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#title(錺職人、夜這い編) [#xb808218]
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
| 錺職人、夜這い...
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____________ \ / ̄ ̄ ̄...
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 新~よ...
| | | | ...
| | |> 再生 | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (´...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
※この当時の錺職人は、職人姿と着流しの二通りの衣装でした。
しんと痛いほどに静まった町。子の刻をとうに過ぎ、猫の子一...
月のない闇夜は秘め事には持ってこいだが、お天道様どころか...
顔を背けられるのか、とヒデは後ろ向きの思考のまま歩いていた...
こんな時刻にまともな人間が出歩くはずもない。足音を消し、...
闇に紛れられるよう周囲を伺っていたが、誰にも出くわすこと...
墨を流したような漆黒の中、目を射るように浮かぶ番屋の提灯。
ヒデは立ち止まり、目を逸らさずに明かりを見つめた。番小屋か...
知らずに自分の襟元を強く掴んでいることに気づき、ヒデはふる...
「中/村様、そろそろ見廻りじゃございませんか」
「おう、もうそんな時分かい」
「大丈夫ですかい?今夜の差し入れはなかなかに強え酒でした...
「馬鹿野郎、これっぽっちで酔えるかい。丁度いいぜ、醒まし...
「それじゃ、あっしもお供に――」
「ああ構わねえ、俺ひとりでいい。お前らはしっかりここ守れ...
何か起こって駆け込んでくる奴もいるからな。そんときゃ呼...
「へい、かしこまりやした」
ヒデは番屋の裏手で壁越しの会話をぼんやりと聞いていた。
これが、あの男の日常だ。うだつのあがらない昼行灯。妻と義...
毎日こつこつと勤めを果たし、多くはない手当てを持ち帰る。
あの男が何を置いても守ろうとする生活。自分には理解できな...
不正に対して腰の重い主/水に、何度となく突っかかっては殴り...
自分の主張が間違っていると思ったことはない。人として当た...
それでも、背を向けられると胸がきりきり痛かった。
障子を開け、聞きなれた足音が出て行く。ヒデはそっと闇へ身を...
いつもの巡回路を、主/水は提灯を片手にゆっくりと歩いていた...
暗がりに紛れて犯罪も起こりやすい。用心してか馴染みの屋台...
当てが外れた主/水は舌打ちをして提灯を持ち直した。
市中を廻り、連なる武家屋敷の長い壁に沿って進み、川の音が...
「おい。何の用でえ」
振り返らずに声だけを後ろに投げかける。数秒の沈黙のあと、...
咄嗟に大刀に手を掛けた主/水は、その人物を見止めて大きく息...
「なんだお前ぇか。脅かすんじゃねえよ」
巡回の途中からつかず離れず尾行してくる気配を感じ取ってい...
ヒデならばとりあえず警戒の必要はないが、それにしても同行者...
尾行するというのも妙だ。それにヒデは姿は見せたものの、黙っ...
「――仕事か?」
主/水の声が固くなる。しかしヒデは「いや」と小さく答えて首...
己の襟元を掴んでいるヒデの手がひどく震えているのに気づいた...
「ヒデ?」
近くまで行って覗き込んだ顔は思いつめた子供のようで、俯い...
「おい、どうしたよヒデ。ん?」
その瞬間、主/水は思いがけない力で胸を押された。背中に松の...
そして何が起きたかを理解する前に、さらに理解を超えたこと...
唇に押し付けられた柔らかく暖かい感触。それが何であるかは...
この場所にいる人間が誰かを考えれば、それが誰のものかもわ...
問題は、何故、そんな状況になっているのかだ。
見開いたままの主/水の目の前で、固く瞑ったヒデの瞼と長い睫...
主/水の両肩を掴む手も、不器用に押し付けるばかりの唇も、こ...
どちらも動かず、動けずにどれだけの時間重なっていたのか。...
主/水はひとつ息をついて宥めるように声を掛けた。
「何だ、女日照りで我慢が効かなくなったか」
ヒデは無言で項垂れたままだ。
「こんな親父にサカるほど不自由しちゃいねえだろうよ」
わざと軽口を叩きながら主/水は内心でため息をついた。何とか...
こいつの心の内は分かりやすくて困る。特にあの目は真っ直ぐ...
あんな曇りのない目を自分になど向けてほしくなかった。
だが、そんな主/水の願いは届かなかった。
「あんたじゃなきゃ…いやだ」
搾り出した声は涙混じりだった。放り出されて燃え上がる提灯...
