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#title(金色の欠片) [#r8c89543] / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | モノノ怪 ハイパー×薬 ____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| ハイパー死亡につき、ファンの方は注意 | | | | \ | | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 元ネタ提供の方に感謝します | | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) | | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 長い時の流れを渡り歩き、幾千、幾万のモノノ怪を斬ってきた。 全てのモノノ怪を斬り終えた時、役目を終わった自分はどうなるのか?あの男はどうなるのか? 今日もまたモノノ怪を斬り終え、異空間で男とすれ違い入れ替わる。 いつも通り、ただ目を合わせ、そしてお互いの居場所へと戻る。・・・はずだった。 男が、持っていた退魔の剣を投げてよこした。 「俺を斬れ、薬売り。」 唐突に男が言った。 「何を・・・・・・・・・?」 男の言っている意味が分からなかった。 「この世界からモノノ怪の気配が消えた。」 「今のが最後のモノノ怪ですか?だからって、あなたを斬る意味が・・・」 「俺はモノノ怪を斬る為に産まれたモノノ怪だ。それはお前も知っているだろう。」 「はい、あなたと出会った時に聞きました。」 「モノノ怪を恐れる人間達の思い。モノノ怪からこの世界を守り、自分の命を存続させる事を求める人間達の無意識。 その強い思いから俺は産まれた。それが俺の理だ。 真と理が消え、形のみのモノノ怪となった俺は、もはや自らの均衡は保てない。やがて我を失い暴走するだろう。 俺の力なら、この世の全てを滅ぼせる。この世をモノノ怪から守る為に産まれた俺が、この世を滅ぼしてしまうのだ。 そうなる前に俺を斬れ。」 「あなた、死んでしまうんですよ?」 「この世にモノノ怪は有ってはならぬ。俺が最後のモノノ怪だ。」 「俺にあなたを斬れと・・・・・・・・?」 「俺以外に退魔の剣を使う事ができるのは、俺の半身であるお前だけだ。」 「そんな勝手な事・・・・・・」 「今までモノノ怪を斬る事につき合せてすまなかったな。これが最後の俺の勝手だ。聞いてくれ。」 呆然とする薬売りの頬を何かがかすめ、頬から血が流れた。 男が飛ばした金色の札だ。 「暴走が始まっている。急げ。俺は、まずは器となっているお前を滅ぼすだろう。 早く俺を切れ!薬売り!」 「くっ・・・・・・・・・・」 「俺を祓え。そしてお前は自由になれ。」 赤い瞳が真っ直ぐ見詰める。 この男に迷いは無い。ならば、自分も迷う必要など無い。 決心し、退魔の剣を抜く。 しかし、自分の力では剣の威力を充分に引き出す事はできないだろう。 間合いを詰めようとするが、空中戦を得意とする男には近付く事もできない。 視界いっぱいの札を飛ばすが、男も同じく金色の札を飛ばし、札同士がぶつかり合い、両者の力が拮抗する。 戦うにつれ、体力が削られてゆく。避け切れなかった札で体が傷付いてゆく。 体のあちこちから血が流れ、息が乱れる。 札を壁状にして、男に向かって飛ばした。 男も金の札を同じ様に飛ばし、壁がぶつかり合い動きが止まる。 その壁を剣で切り裂き、男の懐へ飛び込んで行こうとしたが、そこに男の姿は無かった。 「居ない?」 次の瞬間、背後から羽交い絞めにされた。 逞しい腕でぎりぎりと締め付けられ、身動きが取れない。 薬売りの袖から、小さく畳まれた札が転がり出て、開くと同時に男の顔に飛んだ。 「!」 男が一瞬怯んだ隙に、もがいて腕から抜け出した。 この男を倒す事ができるのだろうか? 自分もこの世界も、この男に滅ぼされるのかもしれない。 地に膝を付き、手を付いた時に、右手の指輪が視界に入った。 以前、護身具として、男から付けられた物だった。 モノノ怪から薬売りの身を守る為。幾千ものモノノ怪と戦ってゆく為に。 遠い昔、男と初めて出会った時、これからの長い年月を男と共に過ごし、この世に溢れるモノノ怪を斬る事を誓った。 「モノノ怪はこの世に有ってはならぬ・・・・・・・そうですよね。」 顔を上げ、立ち上がった。 札を男に向かって飛ばした。男も同じく札を飛ばしてくる。 薬売りの札は突然大きく弧を描き、男の札を避けて男の背後へと周る。 「何!?」 札は男の背後から、男へ絡み付き、動きを封じた。 男が飛ばした札は真っ直ぐ薬売りへぶつかってきた。 「くぅ・・・・・・・・・っ!!」 体中への衝撃で目が眩みそうになる。 だが休んでいる暇は無い。 体勢を立て直し、痛みに耐え、動きを封じられている男へ斬りかかって行った。 「ぐっ!」 男の顔が苦痛で歪む。 男の肩口へ斬り込んだが、刃は肉に食い込み、肩で止まってしまった。 がっちりと食い込み、これ以上斬り込むことも、抜く事もできない。 