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#title(BUTTERFLY) [#s1efee7b]
ブソレンよりヴィクバタ(爆)
>>11-14の続きっぽいものです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「君は誰だ」
かの高貴な女性にちなんだ名を冠した流暢なイギリス語に呼...
船員や船長の粗野な言葉ではない。
話しかける流麗なクイーンズイングリッシュは、貴族的な響...
ゆっくりと目を上げると、長身のシルエットが見えた。顔は...
仕立てのいいインバネスマントを羽織っているのはわかる。...
なにより目を引くのは、蝶々の形に整えられた見事な口髭だ...
バタフライ、と朦朧とした意識の中そんな言葉が浮かんだ。
「私は、蝶野爆爵」
「…チョウノ・バクシャク?」
耳馴染みの薄い発音に、思わず問い返してしまう。
てっきり貴族かよほど伝統のある資産家の英国人かと思って...
なにより、発音しにくい。
船倉で密航を発見されたヴィクターは、なぜだか目の前の男...
いや、理由は分かっている。この男は、錬金術を知っている...
だがこの部屋に運び込まれてから、男は錬金術についてヴィ...
それに安心したわけではないが、気が緩んだのか、数日発熱...
朦朧とした意識ではっきりと覚えてはいないが、その間彼が...
ヴィクターのエネルギードレインは、たとえ本人の意識がな...
ようやく熱が引いてから、自身の部屋を明け渡した男が再び...
そしてヴィクターの体調を訊ねてから、自己紹介がまだだっ...
「この船は日本へ向かっている」
「日本…」
ならばこの男は東洋人か。髪や目の色が黒いのはそのためか...
「アイボリー…」
「ん? 象牙?」
「あ……いや…」
肌理の細かな肌は象牙色をしている。日本人の肌とは皆こう...
ヴィクターは相手の男をじっと見つめた。
「食事は口に合っているかね?」
「……食べられるなら、なんでも」
「夢のないことを言うな、君は。食事は身体の栄養だけではな...
チョウノ、という男の言葉にヴィクターは失った家族との食...
戦いの日々の中ではありながらも、3人で過ごした穏やかな...
けれど同時にそのあとの悲劇を思い出す。
「…」
黙り込んだヴィクターに、男は小さく肩をすくめた。
「まぁいい。食べたいものがあれば言いたまえ。可能な限り手...
「………」
「それから、目的地は日本だが、君が望むなら航路を変更する...
「………キミは何者だ」
なんでもないことのように口にされた内容に、さすがにヴィ...
こんな船上で、賓客のごとくもてなされ、むしろ船長以下を...
「私か」
ふむ、と男は髭を撫でた。
「日本人、貿易商、この船の船主、医師、…………錬金術の探究者」
はっとして、ヴィクターは身を固くした。
久しぶりにALCHEMYの単語を耳にした。
さりげなくとヴィクターの反応を観察していた男は、小さく...
「どれでも好きに思いたまえ。外国からの新しい学問に心奪わ...
「いや…」
ヴィクターは首を振った。
一目でヴィクターの胸の印を錬金術の技によるものと見抜い...
悪人と言ってしまうにもためらいが残る。
「……今は、結論は出さない。キミが何者か、私は私の目で見極...
瀕死の密航者をわざわざ匿い、自身の身の危険を押してさえ...
ヴィクターに近づけば、それだけで生命力が奪われるのはも...
「キミに興味がわいた」
「それは光栄だ」
男が笑う。
そういえば他人の笑顔を見るのも久しぶりだ。彼は実に楽し...
「ミスター・パワード、私は君に最大限の助力を差し上げよう」
「…だが、錬金術について教えるとは言っていない」
「それについては、保留としておこう。君にも深い事情があり...
あっさりと引かれて、ヴィクターは一瞬驚く。なんだか虚を...
「……いいのか。私が口を割らない可能性もあるぞ」
「まず君の存在そのものが、錬金術の可能性を示している。そ...
ヴィクターは眉を寄せた。
「それにしても、この疲労感の理由くらいは、教えてもらいた...
額に浮いた汗をハンカチでぬぐいながら、男が呟くように言...
「………バク…あー?」
「バクシャク、……そうだな、言いづらければバタフライとでも」
「バタフライ?」
「蝶野家は昔からバタフライをシンボルにしている」
「だから、その髭か」
「これは私の趣味だ」
「…そうか」
妙な男だ、とヴィクターは思った。同時に、胸の内におかし...
あの悲劇の日から、忘れ去ったと思っていた温かい何かが、...
