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#title(博士×助手) [#bc6ccf35]
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
| 振畑人三郎の...
____________ \ / ̄ ̄ ̄...
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| エロ無...
| | | | ...
| | |> PLAY. | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (´...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(...
その頃の春樹といえば、田園風景しか見当たらないような
田舎から上京してきてやっと東京での生活に慣れ、監察医という
特殊な仕事への戸惑いも減ってきた20代の青年だった。
「先生!」
少しサイズの大きな白衣を翻し、春樹は無機質なコンクリート...
春樹が追いかける先生と呼ばれた男は『月水金』と監察医とし...
先生は普段大学で法医学博士として教鞭を取っている。
年齢は40代になったばかりで髪にはちらほらと白い物が混じり...
とっつき難い雰囲気と、とっつき難い風貌と実際にとっつき難...
しかし監察医としては優秀な人だった。
名前を
「区呂岩先生!」
と言った。
春樹は歩みを止める様子の無い先生の様子に、思わず伸ばした...
『くんっ』と後ろから引っ張られる闇雲な力に、区呂岩も歩み...
「なんだ・・・」
それは春樹への質問ではない。問いかけを装った非難である事...
振り返った区呂岩の表情で悟り、顔を強張らせ急いで白衣の裾...
「す、すいません、あの、これ」
忘れ物です、と片手に持っていた茶封筒を区呂岩に差し出した。
区呂岩はその茶封筒を一瞥すると「あぁ」とだけ呟き春樹の手...
「それじゃあ、お疲れ様でした」
自分の役目が果たせたと、春樹は安堵の入り混じった柔らかな...
区呂岩に頭を下げ、そのまま研究室に戻ろうとした時だった。
「おい、」
「は、はい?」
「お前、名前は?」
「え、名前・・・ですか」
「自分の名前もわからんのか?」
「あ、いえ、そういう訳ではなくて、あ、あ、スイマセンっ」
「さっさと、名乗れ」
「は、はいっ、春樹といいます」
「春樹・・・わかった。覚えておく」
区呂岩はそれだけ言い残すと、止めていた歩みをまた進め
目を丸くしてその場に立ち尽くしていた春樹の目の前からさっ...
区呂岩と仕事をするようになって既に3ヶ月以上が経とうとして...
今更覚えておくなんて、今まで春樹の名を覚えていなかったと...
確かに、会話らしい会話は今が初めに近かったが・・・。
「嬉しいけど・・・ショックだな」
ぽつりと、春樹は誰もいない閑散とした廊下の上で呟いた。
監察医としての区呂岩の評判は以前から耳にしていた春樹。
区呂岩と一緒に仕事をすることで、区呂岩への尊敬の念は
大きくなっていたと言うのに、その気持ちに冷水をかけられた...
その頃の春樹といえば、東京での生活も、監察医という
特殊な仕事も当たり前となり着せられていた白衣も
着こなせるようになっていた。30代、青年と壮年の間にいた。
区呂岩に名前を覚えられてからの『月水金』、春樹は必ず区呂...
それは春樹が望んだものではなく、監察医としてやってきた区...
さも当たり前のように「春樹はいるか」と春樹を呼びつけ
「行くぞ」の一言を残してさっさと今日上がった変死体のリス...
車に乗り込んでいく物だから、春樹は慌てて区呂岩の後を追う...
春樹以外にも区呂岩の下に就く人間は勿論居たが、区呂岩のと...
長く就いて行ける人間は春樹しか居なかったのだ。
そんな状況は春樹にとってくすぐったいような小さな喜びを与...
”あの”区呂岩先生に名指しで選ばれたんだという優越感と
”その”区呂岩先生とコンビとして皆に認識されているという誇...
この喜びに浸りたいがために、春樹は仕事に没頭し30代になっ...
未婚のままだった。
周囲は勿論そんな春樹を不思議がったものだが、監察医という
特殊な仕事に就く人間の考えることだからと、余り深く追求す...
