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#title(Gガンダム キョウジ×ドモン) [#wf241425]
ガンダムスレの今の流れに萌え滾って勢いだけで書いてみた
ちゅーってしかもべろちゅーかよ!
ご都合主義により最終回後なのに兄さんが生きてますが勘弁し...
ドモンの家出当時の事や頭なでなでするのはムック本に入って...
____________
| __________ |
| | | |
| | |>PLAY. | |
| | | | ∧...
| | | | ピッ (...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| ...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
やあやあ皆さん、お久しぶりですねえ。
え、誰?ですって?
ひどいご冗談だ。この顔をお忘れですか?いくら15年振りとは...
そうです、わたくしです。いやはや、ご無沙汰しておりました。
さて!今日のカードはこの二人、ネオドイツはシュバルツ・ブル...
対する相手はキング・オブ・ハート、ドモン・カッシュ!
宿命の兄弟対決でございます。
はてさてどんなファイトが待ち受けているのでしょうか!
それでは皆さん!ガンダムファイ――
と。……ああ、ファイトはもう終わったんでしたねぇ。
いやはや、こうなってみると寂しいものですな。
仕方ありません。今回は恒例のアレはお預けと言う事で、
それでは少しだけ、カーテンコールのおまけでもご覧頂きまし...
―――
ガンダムファイト終了後、世界がすぐさま平和に戻ったかと言...
確かに巨大な悪は倒れたが、あの戦いはコロニーや地球全土に...
その復旧作業や難民の救済などが大きな課題として残っている。
また、ネオジャパンの――つまり今後4年間世界の覇権を握る国の...
ウルベが倒れたと言う事もあり、その隙を狙って様々な暗躍を...
そのため、世界の秩序を保つ役目を持つシャッフル同盟や
彼らに賛同するガンダムファイターたちはその実力と知名度を...
各国で様々な任務をこなし、復旧の音頭をとりながら忙しく過...
本来ならばシャッフル同盟はこういった表舞台に立つ組織では...
例の一件でその存在が世界中に知れ渡ってしまったという事と
そのリーダーがガンダムファイト優勝者のドモン・カッシュとも...
今更隠匿するわけにも行かず、
結局現状で「シャッフル同盟」は「英雄」と同義の言葉として...
5人揃ってセレモニーなどに招待される事もしばしばだった。
……とまあ、そんな前置きはおいて。
宴会の話である。
式典などで久々に集った仲間たちが、
その後身内だけで酒を酌み交わすことは珍しくなかった。
今日はネオジャパン側が用意したそこそこの格式の料亭で、
みなが膳を囲み車座になって、宴もたけなわ、久々の旧交を楽...
シャッフル同盟5人だけでなく、彼らにごく近い仲間だった
ネオスウェーデン代表やネオネパール代表の姿もある。
既にほとんどの皿は空き、2合徳利が何本もごろごろと転がって...
顔を赤くしていない者のほうが珍しく、
宴会芸と称してスウェーデン代表が梁の上で新体操を披露した...
フランス代表が刺身の薄切りで得意げに薔薇を作ってみせたり、
アメリカ代表がピエロの幻覚を見て泣きながら座敷の隅でうず...
ロシア代表は平然としているように見えて、
手首に巻きついているのが味付け海苔の二枚重ねだったりする。
彼らのファンにはとても見せられない光景だった。
リーダーであるはずの我らがドモン・カッシュも、
いつも身に着けている鉢巻きを中国代表に奪われ
その中国代表は鉢巻きをリボン代わりに自らの髪をお団子に結...
「……ドモン」
そのどんちゃん騒ぎを眺めながら
自分も強かに酔って壁際にもたれていたドモンの元に、にじり...
ドモンとは違う母親ゆずりの栗色の髪の毛、
堅苦しいトレンチコートの上に乗った顔は珍しく素肌を晒して...
こちらは兄弟でよく似ている黒い瞳を酒のためにうるうると滲...
「に、にいさん?」
ドモンは少しだけうろたえた。
いくら酔っているとは言え、膝だけでこちらにずりずりと近寄り
畳に両手を付いたままぺたんを座り込んでいる様子はあまりに...
