ページ内容へ
ナビゲーションへ
当サイトをご覧いただくにはブラウザの設定で
JavaScriptを有効に設定
する必要がございます。
ページの一覧
最終更新一覧
ヘルプ
ホーム
使い方
文字サイズ:小
文字サイズ:中
文字サイズ:大
リロード
編集
ツール
名前変更
凍結
差分
バックアップ
添付
複製
印刷
Top
/
62-49
62-49
の編集
-- 雛形とするページ --
(no template pages)
#title(スキマスイッチ 「酔っ払いとの会話」) 某生モノ、なので注意を。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! こいつは酔っぱらい。泥酔してる。よくあること。 今までもよくあったこと。だから今のこの会話は、後になったら本当に百パーセント覚えていない。 「じゅーろくねんだ」 「十七年じゃないかね」 「う……っせえ!」 酔っぱらいだな。数のカウントもおかしい。 とりあえずきれいに揃えた爪の指をひのふの、と折って数え直そうとしてるけど、いやそれじゃ足りないから。 ほれ、癇癪を起した。出会ってからの年数なら、足の指まで使わないと多分足りない。 「そーじゃない!だからな、じゅーろくねんなんだ!」 「十七……」 「でな!だからさ!そろそろセックスくらいいいんじゃねいの、っつってんの!!」 こいつは酒に弱いくせに酒が大好きで、そしてさっさと酔っぱらった後のことは、本気で全部俺に丸投げしてくる。 まあこれくらい付き合ってれば慣れるけど。それは今日だってそうだ。 ライブの打ち上げの後なんで、正直俺もちょっと早く寝たい。明日も早いんだし。 隣の部屋まで帰してくれ。明日になったらまた、マネさんより早く起してやるから。 「……ハァ」 「んだそりゃあ!アホ!ボケ!アフロ!」 気のない返事をしたら、ぽこぽこ頭を殴られた、痛い。もうアフロじゃねーってのに、容赦ない。 ホテルまで連れ帰って、ベッドに沈めるまでは上手くいったんだけど。今日はそこでむっくり起き上がって、口を開いたと思えばこう。 愛嬌のある顔立ちだ、とま、俺は思う。酔っぱらうと眼が座るが、ときどきそれも可愛げあると思う。 でも、一度キレだすと罵詈雑言が止まらない。 あの声で。良く響く、やわらかくて伸びのある、惚れこんでるあの声でだ。あああ、結構へこむ。 「おマエ、俺を何だと思ってんだ!」 「え、相棒……」 「……もしかして、そんだけとか!?ふざけんじゃねーぞ!」 しかし言うに事欠いて、何を言い出すのかと思ったら。 そんで、そういうため息もバレた。死ねアフロ!っておい。だからもう俺はアフロじゃねえ!! 「いて、タク、や、イテ!幾つだお前!!」 「……ってと」 「……いい、いい。足の指はいい」 くしゃくしゃと、セットが乱れたパーマ髪をいじってやったら、漸く落ち着いたようだ。 ベッドのシーツを握りしめながら、俺の方を見ないで何かブツブツ呟いてる。 「だって」 「……」 「不安になんじゃんよ」 「……?」 「……俺ひとりで、ソロやってても、お前止めねえし」 「う?」 「昔みたいに、追いかけてこねえし」 ああそりゃあ、三十超えたし。つか、ソロとか何時の話よ、一昨年?でも結局はまた、こうやって一緒にやってるじゃん。 でもがきんちょの頃は、いやそれからも、俺が一緒にやりたいって言ってもお前が逃げ回ってたんだろうが。 だから好きで追いかけてたわけじゃない。お前が逃げるからだ。いや、好きで追いかけてたんだけども、そりゃあ。 「……なぁ」 まだブツブツ、何か言いながら一点病みたいに固まってしまったこの相方に、俺も困ってしまった。 でも寝かしつける使命がある。明日も早いのは、俺もだけどこいつも同じだし、運命共同体だし。 「だから?安心したい……つか、そういう感じで、俺と寝たいってか?」 