春樹自身、自分が結婚をしないのは相手が居ない事と
今は区呂岩の下で仕事に打ち込みたいだけなのだと思っていた。
そして区呂岩と春樹、二人の関係にもう一つの要素が加わった...
春樹は区呂岩と肉体関係を結んだのだ。
ソレに前兆やキッカケは無かった。
研究室に二人きりになった瞬間、春樹の体は区呂岩が愛用して...
押し倒されていて、薄気味悪い笑顔を浮かべる区呂岩の顔が
春樹の方へとどんどん近づいてきて唇を重ねたのだ。
区呂岩の思ったよりも柔らかな唇の感触よりも、
先ほどまで区呂岩が食べていたあたりめの特性ダレとマヨネー...
春樹はその行為が紛れも無い現実だと知らされた。
抵抗らしい抵抗は無かった。それは春樹が抵抗できなかったの...
抵抗をしなかったからだ。
春樹は未婚ではあるが男色の趣味は無いし、
おそらく区呂岩にも男色の趣味は無いのだろう。
それを照明するように、区呂岩の愛撫は男性同士の性交について
知識はあっても経験が無い事を示すような、拙く乱暴なものだ...
それでも春樹が区呂岩に抵抗しなかったのは、
デスクの上に押し倒された時、囁かれた区呂岩の台詞が
春樹から抵抗を奪い去ってしまったからだ。
「俺のモノになりたいんだろう?」
春樹は事が終わるまでただただ、区呂岩から与えられる痛みに...
全てが終わっても静かに痛みに顔を微かに顰めながら乱れた衣...
その間区呂岩は何も言わず、寛げた前だけを元に戻して
平然とした様子で春樹を見ていた。
「・・・せん、せ・・・」
「なんだ?」
衣服を整え終わった春樹は以外にも穏やかな視線を区呂岩に投...
その視線に満足したように区呂岩も彼にしては穏やかな笑みを...
改めて見てみるとはじめてあった頃より格段に髪には白い物が...
「研究室の鍵、閉めるんで渡してもらえますか」
「ああ、ホラよ」
区呂岩の手から放物線を描いて春樹の掌に鍵は納まった。
「じゃあ帰りましょう」
「ん」
鍵と鞄を手に取り区呂岩の一歩後ろを春樹は歩き
研究室に灯っていた僅かばかりの電灯を消していく。
人気の無い廊下に扉を閉め、鍵をかける音が大きく響く。
鍵をかけるため区呂岩に背中を向けていた春樹は、
背後から突然区呂岩に臀部を鷲掴まれ、また痛みに顔を顰めた。
「返事を聞いてなかった」
「・・・・・・・・・」
「どうなんだ?」
区呂岩の台詞は形だけの問いかけて、
実際には決定事項に関する確認だった。
春樹は自分の秘部から拭い切れなかった区呂岩の精液が
零れていくのを感じ、背筋を震わせ唇をかみ締める。
「どうなんだ?」
苛立ちを隠さない区呂岩は臀部を掴む手の力を更に強める。
「っ・・・僕は、先生のモノ、です」
「イイコだ」
区呂岩は臀部から手を離すと、春樹を力任せに正面に向けさせ
乱暴に唇をふさいだ。
その頃の春樹といえば、東京での生活も、監察医という
特殊な仕事も区呂岩との関係も全てが習慣として組み込まれた
40代、壮年の独身男だった。
区呂岩との性交の回数は格段に減っていた。
とは言っても、実際に区呂岩と体を重ねる回数が減っているだ...
春樹が区呂岩に嬲られる回数を加えれば、大きな減少ではなか...
そして春樹は40歳を過ぎても独身を貫いていた。
今更ながら気づくに、春樹は区呂岩に初めて会ったときから
惹かれていたのかもしれない。
区呂岩に支配される事を無意識のうちに望んでいたのかもしれ...
無意識から発展していった欲望が、色々なモノで
雲隠れをして春樹を未婚のままにさせたのだろう。
初めて区呂岩に出会ったときの年齢を、春樹はとうに越えてし...
思うと春樹は時の流れの短さに驚きを覚えるのだった。
区呂岩の「モノ」となり、春樹は色々な事を区呂岩から知らさ...
