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*八丁堀×カザリ職人 [#aeed1aa6]
#title(八丁堀×カザリ職人) [#aeed1aa6]



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                    | ハ丁堀×カザリ職人モナ 
                    | 行楽の秋だモナ 
                    | 
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| なんのこっちゃい  
 | |                | |            \ 
 | | |> 再生.        | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  オンセン オンセン 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___ 
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甘いものが食べたくなったので作りました。 


※1/9・2/9のエピは本編からです。 旦那… 




どこまでも広がる日本晴れの空。目を落とせば整然と並んだ同心屋敷の屋根が連なる。 
ヒデは瓦を並べる手を止め、首から下げた手ぬぐいで汗を拭いた。 
考えれば、日の高い時刻に屋根に上がったことはほとんどない。少し冷たい風も心地よく、 
なかなかに気分が良いが、残念ながらあまりのんびりもしていられない。 
「お前ェ、高えところ得意だろ」 
なにも考えてなさそうな脳天気な声が思い出され、ヒデの表情が不機嫌に歪んだ。 
どうして自分が高所に慣れているのかといったら、理由は一つしかないではないか。 
自宅の屋根を修理してくれ、と子供に使いを頼むように言われたときには 
都合のいい使いっ走り扱いに腹も立ったが、それはまだいい。 
自分に家を、家族を見せることがどういうことなのか、おそらくモンドは分かっていない。 
先ほどからひそひそとこちらを伺う影がふたつ。自分にこんな仕事を押し付けた張本人の妻と姑。 
玄関先で挨拶をしたときからどうにもやりにくかった。ヒラ同心の家とは言え、口調や物腰からは 
凛とした気品を感じる。丁寧なねぎらいの言葉をヒデにかけつつも、身分階級の違いを 
疑いもなく意識した振る舞い。典型的な武家の女性である。 
庭から屋根に上がったため邸内はわからないが、使っている瓦といい手入れされた庭といい、 
やはり自分とは住む世界が違うのだと思い知らされる。あの昼行灯が途端に遠い人間になった気がして、 
ヒデは知らず唇を噛んだ。ヤケのように壊れていた瓦を下の中庭に投げ落とす。 
もちろん人がいないことをわかった上でのことだが、乾いた音と同時に女二人がきいきい言ってるのが聞こえる。 
そ知らぬ振りで作業を続けながら、子供じみた自分の行動に却って虚しさが増した。 
「馬鹿野郎…」 
小さな呟きは誰に聞かれることもなく風に消えた。 




「なあ…一晩泊めてくれねえか」 
軽装の部屋着で突然やってきて、おもむろにそんなことを切り出されてどんな顔をしろというのか。 
しかも自分は今まさに布団を敷いていたところであるわけで。 
聞けば身に覚えのない面倒に巻き込まれて家を追い出されたとか。 
「家ン中のことくらいてめえでケリつけたらどうだよ!」 
言葉の最後が小さくなるのを誤魔化すように寝っ転がる。傍に腰を下ろしたモンドが何やらぐずぐずと 
言い訳しているうちに、聞きつけた加/代までが面白がって押しかけてきた。 
職人の貴重な睡眠時間を大事にしやがれと言いたいのを堪え、ヒデはそっぽを向いて知らん顔を決め込んだ。 
いい加減で勝手なところがあるクセに、自分がいいと言わなければ居座ったりしないのはわかっている。 
妙なところで律儀というか、小心者というか。 
「まったく冷てえ奴らだぜ」 
捨て台詞と吐いてモンドが出て行く。ぶつぶつ悪態をつきながら足音が遠ざかり、やがて聞こえなくなった。 
再び静けさが戻る。寝静まった長屋には虫の声だけが静かに響いている。 
なんでも、(本人曰く)根も葉もないことが書かれた投げ文があったらしい。 
どうせどこかの女の悪戯だろうが、あの家族がそんな柔軟に考えられる筈はないだろう。 
あれで結構、女に人気はある。日和見主義を通しているようで結局は優しさが隠せないからだ。 
有事のように洒落た台詞の一つも言えないくせに。女はその辺りを見抜くのが上手い。 
「……」 
ヒデは掛け布団を跳ね上げ、障子を開けて外へ駆け出た。静まり返った長屋を抜けて往来まで一気に出たが、 
モンドの姿はもう見つけられなかった。 




