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#title(嫉妬) [#gd8ce412]
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
| 今日の満太スペ...
____________ \ / ̄ ̄ ̄...
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| つまり...
| | | | ...
| | |> PLAY. | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (´...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
「いや、でも、丘子はかわええよ」
話の流れだった。
ただ、どんな流れでその言葉が出たのか、忘れてしまった。
するりと舌の上を滑るように出てきた言葉を聞いた瞬間、机を...
それをガラス越しに見ていたラヅオのス夕ッフ達は、「そりゃ...
『丘子』とは、二人が持っているレ/ギ/ュ/ラ/ー番組のあるコ...
これがもし5年前、いや更に前の出来事だったら、彼らも苦笑...
今でこそ目に見えて派手な喧嘩はほとんど皆無といってもよい...
番組の休憩時間や移動時間、時にはオフにも。さすがに本番中...
そういう経過を知っているから、ス夕ッフ達はあえて口を挟ま...
ただ、怒らせた張本人――谷辺は、いつもとは違う空気を感じ取...
こんな風に二人の間に微妙な空気が流れた時、丘邑は決まって...
それが、ラヅオのC/Mに入った途端、煙草を吹かすのも忘れて椅...
谷辺も、彼が怒っている事、そしてその原因は自分にある事を...
寧ろ、自分の方が目を合わせ辛くて、必然的に丘邑の視線を避...
幸いだったのは、この出来事がラヅオの終盤に起こった事か。
心ここにあらずと言った感じで喋る丘邑に相槌を打ちながら、...
「まだ怒ってんの?」
閉まりかけたドアに無理矢理身体を滑り込ませた後の第一声に...
なぁ、と返答を促すと、一瞬の間の後に棘を含んだ声が聞こえ...
「ギリギリのに乗らんでも、次のに乗ったらええやろ」
エレベーター。
問いには答えようとしない丘邑に、余裕を装いながら――しかし...
「…まぁ、そやけど」
ウイーンという低い音と共に薄暗く狭い空間がゆっくりと下が...
勢いで乗り込んでしまったのはいいが、何を話すのかはまった...
階数が下がっていくことを告げるエレベーターのランプがまる...
「さっきのこと、怒ってるんなら謝るわ」
しまった、と谷辺は思う。無意識に出た言葉は感情が追いつか...
「謝ってる態度やないやん」
案の定、丘邑が噛み付いてきた。俯いた顔からは表情を窺う事...
「違っ…」
谷辺の言葉を遮るように、エレベーターが到着した事を告げる...
場違いなその音に憎らしさを覚えつつ、もうこうなったら彼の...
驚きながら備えつけのボタンを見ると添えられているのは丘邑...
「丘邑さん」
「…違うんや」
ボタンから外した手を力無く身体の横に垂らして、丘邑は続け...
「確かにお前には腹が立っとるよ。
俺は男や。男が『可愛い』って言われても嬉しくないっちゅ...
「…それは本当にスマン」
「そやけど!………っ!」
声を荒げた後、ハッとした様子で丘邑は顔を上げ、辺りの様子...
幸いなことに、二人の後にエレベーターに乗ろうとした者はい...
「大丈夫やで、ここ防音してあるし。そんな滅多に人も来んや...
しばらく、耳を澄まして押し黙っていた丘邑は、谷辺の一言で...
谷辺自身も、そんな丘邑の姿を見て安心する。自然に顔が綻ん...
芸/人になり、テ/レ/ビに映るようになり、丘邑貴志の名が広く...
これはあくまで憶測でしかない。が、彼の真面目で少々臆病な...
確かに、今はラヅオ局のエレベーターの中に居るとはいえ、れ...
しかし、せめて自分と居る時ぐらいはそんなことは忘れて欲し...
何も気にせずに、自分だけを見ていればいい。
――そう思うことは我儘なのだろうか。
世間が、丘邑を知るすべての人が、憎い。
丘邑の意識が他のものに注がれる事によって、自分はそれに嫉...
