ページ内容へ
ナビゲーションへ
当サイトをご覧いただくにはブラウザの設定で
JavaScriptを有効に設定
する必要がございます。
ページの一覧
最終更新一覧
ヘルプ
ホーム
使い方
文字サイズ:小
文字サイズ:中
文字サイズ:大
1つ前のページに戻る
62-219
をテンプレートにして作成
開始行:
#title(スキマスイッチ 「どうして」)
生。☆と元アフロネタ。☆サイド。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ふっふっふ。バカシンタめ。
世の中にはタクシーっちゅう、ごっさ便利なもンがあるんです...
スタジオの住所さえ覚えてれば、都内どっからだって帰って来...
というわけで、もうちょっとで着く。
あの角を曲がって、信号の手前で降りて歩こう。
コンビニに寄ってえーと、何か買ってくか。
まさか呑みに行った俺が、本気で一人帰って来るなんて、きっ...
ギリギリ意識は飛んでないけど、でも声はヘロヘロだから、確...
もしかしたら邪魔しに帰るのかもしれん、という状況だが。い...
絶対にシンタの顔を見ないと落ち着かないんだ。
何か喰ったかな。喉乾いてないかな。ビール…は、俺がまだ飲み...
千円札で貰ったお釣りをそのままポケットにちゃらちゃらさせ...
随分と寒くなってきた。おお、息もちょっと白く浮かぶ。
耳と酔いの残る頬、だけが自分でもあったかいのがわかる。で...
途中でペースがぴたっと止まってしまって、だからこそ今まと...
次の街灯まで十歩でいけるかな。ああ、最後ジャンプしたら足...
空は真っ暗で、それも冬っぽい。ジャケットだけじゃ足りなく...
そういや今日のシンタは結構薄着だった。寒くないかな、もう...
ビルの階段も静か。コンクリートが冷えてる証拠。
一段飛ばしで飛んでやる。
でも流石にドアの前では、俺もちょっと一つ、息を吐いた。一...
ドアノブに手をかける前に、少し考える。中のことを。
目を閉じたら簡単に浮かぶ。シンタ君が眉間にしわを寄せなが...
こつこつ長い指先でキーボードのヘリを叩きながら、もう片方...
そんないつもの風。見慣れてる背中。
正解が出るまで迷う人だ。その正解を探す人。
大体俺はそこに、その世界にぽんと飛び込んで浮かび上がって...
時には額くっつけながら二人で唸る。全く俺が考えるのをやめ...
でもふと思いついて、理論的にごちゃごちゃ言うシンタ君を、...
俺にはそういうやり方しか、出来ない。
がちゃ。
「!」
いや、ドアの音だよ。でも、俺じゃねえよ!
「タクヤ……」
「……うーす」
「え……マジですかよ!」
タイミング悪いよ!いやむしろ良すぎだよ!!
俺の手が回す前に、勝手に冷えたそれが回って、俺はつられて...
「……ほい、お土産~」
「あー、りがと……つか、もう!いいって言ったろ、顔真っ赤な...
何で帰ってきた、って言外に言ってますね、この人。うるっせ...
どーしても今日は、もう一回シンタの顔を見なきゃと思った。...
「固いこと言うな~、ねえ」
「寒っ!そんで寒っ!……冷えるな~」
シンタ君はコーヒーでも買いに行こうと思ったらしい。俺のコ...
俺は俺で、3歩ダッシュで背後のソファにダイブだ。
ええ、正直。立って歩いてんの、結構ツラかったです!!
そんな俺をシンタ君は、コーヒー片手に苦笑いで見下ろしてい...
「寒いっしょ」
「寒いな」
「どーすんの」
「……帰らないで、居ようかな」
けけけけけと俺が笑うと、シンタ君は何だその声、とまた呆れ...
「んだな。それが正解だと思うよ~」
「ん?」
「じゃあ俺も、帰んない」
つるっと言ってクッションを探して、ごそごそ定位置を探って...
出て行った時と同じ、多分さっきまでも同じところに居たんだ...
見慣れた光景だ。他のスタッフさんやミュージシャンと一緒に...
満足いくまで突き詰めて煮詰めて、時々煮詰まりすぎてため息...
でもあくまでクールに、真面目に。
プロフェッショナルに。
「……進んでないよ」
イキナリ、ぼそっとシンタ君が呟いてきた。ああ、と間抜けな...
何がって、ああ、アレンジか。俺が一旦出て行ってから4時間...
まだ詞も全部乗ってないし、焦らなくてもと思うけど、そうい...
