Top/S-110

怪我

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  先日放送終了した仮/面ラ/イダー無礼℃だモナー
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  兼崎×立花さんだからな
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 兼崎某度入社時の
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 完全脳内ストーリーだゴルァ
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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「やめろ…っ兼崎っ!」

な、なんだ今のーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっ!!!

俺、兼崎は少し前に某度っていう会社に仮/面ラ/イダーとしてスカウトされて、
今一人前の仮/面ラ/イダーになるべく二ヶ月の研修中。
俺にラ/イダーとしての特訓をしてくれているのは先輩である立花さん。
立花さんは一流のラ/イダーだ!
立花さんの鬼特訓のおかげで、最近は俺も実戦に出るようになった。
まだまだ立花さんの足元にも及ばないけど、少しでも役に立てるように頑張ってる。
だけど…今日、立花さんが怪我をしてしまった…
俺がいけないんだ。ア/ンデッドに攻撃されて、避けきれなかった。
とっさの事だったから、立花さんは俺をかばって…
役に立つどころか、足を引っ張ってしまった。
封印にはなんとか成功したけど、
立花さんに合わせる顔が無い…。

某度に帰ってからは立花さんが手当てされてる部屋の前までは行けた。
このままじゃいけないし、よし、謝ろうって決めて勢いよく部屋に飛び込んだんだ。
そしたら、手当して貰ってる立花さんが上半身裸でさ、
ビックリしたからそのままユーターンしてダッシュで寮に帰ってきちまった。

で、落ち込んで部屋でずっと体育座りしていたんだけど。
こういうの、俺らしく無いと思って。とにかく謝らなきゃって。
意を決して立花さんの部屋に内線かけたんだよ。
まだ、直接会う勇気が出なくてさ…
俺は今が何時か確かめもせずかけちまった。
だって、もう謝らなきゃって、そればっかりで。
申し訳なくて、どうしようもなくて。
自分がどんだけの時間体育座りしてたかなんて考えもしなかった。
今が深夜1時をまわっていたのに気付いたのは、立花さんの声を聞いてからだった。

TELLLLLLLLLLLLL…ガチャ
「あ、あ、あ、あのっけ、兼崎です!!た、たち」
「うー…」
「へぇっ?!…あっ」
立花さんの声を聞いて、初めて時計を見た。
「んnー…」
「あ、あのー…また、かけ、ます…ね?」
実は、立花さんは寝てると起きない体質の人なんだ。そりゃもう起きないんだ。
いや、起きてるのか?起きてるけど、寝てるんだよ。えーと、寝ぼけてるんだよ。
そんで、その間に起こったことの記憶が残らない人なんだ。
だから、今謝っても意味が無いっていうか…。
だから、しょうがないから、切ろうとしたら。
「ん…苦しい…」
「?!大丈夫ですか?」
起きていたらしい。やっぱり怪我が痛んで眠れなかったんだ。俺のせいで…!
「いた…い」
「立花さん!!すいません!俺…あの、そっち行っていいですか?」
「やめろ…」
「えぇー!!あの…立花さん!!お願いします!!(涙」
「やめろ…っ兼崎っ!」

ドキッとした。
俺、まだ、な、何も…ていうかなんかそれー…
いや、まあ怪我させたけど。…あれ?
あれあれあれ?
「…立花さん…起きてます?」
「あ…あ、け、ん」
「うあ、あの、あの!」
エ             ロ              イ
エロイんだよ立花さん!!!なんか!なんか知らないけど!!
起きてるのか?寝ぼけてるのか?そんなに怪我が痛むのか?でも俺には来て欲しくないのか?
どうしよう電話切れない!むしろこの電話を持ったまま立花さんの部屋まで行きたい!
誰かこの電話がコードレスになる魔法教えてくれ!
じゃなくて謝らなきゃ。とか、えーどうする?とりあえずこのまま?いやいや、俺。
「すごい…」
「何!!なんなんだ立花さん!!」
すごいって、やっぱり寝ぼけてるんだろ!?それとも怪我がすごいって事?
やっべーなんか今なら全てのア/ンデッド封印できそう。
ていうか、なんだこれ。たまらない。お腹がザワザワする!あー助けて…どうしよう。
「…き…けん…けんざ き…」
やばい、なんか、泣きそう。
「はい。はい。…はい。なんですか、立花さん」
「けんざ き…」
「…やっぱり、そっち行っていいですか?ていうか行きます。すぐ行きます。」

