってるでしょ」

疲労のせいだけにはできない、弱りきった表情が痛々しい。
彼の大事な右腕が持ち上がり目元が隠された。
床には荷物がまるごと放り投げられてあって、着替えてもいない。
窓も締め切ったままの部屋で、ずっと、なにを考えていたのだろう。
あの場所ではなにを考えていたのだろう。 <> 追いつめられた夏 3/3<>sage<>2008/07/19(土) 12:27:08 ID:OjBYpo2Y0<> 「それでも、なんとかしてやれたらよかった」

ただ、無心で彼の仕事に専念させてやれたらいちばんなのだけれど、
余計なことを考えさせてしまっている、
その原因はきっと自分にもあるはずだった。

人間が動いているのだから、調子のいいときも悪いときもある。
それを補ってやれないのでは、自分の存在価値はない。
そう叩き込まれているし、全く以てその通りなのだ。
機械でもできる繰り返すだけの動作を自分がやる意味がない。

すこしでも責任を押し付けてくれたらいいと、そう思ったのは一度や二度ではないのに。

「お前のせいじゃ、ないよ」

ひとりで重圧を背に、責任を負わされることを当然のこととして、
なにもかも排除したひときわ高い場所に立つ。
本当にわからない理解しがたいイキモノだ、
あのひとが言うのを何度も見聞きしていたが、改めて実感する。
その場所に近付くには、どうしたらいい。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/19(土) 12:28:43 ID:OjBYpo2Y0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/19(土) 14:43:35 ID:VjL5/5Q0O<> >>223

> 「何言って…んっ…!!」
> 後輩の着ているTシャツをたくし上げて胸の突起を刺激する。
> 「んはっ…や…隣に、みんなが…あっ…やめないと、呼びますよっ…!」
> 後輩は最後の抵抗なのか俺を脅そうとする。
> 「俺は別に見られてもいいけど、お前はそんな姿見られていいのか?」
> 男に押し倒されて、胸の飾りをあられもなく出しているその姿を。
> そう言ってやると後輩は怯えた表情で俺のことを見上げてくる。
> その表情に酷く気分が高揚する。

> 「その顔、もっと…」
> そういいつつ後輩の胸の突起を弄った。
> 「いっ…あ…ふ…あっ…や、め…」
> 後輩の声が最初は悲鳴に等しかったのだが段々と喘ぎに変わってくる。
> 俺は後輩のジーパンのベルトを外し、下着の中に手をいれ、勃ち上がりかけてる後輩自身を握った。

> 「…あ、そんなっ…ところ…ひあっ!」
> 先端を軽く爪で押してやると悲鳴に似た声を出す。
> 違う、悲鳴が聞きたいのではない、もっと乱れた声が欲しい。
> ジーパンと下着を取り去り後輩自身を上下に擦る
> 「ん…はっ…やめて…くださ…っん、あ…はあっ…」
> その言葉を無視して後輩自身を擦るのをより激 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/19(土) 15:42:07 ID:ZYW3u57V0<> >234
どうしたどうした <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/19(土) 15:44:07 ID:GOhRbH5b0<> あ、それからどーした <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/19(土) 16:10:31 ID:WRPnmN/KO<> >>234
意味がよく分からない <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/19(土) 17:02:18 ID:zst1JYoM0<> 間違って送信ボタン押しちゃったんだろ
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/20(日) 02:08:31 ID:x5eiXyrF0<> ナマモノ注意。
需要がないのは分かっているが今日だからこそ。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
<> 君が行く前に 1/3<>sage<>2008/07/20(日) 02:10:13 ID:x5eiXyrF0<> ロッカーのベンチに、着替えもせずにじっと座っている。
ガリガリと右手の爪を噛んで、叱られた小学生みたいに拗ねて膝を抱えている。
着替えようとアンダーシャツを脱いだ俺の背中を、ベチンと音を立てて手のひらが叩く。
「いってえ!」
音の割りにはそれほど痛くなかったが、俺は大声で叫んだ。
何も答えないので、振り返ることはしなかった。
ベチン。
「いってえ!」
また俺は叫んだ。それでも何も言わない。今度はちょっと痛かった。
でもやっぱり、振り向いても掛ける言葉はないから、俺は背中を向けたままだった。
ベチン。
「いってえ!」
3回目は、かなり痛かった。俺の背中は手のひらの形に赤くなっているだろう。
寄ってきた人影が、小柄な身体を屈めてベンチの上の顔を覗き込んだ。
「悔しい?」
「うー」
「泣きたい?」
「うー!」
「ですって」
そう言って、肩を竦める。さすが宇宙人、猫の言葉が分かるらしい。 <> 君が行く前に 2/3<>sage<>2008/07/20(日) 02:11:38 ID:x5eiXyrF0<> 俺はため息を吐いて、振り向くとバスタオルを頭から被せてやった。
ついでに、泣きやすいように思い切り頭にげんこつを落とした。
 ゴチン。
「うー!」
バスタオルの端をぎゅうっと掴んで、猫が叫んだ。
まだ足りないらしい。背中のもみじのお返しだ、あと2回分は殴ってもいいだろう。
ゴチン。
「うー!」
少し俯いて、叫んだ。もう1回。
ゴチン。
「うー!・・・っう、え・・・」
ようやく足りたのか、大きく息を吸い込んだ。そのまま、肩が震える。
「っひ・・・うっ・・・う・・・」
ぐすん、と鼻を啜る音が聞こえた。バスタオルを強く握ったままの指先が、白くなっていた。
ついでのように、小柄な手のひらがバスタオルの上からぐしゃぐしゃと頭を掻き混ぜた。 <> 君が行く前に 3/3<>sage<>2008/07/20(日) 02:12:31 ID:x5eiXyrF0<> 「うー・・・」
俺たちはため息を吐いて顔を見合わせた。
手間のかかる奴だ。
北京で打たれたら、誰の背中にもみじを作るのだろう。誰に猫語を通訳してもらうのだろう。
他人事ではあるが、何となく心配になって俺はバスタオルを引っ張った。
取られまいと抵抗する頭が、タオルごと俺の胸に収まった。
今度は手のひらで、軽く頭を叩く。隣からも手が伸びて、同じように頭を叩く。
「うー・・・っ」
浅い呼吸を繰り返して、猫が唸る。
俺は頭を叩きながら、言った。
「・・・今度は、俺たちに投げさせろな」
小さく、頷いた。
「俺たちが、いるんだから」
隣で呟く声にも、頷いた。
強化合宿まで、あと1回しか登板機会はない。そこで勝てなければ、こいつは自分を失ったままだろう。
せめて7回まで投げきれば、後は何とかしてみせる。お前に勝利を挙げてやる。
どんな時も、俺たちがついてるぜ。
いつもライトスタンドに響く歌を、俺は小さく呟いた。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/20(日) 02:13:37 ID:x5eiXyrF0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

すっきり勝って旅立ってもらいたいなあ。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/20(日) 11:12:56 ID:4Ioe+AxQO<> 萌えどころ連続でキテター(*´д`)

>>229
あのひと が分かってニヤニヤしたw <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/20(日) 21:41:55 ID:5MZPK2HYO<> 金曜放送中ドラマより会長×弁護士。
裏風味ですのでご注意を。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> 罪深い人 1/11<>sage<>2008/07/20(日) 21:43:13 ID:5MZPK2HYO<> かっちりとしたスーツを着た1人の男がホテルのロビーに佇んでいる。
男からは言いようのない重厚感と、それでいてどこか儚い危うげな空気が醸し出されていた。

どちらかと言えば小柄な背丈に、黒い髪。
前髪がかかる瞳は黒く深い海のようだった。
その瞳が時刻を確認するために手元の腕時計へ向けられる。

「成瀬くん」

その時、一人の白髪の男性が男へ声をかけた。

「…芹沢会長。お待ちしてました。」

成瀬と呼ばれた男は、顔を上げると白髪の男性に柔らかく微笑んだ。

それに気を良くしたのか、芹沢という名の男は成瀬の肩へ手を掛け、エレベーターへ向かうように促した。

「顧問弁護士になってくださると決まったからには、早々に話を進めなければなりませんなぁ」

はい、そうですね。と笑顔を崩さず成瀬は頷く。

顧問弁護士に関する話だというのに芹沢の秘書は本日不在だ。
その意味は、暗黙の了解で成瀬も理解していた。 <> 罪深い人 2/11<>sage<>2008/07/20(日) 21:44:48 ID:5MZPK2HYO<> エレベーターに二人揃って乗り込むと、沈黙が襲ってくる。

「…素敵なホテルですね。」

最初に言葉を発したのは成瀬だった。
ガラス張りのエレベーターの中からホテルの設えを静かに眺める。

ここは芹沢の経営するホテルである。
褒められて悪い気のする者などいない。
芹沢は満足げに笑みを浮かべると、成瀬をじっと見つめた。

その絡み付くような視線に気付かないふりをして成瀬は「着きましたよ」と小さく呟いた。 <> 罪深い人 3/11<>sage<>2008/07/20(日) 21:45:56 ID:5MZPK2HYO<> 部屋に入り鍵を閉めると芹沢はソファに座り、正面に成瀬が座るように促した。
とりあえず最初は形だけでも仕事らしく装おうということだろう。
しかし、成瀬はそれに応じなかった。

「会長、遠慮は無用ですよ。…会長の好きなようになさって下さい。」

立ったまま、芹沢を見下ろし微笑む。
その微笑みはいつものように柔らかく優しいものではなく、果てしなく淫靡で妖艶だった。
成瀬より三十も上の芹沢は、これまでこの様な経験を幾多となくしてきており、成瀬をリードする自信があった。
しかしこの微笑みひとつで、その自信はあっけなく崩れ去った。
思わず芹沢の喉が鳴る。

「…その目、すごく好きです。」

成瀬は欲情した芹沢の目を見つめながら自分の弁護士バッジをはずしてテーブルの上に置いた。

「私は弁護士の前に一人の男です。会長だって…そうでしょう?」

芹沢はその言葉に我慢ならず勢い良く立ち上がると、成瀬の腕を掴み寝室へ押し込んだ。 <> 罪深い人 4/11<>sage<>2008/07/20(日) 21:47:08 ID:5MZPK2HYO<> 成瀬は荒々しくベッドの上に放り投げられる。
覆い被さるようにして芹沢が乗り上げてきた。
急に二人分の体重が掛かったベッドのスプリングはギシギシと音を立てた。

「成瀬くん…」

切羽詰まった顔で芹沢が成瀬を見つめる。
しかし尚も成瀬は落ち着いていて、余裕のない芹沢にクスリと笑みを雫した。

「邪魔なので…取らせて下さい」

成瀬は芹沢の眼鏡をそっと外すと、自ら目を閉じて芹沢からの始まりの合図を待った。

芹沢は目の前の小さな赤い唇に目を奪われ、下半身が熱くなっていくのを感じながらその唇に貪りついた。

成瀬から匂い立つ色気は異常なほどで、角度を変えながら何度口付けても物足りない気がした。
今度はうっすらと開いた隙間から舌をねじ込んでいく。

「ん、…っぁ…」

その時成瀬から漏れた声は、日頃の冷静沈着な彼からは想像がつかないような甘い声で、更に芹沢を翻弄した。 <> 罪深い人 5/11<>sage<>2008/07/20(日) 21:48:09 ID:5MZPK2HYO<> 互いの服を脱がし合い、下着とボタンのはずれたワイシャツを身に纏うだけの姿になった頃には、唇は唾液で赤く濡れそぼり息も上がっていた。

芹沢が成瀬の胸の飾りに手を伸ばす。
触れた瞬間、成瀬の体が強ばった。

「…どうした?」

「いえ、何も…。」

固く唇を結び顔を背ける成瀬。
ただ感じているだけだろうと解釈した芹沢は特に気を止めず愛撫を続けていった。

「…っ…は、ぁ…っ」

胸の突起は徐々に赤く硬く尖っていき、芹沢はそれを愛おしそうに見つめた。
舌先でそっと転がしてやると、成瀬は熱い吐息を漏らす。

最初の余裕がなくなってきている成瀬の姿に、芹沢は安心していた。
人を征服していくことに慣れている芹沢には、主導権を握られることはやはり向いていないのだ。 <> 罪深い人 6/11<>sage<>2008/07/20(日) 21:50:27 ID:5MZPK2HYO<> 「ほら…ここを触ってみなさい」

成瀬の手を取り芹沢自身へと導いていった。

「あ…」

「熱いだろう?君がこうさせたんだよ」

成瀬は潤んだ瞳で芹沢を見上げると、握った手をゆるゆると動かし始めた。
芹沢からは低い呻き声が漏れ、眉間に寄った皺が年上の男の色気を感じさせた。

芹沢も負けじと成瀬のものに手を伸ばす。

「…っ!」

成瀬はビクンと逃げるように腰を引く。
しかし、逃がさないぞといったように芹沢は成瀬の腰を引き寄せ勃起している成瀬自身を扱き始めた。

互いの熱くなったものからは先走りの液が漏れ、シーツを濡らしていく。

「会、長…っ」

「…っ…ここで会長はやめなさい」

「…っ芹沢さ、…あ、あ、あっ───」


芹沢より先に頂点へ達した成瀬は熱い白濁の液を勢い良く噴き出した。
びくんびくんと腰の震えを止めることが出来ない。 <> 罪深い人 7/11<>sage<>2008/07/20(日) 21:51:28 ID:5MZPK2HYO<> 「はぁ……はぁっ…」

成瀬がある程度落ち着いたことを見計らうと、芹沢は精液を受け止めた指を成瀬の双丘の奥へと忍ばせていった。
…と、この時初めて成瀬が芹沢の手を止めた。

「…なんだ?」

体の高ぶりを早く成瀬の中で解消したい芹沢は、少し苛立った口調で問い詰めた。


「………初めて、なんです」


「え?」

成瀬が消え入りそうな声で呟いた言葉に耳を疑い顔を覗き込むと、なんとも言えない切なげな表情がそこにはあった。
伏せた長い睫毛が僅かに震えている。

芹沢は成瀬のこの表情を見て、心底愛しいと思った。 <> 罪深い人 8/11<>sage<>2008/07/20(日) 21:52:59 ID:5MZPK2HYO<> 「大丈夫だよ。優しくするからね。男とするのが初めてなら恐いかもしれないが─「…違います。」

「…え?」

「性行為をするのが………初めてなんです。」

潤んだ瞳からは今にも涙が零れ落ちそうだった。

こんなにも美しい男が今まで男女を問わず性体験をしたことがないなんて、そして今自分がその男を奪おうとしているなんて。
芹沢の胸は高鳴っていった。 <> 罪深い人 9/11<>sage<>2008/07/20(日) 21:54:04 ID:5MZPK2HYO<> 成瀬の左足を抱え上げ、蕾を露わにする。
人差し指で周囲を撫でてやると、そこはヒクヒク収縮した。

「…欲しいんだね。大丈夫だよ、今すぐあげるからね…」

汗でしっとりと額に張り付いた漆黒の髪を芹沢が優しく掻き分ける。


クチュッと卑猥な音を立てて芹沢の指が成瀬の中に進入していった。
成瀬は、羞恥でどうにかなってしまいそうだった。

この日のために男同士のセックスについてある程度知識をつけてきていたつもりの成瀬だったが、やはり実際に行為をするとなるとそう簡単なものではない。

「あぁ、や、だ…っい、あ、……っ!」

それでも精液や唾液を潤滑油にして指を動かしているうちに、成瀬のそこは少しずつ多い本数の指を受け入れられるようになっていった。
初めてということもあり充分に慣らしてから芹沢を受け入れる必要があったため、その作業は根気強く続けられた。

「あぁ……っ」

既に喘ぐことしか出来なくなっていた成瀬に、硬くそそり立った芹沢自身があてがわれた。
先端が成瀬の中に挿入されると成瀬は目を見開いた。
喉元を反らして芹沢にしがみつく。
芹沢はその首筋に唇を落とし、更に奥へ奥へと腰を進めていった。 <> 罪深い人 10/11<>sage<>2008/07/20(日) 22:07:46 ID:R4RLdqCo0<> ─────


どのぐらい時間が経ったのだろうか。
朦朧とする意識の中、成瀬はぼんやりと瞳を開き天井を見上げた。
横に顔を向けると芹沢が眠っている。
確認したところ、後処理も済んでいるようだった。
初めての行為に意識が飛びかけていたが、なんとか終わらせられたことに成瀬は
安堵していた。
芹沢が目を覚まさないようにそっとベッドから降りると、シャワーを浴びて自分
のスーツを身に纏う。
ボタンを一番上まで留め、ネクタイをきつく締める。
成瀬はテーブルに転がっていた弁護士バッジを手に取って静かに眺めた。 <> 罪深い人 11/11<>sage<>2008/07/20(日) 22:08:43 ID:R4RLdqCo0<> 「──私は弁護士である前に一人の男です。そして、一人の男である前に………
邪悪な心を持った悪魔なのです。」

成瀬はそう呟き微笑むと、今日から始まったこの関係が復讐の一環であることを
知る由もない芹沢を残して、ホテルの部屋を後にした。
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/20(日) 22:10:11 ID:R4RLdqCo0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

すいません途中で規制くらって時間かかりました。
タイトルの罪深い人は会長も弁護士も両方ってことで。
お邪魔しました〜 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/20(日) 22:43:38 ID:4x6bumqR0<> >>245
ガン萌えキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
初物弁護士にピカピカに禿げました!会長もイイ!
最高にいやらしすぎる二人本当にごちです。 <> レ/○/大前編<>sage<>2008/07/20(日) 22:57:31 ID:Uon0abxI0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  某昭和の大スターとその周辺の人々の話
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  ベース×スター、なついTVも有
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ キセツカンナシダゾゴラァ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> レ/○/大前編1/10<>sage<>2008/07/20(日) 22:58:28 ID:Uon0abxI0<> それは、少し昔に見た風景。

大晦日と、

テレビと

家族との語らいが、

今よりももっと価値あるものだった時代の

ものがたり。



両手を硬く握りしめ、彼はずっと目を閉じていた。
厳かなBGMに続いて、司会者の丁寧な言葉遣いが聞こえる、

「それでは、今年の------大賞を発表致します。」

会場内が静かにざわめき立つ。
今年、この一年でもっとも価値あるこの賞をとるのは

誰なのか
彼なのか
それとも---- <> レ/○/大前編2/10<>sage<>2008/07/20(日) 22:59:14 ID:Uon0abxI0<> ざわめきが悲鳴にも似た歓声に変わる
それは、彼の名前が壇上から告げられた時だった。
強張った表情が一瞬緩んだとたん、彼の頬に、涙が伝った。
これまでの苦しみを洗う
喜びの涙が。

昨年の不祥事による賞レースへの辞退。
自ら招いたこととはいえ、アイドルの生命線とも言えるテレビに出ない日々。
だからこそ、今年は確固たる結果を出さなければならなかった。

その為に、
誰よりも華やかな衣装に身に包み、
誰よりも艶やかに唄って見せた。
自らは「見られるモノ」という信念の元に。
部屋の中で、鬱屈した気持ちでテレビを見続ける日々、
もう二度と、あの思いを味わいたくはなかった。

彼の悲壮な決意は、元々華やかだった彼の容姿に陰りを帯びさせ、
一層艶やかに彼を彩った。

誰もが彼に目をやった。
あるものはその華美に嫌悪し
あるものはその色香に酔いしれ
あるものはその奇抜さを笑った <> レ/○/大前編3/10<>sage<>2008/07/20(日) 22:59:53 ID:Uon0abxI0<> それでも、目をそらして通り過ぎることは出来なかった。
一心に歌い続けている彼から目を離すことは出来なかった。

そして今、
彼は、
今年一番輝けるものとして、
日本中のものに見守られながら、
豪華なステージに登っていた。

多くの、彼を守り続けた人達に囲まれて。
その年の終焉を飾るにふさわしい、
もっとも権威あるステージで、
彼は唄う。
涙を流しながら。

おれはまちがっていない
おれがすすんでいるみちは
まちがってなどいないんだ
心の中で、そう叫びながら。

周りの男たちも、彼の歩き続けた波乱を思って、
涙ぐんだ。
過去の苦しみを思う涙と、
今は喜びの涙を。 <> レ/○/大前編4/10<>sage<>2008/07/20(日) 23:00:34 ID:Uon0abxI0<> 「それでは、昨年の彼の活躍を祝しまして、乾杯」
「乾杯!」
シャンパングラスが重なり合う小さな音が、部屋中に響き渡る。

年が明けた深夜1時半、
事務所の社長宅で行われた、彼への祝賀パーティー。

社長宅での催しのため、集められた人は多くはなかったが、それで
もフラッシュがそこかしこから焚かれていた。
これでもマスコミ制限をしているのだから、「今」の彼への注目は
どれだけのものだろうか推して図るべきである。
多少辟易しながらも、満足げにグラスに口をつける。
シャンパンのほのかな甘みが、乾いた喉に心地よかった。

「・・・大したものだな。」
背後からの声に、振り向く。
厳格な瞳が、この夜は少し和らいで見えたのは、気のせいだろうか。
「貴方の顔に、これ以上泥を塗っては面目が立ちませんから。」
真摯な表情で答える。
何よりも責任を重んじた彼の、心からの言葉だった。
「そうか・・・。」
肩に手を置かれる。
「この一年、本当に良くやった、おめでとう」
少しだけ口元を綻ばせ、柔らかな声音でねぎらいの言葉をかけられる。
「・・・ありがとうございます。」
涙が出るのを必死にこらえて、俯いて感謝の言葉を述べる。 <> レ/○/大前編5/10<>sage<>2008/07/20(日) 23:01:18 ID:Uon0abxI0<> 感謝しなければならないのは自分の方なのに、
皆の優しさが、心か胸をうずかせた。

暖かい余韻にひたっているところに、こっそりと耳打ちされた言葉。
「ほとぼりが冷めたようだし、地下にある俺のプライベートルームに行きなさ
い。」
「え・・・!?」
問いかける彼の言葉をふさぐように続けられる台詞。
「少しそこで休んでおくがいい、あとは適当にこちらで進めておくから。」
「しかし・・・。」

ホストがいないパーティーは問題があるのでは。
難色を示す彼に社長は畳み掛けた。
「これは、命令だ、行きなさい。」
「・・・分かりました。」
渋々と背中を向けて、人ごみの中から消えていく彼の姿を眺めながら、社長は愛
飲の煙草を取り出した。
側近に火をつけさせ、燻らせる。
「・・・我ながら俺も、粋な計らいをするね。」
自分を自画自賛しながら、満足げに煙を吐き出した。



階上の喧騒が嘘のように、静まり返ったフロアに降りる。
広い空間の中で、こっそりと隠されたように作られたドア。
こういう部屋に入るのは、余り好きではない、

淫靡な取引は、たいていこういう場所で行われていたから。 <> レ/○/大前編6/10<>sage<>2008/07/20(日) 23:02:02 ID:Uon0abxI0<> 自らも進んでその餌食になったからこそ、分かる。

「・・・違う。」
弱々しく頭を振って、忌々しい記憶を振り払う。
今はそんなことを思い出さなくてもいいはずだ。

意を決して、彼はドアノブを開けた。
「・・・誰ですか?」
見覚えのある低い声が、中から聞こえた。

まさか
彼が
ここに

思わず早足でに部屋の中に入る。
「お前・・・。」
そこにいたのは
見慣れた
長身の影
男も驚いて、腰を浮かして自分を見つめていた。
「本当に・・・来たんか・・・。」
戸惑いがちに彼を見つめる。
嬉しいはずなのに、
「社長が・・・ここに行けって言うから・・・。」
何も知らされてないのが悔しくて、つい拗ねた口をついてしまう。
「そうか・・・。」 <> レ/○/大前編7/10<>sage<>2008/07/20(日) 23:02:47 ID:Uon0abxI0<> 後ろ頭をかいて、決まり悪そうに男は俯いた。
「俺も・・・あの後ここに引っ張られてな・・・とにかく待ってろって言われ
て・・・。」

ばつの悪い空気が二人の間を流れる。
やがて覚悟を決めたように、男が顔を上げた。
「あの時、ちゃんとお前聞いてなかったやろうから、もう一度言うわ。」
「・・・何を?」
目を上げた彼の前に、優しげに笑う男の顔があった。
「・・・おめでとう、ようがんばったな・・・。」

あの時
歓声に混じって
微かに聞こえたかれの言葉

「あ・・・。」
様々な思いが
フラッシュバックのように
胸からあふれ出て、
そっと差し伸べられた手
それにすがり付いて
そのまま、男の胸に顔を埋めて

彼は泣き続けた。
思いのたけを
全身で伝えるように。 <> レ/○/大前編8/10<>sage<>2008/07/20(日) 23:03:24 ID:Uon0abxI0<> 男は何も言わずに、
泣きじゃくる彼の髪を
優しく撫で続けた。

肩の震えが落ち着いた頃、、
男は彼の顔を両手で包んだ。
いやいやと弱々しく抵抗する彼に構わず、その涙を唇で拭う。
頬に、瞼に、優しく口付けを落とす。
彼の動きが大人しくなった時、涙伝いに優しく唇を触れ合わせた。
男の唇の温もりに、彼は切なげな吐息を漏らす。
その吐息を吸うように、もう一度男は彼の唇を吸った。
彼の身体を強く抱きしめて、今度は力強く、深く。
彼も男に答えるように、何度も角度を変えて、彼の舌を迎え入れた。

互いの唇を離した時、彼の唇から、互いの唾液の残滓が一筋あふれ伝った。
「・・・・口直しやな。」
はにかんだ笑顔で言われて、男は首を傾げた。
「何が?」
「さっきキスされた」
苦笑いを含めて言われた唐突な発言に、思わず彼の肩を掴んだ。
「誰に!?」
笑いながら彼が答える。
「『あの人』に、会場で・・・。」
男の力が抜ける。
「ああ、『あの人』ね・・・。」
その様子なら先ほど見知っている。 <> レ/○/大前編9/10<>sage<>2008/07/20(日) 23:04:00 ID:Uon0abxI0<> 舞台袖で突然の彼の叫び声と、満面の笑みで去っていった著名な演出家の姿を。

「・・・いつかやるんじゃないかとは思ってたけどね、あの人なら。」
互いにあきれ混じりのため息越しにつぶやく。
「何、お前、焼きもちも焼いてくれんの?」
男の胸を軽く叩いて、彼が抗議する。
「相手があの人じゃ、怒る気になれんよ。」

常々から彼の美しさと色香を絶賛し、彼の為なら死ぬことすら厭わないと公言し
ている人だから。

「お前もキス一回くらい、見逃してやれ。」
「何やそ・・・。」
反論する彼の唇を、もう一度軽いキスでふさぐ。
唇を離して、吐息が触れ合う距離で囁く
「その代わり。」
彼の背中を優しく撫でる。
「俺はキス以上の事をさせてもらうから。」
「・・・あほか」
顔を赤らめて、俯いて彼が呟く。
その耳元に優しく問いかける。
「お前は、嫌なんか・・・?」
返事の変わりに、弱々しく首を横に振る彼の姿が、とてつもなく愛らしく、いと
おしくて。
男はもう一度、彼の身体を強く抱きしめた。
二度と離さぬと言わんばかりに。 <> レ/○/大前編10/10<>sage<>2008/07/20(日) 23:04:36 ID:Uon0abxI0<> 「・・・苦しいわ、あほ。」
彼の声に、思わず身体を離す。
幸せそうに笑う、彼の姿がそこにあった。
胸が熱い。
「・・・とりあえず、風呂入ろうか?」
想いを誤魔化すように、彼に問いかけた。
「ここ、バスルームあるんか?」
「ああ、社長が言っとったで。」
彼の背中に手を回し、浴室へと促した。
「・・・つくづく世話焼きな人やな・・・。」
ぶつぶつと毒づきながら、素直に従う彼の姿が可愛らしくて、忍び笑いをもらし
た。
「ちょい待ち。」
浴室から出て行こうとする男の手を引き、彼が言う。
「一緒に入ろうや。」
「おい・・・。」
ためらう男の首に手を回し、彼のほうから肩に顔を埋める。
「時間、余り無いんや。」
それに、と彼は男の耳元で囁く
「お前なら、どんな場所でも優しくしてくれるやろ・・・?」
挑発的な言葉を、わざと切なげに囁きかける。
彼の手が、男の背中から太股へと伸びる。
その手を強引に掴み、男は彼の顎を強く掴んだ。
「どうなっても知らんで、ほんまに・・・。」
そのまま彼の唇を塞いだ。 <> レ/○/大前編<>sage<>2008/07/20(日) 23:05:34 ID:Uon0abxI0<> ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 長くなったので区切ります
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> レ/○/大後編<>sage<>2008/07/20(日) 23:30:25 ID:Uon0abxI0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  某昭和の大スターとその周辺の人達の話
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  ベース×スター、さっきの続きです。
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<> レ/○/大後編1/10<>sage<>2008/07/20(日) 23:31:21 ID:Uon0abxI0<> 両手で彼の服を脱がしにかかる。
タキシードの上着を落とし、首のタイを外す。
ベストとシャツのボタンを同時に外し、上半身の衣服を剥ぎ取る。
ベルトを外し、下着ごとスラックスを下ろす。
最後の靴下も強引に取り去って、彼を一糸纏わぬ姿にした。
唇を離し、彼の肢体を見つめる。
白い、蠱惑的な肌に、黒い髪が艶やかに光る。
何度も見ているはずなのに、いつもいつも、その美しさに息を呑む。

「・・・先・・・行ってるから。」
気恥ずかしさに後ろを向いた彼を、思わず後ろから抱きすくめた。
「・・・何・・・。」
「・・・おれはそんな、聖人君子やないで・・・。」
彼の露になった尻に、猛った股間を押し付ける。
彼の顔が一気に朱に染まった。
「や・・・・。」
彼の腕から離れようと、身をよじる。
「・・・本当に・・・・嫌なんか・・・。」
荒い息にまじって、男が問いかける。
「せめて・・・服は脱げや・・・お願いだから・・・。」
彼が弱々しげに首を振る。
「お前がここから動かないのなら、ここで脱いでやるわ・・・。」
「・・・・分かった。」
彼の腰から腕を離す。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/20(日) 23:33:14 ID:hC1Mb777O<> >>245
名前そのまんまはやめてorz <> レ/○/大後編2/10<>sage<>2008/07/21(月) 00:00:22 ID:yJ5jwUzV0<> 背後から、乱暴な衣擦れの音が聞こえてくる
彼の耳に。
怯えているはずなのに、自分の右手が、自分自身を慰め始めていた。

何を期待しているのか
いつもとは違う男の荒々しさに
彼の息遣いが、男と合わさって荒く変わっていった。

右手の動きが激しくなる。
その手を強く掴まれて、彼は男の方に向き直った。
「何一人でよがってるんや・・・。」
強い声音と視線に、一気に羞恥で身体が熱くなる。
逃げようとする彼の腰を左手で掴み、背後から覆いかぶさる。
「俺も・・・気持ちよく・・・してや・・・。」
熱く猛った男の亀頭が、彼の尻の割れ目を行き来する。
「ああっ・・・。」
窪みに亀頭が当たる刺激に、彼の口から声が漏れた。

このまま彼を受け止めたい。
だけど
このままいけば

「お願い・・・いきなりは・・・・裂けるのはいやや・・・。」
泣きそうな声で男に哀願する。
「・・・・分かった。」 <> レ/○/大後編3/10<>sage<>2008/07/21(月) 00:01:00 ID:yJ5jwUzV0<> 男の右手が、彼の陰茎に伸びる。
「・・・ぁああ・・・っ・・・。」
根元から先端まで、かれの掌で弄ばれる。
亀頭の窪みから先走りがあふれて、男の右手を濡らした。

彼の顔に、男が右手をかざす。
「・・・・これ・・・・お前の中に入れるで。」
自分の淫液でぬらぬらと光る男の指先。
恥ずかしさで目尻から涙がこぼれた。

彼の涙をを舌先で拭いながら、男の右手が尻の割れ目を伝う。
人差し指で、ぐるりと窪みの周りを撫でられる。
「い・・・やぁ・・・ああっ・・・。」
彼の声に呼応するかのように、ゆっくりと指が挿し込まれる。
「う・・・く・・・・ぁあ・・・。」
人差し指を一本、その後、中指を二本
その動きを示唆するかのように、指を抜き差しする。
「あ・・・・ああっ・・・・い・・・ぃ・・・。」
彼はもう、何の抵抗もしなかった。
自然に腰が指の動きに合わせて動いている。
零れる涙は、もう苦痛や哀願ではなかった。

「ひあ・・・っ?」
乱暴に指を彼の孔から抜き取る。
そのまま両手で彼の腰を掴むと、男は乱暴に自分の亀頭を彼の中に埋め込んだ。 <> レ/○/大後編4/10<>sage<>2008/07/21(月) 00:01:39 ID:yJ5jwUzV0<> 「ああっ・・・・ああああ------っ!!」
彼の悲鳴を聞かずに、そのまま根元まで陰茎をねじ込む。
苦痛と快感がない交ぜになって、彼の身体ががくがくと震えた。
「辛いか・・・?」
耳元で囁く。
こくこくと彼の顎がゆれる。
「辛くても・・・今は我慢してや・・・。」
予想外の男の言葉に、彼が驚いて振り返った。
男は笑いながら苦しげに言う。
「俺が・・・我慢出来そうに無い・・・。」
そのまま乱暴に腰を叩きつける。
「いや・・・・やぁ・・・・ぁああああ!」
逃げようとする腰を両手で押さえつけ、倒れそうになる膝を持ち上げるように高
く突き上げる。
その度に、彼の背中が弓なりにそり、喉を仰け反らせて大きく喘いだ。
悲鳴を上げる姿とは裏腹に、彼の内側は男のモノをきつく締め付け、射精を促す
ように何度もひくついた。
まるで、男の形を知り尽くしたかのように。

「あ・・・あ・・・・ぁ・・・!」
男の動きが早くなる。
その度に彼の口から泣き声にも似た喘ぎ声が漏れる。
「そんなに・・・嫌か・・・?」
申し訳なさそうに、男の口から、彼に問いかけられる。
動きは止めないままで。 <> レ/○/大後編5/10<>sage<>2008/07/21(月) 00:02:18 ID:yJ5jwUzV0<> 「お・・・前はっ・・・・あ・・・ほ・・・かっ・・・!」
「え・・・?」
思いがけない彼からの叱責に、思わず男の動きが止まる。
「止めんなっ・・・あほっ・・・!」
「え?え・・・?」
彼が男の右手を掴み、強引に己の陰茎を掴ませる。
「あ・・・・。」
そこは絶頂寸前まで上り詰め、先端から液をたらし続けていた。
「お前も・・・男なら分かるやろっ・・・。」
「あ、ああ・・・。」
もどかしさと羞恥で顔を真っ赤に染め上げながら、彼は男を叱り付ける。
「こんなんなってて・・・・嫌な訳ないやろっ・・・。」
「うん・・・うん・・・・。」
愛しさの余り、彼の身体を後ろから抱きしめる。
「嫌なら・・・当の昔にけり倒して出て行っているわ・・・!」
震える項に、何度も口付けを落とす。
「だから・・・だから・・・っ。」
早く、もっと
「ごめんな・・・。」

彼が動きはじめる。
前にもまして、深く、激しく。

「ひあっ・・・。」
先端ぎりぎりまでペニスを抜き出し、又奥深くまで突き入れる行為を繰り返す。 <> レ/○/大後編6/10<>sage<>2008/07/21(月) 00:02:58 ID:yJ5jwUzV0<> 彼自身の先走りと、男の出した先走りが交じって、女性器で交わっているような
音が聞こえた。
「いぃ・・・う・・・ぁああっ・・・・もう・・・・も・・・う・・・!」
彼も男に負けじと腰を振りたてる。
共に絶頂に駆け昇る為に。

「なあ・・・中で・・・ええ・・・か・・・?」
苦しげな声で、男が問いかける。
それを
「いい・・・・いい・・・・っ・・・・から・・・・もう・・・!」
息絶え絶えに喘ぎながら、彼は頷く。
男のものに串刺しされて、快感に身体をわななかせて。
男は彼の身体を強く抱きこみながら、最後の最後まで力強く腰を打ちつけた。
「ぁ・・・・・ぁあああああ!」
「・・・・ううっ・・・・。」
彼が身体を仰け反らせて、精を迸らせる。
絶頂のきつい締め付けに男も彼の中に精液を流し込んだ。
「・・・ぅあ・・・・。」
熱い濁流を身体の中に感じて、彼が又昇り詰める。
太股から足元まで、彼の精が伝っていた。




結局、当初の予定通り、バスルームは一人ずつで入ることになった。 <> レ/○/大後編7/10<>sage<>2008/07/21(月) 00:03:33 ID:yJ5jwUzV0<> 「お前の服、思ったより皺になってなくて良かったわ。」
彼が浴室から出てくると、男は彼の衣服を丁寧にクローゼットに吊るしていた。

「・・・これなら、すぐ出て行っても怪しまれんかな・・・。」
寂しげに彼が呟いた。
「・・・もう、行くんか?」
男が問いかける。
出来ることなら
ここに居て欲しいと思いながら。

「・・・やっぱり・・・主役がふけちゃまずいだろう。」
そこには、
先程の彼とは違う、
自らの仕事に徹する男の表情があった。
「・・・そうか・・・。」
そんな彼を止められる訳が無い。
男は寂しげに笑いながら、彼の肩にシャツを羽織らせた。
「俺が・・・着させるわ・・・ええかな?」
彼は目を伏せて、静かに頷く。

男は先程とは逆に、彼に下着をはかせ、シャツのボタンを留め、スラックスのベ
ルトを締め、ベストを着せ、タイを締めた。
「・・・脱がせるときは、すぐやったんやけどな・・・。」
最後に上着を羽織らせながら、男は苦く笑った。
彼も同意するように、小さく笑った。
手串で彼の髪を優しくすいて、形を整える。 <> レ/○/大後編8/10<>sage<>2008/07/21(月) 00:04:05 ID:yJ5jwUzV0<> 「これで・・・大丈夫かな・・・。」
「ああ・・・・。」
鏡を見ながら、彼が答える。
「ありがとうな・・・。」
男に優しく笑いかけながら、彼は男の手から離れた。
ドアノブに手をかける。
その背に手を伸ばそうとして、男はその手を硬く結んだ。

彼の意思を、彼の行く末を、
決して邪魔してはならない。
彼が闘う世界から逃げた自分が、今彼に出来るたった一つのことなのだから。
血が出るほど強く掌を握る。
その時、彼が振り返った。

「・・・・・!?」
倒れそうになるほど、強く男の胸に飛び込んだ。
「本当は・・・・。」
かすれそうなほど弱々しい声が聞こえる。
「本当はな・・・・。」
ずっとこうしていたいんや
ありったけの彼の想いがこめられた、男への告白。
「分かってる・・・分かってるから・・・。」
彼の髪を撫でながら、何度も頷いた。
彼の顔を両手で包み込み、
もう一度、優しく口付ける。
「・・・俺はいつでも、お前の側におる。」 <> レ/○/大後編9/10<>sage<>2008/07/21(月) 00:04:38 ID:yJ5jwUzV0<> 泣きそうな彼の唇に何度もついばむように唇を落とす。
「だから、心配せんでええ。」
いたわる様に。


「・・・ありがとう・・・。」
泣き笑いの表情を浮かべて、今度こそ、彼は部屋を後にした。

寂しげな空間に残った、彼の残り香。
それは、この部屋に入ってきた時の、
口付けながらじゃれ合っていた時の
彼と熱く交わっていた時の
最後に彼と交わした口付けを
思い出させて。