「お前のことばっか、考えたから」
って、でも、おいおい。
「……ナニ?」
いや、聞こえてる。シンタ君は振り返らない。
そりゃ、さ。俺も悪いよ。キスして、やり逃げみたいにしてホ...
でもさあ、らしくないでしょ。らしくないでしょ。それ。
知ってるんだ、俺。誰より俺が一番知ってるんだよ、シンタ。...
別に、今日皆に言われたことを気にしてるわけじゃないよ。
「変なの。……じゃあ何で残ってたの」
寒いから、じゃないよな。
「こんなとこで、俺のことばっか考えるとか、無いでしょ」
俺を待ってたわけでも、ないよね。
「変。らしくない。シンタっぽくない」
今まで100パー、酒飲んで約束守ったことなんてないし、さ...
シンタはこっちも向かないし、微動だにしない。返事する気も...
何で俺を優先するよ。今まで俺に、皆に、誰にも見せて来た全...
俺を優先するなよ。バカシンタめ。
プロなんだろ。ビジネスなんだろ。だから手を抜かない、絶対...
「……もしかしてさ」
俺とは、違うんだろ?
「シンタ君の全部って、俺なの?」
違うでしょ。俺じゃないし、俺とはアンタ、タイプが違うでし...
そんな風に考えながら、こんなこと言ってた。我ながら酷いこ...
だからドSだとか、ツンデレだとか言われんの?って、誰がツ...
「……うん」
シンタ。バカ。言うな。
んなわけ、ねーでしょ。無いって、ホラ、否定しろ。
まだ間に合う。
「そうだよ」
でも小さくトドメみたいに言われて、俺は、声が出なくなった。
げらげら笑ってた、数時間前のその一瞬と同じように。
最近シンタはどうって聞かれて、まだスタジオだって言ったら...
新曲だ、って。久しぶりじゃん、って言われて。ああもう、今...
まだ詞が乗ってないってのを、タクヤのそれも毎回だなって言...
ダメ出しがだなあ、本当に今回は。まあ俺にダメを出して、俺...
そうやってあくまで冷静クールに、俺のものを評価するから、...
「いつか、愛想つかされっぞ、それ」
笑い声、ああもう、何でその声をリアルに思い出しちゃうんだ...
「タクヤは天然だし、シンタはプロ意識高いもんなあ」
俺とシンタのことは、誰にも言われたくない。俺とシンタだけ...
でもそれは、言われてることは、何となくわかった。
何も飲み込めないし言えなかった。
だから、もう一回顔を見ないと、俺がどうにもならなかった。
「……俺には、シンタ君が、全部じゃないんだけど」
どんな声だ、これ。
絞り出したのは俺だけど、声もなら耳もおかしな感じで、上手...
「うん」
シンタ君は相変わらず、背中を向けたままで言った。
「構わないよ」
でも俺には、あんたなんだよ。お前なんだよ。
ゆっくり立ち上がったら、膝ががくん!となって、よろけてし...
一歩ずつ近づく足音と気配を知ってるはず、絶対に知ってるは...
後ろから、羽交い締めに近い感じに抱き締める。
頬に、シャツ1枚を通して、直ぐにシンタの体温が通じてわか...
シンタ君は、また。懲りずに、俺が全部だって言った。あくま...
「タクヤ」
名前も呼んだ。
でもそこに。
俺はその底に、仄暗い何かを感じ取って、ぞっとした。
背筋が寒くなった。こんな人だと思ってない。こんな風だなん...
俺の歌や曲がダメになったら、きっとこの人は離れてくだろう...
ただし音楽を止められない俺は、まさに止められない、天然だ...
クールで、真面目で、冷静で、さあ。時々熱くて面白くて、世...
だから結構、初めてだった。怖いなと思ったのは。
背中凍るくらい、こいつが怖いと思ったのは。
それから数秒して、だけどその冷たさは胸の下の方で真っ赤に...
また酔ったのかと、まるで思った。まさか。
そして俺の中で何か暴れて溢れかえるようになって、髪や指の...
本当に熱くて熱くて、もう冬なのに俺は、熱くてどうにかなり...
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
- 書かれた方天才ですね!続編をいつか是非 -- [[ぽろ]] &new...
- 書かれた方天才ですね!続編をいつか是非 -- [[ぽろ]] &new...
#comment
終了行:
#title(スキマスイッチ 「どうして」)
生。☆と元アフロネタ。☆サイド。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ふっふっふ。バカシンタめ。
世の中にはタクシーっちゅう、ごっさ便利なもンがあるんです...
スタジオの住所さえ覚えてれば、都内どっからだって帰って来...
