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*もうばか [#f23876e0] #title(芸人 もう中学生→バカリズム) もう仲学.生→莫迦リ.ズム(←元相方)な話。 ドッ霧王.座と雨話の元コ.ンビ鯨.人を見て書きたくなりました。 ちょっとした捏造が多々あります。 コンビ時代の莫迦リ/ズムの知識薄いです。 過去に棚にもうバ.カSS書いていらした姐さんの設定(ちゅんじろう関係)を一つだけ借りています。 いろいろ拙くてすいません。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! またもう仲と共演することになった。レッ/ドカー/ペットではなく。ちょっとした特番で。 数組の芸人が合同の楽屋を使っているのだが、何故か楽屋でもう仲は俺に色々と話してくる。 人見知りだから苦痛でしょうがない。 雑誌を見ながら適当に相槌を打っていたが、雑誌のグラビアをきっかけに話の方向を誤った。 いつの間にかエロ話になっている。 もう中はまだ童貞だという。それに俺は驚きはしないがほんの少しだけ興味を持つ。 「もういっそ、30才までは、えっちはしないことにしてるんですよぉ」 「……本当かよ」 「ホントですよー」 目の前の図体のでかいやつはいつもの調子で、そう答えた。 しかしその割にはエロ話や下ネタは大好きだという。 どういうことだ。健全な男ならちょっとそれは不思議だ。 それともネット上でネタとして「30まで童貞だと魔法使いになれる」というのがあるが、それを鵜呑みにしているとか。 おいおい、いくらなんでもそんな馬鹿な。 「風俗とかも無いのか」 「ふーぞくも、キャバクラも、まだまだなんですよぉ」 指でバツを作りながらもう中は言う。 「素人童貞ならまだしもなぁ。よくそれで平気だな。じゃあAVとか見てどうにかしてんだ」 「いやぁ、観るんですけどー、えっちなビデオやDVDは何だか、観ちゃいけないって思っちゃうんですよぉねー」 「……はぁ」 俺は再び雑誌に目を戻す。我に返ると、俺はいったい何をしているんだろうと思う。 「莫迦リズ.ムさんはぁ」 もう仲は笑顔のまま言う。 「彼女さんとか、いらっしゃるんですかぁ」 「……いない、今は」 「そーなんですか。ご結婚とか、されないんですかぁ?」 「結婚は今は別にいいわ、面倒だし」 「あら、トツギ一ノしないんですねー」 「…俺嫁ぐ側じゃないからなぁ」 余計なお世話だよ。 ふと楽屋の他の人たちを見ると、俺たちのツーショットが珍しいのか、チラチラと見られている。 …そういえば、なんで俺だけ絡まれてるんだ。他の人のとこに行けばいいのに。 「ちょっと飲み物買ってくるわ」 俺は席を立ち、楽屋の外へと避難した。 「いってらっしゃぁい」というもう仲の声が扉で途中で遮られた。 おかしい。 もう仲が俺と絡みたがる理由がわからない。 今まで俺は人に懐かれるタイプの人間じゃなかった筈だ。 なぜ急に、もう仲に絡まれているんだろうか。 自販機でコーヒーを選ぶ。 そして楽屋に帰る途中、ふと、元相方の顔が思い浮かぶ。 ……そうか。別に完全になかったわけじゃないな。 懐かれるというよりは尽くされるという感じだったが。 あいつは本当にいいヤツだった。 ネタ以外の事はほとんどすべてと言っていいほど、俺を助けてくれていた。 方向音痴な俺の為に仕事場までの道を調べてくれたりしていたな。 確かにあいつはいいヤツだった。 けど、いいヤツであるが故に、色々悩んでしまったのだろう。 変なファンに付きまとわれていたらしいし。 別れた時は自分の事で頭いっぱいで、別に憂いや悲しみは無かった。 今だって、すっぱり諦めはついている。 あいつは今きっと幸せなのだから。 しかし、ちょっと前に雨トー/クで見た縞田修平の表情を思い出したりする。 なんだか胸がチクチクしたりする。 元相方にとても会いたがっていた時の、キャラに合わないあの表情。 