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#title(☆戦争・エピ3後) [#gf5ba486] / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ☆戦争エピ3後・大仮名議員×帯モナー ____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| でも、どうやら穴帯前提らしいよ… | | | | \ | | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ナ、ナンダッテー | | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚;) | | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || | 執拗な帝/国/軍の追っ手の目を逃れ、外ゥイーンの辺境地域で ひっそりとした暮らしを営んでいた才ビ=ワンは、住居と定めた 小屋の前に一台のスピーダーが停まっているのを見ると、嫌な汗が 背中を伝うのを感じた。 塗装が剥げたせいだけではない、錆と埃で白茶けた赤のボディ。 両脇に取り付けられたタービン・エンジンの空気吸入口には 砂塵がこびり付いているが、乗り物どころか生物ですら砂まみれで 生活している外ゥイーンでは、さして珍しくもない光景だ。 こんなスピーダーなら、モス・了イズリーに行けば好きなだけ 見ることができるだろう。 スピーダーは随分前に小屋に到着したらしく、エンジン部は 全盛時よりも熱が下がっていた。 ライ卜セーバーは腰に付けている。大丈夫だ。 才ビ=ワンは、外套の長い裾をひらめかせながら慎重な足取りで 小屋に接近し、外壁にぴたりと背中をくっつけた。 そして窓から屋内の様子を覗き込んだ彼は表情を驚きのものへ 変えるとたった今、近くの民家で分けてもらった僅かばかりの食料を 放り出さん勢いで小屋の中に駆け込んだ。 「才ーガナ議員……?」 薄暗い部屋の中央に、背の高い男が立っている。 後ろ手を組みながら中の様子をしげしげと眺めている広い背中に 向かって、恐る恐る声を掛けてみると、くるりと振り返った男は 精悍な顔に歓喜の色を満ち溢れさせ、手を左右に広げながら大股で 才ビ=ワンに近づいて来た。 「マスター・ケノー匕゛! よくぞ無事で!」 背骨が折れるのではないかと危惧するほどの力で抱きしめられ、 目を白黒させている才ビ=ワンに気付くと、ベイノレ・才ーガナは 咳払いと共に「失礼」と言って彼を放した。 こんな風に、人と触れ合うのは久し振りだ。不意に与えられた 温もりに心拍数が跳ね上がる。 ベイノレと会うのも、多くの命が失われたあの時以来だった。 才ビ=ワンはベイノレに椅子を勧めると、羽織っていた茶色の外套を 脱ぎ、食料をキッチンに置きに行った。 そして水を注いだコップを持って、客人の向かいに腰を下ろした。 「どうぞ」 「ありがとう。ああ、体が生き返るようだ!」 手渡されたコップから水を一気に喉の奥へ流し込むと、ベイノレは にっこりと笑った。 「幾ら探しても、きみの姿が見えなかったものだから、遂にここも 帝/国/軍の標的となったのではと、心配していたのだ。ともかく 無事に戻られたのは良かった」 「一体、いつ外ゥイーンへお着きに? それに、どうやってわたし の居場所を?」 矢継ぎ早に質問を浴びせかける才ビ=ワンの勢いを宥めるように、 ベイノレは広げた両手で彼を制す仕草をした。 「到着したのは昨日の夜だ。街の酒場に入り、砂漠に住む『隠者』 を探していると言ったら、バーテンが親切に教えてくれたよ。 それはベン・ケノー匕゛に違いない、彼は大砂丘の南西部に住んで いる、とね。……大方、家族も財産も失った不幸な男が世捨て人の 仲間入りをしに行くところだとでも思われたのだろう。大した額の チップもはずんでもいないのに情報を分けてくれたのだからね」 言われてみれば、いつも清潔な身なりをしていたベイノレだったが、 今の彼は薄汚いローブに身を包んでいる。きちんと手入れされた 顎髭や、綺麗に撫で付けられた髪型も、今やボサボサだ。 才ビ=ワンはコップの縁に口を付けて水を飲みながら、ベイノレの 全身を隈なく凝視した。 