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47-241
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#title(芸人 浅草キッド 玉袋筋太郎×水道橋博士 「博士の微...
生 麻草子供 玉×水
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
楽屋に無造作に置かれているパイプ椅子に深く腰を下ろして、...
すぐ隣を眺めていた。
しゅるっと小気味のいい音を立てて帯が回される。二三の手順...
何時見ても流れる様な手際だと感心をするけれど、褒めてみた...
それなりに広い楽屋の中には、様々なジャンルの芸人がいた。
落語、コント、一人芝居。今回はいないけれど講談師や音楽グ...
その全員がとある放送作家の肝入りで集められた人間だった。
年に数度のこのイベントは、博士とその相方が『本場所』と呼...
感じるのは喜びと重圧。イベントの為に用意するネタは、時事...
掛け捨てすると決めている。彼らを選んだ放送作家は効率が悪...
板の上での真剣勝負に掛ける熱意と気合を汲んでくれていた。
それ位する価値がある。特に主催者の放送作家は、彼らの敬愛...
長年務めてきた男だ。彼らだってお世話になっている。
激しいリアクションには必須の袴を身に付け眼鏡の位置を直し...
問いかけてきた。
「そういや、あんたの相方何処行ったの? 随分長い事見てな...
「何処ですかねぇ。便所にしては長いし」
「倒れてんじゃない?」
相方が極度のアガリ症であるのはよく知られていて、似た小心...
揶揄い半分心配半分なのは見てとれた。コンビだからといって...
そう言われては放置も出来ない。重い腰を上げるべきか迷う。
「緊張のあまり腹下すとか、貧血起こすとか、あいつやりそう...
「見て来てやったら? どの道出番まで時間あるでしょ」
「もし倒れてて使い物にならなかったら、師匠、俺と組んで漫...
付き合いの長さ故の慣れた口調で、博士は噺家に笑いかけた。...
今すぐ立ち上がると心配を見抜かれそうで嫌だった。どっちに...
長けているから、かなりの線でバレているのだろうが。
相方のメンタルの弱さに溜息が出る。慣れろよと思う気持ちが...
特別だからと擁護する気持ちもある。気合が空回りするタイプ...
「つべこべ言ってないで捜しに行きなさいよ。アドリブで漫才...
「またまたぁ。落語家なんて一人で全部やってんだから、出来...
「無理。小心者だからな」
「それじゃ駄目じゃん」
噺家の使うフレーズを口真似しながら言うと、「性格なんだか...
って事でガッテンして頂けましたか?」と彼の仲間が司会をし...
引用しながら返された。そして早く行って来いとばかりに蹴り...
可愛らしさを装っている外見を裏切るバイオレンスな一面も持...
ないけれど、相方に対しての気持ちを見透かされるのは気恥ず...
博士は仕方ない風を装って立ち上がる。意地悪く行き先を尋...
噺家はただ笑って手を振るだけだった。
行き先の見当はついてはいなかったけれど、逃げ込める場所な...
人の来ない非常階段の踊り場で、博士は壁を睨んでいる相方を...
声をかけようと息を吸い込んだ瞬間、相方が気配に気付いて振...
「また緊張してんのかよ」
「だって駄目なもんは駄目なんだよ」
大きな背を丸めて、相方は博士の顔を覗きこんで来た。でかい...
これで昔は不良だったというのだから笑える。
「いいけどさ、別に」
「心配してくれたの?」
「帰って来ないと、最後のネタ合わせが出来ないだろ」
噺家に促されたのは秘密にしておく。心配で来たとは口が裂け...
大体舞台の上に立ってしまえば、逃げも隠れも出来ない訳で、...
緊張している暇なんてない。だからとっとと腹を括ればいいの...
厄介な奴だなぁとは思うけれど、博士はこの相方が好きだった...
地獄の様に過酷だった麻草・仏蘭西座での修行を共に生き抜く...
繋がった。芸暦が二十年を越えてもまだ若手扱いで、必要があ...
殿の名前を頂いている軍団の中でも一番下。それでもしゃんと...
「どうする、ここでネタ合わせしちゃう?」
「ネタ合わせの前にさぁ……」
ふと相方が言い澱んだ。どうしようかな、言おうかな。やめと...
もじもじしながら繰り広げられている。可愛い女の子なら言い...
相手は相方。博士はあっさりと尋ねた。
「何だよ、言えよ」
「じゃあ言うけど、キスして?」
「……はぁ?」
「ほんっとに緊張してんの。駄目なの。だから、ね?」
ちょこんと小首を傾げられても、大男を可愛いと思う趣味は博...
緊張を解す為に唇をねだられるのは初めてではない。ある時は...
昔からの悪癖はこのイベントに限り復活をする。最終的には押...
