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*R.S.3_LxM 8 [#q448e820] #title(R.S.3_LxM 8) [#q448e820] ミカエルは、女を抱いている。 人間でなく、妖精だ。 寝室には一本の蝋燭が灯っている。 額に浮かぶ汗。 女が目を虚ろにしながら、腕の下で鳴く。 この部屋に入り、気がついたらこうしていた。 薔薇を散らした城主の寝室。 寝台で、女を抱く自分。 部屋の主は、ワイン片手にソファで寛いでいる。 可笑しい、と思う。 女を抱いている筈なのに、自分の意思では無い気がする。 正確に言うと、抱かれている気分だ。 女を軽く持ち上げ、位置を変える。 その時、城主と目があった。 レオニードが唇を舐める。 暗赤色の唇が、うっすらと濡れる。 それを見ると、音を立てて自分が解き放たれた。 激しく女を突き上げ、そして達する。 ぐったりと横たわる女を、無機質に眺める。 こんなものか、と思う。 もう少しは相手に情が湧くものだと思っていたが。 軽く身支度を整え、部屋に戻ってベッドに倒れこむ。 疲れた、と思う。 肉体ではなく、精神が。 何故なら気がついてしまったからだ。 自分が、あの女に何の感情も持つことができなかったことに。 #comment