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#title(キューカンバーの猫) [#h4ce3682] / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | リリで801スレの>>399からの流れを ____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 遅ればせ&超自己解釈ながら書いてみるよ | | | | \ | | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ | | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) | | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ねこと虎の話 ねこ独白でヤマなしオチなしイミなしエロなしです ソフトに喰う喰われる系の話なので、一応ご注意を --------------------― シュバインさんにきゅうりを頂いた。瑞々しく歯ごたえの良い、美味しいきゅうり。 シュバインさんは、私の成り行き上の飼い主:アキラの上司で、とある組織の管理職に就いている。オールバックのなかなか良い男で、仕事もできる、申し分のない大人だ。茶髪のヒラ組員で、銃が無ければ仕事ができないアキラは、今この部屋には居ない。薄暗い部屋には、私と、煙草を嗜むシュバインさんだけ。 あぁ、壁面の水槽で泳いでいるアロワナも居ましたね。アキラは、私がネコなのに魚を食べたがらないことを不思議がっていたなぁ。スーパーうちゅうねこの私が魚ではなくきゅうりを主食とするのは至極当たり前のことだから、アキラやその他の人間が勝手に考えた理屈を当てはめないで欲しいと思うのだけれど。 そういえば、私と同じ時に生まれた、あの方は…… 「きゅうりは美味くなかったか、ネコさん?」 ――あぁ、ぼんやりとしていてきゅうりを食べるのを忘れていました。シュバインさんに要らぬ気遣いをさせてしまいましたね。 『いいえ、少し考え事を。きゅうりはとても美味しいですよ』 「そうか」 ボリボリ ボリボリ 再びきゅうりを咀嚼し始める。薄いけれど固い皮、真ん中と周りで微妙に食感の異なる中身、甘くも酸っぱくもない味。以前シュバインさんが「きゅうりは最も栄養の無い野菜だそうだ」と教えてくれたけれど、恐らくRD-1の不思議な力で、私はきゅうりからエネルギーを得られているのでしょう。ほとんどの生物はたんぱく質等を摂らなければ生きていけない、というのが世の常識であるから、そういうエネルギーサイクルを持つ自分が特異なのは分かります。 そう考えると、あの方の好物は至極道理に適ったものだったなぁ。 思い返すのは、同じ日に存在を始め、自分より早く消え失せてしまった「血も涙もない虎」のこと。彼は、私を食べるために生まれ、私を食べることにのみ執着した、私にもっとも近い存在だった。 アキラに初めて出会った、生まれたばかりの頃は、ただ漠然と「存在」しているだけで、何をすべきか分からなかった。今なら分かるが、食欲などの基本的欲求も感じず、思考能力は低く言葉も持たなかった。 だが、目の前に彼が現れてからは、「自分は狙われている」「逃げるべき」「飛べる」「姿を消せる」といった情報が一気に流れ込んできて、誕生からほんの数時間で私の知識量と能力はぐんと上がった。同じように彼も、「猫を食べる」「飛べる」といった情報をぐんぐんと吸収したのだろう、追い付け追い越せのスピードで成長していった。危うく、アキラごと食べられてしまうところだった。 最後には、見えない何かによってその存在は消されてしまったけれど。 ボリ ボリ ボリ ゴクン 咀嚼し嚥下したきゅうりが、食道を通って胃に落ちたような感覚。 血も涙もない虎さん。あなたがもし私を捕えていたのなら、私はきゅうりのように噛み砕かれて、あなたのお腹に納まっていたのでしょうね。RD-1の力によって生み出された私たちの体がどうなっているか分からないけれど、飲み込まれてから消化されるまでの間、私はあなたの中で、何を考えるでしょうか。 正直なところ、私、あの時あなたに食べられていても良かったかな、なんて思ってるんです。だってあなたは私と同じですから。得体の知れないモノから生まれた得体の知れない自分は、なんだかフワフワしていて、不安になる時があるんです。同じ存在のあなたに取り込まれて内側から観察できたら、自分のことが少しは分かるんじゃないか、なんて思ったりしてるんですよ。 ……そんなことを考えたって、あなたは居なくなってしまったのだから、埒の無い話ですけどね。 「失礼します!シュバインさん、聞いて下さいボンボン組の奴らが…」 おや、アキラがやってきました。考え込んでいたから、気配にも足音にも気付きませんでした。なんだか興奮している様子です。おやすみビームでも出してあげましょうか。 アキラやシュバインさんと過ごす毎日は、穏やかだけど刺激的で、日々自分の何かが成長していくのを感じます。それは、フワフワした自分が、安定した形に作り上げられていくような感覚です。 虎さん、いつか、自分の存在を不安定に感じなくなった時、すぐに消えてしまったあなたのことも理解できるようになるのでしょうか。そうだとしたら、私は、とても楽しみだ。 --------------------― ____________ | __________ | | | | | | | □ STOP. | | | | | | ∧_∧ ものすごい今更感 | | | | ピッ (・∀・ ) | | | | ◇⊂ ) __ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 自分で言っといてシリアスでも何でもない…… よくわからん話でごめんなさい - まさか今頃宇宙ネコに会えるなんて…感涙!謝謝! -- [[さくら]] &new{2011-05-05 (木) 01:15:20}; #comment
