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俺は府知事の胸筋を揉みたい

座員×府知事続編です。本番描写なしです。
このご時世ですが、マスクの存在は忘れて下さい。
ゲストのあの方は、関西弁喋る所見たことないですが、内輪では喋るという想定で。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

俺は府知事の胸筋を揉みたい

 「堕ちてゆく憎しみに 息が絶えるまで俺を抱け」
(長渕剛「激愛」)

 「俺、あんたを抱きたいねん。昔みたいに。素っ裸にして、体中なぶり回してねぶり回して、あんたのケツオメコにチンポぶちこんでよがり泣きさして、汗だくになって、死ぬくらい犯したい」
 この男は何という目をしているのだろう。野放図に語る九歳年下の若造のふてぶてしい顔を冷ややかに見返して、吉村は思う。蛇のような、爬虫類のような目というのだろうか。或いは、光を照り返す鉱物質の目というのか。己の欲望のありかと狂った信念以外、どこも、何も見ていない。誰も愛していないし信じていない。そんな禍々しささえ感じさせる魔性の目だ。
 確かに男前とも言えるが、どことなくアンバランスな造りの顔に向かって、吉村は素っ気なく答えた。
 「相変わらず言うことが下劣やな。酔うとるんか。まだ酒乱は治らんのやな」
 「いいや、素面やで」   
 主客の儀礼やらパーソナルスペースやらを大胆に無視して応接用のソファに座った若造は、更にじりっと吉村との距離を縮めてくる。体格は吉村とほぼ変わらない。
 「やめろ。ぼくはもう君とそういうことをする気はない。そういう用事やったら帰ってくれ。警備員呼ぶで」
 吉村の明確な拒絶を若造はフンッと鼻で笑い飛ばし、甲高い声で捲し立てた。
 「府知事殿ともなれば偉そうに言えるもんやな、公衆便所のくせに。あんた、その口で維新やら自民やら保守論壇やらのえげつない爺い、おっさんのきったないチンポを一体何本ねぶったんや?何遍、女に飽きた好きモンの親父のオモチャになって、大股開いて情けないアへ顔であんあん言うて腰振ったん?何遍そのきれいな顔にくっさいザーメンぶっかけられた?あんたすごいな。俺でも、あの業突く張りの鉄面皮の橋下でも、そこまでようせんで。ほら、橋下に松井に百田に、あと誰や?何十人もおるやろ。一人一人名前挙げて、誰とどんなイカれた変態プレイしたか、最高何人にマワされて、何遍メスイキしたか言うてみ」
 「なんぼほど抜かしよるんじゃ、ワレ・・・・」
 つい故郷の言葉が口をついて出たものの、その語勢は弱かった。東大出の元経産官僚の猛然たる悪意の発露に気を殺がれた隙に、若造の左手にネクタイをくいっと掴まれ、唇を吸われた。
 「・・・・やるやんか」
 舌を嚙まれそうな気配を察して、若造はいち早く顔を離した。
 ネクタイを直し、手巾で口元を拭いながら、吉村は若造と目を合わせずに答えた。
 「便所で悪かったな。昔の話や。今はしてへん。君とも遊ばへん。帰ってくれ」
 「いつの間にそんなお堅うなったん?誰に操立てとるん?知っとるよ。新喜劇出とる、背の高い、関東弁のやつやろ?あの算盤ずくでしかものを見いひん、人ともつきあわへん氷の吉村はんが芸人に惚けるとはな。あ~貧乏くさ!」
 吉村は驚いて相手の顔を見た。相手は吉村の反応を見てニヤニヤ笑っていた。
 「あんたはあいつに――恐らく生まれて初めて――マジ惚れしかかっとるけど、あいつはあんたのこと、時々お小遣いもくれるセフレくらいにしか思てへん、いうのが俺の見立てやけど」
 「ああ。ばり惚れとんで。帰ってくれ」
 若造は悪魔的な笑みを浮かべたまま、片方の眉を上げ、形も色も良い唇の間から腐肉のような言葉を滑り出させた。
 「あいつチョンコ丸出しやん。チョンのくせして生意気に日本人みたいな洒落た芸名名乗りよって」
 「知らん。興味ないわ。やきもち妬くんやったらもうちょっとかわいげのあること言うたらどや。あんたの評判落とすだけやで」
 「クソチョンコ野郎のデカマラはそんなにええですか副代表殿」
 「アル中で党を除名になるどうしようもないドアホのお粗末なモノよりかはな」
 「そうか、わかった。ほんならもう今日は帰るわ」
 自称国粋主義者のネトウヨ青年は意外とあっさり引き下がり、立ち上がってちょっと衣服の乱れを直したが、まだドアに向かって歩き出そうとはしなかった。
 「丸山、ぼくが憎いんか」
 吉村が声をかけると、彼は向き直って、
 「そら、あんたは本来ぼくがおったはずのポジションやからね。ぼくの方が頭もええし弁も立つし、ルックスかてあんたには負けへん」
 「それはない。君はまだ若いし、君が地位を失うたんは君自身の問題で、ぼくのせいやない。北方四島返還まであと一歩の所で全部台なしにしたんも、饗宴の儀で小室眞子さんや佳子内親王殿下に狼藉を働いたんも君やぞ、忘れんとき。とにかく酒の問題は解決することや。自助グループ紹介しよか?」
 「そんなもん行ってもしゃない。あんたがオメコさしてくれたら治るわ」
 若造は言い置いて、すたすたとドアに歩み寄り、挨拶もせずに、豪華絢爛たる知事室を退去した。
 あんなにさせたったけど治らんかったやろ、と吉村は若造に言いたかった一言を呑みこんだ。