というわけで、もうちょっとで着く。
あの角を曲がって、信号の手前で降りて歩こう。
コンビニに寄ってえーと、何か買ってくか。
まさか呑みに行った俺が、本気で一人帰って来るなんて、きっ...
ギリギリ意識は飛んでないけど、でも声はヘロヘロだから、確...
もしかしたら邪魔しに帰るのかもしれん、という状況だが。い...
絶対にシンタの顔を見ないと落ち着かないんだ。
何か喰ったかな。喉乾いてないかな。ビール…は、俺がまだ飲み...
千円札で貰ったお釣りをそのままポケットにちゃらちゃらさせ...
随分と寒くなってきた。おお、息もちょっと白く浮かぶ。
耳と酔いの残る頬、だけが自分でもあったかいのがわかる。で...
途中でペースがぴたっと止まってしまって、だからこそ今まと...
次の街灯まで十歩でいけるかな。ああ、最後ジャンプしたら足...
空は真っ暗で、それも冬っぽい。ジャケットだけじゃ足りなく...
そういや今日のシンタは結構薄着だった。寒くないかな、もう...
ビルの階段も静か。コンクリートが冷えてる証拠。
一段飛ばしで飛んでやる。
でも流石にドアの前では、俺もちょっと一つ、息を吐いた。一...
ドアノブに手をかける前に、少し考える。中のことを。
目を閉じたら簡単に浮かぶ。シンタ君が眉間にしわを寄せなが...
こつこつ長い指先でキーボードのヘリを叩きながら、もう片方...
そんないつもの風。見慣れてる背中。
正解が出るまで迷う人だ。その正解を探す人。
大体俺はそこに、その世界にぽんと飛び込んで浮かび上がって...
時には額くっつけながら二人で唸る。全く俺が考えるのをやめ...
でもふと思いついて、理論的にごちゃごちゃ言うシンタ君を、...
俺にはそういうやり方しか、出来ない。
がちゃ。
「!」
いや、ドアの音だよ。でも、俺じゃねえよ!
「タクヤ……」
「……うーす」
「え……マジですかよ!」
タイミング悪いよ!いやむしろ良すぎだよ!!
俺の手が回す前に、勝手に冷えたそれが回って、俺はつられて...
「……ほい、お土産~」
「あー、りがと……つか、もう!いいって言ったろ、顔真っ赤な...
何で帰ってきた、って言外に言ってますね、この人。うるっせ...
どーしても今日は、もう一回シンタの顔を見なきゃと思った。...
「固いこと言うな~、ねえ」
「寒っ!そんで寒っ!……冷えるな~」
シンタ君はコーヒーでも買いに行こうと思ったらしい。俺のコ...
俺は俺で、3歩ダッシュで背後のソファにダイブだ。
ええ、正直。立って歩いてんの、結構ツラかったです!!
そんな俺をシンタ君は、コーヒー片手に苦笑いで見下ろしてい...
「寒いっしょ」
「寒いな」
「どーすんの」
「……帰らないで、居ようかな」
けけけけけと俺が笑うと、シンタ君は何だその声、とまた呆れ...
「んだな。それが正解だと思うよ~」
「ん?」
「じゃあ俺も、帰んない」
つるっと言ってクッションを探して、ごそごそ定位置を探って...
出て行った時と同じ、多分さっきまでも同じところに居たんだ...
見慣れた光景だ。他のスタッフさんやミュージシャンと一緒に...
満足いくまで突き詰めて煮詰めて、時々煮詰まりすぎてため息...
でもあくまでクールに、真面目に。
プロフェッショナルに。
「……進んでないよ」
イキナリ、ぼそっとシンタ君が呟いてきた。ああ、と間抜けな...
何がって、ああ、アレンジか。俺が一旦出て行ってから4時間...
まだ詞も全部乗ってないし、焦らなくてもと思うけど、そうい...
「お前のことばっか、考えたから」
って、でも、おいおい。
「……ナニ?」
いや、聞こえてる。シンタ君は振り返らない。
そりゃ、さ。俺も悪いよ。キスして、やり逃げみたいにしてホ...
でもさあ、らしくないでしょ。らしくないでしょ。それ。
知ってるんだ、俺。誰より俺が一番知ってるんだよ、シンタ。...
別に、今日皆に言われたことを気にしてるわけじゃないよ。
「変なの。……じゃあ何で残ってたの」
寒いから、じゃないよな。
「こんなとこで、俺のことばっか考えるとか、無いでしょ」
俺を待ってたわけでも、ないよね。
「変。らしくない。シンタっぽくない」
今まで100パー、酒飲んで約束守ったことなんてないし、さ...
