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#title(流石兄弟 流血沙汰あり) [#gac66064]
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
| 流石兄弟
____________ \ / ̄ ̄ ̄...
| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| …なんと...
| | | | ...
| | |> PLAY. | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (´...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
めったに外に出ることがないので、いい年をしてお土産が嬉...
それがアイスやプリンの甘くて冷たくておいしいものだと、...
でもこれが毎日だったら、流石にこんなにとろけていない。
弟者はこういうあたりの加減が上手い。
ほどほどに間隔をあけて、こちらが全く期待していないとき...
「おお、これは○×堂のキャラメル・プリン!」
喜びのあまり下げ進行のスレを思いっきりプリンあげしてし...
そんなの無視してプリンにとびつく。
そこで弟者に押し留められる。
「なんだ?これ一個でカラダは売らんぞ」
「大量だったら売る気か」
「まさか。さすがにあきらめる」
気のせいか弟者ががっかりしたように見えた。
「そこまで無茶は言わないが、何か見返りがあってもよくない...
「うむ。そこのフィギュアをくれてやろう」
「……女装したダディクールのフィギュアなどいらん」
「一品ものだぞ。めったに手に入るものではない」
「もらってくれと頼まれても欲しくない」
趣味の範囲のせまいやつだ。
「それではおまえが何らかの理由で自作自演が疑われたとき、...
「意義あり!逆ならともかくありえない」
世の中、どんな陰謀に満ちているのかわからぬのに無用心な...
「では、何が欲しいのだ」
珍しいことにあのひねくれた弟者が、赤面しつつ口ごもる。
なんだがかすれた声で、音を出す。
「……キ」
「キツツキ?持ってないぞ、そんなもの」
「違う!」
「北枕?縁起が悪い気がするが」
「…どうやってそれをくれる気だ」
「簡単だ。いつもの枕を北に置くだけ」
何を怒っているのだろう。
「吉祥天女。神々しいとはよく言われるが、流石にそこまでは...
「誰が言うんだ、誰が」
「金斗雲。キアヌ・リーブス。金閣寺。どれも無理な気がする...
なんだか頭を抱えていた弟者が、小さな声で何事かつぶやい...
「アーアー∩ ゚д゚)∩キコエナーイ」
「………キス」
「おお、それは良い考えだ」
弟者の顔が明るくなる。
「だが、それは母者に頼んでくれ」
「母者と?!」
「ああ。出来れば天ぷらにして欲しい」
よろめいた拍子に机のスタンドに頭をぶつけている。挙動不...
悪いものでも食ったのだろうか。
机の端につかまって、しばらく痛みに耐えていた弟者がどう...
ずずい、とこちらにより、真剣な顔で俺を見る。
「なに?」
「オレはあなたが心配なのですよ」
「そうなのか」
「DQNで甘ったれでヒッキ―で、人づきあいは出来ないし、先の...
この先路頭に迷うことになるのではと思うと、いてもたっても...
「えらい言われようだな」
「弟として、この現状を打破するために少し考えてみた」
「大きなお世話だ」
「練習、してみないか。コミュニケーションの」
「不要」
「いや、ここは一つ、よりよい明日を築くため、あんたは努力...
現代社会では人間関係が希薄化したためさまざまな問題が……あ...
ちっ、バレたか。
「現代社会の問題点まで俺のせいにされても困る」
「困ることはない、出来の悪い兄を心の底から心配するこの弟...
「いや、いいから」
「よくない。あんたは典型的な引きこもりだ。つまり全国3千...
「その数字にソースはあるのか」
「大事なのはそこじゃない。あんたの位置の意味する社会的状...
なんだかやたらと話が長い。せっかくのプリンがぬるくなる...
俺は迷惑そうに弟者の熱弁をとばし聞いた。やつは途中こぶし...
まるでギレンの大演説だ。
「……ということでわれわれは現実的な肉体を持って、その虚構...