大きなモノで言えば、区呂岩に流れてくる金の問題についてだ。
その話を聞かされた時は区呂岩から札束を握らされていた春樹は
ショックというよりも、区呂岩なら仕方ないと納得すらしてい...
更に春樹は、だから区呂岩は自分を「俺のモノ」にしようとし...
自分の悪事の片棒を担がせ、そして最後には全ての悪を
抱き込み区呂岩の見代わりとなるような
共犯者より力の違いが明確な存在が欲しかったのだろうと。
だから春樹は区呂岩から金を貰い続け区呂岩の行動に加担した。
金は無いよりあった方が良いだろうという単純な理由からだっ...
それに春樹自身、上手くやればバレやしないとタカを括ってい...
警察は外部の敵には敏感なくせに内部に潜む敵には鈍感だと知...
けれど悪事はいつか明るみに出てしまうという決まりでもある...
一生かと思っていた安定に亀裂が入り、
その亀裂は一年という歳月をかけて致命傷になろうとしていた。
区呂岩と春樹二人で修繕を試みたもののそれは徒労に終わった。
もう、限界だと春樹は全ての破綻が迫っている事に気づき、
区呂岩の元へと向かった。今夜が霧の濃い夜だと
研究室へ続く廊下から外を覗き春樹は知る事になった。
このままこの霧が全てを飲み込み、一生晴れなければいいのにと
感傷気味の自分の思考に、春樹は苦笑いを浮かべた。
区呂岩の居る研究室の扉を開け、春樹は最初に区呂岩に抱かれた
デスクの前に神妙な面持ちで立っていた。
何時ものように夜でも明かりの少ない研究室の奥で
悠然とした態度を崩さず、革張りの椅子に腰掛ける区呂岩に
昨日から考えていた台詞をぶつける。もう限界だと、自首をし...
それは春樹の期待だった。
春樹は期待したのだ、区呂岩に自首を持ちかける事によって
区呂岩が春樹をも殺めてくれるのではないかと。
自首をしようなんて、春樹の本心からの台詞ではない。
ここまで足を踏み込んで、愁傷になれるほど春樹は
誠実な人間ではなくなっていた。
もしこの提案に区呂岩が賛同するようなことがあれば、
春樹は区呂岩を殺すつもりだった。
全てが破綻する前に、春樹を完全に区呂岩のモノにして欲しか...
春樹の命すらも区呂岩の手で支配をして欲しい。
区呂岩と離れ、一人刑務所の中で生きるなんて今の春樹には考...
区呂岩という人間が誠実な人間だと春樹は思った事が無かった。
だから区呂岩という人間に期待をしようとは思ってもいない事。
しかし春樹が区呂岩のモノである事に誠実であろうと勤めたよ...
区呂岩も春樹が区呂岩のモノである事だけには誠実であって欲...
それは春樹の区呂岩に対する最初で最後の期待だった。
台詞を全てぶつけて春樹は、自分の鼓動が早くなっているのを...
研究室から出ようとしたとき、区呂岩が椅子から立ち上がった...
春樹はスグそこに迫っている全ての終わりに対する恐怖よりも
区呂岩が全てを終わらせてくれるのだという歓喜に戦慄き
その歓喜を味わうように、ゆっくりと振り向いた。
振り向いた春樹は区呂岩が凶器を片手に何か表情を浮かべてい...
最後の映像になるであろう区呂岩のその顔にどんな表情が張り...
知りたくて、春樹は目を見開き続けるが明かりが乏しい上に
逆光という悪条件で、それは叶わなかった。
『ガッ』
痛みというより衝撃が春樹の全身を支配した瞬間、
春樹の全てが完全に闇に変わる。
それでも春樹の瞳は最後まで大きく見開かれたままだった。
一撃で変死体と化してしまった春樹を見下ろし、区呂岩は短く...
春樹の血で濡れたのは凶器だけではなく、凶器を握った手や
先生の頬、そして真っ白な白衣にも鮮やかに跡を残していた。
先生の顔に張り付いていたのは、薄気味悪い笑顔のようなモノ...
