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#title(極×黒) [#v5493434]
>540
トンクス
ではお言葉に甘えて
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
極×黒(最終話の後)
黒サキはベッドに横たわり、豪華客船『グレートウォール』の客...
ここの主は何を考えているのか、黒サキに客室を、しかも狭いと...
突然転がり込んだ『お荷物』にしては破格の扱いだ。
ジェ/イクの個人的な怨恨から内/海が刺されたのは一週間前の...
その時のどさくさに紛れ、企画/七課の関係者はグレーウォール...
ここならば、日本の警察の手は及ばない。このまま逃げ切れる...
人質の女は警察に戻り、バ/ドも取られたがそれは些細な問題だ...
ここに来なかった連中もそれぞれ自己責任で逃げおおせたのだ...
みんなそれなりに修羅場はかいくぐってきている。
逃げ込んだ直後は部下達の混乱を押さえたり、事後処理に追わ...
貧乏性だと笑われながら、立場と責任上放り出すこともできず...
自分よりも部下のためにかけずり回っていた。
皆落ち着きを取り戻し、それなりに身の振り方を決めた。
そして、黒サキはする事がなくなってしまった。
本音を言えば混乱の中に忙殺されていた方がよかった。
落ち着きを取り戻せば、嫌でも現実が見えてくる。
内/海の死―――。
未だに信じられない。
一週間が経つというのに。
倒れた内/海の腹の下から血が広がっていく光景は今もしっかり...
あれも内/海特有の『仕掛け』ではないのか。自分をも騙すいつ...
あの、グリ/フォンを壊した時のように。
「敵を欺くには先ず味方からって言うだろ」
あの人を食ったような笑顔で、幽霊でも見ているような自分を...
今にもそのドアを開けるのではないか。
そんな風に考えてしまう。
「バカバカしい」
黒サキは苦笑する。
あれほどはっきりと確かめたではないか。
内/海は死んだのだと。
ふと、ドアの向こうに人の気配を感じた。
黒サキは素早く身を起こし、身構える。
(まさか……)
直後、ドアにノックの音がした。
「どうぞ」
緊張を残した声で黒サキが答えると、極/東/マネージャーが入ってきた...
あんな事を考えていたとは言え、内/海かも知れないなどと一瞬...
黒サキは歯噛みする。
「他の人間を待っていたような顔だね」
「誰を待っていたと?」
「さあ? それは君が一番知っているんじゃない?」
黒サキは思わず視線を外してしまった。
「君は嘘を吐けないんだね。リ千ャードは平気で人を欺ける人...
リ千ャード・ウォン。内/海のもう一つの名だ。
どこか嬉しそうに微笑んで、極/東/マネージャーは室内に入ってきた...
穏やかに笑う。笑顔が地顔と言えば内/海もこの人も同じだが、...
ジェ/イクは内/海のそれを『ニヤニヤした顔』と評していたが...
(いや、あの人が下品だというわけではないのだが……)
心の中で思わず言い訳めいたことを呟いて、苦く笑う。
全く、何をしているのか。
「何かご用ですか?」
極/東/マネージャーの視線を感じ、心の中を探られないうちに、黒サキ...
「君の部下達が心配していてね」
「心配?」
黒サキは苦笑した。
「部屋に閉じこもったまま、食事にも顔を出さないとなれば心...
極/東/マネージャーは黒サキの許可を請わずにソファに腰をおろした。...
この船の中で『客』なのは黒サキの方だ。
「それで、あなたが? わざわざ?」
さも意外だという顔をして黒サキは極/東/マネージャーを見返した。
(部下が心配しているから様子を見に来た、だ?
他の目的があるのが透けて見えますよ、極/東/マネージャー)
心の中でせせら笑う。
「まあ、君の部下達が心配しているのは本当だよ」
極/東/マネージャーは黒サキの心を読んだかのように言葉を返した。
「心配してもらう事など何もありませんよ。それに『私の部下...
内/海が集め、内/海に集まってきていた連中だ。内/海がいなく...
(いなくなれば……か)
鉛を飲み込んだように胸の奥が重くなる。
内/海がいなくなるなど、考えてはいなかった。
黒サキは俯き、唇を噛んだ。
「面白いね、君は」
「面白い?」
オウム返しに言って目を上げる。
「あれほど必死に走り回っていたくせに、自分の役割がなくな...
