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三河屋×パタ

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                    |  パタリロスレより。三河屋×青年パタ
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  パタは陛下でいいのかな?
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 常春の国マリネラでは眩い朝の光と共に、宮殿中にヒキ蛙の鳴き声を彷彿とさせる放送が
響き渡っていた。

「ゲロゲロゲロゲロー」
「陛下、早起きは結構ですが毎朝ご自分で放送なさるのはお止め下さい」
 マイクを持ち空に向かって気味の悪い声をあげていた青年に、後ろから一人のタマネギが
声をかけた。足下にあったスピーカーのコンセントを根元から引っこ抜き、青年の隣に立つ。
彼等がいる中庭の芝生の上には、気絶した小鳥達が転がっていた。
「何を言う。正/露/丸入りのチャイを飲みながら爽やかに発声練習をしている僕の趣味にケチを
つけるつもりか?」
「夜勤明けのタマネギ達が体調を崩します」
 この一連の流れは、比較的最近になってから目にするようになった光景だった。
 日が昇ると発声練習と銘打った不快な音が宮殿中に鳴り響くのだが、それが決まって途中で
ぷつりと途切れる。連日の激務で疲れ果てているタマネギ達は、今更主人であるパタリロの奇行に
対して文句を言ったりはしない。査定を下げられたりする可能性云々もあったが、何より言った
ところで決して本人には効果がないだろうと本能的に悟っているからでもある。
 だが、先日入隊したばかりの新しいタマネギはどこか違っていた。元々試験を受けて通ったわけ
ではなく、直にスカウトされて入隊したのだという。それも現マリネラ国王直々のスカウトによってだ。

「何て言ったっけ、あの新人」
「三河屋号だよ」
「ああ、そう言えばそうだったっけ。毎日毎日よく挫けないものだな」
 通りかかった他のタマネギ達は必ずこの手の会話を交わし、触らぬ神に何とやらの精神で
そっと通り過ぎていく。むろん当人達は、それには気付いていない。
「昨日は五名が体調不良を訴えました。内、三名は聴覚異常を訴えております」
「ヤワや奴等だ。ゲロゲロゲー」
「ですから、お止め下さい」
 ついには青年からマイクすら取り上げ、タマネギは目線より少し下にある自らの主人の顔を
覗き込んだ。眼鏡の奥にある瞳は理知的で、真正面から見つめられた青年は不愉快そうに口を
尖らせる。過去に一度一杯食わされた経験から、青年はどうにもこの新人タマネギに対して
強く出る事が出来ずにいた。
「お前とバンコランくらいだ。僕にそんな口が聞けるのは」 
 タマネギからマイクを奪い返すと、青年は宮殿内へと足を向けた。
「朝食の前の軽い食事をする。料理長に伝えろ」
「十人前ほどでよろしいですか?」
「十五人前だ。…それから」 
 ふと足を止め、後をついてきていたタマネギへと振り返った。何事かと立ち止まった
タマネギの眼鏡を取る。青年は、タマネギという仮面の下から現れた端整な顔をまじまじと
見つめ、そしてぶっきらぼうに言った。
「放送は止める。ただし、明日からは毎日お前の耳元でやるからな」
「…御意」

 新人タマネギこと三河屋号は、地球外生物との噂もまことしやかに流れている
パタリロ国王の傍に今日もいる。

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 | | □ STOP.       | |
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