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*アレロク [#mfc962c7]
#title(アレロク) [#mfc962c7]
>185です 
続き書いたので投下。エロはなし。寸止め。 
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 

「ティッシュも買ったし、洗剤も買った。あとは……牛乳だけだよね」 
「そうだなあ。それぐらいじゃないか? でもこれから食料買いに行くんだろ?  
それだったらそっちで買ってもよくないか」 
 ロックオンはカゴを持つアレルヤと横に並んで、陳列された商品を眺めて言った。 
 住居近くのドラッグストア。オフの日は大概ここで買い物を済まし、スーパーマーケットに 
よって帰る。それがオフの日の日課だった。オフの日はそう何日も続かないので、 
食料も中々買いだめできない。家にあるのは簡素なジャンクフードだけだ。折角の 
オフだというのにジャンクフードでは味気ないと、ロックオンは散々文句を 
垂れ続けていたため、このような外出が当たり前となっていたのだ。正直なところ、 
アレルヤはジャンクフードでもなんでもいいと思っていたので、ロックオンの意志に 
沿っただけだが、元々料理をするのは嫌いではなかったので、何も言わずこの買い物に 
付き合っている。 
「今日のメシはなんなんだ? アレルヤ」 
「決まってない。何でも好きなものを言ってもいいよ」 
 アレルヤは歯磨き粉をカゴに入れる。冷蔵庫にはミネラルウォーターくらいしか 
入っていない。毎回、その日に使いきれるだけの食料しか買わないためだ。買いだめを 
していた時期もあったが、次のオフの日冷蔵庫を覗いてみると、案の定全部痛んで 
いたことがあるからだ。それくらい活動が頻繁になっているといえよう。 
「好きなもの……ねえ……。そうだ、ポトフにしようぜ。最近寒いしな」 
「ポトフか……。活動中はどうしても野菜が不足がちになるしね。いい案だと思うよ」 
 アレルヤがレジに進もうとする。ロックオンもそれに続きかけ――レジ前の商品に気付き、 
さりげなくカゴに突っ込んだ。 
「何いれ――? な……っ」 
「これを忘れちゃ困るだろ? 俺もお前も」 
 カゴの中を覗けば、銀色の紙箱が無造作に入っている。銀地にスキンと白抜きされた 
それは明らかにコンドームだった。 
「全く……まだするつもりなのかい? 懲りないな」 



「最後にしたのがコックピットなんて、なんだが余裕ねえみたいじゃねえか。ゆっくり 
ベッドの中でピロウトークでもしようぜ。アレルヤ」 
 艶のある声を耳元で囁かれて、アレルヤは口を噤んだ。いつもそうだ。こちらに誘う隙を 
与えずに、ロックオン自らアレルヤを煽ってくる。アレルヤもロックオンを抱きたくないわけ 
ではない。むしろ、この腕に収まらないことが悔しくて繋ぎとめていたくなるくらい欲しいと 
思う。けれど、ロックオンはそれをさせてくれない。リードするのは、専らロックオンの方 
だった。アレルヤはそれを疑問に思ったことがある。アレルヤ自身がロックオンより 
年下だからかもしれないと思った。けれど、ロックオンは刹那を初め、アレルヤと 
ティエリアも平等に見てくれている。決して子ども扱いはしない。 
 アレルヤがロックオンの誘いに積極的に乗ろうとしない理由はそれだった。いつも 
ロックオンが先導するから。 
 たまには、ロックオンを初めから蹂躪してやりたいと思う。 
「……分かったから、あんまり顔を近づけないでよ。怪しまれる」 
 レジを終え、そのままスーパーマーケットに向かった。今度はロックオンがカゴを 
持つ。野菜の陳列されたコーナーを見回しつつ、ロックオンが野菜を品定めしている。 
「今年は野菜がたっけえなあ。ていうかポトフに何入れたっけ?」 
「にんじんとたまねぎ……キャベツ、セロリかな」 
「セロリはパスだ。お、じゃがいもがある。これいれようぜ」 
 ロックオンはアレルヤが挙げた野菜を次々とカゴに放り込んだ。――セロリを除いて。 
「好き嫌いはだめだよ。ロック」 
「勘弁してくれ、セロリだけはだめなんだ」 
 笑って、ロックオンは大根をカゴに入れた。アレルヤは眉を顰めた。大根が苦手だった。 
 ソーセージも買って、ロックオンがチーズを買う。今日の酒のあてに 
するらしい。アレルヤは忘れないうちに牛乳をカゴに入れて、二人は帰路に着いた。家は 
すぐそこだ。二人で買い物に行くということは、ロックオンが今日もアレルヤの家にご相伴に 
預かるということだ。そしてそのまま寝るつもりなのだと、袋の中のコンドームを見ながら 
アレルヤは思った。 