ほんの80cmほどの距離で、彼は口を開いた。
「俺はなあ、ドモン。お前がいなくなってから凄く探したんだ...
それはもう必死だった。警察にも行ったし、探偵も雇った。
書置きは見たけど……10歳足らずの子供が突然いなくなったん...
誘拐とか、事件に巻き込まれた可能性もあるじゃないか。
心配で心配でしょうがなかった」
少しだけ視線を伏せてとうとうと語り始めた彼に、
ドモンはかける言葉を見つけられなかった。
「だってそうだろう。単なる家出なら、すぐに見つからなきゃ...
まさか『下』に行ってたなんて……
ああ、そっちを調べなかったのは俺のミスだった。
生きてるのか死んでるのかも分からないのに、帰りを信じて...
伏せていた顔を上げて、更に彼はぐいとドモンに近づく。
「いいんだ、言ってくれ、ドモン。
将来を決められてたのが嫌だったのか?
俺にいつもからかわれてたのが嫌だったのか?
悪かった、許してくれ」
「……っ兄さん」
「お前が可愛かったし、だから父さんと二人で
お前のためになるようなことをしてやりたかった。
でもその反面でからかったりもした。あの時は俺も子供だっ...
常ではありえない饒舌さで謝罪の言葉を述べる彼に、
ドモンは胸が震える思いがした。
戦いを通じて、兄とはもう十分に分かり合えた気がしていた。
昔のような屈折した反発とも違って、素直な尊敬を感謝を持つ...
しかしまだそれが全てではなかったのだ。
無鉄砲に飛び出した家で、そんな風に想われていたとは考えも...
互いにすれ違ったままだった過去の時間が、きちんと重なり合...
「……もういいんだ、兄さん。謝らなきゃいけないのは俺の方だ。
俺は、何でもできる兄さんがずっとうらやましくて……」
酒の力か、ドモンの口からも自らが驚くほどにすらすらと言葉...
「いつも頭をなでてくれてたけど、俺はその度に
兄さんを追い越したいと思ってたんだ。
でも、そのためにはあそこにはいられないと思って……
だって、あんなに優しい兄さんがいたんじゃどうしても甘え...
甘えてしまったら、兄さんよりは強くなれないだろう。
だからほとんど勢いに任せて飛び出したんだった」
鉢巻きがないためか、いつもより幾分幼く見える顔を赤くしな...
彼らの話の途中から、いつしか宴会場の中は静まり返って
誰もがその会話に聞き入っていた。
感動的な兄弟の和解のシーンに、スウェーデン代表などは胸の...
その大きな瞳を潤ませている。
「……俺たち、馬鹿みたいな遠回りをしたんだなあ」
言葉そのものは過去を悔やむものでありながら、どこか安堵し...
彼は身体の中からこぼれ出てくるような笑みを顔に浮かべた。
それにつられるようにして、ドモンもまた照れくさそうに微笑...
「ドモン」
「?」
「頭をなでさせてくれないか?……昔みたいに」
兄がそうしたいと言うのなら、拒む理由はドモンにはなかった。
こんな衆人環視の中、常ならばとても了承できたものではない...
二人はごく近い距離の中で話をしているせいか、
周りから注目を浴びている事には露ほども気が付いていない。
小さくこくりと頷く。
すると彼の兄はいっそう笑みを深くして、すぐ傍にある弟の頭...
記憶よりもずいぶんと大きくなった頭を撫でながら
あまり手入れがされている感じでもない髪の毛を指で梳いてや...
「少しくせっ毛なのは、変わってないんだなあ……」
「そ、その。あんまりじろじろ見ないでくれ、兄さん」
「どうしてだ?」
「恥ずかしいだろ……」
「恥ずかしいことがあるものか。こんなに可愛い顔なのに」
少し伸びた前髪を梳いていた指が、そのまま下へ降りて頬をと...
