風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/03(水) 16:57:37 ID:8RGgF0Mg<> モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。


   |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
   |[][][]__\______  ___________
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  |      |/
    |[][][][][][][]//||  |  ∧_∧
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  | ( ・∀・ ) _
   |[][][][][][][][]_|| / (    つ| |
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    | | |  ̄
                    (__)_)


モララーのビデオ棚in801板8
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1118846368/
 ローカルルールの説明、およびテンプレは>>2-6のあたり

保管サイト(お絵描き掲示板・うpろだ有)
http://moravideo.s57.xrea.com/ <>モララーのビデオ棚in801板9 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/03(水) 16:58:36 ID:8RGgF0Mg<> 1.ノンジャンルのネタ発表の場です
書き込むネタはノンジャンル。
スレ違い/板違い/鯖違い/メディア違い問わず、ネタであれば何でもあり。
たとえばこんなときにどうぞ。

  どこに投稿すればいいのかわからない‥‥
   ・ネタを作ってはみたが投稿すべき既存のスレが無い。
   ・投稿すべきスレがあるのかもしれないけど、よくわかんない。
   ・クロスオーバーのつもりなのだが各スレ住人にウザがられた。
   ・みんなの反応を見たうえでスレ立てるべきかどうか判断したい。

  投稿すべきスレはあるが‥‥
   ・キャラの設定を間違えて作ったので本スレに貼れない。
   ・種々の理由で、投稿すると本スレが荒れそう。
   ・本スレに貼る前にあらかじめ他人の反応を知って推敲したい。
   ・本スレは終了した。でも続編を自分で立てる気がない。

  ヘタレなので‥‥
   ・我ながらつまらないネタなので貼るのが躊躇われる。
   ・作り出してはみたものの途中で挫折した。誰か続きおながい!

迷ったときはこのスレに投稿してね。
ただ、本来投稿すべきと思うスレがある場合は
それがどのスレで(ヒントで充分)、しかしなぜこのスレに貼ったのか、
という簡単なコメントがあるとよい。無いとカオスすぎるからね。

ナマモノは伏せ字か当て字を推奨。
それ以外は該当スレのローカルルールに沿うか、自己判断で。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/03(水) 16:59:21 ID:8RGgF0Mg<> 2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリーAAであろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。

  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
  | いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
  \                           | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                               | | [][] PAUSE
                ∧_∧         | |
          ┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ      | |
          | |,,  (    つ◇       | |
          | ||―(_ ┐┐―||        |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |
          | ||   (__)_), ||       |  °°   ∞   ≡ ≡   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/03(水) 17:00:00 ID:8RGgF0Mg<> 3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。
別に義務ではないけどね。
とりあえず用意したテンプレ。

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  モララーのビデオを見るモナ‥‥。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  きっと楽しんでもらえるよ。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/03(水) 17:00:36 ID:8RGgF0Mg<>  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | 僕のコレクションに含まれてるのは、ざっと挙げただけでも
 |
 | ・映画、Vシネマ、OVA、エロビデオとかの一般向けビデオ
 | ・僕が録画した(またはリアルタイムな)TV放送
 | ・裏モノ、盗撮などのおおっぴらに公開できない映像
 | ・個人が撮影した退屈な記録映像、単なるメモ
 | ・紙メディアからスキャニングによって電子化された画像
 | ・煽りや荒らしコピペのサンプル映像
 | ・意味不明、出所不明な映像の切れ端
 \___  _____________________
       |/
     ∧_∧
 _ ( ・∀・ )
 |l8|と     つ◎
  ̄ | | |
    (__)_)
       |\
 / ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | 媒体も
 | 8mmフィルム、VCR、LD、ビデオCD、DVD、‥‥などなど
 | 古今東西のあらゆるメディアを網羅してるよ。
 \_________________________ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/03(水) 17:01:37 ID:8RGgF0Mg<> 携帯用区切りAA

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

中略

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!

中略

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/03(水) 17:02:08 ID:8RGgF0Mg<>    |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   じゃ、そろそろ楽しもうか。
   |[][][]__\______  _________
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |       |/
    |[][][][][][][]//|| |  ∧_∧
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ )
   |[][][][][][][][]_||/ (     )
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   | | |
              (__)_) <> 前スレ621-622<>sage<>2005/08/03(水) 17:13:50 ID:LtJheHqT<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )どうにも萌えが止まらず、逆視点で書き直して見ました。
               即死防止回避のためにも投下させていただきますね。 <> 前スレ621-622  1/2<>sage<>2005/08/03(水) 17:15:48 ID:LtJheHqT<> やっぱり一番最初に、自分の口で伝えたくて。

「もしもし、どうした?」
「俺、レンタルされることになったよ。」
「え、どこに?」
「こーべ。」
「うわ、あそこか、がけっぷちじゃん。」

からかうような口調だけど、多分心配してくれてる。
言葉の響きからそれがわかる。

「でもそういうところのほうが出番有りそうだし。」
「そっか、そうだよな。」
「それにさ…。」

それでレギュラー取れば、こっちでも一緒にできるかもだし。

「なんだよ。」
「いや、なんでもない。」
「ま、同じピッチに立つって約束したもんな。」
「え、え、うん。」

やべぇどもった、何焦ってるんだ俺。

「けっこう楽しみにしてるんだよ、マジで。」
「ありがと。」

頬が熱い、テレビ電話とかじゃなくて良かった、こんな顔見られたら
またなんか言われちゃうよ。 <> 前スレ621-622 2/2<>sage<>2005/08/03(水) 17:16:53 ID:LtJheHqT<> 「頑張れ、うちと当たる時以外は。」
「そういうわけにはいかないんだけど。」
「なんだよそれ、じゃあ俺がゴールすっから。」
「いや、お前にだけは決められたくない。」
「けちくせー!!」

そうじゃなきゃ意味がないんだ、たった一つのあのポジションを奪うためには。
誰のどんなシュートでも止めるけど、特にお前のは絶対止めるよ。
そうすれば距離を縮められる気がするんだ。

「お前がいないうちに、こっちは優勝決めるてやるよ。」
「うん、俺も残留できるように頑張る、頑張るから…。」

…だから、言っていい?

「何?」
「…いや、いい。じゃあ明日早いから、支度とかあるし、おやすみ。」

いや、まだだめだ。まだそんなこと言える立場じゃない。
それでも言いたくなっちゃったから、そっと終話ボタンを押して、発信履歴の名前を撫でた。

「早く帰れるようにしなきゃな。」
そしていつかあの場所で、あの声援を背中に受けて、一緒に戦えるようになろう。
<> 前スレ621-622<>sage<>2005/08/03(水) 17:18:59 ID:LtJheHqT<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )オソマツサマデシタ。誤字直すの忘れた…すみませんorz
<> 2ちゃんワールド(元ネタ・「Return World」)<>sage<>2005/08/03(水) 18:57:54 ID:9zApusI8<> 俺はギコ、初めから2ちゃんの主人公として生きてきた俺は、
荒らされたり虐殺ネタに使われたことが少なくない。(ホントか?)
その方が共に助け合えるし、どうにもできない状況になったとき、一緒に逝けるからだ。
たいした危険にも出くわさずこのままずっと、愛人のしぃと結婚して暮らしていけるのではないかと甘い期待さえ抱きつつあった。

ある日俺は、町の裏山を散歩していたとき、しばらく歩いていると林の中に一つの井戸があった。
「何でこんな人がいないようなところに井戸があるんだ…?」
と疑問を持ちつつも俺は井戸の中に耳をそば立てる。

何か動く音が聞こえてくる。
その招待を突き止めるべく俺は井戸桶の綱にしがみするすると落下していく。
紫色に光るその中には、水がたまっており、沢山の植物の蔓がもっさり生えていて、ちょうどその上に着地した。
「どうなってんだゴルァ…?」
何か嫌な予感が…予感は的中し、その植物の蔓がするすると蠢いていた。
その瞬間だった。
「うわっ なっ は、離せゴルァ!!」
触手のように蔓は俺を縛り上げ宙吊りに、大の字に固定された。
<> 2ちゃんワールド(元ネタ・「Return World」)<>sage<>2005/08/03(水) 18:58:25 ID:9zApusI8<> 植物の触手が、幾つか姿を表し俺の身体を細かい所まで見られているようだった。
「…!?」
触手の中からひときわゴツゴツと凹凸のあるものが、前で出てくると、
俺の裏門へと、ズブズブと入り込んでゆく。
元からヌルヌルしているのか滑りがよく、触手の凹凸が心地良い快感を促す。
グチッビチュッ・・・クチュクチャ・・・。凄まじい光景だった。俺は犯され、蜜が溢れ触手が蠢く音が、鳴り響く。
続いてもう一つの口のよう穴が開いた触手がいくばくもなく俺の肉棒に吸い付いた。
「うっ…!! あぁっ…!? そこ…はっっ ぁぁ…」
裏門を攻められているよりも吸い付きの閉めが強くますます快感が増す。

犯されてる間体が熱くなり汗で体を濡らしてゆく。体をくねらせ逃げようとも、
触手は的確に感部を捉え逃がさまいと、激しい上下運動を繰り返す。
あまりの快楽に朦朧とする意識の中、ズタズタにプライドが穢され恥ずかしいと思う気持ちと、
性欲による興奮が一緒になり、こういうのもいいかなと思い始めていた。
そして、ゴボゴボと音を立て、何かがこみ上げる感覚が腰の奥に何かがたまり始め、
次第に我慢が聞かなくなってゆく自分がそこにある。

「あぁ…も…ダ だ…イ…」
言い終わる間もなく、白獨が、体を染めヌルヌルにさせていった。
植物自体が笑っているようにもみえた…。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/03(水) 21:07:34 ID:DHVbQxy3<> >12
しぃと愛人関係だったのか!? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/04(木) 00:06:02 ID:o+kjzUK0<> 即死回避〜 <> 風と木の名無しさん<><>2005/08/04(木) 07:32:09 ID:obcLQleE<> 保守 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/04(木) 12:15:34 ID:7fxiHJLG<> >>1乙! <> 風と木の名無しさん<><>2005/08/04(木) 15:52:23 ID:o+kjzUK0<> >>1さんに乙コールしつつもう一度保守カキコ
投下できるネタがなくてスマソ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/04(木) 15:53:57 ID:o+kjzUK0<> しかも上げた…orz <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/04(木) 17:23:53 ID:zVwnOOlo<> >>1
チラ裏からきました
保守 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/04(木) 18:30:32 ID:Dti8IhEb<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  パペット音楽番組より青色Hさん水色Eくんモナ…。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  書いたのは7スレ目の作者とは違う人だって。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ビミョウニ ツヅイテナイカ?
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚;)
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |


何気なく昨日3日の本放送を見ていて突然妄想が沸いてしまい、勢いづいたまま一気に書きました。
しかし毎回見ているわけではないので各キャラクタの性格設定がよく分かりませんでした。
このため7スレ目の333-336さんには申し訳ありませんが、当該スレに書き込まれた作品における設定を拝借しました。
事前の断りなしにお借りしたことをこの場で先にお詫びしておきます。_| ̄|○ノシ ショウジキ スマンカッタ… <> パペット音楽番組1<>sage<>2005/08/04(木) 18:32:03 ID:Dti8IhEb<> その日の収録が終わった楽屋では、
いまだEが世界漫画大全集の続きを読んでいた。
詠/唱さんも楽/譜さんもあきれて先に帰ってしまい、
あとに残っているのはHだけ。
室内にはEの笑い声が高らかに響いていた。

「Eくん、そろそろ帰りましょうよ〜。お腹がすいていないですか?」
「…あははっ…はははははっ…」
Eが楽屋から出てくれないと、
楽/譜さんから鍵を預かっているHは楽屋の施錠ができないのだ。
今日何度目かわからなくなったため息をつくと、Hは眉根を寄せてEの姿を見つめた。

グキュルルル…とHの腹の虫が悲鳴を上げ始めている。
「そんなにその漫画面白いですか?
 ご飯や睡眠を削ってまでも読み続けたいものなんですか?」
「はは、くくくっ…!」
このままじゃ埒が明かないと思ったHは 
「その漫画よりも夢中になれることを、私がしてあげましょうか?」
ついに実力行使に出ることにした。 <> パペット音楽番組2<>sage<>2005/08/04(木) 18:33:43 ID:Dti8IhEb<> 「…ぷぷっ…ははは…」
漫画を貪るように読んでいるEからはやはり返事がなかった。
HはEが読んでいた漫画を上辺から掴み、取り上げるように引き抜いた。
「…あっ!」
瞬間的にEの表情が怒りのそれに切り替わる。
「なんてことするんですか! 今ちょうど面白いところだったのに!」
思わずガタンと椅子を鳴らして立ち上がるE。
しかしその様子にはまったく驚きもせず、取り上げた漫画本をテーブルに置くと
Hは笑顔を見せてEに言った。
「だから、この漫画よりももっと夢中になれることをしてあげますよ」
「何言ってるん…ぅ…っ!」

髭の間から覗く唇で唇を挟まれ、舌先で表面を撫でられた。
気づけばHの両腕はEの背中に回されており、
いくらか筋肉質の体格に阻まれて身動きが取れなくなっている。
「ん……んんっ…」
そのまま滑り込んできたHの舌がEの舌を追い回す。
息が苦しくなる。
身体の力が抜けかかり、見開いていた眼を自然と瞑りたくなる。

このままではいけない。
「……ん、く……、ぷはっ!」
そう思ったEは全力でHの身体を引き剥がした。
2人の荒い息遣いが部屋を満たす。
「なんてことをするんですか、これからがいいところなのに…」
頬を膨らまし、唇を尖らして抗議する姿は詠/唱さんがやればとても似合うのだが、
如何せんEの目の前に立っているのは髭モジャのでっぷり太った中年オヤジ。
それでもそれがどこか可愛らしく見えてしまうのは、
眉尻の下がり具合、つぶらな瞳、大きな団子鼻のそれぞれが、
絶妙な配置にあるからだろうか。 <> パペット音楽番組3<>sage<>2005/08/04(木) 18:35:14 ID:Dti8IhEb<> 「お腹すきましたね、ラーメン食べに行きましょうか?」
Eはその抗議には答えずに手早く帰り支度を済ませると、
その場に立ち尽くしていたHに声をかけた。
「…え?…あ、ああ! そうですね、行きましょう行きましょう!」
Hも自分の荷物を手にとってEの後に続く。
ポケットから鍵を取り出すと
それを楽屋入口の扉の鍵穴に差し込んでひねった。

──怖いのだ。
これまでの互いの関係を壊し、新しい関係を築いていくことが。
すでにいくらか築きつつあるその関係をより強固なものに変えていくことは、
場合によっては2人だけでなく詠/唱さん、楽/譜さんたちをも巻き込み、
番組を降板させられてしまうことにも繋がりかねない。
それが解っているからこそ互いに互いの腹を探り合い、
それでも衝動的に起こしてしまった行動を、
途中でなんとか押さえつけようと2人は必死になってあがき続けている──。

先ほどまでのことは無かったかのように2人は並んで歩きながら
これから行くラーメン屋で何を食べようか話していた。
2人の靴音が静かな廊下に鳴り響く。
Eの靴音はやや高く、Hの靴音はEのものより低い。
それはまるで彼ら2人を象徴するかのように、
一定のリズムを刻みつつ緩やかに消えていった。

互いの気持ちは同じだということに気がついているのに、
その先へのもう1歩が踏み出せずにいるEとH。
しかしその1歩への勇気を出すのは、もはや時間の問題だろう。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/04(木) 18:36:45 ID:Dti8IhEb<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ごめん、自分にはこれが精一杯です。
 | |                | |     ピッ   (・∀・;)
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/04(木) 22:51:30 ID:KXEU6hin<> んん?SとHだろうとは思うんだが…なんでE?
途中からHとEが入れ替わってたり、混乱しまくったぞ <> 21<>sage<>2005/08/05(金) 00:19:21 ID:11Mu5U5o<> >26
邦訳した場合、青色(変)さんと水色(嬰)くんだからです。
そのままだといずれ検索で引っかかるかと思ったので
2重伏字にしましたが余計混乱させてしまったみたいですね。

投下前の文章で確認後、置換してみましたが入れ替わりはしてないと思います。
それでも入れ替わっているように見えて混乱したようでしたら申し訳ありません…_| ̄|○ノシ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/05(金) 00:20:26 ID:O4jY6Gzb<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  日曜朝の闘う船体 金黄(光×シバサ)だモナー
                    |  即死回避程度の軽いネタだモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  前スレ644-650の続きだカラナ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 船体らしくベタベタだゴルァ!!
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/05(金) 00:21:00 ID:O4jY6Gzb<> 1/5
「シバサ、君に宿題だよ。…僕に恋をして。」
僕、光は小図家5兄弟の魔/法の先生。
只今小図家に居候中。
次男のシバサに宿題を出してから一週間が過ぎようとしていた。
シバサはほかの子より想像力が足りないので、てっとりばやく恋をしてもらう事にしたんだ。
だって、恋した人間の想像力って、計り知れないものがあるじゃない。

「どうだい?少しは僕に恋した?」
「ふざけんな!」
シバサは素質はあるんだけどどうにも照れ屋さんで扱いづらい。
こういう時は、
「わかってるよね。これもお勉強だからね。」
って言い方をすれば
「…ああ。」
と素直になる。
僕もずいぶんこの子の扱い方がわかってきた。
だけど困ったのは他の兄弟達だ。
僕がせっかくタイミングを見てシバサと二人で手を繋いで座っていても、
すぐに見つかってからかうものだからシバサは照れて手を離してしまうんだ。
これじゃあ授業にならないよ。
一度魔/法陣を張って魔/法部屋に他の皆が入れないようにしたけれど外で大騒ぎになっていた。
それからはシバサの部屋で二人になるようにしている。
だけどそのシバサの部屋にも貝が勝手に入ってくる。
何度か叱って言って聞かせたけれど、それでもこっそり覗いてくる。
ので、今では魔法陣を張っている。
最近お兄ちゃんが痩せてきた気がする。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/05(金) 00:21:35 ID:O4jY6Gzb<> 2/5
「じゃあ、今夜は一緒の部屋に寝るよ。後でシバサの部屋に行くからね。」
夕飯を食べる5人のフォークが一斉に落ちた。やっぱり兄弟だねぇ。
シバサはあまりに驚いたのか、突っ込む事もできず口をパクパクさせている。
「先生!!恋愛は自由ですが、そ、その、不純な事は…!」
「するわけないだろう。お兄ちゃん、心配しすぎ。」
「せんせっ!放課も一緒に寝るぅ〜♥」
「放課ちゃんっ!!シバサは仕方ないけど、放課ちゃんは絶対ダメだからね!」
「そうだよ放課。これは遊びじゃないんだからね。」
「はぁ〜いつまんないのー。…じゃ、裏羅ちゃん、一緒に寝よっか?」
「うん!久しぶりだねっ」
「チィニイ…ほんとに一緒に寝るのかよ?!」
「本当だよ貝。そのうちお風呂にも一緒に入ろうと思っているよ。」
「冗談だろ!!」
「gほっごほっ」
咳き込むシバサに水をやると、嫌そうな顔をした。
「僕も大変だよねー。」
そう言えば、素直に受け取った。
うん、いい感じだな。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/05(金) 00:22:24 ID:O4jY6Gzb<> 3/5
「お邪魔するよ。」
ノックをしてシバサの部屋のドアを開けた。
シバサは椅子に座って、堅くなりながらこちらを見ていた。
「…じゃあ寝ようか。シバサはいつも通りベッドに寝なさい。僕はこの辺に寝るから。」
タオルケットと枕を持参してきたので、それを床に広げる。
支度を整えてシバサを振り返ると、まだ椅子に座ってキョトンとしていた。
「どうかしたかい?」
「一緒に寝るのかと思った…」
「それはちょっとまだ早いかな。」
「なっ変な事言うな!」
シバサは急いでベッドに移動した。
やっぱりかわいいよね。シバサは。
素直じゃないけど、純粋だ。
「じゃあ電気を消すよ」
パチンと音がして、部屋は暗闇に包まれた。

それにしても狭いなぁ
シバサの部屋は大部分がベッドで埋まっていて、残りの部分に机や椅子があるので
足をまっすぐ伸ばすスペースは無い。ま、これも授業。我慢しましょう。
寝づらくてしばらく寝付けないでいると、シバサも寝付けないのか、
定期的に寝返りを打つ音がする。まだ緊張が解けないのかな。
人懐っこい子じゃないし、どちらかといえば人見知りする方の子だ。
他人が居る事に対する違和感がつきまとうんだろう。
だけどきっと今シバサは邪魔でもなんでも僕の事を考えているはずだ。
それがうまく想像力に変わっていけばいいけど。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/05(金) 00:23:28 ID:O4jY6Gzb<> 4/5
それからまた30分は経ったけど、現状は変わらなかった。
背後からシバサがこちら側を向いているような気配がしたので振り返ってみた。
「…シバサ?」
「…やっぱり起きてたのかよ」
「ん?どうしたんだい?」
「…そこさぁ、寝にくいんだろ。なんか、足曲げたまんまじゃん先生」
驚いたな。自分の事でもいっぱいだろうに。
こんな状況でも僕の心配をしてくれていたなんてね…
「僕なら大丈夫だよ。安心しておやすみシバサ。」
そう言ってるのに、シバサはムクリと起き上がった。
「俺がそっち行く。」
シバサはベッドから降りると、僕の前までやってきた。
「先生ベッド使えよ。俺の方が小さいから俺がこっちになっといてやるよ。
 っつーか…これとか全部俺の為なワケだし…俺がこっちになるべきなんじゃねぇの」
途中から顔を逸らしながら、そんなかわいいことを言った。
…なんだか嬉しくなっちゃうなぁ。
「イイコだね、シバサは。」
シバサの肩を抱く。
「おいで。」 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/05(金) 00:24:27 ID:O4jY6Gzb<> 5/5
そのまま一緒にベッドに座る。
「シバサ、一緒に寝よう。」
「まっまだ早いんじゃねぇのかよ!」
「何もしないから早くないよ。」
「何かなんかされてたまるかっ!」
シバサは僕の腕をすり抜けるとそのままベッドに寝転がった。
壁ギリギリまで奥に行き、僕に背を向けた形で。
ほんっとにかわいいかもしれない、この子。

気付けば、朝になっていた。

目が覚めたらシバサの寝顔が目の前にあったから僕も少しびっくりした。
スヤスヤと寝ている顔はまだ幼さが残っていて愛らしい。
ちゃんと寝れたようだね。よかったよかった。
さて、まだ朝早いからシバサはこのまま寝かしときますか。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/05(金) 00:25:04 ID:O4jY6Gzb<>  ____________
 | __________  |
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 | | □ STOP.       | |
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 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/05(金) 00:40:39 ID:Iwlazgwy<> >>28-34
ああ、萌える…萌えるんだよ姐さん!!
姐さんのせいでシバサ好きがますます高じてもうどうしたらよいものかorz
可愛すぎるんだよぅ ヽ(`Д´)ノウワァァン <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/05(金) 06:02:25 ID:WrAbf+XE<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  新・剣世界 卓上会話RPG集 次だってさ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| カプは暮れマ口、検索避けに固有名詞変えてるな。 
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  女装要素に注意な。
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 新剣世界次 暮れマ口 1<>sage<>2005/08/05(金) 06:03:43 ID:WrAbf+XE<> ファソドりアにて、商人ギルド・アサシン同盟・シーフ組合の抗争に
なかば巻き込まれるようになった五人は、
見事その複雑な関わりを突破し、いつもどおりの強引な手段で依頼を解決した。

残るラゼソの口マーノレへの護衛という仕事だが、
当の依頼人であるラゼソは何日かのファソドりアの滞在を一同に許した。
とはいえ、彼らはふとした手違い(※変装なしでの不法侵入)からお尋ね者とされている。
ここで大っぴらには動くことはできない。
依頼のあいだもそうであったが、彼らには「変装」する必要があった。

「マ口ウの女装姿が見たい!」
いきなりそう言いだしたツャイアラに、一同は目を瞬かせた。
「何言ってるだよ、ツャイアラどん!!」
思い切り吹き出して次のタイミングで、マ口ウはそう叫ぶ。
ハーフエノレフのマ口ウは、銀色の髪と優しさの浮かび上がる顔立ちからそうとうの美形な筈なのに、
出身地の田舎のなまりがきつすぎて喋ることですべてを台無しにする。
「あ、それいいッスね」
ニヤニヤしながらクれスポは言った。
「正気だか?くれぽん!」
「技術さえ伴ってりゃ恥ずかしい事は何もないッスよ。
 ほらほら、俺だってこうして立派な女の子に!」
その場でくるんと回ってみせながら、クれスポは言った。
ファソドりアで女装をするのは、これで三回目になる。
かなり自信はあったのだが、おもわず目が合った潔癖なベノレ力ナの吐きそうな顔に、
クれスポは多少、傷ついた。 <> 新剣世界次 暮れマ口 2<>sage<>2005/08/05(金) 06:04:15 ID:WrAbf+XE<> 「だめ!」
ツャイアラが叫んだ
「アタシが変装させる!」
「ツャイアラ姐さん、楽しそうですね。」
草原妖精のブツクが、手元の本から顔を上げ、クイクイと眼鏡を押し上げながら言う。
「…だって、すごく似合いそうじゃない!」
ツャイアラの目は、きらきらと輝いていた。
「この間のレゴ○ス様の格好だって、凄く似合ってたし!
 女装も似合うはずよ〜! ね、ブツク、一緒にやってみよ!」
「分かりました。それでは先日使用した、この「女装大全集」を参考にしましょう。
 これでかわいらしいマロ子を造り上げることができます」
「背が高いからかわいいよりもキレイめにしたいわね〜」
硬直するマ口ウを尻目に、二人は散々っぱら盛り上がっていた。

結局その後、マ口ウは無理矢理別室に引っ張り込まれ、女装をさせられることになった。
「俺よりかわいくなるはずがないッスよ。」
三人の引っ込んだ別室の扉を見やり、クれスポはそうつぶやいた。
「ね、ベノレ力ナ。」
「心からどうでもいいですわ」
どうでもいいどころか、眉根を寄せてベノレ力ナは冷たくそう言い放った。
「なんだ、ベノレ力ナもマ口ウの着せ替えしたかったんッスか?
 …しょうながいなあ。じゃ、代わりにベノレ力ナには俺の生着替えショーを」
「目の前でそんな事をしたら目に入るもの片っ端から叩き落しますわよ」
「そんなことしたら1クれスポあっというまになくなっちゃうッスよ!」
かけがえのない1クれスポを守る為、クれスポは思い切り勢い良くベノレ力ナから離れた。
1クれスポとは、クれスポの最大生命力である6のことである。
それは人間として不安になってくるほど低い値で、虚弱体質でもいうべきクれスポの特徴だった。
ちなみにベノレ力ナの使い魔である猫とほぼ同等である。 <> 新剣世界次 暮れマ口 3<>sage<>2005/08/05(金) 06:04:54 ID:WrAbf+XE<>
「できたわよ〜」
やがて別室のドアの開く音と、ごきげんなツャイアラの声が聞こえた。
思わずクれスポはそちらを見やる。
「ふう。露出させてかつ筋肉を目立たなくさせるのは難しいわね〜」
「6ゾロが出たので、簡単と言えば簡単だったのですが」
言いながら部屋を出てくる二人の後ろからおずおずと現れたマ口ウを見、
クれスポは思わず口をポカーンと開けた。
いつものマ口ウの上着と同じ、緑色の生地の胸を強調したドレスは、マ口ウにとてもよく似合っていた。
さらにドレスはスリットもきわどく、すらりと伸びたマ口ウの脚がむき出しになっている。
それは見事に、女好きなクれスポのタイプど真ん中なきれいなおねーさん姿であった。
「うわーん、クレぽーん、女の子になっちまっただよ〜」
泣きそうな声でマ口ウもといマロ子がこちらへと近づいてくる。
何を詰めているのか、弾力のありそうな勢いで胸が揺れる。
粉でもかけているのかあらわになった白い肌が目にまぶしい。
おもわずクれスポはゴクリと生唾を飲み込んだ。
「…くれぽん? どうしただよ。クレぽーん?」
必死にクれスポを呼び、マ口ウは目の前で手をひらひらとさせてみせる。
何も反応しないクれスポを不思議がり、マ口ウはクれスポに顔を近づけた。
ふわっと鼻をくすぐる甘い香りに、超接近しているマ口ウの美しい顔。
クれスポの胸が、ドキンと大きく鼓動した。 <> 新剣世界次 暮れマ口 4<>sage<>2005/08/05(金) 06:06:36 ID:WrAbf+XE<>
「ちがうッスちがうッスちがうッス違うッス―――!!!!」
目の前のマ口ウの姿から目を逸らし、クれスポは必死に首をブンブンと振る。
マ口ウは男!きれいなおねーさんに見えても男は男!
クれスポはそう頭の中で何回も繰り返す。
「く、くれぽん…?」
「ちーがうんだああああ!!!」
ごいーん!!
クれスポは自らのイヤな方向な煩悩を正すため、おもむろに柱に頭をぶつけた。
と、同時にその場に崩れ落ちる。
「ひーっ、1クれスポきっかり全部もってかれてるだよぉぉ!!」
「せ…せいしはんてい…ギリギリセーフッス…」
「くれぽん、いま治癒の祈りをかけるだよ!死んじゃなんねえだ!!」
マ口ウは大慌てでクれスポに治癒の祈りを捧げる。

「…ねえブツク。何やってるの? あれ」
「…さあ?」
その様子をツャイアラとブツクは何の事やらといった顔で見ていただけだったが、
しかしもう一人、潔癖なベノレ力ナは、何となくクれスポの様子を理解してしまい、
顔を青ざめ、精神を彼岸に旅立たせていた。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/05(金) 06:07:44 ID:WrAbf+XE<>  ____________
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> おゲイはん<>sage<>2005/08/06(土) 00:58:02 ID:2zK16ytn<>     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  京橋亨(きょうばしとおる)×樟葉結貴(くずはゆき)
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  前スレの駅萌え小説の続きです
 | |                | |            \
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 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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コネタは少なめなのです…すみません。
※K特急=10時以前と5時半以降には樟葉・枚方市に特急が停まらなくなり、それをKはんではK特急と呼んで区別しています
<> おゲイはん<>sage<>2005/08/06(土) 00:59:08 ID:2zK16ytn<> キュ、と唇を噛み締めて見せた樟葉の横顔は、こんな時なのにやっぱりきれいだった。

「K特急…俺のとこには停まらないって」

長い睫毛が瞬くたびに、潤んだ瞳から涙が零れ落ちる。
どうして、どうしてもっと大切に出来ないんだろう、俺は…樟葉にこんな顔させてばっかりだ。
特急が初めて樟葉に停まったあの朝、俺は本当はその事を知っていた。
樟葉のはじけるような笑顔を見て、それが初めて見るような顔で、俺の知らないところで樟葉にあんな顔をさせられる特急に俺は妬いていたのかも知れない。
子供じみた態度で、俺は樟葉を突き放したけれど、樟葉に特急が停まる事が彼の中でどれだけ大切なことだったか、本当は知っていたのだ。
だからこそ、K特急が停まらない事が、彼にとってどれほど辛くてショックな事か分かる。

「8時代に特急停まらないなんて、一限も始業にも間に合わないよっ…」

「樟葉…」

俺はかける言葉が見つからなかった。
こんな風にうろたえる彼を見たのは初めてだ。
何故早朝には特急が停まらないのだろう、急ぐ朝こそ停まって欲しいはずの特急が停まらないなんて、それがどれだけ枚方市民にとって負担になるだろう。

「俺だけならまだいい、でもっ!枚方にまで停まらないなんて…」

こんな時なのに彼は他の駅を思う、その優しさが俺には辛い。
樟葉にとっては枚方市駅の痛みも、自分のものと同じなのだろう。 <> おゲイはん<>sage<>2005/08/06(土) 00:59:44 ID:2zK16ytn<>
「お前が気にする事じゃない、大丈夫だから」

俺には樟葉を、あんな風に笑わせる事は出来ないんだろうか。
できることなら…できることなら俺に停車するK特急をお前にわけてやりたいくらいなのに。
いつもいつも、俺は遅れて運行してばかりだな、樟葉が俺を必要とする時に側にいてやれない。

「無理だよ…だって、枚方公園には朝は急行すら停まらない…」

もうこれ以上、傷ついた彼を見たくない。

「先輩の言ったとおり所詮ひらか…」

最後まで言い終わらないうちに、その言葉ごと彼の唇を塞いだ。
もう、停まらない、オーバーランしたっていい。
腕の中で強張った樟葉の体をぎゅっと抱きしめる。
触れるだけで離れた唇は、それだけでとても熱い、こんなに心臓が高鳴ってるなんて自分でもおかしいくらいだ。
戸惑うような彼の視線に、ゆっくりと目を合わせながら、今なら本当の気持ちが伝えられると思った。

「始発から終電まで……俺がお前を守る」 <> おゲイはん<>sage<>2005/08/06(土) 01:00:06 ID:2zK16ytn<>  ____________
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 | |                | |           ∧_∧ 安全運転でな
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<> 風と木の名無しさん<><>2005/08/06(土) 02:17:03 ID:I3cc6z57<> >42-45
キ、キタ━━━(;´Д`);´Д`);´Д`)━━━!!! ハァハァGJ!

笑い萌えすぎて腹いてぇ助けて…
当方おゲイはん通勤利用者で樟葉に胸キュソ。
まじ枚方市駅通過するたび藁てしまいそうでコワイ(;´Д`) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/06(土) 04:16:46 ID:GadDdiVo<> >>28-34
ちょっと遅レスですが…禿萌えス!! 
元ネタの番組1回しか観たことないけど(でも光登場の回)、
いつも楽しみにしています。乙です! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/06(土) 06:59:45 ID:1hZVMz7H<> >>36-41
まさかなカプだなあ。本編もこれくらいならいいのに暮れスPO…。
これ続きあるんですよねっ? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/06(土) 08:44:22 ID:SjSb7S+g<> >>42-45
まいったなぁ、すっごく萌えた
元ネタつか、地元もわからないくせにですよw
時刻表買ってくるしかないのか?
GJ!
<> 36-41<>sage<>2005/08/06(土) 09:55:36 ID:5oNyA/bB<> >48
反応ありがとうございます(*´∀`)

801板の当該ジャンルスレに投下場所を発見しましたので
続きはそちらに投下してきました。
よければ見に行ってやって下さい。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/06(土) 12:28:29 ID:xc7a63nx<> >>28-34
自分も遅レスですが、何時も(*´Д`)ハァハァしながら待ってました!
先生いぢわるだよ先生。黄も早くマゾで恋してしまえば良いのに! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/06(土) 12:32:06 ID:ltDTAghQ<> >>42-45
おけいはん来てたよー…つか、おゲイはんに格上げなのな。
禿げしくGJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/06(土) 16:01:50 ID:xwQyBolL<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  もうすぐ拙者スレが終わるらしい。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  最後にどうしても妊娠ネタを上げたかったんだと。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ヨウハバカダロ?
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 兄上争奪戦 1/6<>sage<>2005/08/06(土) 16:02:24 ID:xwQyBolL<> 涼しくなった夕風を感じ、目を覚ます。
そこは確かに自分の部屋で、開け放された襖へと風が通って行く。
「うぅ・・・ん」
幼い拙者は目を擦りながら体を起こすと、きょろきょろと部屋を見回した。
「・・・・・・」
当然と言えば当然なのだが、誰もいない。
昼間の暑さを追いやった夕風が再び拙者の傍を通った。

優しい長兄の姿を求めて拙者が部屋を出て長兄の部屋へと向かう。
長兄の部屋からは楽しそうな笑い声が聞こえて来た。
「兄上」
拙者の部屋と同じく風が通るように開け放された長兄の部屋。
拙者はその戸口からひょこっと顔を覗かせた。
「起きたのか拙者」
長兄の優しい笑顔が向けられる。
「兄上」
拙者も笑顔を向けるが、次の瞬間、その笑顔は凍り付いた。
「どうした?」
ぴたっと動かなくなった拙者に長兄の不思議そうな声がかかる。
「拙者?」
長兄の部屋で一緒に笑っていたもう一人の兄も拙者に声をかけた。 <> 兄上争奪戦 2/6<>sage<>2005/08/06(土) 16:03:54 ID:xwQyBolL<> 小兄の声に我に返った様に拙者が動き出す。
二人の兄の元へと近寄り、頬を膨らませる。
「拙者も」
長兄の膝の上にちょこんと座っていた己とさほど体格の変わらない小兄。
その小兄が占拠する長兄の膝。
どうしてもそこに乗りたかった。
「ちいがいるんだ。拙者はだめ」
拙者の意志を察した小兄が立ったまま見下ろしてくる拙者を睨む。
「ね?兄上」
いつもいつも拙者に取られてしまう大好きな兄の膝。
拙者が昼寝をしている隙に漸くここに来る事が出来たのだ。
小兄とて譲る気持ちは無い。
小兄は長兄を見つめてにっこりと笑いながら抱き付く。
未だ小さい小兄の体を支えてやりながら長兄が驚いたように言う。
「今日は随分甘えてくるんだな、ちいは」
そう言いながらも空いた長兄の手は小兄の頭を撫でる。
それをむっと見て、拙者が長兄の手を取った。
「拙者も!」
うるうると泣きだしそうな瞳で長兄に訴えると、長兄は苦笑した。
「拙者も甘えん坊だな」
小兄の体を軽く持ち上げ、己の膝を崩すと、長兄は小兄を左膝に乗せた。
「ほら、拙者はこっちにおいで」
空いた右膝を長兄が軽く叩いて見せると、拙者の顔が綻んだ。 <> 兄上争奪戦 3/6<>sage<>2005/08/06(土) 16:04:59 ID:xwQyBolL<> むっと頬を膨らませた小兄の様子に気付かず、拙者は長兄の右膝へと上がる。
しかし、拙者がバランスを取る前に小兄が動いた。
「うわっ」
小兄に突き飛ばすように押され、拙者が尻餅を付く。
「う・・・うわぁぁぁぁ」
座り込んだまま、拙者が泣き出すが、小兄は知らん顔をしていた。
「こら、ちい!」
長兄が小兄を見る。
「拙者はちいよりもまだ小さいのだ。苛めてはいかん」
長兄に怒られ、小兄の目にも涙が浮かんで来た。
「だって・・・だって・・・拙者ばっかり・・・」
しゃくり上げながら小兄まで泣き出す。
「ち・・・ちい・・・」
小さな二人の弟の泣き声合唱。

暫く泣き声を聞いてから、長兄は拙者に手を伸ばした。
「ほら拙者、おいで」
拙者は泣きやまないままに長兄へと手を伸ばし、しがみつく。
「ちいも泣くな」
小兄の体を支えていた長兄の手が小兄の頭を撫でる。
「まったく二人共、武士の子がそんなに簡単に泣くんじゃない」
宥める声は優しい。 <> 兄上争奪戦 4/6<>sage<>2005/08/06(土) 16:05:52 ID:xwQyBolL<> まず泣きやんだのは小兄。
拙者を突き飛ばした事をばつ悪く思うのか、俯いたまま、涙を拭う。
小兄が静かになると、拙者も漸く泣きやんだ。
「ほら、二人とも仲良くせねばならんぞ」
長兄が優しく諭すように言うと、小さな二人は素直に頷いた。
「兄上、拙者がお好きですか?」
泣きはらした目のまま拙者が聞くと、長兄は笑顔のまま頷いた。
「兄上、ちいは?」
張り合うように小兄も聞く。
「勿論」
長兄は同じ笑顔のまま答える。
漸く二人の気が済んだかと安堵しかけた長兄だったが、まだ終わった訳では無かった。
「兄上、兄上、拙者と小兄とどちらがお好きですか?」
問題発言。
どちらと答えても、この場合正解とは言えない。
むしろ、答える方がとんでもない事態を引き起こしかねない事くらい、鈍い長兄にも解る。
どちらと聞かれてもどちらも可愛い弟なのだ。 <> 兄上争奪戦 5/6<>sage<>2005/08/06(土) 16:07:38 ID:xwQyBolL<> 答えに詰まった長兄を見て、二人の弟の間では火花が散った。
「ちいはずっと兄上と一緒にいる!」
「せ・・・拙者だって!」
そんな言い合いが始まる。
発端は拙者の一言。
幾ら体格がさほど変わらないとはいえ、小兄の方が年上である。
徐々に拙者が圧されていくのは当然だろう。
「拙者は・・・拙者は・・・」
うるうると再び泣き出しそうになる拙者の様子を見て焦る長兄だが、出てきたのはある種の爆弾発言。
「兄上、拙者妊娠するでござるっ!!!」
きっぱりと言い切った拙者。
長兄は何を言われたのやら、理解するのに時間を求めた。
その間にも弟達のやり取りは続く。
「拙者は兄上の御子と一緒にずっと兄上と一緒にいるでござる!!」
「なっ・・・」
そんな事を言いきられては小兄とても引き下がるはずもない。
「そんな事、出来る訳ないだろう!!」
微かに長兄が小兄に期待をかける。
どうか上手く拙者を言いくるめてくれ・・・と。 <> 兄上争奪戦 6/6<>sage<>2005/08/06(土) 16:08:58 ID:xwQyBolL<> 所詮子供は子供。
どれだけ大人びていようとも、どれだけ聞き分けがよくみえようとも、子供なのだ。
「どうしてですか?拙者が妊娠すれば兄上とずっと一緒にいられるでござる!!」
「そんなのずるい!!」
小兄の叫びに長兄は呆気に取られた。
「拙者が妊娠するなら、ちいも兄上の御子を妊娠する!!」
「拙者が妊娠するでござる!!」
「ちいだ!!」
何も解らず何も知らず、ある意味未だ純粋と言える子供。
「拙者・・・」
言い合う二人には長兄の声が聞こえていない。
「ちい・・・」
長兄の膝の上で言い合う二人。
「・・・・・・・・・」
長兄は何も言えずにただ溜息を零した。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/06(土) 16:09:52 ID:xwQyBolL<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ お終い
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/06(土) 16:42:14 ID:jieBDw4u<> GJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/06(土) 22:09:08 ID:JQI7dEG5<> ころころと可愛い弟ズにタジタジの兄。(*´Д`)モエー

自分の脳内イメージちい兄が儚げタイプなので
幸せそうに兄上にじゃれてるちいに涙が…

GJ&乙&感謝! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/07(日) 12:59:36 ID:2CpQGwiJ<> >>9-10
遅レススマソ、前スレに引き続きGJすぎます姐さん!!!!
コノフタリダイスキナンダヨー_| ̄|○ノシノシ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/07(日) 21:19:11 ID:g68RMLSx<> >>42-45
うはははは。いつか連結させたげて下さいw
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/07(日) 21:58:43 ID:Hx/BQeYs<> >>42-45
>一限も始業にも間に合わないよっ…
メチャワロスw <> ナイル川下り2 1/11<>sage<>2005/08/08(月) 00:58:23 ID:F7qHPiyR<> ナイル川下り2 1/11
                 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                 |60年代飴デュオナマモノスラッシュ風(シ゛ェリー×卜厶)
                 |前スレ355-361の続きだモナー。
                 |萌えないベッドシーンのみだモナー。
                 |             / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 ___________\           | シ゛ェリー:身長160cm。ギター、ボーカル、        
 | __________  |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V |        ソングライター
 | |                | |            \ 卜厶:身長180cm。美声のボーカル
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  舞台は80年前半、  
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )    2人は40代前半。  
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ_基本的にはシ゛ェリー視点。
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
いまさらですが>>1さん乙です。
スレ即死防止に投下するつもりだったのが間に合わずorz。なので無駄に長いです。
<注意>
※具体的な描写はありませんが、攻め・受け両者とも、他の"女性"と肉体関係を
 持っています。
※ぬるめですが拘束的な行為が行われます。 <> ナイル川下り2 2/11<>sage<>2005/08/08(月) 00:59:15 ID:F7qHPiyR<>  2人とも一度身を起こし、卜厶はガウンを脱いで床に落とす。
 卜厶はベッドの端にもう一度腰を下ろすが、シ゛ェリーに肩を押して促され、ベッドに登
り、仰向けに身を横たえる。
「両腕を上に。」 シ゛ェリーがウィンクしながら命じる。卜厶がはっとするのがわかる。
「シ゛ェリー、俺たちもうそんな年じゃないだろ。」
「ほら、上げて。それから今は年齢のことを言うのはやめよう。」優しいが、有無を言わ
せぬ口調。
「ああ、わかった。」

 20代半ばの数ヶ月間だけ続けられたゲームだ。カレッジツアー中、宿泊は安モーテル。
2人で一室に押し込められていた。ステージから戻り、翌日はまた別の土地に移動して
演奏する。その合間の夜。
 当時、彼らは金の卵を1つ2つ産んではいたが、ほんの少しでも油断したらその腹は
割かれてしまう、2人ともそのことを承知していた。周囲から与えられるのはプレッシャー
のみ。お互いだけが頼りだった。作詞作曲を1人で担当しているシ゛ェリーの負担は大きかった。
もっとも、シ゛ェリーのストレスの主因は、そのような状況下で彼に、
「"将来"は学者か教師になりたい。」 と無邪気に言い放った大学院生の卜厶本人だっ
たのかもしれない。そして卜厶はそのストレスのはけ口となることを強いられた。
 掲げられ、頭の上で揃えられた卜厶の両腕を毎晩のように拘束し、その身体を貫い
た。モーテルの壁は薄かったので、声も抑えねばならなかった。ベッドはきしむので、
たいていは床に毛布を敷いて交わった。
 紐などは使わず、力づくで押さえ込みもしなかった。痕を残すわけにはいかなかったから。
 用いられたのはシ゛ェリーの言葉、
「両手を揃えて。…そう。…もう動かすなよ。痛くても気持ち良くても、声を出すな。お前
の声は俺の曲を歌うためだけにあるんだ。」 そしてそれに対する卜厶の服従だけ。 <> ナイル川下り2 3/11<>sage<>2005/08/08(月) 00:59:55 ID:F7qHPiyR<>  ギターと同じくらい信頼できるシ゛ェリーの「楽器」である卜厶が、その声と身の自由を
奪われてひたすら苦痛、あるいは快楽に耐えるのを見るのは楽しかった。
 その後2人の成功が確定し、関係は夫婦のような気安さと馴合いに満たされた頃には、
当時の記憶は封印された。30代で彼らは「離婚」し、その後たまによりを戻しては今の
ように過ごしたが、その時でも一切話題に上らなかった。今夜まで。

 かつてのように、卜厶の腕が意志の力のみで固定される。ベッドの脇に立ち、卜厶の目を
覗き込むと、自らの無防備な体勢と、いまだに指示に従ってしまう自分におびえている
ことがわかる。
 そういえば卜厶は新聞で「おびえたガゼルのよう」と評されたことがあった。彼はそれを
嫌がり、当時のシ゛ェリーは面白がってステージの上でもベッドの中でもからかった。
その評論家に今の彼を見せてやりたい。彼が本当におびえたときの目の開き方や、
唇の震え方を。
 彼の身体から立ち上る恐怖を味わう。ゆっくりと笑いかける。
「心配するな。傷がつくことなんてしないから。」
 卜厶が唇だけで微笑み返す。
「そんなことは心配していない。」 そして顔を正面に戻してひたすら天井を見つめる。
彼の息は興奮からではなく、身を伸ばした状態を強制されているせいで浅くなっている。
この状態の彼をそっと愛撫して泣き叫ぶまで焦らしたらさぞ楽しいだろう。だがそれは
別の夜にしよう。まだクルーズは続くのだから。
「足を開いて。腰を浮かせてくれ。」
 腰の下に枕を1つ差し込む。ガウンからもう一度潤滑剤を取り出し、ベッドに登り、
改めて中まで塗りこめていく。自分もガウンを脱いで下に落とす。卜厶の両腿を掴んで
固定する。 <> ナイル川下り2 4/11<>sage<>2005/08/08(月) 01:00:46 ID:F7qHPiyR<> 「力を入れるなよ。シーツに血を付ける訳にはいかないからな。」
腰をゆっくりと前に進め、先端のふくらみが入ったところで一端とめる。上半身を少し
そらして結合部を見つめ、出血していないことを確認する。そして卜厶の顔を見る。
動かない間に感触に馴染んできたのか、挿入が優しかったことに安心したのか、顔からは
おびえが消え、表情はかすかに恍惚の色を帯び出している。だがまだ快楽はさほど感
じていない。彼のポイントはもう少し、あとほんの少し奥なのだ。彼の身体の中のことな
ら、本人以上に知っている。卜厶の腰が何かを求めて少しずつ浮き上がる。その腰を
押さえる。
「もっと奥まで挿れて欲しい?」
「…ぁ…あぁ。君がそうしたいなら。」
「自分の快楽も人任せにするんだな。」
「お前がずっとそうさせてきたからだろう。」

「今夜は叫んでもいいぞ。」早口に言い、一気に根元まで突き入れる。刺激を求めている
場所は一瞬かすめられただけ、痛みはあまりないが充満感だけがその身を襲う。驚き
と圧迫感、身に染み付いた習慣に支配されて、一瞬鋭く息を飲む音のほかに声が漏れ
ることはない。
「望み通りか?」と聞くと卜厶が下から睨みつけてくる。笑顔を返す。
「動くぞ。楽しんで。」
腰を前後させるが、抜差しはしない。身を引くときには卜厶の腰を掴んで引寄せ、その
後体重をかけ、彼の身体を折り曲げていく。卜厶は身を捩じらせて逃れようと、身体を
伸ばそうとするが、腰の下に置かれた枕のせいで背中に支点を作れず、力が入らず、
無力に曲げられていく。

 数回の動作の後、シ゛ェリーは卜厶の顔の真正面までたどり着く。折り曲げられ、腕を
伸ばされたその身体の胸郭は広がらず、息が苦しそうだ。背けられたその顔を片手で
つかんで正面に向ける。 <> ナイル川下り2 5/11<>sage<>2005/08/08(月) 01:01:30 ID:F7qHPiyR<> 「どうして欲しい? 遠慮なく言ってくれ。親友だろう?」
 何を言っても自分はこれからいたぶられるらしい。そう悟った卜厶は、自分の身体に
関しての望みを告げることはしない。彼は空気を求めて数回喘いだ後、声を出す。
「…お前をいかせたい。動くから、少し身体を自由にさせてくれ。」
卜厶の身体に力がこもる。シ゛ェリーのそれが締めつけられる。
「優しいな。でもそれだけじゃお前は気持ちよくないだろう?」
また口づけ、舌を差し込む。卜厶の口から貴重な空気がこぼれる。腰を引き、敏感な
場所をほんの少しだけ刺激する。彼の身体が跳ね上がり、重ねた口の下から呻き声が
漏れる。口を離すと、息を吸い込もうと彼の口が大きく開かれる。それでも肺にわずか
な空気が戻ると、かすかな笑みを含んだ声がこう答える。
「私は一度いけば十分なんだよ。シャワーでも浴びれば落着くだろう。…もう一度ペ二ー
 の部屋を訪ねるのもいいかもしれない。」

「…お前は本当に俺の神経を逆撫でする名人だな。お礼にいいことを教えてやる。」
シ゛ェリーが囁く。
「お前に入れているとすごく気持ちはいいんだが、俺も今夜はもういけないみたいだ。
ストックが尽きた。」
その言葉を聞いて終わりが近いと思ったのか、卜厶の表情が和らぐ。
「誤解してるな?」 シ゛ェリーは腰を固定し、深く突く。
「今の話の要点は、俺はいかないから、お前がいくまでずっとこのままだってこと。
 朝まででもな。」 卜厶が何度目かの抵抗を試みて、身を伸ばそうとするが、無駄に
終わる。シ゛ェリーが再び体重をかける。
「終わらせるためには、早くいくことだ。」 だが彼が今与えている刺激だけでは足りない
ことはお互いわかっている。数分後、卜厶は苦しさに屈し、口を開く。 <> ナイル川下り2 6/11<>sage<>2005/08/08(月) 01:02:04 ID:F7qHPiyR<> 「シ゛ェリー…、…お願いだ、うつぶせにして、さっきのように前を触ってくれ。」
シ゛ェリーは優しく微笑みかける。
「お前からバックをねだられるとは嬉しいな。でもだめだ。お前がいったら、シーツが
 汚れて俺たちが何をやっていたかばれてしまうだろ。」
「…手で受ける。絶対汚さない。」
シ゛ェリーが嘲笑う。
「どうやって?手は動かせないんだろ。自分で悦い箇所を探して動けよ。前に刺激が
欲しけりゃ、俺にこすりつけろ。…ひょっとして俺のじゃ足りないのか? もっと硬いのが
欲しいのか? ああ、それならさっきのビールの壜なんてどうだ?」卜厶の身体が
強ばるのがわかる。
「どうする?取ってこようか?口の方しか入れないから安心しろよ。」 身を離すような
素振りをすると、彼は首を左右に振り腰を浮かして、後ろに力を入れて食い締め、
引き止める。
「わかった。…自分で動く…から、自由にしてくれ。」
 再び息が吸えるようになって、枕が腰の下から外されても、卜厶はなかなか動けない。
数年ぶりなのだから。シ゛ェリーがかすかに中で動かしながら煽る。
「動いて。本能に従えよ。」 即座に卜厶が言い返す。
「本能に従ったら、男とこんなことしない。そうだろ?」
「それなら記憶に従え。俺に抱かれるの好きだったろう?」
「昔の話だよ。」
「人はそんなに変わらないよ。」
卜厶が目を細めて見上げる。だが彼は動き出す。腰を浮かし、旧友の肉体を使って
自分の体内を探っていく。 <> ナイル川下り2 7/11<>sage<>2005/08/08(月) 01:02:35 ID:F7qHPiyR<>  先端に内壁が擦りつけられる。内部に強い快感を覚えた時の彼の最初の反応は、
何度となく身体を重ねた今でも最初の頃とほとんど変わらない。戸惑いと否定。
身体は跳ね上がっているのに、最初に漏れるのは喘ぎ声ではなく、本心から不思議そうな
「え…あれ…?」というかすかな呟き。下唇を軽く噛み、曖昧な笑みを浮かべて首を振る。
 しばらくすると、彼の身体は不随意の動きをはじめる。ついさっきまでわざとらしく力を
込めて引絞っていた部分が、意思と関係なく痙攣のように蠢き、2人に思わぬ快感をもたらす。
 その後間もなく、彼の意識は快楽に飲み込まれる。両腕は律儀に掲げたままで。
「腰をつけて…くれ。」
自分で押し付けているだけでは足りなくなり、シ゛ェリーからの刺激も求める。腰をつかん
で彼の器官を2つの身体の間に強くはさみ込み、下腹部で擦りたててやる。先端が濡れた
音を立てる。
 質問に質問で答える傾向のある、常になにかを堪えているような彼の口が緩んで
喘ぎ声と、叫び声だけを放っている。真意を測ろうと、探るような、刺すような視線を
こちらに向けることの多いその目がうっとりとこちらを見つめている。
 彼の表情はすっかり無防備なものとなっている。その無防備さは、少年時代は常に
自分に向けられていたものだ。今ではこんなときにしか見られないが。
 そのせいだろうか。身体の下の彼はどんどん若くなっていくように見える。10年以上前、
自分たちの名前が「愛憎関係」ではなく「理想の友人同士」の象徴だった頃を思い出す。
 彼の声も変化している。聖歌隊風のおきれいなその声からコントロールが失われ、
歌うときには決して使わない甲高い裏声、そして肺から押し出されたまま調音されない
空気が立てる低い呻き声が混じりだす。
 それでもシ゛ェリーは卜厶が聞きなれている賛辞をその耳に囁き続ける。
「素晴らしい声だ、正に神の贈り物だな。」 彼が次にそう言われるとき、この夜のことを
思い出すように。 <> ナイル川下り2 8/11<>sage<>2005/08/08(月) 01:03:12 ID:F7qHPiyR<> 「腕…。」
「…え?」
「腕を背中に回せ。」
 卜厶は感覚のなくなりかけた両腕を持ち上げ、シ゛ェリーに回してしがみつこうとするが、
力が入らず身体の両脇に落ちてしまう。シ゛ェリーが微笑む。
「もう動かなくていい。ただ気持ち良くなっていてくれ。」
腰がベッドの上に落着く。彼は安心している。もういたぶられることはなく、与えられる
のは快楽のみだ。伴奏に乗るように身を委ねるが、もう声は出ない。喘ぎすぎたその口は
乾燥し、喉がしくしくと痛み始めている。

 身を伸ばしてもう一度卜厶に口づける。舌は乾ききっていて、その感触は一瞬猫の
舌を連想させる。ゆっくりと舌を絡め、湿していく。
 口を離し、唇の縁をそっと舐めていく。昔から唇が弱点だった彼は、すぐに耐えられな
くなったようだ。上唇の中心を軽く咥える。腕がもう一度持ち上げられ、シ゛ェリーの背中で
組み合わされる。今度は成功した。腰が浮き上がる。
「いきそうなのか。」 腕に少しだけ力がこもり、口からかすかな、おそらくは肯定の声が
漏れる。
「俺を見ろ。最後まで目は閉じないで。」
 2人の目が合う。目で頷いて、もう一度中を突いてやると、彼は絶頂に向かって押し流
されていく。そんな力がどこに残っていたのだろう。腕の力が強まり、全ての筋肉が収
縮しているようだ。2つの肉体の間に挟まれた性器から精液が放たれ、2人の腹部を
濡らす。
 卜厶の肉体は弛緩し、腕はほどけてまた両脇に落ちる。いく時にもそらすことも閉じ
ることも許されなかったその目は少し潤んでいるようだ。
「悪い。嘘ついてた。」 彼に謝る。怪訝な表情に変わるのを見届けて、勢いよく腰を前後
させる。達したばかりで過敏になっている粘膜をこすり、彼の中にこらえていたものを吐
き出す。
「まだストックあったんだ。」 まじめな顔をしようとするが、ふきだしてしまう。笑いは呆然
としていた卜厶にも伝染して、笑いが止まらなくなる。身体に力が入らない、声も満足に
出ない状態で苦しそうだ。それでも笑いつづける。笑いが収まりそうになると、どちらか
らともなく「ごめん。」とまじめな顔で謝る。笑っているうちに、つながっている部分が
抜けそうになる。 <> ナイル川下り2 9/11<>sage<>2005/08/08(月) 01:03:48 ID:F7qHPiyR<> 「シャワー浴びていくかい?」
「自分の部屋で浴びるよ。濡れた身体でお前の部屋から出てくるところを見られたら、
変な疑いを掛けられちまう。」
「疑いって、実際やってるじゃないか。」 含み笑いが漏れる。身を離して、シ゛ェリーは
ベッドから降りる。体内のものが零れないように後ろを引き締め、上半身だけを少し
起こした卜厶が目で呼んだので近寄ると、彼はシ゛ェリーを引き寄せて胸から腹に飛び
散っている精液を舐め取りだす。まだ舌が少しざらついている。乾きかけたものがその
舌ではがされる。
「まぁ、これでとりあえず大丈夫だろう。」
「お前は?」 当然だが、彼の方がついている量が多い。
「シャワー浴びるさ。」 卜厶は立ち上がり、一瞬ぐらつくが慎重な足取りでバスルーム
へと向かう。中で後始末をしているらしいかすかな物音の後、シャワーの音が聞こえる。
 シ゛ェリーはベッドに腰をかけて卜厶のタバコを吸う。煙が、室内の汗とセックスの
においを消していく。卜厶が戻ってきたのを見て、立ち上がる。彼を見上げてこう言う。
「女にするようにキスしてみてくれよ。」
 卜厶がくすくす笑い、シ゛ェリーの顎を軽く持ち上げて身をかがめ、ついばむように
口づける。その後真顔になり、彼をベッドに座らせて唇を割り、舌を入れてくる。また口に
ミントの香りが戻っている。しなやかさを取り戻した舌が絡みつく。
「悪くないな。」
「君に教わったんだよ。」 卜厶は微笑み、頬に軽く唇を滑らせ、耳元で
「おやすみ。」と囁く。 <> ナイル川下り2 10/11<>sage<>2005/08/08(月) 01:04:24 ID:F7qHPiyR<>  翌日。
 結局、卜厶の声はすっかりかれてしまっていた。心配顔のペ二ーが、ウィスキー、
蜂蜜、ショウガ、レモンを湯で割ったものを作って持ってきてくれる。
「どうしたの?」 ソファに座った卜厶の唇に、上から軽くキスを落とす。
「…夜中にシ゛ェリーが僕の部屋に来てね。」
「それで、朝まで歌ってしまったんだよ。」 妻の腰に手を回して部屋に入ってきたシ゛ェリーが続ける。
「酔っていたから、抑えが利かなくて、喉を傷めてしまった。 …おはようシ゛ェリー、
 部屋にギター忘れていったろ。後から持っていくよ。」
 長年の空白をものともせず、2人は息を合わせて滑らかに嘘を吐く。

「あなたたち再結成したの? 聞きたかったなぁ。呼んでくれたら良かったのに。
 "毎晩僕たちは夜明けまでハーモニーを響かせていた"ね。」
 ペ二ーは明るい口調で2人の昔の歌詞を引用する。それが本当に描写していた情景は
想像もせずに。
「高くつくよ。」 男2人が同時に笑顔で答える。顔の造作は似ていないのに、そんな
ときの彼らはそっくりに見える。
「嘘だよ。彼の喉が治ったら、もう少し夜練習して、クルーズ中には聞かせるから。
 卜ミー、喉見せて。」 卜厶が口を開く。シ゛ェリーが覗き込む。一瞬2人の目が合う。
「少し赤くなっているけど、大丈夫。それ、ペ二ーが作ってくれたのかい? それを飲んで、
 今日一日休んだら治るよ。」 ペ二ーを見つめて楽しそうにこう続ける。
「彼について聞きたいことがあったら何でも聞いて。ばらすよ。卜ミー、お前は
 今日はもう絶対声を出すなよ。」
「あはは、ありがと。質問考えておくわ。でも卜ミー、気をつけてね。あなたの声は
 神様からのプレゼントなんだから、大切にしないと…。
 ……どうしたの卜ミー、そんな顔して。」
「…いや、なんでもない。ショウガのかけらをかじってしまったみたいだ。」

「卜ミー、声を出すなって。」 <> ナイル川下り2 11/11<>sage<>2005/08/08(月) 01:05:14 ID:F7qHPiyR<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ スラで言う「801」
 | |                | |     ピッ   (   ;) PWP(plot? What plot?)
 | |                | |       ◇⊂    ) __ (porn without plot)
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  | とはこのことかー。
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
でも吐き出さずにはいられなかった… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/08(月) 05:34:23 ID:NKT/GMLL<> ナイルさんキター!!
前スレのも今回も、禿萌えです。
よろしければ、是非是非続きを! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/08(月) 13:01:04 ID:2nyRWZ8P<> おお、楽しみに待ってたよー!トムジェリ。
いつか探し当ててみせるよ。マジで。