 家の鍵を開けて中に入る。帰ってきてからすぐに買出しに行ったため、部屋の中は前の 
オフの日以降何も変わっていなかった。ロックオンは買ったものの入った袋をテーブルに 
置くと、窓を全開にした。 
「空気篭ってるな。俺の部屋はもっとすごいことになっていそうだ」 
「なら、帰って掃除でもすればいいんじゃない?」 
「それは面倒くさいからまた今度。早くアレルヤの作るポトフが食べてえんだよなー」 
「そう思うなら手伝って、袋の中のもの出してくれない?」 
 ロックオンは振り返ってキッチンに向かう。袋に入ったものを全て出して、 
使う食材をより分けた。 
「ベーコンも買えばよかったな」 
「そう?」 
 アレルヤは相槌を打ちつつ、にんじんの皮むきを始めた。その横でロックオンが 
鍋に水を溜め、火にかけてコンソメを入れた。 
 街の真ん中にある小さなマンション。小ぢんまりとしてはいるが、セキュリティは 
この街でもかなり厳しい方だろう。このマンションの一階の角がアレルヤの 
住居だった。ロックオンはこの裏にあるマンションに住居を構えているが、最近は専ら 
アレルヤのマンションに住み着いてしまっている。 
 皮を剥き、適当な大きさに切った材料を鍋に投入すると、アレルヤは野菜に火が通るまで 
部屋の掃除を開始した。一ヶ月ほどここを空けていた所為で、あちこちに埃が積もっていた。 
 ロックオンも、冷蔵庫のミネラルウォーターを空けてから、掃除を手伝うことにした。居候 
している手前、掃除でも手伝って対価を支払うのは当然だろう。 
 明日出すためのごみを全て集めてリビングの端っこに置いておく。これから出るごみは 
全てそこに捨てることにして、明日まとめて捨てに行けばいい。生ごみなどはないから 
臭いなどは気にしなくてもいいのだ。それから部屋においてある観葉植物に水をやり、 
テーブルを拭いた。ベッドのシーツはこの間変えたばかりなのでそのままにしておく。 
 そうこうしている間にポトフが出来上がり、丁度夕飯の頃合だと言わんばかりに日は 
傾いている。 
「夕飯用意してるから、先にシャワー浴びてきたら?」 
 アレルヤはキッチンに向かう途中、思い出したようにロックオンに言う。 



「さっき、掃除してきたから綺麗だよ。ああ、シャンプー詰め替えといてね」 
「わかった」 
 ロックオンはタオルを持ってバスルームに向かった。 



 風呂から上がると、アレルヤがちょうど夕飯の支度を終えたところだった。 
「早かったんだね。ビール、冷えてるよ」 
 席に着きながら答えると、ロックオンが歓喜の口笛を吹いた。 
「気が利くじゃないか。もらっとく」 
 アレルヤから缶を受け取り、ロックオンはあっという間に飲み干した。細かな気泡が 
喉を潤し刺激する。久しぶりに飲むビールがこれほど美味しいと思ったのは初めて 
だった。最近はオフの日でも酒を飲む機会があまりなかったからだ。酒を飲む暇もなく、 
疲れ果てた身体を癒すのが先決だった。 
 ビールのあとに、暖かなポトフが身に染みた。身体の中から暖まっていくというのはまさに 
このことかもしれない。 
「久しぶりにちゃんとした野菜を食べたって感じだな。いくら体力があっても栄養不足じゃ 
任務に支障が出る」 
「そうだね。任務中ももっとちゃんとした食事が取れればいいけど」 
 任務中は片手で食べられる栄養補助食品しか食べられない。任務が一旦終了して、 
移動時になっても外食が多くなり、アレルヤもロックオンもいい加減うんざりして 
いたのだ。その矢先の休日。やはり家で作ったものは美味しい。 
「まあ、あんな声明が出ちまった後だし、これからもっと忙しくなるだろうな……。帰って 
これるのもいつになるやら」 
「仕方ないよ。この世界に紛争がなくなるまで、僕たちは活動しなきゃいけないんだからさ」 
 アレルヤは苦笑して首をかしげた。 
 食事も終わり、後片付けもそこそこに、ロックオンが早速煽りをかけてきた。部屋の 
ベッドに腰掛けて、テレビを眺めていたかと思うと、ふいにアレルヤを呼ぶ。 
「来いよ。アレルヤ」 
 そんな声で呼ばれてしまえば、アレルヤは逆らえない。こうしていつもロックオンの 
思うままに流されてしまうのだ。一歩踏み出して、アレルヤは口を開いた。 



「たまには、僕にリードさせてよ」 
「アレルヤ?」 
 ロックオンはアレルヤの意図がつかめず、首をかしげた。アルコールによって、白い肌が 
上気して扇情的な雰囲気を醸し出す。いつもそんな雰囲気に飲まれてしまって、 
アレルヤ自身がロックオンを蹂躪するに至らないのだ。 
「いつもロックばっかり余裕ぶって……、僕だってロックを啼かせたいと思うよ」 
「……おいおい、なんだよ急に……ん、ふぅ……っ」 
 突然降ってきたキスに、ロックオンは圧された。そのまま押し倒されて、両腕をシーツに 
縫いとめる。 
 舌を入れられ、絡めとられると、ロックオンはくぐもった声をあげた。 
「んんっう……は、分かった、分かったから……!」 
 ようやく唇を離したアレルヤに、ロックオンは決まり悪そうな表情を浮かべた。 
「……年下に良いように攻められるのが恥ずかしかっただけだって。せめて精神的には 
優位になってないとなー……ってな」 
 苦笑してアレルヤの頬に触れる。それから着ていたタンクトップを脱ぎ去ってアレルヤの 
首に手を回した。 
「さて、じゃあ攻めてもらおうか。お手並み拝見、だな」 
「途中でへばっても知らないよ」 
 アレルヤは口端を吊り上げて笑みを浮かべる。そしてロックオンと共に、白いシーツの 
海に溺れた。 
 夜はまだ口を開いたばかりだった。 



END 

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 

>360気にしないでくれ 
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