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*体操 冨田(←中野)×鹿島 [#r14bd0a9] #title(体操 冨田(←中野)×鹿島) [#r14bd0a9] / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 大層。登美(←那賀野)×貸間 っぽいモナ | ____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| しかも何故か高校時代… | | | | \ | | |> 再生 | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ | | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) ワカリヅライ | | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ※2人が別々の高校へ通っていた時期の話です。 舞台は何故かイ/ン/タ/ー/ハ/イってことで_| ̄|○ 着地から一瞬遅れて、足の裏の振動が全身へ伝わってきた。 ゆっくり腕を伸ばし、軽く拳を握る。いつもより長めにアピールした後、 審査員に頭を下げた。音を失っていた世界に、歓声と拍手が割り込んで来る。 スコアボードに視線を向け、ぼんやりと点数を見た。 ……9.85。 世界が色を取り戻していくのを、まるで他人事のように眺めていると、 視界に白いものが飛び込んできた。 「登美多先輩、やっぱり凄いっスねぇ! イ/ン/タ/ー/ハイっていうから、 どんな怪物がいるかと思ってたんだけど、先輩以上の奴なんかいませんね!」 白いタオルの向こうから、一年生の那賀野が弾けるような笑顔を覗かせる。 今年入ってきた一年生の中でも、こいつの身体能力はずば抜けている。誰が見ても一目で分かる逸材だ。 「それ、どうしたんだ?」 タオルを受け取り、那賀野の頬を目で示す。頬の一部だけが、わずかに赤くなっている。 「これですか……ええと」那賀野は視線を泳がせると、上目づかいでこちらを見てくる。 「昨日の晩、コーチに殴られたんです。……ピアス開けたのがバレて」 「……お前なぁ」 思わず絶句した。よく見ると、那賀野の耳たぶに、かさぶたのようなものができている。 ピアス穴がふさがった跡だろう。耳にできた小さな傷は、那賀野の心を表しているようだった。 底抜けに明るい性格だが、根は繊細で優しい奴だ。 コーチは、才能以上に那賀野の人柄を、誰よりも買っている。 端から見ていても、そのことはよく分かる。殴ってしまったのも、期待が過ぎるゆえんだろう。 ふぅ、と溜息をつき、那賀野の白い額を指ではじく。 「いってぇー。暴力反対」 「俺は、コーチに同情するわ」 何が嬉しいのか、那賀野はデコピンをくらった額を手で何度も撫で、ニコニコ笑っている。 急に、会場がざわめいた。演技後の歓声とは違う。息を飲むような空気が辺りを取り巻いた。 「……何すかね?」 微妙な空気を察した那賀野が、隣で身を固くした。 観客、選手、この場にいる全員の視線が、一点に集中している。首を巡らせ、視線の先を見る。 鼓動が、ひとつ大きく跳ねた。どうしてこんなに動揺してしまうのか、自分でも分からない。 目の前に置かれたアン馬の前で、ひとりの選手が片手を挙げている。 大層選手としては珍しい、整った八頭身。子供のようにあどけない顔だが、 目だけは、刃物のように鋭い。 彼が微笑む時、目尻に柔らかい皺が寄るのを、登美多は知っていた。 自分だけのものだった笑顔が、鮮明に蘇ってくる。 思わず口に出そうとした名前が、のどの奥で詰まった。昔は当然のように呼んでいた名前。 離れても、ずっと心の中で呼んでいた名前。 それなのに今は、訳の分からない熱さで、息をするのも苦しい。彼の名前をつぶやく事すらできない。 『あれが、アン馬の貸間だ』 他校の生徒がつぶやいた言葉に、びくりと身体が震えた。鼓動が痛いほど高鳴り、眩暈がする。 