ところでしつこいんだけどまた☆戦争投下させてくれー
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  EP2.8 くらいの時期で、もう穴はナイトになってるよ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|   微妙にエロらしいぞ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
帯穴なんだか穴帯なんだか自分でもよくわかりません…リバでもいいや。 <> ☆戦争ep2.8<>sage<>2005/08/08(月) 13:02:42 ID:2nyRWZ8P<>  スターシップの中の、室温と湿度が完全に調節された個室。ソファにもな
るシンプルなベッド。才ビ=ワンがアナキソと身体を重ねるのは、いつもこ
の場所だ。戦乱の最中。戦地から新しい戦地へ移動する間。疲労が極限まで
達し、争いにうんざりし、それでもフォ―スの導きを得ようとしてもなお、
戦闘による興奮が身体の奥底に燻っている――そんないささかジェ夕”イら
しくない状態になると、二人は自然にお互いの身体を求め合った。
 才ビ=ワンはブーツを脱ぎ、ベッドに腰掛けて、彼のかつてのパダワソが
服を脱ぐのを眺めていた。俯きながら黒いレザーの胴着とチュニックを脱ご
うとしている横顔。ライトに照らされて、その髪が輝いている。レーザーで
焼けた砂色の髪。アナキソが服を脱ぐと、筋肉に覆われた伸びやかな身体が
現れる。胸や、腰や、わき腹についたその筋肉を、才ビ=ワンは美しいと思
うけれども、同時に悲しくも思う。何故なら戦争が始まる前のアナキソは、
こんな戦士の身体を持っていなかったから。同じように筋肉質で、同じよう
に伸びやかではあったけれども、年若いパダワソらしい、鹿のような優しさ
が昔の彼の身体にはあった。しかし、今のアナキソの身体にはそれはもうな
い。その代わり張りつめた緊張感と、いつでも――いつでも獲物を殺せるし
なやかさを持った、獣のような空気を、今のアナキソの身体は纏っている。
 右目の横に走る傷跡や、手袋で覆われた右腕。それを見るといつも才ビ=
ワンは胸が痛む。アナキソが失ったもの。これから失うであろうもの。その
連想が彼を苦しめる。その苦痛から逃れようと才ビ=ワンは深呼吸をし、ア
ナキソに黙って手を差し伸べた。 <> ☆戦争ep2.8<>sage<>2005/08/08(月) 13:04:38 ID:2nyRWZ8P<>  裸になったアナキソはそれに気づいて首を傾げる。「あなたも服を脱いで
くださいよ、マスター。それとも脱がせてほしいんですか?」
 自分の言ったジョークにアナキソはくすくす笑ってみせる。才ビ=ワンは
肩をすくめ、立ち上がってチュニックを脱ぐ。アナキソがそっと歩み寄って
きて、後ろから脱ぐのを手伝ってくれる。労わるようなゆっくりとした優し
い手つきに、才ビ=ワンは少し寂しさを感じる。
 「もう私はお前のマスターではない、アナキソ。……それから、自分で脱
ぐ」
 振り返って、軽く睨みながら言うと、才ビ=ワンの顎に手を添えて軽くキ
スをしてから、アナキソはあっさりと離れた。「そうだった、……才ビ=ワ
ン」
 いたずらっぽい微笑み。子どもの頃と変わらない。もしかしたら自分がア
ナキソと寝るのは、こういう彼を見たいからかもしれないと才ビ=ワンは思
った。無邪気で無防備なアナキソを。戦争が激化するにつれて、いつのまに
か姿を隠してしまったアナキソ・スカイウォー力ーの子どもっぽさを見たい
から、ベッドに誘う。ベッドの中ではアナキソは昔のように才ビ=ワンに甘
え、抱きつき、拗ねて無理難題を言う。そういったアナキソを見て安心した
いから、こんなことをするのかもしれない。
 ジェ夕”イは恋愛を禁じられているが、性的接触は禁じられていない。性
的な欲求を無理に抑えることは、生命への、ひいてはフォ―スへの反逆にな
るからだ。他者を求める、肉体としてのごく自然な欲望、それらは生命への
賛歌として尊重される。ジェ夕”イオーダーは決して頭の固い陰気な組織で
はない。生の喜びを押さえつけることに価値を見出さず、欲望さえもフォ―
スから送られた何らかのサインとして、尊び、意味を読み解こうとする。宇
宙で最も伝統を重んじながら、最も革新的なグループ、それがオーダーだと
才ビ=ワンは思っていた。 <> ☆戦争ep2.8 <>sage<>2005/08/08(月) 13:06:05 ID:2nyRWZ8P<>  だから才ビ=ワンは、アナキソとこうして身体を重ねること自体は何ら恥
ずべきことだとは思っていなかった。これは……ベッドにアナキソを押し倒
し、その髪を梳きながら、才ビ=ワンは思った。これは、ジェ夕”イらしい、
慈しみに満ちた行為だ。お互いの身体をリラックスさせ、疲れを癒す。でも
本当にそうだろうか?アナキソの唇にキスをしながら、彼は一瞬考えた。ア
ナキソが掠れた声で呟く。「マスター…」 
 「マスターではないと…」
 「いいえ、あなたはマスターです。僕のマスター」
 甘えた声でアナキソは言い、微笑みながら頬を摺り寄せてくる。飼いなら
された獣のような仕草。才ビ=ワンはそれを見て、胸がいっぱいになるのを
感じた。素直な、我侭な私のアナキソ。才ビ=ワンはベッドでアナキソにマ
スターと呼ばれるのが、あまり好きではなかった。アナキソが彼のパダワソ
だった頃には、正しい方向へと成長を導く必要を感じたとき以外は、こんな
ふうにアナキソに触れたことはなかったし、アナキソもそれを望む仕草など
見せなかった。結局二人の場合、こういった行為ができるのは、アナキソが
もうパダワソではなく、お互い対等な立場にいるからなのだと、才ビ=ワン
は思う。
 だがそれなのに、ベッドの中でだけはアナキソは才ビ=ワンを何度もマス
ターと呼んで甘えてくる。それがじれったくていとおしい。才ビ=ワンは宥
めるようにアナキソの髪にキスをし、アナキソは才ビ=ワンの首筋や耳を甘
く噛む。愛撫を楽しみながら、才ビ=ワンの下肢を探ろうと手を伸ばす。ベ
ッドでの行為に慣れきった仕草。慣れていることを隠そうともしないその奔
放さ、無邪気さに、才ビ=ワンはたまに胸が痛む。 <> ☆戦争ep2.8 <>sage<>2005/08/08(月) 13:07:48 ID:2nyRWZ8P<>  アナキソは誘われれば誰とでも寝る。アナキソに憧れているジェ夕”イパ
ダワソ、彼の桁外れの強さと若さを愛するジェ夕”イマスター、任務地で会
うジェ夕”イに憧れを抱く政治的リーダー達、そしてアナキソを「息子のよ
うに」愛する元老院議長。その誰とでも分け隔てなく寝て、惜しみなく身体
を重ねる。アナキソと寝たがる人間はたくさんいる。それはそうだろうと才
ビ=ワンは思う。彼は若くて、強く、美しい。それに彼には、輝きがある。
他の人間とは違うきらめき。顎をちょっと動かして人を一瞥する、そんな仕
草だけで人を魅了する、野性味とエレガンスがある。だから彼と寝たがる人
間が多いのは、不思議なことではなかった。そしてその全員にアナキソは応
えるのだ。
 アナキソは才ビ=ワンにそれを隠したことはなかった。同じジェ夕”イコ
ードに生きる人間として、才ビ=ワンにはアナキソの行為に理解があると信
じて疑わないから、誰といつ寝たか、聞かれれば素直に答えた。ただ一つ例
外があるとすれば、八°ドメのことだけだ。
 八°ドメ・アミ夕°ラとアナキソの関係について、何も気づかないほど才
ビ=ワンは馬鹿ではない。実際のところどういう約束を交わしているのかま
では知らないが、特別な関係を結んでいることだけはわかっている。アナキ
ソが少年の頃から憧れ続けた女性。才ビ=ワンはその関係に危惧を抱いてい
るが、はっきりと咎めたことはなかった。その問題はあまりにも深刻すぎて、
簡単に咎める気にはなれない。それに本当の意味でアナキソに幸福を与えら
れるのは、おそらく彼女だけなのだ。戦争で無邪気さを失ったアナキソに、
何か一つくらいは幸せになれるものを与えてやりたかった。それは才ビ=ワ
ンの罪だ。ジェ夕”イ・コードに反すると自覚していても、アナキソを甘や
かしたいという欲望には結局抗えない。彼がパダワソではなくなった今では
特に。 <> ☆戦争ep2.8 <>sage<>2005/08/08(月) 13:09:11 ID:2nyRWZ8P<> 「アニー、そんなに急くんじゃない」
 才ビ=ワンの自身に手で触れて、擦り始めたアナキソに言い含めると、こ
めかみにうっすらと汗をにじませ出したアナキソがちらっと視線を上げた。
口元に浮かぶ微笑。才ビ=ワンがその唇にキスをして、もう一度急くんじゃ
ないと言うと、アナキソは笑って首を傾げた。
 「マスター、あなたは不思議な人だ。そんなことを言うのはあなたくらい
です。皆……何かに追われるみたいに急ぐのに」
 僕を抱きたくて。もしくは、僕に抱かれたくて。アナキソが冗談めかして
言うのを、才ビ=ワンは黙って聞いていた。
 「私はお前に触れたいだけなんだ。欲望はそれ自体は悪ではないが、たま
に視界を曇らせる。お前の身体に触れることで、私たちのフォ―スが融合す
るのを感じられる。私はそれを楽しみたいだけだよ」
 穏やかに言うと、アナキソは急に微笑を消し、頷いた。二人は暫し無言で
触れ合った。腰骨や太ももに触れ、耳や首筋を舐め、手を重ねるとアナキソ
の力強いフォ―スが、屈服するように才ビ=ワンに寄り添うのを感じる。才
ビ=ワンはそのときやっと、性的な興奮を感じた。アナキソも同様のようで、
掠れた声で訴える。
 「マスター、……触ってよ」
 こらえ性のない言葉に才ビ=ワンは笑い、手を伸ばしてそれに触れてやる。
アナキソは呻く。そして呟く。「あなたは違う、他の誰とも違う」
 「どんなふうに」
 指先の動きを荒くしながら静かに聞いてやると、アナキソは腰に手を回し
て抱きついてきた。
 「あなたは何も奪わない。僕と寝る人は皆何かがほしくて寝るけど、あな
たは違う。愛してくれる」
 「アナキソ」
 「わかってる、それが嫌なら寝なくていいって言うんでしょう?でも違う
んだ、僕は求められると嬉しい。皆が僕から何をほしがっているのかはわか
らないけど、そうやって求められること自体は嬉しいんです」 <> ☆戦争ep2.8 <>sage<>2005/08/08(月) 13:10:43 ID:2nyRWZ8P<> 「アニー…」
 この問題は、二人で何度となく話し合ってきたことだった。求められるの
が嬉しいというアナキソは、たまに本人は望んでもいないのに他人と寝てい
るように見える。才ビ=ワンがそのことを指摘すると、アナキソはいつも不
快そうな表情を見せた。僕はもうあなたのパダワソじゃないし、そんなこと
に干渉される謂れはありません。僕自身が選択していることに、何故あなた
が批判を?
 批判しているんじゃない、お前の幸せを望んでいるだけだ、そう言っても、
アナキソはかぶりを振るだけだった。求められて応えるのが僕の幸せです。
僕にはできません――望まれているのに、退けるなんて。
 アニー、私も?私もその一人なのかと才ビ=ワンは何度も聞きそうになっ
た。私が望むから、お前は肉体を投げ出しているだけなのか?私もパル八°
ティーンと同じなのか?
 才ビ=ワンはパル八°ティーンが好きではなかった。アナキソを息子のよ
うに可愛がりながら、アナキソに甘い言葉を囁きベッドに引きずり込んだか
ら。たまに傷跡が残るくらい乱暴にアナキソを抱いたから。これは、コルサ
ントで流行っている遊び、単なる遊びなんです。そうアナキソが弁解じみた
口調で言うのを、苦々しい思いで聞いたこともある。社会的地位のある人間
が、若く美しい人間をベッドで支配する、それは確かにコルサントらしいお
遊びだし、今や嘆かわしい風習にもなっている。それ自体は才ビ=ワンも知
っている。だが、何故アナキソが――私のアニーが、そんなお遊びに使われ
なければいけないのだろう?
 議長にそう聞けば、あの老獪な政治家は、きっと驚いて見せるに違いない。
彼は単なる遊びではなく、私はアナキソを愛し、慈しんでいるのだと言うだ
ろう。それを想像すると才ビ=ワンは吐き気を感じた。何たることだ。これ
では自分と言い分は変わらない。 <> ☆戦争ep2.8 <>sage<>2005/08/08(月) 13:12:38 ID:2nyRWZ8P<>  「……ジェ夕”イは欲望を否定してはいないが、淫らさや堕落には価値を
見出していない」
 才ビ=ワンが呟くと、アナキソは眉を寄せてみせた。
 「……今日はその問題について話し合うのはやめましょう。僕はあなたに
触れられて嬉しい。あなたのフォ―スはとても優しい。……いつもは小言ば
かり言うのにね」
 アナキソはくすっと笑って呟き、才ビ=ワンのそれに触れる。さっきまで
とは違う、ぎこちない動作。ありきたりなベッドでのテクニックを使うのを
やめて、どうやったら才ビ=ワンが喜ぶのか真剣に考え出した、まだどこか
幼い表情。才ビ=ワンはその額にキスをしてやり、アナキソの手に自分の指
を絡めて、自分自身の欲望のポイントを教えてやる。視線が合う。アナキソ
がはにかむのを見て、才ビ=ワンも微笑む。私のアニー。これは執着じゃな
い、才ビ=ワンは心の中で呟く。かつての弟子と繋がりを築きたいだけ、労
わりあいたいだけ、ただそれだけ。決して執着ではない。
 アナキソの身体は戦場と同じように、ベッドでもしなやかに動く。才ビ=
ワンはそれを助けるように寄り添う。これもまた戦場と同じ。アナキソはさ
っきから声を堪えている。初めは照れた様子を見せないくせに、欲望が深ま
ると自分を押し隠す、ベッドでのくせ。それを見て才ビ=ワンは言う。アニ
ー、もっと正直になっていいんだ。誰にも気兼ねしなくていい、望んでいる
ことを言ってごらん。がまんしなくていい。
 その言葉を聞くと、アナキソはおずおずと視線を上げ、才ビ=ワンの身体
を抱き寄せてぎこちないキスを始める。キスがほしい、マスター。もっと深く。
才ビ=ワンがそれに答えてやると、アナキソは夢中で貪ってから呟いた。僕
はあなたを楽しませていますか、マスター。あなたは楽しんでいますか。 <> ☆戦争ep2.8 <>sage<>2005/08/08(月) 13:14:23 ID:2nyRWZ8P<>  「何のことだ」
 才ビ=ワンが言うと、アナキソは苦しげな顔をした。「あなたが望んでい
ることは何ですか。何だってします。咥えるのだって下手じゃないと思うし、
あなたの足を舐めてもいい」
 「そういうことを、パル八°ティーンにはさせられてるのか?」
 才ビ=ワンは胸に怒りが湧き上がってくるのを感じ、それを鎮めようとし
ながら言った。アナキソは困った顔をする。「ちょっとしたお遊びですよ」
 「そんなことを言ってるんじゃない。お前がそういうことを望んでいると
は思えない」
 「僕が何を望んでいるのか、あなたにわかるんですか?」
 憤慨したようにアナキソは言い、才ビ=ワンの身体に回していた腕を解い
た。才ビ=ワンは言葉を失い、その顔を見つめた。唇を噛んだアナキソのそ
の表情を見て、才ビ=ワンは全てがわかった。わかったような気がした。
 「……アナキソ、パル八°ティーンはお前を愛していない。愛していたら
お前が望んでいないことはしない」
 「何故そんなひどいことを?彼は僕を愛してくれています。父親みたいに。
昔から」
 「望んでいないことはしなくていいんだ。お前は嫌だといっていい。それ
で離れていくような人間は、お前を愛していない」
 「あんなのはただの遊びです」
 アナキソは目を逸らして言った。いつか跡が残るほど縛られたことを思い
出したのか、自身の左手首に視線が泳ぐ。才ビ=ワンは静かに告げた。
 「アナキソ、嫌だと言っていいんだ」
 「言えません。――僕は――だって、皆同じじゃないか!僕が嫌だと言っ
たら、勝利できなかった戦いがいくつありましたか?僕が殺さなかったら死
ななかった敵は?僕に断る権利なんてない!」 <> ☆戦争ep2.8<>sage<>2005/08/08(月) 13:16:21 ID:2nyRWZ8P<>  アナキソはそう叫び、そっぽを向いて泣き顔を隠そうとした。才ビ=ワン
はそれを見て胸を刺されたような気がした。戦争。任務。カウンシルの命令。
アナキソが失ったもの。この子があらゆるものを失うのを、私は黙って見て
きた。何もできなかった。何もしなかった……。
 戦いたくなかったのだ、この子は。誰も殺したくなかったのだ。誰より鮮
やかに戦い、巧みに殺すけれども、そんなことは望んでいなかった。平時で
あれば当たり前のそんなことを、才ビ=ワンはやっと知り、罪悪感で打ちの
めされそうだった。
 「アニー」
 手を伸ばし、抱きしめる。アナキソは瞬きをして涙を払い、強情に繰り返
した。「嫌なわけじゃない」
 「アニー、私はお前を愛している。お前が何をしても愛している。私にだ
けは嘘をつくな」
 間近で額を重ねながら言うと、目を赤くしたアナキソはやがて頷いた。才
ビ=ワンも頷き返し、アナキソの髪を撫でた。 <> ☆戦争ep2.8<>sage<>2005/08/08(月) 13:17:29 ID:2nyRWZ8P<>
 「お前はこの先望んでいない色々なことをするだろう。望まれれば親しく
ない人間とも寝るだろう。だが、お前は私にだけはノーと言っていい。私は
それでもお前を愛している。お前が私を拒んでも、私たちは何も変わらない」
 「僕があなたを拒むなんて、ありえません」 
 強い口調で訴えるアナキソに、才ビ=ワンは微笑んだ。「だが、拒んでも
いい」
 そう言って抱きしめると、才ビ=ワンより背が高いはずのアナキソは、肩
に顔をうずめるように俯いてみせた。掠れた声で呟く。
 「マスター、本当に、僕が何をしても愛してくれますか」
 「愛している。それがどんな行為であろうと、お前が本当に望んだことで
ある限り、私はお前の味方だよ」
 囁くとアナキソは顔を上げ、頬を摺り寄せてくる。マスター、本当に?ア
ナキソは繰り返し、才ビ=ワンはそれに何度も頷く。才ビ=ワンは自分より
も大きなその身体を抱きしめ、キスをし、そうしているうちにもスターシッ
プは新たな戦地へと近づいていった。



 

 
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/08(月) 13:18:43 ID:2nyRWZ8P<> ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ジェ大コード捏造しまくりだな
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/08(月) 13:20:44 ID:SoZIJn1s<> おお、リアルタイムで投下に出会ったよ
愛に飢えたアナキンが切ないよ。・゚・(ノД`)・゚・。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/08(月) 13:29:56 ID:2nyRWZ8P<> つーか投下してから気づいたが「アミ夕°ラ」ってなんだ
「アミ夕”ラ」のつもりだったよ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/08(月) 15:41:37 ID:ZthtuKmA<> >>66
読んでてスラッシュの風が吹いてきたよ
ムンムンな感じで萌えだ(*´Д`)
>>78
なんかアナキソに泣けた。・゚・(ノД`)・゚・。
才ビ=ワンのセリフが意味深で泣ける…
<> 66<>sage 新妻<>2005/08/09(火) 01:03:19 ID:E2P5gF1u<> 反応くれた方々、本当にありがd。

>>78さん、またあなたの☆ものが読めて嬉しいヽ(´ー`)ノ。超エロイよ(いい意味で)。
誘い受けっぽくて本当にスマン(でもやはり怖いw)。ひとつだけヒント書かせて下さい。
・登場4名のうち、メル欄は旧☆の中の人です(名前少し変更してしまってます)。 <> 78<>sage<>2005/08/09(火) 03:43:05 ID:N3AHL8HA<> >93 thanks!
灯台もと暗し。なんで前回写真みてわかんなかったんだろー
つか、多分ずっと同じスレに常駐ry
ありがとー萌えたよ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/10(水) 18:13:16 ID:b5S68pVz<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  海外ドラの鶴降臨具、邪ッ区×針損モナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  需要無くて悲しいぞ。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ネタバレ注意な。
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

海外ドラスレでもあんまり話されなくてちょっと淋しい。
なので自分で書いてみました。無駄に長いです。エチー殆ど無いです。
ネタバレしている所がちょっとあるのでS1のラストあたりから見てない人は注意して下さい <> 鶴降臨具 1<>sage<>2005/08/10(水) 18:14:22 ID:b5S68pVz<> もし、俺にも姉さんと同じ能力があったら…。
もし、“例の日”が俺にも解っていたなら…。

その日、針損は父親からのモーニングコールで目が覚めた。
出勤時間まであと一時間。今日は朝から立て続けに審議があり、裁判所に直行で
行かなければならない。
眠い頭を必死で目覚めさせ、父親の言葉を反復する。
「起きろ針損…寝るな。ふぁぁ…えっと、先ずは事務所に行って、書類を…書類
……書類?」
裁判所に着くまでに事務所に寄って書類を受け取らなければならない事を思い出
した針損は急いでベッドから飛び起きた。
「やべッ!書類!遅れたら殺される!間違いなく殺される!!」
あっという間に身支度を済ませ、急いで車に乗り込む。
エンジンを掛け発進させようとした次の瞬間、針損の目に黒い影が飛び込んできた。
「うわっ!アブねっ!」
「おっと!俺の事を轢殺す気か?針損?」
「…な、何でアンタがココに居るんだよ…」
瞬間的にブレーキを踏み、難を逃れたその目に飛び込んできたのは思い掛けない人物…。
「やぁ、久し振りだね」
「よくも俺の前にぬけぬけと…邪ッ区」
針損の目の前に現れたのは邪ッ区だった。
「そう怖い顔するなよ…ホラ、お前が急いで取りに行こうとしたのはコレだろ?」
そう言うと、邪ッ区は助手席の窓から一つの茶封筒を投げ入れた。 <> 鶴降臨具 2<>sage<>2005/08/10(水) 18:15:08 ID:b5S68pVz<> 「コレ、今日の書類…何でアンタがコレを…どうやって事務所に入り込んだんだ!?
ってか何でコレが要るって……解ったぞ今日は“例の日”か」
「さて、それはどうかな?そういう事は企業秘密でお教え出来なくてね」
大袈裟に首を傾げてとぼける邪ッ区を横目に針損は上着から携帯電話を取り出した。
「アンタに聞かなくても、もし今日が“例の日”なら直ぐにでも姉さんから電話が…
って、ちょっとアンタ何やってるんだよ!!」
「何って…早く行かないと。親父さんを待たせちゃ悪いだろう?」
当たり前の様な顔で車に乗り込んできた邪ッ区に針損は困惑の色を隠せない。
「…もしかして…“昨日”俺、死んだ?」
「いいや」
「親父か?泥ビス?それとも姉さん!?」
「いいや」
「誰だよ!答えろよ!」
「企業秘密だと言っただろう?それからコレは俺が預かっておく。こんな物に縛られ
てちゃ大切な時間が勿体無い。人生ってのは“やり直し”が利かないんだからな」
そう言いながら邪ッ区は狼狽する針損の手から強引に携帯電話を奪うと、その電源を切った。
「ホラ、早く行け」
「あーもう何だよ…クソッ!!」
完全に邪ッ区のペースに巻き込まれ、針損は言われるとおりに裁判所へと向かった。
ピンと張り詰めた空気に針損は軽い吐き気を催す。
そんな針損を尻目に邪ッ区が話し掛けてきた。 <> 鶴降臨具 3<>sage<>2005/08/10(水) 18:15:59 ID:b5S68pVz<> 「鶴は元気か?」
「姉さんに直接聞けよ」
信号に引っ掛かる事なく車は順調に走り続ける。
「そうしたいんだけど君のお姉さんは、会うと不機嫌でねぇ…まともに取り合って貰え
なくて困るよ」
「当たり前だろ!俺を殺そうとして…代わりに瑠ー区を殺した。お前は人殺しだ!」
激しい苛立ちがアクセルを踏む足に伝わった。
「おいおい、何か勘違いしてないか?俺だって本当はこんな事したくない。だが、我々は
神ではないんだ。いくら助けを求められたとは言え、人の運命を変えるなんて事絶対にし
ちゃならない。自然の摂理に反するんだよ。早く鶴にも気付いて貰いたいんだけどねぇ…」
「…信じてたのに…」
徐々にスピードを増す車に周りの景色が流れる。
「俺は何も悪い事をしちゃいない。これは任務だ」
「気の合うダチだって…信じてたのに…」
「何度でも言う。これは任…」
「信じてたんだよ!!」
──キィィィィッ!!──
突然のブレーキに車は横滑りに弧を描き、奇跡的に事故を起こす事なく交差点の
真ん中で停止した。
朝のラッシュ時、大事故に繋がりかねないその運転に周りの人々の視線が集まる。
「針損、お前何をやってるんだ!」
放心状態でハンドルに突っ伏したままの針損を見て、邪ッ区は車を降りた。
「代われ。俺が運転する」
そう言うと、無理矢理針損を助手席に移し、邪ッ区は車を運転し始めた。
「何を考えているんだ、一つ間違えれば死ぬ所だったんだぞ」
「は…はは…死なないね…アンタは知ってたんだろ?今日が“例の日”だから…
俺の車に乗ってこんな無謀な運転をされても死なないって…」
「バカか!だからってあんな無謀な運転…他の人を巻き込んだらどうするつもり
だった!?お前が死ななくてもお前の所為で大勢の人達の命が失われたら…お前
にその資格があるのか!?人の人生を奪う覚悟はあるのか!?」 <> 鶴降臨具 4<>sage<>2005/08/10(水) 18:16:50 ID:b5S68pVz<> 「あ………」
邪ッ区の言葉に身体の芯から震えが起こる。そのまま針損は黙り込んでしまった。
静寂に包まれた車内。程なくして裁判所へと到着し、隅の駐車スペースでエンジン
を切った。
「親父さんとの約束の時間は?」
「…あ、あと30分くらい…」
「早く着いたな…これも俺が先回りして書類をお前の家まで持ってきてやったお陰だ。
感謝しろよ」
「…ああ…」
「どうした?ヤケに大人しいじゃないか?」
「…今日は誰の“やり直しの日”なんだ…?」
「誰のやり直しの日でもない。今日と言う日は二度と繰り返されない」
「でも、書類の事とか…何で知ってるんだ?」
「企業秘密だ」
「はぐらかすなよ」
「はぐらかしてなんてないさ」
「…クソッ…もうどうでも良いよ…」
そう言うと針損は助手席のリクライニングを倒し、大きく仰け反りながら伸びをした。
窓から見える樹木の葉から透けて見える青空に吸い込まれそうな錯覚に陥り一瞬、
目の前が揺らぎ、針損は反射的に目を閉じた。
「…何で俺に会いに来た?」
「気紛れかな」
「…ッ…」
思いもよらない場所からの声に針損は目を開いた。
運転席にいる筈の邪ッ区が、針損に覆い被さる様にして目の前に居たのだ。
「邪ッ…」
「会いたくなかったか?…俺と…」
今までが嘘だったかのような優しい声の響きに針損は邪ッ区と目を合わせる事が出来ず、
顔を逸らせた。 <> 鶴降臨具 5<>sage<>2005/08/10(水) 18:17:27 ID:b5S68pVz<> 「ふざけるなよ…」
「ふざけてなんかいない。会いたくなかったのか?」
囁く様な声で耳元に問いかけられる。背筋がゾクッと震え、顔が紅くなるのが自分でも解った。
「会いたくなかったのか…?」
「んッ…」
先程よりももっと密着して問い掛けられる。邪ッ区の唇が耳朶に掠り、思わず声が漏れた。
「会い…たくなんか…あぁッ…」
耳朶から首筋に落とされた邪ッ区の唇に針損は堪らず身体を震わせる。
「聞こえなかった…何?」
「だから…ッ…アンタなんて…嫌い…はッ…」
既に外れている首周りのボタンに続いてシャツのボタンを一つ、二つ外すと、ジャケットごと剥いだ。
心臓が口から出そうな程胸が高鳴る…その音が邪ッ区の耳に届いていそうで針損は必死に
なって両腕で音を隠そうとした。
「嫌い?」
「嫌い…大…嫌い…あッ!」
両腕を?まれて頭の上に組まれる。そのまま剥いだジャケットの袖で器用にヘッドレスト
ごと縛られてしまった。
革のジャケットはしつこく腕に絡み付き、外そうとすればするほど腕を締め上る。
「邪ッ区!放せよ!」
「外したかったらご自由に…」
「ちょッ…あッ…んンッ…」
強引に唇を奪われ、針損は進入してくる舌に抵抗する。
が、それも無駄な足掻きでしかなかった。絡まる舌の動きにどうする事も出来ず、
気付けば邪ッ区の舌を求めようと自分から絡めていたのだ。
「ん…ふッ…んんッ…」
どちらのモノとも解らない唾液が顎を伝う…偶にぶつかる互いの歯が、快感と言う
刺激に変貌する。
「…俺の事…嫌いじゃなかったのか?」
「…嫌いだよ…殺したい程に…」
言葉とは裏腹に針損の目は潤んでいた。信じていた大切な人…心のどこかでこうなる
事を望んでいた自分…理性と言う留め金がギシギシと音を立てる。 <> 鶴降臨具 6<>sage<>2005/08/10(水) 18:18:18 ID:b5S68pVz<> 「死にたいね…お前の手で死ねるなら…本望だよ」
そう言うと、邪ッ区は針損の腕を開放した。
「殺してやるよ…俺の手で…絶対に」
開放された腕で、そのまま邪ッ区を引き寄せた。
貪る様な激しい口付け、箍が外れた様に今までの想いが止め処もなく溢れ出す。
その時だった。徐に邪ッ区が右手を上げ、針損に微笑み掛けた。
「人の運命は変えてはいけない…それだけは覚えておけ」
──パーン!──
耳を劈く衝撃音。
紅い雫が針損の頬に飛んだ。
「…邪ッ区…?」
「ッ…流石に痛いな…」
目の前で起こっている事が理解できなかった。
遠くから聞こえる『銃が暴発した』と言う人々の声が、事態を明るみにさせる。
「何で…何やってるんだよアンタ!!」
事態を把握した針損は、邪ッ区の右手を掴む。
「大した事…」
「あるよ!!大した事あるっての!!穴…掌に穴が…何で、何で!?」
慌てふためく針損を他所に、邪ッ区は取り出したハンカチで右手を縛った。
「ホラ、もう時間だ…親父さん待ってるぞ。行け」
「運命は変えちゃいけないって言っただろう。自然の摂理とか…難しい事解んねーけど、
アンタのしてる事、それに反してるじゃねーかよ!意味解んねーよ!」
「んじゃな…」
針損の言葉を無視したまま邪ッ区は車から降りた。
「ちょっと待てよ!!話はまだ終わっていないだろ!!なぁ、死神みたいな事
辞めて、俺達と一緒に…」
「…勘違いするな。俺達は敵同士じゃなかったのか?それにこれは任務だ…」
「何だよ邪ッ区!ふざけんなよ!お前こそ勘違いするな!俺はアンタが大嫌いだ!!
ああ、そうだよ、俺と姉さんの敵だ!!」
「結構…次からは容赦しないからな…覚えておけ」
先程の温かさが消えた邪ッ区の後ろ姿に、針損は助手席のドアを拳で叩き付ける…
と、その拳の先に先程邪ッ区の掌を貫いた鉛が埋まっているのを発見した。 <> 鶴降臨具 7<>sage<>2005/08/10(水) 18:19:06 ID:b5S68pVz<> もし、邪ッ区が書類を持ってこなかったら、自分の代わりに他の車が停まっていたら…。
「…やっぱり“例の日”じゃねーかよ…他に避ける方法あったんじゃねーのか…?」
摂理とか、そういう事は良く解らない…。けど、邪ッ区にはそれを守る責任と覚悟が
ある。今日はそれを教えられた様な気がした。
本当に守るべきもの…それが何なのか解らないけど、いつか互いが解り合える日が
来るのかもしれない。
「…俺だって信念は曲げない…絶対に…」
頬や身体に飛んだ邪ッ区の血を拭うと、針損は書類を父親に届ける為、車を降りた。

一時間後、死体安置所で待っていた鶴はやって来た邪ッ区に掴みかかった。
「貴方が針損は任せとけって言うから信じてたのにどうして連絡してくれないのよ!!
針損とも連絡取れないし心配してたのよ!!…やだ、何!?どうしたのよその血!?
針損は大丈夫なの!?」
鶴の過保護さに呆れながら、邪ッ区は?まれた胸倉を解いた。
「何でもない。こっちは大丈夫だ…そっちはどうなんだ?」
「ええ、バスジャックは免れたわ。これであの人達の命を救えた…」
ふっと勝利の微笑みを邪ッ区に投げ掛けると、邪ッ区は溜息交じりで吐き捨てる。
「金輪際、こういう頼み事はゴメンだ」
「…私だって貴方の顔、見たくないわ…」
そんな邪ッ区に鶴はムッとしながらも応えた。
「前もそう言ってなかったか?」
「そうかしら?」
「どうでも良いさ…じゃぁな」
そう言うと、邪ッ区は出口へと足を向ける。
「じゃぁね、邪ッ区…次も貴方に勝ち続けるから覚悟しておきなさい!」
「楽しみにしてるよ…ごきげんよう…」
その後ろ姿に、いつもの闇がゆっくりと顔を出し始めた。
闇…それは光を眩く照らす為の表裏一体の存在…。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/10(水) 18:20:15 ID:b5S68pVz<>
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ サンバデーヘルゥミー サンバデーヘルゥミー
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/10(水) 18:21:03 ID:/+xtNOFb<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  触発された「対決(要和訳)ナイフ×眼鏡だモナ‥‥。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  微グロなんで嫌いならスルーよろ。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

<> ナイフ×眼鏡 1<>sage<>2005/08/10(水) 18:21:44 ID:/+xtNOFb<>  鼻歌が聞こえる。
 まだ眠いのに、畜生何時だよ。うっわまだ3時間しか寝てねえよ。シーツをひっぱって潜り込んだ。
「ゥルララララァ〜!」
 階段を上って近づいてくる足音。それだけでももやかましいのに何だそれ、もう鼻歌じゃないよ。オペラか何かだよ。
 乱暴にドアが開いた。開けたってよか蹴破ったな。
「おはよう!爽やかな朝だぜぃ」
 昨夜一緒に眠ったはずの彼はきちんとスーツを着込んで、上機嫌の顔に返り血なんか浴びている。どっかで暴れてきたな。どうしてこう体力無尽蔵なんだろう。
 血圧が戻りきらない眼で睨みつけてやると、彼はオーバーに上体をそらした。ひらひらと手が泳ぐ。
「御機嫌ナナメだァ〜ラララ」
「歌うな」
「まあまあまあ」
 ベッドにかがみこんできたその眼がきらきらしている。楽しいことがあったらしい。
 音をたてて口づけられた。
「お土産があんだよ」
「え?」
 眼鏡を探そうとした手を握られた。上を向けられた掌に何だか細くて湿った感触。
「ヤクソク、だ。約束」
 手の上で転がったそれは、汁をたらしているみたいだ。眼を近づけてよくよく見てみる。
「……おい」
「キレイだろ」
「指つきで指輪持ってきてどうしろってんだよ」
 まだ血のしたたる誰かの指。放り出してシーツで手を拭った。彼は眼を見開いて、それから顔を寄せてくる。
「デザインがまずかった?シルバーは嫌いか?」
「そうじゃなくて」
「なら何?」
 言いつのる顔を押しのけて眼鏡を取る。彼の困り顔がクリアになった。 <> ナイフ×眼鏡 2<>sage<>2005/08/10(水) 18:22:42 ID:/+xtNOFb<>  昨夜はじめて彼をベッドに入れた。
 正真正銘のサディストなのは判っていたけど、どうにもやりきれない気持ちをまぎらわす足しにはなるかと思った。時々そういう気分になるのは外道の暮らしをしているから。
 冗談めかして求愛してくる彼が引けばそれまでだし、本気だったらそれはそれでどうでもいい。
 他人の心なんて、自分のと同じくらい興味がなかった。
 なのに。
 痛くするどころか彼の愛撫は優しくて、何度も口づけながら微笑むその顔があんまり幸せそうで、どうしてかと聞いたら何度も抱きしめられた。
 愛してるからに決まってる、彼はそう言った。
 キレイな指で全身を撫でられて、自分でも知らないところが熱くなって、耳には言葉が、眼には微笑みがふりそそいだ。冗談だとばかり思ってた彼の言動、甘く見ていたのはこっちだったらしい。
「一生大事にする」
「明日死ぬかもしれない馬鹿だろ、俺もあんたも」
「死にやしない」
 熱にうかされながら言葉を交わした。
 体のすみずみまで見られながら、裏側や奥まで彼がしみとおっていく。
 信じられない、と思った。他人の命をもてあそぶ外道が口にしていいことじゃない。
 こんなこと、俺に起こっていいことじゃない。虫けらみたいに俺は人を殺す。彼だってそうだ。
 いつかは同じように殺される。
「いつまでも俺たち、二人で生きてくさ」
「……嘘だ」
「嘘じゃない」
 薄い唇が指先をたどった。
「絶対、だ」
 何度めかに愛してる、と言われた時に頂点がやってきて、後は覚えていない。 <> ナイフ×眼鏡 3<>sage<>2005/08/10(水) 18:24:01 ID:/+xtNOFb<>  彼は指を取り上げて、薄暗い部屋で鈍くひかる指輪をはずした。指の方は無造作に放り投げてしまう。
「ほら、これでどうだぃ」
「どうしてそこで指輪な訳」
「約束っつったら指輪だろ?」
「どうしてそう…」
 一回寝たくらいで、という言葉を呑み込んだ。
 口に出そうとしたら、胸がつっかえたのだ。
「奴隷だったら首輪か焼き印なんだけどよ、おまえは奴隷じゃないし、傷つけたくないもん」
「何で」
「何でって、おまえはその、トクベツだからだよ」
 彼の眼が真ん丸に見開かれ、人さし指がつきつけられる。
 一生、と彼は言った。
 一生ともにいたいと。
「まじかよ」
「おー。まじだよ」
 華やかに笑って抱きしめる腕に迷いはない。いつだってそうだ。
「これで一生、おまえといるってこった」
 常識もモラルも何もない人殺し。頭は切れることも、キレることもある。ナイフをいくつも隠し持ち、誰かれ構わず振り回す。
 そんな男が俺を愛すると言う。一生。
 一生。
 くらくらしてきた。頬が熱くなる。まともな判断ができやしない。
「どこにはめるんだっけ」
「薬指じゃないか?フツー」
 答えてからしまった、と思う。彼はにたりと笑って指輪をかざした。強引に手をとられ、はめられてしまう。
<> ナイフ×眼鏡 4<>sage<>2005/08/10(水) 18:24:49 ID:/+xtNOFb<> 「……すかすかだな」
 彼のことだから、指輪にサイズがあることなど知らなかったとしても驚かない。洒落者で着飾るのは好きだけど、いまいち抜けている。殺しで興奮していたならなおさらだ。
 額に手を打ちつけて、しばらく口の中で奇声を押し殺していた彼はひとりで頷いた。
 順番に俺の指を試していき、おさまったのは左手の人さし指。
「これでよし、と」
 ためつすがめつしてから、彼はびっくりするほど真剣な眼をして指輪に口づけた。
「今度は俺の手にあうやつ持ってこないとな」
 指の慣れない重みが俺の口を滑らせたに違いない。
「それは俺が選ぶよ」 <> ナイフ×眼鏡 <>sage<>2005/08/10(水) 18:25:36 ID:/+xtNOFb<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ デキゴコロデヤッタ イマハハンセイシテイル
 | |                | |     ピッ   (・∀・;)
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/10(水) 18:25:47 ID:b5S68pVz<> やってもぉーた
>>100>>102
「?」の所は「掴」が入ります。変換旧漢字にしてたのかな?スマソ…orz <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/10(水) 18:30:33 ID:jZlJIvCi<> >>104-109
初めてリアルタイムですた!
映画はまだ未見だけど、かなりこの二人に禿萌えております!GJ!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/10(水) 18:55:59 ID:5bmkmADu<> >>104-109
指輪ネタキター!!GJ!!
ナイフ可愛いし眼鏡可愛いし!!もう禿萌えっすー
ありがとうありがとうありがとう <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/10(水) 21:05:07 ID:FYDU4IXp<> >>95-102
GJ!!GJ!!
鶴降臨具の読み方最初リングしかわかんなくて、
本文読んですぐわかった。ツルーねw
次回作コソーリお待ちしてます <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/11(木) 01:51:46 ID:LNIY/hlG<> >>104-109

禿 萌 え た !

ねぇさんぐっじょぶ
ナイフはホントかわいい奴だー
モエモエで寝れなくなったから今からDVD観ようっと(*´д`) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/11(木) 02:05:55 ID:Nmob/Y2G<> 某フェス来日。・゚・(ノд`)・゚・。 なナマもの Vo×Dr
捏造甚だしく激しいバカポーへぼん、ちと不謹慎なのでここに投下ですんません

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ ) <> 1<>sage<>2005/08/11(木) 02:07:15 ID:Nmob/Y2G<>  ステージで怪我をした。
 思ったよりも重傷で、俺はギプスを嵌めることになってしまった。幸い骨は折れていなかったし入院は
免れたが、不自由この上ない。
 しかも、今後のスケジュールはキャンセルということになった。楽しみにしていた場所にも行けなくなっ
た。それが一番残念だ。

 別に、原因となったあいつを責めはしない。
 今回のセ.ク.゙ウェ.イにしても、偶発的な事故だ。対策は取っているとは言え、ライブではいつも危険極まり
ないことをしているのだから、いつ事故に遭ってもおかしくはない。
 特に俺の場合は。

 ただ、不便になった。脚はギプスで真っ直ぐに伸ばされているので、杖が必要だ。一ヶ月近くもこれが
続くのかと思うと、さすがに嫌になる。腕よりマシかもしれないが、不自由には変わりない。
 そして退屈だ。

「先に乗ってるよ」
 ツアーバスの前で、俺は病院から付き添ってきたマネージャーに声をかけた。
「わかった。気をつけてよ」
「ああ」
 俺は松葉杖を使い、下手くそにぎくしゃくしながら乗り込んだ。
 杖を床に置き、ギプスの脚が鬱陶しいので半分寝転がってぼうっと外を眺めていると、彼が来るのが見
えた。俺は手を振った。彼は軽く手を挙げて応えた。

 彼はいそいそと乗り込んで来ると、俺の隣に腰を下ろした。 
「膝、どうだ?」
「今は痛くない。薬でな。それと、骨折はしてなかった」
「まあ、まだよかったな」
<> 2<>sage<>2005/08/11(木) 02:08:02 ID:Nmob/Y2G<> 「そう言えばあいつは、落ち込んでたよ」
「ほっといてやれ。その内立ち直るだろ」
 あいつに責任はないのだ。しかし、多少の罪悪感はどうしようもない。
「でも、俺も驚いた。何が起こったのかわからなかったよ。上からだと、状況がよく見えない」
 彼は顔をしかめた。
「俺だって一瞬わからなかった」
 ステージの端でセ.ク.゙ウェ.イに乗ったあいつと衝突し、俺は勢いで転倒した。なんとかライブは続けたが、
終わったとたん膝に激痛が来た。
 どういう状況だったのかは後で判明した。あいつはぶつかった時、俺の膝を車輪で轢いていた。
 そしてさっき行ってきた病院では、ニ、三週間の安静が必要と診断された。

「あんたがケガしたってあの時わかってたら、心配でライブどころじゃなかったかもなあ」
「いや、命に関わるようなケガじゃないんだぞ。曲の途中でドラム放り出して、俺の所に来る気か?」
「それもいいな」
 彼はにやにやした。
「やめろ。そんな目立つことをするな」
 俺は少し焦った。こいつなら実際にやりかねない。見かけよりずっと熱情的なのだ。
「まあ、折れてなくてよかったな」
 彼はギプスをぽんぽんと叩いた。
「まったくだ」
 俺は松葉杖を目にして溜息をついた。 <> 3<>sage<>2005/08/11(木) 02:09:07 ID:Nmob/Y2G<> 「で、しばらく家にいるんだろ?」
 彼は体をすり寄せてきた。ライブの名残の、汗と煙の匂いがかすかに漂う。
「ああ。退屈するだろうな」
「じゃあ、俺が行ってやるよ」
「馬鹿。お前は代わりに忙しいだろうが」
 俺は彼を抱き寄せた。
「断るのか?」
 彼は詰め寄るふりをした。
「とんでもない」 
 俺は大げさに首を振った。
「じゃあいいんだな」
「もちろん喜んで」

 メンバーとして同じステージに立つのもいいが、二人だけで過ごすのもいい。
 ここの所の詰まったスケジュールを抜け、ゆっくりする時間が少しでも増えたのなら、まさに怪我の功
名だ。 <> 4<>sage<>2005/08/11(木) 02:09:37 ID:Nmob/Y2G<> 「で、ギプスはめてる間、セックスはどうするんだ?」
 腕に彼の体温を感じながら、俺の考えはそっちの方向に行っていた。
「うん、それな」
 彼は少し考えるような素振りをした。
「お前が上に乗ればいいんじゃないか?」
 俺は分かりきった答えを出した。
「ああ、そうか。それなら喜んでやってやるよ」
 彼はにやりとした。
「今すぐにでもか?」
 俺は彼の頬を撫でた。
「それはやめておく。ホテルに戻ってからだ」
「残念だな」
 俺はいじけて見せた。
「代わりにこれでも?」
 彼は笑いながら唇を重ねてきた。

 彼に触れることは、ライブと同じように俺の血を熱くする。
「これなら我慢してもいい」
「それはよかった」

 俺たちは煙草に火をつけ、他のメンバーを待った。  <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/11(木) 02:10:16 ID:Nmob/Y2G<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ヘボンデシタ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/11(木) 02:14:46 ID:Nmob/Y2G<> あ、見直すと改行が変だorz
スマソ <> 風と木の名無しさん<><>2005/08/12(金) 12:52:18 ID:+I6BPOEM<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )某懐ゲーの黒野鳥画ーより。
                スレで同志を発見して嬉々として書きますた。
                間王×カエノレです。 <> 間王カエノレ1<>sage<>2005/08/12(金) 12:53:11 ID:+I6BPOEM<> 最終決戦の時が迫っている。
仲間を一人も欠くことなくラウ゛ォスの外殻を破壊した6人は、闇を抱きながらもヒトの胎内のように息づくその内側へ足を踏み入れた。
時折視界が不明瞭になるのは、ぴりぴりと張り詰める緊張からか、それとも。
「…まさか、最後までお前と一緒とはな」
しんがりを務めていたカエノレは、その斜め後ろを音も無く進む影に小さく声をかけた。
声音は軽くもないが、沈むような重さも湛えずただ淡々と紡がれる。
後ろを進む影が音を立てないのは、それもそのはず足が宙に浮いているためだった。
滑るように宙を進むその姿は重力の存在を感じさせず、生来の気品のようなものを漂わせていたが、カエルに『楽そうだな』と言われてからは仲間達にたまに笑われるようになってしまっていた。
「…その言葉、そっくりお前に返そう」
紫の髪が闇に靡いた。
低い声と共に、間王は背の低い異形の隣へ並んだ。
そういえば、こうして肩を並べて歩いたのは初めてかもしれない。
剣技と気配の察知に優れた隣の人物はしんがりを務めることが多かったし、間王は仲間の列を離れてついていくことが多かったから、いつも近くにいたことは確かなのだが。
見下ろせば、ヒトのものではない大きな瞳が、ぎょろりと辺りを見回している。
「…何故、私を殺さなかった?」
最終決戦が近いことが、禁句を口に乗せる免罪符となった。ここで死ねば勿論のこと、ラウ゛ォスを倒したとしてもきっと二度と顔を合わせることはないだろう。
どちらにしろ、待っているのは別離しかないのだ。
見事なほどカエノレの造詣をした顔が、器用に自嘲の色を浮かべた。
「さあな。正直、自分でもわからねえ。……」
言葉の後に降りてきた微妙な間に、闇が深く分け入ってくる。不安はないはずだったが、それでも別れを前に語り残したものをお互いに探り合っていた。
「…お前を殺しても、際ラスは戻って来ない。それに…」
カエノレはその大きな目を、自らの腰に下がった剣に一瞬流した。堂々と揺れるその姿は、勇者の剣と呼ばれるにふさわしい威厳をもって、彼に寄り添っている。 <> 間王カエノレ2<>sage<>2005/08/12(金) 12:53:53 ID:+I6BPOEM<>
「…邪鬼」

その名を口に出したのは初めてだった。出会ってこの方、無表情という表情と自嘲的な笑み以外を見たことのない間王の顔に、動揺が走る。
珍しいもんだ、とカエノレは内心ほくそ笑んだが、語るべき言葉を持った口はごく真剣にそれを紡ぎ続ける。
「…同情なんかやらねえよ。例えどんなことがあろうと、一人で戦うことは、一人で逃げることと同じだ。自己犠牲は美徳でも勇気でもなんでもない」
確かに、自分は一人でラウ゛ォスと戦うつもりだった。
しかし、その後は?
本当に勝つつもりだったのかと問われれば、自分でも甚だ疑問だった。ラウ゛ォスを呼び、そして一人で対峙し、自分の全てを壊した相手に復讐して…
そう、自分は死んでもいいと思っていた。自分にはもう守るべきものも捨てるべきものもなく、ただ情けなくぶら下がった、自らの命というものを持て余していただけだった。
間王の思いを読み取るかのように異形は続ける。
「自分で自分の命を捨てるような奴は嫌いだ。…もう二度と、俺の目の前で、誰にも…命を捨てるなんてことさせねえ」
彼の目に、腕に、身体に漲っていたのは、決意だった。
間王はふと思い出す。あの時、緑の髪の青年はただ護られているだけで、立ち向かってきたのは勇者と呼ばれる男一人だった。
そしてラウ゛ォスとの戦いでは、目の前を歩く逆立った髪の少年が彼らを庇って犠牲になった。
彼は仲間を、目の前で二度も失っている。
「仲間を守る力は、際ラスが貸してくれた。一人で戦わなくてもいいことは、黒野が教えてくれた。…もう誰も、失わない」
歩みを進めるにつれて高まっていく張り詰めた糸のような緊張感と、確かにラウ゛ォスがそこにいるという圧倒的な存在感。
これを全身で感じながらそんな言葉を発せられるのは、彼の決意が固いことを如実に表していた。
そうやって彼を育て勇者の名に恥じない傑物にした二人の人物に、自分はそんなことはできないと分かっていても、胸にわだかまる思いが僅か身を焦がし、内心苦笑する。 <> 間王カエノレ3<>sage<>2005/08/12(金) 13:01:01 ID:+I6BPOEM<> 「…もちろんお前も、だ」

低いところから、真っ直ぐな視線が合わされる。
仲間などと思っていないだろうと、分かりきっている言葉を揶揄に返すこともできないほど、真剣な眼差しだった。
期待ではない、ただ視界に入る者全てを死なせたくないという奴の決意であって、自分だからというわけではないと、言い聞かせる自分に溜息をつきたくなる。
間王は宙を進む速度を、ほんの僅か遅めた。前を進む少年達を見失わない程度に追いかけながら、自然と歩調を合わせた隣の影に目を遣る。
視線は他人が見てもその変化に気づかないほど微かに、和らいでいた。
「…お前をカエノレの姿にして良かった」
「どうしても一騎打ちしたいのか?お前は」
ひっそりと呟いた声はしっかりと相手に届いていたらしく、怒りマークを頭上に飛ばしながらカエノレが睨み上げてくる。大きな目で見上げられれば、嫌でもそう見えてしまうのかもしれないが。
間王は口端を僅かに上げて、お得意の嘲るような笑みを見せた。
ただこれは、彼がこれ以外の『笑い』の表情を知らないだけなのだが。

手を差し伸べないのに、死ぬなという。
大事な者を殺した私に、背中を預けて戦うという。
一人で立ちすくむ必要はないと、教えてくれる。

あの時、震え怯えていた軟弱な青年は、みちがえるほど強くなって…自分には眩しいほどだった。惹かれる心を隠すのも馬鹿らしくなるほどに。
カエノレの姿でなければ、この場で唇の一つも奪い、自分の城へ連れ帰っているかもしれない。決戦など、関係なく。
だからこそ発した『良かった』の科白だったが、その真意は彼には伝えないでおく。
その代わりというように、まだ怒りのおさまらない彼のつるりとした頬を両手で包み、鼻の頭辺りに優しく、
口付けを落とした。 <> 間王カエノレ4<>sage<>2005/08/12(金) 13:03:11 ID:+I6BPOEM<> 一瞬何が起こったか分からないというように疑問符を浮かべたカエノレが、今起こったことを認識するなり大きな口をぱくぱくさせ始める。
確かに唇独特の柔らかい感覚が鼻の頭に残っている。ぬくもりも感じた。しかし余りにも今までの話から脈絡がなく、そして自分達の関係からも脈絡がなかった。
カエノレは柄にもなく混乱しているのか、自分の状態を落ち着かせるより先に周りを見渡した。幸い、黒野達は不明瞭な視界の中では僅かに姿が認識できる程度で、しかもこちらに背を向けている。
「な、な………」
それを確認してもまだ混乱は治らない。いい加減に万能薬でもやろうかと間王が荷物を探ろうとした時、やっとカエノレが意味のある言葉を発した。
「………そんなことしても、戻らねえぞ!」
支離滅裂というか、何を言っているのか分からない。訝しげに目を細めた間王は、ふと思い当たったことを問うてみた。
「ああ…確か、宮殿の私の部屋にそのような童話が置いてあったな。蛙の姿になってしまった王子が、姫の口付けで元の姿に戻る話だ…読んだのか?」
意外と子供のような趣味を持っているんだなと、意趣返しのように揶揄してみれば、言葉の意味はそれであっていたらしく返ってくるのは動揺が目に見えるような慌てふためいた声。
「ひ、暇だったからだ!」
中身は落ち着いた大人の男だというのに、外見はカエノレそのものなので、リアクションがいちいち大きく見えて面白い。
すっかり茹でガエルになってしまった彼は、今まで紡いだ真摯な科白も、流れる真剣な雰囲気も、全て自分でぶち壊してしまった。
笑みこそ浮かべないものの、間王は彼にしては至極楽しげに、慌てる小さな影を見つめている。
柔らかいと錯覚してしまいそうな時間は、共に戦うようになってから初めて味わう感覚だった。
「それなら…あの女にでも口付けしてもらってはどうだ?確かリ一ネとかいう姫の子孫なのだろう」 <> 間王カエノレ5<>sage<>2005/08/12(金) 13:04:25 ID:+I6BPOEM<> くい、と顎で示す先には、少し前を行く金髪の少女。ポニーテールが彼女の元気さを表すように背中で揺れ、姫という高貴な立場よりは年頃の少女、といった雰囲気を強く醸し出している。
視線を追ってマ一ルを見遣り憮然とした表情を浮かべた彼は、合わせていた視線を斜め下方へ外して心なしか小さな声で呟いた。
「…今更戻りたいなんて思っちゃいねえよ。大体あれはおとぎ話だろ。……」
カエノレは器用に鼻を鳴らし暫し逡巡するように沈黙を守った後、手袋に包まれた指を先程ぬくもりを感じたあたりに押し当てる。

「どうせ戻れないなら、…これでいい」

口にしてしまえば一言、言いたいことを吐き出してしまった彼はカエノレの姿で笑みを浮かべた。楽しげな声の代わりに耳に届いたのは、ゲロゲロ、というカエノレ独特の喉音だったが。
「…」
間王は言葉を発することが出来なかった。眩しい言葉に心惹かれ、その悔しさから意趣返しとして放ったからかいは更に大きな爆弾となって心に投下されてしまった。
凍り付いていたはずのそこが、その爆弾によって乱暴にあばかれる。よりにもよって宿敵との、自分の命を捨てることを覚悟した最後の戦いを目前にして。
無意識に進めていた足はついにそこへたどり着いてしまったらしく、一足先に気持ちを切り替えたカエノレが静かに剣の柄へと手を伸ばした。
<> 間王カエノレ6<>sage<>2005/08/12(金) 13:05:55 ID:+I6BPOEM<> 「さあ、行くぞ。これが本当に最後だ」
皮肉だと嘲笑うことは、剣を構えた相手が許してはくれないだろう。
そして命を捨てることも。
「……ああ」
各々の武器を構えた『仲間達』が目に入る。全ての因果を断ち切る時が来たのだ。


間王は、自らの胸に生まれた温かな感情に、見て見ぬふりをした。戦いの中では、まだ知らなくても良いと思った。
ただ、彼が心に誓ったのは、

この戦いが終わったら、彼を攫っていこうと。
そして自分を犠牲にせずに彼を元の姿に戻す方法を探そうという、そのことだけだった。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/12(金) 13:08:55 ID:+I6BPOEM<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )あ、あげちゃった…マジですみません
ちょっとテンパりすぎでした自分
あと本文詰め込みすぎで見にくいのもスマソ

需要なさそう…トボトボ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/12(金) 15:22:05 ID:3Ji34n2z<> >129
そんな事ないよ姐さん。
昔を思い出しつつ萌え。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/12(金) 15:56:20 ID:7U9kPA7j<> >>122-129
GJ!GJ!GJ!乙乙乙〜〜〜!
ワクテカで待っておりました、ありがとう
宮殿の童話って下りがスゴクイイ!
魔法の本やら火やら風が飛び出す本があるような宮殿のことだ
童話の本だってきっと…(;´Д`)アアン <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/12(金) 16:38:02 ID:jldKoaPv<> >>122-129
(・∀・)ナツカシス!
姐さんGJ!
マおー萌えだった頃を思い出した。アリガト!(´▽`)
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/12(金) 23:35:25 ID:gPzWiVcP<> >>122-129
UWaaaaaaaN!GGGGJ!VGJ!!
泣くかと思った悔しいでも最高だよ!
ここ覗き始めて1年ちょっとの深山者だが
初めて耐え切れずに発言してしまったよor2
頭の中でBGM流れっぱなしだよ
そうか…間王蛙か…開眼だわ
ともあれ乙でした <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/13(土) 22:02:24 ID:nvZt8Ip4<> >122-129
あまりのGJぶりに、私の中で新たな萌えが目覚めてしまった
どうしてくれるんだ!禿げモエス!!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/13(土) 23:30:35 ID:oa/ch+Qz<> >>116-119
GJGJ!!
ってか残念で仕方ないよ今回の件は…
夏祭り、彼ら目当てにチケット買ってたのに…。
でもひっそり怪我の回復を祈りながら萌えますた。 <> 風と木の名無しさん<>rsage<>2005/08/14(日) 16:50:24 ID:iZ7szPfq<> l> PLAY ピッ ◇⊂(・∀・)ナマモノ?チュウイ!