「……」 不幸な男、というよりはならず者のようにも見える。 「これでも精一杯、身分を隠したつもりなのだが」 じろじろと不躾な視線を浴びて、元老院議員は居心地悪そうに 尻をもじもじと動かした。 「その点は大丈夫でしょう。今のあなたは、とてもじゃないが 政治家には見えない」 くすくすと笑う才ビ=ワンを見て、ベイノレは何故かホッとした 顔つきをした。 「外ゥイーンでの生活には慣れたかね? 少し痩せたようだが」 そう問われて、才ビ=ワンは唇を擦り合わせて水滴を拭ってから 答えた。 「日増しに心が乾いていくようです。それを砂のせいに出来たら どんなにいいか……。しかし、この惑星の気候は、わたしに合って います。暑さで頭がぼんやりとしている間は何も考えなくて済む」 才ビ=ワンは両手でコップを包み込み、四角い窓から中の水面を 覗き込んだ。 「唯一の潤いは、ノレークの成長を見届けることです。わたしの腕に 抱かれて、すやすや眠っていた子がもう随分と大きくなった。 ノレークは去年からスピーダーを乗り回しているんです。あの子の 運転は誰よりも上手なんですよ」 まるで我が子を自慢するかのように話す才ビ=ワンの表情は 安らいでいて、彼はこの顔でベイノレを欺くつもりだったのだが、 腹の探り合いを得意とする議員には通じなかった。 「マスター・ケノー匕゛、アナキソ・ス力イウォー力ーは…… 夕゛ース・ヴェイ夕゛ーは、皇帝の右腕として着々と銀河を帝国の 支配下に置き始めている」 「ええ、右だけでなく、両腕とも生身の肉体ではないくせにね」 穏やかな表情の下に垣間見せる辛辣さが却って痛々しい。 ベイノレはそっと溜め息をついた。 「きみは彼を忘れることなど出来ないのだろうな」 「出来るものですか。あんな……酷いことを……」 才ビ=ワンは今でも夢に見る。 静まりかえったヅェダイ聖堂で再生させたホログラム……青い 光刃に倒れる幼い者たち、外套を被った人物の前に跪く見知った顔、 だが外套の人物が口にした名前は、才ビ=ワンが呼び慣れたものでは なく……。 「……マスター・ケノー匕゛。才ビ=ワン」 ベイノレは手を伸ばすと、才ビ=ワンの手の甲を握った。知らず目を 閉じていた彼はビクリ、と肩を揺らしたものの、瞬きを繰り返すと すぐに平静状態に戻った。 「議員、わたしなら大丈夫です。幸いノレークも成長の一途を辿って いることですし、彼に何かあればわたしが放っておきません」 「しかしきみはもう若くない。ブラス夕ーを手にした卜ルーパーの 大軍が雪崩れ込んできたらどうする」 「わたしはフ/ォ/ー/スの導きに従い、それを受け入れるだけです。 だが、ノレークだけは殺させない。あなたもそうでしょう? ご自分の 命に替えてでもレイ了を守ろうとなさるはずだ」 才ビ=ワンはそう言いながら手を引こうとしたが、温かい大きな手は びくとも動かなかった。 ベイノレが解放してくれないことを知ると、才ビ=ワンは顔をしかめた。 「レイ了は美しく、とても利発な子だ。おてんばなところもあるが、 それは母親の血のせいだろう。ノレークもまた、父親の血を特に濃く 受け継いでいる。違うかね?」 「わたしはノレークにアナキソの姿を重ね合わせて見たりはしません。 ノレークはこの銀河で生きるべき人間です。彼とレイアは、帝国を倒す 希望でもある。でもアナキソは」 「きみはアナキソの死を望んでいるのか」 ベイノレは静かに訪ねた。その問いに対する答えは返らなかった。 「彼に死をもたらす以外に、どうやって彼を救うというのですか」 しばらくして、塞がれていないほうの手で顔を覆うと才ビ=ワンは がっくりと項垂れた。 その灰青色の瞳が涙に濡れることはないと分かっていても、ベイノレ は彼が今にも泣き出しそうな様子に見えた。 ベイノレは椅子から腰を浮かせて才ビ=ワンの前に跪き、彼の後頭部を 大きな手で抱え込んだ。 才ビ=ワンが震える息を吐き出すと、ベイノレの胸の辺りに温もりが 感じられた。 「たまには涙を流しなさい。ヅェダイ・オーダーは感情を抑えるように 教えているかもしれないが……」 あやすように背中をさすると、薄汚れた白いチュニックの下に隠れた 細い体から徐々に力が抜けていくのが分かった。 才ビ=ワンの手が、ベイノレのローブを掴んだ。 