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63-163
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#title(弟者×兄者 「1と9」)
某神話モノのAA小説の弟者×兄者です。ほぼ愛なし鬼畜で色んな...
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
俺と同じその顔は滅多に表情を変えることはなく。
俺と同じその声音は殆どの場合抑揚がなく。
俺と全く同じ遺伝子のはずなのに。だけれど。だからこそ、
だから。
俺は、兄者が嫌いだ。
二人分の体重を支えるベッドからぎしりと悲鳴が聞こえる。
そろそろ買い換えるかなあ。まあ、いざとなったら床ですれば...
そんなことを考えながら組み敷いた兄を見下ろすと、そいつは...
「ベッド、壊れるぞ」
ああ、こんな微妙なところでシンクロとかどうなんだよ。
つーか今この状況で相変わらずの無表情とかほんと死ね。
「いいんだよ、そんなの……それより、」
ぞんざいに言いながらスタンドに手を伸ばし、ペン立ての中に...
「これ、何だと思う?」
兄はしばらく考え込んでから「医療器具?」と答えた。まあ、...
「ハズレ。これはぁ」
兄のズボンに手をかけ、下着ごと一気に引きずり下ろす。
一瞬だけ身体がびくりと反応したような気がして一気にテンシ...
「兄者のここに突っ込む用の棒だよ」
意地悪く耳元で囁き、兄のペニスの尿道口を指でなぞる。
衝撃的であろうことを告げられた反応を伺おうと顔を覗き込む...
「なるほど、カテーテルというやつか。だが生憎俺はそういう...
こいつと話しても時間の無駄だ。……昔から分かっていたことだ...
俺は言葉責めを諦めてさっさと目的を遂行することにした。
左手で兄の萎えたペニスを掴み、右手で通販で買ったばかりの...
それは拡張用でもあるらしく、サイズの違うものが5本セットに...
しかし俺の目的は拡張ではないので、今手にしているのはその...
俺の目的。兄者を組み敷く目的はいつも同じだ。
それは愛とか快楽とかでは断じてない。そんなの想像するだけ...
俺の目的。ただのストレス解消。
それは、けれど俺にとっては非常に重要な大切なことだった。
「なあ、弟者」
兄が何かを言いかけた。
しかし俺は既に話すをする必要はないと結論を出した後だった...
「お前はどうして――」
俺に何かを問いかけようとしたらしい言葉は最後まで発せられ...
兄の口からはその代わりにひゅっと間抜けな音をした息が零れ...
何の予告も予備動作もなく、強引に尿道にバイブを突っ込んだ。
本当は消毒したりローションを塗ったり、色々面倒なことをし...
尿道用にしてはそれなりの太さを持ったそれは少し挿れたとこ...
奥へ奥へと押し進める度に兄はくぐもった呻き声を上げた。
それが無性に面白くて、持ち手まで全部挿れてやろうと俺は益...
「うっ、ぐ……ぁ゛っ」
ああ、愉しい。なんて愉しいんだろう。
この兄の家族として、弟として生活を送らなければならない日...
それにしても。
普段の忌々しい無表情を歪めることが目的なら、やはり兄には...
一度精液が出なくなるまでヌいてみたが反応はすこぶる悪かっ...
きっと不感症に違いない。だから無駄に可愛い彼女がいるくせ...
……なんだかまた腹が立ってきた。後でディルドでも注文してお...
「あ゛、い……ちょっ、お、弟者……」
尻穴用とか初心者用とかもあるらしいが、俺は兄想いだから膣...
「ぃ、いたい。こ、れ、ちょっ、とっ……マジで痛いんだが」
こいつのことだからもし腸が裂けたって絆創膏でも貼って放っ...
「っ、弟者、弟者、痛い。痛いって」
「……んだよ、うるさいな」
話さないと割と最近決めたばかりだったのに、あまりにもうる...
「痛いです」
「痛くしてんだよ」
「なん……だと……」
何故かショックを受けたような口ぶりの兄を尻目に、バイブの...
殆どが尿道に埋まったそれは、電子音を立てながら軽く振動し...