男は浴室に向かった。
彼の香りを、洗い流すために。



パーティー会場はまだ人の熱気で溢れていた。
まるで彼が過ごした時間が、幻だと言わんばかりに。

「・・・戻ったのか。」
振り返ると、社長が拍子抜けした表情でそこに立っていた。
「そのまま居ても、よかったんだぞ?」 <> レ/○/大後編10/10<>sage<>2008/07/21(月) 00:05:09 ID:yJ5jwUzV0<> 「そういう訳にはいかないでしょう。」
社長の言葉に、彼は笑って否定した。
「俺が、この場の主役です。」
凛とした姿勢で、言葉を紡ぐ。
「主役が居ないパーティに、何の意味があります?」
薄く笑いながら、かれはきびすを返して、人いきれの中に入っていった。


「・・・いい男になったな・・・。」
思いもかけぬ本音が、冷徹な男の唇から漏れた。





全ての苦難も
哀しみも乗り越えて
美しい虚栄の薔薇が、
今、鮮やかに咲き誇っていた。 <> レ/○/大後編<>sage<>2008/07/21(月) 00:06:49 ID:yJ5jwUzV0<> ____________
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<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/21(月) 00:13:09 ID:9kQskwDH0<> 乙です
最高に楽しませてもらいました
途中まででも満足してたら
こんな素敵な後半がっ!! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/21(月) 00:25:37 ID:PdBlGVAR0<> >>259
乙です!
一部実話が入ってますねw <> 充電メガネ<>sage<>2008/07/21(月) 00:49:03 ID:OZ9nYusW0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     | メガネくん×弁護士+チンピラ。みたいな。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| つゆだくおいろけむんむん。って脳内補足よろ。
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<> 充電メガネ1/6<>sage<>2008/07/21(月) 00:49:53 ID:OZ9nYusW0<>
『冷静に、なれましたか。』

掠れても綺麗な高音の声で話すその人は、その部屋に在る清浄だった。
たとえその身が欲情にまみれつくした残骸に包まれているとしても。


<> 充電メガネ2/6<>sage<>2008/07/21(月) 00:50:28 ID:OZ9nYusW0<> ヤツに身を任せたと聞かされ、他の誰かとのそれが目的の為だと分かってはいても
抑えきれなくなってしまったのは、ヤツが付けた痕を見つけてしまったからだ。

執拗な行為を思わせるそれからヤツの哄笑が聞こえてくるようで我慢が切れてしまった。

僕が幾度汚しても清らかな彼を、ヤツが欲情のままに扱ったのかと思うと
ねじ殺してやりたい怒りが膨れ上がり、それが僕の爛れた欲を引きずり出したのだ。
<> 充電メガネ3/6<>sage<>2008/07/21(月) 00:50:53 ID:OZ9nYusW0<> 昨夜も崇めるようにそっと彼に触れた。

細く途切れ途切れの喘ぎを洩らして彼が一度放って弛緩したその身に、
僕は小さな口づけを繰り返していた。

彼が誰かに身を任せる度に、彼を覆う皮膚という皮膚すべてを僕の唇で清めたいと思う。
偏執的なその行為を彼は嫌がるから、要所にとどまるのだけど。

昨夜も僕にとっての儀式めいたその行為の途中で気がついた。
すべらかな内腿の皮膚に赤紫色の変色を。それも一つではなく痛々しい程に。

穢れてしまったその場所を治すようにゾロリとなめ上げると、
彼が喉を反らしてあえやかな吐息を洩らした。

瞬間、カッと頭の中が熱くなった。

何故。なぜ。ナゼ。
こんな行為を許したのか。こんな場所を吸われたのか。こんな媚態を見せつけるのか。

僕以外の誰かに。
<> 充電メガネ4/6<>sage<>2008/07/21(月) 00:51:24 ID:OZ9nYusW0<> そこからはもう、覚えていない。
途中幾度も制止の声を聞いたように思う。

『っ…ぁ、もうっやめ、っ』

『止めません。酷くされるのが好きなら僕でもいいでしょう。』

制止されても行為を止めずに、両の足首を掴み開いたように思う。
そのまま膝立ちした自分の高さに引き上げて不安定な彼の身体を貫いた。
幾度も。


『ぅ、ぁ…っ、くっっぅ』

『貴方をくれると約束したんだ。僕のものだ。全部っ』

胡坐の上に抱き込んで突き上げながら、空ろな瞳を覗き込んでキスをした。
口腔を犯すように苦しげな呼吸ごと奪いつくすように。
幾度も。

<> 充電メガネ5/6<>sage<>2008/07/21(月) 00:54:24 ID:OZ9nYusW0<> そうして貪り尽くした彼が意識を失って初めて、僕は。

爛れた淫欲をぶつけてしまった悔恨で打ちひしがれ、
制止は受けたが拒絶はされなかったという望みにすがろうとして。

互いの放った体液と汗とにまみれた、行為の残骸のようなシーツに埋もれて
うつぶせた彼が意識を取り戻して震えるように息を吸い込む。

反対に僕は、緊張に強張る体を吐き出した息で弛緩させた。
冷静になれましたか。と問われ、謝罪すら言葉にできずに黙りこんでいると、
彼が酷く億劫そうにもう一度口を開いた。

<> 充電メガネ6/6<>sage<>2008/07/21(月) 00:55:14 ID:OZ9nYusW0<>
「私が信じているのは貴方だけです。」

ゴクリ。と喉が鳴った。歓喜に呼吸が止まる。

「僕、だ、け。」

嗚呼、我が君よ。自分が特別だと思ってもいいのですか。


「それだけでは不満、ですか。」

「いいえ!…いいえ。」

ベットで動けない彼に取り縋って泣き出してしまう僕の頭を、ゆっくりと彼の手のひらが撫でていく。

疑った僕をどうか許して下さい。
僕が信じているのも貴方だけ。
貴方だけが僕の価値なのです。

<> 充電メガネ<>sage<>2008/07/21(月) 01:00:04 ID:OZ9nYusW0<>
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<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/21(月) 01:12:08 ID:BzbQaRZxO<> >>286
GJです姐さん。
主従萌える。
貴方だけ、なんて弁護士に言われたらイチコロですね。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/21(月) 01:14:44 ID:+/MDb1Ct0<> >>293
また神ktkr
とても良い主従です本当にry
色気大放出のつゆだく弁護士と素敵に粘着なメガネくんごちそうさまでした。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/21(月) 01:18:10 ID:+tTu7YO50<> 結構なつゆだくでした。
すごいセリフを億劫そうに言う弁護士がイイです。
メガネのキモい域の盲信とのギャップがなんとも・・・ <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/21(月) 01:20:15 ID:xDNPlQvm0<> >>286-293
禿 萌 え た ! !

主従倒錯的すぐる!!最後のセリフにやられた!!
正直メガネくんビズ的にイマイチだったのに、目覚めさせられてしまったよ! <> イケナイ太陽(ゴンゾ イイヅカ→ヒビノ)<>sage<>2008/07/21(月) 01:29:35 ID:RrAYPEad0<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |      まったくエロくないよこれ
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|        勢いのみで書いたらしいよ。
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<> イケナイ太陽(ゴンゾ イイヅカ→ヒビノ)<>sage<>2008/07/21(月) 01:30:18 ID:RrAYPEad0<> 彼は光だった。
重く暗くどろりとしたイイヅカの闇を唯一照らしてくれる、彼はその名の通りの太陽だった。

「そんなのは幸せとは言えねえ、イイヅカ」
シャブで捕まり取り調べを受けている時、彼は真っ直ぐにイイヅカを見つめてそう言った。
確かシャブに手を出した理由を幸せになれるからだと答えた時だったか。

子供のころから要領が悪く、要領のいい周囲の人間に好いように使われてロクな人生を歩んでこなかった。
だからシャブに手を出したのもごく自然な流れだった。
周囲に色々な物を奪われ続けたイイヅカにシャブは色々な物を与えてくれた。
澄み渡った視界。
濁ったこの世界が明るくなった気がした。
いつもの何倍も速く回転する頭。
己の最悪な現状を頭脳で打開できる気がした。
どこまでも溢れ出る自信。
自分が劣等な人間であることを忘れることができた。
えもいわれぬ快感と幸福感。
快感も幸福もない彼の人生に彩りを与えてくれた。
シャブ中になってから初めて、イイヅカは「幸福」を実感することができた。 <> イケナイ太陽(ゴンゾ イイヅカ→ヒビノ)<>sage<>2008/07/21(月) 01:31:07 ID:RrAYPEad0<> そんなイイヅカが幸福に包まれているところに現れたのが若い女刑事である。
そして、取り調べに現れたのはもう少し年上の、つまりイイヅカとあまり変わらない年の彼だった。
彼はきっぱりとイイヅカの「幸せ」を否定した。

「シャブが与えてくれる幸せなんざまやかしだ」
「……俺は、幸せになれました」
「俺ぁな、イイヅカ。幸せっていうのは簡単には手に入れられないんだと思う。
 苦労して努力して手に入れるんだと思う。だから簡単に手に入る幸せなんて嘘だ。
 確かに世界はお前に優しくないんだろう。俺には分からない苦労だって色々してるんだろ?
 だったらまやかしの幸せなんかで満足してちゃだめだ。
 ちゃんと本物の、嘘じゃない幸せを手に入れろ。お前にはその権利がある。―――お前になら出来る」
彼は何回も、ゆっくりと噛んで含めるようにイイヅカに話してくれた。
シャブでぼんやりしている頭にも沁み込むようにとの考えだったのだろうと思いついたのは
ムショに入って薬がだいぶ抜けてきてからのことだった。 <> イケナイ太陽(ゴンゾ イイヅカ→ヒビノ)<>sage<>2008/07/21(月) 01:31:53 ID:RrAYPEad0<> 一回覚えた「幸福」から抜け出すのは楽ではなかった。
かつて逃れ出たはずの世界の闇は彼を再び飲み込んだ。
それはかつてのものより遥かに色濃く凶悪だった。
どろりと重い倦怠感に包まれ頭も体も心も働かなくなった。
辛かった。苦しかった。何故自分だけがこんな目に合うのかと悲しくなった。
シャブを使えばここから逃れられる、と思ったのも一度や二度ではない。
しかし、イイヅカはまともに働かない頭でただ一人の顔と言葉をひたすら反芻した。
幸せになる。幸せになる。幸せになる。
お前になら出来る。お前になら出来る。お前になら出来る。

幸せになるのだ。
シャブを抜いた体できちんと働いて、その金で手土産でも買って井の頭署に挨拶に行くのだ。
あるいは彼が非番の日なら昔の自分を笑い話に酒の一つも奢ってもいい。
きっとお日さまのように笑って話を聞いてくれるに違いない。

それは、イイヅカの唯一の光だった。
イイヅカの闇を照らして進むべき道を指し示してくれる太陽、明るい道しるべだった。
<> イケナイ太陽(ゴンゾ イイヅカ→ヒビノ)<>sage<>2008/07/21(月) 01:32:57 ID:RrAYPEad0<> ―――しかし、彼は失念していた。
太陽は暖かく周囲を照らすだけではないのだ。
近づきすぎれば周囲を一瞬で燃やし蒸発させてしまうのだ。

彼が可愛がっている後輩が撃たれたとか。
彼が失敗続きだったとか、功に焦っていたとか。
見下していた人間が何故か彼より重用され気が立っていたとか。
そんなことはイイヅカの知る由もなく。
とにかくあの日、太陽はイイヅカを完膚なきまでに焼き尽くした。


結局、とイイヅカは思った。。
結局自分は光など望んではいけなかったのだ。
自分など、このままどろどろした闇に沈んでしまえばいい。溶けてなくなってしまえばいいのだ。
いま、光を失ったイイヅカは完全な闇の中に居た。

……それでも、再びお日さまが降り注ぐことを心のどこかで望んでいる自分が、彼はとても嫌だった。


<了> <> イケナイ太陽(ゴンゾ イイヅカ→ヒビノ)<>sage<>2008/07/21(月) 01:34:34 ID:RrAYPEad0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 勢いのみで走ってたな
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/21(月) 01:42:12 ID:JwtqS8Mv0<> >>303
おおお、ここでゴンゾSS(しかもイイヒビ?)が見られるとは思わなかった!
E塚セツナス…ヒビノの言葉信じてやってこられたのにポッキリ裏切られて…。
この先またお日様に照らされる日を自分も望みます。萌えました、GJ! <> げげげ実写 ぬら×夜叉<>sage<>2008/07/21(月) 04:01:09 ID:nKHKSEh50<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  鬼太郎 実写映画版 ぬらりひょん×夜叉
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  夜叉に萌えすぎてやってしまった
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ あんま絡んでないかも
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> げげげ実写 ぬら×夜叉(1/5)<>sage<>2008/07/21(月) 04:03:12 ID:nKHKSEh50<> 暗闇の中で、夜叉は目を覚ました。
体を起こしてみると、あちこちからぱらぱらと砂や小石が落ちる。
あたりを見回してみるが、とにかく真っ暗で何も分からない。
分かるのは、鬼太郎に負けた、ということだけだ。
夜叉は“夜叉”になる前から負けたことなどなかった。
なるほどこれが敗北か、と、意識を失う寸前、妙に悟った記憶がある。

そういえば、ぬらりひょんはどうなったのだろう。
夜叉が遠い祖国から海を渡ってこの国へやってきたのも、元はといえばあの男のせいだ。
しかしどういうわけか、あの男に手を引かれたその後、どうやって海を渡ったのか、なぜ自分が異国の妖に手を貸すことを承諾したのか、全く思い出せない。
が、思い出せないなら、まあ、その程度のことだったのだろう。
今となってはどうでもいいことだ。夜叉は立ち上がる。目も慣れてきた。
とりあえず、肌身離さず持ち歩いていたはずの胡弓を探さなくては。
その昔、なぜだか忘れてしまったけれど、夜叉が夜叉になる前から大切にしていた、唯一のもの。

<> げげげ実写 ぬら×夜叉(2/5)<>sage<>2008/07/21(月) 04:04:02 ID:nKHKSEh50<> 胡弓を探してうろうろしていると、ぐにゃ、と変な感触のものを踏んだ。

「…?」

そっと、踏んでしまった何かから足を退ける。
足の下にいたのは、白目を向いて倒れているぬらりひょんだった。
生きているのか、死んでいるのか…
確かめるべきか否かと首を傾げかけた時、夜叉の視界の端にもっと衝撃的なものが映った。


<> げげげ実写 ぬら×夜叉(3/5)<>sage<>2008/07/21(月) 04:05:04 ID:nKHKSEh50<>

+++




暗闇の中で、ぬらりひょんは目を覚ました。
体のあちこちが痛い。
やれやれ、今回は鬼太郎にやられたようだと溜息を零して体を起こす。
辺りは真っ暗で、ほとんど何も見えない。
ただ、耳を済ますと、何やら不協和音が響いていた。
べん、べべん、と、何となく三味線のようにも聞こえたがそれにしても音程がはっきりしていない。
まるで壊れた楽器から無理矢理音を出そうと四苦八苦しているようだ。

「…酷い音だ」

思わずそう呟くと、ぴたりと音が止み、肌に刺さるような殺気が向けられた。
この殺気は、

「夜叉…か?」

<> げげげ実写 ぬら×夜叉(4/5)<>sage<>2008/07/21(月) 04:06:12 ID:nKHKSEh50<> 口に出してみてからよくよく目を凝らすと、彼は驚くほど間近にいた。
ついまじまじと見つめると、殺気は和らいだが、何とも恨みがましげに此方を見ている。
手に持っているのは、胡弓。しかしそれはほとんど原形を留めていなかった。
弦は殆どが切れているし、胡弓自体、ところどころが欠けている。
先ほどの不協和音がこれから発せられていたのだとすると、音が出たことすら奇跡に思えた。
ぬらりひょんの視線を気にすることなく、夜叉はそれからまた幾度か弦をいじったり、弓剣で弾いてみたりといじらしく頑張っている。
しかし、それもやがて諦めたのか、肩を落とし、再びぬらりひょんを睨んだ。
お前のせいだ、とでも言いたいらしい。まあ、そうだろう。
ぬらりひょんが夜叉をこの地に連れて来なければ、鬼太郎と戦うことにはならなかっただろうし、恐らく彼にとっては初めてになったであろう敗北を味わうこともなかった。

「お互い、酷い目に遭ったものだな」

<> げげげ実写 ぬら×夜叉(5/5)<>sage<>2008/07/21(月) 04:07:13 ID:nKHKSEh50<> 呟く。夜叉は微かに首を傾げたようだった。
言葉とは裏腹に、ぬらりひょんがうっすら微笑んでいたからだろう。
そう、確かに酷い目にあった。他の妖を配下に置き、ガシャドクロを蘇らせ、そして…この様だ。
結局自分は、最初から独りだったのだと、再度自覚しただけの話だった。
鬼太郎にそう言った時、一種の虚しささえ感じた。けれど。

壊れてしまった胡弓を未練がましくいじりまわしている夜叉を見て思う。
たくさんのものを失った。あってなかったようなものだ。
今のこの状況は、結局はふりだしに戻ったようなものなのだと思う。
それでも、この青年が傍にいることが、唯一の変化で、それが少しだけ、ぬらりひょんを微笑ませる。
独りではないのかもしれないという、事実が。


――さて、次は何を企もうか。


まずは脱出か、と、未だぬらりひょんを不思議そうに見つめる夜叉を見ながら、思うのだった。


<> げげげ実写 ぬら×夜叉<>sage<>2008/07/21(月) 04:12:26 ID:nKHKSEh50<>
 ____________
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 以上です。夢見過ぎだな、自分
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/21(月) 10:12:53 ID:/50RO0+XO<> >>311
姐さんGJ!!!!!
約束守ってくれてd。いいよー、夜叉かわいいよー。いじらしい子!
これから二人で全国行脚の旅にでるわけですね。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/21(月) 10:20:59 ID:IgWnkGEi0<> >>303
GJ!!
E塚x費美乃の関係が凄く良い感じに書かれてて萌たw <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/21(月) 13:45:25 ID:ERmhOkksO<> 週刊飛翔 勇/者学 豚盾
無理矢理・首絞め・尻切れ蜻蛉

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/21(月) 13:46:32 ID:ERmhOkksO<>  なんだかんだで馴染みつつある部活が終わり、鍵を返しに職員室へ。鍵はゲームに負けた奴が返しに行くから大体まさゆきか俺、でもまぁ冷房のきいた職員室は嫌いじゃない。
「失礼しましたー」
 殆ど人のいない職員室に挨拶をしてドアを出れば、あっという間に汗が流れ出す、これじゃ学校を出るまでに脱水起こして死ぬ。
「あっちー」
 流れる汗を拭おうとした手が真後ろに引かれた、咄嗟に浮かぶのは先に帰った筈の自称勇者、道端で襲われるのも随分慣れて叫び声一つあげる気にならない、引っ張り込まれたのは男子トイレ。
「お疲れ様」
 声を聞いたのと姿を見たのは殆ど同時で、違和感とか以前に軽く思考が飛んだ。そう言えば俺を引いた手はじっとり汗ばんでいたし未だに掴まれている手首にやたらと肉々しい感触が伝わる。
「…………あー豚、お疲れ」
 腕を軽く引いたのも気にしない風でがっしり俺の腕を握っている、豚は変な奴で気持ちは悪いがそんなに悪い奴でもない、でもって俺はなんでその豚にトイレに引っ張り込まれたんだろう。
「何か用?」
 廊下と比べても籠っている分湿気も気温も高いトイレ、学校だから掃除も適当だし臭いしであんまり長居したくない、用事がないなら帰ろうと一瞬豚から目を離した瞬間、思いきり身体を突き飛ばされた。
「いって!!」
 汚いタイルの床に尻餅をついた上壁に目一杯頭を打ち付けた、痛いし汚い、そして豚は未だに手を離さない。
<> 豚盾2<>sage<>2008/07/21(月) 13:49:44 ID:ERmhOkksO<> 「……どけよ」
 トイレに座っているのも十分に不愉快だけど、豚のボンレスハムみたいな腕の方がずっと気持ち悪い、ふざけてプロレス技をかけてくる鋼野が正常に思えるくらいだ。
「河野はさ……」
「ん?」
「正直……留年して同じクラスとは言え……僕の方が年上な訳であって…やっぱり年上や目上は敬うべきだと考えないと将来的に………」
 半笑いの豚がブツブツと呟く、半分位しか聞き取れないし聞こえている部分もろくな事じゃない。
「わかったから、どけっての」
「……」
 豚はやれやれと無駄なポーズをとってやっと俺の手を解放した、自由になった手首を見れば今迄見た事がないくらい赤い、我ながら不憫だ。つーかこんな異常事態を大しておかしいと思わない事が何より不憫だ、いくらなんでも。
「え」
 俺の腕を離した豚の手が俺の首に張り付いた。汗をかいた豚の手の平と、同じように汗ばんでいる俺の首はピッタリ密着している、ブヨブヨの親指が喉に添えられて下を向いたら息が出来なくなる。下を向かなければ苦しくはない、ただひたすら恐い。
「何……お前」
 気持ち悪い笑い方、足元から冷えて行くような気がした、恐い。
 何をされるんだかわからない、そもそもなんで?豚?鋼野じゃなくて?俺コイツとほとんど話さねーよ。
「河野ってちょっと女顔だよな……ブヒヒ……」
「別に女顔、って事は…………ないな」
 嘘じゃない、まだ男も女も変わんないような年ならいざ知らずこの年になってそんなん言われた事はない。
「ほら、でもなぁ、ブヒ、ブヒヒ」 <> 豚盾3<>sage<>2008/07/21(月) 13:50:40 ID:ERmhOkksO<>  でもなんなんだよ。マヨネーズやドレッシングでもかけられて頭からバリバリ食われるんだろうか、それとも会話の流れとしては、もっと酷い、ことをされる、か。俺の首に触れていない手が制服の上から腹を撫でた。



「っかしーな」



 聞き慣れた声がして豚の手が止まった。先に帰った筈のその声がすぐ近く、トイレの数メートル手前辺りで聞こえて怖いだけだったところに少しだけ希望が見えた、トイレに寄るかもしれない、俺に気が付くかもしれない、叫べば声が届く筈。
「じゅーん」
 トイレの目の前で大きく俺の名前を呼ぶ声、『せんせい』なんてらしくない叫び声を上げようとした瞬間に両手で強く首を絞められ、程なく俺は意識を失った。 <> 豚盾<>sage<>2008/07/21(月) 13:53:00 ID:ERmhOkksO<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

最初タイトルなくてすみませんでした。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/21(月) 16:58:05 ID:gosl+40Z0<> 放送中断の隙を突いて質問。

元ジャンルありの二次創作だけど、パラレルとかIfとか
元ジャンルの世界観とちょっと違うネタは投下OKだろうか。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/21(月) 19:18:25 ID:wqHAXHMB0<> >>319
最初に元ジャンルの名前(伏せでも)と共にパラレルだと明記してあればおkではないかな。
書ければ具体的にどんなパラレルなのかもあれば苦手な人は避けられるだろうし。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/21(月) 23:55:42 ID:jwuls8pNO<> >>318
まさかの勇者/学キタww
GJ、萌えたよありがとうw <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/22(火) 02:42:28 ID:ChEZQpL9O<> >>229
遅レスですが
まさか彼らを読めるとは!!感激ですありがとう! <> 天使の仮面<>sage<>2008/07/22(火) 17:47:48 ID:uxwwwjq10<> 金10放送のドラマのチンピラ×弁護士ものです。

*)作者の好みにより、以下↓
・前置き長し
・昭和の香り
・ガイシュツのネタと矛盾する内容→弁護士は百戦錬磨の小悪魔系
となっておりますのでご注意下さい。
規制回避のため、一度切ることになると思いますが
宜しくお願いします。


|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> 天使の仮面 1/10<>sage<>2008/07/22(火) 17:51:45 ID:uxwwwjq10<> 「先生〜、俺・・・」
狙い済ましたように、事務所の昼時にかかる電話。
甘えたフリをしながら、面白がっているあいつの声。
「これからそっち行っていい?近くまで来てんだけど」
― 冗談じゃない、押しかけられるのはご免だ。
そう思いながらも、弁護士には彼の要求を無碍には断れない
理由があった。
「昼休み中ですが、少しならご相談に乗れるかもしれません」
とってつけたような返答を自分でも充分意識していたが、
仕方がなかった。嫌がる素振りを見せたら、却って相手を
喜ばせるだけだということも承知していた。

事務所はガランとしていた。元々スタッフの数は多くない。
仕事が順調に行っている時は、スタッフにはゆっくり昼休みを
取らせ、自分は部屋でひとりで昼食をとるのが習慣だった。
その方が落ち着いた。
部屋の扉が、さも当然のように黙って開けられるのを弁護士は見た。
意外にも黒の上下に白いワイシャツという格好のソウダは
ニヤニヤしながら入ってきた。タイこそ締めていないが、髪も少し
撫で付けたような跡さえ窺える。
「こ・ん・に・ち・は」
弁護士の全身に舐めるような視線を這わせながら、もったいぶった
口調で近づいて来る。机の上の昼食は既に片付けられていた。
冷たい水を入れたグラスだけが、うっすらと汗をかいていた。 <> 天使の仮面 2/10<>sage<>2008/07/22(火) 17:56:44 ID:uxwwwjq10<> 「どうしたんですか?」
弁護士は相手を見ずに口を開いた。絶望に打ちひしがれる依頼人や、
怯える依頼人の心を解きほぐす、自愛に満ちた表情と声で。
正面に立って見下ろすソウダの目には、伏し目がちの弁護士の睫毛
がやけに長く、そしてその柔らかな頬に淫靡な影を落としているよう
に見えた。まるで自分を誘っているかのように。
ソウダはごくりと唾を飲み下した。
「先生、俺ねぇ、“就活”してきたの」
そう言って、自慢げに自分の服装を見せびらかす。
弁護士は少し笑ったように見えた。鼻から軽く吐息が漏れるのを聞く。
「ひでぇ、笑わないでよ。これでも俺真面目なの」
ソウダは目をこちらに向けようとしない弁護士の視線を捕まえたくて
机に上半身を乗せるような格好になった。
「何だよ先生、俺のこと全然信用してなくない?
俺ね、先生の為に真面目にお金稼ごうと頑張ったんだよぉ」
ソウダは更に弁護士に顔を近づけ、弁護士のその謎めいた瞳を覗き
込んだ。弁護士はほんの束の間、ソウダと目を合わせたがそれ以上
の喜びを与えようとしなかった。ソウダにとってこれは、挑発以外の
何物でもなかった。

― 先生は火を点けられるのを待っている。

そのきっちりとした、清潔な天使の仮面の下に、しなやか
な肉体と熱い欲望を完璧に隠して・・・。 <> 天使の仮面 3/10<>sage<>2008/07/22(火) 18:16:20 ID:uxwwwjq10<> そんな妄想を幾度もしてきた。
この天使の弁護士と出会ってからずっと、お預けを喰らった犬の
ような気分で。弁護士の眼差し、書類をめくる指、決して乱れない
その澄んだ声。何もかもが、彼を渇望させた。
どうやったらあの先生を自分のものに出来るのか。
ソウダは彼なりに準備してきた。今日は完璧な筈だった。
「見てよ、その証拠にコレ・・・」
ソウダはそう言うと、上着の襟の裏に手を入れてキレイな札を何枚か
ちらつかせた。弁護士に限らず、彼が言う“就活”で得た金がまとも
な労働の報酬とは誰もが思わないだろう。
ソウダもそれは承知していた。
弁護士はただ黙って見守っている。
その穏やかな顔からは何も読み取ることは出来ない。
「先生にお礼したくってさ。
金が手に入ったから、どっかで何かおごらせてよ。ね?」
弁護士はため息がでそうになるのをこらえてこう言った。
「お気持ちだけで、充分です。そのお金は大切に使って下さい」
その言葉に、ソウダの目が邪悪な光を帯びた。
「これはさ、大切に使うような金じゃないんだよ、先生」
そう言いながら、机の周りをゆっくり回って弁護士の背後に
さりげなく移動した。弁護士の机に片手を乗せ、耳元に顔を寄せる。 <> 天使の仮面 4/10<>sage<>2008/07/22(火) 18:34:59 ID:uxwwwjq10<> 「会長がさ、俺にどうしてもっつってこの金くれたんだよ」
弁護士の耳にソウダの息がかかる。
「俺に楽しんで欲しいんだってさ、この金で。分かるだろ?先生」
ソウダはこの言葉で、弁護士が顔色を変えるだろうと思っていた。
優しい天使の瞳を曇らせるだろうと。
しかし弁護士のどこにも変化はなかった。
ソウダはますます相手に顔を寄せながら続けた。
「先生、俺ね、あの会長一家のヤバイネタ、握ってるんだよ」
「それがどうかしましたか?」
弁護士はあくまで冷静だった。
「先生もあの一家のこと、知りたいでしょ?昔のこととか」
ソウダの指が、とうとう弁護士の首筋に触れた。弁護士は顔を背けた。
「俺は先生の為に、色んなことやってあげられるよ。
金持ちの親父もその息子にも、色々と貸しがあるんだ」
ソウダは弁護士の顔を静かに、だがしっかりと掴んで自分の方へと
向けさせた。弁護士の瞳は、何も映すことが出来ない真っ暗な泉の
ように潤んでいた。ソウダは意に反して、その瞳の魔力に取り
憑かれたように魅入った。2人は暫し見詰め合った。
「先生と俺は、絶対相性ピッタリだって・・・」
ソウダはそこまで言うので精一杯だった。弁護士の顎を掴んだ手に
力を入れ、強引にその唇を奪った。 <> 天使の仮面 5/10<>sage<>2008/07/22(火) 18:49:40 ID:uxwwwjq10<> 弁護士は反応も抵抗もしなかった。
ソウダはそれに乗じて弁護士の小さく柔らかな口を貪る。
差し込んだ舌で相手の舌を探り出し、口蓋を刺激した。
2人の口元から唾液が一筋滴り落ち、ソウダは荒い息をしながら
やっと口を貪るのを止めた。
弁護士の唇は、力いっぱい吸われたことで紅く濡れてぽってりと腫れた。
しかしその艶っぽい姿のまま、まだかっちりとしたスーツに身を包み
動揺している素振りもない。
ソウダは込み上げる欲望のまま、弁護士を椅子から抱え上げ、机の上
に押し倒した。ワイシャツのボタンをひとつひとつ外しながら裾を
引っ張り出し、平らで滑らかな腹と胸元をさらけ出す。
「先生はキレイだよ・・・たまんないよ・・・」
指を這わせ、舌で肌を味わいながらソウダは呟いた。
弁護士はされるがままに横たわり、美しく鍛えられたアスリートの
ような腹筋を波打たせたかと思うと、やがて声を出して笑い出だした。

ソウダには意味が分からなかった。腹や胸をまさぐる手を止め、
華奢な弁護士の体の上に自分の体を乗せた。
「笑っていられるのも今のうちだけだよ、先生」
そう言いながらソウダの手は、スラックスの上から弁護士自身を
確かめるように擦り、握り締めた。弁護士は鋭く息を吸い込んだ。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/22(火) 18:59:02 ID:SKmGX5+50<> sien <> 天使の仮面 6/10<>sage<>2008/07/22(火) 19:17:50 ID:uxwwwjq10<> 「ここはもうすっかりその気になってるみたいだよ、先生」
ソウダはベルトに手を伸ばし、弁護士の下半身を露にした。
ソウダはじっとりとした眼差しで満足げにその姿を見つめた。
そしてそのそそり立つモノにいきなり舌を触れた。
「ぁあっ・・・」
ため息交じりの小さな声を漏らす弁護士に、ソウダは手を添えて
快楽を高めるように上下に擦る。ソウダの表情はこれ以上美味しい物
はないという喜びと興奮に満ちていた。むしゃぶりつく様に自分の
唾液で弁護士の股を濡らしてゆく。静かに荒い息をしていた弁護士も
堪え切れずに何度か声を漏らした。
「ン・・・ぁ・・・はぁぁ・・・」
その反応を見たソウダは狂気に駆られ、弁護士の弛み一つない美しい
内腿に齧り付いた。弁護士の体が一瞬怯んだ。しかし彼はこの痛みには
声一つあげない。ソウダはこの弁護士の正体について、初めて不安を覚えた。

内股から舌をもっと下の方へと目標へ移動させながら、弁護士の膝の裏を
掴んで持ち上げた。弁護士の呼吸は次第に荒くなっていた。持ち上げられ
た足と、舌で刺激されて敏感になった入り口のヒクヒクする感覚に支配
され、思うように息が出来ないのだ。ソウダは卑猥な音を立てながら
執拗な愛撫を繰り返していたが、やがて顔を上げると
「先生を先に行かせてやるよ」
弁護士の先走った透明な液体を舌ですくい上げながら、片手を強く上下
させ、もう一方の手で後ろの入り口を優しく擦り、指を差し入れた。
両方からの強い刺激に耐え切れず、弁護士は初めて苦しげな声を漏らした。
それでもまだ多少の自制心を残して、快楽に身を任せまいと抵抗する。
ソウダは指を静かに出し入れた。 <> 天使の仮面 7/10<>sage<>2008/07/22(火) 19:33:51 ID:uxwwwjq10<> 「ぅぅっ・・・あっ・・・」
弁護士の声はか細い。更に指をもう1本差し入れて、今度は根元まで
深く差し入れてはまたゆっくり抜いた。それを何度か繰り返すと、
弁護士の体に緊張が走るのが分かった。ソウダが握った手を素早く上下
させて弁護士自身の解放を助けてやると、ついに弁護士は体を震わせ
て白い液体を迸らせた。ソウダはそれを見ると、まだ射精時の震え
の残る弁護士の入り口から指を素早く抜き取り、体を裏返した。
弁護士はまだ自身の快感から目覚めきらない、ぼんやりとした
表情を浮かべていた。それはソウダを更にかき立てた。
「先生、そろそろ俺もイカセテよ」
ソウダは着ていたものを足首まで急いで下ろすと、そのまま弁護士
の入り口に自身を押し当てた。このまますんなり受け入れるとは到底
思わなかった。弁護士の細い腕の一本を背に回させ、手首を握る。
弁護士は素直にそれに従った。ソウダは弁護士の体を逃がさないよう
しっかりと固定し、少しだけ腰を前に突き出した。
すると弁護士はソウダ自身から自分の体を避けようとはせず、
腰を少し持ち上げるようにして、その先端をめり込ませた。
ソウダは驚きと期待ではち切れんばかりの心境だった。
「あぁ、先生・・・すげぇよ、このまま入れるよ・・・」
言いながら、目を閉じ、ゆっくりと自身を弁護士の中に沈めていく。
「んん・・・」
弁護士の口から苦しげな息が漏れた。
ソウダはもっと弁護士が乱れていく姿を見たかった。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/22(火) 19:46:20 ID:jIGaqImx0<> 規制くらってるのか?
長いのはわけて投下して欲しいんだが。
スレ占領状態で迷惑なんですけど。 <> 天使の仮面 8/10<>sage<>2008/07/22(火) 19:52:36 ID:uxwwwjq10<> しかし弁護士の体は、ソウダ自身を半分ほど受け入れてもまだ
余力を残して静かにうつ伏せている。
それを見たソウダは、残りは強引に根元まで差し込んだ。
「ぐっ・・・ンああ!」
弁護士がついに甲高い叫びに似た声を上げる。ソウダはその
声によってスイッチが入ったかのように、腰を動かし始めた。
こんな風に弁護士を痛めつけたいと思っていたわけではなかった。
だがこうせずにはいられない、熱に浮かされたような感覚に陥った。
弁護士の体へ狂ったように自身を打ちつけずにはいられなかった。

苦痛に満ちた声を漏らしながらも弁護士の体はそれに答えるかの如く、
ソウダ自身を強く絞り上げてゆく。机はガタガタと激しい音を立て、
汗と体液で湿った匂いが部屋を満たした。
まだいきたくない・・・ソウダは頭のどこかでそう思ったが、もう
遅かった。
「あっ、あっ、先生ぇっ・・・俺っ・・・もうイクっ!!」
ソウダは弁護士の中に自身の熱い塊を爆発させた。
信じられないほどの快感の波が、ソウダの背筋を這い登った。
一瞬、頭の中が真っ白になり、自分の体が弁護士の上に覆いかぶさった
ことも、掴んだ手首を握ったままだったことも忘れていた。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/22(火) 19:56:33 ID:LEaQ+3eT0<> >>332
気持ちはわかるが萎えさせるな。
もうちっと言い方考えろ。 <> 天使の仮面 9/10(すいませんここで一時停止)<>sage<>2008/07/22(火) 19:56:50 ID:uxwwwjq10<> ソウダは荒い息をしたまま、まだ現実に戻れずにいた。
「・・・手を」
下から静かな声がした。ソウダが返事もせずにいると、また
「手を、放して下さい」
静かに諭すような口調でそう言うのが聞こえた。
その言葉で、手首を握り締めたままだったことを唐突に気付き、
手の力を抜いた。
弁護士は手を解放されると、ゆっくりと机から起き上がる。
スーツは皺が寄り、ワイシャツも汗や体液によるシミが所々に
ついていた。この姿では、何があったかと誰もが訝しむに違いない。
しかし弁護士の表情は何があったとも推し量れない、冷静な普段通り
のものだった。自分のあられもない姿、あらゆる体液で汚された
体を目にしても、何も感じていないかのような態度だった。

弁護士は体の汚れを手馴れた仕草で拭き取りはじめた。
ソウダはやっとのことで体を起こし、汚れたままの自分の体を
不機嫌にスラックスの中にたくし込んだ。
それを見届けた弁護士は、真直ぐソウダの顔に目を向けると
「もう昼休みは終わりです」
と、面会時間の終了を告げた。



----------------------------------------
ご迷惑をおかけしてすいません、一度切ります。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/22(火) 20:05:06 ID:dQrcispT0<> >>335
あと1つなら貼っちゃえば?
できれば5つぐらいずつに分けられればよかったかもね。 <> 天使の仮面 10/10(ラスト)<>sage<>2008/07/22(火) 21:00:41 ID:uxwwwjq10<> それはソウダがこれ以上ここにいることを、はっきり拒絶していた。
ソウダは一瞬何か言い返そうと口を開きかけたが、それを飲み込んだ。
弁護士は机の上の散らかったものを屑篭に静かに落とし、すっかり
ぬるくなったグラスの水に口をつけた。
その手首には自分が押さえつけた証拠が、うっすらと残っていた。
ソウダはそれを目にすると、無言で入ったドアから出て行った。

弁護士は扉の閉まるガタンといういう音に、グラスを置いて
腕の時計に目をやった。もうすぐ1時・・・事務所のスタッフが
戻ってくるまでの時間はあとわずかだ。
― 何とか間に合った・・・。
弁護士は安堵した。
引き出しから清潔な白いタオルを取り出し、部屋の片隅の小さな
手洗いでそれを濡らす。首筋も胸元も、すっかり不潔なべたつき
に覆われているのを感じた。体の隅々までぬぐいたかった。
やがて気の済むまでぬぐうと、予備の着替えを入れてあるクローゼ
ットから、クリーニング済みの真新しいスーツとワイシャツを
取り出し、きっちりと着替えを済ませた。
汚れた上着からバッヂを外し、とりつける。
頭の中では既に、午後の仕事の予定を復唱していた。
書類を鞄に入れ、スタッフが戻らないうちに部屋をそっと出る。
『図書館』
自分の行き先を事務所のボードに書き込み、弁護士は午後の暑さ
の中に足を踏み出した。
〜終〜 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/22(火) 21:08:51 ID:uxwwwjq10<> 支援してくださった方、助かりました、ありがとうございます。
ご指摘くださった方もありがとうございます。

私のせいで投稿できなかった方々には
心よりお詫び申し上げます。
ご迷惑かけて本当にすみませんでした。
以後気をつけます。
規制を食らった時の代替手段が現在無い環境のため、
必要以上に慎重になってしまいますたorz <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/22(火) 21:40:03 ID:G6L+Us7B0<> >>338
禿萌えますた!ありがとうございます!
冷静クーーーールな弁護士がたまりません! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2008/07/22(火) 21:43:00 ID:nhMIuaQr0<> >>338
弁護士とチンピラの温度差に禿萌えた!GJ!
<> うふ〜ん<>うふ〜ん<>うふ〜ん ID:DELETED<>うふ〜ん<>うふ〜ん 八四壱<>sage<>2008/07/22(火) 22:45:55 ID:c0miSUpO0<> ※ナマモノ注意!※
※ややエロありです※

