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#title(オアシス ギャラガー兄弟) [#c4e9f455]
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 英バンドのおあ...
____________ \ / ̄ ̄ ̄...
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 結構事...
| | | | ...
| | |> PLAY. | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (´...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
いつものようにギターをかき鳴らして誘えば、リア無はすぐに...
なりとそれに乗った。両手を後ろで組む独特の姿勢で、まっ...
を出す。ジョソ・レノソを思わせるあの声で弟が歌うのを、ノ...
ギターの弦をはじきながら眺めていた。さっきまで怒鳴りあっ...
せいか、高音部で僅かに声が掠れる。リア無はそれを気にしな...
れどころかそれがパフォーマンスかのように、平然と歌う。
気持ち良さそうに歌うんじゃない。不機嫌を隠さずに、挑発...
うに、けれど伸びやかに。さっきまで音楽を聴いている方が少...
ったのに、いつの間にかライブハウスにいる奴らはそろって彼...
いる。彼の声を聞いてるんじゃない、彼を見ている。くそっ何...
だ。ノ得ルは思った。リア無は――弟はロックスターだった。そ...
外の何物でもなかった。
ブルースだって歌ってやるぜ。ノ江ルが書いた歌詞を歌い、...
瞬、リア無はちらりと視線を投げてよこした。―10分ほど前、ス...
ジに上がる前は危うく殴りあいに及びそうになった相手に。ノ...
わざと視線を無視して、弟の相手などしていられないことを示...
怒鳴りあっていた相手への怒りは、まだ完全には収まっていな...
ライブ前の、神経が昂ぶったひと時にしばしば起きる諍い。...
お前には歌えないと野江ルが言い、ノエ流はノエ流でオア視す...
のバンドだと怒鳴った。俺が歌わなきゃだれが歌うんだ?この...
そう自信たっぷりに言う弟が憎らしくて、煽るような言葉を...
ると、リア無はあっさりとそれに乗った。舞台に上がる時間が...
いたから殴り合いにこそ発展はしなかったものの、あんな状態...
るのかと、他のメンバーたちが青くなったのは無理もない。
だけど舞台に出てみると、リア無はこうして圧倒的な何かを...
て歌う。何なんだ、こいつは。ノエ流ははっきり言って呆れて...
弟はどこか壊れている。歌うこと以外に取り得なんか絶対にな...
いつはロックスターだ。でも、俺がスターとして認められる条...
えてやらないと、ただのろくでなしとして一生を終えるだろう...
ちの親父みたいに。
そりゃあ俺だって、おとなしいとは言えない、15の時には...
やって保護処分を受けたこともある。野江ルは思う。だけど、...
リア無はちょっと凶暴すぎる。あまりにも衝動のまま生きてい...
去も未来もないみたいだ。リア無にあるのは、今この瞬間だけ...
なのはまともじゃないとノエ流は思う。だって俺は毎晩考えて...
この先のことを。これまでのことが忘れられないのと同じよう...
分も親父やお袋や、その他大勢のやつらみたいに、一生を暴力...
に支配されて生きていくのかと。
俺たちに何ができるんだ?
ぶっきらぼうにも見える姿勢で歌う弟に、ノエ流は聞きたか...
なあ兄貴、一緒にバンドやろうぜ。実際、ローティーンの頃か...
の間にか何度となく自分をバンドに誘ってきた弟に、何を考え...
のかと聞いた。長じるにつれて兄が誘いに頷かないと学習した...
は、それでも懲りなかった。今度はマネージャーになってくれ...
ある毎に言うようになり、野江ルを呆れさせた。
そうさ、フットボールやロックをやるくらいしか、俺たちが...
にできるチャンスはない。アイルランド系で、労働者階級の俺...
そこから抜け出すすべを他に知らない。でもそんなことをやっ...
するやつなんて稀だ。俺だって音楽は好きだ、バンドだってや...
さ、だけどこれ金持ちになろうなんて本気で考えちゃいない。...
って同じだ。何もやれっこないさ。そう言って弟を相手にもし...
た野江ルは、リア無が歌うところを一度生で見てから考えが変...
俺たちには何かができる、何ができるかはわからない。でも、...
くこの泥にまみれた生活から、暴力や貧困から、確かに抜け出...
感じたのだ。だからバンドに加わった。マネージャーとしてで...
メンバーとして。
おあ視すを世界一のバンドにしてやる。バンドに加入したとき...
江ルはそう言った。だが、本当はその言葉を野江ル自身ほとん...
ていなかった。だけどリア無の歌声は妙にスケールがでかくて―...
の声に見合うだけの歌を、俺が作ってやらなきゃと思った。
そうだ、だから俺はここにいる。お前が――お前の歌声で、俺...
が何かできると感じたから。そう思ったから、この歌を書いた...