「ぅあっ……おっ、弟者、ま、まって。タイム、タイム」
「うるさいと言ってるだろう」
兄が呻き声の合間にしきりに制止を訴える。今までは殆ど無反...
そのことに戸惑う反面、マグロだった兄がささやかながら抵抗...
やはり思い切って買ってよかった。次からはSMでいこう。
「こ、これ、は、性行為、だよな?」
「……まあ、一応そうだな」
「じゃ、あっ、……うっ……なん、で……」
分からない。分からないと兄はしきりに繰り返す。
「何が分からないんだよ?」
「性行為、とは、好き、だからっ……やる、ん、じゃ……」
「は?」
「好きなの、に……ぁ゛っ、んで、痛い、ことっ、」
一瞬思考が飛んだ。飛んで大気圏に突入した。
何こいつこわい。
もしかして俺が自分のことを好きだと思ってた?
俺が自分のことを好きだから親や妹者が留守の度に強姦してる...
だから今まで抵抗しなかった?
なにそれこわい。
「……実は俺、変態なんだ。朴念仁な兄者は知らないかもしれな...
俺は上半身を起こして辺りを見回した。
調度ギリギリで手が届く位置に殺虫スプレーがあった。あれで...
「変態、なのは、し、ってる……」
スプレーを手に取る。中身はまだたっぷりと入っているようで...
少し勿体ない気がするが……まあいいか。
「そう、か。なら……っ、仕方、……」
噴出口を上に向ける。
勿体ない。でも、調度いいんじゃないか。
ほら。これならもしかしたら消毒代わりになるかもしれないこ...
まあ多分無理だろうが。
「んなわけないだろう」
兄の下半身を持ち上げる。
尿道で暴れ続けるバイブの振動に身体は強張っていたが強引に...
「――ッ?!」
スプレーの噴出口を肛門に挿れた途端、兄は目を見開き声のな...
続いて人差し指と親指も突っ込んでなんとか引き金を引くと小...
それが面白くて、俺は反応がなくなるまで何度も繰り返す。
やがてそれにも飽き、スプレーの本体も押し込もうと兄の脚を...
ごきり、と嫌な音がした。
兄がなにやら言っているが当初の予定通り聞こえないことにし...
スプレーの底を思い切り殴りつける。
ぶつり、と嫌な音がした。
構わず何度も殴り続けえるとスプレーは半分以上埋まった。
今度こそ兄は普段からは想像もつかない高い声で悲鳴を上げる。
うるさいな。近所迷惑だ。
ハンカチとティッシュを丸めて兄の口に詰め込む。
すると悲鳴は呻き声に代わり、それはやがてすすり泣くような...
すごい。こんな兄は初めて見た。
いつもこんななら、ちょっとは好きになれるかもしれない。
……いや。それは有り得ない。
俺が俺で兄が兄である限り。
「お前なんて、好きなわけないだろ。化け物のくせに」
兄が虚ろな目で俺を見上げる。その弱々しい姿が。まるで人間...
ひどく、愉しい。気持ちいい。ゾクゾクする。
「どういう思考回路をしたら自分が好かれてるなんて思えるん...
「どうして泣いてるんだ?化け物のくせに」
「痛いのか?化け物のくせに」
「それとも俺に嫌われてると分かってショックだったのか?化...
化け物。化け物。化け物化け物化け物化け物。
俺はこわれたように、呪いのように「化け物」と兄を罵った。
「……違うな。お前が化け物なのは事実なんだから」
罵ってなんかいない。そう、ただ本当のことを言っているだけ。
なのに兄は目を細めて俺を見た。まるで傷ついたように。否定...
「どうしてそんな顔をするんだ?こんな時にまで人間の真似は...
けれど兄は人間の真似をやめない。化け物のくせに。
兄が、こいつが人間の真似をするのが一番嫌だった。
全て知っている俺の前ですら人間の真似をやめることはない。
それが一番嫌だった。
俺と兄は同時に生まれて、顔も同じで声も同じで遺伝子も同じ...
兄がその本性を、その本音を俺の前に、ただの人間である俺の...