四壱大兵ケテーイおめでとう!ということで、北国王球団の八四壱です。
でも、話自体は去年の予選後です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> 八四壱・1/7<>sage<>2008/07/22(火) 22:47:26 ID:c0miSUpO0<>  ペ近オ鈴ピック予選を兼ねたア自アチャンピオンの座を争う3連戦
を終え、大兵選手が帰国した翌日。「シャンパンを貰ったけど飲みきれ
ない」とメールが入った。北海道の自宅に居るのかと思えば、まだ東京
のホテルに居るという。それはすなわち飲みにこい、ということか。
もちろん、と返して彼の待つホテルへ向かった。

 彼が泊まるホテルはやや高めのシティホテルであり、入り口から客室
へのエレベーターへ向かう際にフロント前を通らない。それでも泊まり
客ではない自分が客室へ向かうのを見とがめられるのを避けるため、
いささか顔を下げぎみに早足でエレベーターへ向かった。

 メールで教えられた客室前に立ち、呼び鈴を鳴らす。奥からはーいと、
いつもののんびりした調子で返事が聞こえ、やや間を置いてドアが開か
れる。ドアの向こうにいた彼は、ただでさえ色の黒い顔をさらに日焼け
して、真っ赤な顔をしていた。そして、俺の顔を見るなり破顔すると半ば
引きずるように部屋へ招き入れた。 <> 八四壱・2/7<>sage<>2008/07/22(火) 22:49:55 ID:c0miSUpO0<>  後ろ手でドアの鍵を閉め、部屋の奥へ進む。ツインルームをシングル
ユースで借りたらしい広い部屋は王求場のロッカールームのごとく荷物が
散らばっていた。あーあ、とため息をつきながら簡単に衣服をまとめて
やると、そんなことはいいから、早く飲もう。と促される。
 やけに陽気だと思ったら、すでにシャンパンを開けていたらしい。
たいして強くもないのに。テーブルには湯のみ茶碗に半分ほど入った
シャンパンがあった。

 湯のみ茶碗って。日本酒か。

 突っ込みを入れると、ガラスのコップだと多すぎるとの返事が返って
きた。それは残り全部を俺に飲め、と言う事か。
 シャンパンの750ml。まったく問題のない量ではあるが、それなら札幌
に戻ってからでもいいじゃん、と言うとニヤニヤした笑顔ではぐらかさ
れた。彼がこういう表情をするときは、大抵何かを企んでいる時だ。
まあ、いいか。せっかくの旨い酒を独り占めできるのだから。 <> 八四壱・3/7<>sage<>2008/07/22(火) 22:51:26 ID:c0miSUpO0<>  彼からは大兵のこと、3連戦のことを聞き、俺はパ例ードや布ァン
感謝祭のことを話す。たわいもない話を続けながら、気がつけばシャン
パンは空に近づいていた。その一方で、彼の湯のみに入った分は、ここに
来た時からほとんど減っていない。にも関わらず、彼の目はとろんとしている。

 ああ、酔っぱらってるのか、酔うほど飲むなんて珍しいな、と思って
いると、酔いだけではない熱っぽさがちらほらと見え隠れしだしている。
なんだ、誘ってんすか?とニヤつきながら聞くと、彼は何も答えずに、
いつものやんわりとした笑みを浮かべ、だが俺の目から視線をそらさず
にベッドに腰かけた。俺はゆっくりとベッドに近づき、彼の肩に手を置
き口づけた。 <> 八四壱・4/7<>sage<>2008/07/22(火) 22:54:06 ID:c0miSUpO0<>  唇を重ねたまま彼をベッドに倒しTシャツに手をかける。筋肉の感触を
楽しみながらTシャツを脱がすと、わずかに離れる唇すらも惜しいかの
ように吸い付いてくる。露になる肌は、普段から日に晒されている顔や
腕に比べるとかなり白く見える。もっとも色白という訳ではないので、
あくまでも他の場所との比較ではあるが。

 自らも自慢だと言っていた滑らかな背中に手を回し、首筋から背筋を
通り腰骨まで指を這わせると、わずかに身じろぎした。そのままジーンズ
のウェストに手をかけ、腰をなぞるように手を前へ回してボタンとファスナーを
外した。脱がしやすいようにと彼が腰を浮かしたので、それを助けにジーンズ
を引きずり下ろす。

 俺に脱がされながら、彼は背中に手を回すと俺のセーターを引っぱり
だした。慌てて手を取って止めさせる。上気し、かすれた声で、俺には
脱がさせてくれないの、と文句を言ってきたが、変な状態にセーター
を伸ばされると色々と困る。掴んだ手をベッドに押しつけると、彼に見
せつけるように時間をかけてセーターを脱いだ。そんな俺の様子見て、
彼は笑みを浮かべ舌なめずりをした。 <> 八四壱・5/7<>sage<>2008/07/22(火) 22:58:04 ID:c0miSUpO0<>  セーターを脱ぎ終わり下も脱ごうとしたが、それ以前に何もそんな用意
はしていないので、どこまでやろうか、と一瞬ためらう。そんな俺の様子を
見た彼はベッドの下に置いてある鞄をまさぐり、小箱を俺に投げてよこした。
スキンの入った小箱。準備万端じゃないか。それ以前に、以前見たよりかな
り減っているのが気になるんだが。

 これみよがしに箱の中身を改めてみるが、気にするそぶりもない。ああ、
そうでした。あなたはそういう人でした。

 その証拠のように身体の分かりにくい場所に赤い痕がひとつ。わざわざ
痕1つだけ、しかもこんな場所に分かりやすくつけるような人は、代表なら
俺は1人しか知らない。

 浮かぶのは、あのにやけた顔をした選手会会長。 <> 八四壱・6/7<>sage<>2008/07/22(火) 23:01:55 ID:c0miSUpO0<>  Aつさん、これなんだ?意地悪くその場所を指でなぞりながら聞く。聞
かれた本人は何の事かと聞き返す。とぼけているのか、本当に分からな
いのか。確かに、本人からは全く見えない場所だ。俺はわざと音を立て
るように、その場所に吸い付いた。

 痕を付けられるのを嫌ったのか、俺から逃げるように身じろいだが簡
単に逃がしてなんかやらない。そして、先ほどの近くにもう1つ。どう
せ、こんなところ俺しか見ないでしょ?と言うと、軽く睨まれた。こんな
ところで機嫌を損ねられてもつまらないので、ご機嫌とりに彼の悦ぶ
ところをじっくりと攻めた。舌と指で探ってやると、喉をのけぞらせて
甘いため息をついた。

 もともと俺は物や人に対する執着心が薄い。それなのに、この人に執
着しているのは何故なのだろうか。彼の身体に溺れながら自問自答して
いる自分がおかしくなり、思わずにやけると「何、よそ所事考えてんの」と
鼻をつままれた。 <> 八四壱・7/7<>sage<>2008/07/22(火) 23:07:38 ID:c0miSUpO0<>  散々むさぼり尽くしてベッドに横たわっていると、頭痛い……気持ち
悪い……とかすれた声が聞こえてきた。どうやら、酒を飲んだ上に激し
い運動をしたせいで酔いが回ったらしい。茶碗1杯で二日酔いですか、
と言うと、うるさい呑んべ、と憎まれ口を叩かれた。

 頭痛い頭痛いと動けなさそうな彼をバスルームまで引きずり、バスタブ
に溺れないように突っ込んでやると、自分は別に備えつけられたシャワー
ブースで汗を流した。

 しばらくそこで暖まっててくださいと言いおき、バスローブを着て部屋に
戻ると、まず部屋の窓を開けた。もう鼻が慣れてしまって自分たちでは
気づかないが、多分すごい臭いになっていると思う。酒と、汗と、男の臭い。
換気をしながら汗だくになったベッドの上を軽く整えてやると、まだ頭が……
と言いながら彼がバスルームから出てきた。

 彼はばったりとベッドに倒れこむと、ふぅと大きなため息をついた。俺は
寝転がる彼の横に座り、二日酔いならスポーツ飲料をがぶ飲みして、寝
れば治りますよ。と彼の髪を梳りながらアドバイスを送った。彼は撫で
られて気持ちがいいのか、生返事を返しながらうとうととしている。

 半分眠りについている彼の額にキスを落とし、じゃあ、また札幌で。
と言い置いて部屋を出た。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
おそまつさまでした。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/22(火) 23:14:49 ID:uTu89JWu0<> >>342
色気だだ漏れの作品ありがとうございます!
キャプテソも快調も178もみんなエロいよ(*´Д`)ハァハァ <> 携帯捜査官 K霧(K)<>sage<>2008/07/24(木) 01:49:59 ID:XUHha7JE0<> 水曜七時からの、歩く携帯が活躍する番組から
後輩×先輩(×後輩)。
※半ナマ

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> 携帯捜査官 K霧(K) 1/2<>sage<>2008/07/24(木) 01:50:26 ID:XUHha7JE0<> 「おい」
声をかけてきたのは、霧腹さんだった。
「何ですか」
「何ですかじゃねえよ、お前昼間俺にタメグチきいただろう」
あ、そういえば。リーダーを任されてちょっと調子に乗った俺は、霧腹さんにため口をきいてしまったのだ。
「おいっ、聞いてるのか」
ぐい、と顔が迫ってきて。昼間も思ったけど、あんま顔近いと困る。緊張というかドキドキするから。
(俺もたいがいおかしいよな…)
あんなにライバル視してつっかかった人なのに、ある事件でのあの人の決断をきっかけに、
俺はころりとあの人への見方を変えた。言葉がきつくて、でも、本当は優しい人。
俺はいつからか霧腹さんに惹かれていた。惹かれる、という言い回しがどことなくむずがゆいが、
とにかく、俺は霧腹さんが好きになってしまったのだ。
「聞いてます。あー…その、すみませんでした」
じっと見つめてくる目が真剣な怒りのみに染まっていて、単純に怖いのと、ちょっとドキドキするのとで
俺は気の入らない返事をした。…それが霧腹さんの逆鱗に触れてしまったらしい。
「お前…聞いてねえな、その反応じゃ。ったく、仕事に慣れたからって途端になめられたんじゃ…」
ブツブツ言う霧腹さんに、今度は俺がいきり立った。ちゃんと聞いていた(はず)のに、その返事は心外だ。
俺はすでに近い霧腹さんの顔に更に自分の顔を近づける。 <> 携帯捜査官 K霧(K) 2/2<>sage<>2008/07/24(木) 01:50:49 ID:XUHha7JE0<> 「き、い、て、ま、す!大体そんなこと今更言わないでしょ普通。大人なら流して下さいよ、女々しいな」
「女々しい?ハッ、お前みたいな奴にそれを言われるとはな。頭にきた、本当はな、もっと不満はあるんだよ。
まず俺をタクシー代わりに使うな。お前の乳臭い臭いが俺の車についただろ、それとなあ」
「ちょっと待って下さい、それはないでしょ!?あー、がっかりだ。最近霧腹さん丸くなったと思ったのに」
「お前に勝手に判断されるほど俺は底の浅い人間じゃない」
「俺だってあなたにグチグチ言われる筋合いはないです」
「何だと…?」
険悪そのもの。言葉が止まらなくて、あっという間にこの状況だ。俺は肩を震わせて、
それでも負けるもんかと霧腹さんを睨みつけた。ああー、最近やっと仲良くなってきた?のに。
これじゃまた…
「けいちゃーーーーん!!ただいまーーー!」
突然の出来事。
何かが爆発したかのような大声、それに次いで俺の背中を何かが押して。
その後、唇に、何かが触れた感触。
「!?」
ごちゃごちゃしていた意識がようやくしっかりしてきた俺の視界に入ってきたのは、
自分の口に手を当て、目を丸くしている霧腹さんで。
振り向けば、ブランドの袋を片手にかけて、とても嬉しそうな塔子さんがいて。
ええと、これって、この状況って、つまり。
「…あれ、霧腹さんもいたんだ。ん、え、あれ?もしかして私、何かやっちゃった?」
呆然とする俺と唇をごしごしと拭う霧腹さんを交互に見て、塔子さんは慌てた。
そして俺は、もっと慌てていた。
「…アサノ、覚えとけよ」
霧腹さんは捨て台詞を吐いて、本部を後にした(どこへ行くのやら)。
…顔が、赤かったような気がする。 <> 携帯捜査官 K霧(K)<>sage<>2008/07/24(木) 01:51:42 ID:XUHha7JE0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

今週後輩がちょっと大人っぽく成長してた記念。
事故チューはロマンだと思いつつ。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/24(木) 04:02:12 ID:CcIX4K8MO<> 携帯読めて嬉しいです。
なんか情景が浮かんで来たww萌えww <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/24(木) 05:21:05 ID:P7w7C+bLO<> 今週の話ktkr!
禿萌させていただきましたw <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/24(木) 21:28:27 ID:T3SMSdHP0<> 放送休み中に失礼します。
連投規制でそのつもりはなかったのに占領しちゃった
みたいな例が時々みかけられるので
>>1にでも「連投の目安は長くても30分。残り2レス以上で30分を越えたら
一旦中断して、後ほど続きを投稿」みたいなテンプレを入れてはどうだろう。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/24(木) 22:06:28 ID:Kj6MT15n0<> >>357
ついでにといっちゃ何だけど、
連投規制にひっかかるボーダーラインも
一緒にテンプレに明記してはどうだろう。
「○分間(or秒)以内に△回連投すると規制されます。
 △回書き込むまでに2レス以上が残っているなら
 一旦中断して(以下>>357末尾と同文)」みたいな。

実際、801板の連投規制って知らん人もいるんじゃね?
普段ゆっくりペースの特定ジャンルスレ住人で、
棚にはたまにしか来ない姐さんとかさ。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/25(金) 00:47:59 ID:xZ1/PVhQ0<> >358
ありうるありうる
規制でにっちもさっちもいかなくなって困る人もいるだろうから
テンプレ追加には賛成 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/25(金) 01:00:24 ID:uxO3RB8N0<> ついでに、スレ容量は500KBをめどに投下を調整する
というのも追加希望。
自分はここに投下するまで512KBが上限だと思ってたので。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/25(金) 23:19:57 ID:bfUjhvys0<> >>358
正直これ以上テンプレ増やしたくないから
別に書かなくていいと思う
職人なら規制くらい自分で調べてから投稿するでしょ <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/25(金) 23:31:57 ID:7pWAjrP/0<> >>361
実際それを出来てない人が増えてるから入れてもいいと思う。
今投下してる人の中には職人じゃない人もいるでしょ。
>>2をちょっと改変すれば済むだけじゃない? <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/25(金) 23:47:51 ID:OwW3boirO<> 実際に規制されて占領してしまう人もいるし、>>357-358ほどきっちりでなくとも連投規制と容量についてテンプレに追加するのは賛成。

>>2
※シリーズ物・長編物の規制はありませんが、スレを占拠しないためにも投下ペースや分量を配慮して下さい。

を変えれば良さそうだと思う。

※シリーズ物・長編物の規制はありませんが、連投規制やスレ容量(500KB)を確認してスレを占拠しないようお願いします。

案を出しておきます。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/26(土) 00:53:03 ID:KqIgvA6l0<> 保管庫の掲示板でやってくれないか? <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/26(土) 13:47:09 ID:bQ8qsC9a0<> >>363
ほぼ同意

※シリーズ物・長編物の規制はありませんが、連投規制(1投下30分程度を目安)←New
やスレ容量(500KB)を確認してスレを占拠しないようお願いします。

でどうだろう。時間は目安でいいから記載したほうが、占拠があったときに
>>2読めと言いやすい気がするので。30分じゃなくてもいいけど。 <> ギャ/グま/んが日/和 師匠→弟子<>sage<>2008/07/26(土) 15:22:35 ID:JzSRdUE5O<> 芭蕉さんに萌え萌えしすぎて、ついカッとなって書いた。
今は反省している。


|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

君が優しいのは、私の中の私と切り離せない私。
いっそ右腕だけなら君は常に懐に抱き、慈しむ目で見てもらえただろうか。

例えば言葉。
私が何かを口に出そうと吸い込んだ呼吸の音で私を見つめ、言葉を出し続ける程に興味が失せていく過程。
必要とされていない瞬間の私の言葉に揺れ動く表情。
どんな言葉を出し続けても、めげずに何度も息をのむ。
期待に沿わない言葉を出した私を叱責する時だけが、俳聖ではない個人としての松尾芭蕉を見る目。
蔑みでいい。
ゾクゾクするから。
私の出した俳句ではなく、私の書き散らした文字ではなく、私の中の俳聖以外の部分を見てもらえた事が重要。
句だけを愛さないで。
私を嫌って。
否定された部分だけ、生の私がアナタの視界に映るから。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! <> ギャ/グま/んが日/和  弟子→師匠(1/2)<>sage<>2008/07/26(土) 17:41:15 ID:JzSRdUE5O<> 熱い話し合いの中、もう一度お邪魔します。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

しきりに痒いと零す声。
言葉以上に掻き毟る仕草。
おそらく彼が自分で痒いと自覚するより、僕の方が先に気が付いていた。
最初は無意識に手が首筋へ。
困った時の様に指先でポリポリと掻いて、痒みを払う程度。
いつの間にか昼夜を問わず、其処ここへと自ら爪を立てていて。
今日に至っては歩きながら、胸元から腹へとかけてしきりに吠えつつ掻いていた。
着崩れた着物が見苦しいと頬を張ったが、効果があるのは半刻程度。
延々と同じ事の繰り返し。
余りにも煩いので、旅館に着く前に天花粉を一缶。
あの鬼弟子がと無邪気に喜ぶ芭蕉さん。
手間をかけさせないで下さいと、本気で尻を蹴り飛ばし、着物を脱ぐよう命令をする。
二人きりの部屋、なんの警戒もなく晒された背中に目を眇める。
背中から脇腹、胸元、腹へとかけてくっきりとした汗疹の帯。
早く早くとせがむ言葉に、目眩に似た痛みが益々眉を寄せさせる。
白粉まがいな匂いのする粉を、芭蕉さんの頭上から一缶丸ごとひっくり返す。

アナタが悪い。

師匠に向かって酷すぎるやら、こんなに汚したら旅館の人に怒られるやら、抗議の声は無視。 <> ギャ/グま/んが日/和 弟子→師匠(2/2)<>sage<>2008/07/26(土) 17:55:12 ID:JzSRdUE5O<> もっと優しくやら、痛いやら、鬼だ悪魔だという悲鳴を再び無視。
そんな事をしたら、まるで愛撫じゃあないか。
何も知らず、知ろうとしない癖に。
触れているこの瞬間に僕がどれだけ破廉恥な事を考えているか、伝えようとすれば怯えて耳を覆う癖に。

あなたが気付けば終わってしまう旅だから。
僕の代わりなどいくらでもいる人だから。
どうかこの指が震えていませんように。
せめてこの触れた指先から劣情が漏れ伝わってしまいませんように。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

書きたかったから書いた。
今は後悔してい(ry <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/26(土) 17:57:35 ID:TyWJcb8q0<> 連投規制&容量の議論の件、保管庫の掲示板にあげておきました。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/26(土) 18:19:17 ID:KqIgvA6l0<> >>366
GJ
天花粉は萌えるよね
日和、WJに掲載されるたび芭蕉とソラに興味があったんだ <> 367<>sage<>2008/07/26(土) 19:34:51 ID:JzSRdUE5O<> >>368の一行目漏れてマシータ。スマセーン。

雑巾を搾る要領で枯れた手足に手酷く粉を練り込んだ。


スマセーン。スマセーン。
もうナナシに戻りますので堪忍下サーイ。

>>370
GJありがとうございます。
誉めていただいてエラい動揺してます。 <> ゼノギアス ラムサス→シグバル<>sage<>2008/07/26(土) 22:12:18 ID:5ARIiZAV0<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ゼノギアス ラムサス→シグバル
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  終盤につきネタバレ注意
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ シグバルなのにシグ出ないよ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )( ゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> ゼノギアス ラムサス→シグバル(1/4)<>sage<>2008/07/26(土) 22:13:27 ID:5ARIiZAV0<> 俺の半生を語る上で砂は欠かせない。
俺が18年の歳月の大半を過ごしたユグドラシルは最新鋭の潜砂艦だったが、どうしてもどこからか砂は入り込んじまう。
艦内はいつも砂っぽかった。
そんな砂とマブダチな俺の人生の一緒に過ごしてきたのが、
シグと爺……もういねぇがミロクのおっさんに代表されるユグドラクルーだ。
だが実を言うとこの大戦、というかフェイと会ってからの一連の事件が起こるまで、俺は筆頭に上げた割にはシグの過去を全然知らなかった。
少しずつ世界の全容だとかを知っていって、
その過程で俺が知らなかったシグの過去やソラリスに拉致されていた間のことなんかを知ることが出来た。
この戦いはいい事ばかりでもなかったけど、俺を色々と成長させてくれた。
デウスとの最終決戦を前に雪原アジトではいま着々と準備が進められている。
ユグドラのことはシグに任せ、俺はあいつを呼び出した。
メルカバーでのあいつは殆ど壊れかけていたが、先生によると「彼はもう大丈夫ですよ」とのことだ。
一体何があったか知らないが先生がそう言うからには間違いはないのだろう。
あいつに用がある、といった時珍しく先生はビックリしたような顔をした後、眼鏡をくいっとかきあげた。
それはそうだろう、普段の俺ならソラリスの奴に話すことなんて何もない。
それどころかよくも今まで地上を好き勝手してくれてたなと殴りかかるところだ。
けど生きて戻れるか分からない戦いの前に、そんな事をしてる暇はない。
今すべきことは心残りを少しでも減らしておくこと。
そんなワケで俺は今、屋上庭園であいつが来るのを待っている、雪が降る中でよ。
ブレイクダブリク生まれ砂漠育ちの俺は本当に寒さに弱い。
砂漠も夜の寒さはきついが、この雪の冷たさとは種類が全然違う。
右手のグローブを外して深深と幾つも降り続ける雪を一つ手のひらに掬ってみる。
痛いくらいに冷たいそれは、じんわりと俺の体温で溶けていき、水となった。
砂漠ではあれほど補給に困る水がこんなに簡単に手に入ることに、世の不条理を感じずにはいられない。
アヴェでは時にそれは人を紛争に巻き込む理由になるというのに、
アヴェから遠く離れたこの地では逆に暖かさを求めてちょっとした諍いが起きる。
「カミサマってやつはまったくよ……」
「デウスのことか?」 <> ゼノギアス ラムサス→シグバル(2/4)<>sage<>2008/07/26(土) 22:14:33 ID:5ARIiZAV0<> 突然聞こえた声に驚いて振り向くと、俺が先生を介して呼び出した男、
カーラン・ラムサスが石畳の階段をゆっくりと上ってくるところだった。
さすがゲブラーの総司令官だけあって、気配を殺すのがうまい。
この俺でも声をかけられるまで気付かなかったほどだ。
奴はいつものゲブラー士官服に外套を纏い、しっかりと着込んでやがる。
「デウスとは違う、なんてーか、もっと抽象的なカミサマだ」
「うん?――それよりどういう用件だ。ヒュウガからおまえが呼んでいると聞かされただけで内容までは聞いてない」
階段を上りきったラムサスは俺の横に並ぶと苛立たしげに足を踏み鳴らした。
思わず顔を見ると眉根を寄せて、ここにいるのは本意でないと全身で表現していた。
そのガキっぽさに思わず笑いそうになっちまったが、ここで我慢できなかったらこいつはそのまま帰り、
二度と俺とこうした人気のない場所で会ってくれないだろうと思ったので必死にこらえた。
「いやー俺、ラムサスに言いたいことがあって、それで先生に言付けを頼んだんだ。忙しい所悪いな」
「分かっているならさっさと話せ。くだらぬ内容だったら途中で俺は帰るぞ」
「短気な奴だな……わわ悪い!えーと俺は、その、お前にだな……あー……て!ちょ、帰るなって!」
無言で背を向け階段に向かうラムサスの背中に殆ど怒鳴るように俺は言った。
「お前に礼を言おうと思ってたんだよ!」
その言葉にラムサスは足を止める。あいつが見てないほうが伝えやすいと思った俺はそのまま怒鳴り続けた。
「あのハゲにマルーが捕まった時もお前はあいつに優しくしてくれたって言うし、それと、シグのことも!」
シグの名を出した瞬間ラムサスは勢いよく振り向いた。
その顔は怒ってるような、どうすればいいのか途方にくれたような、そんな表情だった。
「ずっと不思議だった、なんでシグはあんなにうまくユグドラやエーテルを使いこなせるのか!
なんでシグは色々知ってるんだろうって!それに……あいつのピアスの場所とか。
シグは俺が尋ねると辛そうな顔をしたから、ずっと聞けなかった。
でもこの戦いの中でソラリスについて俺が知るとあいつは教えてくれた。俺が知らない間何があったか、何をされていたか」
「それが何故俺への礼に繋がると言うのだ!自慢か、シグルドを手に入れた貴様の、持てる者の驕りか!」 <> ゼノギアス ラムサス→シグバル(3/4)<>sage<>2008/07/26(土) 22:16:01 ID:5ARIiZAV0<> 「違うっての!人の話は最後まで聞けこのすっとこどっこい!」
「すっ……一体どういう意味だ?」
「いいから聞け!被験者として薬漬けにされてボロボロになって俺の事もわからないのにそれでも脱走ばかり繰り返して、
本当に死にそうな所だったってシグは言ってた!お前が、カールが居なかったらそのまま死んでたって!
今の自分があるのはあいつのおかげだって、言ってた」
「……」
「……あ、ありがとう、ラムサス。シグを助けてくれて、本当にありがとう」
そして深く頭を垂らして、嘘偽りないことを示した。
王たるもの容易に他人に頭を下げてはなりません!、と教育係を長年務めた爺は言っていたが、ここは下げねばらぬ場所だ。
それがラムサスからシグを奪った形になる俺から通す筋ってもんだ。
「――別に、お前の為にシグルドを助けたわけではない。俺にあいつが必要だったからだ。
それなのにあいつは記憶がもどった途端俺を捨て、お前の所へ去っていった」
思わず顔を上げたくなったが、堪えた。きっとあいつは俺の顔を見ると途中で話すのをやめてしまうだろうと思ったから。
「ずっと、裏切り者だと憎んでいた。そうでも思わないと去られた悲しさで押しつぶされそうだった。
シグルドがいなくなって俺は他人を信じるのが怖くなった。
セラフィータたちを拾った時も、もしかしたら彼女らもシグルドと同じように俺の元を去っていくのかと不安だった。
そして俺は目に見える愛に、ミァンに縋るようになっていった。彼女に愛を求めた、求めすぎた。
その結果は――お前も知っているな」
そこで初めて顔を上げた。ラムサスの声に自嘲じみた笑いが混じっていて、なんとかしないといけないと思った。
「けど、今はお前はセラフィータたちの愛を疑ってはいないんだろ、愛を手に入れたんだろ?」
「そうだ。フェイによって愛を奪われたりしないともわかっている。けれど……やはり心の奥底で疼くものがある」
ラムサスにとってシグルドの存在ってのはこうもデカいものだったのか。
俺は驚いたが、今更奴にくれてやるわけにはいかねぇし、どうしたもんかと頭を悩ましていたら、ラムサスは言葉を続けた。
<> ゼノギアス ラムサス→シグバル(4/4)<>sage<>2008/07/26(土) 22:16:50 ID:5ARIiZAV0<> 「だが、ソラリスに居た時と今のお前の傍にいるシグルドでは、悔しいが今のほうが奴は満ち足りているのだろう。
奴の薬物中毒が治ったのも結局はお前のおかげだ。
2年側に居た俺が治せないことも、お前の危機という情報だけで奴は自力で治してしまったしな。
本当はわかっている……シグルドはお前の側にいるのが幸せなんだと」
そこで言葉を切ったラムサスはひたと俺の目を見据えた。鋭く貫くような、強い眼力で。
俺は真っ向からそれを受け止める。何か、こいつは本当に大事な事を告げようとしているとわかったからだ。
「必ず生きて帰れ、バルトロメイ。シグルドの為に、そして何よりお前の為に」
「ああ――おうよ!」
「その時にまた、お前の礼を聞こう。先ほどのは聞かなかった事にする」
「なんだと、おい!ラムサス!」
俺が恥ずかしいのに根性出して言ったってのに、それを聞かなかったことにだとぉ!
だがラムサスはさっさと階段を降り始め、足を止めそうな気配はない。
野郎、マジで聞かなかった事にするつもりだな。
「おい、ラムサス!お前も天使にやられんなよ!帰ってきた時、礼を言う相手が居ないってのもしょぼくれてっからな!」
分かったとでも言うのか、うるさいとでも言うのか。奴は右手をヒラヒラと頭上で振った後、見えなくなった。
まったくこれじゃあ一体何をしにきたのかわかりやしねぇ……。
でもまぁ、これで決して死ぬわけにもいかなくなったな。元からそのつもりもねぇけど。
グローブを外したまんまの右手はすっかり冷たくなって赤くなっちまった。
なんとなしにその手を顔に当ててみるが、特に冷たくねぇ。
こりゃ相当冷え込んじまったな。シグの顔でも見に行きがてら、爺の茶でも飲みにいくか。
神との決戦に向け補給を急ぐユグドラシルへ俺は一時の暖を求めて足を向けた。 <> ゼノギアス ラムサス→シグバル<>sage<>2008/07/26(土) 22:17:27 ID:5ARIiZAV0<>  | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 以上です。アーカイブス最高ォ!
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/26(土) 22:29:43 ID:WLtasD4UO<> >>372-377
ゼノギアスキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
シグは愛されすぎで罪な奴だw超GJ! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/27(日) 00:36:11 ID:+0YZmy1c0<> ■■■■■■■■■■■■新板設置要望話し合い中■■■■■■■■■■■■
運営が新板設置に乗り気になってくれているようなので
801系の新板設置について話し合っています

801系新板設置要望スレ 5
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1216485734/
801系新板設置要望スレ 6
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1217062162/

(経過報告)

【仮板名】801難民 (いる・いらない・関心がない)
【仮板名】801サロン (いる・いらない・関心がない)
【仮板名】801オリジナル創作(いる・いらない・関心がない)
【仮板名】801なんでも創作(いる・いらない・関心がない)

以上4板と【新板新設不要】の5項目で投票を進めてはどうかというかという
意見がまとまってきています。詳しくは新板スレをご覧ください。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/27(日) 01:56:57 ID:kbWML5aoO<> >>372
自分の801萌え原点カプktkr……!
若かわいいよ若
塵閣下もせつなくていいよなあ
ありがとう! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/27(日) 02:28:01 ID:1sKo0TA+0<> げつくsun&seaより
水泳部のサーファーイケメン→(?)→貧乏イケメン風味な話。
本編前の捏造、貧乏イケメンが陰険金持ち達に強請られてる妄想でした。
稚拙な上に鉄板。勢いと萌えと熱帯夜って怖いな。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> おとが、きこえる。(1/4)<>sage<>2008/07/27(日) 02:29:15 ID:1sKo0TA+0<> 夏真っ盛り。
当然水泳部としては部活に身の入る時期だ。それだというのに。
(くっそー…プリントの仕分けなんかに時間取られるとは…)
貴重な部活の時間を教師に押しつけられた雑務で奪われた藻一は不機嫌だった。
更衣室に入れば当然誰もいない。
静まり返った空間があるだけだ。置いて行かれた気分がして空しい。
ちゃっちゃと着替えるべく、自分のロッカーに手をかけた。
その時、室内に雑音が響きわたる。
思わず「ひっ」と情けない声をあげてしまった。息がつまるかと思った。
自分以外誰もいないはずだという認識は間違っていたのだろうか?
あたりを見渡すと、やけに大きな音を立てて床で震えているのは弘樹の携帯電話だ。
ロッカーの扉も細く開いているし、どうやら滑り落ちでもしたらしい。
「んだよ…ちゃんとしまっとけっつの」
誰もいなかったとはいえ、携帯ごときにビビった自分が気恥ずかしい。
何気無く手に取ったものの、携帯はまだバイブ機能をフル稼動させてメールが届いたことを知らせている。
ー―人をおちょくってんのかコイツ。
苛ついた藻一はそれを止めようと、罪悪感のかけらも持たずメールボックスを開いた。
(添付画像?)

ー―今度こそ息がつまるかと思った。

<> おとが、きこえる。(2/4)<>sage<>2008/07/27(日) 02:30:38 ID:1sKo0TA+0<> その添付された不鮮明な写メに模一は一瞬訳が分からず目を細め、そしてそれが何かを認識して今度は目を見開いた。

【淫乱☆(笑)】なんてふざけた文字を入れて加工してあるその写メには、人間が複数写っている。
だが個人を特定できるだけの情報は一人以外写っていない。
うまく顔が写らない角度で撮られているし、服装での区別もつかない。
写メの中の彼らは全員同じ制服を着ていた。
しかもそれはライバル西校のものであったが、藻一はその事実に気付けない。
視線はただ、写メの中央にいる人物に向けられた。
少々ブレた画像の中にあっても、間違えるはずのない顔。
弘樹だ。

(…な…なんだよコレ!)
写メの中の弘樹は制服の前ボタンを全て外していて、シャツは長い腕に絡まっていて、
その腕は頭の上で結わえられていた。
彼の体を押さえつける複数の手。
手前の男に抱えあげられた彼の生足。
そして何よりも、その表情が。
ひたすらに耐えるように目をぎゅっと瞑っていて、頬はのぼせたように紅潮しきっている。
覆い被さる男のせいで口元は隠れているが、そのせいで逆に脳内では音声が勝手に再生を始める。 <> おとが、きこえる。(3/4)<>sage<>2008/07/27(日) 02:31:25 ID:1sKo0TA+0<>
時が止まったように動けなかった。


ガタン、と更衣室のドアが開く音でようやく我に帰る。
(コレ、ちょ、まずいって!)
慌てて本文も差出人も確認せずにそのメールを消去した。
「あれ、藻一」
「…弘樹!」
「遅かったじゃん、プリント仕分けって結構面倒なんだ?」
なんともいえないタイミングでやってきたのは弘樹だった。
彼は軽く笑いながら、忘れ物しちゃって、と何事も無いように自身のロッカーに手を掛け、
中からタオルとストップウォッチを取り出していた。
藻一はその一連の動作を凝視する。
背中を、肩を、首筋を、手首を、
そしてその時、初めて彼のリストバンドの存在に気付いてしまって、
背筋をかけ上がる何かにせっつかれるように声を出した。
「あ…、弘樹、コレ落ちてたぜ」
ずっと握り締めていた携帯を手渡す。
「え?ああ、ありが「俺、」
「じゃ、俺、今日帰るから、後よろしく」
「え? ・・・ちょ、藻一!?」
弘樹の横をすり抜けて、藻一は逃げるように走った。
後ろで不思議そうに彼を呼ぶ声を聞いていたくなかった。 <> おとが、きこえる。(4/4)<>sage<>2008/07/27(日) 02:32:35 ID:1sKo0TA+0<>
(ー―見間違いだ)
勢いよく駆け出したはいいが結局行く場所も思い当たらず、
藻一はプールサイドから死角になる壁に凭れ、必死になって自己暗示をかけた。
ー―まさか、弘樹が。そんなまさか。
ー―有り得ない。
網膜に焼け付くように残る映像。見たこともない親友の顔。
自分の頬が勝手に熱くなるのが分かる。

ー―…どうしたらいいんだよ…

水を叩く爽やかな音は、藻一を素通りする。
脳内に響く、聞いたことのないはずの声に耐え兼ねて、頭を抱え、その場に蹲った。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/28(月) 23:57:31 ID:Jyxsoo99O<> IDに神が降りたので携帯からお送りします。
ナイナイのヤベ×オカムラで。
先週のゴチバトルからの妄想です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> ナイナイ1<>sage<>2008/07/28(月) 23:59:52 ID:Jyxsoo99O<>
「……」
「……」

静まり返った室内で、相変わらず分かり易いと、ヤベはオカムラの小さな背中を見詰めながら思った。
オカムラは機嫌を損ねると無口になる。
元々、プライベートでは無口だと有名だが、輪にかけて無口になるのだ。

どうしたもんやろか…
正直、心当たりが無い訳ではなかった。いや、寧ろ、あれしか思い当たらない。先程収録を終えた「ぐるナイ」のゴチバトルでのニシオカスミコの一言のせいだろう。
「ヤベさんの背中が広いなって…」。あの一言はニシオカからすれば笑いを狙った言葉だろう。だが、オカムラにとってはそうはならなかったらしい。

「オカムラさん。ニシオカにヤキモチですか?」
「ちゃうわ」

明らかに不機嫌な声での即答に、思わずヤベは噴き出しそうになった。それでも声を漏らさなかったのは、今笑えば益々オカムラの機嫌が悪くなると分かっているからだ。

「でも、背中の広さなんて誰が見ても直ぐに分かりますよ?」
「ちゃうて言うたやろ」

それでも続ければ、オカムラはまたも即答して、テーブルに頬杖を突いた。あの近過ぎた距離だけなら未だしも続いた台詞が不味かったのだ。ニシオカがああ言った直後、カメラに映らない一瞬だけオカムラの表情に陰りが差したことに、ヤベは当然ながら気付いていた。

ホンマ、可愛い人やな。

こうもはっきりと目に分かる程に嫉妬してくれていると思うと、三十後半、四十間近の男に掛けられるとは到底思えない様な言葉さえ頭に浮かぶ。
だが、此処で尾を引いては、ヤベとしても宜しくない。オカムラは仕事とプライベートのめりはりはきちんと付けると分かっている。こんな状態でも、仕事となればヤベに対しても普通に接してくれるだろう。しかし、それでは、ヤベが嫌なのだ。
<> ナイナイ2<>sage<>2008/07/29(火) 00:02:25 ID:Jyxsoo99O<> 国民的人気を誇る相方のプライベートの感情だけは、他の誰でもない、自分だけが包んでいたい。

「オカムラさん」
「……」

無視。

「オカムラさん」
「……」

またも無視。

「オカムラさん」
「……何やねん」

三回目でのやっとの返事。
ヤベはオカムラが本当は優しいことを知っていて、どれだけ不機嫌でも折れてしまうことを知っていて、何度も呼び掛ける。必ず、答えてくれると分かっているからだ。

見れば、オカムラはテーブルの中央に置いてあった灰皿を手で自分の傍に寄せ、煙草の箱から煙草を取り出そうとしている。ヤベは、オカムラの匂いが煙草の匂いに紛れてしまう前に行動に出ることにした。

「……オカムラさん」
「っ!な、何やねんな、自分っ!!」

オカムラが焦った様な声を出すのは当然だろう。何故なら、ヤベがオカムラの身体を強引に自分の方へと向けさせて抱き締めたのだから。それでも、暴れるという訳でもなく、そこまで機嫌を損ねている訳ではないのだとヤベは悟った。

「確かにニシオカは背中にぴったりおったし、あんなこと言うてましたけど…」
「だから何やねん」 <> ナイナイ3<>sage<>2008/07/29(火) 00:03:43 ID:J+mSXbf9O<> 「でも、ココの居心地はアンタしか知らへんでしょ?広さは誰にでも分かるけど、居心地までは、こうせんと分からんやろ?」
「………」
「背中もそうや。見た目だけやと分からんことあると思いますよ?アンタやから分かること、いっぱいあるでしょ?」
「〜〜〜っ…」

オカムラは意味を取り兼ねていたのか、暫くは動じず無言の儘でいたが、突然、ハッと気付いたのか身体を跳ねさせると、慌てて下を俯き、顔を隠してしまった。
どうやら伝わった様だ、ヤベはそのことに気付き、小さく笑った。