とある漫画家二人を誤った視点から眺めました。
軽く生物ですが人名・作品名全て伏せてあります。 <> 彼と俺1/6<>rsage<>2005/08/14(日) 16:52:14 ID:iZ7szPfq<> 閉店したパチンコ屋、小さな俺の実家。
掃除と落とし物を探すのが、その当時の俺の唯一仕事だった。
今日も変わらない掃除の日々。真面目にやっても適当に終えても評価されない楽な人生。
雑巾と箒とモップとパチンコ玉と空き缶、シケモク、哺乳瓶にまみれて
明日も分からないまま働く毎日は退屈で寂しい。
特技なし。彼女なし。財産なし。
つまり価値なし。
趣味の漫画も完成させた事が無い。
俺の中の勇者は、お姫様を助ける前に小間使として働く酒場の一生を選んだ。
生きる時間の無駄遣い。
…何の答えも見つからない、自分で作り上げた魔王に意味も無く飲み込まれそうになった時、

隅に腰掛けて眠る男を見つけた。

うなだれた様に背中を丸め、右手をキツく握り締めている。
「…お客さん」
近付くと意外と若い男だと分かった。
俺の呼び掛けも空しく小さな寝息を立てている。
身体を揺り動かして見ても彼の安眠は覚めない。
狙ったパチンコ台を待っていたまま眠ったのだろう、もう客は彼一人で
パチンコ台が並ぶ広いこの部屋に俺と彼しかいない。
<> 彼と俺2/6<>sage<>2005/08/14(日) 16:53:39 ID:iZ7szPfq<> パチンコ玉が出て来るかと彼のキツく握った右手を掴みあげると、
自分の想像よりつまらない物が握り締められていた。
右手と左手で抱く様にして、彼はノートを持っていた。
ノートの表紙には汚い字で小さく『ネタ帳〜渚偏〜』と書かれている。
「渚…編、」
静かに眠る彼の指からノートを取るとじぃっとそれを眺める。
人のノートを勝手に覗く行為、なぜ自分があの時そうしたのかはうまく言葉に表せない。
好奇心と…自分も過去に書き貯めた勇者の『ネタ帳』を思い出し
俺は、彼の秘密を垣間見る様にネタ帳と書かれたノートを開いた。

「…渚ちゃん…4コマ?」
自分の予想が、半分当たり半分外れた、そういう気持ちだった。
彼のノートには所狭しと2頭身のキャラが描かれていた。
とある女子中学生を主人公にした4コマギャグ。それも不条理脱力系。
俺が昔描いた漫画とは違い、キャラどうしが悩んだり笑いながら不思議な会話を広げて行く。
勇者もお姫様もク/ッ/パも出てこない。
出てくるのは普通の女の子。愉快な学園生活と友達。思わず笑みが零れる。

「…あ、あのっ」
突然の声に俺はノートから頭を上げた。
<> 彼と俺3/6<>sage<>2005/08/14(日) 16:54:56 ID:iZ7szPfq<> 熱中して読み耽っていたので声の主も目の前の俺の顔に驚いたらしい。
「ノート…それ、俺の」
「あ、あ すみません」
声の主は、先ほどまで安らかに眠っていたノートの持ち主だった。
狼狽してノートを返すと、彼も慌ててそれを受け取る。
気まずい空気が初対面の俺たち二人に纏わりついた。
「…お客さん、閉店ですよ」
床に放った箒を持ちノートを抱き締める彼に起きるよう促す。
立ち上がる彼は小さく見えた。もしかしたらまだ学生かもしれない。
「俺寝ちゃって…あれ?…じゃなくててわ…あの、すんませんでした」
頭を掻きながらポケットに詰めたパチンコ玉を俺に渡す。
彼が帰れば、また元の一日だ。掃除と寝るだけの残り時間。
「…面白いですか?」
「はい?!」
パチンコ玉を受け取ろうと出した手を彼が掴む。
「俺っ…ネタ探しててっしょっちゅうここ来てて…俺、あなた知ってます、市川さん」
「…なんで俺の名前」
そこまで言いかけて、自分の胸元に張り付く名札カードの存在を思い出す。
「漫画…好きなんですよね?」
「あ?」
「よく掃除しながら読んでたから…」
<> 彼と俺4/6<>sage<>2005/08/14(日) 16:56:24 ID:iZ7szPfq<> 掃除するふりしてモップを挟みながら週刊雑誌キングダムを読む。
見られてたか、と思い苦笑いしか浮かばない。
「俺もキングダム好きで、俺も読んでてっデビューとかしたいなって…」
「…お客さん、なんでそれを俺に言うんですか?」
「…あれ…なんでかな…いやともかくこれっ」
それまでキツく握り締めていたノートを目の前に突き出す。
さっきまで盗み読んだ彼の漫画『渚ちゃん』のネタ帳を。
「第三者から見て…どうでしたか…?」
幼い顔立ちを残した瞳が大きく開く。
期待と不安が混じった声が耳に響く。
昔、俺にもこんな時期があった。
漫画を描くのが好きで堪らなくて毎日を二次元の勇者と冒険で繰り広げた、成功だけ信じた昔。

「…感想でいいんですかね?」
「あっぇあの、はい!」
ノートを受け取る。
さっき読んだ渚ちゃんと友達の掛け合い、その一こま…
「この二人が面白かった」
「えーと…区頼くんと強居くんですか?」
「主人公の渚が薄いキャラに見えるから…もっと真夏と絡めれば…」
やばい。楽しい。
俺いますごく楽しい。

<> 彼と俺5/6<>sage<>2005/08/14(日) 16:57:50 ID:iZ7szPfq<>
そうだ俺
ずっと待ってた
俺を引っ張ってくれる誰か
俺の役立たずな中身もひっくるめて
漫画なりなんなり引っ張ってくれる誰か
もう会わないだろうけど
君がそうなのかな
なんてな


「…ありがとうございますー友達にはなかなか言えなくて、漫画描いてるとか…」
「名前なんて言うんだ?」
「はい?」
「…俺は、市川」
「あ、俺っ智治です」
「頑張れよ、毎週キングダム買ってデビューするかチェックするから」
「俺…また来ますね」
「パチンコは18才未満お断りだよ」
かまかけるつもりで言うと図星だったらしく彼、智治は黙り込んでしまった。
「…俺、ハタチです」
「バカ、嘘つきめ…ほら、遅いから帰んな」
「じゃあ今度は…っ」
しつこく智治は縋るように声を掛ける。
「漫画描き終えたら来ます、だから…また読んでくれませんか?」

「…描き終えたらまた来いよ」
智治は頷くと小さくはい、と答えた。
まだ若い彼に夢が溢れてる。
それを俺は触れたんだ。懐かしい気持ちで人に接した数分間、
彼は俺だった。俺は智治にまた会いたいと思った。
<> 彼と俺5/6<>sage<>2005/08/14(日) 16:58:39 ID:iZ7szPfq<>
その後、智治は見事キングダムでデビューを果たす。
ひょんな事から俺もアシスタントとして彼の作品、渚ちゃんを手伝っている。
ネタ帳に描いた勇者は描かずじまいだが、今も俺の中に生きている。
締切りと智治に終われる毎日。
<> 彼と俺5/6<>sage<>2005/08/14(日) 17:01:06 ID:iZ7szPfq<> □ PLAY ピッ ◇⊂(・∀・)ムズカシカッタ…

すみませんでした。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/14(日) 18:31:48 ID:miDydME+<> >>129
我が永遠なる神ゲー!そして大好きカプ!
シチュとは違うけど中世編のもの哀しく美しいBGMがずっと耳を離れないです。
姐さんありがとうほんとありがとう.゜.(ノД`).゜.。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/14(日) 22:53:00 ID:Eca3gcG6<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )絢/爛ぶとー祭(ゲーム版)の主×艦橋で良く倒れる人。
              勢いで書いたらこんなの出来ちゃった。な作品です。 <> こういうのは舞い過ぎだ。その1<>sage<>2005/08/14(日) 22:53:46 ID:Eca3gcG6<>  混沌としていた火星の覇権争奪戦に一片の異分子が放り込まれてから、もうかなりの
時間が過ぎた。
 とは言え、実際はまだ一年と過ぎてはいないのだが、ある意味「たったそれだけ」の時
間内で火星勢力図は大きく書き換えられてしまっている。
 一片の異分子=機械の器を操り、別世界から介入している人物―今回は仮にKとする―
は、すっかり馴染んだ艦の中での日常を楽しんでいた。
 これは、そんな他愛の無い一日の事。

 「飛行/長、ちょっと良い?」
 ソファに腰掛けて短い休憩を取っていたYは、不意に掛けられた声に顔を上げて目の前
に立った男を見た。
 この世界ではポピュラーな青い軍服に身を包み、さしたる特徴は無いが不思議と印象に
残る顔に何やら意味有りげな笑みを浮かべた男、Kは軽く右手を振って見せながら再び口
を開く。
 「毎日毎日頑張って働いているけなげな隊員の為に、プレゼントが欲しいんだけど」
 「……いきなり何だ?」
 「いや、何となく」
 それなら、この男が来てからと言うもの、色々な意味で激務が続く己にも褒美が欲しい
と思いつつYが問い返すと、Kは振っていた右手を自分の頭に置いて笑みを深めた。
 全くもって、意図が掴めない。
 Yは無駄ににこやかなKの顔を凝視すると、少しずり落ちた眼鏡を指で押し上げた。
 「撃墜数もかなり稼いでるしさ、ボーナスみたいな物を希望しまーす」
 「金か、物か。どちらだ」
 「金は艦長からかなり貰ってるし、物も両手で余る程持ってます」
 「……どうしろと?」
 「うーん…取りあえず、何が良いかについて食堂で話しない?」
 自分とは対照的ににこりともしないYにそう切り出し、Kは子供の様に破顔した。
<> こういうのは舞い過ぎだ。その2<>sage<>2005/08/14(日) 22:54:25 ID:Eca3gcG6<>  「プレゼントって言っても、どうせあっちの世界には持って行けないだろうしなぁ」
 「…………」
 「何か記憶に残る様な、強烈なヤツ、無いかなぁ」
 「…………」
 「そう!思い出だな。良い思い出。一生忘れられない感じの」
 「……黙って食え」
 「済みません」
 結局、持ち場に戻る事を放棄し(放棄させられたとも言える)食堂へと連れて来られた
Yは、向かいの席で配給されている食事を次々と口に入れながら喋り続けるKに低い声で
告げ、自分はKが作ったと言う魚の香草蒸しにフォークを突き立てた。
 食事や排泄と言った「人間らしい行動」を積極的に取る必要の無い身体を得ながらも
暇を見ては食事をしに来ているらしいKは、己が食べる為だけではなく他人に食べさせる
為に食材を手に入れ、料理を作って振舞う事を良く行っているらしい。
 今、Yの前に置かれているプレート上のサラダもそれの一つである。
 それなりに体格も良く、どう見ても料理をしそうには無い男が厨房に立っている姿を想
像するのはどうにも難しいが、実際出来上がった料理は決して不味くは無い。いや、旨い
と言って良い物だった。
 「……で、何の話だった?」
 「だから、記憶に残る、良い思い出と言う名のプレゼントをだな」
 「表現が重複しているぞ」
 「そういう問題じゃないだろ」
 数十分後、食事を終えた二人は顔を突き合わせ、早々とボケとツッコミ的な会話が開始
される。
<> こういうのは舞い過ぎだ。その3<>sage<>2005/08/14(日) 22:55:25 ID:Eca3gcG6<>  「思い出はプライスレスとか言うじゃないか」
 「それはお前の世界の話だろう。どうしたんだ、今日は本当におかしいぞ?」
 「良いだろ。たまにはさ」
 だからな。とKは続け、おもむろに立ち上がるとテーブルに両手をつき、座ったままの
Yに顔を近付けた。
 「思い出作りに協力してくれ」
 「具体的に言うんだな。俺に何をさせたい」
 「……んー、そう言われるとなかなか」
 「……艦橋に戻るぞ」
 「って、待った待った!それは無しでしょ」
 二人が使っていたトレイが空と察知するや、ころころと転がりながらテーブル脇迄移動して来た一体のボールが、様子を伺う様に二本の前脚を伸ばして「見上げて」来る。
 Kはそれに気付いてウィンクすると、ゆっくりと立ち上がったYの顔を見た。
 「良し、決めた。Y、覚悟してくれ」
 「何を……っ!?」
 いきなり覚悟しろと言われても対応に困るのだが。
 そう言おうとしたYが羽織っているジャケットの胸元をKの右手が掴み、一気に自分の
方へと引き寄せる。
 つんのめりかけた身体を制御する為に咄嗟にテーブルに手を付こうとしたYは、それを
狙ったかの様に寄って来たKの顔に驚き、直後に更に驚く羽目になった。
 顔が近過ぎる。と言うよりも、鼻先が当たっている。
 いや、そういう次元では無いのか。
 これは、口付けと言う物だ。
 律儀に目を閉じているKにされるまま、顔を背けるでも自分から動くでも無くYの頭の
隅ではそんな冷静な思考が働き、造られた物であるはずの男の唇が案外温かい事に気付
くと何故か笑みが零れそうになった。
 外側はともかくとして内側には介入者であるKの意志が詰まっているのだから、それ位
の事が有ってもおかしくはない。
 Yはよくよく見れば整っている男の顔を眺めながら目を細めた。
 やがて一応遠慮はしたのか触れるだけの口付けは終わり、静かに顔を離して目を開いたKの顔には、何かを思案する様な、微妙な表情が浮かんでいた。 <> こういうのは舞い過ぎだ。その4<>sage<>2005/08/14(日) 22:56:30 ID:qMDYWgu9<>  「案外、柔らかい唇だったなぁ……」
 「そういう事を言う前に、何か別の事を言わなければならないと思うのだが……?」
 「えーと…ごちそうさま?と言うか、ご協力どうも?」
 「艦橋に戻る」
 戯れにしても、馬鹿馬鹿しい。
 戯れだからこそ、馬鹿馬鹿しい。のか。
 取りあえず、自分達以外に人が居なくて良かった。
 等々。
 Yは己の動揺を悟られぬ様に表情をコントロールする事に努めながら、未だ思案してい
るらしいKを置いて歩き出す。
 前から突拍子の無い事をする男だとは思っていたが、それに嫌悪感を覚えないのは人柄
有っての物なのか、もしくは己の問題なのか。
 そういう問答とはかなり昔に別れを告げたはずなのだが。
 「お前も、早く仕事に戻れ」
 「了解です。飛行/長殿」
 振り向かずに声を掛けると、今度は上機嫌になったらしく弾む様な返事が背中に投げ付
けられる。
 口付けの際の揺れでずり落ちた眼鏡を指で押し上げたYは、Kに悟られぬ様に微かな笑
みを浮かべた。

 後日、食堂で二人の様子を伺っていたボールが己の見た映像のデータを(何の意図が
有ってかは分からないが)仲間達へと転送し、最終的にKが乗るR/Bに組み込まれたボー
ルへと到達した際に一悶着起こるのだが、それはまた別の話………。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/14(日) 22:58:44 ID:qMDYWgu9<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )途中改行忘れてお見苦しい場面が有りました事を
お詫び致します。
……続き書く気満々だが、需要は有るのか!? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/15(月) 00:24:26 ID:m8zw0oCj<> >150
魅力的に映った事を述べる

GJ!GJ!需要有りです! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/15(月) 01:14:02 ID:4D1u15nU<> >137-143
GJ!何回も読み返したよ。
未成年の方は(ペンネーム)の人ですよね? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/15(月) 04:05:45 ID:gw86TTvD<> >>104-109
元ネタ知らないけど萌えキタコレ!
だいぶ遅レスだけど姐さんGJ!

大萌えに襲われて原作をググッたんだが、分からない_| ̄|○
すいませんが誰かヒントお願いします… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/15(月) 05:09:23 ID:IB9DEJx8<> 誰かダルマ殺し書けるシトいる?(どんな殺し方かは、字から察して)
無論801ネタで見つけたものだけど、そこ以外無かったような... <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/15(月) 09:35:46 ID:hUlfC90g<> >>153
前スレに書かれてた方は最初の方監督名出してたからそれでググるとすぐわかるかも
萌えるから是非観て欲しい <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/15(月) 14:50:05 ID:cAgjAml4<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  トクサシの主役カポーだモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  本編の方がよっぽど萌え萌えだけどな
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/15(月) 14:52:47 ID:cAgjAml4<> 「もう寝たのか?そう、だよなあ。ちょっと無理させちゃったかな。
オレもさ、ホントはお前が高校卒業するまで待とう、なんて思ってたんだよ。
ホントホント。霞とか、まわりにもなんていうか釘刺されるっていうの?けっこうチクチク
言われててさ。まだホントに“少年”なんですからねっとかなんとか…
ま、それもそうだよな。それも、そうなんだけどね…ごめんな。
最初はお前のほうがオレのこと追っかけてくれてるっていうか、そんなカンジだった
はずなのになあ。いつの間にかオレの方が支えてもらってるっていうか、ね。
なんか、お前がいないとまずいなあ…なんてな。ハハ、聞いてる?
聞いてないよな。寝てる…よな?
18になったんだなぁ。出会った頃は15、か。シトムがあの頃…あ、いや。
聞いて、ないよなアヌム。寝てる?寝てるよね。うん。
亜綺羅が機転利かしてオレの弟子じゃないって言ってくれたらしいけど…
おぉ、あいつ、やっぱ鬼だな。うん。
シトムとも、なんかこじれちゃって、オレ、なんていうか怖くなっちゃったんだよ。
弟子がどうとかっていうより、もう、若いやつはいいか、ってカンジかな。
お前のこともそう。オレが責任全部持って育てるなんて、なんか怖くてさ。
なんか、どっちかが好きになりすぎるとかさ、あれだよ。難しいよな。うん。
慙愧さんとこみたいに、いいカンジでいけたらいいけどなあ。
オレがもっと大人になんないと無理か。はぁ…。あ!でも、あれだな。気づいたら
お前のほうが、“比゛キさんのことはオレが責任持ってフォローします!”なんてさ、
あれって結局、その、告白っていうの?そういうことだよな。照れるな…ハハ。
やっぱ、いっか。細かいこと気にしなくても。いいよな。うん。
アシム?寝てるよな?そのー…えっと、オレね、オレ…うわっ!」
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/15(月) 14:53:46 ID:cAgjAml4<> 「比゛キさん。早く寝ないと」
「お前…起きてたの」
「明日立場名に顔出すの遅くなってまた霞さんに怒られますよ」
「…ハイ」
「そしたらまた“ひとり暮らし禁止!”って…」
「だってさだってさ。オレだってあれだよ、頭がいろいろ…アヌムがほら、その…
すごいって言うか…初めてのクセにお前」
「そりゃオレだって、この日のためにいろいろ、鍛えてきましたから」
「…」
「それとも…もう1回?」
「ちょ、ちょっと待て。鍛えてきたって、何。鍛えてきたって」
「ほら、黙って」
「鍛えてきたって、ナニー?!…あっ」
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/15(月) 14:54:59 ID:cAgjAml4<>
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ハピバスデーアヌムってことで
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/15(月) 15:03:29 ID:cAgjAml4<> アヌムがアシムになってるスマソ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/15(月) 15:34:27 ID:ervUVgol<> >>156
GJ! こんな風に言い訳じみた事をしゃべりまくりそう!
アスムンよかったな! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/15(月) 23:34:47 ID:e3ZjB0Sq<> なんか…これ以降はシビキさんが下になってそうな予感w <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/16(火) 00:22:41 ID:yhmI4wMf<> 日曜朝には02になって人助けをする刺激タソが
さっき去る知恵に出てた。
問題と格闘する唸り声とか、お茶目な声聞いてたら
>>157にアテレコ状態になってしまい… <> 153<>sage<>2005/08/16(火) 03:44:14 ID:WPb1/hl0<> >>155
ありがとう、見つかりました。
まだ借りれてないけど禿萌えの予感…! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/16(火) 11:41:52 ID:xzUicp+n<> >95-103
亀ですが、GJ!!
パパンと邪ッ区も気になるがやはりこのカプ大好きです。
サンバデーヘルゥーミーにもワロタww <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/16(火) 18:28:30 ID:fOvj3D+p<> >>157
GJです!
シブキサンかわいいよシブキサン(;´Д`)ハアハア <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/17(水) 03:04:44 ID:e3NDRXoq<> >>150
微笑む

GJ!…男主人公で積極的にキスできたらなぁ…。 <> 風と木の名無しさん<><>2005/08/17(水) 12:55:17 ID:elwPnSqB<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  今度は弦師弟モナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  まったく甘々だな
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

<> 風と木の名無しさん<><>2005/08/17(水) 12:56:39 ID:elwPnSqB<> 「…っつつ」
「あっ!大丈夫っすか残気さん!膝、膝っスか」
「あ゛ぁ…もう…だめかもしれんな」
「そっそんなぁあ!しっかりしてくださいよ!ほら、自分の肩につかまって下さいって」
「…」
「残気さん?」
「いや、すまんすまん。冗談だ。もう平気だ」
「残気さん?!」
「お前がいつもあんまり心配ばっかりするから…ほら、その顔がだな…」
「ひどいっす!!ひどいっすよ残気さん!オレ…オレ!」
「ああああ、悪かった。謝る。このとおりだ。そんな顔すんな。まったくお前は」
「オレ!許しませんから!本気で心配してんのに、そんな、そんなニヤニヤ笑って」
「すまんって、このとおり」
「いーや!駄目っす!オレの、オレの気持ち、そんな、弄んで…」
「悪かったトロロキ。な、このとおり。お前が〜、その、心配する顔が、あれだ、つまりだな」
「…」
「トロロキ?」
「じょーーだんっす!怒ってなんかいませんよ。もう、からかわないで下さいよ。
本気で心配なんすから」
「なんだお前。師匠をたばかったのか」
「あー、あ、いやその〜」
「おい、こら、トロロキぃ」
「あはぁ、す、すいません!そ、そんな睨まないで下さいよ」
「…なんてな。怒ってないよ」
「あああーもう、残気さぁあん」
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/17(水) 12:58:03 ID:elwPnSqB<>
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 勝手にやってろってカンジで。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ageてしまったスマソ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/17(水) 15:14:53 ID:nGSlt+gX<> バカップル…
見事なまでにバカップル…
何かもう勝手にしてろ('A`)という気分になったw
姐さんGJ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/17(水) 18:20:13 ID:btMdKZ9I<> なに この バカップル
「末永くお幸せに」としか言えない…w

姐さん、GJ!
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/17(水) 21:35:02 ID:DsbO8dMb<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  シ毎 モ袁 de 1000×マー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  ヘヴォンかつヌルポでゴメソだってさ。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ガッ!!
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
<> 1000×マー1/4<>sage<>2005/08/17(水) 21:37:16 ID:DsbO8dMb<> 俺がエッチしたいって言うと、逝け沢さんはものすごーくイヤそうな顔をする。
眉間に皺を寄せて長い睫を伏せる。
きっと元々は細い腕をしてたんだろう。
関節の細い、だけど鍛え上げられたそれを胸の前で組んで、緊張してるのか固くなったカラダを横からそっと抱き締める。
逝け沢さんからは海の匂いがする。
きっとそれは俺も同じなんだろうけど。
逝け沢さんから香ってくると、それが特別な匂いみたいに思えるから不思議。
毎日嫌になるくらい嗅いでる匂いがひどく愛おしい。
すっと細いうなじに口唇を寄せて、舌でペロッと舐め上げると逝け沢さんはビクッとカラダを振るわせて首をすくめた。
普段と違うこんな初心な反応が可愛いなぁなんて思ってる事は逝け沢さんには言わない。
だってきっとものすごい勢いで恥ずかしがって怒るだろうから。
ホントはそーゆー逝け沢さんも見てみたいけど。

「逝け沢さん、シてもいい?」

シャツの中のわき腹とか腰回りとか、散々撫で回して、逝け沢さんが一人でしゃんとしてられなくなった頃合いを見計らってそーゆー事言うズルい俺。

「…今回だけだっ…」

少し荒い呼吸を継ぎながら毎回そんな答えを返す逝け沢さん。
思わず笑ってしまう。
<> 1000×マー2/4<>sage<>2005/08/17(水) 21:38:23 ID:DsbO8dMb<> 「なんだ。」

うっすら涙を浮かべた縁の赤い目でギロっと睨まれる。

「なんでもないです。」

こみ上げる笑いをなんとか堪えながら、逝け沢さんの短い髪を撫でる。
逝け沢さんは不機嫌な顔でまっすぐ前を向いたままだ。
意地っ張りで、一回りも年上なのになんて可愛らしい人なんだろうって、本気で思っちゃう自分がヤんなるけど。
可愛いもんは可愛いんだから仕方ない。

「逝け沢さん…」

優しく名前を呼ぶと、ほんの僅かにカラダを預けてくれる。
ホントにホントにほんのちょっと。
ちょこっともたれるくらい。
甘え下手だなぁって思いながらぎゅっと強く抱き締めて、それから逝け沢さんの手を取った。
狭い二段ベッドへ促して、戸惑う逝け沢さんを座らせる。
開いた股の間にカラダを滑り込ませて、床に膝をつく。
見上げるような格好で逝け沢さんの口唇にキスした。
人より血色の悪い口唇が真っ赤に濡れるまで。
口唇を離すと、逝け沢さんはいつも困ったような申し訳ないような悲しいような、なんか切ない顔をするから。
だから俺は、逝け沢さんの頬を両手で包みながら微笑ってあげる。
<> 1000×マー3/4<>sage<>2005/08/17(水) 21:39:39 ID:DsbO8dMb<> 「全部俺のせいだから。」

逝け沢さんが陸の上で待ってるあの人に罪悪感なんて感じなくて済むように。

「千咲…」
「俺が勝手に逝け沢さんを好きんなって、勝手に逝け沢さんを欲しがってるだけだから。」

ちゃんと逃げ道を作ってあげる。

「千咲、」
「逝け沢さんは見かけによらず優しいから、だから俺を拒めないだけなんです。逝け沢さんは何も悪くないです。みんな俺のせいです。」
「違うっ、千咲。お前のせいなんかじゃない。」

必死で首を横に振りながら。
どうして泣きそうな顔でそんなこと言うんだ。

「こんな事をして…きっといつか罰が下る…。」

骨ばった神経質そうな指先で俺の手を自分の頬から引き離すと、逝け沢さんはそっと俺の首に腕を伸ばしてくる。
腰を屈め、おもむに近づいて来た口唇。
おずおずと触れるだけだったキスからは、逝け沢さんの恐れや躊躇いがひしひしと伝わってきたけど。
だけどその中には俺への気持ちも確かに含まれてて。
嬉しくて嬉しくて、もうそれだけで死んだっていいやって思えた。




<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/17(水) 21:40:20 ID:DsbO8dMb<>
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 通し番号間違えてスマソ。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/17(水) 23:13:19 ID:XqZLfLJK<> GJ!素敵 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/17(水) 23:34:37 ID:vRrW225X<> >173-177
センマーキテルー!GJGJ!!
千カコヨスギだよ千。
でもって罪悪感におののきながらも千に惹かれてやまないマー君の葛藤に
萌え殺されそうですよこんちくしょう。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/17(水) 23:42:24 ID:P8w7+PEu<> 亀ですが>95今見て萌えてます!
ああ〜アホの子針損…よかったです <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/17(水) 23:46:22 ID:VOVJtlWv<> >>173
GJですーッ!
当方カプ逆なんだけどもうどっちでもイイ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 01:20:48 ID:wDebywyB<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  某Mではじまる劇団の後輩K×看板俳優Kだモナ‥‥。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  需要なんて絶対ないと解っちゃいるが。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 自家発電自家発電
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 01:23:39 ID:wDebywyB<> てゆうか…。
なんで家族と行かないのよ?

なんて、怖くて聞けない。
恋知くんが俺を誘ってくれた、ただそれだけでもういい。
理由なんていらない。
すれ違う人の肩にぶつかってよろめいてる恋知くんの華奢な手を握る。
夏の暑さとは無縁そうな冷たい指先が、少しだけ戸惑った。

『まーくん…』
『はぐれんよーにちゃんと掴んどき。』

なにか言われるのが怖くて、当たり障りない台詞で恋知くんの言葉を奪う。

『…せやな。』

きゅっと握り返してくれる手のひらは柔らかくてすべすべだったけど、意外に大きくて、
やっぱり男の手だった。

<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 01:24:29 ID:wDebywyB<> 『せやけどやっぱ恥ずかしいな、さすがに。』

はにかむように笑いながら、俺を見上げる恋知くんの目元にほんの少し朱が混じる。

『こんな人込みやし、誰も見ぃひんわ。』

ボン、と、大きな爆発音と一緒に、夜空に大輪の花が咲く。
周りの連中は皆、歓声を上げながら空を仰いでる。
誰も俺達の事なんて見てない。
気にもしてない。

『きれいやなぁ…』

恋知くんが目を細めて言った。

『なぁ、まーくん。』

綻んだ口唇は、ほんのり林檎飴の香り。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 01:25:21 ID:wDebywyB<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 正直スマンかった。今は反省している。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 01:29:40 ID:GeaC6miU<> >182
姐さーん!!超GJ!
まさかこの方々にお目にかかれるとは…夜中にきてみてよかったです。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 01:42:53 ID:10OJMe7v<> >>182-185
(°Д°)…!
ギャー!!
姐さんGJGJGJ!!!!
自分もよもやこのしと達にお目にかかれるとは思わなんだよ姐さん。
恋血マンテラモエス(;´Д`)ハァハァ
自分的には需要ありまくりですから、よかったらまた投下してやっておくんなまし。
ワクテカでお待ちしてますから。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 03:10:56 ID:Z4q0ZiLo<> >>182-185
姐さんGJです!!!
台詞がちゃんと二人の声で聴こえてくるよー!!(*´Д`)ハァハァ

自分もワクテカでお待ちしております。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 03:13:39 ID:dyqb7T1i<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  日曜朝の闘う船体 金黄(光×シバサ)だモナー
                    |  ちょびっと赤黄(貝×シバサ)もあるモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  >>28-34の続きだカラナ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 船体らしくベタだゴルァ!!
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 03:14:32 ID:dyqb7T1i<> 1/6
「シバサ、君に宿題だよ。…僕に恋をして。」
僕、光は小図家5兄弟の魔/法の先生。
只今小図家に居候中。
次男のシバサに宿題を出してから三週間が過ぎようとしていた。
シバサはほかの子より想像力が足りないので、てっとりばやく恋をしてもらう事にしたんだ。
だって、恋した人間の想像力って、計り知れないものがあるじゃない。

とはいえ、シバサは実は小図家一の優等生だ。
シバサに足りないのはあとは想像力だけと言ってもいい。
それと、皮肉屋な所が無くなればもっといいんだけどねー。
まぁそこがかわいくもあるんだけど。
ああいけないいけない
最近他の子たちに先生贔屓ーなんて言われてしまう時がある。
僕も気を付けないとなぁ…

この間ちょっと大変な事があった。
シバサの恋の授業は継続しているけれど、
そればかりやっているわけじゃなくてちゃんと通常の授業もしているんだ。
ひょんな事からシバサが禁断の時間を戻す魔/法を使ってしまった。
ある男の子を助けたい一心での事だったけれど、その魔/法には恐ろしい呪いがかかっていたんだ。
結局助かったんだけど一時は本当に死を覚悟したよ。
シバサの事を絶対に助けたかったからね。
雨降って地固まるというか、その事があってから僕たちの仲は一気に縮まった気がする。
僕も改めてシバサやみんなが僕の大事な生徒だって自覚できたし。
良い絆が生まれたかな。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 03:15:12 ID:dyqb7T1i<> 3/6
でも…あの時後を着いてきたシバサはかわいかったなぁ
いつもの皮肉屋がどこ吹く風で、せんせいがだめっていったのにーだって。
動けるような身体じゃないのにね。いつの間に僕の後を…
先生、君の為ならなんだってできるよ。

「だからって本当に一緒に風呂入んのかよ!」
「そうだよ。早く準備してきなさい。シバサ。」
「もういいだろ。毎晩一緒に寝てるだけで充分だ!」
「でもちっとも僕に恋しないじゃない。」
「…。」
「じゃ、待ってるからねー」
シバサの目がすわる。
だけど黙って二階に行ったって事は、ちゃんと支度しに行ったんだろう。

遅い。
何をしてるんだシバサは。
ずっと魔/法部屋で待っているのにちっとも降りてこない。
まさかどうしても嫌でどこかへ行ってしまったとか?
不安になったので二階に行ってみる事にする。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 03:16:03 ID:dyqb7T1i<> 3/6
階段を上る途中から聞こえてくるドスンドスンという音に何が起こっているかわかった。
「こら、貝!シバサ!」
「あっ光先生っ」
「先生、こいつうぜーんだよ!なんとか言ってくれよ」
また貝だ。
小図家末っ子の貝は何かと言うとシバサにつっかかってはケンカをする。
まぁシバサの方から仕掛ける事も半分だけれど。
兄弟の下二人といえばこんなものかなぁ。
「貝、シバサはこれからお風呂に入るんだからね。ケンカは終わり。」
「だって、先生と一緒に入るんだろ?!」
「そうだよ。」
「どうしても?!」
「どうしても。」
「…じゃあ、じゃあ俺も一緒に入る!邪魔しねーからさ、はじっこでじっとしてるし、黙ってるからさ!」
「だからなんなんだよお前は。先生と一緒に入りたいんなら今日じゃなくても明日一緒に入ってもらえばいいだろ」
「チィニイのばーか!!」
「あ゛?!バカはお前だろうがこのバカ!!」
シバサが貝の頭を叩いて、またどつきあいが始まってしまった。
やれやれ。
呪文を唱えて二人の身体をそれぞれに拘束する。
「お仕置きが必要かな?」
「「げっ」」
言うや否や、貝はそそくさと自分の部屋へと帰っていった。
うーん。貝… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 03:17:02 ID:dyqb7T1i<> 4/6
「…じゃ、行こうか、シバサ。」
ニッコリと微笑めば、シバサは下を向いた。

照れ屋なシバサは、案の定きっちりとタオルを巻いて入ってきた。
意識してくれているのは良い事だけどこうもガチガチだと逆に気持ちが遠ざかってしまうな。
少しシバサの気分をほぐさないと。
「シバサ、じゃあ、魔/法でシャンプーしてみようか。」
…そこからちょっとした魔/法の授業を真剣にやってしまった。マー/ジフ/ォンまで持ってきて。
シバサは熱心だから教える方にも力が入って楽しく授業してしまった。
気分をほぐすどころか、なんかすっかりラフな感じに…
一緒の湯船に入っているというのに全然恋だの愛だのいう雰囲気じゃなくなってしまった。
今シバサは魔/法で水でっぽうみたいにお湯を飛ばす事に夢中になっている。
右から何番目、上から何番目のタイルに当てるとか言ってはしゃいでいる。
まぁ、かわいいからそのままにしてあげたいのは山々なんだけど。このままじゃね。
「じゃあ、そろそろ10数えてあがるよ」
「ああ。あ?な、何だよ」
シバサの後ろにまわり、背中から抱きしめた。
「ちゃんと温まらないとね。」
「今夏だろうが!」
「はいはいい〜ちに〜い」
シバサの身体はもう充分あたたまって…というか熱いくらいだった。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 03:18:51 ID:dyqb7T1i<> 5/6
「お腹はもう平気かい?」
シバサの腹筋は見事に割れている。
件の呪いでこの腹筋に文字通り風穴が開いたんだ。
「お陰様で…てか、」
「よかった」
腹筋を指でなぞると温かいはずのシバサの腕に鳥肌が立った。
「ちょっと、先生」
「大丈夫だよ。何もしないよ。」
「すでにしてんじゃないの?」
「シバサは少しでべそかな〜」
おへそをつっつくと腰が逃げた。
「おいっ」
「何もしないって。先生を信じなさい。」
「今先生を信じる勇気は魔/法に変えられない気がすんだよ。」
「さ〜ん」
「てか2から3まで長すぎだろ!!」
「じゃあ一緒に数えようか」
「ハァ?子どもじゃあるまいし…」
「子どもじゃなかったら、もっと平気なんじゃない?例えば…」
人差し指でおへそからみぞおちへ、指を滑らせた。
そして、心臓あたりまでのぼり、そこから横へ進ませた。
「っっ4・5・6・7・8・7・9・10!!!」
ザバァッっとすごい勢いでシバサがお風呂からあがっていった。
「7が一個多かったね、シバサ。」 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 03:20:51 ID:dyqb7T1i<> 6/6
お風呂から出ると、貝が廊下で立って挙動不審な動きをしていた。
ぞうきんを持って、壁を拭いていた。
いつも掃除なんかしないのに、しかもこんな夜に。
さては聞き耳を立てていたな。
ま、耐えきれずに入ってこなかっただけよく我慢したってとこかな。
…そんなに心配しなくても、シバサにヒドイ事なんかしないよ、貝。
「お前、その調子で自分の部屋も掃除しろよ」
「ここがすっげー汚れてたんだよ!!」
シバサも鈍いなぁ…
やっぱり想像力がかけてるのかな。

一緒にお風呂からあがって、一緒にシバサの部屋に入った。
ドライヤーで髪を乾かし、他愛の無い話をして過ごした。
そして一緒のベッドに入り、静かに電気を消した。
お風呂は初めてだったけど、寝るのはもうすっかり日常だな。
恋において、「日常」って言うのは一番厄介だ。
ここらで一つ、何か考えないとね。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 03:21:48 ID:dyqb7T1i<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |                 連投規制に引っかかってうまく投下できなくて
 | |                | |           ∧_∧  ご迷惑をおかけしましたカラナ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 04:43:28 ID:b3AobiSh<> なんで一緒に寝て

GJ!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 18:48:34 ID:dfcGpzmX<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  癌画っていきまっ所為で佐武朗×部ー(佐部朗視点)
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  方言間違いかつ長文、中途半端スマソ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
<> 佐武朗×部ー1/7<>sage<>2005/08/18(木) 18:49:26 ID:dfcGpzmX<> どうしてこの思いは届かないのか
どうしてこの思いは許されないのか
思いはすでに溢れてしまいそうで
今にも俺を飲み込んでしまいそう

「なぁ」
「ん?」
「何しとんのじゃ」
クラスメイトのいなくなった教室の中で、
俺は部活に行こうとする世ッキーを後ろから抱き締めた。
別に何をしようというのではない。
ただ一目惚れしたその顔を見ていると、自分の思いの報われなさが切なくて。
世ッキーは当然のように文句を言ってくる。
それに答えるわけにはいかず黙り込むと、
歯切れの悪い俺に世ッキーは振り向き不思議そうな顔をした。
「どないしたんじゃ、仲多佐武朗。お前おかしいぞ」
向けられる真っ直ぐな視線に俺は目を合わせる事が出来なくて逸らすと、
世ッキーは俺のそんな様子に一瞬眉間の皺を寄せたが、すぐに目を見開くと俺の顔に手を伸ばす。
その手を掴んで押さえ込むと、また世ッキーが眉を顰めて意外な言葉を発する。 <> 佐武朗×部ー2/7<>sage<>2005/08/18(木) 18:50:04 ID:dfcGpzmX<> 「大丈夫か?」
意味が分からず首を傾げると、押さえられていないもう片方の手を額に添えられる。
熱い性格に似合わず冷たい手を心地よく思って、押さえている方の手を離すと、その手を掴まれる。
「お前、めっちゃ熱いで。熱あるみたいやし、帰った方がええんと」
世ッキーが言い終わらないうちに俺は世ッキーの体を引き寄せた。
もし熱のせいでこんなにネガティブなことを考えているのなら、
もし熱があると世ッキーに思われているのなら、
それに任せてどうかこのまま。
でも、世ッキーの「帰れ」という冷静な言葉と離れていった手に、ありもしないはずの希望が失望に変わる。
教室を出て行こうとする世ッキーに俯いていると、その足が止まった。
「…送ったるよ」
振り返らないまま呆れた口調に、俺は世ッキーの手を握り締めた。 <> 佐武朗×部ー3/7<>sage<>2005/08/18(木) 18:50:41 ID:dfcGpzmX<> 市野村と幼馴染だという世ッキーの家からは随分遠いのだろう俺の家に、
世ッキーは自転車を押しながらついてきた。
普段なら家は大丈夫かとか、部活は良いのかとか、色々気を回す事も出来るのだが、
今日は頭の回転がどうも鈍くて難しい。
俺は世ッキーに荷物を預け、ゆっくり道を歩く。
まさかこんな日に世ッキーと二人で家路を歩くことになるとは思わなかった。
時折振り返ると会話が無いことが気まずいのか、世ッキーは視線を斜め下に向ける。
また歩き出すと後ろをゆっくりついてくる。
いつもは合わない歩調が、今日はぴったり揃っているのだけれど、
俺はそれに気付くことなく、自分の影を踏むよう歩いた。
やがて向こうに自分の家の門が見えてくる。
「ここでええから」
荷物を受け取ろうとすると、家の方向を指差される。
ふと見ると車が出て行くのが見えた。
どうやら家族が出かけたらしい。
それを知ると、世ッキーは部屋まで行くと言い出した。
変に責任なんて感じなくても良いのにと思いつつ、それを断る理由もないので、
俺は世ッキーを家に招きいれる。
部屋に着くとすぐにベッドに寝かされた。 <> 佐武朗×部ー4/7<>sage<>2005/08/18(木) 18:51:13 ID:dfcGpzmX<> 「体温計どこ?」
「下の部屋入ってすぐの棚の上…」
世ッキーが出て行くと俺はこっそり起き上がった。
そんなに熱があるんだろうか。
首を傾げていると、階段を上がってくる音がする。
大急ぎで横になり布団をかけたところで、世ッキーが戻ってきた。
「ちゃんと寝とったか?」
「ああ」
咄嗟に嘘をつき「ホンマか?」という視線をかわすと、世ッキーから体温計を受け取り脇に挟み込む。
世ッキーはそれを確認すると床に座り、部屋を眺めている。
ふと本棚に目が止まったのか、そっちを凝視している。
「気になるなら見てもええけど」
そういうと遠慮がちに本を取り出してパラパラと捲る。
だが性に合わなかったのかすぐに戻して、また別の本を取り出す。
5冊ほど繰り返したころ、体温計のピピッという電子音が聞こえた。
取り出してみると38.1度の表示。
それを見た世ッキーも思わず溜め息をつく。
「こんな熱出して…」
夏なのにと言わんばかりの口調に肩を竦める。
世ッキーは立ち上がるともう一度下に降りていき、上がってきたときには手に氷嚢が握られていた。
「勝手したで」
首を振ると無表情のまま近付いてそれを俺の額の上に乗せる。
その冷たさが気持ちよくて自分の熱をようやく自覚する。
目を閉じると、世ッキーが床に座る気配がした。 <> 佐武朗×部ー5/7<>sage<>2005/08/18(木) 18:51:50 ID:dfcGpzmX<> そのまま眠ってしまったのだろうか。
窓から刺すはずの光はなく、氷嚢の氷は額から落ちてすでに溶け切っている。
それを手にゆっくり体を起こすと、ベッドに凭れかかって眠っている世ッキーが目に入った。
ベッドから降りてそっと近付き、顔を寄せる。
一瞬の躊躇いのあと、俺は瞼に口付けた。
唇を離すと世ッキーは少し呻いて、起こしてしまったかと冷や冷やするが、また寝息を立て始める。
俺は安堵すると、肩を叩いた。
「世ッキー」
「んん…起きたんか」
世ッキーは目を擦るもまだ眠いようで少しウトウトしている。
その無防備な様子に手を伸ばしかけて引っ込める。
もう一度目を擦りようやく目が覚めたのか、背を伸ばすと俺の額に手を当てる。
「まだ熱いな。もう少し寝とき」
そう言って俺をベッドにもう一度寝かせ、壁にかかった時計を見ると、大声を上げた。
「どないした?」
「もう8時まわっとうやん!!」
驚き戸惑う俺を他所に、
世ッキーは勢いよく立ち上がると鞄を掴んで扉を開ける。
「悪い。親心配するし、俺帰るわ。お大事にっ」
取り急ぎそれだけを伝えると、世ッキーは大急ぎで階段を下りていった。
しばらく呆然としていたが、ふと我に返って、俺は部屋を出て階段を2段飛ばしで駆け下りる。 <> 佐武朗×部ー6/7<>sage<>2005/08/18(木) 18:52:34 ID:dfcGpzmX<> 家の戸を開けると大慌てで世ッキーが自転車の鍵を開けていた。
それに駆け寄って手を掴むと振り返った世ッキーはそれでも慌てた様子で「何?」と言う。
「今日は、ありがとう。めっちゃ嬉しかった」
「ああ、そら良かったな」
今出来る精一杯の笑顔をしてみせたが、全く俺を気にするそぶりも見せず、
世ッキーは籠に荷物を載せサドルに跨った。
相手の自覚がないにしても、ようやく持てた二人だけの時間なのに、
このまま終わってしまうなんて。
その焦りが生んだ行動にしては、あまりにも軽率だったとしか言いようがない。
俺は掴んだ世ッキーの手を引き寄せて唇に口付けた。
触れ合った瞬間頭の中が真っ白になって、手から力が抜ける。
世ッキーは唇が離れ手が開放されると、戸惑いながらも「じゃあ」と言って走り去っていった。
その後姿を見送った後、だんだん意識がはっきりしてきて、自分がやったことを自覚する。
俺はショックのあまり、そこに膝をつくと頭を抱える。
嫌いだと思われた。
気持ち悪いと思われた。
そうに違いない。
「何であんなこと…」
俺は落ち込むほか無かった。 <> 佐武朗×部ー7/7<>sage<>2005/08/18(木) 18:53:05 ID:dfcGpzmX<> 仲多佐武朗の家からしばらく走ってきて、坂に差し掛かった頃。
席乃は自転車を止めた。
部屋の時計が8時をまわっているのと見て、大急ぎで外に出たけれど。
仲多佐武朗に手を掴まれて、それから─
思わず口元に手を当てた。
「え、ええっ」
一体何のつもりだというんだろう。
せっかく親切にしてやったのに。
女の子と付き合ったことが無いから、からかわれたのか?
その場で頭を抱え込む。
「何考えとんのじゃ、仲多佐武朗…」
三日月が空で笑っていた。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 18:53:44 ID:dfcGpzmX<>  ____________
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 | |                | |     ピッ   (・∀・;)
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 21:43:29 ID:lBmqzY84<> >>189-196
そろそろいらっさる頃だと思ってお待ちしてましたよ姐さん!
姐さんのSSの為にビデオ見て復習までしてきましたよ!ww
相変わらずイイ…わかりやすい貝もイイけど、気付かないシバサはもっとイイ…。
本放送もフラグ立ったことだし、もうこのまま一息に行かないもんですかね姐さん。
この際もうどっちでもいいですから! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 22:17:53 ID:7DgY9CCg<> このスレって、猟奇ネタはアリなのか? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 22:23:32 ID:b5vbA/5q<> 最初にそうはっきり書いておいてくれらば <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 23:08:07 ID:b3AobiSh<> >>208
ここは?とりあえず>1を読んでみてけれ。
 ↓
【陵辱】鬼畜作品を創作して10thプレイ【SM】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1121754664/l50
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 23:21:32 ID:QRvGd5Pg<> 読むのは>>2だとおもう <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 23:37:53 ID:IML8oyqt<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  ☆戦争 穴金×帯湾 パダ犬16歳のころの話
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  途中まで。中途半端スマソ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

<> [砂漠にて1/6<>sage<>2005/08/18(木) 23:38:26 ID:IML8oyqt<>
砂漠の任務は気が進まない。アナキソの故郷タトゥイーソに似ているからだ。気温差の激しい気候。
灼熱の昼に、凍える夜。乾いた空気。砂嵐。アナキソにとって、服の中に入り込みざりざりと肌を
ひっかく砂の感触は、9歳の年に別れた母親の抱擁の記憶と分かちがたく結びついている。
夜の寒さは人恋しさをアナキソに呼び起こす。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


才ビワソが敵陣の偵察から洞窟に戻ったとき、焚き火のそばにアナキソはいなかった。
冷え込む夜だった。焚き火は大きくはなかったが、パチパチと快い音を立てて爆ぜ、ついさきほど
まで薪をくべる人間がいたことを示していた。
才ビワソは周囲の不ォースを探った。洞窟の奥から少し乱れた不ォースが感じ取れた。「またか」
と才ビワソはため息をついた。
当年16歳になる彼のパダワソ(弟子)のアナキソは、この年頃の少年によくあるように、身体の
うちから湧き上がる欲望をもてあまして自慰行為にふけることがしばしばあった。
ヅェダイの掟では、物事に対していかなる執着も持ってはならず、当然恋愛等は禁忌である。それ
ゆえ、肉体の欲望も抑えるよう訓練することが推奨される。
才ビワソは顎鬚をしごいて砂埃を落とし、服を払った。焚き火の前に腰を下ろし冷え切った身体を
温めていると、奥からアナキソが戻ってきた。
「マスター、お帰りなさい。今日も無事で良かった」
まったく悪びれる様子もなく、むしろ微笑まで浮かべている。端正な顔が少年の幼さと無邪気さで
ほころぶ。
こういうアナキソの態度が才ビワソには理解できなかった。ヅェダイ同志はお互いに相手の不ォー
スを感じ読むことができる。不ォースには肉体的な刺激による大きな精神の乱れなども反映される。
さっきまで自慰にふけっていた事実を自分のマスターが知っている、ということをアナキソは知っ
ていた。にもかかわらず、恥じ入った様子はない。気まずさから目をそらすこともない。まっすぐ
に才ビワソの瞳を見る。
<> 砂漠にて2/6<>sage<>2005/08/18(木) 23:39:01 ID:IML8oyqt<>
ここが才ビワソの理解できないところだった。彼のパダワソ時代にも、やはり成長の一過程という
やむなき事情から同じことをした。彼のマスターは何も言わなかったが、知られていると思うと、
顔から火が出るほど恥ずかしかった。ヅェダイの掟にも反していた。どうしようもない罪悪感が湧
いてきた。そのたびに、もうしないとひとり心の中で誓ったものだ。
才ビワソが携帯食の食事を終え一息つくと、アナキソは今日の偵察の話をせがんだ。才ビワソはこ
と細かに話してやった。アナキソは理解が早く、また的確な質問をするので話しやすいのだ。自分
には過ぎた弟子だ、と才ビワソは思った。アナキソの類まれな不ォースの才能を見抜き、ヅェダイ
としての修行を受けさせるようヅェダイ評議会に対して尽力したのは、才ビワソの師匠だった。そ
の師匠は凶刃に倒れ、死の直前、才ビワソにアナキソを弟子として育てるよう遺言した。不ォース
だけでなく、頭の回転も、大胆な行動力も、身体能力も、メカニックの腕も、常人を超えていた。
才ビワソはときどきわからなくなる。そして不安になる。自分にとって初めての弟子は、あらゆる
能力値が高すぎるのだ。超えるべき壁としての師匠。その役目を果たすには、自分はハードルが低
すぎる。では、理解を示して導いてやれるかといえば、さきほどのようにアナキソの性格を計りか
ねている。
才ビワソは迷っていた。アナキソをもっと経験豊富で優秀なマスターに任せるべきか、と。

<> 砂漠にて3/6<>sage<>2005/08/18(木) 23:39:36 ID:IML8oyqt<>
「聞いていますか、マスター?」
アナキソの問いかけに、才ビワソは考えを破られた。焚き火を挟んで向かい合っていたアナキソの
顔がすぐ近くにある。
「明日は僕も偵察に連れて行ってください」
真摯に熱を込めて懇願する。だが才ビワソは許さなかった。
「おまえにはまだ早い、パダワソ。これは慎重さを要する任務だ」
敵の要塞は砂漠の真ん中にある。周囲は平坦な砂、また砂の海だ。身を隠すところが極端に少ない。
ひとりならまだしも、ふたりでは容易に敵に発見されてしまうだろう。才ビワソはそのことを指摘
した。
「では、僕ひとりで行きます。もうこの洞窟に閉じ込められて、ひたすらマスターを待っているの
 は嫌です!」
アナキソは不平を鳴らした。
「おまえの役目は、私たちのスター・不ァイターを見張ることだ。谷間に隠してあるあれを見つけ
 られては、私たちはこの惑星から脱出することができなくなるのだから」
「僕は嫌だって言ってるんです!」
「そういうわがままを言うおまえに成し遂げられる任務ではない。必要なのは派手な戦闘ではない。
 ライトセーバーの腕でもない。忍耐だ。おまえは若すぎる」
アナキソはぐっと言葉を飲み込んだ。少し恨めしげに才ビワソを睨む。才ビワソは無視して水筒か
ら水を煽った。水筒の水は才ビワソの身体が必要としている量には足りなかった。
「今日の分はこれで終わりか」
才ビワソは口をつけたまま水筒を逆さに振った。少しむくれてアナキソが言う。
「持ってきた分を配分するとそのくらいになってしまうんです。予想外に任務が長引いてますので」
「そう言うな、アナキソ」
才ビワソは苦笑した。
「ねぇ、マスター。水を汲みに行ってもいいでしょう? もう残り少ないんです」
アナキソがもう一度せがんだ。とんでもない! と才ビワソははねつけた。アナキソは形の良い眉を
吊り上げて抗議した。
<> 砂漠にて4/6<>sage<>2005/08/18(木) 23:40:14 ID:IML8oyqt<>
「あなたは砂漠を知らないからそんなことを言うんだ。満足な水も取らないで砂漠を歩くのがどれだ
 け危険なことか!」
「水場は監視されている。私たちがこの星に潜入していることが相手に知れたら、すべては無駄にな
 るのだぞ! 持ってきた水でなんとか凌ぐんだ」
「砂漠のことは僕の言うことに従ってもらいます。水がどれほど重要か。足りなくなってからでは遅
 すぎるんです。僕の小さい頃には水の奪い合いで人が殺されて死んだ。あなたは僕を若すぎるとい
 ったけれど、砂漠についてなら僕のほうがよく知っている。あなたとふたりで生きて帰るには水が
 絶対に必要なんです。譲りませんよ」
数瞬、師弟はじっとにらみ合った。
「負けたよ、アナキソ。おまえに従おう」
両手を挙げて才ビワソは降参した。その顔は微笑していた。むきになったアナキソがおかしかったのだ。
一方のアナキソは心にわずかな不安を抱えていた。自分の師がふと考え込む。そんなときには、マスタ
ーが遠くへ行ってしまったような気になる。実際、聡いアナキソは才ビワソが己自身の力不足を悩み、
アナキソを他のマスターのパダワソにすべきか迷っていることに気付いていた。それがアナキソのため
を想ってのことだということも。



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<> 砂漠にて5/6<>sage<>2005/08/18(木) 23:41:43 ID:IML8oyqt<>
ふたりは火のそばに身体を横たえた。
小さく暖かな炎は燃えるままにされた。やがて燻り消えるだろう。
才ビワソは疲れていた。偵察中には砂嵐が襲ってくることもある。そんなときはただじっと耐えるしか
ない。砂嵐は、肉体だけでなく精神も疲弊させる。吹き飛ばされないよう身体をこごめて何かにしがみ
つく。息もできないほどの風圧が身体を叩く。風が持ち上げるとは信じがたい大岩が飛んでくる。
自然の猛威の前にただうずくまりながら、悪夢のようなひとときだ、と才ビワソは呪った。
彼は目をつぶるとすぐにうとうとし始めた。
一方、弟子の目は冴えていた。ときどき、スター・不ァイターの側に潜んで監視しているだけの彼は疲れ
てはいなかった。時折の砂嵐も平気だった。砂嵐は生まれたときから彼の日常だったから。
アナキソは眠る才ビワソの顔にじっと見入り、おもむろに手を伸ばした。片手が才ビワソの金髪の髭に
触れる。アナキソは身体を起こし、才ビワソの顔を両手に包んで髭の感触を楽しんだ。
<> 砂漠にて6/6<>sage<>2005/08/18(木) 23:42:41 ID:IML8oyqt<>
才ビワソは心地よいまどろみから覚醒へと引き戻された。片目を薄く開けるとアナキソが自分の髭をいじ
っている。やれやれ、これでは出発前に心配したとおりだ、と才ビワソは心の中で呟いた。砂漠ではアナ
キソは甘ったれになる。
才ビワソが髭を生やし始めたとき、アナキソは13歳だった。まだ才ビワソよりはるかに小さい両手に彼
の顎を包んで飽きるまでよく触っていた。もうやめなさいと諌めると、
「砂を落としてあげてるんですよ、マスター」
と言ってやめなかった。ならばあれもどこかの星の砂漠でだったか。父親がいないからだろうか、と才ビ
ワソは想像し結局好きにさせていた。
しかし、1年が過ぎる頃、才ビワソは髭に触るのを禁止した。表向きは、もう子供ではないのだから、と
アナキソに言い聞かせた。本当は、髭をいじるのに夢中になっているアナキソを見ていると、胸がほの温
かくなるのを感じたからだった。これは「執着」に繋がるのだろうか? ならばアナキソにとっても自分
にとっても良いことではない。才ビワソはそう考えた。アナキソは傷ついた複雑な表情をした。確かに子
供じみたことだと自分でも自覚していたし、いずれやめるべきだとは思っていた。だがそのとき、何かが
アナキソの胸にわだかまった。自分でもわからない、不可解な感情だった。
髭を愛撫するアナキソの手の快さに、才ビワソは再び眠りのとば口に戻っていった。今の手はあのころよ
り大きく確かな力に満ちている、もうすぐ私の身長も追い越すだろうな、などと夢うつつに考えながら。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 23:43:39 ID:IML8oyqt<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 続く
 | |                | |     ピッ   (・∀・;)
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



設定とかおかしいとこあるかもしれないが萌えの暴走するまま書いた
今は反省している
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/18(木) 23:46:41 ID:R58aVCgh<> >208
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1094475544/925
こことかは? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/19(金) 00:05:37 ID:hJwxXCGQ<> >>211
先方の>1を読んでみてくれと言ったのディス。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/19(金) 00:21:29 ID:GjyB3he5<> >210,220
トン。どうりでここには来ない訳だ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/19(金) 08:14:39 ID:DTOz99K2<> >212
髭もふもふ(;´Д`)ハァハァ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/19(金) 10:08:18 ID:IS67mhgH<> 自慰行為恥じない穴にテラモエスw <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/19(金) 10:49:45 ID:A0xJ+SrA<> >212
GJ! 続き待ってます。
髭伸ばし始めの頃に、チビ穴が「チクチクする〜」とか言って頬擦りとかして欲しい… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/19(金) 11:16:18 ID:S3y9zYjt<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  ナマモノ小ネタだもなー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  某バンド四弦兄×六弦弟だってさ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

<> 壱<>sage<>2005/08/19(金) 11:17:40 ID:S3y9zYjt<> いつもと同じだった

いつものように 会話をして
いつものように 曲を聴いて
いつものように 笑い合って

そして いつもは壊された



メタルのポスターが沢山貼られた兄貴の部屋。
棚には数え切れない程のCDが陳列されている。
以前曲の打ち合わせで来た時と大して変わっていない。
しいてあげるとするなら、ゲームソフトが少し増えていたぐらいだ。
物が多いわりにどれもきちんと整理されていて、こざっぱりとしている。

そんな部屋の端にあるパイプベッドの上で、僕は兄貴に押し倒された。

最初はプロレスごっこでもするのかと思った。
ガキの頃、よくやったから。

でも、予想は大外れで。

其の侭服を脱がされて、兄貴に抱きしめられた。

「兄貴…厭やって、止めて」

流石にこの歳になれば其れが意味する事なんてすぐわかる。
わかったから、余計にわからなくなった。
<> 風と木の名無しさん<><>2005/08/19(金) 11:18:35 ID:S3y9zYjt<> 体格差のせいだろうか。
筋力は自分の方がある筈なのに、兄貴の体を押し返す事が出来ない。

兄貴が僕の頭に小さく何度も口付けを繰り返す。

「なあ、兄貴止めてって。くすぐったい」
「いいから、静かにしなさい」

そう云って下に移動すると、僕のアソコをゆっくりと撫でた。

「……!」

其の侭、口の中に含まれる。
兄貴の赤い舌が僕に絡みつき、ねっとりと、執拗に攻めたてる。
咥内の熱さが直でアソコに伝わって、体中に広がる。
荒くなる息遣い。兄貴は楽しそうに此方の様子をうかがってくる。

余裕の表情を見せ付けられて、余計に体が熱を帯びた。

「……あ……ッ」

咄嗟に口を覆った。
……こんな声、自分じゃない。
<> 参<>sage<>2005/08/19(金) 11:19:34 ID:S3y9zYjt<> 「ん……んぅ……」

その行為に気付いた兄貴が、口を覆っていた手を外す。

「駄目だ」

僕のアソコから一旦口を離してそう言った。
其の唇が唾液と僕のアレでてらてらと艶めいていて、何だかとても色っぽいと思った。

「……聴かせて」

そうして再び口に含まれる。
ぱさりと、兄貴の長い髪が僕の太股にかかった。

「っぁ……あ……ン……ぅあ……ぁ―――!!!」
「……いっぱい、出したな」

兄貴は満足そうな様子で、口端から零れた僕のアレを舐める。
こくりと、兄貴の細い喉が動いた。
ひくひくと自分の体が痙攣する。


「……いいな?」


そう言って覆い被さってくる兄貴は、僕の知っているいつもの兄貴ではなかった。

<> 四<>sage<>2005/08/19(金) 11:20:31 ID:S3y9zYjt<>
今日も僕は、いつものように兄貴の部屋の扉を開ける。

いつものように 会話をして
いつものように 曲を聴いて
いつものように 笑い合って

そして僕は

「兄貴、……イイ……?」

いつものように―――



了 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/19(金) 11:21:51 ID:S3y9zYjt<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 正直スマンカッタ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 優しい兄上も仲イイ兄弟も大好きでつ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
途中ageてスマソo...rz <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/19(金) 18:10:58 ID:WMegplrv<> まとめてスマソ

>>189-196
生きてるって素晴らしいねテンテー!!
黄にどこぞの社長節を呟きたい…YOU付き合っちゃいなよ!

>>198-206
ショイ!!話が見れるとは!
やはり、部ーは受だったのですね。佐武朗も切ないです…(´д⊂)

姐さん方!GJ!!です! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/19(金) 22:09:44 ID:d3VUYDIn<> >>212
(;´Д`)ハァハァ
つ・づ・き!つ・づ・き!(AAry
髭や砂漠での経験エピが(*・∀・)イイ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/19(金) 23:22:11 ID:CqKrxMrl<> >212
髭延長お願いします。もへ〜
穴金オープンだなw <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/19(金) 23:50:12 ID:+MDOd2Dw<> >226
元ネタわからないけど、萌えました。
兄弟萌え属性アリなので、キレイにツボに入りました。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 03:24:07 ID:PekzvFc7<> >>198-206
佐武朗カワイイ!
彼が幸せになるまで書いていただきたいッス <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 17:47:57 ID:xixikbyX<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  某基督の涙 の"V"ライブ〜の話だモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  他麺(週背、日炉)の出番は無し?
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

某基督の涙を先日卒業、と言うには、演奏がアレだったので、(ry 。
やっぱこのカプじゃ、某基督の涙「Desert」な展開(=Unhappy end)にしか
ならなさそうだけど・・・。 

某基督の涙は、業界関係者達に愛されているバンドだという前提だけど、もし万が一これが間違ってても、麺が別人でも
フィクションである以上、(ry 。(ちなみにこの話じゃ麺が既婚者だというのも、無し。
フィクション、と見れないヤシはスルー汁。後でガッカリしても、(ry 。)
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 17:49:29 ID:xixikbyX<> 1.
2005年――

多華は夢を見ていた。洸磁との結婚式の夢。(こんなの、ありえないのにどうして?)
目覚めた時、多華はすぐにその理由に思い当たった。
あれほどまでに祝福された幸せなカップルを、素晴らし過ぎる結婚式を見てしまった所為だ、と多華は思う。

現実は・・・
洸磁とは引き離され、"V"ライブで他のメンバー共々、見せられたものは。
洸磁と結婚出来るどころか、もう何もかも・・・。今までの楽璃麻では洸磁と一緒にステージに立つ最後のライブだったのに。
(もう二度と行かない・・・)

そこへ、軽いノックの音。玲瓶だ。
「多華さん、起きた?」持って来た紅茶を多華に差し出しながら。
「おはよ。どうしたの」
「ねえ、今日はちょっと早めにここを出ない?」
「どうして?」玲瓶の提案に反対する理由など特に無い多華だったが、何気に聞いてみる。
「どうせなら、帰る前に色々寄って行きたくて。多華さんも付き合ってくれる?」
そう、言ってても。
玲瓶が少しでも早く、あの結婚式があった場所から多華を遠ざけようとしているのを、感じ取った多華だった。

「あの結婚式っきり、もう二度と出雲大社には行かないかもね。多華さん、行って何かご利益あった?」
「さあ、分からないな。でも確かに俺と洸磁じゃ結婚出来ないし、そういう意味では行かなさそうだな。」
多華は、内心ドキッとしたのを隠して答える。

「でも、もしも式と結婚披露やりたくなったら、俺達に声掛けて。何とかカムフラージュしながら
手配するよ。俺らは、仲間内だけでも祝福するから。」
「ありがとう。」

「もしどうしても、そこでやっていけなくなったら、何としても楽璃麻の名を取り戻して。
例えどんなに恩があっても。どんなになってもやっていく為に。って洸磁からの伝言、になるのかな、やっぱり。」
そう言いながら、玲瓶は1年とちょっと前の事を思い出していた。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 17:50:28 ID:xixikbyX<> 2.
2003年――

「多華さんが髪を切った位では、許されなかったんだ、結局、あの時も。あれがきっかけになって、今の状況が
始まったようなもんだから。だから・・・。」洸磁から玲瓶への打ち明け話。

 だから・・・、と洸磁に課せられた至上命令の内容を聞いたのも玲瓶だけ。
「ちょ、ちょっと、多華さんはこの事知ってるの?」その内容に慌てたような玲瓶。
「いや、絶対誰にも言うなと言われたよ。本当はオマエに言う事も、バレたら厳罰ものだろうね。
もし多華さんが知ってたら何とかして回避しよう、としてたろう。果たせなかった時の罰をね。」

「そんな・・・。ほとんど果たせそうにないと、分かっていながら・・・。」洸磁の知る、したたかな玲瓶でも
頭を抱えるような難題。
「それでも何とか1年やってみるよ。もし駄目でもオマエ達なら、何とでも出来るだろう?」
「洸磁・・・。」
「その時は、何としても楽璃麻の名を取り戻すんだ。例えどんなに恩があっても。どんなになっても
やっていく為に。」 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 17:51:27 ID:xixikbyX<> 3.
2005年――

玲瓶が探して来た場所でのデートだと、誰にも見つからなくて済んで助かる、と2人は、ようやく少し安心していた。
洸磁脱退後は、やはり2人が逢える機会は、前よりずっと減ってしまった。玲瓶が出来る限り協力して2人を逢わせても。

多華が、自分に来た、ちょっと気になるメールの事を話したのも、ある日のデート中の事だった。
「メール?」洸磁が聞くと、
多華は「そう。初めは、オフィシャルHPのBBSでよく見かけるHNだったから、ああ、別のアドから送って来たんだな、
くらいにしか思わなかったんだ。HNとしてもよくある名前だったからね。
でも内容を読んでみたら、全然別の人だと分かったよ。

"V"ライブ、誰が何と言っても、皆本気だと思う、なんて、よく見かける方の人は書かなさそうだし。」

「でも何か何処かで会った事のある人だと思うんだ、何となく。」
多華がそう言うのなら、そうなのだろう、と思っても
無論、誰なのか、洸磁に分かる訳も無い。

「でもアルバムも聴いてくれてるよ、その人。DECADEにも好意的な感想が書いてあったからね。というか、
"A"ツアーの映像も見て、そっちも気に入ってくれたみたい。
アルバムのyesterdays、とってもいい曲だけど人の数字を取るなよ、みたいな事が書いてあったよ。」
「人の数字?」
「Total timeの事。6分66秒。」
「そっか。」
(この時はまだ洸磁も、ちょっと珍しいものの話を聞いた、位にしか思っていなかった。多華も、HPで公開
されているもの以外の曲にも"A"ツアーの映像の感想が書かれていた事を話し忘れていた。) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 17:52:32 ID:xixikbyX<> 4.
その次のデート中にメールの話になると。
「え、また、あの人からメール来たの?」また来るとは、洸磁も思って無かったらしい。
「相変わらず、あのHNのままでね。アドが違うからすぐ分かるし、たまたま同じHNになってしまったのは、もう仕方ないし。

自分達は、山羊を被った人の映像を『死ぬと神になる、というギリシア神話の言い伝え』の象徴として使ってるけど、
まさか君らはそんな事無いだろうね?
みたいに、まるでもう知ってるのに、念を押すように聞いてきたよ。

でも流石に『ちょっと失礼な事を書いてしまった、と思うので、あるサイトのURLを貼っときます。もし気に入ったのがあれば、
好きなだけ持って帰って下さい。』とも書いてあったけどね。」

「何のサイト?」
「虹と銀を両方使ったデザインのサイトさ。」多華は結構気に入っているようだ。

「もし返事するなら、何て答える?多華さん。」
「いいサイトを教えてくれてありがとう、って。それと、其処は貴方が作ったものなのか?って聞いてみるよ。
多分yesだろうけど。それから洸磁にURLを教えてもいいかどうか、も聞いとくよ。」
「貴方は誰なのかって聞かないの?」
「たまたま他の人と同じになってしまったとは言え、HNもあるからね。それにもし会った事のある人なら、この先会う事も
あるかも知れないし。」 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 17:53:29 ID:xixikbyX<> 5.
何故か洸磁も夢ならぬ幻覚(?)を見ていた。
多華が誰かと抱き合い、KISSをしている。その相手が多華の言ってたメール相手だろう、と会った事も見た事も無いのに、
思ってしまった。
(多華さん!)