「うん」 まあ素直。って、じゃなくて。 「あほー」 「何でだ!!」 「何でもないだろが。……寝ろ!!」 油断してたらしく、その一撃でこいつはあっけなくベッドに仰向けにひっくり返った。チャンスとばかりにシーツで挟む。 じたばたするけど、ここで力を緩めるわけにはいかない。 「こら。……待てって!言うから!言うから!!」 「ハァァ!!??寝ねえぞ、俺ぁ!!」 「違くて!……そういう時は、俺から言うから!!」 「?」 「……お前としたくなったら、俺から、言う」 多少卑怯かな、とは思わんでもなかったが、シーツの下の耳のあたりにそう言ったら、ぴたり。動きが止まった。 「だから、今日は寝え。な」 大丈夫、こいつは酔っぱらい。大丈夫、いつもこういうときの話は、百パー覚えてねえんだから。 とんとん。ぽんぽん。 頭のあたりから肩、腰、脚のあたり。ちょっとずつ叩きながら、少しずつ息を殺して、俺は遠ざかった。 枕元の水、ペットボトル確認。 ヘッドライトの電源オフ、確認。 静かにゆっくり、ゆっくりドアへ。起きるなよ、また蒸返すなよ。明日はまた、二人で顔を合わすんだし。 起きるなよ、俺が出ていくまで。 だってそうだな。考えるとそんなにもか、俺がお前を見つけて、追いかけまわして今になって、十何年も経ったのか。 それは言い変えると、そんだけの間、片思い続けてきたみたいってなことで。 「……やっべ、かった」 端的に言うと、ものすごくしたい。俺だって。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! #comment
タイムスタンプを変更しない
#title(スキマスイッチ 「酔っ払いとの会話」) 某生モノ、なので注意を。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! こいつは酔っぱらい。泥酔してる。よくあること。 今までもよくあったこと。だから今のこの会話は、後になったら本当に百パーセント覚えていない。 「じゅーろくねんだ」 「十七年じゃないかね」 「う……っせえ!」 酔っぱらいだな。数のカウントもおかしい。 とりあえずきれいに揃えた爪の指をひのふの、と折って数え直そうとしてるけど、いやそれじゃ足りないから。 ほれ、癇癪を起した。出会ってからの年数なら、足の指まで使わないと多分足りない。 「そーじゃない!だからな、じゅーろくねんなんだ!」 「十七……」 「でな!だからさ!そろそろセックスくらいいいんじゃねいの、っつってんの!!」 こいつは酒に弱いくせに酒が大好きで、そしてさっさと酔っぱらった後のことは、本気で全部俺に丸投げしてくる。 まあこれくらい付き合ってれば慣れるけど。それは今日だってそうだ。 ライブの打ち上げの後なんで、正直俺もちょっと早く寝たい。明日も早いんだし。 隣の部屋まで帰してくれ。明日になったらまた、マネさんより早く起してやるから。 「……ハァ」 「んだそりゃあ!アホ!ボケ!アフロ!」 気のない返事をしたら、ぽこぽこ頭を殴られた、痛い。もうアフロじゃねーってのに、容赦ない。 ホテルまで連れ帰って、ベッドに沈めるまでは上手くいったんだけど。今日はそこでむっくり起き上がって、口を開いたと思えばこう。 愛嬌のある顔立ちだ、とま、俺は思う。酔っぱらうと眼が座るが、ときどきそれも可愛げあると思う。 でも、一度キレだすと罵詈雑言が止まらない。 あの声で。良く響く、やわらかくて伸びのある、惚れこんでるあの声でだ。あああ、結構へこむ。 「おマエ、俺を何だと思ってんだ!」 「え、相棒……」 「……もしかして、そんだけとか!?ふざけんじゃねーぞ!」 しかし言うに事欠いて、何を言い出すのかと思ったら。 そんで、そういうため息もバレた。死ねアフロ!っておい。だからもう俺はアフロじゃねえ!! 