「馴れ合いは苦手です」
極/東/マネージャーはくすくす笑いながら何か呟いたが、聞き取れな...
「本当は、君に訊きたいことがあってね」
「は?」
いきなり切り出した極/東/マネージャーの本題に黒サキはさっきの言葉...
「君は今後どうするつもりなのか、と思って」
黒サキは答えられずに、黙り込んだ。まだ何も考えられない、と...
「リ千ャードの死がそれほどショックだったとはね。少し、意...
君はもっとドライに割り切っているのかと思っていたからね。
リ千ャードが君を利用するように、君も君の目的でリ千ャード...
自分だってそう思っていた。
衝撃を受けている自分に誰よりも黒サキ自身が驚いている。
内/海が『主』であることは黒サキにとって都合がよかった。
内/海は自分を『使いこなせ』る数少ない人間の一人だった。し...
……はずだった、のに。
「私は別にいいんだけどね。君一人くらい無駄飯を食わせてお...
「無駄飯……ですか」
「違うかい?」
「何か私にできることがあればお手伝いしますよ」
無駄飯と言われて黒サキはつい反発してしまった。ここ二、三日...
「私と、来る?」
「私を飼うおつもりですか?」
「飼われてくれるかい?」
極/東/マネージャーはほんの僅か口角を上げて、面白そうに黒サキを見...
内/海の代わりに? この人の? 飼い犬になる?
自分は主人の器ではない。誰かに飼われていてこそ力を発揮で...
それはよく自覚している。内/海という主人を亡くしたからには...
新しい主人を捜さなければならない。解っている。
けれど、それは『今』でなくてもいいはずだ。
そして、主人は目の前の男である必要もないはずだ。
確かに極/東/マネージャーの庇護に入ればある一定の安全は保証され...
その事に魅力がないわけではない。しかし、今は、まだ……。
「貸しても、あげない、か」
「何です?」
極/東/マネージャーの言葉の意味がわからず、黒サキは聞き返した。
「いや、ね。昔リ千ャードがそう言ってたんだよ、君のことを...
解る気がするね、リ千ャードが君を側に置きたがった理由」
その言葉をどう考えていいのか。何と返せばいいのか。黒サキは...
嬉しい、と思ったわけではない。誓ってない。けれど心が弛ん...
言い忘れていましたが、鬼畜風味です
--------
「もし、君が……っと……」
極/東/マネージャーがポケットから何かを出そうとして、ペンを落と...
立ち上がり、ドアの方まで足元に転がって行ったそれを拾い上...
黒サキにとってほとんど反射的な行動だった。
「どうぞ」
「ありがとう」
極/東/マネージャーはにっこりと笑って黒サキが差し出したペンを受け...
代わりに黒サキの目の前に小さなアトマイザーのような物を突き...
(まずい)
咄嗟に身体を引こうとしたが、もう遅かった。
顔にスプレーを吹き付けられ、黒サキはそれを吸い込んでしまっ...
(しまった……!)
ぐにゃり、と床が液状化したように感じた。
見え透いた嘘の用件に、『本題』を重ね、更にその裏にある本...
当たり前の手法だ。こんな単純な手に引っかかるなんて。
(……畜生!)
呪詛の言葉を吐いても身体が言うことを聞かない。力が抜けて...
意識が黒く染まっていく。
極/東/マネージャーの哀れむような笑顔が最後だった。
黒サキが目を覚ました時、先ず目に入ったのは客室の天井だった。
(ああ……そうだ。極/東/マネージャーに……)
下は固い床の感触ではない。ベッドのスプリングの柔らかさだ。
肌に直接シーツが当たるのを感じて、自分が全裸であることを...
ベッドに仰向けに転がされている。
「気が付いたかい?」
すぐ側で極/東/マネージャーの声がした。
視線を向けると、ベッドの端に腰掛けて黒サキを見て笑っている。
意識がはっきりしてきても視界がぼんやりしているのは眼鏡が...
無意識に眼鏡を取ろうと手を伸ばそうとして、後ろ手に組まさ...
金属のような物。幅が広く厚みはない。おそらくは指錠。
試しに少し手を動かしてみたが無駄だった。これは手に負えな...
