Top/S-23

R.S.3_LxM 18

モニカ姫の挨拶と、戦が終わるまで城に匿って欲しいという依頼。
快く滞在を許可すると、姫はほっとしたように微笑んだ。
ここまでの道中、気を張っていたのだろう。

客人を部屋に通すと、彼は自室に向かった。
蝙蝠が彼らの様子を伝えるのを耳にして、薄く笑う。
「この城は怖い、か。」
青年達は部屋の外で見張り役を務めるようだ。
少女達が眠りに就いたのを確認すると、音も無く部屋を出た。
城のバルコニーに立つ。
冷たい風が、侯爵の苦境を伝えた。
表情が曇る。
葡萄酒の瓶を手に取るが、飲まずに戻す。

後は信じるだけだ。
あの者の力を。
そう思うと、急に笑みが浮かぶ。
ならば案ずることはない。
城の蔵書を一年で読み尽くした知力。
この身さえも惹かれてしまう魅力。
貴族としては意外なほどに、小剣に長けた技力。
そして、意志力の強さ。
「見せてみよ。」
その持てる力を、信じる者に。
天を仰ぎ、風に吹かれる。
その姿を、月の光が浮かび上がらせていた。

同じ天を仰ぎながら、一人の男が薄く笑った。
「まさかあの時、あの名前が真っ先に浮かぶとは、な。」
普通、妹へ向かって吸血鬼の城へ行けと言う兄はいないだろう。
だが今は、他に思い当たる避難場所が無いのも事実であった。
「そう・・・あの地なら、安心だ。」


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