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#title(KING OF MY HERO)
>>16.>>17 すみませんでした。前スレに投下すれば良かった…アド...
そして皆様すみませんでした。気をつけていきま...
>>15の続き 虎&兎 の空折です
・話しの展開の為、オリキャラが出てきます。嫌いな方は注意。 ...
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ルビーに擬態したイワンはヘリに乗り込んで街を見下ろした。
日中のシュテルンビルトは、いくつもの高層ビルに陽の光が反...
これから向かうサウスゴールドは、富裕層の暮らす区域で民家...
計画では一旦某企業ビル屋上のヘリポートに降り、体裁を取り...
んで、自宅へ向かうことになっている。
ヘリが無事にヘリポートへ着くと、風圧と爆音の中アニエスが...
「折紙サイクロン、無茶だけはすんじゃないわよ」
「はい!」
女性の姿をしたイワンは、ヘリの風で翻るスカートをオロオロ...
「はぁ……」
イワンはため息をついて、ソファに深く身をゆだねる。
ボディーガードはあくまでも形だけだったので、すでに裏口か...
もし本当に犯行グループがやってきたら、他のヒーローが投入...
ボディーガードを撤退させたのも、戦闘になったら一般の彼ら...
デメリットは早々に排除すべきというアニエスの意見は最もだ...
『もう、なるようにしかならないな……』
イワンは自分の手を見つめた。何時もの自分の手と違う、一回...
右手で、左腕を掴んでみる。筋肉の隆起を感じない、しっとり...
人の顔だった。
三階建ての洒落た豪邸の中には、イワンしかいない。デジタル...
閉めきった窓のせいで揺らぎすら無い空気に耐えかね、のろの...
テレビを付けると午後のワイドショーが映し出され、そこでは...
≪昨日、最高でしたね!ドラゴンキッドの素早い動きがなかった...
女性アナウンサーが興奮気味に言うと、男性コメンテーターが...
≪いや、皆さんそう思うでしょう?でもね、ヒーローアカデミー...
≪ワイルドタイガーの安定感も最近良いですよね。安心感がある...
「……安心感……」
ぽつりとイワンが呟いた。言われた事の無い言葉。テレビから...
≪でも皆さん、やっぱり……≫
画面の中で何かを言いかけた女性アナウンサーは、出演者全員...
≪ですよね!そうですよね、やっぱり大活躍は我らがスカイハイ...
盛り上がるスタジオの中。そこにある大型モニタにはスカイハ...
イワンの胸がドクンと鳴った。
≪「みなさんの応援のおかげで、私たちは活動ができるのです。...
膝の上においていた手が、気付かぬうちにスカートをぎゅっと...
「僕は……僕は、あなたがいるから活動ができてるんだ……」
イワンは呆然とテレビを見ながら、切なく語りかけるように呟...
見切れることばかりを考え、戦闘そっちのけで夢中になった結...
その度にスカイハイは折紙サイクロンを助け、のちイワンがロ...
――スポンサーを目立たせるっていうのは、我々にとって実は大...
落ち込むイワンの肩ををぽんぽんと叩き、視線を合わせれば歯...
そんな状況を思い出せば思い出す程、イワンの胸は苦しくなっ...
『スポンサーは大切だけど……本当はそれだけじゃだめなのも、...
息が詰まりそうになり、思わず胸に手を当てる。だが、そこに...
『あっ、……うわ……ッ、なんてこと……』
紛れも無い女性の身体に触れてしまい、イワンは思わず顔を赤...
できるだけ意識して触れないようにしてきた、擬態の身体。自...
今のイワンの身体は、依頼者ルビーの身体がそのままコピーさ...
イワンは息を整えると、自分の顔をパシンと両手で打った。
「だめだめ!」
仕事だ、と自身を一喝して、イワンはテレビの中で未だに続く...
しばらくテレビを見入っていたが、犯人グループからの連絡も...
イワンはテレビを消すとカーテンを閉め切った窓に近づき、そ...
眉間に皺を寄せる。違和感を感じたその時だった。警告音とと...
『ボンジュール、ヒーロー。ノースゴールドの銀行で爆破予告...
イワンはゴクリと唾を飲み下した。
「あの、アニエスさん!ぼくは……」
『折紙サイクロンはそのまま任務について。同じ犯行グループ...
