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25-417
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#title(State of Grace) [#beacc688]
午前中のnumb*3rs 兄×弟の続きを投下しますね
_________
|┌───────┐|
|│l> play. │|
|│ |│
|│ |│
|│ |│
|└───────┘|
[::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
∧∧
( ,,゚) ピッ ∧_∧ ∧_∧
/ つ◇ ( ・∀・)ミ (` )
. (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
| ┌‐^──────────────
└──────│>402の続きだってよ
└───────────────
なんか誘い受けチックなことを書いてしまったみたいで申し訳...
ただあまりに萌えに際限がないため、どこかで区切りをつけて、
その分作品として昇華したいと思っただけです
そんでもって狐のシーズン1フィナーレに合わせたらちょうど...
冷静に考えれば、相当しなくていい告知だな。スマソ
元々マイナージャンルなこのドラマの萌え仲間を増やしたい、
他の人が書いた作品を読みたいという下心があって投下を始め...
私のせいで萌え作品読めなくなっちゃったら本末転倒ですよ…ORZ
頼む!ガンガン読ませてくれ!毎回悶えてるんだ!
*
「教えてください。チャーリーは今何をしているんですか?」
ドンは暗澹たる気持ちでラリー・フラインハードに聞いた。...
学での同僚で、以前の指導教官でもあったというこの物理学者...
の『様子を見るために』ちょっと覗きに来たといって、何度か...
ては、数分で戻ってくる。彼はチャーリーの親友なのよ。母親...
ドンはよく知らないこの相手が帰ろうとするところを強引に捕...
でお茶に誘った。ラリーは戸惑いつつも承諾して、ドンの勧め...
飲みながら、居心地が悪そうに身体をもぞもぞ動かしている。
「俺にはあいつが何の問題を解いているのかよくわからない...
れませんか?」
ドンは言った。ラリーは上目遣いにそんなドンを見つめ、何...
呟いてから、両手の人差し指を交差するしぐさを見せた。
「チャーリーが、弟さんが解こうとしているのは、P≠NP問題...
いかにも学者らしい口調で、説明が始まる。ドンは眉を寄せ...
「現代数学上の難問の一つです。正確には理論計算幾何学の...
簡単に言えば、多項式で解ける問題とそうでない問題が等しい...
ということを検証する問題です。つまり……」
「――それは、解くのにどれくらい時間がかかるものなんです...
自分から聞いたくせに、ドンは言葉を遮って問うた。ラリー...
め、唇を半開きにして、ドンを見つめた。キッチンに沈黙が漂...
ら、ドンは両手を軽く広げた。
「……俺は学者じゃないし、この通り普通の人間だ。あいつが...
とはわからない。でも、理解する必要がある」
それとも理解できていないのは、俺だけなのか?とドンは思...
た。母さんはチャーリーが何故ガレージにこもりっきりなのか...
もしない。父さんも気にするそぶりを見せながらも、なんとな...
る。目の前にいるラリーはチャーリーが解こうとする問題の意...
そのうえ何故彼がそれを解こうとするかもわかっているみたい...
いのは、俺だけみたいじゃないか。
「……私が思うに、解けません」
ラリーが躊躇いがちに答える。ドンは耳を疑い、聞き返した...
いましたか?」
ラリーは唇を舐めてから、何故だか申し訳なさそうに言った...
は、優秀な数学者だ。でも少なくとも、数ヶ月ではこれは解け...
やしてもおかしくないほどの難問なんだ。彼は解けると言って...
「あと3ヶ月で母が死ぬんだ。長くても3ヶ月なんだ。それ...
と――」
震える声で言うと、強い口調で遮られる。「解けないような...
だんです。……簡単に解けるなら役に立たないことになる」
「――わからない」
ドンの呟きに、ラリーはまた口を閉ざした。しばらく黙り込...
な声で付け加えた。「彼には考えることが必要なんです。そう...
ないんだ」
「――母さんが逝く前に、俺はあいつをガレージから引っ張り...
けないんだ」
ドンが独白するように言うと、ラリーはかぶりを振った。
「そうできたらいいんですが」
*
「ドンと僕はどうして別の学校に通ってるの?」
夕食の後ソファでテレビを観ていると、隣で何やら難しそう...
解いていた弟が言った。ドンはそれを横目で見、それから素っ...
「年が違うから」
チャーリーはその言葉にぎゅっと鉛筆を握った。白いプリン...
んだラインが走る。
「嘘。だってドンと僕は5つ違いだけど、エレメンタリスク...
から、1年は一緒に行けるもの。年は違っても、一緒に通える...
ブラウン管の中で、お気に入りのバッターがヒットを打つ。...
ツポーズをしてから、泣きそうな顔をした弟を振り返った。
「どの道そんなに長い期間は一緒に通えないってことだろ。...
から」
お前が『天才児』じゃなくても。俺と違って、ハイアリー・...
クールなんていう、ちょっと離れたところにある、特別な学校...
としても。
そんな言葉を飲み込んで、またテレビに視線を戻す。視界の...
が唇を噛むのがわかった。
「……ずっと一緒に学校には通えない?」
小声で、チャーリーは呟くように問う。ドンはまた弟に視線...
らしばらく返す台詞を考えた。
「……普通はな」
考えた末の、どこか投げやりな返事に、チャーリーはぱっと...
身を乗り出して、ドン、とトレーナーの裾を引っ張ってくる。...