やはり自分では退魔の剣の威力は引き出せない。 男の赤い瞳が真っ直ぐに見詰めている。 剣を放して逃げようとした時、両手を男の両手に剣の柄ごと握り込まれてしまった。 もはや逃げる事もできない。 これで終わりか。そう思った時 「うおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーっ!!」 男の唸り声と共に、刃が振り下ろされた。 肉を斬り裂き、骨を断つ感触が手に伝わり、視界が血しぶきで赤く染まる。 刃は男の胸まで振り下ろされ、斬り裂かれた傷が大きく開いている。 「・・・・・・・・・・・・・・・」 血の気が引き、呆然とする薬売りを見詰める男の顔は、僅かに微笑んでいるようだった。 男の顔が近付き、その唇が薬売りの唇に触れるその瞬間、男の体も血しぶきも金色の欠片となり飛び散った。 最後のモノノ怪は消滅した。 男が消え、薬売り一人になった空間で、金色の欠片は空間を満たし、座り込む薬売りに降り注ぐ。 「自由になんかなっちゃいませんよ・・・・・・・俺の心はあなたに囚われたままですよ・・・」 輝きながら降り続ける欠片を、薬売りはいつまでも見詰めた。 それから時代は少しだけ進んだ。 この時代にはもうモノノ怪は無く、人の心にも闇の世界への恐怖は無い。 薬売りは大きな荷物を運びながら、人々が行き急ぐ中を、相変わらず薬を売り歩いている。 ただ、顔の模様と牙は無く、耳も普通の人間の形だ。 指にはあの指輪が輝く。 唯一消えずに残った、あの男が存在した事を示す物だ。 「怪は常にこの世界に存り、人間の欲や業も尽きる事は無い。 またいつかこの世界にモノノ怪は満ちる事でしょう。 その時には、またあなたが斬りに現れるかもしれませんね。 期待せずに待っていましょうか。それまで本当に『ただの薬売り』でもやりながらね。」 薬売りは指輪に語りかけ、そっと唇を触れさせた。 指輪に温もりが伝わっていった。 (おまけ) 人間になった薬売り描いてみましたが、誰だこれ状態になりました。(白衣姿) #ref(http://morara.kazeki.net/kako/image/1886.jpg) ____________ | __________ | | | | | | | □ STOP. | | | | | | ∧_∧ ありがとうございました | | | | ピッ (・∀・ ) | | | | ◇⊂ ) __ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ #comment
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#title(金色の欠片) [#r8c89543] / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | モノノ怪 ハイパー×薬 ____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| ハイパー死亡につき、ファンの方は注意 | | | | \ | | |> PLAY. | |  ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 元ネタ提供の方に感謝します | | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) | | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 長い時の流れを渡り歩き、幾千、幾万のモノノ怪を斬ってきた。 全てのモノノ怪を斬り終えた時、役目を終わった自分はどうなるのか?あの男はどうなるのか? 今日もまたモノノ怪を斬り終え、異空間で男とすれ違い入れ替わる。 いつも通り、ただ目を合わせ、そしてお互いの居場所へと戻る。・・・はずだった。 男が、持っていた退魔の剣を投げてよこした。 「俺を斬れ、薬売り。」 唐突に男が言った。 「何を・・・・・・・・・?」 男の言っている意味が分からなかった。 「この世界からモノノ怪の気配が消えた。」 「今のが最後のモノノ怪ですか?だからって、あなたを斬る意味が・・・」 「俺はモノノ怪を斬る為に産まれたモノノ怪だ。それはお前も知っているだろう。」 「はい、あなたと出会った時に聞きました。」 「モノノ怪を恐れる人間達の思い。モノノ怪からこの世界を守り、自分の命を存続させる事を求める人間達の無意識。 その強い思いから俺は産まれた。それが俺の理だ。 真と理が消え、形のみのモノノ怪となった俺は、もはや自らの均衡は保てない。やがて我を失い暴走するだろう。 俺の力なら、この世の全てを滅ぼせる。この世をモノノ怪から守る為に産まれた俺が、この世を滅ぼしてしまうのだ。 そうなる前に俺を斬れ。」 「あなた、死んでしまうんですよ?」 「この世にモノノ怪は有ってはならぬ。俺が最後のモノノ怪だ。」 「俺にあなたを斬れと・・・・・・・・?」 「俺以外に退魔の剣を使う事ができるのは、俺の半身であるお前だけだ。」 「そんな勝手な事・・・・・・」 「今までモノノ怪を斬る事につき合せてすまなかったな。これが最後の俺の勝手だ。聞いてくれ。」 