「はい……」
イワンは唇を尖らせ、ため息を吐いてまたソファに身体を沈め...
ピンポーン、という間の抜けたチャイムが鳴った。はっと顔を...
全身に沸騰した血液が巡った。五感全てを使って音の方角へ集...
『来た……!!』
ピンポーン、ピンポーンと連続してチャイムが鳴った。
イワンは立ち上がりリビングの入り口へ歩み寄ると、身を隠し...
廊下の奥に見える青い玄関扉から、コンコン、とドアをノック...
『ノック……?これから殺そうとする相手に対して、ノック??』
イワンは手のひらにかいた汗をスカートにこすりつけると、ゆ...
「……っ!どうして」
驚き、一瞬イワンが身を引いた。覗き穴の湾曲したレンズごし...
室内からの反応が無い為か、頭をポリポリと掻き、扉からちょ...
近寄ったスカイハイがコンコン、とドアをノックした。
イワンは電子ロックを解除してから、鍵を捻る。カチャンとい...
隙間から風が吹き込み、同時にはためくマントが視界に入る。...
陽の光に照らされた銀色のボディは眩いばかりだった。額のラ...
「君がルビー・サリバンくんかい?私はスカイハイ!君を守り...
ポカンと見上げるルビー(イワン)に対して、一瞬スカイハイ...
「あー……君がルビー・サリバンくんかい?私はスカイハイ!君...
「すみません、ボーっとして。どうぞ、入ってください」
言って、イワンは視線を逸らすと室内へとスカイハイを誘い、...
擬態をしているイワンから見るスカイハイは、いつも以上に大...
廊下を進むイワンの後ろを、スカイハイが付いて行った。
イワンがソファに座る。
「私もいいかな?」
返答を待たずに、スカイハイはその隣に座った。
驚きと不安が同席した表情で、イワンがスカイハイを見た。
「大丈夫だったかい?何事もなかったかい?」
スカイハイはルビー(イワン)を覗き込むように言った。ルビ...
マスクの奥でどんな表情をしてるんだろう、とイワンは思った...
『スカイハイはシュテルンビルトの市民を守る、優しくて強い...
今まで一度も見られたことのない視点で自身を見つめられてい...
スカイハイは、黙り込んで自分を見つめているルビー(イワン...
そして大きな手で、ぽんぽんとルビー(イワン)の頭を優しく...
「大丈夫だ、心配はいらない。君は私が守る。そして、守る!」
ルビー(イワン)は首から顔までをも真っ赤にして、頷いた。
アナログの壁掛け時計が、かちかちと音を立てて時を刻んでい...
スカイハイがイワンの下へとやって来てから、既に五時間が経...
外は暗くなっているだろうが、カーテンすら閉めきった室内か...
二人はまんじりともせずにソファに座ったまま、殺害予告の時...
スカイハイはたまに大きく息を吐き、手でパタパタとマスクを...
「スカイハイさん……、暑いんですか?」
「え?あ、ああ。いや……」
言い澱むスカイハイを見て、思わずイワンが噴出した。きょと...
ルビー(イワン)が微笑んだ。
「暑いなら、マスクを脱いでも大丈夫ですよ」
「いや、いやいやそれはできない。できないよ」
「大丈夫ですよ、ぼく……私は……あなたの素顔を、見たことある...
スカイハイは押し黙った。ハッとし、咄嗟にルビー(イワン)...
「ち、ちがうんです!あの……アポロンメディアに、見学に行っ...
ごにょごにょと語尾をごまかすと、スカイハイが天井を見上げ...
「あの時かな……でも脱いでなかったと思うのだが……」
「……すごく恰好良かったです」
少々訝しげに首を傾げるスカイハイは、自分を見上げるルビー...
「では、私の正体はヒミツにしてもらえるね?」
「はい」
スカイハイがゆっくりとマスクを脱ぐ。汗が顎から滴り落ち、...
濡れたような金髪が現れ、やがてゆっくりと瞳を開いた。青く...
イワンは思わずぼんやりと口をあけて見とれた。こんなに近く...
キースが白い歯を見せて笑った。
「はじめまして、私がスカイハイだ」
「やっぱり、恰好いいですね……」
キースは照れ臭そうにハハッと笑う。イワンの胸が締め付けら...