『これ以上粘ったって、何一ついいことなんか無いんです』
誘い文句の割には的を得た台詞だと、区呂岩は今更だが
心中で春樹を褒めていた。
区呂岩だって春樹が何を期待していたのか、其れくらいの事は...
事件の真相が明るみにでるまで、振畑と言う慇懃無礼なしつこ...
嫌と言う程付きまとわれるだろう。挙句の果てに逮捕されて、
好物のあたりめも満足に食べられない場所に
放り込まれる可能性もある。最悪なのだ。確かに。
それでも区呂岩は凶器を手に取り春樹の口を封じる事を選択し...
春樹の台詞は自分を殺めるように
区呂岩を嗾けるための台詞だと知っていたから。
そうなる事を望んだ春樹の誘い文句に乗ったのは区呂岩なのだ。
ニタリと今度こそはハッキリと笑みと分かる表情を区呂岩は浮...
「しかたねーなぁ、お前は俺のモノなんだから」
それは区呂岩自身への言い訳なのか、
それとも春樹へのぼやきなのか・・・。
区呂岩はおもむろにその場にしゃがみこむと、
春樹の顔をまじまじと覗き込む。
大きく見開かれた瞳。
口元には微かに笑みのようなものが浮かんでいるように見えな...
「笑ってるのか、お前」
絶対に答えの返ってこない問いかけを区呂岩は呟き、
更に春樹との距離を縮め、まだ体温が残る唇に最後の口付けを...
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
| 久々に映像見...
____________ \ / ̄ ̄ ̄...
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 設定捏...
| | | | ...
| | |>STOP. | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (´...
| | | | ◇⊂ ...
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| 振畑人三郎の...
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| エロ無...
| | | | ...
| | |> PLAY. | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (´...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(...
その頃の春樹といえば、田園風景しか見当たらないような
田舎から上京してきてやっと東京での生活に慣れ、監察医という
特殊な仕事への戸惑いも減ってきた20代の青年だった。
「先生!」
少しサイズの大きな白衣を翻し、春樹は無機質なコンクリート...
春樹が追いかける先生と呼ばれた男は『月水金』と監察医とし...
先生は普段大学で法医学博士として教鞭を取っている。
年齢は40代になったばかりで髪にはちらほらと白い物が混じり...
とっつき難い雰囲気と、とっつき難い風貌と実際にとっつき難...
しかし監察医としては優秀な人だった。
名前を
「区呂岩先生!」
と言った。
春樹は歩みを止める様子の無い先生の様子に、思わず伸ばした...
『くんっ』と後ろから引っ張られる闇雲な力に、区呂岩も歩み...
「なんだ・・・」
それは春樹への質問ではない。問いかけを装った非難である事...
振り返った区呂岩の表情で悟り、顔を強張らせ急いで白衣の裾...
「す、すいません、あの、これ」
忘れ物です、と片手に持っていた茶封筒を区呂岩に差し出した。
区呂岩はその茶封筒を一瞥すると「あぁ」とだけ呟き春樹の手...
「それじゃあ、お疲れ様でした」
自分の役目が果たせたと、春樹は安堵の入り混じった柔らかな...
区呂岩に頭を下げ、そのまま研究室に戻ろうとした時だった。
「おい、」
「は、はい?」
「お前、名前は?」
「え、名前・・・ですか」
「自分の名前もわからんのか?」
「あ、いえ、そういう訳ではなくて、あ、あ、スイマセンっ」
「さっさと、名乗れ」
「は、はいっ、春樹といいます」
「春樹・・・わかった。覚えておく」
区呂岩はそれだけ言い残すと、止めていた歩みをまた進め
目を丸くしてその場に立ち尽くしていた春樹の目の前からさっ...
区呂岩と仕事をするようになって既に3ヶ月以上が経とうとして...
今更覚えておくなんて、今まで春樹の名を覚えていなかったと...