広い胸にこつり、と額を預けた才ビ=ワンはしばらくなすがままに されていたが、やがて深く空気を吸い込み、息と一緒に痛みを体の外へ 吐き出した。 「涙は、どこかへ置き忘れてしまいました」 小さな声でそう言うと、才ビ=ワンは顔を上げて微笑んだ。 「あなたは優しい方だ、議員。こんな辺境の地へ来て下さるなんて」 ベイノレは黙って彼を見つめていたが、前髪を掻き上げて額にキスを すると、才ビ=ワンから身を離した。 「きみはわたしの希望なのだ」 「わたしが?」 才ビ=ワンは、帰る様子を見せているベイノレの背中を見つめながら、 意外だと言わんばかりに目を丸くした。 「だから、どうか生き延びて欲しい」 そう言いながら振り向いた彼の真摯な目に心を打たれ、才ビ=ワンは 素直に頷いていた。 先に表へ向かったベイノレの後に続いて、才ビ=ワンも小屋の外へ出た。 「参ったな。この陽射しのお陰でシートが灼けるように熱い」 「大事なものは陽の当たらない場所へ。外ゥイーンでは常識ですよ」 スピーダーの前に立ち尽くすベイノレを眺めて笑っていた才ビ=ワン だったが、家の中に戻って古い布切れを持って再び戻って来た。 「これをシートに敷くといいでしょう。多少は熱が和らいで、座れる ようになります」 「親切にどうもありがとう。マスター・ケノー匕゛」 「あと、首の後ろにも気を付けて」 「首の後ろ?」 ベイノレが思わず聞き返すと、才ビ=ワンは眉毛の位置に手で庇を作り ながら晴れ渡った空を見上げた。 「首に布を巻いて日避けしないと、これからの時間は特に陽射しが きつくなりますから。ちょうど、モス・了イズリーへ向かうのとは反対の 方角に太陽が沈むんです」 才ビ=ワンはそう言って、ベイノレの首に布を巻いて温和な気候で知られる オノレデラン生まれの肌を保護してやった。 ベイノレは無表情を保ちつつ、照れたように頭を掻いた。 「ひょっとすると、わたしの妻より気が利くかもしれないな」 「幾ら夫相手でも、女王陛下ともあろうお方がこんな細かなことを言う はずがありませんよ。わたしの場合は、師が奔放で弟子が無鉄砲だったから 気が利かざるを得なかったんです」 溜め息をつきながらひょいと肩を竦めた才ビ=ワンは、スピーダーに 乗り込んだベイノレを見下ろしてニヤリと笑った。 「お元気で、才ーガナ議員」 「ああ、きみもな。マスター・ケノー匕゛」 才ビ=ワンはかつてのヅェダイのようにお辞儀をし、二人は手を伸ばして 固く握り合った。 青白い噴射を上げて去って行くスピーダーが小さな点になるまで見送って いた才ビ=ワンは、点が地平線の向こうに消える頃になってようやく小屋の 中に戻った。 薄暗い室内に入ると、思わず溜め息が漏れた。 オノレデランからの予期せぬ来客にも驚いたが、自分が真に願っている望み をベイノレとの会話で思い知らされて、彼は打ちのめされていた。 才ビ=ワンは部屋の隅へ行って床に膝を突き、箱の蓋を開けて懐かしい 代物を取り出した。 鈍く光る銀色の柄。その先に伸びる光刃の色は、かつての親友の目を思い 起こさせる。 (わたしはこの手でアナキソを殺せない) ライ卜セーバーを起動させることなく、彼はそれを再び箱の中に戻した。 そして、箱の側面で揺れている頑丈な錠に鍵を掛けた。 ____________ | __________ | | | | | | | □ STOP. | | | | | | ∧_∧ ユメミスギダヨ | | | | ピッ (・∀・ ) | | | | ◇⊂ ) __ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || | エピ3を見て大仮名×帯にこっそり萌えてたので 他の姐さん方の作品も見てみたいなどと呟いて去ります。 お目汚し失礼しました。 #comment