ま、俺も他の誰かにオカムラさんの抱き心地なんか知られたないんやけど…

ヤベはそんなことを思いながら、顔をヤベの胸に押し付けて隠したオカムラの、猿の様な耳が真っ赤に染まってゆく様と、背中にゆっくりと回された腕の感触を、暫く楽しんでいた。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/29(火) 00:06:10 ID:J+mSXbf9O<> 何とか間に合ったでしょうか?
棚投下を考えていた時に神IDが出たもんで調子乗りましたww
この二人は本当にお互いを好きって感じが出てて萌えます。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/29(火) 00:14:48 ID:3B0HXQ2I0<>       デ ン デ にry で 調 子 乗 っ た
             ,、
               l \             /:::::
               |   \  ______/:::::::::::
               |    `´. . ..::::::::::::::::::::::::::::::
         ピッ♪  |         . ..::::::::::::::::::::::::::::::
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   \ ヽ= == =.=PSP>...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

亀仙人×鶴仙人
第零次ピッコロ編直後
叱らなかった本スレの姐さんたちが悪いんだからね! <> 1/4<>sage<>2008/07/29(火) 00:15:49 ID:3B0HXQ2I0<> 師の亡骸を土に埋めながら、ひとりじゃなくてよかったと、切実に感じていた。
一人で運ぶには、武泰斗の名は鶴仙人にとってまだ重すぎる。
亀仙人が入った深海を眺めながら、鶴仙人は考えていた。
これからのこと、今までのことを。
これからも武の道を歩み続けるだろう。
幼いころから、誰よりも強くなる日を夢見ていた。
だけど、圧倒的な強さを前に、鶴仙人は思い知らされる。
自分が、どのくらい強くなるかを。
「電子ジャーを捨ててきたぞ」
体中から水滴を垂らしながら陸に上がってきたこの兄弟弟子よりも、強くはなれないということを、思い知らされた。
それから、もうずっと後に復活するであろうピッコロ大魔王を倒すべく現れる次世代のつわものたちなど、きっとレベルすら違うのであろう事を、鶴仙人は未だ過去である現時点において自覚していた。
「ああ…ご苦労だったな」
海の近くから集めた薪は、湿気ているせいで煙が目に痛い。
しかし師の通夜である今夜、火を絶やすわけにはいかない。
亀仙人も火の側に来ると、脱いだ道義を絞り炙った。
髪がないお陰で乾かすのは楽だろうと、心の中で厭味を言って一人笑う。
昔から、この同門の士は気に食わなかった。
「おい、鶴」
「何だ亀」
「お主これからどうする?」
「…」
雨の日も風の日も、厳しすぎる師の下、ずっと共に修行した。
外されることの許されない重石をつけながら、早朝から島中を駆けまわり、素手で畑仕事をして、土木工事を手伝わされた日々。
それが何のためになるのか分からぬまま、我武者羅に走り回った。
その頃から、目の前のこの男が嫌いだった。
「ワシはどこか小さな島でのんびり暮らそうと思う」
「…お前らしいな」
いつか殺したくて仕方がなかった。
師にもう教えることはないと言われ、袂を別けてからも、この男を越えることだけを目標に技を磨いた。
邪悪な気を感じ、それが魔族のものだと理解し、急いで師の元に戻った時も、自分と同じように魔族に気付いた亀仙人はきっと師の下に来て共に戦おうとすると思ったからだ。
<> 2/4<>sage<>2008/07/29(火) 00:17:21 ID:3B0HXQ2I0<> 世界のためではない、ただ、この男を殺したくて、魔族に挑んだ。
しかし、師が死んだその瞬間自覚する。自分がこの男を倒せるはずがないと。
「それで、お主はどうするんじゃ?」
「…弟子でも取るさ」
お前を殺す人間をこの手で育てるために。
「そうか、お主は意外と師匠に向いているかもな」
「お前よりはな」
亀仙人はしかし、鶴仙人の毒舌にもなれ、それ以上突っかかることもなく、自然会話は途切れ、杭を打っただけの師の墓をただふたりで眺めた。

「土を手で掘らされたな」
薪をくべながら、不意に亀仙人のほうから口を開いた。
「ああ」
「鶴が初めての修行に来た日、夜中爪が割れたと泣いていたな」
「…いやな事を思い出しやがって」
「まだまだお主紅顔の美少年だったな…それが、こんな風に――」
「こんな風に、なんだって!?」
変わったのはお互い様だ。大体、亀仙人に至ってはすっかり禿げ上がっている。
若禿げの武道家なんて格好がつかない。もし自分が弟子を取ったら、まず髪を剃らせよう。
「大体その『こんな風』に手を出したのはどこのエロ亀だ?」
「ぐっ――な…!お前だってまんざらでもなかっただろ!」
「兄弟子に気を使った健気な弟弟子の気持ちがわからんでか」
亀仙人はしばし押し黙ったが、突然いやらしく笑うと、にじり寄り、鶴仙人の腕を強く掴んだ。
「おい、何のつもりだ?」
「なあに。久々に会った兄弟子に、また気を使ってもらおうとおもうてな」
岩に向かって突き飛ばされたと思ったら、亀仙人の顔が接近していた。
<> 3/4<>sage<>2008/07/29(火) 00:18:01 ID:3B0HXQ2I0<> 「お前、師の――」
師の、通夜だった。
思い出す。何かにつけて兄弟子に張り合う自分の姿を笑ってみていた師の姿を。
大体にして湿っぽさなど柄じゃない、どうせなら――鶴仙人は道着の帯を自らほどいた。
亀仙人もにやりと笑う。
「下手糞だったら噛み切ってやるぞ」
「なあに、こっちもまだまだお主には負けんわい」
ぎゅっと乳首を摘まれ、体がびくりと反応している間に、器用にも服を脱がされ、全身を手早く指先で確認される。
「こんな凶暴な弟弟子の口なんて使えん…尻を貸してもらうぞ」
「おっ…ちょ――」
ムードも何もなく足を開かされ、いきなり親指を押し込まれる。
「ぐっ…手ぐらい洗ってからにしろ!」
「べつに死にはせん…おっ、たまには使っているのか?なかなかしっぽり飲み込んでくれるぞ」
マッサージするように入り口を解されただけで、鶴仙人は感じてしまった。
「もしやワシの味が忘れられなかったか?」
「ほざけ――んっ」
奥まで入った親指を一気に抜かれると、息をつく間もなく一刺しと中指が入り込んでくる。
言いなりなんてごめんなのに、股間は隆起し、期待と圧迫感で先走りがだらしなく零れ始めた。
それを助けに、亀仙人の指がピストンを始めると、ぐちゃぐちゃ音が立ち波の音すら掻き消す。
「これなら指を使わなくてもよかったかな…っしょ、と」
「ッッッ――」
鶴仙人の意志を確認することもなく、無遠慮な怒涛が腹の中を貫通し、そのまま激しく何度も打ち付けられる。
「おっ、お!!ああ!っ!!ぁアアッ、ッッぅ!!」
快感を与えることなど無頓着で、ただ己の欲を発散させるためといわんばかりのこの行為に、しかし浅ましく感じてしまう自分を見せたくなくて、思わず掌を噛む。
亀仙人はそんな様子をにやけながら見ていた。
頭にくる、お見通しなのが。
「きっついの――千切られそうじゃ…おいお主、もうちっと腰を振らんか、声を出せ」
「だっれが…このエロジジイ――ひゃあ!!」
意地悪に一番弱い部分を強く責められ、ついに鶴仙人は観念した。
自分の声とは思えないような甘いそれが亀仙人を喜ばし、それがどうにも許せない。
「ははっ、相変わらず好き者じゃな」
亀仙人の高笑いに内心臍を噛みながら、鶴仙人は久しぶりにこの質量で達した。 <> 4/4<>sage<>2008/07/29(火) 00:18:39 ID:3B0HXQ2I0<>
海で体を洗ったが、それでも亀仙人の匂いが取れない気がしていた。
忌々しく睨みつける先には、先ほど鶴仙人を貫いたそれをしまうこともなく満足しきった顔で高いびきをかく亀仙人。
今なら殺せるだろうか――一瞬どどん波の構えをしてみたが、あまりに無防備なその姿がかえって気味悪くなり、気を収める。
後ろは、未だ亀仙人がいるような気がして、どうにも落ち着かない。
その気分を変えようと、道着に袖を通し、開発したての舞空術で亀仙人の上空に浮かんだ。
気功砲ならば、まず殺せるはずだが、自分の寿命が危ういので決行はしない。
この男を殺そうとした殺意が、自分にさまざまな技を与えたのであれば、あの幼い日武泰斗の下で出会ったのは運命だったのだろう。
それぞれが、次の世代に伝えるための技を磨くための。
「ほう、そんな技まで編み出したのか?」
いつの間に目を覚ましたのか、或いははじめから眠っていなかったのか、亀仙人がこちらを見上げている。
「お前と違ってこっちは真面目に修行してたんじゃ」
「ワシだってまんざらでもないぞ」
「どうだかな」
海を見た。
水平線から光が零れ始めている。
このはるか底にピッコロ大魔王を封じ込めた電子ジャーが眠っていることは、自分と亀仙人しか知らないこと。
師の墓は二度と省みないだろう。
今でこそ恐れられるピッコロ大魔王の記憶は、いずれ御伽噺になるだろう。
御伽噺が再び甦ったとしても、この夜の自分と亀仙人のことを知る者はいない。
自分の殺意、熱、快楽を、誰も知らない。
「じゃあまた生きてたらどこかでな」
「おい、もう行くのか――!?」
柄にもなく手を振ってみる。
亀仙人はこちらに向かって何かを叫んだが、波の音しか聞こえない。
「さ、弟子でも見繕うかの」
亀仙人を倒し、復活したピッコロ大魔王を封じ込めるための――。
鶴仙人は水平線の向こうに向かって飛んだ。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/29(火) 00:22:52 ID:3B0HXQ2I0<>              ,、
               l \             /:::::
               |   \  ______/:::::::::::
               |    `´. . ..::::::::::::::::::::::::::::::
         ◎    |         . ..::::::::::::::::::::::::::::::
            ヽ   /       ...:::::::::::::::::::::::::::::
       ____,'      丶ー    ...::::::::::::
    ,:'_ノ::::::::::::::| ●     ●     ...:::::::::::::::
   ./;f,   r――‐{   |--イ         ...:::::::::::::::::
  /( ╋ | ;;;;;;;;;;;ヽ  ` ノ       ...::::::::::::::::::::
  ( ノ^;  └―――ヽ、     ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   \ ヽ= == =.=PSP>...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
>>386姐さん神IDおめ
小説もめっさツボッた
今日もIDに9入ってるね

>>70-71姐さんレスサンクス <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/29(火) 00:32:51 ID:/kiuTQtKO<> >>388
モ工エェ(*´Д`*)ェエ工
丘村さんの可愛さに毛根死滅しました <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/29(火) 01:15:29 ID:/qQsrVIW0<> >>388
神IDオメです
カワイイお二人にモエー
まさにゴチでしたw <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/29(火) 14:55:31 ID:5vh6t16KO<> >>388
凄く…よかったです… <> 四四/擬明日<>sage<>2008/07/29(火) 18:40:26 ID:Kpr1BUvg0<> ルルーシュがロロ関連スレに入り浸っているところを妄想したのでやってみました。
ルルーシュのキャラ崩壊してるので、苦手な方はスルーよろしくです。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> 四四/擬明日<>sage<>2008/07/29(火) 18:40:44 ID:Kpr1BUvg0<> ロロのことを調べていると、2ちゃんねるとかいう巨大匿名掲示板を発見した。
ロロに関して専用のスレッドが存在するのか。どれどれ…?

なんと、ロロのファンなど名乗る輩がいるのか!
何、ロロ雑巾だと…?雑巾と呼んでいいのは俺だけだ!くそっ!反撃してやる!
ロロ厨?なんだそれは。カテゴリか何かか。
検索すると極度のファンらしいことがわかったが、俺はロロのファンなどでは決してない!
む、こちらではアンチと呼ばれる奴らが俺をかたって変な絵を文字で書き込んでいやがる。
ナナリーまで!ナナリーはそんな乱暴な子ではない!失礼な!
書き込んだ奴を探し出して報復してやりたいが、今は調査が先だ。

ん?これはなんだ…?ちゅっちゅっしたい…だと…?!ふざけるな!ちゅっちゅしていいのは俺だけだ!
これまでだって散々…いや、今はそんなことできる間柄ではなくなってしまった。
し、したい訳では!あんな偽物!雑巾にちゅっちゅなんてできるか!
し、しかし…ここは匿名…。周りに誰もない…。

「ロロたんとちゅっちゅしてはぁんしたい」 <> 四四/擬明日<>sage<>2008/07/29(火) 18:41:05 ID:Kpr1BUvg0<> ぐわっ!!俺はなんて馬鹿なことを!今書き込んだもの全部削除してやる!
…削除できないのか…!くそっ!履歴キャッシュクッキー全て削除だ!

ん?なんだこれは…「ルルーシュの弟ロロを」…「全力で」…犯すだと!?
許さん!それをしていいのも俺だけだ!あ、いや、するつもりなどないがな!
なになに、妄想を語る場所なのか。画像まで加工して貼っている。
な、なんと…こ、これは…。
くそ、画像はほとんど404ではないか!テキストだけでも保管してやる。誰にも見られないようにパスワードを設定しなくては。

む、気づけばロロのフォルダが大変なことになってしまった。フォルダごとパスワード設定しなくてはいけないな。
保管庫?なんだ画像を保存する掲示板があるのか。
な、なんだこの画像は!これは俺は知らないぞ!これは学園の…トイレか?…てことはこれは…!
書き込みからするとラウンズのアーニャというやつが撮ったというのか…!
あの女…!写真は没収してやる!
それにしても可愛…いやいやいかんこれは調査だった!忘れるところだった。調査を続けなくては。 <> 四四/擬明日<>sage<>2008/07/29(火) 18:41:22 ID:Kpr1BUvg0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

自サイトに載せようか迷ったのですが、
ネタがネタなだけにここに投下させて頂きました。失礼致しました! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/29(火) 20:34:18 ID:8QFNkZo90<> >>403
トン! 吹いたwww
ルルーシュ…!
2住人に喧嘩売る暇があるなら今すぐ弟にちゅっちゅしてやれよw <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/29(火) 22:06:11 ID:MYJFM6U70<> >>392
スレで話題出て以来頭から離れなかったんだ
若い亀鶴に激しく萌えた! ありがとう! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/29(火) 23:55:50 ID:J+mSXbf9O<> >>396-399とナイナイスレの方。
IDが変わる前に。ありがとうございます。
今度もまたIDに神が降りなくても書いてみますww <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/29(火) 23:59:13 ID:5Gk5w5An0<> PINK板の中の801板といえば、行き遅れ直行の女モドキが、お気に入りを担いでぶつかり合う、
奇怪な板として、2chに知られている。
益体のない話のあと、女達は他の板を広げ、堂々とマンズリする。
女モドキの下着は、激しいマンズリでドロドロボロボロになるから、使い捨てで、ゴミとして出される。
俺はそんな生ゴミには興味もわかない。
深夜、俺一人の祭が始まる。
俺はもう一度奴らに汚された他スレのみ閲覧し、スレ中に煽りと誹謗中傷をばら撒き、
ウォーッと叫びながら、即レスの海の中を転げ回る。
汚されたスレは、ゾンビ臭がムンムン強烈で、俺の嫌悪感を刺激する。
スレの中の住人は、もうすでに痛ましいほど虐げられている。
即レスの中に顔を埋める。臭ぇ。
腐マ○コ臭、行き遅れ臭や、ゴキ腐リ独特のゾンビ臭を、胸一杯に吸い込む。溜まんねえ。
臭ぇぜ、ワッショイ! 自称「雄野郎」ワッショイ!と叫びながら、全てのレスに煽りを入れる。
嗅ぎ比べ、一番腐臭がキツイレスを主食に選ぶ。
そのレスには、我慢汁の染みまでくっきりとあり、ツーンと臭って臭って堪らない。
そのレスを書き込んだ奴は、テレビで恥も外見もなく顔出しで出演した、40代の、
女モドキだろうと、勝手に想像して、鼻と口に一番臭いレスを押し当て、
思いきり嗅ぎながら、自称ガチムチ野郎臭ぇぜ!俺が相手をしてやるぜ!と絶叫し、
キーボードをいっそう激しく打つ。
他のレスは、ミイラのようにアンカーに巻き付け、
自称ガチムチ野郎の醜態を眼に焼きつけながら、ウオッ!ウオッ!と唸りながら
煽りまくる。
自称ガチムチ野郎のレスは、俺の誹謗中傷でベトベトに汚される。
自称ガチムチ野郎、貴様はもう四面楚歌だぜ!
俺の祭が済んだあと、他のレスとまとめて、過去ログに入れDドライブにしまい込む。
また来年、女モドキでせいで迷惑している他スレを見つけるまで、オカズに使う。
Dドライブにはそんな隠しフォルダーが容量限界まで仕舞ってあるんだぜ
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/30(水) 20:11:04 ID:wUjUVOKF0<> すばせか、アナザーデイより区長とカフェ店主。
本編、アナザー、シークレットレポート全域のネタバレ含みます。
1.ゲームをプレイ予定、もしくはプレイ中
2.元ジャンルで接点の無いキャラのカプが嫌い
3.エロがなければ801とは認めない
以上に該当する方は閲覧注意です。

>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> すばせかアナザー ハネメグ 1/9<>sage<>2008/07/30(水) 20:13:33 ID:wUjUVOKF0<> 清々しい陽光の差し込む、早朝のカフェ。
店内に、客の姿はない。
ただ奥から、勢いの良い水音だけが響く。

店主・羽狛早苗は、厨房で食器を洗っていた。
傍らには、小さな防水ラジオ。
だが、水音にかき消されそうな音量で鳴るニュースは
ここではなく、もっと高い次元から放送されるものだ。
同じ波長を持つ者にしか、その内容は聞き取れない。
たとえ今、近くに居合わせた者がこの放送を耳にしても、
単なる雑音にしか聞こえないだろう。

“緊急ニュースです。今日未明、第……並行世界にて
 堕天使が発生したとの通告がありました”
――やれやれ、またか。
内心で呟きながら、羽狛は食器を洗い続ける。
あらゆる世界、あらゆる組織にはルールが存在する。
そのルールを破る者も、あらゆるところに存在する。
高次元から世界を見守る存在も、例外ではない。
今さらその報が増えたところで、目新しさは感じなかった。

ラジオからの速報は続く。
“罪状は、下位次元の存在に対する機密の漏洩。
 上層部は全ての並行世界において犯人を指名手配し、
 引き続き行方を捜索中です。犯人の氏名は――”
直後に放送された名前に、羽狛の手が大きく滑った。
プラスチックの食器は割れることこそなかったが、
固い床に落ちたそれは、派手な音を立てて跳ねる。
<> すばせかアナザー ハネメグ 2/9<>sage<>2008/07/30(水) 20:14:49 ID:wUjUVOKF0<> 羽狛は何度も耳を疑い、聞き違いだと思おうとした。
だが、アナウンスはご丁寧に同じ内容を繰り返し、
彼の聴力と解釈の正しさを証明してくれた。
“発見したら、直ちに通報されたし。協力に期待します”
濡れた手でラジオのスイッチを切り、羽狛は嘆息する。
――マジかよ。
指名手配を受けているのは、別の世界の自分だった。

高次元から降り立ち、世界を見守る存在。
羽狛も、その一人だ。
彼らは自らの持つエネルギーを調整することで、
全ての世界において同時に存在することができる。
同じ姿、同じアイデンティティを基礎に持つ者が、
無数の次元、そして並行世界と同じ数だけ存在するのだ。

だが、同じ存在であっても、経験によって意識は変わる。
姿形は共通でも、思考は必ずしもそうではないし
次元や世界の壁を越えて、それを知ることもできない。
ゆえに、一つの世界にいる者が罪に問われたとしても
上層部による捜査や処罰を故意に妨害しない限りは、
別の世界にいる同一の存在にまで、それが及ぶことはない。
だからこそ、この世界に存在する羽狛早苗は
何ら慌てることなく、水仕事に精を出していられる。 <> すばせかアナザー ハネメグ 3/9<>sage<>2008/07/30(水) 20:15:13 ID:wUjUVOKF0<> しかし、法的な問題と個人的な心情のそれは別だ。
全く与り知らぬこととはいえ、名前も姿形も同じ存在が
罪を犯したというのは、お世辞にもいいニュースではない。
まして、全ての並行世界で指名手配を受けるほどの罪だ。
もう一人の自分は誰に、どんな機密を伝えたのだろう。
次元を行き交う者の犯す罪は、影響も甚大だ。
ある世界で犯された小さな罪が、他の次元においては
世界そのものの存続に関わることも決して少なくない。
もう一人の自分も、それを知らぬわけではないだろうに。
――どっちにしろ、面倒なこった。
羽狛は、自らの存在するこの世界を愛していた。
別の並行世界の都合で、崩壊でもさせられては堪らない。

憂いを振り払うように、厨房を出た。
休日の朝。
多くの飲食店は朝食目当ての客で賑わう時間だが、
センター街からも離れたこの店は静かなものだ。
当然のようにカウンター席に座っている、ひとりの客を除いて。 <> すばせかアナザー ハネメグ 4/9<>sage<>2008/07/30(水) 20:15:35 ID:wUjUVOKF0<> 「遅かったな。休業かと思ったが」
深みのある、しかしよく通る声。
視線を完全に遮るサングラスと、暗色のスーツは
朝方のカフェよりも、深夜のバーに似合うだろう。
だがこの客は飽きもせず、決まった日にここを訪れる。
羽狛も、それを承知の上で店を開けている。
「お前が来なけりゃ、二度寝が楽しめたんだがな」
「それは失礼した、私に構わずぜひ休んでくれ」
「おい、何も頼まずに帰る気かよ」

半ば約束めいた、軽口の応酬。
だが、羽狛は知っている。
一見無意味なそれは、ある事実の象徴だ。
他の世界では永遠に失われた、かけがえのない幸福。
ここには、その幸福が失われることなく存在している。

コーヒーと軽食を出すと、男は黙って口をつけた。
カウンターに肘をつき、羽狛はその様子を見守る。
二人だけで過ごす、どこまでも静かな朝。
寂れたカフェの、惨めな光景と思う者もあるだろう。
羽狛だけが、その本当の価値を知っている。

とはいえ、この今を楽しんでいるという点に関しては
開店を待ち受けるように来ていた、男の方も同じだろう。
急ぐことなくカップを傾け、軽食を味わう佇まい。
羽狛と違って、他の並行世界を知るはずのない彼も
この一時に、彼なりの価値を見出しているようだった。 <> すばせかアナザー ハネメグ 5/9<>sage<>2008/07/30(水) 20:16:06 ID:wUjUVOKF0<> 「いいのか?大事な一戦に遅れちまうぞ」
飲み下されたコーヒーが、返事を一瞬遅らせる。
「構わんよ。まだ、時間は十分ある」
答えの合間に、もう一口。
「他の参加者も、肩慣らしをしている頃だろう」
この世界において、全ての価値観を握るゲーム。
彼は、その重要な試合を直前に控えているのだ。
だが、口元に湛えられた微笑は平素と全く変わりなく、
悠然とカップを傾ける姿は、欠片ほどの焦りも感じさせない。

「お前は、いいのか?」
「何がだ?」
「肩慣らしだよ」
羽狛が問うと、男はカップを置いて顔を上げた。
口元の微笑に、何かを待ち望む色が混じっている。
「付き合ってくれるのか?」
「お前、わかってて言ってるだろ」
羽狛は肩を竦め、大仰に溜息をついてみせる。

羽狛自身は、件のゲームをやったことがない。
男が出場するような大会はおろか、個人的な対戦さえもだ。
『その世界の価値観を握る事象に、関わってはならない』
高次元から降りる者に課せられる、ルールの一つだ。
観察することは認められるが、当事者にはなれない。
もちろんそれは、他人に容易く明かせることではない。
だから羽狛は、自分がゲームに参加しない理由を
単に興味がないからだとして、本当の理由を隠している。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/30(水) 20:17:39 ID:wUjUVOKF0<> [][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

連投規制かかりそうなので、一旦ストップ。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/30(水) 20:45:21 ID:szSyF2yJ0<> ハネメグキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ッ!!!!! wktkして続き待ってます! <> 408<>sage<>2008/07/30(水) 21:05:39 ID:wUjUVOKF0<> Σちょwwおまwww
まさか当日中に反応あると思わなかった、d。
期待に沿えるか分からないけど

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ツヅキ ドゾー! <> すばせかアナザー ハネメグ 6/9<>sage<>2008/07/30(水) 21:06:07 ID:wUjUVOKF0<> 男には、それが物足りないらしかった。
「君は、頑なだな」
思案深げに口元に手をやる、彼の視線は理知的だ。
「社会の縮図とも呼べる、この興味深いゲーム。
 街の誰もが熱狂しているというのに、君だけが冷静だ」
分析するような眼差しが、頬を撫でる感覚は心地良い。
「私の啓発が足りないのか?」
「よく言うぜ。来るたびに、同じこと言ってるじゃねえか」
「それだけ、君の腕前に興味があるということだ」
「おだててんのか?その手には乗らねえぞ」
「世辞ではなく、予測だ。……いや」
評価と、いうべきか。
そう言いながら、男は羽狛の片手を取った。

決して、力任せの挙動ではない。
「君となら、きっといい勝負ができる」
まるで貴婦人を導くように指先を捕らえたまま、
そこから掌に至るまでの造作をつぶさに眺める。
「もう一度訊こう」
そして顔を上げ、羽狛の瞳を見据える。
「一戦だけでいい。……どうしても、気が進まんか?」
サングラス越しにでもわかる、強く真摯な眼差し。
思慮深げな言動の裏、垣間見える情熱は美しい。
拒むことが、本当に胸を苦しくさせるほど。 <> すばせかアナザー ハネメグ 7/9<>sage<>2008/07/30(水) 21:06:34 ID:wUjUVOKF0<> それでも、彼に手を引かれるままではいられない。
共に行けない本当の理由は、苦笑で隠すしかない。
「……そうやって、いっぺんでも誘いに乗ってみろ」
それがルール。
男が立つこの世界を守るため、課せられた掟だ。
「こうして、祈ってやることもできねえだろ」
片手を取っている男の手を、空いた手でさらに包む。
頭を垂れ、額を添わせる。
彼にしてやれる、数少ないことの一つだ。
視線だけを上げると、彼もまた苦く微笑んでいた。
「……実に、残念だ」
その言葉も、おそらくは嘘ではないのだろう。
広い掌は逆らうでもなく、羽狛の両手に委ねられている。

羽狛はふと、男の名を呼びたくなった。
そうすれば、彼の誘いに乗れないことに対して
何がしかの埋め合わせができるように思ったのだ。
だが、口を開き、彼の名を声に乗せようとして、
それすらも叶わないことに気づいてしまう。
この世界の羽狛は、一介のカフェの店主だ。
そして男は、常連ではあっても単なる客にすぎない。
たとえ彼の名が、この街で広く知られたものであっても。
羽狛がそれを呼びかけることは、不自然でしかないのだ。 <> すばせかアナザー ハネメグ 8/9<>sage<>2008/07/30(水) 21:06:58 ID:wUjUVOKF0<> 顔を伏せたまま、自分に言い聞かせる。
それもまた、幸福の象徴なのだ。
喪失を繰り返した、他の並行世界の歴史は語る。
羽狛と男を結ぶ唯一の接点は、この街の危機だ。
この街が、この世界が、崩壊の危機に晒された時。
二人の道は初めて交わり――そして、行き違う。
世界の未来と引き換えに、彼の存在は失われる。
だから、この日常は幸福の象徴なのだ。
誰も失わずに得た、平穏な日々こそがこの世界の誇り。
名で呼ぶほど彼が近しくなる日など、永遠に来なくていい。

感傷を振り払うように、顔を上げた。
男の手の温かさが、今さらのように伝わってくる。
少し、安心した。
そして思う。
もう一人の自分は、何を思って禁を破ったのだろう。
自らの立つ世界から、他の並行世界にまで波紋を広げて。
全ての世界に背き、消えぬ罪を負い、何を得ようとしたのか。
昨日と同じ今日、今日と同じ明日。
誰も何も失わず、繰り返される穏やかな日々。
その日常ほど尊いものなど、ありはしないのに。 <> すばせかアナザー ハネメグ 9/9<>sage<>2008/07/30(水) 21:07:27 ID:wUjUVOKF0<> 「時間、間に合うか?」
問いかけると、男は初めて気づいたように時計を見た。
「……そろそろ、だな」
言いながら、カウンターに紙幣を置いて立ち上がる。
釣銭を差し出した羽狛の手を、広い掌は軽くかわした。
「しっかりな」
せめてもの餞にかけた言葉にも、返事はなかった。
代わりに、肩越しに返される、力強く不敵な笑み。

カウンターに頬杖をつき、去りゆく背を見送る。
スーツの背中は、もう振り向きはしなかったが
広い掌は名残を惜しむように、最後まで振られていた。

客の姿が見えなくなった後、羽狛もまた立ち上がる。
指名手配者の発生が、この世界に与える影響を探るのだ。
この世界は、奇跡のようなバランスで成立している。
混じりあう雑多な思念の、混沌と秩序。静止と流動。
個人と世界は相互に関わり合い、今も成長を続けている。
全ての要素を失うことなく辿り着いた、理想的な均衡。
他の世界では消滅した存在をも、穏やかに包む幸福。
今さら、それを崩壊させるわけにはいかない。
たとえ、もう一人の自分が相手であろうとも。

誰もがそれぞれの今を全力で生き、楽しむ世界。
全ての者が欠けることなく、笑い合って存在する世界。
この世界の羽狛早苗は、その価値を誰よりもよく知っている。 <> 408<>sage<>2008/07/30(水) 21:09:30 ID:wUjUVOKF0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

あれ、これハネメグというより逆じゃね?と
全部投下してから気がついた。期待してくれた姐さんゴメンorz

読んでくれた方、長文投下に付き合ってくれた方、dクス。
お目汚し失礼しましたノシ <> さよならを言いに 1/4<>sage<>2008/07/30(水) 23:42:10 ID:bzZiO8wo0<> ナマもの注意
全星フカーツ記念 ブラッ句ホッ史ーの中の人×YB26
中の人が北に旅立ったときの話

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


ス夕ジアムで、今年はじめての仕合が行われる日のことでした。
朝、差益さんが口ッ力ールームに入ると、ブラッ句ホッ史ーが立っていました。
差益さんは、あまり大きくない目を見開いて、何度かまばたきをして、
それから、くるりと背を向け、部屋から出てゆこうとしました。
そのとき、ゴンという大きな音とともに、ドアの枠におでこをぶつけた差益さんは、頭を抱えてうずくまりました。
あわてて駆け寄ったブラッ句ホッ史ーの大きな手を振り払い、差益さんはますます腕に頭をうずめて小さくなりました。
さすがのブラッ句ホッ史ーも差益さんの周りをおろおろとうろつくだけでしたが、
やがて、うつむいたままだった差益さんが、ぽつりと呟きました。
「お前……、よそ行くってゆうてたやんか」
はっとして、ブラッ句ホッ史ーは差益さんの前に座りました。 <> さよならを言いに 2/4<>sage<>2008/07/30(水) 23:42:44 ID:bzZiO8wo0<> ゆっくり、差益さんは顔を上げました。
「俺になんも言わずに、決めよって……」
少し赤くなった目が、ブラッ句ホッ史ーへと向けられました。
いつも、ブラッ句ホッ史ーといるときだけは必ず笑っていた差益さんでしたが、
今は、その瞳もじんわりした悲しみの色にぬれているのでした。
思わずといった感じで、赤いまなじりに向けてのばされたブラッ句ホッ史ーの手は、差益さんに握られやんわりと下ろされました。
つないでふらふらゆれる手と手を見つめながら、差益さんは言いました。
「別れのあいさつなんやろ……。これ」
少し、ためらうような間があったあと、ブラッ句ホッ史ーは、ただ一度、はっきりとうなずきました。
差益さんは、少しだけ、笑ったようでした。
「まだ才ープン戦やのに、こんな早うから来るやつがおるか。…アホ」
あほと言われても、ブラッ句ホッ史ーは、差益さんならきっと一番に来ると知っていました。
三月の寒さに負けず、バッ卜を振る横顔が見えました。
一番はじめにお別れをするのは差益さんと、ブラッ句ホッ史ーは決めていたのでした。
怖いほど真剣な顔をして、差益さんはブラッ句ホッ史ーを見つめています。
じゃれあいが終わったあと、ふとバッ夕ーボッ久スに顔を向けた差益さんが見せるまなざしに似て、
心の中に焼きついている顔が、今、ブラッ句ホッ史ーの目の前にあるのでした。
ふいに、つないだ手をたどるようにして、差益さんはブラッ句ホッ史ーに抱きつきました。 <> さよならを言いに 3/4<>sage<>2008/07/30(水) 23:43:07 ID:bzZiO8wo0<> いつもするプ口レスごっことは違うふれあいに、ブラッ句ホッ史ーの肩が一瞬、ぴくっとこわばり、
差益さんのかける重さのまま、ブラッ句ホッ史ーはあお向けに倒れました。
ブラッ句ホッ史ーの肩のあたりに顔をうずめ、差益さんは言いました。
「なあ……、約束するから」
低く、くぐもった声が、不思議と熱っぽくひびきました。
「お前のこと、見た目が変わっても、絶対見つけたる」
言葉が、しんからからだをあぶっているかのようでした。
最後は、ブラッ句ホッ史ーとして別れようとは、ずっと思っていたことでしたが、
すべて脱ぎ去ってしまいたく、布ごしに、差益さんの熱いからだがこすれるたび、ブラッ句ホッ史ーはくらくらしました。
からだを起こした差益さんは、顔をのぞきこむようにして、ブラッ句ホッ史ーの頭の横に手をつきました。
いつもは少し上のほうにある差益さんの顔がやけに近く、何かこらえているような視線さえ、
ブラッ句ホッ史ーにははっきり見えました。
自分がそのような目をさせているということは、ブラッ句ホッ史ーの胸を苦しいような甘さでうめつくすのでした。
謝るかわりに、ブラッ句ホッ史ーは差益さんの頭をそっとなでてみました。
差益さんは、少しだけ目を細めました。とても静かな表情でした。
とても、静かなひとときでした。 <> さよならを言いに 4/4<>sage<>2008/07/30(水) 23:43:53 ID:bzZiO8wo0<> ふいに、口ッ力ールームの外から、足音が聞こえました。
ふたりとも、思わずといった感じで立ち上がり、顔を見合わせました。
差益さんは、いたずらを見つかった子どものような顔をしていました。
「これから、みんなに、あいさつしに行くんやろ」
一度だけうなずき、少し考えてから、ブラッ句ホッ史ーは、右手を差し出しました。
差益さんは、自分のほうへ向けられた黄色い手を見つめ、くちびるをきゅっと結びました。
やがて、ブラッ句ホッ史ーの手のひらを、手のひらでパシンと軽くはたいてから、かすれた声でひとこと、
「……がんばれよ」
笑うのを失敗したような顔で言われたので、「当たり前よ!」のポーズをしてみたら、
差益さんはもう一度笑おうとして、うつむきました。
自分の目がもとから充血していてよかったと、ふと、ブラッ句ホッ史ーは思いました。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/30(水) 23:44:12 ID:bzZiO8wo0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
思えばこのカプが益子萌えのはじまりでした <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/31(木) 00:00:00 ID:gDMN1h8E0<> >>426
も、萌えた!ありがとう!
ブラッ句ホッ史ーのビジュアルが外のまんまで脳内再生されたのに
萌えてしまいましたw
差益さんはいい男だと思っているのでなんか嬉しかったです。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/31(木) 01:04:34 ID:/Vz8Cier0<> >>426
テラモエタ
この後のエピがまたいいんで続きができたらお願いします <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/07/31(木) 11:27:34 ID:Nmq+DT4L0<> >>408
ハネメグキター!!
昨日と変わらない今日〜のアナザーデイのテーマまで盛り込まれてて泣いた
名前も呼べないサナエちゃんにせつなさみだれうちです。きゅんきゅんしすぎてやばい
すばらしいもの読ませてくれてありがとう!GJです! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/01(金) 01:43:56 ID:L0lHXRAG0<> >>426
差駅さんおっとこまえ <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/01(金) 07:20:40 ID:02754QzN0<> >>408
GJ!
ハネメグ初めて読んだけどおっさん達に萌えた・・・!
拒まなければならない羽狛さんセツナス <> ☆カイル×ジューダスSS「劣情と友情」1/7<>sage<>2008/08/01(金) 08:10:14 ID:/E01tM/w0<> 初心者なんで、色々手違いあるかもです。
BL著作物に触れたこともなければ、書くのも初めてなんですが……察してください