った。いい加減野球の試合に集中したい。
だが弟のほうに顔を向けて、ドンは聞いた。「どうした?」
チャーリーはあのね、と声を弾ませた。
「僕は人と違うって、『普通』じゃないんだって。だからね...
いつか、ドンと一緒に学校に通えるかな?」
ドンはそれを聞いて、弟の屈託のない顔を凝視した。チャー...
せて、答えを待っている。
「……『普通』じゃない、なんて、誰が言ったんだ?」
低い声でドンは弟に尋ねた。チャーリーは不思議そうに首を...
「皆言ってるよ。近所のダニエルも、ジェーンも、こないだ...
んたちの友達だって――」
「そんなの嘘だ。信じちゃだめだ」
早口で遮り、ドンは弟の頭を巻き毛ごと引き寄せて、自分の...
痛いよ、ドン。くすぐったげにチャーリーは言う。ドンは思っ...
じゃないなんて、まるで頭のおかしいやつに言うみたいな言葉...
いくら『天才』だからって、IQとかいうやつが高かったって...
通』の弟なんだ。俺の弟だ。
「――お前は普通だよ」
呟くように言うと、腕の中から顔を覗かせて、チャーリーは...
た。
「じゃあ、ずっと、一緒に学校には通えない?」
ドンは弟を見下ろし、しばらく躊躇ってから、先刻と同じ言...
普通はな」
チャーリーはそれを聞いて、ドンの腕を枕みたいに抱きしめ...
くの間一人で何か考えていた。
*
数式がぎっしり書かれた黒板に寄りかかって、ドンは言った...
来いよ。食事をしよう。父さんが料理したんだ。父さんの料理...
食ったことあるか?チャーリーはドンの言葉に反応せず、唇...
式を書き連ねる。黒板に文字が埋め尽くされれば新しい一枚を...
すべてが埋まると、古いものを消してまた書き始める。ドンは...
ーを追いかけて、馬鹿みたいに繰り返していた。ここから出よ...
けれども答えは一言もなかった。チャーリーはまるでドンな...
いに振舞って、数式に熱中している。ドンは泣きたいような気...
よしてくれ。もういい加減にしてくれ。
「チャーリー!」
声を荒げて名前を呼ぶと、チャーリーが怯えて肩を震わせた...
を掴み、強引に視線を重ねて言った。「母さんに会えよ!会っ...
させてやれよ」
お前を誰より心配してるのは、母さんなんだから。低い声を...
と、チャーリーは俯いた。「……たい」
「何?」
揺さぶって問うと、かぼそい答えが返される。「……痛いよ、...
久々に弟が自分に向けた言葉に、ドンはショックを受けた。...
ーが繰り返す。ドンはまるで操られたように、弟から手を離し...
振るえない。
「チャーリー、お願いだ。もうこんなことよせ」
ドンは口元に手の甲を当てて、懇願するように命令した。チ...
そうな顔で瞬いた後、結局またチョークを黒板に走らせ始めた...
が狭い空間の中に響く。ドンはそれを絶望的な気分で聞いた。
わからない。理解したいのに、わかってやりたいのに、わか...
こうなのか?このまま永遠に?
俺はこいつの兄貴なのに、こいつのことがわからない。こん...
に。
「……母さんはお前を待ってるんだ。ずっと待ってる」
乾いた声で言い捨てて、ガレージを出る。母親と父親の元へ...
ドンは思った。他人だったらよかったのに。家族じゃなかった...
かったら、別にこんなことなんでもない。
*
オーケイ。確かにあいつは『普通』なんかじゃなかった。ド...
気持ちでその事実を認めた。俺の弟は、チャーリーは、普通じ...
な天才児だ。
「……だからね、9月からチャーリーはあなたと同じ高校に通...
のよ」
キッチンのテーブルに腕を置いて、マーガレットが言う。ド...
上の、熱い紅茶が入ったマグカップを眺めながら、肩をすくめ...
「すごいな」
その言葉にマーガレットは伺うように見つめてきた。何故だ...
る気になれなくて、ドンは紅茶を見つめたままでいた。
飛び級に次ぐ飛び級。チャーリーはまるで何かに急かされる...
いろんなことを学んで、幼い身体にアンバランスなほどの知識...
方程式の解き方、定理の意味。証明の手法。最近では物理や生...
を示し始めた。
ああ、とドンは紅茶を飲みながら思った。確かにあいつは普...
い。天才だよ。
何年も前に弟と交わした会話を思い出し、自分が浅はかだっ...
チャーリーは普通じゃない。すごいやつなんだ。
あんなちっぽけな身体をして。俺の前じゃただの甘ったれた...
俺にはもう理解できないような問題まで解いてる。まだ12歳...
行くことになってもおかしくない。
「……高校ではチャーリーの周りは年上ばかりになるでしょう...
心配なの」
呟きに近い母の声で我に返り、ドンは顔を上げた。見つめる...
れる。
「ドン、あの子を助けてやってくれるわね?」
ドンは躊躇い、それからもちろん了承した。「心配しなくて...
短い会話の後、ドンがキッチンを出て二階の自室へ戻ろうと...
屋からチャーリーが出てきた。いつも通り分厚い本を抱えて、...
うに呼びかける。
「……ドン、あの、母さんから話は聞いた?高校のこと……」
小さな、けれども期待をこめた声を聞いて、ドンは頷いた。...
「―― 一緒に通えるんだよ」
きらきらした目で、チャーリーは顔を見上げてくる。ドンは...
