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#title(numb*3rs 工ップス兄×弟) [#n1508338]
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 昨夜のnumb*3rs...
____________ \ / ̄ ̄ ̄...
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 相変わら...
| | | | ...
| | |> PLAY. | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (´...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(...
そんなわけで後編です。相変わらず痛いです
ここをきっかけに狐に加入してくれた人までいるとは…嬉しい!
原作そのものがホモホモ兄弟エピソードで構成されているので
こんなフィクなんかよりずっと萌えるはず。楽しんでください。
まずはト゛ンのように携帯の電源を切り、チャ―リーはひたす...
たまにト゛ンが追いかけてきているかと思って振り向いてみた...
ると足を止めてみたりしたが、ト゛ンはいなかった。帰りたい...
リフォルニアのあの家に帰り、ガレージにこもって数式を解き...
この関係を続けることをト゛ンは望んでいないのは、もちろ...
ガレージでト゛ンと寝た直後から、ずっとそれは理解していた...
って必要なのも事実で、だからこそチャ―リーはこの数ヶ月一番...
きた。ト゛ンにキスやセックスを強請り、みっともない脅しを...
びにプライドも傷ついたし(相手が自分を必要としていないと...
を差し出すことの苦痛をト゛ンは理解していないだろうといつ...
゛ンが困惑した表情を毎回向けることだった。
だが、その苦痛を差し引いても、ト゛ンと身体を重ねる時間...
手のひらや唇が肌をさ迷い、名前を耳元で呼ばれると、あまり...
まにト゛ンが見せる微笑、そのときに目尻に浮かぶ皺、誠実で...
チャ―リーにとってはすべてで、ほかのものなど必要なかった。...
夕や、あまつさえト゛ン以外の男との――ト゛ンはチャ―リーが男...
一番身近な若い男としてト゛ンを選んだとでも思っているのだ...
チャ―リーをひどく傷つけた。
自分が無神経だということをわかっていない、と今またチャ―...
砂浜を歩きながら思った。ト゛ンは確かにいつだって「まとも...
間について、理解できているとは思えない。チャ―リーにだって...
なりたいという思いはある。小さな頃からずっとある。でもな...
ような弟には未だになれない。だがト゛ンはそれでもチャ―リー...
はいないと言ったではないか?それなら何故ありのままのチャ―...
いのだろう?せめてその在り方を認めるくらいはするべきでは...
チャ―リーは苛々しながらにぎわっている通りを見た。この...
ある。そしてチャ―リーは賭け事が得意だった。当たり前だ。彼...
するだけだ。馬鹿げている、とチャ―リーはいつものように大勢...
について思った。ギャンブルにあるのはスリルではない。単な...
財布に入っている金額を確かめてから、小さなカジノに入る...
ーレットのテーブルに向かった。ポーカーやクラップスでは簡...
ブルの側で、まずはディーラーがルーレットを回すのを何度か...
や戦略を見抜いた。そしてテーブルに参加し、注意深く賭け始...
一時間経つ頃にはト゛ンと二人で地球の裏側に旅行できるほ...
ャ―リーはその成果にではなく、自分の理論が正しいことに満足...
た。テーブルから少し離れた席で、チャ―リーより少し年齢が上...
つめている。ト゛ンのようなダークヘアではないが、ト゛ンの...
をしており、ト゛ンみたいに清潔で誠実そうに見える。FBIでよ...
の同僚のような、学者とは違う種類の知的な面立ち。チャ―リー...
すぐに目を伏せてテーブルのコインを換金するために寄せ集め...
換金を終えてカジノを出るとき、チャ―リーはもう一度さっき...
た。彼はまだギャンブルに参加せず、チャ―リーの方を見つめて...
てから足を止めた。すると彼はゆっくりと歩み寄ってきた。
フィラデルフィアのホテルに戻るころには、夜明けも近くな...
鳴らすと、すぐに扉が開き、やりきれない表情のト゛ンに迎え...
切ったな」
「ト゛ンだって切ってるんじゃないの?」
そう言ってチャ―リーは兄の側を通り抜けて部屋の中へ入った...
゛ンに会うのが怖かった。だが一方でト゛ンがちゃんとホテル...
た。もし自分を見限って先に帰られたりしたら、本当に傷つい...
話さなければいけない、とチャ―リーは思った。ト゛ンはTシ...
寝るための準備はしていたようだが、寝ていないことは顔をみ...
が落ち窪んで、疲れが伺える。
ベッドに腰を掛けて、ト゛ンを見上げると、彼はため息を吐...
し離れたところにある椅子に座った。そして弱弱しい声で言っ...
―もう四時だぞ」
「カジノに行ってたんだ……」
チャ―リーは小さな声で言ってから、ちらっとト゛ンの表情を...
れからまた息を吐いた。「心配する」
「ごめん」
「もういい。寝ろ。ひどい顔してるぞ」
ト゛ンはそう言って手を振り、立ち上がってミニバーにある...
なウォッカの瓶を一気に開けると、ごみ箱に投げ捨てて繰り返...
「ト゛ン、ごめん」
不安になってチャ―リーは腰を上げかけた。するとト゛ンは顔...
――どうしろっていうんだ?!俺はお前の兄なんだぞ!お前のこ...
―リー、お前にはわからないかもしれないが、俺はお前に対して...
ほしいんだ。間違った人生を歩ませたくない」
「――他の恋人を見つけろっていうから、僕だって努力してる」
チャ―リーは震えた息を吐きながら言った。ト゛ンが驚いた顔...
を見返しながらチャ―リーは続けた。「ちゃんと、言われたとお...
ともいい感じなんだ。前は彼女のこと、なんとも思ってなかっ...
いって感じてきた。昔は恋人なんてもう必要ないって思ってた...
に捧げたいって。でも、ト゛ンとFBIの仕事に関るようになって...
値がわかってきた。友達も増えた。――僕の側にいるのは、前は...