これでは起きあがることもままならない。
(まいったな……)
こうなってしまっては今更慌てて恥の上塗りなどという事態に...
黒サキは諦めたように力を抜いた。
気を失う前、誰かが部屋に入ってきた気配を感じた。あれは幻...
第一、ナイフよりも重い物を持ったことのないような手で、床...
運べるかどうかは別にしても運ぼうとはしないだろう。
おそらくは誰かにさせたに違いない。
問題は、誰に、何処までさせたのか、と言うことだ。
「私をベッドに運んだのはあなたではないですよね」
この状況で、黒サキに駆け引きの余裕はない。
「気になる?」
「そりゃあ」
こんな無様な姿を他の人間に晒したなど、これ以上の屈辱はな...
極/東/マネージャーだけでも我慢ならないのに。
「気にしなくても、秘密の守れる男だよ。
それに君をベッドに運んで、服を脱がせてもらっただけだ」
極/東/マネージャーは事も無げに言うが、黒サキが気にしているのはま...
それも解っていて言っているのだろうが。
黒サキは他人の目に普段晒さない箇所まで見られていることが気...
身を捩り、できるだけ極/東/マネージャーの視線から離れようとした...
その時、シーツが身体に擦れる感触で痛みにも似た痺れが身体...
「……うっ!」
黒サキは顔を顰めた。
「薬が回ってきたらしいね」
薬……?
しばらく前から気付いていた。起きあがれないのは縛られた手...
たとえ手を縛られていても、普段の黒サキなら腹筋だけで起きあ...
力が入らないのだ。
一体どんな薬を使われたのか。ろくでもない物であることは解...
弛緩剤か催淫剤か、その類の。麻薬かも知れない。
気を失ってからそれほど時間は経っていないはずだ。即効性の...
それに意識のない人間に何かを飲ませることは難しい。身体に...
そこに思い至ったとき極/東/マネージャーは黒サキの顔を覗き込んで微...
銀色のパッケージに入った座剤を目の前に差し出した。
「こういう薬なんだけどね」
(最悪だ……)
意識がなかったとは言え、医者にすらされたくない事だ。注射...
黒サキは唇を噛み、顔を背けた。
「私の前で用心を忘れる程君が弱っていたとは思わなかったよ」
極/東/マネージャーは黒サキの髪を梳くように掻き上げた。
よくも言う。
黒サキは心で目の前の男に毒吐いた。
用心を忘れた黒サキの迂闊さにつけ込んだクセに。その迂闊さは...
弱っているなどと認めたくはない。絶対に。
自らの間抜けさ加減を呪ってみても始まらない。
けれどもそれが弱っていた所為だなどと、ましてやそれが内/海...
絶対に認めたくはなかった。
けれど極/東/マネージャーはそれを容赦なく暴き立ててくれる。
薬の効果が上がってきたらしい。
あるいは薬を使われたと聞いて意識してしまった所為かも知れ...
身体が燃えるように熱い。息が上がる。
「……はぁっ……ぁ、はっ……」
極/東/マネージャーの指が頬から顎を辿る。
「……ッ!」
触れた箇所から電流のような痺れが伝わり、声を上げそうにな...
それを快感だとは認めたくはなかった。
「抵抗しない方がいい。無駄だから。この薬はうちが開発した...
直接神経から脳に訴えて、どんな刺激も快感に変換してくれる。
脳からの命令に精神力で逆らっても辛いだけだよ」
極/東/マネージャーはいかにも楽しそうに効能について説明する。
「君は痛みには慣れているようだけど、こっちはどうかな?」
体中に無数にある傷跡の一つを辿りながら、足の付け根を撫で...
「ああっ……!」
黒サキは自分の声の淫靡さに驚き口を噤んだ。
乳首を摘み上げられ、身体が跳ねた。
「イッ!」
極/東/マネージャーは指先で転がすように乳首を弄び、脇腹を撫でさ...
「……くっ、う……っく」
黒サキは血が滲むほどに唇を噛みしめて、喘ぎが漏れるのを堪え...
