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#title(三匹が斬る! 殿様×千石 「夢路愛し君恋し Part3」)
>>1乙です。
時代劇「参匹がKILL!」より、素浪人の殿様×仙石。
前スレ>>280の続きで、今回はエロなし。
全三回投下の最後です。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
朝まだき、淡い闇の中で、真之介はぼんやりと目を開けた。
空気は冷たいのに思いの外身体が冷えていないのは、上にかけ...
静かな呼吸の音に気付き、大きく目を開いた。兵四郎の胸が目...
慌てて離れ上体を起こし、急に立ち上がった真之介は、腰に重...
兵四郎は真之介が動いた気配に目を覚ました。寝ぼけまなこで...
「おはよう、仙石。お前そんなとこで、何をやってるんだ」
「う、う……うるせえっ」
ばつの悪さに悪態をついた真之介は、柱から手を離して逃げよ...
さすがに様子のおかしさに気付いた兵四郎は、腰を上げて真之...
「どうしたんだ、大丈夫か」
「だ、大丈夫だ!構うな、ほっとけっ」
「そうはいかん。腰を抜かしたのは、俺が夕べかわいがり過ぎた...
「ちっ、違う!こ、腰なんか、抜かしてないっ」
「そうか?じゃあどうして、そんな風に座り込んでいるんだ」
苦笑して尋ねる兵四郎に、顔を真っ赤にした真之介はあくまで...
「これは、だから、そのう……そうだ、腹が減り過ぎて、脚に力が...
「わかったわかった。なら水を汲んで来てやるから、とりあえず...
真之介に調子を合わせた兵四郎は土間に降り立ち、辺りを物色...
「……殿様、俺に構わんでいいから、先に行けよ」
「仙石、そう言うな。実は、俺は今少しばかり、懐が暖かいんだ...
「なにぃ、奢るだと!?ほっ、ほんとか、殿様!」
「本当だとも。だから、一緒に行こう。いいな、仙石」
まんまと餌につられ、こくこくと頷く真之介を見て、これでひ...
杓で川から水を掬い、とりあえず自分の喉を潤していると、少...
「あれっ、おーい!殿様じゃない?あ、やっぱり殿様だ!」
「殿様ぁ!偶然ねえ、こんな所で会うなんて」
旅仲間の鍔黒陣内とお恵は思わぬ再会に喜び、嬉しそうに駆け...
「なんだお前達、こんな近くにいたのか」
「ほんとね、びっくりしたわ。こんなことってあるのねえ」
「殿様、仙石の奴は一緒なの?」
「ああ、一緒だ。とにかく、中に入って話さんか」
「ちょっと待ってて。顔を洗って、荷物取って来るからさ」
小屋の方に戻るふたりに頷いて、兵四郎は先に真之介の待つ中...
杓の水を飲み干した真之介は、少し元気を取り戻した。側の小...
「お前ら、ひとつ屋根の下で寝たのか。大丈夫かお恵ちゃん、こ...
「やだなあ、仙石ぅ。俺がこんな大根足の娘、襲うわけないでし...
「何よ、大根足で悪かったわねっ」
手甲脚半を身に付けて旅仕度をしていたお恵は、陣内の耳を摘...
「ほんとはね、あたし達この先の宿場まで足を延ばして、そこに...
「そうなの。でもあの井戸の水を飲んで歩いてたら、あそこの小...
土間に足を下ろして床に腰掛けたふたりは、ねえ、不思議だよ...
「その井戸というのは、ここから少し行った竹林の中の、横に小...
「そうそう、それそれ。殿様、よく知ってるね」
「あたし達その井戸の噂を聞いて、水を飲みに寄ったのよ」
「おいおいお前ら、井戸だの噂だの、一体なんの話なんだ」
話にさっぱりついていけない真之介が、懐に入れた手でぼりぼ...
「仙石、街道脇の竹林にある井戸を見なかったか。俺達は、そこ...
「いや、知らん。俺は道をそのまま歩いて来た」
兵四郎の言葉に、陣内とお恵は驚いた。
「えっ、じゃあ殿様も飲んだの、あの水」
「ああ。噂とやらは知らんが、竹林の見事さに道を外れて眺めて...
「ふうん、そうなの。ねえ、じゃあ、夢を見なかった?」
「夢?夢がどうした」
夢と聞いて兵四郎は驚いたが、何食わぬ顔をしてお恵に訊いた...
「あそこはね、ここいらじゃわりと有名な井戸で、お参りしてか...