たんだよ。例えばデイヴィッドみたいなFBIにいるようなタイプ...
た。ああいういかにもタフガイっていうか、実際的なタイプは...
なって思うようになった。数学的な話をできない友達も。ちょ...
だ。全部ト゛ンのおかげだよ」
チャ―リーが一気に言うのを、ト゛ンはぽかんと口を開けて見...
ら頷いた。「……それはよかった」
ト゛ンはよかったと繰り返し、またミニバーに手を伸ばして...
を舐めながら、まぶたを手の甲で乱暴に擦った。
チャ―リーはじっとそれを見つめた。小さな頃から何度も繰り...
く観察し、疲労しきった表情の中から感情のかけらを探し出そ...
を揉みながら言った。
「……お前はいい人間だよ。賢いだけじゃなく柔軟性があって...
ってもっとできるし、恋愛だってまだまだこれからできる。わ...
きじゃない。もっと広い世界があるんだ」
それを聞いてチャ―リーは喉元が熱くなるのを感じた。きっと...
ない、と思った。でもやはり、目の前で疲れと困惑を持て余し...
小さな頃と同じように、いやむしろ一層強く、ト゛ンのことを...
リーは泣くまいとしながら、視線を下げて言った。
「――もしそうなれたら、それは全部ト゛ンのおかげだよ。わ...
んだ。ねえ、僕はこの先、ト゛ンが望むとおりに恋に落ちるか...
かと恋愛して、研究と家族のほかの人生もあるって知るかもし...
て、いろんなことを理解して。でもねト゛ン、それはト゛ンが...
しているから存在する可能性なんだ。もしト゛ンを失ったら、...
ない。一番最初にあるのはト゛ンで、最後もト゛ンなんだ。わ...
嗚咽が零れ、チャ―リーはそれを押さえようと手のひらで口を...
った。この先何があっても、ト゛ンより大きな存在は自分の中...
がどんなにそれを望んでも、永遠に。
「……子供じみてるかもしれないけど、それが僕なんだ。ごめ...
「チャールズ」
ト゛ンがウィスキーの瓶をテーブルに置き、ベッドに歩み寄...
硬い、鍛えられた手で肩を擦る。チャ―リーはその手のひらの温...
何度もト゛ンの名前を読んだ。
「チャ―リー、もういい。泣くな」
「――僕は変われない。変わることを望むなら、振ってくれた...
ないのは仕方ない。……傷つくけど、それはト゛ンの意思だろ?...
て変わることを望むのはやめて」
そう言ってから、チャ―リーはふっと息を吐き、間近にある兄...
ってるかな?」
ト゛ンがその言葉に微かに目を細め、苦笑した。「そうかも...
ることは筋が通ってる。正しいよ」
「ト゛ン、僕を振る?」
小さく問うと、ト゛ンが視線を泳がせるのがわかった。「……...
「弟だから?」
チャ―リーの言葉にト゛ンはまた苦笑した。そして彼の巻き毛...
「そうかもしれない」
「……一生振られないなんて、弟に生まれて得だよね」
冗談めかして言うと、ト゛ンは目を伏せた。「俺が悪い。お...
してやりたい。でもそれがお前の人生に傷を与えてる。わかっ...
手放せない」
「――傷じゃないよ、ト゛ン」
呟くようにチャ―リーは言った。ト゛ンはそんな弟を見つめて...
チャ―リーは頷き返してから、ホテルの広い窓を見つめた。高層...
の出を迎える水平線がかろうじて見える。チャ―リーは掠れた声...
「……ピタゴラスがね、無理数を隠したんだ。知ってる?古代...
は偉大な定理をいくつも発見し、数字によって世界は支配され...
世界の理を読み解くためには数字が鍵となるとも思った。そん...
はあってはならないものだったんだ」
「……無理数?」
訝しげにト゛ンが問う。チャ―リーは頷き、微笑んでから説明...
ら、円周率だよ。ああいう、分数でも表せない数字。同じパタ...
く、永遠に少数の羅列が続く数字のこと。それをピタゴラスの...
けど、ピタゴラスはそれに動揺して、その弟子を殺してしまっ...
を覆すものだったから」
ト゛ンは肩を竦め、そして黙った。チャ―リーはそれを見てま...
ていつまで経っても数学者との会話に慣れないト゛ンが好きだ...
「僕はね、無理数が好きなんだ。無理数って、すごくたくさん...
で表せるような数字のことだよ――より多いんだ。この世界には...
って、例えば黄金比だってそうだし、とにかく謎めいていて素...
に続くんだよ!まるで数字が生きているみたいじゃない?世の...
いたら、つまらないよ」
「――読み解けないものが好きだなんて意外だな」
ト゛ンの呟きにチャ―リーは首を傾げた。「そうかな?」
「もっと明確に答えが出るものが好きだと思ってた」
「――逆に言えば、もしかしたら僕が一番最初に謎を解けるか...
だろ?……それに間違いという現象はないって考えが、僕は好き...
あっても、現象自体には常になんらかの意味があると思いたい...
だよ。……理解しがたくても、永遠に続くんだ」
「……なるほどな」
言わんとしていることが伝わったのが、ト゛ンが静かに頷い...
ト゛ンの肩に頭を預け、数時間ぶりの彼の匂いを感じた。温か...
髪をまた撫でられ、続いて指先が頬を掠めていく。視線を上げ...
していた。チャ―リーはそれを見て、躊躇ってから言った。「――...
こに帰ってくるまで、知らない男といたんだ」
「……何?」
頬を撫でていた指先が止まり、ト゛ンの身体が強張ったのが...
汗が浮かぶのを感じながら繰り返した。「知らない男と過ごし...
だよ。声を掛けてきて……」
ト゛ンが勢いよく立ち上がり、こぶしでテーブルを叩いた。...
チャ―リーは乱暴な仕草に肩を一瞬揺らしたが、落ち着くよう...