きっとたとえそれが、遠い過去であっても遠い未来であっても。
どんな時間軸のどんな俺であったとしても。
それが一番嫌だった。
けれど俺がどんなに兄に詰っても、1と9はあまりにも遠すぎて――
「――う、ぐ、ぅううぅっ!」
今までの鬱憤を全て込めたような渾身の力でスプレーを殴ると...
兄は糸が切れたようにぱたりとベッドに突っ伏し動かなくなる。
肛門と尿道から流れ出た血で出来た血溜りに倒れている姿はど...
どうやら気絶したようだ。化け物のくせに。
掃除するのも面倒くさいので、尿道にスイッチONのバイブが、...
……まあ、俺は兄想いだから、教団には連絡しといてやろう。
************************************** [#n6c1df3b]
「俺はれっきとした人間だぞ?」
自らの血で出来た血溜りの中に、俺は蹲っていた。
これのどこが人間なんだ、化け物め。
口の中で何度も「化け物」と毒づく。
兄はそんな俺を見透かしているのかいないのか、またさっきの...
「なぁ、弟者」
兄が何か糞難しいことを言っている。
けれど傷を負った部分があまりにも熱くて中々頭の中に入って...
「もうすぐ俺はこの時間を修正して、お前とのこの全てをなか...
ああ、そうか。
なら今度はもっと良い関係を築けたらいいな。
次の俺は今の俺を覚えていないだろうが、せめて今この時間軸...
「折角だから、俺の精神の安定と、ある一つの可能性を引き起...
忘却するお前への選別に、俺の胸の内を少しだけ聞かせてやろ...
――?
今、なんて。
『恨めしい。憎らしい。羨ましい。』
確かにそう言った。
兄が俺のことを、恨めしいと。憎らしいと。羨ましいと。
「……なんだよ、それ。化け物のくせに」
いつだって本音を見せないで。ただの人間に過ぎない俺を見下...
なのに、羨ましい?
羨ましいのは俺の方だ。
今だって、この時間を覚えているのは兄だけで、俺は忘れてし...
せっかく兄の本音を知れたこの時間を、兄の手によってもうす...
兄が笑う。世界が歪み、闇に包まれる。世界が変わる。
もう終わりか。今の俺と、今のこの感情とは永遠にさよならか。
ならばその前に、と目前の兄に手を伸ばすが届かない。
人間が欲しがる物を全て持ってるくせに俺の何がそんなに羨ま...
笑っているのになぜ今にも泣き出しそうな顔をしているのか聞...
あの時、何を言いかけたのか聞きたくて。
引き千切れそうなほど精一杯手を伸ばす。けれどやはり届かな...
『割合が9:1ではなく7:3であったならば』
さっき兄はそう言った。
俺が3ならば、この手は届いただろうか?
いっそ0ならば、こんな苦しい思いをしてまで手を伸ばそうとも...
けれどどの時間軸でも、俺が俺で兄が兄である限り俺は1で兄は...
そして、1と9ではあまりにも遠すぎて――伸ばした手は、きっと...
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
書き忘れた…
弟者は自分と兄者の出自も全部知ってる時間軸な話です
- 兄者受け -- &new{2011-02-27 (日) 18:10:13};
- 元ネタをすごく知りたい -- &new{2011-04-15 (金) 01:39:5...
- 多分【恋われたいようです】が元ネタでは? -- &new{2011-...
- ブーン系小説だったけど普通に読めてしまった -- &new{201...
- 本人にバレてるけどギリギリ許容してくれてるみたい -- &n...
- バレてるけどってお前がバラしたんだろ -- &new{2012-03-0...
- 乙! -- &new{2015-03-05 (木) 00:48:34};
#comment
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#title(弟者×兄者 「1と9」)
某神話モノのAA小説の弟者×兄者です。ほぼ愛なし鬼畜で色んな...
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
俺と同じその顔は滅多に表情を変えることはなく。
俺と同じその声音は殆どの場合抑揚がなく。
俺と全く同じ遺伝子のはずなのに。だけれど。だからこそ、
だから。
俺は、兄者が嫌いだ。
二人分の体重を支えるベッドからぎしりと悲鳴が聞こえる。
そろそろ買い換えるかなあ。まあ、いざとなったら床ですれば...