確かに、会話らしい会話は今が初めに近かったが・・・。
「嬉しいけど・・・ショックだな」
ぽつりと、春樹は誰もいない閑散とした廊下の上で呟いた。
監察医としての区呂岩の評判は以前から耳にしていた春樹。
区呂岩と一緒に仕事をすることで、区呂岩への尊敬の念は
大きくなっていたと言うのに、その気持ちに冷水をかけられた...
その頃の春樹といえば、東京での生活も、監察医という
特殊な仕事も当たり前となり着せられていた白衣も
着こなせるようになっていた。30代、青年と壮年の間にいた。
区呂岩に名前を覚えられてからの『月水金』、春樹は必ず区呂...
それは春樹が望んだものではなく、監察医としてやってきた区...
さも当たり前のように「春樹はいるか」と春樹を呼びつけ
「行くぞ」の一言を残してさっさと今日上がった変死体のリス...
車に乗り込んでいく物だから、春樹は慌てて区呂岩の後を追う...
春樹以外にも区呂岩の下に就く人間は勿論居たが、区呂岩のと...
長く就いて行ける人間は春樹しか居なかったのだ。
そんな状況は春樹にとってくすぐったいような小さな喜びを与...
”あの”区呂岩先生に名指しで選ばれたんだという優越感と
”その”区呂岩先生とコンビとして皆に認識されているという誇...
この喜びに浸りたいがために、春樹は仕事に没頭し30代になっ...
未婚のままだった。
周囲は勿論そんな春樹を不思議がったものだが、監察医という
特殊な仕事に就く人間の考えることだからと、余り深く追求す...
春樹自身、自分が結婚をしないのは相手が居ない事と
今は区呂岩の下で仕事に打ち込みたいだけなのだと思っていた。
そして区呂岩と春樹、二人の関係にもう一つの要素が加わった...
春樹は区呂岩と肉体関係を結んだのだ。
ソレに前兆やキッカケは無かった。
研究室に二人きりになった瞬間、春樹の体は区呂岩が愛用して...
押し倒されていて、薄気味悪い笑顔を浮かべる区呂岩の顔が
春樹の方へとどんどん近づいてきて唇を重ねたのだ。
区呂岩の思ったよりも柔らかな唇の感触よりも、
先ほどまで区呂岩が食べていたあたりめの特性ダレとマヨネー...
春樹はその行為が紛れも無い現実だと知らされた。
抵抗らしい抵抗は無かった。それは春樹が抵抗できなかったの...
抵抗をしなかったからだ。
春樹は未婚ではあるが男色の趣味は無いし、
おそらく区呂岩にも男色の趣味は無いのだろう。
それを照明するように、区呂岩の愛撫は男性同士の性交について
知識はあっても経験が無い事を示すような、拙く乱暴なものだ...
それでも春樹が区呂岩に抵抗しなかったのは、
デスクの上に押し倒された時、囁かれた区呂岩の台詞が
春樹から抵抗を奪い去ってしまったからだ。
「俺のモノになりたいんだろう?」
春樹は事が終わるまでただただ、区呂岩から与えられる痛みに...
全てが終わっても静かに痛みに顔を微かに顰めながら乱れた衣...
その間区呂岩は何も言わず、寛げた前だけを元に戻して
平然とした様子で春樹を見ていた。
「・・・せん、せ・・・」
「なんだ?」
衣服を整え終わった春樹は以外にも穏やかな視線を区呂岩に投...
その視線に満足したように区呂岩も彼にしては穏やかな笑みを...
改めて見てみるとはじめてあった頃より格段に髪には白い物が...