わかるだろ?……ト゛ンが、ト゛ンが言ったとおりに努力しただ...
ろって言った。だから……」
「四時までデートしてたっていうのか?知らない男と?チャ―...
もう一度ト゛ンがテーブルを叩き、チャ―リーもまた肩を揺ら...
呟き、それから天井を見上げ、すぐに視線を戻した。「寝たん...
チャ―リーは躊躇ってから目を逸らした。「どうして怒るんだ...
ないか」
「――くそっ!」
ト゛ンは怒鳴り、それからうろうろと歩き回り、テーブルに...
た。そして繰り返した。「くそっ」
「……怒るのはおかしいよ」
小さな声で指摘すると、ト゛ンは大げさに頷いた。「ああ、...
ってお前は――自分がやったことをわかってるのか?チャ―リー、...
当に……」
ト゛ンに肩を掴まれ、無理やり視線を重ねられた。チャ―リー...
らすと、ト゛ンはもう一度目を見ろと言った。チャ―リーはそれ...
宥めるように擦った。「ト゛ン、怒らないで」
ト゛ンはその手を振り払いながら言った。「怒ってなんかい...
昨日俺たちがしたようなことをしたって言うのか?知らない男...
チャ―リーは俯いた。ト゛ンの手のひらは熱く、吐息に酒の香...
ないことに苛立ったのか、ト゛ンはチャ―リーの肩をもう一度掴...
チャ―リーの脚の間にト゛ンの身体が滑り込み、それに驚く間も...
で、思わず声を上げると、ト゛ンが名前を読んできた。「チャ―...
ト゛ンの目には怒りとそんな自分への戸惑いが滲んでいて、...
は罪悪感が浮かんだ。彼は手を伸ばし、ト゛ンの短髪を撫でて...
「……怒ってる?」
「怒ってるわけじゃない。ただ……ただ……」
ト゛ンの手が震えている。チャ―リーは唇を引き結んでから、...
きだよ。怒らないで。……嫌わないで」
そういってチャ―リーはト゛ンを抱き寄せた。ト゛ンの唇がじ...
それからチャ―リーのそれに重ねられる。舌が咥内をかき回し、...
゛ンはやはりキスが上手いと思った。乱暴に服を脱がされ、い...
勢を取らされ、貫かれたときにはチャ―リーも極度の興奮でわけ...
ト゛ンの太く、引き締まった腕に羽交い絞めされるような姿勢...
ンは手でチャ―リーが達するのを妨げて焦らした。チャ―リーは...
が掠れる頃にやっと許された。しかもその後も身体の隅々まで...
ないかを探られた。まるで捜査されてるみたいだ、とチャ―リー...
どよりずっと性的な快感があることは確かだった。
何度も行為を繰り返すうちに、いつもより乱暴だったト゛ン...
取り戻し、チャーリは前の晩にもそうしたようにト゛ンの上に...
がったままで自分から腰を揺らし、名前を呼ぶと上半身を起こ...
られた。
「ト゛ン、僕が他の人間と寝ると、嫉妬する?」
行為が終わったあとで抱き合いながらチャ―リーは聞いてみた...
知りたかった。だがト゛ンは腕を自分のまぶたの上に落とし、...
前はそうなんだ?」
「……答えてよ」
言うと、ト゛ンが眉を上げてみせた。事件が行き詰ったとき...
で眉間を擦り、ため息を吐いてみせる。
「知りたいんだな?チャ―リー」
「……そうだね、知りたい」
小声でチャ―リーは肯定した。例えばチャ―リーはト゛ンが他...
と、何も食べたくなくなる。胃が痛み、ト゛ンをどこかに閉じ...
そういう感情がト゛ンにもあるのか、知りたいと思った。
ト゛ンは長い息を吐き、それから頷いた。「嫉妬する。これ...
「――自分にとってそれが苦痛なのに、僕にそれを勧めるのは...
弟の言葉にト゛ンはまたため息を吐いた。「お前のためにな...
でもそれは決して、会ったばかりのやつと簡単に寝ることじ...
ないのか?心配になるんだ。苦い声で言われ、チャーリーはせ...
「僕のことを思って我慢してるの?僕は僕のためになるはず...
痛を与えるってこと?」
「――黙れチャ―リー。もう話したくない。あと数時間でホテル...
近いんだぞ。もう俺は……とにかく眠りたいんだ」
ト゛ンはそう言って目を瞑った。長年の経験から、これ以上...
ていたので、チャ―リーは話しかけるのをやめた。その代わり眠...
めていた。ドンは何度も寝返りを打った。チャーリーは彼もま...
ト゛ンには悪いと思ったが、チャ―リーは幸せだった。彼は少...
夕方に飛行機に乗る前に、ト゛ンとチャ―リーは踊った。郊外...
か見てるかもよ、とチャ―リーは言い、ト゛ンは誰か見てるかも...
せた。二人のステップはちぐはぐで、決して息が合ってるとは...
゛ンは顔を顰めた。「これはもう既にダンスじゃない」
「いいだろ、別に。僕は楽しいよ」
そう言ってターンをすると、ト゛ンが苦笑したのでチャ―リー...
ダンスは確かに不恰好で、チャ―リーもこれだったら二人で事件...
と思った。お互いの足りないところを補い合え、やはりちぐは...
れないが、最後には息の合ったところを周りにも見せられる。F...
チャ―リー。こんなコンビは他にいない。まるでドラマのヒーロ...
踊りながらト゛ンがチャ―リーを見る目には、やはり悲しみと...
し、チャ―リーはきっと自分がト゛ンを見るときもそうなのだろ...
ゆえに負い目を感じ、これは正しくない形の愛なのだとも思い...
しながらも、お互いへの愛も捨てられない。だが何が正しいか...
通の兄弟がどんなものかを決めるのは誰なのか?ト゛ンとチャ―...
いことを責められる人間などいるだろうか?
自分たちは兄弟で、お互いに代わりはいない。そして少なく...