ほろほろと零れ落ちる涙もそのままに、ヒデはただ立ち尽くして...
一歩ずつ近づく主/水の足音に捕らわれたように、指一本動かせ...
数秒の沈黙さえ、叫び出したいほどなのに声も出せない。
「来い」
ただ、一言。ヒデは弾かれたように顔を上げた。主/水は黙って...
相変わらず月が顔を出さないままの夜。提灯の燃えかすから拾...
狭い小屋の中で頼りない火をともしている。建てつけの悪い木...
ヒデはただむしゃぶりついた。どうしてか、いつからか、そんな...
ずっと抱えてきた痛いほどの思いも、もはや告げようと思わな...
呼吸が苦しいと感じる余裕すらなく、ただ貪るように接吻けを...
いつの間にか、崩れそうな身体を主/水が支えてやっているのに...
ただ、欲しかった。目の前のこの男が欲しい、欲しい―――
「慌てるんじゃねえよ」
仕掛けたほうのヒデの息が上がっているのに苦笑しながら、主/...
羽織を脱いで脇に掛けるのをぼんやりと目で追っていたヒデは、...
間近から無言でじっと見つめられ、今更ながらに居たたまれな...
それでも感情はもう止まらない。ヒデは目の前の袷を開き、現れ...
自分の帯が解かれる軽い音がして、背中を撫で下ろす手が火の...
大きな手のひらが間違いなく自分に触れていると感じて、例え...
ヒデは主/水の背中に両手を回し、しがみ付いて猫のように身体...
もどかしげに袖から腕を抜き、主/水の着物も脱がせようとのし...
主/水は丹念に細い身体を弄った。鼻にかかった声をひっきりな...
殊更にゆっくりと唇を合わせる。がむしゃらなヒデのようなやり...
何度も食むように繰り返した。
そのうちに我慢できなくなったのか、ヒデがねだるように腰を押...
主/水は壁に背を預けて足を投げ出し、ぐいとヒデを引き上げて...
真正面から合わせた主/水の目には明らかな欲望が見て取れる。
ヒデはごくりと喉を鳴らし、初めて見る顔から目を逸らせないま...
見慣れた着流しの赤い裏地がやけに目につく。
十分に愛撫を重ねた身体は止めようのないところまで追い上げ...
そして指先が後孔を探り当て、腰が跳ねた。
「ん…ッ!」
初めは擽るようにじっくりと押し広げようとするが、ヒデはそれ...
耐え切れず自分のものに手を遣るのを、上から手を重ね一緒に...
「っあ、あ…あ―――」
程なく若い身体は勢いよく弾け、力をなくして崩れるように主/...
激しく息を弾ませるヒデに、主/水は意地悪い笑みを浮かべから...
「ヒデよ、ここでへたばってるようじゃ身が持たねえぞ」
わざと耳元で低く囁く。
「お楽しみは、これからなんじゃねえのか」
ぞくりとする声音がまともに腰に響き、ヒデはおぼつかない手つ...
「これ…」
小さな包みを取り出し主/水に手渡す。開けば粘りのある物体が...
無言で見返すときまり悪げに目を逸らし、ぼそりと言った。
「岡場所の姉さんがくれた」
「使う予定があるからってか?」
「頼んだんじゃねえよ!簪の代金はずんでくれて、ついでにこ...
「ほーお。なかなか気が利くじゃねえか」
にやりとしながら指に掬い取り、吐き出した精に濡れた場所を...
「なあ…まだか、よ…っ」
「お前ぇのためにやってんだろうが。もうちょっと待て」
散々に焦らされ息も絶え絶えのヒデをなんとか宥めつつ、後孔を...
実際のところ、乱れ悶えるヒデの痴態に主/水のほうも我慢の限...
とめどなく上がる甘い声、潤んだ大きな目でねだられてそうそ...
「そろそろ行くぜ」
首にしがみつく身体がひくりと震えた。
ヒデは緩慢な動作で膝立ちになり、おずおずと腰を浮かせる。白...
ゆっくり押し開くように楔を突き入れた。
「っ―――――― !!!」
痩身が大きくしなり、硬直する。背中に手を回し撫でてやりな...
苦しげな呼吸を伺いながら浅く深く内部を擦る。
ゆっくりと呑み込む熱い肉壁が、ヒデの痛々しいほどの表情と正...
「う、うぅ…ッ、うあ…」
喉を反らし、ヒデはこれ以上ない艶めいた顔で鳴きながら身を捩...
腹の中一杯に主/水の存在が脈打っている。すべてが吹き飛ぶよ...