シンタはこっちも向かないし、微動だにしない。返事する気も...
何で俺を優先するよ。今まで俺に、皆に、誰にも見せて来た全...
俺を優先するなよ。バカシンタめ。
プロなんだろ。ビジネスなんだろ。だから手を抜かない、絶対...
「……もしかしてさ」
俺とは、違うんだろ?
「シンタ君の全部って、俺なの?」
違うでしょ。俺じゃないし、俺とはアンタ、タイプが違うでし...
そんな風に考えながら、こんなこと言ってた。我ながら酷いこ...
だからドSだとか、ツンデレだとか言われんの?って、誰がツ...
「……うん」
シンタ。バカ。言うな。
んなわけ、ねーでしょ。無いって、ホラ、否定しろ。
まだ間に合う。
「そうだよ」
でも小さくトドメみたいに言われて、俺は、声が出なくなった。
げらげら笑ってた、数時間前のその一瞬と同じように。
最近シンタはどうって聞かれて、まだスタジオだって言ったら...
新曲だ、って。久しぶりじゃん、って言われて。ああもう、今...
まだ詞が乗ってないってのを、タクヤのそれも毎回だなって言...
ダメ出しがだなあ、本当に今回は。まあ俺にダメを出して、俺...
そうやってあくまで冷静クールに、俺のものを評価するから、...
「いつか、愛想つかされっぞ、それ」
笑い声、ああもう、何でその声をリアルに思い出しちゃうんだ...
「タクヤは天然だし、シンタはプロ意識高いもんなあ」
俺とシンタのことは、誰にも言われたくない。俺とシンタだけ...
でもそれは、言われてることは、何となくわかった。
何も飲み込めないし言えなかった。
だから、もう一回顔を見ないと、俺がどうにもならなかった。
「……俺には、シンタ君が、全部じゃないんだけど」
どんな声だ、これ。
絞り出したのは俺だけど、声もなら耳もおかしな感じで、上手...
「うん」
シンタ君は相変わらず、背中を向けたままで言った。
「構わないよ」
でも俺には、あんたなんだよ。お前なんだよ。
ゆっくり立ち上がったら、膝ががくん!となって、よろけてし...
一歩ずつ近づく足音と気配を知ってるはず、絶対に知ってるは...
後ろから、羽交い締めに近い感じに抱き締める。
頬に、シャツ1枚を通して、直ぐにシンタの体温が通じてわか...
シンタ君は、また。懲りずに、俺が全部だって言った。あくま...
「タクヤ」
名前も呼んだ。
でもそこに。
俺はその底に、仄暗い何かを感じ取って、ぞっとした。
背筋が寒くなった。こんな人だと思ってない。こんな風だなん...
俺の歌や曲がダメになったら、きっとこの人は離れてくだろう...
ただし音楽を止められない俺は、まさに止められない、天然だ...
クールで、真面目で、冷静で、さあ。時々熱くて面白くて、世...
だから結構、初めてだった。怖いなと思ったのは。
背中凍るくらい、こいつが怖いと思ったのは。
それから数秒して、だけどその冷たさは胸の下の方で真っ赤に...
また酔ったのかと、まるで思った。まさか。
そして俺の中で何か暴れて溢れかえるようになって、髪や指の...
本当に熱くて熱くて、もう冬なのに俺は、熱くてどうにかなり...
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
- 書かれた方天才ですね!続編をいつか是非 -- [[ぽろ]] &new...
- 書かれた方天才ですね!続編をいつか是非 -- [[ぽろ]] &new...
#comment
ページ名:
ページ新規作成
新しいページはこちらから投稿できます。
作品一覧
シリーズものインデックス3
シリーズものインデックス2
シリーズものインデックス
第71巻
第70巻
第69巻
第68巻
第67巻
第66巻
第65巻
第64巻
第63巻
第62巻
第61巻
第60巻
第59巻
第58巻
第57巻
第56巻
第55巻
第54巻
第53巻
第52巻
第51巻
第50巻
第49巻
第48巻
第47巻
第46巻
第45巻
第44巻
第43巻
第42巻
第41巻
第40巻
第39巻
第38巻
第37巻
第36巻
第35巻
第34巻
第33巻
第32巻
第31巻
第30巻
第29巻
第28巻
第27巻
第26巻
第25巻
第24巻
第23巻
第22巻
第21巻
第20巻
第19巻
第18巻
第17巻
第16巻
第15巻
第14巻
第13巻
第12巻
第11巻
第10巻
第9巻
第8巻
第7巻
第6巻
第5巻
第4巻
第3.1巻
第3巻
第2巻
第1巻
ページ新規作成: