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#title(僕の金色の) [#z03c5636]
オリジナル鉄道もの半擬人化。エロ無しです。バッドエンド注...
モデルにした路線は一応ありますが、具体的にここというので...
長くなってしまったので連載になってしまいますが、2回で終...
すみません。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマー...
その踏切は、通称「3号踏切」と呼ばれておりました。ある...
3つ目の踏切なので、3号です。幅が1m弱しかなく、片側は...
ところが数段の階段になっているので車やバイクは通れません...
って持ち上げられた自転車くらいしか通らない小さな小さな踏...
毎日どの電車も轟音を立てて3号の前を通っていきます。3...
の仕事をしながらただ見送っています。カンカンカンカン……。
「電車が来ますよ。危ないからくぐったり渡ったりしてはいけ...
……カンカンカン。
ある日の夕方、3号の前を見たことも無い車両が通り過ぎま...
ンゴールドのボディ、そのところどころに赤いラインのアクセ...
いサングラス、シンプルなパンタグラフ。どうやら新型車両の...
東に向かう上り線を走る金色の車両は後方から大きな夕陽に...
過ぎる線路上に黄金の粒を振りまいていくかのように見えまし...
「なんて綺麗なんだろう!」
まるで太陽から生まれてきたようだと3号は思いました。
翌日の早朝、金色の彼が今度は下り線を走っていきました。...
彼は白金に輝いて、全身がプラチナでできているかのようでし...
様を乗せて、昨日よりもどこか誇らしげに見えました。3号は...
がら金色の彼を見送りました。
その日以来、その金色の彼を見ることが3号の楽しみになり...
新型は、起点のターミナル駅から終点の観光地までという最も...
していたので、3号は1日に数回しか彼を見ることができませ...
なかなか会えない分、彼を見れた時の喜びはひとしおです。...
時刻が近づくとドキドキと胸が高鳴ります。
風に乗って聞こえてくる彼の警笛は、他の車両の鳴らす
「ぷぁああっ! どけオラァ!」
という怒号ではなく、甘く優しいメロディでした。地面を伝っ...
の振動は、金属然とした下品な揺れ方ではなく、小刻みで上品...
でした。
3号は毎日、黄色と黒の縞模様の身体いっぱいに彼の音を感...
れる太陽の光を浴び、その度にたまらない気持ちになりました。
「一度でいいから、話をしてみたいなぁ……」
けれども3号にとって、それは見果てぬ夢でした。
「彼からしてみれば僕はたくさんある踏切の1つにしか過ぎな...
もこんなに小さい、一瞬で通り過ぎてしまうようなちっぽけな...
きっと彼は僕のことなんて気づいてもいないんだろう……」
3号はポロリと涙を流しました。その涙は通り過ぎる人たち...
グナルの下に溜まった雨粒のように見えたことでしょう。
3号が金色の彼への届かぬ想いを抱えてから二ヶ月ほど経っ...
で大きなダイヤ改正がありました。
ベッドタウンと都心を結ぶ線でもあるこの線は、朝の通勤ラ...
分間隔で電車が通ります。大変な過密ダイヤの上に、人が多過...
時間がかかるので、どの電車も少しずつ本来のダイヤから遅れ...
れが積み重なると、ついには線路上で電車が渋滞状態になって...
ダイヤ改正はこの通勤ラッシュ時の混雑を解消しようという...
改正の翌日には、さほど駅に近くもない3号踏切の前でも徐行...
る電車が増え、かえって電車の渋滞が酷くなったように見えま...
ラッシュのピークが少し過ぎても電車の数珠繋ぎは続きまし...
に開かずの踏切になってしまったと3号が自身を嘆いていた時...
覚えのある心地よい振動が伝わってくるではありませんか。
「え? 彼はこんな時間には走らないはずだけど……」
けれども視界には、あの金色に輝く彼の姿が見えています。...
に3号の前を通過していた彼が、今日は数珠繋ぎに巻き込まれ...
つゆっくりとこちらに近づいてきます。そして3号のすぐ手前...
り……。すぅと金色の彼は止まりました。3号の目の前で。
「はわわわわわわあわわわぁわわわああああああっ!!!!」
突然降って沸いた幸運に3号は頭が真っ白になりました。何か...
