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#title(庭球皇子 亜科沢←水漬き(×双子弟)) [#v2803c80]
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
>>120-126で書いた、水漬き×双子弟←双子兄の続きです。
今回は亜科沢←水漬きで、最後にちょっとだけ水漬き×双子弟が...
亜科沢が基督教徒なのは個人的な設定です。
(……台風、…号は今夜にかけて──、関東沿岸…都内、…暴風圏…)
ぎゅぎュギゅぎゅう、と絞め殺されるような声をあげてそれ...
寮の談話室のテーブルに置かれている、そのアヒルの形の防...
それを持ってきた当人はそこはかとない涙目で、背中の電源ボ...
すごすご部屋へ戻っていきました。
さっきから風で揺れるだけではなく、飛んできた細かな砂が...
談話室の窓がぴしぴし鳴っています。
テレビはとうに映らず、ぼくらに残された情報獲得の手段は...
悠太くんは先ほどまで毛布と一緒に、一晩中起きている!と...
つき合わされていた兼田くんが船を漕ぎ出すと、諦めた様子で...
そして談話室には、ふたりだけになりました。
ぼく。
それから、亜科沢くん。
彼は何も言いません。
ぼくも、何も言いません。
「──何か、不思議な気分だな」
「……亜科沢くん?」
1分と23秒の沈黙が、フローリングにひたひたと降り積もる頃...
「はえぬき組と補強組。
…──こんな風に、普通に話せるようになったの、最近だろ」
そういって、彼は懐かしいものでも見るように、視線を窓外...
亜科沢くんが言っているのは、ちょうど1年ほど前のこと。ぼ...
聖ノレドルフ学院中学校、男子テニス部の双璧、はえぬき組と...
何を切っ掛けとしてなのかは、未だに理解できないところで...
互いに切磋琢磨すべき選手たちの間に、微妙な軋轢、わずかな...
表立った諍いこそ無くても、ぎくしゃくとしたふたつの意思...
結果としてその年、聖ノレドルフは成績を残すことが出来ません...
このままでは、はえぬき組と補強組、共に割れてしまうので...
抱きながらも、ぼくは何も出来ずにいました。今にして思えば...
あえてその動かしがたい事実から眼をそむけていたように思い...
落ち葉が盛んに舞って、教会の屋根に滑り降り、かさかさと...
1年の時に同じく、クリスマス礼拝で賛美歌の歌い手として選...
少し時期が早いかと思いながらも、部活の休みを見計らって、...
そこに居たのが、彼でした。
急速に傾いていく午後の陽射しは、正面に掲げられた十字架...
時折のちいさな金属音は、ロザリオを手繰っているからでし...
そして、漏れ聞こえてくる天使祝詞。
部活で見かける彼の姿からは、正直なところ想像できない、...
ぼくは祈りが終わるのを待って、彼に声をかけました。
そして、日がとっぷりと暮れて闇が落ち、見回りのシスター...
ふたりで長い長いこと、話をしました。
テニス部の分裂の危惧や、成績を残せなかった悔しさや、現...
ぼくはそんな事柄を、ひとしきり彼に訴えたように思います。
彼はそのひとつひとつに丁寧に同意し、同じ気持ちであると...
暇を見つけてはこっそりこの“お聖堂”に来て祈っていること
同じ気持ちのみづきに会えてよかったということを言い、
これからよろしく頼む、そういって頭を下げさえしました。
ぼくの全ては、あの日から始まったのです。
「みづきには色々苦労かけたよな。……いつも有難いと思ってる。
俺、部を引っ張っていくんなら何でも無いけどよ、難しいこ...
「……亜科沢くん」
──かれは、例えて言うなら、絆創膏のような人です。
体を張って、だれかの傷口を守れる人です。
そんなかれだからこそ、ぼくは。
「…部長がそんな弱気を出しては、他の部員に示しがつきません...
ぼくは、そこで初めて、亜科沢くんを見ました。
「だから、胸につかえていることがあるなら、ここで全て吐き...
──今日、この時間だけは、聞かなかったことにして差し上げ...
亜科沢くんは顔をゆがめ、泣き笑いのような表情で、
一言だけ──「ありがとな」と言ったきりでした。
でもぼくには、ただそれだけで、充分でした。
背後でほんの少し足音がし、気配が動いたのを、亜科沢くん...
この、仄かに甘いぬくもりを持った時間が過ぎれば、“彼”の...
ぼくをさいなむに違いないのですから。
「──木更津くん。立ち聞きとは良い趣味ではありませんね」
そしてぼくは、苛立ちの痛みに耐えながら、“彼”を部屋へ伴...
「これは君への罰です。服を脱ぎなさい」
また、実の無い快楽(けらく)を貪らねばならないのでしょ...