「そんなに堪えなくても……」
極/東/マネージャーは黒サキの唇を指先でなぞり、微笑んだ。
黒サキは極/東/マネージャーの手を避けるように顔を背けた。
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
分割場所が少し予定と違ってしまいました
明日また来ます(多分)
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トンクス
ではお言葉に甘えて
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極×黒(最終話の後)
黒サキはベッドに横たわり、豪華客船『グレートウォール』の客...
ここの主は何を考えているのか、黒サキに客室を、しかも狭いと...
突然転がり込んだ『お荷物』にしては破格の扱いだ。
ジェ/イクの個人的な怨恨から内/海が刺されたのは一週間前の...
その時のどさくさに紛れ、企画/七課の関係者はグレーウォール...
ここならば、日本の警察の手は及ばない。このまま逃げ切れる...
人質の女は警察に戻り、バ/ドも取られたがそれは些細な問題だ...
ここに来なかった連中もそれぞれ自己責任で逃げおおせたのだ...
みんなそれなりに修羅場はかいくぐってきている。
逃げ込んだ直後は部下達の混乱を押さえたり、事後処理に追わ...
貧乏性だと笑われながら、立場と責任上放り出すこともできず...
自分よりも部下のためにかけずり回っていた。
皆落ち着きを取り戻し、それなりに身の振り方を決めた。
そして、黒サキはする事がなくなってしまった。
本音を言えば混乱の中に忙殺されていた方がよかった。
落ち着きを取り戻せば、嫌でも現実が見えてくる。
内/海の死―――。
未だに信じられない。
一週間が経つというのに。
倒れた内/海の腹の下から血が広がっていく光景は今もしっかり...
あれも内/海特有の『仕掛け』ではないのか。自分をも騙すいつ...
あの、グリ/フォンを壊した時のように。
「敵を欺くには先ず味方からって言うだろ」
あの人を食ったような笑顔で、幽霊でも見ているような自分を...
今にもそのドアを開けるのではないか。
そんな風に考えてしまう。
「バカバカしい」
黒サキは苦笑する。
あれほどはっきりと確かめたではないか。
内/海は死んだのだと。
ふと、ドアの向こうに人の気配を感じた。
黒サキは素早く身を起こし、身構える。
(まさか……)
直後、ドアにノックの音がした。
「どうぞ」
緊張を残した声で黒サキが答えると、極/東/マネージャーが入ってきた...
あんな事を考えていたとは言え、内/海かも知れないなどと一瞬...
黒サキは歯噛みする。
「他の人間を待っていたような顔だね」
「誰を待っていたと?」
「さあ? それは君が一番知っているんじゃない?」
黒サキは思わず視線を外してしまった。
「君は嘘を吐けないんだね。リ千ャードは平気で人を欺ける人...
リ千ャード・ウォン。内/海のもう一つの名だ。
どこか嬉しそうに微笑んで、極/東/マネージャーは室内に入ってきた...
穏やかに笑う。笑顔が地顔と言えば内/海もこの人も同じだが、...
ジェ/イクは内/海のそれを『ニヤニヤした顔』と評していたが...
(いや、あの人が下品だというわけではないのだが……)
心の中で思わず言い訳めいたことを呟いて、苦く笑う。
全く、何をしているのか。
「何かご用ですか?」
極/東/マネージャーの視線を感じ、心の中を探られないうちに、黒サキ...
「君の部下達が心配していてね」
「心配?」
黒サキは苦笑した。
「部屋に閉じこもったまま、食事にも顔を出さないとなれば心...
極/東/マネージャーは黒サキの許可を請わずにソファに腰をおろした。...
この船の中で『客』なのは黒サキの方だ。
「それで、あなたが? わざわざ?」
さも意外だという顔をして黒サキは極/東/マネージャーを見返した。
(部下が心配しているから様子を見に来た、だ?
他の目的があるのが透けて見えますよ、極/東/マネージャー)
心の中でせせら笑う。
「まあ、君の部下達が心配しているのは本当だよ」
極/東/マネージャーは黒サキの心を読んだかのように言葉を返した。
「心配してもらう事など何もありませんよ。それに『私の部下...
内/海が集め、内/海に集まってきていた連中だ。内/海がいなく...
