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24-380 の変更点


*吸血鬼バルド5 [#y02c31b0]
#title(吸血鬼バルド5) [#y02c31b0]

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
                     |  オリジナル バルド×クラウス 
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  少し、残虐な血の描写があります 

 | |                | |             \ 苦手な方はスルーお願いします 
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___ 
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  | 
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透き通った青い瞳がクラウスの瞳を捉えて離さない。 
背中に冷たいものを感じ、一歩後退しようとしたクラウスが 
後ろの円柱に阻まれる。 
怖い。 
何がそう感じさせているのかはわからない。 
ただ、本能が危険だと警告している。 
舞台へと成り変わった庭園と、対峙する登場人物達を、蒼い月が見下ろす。 
「人間か」 
少年が独特の明澄さで声を響かせた。 
それは、さながら矜持高き王の声。 
硬直したまま答える事が出来ないクラウスに、 
少年が青銀の髪を軽く風になびかせ悠然と向かってくる。 
コワイ。 
円柱にグッと背を押し付けて震えるクラウスの左頬に、 
少年の氷のような冷たい指が触れる。 
ザッと全身に鳥肌が立った。 
「ここで何してるの?」 
「あ‥‥‥」 
あどけなく見える表情がさらに恐怖心を掻き立てた。 
緊張で息を荒くするクラウスの頬を、なぞる手が 
するりと喉元へ滑り、首筋をゆるゆると摩る。 
呼吸困難を起こしたかのようなクラウスに、 
少年の光沢ある赤い唇が弧を描く。 
円柱に空いた方の手をつき、自分の造る影に覆われ 
怯えるクラウスの顔を覗き込み、眼光の増した少年が笑う。 
「いいね。そういう表情好きだよ。男ってのが残念だけど‥ 
 どうやらバルドもいないみたいだし‥‥‥」 
「バ‥ルド?」 
思わず聞き返したクラウスに、少年の手が止まり、 
その顔から表情が消えていった。 




「バルドを‥知って‥‥っ」 
全部を言う前に首を掴まれた。 
少年の姿からは想像出来ない力が首にかかり、 
そのまま空中に放り出される。 
ガサッという音と共に赤い花弁が夜空に舞った。 
咲乱れる薔薇の直中へ叩き付けられ、全身を襲う鈍痛と、 
刺に裂かれた皮膚の鋭い痛みに呻き声が漏れる。 
甘い芳香と体の痛みに目眩を起こしながらも、 
なんとか起き上がろうとするクラウスに、 
馬乗りになった少年が端正な顔を近づけた。 
「おまえ、何?‥‥‥人間風情が同胞の名を口にするな」 
青銀色の前髪が額にかかるくらいの近さで、瞳を細め、 
見下ろしてくる少年の静かな威圧感に、クラウスの息が詰まる。 
開いた目を閉じる事も出来ずに、息を殺して青い瞳をただ見つめ返す。 
長い沈黙が二人に落ちる。 
クラウスの頬の傷から零れ出る赤い筋と、こめかみを流れる 
冷や汗だけが時の流れを証明していた。 
唐突に、少年が手のひらをクラウスの額に強く押し当てた。 
反動で首が反り、項にあたる鋭い刺が新たな赤い筋を引いていく。 
「‥っ」 
手のひらが触れている額が熱くなり、体の痛みが鈍くなった。 
同時にひどい耳鳴りに襲われる。 
視界が急速に閉じていき、そして黒く塗りつぶされた。 

黒一色の世界に光の波紋が生じ、一転して白い世界に変わる。 





『おはよ、夜におはよって変な感じだけど』 
自分の声が聞こえる。 
バルドが少し驚いた顔を静かな微笑みにかえる。 

ああ、これは、あの日のーーー 

『おまえは何もわかっていない』 
バルドの金色の瞳の奥に赤がともっている。 

真剣な‥‥顔をしているーーー 
そう、俺は何もわかっちゃいなかったーーー 

バルドの冷たい、けれども熱い肌が、吐息が、体を這う。 

連れて行って欲しいと我がままを言った‥‥‥困らせたーーー 
それでも、あんたはーーー 

『クラウス、ありがとう』 

ささやく声の余韻が、白い世界に亀裂を生じて光となり、やがて収縮した。 

ーーー黒に、染まる。 




少年の手のひらが、クラウスの額から離れる。 
酷かった耳鳴りが引いていき、体の感覚が再び痛みを伝えてきた。 
クラウスの視界が戻る。 
その瞳が、夜空を背景に少年の振り上げられた腕を映す。 
白光が流れて飛び散る血が華に降り注いだ。 
「あ‥‥‥っ」 
クラウスの首筋から肩先へと筋が走り、その傷口から血が噴き出していた。 
苦鳴をあげるクラウスに股がったままの少年が、 
自らの鋭く伸びて朱に濡れた爪を舐めとる。 
怒気を孕んだ赤い光が青い瞳の奥に表れていた。 
「人間、ごときがっ‥‥‥おまえも、バルドも、許さないっ!」 
朦朧としたクラウスの前髪を掴み、翳んだ瞳を捉えた少年が、 
氷の声で吐き捨てる。 
クラウスの記憶を覗き、憤怒に顔を歪ませた吸血鬼バルディンは、 
血で染まったクラウスの首筋に牙を立てた。 

朱く濡れた薔薇の褥を、月光だけが何事もなかったように 
蒼く照らしている。 




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 | | □ STOP.       | | 
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