幸せなのだ。
そうは言ってもト゛ンが自分のために苦しむ要素は、少しで...
帰りの飛行機の中でチャ―リーは思い切って勇気を出した。「ね...
「なんだ?」
眠たげに雑誌を読んでいたト゛ンに問われ、チャ―リーは躊躇...
んだ。「あの、実は言わなきゃいけないことがあるんだ」
「おいおいおい、何なんだ?もうやめてくれ」
ト゛ンが悲鳴まじりの声を上げ、周囲の乗客が彼に視線を向...
て声を潜めた。「悪いニュースじゃないと思うよ」
「嘘を吐け。お前に良い報せをもらったことなんてほとんど...
チャ―リーはその言葉にむっとして顎を上げた。「何それ」
「いつもそうだろ?お前はいつもトラブルをもちこんでばか...
「――トラブルなんて持ち込んでない!むしろ解決してあげて...
思わず声を上げると、また周囲の視線が集まり、近くにいた...
うずと身体を動かしたので、チャ―リーは我に返ってまた声を潜...
いニュースじゃなくて、むしろいいニュースで、でももしかし...
となんだけど……」
ト゛ンはそれを聞いて雑誌を伏せ、目を眇めた。
「いいニュースなのに俺が怒るのか?怪しいな」
「……っていうか最終的には喜ぶと思うよ。ただ衝撃を受ける...
から約束してほしいんだけど、怒らないって」
ト゛ンの片眉が意味深に上がるのを見ながら、チャ―リーは繰...
って約束してくれる?」
「……聞いていないのにどうやったら確約できる?」
尤もなことを言われれ、チャ―リーは苛立ちを覚えた。「いい...
ト゛ンがため息を吐く気配がした。数秒して、彼は言った。...
ら言ってみろ」
チャ―リーはごくりと喉を動かしてから、ト゛ンの顔に自分の...
て告白した。「昨日の話、嘘なんだ」
「――は?」
大声で問われ返され、チャ―リーは無意識のうちに身を仰け反...
早く腕を掴み、すぐ側まで引き戻して言った。「嘘?」
「嘘っていうか、よく思い出してほしいんだけど、僕は言わ...
って。ほら、例の知らない男のことだよ。ト゛ンは誤解、そう...
ひそひそ声で弁解すると、ト゛ンは信じられないものを見る...
誤解?」
「――悪かったよ。でもほら、知ると気が楽になるかなって思...
なって……」
語尾が怪しくなり、チャ―リーはやがて口を閉ざした。隣のト...
彼の眉間にはくっきりと皺が浮かんでいた。
「ごめんね」
小声でチャ―リーが言うと、ト゛ンは顔を引きつらせた。「――...
?」
「嘘っていうか、誤解というか」
「騙したんだな?」
低い声で問い詰められ、チャ―リーは躊躇った後頷いた。「そ...
ジーザス。ト゛ンが呻き、飛行機の狭い天井を睨んでからす...
な馬鹿なことを?お前、俺がどれだけ――くそっ、どうりで跡も...
「カジノで知らないやつに声を掛けられたのは事実なんだ。...
ちょっとした演出……」
「それを言うなら脚色だろ!……信じられない。信じられない...
ト゛ンは繰り返し、それから舌打ちをした。「チャ―リー、お...
る上に不誠実だ」
「ト゛ン、ごめん。でも……でも不安だったんだ。ちゃんと求...
うしても知りたかったんだ。僕は……そう、あの男に声を掛けら...
んだ。……つまり、ト゛ンが誤解したようなことを。彼はト゛ン...
し、なんていうか……誰かに優しくされたかったんだ。わかるだ...
だ」
ト゛ンは黙ってそれを聞いていた。チャ―リーは手のひらで座...
握ったり話したりしながら、話を続けた。「……でもすぐにやっ...
てト゛ンじゃないし。だから結局、朝になる前にホテルに帰っ...
いないんだもの」
そう言ってからチャ―リーは乾いた唇を舐め、それから呟いた。...
返事がないことに不安を覚えて、チャ―リーは肘置きから視線...
っとチャ―リーを見詰めていた。
「……怒ってる?」
その言葉にト゛ンが呆れた様子で瞳をくるりと回した。「当...
「だけど、他に確かめようがなかったんだよ」
「――チャ―リー、お前は本当にガキだ。どうしようもない子供...
な……」
鋭くそう言い、それからト゛ンは唐突に喉の奥から笑いを零...
よ。信じられない」
身を折り曲げるようにして、くつくつと笑う兄を、チャ―リー...
リーにはどう反応すればいいのかわからなかった。ここで兄が...
はりト゛ンのことはなかなか理解しきれないと思った。
もっと簡単にト゛ンの行動や感情のパターンを読めたらどん...
はそう思った。いつかはそういうものを見つけられるだろうか?
「……僕なりの背理法的証明だったんだけど」
チャ―リーの弁解にト゛ンは冷たく返した。「言ってろよ」
「……怒ってる?」
「当たり前」
「あのさ、じゃあどうして笑ってる?それって、それって――...
「おかしいのはお前だ」
「……嫌いになった?」
チャ―リーが問うと、ト゛ンは目を細めた。目尻に皺が浮かび...
表情になる。ト゛ンは笑いで涙が浮かんだらしいまなじりを乱...
「自分で考えろ」
チャ―リーは言われたとおり暫く真剣に考えた。そしてともか...
うことは、嫌われていないだろうという結論を出す頃には、カ...
いていた。その間ト゛ンはずっと、本気で頭を悩ませる弟のこ...
た。
終
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧...
| | | | ピッ (...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| ...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
暗くて生ぬるい内容になっちゃいましたが
原作のこの二人の視線が絡み合うとき、
特にチャーリーは妙に思いつめた感じの表情のくせに、ドラマ...
家族団らん・ほのぼのムードでいつも終わるのが好きなのでし...
長々と失礼!