もっと、もっと欲しくて腰を振った。呆れられ蔑まれても構わ...
やがて主/水の息が荒くなり、腰を掴んだ両手に力が込められる...
今だけでいいからこの男のすべてが欲しかった。
「あぁ、あッ…うう、あ、あっ、あッ」
がくがく揺さぶられ突き上げられ、滅茶苦茶に壊されるような...
奥の奥を執拗にぐいぐいと抉られて悲鳴に近い嬌声が迸った。
「く…っ!」
ほとんど狂ったような嬌態に否応なく煽られ、一気に頂点に引...
咄嗟に引き抜こうとして身体を引いた。が、ヒデが全身でかじり...
「おい…!」
「出せよ、そのまま。俺ん中に全部くれよ…」
熱に蕩けた目は凄絶な色香に染まり、主/水にそれを振り払う理...
内部で弾け溢れ出す熱に、ヒデはうっとりと目を閉じて身体を震...
ふと、ヒデは目を開けた。
蝋燭の火は、もう尽きる寸前の弱々しさで揺れている。ぞんざ...
着流しを整えながら身を起こすと、汚れた下肢は拭き取られた...
散々に鳴いて痛む喉と、重くだるい下半身。
そして、だれもいない空間。
ヒデは、身体を引きずるように小屋の外へ飛び出した。
黒く塗りこめられた夜が無言で広がっている。もう気配さえ残...
澄んだ空気が急速にヒデの身体と心を冷やしていった。
一人の夜廻りとはいえ、あまりに戻りが遅いと厄介ということ...
だったら平手でも2、3発食らわせて目を覚まさせればいい。...
「なんだよ…」
明日からまたつれない態度に戻っても、二度とこんな行為に応...
見殺しにされたって構わない。
「置いてくなよ…」
でも目覚めて傍に誰もいない、この絶望に似た思いには耐えら...
ヒデはふらふらと数歩歩き、松の木の根元に蹲った。喉が震え、...
指先が白くなるほど肩口を握りしめ、身体を丸めて泣きじゃく...
とてつもない喜びの後の大きすぎる寂しさに押しつぶされそう...
それでも、あの男がどうしようもなく愛しかった。
東の空が白み始めるまで、ヒデはその場から動かなかった。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ 停止 | |
| | | | ∧...
| | | | ピッ (...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| ...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
旦那のエチーはねちこいと思うのです。
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| 錺職人、夜這い...
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| | |> 再生 | | ...
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※この当時の錺職人は、職人姿と着流しの二通りの衣装でした。
しんと痛いほどに静まった町。子の刻をとうに過ぎ、猫の子一...
月のない闇夜は秘め事には持ってこいだが、お天道様どころか...
顔を背けられるのか、とヒデは後ろ向きの思考のまま歩いていた...
こんな時刻にまともな人間が出歩くはずもない。足音を消し、...
闇に紛れられるよう周囲を伺っていたが、誰にも出くわすこと...
墨を流したような漆黒の中、目を射るように浮かぶ番屋の提灯。
ヒデは立ち止まり、目を逸らさずに明かりを見つめた。番小屋か...
知らずに自分の襟元を強く掴んでいることに気づき、ヒデはふる...
「中/村様、そろそろ見廻りじゃございませんか」
「おう、もうそんな時分かい」
「大丈夫ですかい?今夜の差し入れはなかなかに強え酒でした...
「馬鹿野郎、これっぽっちで酔えるかい。丁度いいぜ、醒まし...
「それじゃ、あっしもお供に――」
「ああ構わねえ、俺ひとりでいい。お前らはしっかりここ守れ...
何か起こって駆け込んでくる奴もいるからな。そんときゃ呼...
「へい、かしこまりやした」
ヒデは番屋の裏手で壁越しの会話をぼんやりと聞いていた。
これが、あの男の日常だ。うだつのあがらない昼行灯。妻と義...
毎日こつこつと勤めを果たし、多くはない手当てを持ち帰る。
あの男が何を置いても守ろうとする生活。自分には理解できな...
不正に対して腰の重い主/水に、何度となく突っかかっては殴り...
自分の主張が間違っていると思ったことはない。人として当た...
それでも、背を向けられると胸がきりきり痛かった。
障子を開け、聞きなれた足音が出て行く。ヒデはそっと闇へ身を...
いつもの巡回路を、主/水は提灯を片手にゆっくりと歩いていた...
暗がりに紛れて犯罪も起こりやすい。用心してか馴染みの屋台...
