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#title(801+52 鴨←舌打ち眼鏡) [#h4ce3682]
最終回の鴨←舌打ち眼鏡。
携帯からは初投稿なので不備があったらごめんなさい。
|>PLAY ピッ◇⊂(・∀・ )…ウマクイクカナ?
2ヶ月前はあんなに疎ましい存在だったのに。
たった2ヶ月だっていうのに。
一体俺はどうしちまったんだ。
一体俺は何をしているんだ。
鼻先3cmにある『疎ましい筈の規格外』なんかに!
「あ、あのぉ~…真縞クン?」
困惑を織り交ぜたおどけ口調に、俺は我に返った……つもりだっ...
「とりあえずは…この手の力、緩めて欲しいなー…って」
鴨さんの胸倉を掴んだ手は、その革ジャンに食い込んだままだ...
しかも廊下の壁に鴨さんを押し付けたままで。
以前、俺がそうされたように、今は俺が鴨さんを押さえつけて...
ここは署内の廊下だ。背後を行き来する警官達の視線を感じて...
何しているんだよ、俺はっ。班のあの部屋で『お別れ』は済ん...
なのに、ガキみたいに周りを気にして、ケータイでメールうつ...
飄々と去り行く背中に追いついた途端、腕が勝手に動いた。
「電車の時間が…そろそろ…ねっ?」
最後は溜息混じりになっていた。
その微かな息が手の甲に触れると、意思に反して拳の力が更に...
俺は何がしたかったんだろう。
わざわざ鴨さんを捕まえて、もっとちゃんとしたお別れの言葉...
いや、それは無理だ。
<…一日ぐらい……いいじゃないですか……>
床を見つめながらのあの言葉。あれが俺の精一杯だ。本人直視...
ならば、言葉は要らない昭和オヤジに相応しいような厚い信頼...
いやいや、それはもっと無理だ。
第一どんなカオして鴨さんに向き合えと?
苛立たしさと恥ずかしさと情けなさと残念さと、何より目の前...
もう自分で自分が分からなくなっていた。
「あのさ…。…お前のあんな表情、初めて見たよ」
ボソッと零れた低い声に、やっと手の力が弛んだ。
「さっきの。別れ際の、さ。…お前でもあんな表情するんだな」
あんなってどんなだ? 俺はどんなカオをしていたんだ?
「この2ヶ月、何かと迷惑かけてすまなかったな」
手がずるずると革ジャンから滑り落ちていく。そんな神妙なカ...
「11から聞いたよ。お前、係長に言ってくれたんだってな。...
途端に顔が火照った。係長どころか銃器の奴等もいる中で言い...
でも、あれは、鴨さんがいなかったから言えたんだ。
色々言い繕いたかったけれど、喉の奥が引きつるばかりで声が...
「ああ、またその表情だ」
柔らかい声。『大人』の苦笑い。鴨さんの鴨さんたる眼差し。
それらが今の俺のカオを教えてくれた。
もうどうしていいのか分からない。ただ唇を引き締めて、溢れ...
「ごめんな」
小さく呟いて、鴨さんが壁から身を離した。
ああ、そうだ、いつまでもこうしていられる訳がない。
分かっているんだ、俺だって、それぐらいは。
だから。……だから。
───必ずここに帰ってきて下さい───
最後にどうしてもそう言いたかった。
しっかりと鴨さんの目を見て。
でも、熱い目頭は限界で、唇の端も言う事を聞いてくれなかっ...
そうこうしている内に、一歩、また一歩、鴨さんの背中が離れ...
無意味に空回りしただけの自分が悔しくて、自然と舌打ちが出...
「そーそー。そっちの方がお前らしいぞ!」
振り向く事はなかったけれど、その声は楽しそうだった。聞こ...
ああもういいや。鴨さんにはどうせお見通しなんだ。全部。
だから。
照れ隠しと、言えなかった言葉と、ありったけの感情を引っ括...