#comment
終了行:
#title(numb*3rs 工ップス兄×弟) [#n1508338]
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 昨夜のnumb*3rs...
____________ \ / ̄ ̄ ̄...
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 相変わら...
| | | | ...
| | |> PLAY. | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (´...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(...
そんなわけで後編です。相変わらず痛いです
ここをきっかけに狐に加入してくれた人までいるとは…嬉しい!
原作そのものがホモホモ兄弟エピソードで構成されているので
こんなフィクなんかよりずっと萌えるはず。楽しんでください。
まずはト゛ンのように携帯の電源を切り、チャ―リーはひたす...
たまにト゛ンが追いかけてきているかと思って振り向いてみた...
ると足を止めてみたりしたが、ト゛ンはいなかった。帰りたい...
リフォルニアのあの家に帰り、ガレージにこもって数式を解き...
この関係を続けることをト゛ンは望んでいないのは、もちろ...
ガレージでト゛ンと寝た直後から、ずっとそれは理解していた...
って必要なのも事実で、だからこそチャ―リーはこの数ヶ月一番...
きた。ト゛ンにキスやセックスを強請り、みっともない脅しを...
びにプライドも傷ついたし(相手が自分を必要としていないと...
を差し出すことの苦痛をト゛ンは理解していないだろうといつ...
゛ンが困惑した表情を毎回向けることだった。
だが、その苦痛を差し引いても、ト゛ンと身体を重ねる時間...
手のひらや唇が肌をさ迷い、名前を耳元で呼ばれると、あまり...
まにト゛ンが見せる微笑、そのときに目尻に浮かぶ皺、誠実で...
チャ―リーにとってはすべてで、ほかのものなど必要なかった。...
夕や、あまつさえト゛ン以外の男との――ト゛ンはチャ―リーが男...
一番身近な若い男としてト゛ンを選んだとでも思っているのだ...
チャ―リーをひどく傷つけた。
自分が無神経だということをわかっていない、と今またチャ―...
砂浜を歩きながら思った。ト゛ンは確かにいつだって「まとも...
間について、理解できているとは思えない。チャ―リーにだって...
なりたいという思いはある。小さな頃からずっとある。でもな...
ような弟には未だになれない。だがト゛ンはそれでもチャ―リー...
はいないと言ったではないか?それなら何故ありのままのチャ―...
いのだろう?せめてその在り方を認めるくらいはするべきでは...
チャ―リーは苛々しながらにぎわっている通りを見た。この...
ある。そしてチャ―リーは賭け事が得意だった。当たり前だ。彼...
するだけだ。馬鹿げている、とチャ―リーはいつものように大勢...
について思った。ギャンブルにあるのはスリルではない。単な...
財布に入っている金額を確かめてから、小さなカジノに入る...
ーレットのテーブルに向かった。ポーカーやクラップスでは簡...
ブルの側で、まずはディーラーがルーレットを回すのを何度か...
や戦略を見抜いた。そしてテーブルに参加し、注意深く賭け始...
一時間経つ頃にはト゛ンと二人で地球の裏側に旅行できるほ...
ャ―リーはその成果にではなく、自分の理論が正しいことに満足...
た。テーブルから少し離れた席で、チャ―リーより少し年齢が上...
つめている。ト゛ンのようなダークヘアではないが、ト゛ンの...
をしており、ト゛ンみたいに清潔で誠実そうに見える。FBIでよ...
の同僚のような、学者とは違う種類の知的な面立ち。チャ―リー...
すぐに目を伏せてテーブルのコインを換金するために寄せ集め...
換金を終えてカジノを出るとき、チャ―リーはもう一度さっき...
た。彼はまだギャンブルに参加せず、チャ―リーの方を見つめて...
てから足を止めた。すると彼はゆっくりと歩み寄ってきた。
フィラデルフィアのホテルに戻るころには、夜明けも近くな...
鳴らすと、すぐに扉が開き、やりきれない表情のト゛ンに迎え...
切ったな」
「ト゛ンだって切ってるんじゃないの?」
そう言ってチャ―リーは兄の側を通り抜けて部屋の中へ入った...
゛ンに会うのが怖かった。だが一方でト゛ンがちゃんとホテル...
た。もし自分を見限って先に帰られたりしたら、本当に傷つい...
話さなければいけない、とチャ―リーは思った。ト゛ンはTシ...
寝るための準備はしていたようだが、寝ていないことは顔をみ...
が落ち窪んで、疲れが伺える。
ベッドに腰を掛けて、ト゛ンを見上げると、彼はため息を吐...
し離れたところにある椅子に座った。そして弱弱しい声で言っ...
―もう四時だぞ」
「カジノに行ってたんだ……」
チャ―リーは小さな声で言ってから、ちらっとト゛ンの表情を...
れからまた息を吐いた。「心配する」
「ごめん」
「もういい。寝ろ。ひどい顔してるぞ」
ト゛ンはそう言って手を振り、立ち上がってミニバーにある...
なウォッカの瓶を一気に開けると、ごみ箱に投げ捨てて繰り返...
「ト゛ン、ごめん」
不安になってチャ―リーは腰を上げかけた。するとト゛ンは顔...
――どうしろっていうんだ?!俺はお前の兄なんだぞ!お前のこ...
―リー、お前にはわからないかもしれないが、俺はお前に対して...
ほしいんだ。間違った人生を歩ませたくない」
「――他の恋人を見つけろっていうから、僕だって努力してる」
チャ―リーは震えた息を吐きながら言った。ト゛ンが驚いた顔...
を見返しながらチャ―リーは続けた。「ちゃんと、言われたとお...
ともいい感じなんだ。前は彼女のこと、なんとも思ってなかっ...
いって感じてきた。昔は恋人なんてもう必要ないって思ってた...
に捧げたいって。でも、ト゛ンとFBIの仕事に関るようになって...
値がわかってきた。友達も増えた。――僕の側にいるのは、前は...