誰もが、あ、と思う間もなく。
「「「!!!!!」」」
ドモンの少し薄い唇を彼が奪っていた。
ほんの数秒合わせられていただけだったそれは、次第に動きが...
舌がドモンの唇を舐めたかと思ったら、そのまま割り入って
驚いて逃げる事も忘れている相手のそれを絡めとった。
舌先で根元をくすぐり、吸い上げる。
「ふぅッン……!」
上あごのドームを、触れるか触れないかといった弱さで舐め上...
ドモンの肩がびくりと跳ね上がった。
「っん、んぅ……ふ、んんっ……」
そのまま歯列をなぞられ、口腔の隅から隅までを蹂躙されながら
いつの間にかドモンの瞼は陶然となったように閉じられており、
指は無意識に兄の腕へすがり付いていた。
「ん……」
「…………ふぁ……?」
長い長い時間をかけて、二人の唇はやっと離された。
経験したことのない大人のキスに、ドモンが茫然自失の状態に...
彼は行動を止めずドモンの唇からこぼれそうになっていた唾液...
そのままちゅっちゅっと頬だの額だのに際限なくキスしまくっ...
そして、あまりの勢いに二人ともがどさっと畳の上に倒れこん...
周囲はやっと我を取り戻した。
「な、なにをやっているんです!」
「離れろこのドイツ仮面!!」
「いや、引き剥がせ!!」
やにわに会場内の温度が上がった。
今にも飛び掛ってこようとする彼らを、ネオドイツ代表はめん...
次の瞬間にはドモンを抱えたまま窓際まで跳躍していた。
その素早さに誰もが瞠目する。
「そうかお前たち、うらやましいのか?うらやましいんだろう...
ちゅううぅ。
言うが早いか、ゲルマン忍者は再び腕の中のドモンの唇を吸っ...
ドモンはまだ硬直したまま我を失っている。
「ははは、しかしこれは私のだからな!
お前たちにくれてやるわけにはゆかん!」
すっかり「キョウジ・カッシュ」ではなく
「シュバルツ・ブルーダー」に戻ってしまっている様子で、彼は...
「ええい、あんな酔っ払いごときに遅れをとるシャッフル同盟...
「応!」
「アニキを返せこのやろー!」
同じく酔っ払いであるはずの3人も、思い思いにゲルマン忍者に...
実はメンタル面で弱いアメリカ代表だけは、小さく「おーまい...
「甘いッ!」
フランス代表がとっさに拾って投げつけた塗り箸は、
カカカッ!と小気味よい音を立ててお膳の底に突き立った。
ロシア代表の重い拳を、ドモンを肩に担いだままでひらりひら...
中国代表の拳法と組み合う。
しかし拳が合わさったと思った次の瞬間、彼の長い髪がぱらり...
「!?」
バックステップで素早く身をかわした忍者の手には
リボン代わりにされていた鉢巻きが握られている。
一瞬の間に髪をほどいてそれを取り戻したのだ。
「お兄さんだからって、容赦しないん……だからねッ!」
しかし間髪入れず、飛び退ったその場所へ
スウェーデン代表が鋭い飛び蹴りを叩き込んだが、
シュバルツがいたはずのその場所はいつの間にか座布団の簀巻...
細いかかとの飛び蹴りはその簀巻きの中へぐっさりと決まった。
「ふふふ……お前たち、そんな様子ではシャッフルの紋章が泣く...
不敵な笑い声は大窓の外から響いてきた。
4人が慌てて窓際へ駆け寄ると、この料亭の母屋である隣の瓦屋...
ひとつの影が優雅に佇んでいた。完全に気を失ってしまったの...
ぐったりとしたドモンを抱いたまま大きな満月を背負うその姿は
正義のヒーローにも悪魔の使いにも見える。
「では、さらばだ諸君!また会おう!」
高らかな声を残して、影は消えた。
「ガッデム!あの酔っ払いめ!」
やっと自分を取り戻したアメリカ代表が悪態をついた。
「そりゃおいらたちも酔っ払ってたけどさぁ、なんなんだよあ...
