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魁!!男塾 桃太郎→明石

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どこに書いたら良いのかわからない某魁る男達の塾漫画のモモ→アカシ。

長雨は既に5日間続いていた。
立て付けの悪い男根寮には雨漏りする箇所も多く、寮生達も最初こそ
雨漏りの修理に騒いでいたが、今はすっかり修理作業も手馴れたものだ。
寮へ入り立ての頃とは違う。少しずつではあるけれど、
確実に塾生達はそれぞれ成長し、男となっているのだ、とこんな時にはつくづく思う。

しかし自分はどうだ。らしくも無く自嘲気味な笑みが仄かに口許へ滲む。
普段は呑気だ能天気だと言われる太平楽な筈が、今は悶々として
ただぼんやり剣を片手に、雨を眺めている。雨が降るのに任せ、筆頭室へ篭り切りだ。
雨が降り始めたのが、丁度怪我が癒えて男根寮に戻って来た日。
数えてきっちり5日。いやどうだったろう。少々記憶が曖昧だ。
日付の感覚が朧げで、朝起きて、窓辺へ座りぼんやりと雨を眺めている内、
何時の間にか一日が終わっている。そんな日が続いていた。
不思議と鬼ヒゲ達は何を言うでも無く、仲間達も今は何も言わない。
ただ時折部屋へ来て、今日はこんな馬鹿をやったと笑ったりだとか、
飯を運んで来たりだとか、それだけだ。
普段騒がしいだけに、今は静かな筆頭室に、少し違和感がある。
だが今は、仲間達の気遣いが有り難い。
甘えは重々承知の上だが、今はもう少しだけ、考える事へ没頭していたい。
この鬱陶しい、細い雨が降る間だけだ。

あの時。
モモは何時もこうしてけぶる雨を眺めながらその瞬間を思い出す。
天兆五輪の激しい闘いの中で、散って行った彼の人。
血塗れで倒れ、息も枯れたようなあの人が、最後の力で
確りと剣を己へ差し出した、あの眼差し。
腕の中へ抱えた、桁外れの長さと斬れ味を誇るこの剣を、俺へ託したあの人の思いは。
塾生達を任せたと、そうした思いだけだったのだろうか。他には無かったのだろうか。

何時も考えはそこへ向かい、そんな事を考えてしまう己に腹が立つ。
白髪の、赤い燃える炎のような目をしたあの人の、清冽さを汚すようで、
酷く自分が汚れて見える。いや、実際汚れているのだ。
後姿の、真っ直ぐ整った背筋と、少し俯いた時の横顔や、短な項の髪。
剣を構えた時の、獣の笑みと、意外に整った指先、低い声。
上げれば数限りないが、闘った中で分かり合えた相手の思いだけで無く、
その仕草や立ち居振る舞いにも、自分は惹かれていた。
なくして初めて気付くことがある、と今では思うようになった。
例えばそれは幼い頃遊んだ玩具であったり、かつての知人であったり、

――恋心であったり、

人により千差万別なのだ、と思う。
俺の場合は恋心か、と気付いた時、少し可笑しく、つい笑った。
長剣を腕の中に抱き締めて、窓辺へ座っていると、
今はもう手に抱く事も出来ない、あの人を抱き締めているかのようで、少し気分が高揚した。
実際、その触れなば斬れんと佇む姿は、この剣と良く似ている。

少し頭上を見上げ、高い位置にある剣の柄にそっと手を伸ばすと、
指先に馴染む良く使い込まれた滑らかな革が触れる。その肌触りは、あの人だ。
じっと剣を仰ぎ見詰めながら、乾いた指先で剣の柄を幾度も、柔らかく撫でる。
自然と抱き締めていた剣を掴み、剣を鞘から抜き放っていた。
眼前へ構えた剣は、途端に雨で灰色掛かった室内へ、白い輝きを零す。
その刃から目が離せなくなる。緩く反った刃が、何時か見たあの人の背中に見える。
思わず伸ばした指先が滑ると途端、ちりと痛みを感じた。当たり前だが、少し指先が斬れたようだ。
血が僅かに滲んだ指先は舐めて終わらせながら、それでもまだ白い刃を見詰める。
自分の血が触れた所も、輝きは曇らない。かえって輝きが引き立つようにも思えるから不思議だ。

――あの人に斬られたようで、心地良い。
そう考えただけで、舐めた自分の血さえ甘い。眩暈がする。

ただあの人を考えてぐるぐると廻る思考は、体をぐずぐずに溶かしていくようだ。
血の甘さへ目を閉じて、背後の壁へ凭れる。腕の中の剣は確りと肩に寄せて、抱き締めた。
ぬかるみへつかる心地良さへひたりながら、また思考は最初に戻る。
剣を己へ託したあの人は、他の思いも一緒に託してくれなかったのか、と。
そんな甘ったるい考えに至るような過程も何も無い癖に、欲が深い。
しかし斬り合い死合った俺とは、深い仲と冗談言ってもいいだろう。
何も言ってはくれなかったあんただ、それくらいは許して下さいよ、と。
胸の中で吐く言葉は積もっていく。今はもう届かないだけに、行き場の無いそれが重い。
だがそれさえも心地良く感じてしまう自分は、きっともう逃れられない。
この剣からも、あの人からも。

今更気付いてしまった恋心など、笑い話にしかならない、と思う。
手に入れる事も、いっそ殺す事さえも出来ない今では、逃れようが無い。
追い詰められたと判った瞬間、心地良さに体が震えた。

――だがそれも良いじゃねえか、面白い。

きっと顔を顰め、馬鹿野郎、と殴るだろうあの人を、俺は死ぬまで想い、この剣を抱えていく。
厭なら化けて出て来るぐらいしてくれ。その時には、いっそ甘く抱いてしまおうか。

今まで身を浸していた廻る思考から、ぽっと出てしまえば何て事は無い、
単に自分の思い切りが出来ていなかっただけなのだ、と気付いた。
外を見ると、何時の間にかあの霧雨ももう止んでいる。
いい加減、ぬかるんだここから出ようと、剣をそっと抱き上げ、立ち上がった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
萌えの勢いのまま書いて色々な事にごめんなさい。


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