(いなくなれば……か)
鉛を飲み込んだように胸の奥が重くなる。
内/海がいなくなるなど、考えてはいなかった。
黒サキは俯き、唇を噛んだ。
「面白いね、君は」
「面白い?」
オウム返しに言って目を上げる。
「あれほど必死に走り回っていたくせに、自分の役割がなくな...
「馴れ合いは苦手です」
極/東/マネージャーはくすくす笑いながら何か呟いたが、聞き取れな...
「本当は、君に訊きたいことがあってね」
「は?」
いきなり切り出した極/東/マネージャーの本題に黒サキはさっきの言葉...
「君は今後どうするつもりなのか、と思って」
黒サキは答えられずに、黙り込んだ。まだ何も考えられない、と...
「リ千ャードの死がそれほどショックだったとはね。少し、意...
君はもっとドライに割り切っているのかと思っていたからね。
リ千ャードが君を利用するように、君も君の目的でリ千ャード...
自分だってそう思っていた。
衝撃を受けている自分に誰よりも黒サキ自身が驚いている。
内/海が『主』であることは黒サキにとって都合がよかった。
内/海は自分を『使いこなせ』る数少ない人間の一人だった。し...
……はずだった、のに。
「私は別にいいんだけどね。君一人くらい無駄飯を食わせてお...
「無駄飯……ですか」
「違うかい?」
「何か私にできることがあればお手伝いしますよ」
無駄飯と言われて黒サキはつい反発してしまった。ここ二、三日...
「私と、来る?」
「私を飼うおつもりですか?」
「飼われてくれるかい?」
極/東/マネージャーはほんの僅か口角を上げて、面白そうに黒サキを見...
内/海の代わりに? この人の? 飼い犬になる?
自分は主人の器ではない。誰かに飼われていてこそ力を発揮で...
それはよく自覚している。内/海という主人を亡くしたからには...
新しい主人を捜さなければならない。解っている。
けれど、それは『今』でなくてもいいはずだ。
そして、主人は目の前の男である必要もないはずだ。
確かに極/東/マネージャーの庇護に入ればある一定の安全は保証され...
その事に魅力がないわけではない。しかし、今は、まだ……。
「貸しても、あげない、か」
「何です?」
極/東/マネージャーの言葉の意味がわからず、黒サキは聞き返した。
「いや、ね。昔リ千ャードがそう言ってたんだよ、君のことを...
解る気がするね、リ千ャードが君を側に置きたがった理由」
その言葉をどう考えていいのか。何と返せばいいのか。黒サキは...
嬉しい、と思ったわけではない。誓ってない。けれど心が弛ん...
言い忘れていましたが、鬼畜風味です
--------
「もし、君が……っと……」
極/東/マネージャーがポケットから何かを出そうとして、ペンを落と...
立ち上がり、ドアの方まで足元に転がって行ったそれを拾い上...
黒サキにとってほとんど反射的な行動だった。
「どうぞ」
「ありがとう」
極/東/マネージャーはにっこりと笑って黒サキが差し出したペンを受け...
代わりに黒サキの目の前に小さなアトマイザーのような物を突き...
(まずい)
咄嗟に身体を引こうとしたが、もう遅かった。
顔にスプレーを吹き付けられ、黒サキはそれを吸い込んでしまっ...
(しまった……!)
ぐにゃり、と床が液状化したように感じた。
見え透いた嘘の用件に、『本題』を重ね、更にその裏にある本...
当たり前の手法だ。こんな単純な手に引っかかるなんて。
(……畜生!)
呪詛の言葉を吐いても身体が言うことを聞かない。力が抜けて...
意識が黒く染まっていく。
極/東/マネージャーの哀れむような笑顔が最後だった。
黒サキが目を覚ました時、先ず目に入ったのは客室の天井だった。
(ああ……そうだ。極/東/マネージャーに……)
下は固い床の感触ではない。ベッドのスプリングの柔らかさだ。
肌に直接シーツが当たるのを感じて、自分が全裸であることを...
ベッドに仰向けに転がされている。
「気が付いたかい?」
すぐ側で極/東/マネージャーの声がした。
視線を向けると、ベッドの端に腰掛けて黒サキを見て笑っている。
意識がはっきりしてきても視界がぼんやりしているのは眼鏡が...
無意識に眼鏡を取ろうと手を伸ばそうとして、後ろ手に組まさ...