そんなことを考えながら組み敷いた兄を見下ろすと、そいつは...
「ベッド、壊れるぞ」
ああ、こんな微妙なところでシンクロとかどうなんだよ。
つーか今この状況で相変わらずの無表情とかほんと死ね。
「いいんだよ、そんなの……それより、」
ぞんざいに言いながらスタンドに手を伸ばし、ペン立ての中に...
「これ、何だと思う?」
兄はしばらく考え込んでから「医療器具?」と答えた。まあ、...
「ハズレ。これはぁ」
兄のズボンに手をかけ、下着ごと一気に引きずり下ろす。
一瞬だけ身体がびくりと反応したような気がして一気にテンシ...
「兄者のここに突っ込む用の棒だよ」
意地悪く耳元で囁き、兄のペニスの尿道口を指でなぞる。
衝撃的であろうことを告げられた反応を伺おうと顔を覗き込む...
「なるほど、カテーテルというやつか。だが生憎俺はそういう...
こいつと話しても時間の無駄だ。……昔から分かっていたことだ...
俺は言葉責めを諦めてさっさと目的を遂行することにした。
左手で兄の萎えたペニスを掴み、右手で通販で買ったばかりの...
それは拡張用でもあるらしく、サイズの違うものが5本セットに...
しかし俺の目的は拡張ではないので、今手にしているのはその...
俺の目的。兄者を組み敷く目的はいつも同じだ。
それは愛とか快楽とかでは断じてない。そんなの想像するだけ...
俺の目的。ただのストレス解消。
それは、けれど俺にとっては非常に重要な大切なことだった。
「なあ、弟者」
兄が何かを言いかけた。
しかし俺は既に話すをする必要はないと結論を出した後だった...
「お前はどうして――」
俺に何かを問いかけようとしたらしい言葉は最後まで発せられ...
兄の口からはその代わりにひゅっと間抜けな音をした息が零れ...
何の予告も予備動作もなく、強引に尿道にバイブを突っ込んだ。
本当は消毒したりローションを塗ったり、色々面倒なことをし...
尿道用にしてはそれなりの太さを持ったそれは少し挿れたとこ...
奥へ奥へと押し進める度に兄はくぐもった呻き声を上げた。
それが無性に面白くて、持ち手まで全部挿れてやろうと俺は益...
「うっ、ぐ……ぁ゛っ」
ああ、愉しい。なんて愉しいんだろう。
この兄の家族として、弟として生活を送らなければならない日...
それにしても。
普段の忌々しい無表情を歪めることが目的なら、やはり兄には...
一度精液が出なくなるまでヌいてみたが反応はすこぶる悪かっ...
きっと不感症に違いない。だから無駄に可愛い彼女がいるくせ...
……なんだかまた腹が立ってきた。後でディルドでも注文してお...
「あ゛、い……ちょっ、お、弟者……」
尻穴用とか初心者用とかもあるらしいが、俺は兄想いだから膣...
「ぃ、いたい。こ、れ、ちょっ、とっ……マジで痛いんだが」
こいつのことだからもし腸が裂けたって絆創膏でも貼って放っ...
「っ、弟者、弟者、痛い。痛いって」
「……んだよ、うるさいな」
話さないと割と最近決めたばかりだったのに、あまりにもうる...
「痛いです」
「痛くしてんだよ」
「なん……だと……」
何故かショックを受けたような口ぶりの兄を尻目に、バイブの...
殆どが尿道に埋まったそれは、電子音を立てながら軽く振動し...
「ぅあっ……おっ、弟者、ま、まって。タイム、タイム」
「うるさいと言ってるだろう」
兄が呻き声の合間にしきりに制止を訴える。今までは殆ど無反...
そのことに戸惑う反面、マグロだった兄がささやかながら抵抗...
