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*ナマモノほぼオリジナル [#la59599c] #title(ナマモノほぼオリジナル) [#la59599c] |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )イチオウナマモノ ホボオリジ デハドゾー! 彼は久しぶりに古巣のユ二フォームに身を包み、白いボールを投げ込んでいる。 周りにいるのは懐かしい顔に立場の変わった親友、そして新しい仲間。 変わったのか変わっていないのか、ともかく「相変わらず」という言葉が似合う明るく厳しい雰囲気。 そんな中ふとよぎるのは、彼がここに戻った事を知ったある人物の言葉。 自分を…自分達をよく知る、恩師とも言える人物であり、彼を自分のチームに呼ぼうとしていた人物。 その人物が、彼と親友の仲を皮肉って言った言葉。 『あいつらはホモみたいな関係やから』 本来ならもっと怒ってもいいはずだ、メジャ一にいた頃なら他チームの監督がそんな発言をしたならば 自分だけでなくチーム全体の問題になり、名誉毀損として法廷に持っていかれてもおかしくない。 もちろん、チームの考えで下手に反論すればイメージが悪くなると結論が出たのかも知れない。 ただ、彼自身の内部で思いもかけない考えが浮かんできたのだ。 もしかすると、その関係を望んでいたのかも知れない。 信頼しあったバッテリー、苦しい時も楽しい時も共にあった親友に、それ以外の関係を求めて いたのかも知れない、そして今も求めているのかも知れない…… 「まさか」 思わず口に出して呟く。 「何が『まさか』なんや?」 と、耳慣れた声が背後から話しかける。 「フルさん…いえ、何でもありません監督」 「これ付けてる時は『フルさん』でええよ、今からお前の球を受けようと思ってね」 マスクの奥のメガネの、その奥にある瞳は野球する友人を見る目だった。 彼は、これでいいんだと思った。 親友に望まれて同じチームでプレー出来る、それに何の不満があるのだろう。 これ以上の望みがあるとすれば、それは親友と共に勝利の栄光を勝ち取る事だけだ。 抱き合うとすれば、それは栄光の日に喜びを分かち合うためだ…そうだ、きっとそうだ。 そう思い、彼はボールを投げた。 終 #comment