「水を飲んでから眠って見た夢に、その人が一番欲している物が...
「御利益が無ければただの水なんだけど、それでもやたらに美味...
「その点俺達、御利益ばっちりだったよね。しっかり、夢見ちゃ...
ねーっ、と嬉しそうに笑い合うふたりの言葉に、兵四郎はます...
思わず後ろにいる真之介を見やると、やや顔を赤らめて、なん...
兵四郎の視線に気付くと、軽く睨んでから勢いよくそっぽを向...
「それでお前達、どんな夢を見たんだ」
「それがね、聞いてよ殿様!すごいんだよ、陣ちゃん、山吹色の...
も、ほんとすごいの。小判が俺の周りにこう、どばーっと、ざ...
「殿様、あたしはね、小綺麗な小料理屋をやってる夢。近所に住...
粋な感じのお客さんが多かったから、あれは江戸だったかもし...
「そうか、なかなかいい夢を見たんだな」
「うん、陣ちゃん幸せ!あれはねえ、正夢になるよ絶対」
「ねえねえ、殿様も見たんでしょ?どんな夢だったの」
教えて教えてとにじり寄るふたりに、兵四郎は困って真之介を...
真之介は急に立ち上がると、はしゃぐ仲間を怒鳴り付けた。
「あーっ、うるさい!夢がどうのと、くだらんっ。俺は、もう一...
床を踏み鳴らして奥へ向かおうとしたが、歩くうちに勢いをな...
陣内とお恵はぽかんとしてそれを見送ったが、気を取り直して...
「何あれ。殿様、仙石さんどうかしたの?」
「あいつ、自分だけ夢見れなかったからひがんでんだよ。あんな...
「まあそう言うな、陣内。仙石は腹が減っていて、ちょっとばか...
「ああ、だからあんなにふらふらしてんのね。まあいいじゃない...
「そうそう、そうだよ。殿様の見た夢、気になるなあ。気になる...
「俺か。俺が見た夢はなあ……」
背中を向けて寝そべった真之介は動かないが、こちらに聞き耳...
兵四郎は笑って、ふたりに夢の内容を打ち明けた。
「俺が見たのは、綺麗で上品な着物を着て、豪勢な座敷にいて、...
周りにはすこぶるつきの美人がずらりと並んで、争うように次...
ご満悦といった風情で顎を撫でつつ語ると、陣内とお恵は呆れ...
「まあねえ、殿様らしいっちゃ、らしいけど……」
「悪いけど殿様、それは正夢にはならないわね、きっと」
「そうかあ?わからんぞ。いずれ御利益が効いて、まことになる...
「ないない。ないよ、殿様」
真顔で首を横に振る陣内に、お恵が茶々を入れてきた。
「まあでも陣内さんの山吹風呂も、現実味がないってとこでは、...
「ひどいっ、なんてこと言うのお恵ちゃん!この、大根娘っ!」
「あー、はいはい。わかったから、とりあえず次の宿場で地道に...
悲憤する陣内の肩をぽんぽんと叩き、お恵は冷静に悟した。ふ...
外に出て、吸い出しを一つ陣内から貰い受けると懐にしまい、...
宿場で落ち合うことを約束し、出立するふたりを見送った。
中に戻ると、横たわる真之介はやはりじっと動かなかった。
けして寝相が良いとはいえない彼のやけにおとなし過ぎる寝姿...
近寄ってすぐ後ろに腰を下ろし胡座をかくと、静かな呼吸に揺...
「……真之介、俺が見たのはあくまで夢だ。俺はあまり、御利益な...
真之介が少し緊張しながら言葉を聞いていてくれるのを感じ、...
「夕べも言ったが、お前のような男を飼い馴らそうとしても、そ...
好きだ、という言葉を飲み込んで、兵四郎は言葉を重ねた。
「自由に駆けるお前の近くにいて、俺はそれを見ていてやりたい...
兵四郎は真之介の後ろに寄り添って横たわり、左腕を下から差...
うなじに寄せた唇から熱い息がそこにかかると、目を閉じた真...
「今だけは、こうしてお前を捕まえていたい。許せ、真之介」
囁くと髪に顔を埋め、真之介を抱きすくめたまま兵四郎は目を...
真之介は何も言わず、腰を抱いた兵四郎の腕に手を添えた。
夜はすっかり明けて、朝になっていた。ふたりはまだ、夕べの...
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
なんか最後しんみりしてしまいましたが、やはり参匹+妹分の...