別れた相方をそんなに未練がましく思うものなのかと、ある意味で衝撃を受けた。 別に男女の仲でもあるまい、男と男だ。 居なくなったってそこまで想うものか? 元相方は、俺がノリで言った「マネージャーになるか」という誘いに食いついていた。 あの時は俺がヒいて実現しなかったけど、俺までノッてたらどうなっていたんだろうか。 あいつもそのまま首を縦に振って、結局一緒にいたのだろうか。 いや、それは流石にないか。 あいつは未練がましく俺のことを想うのだろうか。 どちらかといえば、あいつはドライじゃない方だったけど。 夢に出てきたりするのだろうか、俺が。 いや、それは流石に気持ち悪いな。 ……何を考えているんだ、俺は。 俺が楽屋に戻ると、もう仲はでかい図体を丸くして、床に置いた段ボールの絵の修正をしていた。 すげえコンパクトだな、折り畳むと。 段ボールじゃなくて、もう仲が。 俺はそれを尻目に静かに座る。もう仲に気付かれないように。 周りの他のコンビ芸人たちはネタの打ち合わせを始めている。 「まーるかいてちょん、まーるかいてちょん」 もう仲は鼻歌まじりに小さく歌う。一体何を書いているというのだろう。 端から見たら遊んでいるように見えるかも知れない。 しかし、彼にとっては仕事なのだ、「楽しい」という感情は。 彼は「楽しい」を皆にばらまくために今日もせっせと絵を描いている。 コンビ芸人ばかりの楽屋で、その姿は浮いているけど。 もう仲は、一人でも寂しくないのだろうか。 人に人一倍気を使い、人を人一倍楽しくさせようとするもう仲。 彼の背中はコンパクトで頼りなげだ。 しかし、寂しさは微塵も感じない。 …俺の背中は、どうなんだろうか。 ふと、いつかもう仲にもらった角隠しつきの「ちゅん次郎」を思い出す。 (寂しい時も、このちゅん次郎くんが、莫迦リズ.ムさんを見守ってくれますよぉ) ……まさか、俺は、寂しく見えるのか。 いまさら、もう仲の思惑に気づく。 俺は……心配されたのか? 「あ、莫迦リ.ズムさん、お帰りなさーい」 振り向いたもう仲が、俺を見て満面の笑みを見せる。 (お前のことは、俺が一番わかってる) 元相方の笑顔が浮かんで消えた。 俺のことなんてわからなくていいのに。好かなくていいのに。近づかなくていいのに。あいつも、こいつも。どうして、笑顔を向けるんだろう。俺は、返さないのに。 「莫迦リズ.ムさんは笑顔が素敵ですからぁ、もっと笑ったほうが、良いと思いますよぉ?」 「えっ」 もう仲は俺にちゅん太郎を向けて、いつもの笑みで言う。 「莫迦リズ.ムさんの笑顔は、ほんわかぁ、って感じがするじゃないですかぁ。みんな、莫迦リズ.ムさんの笑顔を、もっと見たいと思いますよぉ? 莫迦リズ.ムさんの真顔や、泣き顔も、素敵ですけどー……。ボクは、莫迦リズ.ムさんの笑顔、好きですよぉ」 ……ああ、へえ、そうなんだ。ふーん。そんな良いもんか? 俺の笑顔。 もしかして……あいつもなるべく沢山見たかったのかな。俺の笑顔。 ぎこちなく笑った俺の目に、涙が滲む。 あーあ。バッカだなぁ俺。 いまさら後悔してやんの。 もう少しだけ、あいつに笑いかけてやれば良かったなぁ。 ありがとう、って…………言えば良かったなぁ。 「ためになったねぇ~」 俺がおどけて言うと、もう仲は「あらっ!」と嬉しそうに跳び跳ねた。 俺はその挙動がツボったフリをして、気づかれぬよう涙を拭った。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! ナンバリング間違えましたすいません。毒舌先生も含めてみんな仲良くなれば良いと思う。 - 莫迦リズム.さんのあの穏やかなナレーション口調で脳内再生されました。 -- [[ナナシーノ]] &new{2010-10-30 (土) 18:32:10}; - かわいい…!かつほろりと来ました。馬鹿リさんの「ためになったねぇ〜」に萌えました。 -- &new{2011-03-30 (水) 10:10:36}; #comment