「わかった。じゃ、いただきまーす」
スプーンを突っ込んだ瞬間、取り上げられる。
「あ、こら、返せ!」
「…オレの話、聞いてたか?」
「えーと、人づきあいは大事だってことをなんか小難しく言っ...
「間違いとはいえないが、それを食べる前にまず練習しようと...
「食べたあとにしよう」
「そうはいくか」
俺のプリンは本棚の上にのせられてしまった。
「冷たいうちの食べたいのだが」
「長くはかからん。まず、目を閉じろ」
「他者とのコミュニケーションとやらはそうは始まらないであ...
害意のないことを示しあうことがファースト・コンタクトとし...
弟者がぽかん、とこちらを見る。
「やはり目を開けたままごあいさつが基本だろう……こんにちは」
「はぁ、こんにちは」
兄弟間で頭を下げあってみる。
「できた。プリンくれ、プリン」
「いや、まだだ。この先が重要なんだ」
俺にはプリンのほうが重要なのだが。
「わかった。初めまして、私は流石兄者というものです」
「弟者と申します」
もう一度おじぎをしあう。
「弟者さんは毎日、どう過ごしていらっしゃいますか」
「はぁ、学業とバイトに忙しい日々です。あなたは?」
「萌え画像探索とブラクラゲットに忙しい毎日です」
「どこが忙しいんだ、どこが!」
「モチつけ、単なる練習ではないか」
ぽんぽん、と肩を叩いてなだめてやる。そろそろあきらめて...
「えーい、このままじゃキリがない。いいか、人間関係でもっ...
「加害者と被害者」
「違う。恋人同士だ」
きっぱりと断定された。
「親子関係とか、もっとあるのではないか」
「いや、なんと言ってもこの関係に尽きる」
「恋人といってもいろいろあろう。二股とか、不倫カップルと...
「この際それは別にして、コミュニケーションの基礎をごく一...
「はぁ?」
「それが人間関係を極める早道だ」
なんだかすごい勢いで押し切られる。
「いや、オレはどうでもいいのだが、あんたをこのままにして...
で、設定としてオレとあんたは恋人同士だ」
「………無理がありすぎないか」
「いや、いいんだ。とにかくそういうことにして会話してみる」
強引なやつだ。
「わかった。……ねぇ、ダーリン、プリン食べたいんだけど」
「はっはっは、ハニー、おねだりかい?」
「キモいを通り越して怖いぞ、弟者」
「とにかく会話を続けるんだ……えい、席を代われ。膝の上にの...
「なんでそんなことをせねばならんのだ?」
「物事はまず形から入ることにより、おのずから心も造られて...
「いや、別に造られなくていいから」
「あんた、全国3千万のヒッキ―たちを見捨てる気か!」
「別にかまわんが」
「なんと情けないことを。いいか、今この国は未曾有の危機に...
「ほう」
なんだかニートと年金問題についてまた演説を始めた。心の...
※流血注意
「……と、言うわけであんたはそうする必要があるんだ」
これ以上反論するのも面倒なので、黙って膝の上にのってみ...
生温かくて気持ち悪い。弟者もさぞかし懲りただろうと見下ろ...
なんとうっとりと目をつぶっているではないか。
かわいそうに、この間彼女と別れてからよほど飢えきってい...
いや、もしかしたら人間でなくとも、犬とか猫とかコモドドラ...
全く、困ったやつだ。
彼にはぜひ彼女イナイ暦=年齢でも、微塵も動じないこの俺の気品...
「ところでプリンはまだ―?ダーリン」
「すぐにあげるよ、ハニ―」
「焦らさないで。今すぐ欲しいの。お願い。……おい、大丈夫か」
なんだか鼻のあたりを抑えて慌てて立ち上がり、ティッシュ...
「ビタミンCやたんぱく質が不足するとそうなりやすいそうだ。
バイトにかまけて食事をおろそかにしているのではないか」
しばらく上を向いている。
ようやく落ち着いてティッシュを捨てる。
さっさとプリンをよこさないからバチが当たったのかもしれ...