たんだよ。例えばデイヴィッドみたいなFBIにいるようなタイプ...
た。ああいういかにもタフガイっていうか、実際的なタイプは...
なって思うようになった。数学的な話をできない友達も。ちょ...
だ。全部ト゛ンのおかげだよ」
チャ―リーが一気に言うのを、ト゛ンはぽかんと口を開けて見...
ら頷いた。「……それはよかった」
ト゛ンはよかったと繰り返し、またミニバーに手を伸ばして...
を舐めながら、まぶたを手の甲で乱暴に擦った。
チャ―リーはじっとそれを見つめた。小さな頃から何度も繰り...
く観察し、疲労しきった表情の中から感情のかけらを探し出そ...
を揉みながら言った。
「……お前はいい人間だよ。賢いだけじゃなく柔軟性があって...
ってもっとできるし、恋愛だってまだまだこれからできる。わ...
きじゃない。もっと広い世界があるんだ」
それを聞いてチャ―リーは喉元が熱くなるのを感じた。きっと...
ない、と思った。でもやはり、目の前で疲れと困惑を持て余し...
小さな頃と同じように、いやむしろ一層強く、ト゛ンのことを...
リーは泣くまいとしながら、視線を下げて言った。
「――もしそうなれたら、それは全部ト゛ンのおかげだよ。わ...
んだ。ねえ、僕はこの先、ト゛ンが望むとおりに恋に落ちるか...
かと恋愛して、研究と家族のほかの人生もあるって知るかもし...
て、いろんなことを理解して。でもねト゛ン、それはト゛ンが...
しているから存在する可能性なんだ。もしト゛ンを失ったら、...
ない。一番最初にあるのはト゛ンで、最後もト゛ンなんだ。わ...
嗚咽が零れ、チャ―リーはそれを押さえようと手のひらで口を...
った。この先何があっても、ト゛ンより大きな存在は自分の中...
がどんなにそれを望んでも、永遠に。
「……子供じみてるかもしれないけど、それが僕なんだ。ごめ...
「チャールズ」
ト゛ンがウィスキーの瓶をテーブルに置き、ベッドに歩み寄...
硬い、鍛えられた手で肩を擦る。チャ―リーはその手のひらの温...
何度もト゛ンの名前を読んだ。
「チャ―リー、もういい。泣くな」
「――僕は変われない。変わることを望むなら、振ってくれた...
ないのは仕方ない。……傷つくけど、それはト゛ンの意思だろ?...
て変わることを望むのはやめて」
そう言ってから、チャ―リーはふっと息を吐き、間近にある兄...
ってるかな?」
ト゛ンがその言葉に微かに目を細め、苦笑した。「そうかも...
ることは筋が通ってる。正しいよ」
「ト゛ン、僕を振る?」
小さく問うと、ト゛ンが視線を泳がせるのがわかった。「……...
「弟だから?」
チャ―リーの言葉にト゛ンはまた苦笑した。そして彼の巻き毛...
「そうかもしれない」
「……一生振られないなんて、弟に生まれて得だよね」
冗談めかして言うと、ト゛ンは目を伏せた。「俺が悪い。お...
してやりたい。でもそれがお前の人生に傷を与えてる。わかっ...
手放せない」
「――傷じゃないよ、ト゛ン」
呟くようにチャ―リーは言った。ト゛ンはそんな弟を見つめて...
チャ―リーは頷き返してから、ホテルの広い窓を見つめた。高層...
の出を迎える水平線がかろうじて見える。チャ―リーは掠れた声...
「……ピタゴラスがね、無理数を隠したんだ。知ってる?古代...
は偉大な定理をいくつも発見し、数字によって世界は支配され...
世界の理を読み解くためには数字が鍵となるとも思った。そん...
はあってはならないものだったんだ」
「……無理数?」
訝しげにト゛ンが問う。チャ―リーは頷き、微笑んでから説明...
ら、円周率だよ。ああいう、分数でも表せない数字。同じパタ...
く、永遠に少数の羅列が続く数字のこと。それをピタゴラスの...
けど、ピタゴラスはそれに動揺して、その弟子を殺してしまっ...
を覆すものだったから」
ト゛ンは肩を竦め、そして黙った。チャ―リーはそれを見てま...
ていつまで経っても数学者との会話に慣れないト゛ンが好きだ...
「僕はね、無理数が好きなんだ。無理数って、すごくたくさん...
で表せるような数字のことだよ――より多いんだ。この世界には...
って、例えば黄金比だってそうだし、とにかく謎めいていて素...
に続くんだよ!まるで数字が生きているみたいじゃない?世の...
いたら、つまらないよ」
「――読み解けないものが好きだなんて意外だな」
ト゛ンの呟きにチャ―リーは首を傾げた。「そうかな?」
「もっと明確に答えが出るものが好きだと思ってた」
「――逆に言えば、もしかしたら僕が一番最初に謎を解けるか...
だろ?……それに間違いという現象はないって考えが、僕は好き...
あっても、現象自体には常になんらかの意味があると思いたい...
だよ。……理解しがたくても、永遠に続くんだ」
「……なるほどな」
言わんとしていることが伝わったのが、ト゛ンが静かに頷い...
ト゛ンの肩に頭を預け、数時間ぶりの彼の匂いを感じた。温か...
髪をまた撫でられ、続いて指先が頬を掠めていく。視線を上げ...
していた。チャ―リーはそれを見て、躊躇ってから言った。「――...
こに帰ってくるまで、知らない男といたんだ」
「……何?」
頬を撫でていた指先が止まり、ト゛ンの身体が強張ったのが...
汗が浮かぶのを感じながら繰り返した。「知らない男と過ごし...
だよ。声を掛けてきて……」
ト゛ンが勢いよく立ち上がり、こぶしでテーブルを叩いた。...
チャ―リーは乱暴な仕草に肩を一瞬揺らしたが、落ち着くよう...