「…で、矢追屋でってのは確実なんだろうな」 
「ああ。出入りの連中とツボ振り師から聞いたんだ、間違いねえ」 
ある雨の日。中/村家の裏手、風呂場の格子窓越しの会話。闇で行われているカルタ賭博の情報を 
掴んだヒデは、すぐさまモンドの家へ走っていた。 
きっかけは、馴染み客の女将がすっかりやつれ粗末な着物でいるのを見かけたことだった。 
聞いてみれば賭博に入れ込んだ亭主が、ヒデから買った簪までも売り飛ばしてしまったという。 
喧嘩っ早いが気のいい男だったことも知っているヒデは、モンドから聞いていたカルタ賭博の探索を引き受けたのだ。 
「じゃ、あとはあんたの仕事だぜ。しっかりやれよ」 
「おい待てよ。お前ェずぶ濡れじゃねえか。今な、カカア共は近所の連中と飯食いに行ってて 
 家カラなんだ。上がってけ。なんなら風呂使うか?」 
「……帰る」 
ヒデはそっぽを向いたまま雨の中へ飛び出した。たちまち強い雨脚の中にその姿が消える。 
「何を拗ねてやがんだあいつは」 
ぽかんと呟いたモンドの言葉も、雨音にかき消された。 

走り出したもののあまりの降りの強さに、ヒデはやむなく途中の稲荷神社へ駆け込んだ。 
賽銭箱の横に座り込んでやり過ごそうとするも、吹きつける雨は容赦なく細身を濡らす。 
すっかり水を吸った半纏を蓑代わりに被り、駆け出そうと構えたヒデの視界に赤い番傘が映った。 
「よう」 
ただ傘を持って立っているだけの姿も憎らしいほど決まっている。 
「入ってくか?」 
この豪雨にも涼しい顔でさらりと問われ、ヒデはなんとも惨めな気持ちのまま頷いた。 

「ははは。やせ我慢しねえで風呂借りてくりゃよかったじゃねえか」 
ヒデの内心の葛藤を見通しているくせに、有事は人の悪い笑いを浮かべて鉄瓶を取り上げた。 
むっつりと黙りこくったまま髪を拭いているヒデに苦笑しつつ、熱い茶を淹れる。 
「あの野郎はなんにもわかっちゃいねえんだよ」 
「ああ、そうだな」 
渡された湯呑を両手で持ち、ヒデはぼんやりと畳を眺めている。 
痛々しさを感じつつも顔には出さずに、有事はばさりと自分の羽織を放ってやった。 
「ほれ。また風邪引くぞ」 
有難いがいちいち癇に障る物言いに、大きな目が睨みつけてきた。 




それからしばらく日が経って、モンドは地方への出張を申し付けられたとヒデの長屋に現れた。 
仕事といっても南町からの書状を届け、代わりに先方からも受け取ってくるだけの簡単なもので、 
供の者もつかない気楽な(裏を返せば瑣末な)役目だという。 
モンドは自分の不在中、裏の仕事には手を出すなとヒデにしっかり釘を刺して出て行った。 

そのモンドからの飛脚が来たのは数日後。 
「…で、何だそりゃ」 
「わからねえよ。とにかく来いとしか書いてねえ」 
届いたのは、ヒデにまで来いとだけ書かれた簡潔な手紙と道中の路銀。 
とりあえず旅支度を整えたヒデは、わけもわからないまま有事の店へ足を運んでいた。 
「めずらしい…銭まで包んであらあ」 
「そんじゃお前ェ、行くしかねえじゃねえか」 
「何か裏の仕事に絡んでるのかもしれねえ。俺だけで大丈夫なのかな」 
「やばけりゃそう書くだろうよ。とにかく早いほうがいいだろ」 
有事はまだ納得いかなそうなヒデを急かして出立を促す。ヒデは首を傾げつつも笠を取り上げて暖簾をくぐった。 

角を曲がったのを確認すると、有事は袖からそっともう一通の手紙を取り出した。 
ヒデより一日早く届いたものだ。 
『二、三日のあいだヒデが帰らないが心配するな。追ってくるな』 
そんな内容に自然と顔が緩む。ようは「邪魔するな」というわけだ。 
「やれやれ。口止め料は高くつくぜ…?」 
顔に出さないようにしながらも、にやにや笑いが収まらない。 
(さて、帰ってきたらヒデにどう仕掛けてやろうか…) 
沸き起こる悪戯心を隠しつつ、人の悪い三味腺屋は手際よく仕事を再開した。 