思っても、なかなか言葉が出てきません。
カンカンカンカンカンカンカンカンッ! 自分が鳴らしてい...
報音が余計に焦りを誘います。
「お、おは、おは、おはようございますっ!」
数秒後、大変な努力の末に3号は憧れの彼にやっと話しかけま...
不審気味の上ずった声ではありましたが。
「あれ? こんなところに踏切があったのか」
突然踏切から声をかけられた金色の彼は少し驚いて、チラリと...
「あ、はい、その、すみません……」
「ふうん、ずいぶん小さい踏切だなぁ。まぁいいや」
金色の車両は3号の挨拶をさらりと受け流し、前方で遅々と...
駅停車の車両を恨めしげに眺めながら、ぼそりとつぶやきまし...
「俺はね、こんなふうに各駅停車ごときの尻をじわじわ追いか...
チンケな車両じゃないんだよ」
彼は、以前はラッシュのピークを避けた時間帯に走っていま...
今回のダイヤ改正でこういった朝の混雑に強引に巻き込まれる...
まい、えらく腹を立てているようなのです。
「俺は特急列車なんだ。しかもただ停車駅が少ないだけじゃな...
から、自然あふれ、心休まるリゾート地へ快適にお客様をお連...
にラグジュアリーな旅をお約束する、その為に俺は作られたん...
だからスタイリッシュだし、台車もシートも特製で乗り心地...
が大きくて景色もいいし、騒音も少ないし、終点のホームは俺...
販売のお弁当は有名料亭のものだし、美人アテンダントも乗っ...
ここで信号が橙黄ニ灯に変わりました。金色の車両は徐行を...
ると進みながらもさらに話し続けました。
「それがどうだ? こうやって朝から延々と各駅停車の尻を眺...
も乗っているのは寝不足のサラリーマンやOLばかり! 俺の...
読むな! 俺の座席で化粧をするな! 俺の座席は日常から非...
ーチなんだぞ!」
金色の彼は、愚痴を吐きながら通過していきました。
3号は、憧れの彼がいきなり怒っていたことに少なからず驚...
く品が良いと思っていた彼が、乗客に対して文句を言っていた...
ショックを受けました。
でも同時に、彼はきっとリゾート列車として高いプライドを...
だからあんなに怒っていたのではないか、とも思ったのです。
「あんなに美しく作られたんだ。通勤に使われるのは嫌だろう...
が通勤電車だなんて似合わないと思うもの」
次の日の朝からも、金色の車両は3号の手前の信号で止まっ...
こぼしていきました。日中から夜と土日や祝日は軽快にリゾー...
ってはいましたが、3号には彼が以前よりどこか元気が無いよ...
「僕にはダイヤを変えるなんてスゴイことは絶対できないけれ...
彼の為にしてあげられる事はないだろうか……」
考えた末、自分にできることは聞くことだけなんだと3号は...
だからどれだけ長い愚痴であっても同じ愚痴が繰り返されても...
時には相槌をうちながら、金色の車両の話を聞き続けました。
金色の車両は独り言のように不満を吐き散らかしていきまし...
にこぼしたところで何かが変わるとは思えません。それでも彼...
られなかったのです。
「この間、俺の車内で酔っ払ってゲ○吐いた奴がいたんだ。この...
だぞ? あり得ないだろ」
「それは酷いね。すぐに掃除してもらえたの?」
「当たり前だ。俺の車内が汚いなんて許されないことだ。お前...
うけど、ゲ○吐かれるって本当に情けない気分になるぞ」
「……わかるよ。悲しい気持ちになるよね」
「お前も吐かれたことあるのか?」
「足元にね……。雨が降って綺麗になったけど……」
信号が変わり、金色の車両は走りはじめました。いつもこん...
会話は中途半端に途切れていました。
3号の次の踏切を通り過ぎたあたりで、金色の車両はさっき...
なく反芻していました。
「雨が降って綺麗になったって……。あいつ、掃除してくれる人...
ここにきて金色の列車は、あの小さな踏切はいつも一人ぼっ...