わかるだろ?……ト゛ンが、ト゛ンが言ったとおりに努力しただ...
ろって言った。だから……」
「四時までデートしてたっていうのか?知らない男と?チャ―...
もう一度ト゛ンがテーブルを叩き、チャ―リーもまた肩を揺ら...
呟き、それから天井を見上げ、すぐに視線を戻した。「寝たん...
チャ―リーは躊躇ってから目を逸らした。「どうして怒るんだ...
ないか」
「――くそっ!」
ト゛ンは怒鳴り、それからうろうろと歩き回り、テーブルに...
た。そして繰り返した。「くそっ」
「……怒るのはおかしいよ」
小さな声で指摘すると、ト゛ンは大げさに頷いた。「ああ、...
ってお前は――自分がやったことをわかってるのか?チャ―リー、...
当に……」
ト゛ンに肩を掴まれ、無理やり視線を重ねられた。チャ―リー...
らすと、ト゛ンはもう一度目を見ろと言った。チャ―リーはそれ...
宥めるように擦った。「ト゛ン、怒らないで」
ト゛ンはその手を振り払いながら言った。「怒ってなんかい...
昨日俺たちがしたようなことをしたって言うのか?知らない男...
チャ―リーは俯いた。ト゛ンの手のひらは熱く、吐息に酒の香...
ないことに苛立ったのか、ト゛ンはチャ―リーの肩をもう一度掴...
チャ―リーの脚の間にト゛ンの身体が滑り込み、それに驚く間も...
で、思わず声を上げると、ト゛ンが名前を読んできた。「チャ―...
ト゛ンの目には怒りとそんな自分への戸惑いが滲んでいて、...
は罪悪感が浮かんだ。彼は手を伸ばし、ト゛ンの短髪を撫でて...
「……怒ってる?」
「怒ってるわけじゃない。ただ……ただ……」
ト゛ンの手が震えている。チャ―リーは唇を引き結んでから、...
きだよ。怒らないで。……嫌わないで」
そういってチャ―リーはト゛ンを抱き寄せた。ト゛ンの唇がじ...
それからチャ―リーのそれに重ねられる。舌が咥内をかき回し、...
゛ンはやはりキスが上手いと思った。乱暴に服を脱がされ、い...
勢を取らされ、貫かれたときにはチャ―リーも極度の興奮でわけ...
ト゛ンの太く、引き締まった腕に羽交い絞めされるような姿勢...
ンは手でチャ―リーが達するのを妨げて焦らした。チャ―リーは...
が掠れる頃にやっと許された。しかもその後も身体の隅々まで...
ないかを探られた。まるで捜査されてるみたいだ、とチャ―リー...
どよりずっと性的な快感があることは確かだった。
何度も行為を繰り返すうちに、いつもより乱暴だったト゛ン...
取り戻し、チャーリは前の晩にもそうしたようにト゛ンの上に...
がったままで自分から腰を揺らし、名前を呼ぶと上半身を起こ...
られた。
「ト゛ン、僕が他の人間と寝ると、嫉妬する?」
行為が終わったあとで抱き合いながらチャ―リーは聞いてみた...
知りたかった。だがト゛ンは腕を自分のまぶたの上に落とし、...
前はそうなんだ?」
「……答えてよ」
言うと、ト゛ンが眉を上げてみせた。事件が行き詰ったとき...
で眉間を擦り、ため息を吐いてみせる。
「知りたいんだな?チャ―リー」
「……そうだね、知りたい」
小声でチャ―リーは肯定した。例えばチャ―リーはト゛ンが他...
と、何も食べたくなくなる。胃が痛み、ト゛ンをどこかに閉じ...
そういう感情がト゛ンにもあるのか、知りたいと思った。
ト゛ンは長い息を吐き、それから頷いた。「嫉妬する。これ...
「――自分にとってそれが苦痛なのに、僕にそれを勧めるのは...
弟の言葉にト゛ンはまたため息を吐いた。「お前のためにな...
でもそれは決して、会ったばかりのやつと簡単に寝ることじ...
ないのか?心配になるんだ。苦い声で言われ、チャーリーはせ...
「僕のことを思って我慢してるの?僕は僕のためになるはず...
痛を与えるってこと?」
「――黙れチャ―リー。もう話したくない。あと数時間でホテル...
近いんだぞ。もう俺は……とにかく眠りたいんだ」
ト゛ンはそう言って目を瞑った。長年の経験から、これ以上...
ていたので、チャ―リーは話しかけるのをやめた。その代わり眠...
めていた。ドンは何度も寝返りを打った。チャーリーは彼もま...
ト゛ンには悪いと思ったが、チャ―リーは幸せだった。彼は少...
夕方に飛行機に乗る前に、ト゛ンとチャ―リーは踊った。郊外...
か見てるかもよ、とチャ―リーは言い、ト゛ンは誰か見てるかも...
せた。二人のステップはちぐはぐで、決して息が合ってるとは...
゛ンは顔を顰めた。「これはもう既にダンスじゃない」
「いいだろ、別に。僕は楽しいよ」
そう言ってターンをすると、ト゛ンが苦笑したのでチャ―リー...
ダンスは確かに不恰好で、チャ―リーもこれだったら二人で事件...
と思った。お互いの足りないところを補い合え、やはりちぐは...
れないが、最後には息の合ったところを周りにも見せられる。F...
チャ―リー。こんなコンビは他にいない。まるでドラマのヒーロ...
踊りながらト゛ンがチャ―リーを見る目には、やはり悲しみと...
し、チャ―リーはきっと自分がト゛ンを見るときもそうなのだろ...
ゆえに負い目を感じ、これは正しくない形の愛なのだとも思い...
しながらも、お互いへの愛も捨てられない。だが何が正しいか...
通の兄弟がどんなものかを決めるのは誰なのか?ト゛ンとチャ―...
いことを責められる人間などいるだろうか?
自分たちは兄弟で、お互いに代わりはいない。そして少なく...