やはり思い切って買ってよかった。次からはSMでいこう。
「こ、これ、は、性行為、だよな?」
「……まあ、一応そうだな」
「じゃ、あっ、……うっ……なん、で……」
分からない。分からないと兄はしきりに繰り返す。
「何が分からないんだよ?」
「性行為、とは、好き、だからっ……やる、ん、じゃ……」
「は?」
「好きなの、に……ぁ゛っ、んで、痛い、ことっ、」
一瞬思考が飛んだ。飛んで大気圏に突入した。
何こいつこわい。
もしかして俺が自分のことを好きだと思ってた?
俺が自分のことを好きだから親や妹者が留守の度に強姦してる...
だから今まで抵抗しなかった?
なにそれこわい。
「……実は俺、変態なんだ。朴念仁な兄者は知らないかもしれな...
俺は上半身を起こして辺りを見回した。
調度ギリギリで手が届く位置に殺虫スプレーがあった。あれで...
「変態、なのは、し、ってる……」
スプレーを手に取る。中身はまだたっぷりと入っているようで...
少し勿体ない気がするが……まあいいか。
「そう、か。なら……っ、仕方、……」
噴出口を上に向ける。
勿体ない。でも、調度いいんじゃないか。
ほら。これならもしかしたら消毒代わりになるかもしれないこ...
まあ多分無理だろうが。
「んなわけないだろう」
兄の下半身を持ち上げる。
尿道で暴れ続けるバイブの振動に身体は強張っていたが強引に...
「――ッ?!」
スプレーの噴出口を肛門に挿れた途端、兄は目を見開き声のな...
続いて人差し指と親指も突っ込んでなんとか引き金を引くと小...
それが面白くて、俺は反応がなくなるまで何度も繰り返す。
やがてそれにも飽き、スプレーの本体も押し込もうと兄の脚を...
ごきり、と嫌な音がした。
兄がなにやら言っているが当初の予定通り聞こえないことにし...
スプレーの底を思い切り殴りつける。
ぶつり、と嫌な音がした。
構わず何度も殴り続けえるとスプレーは半分以上埋まった。
今度こそ兄は普段からは想像もつかない高い声で悲鳴を上げる。
うるさいな。近所迷惑だ。
ハンカチとティッシュを丸めて兄の口に詰め込む。
すると悲鳴は呻き声に代わり、それはやがてすすり泣くような...
すごい。こんな兄は初めて見た。
いつもこんななら、ちょっとは好きになれるかもしれない。
……いや。それは有り得ない。
俺が俺で兄が兄である限り。
「お前なんて、好きなわけないだろ。化け物のくせに」
兄が虚ろな目で俺を見上げる。その弱々しい姿が。まるで人間...
ひどく、愉しい。気持ちいい。ゾクゾクする。
「どういう思考回路をしたら自分が好かれてるなんて思えるん...
「どうして泣いてるんだ?化け物のくせに」
「痛いのか?化け物のくせに」
「それとも俺に嫌われてると分かってショックだったのか?化...
化け物。化け物。化け物化け物化け物化け物。
俺はこわれたように、呪いのように「化け物」と兄を罵った。
「……違うな。お前が化け物なのは事実なんだから」
罵ってなんかいない。そう、ただ本当のことを言っているだけ。
なのに兄は目を細めて俺を見た。まるで傷ついたように。否定...
「どうしてそんな顔をするんだ?こんな時にまで人間の真似は...
けれど兄は人間の真似をやめない。化け物のくせに。
兄が、こいつが人間の真似をするのが一番嫌だった。
全て知っている俺の前ですら人間の真似をやめることはない。
それが一番嫌だった。
俺と兄は同時に生まれて、顔も同じで声も同じで遺伝子も同じ...
兄がその本性を、その本音を俺の前に、ただの人間である俺の...
きっとたとえそれが、遠い過去であっても遠い未来であっても。
どんな時間軸のどんな俺であったとしても。
それが一番嫌だった。
けれど俺がどんなに兄に詰っても、1と9はあまりにも遠すぎて――
「――う、ぐ、ぅううぅっ!」
今までの鬱憤を全て込めたような渾身の力でスプレーを殴ると...
