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#title(笑点 歌丸×楽太郎) [#o9326e6b]
昇天出演者の小説です…。
楽屋の中には紫煙が立ち込めている。
しかしこの痩せた老人が入った途端、それは薄くなるのだ。
「ああ、お早うございます」
入ってきた人物に気づくと男は、立ち上がって深く礼をする。
老人は同じように礼をすると、男の横に腰を下ろした。
「何、まだやめられないんかよ」
机の上の灰皿を見て老人が言う。
短くなるまで吸われた煙草が、皿からはみ出そうに積まれてい...
「ええ、時々止めようと思って箱を全部捨てちまうんですがね…...
「ははっ、禁断症状出てごみ箱あさるんかい?
健康にうるさいアンタがそんなんじゃあねえ。いつか肺ガンに...
弟子が慎重に柳色の着物を運んできた。
着替えようと老人が大きめのセーターを脱ぐと、細い手首が露...
男はじっとそれを見つめた。
「…そんな師匠こそ、転んで骨3つも4つも折らないでください...
「なぁに言ってんだよ」
セーターを脱いで薄いシャツ一枚になった身体は薄く今にも倒...
男は思わず近づき、支えるような手つきをしてしまった。
「何だよ」
「…いえ…何となく、」
男は自分でもその行動の意味がわからずに苦笑いをした。
本当はきっとこの人もわかっているはずだ。
葬式をあげるだの、生きる屍だのと悪態をつくのは
この老人のことが愛しくて仕方ないからだということを。
そしてこの人も、そんな小学生の意地悪みたいなやりとりを
嬉しく思ってくれていることを自分は知っている。
誰よりこの人の傍にいることがいちばん幸せなのを、
ようやく自覚できるようになってきた。
「…ねえ師匠、たまには温泉にでも行きましょうか」
「アンタと2人でかい?
いいねえ、お前さんの黒い腹がじかに見れんのか」
老人はふふっと笑った。
目尻の皺が増えて、喜ばれているのがわかる。
3月の独演会が終わればスケジュールにも少し空きがある。
大体いつ頃にしましょうか、と切り出そうとした時、「出番で...
立ち上がり、老人の後に付いて歩く。
廊下には、他の出演者たちが着替えを済ませ立っていた。
バタバタとスタッフたちが走りまわるなか、
老人はゆっくりとこちらを向いて
「桜の咲くころにしましょう」
それだけ言って足早に舞台のほうへ向かっていってしまった。
その後の僕は不謹慎ながら舞台へ上がっている間もずっと、
四月の桜の情景ばかりが頭の中を占領してしまっていた。
_______________________________________
小説なんか普段書かないもんで、
大変稚拙な文章で申し訳ない…__| ̄|○
- ( ・∀・)イイ!! -- [[佐織]] &new{2015-08-25 (火) 13:38:59};
- いいやん -- &new{2018-01-21 (日) 23:10:47};
#comment
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#title(笑点 歌丸×楽太郎) [#o9326e6b]
昇天出演者の小説です…。
楽屋の中には紫煙が立ち込めている。
しかしこの痩せた老人が入った途端、それは薄くなるのだ。
「ああ、お早うございます」
入ってきた人物に気づくと男は、立ち上がって深く礼をする。
老人は同じように礼をすると、男の横に腰を下ろした。
「何、まだやめられないんかよ」
机の上の灰皿を見て老人が言う。
短くなるまで吸われた煙草が、皿からはみ出そうに積まれてい...
「ええ、時々止めようと思って箱を全部捨てちまうんですがね…...
「ははっ、禁断症状出てごみ箱あさるんかい?
健康にうるさいアンタがそんなんじゃあねえ。いつか肺ガンに...
弟子が慎重に柳色の着物を運んできた。
着替えようと老人が大きめのセーターを脱ぐと、細い手首が露...
男はじっとそれを見つめた。
「…そんな師匠こそ、転んで骨3つも4つも折らないでください...
「なぁに言ってんだよ」
セーターを脱いで薄いシャツ一枚になった身体は薄く今にも倒...
男は思わず近づき、支えるような手つきをしてしまった。
「何だよ」
「…いえ…何となく、」
男は自分でもその行動の意味がわからずに苦笑いをした。
本当はきっとこの人もわかっているはずだ。
葬式をあげるだの、生きる屍だのと悪態をつくのは
この老人のことが愛しくて仕方ないからだということを。
そしてこの人も、そんな小学生の意地悪みたいなやりとりを
嬉しく思ってくれていることを自分は知っている。
誰よりこの人の傍にいることがいちばん幸せなのを、
ようやく自覚できるようになってきた。
「…ねえ師匠、たまには温泉にでも行きましょうか」
「アンタと2人でかい?
いいねえ、お前さんの黒い腹がじかに見れんのか」
老人はふふっと笑った。
目尻の皺が増えて、喜ばれているのがわかる。
3月の独演会が終わればスケジュールにも少し空きがある。
大体いつ頃にしましょうか、と切り出そうとした時、「出番で...
立ち上がり、老人の後に付いて歩く。
廊下には、他の出演者たちが着替えを済ませ立っていた。
バタバタとスタッフたちが走りまわるなか、
老人はゆっくりとこちらを向いて
「桜の咲くころにしましょう」
それだけ言って足早に舞台のほうへ向かっていってしまった。
その後の僕は不謹慎ながら舞台へ上がっている間もずっと、
四月の桜の情景ばかりが頭の中を占領してしまっていた。
_______________________________________
小説なんか普段書かないもんで、
大変稚拙な文章で申し訳ない…__| ̄|○
- ( ・∀・)イイ!! -- [[佐織]] &new{2015-08-25 (火) 13:38:59};
- いいやん -- &new{2018-01-21 (日) 23:10:47};
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