 時計の針が午後九時を回った頃、玄関で来客の気配があった。
 膝に抱いた猫を撫でながら、公演の録画を見直して反省点を熟考していた千葉は、やや不審に思いながら、猫を置いて立ち上がった。
 「はい。吉村さん!?」
 千葉は驚いて吉村を中に招き入れた。
 「どうしたんですか一体。ああ、こんなに冷えて・・・・。上がって下さい。猫が沢山いるので汚いですけれど。来るなら前以て知らせて下さいね、この時間なら帰ってないこともあるので」
 吉村がこの西成の侘しい住まいを訪ねてくるなど、初めてのことだった。所在地は一応伝えてあるのでその気になれば来ることはできるが、来るにしても事前に連絡を入れるだろうし、恐らく永遠に来ることはないだろうと思ったのだ。
 珍しくやや酒気を帯びた吉村は、一言も発せず、矢庭に千葉の腰を両腕で抱き、粗末な壁に背中を押し付けて乱暴に口づけを貪った。火のような息をつきながら、吉村は千葉の顎に、喉に、首筋にも噛みつくように唇を這わせた。片手の指先は千葉の着衣の釦を求めてもどかしく彷徨い、唇は今一度強く唇に押し当てられた。吉村より六センチ背の高い千葉は、戸惑いながらも従順に誠実に、力強く、その求めに応えた後、吉村の頭を片手で抱えて、囁いた。天使の溜め息のように。
 「ベッド行きます?」

 「なあ、公平、こいつ一匹くれへん?」
 事後、二人で寝ているベッドの側にもの珍しげに寄ってきた猫を手を伸ばして撫でながら、吉村が言う。
 「何言ってるんですか、だめに決まってるでしょ」
 「冗談や」
 吉村は両腕を千葉の首に回し、胸に頭を押し付けて心臓の鼓動に耳を澄ませた。
 「一体どうしたんですか、急に来るなんて。なんか傷つくことがありましたか」
 「べつに。いちいち傷ついとったらこんな商売やっとれへん。君ら芸能人と一緒や」
 千葉が黙っていると、吉村は思い直して話し始めた。
 「傷つくとかいうほどのことやないけど、昼間ちょっとアクシデントがあってな。誰のことかだいたいわかると思うけど、だいぶ前、調子乗ってあんまり常識のないことばっかり言うたりしたりするから、党追い出された若手のやつがおって、そいつが今日いきなり府庁に来て、その・・・・関係を強要されたっていうの?」
 「吉村さん、ヤられちゃったんですか」
 「なんでそう嬉しそうなんや。そんなわけないやろ。断って追い返したわ」
 「だと思いました。今頃振られた心の痛手を酒でも呷って癒してるでしょうね、丸山さん」
 べつに吉村の過去のことなど根掘り葉掘り聞きたいとは思わないが、そういう時、一番先に顔が見たい、慰めてほしいと思うのは他の誰でもなくて俺なのね、と千葉は内心で悦に入っている。
 「『俺は女のおっぱいを揉みたい』ってのはなかなか名言だ」
 何喰わぬ口調で言いながら、千葉は吉村を仰向けにさせ、乳首を吸った。忽ち固くそそり立つそれを舌先で淫らに舐め回しながら、下半身に手を伸ばして男根を握りしめる。さっきあんなに出したばかりなのにもう早むくむく大きくなるそれを扱くのに右手を忙しくしながら、次はもう片方の乳首にしゃぶりつく。
 「揉めるおっぱいのない体にもおじさんこんなに欲情しちゃうのはどうしてなんでしょう。かわいいですねぇ~。おっぱい、右と左どっちが感じます?」
 「んっ・・・・その、自分のこと『おじさん』言うのやめてくれる?同い年なんやし、じゃあぼくもおじさんってことになるやんか・・・・はぁん、いいッ」
 「おじさんじゃないですか」
 千葉は吉村の濡れた乳首を指先でピンッと弾き、彼の過敏な反応を楽しんだ。
 「あいつはよくも悪くも純粋なんかも知れんな。もしかしたら左転しおるかも知れん。あーでも、『WiLL』に連載しとるくらいやからそれはないかな」
 「何一人でブツブツ言ってるんですか。ベッドで乳繰りあいながらする話ですか」
 「そうそう、こないだたまたま読んでんけどな、『乳繰りあう』ちゅう言葉は、『男女が戯れる』ちゅう意味の『茶々くる』から来てるんやて。『茶々を入れる』とかの茶々」
 「そうなんだ。おっぱいとは関係ないんですね。ぼく、なんかこうやって乳首を捏ねくり回すようなニュアンスかと思って、いやらしい言葉だなあと思ってたんだけど」
 「せやて」
 昔「チチクリマンボ」ってあったなあ、と吉村はぼんやり考えている。今は見る影もないが、90年代当時はチャーミングな若手芸人として人気絶頂だった千葉の大先輩が一世を風靡したギャグである。あれも確か両手で自分の乳首を摘まむ仕草だった。子供も観るものとしてはちょっときわどい、エロティック&ナンセンスの真骨頂である。今思えば大らかな時代であった。
 「吉村さん、ぼく、感覚がないのか、右か左かってあんまりよくわからないんですけど」
 「え、何?おっぱいが?」
 「違いますよ。何その間を外したボケ。あのね、あの人が左転とかいうやつをしたら、あなたにとって最大の敵になるでしょうね、って話ですよ」
 「あ、政治思想傾向の右左ね。せやったら、わからん方が幸せかも知れんわ」
 ボケたつもりはなかったが、吉村は千葉の髪に手を絡ませて撫でた。
 「何がええとか悪いとか、誰が好きやとか嫌いやとか、あの金や土地は誰のもんやとか言うて、とんでもない大騒ぎして、時にはドンパチまでやらかして、それだけで一生終わっていく。それが政治家いう悲しい生きもんや。日本は今は戦争できへんけどな」
 「誰の人生もパッとしないと思いますよ。だからたまには笑えるお芝居でも観たり、猫でも飼ったり、ネットで日々のことや思ったこと、想像したことを発信したり、好きな人にやさしく抱かれたりして、楽しんだらいいんじゃないかな。ぼくはみんなのそういう当たり前の暮らしが守られたらいいと思うだけですよ」
 吉村はしばらく黙った後、再び強く千葉の胸にしがみついた。
 「公平は、間寛平さんに芸名付けてもろたんやな。自分の名前から一文字取って」
 「そうです」
 「公平はみんなに愛されとるんやな。そのはずや。ぼくも公平と一緒に仕事ができる人ら、公平と一緒に楽しい舞台が作れる人らが羨ましい」
 こうして共寝して情を交わす時すら、滅多にここまで本音をさらけ出して甘えてはこない。今日この時に限って珍しく軟らかい所を見せた吉村の髪や肩や背中を撫でながら、千葉はそっと囁いた。
 「吉村さん、飲んで来たから電車でしょ。終電行っちゃいますよ。タクシーで帰る?」
 吉村は千葉の胸の中で子供のようにかぶりを振った。
 「吉村さん泊まれるの!?やった!それならお風呂沸かしますから一緒に入りましょう。朝までヤりまくりだー」
 「寝かしてーな。また目にクマつけてTVに映ったらみんなに騒がれる。ハッシュタグ吉村寝ろ、いうて」
 吉村は顔を上げ、言葉とは裏腹に満更でもなさそうな表情を見せた。
 かくして、我が国第二の「都」になり損ねた、当分なれそうもない街の一夜は更けていく。善良な府民の皆さんが心配しなくても、彼らが稀代のスーパーヒーローは日本のどん底西成で、異邦人の舞台俳優に抱かれて安らかに寝ているのであった。しきしまの大和の国は言霊の幸 (さき)わう国ぞま幸 (さき)くありこそ。「ナントカなやつほどよく眠る」という言業(ことわざ)の通りである。かしこみかしこみ申す。

Fin.

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

腐女子も貴腐人に経年進化すると行為より寝物語(ピロートーク)を書きたくなります。

蛇足ながら・・・・。
このシリーズはマドンナの「Like A Prayer」のPVを何となく意識して書いています。
和風かつ男性どうしに置き換えたらこんな感じかな~と。
よかったらYouTube?で観てみて下さい。


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