「いや、もう大丈夫だ。………ほら、すぐあげるから代わりにして...
続けようとした彼を押し留める。
「それ、恋人同士の会話なのか?」
「……そのつもりだが、何か」
「相手に何かを与えるのに、いちいち見返りを求める。
商売相手ならともかく、恋人の会話とは思えんが。少なくとも...
弟者はピタリ、と固まった。
「で、続けるのか」
「いやいい。………悪かった」
プリンを目の前に置いてくれる。
そして自分はベッドに行き、どさり、と体を投げ出した。
キャラメルプリンはやはりぬるくなっていた。
そのせいかあまり美味しくない。
甘くて、なめらかで、ぷるんとしているのに、なんだか味気...
一つを食べ終わって振り返ると、弟者はぼんやりと天井を見...
その横顔がひどく寂しそうだ。
さっきまでの熱気が失せて、影だけが色濃い。
別れた彼女のことでも思い出しているのだろう。
もしかしたら、さっきの俺と同じようなセリフを言われたこ...
だとしたら、悪かった。
いや、同じバカを繰り返す弟者も悪いが、その傷に塩を塗る...
空のプリンカップの前で、俺はしばらく考える。
不肖の弟をなんとか浮上させる手はないか、と。
そして、一つ思いつく。
「弟者、弟者」
「………ん」
「目を閉じて」
「……………」
―――――― Kiss。
...
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧...
| | | | ピッ (...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| ...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 死ぬほど萌えた -- &new{2012-06-20 (水) 00:56:53};
- 生きてて良かった -- &new{2012-12-27 (木) 16:20:37};
- 何だろう…この感じは… -- &new{2014-05-11 (日) 04:59:09};
- 本当にありがとうございます -- &new{2015-02-11 (水) 04:...
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| …なんと...
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| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(...
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めったに外に出ることがないので、いい年をしてお土産が嬉...
それがアイスやプリンの甘くて冷たくておいしいものだと、...
でもこれが毎日だったら、流石にこんなにとろけていない。
弟者はこういうあたりの加減が上手い。
ほどほどに間隔をあけて、こちらが全く期待していないとき...
「おお、これは○×堂のキャラメル・プリン!」
喜びのあまり下げ進行のスレを思いっきりプリンあげしてし...
そんなの無視してプリンにとびつく。
そこで弟者に押し留められる。
「なんだ?これ一個でカラダは売らんぞ」
「大量だったら売る気か」
「まさか。さすがにあきらめる」
気のせいか弟者ががっかりしたように見えた。
「そこまで無茶は言わないが、何か見返りがあってもよくない...
「うむ。そこのフィギュアをくれてやろう」
「……女装したダディクールのフィギュアなどいらん」
「一品ものだぞ。めったに手に入るものではない」
「もらってくれと頼まれても欲しくない」
趣味の範囲のせまいやつだ。
「それではおまえが何らかの理由で自作自演が疑われたとき、...
「意義あり!逆ならともかくありえない」
世の中、どんな陰謀に満ちているのかわからぬのに無用心な...
「では、何が欲しいのだ」
珍しいことにあのひねくれた弟者が、赤面しつつ口ごもる。
なんだがかすれた声で、音を出す。
「……キ」
「キツツキ?持ってないぞ、そんなもの」
「違う!」
「北枕?縁起が悪い気がするが」
「…どうやってそれをくれる気だ」
「簡単だ。いつもの枕を北に置くだけ」
何を怒っているのだろう。
「吉祥天女。神々しいとはよく言われるが、流石にそこまでは...
「誰が言うんだ、誰が」
「金斗雲。キアヌ・リーブス。金閣寺。どれも無理な気がする...
なんだか頭を抱えていた弟者が、小さな声で何事かつぶやい...
「アーアー∩ ゚д゚)∩キコエナーイ」
「………キス」
「おお、それは良い考えだ」
弟者の顔が明るくなる。
「だが、それは母者に頼んでくれ」
「母者と?!」
「ああ。出来れば天ぷらにして欲しい」
よろめいた拍子に机のスタンドに頭をぶつけている。挙動不...