「先輩、貸間って……知り合いなんですか?」 那賀野のかすれた声が、遠くに聞こえた。問いには答えず、ベンチに身体を沈める。 今、自分はどんな顔をしているだろうか? きっとひどい表情をしているだろう。 演技をしている時にすら、感じたことのない動揺が襲ってくる。 目の前で、貸間がアン馬に手をかける。一種目めだというのに、全く迷いの無い旋回。 羽ばたくような足さばきに、会場内が、水を打ったように静まり返る。 登美多は息を呑んだ。毎日、頭の中で貸間の姿を思い浮かべ、 練習に励んできた。その想像の貸間と、目の前の貸間とでは、何もかもが段違いであった。 ……負けた。 全身から力が抜けていく。それでも、目は貸間から離せない。完全に魅せられていた。 足音をほとんど立てず、まさに舞い降りるように貸間が着地した。 一瞬、何が起こったのか分からないように、会場が沈黙した。そしてその後、 割れるような拍手と歓声が響く。 「すげえ」 那賀野の感嘆で、登美多は現実に戻った。 きつく組んだ自分の指が、小刻みに震えている。 額を流れる汗が、顎の先から滴った。震える指をきつく握りしめ、電光掲示板を見る。 ……9.98。 波のような歓声が、会場を包んだ。観客席からの熱気が、背中に直接響いてくる。 歓声の渦中にあって、貸間は、いつもどおり穏やかな微笑みを浮かべ、 控えめに拳を突き上げた。まるでエアーポケットのように、 貸間の周りだけが、騒ぎから抜け落ちている。 いつもそうだった……。登美多は、審査員に頭を下げる貸間を見つめて思った。 同じ大層クラブに所属していた子供時代、貸間の周りは、いつも人で溢れかえっていた。 輪の中心で、微笑みを絶やさない貸間。登美多がクラブに通い始めた頃、 既に貸間は「天才」と呼ばれていた。同い年の「天才」。初めは、 別世界の人間だと思っていた。口下手で、黙々と練習を続ける自分に、 彼が近づいて来たのはいつだっただろう? 勇気を奮い起こして、 彼に話しかけたのはいつだっただろう? 誰よりも長く自分に笑いかけて欲しくて、誰よりも近くにいたくて、ひたすら練習に励んだ。 「天才」のライバルだと、周りの人間に認めて貰えれば、 貸間の隣の席が確保できると思った。偶然隣にいるではなく、 隣にいて当たり前だと。みんなに、そして誰よりも貸間自身に認めて貰いたかった。 ……それならば、なぜ離れた? 貸間に「楽難高校へ行く」と告げた時の、薄暗い気持ちが蘇ってくる。 貸間が、※田さんと同じ聖風高校へ進学することは既に知っていた。 「オレら、一緒の高校へ進むんやないんか……」明らかに狼狽えた言葉に、 鈍痛のような喜びを感じた。 ……馬鹿だ。 自分から離れたくせに、どうしようもなくなっているのは、登美多の方だった。 相手が、どこまで上達しているか気になる。 どんなトレーニングを積んでいるのか気になる。友人関係が気になる。 好きな女の子がいるのかどうか気になる……。 堂々巡りしていく思考を止め、登美多は視線を巡らせた。無意識のうちに、目は貸間を探していた。 演技を終えた貸間が、通路へ降りてくる。 ぼんやりと会場内をさまよっていた目線が、こちらを向いて止まった。 貸間の顔に、笑みがふわりと広がっていく。 幼い頃、欲しくて欲しくてたまらなかった、あの笑顔。 「ヒロ!」 懐かしい名前で呼ぶ声が、耳を突き抜け、心臓を直接叩いた。 ____________ | __________ | | | | | | | □ STOP. | | | | | | ∧_∧ 中途半端スギル・・・ | | | | ピッ (・∀・ ) | | | | ◇⊂ ) __ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || | ネタ元。 ttp://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2004/athens/game/16gymnastics/0824.html どれくらい練習してるか常に気になっていた、という部分にノックアウト。 みなさん、スイマセン。 #comment