当てが外れた主/水は舌打ちをして提灯を持ち直した。
市中を廻り、連なる武家屋敷の長い壁に沿って進み、川の音が...
「おい。何の用でえ」
振り返らずに声だけを後ろに投げかける。数秒の沈黙のあと、...
咄嗟に大刀に手を掛けた主/水は、その人物を見止めて大きく息...
「なんだお前ぇか。脅かすんじゃねえよ」
巡回の途中からつかず離れず尾行してくる気配を感じ取ってい...
ヒデならばとりあえず警戒の必要はないが、それにしても同行者...
尾行するというのも妙だ。それにヒデは姿は見せたものの、黙っ...
「――仕事か?」
主/水の声が固くなる。しかしヒデは「いや」と小さく答えて首...
己の襟元を掴んでいるヒデの手がひどく震えているのに気づいた...
「ヒデ?」
近くまで行って覗き込んだ顔は思いつめた子供のようで、俯い...
「おい、どうしたよヒデ。ん?」
その瞬間、主/水は思いがけない力で胸を押された。背中に松の...
そして何が起きたかを理解する前に、さらに理解を超えたこと...
唇に押し付けられた柔らかく暖かい感触。それが何であるかは...
この場所にいる人間が誰かを考えれば、それが誰のものかもわ...
問題は、何故、そんな状況になっているのかだ。
見開いたままの主/水の目の前で、固く瞑ったヒデの瞼と長い睫...
主/水の両肩を掴む手も、不器用に押し付けるばかりの唇も、こ...
どちらも動かず、動けずにどれだけの時間重なっていたのか。...
主/水はひとつ息をついて宥めるように声を掛けた。
「何だ、女日照りで我慢が効かなくなったか」
ヒデは無言で項垂れたままだ。
「こんな親父にサカるほど不自由しちゃいねえだろうよ」
わざと軽口を叩きながら主/水は内心でため息をついた。何とか...
こいつの心の内は分かりやすくて困る。特にあの目は真っ直ぐ...
あんな曇りのない目を自分になど向けてほしくなかった。
だが、そんな主/水の願いは届かなかった。
「あんたじゃなきゃ…いやだ」
搾り出した声は涙混じりだった。放り出されて燃え上がる提灯...
ほろほろと零れ落ちる涙もそのままに、ヒデはただ立ち尽くして...
一歩ずつ近づく主/水の足音に捕らわれたように、指一本動かせ...
数秒の沈黙さえ、叫び出したいほどなのに声も出せない。
「来い」
ただ、一言。ヒデは弾かれたように顔を上げた。主/水は黙って...
相変わらず月が顔を出さないままの夜。提灯の燃えかすから拾...
狭い小屋の中で頼りない火をともしている。建てつけの悪い木...
ヒデはただむしゃぶりついた。どうしてか、いつからか、そんな...
ずっと抱えてきた痛いほどの思いも、もはや告げようと思わな...
呼吸が苦しいと感じる余裕すらなく、ただ貪るように接吻けを...
いつの間にか、崩れそうな身体を主/水が支えてやっているのに...
ただ、欲しかった。目の前のこの男が欲しい、欲しい―――
「慌てるんじゃねえよ」
仕掛けたほうのヒデの息が上がっているのに苦笑しながら、主/...
羽織を脱いで脇に掛けるのをぼんやりと目で追っていたヒデは、...
間近から無言でじっと見つめられ、今更ながらに居たたまれな...
それでも感情はもう止まらない。ヒデは目の前の袷を開き、現れ...
自分の帯が解かれる軽い音がして、背中を撫で下ろす手が火の...
大きな手のひらが間違いなく自分に触れていると感じて、例え...
ヒデは主/水の背中に両手を回し、しがみ付いて猫のように身体...
もどかしげに袖から腕を抜き、主/水の着物も脱がせようとのし...
主/水は丹念に細い身体を弄った。鼻にかかった声をひっきりな...
殊更にゆっくりと唇を合わせる。がむしゃらなヒデのようなやり...
何度も食むように繰り返した。
そのうちに我慢できなくなったのか、ヒデがねだるように腰を押...
主/水は壁に背を預けて足を投げ出し、ぐいとヒデを引き上げて...
真正面から合わせた主/水の目には明らかな欲望が見て取れる。
ヒデはごくりと喉を鳴らし、初めて見る顔から目を逸らせないま...
見慣れた着流しの赤い裏地がやけに目につく。
十分に愛撫を重ねた身体は止めようのないところまで追い上げ...
そして指先が後孔を探り当て、腰が跳ねた。
「ん…ッ!」
初めは擽るようにじっくりと押し広げようとするが、ヒデはそれ...
