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#title(R.S.3_LxM 11) [#q83b0e68]
何も身に着けていないその身体を、無防備にあお向けている。
(ここは、どこだ。自分は、何をしている?)
疑問が浮かんでも、それはすぐに霧散する。
投げ出した手足が覚えるのは、不思議な触感。
絹のような、水のような、とろりとした柔らかな処。
もはや寝ているのか、浮かんでいるのか、それとも沈んでいる...
意識が溶けてゆく。
その空間に。
深く、暗い、闇の中へ。
心地良い。胎内とはこういうものなものかもしれない。
手足を存分に伸ばし、その感覚を楽しむ。
満たされる。そして、堕ちてゆく。
突然、冷たいものが頬を触った。
目を開けるとそこには、伯爵がいる。
急激に戻る意識と感覚。
しかし、それは不快ではなかった・・・何故か。
冷たい指が頬から顎を伝い、首へと辿る。
ミカエルが目を覚ましたのに気づくと、伯爵は顔を覗き込むよ...
血の色をしたその目には、先ほどよりも深い闇が広がっていた。
“闇は魅力を司る”
思わず、その言葉を思い出す。
触れていた手を下げ、伯爵が寝台に腰掛ける。
身体を起こしたミカエルに、レオニードが尋ねた。
「気分はいかがです?」
振り向くようなかたちで自分を見つめるその目に、吸い寄せら...
「お蔭様で。」
ミカエルは軽く息をつくと目をそらし、窓の外を眺めた。
吹雪いている。
冬の長いこの地が、最も寒い季節を迎えようとしていた。
#comment
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#title(R.S.3_LxM 11) [#q83b0e68]
何も身に着けていないその身体を、無防備にあお向けている。
(ここは、どこだ。自分は、何をしている?)
疑問が浮かんでも、それはすぐに霧散する。
投げ出した手足が覚えるのは、不思議な触感。
絹のような、水のような、とろりとした柔らかな処。
もはや寝ているのか、浮かんでいるのか、それとも沈んでいる...
意識が溶けてゆく。
その空間に。
深く、暗い、闇の中へ。
心地良い。胎内とはこういうものなものかもしれない。
手足を存分に伸ばし、その感覚を楽しむ。
満たされる。そして、堕ちてゆく。
突然、冷たいものが頬を触った。
目を開けるとそこには、伯爵がいる。
急激に戻る意識と感覚。
しかし、それは不快ではなかった・・・何故か。
冷たい指が頬から顎を伝い、首へと辿る。
ミカエルが目を覚ましたのに気づくと、伯爵は顔を覗き込むよ...
血の色をしたその目には、先ほどよりも深い闇が広がっていた。
“闇は魅力を司る”
思わず、その言葉を思い出す。
触れていた手を下げ、伯爵が寝台に腰掛ける。
身体を起こしたミカエルに、レオニードが尋ねた。
「気分はいかがです?」
振り向くようなかたちで自分を見つめるその目に、吸い寄せら...
「お蔭様で。」
ミカエルは軽く息をつくと目をそらし、窓の外を眺めた。
吹雪いている。
冬の長いこの地が、最も寒い季節を迎えようとしていた。
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