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#title(正義のヒーロー)
____________
| __________ |
| | | | 半生 W巣...
| | |> PLAY. | | 出来たら...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| ...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
正義のヒーローになりたかった。
警察官を目指したのはそんな立派な目標を持ってたわけじゃな...
警察官でいることは楽しかった。
制服姿で交番にいるだけで、誰かが頼ってくれる。誰かの力に...
子どものころに夢見た、特別な力を持って悪の組織と戦うヒー...
それなのにあの女性(ひと)は死んだ。
助けてくれと、守ってくれと泣いたあの女性を、警察官の僕た...
愚かにも僕はそうなって初めて気がついたのだ。
警察官は、正義のヒーローじゃない。警察官は人を守れない。...
「先輩」
その日は僕も先輩もひどく酔っていた。
酔いたかったのだ。少なくとも、僕はそうだった。
「正義って、何なんでしょうね」
先輩は答えなかった。
僕たちがあの女性からストーカーの相談を受けていたという事...
僕と先輩が今日あの1枚の書類にサインをした時、彼女の最後...
居酒屋の隅のテレビが、いかにも俗っぽいワイドショーを映し...
あの男は僕も知っている。投資詐欺まがいのことを繰り返して...
警察官は、あいつを捕まえられない。あいつに傷付けられた人...
警察官は法を守る。あいつは、法に守られている。
「あんなクズは死ねばいいのにな……」
すぐ傍でそんな声が聞こえて、驚いた。
「弱い人を守って、ああいう奴を捕まえるのが警官だろう。何...
先輩の低い、悔しげな声。
グラスを握る指は白くなるほど力がこもっている。
「何で俺は、あの男を殴ることもできなかったんだ……!」
先輩の顔が悲痛に歪む。
心が痛んだ。先輩があの男、彼女を殺したストーカー男に殴り...
しかしどれだけ後悔していても、いつかまた同じことがあった...
僕たちは警察官だから。
―
『あんなクズは死ねばいいのにな』
あの日の先輩の吐き捨てるような呟きが甦る。
あれは夢だったはずだ。「正義のヒーロー」と同じ、叶わない...
結局僕らは「警察官」であることしか出来なかったのだ。
ところが。
今僕が手にしている鉄塊は夢でも幻でもない現実だった。
ああ、先輩は、「正義のヒーロー」になろうとしている。
クズばかりを守って大切なものを何ひとつ救えない警察官なん...
手が、胸が震えた。
先輩はもう誰かに正義の鉄槌を下したのだろうか。
ひとつの空きもない弾倉を見て、そうでないことを知る。
分かっていた。先輩は強いけれど、優しくて、臆病だ。だから...
先輩を苦しみから救うのは僕だ。
僕がこの銃を見つけたのはきっと、神の啓示だった。
「あんなクズは死ねばいい」
ロッカールームで一人、口に出してみる。
とてつもなく凶暴で、醜悪で、甘美な響き。
警察官が高潔で清廉なものならば、これはまさしくその正反対...
「あんなクズは、殺せばいい」
――貴方がためらうのなら、僕が代わりにヒーローになろう。
あの時は貴方を止めることしかできなかったけれど、今度は僕...
―
「なあ、聞いたか? 銃殺事件だってよ。こっちじゃこないだ...
「あ、あぁ、そうだな……」
同僚の世間話に先輩は弱々しい相槌を打っている。
薄々は勘付いているのだろう。自分が持っていた拳銃が持ち出...
犯人が僕であることまで気付いてくれるだろうか。
僕がヒーローになったことに、気付いてくれるだろうか。
早く気付いてほしい。「お前がやったんだろう」と言って、「...
早く、先輩もこちら側に来ればいい。
僕は正義のヒーローになった。
引鉄を引くだけで、何十人、何百人もの人を救うことが出来る...
もう三人殺した。人を殺すことも、法を犯すことも怖くなかっ...
先輩は多分もう僕が犯人だと気付いている。
何も言ってはくれないけれど、僕を止めないでいてくれるとい...
冷たい拳銃を撫でる。
足音が聞こえた。腹立たしいほど無防備な。
「クズは死ねばいい」
呟いて、姿を現した悪人に銃口を向ける。
自分は守られているのだと勘違いした馬鹿の間抜け面。
銃声。掌に衝撃。硝煙の臭い。
法がお前らを守っても、僕たちの正義はお前らのようなクズを...