モンドの指定した宿は小奇麗な造りで湯治場も兼ねていた。 
客留め女が愛想良く湯を張った盥で足を洗う。歩き通しの足には心地よい。 
ほっと一息ついたところにのっそりと馬面が覗いた。 
「よう。来たか」 
「ハ丁堀。どうしたってんだよ。何かあったのか」 
「まあそう慌てるな。いたって平和だ、何も起きちゃいねえ」 
「あんた、お役目は」 
「そっちは昼には終わった。明日ここを発つことになってるから、それまでは俺ァ自由の身よ」 
「…?」 
あからさまに不審そうな顔のヒデに、モンドはやりにくそうにぽりぽり頬を掻いた。 
「俺を騙したのか」 
ヒデの声が一段低くなる。そのまま草鞋を結び直して引き返しそうな勢いだ。 
「騙したたあ何だ。折角俺が身銭切ってお膳立てしてやったのによ」 
「それがおかしいってんだよ。あんたが訳もなく銭出すわけねえだろ!」 
「ああもう煩え野郎だな。日頃の労をねぎらってだなあ――」 
「じゃあ何で俺だけなんだよ。加/代や三味腺屋は」 
「…お前ェ、どうしても言わせてえのか」 
急にまじめな顔になるモンド。ヒデはきょとんとしたまま数秒間それを見つめた。 
やがて目が大きく見開かれ、かーっと顔が紅潮する。 
「まあ、部屋は二階の一番奥だからよ。落ち着いたら上がって来い」 

しばらくして複雑な表情で入ってきたヒデは、動揺を隠すようにぶっきらぼうに呟いた。 
「俺ァまた裏のほうで何かを探れって話なのかと思って来たってのに…」 
「あ?ああそうじゃねえ。悪かったな煩わせて」 
「まあ、違うってんなら…いいけどよ」 
モンドの珍しく神妙な態度に口ごもる。どうにも調子が狂ってうまく喋れない。 
「茶、飲むか」 
「ああ」 
しゅんしゅんと噴き出す蒸気の音を聞いていると、いつも長屋で勝手に茶を飲んでいるモンドが思い出される。 
「ここの露天はなかなかいいぞ。お役目じゃなしに来てえところだ」 
機嫌よく話すモンドに相槌を返しながら、そのときは妻と姑と一緒なんだろうなとヒデはぼんやり考えた。 




いかな昼行灯でも流石にお上のお役目だけあって、料理もなかなかに立派なものだった。 
風呂も夜通し使えると聞いていたヒデは、夜も更けた頃に床を抜け出し風呂場へ向かった。 
月夜に浮かび上がる露天風呂へいそいそと身を沈める。 
子の刻を過ぎた頃だろうか。思ったとおり誰もいない。広い湯船で存分に長い手足を伸ばし、 
岩に背を預けた。染み入るような湯の温かさに大きく息をつく。 
長時間精密な作業をしていると、身体のあちこちがどうしても凝ってしまう。 
まめに銭湯に通ってはいるが、やはりこんな本格的な湯に(できたら人の金で)浸かりたいところだ。 
しかし自分が暇だったからいいようなものの…と考えて、ヒデは「ここのところは急ぎの注文もない」と 
茶飲み話でモンドに話していたことを思い出した。 
「覚えてたのかよ…あのおっさん」 
と、後ろで聞きなれた足音がした。 
「なんだヒデ、お前ェも来てたのか。考えるこたあ同じだな」 
ヒデは今の独り言が聞かれなかったかとひやりとしたが、モンドは鼻歌交じりに掛け湯をしている。 
「月見酒としゃれ込みてえところだが、まあこの時分じゃ頼めねえか」 
「あれだけ飲んだだろ。あんたも強いけど限度知らねえな」 
「あー? ここに来てまで遠慮してどうすんだ」 
「酒臭え息でお役所に戻るわけにもいかねえだろ、まったく」 
軽口を交え、どうということのない話がゆったりと続く。 
夕食のときも今もヒデは穏やかに笑っている。モンドは内心ほっと息をついた。 
そして、すっかり寛いで月を眺めるヒデをちらりと見やった。 
行動は早かった。 

まったく無防備なヒデの腰に、するりと手が回った。 




「ばか!何だよこんなとこで…!」 
張り上げた自分の声が意外に反響して、ヒデが一瞬身を竦ませる。その隙にモンドは両腕の中に 
すっぽりヒデを閉じ込めた。 
「おい!」 
「んー、いい月じゃねえか。見事な満月だぜ」 
白々しいそんな台詞とともに、モンドの右手が静かに太腿に触れる。びくりと肩が跳ねて、 
震える声がそれでも気丈に抗議した。 
「だっ、誰か入ってきたら…」 
「心配すんな。そんときゃすぐ離れる。それにこの夜中だ、そうそう人は来ねえよ」 
そう言って、さらに耳元で意地悪く付け加えた。 
「誰も来なきゃいいんだな?」 
真っ赤になって否定する前に、モンドは行為を再開した。引き締まった身体は良質の湯の中で 
すべらかに手に馴染む。 
「んふ…」 
甘い鼻声が漏れて、ヒデは慌てて口をつぐんだ。背後で笑っているだろうモンドは、 
決してヒデを振り向かせないまま腰を撫で上げる。 
顔を見られないもどかしさが倒錯した快感をなおさら煽った。 
触れられる手がいつもよりずっと熱いのは湯のせいだろうか。しつこいほどに 
じっくりと重ねられる愛撫がいつも以上に性感を刺激する。 
「あぁ……っ」 
ヒデが喉を反らせ、モンドの肩に全身で寄りかかった。モンドは脇腹から胸を弄りながら、 
空いた手でそろりと陰茎を握りこんだ。 
「……!」 
咄嗟にヒデの口を塞ぐ。突然のことに混乱してもがくが、ゆるやかに刺激してやるうちに 
おとなしく身を委ねてくる。熱にうかされてされるがままに身を震わせる姿はとんでもなく扇情的で、 
モンドも身体の奥底に火がつくのを感じた。 
モンドの指の動きに合わせてヒデの腰がはしたなく蠢き湯が波立つ。 
いやいやと頭を振る痩身を抱え、モンドは直前でヒデを岩場へ引き上げた。 
「せっかくの湯を汚すわけにいかねえからな」 
掠れた声に答えるより早く、ヒデは細い声を上げて昇りつめていた。 