ふとそんな簡単なことを、野江ルは思い出した。
選んだもの、何にだってなれるんだ。
野江ルの心情に答えるように、リア無が歌った。歌いはじめ...
ずいぶんと気持ちよさそうに。過去も未来もないように、今を...
味わっている。直立不動の弟の横顔には、汗がにじんでいる。...
を見て、野江ルはとうとう根負けして笑みをこぼした。
なあ兄ちゃん、俺たちスターになれるぜ。13歳の、喧嘩で...
欠けたリア無が、同じ表情でそう言ったのを思い出したのだ。...
きは冗談じゃない、ガキな弟とバンドをやるなんて格好悪いと...
無視した。でも今は違う。多分、こいつとだから何かができる...
確信している。弟が、リア無が、自分の奏でるギターの音色に...
くように歌うたびに、思い知らされている。俺たちは自由なん...
たちの親父がおふくろがたどった人生を、もう一度たどるわけ...
い。何にだってなれるんだと。
弟には過去も未来もない。野江ルにはそれがある。眠れない...
ある。だけど弟が歌うのを見るたびに――人生の可能性は無限だ...
少しだけ信じられる。
どこへだって、好きなところに行っていい。そうしたければ...
口を叩くのもいいさ。
弟に向かって書いた歌詞を、弟が歌う。
それを野江ルは眺めている。
どんなことをしても、どんなことを言っても、
いいんだ、かまわないんだ。
最後のフレーズを歌い上げ、満足げな顔の弟が、
もう一度視線を投げてよこした。どうだ、上手く歌え
ているだろうと言いたげだ。さきほどの野江ルの言
葉をまだ根に持っているのだろう。野江ルは肩をす
くめた。まあまあだ、と言うように。だけど本当は知っ
ていた。この歌は弟以外には歌えない。歌っても意
味がない。弟に向かって書いたこの歌は、そのまま
自分が弟に言ってほしい言葉でもある。
――何にだってなれるんだ、よ。
のえ流がギターを弾き終えると、リア無が片目を瞑っ
てみせた。観客からは拍手が沸き起こる。何という高揚感。
くそっ、女とのセックスなんかじゃもう満足できない。こいつが
歌わないと、こいつじゃないとだめなんだ。他でもない、俺がリ
ア無の一番のファンじゃないかと、いつものように野江ルは思
い知って苦笑した。
終
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| ...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
受け攻め特に決まってないんですが、
あの兄弟は利場な気もします。
唐突に須磨ソ。
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| 英バンドのおあ...
____________ \ / ̄ ̄ ̄...
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 結構事...
| | | | ...
| | |> PLAY. | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (´...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
いつものようにギターをかき鳴らして誘えば、リア無はすぐに...
なりとそれに乗った。両手を後ろで組む独特の姿勢で、まっ...
を出す。ジョソ・レノソを思わせるあの声で弟が歌うのを、ノ...
ギターの弦をはじきながら眺めていた。さっきまで怒鳴りあっ...
せいか、高音部で僅かに声が掠れる。リア無はそれを気にしな...
れどころかそれがパフォーマンスかのように、平然と歌う。
気持ち良さそうに歌うんじゃない。不機嫌を隠さずに、挑発...
うに、けれど伸びやかに。さっきまで音楽を聴いている方が少...
ったのに、いつの間にかライブハウスにいる奴らはそろって彼...
いる。彼の声を聞いてるんじゃない、彼を見ている。くそっ何...
だ。ノ得ルは思った。リア無は――弟はロックスターだった。そ...
外の何物でもなかった。
ブルースだって歌ってやるぜ。ノ江ルが書いた歌詞を歌い、...
瞬、リア無はちらりと視線を投げてよこした。―10分ほど前、ス...
ジに上がる前は危うく殴りあいに及びそうになった相手に。ノ...
わざと視線を無視して、弟の相手などしていられないことを示...
怒鳴りあっていた相手への怒りは、まだ完全には収まっていな...
ライブ前の、神経が昂ぶったひと時にしばしば起きる諍い。...
お前には歌えないと野江ルが言い、ノエ流はノエ流でオア視す...
のバンドだと怒鳴った。俺が歌わなきゃだれが歌うんだ?この...
そう自信たっぷりに言う弟が憎らしくて、煽るような言葉を...
ると、リア無はあっさりとそれに乗った。舞台に上がる時間が...
いたから殴り合いにこそ発展はしなかったものの、あんな状態...
るのかと、他のメンバーたちが青くなったのは無理もない。
だけど舞台に出てみると、リア無はこうして圧倒的な何かを...
て歌う。何なんだ、こいつは。ノエ流ははっきり言って呆れて...
弟はどこか壊れている。歌うこと以外に取り得なんか絶対にな...