俺の方から電話を切ったのは、今日が初めてだった。

「兼崎君?何やってるのよ」
「うわっ!!ひ、弘瀬さん!」
いざとなると、なんだか気がひるんでしまっていた。
立花さん部屋の前をウロウロしていたら、弘瀬さんに見つかった。
「…入んなさいよ。別に怒ってないわよ、立花さん。」
「いや、別に怒ってるとかじゃなくてー…それに立花さん、寝てた、みたいで…」
「(あんた寝てる立花さんの部屋に入るの慣れてるでしょうが)…起こせばいいじゃない。」
「どうやって?」
「びっくりさせれば起きるわよ。例えば、足持って振り回すとか。」
「………。」
「お湯かけるとかね。」
「…は、はぁ。」
「何よ。しっかりしなさいよ。一生逢わないつもり?…大丈夫よ。立花さんもわかってるわ。」
そう言って弘瀬さんは部屋のドアを開けると、信じられない力で俺を部屋に突き飛ばしてドアを閉めた。
よろけながら入ると、部屋は薬品の匂いがした。
立花さんの怪我の手当てに使った薬品の匂いなんだろう。
手探りで勝手知ったる部屋の明かりを付けると、隅っこで黒い毛布にくるまっている立花さんを見つけた。
立花さんの肩あたりに見える包帯は黒い毛布と対照的な色を放ち、やけに生々しく見えた。
部屋に充満する薬品の匂いは否応なく俺に現実を思い出させた。
そうだ、今日、俺は立花さんにとんでもないことをしたんだ。
眠る立花さんの傍らには、血がついた布が放置してあった。

もしかしたら、死んでいたかもしれないんだ。
俺は足元がぐらつくのを感じた。

某度に帰ってくる最中も、俺はどうしようもなかった。
ア/ンデッドの攻撃をくらった立花さんの変身が解けるのを見た俺は、
全身の血の気が引くのを感じた。
生身の立花さんの前に、ア/ンデッドが居る。
俺は、今、絶対に負けてはいけないって思った。
死んでもこの人を守りきると、思ったんだ。
今まで、誰一人守る事ができなかった俺にできるのか不安だったけど、
それでも絶対に負けるわけにはいかないって思ったんだ。
これ以上この人を、傷付けさせはしない!って、思ったんだ。
…それからはあんまり覚えてない。
とにかく無我夢中でア/ンデッドに向かっていった。
今まで教えてもらった事が、すんなり出てきた気がする。
気付いたら、封印していた。

カードをしまって、すぐに立花さんの元にかけよった。
立花さんの腕からたくさん血が出ているのを見た俺は気が動転して、
立花さんを抱き上げて、そのまま走って某度に帰ろうとした。
バイクがあるけど、立花さんは運転できないだろうと思ったから…
変身したままなら、走っても速いし。
でも立花さんに叩かれたのでやめた。
抱き上げたまま唸っていたら「降ろせ」と言われた。
降ろしたらもっと傷がひどくなるような気がして渋っていたら、ツノを掴まれた。
そのまま左右にメキメキされたからしぶしぶ降ろすと、
立花さんは普通に歩いて自分のバイクにまたがって「行くぞ」と言った。
「でも、立花さん!!」
「兼崎、このくらいの傷は怪我に入らない。」
そう言って、先に走りだしてしまった。
俺はあわてて変身を解いて、後を追った。

「立花さん…」
電話のコードが、寝ている立花さんの毛布の中に消えていた。
それは、眠りながら握りしめている手の中の受話器に繋がっていた。
いつも、こんな感じで電話に出ているのか…
立花さん。
立花さん。
立花さん。立花さん。
俺のせいでごめんなさい。
あなたに痛い思いをさせてごめんなさい。
もう絶対に傷付けません。
誰にも傷付けさせません。
今はまだ頼りないかもしれないけど、俺、あなたを守りたいんだ。
…好きです。
大好きです。
ごめんなさい。
受話器を持つ手を解いて、そのまま握りしめた。
そして、眠る立花さんの唇に、そっと口付けた。

