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#title(十3人の■ 野人×甥 (続)) [#ve5571b5]
>>428 の続き的な。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
男は右手で枝を掴み、刺さった岩魚を食している。
左手首は、岩屋の中へと這う木の根に括り付けられている。
それを施した張本人である山男もまた、枝に刺さった岩魚を食...
食べ終えた枝を火の中に投げ入れた後、男は言った。
「こいつを解け」
「嫌だね」
既に幾度となく繰り返された問答。
山男がねぐらを離れた隙に、男は山を下った。
数刻歩いた頃だろうか、不意に聞こえた草を分ける音に、男は...
刀を掴み、柄に指を滑らせたところで、予想よりずっと近い場...
思わず息を呑んだ男とは対照的に、山男は飄々とした態度で言...
「どこ行く気だよ?」
まだ下るのは危険だと山男は言う。
構わぬと男は言う。
その結果がこれだった。
男は諦めたのかそれ以上言い募りはせず、不自由な体勢に何と...
少し遅れて食い終えた山男は、男のもとへとにじり寄る。
男の左手首を掴んでまじまじと見つめた。
散々動かした為、男の手首は縄で擦れ血が滲んでいる。
山男はその血を舐めた。
それまで好きに触れさせていた男が、ぴくりと身じろぐ。
構わず、山男は滲み出てくるその血を幾度も舐め取る。
唾液と混ざって滴るその薄赤い雫を啜る。
耐え兼ねた男が、震える息を吐いた。
「あれだけの、戦いした割りにゃ、背中にあんまり、傷ねぇな」
男を背ろから攻めながら、山男が言う。
「叔父御が…ッ、護ってくれた…」
岩肌に縋る男の手に力が入り、指を傷付けていく。
「あ、止せって」
山男は動きを止め、その手を引き剥がした。
男は取られた手を払い、また岩肌へ置く。
「お前までしななくて、よかった」
感情の籠もらぬ、言った本人さえ意識していないのかと思える...
「山を降りてどこ行く気だ?メリケンか?」
山男が問う。
男は解放された手首に、裂いた布を巻き付けている。
「メリケンには行かん」
男が答えると、山男は眉を顰めた。
「じゃぁ何の為に山を降りるんだよ」
男は一つ息を吐き、それから言った。
「市井に交わり、天下の行く末を見届ける」
「市井って、お前っ、だから追われて、」
山男は大袈裟な仕草で何か訴えようとし、結局止めて両腕を下...
「…それ、面白ぇのか?」
「面白ぇか否かは、今わの際に悟るんだろうさ」
男が薄く笑みを浮かべた。
山男は頭を掻き小さく唸り、そして顔を上げる。
男を見た。
「俺も行く」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
#comment
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#title(十3人の■ 野人×甥 (続)) [#ve5571b5]
>>428 の続き的な。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
男は右手で枝を掴み、刺さった岩魚を食している。
左手首は、岩屋の中へと這う木の根に括り付けられている。
それを施した張本人である山男もまた、枝に刺さった岩魚を食...
食べ終えた枝を火の中に投げ入れた後、男は言った。
「こいつを解け」
「嫌だね」
既に幾度となく繰り返された問答。
山男がねぐらを離れた隙に、男は山を下った。
数刻歩いた頃だろうか、不意に聞こえた草を分ける音に、男は...
刀を掴み、柄に指を滑らせたところで、予想よりずっと近い場...
思わず息を呑んだ男とは対照的に、山男は飄々とした態度で言...
「どこ行く気だよ?」
まだ下るのは危険だと山男は言う。
構わぬと男は言う。
その結果がこれだった。
男は諦めたのかそれ以上言い募りはせず、不自由な体勢に何と...
少し遅れて食い終えた山男は、男のもとへとにじり寄る。
男の左手首を掴んでまじまじと見つめた。
散々動かした為、男の手首は縄で擦れ血が滲んでいる。
山男はその血を舐めた。
それまで好きに触れさせていた男が、ぴくりと身じろぐ。
構わず、山男は滲み出てくるその血を幾度も舐め取る。
唾液と混ざって滴るその薄赤い雫を啜る。
耐え兼ねた男が、震える息を吐いた。
「あれだけの、戦いした割りにゃ、背中にあんまり、傷ねぇな」
男を背ろから攻めながら、山男が言う。
「叔父御が…ッ、護ってくれた…」
岩肌に縋る男の手に力が入り、指を傷付けていく。
「あ、止せって」
山男は動きを止め、その手を引き剥がした。
男は取られた手を払い、また岩肌へ置く。
「お前までしななくて、よかった」
感情の籠もらぬ、言った本人さえ意識していないのかと思える...
「山を降りてどこ行く気だ?メリケンか?」
山男が問う。
男は解放された手首に、裂いた布を巻き付けている。
「メリケンには行かん」
男が答えると、山男は眉を顰めた。
「じゃぁ何の為に山を降りるんだよ」
男は一つ息を吐き、それから言った。
「市井に交わり、天下の行く末を見届ける」
「市井って、お前っ、だから追われて、」
山男は大袈裟な仕草で何か訴えようとし、結局止めて両腕を下...
「…それ、面白ぇのか?」
「面白ぇか否かは、今わの際に悟るんだろうさ」
男が薄く笑みを浮かべた。
山男は頭を掻き小さく唸り、そして顔を上げる。
男を見た。
「俺も行く」
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