Top/S-19

R.S.3_LxM 14

議論を交わし、
剣を交え、
時に自分の知識を与えながら、

そんな日々が続けば良いと思っていた。

海綿が水を吸うように、何もかもを吸収してゆく。
知識も、剣も、そして経験も。

最近では葡萄酒を飲みながら打ち解けた話もするようになっていた。
ロアーヌや、家族の話。
魔王や聖王の話。

部下や妖精に囲まれた生活で、友と言える存在もない。
二人とも今まで、このような事を話す相手がいなかった。
だからこそ今、それまでの孤独を思い知らされる。
二人の距離が、急速に縮まっていく気がした。
その関係が一時のものであることは、わかっていた筈なのだが。

ある日窓の外を見ると、雪が溶け、道がぬかるみ始めていた。
レオニードが眉をひそめる。
良くないものを見てしまったかのように。

ポドールイの町と、この城を繋ぐ道。
それはなかなかに険しい山道である。
その道は馬車で通るとこのできる期間が短い。
険しさのために、雪が積もると車輪が滑ってしまうからだ。
普段は人が歩くか、馬や牛が荷を運ぶ。
高貴なるこの者を運んできたのは、馬車であった。
道が乾けばその馬車が、またやってくる。


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