____________
| __________ |
| | | | お察し...
| | □ STOP. | | >>315さ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| ...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
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| | | | ピッ (...
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
正義のヒーローになりたかった。
警察官を目指したのはそんな立派な目標を持ってたわけじゃな...
警察官でいることは楽しかった。
制服姿で交番にいるだけで、誰かが頼ってくれる。誰かの力に...
子どものころに夢見た、特別な力を持って悪の組織と戦うヒー...
それなのにあの女性(ひと)は死んだ。
助けてくれと、守ってくれと泣いたあの女性を、警察官の僕た...
愚かにも僕はそうなって初めて気がついたのだ。
警察官は、正義のヒーローじゃない。警察官は人を守れない。...
「先輩」
その日は僕も先輩もひどく酔っていた。
酔いたかったのだ。少なくとも、僕はそうだった。
「正義って、何なんでしょうね」
先輩は答えなかった。
僕たちがあの女性からストーカーの相談を受けていたという事...
僕と先輩が今日あの1枚の書類にサインをした時、彼女の最後...
居酒屋の隅のテレビが、いかにも俗っぽいワイドショーを映し...
あの男は僕も知っている。投資詐欺まがいのことを繰り返して...
警察官は、あいつを捕まえられない。あいつに傷付けられた人...
警察官は法を守る。あいつは、法に守られている。
「あんなクズは死ねばいいのにな……」
すぐ傍でそんな声が聞こえて、驚いた。
「弱い人を守って、ああいう奴を捕まえるのが警官だろう。何...
先輩の低い、悔しげな声。
グラスを握る指は白くなるほど力がこもっている。
「何で俺は、あの男を殴ることもできなかったんだ……!」
先輩の顔が悲痛に歪む。
心が痛んだ。先輩があの男、彼女を殺したストーカー男に殴り...
しかしどれだけ後悔していても、いつかまた同じことがあった...
僕たちは警察官だから。
―
『あんなクズは死ねばいいのにな』
あの日の先輩の吐き捨てるような呟きが甦る。
あれは夢だったはずだ。「正義のヒーロー」と同じ、叶わない...
結局僕らは「警察官」であることしか出来なかったのだ。
ところが。
今僕が手にしている鉄塊は夢でも幻でもない現実だった。
ああ、先輩は、「正義のヒーロー」になろうとしている。
クズばかりを守って大切なものを何ひとつ救えない警察官なん...
手が、胸が震えた。
先輩はもう誰かに正義の鉄槌を下したのだろうか。
ひとつの空きもない弾倉を見て、そうでないことを知る。
分かっていた。先輩は強いけれど、優しくて、臆病だ。だから...
先輩を苦しみから救うのは僕だ。
僕がこの銃を見つけたのはきっと、神の啓示だった。
「あんなクズは死ねばいい」
ロッカールームで一人、口に出してみる。
とてつもなく凶暴で、醜悪で、甘美な響き。
警察官が高潔で清廉なものならば、これはまさしくその正反対...
「あんなクズは、殺せばいい」
――貴方がためらうのなら、僕が代わりにヒーローになろう。
あの時は貴方を止めることしかできなかったけれど、今度は僕...
―
「なあ、聞いたか? 銃殺事件だってよ。こっちじゃこないだ...
「あ、あぁ、そうだな……」
同僚の世間話に先輩は弱々しい相槌を打っている。
薄々は勘付いているのだろう。自分が持っていた拳銃が持ち出...
犯人が僕であることまで気付いてくれるだろうか。
僕がヒーローになったことに、気付いてくれるだろうか。
早く気付いてほしい。「お前がやったんだろう」と言って、「...
早く、先輩もこちら側に来ればいい。
僕は正義のヒーローになった。
引鉄を引くだけで、何十人、何百人もの人を救うことが出来る...
もう三人殺した。人を殺すことも、法を犯すことも怖くなかっ...
先輩は多分もう僕が犯人だと気付いている。
何も言ってはくれないけれど、僕を止めないでいてくれるとい...
冷たい拳銃を撫でる。
足音が聞こえた。腹立たしいほど無防備な。
「クズは死ねばいい」
呟いて、姿を現した悪人に銃口を向ける。
自分は守られているのだと勘違いした馬鹿の間抜け面。
銃声。掌に衝撃。硝煙の臭い。
法がお前らを守っても、僕たちの正義はお前らのようなクズを...
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