Top/S-41

ss

483です。続き投下してみます。
変なとこが多々あるけど御勘弁を。。

  1. +++++++++++++++++++++++++

「おい、郷実!」
突然廊下で呼び掛けられて郷実はびくりと肩を震わせつつ
ふりむいた。
材前が怒った顔で歩いてくる。
「なんだ?」
平静を装いつつ返事をすると
「なんだじゃないよ」ため息をつきつつ、カルテをどさりと渡された。
さっき外科に届けさせたものだ。
「何か問題があったか?」
きょとんとして郷実が尋ねると
「これは外科の管轄外の患者だろう?」
ギロリと睨まれる。
慌てて見かえすと確かに間違ったものを届けさせてしまったらしい。
「悪い」すまなそうに郷実が材前に目をやると
「最近疲れすぎじゃないのか?君らしくないミスが続いてる。
研究もいいが、あまり無理はするなよ」
意外にも心配されてしまった。
「あ、ああ…。」
「じゃあ」材前はいつものように郷実の肩を叩くと
颯爽と歩いていった。

まだ材前の触った肩がじんとしていた。
自然とため息がこぼれた。
今になって材前の黒めがちな瞳にみつめられた
感情が高ぶり体がカッカしてくる。
「はあ…」
郷実はため息をこぼすと口の辺りを手で拭った。

郷実の最近の不調の原因はまぎれもなく材前だった。
あの一件以来、郷実にとっての材前は同期の外科医であると同時に
完全な、ある意味の対象になってしまっていた。
体がいうことをきかないなんて十代でもあるまいし、
情けない話なのだが、こればかりはどうしようもなかった。
材前の瞳、端正な横顔、桜色の耳たぶ、シャツから覗く柔らかそうな首筋。
見る度、悲しいくらい反応してしまう郷実であった。

実千代との交わりの最後に目を閉じた際、材前の痛みに歪む顔が
何故か脳裏を掠め、パニックになったこともあった。
そのくせ、妙に興奮してしまうのだ。
「末期だな…。変態か、俺は」
郷実は情けなく呟いた。

挙動不振を悟られたくなくて材前を避けたこともあったが
それでは仕事にならないので覚悟を決めて郷実は業務をこなしてきた。
時々材前は己の保身のために患者を軽んじる発言をすることがある。
その際郷実は友人である材前を思い、助言はおこがましいが
意見を言ってきた。討論になることもあった。
しかし、ここのところ意見がぶつかりあう場面になると
その良く動く材前の口を意見で封じるのではなく
自身の唇で封じたい欲望にかられてしまう。
その時この男はどんな反応をするだろうか。
馬鹿な考えばかりが頭をよぎる。

自分の理性がどこまで持つか。
郷実は絶望的な思いで目を閉じた。

  1. +++++++++++++++++

おつき合い有難うございました。ペコリ。


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