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#title(オリジナル 「吸血鬼の飼い方2 誕生日の過ごし方」)
前スレ棚47レス484-492「吸血鬼の飼い方」の続きで、誕生日の...
半年から一年後くらいのお話なので、ちょっと話が飛んでいま...
大丈夫じゃないかと思います。
オリジナル。現代日本ややファンタジー。コメディ狙ったはず...
へタレ吸血鬼になつかれてうっかり飼ってしまった、特異体質...
DVもといお仕置き健在。エチー無し。
前回いただいた感想で気が付きましたが、耽美とかまったく考...
吸血鬼=耽美じゃなきゃイヤ!という方は回避よろしくお願い...
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「今日誕生日だったでしょ、だからプレゼント」
にこにこと、ちゃぶ台と呼ぶのもおこがましい、折り畳み式...
男は言って、細長い箱を差し出した。
座卓の上には、既に空になった皿が並んでいる。
白身魚のムニエルに、温泉卵ののった生ハムとベビーリーフ...
サーモンのタルタル、きりっとした白ワイソというメニューは...
ようで、特においしいというほどのものでもなければ、まずい...
食べ物の味はわからない、と常々言うだけあって、あまり料理...
作ったような、ごくごく無難な出来だった。
それなのに。
--フランスパンはあんまり好きじゃないでしょ?どっちか...
そういうパンが好きでしょ?君は肉より魚のほうが好きだから...
どう?
いつの間に好みを覚えたのか、男は自分の言葉の正しさを確...
上目遣いで待った。
人間の食べ物なんて食べない、吸血鬼のくせに。
何日か前から、今日は早く帰って来て、としつこく言われた...
とわかったのはいいが、誕生日なんていつ言ったっけ、と思っ...
装ってバイトをしたりと人間社会に適合しようとしている人外...
住基カードを渡したことを思い出す。
そこにあった誕生日は正確なものではなく、幼い日に児童.施...
のだけれど。
料理の後には、どこで覚えたのか、一人か二人で食べてしま...
ショートケーキを前に、HappyBirthDayToYouを歌って、火を灯...
「甘いもの好きじゃなくても、こういうのは別腹でしょ?」
これもまたいつ覚えたのか、彼が滅多にケーキも和菓子も食...
男は指摘してみせる。
憧れのホールケーキ。
「……お前が半分食べるなら、食べる」
「そう来なくちゃ」
体調が悪くなる気がするから人間の食べ物はいらないと、以...
長身の男にしか見えない吸血鬼は、彼が人間の血以外食べない...
そう答えたのに、にこにこと嬉しそうに応じて、包丁を取りに...
「ちょっと待った。ケーキ切るんだったら、包丁、火で炙らな...
慌てて立ち上がると、狭い部屋と続きの台所の流しの下の扉...
すでに向き直っていた吸血鬼が首を傾げる。
「え?火炙り?どうするの?」
その手から包丁を受け取って、ガスコンロの火で刃を炙るの...
構わずに座卓に戻って、中央にのせられていたプレートを外し...
包丁を流しで洗おうとすると、ダメダメ、と止められる。
「今日は君がメインゲストなんだから。後でやるから座って、...
笑顔で部屋の中央へと追いやられて、複雑な気分で座卓の前...
取り分けたケーキののった皿を渡されて、慣れないことに落ち...
フォークを白くクリームの塗られた表面に突き刺して黄色い断...
何年ぶりかの甘さ。舌の上でしっとりとしたやわらかなスポン...
「丸いケーキ切り分けるのって、夢だったんだよな……」
思わず呟くように言った彼に、どうやら正座ができないらし...
ような、膝に手を突いた中途半端な姿勢で隣りに座っていた男...
大きな体を、興味があるのかさらに乗り出す。
「オレ、親いないからさ。『こども.の.家』は月に一度誕生会...
やってたし、一人分ずつ切ってある普通のショートケーキだっ...
食堂につけられた紙テープ、並んだカットケーキを全員が紙...
誕生日が特別なものではなく、一年の区切りのひとつであり、...