『僕は、僕じゃない。これは、イワンに向けての笑顔じゃない...
イワンは自分の変化に戸惑った。呼吸が浅くなり、喉の奥が閉...
まるで全身が絶望を受けて、血液の流れを止めたようだった。
キースは、突然言葉を失ったルビー(イワン)を少々困った顔...
ちいさく「そうか」と呟いて手の平を上に向けるとふんわりと...
擬態したイワンの髪を、キースが作り出した風が優しくなでて...
それは頬に触れて汗ばんだ首筋を通り、部屋の中で柔らかな渦...
イワンは緊張をほぐしながら前髪を揺らしていく風を受け、瞳...
誰に対しても優しい、優しいヒーロー。
一所懸命で努力家のヒーロー。
でも天然で、だからこそ皆からも愛されるヒーロー。
自分が持っていないものを沢山持っていて、それを惜しみなく...
「大好きです」
ルビー(イワン)が思わず呟いた。「え」と言うと、一瞬キー...
キースの目の前に座る女性は、瞳を閉じたまま微笑んでいた。
イワンは穏やかな胸の内を、誰に対しても恥ずかしくない気持...
そんなやましい事だと思っていた事がまるで馬鹿馬鹿しい事の...
皆が愛するヒーローだから、自分だって大好きでいる事に誰が...
「スカイハイさんが好きです。大好きです」
気持ちが抑えられず、言葉が溢れた。薄く口紅をひいた、自分...
「あなたの強いところも、真面目なところも、一所懸命なとこ...
その言葉の最後が不安定に揺れた。
「好きなんです」
不意に、イワンは自分の瞳からボロボロと涙がこぼれている事...
キングオブヒーローが、どんな表情で自分を見ているのかを考...
きっと、“ヒーローに助けに来てもらったファンの興奮している...
涙は腹の底から上がってきて、大粒で落ちていく。
目を閉じて押さえようとしても、柔らかな睫の間をぬって、意...
嗚咽を漏らしながら、腕でゴシゴシと涙を拭いた。
「大丈夫だ。大丈夫だよ」
キースの穏やかな言葉が、イワンの耳に届く。
「君は私の友人に似ている。彼は真面目で、一所懸命だ。そし...
スカイハイのグローブがイワンの髪に触れる。柔らかな綿毛の...
「自分をヒーローに向いてないと言ったり、拗ねたり、私は放...
優しく響く朗々とした語り口を聞きながら、まだ止まらない涙...
キースは言葉を続けた。
「前に、一人で潜入を申し出たことがあってね。それは恐ろし...
「ご、ごめんなさ……」
思わずイワンが謝る。キースは、紫色の瞳から延々と零れ落ち...
「君が謝る必要はない。なにもない。私はそんな、強くて勇気...
スカイハイの親指に、イワンの涙が絡む。今度は人差し指でそ...
「それがどんな気持ちなのかは、まだ解らないけれど……彼を泣...
イワンがそっと目を開ける。目の前には、いつもの白い歯を見...
「ほら、笑ってごらん」
言われて、イワンは嗚咽を漏らしながら笑った。照れ臭そうに...
拍子抜けして、潤んだ瞳をぱちくりさせるイワンを見つめて、...
「やっぱり君は笑顔の方が似合う。とても似合うよ」
言うと、ゆっくりと顔を寄せてイワンの額にキスをした。
結局――。ノースゴールドの爆破予告は本当の事だったものの、...
犯人グループはドラゴンキッドの雷に打たれて一網打尽、逃げ...
なぜか登場しなかったキングオブヒーローに対しての住民から...
そんなことは、緊張が切れてソファで頭を寄せて眠る二人には...
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
あぁぁ最後計算ミスで予定より1レス多くなってしまいました。すみ...
明日の放映がどうなるのか不安だったので、間に合うように投...
ありがとうございました。
- いい!!ありがとう、そしてありがとう! -- &new{2011-08-2...
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>>16.>>17 すみませんでした。前スレに投下すれば良かった…アド...
そして皆様すみませんでした。気をつけていきま...
>>15の続き 虎&兎 の空折です
・話しの展開の為、オリキャラが出てきます。嫌いな方は注意。 ...
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ルビーに擬態したイワンはヘリに乗り込んで街を見下ろした。
日中のシュテルンビルトは、いくつもの高層ビルに陽の光が反...