んだということにやっと気が付いたのでした。
ある日、いつものように3号の前に止まった金色の車両は言...
「おい、俺のフロントのワイパーを見てみろ」
「何? あっ! 紅葉!」
朝日に照らされてプラチナに輝く車体の前面に、真っ赤な紅...
添えられています。それは彼の赤いボディラインとコーディネ...
かのようで、金色の車両にひどく似合っていました。
「この辺のは、まだこんなに赤くなってないだろう?」
「うん。山の方はもうこんなに赤いんだね?」
金色の車両は走り出しの向かい風に合わせて器用にワイパーを...
の葉をふわりと、3号に向けて飛ばしました。
「お前は見に行けないから、仕方ないから持ってきてやったよ」
「ありがとう!」
3号は、自分の列車進行方向表示器の上に舞い落ちた紅葉の...
風よ吹くな、紅葉の葉よ、ずっと僕の上にいておくれと願いま...
車両がどこにも行けない自分のためにプレゼントしてくれたこ...
嬉しかったからです。
その葉を通して、目の前の線路が行き着く遠い山に思いを馳...
黄色に色づいた山の中を走る金色の車両も、さぞや美しいこと...
れば見てみたいものだと、3号は思いました。
ある日の昼下がりのことです。3号は向こうから、車椅子を...
いるおじいさんが近づいて来るのに気が付きました。
「僕を渡るつもりなのかな? こちら側は階段なんだけど……」
近所の人達は、この踏切の片側が階段であることをみんな知...
それでも念のため、踏切の向こう側には『この先階段につき自...
通れません』という看板が立っています。
でも、おじいさんはその看板に気が付いていないようでした。
「この辺に住んでいる人じゃないのかな?」
踏切の真ん中が高くなっていて、向こうから階段が見えないの...
「誰か階段だって教えてあげて! 電車が通り終わったら僕は...
くてはならないんだ!」
左右から時間差で通過していた電車がどちらも通り過ぎ、遮...
ので、おじいさんは踏切を渡り始めました。そして真ん中を過...
やっと反対側が階段であることに気づきました。おじいさんは...
方に戻ろうとしましたが、この3号踏切は幅が1mも無いので...
おじいさんは車椅子の向きを変えようとしますが、今にも脱...
3号に次の電車が近づいているとの信号が届きました。もう少...
を鳴らさなければなりません。
「誰か! 誰か! 気が付いて!」
自分が人と話せないことを、今日ほど呪った事はありませんで...
おじいさんは結局、たまたま通りがかった近所の主婦達に助...
反対側に脱出できた頃には、警報機が鳴り始めていました。主...
んに声をかけながら、この踏切はホント危ないのよと口々に言...
「前に○○さんの娘さんが自転車で通ろうとして階段で転んでね…...
「うちの娘はベビーカーで……」
彼女達は過去にこの踏切で起きたトラブルの例を挙げていき、...
悲しい気持ちで聞いていました。
直後、電車が轟音とともに通り過ぎて主婦達の声はかき消さ...
「また町会で言おうと思うのよ……」
という断片的な言葉だけが残ったのでした。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
#comment
終了行:
#title(僕の金色の) [#z03c5636]
オリジナル鉄道もの半擬人化。エロ無しです。バッドエンド注...
モデルにした路線は一応ありますが、具体的にここというので...
長くなってしまったので連載になってしまいますが、2回で終...
すみません。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマー...
その踏切は、通称「3号踏切」と呼ばれておりました。ある...
3つ目の踏切なので、3号です。幅が1m弱しかなく、片側は...
ところが数段の階段になっているので車やバイクは通れません...
って持ち上げられた自転車くらいしか通らない小さな小さな踏...
毎日どの電車も轟音を立てて3号の前を通っていきます。3...
の仕事をしながらただ見送っています。カンカンカンカン……。
「電車が来ますよ。危ないからくぐったり渡ったりしてはいけ...
……カンカンカン。
ある日の夕方、3号の前を見たことも無い車両が通り過ぎま...
ンゴールドのボディ、そのところどころに赤いラインのアクセ...
いサングラス、シンプルなパンタグラフ。どうやら新型車両の...