なかったあの頃。
いつも見上げていた、十.字.架を尖塔に戴く白い教.会.に併...
「こどもの家」。そこで育った彼が吸血鬼を自分のアパートに...
獲物になったのは、何の因果か。
「いつか家庭を持てたら、クリスマスとか誕生日は丸いケーキ...
子供と一緒に切り分けるのかな、って思ってたんだけど……」
吸血鬼にとっては好都合だろうが、彼の人間離れした大量に...
望めないと思いつつも、ずっと憧れていた温かな家庭の、幸せ...
ものなのだろうか、と座卓の上の小さなケーキを見下ろしてい...
のんきな言葉が呆気なく感傷を押し退けた。
「ふうん、よかったね、結婚する前に叶って」
肝心の部分を聞いていたのかいないのか、そのまま、あーん...
見ても、通じない。
「君が食べさせてくれるなら、食べるよ」
ずっと雛鳥のように開けられている口に、しかたなく手にし...
ケーキを突き刺す勢いで一口分取って、押し込む。
--人間の食べ物を食べられる吸血鬼もいるけど、あれは絶...
自分って格好いいとか、ハイソな吸血鬼は人間の食べ物ぐらい...
気取りだよ、絶対。
そう力説する男に、思わず何かのテレビか映画で見たことが...
「吸血鬼はワイソが好き」というイメージは本当なのか続けて...
のんびりした口調ではなく、やや早口でやはり力説が返ってき...
--あれはね、絶対血を連想させるための作り話だよ。なん...
食べ物と一緒で、ワイソが好きだとか、水代わりに飲む、なん...
格好つけてるだけ。だいたいあんな血みたいに赤いのに、全然...
そんなことを言いながら、ワイソバ-でウェイターをしてい...
むかつきながら自分の分と男の分、交互にケーキをフォーク...
ようやく両方の皿が空になると、男はぺろりとクリームのつい...
整った顔立ちは、それでいてどこか愛嬌があって、女にもて...
十分だというのに、ついでのように彼の唇も舐めて、怒ろうと...
箱を差し出したのだった。
渋々受け取ると、男は皿を重ねて台所へと向かう。狭いボロ...
長身の男が2、3歩も進めば、辿り着いてしまう。彼の前で洗...
というのに、バイト先で覚えたのか、意外と手際よく片づけて...
慣れない状況にぼんやりと眺めてしまっていた彼に、箱を開け...
短剣。
一瞬そう思わせた、箱の中に窮屈そうに収まっていた銀色の...
らしい。ご丁寧に柄には十字の浮き彫り、その中心には赤い小...
ガラクタなのか、輝いている。
「ボールペンじゃ持ちにくいでしょ?これはね、お店で色々見...
握りやすかったから」
隣りにちょこんと、立ち上がり掛けた正座のように、膝に手...
吸血鬼は、誉めて、と言わんばかりの笑顔で顔を覗き込む。
黙り込んだままの彼の手を両手で包んで持ち上げると、男は...
「ここだからね?わかってると思うけど、間違えないでね?」
人間と違って温かさのない体は、シャツ越しでもひんやりと...
人間を装って、手のひらを脈拍が微かに押し返す。
我慢が限界に達した彼は、手を解放されると、無言で頬に平...
「なんで~?アクセサリーとか好きじゃないでしょ?指輪って...
これなら役に立つでしょ?大事に持っておいてくれるかなぁっ...
彼の引き出しには、銀製のボールペンが入っているのは確か...
なっていただけであって、この吸血鬼と出くわした際に、背中...
引き抜いてやったものだ。銀製品と言えば、すなわち、この一...
吸血鬼にとどめを刺すためのものでしかない。縁起でもない。
わざわざプレゼントに、あまり見るのも嬉しくない、まして...
するのだと言っていた銀のナイフを、自分で選んでくる神経が...
自分と、人外の捕食者とでは、相互理解が難しいのは当然だが。
箱を閉めると、密閉度が高いらしく、閉じこめられた空気が...