悪いものでも食ったのだろうか。
机の端につかまって、しばらく痛みに耐えていた弟者がどう...
ずずい、とこちらにより、真剣な顔で俺を見る。
「なに?」
「オレはあなたが心配なのですよ」
「そうなのか」
「DQNで甘ったれでヒッキ―で、人づきあいは出来ないし、先の...
この先路頭に迷うことになるのではと思うと、いてもたっても...
「えらい言われようだな」
「弟として、この現状を打破するために少し考えてみた」
「大きなお世話だ」
「練習、してみないか。コミュニケーションの」
「不要」
「いや、ここは一つ、よりよい明日を築くため、あんたは努力...
現代社会では人間関係が希薄化したためさまざまな問題が……あ...
ちっ、バレたか。
「現代社会の問題点まで俺のせいにされても困る」
「困ることはない、出来の悪い兄を心の底から心配するこの弟...
「いや、いいから」
「よくない。あんたは典型的な引きこもりだ。つまり全国3千...
「その数字にソースはあるのか」
「大事なのはそこじゃない。あんたの位置の意味する社会的状...
なんだかやたらと話が長い。せっかくのプリンがぬるくなる...
俺は迷惑そうに弟者の熱弁をとばし聞いた。やつは途中こぶし...
まるでギレンの大演説だ。
「……ということでわれわれは現実的な肉体を持って、その虚構...
「わかった。じゃ、いただきまーす」
スプーンを突っ込んだ瞬間、取り上げられる。
「あ、こら、返せ!」
「…オレの話、聞いてたか?」
「えーと、人づきあいは大事だってことをなんか小難しく言っ...
「間違いとはいえないが、それを食べる前にまず練習しようと...
「食べたあとにしよう」
「そうはいくか」
俺のプリンは本棚の上にのせられてしまった。
「冷たいうちの食べたいのだが」
「長くはかからん。まず、目を閉じろ」
「他者とのコミュニケーションとやらはそうは始まらないであ...
害意のないことを示しあうことがファースト・コンタクトとし...
弟者がぽかん、とこちらを見る。
「やはり目を開けたままごあいさつが基本だろう……こんにちは」
「はぁ、こんにちは」
兄弟間で頭を下げあってみる。
「できた。プリンくれ、プリン」
「いや、まだだ。この先が重要なんだ」
俺にはプリンのほうが重要なのだが。
「わかった。初めまして、私は流石兄者というものです」
「弟者と申します」
もう一度おじぎをしあう。
「弟者さんは毎日、どう過ごしていらっしゃいますか」
「はぁ、学業とバイトに忙しい日々です。あなたは?」
「萌え画像探索とブラクラゲットに忙しい毎日です」
「どこが忙しいんだ、どこが!」
「モチつけ、単なる練習ではないか」
ぽんぽん、と肩を叩いてなだめてやる。そろそろあきらめて...
「えーい、このままじゃキリがない。いいか、人間関係でもっ...
「加害者と被害者」
「違う。恋人同士だ」
きっぱりと断定された。
「親子関係とか、もっとあるのではないか」
「いや、なんと言ってもこの関係に尽きる」
「恋人といってもいろいろあろう。二股とか、不倫カップルと...
「この際それは別にして、コミュニケーションの基礎をごく一...
「はぁ?」
「それが人間関係を極める早道だ」
なんだかすごい勢いで押し切られる。
「いや、オレはどうでもいいのだが、あんたをこのままにして...
で、設定としてオレとあんたは恋人同士だ」
「………無理がありすぎないか」
「いや、いいんだ。とにかくそういうことにして会話してみる」
強引なやつだ。
「わかった。……ねぇ、ダーリン、プリン食べたいんだけど」
「はっはっは、ハニー、おねだりかい?」
「キモいを通り越して怖いぞ、弟者」
「とにかく会話を続けるんだ……えい、席を代われ。膝の上にの...