兄は糸が切れたようにぱたりとベッドに突っ伏し動かなくなる。
肛門と尿道から流れ出た血で出来た血溜りに倒れている姿はど...
どうやら気絶したようだ。化け物のくせに。
掃除するのも面倒くさいので、尿道にスイッチONのバイブが、...
……まあ、俺は兄想いだから、教団には連絡しといてやろう。
************************************** [#n6c1df3b]
「俺はれっきとした人間だぞ?」
自らの血で出来た血溜りの中に、俺は蹲っていた。
これのどこが人間なんだ、化け物め。
口の中で何度も「化け物」と毒づく。
兄はそんな俺を見透かしているのかいないのか、またさっきの...
「なぁ、弟者」
兄が何か糞難しいことを言っている。
けれど傷を負った部分があまりにも熱くて中々頭の中に入って...
「もうすぐ俺はこの時間を修正して、お前とのこの全てをなか...
ああ、そうか。
なら今度はもっと良い関係を築けたらいいな。
次の俺は今の俺を覚えていないだろうが、せめて今この時間軸...
「折角だから、俺の精神の安定と、ある一つの可能性を引き起...
忘却するお前への選別に、俺の胸の内を少しだけ聞かせてやろ...
――?
今、なんて。
『恨めしい。憎らしい。羨ましい。』
確かにそう言った。
兄が俺のことを、恨めしいと。憎らしいと。羨ましいと。
「……なんだよ、それ。化け物のくせに」
いつだって本音を見せないで。ただの人間に過ぎない俺を見下...
なのに、羨ましい?
羨ましいのは俺の方だ。
今だって、この時間を覚えているのは兄だけで、俺は忘れてし...
せっかく兄の本音を知れたこの時間を、兄の手によってもうす...
兄が笑う。世界が歪み、闇に包まれる。世界が変わる。
もう終わりか。今の俺と、今のこの感情とは永遠にさよならか。
ならばその前に、と目前の兄に手を伸ばすが届かない。
人間が欲しがる物を全て持ってるくせに俺の何がそんなに羨ま...
笑っているのになぜ今にも泣き出しそうな顔をしているのか聞...
あの時、何を言いかけたのか聞きたくて。
引き千切れそうなほど精一杯手を伸ばす。けれどやはり届かな...
『割合が9:1ではなく7:3であったならば』
さっき兄はそう言った。
俺が3ならば、この手は届いただろうか?
いっそ0ならば、こんな苦しい思いをしてまで手を伸ばそうとも...
けれどどの時間軸でも、俺が俺で兄が兄である限り俺は1で兄は...
そして、1と9ではあまりにも遠すぎて――伸ばした手は、きっと...
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
書き忘れた…
弟者は自分と兄者の出自も全部知ってる時間軸な話です
- 兄者受け -- &new{2011-02-27 (日) 18:10:13};
- 元ネタをすごく知りたい -- &new{2011-04-15 (金) 01:39:5...
- 多分【恋われたいようです】が元ネタでは? -- &new{2011-...
- ブーン系小説だったけど普通に読めてしまった -- &new{201...
- 本人にバレてるけどギリギリ許容してくれてるみたい -- &n...
- バレてるけどってお前がバラしたんだろ -- &new{2012-03-0...
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作品一覧
シリーズものインデックス3
シリーズものインデックス2
シリーズものインデックス
第71巻
第70巻
第69巻
第68巻
第67巻
第66巻
第65巻
第64巻
第63巻
第62巻
第61巻
第60巻
第59巻
第58巻
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第41巻
第40巻
第39巻
第38巻
第37巻
第36巻
第35巻
第34巻
第33巻
第32巻
第31巻
第30巻
第29巻
第28巻
第27巻
第26巻
第25巻
第24巻
第23巻
第22巻
第21巻
第20巻
第19巻
第18巻
第17巻
第16巻
第15巻
第14巻
第13巻
第12巻
第11巻
第10巻
第9巻
第8巻
第7巻
第6巻
第5巻
第4巻
第3.1巻
第3巻
第2巻
第1巻
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