――世の中に嫉妬するなんて、何て無謀なこと。
やるせない感情を胸に抱えたまま小さく溜息を吐くと、丘邑が...
「そんなに俺と話すのが嫌なんや」
しかし、それは一瞬の事で、少し震えた声は俯いた顔から聞こ...
それが耳に入った瞬間、谷辺は思わず言葉を失った。
「…嫌なんて言ってないやろ」
「なら何でそんな顔すんねん!そんな、鬱陶しそうな顔!」
「それは………!」
言えるはずがなかった。まさか『嫉妬』が理由だなどと。まる...
それこそ、丘邑に鬱陶しく思われるのが嫌だった。
「違う、丘邑さんに苛ついてるんやなくて」
「わかってんねん!俺だって自分が…嫌や…」
「…え?」
丘邑の突然の言葉に、谷辺は驚きを隠せない。
「嫌やけど、止まらんのや…こんな…こんな子供みたいな感情…」
自分の爪先を見つめながら、まるで憎たらしいものを吐き捨て...
「俺は『丘子』に嫉妬してんねん…!」
「………!」
何も言えない谷辺の様子を感じ取って、丘邑は自嘲したように...
「何で自分に嫉妬せなあかんねん。アホらして涙も出んわ」
気丈に明るい声で言ってみせるが、それが妙に浮いていて物悲...
「けどな、止まらんねん」
「…もう、ええよ」
「お前が『丘子のこと可愛い』って言ってから、ずっと『丘子...
「言わんでええって」
「『丘子』は俺やから嫉妬してもどうしようもないけど、つい...
「丘邑さん」
「お前は『丘子』の方がええんかなって」
「…丘邑さん!」
言葉の続きを聞きたくなくて、小さな身体を自分の方に抱き寄...
しかし、丘邑は顔を上げようとはせず、呟いた言葉ははっきり...
「やっぱりお前は俺より『女』の方がええんかなって…」
「…んなわけ…ないやろ!?」
俯いている顔を無理矢理上げさせて、夢中で唇を塞いだ。
丘邑はいきなり侵入してきた舌を押し返そうとするが、有無を...
エゴだった。
自分が、丘邑の言葉を遮りたかったから。聞きたくなかったか...
不用意な発言で彼を傷つけてしまった自分を認めたくなかった...
――何と醜悪な感情。自分はこんな人間だったのか。
自分では絡み付いてこない舌を誘うように撫で上げながら、谷...
こうして激しく口内を貪っている間も、冷静に考えている自分。
キスで丘邑が慰められるのならそれでいいと思っている自分。
そして、逃げる事を覚えてしまった自分。
――こんな行為だけでは心は繋がり合えないとわかっているのに。
――繋がりたい、のに。
「…っ…は、ぁ」
突然、口を離した谷辺に丘邑は不思議そうな視線を向ける。
「…丘邑さん」
お互いの荒い息を感じられる距離で、谷辺は丘邑から目線を外...
両腕を掴んでいた手を外してそっと背中に回すと、丘邑も抵抗...
「俺は、丘邑さんが男だとか女だとかそんなん関係ないんや。
でも、俺は『男の丘邑さん』を好きになったんやで」
「………」
もし、丘邑が女だったら。
やはり今みたいな関係になっていたかもしれないし、もしくは...
自分たちは今、同性だから、出会って、そして互いに惹かれた...
少なくとも、谷辺はそう思う。
「それに、俺だって嫉妬しとるよ。丘邑さんよりも、埒があか...
「…何に?」
「丘邑さんが気にしているもの、すべてに」
な、どうしようもないやろ、と笑ってみせると、丘邑が少し呆...
これで、いい。彼が呆れようと何だろうと、これが自分の本心...
「何やそれ」
「そやから、俺は世の中に嫉妬しとることになるな」
「…壮大やね」
谷辺につられたのか、丘邑も笑う。その後、ふと気付いたよう...