これから向かうサウスゴールドは、富裕層の暮らす区域で民家...
計画では一旦某企業ビル屋上のヘリポートに降り、体裁を取り...
んで、自宅へ向かうことになっている。
ヘリが無事にヘリポートへ着くと、風圧と爆音の中アニエスが...
「折紙サイクロン、無茶だけはすんじゃないわよ」
「はい!」
女性の姿をしたイワンは、ヘリの風で翻るスカートをオロオロ...
「はぁ……」
イワンはため息をついて、ソファに深く身をゆだねる。
ボディーガードはあくまでも形だけだったので、すでに裏口か...
もし本当に犯行グループがやってきたら、他のヒーローが投入...
ボディーガードを撤退させたのも、戦闘になったら一般の彼ら...
デメリットは早々に排除すべきというアニエスの意見は最もだ...
『もう、なるようにしかならないな……』
イワンは自分の手を見つめた。何時もの自分の手と違う、一回...
右手で、左腕を掴んでみる。筋肉の隆起を感じない、しっとり...
人の顔だった。
三階建ての洒落た豪邸の中には、イワンしかいない。デジタル...
閉めきった窓のせいで揺らぎすら無い空気に耐えかね、のろの...
テレビを付けると午後のワイドショーが映し出され、そこでは...
≪昨日、最高でしたね!ドラゴンキッドの素早い動きがなかった...
女性アナウンサーが興奮気味に言うと、男性コメンテーターが...
≪いや、皆さんそう思うでしょう?でもね、ヒーローアカデミー...
≪ワイルドタイガーの安定感も最近良いですよね。安心感がある...
「……安心感……」
ぽつりとイワンが呟いた。言われた事の無い言葉。テレビから...
≪でも皆さん、やっぱり……≫
画面の中で何かを言いかけた女性アナウンサーは、出演者全員...
≪ですよね!そうですよね、やっぱり大活躍は我らがスカイハイ...
盛り上がるスタジオの中。そこにある大型モニタにはスカイハ...
イワンの胸がドクンと鳴った。
≪「みなさんの応援のおかげで、私たちは活動ができるのです。...
膝の上においていた手が、気付かぬうちにスカートをぎゅっと...
「僕は……僕は、あなたがいるから活動ができてるんだ……」
イワンは呆然とテレビを見ながら、切なく語りかけるように呟...
見切れることばかりを考え、戦闘そっちのけで夢中になった結...
その度にスカイハイは折紙サイクロンを助け、のちイワンがロ...
――スポンサーを目立たせるっていうのは、我々にとって実は大...
落ち込むイワンの肩ををぽんぽんと叩き、視線を合わせれば歯...
そんな状況を思い出せば思い出す程、イワンの胸は苦しくなっ...
『スポンサーは大切だけど……本当はそれだけじゃだめなのも、...
息が詰まりそうになり、思わず胸に手を当てる。だが、そこに...
『あっ、……うわ……ッ、なんてこと……』
紛れも無い女性の身体に触れてしまい、イワンは思わず顔を赤...
できるだけ意識して触れないようにしてきた、擬態の身体。自...
今のイワンの身体は、依頼者ルビーの身体がそのままコピーさ...
イワンは息を整えると、自分の顔をパシンと両手で打った。
「だめだめ!」
仕事だ、と自身を一喝して、イワンはテレビの中で未だに続く...
しばらくテレビを見入っていたが、犯人グループからの連絡も...
イワンはテレビを消すとカーテンを閉め切った窓に近づき、そ...
眉間に皺を寄せる。違和感を感じたその時だった。警告音とと...
『ボンジュール、ヒーロー。ノースゴールドの銀行で爆破予告...
イワンはゴクリと唾を飲み下した。
「あの、アニエスさん!ぼくは……」
『折紙サイクロンはそのまま任務について。同じ犯行グループ...
「はい……」
イワンは唇を尖らせ、ため息を吐いてまたソファに身体を沈め...
ピンポーン、という間の抜けたチャイムが鳴った。はっと顔を...
全身に沸騰した血液が巡った。五感全てを使って音の方角へ集...
『来た……!!』
ピンポーン、ピンポーンと連続してチャイムが鳴った。
イワンは立ち上がりリビングの入り口へ歩み寄ると、身を隠し...