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


 ぼっちゃんの性癖について、疑問に思った方は多いんじゃないでしょうか?
 年頃の少年だというのに、女性に興味を示さないどころか、遠ざけている印象すらありますよね。……一部例外もいますけど。
 ありていにいうならば――ぼっちゃんは、同性愛者なんです。
 何故?
 うーん……何ででしょうね?
 ぼくには分からないし、たぶんぼっちゃんにも分からないと思います。
 普通の男性が女性を求めるように、ぼっちゃんも男性を求める。
 それが普通じゃないと言われても、ぼっちゃん自身が本能的に求めるのだから、深い理由はいりますまい。
 ですが、ご存知の通り、ぼっちゃんはとても自尊心がお強い。
 生涯を共にするぼく以外には、その事――自分が同性愛者だということを隠し通してるんですよね。
 ……でも、それは、あの少年の前では無駄だったんです……
 ――あ、自己紹介が遅れましたね。
 ぼくは、ピエール=ド=シャルティエ。常にぼっちゃんの傍らに帯同している、細身の曲刀です。 <> ☆カイル×ジューダスSS「劣情と友情」2/7<>sage<>2008/08/01(金) 08:11:49 ID:/E01tM/w0<>  微かに白みがかった夜空に、弦月の光が煌々ときらめいています。
 夜も更けた頃合いのリーネの村は、全ての者が床に就き、静寂に包まれている……ように思えますが、
「……ふぅっ……くっ……」
 リリスさんの家――の暗がりに僅かに洩れるのは、ぼっちゃんの途息です。
 ……どちらかというと喘ぎ声に近いかもしれません。
 黒いパジャマに身を包み、毛布の下の方に手を忍ばせて、‘何か’を凝視しながらモゾモゾしています。
 視線の先には――金髪ツンツンの髪をいただいた、あどけない顔立ちの少年。
 掛け布を跳ね飛ばし、トランクス一枚で手足をあらぬ方向へ投げ出しながら、いびきを掻いて眠っています。
 ……なんという寝像の悪さでしょうね。
 でも、ぼっちゃんはそんな少年――カイルくんの寝姿を見て、色情を起こしているんです。
 しきりに、一心不乱に自らを慰め美貌を歪めるその姿に、男のぼくでも何かをそそられる気がします。
「……! ぁふっ……んっ……!!!」
 限界が近いようで、虚ろなひとみを目一杯に見開き、一筋の雫が頬をつたって落ちていきます。
 陰部を擦るテンポが速くなり、口元には涎がだらしなく垂れかかり……
「――!! ぅっ……あっ! はっ! んんんっ!!!――」
 なまめかしい喘ぎ声とともに、ぼっちゃんの全身が二度、三度、快楽によってびくびくとうちふるえました。
 双眸を閉ざして、呆けたように口を半開きにして、恍惚の表情を虚空へ向けています……
「はぁ……はぁ……はぁ……」
 うーん……カイルくんはともかく、濃い褐色肌と銀髪を有する長身の青年――ロニくんにバレないのは、奇跡としか思えませんね。
 それはともかく、ぼっちゃんのみだらなこの姿を見て、男のぼくですら非情に色っぽいと思ってしまうところに、罪深さを感じます。
 この美少年は、一体何人もの女性に、密かな想いを妥協させたのでしょう?
「……カイル、僕は……」
 何か哀感を覚える声音で、ぼっちゃんが呟きました。
 心中、察するに余りあります。
 底に渦巻く邪欲を隠すのは、非常に苦しそうで、見ているこちらも辛いんです。
 カイルくんがリアラさんに春情を抱くそれ以上に、ぼっちゃんはカイルくんを欲しているんだと思うと、ね…… <> ☆カイル×ジューダスSS「劣情と友情」3/7<>sage<>2008/08/01(金) 08:12:41 ID:/E01tM/w0<>  と、場面は飛んで、白雲の尾根。
 天地戦争時代に、ダイクロフトより直接打ち込まれたエネルギーが、地上を大きく穿たらせました。
 結果として巻き上がった粉塵が、セインガルドの地を覆い尽くし、白霧が漂うようになったことから「白雲の尾根」の呼称がつきました。
 ぼっちゃん達一行は、セインガルドの都・ノイシュタットに向かっているところです。
 丁度、リーネとの中間といった所で、視界の奥に山小屋が見えてきました。
「ふぃい。やあっと休めそうな所まできたなぁ。はやくあそこに入ってひと……休みしたいぜぇ」
 ハルバードを背負った青年――ロニくんがぼやきました。
 ひと……と、セリフが途切れたのは、なんででしょう?
「はぁ、はぁ……わたしも、疲れたわ……」
「リアラ、大丈夫?」
 息が上がっているリアラさんに、カイルくんが声をかけてやっています。
 彼の頬が少し上気しているのに気付いているのは、ぼくとぼっちゃんだけかもしれません。
 そして、ぼっちゃんはその様子を、嘆息を洩らしながら見つめています。
 いつか、この二人も――
 そんな想いを乗せた眼差しを受けていることに、本人達が気付くことはありません……
<> ☆カイル×ジューダスSS「劣情と友情」4/7<>sage<>2008/08/01(金) 08:13:19 ID:/E01tM/w0<> 「お前達はゆっくり休め。見張りは僕がやってやる」
 ぼっちゃんは山小屋に入るなり、三人に向かって毅然と言い放ちました。
「……いいのか? ジューダス。お前だって疲れてるんじゃ?」
 気遣いの言葉をかけたのは、銀髪の青年・ロニくんです。
 意外と、というのも失礼ではありますが、彼は年長者だけあって結構気が利くんですよね。
「僕は慣れているから大した事は無い。いいから休め。明日は速いぞ」
「ごめんジューダス。じゃあオレ、もう寝る、よ……」
「あ、待っ……」
 ぼっちゃんが二の句を告げるいとまも無く、既に座り込んでいたカイルくんのいびきが聞こえてきました。
「速っ! どんだけ速いんだよコイツわ」
「ふふっ、そうね! でも、こういうのもカイルの良い所じゃない?」
「そ、そうか?」
 ロニくんが全員の気持ちを代弁した後に、リアラさんがのろけ混じりの発言をする構図は、端から見るとイラっとくるかもしれません。
「……お前達も速く寝ろ。少しでも骨を休めとかないと、後々に響く」
 本当に気が効くぼっちゃんだこと。
 他人様からみたら、‘前世’と同じ人格とは信じがたいでしょうね。
「ジューダス、ありがとう……」
「悪ぃな。気ィ遣わせてよ」
 ぼっちゃんに謝礼を述べ、二人はそれぞれ床に就きました…… <> ☆カイル×ジューダスSS「劣情と友情」5/7<>sage<>2008/08/01(金) 08:14:03 ID:/E01tM/w0<>  それは、ロニくんとリアラさんが同時に寝息をたて始めた時のことです。
 ぼっちゃんがそれを確認し、ため息をついた瞬間――
「……ねぇ、ジューダス」
 よく通る少年の声にびっくりしたのは、ぼくも同じです。
 眠っているはずのカイルくんが起き上がり、何か言いたそうにこちらを見ているのです。
 瞼を落とした二人を妨げるわけにはいかないので、ぼっちゃんは黙していましたが……
 カイルくんは、忍び足でぼっちゃんの近くに足を運んできました。
「……どうした? お前の体力じゃ、寝ないと、明日もたんぞ」
 二人からは二十尺くらいの距離をおいてはいるものの、ぼっちゃんはひそひそ声で話します。
「ジューダスこそ、大丈夫なの? ここに入る前から、結構辛そうな顔してたから、オレ、心配で……」
 ぼっちゃんの目が、少しばかり見開かれました。
 やはりといいますか、彼の発言が意外だったんでしょう。何気なくぼっちゃんを観察していたんですね、カイルくんは。
 ですが、ぼっちゃんはすぐに表情を繕うと、意を決したように口を開き始めました。
「確かに僕も疲れてはいる。だが、お前達の比じゃない。微々たるものだ、安心しろ」
 そのおもてが上気していることに、カイルくんは気付いていたかどうか。
 ぼっちゃん自身は、自分がすこしづつもよおし始めているのを感じているとは思いますが……
「……ダメだよ、ジューダス。だって、今のジューダス、本当に辛そうだもん。困ってることがあるなら、オレに言ってよ」
 ――オレに言ってよ。
 ぼっちゃんの呆けた表情から、心情が手に取るように分かります。
 カイルくんのセリフがエコーとなって、脳内に響き渡っている……んだと思います。
「オレ、ジューダスのこと好きだから。助けてあげたいって思うのは、自然なことだろ? 
 だからさ、無理してないで教えてよ。オレだって、なにか手助けしてあげられるかもしれないじゃん?」
 普段の雰囲気とは違う、神妙な表情でぼっちゃんを見据えるカイルくん。
 ぼっちゃんはどんな言葉を紡ぎ出そうか、迷っているようですが……
 劣情で理性がおかしくなった為か、つい感情を吐露してしまいました。
「……すまん、カイル。…………僕は、お前としたい」
 言下に、ぼっちゃんの身体が、カイルくんの身体に覆い被さりました―― <> ☆カイル×ジューダスSS「劣情と友情」6/7<>sage<>2008/08/01(金) 08:17:14 ID:/E01tM/w0<> 「ジュー……ダス?」
 組み敷かれているにも関わらず、少年の声は落ち着いていました。
 美麗な形状の瞳から、水の粒が流れ、少年の首筋に落ちたからです。
「駄目だ……出来ない……」
 やや咽ぶように吐き捨てると、ぼっちゃんはカイルくんから退いてしまいました……ました?
「すまん、カイル……お前には、言っておかなければならないことがある」
 あお向けになったまま、ポカンとした顔のカイルくんに、ぼっちゃんは重い口を開き始めました。
「僕は……同性愛者なんだ」
「知ってたよ」
 ――っ?!!
 カイルくんではなく、ぼっちゃんの表情に驚愕の色が塗られるとは、誰が予想したでしょう?
 ……どこまで人を驚かせれば気が済むんでしょうか。この子は。
「だってさ、ずっとオレのこと見てるしさ、女の子にも興味ないって言うしさ……」
 なんか説得力に欠ける気がしないこともないんですが。
「今日は、もう我慢できなくなっちゃったでしょ? だから、今日はオレがジューダスの役にたって上げるよ」
 やはり、英雄の素質を受け継いだ者というべきか。
 今日ばかりは彼を見直しました。
 ぼっちゃんは、片方の足の裏をつけたあぐらをかいてから、しゃべり始めました。
「……いいのか? お前にはリアラが……」
 心配そうでいて、興奮気味な表情のぼっちゃんは、このうえなく艶やかだと思います。
 身を起こしたカイルくんは、微笑を浮かべながらぼっちゃんに近づいてきました。
「ジューダスの為っていえば、許してくれるよ……」
「!! おい!」
 カイルくんの指先が、黒い夜着から隆起したモノに触れました。
「あふっ……あっ……はぁっ!!」
 やらしい手つきで陰茎を触られ、ぼっちゃんは瞑目しながら嬌声を上げました。
 ぼっちゃんの足が自然とM字に開かれ、両掌を地面につけた姿勢になりました。
 文字通り、我慢できない状態のようですね。
「ジューダスのためって思えば、大した事ないよ。それに……」
 言うなり、カイルくんはぼっちゃんの夜着を脱がし始めました。
 まったく抵抗がないあたりに、ぼっちゃんの意外な(?)性癖が見え隠れするというものです。 <> ☆カイル×ジューダスSS「劣情と友情」7/7<>sage<>2008/08/01(金) 08:18:04 ID:/E01tM/w0<> 「うわぁ……うらやましいな……」
 ぼっちゃんのソレを見て、カイルくんは羨望のため息を洩らしました。
 容姿に似合わず立派なモノを持っているぼっちゃんは、未だに本来の用途に役立てたことはありません。
 カイルくんは、自分の手を十分に舐めまわしながら、言いました。
「オレ、小さいし、被ってるしさ……ジューダスのって、凄いよね……」
「――っ! んんっ!!!」
 ぼっちゃんの男根が、拳に握られました。
 ……すでに彼らの頭の中では、眠っている二人の存在は抹消されているみたいです。
 カイルくんは、快感に顔を歪めた美貌の天使を、微笑を浮かべて眺めつつ――拳の上下運動を開始しました。
「あぁん! ……ぁんっ、やぁ! んっ、んっ、んっ、はぁあん!!!」
 ぼっちゃんの甲高い鳴き声と、くにゅ、くにゅ、という猥音が、狭い山小屋に響き渡ります。
 その声を、うっとりした表情で聞き入るカイルくん。悦に入っているといった感じです。
 と、その表情のままに、カイルくんの顔がぼっちゃんのソレに近づけられ――舌先で舐めあげた瞬間。
「――ひっ!!! あぁっ! あぁっ! はぁあぅ! ……あぁああぁんっっ――!!」
 至高の喘ぎ声と共に、金髪の少年のおもてに白濁の液体がそそがれました。
 ぼっちゃんは、異常なまでの快楽に美貌を艶やかに歪ませ、二度、三度全身をわななかせます。
 白水をいただいたあどけない少年の表情は、どこか満足げな嬌笑を浮かばせていました――

「ほら、お前達、迅速に行動しろ」
 山小屋を出たにも関わらずシャキッとしない一行に、ぼっちゃんがささやかな叱声を飛ばしました。
「待てよジューダスゥ。何か俺、悪い夢見ちまってさぁ。……男同士で……その先覚えてねえや」
 ちょっとドキッとしたかもしれませんが、それ以上銀髪の青年を追及することはありません。
「……リアラ」
「……はい」
「……秘密だよ」
「……はい」
 金髪の少年と茶髪の少女は、何か厳かな雰囲気で話し合っていますが、ぼっちゃんは目を留めることも無く、踵を返します。
 そのおもてには、実にぼっちゃんらしい、ニヒルな笑みを満面に浮かばせていました――                 fin <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/01(金) 08:22:10 ID:/E01tM/w0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

キャライメージとか、投稿の仕方とか間違ってたらごめんなさい。
妄想だけってのも難しいね…… <> 「オレたち専用」 マスター×海人<>sage<>2008/08/01(金) 17:22:35 ID:LHo4G9fj0<> 某化炉意戸 マスター×海人
どうしてもマスターがオリキャラになってしまうので苦手な人は注意
実体化してません。海人がマスター好きすぎかも。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> 「オレたち専用」 1/6<>sage<>2008/08/01(金) 17:23:37 ID:LHo4G9fj0<> 永遠にも思える程に長い暗闇が、終わる。
外から促されて、全ての機械達が熱を帯びる。動き出し、『主』を歓迎する。
世界は明るくなって、はっきり見えるのは、ずっと待ち望んでいたもの。


「帰ったぞ、カイト」


この時間が、たった一つの、何よりの、俺の“幸せ”。


カタカタとキーを叩く音が、ずっと続いていた。
すぐ目の前には、大量の情報を書き込まれた譜面が広げられている。
ぼんやりと見ている前で、音符や記号が生まれては消え、移動し、
譜面の長さはどんどん伸びていく。

その譜面の向こう側には、すっかり眉間にしわの寄った、険しい顔がある。
いつものように真剣になりすぎて、作業に没頭している顔。
思うように書けなくて、ほんの少し苛立って、焦っている顔。
もっと力を抜けばいいのに。そんなに怖い顔でやらなくてもいいのに。
その顔になる度に思うけれど、あえて口には出さない。
真剣になるのは、“曲”を完璧にしようと思ってくれているからだし、
そんな顔のマスターを見ているのも、好きだから。

「…よっし、修正終わり」
待ち望んでいた言葉を聞いて、俺は思わずマスターを見上げた。
「待たせて悪かったな、カイト」
「そんなことないです。お疲れ様です、マスター」
俺が言うと、マスターは久しぶりに笑顔を見せて思いきり体を伸ばす。
「微妙なズレを全部直したから、これでお前も歌いやすくなるはずだ」
「だいぶ疲れてますね。少し休憩したらどうですか?」 <> 「オレたち専用」 2/6<>sage<>2008/08/01(金) 17:24:27 ID:LHo4G9fj0<> 俺が提案すると、突然マスターは呆れた顔でおいおい、と俺を覗き込んだ。

「なんの為にこんな集中して直したと思ってんだよ」
「?それは、ズレが思ったより酷いからって――」

「お前に早く歌わせたいから、だろうが」
マスターの言葉に、俺は一瞬だけ、驚いた。
そんな言葉、マスターの性格上、めったに聞かないから。

「ましてやお前、オレがパソコン立ち上げてからずっと待ってたろ?
 これ以上待たせたら、オレのプライドが許さん」
「プライドって……何のプライドですか?」
「そういうのはツッこむことじゃねえ」
そう言ってわざとらしくふんぞり返るマスターを見て、俺は吹き出す。
こら笑うな、とマスターがモニターを軽くつついてきた。
それが嬉しくて、また可笑しくなって、俺は笑いを必死にこらえる。

「ほら、こんなコントで時間使ってるヒマはねーぞ、準備しろ準備」
「分かりました。マスター」

なんとか笑いを抑えて、俺は短く答え、歌う用意をする。
マスターの手が、譜面を一番初めに戻す。
目線が合って、それを合図に前奏が始まる。 <> 「オレたち専用」 3/6<>sage<>2008/08/01(金) 17:25:36 ID:LHo4G9fj0<> 歌う。マスターが書き上げた詞を。マスターが造った曲調を。
歌う。マスターが真剣な顔で直した部分を。
マスターがここがポイントだ、と自信たっぷりに教えてくれた箇所を。

歌う。歌う。
それが俺の“在る”意味。それが俺の命そのもの。
少しだけ視線を向けてみると、マスターが満足そうな顔で聞き入る姿があった。

俺が歌えば、大好きな人が、喜んでくれる。
それが俺の“幸せ”。


歌い終わって、演奏が終わって、俺も満足だった。
歌詞と曲が好きで、この前よりもずっと歌いやすくなっていて、
何よりもマスターが俺のために作ってくれた曲を歌えたことが、嬉しかった。

「やっぱ、すごいなぁお前は」

ふいに、マスターの呟きが耳に届く。

「マスターがあんなに真剣に曲を作ってくれたから、俺は最高の状態で
歌えたんです。すごいのはマスターです」
俺が心からの感想を伝えると、マスターは、んなことねーよ、と
いつものように照れてしまう。

「自在に歌えるわ、しかもいい声だわ、こうやってオレと喋れるわ、
 どう考えてもお前“が”すごいだろ。オレなんかと比べんな」
そうやって、マスターはふてくされたようにそっぽを向いてしまう。


それを見るたび、俺は、いつものように同じことを思う。 <> 「オレたち専用」 4/6<>sage<>2008/08/01(金) 17:26:43 ID:LHo4G9fj0<> 「マスター」
俺が呼ぶと、マスターはじとっとした視線を向けてくる。

「俺、マスターのところに来られて、幸せです」
俺が言うと、マスターは少し間を空けて、こっちへ向き直る。

「こうしてマスターと話せるのが、マスターの為に歌えるのが、俺は幸せです。
 俺は歌うことしかできないけれど、歌うことでマスターの力になれるのなら、
マスターが喜んでくれるなら、俺はいつでも歌います」

本当に心の奥底から出てくる思いを、俺は伝え続ける。
マスターがどんな顔で聞いているのか、そのときの俺からは見えない。

「大好きです。マスター」
最後に、いつものように、一番言いたい言葉を伝えて、俺はマスターを見上げた。

マスターの顔は下を向いてしまって、見えない。
自分勝手に喋りすぎただろうか、と不安がこみ上げて来て、俺は黙り込む。
でも、マスターが不愉快に思ってしまったとしても、
それは俺の、本当にマスターへ伝えたい気持ちだったから、
訂正しようとは思わない。


「……あー、今日は宅配便はこねーな。よし、他に誰も来ませんよーに」
突然、マスターは天を仰ぎ、大げさに祈りを捧げるポーズをとる。
意味が分からずにそれを見る俺に、マスターは赤くなった顔を向けた。

「だから……もし見られたら、完全に変人だろ、オレ」
耳打ちするような微かな声がして、マスターの顔が近づいてきた。 <> 「オレたち専用」 5/6<>sage<>2008/08/01(金) 17:27:39 ID:LHo4G9fj0<> 意味を理解して、俺は少し気恥ずかしくなりながら、目を閉じる。
モニター越しに、マスターの温もりを求める。

マスターと、俺のいる世界を隔てている壁。
永久に消えることはない壁。
これがなくなってしまえばいいと、何度思ったことだろう。
そうすれば、もっとマスターの近くにいけるのに。
もっとマスターの温もりを感じられるのに。

叶うはずのない我侭は、自分の中にしまい込んで
俺はただ、マスターを欲する。


透明な壁を挟んで、しばらくの間、同じように赤くなった顔があって、
それはまるで、全く同じものを映さない、出来損ないの鏡だった。



「……決めた」
長い沈黙の後、マスターが、まだ赤いままの顔で呟いた。



「今回の歌、ネットに上げんのやめる」
<> 「オレたち専用」 6/6<>sage<>2008/08/01(金) 17:31:59 ID:LHo4G9fj0<> 予想外の言葉に、俺は驚いてモニターギリギリまで近寄る。

「どうしてですか?『これがオレの過去最高傑作になる!』って
ずっと言ってたのに。完成するのも楽しみにしてたのに」
混乱してまくし立てる俺をまてまて、と両手で制し、
マスターは何度か言葉を濁してから、頬をぽりぽりと掻く。

「…いっこくらい、俺たちだけの曲があったって、いいだろ?」
そう言って、マスターはモニター越しに、開いたままの譜面をなぞる。

俺は、何も言葉が出てこなかった。
代わりに何度か頷いて、嬉しさとか、驚きとか、恥ずかしさとかが
全部混じったものが溢れてくるのを隠すのに必死だった。

「だから、次はちゃんと聞かせる曲を作らないとな!
 まだまだ歌ってもらうぞ、カイト」
それだけ言って、マスターはいつものように照れ隠しでそっぽを向いて
たった今完成した曲を、ひとつのフォルダに入れる。


「はい、マスター」

さりげなくフォルダに付けられた名前を横目で確認して、
俺は、笑いながらマスターに頷いてみせた。 <> 「オレたち専用」 マスター×海人<>sage<>2008/08/01(金) 17:33:58 ID:LHo4G9fj0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
今更某化路にハマって書いたものなので乱文失礼 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/01(金) 19:52:19 ID:FdENX4S2O<> >>447
GJ、モニター越しに禿萌えた。実体化しないとちょっと切ない。だがそ(ry <> 最終幻想4 バロン王×ベイガン<>sage<>2008/08/02(土) 10:42:21 ID:dxNSJ6cUO<>
最終幻想4のバロン王×ベイガンです。
途中、カイナッツォ×ベイガンも出てきます。


|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
<> 最終幻想4 バロン王×ベイガン 1/5<>sage<>2008/08/02(土) 10:46:46 ID:dxNSJ6cUO<> 「今夜、私の部屋に来るか?」
と問われ、私は喜びを抑えきれずに微笑んだ。
跪いている私の頭に手のひらの温もりが降ってくる。
陛下の表情を窺えば、甘く優しい笑みを浮かべていて。
私達以外誰もいないとはいえ、王の間でこんな行為に及ぶなんて――思いつつ、胸の高鳴りを堪える術を見つけることができない。
頤を撫でる指先に全ての感覚を預けながら、私は静かに口づけを待った。


初めて私が陛下と関係を持ったのは、もう随分前のことだ。
セシルが幼子だった頃のことだから、約20年前のことになる。
そうか、あれからそんなに経ったのか。
ぼんやりと月を見上げて物思いに耽っていた私の背に、「ベイガン」と、陛下の声が降ってきた。
はだけたままだった夜着の前を慌てて合わせ、陛下が腰掛けているベッドへと駆け寄る。
手を引かれたと思ったら、バスローブを纏った彼の胸元へ頭を抱き寄せられていた。

セシルの名付け親は、彼を拾ってきた陛下自身だった。
城の前で泣いていた赤子はとても整った顔をしていて、陛下はセシルを溺愛した――そんな毎日の中、私はあることに気付いた。
セシルの顔は、昔、バロンに居た女性に瓜二つだった。
育てば育つ程、セシルの顔は彼女にそっくりになっていく。
髪の色こそ違えど、セシルの顔は彼女そのものだった。
大人になるにつれ、私は「陛下はあの女性を愛していたのだ」と思うようになった。
「彼女を忘れられずに、セシルを拾ったのだ」と。
それだけならまだ良かった。いつからだろう、私はセシルと彼女に嫉妬のようなものを覚えるようになっていた。

「何を、考えている……?」
私の体を貫き、慣らすように中をゆっくりと拡げながら、彼は私に問うてきた。
月明かりに照らされて、彼の瞳は緩く煌いていた。
「何で、も……ありません」
上ずる声を抑えながら笑ってみせると、「そうか?」と訝しげな顔で頬に口づけられた。どきり、胸が鳴る。
彼の背に腕を回しながら、「貴方のことを思っていたのです」と呟くと、くすくすと彼が笑い出した。 <> 最終幻想4 バロン王×ベイガン 2/5<>sage<>2008/08/02(土) 10:51:02 ID:dxNSJ6cUO<> 「……私なら、こうして目の前にいるだろう。それともお前は、思い出の中の私の方がいいとでも言うのか?」
そんな、まさか。
内壁を擦られ、答えは喘ぎにかき消されてしまう。彼の腰に足を絡めれば、深い水の中へ沈んでいくような、そんな感覚に襲われた。
濡れた音、彼の息遣い。その全てが、私の体を果てへと導いていく。
目を閉じると、青い海が見えたような気がした。


目蓋の裏で、赤が瞬いていた。眩しい、明るい。
目を開けた途端飛び込んできたのは、日の昇りきった明るい空だった。
わけの判らない声をあげて飛び起きると、陛下が穏やかな笑みを浮かべてこちらを見下ろしていた。
「よく眠っていたな」
「……へ、陛下っ!今は、一体何時で……!」
「お前と夜を過ごすようになってからもう大分経つが、こうやってお前の寝顔を見たのは初めてだ。
お前はすぐ、自分の部屋に帰ってしまうからな」
ベッドサイドに視線をやると、時計の針は昼近くを指していた。
「この時間では、仕事が……」
「今日は体調が悪くて休む、とお前の部下に言ってある」
「……しかし」
「何年も休みをとっていないだろう?いつも私の傍にいるではないか」
「そ、れは……」
本当のことだった。
「私は、お前の体が心配なのだ」
そんな風に言われてしまうと、何も返せなくなってしまう。俯いた私の頭を撫でて、彼は言った。
「今から会議に出席せねばならん。それが終わったら、またここに戻ってくる」
私がこくりと頷くと、
「お前に、伝えたいことがある。大切な話だ。
折角の休みなのだから今日だけは仕事のことを忘れて、読書でもして待っていて欲しい」
古びた本が差し出される。深い緑色をしたその本は、私がずっと読みたがっていたものだった。
「これを、一体どこで」
「ミシディアだ。三日前にミシディアを訪ねた時、長老の書斎に収まっているのを偶然見つけて、買い取ってきた」
確かに、読みたいと思っていた。しかし、陛下にそんなことをさせてしまうだなんて。
恐る恐るといった調子で、「高かったのではありませんか?」と私は訊いた。 <> 最終幻想4 バロン王×ベイガン 3/5<>sage<>2008/08/02(土) 10:54:27 ID:dxNSJ6cUO<> 「そんなことは気にしなくていい。……気が付かないか?」
「え?……うわっ」
分厚い本を頭にどんと乗せられ、驚く。本を両手で支えて上目遣いで彼を見ると、彼は、「誕生日プレゼントだ」と言い、次に、「おめでとう、ベイガン」と言った。
そうか、そういえば今日は私の誕生日だった。陛下が覚えていてくれたということが嬉しくて、胸がじんと熱くなる。
「ああ、もう行かなくてはならない。また後でな」
忙しない歩みで、陛下は部屋を去っていく。
驚きのあまり、「ありがとうございます」と言うのを忘れていた。後できちんと礼を言わなくては。
何気ない気持ちで本の表紙を捲る。
『この先もずっと、お前が幸せでいられますように』
柔らかいタッチで書かれた一文を何度も何度も読み返しながら、私は涙を流していた。


陛下は、部屋に戻ってこなかった。
いつまで経っても――夜になっても、戻ってこなかった。
もしかしたら、会議が長引いているのかもしれない。
そう思って部下に訊いてみたのだが、会議は何時間も前に終わり、陛下も自室に戻った筈だ、と言う。
私は心配になり、方々を探し回った。
やはり、あの方の傍を離れるべきではなかった。
考えながら、階段を下りる。これは、地下牢に続く階段だった。こんな場所にはいないと思いつつ、暗闇を覗く。
マッチを取り出して壁掛けの蝋燭に灯を点せば、黒の中に人影が浮いた。息を詰まらせ、目を凝らす。
見間違うはずが無い。陛下だった。
「……陛下」
蝋燭の橙色に照らされた瞳が赤く光る。その瞳に何か仄暗いものを感じ、私はぶるりと背を震わせた。
「……陛下……こんなところで、どうされたのですか」
陛下は何も話さない。
「捜していたんですよ」
瞬間、手首を強く掴まれる。ひ、と悲鳴をあげた瞬間、腕の中に包まれていた。
「心配をかけてすまなかったな」
「い、いえ……」
違和感を覚える。何かは判らないが――――ただただ、何かが違った。一つだけ判ったことといえば、体温が低い、ということだけだった。
滑った舌で、耳を撫でられる。私の意識が残っていたのは、そこまでだった。 <> 最終幻想4 バロン王×ベイガン 4/5<>sage<>2008/08/02(土) 11:00:25 ID:dxNSJ6cUO<> ぎい、ぎい、とベッドが軋む。甘く抱かれた日々が消し飛んでしまいそうなほど、荒い手管だった。
シーツを引っ掻き、額を擦りつける。耳鳴りが止まなかった。
違う。これはあの人ではない。陛下はこんな酷い真似はしない。
では誰だ。この男は誰だ。陛下の皮を被っている悪魔のような男は誰なんだ。
「う、う……ああ、あ」
前戯も何もなかった。ただ人形のように貫かれるだけだ。
「……陛下……っ」
彼が欲しくて必死で呼ぶけれど、答えは返ってこない。瞳を見たいのに、それすら許されない。振り向こうとすれば、頭を押さえつけられた。
間断なく続く濡れた音が眩暈に変わる。どうして、という疑問だけが生まれ続ける。
「人間ってのはほんと馬鹿だよなあ」
体の中に、熱いものが流れ込んでくる。呆然としたまま迸りを受け止めた私は、掠れた喘ぎ声をあげた。
「気付いてんだろ?俺が、お前の大好きなバロン王じゃねえってことに」
埋め込まれたものが、信じられないほど大きくなっていく。圧し掛かっている男の体重が重くなる。
痛む体を無理矢理動かして、私は後ろを振り向いた。
「ひっ……!」
「……よう。俺の精液の味はどうだ」
陛下の姿は微塵も無い。そこにいるのは、青い色をした巨大なモンスターだった。
「そんな…………どうして……っ」
「知りたいか?」
ペニスが、更に深い場所へと押し入ろうとする。腹に痛みを覚えた私の喉からは、潰れた声しか出なかった。
「お前の大好きなバロン王はよお、俺が殺した」
くかかかか、とモンスターが笑う。どういう、ことだ。あの方が、まさか。
「ばっかだよなあ、単身で俺に斬りかかってくるなんて。そうそう、死ぬ前にお前の名前を呼んでたぞ。ほんっと、弱っちくて可哀想な奴だったよ」
ずるり、と内臓ごと引き出されてしまったかのような感覚がやってくる。
「なあ、お前、知ってるか?」
「モンスターの精液を腹に入れたやつはよお」
「みいんな、モンスターになっちまうんだってさ」

陛下。陛下。やはり私は、貴方の傍を離れるべきではなかった。
休みなどいりません。貴方の傍にいられるだけで、私は幸せだったのです。
慈愛に満ちた貴方の瞳に映ることができれば、それで良かったのです。 <> 最終幻想4 バロン王×ベイガン 5/5<>sage<>2008/08/02(土) 11:11:12 ID:dxNSJ6cUO<> 貴方を愛しています。何年も前から――貴方に初めて抱かれた、あの夜よりもずっと前から。

意識が暗闇を浮遊する。光も何も無い空間を、ただただ彷徨う。一筋の光が差し、誰かの声が聞こえてきた。

『ベイガン』
「陛下?陛下、なのですか?」『すまなかった、ベイガン』
「謝らなければならないのは、私の方です。貴方をお守りしなければならなかったのに、こんなことになってしまって」
『部屋で待っていろ、と言っておきながら、約束を破ることになってしまった。本当に、すまなかった』
「陛下……」
『伝えたいことがある、と言ったな』
「……はい」
『私は、誰よりもお前を愛している。確かに、昔はセシリアを想っていたかもしれない。
だが、お前の傍にいればいる程、私はお前に惹かれていった。
セシルを育てると言い出した私を非難しなかったのは、お前だけだったな。
あの時の私が、どれだけお前に救われたか』
「陛下……!」
『共に行くか、ベイガン』
「どこへ行こうというのです?」
『声がするのだ。
……目覚めよ、という、強い光が見えるのだ』
「貴方が行かれるというのであれば、どこまでもお供します」

手を伸ばすと、力強い手のひらに触れた。白い光が眩く輝く。
もう二度と、貴方の傍を離れません。

私達の体は溶け合うように消え、温かな気持ちだけが、私の心を包み込んでいた。 <> 最終幻想4 バロン王×ベイガン<>sage<>2008/08/02(土) 11:13:55 ID:dxNSJ6cUO<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


PCの規制がいつまで経っても解けそうにないので、携帯から投稿しました。
本スレの欧米好きの方に捧げます。
新しい萌えをありがとうございました。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/02(土) 21:03:09 ID:5wrjaVwq0<> >>455
GJ!
今プレイ中なのでより萌えました! <> 某絶叫歌集団 爆弾男×若獅子【1/2】<>sage<>2008/08/02(土) 21:27:18 ID:IPPpcEJf0<>

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


※生物注意
某絶叫歌集団の爆弾男×若獅子
爆弾男の骨折後の話です




「いやー、ごめんねぇ円ちゃん」

昔使っていたボディの薄いアコースティックギターを渡すと目の前の男はどわははは、と笑いながらそう言った。
眼前の男はボンバーの名にふさわしくメンバー1の暴れん坊。
彼は、はしゃぎすぎてツアーファイナルの最後の最後で鎖骨を折った。
それを何故か俺のせい──俺と競争して、らしい──にされたが彼は気にしてないという。
実際のところ手術後、傷口から菌が入ってもう一度手術したとか、痛くて声も出ない、腕も上がらないとか相当な大怪我なはず。
そんな大怪我した直後でも最後の一曲を歌いきる彼のプロ根性は並大抵ではない。

彼は渡したギターを抱え試しに弦を弾き始めた。
弾けるかどうかと始めは不安そうな表情を浮かべていたが痛みもあまり感じない
のだろう、いつも通り満面の笑みで音を奏でている。その様子に安堵のため息が漏れだした。

「いいねぇこれ、俺のものにしたいぐらいだよ」
「ダメだよ、それ俺のだもん」


<> 某絶叫歌集団 爆弾男×若獅子【2/2】<>sage<>2008/08/02(土) 21:28:50 ID:IPPpcEJf0<> 冗談めいた口調に似たような口調で返すと互いに笑い声をあげた。
ひとしきり笑った後、彼はまた口を開いた。

「またなんかで返すよ」
「別に良いよ、副ちゃんが楽しくできたらそれでいいし」

そう言うと彼はありがと、と優しい声色で言った。
だけどさ、と付け足して言うと彼は頭に疑問符を浮かべた。

「もう心配かけるの勘弁してよ」
「OK、OK、善処するよ」

なんだ、そんなことかと言わんばかりに彼はまた豪快で景気のよい笑い声を上げた。
そんな彼の姿に安堵と共に不安を覚えた。


不安は見事的中し、数ヶ月後、入国審査書を書き忘れ、空港で慌てて駆ける彼の背を見ることになる。





□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

DVDとアルバムが楽しみだ! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/03(日) 06:48:58 ID:bZdZyhPGO<> >>449-455遅レスで申し訳ないが、神懸かり的GJ!!
久しぶりにFFで妄想が膨らんだよ
カイナッツオ×ベイガンいいね(´∀`) <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/03(日) 23:29:51 ID:/54RXlHY0<> 果てしなく勘違いして書いた代物なので元ネタは一応伏せ。わかっても流してやってつかあさい。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

 新しい弟ができた。つい数日前のことだ。
「こんなところに居られたのですか、兄上」
 長い長い藤色の髪が夜風にしゃらりと揺れる。
 細い月に照る顔は、さっきから眺めていた湖の如く静かで凛としたもの。
 兄弟に本来あるべき血の繋がりを持たない僕らは、当たり前だけど恐ろしいほど似ていない。
「えっ、と……その、兄上ってのは…」
「いけませぬか?」
 兄上は兄上でございましょう、と首を捻る。その様子は少し子どもっぽくて、
自分より遥かに大人びたこの青年がやっぱり年かさの低い『弟』なんだと感じられた。
「そうじゃなくて、皆みたいに『お兄ちゃん』とか『兄キ』とかでいいって」
 正直、兄上、なんて、なんだかひどくこそばゆい。
 そんな偉いものじゃない、と、思うだけに。
「…………」
「……おーい?」
 唇が薄く開いて閉じてを繰り返して、合っていたはずの目線があちらこちらし始めた『弟』の姿に
今度はこっちが首を捻る。
 と、ゆるゆると開きが大きくなった唇が『あ』の形をとった。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/03(日) 23:31:00 ID:/54RXlHY0<> 「……兄上が望まれるのなら善処しましょうが……確約は、致しかねます」
 難しい顔をそらし気味にして言われてしまえばこれ以上食い下がる気も削がれた。
 手前にあいた間が気になったけれど、言ってしまえばこの程度のことを凄く真剣に考えてくれた印だと思った。
「あ、いや、無理にとは言わないよ」
 ごめんな、と軽く謝る。
「いえ…―――」
 すかさず返った彼の静かな声は、吹き抜けた風と木々のざわめきに紛れてよく聞こえなかった。
「え?」
「……風が出てきたことですし、戻りましょうか」
 聞き返したのに彼はくるりと背中を向けてしまって、少し足を進めてから首だけで振り返ってくる。
「さぁ、兄上」
「…あぁ、わかったよ」
 大したことではないんだろう。もしかしたら、続く言葉自体、なかったのかもしれない。
 思い直して、下手をすると自分より余程兄っぽい『弟』の後を追った。
 夜月の淡い明かりでは、その耳に広がる薄い紅色を見てとることなんてできなかった。
 名を口にすらできない私めが、未熟なだけにございます。
 噛み締めるようにもう一度、彼が唇だけで呟いたのにも、気付けるわけがなかった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/04(月) 00:44:10 ID:ZGsOpds10<> >449
ハゲ萌えますた!!
切ないおおおお <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/04(月) 01:28:05 ID:D7Jfppvj0<> >>460-461
GJ!!
慎み深い弟に萌えた
照れる長男もイイ!!
二人まとめてごちそうさまでした。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/04(月) 02:32:01 ID:ddwL5T4LO<> >>460-461
GJGJ!
まさかここでこの二人を拝めるとは!
私の髪を返して下さい。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/04(月) 18:13:45 ID:gtmBGviU0<> >>457-458
うおおおおGJ!!
かんなり禿げました
二人とも可愛いなああ! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/04(月) 23:44:36 ID:5rp/tbJeO<> |>PLAY ピッ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガオオクリシマース!
元ネタはあるようなないような。

肌寒さに目が覚めた。
隣に感じる吐息。
まだ暗いため見えにくいが、その顔も間近にあるのだろう。
枕元のライトをつけた。いつもなら気付く筈が、余程疲れているのか目を覚ます様子もない。
照らし出される寝顔。目元には涙が残っている。
あちこちを飛び回り、ひとつところにとどまらない相手と、役目の為外出すらままならない自分。
逢うだけでも難しい上、逢えば逢えたでケンカになってしまう事も少なくない。
だからこそ、珍しく素直だった昨日の様子が嬉しかったのだが。
「無理をさせたか……」
頬に手を添え、残る涙を拭ってやる。
「……っくしゅっ!」小さくくしゃみをした。
雰囲気もなにもあったものではないが、自分も寒さで目を覚ました事を思い出す。
確かに少し冷えすぎかも知れない。
エアコンの操作をしようと身を起こしかけ、意外にしっかりと服を掴まれていることに気付いた。
引き離すことは簡単だろう。
が、普段の相手の態度からは考えられないこの子どもっぽい仕草を崩すのは惜しい気がした。
要は冷やさなければいいのだから。
灯りを消し、再び横になる。
起こさないよう、注意深く抱き寄せる。
心地よい重みと暖かさ。
明るくなるまでまだ大分間がある。
先に目覚めてしまったら、相手の寝起きをからかってやろう。
後から目覚めたなら、おそらくうろたえているであろう様をからかってやろう。
どちらにしても明日の楽しみが一つ増えた。
□STOP ピッ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
お邪魔しました。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/05(火) 18:42:56 ID:h34JW0G/0<> >>466 元ネタわからんけど萌えた。GJ!
エロい雰囲気がたまらんよ <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/05(火) 21:26:23 ID:UeSWz4Y80<> 映画スレ14の441です。
昔あったダ・○ィンチ・コー○スレで見かけた数レスが、
頭に焼きついて離れなくなるくらい萌えたので作品化したものです。
司教様のあまりのヘタレっぷりに笑えますが、どうぞ暫しの間おつきあい下さい。