東に向かう上り線を走る金色の車両は後方から大きな夕陽に...
過ぎる線路上に黄金の粒を振りまいていくかのように見えまし...
「なんて綺麗なんだろう!」
まるで太陽から生まれてきたようだと3号は思いました。
翌日の早朝、金色の彼が今度は下り線を走っていきました。...
彼は白金に輝いて、全身がプラチナでできているかのようでし...
様を乗せて、昨日よりもどこか誇らしげに見えました。3号は...
がら金色の彼を見送りました。
その日以来、その金色の彼を見ることが3号の楽しみになり...
新型は、起点のターミナル駅から終点の観光地までという最も...
していたので、3号は1日に数回しか彼を見ることができませ...
なかなか会えない分、彼を見れた時の喜びはひとしおです。...
時刻が近づくとドキドキと胸が高鳴ります。
風に乗って聞こえてくる彼の警笛は、他の車両の鳴らす
「ぷぁああっ! どけオラァ!」
という怒号ではなく、甘く優しいメロディでした。地面を伝っ...
の振動は、金属然とした下品な揺れ方ではなく、小刻みで上品...
でした。
3号は毎日、黄色と黒の縞模様の身体いっぱいに彼の音を感...
れる太陽の光を浴び、その度にたまらない気持ちになりました。
「一度でいいから、話をしてみたいなぁ……」
けれども3号にとって、それは見果てぬ夢でした。
「彼からしてみれば僕はたくさんある踏切の1つにしか過ぎな...
もこんなに小さい、一瞬で通り過ぎてしまうようなちっぽけな...
きっと彼は僕のことなんて気づいてもいないんだろう……」
3号はポロリと涙を流しました。その涙は通り過ぎる人たち...
グナルの下に溜まった雨粒のように見えたことでしょう。
3号が金色の彼への届かぬ想いを抱えてから二ヶ月ほど経っ...
で大きなダイヤ改正がありました。
ベッドタウンと都心を結ぶ線でもあるこの線は、朝の通勤ラ...
分間隔で電車が通ります。大変な過密ダイヤの上に、人が多過...
時間がかかるので、どの電車も少しずつ本来のダイヤから遅れ...
れが積み重なると、ついには線路上で電車が渋滞状態になって...
ダイヤ改正はこの通勤ラッシュ時の混雑を解消しようという...
改正の翌日には、さほど駅に近くもない3号踏切の前でも徐行...
る電車が増え、かえって電車の渋滞が酷くなったように見えま...
ラッシュのピークが少し過ぎても電車の数珠繋ぎは続きまし...
に開かずの踏切になってしまったと3号が自身を嘆いていた時...
覚えのある心地よい振動が伝わってくるではありませんか。
「え? 彼はこんな時間には走らないはずだけど……」
けれども視界には、あの金色に輝く彼の姿が見えています。...
に3号の前を通過していた彼が、今日は数珠繋ぎに巻き込まれ...
つゆっくりとこちらに近づいてきます。そして3号のすぐ手前...
り……。すぅと金色の彼は止まりました。3号の目の前で。
「はわわわわわわあわわわぁわわわああああああっ!!!!」
突然降って沸いた幸運に3号は頭が真っ白になりました。何か...
思っても、なかなか言葉が出てきません。
カンカンカンカンカンカンカンカンッ! 自分が鳴らしてい...
報音が余計に焦りを誘います。
「お、おは、おは、おはようございますっ!」
数秒後、大変な努力の末に3号は憧れの彼にやっと話しかけま...
不審気味の上ずった声ではありましたが。
「あれ? こんなところに踏切があったのか」
突然踏切から声をかけられた金色の彼は少し驚いて、チラリと...
「あ、はい、その、すみません……」
「ふうん、ずいぶん小さい踏切だなぁ。まぁいいや」
金色の車両は3号の挨拶をさらりと受け流し、前方で遅々と...
駅停車の車両を恨めしげに眺めながら、ぼそりとつぶやきまし...
「俺はね、こんなふうに各駅停車ごときの尻をじわじわ追いか...
チンケな車両じゃないんだよ」
彼は、以前はラッシュのピークを避けた時間帯に走っていま...