「アジアお得意の酔拳と言うものじゃないのか」
「いえ、それではあのキレは説明が付きませんよ……」
「ん……?」
はた、とアメリカ代表が何かに気づいた顔をした。
「ああああ!!あのジャガイモ野郎、元からアンドロイドじゃ...
「あっ!!」
「そっか、酔っ払うはずがないんだ!?」
「まさかずっと素面で……?」
「酔った振りしてジャパニーズをたぶらかしやがったんだ!あ...
悔しがるような遠吠えだけが、しばらく月夜に響いていた……
―――
……おやおや。
なんとも予想外の展開ですが、各国の代表がこんな調子では
世界平和はまだまだ先の話かもしれませんねえ。
それでは皆さん、また――来週ではないですね、
次にお会いできるのは一体いつになるのでしょう。
しかしわたくしは不滅ですよ。
ガンダムファイトを愛する人がこの世に一人でもいる限り!
今一度申し上げましょう、
それではみなさん、また会う日まで!
____________
| __________ |
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧...
| | | | ピッ (...
| | | | ◇⊂ ...
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
べろんべろんに酔う兄さんが可愛い!と思って書き始めたのに
結局酔ってないことになっちゃってすみません。
スレでネタ提供&萌えるレスの皆様方、ありがとうございまし...
- 萌えました! -- &new{2011-03-26 (土) 12:12:04};
- リアルタイムでも萌えさせて頂きましたが、読み返してもや...
- こいつら可愛すぎる! -- &new{2011-12-26 (月) 22:55:25};
- キョウドモ萌えました。ええい、けしからん、もっとやれ!...
- 何回読んでも楽しいです/// -- &new{2013-01-03 (木) 16:2...
#comment
終了行:
#title(Gガンダム キョウジ×ドモン) [#wf241425]
ガンダムスレの今の流れに萌え滾って勢いだけで書いてみた
ちゅーってしかもべろちゅーかよ!
ご都合主義により最終回後なのに兄さんが生きてますが勘弁し...
ドモンの家出当時の事や頭なでなでするのはムック本に入って...
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やあやあ皆さん、お久しぶりですねえ。
え、誰?ですって?
ひどいご冗談だ。この顔をお忘れですか?いくら15年振りとは...
そうです、わたくしです。いやはや、ご無沙汰しておりました。
さて!今日のカードはこの二人、ネオドイツはシュバルツ・ブル...
対する相手はキング・オブ・ハート、ドモン・カッシュ!
宿命の兄弟対決でございます。
はてさてどんなファイトが待ち受けているのでしょうか!
それでは皆さん!ガンダムファイ――
と。……ああ、ファイトはもう終わったんでしたねぇ。
いやはや、こうなってみると寂しいものですな。
仕方ありません。今回は恒例のアレはお預けと言う事で、
それでは少しだけ、カーテンコールのおまけでもご覧頂きまし...
―――
ガンダムファイト終了後、世界がすぐさま平和に戻ったかと言...
確かに巨大な悪は倒れたが、あの戦いはコロニーや地球全土に...
その復旧作業や難民の救済などが大きな課題として残っている。
また、ネオジャパンの――つまり今後4年間世界の覇権を握る国の...
ウルベが倒れたと言う事もあり、その隙を狙って様々な暗躍を...
そのため、世界の秩序を保つ役目を持つシャッフル同盟や
彼らに賛同するガンダムファイターたちはその実力と知名度を...
各国で様々な任務をこなし、復旧の音頭をとりながら忙しく過...
本来ならばシャッフル同盟はこういった表舞台に立つ組織では...
例の一件でその存在が世界中に知れ渡ってしまったという事と
そのリーダーがガンダムファイト優勝者のドモン・カッシュとも...
今更隠匿するわけにも行かず、
結局現状で「シャッフル同盟」は「英雄」と同義の言葉として...
5人揃ってセレモニーなどに招待される事もしばしばだった。
……とまあ、そんな前置きはおいて。
宴会の話である。
式典などで久々に集った仲間たちが、
その後身内だけで酒を酌み交わすことは珍しくなかった。
今日はネオジャパン側が用意したそこそこの格式の料亭で、
みなが膳を囲み車座になって、宴もたけなわ、久々の旧交を楽...