それを無造作に放り出して、座卓を畳み、ペンダントライトを...
「えー?!」
彼をほろ酔いにさせていたワイソの効果は、いつの間にかど...
煎餅布団を床に下ろすと、納得のいかない吸血鬼が、不満げに...
薙ぐように足で蹴って退けて、黙々と布団を敷く。
「ああ、そっか!」
何か勘違いした様子で、吸血鬼はいきなり喜色満面声をあげ...
「そうだよね!誕生日においしいご飯とお酒とプレゼントと言...
そっか気づかなくてごめん。照れ屋さんだなぁ~」
布団に潜り込もうとしていた彼は目をつり上げると、何をど...
白状した男の、人間でいうところの急所--股間に手加減のな...
「……ぐ……っ。……っえ?ちょっと待ってっ。なんで?ええっ?!」
布団にくるまってすっかり横になり、目を閉じた、男の相手...
なぜ機嫌を損ねたのかさっぱりわからない人外は、蹴られた場...
戸惑うばかりだ。
「うるさい。オレは寝る。お前もさっさと寝ろ。……じゃない、...
吸血鬼特有の、呼吸も脈拍も止めた、仮死状態のような長期...
しばらく顔も見たくない、と言われ、吸血鬼は彼の枕元に這...
「ねぇ、なんで?!なんで?!」
「うるせぇ!今すぐプレゼント使って欲しいのか、あァ?!」
小さな子供のような繰り返しに返って来た、いつになくドス...
部屋の隅に下がって、人外は肩を落とす。
今日のためにシフトを変えてもらい、そのため明日はバイト...
応じられない。バイトを始めたのが誕生日を祝うためだけなら...
辞めてしまってもいいのだろうが、他にも理由があるのだから...
この怒り方だと、明日もきっと彼の態度は変わらないに違い...
どうすれば機嫌を直してもらえるのだろう……。
今までで一番の難題に、答えはなかなか出そうになかった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
吸血鬼的にはこれでもプロポーズのつもりだったらしい。
#comment
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#title(オリジナル 「吸血鬼の飼い方2 誕生日の過ごし方」)
前スレ棚47レス484-492「吸血鬼の飼い方」の続きで、誕生日の...
半年から一年後くらいのお話なので、ちょっと話が飛んでいま...
大丈夫じゃないかと思います。
オリジナル。現代日本ややファンタジー。コメディ狙ったはず...
へタレ吸血鬼になつかれてうっかり飼ってしまった、特異体質...
DVもといお仕置き健在。エチー無し。
前回いただいた感想で気が付きましたが、耽美とかまったく考...
吸血鬼=耽美じゃなきゃイヤ!という方は回避よろしくお願い...
>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「今日誕生日だったでしょ、だからプレゼント」
にこにこと、ちゃぶ台と呼ぶのもおこがましい、折り畳み式...
男は言って、細長い箱を差し出した。
座卓の上には、既に空になった皿が並んでいる。
白身魚のムニエルに、温泉卵ののった生ハムとベビーリーフ...
サーモンのタルタル、きりっとした白ワイソというメニューは...
ようで、特においしいというほどのものでもなければ、まずい...
食べ物の味はわからない、と常々言うだけあって、あまり料理...
作ったような、ごくごく無難な出来だった。
それなのに。
--フランスパンはあんまり好きじゃないでしょ?どっちか...
そういうパンが好きでしょ?君は肉より魚のほうが好きだから...
どう?
いつの間に好みを覚えたのか、男は自分の言葉の正しさを確...
上目遣いで待った。
人間の食べ物なんて食べない、吸血鬼のくせに。
何日か前から、今日は早く帰って来て、としつこく言われた...
とわかったのはいいが、誕生日なんていつ言ったっけ、と思っ...
装ってバイトをしたりと人間社会に適合しようとしている人外...
住基カードを渡したことを思い出す。
そこにあった誕生日は正確なものではなく、幼い日に児童.施...
のだけれど。
料理の後には、どこで覚えたのか、一人か二人で食べてしま...