(駄目だ、多華さんは俺の・・・。)

ふっと、その幻覚から正気に戻った時。

玲瓶の協力でこれでもまだ逢えている方だが、前よりずっと多華と逢えなくなった事は否定出来ない。逢えない寂しさが
溜まって、洸磁が会った事も見た事も無くても、少しでも多華を引きつけている、メール相手に対して、多華を取られたく無いという、
そんな感情が出て来てしまったのが、この幻覚なのだろう、と洸磁は理解した。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 17:54:27 ID:xixikbyX<> 6.
「そんなの、ただ新しく教えてもらったサイトが気に入ったのと、メールの大半の内容が多華さんにとって良かった
だけでしょ?一応音源と映像とライブを気に入った人みたいだし。」
洸磁の『メール相手に多華を取られるかも(?)』を聞いた玲瓶の答えがこれ。

更に「それに"V"ライブの事、凄く好意的に書いてくれてるしね。誰が何と言っても、皆本気だと思う、なんて、
あの時の演奏が散々に言われて酷評されてたのを、承知の上でそれでも、洸磁も含めたメンバーの本気を少しも疑わない、
という感じだよ。あの時の演奏が酷かった訳を、その人が知ってるかどうかは、ともかくね。」

「それとも何、多華さんを疑うの?」
いつも出来る限り2人が逢えるように計らっている玲瓶としては、気になる所だった。
「まさか。ただ、前より逢えなくなった事が堪えてる、とこんな形で知らされるなんて、と自分でも呆れてるよ。」            」

「一応さっきの洸磁が言ってた事は、特に何か無い限り、多華さんには言わないでおくよ。それでいいよね?」
「ああ、ありがとう。」

「多華さん、言ってたよ。出来るものなら洸磁と結婚したいって。だから洸磁が見たような事は無い、と思うよ。
浮気する事も他の誰かに傾く事も無い、って事。」

「元から多華さんを疑う気なんて無いよ。」洸磁も解っている。多華が他の誰かに傾く訳など無い事を。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 17:55:28 ID:xixikbyX<> 7.
珍しくツアー中に逢えた時。
「え、CLUB 24 YOKOHAMAとCafe Le PSYENCEにまで来たの?その人。」洸磁が少し驚く。
「うん、ライブ凄く良かった、って言ってたから。あ、ごめんね、こんな話して。」
「いいよ、多華さん好きな事話して。俺もそうするから。」
多華と逢えれば、話す事は、多華の好きな事でいい、と洸磁は思う。こうして多華と逢えればそれだけでいい。それに
メールならば自分と多華の方が遥かに多くやり取りしている。もちろん電話も。そうして
言葉や声だけでも交換する事で、やっとどうにか逢えない寂しさを癒している。

「本当は、俺もちょっと興味あるんだ、その人に。」洸磁も気になっているようだ。
「これまでに観た首都圏の3本のライブに行ったのが今の所精一杯だってさ。でも。この先の自分達の
スケジュールとか場所が上手く一致すれば、もう何本か観れそうだって。」
「じゃ、あの時会場のどこかにその人いたんだ。」Cafe Le PSYENCEでのライブの記憶。でも洸磁には、分からない。
多華も、分からなくてもいい。只、今洸磁と過ごせているだけで、洸磁もその人に興味を持ってくれているだけで、十分だった。
例え、その後会う前よりも寂しくなっても。

メールをやり取りするうちに、多華は相手が自分達よりも旅慣れている、という印象を受けていた。
実際に行かなければ分からないような事まで、よく知っている、と。タイミング良く情報提供されたりしているうちに。
それだけでなく、洸磁とのある意味、"遠距離"恋愛の悩みを書いたメールに、「何があっても仲間と恋人を信じて。ごめんね、
こんな事しか言えなくて。」要約するとそんな内容の答えが返ってきた事を、玲瓶に話した事も。
(何だ、全然心配無いじゃない、多華さんを取られる心配なんて無いよ、洸磁。)玲瓶は自分の考えが正しかった事を確信した。  <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 17:56:30 ID:xixikbyX<> 8.
それが誰かを特定し、多華の"メル友"と最も早く"再会"を果たしたのは、玲瓶だった。(もしかしたら多華も気付いていたかも
知れないが、わざわざ会おう、としたのは玲瓶だけだった。)
「え、そんな誤解をさせてしまってたの?ごめんね、今度会えたら謝っておくから。」そんな相手の言葉に
玲瓶は「いいですよ、アイツが勝手に多華さんを取られるかも、なんて誤解したんだから。」

薄い色のついたサングラスと、今日だけ別の用件だからと染め変えたような栗色の髪。首には玲瓶達の見覚えのある十字架や
貝殻のネックレスの代わりに、多華が一番最初にデザインし発表したシルバーネックレス。初めに玲瓶の目を引いたもの。

(何だ、益々心配無いじゃない、本当に多華さんを取られる心配なんて無いよ、洸磁。)
玲瓶は、今話している相手の多華に対する思いだけは、洸磁に言わないでおこう、と思った。
いくら多華を取る気など無い、といっても徒らに洸磁を不穏にさせるような事を知らせる気には、なれなかった。     

「出来ればいずれは、ちゃんと名乗って普通に友達になって。そうしたら多華さんも喜ぶよ。」玲瓶の、望み。
「解った。」
「それとこれは、貴方が良ければ、だけど・・・。」
「何?」
「貴方が良ければ、多華さんにだけ教えてあげてくれないかな?」
「何を?」
「貴方の声の秘密を。」
「いいよ。」
その、快諾の言葉と共に。その日はそこで別れた。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 17:57:28 ID:xixikbyX<> 9.
それから、 多華の"メル友"は、玲瓶ともメールをやり取りするようになった。
流石何とかの功、というべきか、玲瓶が送った相談事に的確なアドバイスが返ってくる事も度々あった。
多華との場合と違って、一度会った上でのやり取りだから、どんな話も進むのが速かった。
そうして何回かのやり取りの後。
「自分達のところだって、過去に1人抜けた時は、その理由を洗いざらい公表せざるをえなかったんだ。楽璃麻の場合は
半端に脱退理由を出している為に、多華と洸磁が引き離されてしまっているのなら、いっその事、全てを白日の下に
晒してしまえ、多華と洸磁がまた逢えるようになる為に――」
という、意味としてはそういう内容の、何とも過激なメールが玲瓶の元に来たのは、会ってから大して日も経たない内の事    
だった。
(これを実行したら、何が犠牲になるのか、知ってて送ってきたんだろうな、やっぱり。)玲瓶は読みながら思う。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 17:58:26 ID:xixikbyX<> 10.
「どうしよう、洸磁?」玲瓶にしては珍しく迷った声。
「俺、やるよ。」
「洸磁・・・。」
「犠牲になるものを知って迷って、でも多華さんを助けたくて、それで俺のトコへ来たんだろう?」
「・・・。」
「俺の脱退理由を作ったものが全て消え去る程の犠牲を払っても尚、やる価値があると判断したからその人は
言って来たんだろう?オマエに。」
「・・・。」
「オマエだって本当は、多華さんを助ける為なら人殺しだって辞さない性格してるんじゃ無いのか?」
(ありゃ、バレてるよ、洸磁には。)玲瓶は内心そう思いながら頷く。
「決まりだな。」玲瓶へのメールの内容を聞いた初めから、洸磁の選択は、決まっていた。

「俺、やるよ。それで多華さんを取り戻せるなら。また逢えるようになるなら。」
「でも洸磁、やるなら俺らがやったと分からないようにしないと、却って多華さんが危なくなるよ。もちろん俺らも。」
「分かってるよ。そこは慎重にやるさ。だけどさ、そうしてその人が言ってくれなかったら、俺達はいつまでもこのままだった
だろうな。」
「何?」
「俺と多華さんは引き離されたままで。オマエ達ももしかしたら・・・、っていう状態のままで。」
「そうだね。その内きっとその人に会えるよ。もしかしたら・・・、近いうちに。」玲瓶は一度会った事があるから、言える。
(ちなみにこの時点で、洸磁はまだ、玲瓶が一度会った事がある、とは知らない。いずれ多華に名乗って、楽璃麻メンバー達と、
洸磁に"再会"するまで、このままにしておこう、と玲瓶が思っているからである。)
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 17:59:27 ID:xixikbyX<> 11.
これまでどれだけ多くのバンドが、本当の理由を明かさないまま崩れ散っていった事だろう。(もちろん、
メンバーの誰かが死んだ、とかの余りにも酷過ぎて隠し通せないものは、公表されていたが。)
多華のメール相手は、それを敢えて晒せ、と言って来た。
玲瓶に過激なメールを送って来たその人が、如何にある種の実力者であっても、その崩れ散っていく全てをどうにかする事は、
とても出来ない。しかし多華の為ならば、そう考えるなら・・・。玲瓶はそう思っていた。
「その人が本当に邪まな心無く多華さんを、というの解る気がするよ。」
結局、玲瓶が洸磁に伏せていた、その人の多華に対する思いは、意外とあっさり、解ってしまった。             

「本当は、その人自らやる事だってあり得たんだ。だけど、敢えてオマエに、俺達に選ばせた。実行するかどうかを。    
多華さんの為に。いつか何処かで、それがどんな形でその人の身に跳ね返って来るか、分からなくても。」
「もしそんな事になったら今度は、俺らが助けるんだ。でも、もし俺らに出来なかったら、その人がやってたかも知れないね。」
玲瓶がそう言う位には、その人の多華に対する思いも、本気だった、と。会った時の、初めから名前を隠すつもりは無い、という
印象からも、玲瓶は、思う。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 18:00:29 ID:xixikbyX<> 12.
ここ最近あまり逢えなくなっていた中で更に珍しく、2人で泊まりありのデートの途中。(Wベッドは必至だなw)
「多華さん、やっぱり気になるの?明日会える人の事。」
「洸磁・・・。」
どこか気を散らしているようにも見える多華に、洸磁が
「本当は俺も気になるんだ。でも・・・。」2人をもう一度逢えるようにしてくれた人の事は。洸磁も気にしている。
「でも、そうだね。解ってるよ。もし実現したら、俺と洸磁の結婚式にその人を呼ぼう、と今言ったら、もう言わないよ。」
少なくとも朝になるまでは、互いの事だけ考えよう、と多華の方から言われるとは。ちょっと驚きながらも、言われた事には、
全く同感だった洸磁は、そのまま多華を抱く腕の力を強めた。
明日会える人の事は明日考えればいい、と。


「多華さん、洸磁、こっち、こっち。皆もう来てるよ。」玲瓶が手を振って呼ぶ。多華の"メル友"と楽璃麻メンバー全員との
"再会"の日。
昨夜一晩中でも、の勢いで洸磁に抱かれ、そして今日はやっと、2人をある意味もう一度結び付けてくれた人に会える。
(俺と洸磁の結婚式に来て欲しい、とその人に言ったら、次は何を話そう?)
玲瓶達の元へ急ぎながら、多華の思考は、回る。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 18:01:41 ID:xixikbyX<>  ____________
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 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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他盤の例を参考にしてるけど、そのまま使ってはいないし。
まず801からして作り話。ナマも虹も。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 18:11:25 ID:LW7eajMF<> w付きの言葉は、誰宛?w <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 19:59:20 ID:Q1AklVF+<> >>250
こんな目の滑る下手クソさを晒しながら誰に喧嘩売ってるつもりなんだか

リアルチラシの裏行けやクソが <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 20:05:18 ID:hY0M+pyC<> >(Wベッドは必至だなw)
ワラタ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 21:10:38 ID:8H7LGjfk<> 萎えた…
<> 風と木の名無しさん<><>2005/08/20(土) 21:18:11 ID:G59acSz7<> >>250
GJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 21:38:26 ID:lUmHbEl7<> >>250が何をしたいのか分かりません <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 22:48:33 ID:Oyg98aXV<> 255も同じIDだったら面白かったのになぁ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 23:40:49 ID:052KFc4Z<> >>250
本スレでのアレはわざとか?
お前さん、前にも楽利魔ssのどーしょもないのを書いた奴じゃね?

みっともないからもう投下するな <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/20(土) 23:51:03 ID:1bDdMqZ0<> 漏れの多歌受けを汚してくれるなw
多歌っていい当て字だな <> 花の名前<>sage<>2005/08/20(土) 23:51:23 ID:VIcmCqWe<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  オリジナルヨーロッパマフィア物モナ!
                    |  ※※死にネタ有り要注意!
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 鬼畜度足りなくて鬼畜スレにはちょっと不向きかな。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

上記にあるように基本的には鬼畜スレ向けのネタですが作者の判断では
鬼畜描写が足りないように思えましたのでこちらに投下させて戴きます。
しかし決してハッピーエンド・ほのぼの系ではありませんのでご注意。
<> 花の名前<>sage<>2005/08/20(土) 23:52:10 ID:VIcmCqWe<> あの人は別にアメリカ系ってわけでも無い。
でもほら…雪のように白い肌、血のように赤い唇、黒檀のように黒い髪。
御伽話に出て来たどこかの姫みたいだろう。
だからあの人……うちのボスはディアなんて可愛い名前で呼ばれてるんだ。

まるで抱いた女の女陰の具合を教えるようにどうにも下卑た口調で、
そしてどこか嬉しそうにそう囁いたのは誰だったか。
確かに彼はその怪しい噂に値する怪しげな美しさを持っていた。
歳は四十には届いてないだろう、という事くらいしかわからない。
白色人種と黄色人種が見事にミックスされたきめ細かく美しい肌。
夜の色を宿したかのように深く美しい髪と瞳。
絶妙のバランスを保つ眉と眦の流形、すっきりとした鼻筋。
何よりあの唇がたまらない。たった今綻んだ花のように瑞々しい赤。
あれがいけない。あれは毒の花だ。 <> 花の名前<>sage<>2005/08/20(土) 23:53:52 ID:VIcmCqWe<> 「……ライマンド」
怒るのか、それとも泣いてくれるのか。
折角あんなに期待したのに銃を突きつけられてもボスはいつもと変わらなかった。
それどころか薄い笑いを浮かべている。歪む、赤い花。
妙に苛立たしくなって頬を拳で振りぬいた。
「……ッ……!」
「何を笑ってるんだ?ボス……あぁ、もう死んじまったらボスじゃねぇな。
なぁ?俺を舐めてんのかよぉ…俺は本気なんだぜ?」
「ああ、そんなに大きな声を出さなくても聞こえている。
とりあえずまだ生きているがな、呼びたければディアでも糞野郎でも好きに呼べ。」

ボディガードも外し隠れ家での僅かな午睡の時間、丸腰でベッドに横たわる男。
銃を持ち眉間に銃口を当てて圧倒的に優位に立っている筈なのに。
ぞわぞわと得体の知れない寒気が背を這い上がる。
「どうした。ライモンド……そのまま帰ってもいいんだぞ。
私はこのまま眠る。起きた時には全部夢になっている。
今日は少々寝相が悪くてこんな痣を作ってしまったようだがな。」
―――見逃して貰える。
一瞬でもそう考えてしまった事にまた寒気が走る。
(貰える?許しを請うのはこいつの方だ。何故、俺が翻弄される)
額に当てた銃口をゆっくりと滑らせて毒の色をした唇に押し込む。
「黙れ。……それから、下着を下ろして足を開け。」
錯覚だろうか。銃口を咥えたまま男は嬉しそうに笑った気がした。 <> 花の名前<>sage<>2005/08/20(土) 23:54:56 ID:VIcmCqWe<> 「……ッ、く…」
唾液を塗しただけの性急な挿入に痛みを覚えたのは俺の方だった。
口を塞がれているとは言え男は僅かに息を乱しただけだ。
痛みが無いはずは無い。肉壁はペニスを押し込むたびに軋むように引き攣る。
生臭い臭いが足の間から漏れ始めたところを見るとかなり大きく裂けただろう。
だが、寧ろこの男は興奮している。眦は緩く弧を描き自ら腰を揺するサービ振りだ。
「……っこの、変態……いいのかよ?こうやって突っ込まれるのがよぉ…」
男は答えの代わりのように僅かに腰を浮かせてペニスを摺り寄せる。
「ふ…ゥ…ふぁ……」
血で濡れた内臓のヒダがペニス全体に纏わりつくように蠢いている。
早く、早くこの男を殺して逃げなければ。
ああしかしこの痕跡をどうすればいいのか。血と精液を洗いそれから……。
そんな俺の焦りを嘲笑うかのように押し込んだ銃口の隙間から妙に赤い舌が覗く。
卑猥なその動きにまるで糸に引かれるかのようにゆっくりと口を自由にする。
擦れたからか、それとも本性を現したからだろうか。
真っ赤に熟れた唇がゆっくりと動く。
「出せ、ライモンド。……中に出しなさい。命令…だ。」
もう何も考えることは出来なかった。
銃など投げ捨てて男の足を抱え上げると一気に深く挿しぬく。
ああ、と一層嬉しそうな声が身体の下から漏れる。
「あ……ッ、出…る、出る……出すぞ、尻開け…この、クソ雌…っ!」
尻に陰毛を擦り付けるかのように深く沈めて腰を揺らしそのまま欲望を開放する。
もうどうなってもいい。この男さえ征服できれば。
この男さえ俺の物にしてしまえればどうでも……。 <> 花の名前<>sage<>2005/08/20(土) 23:57:25 ID:VIcmCqWe<> パン、パン、と聞き慣れた音が響いてどこか気だるそうに一つの影がベッドから這い出た。
「お前も大変だねえ。覗きが仕事なんて、な。」
今まで物音一つ立てなかったクローゼットの扉が開き一人の男が姿を現す。
後頭を爆ぜさせた死体をちらりとだけ見てタオルを一枚差し出した。
「……そう思うなら少しは控えていただけませんかね、ボス。」
先程まで後孔を犯されていた所為か少しばかり歩きにくそうに腰を曲げた男…
ディアは心底おかしそうに笑い返した。
嘗てライモンドであった屍骸にはもう興味は無く一瞥すらしない。
「つまらない事を言うもんじゃないよ。それじゃあ退屈すぎて死んでしまう。
それにお前が失業してしまうだろう?シモーネ。」
酷く柔らかく呼びかけられて男は視線を外した。
ディアの言葉を聞いてはいけない。
それが長生きをする為に一番大事な事だとシモーネは知っている。

「お前はね、今まで通り自分の仕事をしてれば良いんだよ。
私の死神、シモーネ。お前が引き金を引く者は私を欲した者だけ。
お前が引き金を引く時はその人間がその望みを叶えた時だけ。」
何度も何度も言い聞かせられた言葉だがシモーネの身体のどこかは未だ疼く。
もしもシモーネ自身がディアを欲したなら…また他の死神を探すだけだろう。
「あと六分でここを出なくてはいけません。三分でシャワーを浴びてください。
残りの二分で手当てを、一分で身支度をして差し上げます。」
「……sui」(=yes)
一瞬の退屈凌ぎが叶ったディアは上機嫌に返事をしてシャワールームに消える。

「……ディア……ディアボロ。私の、ディアボロ…」
ディアボロ、それは悪魔の名前。
己の他には知る者の居ない本当の意味を呟いてシモーネは目を閉じた。 <> 花の名前<>sage<>2005/08/20(土) 23:59:02 ID:VIcmCqWe<>  ____________
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ これで終わり!
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) ナンバリング忘れごめんモナ…
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 00:30:16 ID:UOqsykJM<> >>260-265
や、やばいっす姐さん…やばいくらい萌えました
心底GJ。
ディアかっこよすぎる。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 02:01:28 ID:XzYPFtNH<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  「対決(要英訳)」 レザボアのナイフと眼鏡
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| コスプレ編書いてみましたよ 
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  だからもう
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )  キャラ違(ry
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
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<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 02:02:18 ID:XzYPFtNH<>
「なんか…しっくりしすぎ」
俺の姿を見た彼が呟いた

いろいろ調べた、調べてやった
値段はそれこそピンからキリまでで、彼がやりたいことを考えると、安いものの方がいいんだろう、と思う
というか安いものはその用途を想定して作られているのだろう、ちょっと遊びで買ってみようかと思わせる、そして一回でダメにしてしまってももったいないとは思わない値段と、作り
だけど、まっピンクだったりもの凄いミニ丈だったりする馬鹿みたいなデザインと、裏地なんて付いてそうもないテカテカのサテン地なんて俺には我慢出来そうにもないので、なりきり用のもので比較的安価なものを色々と探して、なかなか良さそうなものを見つけられた
なので「今夜、いいよ」と移動中こっそりと彼に呟いた
彼は最初何のことかわからないようで、怪訝そうにしていたけど
「メイド」ともう一度呟くと、なんともいえない、喉の奥から搾り出すような声で笑った
そんな彼にチビは心底怯えていて、格闘マニアは「アレを笑かすなんてどんなギャグ言ったんだお前」とか聞いてきて、あの人は苦笑してた
勘付かれたかと思ったが、別にもういい
その後の「仕事」の時も彼は上機嫌で、ほんの少し遊んだだけであっさりと終え、「さぁーて、帰るか」と音頭を取るくらいだった
「お前のギャグのおかげだな」とまた格闘マニアに声を掛けられたが、無視した
そして夜、彼を自分の部屋の寝室に招き入れて、ちょっと待っててと着替えて、彼の前にあらわれて
言われた台詞が、これだ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 02:03:13 ID:XzYPFtNH<>
「それ、どういう意味」
怒りもあったけど、それよりも何故か悲しい気分になって、何か拗ねてるような声になってしまった
「あ、ぃゃ、うん…似合う、似合うんだよ…つーか似合いすぎててなぁ…」
どーにも…と困ったように頭をかく
何だよ、何気遣ってるんだよ、はっきり言えよ
「興奮しない、か…」
また声が変になってしまった
彼は、いやそんなことは、みたいなことをもごもご言っている、聞こえない振りをしながら、なんとなくスカートを摘んでみる
白い丸襟と折り返しの袖のついた黒のロングワンピースに、肩と裾にフリルのついた白いエプロン、膝上まである白いソックスをはいて、頭にはカチューシャ
シンプルでいかにもメイドってかんじで、セットで色々付いててお手ごろな値段で、結構いいと思ったんだけど、やっぱつまらないか、もっと…
「スカートとか短い方が良かった?」
「あ?ぁーうん、そうだな、せめて膝くらいでよ、足首まで隠れてんのはなぁ」
「色もピンクとか水色とか、そういうのが良かった?」
「…メイド服の色っつーよりもよ、お前はさ、いっつも黒ばっか着てるじゃねぇか、だから違う色のが見たかったのもある」
「そっか…」
何か気が抜けてしまった
「悪かった、着替えてくる」
ふらりとドアに向かう、着替えてそのままどこかに逃げてしまおうか、などと思いながらノブを握ったところで後ろに引っ張られて
ベッドに上半身だけ乗ってるような恰好になる、彼が覆い被さってくる
「い、いよ…無理しなくて、も…っ」
逃れようとする俺の右手首を強く掴まれる
「誰が」
「ぃた…」
「帰っていいて言ったよ」
さっきとはうって変わった冷たい声に背筋がゾクリとする
一瞬、彼が本当に怒ってキレてしまっているのかと思ったが、目を見てああ違うと気付く
ということはそういうことなのだろう
これから俺は散々弄られて、きっとこの服は使い物にならなくなってしまうんだろう
どんなことをされるのか、と考えて身体が熱くなり始める
期待を込めて、俺は答えた
「ごめんなさい…ご主人様」 <> 風と木の名無しさん<>sage今までレスくれた皆さんありがとうございました<>2005/08/21(日) 02:04:41 ID:XzYPFtNH<>
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 酒飲んだ勢いで書いた
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )  今は反省している
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 02:25:03 ID:Hp3hjV0a<> ももも萌え…!
これから起こることを想像して更に萌え。
有難う>>270さん…これでしばらく萌えつなげるよ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 04:36:47 ID:6dl+IKig<> >ディアボロ
永遠に真実にたどり着けないボスのほうを思い出して
それはそれでえらく萌えた。
姐さんGJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 09:09:13 ID:lYLiA/zN<> >>267-270
待ってました!GJ!!
値段気にする眼鏡萌えw
やっぱメイドはロングスカートだよね!しっくりしちゃうのにハァハァ
めちゃくちゃ嬉しかったです!!
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 14:11:39 ID:rYOZznv/<> (´∀`)スキージャソプペ了/豪州/アームスト口ング×アルボーソのペアだって
(・∀・)D・V・Dの1しか観てないのに、まんまと乗せられたみたいだね
(゚Д゚) ラブラブバカッポー ニ ヨワインダナ

激しく乗り遅れての鑑賞後、3秒で妄想し、怒濤の勢いで書き上げたものの
はっと気付けば、発表の場が無く……モララーの棚にこれ見よがしに置いてみました。
文中のWCは、ワーノレド力ップです。

三行で分かる豪州ペア予備知識。トりノ五車侖後、2007年設定。
ジョージ・アームスト口ング(20)バックジャソパー、趣味は動物鑑賞。
トマス・アルボーソ(21)フ口ントジャソパー、趣味は音楽鑑賞。
オリジナルV「コアラ」(フ口ントがバックに抱き付く)でトりノ五車侖五位(DVD)。

|>PLAY ピッ ◇⊂(´∀` )ちょっと長いです。夏のバカップルin豪州。 <> 1/10<>sage<>2005/08/21(日) 14:12:21 ID:rYOZznv/<>  ふわふわとした茶色の髪が、先ほどから何度も視界にちらつく。
 リモコンを手に、冬の日本で行われた新技テストのビデオを繰り返し鑑賞
していたジョージ・アームスト口ングは、かれこれ一時間もの間、その邪魔な
物体を無視しようと頑張っていた。集中しなければならない。次のWCは、
この新技が完成するか否かにかかっている……そして、目指すは冬期五車侖。
 だと言うのに。
「……うるさいぞ、トマス」
 テレビ画面から目を離さないまま、アームスト口ングは低く唸った。
 しかし、ソファの隣で頭を前後に揺らしている男からは、いっかな反応がない。
 それもそのはずで、アームストロングの相棒であるトマス・アルボーソの耳は
シャカシャカと耳障りな8ビートのリズムで満たされており、アームストロングの
注意はおろか、彼が全身から発している苛立ちの気配にすら、毛ほども気付いて
いないのだ。
 スロー再生していたビデオが着地の直前になると、アームストロングは映像を
一時停止し、コマ送りで自分達の演技を凝視した。
 やはり、着地が不安定だ。フロントが向い合せになるコアラと違い、現在開発
しているカンガルーは、バックのスーツの中に、フロントが全体重を任せる。
その結果、どうしても着地の際に、バック……つまり、自分……の姿勢が崩れて
しまい、一度目のシェイクにまで響いてしまうのだ。
 二人の飛型得点は、着地後のシェイクまで完璧にこなして、やっと世界に
追い付いている。それだけ、他国の選手はレベルは高かった。
 もっとも、シェイクと名付けられたその動きは、元来演技ではない。 <> 2/10<>sage<>2005/08/21(日) 14:13:00 ID:rYOZznv/<>  あれは2005年、WCへ向けての強化合宿だった。
 未だ完成していないコアラに行き詰まり、他の選手達がジャンプする様を
ただ眺めていた二人。しかも、最後に飛んだ時には着地で転倒しまい、硬い雪の
表面で傷付いたアームストロングの頬には、大きな絆創膏が貼られている。
幸いにして大きな怪我はなかったものの、二人の間には、重い空気が流れていた。
「痛いか?」
 その声に横を見れば、アルボーソがうなだれてブーツの先を見つめている。
「ごめんな……さっきのは、俺が悪かった」
「気にするな」
 言ったものの、アームストロングは内心、怒鳴り散らしたい気分だった。
転倒の原因は、実際に演技した二人ともが、よく分かっている。着地寸前に
アルボーソが力を入れ過ぎ、アームストロングが支え切れなくなったのだ。
「さて、休憩は終わりだ。もう一度、やってみよう」
 柵に立て掛けていた板を手に歩き出したが、アルボーソは付いて来ない。
「どうした? さあ、気分を入れ替えろよ。合宿は、あと五日しかないんだぞ」
「……怖いんだ」
 長々と続く木の柵にもたれたまま、アルボーソがつぶやく。
「見えないから……感覚では分かるんだけど、お前が力を抜くと、どうしても
……怖くなって……駄目なんだ」
 バックの自分にも、彼の気持ちは理解できた。テイクオフ直後から着地まで
フロントは地表に背を向けている。高度も、地表との角度も全く見えないまま
飛ぶのは、気分の良いものではないだろう。しかしそれは、フロントに視界を
半ば遮られている自分も同じことだ。 <> 3/10<>sage<>2005/08/21(日) 14:13:31 ID:rYOZznv/<> 「やっぱり、ツインVにしないか? 俺……この技は、自信がない」
「トマス! 馬鹿なことを言うんじゃない」
 つい、吐き捨てるように言って、アームストロングはアルボーソに詰め寄った。
「俺達が世界で認められるには、オリジナルの技を成功させるしかないんだ。
そのくらい、分かっているだろう?」
「でも……」
「でももへったくれもない! WCはコアラで行く。もう、決めたことだ。
この合宿中に、何としても完成させるんだ!」
 大声を張り上げてから、アームストロングは我に返った。
 いつの間にか顔を上げていたアルボーソが、目を見開いて自分を見上げている。
整った小さな顔を真っ赤にして、彼は何度か白い息を吐くと、また視線を逸らし。
 急に、ぼろぼろと涙を流し始めた。
「おい……」
 アームストロングは、慌てて板を置くと、アルボーソの肩を抱く。
「泣くなよ。悪かった、怒鳴ったりして」
 アルボーソは陽気な男で、芯も強い。涙を見せることなど滅多にないのだ。
そんな彼が、抱き寄せた自分の肩に顔を埋めて、しゃくり上げている。
そもそも彼が弱音を吐いた時点で、自分は気付くべきだった……アルボーソは
分かっているのだ。分かっていて、ずっと耐えていながら、解けない緊張で
最後は転倒を引き起こしてしまった。
「そんなに、怖いのか?」
 肩口に乗せられた小さな頭が、ひとつ頷く。
 まったく、俺は彼の何を見ていたんだ! 新技のことばかりに夢中になって
一人で苛立って、こんなになるまで付いて来てくれていたパートナーに
当たり散らすなんて。彼はきっと、先ほどの転倒まで、全て自分の責任だと
思っている。
 違うんだ。 <> 4/10<>sage<>2005/08/21(日) 14:14:06 ID:rYOZznv/<> 「なあ、トマス。俺を信じてくれ」
 アームストロングは、グローブをした手でアルボーソの背中をやさしく叩くと
耳元まですっぽり覆ったヘルメットに顔を寄せた。
「怖がるなとは言わない……ただ、俺を信じて、最後まで身を任せてくれないか」
 板から離れるフロントを着地まで守るのは、バックの役目だ。パートナーの
不安も、恐怖も、全て引き受けて飛型を維持するのは、自分の仕事なのだ。
 ペア競技は、お互いの信頼が一番大切なのだから。
「俺が、支えてやるから」
 返事はない。それでも、アルボーソは泣き止んで、両手を腰に回してきた。
「最後まで、お前を離さないから」
「……うん」
 そっと顔を上げたアルボーソが、まだ涙に濡れている顔で笑う。
「信じるよ、ジョージ。信じてる……ごめんな、弱気になって」
 そして、少し躊躇うと、さっと顔を近付けて離れた。
「よし、もう一回飛ぼう」
「お前……!」
 アームストロングは、慌てて周囲を伺った。
「こんな所で、誰かに見られたら」
「見られたら? いいだろ、別に。俺たちの関係なんて、皆知ってる」
「そういう問題じゃない」
「何でだよ。合宿中は、キスもしちゃいけないのか?」
 拗ねたように眉をしかめると、アルボーソはぷいと横を向いた。
「してくれよ、キスくらい。でないと、俺」
 余計、不安になる。最後は口の中でつぶやいて、アルボーソが足早に
ジャンプ台へと歩き出す。背中が、不機嫌な子供のようだ。
 アームストロングが動けずにいると、アルボーソは首だけで振り返り。
「行くぞ! 技を完成させるんだろ?」
 ああ、本当に自分は馬鹿だ。パートナー失格だな。 <> 5/10<>sage<>2005/08/21(日) 14:14:41 ID:rYOZznv/<>  アームストロングは、駆け足でアルボーソに追い付くと、強引に腕を掴んで
彼を振り向かせた。突然の行動に驚いたのか、スーツ越しでも細い手首が
手の中でびくりと跳ねる。
「ジョージ?」
 一瞬だけ視線の合った彼の目は、ゲレンデの光を反射して、一層青く見えた。
しかし、次の瞬間には、全てを自分の影で覆い隠す。後頭部を押さえ付ける
ようにして深く口付けると、腕の中の体は、すぐに力を抜いた。
 彼とキスをするのは、何日ぶりだろう。いったい、どのくらいの間自分は
彼に愛を告げていなかったのだろう。
 柔らかな唇に音を立てて吸い付き、誘い出した舌に自分のそれを絡ませる。
今や、首の後ろに手を回し、夢中で応えるアルボーソに、アームストロングは
忘れていた愛おしさが体中を駆け抜けるのを感じた。
 そうだ。俺は、この気持ちを忘れてしまっていたんだ。
 長いキスを終えても、名残惜しさに頬を合わせて、アームストロングは
アルボーソを力一杯に抱きしめた。ヘルメットがこすれ、額のゴーグルが
耳障りな音を立てる。どんなに固く抱き合っても、高機能なスーツは、相手の
体温を伝えてはくれない。それでも……いや、だからこそ、もっと触れ合わ
なくてはならないのだ。
 彼を愛し、彼に信頼してもらうために。
「飛ぼう、トマス」
 暖かな頬が、こくりと頷く。
「次は、きっと成功する。俺たちなら、出来る」
「うん……俺とお前なら、出来るよな」
 アルボーソのグローブがアームストロングの顔を包み、絆創膏の貼ってある
場所をそっと押さえた。次いで、そっと体を離すと、伸び上がるようにして
ガーゼの上から小さなキスをくれる。
「愛してる、ジョージ。お前を信じて、飛ぶよ」 <> 6/10<>sage<>2005/08/21(日) 14:20:37 ID:rYOZznv/<>  次の飛行は、完璧だった。
 板から離れる時にも、アルボーソは一切躊躇することなく、反転をやってのけた。
 そして、着地。ただ、自分だけを見て、全身を預けてきたアルボーソの体は
柔らかく降り立ったアームストロングの腕の中に、しっかりと収まっていた。
 だが、次の瞬間、無事に着地したことで気が抜けたのか、アームストロングの
手が、アルボーソの背中で滑る。
 それは、反射的な行動だった。
 安定を欠いたフロントが落ちぬよう、アームストロングはぐっと腰を落とし
アルボーソを力一杯に引き上げた。もう一回。今度は、ぎゅっと抱き返して
きたパートナーに応えるために。
 いつの間にか、スーツの襟を飛び出していたお揃いのネックレスが、二人の
体に合わせて跳ね、軽やかに鳴った。

 あの日、コアラは完成した。
 オリジナル技はWCで熱狂的に迎えられ、二人は、初出場にして優勝という
快挙を成し遂げた。その後も順調にポイントを重ね、終わってみれば、世界の
強豪を相手に、新人の自分達が、総合五位という立派な成績を残したのだ。
 トりノ五車侖も、五位で終わったのだが。

 だから、次は、もっと高みを目指す。
 ……そうじゃなかったのか、トマス。 <> 7/10<>sage<>2005/08/21(日) 14:21:14 ID:rYOZznv/<>  アームストロングは、リモコンを乱暴に操作して、映像を巻き戻した。
 ちら、と横を伺うと、頭を振っていたアルボーソが、満面の笑みで振り向く。
 リビングの端にあるステレオから、長々と引っ張ってきたヘッドホンを
頭に乗せ、ロックの大音量に茶色い髪を揺らしているアルボーソは、何が
楽しいのか、にこにこと笑うと、アームストロングにもたれかかってきた。
「……重い」
 歯の隙間から絞り出した言葉も、彼には届いていない。
 とうとう、アームストロングは我慢できなくなった。
「いい加減にしないか!」
 アルボーソの頭からヘッドホンを引き剥がし、細いが、引き締まった筋肉で
重い身体を、ソファーの反対側へ突き飛ばす。
「真面目に見る気がないなら、邪魔なだけだ。出て行け」
「なにすんだよ、ジョージ。俺は真面目だぜ?」
「どこがだ!」
 眉を寄せて、わざとらしくむくれて見せるアルボーソに、アームストロングは
リモコンを突き付けた。
「大体な、技の研究中に、一人で音楽なんか聴いてる事自体……」
「だって、お前、ロック嫌いだろ」
「好き嫌いの問題じゃない。話し合う態度じゃないと言ってるんだ!」
 リビング一杯に響いた自分の声で、アームストロングはようやく落ち着きを
取り戻した。
 アルボーソはと言えば、ソファーで仰向けに転がったまま、半眼でこちらを
睨み付けている。少し、言い過ぎたろうか。しかし、今は真剣に新技の改良を
進めなくてはいけないのだ。本気になってもらわなくては、困る。
「……サマージャンプに、間に合わなかったんだぞ。少しは焦ってくれ」
「お前が、カンガルーは未完成だとか言うから、出さなかっただけだろ」
「未完成だろう。飛型点は、着地まで含めて……」
「俺は、悪くない」 <> 8/10<>sage<>2005/08/21(日) 14:22:07 ID:rYOZznv/<>  その台詞に、アームストロングはぽかんとした。何だって?
「離脱は完璧だし、顔の演技も褒めてもらったもんな。着地が気に入らないなら
それは、お前の責任だ」
 この男は……甘い顔してると、すぐにこれだ!
「技を考えたのはお前だろ、ジョージ。俺は、ちゃんとやってる」
「あのな」
 言い返そうと口を開いた途端、アルボーソに腹を蹴飛ばされた。
「なっ……トマス!」
「お前こそ、いい加減にしろよ。サマージャンプは終わったんだぞ!」
 どかどかと両足で蹴りを繰り出すアルボーソに、アームストロングはたまらず
ソファーを逃げ出し、床へ転がる。
「せっかく休暇になったのに、何だよ!」
「こら、止めろトマス。本気で蹴るな!」
「着地を支えられないのは、お前の筋力不足だ! 俺の所為じゃない!」
 立ち上がろうとするが、追い掛けて来た腕に捕まり、うつ伏せに倒れ込む。
「俺は、ちゃんとやってるじゃないか……」
 そのまま、背中に伸しかかったアルボーソの声が、うなじの辺りに吸い込まれた。
 ぴったりと重なる身体。シャツ越しの肩に感じる、温かな頬。
「バックのお前が大変なのは、分かってる。でも、俺だって努力してるんだぞ。
何で怒るんだよ」
「トマス……」
「俺、一度も怖がらなかったろ? だから、大丈夫だ。お前を信じてるから
……だから、変な気を使わなくて、いい」
「気付いてたのか」 <> 9/10<>sage<>2005/08/21(日) 14:22:56 ID:rYOZznv/<> 「俺は、お前のパートナーだぞ」
「そうだな……悪かった」
 床の木目を見つめながら、アームストロングは観念して謝った。気付かれている
とは思わなかったのだ。新技では、彼を支えてやれない。この腕で、守って
やることが出来ない。だから、どうしても着地で身構えてしまう。
 それが、姿勢の安定しない理由。悪いのは、自分だ。
「俺の所為だな。済まない、トマス」
「いいよ、嬉しいから……お前のやさしいとこ、好きだし」
 細い手が、肩を掴んできた。アームストロングは、その手に自分の指を重ねて
引き寄せる。指先にキスすると、背中の身体がさらに密着しようと身もだえた。
「でも、思いきって飛ぶお前は、もっと好きだ。何も気にしないで、飛んで欲しい。
俺は、大丈夫だから」
「ああ……信じるよ。ありがとう、トマス」
「まあ、それはそれとして」
 唐突に、背中の重みが消えた。振り返ると、そのまま仰向けに転がされる。
馬乗りになって、こちらを見下ろすアルボーソの顔は、悪巧みを思い付いた
子供さながら、にやにやと笑みを浮かべている。
「やっぱり、筋力不足もあると思うんだよな。特に、下半身」
 言いながら、両手で腰や腹をまさぐるアルボーソに、アームストロングも
思わず苦笑した。
「お前が重いからだ。そのでかい身体を支える身にもなってみろ」
「これでも、結構絞ったんだぜ? それも気付いてなかったのか」
「どうだか? 最近、よく見てないからな」
「じゃあ、確かめてみろよ」
 囁いた口が、自分のそれに、ゆっくりと重なる。 <> 10/10<>sage<>2005/08/21(日) 14:23:54 ID:rYOZznv/<>  音を立ててキスを交わしながら、お互いのシャツをたくし上げると、薄い布地が
遮る時間も惜しむように、また唇を寄せ合う。引き締まった、滑らかな素肌が
擦れた場所から熱を持つ。
「ジョージ」
「ん?」
「愛してるよ」
「俺も、愛してる……俺のトマス」
 アームストロングは、アルボーソのハーフパンツを下着ごと引き下ろして
形の良い尻を両手で掴んだ。張り詰めた股間を布越しに押し当てると、アルボーソの
口から微かな喘ぎが漏れる。
「二人で、完成させよう。俺たちだけのカンガルーを」
「うん……俺とお前なら、出来る」
 そして、見つめ合いながら笑うと、それ以上何も言わずに身体を重ねた。

 二人の側には、忘れられたリモコンが転がり、テレビ画面では、テイクオフ
直前の映像が時を止めていた。
 何も怖れるものなどないかのように、ただ前を見据え、飛び立とうとしている
彼らの姿が、そこにある。空へ。その瞬間は、お互いだけしか存在しない空間を
目指して、高く。
 若い二人の長いシーズンは、まだ始まったばかりだ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 14:24:33 ID:rYOZznv/<> □ STOP ピッ ◇⊂(´∀` )バカッポーばんじゃい。見てくれてありがとう!

早速DVD2を買いそうな勢いで、萌えの暴走に任せて書き終えました。
妄想吐き出してすっきり。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 17:28:32 ID:MP9fUU2l<> >260-265
ヤッベ禿萌え…姐さんGJです!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 17:59:33 ID:OGUNGqrq<> >>274-285
うわ、萌えた。GJ。
今まで迷ってたけどDVD買おう。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 18:13:25 ID:QTMkY4oc<> 途中から伏せてないーーー!!

のにも気がつかず禿萌え!!バカッポー最高でした <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 20:15:22 ID:bgu68UUL<> >>274-285
元ネタ解りませんが大変萌えました
ありがとう <> ピ工ーノレ2<>sage<>2005/08/21(日) 21:58:41 ID:jSpGCvAi<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | 前スレの用微獣ピ工ーノレの続きです 
                    | 前回読んでくださった方々、ありがとうございます 
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| ピ工ーノレ×風沖で
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> ピ工ーノレ2<>sage<>2005/08/21(日) 22:01:02 ID:jSpGCvAi<> 【前回までの続き】
目の前で卵から孵化した美貌の『刷り込み』息子ピ工ーノレから抱かせろと迫られた義理の父、風沖。
そのときは何とか上手く誤魔化して危機を回避した風沖だが、ついに運命の日はやってきたのだった。
以下、風沖くんの一人称でお送りします。

---------------------

「父さん、この前の続きなんですが」
何気ない会話をぶった斬って唐突にピ工ーノレがその話題を持ち出したのは抱えていた事件が漸く片付いた平和な午後のことだった。
「この前の続き?なんだそれ?」
この前の続きと言えば当然ピ工ーノレが俺に「性交してみませんか?」と迫った恐ろしい事件以外他にないのだが、俺は敢えて訳が分からないという風に装ってさりげなくソファーから立ち上がった。
今俺の頭にあるのは「三十六計逃ぐるに如かず」という過去の人間が残した偉大なる兵法であった。
非常に消極的、かつ弱気な兵法だがピ工ーノレの恐ろしさを知っている者なら誰でも納得する兵法に違いない。
とりあえず逃走資金の入った財布を掴み後ろ足に数歩下がる。
「父さん」
俺が逃走しようとしているのを察したのか怪訝そうな顔でピ工ーノレがソファーから立ち上がる。
「どちらへ?」
心なしかピ工ーノレの瞳が鋭い光を帯びているような気がするが気のせいだと思いたい。
「あー、急にアイスが食べたくなったからコンビニ行ってくるわ」
昨日TVで見た都市伝説「ベッドの下の男」(だったか?)での言訳を採用して俺は急いで玄関に向かった。
いや、向かおうとした。
実際は玄関に到着する前にピ工ーノレに腕を掴まれ壁に押し付けられてしまった訳だが。

「父さん、この前の続きをしてもいいでしょうか?」
と、真面目な顔でピ工ーノレ。
普通、セックスを迫る男はこんな糞真面目な顔をするだろうか?
思わずそんなことを考えつつも俺は諦め悪く全てを有耶無耶にしようと話題を変えてみる。

「それはそうと、お前、実の親のところに帰らなくていいのか?
あちらのご両親はお前のことをえらく気にかけてたじゃないか?親は大切にしねえといけないんだぞ」
しかし、それが普段から眉一つ動かさない冷静なピ工ーノレの気に障ってしまったらしかった。
「実の両親のことは考えたくもありません」 <> ピ工ーノレ2<>sage<>2005/08/21(日) 22:02:45 ID:jSpGCvAi<> 全てに無関心そうなピ工ーノレにしては珍しく吐き捨てるように言うとピ工ーノレは真っ直ぐに俺の顔を見つめた。
そう言えば、うっかり失念していたが、こいつな何故だか実の両親を毛嫌いしているんだった。
「僕にとって大切なのは父さんだけです」
実に感動的な台詞!!
出来れば将来美人のオネエちゃんと宜しくやって出来た可愛い娘に言って欲しかった台詞であるが、ピ工ーノレに言われると別の意味涙がちょちょ切れそうだ。

「まぁ、気持ちだけは戴いて置くけどな、そ、それはなんつーか」
流石にありがた迷惑だ、と率直に告げるのも僅かながらの親心(?)が痛み言葉を濁す俺にピ工ーノレは言った。

「だから抱かせてください、父さん」

だから、何が『だから』なんだ?!
普通の出来のいい息子は父親に向かって「抱かせてくれ」とは言わねえぞ!!
俺が「冗談じゃない!!」とお断りを入れるよりも早くピ工ーノレは更に強く俺の体を壁に押し付けてくる。
「こここ、こら、離せ」
抵抗を試みるも空しくピ工ーノレは、その優雅な白い両手で俺の頬を挟み唇を寄せてきた。
間近で見るには強烈過ぎるピ工ーノレの美貌に俺は慌てて目を逸らした。
こいつ相手に恋愛感情など抱くはずも無いが、それでも5秒以上ピ工ーノレの顔を見つめていると脳味噌が蕩けてしまいそうになる。
人外の美貌とはそういうレベルのものだ。
しかし、目を逸らしても奪われるものは奪われるものである。
信じがたいほど整った唇が俺の唇に重なる。
女の唇なら腐るほど奪った経験があるが、こんな風に自分が奪われるのは初めてで、その生々しさに俺は慌ててピ工ーノレの服の胸元を掴み押し返そうとした。
だが、ピ工ーノレの冷たい舌先が俺の口内に侵入してきた瞬間、押し返す為に掴んだはずの手で俺は必死にピ工ーノレの服を握り締め自分の体を支えていた。
甘く痺れるような感覚が喉元を締め付けて、項を辿り下半身へと降りていく。
全身の血がふつふつと沸き立っているかのように体が熱い。 <> ピ工ーノレ2<>sage<>2005/08/21(日) 22:04:11 ID:jSpGCvAi<> 「てめぇ、何しやがったっ?!」
情けない話だがガクガク震える体を足だけで支えることが出来なくて俺は背後の壁に崩れるように背をあずけピ工ーノレを睨み上げた。
ピ工ーノレは俺の様子をじっと見つめた後、申し訳なさそうな顔で礼儀正しく頭を下げた。
「すみません、うっかり失念していましたが我々の唾液は人間には強烈な催淫効果をもたらすこともあるようです」

「なん…だとぉ?」

催淫効果。

蛍光ピンクの文字で妖しい広告に書かれていそうな単語を綺麗な顔で優雅に口にするピ工ーノレを見上げ俺は気が遠くなりそうになった。
無論、耐えた。
ここで気を失っては俺の貞操の危機は誰が守る?
そんな必死の思いから俺は全身を苛む淫らな疼きに奇跡的に耐え父親の威厳を持ってピ工ーノレに命令した。

「とりあえず、おまえは帰れ」
頼むから帰ってくれ、大人しく糞して寝ろ。
そして俺にAVのネエちゃんを拝みつつ一人で気楽にシコシコ処理をさせろ!

「お断りします」
そんな父親のささやかな願いを馬鹿息子はあっさり切って捨てた。

「父さんには申し訳ないのですが僕の唾液のもたらす催淫効果は絶大です。
つまり、父さんは今誰かに襲われたら誰彼かまわず見境なく足を開く淫乱…、失礼、奔放的な体になろうとしています」
さすがに義理の父親相手に「淫乱」という言葉を使うのは気が引けたのかピ工ーノレは言葉を選び直したが俺にとっては、どっちも大した違いはなかった。

「阿呆、なら、お前がいる方が危険だろうが」
なんせ、この馬鹿息子は俺を抱きたいと宣言しているのだ。
そんな淫乱…じゃない、奔放的な体になった状態で二人っきりだなんて考えただけでも恐ろしい。 <> ピ工ーノレ2<>sage<>2005/08/21(日) 22:05:37 ID:jSpGCvAi<> 「そんなことはありません。それに僕には父さんを襲おうとする輩から父さんを守る義務があります」
「なら、尚更帰れ」
「何故でしょう?」
「お前といると却って危ねえんだよ」
女に襲われるのは割りと嬉しいし万が一男に襲われたとしても、この状況でもピ工ーノレ以外の相手なら、ひと捻りで片付けられるはずだ、多分。
「そんなことはありません」
駄目だ。いつもの会話のパターンだ。
こいつとの会話は毎回、こういう風に堂堂巡りになるのである。
「とにかく帰れって!!」
「帰りません、例え親子の縁を切られても」
そう宣言されて俺は言葉に詰まる。
自分でも卑怯だと思うが俺が一番迷惑に思っている「親子」という関係こそがピ工ーノレの暴走を阻止する唯一の歯止めになることを俺はよく知っていた。
親子の縁を切れば、こいつの自由裁量を大幅に広げ、こいつが何をしても親父の威厳を発揮できなくなるのだ。
何も言えなくなった俺を労わるように髪の毛を指先で梳いてピ工ーノレは軽々と俺の体を抱き上げる。
思わず体を硬直させる俺の気配を感じ取ったのか、ピ工ーノレは俺をベッドに降ろすと少しだけ微笑んだ。
「とにかく…唾液の効力が切れるまで寝ていてください」
ピ工ーノレの言葉に俺は思わず目を見張る。

「おまえ…、やらねえのかよ?」
思わず聞いてしまった馬鹿なオヤジに品行方正な息子は大真面目に答えた。
「まやかしや虚構の父さんを手に入れたいとは思いません」
世間のエロ親父どもに聞かせてやりたい感動物の台詞である。

本当は、こいつが本気で俺を犯そうとすれば何時でも簡単に出来る。
…そんなことはよく分かっている。

「そう…か」
俺は「親子の愛っていいよな」とか思いながらピ工ーノレの言葉に従って素直に眠ることにして目を閉じた。
<> ピ工ーノレ2<>sage<>2005/08/21(日) 22:07:10 ID:jSpGCvAi<> ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 本番は程遠いですな
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )  
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 22:21:31 ID:6uVucj7j<> 続きキタ━(゚∀゚)━!!
あなたの作品で本作に興味を持って買っちゃいましたよ(´Д`;) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 23:13:33 ID:uuLEF1Xk<> >274-285
私生活でも寝食を共にする仲むつまじいペアキテタ━(゚∀゚)━!!!
俺たちだけのカンガルーワロスWWW
姐さんGJ!他のペアも書いて欲しい…皇帝とその弟子とか。

>289
スキー/ジャン/プペ/アでぐぐると幸せになれると思いますよ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 23:25:40 ID:LNFXGlGl<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | >>182-185の続きのようなものだモナ。 
                    | 後輩K×看板俳優K
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 看板は劇団主催Mにお熱らしいYO
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 自己満足自己満足
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

<> 1/4<>sage<>2005/08/21(日) 23:26:55 ID:LNFXGlGl<> 夜店の裏手には、人気の無い林があって。
花火に夢中な連中の喧騒を余所に、俺達はそこにいた。
2人きり、遠く屋台提灯と時折上がる夜空の花を明かりにじゃれ合うみたいに抱き合いながら。

「まーくんっ、あかんて。」

大きな杉の木に細いカラダを押し付けて、緩く開いた浴衣の襟元から手を忍ばせれば、恋知くんは慌てて抵抗する。

「あかんことないやろ。誘ったのは恋知くんや。」

小手先の抵抗なんて出来ないように、ぎゅっと抱きすくめて、なだらかな首から肩に口唇を寄せた。
きつく吸って痕を残す。

「ダメやて、まーくん、あかん、ほんまに。」
「嫁さんに見られたら困る?」
「当たり前やあほ。」

乱れた浴衣の裾から手を入れて、恋知くんの内股を撫でる。
ほっそい脚。
どこもかしこもほっそいカラダ。
<> 2/4<>sage<>2005/08/21(日) 23:27:54 ID:LNFXGlGl<> 「なぁ…ホンマに見られて困るのは」
「それ以上言ったらまーくん絶交や。」

恋知くんが俺に言わせなかった名前の人を、恋知くんがもう十何年も慕ってる事を。
その人の為にいつだって一生懸命で精一杯頑張ってる事を、同じくらい傍で恋知くんを見て来た俺は知ってる。

「せやけど俺、もう我慢できひん…。」
「まーくん…」
「…ごめんな…。」

全部俺のモノにしたい。
恋知くんの全部。
汗で湿った肌のあちこちに触れてると、そのうち恋知くんの呼吸が忙しなくなる。
短く、浅く、はぁ、はぁ、って、俺の耳元に吐き出される熱い吐息。
時折上がる、まーくんっ、って抗うみたいな呼び声と、耐えるようにぎゅっと目を閉じて身を竦ませる恋知くんが可愛くて、愛おしくて、でも少し可哀想で。
柔らかな髪越し額にキスすると、恋知くんの目がうっすら開いた。
伏せた睫毛に見え隠れする、涙で潤んだ瞳が真っ赤なのは暗がりにも判った。

「ごめん…。」

好きになってごめん。
こんなことして怖がらせてごめん。
幸せな家庭、危機にさらしてごめん。
俺の事、好きでもなんでもないの知ってるけど。
だけど、あんたが欲しい、恋知くん。
<> 3/4<>sage<>2005/08/21(日) 23:28:41 ID:LNFXGlGl<> ふっくらした下唇を俺の口唇でそっと食む。
鼻先もおんなじように遊んで、もういちど甘い口唇へ。

「好きや…恋知くん。」

触れ合う距離のまま囁いて、初めて深く混ぜ合わせた。
好きや。
好きや。
好きや。
口唇を開いて、舌で恋知くんの咥内を犯す。

「…ん、っ、…ふ…」

息継ぎさえ出来ないくらいに深く交わった口唇の狭間から、苦しげな喘ぎが零れるけど。
俺は恋知くんを逃がしてやる術を持たなくて。
ただきつく、きつく、抱き締めた。
切なくなるくらい肉のないカラダは、小さく震えてる。
なのに、そろりと伸びて来た頼りない腕は、まるで縋るみたいに俺の浴衣の背中をぎゅっと掴んだりするから。
だから俺は少しだけ勘違いをしてしまいそうになる。
恋知くんが好きなのも、大切なのも俺なんかじゃないのに。
解ってるのに。
恋知くんの淋しい気持ち、利用してる。
こんなんじゃあかん。
こんなんじゃあかんって、頭を振って腕の中のカラダ見下ろせば、確かに感じてた人肌のぬくもりが無機質なそれに変わっていって。
さらさらと砂みたいに零れ落ちてった。



<> 4/4<>sage<>2005/08/21(日) 23:29:37 ID:LNFXGlGl<>


夢だった。


あぁ、全部夢だったんだ。
そう思ったら心底安心してる自分がいて。
抱きしめてキスして好きだって告白して。
だけどその全部が夢だった事にどうしようもなくほっとする。
俺の我侭で恋知くんを怯えさせずにすんだ。
俺の欲望で恋知くんを汚さずにすんだ。
俺の勝手で恋知くんを困らせずにすんだ。
ホントに…夢で良かった。

のっそりとベッドから降りる。
習慣で食卓にあったタバコを口に咥えたけど、そう言えば恋知くんに付き合って禁煙中だった事を思い出す。
火は点けなかった。
そのままテーブルに突っ伏して、窓の外をぼーっと眺めた。

「今日も暑そうやな…」

抜けるような真っ青な空は。
なんだか恋知くんの笑顔みたいだった。



<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/21(日) 23:31:19 ID:LNFXGlGl<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 前回レスくれた姐さん方ありがd。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 性懲りもなくお目汚し投下して木綿ね。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

<> 298<>sage<>2005/08/21(日) 23:32:34 ID:LNFXGlGl<> ×主催
○主宰 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/22(月) 00:50:23 ID:v3sM849d<> >>298-303
姐さんまたしてもキテタ━━━(・∀・)━━━!!
まーくん切ないよまーくん(´・ω・`)
主宰よりまーくんと結ばれて幸せになって欲しいです>恋知マン
なにはさておきGJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/22(月) 01:51:03 ID:ES91EMqS<> >>290-295
キテタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
流石ダンピー.ル唾液じゃなくても身体中そんな要素で一杯そうだ(*´Д`) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/22(月) 06:29:58 ID:YDJNvq5e<> >>290-295
キタコレ━━━━━(*´д`*)━━━━━!!!!
パパン流されそうだよ、パパンw <> 289<>sage<>2005/08/22(月) 19:47:06 ID:7yBe2QeX<> >297
d
ぐぐるさんに場所教えてもらいますた


なにこの最高に馬鹿な作品
ツボ入ったんでそのうちDVD買ってきます
素敵な世界を有り難う <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/22(月) 21:06:05 ID:Lf6ABl+B<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  ドラマスレのおかげで萌えますた。水男sp
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 検索×棚化だよ。 
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )  
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 1/3<>sage<>2005/08/22(月) 21:07:21 ID:Lf6ABl+B<> 結局、声をかけるタイミングをすっかり逃したまましっかりと一部始終を見届けてしまった。
通話の終わった携帯を少し満足げに見つめて安堵の表情を浮かべる棚化とは逆に
真横からその様子を見ていた検索の眉はだんだんとしかめられる。
「・・・・・・『キョウコさん』ねぇ・・・・・・」
「うぉっ!!検索!?お前、いつからソコに・・・!!」
急に窓から声を掛けられてひどく驚く棚化の机の上から検索は写真を取り上げた。
「ふぅーん・・・」この人がねぇ・・・。と益々おもしろくなさげに呟く。
プライバシーなんて言葉を聞いてやるつもりはない。

大体棚化だって悪いのだ。
プレハブ部屋の窓は開け放ったままだったし。いつものようにそこから顔を出した検索にも気付かず
電話をし始めたのだから。
棚化が鈍感なのか俺の存在が薄いのか・・・。
電話相手と棚化の関係が想像できないほど幼くはないつもりだが
自分がいることを忘れられてしまうほどの相手をつい悪く言ってやりたくなるのは
やはり子供であることの証拠だろうか。
説教を始めそうな勢いの棚化に写真をつき返してやると、検索は不機嫌を隠さないまま
「なぁ」と棚化に詰め寄った。
「『待ってます』とか真剣に言っちゃってさぁ、ホントにこんな島まで来てくれんのかよ彼女」
「・・・お前・・・全部聞いてたのかよ・・・」
落胆して顔を覆う棚化にイライラが募る。からかいたいわけではないのに。
「だいたいさぁ、棚化ちゃん女に夢見すぎなんじゃない?
さっきの電話もそうだけどさぁ、ウチの姉ちゃんにまでバカ丁寧に話しかけてるみたいだけど、
ああ見えて乱暴なとこあるし口も悪いからムカつくし。女ってのは普段猫かぶってるとしか思えないけどね」
<> 2/3<>sage<>2005/08/22(月) 21:08:25 ID:Lf6ABl+B<> 「あのなぁ・・・」と言い返そうとする棚化の溜息が聞こえる度、先を聞きたくなくて検索は必死に言葉を続けた。
自分もちゃんとかまって欲しい、と思う気持ちはまるで駄々をこねる子供のようだ。
気付けば悪口の矛先は棚化にまで向かっていた。
「フツー彼女相手に敬語とか使うかよ。もうちょっと男らしくしないとさぁ・・・」
堅すぎるお付き合いだなぁ、と続けようとした時、ふと何気ない疑問が浮き上がって
瞬間、検索は口からそのままを滑らせていた。

「・・・棚化ちゃんは彼女とどこまでシタことあんの?」
「・・・・・・は!?」
「や、なんかすっげぇ健全なお付き合いって感じだなぁって思ってさ。で、どうなの?」
途端、言葉を詰まらせて固まった棚化は信じられないものを見るような目で検索を凝視した。
「ね、コーチっ。チューくらいはしちゃったんですかー?」
なんとはなしに口にした言葉だったが、だいぶ効果的だったらしい。
気を引けたことにすら嬉しくなって窓から伸びあがって返事をねだると、
無言で棚化に窓を閉められそうになって慌てて引き止めた。
「ちょっ!いきなり閉めんなよ、危ないなぁ」
「君は、そんなことを聞くためにわざわざ来たのか?だったら、話している暇はない。
僕はもう荷物をまとめるんだ。君はもう寝ろ」
「ある!あるよ!ちゃんと用があって来たんだってば!!」

相当気に障る話題だったのか、撥ね付ける言葉も窓を閉じようとする力も大分キツく
しばらく窓をつかみあっての押し問答状態だった。
検索の指を挟んででも閉める勢いのあった棚化とのやりとりで
ようやく窓から手を離す時にはお互いが肩で息をしていた。
<> 3/3<>sage<>2005/08/22(月) 21:09:08 ID:Lf6ABl+B<> 「渡すものあって、来たんだよ・・・」
最初の電話劇ですっかり忘れそうになっていた。
足元に置いた紙袋から取り出したものを検索は棚化に手渡した。
夏らしい島の花柄が小さくちりばめられた生地。淡い色の涼しげなそれを
棚化が広げると、ぴったりと似合いそうなシャツがあらわれた。
「これ・・・、お前が作ったのか?」
「おうよ」
棚化ちゃん花柄スキでしょ?と顔を覗きこむと、シャツを見る目が柔らかくて嬉しくなった。
調子に乗るならいまかもしれない。
今度は閉められないうちに、と一気に体を窓枠に半分以上乗り出すと、素早く棚化の頬に唇を落とす。
数瞬遅れて振り向いた棚化は頬をおさえたまま、またしても固まってしまっていた。
「今・・・何した・・・・・・」
「製作料だよ、セーサクリョー」
恐る恐る、といった調子で聞く棚化の反応がおもしろくて検索は満足げに笑むと
これからの目標になる場所に、そっと指を伸ばして触れた。