た。「そうなんだってな」
「――学校の中、案内してね。ドンの友達も紹介してね。朝は...
ね。それから……」
自分の考えに熱中しているときの常で、早口で捲くし立て始...
は手で制した。「チャーリー」
チャーリーがきょとんとした顔で、けれども一度口を閉ざし...
ドンは頬を手のひらで擦り、ふさわしい言葉を考えた。
高校でのことは心配するな。俺が一緒にいるんだから。おめ...
ったんだな。お前はすごいな。よろしくな。もちろん学校の中...
だってしてやるよ。
いくつかの台詞が脳裏を過ぎったが、結局そのどれも口にで...
ンは弟を見下ろし、それから掠れた声で言った。「……よかった...
そう言い捨ててドンは自分の部屋に入った。チャーリーは何...
わからない様子で、立ちすくんでいた。
ドンは自分の部屋のドアを閉じ、それを背もたれにしながら...
下の弟と一緒に高校に通うことになる。よかったじゃないか。
俺はきっと高校で、ちょっとした有名人になる。『天才児の...
は天才だけど、本人は至って普通の、平凡なやつとして、皆に...
なる。よかったじゃないか。
ドンは呼吸を止めて、9月からのことを考えた。ドアノブを...
ままで。
*
「いつまでもそうやってるつもりなのか?!母さんは死にか...
前がそうやってわけのわからない問題に熱中してる間に、家族...
るんだぞ!お前は何も感じないのか?!」
ガレージで怒鳴り、ドンは弟の手からチョークを取り上げて...
チャーリーは強張った顔で突っ立っている。ドンはその周りを...
回り、それから弟の腕を掴んで引き寄せた。「――来いよ」
引きずるようにしてドアまで行こうとすると、チャーリーは...
解こうとする。足がもつれ合い、肩がぶつかり合い、息が切れ...
せにチャーリーを黒板に叩き付けた。
「ここから出ろよ!いつまでもこんなことしてないで、お前...
!」
喉の奥から声を絞り出すようにして言うと、チャーリーは腕...
ンの手を払った。ガレージの壁や天井や、至るところに黒板が...
どれもが数式で埋め尽くされている。言葉なんて一つもない。...
ない。ドンは眩暈すら覚えながら、狭いその空間の中で、弟を...
て不意に気づいた。弟の顔を、こんなにまっすぐに見つめるの...
う?
大学に入るためにお互い家を出て、特にドンがFBIに入ってか...
ど実家に帰らず、弟にも会っていなかったから、ほぼ10年の...
にチャーリーと対峙することはなかった。実家に帰ってからは...
ンのことをまともに見ようとせず、いつだって数式を解こうと...
ら今やっと、ロスに帰ってきて初めて、チャーリーの顔をきち...
焦げ茶の巻き毛に大きな瞳。ドンよりも低い背。繊細な指先...
吸を整えようとしながら、目の前にいる男を見た。チャーリー...
伏せたまつげ。怯えたような表情。全部見覚えがある。俺の弟...
面影がある。
でも俺はこんな男は知らない。ドンは愕然としてそう思った...
もにしゃべることすらせず、数字と記号を書き連ねている人間...
の男を知らない。
「……頼むからわかってくれ。俺と一緒にここを出よう」
ドンはもう一度手を差し伸べ、そっと弟の腕を衣服ごしに掴...
ーはそれを受けて唇を震わせ、喉を僅かに反らした。
「……ドンは」
チャーリーは、小さな声で言った。ドンは身を乗り出し、何...
としゃべろうとする、弟の声に必死で耳を傾けた。
潤んだ、何かを堪えたような目をして、チャーリーはドンを...
「……ドンはずっと帰ってこなかったじゃないか。ずっと僕ら...
て、……それなのに突然、何をわかれって言うの?どう理解すれ...
は――」
掠れた声で言うと、身体を折り曲げるようにして、チャーリ...
ちた。ドンはその身体を支えようとしながら、一緒に床に膝を...
「チャーリー、俺は」
「――ずっと、ずっと僕とまともに話もしなかったくせに!高...
っとそうだった!それなのにいきなり帰ってきて、怒鳴って、...
いうの?じゃあドンは僕のことがわかるの?」
堰を切ったように戦慄く喉から言葉をこぼし、チャーリーは...
てる。布越しに掴んだ腕は震えている。ドンは眉を寄せて弟の...
た。
「――わからないくせに!僕のことなんかわからないくせに!...
をわかれって言うんだ!」
チャーリーはそう言ってドンの手を振り解き、床にうずくま...
を呆然と見つめた。粉々になったチョークを指先で掻き寄せて...
ずっと床に顔を伏せていた。まるで自分が死にかけているよう...
うつぶせて、身体を震わせていた。
そうだ、とそんなチャーリーを見ながらドンは思った。俺は...
んかわからない。だったらこいつにも俺のことなんてわからな...
ってくれなんて、確かに無茶な願いだった。
*
マーガレットは最期の三日間を結局病院で過ごした。ドンと...
ど眠らずに彼女に付き添い、それから穏やかな顔で自分の妻が...
わらせるのを見守った。モルヒネのおかげで、あまり苦しまず...
何よりの救いだとアランは言った。母さんの決断はやはり正し...
ものように。
「チャーリー、母さんが死んだ。葬儀には出てくれ」
ドンは病院から帰ってきて、まっすぐにガレージに向かい、...
ーリーに告げた。チャーリーは相変わらず数式を解こうとして...
でなくそこらに散乱した紙にまで記号と式が書き連ねられ、足...