廊下の奥に見える青い玄関扉から、コンコン、とドアをノック...
『ノック……?これから殺そうとする相手に対して、ノック??』
イワンは手のひらにかいた汗をスカートにこすりつけると、ゆ...
「……っ!どうして」
驚き、一瞬イワンが身を引いた。覗き穴の湾曲したレンズごし...
室内からの反応が無い為か、頭をポリポリと掻き、扉からちょ...
近寄ったスカイハイがコンコン、とドアをノックした。
イワンは電子ロックを解除してから、鍵を捻る。カチャンとい...
隙間から風が吹き込み、同時にはためくマントが視界に入る。...
陽の光に照らされた銀色のボディは眩いばかりだった。額のラ...
「君がルビー・サリバンくんかい?私はスカイハイ!君を守り...
ポカンと見上げるルビー(イワン)に対して、一瞬スカイハイ...
「あー……君がルビー・サリバンくんかい?私はスカイハイ!君...
「すみません、ボーっとして。どうぞ、入ってください」
言って、イワンは視線を逸らすと室内へとスカイハイを誘い、...
擬態をしているイワンから見るスカイハイは、いつも以上に大...
廊下を進むイワンの後ろを、スカイハイが付いて行った。
イワンがソファに座る。
「私もいいかな?」
返答を待たずに、スカイハイはその隣に座った。
驚きと不安が同席した表情で、イワンがスカイハイを見た。
「大丈夫だったかい?何事もなかったかい?」
スカイハイはルビー(イワン)を覗き込むように言った。ルビ...
マスクの奥でどんな表情をしてるんだろう、とイワンは思った...
『スカイハイはシュテルンビルトの市民を守る、優しくて強い...
今まで一度も見られたことのない視点で自身を見つめられてい...
スカイハイは、黙り込んで自分を見つめているルビー(イワン...
そして大きな手で、ぽんぽんとルビー(イワン)の頭を優しく...
「大丈夫だ、心配はいらない。君は私が守る。そして、守る!」
ルビー(イワン)は首から顔までをも真っ赤にして、頷いた。
アナログの壁掛け時計が、かちかちと音を立てて時を刻んでい...
スカイハイがイワンの下へとやって来てから、既に五時間が経...
外は暗くなっているだろうが、カーテンすら閉めきった室内か...
二人はまんじりともせずにソファに座ったまま、殺害予告の時...
スカイハイはたまに大きく息を吐き、手でパタパタとマスクを...
「スカイハイさん……、暑いんですか?」
「え?あ、ああ。いや……」
言い澱むスカイハイを見て、思わずイワンが噴出した。きょと...
ルビー(イワン)が微笑んだ。
「暑いなら、マスクを脱いでも大丈夫ですよ」
「いや、いやいやそれはできない。できないよ」
「大丈夫ですよ、ぼく……私は……あなたの素顔を、見たことある...
スカイハイは押し黙った。ハッとし、咄嗟にルビー(イワン)...
「ち、ちがうんです!あの……アポロンメディアに、見学に行っ...
ごにょごにょと語尾をごまかすと、スカイハイが天井を見上げ...
「あの時かな……でも脱いでなかったと思うのだが……」
「……すごく恰好良かったです」
少々訝しげに首を傾げるスカイハイは、自分を見上げるルビー...
「では、私の正体はヒミツにしてもらえるね?」
「はい」
スカイハイがゆっくりとマスクを脱ぐ。汗が顎から滴り落ち、...
濡れたような金髪が現れ、やがてゆっくりと瞳を開いた。青く...
イワンは思わずぼんやりと口をあけて見とれた。こんなに近く...
キースが白い歯を見せて笑った。
「はじめまして、私がスカイハイだ」
「やっぱり、恰好いいですね……」
キースは照れ臭そうにハハッと笑う。イワンの胸が締め付けら...
『僕は、僕じゃない。これは、イワンに向けての笑顔じゃない...
イワンは自分の変化に戸惑った。呼吸が浅くなり、喉の奥が閉...
まるで全身が絶望を受けて、血液の流れを止めたようだった。
キースは、突然言葉を失ったルビー(イワン)を少々困った顔...
ちいさく「そうか」と呟いて手の平を上に向けるとふんわりと...
擬態したイワンの髪を、キースが作り出した風が優しくなでて...