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
夢見すぎと罵ってくださいorz
お目汚し失礼しました。
#comment
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ブソレンよりヴィクバタ(爆)
>>11-14の続きっぽいものです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「君は誰だ」
かの高貴な女性にちなんだ名を冠した流暢なイギリス語に呼...
船員や船長の粗野な言葉ではない。
話しかける流麗なクイーンズイングリッシュは、貴族的な響...
ゆっくりと目を上げると、長身のシルエットが見えた。顔は...
仕立てのいいインバネスマントを羽織っているのはわかる。...
なにより目を引くのは、蝶々の形に整えられた見事な口髭だ...
バタフライ、と朦朧とした意識の中そんな言葉が浮かんだ。
「私は、蝶野爆爵」
「…チョウノ・バクシャク?」
耳馴染みの薄い発音に、思わず問い返してしまう。
てっきり貴族かよほど伝統のある資産家の英国人かと思って...
なにより、発音しにくい。
船倉で密航を発見されたヴィクターは、なぜだか目の前の男...
いや、理由は分かっている。この男は、錬金術を知っている...
だがこの部屋に運び込まれてから、男は錬金術についてヴィ...
それに安心したわけではないが、気が緩んだのか、数日発熱...
朦朧とした意識ではっきりと覚えてはいないが、その間彼が...
ヴィクターのエネルギードレインは、たとえ本人の意識がな...
ようやく熱が引いてから、自身の部屋を明け渡した男が再び...
そしてヴィクターの体調を訊ねてから、自己紹介がまだだっ...
「この船は日本へ向かっている」
「日本…」
ならばこの男は東洋人か。髪や目の色が黒いのはそのためか...
「アイボリー…」
「ん? 象牙?」
「あ……いや…」
肌理の細かな肌は象牙色をしている。日本人の肌とは皆こう...
ヴィクターは相手の男をじっと見つめた。
「食事は口に合っているかね?」
「……食べられるなら、なんでも」
「夢のないことを言うな、君は。食事は身体の栄養だけではな...
チョウノ、という男の言葉にヴィクターは失った家族との食...
戦いの日々の中ではありながらも、3人で過ごした穏やかな...
けれど同時にそのあとの悲劇を思い出す。
「…」
黙り込んだヴィクターに、男は小さく肩をすくめた。
「まぁいい。食べたいものがあれば言いたまえ。可能な限り手...
「………」
「それから、目的地は日本だが、君が望むなら航路を変更する...
「………キミは何者だ」
なんでもないことのように口にされた内容に、さすがにヴィ...
こんな船上で、賓客のごとくもてなされ、むしろ船長以下を...
「私か」
ふむ、と男は髭を撫でた。
「日本人、貿易商、この船の船主、医師、…………錬金術の探究者」
はっとして、ヴィクターは身を固くした。
久しぶりにALCHEMYの単語を耳にした。
さりげなくとヴィクターの反応を観察していた男は、小さく...
「どれでも好きに思いたまえ。外国からの新しい学問に心奪わ...
「いや…」
ヴィクターは首を振った。
一目でヴィクターの胸の印を錬金術の技によるものと見抜い...
悪人と言ってしまうにもためらいが残る。
「……今は、結論は出さない。キミが何者か、私は私の目で見極...
瀕死の密航者をわざわざ匿い、自身の身の危険を押してさえ...
ヴィクターに近づけば、それだけで生命力が奪われるのはも...
「キミに興味がわいた」
「それは光栄だ」
男が笑う。
そういえば他人の笑顔を見るのも久しぶりだ。彼は実に楽し...
「ミスター・パワード、私は君に最大限の助力を差し上げよう」
「…だが、錬金術について教えるとは言っていない」
「それについては、保留としておこう。君にも深い事情があり...
あっさりと引かれて、ヴィクターは一瞬驚く。なんだか虚を...
「……いいのか。私が口を割らない可能性もあるぞ」
「まず君の存在そのものが、錬金術の可能性を示している。そ...
ヴィクターは眉を寄せた。
「それにしても、この疲労感の理由くらいは、教えてもらいた...
額に浮いた汗をハンカチでぬぐいながら、男が呟くように言...
「………バク…あー?」
「バクシャク、……そうだな、言いづらければバタフライとでも」
「バタフライ?」
「蝶野家は昔からバタフライをシンボルにしている」
「だから、その髭か」
「これは私の趣味だ」
「…そうか」
妙な男だ、とヴィクターは思った。同時に、胸の内におかし...
あの悲劇の日から、忘れ去ったと思っていた温かい何かが、...
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