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#title(キューカンバーの猫) [#h4ce3682] / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | リリで801スレの>>399からの流れを ____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 遅ればせ&超自己解釈ながら書いてみるよ | | | | \ | | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ | | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) | | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ねこと虎の話 ねこ独白でヤマなしオチなしイミなしエロなしです ソフトに喰う喰われる系の話なので、一応ご注意を --------------------― シュバインさんにきゅうりを頂いた。瑞々しく歯ごたえの良い、美味しいきゅうり。 シュバインさんは、私の成り行き上の飼い主:アキラの上司で、とある組織の管理職に就いている。オールバックのなかなか良い男で、仕事もできる、申し分のない大人だ。茶髪のヒラ組員で、銃が無ければ仕事ができないアキラは、今この部屋には居ない。薄暗い部屋には、私と、煙草を嗜むシュバインさんだけ。 あぁ、壁面の水槽で泳いでいるアロワナも居ましたね。アキラは、私がネコなのに魚を食べたがらないことを不思議がっていたなぁ。スーパーうちゅうねこの私が魚ではなくきゅうりを主食とするのは至極当たり前のことだから、アキラやその他の人間が勝手に考えた理屈を当てはめないで欲しいと思うのだけれど。 そういえば、私と同じ時に生まれた、あの方は…… 「きゅうりは美味くなかったか、ネコさん?」 ――あぁ、ぼんやりとしていてきゅうりを食べるのを忘れていました。シュバインさんに要らぬ気遣いをさせてしまいましたね。 『いいえ、少し考え事を。きゅうりはとても美味しいですよ』 「そうか」 ボリボリ ボリボリ 再びきゅうりを咀嚼し始める。薄いけれど固い皮、真ん中と周りで微妙に食感の異なる中身、甘くも酸っぱくもない味。以前シュバインさんが「きゅうりは最も栄養の無い野菜だそうだ」と教えてくれたけれど、恐らくRD-1の不思議な力で、私はきゅうりからエネルギーを得られているのでしょう。ほとんどの生物はたんぱく質等を摂らなければ生きていけない、というのが世の常識であるから、そういうエネルギーサイクルを持つ自分が特異なのは分かります。 そう考えると、あの方の好物は至極道理に適ったものだったなぁ。 思い返すのは、同じ日に存在を始め、自分より早く消え失せてしまった「血も涙もない虎」のこと。彼は、私を食べるために生まれ、私を食べることにのみ執着した、私にもっとも近い存在だった。 アキラに初めて出会った、生まれたばかりの頃は、ただ漠然と「存在」しているだけで、何をすべきか分からなかった。今なら分かるが、食欲などの基本的欲求も感じず、思考能力は低く言葉も持たなかった。 だが、目の前に彼が現れてからは、「自分は狙われている」「逃げるべき」「飛べる」「姿を消せる」といった情報が一気に流れ込んできて、誕生からほんの数時間で私の知識量と能力はぐんと上がった。同じように彼も、「猫を食べる」「飛べる」といった情報をぐんぐんと吸収したのだろう、追い付け追い越せのスピードで成長していった。危うく、アキラごと食べられてしまうところだった。 最後には、見えない何かによってその存在は消されてしまったけれど。 ボリ ボリ ボリ ゴクン 咀嚼し嚥下したきゅうりが、食道を通って胃に落ちたような感覚。 血も涙もない虎さん。あなたがもし私を捕えていたのなら、私はきゅうりのように噛み砕かれて、あなたのお腹に納まっていたのでしょうね。RD-1の力によって生み出された私たちの体がどうなっているか分からないけれど、飲み込まれてから消化されるまでの間、私はあなたの中で、何を考えるでしょうか。 正直なところ、私、あの時あなたに食べられていても良かったかな、なんて思ってるんです。だってあなたは私と同じですから。得体の知れないモノから生まれた得体の知れない自分は、なんだかフワフワしていて、不安になる時があるんです。同じ存在のあなたに取り込まれて内側から観察できたら、自分のことが少しは分かるんじゃないか、なんて思ったりしてるんですよ。 ……そんなことを考えたって、あなたは居なくなってしまったのだから、埒の無い話ですけどね。 「失礼します!シュバインさん、聞いて下さいボンボン組の奴らが…」 おや、アキラがやってきました。考え込んでいたから、気配にも足音にも気付きませんでした。なんだか興奮している様子です。おやすみビームでも出してあげましょうか。 アキラやシュバインさんと過ごす毎日は、穏やかだけど刺激的で、日々自分の何かが成長していくのを感じます。それは、フワフワした自分が、安定した形に作り上げられていくような感覚です。 虎さん、いつか、自分の存在を不安定に感じなくなった時、すぐに消えてしまったあなたのことも理解できるようになるのでしょうか。そうだとしたら、私は、とても楽しみだ。 --------------------― ____________ | __________ | | | | | | | □ STOP. | | | | | | ∧_∧ ものすごい今更感 | | | | ピッ (・∀・ ) | | | | ◇⊂ ) __ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 自分で言っといてシリアスでも何でもない…… よくわからん話でごめんなさい - まさか今頃宇宙ネコに会えるなんて…感涙!謝謝! -- [[さくら]] &new{2011-05-05 (木) 01:15:20}; #comment
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