ほどだった。その中で一人、チャーリーは数式の中にうずもれ...
チョークを持っていた。
「チャーリー?」
ドンはガレージの入り口で、もう一度名前を呼んだ。聞こえ...
かっていた。チャーリーは身体を強張らせ、呼吸まで止まった...
横顔を見せていた。ドンはため息をつき、紙を踏まないように...
弟の側まで行った。
「聞こえてるんだろ?母さんが――」
「……っ」
チャーリーは床に両膝をついて、涙を流し始めた。静かに、...
な、けれどもとめどない涙を見て、ドンはどう反応するべきか...
何故お前がそんなふうに泣くんだ。そう怒鳴ってやってもよ...
が最期に、どんなふうだったかも知らないくせに。彼女がどん...
て、あの病と闘ったか。穏やかさを保ち、最後まで彼女らしく...
マーガレットのことなど、チャーリーは知らない。そのお前が...
く権利なんかあるのか?
そんなふうに泣くなら、とドンは目の前の弟に言ってやりた...
ら母さんに会えばよかったじゃないか。そんなふうに悲しむほ...
ら、最期を看取ればよかったじゃないか。母さんの手を握って...
じゃないか。彼女の最期の時間を、心に刻みつけ、別れが意味...
残された時間を大事にすればよかったじゃないか。わけのわか...
て解いていないで。俺たちと一緒に。
ドンはチャーリーを怒鳴り、揺さぶり、殴ってやりたかった...
なかった。気がつくとドンは腕を伸ばし、それから泣いている...
いた。強く、チャーリーが身じろぎもできないほどきつく抱き...
ーリーは腕の中で嗚咽をこぼし始めた。歯を食いしばって、世...
まうかのように、声を殺して泣いた。ドンはそんな弟を、ずっ...
た。これまで誰を抱きしめたよりも、きつく力をこめて。
*
初めて抱いたとき、チャーリーは声を押し殺していた。歪ん...
を食いしばっている弟のそんな様子は、母親が死んだときのこ...
たので、ドンは胃が軋むのを感じた。
「チャーリー」
汗ばんだ肌を押し付けて、低く名前を呼ぶと、チャーリーは...
に動かした。ドンはその唇に自分のそれを重ね、深く、けれど...
ど短く貪ってから、もう一度弟の名前を呼んだ。「チャーリー」
チャーリーは喉を反らしただけだった。快楽に喘いでいるよ...
苦痛に耐えているようにも見えた。俺は何をしているんだ?ほ...
弟をベッドに押し付け、弓なりに戦慄く身体を見下ろしながら...
ンは考えた。俺は何をしているんだ?こいつは弟じゃないか。
ずっと理解できなかった、だけど最近捜査や何かを通して、...
始めた弟じゃないか。ようやくぎこちなさもなく手元に置ける...
に。その今になって、俺は何をしてるんだ?
内股に手のひらを滑り込ませ、弟の脚を乱暴に開き、奥まっ...
触れる。熱い。ドンがぼんやりと感じていると、やっとチャー...
叫ぶように言った。「ドン」
ドン。耳慣れた、甘ったれたその呼び方がドンを現実に引き...
は弟じゃないか。俺と一緒に育った、ただ一人の弟じゃないか。
ドンは手を離し、身体を起こして手の甲で口元を隠した。ま...
いる。チャーリーは熱っぽい瞳を瞬かせ、そんなドンを不思議...
「ドン?」
「チャーリー、駄目だ。俺たちは――」
言い終わらないうちに腕を強い力で引き寄せられ、ドンはチ...
かぶさるような姿勢で、弟を見つめた。チャーリーは怒ったよ...
けれども泣きながら、ドンの首筋に手のひらを当て、がむしゃ...
きた。薄い舌先がぎこちなく咥内に忍び込み、精一杯の力強さ...
い。ドンはまた思った。こんなキスは初めてだった。舌も唇も...
いに熱い。焼けてしまいそうだ。
「……行かないで。もうどこにも行かないで」
チャーリーがか細い声で、けれども強く言う。答えに迷って...
きつく掴まれ、ドンは驚いた。いつもチョークを持っているか...
ページをめくるだけのこの指先が、これほど強い力を持ってい...
かった。抗えないほどの強さでチャーリーはドンを押し留め、...
けようとしながら、自らの脚を開き、ドンのもう片方の手をそ...
た。ドンは混乱しながらもその誘いに乗り、弟の身体に触れた...
汗をかいて濡れ、手足が絡み合い、溶けてしまいそうだった。
指でほぐした後勃起したペニスを入れると、チャーリーは顔...
けれどもドンが恐ろしくなったのを見透かしたように、手首を...
強くした。二人は無言のままで身体を揺らし、一直線に快楽を...
下するみたいに果てた後、チャーリーはやっとドンの手首を離...
けれどもすぐに、今度はドンの背中に腕をまわし、強く抱き...
ドン」
弟の顔を覗き込むと、チャーリーの眦が濡れていた。まるで...
た後のような顔をして、チャーリーは震えた声で囁くように言...
「もう一度して」
,-、
//||
// .|| ...
. // 止 || ...
//, 停 ||__ (...
i | |,! ||/ | ...
| | / , | ...
.ィ| | ./]. / | ◇と...
//:| | /彳/ ,! (...
. / /_,,| |,/]:./ / ...
/ ゙ / / / ...