「次、渡す時はもっとすっげぇカッコイイの作るからさ、そんときの製作料はここね」
「・・・言っておくが僕は君と付き合う気はないぞ」
唇に指を押し当てられたのをどける棚化の表情も言葉も、どうにか、という様子で苦しそうにだった。
頬はごしごしと痛いほどこすられたせいか薄赤く染まっていて検索は笑う。
「まーなんでもいいけど俺にファーストキス奪われんのヤだったら付き合ってる人と済ませときなよね」
途端、忌々しげに棚化が足を踏み鳴らしたのを、
検索は「照れるなよー」とおもしろがるのをやめられなかった。
今はまだ未熟な子供だけれど、実力がついたら。
本音を冗談で隠すようなことはしない覚悟でいる。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/22(月) 21:10:00 ID:Lf6ABl+B<>  ____________
 | __________  |
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 | | □ STOP.       | |
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 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) シリスボミ、と。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/22(月) 21:51:29 ID:TXHBkbR7<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  ☆戦争エピ3後・大仮名議員×帯モナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  でも、どうやら穴帯前提らしいよ…
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ナ、ナンダッテー
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚;)
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  | <> ☆戦争・エピ3後 1/9<>sage<>2005/08/22(月) 21:52:28 ID:TXHBkbR7<>  執拗な帝/国/軍の追っ手の目を逃れ、外ゥイーンの辺境地域で
ひっそりとした暮らしを営んでいた才ビ=ワンは、住居と定めた
小屋の前に一台のスピーダーが停まっているのを見ると、嫌な汗が
背中を伝うのを感じた。
 塗装が剥げたせいだけではない、錆と埃で白茶けた赤のボディ。
 両脇に取り付けられたタービン・エンジンの空気吸入口には
砂塵がこびり付いているが、乗り物どころか生物ですら砂まみれで
生活している外ゥイーンでは、さして珍しくもない光景だ。
 こんなスピーダーなら、モス・了イズリーに行けば好きなだけ
見ることができるだろう。
 スピーダーは随分前に小屋に到着したらしく、エンジン部は
全盛時よりも熱が下がっていた。
 ライ卜セーバーは腰に付けている。大丈夫だ。
 才ビ=ワンは、外套の長い裾をひらめかせながら慎重な足取りで
小屋に接近し、外壁にぴたりと背中をくっつけた。
 そして窓から屋内の様子を覗き込んだ彼は表情を驚きのものへ
変えるとたった今、近くの民家で分けてもらった僅かばかりの食料を
放り出さん勢いで小屋の中に駆け込んだ。 <> ☆戦争・エピ3後 2/9<>sage<>2005/08/22(月) 21:53:38 ID:TXHBkbR7<> 「才ーガナ議員……?」
 薄暗い部屋の中央に、背の高い男が立っている。
 後ろ手を組みながら中の様子をしげしげと眺めている広い背中に
向かって、恐る恐る声を掛けてみると、くるりと振り返った男は
精悍な顔に歓喜の色を満ち溢れさせ、手を左右に広げながら大股で
才ビ=ワンに近づいて来た。
「マスター・ケノー匕゛! よくぞ無事で!」
 背骨が折れるのではないかと危惧するほどの力で抱きしめられ、
目を白黒させている才ビ=ワンに気付くと、ベイノレ・才ーガナは
咳払いと共に「失礼」と言って彼を放した。
 こんな風に、人と触れ合うのは久し振りだ。不意に与えられた
温もりに心拍数が跳ね上がる。
 ベイノレと会うのも、多くの命が失われたあの時以来だった。
 才ビ=ワンはベイノレに椅子を勧めると、羽織っていた茶色の外套を
脱ぎ、食料をキッチンに置きに行った。
 そして水を注いだコップを持って、客人の向かいに腰を下ろした。
「どうぞ」
「ありがとう。ああ、体が生き返るようだ!」
 手渡されたコップから水を一気に喉の奥へ流し込むと、ベイノレは
にっこりと笑った。 <> ☆戦争・エピ3後 3/9<>sage<>2005/08/22(月) 21:55:42 ID:TXHBkbR7<> 「幾ら探しても、きみの姿が見えなかったものだから、遂にここも
帝/国/軍の標的となったのではと、心配していたのだ。ともかく
無事に戻られたのは良かった」
「一体、いつ外ゥイーンへお着きに? それに、どうやってわたし
の居場所を?」
 矢継ぎ早に質問を浴びせかける才ビ=ワンの勢いを宥めるように、
ベイノレは広げた両手で彼を制す仕草をした。
「到着したのは昨日の夜だ。街の酒場に入り、砂漠に住む『隠者』
を探していると言ったら、バーテンが親切に教えてくれたよ。
それはベン・ケノー匕゛に違いない、彼は大砂丘の南西部に住んで
いる、とね。……大方、家族も財産も失った不幸な男が世捨て人の
仲間入りをしに行くところだとでも思われたのだろう。大した額の
チップもはずんでもいないのに情報を分けてくれたのだからね」
 言われてみれば、いつも清潔な身なりをしていたベイノレだったが、
今の彼は薄汚いローブに身を包んでいる。きちんと手入れされた
顎髭や、綺麗に撫で付けられた髪型も、今やボサボサだ。
 才ビ=ワンはコップの縁に口を付けて水を飲みながら、ベイノレの
全身を隈なく凝視した。
「……」
 不幸な男、というよりはならず者のようにも見える。 <> ☆戦争・エピ3後 4/9<>sage<>2005/08/22(月) 21:56:42 ID:TXHBkbR7<> 「これでも精一杯、身分を隠したつもりなのだが」
 じろじろと不躾な視線を浴びて、元老院議員は居心地悪そうに
尻をもじもじと動かした。
「その点は大丈夫でしょう。今のあなたは、とてもじゃないが
政治家には見えない」
 くすくすと笑う才ビ=ワンを見て、ベイノレは何故かホッとした
顔つきをした。
「外ゥイーンでの生活には慣れたかね? 少し痩せたようだが」
 そう問われて、才ビ=ワンは唇を擦り合わせて水滴を拭ってから
答えた。
「日増しに心が乾いていくようです。それを砂のせいに出来たら
どんなにいいか……。しかし、この惑星の気候は、わたしに合って
います。暑さで頭がぼんやりとしている間は何も考えなくて済む」
 才ビ=ワンは両手でコップを包み込み、四角い窓から中の水面を
覗き込んだ。
「唯一の潤いは、ノレークの成長を見届けることです。わたしの腕に
抱かれて、すやすや眠っていた子がもう随分と大きくなった。
ノレークは去年からスピーダーを乗り回しているんです。あの子の
運転は誰よりも上手なんですよ」
 まるで我が子を自慢するかのように話す才ビ=ワンの表情は
安らいでいて、彼はこの顔でベイノレを欺くつもりだったのだが、
腹の探り合いを得意とする議員には通じなかった。 <> ☆戦争・エピ3後 5/9<>sage<>2005/08/22(月) 21:57:36 ID:TXHBkbR7<> 「マスター・ケノー匕゛、アナキソ・ス力イウォー力ーは……
夕゛ース・ヴェイ夕゛ーは、皇帝の右腕として着々と銀河を帝国の
支配下に置き始めている」
「ええ、右だけでなく、両腕とも生身の肉体ではないくせにね」
 穏やかな表情の下に垣間見せる辛辣さが却って痛々しい。
 ベイノレはそっと溜め息をついた。
「きみは彼を忘れることなど出来ないのだろうな」
「出来るものですか。あんな……酷いことを……」
 才ビ=ワンは今でも夢に見る。
 静まりかえったヅェダイ聖堂で再生させたホログラム……青い
光刃に倒れる幼い者たち、外套を被った人物の前に跪く見知った顔、
だが外套の人物が口にした名前は、才ビ=ワンが呼び慣れたものでは
なく……。
「……マスター・ケノー匕゛。才ビ=ワン」
 ベイノレは手を伸ばすと、才ビ=ワンの手の甲を握った。知らず目を
閉じていた彼はビクリ、と肩を揺らしたものの、瞬きを繰り返すと
すぐに平静状態に戻った。 <> ☆戦争・エピ3後 6/9<>sage<>2005/08/22(月) 21:58:31 ID:TXHBkbR7<> 「議員、わたしなら大丈夫です。幸いノレークも成長の一途を辿って
いることですし、彼に何かあればわたしが放っておきません」
「しかしきみはもう若くない。ブラス夕ーを手にした卜ルーパーの
大軍が雪崩れ込んできたらどうする」
「わたしはフ/ォ/ー/スの導きに従い、それを受け入れるだけです。
だが、ノレークだけは殺させない。あなたもそうでしょう? ご自分の
命に替えてでもレイ了を守ろうとなさるはずだ」
 才ビ=ワンはそう言いながら手を引こうとしたが、温かい大きな手は
びくとも動かなかった。
 ベイノレが解放してくれないことを知ると、才ビ=ワンは顔をしかめた。
「レイ了は美しく、とても利発な子だ。おてんばなところもあるが、
それは母親の血のせいだろう。ノレークもまた、父親の血を特に濃く
受け継いでいる。違うかね?」
「わたしはノレークにアナキソの姿を重ね合わせて見たりはしません。
ノレークはこの銀河で生きるべき人間です。彼とレイアは、帝国を倒す
希望でもある。でもアナキソは」
「きみはアナキソの死を望んでいるのか」
 ベイノレは静かに訪ねた。その問いに対する答えは返らなかった。
「彼に死をもたらす以外に、どうやって彼を救うというのですか」
 しばらくして、塞がれていないほうの手で顔を覆うと才ビ=ワンは
がっくりと項垂れた。 <> ☆戦争・エピ3後 7/9<>sage<>2005/08/22(月) 21:59:29 ID:TXHBkbR7<>  その灰青色の瞳が涙に濡れることはないと分かっていても、ベイノレ
は彼が今にも泣き出しそうな様子に見えた。
 ベイノレは椅子から腰を浮かせて才ビ=ワンの前に跪き、彼の後頭部を
大きな手で抱え込んだ。
 才ビ=ワンが震える息を吐き出すと、ベイノレの胸の辺りに温もりが
感じられた。
「たまには涙を流しなさい。ヅェダイ・オーダーは感情を抑えるように
教えているかもしれないが……」
 あやすように背中をさすると、薄汚れた白いチュニックの下に隠れた
細い体から徐々に力が抜けていくのが分かった。
 才ビ=ワンの手が、ベイノレのローブを掴んだ。
 広い胸にこつり、と額を預けた才ビ=ワンはしばらくなすがままに
されていたが、やがて深く空気を吸い込み、息と一緒に痛みを体の外へ
吐き出した。
「涙は、どこかへ置き忘れてしまいました」
 小さな声でそう言うと、才ビ=ワンは顔を上げて微笑んだ。
「あなたは優しい方だ、議員。こんな辺境の地へ来て下さるなんて」
 ベイノレは黙って彼を見つめていたが、前髪を掻き上げて額にキスを
すると、才ビ=ワンから身を離した。
「きみはわたしの希望なのだ」
「わたしが?」
 才ビ=ワンは、帰る様子を見せているベイノレの背中を見つめながら、
意外だと言わんばかりに目を丸くした。
「だから、どうか生き延びて欲しい」
 そう言いながら振り向いた彼の真摯な目に心を打たれ、才ビ=ワンは
素直に頷いていた。
<> ☆戦争・エピ3後 8/9<>sage<>2005/08/22(月) 22:00:23 ID:TXHBkbR7<>  先に表へ向かったベイノレの後に続いて、才ビ=ワンも小屋の外へ出た。
「参ったな。この陽射しのお陰でシートが灼けるように熱い」
「大事なものは陽の当たらない場所へ。外ゥイーンでは常識ですよ」
 スピーダーの前に立ち尽くすベイノレを眺めて笑っていた才ビ=ワン
だったが、家の中に戻って古い布切れを持って再び戻って来た。
「これをシートに敷くといいでしょう。多少は熱が和らいで、座れる
ようになります」
「親切にどうもありがとう。マスター・ケノー匕゛」
「あと、首の後ろにも気を付けて」
「首の後ろ?」
 ベイノレが思わず聞き返すと、才ビ=ワンは眉毛の位置に手で庇を作り
ながら晴れ渡った空を見上げた。
「首に布を巻いて日避けしないと、これからの時間は特に陽射しが
きつくなりますから。ちょうど、モス・了イズリーへ向かうのとは反対の
方角に太陽が沈むんです」
 才ビ=ワンはそう言って、ベイノレの首に布を巻いて温和な気候で知られる
オノレデラン生まれの肌を保護してやった。
 ベイノレは無表情を保ちつつ、照れたように頭を掻いた。
「ひょっとすると、わたしの妻より気が利くかもしれないな」
「幾ら夫相手でも、女王陛下ともあろうお方がこんな細かなことを言う
はずがありませんよ。わたしの場合は、師が奔放で弟子が無鉄砲だったから
気が利かざるを得なかったんです」
 溜め息をつきながらひょいと肩を竦めた才ビ=ワンは、スピーダーに
乗り込んだベイノレを見下ろしてニヤリと笑った。 <> ☆戦争・エピ3後 9/9<>sage<>2005/08/22(月) 22:01:39 ID:TXHBkbR7<> 「お元気で、才ーガナ議員」
「ああ、きみもな。マスター・ケノー匕゛」
 才ビ=ワンはかつてのヅェダイのようにお辞儀をし、二人は手を伸ばして
固く握り合った。
 青白い噴射を上げて去って行くスピーダーが小さな点になるまで見送って
いた才ビ=ワンは、点が地平線の向こうに消える頃になってようやく小屋の
中に戻った。
 薄暗い室内に入ると、思わず溜め息が漏れた。
 オノレデランからの予期せぬ来客にも驚いたが、自分が真に願っている望み
をベイノレとの会話で思い知らされて、彼は打ちのめされていた。
 才ビ=ワンは部屋の隅へ行って床に膝を突き、箱の蓋を開けて懐かしい
代物を取り出した。
 鈍く光る銀色の柄。その先に伸びる光刃の色は、かつての親友の目を思い
起こさせる。
(わたしはこの手でアナキソを殺せない)
 ライ卜セーバーを起動させることなく、彼はそれを再び箱の中に戻した。
 そして、箱の側面で揺れている頑丈な錠に鍵を掛けた。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/22(月) 22:02:54 ID:TXHBkbR7<>
 ____________
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 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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エピ3を見て大仮名×帯にこっそり萌えてたので
他の姐さん方の作品も見てみたいなどと呟いて去ります。
お目汚し失礼しました。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/22(月) 22:39:21 ID:uWIUnoVu<>  ┏┓ ┏━━┓
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┗┓┏┛┗┛┃┃━━
 ┗┛   ┗┛
━━━(゚∀゚)━━!!!!

姐さんネ申!!ありがとうありがとう!ほんとにありがとう!しばらくこの萌えで生きていけるよ… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/22(月) 23:43:37 ID:ZLiFwCNP<> >>314
キィ━━━━━タ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ァァ!!
萌えつつもどこか心温まるお話をあがとうあがとう!
しかし帯の「彼に死をもたらす以外に〜」切ない・゜・(ノД`)・゜・。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/22(月) 23:45:19 ID:aLQJM0La<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  自分を精神病を疑う攻×論理の得意な受
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  スレで萌えが瞬間発火した。今は反省している
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ カガヤキイガイデモエチマッタ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
<> 1/4<>sage<>2005/08/22(月) 23:47:08 ID:aLQJM0La<>

窓枠をついと人差し指でなぞる。外は梅雨の体だ。
青年は指の腹にこびり付いた苔と埃をぼんやりと見下ろした。
親指と擦り合わせて、ぱらぱらと汚れを落とし去る。さしたる面白さもない。
ただ、己を取り巻いている沈黙を有耶無耶にする為の、時間つぶしでしかない。






「………なあ」










しとしと。しとしと。
窓の向こうから、雨音が代わりに返事をする。
部屋の隅で大きな体が膝を抱えている。青年の、友人であった。否、表現するならば、友人だろうと思う。
始まりこそ些細で記憶すらも曖昧なのだけれど、振り返る記憶には彼がどこかしらに顔を覗かせる。
頭のいい男だった。青年と彼の話題には頻繁に哲学的な単語が並んだ。


<> 2/4<>sage<>2005/08/22(月) 23:49:02 ID:aLQJM0La<>

彼は特に対人関係に問題があるというわけではなかったが、
時折酷く消極的な思考を見せることがあった。
これは青年も最近知ったことだ。
それ以外は問題もなく、寧ろ人好きのする人物ではないかと青年は感じていた。
そんな彼に比べれば、青年はよく言えば物事を理論立てする色を持ち合わせ、
悪く言えば理由付けの得意な屁理屈な人間だった。
勿論意見は噛み合った試しはなく、そんな二人が隣に居る不思議は周囲ばかりでなくお互いが感じていた。
要するに二人の間に限っては、うまく歯車が回っていたのだ。
だのに、今現在青年は、友人を一人失わんとしている。
青年に拒絶を示したのは彼の方からだ。








「…………仲違いの原因が俺にあるなら、話を聞かせてほしい。」



再び青年は乾いた唇を開いた。
喉から溢れた科白には焦燥が滲んでいて、青年は驚いたように目を見開いた。
可笑しな科白だ。
自分は、失い難いと感じている。彼を。
ハハ、と笑った青年に漸く片隅の影が動いた。
持ち上げた面は口を真一文字に結び、思いつめたように引き締まっている。

<> 3/4<>sage<>2005/08/22(月) 23:52:54 ID:aLQJM0La<>
「原因?」
「そう、原因。改善なら、するさ。」



既に自棄のように言い放った青年を見つめている瞳が揺らめいた。
見る見るうちに表情が強張り、違うんだ、と怯えた目で首を振る。
いたいんだ。彼は、そう、呟いた。




「俺とじゃ、頭でも痛くなるって?」
「………そうだ、いや、頭だけじゃない、全部だ、全部、心臓もだ…」
「……それは、どうしようもないな。今、俺も同じだ。」
「…違う、違うんだ………。近くに居ると狂ってしまう、離れてみても、俺は狂いだしている。」






おまえをどこかにとじこめてしまいたい。
おまえをどうにかしてしまいたい。
おまえにふれるすべてがねたましい。


搾り出した声が、悲鳴じみていた。
青年が近寄ると、彼は怯えて頭を抱えた。
おかしい、おかしい、とうわ言のように繰り返して。 <> 4/4<>sage<>2005/08/22(月) 23:54:50 ID:aLQJM0La<>
「病気だ、」
「何を、言ってるんだ。」
「俺は病気だ、病気だ、きっと頭の病気に違いない」
「……そもそも、病と言う捉え方は他との比較によって成り立つだろう。
それを病とするなら、全てのものは病だ。」
「さわるな、俺は、きっと病気だ。」
「そうだ、君は確かに病んでいる。熱病だ。そして俺も」







言ってから青年は自覚した。
もう既に遅い。
伸びてきた彼の腕を受け入れる準備は出来ている。
乱暴に引き倒されたときも、青年は抵抗しなかった。

知らず知らずにこの身は病に冒されていたのか?
しとしとと、雨に覆い隠されていく患者たちを誰が知るだろう。




ああ。
言ったのは八イネだ。
恋は既に狂気だと。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/22(月) 23:56:08 ID:aLQJM0La<>
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 尻切れトンボスマソ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 00:35:29 ID:XDwf1geG<> >>327
GJ!
元ネタ多分わかってないけど
萌えますた。
しっとり。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 00:56:30 ID:4EJnUXTJ<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  某D○ギャルゲスレの裏ED
                    |  ピサロ×主人公(ダン)
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  濃くはないけどなー
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ネタダロ、ネタ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 裏ED【ピサロ】1/6<>sage<>2005/08/23(火) 01:01:17 ID:4EJnUXTJ<>
「っテェ…」
「これ位我慢しろ」
「バカ、吹くな痛いって」

傷薬を塗った傷口に、フー、と息を吹きかけるピサロに、ダンは奥歯を噛んで声を殺した。

「…ったく、お前ってサドだよな」
「それは褒め言葉として受け取っておく」
「アホか…」

ここはロザリーヒルでも組事務所でもなく、ピサロのマンションの一室だ。
あの後、追っ手を迎撃し、一人を捕まえて色々吐かせたが、結局ゲマの情報は手に入らなかった。
それどころか、ちょっとした不注意でダンが腕に怪我を負った為、飲みに行く話が「ピサロの家に」になってしまったのだった。

組長で兄貴分であるピサロに暴言を吐きながら、ダンは自分の腕に包帯を巻いた。

「全く…あー、この際だから高い酒バンバン飲んでやろうと思ったのに」
「そういうふざけた事を考えているから、怪我をしたんだ」
「お前の方だろ、『朝まで付き合え』って言ったのは」
「別に、酒を飲ませようと思って言ったわけではないぞ未成年。」 <> 裏ED【ピサロ】2/6<>sage<>2005/08/23(火) 01:04:01 ID:4EJnUXTJ<> 銀髪男が、呆れたように隣に座った男を見る。
ダンも、怪訝な顔つきでピサロを見た。

「は?なら何に付き合わせるつもりだったんだ?」
「お前は私を敬わなさ過ぎる」
「……まぁ、ピサロだし」
「…それでは下の者達に示しがつかんだろ」

疲れたような溜息を測れ、そういえば、とダンは思い返した。
そして、事務所で組の奴等から睨まれた覚えが、数えられる回数でない事に、やっと気付いたのだった。

「あー、あのメンチはそういう意味か」

何度か呼び出されてボコられそうになったが、その度に返り討ちにしていた為、逆に一目置かれる結果となったが。
確かに、例え杯を交わした仲とはいえ、組長に対して敬意を払わない組員が居れば、それは粛清の対象になることだろう。

「だから、教えてやろうと思ってな」

その言葉と同時に、ダンの視界がグルッ!と半回転した。

ドサッ!

「体に」
「は?」
<> 裏ED【ピサロ】3/6<>sage<>2005/08/23(火) 01:07:18 ID:4EJnUXTJ<> ダンは耳を疑った。
目の前には、ピサロの綺麗な顔がある。
その瞳は、この上なく真剣だった。
思わず、「冗談だろ?」と言いかけたその口が閉じる。
その代わり、ダンの唇は他の言葉を発していた。

「ロザリーさんはいいのかよ?」
「男とのは浮気にならん」
「…は、さよで」
「抵抗はいいのか?」
「……したところで、放してくれるのかよ」
「無理だな」
「なら無駄だろ」
「足掻く努力くらいはしたらどうだ?」
「そうだな……」

言葉を切り、一瞬考える。
程なく、思考を放棄した。

「ピサロならいいや」
「……信用、されたものだな」
「信用じゃなく、愛されてる〜って言えばどうだ?」
「馬鹿か」
「そりゃお前の事」
「……違いない」

重ねられた唇は、夢オチにするには…薄い唇も、絡んでくる舌も、やけにリアルだった。

☆☆☆☆☆ <> 裏ED【ピサロ】4/6<>sage<>2005/08/23(火) 01:10:01 ID:4EJnUXTJ<>
お前…馬鹿か
何を今更
ここまでヤルことはないだろ!
中途半端は良くないだろう
………そういう問題かよ
不満でもあるのか?
大有りだ!!
その割には、お前も楽しんでるじゃないか
…ここまで来たら、楽しまないと損だろ
ククク…
ッば、か、笑うな!
いい性格をしている
…お前に言われたくない
中でいいか?
やめろ!出すな!!

☆☆☆☆☆
<> 裏ED【ピサロ】5/6<>sage<>2005/08/23(火) 01:11:13 ID:4EJnUXTJ<>
「……で?」
「ん?」

不機嫌を隠さないまま、ベッドに体を投げ出したダンをピサロが振り向く。

「こんなんで、俺がお前を敬うとでも思ってんのか?」
「なに、心配はない。それ相応の態度を取らないなら、次回があるかもしれんだけだ」
「…………は?」

しれッとした表情で返された返事に、ダンの頭は一瞬凍りつく。

「次回があるかないかは、お前次第。最も、ワザと態度を改めずにいてもいいぞ?体の相性はいいようだしな」
「……………。」

…その後、ダンの態度が治ったかどうかは、一般ピーポーであるGMの知るところではない。


<> 裏ED【ピサロ】6/6<>sage<>2005/08/23(火) 01:12:47 ID:4EJnUXTJ<>
【おまけ】
「おや?こんな所に盗聴器が…」
「何ィ!?」
「何処の誰が聞いていたようだな」
「……………、…ピサロ、潰すぞ」
「何をだ?」
「その盗聴器の出所だ!そんなもん残して置けるか!!」
末代までの恥だ!!といきり立つダンに、ピサロの口端が吊り上ったとかなんとか…
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 01:15:19 ID:4EJnUXTJ<>
 ____________
 | __________  |
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 | | □ STOP.       | |
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 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) スレお借りしました
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 01:16:54 ID:4EJnUXTJ<> >>336
×測れ
○吐かれ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 11:23:52 ID:MhCDxd0e<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  灰男801スレ、>836退院祝いの品、アレン愛され話だよ
                    |  CPは何でもOKとのことだったので、ラビxアレンにしてみました
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  hit/omiのキミに/kissがイメージらしいぞ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ナレナイモノ カクモンジャネェナ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> キミにkiss1<>sage<>2005/08/23(火) 11:28:30 ID:MhCDxd0e<> 「おつかれさま」
 そう言って彼は笑顔で部屋へと迎え入れてくれた。
こいこい、と手招きされ、導かれるまま近づけば腕を引かれ、あっという間に腕の中に納まってしまう。
誰にも。彼にも言わないけれど、アクマの見える目で見る世界よりも絶対的な安全圏に捕らわれて、こっそりと詰めていた息を吐き出した。
「ヨイショ。」
 軽々と自分を横抱きにしたラビが、壁を背に床へと座り込む。腕の中に納まったまま、落下感の恐怖など微塵もない。
ああ、いつから自分はこんなに自分以外の人間を信じられるようになったのだろう。それは酷く幸福なことであり、同時に恐怖でもあった。
「今日は嬉しかった。おつかれさま、アレン」
 仰ぎ見るラビは本当に嬉しそうで、ただそれだけで、胸を襲った嵐のような不安感が霧散していく。
髪越しに、音を立てて耳にキスをひとつ落とされる。髪を伸ばしていて良かった。きっと真っ赤になって、恥ずかしい事この上ない。
「可愛かったなー。アレンのピエロ!」
 ぎゅう、と抱きしめられて、今度は頭の上に唇を落とされる。今夜の彼は、上機嫌らしい。
 巻き戻しの街でピエロの技を見たリナリーが教団に戻ってから自慢したことがきっかけで、教団内での余興で披露する事になったのだ。
久々に挑戦した本格的なジャグリングや体技に、みんなとても喜んでくれた。それが嬉しくて、そして大好きな彼が喜んでくれた事が何より嬉しくて、思わず笑みがこぼれた。 <> キミにkiss2<>sage<>2005/08/23(火) 11:30:35 ID:MhCDxd0e<> 「アレンはピエロ好きさ?」
「大好きですよ」
「俺も好き。だいっすきになった!」
 何でだか分かる?謎かけのような彼の問いに、首をかしげた。
サーカスは、ピエロは楽しいから好き。それ以外に何があるというのだろう。
「面白いから?」
「ハズレ」
 抱き寄せ、頭の上に顎を乗せられて、彼の表情が読めない。
けれどきっと今、彼はいつもの笑顔を浮かべていない。
目の特性から、視覚に頼る傾向がある自分は、相手の表情が見えないことはとても脅威だった。
言いようのない不安感に、トクトクと聞こえる心音が自分のものなのか、それとも彼のものなのかすらも分からなくなる。
「なんで?」
 はぐれないように、きゅっとしがみ付くと、あやすように優しいキスをくれた。
「アレンが笑ってくれるから」
 安心しかけた瞬間の予想外の言葉に、咄嗟に笑顔を作り損ねた。
そう、「作り」損ねた。
「アレンはいつも笑ってるけど、今日みたいな日には「本当に」笑ってくれるから、ピエロのアレン好きさ」
 心音が乱れて、ああ、これは自分の心臓の音だったのかと思った。今更だ。
「男としちゃあ、腕ん中に居る時くらいは無理しないで欲しいもんさ」
「……無理なんか、してませんよ」
 そう返すのが精一杯で、今、自分がどんな表情をしているのかも分からない。
誰にも嫌われたくない。だから笑う。愛想笑いじゃない。好きになって欲しいから、笑う。
理に適っているし、無理なんかしていない。
なのになぜだろう。作り上げてきた壁を壊された不安感があるのは。
素の自分を晒すことは、恐怖だ。弱い自分は一番嫌いだ。
<> キミにkiss3<>sage<>2005/08/23(火) 11:32:17 ID:MhCDxd0e<> 「ほら、そーやって無理する」
 ふいに長い指が、頬を拭う。頬に濡れた感触があった。
「無理なんか……ッ」
 言葉が継げなくなって俯くと、また頭に優しい感触が降って来る。
その温かさに、とめどなく溢れてくる涙を堪えきれずに両の手で顔を覆った。
「ごめんね。泣かせるつもりだったけど、泣かせちゃってごめんね」
 確信犯の謝罪を責めることすらできなくて、一度だけ、自分のアイデンティティでもある左手で彼の左胸を叩いた。
締め付けるように痛むこの左胸のように、少しでも彼の心が揺れるといい。そう思った。
「アレンにとって必要なら、いっぱい、いっぱい笑うといいさ。だけど「此処」では好きなだけ笑って泣いて怒って欲しいんさ」
「……怒ってます。めちゃくちゃ怒ってます」
「うん、うん。」
 もう、顔を見なくても分かる。今、彼は笑顔だ。
笑顔を作れもしない自分に、心からの笑顔を向けてくれている。
「本気で怒ってるんですから!」
「うん、ごめんね」
 再度、左胸を叩いた左手を掴まれて、薬指の付け根に、そっと口付けられる。
雄弁に語る彼の無言の誓いに、また涙が零れ落ちた。
ゆっくりと離れた左手を追いかけて手を取ると、同じように左の薬指に涙で濡れた唇を寄せた。
最愛の。キミにKISS.
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 11:33:22 ID:MhCDxd0e<>  ____________
 | __________  |
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 以上、スレお借りしました!
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 15:59:24 ID:2GaVB33Y<> >347
ふざけんな
無断転載だろソレ? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 16:15:11 ID:OxBkVtJJ<> パクリハイカンモナー <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 17:05:23 ID:YKJSxIwN<> (`Д´)パクリかYO! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 18:22:03 ID:gGeJWMVL<> 「してみました」じゃねぇよ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 20:17:27 ID:BIXPLZl/<> >>347
まずキャラ名伏せろやパクリ野郎 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 20:28:21 ID:nG+IiTp2<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  殺伐とした空気に常春の息吹を
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  随分前の三河屋×青年パタの続きです
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 三河屋×青年パタ(1/4)<>sage<>2005/08/23(火) 20:30:03 ID:nG+IiTp2<>  ヒキガエルが潰されている。万力で挟まれて、断末魔を上げている。膨れているはずの
腹は平らに拉げ、大きな口からは今にも胃袋が飛び出しそうだ。
 目の前の光景は、脳内で行われている無数の情報交換に伴うイマジネーションの一つに
すぎなかったが、どういうわけか今朝に限って言えば、イメージはやけにくっきりと朧な
彼の意識を支配していた。
「…おはようございます、陛下」
「起きたか、三河屋号」
 しっかりと瞼を開いた彼、タマネギ部隊の新人・三河屋号は、焦点が結べない程近くに
ある能面のような表情をした青年の顔をじっと眺めた。緩く巻かれた銀に近い色の金髪が、
枕に頭を沈めている三河屋号の頬にかかっている。
 若き国王パタリロ・ド・マリネール八世。
 王宮直属の精鋭部隊に所属するタマネギの一人・三河屋号の敬愛する主君であり、これ
から先も…おそらく一生彼に低血圧の心配は無用だろうという予感を感じさせてくれる
人物でもある。通常のタマネギなら毎日上がりっぱなしになる血圧に胃を傷めているところ
だが、彼の場合は「高血圧は朝の目覚めが快適になっていい」と至って前向きだった。
「僕は、約束は守る男だ」
「陛下の有言実行ぶりは、存じています」
 脈絡のない主君の言葉に咄嗟に答え、三河屋号は昨日一方的に突きつけられた要求を頭の
中で反芻させた。毎朝行われる発声練習という名のヒキガエルの断末魔。それによって体調
を崩すタマネギ達。同僚の健康状態を懸念した彼は、主君に発声練習を控えてもらうよう
進言した。そこまでは、いい。しかし彼の主君はこれを承諾する代わりに、こうも告げたのだ。
「これから先、毎朝お前の耳元で発声練習をする」と。 <> 三河屋×青年パタ(2/4)<>sage<>2005/08/23(火) 20:31:10 ID:nG+IiTp2<>
 ベッドの傍で佇んでいる身なりのいい青年は、笑いも怒りもしていない。なまじ顔の造形
が整っている分、こういった表情の時は相手が何を考えているのか察する事が出来ず、その
度に三河屋号はポーカーフェイスを保ったまま困惑した。それほど年齢が離れているわけでは
ないが、この主君が年相応な表情を浮かべているところを見た事がない。彼がタマネギとなっ
た時には既に彼の主君は完璧な頭脳を持つ国王として名を馳せていた。
 大の男が寝るには狭すぎるベッドから上半身を起こし、三河屋号はサイドテーブルにある
デジタル時計に目をやった。数字は午前五時を表示している。今日は遅番である彼にしてみ
れば、あと数時間は楽に眠れる計算だった。しかし今となっては、その望みが果たされる
可能性は少ないと言えた。おまけに何度室内を確認しても、ここは自分の部屋で、王宮の近く
にあるタマネギ達の宿舎(プレハブともいう)の一つだという結論が導き出される。ちなみに
独身である彼が贅沢にも一人部屋を割り当てられている理由は、単に王宮内のタマネギ部屋
の容量が限界をきたしているからに過ぎなかった。
「お一人でここへ?」
「僕の他に誰かいるように見えるか?」
「見えません」
 三河屋号は主君の視線を感じながらも、シーツの海から抜け出し、半畳程の小さなクロー
ゼットの前に立った。
「…お前はいつも裸で寝ているのか?」
 低い声に振り向くと、彼の主君がしかめ面で視線を逸らしていた。そこで初めて彼は、
自分が何も身につけていないことに気付いた。習慣に流されて何気なく着替えに手を伸ばした
が、真っ裸で国王の目の前を横切った結果になる。お世辞にも上品とは言えず、かつ呆れる程
無礼だ。
「申し訳ありません。昨日の夜、シャワーを浴びてそのまま寝てしまったようです」
 しかし彼は、自らの主君がプライベートな時間に見せる意外な程の寛容さを知っている。
 案の定、短い謝罪にも国王は特に機嫌を損ねた様子は見せなかった。

<> 三河屋×青年パタ(3/4)<>sage<>2005/08/23(火) 20:33:55 ID:nG+IiTp2<>

 小銭の振られる音がスピーカーを通して宮殿の壁に反響している。場所と時間は変わり、
彼の主君は巨大なモニターに映し出されているコインケースに夢中になっていた。
「よし分かった。マライヒが来たら僕がそれとなく言っておこう」
【…ああ】
 画面の向こう側にいるコインケースの持ち主は、少し疲れた素振りで乱れた黒い長髪を
かき上げた。朝日は昇っていたが、時間はまだ早い。銜えられているシガーは、この数分間
だけでも十本、灰になっている。モニターに映る顔が白く曇って見えるのは、そのせいだろう。
いつもの気迫も、凍るような美貌さえもすっかりなりを潜めていた。
「気にするな。僕とお前の仲じゃないか」
【頼んだぞ、親友】
「任せておけ、親友」
 空々しい会話が、穏やかに交わされている。一部は本心なのだろうが、MI6の少佐とマリネラ
国王のやりとりは、互いにせっぱ詰まっていない限りはこのケースに終始する場合が多かった。
 傍で聞いていた所によると、少佐は生涯の伴侶に浮気がバレてしまい、今朝ベッドで彼が
眼を覚ますと旅行用の荷物がなくなっていたとの事。癇癪を起こされ部屋中の物をナイフで
切り裂かれなかっただけマシなのかもしれないが、行き先も分からず、彼は自慢の息子にまで
冷たい目で見られるはめになった。自ら朝早くに連絡をつけたのは、伴侶であるマライヒが来ると
したらマリネラだろうという考えかららしい。鳴らされ続けているコインの音は、無事に伴侶を
説き伏せてくれた際の謝礼なのだろう。三河屋号の主君は、世界有数の富豪であるにも関わ
らず、盲目的なまでに小銭を愛する傾向にあった。
 三河屋号は、椅子に浅く腰を掛け涎を垂らさんばかりにモニターを見つめている国王を見た。
彼はタマネギ部隊に入隊する以前に、まだ少年だったパタリロ国王に会った事がある。その時の
出来事が現在彼をこの場所に置いているのだが、少佐はそれよりも更に前にパタリロ国王と出会い、
友好とは言い難いがそれなりに友情を育んできているらしかった。二人は、所謂気心の知れた仲だ。
「しかし、お前の下半身も懲りないな」
【世の中に美少年がいるから悪い】
「分かった。マライヒにはそう伝えておこう」
【…私が悪かった、反省している。と伝えてくれ】 <> 三河屋×青年パタ(3.5/4)<>sage<>2005/08/23(火) 20:36:18 ID:nG+IiTp2<>  三河屋号の前で、彼の主君と情報部の少佐は対称的な表情で会話を続けている。
「だが美少年の罪深さについては同意だ。この僕が良い例だからな。美しい僕を見て、毎日
どれだけの人間が悶々とした日々を過ごしているのか。それを思うと心が痛む」
【安心しろ。私に関して言えば、天地が逆さになろうと、お前に食指が動くことはない】
「そう照れるな」
【照れてなどいない。お前とどうにかなるくらいなら、ヒューイットと寝た方が………、いや…それも無理だ】
「やっぱり僕を愛してるんじゃないか」
【何故そういう結論になるんだ。私は誓ってマライヒだけだ】
 まるで漫才だ。三河屋号はやはり顔には出さず、そう思った。奇妙な居心地の悪さに、居住
まいを正す。さりげなく目線を外すべきかどうか彼が悩んでいた時、同じようにしてモニター
の前にいた別のタマネギが口を開いた。
「でも少佐。確か一度殿下…じゃないや、陛下も襲ってますよね?」
「…!!」
 反射的に、若き国王が会話に加わってきたタマネギを振り返った。口を出したタマネギは、
かなり古参の者だ。三河屋号が入隊する際に手ほどきを受けた人物でもあった。
「ほら、ずっと前に…催眠術で…。何て言いましたっけ、あの合い言葉。正/露/丸乗せ――――」
「それ以上言うな!」
 ガタリと椅子が揺れた。立ち上がった国王の顔が、僅かに赤い。
「あれは僕の一生の汚点だ」
【おいパタリロ、いったいどういう――】
「ああ、マライヒが来たみたいだぞ。じゃあな、バンコラン。報酬を忘れるな」 <> 三河屋×青年パタ(4/4)<>sage<>2005/08/23(火) 20:37:09 ID:nG+IiTp2<>  一方的に通信を切り、国王は口を挟んだタマネギに「減給だ」と告げた。突然の、しかも彼等
の薄給を思えば餓死しかねない処置に、タマネギが菱形の口を目一杯開けている。そしてそんな
不幸なタマネギを余所に、王宮の廊下の奥からは通りの良い、けれども怒りに満ちているらしい
若々しい声が聞こえてきていた。
「何で毎回僕が仲裁しなきゃならんのだ」
 少佐とその伴侶の喧嘩は始めてではないらしい。愚痴を零す国王の表情からは、垣間見えた年
相応の青年らしい照れた様子はとっくに消え失せていた。
「行くぞ、三河屋号。…マライヒのナイフは高く売れる。八つ当たりで投げてきたら、残らず拾っておけ」
 鋭く理性的な瞳が三河屋号を見ている。
 彼は青年国王の半歩後ろを付き従いながら、ほんの少しだけ目の前の事態から思考を逸らした。
 少佐と会話している君主を見ていた時に感じた居心地の悪さは消えていた。だがその代わりに、
妙に胸の辺りがチリチリしている。
 少佐と何があったのか。
 三河屋号は考えたが、答えは当然出なかった。
 ただ、彼の君主には珍しい表情をさせた原因もそこにあるのだろう。
 それを思うと、……どこか奇妙な気分になった。


 ここは、常春の国・マリネラ。
 今日も新しい一日が騒がしく幕を開けそうだ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 20:40:37 ID:nG+IiTp2<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 四分割しきれなかった。読みづらくてスマン
 | |                | |     ピッ   (・∀・;)
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 21:54:55 ID:PTMilt2g<> >>353-359
ウホッ!いいマリネラ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 22:28:08 ID:vm4XZt0v<> これはいい青年殿下と三河屋ですね(*´Д`) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 22:29:06 ID:Ee8RZYhX<> ウヒョー
前回はリトルパタ→三風味だったけど
今回はベクトルが逆ですな。ええわあ〜ええわあ〜 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 22:43:23 ID:ZMKcWxze<> 萌えの海で溺れ死ぬ!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 22:46:04 ID:+zZuj31H<> 少佐が出てきたよ。しかも照れてるパタまで見れたよ(*´Д`) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/23(火) 23:31:02 ID:NtLdXpIz<> モエヤバス!!心が常春になた!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/24(水) 05:00:11 ID:+k4E8cB1<> >>327 亀レス。
元ネタ分からなかったけど、ヘ/ルマ/ン・ヘ/ッ/セの『デ/ミ/アン』や、『知とLiebe(ナルシスとGoldmund)』で連想して萌ました。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/24(水) 19:11:29 ID:1LtCfA9/<> >>353
激しくグッジョブ!! 萌えまくりました… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/24(水) 22:15:20 ID:lGWS0CK1<> はじめてここにレス。
>353
GJ!パタでここまで萌えるとは思ってもみませんでした。
しばらく忘れられなそう・・・。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/25(木) 16:02:16 ID:L/E7Bknh<> >>309-313
ここで水男子に会えるとはッ!!
ありがとう!萌えますた(*´Д`)棚化・・・ハァハァ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/26(金) 22:04:38 ID:PskTEhks<> 水男イイ!!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/26(金) 22:06:07 ID:GpXjgkFc<> 髭帯の続きマダー?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン <> 212<>sage<>2005/08/26(金) 22:12:29 ID:hEayAlht<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  ☆戦争 穴金×帯湾 前回の「砂漠にて」のスピンオフ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  13才のはずが精神年齢10才っぽいぞ、穴…
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

髭部が好評のようなので、本編とは別にそこだけクローズアップして書きました。
本編は時間がかかりそうです。すいません。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/26(金) 22:13:08 ID:hEayAlht<>
砂嵐が来そうだというアナキソの予感はよく当たる。
アナキソとふたりある砂漠の惑星を歩いていた才ビワソは、13歳になったばかりの弟子に感謝した。
「助かったよ、アナキソ」
外は砂埃を巻き上げた暴風が吹き荒れている。風が発する恐ろしく鋭いうなり声が洞窟の奥まったと
ころにいるふたりには遠く聞こえる。今日中にもう少し道程を進めておくつもりだった師匠を引き止
め、手頃な洞窟があるここで一夜を過ごしたほうがいいと、アナキソは提案したのだ。あのまま歩き
続けていれば、間違いなく遭難しただろう。仮に砂嵐には耐えられたとしても、その後周りの地形が
まったく変わってしまい、方向がわからなくなるからだ。
「どういたしまして」
と少し気取った生意気な口調で言いながら、アナキソは才ビワソの顔へと手を伸ばした。このころ才
ビワソは髭を伸ばし始め、アナキソはすっかりその感触の虜になっていた。
両手を伸ばすと、才ビワソは苦笑した。だが、少し頭を前に出し、顎を上向け差し出してやった。
最初は指の腹で髭の流れに逆らって軽く掻くように、次に手のひらに包んでジョリジョリとわざと音
を立てる。アナキソが頬擦りしたそうな様子なので、才ビワソは目を閉じた。

        ※ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/26(金) 22:14:27 ID:hEayAlht<> しばらくそうして過ごしていると、呼出しの電子的な音が鳴り始めた。洞窟内に反響して耳障りなほ
ど大きくなる。才ビワソは携帯用のホログラフを取り出そうと、頬擦りしているアナキソから顔を背
けた。
呼び出しはマスター・ヨー夕"からだった。小さな機械の上に、ヨー夕"の青いホログラムが像を結ぶ。
才ビワソが短い話を終えると、アナキソは続きとばかりに顔を寄せた。そのとき、新たな指示を受け
たと伝えようと向き直った才ビワソの唇と、アナキソの唇が触れた。熱くはなかったが、柔らかかっ
た。
アナキソは驚いて、少し頭を後ろに引いた。才ビワソは一瞬ポカンとした表情を浮かべ、ついでため
息をついた。
「もうやめなさい」
しかし、アナキソは怯まなかった。再び手を伸ばして才ビワソの髭を優しく愛撫する。
「砂を落としてあげてるんですよ、マスター」
才ビワソはくすりと笑いを漏らした。このパダワソは何があっても自分の髭を触りたいらしい。そう
思うとおかしくも微笑ましい気持ちになった。9歳のときから連れ添っている弟子は才能に溢れ、年
齢不相応な目覚しい働きをする反面、早く一人前と認めてもらえるよう才ビワソに対して気を張って
いるところがあった。それが4年かかって、やっと子供らしい一面を自ら見せてくれるようになった
と思ったからだ。それに才ビワソも髭を伸ばそうと決めたものの、初めがこんなにもチクチクとかゆ
いものだとは知らなかったのだ。そこに、アナキソの愛撫は心地よかった。
アナキソはまた顔を近づけて頬擦りしだした。両腕を才ビワソの首と背中に回して抱きしめるような
格好になった。本格的な体勢だ。
これは甘えすぎだと才ビワソも思ったが、父親がいないからだろうかと想像して、結局好きにさせた。
こんなことをさせてくれる人間は、アナキソの身近にいなかったのだろう。
些細なことだった。だが、アナキソは他愛のない願いを「許された」ことがとても嬉しかった。

        ※
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/26(金) 22:15:19 ID:hEayAlht<>
「顔がひりひりして痛いです、マスター」
「調子に乗って、いつまでも頬擦りしてるからだ」
才ビワソは呆れながら薬を塗ってやった。両手で丁寧に擦り込んでやる。この頃急に背が伸び始めた
といっても、まだ子供の柔肌だ。顔は才ビワソの両手で包み込めそうなほど小さい。
「痛い!」
アナキソが抗議の声を挙げる。その瞳は涙目だ。
「おしおき代わりだと思え」
そう言いながらも、才ビワソの手つきはより優しくなる。
アナキソは黙って才ビワソの手にゆだねた。しかし、しばらくすると、またそろそろと吸い寄せられ
るようにアナキソの両手が才ビワソの顎へと伸びてゆく。
「こら! 懲りるということを知らないのか、パダワソ!」
今まで泣きっ面だったアナキソがにっこり笑う。師弟はお互い両手で相手の頬に触れている。
「だけど大好きなんです、マスター」

<> 212<>sage<>2005/08/26(金) 22:16:28 ID:hEayAlht<>
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 小ネタでスマソ。喜んでいただければ幸い。
 | |                | |     ピッ   (・∀・;)
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

<> 地下室にて(シ゛ェリー×卜厶)(始)<>sage<>2005/08/26(金) 22:23:27 ID:PuN8MB/s<>                   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                  |1960年代飴デュオナマモノ
                  | (シ゛ェリー×卜厶、とはいえ今回攻め受け無関係気味)
                  |初めてのキス風。甘め。
 ___________ |           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 | __________  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V |   シ゛ェリー:身長150cm。ギター少年。       
 | |                | |            \ 卜厶:身長165cm。聖歌隊所属。
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  舞台は1955年夏、  
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )    2人は13歳。  
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ_いきなり50年前かよ。
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |


身長をしつこく書いてスマソ。この2人、身長差が一番目立つ特徴なもので。
3,4日ネタ投下がないので、へ(ryでも生暖かくスルーしてもらえそうとまた吐き出しに参りました。
(と思ったら先客がいらっしゃいました。今度はそれに紛れて投下させていただきます。)

度々申し訳ありません。固有名詞は少しずつ変更しています。

<注意>

※お互いの意志に反した行為の描写はありませんが、2人は14歳間近の13歳同士という設定です。
 ショタ気味と嫌悪感を持たれる方はスルーお願いいたします。 <> 地下室にて1/6<>sage<>2005/08/26(金) 22:24:12 ID:PuN8MB/s<>  彼らはこのところ毎日卜厶の家の地下室でフォエヴァ・ブラザーズの新曲を
練習している。2週間後の近所のダンスパーティーで披露する予定だ。2人とも
一生懸命。なぜなら13歳の彼らにはガールフレンドがまだいないから。2人は
成績優秀者として1学年スキップし、特別プログラムを受けるため少し離れた
地域の中学に通っている。そこの女の子たちは年下の少年2人には洟も引っ掛けて
くれない。近所の女の子たちはどんどん元の学校の少年たちとつきあいはじめている。
どちらの場所でもアウトサイダーの2人にとって、今度のパーティーはティーンエイジ
最初の年にガールフレンドを作る最後のチャンスに思える。

 でもそれは口実なのかもしれない。音楽と野球という共通の趣味を見つけて
昨年親しくなった彼らは、今年の夏、自分たちの声が実にすばらしく混じりあうことを
発見した。2人で一緒に歌うのがとにかく楽しくて仕方がない。シ゛ェリーのギターは
どんどん上達しているし、卜厶は自在にキーを変えて完璧な音程で歌うことができる。
そしてその2人が現在夢中になっているのが、憧れの兄弟デュオ、フォエヴァーズのコピーだ。
歌っては2台のテープレコーダー(卜厶が父親にねだって買ってもらった自慢の品だ)で
録音し、繰返し再生してはハーモニーを作っていく。
 しかし目標が兄弟だということが、2人の前に立ちはだかる難関となっていた。
 兄弟だから骨格も似ている。同じ親に育てられたのだから言葉の発音もほぼ一緒だ。
だがシ゛ェリーと卜厶は赤の他人で、顔つきも体格も違う。歌詞も音程も正確だが、
発音はぴったりとは重ならない。 <> 地下室にて2/6<>sage<>2005/08/26(金) 22:24:49 ID:PuN8MB/s<>  正直なところ、そんなことを気にしているのは彼ら2人だけだ。目標としている
兄弟ですら、意識してやっている可能性は低い。でも彼らは完璧なもの以外欲しくない。
ここ1週間は一緒にいる時間の半分は向かい合って座って、お互いの口をひたすら
覗きこんでいる。発音時に舌が口の中のどこに当たっているかを観察する。2人が
同じ発音で歌えるその瞬間を目指して、発音をコピーしあう。だがまだ自分たちが
満足する結果は得ていない。

「シ゛ェリー、もう一度Tを発音してみて。」卜厶が立ち上がって、今までより近く、
本当に目の前に顔を突き出す。口を覗きこんでいるので両目が寄り気味だ。シ゛ェリーが
発音する。
 Tは悩みの種だ。よく出てくる音だし、違いが目立つ。

「そのまま動かさないで。」卜厶はそう言うと、左手の人差し指から薬指までの3本を
揃えてシ゛ェリーの口に差し込む。シ゛ェリーは驚くが、卜厶の目のあまりの真剣さに
気圧されて口の中をTの発音の形のまま保ち続ける。中指が下顎と舌の作る角度を探り、
両側の指は両頬の距離を計る。その角度を保ったまま指が引き抜かれる。唾液が
細く糸を引く。気にする風もなく、卜厶は自分の口の中にそれを押し込む。入れ替わりに
今度は右手がシ゛ェリーの口の上側に差し込まれる。舌の先端が接触している口蓋の
位置を特定すると、また曲げられたまま指は出て行く。卜厶が左手と右手を入れ替える。
舌の位置が調整される。
 卜厶が自分の口から右手を抜き取り、声を出す。「T」を何度も発音する。2人の唾液で
濡れた左手の先が招くように上下するので、シ゛ェリーも合わせて声を出してみる。 <> 地下室にて3/6<>sage<>2005/08/26(金) 22:25:20 ID:PuN8MB/s<> …同じ音だ。やっと見つけた。
 卜厶がシャツの裾で指を拭き、2人は満面の笑みを浮かべて手を叩きあう。

 交互に気になる音を確認しあう。卜厶の口から抜き出した指を含むと、リコリスの味が
する。彼は大好きでひっきりなしに噛んでいるが、シ゛ェリーはあまり好きではない。
音が決まった後、
「やっぱりまずいぞ。」と言ってやる。
「喉に良いんだよ。」味が気に入っているだけの癖に、卜厶はもっともらしいことを言って笑う。

 しばらくそんなことを夢中で続けていると、2人の指はふやけてしまう。そろそろ
卜厶の母親がおやつを持って地下室に下りてくる(何度言ってもノックはしてくれない)
時間だ。少年たちがいかがわしい本を見ていないかチェックする意味もあることを
2人とも知っている。
 そして、そんな本を発見されるよりも、互いの指を口に入れた状態を発見される方が
まずいということもなんとなくわかっている。

「喉渇いたね。なにか取ってくる。」ふと沈黙が落ちた後、卜厶が立ち上がって、
少し身体を前に倒して出ていこうとする。階段に足をかけたとき、ちょうど卜厶の
母親がおやつを手に地下室の扉を開けて降りてくる。

「あ、ママ。ありがとう。
 ねぇ、同じ発音できるようになったんだよ。」

 2人は練習の成果を披露するが、正直なところ彼女の耳には今までとそれほど
違っているようには聞こえない。それまでだって息子たちは本当にきれいにハモって
歌っていたのだ。
「うーん。すばらしいわ。聞かせてくれてありがとう。シ゛ェリー、お母さんは
 お元気? よろしく伝えてね。」 <> 地下室にて4/6<>sage<>2005/08/26(金) 22:25:58 ID:PuN8MB/s<>  その夜。それぞれの家で2人ともほぼ同じ時間に入浴している。どちらも弟と同室
なので、近頃覚えたての自慰行為はバスルームでこっそり済ませている。こんなに
汚らわしくて、気持ちいいことをしているのは世界で自分1人だけではないか、と疚しさと
かすかな誇らしさとを同時に感じながら。今のところその方法は単に握って機械的に
扱く、単純なものだ。

 その行為にちょっとした変化が現れる。2人とも空いている片手を見つめる。
しばし躊躇った後、人差し指から薬指までの3本を揃えて自らの口に差し込み、かき回す。
昼間は動かされなかった舌がその指に絡みつき、しゃぶる。
 2人とも気づく。粘膜に包まれる指はもちろんのこと、舌から、かき回される
口の中からも快感が生まれることに。多分それはラジオや映画、雑誌に出てくる
"大人のキス"に関係することだ。
 だが指は爪が、関節が、しっかりした皮膚が邪魔だ。
―もし同じような粘膜、誰かの舌と触れ合ったら、どんな感触なのだろう。
2人とも誰か"女の子"を想像しようとするが、どうしても昼間の相手を
思い出してしまう。
 そして握って、扱きたてている自分の性器に目が行くと、友人の舌がそこを
這い回るのを感じる。口中には舌よりも大きく硬く、束ねた指よりも滑らかな
ものを感じる。自分の指に絡みつく舌を、性器に感じる。
 その瞬間彼らに訪れた絶頂感はそれまでで一番深く強い。彼らは手を汚した
液体を初めて少しだけ舌に触れさせ、顔をしかめる。
 罪悪感も最大のものだ。彼らが所属する世界では、男同士でそんなことをする
人間は「おかま」の一言で片付けられ、その言葉は死刑判決に等しい。
 しかし彼らは、ベッドに入ってからもそのことを考えるのを止めることができない。
顔を毛布で包み、親指だけを口に押し込んで吸う。赤ん坊に戻ったように。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/26(金) 22:26:40 ID:GpXjgkFc<> >372-375
キタ━━ !!

ほんわかしててカワエエ(*´Д`*)
本編もお待ちしてます <> 地下室にて5/6<>sage<>2005/08/26(金) 22:28:23 ID:PuN8MB/s<>  翌日も同じように2人は卜厶の家の地下室で放課後を過ごしている。今のところ
家の中には2人だけのはずだ。母親は2人に飲み物を出してくれた後、外出した。
 雰囲気は少しぎこちない。今日はまだほとんど口を利いていない。何度か歌を合わせ、
それはほぼ完璧な出来映えだが、2人の間にはなにかが重く横たわっている。
 何かを決意した風の卜厶が立ち上がり、無言で地下室の階段を上り、ドアを
ほんの少し開ける。これで、母親が帰宅して近づいてきたら足音ですぐに
気づけるはずだ。階段を下りてくる卜厶とシ゛ェリーが初めて視線を合わせ、
そこに了承の色を見る。

 お互いの手をとり、どちらともなく(後年まで、相手の方が先だったと言い合うが)
口に含む。昨日とは異なり、舌が指に絡みつく。昨夜自分自身から得たより
はるかに大きい快楽が指―そして舌―に与えられる。舌が動いたことで、練習という
言い訳は既に放棄されているし、言い訳は必要ないことを理解する。口から指が
抜き去られる。卜厶が少し身を屈め、唇が重ねられる。彼らは口を閉じない、
"大人のキス"を交わす。待ちわびた感触を舌が歓迎する。昨夜思い描いた通り、
舌の感触は指とは比べ物にならない。初めてなのに、相手が、自分が何をして
欲しいのかがはっきりとわかる。 <> 地下室にて6/6<>sage<>2005/08/26(金) 22:29:08 ID:PuN8MB/s<>  口を離して見つめ合う。次に自分たちが求めていることはわかっているのだが、
行動に移すきっかけがつかめない。
 しばらくの沈黙の後、これまでも、そして今後もそうであるように、事態を
決定的に動かすのはシ゛ェリーだ。まず地下室のドアを閉める。部屋の隅、階段の
すぐ脇の空間(階上の音が良く伝わる場所だ)にクッションを持っていく。
卜厶の上半身を寄りかからせる。

 一歩下がって、両手両膝を床について、卜厶を見つめる。卜厶は目で了解を
再度求めながら、自分のジーンズの前立てのボタンを1つ1つ外していく。そして
ジーンズを腿の中程まで下げる。下着が脹らんでいる。シ゛ェリーがクッションの
隣で膝立ちになって卜厶を見下ろす。
「あのさ…。自分でいじったりする?」シ゛ェリーが尋ねる。
彼にしては自信のなさそうな声と口調だ。
「…うん。」卜厶は怪訝な顔だ。今さら何を言い出すのだろう。
「昨夜は?」
「…ああ。」
「そのとき何を考えた?」
 答えは返ってこない。
「なぁ。何を考えた?」シ゛ェリーは真剣な声で食い下がる。卜厶は目を一度
伏せてから見返し、何かを暗誦するときや、数式の証明をするときのように、
少し緊張した声で一息に話す。
「さっきしたことを。君の指を舐めて、キスをする…。」言葉が止まる。
「そして?」
「…君にあれ…を舐められて、僕も君のを舐める。」
 シ゛ェリーは卜厶の首に両腕を回して抱き締め、安堵の溜息をつく。
「同じだ。全く同じ。」
 2人が同時に同じことを望んでいるのなら、それは実現させるべきこと、
取組むべき課題。完璧なハーモニーを求めるのと同じようなこと。
そう信じ込むことができる。
…少なくともそのふりをし続けることができるだろう。 <> 地下室にて(終)<>sage<>2005/08/26(金) 22:30:06 ID:PuN8MB/s<>  | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧  とりあえずここまで
 | |                | |     ピッ   (   ;) 中途半端スマソ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

「お互い口の中を覗きこんで練習」は実話。
自分はいつからこのエピソードを腐った目で見るようになったのだろうorz。

それでは、三河屋号と髭帯の続きをキボウいたします。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 01:54:07 ID:I+Hu/MIt<> >>372-376
ほんわかあたたかい話のはずなのに何故か涙が止まらないよグッジョブ!
こんなに可愛い師弟fが幸せになれないなんて世界は不平等だ( ´д⊂) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 13:23:39 ID:pXmhKCIe<> 雑談スレより
=====
290 名前:風と木の名無しさん メェル:sage 投稿日:2005/08/25(木) 19:34:37 ID:T9ZOK84X
敬語攻めってなんであんなに萌えるんだろう
どんなにヘボンでも敬語攻めが出てきたら見境無く萌える
あーどっかにイイ敬語攻めは落ちていないものか

291 名前:風と木の名無しさん メェル:sage 投稿日:2005/08/25(木) 19:36:03 ID:zKQ6Zoq5
>290
さっき、うちのアパートのゴミ捨て場に落ちてたよ。

293 名前:風と木の名無しさん メェル:sage 投稿日:2005/08/25(木) 19:43:28 ID:2oExrrNq
>291
アパートの!アパートのゴミ捨て場に!
この荒れ狂う雨の中、ゴミ捨て場に!落ちてるのに!敬語な、しかも攻!

何か異様に萌えた。
彼にどんな事情が有って、どんな受に拾われて、どんな敬語責めを展開するのだろうか。ハァハァ
=====
この流れから三秒で妄想しました。

|>PLAY ピッ ◇⊂(´∀` )勝手に展開させてごめんなさい。とう! <> ゴミ捨て場に落ちていた男 1/5<>sage<>2005/08/27(土) 13:24:24 ID:pXmhKCIe<>  台風が上陸するらしい。
 その日、東京では朝から断続的な雨が降り、時折吹く強風で、ビニール傘程度では
役に立たない有り様だった。スーツのズボンはぐっしょりと濡れ、水はけの悪い
革靴が不快な音を立てる。残業と外食で遅い時間に帰宅した原田は、アパートの
階段を三階まで一気に駆け上がると、鍵を取り出し……ふと思い付いて、振り返った。
 傘から滴り落ちる雨水を振払いながら、廊下の手すり越しに下をちらりと見やる。
 まだ、居るのか。
 安い賃貸アパートの玄関ドアが続くコンクリートの廊下と、目隠しの垣根が
途切れたそこには、狭い駐輪場の屋根も届かない、ゴミ置き場があった。色違いの
ボックスに挟まれて、空き缶が数個、転がっている。どうやら、回収日を無視して
出されたものらしく、コンビニのビニール袋とおぼしき口からは、さらにいくつもの
空き缶が顔を出していた。全ては、廊下の弱い電灯に照らされ、鈍い光を放ちながら
雨に打たれている。そして、ボックスにもたれたままの、黒く大きな固まりも。
 知らず、ため息をついて、原田は鍵をポケットに戻した。
 細かな雨つぶの吹き込む廊下をゆっくりと歩きながら、視線は黒い固まりを
凝視する。二つ並んだゴミ回収ボックスの隙間に、彼を発見したのは、一昨日の
朝だった。あまりに驚いて、変な声を出した上、持っていたゴミ袋を落としてしまった
のを覚えている。だが、膝を抱えてうずくまった男は、原田が恐る恐るゴミを捨て
小走りに逃げ出した時から、何度か遠巻きに伺っていた二日間、一度も顔を上げる
事がなかった。 <> ゴミ捨て場に落ちていた男 2/5<>sage<>2005/08/27(土) 13:25:08 ID:pXmhKCIe<>  ひょっとして、死んでいるのだろうかとも思ったが、見る度、微妙に姿勢が変わって
いるので、一応は生きた人間らしい。薄手の黒いシャツとスラックスに、洒落た革靴
という服装から、浮浪者の類いではないのだろうが……それとも、宿無しの初期と
いうのは、得てしてこういうものなのだろうか。
 廊下の端から、ずぶ濡れの後頭部を見下ろす。
 アパートの住人や、ゴミ回収業者に、彼は何度も発見されているはずだ。それでも
この二日間というもの、誰一人として、彼に構った者は居ない。おそらくは、誰もが
他人の行動に期待して、見て見ぬ振りを決め込んでいるのだろう。原田自身も、何度か
警察に通報しかけたのだが、上手く説明する自信がなく、ずるずると先延ばしにしていた。
 それにしても、この大雨の中、よく平気で座っていられるものだ。
 せめて、駐輪場の中にでも移動すれば良いものを。それが出来ないのは、彼がここの
住人ではないからだろう。けれども、その奇妙な遠慮が、原田にはおかしく、また
腹立たしくもあった。
 そんな事では、宿無しでやっていけないぞ。
 男の短い黒髪は頭部にぺったりと張り付き、最初の日に見た時には光沢すらあった
服には、白っぽい泥が飛び散っている。そして、その汚れた全身をさらに雨が濡らし
水煙が覆ってゆく。雨足が強くなってきたのだ。
「……おい」
 情けないほど、小さな声が出た。
 おい、あんた。そんな所で、何をしているんだ。
「なあ、そこの」
 二度目の呼びかけも、囁きに近かった。ばたばたと響く雨と風で、こんな小声では
彼に届くはずもない。
 少し躊躇してから、原田は、持っていたビニール傘を階下に放り投げた。
 狙いは外れ、傘は駐輪場の辺りへと転がってゆく。しかし。
 ばさ、と軽い音を立てて落ちた傘に、男の顔が、本の少しだけ動いた。 <> ゴミ捨て場に落ちていた男 3/5<>sage<>2005/08/27(土) 13:25:38 ID:pXmhKCIe<>  原田は、心臓が跳ねるのを感じた。
 男の、思いの外白い肌が、薄明かりの中でうつろに辺りを伺う。その視線が、ゆっくりと
上へ向けられた途端、原田の喉から、引きつった声が飛び出した。
「それ、ゴミだから。気にせず使いな」
 男の反応すら待たず、原田は廊下を駈け戻ると、鞄を取り落としそうになりながら鍵を
開け、自室に逃げ込んだ。ドアを閉めると、先ほどまで耳を打っていた雨の音は小さくなり
暗闇に追い付かない目が、狭いワンルームの空間を彷徨う。
 今、何を。
 冷たい鉄のドアに背中を預け、原田は呆然と立ちすくんだ。
 俺は、今、何をしたんだ?