長々とお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
- たぎりましたっ…!^///^ -- &new{2011-02-08 (火) 02:09:31};
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#title(三匹が斬る! 殿様×千石 「夢路愛し君恋し Part3」)
>>1乙です。
時代劇「参匹がKILL!」より、素浪人の殿様×仙石。
前スレ>>280の続きで、今回はエロなし。
全三回投下の最後です。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
朝まだき、淡い闇の中で、真之介はぼんやりと目を開けた。
空気は冷たいのに思いの外身体が冷えていないのは、上にかけ...
静かな呼吸の音に気付き、大きく目を開いた。兵四郎の胸が目...
慌てて離れ上体を起こし、急に立ち上がった真之介は、腰に重...
兵四郎は真之介が動いた気配に目を覚ました。寝ぼけまなこで...
「おはよう、仙石。お前そんなとこで、何をやってるんだ」
「う、う……うるせえっ」
ばつの悪さに悪態をついた真之介は、柱から手を離して逃げよ...
さすがに様子のおかしさに気付いた兵四郎は、腰を上げて真之...
「どうしたんだ、大丈夫か」
「だ、大丈夫だ!構うな、ほっとけっ」
「そうはいかん。腰を抜かしたのは、俺が夕べかわいがり過ぎた...
「ちっ、違う!こ、腰なんか、抜かしてないっ」
「そうか?じゃあどうして、そんな風に座り込んでいるんだ」
苦笑して尋ねる兵四郎に、顔を真っ赤にした真之介はあくまで...
「これは、だから、そのう……そうだ、腹が減り過ぎて、脚に力が...
「わかったわかった。なら水を汲んで来てやるから、とりあえず...
真之介に調子を合わせた兵四郎は土間に降り立ち、辺りを物色...
「……殿様、俺に構わんでいいから、先に行けよ」
「仙石、そう言うな。実は、俺は今少しばかり、懐が暖かいんだ...
「なにぃ、奢るだと!?ほっ、ほんとか、殿様!」
「本当だとも。だから、一緒に行こう。いいな、仙石」
まんまと餌につられ、こくこくと頷く真之介を見て、これでひ...
杓で川から水を掬い、とりあえず自分の喉を潤していると、少...
「あれっ、おーい!殿様じゃない?あ、やっぱり殿様だ!」
「殿様ぁ!偶然ねえ、こんな所で会うなんて」
旅仲間の鍔黒陣内とお恵は思わぬ再会に喜び、嬉しそうに駆け...
「なんだお前達、こんな近くにいたのか」
「ほんとね、びっくりしたわ。こんなことってあるのねえ」
「殿様、仙石の奴は一緒なの?」
「ああ、一緒だ。とにかく、中に入って話さんか」
「ちょっと待ってて。顔を洗って、荷物取って来るからさ」
小屋の方に戻るふたりに頷いて、兵四郎は先に真之介の待つ中...
杓の水を飲み干した真之介は、少し元気を取り戻した。側の小...
「お前ら、ひとつ屋根の下で寝たのか。大丈夫かお恵ちゃん、こ...
「やだなあ、仙石ぅ。俺がこんな大根足の娘、襲うわけないでし...
「何よ、大根足で悪かったわねっ」
手甲脚半を身に付けて旅仕度をしていたお恵は、陣内の耳を摘...
「ほんとはね、あたし達この先の宿場まで足を延ばして、そこに...
「そうなの。でもあの井戸の水を飲んで歩いてたら、あそこの小...
土間に足を下ろして床に腰掛けたふたりは、ねえ、不思議だよ...
「その井戸というのは、ここから少し行った竹林の中の、横に小...
「そうそう、それそれ。殿様、よく知ってるね」
「あたし達その井戸の噂を聞いて、水を飲みに寄ったのよ」
「おいおいお前ら、井戸だの噂だの、一体なんの話なんだ」
話にさっぱりついていけない真之介が、懐に入れた手でぼりぼ...
「仙石、街道脇の竹林にある井戸を見なかったか。俺達は、そこ...
「いや、知らん。俺は道をそのまま歩いて来た」
兵四郎の言葉に、陣内とお恵は驚いた。
「えっ、じゃあ殿様も飲んだの、あの水」
「ああ。噂とやらは知らんが、竹林の見事さに道を外れて眺めて...
「ふうん、そうなの。ねえ、じゃあ、夢を見なかった?」
「夢?夢がどうした」
夢と聞いて兵四郎は驚いたが、何食わぬ顔をしてお恵に訊いた...
「あそこはね、ここいらじゃわりと有名な井戸で、お参りしてか...