博士は聞かずにはいられなかった。
「お前なぁ、毎回毎回毎回毎回、どうしてキスを求めるんだよ」
「緊張が和らぐ気がするんだよっ」
「気がするだけだろ」
「和らぐのっ」
「だったら他の誰かにしてもらえよ。お前の濃いから嫌だ」
「優しくするから。……博士じゃなきゃ駄目なんだって」
最初の勢いを削いだ口調でぽつりと言葉が落とされる。声音に...
博士は舌打ちしたくなった。芸人なら洒落で押し切れと思うけ...
思わなくも……なくもない。
だから結局は受け入れてしまうのだ。
「……さっさとしろよ」
「いいの?」
「いいから言ってんの。しないんだったら、楽屋帰るぞ」
睨みあげると相方は嬉しそうに笑った。なんだよ、緊張なんて...
と言いたかったけれど、さらに背を屈めて顔を近付けてきた相...
文句すらもう口からは出てこなかった。
身長の高い相方は、小柄な博士に負担にならない様に、必ず自...
吐息がかかる。唇が重なる。腰に回される腕は逃がさない様に...
やれば出来るじゃんと間違った感想を抱きかけた時、触れるだ...
数ミリの隙間で問いかけられた。
「舌、入れていい?」
「好きにすりゃいいだろ」
キスして良いつった時点で覚悟してるよ、博士は半場自棄の様...
相方を受け入れる。進入してきた舌に口内を掻き回され、零れ...
体温が一気に上がった気がする。着込んでいるパーカーを脱ぎ...
毎回の事ながら、相方にされるキスは長く濃厚だった。巧みに...
眩暈に似た陶然とした感覚が湧き上がる。
人生の半分近く連れ添ってきた相方は、大切過ぎて理由でもな...
多分相手も同じ事を思っている。だからこれ以上の事はない。
コンビを組んでいる相方であるという一線からギリギリ落ちな...
含まれているのか。
馬鹿野郎。博士は心の中で呟いた。俺もこいつも、大馬鹿野郎...
数分間触れ続けていた唇が離れるのは、なんとなく寂しかった...
博士は口を噤む。甘さを引き摺るつもりはない。
何となくお互いに顔が見られない。だから視線を下に逸らしつ...
全体的な流れの再確認と、ポイントのおさらい。しばらくすれ...
組んでいる強みだ。ふらふら酔った状態で戦える程板の上は甘...
出演者は強敵揃い。異種格闘技の場とはいえ、麻草キッドが負...
気を引き締めながら博士はちらりと相方を見上げながら、頭を...
どうせこの先もコンビでいるんだから、死ぬまでには一度位自...
口に出せる日がくるのかは、博士も知らない。
長年の萌えがたぎって書いた。自分スレの人ありがとう。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
#comment
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#title(芸人 浅草キッド 玉袋筋太郎×水道橋博士 「博士の微...
生 麻草子供 玉×水
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
楽屋に無造作に置かれているパイプ椅子に深く腰を下ろして、...
すぐ隣を眺めていた。
しゅるっと小気味のいい音を立てて帯が回される。二三の手順...
何時見ても流れる様な手際だと感心をするけれど、褒めてみた...
それなりに広い楽屋の中には、様々なジャンルの芸人がいた。
落語、コント、一人芝居。今回はいないけれど講談師や音楽グ...
その全員がとある放送作家の肝入りで集められた人間だった。
年に数度のこのイベントは、博士とその相方が『本場所』と呼...
感じるのは喜びと重圧。イベントの為に用意するネタは、時事...
掛け捨てすると決めている。彼らを選んだ放送作家は効率が悪...
板の上での真剣勝負に掛ける熱意と気合を汲んでくれていた。
それ位する価値がある。特に主催者の放送作家は、彼らの敬愛...
長年務めてきた男だ。彼らだってお世話になっている。
激しいリアクションには必須の袴を身に付け眼鏡の位置を直し...
問いかけてきた。
「そういや、あんたの相方何処行ったの? 随分長い事見てな...
「何処ですかねぇ。便所にしては長いし」
「倒れてんじゃない?」
相方が極度のアガリ症であるのはよく知られていて、似た小心...
揶揄い半分心配半分なのは見てとれた。コンビだからといって...
そう言われては放置も出来ない。重い腰を上げるべきか迷う。
「緊張のあまり腹下すとか、貧血起こすとか、あいつやりそう...
「見て来てやったら? どの道出番まで時間あるでしょ」
「もし倒れてて使い物にならなかったら、師匠、俺と組んで漫...
付き合いの長さ故の慣れた口調で、博士は噺家に笑いかけた。...
今すぐ立ち上がると心配を見抜かれそうで嫌だった。どっちに...
長けているから、かなりの線でバレているのだろうが。
相方のメンタルの弱さに溜息が出る。慣れろよと思う気持ちが...
特別だからと擁護する気持ちもある。気合が空回りするタイプ...
「つべこべ言ってないで捜しに行きなさいよ。アドリブで漫才...
「またまたぁ。落語家なんて一人で全部やってんだから、出来...
「無理。小心者だからな」
「それじゃ駄目じゃん」
噺家の使うフレーズを口真似しながら言うと、「性格なんだか...