 台風は翌朝には通り過ぎ、刷毛で引いたような雲と名残の小雨だけが、朝日に混じって
東京の空を覆っていた。原田が出勤の支度を済ませる頃には、さわやかに乾いた風が
吹き、途切れとぎれの青空が顔を出す。
 今朝は、やけに早く起きてしまった。ノーネクタイのシャツにスーツという格好で
畳にあぐらをかいた原田は、朝食のパン屑が残る折り畳みテーブルに肘をつき
ぼんやりと窓の外を眺めていた。
 今日は、晴れるのか。暑いだろうし、上着を着るのは止めようかな。
 時計を見ると、いつものバスが来るまで、まだ二十分もある。
 それからの行動は、原田自身にも、よく分からないものだった。
 二枚残っていた食パンに、バターとイチゴジャムを適当に塗りたくる。一つしかない
マグカップに牛乳を注ぐと、パンを乗せた皿と一緒に読み終わった漫画雑誌に乗せて
両手で持つ。鞄は脇に挟んで、玄関を出る。
 少し考えてから、お盆代わりの雑誌を下に置くと、部屋の鍵を閉める。
 まったく。夕べから俺は、何をやっているんだろうな。
 階段を下りる間も、あいつは野良猫じゃないんだぞ、と繰り返し思いながら
原田は、ぐらつく皿とマグカップをゴミ置き場へと運んだ。 <> ゴミ捨て場に落ちていた男 4/5<>sage<>2005/08/27(土) 13:26:05 ID:pXmhKCIe<>  コンクリートの床は、まだ少し湿っていた。
 居た。
 相変わらず、膝を抱えたままの姿勢で、しかし、手には開いたビニール傘を持って。
 原田の足音が近付くと、男の上半身を隠している半透明の傘が、少し震えたようだった。
「よお。生きてるか?」
 返事は無い。原田は、相手の無反応にほっと息をついて、男の足下辺りに雑誌を置く。
「飯。余り物だから、気にすんな」
 すると、男が唐突に顔を上げた。
 原田が驚いてその場を飛び退ると、男もびくりと硬直して傘を握り締める。二人は
目を合わせたまま、しばらく無言で固まっていた。
 先に復活したのは、どうやら原田の方らしかった。どきどきと心臓を鳴らしつつも
こちらを見上げる男の姿に、冷静な視線を投げる。
 改めて良く見ると、男の服装は浮浪者どころか、かなり上等なものだった。生乾きの
シャツは、胸ポケットに原田でも知っている有名ブランドのタグが付いており、汚れた
靴も、角の立った上質な本革だった。社会人五年目の原田ですら、本革の靴など
冠婚葬祭用に買った一足しか持っていないというのに。
 黒尽くめの服装から、夜の仕事に関係した人にも見えるが、原田の想像するそれとは
違い、男は茶髪でも長髪でもない。無精髭に覆われた顔はやつれていたが、目に生気が
戻れば、もっと男前に見えるはずだ。実際、青ざめて憔悴しきった風情の今ですら
彼は原田もどきりとするほどの好男子だった。
「……あ、と。そういう事で」
 じゃ、とかなんとか、口の中でつぶやきつつ、原田は急いでその場を後にする。
 バス停に着くまで、原田は一度も振り返らなかった。何かに急かされるような、そら
恐ろしい気分のまま、上がった息を整える。 <> ゴミ捨て場に落ちていた男 5/5<>sage<>2005/08/27(土) 13:26:37 ID:pXmhKCIe<>  一体全体、何者なんだ、あいつは。
 目が合った瞬間に、それと分かった。彼は、日本人ではない。
 白い肌に、真っ黒な髪と髭。彫りの深い目元に、尖った鼻。そして、あの瞳。
 灰色の瞳など、実際に見るのは初めてだった。そういう色の目があるとは知っていたが
テレビで青い目の俳優を見ただけでも驚いて関心してしまう原田にとって、黒や茶色以外の
瞳というものを目の当たりにした一瞬は、総毛立つほどの恐ろしい体験だった。
 東京には、いや、今の日本には、外国人など沢山居る。通勤の途中でも、街中でも
様々な人種の人々とすれ違う。それでも、原田は彼等をしげしげと観察した事などなかったし
ましてや、手を伸ばせば触れる距離で視線を合わせるなど、初めての経験だったのだ。
 アパートの住人達が、彼を放置するのも頷ける。身なりの良い成人男性、それも
明らかに外国人と分かる人物が、ゴミ箱の間で膝を抱えているのだ。
 恐ろしい。この得体の知れなさは、ただ事ではない。
 目の前でバスの扉が開く音き、原田はようやく我に返った。
 クーラーの効いた車内で、ぞくりと肩を震わせて、原田は重だるい胃をシャツの上から
撫でさする。
 困った。
 俺は、今日、家に帰って来る事が出来るのだろうか? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 13:28:06 ID:pXmhKCIe<> [][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・)早く拾うと良いと思うよ。

外出予定時間になってしまったので、とりあえずここまで。
続きは夜辺りに投下させて頂きます。つか、敬語攻なのにまだ一言も喋ってないし……。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 13:37:24 ID:pXmhKCIe<> 2/5
×本の少し
○ほんの少し
5/5
×扉が開く音き
○扉が開く音で

次はもう少し落ち着いて読み直しするね。ごめんね。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 13:57:18 ID:t0qzvecA<> +   +
  ∧_∧  + 
 (0゜・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゜∪ ∪ +        
 と__)__) +
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 14:37:41 ID:QWSkzS0e<> GJ!
萌え尽きますた(*´Д`) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 15:08:17 ID:uHaQUFyj<> 敬語!敬語! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 15:42:34 ID:hVHyP7qZ<> >387
>アパートの!アパートのゴミ捨て場に!
>この荒れ狂う雨の中、ゴミ捨て場に!落ちてるのに!敬語な、しかも攻!

テンションtakeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!
思わず爆笑してしまった
ゴミ男の続き、ワクテカ(AAryして待ってます <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 17:28:33 ID:qF0qzQIX<> 文章上手だね。
脳内てりんこがワクワクテカテカだよ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 17:57:05 ID:pTywpwuD<> ( >Д<;)ゴホッゴホッゴホッゴホッゴホッ
ご、ごめ・・・萌えすぎて咳き込んじゃいました
続きをお待ちしてます <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 21:17:31 ID:rnTuTkMS<> レス下さった皆様、ありがとうございました。落ちていた敬語攻の続きです。
ちょっと長いですが、これで終わりです。

|>PLAY ピッ ◇⊂(´∀` )うりゃ! <> ゴミ捨て場に落ちていた男 1/10<>sage<>2005/08/27(土) 21:18:11 ID:rnTuTkMS<>  深夜になり、一緒に飲んでいた同僚が居酒屋を出てしまってもまだ、原田は迷っていた。
 家に帰りたくない。反面、あの男の事が気になって、走ってでもアパートに戻りたい。
 あの外国人は、まだゴミ箱の間に居るのだろうか。それとも、飯を食って、どこかへ
歩いて行く体力を取り戻しただろうか。
 四人掛けのテーブルには、同僚達が置いて行った千円札数枚と伝票。ぽつんと残った
グラスには、溶けた氷の生温い水。
 原田は、ライムサワーの匂いがする水を飲み干すと、思い切って席を立った。

 どうして、まだ居るんだよ。
 アパートの廊下で、原田はげんなりと肩を落とした。ゴミ箱の間で、何故かまだ
傘をさしたままの男を発見した途端に、気付いたのだ。本当は、彼がどこかに
消えていてくれれば良いと思っていた事に。
 だからだろうか、原田は急に沸き起こった怒りに、舌打ちした。
 こいつが、どこの何者でも構うものか。さっさと消えてくれないと、こちらの神経が
保たない。はっきり言って、邪魔なのだ。迷惑なのだ。鬱陶しくてぶん殴りたくなる。
 酔いも手伝ってか、急に腹の座った原田は、どかどかと足を踏み鳴らして男に近付いた。
「おい、あんた。まだ生きてるんだろう?」
 言って、男の揃えた足先を蹴る。
「そんな所に居られると、困るんだけど。どっか行ってくれないかな」
 ビニール傘が持ち上がり、男がぼんやりとした視線を向けても、原田は朝のように
動揺しなかった。
「日本語が分からないのか? You are an obstacle.Come back to your house.」
 途中で断念したものの、駅前留学の経験を持つ原田だ。自信満々で男に告げる。
 すると、男は何度か瞬きして、ようやく口を開いた。
「Sono spiacente.」
 しかし、その口から出た答えは、原田の予想を斜め上に飛び越えていた。
「Ma, non posso ritornare al paese.」
 何語だよ!
 つい、頭の中で突っ込みを入れてしまい、原田はぽかんと男を見返す。 <> ゴミ捨て場に落ちていた男 2/10<>sage<>2005/08/27(土) 21:24:06 ID:rnTuTkMS<> 「Non si preoccupi per me.」
「分からねえよ! ここは日本だぞ! 言いたい事があるなら、日本語で言え!」
「あ……すみません。ごめんなさい」
「何だって?」
 聞き返してから、原田ははっとした。今のは、日本語……だよな?
「……なんだ。あんた、日本語喋れるのか」
「はい、日本語、少し分かります。ごめんなさい」
「いや、謝らなくても」
 少しじゃない、立派なもんだよ。ちゃんと聞き取れるもんな。
 原田は気付いていなかったが、相手がそこそこの日本語を話せると知った途端に
それまでの警戒心はあっさりと失せていた。しかも、ここは自分のアパートなのだ。
自分のテリトリーで、意志の疎通も可能な相手という事実が、原田の気を大きくさせる。
「で? 飯、食ったのか」
「めし?」
「パンと牛乳だよ。ごはん。ブレックファースト」
「S, capisca.ありがとうございました。全部、食べました」
 そう言って男は、少し笑った。口角が上がると、骨張った顔が急に華やかになる。
やっぱりこいつ、いい顔してるな。そう思いながら、原田は意味もなく頷いた。
「いただきます? 美味しいかったです。Grazie.」
「それを言うなら、ごちそうさまだろ。ま、いいか」
 雑誌の上に、きちんと並べた皿とマグカップを差し出され、ついそれを受け取った
原田は、唐突に気付く。
 で、俺はどうすればいいんだ?
 黙って見下ろしていると、男はまた元の沈んだ表情になり、傘をさし直す。
 いや、もう雨降ってないし。
 視線を落として座り込む男と、頭をひねったまま黙り込む原田の間で、おかしな
沈黙が流れてゆく。
 そのまま、数十秒が経過した。ひょっとすると、数分だったかも知れない。
「うん、じゃ。元気で」
 仕方なく、原田は両手で雑誌を抱えたまま、自室へ帰る事にした。

<> ゴミ捨て場に落ちていた男 3/10<>sage<>2005/08/27(土) 21:24:32 ID:rnTuTkMS<>  食器を片付け、風呂に入っても、原田の胸には、もやもやとした何かが残っていた。
気にするまいと思えば思うほど、先ほどの男が……汚れた服に無精髭で、この世の
終わりのような顔をした彼が……一瞬だけ見せた笑顔に、思考が逆戻りしてしまう。
 布団に転がり、バスタオル一枚を腹に掛けて天井を眺める。あいつが話してたの
英語じゃなかったな。何人だ? 飯も食わずにいたら、餓死するんじゃないか?
トイレとか、どうしてるんだろう。そもそも、何がしたくて、あんな所に。
「あー、くそ! 苛々させやがって」
 声に出して飛び起きると、原田はランニングシャツにトランクス姿のまま、部屋を
飛び出した。
 ゴミ置き場に着いてみると、男は足を崩してボックスにもたれていた。見れば
傘を横倒しに抱えたまま、こくりこくりとしている。こいつ、寝てやがるのかよ。
原田の脳裏で、何かが切れた。
「こら、外人! 起きろ!」
 素足で思いきり蹴飛ばすと、男は何事かという顔で跳ね起き、手足をばたつかせて
緑色のボックスにしがみ付いた。真ん丸に開いた両目が、しきりに瞬きをしている。
「立て! いいから立つんだよ!」
 原田は、口をぱくぱくさせている男の腕を強引に掴むと、重い体を引っ張り上げた。
長い間座っていたためか、男は斜めによろめき立つと、すぐにへたり込んでしまう。
「てめぇ、殴られたいのか? 歩けって言ってんだよ」
 それからは、蹴ったり引っ張ったりの繰り返しで、なんとか三階まで辿り着いた。
階段が相当響いたはずだが、周囲の住人は気付いているのかいないのか、誰も文句を
言って来ない。きっと、関わりあいになるのが嫌なのだろう。ふらついている男を
部屋に放り込むと、原田も息を切らせて畳に転がる。俺だって、こんな奴に
関わりたくなかったよ。
 しかし、日本には乗りかかった船という言葉がある。
 やってやろうじゃないか。原田は、勢いをつけて起き上がると、まだ倒れている
男の靴を脱がせた。思った通り、かなり臭う。首根っこを掴み、するすると引きずると
またもや意味の分からない言葉が聞こえた。まったく、なんて重いんだ、こいつは。 <> ゴミ捨て場に落ちていた男 4/10<>sage<>2005/08/27(土) 21:25:02 ID:rnTuTkMS<>  ようやく、風呂場の前まで男を運ぶと、ドアを開けて中を見せる。
「おい、外人。とにかく、風呂に入れ」
「ごめんなさい。なにですか」
「風呂だよ、風呂。シャワー。バスルーム。臭いから、洗って欲しいんだよ。
見りゃ分かるだろ? 自分で洗え。徹底的に洗え」
 男は、その灰色の目で、原田とユニットバスを交互に見やると、しばらくして
合点がいったのか、四つん這いになって風呂場に入った。
「よし。それでいいんだ」
 ドアを閉めてから、彼に勝手が分かるだろうか、と心配になったものの、そこまで
世話をしてやるのも癪で、原田は湯沸かし器のスイッチを入れるだけにした。
 俺は馬鹿か。いや、馬鹿だな。タンスを漁りながら、何度も自分を責める。
 あんな奴を拾って、どうするつもりだ? 素性の知れない外国人を部屋に入れる
なんて、頭がおかしいんじゃないか。あんな男、良くて犯罪者か不法入国者だ。
下手をすれば、家財道具を持ち逃げされるか……殺されるかも知れない。
 それでも、何故か原田には、そんな目には遭わないという確信があった。
 彼は、悪い奴ではない。理由はないが、そう思うのだ。
 結構でかかったよな、あいつ。俺の服で間に合うのか?
 大きめのトランクスと、のびきったTシャツを揃え、水音の響いてくる風呂場に
視線を投げる。ちゃんと、シャワーカーテンを使っていると良いのだが。

 朝になって、時計を見てから、今日は休日の土曜日だったと思い出す。
 道理で、携帯のアラームが鳴らないわけだ。
 カーテンを開けると、狭い部屋に朝日が差し込む。今日も、いい天気だ。
 窓の外をじっくりと眺めてから、原田はしぶしぶ振り返った。
 部屋の隅に、くしゃくしゃの毛布を引っ掛けた外国人が転がっている。原田の
与えたシャツとトランクスは、やはり彼には小さかった。窮屈そうな肩口や
丸見えの腹から察するに、かなり寝にくい格好だと思うのだが、彼は気にならない
様子だ。よほど疲れていたのだろう、畳に顔を押し付けて、死んだように眠っている。 <> ゴミ捨て場に落ちていた男 5/10<>sage<>2005/08/27(土) 21:25:32 ID:rnTuTkMS<>  起こすのが可哀想になるくらい熟睡している男の姿に、原田は思わず笑ってしまう。
 運のいい奴だな、あんたは。俺みたいに親切な男に拾われて。
 原田は、男が自分から起きるまで、そっとしておく事にした。昨夜、彼が脱いだ
ままの服を洗濯機に放り込み、代わりに、大きめの服をいくつか用意する。
 それから、何時間が経過しただろうか。小さな音でテレビを見ていると、部屋の
隅で、何やらつぶやく声がした。
「よう。起きたか、外人」
 振り向くと、毛布を抱えて辺りを見渡す男と目が合った。
「何か食うなら、飯にするぞ? 水でも飲むか?」
「……Dove questo? ああ……」
「いいから、じっとしてろ。動くな」
 原田の命令を理解したのか、こくこくと頷くと、男はまだぼんやりとした顔で
もぞもぞと座り直した。
 コップに水を汲んでやると、素直に飲む。冷凍してあったご飯を電子レンジにかけると
唸る回転皿をじっと見つめる。何を考えているのか分からないが、男がそうして
大人しく座っているので、原田は安心して部屋を動き回った。
 ふりかけご飯とレトルトの味噌汁も、男は文句一つ言わずに食べる。変な奴だと
思ったが、原田は、男がスプーンを駆使して食事を終えるまで、黙って付き合った。
「えーと、そんじゃ、あれだ。名前から聞こうか。俺は、原田だ」
「はだらだ、さん」
「違う。原田、はーらーだ」
「はらだ、さん」
「そうだよ。で、あんたの名前は?」
「私は、ニコーラ・バルダッチー二、です」
「……また、ややこしい名前だな。にこーら?」
「S, cos.ニコーラ」
「そうか。で、ニコーラは何人だ。どこから来たんだ?」
「私は、イタリアから来ました」 <> ゴミ捨て場に落ちていた男 6/10<>sage<>2005/08/27(土) 21:26:07 ID:rnTuTkMS<> 「イタリア人か。そうか、そうか……あんな所で、イタリア人のニコーラが、何して
たんだ? 日本のゴミ箱でも研究しに来たのか?」
「Vacanza……バカンス、ですか? 休暇です」
「返事になってねぇよ。あんたが、俺のアパートで、何をしていたのか、って聞いてるの」
 男……バルダッチーニの話は、辛抱強く聞き出す原田によって、次第に形になってきた。
 それによると、バルダッチーニは犯罪者でも不法入国者でもなく、長期休暇を利用して
日本へやって来ただけの、立派な会社員であるらしい。聞き慣れない名称の機械か何かを
作る工場に勤め、きちんとパスポートとビザを所持している。
 そんな彼が、わざわざ日本くんだりまでやって来たのは、恋人に会う為だと言う。
 つっかえながらの彼の言葉を並べれば、こうなる。
 恋人とは、インターネットで知り合った。山田某というその人物と、一年以上に渡る
メールのやり取りを行い、住所や電話番号も教えてもらった。夏の初めに、一度会いたいと
電話をしたのだが、それ以来、連絡がつかない。
 メールはアカウント不明で送り返され、電話も繋がらず、不安で居ても立っても
いられなくなった彼は、名前と住所だけを頼りに、飛行機へ乗った。
 あんた、それ、騙されてたんじゃないのか? 恋人なんて、あんたが一方的に思ってた
だけだろう? 原田は、そう言ってやりたい気持ちを、どうにか押さえた。
 バルダッチーニの表情が、それを思い止まらせたのだ。話が進むにつれて、彼の悲壮な
表情は深刻そのものに変わり、ついには、視線が茶わんとスプーンの間で動かなくなる。
「その、住所って、どこなんだ?」
「紙が……服の……Tasca……袋? ポケットですか?」
「おい! そんな大事なもの、ポケットに入れておくなよ。洗っちまう所だった」
 黒いシャツから出て来たのは、折り畳んだプリント用紙だった。そこに印字された
住所を読んで、原田は自分の予測が正しかった事を知る。
 逆から書かれた、ローマ字表記のそれは、町名まで、確かに原田の住むこの町だった。
「つーか、五丁目なんて、無いし」
 馬鹿だな。この男は。
<> ゴミ捨て場に落ちていた男 7/10<>sage<>2005/08/27(土) 21:26:37 ID:rnTuTkMS<>  きっと、この住所も、適当にでっち上げたか、地図で拾ったものなのだろう。
 大体、山田なんて名前からして、偽名もいいとこだ。携帯の番号なんて、いくらでも
変えられるし、自分からかけなければ、地球の裏側からの電話など、どうにでも
あしらえる。今頃、その山田とか言う女は、腹を抱えて笑っているに違いない。
 相手が外国人で、それもイタリアなんて遠い所に居るから、電話番号は教えた。それが
会いたいなどと言われて、急に気が変わったか……最初から、そんな気など無かった。
 海を越えて、会った事もない恋人の無事を確かめる為に、日本まで来たバルダッチーニ。
こんな所まで来てしまって、存在しない住所を探して。本当に、馬鹿だ。大馬鹿者だ。
 原田が、どう切り出したものかと迷っていると、バルダッチーニが口を開いた。
「写真も、あります。そこに、入っています、ですか?」
「いや、写真なんて、無いけど」
 言って、シャツのポケットを開いて見せると、バルダッチーニは目に見えてがっくりと
肩を落とした。今にも泣きそうな声で、小さく呟く。
「大事に、していました。でも、なくしてしまいました」
 この、間抜けの、馬鹿野郎が。写真なんて、本物の筈がないだろう!
 喉元まで出た言葉は、結局、言い出せないままになった。

 日曜日の朝まで、バルダッチーニは、原田の部屋に居た。
 歩き疲れて、ゴミ箱の間に座り込んでいた外国人は、原田によって体力を回復すると
都心にあるホテルへと引き返して行った。
 すっかり濡れて、嫌な臭いのする皮財布が、ゴミ箱の側で見付かった事だけが幸いで
後には、何も無かった。住所と、写真と、財布。それだけが、彼の所持品だったのだ。
 きっと、恋人の存在すら、残っていないだろう。
 残らない方が、幸せなのだ。そう、原田は思った。

 それで、奇妙な外国人との関係は終わった。
 ……筈だった。 <> ゴミ捨て場に落ちていた男 8/10<>sage<>2005/08/27(土) 21:27:06 ID:rnTuTkMS<> 「……えーと、何だっけ。ニコーラ?」
「はい、ニコーラです。原田さん、お久しぶりです」
「つーか、何で? まだ日本に居たのか?」
 原田は、混乱する頭を振って、目の前の男を凝視した。
 まだ、冬の気配が残る三月。花見の酒にいい気分で帰宅した原田は、アパートの
玄関で突っ立っている、あの外国人を発見したのだ。
 バルダッチーニは、やはり黒くて大きかった。黒いオーバーパンツに、黒いコート。
黒と灰色の毛糸が混じった小さなニット帽の頭は、玄関ドアよりも若干高い。
 しかし、その顔に無精髭が無く、血色の良い頬は、少し丸くなったようだ。あれから
半年以上も経過したのだから、当然とも言えるが、原田は、すっかり元気を取り戻した
様子のバルダッチーニに、深い安堵を覚えた。
 どうやら俺は、思ったよりも、こいつの事を心配していたらしい。
「あんた、イタリアに帰ったんだろ?」
「はい、帰りました。でも、原田さんに会いたくなったので、また日本に来ました」
「あ……そう。そうか」
 言っている事は分かるが、意味が掴めない。
「じゃ……立ち話も何だし、入るか?」
 ドアを開けると、バルダッチーニは満面の笑顔で付いて来た。まったく、何なんだ
こいつは。
 しかし、せっかく来たのだから、と思い直すと、原田はこたつの説明などしながら
お茶の支度をした。イタリア人って、緑茶でも平気なのだろうか。
 イタリア人全般はともかく、バルダッチーニは、緑茶を美味しそうに飲んでくれた。
買いだめしてあったポテトチップをつまみながら、原田は、何を話そうかと思案する。
「それにしても、暇なんだな。イタリアの会社って、そんなに休めるのか?」
「いいえ、会社は辞めました」
「は?」
 愕然として顔を上げると、灰色の瞳が笑みを浮かべて見返してくる。 <> ゴミ捨て場に落ちていた男 9/10<>sage<>2005/08/27(土) 21:27:39 ID:rnTuTkMS<>  そうだ。忘れていたが、こいつの目は灰色なんだった。原田は、何故か高鳴る心臓に
困惑して、視線を逸らす。しかも、男前なんだった。馬鹿だけど。
「そ……そうか。辞めたのか」
「はい。それで、今回は長期のビザを取得してあるので、日本語の学校に通いながら
仕事を探そうと思っています」
「ふーん。そりゃ、良かった」
 そこまで聞いて、原田はふと気が付いた。
「日本語、上手くなってるじゃないか」
「分かりますか? 私、原田さんのために、沢山勉強しました」
「……何だそりゃ」
 ぎょっとして目を上げるが、バルダッチーニは笑顔で見返すばかりだ。
「変なこと言うなよ。仕事のためだろ」
「そうですね。仕事をしないと、日本に居る事が出来ません。でも、仕事が見付かれば
すぐ、就労ビザに切り替える予定です」
「へえ、大変だな。まあ、頑張れよ」
「ありがとうございます。頑張りますので、よろしくお願いします」
「はいはい……はい?」
 こいつは一体、何を喋っているんだ?
「え? なに、あんた……ずっと日本に居るのか?」
「はい。そのつもりで、引っ越して来ました」
「……ど、どこに」
「原田さんの、隣になります。どうか、よろしくお願いします」
 繰り返された言葉に、原田は気が遠くなる。隣って、まさか。
 唐突な展開に、原田の思考が追い付かない間も、バルダッチーニは何やら楽しそうに
話し続けている。
「……で、今度、一緒に食事をしませんか? 私が、イタリアの料理を作ります」
「あ……うん」 <> ゴミ捨て場に落ちていた男 10/10<>sage<>2005/08/27(土) 21:28:08 ID:rnTuTkMS<>  俺、今……何かを安請け合いしたような。
「今日は、会えて良かったです。原田さんは、明日もお仕事ですか?」
「いや、日曜日だし」
「では、一緒に出掛けましょう。買いたいものがあるのですが、私はまだ、この町が
よく分からないのです。案内をしてくれますか?」
「まあ、いいけど」
 ちょっと待て、いいのか?
「ありがとうございます。明日、迎えに来ます」
「ああ、そう。じゃ」
 ま、いいか。

 バルダッチーニが、本当に隣の部屋へ入って行くのを確認してもまだ、原田は呆然と
していた。何もかもが突然の出来事で、まるで夢でも見ているようだ。
 そうか。あいつが、また来たのか。
 どうにか、その事実だけに納得すると、原田は寝る支度をするために、一旦全てを
頭から追い出した。急ぐ事はないだろう。今日はもう遅いし、明日、ゆっくり考えれば
いいのだ。
 そして、次の日。
 原田は、すっかり忘れていた約束通りにドアを叩いたバルダッチーニに
再度驚かされる羽目になる。

 原田は、まだ知らなかった。
 台風と共に現れたような男が、その豪雨と強風の中で無くしてしまった写真。
 そこには、原田に似た年格好の、男性が笑っていたのだった。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 21:30:15 ID:rnTuTkMS<> □ STOP ピッ ◇⊂(´∀` )長いのに、チューも無しかよ!

敬語というより、丁寧片言日本語になってしまいました。
ヘタリア男がんばれ超がんばれ。てな訳で、おしまいです。読んで下さってグラッチェ!
(途中で文字化けに苦しめられ、フォントをいじったらヘタレア語が崩壊しましたが
適当にスルーして頂けると嬉しいです。これがマカーの業というものか……!) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 21:32:32 ID:4Zl/fTRd<> いやいや面白かったです姐さん!
カタコトと話が繋がってない所にワロタ
文才ある人ウラヤマシス <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 21:35:20 ID:1kkshzoy<> バルダッチーニホホエマシス(*´Д`)
これから敬語で押せ押せするがいい。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 21:37:51 ID:+7hjy49j<> GJGJGJ!
めちゃくちゃ萌えたよ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 21:52:01 ID:JgtDRlZ8<> 姐さん、お疲れさんです
さん付け呼び、めちゃいいです(*^ー゚)b グッジョブ!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 21:56:13 ID:KkJvU/iF<> お、おもしろかった!!1! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 22:02:17 ID:K9RpKCTD<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  日曜朝の闘う船体 金黄(光×シバサ)だモナー
                    |  
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  >>189-196の続きだカラナ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 船体らしくベタだゴルァ!!
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 22:03:23 ID:K9RpKCTD<> 1/12
「シバサ、君に宿題だよ。…僕に恋をして。」
僕、光は小図家5兄弟の魔/法の先生。
只今小図家に居候中。
次男のシバサに宿題を出してから四週間が過ぎようとしていた。
シバサはほかの子より想像力が足りないので、てっとりばやく恋をしてもらう事にしたんだ。
だって、恋した人間の想像力って、計り知れないものがあるじゃない。

この授業をするようになってからというもの、シバサの事を色々知った。
例えばにんじんは嫌いだけど、お兄ちゃんに言われたら一つだけは頑張って食べる事とか。
放課に明日のデートどの服がいいか選んでと頼まれたら嫌そうにしつつ一時間も二時間も一緒に考えてあげる事とか。
商店街でくじ引きがあると裏羅に駆り出されては何か賞品を持って帰って喜ばれる事とか。
隣に座っていた貝がうとうとして倒れ込んできたら頭を叩くもそのまま寝かせてやる事とか。

そっけない、だけどとても優しい子だ。
家族を心から愛している情の深い子だ。
自立心が高く、甘えたりしない、いつでも気丈に振る舞って…
だけどお母さんが居なくなった時は戦えなかったのだとお兄ちゃんから聞いた。

…かわいいなぁ…
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 22:04:10 ID:K9RpKCTD<> 2/12
「シバサ、僕の事が好きかい?」
「なんスか突然。…てか、いちいち聞くなっ」
「だって聞きたいんだからしょうがないよ。」
「しょうがなくねぇよ」
「シバサ、早く僕の事を好きになりなさい。」
「命令形かよっ!無茶言うな。そんな簡単に…………だいたい、」
「ん?」
「…なんでもねぇ」
「なんでもない顔じゃないじゃない。」
「なんでもねぇ!」
「シバサ、先生に隠し事は困るな。」
真剣な目で見つめればシバサは困った顔になった。
押しに弱い所があるよね、シバサは。言わないけどね。
「…俺が…俺が先生の事す、好きになったら、先生どうすんだよ…」
「そりゃあ、嬉しいよ。」
「…として、かよ…」
「え?」
なんだろう、声が小さくて、よく聞こえなかった。
「…やめる」
「え?」
「やめる!俺、先生の事好きになるのやめる。だいたい、恋なら誰でもいいんだろ。先生じゃなくたって。
他の誰かにするから、それでいいだろ!」 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 22:05:00 ID:K9RpKCTD<> 3/12
そりゃ、いいと言えばいいんだけど…
あれ?いいと言えば、いいはずなんだけど。
自分でもよくわからなくて黙っていたらそれを肯定と取ったらしいシバサは
「…じゃ、出会いを求めて外行って来る。」
そう呟くとダッシュで魔/法部屋を出ていった。
シバサの口から出会いを求めるとかすごい言葉が飛び出したものだね…
まあ…お手並み拝見と行こうかな。

なんて言ったものの、なんだか落ち着かない。本を読んでも頭に入ってこない。
早く帰ってくればいいのにシバサはお昼にも帰ってこなかった。お腹空かないのかい。
今日はスパゲティーだったのにね。おいしかったのにね。
三時のおやつはマフィンと紅茶。なんだか葉を入れすぎたかもしれない。
いつの間にシバサの分まで入れるクセがついてしまったのかなぁ?

夕方になってからやっとシバサが帰ってきた。
すかさず後ろに立った。
「やあ、おかえり。どうだった?」
「…まぁまぁ」
気配もなくいきなり後ろに立っても驚かなくなったのでつまらない。
まぁまぁ?よくわからないな。はっきりしなさい。
シバサの顔はむすっとしていたけれど、普段から仏頂面だから何も判断できない。
「じゃ、俺先風呂入っから」
「待ちなさいシバサ。」
思わず腕を掴んで止めてしまった。
あれ? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 22:05:48 ID:K9RpKCTD<> 4/12
「今夜も一緒に寝るからね。」
「…なんでだよ。俺はもう、先生には…」
「わかっているよ。僕にも少し考えがあってね。」
「なんだよ考えって。」
「ちょっとね。じゃ、後で部屋に行くからねー。」
半ば強引に押し切った。
シバサが押しに弱くて良かった。
困ったな。なんだか僕は少し、怒っているのかもしれない。

「シバサ、入るよ。」
「あー、はい。」
初めて一緒に寝てからだいぶ経っているからシバサも慣れたもので、
すでにベッドに寝転がって魔/法書を読みながらこちらを見もせずにリラックスしていた。
これだ。この、慣れがいけないんだよね。
「今日はちょっと特別授業をするからね。」
「特別授業?」
「シバサが早く誰かに恋ができるようにねー。」
誰かに、の部分の声に力が入ってしまった気がする。
「疑似体験できる魔/法があるんだよ。これで恋を疑似体験してみよう」
キョトンとしているシバサが何か言う前にすかさずチケットを切って呪文を唱えた。
なんか僕、焦ってる? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 22:07:39 ID:K9RpKCTD<> 5/12
魔/法の効き目は即効性。みるみるシバサに効いてきた。
途端、寝転がっていたシバサが起き上がり、僕を見て目を丸くした。
「な、何…」
シバサはTシャツの心臓あたりを掴んだ。
「…これが恋だよ、シバサ。」
にっこり笑って見せたら、シバサの顔が朱に染まった。
今、シバサは僕に恋をしている。
…疑似体験だけどね。

ベッドにあがろうとすると、シバサが壁ギリギリまで後退した。
「どうしたんだい?」
「やめろよ、くんなっ…」
「いつもしてる事だろう?」
「いつも、こんなんじゃねぇっ…」
初めて一緒に寝た時より数倍初々しい反応を示すシバサがとてもかわいい。
大丈夫だから、となだめても言うことを聞かない。
「先生、これ、やめてくれよ、やだよこれ」
「やめないよ。大丈夫だよ。何もしないから。」
「当たり前だろ!い、今なんかされたら俺、」
「へぇ。どうなるのか見てみたいなぁ」
「ふざけんな!」
目尻が紅くなる。
「シバサ、僕の事好きだろう?」
真剣な顔で見つめているつもりだけど、少し笑っているかもしれないな、僕は。
怯えるシバサの腕を掴んで引き寄せると小さい悲鳴が聞こえた。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 22:08:32 ID:K9RpKCTD<> 6/12
「好きって言ってごらん。」
シバサの震える身体を抱きしめて耳元で囁いた。
「絶対嫌だ!!」
「言わないとずっとこの魔/法解いてあげないよ。」
「いやだ!」
耳にくちづける。
少し離して頬にもくちづけた。
「言わないと何かしちゃうよ。」
「い…」
本当はイヤじゃないよね。僕の事好きだものね。
その事はわかっているし、僕にわかられているのも、シバサはわかっているはずだ。
「僕の事を好きだと言いなさい、シバサ。」
シバサの紅くなった目尻に羞恥と困惑の涙が溜まる。
「やりすぎだろ、先生っ!」
僕もこんな事までするつもりは無かったんだけどね。
今日一日考えていたけれど、認めざるを得ないかな。
この感情のいきつく所は一つ、嫉妬だ。
僕はシバサの事で嫉妬しているんだ。
シバサに恋をさせるはずが、なんてことだろう。
いつの間にか嫉妬するほど僕の方がシバサに恋をしていたんだ。
だけど気付いた所でこの嫉妬は止まらない。
肩を押してベッドに組み敷いた。
「ほら、早く言わないと。」
「冗談だろ…!」
「この状況でかい?」 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 22:09:25 ID:K9RpKCTD<> 7/12
シバサは激しく抵抗したらそれこそ冗談では無くなるのを恐れてかあまり抵抗しない。
「いいかい、言えばすぐにやめてあげるからね。」
逃げ道を作る。シバサと、…僕の。
何が起こるのかわからない恐怖にシバサの目は見開いたままだ。
恐がらないでシバサ…僕は君にヒドイ事をしたいわけじゃないんだ。
ジッと見つめると、シバサも見つめ返してきた。
それはたぶん、目をそらせなかっただけなのだろうけれど。
「シバサ…」
シバサの顔の両側に手を付き、ゆっくりと顔を近付けた。
おでこに一つ、頬に一つ、唇を落とす。
シバサの両手が僕の肩に当てられる。けれど力は込められない。
押し返して抵抗しようか迷っているようだ。
「まだ言ってくれないのかい?それなら…」
僕の視線はシバサの紅い唇に向かう。
その視線に気付いたシバサが手に少し力を入れたけれど、僕は気付かない振りをした。
とっさには避けられない速度で唇を重ねた。
「んっ」
シバサの手が肩を掴む。
少し触れて唇を離すと、肩にかかった手に力がこもった。
けれど押しが弱いのをいいことに、そのまま角度を変えて何度かくちづけた。
ギュッと目を閉じたシバサの目尻からは涙が溢れていた。
「どうして我慢するんだい?好きって言うだけなんだよ、シバサ。」 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 22:10:25 ID:K9RpKCTD<> 8/12
「…言いたくねぇ…でも、こんなのも嫌だ、先生っ」
傷付けて、しまっただろうか。
「なんで言ってくれないのかな。今なら、簡単な事なのに」
シバサが弱々しく抵抗する。
「言えるかよ…んな事…」
なんでだい。今、僕の事が好きなはずなのに。
魔/法は効いているはずなのに。抵抗する方が辛いはずなのに。
「そんなに僕には恋したくないのかな?結構ショックだよ。」
シバサの目がまた見開き僕を見つめる。
「だって、先生に恋したって…」
「うん?」
「俺は、辛いだけじゃねぇか…」
僕に恋をしたら、シバサが辛い?
「どういう事だい?」
シバサの目尻に溜まっていた涙がまたポロポロ落ちてきた。
「先生は、授業でやってるだけじゃねぇか…俺は、本当に好きんなっちまっても、そこで授業は終わりで…
その後、俺の気持ちは、どこに行けばいいんだよ…」
…ああ、どうしよう。
「だから、だから先生には恋したくねぇんだよ!」
どうしよう。
かわいい。なんてかわいいんだろう、この子は。
こんなかわいい子にそんな思いをさせていたなんて。
僕は本当に先生失格だな。
「シバサ…それなら心配要らないよ。心おきなく僕に恋してほしい。」 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 22:11:27 ID:K9RpKCTD<> 9/12
「恋したら、魔法で、元に戻すのか?」
泣きながら喋るシバサは声がとぎれとぎれで、
それすらなんだかもう、すごくかわいく思える。
「いいや、違うよシバサ。よく聞いて。」
シバサの涙を指で拭う。
泣かせちゃったのは、二度目だね…。

「まずは謝らないとね。ごめんよ、翼。僕は嫉妬したんだ。君が他の人に恋をするなんて言うから…」
「…えっ」
「シバサ…僕はどうやら君に恋をしたようなんだ。」
その言葉にはじかれたようにシバサが身体を離した。
「う、嘘だ!」
「本当だよ。」
「嘘だ。先生魔/法かかってないくせに、いい加減な事言うな!」
「そうだよ。僕には魔/法がかかっていない。その状態で君にキスをした。その意味がわかるかい?」
「あ…」
「このまま君の魔/法を解きたくないくらいだよ」
またシバサを引き寄せて強く抱きしめる。
「シバサ、君が好きだよ。」

しばらくの沈黙。
僕もシバサを抱きしめる以外何もできなかった。
シバサはただただ無言で僕に抱きしめられていた。
シバサがどんな顔をしているのか見たくて少し身体を離した。
「シバサ…」 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 22:12:50 ID:K9RpKCTD<> 10/12
シバサはゆっくり顔をあげた。
その顔に怒りは無い。少し、ホッとした。
僕を見つめながら、シバサは息を飲んだ。
「先生、として、かよ」
真意がわからなくて、顔を傾けて続きを促す。
「俺の事…先生として好きって事かよ」
「違うよ…先生と生徒じゃない。光として、シバサが好きだよ。」
「…じゃあ、俺も好きになっても、いいのかよ…」
「いいに決まってるじゃないか…むしろそれを強く望んでいるよ」
シバサの目が泳ぐ。
鼻が赤くなって、横を向いてしまった。
「す…」
「…何だい?」
グッと唇を噛みしめる。
また今にも泣きだしそうだ。
「ごめんよ、意地悪したね。もう泣かないで、シバサ…」
「…るせえ!!…好きだつってんだよ!」
言って、僕の胸に顔をうずめてきた。
ああ。
ああもう。
ごめんねシバサ。君にはどうにも悪戯心が芽を出してしまうみたいだ。
僕は少し細工をした。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 22:13:53 ID:K9RpKCTD<> 11/12
「よく言えたね、シバサ。ご褒美をあげるよ。」
シバサの顎をすくい上げて、チュッと音がするような軽いくちづけをした。
「何すんだよ…っ」
「うん。ごめんね。もう意地悪しないよ、シバサ。」
また抱きしめる。
「かわいいね、シバサは。」
頭を撫でる。
「だから早く僕の事を好きになりなさい、シバサ。」
「…っさっき、言ったばっかりじゃねぇか…っ!聞いてなかったのかよ?!」
「今も好きかい?」
「んな短時間で変わるわけねぇだろうが!だいたい、魔/法がかかっ…」
シバサが飛び起きる。
「あんた、まさか…」
僕はにっこり笑って、魔/法解除の切符をシバサに見せた。
「うん。もう解けてるんだよね。魔/法。」
「い、いつの間に、あんた…!」
「気付かなかったのかな?おかしいなぁ、全然違うはずなんだけどなぁ?」
「っっ!!…ほんっと、爽やかな顔して性格悪ぃなあんた!!」
「怒ってる顔もかわいいよ、シバサ。」
僕も起きあがり、シバサを抱きしめてそのまま倒れるように寝ころんだ。
「は、離せヘンタイっ!!」
「何もしないよ。…まだね。じゃ、おやすみなさい、シバサ。」 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 22:14:56 ID:K9RpKCTD<> 12/12
魔/法で部屋の電気を消す。
シバサは抱き合ったまま寝転がっている事に不服なようだ。
まだブツブツ何か言っている。
「…本当に大好きだよ、シバサ。」
抱きしめる腕に力を込めた。
「…。」
「シバサも僕の事が好きかい?」
「…。」
シバサは何も言わない。
だけど抱きしめられていることに抵抗もしない。


シバサはしばらく黙った後、返事の変わりに僕にギュッとしがみついた。


<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 22:15:40 ID:K9RpKCTD<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |                 一息に行けなくてすいませんカラナ
 | |                | |           ∧_∧  
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/27(土) 22:46:51 ID:CPqLkMkt<> >>387姐さん!待ってました!!!そして萌えをありがとう!!!
自分の萌えカプとちょっとだけ境遇が似てたので
うっかり想像してみたら萌え倍率ドン!さらに倍!!!
がんがれヘタリア男(;´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア

<> 風と木の名無しさん<>sageバルダッチーニを最初バルタンチーニと読んで疑わなかったことは内緒だ。<>2005/08/27(土) 22:59:54 ID:V0XEMmo2<> >>432ヘタリア……なんていい響きだ(´∀`*)

<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 00:43:48 ID:eLp86bP5<> バルダッチーニ、おもしれー。
すごい最高。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 01:17:45 ID:YUuqY1rK<> ゴミ男面白かったです。トランクスとTシャツが小さかった…ってのが萌えw <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 02:05:19 ID:zeB7Pp9C<> >418
金黄キター!!(AA略)
萌え死ぬかと思いました。
明日の朝、普通に黄を見れないよ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 07:49:38 ID:ev1bTl+o<> ゴミ男の続きを切に希望致します。
萌え死んだ…
原田さんにも萌えた… 萌え疲れた
今日は良い休日になりそうだ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 13:15:46 ID:LmKqU7cU<> ゴミ男おもしろすぎる…
これからどうなるのかすごく知りたくなってきた <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 20:22:35 ID:kMvFVBZa<> あわわ。沢山のレスありがとうございます。楽しんで頂けて嬉しいです。
実はコソーリ逆視点も書いていました。やっぱり元ネタがこの板ですし、あと一話だけ
甘えさせて下さい(言い訳)つか、敬語攻展開をさせたかったので(本音)。

|>PLAY ピッ ◇⊂(´∀` )ゴミ捨て場に落ちていたヘタレア男、おかわり編。 <> ゴミ箱に落ちていた男 1/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:23:18 ID:kMvFVBZa<>  目が、疲れているのだろう。
 コンクリートのまだら模様をじっと見つめると、細かな灰色が動いているような
気がする。ぼやけた黒っぽい小石が、もぞもぞと移動している。
 いや、増えている。
 バルダッチーニは何度か瞬きして、徐々に数を増してゆく模様を目で追った。
首を傾げてから、薄暗いコンクリートの床から視線を上げ、錆びたトタン屋根に
遮られた鈍色の空をぼんやりと眺める。
 雨だ。大粒の雨が、渦巻く曇天から真っ直ぐに落ちてくる。
 雨の一粒が目尻に当たり、バルダッチーニの脳がようやく覚醒した。低く響いて
いた耳鳴りも消え、木立を揺らす風の音に気付く。
 なんという光景。なんという空だろう。木々は揺れ、雲は逆巻き、伸し掛かる
ような灰色の建物が、強い風に唸りを上げる。
 この国には、嵐が来るのか。バルダッチーニは、口を開けたまま空を見上げ
驚くほどの早さで通り過ぎてゆく千切れ雲に見入った。この町のどこかで、同じ
光景を山田さんも見ているだろうか。
 思い出した途端に、目頭が熱くなった。優しかった山田さん。日本の事を沢山
教えてくれた山田さん。恥ずかしいからと言って、名前を呼ばせてくれなかった
山田さん……僕の名前も、呼んでくれませんでしたね。
 Siete nel Yamada, dove? 何度も繰り返した言葉が、頭の中でこだまする。
 山田さん、貴方は、どこに居るのですか?
 もしかして、貴方の存在は……僕の、夢だったのでしょうか。 <> ゴミ箱に落ちていた男 2/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:23:43 ID:kMvFVBZa<>  それからの記憶は、継ぎ接ぎのモザイクのようで、すっかり落ち着いた今でも
上手く形にならない。
 落ちてきた傘よりも、駈けてゆく人影の方が目に焼き付いた。
 朝日の中に立つ、驚いた顔の原田さん。恐い顔で、怒鳴ったり蹴ったりする
原田さん。不思議な味の食事と、不機嫌そうにじっと見つめる原田さん……少しでも
残したら怒られるのじゃないかと、必死になって飲み込んだスープ。お腹が空き過ぎて
感覚が麻痺していたのだと気付いたのは、満腹になった後だった。
 小さくて蒸し暑い部屋を、小柄な体で飛び回る原田さん。疲れませんか?
暑くないですか? 僕の事なんて、放って置いてくれれば良かったのに。
 山田さんからのメールを見て、泣きそうな顔になっていましたね。いいんです。
もう、分かっています。僕はただ、確かめたかっただけなんです。
 窓から、朝日が差し込んでいる。もうすぐ、原田さんは目を覚ますだろう。
 手足を広げて、大口を開けて寝ている原田の顔を眺めた。奥歯まで見せて、とても
間抜けな寝顔だ。額に汗をかいて、やっぱり少し、不機嫌そうな。
 バルダッチーニは、原田の上にそっと屈み込むと、彼の鼻先にキスをした。しかし
次の瞬間には、そんな自分に驚いて身を離す。つい唇を舐めると、原田の汗の味がした。
 この動揺は、彼に対する裏切りだ。バルダッチーニは、あまりの事にふらふらと
立ち上がると、そのまま部屋の隅で膝をつき、頭を抱えてうずくまる。
 自分は、なんという愚か者だろう。
 ごめんなさい、原田さん。僕は今日、ロヴィーノに帰ります。
 山田さんの事も、幸せだった一年半の日々も、全て忘れて帰ります。
 ごめんなさい、本当に、ごめんなさい。
 でも、原田さんの事は、憶えていてもいいですか?
 そしてもし、もしも、原田さんが…… <> ゴミ箱に落ちていた男 3/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:24:25 ID:kMvFVBZa<> =====
 バルダッチーニは、腹に鋭い痛みを感じて目を覚ました。
「いつまで寝てやがる! あんたの耳は飾りか!」
 もう一発。今度は太ももを蹴られて、バルダッチーニは飛び起きると、傍らに立って
怒鳴る原田を見上げた。
「ほら、さっさとどけよ」
 次いで、体の下の布団を引っ張られ、慌てて畳の床に逃げる。一体、原田は何を
しているのだろう。
「ど、どうしましたか、原田さん。なんですか?」
 寝起きの回らない舌で質問すると、布団を抱えた原田が、背中越しに振り向いた。
「布団を干すんだよ。あーあ、畳まで湿ってるじゃねぇか。他人の布団で汗かくんじゃ
ねぇよ」
 ぶつぶつと文句を言いながら、原田が狭いベランダへ消える。思わず付いて行くと
バルダッチーニにも原田の行動が分かった。鉄製の手すりに、上掛けと布団を並べて
真っ直ぐになるまで調整している。原田は、変な所で几帳面な男だった。
「あんたもな、たまには自分の部屋に帰ったらどうなんだ? 家ってのは、使わないと
悪くなるんだぞ」
「では、明日は私の部屋で、一緒に寝ましょう」
「なんでだよ。あんたの部屋まで掃除させる気か?」
 いえ、そういう意味ではなくて、ですね。
 言いかけたが、原田は既に部屋の中に戻っている。そのまま玄関を出ると、今度は
洗濯機を回し始めた。まったく、よく働く男だ。
 バルダッチーニはベランダの布団にもたれて、青い空を見上げた。
 生温い夏の風が、開け放たれた玄関から吹き抜ける。向かいに建つ背の高いマンション
では、ツバメがヒナにせっせと餌を与えている。
 部屋に戻ると、点けっぱなしのテレビから、天気予報の声が聞こえた。 <> ゴミ箱に落ちていた男 4/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:24:52 ID:kMvFVBZa<>  台風が、近付いているそうだ。バルダッチーニは、日本に来て何度目かの天気図に
見入った。細長い島に、渦を巻いて迫る嵐の形。夏の間、こんなものが何度も作られては
様々な方向へと流れてゆくのだ。
「こりゃ、関東まで来るな」
 その声に振り向くと、いつの間にか戻っていた原田が、すぐ後ろに座っている。
「ったく、夏休みに直撃かよ」
「また、去年のようになりますか?」
「かもな。ま、いいんじゃねぇの。この辺りには、でかい川も無いし」
 にっこり笑って、原田が頭を小突いてくる。
「良かったなぁ、ニコーラ。今度は、ちゃんと屋根があるもんな」
「……はい、そうですね」
 どうにか、声が出せた。原田が、こうして無防備に近寄る度に、バルダッチーニの
心臓は破裂しそうになる。毎晩のように押し掛けて、隣で眠っている時には平気なのに
彼の笑顔を間近にすると、つい、その小さな頭に、手が伸びてしまいそうになる。
「原田、さん」
「ん?」
「今日は、何をしますか?」
「そーだな……素麺でも食って寝るか。あんたも食うか、素麺?」
「はい、頂きます」
「よし。じゃ、夕飯も素麺でいいや。帰る前に電話しな」
 これは、出て行けという意味だろう。確かに、そろそろ出勤の支度をしないと不味い。
バルダッチーニの仕事は十時からだが、職場のダイナーまでは一時間近くかかるのだ。
 適当に挨拶をして原田の部屋を出ると、自室に入る手前で、一度だけ振り返る。
 原田さんは、おかしな人だ。 <> ゴミ箱に落ちていた男 5/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:25:20 ID:kMvFVBZa<>  ついさっき、家に来るなと怒ったのに、今夜は素麺をごちそうしてくれると言う。
 口調は乱暴だし、すぐに蹴るし、寝相も悪い。
 だけど、やさしい人だ。原田さんは、とても、やさしい人だ。

「おお、来たか。ちょっと待ってろ、もうすぐ出来るからな」
 事前に電話をしたからか、鍵の開いていたドアを開けると、台所から声がした。
見れば、ガスレンジに向かった原田が、焼き網の上で真っ黒な物体を転がしている。
「雨はどうだ? あんた、傘持って行かなかっただろ」
「大丈夫です、チーフにお借りしました……茄子ですか?」
「おうよ。素麺に、焼き茄子と大根おろしとネギ乗っけてな、つゆをぶっかけて食うんだ。
何杯でも食えるぞ」
「それは美味しそうですね。何か、手伝いましょうか」
「んじゃ、適当に麦茶でも出しといてくれ」
「ああ。それと、お土産を持ってきました」
 お土産の言葉でやっと振り向いた原田に、バルダッチーニはラップを掛けた深皿を
スポーツバッグから取り出すと、目の高さに持ち上げて見せる。
「ローストビーフです。端っこですけど」
「でかした! 俺はな、前から思ってたんだよ。ニコーラは出来る男だ、ってな」
 満面の笑顔で、原田が菜箸を振り回す。
「よし、それも素麺に乗せよう。俺は手が離せないから、あんたがやってくれ」
「茄子と一緒に、ですか?」
「いいだろ、別に。食っちまえば一緒だ」
 どんぶりからはみ出すほどの夕食を終える頃、窓の外で雷が光った。
 雷は、バルダッチーニと原田が並んで食器を洗っている間にも、徐々に近付く。
「おい、ニコーラ。カーテン開けて、布団敷いとけ。俺は風呂に入る」 <> ゴミ箱に落ちていた男 6/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:25:54 ID:kMvFVBZa<>  なぜか、そわそわと落ち着かない様子の原田に、バルダッチーニはピンときた。
「また、雷の見学ですか?」
「ったりまえだろ。ほら、急げって。雷が逃げちまう」
 この部屋で夏を過ごす内に、バルダッチーニは、こうして楽しそうにはしゃぐ
原田を数回目撃していた。どうやら彼は、雷が大好きらしい。
 確かに、日本の天候は目まぐるしく変化し、バルダッチーニも驚きを覚えるのだが
わざわざ観察しようという気持ちは、あまり理解出来ない。そのうえ、本音を言えば
雷が少し恐くもあった。どうして、こんなものが好きなのだろう。曇りガラスに反射
する光から目を反らして、何気なく振り返ったバルダッチーニは、目の前の光景に
思わず飛び退いた。
 アパートは、狭いワンルームだ。だから、畳の部分と、台所の板の間がそのまま
続いている。だから、風呂場も、すぐそこにある。だから……仕方ないのだが。
 これも、仕方ないのだ。バルダッチーニは、自分にそう言い聞かせつつも、目前で
展開されている全てから、目を離す事が出来なかった。いつもは最低限、下着を身に
付けている原田が……今まさに、全裸で部屋を横断している。
 タンスから引っ張り出したタオルを肩に掛け、凝視するバルダッチーニの視線にも
頓着せずに、原田は駆け足で風呂場へ消えた。ドアが音を立てて閉まり、ようやく
肌色の残像から解放されたバルダッチーニは、どきどきと高鳴る胸をシャツの上から
押さえる。
 考えれば、彼の裸を見るのは初めてだった。下着姿でも平気な原田から、意識的に
視線を逸らせていた事もあるが、何よりも、彼のころころと変わる表情に、自然と
目が吸い寄せられるからだ。
 細くて小さな尻は、両手に収まりそうだった。しかし、股間でぶらぶらしていた
ものは、なかなか立派だった。目を閉じても、その部分だけが思い出せるほど
脳裏にしっかりと焼き付いている。 <> ゴミ箱に落ちていた男 7/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:26:18 ID:kMvFVBZa<>  思わず、床に座り込んだバルダッチーニは、深呼吸しながら板の間の木目を凝視した。
駄目だ。このままではきっと、原田に殺されてしまう。
 どのくらい、そうしていただろうか。なんとか落ち着いたバルダッチーニはふらふらと
立ち上がって、原田に言われた通りにカーテンを開けた。風に舞う大粒の雨が窓を
叩き、近付いては遠のく雷が、向かいのマンションとの間で見え隠れしている。
 次の瞬間、ほぼ真上から轟音が響き、バルダッチーニは身を竦めた。
 やはり、雷は恐い。先ほどの事もあるし、見学は原田一人で楽しんでもらおう。
 昼間に干されて、ふかふかになった布団を窓際に寄せていると、あっという間に
風呂場から出て来た原田が、シーツの上にダイブした。
「おおー。すげえ」
 寝転がって、上半身を反らせた姿勢になると、原田が雷に歓声を上げる。
 よほど急いでいたのだろう、裸の腰にバスタオルを巻いただけだ。
「あの、原田さん……」
「ほら、あんたも見てみろ。すごいぞ」
「……いえ、その。今日は、ごちそうさ……」
「風呂なんかいいから、寝て見ろって。お、また光った」
 しきりに振り向いては、興奮した笑顔で手招きする原田に、バルダッチーニは仕方なく
布団の隣に座った。どうしよう。どうしたら、部屋に帰らせてもらえるのだろう。
「おい、届くなら電気消してくれ。よく見えないから」
「はい」
 素直に返事をしてしまい、またもやバルダッチーニは頭を抱えたい気分になる。
 天井の電灯から下がった紐を二回引くと、部屋は一瞬、真っ暗になったように感じた。
 しかしすぐに、窓から差し込む青白い明かりが、部屋の中を斜めに照らす。向かいの
マンションでは、多くの部屋が雨戸を閉めていたので、遠くの空で真横に走る雷までが
くっきりと見えるようになった。 <> ゴミ箱に落ちていた男 8/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:26:43 ID:kMvFVBZa<>  ふと、隣を伺うと、原田は雷にすっかり心を奪われている様子で、開いたままの口から
時折、おーとかなんとか呟くばかりだ。その横顔を眺めている内に、バルダッチーニの
頭は麻痺したようになった。
 先ほどまで、鳴る度に驚かされていた雷は、いつしか、間断なく続くフラッシュほど
にしか感じられなくなり、その中に浮かんでは消える、すらりとした体に目眩がする。
 原田の、濡れたままの髪から、一滴の水が頬へ伝うと、形の良い顎からぽたりと
落ちて、シーツに吸い込まれた。真っ白なタオルから伸びた素足や、反り返った背中の
曲線が、閃光に照らされて、誘うように揺れる。
 気のせいだ、と声がする。
 しかし、頭の隅の冷静な部分が発した警告は、空から響いた音にかき消されてしまった。
「……原田さん」
 行動は、一瞬だった。
 呼び掛けは、届かなかったのだろう。その証拠に、原田は目を見開いて、驚いた顔に
固まっている。
 掴んだ肩が動いた気がして、バルダッチーニは、仰向けにした原田に全身で伸し掛かると
今度は深く口付けた。半開きの唇に、吸い付くように何度も重ねるが、原田はされるままに
なっている。
「原田さん」
 囁いて、組み敷いた素肌に手を這わせると、原田の身体がびくりと跳ねた。
「な……」
 かすれた声が、濡れた唇からこぼれる。
「に、してんだ」
 呆然と見開かれていた目に、力が戻る。
「あんた、今……なに、したんだよ」
 殺される。 <> ゴミ箱に落ちていた男 9/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:27:13 ID:kMvFVBZa<>  バルダッチーニの全身に、強烈な寒気が襲った。思考が停止したようになり、胸が
破裂しそうなほど痛む。この痛みに、殺されてしまう。
「ニコーラ、てめぇ……」
 耐えられない。
 跳ねるように立ち上がると、バルダッチーニは部屋を飛び出した。そのまま、隣の
自室へ逃げ込むと、ドアに鍵を掛けて、その場に崩れ落ちる。
 なんて事を。
「……ああ」
 壊してしまった。彼を、裏切ってしまった。全身ががたがたと震えて、喉元から
堪えきれない嗚咽が漏れる。
「ごめんなさい……ごめんなさい、原田さん……」
 どうしよう。どうしたらいいのだろう。幸せだったのに、傍に居られるだけで
良かったのに、何故、あんな事をしてしまったのだろう。
「許して下さい……原田さん……許して」
 泣きながら、バルダッチーニは何度も繰り返した。謝り続けて、情けない事に
眠ってしまうまで、呟き続けていた。
 そんな事をしても、過ぎた時間は取り戻せないと知りながら。

 携帯電話のアラーム音で、バルダッチーニは目を覚ました。
 頭の奥が、重い痛みに悲鳴を上げる。
 狭い玄関の床で、丸くなっていたバルダッチーニは、音の発信源を探そうと、だるい
体を持ち上げた。
 辺りは、埃っぽい空気に淀んでいる。閉め切られた部屋は蒸し暑く、全身に汗を
かいていたバルダッチーニは、ぼんやりと原田の言葉を思い出す。
 部屋は、放って置くと悪くなるのだ。まるで、人の心のように。
 アラーム音は不意に消えてしまい、バルダッチーニは、それ以上探すのを諦めた。 <> ゴミ箱に落ちていた男 10/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:27:38 ID:kMvFVBZa<>  シャワーを浴びても、服を着替えても、気分は少しも良くならない。
 原田の部屋と自室を隔てる壁に、視線が何度も泳いでしまう。
 すぐにでも、昨夜の事を謝罪しなくてはならないと、何度も思った。本当はあの時
あの場で、許しを請うべきだったのだ。殴られても、泣かれても……嫌われても。
 しかし、どうしても原田と顔を合わせる勇気が出ず、バルダッチーニは数十回目の
ため息をつくと、仕事の為にドアを開けた。
 ドアノブが、やけに重たい気がする。
 アパートの廊下に出ると、すぐにその理由が分かった。
 外側の取っ手に、バルダッチーニのスポーツバッグがぶら下がっている。そう言えば
自分は、鍵も財布も持たずに、どうやって仕事に行くつもりだったのだろう。
 原田はやさしいから、あんな事をされた後なのに、忘れ物まで届けてくれる。
 でも、きっと、この感情までは、許してくれないだろう。

「おい、バル」
 厨房で食器を洗っていたバルダッチーニに、先輩の一人が声をかけた。
「今日はもう閉めるから、先に上がれ」
「いえ、後少しなので……」
「いいって。家、遠いんだろ? 早く出ないと、電車が止まっちまうぞ」
「止まる?」
 何の事やら分からずに、バルダッチーニが首をひねっていると、厨房の裏口から
ずぶ濡れの男が飛び込んで来た。夜のシフトで働いている同僚だ。
「すっげー雨っすよ! こんなんで、客来るんですか?」
「来る訳ねーだろ。来ても、帰ってもらうよ。店仕舞いだ」
「マジっすか? 俺、聞いてないっすよ」 <> ゴミ箱に落ちていた男 11/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:28:03 ID:kMvFVBZa<>  バルダッチーニは、二人の会話を背中に恐るおそる裏口に近付くと、ドアを開け
ようとした。だが、ドアは何かに押されているのか、ひどく重い。力一杯に押すと
今度はドアごと外に引っ張られる。
「バル! 用も無いのに開けるな!」
 怒鳴られて、我に返ったバルダッチーニが手を離すと、駆け付けた先輩がドアを
閉めてくれる。
「台風だよ、たいふう。バル、台風初めてか?」
「あれ、イタリアって台風来ないんすか? バルちゃん、電車だろ。早く帰んないと
大変だよー。飛ばされちゃうかもよー」
 笑いながら脅かしてくる声も、バルダッチーニの耳を素通りしていた。一瞬だけ
見えた表の光景が、過去の記憶に重なる。
 そうだ、台風だ。あの日も、吹き荒れる雨と風の中、同じ光景をこの国で見ていた。
薄暗いゴミ箱の隙間で、震えながら、飛ばされそうになる傘の柄を握りしめて。
 小さなビニール傘を、無くしたくなくて。
 原田さんが落としてくれた、傘を。
「……すいません。私、帰ります」
 自然に、その言葉が口をついた。
 同意の声と共に、ロッカールームに追い立てられながら、バルダッチーニは急いで
服を着替える。帰らなくては。帰って、原田さんに会って、謝るのだ。
 許してもらえなくても、殴られても、嫌われたって構わない。謝って、そして。
 愛していると、伝えなくては。

 駅からアパートへと走る間も、雨はバルダッチーニの全身を濡らしていった。
 水を含んで重くなったジーンズが、焦る足をもつれさせる。通り掛った車が
盛大に水しぶきを浴びせてきたが、下着まですっかり濡れているバルダッチーニは
気にも留めなかった。前から吹き付ける雨が呼吸を苦しくさせて、周囲の景色も
ほとんど見えない。 <> ゴミ箱に落ちていた男 12/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:28:27 ID:kMvFVBZa<>  それでも、バルダッチーニは走り続け、駆け足のまま、アパートの階段をもがき
上がった。
「原田さん、居ますか!」
 ドアを叩きながら、中へ向かって呼び掛ける。居る筈だ。台所の曇りガラスから
明かりが見える。小さいが、テレビの音も聞こえる。
「原田さん、開けて下さい! 原田さん!」
 彼が居るのは確かなのに、返事が無い。バルダッチーニは、喘ぎながら廊下に
座り込むと、ドアの側に背中を預けた。取り落としたスポーツバッグが、腰の辺りで
つぶれている。
「開けてくれるまで、ここに居ます」
 荒い息の下で、それだけ言うと、バルダッチーニは空を見上げた。
 真っ黒な雲から、唸る風と共に雨が降り注いでくる。こんな空の下なら、いつまで
でも待てる、とバルダッチーニは思った。でも、もしも夜が明けて、あの日のように
空が晴れて……それでも、原田さんが手を伸ばしてくれなかったら。
 その時は、国へ帰ろう。
 全て忘れて、台風の来ない、ロヴィーノへ帰ろう。
「……嫌だ」
 また、逃げてしまうのだろうか。これまで、何度も逃げたように。
 また、忘れるのだろうか。こんなに、愛しているのに。
「いやだ……原田さん……好きです」
 忘れたくない。
「好きです……原田さん、愛してます……愛してる」
「こら、何をぶつぶつ言ってんだ」
 バルダッチーニは、ぎくりとして、声のした方向に振り向いた。 <> ゴミ箱に落ちていた男 13/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:28:54 ID:kMvFVBZa<> 「せっかく家があんのに、まーたびしょ濡れになりやがって」
「はらだ……さん?」
 これは、夢だろうか。
 細く開いたドアから、原田の不機嫌そうな顔が、こちらを見下ろしている。
「原田さん」
「んだよ。そんな所に座ってても、拾ってやんねぇからな。言いたい事があるなら
自分で中に入れ」
 そして、ドアが閉まった。
 バルダッチーニは、呆然としてドアを見つめる。夢ではない。確かに今、そこに
原田が立っていた。自分を見て、話しかけてくれた。
 そっとドアの表面を撫でて、バルダッチーニは瞬きする。
 入っても、良いのだろうか。
 立ち上がって、ゆっくりとドアを開ける。恐ごわと、頭だけ中に入れると、テーブルに
肘をついてテレビを見ている原田の背中があった。
「そのまま上がるんじゃねぇぞ。床が濡れる」
 言われて床を見ると、玄関にバルダッチーニの服が置いてあった。泊まりに来る度
この部屋に置いて行ったものだ。
 濡れた服に苦戦しつつも、どうにか服を着替え、バルダッチーニは濡れた服とバッグを
玄関に放置したまま、原田に近付いた。
「……で、何の用だ?」
 背中を向けたまま、原田が低い声で問う。少し迷ったが、テーブルの向かいに腰を
下ろすと、バルダッチーニは原田の横顔を見つめた。
「原田さん」 <> ゴミ箱に落ちていた男 14/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:29:29 ID:kMvFVBZa<> 「ああ」
「昨日は、すいませんでした」
「……何の事だ」
 バルダッチーニは、胃の辺りが重くなるのを感じた。
「は、原田さんの気持ちも考えずに、あんな事をして」
「知らねぇな。あんた、何かしたっけ」
 胸が痛くて、死んでしまいそうだ。
 原田は、昨夜の出来事を全て、無かった事にしようとしている。無かった事にして
忘れてくれようとしている。
 でも、僕は、それでは嫌なんです。
 視線が、自然とテーブルの上に落ちた。強張った原田の顔が、辛くて見ていられない。
「……私が、原田さんにキスをしたのは、好きだからです」
 絞り出した声は、自分でもおかしくなるほど震えていた。
「愛しているから、キスをしてしまいました。ごめんなさい」
 返事は無い。それでも、打ち明けた事によって、バルダッチーニの心は軽くなった。
ほんの、少しだけだったが。
「私は、原田さんを愛しています。でも、原田さんは迷惑ですよね。だから……」
「イタリアに帰る、ってか?」
 冷たい声に、バルダッチーニは驚いて顔を上げた。
 いつの間にか、こちらを向いていた原田が、恐ろしい顔で睨んでくる。
「ふざけんな。てめぇには、責任感ってもんが無ぇのか」
 突き飛ばされたテーブルが、バルダッチーニの腹に当たる。
「仕事はどうすんだよ。やっと形になってきて、はい辞めます、じゃ、雇ってくれた
人間に申し訳ないとか思わねぇのか? どうなんだよ!」 <> ゴミ箱に落ちていた男 15/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:29:54 ID:kMvFVBZa<>  今度は、拳が飛んできた。額を打たれて、バルダッチーニの体が心ごと揺れる。
「何とか言ってみろ! あんたは、前もそうだったじゃねぇか! 仕事も国も
放り出して、こんな所まで来やがって」
「原田さん……」
「生活するってのはな、生きるってのは、そんな簡単なもんじゃねぇんだよ。
てめぇも男なら、ちったぁ根性見せてみろ!」
 ああ、どうしよう。
 好きだ。大好きだ。この人が、本当に愛しくてたまらない。
「俺が好きだってなら、百年かけても落としてみせるぐらい、言ったらどうなんだ!
そんな事だから、山田にも逃げられんだろうが!」
「はら……」
「それとも、てめぇの好きはその程度か! 俺が怒ったら、尻尾巻いて逃げんのか!」
「原田さん!」
 バルダッチーニは、飛んでくる拳をかいくぐって、暴れる原田を抱きしめた。
「原田さん……愛してます。愛してます」
「な、なにすんだ、こら! 離せ!」
「嫌です。離しません」
「重いんだよ、潰れるだろうが!」
「潰れて下さい。もう、泣かないで」
 その一言で、腕の中の体は大人しくなった。力の抜けた原田の腕が、畳に落ちる。
「ごめんなさい。私が、間違っていました。愛してます、原田さん」
「な……泣いてなんか、いねぇぞ」
「ずっと……ここに、居てもいいですか?」 <> ゴミ箱に落ちていた男 16/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:30:17 ID:kMvFVBZa<> 「……あー、まあ。勝手にしろ」
「原田さんを好きでも、いいですか?」
「い……いい、つーか。それは、俺がどうこう出来る問題じゃ、ねぇし」
「愛してます。本当に、心から愛してます」
「それは、困るんだけど……」
 だが、バルダッチーニの心は既に決まっていた。
 忘れたくないのだ。ずっと、一緒に居たいのだ。百年でも、千年でも一緒に居よう。
いつか、彼に愛してもらえるまで。
 抱きしめた肩は、冷えきったバルダッチーニには熱いほどだった。小さくて、細い
原田の身体。形の良い頭に顔を寄せると、石けんの香りと、汗の匂いが混じって鼻を
くすぐる。首筋に頬を埋めると、滑らかな肌が吸い付くようだ。
「おい、ニコーラ……てめぇ、何してんだ」
 原田が身を捩って逃げようとするが、バルダッチーニは、体格差に物を言わせて
それを押さえ込んだ。暴れる足を自分の両足で挟むと、原田はほとんど身動きが
取れなくなる。
「止めろって。なあ……本当に、苦しいんだけど」
「何もしません。何も、しませんから……でも、もう少しこのまま」
「してるじゃねぇか! って、おい!」
 脇腹を引っ掻かれて、バルダッチーニは仕方なく上半身だけ離した。
「てめ……なにおっ勃ててんだよ! 離せ、とにかく離せ、いいから離れてくれ!」
「大丈夫です。落ち着いて下さい、原田さん」
「馬鹿か、俺が大丈夫じゃねぇってんだよ!」
「大声を出すと、近所に聞こえます」 <> ゴミ箱に落ちていた男 17/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:30:42 ID:kMvFVBZa<>  散々騒いで今さらの事なのだが、原田は真っ赤になって口をつぐむ。
 その顔を両手で挟むと、原田はびくりと身を竦めた。涙の滲んだ目が、きょろきょろと
落ち着かなく動いて、視線が合うと、すぐに逸らされる。
「原田さん」
「な、なに……」
「私は、原田さんが大好きです」
「いや、それは分かったから、だな」
「原田さんは、私が嫌いですか?」
「……べ、別に……」
「聞こえません」
「別に、嫌いじゃねぇよ。そんなに見るな!」
 バルダッチーニは、もうこれで十分だと思った。嫌われていないのなら、好きになって
くれるまで頑張るまでだ。
「ほんとに、見るなって……目が……」
 原田の声が徐々に小さくなると、とうとう目を閉じてしまった。力一杯に顔を逸らせて
眉を寄せている原田に、バルダッチーニの胸が鳴る。
 十分だけど、あと少しだけ許して下さい。
 そして、歯を食いしばっている原田に、そっと唇を押し当てる。
 途端に、もの凄い力で突き飛ばされ、鳩尾に原田の踵がめり込んだ。
「出てけー!」 <> ゴミ箱に落ちていた男 18/18<>sage<>2005/08/28(日) 20:31:08 ID:kMvFVBZa<> =====
 部屋の隅で、バルダッチーニは寝ている原田を眺めながら、何度も謝っていた。
 ごめんなさい。本当に、ごめんなさい。
 やさしくしてくれたのに。こんな僕を助けてくれたのに。

 原田さん、僕は今日、ロヴィーノに帰ります。
 原田さんに拾われて良かった。二日間、とても幸せでした。
 だから、原田さんの事は、憶えていてもいいですか?
 全部忘れても、あなたの事だけは、忘れたくないんです。
 そしてもし、もしも。

 次に会った時、原田さんが、僕の事を憶えていてくれたら。
 貴方を好きになっても、いいですか? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 20:31:33 ID:kMvFVBZa<> □ STOP ピッ ◇⊂(´∀` )幸せになっちゃえばいいと思うよ。

長々とスレを使ってしまいましたが、これで本当におしまいです。
お付き合い下さった皆様、ありがとうございました。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 20:43:28 ID:thMg3aAe<> 続きキタ━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━!!
萌えたー!はげ萌えたー!!
姐さんGJ!!
最初が最後がつながってんだな。ちょとびっくりした。そしてほっとした(*´Д`) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 21:19:33 ID:Jn5poQGM<> 暴れん坊ツンデレ原田最高でした <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 21:32:25 ID:ev1bTl+o<> ちょwww萌え過ぎて視界が霞んでるwwww

萌え泣きなんて初めてだ…
続き読めて良かった、有り難う
更に続きが読みたいなんてワガママは言いませ… 嘘です言います <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 22:01:00 ID:ux1bFQNQ<> >>418-431
ベタ ∩( ・ω・)∩バンジャーイ
無自覚先生 ∩( ・ω・)∩バンジャーイ
ああこれなんですよ姐さん、私が求めていたものは!キュンキュンさせてもらいますた!

>>439-458
ほんとに文章お上手ですな!
ヘタリア(・∀・)イイ!オリジナルでこんなに萌えたの初めてかも…。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 22:21:48 ID:q87oseSh<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |   シ毎モ袁の別書×長縞です。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|   前スレ656-660さまはネ申・・・触発されました
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> シ毎モ袁の別書×長縞 1/8<>sage<>2005/08/28(日) 22:22:54 ID:q87oseSh<> 別書さんが「な/が/れ」を降りて半月が過ぎた。
あの人が「な/が/れ」を降りてから、なんとなく休日も船内でゴロゴロしている日が多くなった。
あれから、俺に新しいバ/ディはまだ居ない。
胸の真ん中に大きく空いた空洞の訳も分からずにただ仕事をこなしている。

「俺、マジで尊敬しているんですよ!?
 別書さんが大好きなんだよ・・・っ!
 辞めないでくれよ!別書さんっ・・・・!」
あの時、別書さんが収容された病室でなりふり構わず思わず口を突いて出た言葉。
一瞬、何とも言えない表情になり何か言いかけて、すぐに逸らされたあの人の肩が震えていて
俺と同じように泣いてくれていることが嬉しくて、そして悲しかった。
どんなに失いたくないと願っても、それはお前のためだなんて言われたら
その我侭を通せる反論なんてどこにあったというんだ。

仕事している時はいい。何もかも忘れて目の前の事にただ打ち込めるから。
だけど・・・狭いベッドで一人になり過ごしているときなどぐるぐると考えてしまう。
携帯に電話しようかとも何度も思ったけど、何を話していいのか分からずに
ディスプレイに何度もあの人の名前を表示させて、そして切る、そんなことばかり繰り返している。 <> シ毎モ袁の別書×長縞 2/8<>sage<>2005/08/28(日) 22:23:42 ID:q87oseSh<> 「あーーーー!もう!」
思わず独り言が口を突いて出た。
通りかかったヤツがビクリと驚いた顔を俺に向ける。
「長縞?」
「あ〜・・ごめん、何でもない。俺、ちょっと出掛ける。」

ロッカー室で手早く身なりを整えると扉を閉めた。
ふ、と隣のロッカーに目が留まる。
今はもう、主の居ないそこはついこの間まで別書さんのロッカーだった場所だ。
上から消すように白いシールが貼ってあるその部分にうっすらと別書、の文字を見付けて思わず手を触れる。
ああ、そういえばあの人、ぞんざいな所があって、普通、シールに書いて貼るのにロッカーに名前を直書きしちゃってたな。
上から貼られたシールのふちをそろり、と指でなぞる。
こうやって、一つ一つ・・・あの人の影は薄れていくのかと思うとたまらなくなって目の奥がじんとしてきた。
バカみたいによく泣いてしまう俺の頭を、何も言わずに撫でてくれたあの温かくて大きな手はもう無い。
「・・・俺のためって何だよ・・・っ・・!」
バン、と軽くそのロッカーを蹴飛ばして俺は「な/が/れ」を後にした。 <> シ毎モ袁の別書×長縞 3/8<>sage<>2005/08/28(日) 22:24:28 ID:q87oseSh<> いつもの溜まり場のオー/シャン/ズに行く気は流石に起こらなくて
海沿いに少し歩いてみる。
海は何も変らないけど俺の隣には別書さんが居ない。

・・・居ないんだ。

あの日、病室で枯れるくらいに泣いたと思ってたけどまだ泣き足りない自分を自覚して
歩いていた堤防の上にしゃがみ込んだ。
平日の海には人気も少なく、遠くテトラポットの上に何人か釣りをしている人影が見えるだけ。
「・・・別・・・書さ・・・」
後から後から流れてくる涙をもう堪え切れなくなって
俺はただただ繰り返しあの人の名前を呼んで泣いて、泣いて、泣いた。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 22:24:30 ID:nFidss8n<> >潰れて下さい。
は げ も え た

男前ツンデレは大好物だが、よもや敬語ヘタレ攻めに
こんなに萌えるなんて夢にも思わなかったよママン!

続きが読み(ry <> シ毎モ袁の別書×長縞 4/8<>sage<>2005/08/28(日) 22:25:08 ID:q87oseSh<> ひとしきり泣いて、泣き疲れて、はあ、と溜め息を付いた。
鼻水と涙でグシャグシャになった顔を拭おうとポケットを探る。
・・・あれ・・?ハンカチどこに入れたっけ・・・?
す、といきなり隣から目の前にハンカチが差し出されて思わずどうも、と受け取・・・?
「・・・気が済んだか?」
聞き慣れた、声。
「!!!!!べ!!!!!!!!!」
「べ、ってなんだよべ、って。」
ほんの半月、離れていただけなのに、怒濤のような懐かしさと胸の痛みを伴って
別書さんの苦笑交じりの声が俺の耳朶を打つ。
「うわああああああああんんん!!!!!!」
せっかく止まった涙も鼻水も、まだ残りがあったらしく
再び溢れ出したそれらを拭う事も忘れて隣にしゃがむ別書さんの服を掴んでその胸に抱き付いた。
「おわっ・・・お前!顔を俺のシャツで拭くんじゃねえ!汚ねえなもう!」
「・・うっ・・ひくっ・・すっ・・すいませ・・っでも、俺、別書さ・・ん・・なんで・・」
まるで子供にするように、手からハンカチを取り上げて俺の涙と鼻水を拭うと
あの懐かしい温かくて大きな手のひらが昔みたいに頭をあやすように撫でる。
「お前はホント、泣き虫だよなア・・・」
「だ・・誰のせいだと・・っ・・思って、んですかっ・・・」
「さっきさ〜・・ちょっとコンビニでも、とか思って歩いてたら
 お前見かけてさ、声掛けようとしたらいきなり号泣だもんな。」
「だって・・っ急、俺、ビック・・リ・・てっ・・」
「あ〜分かった分かった、取り合えず泣き止めっつの・・・。」 <> シ毎モ袁の別書×長縞 5/8<>sage<>2005/08/28(日) 22:25:42 ID:q87oseSh<> しばらく、しゃくりあげたような呼吸が止まらなくて
俺が落ち着くまで別書さんは隣で黙って待っててくれた。

「・・・元気、か?」
やっと俺の顔中の水が止まって、呼吸も整った頃に、ぼそ、と小さく別書さんが聞いた。
「え?あ、皆・・元気でやってますよ。」
「ああ・・・そうじゃなくて。」
「?」
どういう意味か分かりかねて海に遠い目を向けた別書さんの横顔を見上げた。
いつもこうやって、見上げてたな、なんて思いながら。
「お前が、元気だったか?って聞いてんの。」
「えっ・・あ、はい。元気ですよ!あ、新しいバ/ディとも仲良くやってます。」
心配かけたくなくて、思わずウソが口を突いて出ていた。
「・・・そっか。」
海に向けられていた別書さんの顔が急にこちらに向いたので慌てて今度は自分が海の方に目をやった。
いつの間にか辺りは暮れ始めていて、夕暮れの中いつしか人影は見当たらなくなっている。
「・・・寂しがって、泣いて、落ち込んで、使い物にならなくなってるかと思ってたのにな。」
半分、冗談めかした声音にムッとして再び別書さんに向き直る。
「俺だって・・・」
いっぱしの海/上/保/安/官なんですよ、そう言葉を続けようとして、続けようとしたのに。
目の前の別書さんの顔があんまりにも優しい目で俺を見るから
咽まで出かかっていた言葉は脆く溶け去ってしまった。 <> シ毎モ袁の別書×長縞 6/8<>sage<>2005/08/28(日) 22:26:21 ID:q87oseSh<> あ、また・・・鼻の奥がツンと痛くなる。泣きそう。
「・・・お前なァ・・・」
我慢しているつもりが目一杯に涙目になっている俺に別書さんは苦笑する。
「その、泣き虫なとこ、いい加減直せよ。」
「泣いてませんよ!」
思わず反論した拍子にポロリと滴が落ちる。
泣いてない。泣いてない。泣いてるけど、泣いてない。
「・・・俺にとってはさ、お前がそんなふうに泣いたり怒ったり、笑ったり
 出来なくなる事が1番怖かったんだ・・。」
「・・・そんなの・・」
俺のためだって、分かってる。
けど、そう思ってくれることが嬉しいのと同じくらいに
バ/ディとして共に全てを分かち合って一緒に過ごす時間が俺にとって
とてもかけがえのない大切な宝物だったのに。
「・・・遠い外国に行ったわけじゃ無ぇんだし、こうやっていつもで会えっだろ?」
「そりゃそうですけど・・・」
同じ海の底から、同じ気持ちで、一緒にあの海面の光を見上げる事はもう、無いから。
その事が、ただただ悲しかった。 <> シ毎モ袁の別書×長縞 7/8<>sage<>2005/08/28(日) 22:27:02 ID:q87oseSh<> 分かってくれよ、そう言い掛けた時。

目の前の別書さんの顔がピント合わせ出来ないくらいに近付いて、そして。
思わず目を閉じた俺の唇に少しの熱を残してそれは離れた。
「・・・・・。」
キスされたことに唖然としてさらに嫌じゃなかった自分に呆然として別書さんを見上げていると
今度はいきなり顔面にアイアンクローをされる。
「・・・っあだっ!・・・!あだだだだだだだ!!!!何すんですか別書さん!いだだだ!!!」
「新しいバ/ディな、俺よりもイイ男か?」
「はあ?何ですかそれいでっいででで!!!」
アイアンクローから次にヘッドロックを決められて今度は痛さで涙が出てきた。
「俺はな、長縞!」
「・・っ、はい?で、いででっ・・・」
「妬いてんの!」
ヘッドロックの腕はいつしか俺を後ろから抱き締めるような形に変っていた。 <> シ毎モ袁の別書×長縞 8/8<>sage<>2005/08/28(日) 22:27:40 ID:q87oseSh<>
「・・え?」
「お前のため、だとか言ってもう海/保辞めた俺が何言ってんだって感じだけどな!
 俺にとっての最高のバ/ディはお前だけで、お前にとっての最高のバ/ディは・・・」
「後にも先にも、別書さんだけですよ!」
背後から身体に響く声を聞き終る前に勝手に口がそう言っていた。
「・・・・長縞・・ありがとな・・・これで俺、ホントに海/保に思い残すこと無ぇや・・・」
「なんですかそれ!まるでこの後死ぬみたいな言い方止めて下さいよ!」
胸に回された別書さんの腕をぎゅっと掴む。
「・・・お前がさ、今日みたいに泣いてたら、俺飛んできてやるから。
 凹んだ時とか、やり切れ無え時とか、いつでも電話してこい。話聞いてやるから。」
まるで子供扱いな別書さんの言葉に思わず切り返す。
「・・・そんなこと言って、ホントは別書さんが俺に会いたいんでしょ?」
緩くなっていた腕の力が、俺を掻き抱くように強くなる。
「・・・・ああ!そうだよ!悪ぃかよ!」
照れ隠しのように不貞腐れた声にやっと、あの時の自分の言葉は告白だったのだと今更ながら思い知る。
「・・・電話、しますよ。泣いてなくても。だって、俺、別書さんのこと大好きだもん。」
返事の代わりとばかりに、さらに力の強まった腕にまた鼻の奥が痛くなる。

悲しい涙じゃないから、泣いてもいいよね?


バカみたいな野郎二人の青春シーンをからかうかのように
夕陽が沈んでいく水平線にカモメが1羽、滑るように飛んでいった。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 22:28:30 ID:kMvFVBZa<> またしても、あちこちに誤字ハケーン。アヒャヒャ……orz
>461 いえ、すいません、彼等の続きはちょっと思い付かないです。
でも、また板内で萌えに遭遇したら、何かしら投下しに参りますので
その時は宜しくお願いします。オリジナルなのに読んで下さった皆さんに感謝。

あと、今になって>433のメル欄に気付いて、吹き出す程ワロタ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 22:28:46 ID:q87oseSh<>
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 長縞はなんであんなに可愛いんだ‥
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 473<>sage<>2005/08/28(日) 22:29:50 ID:kMvFVBZa<> >>474さん
申し訳ありません……吊って来ます。 <> 467<>sage<>2005/08/28(日) 22:33:10 ID:nFidss8n<> >474姐さん
大変申し訳ない…473姐さんに続いて吊ってきます <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 22:42:02 ID:cHb4f5JW<> >474
うおおお!萌えた…。
名が島カワエエ…。
いいもん見せてもらいました。thx!
<> 474<>sage<>2005/08/28(日) 22:52:28 ID:q87oseSh<> >>473姐さん
>>467姐さん
ああ、ちゃっちゃと投稿しなかったので‥。
こちらこそ申し訳ない。
吊るのは止めにして、一緒に( ´・ω・`)_且~~ イカガ? <> 風と木の名無しさん<>sage 475と476もちつけwww<>2005/08/28(日) 22:59:48 ID:pEBxNfuk<> >>463
シ毎猿キタ━(゚∀゚)━!! 長縞可愛いよ長縞
>>439
しかもゴミ男の続きまでキテタ━(゚∀゚)━!! ツンデレだよ原田お前ツンデレ

ちょっと最近このスレクオリティ高杉。萌え過ぎて過呼吸になるwww
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 23:31:33 ID:adf7K+oO<> >>463
姐さん有難う、めちゃくちゃ萌えた(´Д`*) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/28(日) 23:35:53 ID:2rJ8hhTF<> 遅くなったがゴミ箱男、良かったーー!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 01:11:13 ID:e51PGf0S<> ゴミ箱男、最高!
あー夏の終わりにいーもん見た! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 01:18:44 ID:YW5XIAOo<> ヘタリア攻も原田の漢受っぷりもツボに嵌りまくり!
こんなに萌えたの初めてだ。続きが読みたい… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 02:35:15 ID:u5RhyxQW<> >>440
萌え尽きた
原田もバルダッチーニもかわいすぎるよ!
心からgoodjob!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 07:39:51 ID:8CgYmYUU<> ゴミ箱男、GJデス! あやまりながらやることやる感じでいいですね♪
すぐイタリアへ帰っちゃうクセはどうにかしたほうがいいけど…w <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 07:40:15 ID:wJE/3RGF<> つ、つつ続き読みたい…
私も萌え尽きました。原田さん漢前すぎ… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 08:48:30 ID:GJcvLBwg<> ( ゚д゚) ポカーン…
>>440姐さん…上手すぎ…金払ってでも続き読みたい… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 13:50:16 ID:ao6ip8Bd<> ば…ばるはら最高!

ついでに作中のぶっかけ麺、美味そうだったので
お昼にウマーしたよ(ローストビーフはなくて叉焼でしたが)
何もかも美味しくいただきました。姐さんありがとう。幸せだ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 18:16:57 ID:wJE/3RGF<> >>487
同意…
絶対買う。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 18:19:43 ID:dxk41tGP<> ゴミ箱男、面白い!!
>>487さんの金払ってでも続き読みたいに同意 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 20:18:31 ID:dvj7eVdc<> >>ゴミ箱男
これなんてベストセラー? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 20:25:39 ID:kqiqZcs/<> ゴミ箱男、テラモエス(´д`*)GJGJ!!

だがしかし、バルタンのイメージが何故か『ダーリソはタト国人』の
ト二ーで固定されてしまい私を苦しめる… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 20:38:26 ID:wJE/3RGF<> >>492
…!
ば、ばかー!
私の中のイメージまでが固定されてしまったww
でもある意味モエス… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 21:26:03 ID:lHIDJ6vg<> へたれと敬語とツンデレ…
最強の組み合わせじゃねーか(゚Д゚)!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 21:36:47 ID:ug+MewqW<> 萌えで死にそうだよマンマ…!!
バルも原田もたまらんです!!
原田のツンデレっぷりが、もう、もう…!!
私も続き金払ってでも見たいよ!
>>387姐さん、超GJでした!!
萌えをありがとう!! <> 439(473)<>sage<>2005/08/29(月) 21:37:15 ID:hEdp3cOr<> >>478
本当にすみませんでした。
イタダキマス( ´・ω・`)且

皆さんレス頂いてマジありがとうございます。
ただ私、普段チラシの裏にエロパロ書いてるだけのビビリな上に、一つの話を
長く続けられない……いえ、飽きっぽい性格なので「ゴミ捨て場に落ちていた男」は
二話で完結とさせて頂きます。自分で書いておきながら、二人がこの後どうなるのか
さっぱり分らないもので……オリジナルって難しいですね。
続きは、皆さんのお好きなように展開させて下さいますと幸い。

では、他の続き物や新作を楽しみにしつつ、これにて名無しに戻ります。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 21:41:38 ID:71rGAdrf<> >>478
よくわかった!
ごみ箱男は、夏の拾い物として萌え財産目録に入れさせて
もらうよ。文字通りの拾い物だったよ!
良い萌えをありがとう!  <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 23:14:25 ID:HAJkPzW6<> >>496 ゴミ箱男面白かったです!GJ!

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  少年と比゛キさん
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  ヘコんだ少年が激しくうざいですよ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ウザー
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

劇中から引用した部分は一部変えてあります。 <> 少年と比゛キさん1/5<>sage<>2005/08/29(月) 23:15:20 ID:HAJkPzW6<> 僕にはヒーローがいる。
その人は強くてかっこよくてやさしくて可愛らしくて
たくさんの人に信頼され、たくさんの人の助けになっている。
人の輪の中心で笑っているのが似合う人。
そして厳しい目でひとり遠くを見つめているのが似合う人。

――――――――――
「おーい少年」
彼は僕をそう呼ぶ。冗談だと思っていたら、いつのまにかその呼び名で定着してしまった。
他の誰も呼ばないあだ名とも言えないその呼び名は、時に、もしかして自分は特別な存在
なのだろうかという優越感と、名前を呼ぶにも値しないちっぽけな存在なのだろうか
という劣等感を僕にもたらす。
最近はそんなことを考えることもなかったのに、今日は間違いなく後者だという確信を
もって更に気が重くなってしまった。 <> 少年と比゛キさん2/5<>sage<>2005/08/29(月) 23:16:48 ID:HAJkPzW6<> 「テント立てたし、次はカマド用の石と薪集めにいこっか」
「はい」
「今日の夕食はカレーです!っていってもレトルトだけど。
 でも飯ごうで炊くごはんはおいしいから楽しみにしててね」
にっこり笑いかけられたのに軽く笑ってみせる。
数日前、仕事で山に入るんだよという話を聞いたあと「少年も一緒にどう?」と誘われて、
毎日毎日指折り数えてこの日を待っていた。
本格的なキャンプ、しかも二人きりで。教えてもらいたいことも話したいことも山ほど
あった。すごくすごく楽しみにしていた。
それなのに。
やさしくしてくれるのは普段と変わらないけれど、どことなくいつもと違う感じがする
のは多分気のせいじゃない。
街でいわれのない暴力を受けて口元にできた痣は、愛想笑いをするたびに引き攣れて
痛かったが、彼はまったくその話題に触れてこなかった。 <> 少年と比゛キさん3/5<>sage<>2005/08/29(月) 23:17:33 ID:HAJkPzW6<> そんなことをグダグダと考えていたせいか、慣れない山道を甘く見ていたということ
なのか、僕は斜面から滑り落ち危うく川に落下しそうになった。
「大丈夫か!?」
「すいません!」
「いま行くから。がんばれよ」
先に登ってロープを投げてもらったのにこのザマだ。自分が嫌になる。
僕を助けに降りてきてくれた彼はすりむいた膝を心配してくれた。そこから登るのを
手伝ってもらって、本来の「仕事」が終わる頃にはすっかり日が翳ってきていた。
その上テントに戻る途中に雨まで降ってくるし、もう散々だった。
情けない。足手まといにもほどがある。
食事の支度もできないのでテントにこもって雨が止むのを待つことになった。彼は何も
気にしていないふうな穏やかな顔で「仕事」に関わる作業を続けていた。カッターナイフ
が器用に動いて、ただの枝だったものが滑らかに整えられていく。
「あの、すみませんでした。僕のせいでこんな…」
「なんで?少年が雨降らせたわけじゃないでしょ」
謝ろうとするのを淡々と流して、その後も慰めと気づかせない言葉で慰められた。
静かな声が身体に染みていくようだった。 <> 少年と比゛キさん4/5<>sage<>2005/08/29(月) 23:18:21 ID:HAJkPzW6<> 思えば出会った時から彼は特別な空気をまとっていた。
最初は変わった人だと思い、その次に会ったときには気さくな性格にちょっとホッとした。
安心したのも束の間、自分の想像を遥かに超えたとんでもないモノと闘う姿を目の当たり
にした。
死ぬかと思った、殺されるかと思った、
偶然その人に出会わなければ一生知ることのなかった世界。
一分の慈悲もなく非情なまでに強い力でそのモノの命を絶った数時間後には、初対面の
人間だということを忘れさせる人懐こさで僕の家族に受け入れられ、和やかにごはんを
食べていた。
遠いような近いような、それでもやっぱり遠いような、計り知れないその人を、
会うたびに好きになっていった。夢中になった。
彼を思うだけで心が強くなったような気がしたし、一緒にいると自分のことが少し好きに
なれた。

「少年さあ、」
「はい」
「その顔のあざ…なんで自分ばっかり、って感じ?」
作業する手を休めず手元から目を離さないまま、内心を見透かされたような質問をされて
カッと顔が熱くなった。本当はこの人にこんな顔を見せたくはなかった。でも理由をつけ
てキャンセルする方が卑怯に思えたし、彼に対してはできるだけ自分に恥じない自分でい
たかったのに。
「生きてりゃさ、何度も転んで、そのたびに傷作ったり痣作ったりすると思うんだよね。
 でもそんなとき心だけは強く鍛えておかないと、自分に負けちゃうじゃないか」
顔を上げたら目が合った。
「だから少年には、自分が信じたことを信じて生きていってほしいなあと、思うんだよ」 <> 少年と比゛キさん5/5<>sage<>2005/08/29(月) 23:19:17 ID:HAJkPzW6<> 手についた木くずをはらい、太もものあたりでごしごし拭ってから、
「触ってもいい?」
と聞いてきた。彼の視線が口元の痣に注がれているのに気づいて「はい」と答えた。
温かい指がおそるおそる痣の上を滑る。
「痛い?」
「少し」
遠慮した指は、力を入れないように気を遣っているせいか少し震えている。
今度はぺたぺたと指の腹で痛みを確かめるように撫でてくる。まるで自分の傷にそうするみたいに。
「ひどいこと、するな」
「こんなのすぐ治りますから」
「…うん」
「大丈夫です。色とか痛そうに見えるけど、ホントに全然たいした怪我じゃないし」
なぜだか僕は彼が泣いてしまうんじゃないかと思って慌ててその手に自分の手を重ねた。
いつかはこの手を包み込めるくらいに成長できるのだろうか。そんなことを思いながら
ぎゅっと握りしめた。
「ほら、喋るのだって支障ないし、笑うのも、食べるのも、歯をみがくのも、」
たまらなくなって目の前の唇に唇を押し当てた。
「キスだって、平気なんです」
「そっか」と言って彼は静かに笑った。

――――――――――
僕にはヒーローがいる。
今はただ背中を追いかけているだけの人。それでもいつか並んで歩きたい人。
僕が信じたいものはすべてあなたの中にある。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 23:20:12 ID:HAJkPzW6<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヘタレ攻が憧れのお兄さんをゲッツする
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) そんな感じ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 23:35:54 ID:TqGMaz/U<> >498-504
ぐぐGJ!
昨日の放送から胸にぐるぐるしてた萌えが
昇華されました。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/29(月) 23:59:59 ID:d+tq3u8Z<> ふおぉぉぉ…寝る前になんて有難いものを…!
ありがとう、ありがとう!>498-504
この萌えを胸に寝ることにするよ!あーシアワセー(*´д`) オヤスミー <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/30(火) 00:18:35 ID:fozWI0Ds<> >>498-504
じんわり萌えて幸せな気分になれたよ。ありがとう。
がんばれ少年… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/30(火) 01:08:19 ID:QzMT2fZO<> ごめんすごい亀レスだけど
>226!!!あの兄弟!!!!まさかビデオ棚でお目にかかろうとは!!
もうこのまま萌え心でもいい!わー!
…いいもの見せてもらいました(*´д`)  <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/30(火) 17:13:58 ID:xpa7vkO5<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )柏餅×桜餅。和菓子カプですドゾー。 <> 柏餅×桜餅(1/4)<>sage<>2005/08/30(火) 17:15:28 ID:xpa7vkO5<> 今日も店が開いて、一日が始まる。
『おはよー、柏餅さん』
三つ重なった声が聞こえる、きなことあんこと青海苔のおはぎ三兄弟だ。
「おはようおはぎさんいつも元気だね。これから秋は大変だねー」
「たいへんだよー」「でもぼくが一番だけどね」「うそだー」
おはぎ三兄弟は誰が一番人気になるかで盛り上がっている。
いつもケースの中はにぎやかだ。
「相変わらずだな柏餅は」
目をひく、桃色と緑の色彩。
彼はほとんど口をきかないが、僕には話しかけてくる。
その度にいつも僕は彼の特別なのだろうか、と少し期待してしまう。
<> 柏餅×桜餅(2/4)<>sage<>2005/08/30(火) 17:16:39 ID:xpa7vkO5<> 「何が、桜餅さん」
「いや、仲が良くっていいなと思ったんだ」
「桜餅さんだって、みんなと話せばいいんだよ。みんなやさしいよ?」
彼はよくわからないところがある。
仲良くなりたいのなら話せばいいのに、みんなを寄りつかせない。
「いや、俺はいい。きな粉が付いたら困るからな」
「別にそれくらい」
「……それはそうなんだけどな」
最近、桜餅さんは元気がない。何か思い詰めているみたいだ。
「なぁ、柏餅。お前の葉は食べられないんだよな?」
「うん。食べる人みたことないね。何で?」
「いや。いっそそうならいいだろうと思っただけだ」
「でも、桜餅さんの葉は食べられるんだよ?すごいじゃない」
彼は少し笑った。自嘲するように。
<> 柏餅×桜餅(3/4)<>sage<>2005/08/30(火) 17:18:01 ID:xpa7vkO5<> 「いらっしゃいませー」
店員の明るい声が響く。おじいちゃんが子どもを連れて来たようだ。
「……子どもは嫌いだ」
桜餅さんは吐き捨てるように言った。いつもそうだ。
子どもが来ると機嫌を悪くする。彼は子どもに愛されるのに。
僕ら和菓子にとって、子どもに好かれるというのは名誉なのに。
「どうして?僕なんか子どもに人気ないから、桜餅さんがうらやましいよ」
そう言うと、彼は悲しそうな顔で僕をみた。
励ますつもりだったのに、どうしてそんな顔をするんだろう。
<> 柏餅×桜餅(4/4)<>sage<>2005/08/30(火) 17:19:14 ID:xpa7vkO5<> 「あいつらは、俺の葉をむりやりはがすんだ」
涙声で彼はつぶやいた。
「なにも礼儀を知っちゃあいない。俺のことを知ろうともしない。
俺は一番おいしい状態で食べてもらいたいのに!
無理やり葉をはがして、中身の餡が見えてもお構いなしで……」
最後は話すのもつらそうだった。
僕にはわかることのない気持ちだ。僕は愛されればただ嬉しいばかりだ。
意に添わぬ形で愛されたとしても彼は不服なのだろう。
出来るなら僕の葉で彼を包みたい。痛みがなくなるなら。
でも、完璧を求める彼のことだ。僕の匂いが移るのを嫌がるだろう。
多分、僕に出来ることは何もない。
何も出来ないこの葉を引きちぎれば、僕にも彼の気持ちがわかるだろうか。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/30(火) 17:19:53 ID:xpa7vkO5<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )非生物なのに生ものとはこれいかに。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/30(火) 17:32:14 ID:8Gn7JpQ2<> ハゲモエス!GJ姐さん
むりやり剥かれて人間不信な桜餅タン…健気な柏餅タンもかわいい。
一瞬某サッカーチームカプかと思ったよw <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/30(火) 18:09:51 ID:hRcqEfMy<> 来年からは桜餅の葉も食べようと思う。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/30(火) 18:17:49 ID:4Kd+UT5p<> >>516
今まで食べてなかったのか!w <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/30(火) 19:11:50 ID:rcese/0U<> >516
あやまれ!桜餅さんにあやまれ!w

桜餅テラモエタ(*´Д`)ハァハァ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/30(火) 19:25:50 ID:hRcqEfMy<> >517-516
いや、どうも苦手で…w
でも今度からはちゃんと残さず食べるよ!w <> 風と木の名無しさん<><>2005/08/30(火) 19:52:33 ID:lQkLMtbQ<> 何か小説書いていいですか? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/30(火) 19:53:21 ID:lQkLMtbQ<> sage忘れてた・・・。
鬱d(ry <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/30(火) 20:12:17 ID:j531LiuH<> 漏れ、毎年自分で桜餅作るんだけど、
来年からハァハァしながら作っちゃいそうだよ。
モエGJ!(*´д`*) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/30(火) 21:50:42 ID:l9haFNNq<> >>522
桜餅にも萌えたが
毎年、桜餅作る姐さんにも萌えますた(´Д`*) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/30(火) 22:06:10 ID:zwGN7gep<> ゴミ箱男読みましたよ。

夕飯の片付けもできないくらい、萌えますた(´Д`*)

よき夏の思い出になった…… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/30(火) 22:33:04 ID:PDrZ1HpT<> >498-504
なんかもうなんかもう

少年ー!がんばれー!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/30(火) 23:11:13 ID:7w/7gqm0<> >>509
GJ!
なんかこれ思い出した

   -、,,;;;、;;,、
   (・∀・ };;) カシワモーチ!
    ~~´
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 06:04:02 ID:4efit90B<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )風゜呂矢九九弾セの現在2位×1位
              熾烈な戦いを見ながらこんな妄想が止まりません。タスケテ <> リュウ×トラ 1/5<>sage<>2005/08/31(水) 06:05:13 ID:4efit90B<> 「や、めぇ…ッまだ、勝負はついとらんやろ!?俺は負けん!」
「そんなもん時間の問題だがや。最近の俺の勢い、知らないはずないだろ?」
「・・・ッ」

にやり、と不敵な笑みを見せるリュウにトラは悔しそうに言葉を飲み込み顔を背ける。
あんな約束せんかったらよかった―…今更思ってみても仕方がない。あの時は自分は
随分と調子がよかったし、相手とはかなりゲーム差もあった。もはや勝ちは見えている、
そう思っていたのだ。まさかそのすぐ後から11連勝もするなんて。


<> リュウ×トラ 2/5<>sage<>2005/08/31(水) 06:05:54 ID:4efit90B<> ***

「なんや、この間の交流戦からお前振るわんな。今年は俺かお前か、て
言われとったのに。ライバルがこんなザマやと俺もつまらんわ。」
「すぐ盛り返すで、安心しやー」

7月に入ったばかりの直接対決、最終日。二人の戦いは結局トラの2勝1敗でその内容も
もはやトラに勝利をほぼ確信させる結果であった。そうして近年の目の上のたんこぶ、
いや決して相手を自分より上だと思っているわけではないが、とにかく邪魔な存在では
あったリュウに意気揚々と勝利宣言をしに行くとニヤリ、と不気味に笑ったリュウが不敵な
台詞で答えてくる。想像とは違う冷静な相手にたじろぎながらも負け犬の遠吠えやな、
と続けるとじゃあ賭けをしないか、と思ってもいなかった言葉が返ってくる。

<> リュウ×トラ 3/5<>sage<>2005/08/31(水) 06:06:36 ID:4efit90B<> 「賭け?」
「そう、賭け。もし俺がお前に勝ったらお前を好きにする」
「俺が勝ったらどうするんや」
「俺を好きにすればいいが。」

リュウの提示した条件は自分にとってもかなりのリスクを伴うものではあったが、トラには
優勝する自信があったし、邪魔な相手をねじ伏せて自分に服従させるのも悪くない。
直接対戦を下したばかりの興奮も手伝って安請け合いをして、ますますやる気を
燃え上がらせさっさとリュウに背を向けて走り出したトラは、背後でリュウがその自慢の長い舌で
舌なめずりしていたのに気がつかなかった。

それはトラにとって良い事だったのかどうかはわからないけれど。

<> リュウ×トラ 4/5<>sage<>2005/08/31(水) 06:07:19 ID:4efit90B<> ***

その次の試合からリュウは勝ち続けた。8月に入り何度か調子を崩してもけしてトラのすぐ
後ろから離れることなくじわりじわりと距離を詰めていく。そして今日。あの日から
2度目の直接対決。前回はまだその時ではないと思ったのかもしくは他に思うところが
あったのか実にあっさりとしたもので特別な接触はしてこなかった。それなのに雨で
試合が中止されると丁度いいとばかりにトラの目の前へ現れたのだ。あの時と同じ、不敵な
笑みを浮かべながら。

球場の裏、自陣のロッカールーム前の壁に背後から押しつぶされるようにされながら、
それでも何とか逃れようとトラは身体を捩る。それを邪魔するように肩を押さえつけると
リュウはポツリと忠告を残し、去っていく。

<> リュウ×トラ 5/5<>sage<>2005/08/31(水) 06:15:58 ID:4efit90B<> 「忘れんなよ、俺の爪はもうお前の肩に掛かっとるが。喉元にたどり着くまであと
どんだけ掛かるだろうな?」

「・・・」

言葉を失いその背を見送りながら『その日』に怯えながらあの背中を追い続ける日が
来るのだろうか、と身震いをしたトラの背中に一筋、冷や汗が流れた。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 06:18:35 ID:4efit90B<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )連続書き込み規制に巻き込まれて最後遅れました。スマソ
          自分リュウの国の言葉ネイティブですが表現のしようがありませんね…。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 06:29:59 ID:WTx76TVF<> >>527-533
うわぁ、萌えたよ…! GJ!
今度から順位表見るたびに、近づいたとか離れたとか思い出し萌えしそうだ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 13:19:47 ID:8p55ED8q<> >>527
GJ!!!!!!!
萌えた(*´Д`*) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 14:25:08 ID:oEAMKQHX<> >>527
             ∩
       ( ・∀・)彡 モエス!ハゲモエス!
      ⊂l⌒⊂彡
       (_) )  ☆
       (((_)☆ 
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 20:26:57 ID:DP15vqt2<> >>527
自分トラの国の人だが
リュウが追ってくるたびくそう!来るな!来るな!
と思ってたよ…

そうか…あれは首位を奪われるという危機感からではなく
貞操の危機だからなんだな…!

リュウ×トラで萌えに萌えてしまった…
トラー、腐なファンを許して…! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 20:40:06 ID:1u3oJQcM<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  仮/面ラ/イダー無礼℃兼崎×立華だモナー
                    |  某度時代から一気に最終回後の話だモナー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  エピローグのプロローグだカラナ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧     元ネタ知らない姐さんたち向けに
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )      最初のほとんどはあらすじです。
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___ そしてエロ無しダラダラですすいませんゴルァ!!
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 20:40:51 ID:1u3oJQcM<> 1/13
あー、今日も一日ゴミ収集頑張った。

俺、兼崎は今ゴミ収集作業員として頑張って働いている。
あれから色々あって、今俺はア/ンデッドになって8ヶ月くらい経った。
ア/ンデッドって言っても人間と違うのは歳を取らなかったり死ななかったり
血が緑だったり、たまに闘いたくなったりするくらいで他はあまり変わらない。
だからもう結構慣れたもので、仕事も住む場所もとりあえず決まってなんとか暮らしてる。
給料日にはお肉食べたりしてまぁまぁ幸せに暮らせてると思う。
…あの頃の物は全て置いてきた。
ただ、ブ/ルースペー/ダー…俺のバイク。某度から支給されたバイクだけは持ってきちまった。
今も毎日乗っている。
これがあるから、頑張ってこれたのかも。

色々あったっていうのは本当に色々で、これを話すには一年くらいかかる。
立華さんには外に恋人が居た。闘いに巻き込まれて死んでしまったけれど…
俺たち仮/面ラ/イダーが闘っていた相手っていうのは、ア/ンデッドっていう怪物なんだけど、
怪物って言うかあらゆる生き物の始祖ってやつなんだけど。
それがトランプのカード分居る。あと、ジョ/ーカー。
そいつら、闘って生き残ったものが願いを叶えられるって事だったらしくて
それぞれが自分たちの思うままの世界を手に入れるために闘っていたんだ。
昔のその闘いで勝ち残ったのがヒューマンア/ンデッドで、つまり俺達人間の世界ができあがったわけだ。
で、今その封印されていたカードを解放しちゃったからまた闘いが始まっていたってわけなんだけど。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 20:41:30 ID:1u3oJQcM<> 2/13
まぁ、そのカードの封印を解いたのも、ア/ンデッドたちの闘いを利用して自分の好きな世界を創ろうとしたのも、
結局は某度の理事長の策略だったんだ。
理事長は人工ア/ンデッドを創り、自らと融合した。
それによって自分が最後のア/ンデッドになろうとしていたんだ。
俺達は利用されていただけだったんだ。効率よく他のア/ンデッドを封印していくためだけに。
信じていた正義も組織も失った俺達はそれでも、理想を捨てずに頑張ってきた。
立華さんと一緒に…あと二人、ラ/イダー仲間もできたんだ。
正確に言うと一緒に闘う仲間はもっと居る。
某度が崩壊してから俺と弘瀬さんは白居小太郎っていうラ/イダーの研究をしてて
ラ/イダーの本を作ろうとしてるルポライターの家にお世話になった。

俺は、そんなみんなを助けたかったんだ。
世界中のみんなを。

闘い続けて、最後に残ったア/ンデッドはジョ/ーカーだった。
ジョ/ーカーであり、ラ/イダーの一人でもある。
うん。初っていうんだけど。愛川初。
人間なんだ。
いや、ジョ/ーカーなんだけど、ヒューマンア/ンデッドを封印したカードで人間に変身しているうちに
人間の心を知るようになった。人間に、なりたいと願ったア/ンデッドだ。
俺は初の事も助けたかった。
だけど、ジョ/ーカーが最後に生き残ると世界が滅びるっていう事が研究の結果わかった。
だから立華さんは必死にそれを止めようとしていたけど…
最後には俺を信じて、初を守った。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 20:42:20 ID:1u3oJQcM<> 3/13
俺がラ/イダーに選ばれた理由もわかった。
なんで俺がスカウトされたんだろうって思っていたけど。
俺にはア/ンデッドと融合できる力が普通の人より多かったらしい。
ラ/イダーになるにはカテゴリーエ/ースのカードを使う。ア/ンデッドを封印したトランプのAだ。
つまりア/ンデッドとの融合によってラ/イダーに変身するんだ。
俺は融合しすぎると危険だった。
そのまま、二人目のジョ/ーカー…つまりア/ンデッドになってしまう恐れがあったんだ。

最後に残ったジョ/ーカー。
初の意志とは裏腹に世界は滅びようとしていた。

みんなを助けるには、それしか無かった。

立華さんは、俺を信じてくれた。
立華さんは元某度の研究員だ。
某度の残したデータは全て回収して調べていた立華さんは、こうなる事が誰よりもわかっていたはずだ。
その事を俺達に何度も説明してくれたし。
だけど俺は頑なに断った。
初を助ける、みんなが助かる方法はあるはずだと。
運命とは、闘う事もできると。
立華さんは堅実な人だ。
賭事なんか絶対にしない人だ。
そんな人が、俺の事を信じて、仲間を信じて、ジョ/ーカー以外の最後のア/ンデッドを命懸けで封印した。
…鴉丸署長が助けてくれていなかったら、あの時確実に、死んでいたんだ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 20:42:53 ID:1u3oJQcM<> 4/13
俺は絶対に諦めないって決めたんだ。
俺の事を信じてくれた、初を守ってくれた、立華さんのためにも。
絶対に、みんなを助けるって!

だから俺はもう一人のジョ/ーカーになった。
ア/ンデッドになった。
ア/ンデッドが二人になった事によって世界の崩壊は止まり、
再びア/ンデッド同士の闘いが始まった。
俺と、初による。

俺は皆の元から離れた。
バイクだけを友として、全てを捨てた。
俺は闘わない。初とは闘わない。
それが俺の運命に対する闘い方だ。
闘わない事と、俺は闘い続けるんだ。

立華さんに別れも告げずに去った。

だけど俺、満足してる。
みんなを助ける事ができたんだ。
誰一人失う事無く、みんなを。
これで良かったと思ってる。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 20:44:01 ID:1u3oJQcM<> 5/13
でも思い出さない日は無いよ。
最近よく某度時代の事を思い出す。
あの頃は何も知らずに、ただ正義を信じてた。ア/ンデッドがどこから来て、
俺はなんのために闘っているのかも知らずに…だけど、楽しかったな。
今思えば、楽しかった。
…立華さん、元気かな。
みんなは、元気かな。
無月は立華さんになんかしてないだろうな。
あ、無月って言うのは俺より後輩にあたるもう一人のラ/イダーなんだけど。
一時は立華さんを独り占めしやがって。立華さんもなんか甘いし。
俺の時とは大違いっつーかなんつーか、ねぇ?
だいたいお前には覗美ちゃんていうかわいいガールフレンドがいるじゃないか。
そういえばカテゴリーQの女性型ア/ンデッドともなんだか仲良くなっていたみたいだけど、
そういう年頃なのかなぁ…。
立華さん元気かなぁ
……
立華さんとは、あれから何も無かった。
闘い闘いでそれどころじゃなかったっていうのもあるけど。
立華さんも色々こう、騙されるっていうか、信じちゃう所があって俺は結構振り回された。
でもその度、立華さんは丸くなっていった気がする。
先輩、後輩だったのが、仲間って言ってくれたり…
立華さん元気かなぁ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 20:44:34 ID:1u3oJQcM<> 6/13
俺、死なないんだよな。
たまにそれを思うと涙が出る。
普段は別に気にならないんだけどさ。
俺、老けないから周りの人に怪しまれないうちに住む場所とかも変えないとな。
本当は山とかにこもって自給自足で暮らすつもりだったんだけど、
なんか大丈夫そうだったから降りて来ちゃったんだよな。
寂しかったし…でも親しくなった人ともいずれお別れしなきゃな。
それを思うと、涙が出る。
ヒューマンア/ンデッドは再び闘いが始まった時にジョ/ーカーに見つかって、
なんの抵抗も無しに封印されたって聞いた。
なんとなく、その気持ちがわかるような気がする。
ずっと、一人だったのかな。
…初には幸せになって欲しい。
初の中に居るヒューマンア/ンデッドにも。
だけど、やっぱりあいつもいずれ皆の元から離れないといけないんだな。
それを思うと、涙が出る。
だけど俺は闘う。
初も同じ気持ちだって信じている。
俺達は運命と闘い続ける。
仲間は、居る。俺が、理想を忘れなければいいんだ。
全ての、人類のために! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 20:45:19 ID:1u3oJQcM<> 7/13
今日、立華さんの夢を見た。
走ってるのに、歩いている立華さんに追いつかない夢。
足がもつれて、追いつかない夢。
呼んでるのに、気付いてくれない。
どんどん離れていく。
見えなくなっていく。

起きたら泣いていた。
久しぶりに逢えた立華さんは、何も変わってなかった。
逢ってないから記憶のままなだけだけどさ。
まぁ8ヶ月くらいじゃそんなに変わらないか。
悲しい夢だったけど、逢えたのは幸せだ。
立華さんは今も生きているんだ。
生きている限り、立華さんは幸せになる。
それを思えば、俺は幸せな気分になるんだ。
今日は休みだったから、ブ/ルースペ/ーダーを洗車する事にした。
天気が良くていい日だ。
こんな日には、ずっと長くこの星の様を見ていられるのは幸せな事かもしれないと思える。
いつか世界中を廻ろうかな。
お金を貯めてさ。
時間は、いっぱいあるから。
なんだってできる。
その土地その土地の困っている人を助けてさ、俺にできる事ならなんでも。
「お前も一緒に来てくれるよな、ブ/ルース/ペーダー。」
するとまるで返事でもするかのようにブ/ルース/ペーダーがブルンと鳴った。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 20:46:03 ID:1u3oJQcM<> 8/13
え?エンジン切ってるのに、なんだ?
まさかまた壊れた?前メンテナンスしたじゃないか。
立華さんのメンテナンスだぞ。壊れるわけが…
『………き……』
「…え?」
『けn……けん………兼崎』
俺は、とうとう、幻聴が…
あ…なんか知らないけどバイクから立華さんの声が聞こえる気がする。
『兼崎、そこに居るか?』
「?!はぁ、居ますけど」
『!兼崎か?!』
「はぁ、いかにも俺は兼崎ですけど…」
『兼崎…!………俺だ、立華だ………お前、元気か?』
「は、はぁ、げん、きです…立華さん…立華さん…?」
なんか、すごくはっきり、聞こえる。
心臓がバクバクしてきた。
なんだかすごく立華さんに似てる声がバイクから聞こえる…
『そうか…元気か…兼崎…久しぶりだな』
「立華さん」
『なんだ?』
「立華さんですか?」
『ああ、俺だ。…あ、これはな、お前ブ/ルース/ペーダーの衛星通信機能オフにしてただろ。
システムを変えたんだ。お前がオフにしていてもこっちで操作すれば通じるようにな。』
そういえば、某度支給のこのバイクにはそういう色んなオプションが付いていた。
他にもバイク前頭部分にカメラがついていて映像が送れたり…データを保存できたり…した…っけ。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 20:46:47 ID:1u3oJQcM<> 9/13
「じゃあ、本当にこれ、今、立華さんと繋がってるんですか…?」
『そうだ。…お前がどこに行ったって俺は追いかける事にしたからな』
「…あ、なんか、夢みたいなんで今のもう一回言って下さい。」
『うるさい。で、だ、あのな、』
「ちょ、ちょっと待って下さい。ちょっとだけ。」
気持ちの、整理ができない。

……
立華さん、だぁ…
うわぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー………
……まじで立華さんだぁ

俺はゆっくり深呼吸した。


『おい、いつまで待たせるんだ。』
「あ、スイマセンぼーっとしてました。」
『ふざけるな。』
「はぁ、ふざけてません。ちょっとびっくりして………あの、もう二度と逢えないと思ってたから。」
『…ああ…』
沈黙。
なんか言葉がでねぇや… <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 20:47:27 ID:1u3oJQcM<> 10/13
「あの、立華さん」
『…ああ』
「お元気ですか」
『…ああ。元気だ。…みんなも元気だぞ。…愛川初も元気だ』
「そうですか。良かった」
そうか…そうか。良かった。
本当に良かった。本当に。
「…ははっなーんかやっぱ声聞くとあれですね」
逢いたくなっちゃいます。
逢いたくなっちゃいました。参った。
『兼崎…某度作ったぞ。俺と、鴉丸署長と、弘瀬と、あと残っていた元某度の人達を鴉丸署長が集めてくれて』
「本当ですか?!」
『ああ。また人類の為に俺達は研究を続ける事にしたんだ。あと…』
「はい!!頑張って下さいね!!」
『兼崎。お前は運命と闘うって言ったな。俺も闘う事にしたんだ。』
「立華さんの、運命ですか?」
『ああ。…兼崎、俺は全てを失った。信じるべき正義も、組織も、愛する者も、何もかも。』
「…はい。」
『だから最後に残ったものだけは失いたくない…信じられる、仲間だけは。』
「立華さん…」
『…俺はお前を失いたくないんだ』
「…えっ…え?!お、俺ですか?」
『某度の研究データは俺が全て持っている。理事長は人工ア/ンデッドを創り出し、自らをア/ンデッド体にする事可能にした。
…新しい某度には元某度の研究員がたくさん居る。わかるか?』 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 20:48:01 ID:1u3oJQcM<> 11/13
「え?え?」
『某度はラ/イダーシステムだって創りだしたんだぞ。わかるか?』
「え…」
『…人間がア/ンデッドになったんだ。ア/ンデッドだって、人間になるはずだ。』
「…!それって、」
『俺はお前も愛川初も人間にする研究を始めた。』
「ほ、本当に?」
『ああ。幸い近くには研究材料のジョ/ーカーも居るしな。…初には了解済みだ。』
「そんな…事が…」
『ああ。俺を信じて欲しい。いつになるかは、わからないけど…なるべく老けないうちに…』
「立華さん!」
『なんだ。この通信システムの復活だって第一歩じゃないか。できるぞ絶対』
「そうじゃなくて、…なんだか夢みたいで…俺…じゃあ」
『…兼崎、お前はもう…』
「……死んでいる?」
『いや、』
「ア/ンデッドですしね。」
『いつか死ぬようにしてやる』
「あの、言いたい事はわかるんですけど、言い回しが恐いです。」
『ああ…兼崎』
「はい」
『お前はもう、俺の事なんかどうでもいいかもしれない。だが俺は』
「ちょ、ちょっと待って下さいよ立華さん!どうでもいいわけないじゃないですか!」
『俺にはお前が必要だ。帰ってきて欲しいと思っている。』 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 20:48:40 ID:1u3oJQcM<> 12/13
えっそ、それって、どういう…
ていうか立華さん人の話聞いてます?
そういえばここ外で…なんか通りすがる人が皆見て来るんだけど…
そりゃそうだよな。
でもそれどころじゃない。今、それどころじゃない。
『兼崎、俺はお前が好きだ』
…なんだって?
『逢いたい』
…なんだって?!
…あー…え?!なんだって?!!
俺、俺の事…俺の事好き?!
「抱かれたい…?」
『そこまで言ってない』
「そうですか。」
あー
あああああああ
ああーーーーもう立華さん!!
なんなんだあんた!!
なんなんだよ!どうしたらいいんだ俺は!
『……。』
「…っ俺、九州です。俺今九州に居ます!福岡です!立華さん!!」
『…逢えるのか?』
逢っていいのかな?いいよな?
いいのかな?もう二度と逢わないって決めたけど、いいのか?いいよな?
すげえ逢いたいけどこれっていいのか?いいよな?? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 20:49:19 ID:1u3oJQcM<> 13/13
『ダメなのか?』
「いい…ですよねぇ?!」
『お前がいいなら……他に何か問題あるか?』
……
…無い…かも…
無い!無い!無いよ無い無い
「俺も、すっげぇ逢いたかったです。立華さん、逢いたいです。逢いたい!」


こうして、俺と立華さんは再び出会う事になった。
あの頃とは、別の気持ちで。

<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 20:49:51 ID:1u3oJQcM<>  ____________
 | __________  |                  作者からのメッセージが入ってるぞ
 | |                | |                  「感想を下さった皆様、だいぶ経っているにも関わらず
 | | □ STOP.       | |                   続ききぼんぬしてくださった方、本当にどうもありがとうございます。
 | |                | |           ∧_∧    某度時代と違って元ネタを知らない姐さん達を置いてけぼりにしそうで
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )    なかなかうまくまとめられなかったのですが
 | |                | |       ◇⊂    ) __どうしても書きたかった最終回後ねつ造です。
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  | 未来は悲しみが終わる場所と信じております。」
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | だってさ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 21:35:28 ID:BDjtxXXM<> >539-552
待ってました。
あぁ、もう幸せにしてやってください。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 21:45:14 ID:nkRLdwK8<> 久々に変態さんwキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
続き読めると思わなかったよ!嬉しいなあ…大団円期待してます! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 22:02:24 ID:L5x/RtDC<> >>539-552
うわー!うわー!
すっごく待ってましたーーー!!!
続きを書いてくれてありがとう!
是非二人を幸せにしてください!待ってます!!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 22:03:01 ID:GDjf0DVq<> >>539-552
エピローグキター!!
テンポいい文体も健在でもう涙ちょちょぎれるぐらい嬉しいです。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 22:21:40 ID:bQg00Um9<> >>539-552
まさか続きが読めるなんて…今猛烈に感動してますよ、ありがとうございます!
最終回後の脳内補完、自分の中ではどうしても悪い方向に
行きがちだったけど、読ませて頂いてからやっと良い方向にも考えられるようになってきました…
そうですよね、某度の技術なら何とかなりますよね…!
萌と共に前向きな考え方もくれた神に超感謝です(つД`) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 22:29:54 ID:jTB6DeIx<> 元ネタを知らず、姐さんの読んでただけの漏れが言うのもなんだけど…涙出そう
(´ω⊂
幸せになってほしいよ…
GJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 22:49:22 ID:b+rFcrDX<> キタコレ!!!GJ超GJ
禿萌えた <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 22:58:48 ID:BQozDHtd<> キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
姐さんGJです! また読めて嬉しい。

>『いつか死ぬようにしてやる』
>「あの、言いたい事はわかるんですけど、言い回しが恐いです。」
幸せな気持ちで読んでたのにここで吹いたw <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 23:30:24 ID:ajN8KLE7<> 泣きました。
幸せになれよ。(0w0)人(0M0) <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/08/31(水) 23:37:14 ID:Yv2WbSMh<> うはー、涙出てきたー
姐さんありがとう

>『…兼崎、お前はもう…』
>「……死んでいる?」
とか
> 「抱かれたい…?」
> 『そこまで言ってない』
にはワラタw <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/01(木) 02:38:49 ID:RUyHRMSN<> やっぱり姐さんの兼立大好きだ!!
ありがとう。続き書いてくれてありがとう。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/01(木) 03:10:43 ID:YYVqp6ha<> >539-552
姐さんの書く二人の掛け合いが大好きです。
あー、なんかもう本当に、ありがとうしか浮かんでこない。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/01(木) 06:03:27 ID:tOJrzLT4<> SSもだけど、メッセージにも泣けた。
本作が人間世界的にはハッピーエンドとはいえ寂しい終わり方だったから、
初もまとめて幸せになれそうでウレスィ

>>562
自分も北都の件ネタでワロタw <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/01(木) 13:13:35 ID:abnfagoM<> >>539
最初の賢咲だけでもお腹いっぱいです…!!
作品スキーにも賢達スキーにもおいしい小説GJ!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/01(木) 13:34:58 ID:wEE3uN33<> >>538
ありがとう。凄い萌えたし泣けた。
姐さんの件達がまた読めて本当に嬉しい。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/02(金) 00:05:44 ID:AHnTFzFP<> いい加減感想レスウザスかもしらんけど言わせてくれ!
>>551
> あの頃とは、別の気持ちで。
萌ス!
> 「抱かれたい…?」
> 『そこまで言ってない』
抱かれちゃいなyo立華さん!こんにゃろめ!こんにゃろめ!バカップルめ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/02(金) 00:27:52 ID:Y/6mVc7J<> >539
姐さんのSS、いつも楽しく読ませてもらってます。
実は元ネタ知らないんだけど、それでも二人の
ラブラブぶりに萌えてます。続きお待ちしてます。
新たな萌えとの出会いをありがとう〜! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/02(金) 01:55:43 ID:JLhNRQ64<> 亀レスだけど
>>528 のおかげで、朝ラッシュで前に立ってるおっちゃんの読んでる
スポ新が今日は輝いていたよ。ありがとう。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/02(金) 03:17:11 ID:WssDcBLx<> 自分も>528の所為で断然興味持ち出した。
虎ファンの家族には悪いが、龍にじわじわ攻められる虎が是非読みたいお。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/02(金) 21:01:11 ID:mkF4LQyS<> >>418-431
ものっそい遅レスでスマソ

金黄…物凄く萌えであります!ついにチューしちゃいましたね(*´Д`)…ハァハァ
「何もしないよ。…まだね。」←まだと言う事は、これからまだ…さらに!!