「そしたら、お前も自分自身に一番嫉妬せなあかんな」
「…何で?」
「…それくらい自分で考えろや」
それから数秒後、ようやく意味に気付いた谷辺の口付けを受け...
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧...
| | | | ピッ (...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| ...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
前々々スレあたりで投下させてもらった者です。
私の拙い文で「この二人に目覚めた!」と言ってくださった姐...
これにて三部作wすべて投下し終わりました。
読んで下さった皆さま、ありがとうございました。
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| 今日の満太スペ...
____________ \ / ̄ ̄ ̄...
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| つまり...
| | | | ...
| | |> PLAY. | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (´...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
「いや、でも、丘子はかわええよ」
話の流れだった。
ただ、どんな流れでその言葉が出たのか、忘れてしまった。
するりと舌の上を滑るように出てきた言葉を聞いた瞬間、机を...
それをガラス越しに見ていたラヅオのス夕ッフ達は、「そりゃ...
『丘子』とは、二人が持っているレ/ギ/ュ/ラ/ー番組のあるコ...
これがもし5年前、いや更に前の出来事だったら、彼らも苦笑...
今でこそ目に見えて派手な喧嘩はほとんど皆無といってもよい...
番組の休憩時間や移動時間、時にはオフにも。さすがに本番中...
そういう経過を知っているから、ス夕ッフ達はあえて口を挟ま...
ただ、怒らせた張本人――谷辺は、いつもとは違う空気を感じ取...
こんな風に二人の間に微妙な空気が流れた時、丘邑は決まって...
それが、ラヅオのC/Mに入った途端、煙草を吹かすのも忘れて椅...
谷辺も、彼が怒っている事、そしてその原因は自分にある事を...
寧ろ、自分の方が目を合わせ辛くて、必然的に丘邑の視線を避...
幸いだったのは、この出来事がラヅオの終盤に起こった事か。
心ここにあらずと言った感じで喋る丘邑に相槌を打ちながら、...
「まだ怒ってんの?」
閉まりかけたドアに無理矢理身体を滑り込ませた後の第一声に...
なぁ、と返答を促すと、一瞬の間の後に棘を含んだ声が聞こえ...
「ギリギリのに乗らんでも、次のに乗ったらええやろ」
エレベーター。
問いには答えようとしない丘邑に、余裕を装いながら――しかし...
「…まぁ、そやけど」
ウイーンという低い音と共に薄暗く狭い空間がゆっくりと下が...
勢いで乗り込んでしまったのはいいが、何を話すのかはまった...
階数が下がっていくことを告げるエレベーターのランプがまる...
「さっきのこと、怒ってるんなら謝るわ」
しまった、と谷辺は思う。無意識に出た言葉は感情が追いつか...
「謝ってる態度やないやん」
案の定、丘邑が噛み付いてきた。俯いた顔からは表情を窺う事...
「違っ…」
谷辺の言葉を遮るように、エレベーターが到着した事を告げる...
場違いなその音に憎らしさを覚えつつ、もうこうなったら彼の...
驚きながら備えつけのボタンを見ると添えられているのは丘邑...
「丘邑さん」
「…違うんや」
ボタンから外した手を力無く身体の横に垂らして、丘邑は続け...
「確かにお前には腹が立っとるよ。
俺は男や。男が『可愛い』って言われても嬉しくないっちゅ...
「…それは本当にスマン」
「そやけど!………っ!」
声を荒げた後、ハッとした様子で丘邑は顔を上げ、辺りの様子...
幸いなことに、二人の後にエレベーターに乗ろうとした者はい...
「大丈夫やで、ここ防音してあるし。そんな滅多に人も来んや...
しばらく、耳を澄まして押し黙っていた丘邑は、谷辺の一言で...
谷辺自身も、そんな丘邑の姿を見て安心する。自然に顔が綻ん...
芸/人になり、テ/レ/ビに映るようになり、丘邑貴志の名が広く...