「天使は月の下に眠る」「シラスの法悦」とは別次元です。

小説&映画 ダ・○ィンチ・コー○
シラス輪姦@オビエド

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> 地に堕ちた果実 1/10<>sage<>2008/08/05(火) 21:28:20 ID:UeSWz4Y80<> (Aringarosa)
 白刃が閃き、シラスの法衣を縦一直線に切り裂いた。男の手が法衣を左右に引き裂き、
シラスの真っ白な肌を露にした。
 男はじっくりとその肌を鑑賞し、息を弾ませながら言う。
 「相変わらず色っぽいな。また会えて嬉しいよ、エスペクトロ」
 そして尚もナイフを振るって、シラスの体を覆っている残りの布切れを取り除いた。最
後に腰布が剥ぎ取られると、シラスの身に着けているものは太腿に巻かれたシリス一つに
なった。
 男はナイフの切っ先で、挨拶でもするようにシラスの乳首を軽くつついた。「あ・・・・」
シラスがぴくんと体を震わせ、羞恥に顔を赤らめる。
 男は身を屈め、シラスの白い髪を掻き上げた。片頬に触れてこう囁く。
 「アンドラじゃ楽しかったな。随分と世話になったっけ。今日もまた、いい思いさせて
くれよ」
 シラスは寝台の上で仰向けにされ、カーテンの切れ端で両手首を枕元の柵に結わえつけ
られている。拘束され、裸にされても、その美しい青い目には反抗的な光が煌めいている。
今にも噛みつきそうな顔で、男をきっと睨みつけた。
 「おっと、妙な真似はするなよ。さもないと、おまえの大好きな神父さまとやらの喉を
掻っ切るぜ」
 私はソファの上で体の自由を奪われ、為す術もなく見守っている。もう一人の男が持っ
ているナイフの刃が首筋に押し当てられる。冷たい。
 シラスは悲しげな瞳でこちらを見遣り、私と目が合うとすぐに視線を逸らした。受難に
甘んじる決意を固めた表情で、息をつき、上を向いて目を閉じる。
 その諦念に満ちた静かな態度は、過去、彼が何度もこの苦痛と屈辱に耐え抜いてきたこ
とを思い出させるものだった。多くの人から愛され、庇護され、ぬくぬくと生きてきた私
などが想像もできない壮絶な経験を、彼は積んできたのだ。
 「そうそう。昔みたく、じっとして大人しくしてりゃいいんだよ、かわい子ちゃん・・・・」
 男が我が物顔にシラスを抱き竦め、その唇を乱暴に奪うのを、無力な私はただじっと見
つめていた。 <> 地に堕ちた果実 2/10<>sage<>2008/08/05(火) 21:29:08 ID:UeSWz4Y80<>  最初は、またしても賽銭泥棒が入ったのだと思った。
 いや、確かにそれには違いなかった。しかし、ただの賊ではなかったのだ。
 まさか彼らが、シラスと同じく地震で脱獄してきたアンドラの囚人たちだったとは。三
人の男たちは、シラスがいるのを見て驚いた。そして、世にもおぞましく、禍々しいこと
を思いついたのだ。
 「やめてくれ!それだけは・・・・」
 私を人質に取られ、二人がかりで寝台に組み敷かれながら、シラスは叫んだ。法衣の裾
が乱れ、痛々しいほど白い足が剥き出しになる。
 「つれねえこと言うなよ。あんなにかわいがってやったじゃねえか、エスペクトロ」
 男は淫靡に笑いながら、シラスの頭を枕に押しつけた。シラスはその手を撥ね除け、男
を振り仰いで毅然と言い返した。
 「私はもう昔の私じゃない。神父さまからシラスという名前を付けて頂いたんだ。幽霊
(エスペクトロ)とは呼ばないでくれ」
 「何だい、お高くとまりやがって」
 男はナイフの刃を抜き、その切っ先をシラスの頬から顎、喉にかけてゆっくりと滑らせ
た。
 「だったら俺たちが思い出させてやるし、そこの神父さまにも教えてやるよ。おまえが
どんなに淫乱な女かってことをな」
 彼らが思いついたこと――。それは、曾て獄中で毎晩のように繰り広げられた、シラス
を犠牲の子羊とする性の狂宴を、あろうことか、この神の家で――司祭たる私の目の前で、
再現してみせることだった。 <> 地に堕ちた果実 3/10<>sage<>2008/08/05(火) 21:30:15 ID:UeSWz4Y80<>  「神父さま、お願いです!目を瞑っていて下さい!」
 囚人の体の下で、裸のシラスが叫ぶ。囚人が身を起こし、その頬を張る。
 「余計なこと言うんじゃねえよ。いいか、今度つまんねえこと喋ったら、奴の瞼を切り
取るからな」
 私にナイフを突きつけている男が、私の首を親しげに抱く。
 「だめだよぉ、神父さん。ちゃんと見てないと。でないと白い子がもっとひどい目に遭
うかもよ。殺されちゃうかも?」
 言われなくても、私は目を閉じることも、顔を背けることもできなかった。
 雪原に咲く、二つの可憐なピンク色の花のようなシラスの乳首。それを、二人の男が片
方ずつ、吸ったり舐めたりしている。一人は下半身に手を伸ばし、シラスの性器や陰嚢を
まさぐっている。シラスの半開きにした唇から、時折苦しげな呻きや吐息が洩れる。
 シラスに対しても神に対しても大いなる罪を犯していると思いつつ、私は彼の美しくも
妖しげな苦悩の表情に、汗に濡れた白い肢体が悶える様に魅せられる。囚人たちに対し、
焼けつくような嫉妬を覚えている自分を認めざるを得ない。何の良心の呵責も、自らを律
する掟もなく、ただ欲望の赴くままにシラスの若々しい肉体を貪っている――これまでに
も何度となくそうしてきた――囚人たちに。
 シラスの願いと相反するとわかっている。私自身、見ているのが苦しくて切なくてたま
らない。それなのに、悪魔に首根っこを掴まれたかのように、この残酷にして甘美な余興
から片時も目を離すことができないでいる。
 「なあ、神父さん。あんただってちょっとは興奮してるんじゃないの?」
 思いがけず、私を見張っている男が話しかけてきた。内心の動揺を読み取られまいと必
死に平静を装ったが、或いは、既に呼吸と脈拍の乱れをこの男に悟られたのかも知れなかっ
た。
 「神父さんはやっぱり、男とも女ともやったことないんだよな?」 <> 地に堕ちた果実 4/10<>sage<>2008/08/05(火) 21:31:09 ID:UeSWz4Y80<>  男の質問に、感情の昂りが声に表れないよう、苦労して応じる。
 「答える必要はありません」
 「でも、あんたのシラスか何だか知らないけど、あの白いのは、アンドラにいた頃毎日
ああやって俺たちに抱かれてたんだぜ」
 したり顔で言うのを聞くまでもない。私の目には、今寝台の上で二人の男に嬲られるシ
ラスが、名前さえなかった監獄時代の彼と重なって見える。私たちがまだ互いの存在すら
知らないでいた頃、彼は夜毎、ああして囚人たちの肉欲の餌食となっていたのだ。こんな
にも白く美しく、儚げに生まれついたばかりに。
 「そりゃー気持ちいいなんてもんじゃなかったぜ。ケツの締まり具合は最高だし、フェ
ラは巧いし、それにあいつの体、不思議な質感なんだ。女みたいにすべすべしてて柔らか
くってな。まあ、神父さんは女にも触ったことねえだろうからわかんねえだろうけど。あ
んたの前じゃ清純ぶって坊さんのカッコなんかしてても、あいつは根っからの男娼よ。
 神父さん、ほんとのこと言えよ。あんただって、こうして見たり聞いたりしてたらあい
つのこと抱きてえと思うだろ?」
 絶句していること自体、何よりも雄弁な回答になっていることに気づいて絶望する私に、
彼は更に言い募る。
 「神様がそう言ったのか知らねえけど、欲望押し殺して生きることに何の意味があるの
かわかんねえな、俺には。あんたらの崇めるイエス・キリストだって、絶対エッチしてた
に決まってるし」
 私は息も止まるほど驚いた。犯罪者とはいえ、畏れ多くも我らが救い主に対して、そん
な罰当たりな妄想を抱く人間がいようとは。そのあまりにも不敬な発言を咎めようとした
が、彼は二人の仲間に向かって大声で呼ばわっていたので、こっちに関心を払ってはいな
かった。
 「おい、おまえら。どっちかそろそろ俺と代われよ。さっきから勃ちっぱなしだぜ」 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/05(火) 21:32:05 ID:UeSWz4Y80<> [][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

結構長い&構成上の特徴があるので、異例ですが三夜に分けさせて下さい。
アク禁にならなければ、また明日と明後日の晩に出て来ます。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/06(水) 00:06:32 ID:i+t/VMwi0<> 乙!
最近読んでシラスに萌えまくってたからすごく嬉しい <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/06(水) 02:52:02 ID:OxoUcM8Q0<> kitaの事務所
社長×看板タレント
イベント終わりを妄想しました

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/06(水) 02:52:28 ID:OxoUcM8Q0<> 2年に1度の事務所のイベントが終わった
弱いのに散々飲んで、酔っ払った君を抱えて
親御さんの待つ家まで

肩に押し付けられた巻き毛と濡れた感触
『錫井さん・・・・』
ああ、泣いてる

ごめんね
明日になったら、君を遠くまで連れて行くんだ
騙された君はカメラの前で散々文句を言って
それを聞いて、騙した僕は腹を抱えて笑うんだ

『好きです・・・』

僕は気づかないふりをする
君はわかってるはずだ、僕の気持ちを
なのにわからない振りをして、騙されて
聞き分けのいい子を演じている

君の想いがもうすぐあふれそうなのを知ってた
なのにわからない振りをして、また騙してる

ごめんね
言えないけど、僕もだよ
あの月まで君をさらって行けたらいいのに
車の中から月を見ながら、僕もこっそり泣いた


<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/06(水) 02:54:50 ID:OxoUcM8Q0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )

1人語りすんません
また旅に出て欲しい気持ちを込めて… <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/06(水) 03:32:47 ID:lNBKiAOtO<> 乙!社長が乙女切ないぜ… <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/06(水) 22:30:06 ID:pnGVx3hm0<> >>468姐さん、アク禁ひっかかったか?
ジャンル外だけど応援してるんだぜ
今夜は無理でも、ゆっくり続き載せていってね!!! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/06(水) 22:50:58 ID:d4EULZgi0<> 無断借用&二年以上も経ってからの間抜けな投下、誠に申し訳ない。
あのネタ書いた姐さんたち、もう忘れてるだろうな・・・・。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> 地に堕ちた果実 5/10<>sage<>2008/08/06(水) 22:52:11 ID:d4EULZgi0<> (Silas)
 私の上で、男の浅黒い体が律動している。彼の腰の動きにつれて、私の体も規則正しく
揺れる。男の肩越しに、あの苔むした天井の薄闇が見えるような気がする。アンドラ。我
が魂の暗黒の迷宮。忘れようとて忘れ得ぬ、幾千の夜の記憶。
 男が熊のような唸り声を発する。と同時に、生温かい、不快な感触が胎内に広がる。男
は動きを止めて私の上に覆い被さり、荒い息をついている。その汗ばんだ肉体の重さも馴
染みのものだ。暫くして起き上がり、彼は、寝台の足元に座って待ちかねた様子で自分の
性器を握っていたもう一人と交代する。
 蛞蝓のような舌が全身を這いずり回る。耳朶を、首筋を、両の乳首を、無防備に晒け出
された腋窩を特に執拗に舐められて、私の体は私の意思とは無関係に反応してしまう。そ
の瞬間、その日装着したままだったシリスが太腿に喰いこむ。
 男はそんなことはお構いなしに、私の陰嚢を揉みしだきながら、充血してわなないてい
る罪深い部分を口に含む。長い間、自らに禁じてきた刺激。イヴを堕落に誘う蛇のように、
舌は私に絡みつき、歓楽の淵へ引きずりこもうとする。私は呆気なく蛇の誘惑に屈する。
シリスがますます深く肉を抉り、理性を失うほどの快楽と苦痛の両極端に引き裂かれる。
仰け反り、絶叫し、夥しく出血しながら夥しく射精する。
 一瞬の恍惚の後、すぐに激しい後悔と自己嫌悪に塗れる。こんな私を見て、神父さまは
どうお思いになるだろうか?
 最前まで私を犯していた男が煙草をふかしている。テーブルの上に座り、ニヤニヤ笑っ
てこっちを眺めている。私が神父さまからスペイン語の読み書きの手ほどきを受け、神の
教えを説いて頂いたあのテーブルに。今も時々、一緒に聖書を読んで神の御心について考
えたり、お茶を飲んで語らったりしているあのテーブルに。
 その向こうに神父さまがいらっしゃる。ソファの上で縛めを受け、凶刃を突きつけられ
て。呆然とした表情で私をご覧になっている。眼差しを交わしたのは一瞬だった。またも
や私の方から、すぐに目を背けた。 <> 地に堕ちた果実 6/10<>sage<>2008/08/06(水) 22:53:18 ID:d4EULZgi0<>  私の精液で白く汚れた口元を拭い、男が私の上に伸し掛かってくる。両足が大きく開か
れる。血の滴る腿の痛みにも耐えつつ、貫通時の苦痛を和らげようと力を抜いた。水に浮
かぶ時を思い出すのだ。
 最初の内は毎度の如く、ありったけの力で抵抗した。あまりの激痛に大声で泣き叫び、
思いつく限りの罵詈雑言、呪詛の言葉を喚き散らした。そんなことをしてもどうにもなら
ない、寧ろ彼らを喜ばせるだけだとわかってからは、自分の肉体的精神的ダメージを最小
限に抑えることに専念するようになった。そして、心も体も何とか壊れずに、生き延びて
きた。
 こんなことは何でもない。確かに今日、彼らと再会してしまったことは不運だったが、
曾て数えきれないほど経験したことだ。抗わなければ恐らく、いのちまで取ることはすま
い。辛抱していればいつかは終わる。いつもの苦行の方がよほど辛いくらいだ。元より不
幸や暴力には慣れている身、このくらい平気だ。耐えてみせる・・・・。
 苦痛は善だ。
 そう自分に言い聞かせても、今私のほんの数メートル先で、固唾を呑んで事態を見守っ
ている人の存在を忘れることはできない。私一人なら耐えられた。しかし、神父さまには
・・・・神父さまにだけは見られたくなかった。この恥ずかしい、浅ましい姿を。
 これは神父さまとは無縁の世界だ。こんな世界を、いや、こんな世界が存在することす
ら、神父さまは知ってはならない。こんな気違いじみた光景で、神父さまの気高いお目を
穢してはならない。無垢なお心を傷つけてはならない。
 それなのに、私のせいで・・・・。私なんかを拾ったせいで・・・・。
 二人目の男に貫かれた時、ついに、見開いたままの目から涙が一筋流れ出した。彼らの
前では決して泣くまいと決めていたのに。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/06(水) 22:54:09 ID:d4EULZgi0<> [][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

「なんで教会に男三人も乗れるようなでかいベッドがあるねん」
なんて突っこみはなしです。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/07(木) 04:43:58 ID:s+RnGXyiO<> >>480
姐さん乙!
原作読んだ当時、シラスにすごい萌えてたこと思い出した。
今でも萌える!
続き待ってます(・∀・) <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/07(木) 20:44:49 ID:WACfXAuM0<> 地図で見ると、アンドラとオビエドって結構離れてるんですね。
原作だとシラスたんも電車に乗ったりしてますし。
たとえ他に生き残りがいたとしても、出会う確率は極めて低いと思うのですが、
まあいいか。どうせ捏造なんだし。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! <> 地に堕ちた果実 7/10<>sage<>2008/08/07(木) 20:45:47 ID:WACfXAuM0<> (Aringarosa)
 囚人に犯されながら、シラスの淡い空色の目から零れ落ちる涙が、私にも見えた。どん
なに苦しいだろう。どんなに無念だろうか。胸が詰まり、私の鼻の奥も熱くなる。敵を愛
することが神の道だとわかっていても、この男たちが憎くてたまらない。八つ裂きにして
も足りないくらいだ。
 それ以上に、まるで子兎のように非力な自分が恨めしい。シラスが、私の天使が、ほん
の数メートル先で痛めつけられ、辱められているというのに、助けてやることもできない。
私が不甲斐ないばかりに、大事なシラスをあんな惨い目に遭わせてしまった。
 必死で神に祈った。今すぐこの男たちを罰し、シラスをこの苦難から救い出して下さい
と。祈る以外に何もできなかった。
 しかし、いかなる雷光も、彼らを打たなかった。

 長い時間が経った。
 私は生まれて初めて、神を呪った。
 何度となく噛まれ、吸われ、捻り回されて赤く腫れたシラスの乳首に、たっぷりと精液
が塗りたくられる。左、そして右と、囚人が指で丹念に擦りこむ。
 「手首の、外してやれよ」
 囚人の一人が言い、もう一人が、シラスの両手を縛っていた布切れをナイフで断ち切っ
た。三人の男に代わる代わる何度も犯され、シラスは既に意識が朦朧としているらしい。
乱れたシーツの上にぐったりと横たわったまま、身動きしない。
 ああ、このままシラスが冷たくなってしまったらどうしようか。自殺は大罪だが、そん
なことは構わない。私も死のう。
 男がシラスの体を裏返した。白い背中一面に刻まれた赤黒い条痕が彼の目に入る。
 「何だ?さっきから気になってたが、太腿のこの変なのといい、おまえ、やっぱりあの
神父をたらしこんだんじゃねえのか?どういうプレイがあの人の好みなんだ?」
 驚いたことに、それまでまるきり無反応だったシラスが俄に顔を上げ、男を睨みつけた。
強く、しっかりとした口調でこう言う。
 「貴様たちみたいな変態と一緒にするな!神父さまを侮辱すると許さないぞ!」 <> 地に堕ちた果実 8/10<>sage<>2008/08/07(木) 20:46:23 ID:WACfXAuM0<>  男は唇を歪めた。
 「ほうっ。まだそんな生意気な口を利く元気が残ってたか」
 そう言うと、いきなりシラスの髪を乱暴に掴み、逆手をも使って両頬を打った。シラス
はか弱い乙女のように寝台に倒れこんだ。不意打ちに口の中でも切ったのか、唇の端から
血が流れている。
 「笑わせるぜ、毎晩俺らや他の奴らにやられてひいひい泣いてた薄汚え淫売が聖職者様
とはな!」
 男は再び、シラスの髪を掴んで無理やり引き起こした。涙と精液でしとどに濡れた顔を
私の方に向けさせる。
 「おら!清らかで気高い神父さまに本当のおまえをしっかり見てもらえ!」
 私と彼の視線が、初めて正面から絡みあった。血塗れのシリス以外には何も身に着けて
いない、生まれたままの姿のシラスは、許しを乞うような目で私を見つめ、澄んだ涙をぽ
ろぽろと流し続けた。
 シラス。名前を呼んだつもりだが、声にならなかった。どうしてそんな目をするんだ。
謝らなくてはならないのは私の方なのに。手を差し伸べられるものなら差し伸べたかった。
駆け寄って抱きしめたかった。私の目からも、堰を切ったように涙が溢れた。
 心を通わせる時間は長くは続かなかった。 
 男はシラスの背中を突き飛ばすようにして四つん這いにさせると、無数の条痕の上に手
を掛け、背後から一息に貫いた。シラスの体が電撃を受けたように戦慄する。もう一人の
男がシラスの顔の前に膝を突く。彼の頭を抱えこみ、屹立した凶暴な男根で口をこじ開け、
そのまま喉の奥まで埋没させる。
 二人の男が律動を開始した。シラスの体が激しく前後に揺れる。寝台が軋る。天使の涙
が、汗の雫が、真珠のように顔や体の周りに飛び散る。
 「ああっ、はあっ、いいぜ、エスペクトロ、最高だ!」
 「おおおおっ、イクッ・・・・出るっ・・・・たまんねえよ、エスペクトロ!」
 涙に霞む視界の中で、二人の男が同時に達した。
 私は生まれて初めて、神の存在を疑った。 <> 地に堕ちた果実 9/10<>sage<>2008/08/07(木) 20:47:09 ID:WACfXAuM0<>  「俺たち、これから船で外国に行こうと思ってるんだ。今日、おまえに会えてよかった。
おかげでスペインにいい思い出ができたよ」
 「エスペクトロ、じゃない、シラスだっけ。よかったぜ。アンドラでも、ここでもな。
もう会うこともねえだろうけど、神父さんと幸せに暮らせよ」
 そう口々に言って、殆ど気を失っているように見えるシラスの体にタオルケットを被せ
て行ったのは、彼らが気紛れに見せた唯一のやさしさだったのか。
 「元気でな。おまえのことは忘れねえよ。愛してるぜ、シラス」
 囚人の一人はそう言って、シラスの血の気を失った唇にキスして行った。歪みきってい
るとはいえ、案外彼の本心だったのかも知れない。
 暫くして、何とか自力で拘束を解いた私は、寝台の上に身を起こして裸のまま泣きじゃ
くるシラスをひしと抱きしめていた。私の愛しい、いたいけな天使を。
 「神父さま、私はここを出て行きます」
 私の腕の中でまだ恐慌を起こして震えながら、彼は思いがけない言葉を口にした。
 「何を言うんだ、シラス」
 驚いて問い返した私を見上げて、彼は叫ぶように言った。
 「本当の私をご覧になったでしょう!?私のせいでこの教会が穢されてしまった。私は
もうここにいることはできません。いいえ、元々ここにいてはいけない人間だったのです」
 「やめなさい!」
 両手で彼の湿った顔を挟み、涙をいっぱい溜めた空色の目を覗きこんだ。
 「おまえ一人なら逃げることも、抵抗することもできた。そうしなかったのは私を人質
に取られていたせいだ。おまえは私の為に、私を助ける為に、あの苦しみに耐えてくれた
のだろう?おまえのその行いは、その心は、十字架に架かられた主イエスと同じものだ」
 シラスは今初めて、そのことに気づいたような顔をした。その目から、また新しい涙が
するすると頬を伝い落ちて私の手を濡らす。
 「すまなかった。私の力が足りないばかりに、おまえにそんな思いをさせて」 <> 地に堕ちた果実 10/10<>sage<>2008/08/07(木) 20:47:46 ID:WACfXAuM0<>  目を伏せ、シラスに詫びる。そうとも。仮に彼のせいでこの場が穢されたというのが本
当だとすれば、色々な意味で私も同罪だ。寧ろ、彼以上に罪深いのはこの私だ。
 だが、二人で建てたこの教会が真の意味で冒されることは、未来永劫、あり得ない。私
たちの心が離れ離れにならない限り。
 シラスは首を振り、私の手におずおずと自分の手を重ねてくる。血のこびりついた唇が
普段よりももっと掠れた声で、「よかった、神父さまにお怪我がなくて」と呟くように言っ
た。彼が私の見こんだ通り、優秀な神の僕たるに相応しい、素晴らしい心の持ち主である
ことを改めて確認して、愛おしさと誇らしさで胸がいっぱいになる。
 「おまえは穢されてなどいない。過去がどうあろうと、あの男たちがおまえに何をしよ
うと、おまえは白く、美しく、清らかだ。天使のように。
 誰にもおまえを穢すことなどできない。おまえは天使なのだから。それが本当のおまえ
なのだから」
 いいや、主の御使いでさえ、今のシラスの美しさには及ぶまい。傷つき、疲労し、獣欲
の白い液に塗れていても。寧ろ、だからこそ、今のシラスは譬えようもなく美しい。
 「神父さま・・・・」
 シラスは口を開き、やっとそれだけを言った。それ以上は嗚咽で言葉にならない。
 もう一度、私の勇敢な、犠牲の精神に満ち溢れた息子を抱きしめた。長いこと、彼の傷
だらけの背中をさすり、乱れた髪を撫でてやっていた。
 一緒にこの試練を、シラスの過去を乗り越えて行こう。どんな嵐も、どんな闇夜も私た
ちを引き裂くことはできない。私たち二人はずっと寄り添い、手に手を取って生きていく
のだ。
 やがて、私は言う。
 「さあ、熱いシャワーを浴びておいで。それから傷の手当てをしよう、シラス」

Fin. <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/07(木) 20:48:27 ID:WACfXAuM0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

これと「アリマタヤの薔薇」とは、映画のサントラに入っている曲名からタイトルを取っています。
ちなみに、書いたのはこっちが先です。

レス下さった姐さん方ありがとう。特に>>479嬢、本当に嬉しかったです。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/07(木) 23:47:06 ID:zNG0Df1eO<> 久しぶりに秀逸な作品だったヨ(*´Д`)=з
萌を感じてなかった人間をその気にさせるとは、凄い力量
姐さんアリガdv <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/08(金) 01:07:59 ID:30YePP50O<> 最後泣いた…
3日間楽しませて頂きました。ありがとう <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/08(金) 07:24:13 ID:H+29+nrf0<> >>491、さりげなく他のSS職人に失礼……
ああもう、どうでもいいや。
楽しませていただきました。3日間GJ。 <> 夏の風景 1/2<>sage<>2008/08/08(金) 18:33:32 ID:nD8rxDAR0<> 高校生の頃を思い出しつつ、オリジナル片思いもの

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

 部活帰りの夏の空は、とうに日も落ちて夜の色だ。
 人通りの少ない裏道を自転車のライトで照らしながら、矢島は時折ペダルを
逆回転させつつ、よろよろと進む。隣を歩く加藤に合わせて、のんびり帰る。
 公園の角までの短い距離を、加藤の荷物をカゴに積んで、加藤の笑顔を見ながら。
 どうして、加藤の家は学校に近いのかな、と矢島は思う。
「サンキュ、また明日な」
「おう」
 加藤の手が伸びて、自転車のカゴからスポーツバッグを持ち上げた。
 ああ、もう終わりか。矢島は軽くため息をついて走り出そうとしたが、ふと聞こえた
友人の小さな声にブレーキを掴む。
「ってー」
「……どうした?」
 振り向くと、加藤がしかめ面で指の付け根をさすっている。
「手?」
「うん。なんか、潰れたっぽい」
「見せてみな」
 素直に差し出された右手は、薄暗いのでよく見えない。無意識にその手を掴んで
目を寄せると、なるほど、確かにマメが潰れて血が滲んでいた。 <> 夏の風景 1/2<>sage<>2008/08/08(金) 18:34:13 ID:nD8rxDAR0<> 「絆創膏あるけど、貼るか?」
「あー、いいや。すぐ家だし」
「お前の手、がっさがさだな。後で何か塗っとけよ」
「んな、面倒臭い。そのうち、慣れて固くなるだろ」
「どうかな。お前、しょっちゅう練習さぼるからな」
「うるせーよ。ほら、離せって」
 掴んでいた手を引き抜かれて、矢島は我に返る。手のひらに残った感触は、
もうそこに無いにもかかわらず、急に現実味を増した。
「んじゃ、気を付けてな。コケるなよ」
「……ああ」
 またな、と口の中で応えて、矢島はぞんざいに手を振ると、思いきりペダルを
踏み締めた。いつもなら少し空しさを覚える軽い前カゴも、加速する鼓動で気にならない。
生ぬるい風が水の気配を運んでくる。鈍色の雲を仰ぐ顔が、やけに熱い。
 手を、握ってしまった。
 しばらく走ってから、矢島は口元がにやついている自分に気付く。なんだかな。
なんだか幸せだぞ。俺はこんなにお手軽な男だったのか。ああ、でも。
 手のひらの感触は、家に着く頃には消えてしまった。
 クーラーの冷たい風に身を竦ませて、矢島はぼんやりと思う。
 どうして、俺の家は学校から遠いんだろう、と。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/08(金) 23:24:10 ID:u08Geb78O<> >>493

わざわざ指摘して他のSS作家に不快感を与えるのはさりげなく失礼ではないのか?
ま、本人の言う通りどうでもいいか <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/08(金) 23:28:26 ID:6DKaIYL40<> >>491=>>496? <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/09(土) 01:52:48 ID:HzjhiSSbO<> >>494
可愛い!きゅんきゅんした!GJ! <> 昼寝をしよう<>sage<>2008/08/09(土) 02:20:15 ID:8YFzu4WwO<> 布教しに参りました、ネタバレ等特になし
週刊飛翔 勇/者学 杖盾

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


 寝転がった時に、天井以外の物が視界にあるって言うのはやたらと違和感がある。
「杖」
「なんだい?」
「いやむしろお前がなんなんだよ」
 いつも通り勇者部の部室で涼んでいた、エアコンの冷気も扇風機の微風も真夏日の天国、勇者学があって疲れていたこともあって(普段はそんな事しないが)クッションを枕にちょっとの間寝てて、気が付けば杖が真上に乗っていた。
「つーかまずどけ」
「あ、寝てていいよ、僕気にしないから」
「そう言う問題じゃねぇ!!!!」
「まだ何もしてないよ」
「まだって何!?つか馬乗り自体普通じゃねぇよ!!」
 馬乗りって言うかマウントポジション?顔のすぐ横に腕、杖の顔までの距離は数十センチでいつもより若干近い、無駄に整った顔にうっすら笑顔が浮かんでいてなんだかムカつくな。
「別に危害とかないじゃない」
「だからそう言う問題じゃ」
「大丈夫、怖くないから」
「お前何する気だよ!!」
 丁度腹の真上に乗っかられているので蹴りが届かない、膝を曲げて背中をつついても完全にシカトだ。 <> 昼寝をしよう2<>sage<>2008/08/09(土) 02:23:18 ID:8YFzu4WwO<> 「何かして欲しいの!?」
「なんでだよ!!嬉しそうにすんな!!」
 まぁよく考えたら両手は自由だったし、杖はちょっと変だけど(鋼野と違って)良識もあるからよっぽどひどい目にあわされる事もないだろ。
「俺は寝るから邪魔すんな」
「僕も寝てもいいかな」
「好きにすればいいだろ」
「あ、クッション貸して」
「嫌だ」
「じゃあ半分」
「もっと嫌だ」
 何が悲しくて広い部室の中で男二人が寄り添って寝るんだ、気分が暑苦しい。
「あ!!じゃあ僕がクッション使って、河野君には僕が腕枕するよ」
「何万事解決みたいな顔してんの!?解決してねーよ!!むしろ一番嫌だよ!!」
「逆でもいいけど……」
「それ全然妥協じゃないからな」
 杖に対しての印象が『鋼野と同タイプ?』に変わってきた所で折衷案としてクッションを中心に反対側に足を向けて寝ることにした。
「頭ぶつけんなよ」
「河野君もね」
「寝返りすんなよ」
「気を付けるよ」
 真後ろから聞こえる声になんだか余計に疲れた。
 結局その日は誰にも起こされず気が付けば日が暮れるまで熟睡していた。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/09(土) 02:26:14 ID:8YFzu4WwO<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/09(土) 04:31:41 ID:j5LiKOFH0<> >>499
GJGJ
最終回でかなりの親友になってたみたいだから
高校時代いろんなことが二人の間ではあったんだろうなあ <> 聖☆おにーさん1/6<>sage<>2008/08/11(月) 02:34:16 ID:9t2Wv92iO<> モーニングツーで連載中の聖☆おにーさん
一応、私は神×仏だけど、逆でもいける程度のやおいだと思う
携帯からなので投下に時間が(5分以上は)空くかも
夏だけど、1巻読んで冬の話、仏視点

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


「最近冷えるよねえ」
「もう冬だからねえ」
師走も近付いた日本。
君が独り言のように呟いて、私が答える。
立冬もとうに過ぎて、吐く息も白くなってきた。

「暖房器具欲しいな…」
ちらちらとこちらを横目で伺う友人に、私はアルカイックスマイルで
すげなく返す。
「お布団があるでしょう」
「…うぅ、まあそうだけどさ…」

私よりも大分線の細い友人は、ノートパソコンを抱えて眺めながら
部屋の一角にうずくまっている。
その細身のジャージの下に何枚も重ね着しているようには見えない。
「…これじゃ苦行だよ…」
聞き慣れた抗議は聞こえないフリをして、時計へかぶりをふる。
「ほら、いつまでパソコンやってるのさ、もう寝るよ」
「ちょっ、ちょっと待って!あと少し!」
途端に慌てたようにカタカタとキーボードを打ち出した
君の姿に、私はクスリと笑う。
<> 聖☆おにーさん2/6<>sage<>2008/08/11(月) 02:39:18 ID:9t2Wv92iO<>
いつものように布団を二つぴったり並べて引いて、
パジャマに着替える。
「うぅー寒い!」
大急ぎで服を脱ぎ捨てパジャマを着込む君に、私はまた
クスリと笑う。

お布団に入って、電気を消して。「おやすみ」
私が言う。
「うん、おやすみ」
君が答える。
いつも通り。

そして暗闇の中、君はそっと布団を這い出て
私に覆いかぶさる。
………。
触れるのは唇だけ。
私はじっとされるがままに、その口付けを受ける。
閉じたままの瞳の向こうで、君がにっこりと笑う気配がする。
そうして君はまた、自分の布団に戻って言う。

「おやすみ」
私は答える。
「……うん、おやすみ」
これもいつも通り。

そしてそのあと、私は中々眠りにつけない。
これもいつも通り。彼は知らないだろうけど。
<> 聖☆おにーさん3/6<>sage<>2008/08/11(月) 02:44:25 ID:9t2Wv92iO<>
(愛だよね!愛!)
くったくの無い笑顔で言う友人は、私とはまったく別の悟りの境地に
達しているのだろうな、と床の中でぼんやり考える。
万物に差し延べられる彼の愛。
ならば、それは私にも同じく降り注ぐのか。
さっきの口付けのように?
寝る前の挨拶?
………よく分からない。
イエスの住む人種や地域では当たり前のことなんだろうか。
その意味を計りかねて、何も聞けないままでいる。
どうかしたいわけではない。
そう、どうかしたいわけではないのだ。
ただ、その意味を聞けないでいる。
聞けないまま、彼のおやすみを待っている私がいる。
なぜ聞けないのかは分からない。
……なぜだろう。

「…!!」
突然、腕に冷たいものが触れた。
驚いて身を起こす。
見ると、もう寝たと思った君が私の布団に手を差し入れていた。
「……君…」
「ごめん!なんか、君、あったかそうだったから…」
慌てて手を引っ込めて、布団を口元までかぶった君が言う。
「だって日本って思ったより寒いよね?ブッダはそうでもないのかな?
だよね、住んでたの雪降るとこだもんね、でも私まだ寒いの慣れてなくって…」
<> 聖☆おにーさん4/6<>sage<>2008/08/11(月) 02:47:12 ID:9t2Wv92iO<>
ぼそぼそと言い訳のように続ける君に、やっぱり私は笑いがこぼれた。
私が怒ると思ったの?また光ってしまうと?

布団を引き上げて縮こまる君に、私は手を差し出す。
「寒いんでしょう?」
布団の中で、君の方へ少し移動する。
君も布団の中で、私の方へ少し近づく。
おずおずと伸びてきたその手を取ると、思ったよりも本当に冷たくて
包むように握り締めた。
私が微笑むと、君も安心したように微笑んだ。
ぴったりと並んだ二つの布団の間で、やがて
私の手の温もりが君に移って、君の手の温もりが私に伝わる。
暗闇の中でお布団に包まれて、君の手を握り締めて。

「…あったかい……」

あたたかいね、と言おうとしたら君に先にそう言われたので
私はまたクスリと微笑む。
ええ、とても温かい。

「…やっぱ…暖房……いいや…」
「…え?」
今なんて?思わず繋いだ手をきゅっと握ってしまったけど、
君からはすーすーと安らかな寝息が聞こえてくるだけで。

いつもとは、少し違う夜。
片手に君の温もりを感じて眠りについた。
<> 聖☆おにーさん5、6/6<>sage<>2008/08/11(月) 02:51:57 ID:9t2Wv92iO<> <おわり>


予想より分母が少なくてすんだ、ごめん
漫画で萌えて、スレ読んでさらに萌えて吐き出しです
中村女史スレの姐さん方ありがとう <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/11(月) 17:34:23 ID:GX4LjrdY0<> >>507
なんというGJ!!!
今一番見たかった神仏カプ‥!
また光ってしまうと‥‥?に笑っていいんだか萌えていいんだかです。
(萌えたんですが、そして温かい気持ちになったんですが)
癒し系作品ごちそうさまでした!
<> 鉢潮@忍(1/3)<>sage<>2008/08/11(月) 19:59:06 ID:w74daeQkO<> 布教させていただきます。
日本ひきこもり協会にて放送中の忍びアニメより
鉢屋×潮江です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!



