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50-202 の変更点


#title(侍戦隊シンケンジャー 丈瑠×源太)
初めてお邪魔します。 
09戦隊 赤×光です。幼馴染みとの再会に萌えすぎて投下。 

・半ナマ注意! 
・エロなし、チュウまで 
・十八幕と十九幕の間ぐらいで妄想 

一応作品補足。 
赤(タケル):ゲドウ衆と呼ばれる化物と戦う家系の18代目当主の若き侍。文字力を操 
って化物と戦う。殿として孤高を貫こうとしていたが、家臣4人+幼馴染み1人によっ 
て段々くだけてきている。 
光(ゲンタ):赤の幼馴染みの寿司屋。幼少時に一家夜逃げし赤と別れる。赤から餞別 
に貰った文字力の道具から、オリジナルの電子文字力を生み出し戦線に駆けつけた。 


|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 



 強くなりたい。 

 大切な友達の運命についておぼろげながら理解した時、そう思った。 

─よし!稽古して、タケちゃんが殿様になったら、俺家来になってやるよ。だから、侍 
にしてくれよな!─ 
─うん!─ 

 別れの時に誓ったあの言葉は、今の俺の中でまだ息づいている。 



 戦いのときに受けた怪我の手当やら、ついでだからと風呂までよばれてしまい、結局 
俺は今日屋敷に泊まる事になった。すぐ後ろの客間には既に布団が敷いてある。しかし 
なかなか眠気がやってこないものだから、仕方なしに夜風に当たって気を紛らわせてい 
たところだ。 
「俺もとうとう侍か~……」 
 夜の静けさに満ちた庭を見つめながら、つい口から言葉が漏れた。縁側には自分以外 
誰もいない。外道衆との戦いで初めて侍として名乗りをあげ、その時に得た高揚感がま 
だ体から抜け切らず、体が熱い。こりゃ今夜は寝れそうにねぇなぁ……参った参った。 
そう思ってごろんと寝転がったところに、影がさした。 




「……ゲンタ?」 
「あ、タケちゃん……いや、今は殿様か」 
 いつの間にか俺の後ろに、俺が命を預けた主君でもあり、幼馴染みのタケちゃんがい 
た。タケちゃんは少し不満そうな顔をしながら俺を見下ろす。 
「お前までそう呼ばなくていい」 
「だったらタケちゃん、どうした?」 
 俺は体を起こした。そしてタケちゃんに座るよう促すと、タケちゃんは俺の隣に胡座 
をかいて座った。その横顔には昔小さかった頃には見えなかった、風格のようなものを 
感じる。 
「もう夜だ。じいもリュウノスケ達も寝た。お前も寝た方がいい」 
「そうなんだけどよー……なんか、眠れねぇの。なんかこう……気が昂ってる、っちゅー 
かなんというか」 
 言いながら左腕は勝手に空を切る。俺の剣術は我流の片手一文字。誰かさんに「邪道」 
と言われようとも、これが俺の剣術だ。 
「タケちゃんこそ、起きてていいのか?」 
「俺も似たようなところだ」 
 ふっ、と息を漏らしてタケちゃんは空を見た。俺もつられて見上げると、でっかい半 
月が屋敷のすぐ向こうでこっちを照らしていた。 
「昔、こんな風に夜更かしして、じいに叱られたの覚えてるか?」  
「あぁ!あったあった!」 



 当時の記憶がすぐさま浮かび上がった。 
「俺、親父とケンカして夜中に飛び出したはよかったんだけど、行くとこなくてつい屋 
敷に潜り込んだら、タケちゃんはここでビービー泣いてたんだよなー」 
「そこまで思い出さなくていい!」 
 タケちゃんが俺の膝を小突いた。俺はケラケラ笑いながら思い出話を続けた。 
「あの時、タケちゃんから初めて、自分が殿様になるとかいう話を聞いたんだっけか」 
「ああ、そうだな」 
 タケちゃんの親父さん達が、アヤカシと戦っては傷ついて帰ってくるのを、タケちゃ 
んはいつも怖がってた。もし帰ってこなかったらどうしよう、って泣いていたあの姿は、 
今でも忘れることができない。 

 優しくて、怖がりで、でもだからこそ強くなろうとしていたタケちゃん。 
 俺が侍になる決心をしたのは、あの時タケちゃんが抱いてた恐怖を俺も知ったからだ。 


 しばらく昔談義に花が咲いた。この庭も昔とほとんど変わってないのも影響したかも 
しれない。 
「おー、あの木、懐かしいなー」 
 俺は屋敷のヘイに寄りかかるようにして立っている松を指差した。 
「あっこからよじ登ってよく出入りしてたんだよなー」 



「器用に寿司盆まで持ってな」 
 言いながら立ち上がり、二人で松に近づいた。 
「怖い時こそ食え!とか言って、無理矢理寿司口に詰められたな」 
「へへ、あれは確かにちとやり過ぎたか」 
 俺は昔より太くなった幹にもたれて、タケちゃんを見た。普段殿様であろうとする姿 
はなく、今はただのタケちゃんだ。 
「ゲンタ」 
「ん?」 
「まだ、言ってなかった言葉があった」 
「んん?なんかあったっけ?俺はもうじゅーーぶん、言った気がするぞー?」 
「俺が言ってないんだ」 
 タケちゃんが俺の目を見た。俺の事を、あの時の約束を思い出してくれて、俺を侍と 
して認めてくれたタケちゃん。面影は変わっても瞳はあの頃のままだ。 
「ゲンタ、おかえり」 
「……へ?」 
「この町は、俺とゲンタが産まれて、育った町だ」 
 夜風が庭を吹き抜けて行くのを感じた。 
「だから、おかえり。ゲンタ」 
 タケちゃんは俺の目の前で、嬉しさと懐かしさが入り混じったような笑みを浮かべて 
いた。俺は胸をぐちゃぐちゃに捏ねくり回されていような、そんな感覚が押し寄せてき 
て、情けない事にしばらく声が出なかった。 



「それは……反則だぜタケちゃん」 
 ようやく声が出た、けど、なんかくぐもってないか?俺の声。 
「ゲンタ、どうした?」 
「え……?」 
 タケちゃんの声が間近で聞こえるまで、俺は自分が泣いているのに気づかなかった。 
「あら、俺、何で」    
 手の甲で拭ってもなかなか止まらない。嗚咽ではなく、涙がただただ流れる。なんだ 
これ。 
「やべ、みっともねぇなぁ、俺」   
 なんだか急に恥ずかしくなってきて、俺は曖昧に笑いながら目をこすった。 
「ゲンタ」 
 タケちゃんの声がした。とか思っていたら、俺はタケちゃんに抱きしめられていた。 
 そういえば、俺もタケちゃんが泣いてた時に、よくこうやって慰めてたっけ。 
「戦うのは、怖いか?」 
 耳元で聞こえるのはその言葉と息遣い。 
「俺は、今でも怖い。逃げ出したくなることだって何度もあった」 
 タケちゃんはそう独り言のように呟きながら、ゆっくりと俺の背中を撫でる。 
「……俺、だって、怖いよ」 
 俺はその肩口に手を回し、強く力を込めた。 
「だけ…ど、俺は、皆を、守りたい。だか、ら、決めたんだ」 
 涙が邪魔して、うまく喋れない。でもそれが、恐怖を越えて湧き上がる、俺の力。 
「俺もだよ、ゲンタ」 



 タケちゃんが、俺の目を覗き込んだ。お互いタッパが伸びたもんだ。なんて考えたり 
していたら、 
「帰って来てくれて、俺の力になってくれて、ありがとう」 
 月明かりを反射するその瞳に俺が映っていた。 
「……おう、よ」 
 うまく言葉が続かず、そう言うしかなかった。いつもならもっとこう、喋り倒したく 
なるのが性分なのに。 
 俺は、帰って来たんだ。俺が居た場所。そして、タケちゃんの居る場所。 
 そう思うと何だか急に嬉しくなって、それがますます涙になってこぼれていった。な 
んだ。嬉し泣きしてんじゃん、俺。 
「ゲンタ、お前が泣き虫になってどうするんだ」 
 呆れたようなタケちゃんの声。 
「泣け、る時、に、泣ける男が、粋、ってもん……」 
 あぁだめだ。カッコつけてみても全然様になんねぇ。 
「もう、泣くな」 
 タケちゃんの困ったような声が聞こえる。あーあ、昔と逆だぁねぇ。とかなんとか思っ 
てたら、急に頬を生暖かくて柔らかいものがつたっていった。 
「え……?」 
 目尻の水滴が優しく吸われる感触。そして、口元に柔らかいものが押し当てられた。 



──あれ……? 
 どこかで聞こえる水の流れ。風に木々が擦れる音。全てが体を通り抜けて行く。 
 もしかして、俺、今、タケちゃんに、チュウされてる? 
「……止まったか?」 
 ボーゼンとしている俺に、少し離れて不思議そうな顔を向けるタケちゃん。 
「えー……っと、何をされたんでしょうかお殿様?」 
 胸のつかえはすっかり取れていた。かわりに、あっという間に顔に血が上る。 
「こないだチアキが読んでた雑誌に、こうすると相手は泣き止む、って書いてあった 
ぞ?」 
 何食わぬ顔でそういうタケちゃん。こりゃ全く他意なんかありゃしねぇ。 
「……あんなぁタケちゃん」 
 俺は大きなため息をついて、タケちゃんの胸に拳を当てた。 
「そーいうのは、好きな人が泣いてる時にするもんなの!」 
「俺はゲンタが好きだぞ」 
 うわーお……真顔でそーいうこと言いますかこの殿様は。 
「そうじゃなくて……!」 
「嫌だったか?」 
 そ、そう言われると返答に困る……。 
「嫌じゃ、ねぇけどよ……」 
「なら、よかった」 



 タケちゃんは安心したように笑みを浮かべた。その顔は反則だ!反則過ぎる! 
「俺だったからよかったものの……」 
 俺は口元がものすごく熱いことをあえて無視しながら、 
「タケちゃん、チュウってのは、好き同士でするもんなの!むやみやたらにするもんじゃ 
ないの!」 
「ゲンタは俺のこと好きじゃないのか?」 
「いや大好きだけどもよ……」 
 うおう口が滑ったよおい…てか分かってて言いくるめられてる、ような気がする……。 
「もう、どこにも行かせないからな。ゲンタ」 
 そう言って、またしても視界が塞がれた。 

 この若い殿様は……昔から変わってない。 
 大事なものは徹底的に距離を置くか、手元から離さない。でも、全部ひっくるめて守 
ろうとする。   
 だから俺は、そんな殿様を守るため、もっと強い侍になろう。 

 ……とはいっても、ちょっと苦しいよタケちゃーん!離してくれー!! 

終 



□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 

最初ナンバリング抜けてすいません。 
萌えすぎて勢いで書いた。後悔はしていない。 
萌えすぎて勢いで書いた。後悔はしていない。
- ありさ -- [[シンケンジャー]] &new{2018-03-22 (木) 21:54:14};

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