待ってます!姐さん! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/03(土) 19:07:14 ID:fCrRbgQU<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  またも触発された「対決(要和訳)」ナイフ×眼鏡だモナ‥‥。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  またも微グロなんで嫌いならスルーよろ。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ マタマタカヨ!
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

先達に触発されてまたやります。
コスプレ編ごちそうさまでした!
ナイフ視点で出会い〜あの森まで。 <> ナイフ×眼鏡 1<>sage<>2005/09/03(土) 19:08:24 ID:fCrRbgQU<>  はじめて見た時から気になってた。
 筋金入りのガンマニアって触れ込みだったから、すっげえマッチョか一目見て判る基地外だとばっか思ってた。俺みたいにね。
 ヤツは女の子みたいだった。それも地味な。
 神経質そうな黒髪、金気丸出しで光る眼鏡、吹けば飛ぶような体つき。世間に何もキョーミネーって面してやがる。
 いろんな銃器を扱って、俺たちが用意した的を全部キレイに射抜いてった。チビがヘマして逃がした的が向かってきても、まったく動じずに一発で仕留めた。返り血浴びてもこともなげに突っ立ってる。
 見てた連中がおお、とか言って手を叩いたって気にもしやしない。尻ポケットから取り出した布で拳銃を拭って大事そうにしまいこんでる。オイ、顔は拭かないのかよ。
「なあ」
「何」
 声をかけたら、心底嫌そうな顔しやがった。
「テッポー好き?」
 てっぽー、と繰り返すヤツは無表情で、だけど眼鏡の奥でちょっとだけ瞬きした。
 怒るかな。怒れ。
 本性見せてみろ。
「ハンドガンと軽機銃とだったらどっちが好きかって話?それかメーカー?今使ってんのはベレッタだけど、特に気に入ってるのはこの93Rかな。3点バースト最高だから」
 眼をそらしたまま早口にヤツは言った。
「……え?」
「3点バースト。これ」
 足元に転がってるさっきの的を指差した。派手な弾痕。
「フツーに撃つとこうなんだけど、」
 ぱん、と銃声。的にまた一つ穴があく。
「切り替えると」
 ばん!
 的の顔がミンチになった。 <> ナイフ×眼鏡 2<>sage<>2005/09/03(土) 19:09:41 ID:fCrRbgQU<> 「…3点バーン」
「違う。3点バースト」
「バースト?」
「そう。便利だろ、一度に3発撃てるんだ」
「ああ、そりゃ便利だ」
 なんか情熱的なのは判るけど、声も顔もまったくの無表情でヤツはまくしたててる。
 怒ってない、のか?
 無愛想なのは地顔ってやつだろうか。
「アンタは何つかうの」
「俺?俺は…あるやつを適当に」
「ふうん。こだわらない派?」
「まぁね。よく判んねんだよ要は。テッポーは撃てりゃいいかなって」
「もったいないよ、それだけじゃ」
 ヤツはちょっと笑ったように見えた。
 怒らせて遊んでやろうと思ってたのに、調子狂うぜ。
 でも眼元がやわらいだら全然印象が違う。面白いな。
 俺が見てる間に、ヤツは自慢のコレクションを並べてひとつひとつ講釈をたれはじめた。テキトーに相槌をうってると、俺好みの銃を選び出して握らせてくれる。
 ぴかぴか光るオートマ、としか俺には判らない。ヤツのベレッタに形は似てる。取り回しも楽でセミオートの反動も少ない、何より壊れない、んだそうだ。
「撃ってみてよ」
 言われるまま発砲する。
 ぱん!
「…あっぶねえな!」
 足元をえぐられたらしい長髪が向こうで吼えてる。
「ちょっと練習いるかもね」
「や。いんだよ」
 俺は懐に手を入れ、愛用のナイフを取り出して投げた。
 狙いは確実。騒ぎたててる長髪の顔のそば、木の幹に勢いよく突き立った。 <> ナイフ×眼鏡 3<>sage<>2005/09/03(土) 19:11:05 ID:fCrRbgQU<> 「テッポーよかこっちが好きなもんでね」
「へー」
 自慢の銃器を役立てなかったってのに、ヤツは楽しそうに笑っていた。子どもが喜んでるみたいな、飾りっけも混じりっけもなしの笑顔。
「すごいな」
「すごいだろ」
「うん。すごい」
 俺も嬉しくなって笑った。
 もっと笑え。その顔が見たい。



「楽しそうにやってたな。何話してたんだ」
 いつも嫌味たらしい声が話しかけてくる。気楽そうななりをしてても実力者で、俺たちの行動は大体把握されてる。
 まったく腹が立つヒゲ野郎だけど、今のところは表立って逆らわない。まだ俺には力がたりないから。
「仲間うちのコミュニケーションを深めてたんだよ」
「嘘つけ」
 むかつくヒゲに、俺はあえて笑ってみせた。
 ちょっかいを出しに行ったのは本当。でも途中から妙にフレンドリーな感じだったのも本当。
 あんなヤツははじめてだった。
「いつも誰彼構わずつっかかってばかりのお前がね。珍しいこともあるもんだ」
「そんなこたありませんよーっと。俺いっつも子猫ちゃんみたいにおとなしいだろ」
「舐めた口たたく子猫ちゃんだな」
 顔は見たくないのでアゴヒゲを見てた。よく動くヒゲが真っ黒い何か別の生き物に思える。気色悪い。
「まあいい。せいぜい仲良くやんな」
 肩に手を置かれた。気安く触るな三白眼。ヒゲ野郎。
「どんだけ仲良くなろうと俺は構わん。決まってたことだしな」
「あ?」 <> ナイフ×眼鏡 4<>sage<>2005/09/03(土) 19:12:27 ID:fCrRbgQU<> 「ま、そのうち判るさ」
 思わせぶりに吹くだけ吹いて、ヒゲが見えなくなる。背を向けたんだ。
 いつかその面切り裂いてやる。胸糞悪い。
 触られた肩を払うのに夢中で、俺はそのときの言葉の意味なんか考えもしなかったんだ。
 そう、最期の最後まで。



勝ったと思ったのに。勝ったと。
 差し込まれた指の感触。痛みよりはるかにおぞましい、拭いきれないこの感じ。
 じかに触られた心臓が嫌がってもがいてる。俺の体の中を勝手にあばくな。嫌だ。嫌だ。
 侵されるのは嫌だ。
 どれだけ殺そうと、誰の血にまみれようと構わなかった。
 戦うのは好きだった。傷つけられるのだって当たり前。戦いってのはそういうもんだ。
 ヤツがそばにいてくれるなら何だって怖くない。
 キレイな髪の毛。眼鏡越しに俺を見るあの眼。
 何よりも誰よりも大事な。
 俺はただ、ヤツと二人でずうっとそうしてたかったんだ。
 愛した相手と楽しく生きて、死ねればそれでよかったんだ。
 俺自身のまま。
 必死に逃れたけど意識が遠くなる。思ってた以上に傷は深いようだ。
 斜面を転がりおちたらもう動けない。チビに恵んでもらった拳銃も無駄弾撃っちまった。
 もうどうにもならない。
 ヤツは、ヤツはどうなった。
 一生を誓った俺の、大事な。
 銃声が聞こえたけど、この森ではそんなもの何の慰めにもならない。
 おぞましいのは、死よりも存在を侵されること。
 俺が俺でなくなる、ヤツがヤツでなくなること。
 ここでは死なせてすらもらえない。
 ヤツは。 <> ナイフ×眼鏡 5<>sage<>2005/09/03(土) 19:13:42 ID:fCrRbgQU<> 息を切らしながら見上げた世界は、何とも嘘っぽい青色をしてた。
 その視界に、あいつらが。

「永遠を、」

 うるせえ。
 ヤツの額に大きな弾痕が見えた。かわいそうに、望みは叶わなかったな。
 弾が残ってなくて残念だ。せめて俺もお揃いの、見事な傷をつけてやりたかったのに。
 ここで俺は消え、俺の存在だけがおぞましい何かになってうろつくだけだろう。ヤツだったものと一緒に。
 俺たちだった体に残る指輪が、たぶん全てを見届けてくれる。

 あいしてる。
 あいしてるよ。

 大嫌いな男の手が伸びてくるまで、それでもヤツだったものの顔を見つづけたかった。
 だから、眼は閉じなかった。
<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/03(土) 19:14:19 ID:fCrRbgQU<>  | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ シリョウガガイドブックシカナイノマルワカリ
 | |                | |     ピッ   (・∀・;)
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/03(土) 21:51:37 ID:e7CHwhlf<> >>573-579
萌えた。萌えたよ…。GJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/04(日) 01:59:27 ID:It/JoDlj<> >>573-579
萌えた、そして切ない…指輪…
GJ、また読めて嬉しいです <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 00:00:02 ID:XXgzrUlS<> >>573-579
なんていうか……
萌えもあるんだけど、それ以上にしみじみと胸に沁みた

<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 01:33:07 ID:qQzwjxmx<> 今見たら446KBだけど、次スレって450KBまでに
立てた方が良かったんだっけ?
自分は立てられないみたいなので誰かお願いします <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 01:41:43 ID:S4lUE1ac<> 立てた

モララーのビデオ棚in801板10
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1125851836/ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 02:08:08 ID:bUitnhw9<> 490で十分間に合うんじゃないの?
と、もう立ってしまったのか…
とりあえず乙 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 04:29:52 ID:2qrjeTGH<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  米コメディードラマ、友達(英訳)
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  役者+元リーマン…半ナマですよ、と
 | |                | |             \
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |  *9シーズン軽くネタバレ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 1<>sage<>2005/09/05(月) 04:31:16 ID:2qrjeTGH<> 不動産屋からの帰り道
持ち出すなといわれた話題がどうしても気になっていた
どうしてあんなに否定するのか
ジョークみたいに流せば良いのにといつも思っていた
「何であんな否定するんだ?」
前を歩く背中に向かって問い掛けた
「なにが」
振り向いた顔はまるで何の事かわからない様子で
「さっき、カップルに見られて…」
「あー!その話は二度としたくないって言っただろ」
「何でだよ、お前はゲイじゃない。知ってるさ、だからジョークで」
「その類はジョークに出来ないの」
首を振ってそれ以上何も言わずいつものコーヒーハウスに入る
気にはなるが中から漂うマフィンの香りに思考が吸い取られた

新作のマフィンを貰って頬張る
甘い香りが口に広がって幸せを感じる間もなく
小さめのマフィンはすぐに無くなってしまった
目の前の皿にはもう一つ乗っている
それと交互にチラリと横目で見ると隣でコーヒーを啜る奴と目が合った
「やるよ」
「最初から貰うつもりだった」
「だろうと思った」
そう言って笑った声を聞きながら、残りの一つに手を伸ばした <> 2<>sage<>2005/09/05(月) 04:32:21 ID:2qrjeTGH<> アパートの階段を登る
昔は同じ部屋に帰っていたのに
最初はなんだか変な感じがしていたが今ではそれが当たり前になっていた
階段を登った踊り場あたりで
自分の部屋に入るかは腹持ち具合と相談する
少し足りないと訴えてくる腹に従って
ドアを開ける背にそのままついて行く
勝手知ったる冷蔵庫を開いてコーラとアイスを取った
「また叱られるぞ」
「全部食うから大丈夫」
うなずいて親指を立てて見せると腑に落ちないような顔をした
「…そういえば」
「ん?」
テレビのスイッチを入れかけた手を止め振り返る
「そうか、お前は俺だから嫌なんだな!?」
「何が」
呆れた様に聞き返してきた
そんな声にも何だか腹が立つ
「俺じゃお前とは釣り合わないって言うのか?」
「…何言ってんだ?…あ」
勢い良く立ち上がった衝撃でテーブルが揺れる
落ちそうになったコーラのビンを急いで支えに来た手を掴んで顔を見る
「俺じゃ嫌なのか?俺じゃ駄目か?何でだ?俺は…そうだなモテるし、テレビにも出てるぞ」
「落ち着けよ、そんな事言っていないだろ」
肩を軽く叩いて落ち着かせようとしているが
元々頭ははっきりしている自覚はあった
「落ち着いてるさ!あとそうだな」 <> 3<>sage<>2005/09/05(月) 04:34:07 ID:2qrjeTGH<> 目の前にある顔を引き寄せてキスをする
「!!?っ…ん…ジョー…っ!!」
驚いて開いたままだった唇から舌を差し入れて深く口付ける
いつも女の子にする様に優しくなぞる舌先からさっきのマフィンの味がする
更に味わおうと思い、剥がそうと躍起になっている体を
力ずくで抱き締めて舌を絡め取った
唇を離して抱き締めていた腕を放すと顎を伝い落ちる唾液に気付いて拭う
「それにキスも上手い、セックスだって上手い。試してみるか?」
「!!わ・わかった!!わかったから!お前が一番だ!お前より完璧な奴は居ないさ!」
「…一番?モ/ニ/カは?」
「えー・えーと、男では一番だ!」
慌てふためきながらしきりにドアを気にしている
この部屋は誰かがいきなり入ってきてもおかしくないからだ
そんな様子を見ながら満面の笑みを浮かべてしまう
「そうか、一番だよな!俺もお前が一番だ!」
「あぁ…ありがとう」
「俺は完璧な男だ!」
「そうだな…」
すっかり疲れたチャンドラーを自室へ残し
勢い良く開いた扉から向かいの自分の部屋へと向かう
疲れたような気がしてベッドに座るとふと、思い出したのは
飲みかけのコーラと食べかけのアイスを置いてきたということだった <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 04:35:40 ID:2qrjeTGH<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  何かイロイロすまん
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ツイウッカリ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
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<> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 05:21:29 ID:n61eYl1s<> >>586-590
ジョ/ーイがw
姐さん超GJ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 10:22:23 ID:55Dde8kq<> >>583-584
限度容量は512kbで、500kbを超えると書きこめなくなるのだよ。
まあ別に新スレに行っちゃってもいいと思うが。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 10:41:54 ID:S4lUE1ac<> >>585
>>592
先走ったことをしたようで、申し訳ないです
>>583を見てすぐに立ててしまったが、他の人のレスを待つべきでした <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 16:36:06 ID:vBvLrg9D<> >>593
ドンマイ!
気にすんな(*^ー゚)b <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 17:22:44 ID:tQfF1H4n<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  拙者スレ2から来ました
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  埋めも兼ねて投下させて貰います
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 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<> 嵐の夜に 1/5<>sage<>2005/09/05(月) 17:23:22 ID:tQfF1H4n<> 雷鳴に怯え、縋り付いてくる小兄を長兄は優しい目で見た。
いつからか憎まれ口を叩いたり反発したりしてばかりの弟だが、こんな所は変わらない。
「大丈夫だよ」
小兄の背を撫でながら長兄が囁く。
耐えられなくなった小兄から小さなしゃくり声が漏れる。
「大丈夫、私がいるだろう?」
長兄に縋り付く小兄の手が更に強く長兄の衣を握る。
「大丈夫だよ、ちい」
そんな囁き声も昔から変わらない。 <> 嵐の夜に 2/5<>sage<>2005/09/05(月) 17:24:11 ID:tQfF1H4n<> 小兄の耳に届いていたのは轟く雷鳴。
それが徐々に長兄の声へとすり替わっていく。
「大丈夫」
そんな囁き声が耳に入る。
「ちい」
優しく宥める声が心に染み込んでいく。
「・・・兄上」
掠れる声で呼んでもその声は長兄の耳までは届かないだろう。
小兄自身のしゃくり声と雷鳴に掻き消されてしまうはずだ。
「兄上・・・」
聞こえなくて良い。
聞こえない方が良い。
自分は拙者ではないのだから。
拙者のように素直に甘える事が出来ない。
だから、知られなくて良い。
「大丈夫だよ、ちい」
長兄が囁く。
いつまでも変わらない、この声と手があればそれで良い。
小兄はそう自分に言い聞かせる。
それだけで自分の震えは収まるから。 <> 嵐の夜に 3/5<>sage<>2005/09/05(月) 17:24:55 ID:tQfF1H4n<> 小兄の震えが小さくなる。
小兄の背を撫でていた長兄の手は小兄の頭へと移動した。
「こんな時、ちいは変わらないな」
そう言いながら頭を撫でる。
小兄は何も言わずに袖で己の涙を拭う。
もう雷鳴は遠くなっている。
怖がる程には轟きはしない。
「ちいは・・・」
涙を拭って顔を上げるた小兄の言葉が止まった。
じっと自分を見下ろしてくる長兄の視線に小兄の目が丸くなる。
「ちい・・・」
小兄の頭を撫でていたはずの手はいつの間にか小兄の顎にかかり、
背に回されていた手は腰へと移動している。
「兄・・・上・・・」
今の状況を認識した小兄が目をぱちくりさせて長兄を見る。
次第に早くなっていく鼓動をどうする事も出来ないままに。
「ちいは可愛いな」
長兄のこんな甘い声など聞いた事が無い。
まるで心の臓が耳元へと移動したかのように他の音が聞こえない。
「兄・・・上・・・」
唇が震えて上手く言葉が紡げない。
そんな弟に微笑を見せてから、長兄の唇が降りて来た。 <> 嵐の夜に 4/5<>sage<>2005/09/05(月) 17:25:32 ID:tQfF1H4n<> 重ねられただけの唇は小兄の震えを収めた。
「あ・・・兄上?」
目を見開いて長兄を見上げる小兄。
「何だ?」
長兄は微笑のまま、小兄の腰へと回している手に力を込め、引き寄せる。
「なっ・・・」
「ん?」
「あの・・・」
「何だ?」
変わらない微笑。
それでもまるで見たことの無い長兄。
小兄は己の中に響き渡る鼓動に思考をじゃまされる。
「ちいは私が嫌いなのか?」
少しだけ眉根を寄せ、寂しげに問う長兄。
「そんな事・・・」
嫌いな訳が無い。
拙者が生まれてからというもの、拙者に取られてしまったと思ってさえいた。
拙者ではなく、自分がこの腕の中にいる事をどれだけ望んだか解らない。
「兄上」
長兄の衣に縋り付いていた小兄の手が長兄の体へと回る。
「兄上・・・」
抱き付いて見上げれば、微笑む長兄の顔と再び近付いて来る兄の唇。
「ちい」
既に遠雷は小兄の耳には届かない。
ただ聞こえるのは、兄の声だけ。 <> 嵐の夜に 5/5<>sage<>2005/09/05(月) 17:27:07 ID:tQfF1H4n<> 陽が室内を明るくする頃、長兄はゆっくりとその体を起こした。
「ちい」
体を屈めて隣に眠る小兄の額に口付けを落とす。
「兄上」
くすぐったそうな声を出して、小兄が目を開けた。
「起きていたか」
「はい」
答える小兄の微笑。
未だ淡い朝の光は小兄の微笑を優しく照らす。
「兄上、拙者の部屋へ行って下さい」
「え?」
「兄上がいないとまた拙者が騒ぎ出す」
「しかし・・・」
長兄はもう少し余韻のようなものを味わっていたかった。
「拙者をあんなに甘やかしたのは兄上ですからね」
つんとした表情で横を向きながらも、小兄の機嫌はすこぶる良く、
それが解らないような長兄でもない。
「・・・解った」
長兄は衣を整え、羽織へ手を伸ばすと、再び小兄に近付く。
「では・・・朝餉で」
そう告げるとそっと口付け、長兄は小兄の部屋を出た。
「はい」
長兄が部屋を出てから、静かに返事をして、小兄は再び布団にくるまった。
「兄上の匂いがする」
微笑みながらそう呟いて。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 17:28:20 ID:tQfF1H4n<>  ____________
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 19:28:49 ID:MoUj48Cq<> >>595
小兄かわいいよ、小兄。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 19:52:00 ID:ZoBB4Cuh<> >>586-590
役者のアホっぽさにハゲモエスww
あのドラマ萌えるのに二次創作と巡りあった事無かった。
姐さんGJ!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 19:57:56 ID:SUWCfSx4<> >>590
ちょw役者ダメスwww
しかしそこに萌えた <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 20:42:38 ID:IGKa8b1L<> >586
ジョ〜イ超うける!しかしそこがよかったです。
チャン銅鑼ー昔「彼はおまえには高望み」とかゲイと間違われてなぜか
ゲイじゃないのにムキになって張り合ってたようなw <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/05(月) 20:57:50 ID:3KmwgmIw<> >573-579
禿萌なんですが元ネタがわからず…和訳??
よろしければもちっとヒントをいただけまいか
<> 573<>sage<>2005/09/05(月) 22:52:24 ID:9dOiz423<> ごめんなさい英訳でした…
今気づいたorz
ばかばかばか自分のばか!

ええと
vとsをつづけて読んで下さい。邦画です。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/06(火) 01:32:34 ID:gspqLElZ<> >>605
チャン/ドラーってたしか
父親が男の恋人うちに連れ込んでたとかいう暗いw過去の持ち主だったんじゃなかったっけ? <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/06(火) 11:29:58 ID:MfPaR2di<> >>605
あったあったwww
なんかの拍子でネタ振ったら(ゲイだと勘違いされてたんだっけ?)
「経理の彼もお仲間(ゲイ)だけど〜」きみには高望みだよ発言されて、
プッツン切れて「落としてやる!」みたいな展開だったような。

なにはともあ姐さんれGJ!!! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/06(火) 12:43:51 ID:SIXUkCZJ<> >608
なるほど、だからゲイに過剰反応するようになったのか…?w

「友達」姐さん、またネタあらばお願いします!おもろかったです。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/08(木) 05:55:43 ID:su4AIna8<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  銀河匕ッチ八イク力゛イド(の続編)から
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  埋め埋め
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/08(木) 05:56:21 ID:su4AIna8<>
 彼らがこの沈黙した船に閉じ込められてからもう随分の時間が経ったような気がする。
フォ一ドは既にコンソールをいじることを止めていた。船に残された三人はひとまず一杯
ずつ紅茶を堪能したが、その後は何とかする努力を放棄していたのだ。
「それにしてもさ」
 ア一サ一はカップの中で美味しい紅茶を揺らしながらフォ一ドに声を掛けた。この状況
下において最も役立たずの彼はソファに座って銀色のティーポットにまだたっぷり残って
いたお茶を今度は最後までストレートで味わっている最中だ。
「今までもそりゃ色々あったとは思うけど、まさか急にこんな風に閉じ込められるなんて
思ってもみなかったよ。ライフラインは止まってないみたいだから助かるけどさ」
 カップに鼻を近づけて匂いを堪能してからお茶を一口飲み込む。まったく、あの騒動の
あとでこいつが出てきたときには喜んでいいやらなんやら、内心忸怩たるものがあったが
こうして実際に飲んでみると完璧だとしかいいようがない。
卜リリアソはシャワーを浴びてくるわと言い残して彼女の部屋へ戻っていったし、お茶を
飲む以外にやることもない。
「色々あったって?」
 フォ一ドはア一サ一の隣に座ると彼の顔をじっと覗き込んだ。
「いや……、きみに言わせればどうってことないことなのかもしれないけど」
 ア一サ一は口ごもりながらお茶を飲んだ。スコーンとジャムが欲しくなったがそこまで
要求しようものなら今度は本当にこの船がどうにかなってしまうかもしれない。なにしろ
紅茶の一杯で危うくヴォゴソ人に撃墜させられるところだったのだから。
それから隣に座ってこちらを見つめているベテルギウス星の友人が、お茶のお代わりまで
している自分をどう思っているのか気になり、空になったボーンチャイナのカップを手で
もてあそびながら訊いてみた。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/08(木) 05:57:00 ID:su4AIna8<>
「やっぱりゼイフォ一ドが心配なのかい?」
 返答は明確に「いいや」だった。心配したってどうしようもないし、こっちが心配して
どうにかなる男でもない。
「じゃあ…もしかして、なんでこんなやつを助けたんだろうって後悔してるの?」
 ア一サ一の問いにフォ一ドは目を丸くした。
「一体何をどうやったらそういう話になるんだ?」
「だってさ、このお茶のこともそうだけど、ぼくのせいで迷惑をかけたわけだし」
 口ごもりながら、だから自分はゼイフォ一ドにサル呼ばわりされるのかとも思ってみた
が、どっちにせよあの男はア一サ一をサル呼ばわりし続けただろう。恐らくゼイフォ一ド
にとってはそもそも、地球人など卜リリアソ以外まったく目に入っていなかったのだ。
「ア一サ一、きみは考えすぎだ。考えても意味のないことばかり考えているぞ」
 フォ一ドが笑って肩を叩いた。
「なんで、なんて考える段階じゃない。ぼくらは結構長い間仲良くしてきただろ。それで
充分じゃないか。きみを助けたのに他の理由なんかない。地球はうんざりするほど退屈で
たまらなかったけど、その中でぼくが15年間我慢してこられたのは、きみがいたからだ」
「だけど、もし地球が壊れる前にきみを拾ってくれる宇宙船が来ていたら、きみはきっと
ぼくを置いて帰ってしまっていたんだろう?」
 否定はしないよ、というのが答えだった。
「だってきみはぼくのことを、大勢いる友達の一人としか見ていなかっただろ? なのに
きみを宇宙へ連れ出すなんてできる訳がない。こういっちゃ悪いけど、地球が壊れてくれ
たおかげで、ぼくは素直になれたんだ」
「素直に……」
 間近な距離で相手の目を見つめ返しながら、ア一サ一はなんとなく前にもこんなことが
あったぞと思った。あれは地球最後の日だ。家の前の泥に横たわって頑張っていた彼を、
フォ一ドは言葉巧みにパブまで連れ出して酒を飲ませた。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/08(木) 05:57:50 ID:su4AIna8<>
「待ってくれ、なんだろう、変に頭がぐらぐらする。それに、なんていうか――」
「うん?」
「変だな。いや、ぼくにはそういう趣味はないはずなんだけど――」
 ア一サ一は知る由もなかったが、これまたフォ一ドの特殊技能の一つが発動中だった。
ちょっとしたフェロモンのコントロール術なのだが、どうやら地求人にもある程度は通用
するらしい。
「ええと、フォ一ド? なんだかぼくらの距離、ちょっと近すぎやしないか?」
 ア一サ一は目を逸らそうとしたが、フォ一ドに手をつかまれてまた彼を見つめた。
「気にするなよ」
「だけど……」
 またア一サ一は口ごもる。いったいベテノレギウス人にもゲイがいるんだろうか?
「そんな観念捨てちまえ」
 他人の考えを読んだかのようにフォ一ドがいい、ぐっとア一サ一の背中を抱いた。
フェロモンの誘惑に抵抗するのも無理なようだ。
 ア一サ一は目を閉じて、生まれて初めてする異星人とのキスを受け入れた。
 紅茶の味だ、と当たり前のことを思い、だけど気持ちいいな、とも思った。
 キスを終えたフォ一ドは真剣な表情でア一サ一に告げる。
「ずっときみが好きだった」
「そういうことはキスの前に言ってくれよ」
 ア一サ一は相手の赤毛を軽く引っ張り、今度は自分からキスしにいった。
 もしかして自分も、地球から離れたことで素直になれたのかもしれないと思いながら。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/08(木) 05:58:47 ID:su4AIna8<>  ____________
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 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/08(木) 12:24:34 ID:+o7WGLlK<> おお!私の愛するイギリス人が!
レストランもクリケットも大好物だったよ!懐かしい…
姐さんGJ! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/08(木) 21:01:26 ID:MPZGn/CO<> うわー、大好きだったよ銀河ヒシチハTクガTド!懐かしい!
……と思ったら、復刊してたのか!しかも映画化してたのか!今月公開なのか!!!

ごめん、取り乱した。落ち着いたら、また姐さんの作品読み直させて頂く。
読んだ当時の高揚した気分の正体は、萌えだったのだと気付きました。
激しくGJ! ありがとう! <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/09(金) 00:34:17 ID:0J5/XlcK<> >>611
ちょうど新訳版も読み終わったところです
萌え萌えですよ GJ!!

あさって、早速映画を見に行ってくるよ
映画版でも萌えがあるといいなぁ

クリケットも、もう入手不可能だし
この機会に5冊全部新訳される事を願ってやまない <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/09(金) 17:53:43 ID:PHW46jjp<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄
                    | 2005超英雄時間(要英訳)前半、マジカノレでブラザーな船体だって
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  赤黄でほんのり。その2話目。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ゼンカイ投下ハ3カゲツモマエダトサ。
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| 
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
<> 2005赤黄でほんのり2 1/6<>sage<>2005/09/09(金) 17:55:00 ID:PHW46jjp<> 淫ヘルシアとの戦闘中にしこたま濡れた俺たちのために、小兄は飲み薬を作ってくれた。
当然自分の体も同じくらい濡れてるのに、拭く時間も惜しんで…。
そのせいで、元から引いてたっぽい小兄の風邪は悪化。
自分の作った薬を飲めばいいのに、「マズい」とか言って自分じゃ飲もうとしないでやがんの!
だから、口移しで無理矢理飲ませちゃった。
でも――
あとから兄ちゃんに聞いたんだけど。
あの薬、風邪のひきはじめに飲まないとあまり効かないらしい。
だからだろうな。朝ごはんのときも昼ごはんも、小兄は起きてこなかった…。


「おぁよー……」
午後のおやつの頃になって、小兄がのっそりと魔方部屋に入ってきた。
「もう平気?」
ホーカ姉ちゃんが声をかける。
「あーまだちょっとねつっぽい」
小兄はやっぱりのっそりとそう答えて、壁を埋めつくしてる魔方書を眼で追う。
何か探してるの?
「でも予想より早く調子が戻ってきてるかな。なんか、知らねぇ間にあの薬飲んだみてぇだし」
…いや、小兄が自発的に飲んだわけじゃないから。
俺が飲ませたんだから。
口うつ…し…
「でっ!?」
椅子からひっくり返った。
「ぁにやってんだよ馬鹿」
「なんでもない!!」
小兄のいつのも言葉にいつもどおり返事した…つもり。
そそくさと座り直す。 <> 2005赤黄でほんのり2 2/6<>sage<>2005/09/09(金) 17:56:23 ID:PHW46jjp<> そうだよ!
俺、口移しで飲ませたんじゃん!
それって、キスしたってことじゃん!
俺、ファーストキスだったのにー!!
うわぁぁぁぁぁ。
俺が一人グルグルしてる間に、小兄は目的の本を見つけたみたい。
俺の隣に座ってページをめくりだした。
「ぅぁ」
思わず小さな呻き声が出た。
近い! 近いよ小兄!
「…だからなんなんだお前」
「ごめん。なんでもない…」
小兄はそれ以上追及してこないで、本へと意識を戻した。
でもすぐに閉じちゃった。
「まだだめだー」
「どうしたの?」
小姉が聞いてくる。
「魔方で風邪薬作ろうと思ったんだけどさ、まだそこまでの集中力が戻ってねぇや」
「そっか…」
「諦めて、素直に救急箱の薬飲んどく」
そう言って立ち上がる。
「何か食べてからじゃないと駄目だよ」
「食欲ねぇ」
「だーめ。おかゆ作ってあげるから」
「…ん」
今の小姉、母さんに似てるなぁ。
そんなことを考えながら、暖炉をすり抜ける二人を見送った。 <> 2005赤黄でほんのり2 3/6<>sage<>2005/09/09(金) 17:57:40 ID:PHW46jjp<> 「はぁ…」
がっくりと肩を落とす。…つかれた。
「なんだなんだぁ? まさかシバサの風邪がうつったんじゃないだろうな?」
マキト兄ちゃんがガシッと肩を組んできた。
「違うよ。ちょっと…気になることができただけ」
「なになにー? カイちゃんが物事にこだわるなんて、珍しいじゃなーい」
いくらなんでも、その言い方はひどいよ姉ちゃん…。
「ねぇホーカ姉ちゃん」
でも、この手の質問にはうってつけの人材なんだよね…。
「なにー?」
「姉ちゃんのファーストキス、って、だれと?」
「!?」
俺の肩を抱いたままだった兄ちゃんが固まった。
パッと手を離し、三歩ほど後ずさる。
いいじゃんかー。俺だってもう高校生なんだし。
「そうかそうか。カイちゃんももうそんなお年頃かー」
そうそう。そんなお年頃。
でも…、相手は男で、しかも…。
うわぁぁぁぁぁ。
「お姉ちゃんのファーストキスの相手はねー」
俺の気持ちを知るはずのない姉ちゃんは、お祈りするみたいに組んだ両手をくねくねさせながら、円卓の周りを回ってる。
「相手は?」
なんか、やけに楽しそうだね。 <> 2005赤黄でほんのり2 4/6<>sage<>2005/09/09(金) 17:59:08 ID:PHW46jjp<> 「相手は…お兄ちゃん!!」
そう叫んで、びしっとマキト兄ちゃんを指差した。
「ええぇぇっ!?」
「あーっはっはっは!」
兄ちゃんは胸を張って笑っている。
「マ/ジ!?」
「マ/ジ」
「なんで?」
どーして!?
「お母さんに聞いたんだけどね、あたしが生まれて病院からお母さんと一緒にこの家に帰ってきた日に、ぶちゅーっとやられたって」
多分、俺今口が開きっぱなし。
ぶちゅーって…。
「当然だろう!可愛い妹がやって来たんだ。ありったけの愛情をこめてその証を示さんとな!」
「…」
…まぁ、この兄ちゃんならやりかねないか。
「勿論あたしだけじゃないわよん」
「え?」
「ウララちゃんもシバサちゃんも同じ被害にあってるんだから」
「被害とはなんだ被害とはぁ!」
「生まれたばっかの赤ちゃんにアレはやりすぎでしょうー!」
「そうか…?」
「思い出した!シバサちゃんなんか大泣きして大変だったんだからー」
なんか、兄妹げんかみたいになってきた。
「まぁね」
姉ちゃんが俺に笑いかける。
「厳密に言えばそれがファーストキスなんだけど、好きな人と初めてするキスを『ファーストキス』って呼んで構わないと思うな」
「…わかった」
…半分、うそ。 <> 2005赤黄でほんのり2 5/6<>sage<>2005/09/09(金) 18:01:07 ID:PHW46jjp<> スッキリしたのは半分だけ。
残る半分は、なんか釈然としない。
「じゃあ、俺のファーストキスも兄ちゃんなんだ…」
釈然としないのは、これがショックだからだと思う。
思う…ことにする。
「違うよ」
姉ちゃんが、また俺に笑いかけた。
え?兄ちゃんじゃないの?
「じゃあ、誰?」
「シバサちゃん」
「うそ!?」
嘘だ!
「ホント。でもあれよ。やっぱり赤ちゃんのときよ」
「うん…」
そりゃそうだろう。
俺、あんまり小兄に触った記憶ないもん。
当然、小兄のほうから触られた覚えもない。
いつもすぐ隣にいたから。触る必要なんてなかった。
「あれなー、兄ちゃん一生の不覚だ」
マキト兄ちゃんが腕組みして、難しい顔になる。
「なに? どういうことよ」
「カイちゃんの顔を見るなり『おとうとだー!!』って叫んでキスの嵐」
「…」
信じらんない。あの小兄が…。
「シバサちゃんったらしばらくカイちゃんにべったりで、あたしたちみんな近寄らせて貰えなかったもんね」
「なぁ」
二人で顔を見合わせて笑いあう。
「そうなんだ…」 <> 2005赤黄でほんのり2 6/6<>sage<>2005/09/09(金) 18:02:18 ID:PHW46jjp<> なんだ、そうなのか。
俺のファーストキスは小兄なのか。
しかも赤ちゃんのときなのか。
「なら、しょうがないよな」
んー…。
しょうがない、っていうのは違うな。
なんだろな、この感じ。
「へへっ」
笑いがこみ上げてきた。
へんなの。
びっくりはしたし、どうしようとも思ったけど。
相手が小兄なこと、嫌じゃないんだよね…。
「へんなのー」
思い出話を始めた兄ちゃんと姉ちゃんに聞こえないくらい小さな声で呟いて、小兄が置いていった魔方書を枕にして円卓に突っ伏した。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/09(金) 18:02:52 ID:PHW46jjp<>  ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ おそまつ。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 相変わらずユルユルですまん。
 | |                | |       ◇⊂    ) __ シカモテンテートウジョウマエダシ
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
<> 606<>sage<>2005/09/09(金) 20:05:18 ID:n83+SO+5<> >607
d!見つかりました!
勝手に洋画だと思いこんでましたよ…
そりゃみつからんわなorz <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/09(金) 23:30:12 ID:lmo5zcUF<> >>619-626
GJ!
赤カワイイよ赤・・・ <> 風と木の名無しさん<><>2005/09/10(土) 01:52:00 ID:oD6cRtKp<> >>619-626
ホンマごちそうさまです!
赤か可愛くて・・・。
ちっこいシバサちんもかなり大好きです! <> 地下室にて2<>sage<>2005/09/10(土) 02:13:51 ID:6qpJvesz<> |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ウマクウマルトイイナ。

60年代飴デュオナマモノ (シ゛ェリー×卜厶)
>>377-385の続きです。
 少年2人が地下室で舐めあっているだけの話です。また無駄に長いので
埋め草として投下させてください。 <> 地下室にて2 1<>sage<>2005/09/10(土) 02:17:07 ID:6qpJvesz<>  シ゛ェリーが卜厶の下着を下ろす。地下室のひんやりした空気に触れて、
彼の腰が一瞬震える。
 思春期にやっと足を踏み入れたばかりの、まだ成長途中の性器。ユダヤ系
アメリカ人として生まれた2人は生後まもなく割礼を受けているので、その
先端に包皮は存在しない。 自分以外の“性器”を見るのは男女問わず初めてで、
その非日常感にシ゛ェリーはかすかなめまいを感じる。心配そうにこちらを
見つめている卜厶に笑いかけて、手を添えて一度こする。彼が身を反らせる。
 床に腹ばいになり、そのまま顔を近づけていく。昨夜自分の指で想像した
ように、尖らせた舌を沿わせ、先端に到着すると唇で含む。その瞬間卜厶の
口が開き、予想しなかった音を漏らす。胸の奥から直接押し出されたような、
低い呻き声。以前彼がそんな声を立てたのは、通学路で不良たち(2人より年上
だが、学年は下)に絡まれて逃げ損ね、みぞおちを殴られたとき。ぎょっとして
卜厶を見る。彼は口を閉じず、続けて声は抑え気味だが引き摺るような喘ぎ声
を漏らしている。今回のその声は苦痛からではなく快楽から発生したものなの
だ。そのことを知ると、シ゛ェリーは興奮が抑えきれない。 <> 地下室にて2 2<>sage<>2005/09/10(土) 02:19:58 ID:6qpJvesz<>  口での愛撫を続けつつ、自分のズボンのボタンを外していき、性器を扱き
たてようとする。
 シ゛ェリーは右耳に強くはないが鋭い痛みを感じて顔を上げる。卜厶が耳を
引っ張ったのだ。彼は微笑みながら顔を左右に振っている。その目はギラギラ
した状態と、焦点の合わない状態を行き来して、自分の足の間に身を屈める
友人を見つめている。
「…すぐに…同じようにしてやる…から、今は我慢しろよ。」下に伸ばした腕を
掴まれ、引き上げられる。
「…なぁ…、どんな感じだ?」
「ほら…」掴まれた手が引寄せられ、舌が手のひらから指にかけてゆっくりと
辿る。つい先ほどお互いに口に含んだ時とは違う、いやらしい舐め方。
シ゛ェリーが性器を舐めた状態が、そっくりそのまま再現されている。中指の
先端まで舌が到達すると、唇が包み込む。口の中で舌先が指の腹をこする。 <> 地下室にて2 3<>sage<>2005/09/10(土) 02:21:43 ID:6qpJvesz<>  自分の行為に興奮したのか、口の中の性器がひくつく。卜厶がさらに口の中
の指を吸い上げる。
 口の中に含んだ彼の性器、そして彼に舐められている自分の指、その刺激だ
けでシ゛ェリーはたまらなくなる。腰を浮かせる。床に触れたらそれだけで
達してしまいそうだ。
「我慢できないなら、今すぐ交代しようか?」頭上から卜厶の声が降ってくる。
口を離して見上げると、その状態を見た卜厶がまた微笑んでいる。
 その表情はほんの少しシ゛ェリーの癇に障る。口に含みなおし、舌を絡め、
吸い立てる。自由な片手を彼の性器に添えて扱く。
 彼の余裕が消え去る。切れ切れの声があがる。
「…離れて…。出そう…。」
シ゛ェリーはますます力を込めて吸う。上半身は服を着たままなのだ、口を
離したら服が汚れる。耳には卜厶のかすかな悲鳴のような喘ぎ声。口の中で
彼の性器が震えて射精するのを感じる。
 ぐったりとクッションに身を凭せかけた卜厶の真正面に顔を突き出し、口を
開いて舌を汚すものを見せる。彼の顔が一気に朱に染まる。 <> 地下室にて2 4<>sage<>2005/09/10(土) 02:23:23 ID:6qpJvesz<> 目の前でゆっくり
と飲み込んでやる。まずいが、どうせ害はない。自慰行為を始めた時、身体から
出るもの―精液―の成分についてはこっそり図書館で調べ済みだ。卜厶も
同じことをしているに決まっている。階上に耳を澄ませる。まだ大丈夫なようだ。
 卜厶のシャツの胸ポケットからリコリスを取り出して噛む。その強烈な味が
口の中の青臭さを消してくれる。
「気持ちよかった?」ぼーっとしている卜厶の視線を捕らえて問いかける。
彼の目が伏せられる。
「交代してくれる?」と続ける。
「ああ、もちろん。」下着とジーンズを直した彼がクッションからだるそうに
身体を持ち上げ、シ゛ェリーと入れ替わろうとする。シ゛ェリーがその肩を
押さえる。 <> 地下室にて2 5<>sage<>2005/09/10(土) 02:24:58 ID:6qpJvesz<> 「いいよ。そのまま寄りかかっていて。でも少し後ろに下がって背中を壁に
 つけてくれる? 今度は君に物音に気をつけていて欲しいんだ。」

 結局クッションはどけられ、卜厶は床に座って、剥きだしの壁にぴったりと
背中を当てる。シャツ越しに壁の冷気が汗ばんだ肌に伝わって心地いい。
「ちょっとそのままでいて。」
シ゛ェリーはシャツをズボンの上に引っ張り出して被せ、一度地下室から出る。
勃起してしまっているので歩きづらいが、一度玄関まで行き、ドアを開閉して、
そっと地下室に戻る。扉を軽くノックしてから開け、階段を下りる。
 卜厶がこちらを見上げている。
「足音聞き取れた?」「大丈夫。聞こえるし、背中にも伝わる。」 彼の真正面に身を屈めて額と鼻先を触れ合わせる。目を覗き込む。
「気をつけて。君が音を聞き損なったら、僕たちはおしまいだ。」
 2人とも本当はわかっている。卜厶の母親は多分まだしばらくは帰宅しない
だろう。それでも、経験のない彼らにでも、発見されるかもというスリルを
スパイスに行う行為がどれほど甘美なものかは想像できる。
「僕の耳がいいのは知っているだろう?」
 鼻を触れ合わせたまま話を続ける。 <> 地下室にて2 6<>sage<>2005/09/10(土) 02:27:17 ID:6qpJvesz<> 「口を使わせてくれる?」
「さっきそう言ったろ…急いで。」

 ズボンと下着を下ろす。それでは脚を開きづらいことに気づき、結局どちら
も脱ぎ捨ててしまう。卜厶が物音に気づくのが遅れたら致命的なことになるだ
ろう。そう考えるとシ゛ェリーの興奮はいや増す。 <> 地下室にて2 7<>sage<>2005/09/10(土) 02:29:33 ID:6qpJvesz<> 「口を開いて。」頭を壁につけたまま、卜厶が口を開く。その目は閉じられて
いる。
結局こうだ。彼は実際に行動する段階になると物怖じする。
「目も開けて。」気まずそうに彼がそっと目を開く。シ゛ェリーの性器が視界に
入った瞬間視線をそらす。それでもかまわない。開いたままの唇にそっと押し
込んでいく。温かい粘膜の感触にうっとりして息を漏らす。腰を押し付けると、
卜厶の後頭部が壁に当たって軽い音が響く。彼がびくっとする。自分の立てた
音だと気づいた卜厶が安堵の溜息をつく。吐息と共に舌が裏側に触れる。舌は
そのままそこにとどまって這い回る。
 彼の鼻が自分の下腹部に埋まるほど身体を押し付ける。彼をペニスで壁に釘
付けにしているような気分だ。息が苦しくなってきたのか、舌の動きが激しく
なる。すぐ達してしまいそうなのをこらえて一度身を離す。
「苦しい?」顎を持ち上げる。卜厶が頷く。
「でも気持ちいいんだろ?」ソックス履きの足の甲でジーンズの股間をなぞる。
布越しに、性器が再び立ち上がっているのが感じられる。
「ぁあっ…」
背中が壁から離れ、首が反りかえる。肩をそっと押して壁に戻す。手首を掴み、
彼自身のそこに手を導く。 <> 地下室にて2 8<>sage<>2005/09/10(土) 02:31:06 ID:6qpJvesz<> 彼が前立てのボタンを外そうとするのを見て、
耳をぎゅっと引張ってやる。
「君の番はもう済んだろ? 服の上からなら触っていてもいいよ。
 でもいっちゃったら汚れるね。」

「もう一度咥えて。音に注意して。」
 頭をつかんで壁に押し当てて、口に含ませる。しばらくじっとして、彼が
背中と耳に集中するのを待つ。それからゆっくりと腰を動かす。
 卜厶は優秀な生徒だが、一度に複数のことをこなすのは苦手だ。だから彼ら
はギター.デュオになれないのだ。彼は歌いながら楽器を扱うことができない
から。彼は今、自分の頭部が壁と当たって立てる音と、階上で聞こえるかも
しれない音を区別するため、耳と背中に意識を集中させている。口の粘膜を
刺激する友人のペニス、ジーンズの硬い布越しに伝わる自分の手の感触。 <> 地下室にて2 9<>sage<>2005/09/10(土) 02:32:44 ID:6qpJvesz<> どちらも決定的ではなく、もどかしい快感。その情報は意識を素通りし、
彼の表情を淫蕩なものに変えている。意識の支配を受けないその舌が、口の
中ですばやく動き回る。
 その顔を見おろし、くぐもった呻き声を耳にしながらシ゛ェリーは達する。
その瞬間、卜厶は我に返る。口中に広がる異質な味、におい。顔をしかめ、
吐き出しそうになるが、さっき自分も同じことを相手にしたのだと思い、
我慢して飲み込む。髪にシ゛ェリーの手が差し込まれ、頭を撫でる。
苦労して整えたクルーカットが乱れ、あちこちで髪の房が立ち上がる。
 シ゛ェリーは卜厶の口から性器を抜き、手で握って残ったものを搾り取り
ながら彼の頬に擦りつける。顔に半透明の筋が残る。

「ありがとう。すごく気持ちよかった。」膝立ちになって礼を言い、衣服を身に
着ける。彼は壁にもたれたままだ。彼の胸のポケットからリコリスをもう1つ
取り出し、彼の口に入れる。彼がそれを噛み始める。
「顔洗ってくる。」卜厶が立ち上がろうとするが、緊張していた背中が強ばって
しまったらしくなかなかうまくいかない。シ゛ェリーが手を貸してやる。 <> 地下室にて2 10<>sage<>2005/09/10(土) 02:34:38 ID:6qpJvesz<> ジーンズの下でいくことはなかったらしく、まだ布地が張りつめている。
立ち上がっても腰を少し屈め気味の彼をもう一度壁に押し付け、背筋を
伸ばさせる。布に擦られ、締め付けられる刺激に彼の顔が歪む。そこに手を
やり、一度強く扱くようにこする。卜厶は泣きそうな顔になる。
「バスルームまで保つといいね。」 シ゛ェリーはそう言って卜厶を見上げて
微笑みかける。

 危うげな足取りで地下室を出て行く彼を見送って、シ゛ェリーはギターを
手に取る。さっきまでの遊びで多少疲れた指をほぐし、コードを押さえていく。
1、2度通して曲を弾いた頃、扉が再び開いて友人が戻ってくる。
> タオルでごしごしこすったのか皮膚は赤くなり、髪も濡れてしまったのか、
セットはすっかり乱れて、後の彼を特徴づけるタンポポの綿毛のような癖毛に
戻っている。それでも彼は「歌い手」の顔に戻っている。
 2人は練習に戻る。何事もなかったような顔で。完璧なハーモニーを求めて。 <> 地下室にて2<>sage<>2005/09/10(土) 02:36:50 ID:6qpJvesz<> □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )長々とお目汚し失礼しました。


次スレ誘導
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1125851836/l50 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/10(土) 04:32:57 ID:lSNsXVvN<> >641
ウハッ投下ありがd
トッ厶ーとシ゛ェリ♪ 待ってますた。
前回は投下ラッシュで書き損ねちゃったけど、
とにかくエロ!すんごくエロ!
口に指入れてるだけなのに…

大人編の別エピもお待ちしております。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/10(土) 04:45:09 ID:FmXRhICo<>
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  萌えスレからモナ‥‥。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  こっちに投下する理由は↓だって
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  ジサク ジエン カヨ!
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚#)
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

「ttp://users.skynet.be/tinformatica/waha.wmv
この試合が終了した後の2人」です。
↑のURLでは見られない場合は
ttp://pya.cc/pyaimg/spimg.php?imgid=17288
↑こちらをご覧ください。
お題を投下した本人なのですが、
その本人が萌え語りするのはスレ住人には申し訳ないので、
こちらを埋め立てするついでにコソーリ投下します。 <> 廾ッ力ーぽろりで801/1<>sage<>2005/09/10(土) 04:47:32 ID:FmXRhICo<> 少なくとも自分は、相手の行動を阻止しようとして、
相手よりも早く前に出てボールを捕らえようとして、
相手のユニフォームの上着を掴んで引き止めたつもりだった。
それなのに。
掴んでいたのは、相手のユニフォームのパンツの方で。
しかも相手の動きと自分の動きとが変に作用してしまったらしい、
相手の動きが少し躊躇したように感じたなと思ったら、だ。
パンツの隙間からこぼれ出たあの太くて、長いもの。
まずい、見てはいけない。
相手のことを慮ってそう思ったものの、思わずそれに視線が釘付けになる。

見慣れているもののはずだったのに、なぜか胸の鼓動が高鳴った。
いや今は試合中だ、それよりボールを…と慌てて足を速めて追おうとしたが、
しまいかけた相手のものにもう一度横目で視線を送ってしまった。

その日のそれ以降の自分のプレーは散々なものだった。
いけないと解っていながらあのプレーヤーのことが気になってついそっちを見てしまい、
パスを回されて声を掛けられても気づくのが一瞬遅れたり、
チャンスとばかりにシュートを決めようとすれば
見てしまったあれが脳裏にちらついて、
蹴り上げるボールの威力がなくなったり。
気がついているのかいないのか、
向こうも自分をちらちら見ては互いに慌てて視線を逸らして。 <> 廾ッ力ーぽろりで801/2<>sage<>2005/09/10(土) 04:49:26 ID:FmXRhICo<> なんとかチームとしては試合に勝ったものの、
自分の気分は落ち着かないまま、いくらか俯きがちに試合終了後の握手をする。
1人、また1人と握手をしていき、いよいよあの選手との握手のとき。
「☆×※■#+▽◎」
声を掛けられた。すごい早口だったから何を言っているのか聞き取れなくて
はっとなって相手の顔を見る。
一瞬だけ片目をつぶって、にこやかな笑顔で笑いかけられて、
握られた手から伝わる力強さには
「互いのプレーをねぎらう」以外のものが含まれている気がした。

「移籍したいんです」
オーナーと監督にそう伝えたのはそれからいくらも時間が経ってなかった。
あの時聞き取れなかった言葉が気になって
謝罪する機会を失った自分はあの選手の連絡先を調べられないかと画策したが、
どうも向こうのクラブは敵対するクラブのメンバーには
電話番号を含めてプライベート関係のことは一切コメントしない方針らしく、
直接会って聞き出すしか方法がなかった。
しかし試合や練習などスケジュールは常に過密状態、
そのためだけに時間を割くわけにはいかず、苦肉の策として考えた結果がこれだった。
チーム内で最も得点に繋がるプレーをしている(らしい)自分が
移籍することに対してオーナーと監督は何度も残留するように説得してきたが、
自分の気持ちは変わることがなかった。
まず会ってあのときのことを謝りたい。
あのとき何と言っていたのかを聞き出したい。
ただそれだけを思って、間に代理人を立て、正式な手続きを取り、
念願かなってあの選手がいるクラブに移籍したのだが。 <> 廾ッ力ーぽろりで801/3<>sage<>2005/09/10(土) 04:50:47 ID:FmXRhICo<> 同じチームにいるというのに、しばらくの間は2人きりになれる機会は全くなかった。
以前のクラブよりもチームメンバーと顔を合わせる機会はかなり多く、
試合や練習が終わって寮に戻ってからもやれ飲みに行こうだの、
一緒にDVD見ようだの対戦ゲームで遊ぼうだの、
監督に内緒で特訓をしようだのといって誰かが必ず自分のそばにいる。
経験年数は他の皆とあまり変わらないもののクラブ内では「新入り」であるという立場上、
嫌な顔もできなくてそれらの誘いはできるだけ断らないようにしていたが、
気になったのはそうして誰かからの誘いに
自分が付き合っているときのメンバーの中に、必ずあの「彼」が含まれていたことだ。
謝罪のチャンスを作ってくれようとしているのか、
それとも自分が周りの連中に振り回されている姿を見るのが楽しいのか、それすらも分からない。
誰かとの話の中で相槌を打つくらいで面と向かって話すこともなかったし、
「彼」は常に口元にだけ笑みを浮かべた冷静な表情だったから
自分は気に入られているのか嫌われているのかも分からなかった。

ようやくそのきっかけができたのは、ある試合終了後のシャワールーム内だった。
その試合はチームにとってはとても重要な試合で、
勝てば今シーズンのチャンピオンズリーグ本戦に出場が決まるはずだったが、
自分のミスから生じたチャンスに乗じて相手チームのゴールが決まり試合に負けた。
「お前だけのミスじゃない」とか「UEFAカップには出られるんだからいいじゃないか」とか
「今日の試合はツイてなかったんだ」とか皆は言ってくれたが、
あの時右にパスを回していれば、いやそのまま正面突破した方がよかったかも…と
過ぎたことを後悔しているうちにいつの間にか涙が出ていて、
自分のその様子に焦ったのか声を掛けてくる者がいなくなった。
1人、また1人とシャワーを浴び終わった選手が着替えて出て行き、
残っているのは自分だけのはずだった。 <> 廾ッ力ーぽろりで801/4<>sage<>2005/09/10(土) 04:52:45 ID:FmXRhICo<> ミスは今日の一度だけではない。これまでにも何度かミスをしていて、
以前の成績は幻だったのかと思えるほどこのクラブに移籍してからの
自分のプレー内容はお粗末なものだ。
それでも監督は「お前がいると皆の士気が上がるから」と
自分をレギュラーメンバーから外そうとはせず、
それが逆にチーム全体での迷惑になっている気がする。
頭に降り注ぐシャワーを浴びたまま、その場から動くこともできず
「大事な場面に限ってどうしてミスをしてしまうんだろう…」と
自分の不甲斐なさに思わずつぶやく。

「それ、俺のせいかもしれない」
唐突に後ろから声が聞こえた。
急に現れた声の主の方向に振り返ろうとした途端、
背中から羽交い絞めにされて身動きが取れなくなる。
「あのときの試合…君がここに来る前に俺と戦ったときから考えると、
 君はあの試合以降全試合において動きがいくらか鈍くなってる。
 一緒に試合に出てても俺のことときどき見ていただろう。
 だからプレーに集中できなくてミスしやすくなるんだ。
 あのときのこと、気になってるんじゃないのか?」
「彼」だった。
「あの試合が終わった後、俺は『気にしなくていい』って言ったんだが、
 わざわざ移籍してまで追いかけてくるとは。どうやら逆効果だったみたいだな」

そうだったのか。
あの、ものすごい早口の一言と一瞬のウインク。
偶然見てしまった「あれ」に抱いてしまった、不可解な想い。
自分でも意味が分からなくて、忘れようとしても忘れられなくて。
それを理解するためだけにクラブを移籍したはずが、
いつの間にか気持ちが「あれ」から「彼」そのものに傾いていたのを、
自分はこの瞬間に理解した。 <> 廾ッ力ーぽろりで801/5(終)<>sage<>2005/09/10(土) 04:54:56 ID:FmXRhICo<> 「あのときは本当にごめ…」
やっと言えると思って舌の上に謝罪の言葉を乗せた途端、
顎をつかまれ、後ろに向けさせられる。
そのまま顔が迫ってきて、言葉を紡いでいる唇をペロリと舐められた。
「そんなに俺が気になるなら、もっと本気になればいい。
 それで試合に集中できるようになったら…」
舌先が口内に進入してきて、そのまま弄られた。
身体に絡まる腕が少し動き、胸元をゆっくり撫で上げる。
「んっ……う…」
高鳴る鼓動と、急激に上昇する体温に驚いて、思わず上ずった声が漏れてしまう。
と、不意に腕を解き、一歩後ろに下がる「彼」。
「少しずつこの続きをしてやるよ」
そう言って自分が使っているブースから出て行った。
「彼」の足音が遠ざかっていく。

シャワールーム入り口の扉の閉まる音が聞こえた瞬間、
頭から降り注いでいたシャワーを止め、
「次からは集中します」
その場にいない「彼」に誓った。 <> 風と木の名無しさん<>sage<>2005/09/10(土) 04:55:58 ID:FmXRhICo<>  ____________
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 | | □ STOP.       | |
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 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
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次スレはこちら↓
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1125851836/l50 <> 名無しさん@そうだ選挙に行こう<>sage<>2005/09/10(土) 19:43:31 ID:Valbm/Y9<> >649
あのポロリの後にそんな話が…!
萌えますた

>616-618
今日映画見に行ってきました。
前半、狙ってるのか?と思ってしまったディス…
ラスト チョト ザンネン <> 名無しさん@そうだ選挙に行こう<>sage<>2005/09/11(日) 02:34:44 ID:dTemsIgK<>                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  読みにくかったらスマソだって
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  こんな時間にコソーリ投下。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
<> 戦国婆沙羅 サスグリ1/2<>sage<>2005/09/11(日) 02:35:44 ID:dTemsIgK<> まだ、鎧を着ているより平服でいる日のほうが多かった頃のこと。



なあ佐助、夕焼けは何故赤いのだろうな。
さぁ?去り行く陽が手を振ってくれる子供たちに照れているって話を聞いたことはありますがね。
なんと可愛らしい。
そうですね、可愛すぎる。
佐助お主顔が真っ赤だぞ?
えぇ〜…夕焼けのせいだって。
髪も赤いしな。
いや、今それあんまり関係ないし。年頃の乙女のようで恥ずかしいですよ。
そうか?最近の少女は現実的であると聞くぞ。では佐助の方が乙女だな。
旦那…。けどこれ、太陽は子供たちが帰っていく友に手を振っているのを
自分に向かって振っていると勘違いしてるって意味もあるんじゃないですか。
<> 戦国婆沙羅 サスグリ2/2<>sage<>2005/09/11(日) 02:36:48 ID:dTemsIgK<> ええっ!?
そんな驚き!?
まぁ可愛い話ということで。
無理やりまとめたな。
たまにはいいな。毎日では飽きるといけない。
そうですね。
ああ、本当にいい色だ。お館様の色だ。
ええ。
明日も明後日も、こうして空の変化など見ていられたらいいな、佐助。


今日を惜しんでさよなら、さよなら。
また明日。笑顔で会えるように。






じわりと赤がにじんでく。雲が切れて光が差し込んだ。
旦那。雨が上がった。綺麗な空ですよ。
もう明日の空を一緒に見られない。
こんなどろどろの自分じゃ。 <> 名無しさん@そうだ選挙に行こう<>sage<>2005/09/11(日) 02:37:57 ID:dTemsIgK<>  ____________
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 結末はご自由に。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

グリ
サス
の順で。 <> 名無しさん@そうだ選挙に行こう<>sage<>2005/09/11(日) 02:43:36 ID:6Yh/2Vcz<> >654
リアルタイムキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
元ネタ知らないけど佐助可愛いな。
なのにラストが切なくて萌える…(つдT)
深夜の投下乙GJ!
<> 名無しさん@そうだ選挙に行こう<>sage<>2005/09/11(日) 02:56:06 ID:dTemsIgK<> >>655
おわーレスありがd!
誰もいなそうな時を狙ったのにw

書いててカプはどっちでも良くなった。
口調も分かってない。
そして文中の名前を伏せていないことに今気がついた。
だが私は謝らない。

ジャンル知らない人に不親切な文でスマソンでした。 <> 名無しさん@そうだ選挙に行こう<>sage<>2005/09/11(日) 08:44:18 ID:lDCs0lop<> >>654
ここから「愛なんて知らない」と言うようになるまで
何があったんだ佐助!( ´Д⊂ヽ
現在最萌えジャンルなのでおいしくいただきました。
名前伏せは読んでて萎えるのでこのままでいいじゃないかね。 <> 名無しさん@そうだ選挙に行こう<>sage<>2005/09/11(日) 12:37:50 ID:79zenB4m<> そろそろ500KBオーバー?

次スレ:モララーのビデオ棚in801板10
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1125851836/
<> 名無しさん@そうだ選挙に行こう<>sage<>2005/09/11(日) 19:38:43 ID:dVcG8kKk<> 容量ヤバげだけどスマソ
かなりかなり亀だけど>>182-185>>298-303の姐さん、
超GJ!!!まさかKK読めるとは思わなかったよー!!
なんかもう、生きてて良かった…w待ってますからまた投下してください!
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