「水を飲んでから眠って見た夢に、その人が一番欲している物が...
「御利益が無ければただの水なんだけど、それでもやたらに美味...
「その点俺達、御利益ばっちりだったよね。しっかり、夢見ちゃ...
ねーっ、と嬉しそうに笑い合うふたりの言葉に、兵四郎はます...
思わず後ろにいる真之介を見やると、やや顔を赤らめて、なん...
兵四郎の視線に気付くと、軽く睨んでから勢いよくそっぽを向...
「それでお前達、どんな夢を見たんだ」
「それがね、聞いてよ殿様!すごいんだよ、陣ちゃん、山吹色の...
も、ほんとすごいの。小判が俺の周りにこう、どばーっと、ざ...
「殿様、あたしはね、小綺麗な小料理屋をやってる夢。近所に住...
粋な感じのお客さんが多かったから、あれは江戸だったかもし...
「そうか、なかなかいい夢を見たんだな」
「うん、陣ちゃん幸せ!あれはねえ、正夢になるよ絶対」
「ねえねえ、殿様も見たんでしょ?どんな夢だったの」
教えて教えてとにじり寄るふたりに、兵四郎は困って真之介を...
真之介は急に立ち上がると、はしゃぐ仲間を怒鳴り付けた。
「あーっ、うるさい!夢がどうのと、くだらんっ。俺は、もう一...
床を踏み鳴らして奥へ向かおうとしたが、歩くうちに勢いをな...
陣内とお恵はぽかんとしてそれを見送ったが、気を取り直して...
「何あれ。殿様、仙石さんどうかしたの?」
「あいつ、自分だけ夢見れなかったからひがんでんだよ。あんな...
「まあそう言うな、陣内。仙石は腹が減っていて、ちょっとばか...
「ああ、だからあんなにふらふらしてんのね。まあいいじゃない...
「そうそう、そうだよ。殿様の見た夢、気になるなあ。気になる...
「俺か。俺が見た夢はなあ……」
背中を向けて寝そべった真之介は動かないが、こちらに聞き耳...
兵四郎は笑って、ふたりに夢の内容を打ち明けた。
「俺が見たのは、綺麗で上品な着物を着て、豪勢な座敷にいて、...
周りにはすこぶるつきの美人がずらりと並んで、争うように次...
ご満悦といった風情で顎を撫でつつ語ると、陣内とお恵は呆れ...
「まあねえ、殿様らしいっちゃ、らしいけど……」
「悪いけど殿様、それは正夢にはならないわね、きっと」
「そうかあ?わからんぞ。いずれ御利益が効いて、まことになる...
「ないない。ないよ、殿様」
真顔で首を横に振る陣内に、お恵が茶々を入れてきた。
「まあでも陣内さんの山吹風呂も、現実味がないってとこでは、...
「ひどいっ、なんてこと言うのお恵ちゃん!この、大根娘っ!」
「あー、はいはい。わかったから、とりあえず次の宿場で地道に...
悲憤する陣内の肩をぽんぽんと叩き、お恵は冷静に悟した。ふ...
外に出て、吸い出しを一つ陣内から貰い受けると懐にしまい、...
宿場で落ち合うことを約束し、出立するふたりを見送った。
中に戻ると、横たわる真之介はやはりじっと動かなかった。
けして寝相が良いとはいえない彼のやけにおとなし過ぎる寝姿...
近寄ってすぐ後ろに腰を下ろし胡座をかくと、静かな呼吸に揺...
「……真之介、俺が見たのはあくまで夢だ。俺はあまり、御利益な...
真之介が少し緊張しながら言葉を聞いていてくれるのを感じ、...
「夕べも言ったが、お前のような男を飼い馴らそうとしても、そ...
好きだ、という言葉を飲み込んで、兵四郎は言葉を重ねた。
「自由に駆けるお前の近くにいて、俺はそれを見ていてやりたい...
兵四郎は真之介の後ろに寄り添って横たわり、左腕を下から差...
うなじに寄せた唇から熱い息がそこにかかると、目を閉じた真...
「今だけは、こうしてお前を捕まえていたい。許せ、真之介」
囁くと髪に顔を埋め、真之介を抱きすくめたまま兵四郎は目を...
真之介は何も言わず、腰を抱いた兵四郎の腕に手を添えた。
夜はすっかり明けて、朝になっていた。ふたりはまだ、夕べの...
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
なんか最後しんみりしてしまいましたが、やはり参匹+妹分の...
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