いつはロックスターだ。でも、俺がスターとして認められる条...
えてやらないと、ただのろくでなしとして一生を終えるだろう...
ちの親父みたいに。
そりゃあ俺だって、おとなしいとは言えない、15の時には...
やって保護処分を受けたこともある。野江ルは思う。だけど、...
リア無はちょっと凶暴すぎる。あまりにも衝動のまま生きてい...
去も未来もないみたいだ。リア無にあるのは、今この瞬間だけ...
なのはまともじゃないとノエ流は思う。だって俺は毎晩考えて...
この先のことを。これまでのことが忘れられないのと同じよう...
分も親父やお袋や、その他大勢のやつらみたいに、一生を暴力...
に支配されて生きていくのかと。
俺たちに何ができるんだ?
ぶっきらぼうにも見える姿勢で歌う弟に、ノエ流は聞きたか...
なあ兄貴、一緒にバンドやろうぜ。実際、ローティーンの頃か...
の間にか何度となく自分をバンドに誘ってきた弟に、何を考え...
のかと聞いた。長じるにつれて兄が誘いに頷かないと学習した...
は、それでも懲りなかった。今度はマネージャーになってくれ...
ある毎に言うようになり、野江ルを呆れさせた。
そうさ、フットボールやロックをやるくらいしか、俺たちが...
にできるチャンスはない。アイルランド系で、労働者階級の俺...
そこから抜け出すすべを他に知らない。でもそんなことをやっ...
するやつなんて稀だ。俺だって音楽は好きだ、バンドだってや...
さ、だけどこれ金持ちになろうなんて本気で考えちゃいない。...
って同じだ。何もやれっこないさ。そう言って弟を相手にもし...
た野江ルは、リア無が歌うところを一度生で見てから考えが変...
俺たちには何かができる、何ができるかはわからない。でも、...
くこの泥にまみれた生活から、暴力や貧困から、確かに抜け出...
感じたのだ。だからバンドに加わった。マネージャーとしてで...
メンバーとして。
おあ視すを世界一のバンドにしてやる。バンドに加入したとき...
江ルはそう言った。だが、本当はその言葉を野江ル自身ほとん...
ていなかった。だけどリア無の歌声は妙にスケールがでかくて―...
の声に見合うだけの歌を、俺が作ってやらなきゃと思った。
そうだ、だから俺はここにいる。お前が――お前の歌声で、俺...
が何かできると感じたから。そう思ったから、この歌を書いた...
ふとそんな簡単なことを、野江ルは思い出した。
選んだもの、何にだってなれるんだ。
野江ルの心情に答えるように、リア無が歌った。歌いはじめ...
ずいぶんと気持ちよさそうに。過去も未来もないように、今を...
味わっている。直立不動の弟の横顔には、汗がにじんでいる。...
を見て、野江ルはとうとう根負けして笑みをこぼした。
なあ兄ちゃん、俺たちスターになれるぜ。13歳の、喧嘩で...
欠けたリア無が、同じ表情でそう言ったのを思い出したのだ。...
きは冗談じゃない、ガキな弟とバンドをやるなんて格好悪いと...
無視した。でも今は違う。多分、こいつとだから何かができる...
確信している。弟が、リア無が、自分の奏でるギターの音色に...
くように歌うたびに、思い知らされている。俺たちは自由なん...
たちの親父がおふくろがたどった人生を、もう一度たどるわけ...
い。何にだってなれるんだと。
弟には過去も未来もない。野江ルにはそれがある。眠れない...
ある。だけど弟が歌うのを見るたびに――人生の可能性は無限だ...
少しだけ信じられる。
どこへだって、好きなところに行っていい。そうしたければ...
口を叩くのもいいさ。
弟に向かって書いた歌詞を、弟が歌う。
それを野江ルは眺めている。
どんなことをしても、どんなことを言っても、
いいんだ、かまわないんだ。
最後のフレーズを歌い上げ、満足げな顔の弟が、
もう一度視線を投げてよこした。どうだ、上手く歌え
ているだろうと言いたげだ。さきほどの野江ルの言
葉をまだ根に持っているのだろう。野江ルは肩をす
くめた。まあまあだ、と言うように。だけど本当は知っ
ていた。この歌は弟以外には歌えない。歌っても意
味がない。弟に向かって書いたこの歌は、そのまま
自分が弟に言ってほしい言葉でもある。
――何にだってなれるんだ、よ。
のえ流がギターを弾き終えると、リア無が片目を瞑っ
てみせた。観客からは拍手が沸き起こる。何という高揚感。
くそっ、女とのセックスなんかじゃもう満足できない。こいつが
歌わないと、こいつじゃないとだめなんだ。他でもない、俺がリ
ア無の一番のファンじゃないかと、いつものように野江ルは思
い知って苦笑した。
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