ショートケーキを前に、HappyBirthDayToYouを歌って、火を灯...
「甘いもの好きじゃなくても、こういうのは別腹でしょ?」
これもまたいつ覚えたのか、彼が滅多にケーキも和菓子も食...
男は指摘してみせる。
憧れのホールケーキ。
「……お前が半分食べるなら、食べる」
「そう来なくちゃ」
体調が悪くなる気がするから人間の食べ物はいらないと、以...
長身の男にしか見えない吸血鬼は、彼が人間の血以外食べない...
そう答えたのに、にこにこと嬉しそうに応じて、包丁を取りに...
「ちょっと待った。ケーキ切るんだったら、包丁、火で炙らな...
慌てて立ち上がると、狭い部屋と続きの台所の流しの下の扉...
すでに向き直っていた吸血鬼が首を傾げる。
「え?火炙り?どうするの?」
その手から包丁を受け取って、ガスコンロの火で刃を炙るの...
構わずに座卓に戻って、中央にのせられていたプレートを外し...
包丁を流しで洗おうとすると、ダメダメ、と止められる。
「今日は君がメインゲストなんだから。後でやるから座って、...
笑顔で部屋の中央へと追いやられて、複雑な気分で座卓の前...
取り分けたケーキののった皿を渡されて、慣れないことに落ち...
フォークを白くクリームの塗られた表面に突き刺して黄色い断...
何年ぶりかの甘さ。舌の上でしっとりとしたやわらかなスポン...
「丸いケーキ切り分けるのって、夢だったんだよな……」
思わず呟くように言った彼に、どうやら正座ができないらし...
ような、膝に手を突いた中途半端な姿勢で隣りに座っていた男...
大きな体を、興味があるのかさらに乗り出す。
「オレ、親いないからさ。『こども.の.家』は月に一度誕生会...
やってたし、一人分ずつ切ってある普通のショートケーキだっ...
食堂につけられた紙テープ、並んだカットケーキを全員が紙...
誕生日が特別なものではなく、一年の区切りのひとつであり、...
なかったあの頃。
いつも見上げていた、十.字.架を尖塔に戴く白い教.会.に併...
「こどもの家」。そこで育った彼が吸血鬼を自分のアパートに...
獲物になったのは、何の因果か。
「いつか家庭を持てたら、クリスマスとか誕生日は丸いケーキ...
子供と一緒に切り分けるのかな、って思ってたんだけど……」
吸血鬼にとっては好都合だろうが、彼の人間離れした大量に...
望めないと思いつつも、ずっと憧れていた温かな家庭の、幸せ...
ものなのだろうか、と座卓の上の小さなケーキを見下ろしてい...
のんきな言葉が呆気なく感傷を押し退けた。
「ふうん、よかったね、結婚する前に叶って」
肝心の部分を聞いていたのかいないのか、そのまま、あーん...
見ても、通じない。
「君が食べさせてくれるなら、食べるよ」
ずっと雛鳥のように開けられている口に、しかたなく手にし...
ケーキを突き刺す勢いで一口分取って、押し込む。
--人間の食べ物を食べられる吸血鬼もいるけど、あれは絶...
自分って格好いいとか、ハイソな吸血鬼は人間の食べ物ぐらい...
気取りだよ、絶対。
そう力説する男に、思わず何かのテレビか映画で見たことが...
「吸血鬼はワイソが好き」というイメージは本当なのか続けて...
のんびりした口調ではなく、やや早口でやはり力説が返ってき...
--あれはね、絶対血を連想させるための作り話だよ。なん...
食べ物と一緒で、ワイソが好きだとか、水代わりに飲む、なん...
格好つけてるだけ。だいたいあんな血みたいに赤いのに、全然...
そんなことを言いながら、ワイソバ-でウェイターをしてい...
むかつきながら自分の分と男の分、交互にケーキをフォーク...
ようやく両方の皿が空になると、男はぺろりとクリームのつい...
整った顔立ちは、それでいてどこか愛嬌があって、女にもて...