俺はその背中にわざとらしいぐらい盛大な舌打ちを贈った。
□STOP ピッ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
この後、係長とのラブイベになります。
#comment
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#title(801+52 鴨←舌打ち眼鏡) [#h4ce3682]
最終回の鴨←舌打ち眼鏡。
携帯からは初投稿なので不備があったらごめんなさい。
|>PLAY ピッ◇⊂(・∀・ )…ウマクイクカナ?
2ヶ月前はあんなに疎ましい存在だったのに。
たった2ヶ月だっていうのに。
一体俺はどうしちまったんだ。
一体俺は何をしているんだ。
鼻先3cmにある『疎ましい筈の規格外』なんかに!
「あ、あのぉ~…真縞クン?」
困惑を織り交ぜたおどけ口調に、俺は我に返った……つもりだっ...
「とりあえずは…この手の力、緩めて欲しいなー…って」
鴨さんの胸倉を掴んだ手は、その革ジャンに食い込んだままだ...
しかも廊下の壁に鴨さんを押し付けたままで。
以前、俺がそうされたように、今は俺が鴨さんを押さえつけて...
ここは署内の廊下だ。背後を行き来する警官達の視線を感じて...
何しているんだよ、俺はっ。班のあの部屋で『お別れ』は済ん...
なのに、ガキみたいに周りを気にして、ケータイでメールうつ...
飄々と去り行く背中に追いついた途端、腕が勝手に動いた。
「電車の時間が…そろそろ…ねっ?」
最後は溜息混じりになっていた。
その微かな息が手の甲に触れると、意思に反して拳の力が更に...
俺は何がしたかったんだろう。
わざわざ鴨さんを捕まえて、もっとちゃんとしたお別れの言葉...
いや、それは無理だ。
<…一日ぐらい……いいじゃないですか……>
床を見つめながらのあの言葉。あれが俺の精一杯だ。本人直視...
ならば、言葉は要らない昭和オヤジに相応しいような厚い信頼...
いやいや、それはもっと無理だ。
第一どんなカオして鴨さんに向き合えと?
苛立たしさと恥ずかしさと情けなさと残念さと、何より目の前...
もう自分で自分が分からなくなっていた。
「あのさ…。…お前のあんな表情、初めて見たよ」
ボソッと零れた低い声に、やっと手の力が弛んだ。
「さっきの。別れ際の、さ。…お前でもあんな表情するんだな」
あんなってどんなだ? 俺はどんなカオをしていたんだ?
「この2ヶ月、何かと迷惑かけてすまなかったな」
手がずるずると革ジャンから滑り落ちていく。そんな神妙なカ...
「11から聞いたよ。お前、係長に言ってくれたんだってな。...
途端に顔が火照った。係長どころか銃器の奴等もいる中で言い...
でも、あれは、鴨さんがいなかったから言えたんだ。
色々言い繕いたかったけれど、喉の奥が引きつるばかりで声が...
「ああ、またその表情だ」
柔らかい声。『大人』の苦笑い。鴨さんの鴨さんたる眼差し。
それらが今の俺のカオを教えてくれた。
もうどうしていいのか分からない。ただ唇を引き締めて、溢れ...
「ごめんな」
小さく呟いて、鴨さんが壁から身を離した。
ああ、そうだ、いつまでもこうしていられる訳がない。
分かっているんだ、俺だって、それぐらいは。
だから。……だから。
───必ずここに帰ってきて下さい───
最後にどうしてもそう言いたかった。
しっかりと鴨さんの目を見て。
でも、熱い目頭は限界で、唇の端も言う事を聞いてくれなかっ...
そうこうしている内に、一歩、また一歩、鴨さんの背中が離れ...
無意味に空回りしただけの自分が悔しくて、自然と舌打ちが出...
「そーそー。そっちの方がお前らしいぞ!」
振り向く事はなかったけれど、その声は楽しそうだった。聞こ...
ああもういいや。鴨さんにはどうせお見通しなんだ。全部。
だから。
照れ隠しと、言えなかった言葉と、ありったけの感情を引っ括...
俺はその背中にわざとらしいぐらい盛大な舌打ちを贈った。
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