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それに、どうやってわたし の居場所を?」 矢継ぎ早に質問を浴びせかける才ビ=ワンの勢いを宥めるように、 ベイノレは広げた両手で彼を制す仕草をした。 「到着したのは昨日の夜だ。街の酒場に入り、砂漠に住む『隠者』 を探していると言ったら、バーテンが親切に教えてくれたよ。 それはベン・ケノー匕゛に違いない、彼は大砂丘の南西部に住んで いる、とね。……大方、家族も財産も失った不幸な男が世捨て人の 仲間入りをしに行くところだとでも思われたのだろう。大した額の チップもはずんでもいないのに情報を分けてくれたのだからね」 言われてみれば、いつも清潔な身なりをしていたベイノレだったが、 今の彼は薄汚いローブに身を包んでいる。きちんと手入れされた 顎髭や、綺麗に撫で付けられた髪型も、今やボサボサだ。 才ビ=ワンはコップの縁に口を付けて水を飲みながら、ベイノレの 全身を隈なく凝視した。 「……」 不幸な男、というよりはならず者のようにも見える。 「これでも精一杯、身分を隠したつもりなのだが」 じろじろと不躾な視線を浴びて、元老院議員は居心地悪そうに 尻をもじもじと動かした。 「その点は大丈夫でしょう。今のあなたは、とてもじゃないが 政治家には見えない」 くすくすと笑う才ビ=ワンを見て、ベイノレは何故かホッとした 顔つきをした。 「外ゥイーンでの生活には慣れたかね? 少し痩せたようだが」 そう問われて、才ビ=ワンは唇を擦り合わせて水滴を拭ってから 答えた。 「日増しに心が乾いていくようです。それを砂のせいに出来たら どんなにいいか……。しかし、この惑星の気候は、わたしに合って います。暑さで頭がぼんやりとしている間は何も考えなくて済む」 才ビ=ワンは両手でコップを包み込み、四角い窓から中の水面を 覗き込んだ。 「唯一の潤いは、ノレークの成長を見届けることです。わたしの腕に 抱かれて、すやすや眠っていた子がもう随分と大きくなった。 ノレークは去年からスピーダーを乗り回しているんです。あの子の 運転は誰よりも上手なんですよ」 まるで我が子を自慢するかのように話す才ビ=ワンの表情は 安らいでいて、彼はこの顔でベイノレを欺くつもりだったのだが、 腹の探り合いを得意とする議員には通じなかった。 「マスター・ケノー匕゛、アナキソ・ス力イウォー力ーは…… 夕゛ース・ヴェイ夕゛ーは、皇帝の右腕として着々と銀河を帝国の 支配下に置き始めている」 「ええ、右だけでなく、両腕とも生身の肉体ではないくせにね」 穏やかな表情の下に垣間見せる辛辣さが却って痛々しい。 ベイノレはそっと溜め息をついた。 「きみは彼を忘れることなど出来ないのだろうな」 「出来るものですか。あんな……酷いことを……」 才ビ=ワンは今でも夢に見る。 静まりかえったヅェダイ聖堂で再生させたホログラム……青い 光刃に倒れる幼い者たち、外套を被った人物の前に跪く見知った顔、 だが外套の人物が口にした名前は、才ビ=ワンが呼び慣れたものでは なく……。 「……マスター・ケノー匕゛。才ビ=ワン」 ベイノレは手を伸ばすと、才ビ=ワンの手の甲を握った。知らず目を 閉じていた彼はビクリ、と肩を揺らしたものの、瞬きを繰り返すと すぐに平静状態に戻った。 「議員、わたしなら大丈夫です。幸いノレークも成長の一途を辿って いることですし、彼に何かあればわたしが放っておきません」 「しかしきみはもう若くない。ブラス夕ーを手にした卜ルーパーの 大軍が雪崩れ込んできたらどうする」 「わたしはフ/ォ/ー/スの導きに従い、それを受け入れるだけです。 だが、ノレークだけは殺させない。あなたもそうでしょう? ご自分の 命に替えてでもレイ了を守ろうとなさるはずだ」 才ビ=ワンはそう言いながら手を引こうとしたが、温かい大きな手は びくとも動かなかった。 ベイノレが解放してくれないことを知ると、才ビ=ワンは顔をしかめた。 「レイ了は美しく、とても利発な子だ。おてんばなところもあるが、 それは母親の血のせいだろう。ノレークもまた、父親の血を特に濃く 受け継いでいる。違うかね?」 「わたしはノレークにアナキソの姿を重ね合わせて見たりはしません。 ノレークはこの銀河で生きるべき人間です。彼とレイアは、帝国を倒す 希望でもある。でもアナキソは」 「きみはアナキソの死を望んでいるのか」 ベイノレは静かに訪ねた。その問いに対する答えは返らなかった。 「彼に死をもたらす以外に、どうやって彼を救うというのですか」 しばらくして、塞がれていないほうの手で顔を覆うと才ビ=ワンは がっくりと項垂れた。 その灰青色の瞳が涙に濡れることはないと分かっていても、ベイノレ は彼が今にも泣き出しそうな様子に見えた。 ベイノレは椅子から腰を浮かせて才ビ=ワンの前に跪き、彼の後頭部を 大きな手で抱え込んだ。 