これはあくまで憶測でしかない。が、彼の真面目で少々臆病な...
確かに、今はラヅオ局のエレベーターの中に居るとはいえ、れ...
しかし、せめて自分と居る時ぐらいはそんなことは忘れて欲し...
何も気にせずに、自分だけを見ていればいい。
――そう思うことは我儘なのだろうか。
世間が、丘邑を知るすべての人が、憎い。
丘邑の意識が他のものに注がれる事によって、自分はそれに嫉...
――世の中に嫉妬するなんて、何て無謀なこと。
やるせない感情を胸に抱えたまま小さく溜息を吐くと、丘邑が...
「そんなに俺と話すのが嫌なんや」
しかし、それは一瞬の事で、少し震えた声は俯いた顔から聞こ...
それが耳に入った瞬間、谷辺は思わず言葉を失った。
「…嫌なんて言ってないやろ」
「なら何でそんな顔すんねん!そんな、鬱陶しそうな顔!」
「それは………!」
言えるはずがなかった。まさか『嫉妬』が理由だなどと。まる...
それこそ、丘邑に鬱陶しく思われるのが嫌だった。
「違う、丘邑さんに苛ついてるんやなくて」
「わかってんねん!俺だって自分が…嫌や…」
「…え?」
丘邑の突然の言葉に、谷辺は驚きを隠せない。
「嫌やけど、止まらんのや…こんな…こんな子供みたいな感情…」
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「………!」
何も言えない谷辺の様子を感じ取って、丘邑は自嘲したように...
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気丈に明るい声で言ってみせるが、それが妙に浮いていて物悲...
「けどな、止まらんねん」
「…もう、ええよ」
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「言わんでええって」
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「丘邑さん」
「お前は『丘子』の方がええんかなって」
「…丘邑さん!」
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しかし、丘邑は顔を上げようとはせず、呟いた言葉ははっきり...
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俯いている顔を無理矢理上げさせて、夢中で唇を塞いだ。
丘邑はいきなり侵入してきた舌を押し返そうとするが、有無を...
エゴだった。
自分が、丘邑の言葉を遮りたかったから。聞きたくなかったか...
不用意な発言で彼を傷つけてしまった自分を認めたくなかった...
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自分では絡み付いてこない舌を誘うように撫で上げながら、谷...
こうして激しく口内を貪っている間も、冷静に考えている自分。
キスで丘邑が慰められるのならそれでいいと思っている自分。
そして、逃げる事を覚えてしまった自分。
――こんな行為だけでは心は繋がり合えないとわかっているのに。
――繋がりたい、のに。
「…っ…は、ぁ」
突然、口を離した谷辺に丘邑は不思議そうな視線を向ける。
「…丘邑さん」
お互いの荒い息を感じられる距離で、谷辺は丘邑から目線を外...
両腕を掴んでいた手を外してそっと背中に回すと、丘邑も抵抗...
「俺は、丘邑さんが男だとか女だとかそんなん関係ないんや。
でも、俺は『男の丘邑さん』を好きになったんやで」
「………」
もし、丘邑が女だったら。
やはり今みたいな関係になっていたかもしれないし、もしくは...
自分たちは今、同性だから、出会って、そして互いに惹かれた...
少なくとも、谷辺はそう思う。
「それに、俺だって嫉妬しとるよ。丘邑さんよりも、埒があか...
「…何に?」
「丘邑さんが気にしているもの、すべてに」
な、どうしようもないやろ、と笑ってみせると、丘邑が少し呆...
これで、いい。彼が呆れようと何だろうと、これが自分の本心...
「何やそれ」
「そやから、俺は世の中に嫉妬しとることになるな」
「…壮大やね」
谷辺につられたのか、丘邑も笑う。その後、ふと気付いたよう...
「そしたら、お前も自分自身に一番嫉妬せなあかんな」
「…何で?」
「…それくらい自分で考えろや」
それから数秒後、ようやく意味に気付いた谷辺の口付けを受け...
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