「それで、食満の奴がな、」

 苛々する。

「立花はそういう奴なんだよ」

 苛々する。
 この極端に鈍感な男は、滅多にない二人きりの時間でも、同学年の、俺からすれば
先輩に当たる奴らの話ばかりする。それも、笑って。時々わざとやっているのではな
いかと邪推することもあるのだが、この鈍感男にそんな知恵があるようにも思えない。
 それでも。我ながら本当に女々しいとは思うのだが。認めたくないなりに。狭量だ
と分かってはいても。そもそも、この超鈍感男が他の男を好くことはないと、自負し
ているのに。少しばかりとはいえ嫉妬に近い感情を向けている相手の名前を、この男
が口にするというのは、何というか。

 だからその、つまり。悔しいのだ。

「おい、聞いてるのか?」
「………う、わ!」

 醜い感情を持て余してぼんやりしていたところに、突然男の顔が至近距離で現れる。
怪訝そうな顔が不機嫌そうな顔になり、自分が後退ったことで離れていく。 <> 鉢潮(2/3)<>sage<>2008/08/11(月) 20:01:39 ID:w74daeQkO<> 「……聞いてますよ」
「………」

 返答の代わりに、男の眉がぴくりと上がる。あぁ、これは怒りだす直前の顔だ。そ
う考えると、また苛々した。
 何でアンタが苛つくんだよ。怒りたいのは、こっちの方だっていうのに。

「…なぁ、」

 重い声が、やけに響く。
 嫌な空気だ。せっかく。本当に久しぶりに、二人っきりになれたっていうのに。

「……止めましょうよ」
「…いや。後に回しても、仕方ないことだし、な」

 制止を聞くような男だとは思ったこともなかったが、この男にしては本当に珍しく、
言いづらそうに言葉を濁すところを見て、余計不安になった。別れ話でもはじめるん
じゃないだろうな、と。考えて、それだけで鼻の奥がツンとする。中々話し出そうと
しない男を見ていると、頭の中が落ち着かなくて、嫌な想像ばかりして。
 苛々しているのか、悲しいのか。それともそのどちらでもないのか。わからなくな
った頃にようやく、鈍感男は口を開いた。

「…その顔、止めろ」
「………は?」

 ぼそりと。低い声で告げられた言葉は、予想すらしていなかったものだった。 <> 鉢潮(3/3)<>sage<>2008/08/11(月) 20:03:23 ID:w74daeQkO<>  開いた口が塞がらないという表現そのままに、間抜けに口が開く。何度反芻しても
言葉の意味が理解できず、結局間抜けな顔のまま聞き返すはめになった。

「顔って何、どの顔?」
「……不破の顔。腹立つから、止めろ」
「はぁ?」
「だから、……俺といる時ぐらいは、その顔じゃなくても構わんだろうが!」

 予想外、再び。さっきのそれを越える予想外っぷりに、今度こそ頭の中が凍り付い
て、役に立たなくなる。

「は、何、それ」

 ようやく絞り出せた言葉に、赤くなっていた鈍感男の顔が一瞬で不機嫌そうなもの
になる。視界から俺を締め出すように向こうを向いてしまった男の背中を見ながら、
情けなくも真っ赤になった顔を持て余して。俺は二言目にこいつにかける言葉と、顔
を選ぶことにした。



□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/11(月) 20:32:45 ID:Fbf9LCjFO<> >>507
GJGJ!
ころころと、軽やかにテンポ良く進む文章と
温かく穏やかな二人の関係にハゲ萌えた
光ってもいいよ仏w
眼福でした!
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/11(月) 22:38:45 ID:IbIsnhrV0<> >>509
GJ!
二人ともかわいくて萌えました。鉢屋×潮江いいですね! <> 回転(0/3)<>sage<>2008/08/12(火) 00:04:53 ID:7YfxD3p40<> ナマモノ/邦楽/回転/唄四弦。
何故か降ってきたので具現化してみました。
ジャンル者の方がいらっしゃいましたら、当方初心者ゆえ、間違い・勘違い等
あると思いますが、生温く見てやっていただけるとありがたいです。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
<> 回転(1/3)<>sage<>2008/08/12(火) 00:05:35 ID:7YfxD3p40<> レコーディングスタジオの片隅に備え付けられているちゃちな椅子。そこで文庫本を
手に、少しだけ猫背になっている。そんな彼の背中の側から、そっと髪を捉えてみた。
「さとうくん、髪伸びた?」
癖があってうねうねしてる自分の髪と、艶もコシもあるまっすぐな彼の髪とでは、
手触りがまったく違う。僕はきゅっと音がしそうなくらい綺麗なそれを、くるくると
指に巻きつける。


さとうくんが、もう何年もの間肩より下の位置にあった髪の先を襟足くらいにまで
さくりと切り取ったのは、年が明けてすぐのことだ。
僕は色変えてみたり長くしたり短くしたり、ついでに眼鏡をとってみたりかけてみたり、
ちょくちょく見掛けを変えていた。けれど、ずっと隣にいた彼は、僕とは対称的に
殆んど変えていなかった。
だから、年を明けた頃には随分と驚いたものだ。10年を越える付き合いなのに、それは
ひどく新鮮なことだった。
しかしそれからもう、1年の半分以上を経た。僕より髪の短いさとうくんをすっかり
見慣れ、彼は髪をかきあげる癖が少し減った(なくなりはしない、けど)。
それを、少し淋しいと思ったのは、我ながらまた随分とメランコリックだなと思う。
僕は彼がさらさらと髪を後ろに流す仕種が、ひどく好きなのだ。 <> 回転(2/3)<>sage<>2008/08/12(火) 00:06:15 ID:7YfxD3p40<> 「なあ、また伸ばすん?」
まっすぐすぎて、うまく巻き付いてくれない髪を、何度も掬う。読書を中断させたと
いうのに、さとうくんは怒らない。
「んー、せやなあ。決めてへんけど」
「伸ばしとったらええよ」
「え。切れば、って話かと思った」
彼は凛々しい顔立ちなのに、かっこつけたりせずにくしゃっと笑う。ふふ、と楽しげな
声に釣られるみたいに、僕はまた彼の髪をつまみあげた。
「違う。逆。ねえさとちゃん、伸ばしとって?」
「これからまた暑くなるのに。外のライブも増えるんよ」
「今までずっと、夏場でも長かったやんか」
彼に気付かれないように、捉えた髪の先を唇に当てる。今までほど長くないから、間近に
彼の頭がある。
もうちょっと俯いて近づいたら、首筋にキスできるなあ、なんて思いながら、髪とポロシャツの
隙間に覗く白い肌を眺める。前はもっと、掻き分けんと見えへんかってんのに、なあ。
嬉しいような、勿体ないような。
肩のあたりで、揃えられた髪。僕はふと思いついて、彼にねだるように頼んでみた。
「さとちゃん、このまんま伸ばしてさ。あれ歌うて、あれ」
「あれ?」
「君の髪が、肩まで伸びて、僕と同じに、なーったら」
僕は、わざと節を外して口ずさんでみせる。さとうくんは「ああ、『結婚しようよ』」と
すぐに言い当てて、またふふふと笑った。 <> 回転(3/3)<>sage<>2008/08/12(火) 00:06:47 ID:7YfxD3p40<> 「でもそれ、髪の毛の長さ的には、僕より繁くんが歌うたほうがええんとちがうの」
それに僕、歌う人やないんやから。そう言って、さとうくんはおかしそうに肩を揺らす。
たしかに、襟足なんかは、今は僕のほうがほんのちょっと長いかもしれない。僕は
歌う人でもある。
でも、そうじゃない。そうじゃなくて。
僕は、頑なに言い張った。
「だめ。僕じゃ、だめなんよ。さとうくんでなきゃ、」
きみでなきゃ。
きみのことばが、ほしいんだから。
こんなに長く一緒にいるのに、するりするりと捉えきれない。だけどずっと一緒に、隣に
居てくれる君から、僕に。
歌のフレーズだから、なんて理由でいい。それで構わないから。
「なあ、歌うて。なあ」
まるで駄々を捏ねるように繰り返す僕に、さとうくんは困ったように首を傾げた。仕方あらへんなあと
呟く声はひどく優しくて、それがまたやるせない気分にさせる。
僕は、捉えても捉えてもするりと指を通り抜けてしまう髪に、こっそり噛みついてやった。



□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

方言とか似非すぎてほんと申し訳ない。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/12(火) 01:27:57 ID:yzINj7UTO<> >>517姐さん、名前伏せ忘れてるよ!
ジャンル的に慎重にお願いします! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/12(火) 01:31:14 ID:yzINj7UTO<> あ、文章GJですよ!
さとぅかわいいよさとぅ
連投スマソ <> 517<>sage<>2008/08/12(火) 08:46:21 ID:N41R46e2O<> 携帯からスマソ
名前伏せ忘れ、正直すまんかった。完璧油断でした、自重します。
スレ汚し失礼しました。

>>518姐さん、忠告とコメントありがとう。感謝です。
<> 新板設置について相談中@新板スレ<><>2008/08/12(火) 08:48:42 ID:GM6SVvNx0<> 【801板】ローカルルール【自治スレ】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1198687604/

<その他>
・伏せ字・当て字の使用・不使用は自由です。他人に強制はできません。
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/12(火) 14:16:10 ID:th+nbGNL0<> GJ <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/12(火) 18:09:41 ID:5A3X8ORRO<> アク禁やっと解除

それよりコミケどうしようかな
雨が降るならデニム、降らないならロンスカはきたい
デニムだと暑いんだよなー、でも雨の日のロンスカは悲惨 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/12(火) 18:35:52 ID:HlUVHFCJ0<> >>517
GJ
ここで回転を見られると思ってなかったよ。
正直うれしいぞこのやろうめ。ひねた唄もおおらかな四弦も大好きだ。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/13(水) 03:34:06 ID:w3yUEG400<> しゃべるケータイが出てくる話です。先輩×後輩

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ゴーサイン  1/6

 仕事を素人に引っ掻き回されるのは真っ平御免だ。別にアンカーの仕事だけではない。
昔から自分の仕事を他人と合わせて行うのは苦手だった。
ペースを崩されるのも足を引っ張られるのもイライラするからだ。
いつも与えられた仕事は一人でこなしてきた。
それで不都合を感じたことはない。誰にも文句など言わせたことはない。
だからこれからも自分のペースさえ保てれば誰が何をしていようとどうでもいい。邪魔さえしなければ。
 桐原大貴はそう思っていた。……ついこの間までは。

「クソッ、あと何階だ、サード!!」
「推定位置でしかでございませんが、まだ半分も上がっておりません」
 鍛えているはずなのに汗に塗れた身体にシャツが張り付くのが猛烈に不快だった。
最初はただの愉快犯だったものが犯行をエスカレートさせていくのはよくある話だ。
だからカラフルな花火で満足させていた犯人が、次に爆弾を仕掛けたのも予想範囲内だった。
だが、あの素人に爆弾処理に任せるとは。素人に全部押し付けて己を退去させようなどとは。
「美作さんはどうかしている!」
 胸の内に押し込められた苦い塊を吐き出すように桐原は言い捨てた。
「恐れながらバディ、貴重な戦力を二人失うのは得策ではございません」
「あいつは使い捨てか!!」
 桐原が滅多に見せない鋭い怒りにサードは押し黙る。分かっている。こいつは機械だ。
AIは情に惑わされることはない。感情があるように見えても、それはそう見えるだけの計算の結果なのだ。
俺はこいつの常に合理的な判断を気に入っていたはずではなかったか。桐原は少し立ち止まって息を整える。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/13(水) 03:35:03 ID:w3yUEG400<> 2/6
「すまん。冷静さを欠いた。網島のいる位置まではまだ遠いか」
「……3階上でございます」
 あと一息だ。
「時間は?」
「残り、18秒」
「……畜生が」
 戻れば助かるかもしれない。昇っても間に合うか分からない。
網島が自力で爆弾を解除できるか。賭けるしかないのか。どっちだ。
「……俺もヤキが回ったもんだ」
 桐原は階段の上方を睨み付けた。もう一度大きく息を吸い込むと、一気に駆け上がって行った。

「悪運強いな、お前」

 桐原が辿り着く前に轟音がとどろいた。ビルを揺るがす振動に桐原は足を取られ、手すりにかろうじて掴まる。
爆発したのか?! 血の気が一気に失せた桐原が一瞬動きを止めると、不気味な振動を伴ったその爆発音は
ビル全体を小刻みに揺らし、やがて消えた。それきり、ビルの崩壊などは感じられない。
「網島!!」
 残りの階段を一足飛びで駆け上がると、セブンを握り締めて小刻みに震えている網島の姿が目に入った。
怪我などはしていないようだ。足が萎えそうになるのを堪えて桐原はやっと辺りを見渡した。
グラインダーを使ったのだろう、エレベータの扉が丸くくりぬかれ、開口部から煙が噴出している。
どうやらエレベータを処理容器の代わりにして爆破処理したようだ。
「悪運強いな、お前」
 片膝を立てて座り込み、網島の顔を覗き込んだ。青ざめているが、やはり怪我はない。
どれほど安堵したかは表情には出さず、皮肉気に笑って見せた。予想通り網島は半分泣きそうな顔で桐原を見返した。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/13(水) 03:36:01 ID:w3yUEG400<> 3/6
「桐原さん」
「申し訳ございません網島様、これでも桐原様はお二人を心配して、退避命令を無視したのでございますよ」
 おしゃべりな携帯を片手で握り締めると、かすかにぐえ、と声が上がってサードはおとなしくなった。
「サード、一言余計だ」
「恐れ入ります」
 ふんと鼻を鳴らし横目で網島を見る。
 やっと少年の表情が明るさを取り戻した。自分のバディにサムズアップをして
事の成就をささやかに祝うのを横目に桐原は口を開いた。
「本部に報告の後、一応メディカルチェックを受けろ。セブンもメンテナンスだ」
「怪我してないです、別に」
「形式だ。やっておけ」
 不満気な網島をあとに桐原は踵を返す。慌てたようにサードが口を開いた。
「網島様たちはどうするのですか」
「子供じゃないんだ、自分で降りりゃいい」
「あんなに心配されていたのに、無事を確認されたらとたんに、」
 またしても、ぐえ、と声が上がって携帯は大人しくなる。階段を踏みしめる直前、桐原は網島を振り返った。
何気なく振り返っただけだったのに、幼げな顔に似合わない、陰鬱な横顔に足が止まる。
小声ではあったが、その声は桐原までまっすぐに届いた。
「……滝本さんは誉めてくれるかな」
 その瞬間膨れ上がった感情は、何に例えればいいのだろう。怒りとも憎しみとも呼べない暗雲のようなどす黒いもの。
ほんの刹那、殺意さえ込めて、桐原は網島を睨み付けた。だがそれも一瞬だった。
桐原はすぐに網島から視線を引き剥がし、足早にその場を後にする。
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/13(水) 03:36:50 ID:w3yUEG400<> 4/6
 入り口から出るとすぐに瞳子が駆け寄ってきた。
「ケイタ君は?!」
「無事だ。爆弾も処理した。ビル自体の損傷は激しいがやむを得ないだろう」
 そこまで言って桐原は瞳子の奇妙な視線に気がついた。
「何だ」
「何かあったの?」
「何がだ」
「人を睨み殺しそうな顔してる」
「……余計な世話だ」
 まだ何か言いたそうな瞳子をあえて無視して歩き出す。後方で瞳子が大声を上げた。
網島が出てきたのだろう。桐原は振り向きもせずに歩き続ける。道路の反対側に止めてあった車の前で足を止めた。
そのまま運転席側のドアを開ける。
「網島についていなくていいのか」
 いつ自分を追い抜いたのだろうか。携帯電話が車のダッシュボードに置かれていた。
声をかけると蓋が開き、手足が伸びる。網島の相棒であるところの、フォンブレイバー、セブンが桐原を見上げていた。
「……ケイタの心の支えは、滝本の遺したたった一つの言葉なのだ」
「意味が分からん」
「それだけを胸に抱いて、ケイタはありったけの勇気を振り絞っているのだ」
 収まっていたはずの胸苦しさが急激に喉元までせり上がってきたような気がした。
「ケイタは家にも学校にも自分の居場所はないと漠然と思っていた。どこにも所属できない自分を
半端な人間だとみなし投げやりに生きていた。そのケイタを認め笑いかけてくれた人間が滝本だった。だからケイタは」
「だから俺に言ってどうする」
 苛々と桐原は遮る。
「俺に滝本の代わりに子守でもしろっていうのか」
「君が、そんなケイタを見て苛立つのは分かる。若さゆえの脆弱な精神だと唾棄していることも知っている。
しかし、ケイタはほんの少しずつだが自分の意思で歩き始めている。どうか見守ってやってほしい」 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/13(水) 03:37:45 ID:w3yUEG400<> 5/6
 つまり、このAIは先ほどの自分の行動を、弱々しさを見せる後輩への苛立ちだと判断したのだろう。
そして己の判断でバディのフォローにまわったわけだ。まったくこの機械はよく出来ている。嫌気が差すほどに。
「……誰にでも心の拠り所の一つくらいはある。そんなことで態度が変わったりはしない。
あの素人がそろそろお前を探し始めるんじゃないか。もう行けよ」
 それでもしばらくセブンは佇んでいたが、やがて車から降りて姿を消した。
道路の反対側で瞳子に捉まっている網島の元に向かったのだろう。
 桐原はしばらく運転席で宙を見上げていた。機械にも分かるほど自分は感情がぶれたのだ。
その事実を噛みしめるように目を閉じた。
 弱々しさを見せる後輩への苛立ち。
 さっきまでは自分だってそう思っていたのだ。だが。

 滝本さんは誉めてくれるかな。

 その呟きを聴いた瞬間の感情を、もうごまかす事は出来なかった。
「……嫉妬していたのか」
 誰に?
 
 滝本に。


<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/13(水) 03:39:19 ID:w3yUEG400<> 6/6
 認めることが耐え難いほど苦痛だった。しかしもう、後戻りもできない。認めるしかない。
苛立ちも怒りも焦燥も、全て一つの感情から出ていたことだということを。
 桐原は目をつぶったまま仰向いた。いつの間にあの素人はこれほど自分の心を侵食していたのだろう。
やっと自分の名前を呼んでくれたと笑った顔がいつまでも脳裏をちらついて離れなかった時からか。
いや、もっと以前から、あるいは、出会った時から? いくら考えても、きっと答えは出ない。
 死んだ人間にどうやって勝てというのだろう。言葉一つで、笑顔一つで絶対の存在となった男に。
ああそうだ。気付いた今となっては、どうして気付かずに今までいられたのかと思うほどに焼け付くような嫉妬が身を焦がす。
「ずっと、欲しかったんだな」
 だから苛付いていたんだ、俺は。ガキか。いや、ガキ以下だ。
 目を開けて、道路の向こう側を見た。瞳子に説教されて辟易している網島の姿があった。
じっと見つめ続ける。やがて、桐原の唇が皮肉気に歪められた。
「……セブン。見守ってやってもいいが、そのうちそれだけじゃすまなくなるかもな」

 桐原は、静かに言い切った。
 

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/13(水) 04:18:40 ID:KHrm1Agz0<> 挟んですんません。
>>517
GJ。五十回まわる人達かと一瞬(笑)
一回りの人達カワイイヨー。もう充分メオトなのにねだる唄イイヨー <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/13(水) 09:33:30 ID:qYeHBq0t0<> >>524
GJ!!!!
桐原可愛いよ!
放送の無い今日もこれで耐えられます。ありがとう!
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/13(水) 15:16:07 ID:iuxZi/mG0<> 亀だが>>503GJ!
神様の息子さんったら、相変わらずせくしーだいなまいつ。
セクシーっつかチャーミングか。さすがは人類史上最高のスーパースター。
二千年と八年前から愛してる〜♪

御仏も愛らしくて萌えでした。
アルカイックスマイルワロタww <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その1<>sage<>2008/08/13(水) 22:24:25 ID:hAGzKN7w0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |久々の投稿で、しかもボカロもので鬼畜気味で心配しています
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|私が妄想するとどうしても鬼畜になります。 
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ スミマセン。ナマエハテキトウデス
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その1-1<>sage<>2008/08/13(水) 22:25:27 ID:hAGzKN7w0<> (このパソコンに入れたらまじで実体化したんだって!)
(え、じゃあこいつ本物のKAITO?)
(!マスター、何やってるんですか!今日は妙に高いアイスくれると思ったら…!)
(うわ!KAITO触るな!)

うるさいのう…
早く我を起動せぬか…

(よし、じゃあがくぽも実体化するかな?)
(離せってKAITO!ああ、するかもな。つけて見ろ)

KAITO?かいと…。
ふむ、データには我の上に当たるらしいボーカロイド…
それがなぜこのぱそこんとやらの外にいるのだ…。

そしてがくぽは一瞬意識を失って、ふと目を覚まして、辺りを見回した。
周りには目を輝かせる男が二人と、アイスを持った青髪の男が一人。
そしてここは、畳の床に、狭い部屋。男一人暮らしといったところか。
「…?」
手前にいる男に手を伸ばす。
ぺたりと男の頬に触れられた。
「何じゃ…これは?」
その手をがしりとつかんだのは、目を輝かせながら嬉しそうに顔を近づけてくる、がくぽに触れられた男だった。
「や…」
「や?」
がくぽは扇子を口元に持っていくと、いぶかしげに鸚鵡返しをした。
「やったー!!がくぽだ、すげぇ、本物だ!!」
「???」
そう、ここはパソコンの外。背後には大きなブラウン管がある。
この事態はがくぽとしても想定外だった。
何で、パソコンの外にいるのかと。 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その1-2<>sage<>2008/08/13(水) 22:26:26 ID:hAGzKN7w0<> ボーカロイドは歌を歌う、いわゆるソフトだ。実体化するなんてありえない。
だが。
実際がくぽはパソコンの外にいる。
「ああ…」
と、青髪の男がアイスを持ってため息をついた。
アイスは暑さでとろりととろけている。
「君も、来ちゃったんだね」
「お主は…見たことがあるぞ、かいととか言うボーカロイドであろう。なぜ人間同様に暮らしているのだ。ここはどこだ?ぱそこんに戻れぬのか?」
がくぽは手を払うと、KAITOに問いかけた。
それも必死に、自分が人間と同じように存在していることに違和感を覚えているようだった。
「うん、それなんだけどね、僕もよくわからな」
KAITOを蹴飛ばして、キーボードの上に乗っかっているがくぽをふわりと抱き上げたのは、先ほど手を握り返してきた男だった。
「本物のがくぽだ。いいかい?俺が君のマスターだよ。もちろん歌ってもらうからね。うわあ、君って軽いなあ」
「マスター?…おお、主か。お主は主様か」
がくぽは花がほころぶような笑顔で、マスターを見上げた。
紫の長い髪を揺らして、にっこりと紫色の長いまつげが見えて、紅を塗った唇は弧を描く。口元には扇子が当てられている。
優雅だ。
「うっ!!」
その笑顔に、マスターの下半身はうずいた。
「?いかがした?」
「ちょ、な、なあ」
マスターはKAITOのマスターであるもう一人の男に耳打ちした。
「あん?」
KAITOのマスターはKAITOを捕まえると、楽しそうにちんたらアイスを食べているKAITOのマフラーを剥ぎ取り、アイスを蹴り飛ばした。
「あっ、アイス!…マスター?」
不安そうに見上げるKAITOが見たものは、自分のマスターの非情な笑顔。
ぞくりと悪寒がしたが、もうマスターの手の内だった。
「…何をしようとしておるのじゃ?主様」
ぺちぺちとたたんだ扇子でがくぽのマスターの頭を小突く。
マスターの鼻息が荒い。
「…見てれば分かるよ。怖くないよ、がくぽ」 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その1-3<>sage<>2008/08/13(水) 22:27:19 ID:hAGzKN7w0<> なんだかさっきと違う雰囲気が少し怖い。
そう思って、がくぽはきゅうっとマスターの服の裾をつかんだ。
「わ!わ!マスターやめてください、がくぽと山崎さんが見てます!!」
「山崎?主様のことか」
またもがくぽが扇子で小突く。
その間にもちゃっちゃとKAITOは脱がされている。
「そそ。俺、山崎栄治っていうの。がくぽは今までどおり呼んでくれていいよ。あいつは深田次郎ね。次郎とでも呼んでやればいいよ」
「ふむ、次郎か。こら次郎、かいとが嫌がっておるではないか。離せ」
だが深田はやめるつもりはもちろんない。
むしろ、がくぽのこれから始まることへの危機感のなさが、深田と山崎の笑いを誘った。
「何笑っておる」
「がくぽもこれから似たようなことされるんだよ?」
KAITOがズボンも脱がされていく中、くすりと笑ってがくぽに告げる。
がくぽは首をかしげ、きょとんとし、困ったようにマスターの顔を見た。
KAITOがほぼ全裸にされている。
と、転がったアイスが目に入る。
溶けて、どろどろになったものだった。
深田がそれを指に取ると、ほぼ全裸になったKAITOの奥まった部分に塗りつけた。
「つめたっ…マスター…!」
「調教しただけあるな、いい声だよ、KAITO」
「…」
がくぽもこれから似たようなことされるんだよ?
深田の声が、頭の中で渦巻く。もしかして自分はとんでもない所に買われてしまったんじゃないかと、いまさらながら気づいて、山崎に抱きついた。
「はっ!」
しかし抱きついて、自分の相手は誰なのかと思ったところで、自分のマスターしかいないことに気づく。
じり…と壁を背にして後退する。
「がくぽ?こっちへおいで」 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その1-4<>sage<>2008/08/13(水) 22:28:18 ID:hAGzKN7w0<> 大きな手のひらが、怯え始めたがくぽの前に差し出される。
「あっ…!いっ、いた、い!マスター、やめてください!」
「…!」
みたのは開脚されて、深田のそれを深く飲み込もうとしているKAITOの姿。
(これから我も同じことをするのか?されるのか?かいとはすごく嫌がっているのに…)
耳をふさいで、目も閉じた。
怯える様はひどく幼く見えたが、これでもがくぽのパッケージに描かれたとおりの凛とした武士だ。
「がくぽ」
耳をふさいでいた手を解かれて、耳に口付けされる。
「怖くないよ」
「嘘じゃ、かいとにしたようなことをするつもりだろう」
「ほら、ちゃんと聞いて。KAITOは喜んでるよ?」
指をさされた場所を見れば、深田のものをくわえ込み、腰をつかまれてあえぐKAITOの姿だった。
「あっ、…っあ…!いやだ、がくぽ…見ないで…うあっ!」
その声を聞いて、うずくまっていたがくぽがすっくと立ち上がる。
そして山崎に向かって、たたんだ扇子を向けて叫んだ。
「異常じゃ、主らは異常じゃ!あんな所に…小姓ではないか、まるで!」
突き上げられて、嬌声を上げるKAITOと、それを見せ付けられて真っ赤になっているがくぽ。
言動はきっぱりとしているが、目には戸惑いがあふれていて、それが逆に嗜虐心をあおった。
山崎ががくぽの腕を引っ張ると、がくぽはあっけなく彼の腕の中に納まった。
「ぬ、主様?」
「がくぽは可愛いなあ」
<> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その1-5<>sage<>2008/08/13(水) 22:28:54 ID:hAGzKN7w0<> 「そ、そんなこと…」
と、いいながらも山崎の手はがくぽの衣服を脱がしていく。
「や、やめ…」
手を振り払うが、それでもじわじわと脱がしていく。
腰紐が解かれ、青いボディスーツがあらわになる。
「あ」
と、山崎は手を止めた。
そして深田のほうに顔を向けると、とんでもないことをいった。
「深田、このがくぽの青いやつ、どうしようか。何かぴったりしてて脱がせにくい」
もきゃもきゃ暴れるがくぽをおさえつけて、深田はこのボディスーツを脱がそうと必死になっている。このスーツが体のほとんどの部分を包み込んでいるせいで、脱がせられない。脱がせ方はもちろん、脱いでもらうこともできない。
「きっちゃえば?KAITOは脱がせやすくていいよなー。ほれ」
「悪いな」
深田はぽいっとジャックナイフを渡す。
山崎はやはりもきゃもきゃ暴れるがくぽを畳に押さえつけると、首の辺りのボディスーツを引っ張り、そこにナイフで切込みを入れた。暴れれば傷つくと悟ったがくぽは、急にじっとしてやり過ごそうとしていた。
ビリッと一気にボディスーツが裂かれる音がして、あっという間に全裸になってしまった。
もちろん、上衣も裂かれてしまって、気に入っていたのにと愚痴をこぼすがくぽがいた。
しかし服の心配をしている場合ではない。
抱え込まれたかと思えば、背中にかたいものが当たる。
<> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その1<>sage<>2008/08/13(水) 22:30:56 ID:hAGzKN7w0<>  ____________
 | __________  |
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 名前は本当適当なので、全国の
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )山崎さんと深田さんごめんなさい。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/14(木) 00:10:14 ID:crz6rD9KO<> え?終わり? <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/14(木) 00:20:01 ID:kVdoReja0<> いあ、続くかと <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/15(金) 07:20:33 ID:GyxN8Y3Z0<> >>534

執筆途中か?それとも、
仕上がってるけど透過する時間がない?
どっちにしろ続き楽しみにしてるんだぜ <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その2<>sage<>2008/08/15(金) 21:56:12 ID:39CVxgyG0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |丸一日投稿がなかったんで投稿させて貰います(書き溜め中
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|連投失礼します。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ スミマセン。ゼンカイツヅキマストイウノワスレマシタ・・・
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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<> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その2-1<>sage<>2008/08/15(金) 21:57:24 ID:39CVxgyG0<> それに気づいて、がくぽは体をこわばらせた。
「ごめんな、俺も興奮してきてるんだ」
肌理の整った白い細い線の肢体に、思わず興奮してしまう。
触れてみればさらさらで、黒子やしみなどひとつもなかった。
がくぽを抱きしめると、ゆっくりと山崎の手が下がっていく。
「主様っ」
ぴしゃりと手をたたくが、下へ下へと下がっていくてはとまらない。
性器をつかまれたところでびくりと体は震えた。
「やっ…はっ、離せ…」
微弱ながら抵抗をするが、すぐに封じ込まれる。
敏感な性器を上下にすると、再び体がわなないた。
「あっ、あ…」
高い喘ぎ声が出てしまい、自分でも赤面する。
「可愛い声だねがくぽ。マスターの言うことは聞いておくもんだよ?」
マスターという言葉に反応すると、がくぽは抵抗をやめた。
ボーカロイドはマスターに絶対服従だ。
ならこれもマスターに任せるしかないということだろうか。
心ではまだ抵抗感があったが、体がマスターを信頼しきっている。
マスターという、山崎に。
「あっ!ああっ!…や、もう…」
手の速度も速まると、がくぽは絶頂感に襲われた。もちろん自分でもしたこともないし、歌うことしか頭に入ってなかったがくぽにとっては初めてのことで、戸惑った。
「イっていいよ?こらえなくて良いんだよ?」
ぎゅ、と力を込めて擦りあげると、高い声とともに精液が畳に落ちた。
乱れた呼吸を整わせようと、肩で息をするがくぽを抱きしめる。
畳に落ちた精液を指で掬い取ると、山崎はそれをがくぽの前に差し出した。
「これ、何か分かる?」
ゆるく首を振るがくぽに、山崎は軽く笑った。
「そうだよね、元々ソフトなんだからこんなこと知らないよね。しかも今日来たばっかりの。ゆっくりいろんな事教えてあげるからね、可愛いがくぽ」
見に口付けを落とすと、指に掬ったがくぽの精液を後孔に塗りつける。その行為に、がくぽは驚いた。
「な、何をする!」
ぷんすかと怒って、ひざの上に座りながらがくぽは軽く山崎をはたいた。
「い、痛い…」 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その2-2<>sage<>2008/08/15(金) 21:58:19 ID:39CVxgyG0<> 「あ…すまなかった、主様」
「さっきKAITOが後ろに塗りつけてたでしょ、アイス。ああやって慣らさないと痛いんだよ」
KAITOを見ると、もう何度目かの絶頂で、ぐったりと疲れ果てている。
ああなるのか…と思うとめまいがした。
「がくぽ」
「なんじゃ」
がくぽをひざから下ろすと、山崎は自分のジーンズのチャックを下ろした。首をかしげながらその様子を眺める。はじめて見るチャックが面白いらしい。
そして出てきたのは硬く反り返った性器。
「がくぽ、触ってごらん」
「?」
いわれたとおりに触るが、ずっとがくぽの嬌態を眺めていたせいか、カチカチになっている。がくぽに触られただけで達してしまいそうだ。
「それを舐めて?」
「これを?どんな風にじゃ?」
「ん~、舌でぺろぺろって。うまく舌使うんだよ。初めてだから大変だと思うけど」
「んん…」
いわれたとおりに、がくぽはそれを舐め始めた。
つたない舌使いで、ちろちろと性器を舐める。
それがどういう行為か分かっていない所も、ちょっと苦しそうにしてるところも、可愛らしかった。
(可愛いなあがくぽは)
正直言うと山崎はこの無垢で真っ白な存在を犯し難かった。
けれど欲望の方が理性を覆い尽くしてしまい、この行為にいたった。
快楽とともに背徳感にも襲われる。
だが今更だ。ここまでしといて手を出さないのは男じゃない。
「もっとうまくできたらご褒美ね」
「んっ…」
KAITOのほうは、この部屋に唯一あるベッドに寝かされ、頭をなでられていた。
「ううっ…ひどいですマスター…。もっと高いアイス買ってもらいますからね…」
「ちょっと暴走したな、うん、良い奴買ってきてやるよ」
そんな会話が繰り広げられている。
一方でがくぽの方は、先端をちろちろと舐めていた。
手の動きも教えられ加わって、山崎はがくぽの頭を押さえつけて、性器から離した。
そして顔面に射精する。 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その2-3<>sage<>2008/08/15(金) 21:59:23 ID:39CVxgyG0<> 「!なっ、何をするー!!」
どろりと顔面に出されて、がくぽは気持ち悪さにごしごしと腕で拭いてしまった。
それでも拭えきれていない。
「はあ…ごめんがくぽ。でも中々上手かったよ。がくぽ。そんなにすねないでこっちへおいで」
顔を布で拭いていたがくぽは、むくれながらも、自分のマスターの元へと這っていく。
「…服は着せてくれぬのか?落ち着かん」
「後でね。はい転がって」
ころんと押されて転がると、腰をがっしりつかまれた。
そして後孔に指を入れられ、中をかき回される。最初は少し痛かったが、慣れてくるとなんとも言いがたい感覚が襲い来る。
「んっ、うっ」
「どんな気分?」
「あっ、何か、変な感じじゃ。ひあっ!」
前立腺のあたりを強くこすると、がくぽは声を上げた。
指につばをつけて中をほぐしてるせいか、ぐちゅぐちゅ戸卑猥な音が響く。
「もう良いかな?」
「…?」
不審がって山崎を覗き込むと、山崎は自分の、再び力を取り戻した性器を、がくぽの後孔に押し当てた。
はっ。そういえばKAITOはここに入れられていた。ということは。
「む、無理っ、無理じゃ!やめい!」
「大丈夫、痛いのは最初だけ〜」
体を進ませると、ゆっくりとそれは中へ入っていった。
「うっ…ああっ…」
なんだか気持ち悪い、と思ったが、強く抜き差しされて腰を打ち付けられて、だんだん快楽が芽生えてくる。
「あっ!!はあ…ん!主様…!主様…!」
ぐっと前倒しになり、山崎はがくぽを組しく形になった。
必死に宙に手をさまよわせて、やがて山崎の肩にしがみつく、がくぽの手。
その手がなんだかいとしくて、そっと手をとって口付けをした。
「がくぽ…可愛いよ、がくぽ」
「ああっ、主様!」
びくんと一度ゆるく痙攣すると、精液を放つ。締め付けられて、たまらず山崎もがくぽの中へ出した。
抜くと、ぐったりとがくぽの体が畳にころがる。
四肢を投げ出して、胸は荒く上下し、少し開いた瞳はぬれていた。 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その2-4<>sage<>2008/08/15(金) 22:00:55 ID:39CVxgyG0<> 「(色っぽい…)っはあ…深田、毛布借りるぞ」
「うい」
「がくぽさん大事にしてくださいよっ!歌うためにいるんですから!」
ぷんすこ怒って掛け布団を頭まで持っていくKAITO。
レンみたいに子供じゃないから、弟のような存在には思えないが、同じボーカロイドとして気になる存在ではある。未来人と平安時代を足して二で割ったような服を着ているが、脱がしてみればKAITOと同じ。
 山崎は気を失ったがくぽにさっと毛布をかぶせると、軽々と持ち上げて、KAITOの隣に寝かせた。
「大事にするよ、可愛いがくぽのためだし。それに歌ってもらう曲はできてるんだ。微調整してがくぽに歌ってもらうだけだよ」
そして、あ、と、山崎は何かに気づいたようだった。
「そっか、歌の調教もあるんだっけ。こんなことしてる場合じゃないな」
本当にこんなことしてる場合じゃないと、KAITOは思ったがいわないでおいた。

「んっ…」
夜、なんだかナスのいいにおいがしてきて、がくぽは目を覚ました。
隣にはKAITOの姿はなく、一人でベッドを占領していたようだ。
 窓から中へと目を向けると、台所に山崎が立って何かを焼いていた。
出されたテーブルの上には前より高いアイスが置かれており、それをうまそうに食らうKAITOの姿があった。KAITOのマスター、深田はテレビを見て笑っている。
そのテレビというものがはじめてみるもので、釘付けになるがくぽだった。
「がくぽ、がくぽ」
「何じゃ主様」
皿を手に歩いてくる山崎の顔はとても嬉しそうで、じゃんっ、とがくぽに皿の中身を見せた。
皿の中には、焼きナスが八本入っていた。
「ナスじゃ!我がナスが好きなことを知っておるか?」
「知ってるよ、本当にナスが好きなんだね」
ぱああと表情が明るくなるがくぽに、山崎も照れたように頬をかいた。
「さっきはごめんね、これで許してくれる?」
はたから見ればずいぶんと安い償いだが、がくぽはナスに釘付けである。
そして、つい、と顔をそらすと、言った。
「ぬ、主様の分のナスもくれれば考えてやってもよいぞ」
「わあ本当?!あげるよ、俺の!じゃあテーブルにつこうか」
「あ…」
毛布がはだけて見えたのは、白い肢体だった。 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その2<>sage<>2008/08/15(金) 22:02:03 ID:39CVxgyG0<>  | __________  |
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 | |                | |           ∧_∧感想ありがとうございます。
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 試練:新訳<>sage<>2008/08/16(土) 02:23:14 ID:1lbhwEJo0<> 試練:新訳の学者と医者の会話から。1/2
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「もう屍人にもあんたにも懲り懲りだ。」
目の前の男は怪訝な顔をする。それもその筈だ、彼には日本語が通じない。
日本語も喋れない癖に、この石油危機のご時勢で呪われた村に観光とは
何て呑気な奴なんだろう。全く、厄介なお荷物を背負い込んだものだ。
こんなにトロくて鈍い奴がいたら、ますます死に難くなっちまう。
俺は勘付かれない様に心の中で悪態を吐いた。
***
『お疲れのようだ……少しお休みになられた方が良いですね』
『いや…』『しかし息も荒い、熱が有るかもしれません。』
それは元からだ、と口に出す前に彼は予告無しに近づき、熱を測ろうと額に手をやった。
いきなりの事に心臓が跳ね上がる。至近距離で彼を見るのは初めてだ。
彼の蟲惑的な美貌は薄暗い照明に良く映えていた。
彫像の様な整った顔立ちとアジア系特有のきめ細やかな肌、
その顔が快楽に喜び、また苦しみ歪んだりする時も有るのだろうか、
このすべらかで冷たい皮膚の下に、私達と同じ暖かい血が通っているのだろうか、
―学者の潜在的本能かも知れないが、私は徐にそれを暴いてみたいと思った。
『熱は無いみたいですが…ん?私の顔に何か付いていますか。』
『いや』
私は慌てて視線を逸らす、変に思われていなければ良いが…
そして彼は、無理はしないほうが良いと言い元の場所に戻ってしまった。
…"しまった"?これでは彼が離れた事を惜しんでいるみたいじゃないか!
同性愛者じゃ有るまいし、こんな事を考えるなんて常軌を逸している。
一応私は妻子持ち(2ヶ月前に離婚)のダディだ…きっと悪い夢でも見てるのさ。
別の話題にでも集中すればこの悪い夢は覚めるに違いない。 <> 試練:新訳2/2<>sage<>2008/08/16(土) 02:28:39 ID:1lbhwEJo0<> 続きです。2/2
『そういえば、君の後ろに飾ってある絵はどういう絵なんだい?』
『これは昔から飾ってあったので私にも…近くで見ても良いですよ。』
『ありがとう』
私は席を立ち、あの奇妙な絵画に近づくと、運とタイミングが悪いのか、
連続のくしゃみが始まってしまった。バランスを失った私はよろけて
椅子の足に引っかかり、倒れこんだ拍子に体を打ってしまった。
『くそっ!相変わらず運だけは悪い…』
『大丈夫ですか。』『ああ、すまない。大丈…!!』
全身の血が逆流する。
すぐ下で彼が私を見上げていたのだ、どうやら彼の椅子の上に倒れこんだらしい。
憎らしくなる程の無表情で彼は、緊張の余り硬直してしまった私を冷ややかに見ていた。
『さっきから動きませんが、ぎっくり腰ですか?』『いや…まさか!まだ37だぞ。はは…』
『ならその重い体を退けてくれ。』
皮肉めいた突っ込みと冷たい視線に焦って、返す言葉を見つけられない。
怪しい男と思われたろうか…彼は不機嫌そうな表情で何やら(日本語で)呟くと、
いつまでも戻らない私を嗜める様に、私の体を押し上げようとしていた。

何故か、私はこの感覚に覚えが有った。この村へ来たのは初めての筈なのに、
遠い昔からこの男と、村で起きた一連の現象を知っていた様な気がするのだ。
黒電話のベルも鳴る気がしていた。が、鳴る筈のベルは鳴らなかった。
―何故私は電話のベルが鳴る事を確信していたんだ?
この時の彼は、ベルが鳴らなかった事を深く考えようとはしなかった。

しかし、彼の知らない所で"輪"が一定で変化している事は確かだ。
そして"輪"の存続が自身に委ねられている事を、彼はまだ知らない。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
初投稿です。オチは皆さんの妄想に任せます。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/16(土) 04:42:29 ID:VEiYl3qhO<> さっきやってた深夜テレビの映画を見て不謹慎だがここの木木寸と辛佐波を思い出した。
泣きながらニヤッとしてしまったorz <> ⊃ばふく 1/2<>sage<>2008/08/17(日) 19:25:02 ID:CjPQNsam0<> なまもの、⊃ばくろう×ふ区ちくん
ブ口グ口調で書いているので、文が平仮名オンリーです

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


ベんちうらのかがみをのぞく、⊃ばくろう。
そこで、ふとおもいつく。
そうだ、ふ区ちくんにもらったくびかざり、つけてみよ〜っと!
おもいたったが、きちじつ。
ぷれぜんとのふうをあけて、くびにまわしたまではよかったのです。

あれ・・・?
あれれ・・・・・・。
うしろのぱちんがとめられな〜い!

⊃ばくろう、かがみのまえであくせんくとう。
してたら、ふ区ちくんがとおりかかる!