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / ...
| | / ...
| | ./
|_____レ"
そういうわけでここで一時停止です。
>416さん、変に遠慮して投下やめないでね
私が投下始めた意味がなくなっちまうよ…
#comment
終了行:
#title(State of Grace) [#beacc688]
午前中のnumb*3rs 兄×弟の続きを投下しますね
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/ つ◇ ( ・∀・)ミ (` )
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└──────│>402の続きだってよ
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なんか誘い受けチックなことを書いてしまったみたいで申し訳...
ただあまりに萌えに際限がないため、どこかで区切りをつけて、
その分作品として昇華したいと思っただけです
そんでもって狐のシーズン1フィナーレに合わせたらちょうど...
冷静に考えれば、相当しなくていい告知だな。スマソ
元々マイナージャンルなこのドラマの萌え仲間を増やしたい、
他の人が書いた作品を読みたいという下心があって投下を始め...
私のせいで萌え作品読めなくなっちゃったら本末転倒ですよ…ORZ
頼む!ガンガン読ませてくれ!毎回悶えてるんだ!
*
「教えてください。チャーリーは今何をしているんですか?」
ドンは暗澹たる気持ちでラリー・フラインハードに聞いた。...
学での同僚で、以前の指導教官でもあったというこの物理学者...
の『様子を見るために』ちょっと覗きに来たといって、何度か...
ては、数分で戻ってくる。彼はチャーリーの親友なのよ。母親...
ドンはよく知らないこの相手が帰ろうとするところを強引に捕...
でお茶に誘った。ラリーは戸惑いつつも承諾して、ドンの勧め...
飲みながら、居心地が悪そうに身体をもぞもぞ動かしている。
「俺にはあいつが何の問題を解いているのかよくわからない...
れませんか?」
ドンは言った。ラリーは上目遣いにそんなドンを見つめ、何...
呟いてから、両手の人差し指を交差するしぐさを見せた。
「チャーリーが、弟さんが解こうとしているのは、P≠NP問題...
いかにも学者らしい口調で、説明が始まる。ドンは眉を寄せ...
「現代数学上の難問の一つです。正確には理論計算幾何学の...
簡単に言えば、多項式で解ける問題とそうでない問題が等しい...
ということを検証する問題です。つまり……」
「――それは、解くのにどれくらい時間がかかるものなんです...
自分から聞いたくせに、ドンは言葉を遮って問うた。ラリー...
め、唇を半開きにして、ドンを見つめた。キッチンに沈黙が漂...
ら、ドンは両手を軽く広げた。
「……俺は学者じゃないし、この通り普通の人間だ。あいつが...
とはわからない。でも、理解する必要がある」
それとも理解できていないのは、俺だけなのか?とドンは思...
た。母さんはチャーリーが何故ガレージにこもりっきりなのか...
もしない。父さんも気にするそぶりを見せながらも、なんとな...
る。目の前にいるラリーはチャーリーが解こうとする問題の意...
そのうえ何故彼がそれを解こうとするかもわかっているみたい...
いのは、俺だけみたいじゃないか。
「……私が思うに、解けません」
ラリーが躊躇いがちに答える。ドンは耳を疑い、聞き返した...
いましたか?」
ラリーは唇を舐めてから、何故だか申し訳なさそうに言った...
は、優秀な数学者だ。でも少なくとも、数ヶ月ではこれは解け...
やしてもおかしくないほどの難問なんだ。彼は解けると言って...
「あと3ヶ月で母が死ぬんだ。長くても3ヶ月なんだ。それ...
と――」
震える声で言うと、強い口調で遮られる。「解けないような...
だんです。……簡単に解けるなら役に立たないことになる」
「――わからない」
ドンの呟きに、ラリーはまた口を閉ざした。しばらく黙り込...
な声で付け加えた。「彼には考えることが必要なんです。そう...
ないんだ」
「――母さんが逝く前に、俺はあいつをガレージから引っ張り...
けないんだ」
ドンが独白するように言うと、ラリーはかぶりを振った。
「そうできたらいいんですが」
*
「ドンと僕はどうして別の学校に通ってるの?」
夕食の後ソファでテレビを観ていると、隣で何やら難しそう...
解いていた弟が言った。ドンはそれを横目で見、それから素っ...
「年が違うから」
チャーリーはその言葉にぎゅっと鉛筆を握った。白いプリン...
んだラインが走る。
「嘘。だってドンと僕は5つ違いだけど、エレメンタリスク...
から、1年は一緒に行けるもの。年は違っても、一緒に通える...
ブラウン管の中で、お気に入りのバッターがヒットを打つ。...
ツポーズをしてから、泣きそうな顔をした弟を振り返った。
「どの道そんなに長い期間は一緒に通えないってことだろ。...
から」
お前が『天才児』じゃなくても。俺と違って、ハイアリー・...
クールなんていう、ちょっと離れたところにある、特別な学校...
としても。
そんな言葉を飲み込んで、またテレビに視線を戻す。視界の...
が唇を噛むのがわかった。
「……ずっと一緒に学校には通えない?」
小声で、チャーリーは呟くように問う。ドンはまた弟に視線...
らしばらく返す台詞を考えた。
「……普通はな」
考えた末の、どこか投げやりな返事に、チャーリーはぱっと...
身を乗り出して、ドン、とトレーナーの裾を引っ張ってくる。...
った。いい加減野球の試合に集中したい。
だが弟のほうに顔を向けて、ドンは聞いた。「どうした?」
チャーリーはあのね、と声を弾ませた。
「僕は人と違うって、『普通』じゃないんだって。だからね...