シャッフル同盟5人だけでなく、彼らにごく近い仲間だった
ネオスウェーデン代表やネオネパール代表の姿もある。
既にほとんどの皿は空き、2合徳利が何本もごろごろと転がって...
顔を赤くしていない者のほうが珍しく、
宴会芸と称してスウェーデン代表が梁の上で新体操を披露した...
フランス代表が刺身の薄切りで得意げに薔薇を作ってみせたり、
アメリカ代表がピエロの幻覚を見て泣きながら座敷の隅でうず...
ロシア代表は平然としているように見えて、
手首に巻きついているのが味付け海苔の二枚重ねだったりする。
彼らのファンにはとても見せられない光景だった。
リーダーであるはずの我らがドモン・カッシュも、
いつも身に着けている鉢巻きを中国代表に奪われ
その中国代表は鉢巻きをリボン代わりに自らの髪をお団子に結...
「……ドモン」
そのどんちゃん騒ぎを眺めながら
自分も強かに酔って壁際にもたれていたドモンの元に、にじり...
ドモンとは違う母親ゆずりの栗色の髪の毛、
堅苦しいトレンチコートの上に乗った顔は珍しく素肌を晒して...
こちらは兄弟でよく似ている黒い瞳を酒のためにうるうると滲...
「に、にいさん?」
ドモンは少しだけうろたえた。
いくら酔っているとは言え、膝だけでこちらにずりずりと近寄り
畳に両手を付いたままぺたんを座り込んでいる様子はあまりに...
ほんの80cmほどの距離で、彼は口を開いた。
「俺はなあ、ドモン。お前がいなくなってから凄く探したんだ...
それはもう必死だった。警察にも行ったし、探偵も雇った。
書置きは見たけど……10歳足らずの子供が突然いなくなったん...
誘拐とか、事件に巻き込まれた可能性もあるじゃないか。
心配で心配でしょうがなかった」
少しだけ視線を伏せてとうとうと語り始めた彼に、
ドモンはかける言葉を見つけられなかった。
「だってそうだろう。単なる家出なら、すぐに見つからなきゃ...
まさか『下』に行ってたなんて……
ああ、そっちを調べなかったのは俺のミスだった。
生きてるのか死んでるのかも分からないのに、帰りを信じて...
伏せていた顔を上げて、更に彼はぐいとドモンに近づく。
「いいんだ、言ってくれ、ドモン。
将来を決められてたのが嫌だったのか?
俺にいつもからかわれてたのが嫌だったのか?
悪かった、許してくれ」
「……っ兄さん」
「お前が可愛かったし、だから父さんと二人で
お前のためになるようなことをしてやりたかった。
でもその反面でからかったりもした。あの時は俺も子供だっ...
常ではありえない饒舌さで謝罪の言葉を述べる彼に、
ドモンは胸が震える思いがした。
戦いを通じて、兄とはもう十分に分かり合えた気がしていた。
昔のような屈折した反発とも違って、素直な尊敬を感謝を持つ...
しかしまだそれが全てではなかったのだ。
無鉄砲に飛び出した家で、そんな風に想われていたとは考えも...
互いにすれ違ったままだった過去の時間が、きちんと重なり合...
「……もういいんだ、兄さん。謝らなきゃいけないのは俺の方だ。
俺は、何でもできる兄さんがずっとうらやましくて……」
酒の力か、ドモンの口からも自らが驚くほどにすらすらと言葉...
「いつも頭をなでてくれてたけど、俺はその度に
兄さんを追い越したいと思ってたんだ。
でも、そのためにはあそこにはいられないと思って……
だって、あんなに優しい兄さんがいたんじゃどうしても甘え...
甘えてしまったら、兄さんよりは強くなれないだろう。
だからほとんど勢いに任せて飛び出したんだった」
鉢巻きがないためか、いつもより幾分幼く見える顔を赤くしな...