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
やっぱり感想があるとモチベーション上がるね。
お付き合いいただきありがとうございました。
まだまだ続きを考えてるけど、今日はここまで。
#comment
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#title(庭球皇子 亜科沢←水漬き(×双子弟)) [#v2803c80]
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
>>120-126で書いた、水漬き×双子弟←双子兄の続きです。
今回は亜科沢←水漬きで、最後にちょっとだけ水漬き×双子弟が...
亜科沢が基督教徒なのは個人的な設定です。
(……台風、…号は今夜にかけて──、関東沿岸…都内、…暴風圏…)
ぎゅぎュギゅぎゅう、と絞め殺されるような声をあげてそれ...
寮の談話室のテーブルに置かれている、そのアヒルの形の防...
それを持ってきた当人はそこはかとない涙目で、背中の電源ボ...
すごすご部屋へ戻っていきました。
さっきから風で揺れるだけではなく、飛んできた細かな砂が...
談話室の窓がぴしぴし鳴っています。
テレビはとうに映らず、ぼくらに残された情報獲得の手段は...
悠太くんは先ほどまで毛布と一緒に、一晩中起きている!と...
つき合わされていた兼田くんが船を漕ぎ出すと、諦めた様子で...
そして談話室には、ふたりだけになりました。
ぼく。
それから、亜科沢くん。
彼は何も言いません。
ぼくも、何も言いません。
「──何か、不思議な気分だな」
「……亜科沢くん?」
1分と23秒の沈黙が、フローリングにひたひたと降り積もる頃...
「はえぬき組と補強組。
…──こんな風に、普通に話せるようになったの、最近だろ」
そういって、彼は懐かしいものでも見るように、視線を窓外...
亜科沢くんが言っているのは、ちょうど1年ほど前のこと。ぼ...
聖ノレドルフ学院中学校、男子テニス部の双璧、はえぬき組と...
何を切っ掛けとしてなのかは、未だに理解できないところで...
互いに切磋琢磨すべき選手たちの間に、微妙な軋轢、わずかな...
表立った諍いこそ無くても、ぎくしゃくとしたふたつの意思...
結果としてその年、聖ノレドルフは成績を残すことが出来ません...
このままでは、はえぬき組と補強組、共に割れてしまうので...
抱きながらも、ぼくは何も出来ずにいました。今にして思えば...
あえてその動かしがたい事実から眼をそむけていたように思い...
落ち葉が盛んに舞って、教会の屋根に滑り降り、かさかさと...
1年の時に同じく、クリスマス礼拝で賛美歌の歌い手として選...
少し時期が早いかと思いながらも、部活の休みを見計らって、...
そこに居たのが、彼でした。
急速に傾いていく午後の陽射しは、正面に掲げられた十字架...
時折のちいさな金属音は、ロザリオを手繰っているからでし...
そして、漏れ聞こえてくる天使祝詞。
部活で見かける彼の姿からは、正直なところ想像できない、...
ぼくは祈りが終わるのを待って、彼に声をかけました。
そして、日がとっぷりと暮れて闇が落ち、見回りのシスター...
ふたりで長い長いこと、話をしました。
テニス部の分裂の危惧や、成績を残せなかった悔しさや、現...
ぼくはそんな事柄を、ひとしきり彼に訴えたように思います。
彼はそのひとつひとつに丁寧に同意し、同じ気持ちであると...
暇を見つけてはこっそりこの“お聖堂”に来て祈っていること
同じ気持ちのみづきに会えてよかったということを言い、
これからよろしく頼む、そういって頭を下げさえしました。
ぼくの全ては、あの日から始まったのです。
「みづきには色々苦労かけたよな。……いつも有難いと思ってる。
俺、部を引っ張っていくんなら何でも無いけどよ、難しいこ...
「……亜科沢くん」
──かれは、例えて言うなら、絆創膏のような人です。
体を張って、だれかの傷口を守れる人です。
そんなかれだからこそ、ぼくは。
「…部長がそんな弱気を出しては、他の部員に示しがつきません...
ぼくは、そこで初めて、亜科沢くんを見ました。
「だから、胸につかえていることがあるなら、ここで全て吐き...
──今日、この時間だけは、聞かなかったことにして差し上げ...
亜科沢くんは顔をゆがめ、泣き笑いのような表情で、
一言だけ──「ありがとな」と言ったきりでした。
でもぼくには、ただそれだけで、充分でした。
背後でほんの少し足音がし、気配が動いたのを、亜科沢くん...
この、仄かに甘いぬくもりを持った時間が過ぎれば、“彼”の...
ぼくをさいなむに違いないのですから。
「──木更津くん。立ち聞きとは良い趣味ではありませんね」
そしてぼくは、苛立ちの痛みに耐えながら、“彼”を部屋へ伴...
「これは君への罰です。服を脱ぎなさい」
また、実の無い快楽(けらく)を貪らねばならないのでしょ...
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
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