十分だというのに、ついでのように彼の唇も舐めて、怒ろうと...
箱を差し出したのだった。
渋々受け取ると、男は皿を重ねて台所へと向かう。狭いボロ...
長身の男が2、3歩も進めば、辿り着いてしまう。彼の前で洗...
というのに、バイト先で覚えたのか、意外と手際よく片づけて...
慣れない状況にぼんやりと眺めてしまっていた彼に、箱を開け...
短剣。
一瞬そう思わせた、箱の中に窮屈そうに収まっていた銀色の...
らしい。ご丁寧に柄には十字の浮き彫り、その中心には赤い小...
ガラクタなのか、輝いている。
「ボールペンじゃ持ちにくいでしょ?これはね、お店で色々見...
握りやすかったから」
隣りにちょこんと、立ち上がり掛けた正座のように、膝に手...
吸血鬼は、誉めて、と言わんばかりの笑顔で顔を覗き込む。
黙り込んだままの彼の手を両手で包んで持ち上げると、男は...
「ここだからね?わかってると思うけど、間違えないでね?」
人間と違って温かさのない体は、シャツ越しでもひんやりと...
人間を装って、手のひらを脈拍が微かに押し返す。
我慢が限界に達した彼は、手を解放されると、無言で頬に平...
「なんで~?アクセサリーとか好きじゃないでしょ?指輪って...
これなら役に立つでしょ?大事に持っておいてくれるかなぁっ...
彼の引き出しには、銀製のボールペンが入っているのは確か...
なっていただけであって、この吸血鬼と出くわした際に、背中...
引き抜いてやったものだ。銀製品と言えば、すなわち、この一...
吸血鬼にとどめを刺すためのものでしかない。縁起でもない。
わざわざプレゼントに、あまり見るのも嬉しくない、まして...
するのだと言っていた銀のナイフを、自分で選んでくる神経が...
自分と、人外の捕食者とでは、相互理解が難しいのは当然だが。
箱を閉めると、密閉度が高いらしく、閉じこめられた空気が...
それを無造作に放り出して、座卓を畳み、ペンダントライトを...
「えー?!」
彼をほろ酔いにさせていたワイソの効果は、いつの間にかど...
煎餅布団を床に下ろすと、納得のいかない吸血鬼が、不満げに...
薙ぐように足で蹴って退けて、黙々と布団を敷く。
「ああ、そっか!」
何か勘違いした様子で、吸血鬼はいきなり喜色満面声をあげ...
「そうだよね!誕生日においしいご飯とお酒とプレゼントと言...
そっか気づかなくてごめん。照れ屋さんだなぁ~」
布団に潜り込もうとしていた彼は目をつり上げると、何をど...
白状した男の、人間でいうところの急所--股間に手加減のな...
「……ぐ……っ。……っえ?ちょっと待ってっ。なんで?ええっ?!」
布団にくるまってすっかり横になり、目を閉じた、男の相手...
なぜ機嫌を損ねたのかさっぱりわからない人外は、蹴られた場...
戸惑うばかりだ。
「うるさい。オレは寝る。お前もさっさと寝ろ。……じゃない、...
吸血鬼特有の、呼吸も脈拍も止めた、仮死状態のような長期...
しばらく顔も見たくない、と言われ、吸血鬼は彼の枕元に這...
「ねぇ、なんで?!なんで?!」
「うるせぇ!今すぐプレゼント使って欲しいのか、あァ?!」
小さな子供のような繰り返しに返って来た、いつになくドス...
部屋の隅に下がって、人外は肩を落とす。
今日のためにシフトを変えてもらい、そのため明日はバイト...
応じられない。バイトを始めたのが誕生日を祝うためだけなら...
辞めてしまってもいいのだろうが、他にも理由があるのだから...
この怒り方だと、明日もきっと彼の態度は変わらないに違い...
どうすれば機嫌を直してもらえるのだろう……。
今までで一番の難題に、答えはなかなか出そうになかった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
吸血鬼的にはこれでもプロポーズのつもりだったらしい。
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シリーズものインデックス2
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