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#title(高貴なる狼~Ich liege falsch Aber die Welt ist meh...
ちょっと思いついたので書いてみました。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
*高貴なる狼~Ich liege falsch Aber die Welt ist mehr falsch
無慈悲で禍々しい巨大な天使が、遠からぬ将来、人類に必ず...
ふと、そんな風に思った。
何のことはない、それはいつも通り、重々しくもの憂げに響...
早く、恋人の待つアパートの部屋に帰りたくて、石畳を歩く...
早く帰って話を聞いてやり、ベッドで抱いて慰めてやりたか...
刺すようなブルーの瞳は、陰鬱で、しかし、時に異様な熱気...
だが、多くの場合、彼は細くてちょっと神経質な、どこにで...
「生まれはブラウナウ・アム・イン、税関吏の小倅さ」
今となっては、彼のそれほど人類の歴史に対して大きな、そ...
数々の不名誉の中の一つに、おぞましい近親姦の為し手とい...
彼自身の両親も、ごく近い血の持ち主どうしだったようだ。...
逆子で、母親は大変な難産を経験したという。貶めて、後世...
またこうも言う、生まれてこない方が本人の為にも、全人類...
でも、ぼく自身は、彼のことをそんな風に思ったことはない。
ぼくにとっての彼は、いつまでも、飢えた絵描きで、自分の...
二十世紀の黎明期、十代の日々の情熱と驕慢と、芸術や自然...
並外れた洞察力を以て、ぼくの音楽家としての素質を見出し...
そして、ただの愛しい男の子だった。
彼との交わりは、大抵の場合、彼の描く風景画の空の塗り方...
でもぼくは、彼が普通の人ではないことはわかっていた。彼...
知っての通り、彼は、後年、その神秘的な美しさにあれほど...
そして、そのことが内心では生涯不服であったかのように推...
それはわからないし、ぼくにとってはそんなありふれた分析...
ぼくにとって大事なことは、ぼくは彼の陰府(よみ)の闇のよ...
ウィーンで二人のささやかな生活を送ったあのアパートの、...
「アーディ・・・・!出すよ」
ぼくは専ら、女性を相手にする時と同じように、彼の中に挿...
行為の後は一つのシーツにくるまり、肩を寄せあって、よく...
「詩人はなんで、『青春』なんて呼んで称えるんだろう。若...
何の話のついでだったか、ぼくが予てから不満に思っていた...
「若い肉体は美しい。美しいものに憧れたり、描写したがっ...
「ああ、そうかな。でも、この世界はこんなに美しいもので...
「めちゃくちゃって?」
「戦争とかさ」
後から考えると少し意外なことだが、この時、「戦争」とい...
「グスタフ、美しさって何だろうね?」
ぼくが答えられないでいると、
「悪の華とか、滅びの美とか、そういう感性もある」
そう淡々と語った。例の神懸かり的な興奮は見せず、声は上...
「君は美しいよ、アーディ。君も、君の絵も、本当に美しい...
ぼくは力を込めて訴えた。その無邪気な告白がどんなに罪深...
彼はきれいな横顔のままで、聞き取れないくらい微かに、Dan...
「私は間違っている。しかし、世界はもっと間違っている」
後年、すっかり逞しくなり、男らしく成熟した彼が政治演説...
彼の言というだけで、今となっては誰も称賛する人はいない...
「アーディ、もう一度しよう」
ぼくにしては珍しく、矢庭に、凶暴なまでの情欲が全身を駆...
その舌は人類の大いなる災厄そのもの、唇は戦火。御民イス...
でもその時のぼくは、そして恐らくは彼自身も、そんなこと...
彼は大人しく、されるままになっていた。ぼくは無抵抗の彼...
もしもその時、彼が暗黒のキリスト・イエスだと知ることが...
その役柄はどうやら、あの小児麻痺を患った背の低い文士崩...
あばら骨の浮いた胸に顔を寄せ、ピンク色の小さな堅い果実...
腹から腰へと唇を這わせてゆき、透明な雫を滴らせながら戦...
ぼくが彼の中に押し入り、充分に満足する深さまで埋没する...
「ああ、アーディ・・・・アドルフ・・・・!!」
それは、古ドイツ語で「Adel(高貴な)」「Wolf(狼)」という...
ひとえに、ぼくの若き日の恋人、その人の故に。
ウィーン西駅での突然の別れから三十年後、1938年のリンツ...
予めメディアで見知ってはいた––––最初は同姓同名の別人だ...
それにも関わらず、リラックスした雰囲気で迎えてくれて、...
我が青春の友アドルフ、人は君の墓に、偉大な画家になる夢...
君は確かに、ドイツ最大、二十世紀最大、いや人類史上最大...
世界という巨大なキャンバスに、誰もが永遠に忘れられない...
Ende
* [#i44c507c]
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
アウグスト・クビツェクの著作より。
「我が妄想」でした。
#comment
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ちょっと思いついたので書いてみました。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
*高貴なる狼~Ich liege falsch Aber die Welt ist mehr falsch
無慈悲で禍々しい巨大な天使が、遠からぬ将来、人類に必ず...
ふと、そんな風に思った。
何のことはない、それはいつも通り、重々しくもの憂げに響...
早く、恋人の待つアパートの部屋に帰りたくて、石畳を歩く...
早く帰って話を聞いてやり、ベッドで抱いて慰めてやりたか...
刺すようなブルーの瞳は、陰鬱で、しかし、時に異様な熱気...
だが、多くの場合、彼は細くてちょっと神経質な、どこにで...
「生まれはブラウナウ・アム・イン、税関吏の小倅さ」
今となっては、彼のそれほど人類の歴史に対して大きな、そ...
数々の不名誉の中の一つに、おぞましい近親姦の為し手とい...
彼自身の両親も、ごく近い血の持ち主どうしだったようだ。...
逆子で、母親は大変な難産を経験したという。貶めて、後世...
またこうも言う、生まれてこない方が本人の為にも、全人類...
でも、ぼく自身は、彼のことをそんな風に思ったことはない。
ぼくにとっての彼は、いつまでも、飢えた絵描きで、自分の...
二十世紀の黎明期、十代の日々の情熱と驕慢と、芸術や自然...
並外れた洞察力を以て、ぼくの音楽家としての素質を見出し...
そして、ただの愛しい男の子だった。
彼との交わりは、大抵の場合、彼の描く風景画の空の塗り方...
でもぼくは、彼が普通の人ではないことはわかっていた。彼...
知っての通り、彼は、後年、その神秘的な美しさにあれほど...
そして、そのことが内心では生涯不服であったかのように推...
それはわからないし、ぼくにとってはそんなありふれた分析...
ぼくにとって大事なことは、ぼくは彼の陰府(よみ)の闇のよ...
ウィーンで二人のささやかな生活を送ったあのアパートの、...
「アーディ・・・・!出すよ」
ぼくは専ら、女性を相手にする時と同じように、彼の中に挿...
行為の後は一つのシーツにくるまり、肩を寄せあって、よく...
「詩人はなんで、『青春』なんて呼んで称えるんだろう。若...
何の話のついでだったか、ぼくが予てから不満に思っていた...
「若い肉体は美しい。美しいものに憧れたり、描写したがっ...
「ああ、そうかな。でも、この世界はこんなに美しいもので...
「めちゃくちゃって?」
「戦争とかさ」
後から考えると少し意外なことだが、この時、「戦争」とい...
「グスタフ、美しさって何だろうね?」
ぼくが答えられないでいると、
「悪の華とか、滅びの美とか、そういう感性もある」
そう淡々と語った。例の神懸かり的な興奮は見せず、声は上...
「君は美しいよ、アーディ。君も、君の絵も、本当に美しい...
ぼくは力を込めて訴えた。その無邪気な告白がどんなに罪深...
彼はきれいな横顔のままで、聞き取れないくらい微かに、Dan...
「私は間違っている。しかし、世界はもっと間違っている」
後年、すっかり逞しくなり、男らしく成熟した彼が政治演説...
彼の言というだけで、今となっては誰も称賛する人はいない...
「アーディ、もう一度しよう」
ぼくにしては珍しく、矢庭に、凶暴なまでの情欲が全身を駆...
その舌は人類の大いなる災厄そのもの、唇は戦火。御民イス...
でもその時のぼくは、そして恐らくは彼自身も、そんなこと...
彼は大人しく、されるままになっていた。ぼくは無抵抗の彼...
もしもその時、彼が暗黒のキリスト・イエスだと知ることが...
その役柄はどうやら、あの小児麻痺を患った背の低い文士崩...
あばら骨の浮いた胸に顔を寄せ、ピンク色の小さな堅い果実...
腹から腰へと唇を這わせてゆき、透明な雫を滴らせながら戦...
ぼくが彼の中に押し入り、充分に満足する深さまで埋没する...
「ああ、アーディ・・・・アドルフ・・・・!!」
それは、古ドイツ語で「Adel(高貴な)」「Wolf(狼)」という...
ひとえに、ぼくの若き日の恋人、その人の故に。
ウィーン西駅での突然の別れから三十年後、1938年のリンツ...
予めメディアで見知ってはいた––––最初は同姓同名の別人だ...
それにも関わらず、リラックスした雰囲気で迎えてくれて、...
我が青春の友アドルフ、人は君の墓に、偉大な画家になる夢...
君は確かに、ドイツ最大、二十世紀最大、いや人類史上最大...
世界という巨大なキャンバスに、誰もが永遠に忘れられない...
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