彼らの話の途中から、いつしか宴会場の中は静まり返って
誰もがその会話に聞き入っていた。
感動的な兄弟の和解のシーンに、スウェーデン代表などは胸の...
その大きな瞳を潤ませている。
「……俺たち、馬鹿みたいな遠回りをしたんだなあ」
言葉そのものは過去を悔やむものでありながら、どこか安堵し...
彼は身体の中からこぼれ出てくるような笑みを顔に浮かべた。
それにつられるようにして、ドモンもまた照れくさそうに微笑...
「ドモン」
「?」
「頭をなでさせてくれないか?……昔みたいに」
兄がそうしたいと言うのなら、拒む理由はドモンにはなかった。
こんな衆人環視の中、常ならばとても了承できたものではない...
二人はごく近い距離の中で話をしているせいか、
周りから注目を浴びている事には露ほども気が付いていない。
小さくこくりと頷く。
すると彼の兄はいっそう笑みを深くして、すぐ傍にある弟の頭...
記憶よりもずいぶんと大きくなった頭を撫でながら
あまり手入れがされている感じでもない髪の毛を指で梳いてや...
「少しくせっ毛なのは、変わってないんだなあ……」
「そ、その。あんまりじろじろ見ないでくれ、兄さん」
「どうしてだ?」
「恥ずかしいだろ……」
「恥ずかしいことがあるものか。こんなに可愛い顔なのに」
少し伸びた前髪を梳いていた指が、そのまま下へ降りて頬をと...
誰もが、あ、と思う間もなく。
「「「!!!!!」」」
ドモンの少し薄い唇を彼が奪っていた。
ほんの数秒合わせられていただけだったそれは、次第に動きが...
舌がドモンの唇を舐めたかと思ったら、そのまま割り入って
驚いて逃げる事も忘れている相手のそれを絡めとった。
舌先で根元をくすぐり、吸い上げる。
「ふぅッン……!」
上あごのドームを、触れるか触れないかといった弱さで舐め上...
ドモンの肩がびくりと跳ね上がった。
「っん、んぅ……ふ、んんっ……」
そのまま歯列をなぞられ、口腔の隅から隅までを蹂躙されながら
いつの間にかドモンの瞼は陶然となったように閉じられており、
指は無意識に兄の腕へすがり付いていた。
「ん……」
「…………ふぁ……?」
長い長い時間をかけて、二人の唇はやっと離された。
経験したことのない大人のキスに、ドモンが茫然自失の状態に...
彼は行動を止めずドモンの唇からこぼれそうになっていた唾液...
そのままちゅっちゅっと頬だの額だのに際限なくキスしまくっ...
そして、あまりの勢いに二人ともがどさっと畳の上に倒れこん...
周囲はやっと我を取り戻した。
「な、なにをやっているんです!」
「離れろこのドイツ仮面!!」
「いや、引き剥がせ!!」
やにわに会場内の温度が上がった。
今にも飛び掛ってこようとする彼らを、ネオドイツ代表はめん...
次の瞬間にはドモンを抱えたまま窓際まで跳躍していた。
その素早さに誰もが瞠目する。
「そうかお前たち、うらやましいのか?うらやましいんだろう...
ちゅううぅ。
言うが早いか、ゲルマン忍者は再び腕の中のドモンの唇を吸っ...
ドモンはまだ硬直したまま我を失っている。
「ははは、しかしこれは私のだからな!
お前たちにくれてやるわけにはゆかん!」
すっかり「キョウジ・カッシュ」ではなく
「シュバルツ・ブルーダー」に戻ってしまっている様子で、彼は...
「ええい、あんな酔っ払いごときに遅れをとるシャッフル同盟...
「応!」
「アニキを返せこのやろー!」
同じく酔っ払いであるはずの3人も、思い思いにゲルマン忍者に...
実はメンタル面で弱いアメリカ代表だけは、小さく「おーまい...
「甘いッ!」
フランス代表がとっさに拾って投げつけた塗り箸は、
カカカッ!と小気味よい音を立ててお膳の底に突き立った。
ロシア代表の重い拳を、ドモンを肩に担いだままでひらりひら...