「いて、タク、や、イテ!幾つだお前!!」 「……ってと」 「……いい、いい。足の指はいい」 くしゃくしゃと、セットが乱れたパーマ髪をいじってやったら、漸く落ち着いたようだ。 ベッドのシーツを握りしめながら、俺の方を見ないで何かブツブツ呟いてる。 「だって」 「……」 「不安になんじゃんよ」 「……?」 「……俺ひとりで、ソロやってても、お前止めねえし」 「う?」 「昔みたいに、追いかけてこねえし」 ああそりゃあ、三十超えたし。つか、ソロとか何時の話よ、一昨年?でも結局はまた、こうやって一緒にやってるじゃん。 でもがきんちょの頃は、いやそれからも、俺が一緒にやりたいって言ってもお前が逃げ回ってたんだろうが。 だから好きで追いかけてたわけじゃない。お前が逃げるからだ。いや、好きで追いかけてたんだけども、そりゃあ。 「……なぁ」 まだブツブツ、何か言いながら一点病みたいに固まってしまったこの相方に、俺も困ってしまった。 でも寝かしつける使命がある。明日も早いのは、俺もだけどこいつも同じだし、運命共同体だし。 「だから?安心したい……つか、そういう感じで、俺と寝たいってか?」 「うん」 まあ素直。って、じゃなくて。 「あほー」 「何でだ!!」 「何でもないだろが。……寝ろ!!」 油断してたらしく、その一撃でこいつはあっけなくベッドに仰向けにひっくり返った。チャンスとばかりにシーツで挟む。 じたばたするけど、ここで力を緩めるわけにはいかない。 「こら。……待てって!言うから!言うから!!」 「ハァァ!!??寝ねえぞ、俺ぁ!!」 「違くて!……そういう時は、俺から言うから!!」 「?」 「……お前としたくなったら、俺から、言う」 多少卑怯かな、とは思わんでもなかったが、シーツの下の耳のあたりにそう言ったら、ぴたり。動きが止まった。 「だから、今日は寝え。な」 大丈夫、こいつは酔っぱらい。大丈夫、いつもこういうときの話は、百パー覚えてねえんだから。 とんとん。ぽんぽん。 頭のあたりから肩、腰、脚のあたり。ちょっとずつ叩きながら、少しずつ息を殺して、俺は遠ざかった。 枕元の水、ペットボトル確認。 ヘッドライトの電源オフ、確認。 静かにゆっくり、ゆっくりドアへ。起きるなよ、また蒸返すなよ。明日はまた、二人で顔を合わすんだし。 起きるなよ、俺が出ていくまで。 だってそうだな。考えるとそんなにもか、俺がお前を見つけて、追いかけまわして今になって、十何年も経ったのか。 それは言い変えると、そんだけの間、片思い続けてきたみたいってなことで。 「……やっべ、かった」 端的に言うと、ものすごくしたい。俺だって。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! #comment
テキスト整形のルールを表示する
ページ新規作成
新しいページはこちらから投稿できます。
作品一覧
シリーズものインデックス3
シリーズものインデックス2
シリーズものインデックス
第71巻
第70巻
第69巻
第68巻
第67巻
第66巻
第65巻
第64巻
第63巻
第62巻
第61巻
第60巻
第59巻
第58巻
第57巻
第56巻
第55巻
第54巻
第53巻
第52巻
第51巻
第50巻
第49巻
第48巻
第47巻
第46巻
第45巻
第44巻
第43巻
第42巻
第41巻
第40巻
第39巻
第38巻
第37巻
第36巻
第35巻
第34巻
第33巻
第32巻
第31巻
第30巻
第29巻
第28巻
第27巻
第26巻
第25巻
第24巻
第23巻
第22巻
第21巻
第20巻
第19巻
第18巻
第17巻
第16巻
第15巻
第14巻
第13巻
第12巻
第11巻
第10巻
第9巻
第8巻
第7巻
第6巻
第5巻
第4巻
第3.1巻
第3巻
第2巻
第1巻
ページ新規作成: