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#title(呪縛) [#o747f63a]
金字塔の国の神話の甥×叔父。精神的には叔父の兄(=甥の父)←叔父も少し。 
食べ物+精液の描写・自分設定あり注意。 

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 

 瀬戸は扉を閉めるなり彫栖の白い衣の襟元を掴み上げ、思い切り背中を壁に叩きつけた。 
「貴様一体何をした!?私は、確かに昨日、お前を……ッ!」 
 大理石の高い天井に瀬戸の声が響く。今にも噛み付かんばかりに叫ぶ瀬戸とは対照的に、瀬戸の眼前に 
ある彫栖の白い貌はどこまでも涼しげだった。月を司る銀色の右眼と太陽を司る金色の左眼は、静かに瀬戸 
の瞳を見返している。彫栖は薄く笑って口を開いた。 
「だからあなたは詰めが甘いというんだ、叔父貴。察するにあなたは男を抱いたことなんてなかったんでしょ 
う?もし経験があれば気付かないはずがない」 
 落ち着き払った中にも嘲笑うような響きのある彫栖の声に、かっと瀬戸の顔が熱くなる。 
「貴様、何を……っ」 
「まだ分かりませんか?昨夜はね、『入っていなかった』んですよ」 
 耳を疑った。頭の中で言葉を反芻し意味を理解した途端、瀬戸の顔から一気に血の気が引いた。 



「何だと……!?」 
「私は唾液で濡らした両手を自分の太股に挟み、あなたのものを包み込んでそれと見せかけた。暗いとはい 
えまさかバレないとは思っていなかったんですがね。見事に引っ掛かって頂けて助かりましたよ。叔父貴は私 
の手の中で射精したんだ。だから私の体内から叔父貴の精液が検出されるはずがない」 
「……――ッ!」 
 彫栖の襟元を掴んだままの手が、あまりの怒りと屈辱に震え始めた。頭の中で溶岩が渦巻いているようだ。 
彫栖を酔わせて犯し、彫栖が寝室で自分に屈して夜伽女の役をかって出たのだと神々の法廷で語れば、彫 
栖の評判は地に落ち自らの優位を主張できると、ただそれだけの単純な計画だったのだ。それなのに――。 
「しかし、しかし何故私の体内に、お前の……!?」 
 呻くように言った瀬戸の問いには答えず、彫栖は悠然と話題を変えた。 
「ところで、叔父貴はレタスがお好きだとか?」 
「……お前は、何を言っている……」 
 あまりにも余裕に満ちた彫栖の態度に不吉なものを感じ、瀬戸の声が低くなる。 



「私が何を食べようが、お前には関係な……!」 
 彫栖は瀬戸の言葉を遮るように、 
「いつも朝食にはレタスサラダを召し上がると決めているとか。いいですね、レタスは体にいいし精もつく。その 
滑らかな肌もその賜かもしれませんね」 
 言って、にっこりと微笑んだ。 
「私を愚弄するのか……っ!」 
 襟元の手に更に力を込めるが、彫栖は動じた様子もない。 
「とんでもない。いい習慣だと思ったので、今朝は叔父貴のためにドレッシングを差し入れさせて頂きました 
よ。お味はいかがでしたか?」 
 瀬戸の脳裏に朝食の光景がよみがえった。――そういえば、今朝のドレッシングはいつもと少し違っていな 
かったか――?いつものドレッシングはオイルと塩をベースに酸味のある果汁を加えたごくシンプルなものだ 
が、今朝レタスサラダにかかっていたドレッシングはどこか魚介類にも似た生物じみた匂いがあり、どろりと白 
く濁っていて――。 
「――ッ!?」 
 ぐぅっと胃が収縮するような感覚と共に、一気にせり上がってきた胃液が喉を焼いた。思わず彫栖の襟元か 
ら手を放して口を押さえ、一歩よろめく。まさか、まさかあの液体は――! 
「ああ、美味しく召し上がったみたいですね。新鮮なところをお届けしたかいがありましたよ」 
 彫栖は片手で自分の襟を整えると、次の瞬間瀬戸の手首をねじ上げて強引に体を反転させていた。瀬戸の 
背中を強く壁に押しつけ、唇だけは薄く笑みの形にしながら間近に瀬戸を見据える。 



「でも、そんなこと大したことではありませんよね、叔父貴。あなたは父を殺し、切り刻み、私を犯して神々の法廷 
で辱めようとした。それに比べれば、ちょっとドレッシングが妙な味だったから何だっていうんです?」 
 長い睫毛越しの、抜き身の刃のような冷たい視線。冷え切った掌で心臓を鷲掴みにされたような感覚が、瀬戸 
の体を震わせた。 
「そうですね、いい機会ですから、叔父貴に教えて差し上げますよ。実際に挿れられてみれば、どんなものか 
分かるんじゃありませんか?もうあんな間違いをすることもないでしょう」 
「やめ……放……っ!」 
 放せ、と言えなかったのは片手で容赦なく喉を締め上げられたからだ。息ができない。両手でなんとか彫栖 
の手を外そうともがくが、彫栖の手はびくともしない。昨夜は苦もなく組み伏せることができたというのに、何故――。 
「瀬戸叔父貴。私はあなたを許さない」 
 彫栖の声は静かな威厳を湛えて響いた。息苦しさに滲む涙に揺らいで見えた彫栖の貌は、嗚呼。 


 あれほど焦がれ妬んだ兄と、まるでうり二つではないか――。 


□STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
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