中国代表の拳法と組み合う。
しかし拳が合わさったと思った次の瞬間、彼の長い髪がぱらり...
「!?」
バックステップで素早く身をかわした忍者の手には
リボン代わりにされていた鉢巻きが握られている。
一瞬の間に髪をほどいてそれを取り戻したのだ。
「お兄さんだからって、容赦しないん……だからねッ!」
しかし間髪入れず、飛び退ったその場所へ
スウェーデン代表が鋭い飛び蹴りを叩き込んだが、
シュバルツがいたはずのその場所はいつの間にか座布団の簀巻...
細いかかとの飛び蹴りはその簀巻きの中へぐっさりと決まった。
「ふふふ……お前たち、そんな様子ではシャッフルの紋章が泣く...
不敵な笑い声は大窓の外から響いてきた。
4人が慌てて窓際へ駆け寄ると、この料亭の母屋である隣の瓦屋...
ひとつの影が優雅に佇んでいた。完全に気を失ってしまったの...
ぐったりとしたドモンを抱いたまま大きな満月を背負うその姿は
正義のヒーローにも悪魔の使いにも見える。
「では、さらばだ諸君!また会おう!」
高らかな声を残して、影は消えた。
「ガッデム!あの酔っ払いめ!」
やっと自分を取り戻したアメリカ代表が悪態をついた。
「そりゃおいらたちも酔っ払ってたけどさぁ、なんなんだよあ...
「アジアお得意の酔拳と言うものじゃないのか」
「いえ、それではあのキレは説明が付きませんよ……」
「ん……?」
はた、とアメリカ代表が何かに気づいた顔をした。
「ああああ!!あのジャガイモ野郎、元からアンドロイドじゃ...
「あっ!!」
「そっか、酔っ払うはずがないんだ!?」
「まさかずっと素面で……?」
「酔った振りしてジャパニーズをたぶらかしやがったんだ!あ...
悔しがるような遠吠えだけが、しばらく月夜に響いていた……
―――
……おやおや。
なんとも予想外の展開ですが、各国の代表がこんな調子では
世界平和はまだまだ先の話かもしれませんねえ。
それでは皆さん、また――来週ではないですね、
次にお会いできるのは一体いつになるのでしょう。
しかしわたくしは不滅ですよ。
ガンダムファイトを愛する人がこの世に一人でもいる限り!
今一度申し上げましょう、
それではみなさん、また会う日まで!
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
べろんべろんに酔う兄さんが可愛い!と思って書き始めたのに
結局酔ってないことになっちゃってすみません。
スレでネタ提供&萌えるレスの皆様方、ありがとうございまし...
- 萌えました! -- &new{2011-03-26 (土) 12:12:04};
- リアルタイムでも萌えさせて頂きましたが、読み返してもや...
- こいつら可愛すぎる! -- &new{2011-12-26 (月) 22:55:25};
- キョウドモ萌えました。ええい、けしからん、もっとやれ!...
- 何回読んでも楽しいです/// -- &new{2013-01-03 (木) 16:2...
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作品一覧
シリーズものインデックス3
シリーズものインデックス2
シリーズものインデックス
第71巻
第70巻
第69巻
第68巻
第67巻
第66巻
第65巻
第64巻
第63巻
第62巻
第61巻
第60巻
第59巻
第58巻
第57巻
第56巻
第55巻
第54巻
第53巻
第52巻
第51巻
第50巻
第49巻
第48巻
第47巻
第46巻
第45巻
第44巻
第43巻
第42巻
第41巻
第40巻
第39巻
第38巻
第37巻
第36巻
第35巻
第34巻
第33巻
第32巻
第31巻
第30巻
第29巻
第28巻
第27巻
第26巻
第25巻
第24巻
第23巻
第22巻
第21巻
第20巻
第19巻
第18巻
第17巻
第16巻
第15巻
第14巻
第13巻
第12巻
第11巻
第10巻
第9巻
第8巻
第7巻
第6巻
第5巻
第4巻
第3.1巻
第3巻
第2巻
第1巻
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