今回のダイヤ改正でこういった朝の混雑に強引に巻き込まれる...
まい、えらく腹を立てているようなのです。
「俺は特急列車なんだ。しかもただ停車駅が少ないだけじゃな...
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だからスタイリッシュだし、台車もシートも特製で乗り心地...
が大きくて景色もいいし、騒音も少ないし、終点のホームは俺...
販売のお弁当は有名料亭のものだし、美人アテンダントも乗っ...
ここで信号が橙黄ニ灯に変わりました。金色の車両は徐行を...
ると進みながらもさらに話し続けました。
「それがどうだ? こうやって朝から延々と各駅停車の尻を眺...
も乗っているのは寝不足のサラリーマンやOLばかり! 俺の...
読むな! 俺の座席で化粧をするな! 俺の座席は日常から非...
ーチなんだぞ!」
金色の彼は、愚痴を吐きながら通過していきました。
3号は、憧れの彼がいきなり怒っていたことに少なからず驚...
く品が良いと思っていた彼が、乗客に対して文句を言っていた...
ショックを受けました。
でも同時に、彼はきっとリゾート列車として高いプライドを...
だからあんなに怒っていたのではないか、とも思ったのです。
「あんなに美しく作られたんだ。通勤に使われるのは嫌だろう...
が通勤電車だなんて似合わないと思うもの」
次の日の朝からも、金色の車両は3号の手前の信号で止まっ...
こぼしていきました。日中から夜と土日や祝日は軽快にリゾー...
ってはいましたが、3号には彼が以前よりどこか元気が無いよ...
「僕にはダイヤを変えるなんてスゴイことは絶対できないけれ...
彼の為にしてあげられる事はないだろうか……」
考えた末、自分にできることは聞くことだけなんだと3号は...
だからどれだけ長い愚痴であっても同じ愚痴が繰り返されても...
時には相槌をうちながら、金色の車両の話を聞き続けました。
金色の車両は独り言のように不満を吐き散らかしていきまし...
にこぼしたところで何かが変わるとは思えません。それでも彼...
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「この間、俺の車内で酔っ払ってゲ○吐いた奴がいたんだ。この...
だぞ? あり得ないだろ」
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うけど、ゲ○吐かれるって本当に情けない気分になるぞ」
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朝日に照らされてプラチナに輝く車体の前面に、真っ赤な紅...
添えられています。それは彼の赤いボディラインとコーディネ...
かのようで、金色の車両にひどく似合っていました。
「この辺のは、まだこんなに赤くなってないだろう?」
「うん。山の方はもうこんなに赤いんだね?」
金色の車両は走り出しの向かい風に合わせて器用にワイパーを...
の葉をふわりと、3号に向けて飛ばしました。
「お前は見に行けないから、仕方ないから持ってきてやったよ」
「ありがとう!」
3号は、自分の列車進行方向表示器の上に舞い落ちた紅葉の...
風よ吹くな、紅葉の葉よ、ずっと僕の上にいておくれと願いま...
車両がどこにも行けない自分のためにプレゼントしてくれたこ...
嬉しかったからです。
その葉を通して、目の前の線路が行き着く遠い山に思いを馳...
黄色に色づいた山の中を走る金色の車両も、さぞや美しいこと...
れば見てみたいものだと、3号は思いました。
ある日の昼下がりのことです。3号は向こうから、車椅子を...
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近所の人達は、この踏切の片側が階段であることをみんな知...
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通れません』という看板が立っています。
でも、おじいさんはその看板に気が付いていないようでした。
「この辺に住んでいる人じゃないのかな?」
踏切の真ん中が高くなっていて、向こうから階段が見えないの...
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くてはならないんだ!」
左右から時間差で通過していた電車がどちらも通り過ぎ、遮...
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やっと反対側が階段であることに気づきました。おじいさんは...
方に戻ろうとしましたが、この3号踏切は幅が1mも無いので...
おじいさんは車椅子の向きを変えようとしますが、今にも脱...
3号に次の電車が近づいているとの信号が届きました。もう少...
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おじいさんは結局、たまたま通りがかった近所の主婦達に助...
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んに声をかけながら、この踏切はホント危ないのよと口々に言...
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