いつか、ドンと一緒に学校に通えるかな?」
ドンはそれを聞いて、弟の屈託のない顔を凝視した。チャー...
せて、答えを待っている。
「……『普通』じゃない、なんて、誰が言ったんだ?」
低い声でドンは弟に尋ねた。チャーリーは不思議そうに首を...
「皆言ってるよ。近所のダニエルも、ジェーンも、こないだ...
んたちの友達だって――」
「そんなの嘘だ。信じちゃだめだ」
早口で遮り、ドンは弟の頭を巻き毛ごと引き寄せて、自分の...
痛いよ、ドン。くすぐったげにチャーリーは言う。ドンは思っ...
じゃないなんて、まるで頭のおかしいやつに言うみたいな言葉...
いくら『天才』だからって、IQとかいうやつが高かったって...
通』の弟なんだ。俺の弟だ。
「――お前は普通だよ」
呟くように言うと、腕の中から顔を覗かせて、チャーリーは...
た。
「じゃあ、ずっと、一緒に学校には通えない?」
ドンは弟を見下ろし、しばらく躊躇ってから、先刻と同じ言...
普通はな」
チャーリーはそれを聞いて、ドンの腕を枕みたいに抱きしめ...
くの間一人で何か考えていた。
*
数式がぎっしり書かれた黒板に寄りかかって、ドンは言った...
来いよ。食事をしよう。父さんが料理したんだ。父さんの料理...
食ったことあるか?チャーリーはドンの言葉に反応せず、唇...
式を書き連ねる。黒板に文字が埋め尽くされれば新しい一枚を...
すべてが埋まると、古いものを消してまた書き始める。ドンは...
ーを追いかけて、馬鹿みたいに繰り返していた。ここから出よ...
けれども答えは一言もなかった。チャーリーはまるでドンな...
いに振舞って、数式に熱中している。ドンは泣きたいような気...
よしてくれ。もういい加減にしてくれ。
「チャーリー!」
声を荒げて名前を呼ぶと、チャーリーが怯えて肩を震わせた...
を掴み、強引に視線を重ねて言った。「母さんに会えよ!会っ...
させてやれよ」
お前を誰より心配してるのは、母さんなんだから。低い声を...
と、チャーリーは俯いた。「……たい」
「何?」
揺さぶって問うと、かぼそい答えが返される。「……痛いよ、...
久々に弟が自分に向けた言葉に、ドンはショックを受けた。...
ーが繰り返す。ドンはまるで操られたように、弟から手を離し...
振るえない。
「チャーリー、お願いだ。もうこんなことよせ」
ドンは口元に手の甲を当てて、懇願するように命令した。チ...
そうな顔で瞬いた後、結局またチョークを黒板に走らせ始めた...
が狭い空間の中に響く。ドンはそれを絶望的な気分で聞いた。
わからない。理解したいのに、わかってやりたいのに、わか...
こうなのか?このまま永遠に?
俺はこいつの兄貴なのに、こいつのことがわからない。こん...
に。
「……母さんはお前を待ってるんだ。ずっと待ってる」
乾いた声で言い捨てて、ガレージを出る。母親と父親の元へ...
ドンは思った。他人だったらよかったのに。家族じゃなかった...
かったら、別にこんなことなんでもない。
*
オーケイ。確かにあいつは『普通』なんかじゃなかった。ド...
気持ちでその事実を認めた。俺の弟は、チャーリーは、普通じ...
な天才児だ。
「……だからね、9月からチャーリーはあなたと同じ高校に通...
のよ」
キッチンのテーブルに腕を置いて、マーガレットが言う。ド...
上の、熱い紅茶が入ったマグカップを眺めながら、肩をすくめ...
「すごいな」
その言葉にマーガレットは伺うように見つめてきた。何故だ...
る気になれなくて、ドンは紅茶を見つめたままでいた。
飛び級に次ぐ飛び級。チャーリーはまるで何かに急かされる...
いろんなことを学んで、幼い身体にアンバランスなほどの知識...
方程式の解き方、定理の意味。証明の手法。最近では物理や生...
を示し始めた。
ああ、とドンは紅茶を飲みながら思った。確かにあいつは普...
い。天才だよ。
何年も前に弟と交わした会話を思い出し、自分が浅はかだっ...
チャーリーは普通じゃない。すごいやつなんだ。
あんなちっぽけな身体をして。俺の前じゃただの甘ったれた...
俺にはもう理解できないような問題まで解いてる。まだ12歳...
行くことになってもおかしくない。
「……高校ではチャーリーの周りは年上ばかりになるでしょう...
心配なの」
呟きに近い母の声で我に返り、ドンは顔を上げた。見つめる...
れる。
「ドン、あの子を助けてやってくれるわね?」
ドンは躊躇い、それからもちろん了承した。「心配しなくて...
短い会話の後、ドンがキッチンを出て二階の自室へ戻ろうと...
屋からチャーリーが出てきた。いつも通り分厚い本を抱えて、...
うに呼びかける。
「……ドン、あの、母さんから話は聞いた?高校のこと……」
小さな、けれども期待をこめた声を聞いて、ドンは頷いた。...
「―― 一緒に通えるんだよ」
きらきらした目で、チャーリーは顔を見上げてくる。ドンは...
た。「そうなんだってな」
「――学校の中、案内してね。ドンの友達も紹介してね。朝は...
ね。それから……」
自分の考えに熱中しているときの常で、早口で捲くし立て始...