金属のような物。幅が広く厚みはない。おそらくは指錠。
試しに少し手を動かしてみたが無駄だった。これは手に負えな...
これでは起きあがることもままならない。
(まいったな……)
こうなってしまっては今更慌てて恥の上塗りなどという事態に...
黒サキは諦めたように力を抜いた。
気を失う前、誰かが部屋に入ってきた気配を感じた。あれは幻...
第一、ナイフよりも重い物を持ったことのないような手で、床...
運べるかどうかは別にしても運ぼうとはしないだろう。
おそらくは誰かにさせたに違いない。
問題は、誰に、何処までさせたのか、と言うことだ。
「私をベッドに運んだのはあなたではないですよね」
この状況で、黒サキに駆け引きの余裕はない。
「気になる?」
「そりゃあ」
こんな無様な姿を他の人間に晒したなど、これ以上の屈辱はな...
極/東/マネージャーだけでも我慢ならないのに。
「気にしなくても、秘密の守れる男だよ。
それに君をベッドに運んで、服を脱がせてもらっただけだ」
極/東/マネージャーは事も無げに言うが、黒サキが気にしているのはま...
それも解っていて言っているのだろうが。
黒サキは他人の目に普段晒さない箇所まで見られていることが気...
身を捩り、できるだけ極/東/マネージャーの視線から離れようとした...
その時、シーツが身体に擦れる感触で痛みにも似た痺れが身体...
「……うっ!」
黒サキは顔を顰めた。
「薬が回ってきたらしいね」
薬……?
しばらく前から気付いていた。起きあがれないのは縛られた手...
たとえ手を縛られていても、普段の黒サキなら腹筋だけで起きあ...
力が入らないのだ。
一体どんな薬を使われたのか。ろくでもない物であることは解...
弛緩剤か催淫剤か、その類の。麻薬かも知れない。
気を失ってからそれほど時間は経っていないはずだ。即効性の...
それに意識のない人間に何かを飲ませることは難しい。身体に...
そこに思い至ったとき極/東/マネージャーは黒サキの顔を覗き込んで微...
銀色のパッケージに入った座剤を目の前に差し出した。
「こういう薬なんだけどね」
(最悪だ……)
意識がなかったとは言え、医者にすらされたくない事だ。注射...
黒サキは唇を噛み、顔を背けた。
「私の前で用心を忘れる程君が弱っていたとは思わなかったよ」
極/東/マネージャーは黒サキの髪を梳くように掻き上げた。
よくも言う。
黒サキは心で目の前の男に毒吐いた。
用心を忘れた黒サキの迂闊さにつけ込んだクセに。その迂闊さは...
弱っているなどと認めたくはない。絶対に。
自らの間抜けさ加減を呪ってみても始まらない。
けれどもそれが弱っていた所為だなどと、ましてやそれが内/海...
絶対に認めたくはなかった。
けれど極/東/マネージャーはそれを容赦なく暴き立ててくれる。
薬の効果が上がってきたらしい。
あるいは薬を使われたと聞いて意識してしまった所為かも知れ...
身体が燃えるように熱い。息が上がる。
「……はぁっ……ぁ、はっ……」
極/東/マネージャーの指が頬から顎を辿る。
「……ッ!」
触れた箇所から電流のような痺れが伝わり、声を上げそうにな...
それを快感だとは認めたくはなかった。
「抵抗しない方がいい。無駄だから。この薬はうちが開発した...
直接神経から脳に訴えて、どんな刺激も快感に変換してくれる。
脳からの命令に精神力で逆らっても辛いだけだよ」
極/東/マネージャーはいかにも楽しそうに効能について説明する。
「君は痛みには慣れているようだけど、こっちはどうかな?」
体中に無数にある傷跡の一つを辿りながら、足の付け根を撫で...
「ああっ……!」
黒サキは自分の声の淫靡さに驚き口を噤んだ。
乳首を摘み上げられ、身体が跳ねた。
「イッ!」
極/東/マネージャーは指先で転がすように乳首を弄び、脇腹を撫でさ...
「……くっ、う……っく」
黒サキは血が滲むほどに唇を噛みしめて、喘ぎが漏れるのを堪え...
「そんなに堪えなくても……」
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