耐え切れず自分のものに手を遣るのを、上から手を重ね一緒に...
「っあ、あ…あ―――」
程なく若い身体は勢いよく弾け、力をなくして崩れるように主/...
激しく息を弾ませるヒデに、主/水は意地悪い笑みを浮かべから...
「ヒデよ、ここでへたばってるようじゃ身が持たねえぞ」
わざと耳元で低く囁く。
「お楽しみは、これからなんじゃねえのか」
ぞくりとする声音がまともに腰に響き、ヒデはおぼつかない手つ...
「これ…」
小さな包みを取り出し主/水に手渡す。開けば粘りのある物体が...
無言で見返すときまり悪げに目を逸らし、ぼそりと言った。
「岡場所の姉さんがくれた」
「使う予定があるからってか?」
「頼んだんじゃねえよ!簪の代金はずんでくれて、ついでにこ...
「ほーお。なかなか気が利くじゃねえか」
にやりとしながら指に掬い取り、吐き出した精に濡れた場所を...
「なあ…まだか、よ…っ」
「お前ぇのためにやってんだろうが。もうちょっと待て」
散々に焦らされ息も絶え絶えのヒデをなんとか宥めつつ、後孔を...
実際のところ、乱れ悶えるヒデの痴態に主/水のほうも我慢の限...
とめどなく上がる甘い声、潤んだ大きな目でねだられてそうそ...
「そろそろ行くぜ」
首にしがみつく身体がひくりと震えた。
ヒデは緩慢な動作で膝立ちになり、おずおずと腰を浮かせる。白...
ゆっくり押し開くように楔を突き入れた。
「っ―――――― !!!」
痩身が大きくしなり、硬直する。背中に手を回し撫でてやりな...
苦しげな呼吸を伺いながら浅く深く内部を擦る。
ゆっくりと呑み込む熱い肉壁が、ヒデの痛々しいほどの表情と正...
「う、うぅ…ッ、うあ…」
喉を反らし、ヒデはこれ以上ない艶めいた顔で鳴きながら身を捩...
腹の中一杯に主/水の存在が脈打っている。すべてが吹き飛ぶよ...
もっと、もっと欲しくて腰を振った。呆れられ蔑まれても構わ...
やがて主/水の息が荒くなり、腰を掴んだ両手に力が込められる...
今だけでいいからこの男のすべてが欲しかった。
「あぁ、あッ…うう、あ、あっ、あッ」
がくがく揺さぶられ突き上げられ、滅茶苦茶に壊されるような...
奥の奥を執拗にぐいぐいと抉られて悲鳴に近い嬌声が迸った。
「く…っ!」
ほとんど狂ったような嬌態に否応なく煽られ、一気に頂点に引...
咄嗟に引き抜こうとして身体を引いた。が、ヒデが全身でかじり...
「おい…!」
「出せよ、そのまま。俺ん中に全部くれよ…」
熱に蕩けた目は凄絶な色香に染まり、主/水にそれを振り払う理...
内部で弾け溢れ出す熱に、ヒデはうっとりと目を閉じて身体を震...
ふと、ヒデは目を開けた。
蝋燭の火は、もう尽きる寸前の弱々しさで揺れている。ぞんざ...
着流しを整えながら身を起こすと、汚れた下肢は拭き取られた...
散々に鳴いて痛む喉と、重くだるい下半身。
そして、だれもいない空間。
ヒデは、身体を引きずるように小屋の外へ飛び出した。
黒く塗りこめられた夜が無言で広がっている。もう気配さえ残...
澄んだ空気が急速にヒデの身体と心を冷やしていった。
一人の夜廻りとはいえ、あまりに戻りが遅いと厄介ということ...
だったら平手でも2、3発食らわせて目を覚まさせればいい。...
「なんだよ…」
明日からまたつれない態度に戻っても、二度とこんな行為に応...
見殺しにされたって構わない。
「置いてくなよ…」
でも目覚めて傍に誰もいない、この絶望に似た思いには耐えら...
ヒデはふらふらと数歩歩き、松の木の根元に蹲った。喉が震え、...
指先が白くなるほど肩口を握りしめ、身体を丸めて泣きじゃく...
とてつもない喜びの後の大きすぎる寂しさに押しつぶされそう...
それでも、あの男がどうしようもなく愛しかった。
東の空が白み始めるまで、ヒデはその場から動かなかった。
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
旦那のエチーはねちこいと思うのです。
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シリーズものインデックス2
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