呆然とする薬売りの頬を何かがかすめ、頬から血が流れた。 男が飛ばした金色の札だ。 「暴走が始まっている。急げ。俺は、まずは器となっているお前を滅ぼすだろう。 早く俺を切れ!薬売り!」 「くっ・・・・・・・・・・」 「俺を祓え。そしてお前は自由になれ。」 赤い瞳が真っ直ぐ見詰める。 この男に迷いは無い。ならば、自分も迷う必要など無い。 決心し、退魔の剣を抜く。 しかし、自分の力では剣の威力を充分に引き出す事はできないだろう。 間合いを詰めようとするが、空中戦を得意とする男には近付く事もできない。 視界いっぱいの札を飛ばすが、男も同じく金色の札を飛ばし、札同士がぶつかり合い、両者の力が拮抗する。 戦うにつれ、体力が削られてゆく。避け切れなかった札で体が傷付いてゆく。 体のあちこちから血が流れ、息が乱れる。 札を壁状にして、男に向かって飛ばした。 男も金の札を同じ様に飛ばし、壁がぶつかり合い動きが止まる。 その壁を剣で切り裂き、男の懐へ飛び込んで行こうとしたが、そこに男の姿は無かった。 「居ない?」 次の瞬間、背後から羽交い絞めにされた。 逞しい腕でぎりぎりと締め付けられ、身動きが取れない。 薬売りの袖から、小さく畳まれた札が転がり出て、開くと同時に男の顔に飛んだ。 「!」 男が一瞬怯んだ隙に、もがいて腕から抜け出した。 この男を倒す事ができるのだろうか? 自分もこの世界も、この男に滅ぼされるのかもしれない。 地に膝を付き、手を付いた時に、右手の指輪が視界に入った。 以前、護身具として、男から付けられた物だった。 モノノ怪から薬売りの身を守る為。幾千ものモノノ怪と戦ってゆく為に。 遠い昔、男と初めて出会った時、これからの長い年月を男と共に過ごし、この世に溢れるモノノ怪を斬る事を誓った。 「モノノ怪はこの世に有ってはならぬ・・・・・・・そうですよね。」 顔を上げ、立ち上がった。 札を男に向かって飛ばした。男も同じく札を飛ばしてくる。 薬売りの札は突然大きく弧を描き、男の札を避けて男の背後へと周る。 「何!?」 札は男の背後から、男へ絡み付き、動きを封じた。 男が飛ばした札は真っ直ぐ薬売りへぶつかってきた。 「くぅ・・・・・・・・・っ!!」 体中への衝撃で目が眩みそうになる。 だが休んでいる暇は無い。 体勢を立て直し、痛みに耐え、動きを封じられている男へ斬りかかって行った。 「ぐっ!」 男の顔が苦痛で歪む。 男の肩口へ斬り込んだが、刃は肉に食い込み、肩で止まってしまった。 がっちりと食い込み、これ以上斬り込むことも、抜く事もできない。 やはり自分では退魔の剣の威力は引き出せない。 男の赤い瞳が真っ直ぐに見詰めている。 剣を放して逃げようとした時、両手を男の両手に剣の柄ごと握り込まれてしまった。 もはや逃げる事もできない。 これで終わりか。そう思った時 「うおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーっ!!」 男の唸り声と共に、刃が振り下ろされた。 肉を斬り裂き、骨を断つ感触が手に伝わり、視界が血しぶきで赤く染まる。 刃は男の胸まで振り下ろされ、斬り裂かれた傷が大きく開いている。 「・・・・・・・・・・・・・・・」 血の気が引き、呆然とする薬売りを見詰める男の顔は、僅かに微笑んでいるようだった。 男の顔が近付き、その唇が薬売りの唇に触れるその瞬間、男の体も血しぶきも金色の欠片となり飛び散った。 最後のモノノ怪は消滅した。 男が消え、薬売り一人になった空間で、金色の欠片は空間を満たし、座り込む薬売りに降り注ぐ。 「自由になんかなっちゃいませんよ・・・・・・・俺の心はあなたに囚われたままですよ・・・」 輝きながら降り続ける欠片を、薬売りはいつまでも見詰めた。 それから時代は少しだけ進んだ。 この時代にはもうモノノ怪は無く、人の心にも闇の世界への恐怖は無い。 薬売りは大きな荷物を運びながら、人々が行き急ぐ中を、相変わらず薬を売り歩いている。 ただ、顔の模様と牙は無く、耳も普通の人間の形だ。 指にはあの指輪が輝く。 唯一消えずに残った、あの男が存在した事を示す物だ。 「怪は常にこの世界に存り、人間の欲や業も尽きる事は無い。 またいつかこの世界にモノノ怪は満ちる事でしょう。 その時には、またあなたが斬りに現れるかもしれませんね。 期待せずに待っていましょうか。それまで本当に『ただの薬売り』でもやりながらね。」 薬売りは指輪に語りかけ、そっと唇を触れさせた。 指輪に温もりが伝わっていった。 (おまけ) 人間になった薬売り描いてみましたが、誰だこれ状態になりました。(白衣姿) #ref(http://morara.kazeki.net/kako/image/1886.jpg) ____________ | __________ | | | | | | | □ STOP. | | | | | | ∧_∧ ありがとうございました | | | | ピッ (・∀・ ) | | | | ◇⊂ ) __ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ #comment
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