Top/S-78

体操 冨田(←中野)×鹿島

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | 大層。登美(←那賀野)×貸間 っぽいモナ
                    |
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| しかも何故か高校時代…
 | |                | |            \
 | | |> 再生        | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) ワカリヅライ
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
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※2人が別々の高校へ通っていた時期の話です。
 舞台は何故かイ/ン/タ/ー/ハ/イってことで_| ̄|○

 着地から一瞬遅れて、足の裏の振動が全身へ伝わってきた。
ゆっくり腕を伸ばし、軽く拳を握る。いつもより長めにアピールした後、
審査員に頭を下げた。音を失っていた世界に、歓声と拍手が割り込んで来る。
スコアボードに視線を向け、ぼんやりと点数を見た。
……9.85。
 世界が色を取り戻していくのを、まるで他人事のように眺めていると、
視界に白いものが飛び込んできた。
「登美多先輩、やっぱり凄いっスねぇ! イ/ン/タ/ー/ハイっていうから、
どんな怪物がいるかと思ってたんだけど、先輩以上の奴なんかいませんね!」
 白いタオルの向こうから、一年生の那賀野が弾けるような笑顔を覗かせる。
今年入ってきた一年生の中でも、こいつの身体能力はずば抜けている。誰が見ても一目で分かる逸材だ。
「それ、どうしたんだ?」
 タオルを受け取り、那賀野の頬を目で示す。頬の一部だけが、わずかに赤くなっている。

「これですか……ええと」那賀野は視線を泳がせると、上目づかいでこちらを見てくる。
「昨日の晩、コーチに殴られたんです。……ピアス開けたのがバレて」
「……お前なぁ」
 思わず絶句した。よく見ると、那賀野の耳たぶに、かさぶたのようなものができている。
ピアス穴がふさがった跡だろう。耳にできた小さな傷は、那賀野の心を表しているようだった。
底抜けに明るい性格だが、根は繊細で優しい奴だ。
 コーチは、才能以上に那賀野の人柄を、誰よりも買っている。
端から見ていても、そのことはよく分かる。殴ってしまったのも、期待が過ぎるゆえんだろう。
 ふぅ、と溜息をつき、那賀野の白い額を指ではじく。
「いってぇー。暴力反対」
「俺は、コーチに同情するわ」
 何が嬉しいのか、那賀野はデコピンをくらった額を手で何度も撫で、ニコニコ笑っている。

 急に、会場がざわめいた。演技後の歓声とは違う。息を飲むような空気が辺りを取り巻いた。
「……何すかね?」
 微妙な空気を察した那賀野が、隣で身を固くした。
 観客、選手、この場にいる全員の視線が、一点に集中している。首を巡らせ、視線の先を見る。
 鼓動が、ひとつ大きく跳ねた。どうしてこんなに動揺してしまうのか、自分でも分からない。

 目の前に置かれたアン馬の前で、ひとりの選手が片手を挙げている。
大層選手としては珍しい、整った八頭身。子供のようにあどけない顔だが、
目だけは、刃物のように鋭い。
 彼が微笑む時、目尻に柔らかい皺が寄るのを、登美多は知っていた。
自分だけのものだった笑顔が、鮮明に蘇ってくる。
 思わず口に出そうとした名前が、のどの奥で詰まった。昔は当然のように呼んでいた名前。
離れても、ずっと心の中で呼んでいた名前。
 それなのに今は、訳の分からない熱さで、息をするのも苦しい。彼の名前をつぶやく事すらできない。

『あれが、アン馬の貸間だ』
 他校の生徒がつぶやいた言葉に、びくりと身体が震えた。鼓動が痛いほど高鳴り、眩暈がする。
「先輩、貸間って……知り合いなんですか?」
 那賀野のかすれた声が、遠くに聞こえた。問いには答えず、ベンチに身体を沈める。
今、自分はどんな顔をしているだろうか? きっとひどい表情をしているだろう。
演技をしている時にすら、感じたことのない動揺が襲ってくる。
 目の前で、貸間がアン馬に手をかける。一種目めだというのに、全く迷いの無い旋回。
羽ばたくような足さばきに、会場内が、水を打ったように静まり返る。

 登美多は息を呑んだ。毎日、頭の中で貸間の姿を思い浮かべ、
練習に励んできた。その想像の貸間と、目の前の貸間とでは、何もかもが段違いであった。
……負けた。
 全身から力が抜けていく。それでも、目は貸間から離せない。完全に魅せられていた。
 足音をほとんど立てず、まさに舞い降りるように貸間が着地した。
一瞬、何が起こったのか分からないように、会場が沈黙した。そしてその後、
割れるような拍手と歓声が響く。
「すげえ」
 那賀野の感嘆で、登美多は現実に戻った。
 きつく組んだ自分の指が、小刻みに震えている。
額を流れる汗が、顎の先から滴った。震える指をきつく握りしめ、電光掲示板を見る。

……9.98。

 波のような歓声が、会場を包んだ。観客席からの熱気が、背中に直接響いてくる。
 歓声の渦中にあって、貸間は、いつもどおり穏やかな微笑みを浮かべ、
控えめに拳を突き上げた。まるでエアーポケットのように、
貸間の周りだけが、騒ぎから抜け落ちている。

 いつもそうだった……。登美多は、審査員に頭を下げる貸間を見つめて思った。
 同じ大層クラブに所属していた子供時代、貸間の周りは、いつも人で溢れかえっていた。
 輪の中心で、微笑みを絶やさない貸間。登美多がクラブに通い始めた頃、
既に貸間は「天才」と呼ばれていた。同い年の「天才」。初めは、
別世界の人間だと思っていた。口下手で、黙々と練習を続ける自分に、
彼が近づいて来たのはいつだっただろう? 勇気を奮い起こして、
彼に話しかけたのはいつだっただろう?
 誰よりも長く自分に笑いかけて欲しくて、誰よりも近くにいたくて、ひたすら練習に励んだ。
「天才」のライバルだと、周りの人間に認めて貰えれば、
貸間の隣の席が確保できると思った。偶然隣にいるではなく、
隣にいて当たり前だと。みんなに、そして誰よりも貸間自身に認めて貰いたかった。

……それならば、なぜ離れた?

 貸間に「楽難高校へ行く」と告げた時の、薄暗い気持ちが蘇ってくる。
貸間が、※田さんと同じ聖風高校へ進学することは既に知っていた。
「オレら、一緒の高校へ進むんやないんか……」明らかに狼狽えた言葉に、
鈍痛のような喜びを感じた。

……馬鹿だ。
 自分から離れたくせに、どうしようもなくなっているのは、登美多の方だった。
 相手が、どこまで上達しているか気になる。
 どんなトレーニングを積んでいるのか気になる。友人関係が気になる。
 好きな女の子がいるのかどうか気になる……。
 堂々巡りしていく思考を止め、登美多は視線を巡らせた。無意識のうちに、目は貸間を探していた。
 演技を終えた貸間が、通路へ降りてくる。
 ぼんやりと会場内をさまよっていた目線が、こちらを向いて止まった。
 貸間の顔に、笑みがふわりと広がっていく。
 幼い頃、欲しくて欲しくてたまらなかった、あの笑顔。

「ヒロ!」

 懐かしい名前で呼ぶ声が、耳を突き抜け、心臓を直接叩いた。

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 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 中途半端スギル・・・
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

ネタ元。
ttp://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2004/athens/game/16gymnastics/0824.html
どれくらい練習してるか常に気になっていた、という部分にノックアウト。

みなさん、スイマセン。


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