って事でガッテンして頂けましたか?」と彼の仲間が司会をし...
引用しながら返された。そして早く行って来いとばかりに蹴り...
可愛らしさを装っている外見を裏切るバイオレンスな一面も持...
ないけれど、相方に対しての気持ちを見透かされるのは気恥ず...
博士は仕方ない風を装って立ち上がる。意地悪く行き先を尋...
噺家はただ笑って手を振るだけだった。
行き先の見当はついてはいなかったけれど、逃げ込める場所な...
人の来ない非常階段の踊り場で、博士は壁を睨んでいる相方を...
声をかけようと息を吸い込んだ瞬間、相方が気配に気付いて振...
「また緊張してんのかよ」
「だって駄目なもんは駄目なんだよ」
大きな背を丸めて、相方は博士の顔を覗きこんで来た。でかい...
これで昔は不良だったというのだから笑える。
「いいけどさ、別に」
「心配してくれたの?」
「帰って来ないと、最後のネタ合わせが出来ないだろ」
噺家に促されたのは秘密にしておく。心配で来たとは口が裂け...
大体舞台の上に立ってしまえば、逃げも隠れも出来ない訳で、...
緊張している暇なんてない。だからとっとと腹を括ればいいの...
厄介な奴だなぁとは思うけれど、博士はこの相方が好きだった...
地獄の様に過酷だった麻草・仏蘭西座での修行を共に生き抜く...
繋がった。芸暦が二十年を越えてもまだ若手扱いで、必要があ...
殿の名前を頂いている軍団の中でも一番下。それでもしゃんと...
「どうする、ここでネタ合わせしちゃう?」
「ネタ合わせの前にさぁ……」
ふと相方が言い澱んだ。どうしようかな、言おうかな。やめと...
もじもじしながら繰り広げられている。可愛い女の子なら言い...
相手は相方。博士はあっさりと尋ねた。
「何だよ、言えよ」
「じゃあ言うけど、キスして?」
「……はぁ?」
「ほんっとに緊張してんの。駄目なの。だから、ね?」
ちょこんと小首を傾げられても、大男を可愛いと思う趣味は博...
緊張を解す為に唇をねだられるのは初めてではない。ある時は...
昔からの悪癖はこのイベントに限り復活をする。最終的には押...
博士は聞かずにはいられなかった。
「お前なぁ、毎回毎回毎回毎回、どうしてキスを求めるんだよ」
「緊張が和らぐ気がするんだよっ」
「気がするだけだろ」
「和らぐのっ」
「だったら他の誰かにしてもらえよ。お前の濃いから嫌だ」
「優しくするから。……博士じゃなきゃ駄目なんだって」
最初の勢いを削いだ口調でぽつりと言葉が落とされる。声音に...
博士は舌打ちしたくなった。芸人なら洒落で押し切れと思うけ...
思わなくも……なくもない。
だから結局は受け入れてしまうのだ。
「……さっさとしろよ」
「いいの?」
「いいから言ってんの。しないんだったら、楽屋帰るぞ」
睨みあげると相方は嬉しそうに笑った。なんだよ、緊張なんて...
と言いたかったけれど、さらに背を屈めて顔を近付けてきた相...
文句すらもう口からは出てこなかった。
身長の高い相方は、小柄な博士に負担にならない様に、必ず自...
吐息がかかる。唇が重なる。腰に回される腕は逃がさない様に...
やれば出来るじゃんと間違った感想を抱きかけた時、触れるだ...
数ミリの隙間で問いかけられた。
「舌、入れていい?」
「好きにすりゃいいだろ」
キスして良いつった時点で覚悟してるよ、博士は半場自棄の様...
相方を受け入れる。進入してきた舌に口内を掻き回され、零れ...
体温が一気に上がった気がする。着込んでいるパーカーを脱ぎ...
毎回の事ながら、相方にされるキスは長く濃厚だった。巧みに...
眩暈に似た陶然とした感覚が湧き上がる。
人生の半分近く連れ添ってきた相方は、大切過ぎて理由でもな...
多分相手も同じ事を思っている。だからこれ以上の事はない。
コンビを組んでいる相方であるという一線からギリギリ落ちな...
含まれているのか。
馬鹿野郎。博士は心の中で呟いた。俺もこいつも、大馬鹿野郎...
数分間触れ続けていた唇が離れるのは、なんとなく寂しかった...
博士は口を噤む。甘さを引き摺るつもりはない。
何となくお互いに顔が見られない。だから視線を下に逸らしつ...
全体的な流れの再確認と、ポイントのおさらい。しばらくすれ...
組んでいる強みだ。ふらふら酔った状態で戦える程板の上は甘...
出演者は強敵揃い。異種格闘技の場とはいえ、麻草キッドが負...
気を引き締めながら博士はちらりと相方を見上げながら、頭を...
どうせこの先もコンビでいるんだから、死ぬまでには一度位自...
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