は手で制した。「チャーリー」
チャーリーがきょとんとした顔で、けれども一度口を閉ざし...
ドンは頬を手のひらで擦り、ふさわしい言葉を考えた。
高校でのことは心配するな。俺が一緒にいるんだから。おめ...
ったんだな。お前はすごいな。よろしくな。もちろん学校の中...
だってしてやるよ。
いくつかの台詞が脳裏を過ぎったが、結局そのどれも口にで...
ンは弟を見下ろし、それから掠れた声で言った。「……よかった...
そう言い捨ててドンは自分の部屋に入った。チャーリーは何...
わからない様子で、立ちすくんでいた。
ドンは自分の部屋のドアを閉じ、それを背もたれにしながら...
下の弟と一緒に高校に通うことになる。よかったじゃないか。
俺はきっと高校で、ちょっとした有名人になる。『天才児の...
は天才だけど、本人は至って普通の、平凡なやつとして、皆に...
なる。よかったじゃないか。
ドンは呼吸を止めて、9月からのことを考えた。ドアノブを...
ままで。
*
「いつまでもそうやってるつもりなのか?!母さんは死にか...
前がそうやってわけのわからない問題に熱中してる間に、家族...
るんだぞ!お前は何も感じないのか?!」
ガレージで怒鳴り、ドンは弟の手からチョークを取り上げて...
チャーリーは強張った顔で突っ立っている。ドンはその周りを...
回り、それから弟の腕を掴んで引き寄せた。「――来いよ」
引きずるようにしてドアまで行こうとすると、チャーリーは...
解こうとする。足がもつれ合い、肩がぶつかり合い、息が切れ...
せにチャーリーを黒板に叩き付けた。
「ここから出ろよ!いつまでもこんなことしてないで、お前...
!」
喉の奥から声を絞り出すようにして言うと、チャーリーは腕...
ンの手を払った。ガレージの壁や天井や、至るところに黒板が...
どれもが数式で埋め尽くされている。言葉なんて一つもない。...
ない。ドンは眩暈すら覚えながら、狭いその空間の中で、弟を...
て不意に気づいた。弟の顔を、こんなにまっすぐに見つめるの...
う?
大学に入るためにお互い家を出て、特にドンがFBIに入ってか...
ど実家に帰らず、弟にも会っていなかったから、ほぼ10年の...
にチャーリーと対峙することはなかった。実家に帰ってからは...
ンのことをまともに見ようとせず、いつだって数式を解こうと...
ら今やっと、ロスに帰ってきて初めて、チャーリーの顔をきち...
焦げ茶の巻き毛に大きな瞳。ドンよりも低い背。繊細な指先...
吸を整えようとしながら、目の前にいる男を見た。チャーリー...
伏せたまつげ。怯えたような表情。全部見覚えがある。俺の弟...
面影がある。
でも俺はこんな男は知らない。ドンは愕然としてそう思った...
もにしゃべることすらせず、数字と記号を書き連ねている人間...
の男を知らない。
「……頼むからわかってくれ。俺と一緒にここを出よう」
ドンはもう一度手を差し伸べ、そっと弟の腕を衣服ごしに掴...
ーはそれを受けて唇を震わせ、喉を僅かに反らした。
「……ドンは」
チャーリーは、小さな声で言った。ドンは身を乗り出し、何...
としゃべろうとする、弟の声に必死で耳を傾けた。
潤んだ、何かを堪えたような目をして、チャーリーはドンを...
「……ドンはずっと帰ってこなかったじゃないか。ずっと僕ら...
て、……それなのに突然、何をわかれって言うの?どう理解すれ...
は――」
掠れた声で言うと、身体を折り曲げるようにして、チャーリ...
ちた。ドンはその身体を支えようとしながら、一緒に床に膝を...
「チャーリー、俺は」
「――ずっと、ずっと僕とまともに話もしなかったくせに!高...
っとそうだった!それなのにいきなり帰ってきて、怒鳴って、...
いうの?じゃあドンは僕のことがわかるの?」
堰を切ったように戦慄く喉から言葉をこぼし、チャーリーは...
てる。布越しに掴んだ腕は震えている。ドンは眉を寄せて弟の...
た。
「――わからないくせに!僕のことなんかわからないくせに!...
をわかれって言うんだ!」
チャーリーはそう言ってドンの手を振り解き、床にうずくま...
を呆然と見つめた。粉々になったチョークを指先で掻き寄せて...
ずっと床に顔を伏せていた。まるで自分が死にかけているよう...
うつぶせて、身体を震わせていた。
そうだ、とそんなチャーリーを見ながらドンは思った。俺は...
んかわからない。だったらこいつにも俺のことなんてわからな...
ってくれなんて、確かに無茶な願いだった。
*
マーガレットは最期の三日間を結局病院で過ごした。ドンと...
ど眠らずに彼女に付き添い、それから穏やかな顔で自分の妻が...
わらせるのを見守った。モルヒネのおかげで、あまり苦しまず...
何よりの救いだとアランは言った。母さんの決断はやはり正し...
ものように。
「チャーリー、母さんが死んだ。葬儀には出てくれ」
ドンは病院から帰ってきて、まっすぐにガレージに向かい、...
ーリーに告げた。チャーリーは相変わらず数式を解こうとして...
でなくそこらに散乱した紙にまで記号と式が書き連ねられ、足...
ほどだった。その中で一人、チャーリーは数式の中にうずもれ...