それは頬に触れて汗ばんだ首筋を通り、部屋の中で柔らかな渦...
イワンは緊張をほぐしながら前髪を揺らしていく風を受け、瞳...
誰に対しても優しい、優しいヒーロー。
一所懸命で努力家のヒーロー。
でも天然で、だからこそ皆からも愛されるヒーロー。
自分が持っていないものを沢山持っていて、それを惜しみなく...
「大好きです」
ルビー(イワン)が思わず呟いた。「え」と言うと、一瞬キー...
キースの目の前に座る女性は、瞳を閉じたまま微笑んでいた。
イワンは穏やかな胸の内を、誰に対しても恥ずかしくない気持...
そんなやましい事だと思っていた事がまるで馬鹿馬鹿しい事の...
皆が愛するヒーローだから、自分だって大好きでいる事に誰が...
「スカイハイさんが好きです。大好きです」
気持ちが抑えられず、言葉が溢れた。薄く口紅をひいた、自分...
「あなたの強いところも、真面目なところも、一所懸命なとこ...
その言葉の最後が不安定に揺れた。
「好きなんです」
不意に、イワンは自分の瞳からボロボロと涙がこぼれている事...
キングオブヒーローが、どんな表情で自分を見ているのかを考...
きっと、“ヒーローに助けに来てもらったファンの興奮している...
涙は腹の底から上がってきて、大粒で落ちていく。
目を閉じて押さえようとしても、柔らかな睫の間をぬって、意...
嗚咽を漏らしながら、腕でゴシゴシと涙を拭いた。
「大丈夫だ。大丈夫だよ」
キースの穏やかな言葉が、イワンの耳に届く。
「君は私の友人に似ている。彼は真面目で、一所懸命だ。そし...
スカイハイのグローブがイワンの髪に触れる。柔らかな綿毛の...
「自分をヒーローに向いてないと言ったり、拗ねたり、私は放...
優しく響く朗々とした語り口を聞きながら、まだ止まらない涙...
キースは言葉を続けた。
「前に、一人で潜入を申し出たことがあってね。それは恐ろし...
「ご、ごめんなさ……」
思わずイワンが謝る。キースは、紫色の瞳から延々と零れ落ち...
「君が謝る必要はない。なにもない。私はそんな、強くて勇気...
スカイハイの親指に、イワンの涙が絡む。今度は人差し指でそ...
「それがどんな気持ちなのかは、まだ解らないけれど……彼を泣...
イワンがそっと目を開ける。目の前には、いつもの白い歯を見...
「ほら、笑ってごらん」
言われて、イワンは嗚咽を漏らしながら笑った。照れ臭そうに...
拍子抜けして、潤んだ瞳をぱちくりさせるイワンを見つめて、...
「やっぱり君は笑顔の方が似合う。とても似合うよ」
言うと、ゆっくりと顔を寄せてイワンの額にキスをした。
結局――。ノースゴールドの爆破予告は本当の事だったものの、...
犯人グループはドラゴンキッドの雷に打たれて一網打尽、逃げ...
なぜか登場しなかったキングオブヒーローに対しての住民から...
そんなことは、緊張が切れてソファで頭を寄せて眠る二人には...
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
あぁぁ最後計算ミスで予定より1レス多くなってしまいました。すみ...
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作品一覧
シリーズものインデックス3
シリーズものインデックス2
シリーズものインデックス
第71巻
第70巻
第69巻
第68巻
第67巻
第66巻
第65巻
第64巻
第63巻
第62巻
第61巻
第60巻
第59巻
第58巻
第57巻
第56巻
第55巻
第54巻
第53巻
第52巻
第51巻
第50巻
第49巻
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第47巻
第46巻
第45巻
第44巻
第43巻
第42巻
第41巻
第40巻
第39巻
第38巻
第37巻
第36巻
第35巻
第34巻
第33巻
第32巻
第31巻
第30巻
第29巻
第28巻
第27巻
第26巻
第25巻
第24巻
第23巻
第22巻
第21巻
第20巻
第19巻
第18巻
第17巻
第16巻
第15巻
第14巻
第13巻
第12巻
第11巻
第10巻
第9巻
第8巻
第7巻
第6巻
第5巻
第4巻
第3.1巻
第3巻
第2巻
第1巻
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