幸せなのだ。
そうは言ってもト゛ンが自分のために苦しむ要素は、少しで...
帰りの飛行機の中でチャ―リーは思い切って勇気を出した。「ね...
「なんだ?」
眠たげに雑誌を読んでいたト゛ンに問われ、チャ―リーは躊躇...
んだ。「あの、実は言わなきゃいけないことがあるんだ」
「おいおいおい、何なんだ?もうやめてくれ」
ト゛ンが悲鳴まじりの声を上げ、周囲の乗客が彼に視線を向...
て声を潜めた。「悪いニュースじゃないと思うよ」
「嘘を吐け。お前に良い報せをもらったことなんてほとんど...
チャ―リーはその言葉にむっとして顎を上げた。「何それ」
「いつもそうだろ?お前はいつもトラブルをもちこんでばか...
「――トラブルなんて持ち込んでない!むしろ解決してあげて...
思わず声を上げると、また周囲の視線が集まり、近くにいた...
うずと身体を動かしたので、チャ―リーは我に返ってまた声を潜...
いニュースじゃなくて、むしろいいニュースで、でももしかし...
となんだけど……」
ト゛ンはそれを聞いて雑誌を伏せ、目を眇めた。
「いいニュースなのに俺が怒るのか?怪しいな」
「……っていうか最終的には喜ぶと思うよ。ただ衝撃を受ける...
から約束してほしいんだけど、怒らないって」
ト゛ンの片眉が意味深に上がるのを見ながら、チャ―リーは繰...
って約束してくれる?」
「……聞いていないのにどうやったら確約できる?」
尤もなことを言われれ、チャ―リーは苛立ちを覚えた。「いい...
ト゛ンがため息を吐く気配がした。数秒して、彼は言った。...
ら言ってみろ」
チャ―リーはごくりと喉を動かしてから、ト゛ンの顔に自分の...
て告白した。「昨日の話、嘘なんだ」
「――は?」
大声で問われ返され、チャ―リーは無意識のうちに身を仰け反...
早く腕を掴み、すぐ側まで引き戻して言った。「嘘?」
「嘘っていうか、よく思い出してほしいんだけど、僕は言わ...
って。ほら、例の知らない男のことだよ。ト゛ンは誤解、そう...
ひそひそ声で弁解すると、ト゛ンは信じられないものを見る...
誤解?」
「――悪かったよ。でもほら、知ると気が楽になるかなって思...
なって……」
語尾が怪しくなり、チャ―リーはやがて口を閉ざした。隣のト...
彼の眉間にはくっきりと皺が浮かんでいた。
「ごめんね」
小声でチャ―リーが言うと、ト゛ンは顔を引きつらせた。「――...
?」
「嘘っていうか、誤解というか」
「騙したんだな?」
低い声で問い詰められ、チャ―リーは躊躇った後頷いた。「そ...
ジーザス。ト゛ンが呻き、飛行機の狭い天井を睨んでからす...
な馬鹿なことを?お前、俺がどれだけ――くそっ、どうりで跡も...
「カジノで知らないやつに声を掛けられたのは事実なんだ。...
ちょっとした演出……」
「それを言うなら脚色だろ!……信じられない。信じられない...
ト゛ンは繰り返し、それから舌打ちをした。「チャ―リー、お...
る上に不誠実だ」
「ト゛ン、ごめん。でも……でも不安だったんだ。ちゃんと求...
うしても知りたかったんだ。僕は……そう、あの男に声を掛けら...
んだ。……つまり、ト゛ンが誤解したようなことを。彼はト゛ン...
し、なんていうか……誰かに優しくされたかったんだ。わかるだ...
だ」
ト゛ンは黙ってそれを聞いていた。チャ―リーは手のひらで座...
握ったり話したりしながら、話を続けた。「……でもすぐにやっ...
てト゛ンじゃないし。だから結局、朝になる前にホテルに帰っ...
いないんだもの」
そう言ってからチャ―リーは乾いた唇を舐め、それから呟いた。...
返事がないことに不安を覚えて、チャ―リーは肘置きから視線...
っとチャ―リーを見詰めていた。
「……怒ってる?」
その言葉にト゛ンが呆れた様子で瞳をくるりと回した。「当...
「だけど、他に確かめようがなかったんだよ」
「――チャ―リー、お前は本当にガキだ。どうしようもない子供...
な……」
鋭くそう言い、それからト゛ンは唐突に喉の奥から笑いを零...
よ。信じられない」
身を折り曲げるようにして、くつくつと笑う兄を、チャ―リー...
リーにはどう反応すればいいのかわからなかった。ここで兄が...
はりト゛ンのことはなかなか理解しきれないと思った。
もっと簡単にト゛ンの行動や感情のパターンを読めたらどん...
はそう思った。いつかはそういうものを見つけられるだろうか?
「……僕なりの背理法的証明だったんだけど」
チャ―リーの弁解にト゛ンは冷たく返した。「言ってろよ」
「……怒ってる?」
「当たり前」
「あのさ、じゃあどうして笑ってる?それって、それって――...
「おかしいのはお前だ」
「……嫌いになった?」
チャ―リーが問うと、ト゛ンは目を細めた。目尻に皺が浮かび...
表情になる。ト゛ンは笑いで涙が浮かんだらしいまなじりを乱...
「自分で考えろ」
チャ―リーは言われたとおり暫く真剣に考えた。そしてともか...
うことは、嫌われていないだろうという結論を出す頃には、カ...
いていた。その間ト゛ンはずっと、本気で頭を悩ませる弟のこ...
た。
終
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧...
| | | | ピッ (...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| ...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
暗くて生ぬるい内容になっちゃいましたが
原作のこの二人の視線が絡み合うとき、
特にチャーリーは妙に思いつめた感じの表情のくせに、ドラマ...
家族団らん・ほのぼのムードでいつも終わるのが好きなのでし...
長々と失礼!
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