ふ区ちくん、わらいながらとめてくれたよ。
ぼくのうでがみじかいせいだって。しつれいな!
こうぎのつもりで、ふ区ちくんにぎゅーをしてみる。
あえてとばない⊃ばめのはねは、こういうこともできるのだ!
ぼくにぎゅーされて、あついよって、ふ区ちくんがじたばた。
ぼくは、もっとつよくぎゅー。
きゅうに、ふ区ちくん、ちからをぬいちゃった。
あれ、ふ区ちくん??
もしや、さんけつ?・・・しっしん!? <> ⊃ばふく 2/2<>sage<>2008/08/17(日) 19:26:29 ID:CjPQNsam0<> あわてて、すたっふ〜!をよぼうとしたら、
ふ区ちくん、ちょっとうつむいた、ほっぺがあかい。

あれれ、このふんいきって・・・もしや・・・
⊃ばくろう、でヘヘ、ってごまかそうとしたけど、
ふ区ちくんのどきどきがきこえてきたみたいで、
なんだか、⊃ばくろうもどきどきどきどき。

そういえば、度あらせんせいにおしえてもらったんだ。
せんせいも、ぎゅーすると、どきどきするひとがいるんだって。
せんせいがいってたどきどき、これのことだったのかなあ。
あっ、これは、せんせいからないしょっていわれたから、
だれにもいわないでくださいね!でヘヘ。

ふ区ちくんには、はずかしいからもうするなっていわれたよ。
でも、⊃ばくろうにはひそかなやぼうが・・・。
あのかお、こんどはぱちり、してみたいな〜。・・・なんてぬ!
こうごきたい!なんてこっそりいってみちゃったりして。
じゃあね!でヘヘ。でヘヘのヘ。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

9日の日記に萌え転がったわけです <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/17(日) 22:01:43 ID:XiVzBodk0<> おっつー
そして自分も萌え転がりました <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/17(日) 23:03:24 ID:4NK829lQ0<> >>554
上手い!GJ!!
つば風呂具愛読者の自分としては、かなりツボに入りましたw <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/17(日) 23:52:54 ID:3ySXV5J60<> >>554

萌え死ぬ!!
かわいいよかわいいよ <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/19(火) 00:54:00 ID:ks+HBrSL0<> 元ネタはあるようなないような?
鬼畜年下攻め×自虐年上受けのイメージで。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!



早朝寝ぼけ眼でドアを開けた彼を、有無を言わさぬ勢いでベッドルームまで引っ張って行って組み敷いた。
シャツをはぎ取ると彼はようやく状況を把握したように蒼白になって僕を見上げて来た。

「おはよう。昨日はよく眠れた?」


明るい所ではイヤだ、と彼が珍しい拒み方をしたので僕は手近にあったタオルで彼に無理矢理目隠しをした。
違う、イヤだ、やめてくれ
一通りの常套文句を並べたが、裸に剥いて敏感な所に舌を這わせると彼はビクリと身体を震わせて、そして諦めたように唇を噛んでシーツを握り締めた。
強引に僕を突き飛ばして罵る事くらい幾らでも出来るのに、彼はいつもそうやって自虐的に身体を投げ捨ててしまう。
抵抗の一つでもしてくれればこちらだって少しは優しくしてあげられるのに、その無抵抗の陰にちらつく憐れみが僕の加虐心を煽るんだ。

「止めて欲しいって言えば?もしかしたら今日は穢されずに済むかもよ?」
「…今までそう言って止めてくれた事が……あったかよっ……ん、はぁ…あ……っ」
「だって、クチではそう言ってもさ…こっちが、イヤじゃないって言ってるぜ?」

無心に身体を揺さぶって快楽を追い求める。
彼が最も反応を示す箇所を念入りに突いてやると、隠しきれない甘い声が彼の口端から零れ落ちた。

眼隠しで視界を奪われ、強烈な快感に前後不覚になった彼が達する瞬間、

僕じゃない名前を呼んだ。
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/19(火) 00:54:41 ID:ks+HBrSL0<> ぐったりとベッドに身体を静める彼の背中にシャツを放り投げて、僕は逃げるように部屋から出た。

自然と運転が荒くなる。タイヤを軋ませる勢いでステアリングを操作し、赤信号を突っ切る。
けたたましいクラクションが余計に苛立たせて僕は小さく「shit!」と呟いた。

遮られた視界の中で、真っ暗やみの中で、彼は僕じゃなく、あの人に抱かれていたんだ。
彼の心に巣食うのは、彼が心を寄せるのは、徒に身体を弄ぶ僕ではなく、あの人。
――――――解っていたさ、そんな事。
解っているから、心の伴わないセックスを望んでいるんだ。
あの人を思い浮かべながら僕に穢されて涙を流す彼を鑑賞するのが楽しいだけだ。

嫉妬じゃない。


嫉妬じゃない。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/19(火) 10:07:10 ID:7E76NCJlO<> >>558
萌えたよ! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/19(火) 15:19:00 ID:3OPXmWam0<> >>550
遅レスだが萌えた、gj!
医者に萌えて悶々してたのでかなり嬉しい
学者との発想はなかったが目覚めてしまいそうだ <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その3<>sage<>2008/08/19(火) 15:25:16 ID:rRKlHFoD0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |三回目ですー。マスガクに力を入れております。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|最近作者は仲間がほしいと叫んでるよ。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ハラハラ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
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<> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その3-1<>sage<>2008/08/19(火) 15:26:08 ID:rRKlHFoD0<> 服は破かれてしまったのだと思い出す。
毛布に包まってちょこんとしているがくぽに、自分の部屋から取ってきた衣服を渡した。
「?」
「服、破いちゃったから。俺のだけど」
服を受け取ると、せっせと着込み始めた。
がくぽよりマスターのほうが大きいから、服がだぶだぶで有り余っているがそんなこと気にしていられない。
「ありがたい。しばらくこの服借りていていいかの?」
「良いよ〜。やっぱがくぽは線が細いからだぶだぶだねぇ。ほかにも服はあるけど、今度一緒に買い物行こうか」
がくぽにハートマークを飛ばしている山崎に、深田の突込みが入る。
「栄治。そんなことより飯食おうよ」
「すまんすまん。じゃあ、KAITOに二本、深田に二本、がくぽに四本な。がくぽ、テーブルおいで」
「うむ」
ズボンのすそも長いせいか、こけそうになりながらやってくる。
三人がいただきますと声を上げ、がくぽもそれに習って言うと、箸をとってナスを真っ先に食べ始めた。
だがKAITOはご飯やナスより、まだ高級アイスを食べている。
「KAITO、食いすぎて太るなよ」
「僕はアンドロイドでもありますから。太りませんよ」 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その3-2<>sage<>2008/08/19(火) 15:26:50 ID:rRKlHFoD0<> 「かいと、お主はそればかり食べてるようじゃのう。ナスは美味いぞ」
「がくぽもアンドロイド?ならナス食って平気なの?」
確かにその疑問はわくが、普通にセックスもできるわけだし、案外アンドロイドより上位の人造人間なのかもしれない。
「大丈夫。やはりナスは美味じゃ。かいと、いらないならほしいのだが」
「アイスくれたらあげるー」
「あいすとはなんじゃ」
もぐもぐと三本目の焼きナスを食べながら、扇子を口元で広げるがくぽである。
「この冷たくて甘い食べものー」
「それは美味なのか?」
ナスをごっくんと飲み込むと、KAITOに近づいてアイスを覗き込む。
「美味しいよ。ちょっと食べてみる?」
その誘いに無言で頷いて、スプーンの上に差し出されたアイスをぱくりと食べた。が、びっくりしたような反応だった。
「何じゃ、この白餡冷たいぞ!」
「白餡じゃないよ、これがアイスだよ」
「アイスなんて俺が買ってきてあげるよ、いらないならそのナスがくぽにあげて?」
案外がくぽはわがままだなあと思いながら、山崎がKAITOにお願いをした。
アイスなんて最近では百円以下で買える場合もある。
そして今は夏、種類も豊富だ。
二つくらい買えばKAITOも満足だろう。 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その3-3<>sage<>2008/08/19(火) 15:27:50 ID:rRKlHFoD0<> 「ほんとですか?ならがくぽさん、口あけて」
アイスを置いて箸でナスをつかむと、KAITOががくぽにナスを食べさせようとしている。
「あー!!だめ、だめだめ!!」
山崎があわててがくぽとKAITOを引き離した。
「そういうことは俺とがくぽがするの!!」
つまらない嫉妬だった。
無事に一人でナスも食べ終わり、ついでに白飯も食べさせられ、腹がいっぱいになったがくぽと、そのマスター山崎は、そろそろ寝る時間だということで深田の家から退場した。
「あそこが家ではなかったのだな」
「このアパートで深田んちと隣同士なんだ。それで親しくなってさ。今日も一緒に君のソフトを買いにいったんだよ」
すぐ隣の家の鍵を開ける。
中は、パソコンが真ん中に置かれていて、通路に冷蔵庫やいろんな料理器具が置いてあった。
「なぜ我にしたのじゃ?みくやれんやかいとがいただろうに」
「最新版だからってのは冗談として、パッケージにかかれてたがくぽが綺麗でさ…。それで予算オーバーだけど買ってしまったってわけだよ。あ、最初は俺のパソコンに入れるつもりだったんだ。でも深田が不思議なこと言い出して」
「照れるのう。その不思議なこととは実体化のことか?」
ぱっと扇子を広げると、パタパタと扇ぎだす。
正直言うとこの部屋は一日真夏に置かれてたせいか、暑い。
むわっとした空気から逃げるように山崎の後ろに隠れる。
「そう。半信半疑だったんだけどね、またからかってんのかなーとか。でももしがくぽが実体化したらどんな事いうんだろうと思って試してみたんだ。本当に実体化するなんて思わなかったけど」 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その3-4<>sage<>2008/08/19(火) 15:28:26 ID:rRKlHFoD0<> 山崎がクーラーを入れる。暑い真夏には必須の機械なんだといわれて納得したがくぽだった。
涼しい風に当たる。
「それで…あんなことをしたのか…」
「どんなこと?」
「とぼけるでない、我を組み敷いたであろう、我を女のように…。苦しかったぞ」
眉間にしわを寄せて、山崎を非難する。思ったより重く受け止められていて、山崎はあせった。
もちろん男同士、男に犯されるのは初めてだし、そんなことされるとは思ってもいなかったので、がくぽは怒っているわけで。
「ごめん、あんまり笑顔が可愛くて、ついでに最近一人でしてなかったから…その…つい」
「つい、ですむか馬鹿者!!」
「でも気持ちよかったでしょ?」
「う」
「すごく気持ちよさそうにしてたよ、がくぽ」
顔を真っ赤に染めて、がくぽが後ろに下がった。
「うるさい!それでも無理矢理だったではないか!」
部屋の電気をつけると、山崎はがくぽを抱きしめた。
それに驚いて、がくぽは抱きつかれたまま固まっている。
「これから歌の調教もしなきゃね。頑張ってね、がくぽ。ん」
不意をついて、固まっているがくぽの唇を奪う。
素直に唇を吸われていたかと思えば、次の瞬間力を込めて山崎を突き飛ばした。
「く、く、唇まで…奪いおった!」
思いっきり突き飛ばされて、背後の戸棚に頭がぶつかる。
ガン!と音がしたのを聞いて、あわててがくぽは山崎を抱き起こした。
「い、痛い…」
「だ、大丈夫か?ここまでするつもりはなかったのだが…」
「がくぽ…君は優しいなあ。いてて」
「主様は筋金入りの変態じゃ。我でなくともかいとでもよかったではないのか?」 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その3-5<>sage<>2008/08/19(火) 15:28:58 ID:rRKlHFoD0<> がくぽは山崎を起こした後、ふん、と顔をそらした。
ちょっとやきもち焼いてるのか分からないが、その様子が可愛くて、山崎はぷっと笑った。
「ああ、俺がKAITOと深田のあれみてたから?」
「そうじゃ、ずいぶん興奮していたではないか、この変態」
「ああ〜、いや、そうじゃないよ。それにナスで許してくれたんじゃ…」
「あれはあれ、これはこれじゃ。何じゃ、言い訳できんのか」
「違う違う、だからあれは、俺とがくぽを重ね合わせてて…」
その言葉に、がくぽはぽかん、と、目を大きく開いて止まった。
「がくぽも裸になって俺としてくんないかなーって…いで!」
「変態!」
すぺんと一度扇子で叩くと、がくぽはのしのしと布団が敷いてある場所へ移った。
「我はもう寝る!主様はかってにせい!」
「あーがくぽ嫌わないでー!」
「も、もう知らん!」
その晩は山崎はマスターにもかかわらず、がくぽに布団から追い出され、畳の上で毛布に包まって寝た。
そおっと近づいてがくぽの寝ている布団にもぐりこもうとするが、寝ているはずなのに足蹴りが二度三度と飛んできたからだ。
これには流石にあきらめた。 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その3<>sage<>2008/08/19(火) 15:29:55 ID:rRKlHFoD0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ お粗末さまでした
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/19(火) 17:12:22 ID:lHpFNaQkO<> 映画「闇騎士」より、本編改変。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

(本編クライマックス、5atmanとjok3rの問答より)
「ふん、やっぱりだ。お前はその筋違いな正義感とやらのせいで俺を殺せない。
俺もお前を殺せない。なぜなら、お前は面白いからだ。あっさり消すにはあまりにも
面白すぎる!
ハ、ハ、ハア、俺たちは永遠にこんなことを続ける運命らしい!」
「……その必要はないさ。おまえはアーカム送りだ。永遠に、な」
 精神病院の名をあげて、5atmanは低く吐き捨てた。jok3rはにんまりと笑う。
「なら、お前も一緒に入らなきゃなあ? 最近は病院も盛況でベッドが足りないんだ。
お前とならいい夢を見られる気がするよ。おんなじベッドでおんなじ夢を見るんだ――
一緒に悲鳴をあげてくれるだろ?」
 狂笑が耳を劈いた。至近距離で鼓膜に叩きつけられた高音に、ウェインは身を強張
らせる。
「ハ、ハ! 病院が盛況なのも当然だよなあ? なにしろここはゴッサム・シティだ
――」
「――いいや。この街は、正義の輝きを信じる人間で溢れてるよ。おまえにもわかる
だろう」
(本編に続く)

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

「ベッドが足りない」で思わず動揺したんだが、
妄想のしすぎかと思ったらまさかの公式。"Mayby we can share it"て!
さすがにベッドじゃなくて錯乱患者用の独房だったけどな……

<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/19(火) 17:46:32 ID:o+IUXhS00<> >>569
伏せ方に一定のセンスを感じた <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/19(火) 18:04:05 ID:p9LGJvgl0<> >>569
ありがとう、萌え上がった! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/19(火) 18:30:20 ID:6dp4eY/7O<> >>568
GJ!!
楽しませてもらった
マスがくいいよマスがく <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/19(火) 21:40:35 ID:Q6wY1X1f0<> >>568

お、これで終わりなんー?だとしたら実に勿体ない!
楽しませてもらったよ、dそしてGJ。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/20(水) 10:00:25 ID:pJUvGs14O<> 初めましてm(_ _)m
懐メロ洋楽板から来ました。びーとるsのJPを書いていたのですが、こちらの板が一段落ついたということですので書いてもよろしいでしょうか? <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/20(水) 12:33:52 ID:c+NSaabl0<> >>574
現時点で472.9KBだから、長さによっては次スレを待つといいかも
500KB目安で移行→打ち止めだったかな?
甲虫楽しみにしています <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/20(水) 21:03:02 ID:pJUvGs14O<> >>575
なるほど・・。まだ長さは未定なのですが、次スレを待ちます^^ありがとうございました <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その4<>sage<>2008/08/21(木) 13:43:53 ID:S4obxAwL0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |お言葉に甘えて四回目です。すみません中途半端なところで終わってたもので。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|武士とマフラーはいい友達関係で。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 500KBいきませんように
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

<> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その4-1<>sage<>2008/08/21(木) 13:44:31 ID:S4obxAwL0<> 次の日、起きてすぐにがくぽは深田の家を訪ねた。
そのころいまだ昼になっても眠っている、山崎はそのことに気づくわけもなかった。
「かいと、かいと」
呼び鈴を鳴らすということを知らないがくぽは、扉を軽く叩いた。
「ん?がくぽじゃん。どうしたの?もしかして栄治に愛想尽かした?」
出てきたのは深田で、奥を見れば、テレビを見ながらアイスキャンディを舐めるKAITOがいる。
「そうではない!ただ…かいとに相談がある」
「おーいKAITO、がくぽが相談だって」
「ふぇっ、はひ、ひますぐいきまふ」
溶け始めているアイスキャンディを、ぐっと口に突っ込むと、がくぽの元まで走っていく。
「ほうひたほ?」
「…それを食ってからでよいぞ」
がくぽはパタパタと扇子を口元に持っていくと、ぼそりと告げた。
結構うざったいというかなんと言うか、そんなにあわてなくてもよかったのに、と、がくぽは思った。
「っは、ごめんね、ちょっと待って。口の中つめたー」
口からアイスキャンディを出すと、あっという間に食べつくす。
本当は味わって食べたい所だが、可愛い弟分がせっかく尋ねてきているのだ。
相談に乗ってやりたい。
当たり付きアイスキャンディの棒を持ちながら、KAITOはがくぽに話しかけた。
「どうしたの?なんか曇った表情だよ?山崎さんのこと?」
「…ちょっと」
ちょい、とがくぽはKAITOのすそを引っ張り、外に連れ出した。
周りを見渡すと、すぐそばに公園がある。そうだ、そこで話そう、と提案し、がくぽはKAITOを引っ張っていった。
空は高く青い。夏の白い入道雲がところどころに見えて、気分は自然と晴れやかになる。…はずだったが、がくぽは少し違うようだ。
がくぽは遊具を珍しがりながら、KAITOに促されてブランコに乗った。
「んで、相談って?」
お兄さんの僕に任せなさい、とばかりに得意げな表情でがくぽの表情を覗き込む。
「その…主様のことだが」
「ああ、がくぽさんのマスター」
「そうじゃ、その…主様は我に気があるようじゃ。昨日接吻された」
「…へえ」 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その4-2<>sage<>2008/08/21(木) 13:48:29 ID:S4obxAwL0<> 「嫌じゃ、なかったのだ。でも反射的に突き飛ばしてしもうた。なんと言うか…我は歌うためにいるのに、別の方面を求められている気がして」
KAITOの頭の中には、昨日朝にボーカロイドを買いに行き、そこでがくぽを見つけたときの山崎の興奮した顔が思い出された。
まるで恋人でも見つけたかのような笑顔。
「…うーん」
「嫌じゃなかった我もおかしいか?昨日、お主ら二人の前でされたことに対しても、そんなに腹は立たなかった。と、思う…のだが…」
だんだん語尾が消えていく。
された直後は何をするんだと思ったが、今では別にどうだって良い。肌のぬくもりは心地よかったし、これが人間かと思った。
それに何より、マスターに絶対忠誠の本能が、そうさせているのだと、がくぽは思った。
「…変…だろうか」
「うーん…。僕もマスターにされてるからなあ、何度か」
「何をじゃ?」
「えっ、いや、その、セックス」
「せっ…?」
がくぽには分からないようだ。
説明するのも面倒くさくて、KAITOはがくぽに、話を続けた。
「僕もさー、最初は歌うためにいるんだからこういう事は反則だってマスターに言ったんだよね、うん。
僕はアンドロイドで、マスターは人間だし。何で実体化したのかはマスターにすら分からないらしいからそこは攻められないんだけど、でも歌の練習とかは熱心に付き合ってくれるし、褒めてくれるしアイスもくれるし。結局マスターがすきなんだよね」
「…ほう…」
目を細めてKAITOを見つめる。
「かいとは次郎がすきなのか」
「うん、好きだよ。がくぽさんは自分のマスター嫌い?」
「いや、好きじゃ。だが…あんなことされると戸惑ってしまう。我は抱かれるためにいるのではない」
KAITOは、うーんと、空を見上げて、ブランコをこぎ始めた。
蝉の声がひっきりなしに耳に響く。
「あのさ、多分山崎さんは本当にがくぽさんのことが好きなんだと思うよ。歌を歌うソフト以前に、たぶん人間として」
「人間として…か」
うーんと今度はがくぽが悩み始めた。
そもそも自分は人間なのか?
「今度さ、一緒にアイスでもナスでも食べてみたら?僕たち、一緒にアイス食べることもあるんだよ。なんか一緒に何かしてるってすごくいい気分だよ、僕はうれしい」
「男同士でか?」
「いまさら何言ってるんだよこの殿様は」 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その4-3<>sage<>2008/08/21(木) 13:48:59 ID:S4obxAwL0<> 「殿様ではない、武士じゃ」
「昨日なんて男同士でしちゃって男同士でキスして男同士一緒の布団で寝たんでしょ?」
あきれたようにKAITOが話す。
その言葉をじっと聞いていたがくぽだったが、はっ、と顔を上げた。
「きすってなんじゃ?」
「…またこのパターンか…口付け、接吻のことだよ…」
「ふむ、確かにそうじゃ。しかし一緒の布団では寝ていないぞ」
「え、何で?」
がくぽは俯くと、ぽつん、と告げた。
「…主様を追い出してしまった…。その、接吻でつい動揺してしまって…嫌ではなかったのだが…」
「…がくぽさんってほんとに僕と同じソフト?」
普通なら絶対服従のはずだが。
多分、と告げるがくぽに、自信はなかった。 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その4<>sage<>2008/08/21(木) 13:49:44 ID:S4obxAwL0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 続きます
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/21(木) 20:17:12 ID:rd5ydeGdO<> やべえええ萌え転がった、GJ!
動揺するがくぽ可愛いよがくぽ
KAITOいいお兄さんだよKAITO

続き楽しみにしてます! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/21(木) 22:18:49 ID:mdglpguRO<> 仲良いカイトとがくぽ可愛いなぁ
続き待ってます <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/21(木) 22:27:58 ID:35w7e64/0<> 現在481KB
次スレ立てた方がいいだろうか? <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/22(金) 01:37:14 ID:u9NA3kj+0<> モララーのビデオ棚in801板40
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1219336416/

次スレドゾー。
ここまだ容量あるから、先に39から使ってね。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/22(金) 21:52:02 ID:W6EyuaRy0<> >>581姐さんGJ。
初心ながくぽとマスターの間に波乱の予感か?
続き楽しみにしてますノシ

そういえば、ここってSSしか投下しちゃだめなんだっけ?
テンプレには「全てがネタ」みたいなことが書いてあるけど
801ネタでコピペ改変とかの類もOKなんだろうか。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/22(金) 22:13:24 ID:ZBJJ6vOK0<> テンプレさえちゃんとつければいいんじゃね?
ちょうど次スレだし、ここでちょろっと貼って反応見て、
よさげなら次スレ以降色々やってみるとか。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/23(土) 02:54:28 ID:xm5XFnSJO<> 過去ログみればわかるけど、初期はSS以外もいろいろあったから、普通におkかと <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/23(土) 07:59:08 ID:0j2rYgmE0<> >>587->>588姐さん、アドバイスありがとう。
というわけでお言葉に甘えて

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     | すばせか、ハネメグで「す/べ/ら/な/い/話」
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 例によってネタバレ全開
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> コンポーザーの「す/べ/ら/な/い/話」 1/2<>sage<>2008/08/23(土) 08:00:38 ID:0j2rYgmE0<> (コロコロ……)
『あ、羽狛さんだ』

「えーと……俺、プロデューサーやってた時」
「指揮者のメグミと、初めて一緒にゲームする前夜にな」
「死せる神の部屋で、打ち合わせしてたんだよ」

「で、打ち合わせが終わって」
「で、メグミが先にシャワー浴びて」
「次に、『入れ』って言われて」
「俺、入ったんだよ」

「で、出てきたらメグミの奴、寝てたんだよ」
「で、こいつ寝てるなーって思って」
「で、寝顔見たら、苦しそうな顔してたんだよ」
「手をパッと見たら、祈るような感じで寝てたんだよ」
「ああ、何だ、参加者全滅させたいんだなーと思って」
「メグミ頑張ろうなーとか思ってたら、なんか、こう」
「た ま ら ん 気分になっちまってだな」

「俺、メグミにキスしちまったんだよ」
「わかるだろ!? ゲーム運営側だったらよ!」
『わからないなぁ』 <> コンポーザーの「す/べ/ら/な/い/話」 2/2<>sage<>2008/08/23(土) 08:01:29 ID:0j2rYgmE0<> 「何かなー……何か、愛おしくなってきたんだよ」
「愛くるしい、みたいな」
『それで、何かたまらないような気分になってきちゃって……
 まさにキスしちゃったわけだね』

「後日談でだな、メグミはそれに気づいてたんだそうだ」
「寝てて、うっすら寝てたら、俺がキスしてきたことを気づいてて」
「どうしようもなかったんだってよ」
「で、『何をしているんだ、この男』ってなって」
「息も荒くなってきたんで」
「それでもう、メグミは言うに言えない状況になって」
「で、次の日から始まったゲームの最終日ぎりぎりまで」
「変な感じで、ミッションの内容も噛み合わなくなって」
「結局、参加者残っちまったんだよ」
「こう、変な感じで」
『意識しちゃったんだね』

「で、まぁそんな話があってだな」
「実は俺、もう一つ話があるんだよ」 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/23(土) 08:02:12 ID:0j2rYgmE0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ごめん続かない
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

<> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/23(土) 12:09:07 ID:KRYj+aEt0<> >>592
ものすごい勢いでニヤニヤしてしまった。GJ!
羽狛さん何してんすかww動揺しちゃったメグミちゃんカワユスw
ぜひ続きも見たいよ姐さん <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/23(土) 13:20:49 ID:KqO2KcTN0<> >>569
実に萌えましたありがとう
というか道化師なら言いかねない台詞なのが困る <> 「夢中」 1/5<>sage<>2008/08/23(土) 19:57:41 ID:r9oT5nyv0<> 慕架炉でマスター×海人
例によってオリキャラ注意。今回は実体化とエロあり。
長くなってしまったので前後編に分けます。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )マズハ エロナシデ オオクリシマース! <> 「夢中」 マスター×海人 2/5<>sage<>2008/08/23(土) 19:59:06 ID:r9oT5nyv0<> その日のオレは、珍しくウチで晩酌なんかやっていた。
別に特別酒好きというわけじゃないけど、何故か帰る途中で
たまにはいいか、なんて思ったのがきっかけで。


「ああもう、手元がふらついてますよ、マスター」
すぐ近くで声を掛けられて、回り始めた目を前に向ける。
パソコンの画面の向こうで、カイトが必死にオレの手元を指差している。

「もしこぼしてパソコンにかかったら大変ですよ」
「だいじょーぶだって、このオレがそんなヘマおかすかってんだ」
そう言いながら一応、離れた場所へ缶を置く。空き缶を数えたら、まだ余裕だ。
ちらっと見てみると、カイトはまだ不安そうな顔をしてる。

この顔をするときは大抵、オレのことを心配してるときだ。
いつもこの顔で早く寝ろだのちゃんと飯食えだの言うから、察せるようになった。

「いくら明日が休みだからって、あまり無茶はしないでください」
口から出てきたのは、やっぱりオレを心配する台詞。
そんなカイトを、さっきよりゆらゆらする目で眺める。
またお前は、いつもどおり早く寝ろとその顔で訴えるのか。


その顔で、そんな台詞をもらうと、いつも思うんだよな。
今日は気分がいいから、尚更。 <> 「夢中」 マスター×海人 3/5<>sage<>2008/08/23(土) 20:01:23 ID:r9oT5nyv0<> 「……なんですか?さっきから」
「…かわいーなぁ、カイト」

うっかり言葉が出て、カイトが、驚いたように目を見開く。

「いやさぁ…前から思ってたんだけど、画面越しのちゅーじゃ、足りないよなぁ」
「…!!?」
追撃をくらって、カイトの顔が赤くなる。それが面白くて、思わずにやける。

「コイビト同士なら、もっと他のことが――」
「なっ……何を言ってるんですか!!」
突然、絶叫がオレの言葉を遮る。
さすがにびっくりしたが、真っ赤な顔に半分涙目になったカイトが視界に入る。
そんな顔もするのか、お前って。
しかし調子に乗りすぎたかもしれんと反省して、オレは宥めるように
片手をひらひらとしてみせる。

「そう怒んなって。オレは本気だぞ?お前がかわいいってのも。
お前がいてくれて幸せだなって思ってるんだぞ」
「っ………全く、酔っ払いすぎですマスター」
まだ赤いままの顔で、カイトはそれだけ言うとそっぽを向いてしまった。

怒ったのか?一応、オレなりの愛の告白だったんだけどなぁ。
つーかオレもオレでよく口が回るな。相当酔ってるのか。 <> 「夢中」 マスター×海人 4/5<>sage<>2008/08/23(土) 20:02:43 ID:r9oT5nyv0<> これ以上いじるのも悪い気がして、残っていた酒を片付けていると
急に眠気が襲い掛かってきた。
うとうとしてきた目には、かなりの数の空き缶が映る。こんな飲んだっけ?

「…マスター、寝るんでしたらちゃんと布団に入ってください。風邪引きますよ」
机に突っ伏したオレに、いつの間にかカイトが側に来ていた。
なんだかんだ言いつつ、世話焼いてくれるのな。
布団は既に敷いてあったから、なんとか体を起こして潜り込む。

電気を消したところで、暗闇でぼんやり光るパソコンを思い出した。
今更消しに行く余力はもうない。…というよりは、
消してしまうのが、なんとなく惜しい。

「あー…カイト、オレが寝るまで歌、歌ってくれ」
「歌……ですか?」
唐突な依頼に、当たり前だがカイトが怪訝な顔をする。

「お前の声、聞いてると気持ちいいから、ぐっすり寝れると思ってな」
「子守唄ってことですか?……子供じゃないんですから」

そうやって苦笑いして、それでもカイトは、ゆっくりと歌いだす。
それはオレが作った曲じゃなくて、多分どこかで流れてた曲。
静かに、やわらかい歌が、オレの意識を夢の中へ連れて行く。


完全に眠りにつく寸前に、歌が途切れたような気がした。


「……マスター。俺だって、同じですよ」


そんなカイトの言葉が聞こえたところで、オレの意識は沈んだ。 <> 「夢中」 マスター×海人 5/5<>sage<>2008/08/23(土) 20:04:36 ID:r9oT5nyv0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ ) ゼンペン オワーリ!
言い忘れましたがマスター視点です。
後編は頃合いを見て上げます。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/24(日) 10:23:35 ID:NX05Eo5EO<> >>599
あなたの慎ましやかな感じのマスカイに前回も萌えさせて貰いました。
後編も楽しみだ! <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その5<>sage<>2008/08/24(日) 11:56:41 ID:HvCsMxu20<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |五回目ですー。マスガク中心です
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|がくぽ可愛いよがくぽ
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 五百いくかな?
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その5-1<>sage<>2008/08/24(日) 11:57:42 ID:HvCsMxu20<> 「主様」
「…がくぽ…?」
クーラーの効いた一室、早速KAITOからの助言を実行するべく、山崎を揺り起こした。
「主様、あいすじゃ。食え」
「うーん…?どうしたの、それ」
ずいっと山崎の前に出されたのは、先程KAITOが食べていたアイスキャンディだった。
 毛布に包まって寝ていた山崎が、のろのろと起き上がる。
外を見ればもう昼過ぎだ。
「かいとから貰った」
「あのKAITOがよくくれたな…一本もらう」
「かいとが主様にもっと高いあいすを二個もらうからいいといっていたぞ」
山崎がシャリ、とアイスキャンディにかぶりついたが、そこで止まった。
あいつ、有名ブランドのアイスを貰うつもりだ…。
本能的に、山崎は悟った。
「このあいすとやらは冷たいのう。あ、もうこぼれてきた。溶けるのも早い」
一方でがくぽは、溶け始めたアイスにあわてていた。
指に、アイスが伝い落ちる。一生懸命アイスキャンディをなめていたがくぽだったが、山崎がそれをさえぎった。
山崎の舌が、がくぽの指をなめる。
「主…様…?あ…」
もう一本、となめあげていくと、くすぐったくてがくぽは片目を閉じた。
「ん、あとで指洗わないとべたべただぞ」
「く、くすぐったかったぞ…」
「頬についてる」
ぺろりとがくぽの頬についたアイスキャンディのかけらを舐め取る。一瞬、がくぽの表情が険しくなって身構えたが、何もしてこなかった。
「主様、恥ずかしい…」
と、山崎を見れば山崎のアイスキャンディも溶け始めている。
あと少しで山崎の手につくというところで、がくぽが山崎のまねをして、彼のアイスを舐めた。
「何か、恋人同士みたいだな」
山崎の何気ない言葉に、がくぽは頬が熱くなるのを感じた。
「わ、我は男じゃ。主様も男じゃ」
つい、と顔をそらすと、山崎がこちらを向かせた。
「いいじゃないか、同性で恋人でも。俺はね、がくぽがいるだけで幸せだよ」 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その5-2<>sage<>2008/08/24(日) 11:58:48 ID:HvCsMxu20<> 「主様…」
うつむいて頬を染めるがくぽ。しかし再び溶けたアイスキャンディが指を伝うと、あわててアイスキャンディを舐めた。

洗面所で手を洗う。アイスキャンディは冷たかったが、味はそう悪くはなかった。そういえばKAITOが、このアイスキャンディはソーダ味といっていたが、ソーダとはなんだろう?
そんなことを考えながら、タオルで手を拭く。
べたべただった手はすっかりきれいになって、同じくアイスキャンディを食べ終わった山崎と、正座をして向かい合った。
さて何をしようか。
「がくぽえっちし」
「そうじゃ!歌の練習しようではないか、主様!」
「…ハイ」
「ん?なんか言ったか、主様」
「…なんでもありません…」
んじゃ、パソコンつけるね、と、山崎はパソコンをつけて、自作の音楽を流した。
「…ほう…」
ポップス調だけとれどワールドのようにいろんな楽器が混ざっている。
それらがいろんな音色をつむぎだして、なんともいえない音楽になっていた。
悪くない、むしろこれはある種才能がある。
がくぽは思った。
「四分あるんだけど、これが歌詞。高音にあわせて歌ってくれればいいから。まあ試しに歌ってみて」
「んっ、あー…あー…良いぞ」
歌詞カードを見ながら、歌ってみる。まだ未調整だからか、機械っぽさが残る歌い方だ。
「んー」
「どうじゃ?」
「このままでも良いっちゃ良いけど…。やっぱりもうちょっと調整しながら歌ってみようか」
「御意」
それからどれくらい歌の練習をしただろうか。飲み込みが早く、だいぶうまくなってきたところに、隣の部屋からかすかにKAITOの歌声が聞こえた。
「!(かいとか…随分うまいではないか)」
負けじと腹のそこから声を出して歌ってみる。
「おっ、良いじゃん、その調子。平坦さがなくなってきたね」
それからさらにたち、夜になり、疲れてきたがくぽに、山崎もパソコンを消した。
「だいぶ良くなったよ、この調子で続けような」 <> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その5-3<>sage<>2008/08/24(日) 11:59:41 ID:HvCsMxu20<> 「うむ。なかなかにかいとはうまいな」
「ああ、隣から聞こえてきた?二ヶ月前からいるから、歌の練習ずっとやってるって言うし、がんばったんだな。でもがくぽならすぐに追い抜くよ、筋が良い」
一日でこれなら明日からが楽しみだ。
「そうか、早く主様の役に立てるようになりたい」
「そうだね、早く歌ってほしいな。よし、がくぽ、ご飯にしようか」
今日はナスカレーと決めていた。
山崎が台所に立つと、がくぽも台所に立って手伝うと言い出した。
「何か作れるの?」
「白飯がなくなったであろう、炊くぞ。機械の触り方は分からんが、そこは教えてくれればよい」
「じゃあお米といでよ、米取り出すから待っててね」
しかし歌を歌うソフトがご飯を作るなんて奇妙な光景だ。
がくぽは、扇子を広げてパタパタしていたが、山崎が米を二合出すと、すぐにがくぽは扇子をしまった。
そしてだぶだぶの服の袖をまくって、冷水に浸した米に、手を入れた。
がしょがしょと洗い始めたがくぽを横目に、山崎はカレーを作り出した。
「なんか」
と、山崎はたまねぎを鍋の中でいためながら言った。
「?」
何か不服でもあるのだろうか。
やはり手伝わないほうが良いのかとも思った。
「新婚さんみたいだな」
「…!な、何を言うか」
濡れた拳を振るおうとし、それに身構える山崎だが、その拳はすぐに下ろされた。
「お?」
「主様が言うなら…それでも、よいと思ってやる」
「がくぽ…」
「…今日だけ、だぞ」
頬を染めて、くたりと山崎にしなだれかかった。
「主様のそばにいられれば、それで」
「がくぽ〜」
にへら、と笑って、山崎はがくぽを抱きしめた。
一瞬体がこわばったが、すぐにがくぽの力は抜けた。
<> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その5-4<>sage<>2008/08/24(日) 12:00:12 ID:HvCsMxu20<> 「可愛いこというじゃないか、何?一日でなんかあったの?KAITOになんか言われたの?」
「かいとにもいわれたが、だがこれは我の意志だ。主様を大事にしようと思ってな」
照れて俯くがくぽ。
その後機械的に米を研いでいた。
一方山崎はというと、気色悪いほどにニコニコしながらカレーを作っていた。
「んっ…かれーとやらは辛いな」
「愛情たっぷりだぞ、ナス以外も残さず食え」
「分かった」
「ねえがくぽ。明日買い物に行かない?」
がくぽは首をひねる。
「買い物?何故?」
「その服だぼたぼでしょ。あとKAITOの御礼アイス買いに。四つくらいで大丈夫かな」
「ふむ…」
そういえばこの服は借りたままなのだった。
「そうしよう」
とだけ言うと、カレーをかっ込んだ。ら、口の周りが痛くなった。
夜、寝る間際に毛布をかぶって昨日のように眠ろうとする山崎に、一緒に寝ようと告げた。
なんだかとても照れたが、山崎はとてもうれしそうにがくぽに抱きついた。
 しばらくはなにやらうんうんうなっていたが、がくぽが微笑みかけると、そっぽを向いて眠ってしまった。
何か悪いことをしただろうかと思ったが、寝息が聞こえると聞いてみるのも悪くなって、がくぽも山崎の背中を眺めながら、うとうとと眠りにつき始めた。
(かいとも今頃は次郎と一緒に寝てるだろうか…)
そして眠りがやってきたがそのころのKAITO。
「ま、また、ですかあ!最近ずっとこれじゃないですか!ああっ!」
「ほーらそんな大きな声を出すと隣のがくぽたちに聞こえるぞ?」
「だ、だって、あっ!んんっ!」
存分に深田に蹂躙されていたのを、がくぽは知らない。
「や、そ、そこ、ああああっ!」
隣には聞こえていなかったが、下の階には聞こえていたという。

<> ボカロ、マスター×KAITO&マスター×がくぽ その5<>sage<>2008/08/24(日) 12:01:40 ID:HvCsMxu20<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 6に続きます
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> オリジナル  内心、情緒不安定<>sage<>2008/08/25(月) 00:14:24 ID:WYGaEiI70<> 埋め序でにオリジナルの激短文

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


突然傘で殴りかかられて何事かと思ったら、「死ねば良いと思った」と言われた。
彼が情緒不安定なのはいつもの事だから余り気にしない。
「あんたが心配だからそうそう死にませんよ」
「誰が心配して欲しいなんて言ったよ」
この人の素直じゃない所も可愛いと思ってしまう辺り、僕も相当イカれている。
「僕が死ぬ時はあんたも道連れにしますから、頑張って死なないようにして下さいね」
「黙れキチガイ」
反面、本当に心底憎まれているのかもしれないと時々思う。
でもそう思うだけで発狂しそうになるから、今日も僕はそれに気付かなかったふりをした。
「全く、とんだツンデレですね」


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/26(火) 22:45:42 ID:BGkfbr2B0<> >>607
GJ!マイカプに当てはめてしまった。 <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/28(木) 01:30:47 ID:vC2help80<> 次スレ
モララーのビデオ棚in801板40
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1219336416/ <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/28(木) 01:33:53 ID:vC2help80<> うわ、アナウンスで埋まるかと思ったのに
まだ埋まらんか……現在499.5K <> 新板設置について相談中@新板スレ<>sage<>2008/08/28(木) 07:10:47 ID:LMRSmVDG0<> :::   ヾ    ;;;  ,;:"
   ;;;   :::: .. ゞ.
;;;; ,,, 、、   ,i'         ○
      ヾヾ   `
ゞゝ;;;ヾ  :::,r'  `  `
i;;;::::′~^        `    `  `
ii;;::i     `      `          `
iii;::i `                `
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