「研究室の鍵、閉めるんで渡してもらえますか」
「ああ、ホラよ」
区呂岩の手から放物線を描いて春樹の掌に鍵は納まった。
「じゃあ帰りましょう」
「ん」
鍵と鞄を手に取り区呂岩の一歩後ろを春樹は歩き
研究室に灯っていた僅かばかりの電灯を消していく。
人気の無い廊下に扉を閉め、鍵をかける音が大きく響く。
鍵をかけるため区呂岩に背中を向けていた春樹は、
背後から突然区呂岩に臀部を鷲掴まれ、また痛みに顔を顰めた。
「返事を聞いてなかった」
「・・・・・・・・・」
「どうなんだ?」
区呂岩の台詞は形だけの問いかけて、
実際には決定事項に関する確認だった。
春樹は自分の秘部から拭い切れなかった区呂岩の精液が
零れていくのを感じ、背筋を震わせ唇をかみ締める。
「どうなんだ?」
苛立ちを隠さない区呂岩は臀部を掴む手の力を更に強める。
「っ・・・僕は、先生のモノ、です」
「イイコだ」
区呂岩は臀部から手を離すと、春樹を力任せに正面に向けさせ
乱暴に唇をふさいだ。
その頃の春樹といえば、東京での生活も、監察医という
特殊な仕事も区呂岩との関係も全てが習慣として組み込まれた
40代、壮年の独身男だった。
区呂岩との性交の回数は格段に減っていた。
とは言っても、実際に区呂岩と体を重ねる回数が減っているだ...
春樹が区呂岩に嬲られる回数を加えれば、大きな減少ではなか...
そして春樹は40歳を過ぎても独身を貫いていた。
今更ながら気づくに、春樹は区呂岩に初めて会ったときから
惹かれていたのかもしれない。
区呂岩に支配される事を無意識のうちに望んでいたのかもしれ...
無意識から発展していった欲望が、色々なモノで
雲隠れをして春樹を未婚のままにさせたのだろう。
初めて区呂岩に出会ったときの年齢を、春樹はとうに越えてし...
思うと春樹は時の流れの短さに驚きを覚えるのだった。
区呂岩の「モノ」となり、春樹は色々な事を区呂岩から知らさ...
大きなモノで言えば、区呂岩に流れてくる金の問題についてだ。
その話を聞かされた時は区呂岩から札束を握らされていた春樹は
ショックというよりも、区呂岩なら仕方ないと納得すらしてい...
更に春樹は、だから区呂岩は自分を「俺のモノ」にしようとし...
自分の悪事の片棒を担がせ、そして最後には全ての悪を
抱き込み区呂岩の見代わりとなるような
共犯者より力の違いが明確な存在が欲しかったのだろうと。
だから春樹は区呂岩から金を貰い続け区呂岩の行動に加担した。
金は無いよりあった方が良いだろうという単純な理由からだっ...
それに春樹自身、上手くやればバレやしないとタカを括ってい...
警察は外部の敵には敏感なくせに内部に潜む敵には鈍感だと知...
けれど悪事はいつか明るみに出てしまうという決まりでもある...
一生かと思っていた安定に亀裂が入り、
その亀裂は一年という歳月をかけて致命傷になろうとしていた。
区呂岩と春樹二人で修繕を試みたもののそれは徒労に終わった。
もう、限界だと春樹は全ての破綻が迫っている事に気づき、
区呂岩の元へと向かった。今夜が霧の濃い夜だと
研究室へ続く廊下から外を覗き春樹は知る事になった。
このままこの霧が全てを飲み込み、一生晴れなければいいのにと
感傷気味の自分の思考に、春樹は苦笑いを浮かべた。
区呂岩の居る研究室の扉を開け、春樹は最初に区呂岩に抱かれた
デスクの前に神妙な面持ちで立っていた。
何時ものように夜でも明かりの少ない研究室の奥で
悠然とした態度を崩さず、革張りの椅子に腰掛ける区呂岩に
昨日から考えていた台詞をぶつける。もう限界だと、自首をし...
それは春樹の期待だった。
春樹は期待したのだ、区呂岩に自首を持ちかける事によって
区呂岩が春樹をも殺めてくれるのではないかと。
自首をしようなんて、春樹の本心からの台詞ではない。
ここまで足を踏み込んで、愁傷になれるほど春樹は
誠実な人間ではなくなっていた。
もしこの提案に区呂岩が賛同するようなことがあれば、
春樹は区呂岩を殺すつもりだった。
全てが破綻する前に、春樹を完全に区呂岩のモノにして欲しか...