「なんでそんなことをせねばならんのだ?」
「物事はまず形から入ることにより、おのずから心も造られて...
「いや、別に造られなくていいから」
「あんた、全国3千万のヒッキ―たちを見捨てる気か!」
「別にかまわんが」
「なんと情けないことを。いいか、今この国は未曾有の危機に...
「ほう」
なんだかニートと年金問題についてまた演説を始めた。心の...
※流血注意
「……と、言うわけであんたはそうする必要があるんだ」
これ以上反論するのも面倒なので、黙って膝の上にのってみ...
生温かくて気持ち悪い。弟者もさぞかし懲りただろうと見下ろ...
なんとうっとりと目をつぶっているではないか。
かわいそうに、この間彼女と別れてからよほど飢えきってい...
いや、もしかしたら人間でなくとも、犬とか猫とかコモドドラ...
全く、困ったやつだ。
彼にはぜひ彼女イナイ暦=年齢でも、微塵も動じないこの俺の気品...
「ところでプリンはまだ―?ダーリン」
「すぐにあげるよ、ハニ―」
「焦らさないで。今すぐ欲しいの。お願い。……おい、大丈夫か」
なんだか鼻のあたりを抑えて慌てて立ち上がり、ティッシュ...
「ビタミンCやたんぱく質が不足するとそうなりやすいそうだ。
バイトにかまけて食事をおろそかにしているのではないか」
しばらく上を向いている。
ようやく落ち着いてティッシュを捨てる。
さっさとプリンをよこさないからバチが当たったのかもしれ...
「いや、もう大丈夫だ。………ほら、すぐあげるから代わりにして...
続けようとした彼を押し留める。
「それ、恋人同士の会話なのか?」
「……そのつもりだが、何か」
「相手に何かを与えるのに、いちいち見返りを求める。
商売相手ならともかく、恋人の会話とは思えんが。少なくとも...
弟者はピタリ、と固まった。
「で、続けるのか」
「いやいい。………悪かった」
プリンを目の前に置いてくれる。
そして自分はベッドに行き、どさり、と体を投げ出した。
キャラメルプリンはやはりぬるくなっていた。
そのせいかあまり美味しくない。
甘くて、なめらかで、ぷるんとしているのに、なんだか味気...
一つを食べ終わって振り返ると、弟者はぼんやりと天井を見...
その横顔がひどく寂しそうだ。
さっきまでの熱気が失せて、影だけが色濃い。
別れた彼女のことでも思い出しているのだろう。
もしかしたら、さっきの俺と同じようなセリフを言われたこ...
だとしたら、悪かった。
いや、同じバカを繰り返す弟者も悪いが、その傷に塩を塗る...
空のプリンカップの前で、俺はしばらく考える。
不肖の弟をなんとか浮上させる手はないか、と。
そして、一つ思いつく。
「弟者、弟者」
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- 死ぬほど萌えた -- &new{2012-06-20 (水) 00:56:53};
- 生きてて良かった -- &new{2012-12-27 (木) 16:20:37};
- 何だろう…この感じは… -- &new{2014-05-11 (日) 04:59:09};
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作品一覧
シリーズものインデックス3
シリーズものインデックス2
シリーズものインデックス
第71巻
第70巻
第69巻
第68巻
第67巻
第66巻
第65巻
第64巻
第63巻
第62巻
第61巻
第60巻
第59巻
第58巻
第57巻
第56巻
第55巻
第54巻
第53巻
第52巻
第51巻
第50巻
第49巻
第48巻
第47巻
第46巻
第45巻
第44巻
第43巻
第42巻
第41巻
第40巻
第39巻
第38巻
第37巻
第36巻
第35巻
第34巻
第33巻
第32巻
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第30巻
第29巻
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第26巻
第25巻
第24巻
第23巻
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第21巻
第20巻
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第18巻
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第3.1巻
第3巻
第2巻
第1巻
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