チョークを持っていた。
「チャーリー?」
ドンはガレージの入り口で、もう一度名前を呼んだ。聞こえ...
かっていた。チャーリーは身体を強張らせ、呼吸まで止まった...
横顔を見せていた。ドンはため息をつき、紙を踏まないように...
弟の側まで行った。
「聞こえてるんだろ?母さんが――」
「……っ」
チャーリーは床に両膝をついて、涙を流し始めた。静かに、...
な、けれどもとめどない涙を見て、ドンはどう反応するべきか...
何故お前がそんなふうに泣くんだ。そう怒鳴ってやってもよ...
が最期に、どんなふうだったかも知らないくせに。彼女がどん...
て、あの病と闘ったか。穏やかさを保ち、最後まで彼女らしく...
マーガレットのことなど、チャーリーは知らない。そのお前が...
く権利なんかあるのか?
そんなふうに泣くなら、とドンは目の前の弟に言ってやりた...
ら母さんに会えばよかったじゃないか。そんなふうに悲しむほ...
ら、最期を看取ればよかったじゃないか。母さんの手を握って...
じゃないか。彼女の最期の時間を、心に刻みつけ、別れが意味...
残された時間を大事にすればよかったじゃないか。わけのわか...
て解いていないで。俺たちと一緒に。
ドンはチャーリーを怒鳴り、揺さぶり、殴ってやりたかった...
なかった。気がつくとドンは腕を伸ばし、それから泣いている...
いた。強く、チャーリーが身じろぎもできないほどきつく抱き...
ーリーは腕の中で嗚咽をこぼし始めた。歯を食いしばって、世...
まうかのように、声を殺して泣いた。ドンはそんな弟を、ずっ...
た。これまで誰を抱きしめたよりも、きつく力をこめて。
*
初めて抱いたとき、チャーリーは声を押し殺していた。歪ん...
を食いしばっている弟のそんな様子は、母親が死んだときのこ...
たので、ドンは胃が軋むのを感じた。
「チャーリー」
汗ばんだ肌を押し付けて、低く名前を呼ぶと、チャーリーは...
に動かした。ドンはその唇に自分のそれを重ね、深く、けれど...
ど短く貪ってから、もう一度弟の名前を呼んだ。「チャーリー」
チャーリーは喉を反らしただけだった。快楽に喘いでいるよ...
苦痛に耐えているようにも見えた。俺は何をしているんだ?ほ...
弟をベッドに押し付け、弓なりに戦慄く身体を見下ろしながら...
ンは考えた。俺は何をしているんだ?こいつは弟じゃないか。
ずっと理解できなかった、だけど最近捜査や何かを通して、...
始めた弟じゃないか。ようやくぎこちなさもなく手元に置ける...
に。その今になって、俺は何をしてるんだ?
内股に手のひらを滑り込ませ、弟の脚を乱暴に開き、奥まっ...
触れる。熱い。ドンがぼんやりと感じていると、やっとチャー...
叫ぶように言った。「ドン」
ドン。耳慣れた、甘ったれたその呼び方がドンを現実に引き...
は弟じゃないか。俺と一緒に育った、ただ一人の弟じゃないか。
ドンは手を離し、身体を起こして手の甲で口元を隠した。ま...
いる。チャーリーは熱っぽい瞳を瞬かせ、そんなドンを不思議...
「ドン?」
「チャーリー、駄目だ。俺たちは――」
言い終わらないうちに腕を強い力で引き寄せられ、ドンはチ...
かぶさるような姿勢で、弟を見つめた。チャーリーは怒ったよ...
けれども泣きながら、ドンの首筋に手のひらを当て、がむしゃ...
きた。薄い舌先がぎこちなく咥内に忍び込み、精一杯の力強さ...
い。ドンはまた思った。こんなキスは初めてだった。舌も唇も...
いに熱い。焼けてしまいそうだ。
「……行かないで。もうどこにも行かないで」
チャーリーがか細い声で、けれども強く言う。答えに迷って...
きつく掴まれ、ドンは驚いた。いつもチョークを持っているか...
ページをめくるだけのこの指先が、これほど強い力を持ってい...
かった。抗えないほどの強さでチャーリーはドンを押し留め、...
けようとしながら、自らの脚を開き、ドンのもう片方の手をそ...
た。ドンは混乱しながらもその誘いに乗り、弟の身体に触れた...
汗をかいて濡れ、手足が絡み合い、溶けてしまいそうだった。
指でほぐした後勃起したペニスを入れると、チャーリーは顔...
けれどもドンが恐ろしくなったのを見透かしたように、手首を...
強くした。二人は無言のままで身体を揺らし、一直線に快楽を...
下するみたいに果てた後、チャーリーはやっとドンの手首を離...
けれどもすぐに、今度はドンの背中に腕をまわし、強く抱き...
ドン」
弟の顔を覗き込むと、チャーリーの眦が濡れていた。まるで...
た後のような顔をして、チャーリーは震えた声で囁くように言...
「もう一度して」
,-、
//||
// .|| ...
. // 止 || ...
//, 停 ||__ (...
i | |,! ||/ | ...
| | / , | ...
.ィ| | ./]. / | ◇と...
//:| | /彳/ ,! (...
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/ ゙ / / / ...
| ̄ ̄ ̄ ̄ |,,./ / ...
| | / ...
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|_____レ"
そういうわけでここで一時停止です。
>416さん、変に遠慮して投下やめないでね
私が投下始めた意味がなくなっちまうよ…
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