春樹の命すらも区呂岩の手で支配をして欲しい。
区呂岩と離れ、一人刑務所の中で生きるなんて今の春樹には考...
区呂岩という人間が誠実な人間だと春樹は思った事が無かった。
だから区呂岩という人間に期待をしようとは思ってもいない事。
しかし春樹が区呂岩のモノである事に誠実であろうと勤めたよ...
区呂岩も春樹が区呂岩のモノである事だけには誠実であって欲...
それは春樹の区呂岩に対する最初で最後の期待だった。
台詞を全てぶつけて春樹は、自分の鼓動が早くなっているのを...
研究室から出ようとしたとき、区呂岩が椅子から立ち上がった...
春樹はスグそこに迫っている全ての終わりに対する恐怖よりも
区呂岩が全てを終わらせてくれるのだという歓喜に戦慄き
その歓喜を味わうように、ゆっくりと振り向いた。
振り向いた春樹は区呂岩が凶器を片手に何か表情を浮かべてい...
最後の映像になるであろう区呂岩のその顔にどんな表情が張り...
知りたくて、春樹は目を見開き続けるが明かりが乏しい上に
逆光という悪条件で、それは叶わなかった。
『ガッ』
痛みというより衝撃が春樹の全身を支配した瞬間、
春樹の全てが完全に闇に変わる。
それでも春樹の瞳は最後まで大きく見開かれたままだった。
一撃で変死体と化してしまった春樹を見下ろし、区呂岩は短く...
春樹の血で濡れたのは凶器だけではなく、凶器を握った手や
先生の頬、そして真っ白な白衣にも鮮やかに跡を残していた。
先生の顔に張り付いていたのは、薄気味悪い笑顔のようなモノ...
『これ以上粘ったって、何一ついいことなんか無いんです』
誘い文句の割には的を得た台詞だと、区呂岩は今更だが
心中で春樹を褒めていた。
区呂岩だって春樹が何を期待していたのか、其れくらいの事は...
事件の真相が明るみにでるまで、振畑と言う慇懃無礼なしつこ...
嫌と言う程付きまとわれるだろう。挙句の果てに逮捕されて、
好物のあたりめも満足に食べられない場所に
放り込まれる可能性もある。最悪なのだ。確かに。
それでも区呂岩は凶器を手に取り春樹の口を封じる事を選択し...
春樹の台詞は自分を殺めるように
区呂岩を嗾けるための台詞だと知っていたから。
そうなる事を望んだ春樹の誘い文句に乗ったのは区呂岩なのだ。
ニタリと今度こそはハッキリと笑みと分かる表情を区呂岩は浮...
「しかたねーなぁ、お前は俺のモノなんだから」
それは区呂岩自身への言い訳なのか、
それとも春樹へのぼやきなのか・・・。
区呂岩はおもむろにその場にしゃがみこむと、
春樹の顔をまじまじと覗き込む。
大きく見開かれた瞳。
口元には微かに笑みのようなものが浮かんでいるように見えな...
「笑ってるのか、お前」
絶対に答えの返ってこない問いかけを区呂岩は呟き、
更に春樹との距離を縮め、まだ体温が残る唇に最後の口付けを...
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
| 久々に映像見...
____________ \ / ̄ ̄ ̄...
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 設定捏...
| | | | ...
| | |>STOP. | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (´...
| | | | ◇⊂ ...
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作品一覧
シリーズものインデックス3
シリーズものインデックス2
シリーズものインデックス
第71巻
第70巻
第69巻
第68巻
第67巻
第66巻
第65巻
第64巻
第63巻
第62巻
第61巻
第60巻
第59巻
第58巻
第57巻
第56巻
第55巻
第54巻
第53巻
第52巻
第51巻
第50巻
第49巻
第48巻
第47巻
第46巻
第45巻
第44巻
第43巻
第42巻
第41巻
第40巻
第39巻
第38巻
第37巻
第36巻
第35巻
第34巻
第33巻
第32巻
第31巻
第30巻
第29巻
第28巻
第27巻
第26巻
第25巻
第24巻
第23巻
第22巻
第21巻
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