腕を振り回される感覚に目が覚めた。
「あ」
「あ、じゃない。離せ。」
「たっ立花さん!!俺!あの、さっきは、すいませんでした!!」
「さっきって…昨日だろ。」
いつの間にか寝てしまったらしい。
立花さんの手を握りしめたまま。
それは今も続いていて、先に起きた立花さんがほどこうとしたのに、ほどけなかったらしい。
あわてて離した。
「あの…痛くないですか?」
「手がな。」
「そうじゃなくてー!怪我…」
「痛いに決まってるだろう。だが、それだけだ。」
立花さんは、俺がなんでここに居るのかとか全然聞くそぶりもなく、
普通に、普段通り、朝の支度を始めた。
俺が気にしているのを知っているから気遣ってくれてるんだろう。
立花さんは、優しい。
俺は知ってるよ立花さん。あなたが優しい事を。
今回の事で、怒っていない事も。だけど。
「お、俺、強くなります…」
「ああ、是非そうしてくれ。」
そう言いながら立花さんはシャツを脱いだ。
俺は目のやり場に困り、下を向いて話を続けた。

「本当にすいませんでした…あの時俺がアンデ」
「兼崎、見ろ。」
「え?」
いつの間にか立花さんは包帯も取っていて、怪我をした自分の腕を差し出した。
えっと、戒め?でもつい、腕以外が目に入る。俺ってどうしようもない…
「この斬り口、右から左に流れている。わかるか?奴は左利きだ。
ア/ンデッドにも右利きと左利きが居るんだな。」
「あ、ほんとだ…」
…それだけ?
「あ、左利きだから、今度闘う時は右から来る攻撃に気を付けろって事ですか?」
「いや?…もう封印したじゃないか。」
……あ……
…これって、
すごい、すごい遠回しだけど。
こんな怪我大したことないんだぞー、って事なんだ。
俺がポジティブじゃなかったら気付かなそうな、こういう優しさ。
立花さんの、こういう所が俺は…
「お前、俺の怪我なんかより自分がやった事覚えてないのか?」
ギクッとした。
多分すごい引き締め効果のあるパックしたような顔になったと思う。
ま、ま、ま、まさか、昨日のキ、キス…
「おめでとう」
「…えっ?」
「ア/ンデッド。はじめてだろ。封印。…よくやったな」
そう言って、立花さんは花のように微笑んだ。

…から、
思わず、抱きしめた。
これが抱きしめずにいられるか?
なあ、抱きしめずにいられるのかよ?
もう俺はこの人が愛しすぎておかしくなりそうだ。
立花さんはびっくりしていたようだけど、すぐに俺の背中をポンポンと叩いてくれた。
「お前自分の融合/係数知ってるのか?すごいんだぞ。封印した時のデータ見てみろ。
お前にはラ/イダーの素質があるんだ。…俺より強くなるかもな。むかつく。」
「俺にはなんとかけいすうとかよくわかりません!!ただ俺はっ!もっともっと強くなって、あなたを守りたいんだ!」
告白っぽくなったかもしれない。
でもいい。立花さんの手は、背中を優しく叩いてくれているままだ。
「俺だけ守ってどうするんだ。人類と、地球を守れ」
「…はい。」
いっそう強く抱きしめたけど、珍しく立花さんは、怒らなかった。

「ところで立花さん、昨日はどんな夢見てたんです?」
「ん?夢?…ああ、そういえば、ア/ンデッドにやられた所から、お前が封印するまでを見たなぁ…
よっぽど印象に残ったんだな。」
はぁ、なるほど…
ちょっと残念なような気がした。
「なんかー、寝言がエロかったです。」
「なっ…!」
立花さんの顔がだんだん朱くなる。
「嘘だ…何言ってた?いや、やっぱりいい…ていうかお前…変な事言うな!」
とかブツブツ言いながら、向こうへ行ってしまった。
ほんと、かわいいんだから。
どさくさにキスしちゃった事は、まだ言えねえや。

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