才ビ=ワンが震える息を吐き出すと、ベイノレの胸の辺りに温もりが 感じられた。 「たまには涙を流しなさい。ヅェダイ・オーダーは感情を抑えるように 教えているかもしれないが……」 あやすように背中をさすると、薄汚れた白いチュニックの下に隠れた 細い体から徐々に力が抜けていくのが分かった。 才ビ=ワンの手が、ベイノレのローブを掴んだ。 広い胸にこつり、と額を預けた才ビ=ワンはしばらくなすがままに されていたが、やがて深く空気を吸い込み、息と一緒に痛みを体の外へ 吐き出した。 「涙は、どこかへ置き忘れてしまいました」 小さな声でそう言うと、才ビ=ワンは顔を上げて微笑んだ。 「あなたは優しい方だ、議員。こんな辺境の地へ来て下さるなんて」 ベイノレは黙って彼を見つめていたが、前髪を掻き上げて額にキスを すると、才ビ=ワンから身を離した。 「きみはわたしの希望なのだ」 「わたしが?」 才ビ=ワンは、帰る様子を見せているベイノレの背中を見つめながら、 意外だと言わんばかりに目を丸くした。 「だから、どうか生き延びて欲しい」 そう言いながら振り向いた彼の真摯な目に心を打たれ、才ビ=ワンは 素直に頷いていた。 先に表へ向かったベイノレの後に続いて、才ビ=ワンも小屋の外へ出た。 「参ったな。この陽射しのお陰でシートが灼けるように熱い」 「大事なものは陽の当たらない場所へ。外ゥイーンでは常識ですよ」 スピーダーの前に立ち尽くすベイノレを眺めて笑っていた才ビ=ワン だったが、家の中に戻って古い布切れを持って再び戻って来た。 「これをシートに敷くといいでしょう。多少は熱が和らいで、座れる ようになります」 「親切にどうもありがとう。マスター・ケノー匕゛」 「あと、首の後ろにも気を付けて」 「首の後ろ?」 ベイノレが思わず聞き返すと、才ビ=ワンは眉毛の位置に手で庇を作り ながら晴れ渡った空を見上げた。 「首に布を巻いて日避けしないと、これからの時間は特に陽射しが きつくなりますから。ちょうど、モス・了イズリーへ向かうのとは反対の 方角に太陽が沈むんです」 才ビ=ワンはそう言って、ベイノレの首に布を巻いて温和な気候で知られる オノレデラン生まれの肌を保護してやった。 ベイノレは無表情を保ちつつ、照れたように頭を掻いた。 「ひょっとすると、わたしの妻より気が利くかもしれないな」 「幾ら夫相手でも、女王陛下ともあろうお方がこんな細かなことを言う はずがありませんよ。わたしの場合は、師が奔放で弟子が無鉄砲だったから 気が利かざるを得なかったんです」 溜め息をつきながらひょいと肩を竦めた才ビ=ワンは、スピーダーに 乗り込んだベイノレを見下ろしてニヤリと笑った。 「お元気で、才ーガナ議員」 「ああ、きみもな。マスター・ケノー匕゛」 才ビ=ワンはかつてのヅェダイのようにお辞儀をし、二人は手を伸ばして 固く握り合った。 青白い噴射を上げて去って行くスピーダーが小さな点になるまで見送って いた才ビ=ワンは、点が地平線の向こうに消える頃になってようやく小屋の 中に戻った。 薄暗い室内に入ると、思わず溜め息が漏れた。 オノレデランからの予期せぬ来客にも驚いたが、自分が真に願っている望み をベイノレとの会話で思い知らされて、彼は打ちのめされていた。 才ビ=ワンは部屋の隅へ行って床に膝を突き、箱の蓋を開けて懐かしい 代物を取り出した。 鈍く光る銀色の柄。その先に伸びる光刃の色は、かつての親友の目を思い 起こさせる。 (わたしはこの手でアナキソを殺せない) ライ卜セーバーを起動させることなく、彼はそれを再び箱の中に戻した。 そして、箱の側面で揺れている頑丈な錠に鍵を掛けた。 ____________ | __________ | | | | | | | □ STOP. | | | | | | ∧_∧ ユメミスギダヨ | | | | ピッ (・∀・ ) | | | | ◇⊂ ) __ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || | エピ3を見て大仮名×帯にこっそり萌えてたので 他の姐さん方の作品も見てみたいなどと呟いて去ります。 お目汚し失礼しました。 #comment
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