「なんだ、のぼせたか?」 
モンドはどうにか浴衣を羽織らせ、足元のおぼつかないヒデを部屋まで運んだ。 
敷かれた布団に横たえると、潤んでぼうっとした目で見上げてくる。思わず下半身を直撃され、 
わざと明るい口調で誤魔化すが、ヒデは無言でモンドの襟を掴んだまま動かない。 
考えれば職権濫用までしてヒデを呼び寄せ、こうして宿も取った。今さら何を足踏みしているのか。 
役人気質がこんなところに出たかと苦笑して、モンドは改めてヒデにのしかかった。 
襟からヒデの指がすっと外れる。離れようとしたその手を掴み、ぐいと脇の畳へ押し付ける。 
その勢いのまま顔を寄せてかぶりつくように接吻けた。 
湯に充分温められた身体は少々過敏になっているのか、過剰なほどの反応が返る。 
酒や薬によるものでないということが、よりモンドを興奮させた。 
しっかり準備しておいた椿油を手に浴衣の裾を捲くると、湯上りのなまめいた肌が 
惜しげもなくすべて曝される。それを隠そうとする素振りも見せないヒデが、 
普段を知っているだけにひどく婀娜めいて眩暈がしそうだ。 
膝を立たせて促せば、素直に迎える姿勢をとる。抱えた太腿の裏、おそらく一番熱いところへ 
モンドは息を詰めて押し入った。 
「ひゃ……!」 
こんなに乱れていても、漏れる声は密やかに小さい。ゆっくりと進めて堪らない感覚に目を閉じる。 
身体の下のヒデは、呼吸を必死に整えようと不規則な息遣いでしがみついてくる。 
静かに、静かに、赤ん坊をあやすように腰を動かした。全身で快楽を感じようと身体をすり寄せ、 
互いを貪るように唇が絡み合う。 
熱塊を深く咥えさせたまま額や頬をやさしく啄ばんでやれば、蕩けそうな顔で背に腕を回してくる。 
「あつい…」 
「外か?それとも…中がか?」 
モンドの問いにヒデは一時動きを止めて考え、恥ずかしげに眉をしかめてそっと告げた。 
「どっちも…だ」 
「そうか」 
もはやモンドにも余裕はない。腰を荒々しく弾ませて深く深く繋がる。 
たっぷり使った油とそれ以外のものの僅かな水音が聞こえる。 
涙を滲ませて喘ぐヒデが限界を訴えて啼いた。出て行くのは許さないとばかりに両腕でモンドを捕らえる。 
爆発のような強烈な絶頂感にモンドの目の前を光が飛んだ。 




「ほれ、早いとこ始末しねえと。えれえ目に遭うのはお前ェだぞ」 
ぐったりと伏せたままのヒデにのんびりと声がかかる。 
情熱的な行為のあとに何とも現実的な一言だが、うまく起き上がれないヒデは 
布団の上でだるそうに伸びたままだ。 
「仕方ねえ」 
モンドは替えの浴衣でさっさとヒデを包み、抱え上げ――ようとして失敗する。 
「…またギックリ腰になるぜ」 
「うるせえ。ほれ立て」 
腰の後ろを支え、何とか歩かせて部屋を出た。 
「あれ、厠じゃねえのか」 
「色気のねえこと言うんじゃねえよ」 
モンドの足は躊躇いもなく風呂へ向かっている。 
「何のために一晩中使えると思ってやがんだ」 
「…たぶんその理由じゃないと思うけどな…」 

そしてやはり都合よく誰もいない風呂で、モンドはゆっくりじっくりあちこちを清めてやったらしい。 
あまりの馬鹿馬鹿しさに月さえも雲に隠れたらしい。 





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 | |                | | 
 | | □ 停止        | | 
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
骨休めといえば今も昔も温泉です。そして夜の御食事です。 


_| ̄|○ ハハハ 
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